以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体の一例である遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。遊技盤YBには、正面視における遊技領域YBaの略中央に、開口窓YBbが形成されている。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段の一例である。発射ハンドルHDは、一例として、搭載枠11bの前面側に設けられる。パチンコ遊技機10は、枠体11の内部に発射装置(不図示)を備える。発射装置は、発射ハンドルHDの操作量(回動量)に応じた強度にて、遊技媒体としての遊技球を遊技領域YBaに向けて発射させる。すなわち、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節可能に構成される。本実施形態において、発射ハンドルHDは、遊技球を発射させる操作が可能な発射操作手段の一例である。また、本実施形態において、発射装置は、遊技者の発射操作に応じて遊技球を発射させる発射手段の一例である。パチンコ遊技機10は、遊技者が操作可能な演出用の操作手段を備えてもよい。
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、発光体(不図示)を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を行う手段の一例である。装飾ランプLAは、一例として、枠体11や遊技盤YBに設けられる。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備える。スピーカSPは、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を行う手段の一例である。スピーカSPは、一例として、搭載枠11bに設けられる。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する特別抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部13aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部13bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書に示す「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化する状態を意味する。本明細書に示す「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。第1特別ゲームは、後述する第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを条件として実行される特別ゲームである。第2特別ゲームは、後述する第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを条件として実行される特別ゲームである。本実施形態において、第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16に遊技球が入球した順序に従って実行される。つまり、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bは、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16に遊技球が入球した順序に従って特別ゲームを実行する。
特別図柄には、大当り表示結果の一例である大当り図柄と、小当り表示結果の一例である小当り図柄と、はずれ表示結果の一例であるはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、特別抽選(一例として大当り抽選)にて大当りに当選すると、特別ゲームにて大当り図柄が導出され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。パチンコ遊技機10では、特別抽選(一例として小当り抽選)にて小当りに当選すると、特別ゲームにて小当り図柄が導出され、当該小当りの特別ゲームの終了後、小当り遊技が付与される。以下の説明では、第1特別図柄表示部13aに表示される特別図柄を「第1特別図柄」と示し、第2特別図柄表示部13bに表示される特別図柄を「第2特別図柄」と示す。このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、特別ゲームで特定の表示結果が表示された後に、当り遊技を付与可能である。本実施形態において、大当り遊技及び小当り遊技は、当り遊技の一例である。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部13c及び第2特別保留表示部13dを備える。第1特別保留表示部13cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部13dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限数は、4である。パチンコ遊技機10は、普通図柄表示部13eを備える。普通図柄表示部13eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果の一例である普通当り図柄と、普通はずれ表示結果の一例である普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通当り抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、当該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。本実施形態において、普通図柄表示部13eは、普通当り抽選の結果を導出する普通図柄変動ゲームを実行する普通図柄変動ゲーム実行手段の一例である。パチンコ遊技機10は、普通保留表示部13fを備える。普通保留表示部13fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを備える。演出表示装置EHは、画像を表示可能な画像表示部を有する。一例として、画像表示部は、液晶ディスプレイである。演出表示装置EHの画像表示部は、キャラクタや文字等を画像として表示する表示領域HRを有する。演出表示装置EHは、正面から見たときに、表示領域HRが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。演出表示装置EHは、各種の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を行う手段の一例である。本明細書では、所定の情報について単に「表示する」と示す場合、「所定の情報を画像として表示する」ことを意味する。本実施形態において、演出表示装置EHは、演出を実行する演出実行手段の一例である。なお、演出実行手段には、演出表示装置EHに加え、装飾ランプLA及びスピーカSPの少なくとも一方が含まれていてもよい。
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、演出ゲームが実行される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための情報である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、第1図柄列、第2図柄列、及び第3図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた図柄組合せが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、777などのように、全列の演出図柄が同一の奇数の演出図柄となる図柄組合せである。特別ゲームにおいて、小当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、小当りの図柄組合せが導出される。なお、本実施形態における一例では、小当りの図柄組合せは、小当りに当選した特別ゲームにおいて、小当り回数が、後述する高ベース状態において定められている上限小当り回数に到達する場合と、上限小当り回数に到達しない場合とで異なる。具体的に、小当り回数が上限小当り回数に到達する場合における小当りの図柄組合せは、大当りの図柄組合せと同様に、777などのように、全列の演出図柄が同一の奇数の演出図柄となる組合せである。一方で、小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合における小当りの図柄組合せは、222などのように、全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄となる組合せである。特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、778や787などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書に示す「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに対応して実行される演出ゲームと、をまとめて「変動ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、当該第1特別ゲームに対応して実行される演出ゲームを纏めて「第1変動ゲーム」と示し、第2特別ゲームと、当該第2特別ゲームに対応して実行される演出ゲームを纏めて「第2変動ゲーム」と示す。
演出ゲームでは、リーチ演出が実行され得る。リーチ演出は、演出ゲームにおいて、リーチを形成するとともに、最終的に所定の図柄組合せを導出させる演出である。リーチは、複数である特定の図柄列において、同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ、他の図柄列において、演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、本実施形態では、第1図柄列及び第3図柄列が特定の図柄列に相当し、第2図柄列が他の図柄列に相当する。
パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15を備える。第1始動入賞口15は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1特別始動センサSE1を備える(図7参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1特別始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。第1始動入賞口15は、遊技球が入球可能な第1始動入球口の一例である。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する第2始動入賞口16を備える。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2特別始動センサSE2を備える(図7参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2特別始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。第2始動入賞口16は、遊技球が入球可能な第2始動入球口の一例である。
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な開閉部材の一例である普通可変部材17を備える。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させる手段の一例として、普通ソレノイドSL1を備える(図7参照)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する大入賞口18を備える。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態と、に動作可能な特別開閉部材の一例である特別可変部材19を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口18へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させる手段の一例として、特別ソレノイドSL2を備える(図7参照)。特別可変部材19は、大当り遊技及び小当り遊技において、開状態に動作される。つまり、大当り遊技及び小当り遊技は、特別可変部材19が開状態に動作可能な遊技である。大入賞口18は、遊技球が入球可能な特別入球口の一例である。
図3に示すように、遊技盤YBの裏側には、大入賞口18へ入球した遊技球を外部へ案内する通路20が形成されている。通路20は、大入賞口18から遊技球が流入する流入通路20aと、当該流入通路20aから分岐する通路として、特定通路20bと、非特定通路20cと、が含まれる。以下、流入通路20aが特定通路20b及び非特定通路20cに分岐する部分を分岐部20dという。
パチンコ遊技機10は、特定可変部材21を備える。特定可変部材21は、大入賞口18へ入球し、分岐部20dへ到達した遊技球を、特定通路20b及び非特定通路20cの何れかへ振り分ける動作を可能に構成される。特定可変部材21は、遊技球を非特定通路20cへ振り分ける第1位置P1と、遊技球を特定通路20bへ振り分ける第2位置P2と、に動作可能である。特定可変部材21が第1位置P1にあるとき、分岐部20dへ到達した遊技球は、非特定通路20cへ流入する。特定可変部材21が第2位置P2にあるとき、分岐部20dへ到達した遊技球は、特定通路20bへ流入する。パチンコ遊技機10は、特定可変部材21を動作させる手段の一例として、特定ソレノイドSL3を備える(図7参照)。特定可変部材21は、小当り遊技中、第2位置P2へ動作される。本実施形態において、特定可変部材21が第1位置P1にある状態は、第2振分状態の一例であり、特定可変部材21が第2位置P2にある状態は、第1振分状態の一例である。
パチンコ遊技機10は、流入通路20aを通過する遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備える。パチンコ遊技機10では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。本実施形態において、特別入賞センサSE3は、大入賞口18に遊技球が入球したことを検知する特別入球検知手段の一例である。パチンコ遊技機10は、特定通路20bの一部である特定領域Srを通過する遊技球を検知する特定センサSE4を備える。特定領域Srは、特別通過領域の一例であり、非特定通路20cは、通常通過領域の一例である。パチンコ遊技機10では、遊技球が特定センサSE4によって検知されると、特典を付与する付与条件が成立する。特典は、遊技者にとっての利益でもある。詳しくは後述するが、本実施形態の一例では、特典として大当り遊技(大当り)が定められている。このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10には、大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な特別通過領域と、大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な通常通過領域とがある。また、本実施形態において、特定可変部材21は、特定領域Srに遊技球を振り分ける第1振分状態及び非特定通路20cに遊技球を振り分ける第2振分状態を取り得るように動作する振分手段の一例である。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知する普通始動センサSE5を備える(図7参照)。パチンコ遊技機10では、遊技球が普通始動センサSE5によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しない。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口として、普通入賞口26を備える。パチンコ遊技機10は、普通入賞口26へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサ(不図示)を備える。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサによって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,26とは異なる入賞口を備えていてもよい。遊技球が入賞口に入球することは、所謂「入賞」である。パチンコ遊技機10は、アウト口27を備える。例えば、アウト口27は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口する。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、入賞口15,16,18,26の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口27から機外へ排出される。
上述のように、パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調節することによって、遊技球の発射強度を調節できる。即ち、パチンコ遊技機10では、センター枠Wの左側領域Rf1、及びセンター枠Wの右側領域Rf2の何れかを流下するように、遊技球を打ち分けることができる。左側領域Rf1における遊技球の流下経路には、上流側から普通入賞口26、及び第1始動入賞口15が形成されている。このため、パチンコ遊技機10では、遊技領域YBaのうち、遊技球が左側領域Rf1を流下するように発射(所謂、左打ち)されたとき、遊技球が第1始動入賞口15、及び普通入賞口26へ入球し得る。右側領域Rf2における遊技球の流下経路には、上流側からゲート25、第2始動入賞口16、及び大入賞口18が形成されている。このため、遊技領域YBaのうち、遊技球が右側領域Rf2を流下するように発射(所謂、右打ち)されたとき、遊技球は、第2始動入賞口16、大入賞口18、及びゲート25へ入球し得る。このように、遊技盤YBには、遊技球が流下可能な流下領域として複数の流下領域が形成されており、複数の流下領域には、発射ハンドルHDの操作に応じて遊技球を打ち分けることが可能である。また、本実施形態において、右側領域Rf2は、特定の流下領域の一例である。また、本実施形態において、第2始動入賞口16及び大入賞口18は、右側領域Rf2へ遊技球が発射された場合に入球可能な入球口である。
図4には、普通可変部材17が閉状態であるときと普通可変部材17が開状態であるときに、右側領域Rf2へ発射された遊技球が流下する態様を示している。本実施形態における一例では、右側領域Rf2へ発射された遊技球は、普通可変部材17が配設されている位置を通過可能に構成されている。
図4(a)に示すように、普通可変部材17が閉状態であるとき、右側領域Rf2へ発射された遊技球は、第2始動入賞口16に入球不能である。このため、普通可変部材17が配設されている位置を通過する遊技球は、普通可変部材17の手前側を通過し、普通可変部材17が配設されている位置よりも下流側へと流下する。一方で、図4(b)に示すように、普通可変部材17が開状態であるとき、普通可変部材17が配設されている位置を通過する遊技球は、第2始動入賞口16に入球可能になり、普通可変部材17が閉状態であるときに比して、普通可変部材17が配設されている位置よりも下流側へは流下し難くなる。また、図4に示すように、大入賞口18は、右側領域Rf2において、普通可変部材17よりも遊技球が流下する方向における下流側に配設されている。つまり、本実施形態における一例として、普通可変部材17が閉状態であるときは、普通可変部材17が開状態であるときに比して、大入賞口18が配設されている位置へと遊技球が流下し易くなる。そして、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、右側領域Rf2へ遊技球が発射されており、且つ、特別可変部材19が開状態である場合において、普通可変部材17が閉状態であるときは、普通可変部材17が開状態であるときに比して、大入賞口18に遊技球が入球し易いように構成されている。
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、遊技球の発射数に対する賞球数の割合が異なる遊技状態として、低ベース状態と高ベース状態とを備えている。高ベース状態は、低ベース状態に比して、第2始動入賞口16に遊技球が入球する確率が高い遊技状態である。高ベース状態は、所謂「電サポ状態」であり、低ベース状態は、所謂「非電サポ状態」である。高ベース状態では、第2始動入賞口16に遊技球が入球する確率が高まり、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な遊技状態(入球容易状態、入球率向上状態)となる。このように、本実施形態の一例では、遊技状態には、高ベース状態(入球率向上状態)と、高ベース状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球し難い低ベース状態(非入球率向上状態)とがある。なお、低ベース状態は、第2始動入賞口16に遊技球が入球不能な遊技状態であってもよい。
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。第1の制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。なお、本実施形態において、高ベース状態では、第2の制御が行われずに、第1の制御及び第3の制御が組み合せて行われることにより、低ベース状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球し易くなるが、これに限らず、例えば、任意に選択された少なくとも1の制御が行われればよい。
本実施形態では、低ベース状態における普通当り確率は0を超えている。このため、普通可変部材17は、低ベース状態において、開状態に動作され得る。なお、低ベース状態における普通当り確率は0であってもよい。この場合、普通可変部材17は、低ベース状態において、開状態に動作されない。つまり、低ベース状態は、高ベース状態と比べて第2始動入賞口16に遊技球が入球し難い又は第2始動入賞口16に遊技球が入球しない状態であるといえる。
また、高ベース状態は、次に説明する第4の制御を組み合わせて実現してもよい。第4の制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高ベース状態は、特別図柄についての、所謂「変動時間短縮状態」となる。これに対して、低ベース状態は、特別図柄についての、所謂「非変動時間短縮状態」となる。
また、本実施形態の一例では、高ベース状態には、制御される条件が異なる第1高ベース状態と第2高ベース状態とがある。第1高ベース状態は、高ベース状態に制御される条件のうち第1条件の成立に基づいて制御されるベース状態である。本実施形態における第1条件は、大当り遊技の終了後に成立する条件である。第2高ベース状態は、高ベース状態に制御される条件のうち、第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて制御されるベース状態である。本実施形態における第2条件は、大当りとなることなく特別回数(本実施形態では1001回)の特別ゲームが実行されることを契機として成立する条件である。つまり、高ベース状態は、第1条件の成立に基づいて制御される場合と、第2条件の成立に基づいて制御される場合とがあるベース状態であり、少なくとも第1条件及び第2条件の成立に基づいて制御されるベース状態である。
また、本実施形態の一例では、第1高ベース状態と第2高ベース状態とでは、普通当り遊技において普通可変部材17の開放態様が同じとなり、第2始動入賞口16への遊技球の入球度合いが同じとなる。なお、これに限らず、例えば、第1高ベース状態と第2高ベース状態とでは、普通当り遊技において普通可変部材17の開放態様が異なってもよく、第2始動入賞口16への遊技球の入球度合いが異なってもよい。以降、第1高ベース状態と第2高ベース状態とを纏めて高ベース状態と示す場合がある。
次に、パチンコ遊技機10における当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、当り遊技には、大当り遊技と、小当り遊技と、がある。
本実施形態の一例において、大当り遊技には、図柄当りとなったことに基づいて付与される大当り遊技(以下、図柄大当り遊技と示す)と、役物当りとなったことに基づいて付与される大当り遊技(以下、役物大当り遊技と示す)と、がある。図柄当りは、ベース状態を問わず、特別抽選(一例として大当り抽選)にて大当りに当選し、特別ゲームが大当りとなることである。図柄当りには、複数の種類がある。図柄当りの種類は、特別図柄の種類に対応する。具体的に、パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当り抽選の当選に基づく図柄当りの種類が定められている。役物当りは、大入賞口18へ入球した遊技球が特定通路20bへ振り分けられ、特定センサSE4にて検知されることによって大当りとなることである。つまり、役物当りは、上述した付与条件が成立することである。本実施形態において、特定可変部材21は、小当り遊技において、第1位置P1から第2位置P2に動作可能であり、大当り遊技において、第1位置P1から第2位置P2に動作不能である。このため、本実施形態において、役物大当り遊技は、小当り遊技が付与された場合に特定領域Srを遊技球が通過したときに付与される遊技である。役物当りには、複数の種類がある。役物当りの種類は、特別図柄の種類に対応する。具体的に、パチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備える。複数種類の小当り図柄には、それぞれ役物大当りの種類が定められている。
小当り遊技は、特別抽選(一例として小当り抽選)にて小当りに当選し、特別ゲームが小当りとなったことに基づいて付与される。小当りには、複数の種類がある。小当りの種類は、特別図柄の種類に対応する。パチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備える。複数種類の小当り図柄には、それぞれ小当りの種類が定められている。
大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が大入賞口18へ入球する第1終了条件、又は、予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。各ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放パターン(開放態様)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
小当り遊技について説明する。
小当り遊技では、最初に、オープニング時間にわたって所定の演出(一例としてオープニング演出)が行われる。小当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が1回だけ行われる。小当り遊技は、大当り遊技のラウンド遊技と同じように、予め定めた上限個数の遊技球が大入賞口18に入球する第1終了条件、又は、予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって大入賞口18が閉鎖される遊技である。1回のラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放パターン(開放態様)にて開放される。ラウンド遊技では、所定の演出(一例として、ラウンド演出)が行われる。小当り遊技では、1回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間にわたって所定の演出(一例としてエンディング演出)が行われる。小当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
次に、パチンコ遊技機10における具体的な当りについて説明する。
図5に示すように、本実施形態における一例では、第1特別ゲームのゲーム結果として第1特別図柄表示部13aに表示される大当り図柄には、100種類の大当り図柄がある。これら100種類の大当り図柄のうち、5種類の大当り図柄が図柄ZAに、10種類の大当り図柄が図柄ZBに、15種類の大当り図柄が図柄ZCに、20種類の大当り図柄が図柄ZDに、50種類の大当り図柄が図柄ZFにそれぞれ分類されている。第2特別ゲームのゲーム結果として第2特別図柄表示部13bに表示される大当り図柄には、100種類の大当り図柄がある。100種類の大当り図柄は、図柄Zaに分類されている。分類されている大当り図柄には、図柄当りの種類が対応しており、決定された大当り図柄に対応する種類の図柄当りに当選する。このように、本実施形態における一例では、第1特別ゲームの図柄当りの種類としては5種類の大当りがあり、第2特別ゲームの図柄当りの種類としては1種類の大当りがある。
このように、本実施形態において決定される大当りの種類には、図柄Zaに基づく大当りと、図柄ZBに基づく大当りとが含まれる。本実施形態において、図柄Zaに基づく大当りは、第1大当りの一例であり、図柄ZBに基づく大当りは、第2大当りの一例である。
本実施形態における一例では、第1特別ゲームにおいて小当り抽選が行われず、第1特別ゲームのゲーム結果として第1特別図柄表示部13aに小当り図柄が表示されない。一方で、第2特別ゲームのゲーム結果として第2特別図柄表示部13bに表示される小当り図柄には、100種類の小当り図柄がある。100種類の小当り図柄のうち、30種類の小当り図柄が図柄Zbに、25種類の小当り図柄が図柄Zcに、20種類の小当り図柄が図柄Zdに、15種類の小当り図柄が図柄Zeに、10種類の小当り図柄が図柄Zfにそれぞれ分類されている。分類されている小当り図柄には、小当りの種類が対応しており、決定された小当り図柄に対応する種類の小当りに当選する。このように、本実施形態における一例では、第1特別ゲームにおいては小当りがなく、第2特別ゲームの小当りの種類としては5種類の小当りがある。
以下、図柄当りの種類としては、大当り図柄の種類を用いて、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当りと表現する。また、図柄大当り遊技の種類としても、大当り図柄の種類を用いて、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技と表現する。また、小当りの種類としては、小当り図柄の種類を用いて、図柄Zb~Zfに基づく小当りと表現する。また、小当りとなったことに基づいて付与される小当り遊技の種類としても、小当り図柄の種類を用いて図柄Zb~Zfに基づく小当り遊技と表現する。また、役物当りの種類としては、小当り図柄の種類を用いて、図柄Zb~Zfに基づく大当りと表現する。また、役物大当り遊技の種類としても、小当り図柄の種類を用いて図柄Zb~Zfに基づく大当り遊技と表現する。
このように、本実施形態において、決定される小当りの種類には、図柄Zbに基づく小当りと、図柄Zdに基づく小当りと、図柄Zcに基づく小当りとが含まれる。本実施形態において、図柄Zbに基づく小当りは、第1小当りの一例であり、図柄Zdに基づく小当りは、第2小当りの一例であり、図柄Zcに基づく小当りは、第3小当りの一例である。また、本実施形態において、図柄Zbに基づく小当り遊技は、第1小当り遊技の一例であり、図柄Zdに基づく小当り遊技は、第2小当り遊技の一例であり、図柄Zcに基づく小当り遊技は、第3小当り遊技の一例である。
本実施形態における一例では、大当り遊技の種類に対応するオープニング時間が定められている。図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技に対応するオープニング時間としては10sが規定されている。図柄Zb~Zfに基づく大当り遊技に対応するオープニング時間としては3sが規定されている。
図柄ZA~ZD,Za~Zfに基づく大当り遊技としては、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められている。図柄ZFに基づく大当り遊技としては、ラウンド遊技の上限回数として3回が定められている。なお、本実施形態において、役物大当り遊技については、1回目のラウンド遊技として小当り遊技が採用されるものとしてラウンド遊技の上限回数が定められており、小当り遊技と大当り遊技のラウンド遊技の合計の上限回数として10回が定められている。
本実施形態において、大当り遊技では、1回のラウンド遊技の上限時間として25sが規定されており、所定の開放パターンとして、大入賞口18が25sだけ開状態を取るように特別可変部材19が動作する。
なお、本実施形態において、大当り抽選に当選した場合に付与される図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技は、所定の大当り遊技の一例である。つまり、本実施形態における当り遊技には、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技がある。また、本実施形態における所定の大当り遊技には、図柄Zaに基づく大当り遊技と、図柄ZBに基づく大当り遊技とが含まれる。本実施形態において、図柄Zaに基づく大当り遊技は、第1大当り遊技の一例であり、図柄ZBに基づく大当り遊技は、第2大当り遊技の一例である。
また、本実施形態において、小当り遊技では、所定の開放パターンとして、大入賞口18が0.048sだけ開状態を取った後に1sだけ閉状態を取る開放パターンが14回繰り返し行われるように特別可変部材19が動作する。
複数回のラウンド遊技のそれぞれには、ラウンド遊技の終了後にラウンド間インターバル時間(本実施形態では1.5s)が設定(規定)されており、ラウンド間インターバル時間が経過すると、次のラウンド遊技が開始される、又は、エンディング時間が開始されることとなる。
本実施形態における一例では、大当り遊技の種類に対応するエンディング時間が定められている。図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技に対応するエンディング時間としては10sが規定されている。図柄Zb~Zfに基づく大当り遊技に対応するエンディング時間としては1.5sが規定されている。
図5及び図6に示すように、各大当りの種類には、大当り遊技の終了後に制御される高ベース状態の終了条件が定められている。本実施形態において、高ベース状態の終了条件には、高ベース状態において実行された特別ゲーム(第1特別ゲーム及び第2特別ゲーム)の実行回数が、大当り遊技が付与されることなく合計上限実行回数(図中では「特図合計」と示す)に到達することにより成立する第1制御条件がある。また、本実施形態において高ベース状態の終了条件には、高ベース状態において小当り抽選に当選した回数が、大当り遊技が付与されることなく上限小当り回数(図中では「特図2小当り」と示す)に到達することにより成立する第2制御条件がある。そして本実施形態では、第1制御条件及び第2制御条件のうち何れか一方が成立したときに高ベース状態から低ベース状態に制御される。本実施形態において、特別ゲームの実行回数は、ゲーム回数の一例であり、小当り抽選に当選した回数は、小当り回数の一例である。また、本実施形態において、合計上限実行回数は、ゲーム回数の上限回数の一例であり、上限小当り回数は、小当り回数の上限回数の一例である。本実施形態において、第1制御条件は、特別終了条件の一例であり、第2制御条件は、特定終了条件の一例である。
図柄Za,Zbに基づく大当りには、当選時のベース状態を問わず、合計上限実行回数として、700回がそれぞれ定められている。図柄ZA~ZD,Zc~Zfに基づく大当りには、当選時のベース状態を問わず、合計上限実行回数として100回がそれぞれ定められている。図柄ZFに基づく大当りには、当選時に低ベース状態である場合、合計上限実行回数として20回が定められており、当選時に高ベース状態である場合、合計上限実行回数として100回が定められている。
図柄ZA,Za~Zcに基づく大当りには、当選時のベース状態を問わず、上限小当り回数として1回が定められている。図柄ZBに基づく大当りには、当選時に低ベース状態である場合、上限小当り回数として2回が定められており、当選時に高ベース状態である場合、上限小当り回数として1回が定められている。図柄ZCに基づく大当りには、当選時に低ベース状態である場合、上限小当り回数として3回が定められており、当選時に高ベース状態である場合、上限小当り回数として1回が定められている。図柄ZDに基づく大当りには、当選時に低ベース状態である場合、上限小当り回数として4回が定められており、当選時に高ベース状態である場合、上限小当り回数として1回が定められている。図柄ZFに基づく大当りには、当選時に低ベース状態である場合、上限小当り回数として5回が定められており、当選時に高ベース状態である場合、上限小当り回数として1回が定められている。図柄Zdに基づく大当りには、当選時のベース状態を問わず、上限小当り回数として2回が定められている。図柄Zeに基づく大当りには、当選時のベース状態を問わず、上限小当り回数として3回が定められている。図柄Zfに基づく大当りには、当選時のベース状態を問わず、上限小当り回数として4回が定められている。
このように、本実施形態では、高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、1回が決定される。一方で、高ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、2回が決定される。また、本実施形態において、低ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、1回が決定される。一方で、低ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、2回が決定される。
本実施形態では、高ベース状態において、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、1回が決定される。
本実施形態では、低ベース状態において、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、1回が決定される。一方で、低ベース状態において、図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、2回が決定される。
本実施形態では、高ベース状態において、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、第1制御条件が成立する特別ゲームの実行回数として、700回が決定され、第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、1回が決定される。一方で、高ベース状態において、図柄Zcに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zcに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、第1制御条件が成立する特別ゲームの実行回数として、100回が決定され、第2制御条件が成立する小当り抽選に当選した回数として、1回が決定される。
本実施形態では、高ベース状態において図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、第1制御条件が成立する特別ゲームの実行回数として、700回が決定される。
このように、本実施形態において、小当り抽選に当選した回数の上限回数には、1回と、1回よりも大きい2回とがある。本実施形態において、小当り抽選に当選した回数の上限回数のうち、1回は、第1上限回数の一例であり、2回は、第2上限回数の一例である。
また、本実施形態において、特別ゲームの実行回数の上限回数には、100回と、100回よりも大きい700回とがある。本実施形態において、特別ゲームの実行回数の上限回数のうち、100回は、第1上限ゲーム回数の一例であり、700回は、第2上限ゲーム回数の一例である。
本実施形態では、大当り遊技の終了後において、高ベース状態に制御されて第2特別ゲームで小当り抽選に当選したが、小当り遊技において特定領域Srを遊技球が通過しなかった場合でも、小当り抽選に当選した特別ゲームで小当り回数が上限小当り回数に到達していないときには、高ベース状態に継続して制御されることとなる。一方で、大当り遊技の終了後において、高ベース状態に制御されて第2特別ゲームで小当り抽選に当選したとき、小当り抽選に当選した特別ゲームで小当り回数が上限小当り回数に到達したときには、小当り抽選に当選した特別ゲームが終了したタイミングで低ベース状態に制御されることになる。
また、大当り遊技の終了後において、高ベース状態に制御されて第2特別ゲームで小当り抽選に当選し、小当り遊技において特定領域Srを遊技球が通過した場合には、役物大当り遊技が付与されることとなり、役物大当り遊技の終了後に高ベース状態に制御される。つまり、小当り抽選に当選した特別ゲームで高ベース状態に制御されており、小当り遊技において特定領域Srを遊技球が通過した場合には、小当り遊技の終了後にも高ベース状態に制御されることとなる。
なお、本実施形態における役物大当り遊技には、図柄Zbに基づく小当り遊技が付与された場合に、特定領域Srを通過したときに付与される役物大当り遊技と、図柄Zdに基づく小当り遊技が付与された場合に、特定領域Srを遊技球が通過したときに付与される役物大当り遊技とが含まれる。本実施形態における役物大当り遊技には、図柄Zcに基づく小当り遊技が付与された場合に、特定領域Srを通過したときに付与される役物大当り遊技がある。本実施形態において、図柄Zbに基づく小当り遊技が付与された場合に、特定領域Srを通過したときに付与される役物大当り遊技は、第1役物大当り遊技の一例である。本実施形態において、図柄Zdに基づく小当り遊技が付与された場合に、特定領域Srを遊技球が通過したときに付与される役物大当り遊技は、第2役物大当り遊技の一例である。本実施形態において、図柄Zcに基づく小当り遊技が付与された場合に、特定領域Srを遊技球が通過したときに付与される役物大当り遊技は、第3役物大当り遊技の一例である。
本実施形態において、第2高ベース状態は、大当り遊技の終了後から大当りとなることなく特別回数の特別ゲームが実行されることを契機として制御されるベース状態である。本実施形態において、大当り遊技の終了後から第2高ベース状態に制御されるまでの特別ゲームの実行回数である特別回数は、701回であり、大当り遊技の終了後に第1高ベース状態に制御可能な上限回数(20回、100回又は700回)よりも大きい回数である。
本実施形態では、第2高ベース状態における合計上限実行回数として、一定の回数である1000回が定められており、大当り抽選の当選確率の逆数(約320)及び小当り抽選の当選確率の逆数(約32)よりも大きい回数である。つまり、本実施形態において、第2高ベース状態は、大当り抽選及び小当り抽選に当選する可能性が相対的に高い状態であるといえる。更に、本実施形態では、第2高ベース状態における上限小当り回数として、一定の回数である1回が定められている。
このように、図柄Za,Zbに基づく大当りとなったときに、大当り遊技の終了後、1~700回目の特別ゲームでは第1高ベース状態に制御され、701回目の特別ゲームでは低ベース状態に制御され、702~1701回目の特別ゲームでは第2高ベース状態に制御される。
つまり、大当り遊技の終了後に第1高ベース状態に制御され、その後に低ベース状態に制御されるときに、低ベース状態に制御されてから第2高ベース状態に制御されるまでに実行される特別ゲームの実行回数は、図柄Za,Zbに基づく大当りとなったときのほうが、それ以外のときよりも小さい。特に、図柄Za,Zbに基づく大当りとなり、大当り遊技の終了後に第1高ベース状態に制御され、その後に低ベース状態に制御されるときに、低ベース状態に制御されてから第2高ベース状態に制御されるまでに実行される特別ゲームの実行回数が各特別ゲームの保留上限数よりも小さい。
このように、本実施形態において、高ベース状態には、第1制御条件があり、第1制御条件は、高ベース状態において計数された特別ゲームの実行回数が、大当り遊技が付与されることなく合計上限実行回数に到達するときに成立する条件である。また、本実施形態において、高ベース状態には、第2制御条件があり、第2制御条件は、高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、計数された小当り回数が、大当り遊技が付与されることなく上限小当り回数に到達したときに成立する条件である。なお、本実施形態では、第2制御条件は、高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達していないときには成立しない。本実施形態において、第1制御条件は、特別終了条件の一例であり、第2制御条件は、特定終了条件の一例である。本実施形態において、上限小当り回数は、小当り回数の上限回数の一例である。本実施形態において、特別ゲームの実行回数は、図柄変動ゲームが実行されたゲーム回数の一例であり、合計上限実行回数は、上限ゲーム回数の一例である。
図5に示すように、本実施形態において、各小当り遊技としては、特定可変部材21の制御内容を示す振分制御情報が定められている。本実施形態において、各小当り遊技では、特定可変部材21を第1位置P1から第2位置P2に動作させるように制御(以下、振分制御と示す)される。このため、小当り遊技が開始されると、予め定められた振分制御情報に基づいて、特定可変部材21が第1位置P1から第2位置P2に動作される。本実施形態において、大当り遊技では、特定可変部材21が第1位置P1から第2位置P2に動作されずに第1位置P1にある状態を維持する。本実施形態における一例では、全ての種類の小当りにおいて共通の振分制御情報が定められている。
振分制御情報には、振分制御を開始する開始条件が定められている。開始条件は、オープニング時間が経過し、1回のラウンド遊技が開始された後、予め定めた所定時間(本実施形態では7.0s)が経過したことを契機として成立する。本実施形態では、特定可変部材21が第1位置P1にある状態において振分制御の開始条件が成立したことを契機として、特定可変部材21が第2位置P2に動作する。つまり、本実施形態において、振分制御の開始条件は、小当り遊技が開始されてから、高ベース状態において1回の小当り遊技が付与される上限時間の経過前の所定時間が経過することにより成立する条件である。そして、特定可変部材21は、小当り遊技中において振分制御の開始条件が成立したとき、第2位置P2にある状態を取るように動作する。本実施形態において、振分制御の開始条件は、特定条件の一例である。
また、振分制御情報には、振分制御を終了する終了条件が定められている。終了条件は、開始条件が成立してから経過する時間に関係なく、小当り遊技の1回のラウンド遊技が終了してから予め定めた時間(本実施形態では1.5s)が経過した場合に成立する。なお、本実施形態において、この時間としては、大入賞口18に入球した遊技球が大入賞口18に入球してから(特別入賞センサSE3により検知されてから)特定可変部材21に達するまでに十分な時間が定められている。また、本実施形態において、小当り遊技のエンディング時間としては1.5sが規定されており、小当り遊技のエンディング時間と同じ時間が振分制御の終了条件として規定されている。つまり、特定可変部材21が第2位置P2にある状態においてラウンド遊技の終了条件が成立してから予め定めた時間が経過したことを契機として、特定可変部材21が第1位置P1に動作する。本実施形態において、振分制御の終了条件としては、大入賞口18に遊技球が入球してからその遊技球が特定可変部材21に到達するまでの時間よりも十分に長い時間が定められている。このため、本実施形態における振分制御は、特定領域Srへの遊技球の振分を容易とする制御であるといえる。
本実施形態において、大当り確率としては、205/65536(約1/320)が、第2特別ゲームにおける小当り確率としては、2050/65536(約1/32)がそれぞれ定められている。本実施形態において、大当り確率は、第1特別ゲームの抽選であるときと第2特別ゲームの抽選であるときとで同じ確率である。本実施形態において、第1特別ゲームの抽選であるときには、小当り抽選が実行されない。賞球数としては、第1特別始動センサSE1で遊技球が検知されたときには「2」が、第2特別始動センサSE2で遊技球が検知されたときには「1」が、特別入賞センサSE3で遊技球が検知されたときには「15」が、普通入賞センサで遊技球が検知されたときには「4」がそれぞれ定められている。
本実施形態において、普通当り抽選の当選確率(普通当り確率)としては、低ベース状態と高ベース状態とで同じ確率(65535/65536)が定められている。また、本実施形態において、普通当り抽選は、低ベース状態と高ベース状態とで同じ確率で当選する抽選であるが、これに限らず、例えば、低ベース状態と高ベース状態とで異なる確率で当選する抽選であってもよい。また、本実施形態において、普通当り抽選は、第1高ベース状態と第2高ベース状態とで同じ確率で当選する抽選であるが、これに限らず、例えば、第1高ベース状態と第2高ベース状態とで異なる確率で当選する抽選であってもよい。
普通ゲームの変動時間は、低ベース状態では5sであり、高ベース状態では0.2sである。このように、普通ゲームの変動時間は、低ベース状態と高ベース状態とで、それぞれ一定の時間が定められているが、これに限らず、それぞれの状態において複数種類の変動時間から1種類の変動時間が決定されるようにしてもよい。また、普通ゲームの変動時間は、低ベース状態と高ベース状態とで同じ時間であってもよい。さらに普通ゲームの変動時間は、第1高ベース状態と第2高ベース状態とで同じ時間であるが、第1高ベース状態と第2高ベース状態とで異なっていてもよい。また、普通ゲームの変動インターバル時間は、低ベース状態と高ベース状態とで同じ時間(0.5s)である。
1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放態様として、低ベース状態では、全ての普通当り遊技において0.02sを上限として1回開状態に制御される一方で、高ベース状態では、全ての普通当り遊技において5.8sを上限として1回開状態に制御される。このように、普通可変部材17の開放態様は、高ベース状態では、低ベース状態よりも、1回の普通当り遊技において第2始動入賞口16が開状態を取ることができる合計上限開放時間が長い。
第1高ベース状態と第2高ベース状態とでは、1回の普通当り遊技において第2始動入賞口16が開状態を取ることができる合計上限開放時間が同じであるが、異なってもよい。この場合、第2高ベース状態では、第1高ベース状態よりも、1回の普通当り遊技において第2始動入賞口16が開状態を取ることができる合計上限開放時間が長くても短くてもよい。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。例えば、副制御基板50は、装飾ランプLAによる発光演出、スピーカSPによる音声演出、及び演出表示装置EHによる表示演出を実行させるための処理を行う。
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部(以下、主制御CPU42と示す)と、記憶部(メモリ)と、を備える。主制御CPU42は、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41の記憶部には、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能なROM領域(以下、主制御ROM43と示す)と、情報の読出し及び書込みが可能なRWM領域(以下、主制御RWM44と示す)と、が含まれる。
主制御ROM43は、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM43は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容(変動内容)の少なくとも一部を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、小当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームにて最終的に大当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。小当り変動パターンは、演出ゲームにて最終的に小当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。はずれ変動パターンは、演出ゲームにて最終的に小当りの図柄組合せを導出する変動パターンである。大当り変動パターン、小当り変動パターン、及びはずれ変動パターンには、演出ゲームにてリーチ演出を行う「リーチあり」の変動パターンと、演出ゲームにてリーチ演出を行わない「リーチなし」の変動パターンと、が含まれる。
主制御RWM44は、主制御CPU42による処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主制御RWM44が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する乱数回路45を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU42による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU42、主制御ROM43、主制御RWM44、及び乱数回路45は、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
主制御CPU42は、センサSE1~SE5と接続されている。主制御CPU42は、センサSE1~SE5が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fと接続されている。主制御CPU42は、表示部13a~13fの表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1~SL3と接続されている。主制御CPU42は、ソレノイドSL1~SL3の動作を制御することによって、それぞれ可変部材17,19,21の動作を制御可能に構成されている。
RWMクリアスイッチ46は、後述するバックアップ機能によりバックアップされている各種の情報のうち少なくとも一部の初期化(以下、RWMクリアという)を指示する操作を可能に構成された操作手段である。RWMクリアスイッチ46は、押込み操作によってオン状態になり、押込み操作をしないとオフ状態になる。主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオン状態に操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。RWMクリアスイッチ46の操作は、例えば遊技店の従業員や管理者などによる人的操作である。
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU51と、副制御ROM52と、副制御RWM53と、を備える。副制御CPU51は、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM52は、副制御用のプログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM52は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び、音声演出に用いる音声演出データなどを記憶している。副制御RWM53は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RWM53が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板50は、副制御CPU51による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
副制御CPU51は、演出表示装置EHと接続されている。副制御CPU51は、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU51は、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU51は、スピーカSPと接続されている。副制御CPU51は、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。
パチンコ遊技機10は、電源ユニット60を備える。電源ユニット60は、遊技店などの外部電源から供給される電源電圧を所定の電源電圧に変換するとともに、その変換後の電源電圧を各基板40,50へ供給すべき電源電圧に変換する。電源ユニット60は、電源スイッチ60aを備える。電源スイッチ60aは、オン状態及びオフ状態の何れかに切り替える操作を可能であって、切替え後の操作状態を維持する。本実施形態において、パチンコ遊技機10を起動するためには、電源スイッチ60aをオン状態に操作したまま、外部電源からの電力供給を開始するか、外部電源からの電力供給をしている状態のまま、電源スイッチ60aをオフ状態からオン状態に操作する。
電源ユニット60は、バックアップ電源(不図示)を備える。バックアップ電源は、電力供給が遮断された後にも、主制御基板40の主制御RWM44に対して電力を供給する。主制御基板40の主制御RWM44は、バックアップ電源から電力の供給を受けることにより、電力供給が遮断された時における主制御RWM44の記憶内容を電力供給が遮断された後にも保持可能である。例えば、主制御RWM44は、電力の供給を受けない状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電力供給が遮断された後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を備えている。
バックアップ機能は、外部電源からの電力供給が遮断された場合でも遊技制御に関する各種の情報を内部的に保持(バックアップ)しておき、電力供給が開始されたときに、保持している各種の情報に基づいて遊技制御を復帰する機能である。ここで、バックアップの対象となる各種の情報には、遊技の進行に関する遊技情報が含まれている。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関する情報、大当り遊技に関する情報、ベース状態に関する情報、及び賞球の払出しに関する情報が含まれている。また、本実施形態において、主制御基板40はバックアップ機能を搭載しており、副制御基板50はバックアップ機能を搭載していないが、副制御基板50がバックアップ機能を搭載していてもよい。本実施形態における主制御RWM44は、各種の情報を記憶することが可能であって、記憶している情報のうち少なくとも一部の情報を電力供給が遮断された後にも保持可能に構成された情報記憶手段の一例となる。
次に、主制御CPU42が行う各種の処理について説明する。
最初に、電源投入処理について説明する。
主制御CPU42は、電源投入時の起動処理(ブート処理)によって起動すると、最初に電源投入処理を実行する。電源投入処理では、電源投入時のRWMクリアスイッチ46の操作状態に応じて、主制御RWM44の初期化(RWMクリア)の有無が制御される。
主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオン状態に操作されている場合、主制御RWM44のRWMクリアを実行する。RWMクリアを行う場合、主制御CPU42は、主制御RWM44の記憶領域の各種の情報のうち遊技情報を格納する領域にそれぞれ初期値を格納することにより、遊技情報を初期化する。その後、主制御CPU42は、電源投入処理を終了する。
主制御CPU42は、RWMクリアスイッチ46がオフ状態である場合、主制御RWM44のRWMクリアを実行せずに、電源投入処理を終了する。
RWMクリアが実行された場合には、何れの特別ゲーム及び普通ゲームが実行及び保留されておらず、且つ大当り遊技中でもない状態に復帰される。一方、RWMクリアが実行されなかった場合には、バックアップされている遊技情報に基づいて、電力供給が遮断されたときの遊技の状態に復帰される。
なお、主制御CPU42は、電源投入処理を終了するときに、主制御RWM44に記憶されている遊技情報に基づいて所定の制御コマンドを副制御基板50へ出力する。具体的に言えば、電源投入処理においてRWMクリアを実行している場合、主制御CPU42は、電源投入初期時指定コマンドを副制御基板50へ出力する。一方、電源投入処理においてRWMクリアを実行していない場合、主制御CPU42は、電源投入復電時指定コマンドを副制御基板50へ出力する。
また、主制御CPU42は、電源投入後、小当り遊技の実行中に復帰する場合、小当り遊技の実行中であることを特定可能なコマンドなどを副制御基板50へ出力する。
次に、特別図柄入力処理について説明する。主制御CPU42は、所定の制御周期(例えば0.004s)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU42は、第1特別始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。
第1始動入賞口15に遊技球が入球した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数を「1」加算して更新する。これにより、第1特別ゲームの保留条件(第1保留条件)が成立する。つまり、第1始動入賞口15への遊技球の入球を契機として第1特別ゲームの実行を保留可能である。この処理において、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。また、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報(以下、第1保留数コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、大当り抽選及び小当り抽選に用いる乱数、大当り図柄及び小当り図柄の決定に用いる乱数及び変動パターンの決定に用いる乱数などである。この処理において、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、第1特別ゲームにおける乱数値の取得順序、及び各特別ゲームを区別しない総合取得順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。このように、第1始動入賞口15への遊技球の入球を契機として第1特別ゲーム(特別ゲーム)の実行を保留可能である。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
第1始動入賞口15に遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させた場合、主制御CPU42は、第2特別始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口16に遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口16に遊技球が入球していない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。
第2始動入賞口16に遊技球が入球した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が上限数未満でない場合、主制御CPU42は、特別図柄入力処理を終了する。第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数を「1」加算して更新する。これにより、第2特別ゲームの保留条件(第2保留条件)が成立する。つまり、第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機として第2特別ゲームの実行を保留可能である。この処理において、主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。また、主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数を特定可能な情報(以下、第2保留数コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。この処理において、主制御CPU42は、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、第2特別ゲームにおける乱数値の取得順序、及び各特別ゲームを区別しない総合取得順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。このように、第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機として第2特別ゲーム(特別ゲーム)の実行が保留可能である。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU42は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中ではなく、且つ、特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数と第2特別保留数との合算特別保留数が「1」以上であるか否かを判定する。合算特別保留数が「1」以上ではない場合、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了し、特別ゲーム及び当り遊技が実行されていない待機状態に制御することとなる。
合算特別保留数が「1」以上である場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている乱数情報の記憶順序に基づいて、最先に記憶された乱数情報に対応する特別ゲームを開始させるように処理を行う。主制御CPU42は、総合取得順序が最も早い乱数値が第1特別ゲームにおける乱数値であるか第2特別ゲームにおける乱数値であるかを判定する。そして、主制御CPU42は、総合取得順序が最も早い乱数値が第1特別ゲームにおける乱数値である場合には、第1特別ゲームの実行条件が成立したと判定し、第1特別ゲームを開始させる。その一方で、主制御CPU42は、総合取得順序が最も早い乱数値が第2特別ゲームにおける乱数値である場合には、第2特別ゲームの実行条件が成立したと判定し、第2特別ゲームを開始させる。このように、本実施形態において、主制御CPU42は、第1特別ゲームであるか第2特別ゲームであるかに関係なく、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16への遊技球の入球順序に従って保留条件が成立した順序で特別ゲームを実行させる。
第1特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第1特別保留数を「1」減算して更新する。この処理において、主制御CPU42は、更新後の第1特別保留数が表示されるように、第1特別保留表示部13cを制御する。次に、主制御CPU42は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から読み出す。なお、主制御CPU42は、最先に記憶された乱数情報を読み出すと、該乱数情報を主制御RWM44から消去する。
次に、主制御CPU42は、読み出した乱数情報と、主制御ROM43に記憶されている大当り判定値とに基づいて、大当りに当選するか否かを判定する。大当りに当選するか否かの判定は、例えば、乱数情報から特定される乱数の値と大当り判定値とが一致するか否かにより判定される。なお、大当りに当選するか否かの判定は、乱数情報から特定される乱数の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かにより判定してもよい。このように、主制御CPU42は、第1始動入賞口15への遊技球の入球に応じて、特別ゲームで大当り(図柄当り)となるかを決定する大当り抽選を行い、大当り(図柄当り)となるかを判定する。
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームで導出される大当り図柄と、第1特別ゲームの変動パターンとを決定する。例えば、主制御CPU42は、取得した第1特別ゲーム用の乱数情報を用いた抽選により、第1特別ゲームで導出される大当り図柄と、第1特別ゲームの変動パターンとを決定する。つまり、主制御CPU42は、大当り抽選に当選したときに、第1特別ゲームで導出される大当り図柄に対応する大当り(図柄当り)の種類を決定する。第1特別ゲームで導出される大当り図柄を決定すると、主制御CPU42は、決定した大当り図柄を特定可能な情報(以下、図柄コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。第1特別ゲームの変動パターンを決定すると、主制御CPU42は、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示する情報(以下、ゲーム開始コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。図柄コマンド及びゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力した後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
一方、大当りに当選しないはずれの場合、主制御CPU42は、第1特別ゲームで導出されるはずれ図柄と、第1特別ゲームの変動パターンとを決定する。例えば、主制御CPU42は、読み出した第1特別ゲーム用の乱数情報を用いた抽選により、第1特別ゲームで導出されるはずれ図柄と、第1特別ゲームの変動パターンとを決定する。第1特別ゲームで導出されるはずれ図柄を決定すると、主制御CPU42は、決定したはずれ図柄を特定可能な図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。第1特別ゲームの変動パターンを決定すると、主制御CPU42は、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づくゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力する。図柄コマンド及びゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力した後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
第2特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている第2特別保留数を「1」減算して更新する。この処理において、主制御CPU42は、更新後の第2特別保留数が表示されるように、第2特別保留表示部13dを制御する。次に、主制御CPU42は、第2特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から読み出す。なお、主制御CPU42は、最先に記憶された乱数情報を読み出すと、該乱数情報を主制御RWM44から消去する。
次に、主制御CPU42は、読み出した乱数情報と、主制御ROM43に記憶されている大当り判定値とに基づいて、大当りに当選するか否かを判定する。
大当りに当選した場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームで導出される大当り図柄と、第2特別ゲームの変動パターンとを決定する。例えば、主制御CPU42は、取得した第2特別ゲーム用の乱数情報を用いた抽選により、第2特別ゲームで導出される大当り図柄と、第2特別ゲームの変動パターンとを決定する。つまり、主制御CPU42は、大当り抽選に当選したときに、第2特別ゲームで導出される大当り図柄に対応する大当り(図柄当り)の種類を決定する。
第2特別ゲームで導出される大当り図柄を決定すると、主制御CPU42は、決定した大当り図柄を特定可能な図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。第2特別ゲームの変動パターンを決定すると、主制御CPU42は、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示するゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力する。図柄コマンド及びゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力した後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
一方、大当りに当選しなかった場合、主制御CPU42は、読み出した乱数情報と、主制御ROM43に記憶されている小当り判定値とに基づいて、小当りに当選するか否かを判定する。小当りに当選するか否かの判定は、例えば、乱数情報から特定される乱数の値と小当り判定値とが一致するか否かにより判定される。なお、小当りに当選するか否かの判定は、乱数情報から特定される乱数の値と小当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かにより判定してもよい。
小当りに当選した場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームで導出される小当り図柄と、第2特別ゲームの変動パターンとを決定する。例えば、主制御CPU42は、取得した第2特別ゲーム用の乱数情報を用いた抽選により、第2特別ゲームで導出される小当り図柄と、第2特別ゲームの変動パターンとを決定する。つまり、主制御CPU42は、小当り抽選に当選したときに、第2特別ゲームで導出される小当り図柄に対応する小当りの種類を決定する。
第2特別ゲームで導出される小当り図柄を決定すると、主制御CPU42は、決定した小当り図柄を特定可能な図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。第2特別ゲームの変動パターンを決定すると、主制御CPU42は、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づく演出ゲームの開始を指示するゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力する。図柄コマンド及びゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力した後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
一方、大当り及び小当りに当選しないはずれの場合、主制御CPU42は、第2特別ゲームで導出されるはずれ図柄と、第2特別ゲームの変動パターンとを決定する。例えば、主制御CPU42は、読み出した第2特別ゲーム用の乱数情報を用いた抽選により、第2特別ゲームで導出されるはずれ図柄と、第2特別ゲームの変動パターンとを決定する。第2特別ゲームで導出されるはずれ図柄を決定すると、主制御CPU42は、決定したはずれ図柄を特定可能な図柄コマンドを副制御基板50へ出力する。第2特別ゲームの変動パターンを決定すると、主制御CPU42は、決定した変動パターンを特定可能であって、該変動パターンに基づくゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力する。図柄コマンド及びゲーム開始コマンドを副制御基板50へ出力した後、主制御CPU42は、特別図柄開始処理を終了する。
このように、本実施形態において、主制御CPU42は、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16への遊技球の入球に応じて大当り抽選を行い、大当り(図柄当り)となるかを判定する。本実施形態において、このような処理を実行する主制御CPU42は、大当り抽選を行う大当り抽選手段の一例である。また、本実施形態において、大当りの種類を決定する主制御CPU42は、大当り種類決定手段の一例である。
また、本実施形態において、主制御CPU42は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に応じて小当り抽選を行い、小当りとなるかを判定する。本実施形態において、このような処理を実行する主制御CPU42は、小当り抽選を行う小当り抽選手段の一例である。また、本実施形態において、小当りの種類を決定する主制御CPU42は、小当り種類決定手段の一例である。
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU42は、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、特別ゲームが開始されるように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。主制御CPU42は、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。そして、主制御CPU42は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄が導出されるように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。
このように、大当り抽選の結果及び小当り抽選の結果に基づいて、第1特別図柄表示部13aは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に応じて第1特別ゲームを特別ゲームとして実行可能であり、第2特別図柄表示部13bは、第2始動入賞口16への遊技球の入球に応じて第2特別ゲームを特別ゲームとして実行可能である。また、主制御CPU42は、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の変動停止を指示し、演出図柄による図柄組合せを導出させるための情報(以下、ゲーム終了コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
このような特別図柄開始処理を実行することにより、特別ゲームに係わる乱数値が記憶されているとき、主制御CPU42は、第1特別ゲームに係わる乱数値であるか第2特別ゲームに係わる乱数値であるかに拘わらず、総合取得順序の早い順序で特別ゲームが大当りとなるか否かを判定し、特別ゲームを実行させることとなる。つまり、主制御CPU42は、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16へ遊技球が入球した順序で特別ゲームを実行させる。
次に、主制御CPU42が行う当り処理について説明する。
当り処理において、主制御CPU42は、大当り抽選に当選した場合、大当り抽選に当選した特別ゲームの終了後に、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づく図柄大当り遊技を付与する制御を行う。
主制御CPU42は、大当りの特別ゲームが終了すると、図柄大当り遊技を開始し、最初にオープニング時間の開始を特定可能な情報(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、所定の開放パターンに基づいて大入賞口18が開放されるように、特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18が閉鎖されるように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、予め定めた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。
また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を終了するごとに、ラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、ラウンド終了コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な情報(以下、エンディングコマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、図柄大当り遊技を終了する。
また、主制御CPU42は、特別図柄開始処理で決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づく小当り遊技を付与する制御を行う。
主制御CPU42は、小当りの特別ゲームが終了すると、小当り遊技を開始し、最初にオープニング時間の開始を特定可能なオープニングコマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、所定の開放パターンに基づいて大入賞口18が開放されるように、特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18が閉鎖されるように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。本実施形態において、大入賞口18の開放パターンは、何れの小当り図柄(小当りの種類)であっても同じであったが、これに限らず、例えば、何れの小当り図柄(小当りの種類)で異ならせてもよい。
また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始すると、ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンドを副制御基板50へ出力する。また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を終了すると、ラウンド遊技の終了を特定可能なラウンド終了コマンドを副制御基板50へ出力する。
主制御CPU42は、ラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能なエンディングコマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、小当り遊技を終了する。
また、本実施形態において、主制御CPU42は、小当り遊技において、予め定められた振分制御情報に基づいて、特定ソレノイドSL3を制御し、特定可変部材21を動作させる振分制御を実行する。
主制御CPU42は、振分制御を開始させる場合、1回のラウンド遊技が開始されてからの経過時間を計数する。1回のラウンド遊技が開始されてから予め定められた所定時間(本実施形態では7.0s)が経過した場合、振分制御の開始条件が成立し、主制御CPU42は、振分制御の終了条件が成立するまで、特定可変部材21を第1位置P1から第2位置P2に動作させる。
主制御CPU42は、振分制御を終了させる場合、1回のラウンド遊技が終了されてからの経過時間を計数する。1回のラウンド遊技が終了されてから予め定められた時間(本実施形態では1.5s)が経過した場合、振分制御の終了条件が成立し、主制御CPU42は、特定可変部材21を第2位置P2から第1位置P1に動作させる。
このように、小当り遊技において、振分制御が行われることとなり、大入賞口18に入球した遊技球が特定領域Srを通過することは容易となる。本実施形態において、特定可変部材21の動作を制御する主制御CPU42は、振分制御手段の一例である。
主制御CPU42は、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過した場合、特定領域Srへの遊技球の通過を示す情報を主制御RWM44に設定する。また、主制御CPU42は、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過した場合、特定領域Srへの遊技球の通過を特定可能な情報(以下、特定通過コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
当り処理において、主制御CPU42は、小当り遊技において特定領域Srを遊技球が通過した場合、小当り遊技の終了後に、特別図柄開始処理で決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づく役物大当り遊技を付与する制御を行う。
主制御CPU42は、小当り遊技が終了すると、役物大当り遊技を開始し、最初にオープニング時間の開始を特定可能なオープニングコマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU42は、所定の開放パターンに基づいて大入賞口18が開放されるように、特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18が閉鎖されるように特別ソレノイドSL2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU42は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、予め定めた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。
また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能なラウンドコマンドを副制御基板50へ出力する。また、主制御CPU42は、ラウンド遊技を終了するごとに、ラウンド遊技の終了を特定可能なラウンド終了コマンドを副制御基板50へ出力する。
主制御CPU42は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能なエンディングコマンドを副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、エンディング時間が経過すると、役物大当り遊技を終了する。
本実施形態において、主制御CPU42は、当り遊技中に大入賞口18に遊技球が入球した場合、大入賞口18への遊技球の入球を特定可能な情報(以下、大入賞コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
次に、主制御CPU42が行う遊技状態処理について説明する。
主制御CPU42は、図柄ZA~ZF,Za~Zfに基づく大当り遊技において、エンディング時間の開始を契機として、第1高ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定する。主ベース状態フラグは、主制御RWM44に割り当てられたフラグであり、低ベース状態に制御するか、第1高ベース状態に制御するか、第2高ベース状態に制御するかを特定可能なフラグである。
また、主制御CPU42は、大当りとなったときのベース状態と、当りの種類とに対応する値を、主制御RWM44に割り当てられた、第1ゲームカウンタ、主小当りカウンタ及び第2ゲームカウンタに設定する。
第1ゲームカウンタは、高ベース状態において実行された第1特別ゲームの実行回数と第2特別ゲームの実行回数との合計実行回数を計数するためのカウンタである。第1ゲームカウンタは、高ベース状態において第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが実行された合計実行回数が合計上限実行回数となったかを特定するためのカウンタである。
主小当りカウンタは、大当り遊技の終了後に第2特別ゲームで小当り抽選に当選した小当り回数を計数するためのカウンタである。主小当りカウンタは、大当り遊技の終了後に第2特別ゲームで小当り抽選に当選した小当り回数が上限小当り回数となったかを特定するためのカウンタである。
第2ゲームカウンタは、大当り遊技の終了後から実行された特別ゲームの実行回数を計数するためのカウンタである。第2ゲームカウンタは、大当り遊技の終了後から実行された特別ゲームの実行回数が第2高ベース状態に制御されるまでの回数となったかを特定するためのカウンタである。
具体的に、主制御CPU42は、低ベース状態における図柄ZFに基づく大当り遊技において、第1ゲームカウンタに「20」を設定する。主制御CPU42は、低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄ZA~ZD,Zc~Zfに基づく大当り遊技及び高ベース状態における図柄ZFに基づく大当り遊技において、第1ゲームカウンタに「100」を設定する。主制御CPU42は、低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄Za,Zbに基づく大当り遊技において、第1ゲームカウンタに「700」を設定する。
主制御CPU42は、低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄ZA,Za,Zb,Zcに基づく大当り遊技、及び高ベース状態における図柄ZB,ZC,ZD,ZFに基づく大当り遊技において、主小当りカウンタに「1」を設定する。主制御CPU42は、低ベース状態における図柄ZBに基づく大当り遊技、及び低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄Zdに基づく大当り遊技において、主小当りカウンタに「2」を設定する。主制御CPU42は、低ベース状態における図柄ZCに基づく大当り遊技、及び低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄Zeに基づく大当り遊技において、主小当りカウンタに「3」を設定する。主制御CPU42は、低ベース状態における図柄ZDに基づく大当り遊技、及び低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄Zfに基づく大当り遊技において、主小当りカウンタに「4」を設定する。主制御CPU42は、低ベース状態における図柄ZFに基づく大当り遊技において、主小当りカウンタに「5」を設定する。
また、主制御CPU42は、主小当りカウンタに設定した値を特定可能なコマンドを副制御基板50へ出力する。
主制御CPU42は、低ベース状態と高ベース状態とにおける図柄ZA~ZF,Za~Zfに基づく大当り遊技において、第2ゲームカウンタに「701」を設定する。
主制御CPU42は、第1ゲームカウンタに「0」が設定されていないときに、特別ゲームが実行される毎に第1ゲームカウンタの値を「1」減算する。そして、主制御CPU42は、第1ゲームカウンタの値を「1」から「0」に減算した場合、低ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定する。
また、主制御CPU42は、主小当りカウンタに「0」が設定されていないときに、第2特別ゲームで小当り抽選に当選した場合(図柄Zb~Zfに基づく小当りに当選した場合)、小当り抽選に当選した特別ゲームが実行される毎に主小当りカウンタの値を「1」減算する。そして、主制御CPU42は、主小当りカウンタの値を「1」から「0」に減算した場合、低ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定する。
また、主制御CPU42は、第2ゲームカウンタに「0」が設定されていないときに、特別ゲームが実行される毎に第2ゲームカウンタの値を「1」減算する。そして、主制御CPU42は、第2ゲームカウンタの値を「1」から「0」に減算した場合、第2高ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定する。そして、主制御CPU42は、第1ゲームカウンタに「1000」、主小当りカウンタに「1」をそれぞれ設定する。本実施形態において、主制御CPU42は、特別ゲームの終了を契機として、各種カウンタを「1」減算する。
このように、本実施形態において、主制御CPU42は、高ベース状態に制御されてから大当り遊技が付与されることなく、特別ゲームが実行された回数(特別ゲームの実行回数)を計数する。本実施形態において、主制御CPU42は、特別ゲームの実行回数を計数するゲーム回数計数手段の一例である。また、本実施形態において、主制御CPU42は、高ベース状態に制御されてから大当り遊技が付与されることなく小当り抽選に当選した小当り回数を計数する。本実施形態において、主制御CPU42は、小当り抽選に当選した小当り回数を計数する小当り回数計数手段の一例である。
そして、主制御CPU42は、高ベース状態に制御した場合に大当りとなることなく合計上限実行回数の特別ゲームが実行されるまで(第1制御条件が成立するまで)継続して高ベース状態に制御可能である。また、主制御CPU42は、高ベース状態に制御した場合に大当りとなることなく上限小当り回数の小当り抽選に当選するまで(第2制御条件が成立するまで)継続して高ベース状態に制御可能である。なお、主制御CPU42は、第2高ベース状態において大当りとなることなく合計上限実行回数の特別ゲームが実行されることを契機として低ベース状態に制御した後には、低ベース状態において大当りとなることなく予め定めた回数の特別ゲームが実行されることを契機として高ベース状態に制御しない。
本実施形態において、主制御CPU42は、オープニングコマンドの出力を契機として、低ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定する。また、本実施形態において、主制御CPU42は、オープニングコマンドの出力を契機として、第1ゲームカウンタ、主小当りカウンタ及び第2ゲームカウンタに「0」を設定し、各フラグ及び各カウンタを初期化する。
主制御CPU42は、低ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定すると、低ベース状態であることを特定可能な情報(以下、低ベース状態コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。その一方で、主制御CPU42は、第1高ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定すると、第1高ベース状態であることを特定可能な情報(以下、第1高ベース状態コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。主制御CPU42は、第2高ベース状態に制御することを特定可能な値を主ベース状態フラグに設定すると、第2高ベース状態であることを特定可能な情報(以下、第2高ベース状態コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。
このように、主制御CPU42は、図柄ZA~ZF,Za~Zfに基づく大当り遊技の終了後に第1高ベース状態に制御し、図柄ZA~ZF,Za~Zfに基づく大当り遊技の終了後から701回の特別ゲームが実行された場合に第2高ベース状態に制御する。そして、第1制御条件及び第2制御条件のうち何れか一方が成立したときに高ベース状態の制御を終了し低ベース状態に制御する。このように、本実施形態において、主制御CPU42は、遊技状態として低ベース状態と高ベース状態とに制御可能である。そして、本実施形態において、遊技状態の制御を行う主制御CPU42は、遊技状態制御手段の一例である。
次に、普通図柄入力処理について説明する。主制御CPU42は、所定の制御周期(例えば0.004s)毎に行うタイマ割り込み処理として、普通図柄入力処理、及び普通図柄開始処理などを実行する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU42は、普通始動センサSE5から検知信号を入力したか否かに基づいて、ゲート25を遊技球が通過(入球)したか否かを判定する。ゲート25を遊技球が通過していない場合、主制御CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。その一方で、ゲート25を遊技球が通過した場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている普通保留数が上限数(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている普通保留数を「1」加算して更新する。これにより、普通ゲームの保留条件が成立する。また、主制御CPU42は、更新後の普通保留数を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。
次に、主制御CPU42は、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RWM44に記憶させる。例えば、乱数は、普通図柄の当り抽選に用いる乱数、普通当り図柄の決定に用いる乱数及び普通ゲームの変動時間の決定に用いる乱数などである。この場合、主制御CPU42は、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。本実施形態では、普通ゲーム用の乱数情報を主制御RWM44に記憶させておくことで、該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。その後、主制御CPU42は、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主制御CPU42は、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU42は、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に肯定判定する一方で、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。
その一方で、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている普通保留数が「1」以上であるか否かを判定する。普通保留数が「1」以上ではない場合(零(0)である場合)、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が「1」以上である場合、主制御CPU42は、主制御RWM44に記憶されている普通保留数を「1」減算して更新する。また、主制御CPU42は、更新後の普通保留数が表示されるように、普通保留表示部13fを制御する。次に、主制御CPU42は、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RWM44から読み出す。なお、主制御CPU42は、最先に記憶された乱数情報を読み出すと、該乱数情報を主制御RWM44から消去する。
次に、主制御CPU42は、読み出した乱数情報と、現在のベース状態と、主制御ROM43に記憶されている普通当り判定値とに基づいて、普通当りに当選するか否かを判定する。
普通当りに当選する場合、主制御CPU42は、普通ゲームで導出させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間とを決定する。主制御CPU42は、普通ゲームの変動時間を決定すると、該決定した変動時間を特定可能な情報(以下、普通開始コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。その後、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。
普通当りに当選しない場合、主制御CPU42は、普通ゲームで導出させる普通はずれ図柄と、普通ゲームの変動時間とを決定する。主制御CPU42は、普通ゲームの変動時間を決定すると、該決定した変動時間を特定可能な普通開始コマンドを副制御基板50へ出力する。その後、主制御CPU42は、普通図柄開始処理を終了する。
そして、主制御CPU42は、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU42は、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように、普通図柄表示部13eを制御する。
このように、本実施形態において、主制御CPU42は、ゲート25への遊技球の通過に応じて普通当り抽選を行い、普通当りとなるかを判定する。本実施形態において、このような処理を実行する主制御CPU42は、普通当り抽選を行う普通当り抽選手段の一例である。
次に、普通当り処理について説明する。
普通当りに当選した場合、主制御CPU42は、現在のベース状態に基づいて、第2始動入賞口16の開放パターンを決定するとともに、該決定した開放パターンに基づいて第2始動入賞口16が開放されるように、普通ソレノイドSL1を制御する。特に、上述した開放時間延長制御を採用する場合、主制御CPU42は、何れの普通当り図柄であっても、低ベース状態においては低ベース用の開放パターンを決定し、高ベース状態においては高ベース用の開放パターンを決定する。
次に、副制御CPU51が行う各種の処理について説明する。
最初に、副制御CPU51が行う演出ゲーム処理について説明する。
副制御CPU51は、ゲーム開始コマンド及び図柄コマンドに基づいて、演出ゲームにおいて導出させる図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、図柄コマンドから特定可能な特別図柄が大当り図柄である場合、演出図柄による大当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、図柄コマンドから特定可能な特別図柄が小当り図柄である場合、演出図柄による小当りの図柄組合せを決定する。副制御CPU51は、図柄コマンドから特定可能な特別図柄がはずれ図柄である場合、演出図柄によるはずれの図柄組合せを決定する。
また、副制御CPU51は、リーチ演出の実行条件が成立しており、演出ゲームにおいてリーチ演出を実行する場合には、リーチを含むはずれの図柄組合せ(例えば、「787」)を決定する。本実施形態では、リーチ演出の実行条件として、リーチ演出ありのはずれ変動パターンが決定されたことが定められている。
また、副制御CPU51は、ゲーム開始コマンドの入力を契機として、各列において演出図柄を変動表示させるように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU51は、演出ゲームを開始させる。副制御CPU51は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、決定した演出図柄による図柄組合せを一旦停止表示させるとともに、ゲーム終了コマンドの入力を契機に、決定した演出図柄による図柄組合せを導出させる。なお、副制御CPU51は、ゲーム終了コマンドとは関係なく、変動パターンから特定可能な変動時間を計時し、該変動時間の経過を契機に図柄組合せを導出させてもよい。この場合、ゲーム終了コマンドは省略してもよい。
次に、副制御CPU51が行う大当り演出処理について説明する。
副制御CPU51は、大当り遊技のオープニングコマンドを入力すると、大当りの種類に対応するオープニング演出が行われるように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU51は、ラウンドコマンドを入力すると、大当りの種類に対応するラウンド演出が行われるように、演出表示装置EHを制御する。また、副制御CPU51は、ラウンド終了コマンドを入力すると、ラウンド演出を終了させる。副制御CPU51は、エンディングコマンドを入力すると、大当りの種類に対応するエンディング演出が行われるように、演出表示装置EHを制御する。このように、副制御CPU51は、大当り遊技中において、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を大当り演出として実行させることとなる。なお、本実施形態において、副制御CPU51は、各種演出が行われるように、演出表示装置EHに加えて、装飾ランプLA及びスピーカSPのうち少なくとも一方を制御してもよい。
次に、副制御CPU51が行う遊技状態処理について説明する。
副制御CPU51は、大当り遊技のエンディングコマンドを入力すると、特別回数(本実施形態では701回)を特定可能な値を副ゲームカウンタに設定する。副ゲームカウンタは、副制御RWM53に割り当てられており、大当り遊技の終了後に実行される特別ゲームの実行回数を計数するためのカウンタである。副制御CPU51は、副ゲームカウンタに「0」が設定されていないときに、ゲーム終了コマンドの入力毎に副ゲームカウンタの値を「1」減算する。
副制御CPU51は、低ベース状態コマンドを入力すると、低ベース状態であることを特定可能な値を副ベース状態フラグに設定する。副ベース状態フラグは、副制御RWM53に割り当てられており、低ベース状態に制御するか、第1高ベース状態に制御するか、第2高ベース状態に制御するかを特定可能なフラグである。副制御CPU51は、第1高ベース状態コマンドを入力すると、第1高ベース状態であることを特定可能な値を副ベース状態フラグに設定する。副制御CPU51は、第2高ベース状態コマンドを入力すると、第2高ベース状態であることを特定可能な値を副ベース状態フラグに設定する。
ここで、図8を参照して高ベース状態中に小当り抽選に当選した場合における制御態様の具体的な一例について説明する。なお、以下に示す具体例では、常時、1以上の特別ゲーム(第1特別ゲーム又は第2特別ゲーム)、及び普通ゲームがそれぞれ保留されているものとし、普通当り遊技、及び小当り遊技は上限時間に亘って付与されるものとする。なお、図8においては、特別ゲームを「TG」、普通ゲームを「FG」と示す。
最初に、図8(a)を参照して、高ベース状態中に図柄Zb~Zfに基づく小当りとなり、且つ高ベース状態における小当り回数が、上限小当り回数に到達しない場合の具体例について説明する。
図8(a)に示すように、高ベース状態において、時点T01で小当り抽選に当選した場合、時点T01から時点T02までの期間で、小当り抽選に当選した特別ゲームが実行される。これにより、時点T02から時点T12までの期間に、小当り遊技が付与される。また、時点T02で小当り抽選に当選した特別ゲームが終了したとき、高ベース状態において小当り抽選に当選した回数が、上限小当り回数に到達しない場合、時点T02が経過した後にも高ベース状態に継続して制御される。
時点T02から時点T03までの期間で、普通当り抽選に当選した普通ゲームが実行される。そして、時点T03から時点T06までの期間に、普通当り遊技が付与される。また、普通当り遊技が付与された後、時点T06から時点T07までの期間で、次回の普通当り抽選に当選した普通ゲームが実行される。そして、時点T07から時点T10までの期間に、次回の普通当り遊技が付与される。
小当り遊技中における時点T02から時点T08までの期間は、振分制御が行われない。つまり、特定可変部材21が第1位置P1にある状態を維持するため、特定領域Srには遊技球が通過できない状態となる。そして、小当り遊技中における時点T08から時点T12までの期間では振分制御が行われる。つまり、この期間においては、特定可変部材21が第2位置P2にある状態となるため、特定領域Srに遊技球が通過可能な状態となる。
時点T08から時点T12までの期間において、特定領域Srに遊技球が通過しなかった場合、小当り遊技の終了後、時点T12で次回の特別ゲームが開始される。そして、時点T14において、高ベース状態における特別ゲームの実行回数が、合計上限実行回数に到達したとき、高ベース状態が終了され、低ベース状態に制御される。
なお、本実施形態では、高ベース状態において小当り抽選に当選したときに1回の当選で小当り遊技が付与される上限時間は、小当り遊技のオープニング時間(3s)、小当り遊技中に大入賞口18が所定の開放パターンで制御される上限時間(14×(0.048+1)s)、及び小当り遊技のエンディング時間(1.5s)の合計時間となる。また、本実施形態において、高ベース状態において普通当り抽選に当選したときに、1回の当選で普通当り遊技が付与される上限時間は、前述のように5.8sである。つまり、本実施形態では、高ベース状態において小当り抽選に当選したときに1回の当選で小当り遊技が付与される上限時間は、高ベース状態において普通当り抽選に当選したときに1回の当選で普通当り遊技が付与される上限時間に比して、長い時間である。
また、本実施形態では、高ベース状態において普通ゲームが実行される変動時間は、前述のように0.2sである。つまり、本実施形態では、高ベース状態において普通ゲームが実行される変動時間には、高ベース状態において小当り抽選に当選したときに1回の当選で小当り遊技が付与される上限時間に比して、短い時間がある。
次に、図8(b)を参照して、高ベース状態中に図柄Zb~Zfに基づく小当りとなり、且つ高ベース状態における小当り回数が、上限小当り回数に到達し、役物大当り遊技が付与される場合の具体例について説明する。
図8(b)に示すように、高ベース状態において、時点T01で小当り抽選に当選した場合、時点T01から時点T02までの間で、小当り抽選に当選した特別ゲームが実行される。これにより、時点T02から時点T12までの期間に、小当り遊技が付与される。また、時点T02で小当り抽選に当選した特別ゲームが終了したとき、高ベース状態において小当り抽選に当選した回数が、上限小当り回数に到達した場合、高ベース状態が終了され、低ベース状態に制御される。
時点T02から時点T04までの期間で、普通当り抽選に当選した普通ゲームが実行される。そして、時点T04から時点T05まで、普通当り遊技が付与される。また、普通当り遊技が付与された後、時点T05から時点T09までの期間で、次回の普通当り抽選に当選した普通ゲームが実行される。そして、時点T09から時点T11までの期間に、次回の普通当り遊技が付与される。
時点T08から時点T12までの期間において、特定領域Srに遊技球が通過した場合、小当り遊技の終了後、時点T12から時点T15までの期間に、役物大当り遊技が付与される。そして、時点T15において、役物大当り遊技が終了すると、低ベース状態から高ベース状態に制御される。
このように、高ベース状態において、小当り抽選に当選したとき、高ベース状態における小当り回数が、上限小当り回数に到達しなかった場合には、小当り抽選に当選した特別ゲームの終了後も高ベース状態に継続して制御される。一方で、高ベース状態において、小当り抽選に当選したとき、高ベース状態における小当り回数が、上限小当り回数に到達した場合には、小当り抽選に当選した特別ゲームの終了後、高ベース状態から低ベース状態に制御される。
また、小当り遊技中、特定領域Srに遊技球が通過可能な期間において、遊技球が特定領域Srを通過しなかった場合には、小当り遊技の終了後、次回の特別ゲームが開始される。一方で、遊技球が特定領域Srを通過した場合には、小当り遊技の終了後、役物大当り遊技が付与される。
ここで、図8に示すように、高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、小当り回数が上限小当り回数に到達したときに付与される小当り遊技中は、低ベース状態に制御される。一方で、小当り回数が上限小当り回数に到達しなかったときに付与される小当り遊技中は、高ベース状態に制御される。なお、本実施形態においては、変動時間短縮制御及び開放時間延長制御が実行されることにより、低ベース状態における小当り遊技中は、高ベース状態における小当り遊技中よりも、普通可変部材17が閉状態となる期間(普通ゲームが実行される期間、及び普通当り遊技が付与されない期間)が長くなる。ここで、図4に示すように、本実施形態では、普通可変部材17が閉状態である期間は、普通可変部材17が開状態である期間よりも、大入賞口18に遊技球が入球し易くなる。つまり、本実施形態では、低ベース状態における小当り遊技中は、高ベース状態における小当り遊技中よりも、大入賞口18に遊技球が入球し易くなるといえる。更に、低ベース状態における小当り遊技中は、高ベース状態における小当り遊技中よりも、特定領域Srに遊技球が通過し易くなるといえる。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達したときに付与される小当り遊技では、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達していないときに付与される小当り遊技よりも、特定領域Srを遊技球が通過し易くなる。つまり、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、高ベース状態において小当り抽選に当選したとき、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達したときに付与される小当り遊技では、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達していないときに付与される小当り遊技よりも、役物大当り遊技が付与され易くなるといえる。
次に、図9を参照して変動パターンについて詳しく説明する。
図9に示すように、本実施形態の変動パターンには、複数種類の変動パターンがあり、変動パターンは、大当り(図柄当り)となるか、小当りとなるか、はずれとなるかによって選択される。具体的には、変動パターンHP21,HP31,HP41が大当り変動パターンとして規定されている。変動パターンHP32,HP42が小当り変動パターンとして規定されている。変動パターンHP11がはずれリーチ変動パターンとして、変動パターンHP01~HP03がはずれ変動パターンとしてそれぞれ規定されている。
変動パターンには、それぞれ変動時間が対応しており、変動パターンから変動時間が特定可能となる。具体的に、本実施形態において、変動パターンHP01,HP02は、低ベース状態において決定可能なはずれ変動パターンである。変動パターンHP02は、変動パターンHP01の変動時間を短縮した変動パターンである。変動パターンHP03は、高ベース状態において決定可能なはずれ変動パターンであり、変動パターンHP01,HP02の変動時間を更に短縮した変動パターンである。このように、はずれ変動パターンには、変動時間が異なる複数種類の変動パターンがある。
変動パターンHP11,HP21は、演出ゲームで(特別ゲームの実行中に)リーチが形成されて第1スーパーリーチ(以降、「SR1」と示す場合がある)演出が実行される変動パターンである。変動パターンHP31,HP32は、演出ゲームで(特別ゲームの実行中に)リーチが形成されて第2スーパーリーチ(以降、「SR2」と示す場合がある)演出が実行される変動パターンである。
変動パターンHP41は、演出ゲームで(特別ゲームの実行中に)リーチが形成されずに大当りとなる大当り変動パターンである。変動パターンHP42は、演出ゲームで(特別ゲームの実行中に)リーチが形成されずに小当りとなる小当り変動パターンである。
本実施形態において、変動パターンを決定するための複数種類の変動パターン決定テーブルが主制御ROM43に記憶されている。複数種類の変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定テーブルTa01,Ta02がある。複数種類の変動パターン決定テーブルのうち何れか一つのテーブルが参照され、参照された変動パターン決定テーブルに基づいて変動パターンが決定される。本実施形態において、参照される変動パターン決定テーブルは、大当り抽選又は小当り抽選に当選したベース状態に基づいて決定される。
本実施形態において、変動パターン決定テーブルTa01は、低ベース状態において参照されるテーブルであり、変動パターン決定テーブルTa02は、高ベース状態において参照されるテーブルである。
具体的に、変動パターン決定テーブルTa01は、第1特別ゲームの大当り変動パターンとして変動パターンHP21を、第2特別ゲームの大当り変動パターンとしてHP41を、小当り変動パターンとして変動パターンHP42を決定するテーブルである。また、変動パターン決定テーブルTa01は、はずれリーチ変動パターンとして変動パターンHP11を、はずれ変動パターンとして変動パターンHP01,HP02の何れかをそれぞれ決定するテーブルである。
変動パターン決定テーブルTa02は、大当り変動パターンとして変動パターンHP31を、小当り変動パターンとしてHP32を、はずれ変動パターンとして変動パターンHP03をそれぞれ決定するテーブルである。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行される演出について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、昇格演出がある。昇格演出は、高ベース状態において、変動パターンHP31,HP32が決定された場合に、SR2演出の実行中における一部の予め定められた演出期間に亘って実行可能な演出である。
具体的に、昇格演出は、SR2演出において、全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄となる組合せで演出表示装置EHに一旦停止表示された後に開始される。そして、昇格演出の演出パターンには、成功パターンと失敗パターンとがあり、成功パターンに基づく昇格演出が行われた場合には、最終的に全列の演出図柄が同一の奇数の演出図柄となる組合せで演出表示装置EHに停止表示される。一方で、失敗パターンに基づく昇格演出が行われた場合、最終的に全列の演出図柄が昇格演出が開始される前と同じ演出図柄(全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄)となる組合せで演出表示装置EHに停止表示される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、小当り抽選に当選し、且つ高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達したとき、又は大当り(図柄当り)抽選に当選したときには、SR2演出が実行される一部の期間において、成功パターンに基づく昇格演出が実行される。つまり、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、成功パターンに基づく昇格演出が実行されることにより、小当り回数が上限小当り回数に到達した場合における小当り遊技が付与されること、又は図柄大当り遊技が付与されることが特定可能となる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、小当り抽選に当選したが、高ベース状態における小当り回数が上限回数に到達しないときには、SR2演出が実行される一部の期間において、失敗パターンに基づく昇格演出が実行される。つまり、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、失敗パターンに基づく昇格演出が実行されることにより、小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合における小当り遊技が付与されることが特定可能となる。
このように、本実施形態において、小当り抽選に当選したときに特別ゲームで実行される演出には、昇格演出を含む。また、本実施形態では、高ベース状態において小当り抽選に当選したときに特別ゲームで実行される演出には、小当り回数が上限小当り回数に到達する場合に実行される成功パターンに基づく昇格演出と、小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合に実行される失敗パターンに基づく昇格演出とを含む。また、本実施形態において、高ベース状態において大当り抽選に当選したときに特別ゲームで実行される演出には、成功パターンに基づく昇格演出を含む。本実施形態において、昇格演出は、特定演出の一例である。本実施形態において、成功パターンに基づく昇格演出は、第1演出の一例であり、失敗パターンに基づく昇格演出は、第2演出の一例である。また、本実施形態では、成功パターンに基づく昇格演出と、失敗パターンに基づく昇格演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる。
なお、本実施形態では、SR2演出の実行中には、高ベース状態において大当り遊技が付与されずに、小当り抽選に当選した小当り回数を特定可能な小当り情報KJが演出表示装置EHに表示される。つまり、昇格演出の実行中にも小当り情報KJが演出表示装置EHに表示されることとなる。
ここで、図10を参照して昇格演出の演出パターンについて詳しく説明する。
図10に示すように、昇格演出の成功パターンと失敗パターンとには、それぞれ複数種類の演出パターンがある。小当り回数が上限小当り回数に到達する場合、及び大当り(図柄当り)時に決定される成功パターンには、演出パターンEP01,EP11,EP21,EP31,EP41がある。一方で、小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合に決定される失敗パターンには、演出パターンEP02,EP12,EP22,EP32がある。本実施形態において、演出パターンEP01,EP02,EP11,EP12,EP21,EP22,EP31,EP32,EP41のそれぞれは、昇格演出において、少なくとも一部の演出態様が異なる演出パターンである。
小当り抽選に当選した特別ゲームで実行される昇格演出の演出パターンは、小当り抽選に当選した特別ゲームが開始される前に、高ベース状態において当選した小当り回数と、小当り抽選に当選した特別ゲームで小当り回数が上限小当り回数に到達するか否かに基づいて決定される。また、大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される昇格演出の演出パターンは、大当り抽選に当選した特別ゲームが開始される前に、高ベース状態において当選した小当り回数に基づいて決定される。
高ベース状態において当選した小当り回数が0回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達する場合には、演出パターンEP01が決定される。一方で、高ベース状態において当選した小当り回数が0回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合には、演出パターンEP02が決定される。また、高ベース状態において当選した小当り回数が0回である状況において、大当り抽選に当選した場合には、演出パターンEP01が決定される。
高ベース状態において当選した小当り回数が1回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達する場合には、演出パターンEP11が決定される。一方で、高ベース状態において当選した小当り回数が1回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合には、演出パターンEP12が決定される。また、高ベース状態において当選した小当り回数が1回である状況において、大当り抽選に当選した場合には、演出パターンEP11が決定される。
高ベース状態において当選した小当り回数が2回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達する場合には、演出パターンEP21が決定される。一方で、高ベース状態において当選した小当り回数が2回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合には、演出パターンEP22が決定される。また、高ベース状態において当選した小当り回数が2回である状況において、大当り抽選に当選した場合には、演出パターンEP21が決定される。
高ベース状態において当選した小当り回数が3回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達する場合には、演出パターンEP31が決定される。一方で、高ベース状態において当選した小当り回数が3回である状況において、小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合には、演出パターンEP32が決定される。また、高ベース状態において当選した小当り回数が3回である状況において、大当り抽選に当選した場合には、演出パターンEP31が決定される。
高ベース状態において当選した小当り回数が4回である状況において、小当り抽選に当選した場合には、小当り回数が上限小当り回数に到達するため、演出パターンEP41が決定される。また、高ベース状態において当選した小当り回数が4回である状況において、大当り抽選に当選した場合には、演出パターンEP41が決定される。
なお、本実施形態では、高ベース状態において、小当り抽選に当選した回数として計数される小当り回数には、第1回数(一例として、1回)と第1回数よりも大きい第2回数(一例として、2回)とがあり、これらの回数と上限小当り回数(一例として、3回)とが、連続する回数として規定される場合がある。このような場合、本実施形態では、小当り回数が第1回数に到達する場合に決定される失敗パターン(一例として、EP02)と、小当り回数が第2回数に到達する場合に決定される失敗パターン(一例として、EP12)は、少なくとも一部の演出態様が異なる演出パターンである。
また、本実施形態では、小当り回数が第1回数である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで決定される演出パターン(一例として、EP11)と、小当り回数が第2回数である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで決定される演出パターン(一例として、EP12)は、少なくとも一部の演出態様が異なる演出パターンである。
また、本実施形態では、小当り回数が第1回数である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで決定される演出パターンと、小当り回数が第1回数である状況において小当り抽選に当選した特別ゲームで決定される演出パターンは、演出が開始されてから少なくとも演出の途中までの所定期間において同じ演出態様となる演出パターンである。
次に、図11を参照して、副制御CPU51によって実行される小当り回数計数処理について説明する。この小当り回数計数処理は、副制御CPU51が高ベース状態において小当り抽選に当選した回数を計数するための処理である。
最初に、図11に示すように、副制御CPU51は、高ベース状態であることを特定可能なコマンドを入力したか判定する(ステップS101)。具体的に、副制御CPU51は、第1高ベース状態コマンド及び第2高ベース状態コマンドの何れかを入力したか判定する。第1高ベース状態コマンド及び第2高ベース状態コマンドの何れも入力していない場合、副制御CPU51は、ステップS103に移行する。第1高ベースコマンド及び第2高ベース状態コマンドのうち何れかを入力した場合、副制御CPU51は、ステップS102に移行する。
ステップS102において、副制御CPU51は、副制御RWM53に割り当てられた所定の領域に、上限小当り回数を特定可能な情報を設定する。具体的に、ステップS101において第1高ベース状態コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、第1高ベース状態コマンドを入力する前に入力した主小当りカウンタに設定した値を特定可能なコマンドに基づいて、副制御RWM53に割り当てられた所定の領域に上限小当り回数を特定可能な情報を設定する。また、ステップS101において第2高ベース状態コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、副制御RWM53に割り当てられた所定の領域に、第2高ベース状態における小当り回数の上限小当り回数を特定可能な情報として「1」を設定する。そして、これらの処理を実行した後、副制御CPU51は、副制御RWM53に割り当てられた副小当りカウンタに0を設定する。なお、副小当りカウンタは、副制御CPU51が現在の小当り回数を特定するためのカウンタである。そして、副小当りカウンタに0を設定した場合、副制御CPU51は、ステップS103に移行する。
ステップS103において、副制御CPU51は、小当りに当選したことを特定可能なコマンドを入力したか判定する。具体的に、副制御CPU51は、小当り図柄を特定可能な図柄コマンドを入力したか判定する。小当り図柄を特定可能な図柄コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、ステップS104に移行する。小当り図柄を特定可能な図柄コマンドを入力していない場合、副制御CPU51は、小当り回数計数処理を終了する。
ステップS104において、副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている副小当りカウンタの値を1加算して更新する。そして、副小当りカウンタの値を更新した場合、副制御CPU51は、小当り回数計数処理を終了する。
次に、図12を参照して、副制御CPU51によって実行される昇格演出パターン決定処理について説明する。この昇格演出パターン決定処理は、高ベース状態において実行される昇格演出の演出パターンを副制御CPU51が決定するための処理である。また、副制御CPU51は、小当り回数計数処理を実行した後に昇格演出パターン決定処理を実行する。
最初に、図12に示すように、副制御CPU51は、SR2演出が実行される変動パターンHP31,HP32を特定可能なゲーム開始コマンドを入力したか判定する(ステップS201)。変動パターンHP31,HP32を特定可能なゲーム開始コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、ステップS202に移行する。変動パターンHP31,HP32を特定可能なゲーム開始コマンドを入力しなかった場合、副制御CPU51は、昇格演出パターン決定処理を終了する。
ステップS202において、副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている副小当りカウンタの値を参照することにより、SR2演出が実行される前の高ベース状態における小当り回数を特定する。なお、副小当りカウンタの値を1減算した値が、SR2演出が実行される前の高ベース状態における小当り回数となる。SR2演出が実行される前の高ベース状態における小当り回数を特定した場合、副制御CPU51は、ステップS203に移行する。
ステップS203において、副制御CPU51は、入力したゲーム開始コマンドが、変動パターンHP31を特定可能なゲーム開始コマンドであるか判定する。入力したゲーム開始コマンドが変動パターンHP31を特定可能なゲーム開始コマンドである場合、副制御CPU51は、ステップS204に移行する。入力したゲーム開始コマンドが、変動パターンHP31を特定可能なゲーム開始コマンドではない場合(変動パターンHP32を特定可能な変動パターンである場合)、副制御CPU51は、ステップS205に移行する。
ステップS204において、副制御CPU51は、演出パターンEP01,EP11,EP21,EP31,EP41から、ステップS202で特定した小当り回数に対応した何れかの演出パターンを決定する。一例として、ステップS202で特定した小当り回数が0である場合、演出パターンEP01を決定する。そして、演出パターンを決定した場合、副制御CPU51は、昇格演出パターン決定処理を終了する。
ステップS205において、副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている副小当りカウンタの値と、副制御RWM53に記憶されている上限小当り回数を特定可能な情報とを参照し、副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致しているか判定する。副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致している場合、副制御CPU51は、ステップS206に移行する。副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致していない場合、副制御CPU51は、ステップS207に移行する。
ステップS206において、副制御CPU51は、演出パターンEP01,EP11,EP21,EP31,EP41から、ステップS202で特定した小当り回数に対応した何れかの演出パターンを決定する。そして、演出パターンを決定した場合、副制御CPU51は、昇格演出パターン決定処理を終了する。
ステップS207において、副制御CPU51は、演出パターンEP02,EP12,EP22,EP32から、ステップS202で特定した小当り回数に対応した何れかの演出パターンを決定する。そして、演出パターンを決定した場合、副制御CPU51は、昇格演出パターン決定処理を終了する。
そして、昇格演出パターン決定処理とは別の処理において、副制御CPU51は、決定した昇格演出の演出パターンに基づいて、昇格演出を実行させるように演出表示装置EHを制御する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において小当り遊技中に実行される演出について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技中に促進演出が実行される。促進演出は、遊技球が右側領域Rf2を流下するように遊技球を打ち出すことを促す演出である。促進演出は、小当り遊技のオープニング時間及びラウンド遊技中に実行され、小当り遊技が開始されてから、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過するまで、又は後述する非通過演出が開始される前までの期間に亘って実行される。
促進演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第1促進情報SJ1が表示される。また、促進演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第2促進情報SJ2が表示される。
つまり、本実施形態では、高ベース状態及び低ベース状態において小当り遊技が付与されている一部の期間において促進演出が実行される。本実施形態において、促進演出は、特別演出の一例である。
なお、本実施形態では、促進演出の実行中にもSR2演出の実行中に表示されていた小当り情報KJが継続して演出表示装置EHに表示される。また、促進演出が開始されたとき、小当り情報KJに示された小当り回数が更新される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過した場合、促進演出が終了され、役物当りとなったことを示す通過演出が実行される。通過演出は、特定領域Srを遊技球が通過してから、次のラウンド遊技が開始される前までの期間に亘って実行される。
通過演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第1通過情報TJ1が表示される。また、通過演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第2通過情報TJ2が表示される。
なお、本実施形態では、通過演出の実行中にも促進演出の実行中に表示されていた小当り情報KJが継続して演出表示装置EHに表示される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過しなかった場合、非通過演出が実行される。非通過演出は、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過しなかったことを示す演出である。非通過演出は、小当り遊技のエンディング時間に実行される。
非通過演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第1非通過情報LJ1が表示される。本実施形態における第1非通過情報LJ1には、ベース状態が高ベース状態から低ベース状態に制御されたことを示唆する情報が含まれる。また、非通過演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第2非通過情報LJ2が表示される。本実施形態における第2非通過情報LJ2には、高ベース状態に継続して制御されることを示唆する情報が含まれる。
なお、本実施形態では、非通過演出の実行中にも促進演出の実行中に表示されていた小当り情報KJが継続して演出表示装置EHに表示される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、促進演出の実行中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、RWMクリアが実行されずに電力供給が再開された場合には、復電時促進演出が実行される。復電時促進演出は、遊技が再開されたことを示すとともに、遊技球が右側領域Rf2を流下するように遊技球を打ち出すことを促す演出である。復電時促進演出は、電力供給が再開されてから、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過するまで、又は非通過演出が開始される前までの期間に亘って実行される。
復電時促進演出は、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、及び高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、の何れであっても、演出表示装置EHに復電時促進情報FJが表示される。復電時促進情報FJの表示内容の全部は、促進演出で表示される第1促進情報SJ1、第2促進情報SJ2の表示内容のそれぞれと異なる。つまり、本実施形態において、促進演出と復電時促進演出は、全部の演出態様が異なる。本実施形態において、復電時促進演出は、特殊演出の一例である。
なお、本実施形態では、復電時促進演出の実行中には、促進演出の実行中に表示されていた小当り情報KJが演出表示装置EHに表示されない。
次に、図13を参照して、副制御CPU51によって実行される小当り演出処理について説明する。
最初に、図13に示すように、副制御CPU51は、小当り遊技のオープニングコマンドを入力したか判定する(ステップS301)。小当り遊技のオープニングコマンドを入力した場合、副制御CPU51は、ステップS302に移行する。小当り遊技のオープニングコマンドを入力していない場合、副制御CPU51は、ステップS302の処理を実行せずに、ステップS303に移行する。
ステップS302において、副制御CPU51は、促進演出が行われるように、演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU51は、副制御RWM53に記憶されている副小当りカウンタの値と、副制御RWM53に記憶されている上限小当り回数を特定可能な情報とを参照し、副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致しているか判定する。そして、副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致している場合、副制御CPU51は、第1促進情報SJ1が表示されるように演出表示装置EHを制御する。副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致していない場合、副制御CPU51は、第2促進情報SJ2が表示されるように演出表示装置EHを制御する。そして、これらの処理を実行した後、副制御CPU51は、小当り情報KJが更新されるように演出表示装置EHを制御し、ステップS303に移行する。
ステップS303において、副制御CPU51は、特定通過コマンドを入力したか判定する。特定通過コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、ステップS304に移行する。特定通過コマンドを入力していない場合、副制御CPU51は、ステップS304の処理を実行せずに、ステップS305に移行する。
ステップS304において、副制御CPU51は、通過演出が行われるように、演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU51は、ステップS302と同様に、副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致しているか判定し、上限小当り回数と一致している場合、副制御CPU51は、第1通過情報TJ1が表示されるように演出表示装置EHを制御する。副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致していない場合、副制御CPU51は、第2通過情報TJ2が表示されるように演出表示装置EHを制御する。そして、これらの処理を実行した後、副制御CPU51は、通過演出の実行中であることを特定可能な情報を副制御RWM53に設定し、ステップS305に移行する。
ステップS305において、副制御CPU51は、小当り遊技のエンディングコマンドを入力したか判定する。小当り遊技のエンディングコマンドを入力した場合、副制御CPU51は、ステップS306に移行する。小当り遊技のエンディングコマンドを入力していない場合、副制御CPU51は、小当り演出処理を終了する。
ステップS306において、副制御CPU51は、副制御RWM53に通過演出の実行中であることを特定可能な情報が設定されていないか判定する。通過演出の実行中であることを特定可能な情報が設定されていない場合、副制御CPU51は、ステップS307に移行する。通過演出の実行中であることを特定可能な情報が設定されている場合、副制御CPU51は、小当り演出処理を終了する。
ステップS307において、副制御CPU51は、非通過演出が行われるように、演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU51は、ステップS302と同様に、副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致しているか判定し、上限小当り回数と一致している場合、副制御CPU51は、第1非通過情報LJ1が表示されるように演出表示装置EHを制御する。副小当りカウンタの値が、上限小当り回数と一致していない場合、副制御CPU51は、第2非通過情報LJ2が表示されるように演出表示装置EHを制御する。そして、これらの処理を実行した後、副制御CPU51は、小当り演出処理を終了する。
次に、副制御CPU51によって実行される小当り時復電処理について説明する。
最初に、副制御CPU51は、電源投入復電時指定コマンドを入力したか判定する。電源投入復電時指定コマンドを入力しなかった場合、副制御CPU51は、小当り時復電処理を終了する。電源投入復電時指定コマンドを入力した場合、副制御CPU51は、小当り遊技の実行中であることを特定可能なコマンドを入力したか判定する。小当り遊技の実行中であることを特定可能なコマンドを入力しなかった場合、副制御CPU51は、小当り時復電処理を終了する。小当り遊技の実行中であることを特定可能なコマンドを入力した場合、副制御CPU51は、復電時促進演出が行われるように演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU51は、復電時促進情報FJが表示されるように演出表示装置EHを制御する。
次に、図14~図17を参照して、SR2演出の実行中に昇格演出が実行された場合における演出の具体的な一例について説明する。
最初に、高ベース状態における上限小当り回数が3回であり、高ベース状態において当選した小当り回数が2回である状況において、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に、演出パターンEP21(成功パターン)に基づく昇格演出が実行される具体的な一例について説明する。
図14(a)に示すように、SR2演出において、全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄となる組合せで演出表示装置EHに一旦停止表示された後、昇格演出が開始される。このとき、「昇格チャレンジ」の文字列を模した画像SCGが演出表示装置EHに表示される。更に、昇格演出の演出内容を示す情報が演出表示装置EHに表示される。また、演出表示装置EHには、小当り情報KJが表示されている。
図14(b)に示すように、演出パターンEP21に基づく昇格演出が開始されると、全列が同一の偶数となる演出図柄の組合せに加え、全列が同一の奇数となる演出図柄の組合せが演出表示装置EHに表示され、偶数の演出図柄と奇数の演出図柄とが、上下に押し合う演出が実行される。
図14(c)に示すように、演出パターンEP21に基づく昇格演出では、偶数の演出図柄が表示領域HRから押し出され、最終的に全列の演出図柄が同一の奇数の演出図柄となる組合せで停止表示される。このとき、「昇格成功!!」の文字列を模した昇格画像SG1が演出表示装置EHに表示される。そして、昇格演出が終了するとともに、SR2演出が終了する。
図14(d)に示すように、小当り抽選に当選した特別ゲームで昇格演出が実行された場合には、昇格演出(SR2演出)が終了した後、小当り遊技が開始され、小当り遊技中に促進演出が実行される。このとき、演出表示装置EHでは、小当り情報KJが更新表示される。また、小当り抽選に当選したことにより、小当り回数が上限小当り回数に到達したため、促進演出では、第1促進情報SJ1が演出表示装置EHに表示される。第1促進情報SJ1は、一例として「Vを狙え!!」の文字列を模した画像である。
図14(e)に示すように、促進演出の実行中、特定領域Srに遊技球が通過すると、通過演出が実行される。このとき、第1通過情報TJ1が演出表示装置EHに表示される。第1通過情報TJ1は、一例として「V獲得」の文字列を模した画像である。第1通過情報TJ1が表示されることにより、遊技者は、小当り回数が上限小当り回数に到達した状況において役物当りとなったことを特定可能になる。
図14(f)に示すように、促進演出の実行中、特定領域Srに遊技球が通過しないまま小当り遊技のラウンド遊技が終了すると、非通過演出が実行される。このとき、第1非通過情報LJ1が演出表示装置EHに表示される。第1非通過情報LJ1は、一例として「残念!!高ベース状態終了」の文字列を模した画像である。第1非通過情報LJ1が表示されることにより、遊技者は、小当り遊技中に役物当りにならなかったことを特定可能になるとともに、高ベース状態が終了したことを特定可能となる。
次に、高ベース状態における上限小当り回数が3回であり、高ベース状態において当選した小当り回数が1回である状況において、小当り抽選に当選した場合に、演出パターンEP12(失敗パターン)に基づく昇格演出が実行される具体的な一例について説明する。
図15(a)では、図14(a)の場合と同様に、昇格演出が開始される。
図15(b)に示すように、演出パターンEP12に基づく昇格演出が開始されると、消しゴムを模した画像が演出表示装置EHに表示され、表示中の偶数の演出図柄の組合せを消す動作を行う演出が実行される。
図15(c)に示すように、演出パターンEP12に基づく昇格演出では、表示されていた演出図柄が消えずに、最終的に全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄となる組合せで停止表示される。このとき、「昇格失敗」の文字列を模した昇格画像SG2が演出表示装置EHに表示される。そして、昇格演出が終了するとともに、SR2演出が終了する。
図15(d)に示すように、昇格演出(SR2演出)が終了した後、小当り遊技が開始され、小当り遊技中に促進演出が実行される。このとき、演出表示装置EHでは、小当り情報KJが更新表示される。また、小当り抽選に当選したが、小当り回数が上限小当り回数に到達しないため、促進演出では、第2促進情報SJ2が演出表示装置EHに表示される。第2促進情報SJ2は、一例として「Vチャンス右を狙え!!」の文字列を模した画像及び矢印を模した画像である。
図15(e)に示すように、促進演出の実行中、特定領域Srに遊技球が通過すると、通過演出が実行される。このとき、第2通過情報TJ2が演出表示装置EHに表示される。第2通過情報TJ2は、一例として「ミラクルV」の文字列を模した画像である。第2通過情報TJ2が表示されることにより、遊技者は、小当り回数が上限小当り回数に到達していない状況において役物当りとなったことを特定可能になる。
図15(f)に示すように、促進演出の実行中、特定領域Srに遊技球が通過しないまま小当り遊技のラウンド遊技が終了すると、非通過演出が実行される。このとき、第2非通過情報LJ2が演出表示装置EHに表示される。第2非通過情報LJ2は、一例として「残念!!まだまだ続くよ!!」の文字列を模した画像である。第2非通過情報LJ2が表示されることにより、遊技者は、小当り遊技中に役物当りにならなかったことを特定可能になるとともに、高ベース状態に継続して制御されることを特定可能となる。
次に、高ベース状態における上限小当り回数が3回であり、高ベース状態において当選した小当り回数が0回である状況において、小当り抽選に当選した場合に、演出パターンEP02(失敗パターン)に基づく昇格演出が実行され、小当り遊技中に電力供給が遮断された後、電力供給が再開された場合における演出の具体的な一例について説明する。
図16(a)では、図14(a)の場合と同様に昇格演出が開始される。
図16(b)に示すように、演出パターンEP02に基づく昇格演出が開始されると、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる組合せのまま、縦スクロールする演出が実行される。
図16(c)に示すように、演出パターンEP02に基づく昇格演出では、最終的に全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄となる組合せで停止表示される。このとき、「昇格失敗」の文字列を模した昇格画像SG2が演出表示装置EHに表示される。そして、昇格演出が終了するとともに、SR2演出が終了する。
図15(a)~(c)及び図16(a)~(c)に示すように、本実施形態において、高ベース状態における上限小当り回数が3回であるとき、小当り抽選に当選したとき、小当り回数が1回に到達する場合と、小当り回数が2回に到達する場合とがある。これらの場合、本実施形態では、小当り回数が1回に到達する場合に実行される失敗パターンに基づく昇格演出と、小当り回数が2回に到達する場合に実行される失敗パターンに基づく昇格演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる。
図16(d)に示すように、昇格演出(SR2演出)が終了した後、小当り遊技が開始され、小当り遊技中に促進演出が実行される。このとき、演出表示装置EHでは、小当り情報KJが更新表示される。促進演出では、第2促進情報SJ2が演出表示装置EHに表示される。
図16(e)に示すように、促進演出の実行中、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合、演出表示装置EHは、何も表示されていない状態となる。
図16(f)に示すように、電力供給が遮断された後、RWMクリアが行われずに電力供給が再開された場合、復電時促進演出が実行され、復電時促進情報FJが演出表示装置EHに表示される。復電時促進情報FJは、一例として「遊技が再開されました」の文字列を模した画像及び第2促進情報SJ2で表示される矢印よりも小さな矢印を模した画像である。復電時促進情報FJが表示されることにより、遊技者は、小当り遊技中に電力供給が遮断され、RWMクリアが行われずに電力供給が再開されたことを特定可能になる。なお、本実施形態における復電時促進演出では、電力供給が遮断されたときに実行されていた小当り遊技が、高ベース状態における何回目の小当り遊技であっても、同じ復電時促進情報FJが表示される。
このように、本実施形態では、促進演出の実行中に電力供給が遮断され、主制御RWM44に記憶された情報に基づいて電力供給が再開されたとき、復電時促進演出が実行される。そして、本実施形態における促進演出と復電時促進演出とは、全部の演出態様が異なる。
また、本実施形態では、上限小当り回数が3回であるとき、小当り回数が1回であるときに小当り抽選に当選した場合において、促進演出の実行中に電力供給が遮断された後、電力供給が再開されたときに復電時促進演出が実行される。更に、高ベース状態における小当り回数が2回であるときに小当り抽選に当選した場合において、促進演出の実行中に電力供給が遮断された後、電力供給が再開されたときにも復電時促進演出が実行される。このような場合、本実施形態では、小当り回数が1回であるときに小当り抽選に当選した場合に実行される復電時促進演出と、小当り回数が2回であるときに小当り抽選に当選した場合に実行される復電時促進演出は、全部の演出態様が同じである。
次に、高ベース状態における上限小当り回数が3回であり、高ベース状態において当選した小当り回数が1回である状況において、大当り抽選に当選した場合に、演出パターンEP11(成功パターン)に基づく昇格演出が実行される具体的な一例について説明する。
図17(a)では、図15(a)の場合と同様に、昇格演出が開始される。
図17(b)に示すように、演出パターンEP11に基づく昇格演出が開始される場合も、演出パターンEP12に基づく昇格演出が開始された場合と同じ演出態様で、消しゴムを模した画像が演出表示装置EHに表示され、表示中の偶数の演出図柄の組合せを消す動作を行う演出が実行される。
そして、図17(c)に示すように、演出パターンEP11に基づく昇格演出では、演出パターンEP12に基づく昇格演出と異なり、表示されていた偶数の演出図柄が消え、最終的に全列の演出図柄が同一の奇数の演出図柄となる組合せで停止表示される。このとき、「昇格成功!!」の文字列を模した昇格画像SG1が演出表示装置EHに表示される。そして、昇格演出が終了するとともに、SR2演出が終了する。つまり、本実施形態においては、演出パターンEP11に基づく昇格演出と、演出パターンEP12に基づく昇格演出は、演出が開始されてから少なくとも演出の途中までの所定期間において同じ演出態様で実行される。
図14及び図17に示すように、本実施形態において、高ベース状態における上限小当り回数が3回であるとき、小当り回数が1回である状況において、大当り抽選に当選する場合と、小当り回数が2回である状況において、大当り抽選に当選する場合とがある。これらの場合、小当り回数が1回である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出と、小当り回数が2回である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる。
また、図15及び図17に示すように、本実施形態において、高ベース状態における上限小当り回数が3回であるとき、小当り回数が1回である状況において、大当り抽選に当選する場合と、小当り回数が1回である状況において、小当り抽選に当選する場合とがある。これらの場合、小当り回数が1回である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出と、小当り回数が1回である状況において小当り抽選に当選した特別ゲームで実行される失敗パターンに基づく昇格演出は、演出が開始されてから少なくとも演出の途中までの所定期間において同じ演出態様で実行される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達したときに付与される小当り遊技では、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達していないときに付与される小当り遊技よりも、特定領域Srを遊技球が通過し易い。よって、高ベース状態において小当り抽選に当選した回数と、小当り抽選に当選した回数が上限小当り回数に到達したか否かとに注意させることができる。更に、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達したときに付与される小当り遊技では、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達していないときに付与される小当り遊技よりも、役物大当り遊技が付与される期待感を高揚させることができる。したがって、小当り抽選に当選したときの遊技性を多様化することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(2)右側領域Rf2へ遊技球が発射されており、且つ、特別可変部材19が開状態である場合において、普通可変部材17が閉状態であるときは、普通可変部材17が開状態であるときに比して、大入賞口18に遊技球が入球し易い。よって、特別可変部材19が開状態であるとき、普通可変部材17が開状態であるか、閉状態であるかに注目させることができる。そして、特別可変部材19が開状態であり、且つ、普通可変部材17が閉状態であるときは、特別可変部材19が開状態であり、且つ、普通可変部材17が開状態であるときに比して、大入賞口18に遊技球が入球する期待感を高揚させることができ、ひいては、特定領域Srを遊技球が通過する期待感を高揚させることができる。したがって、役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(3)高ベース状態において小当り抽選に当選したときに1回の当選で小当り遊技が付与される上限時間は、高ベース状態において普通当り抽選に当選したときに1回の当選で普通当り遊技が付与される上限時間に比して、長い時間である。このため、高ベース状態において、普通当り遊技が付与されている状況において小当り遊技が付与された場合であっても、小当り遊技が付与されてから上限時間が経過する前に、普通当り遊技が終了し、小当り遊技中に普通当り遊技が付与されない期間が創出される。よって、高ベース状態において普通当り遊技が付与されている状況において小当り遊技が付与された場合であっても、小当り遊技中において普通当り遊技が終了した後に、大入賞口18に遊技球が入球し、特定領域Srを遊技球が通過することを期待させることができる。したがって、役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(4)高ベース状態において普通ゲームが実行される変動時間には、高ベース状態において小当り抽選に当選したときに、1回の当選で小当り遊技が付与される上限時間に比して、短い時間がある。このため、高ベース状態における普通ゲームの実行中に、小当り遊技が付与された場合であっても、普通ゲームの変動時間によっては、小当り遊技が付与されてから上限時間が経過する前に、普通当り抽選の抽選結果が導出される。したがって、小当り遊技が付与されている期間における普通当り抽選の抽選結果に注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(5)振分制御の開始条件は、小当り遊技が開始されてから、高ベース状態において1回の小当り遊技が付与される上限時間の経過前の所定時間が経過することにより成立する条件である。よって、小当り遊技が付与された場合であっても、小当り遊技が開始されてから所定時間が経過する前には、特定領域Srを遊技球が通過しないようにすることができる。一方で、小当り遊技が開始されてから所定時間が経過した後には、特定領域Srを遊技球が通過するようにできる。したがって、小当り遊技が開始されてから所定時間が経過した後には、特定領域Srを遊技球が通過し、役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(6)高ベース状態において小当り抽選に当選したときに特別ゲームで実行される演出には、成功パターンに基づく昇格演出と失敗パターンに基づく昇格演出とを含む。そして、成功パターンに基づく昇格演出は、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達する場合に実行される演出であり、失敗パターンに基づく昇格演出は、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合に実行される演出である。また、成功パターンに基づく昇格演出と失敗パターンに基づく昇格演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる。よって、高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出及び失敗パターンに基づく昇格演出の演出態様により、小当り抽選に当選した特別ゲームにおいて計数された小当り回数が上限小当り回数に到達するか否かを把握させることができる。更に、小当り抽選に当選した特別ゲームにおいて成功パターンに基づく昇格演出が実行されるとともに計数された小当り回数が上限小当り回数に到達することが把握されたときには、役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(7)上限小当り回数が3回であるとき、計数された小当り回数が1回に到達する場合に実行される失敗パターンに基づく昇格演出と、計数された小当り回数が2回に到達する場合に実行される失敗パターンに基づく昇格演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる。つまり、高ベース状態において小当り抽選に当選し、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合であっても、小当り回数が1回に到達するか、2回に到達するかにより、小当り抽選に当選した特別ゲームにおいて少なくとも一部の演出態様が異なる失敗パターンに基づく昇格演出を楽しませることができる。したがって、計数された小当り回数が上限小当り回数に到達しないときにおいて、計数された小当り回数と小当り抽選に当選したときに実行される失敗パターンに基づく昇格演出の演出態様との関係性に注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(8)上限小当り回数が3回であるとき、小当り回数が1回である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出と、小当り回数が2回である状況において大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる。よって、高ベース状態において大当り抽選に当選し、小当り回数が上限小当り回数に到達していない場合でも、小当り回数が上限小当り回数に到達するときと同じように成功パターンに基づく昇格演出を楽しませることができる。更に、小当り回数が1回であるときに大当り抽選に当選したか、小当り回数が2回であるときに大当り抽選に当選したかにより、大当り抽選に当選した特別ゲームにおいて少なくとも一部の演出態様が異なる成功パターンに基づく昇格演出を楽しませることができる。したがって、計数された小当り回数と大当り抽選に当選したときに実行される成功パターンに基づく昇格演出の演出態様との関係性に注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(9)上限小当り回数が3回であるとき、小当り回数が1回である状況において、大当り抽選に当選した特別ゲームで実行される成功パターンに基づく昇格演出と小当り抽選に当選した特別ゲームで実行される失敗パターンに基づく昇格演出は、演出が開始されてから少なくとも演出の途中までの所定期間において同じ演出態様で実行される。したがって、小当り回数が1回であるときに大当り抽選及び小当り抽選の何れかに当選した場合には、成功パターンに基づく昇格演出又は失敗パターンに基づく昇格演出が開始されてからの所定期間において、大当り抽選に当選したのか、小当り抽選に当選したのかを予測させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(10)高ベース状態において小当り遊技が付与されている一部の期間において、遊技球が右側領域Rf2を流下するように遊技球を打ち出すことを促す促進演出が実行される。したがって、小当り遊技が付与されている一部の期間においては、右側領域Rf2を流下するように遊技球を打ち出すことを遊技者に好適に促すことができる。
(11)促進演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第1促進情報SJ1が表示される一方で、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第2促進情報SJ2が表示される。したがって、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達したか否かにより、促進演出において演出表示装置EHに表示される情報に多様性を持たせることができる。そして、促進演出において演出表示装置EHに表示される情報により、高ベース状態において、小当り回数が上限小当り回数に到達したか、小当り回数が上限小当り回数に到達していないかを把握させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(12)促進演出の実行中に電力供給が遮断され、記憶された情報に基づいて電力供給が再開されたとき、復電時促進演出が実行される。そして、促進演出と復電時促進演出は、全部の演出態様が異なる。したがって、促進演出の実行中に電力供給が遮断され、記憶された情報に基づいて電力供給が再開された場合、復電時促進演出が実行されることにより、小当り遊技が付与されている一部の期間における促進演出の実行中に電力供給が遮断され、電力供給が再開されたことを遊技者に把握させることができる。
(13)高ベース状態において、計数された小当り回数が1回及び2回のうち何れの回数であるときに小当り抽選に当選した場合であっても、小当り遊技中における促進演出の実行中に電力供給が遮断された後、電力供給が再開されたときには、演出態様が同じ復電時促進演出が実行される。したがって、小当り回数が1回及び2回のうち何れの回数であるときに小当り抽選に当選した場合であっても、促進演出の実行中に電力供給が遮断されたことを把握させ易くすることができる。
(14)促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過した場合、促進演出が終了され、役物当りとなったことを示す通過演出が実行される。したがって、促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過し、役物当りとなったことを遊技者に好適に把握させることができる。
(15)通過演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第1通過情報TJ1が表示される一方で、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第2通過情報TJ2が表示される。したがって、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達したか否かにより、通過演出において演出表示装置EHに表示される情報に多様性を持たせることができる。そして、通過演出において演出表示装置EHに表示される情報からも、高ベース状態において、小当り回数が上限小当り回数に到達したか、小当り回数が上限小当り回数に到達していないかを把握させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(16)促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過しなかった場合、非通過演出が実行される。したがって、促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過しなかったことを遊技者に好適に把握させることができる。
(17)非通過演出では、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第1非通過情報LJ1が表示される一方で、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合、演出表示装置EHに第2非通過情報LJ2が表示される。したがって、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達したか否かにより、非通過演出において演出表示装置EHに表示される情報に多様性を持たせることができる。そして、非通過演出において演出表示装置EHに表示される情報からも、高ベース状態において、小当り回数が上限小当り回数に到達したか、小当り回数が上限小当り回数に到達していないかを把握させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(18)第1非通過情報LJ1には、ベース状態が高ベース状態から低ベース状態に制御されたことを示唆する情報が含まれる。第2非通過情報LJ2には、高ベース状態に継続して制御されることを示唆する情報が含まれる。したがって、非通過演出が実行されることにより、非通過演出が終了した後に制御されるベース状態を遊技者に好適に把握させることができる。
(19)SR2演出の実行中(昇格演出の実行中)には、高ベース状態において大当り遊技が付与されずに、小当り抽選に当選した小当り回数を特定可能な小当り情報KJが演出表示装置EHに表示される。したがって、SR2演出の実行中であっても、高ベース状態において大当り遊技が付与されずに、小当り抽選に当選した小当り回数を遊技者に把握させることができるとともに、SR2演出の実行中に小当り情報KJによる情報から、小当り回数が上限回数に到達するか否かを予想させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(20)昇格演出が終了した後、小当り遊技が開始され、小当り遊技中に促進演出が実行される。このとき、演出表示装置EHでは、小当り情報KJが更新表示され、小当り情報KJは、促進演出の実行中にも継続して表示される。したがって、高ベース状態において大当り遊技が付与されずに小当り抽選に当選した小当り回数が、小当り遊技が開始されたことにより更新されたこと、及び更新された小当り回数を、促進演出の実行中に遊技者に好適に把握させることができる。
(21)非通過演出の実行中にも、促進演出の実行中に表示された小当り情報KJが演出表示装置EHに継続して表示される。したがって、促進演出の実行中に特定領域Srを遊技球が通過しなかった場合であっても、非通過演出が終了するまで(小当り遊技のエンディング時間が経過するまで)、高ベース状態中に小当り抽選に当選した小当り回数を遊技者に把握させることができる。
(22)図柄Zbに基づく小当り遊技が付与された場合に特定領域Srを遊技球が通過したときに、図柄Zbに基づく大当り遊技(第1役物大当り遊技)が付与される。また、図柄Zdに基づく小当り遊技が付与された場合に特定領域Srを遊技球が通過したときに、図柄Zdに基づく大当り遊技(第2役物大当り遊技)が付与される。よって、小当りの種類により、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過した後に付与される大当り遊技の種類を異ならせることができる。そして、図柄Zbに基づく小当りに当選した場合には、図柄Zbに基づく小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過し、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与されることを期待させることができる。図柄Zdに基づく小当りに当選した場合には、図柄Zdに基づく小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過し、図柄Zdに基づく大当り遊技が付与されることを期待させることができる。したがって、当選した小当りの種類と付与される大当り遊技の種類との関係性に注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(23)高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数として、1回が決定される。また、高ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数として、2回が決定される。つまり、高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、小当り抽選に当選した回数を上限小当り回数に到達させ易くすることができる。したがって、高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、次回の役物大当り遊技が付与される期待感を高くすることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(24)低ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数として、1回が決定される。また、低ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数として、2回が決定される。よって、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与されたときのベース状態、及び図柄Zdに基づく大当り遊技が付与されたときのベース状態が低ベース状態である場合も、高ベース状態である場合と同じように、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達することを期待させることができる。また、役物大当り遊技が付与されたときのベース状態が低ベース状態である場合でも、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合には、図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、小当り回数を上限小当り回数に到達させ易くすることができる。
(25)高ベース状態において大当り抽選に当選し、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、第2制御条件が成立する小当り回数の上限回数として、1回が決定される。よって、高ベース状態において大当り抽選に当選し、図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合と同じように、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、小当り回数が上限小当り回数に到達することを期待させることができる。更に、高ベース状態において図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、小当り回数を上限小当り回数に到達させ易くすることができる。したがって、高ベース状態において図柄ZA~ZF,Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態において図柄Zdに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、次回の役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(26)低ベース状態において図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数として、1回が決定される。また、低ベース状態において図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された場合には、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数として、2回が決定される。よって、低ベース状態であるときに図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態であるときに図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合と同じように、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、小当り回数が上限小当り回数に到達することを期待させることができる。一方で、高ベース状態であるときに図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された場合には、低ベース状態であるときに図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において小当り回数を上限小当り回数に到達させ易くなる。したがって、高ベース状態であるときに図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された場合には、低ベース状態であるときに図柄ZBに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、次回の役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(27)高ベース状態において、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合と、図柄Zcに基づく大当り遊技が付与された場合とでは、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数が同じ回数である。一方で、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合のほうが、図柄Zcに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、第1制御条件が成立するゲーム回数の合計上限実行回数が大きい。よって、第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数が同じ回数であっても、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態のほうが、図柄Zcに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態よりも、高ベース状態中に小当り回数を上限小当り回数に到達させ易くすることができる。したがって、高ベース状態において図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合には、高ベース状態において図柄Zcに基づく大当り遊技が付与された場合よりも、次回の役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(28)高ベース状態において図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第1制御条件が成立するゲーム回数の合計上限実行回数は、高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第1制御条件が成立するゲーム回数の合計上限実行回数と同じ回数である。また、高ベース状態において図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数は、高ベース状態において図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数と同じ回数である。したがって、高ベース状態において、図柄Zaに基づく大当り遊技が付与された場合と、図柄Zbに基づく大当り遊技が付与された場合とでは、大当り遊技が付与された後に制御される高ベース状態において、次回の役物大当り遊技が付与されることを同じように期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(29)第2高ベース状態において第1制御条件が成立するゲーム回数の合計上限実行回数(本実施形態では、1000回)は、第1高ベース状態において第1制御条件が成立するゲーム回数の合計上限実行回数の最大回数(本実施形態では、700回)よりも大きい。また、第2高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数(本実施形態では、1回)は、第1高ベース状態において第2制御条件が成立する小当り回数の上限小当り回数の最小回数(本実施形態では、1回)と同じ回数である。つまり、第2高ベース状態に制御された場合には、第1高ベース状態に制御された場合よりも、小当り回数を上限小当り回数に到達させ易くすることができる。したがって、第2高ベース状態に制御された場合には、第1高ベース状態に制御された場合よりも、次回の役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、当選時に低ベース状態である場合、図柄ZA~ZFに基づく大当りは、大当りの種類によらず、大当り遊技の終了後に制御される高ベース状態における上限小当り回数として同じ回数が定められていてもよい。
・本実施形態において、当選時に低ベース状態である場合、図柄ZA~ZFに基づく大当りは、大当りの種類によらず、大当り遊技の終了後に制御される高ベース状態における合計上限実行回数として同じ回数が定められていてもよい。例えば、当選時に低ベース状態である場合、図柄ZA~ZFに基づく大当りは、大当りの種類によらず、大当り遊技の終了後に制御される高ベース状態における合計上限実行回数として100回が定められていてもよい。
・本実施形態において、高ベース状態の終了条件としての第1制御条件は、高ベース状態における第2特別ゲームの実行回数が、予め定められた合計上限実行回数に到達した場合に成立する条件であってもよい。
・本実施形態において、高ベース状態の終了条件として、第1制御条件及び第2制御条件とは別の条件として、高ベース状態における第1特別ゲームの実行回数が、予め定められた上限回数に到達した場合に成立する第3制御条件があってもよい。この場合、第1制御条件、第2制御条件、及び第3制御条件のうち何れか1つの条件が成立したときに高ベース状態から低ベース状態に制御されるとよい。
・本実施形態において、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16に遊技球が入球した順序で実行されたが、これに限らず、例えば、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームが優先的に実行されてもよい。
・本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの両方において小当り抽選が行われてもよい。この場合、高ベース状態の終了条件としての第2制御条件は、高ベース状態において、大当り遊技が付与されることなく、第2特別ゲームで小当り抽選に当選した回数が上限小当り回数に到達することにより成立するとよい。
・本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの両方において小当り抽選が行われる場合、高ベース状態の第2制御条件は、高ベース状態において、大当り遊技が付与されることなく、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームで小当り抽選に当選した回数の合計回数が上限小当り回数に到達することにより成立してもよい。なお、このとき、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームが優先的に実行されるとよい。
・本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの両方において小当り抽選が行われる場合、第1特別ゲームにおける小当り確率としては、例えば、1/65536といったように、零(0)に近い確率であってもよい。
・本実施形態において、第1特別ゲームにおいて小当り抽選が行われる場合、第1特別ゲームで小当り抽選に当選し、小当り遊技において特定領域Srを遊技球が通過したときには、役物大当り遊技が付与されるようにしてもよい。
・本実施形態において、第1特別ゲームにおいて小当り抽選が行われる場合、第1特別ゲームで小当り抽選に当選した場合、小当り遊技中に振分制御が行われないようにしてもよい。つまり、第1特別ゲームにおいて小当り抽選に当選した場合、小当り遊技中に特定領域Srを遊技球が通過しないようにしてもよい。
・本実施形態において、普通可変部材17が開状態であるとき、普通可変部材17が配設されている位置を通過する全ての遊技球が第2始動入賞口16に入球するように構成されていてもよい。つまり、右側領域Rf2において、普通可変部材17が開状態であるとき、普通可変部材17が配設されている位置よりも下流側へは遊技球が流下しないように構成されていてもよい。
・本実施形態において、例えば、複数の大入賞口を備え、複数の大入賞口のうち何れかに特定領域Srがあってもよい。また、複数の大入賞口がある場合、全ての大入賞口が右側領域Rf2において、普通可変部材17よりも遊技球が流下する方向における下流側に配設されていてもよいし、複数の大入賞口のうち、特定領域Srがない一部の大入賞口が、普通可変部材17よりも遊技球が流下する方向における上流側に配設されていてもよい。
・本実施形態において、小当り抽選に当選した特別ゲームで小当り回数が上限小当り回数に到達したときには、小当り抽選に当選した特別ゲームが開始したタイミングで低ベース状態に制御されてもよい。
・本実施形態において、振分制御の開始条件(特定条件)は、1回の小当り遊技中において特別入賞センサSE3によって検知された遊技球の入球数が、1回の小当り遊技中において大入賞口18に遊技球が入球可能な上限個数よりも小さい規定数に到達することにより成立する条件であってもよい。これによれば、小当り遊技が付与された場合であっても、小当り遊技が開始されてから1回の小当り遊技中において大入賞口18に入球した遊技球が規定数に到達する前には、特定領域Srを遊技球が通過しないようにすることができる。一方で、小当り遊技が開始されてから1回の小当り遊技中において大入賞口18に入球した遊技球が規定数に到達した後には、特定領域Srを遊技球が通過するようにできる。したがって、小当り遊技が開始されてから大入賞口18に規定数の遊技球が入球した後には、特定領域Srを遊技球が通過し、役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
・本実施形態において、高ベース状態において計数された小当り回数が上限小当り回数に到達する場合には、昇格演出を実行させるが、高ベース状態において計数された小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合には、昇格演出を実行させないようにしてもよい。これによれば、高ベース状態において小当り抽選に当選した場合、特別ゲームの実行中に昇格演出が実行されるか否かにより、小当り抽選に当選した特別ゲームにおいて小当り回数が上限小当り回数に到達するか否かを把握させることができる。更に、小当り抽選に当選した特別ゲームにおいて昇格演出が実行されたときには、役物大当り遊技が付与されることを期待させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
・本実施形態において、小当り抽選に当選し、且つ高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達したとき、昇格演出を実行させる場合と、昇格演出を実行させない場合とがあってもよい。また、大当り(図柄当り)抽選に当選したとき、昇格演出を実行させる場合と、昇格演出を実行させない場合とがあってもよい。昇格演出を実行させない場合には、SR2演出において、全列の演出図柄が同一の偶数の演出図柄となる図柄組合せで演出図柄を一旦停止表示させずに、全列の演出図柄が同一の奇数の演出図柄となる図柄組合せで演出図柄を停止表示させるとよい。
・本実施形態において、小当り抽選に当選し、且つ高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達しないとき、昇格演出を実行させる場合と、昇格演出を実行させない場合とがあってもよい。
・本実施形態において、促進演出は、高ベース状態において小当り遊技が付与されている全部の期間において実行されてもよい。つまり、促進演出は、高ベース状態において小当り遊技が付与されている少なくとも一部の期間において実行されてもよい。
・本実施形態において、促進演出は、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合と、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合とで、同じ演出態様で実行されてもよい。例えば、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した場合と到達しない場合の何れの場合であっても、促進演出において第1促進情報SJ1が演出表示装置EHに表示されてもよい。また、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した場合と到達しない場合の何れの場合であっても、促進演出において第2促進情報SJ2が演出表示装置EHに表示されてもよい。
・本実施形態において、通過演出は、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合と、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合とで、同じ演出態様で実行されてもよい。例えば、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した場合と到達しない場合の何れの場合であっても、通過演出において第1通過情報TJ1が演出表示装置EHに表示されてもよい。また、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した場合と到達しない場合の何れの場合であっても、通過演出において第2通過情報TJ2が演出表示装置EHに表示されてもよい。
・本実施形態において、非通過演出は、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達した小当り遊技中に実行される場合と、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に実行される場合とで、同じ演出態様で実行されてもよい。また、この場合、非通過演出の実行中に演出表示装置EHに表示される情報には、非通過演出の終了後に制御されるベース状態を示唆する情報が含まれないようにするとよい。
・本実施形態において、促進演出と復電時促進演出は、一部の演出態様が同じであってもよい。つまり、促進演出と復電時促進演出は、少なくとも一部の演出態様が異なっていてもよい。
・本実施形態において上限小当り回数が3回であるとき、高ベース状態において計数された小当り回数が1回であるときに小当り抽選に当選した場合に実行される復電時促進演出と、高ベース状態において計数された小当り回数が2回であるときに小当り抽選に当選した場合に実行される復電時促進演出は、一部の演出態様が異なっていてもよい。つまり、上限小当り回数が3回であるとき、高ベース状態において計数された小当り回数が1回であるときに小当り抽選に当選した場合に実行される復電時促進演出と、高ベース状態において計数された小当り回数が2回であるときに小当り抽選に当選した場合に実行される復電時促進演出は、少なくとも一部の演出態様が同じであってもよい。
・本実施形態において、促進演出の実行中に電力供給が遮断された後、電力供給が再開されたときに復電時促進演出が実行されずに、電力供給が遮断される前に実行されていた演出態様で促進演出が再開されてもよい。この場合、副制御基板50がバックアップ機能を搭載しているとよい。
・本実施形態において、復電時促進演出の実行中に、電力供給が遮断される前に表示されていた小当り情報KJが演出表示装置EHに表示されてもよい。この場合、副制御基板50がバックアップ機能を搭載しているとよい。
・本実施形態において、成功パターンに基づく昇格演出の演出パターンEP01,EP11,EP21,EP31,EP41は、それぞれ少なくとも一部の演出態様が異なる演出パターンであったが、全部の演出態様が同じ演出パターンであってもよい。つまり、高ベース状態において小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達した場合、又は高ベース状態において大当り抽選に当選した場合には、高ベース状態において小当り抽選に当選した回数が何れの回数であっても、同じ演出態様で成功パターンに基づく昇格演出が実行されてもよい。
・本実施形態において、失敗パターンに基づく昇格演出の演出パターンEP02,EP12,EP22,EP32は、それぞれ少なくとも一部の演出態様が異なる演出パターンであったが、全部の演出態様が同じ演出パターンであってもよい。つまり、高ベース状態において小当り抽選に当選し、且つ小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合には、高ベース状態において小当り抽選に当選した回数が何れの回数であっても、同じ演出態様で失敗パターンに基づく昇格演出が実行されてもよい。
・本実施形態において、高ベース状態中に、上限小当り回数に到達するまでの小当り回数を特定可能な情報(以下、残り小当り回数情報と示す)が演出表示装置EHに表示されてもよい。例えば、高ベース状態中における特別ゲームの実行中に、残り小当り回数情報が演出表示装置EHに表示されてもよい。また、この場合、SR2演出の実行中にも残り小当り回数情報が演出表示装置EHに表示されてもよいし、SR2演出の実行中には、残り小当り回数情報が演出表示装置EHに表示されないようにしてもよい。また、例えば、高ベース状態において小当り回数が上限小当り回数に到達しない小当り遊技中に非通過演出が実行される場合、第2非通過情報LJ2に加えて、残り小当り回数情報が表示されてもよいし、第2非通過情報LJ2に残り小当り回数情報が含まれていてもよい。
・本実施形態において、大当り遊技中に、大当り遊技が終了した後に制御される高ベース状態における上限小当り回数を示唆する情報(以下、示唆情報と示す)が演出表示装置EHに表示されてもよい。この場合、例えば、大当り遊技のラウンド演出の実行中に、示唆情報が演出表示装置EHに表示されてもよいし、大当り遊技のエンディング演出の実行中に、示唆情報が演出表示装置EHに表示されてもよい。
・本実施形態において、大当り遊技中に、大当り遊技が付与される前に制御されていた高ベース状態における上限小当り回数を特定可能な情報が演出表示装置EHに表示されてもよい。例えば、大当り遊技のラウンド演出の実行中に、大当り遊技が付与される前に制御されていた高ベース状態における上限小当り回数を特定可能な情報が演出表示装置EHに表示されてもよい。
・本実施形態において、振分制御情報には、複数パターンの振分制御情報があり、小当りの種類によって異なる振分制御情報に基づく振分制御が行われるようにしてもよい。この場合、例えば、小当りの種類によって振分制御の開始条件が成立する所定時間が異なっていてもよい。
・本実施形態において、振分制御情報には、複数パターンの振分制御情報があり、小当り遊技が付与されたとき、高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達した場合と、高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合とで、異なる振分制御情報に基づく振分制御が行われるようにしてもよい。この場合、高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達した場合には、高ベース状態における小当り回数が上限小当り回数に到達しない場合よりも、遊技球が特定領域Srを通過し易くなるような振分制御情報に基づく振分制御が行われるとよい。
・本実施形態において、高ベース状態として第1高ベース状態と第2高ベース状態との両方が採用されたが、第1高ベース状態と第2高ベース状態との何れか一方が採用されてもよい。
・本実施形態において、第2高ベース状態には、第1制御条件が定められていなくてもよく、第2高ベース状態に制御されている場合、第2制御条件が成立したときに第2高ベース状態から低ベース状態に制御されるようにしてもよい。同様に、第2高ベース状態には、第2制御条件が定められていなくてもよく、第2高ベース状態に制御されている場合、第1制御条件が成立したときに第2高ベース状態から低ベース状態に制御されるようにしてもよい。
・本実施形態において、第2高ベース状態は、大当り遊技の終了後及びRWMクリアの実行後から大当りとなることなく特別回数の特別ゲームが実行されることを契機として制御されるベース状態であってもよい。この場合、RWMクリアが実行されたとき、主制御RWM44に割り当てられた第2ゲームカウンタの初期値として「701」が設定されるとよい。
・本実施形態において、大当りの図柄組合せは、全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せであり、小当りの図柄組合せは、例えば、787などのように少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せであってもよい。また、はずれの図柄組合せは、大当りの図柄組合せ及びはずれの図柄組合せとは異なる図柄組合せであるとよい。
・本実施形態において、主制御基板40と副制御基板50とが配設され、各種機能が搭載されたが、これに限らず、例えば、一方の基板における機能が他方の基板における機能として搭載されてもよい。また、演出表示装置EHの制御を行う手段が別々に備えられてもよい。また、このような2種類の基板に限らず、例えば、一体的な基板として構成されてもよく、3種類以上の基板として構成されてもよい。具体的な一例としては、副制御基板50の機能を、演出に関する制御を統括的に行う統括制御基板と、画像の表示に関する制御を行う表示制御基板とに分けてもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)図柄変動ゲームで特定の表示結果が表示された後に、当り遊技を付与可能な遊技機において、入球率向上状態において小当り抽選に当選したときに図柄変動ゲームで実行される演出には、第1演出と第2演出とを含み、第1演出は、小当り回数が上限回数に到達する場合に実行される演出であり、第2演出は、小当り回数が上限回数に到達しない場合に実行される演出であり、第1演出と第2演出は、少なくとも一部の演出態様が異なる遊技機。
(ロ)図柄変動ゲームで特定の表示結果が表示された後に、当り遊技を付与可能な遊技機において、入球率向上状態において小当り抽選に当選したときに図柄変動ゲームで実行される演出には、特定演出を含み、演出を実行する演出実行手段は、前記小当り回数が上限回数に到達する場合には特定演出を実行させるが、小当り回数が上限回数に到達しない場合には特定演出を実行させない遊技機。
(ハ)図柄変動ゲームで特定の表示結果が表示された後に、当り遊技を付与可能な遊技機において、小当りの種類を決定する小当り種類決定手段を備え、小当り種類決定手段により決定される小当りの種類には、第1小当りと、第2小当りとがあり、役物大当り遊技には、第1役物大当り遊技と、第2役物大当り遊技とがあり、第1役物大当り遊技は、第1小当りに基づく第1小当り遊技が付与された場合に特別通過領域を遊技球が通過したときに付与される遊技であり、第2役物大当り遊技は、第2小当りに基づく第2小当り遊技が付与された場合に特別通過領域を遊技球が通過したときに付与される遊技である遊技機。