JP7219612B2 - 故障検知システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムにおける故障を検知する故障検知システムに関する。
近年、スマートグリッド(次世代送電網)と呼ばれる電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる送電網が普及しつつある。従来、このようなスマートグリッドを通じて各需要家における余剰電力を、複数のユーザー間において融通し合うことが可能な電力取引システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような、スマートグリッドでは、各需要家において消費電力や発電量を計測するスマートメーターを通じて、毎月の検針業務の自動化や(HEMSHome Energy Management System:住宅用エネルギー管理システム)等における電気使用状況が管理される。
特開2011-227837号
しかしながら、上述したようなスマートグリッドの普及に伴い、将来的にスマートメーター等の制御装置の設置台数が拡大することが予想され、機器のメンテナンスや故障検知の効率化が望まれている。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、スマートグリッドの普及に伴ってスマートメーター等の制御装置の設置台数が拡大することに対応すべく、機器のメンテナンスや故障検知の効率化を図ることのできる故障検知システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、 電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムにおける故障を検知する故障検知システムであって、ユーザーシステム側に設けられ、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成部と、実績データに基づいて、ユーザーシステム内における故障の発生を判定する故障判定部と、実際に発生した機器の故障に関する故障情報を監視履歴として蓄積する監視履歴蓄積部と、監視履歴蓄積部に蓄積された故障情報に記述された実際の故障に係るユーザーシステムの実績データを抽出し、故障情報及び抽出された実績データを教師データとして、故障判定部の人工知能を学習させる学習部と、故障判定部による判定結果の少なくとも一部を記憶する保証システムと連携して、判定結果を記録する連携部とを備え、故障判定部において人工知能は、異常が発生しているパターンである故障発生モデルを検出して故障発生を判定し、保証システムは、ユーザーシステム及び故障判定部が生成した判定結果の少なくとも一部を実績データとともに記憶する複数のノードを備え、ノードは、判定結果及び実績データを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数のノードで共有して分散台帳として記憶する。
上記発明において、保証システムは、公開鍵暗号方式における公開鍵から生成されて特定のユーザーを識別するための公開アドレス、及び公開鍵とペアとなって公開鍵を特定可能な秘密鍵であって公開アドレスを介した電力取引の電子署名に利用される秘密鍵を発行するアドレス発行部をさらに備え、約定データに基づいて、買付データを生成したユーザーに関する公開鍵を追加することにより、電力取引トークンの所有権を移転し、買付データを生成したユーザーに関する公開鍵を含むデータを所定のタイミングで集約してブロック化し、ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、ブロックチェーンを複数のノードで共有して分散台帳としてノードに記憶させることが好ましい。
上記発明において、学習部は、入力された実績データについて、人工知能による判定結果と故障情報とを対比し、教師データとして入力された故障情報と同一事象についての判定結果と、その故障情報を対比し、その対比した結果が一異なる場合に、どの選択肢が誤っていたかを確認することによって故障検知した際に故障判定部が選択した各種選択肢の正当性を帰納法的に検証することにより、故障発生モデルを追加又は変更することにより学習を行うことが好ましい。上記発明において、学習部は、実績データを、ブロックチェーンに記憶されたデータから取得することが好ましい。
本発明によれば、ユーザーシステム側で各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し、この実績データに基づいてユーザーシステム内における故障の発生を判定するため、故障検知の労力を低減することができ、スマートグリッドの普及に伴ってスマートメーター等の制御装置の設置台数が拡大したときであっても、機器のメンテナンスや故障検知の効率化を図ることができる。
実施形態に係る電力取引システムにおいて故障検知を行う故障検知システムの概念図である。 実施形態に係る電力取引システムにおける取引全体を示す概念図である。 実施形態に係る電力取引システムにおける各トークンの説明図である。 実施形態に係る電力取引システムの全体構成を示す概念図である。 実施形態に係る電力制御端末の内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る仲介サーバーの内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る保証システムの内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る電力取引システムのトークン発行時における手順を示すフロー図である。 実施形態に係る電力取引システムの売電及び電力消費時における手順を示すフロー図である。 実施形態に係る電力取引システムのトークン移転時における手順を示すフロー図である。 実施形態に係る電力取引システムにおける公開鍵と秘密鍵との関係を例示する説明図である。 実施形態に係る電力取引システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力取引システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力取引システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力取引システムのブロックチェーンに関する説明図である。 実施形態に係る電力取引システムの各トークン及びデータの構成を示す説明図である。 実施形態に係るAI学習部の内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係る故障検出部による故障検出処理の概要を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る故障検知システムの実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明の故障検知システムを電力取引システムに組み込んだ場合を例に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(故障検知システムの概要)
図1に、本実施形態に係る電力取引システムにおいて故障検知を行う故障検知システムの概要を示す。同図に示すように、本実施形態に係る故障検知システムは、電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムにおける故障を検知するシステムであり、各需要家等に設置されたユーザーシステム側に設けられた実績データ生成部であるスマートメーター41と、インターネットや電話回線、専用回線等を介してスマートメーター41と接続された監視サーバー5と、ブロックチェーンインターフェースとから概略構成される。
そして、各スマートメーター41が、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し、監視サーバー5側で実績データに基づいて、ユーザーシステム内における故障の発生を判定する。本実施形態では、この実績データ中の故障発生履歴及びそれに対する判定結果は、故障履歴情報して生成される。この実績データ及び判定結果を含む故障履歴情報の少なくとも一部は、保証システムであるブロックチェーンインターフェースを通じて、P2Pネットワーク30上のノード90a~90fによって、集約されてブロックチェーンが形成され、このブロックチェーンは、複数のノードで共有されて分散台帳として記憶される。
このブロックチェーンインターフェースでは、公開鍵暗号方式に基づく公開鍵PKaと秘密鍵SKaとの鍵ペアが発行されるとともに、実績データ及び判定結果に対応する公開鍵PKaから公開アドレスPAaを生成する。この公開アドレスPAaは、各スマートメーター41及び監視サーバー5を示すアドレスとして活用される一方、秘密鍵SKaは、公開アドレスPAaを実施データ等の移転元とする取引の電子署名に利用される。
本実施形態に係る実績データ及び判定結果の記録はP2P(Peer-to-Peer)ネットワーク30上の2つのノード間で行われ(ここでは、スマートメーター41及び監視サーバー5間)、これらの実績データ及び判定結果はP2Pネットワーク30内の各ノード90a~90fにブロードキャストされて共有される。これにより、P2Pネットワーク30上において、分散台帳システムによる取引履歴データベース(いわゆるブロックチェーン)が形成され、各種トークン及び電力取引の取引履歴が保存される。
(電力取引システムの全体構成)
図2は、本実施形態に係る電力取引システムにおける取引全体を示す概念図であり、図3は、本実施形態に係る各トークンの説明図であり、図4は、本実施形態に係る電力取引システムの全体構成を示す概念図である。
本実施形態では、通信ネットワーク3上に構築された電力取引システム1を通じて、トークンを利用した電力売買取引の仲介業務を行うサービスを提供する。本発明の故障検知システムは電力取引システムに組み込まれ、故障検知システムと電力取引システムとの間でブロックチェーンインターフェースの仕組みを共有するとともに、故障検知結果を電力取引システム側で利用できるようにしている。
具体的に、電力売買取引の仲介サービスでは、図2に示すように、各施設(発電所、需要家、アグリゲーター等)がそれぞれ備える電力制御端末を通じて、トークン取引プラットフォームにアクセスして電力の売買取引を行う。この電力の売買取引に際しては、電力の価値情報である電力取引トークンと併せて、DR(Demand Respons:電力需要)制御や環境価値に関する価値情報であるDR制御トークン及び環境価値トークンを発行して、これらのトークンを売手と買手との間で取り交わして電力やその付加価値の売買取引を成立させる。
これらのトークンは、図3に示すように、先ず、発電された電力の電力量と発電方式によって電力取引トークンが発行され、売却可能な電力が、その電力と等価の電力取引トークンとしてトークン取引プラットフォームの電力取引トークンプールに蓄積され、これらのトークンプールを通じて売買される。最終的にこの電力取引トークンは、電力を使用(消費)できる権利として需要家等が購入し、その購入した需要家等は、電力取引トークンと等価の電力を使用することができ、実際に電力を消費することによって、その消費された電力と等価の電力取引トークンが消却される。この電力取引トークンは、トークン取引プラットフォームにおける売買取引の需給バランスによって価額が変動される。電力取引トークンには、図16に示すように、発電された際に、電力量、発電方式、発電場所、発電時期等の由来情報が紐付けられ、さらに、付加情報として、当該電力取引トークンから派生した環境価値トークン等の関連トークン情報、売買等による移転履歴を含む取引履歴なども関連付けられて保持されている。蓄積された各トークンは、それぞれ独立した仮想通貨として売買取引が可能である。
また、発電された電力の電力取引トークンとともに、各電力の発電方式や蓄電方式の環境に対する貢献度に応じた価値情報である環境価値トークンが生成されるとともに、電力需要の制御(DR制御)を実施することによる経済効果に応じた余剰電力を生成した対価としての価値情報であるDR制御トークンが生成される。
環境価値トークンは、例えば、自家消費の電力量やCO2削減量など、環境に対する貢献度に応じて算定されて、発行されるトークンである。この環境価値トークンは、その状態のままでは、市場取引の対象とはできず換金もできないようになっている。この環境価値トークンは、移転する際に消却され、図16に示すような、その移転が実行された日時、及び移転元(所有者ID)並びに移転先(新規の所有者ID)、移転の際の価額(対価量)、その他の取引履歴を記録した移転履歴が発行され、発行された移転履歴が譲渡取引の対象となる。この環境価値トークンの移転履歴には、消却された環境価値トークンの価額、発行元が記録され、譲渡取引による移転先が譲渡の度に取引履歴として追記されるようになっている。ここで、トークンの消却とはその価額を0としたり、秘密鍵を消去或いは不明にして所有者の書換を不能としたアカウントに収納するなど、通貨としての交換価値を消失させる処理を指す。そして、消却された環境トークンに係る移転履歴は、トークン取引プラットフォームを介して、保証システムであるブロックチェーンに改ざん不能に記録される。
なお、この環境価値トークンの評価方法の一つとして、発電した電力の方式と、消費又は蓄電した消費した電力に係る発電又は蓄電の種別に基づいて、環境に対する貢献度の高い発電種別による電力を、環境に対する貢献度の高い蓄電種別で蓄電した場合に、その価値を増大させることが挙げられる。例えば、太陽光発電などの再利用可能エネルギーにより発電された電力を、EVトラックなどの電気自動車用のバッテリーに蓄電し、消費したときには、再利用可能エネルギーによる環境貢献と、電気自動車の利用による環境貢献との相乗効果をそうすることから、その評価として環境価値トークンを付与したり、その価額を高めたり等の処理を行うことができる。これらの環境に対する貢献度(CO削減量や自家消費量)は、由来情報、その他関連情報としてトークン内に保持されるとともに、仲介サーバー2のトークン管理データベース21a、及びブロックチェーンインターフェースの各ノードに保持される。
また、環境価値トークンは、寄付金等の財源がトークン取引プラットフォームに提供されることにより、その財源の金額に相当する分が、譲渡取引可能な再エネトークンに変換できるようになっている。例えば、企業などから再生可能エネルギーの普及促進のための寄付がなされたときには、トークン取引プラットフォームの環境価値トークンプールに蓄積された環境価値トークンのうち、その寄付の金額に相当する分を再エネトークンに変換するとともに、その変換された分の環境価値トークンを消却する。この再エネトークンは、分配された寄付等の財源と等価の価値を有する仮想通貨として恒久的に取引が可能となる。この再エネトークンは、トークン取引プラットフォームにおける売買取引の需給バランスによって価額が変動される。
DR制御トークンは、実績データを解析することによって、例えば、一定の期間にわたって電力を制御させてもらった実績値を算定し、その対価量が定められる。また、一定の期間にわたってピーク時の電力消費を回避(ピークカット)した実績値を算定し、そのピークカットが回避された月の当初に設定された最大電力を下回るときには、電力料金を支払いすぎたこととなることから、払いすぎた電力料金を経済的効果分として、DR制御トークンの対価量を定めるようにしてもよい。これに関する情報は、図16に示すように、トークン内に保持されるとともに、仲介サーバー2のトークン管理データベース21a、及びブロックチェーンインターフェースの各ノードに保持される。このDR制御トークンをDR制御を実施した企業等に発行することで節電分の電力料金をキャッシュバックすることができる。また、DR制御トークンは、支払いすぎた電力料金と等価の価値を有する仮想通貨として恒久的に取引が可能となる。このDR制御トークンも、トークン取引プラットフォームにおける売買取引の需給バランスによって価額が変動される。
図2に示した例では、発電所や電力プロシューマ、発電設備を備えた需要家、或いはこれらの需要家をとりまとめるアグリゲーターは電力を提供し、発電量に応じた電力取引トークンを取得する。このとき、その電力の発電方式や発電時期(季節や時間帯)による環境に対する貢献度や、DR制御による経済効果に応じて環境価値トークン及びDR制御トークンも取得される。そして、取得した各種トークンは精算することにより換金することができるとともに、各トークンプールにプールすることで他者への売却を行いその対価を受け取ることができる。なお、アグリゲーターは、需要家の電力需要を束ねて集約して効果的にエネルギーマネジメントサービスを提供する事業者であり、電力会社と需要者の間で、電力の需要と供給のバランスをコントロールするいわゆるDR制御を実施する。アグリゲーターは、DR制御を実施することによりDR制御トークンを取得することができ、精算して換金したりトークンプールに蓄積して売買取引を行うことができる。
一方、発電所や電力プロシューマ、発電設備を備えた需要家から供給された電力は、需要先である需要家が電力取引トークンを購入することにより需要家に供給される。この電力の供給はPPS(Power Producer and Supplier:新電力企業)等を介して行うことができる。購入された電力が各需要家で消費されることによりその購入に用いられた電力取引トークンは焼却される。他方、各トークンプールに蓄積された各トークンは、独立した仮想通貨としてブロックチェーンインターフェースサービスを通じて、アグリゲーターやPPS、需要家、企業、その他の取引市場との間で取引することができる。この場合も、各種トークンは精算することにより換金することができるとともに、他者への売却を行いその対価を受け取ることができ、そのトークンが電力取引トークンであればその電力取引トークンに紐付けられた電力供給元から電力の供給を受けることができる。
図4は、本実施形態に係る電力取引システム1のネットワーク構成を示した図である。同図に示すように、本実施形態では、故障検知システムと電力取引システムとの間でブロックチェーンインターフェースの仕組みを共有するとともに、故障検知結果を電力取引システム側で利用できるようにしている。詳述すると、電力取引システム1は、トークン取引プラットフォームを提供する仲介サーバー2、各施設(発電所、PPS、需要家、電力プロシューマ等)に設けられた電力制御端末40が通信ネットワーク3で相互に接続されている。また、通信ネットワーク3上には、電力取引の保証を行うブロックチェーンインターフェースサービスを提供する保証システム6が設けられている。故障検知システムの監視サーバー5には各ユーザーシステム4のスマートメーター41と接続されている。また監視サーバー5は、通信ネットワーク3を介してブロックチェーンインターフェースサービスを提供する保証システム6とも接続されているとともに、通信ネットワーク3を介して仲介サーバー2とも接続されている。
電力制御端末40は、例えば、CPUを備えた情報処理端末で構成されており、発電所や各需要家、PPS、電力プロシューマ、アグリゲーター等の各施設の設備を統括的に制御する装置である。この電力制御端末40が制御する対象設備としては、需要家や電力プロシューマ等の施設内に配備されたユーザーシステム4に含まれるスマートメーター41、蓄電池42、PV(Photovoltaics:太陽光発電)43など、発電や蓄電、電力消費を管理する装置が含まれる。なお、この電力制御端末40が制御対象とする各種装置は、必要に応じて省略することができる。例えば、需要家ではその電力消費がスマートメーター41により測定されるが、需要家によっては発電設備及び蓄電設備を有するものもあれば、発電設備又は蓄電設備のいずれかの設備を有するもの、或いは発電・蓄電設備のいずれも備えずスマートメーター41だけが設けられ電力消費のみを行うものもある。また、電力プロシューマも電力消費をする立場にあるが、太陽光発電や蓄電池を備え、電力を供給する側にも位置することができる。
仲介サーバー2は、売電側や買電側が電力制御端末40を介して電力を取引するのを仲介するコンテンツサーバー装置である。この仲介サーバー2は、トークン取引プラットフォームとして仲介ウェブサイトをオンライン上に提供しており、当該仲介ウェブサイトを通じて売電側、買電側、その他の市場や企業に対して、各種のトークン取引仲介サービスを提供している。
そして、この仲介サーバー2に電力制御端末40からアクセスすることで、各施設や設備における発電・蓄電・電力消費に応じて各種トークンの取引サービスを利用することができる。このトークン取引サービスでは、売手Uaによるトークンの発行及び売却と、電力を消費する側となる買手Ubによるトークンの購入及び消却を管理する。詳述すると、電力制御端末40は、仲介サーバー2と連携して、各設備における発電・蓄電・電力消費に基づいて発電データ・蓄電データ及び消費データを生成し、当該電力に関する情報を記載した各種トークンを発行・売買及び消却を実行する。この各種トークンに記述された各情報と、当該トークンの発行・売買及び消却の履歴は、保証システム6によるブロックチェーンインターフェースサービスを通じ、分散台帳システムに改ざん不能な状態で保管される。
また、トークン取引プラットフォームにおいて取引可能なトークンは、トークン取引プラットフォームにおける売買取引の需給バランスによって定められた価額によって、相互に等価交換可能であり、また各種トークンは、精算することによって、実際の通貨の他、仮想通貨やポイント、その他の交換価値を有する価値情報に換金することができる。
通信ネットワーク3は、通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。このIP網には、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
(各装置の構成)
次いで、各装置の構成について説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組合せなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
(1)ユーザーシステム4
ユーザーシステム4は、各需要家や電力プロシューマが有する電力設備全般であり、電力を消費する単位でもあり発電や蓄電の設備を備える場合がある。発電の設備としては、例えば太陽光発電や風力発電等が挙げられる。このユーザーシステム20には、電力売買部としての電力制御端末40と、実績データ生成部としてのスマートメーター41とが含まれる。また、電力を消費する設備としては、各種家電製品や工場設備、オフィス機器のみならず、電力制御装置(IoT機器)等の制御装置全般が含まれる。
各ユーザーシステムに設置される電力制御端末40は、通信機能やCPUを備えた情報処理端末であり、OS或いはファームウェア、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能であり、本実施形態では、アプリケーションをインストールして実行することによって、電力売買部として機能される。このエージェント用の情報処理端末としては、パーソナルコンピューターの他、例えば、スマートフォンや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機が含まれる。
具体的に電力制御端末40は、図5に示すように、CPU402と、メモリ403と、入力インターフェース404と、ストレージ装置401と、出力インターフェース405と、通信インターフェース406とを備えている。なお、本実施形態では、これらの各デバイスは、CPUバス400を介して接続されており、相互にデータの受渡しが可能となっている。なお、電力制御端末40の電力売買部としての機能としては、例えば、図16に示すような、電力提供期間と電力量(数量)と対価量(売出価格又は買取価格)とを含む売出データD21又は買付データD22を当該電力使用期間開始前の所定の期間(例えば24時間など)である売買可能期間中に生成するなどが挙げられる。なお、この買付データには、故障履歴の提示などを買付条件としてその他関連情報として記述することができ、売出しデータは実績データの一つ(その他関連情報)として故障履歴を含めることができる。
メモリ403及びストレージ装置401は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
入力インターフェース404は、ユーザーシステム内に設置された各設備から制御信号を受信するモジュールであり、受信された制御信号はCPU402に伝えられ、OSや各アプリケーションによって処理される。他方、出力インターフェース405は、ユーザーシステム内に設置された各設備へ制御信号を出力するモジュールである。かかるユーザーシステム内に設置される各設備は、その需要家やプロシューマなどの形態によって異なり、例えば、需要家では、電力消費についてはスマートメーター41により測定され、発電・蓄電については、太陽光発電及び蓄電設備の両方を有するものもあれば、太陽光発電又は蓄電池のいずれかの設備を有するもの、発電・蓄電設備のいずれも備えないものもある。また、プロシューマでは、電力消費をスマートメーター41により計測し、太陽光発電(PV)42や蓄電池42に対する制御信号が入出力される。
ここでスマートメーター41は、需要単位であるユーザーシステム内における発電・蓄電・電力消費を統括的に管理する実績データ生成部であり、需要家での電力消費を計測する他、ユーザーシステム内の他の設備、例えば蓄電池や太陽光発電による蓄電や発電も制御・管理し、需要家において各電力使用期間中に発電、蓄電又は消費した電力量を測定して、図16に示すような実績データD3を生成し、定期的にPPSや、電力会社、仲介サーバー2及び監視サーバー5に送出する。この実績データD3の送信は、インターネットや電話回線、専用回線等を通じて、直接PPSや、電力会社、仲介サーバー2に送出する。なお、ここではスマートメーター41から実績データD3を監視サーバー5及び仲介サーバー2に直接送信する場合を例示したが、例えば、ブロックチェーンインターフェースを介して、監視サーバー5や仲介サーバー2に送信するようにしてもよい。また、本実施形態では、実績データ生成部としてスマートメーター41を用いるが、本発明はこれに限定されず、例えば、各種家電製品や工場設備、オフィス機器など、電力制御装置(IoT機器)等の制御装置を備え、自機の状態を実績データとして通信ネットワークに送信する機能を有する電子機器全般が含まれる。
通信インターフェース406は、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、通信方式としては、例えば、電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれる。
CPU402は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU11上に仮想的に各種モジュールを構築する。このCPU402上では、OS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによって各電力制御端末40の基本的な機能が管理・制御されている。また、このOS上では種々のアプリケーションが実行可能になっており、CPU402でOSプログラムが実行されることによって、種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。
本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行することによって、このブラウザソフトを通じて、システム上の情報を閲覧したり、情報を入力したりする。詳述すると、このブラウザソフトは、Webページを閲覧するためのモジュールであり、通信ネットワーク3を通じて仲介サーバー2からHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。このブラウザソフトにより、フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能であり、このブラウザソフトを通じて、各ユーザーは、仲介サーバー2が提供するトークン取引仲介サービスを利用することができる。
本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行し、ブラウザソフトを通じて仲介サーバー2が提供するトークン取引プラットフォームにアクセスすることによって、CPU402上に電力売買部402aが構成される。この電力売買部402aは、電力取引トークンの売出データ又は買付データを生成するモジュールである。また、ブラウザソフトは、保証システム6の取引履歴提供部64aにアクセスすることにより、取引に係るトークンに関する情報(約定データ、売出データ、買付データ等)を閲覧することができ、これにより、例えば、売電された電力の発電方法とその電力の取引履歴とを閲覧することができる。
(2)仲介サーバー2の構成
仲介サーバー2は、電力取引仲介サービスの提供業者が管理運用するサーバー装置であり、電力の売買取引を希望するユーザーは、通信ネットワーク3を通じて仲介サーバー2にアクセスし、この仲介サーバー2が提供するトークン取引プラットフォームを介して、電力に関する取引を実行できる。具体的に仲介サーバー2は、図6に示すように、通信インターフェース23と、認証部22と、電力取引実行部25と、トークン管理データベース21aと、ユーザーデータベース21bと、実績管理データベース21cと、電力取引管理データベース21dと、トークン管理部24、実績データ管理部26と、精算部27とを備えている。
通信インターフェース23は、通信ネットワーク3を通じて、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、本実施形態では、本サービスを提供するために各電力制御端末40及びスマートメーター41、及び保証システム6に接続されている。
認証部22は、電力取引に係るアクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク3を通じてアクセス者の端末装置からユーザーID及びパスワードを取得し、ユーザーデータベース21bを照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認する。
電力取引実行部25は、通信ネットワーク3を通じて電力取引の仲介を行うモジュールであり、本実施形態では、約定データ生成部25a及び保証システム連携部25bを備えている。
約定データ生成部25aは、売出データD21及び買付データD22に基づいて成立した取引の約定データD1を生成する。詳述すると、電力取引実行部25は、買手Ubにおける需要条件及び売手Uaにおける供給可能条件である売出データD21及び買付データD22を照合して、対応する組合せをマッチングすることで取引を成立させ、図16に示すような、成立した取引の需要条件や供給可能条件である供給元や発電方式、供給可能時期、電力価格などの情報を記述した約定データD1を生成する。
保証システム連携部25bは、ネットワーク上の保証システム6に対して、電力取引に関する与信や、セキュリティ管理、取引記録の保管など、電力取引に必要な処理を保証システム6に依頼し、協働して処理を進めるモジュールである。電力取引実行部25は、この保証システム連携部25bを通じて保証システム6と連携をとることによって、各種トークンの授受を管理し、トークンの取得者に関する公開アドレスを追加して、各トークンで証明される各種権利の所有者を変更することにより、各所有権を移転する。
トークン管理部24は、各種トークンの生成(発行)、移転、消却を実行し、管理するモジュールであり、電力取引実行部25の保証システム連携部25bと連携して各種トークンの発行、移転又は消却を実行すべく、各種トークン内のデータの更新を行う。具体的にトークン管理部24は、トークン発行部24aと、トークン消却部24bと、トークン移転部24cとを備えている。
トークン発行部24aは、ユーザーの要求に応じてユーザーに対して各種コイントークンを発行するモジュールである。例えば、実績データに基づいて、発電設備により売電可能な電力を有するユーザーに対して電力取引トークンを発行したり、また、実績データを解析することによって、発電された電力の電力取引トークンから派生させる形で、各電力の発電方式や蓄電方式の環境に対する貢献度に応じた価値情報である環境価値トークンを生成したり、電力需要の制御(DR制御)を実施することによる経済効果に応じた価値情報であるDR制御トークンを生成する。
本実施形態においてトークン発行部24aは、実績データに含まれる発電方式によるCO削減量、又は自家消費量に基づいて環境価値トークンを発行する。例えば、トークン発行部24aは、実績データに含まれる発電方式が太陽光発電や風力発電などの再利用可能エネルギーによるものである場合には、その発電方式による発電量と、その発電方式によって削減されるCOの量との対応関係を一覧としたCO削減テーブルデータを保持しており、実績データに含まれる発電量に基づいてCO削減テーブルデータを参照して、環境価値トークンの価額や数量を決定し、決定された価額又は数量の環境価値トークンを発行する。発行された環境価値トークンは、実績データに含まれる発電者の所有として環境価値トークンプールに蓄積される。
また、例えば、トークン発行部24aは、実績データに含まれる発電方式が太陽光発電や風力発電などの再利用可能エネルギーによるものである場合であって、その電力を自家消費しているときには、その自家消費によって削減されるCO量や、送配電による損失エネルギーとの対応関係を一覧とした自家消費テーブルデータを保持しており、実績データに含まれる自家消費量に基づいて自家消費テーブルデータを参照して、環境価値トークンの価額や数量を決定し、決定された価額又は数量の環境価値トークンを発行する。発行された環境価値トークンは、実績データに含まれる自家消費したユーザーの所有として環境価値トークンプールに蓄積される。
さらに、本実施形態にかかるトークン発行部24aは、寄付金の金額を取得し、環境価値トークンのうち、取得された金額に相当する分を、取引可能な再エネトークンに変換し、変換された分の環境価値トークンを消却する再エネトークン発行部としての機能も果たしている。具体的には、トークン発行部24aに対して、寄付金等の金額と、寄付の対象となる発電方式とを検索条件として入力し、この検索条件に該当する発電方式の環境価値トークンをトークン管理データベース21a中の環境価値トークンプールを検索する。そして、トークン発行部24aは、該当する環境価値トークンを抽出し、入力された寄付金の額を該当する環境価値トークンの数量で分配し、分配された金額に相当する価額分の環境価値トークンを再エネトークンに変換し、変換された再エネトークンは、元の環境価値トークンの所有者のものとして発行され、発行された再エネトークンは、元の環境価値トークンの所有者であるユーザーの所有として再エネトークンプールに蓄積される。
トークン消却部24bは、実績データD3に基づいて電力取引トークンを消却したり、移転要求に係る環境価値トークンを消却するモジュールである。ここで、トークンの消却とはその価額を0としたり、秘密鍵を消去或いは不明にして所有者の書換を不能としたアカウントに収納するなど、通貨としての交換価値を消失させる処理を指す。
トークン移転部24cは、各トークンの所有権を書き換えることにより、トークンの譲受を制御するモジュールであり、本実施形態では、この書換にはブロックチェーンインターフェースサービスを用いる。このトークンの移転は、その移転を指示する移転要求に基づいて実行される。この移転要求は、例えば電力取引実行部25などにおいてトークンの売買が成立した際に電力取引実行部25から入力されたり、各ユーザーによる操作によって電力制御端末40から直接入力されるデータであり、移転の対象となるトークンの種別や、移転元及び移転先に関するアカウント情報、その数量が含まれる。
特に、トークン移転部24cは、入力された移転要求が、電力取引トークン又は環境価値トークンの移転を要求するものである場合、移転要求の対象が電力取引トークンであるときには要求に係る電力取引トークンを移転し、移転要求の対象が環境価値トークンであるときには要求に係る環境価値トークンをトークン消却部24bに消却させ、消却した環境価値トークンに係る移転要求に含まれる移転に関する情報を移転履歴として生成する機能を有している。この消却された環境トークンに係る移転履歴は、トークン取引プラットフォームを介して、保証システムであるブロックチェーンに改ざん不能に記録される。
トークン管理データベース21aは、発行されたり消却されたりしたトークンに関する情報を蓄積する記憶装置であり、各トークンの所有者と、その種別、及び価額若しくは数量とを紐付けて蓄積する。各種トークンは、その種別に応じて、電力取引トークンプール、環境価値トークンプール、DR制御トークンプール、及び再エネトークンプールとして分類されて蓄積される。また、各トークンに関する取引履歴等の関連情報も、各トークンに紐付けられて記録される。例えば、環境価値トークンを移転する際に発行される移転履歴も、移転されて価額が0とされた変換元の環境価値トークンと紐付けられて記録されている。
ユーザーデータベース21bは、各需要家のユーザーや、アグリゲーター等の業者に関する情報を蓄積する記憶装置である。なお、本実施形態において、ユーザー本人を特定する個人情報はユーザーデータベース21bには蓄積されておらず、各入居者・各ユーザーを識別する公開アカウント情報のみが格納されている。電力取引に必要な信用情報は、各入居者に属している公開アカウントに関する与信を保証システム6に対して要求し、それに対する応答内容で評価される。
実績管理データベース21cは、発電所や需要家、アグリゲーター等の電力の授受に関係する者による実績データを収集し蓄積して管理する記憶装置である。各スマートメーターから受信した各実績データは、この実績管理データベースに蓄積され、トークン発行や消却、価値評価の用に供される。電力取引管理データベース21dは、トークンの取引実績を記録する記憶装置である。
これら各データベース21a~dに蓄積されたデータの少なくとも一部は、保証システム連携部25bを通じて保証システム6に記録される。保証システム6は、各データベース21a~dに蓄積されたデータの少なくとも一部を、ノードにおいて、所定のタイミングで集約してブロック化し、ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、このブロックチェーンを複数のノードで共有させて分散台帳として記憶させる。
実績データ管理部26は、各ユーザーシステムから実績データを収集し、解析することによって、発行すべきトークンの種別や数量を算定するモジュールであり、この実績データ管理部26による解析結果は、トークン管理部24に入力され、トークンの発行や消却の用に供される。具体的に、実績データ管理部26は、価値評価部26aを備えている。
価値評価部26aは、実績データに含まれる、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量の測定値や、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを解析する。トークン管理部24では、この価値評価部26aによる解析結果に基づいて、電力取引トークンを発行又は消却したり、電力取引トークン及び環境価値トークンを発行する。また、トークン発行部24aは、価値評価部26aによる発電データ又は蓄電データを含む実績データの解析結果に基づいて、環境価値トークン、又は余剰電力を生成した対価としての電力需要制御トークンを発行する。
さらに、実績データには、消費した電力に係る発電又は蓄電の種別が含まれており、価値評価部26aは、実績データを解析して、環境に対する貢献度の高い発電種別による電力を、環境に対する貢献度の高い蓄電種別で蓄電した状態を抽出し、その電力量や時間帯を算出し、価値を評価する。トークン発行部24aは、この価値評価部26aによる実績データの解析結果に基づいて、環境に対する貢献度の高い発電種別による電力を、環境に対する貢献度の高い蓄電種別で蓄電した場合に、環境価値トークンの価値を増大させる。
精算部27は、各種トークンの時価に応じて換金するモジュールであり、各種トークンの時価に関する情報をネットワーク上から取得し、精算することによって、実際の通貨の他、仮想通貨やポイント、その他の交換価値を有する価値情報に換金する。また、精算部27は、図16に示すような、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と当該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成又は取得し、その確定データに基づいて各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する機能も備える。
(3)監視サーバー5
監視サーバー5は、スマートメーター41から送出される実績データを収集し、各ユーザーシステムでの故障発生を監視するサーバー装置であり、図6に示すように、故障判定部52と、AI学習部7と、故障情報取得部53と、監視履歴データベース51とを備えている。
故障判定部52は、実績データに含まれる、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を解析して、その解析結果に基づいて、ユーザーシステム内における故障の発生を判定するモジュールである。この故障判定部52には、いわゆる人工知能(AI:Artificial Intelligence)としてディープラーニング認識部52aが搭載されており、このディープラーニング認識部52aにより、例えば、発電量が低下したり、消費量が増大したり等の機器に異常が発生しているパターンである故障発生モデルを検出して、故障の発生を検知する。この故障発生モデルは、学習機能により追加・変更されて、精度が向上されるようになっている。この故障判定部52による判定結果は、実績データとともに監視履歴データベース51に記録されるとともに、トークン取引プラットフォームを介して、保証システムであるブロックチェーン(分散台帳)に改ざん不能に記録され、電力取引システム1における取引用に提供されたり、公開鍵を有している者に閲覧させたりが可能となっている。
監視履歴データベース51は、故障判定部52による判定結果を実績データと関連付けて記憶する記憶装置である。また、監視履歴データベース51は、実際に発生した機器の故障に関する故障情報を蓄積する故障情報蓄積部としても機能する。故障情報取得部53は、実際に発生した機器の故障に関する報告の入力を受け付け、入力された情報を故障情報として監視履歴データベース51に蓄積させるモジュールである。この監視履歴データベース51に蓄積されるデータも、保証システム6によるブロックチェーンインターフェースサービスを通じて、ブロックチェーンに記録される。
AI学習部7は、監視履歴データベース51又は保証システム6のブロックチェーンに蓄積された故障情報に記述された実際の故障に係るユーザーシステムの実績データを抽出し、故障情報及び抽出された実績データを教師データとして、故障判定部52の人工知能を学習させるモジュールである。
(4)AI学習部7
ここでAI学習部7について詳述する。図17及び図18は、AI学習部7の構成を示すブロック図である。AI学習部7は、故障判定部52の人工知能であるディープラーニング認識部52aが適正な判定をするように学習させるモジュールであり、本実施形態では、故障情報取得部53によって収集された実際に報告された故障情報を教師データとして、ディープラーニング認識部52aを学習させる。
AI学習部7は、ディープラーニング認識部52aに対し、入力された実績データD3について、ディープラーニング認識部52aによる判定結果D77と故障情報D70とを対比する比較部としての役割を果たす。具体的にこのAI学習部7は、ディープラーニング認識部52aに教師データとして入力された故障情報D70と同一事象(対象ユーザーシステム、機器、発生時刻等)についての判定結果D77と、その故障情報D70を対比し、その対比した結果が一致するかどうか、異なるとすればどの選択肢が誤っていたかを確認することによって、故障検知した際に故障判定部52が選択した各種選択肢の正当性を帰納法的に検証し、故障判定部52に対してフィードバックする。
ディープラーニング認識部52aは、いわゆるディープラーニング(深層学習)により、判定を行うモジュールであり、故障情報を、故障検知する際の各種選択肢を自動設定するための学習データ(教師データ)として機能検証に利用する。具体的には、ディープラーニング認識部52aでは、所定のディープラーニングのアルゴリズムに従って、各故障情報と実績データとの相関を解析し、その解析結果であるディープラーニング認識結果(価格予測AIモデル)を故障判定部52に設定する。
ディープラーニング認識部52aに実装されたアルゴリズムとしては、本実施形態では、ニューラルネットワークの多層化、特に3層以上のものを備え、人間の脳のメカニズムを模倣した学習及び認識システムである。この認識システムに画像等のデータを入力すると、第1層から順番にデータが伝搬され、後段の各層で順番に学習が繰り返される。この過程では画像内部の特徴量が自動で計算される。
この特徴量とは問題の解決に必要な本質的な変数であり、特定の概念を特徴づける変数である。ディープラーニング認識部52aにおいても、実績データD3が入力されて、実績データ中の特徴点を階層的に複数抽出し、抽出された特徴点の階層的な組合せパターンによりパターンを認識する。この認識処理の概要を図18に示す。同図に示すように、ディープラーニング認識部52aの認識機能モジュールは、多クラス識別器であり、複数の物体が設定され、複数の物体の中から特定の特徴点を含むオブジェクト702(ここでは、例えば「電力量」)を検出する。この認識機能モジュールは、入力ユニット(入力層)707、第1重み係数708、隠れユニット(隠れ層)709、第2重み係数710、及び出力ユニット(出力層)711を有する。
このとき入力ユニット707には複数個の特徴ベクトル702が入力される。第1重み係数708は、入力ユニット707からの出力に重み付けする。隠れユニット709は、入力ユニット707からの出力と第1重み係数708との線形結合を非線形変換する。第2重み係数710は隠れユニット709からの出力に重み付けをする。出力ユニット711は、各クラス(例えば、故障発生機器、故障原因等)の識別確率を算出する。ここでは出力ユニット711を3つ示すが、これに限定されない。出力ユニット711の数は、パターン識別器が検出可能な事象の数と同じである。出力ユニット711の数を増加させることによって、故障原因等の事象識別器が検出可能な事象が増加する。
具体的に、AI学習部7は、項目抽出部72と、教師データ作成部71と、キーワード処理部73とを備えている。項目抽出部72は、ディープラーニング認識を行うために、認識対象となる実施データ及び故障情報中の文字列や数値の領域分割(セグメンテーション)を行うモジュールである。詳述すると、ディープラーニング認識を行うためには、実施データ及び故障情報中の特定の項目や関連キーワードを抽出する必要があり、故障検知に影響する各種事象に対応している。
キーワード処理部73は、各々のキーワードと特定の情報ソース(領域分割された文字列や数値)との関連付けを行うモジュールである。この関連付けには、特定の情報ソースに関連付けられた特定のキーワードに対して関連する情報(メタデータ)を注釈として付与することであり、XML等の記述言語を用いてメタデータをタグ付けし、多様な情報を「情報の意味」と「情報の内容」に分けて記述する。
(5)保証システム6の構成
上述したように本実施形態では、各種トークンを介して電力取引を行う売電側と買電側の電力制御端末40間に配置され、電力取引及びトークン取引の保証を行う保証システム6が設けられている。具体的に、保証システム6は、図7に示すように、通信インターフェース63と、認証部62と、トークン取引実行部64と、トークン取引履歴データベース61aと、鍵情報データベース61bと、アカウントデータベース61cとを備えている。
通信インターフェース63は、通信ネットワーク3を通じて、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、本実施形態では、各仲介サーバー2や各電力制御端末40に接続されている。認証部62は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、各ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク3を通じてアクセス者の電力制御端末40から、ユーザー固有の公開アドレスや公開鍵、ユーザーID及びパスワード等を取得し、鍵情報データベース61bを照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認する。
トークン取引実行部64は、電力を販売する権利又は消費する権利を仮想コインとしてトークン化する電力取引トークン、各電力の発電方式や蓄電方式に由来する付加価値であって電力取引トークンから派生される環境トークン或いはDRトークンを取り扱うモジュールである。これら各種トークンは、各その正当な所有者の公開アカウントに紐付けられ、公開アカウントの関係を提示することでそのトークンの正当な権利者であることを証明することができ、また、正当な権利者でなければ、当該トークンについて譲渡等の移転手続を実行することができないようになっている。本実施形態において、トークン取引実行部64は、保証システム連携機能と、公開アドレス管理部64bと、正当性検証部64cと、データ更新部64dとを備える。
保証システム連携機能は、電力取引に関する与信や、セキュリティ管理、取引記録、サービス履歴の保管など、トークン取引に関する処理を他のサービス機関の装置、例えば上記仲介サーバー2から依頼され、これらの各装置と協働して処理を進めるモジュールである。また、本実施形態では、保証システム連携機能は、各種トークンの取引値等の情報を仲介サーバー2側に提供する。
公開アドレス管理部64bは、公開鍵暗号方式における公開鍵から生成されて特定のユーザーを識別するための公開アドレス、及び前記公開鍵とペアとなって公開鍵を特定可能な秘密鍵であって、公開アドレスを介した電力取引の電子署名に利用される秘密鍵を発行するアドレス発行部として機能し、これらの発行された公開アドレス及びそれに関する鍵情報については、鍵情報データベース61bに蓄積される。
正当性検証部64cは、トークン取引或いは電力取引に係る各種トークンが、正当な取引を経て現在の所有者に属していることや、改ざんされていないことを検証するモジュールであり、公開アカウントに紐付けられた現所有者の公開鍵により、そのトークンの正当性を確認することができるとともに、そのトークンに係る全ての取引をトークン取引履歴データベース61aに蓄積しており、公開鍵に基づいてトークン取引履歴データベース61aを照合して、その正当性を確認できるようになっている。
データ更新部64dは、各種トークンに係る電力情報を取得し、新しいトークン所有者に関する公開アドレスを追加して、分散台帳で証明されるトークン所有者を変更することにより、トークンの所有権を移転するモジュールである。このデータ更新部64dによるデータの更新は、高度なセキュリティにより保護されており、二重譲渡や取引履歴の改ざんが強固に防御されるようになっている。
(電力取引仲介システムの動作)
以上説明した電力取引仲介システムを動作させることによって、本発明の電力取引仲介サービスを提供することができる。図8は電力取引仲介サービスにおいて売電する際のシステム動作を示すシーケンス図であり、図9は電力取引仲介サービスにおいて買電及び電力消費する際のシステム動作を示すシーケンス図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
図8に示すように、先ず、売電する場合には、売電側のユーザーシステムにおいて、各ユーザーシステムの設備に応じて、必要な発電量、蓄電量、消費電力の計測を行う(S101)。この計測に基づいて、発電データ・蓄電データ・消費電力データが生成され(S102)、これらのデータは、スマートメーター41で集計され、仲介サーバー2に実績データとして報告される(S103)。各ユーザーシステムから収集された実績データは、仲介サーバー2においてユーザーシステムごとに集計される(S201)。
次いで、売電側のユーザーシステムから、仲介サーバーに対してトークン発行依頼が送信される(S104)。このトークン発行依頼を受信した仲介サーバー2側では(S202)、受信したトークン発行依頼に含まれている発電データ・蓄電データ・消費電力データを解析するとともに、発電量、蓄電量及び消費電力の変化に基づいて故障等の異常を検知する(S203)。次いで、市場における各種発電方式に関わる電力の買取価格や販売価格等の市場情報を収集する(S204)。
そして、電力取引トークンを生成するとともに、必要に応じて環境価値トークン及びDRトークンを発行する(S205及びS206)。具体的には、トークン発行部24aが、実績データに含まれる発電方式によるCO削減量、又は自家消費量に基づいて環境価値トークンを発行する。例えば、ステップS206においてトークン発行部24aは、実績データに含まれる発電方式が太陽光発電や風力発電などの再利用可能エネルギーによるものである場合には、実績データに含まれる発電量に基づいてCO削減テーブルデータを参照して、環境価値トークンの価額や数量を決定し、決定された価額又は数量の環境価値トークンを発行する。発行された環境価値トークンは、実績データに含まれる発電者の所有として環境価値トークンプールに蓄積される。
また、例えば、ステップS206においてトークン発行部24aは、実績データに含まれる発電方式が太陽光発電や風力発電などの再利用可能エネルギーによるものである場合であって、その電力を自家消費しているときには、実績データに含まれる自家消費量に基づいて自家消費テーブルデータを参照して、環境価値トークンの価額や数量を決定し、決定された価額又は数量の環境価値トークンを発行する。発行された環境価値トークンは、実績データに含まれる自家消費したユーザーの所有として環境価値トークンプールに蓄積される。
さらに、ステップS206においてトークン発行部24aは、寄付金の金額を取得し、環境価値トークンのうち、取得された金額に相当する分を、取引可能な再エネトークンに変換し、変換された分の環境価値トークンを消却する再エネトークン発行処理を実行する。なお、この再エネトークン発行処理を実行する際に、該当する環境価値トークンの所有者に対して、再エネトークン発行の可否について問い合わせを行うようにしてもよい。
そして、再エネトークンの発行の許可が下りたときには、トークン発行部24aが、寄付金等の金額と、寄付の対象となる発電方式とを検索条件として受け付け、この検索条件に該当する発電方式の環境価値トークンをトークン管理データベース21a中の環境価値トークンプールを検索する。そして、トークン発行部24aは、該当する環境価値トークンを抽出し、入力された寄付金の額を該当する環境価値トークンの数量で分配し、分配された金額に相当する価額分の環境価値トークンを再エネトークンに変換し、変換された再エネトークンは、元の環境価値トークンの所有者のものとして発行され、発行された再エネトークンは、元の環境価値トークンの所有者であるユーザーの所有として再エネトークンプールに蓄積される。
このようにして発行された各種トークンは、トークン発行依頼を送信したユーザーが所有権としてプールされて、当該ユーザーのアカウントに収容すべく処理がなされ保証システム6に記録される(S207)。その後、仲介サーバー2から当該ユーザーシステムに対してトークン発行完了が通知され、ユーザーシステム側でトークン発行完了処理が実行される(S105)。
なお、ここでは、この発行されたトークンを売却すべくトークン売出依頼が当該ユーザーシステムから仲介サーバー2に対して送信され(S106)、このトークン売出依頼を受信した仲介サーバー2は(S208)、売却に係るトークンを取引対象としてプールする。
次いで、電力を購入して消費する場合について説明する。図9に示すように、先ず、買電する場合には、買電側のユーザーシステムから、トークン購入依頼を仲介サーバー2に向けて送信する(S401)。このトークン購入依頼には、買付データが含まれており、この買付データには、購入を希望する所定キロワット数分の電力取引トークンが指定されている。このトークン購入依頼を受信した仲介サーバー2では(S301)、購入要求で指定された条件に合ったトークンがあるかどうか、電力取引管理データベース21dを検索する。条件に合致したトークンが見つかった場合には、そのトークンに所有権の移転処理を実行する(S402)。
このステップS402では、トークン移転部24cが、各トークンの所有権を書き換えることにより、トークンの譲受を制御する。このトークンの移転は、その移転を指示する移転要求に基づいて実行される。この移転要求は、例えば電力取引実行部25においてトークンの売買が成立した際に電力取引実行部25から入力されたり、各ユーザーによる操作によって電力制御端末40から直接入力されるデータであり、移転の対象となるトークンの種別や、移転元及び移転先に関するアカウント情報、その数量が含まれる。
特に、トークン移転部24cは、入力された移転要求が、電力取引トークン又は環境価値トークンの移転を要求するものである場合、移転要求の対象が電力取引トークンであるときには要求に係る電力取引トークンを移転し、移転要求の対象が環境価値トークンであるときには要求に係る環境価値トークンをトークン消却部24bに消却させ、消却した環境価値トークンに係る移転要求に含まれる移転に関する情報を移転履歴として生成する。
そして、トークンの移転処理が完了した後は、保証システムにてトークン移転に関するアカウント処理を実行する(S303)。このとき、消却された環境トークンに係る移転履歴も、トークン取引プラットフォームを介して、保証システムであるブロックチェーンに改ざん不能に記録される。一方、買電側のユーザーシステムでは、トークンの移転に応じて電力制御も変動され(S403)、買電側のユーザーが所有する電力取引トークンが増大し、所有している電力取引トークン分の電力の供給を受けることができる。
買電側のユーザーシステムでは、スマートメーターによる集計・及び仲介サーバー2への報告が逐次実行されており(S405)、仲介サーバー2では、各ユーザーシステムからの報告を電力情報として集計するとともに、その集計した期間における固装に関する判定結果である故障履歴の評価を行う(S304)。次いで、集計した情報の中から各ユーザーシステムが消費している消費電力に関する情報を抽出する(S305)。そして、仲介サーバー2は、各ユーザーシステムで消費された電力に関する消費電力データを生成する(S306)。
次いで、生成された消費電力データに基づいて、電力取引トークンを消却する(S307)。この電力取引トークンの消却に応じて、保証システムでは、該当するトークンの消却に関するアカウント処理を実行する(S308)。保証システム6は該当するトークンを消却するか、当該トークンの価額を0にするかなど、トークンの価値を消却する処理を実行してノードに記録させる。その後、仲介サーバー2から当該ユーザーシステムに対してトークン消却完了が通知され、ユーザーシステム側でトークン発行完了処理が実行される(S406)。このトークンが消却された後は、当該ユーザーが所有する残余のトークンが減少されたため、単位期間で使用できる電力の上限が低減されることとなる。
(トークン移転取引時の動作)
ここで、上記ステップS402におけるトークン移転処理について詳述する。図10は、本実施形態にかかる電力取引システムの移転時における処理手順を例示するフロー図であり、図11は、本実施形態に係る公開鍵と秘密鍵との関係を例示する。
本実施形態では、トークン移転処理及びトークン移転に関するアカウント処理を、本実施形態に係る分散台帳システムの仕組みを利用している。ここでは、トークン取引プラットフォームを通じて、売手Uaが新規の買手Ubに対し、電力取引トークンを販売する場合を例に説明する。この電力売買取引には、図10に示すように、公開アドレス及び秘密鍵の発行ステップS501と、関連するサービス履歴情報の登録処理ステップS502と、権利移転処理の実行ステップS503とが含まれる。
先ず、ステップS501において、仲介サーバー2では、公開アドレス管理部64bがアドレス発行部として機能し、この公開アドレス管理部64bがトークン取引プラットフォームに固有の公開アドレスPA3と、このプール用公開アドレスPA3に対応する秘密鍵SK3とのペアを発行している。具体的には、図11に例示されるように、仲介サーバー2は、乱数発生器等を用いて、トークン取引プラットフォームに固有の公開アドレスに対応付けられた秘密鍵SK3を公開鍵暗号方式で生成する。乱数発生器は、例えば、プログラムとして公開アドレス管理部64bに内蔵させていてもよい。この秘密鍵SK3は、上述のとおり、ペアとなる電力固有公開アドレスPA3を電力移転元とする取引(ここでは、トークン取引プラットフォームから買手Ubへの販売)の電子署名に利用される。
次に、仲介サーバー2は、例えば、楕円曲線DSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm, ESDSA)等の電子署名のアルゴリズムに基づいて、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を生成する。生成される公開鍵PK3と秘密鍵SK3とは公開鍵暗号方式における鍵ペアとなり、この公開鍵暗号方式の性質上、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を生成することは可能であるものの、公開鍵PK3から秘密鍵SK3を生成することは計算量の観点から不可能に構成される。すなわち、公開鍵PK3から秘密鍵SK3を特定することはできないが、秘密鍵SK3から公開鍵PK3を特定することはできる。なお、利用する電子署名のアルゴリズムの種類は楕円曲線DSAに限定される訳ではなく、実施の形態に応じて適宜選択されてもよい。
続いて、仲介サーバー2は、SHA-256、RIPEMD-160等の一方向ハッシュ関数を公開鍵PK3に適用することで、公開鍵PK3から電力固有公開アドレスPA3を生成する。例えば、仲介サーバー2は、SHA-256を公開鍵PK3に2回適用することによって、電力固有公開アドレスPA3を生成することができる。すなわち、この電力固有公開アドレスPA3は、上述したトランザクションの署名に利用される公開鍵のハッシュ値であり、トークンの移転先及び移転元を識別するために利用される。なお、電力固有公開アドレスPA3の生成には一方向ハッシュ関数を利用するため、図11に示されるように、公開鍵PK3から電力固有公開アドレスPA3を生成することは可能であるものの、電力固有公開アドレスPA3から公開鍵PK3を生成することは不可能に構成される。
次のステップS502では、売電元である売手Uaが電力トークン取引プラットフォームに提供されたサービスの履歴など、各トークンに関連付けられる取引履歴データを、ステップS501で生成されたプール用公開アドレスPA3に紐付けてノードへの記録を行う。具体的には、図10に例示されるように、仲介サーバー2で取得された実績データなどがプール用公開アドレスPA3に紐付けられて公開される。この実績データは、プール用公開アドレスPA3に関する公開鍵PK3を入手したものであれば、自由に閲覧ができるようになっている。この結果、その電力が由来する発電方法や発電箇所等の履歴や取引履歴に不正があったり、改ざんされたり等の不正行為に対する検証が誰でも行えるようになる。
その後、ステップS503では、仲介サーバー2は、所定の電力移転条件に従って、ステップS501で生成した電力固有公開アドレスPA3に対する権利移転の取引を行う。そして、当該移転が完了すると、仲介サーバー2は、本動作例に係る処理を終了する。ここで、本実施形態に係る各種トークンのやり取りには、電力制御端末40等上で実行されるアプリケーションが用いられる。そのため、図10では、仲介サーバー2の公開アドレス管理部64bにも、トークン取引の仕組みを実行するアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションによって、プラットフォームが管理するプール用公開アドレスが制御されている。
電力トークンが、売手Uaに属している間は、トークンは、売手Uaの電力制御端末40において、売手Ua固有の公開アドレスPAaはペアとなる秘密鍵SKaと対応付けられており、トークン取引プラットフォームにおいて、移転手続がとられる際に、売手Uaは、電力制御端末40を用いて、公開アドレスPAa(移転元)から、ステップS501で電力取引業者が生成したプール用公開アドレスPA3(移転先)にトークンを一時的に移転させてプールすることができる。
これに対して、新たに電力の購入を希望する買手Ubは、図10に例示されるように、自身の電力制御端末40を用いて、電力取引トークンが紐付けられている公開鍵PK3を入手し、当該買手Ubは、トークン取引プラットフォームのプール用公開アドレスPA3に紐付けられた電力に関する発電データや取引経過情報や、関連する電力別履歴を閲覧することができる。
具体的には、買手Ubの電力制御端末40にもアプリケーションがインストールされており、このアプリケーションによって、買手Ubの保有する公開アドレスPAbが管理されている。公開アドレスPAbには自己の秘密鍵SKbが対応付けられており、これによって、自己の公開アドレスPAbからトークンを、さらに他人に移転することができる。つまり、各秘密鍵SKbによって、買手Ubは、公開アドレスPAbに格納されたトークンやその取引履歴を自在に利用することができる。ここでは、買手Ubが、電力制御端末40においてアプリケーションを利用して、電力固有の電力固有公開アドレスPA3から公開アドレスPAbに移転されたトークンを受け取る。
(保証システムの動作)
ここで、上述した保証システムで採用している分散台帳システムの仕組みについて詳述する。本実施形態において保証システム6は、ブロックチェーンインターフェースサービスを提供しており、このサービスでは、各ユーザーシステム4或いは仲介サーバー2が生成したデータの少なくとも一部又は全部を記憶する複数のノードを備え、これらのノードは、記憶したデータを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数の前記ノードで共有して分散台帳として記憶する。
具体的には、図12に示すように、本実施形態に係る電力取引システム1は、各種トークン発行・移転・消却にあたり、保証システム6を通じて、公開鍵暗号方式に基づく公開鍵PKaと秘密鍵SKaとの鍵ペアを発行するとともに、発行したトークンに対応する公開鍵PKaから公開アドレスPAaを生成する。この公開アドレスPAaは、電力取引契約における譲受人(買手Ub)及び譲渡人(売手Ua)を示すアドレスとして活用される一方、秘密鍵SKaは、公開アドレスPAaを移転元とする取引の電子署名に利用される。
本実施形態に係る電力取引はP2P(Peer-to-Peer)ネットワーク30上の2つのノード間で行われ(ここでは、売手Ua及び買手Ub間)、その取引情報はP2Pネットワーク30内の各ノード90a~90fにブロードキャストされて共有される。これにより、P2Pネットワーク30上において、分散台帳システムによる取引履歴データベース(いわゆるブロックチェーン)が形成され、各種トークン及び電力取引の取引履歴が保存される。
本実施形態では、この分散台帳システムによる取引履歴データベースは、仲介サーバー2を通じて、各種トークンの所有者の書き換えを行う際に、電力取引契約の実行、承認及び管理を実施する。電力取引の仲介人(各電力制御端末40)は、売手Uaと買手Ubの間で取引の仲介をするために、トークン取引プラットフォーム(仲介サーバー2)に固有のプール用公開アドレスPA3を生成して、取引対象となっているトークンが、トークン取引プラットフォームのトークンプールに一時的に預けられているとして、トークンの移転の中継を行う。
そして、取引の当事者(売手Ua及び買手Ub)は、電力取引システム100を利用して、現在の売手Uaから、トークン取引プラットフォーム固有のプール用公開アドレスPA3へトークンを移転させることで一旦受領し、さらに公開アドレスPA3を介して、新たな買手Ubに対して移転させることで、売手Uaと買手Ubとの間における電力トークン取引プラットフォームの売買契約を成立させる。
これにより、譲受人である買手Ubは、トークンを自分の公開アドレスPAbで受領することができ、この公開アドレスPA3に紐付けられたサービス履歴の閲覧や、サービスの利用が可能になる。なお、この公開アドレスの発行は、仲介サーバー2が行ってもよく、各取引ユーザー端末上のソフトウェアや、独立したサービス管理機関や金融機関のサーバーで行うこともできる。ここで、図12~図15を用いて、この電子暗号通貨の取引の詳細な仕組みについて具体的に説明する。図12は、トークンの発行・移転・消却に関するトランザクション(取引)の定義を例示し、図13~図15は、トークン取引履歴(ブロックチェーン)の一部を例示する。
各トークンの発行・移転・消却に関する取引履歴が、図12に例示される一連の電子署名の連鎖として定義される。この各トークンの所有者は、次の所有者にその取引履歴を移転する場合に、直前の取引のハッシュ値と、次の所有者に係る公開鍵のハッシュ値とを自身の秘密鍵で電子署名したものをトークンの取引履歴に追加する。なお、これらのハッシュ値の計算には、例えば、SHA-256、RIPEMD-160等の一方向ハッシュ関数が用いられる。
図12では、取引の具体例として、各種トークンが、所有者Zから所有者Aに移転され、所有者Aから所有者Bに移転され、さらに所有者Bから所有者Cに移転される場面が例示されている。この場合、所有者Aから所有者Bにトークンを移転するときには、所有者Aは、所有者Zから所有者Aへの移転取引のハッシュ値と次の所有者である所有者Bの公開鍵のハッシュ値とを所有者Aの秘密鍵で電子署名したものをトークンに追加する。
所有者Bを含むこの取引以降のトークンの所有者は、所有者Aの公開鍵でこの電子署名を復号した値を所有者Zから所有者Aへの移転取引のハッシュ値及び所有者Bの公開鍵のハッシュ値と照合することで、この取引が改ざんされているか否かを判定することができる。同様に、所有者Bから所有者Cにトークンを移転するときには、所有者Bは、所有者Aから所有者Bへの移転取引のハッシュ値と次の所有者である所有者Cの公開鍵のハッシュ値とを所有者Bの秘密鍵で電子署名したものをトークンに追加する。これにより、所有者Bから所有者Cへの移転取引が改ざんされているか否かを判定することが可能になる。
各種トークンは、このような一連の電子署名の連鎖として定義することができる。ここで、公開鍵のハッシュ値は公開アドレスである。すなわち、この公開アドレスに保管されるトークン等を移転できるのは、この公開アドレスを移転元とする電力取引の電子署名を行える者、すなわち、この公開アドレスに対応する秘密鍵を有する者に限られる。そのため、秘密鍵は、一般的には、所有者以外に漏えいしないように秘匿される。なお、トークンやそれに関する取引履歴等のデータは、現在の所有者に紐付けられた公開アドレスに保管される。また、この電子署名だけでは、このトークンの過去における所有者のうちの誰かが当該トークンを多重使用(多重譲渡)していることを検証することはできないことから、本実施形態に係るトークン取引の仕組みでは、図13及び図14で例示されるブロックチェーンという仕組みを用いて、この多重使用を防止している。
図13及び図14に例示されるように、トークン等に記録される各ブロックは、複数のトランザクションとNonceと直前のブロックのハッシュ値とを格納している。Nonceは暗号通信で用いられる使い捨てのランダムな値であり、ノード(マイナー)60a~60fのうち、この値を最初に発見したノード(マイナー)が、承認者として、Nonceを発見したブロックをブロックチェーンの末尾に追加することでブロックチェーンの更新を行う。これにより、ブロックチェーンには一貫した取引履歴が記録されることになり、このブロックチェーンをP2Pネットワーク30に参加するノード90a~90f全体で共有することで、一貫した取引履歴をP2Pネットワーク30全体で共有することができる。すなわち、このブロックチェーンが、上述した保証システム6におけるトークン取引履歴データベース61a及び鍵情報データベース61bの一部又は全部を担うこととなる。本実施形態において、公開鍵暗号方式に基づく電力取引では、このような仕組みによって各種トークンの取引が行われる。
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、電力の発電時期や場所、発電方式に基づいて各種トークンを発行し、そのトークンを用いて、電力の売買取引や、対価の精算を行うことができる。これにより、環境価値取引、調整力取引など多様化する電力取引において、各取引単位で付加価値をトークンとして蓄積し配分することができる。例えば、トークンを用いることにより、市場価値と比較し自家消費、他者融通、市場売買、PPS提供など取引単位で自由に供給先と需要先を紐付けることができる。また、プラットフォームへインターフェースするためのAPIや端末を提供することで容易に当該プラットフォームへ参入することができる。さらに、ブロックチェーンインターフェースサービスも実装しているので既存インターフェースからの参入も容易に行うことができる。結果として、本発明によれば、多様化した電力価値が混在する電力取引市場において、電力の価値を適正に評価しつつ自由に供給元と需要先を紐付けて課金や売買を行うことができる。
特に、保証システムとして、分散データベースの仕組みを採用したため、強固な単一のシステム管理・運用のための設備を事業者ごとに設ける必要がなく、業者間での情報を授受する際、情報を連携するためのデータベースの共通化や、プライバシー保護、データの改ざんに対する高度なセキュリティ対策が分散データベースの仕組みで担保されることから、その設備費や運用コストを抑えることができる。
D1…約定データ
D21…売出データ
D22…買付データ
D3…実績データ
PAa…公開アドレス
PAb…公開アドレス
PKa…公開鍵
SKa…秘密鍵
SKb…秘密鍵
Ua…売手
Ub…買手
1…電力取引システム
2…仲介サーバー
3…通信ネットワーク
4…ユーザーシステム
5…監視サーバー
6…保証システム
7…AI学習部
11…CPU
20…ユーザーシステム
21a…トークン管理データベース
21b…ユーザーデータベース
21c…実績管理データベース
21d…電力取引管理データベース
22…認証部
23…通信インターフェース
24…トークン管理部
24a…トークン発行部
24b…トークン消却部
24c…トークン移転部
25…電力取引実行部
25a…約定データ生成部
25b…保証システム連携部
26…実績データ管理部
26a…価値評価部
27…精算部
30…P2Pネットワーク
40…電力制御端末
41…スマートメーター
42…蓄電池
51…監視履歴データベース
52…故障判定部
52a…ディープラーニング認識部
53…故障情報取得部
61a…トークン取引履歴データベース
61b…鍵情報データベース
61c…アカウントデータベース
62…認証部
63…通信インターフェース
64…トークン取引実行部
64a…取引履歴提供部
64b…公開アドレス管理部
64c…正当性検証部
64d…データ更新部
71…教師データ提供部
72…項目抽出部
73…キーワード処理部
90a~90f…ノード
100…電力取引システム
400…CPUバス
401…ストレージ装置
402…CPU
402a…電力売買部
403…メモリ
404…入力インターフェース
405…出力インターフェース
406…通信インターフェース

Claims (4)

  1. 電力の消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムにおける故障を検知する故障検知システムであって、
    前記ユーザーシステム側に設けられ、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成する実績データ生成部と、
    前記実績データに基づいて、前記ユーザーシステム内における故障の発生を判定する故障判定部と、
    実際に発生した機器の故障に関する故障情報を監視履歴として蓄積する監視履歴蓄積部と、
    前記監視履歴蓄積部に蓄積された故障情報に記述された実際の故障に係るユーザーシステムの実績データを抽出し、故障情報及び抽出された実績データを教師データとして、前記故障判定部の人工知能を学習させる学習部と、
    前記故障判定部による判定結果の少なくとも一部を記憶する保証システムと連携して、前記判定結果を記録する連携部と
    を備え、
    前記故障判定部において前記人工知能は、異常が発生しているパターンである故障発生モデルを検出して故障発生を判定し、
    前記保証システムは、前記ユーザーシステム及び前記故障判定部が生成した判定結果の少なくとも一部を前記実績データとともに記憶する複数のノードを備え、
    前記ノードは、前記判定結果及び前記実績データを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いてブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数の前記ノードで共有して分散台帳として記憶する
    ことを特徴とする故障検知システム。
  2. 前記保証システムは、
    公開鍵暗号方式における公開鍵から生成されて特定のユーザーを識別するための公開アドレス、及び前記公開鍵とペアとなって前記公開鍵を特定可能な秘密鍵であって前記公開アドレスを介した電力取引の電子署名に利用される秘密鍵を発行するアドレス発行部をさらに備え、
    約定データに基づいて、買付データを生成したユーザーに関する公開鍵を追加することにより、電力取引トークンの所有権を移転し、
    前記買付データを生成したユーザーに関する公開鍵を含むデータを所定のタイミングで集約してブロック化し、該ブロックを用いて前記ブロックチェーンを形成し、該ブロックチェーンを複数の前記ノードで共有して分散台帳として前記ノードに記憶させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障検知システム。
  3. 前記学習部は、入力された実績データについて、前記人工知能による判定結果と故障情報とを対比し、教師データとして入力された故障情報と同一事象についての判定結果と、その故障情報を対比し、その対比した結果が一異なる場合に、どの選択肢が誤っていたかを確認することによって故障検知した際に故障判定部が選択した各種選択肢の正当性を帰納法的に検証することにより、前記故障発生モデルを追加又は変更することにより前記学習を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の故障検知システム。
  4. 前記学習部は、前記実績データを、前記ブロックチェーンに記憶されたデータから取得することを特徴とする請求項に記載の故障検知システム。
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