JP7418532B2 - 有機性排水の処理方法及び有機性排水の処理装置 - Google Patents

有機性排水の処理方法及び有機性排水の処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機性排水の処理方法及び有機性排水の処理装置に関する。
下水、し尿及び食品工場から排出される有機性排水等を対象とした好気性生物処理として活性汚泥法が広く利用されている。活性汚泥処理を運転する上で温度条件は重要なパラメータである。
流入排水温度が低い場合、或いは寒冷地において活性汚泥処理が行われる場合などには、蒸気などの加温調整が必要となる。特に寒冷地においては、外気温が低い状態で運転が停止されると、正月休み等の長期休暇後の再立上げ運転の際に、温度調整を行ってから運転することがある。
一方、流入排水温度が高い場合、或いは、BOD濃度5000~10000mg/L以上の高濃度BOD濃度排水を活性汚泥処理する場合には、排水の温度にもよるがBOD分解に伴う生物反応熱により曝気槽の温度が高くなりすぎることがある。し尿処理における硝化・脱窒処理においても、生物反応熱や曝気装置のジュール熱により、硝化槽・脱窒槽の水温が高くなりすぎることがある。そのため、温度調整対策として、槽外型熱交換器による冷却方法、槽内型熱交換器による冷却方法、冷凍機による冷却方法、或いは地下水による冷却方式等が必要となっている。
生物反応熱を利用した処理法としてはコンポスト処理が挙げられる。有機性廃棄物をコンポスト処理すると、一次発酵段階では生物反応熱により発酵槽内の温度は70~80℃に上昇する事が知られている。
生物反応熱を利用した有機性排水の処理方法としては、例えば特許文献1に記載された発明が知られている。特許文献1に記載された発明では、し尿処理において生物反応熱によって温度上昇した生物処理水を外部設備であるヒートポンプの熱源として利用して温度調整に利用することで、水質浄化の目的と同時に省エネルギー化を達成できることが記載されている。
特開昭58-95589号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、生物反応熱によって温度上昇した生物処理水をヒートポンプ等の外部設備に供給することで、装置面積が大きくなり、設備も複雑化する。また、特許文献1に記載された発明では、外部設備の定期的なメンテナンス作業も必要となる。よって、特許文献1に記載された発明とは異なる手法でより効率的に好気性処理装置を加温又は冷却するための方法及び装置が得られればまた有用である。
上記課題を鑑み、本発明は、有機性排水の供給により好気性処理槽内で発生する熱を有効利用でき、好気性処理装置内を好気性処理に適した温度に維持して安定した排水処理を行うことが可能な有機性排水の処理方法及び処理装置を提供する。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意検討したところ、有機性排水中に含まれる有機物の分解等に伴う生物反応熱に基づいて、好気性処理装置内へ供給する有機性排水の供給流量を調整することが有効であるとの知見を得た。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態は一側面において、1又は複数の好気性処理装置を用いて有機性排水を好気的に生物処理する有機性排水の処理方法において、好気性処理装置の運転を一定期間停止する際に、運転停止期間中に好気性処理装置内の温度が低くなりすぎて15℃を下回ることを抑制するために、運転を停止する前の所定の期間、好気性処理装置のBOD負荷を通常運転時のBOD負荷よりも高くし、有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱で好気性処理装置内の温度が運転停止期間中においても15~40℃に維持されるように、好気性処理装置への有機性排水の供給流量を調整することを特徴とする有機性排水の処理方法である。
本発明の実施の形態は更に別の一側面において、1又は複数の好気性処理装置を用いて有機性排水を好気的に生物処理する有機性排水の処理方法において、好気性処理装置の運転を一定期間停止する際に、運転停止期間中に好気性処理装置内の温度が高くなりすぎて40℃を上回ることを抑制するために、運転を停止する前の所定の期間、好気性処理装置のBOD負荷を通常運転時のBOD負荷よりも低くし、有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱で好気性処理装置内の温度が運転停止期間中においても15~40℃に維持されるように、好気性処理装置への有機性排水の供給流量を調整することを特徴とする有機性排水の処理方法である。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理方法は別の一実施態様において、有機性排水の水温、有機性排水のBOD分解に伴う発熱量、有機性排水の硝化に伴う発熱量及び好気性処理装置の機械設備運転に伴う発熱量を考慮に入れた好気性処理装置内の熱収支の計算を行い、熱収支の計算結果に基づいて、好気性処理装置への有機性排水の供給流量を調整することを含む。
本発明の実施の形態は更に別の一側面において、有機性排水を好気性生物処理する好気性処理装置と、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量を調整する流量調整手段と、好気性処理装置の運転を一定期間停止する際に、好気性処理装置内で生じる生物反応熱の熱収支の計算結果に基づいて、運転停止期間中に好気性処理装置内に供給された有機性排水に含まれる有機物の分解によって生じる生物反応熱で好気性反応装置内の温度が15℃を下回ると推定される場合には有機性排水の供給流量を増加させるような流量制御を行い、好気性反応装置内の温度が40℃を上回ると推定される場合には有機性排水の供給流量を低減させるような流量制御を行う制御手段とを備える有機性排水の処理装置である。
本発明によれば、有機性排水の供給により好気性処理槽内で発生する熱を有効利用でき、好気性処理装置内を好気性処理に適した温度に維持して安定した排水処理を行うことが可能な有機性排水の処理方法及び処理装置が提供できる。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置が備える散水ろ床の膜状担体の構成例を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置が備える散水ろ床の膜状担体の構成例を示す側面図である。 高濃度有機性排水の水温と低濃度有機性排水の性状を示す表である。 高濃度有機性排水及び低濃度有機性排水の一段目好気性処理装置への流入量と流入原水BOD濃度と一段目好気槽内水温との関係を表す表である。 流入原水BOD濃度とリアクタ内水温とBOD処理性能との関係を表すグラフである。 高濃度有機性排水の流量を一定とし、高濃度有機性排水の水温を30~15℃の範囲で変更する場合に低濃度有機性排水の流入量を調整して流入原水のBOD濃度を最適化した場合のリアクタ内水温の変化を示すグラフである。 実施例2で用いた高濃度有機性排水と低濃度有機性排水の性状を示す表である。 高濃度有機性排水量、低濃度有機性排水量、流入水BOD濃度、リアクタ内水温、チョウバエの発生状況の関係を表す表である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであってこの発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(有機性排水の処理方法)
有機性排水としては、下水、し尿及び食品工場から排出される有機性排水を対象とすることができる。特に、生物化学的酸素要求量(BOD濃度)が1000mg/L以上、より好ましくは5000mg/L、更に好ましくは10000mg/L以上の高有機物濃度の有機性排水が本実施形態に係る有機性排水として好適に利用できる。
好気性処理装置としては、活性汚泥装置、散水ろ床、流動担体法、接触酸化法、生物膜ろ過法及び回転円板法などが利用可能である。特に、好気性処理装置内の気体と液体の容積比(液体の容積/気体の容積)βが0.2以下、更には0.1以下となるような好気性処理装置を利用することが好ましい。
容積比βが0.2以下となる好気性処理装置を用いることにより、有機性排水以外の液相の熱収支の影響を考慮する必要がなくなるため、有機性排水に含まれる有機物の分解により生じる生物反応熱量をより適切かつ精度良く推測することができる。容積比βが0.2以下となるような好気性処理装置としては、例えば、散水ろ床、回転円板(気相部)が挙げられる。
好気性処理装置内へ供給される有機性排水のBOD濃度及びアンモニア性窒素(NH4-N)濃度が高すぎると、好気性処理装置内で生じる生物反応熱により好気性処理装置内の有機性排水の水温が高くなりすぎて生物活性が阻害され、冷却装置等の外部設備が必要になる場合がある。一方、有機性排水のBOD濃度及びアンモニア性窒素濃度が低すぎると、好気性処理装置内で生じる生物反応熱による加温が困難となり、加温装置等の外部設備が必要となる場合がある。
好気性処理装置内へ供給される有機性排水のBOD濃度は、1000~10000mg/Lであることが好ましく、より好ましくは2000~5000mg/Lであり、更に好ましくは3000~4000mg/Lである。
好気性処理装置内では、有機性排水中に含まれる有機物の好気的な生物処理による分解反応により、生物反応熱が生じる。本実施形態では、好気性処理装置内に供給される有機性排水に含まれる有機物の供給流量を好適な範囲に調整することにより、好気性処理装置内の温度を、微生物を用いた有機物の分解反応に好適な15~40℃に制御する。これにより、有機性排水の供給により好気性処理槽内で発生する熱を有効利用して好気性処理装置内を微生物による好気性生物処理に適した温度に維持することができるため、設備の簡素化が図れるとともに、安定した排水処理を行うことが可能となる。
好気性処理装置内で生じる反応熱を適切に制御するためには、好気性生物処理前の有機性排水の水温を測定し、水温の測定結果に基づいて、有機性排水を希釈する希釈流体で希釈することにより、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量、具体的には、BOD濃度及びアンモニア性窒素濃度が好適な範囲内となるように調整することが好ましい。
例えば、外気温等の影響により、好気性生物処理前の有機性排水の水温が低すぎる場合には、好気性処理装置内の生物反応熱を利用して好気性処理装置内を微生物の生物活性を維持するような温度条件にするために、有機性排水中の有機物の濃度、具体的には、BOD濃度及びアンモニア性窒素濃度を高くして好気性処理装置内の生物反応熱が多く得られるように、有機性排水の供給流量を増大させるような調整を行う。
逆に、好気性生物処理前の有機性排水の水温が高すぎる場合には、有機性排水の供給量を少なくしたり、希釈流体の希釈倍率を高くしたりして、有機性排水中の有機物の濃度を、具体的には、BOD濃度及びアンモニア性窒素濃度を低くし、好気性処理装置内での生物反応熱量が小さく抑えられるように、有機性排水の供給流量の調整を行う。
希釈流体としては、有機性排水(原水)と水温、BOD濃度及び/又はアンモニア性窒素濃度が異なる希釈流体が利用できる。例えば、希釈流体として水や河川水等を用いてもよいし、原水よりもBOD濃度が低い低濃度有機性排水等を用いることもできる。低濃度有機性排水としては、典型的には、BOD濃度が1000mg/L未満、より典型的にはBOD濃度が500mg/L以下の有機性排水が利用できる。
好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量を好適な範囲に調整するためには、好気性処理装置内の生物反応熱を考慮した熱収支を推定する必要がある。具体的には、好気性生物処理前の有機性排水(原水)の水温、有機性排水のBOD分解に伴う発熱量及び硝化処理に伴う発熱量、及び好気性処理装置の機械設備運転に伴う発熱量を少なくとも考慮に入れた好気性処理装置内の熱収支の計算を行い、熱収支の計算の計算結果に基づいて、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量を調整することが好ましい。
ここで、有機性排水のBOD分解に伴う単位重量当たりの生物反応熱及びアンモニア性窒素の硝化処理に伴う単位重量当たりの生物反応熱は一定の値をとることが知られている。本実施形態では、これら単位重量当たりの生物反応熱の値を用いて、好気性処理装置内の熱収支を算出する。例えば、BOD分解に伴う単位重量当たりの生物反応熱は3,000~5000Kcal/kg-除去BODとすることができ、アンモニア性窒素の硝化処理に伴う生物反応熱は5000~7000Kcal/Kg-除去Nとすることができる。
好気性処理装置内で分解されるBOD量とBOD分解に伴う単位重量当たりの生物反応熱との関係から、有機性排水のBOD分解に伴う発熱量を推定することができる。同様に、好気性処理装置内で硝化されるアンモニア性窒素量とアンモニア性窒素の硝化処理に伴う単位重量当たりの生物反応熱量との関係から、硝化処理に伴う発熱量を推定することができる。同様に、好気性生物処理前後の有機性排水の水温の関係と、好気性生物処理へ流入する有機性排水の供給流量との関係から、好気性処理内の熱収支を算出することができる。これらの推定結果に基づいて、好気性処理装置に流入する有機性排水の供給流量を調整することで、好気性処理装置内で生じる生物反応熱を有効に利用し、加温又は冷却のための外部設備の設置を省略することができる。
より具体的には、以下の関係式(1)~(5)式に基づいて、熱収支計算を行い、好気性処理装置内へ供給する有機性排水(原水)の供給流量を決定することが好ましい。
X1(Kcal/d)=供給流量(m3/d)×(処理水水温(℃)-供給水水温(℃))×0.001 ・・・(1)
Y1(Kcal/d)=BOD分解に伴う単位重量当たりの生物反応熱A(Kcal/kg-BOD)×除去BOD量(kg-BOD/d) ・・・(2)
Y2(Kcal/d)=硝化に伴う単位重量当たりの生物反応熱B(Kcal/kg-N)×NH4-N硝化量(kg-N/d) ・・・(3)
Y3(Kcal/d):好気性処理装置の機械設備運転に伴う発熱量 ・・・(4)
X1=(Y1+Y2+Y3)×α ・・・(5)
(αは好気性処理装置からの熱放散率(-)を示す)
αは好気性処理装置からの熱放散率(-)を示し、好気性処理装置の反応槽の材質に基づいて決定される係数である。反応槽が鋼板製(鉄、ステンレス等)でできている場合は熱伝導率の高い素材であるため、αの値は0.5~0.8の範囲で設定することが好ましい。一方、反応槽がコンクリ-ト、プラスチック素材(塩化ビニル樹脂、アクリル樹種等)でできている場合は熱伝導率の低い素材であるため、αの値はコンクリ-トで0.7~0.9、プラスチック素材で0.8~1.0の範囲で設定することが好ましい。「処理水水温」とは好気性処装置における処理後の水温を示し、「供給水水温」は好気性処理装置に供給される供給水の水温を示す。
なお、上記(1)~(5)式は、好気性処理装置内の熱収支計算において少なくとも考慮に入れるべき条件を例示するものであって、実際の熱収支の計算においては、上記(1)~(5)式で規定される条件を全て考慮した上で、好気性処理装置内の処理条件に応じて、(5)式の計算に組み入れられるべきY1~Y3、αを選択及び省略することができるし、Y1~Y3、α以外の別の発熱量を計算に含ませることもできる。
例えば、好気性処理装置内で発生する生物反応熱として、例えば、散水ろ床法においてろ材表面に生物膜が形成され、これをろ床バエの幼虫が餌として食べる際に幼虫から発生する発熱量がある。幼虫から発生する発熱量以外の散水ろ床法における食物連鎖に関与する昆虫類から発生する発熱量等もある。これら微生物による発熱を含めた発熱量を「その他生物酸化反応に伴う発熱量(Y4)」として、(5)式における熱収支の計算に更に考慮にいれてもよい。即ち、上述の(5)式の右辺を「(Y1+Y2+Y3+Y4)×α」として、好気性処理装置内で発生する発熱量の一つとして考慮にいれてもよい。
BOD分解に伴う単位重量当たりの生物反応熱A(Kcal/kg-BOD)及びアンモニア性窒素の硝化処理に伴う生物反応熱B(Kcal/kg-除去N)は実験的に求められる。典型的には、生物反応熱Aは3000~5000Kcal/kg-除去BODとすることができ、また、生物反応熱Bは5000~7000Kcal/kg-除去Nとすることができる。
好気性処理において、BOD負荷が2kg/m3/d以上の場合は、BOD処理が主体となり、アンモニアの硝化反応は進まないため、BOD酸化による生物反応熱Y1が対象となる。一方、BOD負荷1kg/m3/d以下の低負荷の場合、Y1に加えて、Y2の割合が増えてくる。Y4については生物処理において食物連鎖が活発に行われる系で考慮することができる。たとえば、BOD容積負荷が低い場合の散水ろ床法などの生物膜法において食物連鎖が活発に行われるケース等が挙げられる。
更に、(2)式に関し、除去BOD除去量は以下の2式を使い分けることが好ましい。
除去BOD量(kg/d)=水量(m3/d)×(原水T-BOD(mg/L)-処理水T-BOD(mg/L))×0.001 ・・・(6)
除去BOD量(kg/d)=水量(m3/d)×(原水T-BOD(mg/L)-処理水S-BOD(mg/L))×0.001 ・・・(7)
(ここで「T-BOD」はSSを含んだBODを示し、「S-BOD」は、溶解性BOD(1.0μのろ紙でろ過した液のBOD)を示す)
(2)式において、通常は、(6)式を使用することとする。一方、散水ろ床法のような生物膜法で運転条件(BOD負荷等)により、生物膜の剥離が多い場合、処理水SS濃度が高くなるため処理水T-BOD濃度も高くなる。この場合は除去BOD量の計算に(7)式を使用する場合がある。
(4)式の「好気性処理槽の機械設備運転に伴う発熱量」とは、活性汚泥処理の場合、曝気装置のジュ-ル熱が該当する。例えば、曝気装置の動力を0.8kw/m3/dとすると、Y3=0.8(kw/m3/d)×24(h/d)×860(kcal/kWh)=16,512(Kcal/m3)となる。一方、曝気装置を使用しない散水ろ床の場合は、循環ポンプが使用されるが、循環ポンプによる温度上昇分は無視できる数値なので考慮しなくても良い。
好気性処理装置内の温度は30~40℃、より好ましくは33~38℃に維持されるように、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量を調整することが好ましい。例えば、好気性処理装置として散水ろ床が用いられる場合には、散水ろ床の温度を30~40℃、より好ましくは33~38℃に維持することで、ハエの発生を抑制することできるため、害虫の発生が少ない安定した排水処理を行うことが可能となる。
散水ろ床で通常発生するチョウバエは20~28℃の温度条件で最も生育が良いが、30℃以上になると生育が悪くなる。したがって、下水放流などをBOD粗処理する場合や、好気性処理を多段で行う場合において一段目好気性処理に散水ろ床法を適用した場合、散水ろ床の温度を30~40℃、より好ましくは33℃~38℃に維持することで、ハエの発生を抑制することができる。チョウバエの駆除には通常、薬剤を用いることが多いが、本願のように温度条件によりコントロ-ルすることで、害虫の発生が少なく安定した排水処理を行うことが可能となる。
好気性処理装置の外気温が、例えば10℃以下となるような寒冷地においては、例えば定期点検又は長期休暇などにより、好気性処理装置の運転を一定期間停止する際に、運転停止期間中に好気性処理装置内の温度が低下し、運転再開時に好気性生物処理を安定化させるための立ち上げ運転が必要となることがある。
このような場合、好気性処理装置の運転を一定期間停止する前に、好気性処理装置のBOD負荷を、所定の期間だけ通常運転時のBOD負荷よりも高くし、有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱で、好気性処理装置内の温度が運転停止期間中においても15~40℃に維持されるように、好気性処理装置内への有機性排水の供給流量を調整することが好ましい。また、一定期間(5日~1週間)有機性排水が出ない時に既知の高濃度有機性排水(BOD濃度10,000~50,000mg/L)を用いて反応槽の温度を33℃~38℃に調整することでハエ発生を抑制することができる。
夏場等のように好気性処理装置の外気温が高い場合、例えば点検又は長期休暇などにより、好気性処理装置の運転を一定期間停止する際に、運転停止期間中に好気性処理装置内の温度が高くなりすぎて生物活性が阻害される場合がある。このような状況化においては、運転停止前の所定の期間に対し、好気性処理装置のBOD負荷を、通常運転時のBOD負荷よりも低くし、有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱で好気性処理装置内の温度が15~40℃に維持されるように、好気性処理装置内への有機性排水の供給流量を調整することが好ましい。
運転停止期間中に、有機性排水に含まれる有機物の分解により生じる生物反応熱で好気性処理装置内の温度が15~40℃に維持されるように、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量及びBOD負荷を調整することにより、外部設備を利用することなく、運転停止期間中も生物反応熱によってより安定的に処理を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理方法によれば、有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱のみで好気性処理装置内の温度が維持されるように、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量(体積流量)を調整することにより、外部設備による好気性生物処理の加温又は冷却が基本的に不要となるため、有機性排水の供給により好気性処理槽内で発生する熱を有効利用でき、処理及び装置の簡素化及び小型化が図れる。
(有機性排水の処理装置)
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置は、図1に示すように、有機性排水を好気性生物処理する好気性処理装置(一段目好気性処理装置1)と、有機性排水に含まれる有機物の分解により生じる生物反応熱で好気性処理装置内の温度が15~40℃に維持されるように、好気性処理装置内へ供給される有機性排水の供給流量を調整する流量調整手段2とを備える。なお、図1の例では、一段目好気性処理装置1の後段に二段目好気性処理装置7が接続される例を示しているが、一段目好気性処理装置1の好気性生物処理による処理水が所定の水質基準を満たす場合には、二段目好気性処理装置7を省略できることは勿論である。
一段目好気性処理装置1としては、好気性処理装置内の気体と液体の容積比(液体の容積/気体の容積)βが0.2以下である装置を利用することで、有機性排水以外の液相の熱収支の影響を考慮する必要がなくなるため、有機性排水に含まれる有機物の分解により生じる生物反応熱の影響をより適切かつ精度良く推測することができる。このような、一段目好気性処理装置1としては、例えば、散水ろ床法を利用した好気性処理装置が利用可能である。以下の実施の形態では、一例として、散水ろ床を利用した例を用いて説明するが、以下の態様に限定されることを意図するものではないことは勿論である。
散水ろ床法は、好気性生物処理法の一つであり、ろ材の表面に付着した微生物の作用によって、散布される有機性排水中の有機物を分解することにより、生物処理水を得る方法である。散水ろ床法は、一般的に、生物膜の表面が好気的、生物膜の内部が嫌気的になることが知られている。このため、硝化が進行可能な負荷で散水ろ床の運転を実施すると、生物膜の表面では硝化反応が進行し、生物膜の内部では脱窒反応が進行するという特徴があり、窒素除去効率の面で優れている。
散水ろ床に用いられる担体、散水部等の具体的構成に特に制限はない。担体の素材は、微生物が付着すればどのような素材でも良く、代表的なものとしては、プラスチック、砕石等が用いられる。担体の形状は、プレート状、球状、円柱状、直方体、中空状などいずれの形状でもよい。また、反応槽の容量に対する担体の充填率としては、40~80%、望ましくは50~70%が好ましい。膜状担体の場合は、反応槽の容量に対する膜の表面の面積として、0.05~0.15 m2/m3となるように充填することが好ましい。
より効率良く且つ安定的に生物処理を行うためには、散水ろ床に供給される固液分離後の分離液と散水ろ床内の酸素とが膜面を挟んで対向して浸透する構造を有する図2に示すような膜状担体20が散水ろ床内に配置されることがより好ましい。
膜状担体20は、図3に示すように、支持体21と支持体21に支持される膜22を備え、膜22が支持体21を覆うループ形状を有しており、分離液がループ形状の膜22の外面から浸透し、酸素がループ形状の膜22の内面に形成された空間23から膜の外面へ浸透するように構成されている。膜22は支持体21の外側で湾曲する湾曲部22aと、湾曲部22aの両端から互いに略平行に延伸する延伸部22b、22cとを備え、膜22の下端側、即ち、膜22が配置された好気性処理装置の底面と対向する側に、膜22の内面に堆積してその後剥離する汚泥(不図示)を空間23の外へ排出するための開口部22dが形成されている。
散水ろ床法を用いた好気性処理装置を一段目好気性処理装置1として利用する場合、散水ろ床内で処理される有機性排水の温度が30~40℃、より好ましくは33℃~38℃に調整されるように、流量調整手段2が、散水ろ床内へ供給される有機性排水の供給流量(体積流量)を調整することが好ましい。これにより、散水ろ床内のBOD除去率を65~85%程度に高く維持しながら、ハエの発生を抑制して、より効率的な好気性生物処理が達成できる。
流量調整手段2としては、有機性排水の体積流量を調節できる装置であれば特に制限はなく、例えばバルブ等の汎用の装置が利用できる。流量調整手段2は制御手段10に接続されており、制御手段(装置)10から出力された出力信号に基づいて、供給流量が変更されるように構成できる。
制御手段10は、一段目好気性処理装置1内で生じる生物反応熱の熱収支の計算結果に基づいて、例えば、一段目好気性処理装置1内に供給された有機性排水に含まれる有機物の分解によって生じる生物反応熱で好気性反応装置内の温度が15℃を下回ると推定される場合には、有機性排水中の有機物濃度を増加させるような流量制御を行い、40℃を上回ると推定される場合には、有機性排水中の有機物濃度を低減させるような流量制御を行うことができる。
更に、本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置は、好気性生物処理前の有機性排水の水温を測定する水温測定手段3と、水温の測定結果に基づいて、一段目好気性処理装置1に供給される有機性排水のBOD濃度及びアンモニア性窒素濃度を調整するために、有機性排水を希釈する希釈流体の希釈倍率を決定する希釈倍率決定手段(不図示)と、有機性排水に対して希釈流体を供給する希釈流体供給手段6とを備えることができる。
希釈倍率決定手段は、制御手段10によって出力される制御信号によって制御されることができる。希釈倍率決定手段は、例えば、一段目好気性処理装置1内の有機性排水の分解により生じる生物反応熱を考慮して予め設定された有機性排水の水温と希釈流体の希釈倍率の関係に基づいて希釈倍率を決定することで、一段目好気性処理装置1内の有機性排水の水温をより適切な範囲に調整することができる。一段目好気性処理装置1には、一段目好気性処理装置1内の有機性排水の水温を測定する水温測定手段5を備えることができる。希釈流体の水温を測定する水温測定手段4が設けられていてもよい。水温測定手段4、5による水温測定結果は、制御手段10に出力される。
制御手段10は、上述の(1)~(5)式を用いて、好気性処理装置内の熱収支を計算する熱収支計算手段を備えることができ、熱収支計算手段による熱収支計算結果に基づいて、流量調整手段2が調整すべき有機性排水の供給流量の情報を出力することで、有機性排水の供給により好気性処理槽内で発生する熱を有効利用でき、有機性排水に含まれる有機物の分解による生物反応熱及び有機性排水の水温を利用して一段目好気性処理装置1内の有機性排水の温度を微生物による処理に好適な温度に維持することができる。
二段目好気性処理装置7としては、一段目好気性処理装置1よりもBOD負荷を低くした好気性処理装置を用いることができ、例えば、活性汚泥処理装置、ろ過装置等が好適に利用できる。
有機性排水を好気性生物処理する場合、有機物を分解する微生物の生物活性を維持するために、好気性処理装置内の温度を最適温度に維持することが重要であり、低水温時には外部加熱が必要であり、高水温時には熱交換処理等により冷却する必要があった。そのため、従来の手法においては温度調節のための外部設備を設ける必要があった。
本発明の実施の形態に係る有機性排水の処理装置によれば、有機性排水自身が持つ熱量、即ち、有機性排水の水温及び有機性排水に含まれる有機物の分解による生物反応熱を利用して、好気性処理装置内の温度が15~40℃に維持されるように、流量調整手段2により、有機性排水の供給流量が調整される。その結果、温度調整のための外部設備を使用することなく、一段目好気性処理装置内を好気性生物処理に適した温度に維持することができ、安定した排水処理を行うことができる。
なお、図1の例では、一段目好気性処理装置1内の有機性排水の供給流量を調整する場合を例に説明したが、二段目好気性処理装置7に対しても、一段目好気性処理装置1と同様な処理を行うことができることは勿論である。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
<生物酸化熱の係数を推定するための室内実験>
図1の有機性排水の処理装置の一段目好気性処理装置(「一段目好気槽」ともいう)に図2に示す膜状担体20を収容した散水ろ床処理装置(実験装置有効容量36L)を使用し、図4に示す高濃度有機性排水に対して必要に応じて図4の低濃度有機性排水を希釈流体として加えて処理を行った。
高濃度有機性排水は図4に示す通り、水温27℃、SS200mg/L、CODCr16,000mg/L、BOD8,000mg/L、NH4-N300mg/Lであり、低濃度有機性排水は水温20℃、SS20mg/L、CODCr300mg/L、BOD100mg/L、NH4-N6mg/Lである。
図5に高濃度有機性排水(「高濃度排水」ともいう)及び低濃度有機性排水(「低濃度排水」ともいう)の一段目好気槽への流入量と、流入原水BOD濃度及び一段目好気槽内水温(「リアクタ内水温」ともいう)の変化を示す。図6に、流入BOD濃度と反応槽内水温の関係を示す。
図5に示すように低濃度有機性排水の流入量を0、1、2、4、7、10(L/d)6種類に変えて6系列について検討した。それぞれの系列の流入BOD濃度は8000、7380、6680、5740、4750、4050mg/Lであった。反応槽のBOD容積負荷は2~4kg/m3/dの範囲とした。
低濃度有機性排水の流入量が4L/d以上、流入BOD濃度5740mg/L以下の範囲ではリアクタ内の水温は33~39℃であり、BOD除去率は70~80%と安定したBOD処理性能を示した。一方、低濃度有機性排水のバイパス量4L/d以下、流入水BOD濃度5740mg/L超では、リアクタ内温度は40℃以上となり、BOD除去率は40~60%となり、BOD処理性能の低下を示した。
以上の結果をもとに、式(1)~式(5)からY1~Y4の値を求めた。実施例1の処理条件では反応槽のBOD負荷が2~4kg/m3/dと高いため、(3)式の硝化反応(Y2)は進まない。また、その他の生物酸化反応(Y4)、循環ポンプによる発熱量(Y3)は考慮する必要はないため、(5)式の右辺においては、Y1とαを考慮すれば足りる。(2)式のBOD分解に伴う単位重量当たりの生物反応熱Aを3,800Kcal/kg-BODとして採用した。リアクタの材質が塩化ビニル製で放散率が低いため、熱放散率αはα=0.95として熱収支を算出した。
<リアクタ内水温を制御した実証実験>
図1の有機性排水の処理装置の一段目好気性処理装置1に、図2に示す膜状担体20を収容した散水ろ床処理装置(実験装置有効容量2m3)を用い、図4に示す高濃度有機性排水と低濃度有機性排水を用いて実験を行った。高濃度有機性排水温度を30~15℃の範囲で変動させた。低濃度排水水温は20℃の一定条件とした。
図7に高濃度有機性排水温度、流入水BOD濃度及びリアクタ内水温の変化を示す。図7上図は、高濃度有機性排水と低濃度排水の供給流量の経時変化を示し、図7中図は流入水のBOD濃度の推移を示し、図7下図は高濃度有機性排水の水温とリアクタ内水温の経時変化を示す。
高濃度有機性排水温度を30~15℃の範囲で変動させる際に、上述の生物反応熱Aの係数を推定するための室内実験で求めたY1~Y4の値を用いて(5)式を計算した。高濃度有機性排水温度30℃、流量0.75m3/d、低濃度有機性排水水温20℃の条件で式(5)を計算し、低濃度有機性排水流量を0.8m3/dに設定し、流入BOD濃度4000mg/Lとした。その結果、リアクタ内の水温は33~36℃に維持することができた。
次に高濃度有機性排水温度25℃、流量0.75m3/d、低濃度有機性排水水温20℃の条件で式(5)を計算し、低濃度有機性排水流量を0.75m3/dに設定し、流入BOD濃度4000mg/Lとした。その結果、リアクタ内の水温は32~33℃に維持することができた。
次に高濃度有機性排水温度20℃において流量0.75m3/d、低濃度有機性排水水温20℃の条件で式(5)を計算し、低濃度有機性排水流量を0.5m3/dに設定し、流入BOD濃度5000mg/Lとした。その結果、リアクタ内の水温は32~34℃に維持することができた。
次に高濃度有機性排水温度15℃において流量0.75m3/d、低濃度有機性排水水温20℃の条件で式(5)を計算し、低濃度有機性排水流量を0m3/dに設定し、流入BOD濃度8000mg/Lとした。その結果、リアクタ内の水温は33~35℃に維持することができた。
このように高濃度有機性排水温度が30℃~15℃の範囲で段階的に変動した場合においても、低濃度有機性排水の量を適宜制御することで、リアクタ内水温を32~35℃の範囲に維持でき、安定したBOD処理を可能とした。
(実施例2)
<リアクタ内水温調整とチョウバエ発生抑制>
図1の有機性排水の処理装置の一段目好気性処理装置に、図2に示す膜状担体20を収容した散水ろ床処理装置(実験装置有効容量4m3)を用い、図8に示す高濃度有機性排水と低濃度有機性排水を用いて実験を行った。
図8に高濃度有機性排水性状と低濃度有機性排水性状を示す。高濃度有機性排水は水温24℃、SS500mg/L、CODCr7,000mg/L、BOD3,000mg/L、NH4-N1,500mg/Lであり、低濃度有機性排水は水温24℃、SS100mg/L、CODCr600mg/L、BOD150mg/L、NH4-N54mg/Lである。比較例の系列は高濃度有機性排水と低濃度有機性排水を混合後通水し、実施例2の系列は高濃度有機性排水のみを通水した。
図9に高濃度有機性排水量、低濃度有機性排水量、流入水BOD濃度、リアクタ内水温、チョウバエの発生状況を示す。チョウバエの発生状況は目視で評価した。比較例は流入水BOD濃度1,580mg/Lで、リアクタ内水温は26~28℃であり、ハエの発生は++(多い)~+++(非常に多い)であった。一方、実施例2では流入水BOD濃度3,000mg/Lで、リアクタ内水温は32~34℃であり、ハエの発生は+(少ない)~-(発生が見られない)であった。このように、リアクタ内の水温を30~40℃に維持することでチョウバエの発生を抑制することが可能であった。
1…一段目好気性処理装置
2…流量調整手段
3、4、5…水温測定手段
6…希釈流体供給手段
7…二段目好気性処理装置
10…制御手段
20…膜状担体
21…支持体
22d…開口部
22b…延伸部
22…膜
22a…湾曲部
23…空間

Claims (4)

  1. 1又は複数の散水ろ床処理装置を用いて有機性排水を好気的に生物処理する有機性排水の処理方法において、
    前記散水ろ床処理装置の運転を一定期間停止する際に、運転停止期間中に前記散水ろ床処理装置内の温度が低くなりすぎて15℃を下回ることを抑制するために、前記運転を停止する前の所定の期間、前記散水ろ床処理装置のBOD負荷を通常運転時のBOD負荷よりも高くし、前記有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱で前記散水ろ床処理装置内の温度が前記運転停止期間中においても15~40℃に維持されるように、前記散水ろ床処理装置への前記有機性排水の供給流量を調整することを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 1又は複数の散水ろ床処理装置を用いて有機性排水を好気的に生物処理する有機性排水の処理方法において、
    前記散水ろ床処理装置の運転を一定期間停止する際に、運転停止期間中に前記散水ろ床処理装置内の温度が高くなりすぎて40℃を上回ることを抑制するために、前記運転を停止する前の所定の期間、前記散水ろ床処理装置のBOD負荷を通常運転時のBOD負荷よりも低くし、前記有機性排水の好気性生物処理で生じる生物反応熱で前記散水ろ床処理装置内の温度が前記運転停止期間中においても15~40℃に維持されるように、前記散水ろ床処理装置への前記有機性排水の供給流量を調整することを特徴とする有機性排水の処理方法。
  3. 前記有機性排水の水温、前記有機性排水のBOD分解に伴う発熱量、前記有機性排水の硝化に伴う発熱量及び前記散水ろ床処理装置の機械設備運転に伴う発熱量を考慮に入れた散水ろ床処理装置内の熱収支の計算を行い、前記熱収支の計算結果に基づいて、前記散水ろ床処理装置への前記有機性排水の供給流量を調整することを含む請求項1又は2に記載の有機性排水の処理方法。
  4. 有機性排水を好気性生物処理する散水ろ床処理装置と、
    前記散水ろ床処理装置内へ供給される前記有機性排水の供給流量を調整する流量調整手段と、
    前記散水ろ床処理装置の運転を一定期間停止する際に、前記散水ろ床処理装置内で生じる生物反応熱の熱収支の計算結果に基づいて、運転停止期間中に前記散水ろ床処理装置内に供給された前記有機性排水に含まれる有機物の分解によって生じる生物反応熱で前記散水ろ床処理装置内の温度が15℃を下回ると推定される場合には前記有機性排水の供給流量を増加させるような流量制御を行い、前記散水ろ床処理装置内の温度が40℃を上回ると推定される場合には前記有機性排水の供給流量を低減させるような流量制御を行う制御手段と
    を備えることを特徴とする有機性排水の処理装置。
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