<基本構成>
以下、本発明の雀球遊技機について、図面に基づき説明する。図1は、本実施形態(第1実施形態)の雀球遊技機の一実施例を示している。図1に示す雀球遊技機1について、先ず基本的な事項について説明すると、雀球遊技機1は、自動配牌機能を有するタイプのものである。
さらに、この雀球遊技機1は、ビッグボーナス(BB)遊技中でない通常時には、1ゲームが1球の遊技球を使用して行われるようになっている。そして、1ゲーム中において、14枚(14個)の自動配牌後に、1球の遊技球の入球により1枚の配牌が行われ、合計で15個の図柄に基づき、各種の役の成立に係る判定が行われる。このようなゲーム性や、ゲーム制御に係る構成の詳細については後述する。
図1に示す雀球遊技機1は、筐体の前面部に、遊技盤2、操作パネル3、操作パネル3の下方に設けられた発射装置4の遊技球発射レバー4a、メダル受け皿5、スピーカー(図示せず)から音声や効果音を出力する音声出力口7、ランプ装置8、ガイドレール9、等を有している。
図2に示されるように、遊技盤2の構成に関しては、ガイドレール9を構成して遊技領域2aを区画形成する外レール2c及び内レール2d、内レール2dの先端近傍に配置されて飛距離の短い遊技球が外レール2c及び内レール2dの間に戻るのを防止する戻り球防止部材2eが装着されている。また、遊技領域2aには、多数の遊技釘2f,…が植設されている。そして、これらの遊技釘2f,…の配置は、後述する各種入球口やゲートといった遊技部品への、遊技球の近寄りの程度(所謂「寄り」)や、入球の難易度の一要因となるものである。
ガイドレール9に囲まれた遊技領域2aにおいて、雀球遊技機1の正面から見て左側の領域には、ランプ付き風車15、特別入球口作動ゲート12、特別入球口11が、上から順に配置されている。遊技領域2aの中央部には第1演出表示装置10が設けられており、この第1演出表示装置10の、正面から見て右側の領域には、3連入球口14が設けられている。
これらのうち、特別入球口11は、図示しないソレノイド等の駆動源により開閉扉11aを下辺を回動軸として倒伏させ、矩形の開口を開放するものである。開閉扉11aが開放して開口に遊技球が落下すると、遊技球は更に特定領域の開口に進入し、特別入球口入球検出センサ11bにより検出される。
ここで、特別入球口11と称しているのは、開閉扉11a、駆動源、開口、遊技球案内部、入球検出センサ等の構成を一体に備えた特別入球口装置の意味である。このことは、前述の3連入球口14についても同様であり、3連入球口14は、3つの図柄入球口14a~14c、及び、図示を省略する遊技球の案内部や入球口センサ等の構成を一体に備えた入球口装置を意味している。
特別入球口作動ゲート12は、特別入球口11の左右中央の軸線と同一直線上に位置しており、遊技球通過検知センサ12aを備えている。
なお、遊技領域2aには、これらの他にも、例えば、ランプ付き飾り装置、風車等を設けることが可能である。そして、ランプ付き飾り装置やランプ付き風車(前述のランプ付き風車15を含む)に用いる発光体としては、種々のカラー色を発光するLEDが使用される。
遊技領域2aの下方部2bには、横方向に25個の図柄入球口13a~13yが設けられた複数連入球口装置13が配置されている。これらの25個の図柄入球口13a~13yには、16種類のアルファベットの図柄が割り当てられており、本実施形態では、図中の左から、「T、A、B、C、T、D、E、T、F、G、H、I、T、J、K、L、M、T、S、T、W、T、S、T、W」の図柄の配置が行われている。なお、本実施形態では、図柄としてアルファベットを用いているが、これに限定されるものではなく、互いに識別が可能な情報になり得るものであれば、種々の図柄を採用することができる。
図柄入球口13a~13yのいずれかに遊技球が進入すると、遊技球の進入(入球)があった図柄入球口13a~13yに対応した図柄が、遊技者に取得されたこととなる。なお、これらの図柄や、図柄の組み合わせによって成立する役の詳細については後述する。
また、前述の3連入球口14において、3つの図柄入球口14a~14cは、横方向に並んで配置されている。さらに、これらの図柄入球口14a~14cには、図中の左から「S、W、T」の3種類の図柄が、それぞれ割り当てられている。そして、図柄入球口14a~14cのいずれかに遊技球が進入すると、遊技球の進入(入球)があった図柄入球口14a~14cに対応した図柄が、遊技者に取得されたこととなる。
本実施形態では、通常状態時には所謂左打が推奨されており、通常状態時における遊技球の発射位置(推奨発射位置)は、基本的に遊技領域2aの左側の領域となっている。また、遊技領域2aの左側の領域には、右側の領域に比べて、S図柄、T図柄、W図柄が少なく配置されている。さらに、上述した3連入球口14の上部に到達し、3連入球口14への入球が確定的となった遊技球は、設計上は概ね1/4の割合で、T図柄が割り当てられた図柄入球口14cに入球し得るようになっている。なお、これらの図柄を用いたゲーム性や遊技制御については後述する。また、3連入球口14における図柄入球口14a~14cへの入球割合は、上方の遊技釘2fによる左右への振り分けを考慮すると、S図柄の入球口14aが1/4、W図柄の入球口14bが2/4、T図柄の入球口14cが上述のように1/4となる。
続いて、遊技領域2aよりも下方の領域には、メイン表示装置36が配置されている。メイン表示装置36としては、LEDを用いたドット表示や7セグメント表示(7セグ表示)により、遊技制御において発生する各種の情報を表示するものを例示できる。また、メイン表示装置36に表示する情報としては、例えば、現時点で所有している手牌の図柄、特別遊技役の残りのラウンド数、残り発射球数、BET枚数、クレジット枚数などを例示できる。
なお、本実施形態では、メイン表示装置36が7セグ表示を行えるものとなっているが、メイン表示装置36、例えばドット表示の組み合わせのみにより表示を行うものであってもよい。また、本実施形態では、メイン表示装置36は複数連入球口装置13に設けられているが、これに限らず、遊技盤2(例えば遊技領域2aの内部或いは外部の領域)に搭載したり、操作パネル3やメダル受け皿5等が設けられた遊技機枠1aに搭載することなども可能である。
続いて、図1及び図4(a)に示すように、前述の操作パネル3には、例えば液晶表示装置により構成される第2演出表示装置16、メダル投入口17、及び、各種の操作ボタン(ボタンスイッチ)が設けられている。この各種の操作ボタンとしては、遊技開始(BET)ボタン18、捨て牌のためのボタンとなる3つの図柄選択(A~C)ボタン19a~19c、右選択ボタン22a、左選択ボタン22b、決定ボタン23、遊技終了ボタン24、払出ボタン(メダル払出ボタン)25、アガリボタン26等から構成されている。なお、これらの操作ボタンの用途や機能については後述する。
上述の第2演出表示装置16は、遊技者の手元に位置することとなる操作パネル3に配置されており、前述の第1演出表示装置10からは下方に離れている。そして、第1演出表示装置10と第2演出表示装置16の位置関係は、遊技者が第2演出表示装置16を視認した場合には、視線を下方に向ける必要があり、第1演出表示装置10を視認する場合には、視線を前方に向ける必要があるようになっている。
そして、遊技者が第2演出表示装置16を視認している際には第1演出表示装置10が同じ視野に収まらないようになっており、この逆に、遊技者が第1演出表示装置10を視認している際には第2演出表示装置16が同じ視野に収まらないようになっている。
遊技者が上記した各種のボタンを操作する(押圧してスイッチ接点をONする)と、当該スイッチに係る信号が発生(或いは変化)し、この信号が、CPUを含んで構成される制御基板(ここでは、後述する主制御装置1000の制御基板)に入力される。そして、CPUが、制御基板のROMに搭載されているソフトウエア(以下、プログラムという)を実行し、入力された信号を解析し、この解析した入力信号に対応する処理を実行することによりゲームが進行する。
第1演出表示装置10及び第2演出表示装置16は、主制御装置1000の情報(コマンド)に基づく表示制御手段(サブ制御装置でありサブ制御表示装置ともいう)3000の管理の下に制御され、遊技者に対してゲームの進行に応じて必要な情報、及び演出用画像を表示するために使用される。
第1演出表示装置10は、主として、遊技者に提示する演出の表示に用いられる。図4(b)には、第1演出表示装置10に表示される演出の一例を示している。この演出例では、スロットマシンにおけるリールの回転と停止による図柄の演出表示を模した画像によるリール演出(動画像による擬似的なビデオリールの演出)が実行されるようになっている。より具体的には、「赤7」、「白7」、「ベル」、「スイカ」、「リプレイ」、「ブランク」等といった、スロットマシンで一般的に用いられるような各種の図柄が、3つの変動領域の各々で縦方向の上から下に変動表示された後、所定のタイミングで停止表示されるようになっている。
ここで、図4(b)では、3つのリールの停止状態を模した画像が示されており、「赤7」、「白7」、「ベル」、「スイカ」、「ブランク」などの図柄が停止表示されている。また、図中では「赤7」を、濃い網掛けを付加することにより「白7」と区別して示している。
図4(b)に例示する演出においては、一般的なスロットマシンと同様に所定の有効ライン(入賞ライン)が決められている。この有効ラインとしては、例えば、二点鎖線で仮想的に示すように、横方向上段ラインL1、横方向中段ラインL2、横方向下段ラインL3、右上がり斜めラインL4、左上がり斜めラインL5の5ラインがある。なお、有効ラインとして、公知の所謂ZラインやVライン、或いはその他のラインを採用することなども可能である。
第1演出表示装置10に表示される演出としては、通常状態時における演出や、ビッグボーナス(BB)状態時における演出などがある。そして、これらの演出を総称して、例えば「遊技進行報知用演出」などと称することが可能である。
さらに、通常状態時に第1演出表示装置10で行われる演出には、例えば、1回のゲームの開始時に実行される遊技開始時演出や、入球の発生時に実行される入球時演出などが含まれる。そして、これらの遊技開始時演出や入球時演出については、各種の演出パターンが設けられているが、これらについては後述する。
さらに、第1演出表示装置10は、BB状態時には、遊技者が手牌から不要な牌を捨てる操作を行なうとき、及び、手牌に1個の牌を自摸操作するときに、捨て牌とすべき牌、自摸すべき牌の図柄を、遊技者に事前にアシスト表示するための手段として使用される。これにより、麻雀の知識が少ない初心者も気楽にゲームを楽しむことが可能になる。また、本最良形態においては、各種入球口への入球により獲得した手牌の状況や、役が成立した場合の報知などに関する情報も、第1演出表示装置10に表示される。なお、遊技球が第1演出表示装置10の前を通って流下する構造を採用し、中央の図柄入球口13l~13nの近辺に遊技球を寄せ得る構成としてもよい。また、第1演出表示装置10の前面下部に、例えばパチンコ遊技機に多く備えられているようなステージを設け、ステージに達した遊技球を横方向に転動させて、遊技球を中央に寄せ得る構成としてもよい。
第2演出表示装置16は、主として、遊技者が雀球遊技機1に貯留している現在のメダル枚数、1遊技の実施中における遊技球の残り個数、遊技者の手牌を構成する牌の図柄、遊技者が捨て牌として捨てた牌の図柄、等を表示する手段として使用される。
図21(a)~(c)に示すのは、第2演出表示装置16における手配表示の一例であり、図21(a)には、14個の手配が示されている。詳細は後述するが、本実施形態では、遊技開始時に伴い、図21(a)に例示すように14個の図柄が自動で配牌され、遊技者が1つの図柄を追加するツモ(自摸)の操作を行って、図21(b)に示すように15個の図柄が並べられるようになっている。
ここで、図21(a)~(c)においては、説明上及び図面上、手牌の個数の把握が容易になるように、各手牌の下に左から「1」~「14」(又は「15」)の番号(手牌番号)を昇順に付している。この手牌番号は、雀球遊技機1において実際には、第2演出表示装置16に表示されないものとなっている。しかし、これに限らず、遊技者が手牌の個数を確認し易いよう、第2演出表示装置16に実際に手牌番号を表示するようにしてもよい。
また、前述したメイン表示装置36で図柄を表示していれば、必ずしもサブ側(ここでは第2演出表示装置16)で手牌や手牌番号を表示しなくてもよい。そして、サブ側で手配を表示しないようにすることで、限られたサイズの画面上(表示領域上)でより多様な演出表示(役判定示唆の演出表示など)を行うことができる。さらに、前述のサブ制御手段3000における処理能力や記憶容量を手牌表示以外の演出制御に振り向けて、演出をより一層多様化し得るようになる。
次に、図5~図9のブロック図を参照しながら、本最良形態に係る雀球遊技機の各種機能について説明する。はじめに、主制御装置1000は、演出表示に係るサブ表示制御装置(表示制御手段)3000と、主制御装置1000からの払出指示に基づきメダルの払出を行うメダル払出装置4000をはじめ、各種周辺機器と情報伝達可能に接続されている。
ここで、主制御装置1000は、各種のセンサから入力される信号の受信及び各種周辺機器(例えばサブ表示制御装置3000)側に各種情報・信号を送信するための通信制御手段1100と、遊技の進行に伴うメダルの貯留枚数の管理と払出の処理を行うメダル管理手段1200と、遊技開始条件を充足しているか否かを判定する遊技開始判定手段1300と、遊技の進行制御を司る遊技進行制御手段1900と、遊技状態情報(牌情報、メダル情報)をメイン表示装置36上に表示する表示制御手段2000と、現在の遊技状態等を一時記憶する遊技状態一時記憶手段2100と、所定のメダル枚数の払出を行うようにメダル払出装置4000を制御する払出制御手段2200と、遊技に関する情報(画像データ、音声データ等)を記憶するための遊技関連情報記憶手段2300とを有している。以下、各手段について詳述する。
まず、通信制御手段1100は、図5及び図6(a)に示すように、遊技開始(BET)ボタン18、図柄選択(A~C)ボタン19a~19c、右選択ボタン22a、左選択ボタン22b、決定ボタン23、遊技終了ボタン24、払出ボタン25、アガリボタン26等からの操作信号、特別入球口11の特別入球口入球検出センサ11b、図柄入球口13a~13yの入球検出センサ13a-1~13y-1、特別入球口作動ゲート12の遊技球通過検知センサ12aからの入力信号等を受信する入力信号受信手段1101と、各種周辺機器(例えばサブ表示制御装置3000)側へ情報・信号を送信する情報送信手段1102とを有している。
次に、メダル管理手段1200は、図6(b)に示すように、メダルのクレジット枚数及び貯留枚数を一時記憶するメダル情報一時記憶手段1201を有している。
次に、遊技進行制御手段1900は、図7に示すように、BB状態時において機能する手段として、捨て牌処理に関する制御を司る捨て牌制御手段1901を有している。ここで、本実施形態では、遊技者に有利な条件で複数回のゲームが行われるBB状態での遊技を「特別遊技」と称している。また、本実施形態の雀球遊技機1においては、BB状態中と、BB遊技が発生していない遊技状態(以下ではチャンス役成立時を含めて「通常状態」と称する)中とでは、遊技の進め方を異ならせていることが特徴的事項の一つとなっている。しかし、ここでは先ず全体構成について説明し、通常状態時の遊技の進め方や、通常状態時とBB状態時の遊技の相違等については後述する。
遊技進行制御手段1900は、通常状態時及びBB状態時の両方で機能する手段として、自摸牌処理に関する制御を司る自摸牌制御手段1902と、手牌データが上がりの組合せを完成させたか否かを判定する役判定手段1903と、前記上がりの組合せを完成させたと判定した場合に、当該上がりに係る獲得メダル枚数を算出する払出枚数算出手段1904と、遊技終了処理に関する制御を司る遊技終了制御手段1905と、特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段1906と、を有している。
ここで、自摸牌制御手段1902は、自摸条件を充足した場合、発射装置に遊技球が1球供給されるよう制御する自摸用遊技球供給制御手段1902aを有している。自摸用遊技球供給制御手段1902aは、所定条件を充足した場合、遊技球を待機位置に1球供給する。ここで、自摸条件である上述の「所定条件」としては、通常状態時には、各ゲームが開始された場合を挙げることができる。また、BB状態時における上述の「所定条件」としては、BETボタンとなる遊技開始ボタン18により遊技開始指示がなされた後すべての配牌が終了していない場合(配牌を手打ちで実行する場合)の他、後述するように、配牌後に捨て牌制御手段により手牌データ一時記憶手段から一個の牌データが削除された場合を挙げることができる。
また、払出枚数算出手段1904は、上がり役による獲得メダル枚数を算出する際に参照する上がり役別入賞メダル枚数テーブル1904aを有している。さらに、特別遊技制御手段1906は、上がり役による特別遊技の内容を設定する際に参照される特別遊技内容参照テーブル1906aを有している。
次に、遊技状態一時記憶手段2100は、図8に示すように、各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するフラグ一時記憶手段2101と、当該遊技における残り遊技球数を一時記憶する遊技球数一時記憶手段2102と、当該遊技における牌情報を一時記憶する牌情報一時記憶手段2103と、当該遊技における特別遊技役を一時記憶する特別遊技役一時記憶手段2106と、当該遊技における上がり情報(上がり役、獲得メダル枚数)を一時記憶する上がり情報一時記憶手段2110と、当該遊技における特別遊技に関連する情報(例えば、ラウンドの残り回数)を一時記憶する特別遊技関連情報一時記憶手段2111とを有している。
ここで、牌情報一時記憶手段2103は、当該遊技における手牌情報を一時記憶する手牌情報一時記憶手段2103aと、当該遊技における捨て牌情報を一時記憶する捨て牌情報一時記憶手段2103bとを有している。また、上がり情報一時記憶手段2110は、当該遊技における上がり役を一時記憶する上がり役一時記憶手段2110aと、払出枚数算出手段1904が算出した獲得メダル枚数を一時記憶する獲得メダル枚数一時記憶手段2110bとを有している。
次に、表示制御手段(サブ制御装置)3000は、図9に示すように、主制御装置1000側からの各種情報・信号を受信する表示情報受信手段3100と、表示制御手段(サブ制御装置)3000側での表示に関連する情報を一時記憶する表示関連情報一時記憶手段3600と、演出に関する情報(画像データ、動画像データ、音声データ等)を記憶するための表示関連情報記憶手段3700を有している。以下、各手段について詳述する。
表示情報受信手段3100は、主制御装置1000側からの各種情報・信号を一時記憶するメイン側情報一時記憶手段3101を有している。尚、メイン側情報一時記憶手段3101に一時記憶された各種情報・信号は、以下で説明する各処理において、後述の各種手段により必要に応じ適宜参照される。
表示関連情報一時記憶手段3600は、各種フラグのオンオフ情報を一時記憶するフラグ一時記憶手段3601と、当該遊技における牌情報を一時記憶する牌情報一時記憶手段3602と、を有している。
<制御フロー>
次に、図10~図20の制御フローチャート(各種CPUによる制御処理の流れを示す制御フロー)を参照しながら、本最良形態に係る雀球遊技機1の処理の流れを説明する。はじめに、図10~図18は、本最良形態に係る雀球遊技機1のメイン制御基板側での処理の流れを示している。
まず、図10は、主制御装置1000が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。はじめに、ステップ1100で、メダル管理手段1200は、後述するメダル管理処理を実行する。次に、ステップ1200で、遊技開始判定手段1300は、後述する遊技開始判定処理を実行する。次に、ステップ1600で、遊技進行制御手段1900は、後述する遊技開始・発射球セット処理を実行する。次に、ステップ1700で、遊技進行制御手段1900(特に自摸牌制御手段1902)は、後述する自摸牌制御処理を実行する。
次に、ステップ1900で、遊技進行制御手段1900は、通常状態時とBB状態時とで、遊技状態に応じた遊技進行に係る制御処理を実行する。
次に、ステップ2300で、払出枚数算出手段1904は、後述する払出枚数算出処理を実行する。次に、ステップ2400で、遊技進行制御手段1900(特に遊技終了制御手段1905)は、後述する遊技終了処理を実行し、ステップ1100に戻る。以下、各サブルーチンに係る処理について詳述する。
まず、図11は、図10におけるステップ1100のサブルーチンに係る、メダル管理処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201及びフラグ一時記憶手段2101を参照し、BETカウンタ値が「3」かつCREカウンタ値が「50」であるか、又は現在遊技中(例えば、後述する「遊技中フラグ」がオン)であるか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、メダル管理手段1200は、メダルブロッカー(図示しない)をメダルを投入不能に駆動し、ステップ1108に移行する。他方、ステップ1102でNoの場合、ステップ1106で、メダル管理手段1200は、メダルブロッカーをメダル投入可能に駆動し、ステップ1108に移行する。次に、ステップ1108で、メダル管理手段1200は、入力信号受信手段1101がメダル投入信号を受信したか否かを判定する。ステップ1108でYesの場合、ステップ1110で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、BETカウンタ値が「3」ではないか否かを判定する。ステップ1110でYesの場合、ステップ1112で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201のBETカウンタ値に「1」を加算し、ステップ1116に移行する。他方、ステップ1110でNoの場合、ステップ1114で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201のCREカウンタ値に「1」を加算し、ステップ1116に移行する。次に、ステップ1116で、メダル管理手段1200(表示制御手段2000)は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、現在のメダル情報(BET枚数、クレジット枚数)をメイン表示装置36上に表示する。そして、ステップ1118で、メダル管理手段1200(情報送信手段1102)は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に前記現在のメダル情報を送信し、次の処理(遊技開始判定処理1200)に移行する。
他方、ステップ1108でNoの場合、ステップ1120で、メダル管理手段1200は、入力信号受信手段1101が払出ボタン操作信号を受信したか否か、即ち、遊技者が払出ボタン25を押圧したか否かを判定する。ステップ1120でYesの場合、ステップ1122で、メダル管理手段1200は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、現在遊技中(例えば、後述する「遊技中フラグ」がオン)ではないか否かを判定する。ステップ1122でYesの場合、ステップ1124で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、CREカウンタ値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップ1124でYesの場合、ステップ1126で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201のCREカウンタ値から「1」減算する。次に、ステップ1128で、メダル管理手段1200(払出制御手段2200)は、メダル払出装置4000を駆動し、メダル受け皿5にメダルを「1」枚排出する。次に、ステップ1130で、メダル管理手段1200(表示制御手段2000)は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、現在のメダル情報(BET枚数、クレジット枚数)をメイン表示装置36上に表示する。そして、ステップ1132で、メダル管理手段1200(情報送信手段1102)は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に前記現在のメダル情報を送信し、ステップ1124に移行する。
他方、ステップ1124でNoの場合、ステップ1134で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、BETカウンタ値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップ1134でYesの場合、ステップ1136で、メダル管理手段1200は、メダル情報一時記憶手段1201のBETカウンタ値から「1」減算し、ステップ1128に移行する。
尚、ステップ1120、ステップ1122及びステップ1134でNoの場合は次の処理(遊技開始判定処理1200)に移行する。
次に、図12は、図10におけるステップ1200のサブルーチンに係る、遊技開始判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、遊技開始判定手段1300は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、現在遊技中(例えば、後述する「遊技中フラグ」がオン)ではないか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、遊技開始判定手段1300は、入力信号受信手段1101がBETボタン操作信号を受信したか否か、即ち、遊技者が遊技開始ボタン18を押圧したか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、遊技開始判定手段1300は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、BETカウンタ値が「3」であるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1208で、遊技開始判定手段1300は、メダル情報一時記憶手段1201のBETカウンタに「0」をセットする。次に、ステップ1210で、遊技開始判定手段1300(表示制御手段2000)は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、所定数(ここでは14)の自動図柄設定(後述する)を行って、現在のメダル情報(BET枚数、クレジット枚数)をメイン表示装置36上に表示する。次に、ステップ1212及びステップ1214で、遊技開始判定手段1300(情報送信手段1102)は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に前記現在のメダル情報及び遊技開始信号を送信する。そして、ステップ1216で、遊技開始判定手段1300は、フラグ一時記憶手段2101内の「遊技開始決定フラグ」をオンにし、次の処理(遊技開始・発射球セット処理1600)に移行する。
他方、ステップ1206でNoの場合、ステップ1218で、遊技開始判定手段1300は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、CREカウンタ値が「0」でないか否かを判定する。ステップ1218でYesの場合、ステップ1220及びステップ1222で、遊技開始判定手段1300は、メダル情報一時記憶手段1201のCREカウンタ値から「1」減算すると共に、BETカウンタ値に「1」加算する。次に、ステップ1224で、遊技開始判定手段1300(表示制御手段2000)は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、現在のメダル情報(BET枚数、クレジット枚数)をメイン表示装置36上に表示する。そして、ステップ1226で、遊技開始判定手段1300(情報送信手段1102)は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に前記現在のメダル情報を送信し、ステップ1206に移行する。
尚、ステップ1202、ステップ1204及びステップ1218でNoの場合にも次の処理(遊技開始・発射球セット処理1600)に移行する。
次に、図13は、図10におけるステップ1600のサブルーチンに係る、遊技開始・発射球セット処理のフローチャートである。ここで、ステップ1602~ステップ1610が遊技開始処理(遊技開始初期設定処理)、ステップ1612~1620が発射球セット処理である。
まず、ステップ1602で、遊技開始判定手段1300は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「遊技開始決定フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604で、遊技開始判定手段1300は、フラグ一時記憶手段2101内の「遊技開始決定フラグ」をオフにする。次に、ステップ1606で、特別遊技制御手段1906は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「特別遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ1606でYesの場合、ステップ1608で、特別遊技制御手段1906は、フラグ一時記憶手段2101内の「特別入球口作動ゲート有効フラグ」をオンにする。そして、ステップ1610で、遊技開始判定手段1300は、遊技球数一時記憶手段2102内の残り球数n情報をセットする。残り球数n情報としては、通常状態の場合には「1」がセットされ、BB状態の場合には「15」がセットされる。以上で、遊技開始処理を終了する。
次に、遊技開始処理終了後、ステップ1612~ステップ1620にかけて、発射球セット処理が実行される。具体的には、まず、ステップ1612で、自摸用遊技球供給制御手段1902aは、遊技球送り装置(図示しない)を制御して、遊技球発射装置の発射位置(図示しない)に遊技球を1球セットする。そして、ステップ1614で、自摸牌制御手段1902は、遊技球数一時記憶手段2102内の残り球数n情報から「1」を減算する。その後、ステップ1616で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「未入球フラグ」をオンにし、次の処理(自摸牌制御処理1700)に移行する。以上が遊技開始直後の発射球セット処理(1個目の自摸用の発射球セット処理)である。
前述のように、BB遊技ではステップ1610で残り球数n情報として「15」がセットされるが、BB遊技時の2球目~15球目に関しては下記の処理で実行される。まず、ステップ1602でNoの場合、ステップ1618で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「自摸許可フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ1618でYesの場合、ステップ1620で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「自摸許可フラグ」をオフにし、ステップ1612に移行する。
次に、図14は、図10におけるステップ1700のサブルーチンに係る、自摸牌制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1702で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「未入球フラグ」がオンであるか否か、即ち、遊技球発射装置に供給された1球の遊技球がまだいずれの入球口にも入球していない状況であるか否かを判定する。ここで、ステップ1702でYesの場合には自摸牌制御処理が実行され、当該ステップでNoの場合には次の処理(ステップ1900の捨て牌制御処理)に移行する。
当該自摸牌制御処理(ステップ1700)は、特別入球口開放制御処理(ステップ1702~ステップ1708)、入球処理(ステップ1710~ステップ1728(特に、ステップ1710~ステップ1714が通常入球口の入球処理、ステップ1716~ステップ1728が特別入球口の入球処理))、次球供給許可判定処理(ステップ1730~ステップ1738)、表示制御処理(ステップ1740~ステップ1746)、上がり判定処理(ステップ1800)から構成される。以下、順に説明することとする。
まず、本実施形態では、後述するように、通常状態における持ち球数は1球であり、通常遊技状態時には、ステップ1703の判定結果がYesとなり、後述するステップ1730を含む次球供給許可判定処理へ移行する。
また、BB状態の際には、ステップ1704~ステップ1708を含む特別入球口開放制御処理が実行される。この特別入球口開放制御処理では、はじめに、ステップ1704で、自摸牌制御手段1902は、入力信号受信手段1101が特別入球口作動ゲート通過信号を受信したか否か、即ち、遊技球が特別入球口作動ゲート12を通過したか否かを判定する。ステップ1704でYesの場合、ステップ1706で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「特別入球口作動ゲート有効フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ1706でYesの場合、ステップ1708で、自摸牌制御手段1902は、特別入球口開閉装置(図示略)を駆動して、特別入球口11を開放する。
次に、ステップ1710~ステップ1729の入球処理を説明する。まず、ステップ1710~ステップ1714における通常入球口の入球処理から説明すると、はじめに、ステップ1710で、自摸牌制御手段1902は、入力信号受信手段1101が図柄入球信号を受信したか否か、即ち、遊技球が図柄入球口13a~13y,14a~14cに入球したか否かを判定する。ステップ1710でYesの場合、ステップ1712で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「未入球フラグ」をオフにする。次に、ステップ1714で、自摸牌制御手段1902は、前記図柄入球信号に係る牌を手牌情報一時記憶手段2103aに追加する。
次に、ステップ1710でNoの場合に実行される、ステップ1716~ステップ1729における特別入球口の入球処理を説明する。まず、ステップ1716で、自摸牌制御手段1902は、入力信号受信手段1101が特別入球口入球信号を受信したか否か、即ち、遊技球が特別入球口11に入球したか否かを判定する。ここで、ステップ1716でNoの場合には、ステップ1710に戻り、ステップ1710又はステップ1716でYesになるまでループする。他方、ステップ1716でYesの場合、ステップ1718で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「未入球フラグ」をオフにする。そして、ステップ1720で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「特別入球口入球フラグ」がオフであるか否かを判定する。ステップ1720でYesの場合、ステップ1722で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「特別入球口入球フラグ」をオンにする。次に、ステップ1724で、自摸牌制御手段1902(表示制御手段2000)は、メイン表示装置36内の2倍得点増加ランプ(図示しない)を点灯する。次に、ステップ1726で、自摸牌制御手段1902(情報送信手段1102)は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に特別入球口入球信号を送信する。次に、ステップ1728で、自摸牌制御手段1902は、入力信号受信手段1101が自摸牌決定操作信号を受信したか否かを判定する。ステップ1728でYesの場合には、ステップ1729で、自摸牌決定操作によって決定された自摸牌が手牌に追加される。尚、ステップ1728でNoの場合にはYesになるまで当該処理をループする。
次に、ステップ1730~ステップ1738の次球供給許可判定処理を説明する。まず、ステップ1730で、自摸牌制御手段1902は、遊技球数一時記憶手段2102を参照し、nが0でないか否か、即ち、予定されていた数の持ち球をすべて打ち切った状況ではないか否かを判定する。ステップ1730でYesの場合、ステップ1732で、自摸牌制御手段1902は、遊技球数一時記憶手段2102を再び参照し、nが1でないか否かを判定する。ステップ1732でYesの場合、ステップ1734で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「自摸許可フラグ」をオンにする。そして、ステップ1800で、上がり判定処理を実行し、所定の処理(ここではステップ1740~ステップ1746の表示制御処理)を経て、次の処理(ステップ1900の捨て牌制御処理)に移行する。上がり判定処理(ステップ1800)については後述する。
他方、ステップ1732でNoの場合、ステップ1736で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「捨て牌許可フラグ」をオンにする。また、ステップ1730でNoの場合、ステップ1738で、自摸牌制御手段1902は、フラグ一時記憶手段2101内の「遊技終了フラグ」をオンにし、ステップ1744に移行する。
次に、ステップ1740~ステップ1746の表示制御処理を説明する。まず、ステップ1740で、メイン表示装置36上に表示すべき手牌の並び替えを行う必要があるか否かが判定され、Yesの場合には、ステップ1742で、手牌情報の並び替え処理が実行され、手牌情報一時記憶手段2103aに一時記憶されている手牌データの並び順情報が更新される。なお、手牌情報の並び替え処理においては、手牌の個数に応じた並べ替え実行用テーブルが用いられる。次に、ステップ1744で、表示制御手段2000は、手牌情報一時記憶手段2103aに一時記憶されている手牌データに基づき、メイン表示装置36上に手牌を表示する。そして、ステップ1746で、情報送信手段1102は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に手牌情報(及び並び順情報)を送信し、次の処理(ステップ1900の捨て牌制御処理)に移行する。
ここで、本実施形態では、上がり判定処理(ステップ1800)の後に表示制御処理(ステップ1740~ステップ1746)を行うようにしているが、上がり判定処理(ステップ1800)を、例えば、表示制御処理中(ステップ1742とステップ1744の間など)に行うことも考えられる。
次に、図15は、図14におけるステップ1800のサブルーチンに係る、上がり判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1806で、役判定手段1903は、手牌情報一時記憶手段2103aを参照し、手牌が上がりであるか否か(入賞役が成立しているか否か)を判定する。ステップ1806でYesの場合、ステップ1808で、役判定手段1903は、フラグ一時記憶手段2101内の「上がりフラグ」をオンにすると共に、当該上がり役に係るコードを上がり役一時記憶手段2110aにセットする。次に、ステップ1810で、役判定手段1903は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「特別遊技フラグ」がオフであるか否かを判定する。ステップ1810でYesの場合、ステップ1812で、役判定手段1903は、上がり役一時記憶手段2110a及び特別遊技役一時記憶手段2106を参照し、当該上がり役はBB役であるか否か、具体的には、当該上がりに係る上がり役コードと当該遊技におけるBB役に係る上がり役コードが一致したか否かを判定する。ステップ1812でYesの場合、ステップ1814で、役判定手段1903は、フラグ一時記憶手段2101内の「特別入球口作動ゲート有効フラグ」をオンにする。次に、ステップ1816で、役判定手段1903は、特別遊技内容参照テーブル1906aを参照し、今回のビック役に対応したラウンド数を特別遊技ゲーム回数カウンタ値にセットし、ステップ1818に移行する。
他方、ステップ1812でNoの場合、ステップ1820で、役判定手段1903は、上がり役一時記憶手段2110a及び特別遊技役一時記憶手段2106を参照し、当該上がり役はチャンス役であるか否か、具体的には、当該上がりに係る上がり役コードと当該遊技におけるチャンス役に係る上がり役コードが一致したか否かを判定する。ステップ1820でYesの場合、ステップ1822で、役判定手段1903は、フラグ一時記憶手段2101内の「特別入球口作動ゲート有効フラグ」をオンにする。次に、ステップ1824で、役判定手段1903は、特別遊技関連情報一時記憶手段2111の特別遊技ゲーム回数カウンタ値に「1」をセットし、ステップ1818に移行する。また、ステップ1820でNoの場合には、そのままステップ1818に移行する。
そして、ステップ1818で、役判定手段1903は、フラグ一時記憶手段2101内の「特別遊技フラグ」を夫々オンにし、次の処理(ステップ1900の捨て牌制御処理)に移行する。尚、ステップ1806、及びステップ1810でNoの場合も、次の処理(ステップ1900の捨て牌制御処理)に移行する。
次に、図16は、図10におけるステップ1900のサブルーチンに係る、捨て牌制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1902で、捨て牌制御手段1901は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「捨て牌許可フラグ」がオンであるか否かを判定する。この「捨て牌許可フラグ」は、前述の自摸制御処理(図14)における次球供給許可判定処理のステップ1736で設定が行われるものであり、BB遊技中の残り球数が「1」でない場合にオンされるものである。
ステップ1902でYesの場合、ステップ1904で、捨て牌制御手段1901は、入力信号受信手段1101が捨て牌操作信号を受信したか否か、即ち、遊技者が捨て牌のために使用するボタンである図柄選択(A~C)ボタン19a~19cのいずれかを押圧したか否かを判定する。ステップ1904でYesの場合、ステップ1906で、捨て牌制御手段1901は、フラグ一時記憶手段2101内の「捨て牌許可フラグ」をオフにする。次に、ステップ1908で、捨て牌制御手段1901は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「上がりフラグ」がオンであるか否かを判定する。ここで、まず、ステップ1908でNoの場合、即ち、上がりを崩して牌を捨てた場合、ステップ1910で、捨て牌制御手段1901は、フラグ一時記憶手段2101内の「上がりフラグ」をオフにし、ステップ1912に移行する。他方、ステップ1908でYesの場合、ステップ1912で、捨て牌制御手段1901は、手牌情報一時記憶手段2103aに一時記憶されている手牌から前記捨て牌操作信号に係る牌を削除すると共に、当該削除した牌を捨て牌情報一時記憶手段2103bに追加する。そして、ステップ1914で、表示制御手段2000は、牌情報一時記憶手段2103を参照し、捨て牌情報をメイン表示装置36上に表示する。次に、ステップ1918で、並び替え実行手段は、手牌情報に基づいて並び替えを実行した上、手牌情報一時記憶手段2103aに一時記憶されている手牌データの並び順情報を更新する。次に、ステップ1920で、表示制御手段2000は、手牌情報一時記憶手段2103aに一時記憶されている手牌データ及びこれらの並び順情報に基づき、メイン表示装置36上に手牌を表示する。次に、ステップ1922で、情報送信手段1102は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に前記捨て牌情報を送信する。そして、ステップ1924で、捨て牌制御手段1901は、フラグ一時記憶手段2101内の「自摸許可フラグ」をオンにし、次の処理(ステップ2300の払出枚数算出処理)に移行する。
他方、ステップ1904でNoの場合、即ち、捨て牌があるにも関わらず捨て牌操作が無い場合には、ステップ1926で、捨て牌制御手段1901は、入力信号受信手段1101が終了ボタン操作信号を受信したか否かを判定する。ステップ1926でYesの場合、ステップ1928及びステップ1930で、捨て牌制御手段1901は、フラグ一時記憶手段2101内の「捨て牌許可フラグ」をオフにすると共に「遊技終了フラグ」をオンにし、次の処理(ステップ2300の払出枚数算出処理)に移行する。また、ステップ1902及びステップ1926でNoの場合には、次の処理(ステップ2300の払出枚数算出処理)に移行する。
次に、図17は、図10におけるステップ2300のサブルーチンに係る、払出枚数算出処理のフローチャートである。まず、ステップ2302で、払出枚数算出手段1904は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「上がりフラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ2302でYesの場合、ステップ2306で、払出枚数算出手段1904は、上がり役一時記憶手段2110aに一時記憶されている上がり役コードに基づき、上がり役別入賞メダル枚数テーブル1904aを参照し、当該上がり役による獲得メダル枚数(Ma)を算出すると共に、当該算出結果を獲得メダル枚数一時記憶手段2110bの作業用一時記憶領域(図示しない)にセットする。次に、ステップ2310で、払出枚数算出手段1904は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「特別入球口入球フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ2310でYesの場合、ステップ2312で、払出枚数算出手段1904は、特別遊技による増加メダル枚数(Mc)を算出すると共に、当該算出結果を獲得メダル枚数一時記憶手段2110bの作業用一時記憶領域にセットする。次に、ステップ2314で、払出枚数算出手段1904は、当該算出結果を獲得メダル枚数一時記憶手段2110bの作業用一時記憶領域を参照し、当該上がりに係る獲得メダルの合計メダル枚数(S)を算出(S=Ma+Mc)すると共に、当該算出結果を獲得メダル枚数一時記憶手段2110bの作業用一時記憶領域にセットする。次に、ステップ2318で、払出枚数算出手段1904は、獲得メダル枚数一時記憶手段2110bを参照し、合計メダル枚数(S)が「30」枚以内であるか否かを判定する。ステップ2318でYesの場合、ステップ2322に移行し、ステップ2318でNoの場合、ステップ2320で、払出枚数算出手段1904は、獲得メダル枚数一時記憶手段2110bに「30」をセットし、ステップ2322に移行する。次に、ステップ2322で、表示制御手段2000は、上がり情報一時記憶手段2110を参照し、上がり関連情報(獲得メダル枚数等)をメイン表示装置36上に表示する。次に、ステップ2324で、情報送信手段1102は、サブ側に前記上がり関連情報(上がり役、獲得メダル枚数等)を送信し、次の処理(遊技終了処理)に移行する。
尚、ステップ2302でNoの場合は次の処理(遊技終了処理)に移行し、ステップ2310でNoの場合はステップ2314に移行する。
次に、図18は、図10におけるステップ2400のサブルーチンに係る、遊技終了処理のフローチャートである。まず、ステップ2406で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「遊技終了フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ2406でYesの場合、ステップ2407で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101内の「遊技終了フラグ」をオフにする。次に、ステップ2408で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「上がりフラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ2408でYesの場合、ステップ2409で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101内の「上がりフラグ」をオフにする。そして、ステップ2410で、遊技終了制御手段1905は、獲得メダル枚数一時記憶手段2110bを参照し、メダル情報一時記憶手段1201のCREカウンタ値に前記算出した合計メダル枚数(S)の値を加算する。次に、ステップ2412で、遊技終了制御手段1905は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、CREカウンタ値が「50」より大きいか否かを判定する。ステップ2412でYesの場合、ステップ2414で、遊技終了制御手段1905は、メダル情報一時記憶手段1201を参照し、CREカウンタ値から「50」を超えるメダル枚数を算出すると共に、払出制御手段2200は、メダル払出装置4000を駆動し、当該算出したメダル枚数をメダル受け皿5に排出する。次に、ステップ2415で、遊技終了制御手段1905は、メダル情報一時記憶手段1201のCREカウンタに「50」をセットする。
次に、ステップ2416で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101を参照し、「特別遊技フラグ」がオンであるか否かを判定する。ステップ2416でYesの場合、ステップ2418で、遊技終了制御手段1905は、特別遊技関連情報一時記憶手段2111の特別遊技ゲーム回数カウンタ値から「1」減算する。次に、ステップ2420で、遊技終了制御手段1905は、特別遊技関連情報一時記憶手段2111を参照し、特別遊技ゲーム回数カウンタ値が「0」ではないか否かを判定する。ステップ2420でYesの場合、ステップ2422で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101内の「特別遊技フラグ」をオフにし、ステップ2430に移行する。
他方、ステップ2408でNoの場合、ステップ2428で、遊技終了制御手段1905は、フラグ一時記憶手段2101を参照して「特別遊技フラグ」がオンであるか否かを判定し、ステップ2428でYesの場合はステップ2422に移行し(特別遊技中にあがれなかった場合は、特別遊技がパンクする)、他方、ステップ2428でNoの場合はステップ2430に移行する。
次に、ステップ2430で、表示制御手段2000は、遊技状態一時記憶手段2100を参照し、遊技終了後の情報(例えば、当該遊技が上がりである場合には獲得メダル枚数等)をメイン表示装置36上に表示する。次に、ステップ2432で、遊技終了制御手段1905(情報送信手段1102)は、表示制御手段(サブ制御装置)3000側に前記遊技終了後の情報(例えば、当該遊技が上がりである場合には上がり役、獲得メダル枚数等)を送信する。
次に、ステップ2444で、遊技終了制御手段1905は、遊技終了後処理(例えば、各フラグ及び一時記憶手段の初期化等)を実行する。次に、ステップ2446で、遊技終了制御手段1905は、前記遊技終了後処理が終了したか否かを判定する。ステップ2446でNoの場合は前記遊技終了後処理が終了するまで当該ステップ2446の処理を行い、ステップ2446でYesの場合はステップ2448に移行する。次に、ステップ2448で、遊技終了制御手段1905は、遊技終了後待機時間終了タイミングに到達したか否かを判定する。尚、本最良形態では詳述しなかったが、単位時間当たりに実行可能なゲーム数を規制すべく、単位時間(例えば1分)当たりのゲーム数が所定数(例えば7ゲーム)を以上又は超となった場合、次ゲームに移行させないような待機時間が設けられている。ステップ2448でNoの場合は、前記「遊技終了後待機時間終了タイミング」に到達するまで当該ステップ2448の処理を行い、ステップ2448でYesの場合は、次の処理(メダル管理処理1100)に移行する。
尚、ステップ2406でNoの場合は次の処理(メダル管理処理1100)に移行し、ステップ2412でNoの場合はステップ2416に移行し、ステップ2416及びステップ2420でNoの場合はステップ2430に移行する。
次に、図19、図20のフローチャートを参照しながら、本最良形態に係る雀球遊技機のサブ表示制御装置3000側での処理の流れを説明する。ここで、図19は、サブ制御基板側が行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。まず、ステップ3002で、サブ表示制御装置3000は、メイン側情報一時記憶手段3101を参照し、表示情報受信手段3100が主制御装置1000側から表示情報・信号を受信したか否かを判定する。ステップ3002でYesの場合、受信した情報等に基づいて異なる処理が実行される。まず、ステップ3002で受信した情報等が自摸牌や捨て牌等の手牌に関する情報である場合には、後述するステップ3100の手牌表示制御処理が実行される。また、ステップ3002で受信した情報等が他の情報等(例えば、遊技開始信号、遊技終了信号、特別遊技役情報、メダル情報等)である場合には、サブ表示制御装置3000は、当該情報等に基づいてそれぞれ所定のタイミングで、第1演出表示装置10や第2演出表示装置16上で所定の表示制御処理を実行し、ステップ3002に戻る。
図20は、図19におけるステップ3100のサブルーチンに係る、手牌表示制御処理のフローチャートである。はじめに、ステップ3102で、サブ表示制御装置3000は、メイン側情報一時記憶手段3101を参照し、手牌情報を受信したか否かを判定する。ここで、主制御装置1000側から送信される手牌情報は、図14のステップ1746で送信される情報である。具体的には、本実施形態では、手牌枚数が15枚となっており、1ゲームでの使用球数は、通常状態時では1球、BB状態時では15球となっている。さらに、最大の捨て(ステ)回数は、通常状態時では0球、BB状態時では14回となっている。そして、サブ表示制御装置3000が、主制御装置1000側からの手牌情報を受信したことを判定し、ステップ3102がYesとなると、ステップ3104で、サブ表示制御装置3000は、主制御装置1000からの手牌情報及び配列情報に従い、第2演出表示装置16上に手牌を表示する。このように、本最良形態では、表示制御手段(サブ制御装置)側での手牌の配置については、基本的には主制御装置1000側でのメイン表示装置36での表示態様と整合した表示が実行される。但し、本最良形態では、上がり時に上がり図柄配列に整列し直す処理を主制御装置1000側では実行しないため、この場合は表示制御手段(サブ制御装置)側で上がり図柄配列に整列し直した上、どのような上がり図柄が揃ったのかを遊技者に分かり易く表示することとしている。具体的には、ステップ3106で、サブ表示制御装置3000は、メイン側情報一時記憶手段3101を参照し、上がり情報を受信したか否かを判定する。ステップ3106でYesの場合、ステップ3108で、サブ表示制御装置3000は、主制御装置1000側から送信された手牌と上がり図柄参照テーブル(図示せず)とを比較の上、第1演出表示装置10及び第2演出表示装置16上に手牌を表示する。そして、ステップ3110で、サブ表示制御装置3000は、メイン側情報一時記憶手段3101を参照し、捨て牌情報を受信したか否かを判定する。ステップ3110でYesの場合、サブ表示制御装置3000は、主制御装置1000側から送信された捨て牌を捨て牌表示部となる第2演出表示装置16上に表示し、次の処理(ステップ3002)に移行する。尚、ステップ3102でNoの場合にはステップ3106に移行し、ステップ3106でNoの場合にはステップ3110に移行し、3110でNoの場合には次の処理(ステップ3002)に移行する。
<遊技フロー>
次に、本実施形態の雀球遊技機1の通常状態時とBB状態時における遊技進行について遊技フロー(遊技進行を示すフローチャート)に基づき説明する。
図22は、本実施形態に係る雀球遊技機1の基本的な遊技フローを示している。先ず、図中の最上部に示す遊技待機状態(S101)において、規定数(ここでは3枚)以上のメダルのクレジットがあり、上述の遊技開始ボタン18が操作されると、貯留メダル数が3枚減らされる。そして、BETが完了した状態となり、1ゲームの開始のための開始処理(S102)が実行される。ここで、この遊技フローにおけるS101、S102の処理は、より具体的に前述の各種の処理に当て嵌めれば、メダル管理処理(図11)におけるステップ1102~ステップ1118の処理や、遊技開始判定処理(図12)の各処理により行われるものである。
ここで、上述の遊技待機状態(S101)においては、遊技開始ボタン18以外にも、払出ボタン25が有効となっている。そして、遊技待機状態(S101)中に払出ボタン25が押下されると、貯留枚数が0(ゼロ)になるまで、メダルがメダル払出装置(後述する)であるホッパーから払い出される。このような処理は、前述のメダル管理処理(図11)におけるステップ1120~ステップ1136の処理により行われるものである。
前述の開始処理(S102)では、制御上の機能として設けられた自動図柄設定装置が作動する。自動図柄設定装置の作動後、図柄の抽選が行われ、14枚の図柄が決定される。ここでの図柄の抽選は、あらかじめ定められた所定数(ここでは16種類)の図柄の中から乱数を用いて1枚の図柄を無作為に決定する。このような処理は、前述の遊技開始判定処理(図12)における、ステップ1210において行われるものとなっている。
具体的には、自動図柄設定に係る1回の抽選では、16種類の図柄から均等な確率(1/16)で1図柄を決定する。そして、14枚の配牌のために、このような図柄の決定が14回繰り返される。自動図柄設定のための図柄の抽選が終了すると、理牌処理が行われてから、自動設定された14枚の図柄が、図21(a)に示すように、図柄表示装置(ここでは第2演出表示装置16)に表示される。
図21(a)には、自動図柄設定により取得された図柄の組合せの一例を示している。さらに、本実施形態では、後述するようにT図柄(より具体的にはT図柄の数)が役の種類を決定する要素となっている。そして、T図柄が取得された場合には、取得されたT図柄が手牌表示の左側に集まるよう、理牌後の表示が行われている。このような表示により遊技者が、取得されたT図柄の数を容易に確認できるようになっている。
また、後述するように、図柄Wは演出パターンの選択に係る図柄となっている。さらに、図柄Sは、前述のように、遊技領域2a(図2)中の右側の領域に配置された3連入球口14の左端の図柄入球口14aに割り当てられた図柄となっている。そして、本実施形態では、W図柄やS図柄も、T図柄の右側に並ぶよう理牌後の表示(図21(a))が行われるようになっている。
ここで、T図柄に対する強調表示を行って、T図柄を一層目立たせることも考えられる。強調表示としては、例えば、T図柄を赤色、金色、虹色等といった相対的に目立つ彩色で表示し、その他の図柄を黒、青等といった相対的に目立たない彩色で表示する、といったことが考えられる。相対的に目立つ態様としては、動物柄(キリン柄など)の表示や、所定のキャラクタを伴う表示なども例示できる。また、W図柄やT図柄を、緑色や黄色の彩色等といった中間的な態様で表示することも考えられる。
上述のような理牌処理は、主制御装置1000において、前述の表示制御処理(図14中のステップ1740~ステップ1746)などにより行われる。しかし、これに限定されず、例えば、主制御装置1000の側では並べ替えを行わず、サブ表示制御装置3000の側で行うようにすることも可能である。さらに、例えば、通常状態時には主制御装置1000の側では並べ替えを行わず、サブ表示制御装置3000の側で行うようにし、BB状態時には主制御装置1000の側で並べ替えを行い、サブ表示制御装置3000へ並べ替えた結果に係る情報を送信する、といったことも可能である。
なお、本実施形態において、通常状態時における自動図柄設定後の並べ替えは、制御処理上で瞬時に行われるものとなっている。そして、遊技者が視認可能な表示演出上では、例えば、一旦取得順に手牌の表示を行った後に、手牌の配置を入れ替えて並べ替えの様子を表示する、といったような様子の表示は行われないようになっている。
本実施形態の雀球遊技機1においては、この段階では役判定は行われず、玉送り処理(S103)が行われる。この玉送り処理(S103)は、前述の遊技開始・発射球セット処理1600におけるステップ1612の処理などによって行われる。玉送り処理(S103)においては、前述の発射装置4に遊技球が供給され、ツモ(自摸)待ち状態(S104)となる。
このツモ待ち状態(S104)は、前述の遊技開始・発射球セット処理1600におけるステップ1612やステップ1614の処理などによって行われる。そして、ツモ待ち状態(S104)では、遊技者が遊技球発射レバー4aに対して手指による弾発操作を行うと、発射装置4に供給された遊技球を遊技領域2aに発射することができる。
ここで、図22において、前述した開始処理(S102)と玉送り処理(S103)との間や、玉送り処理(S103)とツモ(自摸)待ち状態(S104)との間、或いは、後述するツモ図柄取得処理(S105)と役判定処理(S106)との間等に示す矢印は、例えば、遊技待機状態(S101)と開始処理(S102)との間の矢印に比べ、相対的に太い白抜きの態様で示している。これは、ボタン操作や入球などの特定の条件を要せずに自動的に進行することを表している。
ツモ待ち状態(S104)において遊技球の発射が行われると、遊技領域2aを流下した遊技球が、通常は、図中の下段に示す普通入球口(図柄入球口13a~13y)のうちのいずれかに入球する。ここで、図中の右側には、BB遊技となった場合の状態を示しているが、本実施形態では、BB状態以外の通常状態時と、BB状態時とでは、遊技の進行が大きく異なるため、通常状態時の遊技の進行について先に説明し、BB状態となった場合の遊技の進行については後述する。
また、図22の遊技フローや、前述した自摸制御処理(図14)では省略しているが、遊技球の発射が行われたものの、発射された遊技球が遊技領域2aに到達せずファール球となったような場合には、当該遊技球を再度発射装置4の発射位置に戻すことや、当該遊技球を回収し、後続の遊技球を改めて発射装置4の発射位置に供給することなどが考えられる。
図柄入球口13a~13yのいずれかへの入球があると、ツモ図柄取得処理(S105)が行われる。この遊技フローにおけるツモ図柄取得処理(S105)は、前述の自摸制御処理(ステップ1700)における通常入球口の入球処理(ステップ1710~ステップ1714)の処理により行われる。
ツモ図柄取得処理(S105)は、通常時の1ゲームにおいて使用可能な1球により、1枚の図柄を取得するための処理である。この1枚の図柄は、前述の自動図柄設定によって取得された14枚の図柄と合わせて使用される。そして、ツモ図柄取得処理(S105)で1枚の図柄が取得されることにより、その後の役判定処理(S106)において役判定やボーナス判定に必要な15枚の図柄が、全て揃うこととなる。
役判定処理(S106)では、役やボーナスの成立の有無に係る判定が行われる。この役判定処理(S106)は、前述の上がり判定処理(図15に示す一連の処理)により行われる。本実施形態の雀球遊技機1では、チャンス(CHANCE)役やビッグ(BIG)ボーナス役が設けられており、役判定処理(S106)で、これらの成立の有無が判定される(図15のステップ1812~ステップ1824)。なお、これらのチャンス(CB)役やビッグボーナス(BB)を成立させるための条件(成立条件)については後述する。
上述のCB役の成立時には、制御上の機能として設けられた開放条件装置が作動する(作動状態となる)ようになっている。この開放条件装置は、その作動が特別入球口11の開放に必要な条件とされている装置で、入賞に係る図柄の組合せのうちからあらかじめ定められたものが表示された場合に作動するものとなっている。そして、開放条件装置が作動した状態では、特別入球口作動ゲート有効フラグがオンとなる(図15のステップ1822に対応する)。このため、特別入球口作動ゲート12を遊技球が通過して当該遊技球が検出されれば、特別入球口11が開放する。
しかし、BB状態でない通常状態時には、1ゲームの持ち球が1球であることから、そのときのゲーム(当該ゲーム)中に後続の遊技球を発射することができない。そして、2球目を発射できないまま当該ゲームが終了し、当該ゲームの終了に伴い、開放条件装置の作動も終了するようになっている。このため、通常状態時には、開放条件装置は作動するものの、実質上、特別入球口11を開放させることができない。
ただし、BB状態時には、1ゲームにつき1球で遊技を行うという制限が解除され、前述のように、1ゲーム中に複数(ここでは15個)の遊技球を使って遊技を進めることが可能となるよう、制御が行われる。このため、BB遊技中には、CB役の場合と同様に開放条件装置が作動した状況で、更に当該ゲーム中に2発目以降として、遊技球を発射することができる。そして、発射された遊技球が、前述の特別入球口作動ゲート12で検出されると、特別入球口11が開放する。
また、制御上の機能として、開放条件装置を連続して複数回作動させる条件連続装置が設けられているが、この条件連続装置は、BBが発生したときに限って作動するものとされている。このため、BBが発生した場合には、複数回(ここではBBが成立した際の当該ゲームを含めて3回)のラウンド(R)遊技が行われ、ラウンド毎に、特別入球口11が開放し得るものとなっている。
このように本実施形態の雀球遊技機1においては、ツモ図柄取得処理(S105)の後に役判定処理(S106)が配置されており、この点が従来の雀球遊技機との大きな相違の1つとなっている。
つまり、図12の遊技開始判定処理(ステップ1200)から図14の自摸牌制御処理(ステップ1700)の制御フローに当て嵌まれば、遊技開始判定処理(ステップ1200)のステップ1210(自動図柄設定が行われる)の後、自摸牌制御処理(ステップ1700)のステップ1702で、未だ入球が無い未入球の状態であるか否かの判定が行われる。自動図柄設定の直後は、未だ入球が無い状況であるため、未入球フラグがオンとなっている。そして、未入球フラグがオンであれば(ステップ1702:Yes)、上がり判定処理(ステップ1800)を行わずに、自摸牌制御処理(ステップ1700)を終えている。
また、通常状態時には(ステップ1703:Yes)、未入球フラグがオンでなければ(ステップ1702:No)、入球があったこととなり、ステップ1730で残り球数がゼロ(n=0)と判定され(ステップ1730:No)、遊技終了フラグがオンされて(ステップ1738)、上がり判定処理(ステップ1800)を行わずに、表示制御処理のステップ1744へ移行している。このため、前述のように、ツモ図柄取得処理(S105)の後に役判定処理(S106)を配置した遊技フローを構築できようになる。
また、本実施形態の雀球遊技機1においては、通常状態時には、1ゲームが1球で終わるようになっており、従来の雀球遊技機で一般に行われている遊技者によるステ(捨て牌)や上がり(「アガリ」や「和了」などとも表記される)の操作は、通常状態時には行われないようになっている。なお、この点も、制御フロー(図14)において、通常状態時に(ステップ1703:Yes)、ステップ1730で残り球数がゼロ(n=0)と判定され(ステップ1730:No)、遊技終了フラグがオンされる(ステップ1738)ことにより表されている。
なお、本実施形態においては、前述のように主制御装置1000から表示制御手段(サブ制御装置)3000への情報(コマンド)送信が行われているが、図22の遊技フローは、主制御装置1000や表示制御手段(サブ制御装置)3000により処理を総合的に示しているものである。このため、図22の遊技フローの、例えば、役判定処理(S106)において、主制御装置1000の側では役判定や図柄表示のための処理が終わっているが、表示制御手段(サブ制御装置)3000の側では、役判定(コマンドに基づく役成立の有無や役の種類の確認を含む)や演出表示のための処理が終わっていない、といった状況も生じ得る。
上述の役判定処理(図22のS106)に続いて、残り遊技球数があるか否かが判定される(S107)。この遊技フローにおける残り遊技球数の判定(S107)は、図10~図20の制御フローにおいては、捨て牌制御処理(ステップ1900、図16)に含まれるものとして挙げている。そして、残り遊技球数がない場合には(S107:NO)、そのときのゲーム(当該ゲーム)を終了させる終了処理(S111)を行う。前述のように、通常時には、1ゲームが1球の遊技球で行われることから、有効に役判定処理(S106)が行われれば、残り遊技球は存在せず、残り遊技球数がない旨(S107:NO)の判定が行われ、終了処理S111が行われる。
この終了処理(S111)においては、役成立があった場合には、成立した役に応じた払出しのための処理(払出データの設定など)が行われ、当該ゲームの終了に係る信号を出力するための処理が行われる。そして、図中に示すように、遊技待機状態(S101)となる。また、この終了処理(S111)は、前述の図18に示す遊技終了処理(ステップ2400)によって行われる。
一方、上記S107で残り遊技球数がある状況(S107:YESとなる状況)は、1ゲーム中に複数の遊技球の発射が可能となる状況であり、これに該当するのは、BBが発生した場合の2R目以降の状況である。つまり、前述したように、BBが発生すると、1ゲームにつき1球のゲーム性は適用されなくなり、1ゲームにつき複数の遊技球を使用して遊技が行われるようになる。
さらに、BBが発生したゲームは、BB成立の判定がされるまでは、通常状態のゲームとして行われている。そして、BBが発生した当該ゲームは、1球のみ使用可能なゲームであり、BB遊技の1ラウンド(R)目として扱われるものである。このため、BB状態時のその後のゲームが、BB遊技の2R目以降のゲームとして取り扱われ、最終Rが終了するまでは、1ゲームにつき複数球を使用した遊技を行うことが可能となる。
このような2R目以降のゲームにおいては、1R目のゲームと異なり、遊技者がステ(捨て牌)を行える制御状態となる。また、上記S107で残り遊技球数があっても(S107:YES)、遊技者の選択により、ゲームを終了することができる制御状態となる。本実施形態では。このような状態を、ステ待ち/終了待ち状態(S108)と称している。
このステ待ち/終了待ち状態(S108)においては、前述の図柄選択(A~C)ボタン19a~19c、遊技終了ボタン24、及び、アガリボタン26が使用可能となる。そして、ステがあった場合には、玉送り処理(S103)に戻り、そのときのゲーム(当該ゲーム)における遊技球の発射が可能となる。また、入賞役が成立していれば、遊技者がアガリボタン26を押下し、未入賞であれば、遊技終了ボタン24を押下して、当該ゲームを終了する(S111)。
ここで、上述のステに関しては、図柄選択(A~C)ボタン19a~19cの使用が可能である。しかし、ステの際には、図21(c)中の右端に示すように、並べ替えされた図柄の中で役等の成立に不要な図柄として1つの図柄が選ばれて選択状態(カーソル指示状態)となっている。そして、1つのボタン(ここでは図柄選択Bボタン19b)を押下すれば、カーソル画像31によって指示されていた図柄に対してステが実行されるようになっている。
さらに、本実施形態では、図柄の並べ替えによって、ステの候補となるべき図柄が、遊技者から見て右側の領域に集まるように配置される(図21(c))。そして、このような図柄の並べ替えにより、ステの候補となる得る図柄と、役を成立させる可能性のある図柄との配置を相違させ、図柄の種類や図柄の役割の違いを、遊技者にとって見易くしている。
ここで、図柄選択(A~C)ボタン19a~19cについては、図柄選択Aボタン19aを押下する度にカーソルを順次左に移動させることができるようになっている。また、図柄選択Bボタン19bを押下するとカーソルに指示された図柄をステることができ、図柄選択Cボタン19cを押下する度にカーソルを順次右に移動させることができるようになっている。さらに、図21(c)に示すように、カーソル画像31が右端に配置された図柄(手牌番号15の図柄)を指示している状態で、図柄選択Cボタン19cが押下されると、カーソル画像31は、左端(先頭)の図柄(手牌番号1の図柄)を指示する位置へ移動するようになっている。同様に、図柄選択Aボタン19aについても、図示は省略するが、カーソル画像31が左端に配置された図柄(手牌番号1の図柄)を指示している状態で、図柄選択Aボタン19aが押下されると、カーソル画像31は右端(末尾)の図柄(手牌番号15の図柄)を指示する位置へ移動するようになっている。
本実施形態においては、前述したように、ステの候補となるべき図柄を右端に表示し、右端の図柄がカーソル指示状態となるようにしている。このように右端の図柄(図21(c)における手牌番号15の図柄)がカーソル指示された状況において、例えば、遊技者が誤って図柄選択Cボタン19cを押下し、カーソルを右に移動させる操作を行ってしまうと、理牌によって左端に配置されたT図柄(図21(c)における手牌番号1の図柄)にカーソルが移動するため、BB役に必要なT図柄を意図せずステしてしまう懸念がある。
このような懸念に係る対応策として、例えば、初期のカーソル画像31の配置を、右端から2番目の位置(図21(c)における手牌番号14の図柄の位置)とすることが考えられる。このようにすることで、遊技者の誤操作によって、遊技者に有利な図柄がステられてしまうのを防止できる。
また、これに限らず、初期のカーソル画像31の配置を、右端の図柄(手牌番号15の図柄)に固定し、図柄選択Cボタン19cを押下しても、カーソル画像31が移動しないようにすることも考えられる。このような対応策によっても、遊技者の誤操作によって、遊技者に有利な図柄がステられてしまうのを防止できる。また、ステの際に図柄選択Cボタン19cの操作を行う必要がないので、遊技者の操作に係る負担を増やすことがない。
また、BB状態時に遊技者が2R目以降のゲームを終了する場合には、有効になっている遊技終了ボタン24、又は、アガリボタン26の操作により、前述の終了処理(S111)へ移行する。ここで、2R目以降(2R~最終Rまで)においても、各ゲームの開始時には、遊技者が遊技開始ボタン18を操作してゲームを進めるようにしている。
なお、本実施形態では、入賞時に遊技開始ボタン18を操作してもアガリに進む(ゲームを終了させる)ことはできないようにしている。しかし、これに限らず、入賞時に遊技開始ボタン18を操作してアガリに進むことができるようにしてもよい。
また、前述のツモ待ち状態(S104)について、図中に右側に示すように、BB中の2R目では、複数の遊技球の発射が可能となる。そして、遊技球が特別入球口作動ゲート12で検出されると、特別入球口11が開放し、特別入球口11に入球させることが可能となる。特別入球口11に入球があると、図柄の選択待ちの状態(図柄選択待ち状態、S112)となる。
この図柄選択待ち状態(S112)では、前述の右選択ボタン22a、左選択ボタン22b、及び、決定ボタン23が有効となる。そして、遊技者が、これらのボタンを操作して図柄を選択すると、選択された図柄をツモ図柄として、ツモ図柄取得処理(S105)が行われる。図22に示すその後の処理は、前述したのと概ね同様であるが、役判定処理(S106)では、BB状態中であれば、BB状態中である旨のフラグの設定や、役判定を行わないようにすることが可能である。
なお、前述したように、雀球遊技機1にはメイン表示装置36(図2)が備えられており、メイン表示装置36には、例えば、残り発射球数などの表示が行われるようになっている。さらに、本実施形態では、通常状態時の持ち球数は1個であり、BB状態時の持ち球数は15個であり、通常状態時とBB状態時とで持ち球数が異なる。このため、メイン表示装置36に残り発射球数を表示する際に、このことに対応した処理を行うことが考えられる。
遊技状態に応じて持ち球数が変化する点に対応する処理としては、例えば、BB状態時にはゲーム開始時に最大の持ち球数の表示(ここでは数値「15」に相当する表示)から、持ち球を使用して残りの持ち球数が減る毎に、逐次持ち球数を減算し、減算結果の数値に該当する表示を行う。つまり、BB状態時には、2R目以降における1ゲームの開始時に、最大持ち球である「15」の表示が行われ、1球発射される毎に、表示される持ち球数の数値が、「14」、「13」、「12」、・・・、「2」、「1」、「0」となる。
これに対し、通常状態時には、ゲーム開始時における持ち球数を、BB状態時の最大数と同じ値である「15」と表示するが、1球発射されると、「14」~「1」の数値に係る表示を行わず、「0」の表示を行う。このような残り球数の表示は、漸次の表示を行わず、間欠的に「0」の表示を行うものであるということができる。
このような表示を行うことにより、持ち球数の表示を、通常状態時には、途中の段階までBB状態時と同じ処理を行い、所定の段階からBB状態時に行われる処理を行わずに飛ばして、その後の段階で、所定の段階からBB状態時と同じ処理を行うものとすることができる。そして、通常状態時とBB状態時とで、可能な限り共通な内容(或いは共通の制御モジュール)による処理を行い、プログラム作成を容易にすることができる。
<図柄と役>
次に、雀球遊技機1における図柄と役について説明する。図3(a)には、図柄と役の一覧が示されている。前述したように、図柄の種類の数は16個であり、図中では各図柄にNo.1~16の項番(図柄番号)を付している。本実施形態では、図柄の種類を、アルファベットによって簡略化して表しており、図柄の種類は、T、W、S、及び、A~Mとなっている。
本実施形態においては、図柄の取得可能性には制限が設けられておらず、同一の図柄(同一図柄)の取得可能な数(枚数)は、無制限としている。このため、例えば1ゲーム中に、同一の入球口に複数の遊技球が進入したり、異なる配置の入球口であっても同じ図柄が割り当てられた入球口に遊技球が進入したりしたとしても、同じ図柄を複数取得でき、遊技者が再発射を行う必要がないようになっている。
取得された図柄(取得図柄)は、前述の第2演出表示装置16に表示される。図21(a)は、前述の自動図柄設定によって14枚の図柄が取得された状況での取得図柄の表示例を示している。さらに、図21(b)は、入球により1枚の図柄が追加され、15枚目の図柄が取得された状況での取得図柄の表示例を示している。これらのような取得図柄の表示は、第2演出表示装置16における画面の上部(遊技者から見て奥の部位)に、横方向(左右方向)に一列に並べた(理牌された)状態で行われている。
取得図柄の表示にあたっては、手牌番号の順に左から右へ昇順で行われている。手牌番号の大小は、図柄番号(図3(a)に示すNo.1~16の項番)の大小に一致している。ただし、図柄の種類は、1ゲームで取得される図柄の数(ここでは15個)よりも多く、また前述したように同じ図柄が複数取得される場合もあることから、取得図柄が必ずしも連続した図柄番号で並ぶとは限らないようになっている。そして、取得図柄を手牌番号順で表示するにあたっては、理牌用の動画表示(アクション表示)などは特に介在させず、図柄が取得に伴い即時に整列させられるようになっている。
なお、図21(a)、(b)では、図柄の配置に係る理解を容易にするため、手牌番号(1~15)を示しており、これらの手牌番号の表示は実際には行われない。しかし、これに限らず、実際に手牌番号を表示してもよい。
前述したように、BB中には図柄のステが可能となるが、本実施形態では、21(c)に示すように、右端に位置する15番目の図柄に対して、カーソル画像31の付加が行われている。このカーソル画像31は、ステの対象となる図柄を、最も手牌番号の表示が大きい図柄であると推定して、15番目の図柄に対して自動的に付加されるようになっている。
図3(b)は、役の一覧を示している。役の種類の数は15個であり、図中では各図柄にNo.1~15の項番(役番号)を付している。さらに、本実施形態においては、役の種類は、図柄Tの取得数によって区別できるようになっている。例えば、役番号1の役は、図柄Tが15枚の役であり、その名称(役名)は「T×15」となっている。さらに、役番号2の役は、図柄Tが14枚の役であり、役名は「T×14」となっている。同様に、役番号3~15の役は、図柄Tが13~1枚の役であり、役名はそれぞれ「T×13」~「T×1」となっている。
また、各役の配当は、「T×15」~「T×5」が25枚(獲得可能なメダル枚数)となっており、「T×4」が15枚となっている。さらに、「T×3」~「T×1」の配当は、それぞれ6枚、3枚、1枚となっている。そして、これらを合計した総配当数は300枚となっている。また、得点換算では、「T×15」~「T×5」が25点、「T×4」が15点、「T×3」が6点、「T×2」が3点、「T×1」が1点となっている。
また、BBに選ばれる可能性がある役は、図中に示すように、「T×15」~「T×4」であり、CB役に選ばれる可能性がある役は、「T×15」~「T×3」となっている。つまり、「T×15」~「T×4」はBBとCB役の両方に選ばれる可能性がある役となっており、「T×3」は、CB役のみに選ばれる可能性がある役となっている。また、「T×2」と「T×1」は、本実施形態では、一部のみがCB役に選ばれる可能性がある役となっている。
さらに、図中に示すように、「T×15」~「T×1」の組合せ数(パターン数)は、順に「1」、「15」、「120」、「680」、「3060」、「11628」、「38760」、「116280」、「319770」、「817190」、「1961256」、「4457400」、「9657700」、「20058300」、「40116600」となっており、これらの総数(総入賞組み合わせ数)は「77558760」となっている。そして、「T×15」~「T×1」の選ばれる確率は、上記総数を分母とし、組合せ数(パターン数)を分子とした演算を行うことで算出できるようになっている。
<ボーナス役>
次に、ボーナス役について説明する。ボーナス役は、図柄の組合せによって定められるものとなっている。すなわち、本実施形態では、開放条件装置、および条件連続装置が作動していない遊技(ゲーム)について、開放条件装置が作動することとなる図柄の組合せと、条件連続装置が作動することとなる図柄の組合せが定められている。これらの組み合わせは、入賞となる図柄の組み合わせに含まれるものであるが、入賞となる図柄の組み合わせとは異なるよう定義されている。
図23(a)は、開放条件装置、または条件連続装置が作動する図柄の組み合わせとなる可能性のある図柄の組み合わせの定義を示している。図23(a)においては、図柄の組み合わせについての5種類の定義が示されており、各定義には項番(No.1~5)が付されている。そして、これらの図柄の組み合わせに係る定義名は、図中のNo.1から順に示すように、「T×5以上BNS」、「T×4BNS」、「T×3BNS」、「T×2とW×3以上BNS」、「T×1とW×3以上BNS」となっている。ここで、「BNS」の用語は、前述の「BB」と「CB」を包括するボーナスの総称を意味している。
これらのうち「T×5以上BNS」は、T(図柄T)を5個以上用いた図柄の組合せである。そして、「T×5以上BNS」は、前述の入賞役「T×5」~「T×15」をいずれも包含する定義であり、その組み合わせの数は「3268760」個となっている。
さらに、「T×4BNS」は、T(図柄T)を4個用いた図柄の組合せである。そして、「T×4BNS」は、前述の入賞役「T×4」と同様に定義されものであり、その組み合わせの数は「4457400」個となっている。また、「T×3BNS」は、T(図柄T)を3個用いた図柄の組合せである。そして、「T×3BNS」は、前述の入賞役「T×3」と同様に定義されものであり、その組み合わせの数は「9657700」個となっている。
さらに、「T×2とW×3以上BNS」は、T(図柄T)を2個とW(W図柄)を3個以上用いた図柄の組合せである。そして、「T×2とW×3以上BNS」は、前述の入賞役「T×2」に包含される組合せとして定義されものであり、その組み合わせの数は「1961256」個となっている。また、「T×1とW×3以上BNS」は、T(図柄T)を1個とW(W図柄)を3個以上用いた図柄の組合せである。そして、「T×1とW×3以上BNS」は、前述の入賞役「T×1」に包含される組合せとして定義されものであり、その組み合わせの数は「4457400」個となっている。
これらの5つの定義のうち、条件連続装置が作動する図柄の組合せになる可能性があるものは、No.1の「T×5以上BNS」と、No.2の「T×4BNS」である。また、開放条件装置が作動する図柄の組合せになる可能性があるには、5つの定義のいずれもが該当する。
組合せの数に関しては、BBに選ばれる可能性のある図柄の組合せの数は、「T×5以上BNS」と「T×4BNS」の組合せの数を合計した「7726160(=3268760+4457400)」個となっている。また、CB役に選ばれる可能性のある図柄の組合せの数は、上述の5つの定義に係る組合せの数を合計した「23802516(=3268760+4457400+9657700+1961256+4457400)」個となっている。そして、入賞となる図柄の組合せの数は、前述した「T×15」~「T×1」の総組合せ数(総パターン数)である「77558760」個となっている。
そして、これらのことから、(入賞となる図柄の組合せの数)/(CB役に選ばれる可能性のある図柄の組合せの数)≒3.26(図示略)となる。さらに、(CB役に選ばれる可能性のある図柄の組合せの数)/(BBに選ばれる可能性のある図柄の組合せの数)≒3.08(図示略)となる。なお、ここで説明した役の種類や組合せの数は、あくまでも例示であり、これらに限定されるものではない。
続いて、上述したような開放条件装置が作動する図柄の組合せ、および条件連続装置が作動する図柄の組合せは、先に説明したように、毎回の遊技で抽選により決定される。ここで、条件連続装置が作動した状態で開始した遊技(前述したBB時の2R目以降の遊技)では、上記のような組み合わせは存在せず、且つ、抽選も行われないようになっている。
開放条件装置が作動する図柄の組合せ、および条件連続装置が作動する図柄の組合せは、ボーナステーブル抽選により決定される。本実施形態では、ボーナステーブルのテーブル数は、図23(b)、(c)に示すようなテーブル1、テーブル2の2つとなっている。
先ず、図23(b)中において、「開放条件装置、および条件連続装置が作動することとなる図柄の組合せ」はBBとなる図柄の組合せを意味しており、「開放条件装置が作動することとなる図柄の組合せ」は、CB役となる図柄の組合せを意味している。そして、テーブル1に定められたBBは「T×5以上BNS」であり、CB役は、「T×4BNS」と「T×3BNS」の2種類である。また、テーブル1の選択率は概ね70%となっている。
これに対し、テーブル2に定められたBBは「T×5以上BNS」と、「T×4BNS」の2種類であり、CB役は、「T×3BNS」、「T×2とW×3以上BNS」、「T×1とW×3以上BNS」の3種類である。そして、テーブル2の選択率は概ね30%となっている。
これらのテーブルごとの(図柄の)組合せの数は、図23(c)に示すように、テーブル1については、条件連続装置が作動することなる図柄の組合せの数が「3268760」であり、開放条件装置が作動することとなる図柄の組合せの数が「17383860」となっている。そして、両者の比率である(開放条件装置が作動することとなる図柄の組合せの数)/(条件連続装置が作動することなる図柄の組合せの数)の値は「約5.381」となっている。
また、テーブル2については、条件連続装置が作動することなる図柄の組合せの数が「7726160」であり、開放条件装置が作動することとなる図柄の組合せの数が「23802516」となっている。そして、上述した両者の比率は「約3.081」となっている。
ここで、本実施形態の雀球遊技機1では、開放条件装置が作動した後に、条件連続装置が作動することがないようになっている。また、条件連続装置が作動した後に、別の条件連続装置が作動することもないようになっている。しかし、これに限らず、開放条件装置が作動した後に、条件連続装置が作動するようにしたり、条件連続装置が作動した後に、別の条件連続装置が作動したりしてもよい。
<得点増加装置>
次に、雀球遊技機1に備えられた得点増加装置について説明する。雀球遊技機1には、制御上の機能である得点増加装置として、早通過得点増加装置が設けられている。この早通過得点増加装置は、条件連続装置の継続遊技回数(ラウンド数)が2の遊技(BBとなった当該ゲームを除いた2R目の遊技)において、使用遊技球数が0の状態で遊技球が特別入球口開放ゲート(ここでは特別入球口作動ゲート12)を通過すると作動の条件を満たす得点増加装置である。
上述の「使用遊技球数が0の状態で特別入球口開放ゲートを通過する遊技球」は、言い換えれば、「2R目の遊技が開始されたタイミングにおいて、特別入球口開放ゲートの手前の遊技領域2aを流下中である遊技球」や、「最初の発射球となる遊技球であって特別入球口開放ゲート通過する遊技球」などの意味になる。
本実施形態において、早通過得点増加装置によって得られる得点は5点となっている。また、早通過得点増加装置の作動の条件を満たすタイミングはゲートの通過であり、早通過得点増加装置が実際に作動するのは、入賞時である。そして、作動の条件を満たすゲートの通過によって、「早通過得点増加装置作動可能状態表示灯」を点灯させ、これが点灯している状態で入賞すると、早通過得点増加装置が作動するものとなっている。
この早通過得点増加装置作動可能状態表示灯は、前述のメイン表示装置36に設けられている。ここで、早通過得点増加装置作動可能状態表示灯の図示は省略している。また、早通過得点増加装置作動可能状態表示灯は、遊技終了で消灯するようになっている。
このような、早通過得点増加装置の機能を備えることにより、どのラウンドの何球目(ここでは1球目)で入球した場合には、より有利に遊技を進めることができる、といった技術介入性の高いゲーム性を実現することができる。そして、得点増加装置に係る趣向性を向上することができる。
なお、本実施形態では、得点増加装置の機能を、BB遊技となった場合の当該ゲームを除いた2R目で使用しているが、これに限定されるものではなく、他のラウンド(例えば最終ラウンドなど)でしてもよい。また、BB状態時における複数のラウンド(例えば合計2回のラウンドなど)で、得点増加装置の機能を使用するようにしてもよい。このようにすることで、例えば麻雀における所謂表ドラと裏ドラに対応する機能を備えた雀球遊技機とすることができる。また、3回以上のラウンドで、得点増加装置の機能を使用するようにしてもよい。
<遊技開始時演出>
次に、前述した第1演出表示装置10において行われる各種の演出について説明する。第1演出表示装置10においては、サブ表示制御装置3000の制御により、先に説明したようにスロットマシンの図柄表示を模した演出(図4(b))が行われる。さらに、第1演出表示装置10において行われる演出表示として、1ゲームの開始時には、遊技開始時演出が行われる。そして、遊技球の発射があり、発射された遊技球がいずれかの図柄入球口に入球した際には、後述する入球時演出が行われ、その後、図柄の停止表示(ここでは確定停止表示)が行われて、役抽せんの結果が報知される。
上述の遊技開始時演出は、自動図柄設定による配牌の結果に関係して、その後の入球時演出に関連性や連続性をもった態様の演出パターンで実行されるようになっている。そして、これらのうちの遊技開始時演出として、例えば、スロットマシンの3つの全てのリールが回転状態(変動状態)にある演出表示(図25(a)に「遊技開始時演出例1」として示すもの)を行うことが可能である。
また、遊技開始時演出に含まれる演出として、3つのリールの変動状態の後に、図25(b)の「遊技開始時演出例2」や、図25(c)の「遊技開始時演出例3」のように、2つのリールが停止(仮停止を含む)し、残り1つのリール(最後に停止するリール)が変動状態にある態様の演出表示を行うことが可能である。これらの「遊技開始時演出例2」や「遊技開始時演出例3」の具体的な表示内容については後述する。
さらに、図25(a)の「遊技開始時演出例1」のような全リールが変動状態となる演出表示を経ずに、演出開始当初から、図25(b)の「遊技開始時演出例2」や、図25(c)の「遊技開始時演出例3」に示すように、一部のリール(ここでは2つのリール)が停止し、残りの1つのリールが変動状態にある態様の演出表示を行うことも可能である。
遊技開始時演出には、サブ表示制御装置3000の制御により管理される所定の演出時間として、遊技開始時演出時間が定められている。通常状態時における遊技開始時演出は、配牌された図柄の組合せによって変動するようになっている。これに対し、条件連続装置が作動した状態(BB状態)で開始された遊技(ゲーム)では、遊技開始時演出時間が一律の値となるようにしている。このBB状態時における一律の遊技開始時演出時間としては、例えば約1秒程度を例示できるが、これに限られるものではない。
上述した通常状態時における遊技開始時演出時間については、例えば、以下のような3パターンを例示できる。この3パターンの遊技開始時演出時間に係る名称(パターン名)は、「通常開始」、「先表示チャンス導入1」、「先表示チャンス導入2」となっている。さらに、それぞれの時間値は、順に、例えば2秒、7秒、10秒となっており、これらのパターンの決定(選択)は、配牌された手牌に応じて行われるようになっている。また、各パターンに係る時間の開始タイミング(計時開始の契機となるタイミング)は、遊技開始ボタン18が操作されたタイミングとなっている。
上述の「通常開始」は、標準となる通常の遊技開始時演出のための演出パターン(変動パターン)である。この「通常開始」に係る演出表示例としては、例えば、前述したような全てのリールが変動を継続する演出(図25(a))を挙げることができる。
また、「通常開始」に係る演出表示例として、図25(b)に示した前述の「遊技開始時演出例2」に例示したように、2つのリールが停止(仮停止を含む)し、残り1つのリール(最後に停止するリール)が変動している状態の演出表示において、停止している2つのリール(ここでは左中右のうちの左と右のリール)における「赤7」、「白7」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」といった図柄が、いずれの有効ラインL1~L5上でもリーチの組み合わせを構成しないようにすることを例示できる。
ここで、「赤7」、「白7」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」といった図柄は、一般的なスロットマシンとの対比において、有効ライン上に停止した場合に、遊技者に何らかの入賞(役成立)を期待させるような図柄であるということができる。また、上述の「リーチ」は、スロットマシン(或いはぱちんこ遊技機など)におけるリーチ表示と同様な演出態様である。
このような「通常開始」に対し、前述の「先表示チャンス導入1」は、役抽せんの結果表示に先立って行われるものであり、遊技者にとって何らかの有利な状態となる可能性があることを演出表示の導入時期に示唆し、遊技者の期待を煽るための演出となっている。また、「先表示チャンス導入2」は、「先表示チャンス導入1」よりも長い変動時間で、「先表示チャンス導入1」と同様に遊技者の期待を煽るための演出となっている。
これらの「先表示チャンス導入1」や「先表示チャンス導入2」に係る演出表示例としては、例えば、いずれかの有効ラインL1~L5上で、「赤7」、「白7」、「ベル」といった図柄により前述のリーチ表示を行うもの(例えば図25(c)に「遊技開始時演出例3」として示すもの)や、所定のキャラクタ(登場人物など)やコメントのカットイン表示を行うもの(図示略)など、及び、これらを組み合わせたもの(図示略)など、を挙げることができる。
また、「先表示チャンス導入2」は、「先表示チャンス導入1」よりも相対的に役成立の期待度が高い演出パターン(変動パターン)としていることから、「先表示チャンス導入2」でのみ、「赤7」(或いは「白7」)でのリーチ表示(図示略)や、カットイン表示(図示略)など、及び、これらを組み合わせたもの(図示略)などを行う、といったことも考えられる。
さらに、これらの演出パターンに係る遊技開始時演出時間の決定に関しては、図示は省略するが、遊技開始時に配牌された手牌が、T図柄が3枚でW図柄が0枚であれば、時間値のパターン(演出パターンや変動パターン)として上述した7秒の「先表示チャンス導入1」が決定され、T図柄が4枚でW図柄が0枚であれば、時間値のパターンとして上述した10秒の「先表示チャンス導入2」が決定されるようになっている。そして、手牌がこれら以外であれば、時間値のパターンとして上述した2秒の「通常開始」が決定されるようになっている。
なお、遊技開始時演出時間の決定は、このような手法に限られるものではなく、例えば、複数のボーナステーブルを設け、それぞれにボーナステーブル番号に付し、選択されたボーナステーブル番号に応じて遊技開始時演出時間を決定する、といったことも可能である。また、遊技開始時演出の演出パターンは、前述したような「通常開始」、「先表示チャンス導入1」、「先表示チャンス導入2」に限られるものではない。
また、遊技開始時演出としては、図25(c)に例示する「遊技開始時演出例3」のように、先に停止表示されている2つのリールによって、リーチ表示を行うことも可能である。この「遊技開始時演出例3」においては、横方向中段ラインL2で「赤7」のリーチ表示が行われており、左上がり斜めラインL5で「白7」のリーチ表示が行われている。このような演出表示は、自動図柄設定によりT図柄が5枚以上、或は4枚揃った場合などに、例えば上述の「先表示チャンス導入2」(或いは「先表示チャンス導入1」)などの演出パターンとして実行することが考えられる。ここで、「通常開始」、「先表示チャンス導入1」、「先表示チャンス導入2」などの演出態様は、その用途に応じ、定められた時間内で行われるものであれば、種々のものを採用可能である。
<入球時演出>
続いて、前述の入球時演出や入球時演出時間について説明する。入球時演出は、上述の遊技開始時演出に続く段階の演出として、残りのリールの停止表示に係る演出などを行うものとなっている。例えば、図25(a)に例示した態様の遊技開始時演出(全図柄の変動状態)の後に実行される入球時演出として、図26(a)や同図(b)に示すように、停止した2つのリールの図柄によってリーチ表示を行う。その後、所定時間の経過後に、当せんの有無や内容に応じて、例えば図26(c)(又は図27(a))のような全リールが停止した態様の演出表示を行う。
図26(a)の例では、横方向中段ラインL2のみで、「赤7」によるリーチ表示(シングルリーチ表示)が行われている。そして、このように「赤七」のリーチ表示を行ってから、入球による自摸(ツモ)後の図柄の組み合わせに基づいて、全リールの停止表示の演出(図示略)を行うものとすることが考えられる。
図26(b)の例では、図25(c)に示した遊技開始時演出と同様に、横方向中段ラインL2で「赤7」のリーチ表示が行われており、左上がり斜めラインL5で「白7」のリーチ表示が行われている。そして、T図柄に対応する図柄入球口への入球があれば、図26(c)に示すように、中のリールの中段に「赤7」が停止し、横方向中段ラインL2において「赤7」を3つ揃えた図柄組合せの表示が行われる。
これに対し、T図柄に対応する図柄入球口への入球がなく、他の図柄(非T図柄)に対応する図柄入球口への入球があった場合には、図27(a)に示すように、中のリールの中段に「白7」が停止し、左上がり斜めラインL5において、「白7」を3つ揃えた図柄組合せの表示が行われる。
ここで、本実施形態では、図25(c)や図26(b)に例示したように、遊技開始時演出と入球時演出とで、同様の演出が行われる場合があり得るようになっている。また、遊技開始時演出と入球時演出とで、非リーチ状態(ノーチャンスの状態)の演出表示が行われる場合もあり得るようになっている。
さらに、遊技開始時演出の終盤が非リーチ状態の態様であり、これに繋がる入球時演出の開始序盤の態様が、遊技開始時演出と同じ表示内容での非リーチ状態の態様となる場合もあり得るようになっている。また、遊技開始時演出の終盤から入球時演出の序盤へ、同じ表示内容のリーチで移行する場合もあり得るようになっている。
また、入球時演出として、演出開始当初から、3つ全てのリールが停止した状態の演出表示を行ったり、残り1つのリールが変動状態にある状況で、所定のカットイン表示を行ったりすることも可能である。さらに、遊技開始時演出で終始3つ全てのリールが変動状態にある演出表示(図25(a))を行い、これに続けて入球時演出の序盤でも、3つ全てのリールが変動状態にある演出表示を行う、といったことも考えられる。
さらに、入球時演出には、演出時間(入球演出時間)の異なる複数の演出パターン(変動パターン)が設けられている。入球時演出時間については、先ず、通常状態時におけるゲームでの入球の際に、15個目の手牌の図柄を表示(図21(b))した直後から役判定される直前の期間中にウェイト(待機期間)を発生させるようになっている。本実施形態において、この期間は、前述の表示制御手段(サブ制御装置)3000により管理される期間となっている。また、この期間は、図22の遊技フローに示したツモ図柄取得処理(S105)と役判定処理(S106)との間の期間に含まれる(或いは一致する)期間となっている。
なお、上述の実施形態と異なり、ウェイト期間を設けずに役判定を行ってしまうと、遅延の処理を介在させる等の策を施さなければ、役判定後にそのまま入賞やボーナス関連の情報表示の処理に進んでしまうことになる。したがって、本実施形態のように役判定処理(S106)の前にウェイトを設け、この期間に入球時演出を行うことで、入球時演出の時間を容易に確保することができる。
このようにウェイト期間を設けて入球時演出を行うことにより、1ゲームにつき1球の持ち球数で遊技を行うようにして遊技の迅速化を図っても、1球の入球から終了処理(図22のS111)までの時間の調節が容易になる。そして、入球時演出や入球時演出時間の多様化により、遊技が単調になるのを防止できる。
なお、表示制御手段(サブ制御装置)3000において、このような手法に限らず、例えば、役判定の直後に最小図柄表示時間としてウェイト期間を設けることも可能である。この場合は、役成立の有無や、成立した役の種類などの要素によってウェイト期間を設定できる。さらに、この役判定後のウェイト期間に応じた入球時時間を設定し、入球時演出を行うことが可能である。
また、役判定処理(S106)の前のウェイトと併せ、役判定処理(S106)の後(直後)にも、最小図柄表示時間の確保のためのウェイトを行うようにしてもよい。さらに、条件連続装置が作動した状態で開始された遊技では、このウェイト(役判定処理(S106)の前のウェイト)は行わないようにすることが考えられる。また、表示制御手段(サブ制御装置)3000において行われる役判定は、主制御装置1000から送信された役成立の有無や役の種類に係る情報に基づいて行うようにすることが可能である。
通常時の入球時演出時間について、例えば、以下のような3パターンを例示できる。この3パターンの遊技開始時演出時間に係るパターン名は、「通常停止」、「BBアオリ停止」、「先表示チャンス停止」となっており、それぞれの時間値は、順に、例えば3秒、7秒、1秒となっている。
そして、これらのうち「通常停止」は、遊技者の役成立への期待を煽ることを目的としない演出(特段の演出が行われない演出なしのもの)である。また、この「通常停止」は、自動図柄設定による図柄が、いずれの役にも当せんしていないはずれの場合のほか、いずれかの役に当せんしている場合にも選択されるようになっている。前述した非リーチ状態の表示などを、この「通常停止」のパターンについて実行することが考えられる。
また、「BBアオリ停止」の「BB」はビッグボーナスの意味であり、この「BBアオリ停止」は、前述の遊技開始時演出で「先表示チャンス導入1」や「先表示チャンス導入2」が選択されなかった場合(先表示なしの場合)であって、且つ、自動図柄設定による図柄(入球図柄)が、後述するような各種の態様の手牌となった場合に、BBが成立している期待を煽るような内容のものとなっている。このような演出を、例えば「BIGかもアオリ」などと称することが可能である。
さらに、「先表示チャンス停止」は、前述の開始時演出で「先表示チャンス導入1」や「先表示チャンス導入2」が選択された場合(先表示ありの場合)であって、且つ、自動図柄設定による図柄(入球図柄)が、後述するような手牌となった場合に、何らかの役に当せんしている期待を煽るような内容のものとなっている。
これらのような入球時演出時間に係るパターンの決定(選択)は、ツモ直前(入球直前)の手牌(自動設定された14枚の図柄)と、入球により取得された15枚目の図柄(入球図柄)に応じて行われるものとなっている。
図24は、入球直前の手牌と入球図柄との組合せによる入球時演出時間に係るパターン(時間値のパターン)を示している。例えば、入球直前の手牌が、項番1(No.1)に示すように、T図柄が3枚でW図柄が0枚であって、入球図柄がT図柄であった場合(入球によりT図柄が4枚となった場合)には、時間値のパターン(演出パターンや変動パターン)として上述した1秒の「先表示チャンス停止」が決定される。さらに、入球直前の手牌が、項番2(No.2)に示すように、T図柄が3枚でW図柄が0枚であって、入球図柄がT図柄以外であった場合にも、時間値のパターンとして同じく「先表示チャンス停止」が決定される。
また、入球直前の手牌が、No.3に示すように、T図柄が3枚でW図柄が1枚以上であって、入球図柄がT図柄であった場合(入球によりT図柄が4枚となった場合)には、時間値のパターンとして上述した7秒の「BBアオリ停止」が決定される。さらに、入球直前の手牌が、No.4に示すように、T図柄が3枚でW図柄が1枚以上であって、入球図柄がT図柄以外であった場合には、時間値のパターンとして上述した3秒の「通常停止」が決定される。
また、入球直前の手牌が、No.5に示すように、T図柄が4枚でW図柄が0枚であって、入球図柄がT図柄であった場合(入球によりT図柄が5枚となった場合)には、時間値のパターンとして上述した1秒の「先表示チャンス停止」が決定される。さらに、入球直前の手牌が、No.6に示すように、T図柄が4枚でW図柄が0枚であって、入球図柄がT図柄以外であった場合にも、時間値のパターンとして同じく「先表示チャンス停止」が決定される。
また、入球直前の手牌が、No.7に示すように、T図柄が4枚でW図柄が1枚以上であって、入球図柄がT図柄であった場合(入球によりT図柄が5枚となった場合)には、時間値のパターンとして上述した3秒の「通常停止」が決定される。さらに、入球直前の手牌が、No.8に示すように、T図柄が4枚でW図柄が1枚以上であって、入球図柄がT図柄以外であった場合には、時間値のパターンとして上述した7秒の「BBアオリ停止」が決定される。そして、No.9に示すように、これら以外のすべての場合(入球直前の手牌が5枚であった場合を含む)には、上述した3秒の「通常停止」が決定される。
なお、通常状態時の入球時演出としては、自動図柄設定により取得された図柄や、図柄入球口に割り当てられた図柄、及び、入球により取得された図柄、当せんし得る役の種類、当せんした役の種類等との相互関係に応じて、種々の演出を行うことが可能である。
例えば、図3(b)に役名とそれぞれの配当の一例を示したが、自動図柄設定により取得された図柄が、「T×3」~「T×1」などのように、相対的に少ない配当に対応した役にしか当せんの可能性がない状況であれば、リーチ表示する場合に、例えば「赤7」や「白七」によるリーチ表示は行わず、所定の限られた図柄(「ベル」など)でしかリーチ表示を行わないようにする。
また、例えば、自動図柄設定による手牌が「T×4」となった状況で、演出上、複数の有効ラインでのリーチ(ダブルリーチやトリプルリーチなど)を成立させるようにする。さらに、1つの有効ラインでは「赤七」でのリーチを成立させ、他のラインでは「白7」や「ベル」でのリーチを成立させる。そして、この状況でT図柄の図柄入球口への入球があり、「T×5」となった場合には、「赤7」のリーチが成立している有効ライン上に、「赤七」の図柄を停止させるが、T図柄の図柄入球口への入球がなかった場合には、「T×4」に係る演出として、「白7」や「ベル」を揃える演出制御を行う、といったことも考えられる。
このように、成立し得る役の価値(ここでは配当)に応じた入球時演出を行うことにより、遊技者に対して、「何の図柄で停止するか」の旨の想像や期待を抱かせる演出や遊技を行うことが可能となる。ここで、「通常停止」、「BBアオリ停止」、「先表示チャンス停止」などの演出態様は、その用途に応じ、定められた時間内で行われるものであれば、種々のものを採用可能である。
<遊技開始時演出や入球時演出に係る各種の制御態様>
続いて、遊技開始時演出や入球時演出に係る制御態様について、考えられる各種のものについて、より具体的に説明する。先ず、図26(a)~(c)や図27(a)に入球時演出例1~4を示したが、入球時演出例については、遊技開始時演出から繋がる一連の構成として以下のようなものとすることが考えられる。
例えば、遊技開始時について、自動図柄設定によりT図柄が5枚以上設定された場合、もしくは、T図柄が4枚設定された場合(T図柄4枚でBB状態となり前述のテーブル2が使用される場合)には、T図柄に対応する図柄入球口に入球しても、T図柄以外の図柄に対応する図柄入球口に入球しても、いずれもBBとなる。このため、遊技開始時演出としては、図25(c)に例示したように、2つの有効ライン(ここではL2、L5)で、「赤7」と「白7」によるリーチ状態の演出表示を行う。そして、その後の入球時演出としては、T図柄に対応する図柄入球口に入球すれば、図26(c)に例示したように(入球時演出例3)、中のリールの中段に「赤7」を停止させて揃え、T図柄以外の図柄に対応する図柄入球口に入球すれば、図27(a)に例示したように(入球時演出例4)、斜めに「白7」を揃える。
また、これ以外の一連の演出の構成としては、以下のようなものも例示できる。例えば、自動図柄設定によりT図柄が4枚あるがBBに当せんしない場合(T4枚で条件連続装置が作動しない場合)、もしくは、自動図柄設定によりT図柄が3枚ありBBに当せんしている場合(T4枚で条件連続装置が作動する場合)を考える。そして、遊技開始時演出としては、図28(a)に示すように、中段(横方向中段ラインL2)に「赤7」のリーチ状態の表示を行い(遊技開始時演出例6)、斜め(ここでは右上がり斜めラインL4)に「スイカ」のリーチ状態の表示を行う。そして、入球時演出としては、T図柄に対応する図柄入球口に入球すれば、図28(b)に示すように図中に「赤7」を揃え(上記(a)に続く入球時演出例1)、T図柄以外の図柄入球口に入球すれば、図28(c)に示すように斜めに「スイカ」を揃える(上記(a)に続く入球時演出例2)。
図28(a)~(c)に例示したような一連の演出は、前提として、T図柄を中段に揃え、T以外の図柄を斜めに揃えるゲーム性のものであるということができる。このようなゲーム性により、図28(a)に例示したような複数リーチの遊技開始時演出が表示された場合(遊技開始時演出例6)、遊技者に対して、T図柄に対応する図柄入球口に入球するとBBとなり、それ以外の図柄に対応する図柄入球口に入球すると非BBとなることを、入球前に示唆でき、入球に対する期待感を事前に煽ることが可能となる。そして、上述のような前提を形成するからこそ、図26(b)に例示したように「赤7」と「白7」のダブルリーチを構成する状況は(入球時演出例2)、T図柄や非T図柄のいずれの図柄に入球してもBBになる(BBが確定している)所謂激熱の状況となる。さらに、図26(b)の演出表示(入球時演出例2)や、図28(b)の演出表示(上記(a)に続く入球時演出例1)のように、BBの期待があるゲームでのみ示唆(ここではリーチの組み合わせの表示による示唆)を行うようにすることで、入球前に、T図柄又は非T図柄の何れに対応する図柄入球口に入球するか、といった期待感が一層高まることとなる。
また、更にこの他の演出の一連の構成としては、例えば、自動図柄設定後にBBが確定している場合であっても、遊技開始時演出においては、非リーチ状態(ノーチャンスの状態)としての演出表示を行い、入球時演出において、「赤7」等を揃える、といったことが考えられる。この場合、非リーチ状態から、例えば入球時演出においてリーチ状態の演出を行い、その後に「赤7」等を揃えることが可能である。或いは、非リーチ状態から、リーチ状態の演出を経ずに「赤7」等を揃える、といったことも可能である。また、非リーチ状態から、種々の告知を行って「赤7」等を揃えることや、「赤7」等を揃えた演出表示が、遊技者にとっていずれかの有利な遊技状態となることの告知や示唆の意味を持ったものとすることなども考えられる。
また、自動図柄設定により相対的に有利な図柄が多く揃った状況(「T×4」となった状況など)から、所定の図柄(ここではT、W、Sのいずれか)に対応した図柄入球口に遊技球が入った場合には、相対的に短い入球時演出時間の演出パターンを選択する一方、上記所定の図柄に対応した図柄入球口に遊技球が入らなかった場合には、相対的に長い入球時演出時間の演出パターンを選択する、といったことも考えられる。
また、本実施形態では、図24における例えばNo.1とNo.6に示すように、自動図柄設定により「T×3」となった状況で入球によりT図柄に対応する図柄入球口に入球した場合(No.1)と、自動図柄設定により「T×4」となった状況でT図柄に対応する図柄入球口に入球しなかった場合(No.6)とで、同じ時間値のパターン(先表示チャンス停止)が成立するようになっている。しかし、これに限らず、例えば、同様な状況(No.1とNo.6の状況など)で、選択される時間値のパターンが異なるようにしてもよい。
また、所定の場合(特殊な場合)には、所定の特別な演出を行うといったことが可能である。所定の場合(特殊な場合)としては、例えば、通常状態時における自動図柄設定により、A~Mの図柄が揃った場合などが考えられる。また、通常状態時における自摸により、A~Mの図柄が揃った場合なども例示できる。ここでの所定の特別な演出としては、所定の動画の表示や、所定のキャラクタの登場、所定のカットイン表示、所定の楽曲の出力などを例示できる。
また、例えば、通常状態時における自動図柄設定が行われた際に、第1演出表示装置10において、取得結果に関する付加報知を行うことが可能である。この付加報知は、第2演出表示装置16に表示されている手牌表示(図21(a))に関する情報を、第2演出表示装置16ではなく、第1演出表示装置10にて付加的に報知するものである。そして、付加報知としては、例えば、図27(b)に示すように、「T図柄が5枚あるよ!」などといった文字表示(所定の動画を伴うものであってもよい)を例示することができる。また、図示は省略するが、この他にも「T図柄が4枚あるよ!」、「T図柄が4枚以上あるよ!」、「役成立!」などといった表示を例示することができる。
また、上述した「T図柄が4枚あるよ!」や「T図柄が4枚以上あるよ!」のような具体的に数値を示すようなものに限らず、例えば、図27(c)に示すように、「CHANCE!」などの相対的に具体性の低い付加報知により、手牌の状況をある程度曖昧に報知する、といったことも考えられる。
また、本実施形態においては、自動図柄設定の際の手牌の報知態様として、前述したように(図21(c))、役を成立させる図柄(ここではT図柄)や、W図柄、S図柄を左側に寄せて並べ替えて見易くする態様が採用されている。しかし、これに限らず、例えば、T図柄の存在や個数が遊技者にとって即座には認識し難くなるよう、手牌を不規則に並べる、といったことも可能である。この場合の手牌の配置としては、自動図柄設定の際に理牌せずに取得された順に図柄を並べること(取得順に配置すること)や、取得後に配置をランダム化する内容の並べ替え処理を行うことが考えられる。
ここで、自動図柄設定された図柄とは異なる手牌の表示(フェイク表示)を行うようにすれば、より確実に、遊技者に有利なT図柄の数の認識を困難化することができる。しかし、報知の信頼性を確保することを優先し、フェイク表示を行わずに、上述したような取得順の配置や、ランダム化するための並べ替えを行うことが望ましいと考えられる。また、通常状態時の自動図柄設定により取得された手牌の表示を行わない、といったことも考えられる。
さらに、本実施形態の雀球遊技機1においては、遊技領域2aに配置された第1演出表示装置10ではなく、第2演出表示装置16に手牌の表示を行っている(図21(a)~(c))。そして、この第2演出表示装置16は、遊技者の手元に位置する操作パネル3に配置されている(図1)。このため、第1演出表示装置10にて多様な演出を行うことで、遊技者に対し、遊技領域2aへの注目を促すことができる。
さらに、前述したように、第1演出表示装置10と第2演出表示装置16の位置関係は、遊技者が第2演出表示装置16を視認している際には第1演出表示装置10が同じ視野に収まらず、第1演出表示装置10を視認している際には第2演出表示装置16が同じ視野に収まらないようになっていることから、第1演出表示装置10にて多様な演出を行うことで、遊技者の視線を第2演出表示装置16から、可能な限り逸らし得るものとなる。
そして、遊技者の意識を手牌の内容に向き難くすることが可能になり、手牌の表示を隠す(或いは消去する)のと同様な機能を発揮させることができる。そして、このことによっても従来の雀球遊技機に対して新規なゲーム性を提供することができる。
また、第1演出表示装置10にて多様な演出を行うことから、第2演出表示装置16での手牌表示を行わないようにし、メイン表示装置36でLEDの点灯や点滅のパターンの組み合わせによって、遊技者にとって把握し難いような態様での手牌表示のみを行う、といったことも考えられる。
また、入球時演出時間として、「BBアオリ停止」の7秒のように相対的に長い時間が決定される場合があることから、当該時間を利用して趣向性の高い演出を行うことが可能である。例えば、一般にスロットマシンで採用されているゲーム性と、遊技者の発射操作とを関係づけた態様の演出を、入球時演出時間を利用して行うことが可能である。
そして、一般にスロットマシンで採用されているゲーム性としては、例えば、ずれのないよう正確なタイミングで停止ボタン操作を行わないと入賞させることができない停止操作態様(所謂「ビタ押し」)を挙げることができる。そして、この「ビタ押し」と、遊技者の発射操作とを関係付け、「T×4」や「T×3」の状況で、第1演出表示装置10に「ビタ押しチャレンジ」の文字等の表示を行い、25枚の遊技メダル獲得のためのT図柄の追加を狙った正確な発射を促す、といった態様での演出を考えることができる。このような入球時演出を行うことで、雀球遊技機1における技術介入性を向上することができる。
さらに、自動図柄設定により「T×4」の組み合わせが成立している状況で、遊技者が右打ちを行い、3連入球口14を狙って遊技球を発射した場合には、前述のように、概ね1/4の割合で、T図柄が割り当てられた図柄入球口14cに入球し得る。このため、例えば、第1演出表示装置10にて、遊技者に対し右打ちを推奨する表示(右打ちの発射位置推奨表示)を行い、1/4の割合で「T×5」の役が成立する、といったゲーム性を提供することも可能である。この場合の右打ちの推奨は、音声のみで行うことや、音声と表示の双方で行うことなどが可能である。
<第1実施形態に係る発明の作用効果>
<<基本的なゲーム性に係る発明の作用効果>>
以上説明した雀球遊技機1によれば、自動配牌(自動図柄設定)される所定数(ここでは14)の図柄に、1回の自摸(ツモ)による1図柄を加えた15図柄で役判定が行われている。つまり、従来の雀球遊技機では、手牌数を「14」とし、14図柄で役判定を行うのが通常であった。さらに、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に係る「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」において、雀球遊技機の技術上の規格を定めた「別表第7」には、自動図柄設定装置の性能に関する規格として、図柄の数を「14」とし、図柄の設定は無作為に行われるものとする旨が定められている(別表第7(1)ニ(イ)、(ロ))。
これに対して本実施形態の雀球遊技機1では、14図柄での自動図柄設定(自動配牌)は従来通り行い、役判定までに図柄数を変更(ここでは1図柄追加)して遊技を進行するようにしている。したがって、規則に定められた自動図柄設定や開放条件装置などの要求を満たしつつ、通常状態時には、自動配牌された図柄数よりも多い図柄数で新規なゲーム性を実現することが可能である。
さらに、本実施形態の雀球遊技機1によれば、1ゲームの開始に伴って自動図柄設定(自動配牌)が行われ、通常状態等の所定の遊技状態においては、1球の使用により遊技が自動で終了する。
つまり、従来の雀球遊技機では、複数の持ち球の範囲内において捨牌(ステ)やツモを繰り返しながら上がり役の成立を目指すゲーム性が通常であった。そして、遊技者がツモやステの操作に費やす時間は一律ではなく、遊技者のステやツモの操作により、1ゲームに要する時間が不規則に長引いてしまうことがあった。
また、従来の雀球遊技機では、持ち球が複数(例えば4個)であり、通常状態で開始されたゲームにおいて上がり役が成立し、開放条件装置が作動すると、当該ゲームにおいて遊技者が残りの持ち球を使って、意思決定を伴って進行するツモを行い、所望する図柄を取得していた。さらに、得点増加装置の作動時には、当該ゲームの残り球を使って、一旦成立した上がり役(出役)をパワーアップ(得点増加)させていた。
さらに、従来の雀球遊技機は、開放条件装置の作動を経なければ大当り(BB)させることができないものとなっていた。例えば、前述の「別表第7」における「(1)へ(イ)」には、条件連続装置に係る規格として、「条件連続装置が作動することとなる図柄の組合せの数は、開放条件装置が作動することとなる図柄の組合せの数の3分の1を超えるものでないこと。」との規定が設けられている。
つまり、条件連続装置の作動の条件が、開放条件装置の作動条件を用いて規定されており、この関係を満たしたうえで、条件連続装置を適度に作動させるためには、通常状態時に開放条件装置も3倍の範囲内に収まるよう、適度に作動させる必要がある。また、従来の雀球遊技機は、開放条件装置を作動させると、当該ゲームを終了させるには、遊技者の操作(ツモ)を経るようになっていた。
これに対し、本実施形態の雀球遊技機1では、通常状態等の所定の遊技状態においては、1ゲームにおける遊技者の持ち球が1球のみであり、1ゲームが、1球の発射と入球とにより(1回のツモにより)、自動的に且つ即座に終了している。このため、1ゲームに掛かる時間を最小化でき、当該ゲームを、スピード感をもって迅速に進めることができるとともに、その後のゲームへの移行も迅速に行うことができる。
さらに、本実施形態の雀球遊技機1によれば、通常状態では、1球でゲームが終了することから、当該ゲーム中に開放条件装置を作動させることとなる図柄の組合せが成立したとしても、持ち球が無くなる。このため、特別入球口作動ゲート12に遊技球を通過させることができないまま、当該ゲームを終えて開放条件装置を非作動状態とすることができる。また、開放条件装置の機能を搭載しつつも、通常状態では、事実上、役物(ここでは特別入球口11)を使用できない(開放させることができない)ようにすることができる。そして、これらのことによっても、上述のような規定をクリアしつつ新規なゲーム性を実現することが可能である。
なお、通常状態時において、持ち球を複数とすること等の何らかの手法により、開放条件装置の作動に伴い、役物(ここでは特別入球口11)を開放させることも可能である。ただし、役物を開放させることで、通常状態時の得点(メダルの払出し枚数に変換される)が増え易くなる。さらに、開放条件装置の作動は、当該ゲームで終了させなければならず、次ゲームに持ち越すことができない。
そして、上述のように通常状態時に役物を開放させつつ、雀球遊技機の射幸性を適度に保つためには、全体のバランスを考慮し、大当り遊技時(ここではBB状態時)の出玉を抑えることが必要になる。したがって、大当り遊技時により多くの得点を獲得できるゲーム性を実現するためには、本実施形態の雀球遊技機1のように、通常状態時に役物を開放させないようにすることが望ましい。
また、従来の雀球遊技機では、自動配牌によって上がり役が成立していれば、ステを行う前に当該ゲームを終了することも可能であった。しかし、本実施形態の雀球遊技機1では、持ち球を使用して15図柄を揃えなければゲームを終了させることができないようにしており、この点でも従来の雀球遊技機とは異なったゲーム性を実現している。
なお、本実施形態の雀球遊技機1については、次のようにも説明することができる。例えば、雀球遊技機1は、自動図柄設定(自動配牌)の直後には役判定が行われず、ツモの操作による図柄取得の後に役判定が行われているものであるということができる。そして、雀球遊技機1は、制御上、役判定の処理を、自動図柄設定よりも後であって、且つ、ツモによる図柄取得の後に配置することによって、自動配牌された図柄に更に図柄を追加して役判定を行えるようにしているものであるということができる。さらに、雀球遊技機1は、通常状態時には持ち球が1球であるが、BB状態時には持ち球が変化し、1球ではなくなるものであるということができる。
また、本実施形態の雀球遊技機1は、通常状態時には、1ゲーム毎に遊技開始(BET)や1回の発射操作などを繰り返すものであることから、1ゲーム毎に賭け設定(BET)、スタートレバー操作などを繰り返すスロットマシンに近いゲーム性を実現しているものであるともいえる。そして、この結果、雀球遊技機1における開放条件装置の機能を、一般的なスロットマシンにおけるシングルボーナス(SB)に類似した機能とすることが可能となる。
なお、本実施形態の雀球遊技機1については、通常状態時には雀球遊技機のゲーム性をスロットマシンに類似させるように機能し、BB状態時には雀球遊技機のゲーム性を実現するよう機能する制御手段(各種制御手段)を備えたものであるということができる。
また、本実施形態の雀球遊技機1によれば、自動図柄設定(自動配牌)に係る規格数である「14」よりも多い15図柄での役判定と、持ち球数の最少化(1球)と併せて行っていることから、特別入球口11の開放をより確実に抑制できる。
つまり、仮に14図柄で役判定を行ったとすると、持ち球を残したまま役判定が行われることとなる。そして、開放条件装置が作動してしまった場合に、持ち球を使用しなければ、当該ゲームを終了させることができない状況が生じることとなる。そして、この場合には、特別入球口作動ゲート12の遊技球通過前におけるゲームの終了が確実なものではなくなり、特別入球口11の開放抑制の機能が不完全なものとなる。
しかし、本実施形態の雀球遊技機1のように、持ち球を1球としつつ、自動配牌される数よりも1図柄多い数の図柄で役判定を行うことにより、特別入球口11の開放抑制の機能を完全なものとすることができる。
なお、本実施形態に限定されず、例えば、自動配牌(自動図柄設定)された状況で14図柄による役判定を行い、更に持ち球を使用して15図柄が揃った状況でも役判定を行う、といったことも可能である。このように1ゲーム中に14図柄での判定と15図柄での判定を併用したタイプのゲーム性は、例えば、ハイブリット化されたゲーム性であるということができる。
そして、このように役判定をハイブリット化した場合には、配牌タイミング(14図柄の自動配牌がされた状況)で、開放条件装置を作動させる図柄の組合せが成立していると、持ち球の1球が、特別入球口作動ゲート12を通過し、開放した特別入球口11へそのまま入球する可能性が生じる。しかし、持ち球の1球を発射した後のタイミング(15図柄目を取得した状況)では、持ち球がなくなるため、前述した雀球遊技機1と同様に、遊技球が特別入球口作動ゲート12を通過したり、特別入球口11へ入球したりするのを防止できる。
なお、盤面構造(盤面構成)を利用し、役物(特別入球口11)への入球を防ぐことも考えられる。例えば、通常状態時に役物(特別入球口11)を開放させないようにするために、図柄入球口13a~13yの配置を、通常状態時の遊技球の発射位置(推奨発射位置)での遊技では、開放条件装置を作動させることとなる図柄の組み合わせが成立し難い配置とすることが考えられる。このようにするためには前述したように(図2)、通常状態時の推奨発射位置を遊技領域2aの左側(左打推奨)とし、遊技領域2aの左側の領域には、右側の領域に比べて、開放条件装置の作動に係るT図柄やW図柄(図23(a))を少なく配置することを例示できる。
また、上述の盤面構造とは異なる態様として、例えば、遊技領域2aにおける25個の図柄入球口13a~13yのうち、正面から見て左側の領域に配置された図柄入球口(13a~13lなど)のいずれかに入球すれば、開放条件装置が作動する図柄組合せが成立し易いが、右側の領域に配置された図柄入球口(13n~13yなど)のいずれかに入球したのでは、開放条件装置が作動する図柄組合せが成立し難いように、アガリ役(上がり役)の図柄組合せと図柄入球口13a~13yとの関係を定めておく。
これに対し、条件連続装置が作動する図柄組合せに関しては、遊技領域2aの左側に配置された図柄入球口(13a~13lなど)では、条件連続装置の作動のための図柄組合せが成立し難くし、右側に配置された図柄入球口(13n~13yなど)では、条件連続装置の作動のための図柄組合せが成立し易くしておく。このように、図柄入球口13a~13yの配置によって、開放条件装置と条件連続装置の作動のための遊技領域を分けることで、特別入球口11への入球を抑制することが可能である。
つまり、このような態様の盤面構造を採用したゲーム性は、例えば、盤面左側に配置された開放条件装置が作動し易い図柄では、条件連続作動装置の図柄組合せが成立し難いため、基本的には遊技者が、盤面右側を狙わざるを得ないものになっているといえる。
また、遊技領域2aの左側に特別入球口11と、特別入球口11を開放させるためのゲート(ここでは特別入球口作動ゲート12)を配置するとともに、通常状態時の推奨発射位置(推奨発射領域)を右打ちとすることで、実質的な開放条件装置の作動を抑制する、といったこともできる。
ただし、このように特別入球口作動ゲート12(及び特別入球口11)の配置と推奨発射位置との関係により開放抑制を行う場合、推奨発射位置に従わずに発射(ここでは左打ち)が行われると、特別入球口11への入球を避けることが難しくなる。したがって、盤面構造(盤面構成)により特別入球口11の開放抑制を行う場合には、上述のように、開放条件装置と条件連続装置の作動のための遊技領域を分けることのほうが、適用が容易であると考えられる。
<<演出表示に係る発明の作用効果>>
また、本実施形態の雀球遊技機1によれば、例えば通常状態時に、各ゲームの開始時に係る遊技開始時演出が行われており、この遊技開始時演出には、時間の異なる複数のパターンが設けられている。このため、自動図柄設定による手牌の状況等といった遊技の状況に応じて多様な遊技開始時演出を行うことが可能である。さらに、遊技開始時演出を多様化できることから、その後に実行される入球時演出に円滑に繋がる内容の遊技開始時演出を行うことが容易になる。
また、本実施形態の雀球遊技機1によれば、図柄入球口13a~13y用への入球時に入球時演出を行うようにしている。さらに、入球時演出の時間(演出時間)は、入球直前の手牌と、入球図柄との組合せに応じて変化し得るようになっている。このため、配牌や手牌に応じて演出時間を可変させることができ、遊技の状況に応じた煽り演出などを実行することが可能となる。
つまり、従来の雀球遊技機では、通常状態時であっても、図柄取得後のステやツモの遊技が、趣向性の比較的大きな部分を担っていた。このため、入球による取得図柄は即座に表示され、その後の遊技者操作の段階で相対的に多くの時間が費やされていた。これに対し、本実施形態の雀球遊技機1では、入球から取得図柄の表示までの時間を拡大し、この時間を利用して入球時演出を行うようにしている。このため、前述のように1球の持ち球でゲームが迅速に終了するようにしても、入球から図柄表示までの入球時演出によって遊技の趣向性を補うことができる。
また、本実施形態の雀球遊技機1においては、通常状態時には、1ゲームにつき1球の持ち球数で遊技を行うようにして遊技の迅速化を図っているが、何らの工夫も施さなければ、1球の入球に伴い即座に払出し等を行うための終了処理(図22のS111)へ一定の時間を介して移行してしまい、遊技が単調になることが考えられる。
しかし、前述のように入球時演出や入球時演出時間の考え方を付加して演出を行うことで、遊技の単調化を防止し、趣向性を向上することが可能である。さらに、入球時演出時間を複数種類設け、自動図柄設定時の手牌等といった遊技時の状況に応じて入球時演出時間を異ならせることにより、更に多様で趣向性に富んだ演出を行うことが可能となる。
さらに、雀球遊技機1の通常状態時に係るゲーム性は、入球があると役の成立の有無が確定し、役の成立の有無が遊技者に把握され易い(所謂先バレし易い)ものであると考えることもできる。しかし、第2演出表示装置16と同じ視野内に収まらないような位置に設けられた第1演出表示装置10において、表示内容や演出時間に関して多様な入球時演出を行えるようにしていることから、第2演出表示装置16の手牌表示が視認され難く、所謂先バレし難いものとなっている。
また、本実施形態の雀球遊技機1によれば、自動配牌された図柄や、持ち球により追加された図柄とは別の表示画像による遊技進行報知用演出が行われている。このため、従来の雀球遊技機のように麻雀牌(雀牌)の図柄などの制約を受けることがない。そして、麻雀のルールを知らない遊技者に対しても、高い自由度で分かり易い演出を行うことができる。さらに、手牌や上がり役の表示によらず、雀牌を用いない演出によって、当該ゲームにおける役成立の期待度を示唆することが可能となる。
また、本実施形態のように、スロットマシンのリールによる図柄表示をモチーフとし、複数の有効ラインL1~L5での表示による遊技進行報知用演出を行うことにより、いずれの有効ラインで入賞役表示が行われるかの演出や、どの種類の入賞役表示が行われるかの演出などを行うことができる。
さらに、有効ライン上におけるリーチ表示によって、例えば「BIG?」のような直接的な演出表示を行わなくても、「赤7」、「白7」等といった擬似リール図柄の種類によって、BB役の当せんの有無や、BB役の種類を示唆する遊技進行報知用演出を行うことができる。そして、これらのことから、趣向性や多様性に富んだ遊技進行報知用演出を行うことが可能となる。
なお、本発明はこれまでに説明した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能なものである。例えば、遊技媒体として遊技メダルの投入を行い、役が成立した場合には遊技媒体として遊技メダルを払出すようにしているが、例えば遊技球を投入し、遊技の結果に応じて遊技媒体を払出す雀球遊技機とすることも可能である。さらに、後述するように他の実施形態を考えることが可能であるが、これらの実施形態については後述する。
また、第1演出表示装置10において、手牌図柄に係る前述のフェイク表示(自動図柄設定された図柄とは異なる手牌の表示)を行うことなども考えられる。さらに、3連入球口14を遊技領域2aの右側ではなく中央に配置してもよい。この場合、3連入球口14の材質に透明な樹脂を採用し、第1演出表示装置10の画像を、3連入球口14の透明な部分(或いは全体)を通して視認できるようにすることが考えられる。
<第2実施形態(開放条件装置に係る入球口の使用を確実にするための実施形態)>
次に、前述した第1実施形態とは異なる各種の実施形態について説明する。なお、前述の第1実施形態に係る機器や制御処理のうち、他の実施形態への適用に特に支障がない事項については同一符号を付し、その説明は適宜省略する。
先ず、第2実施形態に係る雀球遊技機として、開放条件装置の作動に係る入球口(ここでは特別入球口11)をより確実に使用可能としたものを検討することができる。このような雀球遊技機を検討するのは以下のような理由による。
つまり、前述した第1実施形態の雀球遊技機1においては、通常状態時の1ゲームにおける遊技者の持ち球数は1球のみであり、1ゲームが、1球の発射と入球とにより(1回のツモにより)、自動的に且つ即座に終了するようになっている。そして、前述した第1実施形態の雀球遊技機1においては、1ゲームに掛かる時間を最小化でき、当該ゲームを、スピード感をもって迅速に進めることができるとともに、その後のゲームへの移行も迅速に行うことができるようになっている。
しかし、第1実施形態の雀球遊技機1においては、通常状態における1ゲーム中に開放条件装置を作動させることとなる図柄の組合せが成立したとしても、既に持ち球がなくなっており、そのときのゲーム(当該ゲーム)中には遊技球を特別入球口作動ゲート12に通過させて特別入球口11が開放させることができない。
このため、開放条件装置を作動させることとなる図柄の組合せが成立したとしても、当該ゲームにおいて特別入球口11が開放する可能性はない。そして、開放条件装置が作動開始したゲーム(当該ゲーム)に着目すれば、第1実施形態の雀球遊技機は特別入球口11が存在していないのと同様なものである、などと第三者により解釈されてしまうこともあり得ないとはいいきれない。そして、状況によっては特別入球口11の存在意義が曖昧になる場合があり、このようなことは、雀球遊技機の性能や特性を客観的に明確なものとするうえで好ましいことではない。
このような考え方の下、発明者らは、少なくとも通常状態時には可能な限り少ない持ち球数で迅速な遊技可能とし、且つ、雀球遊技機の性能や特性が不明確にならないようなゲーム性を検討した。そして、図29に整理して示すように、複数(ここでは4タイプ)のゲーム性を創作するに至った。
以下では、図29に示す各ゲーム性を備えた雀球遊技機を総称して第2実施形態の雀球遊技機とし、更に各ゲーム性に対応する雀球遊技機を、第2実施形態1、第2実施形態2、第2実施形態3、第2実施形態4の雀球遊技機と称することとする。また、特に支障が生じない限りは、第1実施形態と同様の構成を適用し、その詳細な説明は適宜省略する。
先ず、発明者らが創作したゲーム性は、遊技球の発射の態様によって2つのグループに分けることができる。そのうちの1つのグループは、遊技球の発射を毎ゲーム行うもの(第2実施形態1及び2が含まれる)であり、もう1つのグループは、状況に応じて遊技球の発射を行わない場合があるもの(第2実施形態3及び4が含まれる)である。
また、図29は、第2実施形態1~4の特徴を、「システムタイプ」、「役判定タイミング」、及び、「1ゲームの発射球数」の各項目に分けて示している。これらの項目のうち「システムタイプ」は、通常状態における1ゲームの持ち球数と捨牌(ステ)の有無を意味している。ここで、持ち球数は通常状態における1ゲームの持ち球数であり、例えば何らかの役に当せんした場合などには、持ち球数を適宜増やして適正なゲーム性を構築することが可能である。
また、「役判定タイミング」は、役判定を行うタイミングが、配られた(配牌された)図柄数が14枚となっているタイミングであるのか、15枚となっているタイミングであるのか、或いは、いずれの場合もあり得るのかといった事項を意味している。さらに、「1ゲームの発射球数」は、通常状態において1ゲーム中に発射できる遊技球の数を意味している。
<<第2実施形態1>>
以下に、各第2実施形態1~4について説明する。先ず、第2実施形態1に関しては、図29の最上段に示すように、「システムタイプ」が「1球・ステなし」となっている。つまり、第2実施形態1においては、通常状態における1ゲームの持ち球数は1球であり、捨牌(ステ)は行われないようになっている。
さらに、第2実施形態1においては、「役判定タイミング」が、配牌された図柄数が14枚である場合と、15枚である場合のいずれにもなり得るようになっている。また、「1ゲームの発射球数」は、通常状態における1ゲーム中に発射できる遊技球の数が必ず(通常状態中は常に)1球であるようになっている。
図30(a)は、第2実施形態1に係るゲーム性を左から右へ概略的に示している。この第2実施形態1では、通常状態において、遊技開始(BET)に伴い(S201)、14枚の図柄が自動配牌される。そして、自動配牌された14枚の図柄を用いて役判定(S202)が行われ、続いて遊技球の発射(S203)が行われる。そして、いずれかの入球口への入球(S204)があり、取得された図柄が追加されて手牌の図柄枚数が15枚となり、この15枚の図柄を用いて役判定(S205)が行われる。その後は、役判定(S205)の結果に応じた演出等が行われ、当該ゲームが終了する(S206)。
このような第2実施形態1によれば、最初の役判定(S202)においてチャンス役(シングルボーナス(SB)を含む)の成立が判定され、開放条件装置が作動開始した場合に、未だ遊技者の持ち球が使用されていない状況を形成することができる。そして、このような状況において、遊技球の発射(S203)や入球(S204)が可能である。
このため、チャンス役(以下ではシングルボーナスである「SB」とする)が成立した後に、遊技球を特別入球口作動ゲート12に通過させて、特別入球口11を開放させる、といったゲーム性を実現することができる。したがって、役判定後(ここではS202後)の当該ゲーム中に、開放条件装置の作動に係る入球口(ここでは特別入球口11)を使用する可能性を確保できる。そして、開放条件装置の作動に係る入球口の存在意義が曖昧になるのを防止でき、雀球遊技機の性能を客観的に明確なものとすることが可能となる。
なお、上述のように、開放条件装置の作動に係る入球口(ここでは特別入球口11)を使用する可能性を確保するが、開放条件装置の作動に係る入球口(ここでは特別入球口11)への入球(入賞)による特段の優位性がないものとすることも可能である。ここでいう「特段の優位性がない」ものの例としては、例えば、遊技者に有利な図柄を取得させないこと(得点の獲得が容易にならないようにすること)等を挙げることができる。
そして、このように入球の優位性を与えない場合には、最初の役判定(S202)や遊技球の発射(S203)の際に、開放条件装置の作動に係る入球口(ここでは特別入球口11)への入球を煽るような特段の演出を行う必要がなくなるといえる。この結果、少なくとも、演出内容を簡略化でき、その分の開発者の負担を他の演出の開発に振り向けることが可能になる。
<<第2実施形態2>>
続いて、第2実施形態2について説明する。この第2実施形態2に関しては、前述の図29に示すように、「システムタイプ」が「1球・ステあり」となっている。つまり、第2実施形態2においては、通常状態における1ゲームの持ち球数は1球であり、捨牌(ステ)が行えるようになっている。
さらに、第2実施形態2においては、「役判定タイミング」が、配牌された図柄数が14枚である場合のみとなっている。また、「1ゲームの発射球数」は、通常状態における1ゲーム中に発射できる遊技球の数が必ず(通常状態中は常に)1球であるようになっている。
図30(b)は、第2実施形態2に係るゲーム性を左から右へ概略的に示している。この第2実施形態2では、通常状態において、遊技開始(BET)に伴い(S211)、14枚の図柄が自動配牌される。そして、自動配牌された14枚の図柄を用いて役判定(S212)が行われ、更に遊技者により捨て牌の操作であるステ(S217)が行われる。ここでの図柄数(持ち牌)は、1枚減少して13枚となっている。
さらに、遊技球の発射(S213)が行われ、いずれかの入球口への入球(S214)があり、取得された1枚の図柄を含めて手牌の図柄枚数が14枚となり、この14枚の図柄を用いて役判定(S215)が行われる。その後は、役判定(S215)の結果に応じた演出等が行われ、当該ゲームが終了する(S216)。
このような第2実施形態2によれば、前述の第2実施形態1と同様に、最初の役判定(S212)においてチャンス役(シングルボーナス(SB)を含む)の成立が判定され、開放条件装置が作動開始した場合に、未だ遊技者の持ち球が使用されていない状況を形成することができる。さらに、このような状況において、遊技球の発射(S213)や入球(S214)が可能である。そして、前述の第2実施形態1とは異なるゲーム性により、前述の第2実施形態1と同様な発明の作用効果を奏することが可能である。
また、第2実施形態2に係る演出として、例えば、遊技開始(S211)や最初の役判定(S212)の段階では、演出用の図柄(図4(b)等に例示するような図柄など)の変動を開始せず、ステ(S217)の段階(ステが可能な期間の開始のタイミング)で図柄の変動を開始することが考えられる。そして、ステ(S217)、発射(S213)を経て、入球(S214)が終わると図柄が停止(確定停止又は仮停止)表示されるようにすることが考えられる。
また、この第2実施形態2では、1ゲームにおいて、発射(S213)までに遊技開始(BET、S211)と、ステ(S217)の2回のボタン操作が行われる。しかし、これに限定されず、例えば、遊技開始(BET、S211)のボタン操作が行われると遊技が開始されてステが可能な制御状態となり、その後の発射(S213)に伴ってステ(S214)が実行されるようにすることも可能である。このようにすることで、ボタン操作の回数を減らすことができ、操作を簡略化することが可能となる。
ここで、ステ(S217)が行われ得る遊技状態において、ステ(S217)に連動した所定の演出を行うことが考えられる。例えば、ステ(S217)の際に、ぱちんこ遊技機における演出用の3桁の図柄である装飾図柄(演出図柄などともいう)を用いるゲーム性を模した演出を行うことが可能である。
より具体的には、遊技者によるステ(S217)の操作があると、第1演出表示装置10(第2演出表示装置16を利用してもよい)において、ぱちんこ遊技機のような装飾図柄の変動を開始し、入球(S214)があると、装飾図柄を停止させるようにする。このようにステ(S217)に合わせた演出を行うことで、ステ(S217)の操作時における遊技が、例えば単調になったり冗長に感じたりするのを防止でき、雀球遊技機10の趣向性を向上することが可能となる。
<<第2実施形態3>>
続いて、第2実施形態3について説明する。この第2実施形態3に関しては、前述の図29に示すように、「システムタイプ」が「1球・ステあり」となっている。つまり、第2実施形態3においては、通常状態における1ゲームの持ち球数は1球であり、捨牌(ステ)が行えるようになっている。
さらに、第2実施形態3においては、「役判定タイミング」が、配牌された図柄数が14枚である場合のみとなっている。また、「1ゲームの発射球数」は、通常状態における1ゲーム中に発射できる遊技球の数が0球となる場合と、1球となる場合があるようになっている。
図31(a)は、第2実施形態3に係るゲーム性を左から右へ概略的に示している。この第2実施形態3では、通常状態において、遊技開始(BET)に伴い(S221)、14枚の図柄が自動配牌される。そして、自動配牌された14枚の図柄を用いて役判定(S222)が行われ、役判定(S222)の結果が遊技者にとって相対的に不利なものである場合(何らの役成立の可能性がないものである場合など)には、当該ゲームを終了させる(強制END、S228)。
しかし、役判定(S222)において、遊技者にとって相対的に有利なものである場合(何らの役成立の可能性があるものである場合など)には、ステ(S227)が行われる。ここでの図柄数は、1枚減少して13枚となっている。
さらに、遊技球の発射(S223)が行われ、いずれかの入球口への入球(S224)があり、取得された図柄を含めて手牌の図柄枚数が14枚となり、この14枚の図柄を用いて役判定(S225)が行われる。その後は、役判定(S225)の結果に応じた演出等が行われ、当該ゲームが終了する(S226)。
このような第2実施形態3によれば、前述の第2実施形態1や第2実施形態2とは異なるゲーム性により、前述の第2実施形態1や第2実施形態2と同様に、開放条件装置が作動開始した場合に、未だ遊技者の持ち球が使用されていない状況を形成することができる。そして、前述の第2実施形態1や第2実施形態2と同様な発明の作用効果を奏することが可能である。
さらに、第2実施形態3によれば、最初の役判定(S222)においてチャンス役(シングルボーナス(SB)を含む)の成立が判定され、判定結果に応じて、遊技球の発射を行える状態となるか否かが決まる。そして、役判定(S222)の結果が、遊技者にとって相対的に不利なものである場合には、ステや遊技球の発射を行える状態となることなく当該ゲームが終了する(強制END、S228)。
これに対し、最初の役判定(S222)の結果が、遊技者にとって相対的に有利なものである場合には、ステ(S227)を経て、遊技球の発射を行える状態となる。そして、前述の第2実施形態1や第2実施形態2と同様に、発射(S223)や入球(S224)の後、2回目の役判定(S225)を経て当該ゲームが終了する(S226)。
このため、最初の役判定(S222)の結果が所定の場合(ここでは遊技者にとって相対的に有利なものである場合)のみ遊技球の発射(S223)を行うといったゲーム性を実現できる。
例えば、遊技開始(BET、S221)の段階において、BET操作を1回行うと、役判定(S222)の結果が遊技者にとって相対的に有利なものとなるまで、所定のストーリーの演出が継続して出力される、といった演出態様を採用することが可能である。
また、ステ(S227)や発射(S223)を行える状況に進んだ場合に、遊技者にとって有利な入球口への入球を煽るような態様の演出を行うことが可能である。このように有利な入球口への入球を煽るような態様の演出を、例えば「チャレンジ入球演出」などと称することが可能である。
ここで、「チャレンジ入球演出」として、第2実施形態2で説明したような、ぱちんこ遊技機の装飾図柄を模したような演出を行うことが考えられる。例えば、ステ(S227)の操作があると、第1演出表示装置10(第2演出表示装置16を利用してもよい)において、装飾図柄をテンパイの状態(リーチの状態)とするような演出を行い、入球(S224)で装飾図柄を停止させる、といったものを例示できる。
そして、このような「チャレンジ入球演出」を設けることにより、例えば、「チャレンジ入球演出」が出現するまでは、複数回のゲームに亘りステ(S227)へ進むことなくゲームが繰り返され、各ゲームにおいて図柄の変動と停止が繰り返され、当該演出が出現して初めて遊技者がステや、遊技球の発射を行える、といったゲーム性を実現することが可能となる。
さらに、例えば、遊技開始(BET、S221)から所定時間(1秒など)が経過すると遊技者がボタン操作を行って演出をスキップできるような機能(所謂演出スキップ機能)を備え、ステ(S227)へ進まない場合は遊技者が演出をキャンセルし、当該ゲームを終了して次ゲームへ進めるようにすることも考えられる。このようにすることで、ゲーム進行の効率を高めることができる。そして、単位時間あたりのゲーム数を増やして、雀球遊技機の稼働率を高めることが可能となる。
また、役判定(S222)の結果が遊技者にとって相対的に有利なものである場合(何らの役成立の可能性があるものである場合など)としては、例えば、前述のT図柄(図3(a)、(b)を援用)が所定枚数(1枚など)以上あるような場合を例示できる。また、役判定(S222)の結果が遊技者にとって相対的に不利なものである場合(何らの役成立の可能性がないものである場合など)としては、例えば、前述のT図柄(図3(a)、(b)を援用)が1枚もない場合のような場合を例示できる。
また、このような第2実施形態3によれば、ステを毎ゲーム行うことなく、遊技者が役成立の期待感を持てるチャンス時に限りステや発射を行うようにして、通常状態における迅速なゲーム進行を可能とすることができる。
ここで、第2実施形態3や後述する第2実施形態4のように、ステを行わずに遊技を終了できるタイプの雀球遊技機は、以下のようなものであると捉えることができる。例えば、
遊技者により1ゲームの開始の際に操作される遊技開始操作手段(遊技開始ボタンなど)と、
遊技者により1ゲームの終了の際に操作される遊技終了操作手段(遊技終了ボタンなど)と、
遊技領域に配置され複数種の図柄に対応する複数の入球口(図柄入球口など)と、
遊技領域に向けて遊技球を発射可能な遊技球発射手段(発射装置など)と、
遊技者により図柄のステの際に操作されるステ操作手段(図柄選択(A~C)ボタンなど)と、
遊技を制御するための遊技制御手段(主制御装置を含む制御手段など)と、を備え、
前記遊技開始操作手段の操作に基づいて所定数の図柄の自動設定が行われ、
少なくとも通常状態時には1ゲームにつき2球の発射が可能であり、
1ゲームにつき1回の図柄のステが可能であり、
1ゲームにおいて、
1球目の入球から図柄のステまでの間に、自動設定された図柄の数に1を加えた図柄数(14枚、15枚など)で役判定が行われ、
1図柄のステの後の2球目の入球から当該ゲームの終了までの間に前回の役判定と同じ図柄数で役判定が行われ、
1球目の入球から図柄のステまでの間に、より遊技者に有利な役の当せんの可能性がなければ、図柄のステを行わず当該ゲームを終了(強制ENDなど)させることが可能であることを特徴とする雀球遊技機、といったものである。なお、これに限らず、要旨を逸脱しない範囲で、種々な捉え方を採用することが可能である。
<<第2実施形態4>>
続いて、第2実施形態4について説明する。なお、第2実施形態3と同様な部分や、同様な作用効果については、適宜その説明を省略する。この第2実施形態4に関しては、図29に示すように、「システムタイプ」が「2球・ステあり」となっている。つまり、第2実施形態4においては、通常状態における1ゲームの持ち球数は2球であり、捨牌(ステ)が行えるようになっている。
さらに、第2実施形態4においては、「役判定タイミング」が、自動配牌された段階(図柄数が14枚の段階)にはなく、配牌された図柄数が15枚である場合のみとなっている。また、「1ゲームの発射球数」は、通常状態における1ゲーム中に発射できる遊技球の数が1球となる場合と、2球となる場合があるようになっている。
図31(b)は、第2実施形態4に係るゲーム性を左から右へ概略的に示している。この第2実施形態4では、通常状態において、遊技開始(BET)に伴い(S231)、14枚の図柄が自動配牌される。しかし、この段階では役判定が行われず、遊技球の発射(S243)が可能な制御状態となる。
そして、遊技球の発射(S243)が行われ、いずれかの入球口への入球(S244)があり、取得された図柄が追加されて手牌の図柄枚数が15枚となり、この15枚の図柄を用いて役判定(S232)が行われる。そして、役判定(S232)の結果が、遊技者にとって相対的に不利なものである場合(何らの役成立の可能性がないものである場合など)には、当該ゲームを終了させる(強制END、S238)。
しかし、役判定(S232)において、役判定(S232)の結果が遊技者にとって相対的に有利な場合(何らかの役成立の可能性がある場合など)には、ステ(S237)が行われる。ここでの図柄数は、1枚減少して14枚となっている。
さらに、遊技球の発射(S233)が行われ、いずれかの入球口への入球(S234)があり、取得された図柄を含めて手牌の図柄枚数が15枚となり、この15枚の図柄を用いて役判定(S235)が行われる。その後は、役判定(S235)の結果に応じた演出等が行われ、当該ゲームが終了する(S236)。
このような第2実施形態4によれば、前述の第2実施形態1~3とは異なるゲーム性により、前述の第2実施形態1~3と同様に、開放条件装置が作動開始した場合に、未だ遊技者の持ち球が使用されていない状況を形成することができる。そして、前述の第2実施形態1~3と同様な発明の作用効果を奏することが可能である。
また、第2実施形態4によれば、各ゲームにおいて必ず1球の発射(S243)が行われ、入球(S244)に伴い15枚目の図柄が取得される。さらに、最初の役判定(S232)においてチャンス役(シングルボーナス(SB)を含む)の成立が判定され、判定結果に応じて、遊技球の発射を行える状態となるか否かが決まる。そして、役判定(S232)の結果が、遊技者にとって相対的に不利なものである場合には、遊技球の発射を行える状態となることなく当該ゲームが終了する(強制END、S238)。
これに対し、最初の役判定(S232)の結果が、遊技者にとって相対的に有利なものである場合には、ステ(S237)を経て、遊技球の発射を行える状態となる。そして、前述の第2実施形態1~3と同様に、発射(S233)や入球(S234)の後、2回目の役判定(S235)を経て当該ゲームが終了する(S236)。
このため、最初の役判定(S232)の前に必ず1球の発射が行われ、役判定(S232)の結果が所定の場合(ここでは遊技者にとって相対的に有利なものである場合)のみ、2球目の遊技球の発射(S233)を行うといったゲーム性を実現できる。
ここで、最初の役判定(S232)の結果が遊技者にとって相対的に有利なものである場合(何らの役成立の可能性があるものである場合など)としては、例えば、第2実施形態3と同様に、前述のT図柄(図3(a)、(b)を援用)が所定枚数(1枚など)以上あるような場合を例示できる。
また、最初の役判定(S232)の結果が遊技者にとって相対的に不利なものである場合(何らの役成立の可能性がないものである場合など)としては、例えば、これも第2実施形態3と同様に、前述のT図柄(図3(a)、(b)を援用)が1枚もないような場合を例示できる。
さらに、前述の第2実施形態3においては、遊技開始(BET、S221)の際にのみ、役判定(S222)の結果に応じて、前述した「チャレンジ入球演出」が出現する演出態様を例示した。しかし、この第2実施形態4においては、遊技開始(BET、S231)の際のみでなく、1球目の発射(S243)や入球(S244)の後にも「チャレンジ入球演出」のような、役成立の可能性があることを示唆するような演出が出現し得るゲーム性を実現できる。
また、このような第2実施形態4によれば、1球目の発射(S243)や入球(S244)の後、チャンス時には、ステ(S237)を経て、発射(S233)、入球(S234)、役判定(S235)を経由するゲームを実行することが可能となり、より新規なゲーム性を実現できる。
さらに、状況に応じて2球の発射を可能とすることで、役成立の可能性がない場合は1球での迅速なゲームを実施し、役成立の可能性がある場合は、2球を使用することで、多少の所要時間の拡大を伴いながらも、ゲーム性や演出の拡がりを与えるゲーム性を実現できる。
<<第2実施形態4-1>>
なお、この第2実施形態4に係るより具体的なゲーム性(以下では「第2実施形態4-1」とする)としては、以下のようなものを例示することができる。先ず、役の種類として、図32の図表における中段から下段に示すように、BB(ビッグボーナス)、SB(シングルボーナス)、小役を設ける。
さらに、BBの当せん確率を約1/173程度、ラウンド数を14R、遊技メダルの獲得枚数を420枚とする。ここでの「獲得枚数」は、1ゲームの払い出し枚数である30とラウンド数である14の積とし、1ゲーム毎の投入枚数の合計を減算しないこととしている。
また、SBの当せん確率を約1/44.0程度、ラウンド数を1R(そのときのゲームのみ)、遊技メダルの払出枚数を5枚とする。さらに、小役の当せん確率を約1/5.8程度、ラウンド数を1R(そのときのゲームのみ)、遊技メダルの払出枚数を5枚とする。
また、図柄の構成は、例えば、前述のT図柄(図3(a)、(b)を援用)と、他の一部の図柄(ここでは図3(a)、(b)のW図柄を援用)のみが役当せんに必要な図柄であるものとする。そして、BBは、T図柄(図3(a)、(b)を援用)が5枚以上で成立するようにする。さらに、SBは、T図柄(図3(a)、(b)を援用)が3枚と、特殊図柄(同じく図3(a)、(b)のW図柄を援用)が1枚との組合せにより成立するようにする。また、小役は、T図柄が4枚の場合、或いは、T図柄が3枚(特殊図柄なし)の場合に成立するようにする。
さらに、T図柄の取得率(T図柄の入球口への入球率)は、遊技者が遊技球を発射した場合に約48%程度でT図柄を取得できるようなものとすることが考えられる。ただし、このT図柄の取得率は、総合的に算出されるもので、通常状態から1回目のBBが発生する確率を約1/464とし、このBB中のBB(2回目のBB)の発生する確率を約1/55などのようにして、合成確率として約48%程度となるようにすることが考えられる。
続いて、この第2実施形態4-1において採用が可能な演出の流れの一例をゲーム性とともに説明する。図33は、第2実施形態4-1の雀球遊技機に係る演出の流れとゲーム性を例示している。先ず、図中の左端部に示すように「BET」、「発射」、「入球」の順で遊技が進む。
そして、「BET」に伴う自動配牌時にT図柄が所定枚数(ここでは1枚)以上含まれず、「入球」により獲得された図柄もT図柄でない場合には、チャンスの遊技状態(後述する)とはならない(非チャンスの遊技状態となる)。しかし、「BET」や「入球」の際に、T図柄が所定枚数(ここでは1枚)以上含まれる場合には、チャンスの遊技状態(後述する)となる。
さらに、図33中で「入球」から右の真横に示すようにチャンスの遊技状態とならない場合(非チャンスの場合)には、「短縮変動」を行うことが考えられる。この「短縮変動」は、相対的に短い時間(例えば1秒程度)の図柄変動のみを行うものとすることが可能である。
ここで、図柄変動としては、例えば、第1演出表示装置10(或いは第2演出表示装置16)において、3桁の数字図柄を「発射」の検出や、「入球」の検出などに基づき、停止状態からスクロールさせ、所定の変動時間が経過すると、停止(確定停止)させるようなものを例示できる。
また、変動時間としては、所定のタイミングから予め定められた時間、或いは、所定の遊技状態(「BET」、「発射」など)が検出されたタイミングから所定の遊技状態(「入球」など)が検出されるまでの時間、等を例示できる。
さらに、前述した「短縮変動」の開始タイミングについては、「入球」が検出された際などを例示できる。或いは、「発射」を検出し、「発射」から所定時間(例えば2秒程度)で「短縮変動」を開始し、「入球」が検出され、T図柄の取得がなかった場合に「短縮変動」の態様での停止(確定停止)を行う、といったことも考えられる。
一方、チャンス時には、「入球」から下方へ分岐させて示すように、2球目の発射が可能となるか否かの期待を煽る内容の演出(煽り変動演出)が実行される。ここで、このような演出(煽り変動演出)は、「BET」に伴う自動配牌から、「入球」によりどの入球口に入球があったかが確定するまでの段階で行うことが考えられる。
そして、演出(ここでは煽り変動)の開始段階での態様は、上述の「短縮変動」の場合と共通とし、「BET」伴う自動配牌の際にT図柄が含まれていた場合には、変動の途中から煽り変動の態様に変化する、といったようにすることも可能である。
また、「入球」によりT図柄が取得された段階で、煽り変動の固有の態様での演出が始まる、といったようにすることも可能である。さらに、煽り変動演出としては、例えば所定のミッションに成功したか失敗したかにより遊技者の有利/不利を表すようなミッション演出を行うことが考えられる。
さらに、ミッション演出が行われた場合には、ミッション失敗の演出(失敗演出)が実行されて2球目の発射ができない場合と、ミッション成功の演出(成功演出)が実行されて2球目の発射ができる場合とがあるようにする。そして、2球目の発射が可能となる場合には、「ステ」の操作があり、更に図中の右側に示すように、2回目の「発射」、「入球」を経て、T図柄の取得枚数が増えない場合と、増える場合があるようにする。
ここで、「ステ」が行われ得る遊技状態において、「ステ」に連動した所定の演出を行うことが考えられる。例えば、「ステ」の操作に係る図柄選択(A~C)ボタン19a~19cにLED基板を内蔵しておき、これらの図柄選択(A~C)ボタン19a~19cを光らせて、「ステ」が可能であることを報知することが考えられる。
また、「ステ」の操作に係る所定の演出を、第1演出表示装置10や第2演出表示装置16を利用して行うことも可能である。さらに、第1演出表示装置10や第2演出表示装置16において、ぱちんこ遊技機における演出用の3桁の図柄である装飾図柄(演出図柄などともいう)を用いるゲーム性を模した演出を行うことなども可能である。
このように「ステ」に合わせた演出を介在させることで、「ステ」の操作時における遊技が、例えば単調になったり冗長に感じたりするのを防止できる。そして、遊技を円滑に2球目の発射に繋げて、雀球遊技機10の趣向性を向上することが可能となる。
以上のように具体化した第2実施形態4-1によれば、第2実施形態4の新規なゲーム性に適した内容で、雀球遊技や演出を進行させることができる。
<第3実施形態(ボーナスの上乗せを可能とするための実施形態)>
次に、他の実施形態(第3実施形態)に係る雀球遊技機として、ボーナスの上乗せにより連荘(連続性をもった複数回のボーナスの発生)を可能としたものを検討する。ここで、ボーナスの「上乗せ」の態様としては、例えば、所定のボーナスに係るゲーム(特別遊技となるボーナスゲーム)の最中(最終ラウンドを含む)に、通常遊技に戻るといった期間を挟まずに(間を空けずに)ボーナスが発生する態様を挙げることができる。
このようなボーナスの「上乗せ」を検討するのは、雀球遊技機について、例えばぱちんこ遊技機や回胴式遊技機などのように、連荘性をもたせて遊技者の利益を拡大し得るようにし、趣向性を向上するためである。しかし、雀球遊技機を含む各種の遊技機においては、射幸性が過大にならないようにすることも必要である。そこで、発明者らは、ボーナスの上乗せを適正に行うため、複数の要素(「操作要素」や「変更要素」などともいう)を選定し、各要素の変更の有無に基づき有効な制御態様を検討した。
図34の図表における各列は、ボーナスの上乗せに係る制御を行うため、発明者らが選出した要素の組合せと、各要素の変更の有無を示している。発明者らが選出した要素は、「ボーナステーブル」、「ラウンド数」、「得点増加」、及び、「持ち球数」である。さらに、各要素に対して示されている「○」、「△」、及び「×」の記号は、ボーナス発生時における各要素の変更の有無を表している。そして、「○」、「△」、及び「×」の各記号は、順に、「変更あり」、「どちらでも可」、及び、「変更なし」を意味している。
また、図34の図表における各行には、複数のゲーム性が示されている。図34に示すのゲーム性は、第3実施形態1~3の3タイプである。これらのゲーム性は、上述の各要素のうちの「ボーナステーブル」に着目すると、2つのグループに分けることができる。
そのうちの1つのグループは、異なる「ボーナステーブル」を参照することができないもの(図34中の「×」のもの)であり、これには第3実施形態1及び2が該当している。また、もう1つのグループは、異なる「ボーナステーブル」を参照することができるものであり、これには第3実施形態3が該当している。
ボーナスの上乗せを行う各種の実施形態に関し、「ボーナステーブル」は、少なくともボーナスの種類を定めたテーブルを意味している。この「ボーナステーブル」としては、前述の実施形態で説明したようなもの(図23(b)に示すようなもの)のほか、種々のものを採用可能であるが、より具体的な例については後述する。
さらに、ボーナスの上乗せを行う各種の実施形態に関し、異なる「ボーナステーブル」を参照することができるとは、例えば、相対的に先のボーナス抽選で用いられたボーナステーブルに対し、後のボーナス抽選で異なるボーナステーブルを用いるようなことを意味している。
例えば、1回目のボーナス抽選の際には所定のボーナステーブル(第1ボーナステーブルなどともいう)を用い、2回目のボーナス抽選の際には他の所定のボーナステーブル(第2ボーナステーブルなどともいう)を用いるような雀球遊技機は、「ボーナステーブル」の変更がある(「○」である)タイプのものに分類している。
これに対し、例えば、1回目のボーナス抽選の際には所定のボーナステーブル(第1ボーナステーブルなどともいう)を用い、次のボーナス抽選の際にも同じボーナステーブル(第1ボーナステーブルなどともいう)を用いる雀球遊技機は、異なる「ボーナステーブル」を参照することができない(「×」である)タイプのものに分類している。
続いて、「ラウンド数」の変更は、例えば、相対的に先のボーナス抽選で決定されたボーナスに対して定められたラウンド数と、後のボーナス抽選で決定されたボーナスに対して定められたラウンド数が異なるようなことを意味している。
例えば、1回目のボーナス(第1ボーナスなどともいう)では7Rのゲームが可能であり、2回目のボーナス(第2ボーナスなどともいう)では14Rのゲームが可能となるような雀球遊技機は、「ラウンド数」の変更がある(「○」である)タイプのものに分類している。これに対し、例えば、1回目のボーナスと2回目以降のボーナスで、いずれも7Rでボーナスが終了する雀球遊技機は、「ラウンド数」の変更がない(「×」である)タイプのものに分類している。
続いて、「得点増加」の変更は、雀球遊技機における前述の得点増加装置に係る機能(作動する得点増加装置の個数など)の変更を意味しており、相対的に先のボーナス抽選で決定されたボーナスにおける得点増加装置の機能と、後のボーナス抽選で決定されたボーナスにおける得点増加装置の機能が異なるようなことを意味している。
さらに、「得点増加」の変更があり得る雀球遊技機としては、ボーナスが作動したときの状態に応じて得点増加装置の作動と非作動とを切り替えるようなもの、又は、ボーナスが作動したときの状態に応じて倍率の変更を行うようなもの、などを例示できる。
続いて、「持ち球数」の変更は、例えば、相対的に先のボーナス抽選で決定されたボーナスにおける各ゲームの持ち球数数と、後のボーナス抽選で決定されたボーナスにおける各ゲームの持ち球数が異なるようなことなどを意味している。
より具体的には、1回目のボーナス(第1ボーナスなどともいう)では各ゲームにおける持ち球数が3個であるのに対し、2回目のボーナス(第2ボーナスなどともいう)では各ゲームにおける持ち球数が15個となる雀球遊技機は、「持ち球数」の変更がある(「○」である)タイプのものとしている。これに対し、例えば、1回目のボーナスと2回目のボーナスで、いずれも持ち球数が5球である雀球遊技機は、「持ち球数」の変更がない(「×」である)タイプのものとしている。
また、「持ち球数」の変更については、例えば、1回(1種類)のボーナスのボーナスゲームに関し、複数のゲーム(ラウンド)で一定でないようなものも採用することが可能である(例えば、後述する第3実施形態1-1、第3実施形態1-1-2、第3実施形態1-1-2など)。
続いて、図34の各行に示された前述の第3実施形態1~3について、順に説明する。なお、ここでは第3実施形態1~3の各々について概要を説明し、より詳細な事項については、第3実施形態1~3の各具体例として後述する。
<<第3実施形態1~3>>
先ず、第3実施形態1に関しては、図34に示すように、「ボーナステーブル」、「ラウンド数」、「得点増加」がいずれも「×」となっており、「持ち球数」が「〇」となっている。つまり、第3実施形態1は、先のボーナス(上乗せ前のボーナス)と後のボーナス(上乗せされるボーナス)とで、「ボーナステーブル」、「ラウンド数」、及び、「得点増加」が変化せず、「持ち球数」が変化するものとなっている。
続いて、第3実施形態2に関しては、図34に示すように、「ボーナステーブル」が「×」となっており、「ラウンド数」が「〇」となっている。また、「得点増加」が「▲」となっており、「持ち球数」が「〇」となっている。つまり、第3実施形態2においては、先のボーナスと後のボーナス(上乗せされるボーナス)とで、「ボーナステーブル」が変化せず、「ラウンド数」と「持ち球数」が変化するものとなっている。さらに、「得点増加」は、機能を変化させる態様と、変化させない態様のいずれも採用可能となっている。
続いて、第3実施形態3に関しては、図34に示すように、「ボーナステーブル」が「〇」となっており、「ラウンド数」と「得点増加」が「▲」となっており、「持ち球数」が「〇」となっている。つまり、第3実施形態3においては、先のボーナスと後のボーナス(上乗せされるボーナス)とで、「ボーナステーブル」と「持ち球数」が変化し、「ラウンド数」と「得点増加」は、変化する態様と、変化しない態様のいずれも採用可能となっている。
<第3実施形態1に係る具体例>
<<第3実施形態1-1>>
次に、前述した各種の第3実施形態1~3について、より具体的に説明する。先ず、第3実施形態1においては、前述したように、先のボーナス抽選と後のボーナス抽選で、テーブルの変更は行われず(「ボーナステーブル」が「×」)、共通のボーナステーブルが用いられる。さらに、ラウンド数や得点増加装置にも変更がなく(「ラウンド数」や「得点増加」が「×」)、持ち球数が変化する(「持ち球数」が「○」)。
そして、第3実施形態1に係る具体例(以下では「第3実施形態1-1」とする)としては、図35(a)、(b)に示すようなものを例示できる。図35(a)は、この第3実施形態1-1において用いることが可能なボーナステーブルを例示している。図35(a)のボーナステーブルには、複数種類(ここでは4種類)のボーナスが定められている。そして、4種類のボーナスとして、RB(レギュラーボーナス)、BB(下位のビッグボーナス)、SBB(中位のビッグボーナス)、HBB(上位のビッグボーナス)が設けられている。
これらのうちRBは、ラウンド数が4R、獲得枚数(遊技者の獲得メダル枚数)が81枚、作動割合(発動割合)が45%のボーナスとなっている。また、BBは、ラウンド数が7R、獲得枚数が162枚、作動割合が40%のボーナスとなっている。さらに、SBBは、ラウンド数が11R、獲得枚数が270枚、作動割合が10%のボーナスとなっており、HBBは、ラウンド数が14R、獲得枚数が351枚、作動割合が5%のボーナスとなっている。
ここで、各ボーナスのラウンド数は、ボーナスに当せんした際のゲーム(ボーナス当せんゲーム)を含めた数で表している。このため、ボーナス当せんゲームを除いて表記した場合には、各ボーナスのラウンド数は、RBが3R、BBが6R、SBBが10R、HBBが13Rとなる。
また、例えば、先のボーナス抽選(ここでは1回目のボーナス抽選とする)においては、4種類全てのボーナスに選択される可能性がある。そして、1回目のボーナス抽選においてRBが選ばれたとすると、次のボーナス抽選(ここでは2回目のボーナス抽選とする)でも、共通のボーナステーブルが用いられ、選択される可能性があるのは4種類全てのボーナスであるが、選択されてから上書き(書き換え)が可能とされるのは、RBよりもラウンド数が多いボーナス(ここではBB、SBB、HBBのいずれか)となる。
また、1回目のボーナス抽選においてBBが選ばれたとすると、2回目のボーナス抽選でも、共通のボーナステーブルが用いられるが、選択の後に上書きされる可能性があるのは、BBよりもラウンド数が多いボーナス(ここではSBB、HBBのいずれか)となる。
また、1回目のボーナス抽選においてSBBが選ばれたとすると、2回目のボーナス抽選でも、共通のボーナステーブルが用いられるが、選択の後に上書きされる可能性があるのは、SBBよりもラウンド数が多いボーナス(ここではHBB)となる。
ここで、以下では、ラウンド数が相対的に少ないボーナスを下位のボーナスと称し、ラウンド数が相対的に多いボーナスを上位のボーナスと称することとする。例えば、上述の4種類のボーナスのうち、RB(4R)は最下位のボーナスとなり、HBBが最上位のボーナスとなる。そして、BBは、RBよりも上位でSBBよりも下位となり、SBBは、BBよりも上位でHBBよりも下位となる。
このような各種のボーナスのいずれのラウンドにおいても、役判定が行われ、ボーナスが発生する場合があり得るようになっている。そして、例えば、最終ラウンドである4R目で2回目のボーナスが発生した場合には、1回目のボーナスを最大ラウンド(ここでは4R)まで完遂して、2回目のボーナス(ここではBB、SBB、HBBのいずれか)に移行することとなる。
しかし、RBの1R目(第1回目のボーナスに当せんしたときの当該ゲーム)~3R目のいずれかで2回目のボーナスが発生し、ボーナスゲーム(特別遊技)に移行する場合がある。これらのうちのいずれの場合も、1回目のボーナスを最大ラウンド(ここでは4R)まで完遂(消化)しないまま、2回目のボーナス(ここではBB、SBB、HBBのいずれか)に移行することとなる。
図35(b)に示す例では、最上段に示す1回目のボーナスがRBであり、ボーナスゲームの各ラウンドが、実線、或いは、二点鎖線の矩形(マス)によって表されている。そして、このRBにおける2R目で、次段に示すように2回目のボーナスであるRBが発生している。さらに、この1回目のボーナス(RB)については、二点鎖線で示すように、3~4R目のボーナスゲームが行われないこととなる。
また、2回目のボーナスであるBBにおいては、4R目で、次段に示すように3回目のボーナスであるSBBが発生している。このため、2回目のボーナスについては、二点鎖線で示すように、5~7R目のボーナスゲームが行われないこととなる。
ここで、そのときに実行されているボーナスゲームから次回のボーナスへ移行するのは、ボーナスが発生したラウンド(ゲーム)が終了した後となっている。また、2回目以降のボーナスは、ここで説明したタイミングに限られるものではなく、どのタイミング(ラウンド)でも発生し得るものである。
さらに、この第3実施形態1-1では、ボーナスの種類ごとに「持ち球数」を異ならせることが可能である。例えば、最上位のボーナス(ここでHBB)における各ゲームの持ち球数を25球とし、降順で次の順位のボーナス(ここではSBB)における各ゲームの持ち球数を15球などとすることが可能である。また、降順で更に次の順位のボーナス(ここではBB)における各ゲームの持ち球数を8球とし、次の順位のボーナス(ここではRB)における各ゲームの持ち球数を4球などとすることが可能である。
さらに、例えば、持ち球数が増えるほど上位のボーナスに係る当せんの可能性が高まる、といったゲーム性を採用することも可能である。より具体的には、図示は省略するが、RB中の各ゲームにおける4球の持ち球では1/200の割合でBBに移行でき、BB中の各ゲームにおける8球の持ち球では1/20の割合でSBBに移行でき、更に、SBB中の各ゲームにおける15球の持ち球では1/4.4の割合でHBBに移行できる、といったようなゲーム性を採用することが考えられる。
さらに、「持ち球数」を異ならせる態様として、例えば、RBでは最後のラウンド(ここでは4R目)で発射球数が増加し(付加され)、BBでは残りの3Rで持ち球数が増加する(付加される)といったようにすることが可能である。
また、相対的に下位のボーナスに係るボーナスゲームを実行しないようにするために、種々の態様の処理を採用可能である。例えば、相対的に下位のボーナスは、当せんしても当せんを無効とし、ボーナスゲームへの移行のための処理を行わないようにすることが考えられる。さらに、通常状態から最上位のボーナス(ここではHBB)に当せんした場合は、ボーナス状態中のボーナス抽選の処理を飛ばして、ボーナス抽選を実行しないようにすることが考えられる。
以上説明したように、第3実施形態1-1では、各ボーナス抽選において同一(共通)のボーナステーブル(図35(a))が用いられる。さらに、ボーナスの上乗せは、先のボーナスに対してラウンド数が多い上位のボーナスのみを用いて行われる。このため、ボーナスの上乗せを、ボーナスの種類ごとに1回のみ行うことができる。さらに、ボーナスの上乗せを、先のボーナスについて記憶された情報(ボーナスの種類や、ボーナスゲームの内容に係る情報)に上書きしながら、最上位のボーナスまでを限度として行うことができる。
したがって、無制限にボーナスが連続するようなことを防ぎながらボーナスの上乗せを行うことが可能となる。そして、射幸性を適度に抑えながら、ボーナスの上乗せを適正に行うことが可能となる。
ここで、この第3実施形態1-1のようなタイプの雀球遊技機は、以下のようなものであると捉えることができる。例えば、
遊技領域に配置され複数種の図柄に対応する複数の入球口(図柄入球口など)と、
遊技領域に向けて遊技球を1球ずつ発射可能な遊技球発射手段(発射装置など)と、
遊技を制御するための遊技制御手段(主制御装置を含む制御手段など)と、を備え、
遊技球がいずれかの前記入球口に入球すると当該入球口に対応した図柄を遊技者が取得した図柄となり、
遊技者が取得した図柄の組合せが所定条件を満たすとボーナス(第3実施形態1-1や後述する第3実施形態1-1-1、第3実施形態1-1-2の各実施形態に係るボーナスなど)に当せんし、
前記ボーナスには遊技者の有利度合が異なる複数種のボーナスがあり、
前記複数種のボーナスは、前記遊技制御手段が参照するボーナステーブルに予め定められており、
ボーナス状態と、いずれのボーナス状態でもないゲームが進行する通常状態とで同じボーナステーブルが参照され、
いずれかの前記ボーナスに当せんすると、当せんしたボーナスに対応したボーナス状態へ移行可能となり、
ボーナス状態中に他のボーナスに当せんして当該他のボーナスに対応するボーナス状態へ移行する場合があり、
当該他のボーナスが、当該他のボーナスの当せん時におけるボーナスよりも遊技者の有利度合(ラウンド数など)を向上するボーナス(相対的に上位のボーナスなど)である場合には、当該他のボーナスに対応したボーナス状態に移行し、
当該他のボーナスが、当該他のボーナスの当せん時におけるボーナスよりも遊技者の有利度合を向上するものでない場合には、当該他のボーナスに対応したボーナス状態に移行しないことを特徴とする雀球遊技機、といったものである。なお、これに限らず、要旨を逸脱しない範囲で、種々な捉え方を採用することが可能である。
<<第3実施形態1-1の基本的概念の活用策>>
続いて、上述したような第3実施形態1-1の基本的概念をより有効に活用できるようにするためのゲーム性や演出について説明する。第3実施形態1-1の基本的概念を活用できるようなゲーム性としては、種々のものを考えることができるが、自動配牌の有無によって2種類のゲーム性を例示することが可能である。以下では、第3実施形態1-1の基本的概念を活用した雀球遊技機の複数の実施形態について、第3実施形態1-1-1や第3実施形態1-1-2の枝番を付して説明する。
<<<第3実施形態1-1-1(非自動配牌タイプ)>>>
先ず、第3実施形態1-1-1としては、自動配牌を行わないタイプ(自動配牌なしの非自動配牌タイプ)のものを挙げることができる。例えば、通常状態時の各ゲームにおける配牌数を、比較的少ない所定数(ここでは3枚)とする。
図36は、第3実施形態1-1-1(非自動配牌タイプ)に係る雀球遊技機のゲーム性をフローチャートにより表している。この第3実施形態1-1-1においては、ボーナステーブルに複数(ここでは3種類)のボーナスが定められており、先のボーナス抽選と後のボーナス抽選とでボーナステーブルの変更はなく、共通のボーナステーブルが用いられる。また、ボーナスの上乗せは、先のボーナスよりも上位のボーナスによってのみ行われる。
第3実施形態1-1-1に係るボーナステーブル(図示略)には、BB(ノーマル)、Vip_BB、Premium_BBの3種類のボーナスが定められている。これらのボーナスのうちBB(ノーマル)は、図36に示すように、ラウンド数が3R、獲得枚数(遊技者の獲得メダル枚数=払出し枚数-投入数)が75~102枚のボーナスとなっている。
ここで、BB(ノーマル)における獲得メダル枚数が変動し得るもの(ここでは75~102枚)となっているのは、BB(ノーマル)が必ずしも毎ゲーム、最大払出し枚数(ここでは30枚)を払出すゲーム性のものとはしないことを想定しているためである。
そして、このようなゲーム性を実現するためには、BB(ノーマル)中の1ゲーム(1R)における持ち球数を、例えば、4球や8球などのように、通常状態時の持ち球数(例えば2個)の数倍(4倍以内など)とすることが考えられる。これに対して、Vip_BBやPremium_BBでは、1ゲーム(1R)における持ち球数を、例えば、通常状態時の持ち球数(例えば2個)の4倍超以上(より好ましく10~15倍程度)とすることが考えられる。
ここで、上述のように、持ち球数を抑制したゲームでは、遊技者が有利な図柄に対応した入球口(T図柄の入球口など)をよく狙って遊技球を発射しなければ、払出枚数の多い役を成立させることは難しい。このため、このようなBB(ノーマル)における演出を、例えば「ビタ打ちチャレンジ」などと称することが考えられる。
また、Vip_BBは、ラウンド数が9R、獲得枚数が243枚(最終ラウンドの最後まで完遂した場合)のボーナスとなっている。さらに、Premium_BBは、図36の左寄りの部位に示すようにラウンド数が13R、獲得枚数が372枚のボーナスとなっている。
つまり、BB(ノーマル)が最下位のボーナスであり、Premium_BBが最上位のボーナスとなっている。そして、BB(ノーマル)はVip_BB又はPremium_BBによって上書きされる場合がある。また、Vip_BBは、Premium_BBによって上書きされる場合がある。
ここで、各ボーナスのラウンド数は、ボーナスに当せんした際のゲーム(ボーナス当せんゲーム)を含めない数で表している。このため、ボーナス当せんゲームを含めると、各ボーナスのラウンド数は、BB(ノーマル)が4R、Vip_BBが10R、Premium_BBが14Rとなる。
そして、図36の左端部に示すBB作動時(1回目のボーナス作動時)には、右側に分岐させて示すように、BB(ノーマル)及びPremium_BBのうちの何れかが発生するようになっている。
図36中のBB作動時(1回目のボーナス作動時)からBB(ノーマル)又はPremium_BBへの分岐は、1回目のBBが、BB(ノーマル)及びPremium_BBのうちのいずれか一方になることを表している。そして、BB作動時におけるBB(ノーマル)の発生確率を例えば95.3%とし、Premium_BBの発生確率を4.7%とすることなどが考えられる。
さらに、1回目のBBでBB(ノーマル)が発生した場合には、右側に分岐させて示すように、Vip_BBが上乗せされる場合と、上乗せが発生せずにBB(ノーマル)が終了する場合がある。そして、Vip_BBが上乗せされる確率を50%とし、Vip_BBが上乗せされずにBB(ノーマル)が終了する割合を50%とすることなどが考えられる。
また、Vip_BBが上乗せされた場合には、右側に分岐させて示すように、Premium_BBが更に上乗せされる場合と、上乗せが発生せずにVip_BBが終了する場合がある。そして、Premium_BBが上乗せされる割合を35.4%とし、ボーナスゲームが終了する割合を64.6%とすることなどが考えられる。
また、各々のボーナスに当せんした場合には、各々のボーナスに対応した演出が実行される。そして、前述したように、各ボーナス抽選において共通のボーナステーブルが用いられることから、1回目のボーナス抽選の際には、3種類の全てのボーナスに当せんする可能性がある。しかし、1回目のボーナスの際には、BB(ノーマル)又はPremium_BBの演出が実行されるようになっている。
つまり、1回目のボーナス抽選において、BB(ノーマル)に当せんした場合には、BB(ノーマル)の演出である「BB(ノーマル)演出」が実行され、Premium_BBに当せんした場合には、Premium_BBの演出である「Premium_BB演出」が実行される。
しかし、Vip_BBに当せんした場合には、初めに上述のBB(ノーマル)演出が実行され、BB(ノーマル)演出における所定のタイミングで、Vip_BBへの昇格(Vip昇格)の可能性がある内容の演出(Vip_BB昇格チャンス演出)が実行される。そして、演出の内容が、BB(ノーマル)演出からVip_BBの演出(Vip_BB演出)に昇格し、残りのラウンド数(ここでは6R=9R-3R)のボーナス遊技が実行可能となる。
ここで、Vip_BBに当せんした場合に実行されるBB(ノーマル)演出を、例えば、擬似BB(ノーマル)演出などのように称して、実際のBB(ノーマル)演出と区別することが可能である。
また、前述した昇格演出(Vip_BB昇格チャンス演出)の実行タイミングとしては、擬似BB(ノーマル)演出における最終ラウンドや、2R目以前などのタイミングを例示できる。さらに、昇格演出(Vip_BB昇格チャンス演出)の実行期間としては、擬似BB(ノーマル)演出の最終ラウンド内における所定の期間や、複数ラウンドに跨った期間などを例示できる。
そして、図中の中央から右下部に分岐させて示すように、Vip_BBにおいて更にPremium_BBが上乗せされた場合(Premium_BBへ昇格した場合)、全ラウンド(13R)を完遂した場合における遊技メダルの獲得枚数は351枚となるようにすることが考えられる。
ここで、1回目のBB作動時にPremium_BBが発生した場合の獲得枚数が372枚であるのに対し、上乗せされた場合のPremium_BBにおける獲得枚数が351枚と少なくなっているのは、上乗せされた場合の獲得枚数を、当せん時のゲーム(Vip_BB中のゲーム)で払い出される枚数(ここでは21枚)を差し引いて計数しているためである。
このようなゲーム性において、BB(ノーマル)、Vip_BB、Premium_BBの順で上乗せがされた場合、上乗せの連続による遊技者の最大獲得メダル数は696枚となる。その内訳は、BB(ノーマル)での最大獲得枚数である102枚、Vip_BBでの最大獲得枚数である243枚、Premium_BBでの最大獲得枚数である351枚の合計である。
ただし、実際の獲得枚数は、先のゲームにおいて上乗せが発生するラウンド数によって獲得枚数が変化する。図36の例では、実際の獲得枚数は、Vip_BBの何ラウンド目でPremium_BBに昇格したかによって変動する。そして、Vip_BBからPremium_BBへの昇格が発生した場合の平均枚数を、例えば570枚程度とすることが考えられる。
このように遊技者の最大獲得メダル数が、必ずしも前述したは696枚とならない要因としては、Vip_BBにおける獲得枚数の変動を挙げることができる。つまり、Vip_BB中にBBの上乗せがあると、Vip_BBが終了する。このため、Vip_BBの何ラウンド目でPremium_BBに昇格したかによって、Vip_BBにおける獲得枚数が変動し、BBの上乗せによる一連のBBでの遊技者の獲得枚数が変化する。
具体例を挙げれば、例えば、BB、Vip_BB、Premium_BBの順に上乗せがあり、BBの3Rでの獲得枚数が75枚であり、Vip_BBの1R目でPremium_BBに昇格したとすると、遊技者は、75枚+27枚+351枚の合計で453枚の遊技メダルを獲得することとなる。この453枚は、Premium_BBまでの昇格が発生した場合の最小獲得枚数となる。ここで、「獲得枚数」は、払出枚数(ここでは30枚)から投入枚数(ここでは3枚)を引いた値である。
また、BB(ノーマル)の3Rでの獲得枚数が102枚であり、Vip_BBの4R目でPremium_BBに昇格したとすると、遊技者は、102枚+108枚+351枚の合計で561枚の遊技メダルを獲得することとなる。さらに、BB(ノーマル)の3Rでの獲得枚数が102枚であり、Vip_BBの9R目でPremium_BBに昇格したとすると、遊技者は、102枚+243枚+351枚の合計で696枚の遊技メダルを獲得することとなる。この453枚は、Premium_BBまでの昇格が発生した場合の最大獲得枚数となる。
ここで、BB(ノーマル)での獲得枚数の変動は、通常状態でBB(ノーマル)が作動したゲーム(BB(ノーマル)の1R目となる)での入賞役の種類(払出枚数が入賞役の種類に応じて異なる)や、前述した「ビタ打ちチャレンジ」中における図柄取得の成否に依存する。
また、図36中のVip_BB中にも、所定の昇格演出(Premium_BB昇格演出)が実行される場合があるようにすることが考えられる。ここでのゲームや演出の流れとしては、例えば、遊技開始(BET)の際の役抽選でBBが作動し、更に昇格演出として、第1演出表示装置10での3桁の数字図柄の変動表示と、変動表示の結果(仮停止図柄又は確定停止図柄の組み合わせ)が表示され得るようにするものを例示できる。
そして、Vip_BB中のBBの作動後に、1ゲームにおける持ち球数が、例えば、それまでの数(例えば8球など)から所定数(例えば15球)に増える。この25球のゲーム中に、T図柄が所定数(5枚以上など)に達すると、第1演出表示装置10で所定の表示態様(「777」のぞろ目など)で図柄が停止し、Premium_BBのボーナスゲームとなるようにする。
ここで、Vip_BB中にPremium_BB昇格演出に移行する確率(割合)を1/6程度とし、Premium_BB昇格演出に移行しない確率(割合)を5/6程度とすることが考えられる。
そして、Premium_BB昇格演出に移行しない場合は、特別入球口11のような入球口(得点増加装置として機能するアタッカー入球口)を使用してゲームを行い、アタッカー入球口への入球により相対的に容易に、1ゲームあたりの最大払出し枚数(ここでは30枚)の遊技メダルの払出しを、遊技者が受けられるようにする。
これに対し、Premium_BB昇格演出に移行した場合は、アタッカー入球口を使用せず、前述のようにT図柄が所定数以上揃うように、入球口を狙って遊技球を発射する。そして、T図柄が所定数以上揃えば、第1演出表示装置10で「777」の図柄が表示され、Premium_BBへ移行するようにする。
ここで、Premium_BB昇格演出に移行した場合において、「777」の組合せが表示される確率を30%とすることなどが考えられる。また、Premium_BB昇格演出中は、1ゲーム内で25球の持ち球を使用でき、T図柄が所定数以上揃う確率は30~37%程度となるように、T図柄に対応した入球口の配置を決めておくことが考えられる。
そして、このようにした雀球遊技機は、1ゲームあたり1/20(=1/6×0.3)の確率で、Vip_BB中からPremium_BBに昇格するものであるということがいえる。また、Vip_BBにおける9R間のゲームについては、Premium_BB昇格演出を経てPremium_BBの上乗せが行われる確率は、前述したように35.4%となるものであるということができる。
さらに、このような雀球遊技機における主要な仕様(スペック)を、例えば、図37(a)のようにまとめることができる。図37(a)に示すように、1発の遊技球の発射によりT図柄の入球口へ入球する確率を8.42%程度とする。そして、通常状態時におけるBB作動の確率(初当りに係るBB率)を1/106.5程度とすることが考えられる。
そして、初当りに係るBB(ノーマル)の振り分け(発生割合、発生確率)を50.00%とする。この数値は、前述した、Vip_BBが上乗せされずにBB(ノーマル)が終了する割合の50%に対応しているものである。
さらに、初当りに係るVip_BBの振り分けを45.30%とする。この数値は、前述した、BB作動時におけるBB(ノーマル)の発生確率としての95.3%から、Vip_BBが上乗せされずにBB(ノーマル)が終了する割合の50%を引いたものに対応している。
また、初当りに係るPremium_BBの振り分けを4.70%とする。この数値は、前述した、BB作動時におけるPremium_BBの発生確率としての4.7%に対応したものである。そして、Vip_BBの昇格率を、35.4%とする。この数値は、前述した、Premium_BB昇格演出を経てPremium_BBの上乗せが行われる確率に対応したものである。
さらに、Vip_BBの昇格(Vip_BBからPremium_BBへの昇格)が発生した場合の平均獲得枚数を、前述したように570枚とすることができる。また、一連のBB上乗せによる最大差玉を、上乗せの連続による最大獲得メダル数として前述したように696枚とすることができる。そして、遊技場において1日稼働した場合における最大の差玉(計数管理指標の1つであるMY)を、1531枚とすることが可能と想定している。
<<<第3実施形態1-1-2(自動配牌タイプ)>>>
続いて、第3実施形態1-1の基本的概念をより有効に活用できるようにするためのゲーム性や演出を採用した雀球遊技機として、第3実施形態1-1-2(自動配牌タイプ)について説明する。
第3実施形態1-1-2(自動配牌タイプ)としては、前述した第1実施形態と同様に、ゲームの開始時に14枚の自動配牌を行うものを考えることができる。さらに、通常状態時には、自動配牌後に所定数(ここでは1ゲームにつき2個)の持ち球を使用してBB役の成立を目指す。
また、図37(b)に示すように、ボーナステーブルにはボーナスとしてBB-A及びBB-Bの2種類を設ける。これらのうちBB-AはT図柄が5~7枚揃った場合に作動し、BB-BはT図柄が8~15枚揃った場合に作動するものとする。さらに、BB-Aのラウンド数は13Rとし、BB-Bのラウンド数は14Rとする。
前述のように、通常状態時には持ち球数は2球であるので、T図柄を8枚以上揃える(集める)には、自動配牌時に6枚以上のT図柄が揃っている必要がある。そして、遊技開始時の配牌数を3枚としている場合には、配牌された図柄が全てT図柄であったとしても、2球の発射で3枚以上のT図柄を揃えることが必要となる。したがって、通常状態時には、T図柄を8枚揃えてBB-Bに当せんすることは困難である。
しかし、BB-Aについては、最小で5枚のT図柄が揃えばBBが作動するので、例えば自動配牌時にT図柄が3枚あれば、2球をT図柄の入球口にそれぞれ入球させることでBB作動の条件が成立する。このため、上述のBB-Bに比べれば、BB-Aを成立させることは容易であるといえる。ここで、自動配牌時にT図柄が3枚以上揃う割合を1/230程度とすることが考えられる。
さらに、BB-Aが成立した後には、BB-A中の各ゲーム(ラウンド)における持ち球数を5球に増やすことが考えられる。この持ち球数の増加によって、BB-A中にT図柄の数を増やし易くなる。そして、BB-Bが成立してBBの上乗せが行われる可能性を高めることができる。
ただし、持ち球を5球に増やしたとしても、それでもT図柄を8枚揃えるのが難しいということも考えられる(例えば、発明者らの試算では、1/2000程度の確率になってしまうこともあった)。このため、BB-Aの最終ラウンド(13R目)のみ、持ち球数を15球に増やすことが考えられる。このように、持ち球数を、通常状態時の7.5倍、BB-Aにおける他のラウンド(2~12R)の3倍程度に増やすことで、ボーナスの上乗せが発生する可能性を高めることができる。
そして、発明者らの試算では、45.7%程度の確率でBB-Bの上乗せが可能となった。そして、BB-Bの上乗せが行われた場合には、合計での最大ラウンド数は26R(=13R+14R-1R)となり、例えば、1ゲームにつき30枚の払出しが行われるものとし、1ゲームの投入数を3枚とし、1ゲーム目(1R目)の投入数(3枚)を除外して、705枚程度の遊技メダルを獲得できるようなゲーム性を実現できる。
なお、この第3実施形態1-1-2においては、BB-A中の通常ラウンド(最終ラウンドよりも前のラウンド)での持ち球数は5個であるが、各ラウンドにおいて、開放した特別入球口11のような入球口(得点増加装置として機能するアタッカー入球口)に対して所定数(例えば3球)以上の遊技球を入れないと、そのときのラウンドが終了してしまう(所謂パンクする)ようなゲーム性を採用することが考えられる。
また、特別入球口11のような入球口(アタッカー入球口)を遊技領域2aの右側の部位に配置し、ボーナスゲーム中は遊技者に右打ちを行わせるようにすることが考えられる。そして、右打ち時には、アタッカー入球口にほぼすべての遊技球が入球することが考えられる。また、複数連入球口装置13におけるT図柄に対応した図柄入球口(13a~13y)への入球を狙って遊技球が発射されるような状況では、アタッカー入球口に入球しないような、図柄入球口(13a~13y)のT図柄とアタッカーとの位置関係を定めることも考えられる。
<第3実施形態2に係る具体例>
<<第3実施形態2-1>>
次に、前述した各種の第3実施形態1~3のうち、第3実施形態2について説明する。第3実施形態2は、前述したように(図34の中段)、先のボーナス抽選と後のボーナス抽選で、第3実施形態1と同様にテーブルの変更は行われず(「ボーナステーブル」が「×」)、共通のボーナステーブルが用いられる。
さらに、ラウンド数と持ち球数が変化し(「ラウンド数」と「持ち球数」が「○」)、得点増加装置については、変化する態様と、変化しない態様のいずれも採用可能となっている(「得点増加」が「▲」)。また、「持ち球数」が変更される点は、第3実施形態1と同じである。
そして、第3実施形態2に係る具体例(以下では「第3実施形態2-1」とする)としては、通常状態時からボーナスが発生し、ボーナスの上乗せが繰返されるが、ボーナスゲームにおけるラウンド数を、ボーナスの種類の決定とは別に、抽選により決定するタイプのものを例示できる。
そして、この第3実施形態2-1の雀球遊技機では、ボーナステーブルとしては、通常状態中とボーナス状態中とで同じものが用いられる。さらに、通常状態かボーナス状態かの違いや、ボーナス状態に係るラウンド数などの条件に応じて、ボーナスのラウンド数が抽選される。
そして、ボーナス状態中にボーナスに当せんした場合(ボーナスの上乗せが行われる場合)には、そのときの実行中のボーナス(作動中のボーナス)について抽選されたラウンド数よりも、大きいラウンド数の中から、上乗せされるボーナスのラウンド数が決定される。
また、ボーナス状態中に当せんし得るボーナス(選択対象となるボーナス)は、そのときの実行中のボーナス(作動中のボーナス)を除いたすべてのボーナスである。例えば、ボーナスの2回以上の上乗せ(3連荘以上のボーナス)があった場合には、1回目に当せん済みのボーナスが、2回目のボーナスのボーナス状態中におけるボーナス抽選では選択対象に含まれ、連荘中に再度当選する場合があるようになっている。
つまり、第3実施形態2-1の雀球遊技機は、前述した第3実施形態1(第3実施形態1-1、第3実施形態1-1-1、第3実施形態1-1-2を含む)のように、選択可能なボーナスの種類が段階的に減り得るようなタイプ(段階方式)のものではなく、作動中のボーナス以外のボーナスが何度でも選択され得るタイプ(非段階方式)のものとなっている。
図38(a)は、この第3実施形態2-1におけるボーナスの種類と、ボーナスの上乗せの流れの一例を示している。第3実施形態2-1におけるボーナステーブルには、4種類のBB(BB-A~D)が定められている。ただし、BB-A~Dに対して一律にラウンド数が定められているわけではなく、状況に応じて、2R~14Rまでのラウンド数が抽選されるようになっている。
図38の上段部に示すように、通常状態時(通常時)では、BB-A~Dの全てのボーナスが有効であり、いずれのボーナスにも当選する可能性がある。そして、例えば、1回目のボーナスの内容として、BB-Aと2Rに当せんしたものとする。図38では、このことを、下向きの矢印の傍らの「2RのBB-Aに当せん」の表記や、図表中の次段の左端部における「BB-A_2R」の表記により示している。
この1回目のボーナス(ここでは2RのBB-A)のラウンド遊技(特別遊技)中におけるボーナス抽選は、2回目のボーナス抽選となる。そして、この2回目のボーナス抽選では、BB-Aは無効とされ、BB-B~Dの3種類のBBが選択対象とされる。さらに、ラウンド抽選は、先に当せんした2Rを除き、3R~14R(3R以上)を選択対象として行われる。
ここで、BB-Aを無効とするための処理としては、例えば、BB-Aに当せんしても、この当せんを無効として遊技進行制御手段(図7を援用)における制御処理を進めることが考えられる。そして、他の種類のボーナスに当せんした場合も同様に、その当せんを無効とすることが考えられる。
続いて、図38の例では、2回目のボーナス抽選おいてBB-Cに当せんし、ラウンド数抽選において3Rに当せんしている。さらに、次段に示すように、3回目のボーナス抽選では、直前に当せんしているBB-Cが無効とされるが、2回目のボーナス抽選で無効とされたBB-Aは無効とされない。そして、この3回目のボーナス抽選では、BB-A、BB-B、BB-Dの3種類のBBが選択対象とされる。さらに、ラウンド抽選は、先に当せんした3R以下を除き、4R~14R(4R以上)を選択対象として行われる。
続いて、3回目のボーナス抽選においては、BB-Aに当せんし、ラウンド数抽選において4Rに当せんしている。さらに、次段に示すように、4回目のボーナス抽選では、直前に当せんしているBB-Aが無効とされるが、その他のボーナスであるBB-B~Dが選択対象とされる。さらに、ラウンド抽選は、先に当せんした4R以下を除き、5R~14R(5R以上)を選択対象として行われる。
続いて、4回目のボーナス抽選においては、BB-Dに当せんし、ラウンド数抽選において5Rに当せんしている。さらに、次段に示すように、5回目のボーナス抽選では、直前に当せんしているBB-Dが無効とされるが、その他のボーナスであるBB-A~Cが選択対象とされる。
さらに、ラウンド抽選は、先に当せんした5R以下を除き、6R~14R(6R以上)を選択対象として行われる。そして、この後もボーナスの上乗せが発生した場合は、ラウンド数抽選の結果が14Rとなるまでボーナスが続く。また、途中でBBが成立しなかった場合には非継続となり、ボーナスの上乗せ(連荘)が終了する。
ここで、BB-A~BB-Dの選択割合を、例えば、均等(各々25%)とすることが考えられる。そして、このようにした場合には、無効化されるBBは、直前に(直近で)で当せんしたボーナスのみであることから、第3実施形態1に係る各例と異なり、ボーナス中のボーナス抽選であっても、相対的に高い割合で各種のボーナスを発生させることが可能となる。そして、第3実施形態1の各例に比べて、連荘性の担保が容易となる。
また、例えば、得点増加装置は所定数(7Rなど)以上のBBでのみ作動する、といったような処理を行うことが考えられる。このようにすることで、例えば、通常状態時にBB-Aに当せんした場合には、BB-Aを、遊技メダルを略獲得できない出玉なしボーナスとし、7R以上のBB時にBB-Aに当せんした場合には、BB-Aを、遊技メダルを獲得し易い出玉ありボーナスとする、といったことが可能である。そして、このようにすることで、ボーナスの上乗せ(連荘)により多くの遊技メダルを獲得し易い(出玉を短時間で増やし易い)ゲーム性を比較的容易に実現できるようになる。
さらに、ゲーム中の持ち球数についても同様に、持ち玉数は所定数(7Rなど)以上のBBでのみ増加する、といったような処理を行うことが考えられる。このようにすることで、上述したのと同様に、同じBB-Aについて、通常状態時には遊技メダルを獲得し難い出玉なしボーナスとし、7R以上のBB時には遊技メダルを獲得し易い出玉ありボーナスとする、といったことが可能である。そして、このようにすることによっても、ボーナスの上乗せ(連荘)により多くの遊技メダルを獲得し易い(出玉を短時間で増やし易い)ゲーム性を、比較的容易に実現できるようになる。
また、出玉なしボーナスの遊技状態中に、出玉ありボーナスへの昇格を示唆するような演出(昇格演出)を行うことが可能である。
ここで、この第3実施形態2-1のようなタイプの雀球遊技機は、以下のようなものであると捉えることができる。例えば、
遊技領域に配置され複数種の図柄に対応する複数の入球口(図柄入球口など)と、
遊技領域に向けて遊技球を1球ずつ発射可能な遊技球発射手段(発射装置など)と、
遊技を制御するための遊技制御手段(主制御装置を含む制御手段など)と、を備え、
遊技球がいずれかの前記入球口に入球すると当該入球口に対応した図柄を遊技者が取得した図柄となり、
遊技者が取得した図柄の組合せが所定条件を満たすとボーナス(第3実施形態2-1に係るボーナスなど)に当せんし、
前記ボーナスにはボーナス状態に係るゲーム数であるラウンド数が異なる複数種のボーナスがあり、
前記複数種のボーナスは、前記遊技制御手段が参照するボーナステーブルに予め定められており、
ボーナス状態と、いずれのボーナス状態でもないゲームが進行する通常状態とで同じボーナステーブルが参照され、
いずれかの前記ボーナスに当せんすると、当せんしたボーナスに対応したボーナス状態へ移行可能となり、
ボーナス状態中に他のボーナスに当せんして当該他のボーナスに対応するボーナス状態へ移行する場合があり、
通常状態中とボーナス状態中とで同じボーナスに当せんしてもラウンド数を異ならせることが可能なことを特徴とする雀球遊技機、といったものである。なお、これに限らず、要旨を逸脱しない範囲で、種々な捉え方を採用することが可能である。
<第3実施形態3に係る具体例>
次に、前述した各種の第3実施形態1~3のうち、第3実施形態3について説明する。第3実施形態2は、第3実施形態1や第3実施形態2と異なり、前述したように(図34の下段)、先のボーナス抽選と後のボーナス抽選で、異なる「ボーナステーブル」を参照することができ(「ボーナステーブル」が「○」)、状況に応じたボーナステーブルが用いられる。さらに、ラウンド数と得点増加装置については、変化する態様と、変化しない態様のいずれも採用可能となっており(「ラウンド数」と「得点増加」が「▲」)、更に持ち球数が変化する(「持ち球数」が「○」)。
<<第3実施形態3-1(状態毎にテーブルの参照先を変えるタイプ)>>
そして、第3実施形態3に係る具体例(以下では「第3実施形態3-1」とする)としては、図39(a)に示すように、通常状態時から出玉なしのボーナスが発生し、ボーナスの上乗せが繰返されて状態が変化する状況において、状態毎(通常状態時やボーナス時の相違毎、更にはボーナスの種類毎)に、ボーナステーブルの参照先を変え、異なるボーナステーブル抽選を行うものを例示できる。
このタイプにおいては、遊技状態毎に、定められたボーナスの種類(内訳)が異なる複数種のボーナステーブルのうちから、使用されるボーナステーブルが抽選される。そして、このタイプにおいては、通常時とボーナス時とで異なるボーナステーブル抽選を行い、更にボーナスの種類毎にボーナステーブル抽選を行うようにすることが可能である。
ここで、図39(a)は、この第3実施形態3-1におけるボーナス上乗せの態様を、ゲームフローチャート(ゲームフロー)を用い概略的に示している。先ず、図39(a)中の左端に示すように通常状態時から、右側に示すように4Rの高確ステージに移行し、続いて、8RのBB(ビッグボーナス)であるBB1が発生している。その後は、図示を省略しているが、上位のBBが上乗せされ、最後に最上位のBB(最終のBB、14R)が発生している。
なお、上述の高確ステージは、ボーナスゲーム中に、ボーナス発生を示すような内容の演出は行われず、高確率状態に突入したことを示す内容の演出が行われる演出状態となっている。また、図39(a)に示しているのは、あくまでも最下位のボーナス(高確ステージ)から、一部のボーナスの上乗せがあり、最終的に最上位のボーナスで連荘が終了する場合を一例として示しているものである。
このため、ボーナス抽選の結果次第では、最下位ではない(非最下位の)ボーナスが1回目のボーナスとなる場合や、最上位のボーナスが1回目のボーナスとなる場合、或は、相対的に下位のボーナスを経ず(飛ばして)上位のボーナスに当せんする場合などがある。
このような第3実施形態3-1によれば、ボーナスが上乗せされるにしたがい徐々に選択肢が減少するといったことが生じるのを防止できる。
つまり、第3実施形態1や第3実施形態2では、通常状態とボーナス状態とで共通のボーナステーブルを用いることから、各ボーナスの発生割合を変更することができない。このため、通常状態時からボーナスが上乗せされている期間中かけて、相対的に上位のボーナスの発生割合は一定である。
そして、設計時から、相対的に上位のボーナスの発生割合を一定に決めておかなければならず、ボーナス作動時には相対的な下位のボーナスからボーナス状態が始まり、順次上位のボーナスが上乗せされていくような置数(ここでは乱数値の配置に係る取り決めなどの意味)の決定が容易ではない。また、非上位のボーナスへの上書きを行わないことから、ボーナスが上乗せされるにしたがい徐々に選択肢が減少することとなる。
しかし、第3実施形態3-1のように、状態毎にテーブルの参照先を変え、状態毎に異なるボーナステーブル抽選を行うことで、状態毎に各ボーナスの振り分けを最適化することが可能となる。そして、第3実施形態1や第3実施形態2のようにボーナスが上乗せされるにしたがい徐々に選択肢が減少してしまう、といったことを防止できる。さらに、ボーナス抽選に係る選択肢の幅を容易に広げることができ、上乗せの回数を増やすことや、連荘を長く継続させることなどが容易になる。
ここで、この第3実施形態3-1のようなタイプの雀球遊技機は、以下のようなものであると捉えることができる。例えば、
遊技領域に配置され複数種の図柄に対応する複数の入球口(図柄入球口など)と、
遊技領域に向けて遊技球を1球ずつ発射可能な遊技球発射手段(発射装置など)と、
遊技を制御するための遊技制御手段(主制御装置を含む制御手段など)と、を備え、
遊技球がいずれかの前記入球口に入球すると当該入球口に対応した図柄を遊技者が取得した図柄となり、
遊技者が取得した図柄の組合せが所定条件を満たすとボーナス(第3実施形態3-1に係るボーナスなど)に当せんし、
前記ボーナスにはボーナス状態に係るゲーム数であるラウンド数が異なる複数種のボーナスがあり、
前記複数種のボーナスは、前記遊技制御手段が参照するボーナステーブルに予め定められており、
ボーナス状態と、いずれのボーナス状態でもないゲームが進行する通常状態とで異なるボーナステーブルが参照され、
いずれかの前記ボーナスに当せんすると、当せんしたボーナスに対応したボーナス状態へ移行可能となり、
ボーナス状態中に他のボーナスに当せんして当該他のボーナスに対応するボーナス状態へ移行する場合があり、
通常状態中のボーナス抽選は、前記ボーナステーブルのうち全種のボーナスが抽選対象となるように行われるが、ボーナス状態中のボーナス抽選は、前記ボーナステーブルのうち当該ボーナスと当該ボーナスよりもラウンド数が小さいボーナスが抽選対象とならないように行われることを特徴とする雀球遊技機、といったものである。
<<<第3実施形態3-1-1(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)>>>
次に、第3実施形態3-1に係る他の例として、第3実施形態3-1-1について説明する。
そして、第3実施形態3-1-1としては、第3実施形態3-1と同様に(図39(a)を援用)、通常状態時から出玉なしのボーナスが発生し、ボーナスの上乗せが繰返される場合に、図39(b)に示すように、選択対象となるボーナステーブルの種類が、上位のものに絞られてゆくもの(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)を例示できる。
ここで、援用する図39(a)については、第3実施形態3-1で説明したのと同様であるが、最上位のBB(最終のBB)は、図39(b)に示すFBB(14R)に対応している。
続いて、図39(b)の図表について説明する。第3実施形態3-1では、複数のボーナステーブル(テーブル1~9)が使用される。さらに、図39(b)において、上述の各テーブル(テーブル1~9)には、ボーナスの種類(「B種類」)や、遊技メダルの獲得枚数(「獲得枚数」)が対応付けられている。また、各テーブルには、複数の状況におけるテーブル振り分け(選択割合)が定められている。
ここで、「複数の状況」としては、通常状態時、高確率時(出玉なし)、レギュラーボーナス(RB)時、所定のビッグボーナス(BB1)時、他の所定のビッグボーナス(BB2)時がある。そして、図39(b)では、それぞれの状況における各テーブルの振り分け(選択割合)を、「通常時テーブル振分」、「高確用Bテーブル振分」、「RB中テーブル振分」、「BB1中テーブル振分」、「BB2中テーブル振分」として示している。
図39(b)の例では、テーブル1については、「B種類」が高確率用(高確用)の4Rとなっており、「獲得枚数」が0枚となっている。また、テーブル2については、「B種類」がRB(5R)となっており、「獲得枚数」が120枚となっている。さらに、テーブル3については、「B種類」がBB1(8R)、「獲得枚数」が210枚となっており、テーブル4については、「B種類」がBB2(9R)、「獲得枚数」が240枚となっている。
また、テーブル5については、「B種類」がBB3(10R)、「獲得枚数」が270枚となっており、テーブル6については、「B種類」がSBB1(11R)、「獲得枚数」が300枚となっている。さらに、テーブル7については、「B種類」がSBB2(12R)、「獲得枚数」が330枚となっており、テーブル8については、「B種類」がSBB3(13R)、「獲得枚数」が360枚となっている。また、テーブル9については、「B種類」がFBB(14R)、「獲得枚数」が390枚となっている。
続いて、状況毎に各テーブルのうち、選択対象となるテーブルのいずれかが選択される。例えば、通常状態時(通常)には、全てのテーブル(テーブル1~9)が、それぞれ50%、25.00%、12.50%、6.25%、3.13%、1.56%、0.78%、0.39%、0.20%の振り分け(選択割合)で選択され得るようになっている。ここで、全てのテーブルの振り分け(選択割合)を合計しても99.82%になり100%にはならないが、これは説明を簡略化するために各テーブルの振り分け(選択割合)の数値を丸めているためである。
上述のように通常状態時には、すべてテーブルが選択対象となるが、1回目のボーナスが発生すると、ボーナスゲーム中のボーナス抽選は、既に発生しているボーナス(1回目のボーナス)よりも上位のボーナスを対象として行われる。
例えば、1回目のボーナスとして、テーブル1のボーナス(高確用の4R)が選択されると、図39(a)に示すように高確ステージへ移行する。この高確ステージでは、ボーナスゲーム中には、ボーナス発生を示すような内容の演出は行われず、高確率状態に突入したことを示す内容の演出が行われる。そして、このときの各ゲーム(各ラウンド)における持ち球数は、それまでの例えば2球から、高確ステージ用の8球へ増加する。
そして、ボーナスゲーム中のボーナス抽選では、図39(b)の「高確用Bテーブル振分」の列に示すように、選択対象とならないテーブル1の振り分けは0%とされる。しかし、通常状態時に50%であったテーブル1の振り分けが、上位のテーブル2~9に分配され(振り向けられ)、テーブル2~9の振り分けは、それぞれ50.2%、25.10%、12.55%、6.27%、3.14%、1.57%、0.78%、0.39%とされている。
ここで、各テーブル2~9の振り分けの数値は、丸めの影響による誤差はあるが、不要になったテーブル1の50%を、通常状態時おける各テーブル2~9の振り分けの比率に応じて分配した値と、概ね一致している。そして、各テーブル2~9の振り分けの数値は、通常状態時おける各テーブル2~9の振り分けを約2倍した値となっている。
続いて、高確ステージにおいて、RB(5R)に当せんしたものとする。このRB中のボーナス抽選では、図39(b)の「RB中テーブル振分」の列に示すように、選択対象とならないテーブル1及び2の振り分けは、いずれも0%とされる。しかし、高確用ボーナス(高確ステージ)時に50.20%であったテーブル2の振り分けが、上位のテーブル3~9に分配され(振り向けられ)、テーブル3~9の振り分けは、それぞれ50.39%、25.20%、12.60%、6.30%、3.15%、1.57%、0.79%とされている。
ここで、各テーブル3~9の振り分けの数値は、丸めの影響による誤差はあるが、不要になったテーブル2の50.20%を、高確用B(高確ステージ)時おける各テーブル3~9の振り分けの比率に応じて分配した値と、概ね一致している。そして、各テーブル3~9の振り分けの数値は、高確用B(高確ステージ)時おける各テーブル3~9の振り分けを約2倍した値となっている。
続いて、RBにおいて、BB1(8R)に当せんしたものとする。このBB1中のボーナス抽選では、図39(b)の「BB1中テーブル振分」の列に示すように、選択対象とならないテーブル1~3の振り分けは、いずれも0%とされる。しかし、RB時に50.39%であったテーブル3の振り分けが、上位のテーブル4~9に分配され(振り向けられ)、テーブル4~9の振り分けは、それぞれ50.79%、25.40%、12.70%、6.35%、3.17%、1.59%とされている。
ここで、各テーブル4~9の振り分けの数値は、丸めの影響による誤差はあるが、不要になったテーブル3の50.39%を、RB時おける各テーブル4~9の振り分けの比率に応じて分配した値と、概ね一致している。そして、各テーブル4~9の振り分けの数値は、RB時おける各テーブル4~9の振り分けを約2倍した値となっている。
続いて、BB1において、BB2(9R)に当せんしたものとする。このBB2中のボーナス抽選では、図39(b)の「BB2中テーブル振分」の列に示すように、選択対象とならないテーブル1~4の振り分けは、いずれも0%とされる。しかし、BB1時に50.79%であったテーブル4の振り分けが、上位のテーブル5~9に分配され(振り向けられ)、テーブル5~9の振り分けは、それぞれ51.61%、25.81%、12.90%、6.45%、3.23%とされている。
ここで、各テーブル5~9の振り分けの数値は、丸めの影響による誤差はあるが、不要になったテーブル4の50.79%を、BB1時おける各テーブル5~9の振り分けの比率に応じて分配した値と、概ね一致している。そして、各テーブル5~9の振り分けの数値は、BB1時おける各テーブル5~9の振り分けを約2倍した値となっている。
以上説明したような第3実施形態3-1-1(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)によれば、第3実施形態3-1と同様に、各ボーナスの振り分けを最適化することができ、BB作動の当初から相対的に上位のボーナスが高い割合で発生してしまうことを防止できる。さらに、第3実施形態3-1(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)のようにすることで、相対的に下位のボーナスの発生割合を順次なくしていくことができる。このため、相対的に下位のボーナスを重ねていくにつれて、上位のボーナスが発し易くなるようにすることができる。したがって、順次遊技者が利益(ここではメダル枚数)を積み上げていくことができるようなゲーム性を、容易に実現することが可能である。
ここで、テーブル1~9は、通常であれば同じ選択割合で構成される9個のボーナステーブルであるが、この第3実施形態3-1-1(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)では、自身(それぞれのテーブル)に係るボーナス以下のボーナスは実行され得ないようになっており、各ボーナスで参照されるテーブルは、自身に係るボーナス以下の選択割合を上位のボーナスに振り分けたボーナステーブルとして構成されている。
また、第3実施形態3-1-1(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)では、当せん済みの下位のボーナスに係る振り分けを、次回のボーナス抽選では0%となるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、1~3%程度の振り分けを残していく、といったことも可能である。
ここで、この第3実施形態3-1-1のようなタイプの雀球遊技機は、以下のようなものであると捉えることもできる。例えば、
遊技領域に配置され複数種の図柄に対応する複数の入球口(図柄入球口など)と、
遊技領域に向けて遊技球を1球ずつ発射可能な遊技球発射手段(発射装置など)と、
遊技を制御するための遊技制御手段(主制御装置を含む制御手段など)と、を備え、
遊技球がいずれかの前記入球口に入球すると当該入球口に対応した図柄を遊技者が取得した図柄となり、
遊技者が取得した図柄の組合せが所定条件を満たすとボーナス(第3実施形態3-1-1に係るボーナスなど)に当せんし、
前記ボーナスにはボーナス状態に係るゲーム数であるラウンド数が異なる複数種のボーナスがあり、
前記複数種のボーナスは、前記遊技制御手段が参照するボーナステーブルに予め定められており、
ボーナス状態と、いずれのボーナス状態でもないゲームが進行する通常状態とで異なるボーナステーブルが参照され、
いずれかの前記ボーナスに当せんすると、当せんしたボーナスに対応したボーナス状態へ移行可能となり、
ボーナス状態中に他のボーナスに当せんして当該他のボーナスに対応するボーナス状態へ移行する場合があり、
ボーナス状態中のボーナス抽選は、当該ボーナス状態に係るボーナスよりもラウンド数が大きいボーナスのみで構成されるボーナステーブルを参照して行われることを特徴とする雀球遊技機、といったものである。なお、これらに限らず、要旨を逸脱しない範囲で、種々な捉え方を採用することが可能である。
なお、この第3実施形態3-1-1(上位のボーナステーブルへ絞り込むタイプ)に係る変形例として、例えば、テーブル1~9を1つのボーナステーブルとして構成し、ボーナス毎に自身のボーナス以下のボーナスの選択割合を上位に振り分ける処理を行う、といったものを例示できる。
<<第3実施形態3-1-2(ボーナスのループを可能とするタイプ)>>
次に、第3実施形態3に係る具体例として、他のタイプを説明する。以下では、このタイプの雀球遊技機に係る実施形態を「第3実施形態3-1-2」と称する。この第3実施形態3-1-2においては、図40に示すように、通常状態時から第1高確用B(ボーナス)や第2高確用B(ボーナス)を経て、上段に示す第1ループ状態、又は、下段に示す第2ループ状態へ移行し得るようになっている。
さらに、この第3実施形態3-1-2においては、第1高確用B(ボーナス)や第2高確用B(ボーナス)を経ずに、直接、第1ループ状態又は第2ループ状態へ移行する場合もあり得るようになっている。
ここで、通常状態から第1高確用B(ボーナス)、又は、第2高確用B(ボーナス)へ移行する割合、及び、直接第1ループ状態又は第2ループ状態へ移行する割合を以下のようにすることが考えられる。例えば、図示は省略するが、通常状態から第1高確用B(ボーナス)へ移行する割合を55~65%程度とし、通常状態から第2高確用B(ボーナス)へ移行する割合を25~65%程度とする。さらに、通常状態から直接第1ループ状態又は第2ループ状態へ移行する割合を5~10%とすることが考えられる。
続いて、第1高確用B、第2高確用B、第1ループ状態、及び、第2ループ状態について説明する。先ず、これらのうちの第1高確用Bは、通常状態時に当せんし得る3Rのボーナスである。そして、第1高確用Bでは、遊技メダルの獲得枚数は0枚となっている。また、第1高確用Bにおいて、ボーナスの入賞役が成立しなかった場合には、所謂パンクとなり、ボーナスの上乗せが行われない。
この際の演出としては、例えば、所定のミッションに失敗した内容や、バトルに敗北した内容などを採用することが考えられる。さらに、これらの演出を、複数ラウンド(複数ゲーム)に跨り連続性をもって行われる連続演出として実行することなども考えられる。
第1高確用Bにおいて、ボーナス抽選に用いられるボーナステーブルとして複数のものを用いることが可能である。そして、この第1高確用Bで用いるボーナステーブルとしては、例えば、図40に示すように、ボーナステーブル低(BT低)、ボーナステーブル中(BT中)、及び、ボーナステーブル高(BT高)を挙げることができる。
これらのうちBT低は、BB(ビッグボーナス)が1個(1種類)で、BT中又はBT高へ移行可能な非BBのボーナス(移行ボーナス)が2個(2種類)定められているものとすることが考えられる。また、BT中は、BBが2個(2種類)で、BT高へ移行可能な非BBのボーナス(移行ボーナス)が1個(1種類)定められているものとすることが考えられる。さらに、BT高は、BBが3個(3種類)定められているもの(相対的に最高期待度のもの)とすることが考えられる。
さらに、BT低やBT中に係る上述の移行ボーナス(非BBのボーナス)については、対応付けられたラウンド数が、当該移行ボーナスが当せんしたラウンド(当せんラウンド)に依存するものとすることが考えられる。より具体的には、例えば、1R目(通常状態時を含む)に移行ボーナスに当せんした場合には、その移行ボーナスは2Rのものであり、2R目に移行ボーナスに当せんした場合には、その移行ボーナスは1Rのものである、といった対応付けを例示することができる。
そして、移行ボーナスが継続するほどBB期待度がアップする、といったゲーム性を採用することが考えられる。さらに、このような移行ボーナスにおける演出として、例えば、昇格演出(チャンスアップ演出)や、複数ラウンド(複数ゲーム)に跨り連続性をもって行われる連続演出などを行うことが可能である。
一方、第2高確用Bは、通常状態時に当せんし得る3R~6Rのボーナスである。そして、第2高確用Bでも、遊技メダルの獲得枚数は0枚となっている。また、第2高確用Bは、第1高確用Bと類似した遊技状態であるが、遊技者が、遊技球の発射方向を、それまでの方向(例えば左方向)から他の方向(例えば右方向)に変更することで、ほぼ100%の割合で、次のボーナスの上乗せが成立するものとすることが考えられる。
これらの第1高確用Bや第2高確用Bからの上乗せが可能なボーナスとしては、種々のものが考えられる。そして、ここでは、上乗せが可能なボーナスを複数(ここでは2つ)のグループに分けて説明する。
先ず、1つめのグループは、ボーナスゲーム(特別遊技)の途中で遊技球の発射方向を変更することで遊技者に有利な結果が得られやすい内容のものとする。この1つめのグループを「標準BB群」と称することとする。そして、この標準BB群のボーナスは、前述したように、図40の上段に示す第1ループ状態を構成し得るものとなっている。
また、2つめのグループは、ボーナスゲームの開始の際に発射方向を変更すること(左方向から右方向に変更すること)で、途中での発射方向の変更を要することなく、遊技者に有利な結果が得られやすい内容のものとする。この2つめのグループを「PBB群」と称することとする。そして、このPBB群のボーナスは、前述したように、図40の下段に示す第2ループ状態を構成し得るものとなっている。
これらのうちの標準BB群は、複数種類(ここでは3種類)のBB(ここではBB-A、BB-B、BB-Cとする)により構成されている。ここで、標準BB群におけるBB-A、BB-B、及び、BB-Cの名称は、複数種類のBBを区別するためのものであり、前述した第3実施形態2-1におけるBB-A~Cとは異なるBBを意味している。
これらの各BB(BB-A~C)のうち、BB-Aは、10R(7R+3R)のボーナスゲームを行い得るものとなっている。このBB-Aの10Rのうち、7Rは、遊技メダルの獲得枚数を増やすための増加用ラウンド(増加用)となっており、残りの3Rは、ボーナスの上乗せを達成するための継続用ラウンド(継続用)となっている。
また、各BB(BB-A、BB-B、BB-C)のうち、BB-BとBB-Cは、6~10R(3~7R+3R)のボーナスゲームを行い得るものとなっている。そして、BB-BとBB-Cのうちの増加用ラウンド(増加用)は、3~6Rのボーナスゲームを行い得るものとなっており、状況によって3~6Rで終了する場合があるようになっている。また、BB-BとBB-Cのうちの継続用ラウンド(継続用)は、BB-Aと同様に、ボーナスの上乗せを達成するための、3Rの継続用ラウンド(継続用)となっている。
各BB(BB-A、BB-B、BB-C)における増加用ラウンドでは、増加用のボーナステーブルが用いられる。この増加用のボーナステーブルにおいては、遊技者が左打ちし、前述した複数連入球口装置13の図柄入球口13a~13yのうち、中央やその周辺の図柄入球口(例えば、13i~13qなど)に入球すると遊技メダルを多く獲得できるよう、図柄と獲得枚数との関係が定められている。このため、増加用ラウンドで、遊技者が左打ちを行うことにより、遊技メダルの獲得枚数を増やすことができるようになっている。
これに対し、上述の継続用ラウンドでは、上述の増加用のボーナステーブルとは異なる継続用のボーナステーブルが用いられる。この継続用のボーナステーブルにおいては、遊技者が発射の態様を右打ちに変更し、前述した複数連入球口装置13の図柄入球口13a~13yのうち、右側の図柄入球口(例えば、13r~13yなど)に入球すると新たにBBが発生し易いよう、図柄とBBとの関係が定められている。このため、この標準BB群は、継続用ラウンドで遊技者が右打ちを行うことにより、BBを容易に上乗せできるようになっている。
ここで、第1実施形態で説明したのと同様に、遊技領域の右側の部位に3連入球口14を設けた場合には、この3連入球口14のいずれかの図柄入球口に入球することで、ボーナスの上乗せが容易になるように、ボーナステーブルにおける図柄とBBとの関係を定めておくことが可能である。
これらの増加用テーブル、及び、継続用テーブルは、BB-A~Cで共通の性質を持ったものとなっている。そして、これらの増加用テーブル、及び、継続用テーブルは、BB-A~Cで共通(同一)のものとすることも可能である。さらに、BB-A~Cにおいては、遊技メダルの獲得枚数は、BB-Aが約200枚、BB-BとBB-Cが約80~200枚となっている。
また、BB-A~Cに係る各々のボーナス状態中は、そのときのボーナスを基準として、それ自身のボーナス以外を選択対象とするよう、ボーナス抽選が行われるようになっている。つまり、例えば、BB-Aに係るボーナス状態中は、BB-A以外のBB-B、BB-Cのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。
また、BB-Bに係るボーナス状態中は、BB-B以外のBB-A、BB-Cのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。さらに、BB-Cに係るボーナス状態中は、BB-C以外のBB-A、BB-Bのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。ここで、図40に例示しているのは、BB-A、BB-B、BB-Cの順に上乗せがあり、BB-Cに係るボーナス状態中に、再度BB-Aに当せんした場合である。
続いて、前述の第2ループ状態に係るPBB群について説明する。図40に示すPBB群は、複数種類(ここでは4種類)のBB(ここではPBB-A、PBB-B、PBB-C、PBB-Dとする)により構成されている。これらの各BB(PBB-A~D)のうち、PBB-Aは、12R(6R+6R)のボーナスゲームを行い得るものとなっている。このPBB-Aの12Rのうち、6Rは、遊技メダルの獲得枚数を増やすための増加用ラウンド(増加用)となっており、残りの6Rは、増加の機能と、ボーナスの上乗せを達成するための継続の機能とを併せ持った増加継続用ラウンド(増加継続用)となっている。
また、各BB(PBB-A~D)のうち、PBBB~Dは、6Rの増加継続用ラウンド(増加継続用)のみとなっている。各PBB(PBB-A~D)における増加継続用ラウンドでは、増加継続用のボーナステーブルが用いられる。この増加継続用のボーナステーブルにおいては、遊技者が右打ちし、前述した複数連入球口装置13の図柄入球口13a~13yのうち、右側の図柄入球口(例えば、13r~13yなど)に入球すると新たにBBが発生し易いよう、図柄とBBとの関係が定められている。このため、このPBB群は、増加継続用ラウンドで遊技者が右打ちを行うことにより、BBを容易に上乗せできるようになっている。
ここで、標準BB群について説明したのと同様に、遊技領域の右側の部位に3連入球口14を設けた場合には、この3連入球口14のいずれかの図柄入球口に入球することで、ボーナスの上乗せが容易になるように、ボーナステーブルにおける図柄とBBとの関係を定めておくことが可能である。
また、PBB-A~Dに係る各々のボーナス状態中は、そのときのボーナスを基準として、それ自身のボーナス以外を選択対象とするよう、ボーナス抽選が行われるようになっている。つまり、例えば、PBB-Aに係るボーナス状態中は、PBB-A以外のPBB-B~Dのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。
また、PBB-Bに係るボーナス状態中は、PBB-B以外のPBB-A、PBB-C、PBB-Dのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。さらに、PBB-Cに係るボーナス状態中は、PBB-C以外のPBB-A、PBB-B、PBB-Dのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。
また、PBB-Dに係るボーナス状態中は、PBB-D以外のPBB-A~Cのいずれかに当せんする可能性があるようになっている。ここで、図40に例示しているのは、PBB-A、PBB-B、PBB-C、PBB-Dの順に上乗せがあり、PBB-Dに係るボーナス状態中に、実戦で示すように、PBB-Aに当せんした場合である。また、破線によって、PBB-Dに係るボーナス状態中や、PBB-Cに係るボーナス状態中に、にPBB-Aに当せんした場合も示している。
ここで、この第3実施形態3-1-2のようなタイプの雀球遊技機は、以下のようなものであると捉えることができる。例えば、
遊技領域に配置され複数種の図柄に対応する複数の入球口(図柄入球口など)と、
遊技領域に向けて遊技球を1球ずつ発射可能な遊技球発射手段(発射装置など)と、
遊技を制御するための遊技制御手段(主制御装置を含む制御手段など)と、を備え、
遊技球がいずれかの前記入球口に入球すると当該入球口に対応した図柄を遊技者が取得した図柄となり、
遊技者が取得した図柄の組合せが所定条件を満たすとボーナス(第3実施形態3-1-2に係るボーナスなど)に当せんし、
前記ボーナスにはボーナス状態に係るゲーム数であるラウンド数が異なる複数種のボーナスがあり、
いずれかの前記ボーナスに当せんすると、当せんしたボーナスに対応したボーナス状態へ移行可能となり、
ボーナス状態中に他のボーナスに当せんして当該他のボーナスに対応するボーナス状態へ移行する場合があり、
当該他のボーナスは、当該他のボーナスの当せん時のボーナスとは異なる種類のボーナスであり、
当該他のボーナスのボーナス状態中に、当該他のボーナス以外のボーナスに当せんしてボーナス状態が循環し得る(第1ループ状態や第2ループ状態に移行し得ることなど)ことを特徴とする雀球遊技機、といったものである。なお、これらに限らず、要旨を逸脱しない範囲で、種々な捉え方を採用することが可能である。