JP7403251B2 - 電力資産運用システム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力を資産として運用できる電力資産運用システム及び方法に関する。
従来、複数のユーザー間において余剰電力を融通し合うことが可能な電力取引システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のシステムでは、第1のユーザーにおいて電力を必要とする所定時間帯に、第2のユーザーにおいて余剰電力が発生する場合には、第1のユーザーにおける需要条件と第2のユーザーにおける供給可能条件とを照合して、対応する組合せをマッチングすることで、複数のユーザー間において余剰電力を融通し合うことができる。
また、電力自由化により太陽光発電など独自に発電設備を有する者は余剰の電力を売渡することが可能となり、発電時における電力の市場価格と、売電時における電力の市場価格とによっては、その差額により利益を得ることができる。
特開2011-227837号 特開2001-243358号
しかしながら、市場価格は刻々と変動するとともに太陽光発電などの再生可能エネルギーではその発電量が気象などの影響を受けて大きく変動することから、常時市場価格を監視して、市場価格の変動に合わせて発電のタイミングと売電のタイミングを調整して電力を取引することは難しい。特に一般需要家などの小規模なユーザーシステムにおいては、自家での電力消費もあるため、その自家内での電力需要と発電量とを調整しながら、電力市場の動向に合わせて取引するのは非常に困難である。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、一般需要家など小規模なユーザーシステムであっても、自家で発電された電力を市場価格の変動に合わせて取引して、効率よく利益を得ることができる電力資産運用システム及び方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、電力を資産として運用する電力資産運用システムであって、電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理するユーザーシステムにおいて電力を発電する発電設備と、ユーザーシステムに電力網を通じて接続され、電力網上において電力を蓄電する蓄電設備と、発電設備で発電されユーザーシステムから送電された電力を、売電用の送電設備又は蓄電設備を切替えて選択的に送出する切替部と、発電設備で発電されユーザーシステムから送電された電力が、切替部に到達した時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を受電時情報として記録する情報記録部と、受電時情報に基づいて、所定の利益を加算した限界利益を算出する利益算出部と、現在の電力の市場価格を監視し、市場価格の変動を予測する予測部と、利益算出部が算出した限界利益と予測部が予測した市場価格とを比較し、その比較結果に応じて切替部による送出先の切替えを決定する運用決定部と、蓄電設備の充放電を制御する充放電制御部と、蓄電設備に蓄電された電力に関して、所定の時間単位をもって、蓄電された時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を蓄電時情報として記録する蓄電時情報記録部とを備え、利益算出部は受電時情報及び蓄電時情報に基づいて限界利益を算出し、運用決定部は、利益算出部が算出した限界利益と予測部が予測した市場価格とを比較し、その比較結果と、切替部に電力が到達した時刻からの経過時間に応じて切替部による送出先の切替え及び充放電制御部による充放電を決定する
また、本発明は、電力を資産として運用する電力資産運用方法であって、
(1)電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理するユーザーシステムにおいて発電設備が発電する発電ステップと、
(2)発電設備で発電され電力網を通じてユーザーシステムから送電された電力が、切替部に到達した時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を受電時情報として情報記録部が記録する情報記録ステップと、
(3)運用決定部が、現在の電力の市場価格を監視して予測された市場価格と、受電時情報に基づいて所定の利益を加算した限界利益とを比較し、その比較結果に応じて切替部による送出先の切替えを決定する運用決定ステップと
(4)切替部が、運用決定ステップにおける決定に従って、売電用の送電設備又は蓄電設備を切替えて選択的に送出する切替制御ステップと
(5)蓄電設備に蓄電された電力に関して、所定の時間単位をもって、蓄電された時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を蓄電時情報として蓄電時情報記録部が記録する蓄電時情報記録ステップと
を含み
運用決定ステップでは、受電時情報及び蓄電時情報に基づいて限界利益を算出するとともに、算出した限界利益と予測した市場価格とを比較し、その比較結果と切替部に電力が到達した時刻からの経過時間とに応じて切替部による送出先の切替え及び充放電制御部による充放電を決定する
上記発明において、受電時情報に基づいて、ユーザーシステムから送電された電力に対する評価に応じた電力量と対価量とを含む電力取引トークンを発行するトークン発行部と、ユーザーシステムから調達された電力の送電とともに、電力取引トークンの所有権を移転するトークン取引部と、を備えることが好ましい。
上記発明において、電力の消費に基づいて、電力取引トークンに含まれる少なくとも対価量を消費電力分だけ減算するトークン消却部をさらに備えることが好ましい。
上記発明において、電力取引トークンの発行、移転及び消却に関するデータの少なくとも一部を記憶する保証システムと連携して、電力取引トークンの発行及び消却に関するトークン取引履歴データを記録する連携部をさらに備え、保証システムは、トークン取引履歴データの少なくとも一部を記憶する複数のノードを備え、ノードは、記憶したトークン取引履歴データを所定のタイミングで集約してブロック化し、ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、ブロックチェーンを複数のノードで共有して分散台帳として記憶することが好ましい。
上記発明において、トークン取引履歴データに基づいて、現在の電力取引トークンの所有者が支払い又は受け取る対価を精算する精算部をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、PPS等の電力会社に電力を預けてその運用を委託することができ、一般需要家など小規模なユーザーシステムであっても、自家で発電された電力を市場価格の変動に合わせて取引して、効率よく利益を得ることができる。
実施形態に係る電力資産運用システムにおける電力の仕送りを示す概念図である。 実施形態に係る電力資産運用システムにおける電力取引トークンの役割を示す説明図である。 実施形態に係る電力資産運用方法の運用設定を示す説明図である。 実施形態に係る電力制御端末(需要家側)の内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電力制御端末(PPS側)の内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電力制御端末で実行される機能モジュールを示すブロック図である。 実施形態に係るトークン取引プラットフォームの内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る保証システムの内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電力資産運用システムの手順を示すフロー図である。 実施形態に係る電力資産運用システムのトークン移転時における手順を示すフロー図である。 実施形態に係る電力資産運用システムにおける公開鍵と秘密鍵との関係を例示する説明図である。 実施形態に係る電力資産運用システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力資産運用システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力資産運用システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力資産運用システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力資産運用システムの各トークン及びデータの構成を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る電力資産運用システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(電力資産運用システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る電力資産運用サービスにおける取引形態を示す概念図であり、図2は、本実施形態に係る各トークンの説明図であり、図3は、本実施形態に係る電力資産運用システムの全体構成を示す概念図である。
本実施形態では、通信ネットワーク3上に構築された電力資産運用システム1を通じて、電力取引トークンを利用した電力の資産運用サービスを提供する。具体的には、図1に示すように、本サービスでは、需要家4が備える発電設備(PV42)で発電した電力の資産運用をPPS5に委託する。PPS5は蓄電設備51を備えており、信託された電力を一旦蓄電装置に蓄電するか、直接買電用の送電設備を通じて売電するかを切り替えて、売電のタイミングを調整することにより、電力の価値を高めて利益を得て、需要家4に利益を還元する。また、PPS5は電力制御端末50を通じて、トークン取引プラットフォーム2にアクセスして電力取引トークンを介し、電力の資産運用を行う。この電力の資産運用に際しては、電力の価値情報である電力取引トークンを発行して、この電力取引トークンを売手と買手との間で取り交わして電力の売買取引を成立させ、発電時の市場価格と、売電時の市場価格の差分により利益を得る。
詳述すると、電力資産運用システム1は、トークン取引プラットフォーム2、各施設(発電所、PPS、需要家、電力プロシューマ等)に設けられた電力制御端末40若しくは50等が通信ネットワーク3で相互に接続されて構成されている。また、通信ネットワーク3上には、電力取引の保証を行うブロックチェーンインターフェースサービスを提供する保証システム6が設けられている。
電力制御端末40若しくは50は、例えば、CPUを備えた情報処理端末で構成されており、発電所や各需要家、PPS、電力プロシューマ、アグリゲーター等の各施設の設備を統括的に制御する装置である。この電力制御端末40若しくは50が制御する対象設備としては、需要家や電力プロシューマ等の施設内に配備されたユーザーシステムに含まれるスマートメータ、蓄電池、PV(Photovoltaics:太陽光発電)など、発電や蓄電、電力消費を管理する装置が挙げられる。なお、これらの電力制御端末が制御対象とする各種装置は、必要に応じて省略することができる。例えば、需要家ではその電力消費がスマートメータ41により測定されるが、需要家によっては発電設備及び蓄電設備を有するものもあれば、発電設備又は蓄電設備のいずれかの設備を有するもの、或いは発電・蓄電設備のいずれも備えずスマートメータ41だけが設けられ電力消費のみを行うものもある。また、電力プロシューマも電力消費をする立場にあるが、太陽光発電や蓄電池を備え、電力を供給する側にも位置することができる。
トークン取引プラットフォーム2は、売電側や買電側が電力制御端末40若しくは50を介して電力を取引するのを仲介するコンテンツサーバー装置で提供される。このコンテンツサーバーは、トークン取引プラットフォーム2として仲介ウェブサイトをオンライン上に提供しており、当該仲介ウェブサイトを通じて売電側、買電側、その他の市場や企業に対して、各種のトークン取引仲介サービスを提供している。
そして、このトークン取引プラットフォーム2に電力制御端末40若しくは50からアクセスすることで、各施設や設備における発電・蓄電・電力消費に応じて電力取引トークンの取引サービスを利用することができる。このトークン取引サービスでは、売手によるトークンの発行及び売却と、電力を消費する側となる買手によるトークンの購入及び消却を管理する。詳述すると、電力制御端末40若しくは50は、トークン取引プラットフォーム2と連携して、各設備における発電・蓄電・電力消費に基づいて発電データ・蓄電データ及び消費データを生成し、当該電力に関する情報を記載した電力取引トークンの発行、移転取引及び消却を実行する。この電力取引トークンに記述された各情報と、当該トークンの発行・移転及び消却の履歴は、保証システム6によるブロックチェーンインターフェースサービスを通じ、分散台帳システムに改ざん不能な状態で保管される。
また、トークン取引プラットフォームにおいて取引可能なトークンは、トークン取引プラットフォームにおける売買取引の需給バランスによって定められた価額によって、相互に等価交換可能であり、またトークンは、精算することによって、実際の通貨の他、仮想通貨やポイント、その他の交換価値を有する価値情報に換金することができる。
通信ネットワーク3は、通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。このIP網には、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
本実施形態において電力取引トークンは、図2に示すように、需要家4で発電された電力をPPS5に送電して信託を依頼することにより、その電力がPPS5側で売電又は蓄電される。この託された電力の電力量とその蓄電時点における電力の市場価格によって電力取引トークンが発行される。この時点では需要家4はPPS5に対して無償で送電し、本来この送電された電力に対して支払われるべき対価が原資となり、その原資と等価の仮想通貨として電力取引トークンが発行されPPS5側で運用される。
このPPS5側における電力の資産運用は、図3に示すように、需要家側で発電され託された余剰電力を、市場の予想価格と余剰電力の調達コストに基づく限界利益とを比較して、処理日(受電時)における市場の予想価格が限界利益を上回るようであればそのまま売電し、下回るようであればその日は蓄電し、翌日にまた限界利益と市場の予想価格との比較に応じて売電か蓄電を判断する。
そして、信託を受けたPPS5では、市場価格を予測して委託された電力の取引を、電力取引トークンを用いトークン取引プラットフォーム2を通じて他の市場関係者、例えば他の電力会社や需要家、PPSとの間で取引される。最終的にこの電力取引トークンは、電力を使用(消費)できる権利として、買電者Ubへ譲渡移転され、その譲渡を受けたPPS5bは、購入した電力取引トークンの代金を支払い、PPS5側での利益が確定する。電力取引トークンを購入した買電者Ub側では、実際に買電者Ubが電力を消費することによってその消費された電力と等価の電力取引トークンが消却される。
この電力取引トークンは、トークン取引プラットフォーム2における売買取引の需給バランスによっても価額が変動される。電力取引トークンには、図16に示すように、蓄電された際に、電力量、蓄電時における電力の取引価格の他、発電方式、発電場所、発電時期等の由来情報が紐付けられ、さらに、付加情報として移転履歴を含む取引履歴なども関連付けられて保持されている。
(各装置の構成)
次いで、各装置の構成について説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組合せなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)需要家4
需要家4は電力設備全般としてのユーザーシステムを有し、このユーザーシステムは電力を消費する単位でもあり発電設備を備える。発電設備としては、例えば太陽光発電や風力発電等が挙げられる。なお、本実施形態では、需要家4に太陽光発電設備(PV42)が設けられているものとする。これらの需要家4のユーザーシステムには、電力制御端末40と、実績データ生成部としてのスマートメータ41とが含まれる。
各ユーザーシステムに設置される電力制御端末40は、通信機能やCPUを備えた情報処理端末であり、OS或いはファームウェア、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能であり、本実施形態では、アプリケーションをインストールして実行することによって電力資産運用インターフェース7として機能される。この情報処理端末としては、パーソナルコンピューターの他、例えば、スマートフォンや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機が含まれる。
具体的に電力制御端末40は、図4に示すように、CPU402と、メモリ403と、入力インターフェース404と、ストレージ装置401と、出力インターフェース405と、通信インターフェース406とを備えている。また、本実施形態ではこれらの各デバイスはCPUバス400を介して接続されており相互にデータの受渡しが可能となっている。
メモリ403及びストレージ装置401は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
入力インターフェース404は、ユーザーシステム内に設置された各設備から制御信号を受信するモジュールであり、受信された制御信号はCPU402に伝えられ、OSや各アプリケーションによって処理される。他方、出力インターフェース405は、ユーザーシステム内に設置された各設備へ制御信号を出力するモジュールである。かかるユーザーシステム内に設置される各設備は、その需要家やプロシューマなどの形態によって異なり、例えば、需要家では、電力消費についてはスマートメータ41により測定され、発電・蓄電については、太陽光発電及び蓄電設備の両方を有するものもあれば、太陽光発電又は蓄電池のいずれかの設備を有するもの、発電・蓄電設備のいずれも備えないものもある。また、プロシューマでは、電力消費をスマートメータ41により計測し、太陽光発電(PV)42や蓄電池その他の電力設備に対する制御信号が入出力される。
ここで、スマートメータ41は、需要単位であるユーザーシステム内における発電・蓄電・電力消費を統括的に管理する実績データ生成部であり、需要家での電力消費を計測する他、ユーザーシステム内の他の設備、例えば蓄電池や太陽光発電による蓄電や発電も制御・管理し、需要家において各電力使用期間中に発電、蓄電又は消費した電力量を測定して、図16に示すような実績データD3を生成し、定期的にPPSや、電力会社に送出する。
通信インターフェース406は、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、通信方式としては、例えば、電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれる。
CPU402は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU402上に仮想的に各種モジュールを構築する。このCPU402上では、OS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによって各電力制御端末40の基本的な機能が管理・制御されている。また、このOS上では種々のアプリケーションが実行可能になっており、CPU402でOSプログラムが実行されることによって、需要家における電力資産運用インターフェース7に関する種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。
本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行することによって、このブラウザソフトを通じて、システム上の情報を閲覧したり、情報を入力したりする。詳述すると、このブラウザソフトは、Webページを閲覧するためのモジュールであり、通信ネットワーク3を通じてPPS5が提供するサービス提供部8からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。このブラウザソフトにより、フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能であり、このブラウザソフトを通じて、各ユーザーは、PPS5が提供するサービス提供部8を通じて電力資産運用サービスを利用することができる。
すなわち、本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行し、ブラウザソフトを通じてPPS5が提供する電力資産運用サービスにアクセスすることによって、CPU402上に電力資産運用のインターフェース7が構成される。この電力資産運用インターフェース7は、資産運用サービスの提供を受けるための所定の操作を行うインターフェースモジュールである。具体的に、この電力資産運用インターフェース7は、図6に示すように、実績データ解析部72と、送電時情報記録部73と、資産運用設定部74と、通信制御部71とを備えている。通信制御部71は、PPS側のサービス提供部8と通信を確立し、データの送受信を実行するモジュールである。
実績データ解析部72は、各ユーザーシステムに備えられたスマートメータ41から実績データを取得して解析することにより、蓄電用にPPS側へ送電された電力量や、需要家内で消費された電力量を算定するモジュールであり、この実績データ管理部26による解析結果は、送電時情報記録部73に入力され、通信制御部71を通じてPPS側のサービス提供部8に送信され、資産運用に関するトークンの発行や消却の用に供される。
送電時情報記録部73は、PPS側に送電された電力に関して、所定の時間単位をもって、送電された時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を送電時情報として記録するモジュールである。この送電時情報は通信制御部71及び81を通じてPPSの調達電力情報収集部82へ送信される。
資産運用設定部74は、需要家側からPPS側へ、ユーザー操作に基づいて、資産運用に関する設定情報を送信するモジュールである。この設定情報としては、資産運用のための電力量や期間、利回り等を設定するデータである。この資産運用設定部74は、通信制御部71及び81を通じて、PPS側の運用設定取得部83に送信される。
(2)PPS5(5a,5b)
PPS5についても、電力設備全般としてのユーザーシステムを有し、このユーザーシステムは電力を消費する単位でもあり発電や蓄電の設備を備える場合があり、本実施形態では、PPS5には蓄電設備が設けられている。
PPS側のユーザーシステムに設置される電力制御端末50は、通信機能やCPUを備えた情報処理端末であり、OS或いはファームウェア、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能であり、本実施形態では、アプリケーションをインストールして実行することによって、サービス提供部8として機能される。この情報処理端末としては、パーソナルコンピューターの他、例えば、スマートフォンや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機が含まれる。
具体的に電力制御端末50は、図5に示すように、CPU502と、メモリ503と、入力インターフェース504と、ストレージ装置501と、出力インターフェース505と、通信インターフェース506とを備えている。また、本実施形態ではこれらの各デバイスはCPUバス500を介して接続されており相互にデータの受渡しが可能となっている。
電力制御端末50のサービス提供部8の機能としては、また、サービス提供部8は、トークン取引に際し、例えば、図16に示すような、電力提供期間と電力量(数量)と対価量(売出価格又は買取価格)とを含む売出データD21又は買付データD22を当該電力使用期間開始前の所定の期間(例えば24時間など)である売買可能期間中に生成するなども実行する。
メモリ503及びストレージ装置501は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
入力インターフェース504は、ユーザーシステム内に設置された各設備から制御信号を受信するモジュールであり、受信された制御信号はCPU502に伝えられ、OSや各アプリケーションによって処理される。他方、出力インターフェース505は、ユーザーシステム内に設置された各設備へ制御信号を出力するモジュールである。本実施形態では、出力インターフェース505には、蓄電設備51の充放電を制御する駆動機構、送電設備53の送電を制御する駆動機構、及びこれら蓄電設備51の充放電若しくは送電設備53の送電を切り替える駆動機構である切替部52が接続され、これらの駆動を電力制御端末50からコントロールできるようになっている。切替部52は、需要家4のユーザーシステムから送電され受電設備54で受電された電力を、売電用の送電設備53又は蓄電設備51を切替えて選択的に送出する配電設備である。
通信インターフェース506は、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、通信方式としては、例えば、電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれる。
CPU502は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU502上に仮想的に各種モジュールを構築する。このCPU502上では、OS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによって各電力制御端末50の基本的な機能が管理・制御されている。また、このOS上では種々のアプリケーションが実行可能になっており、CPU502でOSプログラムが実行されることによって、PPSにおけるサービス提供部8に関する種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。
本実施形態では、CPU502上でブラウザソフトを実行することによって、このブラウザソフトを通じてシステム上の情報を閲覧したり、情報を入力したりする。詳述すると、このブラウザソフトは、Webページを閲覧するためのモジュールであり、通信ネットワーク3を通じてサービス提供部8のWebサイトを構成するHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルを配信したりする一方、トークン取引プラットフォーム2からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。このブラウザソフトにより、フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能であり、このブラウザソフトを通じて、PPSではトークン取引プラットフォーム2が提供するトークン取引仲介サービスを利用することができる。
すなわち本実施形態では、CPU502上でブラウザソフトを実行し、ブラウザソフトを通じてトークン取引プラットフォーム2にアクセスすることによって、CPU502上に資産運用サービス用のサービス提供部8が構成される。このサービス提供部8は、需要家などから電力の信託を受けるために需要家向けのWebサイトを配信したり、資産運用を行うために電力取引を実行するための種々の処理を実行して、電力取引トークンの売出データ又は買付データを生成する。また、ブラウザソフトは、保証システム6の取引履歴提供部64aにアクセスすることにより、取引に係るトークンに関する情報(約定データ、売出データ、買付データ等)を閲覧することができ、これにより、例えば、売電された電力の発電方法とその電力の取引履歴とを閲覧することができる。
具体的に、この資産運用サービス用のサービス提供部8は、図6に示すように、通信制御部81と、調達電力情報収集部82と、運用設定取得部83と、トークン取引管理部84と、運用決定部85と、給電状況取得部86と、需要予測部87と、市況情報収集部88と、充放電制御部89と、切替制御部80とを備えている。通信制御部81は、需要家側の通信制御部71と通信を確立し、データの送受信を実行するモジュールである。
調達電力情報収集部82は、実績データ解析部72によって解析され送電時情報記録部73で記録された送電時情報を受電時情報として収集するモジュールである。この受電時情報には、需要家4の蓄電設備51で発電され、需要家4のユーザーシステムから送電された電力が、PPS5の切替部52に到達した時点における電力の市場価格及び電力量に関する情報などが記録されている。また、調達電力情報収集部82は、PPS5側の蓄電設備51に電力が蓄電された際の蓄電時情報を記録する蓄電時情報記録部としての機能も備えており、この蓄電時情報には、所定の時間単位をもって、蓄電された時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報が記録されている。これらの調達電力情報収集部82によって収集された受電時情報や蓄電時情報は調達電力情報としてストレージに保存されるとともに、トークン取引管理部84及び運用決定部85に入力される。
運用設定取得部83は、需要家側の資産運用設定部74から資産運用設定を取得し、電力の資産運用を行うための設定を抽出するモジュールである。この運用設定取得部83で抽出された情報は、トークン取引管理部84及び運用決定部85に入力される。
トークン取引管理部84は、電力取引トークンの発行、移転、消却及び換金等の取引処理をトークン取引プラットフォーム2に依頼するモジュールである。具体的には、調達電力情報収集部82から入力された情報に基づいて、各需要家から送電され或いは蓄電された電力と等価の電力取引トークンの発行を依頼したり、運用決定部85の決定に従って、需要家から信託された電力取引トークンの所有権を買電者へ売却(移転)することを依頼する。
運用決定部85は、需要家から取得された運用設定に基づいて、資産の運用方針を作成し、その運用方針に基づいて電力資産の運用を実行するモジュールである。この運用決定部85には、給電状況取得部86から入力される現在の給電状況や、市況情報収集部88が収集した外部情報(電力市場における価格変動、気象情報その他の外部環境情報等)が入力されるとともに、電力取引トークンの価格変動を監視し、電力やトークンの取引(売却)のタイミングを決定する。この決定に基づいて制御スケジュール管理部85bに電力制御のスケジュールを作成させ、実行させる。
利益算出部85aは、調達電力情報に含まれる受電時情報及び蓄電時情報に基づいて、所定の利益を加算した限界利益を算出するモジュールである。詳述すると、利益算出部85aは、電力を調達する際の費用や蓄電時に消失する損失電力に係る費用を合算し、そこにPPS5が取得する必要最低限の手数料を加算して限界利益を算出する。運用決定部85は、利益算出部85aが算出した限界利益と需要予測部87が予測した市場価格とを比較し、その比較結果と、切替部52に電力が到達した時刻からの経過時間に応じて切替部52による送出先の切替え及び充放電制御部89による充放電を決定する。
制御スケジュール管理部85bは、一般的な電力供給サービスや発電サービス、電力調達、蓄電設備における充放電などPPS5における電力サービス全般の制御スケジュールを管理するモジュールである。具体的には、この制御スケジュール管理部85bは、運用決定部85が決定した運用方針に基づいて、発電や給電、蓄電設備における充放電、その他の電力調達のスケジュールを作成し管理する。
市況情報収集部88は、通信ネットワーク上に分散配置された外部の情報源から外部情報(電力市場における価格変動、気象情報その他の外部環境情報等)を収集するモジュールである。この市況情報収集部88は、いわゆるクローリング処理によって通信ネットワーク上の外部情報源を巡回し定期的に所定の情報を収集するほか、関連するキーワードによって通信ネットワーク上の情報源を検索し、突発的なニュースや気象変動も収集しビッグデータとして蓄積する機能も備えている。この市況情報収集部88によって収集された情報は、需要予測部87に入力され需要予測に供されるとともに、電力の市場価格に関する情報は、調達電力情報収集部82及びトークン取引管理部84にも入力され、蓄電に係る電力の蓄電時における対価価値の記録、及びトークン取引時における電力・トークンのレート算出に用いられる。
需要予測部87は、過去の電力の需給と外部情報との相関を分析して、将来発生する電力需給を予測するモジュールである。この予測は、市況情報収集部88が収集した外部情報と、過去の電力需要の変化をビッグデータとして解析対象とし、ディープラーニング等のAI(人工知能)の機械学習機能を用いて、解析対象中の特徴点を集積し、特徴点の共通性に基づいて各情報間の相関(傾向)を抽出して、現在の市況情報と合致する特徴点の共通性から将来の電力需要の予測をする。
充放電制御部89は、制御スケジュール管理部85bによる制御に従って、PPSが保有する蓄電設備の駆動を制御するモジュールである。給電状況取得部86は、当該PPSにおける給電状況を取得し、監視するとともに、その現況を制御スケジュール管理部85bに入力するモジュールである。この給電状況取得部86によって取得された給電状況は自国情報とともに市況情報収集部88にも入力され、需要予測部87における需要予測のために提供される。
切替制御部80は、切替部52の駆動を制御するモジュールであり、切替部52はこの切替制御部80からの制御信号に応じて、需要家4のユーザーシステムから送電された電力を、売電用の送電設備53又は蓄電設備51を切替えて選択的に送出する。
(3)トークン取引プラットフォーム2の構成
トークン取引プラットフォーム2は、電力取引仲介サービスの提供業者が管理運用する仲介サーバー上に仮想的に構築される取引市場であり、電力の売買取引を希望するユーザーは、通信ネットワーク3を通じてトークン取引プラットフォーム2にアクセスし、このトークン取引プラットフォーム2を介して、電力に関する取引を実行できる。具体的に仲介サーバーは、図7に示すように、通信インターフェース23と、認証部22と、電力取引実行部25と、トークン管理データベース21aと、ユーザーデータベース21bと、実績管理データベース21cと、電力取引管理データベース21dと、トークン管理部24、実績データ管理部26と、精算部27とを備えている。
通信インターフェース23は、通信ネットワーク3を通じて、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、本実施形態では、本サービスを提供するために各電力制御端末50及びスマートメータ41、及び保証システム6に接続されている。
認証部22は、電力取引に係るアクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク3を通じてアクセス者の端末装置からユーザーID及びパスワードを取得し、ユーザーデータベース21bを照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認する。
電力取引実行部25は、通信ネットワーク3を通じて電力取引の仲介を行うモジュールであり、本実施形態では、約定データ生成部25a及び保証システム連携部25bを備えている。
約定データ生成部25aは、売出データD21及び買付データD22に基づいて成立した取引の約定データD1を生成する。詳述すると、電力取引実行部25は、PPS5bにおける需要条件及びPPS5aにおける供給可能条件である売出データD21及び買付データD22を照合して、対応する組合せをマッチングすることで取引を成立させ、図16に示すような、成立した取引の需要条件や供給可能条件である供給元や発電方式、供給可能時期、電力価格などの情報を記述した約定データD1を生成する。
保証システム連携部25bは、ネットワーク上の保証システム6に対して、電力取引に関する与信や、セキュリティ管理、取引記録の保管など、電力取引に必要な処理を保証システム6に依頼し、協働して処理を進めるモジュールである。電力取引実行部25は、この保証システム連携部25bを通じて保証システム6と連携をとることによって、各種トークンの授受を管理し、トークンの取得者に関する公開アドレスを追加して、各トークンで証明される各種権利の所有者を変更することにより、各所有権を移転する。
トークン管理部24は、各種トークンの生成(発行)、移転、消却を実行し、管理するモジュールであり、電力取引実行部25の保証システム連携部25bと連携して各種トークンの発行、移転又は消却を実行すべく、各種トークン内のデータの更新を行う。具体的にトークン管理部24は、トークン発行部24aと、トークン消却部24bと、トークン移転部24cとを備えている。
トークン発行部24aは、ユーザーの要求に応じてユーザーに対して各種コイントークンを発行するモジュールである。例えば、実績データに基づいて、発電設備により売電可能な電力を有するユーザーに対して電力取引トークンを発行する。
トークン消却部24bは、実績データD3に基づいて電力取引トークンに含まれる少なくとも対価量を消費電力分だけ減算するモジュールである。ここで、トークンの消却とはその価額を0としたり、秘密鍵を消去或いは不明にして所有者の書換を不能としたアカウントに収納するなど、通貨としての交換価値を減算或いは消失させる処理を指す。
トークン移転部24cは、各トークンの所有権を書き換えることにより、トークンの譲受を制御するモジュールであり、本実施形態では、この書換にはブロックチェーンインターフェースサービスを用いる。このトークンの移転は、その移転を指示する移転要求に基づいて実行される。この移転要求は、例えば電力取引実行部25などにおいてトークンの売買が成立した際に電力取引実行部25から入力されたり、各ユーザーによる操作によって電力制御端末40から直接入力されるデータであり、移転の対象となるトークンの種別や、移転元及び移転先に関するアカウント情報、その数量が含まれる。
特に、トークン移転部24cは、移転要求の対象が電力取引トークンであるときには要求に係る電力取引トークンを移転させ、移転に関する情報を移転履歴として生成する機能を有している。この移転履歴は、トークン取引プラットフォームを介して、保証システムであるブロックチェーンに改ざん不能に記録される。
トークン管理データベース21aは、発行されたり消却されたりしたトークンに関する情報を蓄積する記憶装置であり、各トークンの所有者と、その種別、及び価額若しくは数量とを紐付けて蓄積する。
ユーザーデータベース21bは、各需要家のユーザーや、アグリゲーター等の業者に関する情報を蓄積する記憶装置である。なお、本実施形態において、ユーザー本人を特定する個人情報はユーザーデータベース21bには蓄積されておらず、各入居者・各ユーザーを識別する公開アカウント情報のみが格納されている。電力取引に必要な信用情報は、各入居者に属している公開アカウントに関する与信を保証システム6に対して要求し、それに対する応答内容で評価される。
実績管理データベース21cは、発電所や需要家、アグリゲーター等の電力の授受に関係する者による実績データを収集し蓄積して管理する記憶装置である。各スマートメーターから受信した各実績データは、この実績管理データベースに蓄積され、トークン発行や消却、価値評価の用に供される。電力取引管理データベース21dは、トークンの取引実績を記録する記憶装置である。
これら各データベース21a~dに蓄積されたデータの少なくとも一部は、保証システム連携部25bを通じて保証システム6に記録される。保証システム6は、各データベース21a~dに蓄積されたデータの少なくとも一部を、ノードにおいて、所定のタイミングで集約してブロック化し、ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、このブロックチェーンを複数のノードで共有させて分散台帳として記憶させる。
実績データ管理部26は、各ユーザーシステムから実績データを収集し、解析することによって、発行すべきトークンの種別や数量を算定するモジュールであり、この実績データ管理部26による解析結果は、トークン管理部24に入力され、トークンの発行や消却の用に供される。具体的に、実績データ管理部26は、価値評価部26aと、故障判定部26bとを備えている。
価値評価部26aは、実績データに含まれる、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量の測定値や、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを解析する。トークン管理部24では、この価値評価部26aによる解析結果に基づいて、電力取引トークンを発行又は消却する。
故障判定部26bは、実績データに含まれる、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を解析して、その解析結果に基づいて、ユーザーシステム内における故障の発生を判定するモジュールである。この故障判定部26bによる判定結果は、トークン取引プラットフォームを介して、保証システムであるブロックチェーンに改ざん不能に記録される。
精算部27は、各種トークンの時価に応じて換金するモジュールであり、各種トークンの時価に関する情報をネットワーク上から取得し、精算することによって、実際の通貨の他、仮想通貨やポイント、その他の交換価値を有する価値情報に換金する。また、精算部27は、図16に示すような、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と当該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成又は取得し、その確定データに基づいて各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する機能も備える。
(4)保証システム6の構成
上述したように本実施形態では、各種トークンを介して電力取引を行う売電側と買電側の電力制御端末40間に配置され、電力取引及びトークン取引の保証を行う保証システム6が設けられている。具体的に、保証システム6は、図8に示すように、通信インターフェース63と、認証部62と、トークン取引実行部64と、トークン取引履歴データベース61aと、鍵情報データベース61bと、アカウントデータベース61cとを備えている。
通信インターフェース63は、通信ネットワーク3を通じて、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、本実施形態では、各トークン取引プラットフォーム2や各電力制御端末40に接続されている。認証部62は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、各ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク3を通じてアクセス者の電力制御端末40から、ユーザー固有の公開アドレスや公開鍵、ユーザーID及びパスワード等を取得し、鍵情報データベース61bを照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認する。
トークン取引実行部64は、電力を販売する権利又は消費する権利を仮想コインとしてトークン化する電力取引トークンを取り扱うモジュールである。これら各種トークンは、各その正当な所有者の公開アカウントに紐付けられ、公開アカウントの関係を提示することでそのトークンの正当な権利者であることを証明することができ、また、正当な権利者でなければ、当該トークンについて譲渡等の移転手続を実行することができないようになっている。本実施形態において、トークン取引実行部64は、保証システム連携機能と、公開アドレス管理部64bと、正当性検証部64cと、データ更新部64dとを備える。
保証システム連携機能は、電力取引に関する与信や、セキュリティ管理、取引記録、サービス履歴の保管など、トークン取引に関する処理を他のサービス機関の装置、例えば上記トークン取引プラットフォーム2から依頼され、これらの各装置と協働して処理を進めるモジュールである。また、本実施形態では、保証システム連携機能は、各種トークンの取引値等の情報をトークン取引プラットフォーム2側に提供する。
公開アドレス管理部64bは、公開鍵暗号方式における公開鍵から生成されて特定のユーザーを識別するための公開アドレス、及び前記公開鍵とペアとなって公開鍵を特定可能な秘密鍵であって、公開アドレスを介した電力取引の電子署名に利用される秘密鍵を発行するアドレス発行部として機能し、これらの発行された公開アドレス及びそれに関する鍵情報については、鍵情報データベース61bに蓄積される。
正当性検証部64cは、トークン取引或いは電力取引に係る各種トークンが、正当な取引を経て現在の所有者に属していることや、改ざんされていないことを検証するモジュールであり、公開アカウントに紐付けられた現所有者の公開鍵により、そのトークンの正当性を確認することができるとともに、そのトークンに係る全ての取引をトークン取引履歴データベース61aに蓄積しており、公開鍵に基づいてトークン取引履歴データベース61aを照合して、その正当性を確認できるようになっている。
データ更新部64dは、各種トークンに係る電力情報を取得し、新しいトークン所有者に関する公開アドレスを追加して、分散台帳で証明されるトークン所有者を変更することにより、トークンの所有権を移転するモジュールである。このデータ更新部64dによるデータの更新は、高度なセキュリティにより保護されており、二重譲渡や取引履歴の改ざんが強固に防御されるようになっている。
(電力資産運用システムの動作)
以上説明した電力資産運用システムを動作させることによって、本発明の電力資産運用方法を用いた電力資産運用サービスを提供することができる。図9は電力資産運用システムの動作を示すフロー図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
図9に示すように、需要家4においてユーザーシステムの設備を用いて発電を行うとともに、余剰電力をPPS5に送電する(S101)。この際に発電データ・消費電力データが生成され、これらのデータはスマートメータ41で実績データとして集計されるとともに、実績データ解析部72に入力される。この実績データ解析部72の解析結果は送電時情報記録部73に受け渡され、その解析結果に基づいて送電時情報記録部73では送電時情報が生成され、PPS5側に送信される。
需要家4からの受電が開始されると、受電時情報が記録される(S201)。この受電時情報は調達電力情報としてストレージに保存される。また、受電の開始時において市況情報の収集を行い(S202)、需要予測部87によって電力の需給と外部情報との相関を分析して、将来発生する電力需給を予測するとともに、調達電力情報に含まれる受電時情報に基づいて所定の利益を加算した限界利益を算出する(S203)。具体的には利益算出部85aが、受電時における市場の電力価格と、及び需要家から電力を調達するのに要した費用と、蓄電時に消失する損失電力に係る費用、さらには蓄電時の残容量を勘案し、そこにPPS5が取得する必要最低限の手数料を加算して限界利益を算出する。需要予測は、市況情報収集部88が収集した外部情報と、過去の電力需要の変化をビッグデータとして解析対象とし、ディープラーニング等のAI(人工知能)の機械学習機能を用いて、解析対象中の特徴点を集積し、特徴点の共通性に基づいて各情報間の相関(傾向)を抽出して、現在の市況情報と合致する特徴点の共通性から将来の電力需要の予測をする。
次いで、利益の有無に基づいて運用決定を行う。具体的には、運用決定部85において、利益算出部85aが算出した限界利益と需要予測部87が予測した市場価格とを比較し(S204)、受電した時点における市場の予想価格が限界利益を上回るようであれば(ステップS204における「Y」)、そのまま売電し(S207)、下回るようであれば(ステップS204における「N」)、蓄電設備に残容量があるか否かを判断する(S205)。ここでは、需要家から受電した当日には蓄電設備の蓄電容量が残っているため(ステップS205における「Y」)、その日は蓄電し(S206)、翌日に繰り越して、翌日にステップS202以降の処理を繰り返す。この場合、蓄電を開始した時点における蓄電時情報を記録する。
そして、翌日にまた限界利益と市場の予想価格との比較に応じて売電か蓄電を判断する(ステップS204)。このとき、既に前日に蓄電が行われていることから、利益算出部85aは、受電時における市場の電力価格に加えて、蓄電時における市場の電力価格、及び蓄電時によって消失された損失電力に係る費用、さらには蓄電時の残容量を勘案し、そこにPPS5が取得する必要最低限の手数料を加算して限界利益を算出する。蓄電した時点における市場の予想価格が限界利益を上回るようであれば(ステップS204における「Y」)、そのまま売電し(S207)、下回るようであれば(ステップS204における「N」)、蓄電期限内であるかを判断する(S205)。ここで、蓄電期限が設定されておりそれが過ぎているときには(S205における「N」)、売電する場合もある(S207)。
ステップS207で売電に際しては、本実施形態では、売電する電力の価額に相当する電力取引トークンの譲渡取引を実行する(S208)。この電力取引トークンの譲渡取引に際し、保証システムにてトークン移転に関するアカウント処理を実行し(S209)、その完了後に需要家4に対して利益確定通知を送信する(S210及びS102)。その後、利益が出ているときには運用益を需要家4に還元するが、市場の価格予想が外れて損失が生じる場合もある。
(トークン移転取引時の動作)
ここで、上記ステップS402におけるトークン移転処理について詳述する。図10は、本実施形態にかかる電力資産運用システムの移転時における処理手順を例示するフロー図であり、図11は、本実施形態に係る公開鍵と秘密鍵との関係を例示する。
本実施形態では、トークン移転処理及びトークン移転に関するアカウント処理を、本実施形態に係る分散台帳システムの仕組みを利用している。ここでは、トークン取引プラットフォームを通じて、PPS5が買電者Ubに対し、電力取引トークンを販売する場合を例に説明する。この電力売買取引には、図10に示すように、公開アドレス及び秘密鍵の発行ステップS501と、関連するサービス履歴情報の登録処理ステップS502と、権利移転処理の実行ステップS503とが含まれる。
先ず、ステップS501において、トークン取引プラットフォーム2では、公開アドレス管理部64bがアドレス発行部として機能し、この公開アドレス管理部64bがトークン取引プラットフォームに固有の資産運用公開アドレスPA3と、この資産運用公開アドレスPA3に対応する秘密鍵SK3とのペアを発行している。具体的には、図11に例示されるように、トークン取引プラットフォーム2は、乱数発生器等を用いて、トークン取引プラットフォームに固有の公開アドレスに対応付けられた秘密鍵SK3を公開鍵暗号方式で生成する。乱数発生器は、例えば、プログラムとして公開アドレス管理部64bに内蔵させていてもよい。この秘密鍵SK3は、上述のとおり、ペアとなる資産運用公開アドレスPA3を電力移転元とする取引(ここでは、トークン取引プラットフォームからPPS5bへの販売)の電子署名に利用される。
次に、トークン取引プラットフォーム2は、例えば、楕円曲線DSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm, ESDSA)等の電子署名のアルゴリズムに基づいて、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を生成する。生成される公開鍵PK3と秘密鍵SK3とは公開鍵暗号方式における鍵ペアとなり、この公開鍵暗号方式の性質上、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を生成することは可能であるものの、公開鍵PK3から秘密鍵SK3を生成することは計算量の観点から不可能に構成される。すなわち、公開鍵PK3から秘密鍵SK3を特定することはできないが、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を特定することはできる。なお、利用する電子署名のアルゴリズムの種類は楕円曲線DSAに限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。
続いて、トークン取引プラットフォーム2は、SHA-256、RIPEMD-160等の一方向ハッシュ関数を公開鍵PK3に適用することで、公開鍵PK3から資産運用公開アドレスPA3を生成する。例えば、トークン取引プラットフォーム2は、SHA-256を公開鍵PK3に2回適用することによって、資産運用公開アドレスPA3を生成することができる。すなわち、この資産運用公開アドレスPA3は、上述したトランザクションの署名に利用される公開鍵のハッシュ値であり、トークンの移転先及び移転元を識別するために利用される。なお、資産運用公開アドレスPA3の生成には一方向ハッシュ関数を利用するため、図11に示されるように、公開鍵PK3から資産運用公開アドレスPA3を生成することは可能であるものの、資産運用公開アドレスPA3から公開鍵PK3を生成することは不可能に構成される。
次のステップS502では、売電元であるPPS5aが電力トークン取引プラットフォームに提供されたサービスの履歴など、各トークンに関連付けられる取引履歴データを、ステップS501で生成された資産運用公開アドレスPA3に紐付けてノードへの記録を行う。具体的には、図10に例示されるように、トークン取引プラットフォーム2で取得された実績データなどが資産運用公開アドレスPA3に紐付けられて公開される。この実績データは、資産運用公開アドレスPA3に関する公開鍵PK3を入手したものであれば、自由に閲覧ができるようになっている。この結果、その電力が由来する発電方法や発電箇所等の履歴や取引履歴に不正があったり、改ざんされたり等の不正行為に対する検証が誰でも行えるようになる。
その後、ステップS503では、トークン取引プラットフォーム2は、所定の電力移転条件に従って、ステップS501で生成した資産運用公開アドレスPA3に対する権利移転の取引を行う。そして、当該移転が完了すると、トークン取引プラットフォーム2は、本動作例に係る処理を終了する。ここで、本実施形態に係る各種トークンのやり取りには、電力制御端末40等上で実行されるアプリケーションが用いられる。そのため、図10では、トークン取引プラットフォーム2の公開アドレス管理部64bにも、トークン取引の仕組みを実行するアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションによって、プラットフォームが管理する資産運用公開アドレスが制御されている。
電力トークンが、PPS5aに属している間は、トークンは、PPS5aの電力制御端末40において、PPS5a固有の公開アドレスPAaはペアとなる秘密鍵SKaと対応付けられており、トークン取引プラットフォームにおいて、移転手続が取られる際に、PPS5aは、電力制御端末40を用いて、公開アドレスPAa(移転元)から、ステップS501で電力取引業者が生成した資産運用公開アドレスPA3(移転先)にトークンを一時的に移転させてプールすることができる。
これに対して、新たに電力の購入を希望するPPS5bは、図10に例示されるように、自身の電力制御端末40bを用いて、電力取引トークンが紐付けられている公開鍵PK3を入手し、当該PPS5bは、トークン取引プラットフォームの資産運用公開アドレスPA3に紐付けられた電力に関する発電データや取引経過情報や、関連する電力別履歴を閲覧することができる。
具体的には、PPS5bの電力制御端末40にもアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションによって、PPS5bの保有する公開アドレスPAbが管理されている。公開アドレスPAbには自己の秘密鍵SKbが対応付けられており、これによって、自己の公開アドレスPAbからトークンを、さらに他人に移転することができる。つまり、各秘密鍵SKbによって、PPS5bは、公開アドレスPAbに格納されたトークンやその取引履歴を自在に利用することができる。ここでは、PPS5bが、電力制御端末40においてアプリケーションを利用して、電力固有の資産運用公開アドレスPA3から公開アドレスPAbに移転されたトークンを受け取る。
(保証システムの動作)
ここで、上述した保証システムで採用している分散台帳システムの仕組みについて詳述する。本実施形態において保証システム6は、ブロックチェーンインターフェースサービスを提供しており、このサービスでは、各需要家4或いはトークン取引プラットフォーム2が生成したデータの少なくとも一部又は全部を記憶する複数のノードを備え、これらのノードは、記憶したデータを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数の前記ノードで共有して分散台帳として記憶する。
具体的には、図12に示すように、本実施形態に係る電力資産運用システム1は、各種トークン発行・移転・消却にあたり、保証システム6を通じて、公開鍵暗号方式に基づく公開鍵PKaと秘密鍵SKaとの鍵ペアを発行するとともに、発行したトークンに対応する公開鍵PKaから公開アドレスPAaを生成する。この公開アドレスPAaは、電力取引契約における譲受人(PPS5b)及び譲渡人(PPS5a)を示すアドレスとして活用される一方、秘密鍵SKaは、公開アドレスPAaを移転元とする取引の電子署名に利用される。
本実施形態に係る電力取引はP2P(Peer-to-Peer)ネットワーク30上の2つのノード間で行われ(ここでは、PPS5a及びPPS5b間)、その取引情報はP2Pネットワーク30内の各ノード90a~90fにブロードキャストされて共有される。これにより、P2Pネットワーク30上において、分散台帳システムによる取引履歴データベース(いわゆるブロックチェーン)が形成され、各種トークン及び電力取引の取引履歴が保存される。
本実施形態では、この分散台帳システムによる取引履歴データベースは、トークン取引プラットフォーム2を通じて、各種トークンの所有者の書き換えを行う際に、電力取引契約の実行、承認及び管理を実施する。電力取引の仲介人(各電力制御端末40)は、PPS5aとPPS5bの間で取引の仲介をするために、トークン取引プラットフォーム(仲介サーバー)2に固有の資産運用公開アドレスPA3を生成して、取引対象となっているトークンが、トークン取引プラットフォームのトークンプールに一時的に預けられているとして、トークンの移転の中継を行う。
そして、取引の当事者(PPS5a及びPPS5b)は、電力資産運用システム1を利用して、現在のPPS5aから、トークン取引プラットフォーム固有の資産運用公開アドレスPA3へトークンを移転させることで一旦受領し、さらに需要家4を介して、新たな買電者Ubに対して移転させることで、PPS5と買電者Ubとの間における電力トークン取引プラットフォームの売買契約を成立させる。
これにより、譲受人であるPPS5bは、トークンを自分の公開アドレスPAbで受領することができ、この資産運用公開アドレスPA3に紐付けられたサービス履歴の閲覧や、サービスの利用が可能になる。なお、この公開アドレスの発行は、トークン取引プラットフォーム2が行ってもよく、各取引ユーザー端末上のソフトウェアや、独立したサービス管理機関や金融機関のサーバーで行うこともできる。ここで、図12~図15を用いて、この電子暗号通貨の取引の詳細な仕組みについて具体的に説明する。図12は、トークンの発行・移転・消却に関するトランザクション(取引)の定義を例示し、図13~図15は、トークン取引履歴(ブロックチェーン)の一部を例示する。
各トークンの発行・移転・消却に関する取引履歴が、図13に例示される一連の電子署名の連鎖として定義される。この各トークンの所有者は、次の所有者にその取引履歴を移転する場合に、直前の取引のハッシュ値と、次の所有者に係る公開鍵のハッシュ値とを自身の秘密鍵で電子署名したものをトークンの取引履歴に追加する。なお、これらのハッシュ値の計算には、例えば、SHA-256、RIPEMD-160等の一方向ハッシュ関数が用いられる。
図13では、取引の具体例として、各種トークンが、所有者Zから所有者Aに移転され、所有者Aから所有者Bに移転され、さらに所有者Bから所有者Cに移転される場面が例示されている。この場合、所有者Aから所有者Bにトークンを移転するときには、所有者Aは、所有者Zから所有者Aへの移転取引のハッシュ値と次の所有者である所有者Bの公開鍵のハッシュ値とを所有者Aの秘密鍵で電子署名したものをトークンに追加する。
所有者Bを含むこの取引以降のトークンの所有者は、所有者Aの公開鍵でこの電子署名を復号した値を所有者Zから所有者Aへの移転取引のハッシュ値及び所有者Bの公開鍵のハッシュ値と照合することで、この取引が改ざんされているか否かを判定することができる。同様に、所有者Bから所有者Cにトークンを移転するときには、所有者Bは、所有者Aから所有者Bへの移転取引のハッシュ値と次の所有者である所有者Cの公開鍵のハッシュ値とを所有者Bの秘密鍵で電子署名したものをトークンに追加する。これにより、所有者Bから所有者Cへの移転取引が改ざんされているか否かを判定することが可能になる。
各種トークンは、このような一連の電子署名の連鎖として定義することができる。ここで、公開鍵のハッシュ値は公開アドレスである。すなわち、この公開アドレスに保管されるトークン等を移転できるのは、この公開アドレスを移転元とする電力取引の電子署名を行える者、すなわち、この公開アドレスに対応する秘密鍵を有する者に限られる。そのため、秘密鍵は、一般的には、所有者以外に漏えいしないように秘匿される。なお、トークンやそれに関する取引履歴等のデータは、現在の所有者に紐付けられた公開アドレスに保管される。また、この電子署名だけでは、このトークンの過去における所有者のうちの誰かが当該トークンを多重使用(多重譲渡)していることを検証することはできないことから、本実施形態に係るトークン取引の仕組みでは、図14及び図15で例示されるブロックチェーンという仕組みを用いて、この多重使用を防止している。
図14及び図15に例示されるように、トークン等に記録される各ブロックは、複数のトランザクションとNonceと直前のブロックのハッシュ値とを格納している。Nonceは、暗号通信で用いられる使い捨てのランダムな値であり、ノード(マイナー)60a~60fのうち、この値を最初に発見したノード(マイナー)が、承認者として、Nonceを発見したブロックをブロックチェーンの末尾に追加することでブロックチェーンの更新を行う。これにより、ブロックチェーンには一貫した取引履歴が記録されることになり、このブロックチェーンをP2Pネットワーク30に参加するノード90a~90f全体で共有することで、一貫した取引履歴をP2Pネットワーク30全体で共有することができる。すなわち、このブロックチェーンが、上述した保証システム6におけるトークン取引履歴データベース61a及び鍵情報データベース61bの一部又は全部を担うこととなる。本実施形態において、公開鍵暗号方式に基づく電力取引では、このような仕組みによって各種トークンの取引が行われる。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、需要家で発電した電力などの余剰電力を、PPS等の電力会社に託してその運用を委託することができ、一般需要家など小規模なユーザーシステムであっても、自家で発電された電力を市場価格の変動に合わせて取引して、効率よく利益を得ることができる。
特に、本実施形態では、保証システムとして、分散データベースの仕組みを採用したため、強固な単一のシステム管理・運用のための設備を事業者ごとに設ける必要がなく、業者間での情報を授受する際、情報を連携するためのデータベースの共通化や、プライバシー保護、データの改ざんに対する高度なセキュリティ対策が分散データベースの仕組みで担保されることから、その設備費や運用コストを抑えることができる。
D1…約定データ
D21…売出データ
D22…買付データ
D3…実績データ
PAa,PAb…公開アドレス
PKa…公開鍵
SKa,SKb…秘密鍵
Ub…買電者
1…電力資産運用システム
2…トークン取引プラットフォーム
3…通信ネットワーク
4…需要家
5…PPS
6…保証システム
7…電力資産運用インターフェース
8…サービス提供部
21a~d…データベース
22…認証部
23…通信インターフェース
24…トークン管理部
25…電力取引実行部
25a…約定データ生成部
25b…保証システム連携部
26…実績データ管理部
26a…価値評価部
26b…故障判定部
27…精算部
30…ネットワーク
40…電力制御端末
40b…電力制御端末
41…スマートメータ
42…PV(太陽光発電設備)
50…電力制御端末
51…蓄電設備
52…切替部
53…送電設備
54…受電設備
61a…トークン取引履歴データベース
61b…鍵情報データベース
61c…アカウントデータベース
62…認証部
63…通信インターフェース
64…トークン取引実行部
64a…取引履歴提供部
64b…公開アドレス管理部
64c…正当性検証部
64d…データ更新部
71…通信制御部
72…実績データ解析部
73…送電時情報記録部
74…資産運用設定部
80…切替制御部
81…通信制御部
82…調達電力情報収集部
83…運用設定取得部
84…トークン取引管理部
85…運用決定部
85a…利益算出部
85b…制御スケジュール管理部
86…給電状況取得部
87…需要予測部
88…市況情報収集部
89…充放電制御部
90a~90f…ノード

Claims (8)

  1. 電力を資産として運用する電力資産運用システムであって、
    電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理するユーザーシステムにおいて電力を発電する発電設備と、
    前記ユーザーシステムに電力網を通じて接続され、前記電力網上において電力を蓄電する蓄電設備と、
    前記発電設備で発電され前記ユーザーシステムから送電された電力を、売電用の送電設備又は前記蓄電設備を切替えて選択的に送出する切替部と、
    前記発電設備で発電され前記ユーザーシステムから送電された電力が、前記切替部に到達した時点における電力の市場価格及び電力量に関する情報を受電時情報として記録する情報記録部と、
    前記受電時情報に基づいて、所定の利益を加算した限界利益を算出する利益算出部と、
    現在の電力の市場価格を監視し、市場価格の変動を予測する予測部と、
    前記利益算出部が算出した前記限界利益と前記予測部が予測した市場価格とを比較し、その比較結果に応じて前記切替部による送出先の切替えを決定する運用決定部と、
    前記蓄電設備の充放電を制御する充放電制御部と、
    前記蓄電設備に蓄電された電力に関して、所定の時間単位をもって、蓄電された時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を蓄電時情報として記録する蓄電時情報記録部と
    を備え、
    前記利益算出部は前記受電時情報及び前記蓄電時情報に基づいて前記限界利益を算出し、
    前記運用決定部は、前記利益算出部が算出した前記限界利益と前記予測部が予測した市場価格とを比較し、その比較結果と、前記切替部に電力が到達した時刻からの経過時間に応じて前記切替部による送出先の切替え及び前記充放電制御部による充放電を決定する
    ことを特徴とする電力資産運用システム。
  2. 電力の消費に基づいて、電力取引トークンに含まれる少なくとも対価量を消費電力分だけ減算するトークン消却部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電力資産運用システム。
  3. 前記電力取引トークンの発行、移転及び消却に関するデータの少なくとも一部を記憶する保証システムと連携して、前記電力取引トークンの発行及び消却に関するトークン取引履歴データを記録する連携部をさらに備え、
    前記保証システムは、トークン取引履歴データの少なくとも一部を記憶する複数のノードを備え、
    前記ノードは、記憶したトークン取引履歴データを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数の前記ノードで共有して分散台帳として記憶する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力資産運用システム。
  4. 前記トークン取引履歴データに基づいて、現在の電力取引トークンの所有者が支払い又は受け取る対価を精算する精算部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の電力資産運用システム。
  5. 電力を資産として運用する電力資産運用方法であって、
    電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理するユーザーシステムにおいて発電設備が発電する発電ステップと、
    前記発電設備で発電され電力網を通じて前記ユーザーシステムから送電された電力が、切替部に到達した時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を受電時情報として情報記録部が記録する情報記録ステップと、
    運用決定部が、現在の電力の市場価格を監視して予測された市場価格と、前記受電時情報に基づいて所定の利益を加算した限界利益とを比較し、その比較結果に応じて前記切替部による送出先の切替えを決定する運用決定ステップと、
    前記切替部が、前記運用決定ステップにおける前記決定に従って、売電用の送電設備又は蓄電設備を切替えて選択的に送出する切替制御ステップと、
    前記蓄電設備に蓄電された電力に関して、所定の時間単位をもって、蓄電された時点における電力の市場価格、蓄電された電力量、及び蓄電した蓄電設備に関する情報を蓄電時情報として蓄電時情報記録部が記録する蓄電時情報記録ステップ
    を含み、
    前記運用決定ステップでは、前記受電時情報及び前記蓄電時情報に基づいて前記限界利益を算出するとともに、算出した前記限界利益と前記予測した市場価格とを比較し、その比較結果と前記切替部に電力が到達した時刻からの経過時間とに応じて前記切替部による送出先の切替え及び充放電制御部による充放電を決定する
    ことを特徴とする電力資産運用方法。
  6. トークン消却部が、電力の消費に基づいて、電力取引トークンに含まれる少なくとも対価量を消費電力分だけ減算するトークン消却ステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の電力資産運用方法。
  7. 前記電力取引トークンの発行、移転及び消却に関するデータの少なくとも一部を記憶する保証システムと連携して、前記電力取引トークンの発行及び消却に関するトークン取引履歴データを連携部が記録するステップをさらに備え、
    前記保証システムに備えられ、トークン取引履歴データの少なくとも一部を記憶する複数のノードが、前記トークン取引履歴データを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数の前記ノードで共有して分散台帳として記憶させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力資産運用方法。
  8. 精算部が、前記トークン取引履歴データに基づいて、現在の電力取引トークンの所有者が支払い又は受け取る対価を精算する精算ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の電力資産運用方法。
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