JP7404968B2 - コンデンサの製造方法 - Google Patents

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本発明は、収納部内に対するコンデンサ本体の挿入処理およびコンデンサの組立処理技術に関する。
従来、コンデンサは、外装ケースの内部にコンデンサ素子や電解液などが収納されるとともに、ケースの開口部側を封口部材で封止する構成を採ることで、外装ケース内と外気との間で電解液の漏洩や異物がコンデンサ内部に侵入してショートなどの発生を阻止している。
さらに封口部材よりも開口部側に台座を設置するほか、台座と封口部材との間に樹脂材料を充填させるものが知られている(たとえば、特許文献1、2)。
特開平6-338439号公報 特開2008-109074号公報
ところで、コンデンサでは、外装ケースの収納部の内径よりも封口部材の外形を大きくとり、それを外装ケース内部に押込むことで外装ケース内部の密閉性を高めている。封口部材の設置では、外装ケースの開口部側の一部を押圧することで、外装ケース内部に押込んでいくという手法が採られている。コンデンサは、たとえば容量の違いなどによりコンデンサ素子、封口部材、外装ケースの大きさ異なるため、封口部材の全面を押圧するための治具をそれぞれ準備するのでは、コスト的な負荷が大きくなるほか、製造工程において、組立て処理を行う封口部材ごとに治具を交換する作業工程が増えるため、作業負荷を増大させるというおそれがある。
封口部材は、狭小な外装ケースの収納部内に挿入されていくと、その外周面側が収納部の内壁面に摺動状態となることで、封口部材の中央部分よりも開口部側に引きずられた変形状態となる。収納部内において封口部材の形状が変形してしまうと、外装ケースの周面側から加圧する加締め処理を行う場合、加締め位置が封口部材からずれる恐れがあるほか、加締めによる力が封口部材の一部に集中的に作用し、中央部側への固定力が低下状態となるおそれがある。コンデンサでは、収納部内に配置された封口部材に対してさらに台座が設置されるほか、台座と封口部材の間に樹脂を流入して樹脂層を形成させて、外部からの耐振動性を向上させる手段をとることがある。
しかしながら、封口部材が変形して配置されると、封口部材との接触位置がずれることで、外装ケースに対して台座が適切な状態で設置されない状態となるおそれがあるほか、収納部内の樹脂を流し込む空間部の容積が安定化せず、樹脂が意図しない部分に流入するほか、設定された樹脂量では空間内に隙間が生じたり、逆に樹脂を溢れさせたりする可能性がある。
また、収納部内に封口部材を押込んだときの形状は、封口部材ごとに異なるため、コンデンサ毎に封口部材の形状に応じて作業者が調整するのは作業負荷が高いとともに、コンデンサの組立て性を阻害することになる。
本発明者は、収納部内において、封口部材が所定位置において平行に配置させる必要があり、挿入時の摩擦によって変形した場合でも、適切な形状になるように調整する必要があることの知見を得た。また、封口部材の形状は、コンデンサごとに異なるため、封口部材ごとに形状の調整や修正を行うのはコンデンサの製造処理の作業負荷が大きくなりすぎるおそれがある。
斯かる課題について特許文献1、2には開示や示唆はなく、特許文献1、2の構成では斯かる課題を解決することができない。
そこで、本発明は、斯かる課題および知見に基づき、作業負荷を抑えつつ、収納部内において適切な配置位置および配置形状で封口部材の組立て処理を行うことを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの製造方法の一側面は、有底筒状の外装ケースの収納部に、該収納部の開口径よりも径大な封口部材を有するコンデンサ素子を含むコンデンサ本体を挿入する工程と、前記収納部内に設定された基準位置に基づいて前記コンデンサ本体を押込み、前記コンデンサ素子の一端面を、コンデンサ素子と前記外装ケースの内底面との間に形成された付勢部に押し付ける工程と、前記封口部材が所定位置に達したことを契機に前記コンデンサ本体の押し込みを解除して、前記付勢部の復元力により前記封口部材の外表面部を前記基準位置に配置させる工程とを含む。
上記コンデンサの製造方法において、さらに、前記付勢部と前記コンデンサ素子の一端面とを一体に形成する工程を含んでよい。
上記コンデンサの製造方法において、前記封口部材の外周面部が前記基準位置に達するまで前記封口部材を前記収納部内に挿入したのち、前記封口部材の中央部を前記基準位置よりも底部側に、所定の変位量になるように、押圧力を付加して押し下げる工程を含んでよい。
上記コンデンサの製造方法において、前記コンデンサ素子の長さ情報、前記封口部材の厚さ情報に基づいて前記収納部内の前記基準位置を設定する工程と、前記収納部内への前記封口部材の挿入量または挿入状態を監視するとともに、前記封口部材が前記所定位置に到達したことを契機に、押し込み量、または押し込み力を監視する工程とを含んでよい。
上記コンデンサの製造方法において、前記外装ケースの底部に絶縁材料を挿入して、絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の平面部を基準として、前記基準位置を設定する工程と、前記コンデンサ素子に接触した前記付勢部を、前記絶縁層を介して前記外装ケースの底面に押し付ける工程とを含んでよい。
本発明によれば、次のいずれかのような効果が得られる。
(1) 収納部の内径よりも径大な封口部材の端面を平面状に配置させることができる。
(2) 封口部材に対する押し込み量、または押込む力を調整することで、収納部に対して封口部材を平面状に挿入することができ、作業負荷の軽減が図れる。
(3) 収納部の基準位置に封口部材を配置させることで、外装ケースへの加締め処理により封口部材を適切に固定することができる。
第1の実施形態に係るコンデンサの組立工程の一例を示す図である。 図1のIIの部分の拡大断面を示す図である。 Aは封口部材からの押圧を受けたときの付勢部の状態を示す図、Bは、復元力により復帰した付勢部の状態を示す図である。 コンデンサ素子の構成例を示す図である。 コンデンサの内部構成例を示す断面図である。 第2の実施形態に係るコンデンサの構成例を示す図である。 第3の実施形態に係るコンデンサの構成例を示す図である。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係るコンデンサの組立工程例を示している。図1に示す構成や処理手順は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
このコンデンサ2は、たとえば図1のAに示すように、電解コンデンサや電気二重層コンデンサであって、コンデンサ本体4が外装ケース6の内部に収納される。
外装ケース6は、本開示のケースの一例であり、たとえば図示しない一端面に底部を有し、他端面に開口部を有し、その断面が円形または多角形状となっている所謂有底筒状である。この外装ケース6は、たとえば内部に充填されている電解液や外気との接触に対する耐腐食性を有するとともに、外部から一部を加締めることで変形可能な柔軟性をもった材料として、アルミニウムなどの金属のほか、マンガンやマグネシウムが添加されたアルミニウム合金などを含む硬質材料が利用される。
コンデンサ本体4には、たとえばコンデンサ素子8、封口部材10、リード端子12を備える。
コンデンサ素子8は、蓄電素子の一例であり、陽極箔および陰極箔がセパレータを介して積層され、巻回されている。コンデンサ素子8は、巻回内部においてリード端子12に対し陽極箔、陰極箔がそれぞれ接続されている。
封口部材10は、外装ケース6の内部に形成された収納部14の内部に収納されることで、収納部14の内外を封止する手段の一例である。この封口部材10は、たとえば絶縁性のゴムやその他のゴム材で形成されており、収納部14内にコンデンサ本体4とともに封入される図示しない電解液などが外部に流出するのを阻止するとともに外部から収納部14内に異物が混入するのを阻止する。また封口部材10は、たとえば収納部14内の圧力調整などの目的で、化学反応もしくは温度により気化した電解液を収納部14の外部に蒸散させる機能を備えてもよい。
この封口部材10は、外形形状が収納部14と同等の形状であり、たとえば円形、楕円形、もしくは多角形形状に形成されている。また封口部材10の外径aは、たとえば円形形状の場合、収納部14の内径bよりも径大に形成されている。また、多角形状の場合は、たとえば封口部材10の中心から全ての辺までの距離が収納部14の開口部分の対応する辺までの距離よりも大きく設定されている。すなわち、このコンデンサ本体4は、外装ケース6内に収納する場合、封口部材10の周面が収納部14の内壁面に接触しており、所定の挿入力を封口部材10の平面側から挿入方向にかけて挿入することになる。これにより封口部材10は、たとえば収納部14の内壁面に対して摺動状態となり、挿入力を受ける平面の中央側が挿入方向に反り、外周側に向けて外壁面との摩擦抵抗により外装ケース6の開口側に歪んだ湾曲状態10Aとなる。
外装ケース6内へのコンデンサ本体4の挿入処理は、たとえば図示しない挿入治具を利用すればよく、封口部材10の平板面に対し、全面を押圧するほか、複数箇所を部分的に押圧するものであってもよい。
収納部14の内部には、たとえば図1のBに示すように基準位置Oが設定されている。この基準位置Oは、たとえばコンデンサ本体4の挿入位置の一例であり、コンデンサ素子8の長さおよび封口部材10の厚さ、外装ケース6の底部の厚さの合計値などにより設定されればよい。コンデンサ本体4は、たとえば封口部材10が基準位置Oよりも収納部14の内部に達する位置まで挿入される。
次に、封口部材10は、たとえば平面上において、挿入処理と同じ位置または設定された所定位置に対し、収納部14の底部側に向けて所定の圧力F1で押圧される。この所定圧力F1は、たとえば封口部材10の最上部分が基準位置Oから移動しない程度の力で、かつ封口部材10の中央部分を収納部14の底部側に変位させる大きさの力であり、一例として、コンデンサ本体4を収納部14内に挿入させるときと同等の力で押圧してもよい。
このとき、この押圧により封口部材10は、たとえば中央部分の位置が基準位置Oよりも下方にX1の長さで変位する。そしてこの変位によりコンデンサ素子8は、収納部14の底面に対して押圧されることで、下部端面側の一部が押し潰されて変形している。
コンデンサ素子8の下部端面には、たとえば所定の高さで形成されており、封口部材10への押圧により変形する屈曲部16が形成されている。この屈曲部16は、コンデンサ素子8に形成された変形部であり、封口部材10側からの押圧によって屈曲状態16Aとなる。この屈曲部16は、たとえば外部からの押圧に対して対抗可能な機能部の一例であり、封口部材10側から付加される圧力F1への対抗方向に応力F2を生じさせる。この屈曲部16は、本発明の付勢部の一例であり、たとえば弾性変形により屈曲状態16Aとなることでその変形量に応じた復元力を発生させる。
そして、屈曲部16は、たとえば図1のCに示すように、封口部材10からの圧力F1を解除すると、復元力である応力F2により屈曲状態16Aから復元状態16Bに移行する。復元状態16Bは、たとえば挿入時のコンデンサ素子8の長さとほぼ同等になる。そして、封口部材10は、コンデンサ素子8が復元状態16Bとなることで、変位した中央部分が応力F2を受けて外装ケース6の開口側に付勢され、基準位置Oまで変位して平板状態10Bとなる。
このコンデンサ2は、たとえばコンデンサ素子8の屈曲部16の弾性変形に対する復元により生じる応力F2、封口部材10の剛性に応じた厚さや材料、圧力F1などの条件を設定すればよい。
なお挿入処理では、たとえば外装ケース6の外部に基準位置Oを表す表示を設けてもよく、または外装ケース6の底部からの距離、もしくは開口部側からの距離に応じて、コンデンサ本体4の挿入量を設定、調整すればよい。そのほか、コンデンサ2ごとにX線などを利用した監視手段により挿入位置を計測・監視してもよい。
<屈曲部16の構成について>
図2は、図1の部分断面図である。図3は、押圧前後のコンデンサ素子8の状態例を示している。
コンデンサ素子8には、たとえば図2に示すように、最外周側にセパレータ20が配置されるとともに、その内側に陰極箔22と陽極箔24がセパレータ20を介して交互に積層状態となっている。このセパレータ20は、陰極箔22、陽極箔24よりも幅広で構成されている。またコンデンサ素子8の底部側には、積層された複数枚のセパレータ20の端部が陰極箔22、陽極箔24よりも所定長さX2だけ長く張り出させている。この張り出したセパレータ20は、複数枚が重なることで突出先に配置される物体に接触すると屈曲し、弾性力を生じる。すなわちコンデンサ素子8では、セパレータ20の張出部分が屈曲部16となる。
収納部14内に収納されたコンデンサ素子8は、たとえば図3のAに示すように、所定の圧力F1が封口部材10の平面に付加されて湾曲状体となることで、外装ケース6の底部に押し付けられる。このときコンデンサ素子8は、巻回端部側に張出したセパレータ20の先端部分が外装ケース6の底部に接触して屈曲状態16Aとなる。
そして、コンデンサ素子8は、たとえば図3のBに示すように、圧力F1が解除されると、セパレータ20の先端部分の復元力によって伸張し、押圧前の長さ、またはそれに近い長さになる。
<コンデンサ素子8の構成について>
図4は、コンデンサ素子8の構成例を示している。図4に示す構成および処理手順は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
このコンデンサ素子8は、たとえば図4に示すように横長帯状に形成されたセパレータ20、陰極箔22、陽極箔24を重ね合わせた状態で巻回して形成される。さらにコンデンサ素子8には、巻回部分の内部に、少なくとも2本リード端子12の接続部が挟み込まれており、陰極箔22または陽極箔24に接続されることで陽極端子または陰極端子となる。
コンデンサ素子8の製造工程では、たとえば最外周側に配置されたセパレータ20に対して陰極箔22が載置され、その上にセパレータ20を介在させて陽極箔24が積層される。セパレータ20は、たとえば箔の短辺側の幅が陰極箔22や陽極箔24の幅よりも十分に幅広で構成されている。さらに陰極箔22および陽極箔24は、巻回によりコンデンサ素子8の底部側となる部分に対し、セパレータ20の端面から中央部側に大きく離間して配置されている。セパレータ20の端部から陽極箔24および陰極箔22の配置位置までの長さは、コンデンサ素子8の屈曲部16の長さX2となる。このセパレータ20に設定される長さX2は、コンデンサ本体4の押圧による圧力F1で封口部材10の変位量X1よりも大きくなるように設定される。封口部材10の押圧処理は、たとえば加える圧力F1の大きさまたは変位量X1のいずれかに基づいて設定される。
また、コンデンサ素子8は、たとえば巻回上部側に対し、陰極箔22および陽極箔24を露出させないように所定の長さX3分セパレータ20が幅広となるように設定されている。
<コンデンサ2の構成例について>
図5は、コンデンサ2の内部構成例を示している。
コンデンサ2は、たとえば図5に示すように、外装ケース6の外周面を周方向に沿って変形させた加締め部28を備える。この加締め部28は、外装ケース6の開口部に挿入した封口部材10と接触する外装ケース6の側面部分を外側から外装ケース6の中心部に向かって図示しない治具などで押圧し、外装ケース6を変形させることによって弾性力を有する封口部材10を外装ケース6と一体化し、収納部14内に固定させる手段の一例である。さらに封口部材10は、加締め部28により押圧されることで、内部を挿通するリード端子12の周面に対して圧着状態となる。
この加締め処理では、たとえば外装ケース6内の封口部材10の配置位置に基づいて設定されており、封口部材10の挿入位置である基準位置Oに基づいて加締め位置が設定されればよい。
また、この加締め処理ときに、外装ケース6の開口端の所定長さ部分を開口部の内側に曲げてカーリング部34を形成する。
コンデンサ2には、たとえば外装ケース6の開口部側に台座30が配置される。この台座30は、たとえば外装ケース6の開口部よりも径大に形成されており、その開口部を覆うように配置される。台座30は、たとえば絶縁合成樹脂などの絶縁板で形成されている。この絶縁合成樹脂は、配線板に実装する際の加熱に耐える程度の耐熱性を有していればよく、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ユリア樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フェノール樹脂、またはエポキシ樹脂である。
台座30の内壁面32は、一部が外装ケース6の開口端部に形成されたカーリング部34の上面部分に接触する。このカーリング部34は、台座30の内壁面32との接触によって、外装ケース6に対する台座30の配置位置および配置高さを規定する手段の一例である。収納部14には、封口部材10がカーリング部34と離間して配置されている。すなわち、封口部材10は、カーリング部34によって固定保持されていない。
そのほか台座30は、一部が外装ケース6の開口部に向けて形成された突出部36を備えている。この突出部36は、先端部分が収納部14内の封口部材10の平面部分に接触状態となるように突出量が設定されている。そして収納部14の開口部側には、たとえば台座30の内壁面32、突出部36で覆われた部分であり、封口部材10とカーリング部34との間に空間部38が形成され、この空間部38内に樹脂注入孔37から樹脂を注入して樹脂層39が形成される。この樹脂層39は、たとえばポリカーボネート(PC)樹脂などが用いられればよく、時間経過により硬化する。なお、樹脂層39は、台座30の内側にある空間部38のみならず、リード端子12の挿通孔内の一部にも形成される。
樹脂層39の形成処理では、たとえば、空間部38の容積量に合せて樹脂を注入するほか、樹脂注入において樹脂が最後に流れ込む終端部の台座30の内壁面32に樹脂注入孔37とは別の貫通孔を形成し、樹脂の注入経路に沿って終端部に到達した樹脂を作業者による視認監視や水位センサなどを利用して樹脂の充填管理を行ってもよい。
コンデンサ2では、封口部材10が基準位置Oに基づいて、収納部14内の設定された位置に、平板状に収納されることで、加締め部28において外装ケース6に固定保持することができる。そしてこのように封口部材10が配置されることで、封口部材10よりも開口部側の台座30を外装ケース6に密着させることができるほか、収納部14内に所定厚さX4の樹脂層39が形成できる。
<第1の実施形態の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 外装ケース6の内部に、開口径よりも径大な封口部材10を平面状に配置させることができ、収納部14の密閉性を確保できる。
(2) 封口部材10に対する押し込み量、または押込む力を調整することで、収納部14に対して封口部材10を適切に配置させることができ、作業負荷の軽減が図れる。
(3) コンデンサ素子8の底部に形成した屈曲部16を押潰し、その復元力によって封口部材10を付勢し、基準位置Oに向けて封口部材10を平板状に配置させることができる。
(4) 収納部14の基準位置Oに封口部材10を所定の位置および状態で配置させることで、加締め処理により封口部材10を適切に固定することができる。
(5) 外装ケース6の内部に、開口径よりも径大な封口部材10を挿入することで、収容部14内の圧力がコンデンサ2の外部の圧力(大気圧)より高くなり、応力F2に加え、封口部材10を外側に変形する力が働き、より封口部材10を平板状に配置させることができる。
〔第2の実施形態〕
図6は、第2の実施形態に係るコンデンサ40の構成例を示している。図6に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。また図6において、図1ないし図5と同一部分には同一符号を付している。
このコンデンサ40は、たとえば図6に示すように、外装ケース6の収納部14内にコンデンサ素子8および封口部材10を含むコンデンサ本体4が挿入されている。この封口部材10は、第1の実施形態と同様に、外装ケース6の内径よりも径大に形成されており、所定の基準位置Oにおいて封口部材10を所定の圧力F1で押圧するとともに、コンデンサ素子8の屈曲部16の復元力である応力F2によって平板状に配置されている。
この実施形態のコンデンサ40では、たとえば外装ケース6の底部側に絶縁層42が形成されている。この絶縁層42は、封口部材10の押し込みにより、コンデンサ素子8の屈曲部16が屈曲状態16A(図3)となったときに、金属材料で形成された外装ケース6の内壁面とコンデンサ素子8の陰極箔22および陽極箔24とが電気的に導通するのを防止する手段の一例である。
絶縁層42は、たとえば絶縁シートや絶縁性のゴム、樹脂材料などで構成されており、コンデンサ本体4の挿入前に配置されてもよく、または外装ケース6と一体化されてもよい。
<第2の実施形態の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(2) コンデンサ本体4の押し込み処理において、陰極箔22や陽極箔24と外装ケース6との間で短絡状態となるのを防止できる。
(3) 外装ケース6よりも軟性な材料で絶縁層42を構成することで、押し込みによりコンデンサ素子8の屈曲部16が損傷するのを防止できる。
〔第3の実施形態〕
図7は、第3の実施形態に係るコンデンサ46の構成例を示している。図7に示す構成は一例であり、本本発明が斯かる構成に限定されない。
このコンデンサ46は、たとえば図7のAに示すようにコンデンサ本体4が挿入される収納部14の内部に付勢部材48が収納されている。この付勢部材48は、たとえば外装ケース6の底部に配置されており、外装ケース6の開口側に向けて所定の面積の平面またはそれに近い形状、もしくはコンデンサ素子8の底面に対する平面またはそれに近い形状の接触部を備えている。この付勢部材48は、たとえば押圧の負荷に対して弾性変形し、負荷の解除によって復元力を生じる樹脂材料やゴムのほか、負荷に対抗可能な構造体であってもよい。
これによりコンデンサ46は、たとえば図7のBに示すように、収納部14内に挿入されたコンデンサ本体4のうち、コンデンサ素子8の一端面側が付勢手段48の平面部に接触する。このとき、コンデン本体4は、既述のように封口部材10の平面部が基準位置Oになるように挿入されると、さらに封口部材10の平板面に対し所定の圧力F1で、全面を押圧するほか、複数箇所を部分的に押圧する。この押圧によりコンデンサ素子8が収納部14の底部側への変位により接触する付勢部材48が押圧されて変形する。そして、付勢部材48は、たとえばコンデンサ本体4に対する押圧が解除されると、復元力によりコンデンサ素子8を応力F2で押上げる。これによりコンデンサ本体4は、封口部材10が基準位置に対して平面状に配置される。
なお、このコンデンサ素子8は、たとえば収納部14の底部側に向けられる端面において、電極箔よりもセパレータ20突出させるように形成されればよい。これによりコンデンサ素子8は、たとえば素子の端面において陰極箔22と陽極箔24との接触による短絡(ショート)を防止するとともに、付勢部材48との接触によるコンデンサ素子8の端面側の損傷を防止すればよい。
<第3の実施形態の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 第1または第2の実施形態と同様の効果が得られる。

〔変形例〕
以上説明した実施形態について、変形例を以下に列挙する。
(1) このコンデンサ2、40には、たとえば外装ケース6の周面の一部または全部に封口部材10の基準位置Oを示す表示手段を備えてもよい。また、外装ケース6には、封口部材10に接触し、コンデンサ本体4の押し込みによりその外周部分が収納部14の底部側にずれないようにするためのストッパ機能部品を備えてもよい。このようなストッパ機能部品を備えることで、押し込みにより封口部材10の外周部分が、収納部14内に設定された基準位置Oで保持することができる。
(2) コンデンサ本体4の押圧処理において、たとえば押圧を解除する場合に、押圧に用いる治具を封口部材10の平面部から離間させる場合に限られない。治具は、たとえば押圧を解除しても封口部材10の平面部に接触させた状態を維持させてもよい。これにより封口部材10は、たとえばコンデンサ素子8の屈曲部16の反発力による応力F2を受けて外装ケース6の開口部側に向けて押上げられた場合、上面側に接触する治具が封口部材10の変形状態をガイドする。これにより封口部材10は、基準位置Oに沿って、平板状に配置させることができる。
(3) 上記実施形態では、封口部材10からの押圧を受け、外装ケース6の底面との接触によりコンデンサ素子8の底面側に形成された屈曲部16の復元力によって封口部材10を基準位置Oに配置させる構成を示したがこれに限らない。コンデンサ2、40は、たとえば収納部14の底部にコンデンサ素子8の端面と接触し、押圧による弾性変形によって反発力を生じる付勢部材を備えてもよい。
この付勢部材は、たとえば所定の弾性復元力を備えるゴムや樹脂材料であり、封口部材10が押圧され、コンデンサ素子8との接触により受ける圧力F1に収縮し、開口方向に向けて所定の応力F2の復元力を発生させる。そしてコンデンサ素子8および封口部材10は、付勢部材からの応力F2により基準位置Oまで変位することができる。そして付勢部材は、コンデンサ素子8および封口部材10が基準位置Oに達することで、復元力が0となる。
(4) 上記実施形態では、復元力を生じる屈曲部16は、巻回されたセパレータ20が巻回端部から突出させた状態で形成される場合を示したがこれに限らない。
屈曲部16は、たとえばコンデンサ素子8の端部に露出した複数のセパレータ20を重ね合せて束状にすることで、封口部材10押圧する圧力F1に対抗可能な硬度や弾性力となるように成形してもよい。そのほか、屈曲部16は、たとえば巻回端面から直線またはこれに近い形状でセパレータ20が突出した状態となっている場合を示したがこれに限らない。屈曲部16は、たとえば巻回端面から突出したセパレータ20ごと、または束状に重ね合わせたセパレータ20に対して、蛇腹形状など、屈曲方向に折り山などを形成して弾性力や屈曲強度を調整してもよい。さらに、屈曲部16は、たとえばコンデンサ素子8の巻回端面から突出したセパレータ20に対し、絶縁性であって、セパレータ20の表面の硬度を調整可能な材質のコーティング剤を塗布してもよい。
(5) 上記実施形態では、基準位置Oで押圧された圧力F1に対抗し、コンデンサ素子8を付勢して押上げる手段として、コンデンサ素子8の底面側の一部が屈曲部16となる場合、またはコンデンサ素子8と収納部14の底部との間に付勢部材48を備える場合のいずれかを示したがこれに限らない。このコンデンサでは、コンデンサ素子8の屈曲部16と収納部14内の付勢部材48を両方備えてもよい。
さらに、この付勢部材48は、たとえば絶縁材料で形成されることで、コンデンサ素子8と外装ケース6との間で短絡状態となるのを阻止できる。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
2、40、46 コンデンサ
4 コンデンサ本体
6 外装ケース
8 コンデンサ素子
10 封口部材
10A 湾曲状態
10B 平板状態
12 リード端子
14 収納部
16 屈曲部
16A 屈曲状態
16B 復元状態
20 セパレータ
22 陰極箔
24 陽極箔
28 加締め部
30 台座
32 内壁面
34 カーリング部
36 突出部
37 樹脂注入孔
38 空間部
39 樹脂層
42 絶縁層
48 付勢部材

Claims (5)

  1. 有底筒状の外装ケースの収納部に、該収納部の開口径よりも径大な封口部材を有するコンデンサ素子を含むコンデンサ本体を挿入する工程と、
    前記収納部内に設定された基準位置に基づいて前記コンデンサ本体を押込み、前記コンデンサ素子の一端面を、コンデンサ素子と前記外装ケースの内底面との間に形成された付勢部に押し付ける工程と、前記封口部材が所定位置に達したことを契機に前記コンデンサ本体の押し込みを解除して、前記付勢部の復元力により前記封口部材の外表面部を前記基準位置に配置させる工程とを含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
  2. さらに、前記付勢部と前記コンデンサ素子の一端面とを一体に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  3. 前記封口部材の外周面部が前記基準位置に達するまで前記封口部材を前記収納部内に挿入したのち、前記封口部材の中央部を前記基準位置よりも底部側に、所定の変位量になるように、押圧力を付加して押し下げる工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンデンサの製造方法。
  4. 前記コンデンサ素子の長さ情報、前記封口部材の厚さ情報に基づいて前記収納部内の前記基準位置を設定する工程と、
    前記収納部内への前記封口部材の挿入量または挿入状態を監視するとともに、前記封口部材が前記所定位置に到達したことを契機に、押し込み量、または押し込み力を監視する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載のコンデンサの製造方法。
  5. 前記外装ケースの底部に絶縁材料を挿入して、絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層の平面部を基準として、前記基準位置を設定する工程と、
    前記コンデンサ素子に接触した前記付勢部を、前記絶縁層を介して前記外装ケースの底面に押し付ける工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載のコンデンサの製造方法。


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