JP7417338B1 - スラッジ回収構造 - Google Patents

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裕之 安藤
安藤 文久
崇 磯貝
野澤 篤
晃 渡邉
幸子 大木
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富士合成株式会社
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Abstract

【課題】水槽内に設置したバブルポンプにエアを送気させることで、該水槽内に水流を発生させるスラッジ回収構造を提供する。【解決手段】水槽を備える湿式塗装ブースにおいて、水槽の所定箇所に、バブルポンプが備えられると共に、該バブルポンプにエアを供給するエア供給装置が備えられ、エア供給装置からバブルポンプを介して水槽内へエアを吐出させることによって水槽内に水流を発生させ、スラッジを後段の回収スペースへ移動させる手段を採る。【選択図】図1

Description

本発明は、湿式塗装ブース内におけるスラッジ回収構造に関するものである。
湿式塗装ブース内で吹き付け塗装を行う場合、ミスト化させた吹き付け塗料の約70%が余剰塗料(以下、「オーバーミスト」という場合がある。)と化してしまい、残留塗料(以下、「スラッジ」という。)として塗装ブース内に留まってしまう。そのため、従来より、湿式塗装ブース内において、ファンを使用した気流、あるいは、ウォーターカーテンや水槽の水流により、スラッジの回収が行われていた。
しかしながら、従来の水流を利用したスラッジ回収方法において、オーバーミストを捕集した水槽内スラッジが、水流の流路や圧力低下等の要因によって回収されない場合があり、スラッジが沈殿・堆積して、水流及び水の循環能力を低下させると共に、水槽内の水質を悪化させ、腐敗臭を生じさせてしまうといった問題が発生し、水槽内の水を定期的に入れ替える等のメンテナンスが必要で、メンテナンス管理及びコスト面に難があった。
そこで、放出されるオーバーミストを効果的に捕集しつつ、水槽内へ強い水流を発生させることで、スラッジの回収効率を上昇させ、水質汚染を防ぐスラッジ回収構造が求められていた。
上記問題を解決すべく、特許第4255331号公報(特許文献1)に記載の技術提案がなされている。すなわち、特許文献1では、溜め部の表層洗浄液を流下壁からの流下洗浄液と共に飛散させることで、塗料ミスト含有空気を洗浄する技術提案がなされている。
しかしながら、特許文献1の技術提案によれば、空気の流動と合わせて表層の洗浄液が流動する構造のため、溜め部内の洗浄液全体に水流はほとんど発生せず、下層域に堆積した塗料は沈殿したままとなるため、上記問題の解決には至っていない。
本出願人は、以上のような従来のスラッジ回収構造において、水槽内に沈下したスラッジを沈殿させずに回収できないものか、との着想のもと、水中で一定方向にエアを放出させることで水流を発生させるバブルポンプに着目し、水槽内に設置したバブルポンプにエアを送気させることで水流を発生させ、水槽内のスラッジを回収スペース方向へ押し流すことで、水槽内の循環能力を向上させつつ水質改善が可能なスラッジ回収構造を開発し、本発明にかかる「スラッジ回収構造」の提案に至るものである。
特許第4255331号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、水槽内に設置したバブルポンプにエアを送気させ水流を発生させるスラッジ回収構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、水槽を備える湿式塗装ブースにおいて、水槽の所定箇所に、バブルポンプが備えられると共に、該バブルポンプにエアを供給するエア供給装置が備えられ、エア供給装置からバブルポンプを介して水槽内へエアを吐出させることによって水槽内に水流を発生させ、スラッジを後段の回収スペースへ移動させる手段を採る。
また、本発明は、前記バブルポンプは、水を排出する排出口と、水が流入する流入口を持ち、長手方向に貫通した筒状体である外パイプと、内パイプと、から成り、内パイプの内側面には、水が満たされると共に、内パイプの外側面は、少なくとも一部が外パイプの内側にあり、外パイプには、外側面から内側面に貫通しエア供給装置と接続するエア挿入口を備え、内パイプには、外側面側の周方向に凹部が形成され、該凹部の外側面と内パイプの内側面を貫通する複数の通気孔を備え、エア挿入口と凹部は連通しており、通気孔は、排出口に向け内パイプの中心軸方向へ傾斜を有して形成され、内パイプの内側面にて、通気孔からエアが吐出されることにより、内パイプ内に水が吸引され水流が生成される手段を採る。
さらに、本発明は、前記バブルポンプには、長手方向に貫通した筒状体である延長パイプが備えられ、該延長パイプの外側面は、少なくとも一部が外パイプの内側にある手段を採る。
またさらに、本発明は、前記外パイプに、複数のエア挿入口を設け、該エア挿入口と同数の内パイプが備えられている手段を採る。
さらにまた、本発明は、前記バブルポンプが複数備えられる手段を採る。
そしてまた、本発明は、前記バブルポンプによるエアの吐出方向が夫々異なる手段を採る。
総じて、スラッジの回収にバブルポンプを使うことで、スラッジの回収と水中へのエアの供給を行う事が出来る。
本発明にかかるスラッジ回収構造によれば、水槽の所定箇所にバブルポンプが備えられることにより、水中にて強い水流を発生させることが可能となり、スラッジを水槽内で滞留・沈殿させることなく、効果的にスラッジを回収することができる、といった優れた効果を奏する。バブルポンプは構造が単純であるため、スラッジを多く含む汚れた水であってもスラッジ詰まりなどが発生しにくく、安定して水流を維持することが出来る。
また、本発明にかかるスラッジ回収構造によれば、内パイプ外側面側の周方向に凹部が形成されることにより、エア挿入口から流入したエアが凹部に一時的に貯留されるエア溜まりが形成されるため、複数の通気孔から吐出されるエアの圧力が安定し、一定圧力を有する水流が継続的に形成可能となる。
さらに、本発明にかかるスラッジ回収構造によれば、バブルポンプに延長パイプが備えられることにより、エアの吐出により形成された水流が外パイプより先方へ延出する延長パイプ内を通過することで、排出口から水槽内へ放出される水流の方向性及び安定性に資することとなる。
またさらに、本発明にかかるスラッジ回収構造によれば、エア挿入口と同数の内パイプが備えられていることにより、夫々のエア挿入口から流入するエアによって排出口へ向かう水流の圧力をより強力に増進させることが可能となる。
さらにまた、本発明にかかるスラッジ回収構造によれば、バブルポンプが複数備えられることにより、水槽内にて水流を複数形成することが可能となり、広範囲に拡散するスラッジの回収に資することとなる。
そしてまた、本発明にかかるスラッジ回収構造によれば、バブルポンプによるエアの吐出方向が夫々異なることにより、水槽内に複雑な水流を形成することが可能となり、水槽全体のスラッジの滞留防止に資することとなる。
さらにまた、エアを水中に供給することでスラッジ中の嫌気性のバクテリアの繁殖を抑えることが出来、水質悪化による腐敗臭を低減できる。
そしてまた、年に3回の水槽内の水を定期的に入れ替える等のメンテナンスが不要になり、メンテナンス管理費が不要になる。
本発明にかかるスラッジ回収構造の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかるスラッジ回収構造の他の実施形態を示す説明図である。 本発明にかかるスラッジ回収構造におけるバブルポンプの実施形態を示す説明図及び断面図である。 本発明にかかるスラッジ回収構造におけるバブルポンプの他の実施形態を示す断面図である。 本発明にかかるスラッジ回収構造におけるバブルポンプの他の実施形態を示す断面図である。
本発明にかかるスラッジ回収構造1は、水槽2の所定箇所にバブルポンプ10を備え、エア供給装置3から供給されたエアを、バブルポンプ10を介して水槽2内へ吐出させる手段を採用したことを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかるスラッジ回収構造1の実施形態について、図面に基づき説明する。
なお、本発明にかかるスラッジ回収構造1は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1は、本発明にかかるスラッジ回収構造1の実施形態を示す説明図であり、(a)はスラッジ回収構造1の平面図、(b)はスラッジ回収構造1の側面略断面図である。
図2は、本発明にかかるスラッジ回収構造1の他の実施形態を示す説明図であり、(a)はバブルポンプ10の向きを一点に集中させた態様、(b)はスラッジが溜まりやすい箇所へバブルポンプ10を向けた態様を示す。
図3は、本発明にかかるバブルポンプ10の実施形態を示す説明図及び断面図であり、(a)はバブルポンプ10の構造を表す平面図、(b)はバブルポンプ10の断面図である。
図4は、本発明にかかるバブルポンプ10の他の実施形態を示す断面図であり、詳しくは、バブルポンプ10に延長パイプ18を接続させた態様を示す。
図5は、本発明にかかるバブルポンプ10の他の実施形態を示す断面図であり、詳しくは、エア挿入口15を2箇所設けた態様を示す。
本発明にかかるスラッジ回収構造1は、水槽2を備える湿式塗装ブースにおいて、水槽2の所定箇所に備えられたバブルポンプ10へエアを送気させることで発生する水流により、水槽2内のスラッジを後段のスラッジ回収スペース4へ移動させるものである。
湿式塗装ブースは、水槽2と、該水槽2へ向けて塗装を行う塗装スペース5と、該塗装スペース5からのオーバーミストによって水槽2の水中に混入したスラッジを分離・回収するスラッジ回収スペース4から構成される。
塗装スペース5は、塗装対象物であるワークWへ塗装を行うスペースであり、作業者は塗装スペース5に隣接して配設される水槽2へ向けて吹き付け塗装を行うこととなる。
塗装態様について特に限定はないが、例えば図1及び図2に図示したような、塗料ポンプ20から塗料射出ガン21を介してワークWへ圧縮空気を使用して吹き付ける態様が考え得る。かかる塗装に使用される塗料についても特に限定はなく、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等を使用する合成樹脂塗料や、油性塗料、硝酸繊維素塗料等からワークWの素材や塗装用途を基に選択される。
かかる吹き付け塗装によりワークWは塗装されるが、該ワークWの表面に付着せずオーバーミストとなった塗料は、自重により水槽2へ落下、もしくは空中に浮遊することとなる。
水槽2は、塗装スペース5にて行われる塗装によって生じたオーバーミストを捕集するものである。
水槽2は、塗装スペース5に隣接して配設され、所定の広さを有して備えられる。水槽2の幅に限定はないが、図1及び図2に図示したように、塗装スペース5の幅と同程度以上の幅を有する態様が望ましい。また、長さについても特に限定はなく、オーバーミストが自然落下した際に捕捉することが可能な長さがあれば良いが、例えば図1及び図2に図示したように、水槽2の所定箇所に塗装スペース5と対向するようウォーターカーテン22を設け、空中に浮遊しているオーバーミストを捕捉し水槽2へ落下させる態様が好適である。かかる態様を採ることにより、水槽内のスラッジ滞留が少なくなることで、水槽2の長さを短くしてスラッジ回収構造1全体の大きさをコンパクト化させることが可能となる。
ウォーターカーテン22は、水槽2上において塗装スペース5に対向して備えられるものであり、空中に漂うオーバーミストを捕捉するものである。
ウォーターカーテン22の設置箇所について特に限定はないが、塗装スペース5に対向して備えられることにより、該塗装スペース5から放出されるオーバーミストに対して正面で受けることになり効率よく捕集することが可能となる。
ウォーターカーテン22の構造は特に限定するものではなく、従来公知のものを使用すれば足りる。例えば、図1に図示したように、汲み上げポンプ23によって汲み上げられた水を、所定の高さから下方に向けて常時落下させるもの等が考え得る。
水槽2の所定箇所には、該水槽2内に水流を発生させる一乃至複数のバブルポンプ10が備えられる。
バブルポンプ10は、長手方向に貫通した筒状管であり、水を排出する排出口11と、水が流入する流入口12と、筒状管を貫通しエア供給装置3と接続されることでバブルポンプ10内の排出口11へ向けてエアを吐出させることが可能なエア挿入口15と、から構成される。
エア供給装置3からエア挿入口15を介してバブルポンプ10内へ流入するエアは、周囲の水を巻き込みながら排出口11から水槽2内へ吐出され続けるため、排出口11から吐出された分の水が流入口12からバブルポンプ10内へ継続的に流入することとなる。そのため、バブルポンプ10内を介して流入口12から排出口11へ向けた水流が水槽2内にて発生する。
また、複数のバブルポンプ10を水槽2の所定箇所に配設することで、該水槽2内にて任意の方向へ向けた複数の水流を発生させることが可能となる。例えば、図2(a)に図示したように、複数のバブルポンプ10aからウォーターカーテン22の裏側に配設したバブルポンプ10bに向けた水流を発生させて合流させた後、バブルポンプ10bの水流によってスラッジ回収スペース4へ向けて送流させる態様や、図2(b)に図示したように、複数のバブルポンプ10を吐出方向が異なるよう配設し、水槽2全体に複雑な水流を発生させて循環させつつスラッジ回収スペース4へ送流させる態様等が考え得る。
かかる態様を採ることにより、広範囲に拡散したスラッジの滞留及び沈殿を防ぐことが可能となり、スラッジ回収スペース4によるスラッジ分離作用の効率化に資することとなる。
バブルポンプ10の具体的な構造について、図3(a)に図示したように、長手方向に貫通した筒状管である外パイプ13と、内パイプ14とを組み合わせて、一のバブルポンプ10を形成する態様が好適である。
かかる態様にて形成されるバブルポンプ10は、排出口11及びエア挿入口15を備えた外パイプ13と、流入口12を備え外側面の周方向に凹部16を形成した内パイプ14と、から構成される。
外パイプ13の排出口11と対向する端部に流入口12が備わるよう、内パイプ14が外パイプ13内に挿嵌されることで、流入口12から排出口11へ貫通するバブルポンプ10が形成されることとなる。
エア供給装置3は、バブルポンプ10へエアを供給する装置である。
エア供給装置3の構造は、圧縮空気を送出可能な構造であれば特に限定はなく、従来公知のものを使用すれば足りる。
バブルポンプ10との接続に際し、エアを流入させる配管及び接続用の継手等は当然に備えられると共に、圧縮空気に含有される塵埃やオイルミストを除去するフィルタ等は、エア供給装置3の構造や設置態様によって適宜備えられる。
外パイプ13には、エア供給装置3と接続するエア挿入口15と、該エア挿入口15を介して吐出されるエア及び吐出されたエアにより押し出された水を排出する排出口11が備えられる。
外パイプ13の形状は長手方向に貫通した筒状管であれば特に限定はないが、一般的に円筒状の形状が選択される。また、外パイプ13の径についても限定はないが、内パイプ14が挿嵌される構造であるため、少なくとも内パイプ14の外径と同径若しくはそれ以上の径を有する必要がある。
外パイプ13及び内パイプ14の素材について特に限定はないが、水槽2内へ常時配設されるため、耐水性及び耐腐食性を有するアルミやSUSもしくはポリ塩化ビニル等の樹脂素材が好適である。
内パイプ14には、水槽2の水を該内パイプ14の内側面側に流入させる流入口12と、エア挿入口15と連通する外側面の周方向に形成された凹部16と、該凹部16の外側面と内パイプ14の内側面とを貫通する通気孔17と、が備えられている。
内パイプ14の形状は、外パイプ13と同様に、長手方向に貫通した筒状管であれば特に限定はないが、一般的に円筒状の形状が選択される。また、内パイプ14の径についても限定はないが、外パイプ13へ挿嵌する構造であるため、少なくとも外パイプ13の内径と同径若しくはそれ以下の径を有する必要がある。
外パイプ13へ内パイプ14が挿嵌されることで、凹部16と外パイプ13の内側面との間に、エア挿入口15から流入するエアが貯留可能な空気溜まりが形成され、通気孔17を介して内パイプ14の内側面へエアが吐出されることとなる。
なお、内パイプ14の挿入後、凹部16へ流入したエアが外パイプ13との内設部分から漏出しないよう、境界部分に気密性及び防水性を発揮させるシーリング加工が施されることとなる。
凹部16は、内パイプ14外側面の周方向に備えられるものであり、外パイプ13のエア挿入口15と連通するよう形成される。
凹部16の幅や深さについて、特に限定するものではないが、少なくとも幅については、エア挿入口15の径以上であることが好ましく、例えば内パイプ14の長さの半分程度を凹部16とすることで、エア挿入口15から流入したエアを一時的に貯留させる空間(空気溜まり)を広く形成し、通気孔17から吐出されるエアの圧力を安定させることが可能となる。
また、図3に図示したように、凹部16の排出口11側の壁面に傾斜を形成する態様も好適である。かかる態様を採ることにより、傾斜した壁面部分に通気孔17を形成することで、自然とエアの進行方向を決定することが可能になると共に、通気孔17から吐出されたエアのパイプ内貯留を防ぐことが可能となる。
通気孔17は、エア挿入口15を介して凹部16へ流入したエアを、内パイプ14の内側面側へ吐出させるものである。
通気孔17は、エア供給装置3にて生成され、エア挿入口15を介して凹部16へ流入して一時的に貯留されたエアを、内パイプ14の中空部(内側面側)へ吐出させることで、水流を発生させる孔である。
また、通気孔17の設置箇所については、凹部16と内パイプ14の内側面を貫通し、少なくとも排出口11へ向けた吐出が可能な箇所に設置することで、エアの吐出によって発生する水流を、正方向(流入口12から排出口11へ向けた水流)に制御することが可能となる。そのため、通気孔17は、凹部16から排出口11へ向け、内パイプ14の中心軸方向へ傾斜を有して貫通させることで形成する態様が望ましい。具体的には、内パイプ14の中心軸に対し約60°の角度を有して、凹部16と内パイプ14の内側面とを貫通させる通気孔17を形成する態様が好適である。
通気孔17の数や径については、形成する水流の必要圧力や流入するエアの圧力分散を考慮した上で決定されるもので、特に限定するものではないが、例えば凹部16の周方向に等間隔で4乃至10箇所程度備える態様が望ましい。また、全通気孔17の総径を、エア挿入口15からのエア流入量と略同量程度の吐出量とすべく形成することで、エア圧力及び生成される水流圧力の安定を図ることが可能となる。
図4に図示したように、排出口11へ延長パイプ18を接続し、バブルポンプ10の長さを伸長させる態様も考え得る。かかる態様を採ることにより、流入口12から排出口11へ向けた圧力を長く保ったまま吐出されることとなり、水流の圧力安定性及び方向性の向上が図られる、といった優れた効果を奏する。
また、図5に図示したような、エア挿入口15を複数設けた外パイプ13に、該エア挿入口15と同数の内パイプ14を内設させる態様も考え得る。すなわち、エア挿入口15Aを介して流入したエアが、通気孔17Aを介して内パイプ14中空部へ吐出されることで排出口11へ向けた水流が生成された後、後段に備わったエア挿入口15Bから通気孔17Bを介して流入するエアによって、排出口11へ向けた水流へ更に圧力を加えるようエアが吐出されることで、通常よりも圧力が増加した強い水流を水槽2内へ流出させることが可能となる。
図2(a)及び(b)に図示したように、水槽2内に配設されるバブルポンプ10の配設数や配設方向については、特に限定はなく、水槽2の大きさや形状等を考慮しつつ、スラッジ回収スペース4へ向けた水流を形成すべく、スラッジを移動及び回収させられる範囲で決定される。また、ウォーターカーテン22にて捕捉されたスラッジが、水槽2へ落下後に塗装スペース5方向へ逆流しないよう、図2(a)のように直接スラッジ回収スペース4へ向けてバブルポンプ10を配設する態様や、図2(b)のようにウォーターカーテン22の近傍にバブルポンプ10を配設する態様も好適である。
図1及び図2に図示したように、塗装スペース5に給気ファン24を配設すると共に、水槽2の所定箇所に排気ファン25を配設し、空中に浮遊しているオーバーミストを水槽2に補足させ、スラッジの回収を行う態様も好適である。また、水槽2にウォーターカーテン22が備えられた態様であれば、給気ファン24からウォーターカーテン22の下方へ向けて送風すると共に、該ウォーターカーテン22の裏側の上部に排気ファン25を備えることで、ウォーターカーテン22の下方から侵入した空気が上昇し、該排気ファン25から外部へ空気を排出される構造が考え得る。給気ファン24からウォーターカーテン22の下部に向け送気された空気は、水槽2の上空部に滞留していたオーバーミストを含有しつつ水槽2及びウォーターカーテン22と接触し、オーバーミストの一部が水中にて分離されると共にウォーターカーテン22の下部から該ウォーターカーテン22の裏側へ侵入する。ウォーターカーテン22の裏側に侵入した空気は、上部に配設された排気ファン25の吸引力によって上昇し、外部に排出されることとなる。この際、空気中に含有されたオーバーミスト等の異物は、図示してはいないが、排気ファン25の後段に備えられるミストキャッチャー等のフィルタ機能を有するものによって当然に除去される。
スラッジ回収スペース4は、水槽2に隣接して配設され、該水槽2の水中に含有されるスラッジの回収を行うスペースである。
スラッジ回収スペース4には、スラッジ回収装置6が備えられ、流入した水に含有されたスラッジを分離・回収し、清浄な水として水槽2へ流出させることとなる。
スラッジ回収装置6によって行われる水とスラッジの分離方法については、特に限定するものではなく、従来公知のものを使用すれば足りる。
水槽2内でスラッジが含有された水は、水槽2からスラッジ回収スペース4へ向けた水流により該スラッジ回収スペース4内へ流入し、スラッジ回収装置6を経由することでスラッジが分離・回収されることで清浄化され、再度水槽2へ流出されることとなる。
以上の構成要素から成るスラッジ回収構造1について、図1に基づきその主な動作および作用を説明する。
まず、ワークWに対して塗装スペース5から水槽2へ向けて塗料が放出される。ワークWに付着しなかった塗料はオーバーミストとなり、水槽2やウォーターカーテン22の表面や水中に混入する。水槽2に混入したオーバーミストは自重により水底方向へ沈下することでスラッジとなり、ウォーターカーテン22に混入したオーバーミストは、水の落下と共に水槽2内へ流入しスラッジとなる。
スラッジが含有された水槽2の水は、水槽2の所定箇所に備えられたバブルポンプ10により発生した水流によってスラッジ回収スペース4へ流入する。そして、スラッジ回収スペース4に備えられたスラッジ回収装置6によって、水からスラッジが分離・回収されることで清浄な水となり、水槽2の水として再利用、若しくは、汲み上げポンプ23にて汲み上げられてウォーターカーテン22として利用されることとなる。
次に、図3に基づき水槽2に配設されたバブルポンプ10の主な動作及び作用を説明する。
まず、エア供給装置3にて生成されたエアが、エア挿入口15を介して凹部16へ流入し、該凹部16によって形成される空気溜まりへ一時的に貯留される。空気溜まりに貯留されたエアは、複数の通気孔17を経由し内パイプ14の内側面側へ吐出されるが、該通気孔17の傾斜により排出口11方向へ向けた吐出となる。
通気孔17から吐出されたエアが排出口11方向へ流動することで、内パイプ14の内側面に充填された水も押し出されるように排出口11へ向けて移動し、さらに、移動した水の水量と同量の水が流入口12から流入することで、流入口12から排出口11へ向けた水流が発生することとなる。
以上、本発明にかかるスラッジ回収構造1について説明したが、本発明は、上記実施形態で示した構造・態様に限定されるものではない。
例えば、水槽2内のスラッジ含有濃度を判別可能なセンサを備えると共に、バブルポンプ10を自動的に移動可能にさせることにより、スラッジ含有濃度が高い箇所に向けてバブルポンプ10が自動で移動し強い水流を生成することで、水槽全体の水質管理に資すると同時に水槽2内へのスラッジの堆積を防止する、といった優れた効果を奏する。
また、水槽2内のスラッジ含有濃度を判別可能なセンサを備えると共に、バブルポンプ10の自動制御化を図り、スラッジ含有濃度が高い箇所に近いバブルポンプ10を自動的に稼働したり、エア吐出の強弱を図ったり、あるいは、スラッジ回収スペース4へ向けた効率的な水流生成を行うべく、複数あるバブルポンプ10の稼働状態を順次且つ適時に制御する態様等も好適である。
本発明は、湿式塗装を必要とするあらゆる分野において、スラッジによる水槽内の水質悪化を防止し得る構造として採用することが可能である。したがって、本発明にかかる「スラッジ回収構造」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 スラッジ回収構造
2 水槽
3 エア供給装置
4 スラッジ回収スペース
5 塗装スペース
6 スラッジ回収装置
10 バブルポンプ
10a バブルポンプ
10b バブルポンプ
11 排出口
12 流入口
13 外パイプ
14 内パイプ
15 エア挿入口
15A エア挿入口
15B エア挿入口
16 凹部
17 通気孔
17A 通気孔
17B 通気孔
18 延長パイプ
20 塗料ポンプ
21 塗料射出ガン
22 ウォーターカーテン
23 汲み上げポンプ
24 給気ファン
25 排気ファン

Claims (5)

  1. 水槽を備える湿式塗装ブースにおいて、
    水槽の所定箇所に、バブルポンプが備えられると共に、該バブルポンプにエアを供給するエア供給装置が備えられ、
    前記バブルポンプは、水を排出する排出口と、水が流入する流入口を持ち、
    長手方向に貫通した筒状体である外パイプと、内パイプと、から成り、
    内パイプの内側面には、水が満たされると共に、
    内パイプの外側面は、少なくとも一部が外パイプの内側にあり、
    外パイプには、外側面から内側面に貫通しエア供給装置と接続するエア挿入口を備え、
    内パイプには、外側面側の周方向に凹部が形成され、該凹部の外側面と内パイプの内側面を貫通する複数の通気孔を備え、
    エア挿入口と凹部は連通しており、
    通気孔は、排出口に向け内パイプの中心軸方向へ傾斜を有して形成され、
    エア供給装置によって内パイプの内側面にて通気孔からエアが吐出されることにより、内パイプ内に水が吸引されると共に内パイプ内の水が押し出されて水槽内に水流を発生させ、スラッジを後段の回収スペースへ移動させることを特徴とするスラッジ回収構造。
  2. 前記バブルポンプには、長手方向に貫通した筒状体である延長パイプが備えられ、該延長パイプの外側面は、少なくとも一部が外パイプの内側にあることを特徴とする請求項1に記載のスラッジ回収構造。
  3. 前記外パイプに、複数のエア挿入口を設け、該エア挿入口と同数の内パイプが備えられていることを特徴とする請求項1に記載のスラッジ回収構造。
  4. 前記バブルポンプが複数備えられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスラッジ回収構造。
  5. 前記バブルポンプによるエアの吐出方向が夫々異なることを特徴とする請求項4に記載のスラッジ回収構造。
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