JP7415553B2 - 高重合性n-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法に関する。さらに詳しくは、重合性が改善されたN-ビニルカルボン酸アミド単量体の生産性を高く製造する方法に関する。
N-ビニルカルボン酸アミドから誘導されるN-ビニルカルボン酸アミドポリマーは水溶性高分子であり、水だけでなく、アルコールやジメチルスルホキシド(DMSO)といった極性溶媒にも溶解する。そして、非イオン性ポリマーであるため塩やpHの影響を受けず、また耐候性が高く、特に熱に対する安定性が高いという特性を有する。これらの特性を活かし、工業的には、バインダーや分散剤、粘着剤・接着剤、増粘剤、凝集剤などに応用されている。
N-ビニルカルボン酸アミドの製造方法については、これまで多くの方法が提案されている。例えば、カルボン酸アミド、アセトアルデヒド、アルコールを原料として中間体となるN-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミドを製造し、その後、熱分解または接触分解により合成する方法などである。
このN-ビニルカルボン酸アミドの合成反応中には、N-ビニルカルボン酸アミドの他に、未反応のN-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミドやカルボン酸アミドなどの中間体が含まれる。これらの化合物は沸点、蒸気圧、溶解度などの物性がN-ビニルカルボン酸アミドと近く、N-ビニルカルボン酸アミドを蒸留精製することは困難であった。そこで、N-ビニルカルボン酸アミドの精製方法についても、提案がされている。
特許2619204号では、圧力晶析による精製方法が開示されており、高重合性を示すN-ビニルカルボン酸アミドが比較的高純度で得られる。しかし、この方法は設備投資が大きく、工業的には大規模生産でないと安価に製品を提供できない問題がある。また、特許5126764号では、アルコールと脂肪族炭化水素による溶媒晶析法が開示されている。しかし、この溶媒の組み合わせは貧溶媒の使用量が多く、容積効率が低いため生産性が悪い。
またN-ビニルカルボン酸アミドの重合阻害物質として、特許第4099831号公報ではN-1,3-ブタジエニルカルボン酸アミドが、国際公開第17/145569号では不飽和アルデヒドが特定されているが、上記を取り除いてもなお良好な重合性が得られないケースがあった。
特許第2619204号公報 特許第5126764号公報 特許第4099831号公報 国際公開第17/145569号
本発明の課題は、効率的にN-ビニルカルボン酸アミドを精製して、高重合性のN-ビニルカルボン酸アミド単量体を製造しうる装置を提供することにある。さらには、装置を用いて製造されたN-ビニルカルボン酸アミド単量体を用いて高分子量のN-ビニルカルボン酸アミドポリマーを製造することにある。
高重合性のN-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造装置について鋭意検討した結果、第1の晶析装置、第1の固液分離装置、第2の晶析装置および第2の固液分離装置を組み合わせた装置により、高重合性のN-ビニルカルボン酸アミド単量体を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
[1] 第1の晶析器と、
第1の固液分離装置と、
第2の晶析器と、
第2の固液分離装置と、
を備えることを特徴とする、
N-ビニルカルボン酸アミド単量体の精製装置。
[2] 前記第1の固液分離装置と、前記第2の固液分離装置とが、同一の装置であることを特徴とする、[1]記載のN-ビニルカルボン酸アミド単量体の精製装置。
[3] 前記N-ビニルカルボン酸アミド単量体がN-ビニルアセトアミド単量体であることを特徴とする[1]~[2]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の精製装置。
[4] (A)N-ビニルカルボン酸アミド単量体を50~88質量%で含む粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を昇温により融解させ、その後冷却することにより析出させ(冷却晶析)、析出したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を固液分離する工程(工程(A))、および、
(B)工程(A)で分離されたN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を、さらに良溶媒と炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に溶解させたのち、晶析(溶媒晶析)を行い、固液分離して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物を回収する工程(工程(B))を含み、
工程(B)における良溶媒/N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量比が、0.01以上0.5以下であり、
工程(B)における炭素数6~7の脂肪族炭化水素/N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量比が0.5以上3.0以下であることを特徴とする高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[5] 前記良溶媒の質量は、前記炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.003~1.0であることを特徴とする、[4]に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[6] 前記工程(A)の晶析が、粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を30℃~80℃で融解した後、-20℃~20℃に冷却することで行われる[4]または[5]に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[7] 前記工程(B)の晶析が、N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を良溶媒と炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に、30℃~80℃で溶解した後、-20℃~20℃に冷却することで行われる[4]~[6]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[8] 前記工程(B)で使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素が、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロへプタンおよびメチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする[4]~[7]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[9] 前記工程(A)および工程(B)で固液分離する方法が、ろ過分離であることを特徴とする[4]~[8]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[10] 前記N-ビニルカルボン酸アミド単量体がN-ビニルアセトアミド単量体であることを特徴とする[4]~[9]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
本発明によれば、従来よりも生産性に優れた高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体を製造することが出来る。
本発明のN-ビニルカルボン酸アミドの精製方法を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではなく、その精神と実施の範囲内において様々な応用が可能である。
本発明を実施するための装置は、以下を含む。
第1の晶析器と、
第1の固液分離装置と、
第2の晶析器と、
第2の固液分離装置。
なお、本明細書において、「粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体」とは、N-ビニルカルボン酸アミド単量体からなる成分とともに、不純物を含むことを意味し、すなわち「精製されていない」N-ビニルカルボン酸アミド単量体である。
N-ビニルカルボン酸アミド単量体は、例えばN-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルベンズアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルピロリドンが挙げられる。好ましくは、N-ビニルアセトアミドである。
上記粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体は、いずれの製造方法によって得たものでもよい。例えば、カルボン酸アミド、アセトアルデヒドおよびアルコールからN-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミドを合成し、これを熱分解または接触分解して得たものであってもよい(特開昭50-76015号公報参照)。また、カルボン酸アミドとアセトアルデヒドとからエチリデンビスカルボン酸アミドを合成し、これを熱分解して得たものであってもよい(特開昭61-106546号公報参照)。
粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体に含まれるN-ビニルカルボン酸アミド単量体以外のものとしては、主に、N-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、炭素数1~5のアルコールなどが含まれ、これらは、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法などに由来する不純物である。
上記粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体は、N-ビニルカルボン酸アミド単量体を50~88質量%の量で含み、好ましくは55~85質量%で含み、より好ましくは60~85質量%で含むことが望ましい。N-ビニルカルボン酸アミド単量体がこの範囲で含まれている場合は、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の回収率を高くでき、得られたN-ビニルカルボン酸アミド単量体は純度が高く、優れた重合性を示すために望ましい。上記粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体に含まれるN-ビニルカルボン酸アミド単量体の量が50~88質量%の範囲の場合は、そのまま本発明の製造方法に用いてもよいが、適宜、蒸留、抽出などの操作によって、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の含有量を調整してもよい。またこのような操作で、粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体中の不溶成分を予め除去することもできる。
通常、公知の製造方法で得られる粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体中のN-ビニルカルボン酸アミド単量体の含有量の上限は、前記範囲にあるが、この上限より高い粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を本発明の製造方法で処理しても、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の精製物を得ることは可能である。
第1の晶析器
第1の晶析器による晶析では、粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体から、N-ビニルカルボン酸アミド単量体を冷却晶析させる。冷却晶析では、まず、前記粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を融解させる。融解温度としては30~80℃が好ましく、より好ましくは30~60℃、さらに好ましくは35~45℃である。融解温度が前記範囲にあると、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の溶解が容易であり、かつ熱変性することもなく、望ましい。
次にN-ビニルカルボン酸アミド単量体が溶解した溶液を冷却して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を析出させる。冷却温度は、-20℃~20℃が好ましく、より好ましくは-15~15℃、さらに好ましくは-10℃~10℃である。冷却温度が前記範囲にあると、冷凍機等の設備的なコストが小さく、またN-ビニルカルボン酸アミド単量体の晶析収率が高いので望ましい。融解温度と冷却温度との間の温度差は、特に限定されないが、10℃~100℃が好ましく、20~60℃がより好ましいが、処理効率や析出物のろ過性に応じて適宜選択される。
本発明で用いられる第1の晶析器としては連続式、回分式のどちらでもよく、構造様式に厳密な条件はない。
第1の晶析器の圧力は、常圧であることが好ましい。常圧で晶析を行うことにより、加圧系に比べて容器の設備投資が小さく、また運転が容易であり好ましい。
第1の固液分離装置
第1の晶析器で析出したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を効率よく固液分離する方法としては、ろ過による分離が好ましい。ろ過による分離方法に制限はないが、晶析母液との分離や生産性の観点で、遠心分離ろ過や加圧ろ過などが好ましい。また、ろ過後にリンズを行うことも母液との分離性を向上させる上で好ましい。リンズに用いる溶媒としては、第2の晶析器で使用される晶析溶媒と同様の良溶媒と炭素数6~7の脂肪族炭化水素が好ましい。リンズに使用する良溶媒の質量は、晶析原料、すなわち処理される粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体の質量に対し、0.01~0.3の比率で使用することが好ましく、より好ましくは0.01~0.2、さらに好ましくは0.02~0.1である。また、リンズに使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量は、使用する粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体の質量に対し、0.1~3.0の比率で使用することが好ましく、より好ましくは0.1~2.0、さらに好ましくは0.1~1.0が好ましい。
使用する良溶媒の質量は、使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.001~3.0が好ましく、0.005~2.0がより好ましく、0.01~0.5がより好ましい。
第1の晶析器および第1の固液分離装置を用いた工程を、工程(A)と呼ぶ。
第2の晶析器
第2の晶析器では、回収したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を、晶析溶媒である良溶媒に、貧溶媒である炭素数6~7の脂肪族炭化水素の存在下に溶解させたのち、晶析させる。このような晶析方法を、溶媒晶析という。回収したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶は、N-ビニルカルボン酸アミド単量体を88質量%以上の量で含み、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは92質量%以上の量で含むものが望ましい。N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶は、N-ビニルカルボン酸アミド単量体以外に、前記晶析母液や、リンズに用いた母液を含むことがある。
使用する良溶媒の質量は、使用するN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、0.01以上0.5以下の比率であり、好ましくは、0.02~0.4、より好ましくは0.03~0.3である。
使用する良溶媒としては、アセトニトリル、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、1、2-ジメトキシエタンが好ましい。
また、使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素としては、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘプタンが好ましく、さらに好ましくは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンが挙げられる。炭素数が5以下の脂肪族炭化水素は沸点が低いため取扱いが難しく、炭素数が8以上の脂肪族炭化水素は沸点が高くなり、結晶から除去しきれない場合がある。また、炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量は、使用するN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、0.5以上3.0以下の比率であり、好ましくは0.5~2.0であることが好ましい。この比率の範囲にあると、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の再結晶が充分に析出するとともに、溶媒使用量が多くならず、晶析装置の容積効率を高くできるので望ましい。
使用する良溶媒の質量は、使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.003~1.0が好ましく、0.005~0.8がより好ましく、0.01~0.5がさらに好ましい。
N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を溶解する温度は30~80℃が好ましく、より好ましくは30~60℃、さらに好ましくは35~45℃である。この温度範囲では、N-ビニルカルボン酸アミドが変性することなく、十分に溶解するため望ましい。
次いで、溶解したN-ビニルカルボン酸アミド単量体を冷却して再結晶を析出させる。この冷却温度は-20℃~20℃が好ましく、より好ましく-15~15℃、さらに好ましくは-10℃~10℃である。この温度範囲にあれば、設備的なコストが小さく、かつ晶析収率が十分となり、望ましい。
N-ビニルカルボン酸アミド単量体の再結晶を回収して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物が製造される。
本発明で用いられる第2の晶析器としては連続式、回分式のどちらでも、また、晶析方法も冷媒との熱交換による方法でも溶媒の蒸発による濃縮と冷却による方法でもよく、構造様式に厳密な条件はない。
第2の晶析器の圧力は、常圧で運転されることが好ましい。常圧で晶析を行うことにより、加圧系に比べて容器の設備投資が小さく、また運転が容易であり好ましい。
第2の固液分離装置
第2の晶析器で析出したN-ビニルカルボン酸アミド単量体の再結晶を効率よく分離する方法としては、ろ過による分離が好ましい。ろ過による方法に制限はないが、晶析母液との分離や生産性の観点で、遠心分離ろ過や加圧ろ過などが好ましい。また、ろ過後にリンズを行うことも母液との分離性を向上させる上で好ましい。リンズに用いる溶媒としては、晶析溶媒と同様の良溶媒と炭素数6~7の脂肪族炭化水素が好ましい。リンズに使用する良溶媒の質量は、工程(A)から回収したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、0.01~0.3の比率で使用することが好ましく、より好ましくは0.01~0.2、さらに好ましくは0.02~0.1である。また、リンズに使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量は工程(A)から回収したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、0.1~3.0の比率で使用することが好ましく、より好ましくは0.1~2.0、さらに好ましくは0.1~1.5が好ましい。
第2の晶析器および第2の固液分離装置を用いた工程を、工程(B)と呼ぶ。
得られたN-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物の純度をより高くするために、第1の晶析器、第1の固液分離装置、第2の晶析器、第2の固液分離装置を繰り返し通過してもよい。
本発明の一実施態様においては、第1の晶析器および第2の晶析器は、同一の装置であることが好ましい。第1の晶析器および第2の晶析器が同一の装置であれば、設備投資や設置場所の空間を抑制することができ好ましい。
本発明の別の一実施態様においては、第1の晶析器および第2の晶析器は、別の装置であることが好ましい。第1の晶析器および第2の晶析器が別の装置であれば、コンタミネーションを予防することができ好ましい。
本発明の一実施態様においては、第1の固液分離装置、第2の固液分離装置は、同一の装置であってもよい。第1の晶析器および第2の晶析器が同一の装置であれば、設備投資や設置場所の空間を抑制することができ好ましい。
本発明の別の一実施態様においては、第1の固液分離装置および第2の固液分離装置は別であることが、不純物のコンタミネーション防止の観点から好ましい。
また、第1の晶析器、第1の固液分離装置、第2の晶析器、第2の固液分離装置の間それぞれに、ポンプ等の他の機器があっても良い。
こうして製造された高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体は、純度が高く、高い重合性を備えている。
第1の固液分離装置および第2の固液分離装置で回収された母液には、アルコール、カルボン酸アミド、N-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミドなど、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の合成原料が含まれている。これらを粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造工程、例えば、N-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミドの合成工程などに回送して再利用してもよい。
こうして製造された高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の精製物は、適宜重合されて使用できる。たとえば、上記の製造方法によって得られた高純度N-ビニルカルボン酸アミド単量体を含む単量体を重合して得られる単独重合体、またはN-ビニルカルボン酸アミド単量体と他の単量体とを重合して得られる共重合体などとして利用できる。これらの(共)重合体は水溶性であり、種々の用途に用いられる。
上記他の単量体としては、(メタ)アクリル酸またはその塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸またはその塩、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル等のビニルエステル系単量体;スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、m-クロロスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル等のビニルエーテル系単量体;無水マレイン酸、マレイン酸またはその塩、フマル酸またはその塩、マレイン酸ジメチルエステル、フマル酸ジエチルエステル等のジカルボン酸系単量体;アリルアルコール、アリルフェニルエーテル、アリルアセテート等のアリル系単量体;(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、エチレン、プロピレン等の単量体などが挙げられる。
また、上記他の単量体は、単独で用いても、2種類以上組み合わせて用いてもよい。上記他の単量体の量は、共重合体の用途によって適宜決めればよいが、全単量体中、通常60質量%以下、好ましくは40質量%以下の量で用いることが望ましい。
本発明の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体を重合する際に、重合開始剤を用いても良い。重合開始剤としては、ビニル化合物のラジカル重合に一般的に使用されるものを限定することなく使用できる。例えば、レドックス系重合開始剤、アゾ化合物系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤があげられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(共)重合体は、増粘効果、分散効果などの機能を利用して広い分野に好適に用いられる。以下に具体例を例示するが、この限りでない。
(1)工業用分散剤
例えば、無機・有機の各種粉末の分散剤として用いられる。より具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粉末;タルク、カオリン等の鉱物系粉末;カーボンブラック等の各種顔料粉末;ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン等の樹脂粉末;ステアリン酸塩等の有機粉末などについて、水などの各種極性溶媒に対する分散剤として用いられる。
(2)塗料、インキなどに用いる増粘剤・分散剤
例えば、塗料、インキなどについて、添料分散剤;粘度、レベリングなどの調整剤;濡れ性改良剤として用いられる。
(3)水および油に用いる処理剤・採取剤
(4)化粧品
例えば、シャンプー、リンズ、ローションなどの化粧品について、乳化安定剤、潤滑剤、乳化型化粧料(乳化剤として使用)、皮膜型パック剤、セット剤に用いられる。
(5)トイレタリー製品
例えば、液体洗剤(衣料用、台所用、トイレ・タイル用)、歯磨き、クレンザー、柔軟仕上げ剤、工業用洗浄剤などの増粘剤として用いられる。
(6)粘着剤およびその助剤
(7)メディカル分野
例えば、錠剤(徐放性薬剤)、腸溶性薬剤、パップ剤、プラスター剤等の貼付剤用の基材、外用軟膏剤、薬剤放出制御製剤、胃内浮遊徐放性製剤、粘膜投与製剤、外皮用組成物(医療用フィルム)、創傷被覆保護材、歯科用材料、口腔用吸収剤、歯間清掃具等において、薬剤の保持・徐放のために用いられるほか、消毒用オートクレーブで加熱されて反復使用される尿道カテーテル・浣腸器等の医療器具用潤滑剤、診断薬の粘度調整剤として用いられる。
(8)吸水材、保水剤、シーリング剤、保冷剤
(9)その他
例えば、製紙用処理剤;芳香消臭剤;乾燥剤;発酵助剤;パッキン用材料、古壁等の剥離剤に用いられるほか、玩具、汗取り装身具、超音波探傷用接触媒質、超音波探触子、電池・センサー等の電解質支持体などの増粘剤として用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の製造方法で得られたN-ビニルアセトアミド単量体の分析方法を以下に示す。なお分析方法は以下に限定されず、公知の方法を採用することが可能である。
・組成分析
実施例・比較例で得られた高重合性N-ビニルアセトアミド単量体の純度は、以下の条件のGC分析で定量する。
装置:高性能汎用ガスクロマトグラフ「GC-2014」(株式会社島津製作所製)
カラム:DB-WAX(φ0.25mm × 30m、Agilent Technologies社製)
キャリアガス種類:He
キャリアガス流量:1mL/分
スプリット比:40
カラム温度:40℃(7分)→昇温(25℃/分)→130℃(15分)→昇温(30℃/分)→220℃(7分)の順で昇温プログラムを設定
インジェクション温度:200℃
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
検出器温度:230℃
また、N-ビニルアセトアミド単量体は、高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)法により、紫外可視分光吸収スペクトルにより確認・同定した。測定条件は次のとおりである。
カラム:昭和電工株式会社製:Shodex(登録商標) SIL-5B
溶離液:イソプロピルアルコール(IPA)/N-ヘキサン=1/9(質量比)
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:紫外可視分光検出器、254nm
・重合性試験
また、得られたN-ビニルアセトアミド単量体精製物の重合性については、次に示す重合性試験により評価を行う。
[1]触媒注入管、窒素ガス吹込管、窒素ガス排気管、温度計を備えた、100mlガラス容器を準備する。
[2][1]のガラス容器にN-ビニルアセトアミド単量体精製物 20g、イオン交換水 58gを秤取る。
[3]窒素ガス50cm/分でバブリングしながらウォーターバスで30℃に加温する。窒素ガスは重合終了まで通気する。
[4]重合開始剤として、2,2`-アゾビス[2-(2-イミダゾリン―2-イル)プロパン]二塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製 V-044)1.6gにイオン交換水48.4gを加えて溶解する。
[5]重合開始剤として2,2`-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製 V-50)4.0gにイオン交換水46.0gを加えて溶解する。
[6]窒素ガス通気が1時間経過したところで、[4]の重合開始剤溶液 1.0gを、続けて[5]の重合開始剤溶液 1.0gを注射器により添加する。
[7]ガラス容器をウォーターバスから取り出し、ガラス表面の水分をペーパーで除去してから断熱容器に移し重合を継続させる。
[8]重合温度を監視し、[6]の重合開始剤添加から、標準温度ピーク到達時間(重合開始剤注入から温度ピーク到達までの時間)を重合性の指標とした。重合性の良・不可の判断は、標準温度ピーク到達時間で判断し、120分未満を良とする。
[合成例1]
アセトアルデヒド224g、メタノール325g、アセトアミド100gを硫酸触媒下、40℃にて反応させてpH1.2のN-(1-メトキシエチル)アセトアミドを合成した。その反応液に48質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8.3に調整した。その後、単蒸留装置にて温度60~70℃、圧力33kPa(絶対圧力)で低沸点成分を留去後、温度70℃、圧力0.3kPa(絶対圧力)で水及びメタノールを留去し、純度92質量%のN-(1-メトキシエチル)アセトアミドを151g得た。
続いて、N-(1-メトキシエチル)アセトアミドを400℃、20kPa(絶対圧力)に保たれた反応器(内径20mm、長さ240mmのチューブ型反応器)に、1.5g/分の割合で供給した。反応器出口に設置された冷却管で、熱分解反応で生成したN-ビニルアセトアミドとメタノールの混合物を凝縮して、粗N-ビニルアセトアミド回収物を得た。N-(1-メトキシエチル)アセトアミドの転化率は90%であった。
次いで0.3%Pd-Al触媒をカラムに充填した(充填量は粗N-ビニルアセトアミド回収物20gに対して触媒量1mlになる量とした)のち、反応温度40℃、水素ガス圧力0.03MPa(ゲージ圧)、触媒充填カラムでの空間速度(SV値)が100/時間になるよう粗N-ビニルアセトアミド回収物を循環流通し、熱分解反応で副生したN-1,3-ブタジエニルアセトアミドを水素化して低減した。
反応時間はN-1,3-ブタジエニルアセトアミド量が30質量ppm以下となるまで実施した。N-1,3-ブタジエニルアセトアミドが低減された粗N-ビニルアセトアミド回収物を、単蒸留装置を用いて真空度0.3kPa(絶対圧力)以下、ボトム温度60℃以下の条件下蒸留しメタノールを除去して、粗N-ビニルアセトアミド単量体を120g得た。この粗N-ビニルアセトアミド単量体中のN-ビニルアセトアミド単量体純度は75質量%であった。
[実施例1]
合成例1で得た粗N-ビニルアセトアミド単量体を晶析装置により40℃に昇温し融解させ、40℃から10℃まで6時間で冷却晶析し、遠心分離ろ過器へ移送し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、その後にメチルエチルケトン4g/メチルシクロヘキサン77gにてリンズを行い、N-ビニルアセトアミド単量体の結晶を52g得た。この時のN-ビニルアセトアミドは純度95質量%であった。
この、N-ビニルアセトアミド単量体結晶52gに、メチルエチルケトン10g、メチルシクロヘキサン57gを加え、40℃に加熱して溶解後、7時間で5℃に冷却することで溶媒晶析して、N-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ移送し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、その後にメチルエチルケトン1g/メチルシクロヘキサン25gにてリンズを行い、再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は41gで、N-ビニルアセトアミド単量体の純度は99.8質量%であった。
得られたN-ビニルアセトアミド単量体精製物について、重合性試験を行った。その結果は、98分であった。
[実施例2]
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルエチルケトンの代わりに酢酸エチルを用いた以外は、実施例1と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は45gで、純度が99.7質量%であった。重合性試験の結果は、102分であった。
[実施例3]
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサンを用いた以外は、実施例2と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ送液し、固液分離を行い、リンズを行ったのち再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は46gで、純度が99.8質量%であった。重合性試験の結果は、108分であった。
[実施例4]
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルエチルケトンの代わりに1、2-ジメトキシエタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は42gで、純度が99.8質量%であった。重合性試験の結果は、96分であった。
[実施例5]
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルエチルケトンの代わりにアセトニトリルを用いた以外は、実施例1と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は33gで、純度が99.8質量%であった。重合性試験の結果は、98分であった。
[実施例6]
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルエチルケトンの代わりにトルエンを31g用いて、4時間かけて20℃を冷却終点とした以外は、実施例1と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は47gで、純度が99.8質量%であった。重合性試験の結果は、112分であった。
[合成例2]
アセトアミド/ジメチルアセタール/メタノールをモル比1/20/3のモル比で調整し、強酸性イオン交換樹脂アンバーリスト15を60ml充填した内径40mmの反応管を55℃に温め、下部から調整液を毎時5mlで導入して、上部からN-(1-メトキシエチル)アセトアミド合成液を得た。N-(1-メトキシエチル)アセトアミドの収率は90%であった。回収液は、実施例1と同様にして、N-(1-メトキシエチル)アセトアミドの蒸留精製、熱分解、メタノール留去を行い、N-ビニルアセトアミドを94%の濃度で含む組成物を620g得た。
[比較例1]
合成例2で得た組成物を、理論段数20段を有する5mmスルーザー型充填剤を含めて充填した精留塔の上から10段目に、毎時155gで導入した。圧力0.3kPa(絶対圧力)、還流比3で精留塔の下にはフラスコを設置し、105℃の油浴で加熱しながら、精留塔下部からを毎時140gでN-ビニルアセトアミド単量体の精製物をフラスコに抜き出した。フラスコ中のN-ビニルアセトアミド濃度は99.1%であった。なお、塔頂からはアセトアミド、N-(1-メトキシエチル)アセトアミドおよびメタノールを抜き出した。得られたN-ビニルアセトアミド単量体の精製物の重合性試験の結果は140分であった。
[比較例2]
合成例2にて得たN-ビニルアセトアミドを620g得た後、50℃に加温して溶解し、このN-ビニルアセトアミド溶液を高圧容器内で1800kg/cm(176.5MPa)、50℃で圧力晶析を行った。圧力晶析により、N-ビニルアセトアミドの結晶を析出させ、この結晶を母液から分離することで、純度99.9%のN-ビニルアセトアミドを得た。得られたN-ビニルアセトアミドの重合性試験の結果は、105分であった。
比較例2は高圧容器を用いるため、設備投資が巨大となった。
[比較例3]
実施例1にて、溶媒晶析を実施せずに冷却晶析だけを実施した。得られたN-ビニルアセトアミド単量体の結晶は52gで、純度が95質量%であった。得られたN-ビニルアセトアミド単量体の結晶について、重合性試験を実施の結果、160分となり重合性不良の結果であった。
[比較例4]
合成例1と同様にして得られたメタノールを除去した後の粗N-ビニルアセトアミド単量体100gに対して、冷却晶析を実施せずに、酢酸エチル20g、メチルシクロヘキサン110gを加えて40℃に加熱して溶解後、7時間で5℃に冷却することで溶媒晶析を実施したが、さらに1時間掛けて0℃に冷却しても結晶の析出が見られず、N-ビニルアセトアミド単量体を得ることが出来なかった。
Figure 0007415553000001
本発明によって得られたN-ビニルカルボン酸アミド単量体を使用することにより、凝集剤、増粘剤、分散剤、粘着剤などに利用されるN-ビニルカルボン酸アミドポリマーの製造に利用される。



Claims (7)

  1. (A)N-ビニルカルボン酸アミド単量体を50~88質量%で含む粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を昇温により融解させ、その後冷却することにより析出させ(冷却晶析)、析出したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を固液分離する工程(工程(A))、および、
    (B)工程(A)で分離されたN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を、さらに良溶媒と炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に溶解させたのち、晶析(溶媒晶析)を行い、固液分離して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物を回収する工程(工程(B))を含み、
    工程(B)における良溶媒/N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量比が、0.01以上0.5以下であり、
    工程(B)における炭素数6~7の脂肪族炭化水素/N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量比が0.5以上3.0以下であることを特徴とする高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  2. 前記良溶媒の質量は、前記炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.003~1.0であることを特徴とする、請求項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  3. 前記工程(A)の晶析が、粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を30℃~80℃で融解した後、-20℃~20℃に冷却することで行われる請求項1または2に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  4. 前記工程(B)の晶析が、N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を良溶媒と炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に、30℃~80℃で溶解した後、-20℃~20℃に冷却することで行われる請求項1~3のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  5. 前記工程(B)で使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素が、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロへプタンおよびメチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
  6. 前記工程(A)および工程(B)で固液分離する方法が、ろ過分離であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の
    製造方法。
  7. 前記N-ビニルカルボン酸アミド単量体がN-ビニルアセトアミド単量体であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
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