JP7410513B2 - 金属捕捉剤を活用した機能性材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、金属捕捉剤と、抗菌・防カビ成分及び/又は触媒材料及び担体物質との複合物から構成される機能性製品と、その製造方法を提供することを目的とするものである。
1)本発明では、フマル酸塩等を添加することで抗菌・防カビ性能等に寄与する高価な銀成分等の流出を防ぎ、担体物質に担持及び含有された材料を得ることができ、且つ抗菌・防カビ性能等を発現する材料を得ることができる。
2)更に、廉価なフマル酸塩の添加量を最適化することで、添加した高価な銀成分を全て捕捉することが可能となるため、高価な資源の流出を防ぎながら、機能性を発現するものづくりが可能となる。
3)また、特に銀成分を効率的に捕捉するため、銀成分の添加量を半減しても同等の抗菌性能を発現することが可能となる。
4)更に銀成分のみでなく、捕捉しにくい他の金属(亜鉛、銅等)成分についても高い捕捉性能を示すことが分かった。
5)また、抗菌・防カビ材料としてだけでなく、触媒機能を向上させる助触媒としても活用できることも分かった。
6)フマル酸塩等を活用することで、水に溶けやすい材料を使用するため、設備を小型化した簡易な製造方法や安心・安全な製品を提供することも可能となる。
金属捕捉剤にコハク酸を選定し、各担体物質の重量に対して0.5mass%を90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW;石英結晶相およびクリストバライト結晶相を含むシリカ)、大村白土、株式会社五島鉱山製の五島PCクレー(ロウ石)、長崎陶料株式会社製の対馬陶石(SP-80)、株式会社ニッチツハイシリカ事業本部製の石英(FK-3F)をそれぞれ22gずつ用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。
そこで、本実施例では、銀の含有量を高めることができる金属捕捉剤を探索した。金属捕捉剤(=各種ジカルボン酸<直鎖二塩基酸>)を担体物質の重量に対して0.5mass%に固定して、90mlの蒸留水やアルコール溶液に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)を22g用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。図1の製造方法で得られた固体中に含まれる銀含有量を蛍光X線分析装置により求めた。その結果を表2に示す。
金属捕捉剤(=各種有機酸<カルボキシル基-COOH含む>)を担体物質の重量に対して0.5mass%に固定して、90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)をそれぞれ22g用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol硝酸銀を溶解した溶液を用いた。図1の製造方法で得られた固体中に含まれる銀含有量を蛍光X線分析装置により求めた。その結果を表3に示す。
更に、水に溶けやすい物質で、且つ安全な金属捕捉剤(=各種有機酸や無機化合物<Na塩,K塩含む>)を検討した。金属捕捉剤は、担体物質の重量に対し0.5mass%に固定して、90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)をそれぞれ22g用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。図1の製造方法で得られた固体中に含まれる銀含有量を蛍光X線分析装置により求めた。その結果を表4に示す。
廉価な金属捕捉剤の添加量を最適化することで、高価な銀成分を全て捕捉することを目的に、食品添加物に指定された安全な金属捕捉剤の中から選択し、担持量を変化させた場合の試料に含まれる銀含有量を確認した。金属捕捉剤は、担体物質の重量に対してそれぞれ、0.5,3.0,10mass%を90mlの蒸留水にそれぞれ溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)をそれぞれ22g用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。
また、金属捕捉剤をオルトケイ酸ナトリウムにして、図1の製造方法で得られた粉末のXRDパターンを図3に示す。複合物には酸化銀の生成が確認された。
金属捕捉剤を変えることで、銀成分の含有量が変化し、且つ抗菌性能が変化するかどうかを確認するため、金属捕捉剤にコハク酸、フマル酸、フマル酸水素ナトリウムを選定し、それぞれ担体物質の重量に対して0.5mass%を90mlの蒸留水に溶解して調製した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)をそれぞれ22gずつ用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。
フマル酸水素ナトリウムの金属成分の違いや担体物質の違いによる捕捉能力を確認するため、フマル酸水素ナトリウムを担体物質の重量に対して10mass%を90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、株式会社五島鉱山製の五島PCクレー(ロウ石)を22g用いた。硝酸亜鉛水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol硝酸亜鉛6水和物を溶解した溶液を用いた。硝酸銅水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol硝酸銅3水和物を溶解した溶液を用いた。
銀成分の添加量を少なくした場合の抗菌特性を確認するため、金属捕捉剤をフマル酸水素ナトリウムに固定し、担体物質の重量に対して10mass%を90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、株式会社五島鉱山製五島PCクレー(ロウ石)を22gずつ用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol,0.0125mol,0.00625molの硝酸銀をそれぞれ溶解した溶液を用いた。
担体物質の比表面積の違いによる銀成分の含有量を確認するため、金属捕捉剤をフマル酸水素ナトリウムに固定し、担体物質の重量に対して0.5mass%を90ml~150mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW:3.8m2/g)、日本アエロジル株式会社製の非晶質シリカ(380:380m2/g)及び品川ゼネラル株式会社製(P-1:301.5m2/g)をそれぞれ22gずつ用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。
金属捕捉剤をフマル酸水素ナトリウムにして、担体物質の重量に対して10mass%を90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)と株式会社五島鉱山製五島PCクレー(ロウ石)をそれぞれ22gずつ用いた。硝酸銀水溶液は、10mlの蒸留水に0.025molの硝酸銀を溶解した溶液を用いた。図1の製造方法と同様にして得られた固体中に含まれる銀含有量を蛍光X線分析装置により求めた。得られた粉末は、最小発育阻止濃度:MIC(大腸菌・黒麹黴)評価を一般社団法人京都微生物研究所に依頼した。その結果を表10-1に示す。
また、金属捕捉剤をリン酸三カリウムにして、図1の製造方法で得られた粉末のXRDパターンを図4に示す。複合物にはリン酸銀の生成が確認された。
図6に示すように、β-炭酸銀(以後、β相)の生成量が標準条件(表10-2)と比べて増加した。合成温度が高い方がβ相の生成に有利であり、担体物質をクリストバライトにすることで、β相の生成量が増加することも分かった。合成時に、クリストバライトが含まれないとβ相は生成しないことと合成温度を更に高くしてもβ相の生成には有利に作用しないことも確認された。また、図7に示すように、β相を多く生成させることで大腸菌や黒麹黴に対する抗菌活性が向上した。
捕捉率が低かった金属成分(亜鉛や銅)を更に捕捉できる金属捕捉剤を検討した。また、担体物質の違いによる捕捉能力も確認するため、それぞれの捕捉率を求めた。各種金属捕捉剤は、担体物質の重量に対して10mass%を90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)と株式会社五島鉱山製五島PCクレー(ロウ石)をそれぞれ22gずつ用いた。硝酸亜鉛水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol硝酸亜鉛6水和物を溶解した溶液を用いた。硝酸銅水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol硝酸銅3水和物を溶解した溶液を用いた。
銀・亜鉛・銅成分以外の金属成分(鉄)についても捕捉可能かどうか検討した。各種金属捕捉剤は、担体物質の重量に対して10mass%を90mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)を22gずつ用いた。鉄成分として、硝酸塩と塩化物塩及び硫酸塩を用いた。各種水溶液は、10mlの蒸留水に0.025mol硝酸鉄9水和物、塩化鉄(無水)、硫酸鉄をそれぞれ溶解した溶液を用いた。
他の金属成分(アルミニウム)について検討した。各種金属捕捉剤は、担体物質の重量に対して、10~40mass%を90~210mlの蒸留水に溶解した。担体物質は、大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)を22g用いた。アルミニウム成分として、硝酸塩(硝酸アルミニウム・9水和物)を用いた。硝酸塩の添加量は、0.025molとした。金属捕捉剤は、硫酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、コハク酸二ナトリウム、フマル酸水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムを選定した。図1の製造方法と同様にして得られた固体中に含まれるアルミニウム含有量を蛍光X線分析装置により求めた。その結果を表13-2に示す。得られた粉末の一部は、最小発育阻止濃度:MIC(大腸菌・黒麹黴)評価を一般社団法人京都微生物研究所にて実施した。その結果を表13-3に示す。MIC評価では、黒麹黴に対して400ppmを示した。硝酸アルミニウムは、硝酸銀と比較して、約1/35の価格を示し、劇物にも指定されていないため、取扱いが容易で安価な金属成分として使用できる。硝酸アルミニウムとフマル酸水素ナトリウム及びクリストバライトの複合物は、黒麹黴に対して抗菌活性を示した。
銀や銅等の成分は抗菌・防カビ材料として使用するだけでなく、触媒表面への金属担持による助触媒の効果も期待されるため、その効果を検証した。フッ素樹脂や分散剤及び光触媒粉末(石英結晶相およびクリストバライト結晶相を含むシリカに担持された酸化チタンを含む酸化チタン担持シリカからなる光触媒(TiO2-SiO2):特許第6561411号)等を含む水溶液(以後、加工液)を調製し、その加工液に銀成分や鉄成分や銅成分を担持した複合粉末を光触媒粉末に対して2.0mass%ずつ添加し、一昼夜、回転混合して銀成分を含んだ加工液、鉄成分を含んだ加工液や銅成分を含んだ加工液をそれぞれ作製した。
実施例13に関連して、作製した複合物をフッ素樹脂や分散剤及びTiO2-SiO2(特許第6561411号)と混合した加工液を作製した。そのうち、銀成分を含む加工液を網状アルミニウム合金製シート(50mm×50mm×0.55mm厚さ)やPTFE(四フッ化エチレン)多孔質フィルム(50mm×50mm×0.08mm厚さ)表面に被覆してアルミニウム合金製光触媒とPTFE多孔質膜光触媒を作製し、一般社団法人京都微生物研究所にて、JIS Z 2911(カビ抵抗試験)評価を実施した。試料を、29℃、相対湿度95%以上に設定された恒温恒湿器中に設置した。試料表面にはカビ胞子懸濁液を0.1ml接種し、試験を28日間行った。評価に用いた5種類のカビは、黒コウジカビ(NBRC-105649)、ペニシリウム・ピノフィラム(NBRC-33285)、ケタマカビ(NBRC-6347)、トリコデルマ(NBRC-6355)、ペシロマイセス(NBRC-33284)であった。その結果を表17および図9に示す。網状アルミニウム合金製シートからなるアルミニウム合金製光触媒は、肉眼及び顕微鏡下でも、カビの発育が観察されなかった。本発明の複合物を含む加工液を被覆した試料は、暗所下において長期間、菌糸の発育およびその増殖を抑制した。各種試料に光(特に紫外線)が受光されれば、活性酸素種の生成能を発現するため、更に防カビ効果を高めることが期待される。
アクリル樹脂試料の表面にプラスチック用プライマーを塗布して、常温乾燥後、光触媒粉末(TiO2-SiO2:特許第6561411号)に本発明の銀成分等を含む複合物(金属(銀)換算で担体物質に対して12mass%、金属捕捉剤としてリン酸三カリウム(担体物質の重量に対して10mass%)、担体物質として大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)を使用)を添加した加工液を塗布し、常温乾燥させた。得られた試料について、一般社団法人京都微生物研究所にて、抗菌力評価(JIS L 1902ハロー試験)を実施した。その結果を表18および図10に示す。黄色ブドウ球菌(NBRC-12732)と大腸菌(NBRC-3972)に対して、ハローが観察され、黄色ブドウ球菌と大腸菌に対する抗菌性を有することが分かった。
光触媒粉末(TiO2-SiO2:特許第6561411号)やフッ素樹脂等を含む加工液と光触媒粉末(TiO2-SiO2:特許第6561411号)を含まず、TiO2-SiO2と同量のSiO2やフッ素樹脂等を含む加工液をそれぞれ作製した。それぞれの加工液には、同量の銀成分が含まれるように本発明の複合物(金属(銀)換算で担体物質に対して12mass%、金属捕捉剤としてリン酸三カリウム(担体物質の重量に対して10mass%)、担体物質として大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)を使用)を加えた。それぞれの加工液は、PTFE(四フッ化エチレン)多孔質フィルム(縦50mm×横50mm、0.08mm厚さ)表面に被覆し、常温で固定化し、乾燥後に表面に同量(0.07g)の抗菌成分等を含む膜が形成された試料を作製した。得られた試料について、大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する抗菌力評価試験(JIS Z 2801:フィルム密着法)を一般社団法人京都微生物研究所にて実施した。その結果を表19に示す。それぞれの加工液で被覆したPTFE多孔質フィルムは、24時間後に大腸菌と黄色ブドウ球菌が検出されず、高い抗菌効果を発現した。光触媒粉末(TiO2-SiO2:特許第6561411号)を含む加工液は、紫外線等の光を受光すれば、活性酸素種の生成が予想される。光を受光できる環境下においては、銀成分と活性酸素種の生成による細菌又はカビの増殖抑制や防汚といったセルフクリーニング機能を発現する用途展開も期待される。
金属捕捉剤としてコハク酸(担体物質の重量に対して0.5mass%)を選択し、銀(金属(銀)換算で担体物質に対して4.95mass%)および大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)(担体物質)を含む複合物と、TiO2-SiO2(特許第6561411号)を準備した。複合物50gとTiO2-SiO2 50g[1対1(質量比)の割合]で混合した粉末(以後、光触媒等含有複合粉末)に100gの窯研株式会社製の「カオリンマット(乾燥粉末)」を混合し、そこに水道水(53.5%)を添加した水溶液(以後、光触媒等含有釉薬)を作製した。低火度陶土(マット釉)を原料としたタイル(50mm×50mm)を約900℃で仮焼した後、その表面に光触媒等含有釉薬を施釉したタイルを作製した。その後、一昼夜、常温乾燥後、電気炉で1230℃の酸化焼成を施したタイルを作製した。光触媒等含有複合粉末の添加量を変えて作製した光触媒等含有釉薬を調製し、それを施釉したタイルを複数枚作製した。光触媒等含有複合粉末の大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する添加量依存性を評価した。各種試料について、一般社団法人京都微生物研究所にて、抗菌力評価試験(JIS Z 2801;フィルム密着法)を実施した。その結果を表20および図11に示す。光触媒等含有釉薬に光触媒等含有複合粉末を10%以上添加することで、大腸菌と黄色ブドウ球菌に対して高い抗菌効果を示すことが分かった。金属捕捉剤を最適化すれば更に光触媒等含有複合粉末の添加量を抑えることが期待される。
実施例15で作製した加工液を網状アルミニウム合金製シート表面に常温で被覆・固定した。作製した試料は、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所にて、ウイルスに対する性能評価試験(JIS R 1706;バクテリオファージを用いた抗ウイルス性能評価試験)を行った。その結果を表21に示す。抗ウイルス活性値、光照射効果ともに光触媒工業会の製品判定基準値(抗ウイルス活性値が2.0、光照射効果が0.3)よりも高い数値を示した。
バクテリオQβファージは、ノロウイルスの代替として用いられている。開発された加工液を基材に被覆し、光照射を行うと、99.99%以上のバクテリオQβファージを不活化したことを意味する。これにより、細菌やカビの増殖抑制効果のみでなく、ウイルスに対しても増殖抑制効果が期待される。
紫外光応答型光触媒粉末(TiO2-SiO2:特許第6561411号)に鉄成分(硝酸鉄9水和物)を加えて光触媒粉末(TiO2-SiO2/Fe)を作製した。各光触媒粉末およびそれらのUV-Vis吸収スペクトルを図12に示す。TiO2-SiO2/Fe粉末は、紫外光応答型TiO2-SiO2粉末(特許第6561411)と比較すると、およそ400nm~560nm領域に可視光線の吸収が確認でき、より長波長の光を吸収できることが分かった。
TiO2-SiO2粉末(特許第6561411)等を含む加工液AとTiO2-SiO2/Fe粉末等を含む加工液Bをそれぞれ作製した。また、加工液の更なる高活性化を目指して、TiO2-SiO2/Fe粉末に本発明の銀成分を含む複合物(金属(銀)換算で担体物質に対して12mass%、金属捕捉剤としてリン酸三カリウム(担体物質の重量に対して10mass%)、担体物質として大村セラテック株式会社製のクリストバライト(10000LW)を使用)を添加した複合粉末(TiO2-SiO2/Fe-Ag)を含む加工液Cも同様に作製した。
3種類の加工液は、18/16メッシュの網状アルミニウム合金製(100mm×100mm×0.55mm厚さ)シート((株)吉田隆製)2枚に被覆した。常温乾燥後、3種類の光触媒フィルターを得た。活性酸素種生成能は、JISR1704に準拠して試験を行い評価した。光源として三共電気製ブラックライトブルー蛍光ランプ(352nm FL20SBLB×1本)および東芝蛍光ランプ(白色FL20S・W×1本)を用いて光触媒フィルター上面から照射した。紫外線強度は、0.84mW/cm2であった。光触媒表面から生成される活性酸素種(=メタンスルホン酸:以後MSA)をイオンクロマトグラフで定量した。その結果を表22に示す。加工液Bを被覆した光触媒フィルターは、加工液Aを被覆した光触媒フィルターと比較して、MSA生成量(=活性酸素種生成量)が増加した。また、加工液Bに銀成分を含む複合物を微量加えた加工液Cを被覆した光触媒フィルターは、加工液Bを被覆した光触媒フィルターよりも更に約2.1倍MSA生成量(=活性酸素種生成量)が増加した。
今回作製した加工液Cを被覆した光触媒フィルターは、紫外線よりも長波長側の光も吸収できる加工液Bを活用したことや銀成分を含む複合物の添加により、光源の低エネルギー化に寄与しながら、活性酸素種生成量を増加することが出来た。
Claims (6)
- 金属捕捉剤と、抗菌・防カビ成分及び/又は触媒材料及び担体物質との複合物から構成される機能性製品であって、前記金属捕捉剤として、炭酸塩又は亜硫酸塩又はリン酸塩又はコハク酸塩又はフマル酸塩又は酢酸塩又はチオ硫酸塩又はクエン酸塩又は硫酸塩又はケイ酸塩を有効成分として含有し、前記触媒材料が、石英結晶相およびクリストバライト結晶相を含むシリカに担持された酸化チタンを含む酸化チタン担持シリカからなる光触媒、あるいは、該光触媒に金属成分を加えて可視光線の吸収を示す光触媒であることを特徴とする、抗菌・防カビ材料及び/又は触媒材料を含む機能性製品。
- 金属捕捉剤の炭酸塩が、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムであり、亜硫酸塩が、亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムであり、リン酸塩が、リン酸三カリウム、トリポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムであり、コハク酸塩が、コハク酸二ナトリウム、コハク酸一ナトリウムであり、フマル酸塩が、フマル酸水素ナトリウムであり、酢酸塩が、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムであり、チオ硫酸塩が、チオ硫酸ナトリウムであり、クエン酸塩が、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウムであり、硫酸塩が、硫酸カリウムであり、ケイ酸塩が、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムである(いずれの金属捕捉剤も水和物含む)、請求項1に記載の機能性製品。
- β-炭酸銀または炭酸銀または亜硫酸銀またはリン酸銀または酸化銀のいずれか1種以上の結晶相を含む、請求項1または2に記載の機能性製品。
- 担体物質が、クリストバライト結晶相、または石英結晶相およびクリストバライト結晶相を含むシリカである、請求項1~3のいずれか1項に記載の機能性製品。
- 金属捕捉剤と、抗菌・防カビ成分及び/又は触媒材料及び担体物質との複合物から構成され、前記金属捕捉剤として、炭酸塩又は亜硫酸塩又はリン酸塩又はコハク酸塩又はフマル酸塩又は酢酸塩又はチオ硫酸塩又はクエン酸塩又は硫酸塩又はケイ酸塩を有効成分として含有する、抗菌・防カビ材料及び/又は触媒材料を含む機能性製品の製造方法であって、水に金属捕捉剤を溶解する工程と、それに担体物質を加えて混合し、機能性を示す金属成分を入れて混合する工程、水溶液と固体を分ける工程、及び乾燥・分級工程からなることを特徴とする抗菌・防カビ材料及び/又は触媒材料を含む機能性製品の製造方法。
- 請求項1~4に記載のいずれかの金属捕捉剤と、抗菌・防カビ成分及び/又は触媒材料、及び担体物質とを複合化した材料を機能性素材として使用したことを特徴とする機能性製品の製造方法。
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