JP7417251B2 - 生体内物質の可視化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体内物質の可視化装置に関し、より詳細には、水、タンパク質などの生体内物質のトモグラフィックモニタとして好適なものに関する。
生体インピーダンス法を用いた低侵襲のリンパ浮腫検出機器は、オーストラリアのImpedimed社がLdex(L-Dex technology (BIS),Cornish et al,.Lymphology,2001.34(1):p.2-11.)という製品を米国などで発売している。しかしながら、トモグラフィックではなく、断面の位置を検出することはできない。生体インピーダンス法を用いたトモグラフィックモニタは、電気インピーダンストモグラフィー(EIT)と呼ばれ、本発明者らは、家庭で使えるIoTリンパ浮腫トモグラフィク・モニタ(LTモニタ)の実用化を目指している。そして、本発明者らは、特許文献1をすでに公開し、リンパ浮腫の分布がモニタリングできることを開示した。一般に、画像再構成の方法として、四肢や胴体などの人間の生体断面は真円ではなく、歪な輪郭形状をしている。ウェアラブルEITセンサでは、画像再構成における誤差の原因となる体動のため、電極位置と輪郭形状は伸縮し、再構成画像の精度を高めるため、輪郭形状が変わるたびに、ウェアラブルEITセンサの輪郭形状を計算する必要がある。
従来、輪郭形状を求める手法として「歪な輪郭形状を周長が固定された楕円と仮定」して計算する手法が用いられる。その「歪な輪郭形状を周長が固定された楕円と仮定」して、その曲率を求める特許として、特許文献2では、歪みゲージのみを用いてその曲率を推定している。詳細には、図1に示したとおり曲面に接着した歪みゲージ(抵抗体)の抵抗値変化からひずみεを計測し既知の厚みtより、曲率半径rを求めることができる。図2に示したとおりこの曲率半径rを多数用いることにより、歪な輪郭形状を類推している。具体的には、図2と図3に示すように、まず所定のxy座標を設定するとともに、8つの歪みゲージ13A~13Hのうち、一つおきに指定される歪みゲージ(歪みゲージ13A、13C、13E、13G)それぞれについてのxy座標上の座標位置を仮想的に示す基準点N13A、N13C、N13E、N13Gを、所定のxy座標上に仮決めする処理を行う。次に、基準点N13A~N13Gと、各基準点N13A~N13Gが示す歪みゲージ13A~13G各々の両隣に配される2つの歪みゲージの位置を仮想的に示す従属点と、の相対的な位置関係を特定して求めている。
また、特許文献3でも同様に、歪みゲージのみを用いてその曲率を推定している。さらに、特許文献4においても、基本的には歪ゲージを用いた輪郭形状推定装置を開示している。
特開2017-029487号公報 特許第6385929号公報 特開2017-123921号公報 特開2017-125718号公報
これらの先行技術文献は、画像再構成の方法として、四肢や胴体などの人間の生体断面を「歪な輪郭形状を周長が固定された楕円と仮定」しており、リンパ浮腫など特に「周長が固定させず時間とともに変化し、歪が高く輪郭形状を楕円と仮定できない」輪郭形状に対しては対応できない。歪な輪郭形状を図4に分かりやすく具体的に示すと、ケース0:周長cの真円、ケース1:周長cが固定で楕円形、ケース2:周長cが伸縮で楕円形、ケース3:周長cが伸縮で一部が歪形、ケース4:周長cが伸縮で多数が歪形、ケース5:周長cが伸縮で多数が歪形、ケース6:周長cが固定で多数が歪形、ケース7:周長cが固定で多数が歪形などの場合がある。すなわち、一般に、四肢や胴体などの人間の生体断面は真円ではなく、歪な輪郭形状をしている。ウェアラブルEITセンサでは、画像再構成における誤差の原因となる体動のため、電極位置と輪郭形状は伸縮し、再構成画像の精度を高めるため、輪郭形状が変わるたびに、ウェアラブルEITセンサの輪郭形状を計算する必要があるが、「歪な輪郭形状を周長が固定された楕円と仮定」して輪郭形状を計算すると、生体内物質のトモグラフィー解析の誤差が大きく、正確な解析ができないという問題点を有していた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、四肢や胴体などの人間の生体断面が、「周長が固定させず時間とともに変化し、歪が高く輪郭形状を楕円と仮定できない」場合においても、輪郭形状を正確に計算し、生体内物質のトモグラフィー解析の誤差が極めて小さい生体内物質の可視化装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、使用者の体の周囲に配置される複数の電極を備えた電極バンドに、複数の電極間の距離を検出する伸張検出器と、電極バンドの曲げ角度を検出する角度検出器とを有し、伸張検出器及び角度検出器の検出結果に基づいて、体の周囲の輪郭形状を推定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
そして、本発明の第一観点に係る生体内物質の可視化装置は、使用者の体の周囲に配置される複数の電極を備えた電極バンドと、複数の電極間に電気信号を印加することで電気的特性を計測する計測手段と、計測手段が計測した電気的特性に基づき生体内物質の状態を推定する生体内物質推定手段とを有する生体内物質の可視化装置において、電極バンドは、複数の電極間の距離を検出する伸張検出器と、電極バンドの曲げ角度を検出する角度検出器とを有し、伸張検出器及び角度検出器の検出結果に基づいて、体の周囲の輪郭形状を推定することを特徴とする。
さらに、伸張検出器は、隣り合う電極間の距離を検出し、電極の個数と同数であると望ましい。
さらに、角度検出器を、少なくとも4つ有すると望ましい。
さらに、計測手段が計測する電気的特性は、導電率、誘電率、インピーダンス、レジスタンス、リアクタンス、キャパシタンス、アドミタンス、コンダクタンス、サセプタンス及び位相の少なくともいずれかであると望ましい。
さらに、電極バンドは伸縮する布地で構成され、電極が布地に貼りつけた導電物質又は布地に編み込んだ導電性の糸であると望ましい。
さらに、布地の外側に伸張検出器及び角度検出器を貼りつけた構成が望ましい。
さらに、生体内物質が水又はタンパク質であると望ましい。
本発明によれば、四肢や胴体などの人間の生体断面の歪な輪郭形状であっても、家庭で手軽にアルブミン等の4D分布とその移動量を正確に可視化できる4Dリンパ浮腫モニタが実現できる。
また、4Dリンパ浮腫モニタとマッサージ器とが融合することで、4Dの場所と時間とを正確に把握し最適なドレナージ指針の提供を可能としリンパ浮腫の予防的介入が実現できる。これにより、リンパ浮腫の根治、患者のQOLの向上、医療費の大幅削減を達成できる。
さらに、リンパ浮腫だけではなく、次世代のマッサージ器、筋電気刺激器具、EMS(Electrical Muscle Stimulation)に応用できる。
歪みゲージによる曲率半径の求め方を示す図である。 曲線の描き方を示す図である。 曲線の描き方を示す図である。 想定するウェアラブルセンサの輪郭形状を示す図である。 実施形態に係る本発明のウェアラブルEITセンサの構成を示す図である。 実施形態に係る輪郭形状の推定するためのフローチャートを示す図である。 実施形態に係るΘ1からm1の求め方を示す図である。 実施形態に係る形状指数nを変数としたラメ曲線を示す図である。 実施形態に係る各象限における輪郭形状の推定方法を示す図である。 実施例に係る製作したセンサの写真を示す図である。 実施例に係る計測機器と表示機能との構成を示す図である。 実施例に係る使用した3つの歪んだ輪郭形状のファントムを示す図である。 実施例に係る輪郭形状の真値、本発明の推定値および従来法の推定値を示す図である。 実施例に係る輪郭形状誤差を示す図である。 実施例に係る再構成した画像を示す図である。 実施例に係る再構成した画像の評価結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
図5は本発明のウェアラブルEITセンサ(電極バンド)の構成を示したもので、中心Oの輪郭形状を示す。ウェアラブルEITセンサは、生体インピーダンスを測定するための多数の電極e、EITセンサが伸張しているときの各電極間の距離を測定するための電極の個数と同数である伸張検出器d、および、曲げ角度を測定するための角度検出器Θqで構成される。例えば象限数をq=1~4の変数として決定し、角度検出器の数は象限数の最大値と同じとすることが望ましく、センサ内部の輪郭形状を4象限(QI、QII、QIII、QIV)に分割することができる。一例として、電極(例えば、電極は布地に貼りつけた導電物質又は布地に編み込んだ導電性の糸で構成)は弾性生地(例えば、伸縮する布地)の内側に配置し、伸張検出器は弾性生地の外側に配置(例えば、貼りつけ固定)し、角度検出器も弾性生地の外側に配置(例えば、貼りつけ固定)している。一例として、16個の電極(e1からe16の記号で記す)、16個の伸張検出器(d1からd16で記す)、および、4個の角度検出器(Θ1からΘ4の記号で記す)で構成される。図5(a)は基準となる真円の場合で各記号は(0)をつけて示している。伸張検出器から求まる各象限qの周長cq(c1からc4の記号で記す)、および、中心Oから角度検出器Θqの中点までの距離である軸長mqは、真円の場合はすべて等しい。図5(b)は、図5(a)の真円状態から真円を保ったままの状態で半径が大きくなった場合を示し、各記号は(t1)をつけて示している。図5(c)は、変形したときの非楕円形(非等方的に変形)の一例を想定したときセンサの配置を示したもので、各記号は(t2)をつけて示している。中心Oは移動しないと仮定し、x軸とy軸を図のとおりとし、1番目の角度検出器Θ1の中点が、y軸上に来るように設定している。A点とD点は角度検出器Θ1の両端の点とし、その両点を結んだ線とy軸上の点をO1とする。図の通りに第1象限QIから第4象限QIVを定義し、QIとQIVの境界の軸長をm1と定義する。各角度検出器Θqに対応する点も同様に定義する。弾性生地が伸縮と非等方的に変形することにより、周長cqと軸長mqは各象限において異なる。
なお、本実施形態では、電気的特性として生体インピーダンスを用いているが、同様の解析を行うことができる限りにおいて導電率、誘電率、レジスタンス、リアクタンス、キャパシタンス、アドミタンス、コンダクタンス、サセプタンス及び位相の少なくともいずれかを計測することとしてもよい。
また、本実施形態においては、4象限に分割したが4象限に限定されるわけではない。以下に述べる輪郭形状を求める際に、より高精度に輪郭形状を求めたいならば、6象限・8象限・10象限・16象限と分割数を増やすほど、より高精度に輪郭形状を求めることが可能である。また、輪郭形状計算の簡略化のために2象限に分割してもよい。なお、以下に説明においては、4象限に分割する事例を代表例として説明する。
また、本実施形態においてウェアラブルEITセンサは、上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけではないが、例えば伸縮する布地以外のゴム、皮等の柔軟性のある素材で構成されていることも好ましい一例である。
また、本実施形態において複数の電極は、上記のとおりウェアラブルEITセンサに配置されている。複数の電極の材質は、導電性である限りにおいて限定されるわけではないが、例えば銅、アルミニウム、金、銀等の金属であることが好ましい。さらに、複数の電極の形状は、上記の機能を有する限りにおいて限定されるわけではなく、丸、楕円、多角形、不定形であってもよいが、例えば四角形、更には板状であることは好ましい一例である。また、本実施形態において、複数の電極の形状はいずれも同じ形であることが好ましい。
また、本実施形態においてウェアラブルEITセンサは、上記のとおり複数の電極を配置することのできるものであって、使用者の足、腕、胴体などの体に巻きつけることで、複数の電極を使用者の体の周囲に配置させることができるものとなっている。
また、本実施形態において電極16個、伸張検出器16個、角度検出器4個を設ける構成を示したが、輪郭形状を推定できる限りにおいて個数は限定されるわけではない。各個数を増やすほど、より高精度に輪郭形状を求めることが可能となる。また、各個数を減らすことで、輪郭形状計算の簡略化が可能となる。
また、本実施形態においては、電極をウェアラブルEITセンサの内側に配置し、伸張検出器および角度検出器をウェアラブルEITセンサの外側に配置したが、この配置形態に限定されるわけではない。電極、伸張検出器および角度検出器、全てを外側又は内側に配置してもよいし、電極、伸張検出器および角度検出器の一部を外側に、残りを内側に配置してもよい。また、どのような配置形態でも、輪郭形状を測れる限りにおいて限定されるわけではない。なお、ウェアラブルEITセンサを、使用者の体の周囲に密着して配置できる点(電気信号を効率よく体に印加できる点、輪郭形状の測定精度を向上できる点)で、電極、伸張検出器および角度検出器をウェアラブルEITセンサの外側に配置するのが好適である。
図6は、このウェアラブルEITセンサを用いて、変形可能な輪郭形状を推定するためのフローチャートを示し、4つのステップからなる。以下に具体的に説明する。
●ステップ0 準備
伸張検出器dの数を決定する。例えば16とする。角度検出器の数=象限数を決定する。例えば、q=4とする。
●ステップ1 伸張検出器dから周長cqの計算
象限Iの周長c1は伸張検出器d1、d2、d3、d4の出力から和を求めることにより計算され、また、象限IIIの周長c3は伸張検出器d9、d10、d11、d12の出力から和を求めることにより計算される。象限IIの周長c2、象限IVの周長c4も同様に求めることができる。一般的に各象限にD個の伸張検出器を配置したとき、次の式で象限qの周長cqを求めることができる。
●ステップ2 角度検出器Θqから軸長mqの計算
図7(a)は真円状態(0)から径の異なる真円状態(t1)への変形、図7(b)は(t1)から非楕円形(t2)への変形の時の1番目の角度検出器Θ1に着目したもので、真円の基準値((0)で示す)の角度検出器Θ1(0)から、変形したとき((t1)と(t2)で示す)の角度検出器Θ1(t)の出力から、m1の求め方を示したものである。点Oから角度検出器の終端までの曲げベクトルgを図の通り定義すると、
となり、移動した点Oq(t1)は、
となる。さらに、t1からt2への変化を考慮して各象限の半短軸mq(t2)をあらわすと、
が導かれる。同様に、象限IIの半長軸m2は伸張検出器d5からd8および角度検出器Θ2、象限IIIの半短軸m3は、伸張検出器d9からd12および角度検出器Θ3、半長軸m4は伸張検出器d13からd16および角度検出器Θ4の出力から上記の式により計算される。
●ステップ3 ラメ曲線による輪郭形状の計算
本発明の輪郭形状の推定は、例えば、図8に示したラメ曲線を用いることができる。ラメ曲線は、形状指数nが1より大きくなるにつれて曲線は長方形に近くなり、形状指数nが1よりちいさい場合、アステロイド形になる曲線である。本発明では、この形状指数nを象限qごと(qは4つの象限とは限らない)のnqとして、別々の値を求めることに大きな特徴がある。象限qのラメ曲線の周長cq、形状指数nq、および、軸長mqとの関係は、次式の通りに示される。
ここで、ステップ1により、象限qの周長cqが、ステップ2より象限qの軸長mqが求められており、この式より象限qの形状指数nqを求めことができる。最後に、媒介変数φを用いて各象限における輪郭形状(x(φ),y(φ))は、
により求めことができる。したがって、4つの象限(QI、QII、QIII、QIV)において、各象限で歪な輪郭形状を類推することができる。図9は、各象限における輪郭形状の推定に基づいて全周の輪郭形状を求めるイメージ図である。4つの象限(QI、QII、QIII、QIV)における各象限での歪な輪郭形状を合成することで全周を類推することができる。参考までに、背景技術で用いられている歪みゲージのみを用いても、本実施形態のように歪な輪郭形状を推定することはできない。
本実施形態の生体内物質の可視化装置の構成は、上記のように構成された使用者の体の周囲に配置されるウェアラブルEITセンサ(電極バンド)と、複数の電極間に電気信号を印加することで電気的特性を計測する計測手段と、計測手段が計測した電気的特性に基づき生体内物質の状態を推定する生体内物質推定手段とを有する構成である。そして、ウェアラブルEITセンサは、EITシステム(計測手段、生体内物質推定手段、無線通信手段等)に接続されている。さらに、EITシステムでは、ウェアラブルEITセンサに対して周波数を切り替えて生体内物質に応じた周波数を有する信号を印加する構成であり、周波数を切り替えて電流や電圧の信号印加・計測ができ、さらに無線通信手段によりPCとのやり取りができる。PCでは、EITシステムより受信したデータをもとに画像再構成・物質推定・AI推定を行うことができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
図10は実際に製作したウェアラブルEITセンサの写真で、生体インピーダンスを測定するための16個の電極(e1からe16の記号で記す)、弾性生地が伸張しているときの各電極間の距離を測定するための16個の伸張検出器(d1からd16で記す)、および、曲げ角度を測定するための4個の角度検出器(Θ1からΘ4の記号で記す)で構成される。一例として、本ウェアラブルEITセンサでは、電極は弾性生地の内側に配置し、伸張検出器は弾性生地の外側に配置し、角度検出器は弾性生地の外側に配置している。図11は電気インピーダンストモグラフィー(EIT)で用いられる計測機器と表示機能を示したものであり、本実施例では、ごく一般的な計測機器と表示機能を用いた。また、図12に示したとおり、3つの歪な輪郭形状のファントムを用いた。ファントムは、導電率σsaline=5mS/cmの生理食塩水を十分含ませたメラミンスポンジを用いた。そのメラミンスポンジの中に、直径di=25mmの低導電率のアクリル円柱を挿入した。そのファントムの周長cq、軸長mqを実際に測定したところ、表1のとおりであった。
以上の3つのファントムを用いて、図6の輪郭形状を推定するためのフローチャートにより、輪郭形状を推定した。図13は推定した輪郭形状であり、実線は真値の輪郭形状、一点鎖線は従来法の楕円近似を用いた輪郭形状、破線は本発明の輪郭形状である。輪郭形状の境界線をI点に分割して各点の位置ベクトルをΩiとしたとき、輪郭形状誤差beを数式7により定義して評価した。
輪郭形状誤差beは真値となる輪郭形状(図13の実線)からのずれを指標化したものである。図14は各ファントムに関するbeを示す。従来の楕円近似のbe(従来法)=10~25%程度に比べて、本発明のbe(本発明)=5%程度と非常に高精度であった。
次に、この図13の推定した輪郭形状より、メッシュを作成し、実際に図11の計測機器を用いて、測定電圧を測定し、導電率分布の再構成画像を行った。その画像再構成の式は、数式8で表され、
Jはヤコビ行列、V=[V,V,…,V,…,Vは、M次元の測定電圧ベクトルであり、σ=[σ,σ,…,σ,…,σは、N個のメッシュ要素を持つ導電率分布の要素である。図15はその画像再構成結果であり、上段は従来法の楕円近似を用いた輪郭形状から画像再構成したもの、下段は本発明の輪郭形状から画像再構成したものである。図12で用いたファントムと比較して、本発明によって、形状が歪であっても非常に精度のよい画像が得られた。
次に、位置誤差peを数式9で、最小二乗平均rmseを数式10で定義して、図15の画像再構成結果を評価した。
ここで、rは計測対象の重心位置と原点との距離を表している。図15の実線円の重心位置をr(Ωtrue))、再構成画像のそれをr(Ω)とした。また、rmseは再構成画像の精度を表す指標のひとつで、各電極ペア間で計測された電圧をベクトル化したΔVと電場の有限要素解析により得られた真値ΔVfemから上式のように求められる。結果として、図16に示したように、本手法によりpe(本発明)=4.16%、rmse(本発明)=0.0015[-]であり、従来法と比べて非常に精度が高いことがわかる。
以上、本実施例により、四肢や胴体などの人間の生体断面の歪な輪郭形状であっても、家庭で手軽にアルブミン(タンパク質)又は水等の4D分布とその移動量を正確に可視化できる4Dリンパ浮腫モニタが実現できる。また、4Dリンパ浮腫モニタとマッサージ器とが融合することで、4Dの場所と時間とを正確に把握し最適なドレナージ指針の提供を可能としリンパ浮腫の予防的介入が実現できる。これにより、リンパ浮腫の根治、患者のQOLの向上、医療費の大幅削減を達成できる。さらに、リンパ浮腫だけではなく、次世代のマッサージ器、筋電気刺激器具、EMS(Electrical Muscle Stimulation)に応用できる。
本発明は、四肢や胴体などの人間の生体断面の歪な輪郭形状であっても、精度よく生体内物質を可視化できる生体内物質の可視化装置として、産業上利用可能である。

Claims (10)

  1. 使用者の体の周囲に配置される複数の電極を備えた電極バンドと、前記複数の電極間に電気信号を印加することで電気的特性を計測する計測手段と、前記計測手段が計測した電気的特性に基づき生体内物質の状態を推定する生体内物質推定手段とを有する生体内物質の可視化装置において、
    前記電極バンドは、前記複数の電極間の距離を検出する伸張検出器と、前記電極バンドの曲げ角度を検出する角度検出器とを有し、前記伸張検出器及び前記角度検出器の検出結果に基づいて、前記体の周囲の輪郭形状を推定することを特徴とする生体内物質の可視化装置。
  2. 前記伸張検出器は、隣り合う電極間の距離を検出し、前記電極の個数と同数であることを特徴とする請求項1記載の生体内物質の可視化装置。
  3. 前記角度検出器を、少なくとも4つ有することを特徴とする請求項1または2記載の生体内物質の可視化装置。
  4. 前記計測手段が計測する電気的特性は、導電率、誘電率、インピーダンス、レジスタンス、リアクタンス、キャパシタンス、アドミタンス、コンダクタンス、サセプタンス及び位相の少なくともいずれかである請求項1乃至3記載の生体内物質の可視化装置。
  5. 前記電極バンドは伸縮する布地で構成され、前記電極が前記布地に貼りつけた導電物質又は前記布地に編み込んだ導電性の糸であることを特徴とする請求項1乃至4記載の生体内物質の可視化装置。
  6. 前記布地の外側に前記伸張検出器及び前記角度検出器を貼りつけたことを特徴とする請求項5記載の生体内物質の可視化装置。
  7. 前記生体内物質が水又はタンパク質である請求項1乃至6記載の生体内物質の可視化装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の可視化装置と一体化されたマッサージ器。
  9. 前記可視化装置により提供された水又はタンパク質の4D分布とその移動量による最適 なドレナージ指針に基づき、リンパ浮腫の予防的介入が実現されることを特徴とする、請 求項8記載のマッサージ器。
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載の可視化装置と一体化された筋電気刺激器具。
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