JP7407655B2 - 水安定供給システム - Google Patents

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Description

本願は、水安定供給システムに関する。
災害時において、水を避難所に確実に届ける上で必要となるのは、(1)水を必要とする断水地域の把握、(2)水を必要とする人がいる避難所の把握、(3)水を運ぶための道路などの状況把握、(4)水をどれだけ運べばよいかの給水量の把握、(5)複数の避難所を可能な限り一筆書きで廻るために取水可能な場所の把握、(6)断水地域、道路状況、給水量の精度向上などである。
しかし、大規模な災害時においては、水道、ガス、電気、通信、道路など様々な社会インフラストラクチャ(以下、インフラと略称)がダメージを受けた状況となり、被災規模、インフラ状況などの情報が錯綜するために混乱する。
災害時に安定して水供給する従来技術としては、下記の引用文献1に記載されているように、給水制限、断水、給水車配車するための計画案を作成するものがある。この場合の当該計画案の入力パラメータとしては、住民活動情報、需要予測、供給優先度予測などが挙げられているが、具体的なシミュレーション方法およびその実現手段については詳しくは言及されていない。
特開2014-6612号公報
(1)大規模地震などの災害においては、市町村の道路が電柱倒壊、建物倒壊などで通行できない可能性がある。NEXCO(登録商標)(Nippon EXpressway COmpany Limited)等が提供する道路情報は、パイパスまたは高速道路までが多く、市町村の国道までは扱っていない。国道レベルは各県が扱っているが、災害時にリアルタイムに更新できない可能性がある。この場合、給水車が避難所まで到達できず、最悪は被災者が待ちぼうけになる。
(2)我が国の社会資本は昭和の高度成長期に建設、整備されたものが多く、それらが老朽化する中で如何にしてストック効果を最大化していくかが課題となっている。水道においても水道管の老朽化による漏水が問題となっており、その漏水を検知するには、現在のところ、目視確認(水道管の径が大きい場合)、もしくは音による人手判断が主流である。特に、人手による音確認は熟練技術者による感が頼りである。労働人口が減っていく現状において技術伝承による技術者育成も課題となっている。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、災害時において人間の生の根幹である「水」を被災者がいる避難所等に確実に供給でき、また、少ない労力で平時における漏水検知の精度高めることにより、常に安定した水の供給を可能とする水安定供給システムを提供することを目的とする。
本願に開示される水安定供給システムは、
断水情報が蓄積されたデータベースサーバから断水地域の情報を抽出する断水地域抽出機能部と、
前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域における避難所を抽出する避難所抽出機能部と、
前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域における通行可能なルートを抽出する通行ルート抽出機能部と、
前記避難所抽出機能部によって抽出された前記避難所の人口密度および人口密度に応じた給水量を計算する給水量抽出機能部と、
前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域、および前記通行ルート抽出機能部によって抽出された通行可能なルートの情報に基づいて取水可能でかつ通行可能な取水場所となる候補を抽出する取水場所抽出機能部と、
前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域、前記避難所抽出機能部によって抽出された前記避難所、前記通行ルート抽出機能部によって抽出された前記通行可能なルート、前記給水量抽出機能部によって計算された前記給水量、および前記取水場所抽出機能部によって抽出された前記取水場所の各情報に基づいて、避難所に対する給水量、および給水車が取水場所を経由して避難所に至るまでの通行可能なルートを特定して水供給情報として外部に出力する水供給情報抽出機能部と、
を備える。
また、本願に開示される水安定供給システムによれば、少ない労力で平時における漏水検知の精度高めることができるため、常に安定した水の供給が可能になる。
実施の形態1に係る水安定供給システムを示す構成図である。 実施の形態2に係る水安定供給システムを示す構成図である。 実施の形態3に係る水安定供給システムを示す構成図である。 図3の災害時の水安定供給システムにいて、災害時の漏水情報と平時の漏水情報とを選別するための処理を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本願の実施の形態1に係る水安定供給システムを示す構成図である。
この実施の形態1の水安定供給システム100は、第1通信機能部110、第2通信機能部120、第3通信機能部130、第4通信機能部140を備える。
第1通信機能部110は、例えば水道局などが保有する断水に係る情報を蓄積するデータベースサーバ(図ではDBSと略す)10と通信する。ここに断水に係る情報とは、例えば緊急遮断弁がどの管路で閉まっているかなどの情報である。その他、流量、流速などの情報も判断材料になり得る。
第2通信機能部120は、例えば国土交通省が保有する地震のハザードマップなどの情報を蓄積するデータベースサーバ(図ではDBSと略す)20と通信する。
第3通信機能部130は、例えばNEXCO(登録商標)および都道府県が保有する道路情報などの情報を蓄積するデータベースサーバ(図ではDBSと略す)30と通信する。
第4通信機能部140は、例えば携帯電話会社が保有する個人のスマートフォンなどの通信端末の位置情報を蓄積するデータベースサーバ(図ではDBSと略す)40と通信する。
さらに、この実施の形態1の水安定供給システム100は、断水地域抽出機能部210、避難所抽出機能部220、通行ルート抽出機能部230、給水量抽出機能部240、取水場所抽出機能部310、水供給情報抽出機能部410、画面表示機能部510、および関係先情報発信機能部520を備える。
断水地域抽出機能部210は、水道局等が保有するデータベースサーバ10から第1通信機能部110を介して得られた緊急遮断弁閉、水道管流速、流量などの情報から断水地域とそうでない地域とを抽出する。
避難所抽出機能部220は、国土交通省等が保有するデータベースサーバ20から第2通信機能部120を介して得られたハザードマップ情報、および断水地域抽出機能部210によって抽出された断水地域の情報に基づいて、断水地域における避難所を抽出する。基本的には、複数のハザードマップを重ね合わせて避難所を絞り込む。
通行ルート抽出機能部230は、NEXCO(登録商標)、都道府県が保有するデータベースサーバ30から第3通信機能部130を介して得られた道路情報、および断水地域抽出機能部210によって抽出された断水地域の情報に基づいて、断水地域における現在通行可能なルートを抽出する。NEXCO(登録商標)以外にもVICS(登録商標)(Vehicle Information and communication System)などとも連携して得られた情報をスクリーニングして通行可能なルートを抽出する。
給水量抽出機能部240は、携帯電話会社等が保有するデータベースサーバ40から第4通信機能部140を介して得られる個人の通信端末の位置情報を入手するとともに、避難所抽出機能部220によって抽出された避難所の情報に基づいて、避難所の人口密度および人口密度に応じた必要な給水量を計算する。
取水場所抽出機能部310は、断水地域抽出機能部210によって抽出された断水地域、および通行ルート抽出機能部230によって抽出された通行可能なルートの情報に基づいて、取水可能でかつ通行可能な取水場所となる候補を抽出する。
水供給情報抽出機能部410は、断水地域抽出機能部210によって抽出された断水地域、避難所抽出機能部220によって抽出された避難所、通行ルート抽出機能部230によって抽出された通行可能なルート、給水量抽出機能部240によって計算された給水量、および取水場所抽出機能部310によって抽出された取水場所の各情報に基づいて、避難所に対する給水量、および給水車が取水場所を経由して避難所に至るまでの通行可能なルートを特定して水供給情報としてその結果を外部に出力する。
画面表示機能部510は、水供給情報抽出機能部410で得られた結果を人間の目で視覚的に認知できるよう画面表示する。
関係先情報発信機能部520は、水供給情報抽出機能部410で得られた結果を予め登録した関係先に情報を発信する。
次に、各部の動作について説明する。
断水地域抽出機能部210は、水道局等が保有するデータベースサーバ10から提供される緊急遮断弁情報、流量、流速情報などから断水地域とそうでない地域とを抽出する。この結果で断水地域になったところが、水安定供給システム100で、水を供給すべき地域となる。また、断水地域抽出機能部210は、基本的には自動計算であるが、手動入力も可能とする。これは、現地の水道局員、あるいは自治体職員からの確実な断水情報をシステムに反映するためである。
避難所抽出機能部220は、国土交通省、民間企業等が保有するデータベースサーバ20から提供されるハザードマップ情報に基づいて情報のスクリーニングを行い、避難所の候補を抽出する。これに加えて、給水量抽出機能部240で扱う個人通信端末からの情報に基づく人口密度の分布情報から、避難所抽出機能部220が抽出した避難所の候補の確からしさを検証して補正を行う。
通行ルート抽出機能部230は、NEXCO(登録商標)、都道府県等が保有するデータベースサーバ30から得られた道路運行情報に基づいて、通行可能な道路を把握する。道路情報は、その他VICS(登録商標)等もあるので通行ルート抽出機能部230は、情報の融合、またはスクリーニングを行う。
給水量抽出機能部240は、携帯電話会社が保有するデータベースサーバ40から個人の通信端末の位置情報を入手し、この位置情報に基づいて避難所における人口密度を算出し、この算出した人口密度に応じた必要給水量を計算する。また、避難所抽出機能部220に対して、算出した人口密度を受け渡す。
なお、この給水量抽出機能部240は、断水地域の有無、および避難所の有無とは関係なく、単に人口密度分布に応じて必要な給水量を算出する。また、給水量抽出機能部240は、上記のように携帯電話会社等から定期的な位置情報に基づいて避難所における人口密度の算出を行うが、その場合の人口密度の計算には、通信端末の個人情報は取り扱わないものとする。すなわち、携帯電話会社等は、どの個人の通信端末が、どの県のどの市町村の基地局に接続されているかが分かるので、通信端末の位置情報を取得することができる。
通信端末については、1つの基地局がカバーするのは半径数kmなので、そのエリア内に存在する通信端末の数が人口密度分布となる。しかし、近年注目されている第5世代移動通信(以下、5Gという)は、利用する周波数帯が現在の4Gより高い。無線通信電波の周波数帯が高くなるにつれ、高速通信が可能になるが、逆に通信可能距離は短くなっていく。したがって、5Gでは1つの基地局がカバーする範囲が現在より小さくなるので、より精度の高い人口密度を算出することが期待できる。
取水場所抽出機能部310は、断水地域抽出機能部210からの情報に基づいて断水が生じていない取水可能な地域を特定するとともに、通行ルート抽出機能部230からの通行可能な道路情報に基づいて、取水可能かつ通行可能な取水場所となる候補を抽出する。
水供給情報抽出機能部410は、断水地域抽出機能部210の情報から断水により給水が必要な地域を特定し、また、避難所抽出機能部220の情報から断水地域に該当する避難所を計算する。そして、通行ルート抽出機能部230からの情報と重ね合わせて、給水車が取水場所を経由して給水すべき避難所に至るまでの通行可能な通行ルートを算出する。その際、給水量抽出機能部240の情報から、給水すべき避難所の優先順位を計算する。最後に、取水場所抽出機能部310の情報から、廻るべき避難所の途中で取水可能な場所を当て込み、一筆書きで巡回できる給水ルートを計算して出力する。
画面表示機能部510は、水供給情報抽出機能部410で計算した結果を人間が視覚的に認識できるように画面表示する。すなわち、この表示画面では、1台の給水車がどのルートで、どの断水地域の避難所に水を供給するのかを表示する。また、1つの避難所において何時間おきに給水車が廻ってくるかなどの情報も表示する。
関係先情報発信機能部520は、水供給情報抽出機能部410で計算した結果を関係先に情報発信する。この場合、関係先は複数にわたることがあり、各々の関係先では必要とする情報が異なることが予想される。そのため、関係先情報発信機能部520は、情報配信先に合わせた通信プロトコル、配信フォーマット、電子ファイル形態が準備されている。
以上のように、この実施の形態1の水安定供給システムによれば、情報通信分野において水道局、国土交通省、NEXCO(登録商標)、都道府県、携帯電話会社といった我が国の社会資本を形成する自治体、企業が保有する情報などと連携するとともに、被災者から発信される情報も同時に活用することで、断水地域にある避難所において必要となる給水量を確保するのに必要な取水量、および給水車が効率的に走行する上での給水ルートを少ない人員でもって自動的かつ確実に決定することができる。これにより、災害時に断水地域の避難所に対して安定的に水を供給することが可能となるという効果が得られる。
実施の形態2.
図2は、本願の実施の形態2に係る水安定供給システムを示す構成図である。
この実施の形態2における水安定供給システムでは、図1に示した水安定供給システムの構成に対して、災害対策用ホームページ機能部610が追加されている。
この災害対策用ホームページ機能部610は、被災者が保有する通信端末または避難所に仮設されたパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記)向けに水供給情報を提供する。また、被災者が現地の情報を入力できる画面を提供する。
さらに、災害対策用ホームページ機能部610は、水供給情報抽出機能部410、断水地域抽出機能部210、避難所抽出機能部220、および通行ルート抽出機能部230と情報連携し、かつ、断水情報を蓄積するデータベースサーバ10、ハザードマップ情報を蓄積するデータベースサーバ20、および道路情報を蓄積するデータベースサーバ30と互いに情報連携するように構成されている。この場合の情報連携は、既存の情報処理技術を活用して実施する。
次に、実施の形態2における動作について説明する。
災害対策用ホームページ機能部610は、被災者が保有する通信端末、あるいは避難所に仮設されたPC向けに水供給情報を提供する。すなわち、災害対策用ホームページ機能部610は、水供給情報抽出機能部410で算出した結果に基づいて、各避難所にいつ、どれだけの水を配送するかの情報を提供する。また、ある避難所における次回水供給の情報等も提供する。
さらに、災害対策用ホームページ機能部610は、避難所までの水供給ルートにおいて建物倒壊等で道路が寸断されている場合には、給水車が到達できる場所の情報を提供する。この道路寸断情報は、後述する被災者が入力する情報に基づいて出力する。この仕組みにより、道路が寸断された場合において、被災者と給水車の両方が互いの接触点を情報共有できるため安定した水供給が可能となる。
また、災害対策用ホームページ機能部610は、被災者の通信端末およびPC向けに現地状況の入力画面を配信する。被災者は、断水、停電、道路状況などの周辺状況を画面に入力すると、その入力情報が災害対策用ホームページ機能部610に蓄積される。蓄積された情報は、断水地域抽出機能部210、避難所抽出機能部220、および通行ルート抽出機能部230に反映され、より精度の高い水供給情報抽出機能部410となっていく。
すなわち、被災者が災害対策用ホームページ機能部610に現地の詳細情報を入力すればするほど、精度の高い水安定供給システムとなる。加えて、現地の詳細情報を入力した数が多い避難所ほど精度の高い水供給を受けることができる。
災害対策用ホームページ機能部610で蓄積している現地情報は、断水情報を蓄積するデータベースサーバ10、ハザードマップ情報を蓄積するデータベースサーバ20、道路情報を蓄積するデータベースサーバ30へ送信する。断水情報を蓄積するデータベースサーバ10、ハザードマップ情報を蓄積するデータベースサーバ20、道路情報を蓄積するデータベースサーバ30は、災害対策用ホームページ機能部610からの蓄積データを今回災害の結果としてフィードバックすることで次回に向け精度を高めることができる。
例えば、ハザードマップ情報を蓄積するデータベースサーバ20は、災害時の避難所も情報提供している。この情報に実際に災害のあった蓄積データの避難所をフィードバックすることで、予測していた避難所が正しかったのか、他にもっと良い避難所の候補がなかったかを検証できる。
地震などの大規模災害の発災直後は、法律で定められている通り、水道、ガス、電力などの社会インフラを扱う自治体向けの通信が優先される。このため、被災者向けの通信機能が大きく制限され、被災者の通信端末に画面を配信しても大きな遅延が発生する。これを回避すべく、各避難所に設置されたPCを代表端末として情報配信および情報取得を行う。
具体的には、災害対策用ホームページ機能部610で設定した通信速度(インターネットアクセス応答時間)以下なら、被災者の通信端末、あるいは避難所のPCに対する自発的な情報発信を控え、各避難所のPCからのアクセスのみを許可することで情報配布および情報取得を行う。
被災者の通信端末から災害対策用ホームページ機能部610へのアクセスもある。この場合、通信端末→携帯電話会社のアクセスポイント→アクセス網→コア網経由で災害対策用ホームページ機能部610の順にアクセスされる。携帯電話会社では、ユーザの通信端末に関する情報を保有しているので、これを活用する。災害対策用ホームページ機能部610においては、ファイアウォール機能を持たせ、設定した通信速度以下になったら通信端末からのアクセスを制限(許可しない)する。
以上のように、この実施の形態2の水安定供給システムによれば、実施の形態1の構成に対して、さらに災害対策用ホームページ機能部610を追加することにより、実施の形態1の効果に加えて、災害対策用ホームページ機能部610に現地の詳細情報を入力する数が増加するほど、これに伴って避難所に対して精度の高い水供給を行うことができる。さらに、携帯端末からのアクセスが制限されていて通信機能が十分に発揮できない場合でも、災害対策用ホームページ機能部610から現地の詳細情報を取得して精度の高い水供給を持続することができるという効果が得られる。
実施の形態3.
図3は、本願の実施の形態3に係る水安定供給システムを示す構成図である。
この実施の形態3の水安定供給システムは、平時漏水実績データベース(図ではDBと略す)710、平時運転操作履歴データベース(図ではDBと略す)720、災害時運転操作履歴データベース(図ではDBと略す)730、平時漏水特性解析部740、および平時漏水予測部750を備える。
平時漏水実績データベース710は、平時において実際に発生した過去の漏水事故の情報を水道自治体職員等が登録して蓄積したデータベースである。この場合の漏水事故の情報とは、例えば、漏水事故が発生した日時、漏水事故の発生地域、場所、漏水事故の具体的な内容(例えば水道管の亀裂の程度など)を示す実績情報である。
平時運転操作履歴データベース720は、平時漏水実績データベース710に蓄積される漏水事故の実績情報に対応させたもので、平時に漏水事故が発生した際に水道自治体等の職員がバルブの開閉、ポンプのオン/オフなどの運転操作をした内容を蓄積したデータベースである。
災害時運転操作履歴データベース730は、災害時に水道自治体等の職員がバルブの開閉、ポンプのオン/オフなどの運転操作をした内容を広範囲の地域から収集して蓄積したデータベースである。
したがって、災害時運転操作履歴データベース730に蓄積されている災害時運転操作履歴の情報には、災害時に水道管の切断、大きな破裂といった重大な事故発生のために水道管圧力が短時間で大きく低下し、その対処のためにバルブを全開にする、あるいは、複数台のポンプを同時に起動するなど、平時とは異なる災害特有の運転操作履歴が当然含まれる。しかし、それだけでなく、災害時に水道管に微細なひびが発生するなど、平時にも起こり得る漏水が災害によって顕在化されたような軽微な漏水が発生し、その補償のために、例えばバルブの開度を少しだけ増加するなど、平時の延長線上にあるような運転操作履歴も同時に含まれている。
ここで、上記の平時漏水実績データベース710および平時運転操作履歴データベース720に蓄積されている情報は、例えば市町村単位の比較的限定された地域での平時における漏水実績と、これに対応する運転操作履歴の情報を蓄積したものである。
一方、災害時運転操作履歴データベース730に蓄積されている情報は、例えば都道府県単位の比較的広い地域での災害時における運転操作履歴の情報をできるだけ多く収集して蓄積したものである。
このため、平時運転操作履歴データベース720に蓄積されている情報量と、災害時運転操作履歴データベース730に蓄積されている情報量とを比較すると、後者が前者に比べて相対的に情報量が多くなっている。
なお、平時運転操作履歴データベース720および災害時運転操作履歴データベース730は、ハードディスクなどの記録媒体を個々に設けた場合でもよく、あるいは記録媒体を共有したものであってもよい。
平時漏水特性解析部740は、平時漏水実績データベース710に蓄積された平時の漏水情報、および平時運転操作履歴データベース720に蓄積されたその時の運転操作履歴の情報に基づいて、平時の漏水特性を例えば人工知能(以下、AIと表記)を利用して解析し、その結果を出力する。
平時漏水予測部750は、災害時運転操作履歴データベース730に蓄積された災害時のバルブの開閉、ポンプのオン/オフなどの運転操作履歴の情報に基づいてAIを利用した解析を実行して平時の漏水特性を抽出し、この抽出した漏水特性と先の平時漏水特性解析部740の解析結果として得られた平時の漏水特性とを組み合わせ、その結果を平時漏水予測760として出力する。
次に、平時漏水特性解析部740および平時漏水予測部750の具体的な動作について説明する。
平時漏水特性解析部740は、平時漏水実績データベース710に蓄積された平時の漏水情報、および平時運転操作履歴データベース720に蓄積されたその時の運転操作履歴の情報に基づいて、平時漏水特性を例えば人工知能(以下、AI(Artificial Intelligence)と記す)を利用して抽出し、その結果を出力する。
ここに、平時漏水特性とは、平時に発生する漏水特有の傾向を示すもので、例えば、平時において漏水が発生していない場合と比べたバルブの開度の増加量、あるいはポンプの排水出力の増加量といった、漏水発生に伴う特性変化の傾向を解析して抽出する。
続いて、平時漏水予測部750は、災害時運転操作履歴データベース730に蓄積された運転操作履歴の情報に基づいて、AIを利用して平時時の漏水特性を抽出する。
前述のように、災害時運転操作履歴データベース730に蓄積されている災害時運転操作履歴の情報には、大別して、平時とは異なる災害特有の漏水に対する運転操作履歴と、平時にも起こり得る漏水に対する運転操作履歴の2つのタイプの情報が混在している。
しかし、平時漏水予測部750において平時の漏水特性を予測する場合、災害特有の運転操作履歴の情報は、平時と比べ特異なものであるので、平時の漏水特性を抽出するにはこのような情報は排除して平時にも起こり得る漏水に対する運転操作履歴のみを利用する必要がある。
そこで、平時漏水予測部750において、災害特有の漏水事例に対する運転操作履歴か、あるいは平時の漏水事例に対する運転操作履歴かを判別するためのしきい値を設定して、後者の情報のみを抽出する。
この点について、図4に示すフローチャートを参照して次に説明する。なお、図面において符合Sは処理ステップを意味する。
一般的に、災害時において水道管が大きく破裂した場合に起きる漏水は、水道管の圧力が短時間で大きく下がる傾向が強い。その対処のために、この時の操作履歴としては、例えばバルブを全開にし、あるいは、ポンプを複数台同時に起動するなど、給水量を増加させるケースが考えられる。このような運転操作履歴(操作履歴1)があるとき(ステップS820)、平時漏水予測部750は、災害時特有の漏水特性(漏水特性1)があると判定する(ステップS870)。
また、前者ほど短時間での水道管の圧力はないが、単位時間当たりの圧力低下の変化が大きく、その対処のために、平時とは異なる災害特有の運転操作履歴(操作履歴2)があるとき(ステップS830)、平時漏水予測部750は、災害時特有の漏水特性(漏水特性2)があると判定する(ステップS880)。
一方、微細なひびによる漏水が発生しているなど、平時に発生する漏水と同類の傾向を示すために、平時と同様な運転操作履歴(操作履歴3、操作履歴4)があるとき(ステップS840、ステップS850)、平時漏水予測部750は、平時の漏水特性(漏水特性3、漏水特性4)があると判定する(ステップS890、ステップS900)。
そして、漏水特性1、2と漏水特性3、4との判別結果の間に予めしきい値Lshを設定しておくことにより、平時漏水予測部750は、災害特有の運転操作履歴に基づく情報(漏水特性1、2)を排除して、平時にも起こり得る漏水に対する運転操作履歴のみに基づく漏水特性(漏水特性3、4)のみを抽出する。
なお、単位時間当たりの漏水量は同じであるが漏水水圧が異なるなど、上記とは異なるパラメータによって漏水特性の判定を行ってもよい。
このようにして、漏水の大きさと特徴、圧力変化等に対する運転操作履歴をパターン化し、予め設定したしきい値Lshで漏水特性を選別することで、平時にも起こり得る漏水特性を導き出すことができる。
引き続いて、平時漏水予測部750は、上記のようにして災害時運転操作履歴データベース730に蓄積された運転操作履歴の情報に基づいて、平時の漏水特性が抽出されると、先の平時漏水特性解析部740によって抽出された平時の漏水特性と組み合わせ、これを平時漏水予測760として出力する。
これにより、平時漏水予測部750の解析結果として得られる平時漏水予測760に基づいて、実際に漏水が発生しているかどうかを確認して対策を講じることができる。そして、この平時漏水予測760の結果を平時漏水特性解析部740にフィードバックする。このようにすることで、平時漏水特性解析部740が解析する平時の漏水特性の抽出性能を高めることができる。
すなわち、初期の段階では、平時漏水特性解析部740において、比較的限定された地域での平時における漏水実績と、これに対応する運転操作履歴の情報を蓄積して漏水特性が抽出されるため、情報量が比較的少なく、精度があまり高くない。しかし、平時漏水予測部750で予測される平時の漏水特性が平時漏水予測760として、平時漏水特性解析部740にフィードバックされて追加されるため、平時漏水特性解析部740で平時の漏水特性を抽出する際の検出精度が次第に高くなる。
以上のように、この実施の形態3の水安定供給システムによれば、災害時において事例の多い漏水に対する運転操作履歴を活用し、その情報に基づく平時の漏水特性をAIで解析して抽出し、この抽出された漏水特性を平時の運転操作履歴へフィードバックすることにより、平時の漏水特性を少ない労力でもって精度良く検知することができるという効果が得られる。
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態が記載されているが、複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は、特定の実施の形態の適用に限られるものではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも一つの構成要素を変形する場合、追加する場合、または省略する場合、さらには、少なくとも一つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれものとする。
10 データベースサーバ、20 データベースサーバ、30 データベースサーバ、40 データベースサーバ、100 水安定供給システム、110 第1通信機能部、
120 第2通信機能部、130 第3通信機能部、140 第4通信機能部、
210 断水地域抽出機能部、220 避難所抽出機能部、
230 通行ルート抽出機能部、240 給水量抽出機能部、
310 取水場所抽出機能部、410 水供給情報抽出機能部、
510 画面表示機能部、520 関係先情報発信機能部、
610 災害対策用ホームページ機能部、710 平時漏水実績データベース、
720 平時運転操作履歴データベース、730 災害時運転操作履歴データベース、
740 平時漏水特性解析部、750 平時漏水予測部、760 平時漏水予測。

Claims (2)

  1. 断水情報が蓄積されたデータベースサーバから断水地域の情報を抽出する断水地域抽出機能部と、
    前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域における避難所を抽出する避難所抽出機能部と、
    前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域における通行可能なルートを抽出する通行ルート抽出機能部と、
    前記避難所抽出機能部によって抽出された前記避難所の人口密度および人口密度に応じた給水量を計算する給水量抽出機能部と、
    前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域、および前記通行ルート抽出機能部によって抽出された通行可能なルートの情報に基づいて取水可能でかつ通行可能な取水場所となる候補を抽出する取水場所抽出機能部と、
    前記断水地域抽出機能部によって抽出された前記断水地域、前記避難所抽出機能部によって抽出された前記避難所、前記通行ルート抽出機能部によって抽出された前記通行可能なルート、前記給水量抽出機能部によって計算された前記給水量、および前記取水場所抽出機能部によって抽出された前記取水場所の各情報に基づいて、避難所に対する給水量、および給水車が取水場所を経由して避難所に至るまでの通行可能なルートを特定して水供給情報として外部に出力する水供給情報抽出機能部と、
    を備える水安定供給システム。
  2. 前記水供給情報抽出機能部で得られた水供給情報を画像として出力するとともに、被災者が給水に関する現地情報を入力する入力画面を有する災害対策用ホームページ機能部を備える請求項1に記載の水安定供給システム。
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