JP7405788B2 - ボルト軸力検査方法及びボルト軸力検査装置 - Google Patents

ボルト軸力検査方法及びボルト軸力検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の被締結体を締結したボルトの締め付け軸力(以下、ボルトの軸力)を測定し、検査するボルト軸力検査方法及びボルト軸力検査装置に関する。
複数の被締結体を締結した機構部品として、ボルト締結要素がある。ボルト締結要素は、主に、被締結体、ボルト、座金、ナットなどを組み合わせることによって構成される。そして、ボルトが、複数の被締結体を締結するために使用されると、ボルトの軸力によって、複数の被締結体が締め付けられ、固定される。このように、ボルト締結要素は、機械構造物や建築構造物の組み立てなどにおいて重要な要素又は部品である。
また、ボルトの軸力を把握し、管理することは、被締結体の締結部の強度の設計やその管理において重要である。ボルトの軸力が低いと振動による緩みの原因になる。一方、ボルトの軸力が高いと被締結体の破壊を起こす原因になるほか、被締結体の座面(締結部)の陥没による緩みの原因やボルトが塑性伸びを起こすことによる緩みの原因となる。
ボルトの軸力を測定する装置として、ひずみゲージ計、超音波軸力計、ロードセル式軸力計、油圧式軸力計などがある。ひずみゲージ計は、例えば、ボルトが偏心するなどの初期不整の影響を受けるため、ボルトの頂部に貼り付けたひずみゲージは、ボルトの軸部に貼り付けたひずみゲージに比較して、ボルトの軸力の測定精度が低いことが知られている。また、超音波軸力計は、塑性域締め付けに不向きであり、更に、ボルトの頭頂面とボルトの先端面とを平行にする追加の加工が必要となる場合がある。また、ロードセル式軸力計と油圧式軸力計とは、主に、校正用であり、実製品への適用には不向きである。
一方、ボルトの軸力を測定する代わりに、ボルトへの締め付けトルクを測定することによって、間接的にボルトの軸力を測定する方法も知られている。しかし、例えば、インパクトレンチのボルトへの締め付けトルクの測定精度は、±20%~±40%程度であり、これに摩擦係数のばらつきの影響が重畳されるため、この方法によるボルトの軸力の測定精度は低い。
更に、油圧式テンショナや機械式テンショナは、機械的張力を測定することによって、上記する方法よりも高い測定精度でボルトの軸力を測定することができるが、この方法では、大型の締め付け工具が必要となる。
そこで、ボルトの軸力を精度よく測定するため、例えば、特開2019-141973号公報(以下、特許文献1)がある。特許文献1には、被締結体に締結されたボルト軸力測定方法であって、予め設定され、ボルトの頂部に凹みが生じる仮締めトルクで、ボルトを被締結体に仮締めする工程と、仮締めしたボルトの第1の軸力を測定する工程と、予め設定され、仮締めトルクより大きい本締めトルクで、ボルトを被締結体に本締めする工程と、本締めしたボルトの第2の軸力を測定する工程と、ボルトを仮締めした際のトルクと、ボルトを本締めした際のトルクと、第1の軸力と第2の軸力との差分と、を使用し、本締めしたボルトの推定軸力を測定する工程と、を有するボルト軸力測定方法が記載されている(特許文献1の要約参照)。
特開2019-141973号公報
特許文献1に記載されるボルト軸力測定方法は、締め付けによって生じたボルトの頂部の凹み量を、凹み量が測定可能な仮締め時と本締め時とで測定し、これらの差分を、予め設定された凹み量とボルトの軸力との関係に基づいて、ボルトの推定軸力を測定する。このため、稼働中の機械構造物(製品)に既設されたボルトの軸力を測定するためには、一旦ボルトを仮締めし、再度ボルトを本締めする必要がある。
また、特許文献1に記載されるボルト軸力測定方法は、ボルトの頂部の凹み量を測定するため、ボルトを締結している最中の偏心をリアルタイムに測定することが容易でなく、この偏心がボルトの軸力に及ぼす影響を検知することが困難である。
そこで、本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、稼働中の機械構造物に既設されたボルトの軸力を測定するため、ボルトを大幅に緩める又は増し締めすることなく、ボルトの軸力の絶対値を測定し、更に、ボルトを締結している最中の偏心などによるボルトの締め付け不具合(異常)を検知することによって、ボルトの締結状態を検査するボルト軸力検査方法及びボルト軸力検査装置を提供する。
上記した課題を解決するため、本発明のボルト軸力検査方法は、複数の被締結体を締結するボルトの軸力を検査するボルト軸力検査方法である。
そして、ボルト又は/及び被締結体に、ボルト又は/及び被締結体の変位情報に基づき、ひずみ分布を視覚的に顕在化させる特徴パターンを形成する工程と、特徴パターンの1枚目の画像を撮影する工程と、ボルトに既知の外力を付与する工程と、特徴パターンの2枚目の画像を撮影する工程と、撮影された2枚の前記特徴パターンの画像からひずみ分布を解析し、それぞれひずみ値を算出し、これらひずみ値の差分を算出する工程と、ボルトに付与される外力から算出されるボルトの軸力の差分と、算出されたひずみ値の差分とを、ボルトの軸力とボルトのひずみ値又は/及び被締結体のひずみ値との関係を示す校正曲線に入力し、ボルトの軸力を算出する工程と、算出された前記ボルトの軸力と、目標値であるボルトの軸力とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する工程と、を有することを特徴とする。
また、上記した課題を解決するため、本発明のボルト軸力検査装置は、複数の被締結体を締結するボルトの軸力を検査するボルト軸力検査装置である。
そして、複数の被締結体を締結するボルト又は/及び被締結体に形成され、ボルト又は/及び被締結体の変位情報に基づき、ひずみ分布を視覚的に顕在化させる特徴パターンを撮影する画像撮影装置と、ボルトに外力が付与される前に撮影された特徴パターンとボルトに外力が付与された後に撮影された特徴パターンとから、それぞれひずみ値を算出し、これらひずみ値の差分を算出する画像処理部と、ボルトに付与される外力から既知であるボルトの軸力の差分と、算出されたボルト又は/及び被締結体のひずみ値の差分とを、事前に解析的に構築したボルトの軸力とボルトのひずみ値又は/及び被締結体のひずみ値との関係を示す校正曲線に入力し、ボルトの軸力を算出し、算出された前記ボルトの軸力と、目標値であるボルトの軸力とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する軸力演算部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、上記した課題を解決することができ、稼働中の機械構造物に既設されたボルトの軸力を測定するため、ボルトを大幅に緩める又は増し締めすることなく、ボルトの軸力の絶対値を測定し、更に、ボルトを締結している最中の偏心などによるボルトの締め付け不具合(異常)を検知することによって、ボルトの締結状態を検査するボルト軸力検査方法及びボルト軸力検査装置を提供することができる。
なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明によって、明らかにされる。
実施例1に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する機能図である。 実施例1に記載するボルト締結要素の断面図であり、ボルトを締め付けた際の自由物体図である。 実施例1に記載するボルトの頭頂面におけるひずみ分布図であり、(上図)はひずみ発生後を示し、(下図)はひずみ発生前を示す。 実施例1に記載する既設されたボルトの軸力を測定(検査)するための工程を説明するフローチャートである。 実施例1に記載するボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。 実施例2に記載するボルト締結要素の断面図であり、ボルトを緩めた際の自由物体図である。 実施例2に記載するボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。 実施例3に記載する新設されるボルトの軸力を測定(検査)するための工程を説明するフローチャートである。 実施例3に記載するボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。 ボルトを締結している最中の偏心などによるボルトの締め付け異常を説明する説明図であり、(a)はボルト締結要素の断面図であり、(b)はボルトの頭頂面におけるひずみ分布図である。 実施例4に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する機能図である。 実施例4に記載する(左図)ボルトの頭頂面のひずみ分布と時刻との関係を示す説明図であり、(右図)ボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。 実施例5に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する機能図である。 特徴パターンの設置位置を例示する六角ボルトの斜視図である。 特徴パターンの設置位置を例示する六角穴付きボルトの斜視図であり、(a)は特徴パターンをボルトの頂部に設置した例であり、(b)は特徴パターンをボルトの先端面に設置した例である。
以下、本発明の実施例を、図面を使用し、説明する。なお、実質的に同一又は類似の構成には、同一の符号を付し、説明が重複する場合には、その説明を省略する場合がある。また、下記する実施例は、あくまでも例示に過ぎず、発明を限定するものではない。
先ず、実施例1に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する。
図1は、実施例1に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する機能図である。
図1において機能ブロック図で示される、ボルト軸力検査装置は、例えば、デジタルカメラなどの画像撮影装置6と、ボルトの軸力を計算する軸力計算装置30と、例えば、モニタなどの、計算されたボルトの軸力を表示する結果表示装置11と、を有する。
図1において斜視図で示される、ボルト締結要素1は、複数(実施例1では2つ)の被締結体4を締め付け、固定したものであって、ボルト(実施例1では六角ボルトを使用するが、六角ボルトに限定されるものではない)2、座金3、ナット、被締結体4を組み合わせたものであり、複数の被締結体4は、ボルト2、座金3、ナットによって、締結される。
そして、ボルト2の頭頂面には、ひずみ分布を観測するための人工的な画像である特徴パターン(特徴的なパターン)5が形成(付与)される。特徴パターン5は、ボルト2の頭頂面の変位情報に基づくひずみ分布を視覚的に顕在化させ、ひずみ分布を観測し易くする画像であればよい。
特徴パターン5は、特徴パターン5の変位測定に適した画像であればよく、例えば、不規則的な模様のほか、規則的な格子模様、縞模様、又は、1次元情報や2次元情報の所定のコードであってもよい。また、特徴パターン5は、例えば、塗装、塗布、印字、転写、又は、シール接着などによって形成される。
なお、特徴パターン5は、必ずしも、ボルト2の頭頂面に形成する必要はなく、ボルト締結要素1の所定の部位であればよい。
また、特徴パターン5は、初めに形成された状態を保持する必要はなく、検査毎(検査前)に新たに形成し、検査において、ボルト2の軸力の変化に対応するひずみ値の差分を取得すればよく、検査後は特徴パターン5を除去してもよい。
画像撮影装置6(画像撮影手段、画像撮影モジュール、画像撮影回路、又は、画像撮影ユニットと言い換えてもよい。)は、ボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5の画像を撮影(撮像)する。なお、画像撮影装置6は、図1に示すように単眼撮影装置でもよく、また、複眼撮影装置でもよい。
つまり、画像撮影装置6は、複数の被締結体4を締結するボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5を撮影する。
軸力計算装置30は、計算機7であり、計算機7は、画像撮影装置6が撮影した画像(特徴パターン5の変位)を記録・記憶する画像記録・記憶部13、特徴パターン5の変位に基づいてひずみ分布を算出する画像処理部8、軸力同定データベース10に事前に解析的に構築され、保存される校正曲線を参照し、ひずみ分布に基づいてボルト2の軸力を演算する軸力演算部9、を有する。
つまり、計算機7は、画像撮影装置6が撮影した画像を画像記録・記憶部13に記録・記憶し、特徴パターン5の変位に基づいてひずみ分布を画像処理部8で算出し、軸力同定データベース10に保存される校正曲線を参照し、ひずみ分布に基づいてボルト2の軸力を軸力演算部9で演算する。
そして、このように、計算機7は、パソコン(画像処理部8、軸力演算部9)とストレージ(画像記録・記憶部13、軸力同定データベース10)とを有する。なお、計算機7における、画像記録・記憶部13、画像処理部8、軸力演算部9(軸力同定データベース10)は、ソフトウェア、及び/又は、ハードウェアによって実現される。
ここで、画像処理部8は、特徴パターン5の変位(画像の位置の変化)をデジタル画像相関法によって分析する。なお、デジタル画像相関法に限定されるものではなく、モアレ干渉法なども使用することができる。また、軸力同定データベース10は、有限要素法(Finite element method:FEM)解析によって生成される解析データであり、軸力演算部9に設置される。
そして、画像処理部8は、後述するように、ボルト2に外力16が付与される前に撮影された特徴パターン5とボルト2に外力16が付与された後に撮影された特徴パターン5とから、それぞれひずみ分布を算出し、これらひずみ分布の差分を算出する。
そして、軸力演算部9は、後述するように、ボルト2に付与される既知の外力16から既知であるボルト2の軸力の差分と、算出されたボルト2の頭頂面のひずみ分布の差分とを、事前に解析的に構築したボルト2の軸力とボルト2の頭頂面のひずみ分布との関係(又は、ボルト2の軸力と被締結体4の表面のひずみ分布との関係)を示す校正曲線に代入(入力)し、ボルト2の軸力を算出し、算出されたボルト2の軸力と、目標値(事前に設定され、ボルト2が適正に締結されるために必要な軸力)であるボルト2の軸力とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する。
そして、結果表示装置11は、軸力演算部9で演算(評価)された演算結果(評価結果)と保守の要否とを表示する。
次に、実施例1に記載するボルト締結要素を説明する。
図2は、実施例1に記載するボルト締結要素の断面図であり、ボルトを締め付けた際の自由物体図である。
ボルト締結要素1は、共通する貫通孔が形成され、重ねられた複数の被締結体4と、特徴パターン5が形成された断面がT字形状のボルト2(T字の横辺部分を頂部(頭部)と、T字の縦辺部分を軸部と、頂部の上面を頭頂面と、軸部の下面を底面(先端面)と、頂部の下面を首下と、呼称する場合がある。)と、複数の被締結体4を挟むように複数の被締結体4に接して設置され、中央に孔が形成されるドーナツ状の2枚の座金3と、複数の被締結体4を介して、ボルト2の頂部と対向し、ボルト2の軸部に設置されるナット14と、を有する。
なお、座金3は、ボルト2の頂部と一方の被締結体4との間に、及び、ナット14と他方の被締結体4との間に、設置される。
つまり、ボルト締結要素1は、ボルト2の首下に座金3を嵌め、複数の被締結体4に形成される貫通孔にボルト2の軸部を貫通させ、複数の被締結体4を貫通したボルト2の軸部に、座金3を嵌め、ナット14を螺着し、図示しない締め付け工具が使用され、ねじ締めされる(締め付けられ、固定される)。また、ナット14に相当する雌螺子が、ボルト2の頂部と対向する側の被締結体4に形成される貫通孔に螺設されてもよい。
そして、ねじ締めされることによって、ボルト2には、外向きに(図2中、上下方向に)軸力15が生じる。また、ボルト2の軸方向に(図2中、上下方向に)荷重が付与される場合や、ボルト2を増し締めすることによって、外向きに外力16が付与される。
次に、実施例1に記載するボルトの頭頂面におけるひずみ分布図を説明する。
図3は、実施例1に記載するボルトの頭頂面におけるひずみ分布図であり、(上図)はひずみ発生後を示し、(下図)はひずみ発生前を示す。
図3に示すひずみ分布は、画像撮影装置6によって撮影され、測定対象であるボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5の画像を、デジタル画像相関法によって分析したものであり、外力16が付与される前(下図)と後(上図)との画像である。
デジタル画像相関法では、測定対象であるボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5の画像をサンプルとし、このサンプルに外力16を付与する前(下図)と後(上図)とのデジタル画像を取り込み、特徴パターン5の変位を追跡し、特徴パターン5の変位に基づいて、サンプルのひずみ分布を算出する。
図3に示すように、例えば、ボルト2の頭頂面の中央部である代表的なひずみ測定点19において、外力16が付与される前(下図)と後(上図)とでは、ひずみ分布が変化(変色)していることがわかる。なお、外力16が付与される前(下図)のひずみ分布は、軸力Fb0時のひずみ分布17であり、外力16が付与された後(上図)のひずみ分布は、軸力Fb1時のひずみ分布18である。
なお、図3の右側に示す色彩分布図は、代表的なひずみ測定点19のひずみ値(数値化された値)を算出する指標である。そして、後述するひずみ分布εは、このひずみ値(ひずみ)を意味する。
次に、実施例1に記載する既設されたボルトの軸力を測定(検査)するための工程を説明する。
図4は、実施例1に記載する既設されたボルトの軸力を測定(検査)するための工程を説明するフローチャートである。そして、図4は、実施例1に記載する既設されたボルト軸力検査方法のフローチャート12を示す。
複数の被締結体4を締結するボルト2の軸力15を検査するボルト軸力検査方法を説明する。
(1)先ず、工程119において、保守作業員が、複数の被締結体4を締結するボルト2の頭頂面に特徴パターン5を形成する。
(2)工程120において、画像撮影装置6で、ボルト2の頭頂面の1枚目の画像(特徴パターン5)を撮影する。つまり、ボルト2の頭頂面のひずみ分布(ボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5のひずみ分布)を算出する基準となる画像を撮影する。そして、撮影された画像を画像記録・記憶部13に保存する。
(3)工程121において、保守作業員が、ボルト2を増し締めし、又は、ボルト2の軸方向に荷重が付与されることによって、ボルト2に既知の外力16を付与し、ボルト2の軸力15を増加させる。このとき、ボルト2の軸力15の増加分は、付与される既知の外力16に基づいて、トルク法計算や材料力学的計算によって計算され、既知である。これにより、外力16を付与する前のボルト2の軸力Fb0と外力16を付与した後のボルト2の軸力Fb1との差分の絶対値ΔF=|Fb1-Fb0|は、既知である。
(4)工程122において、画像撮影装置6で、ボルト2の頭頂面の2枚目の画像(特徴パターン5)を撮影する。そして、撮影された画像を画像記録・記憶部13に保存する。
(5)工程123において、画像処理部8で、これら撮影された2枚の画像を使用し、特徴パターン5の変位前及び変位後の画像(画像の変位情報、変位前及び変位後の特徴パターン5の位置情報)を、デジタル画像相関法によって、分析(解析)する。つまり、撮影された2枚の画像を処理し、特徴パターン5の変位情報を分析する。
(6)工程124において、軸力演算部9で、ボルト2の頭頂面を撮影した1枚目の画像(特徴パターン5の位置情報)に基づいて、ひずみ分布εb0を算出(解析)し、出力する。つまり、撮影された1枚目の特徴パターン5からひずみ分布を算出する。
(7)工程125において、軸力演算部9で、ボルト2の頭頂面を撮影した2枚目の画像特徴パターン5の位置情報)に基づいて、ひずみ分布εb1を算出(解析)し、出力する。つまり、撮影された2枚目の特徴パターン5からひずみ分布を算出する。
(8)工程126において、軸力演算部9で、これらのひずみ分布の差分の絶対値Δε=|εb1-εb0|を算出する。
(9)工程127において、軸力演算部9で、軸力同定データベース10に保存され、別途、事前に解析的に構築したボルト2の軸力15とボルト2の頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線20(ΔF-Δε)(Fb、cal-εb、cal)に、既知のボルト2の軸力15の差分(ボルト2に付与される既知の外力16から既知であるボルト2の軸力15の差分)の絶対値ΔFと、算出されたひずみ分布の差分の絶対値Δεとを、入力し、ボルト2の軸力Fb、cal(校正曲線20上の点(Fb1、εb1))を算出する。つまり、既知のボルト2の軸力15の変化量とボルト2の頭頂面のひずみ分布の変化量とを、校正曲線20に入力し、ボルト2の軸力15(ボルト2の軸力Fb、cal)を同定する。なお、外力16を付与する前のボルト2の軸力Fb0と外力16を付与した後のボルト2の軸力Fb1との差分の絶対値ΔFは|Fb1-Fb0|である。
(10)工程128において、軸力演算部9で、算出されたボルト2の軸力Fb、calを、評価値Fb、estとして、評価値Fb、estとボルト2の軸力15の目標値Fとの関係(評価値Fb、est≧目標値F)を評価(保守の要否(再検査の必要性の有無)を判定(ボルト2の締結状態を検査):評価値Fb、estであるボルト2の軸力15と目標値Fであるボルト2の軸力15とを比較)する。そして、結果表示装置11で、軸力演算部9で評価された評価結果と判定された保守の要否とを表示する。
(11)この関係を満足しない場合(NO:Fb、estがFを下回る場合)は、工程129において、保守作業員が、ボルト2を増し締めし、工程122に戻り、再検査する。
(12)この関係を満足する場合(YES:Fb、estがFを上回る場合)は、工程130において、検査を終了する。
次に、実施例1に記載するボルトの頭頂面のひずみ分布とボルトの軸力との関係を説明する。
図5は、実施例1に記載するボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。そして、図5は、解析的に構築したボルト2の軸力15とボルト2の頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線20を示し、横軸がボルト2の頭頂面のひずみ分布εに対応するボルト2の軸力Fを示し、縦軸がボルト2の軸力Fに対応するボルト2の頭頂面のひずみ分布εを示す。
また、図5の横軸において、左から右に向う場合には、ボルト2への外力16に対応して、ボルト2の軸力Fが増加することを示し、図5の縦軸において、下から上に向う場合には、ボルト2への外力16に対応して、ボルト2の頭頂面のひずみ分布εが増加することを示す。なお、特に、縦軸は、図3における代表的なひずみ測定点19のひずみ値を示し、このひずみ値は、一般的な画像処理よって算出される数値化された値である。
ここで、ボルト2の軸力F(ボルト2の軸力Fb、cal)を同定(算出)する手順について説明する。
先ず、図5中の点線(校正曲線20)は、軸力同定データベース10に保存され、FEM解析によって生成される解析データであり、ボルト2の軸力Fb、calとボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、calとの関係(以下、Fb、cal-εb、cal)を示す。
また、図4における工程120において、撮影されたボルト2の頭頂面のひずみ分布εb0に対応するボルト2の軸力がFb0であり、図4における工程122において、撮影されたボルト2の頭頂面のひずみ分布εb1に対応するボルト2の軸力がFb1である。
また、図4における工程124と工程125とにおいて、算出されたボルト2の頭頂面のひずみ分布εb0(外力16を付与する前)とボルト2の頭頂面のひずみ分布εb1(外力16を付与した後)との差分の絶対値|εb1-εb0|をΔε(増加分)とし、外力16を付与する前のボルト2の軸力Fb0と外力16を付与した後のボルト2の軸力Fb1との差分の絶対値|Fb1-Fb0|をΔF(増加分)とする。
そして、図5において、ΔFとΔεとを校正曲線20に入力し、ΔFとΔεとに合致する校正曲線20上のFb、cal(評価値)を探索する。なお、校正曲線20上の点(Fb0、εb0)を基準値となる。
つまり、ボルト2の軸力15の増加分(ΔF)が既知であることから、ΔFに合致するFb、calを探索することができ、このように、ボルト2に外力16を付与することによって、増加したボルト2の軸力15の絶対値を同定することができる。
そして、ボルト2の軸力15の増加分ΔFとボルト2の頭頂面のひずみの増加分Δεとを校正曲線20に入力し、ΔFとΔεとに合致するΔFb、calを探索し、ボルト2の軸力15の絶対値を同定する。
なお、ボルト2の頭頂面の凹み量とボルト2の軸力15との関係には線形性(直線性)が現れる。一方、ボルト2の頭頂面のひずみ分布とボルト2の軸力15との関係には、非線形性(曲線性)が現れることを、解析及び実験によって、確認している。
このため、ボルト2の増し締めによる、つまり、ボルト2への外力16の付与による、ボルト2の軸力15の増加分(ΔF)とボルト2の頭頂面のひずみ分布の増加分(Δε)との関係に合致する校正曲線20の範囲を探索することによって、ボルト2の軸力Fb、calを同定することができる。
つまり、実施例1に記載する複数の被締結体4を締結するボルト2の軸力15を検査するボルト軸力検査方法は、
・複数の被締結体4を締結するボルト2の頭頂面に、ボルト2の頭頂面の変位情報に基づき、ひずみ分布を視覚的に顕在化させる特徴パターン5を形成する工程と、
・ボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5の1枚目の画像を撮影する工程と、
・ボルト2に既知の外力16を付与する工程と、
・ボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5の2枚目の画像を撮影する工程と、
・撮影された2枚の特徴パターン5の画像から、それぞれひずみ分布を解析し、それぞれひずみ分布(ひずみ値)を算出し、これらひずみ分布(ひずみ値)の差分を算出する工程と、
・ボルト2に付与される外力16から算出される、既知であるボルト2の軸力15の差分と、算出されたひずみ分布(ひずみ値)の差分とを、事前に解析的に構築したボルト2の軸力15とボルト2の頭頂面のひずみ分布(ひずみ値)との関係を示す校正曲線20に入力し、ボルト2の軸力15を算出する工程と、
・算出されたボルト2の軸力15と、目標値であるボルト2の軸力15とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する工程と、
を有する。
そして、実施例1に記載する複数の被締結体4を締結するボルト2の軸力15を検査するボルト軸力検査装置は、
・複数の被締結体4を締結するボルト2の頭頂面に形成され、ボルト2の頭頂面の変位情報に基づき、ひずみ分布を視覚的に顕在化させる特徴パターン5を撮影する画像撮影装置6と、
・ボルト2に外力16が付与される前に撮影された特徴パターン5とボルト2に外力16が付与された後に撮影された特徴パターン5とから、それぞれひずみ分布(ひずみ値)を算出し、これらひずみ分布(ひずみ値)の差分を算出する画像処理部8と、
・ボルト2に付与される外力16から既知であるボルト2の軸力15の差分と、算出されたボルト2の頭頂面のひずみ分布(ひずみ値)の差分とを、事前に解析的に構築したボルト2の軸力15とボルト2の頭頂面のひずみ分布(ひずみ値)との関係を示す校正曲線20に入力し、ボルト2の軸力15を算出し、算出されたボルト2の軸力15と、目標値であるボルト2の軸力15とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する軸力演算部9と、
を有する。
このように、実施例1によれば、検査(点検)のために、稼働中の機械構造物を長期間停止することなく、ボルト2の軸力15の絶対値を同定することができる。そして、稼働中の機械構造物に既設されたボルト2の軸力15を測定するため、ボルト2を大幅に増し締めることなく、ボルト2の軸力15の絶対値を測定し、ボルト2の締結状態を検査することができる。
また、機械構造物の組み立て時においても、ボルト2の締め付け時から連続してボルト2の軸力15を測定し続ける必要がなく、適宜、機械構造物に設置されるボルト2の軸力15を測定することができる。
また、ボルト2の軸力15の検査を、非接触で、簡便で、かつ、高い精度で、繰返し、測定することができ、ボルト2の軸力15の検査において、機械構造物に既設されたボルト2にも使用することができ、ボルト2を緩める必要がない。
次に、実施例2に記載するボルト締結要素を説明する。
図6は、実施例2に記載するボルト締結要素の断面図であり、ボルトを締め付けた際の自由物体図である。
実施例1では、ボルト2を増し締めすることによって、ボルト2の軸力15を増加させたボルト2の軸力15を同定する場合を説明したが、実施例2では、ボルト2を緩め、ボルト2の軸力15が減少する方向に外力16を付与することによって、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明する。
実施例2に記載するボルト締結要素1は、実施例1に記載するボルト締結要素1と同様に、特徴パターン5を形成したボルト2と、座金3と、複数の被締結体4と、ナット14とを有し、そして、ねじ締めされることによって、ボルト2には、外向きに軸力15が生じる。
このとき、ボルト2の軸方向に圧縮荷重が付与される場合や、ボルト2を緩めることによって、内向きに外力16bが付与され、ボルト2の軸力が減少する。
次に、実施例2に記載するボルトの頭頂面のひずみ分布とボルトの軸力との関係を説明する。
図7は、実施例2に記載するボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。そして、図7は、図5と同様に、校正曲線20を示し、横軸がボルト2の軸力Fを示し、縦軸がボルト2の頭頂面のひずみ分布εを示す。
また、図7の横軸において、右から左に向う場合には、ボルト2への外力16に対応して、ボルト2の軸力Fが減少することを示し、図7の縦軸において、上から下に向う場合には、ボルト2への外力16に対応して、ボルト2の頭頂面のひずみ分布εが減少することを示す。
実施例2に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法は、実施例1に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法と、基本的に同様である。以下、相違する部分について、説明する。
図4における工程121において、保守作業員が、ボルト2を緩め、又は、ボルト2の軸方向に圧縮荷重を付与することによって、ボルト2に既知の外力16を付与し、ボルト2の軸力15を減少させる。
図4における工程126において、軸力演算部9で、これらのひずみ分布の差分の絶対値Δε=|εb0-εb1|(減少分)を算出する。なお、外力16を付与する前のボルト2の軸力Fb0と外力16を付与した後のボルト2の軸力Fb1との差分の絶対値ΔFは|Fb0-Fb1|(減少分)である。
図4における工程127において、軸力演算部9で、軸力同定データベース10に保存され、別途、事前に解析的に構築したボルト2の軸力15とボルト2の頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線20(Fb、cal-εb、cal)に、既知のボルト2の軸力15の差分の絶対値ΔFと、算出されたひずみ分布の差分の絶対値Δεとを、入力し、ボルト2の軸力Fb、cal(校正曲線20上の点)を算出する。つまり、既知のボルト2の軸力15の変化量とボルト2の頭頂面のひずみ分布の変化量とを、校正曲線20に入力し、ボルト2の軸力15(ボルト2の軸力Fb、cal)を同定する。
つまり、ボルト2の軸力15の減少分(ΔF)が既知であることから、ΔFに合致するFb、calを探索することができ、このように、ボルト2に外力16を付与することによって、減少したボルト2の軸力15の絶対値を同定することができる。
そして、ボルト2の軸力15の減少分ΔFとボルト2の頭頂面のひずみの減少分Δεとを校正曲線20に入力し、ΔFとΔεとに合致するΔFb、calを探索し、ボルト2の軸力15を同定する。
このように、実施例2によれば、稼働中の機械構造物を長期間停止することなく、ボルト2の軸力15を同定することができる。そして、稼働中の機械構造物に既設されたボルト2の軸力15を測定するため、ボルト2を大幅に緩めることなく、ボルト2の軸力15の絶対値を測定し、ボルト2の締結状態を検査することができる。
なお、実施例1と実施例2とを組み合わせることによって、更に、精密にボルト2の軸力15を同定することができる。
また、ボルト2の軸力15の検査において、機械構造物に既設されたボルト2にも使用することができ、ボルト2を仮締めまでボルト2を緩める必要がない。
次に、実施例3に記載する新設されるボルトの軸力を測定(検査)するための工程を説明する。
図8は、実施例3に記載する新設されるボルトの軸力を測定(検査)するための工程を説明するフローチャートである。そして、図8は、実施例3に記載する新設されるボルト軸力検査方法のフローチャート21を示す。
実施例1では、稼働中の機械構造物に既設されたボルト2の軸力15を測定する場合を説明したが、実施例3では、新たに機械構造物を組み立てる際に新設されるボルト2の軸力15を測定する場合を説明する。
実施例3に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法は、実施例1に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法と、基本的に同様である。以下、相違する部分について、説明する。
実施例3に記載するボルト軸力検査方法を説明する。
(1)先ず、工程119において、保守作業員が、複数の被締結体4を締結するボルト2の頭頂面に特徴パターン5を形成する。
(2)工程210において、画像撮影装置6で、ボルト2の頭頂面のi枚目(i=0、1、2、・・・、n)の画像(特徴パターン5)を撮影する。つまり、ボルト2の頭頂面のひずみ分布を算出する基準となる画像を撮影する。そして、撮影された画像を画像記録・記憶部13に保存する。
(3)工程211において、保守作業員が、ボルト2を締め付けすることによって、ボルト2に、既知の外力16を付与し、ボルト2の軸力15を付与する。このとき、ボルト2の軸力15の増加分は、付与される既知の外力16に基づいて、既知である。
(4)工程212において、画像撮影装置6で、ボルト2の頭頂面のi+1枚目(i=0、1、2、・・・、n)の画像(特徴パターン5)を、逐次、撮影する。そして、撮影された画像を画像記録・記憶部13に保存する。
(5)工程213において、画像処理部8で、これら撮影された2枚の画像を使用し、特徴パターン5の変位前(i枚目)及び変位後(i+1枚目)の画像(変位前及び変位後の特徴パターン5の位置情報)を、デジタル画像相関法によって、分析する。
(6)工程214において、軸力演算部9で、ボルト2の頭頂面を撮影したi枚目の画像に基づいて、ひずみ分布εb、iを算出し、出力する。つまり、撮影されたi枚目の特徴パターン5からひずみ分布を算出する。
(7)工程215において、軸力演算部9で、ボルト2の頭頂面を撮影したi+1枚目の画像に基づいて、ひずみ分布εb、i+1を算出し、出力する。つまり、撮影されたi+1枚目の特徴パターン5からひずみ分布を算出する。
(8)工程216において、i枚目の画像に基づいて算出されたひずみ分布εb、iと、i+1枚目の画像に基づいて算出されたひずみ分布εb、i+1と、順に出力し、ボルト2の締め付け異常(不具合)の有無を判定する。
なお、締め付け異常がある場合(NO)は、工程219において、保守作業員が、ボルト2の異常を修復(例えば、締め付け異常が無くなるように、ボルト2を緩め、ボルト締結要素1を点検)し、工程210に戻る。また、締め付け異常がない場合(YES)は、工程217に進む。
(9)工程217において、軸力演算部9で、これらのひずみ分布の差分の絶対値Δε=|εb、i+1-εb、i|を算出する。
(10)工程217において、軸力演算部9で、軸力同定データベース10に保存され、別途、事前に解析的に構築されたボルト2の軸力15とボルト2の頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線20(Fb、cal-εb、cal)に、既知のボルト2の軸力15の差分の絶対値ΔF(ΔF=|Fb、i+1-Fb、i|)と、算出されたひずみ分布の差分の絶対値Δε(Δε=|εb、i+1-εb、i|)とを、入力し、ボルト2の軸力Fb、calを算出する。
(11)工程218において、軸力演算部9で、算出されたボルト2の軸力Fb、calを、評価値Fb、estとして、評価値Fb、estとボルト2の軸力15の目標値Fb、nとの関係(評価値Fb、est≧目標値Fb、n)を判定する。そして、結果表示装置11で、軸力演算部9で評価された評価結果と判定された保守の要否とを表示する。
(12)この関係を満足しない場合(NO:Fb、estがFb、nを下回る場合)は、工程211に戻り、保守作業員が、ボルト2を増し締めする。
(13)この関係を満足する場合(YES:Fb、estがFb、nを上回る場合)は、工程130において、検査を終了する。
このように、実施例3では、ボルト2の締め付け異常の有無を、ボルト2の頭頂面のひずみ分布によって、判定することができる。
ここで、締め付け異常とは、ボルト2の偏心締結を意味する。ボルト2の偏心締結によって、複数の被締結体4に形成される貫通孔の穴縁とボルト2の軸部とが接触すると、ボルト締結要素1では、この接触面でフレッティング(fretting)疲労損傷が生じるため、このボルト2の偏心締結を検出することは重要である。ボルト2の偏心締結は、おおよそ4種類に分類される。
1つ目は、ボルト2の軸心の中心と複数の被締結体4に形成される貫通孔の中心とがずれることによる。この偏心締結は、ボルト2や複数の被締結体4の品質が低い場合に限ったことではなく、複数の被締結体に形成される貫通孔が長い場合にも、生じる場合がある。
2つ目は、複数の被締結体4の縁の近傍に貫通孔が形成され、ボルト締結要素1の機械的コンプライアンス(mechanical compliance)が、複数の被締結体4に形成される貫通孔の中心に対して、周方向に不均一なことによる。
3つ目は、偏心クランプボルトのように、ボルト2の頂部の中心が、ボルト2の軸部の中心とずれていることによる。製造公差によってボルト2の頂部の中心とボルト2の軸部の中心とにずれがある場合も同様である。
4つ目は、ボルト締結要素1によって受け止められる外力に起因して、負荷中心が偏心すること(ボルト2を締結している最中の偏心)による。この偏心締結は、初期の締め付けに起因する。
次に、実施例3に記載するボルトの頭頂面のひずみ分布とボルトの軸力との関係を説明する。
図9は、実施例3に記載するボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。なお、図9は、図5と基本的に同様である。
ここで、ボルト2の軸力Fを同定する手順について説明する。
先ず、図9中の点線(校正曲線20)は、図5と同様に、ボルト2の軸力Fb、calとボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、calとの関係(以下、Fb、cal-εb、cal)を示す。
また、撮影されたボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、i(初期値)に対応するボルト2の軸力がFb、iであり、撮影されたボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、i+1に対応するボルト2の軸力がFb、i+1であり、ボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、nに対応するボルト2の軸力がFb、n(目標値)である。
また、算出されたボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、i(外力16を付与する前)とボルト2の頭頂面のひずみ分布εb、i+1(外力16を付与した後)との差分の絶対値|εb、i+1-εb、i|をΔε(増加分)とし、外力16を付与する前のボルト2の軸力Fb、iと外力16を付与した後のボルト2の軸力Fb、i+1との差分の絶対値|Fb、i+1-Fb、i|をΔF(増加分)とする。
そして、図9において、ΔFとΔεとを校正曲線20に入力し、ΔFとΔεとに合致する校正曲線20上のFb、cal(評価値)を探索する。なお、校正曲線20上の点(Fb、i、εb、i)を基準値となる。
そして、ボルト2の軸力15の増加分ΔFとボルト2の頭頂面のひずみの増加分Δεとを校正曲線20に入力し、ΔFとΔεとに合致するΔFb、calを探索し、ボルト2の軸力15の絶対値を同定する。
このように、実施例3によれば、新たに機械構造物を組み立てる際に新設されるボルト2の軸力15を測定することができる。
また、実施例3によれば、ボルト2の締め付け異常の有無を、ボルト2の頭頂面のひずみ分布によって、判定することができ、ボルト2の締め付け異常を検知することによって、ボルト2の締結状態を検査することができる。
次に、ボルトを締結している最中の偏心などによるボルトの締め付け異常を説明する。
図10は、ボルトを締結している最中の偏心などによるボルトの締め付け異常を説明する説明図であり、(a)はボルト締結要素の断面図であり、(b)はボルトの頭頂面におけるひずみ分布図である。なお、図10は、ボルト2の偏心締結(a)によって生じる、ボルト2の頭頂面におけるひずみ分布の偏り(b)を示す。
例えば、図10(a)に示すように、ボルト2の軸心の中心と複数の被締結体4に形成される貫通孔の中心とが半径方向にずれることによって、ボルト2の軸部が面外変形し、ボルト2にはせん断変形や曲げ変形が生じ、ボルト2の偏心締結が生じる。
このように、ボルト2の偏心締結が生じている場合には、偏心締結しているボルト2の頭頂面のひずみ分布を観察することによって、ボルト2の締め付け異常の有無を判定することができる。
つまり、図10(a)に示すように、ボルト2の偏心締結が生じている場合には、ボルト2の頭頂面のひずみ分布を観察することによって、図10(b)に示すように、ボルト2の頭頂面のひずみ分布に、偏心22が観察される。この偏心22を検出することによって、ボルト2の偏心締結を検出することができる。
そして、このように、この偏心22の状態を可視化することによって、ボルト2の締結状態を検査することができる。また、ボルト2の頭頂面のひずみ分布に基づいて、偏心22の状態を可視化することができるため、ボルト2の締め付け直しの要不要を判定することができる。
次に、実施例4に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する。
図11は、実施例1に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する機能図である。
実施例1では、ボルト2の頭頂面に特徴パターン5を形成し、特徴パターン5を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明したが、実施例4では、ボルト2の頭頂面に特徴パターン5を、及び、ボルト2(ボルト2の頂部)の近傍の被締結体4の表面に特徴パターン51を形成し、これら特徴パターン5及び特徴パターン51を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明する。
なお、ボルト2及び被締結体4に特徴パターン5が形成される場合には、形成される特徴パターンは、ボルト2及び被締結体4の同一方向に形成されることが好ましい。つまり、特徴パターン5が、ボルト2の頭頂面に形成される場合には、被締結体4に形成される特徴パターン5は、ボルト2の頂部の近傍の被締結体4の表面に形成され、特徴パターン5が、ボルト2の先端面に形成される場合には、被締結体4に形成される特徴パターン5は、ナット14の近傍の被締結体4の表面に形成されることが好ましい。
なお、特徴パターン5及び特徴パターン51を撮影する際には、1台の画像撮影装置6によって、特徴パターン5及び特徴パターン51を撮影することが好ましい。また、2台の画像撮影装置6によって、特徴パターン5と特徴パターン51とをそれぞれ撮影してもよい。但し、この際は、2台の画像撮影装置6を同期される必要がある。
実施例4に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法は、実施例1に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法と、基本的に同様である。以下、相違する部分について、説明する。
次に、実施例4に記載するボルトの頭頂面のひずみ分布とボルトの軸力との関係を説明する。
図12は、実施例4に記載する(左図)ボルトの頭頂面のひずみ分布と時刻との関係を示す説明図であり、(右図)ボルトの軸力とボルトの頭頂面のひずみ分布との関係を示す校正曲線図である。
ここで、ボルト2の軸力Fを同定する手順について説明する。
図12(左図)は、ひずみ時刻歴曲線23を示し、横軸が、時刻tを、縦軸が、ボルト2の頭頂面のひずみ分布(ボルト2の頭頂面に形成された特徴パターン5のひずみ分布)εと被締結体4の表面のひずみ分布(被締結体4の表面に形成された特徴パターン51のひずみ分布)εとを示す。
ボルト2の頭頂面のひずみ分布εb0に対応する時刻がt、ボルト2の頭頂面のひずみ分布εb1に対応する時刻がtである。また、被締結体4の表面のひずみ分布εS0に対応する時刻がt、被締結体4の表面のひずみ分布εS1に対応する時刻がtである。
ここで、ボルト2の頭頂面のひずみ分布と被締結体4の表面のひずみ分布との差分をΔεとして、時刻ごとに算出する。つまり、時刻tのときのこれら差分Δεb-s、0=|εb0-εs0|と、時刻tのときのこれら差分Δεb-s、1=|εb1-εs1|と、を算出する。
図12(右図)は、横軸がボルト2の軸力Fを示し、縦軸がボルト2の頭頂面のひずみ分布と被締結体4の表面のひずみ分布との差分Δεb-sを示す。
そして、図12(右図)には、FEM解析によって解析的に構築された、ボルト2の軸力Fb、calと対応するボルト2の頭頂面のひずみ分布と被締結体4の表面のひずみ分布との差分Δεb、calとの関係を示す校正曲線24(Fb、cal-Δεb、cal)が示される。
ここで、Δεb-s、0に対応するボルト2の軸力がFb0であり、Δεb-s、1に対応するボルト2の軸力がFb1である。そして、ボルト2に外力16を付与することよる、ボルト2の軸力15の差分の絶対値|Fb1-Fb0|をΔFとする。ΔFは既知であることから、Δε-Δεを校正曲線24に入力し、ΔFに合致するΔFb、calを探索することよって、ボルト2の軸力15の絶対値を同定することができる。
このように、実施例4によれば、稼働中の機械構造物を長期間停止することなく、ボルト2の軸力15を同定することができる。そして、ボルト2の軸力15の絶対値を測定し、ボルト2の締結状態を検査することができる。
なお、実施例1と実施例4とを組み合わせることによって、更に、精密にボルト2の軸力15を同定することができる。
次に、実施例5に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する。
図13は、実施例5に記載するボルト軸力検査装置の構成を説明する機能図である。
実施例1では、ボルト2の頭頂面に特徴パターン5を形成し、特徴パターン5を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明したが、実施例5では、ボルト2(ボルト2の頂部)の近傍の被締結体4の表面に特徴パターン51を形成し、特徴パターン51を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明する。
実施例5に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法は、実施例1に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法と、基本的に同様であり、特徴パターン5を特徴パターン51に置き換えることによって、ボルト2の軸力15の絶対値を同定することができる。
このように、実施例5によれば、稼働中の機械構造物を長期間停止することなく、ボルト2の軸力15を同定することができる。そして、ボルト2の軸力15の絶対値を測定し、ボルト2の締結状態を検査することができる。
なお、被締結体4の表面のひずみ分布は、ボルト2の頭頂面のひずみ分布に比較して、非線形性が強く現れることから、更に、精密にボルト2の軸力15を同定することができる。
次に、特徴パターンの設置位置を例示する六角ボルトを説明する。
図14は、特徴パターンの設置位置を例示する六角ボルトの斜視図である。
実施例1では、ボルト2の頭頂面に特徴パターン5を形成し、特徴パターン5を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明したが、実施例6では、ボルト2の先端面25に特徴パターン5を形成し、特徴パターン5を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明する。
実施例6に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法は、実施例1に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法と、基本的に同様であり、ボルト2の頭頂面に形成される特徴パターン5をボルト2の先端面25に形成される特徴パターン5に置き換えることによって、ボルト2の軸力15の絶対値を同定することができる。
このように、実施例6によれば、稼働中の機械構造物を長期間停止することなく、ボルト2の軸力15を同定することができる。そして、ボルト2の軸力15の絶対値を測定し、ボルト2の締結状態を検査することができる。
次に、特徴パターンの設置位置を例示する六角穴付きボルトを説明する。
図15は、特徴パターンの設置位置を例示する六角穴付きボルトの斜視図であり、(a)は特徴パターンをボルトの頂部に設置した例であり、(b)は特徴パターンをボルトの先端面に設置した例である。
実施例1ではボルト2の頭頂面に、実施例6ではボルト2の先端面に、特徴パターン5を形成し、これら特徴パターン5を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明したが、実施例7では、六角穴付きボルト26の頂部の穴27(a)又は六角穴付きボルト26の先端面28(b)に、特徴パターン5を形成し、特徴パターン5を画像撮影装置6によって撮影し、ボルト2の軸力15を同定する場合を説明する。
実施例7に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法は、実施例1に記載するボルト2の軸力15を測定するボルト軸力検査方法と、基本的に同様であり、ボルト2の頭頂面に形成される特徴パターン5を、六角穴付きボルト26の頂部の穴27(a)又は六角穴付きボルト26の先端面28(b)に形成される特徴パターン5に置き換えることによって、六角穴付きボルト26の軸力15の絶対値を同定することができる。
このように、実施例7によれば、稼働中の機械構造物を長期間停止することなく、六角穴付きボルト26の軸力15を同定することができる。そして、六角穴付きボルト26の軸力15の絶対値を測定し、六角穴付きボルト26の締結状態を検査することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために、具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を、他の実施例の構成の一部に置換することもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することもできる。また、各実施例の構成の一部について、それを削除し、他の構成の一部を追加し、他の構成の一部と置換することもできる。
1…ボルト締結要素、2…ボルト、3…座金、4…被締結体、5、51…特徴パターン、6…画像撮影装置、7…計算機、8…画像処理部、9…軸力演算部、10…軸力同定データベース、11…結果表示装置、12、21…フローチャート、13…画像記録・記憶部、14…ナット、15…軸力、16、16b…外力、17…軸力Fb0時のひずみ分布、18…軸力Fb1時のひずみ分布、19…代表的なひずみ測定点、20、24…校正曲線、22…偏心、23…ひずみ時刻歴曲線、25…ボルト2の先端面、26…六角穴付きボルト、27…六角穴付きボルトの頂部の穴、28…六角穴付きボルトの先端面、30…軸力計算装置。

Claims (10)

  1. 複数の被締結体を締結するボルトの軸力を検査するボルト軸力検査方法であって、
    前記ボルト又は/及び前記被締結体に、前記ボルト又は/及び前記被締結体の変位情報に基づき、ひずみ分布を視覚的に顕在化させる特徴パターンを形成する工程と、
    前記特徴パターンの1枚目の画像を撮影する工程と、
    前記ボルトに既知の外力を付与する工程と、
    前記特徴パターンの2枚目の画像を撮影する工程と、
    撮影された2枚の前記特徴パターンの画像からひずみ分布を解析し、それぞれひずみ値を算出し、これらひずみ値の差分を算出する工程と、
    前記ボルトに付与される外力から算出される前記ボルトの軸力の差分と、算出された前記ひずみ値の差分とを、ボルトの軸力とボルトのひずみ値又は/及び被締結体のひずみ値との関係を示す校正曲線に入力し、前記ボルトの軸力を算出する工程と、
    算出された前記ボルトの軸力と、目標値である前記ボルトの軸力とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する工程と、
    を有することを特徴とするボルト軸力検査方法。
  2. 請求項1に記載するボルト軸力検査方法であって、
    前記ボルトに形成される前記特徴パターンは、前記ボルトの頭頂面、又は/及び、前記ボルトの先端面に形成され、前記被締結体に形成される前記特徴パターンは、ボルトの頂部の近傍の被締結体の表面、又は/及び、ナットの近傍の被締結体の表面に形成されることを特徴とするボルト軸力検査方法。
  3. 請求項1に記載するボルト軸力検査方法であって、
    前記特徴パターンは、不規則的な模様、規則的な格子模様、縞模様、又は、1次元情報や2次元情報の所定のコードであることを特徴とするボルト軸力検査方法。
  4. 請求項1に記載するボルト軸力検査方法であって、
    前記特徴パターンは、塗装、塗布、印字、転写、又は、シール接着によって形成されることを特徴とするボルト軸力検査方法。
  5. 請求項1に記載するボルト軸力検査方法であって、
    前記特徴パターンは、検査前に形成され、検査後に除去することを特徴とするボルト軸力検査方法。
  6. 請求項1に記載するボルト軸力検査方法であって、
    前記特徴パターンの画像からひずみ分布を解析する場合には、デジタル画像相関法又はモアレ干渉法も使用することを特徴とするボルト軸力検査方法。
  7. 複数の被締結体を締結するボルトの軸力を検査するボルト軸力検査装置であって、
    複数の被締結体を締結する前記ボルト又は/及び前記被締結体に形成され、前記ボルト又は/及び前記被締結体の変位情報に基づき、ひずみ分布を視覚的に顕在化させる特徴パターンを撮影する画像撮影装置と、
    前記ボルトに外力が付与される前に撮影された特徴パターンと前記ボルトに外力が付与された後に撮影された特徴パターンとから、それぞれひずみ値を算出し、これらひずみ値の差分を算出する画像処理部と、
    前記ボルトに付与される外力から既知である前記ボルトの軸力の差分と、算出された前記ボルト又は/及び前記被締結体のひずみ値の差分とを、事前に解析的に構築したボルトの軸力とボルトのひずみ値又は/及び被締結体のひずみ値との関係を示す校正曲線に入力し、前記ボルトの軸力を算出し、算出された前記ボルトの軸力と、目標値であるボルトの軸力とを比較し、再検査の必要性の有無を判定する軸力演算部と、
    を有することを特徴とするボルト軸力検査装置。
  8. 請求項7に記載するボルト軸力検査装置であって、
    前記画像撮影装置は、単眼撮影装置又は複眼撮影装置であることを特徴とするボルト軸力検査装置。
  9. 請求項7に記載するボルト軸力検査装置であって、
    前記軸力演算部は、事前に解析的に構築したボルトの軸力とボルトのひずみ値又は/及び被締結体のひずみ値との関係を示す校正曲線を保存する軸力同定データベースを有することを特徴とするボルト軸力検査装置。
  10. 請求項7に記載するボルト軸力検査装置であって、
    更に、前記画像撮影装置が撮影した画像を記録・記憶する画像記録・記憶部を有することを特徴とするボルト軸力検査装置。
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