JP7402157B2 - 操作されたポリペプチドおよびβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸合成におけるそれらの用途 - Google Patents

操作されたポリペプチドおよびβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸合成におけるそれらの用途 Download PDF

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Description

本発明は、バイオテクノロジーの分野に関し、特に、操作されたアルドラーゼポリペプチドおよび工業的生体触媒におけるそれらの用途に関する。
技術分野
β-ヒドロキシ-α-アミノ酸は、重要なアミノ酸の一種であり、様々な天然生成物および医薬品を構築するための重要な中間体である。これらの中間体は、多くの重要な生物学的活性を有する。これらの化合物の化学構造には一般に、複数の立体異性体を有する2つのキラル中心を有する(スキーム1)。(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸(スキーム2に示す式A2の化合物)は、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸であり、D-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオールの合成において、中間体として入手可能である。
現在、D-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオール(またはレボアミン)の合成には、2つの経路があり、p-ニトロベンズアルデヒドまたはp-ニトロ-アセトフェノンは、それぞれ出発材料として使用される。出発材料としてp-ニトロベンズアルデヒドを使用する場合には、必要とされる基質の数がより少なくなり、比較的簡易なプロセスである。しかし、複数の異性体構造が存在することにより、この経路には、過剰なp-ニトロベンズアルデヒドを必要とする。また、非常に高価な還元剤として水素化ホウ素カルシウムを必要とする。したがって、現在の工業的プロセスは、主に第2の経路である。P-ニトロアセトフェノンは、臭素化、アミノ化、アシル化、ホルムアルデヒド縮合、還元、加水分解を受けて、ラセミ生成物を生成し、次いで、酒石酸によって分割され、D-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオールを得る。このプロセスは、無水酢酸、塩化ベンジル、酢酸、臭素などの刺激性有機溶媒を大量に使用するため、過酷な環境影響を与え、産生現場の管理も非常に困難になる。また、この合成プロセスは、保護、脱保護、分割など、多くのステップで構成されており、時間を要し、全体的な収率が低下する。
アルドラーゼは、アルデヒドとアミノ酸を縮合してβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸を形成し得ることが報告されている。この酵素反応の条件は穏やかであり、汚染がほとんどないが、野生型アルドラーゼの立体選択性は、工業用途の要求を満たすには十分ではない。本発明は、高い立体選択性を有する一連の操作されたポリペプチドを提供する。これらの操作されたポリペプチドは、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸の選択に向けた定向進化を介して開発された。本発明により開示される酵素プロセスによれば、p-ニトロベンズアルデヒドおよびグリシンは、直接かつ選択的に(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸に縮合され、したがって1つのステップ内で2つのキラル中心を決定する。(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を単純にエステル化し、還元してD-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオールを得ることができる。このプロセス全体は、簡素で操作が容易であり、かつ化学的分割を必要としないため、生産コストが効率よく削減される。同時に、酵素触媒反応の条件は、穏やかであり、強酸、アルカリ、高温または高圧環境を必要とすることなく、産生設備の要件を緩和し、生成物の品質を効率よく保証し、経済的でかつ環境に優しい産生が可能になる。
スキーム1は、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸を示す図である(*はキラル中心を指す)。
スキーム2は、本発明の操作されたアルドラーゼポリペプチドによって触媒される不斉反応によるA2の合成を示す図である。
1.概要
本発明は、高い立体選択性、高い触媒活性および良好な安定性を有する操作されたポリペプチドを提供する。これにより、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸を不斉的に合成でき、特に(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を不斉合成できる。本発明はまた、操作されたポリペプチドの遺伝子配列、遺伝子を含む組換え発現ベクター、操作された株およびその効率的な産生方法、ならびに操作されたポリペプチドを使用したβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸の不斉合成のための反応プロセスも提供する。
第1の態様では、本発明は、改善された触媒特性を有する操作されたアルドラーゼポリペプチドを提供する。これらの操作されたポリペプチドは、複数のアミノ酸残基の置換、挿入、または欠失を介して、生成物に対して立体選択性が低い野生型アルドラーゼの定向進化に由来する。野生型アルドラーゼは、357個のアミノ酸からなり、配列番号2に示される配列を有するシュードモナス・プチダ由来である。野生型アルドラーゼは、生成物に対して低い立体選択性を示した。発明者らが測定したとおり、配列番号2を使用するスキーム2において、p-ニトロベンズアルデヒド(すなわちA1)をグリシンと変換して、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸(すなわちA2)を産生する反応において、A2のジアステレオマー過剰率(すなわちde)は、40%以下である。
いくつかの実施形態では、本開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドは、少なくとも配列番号2以上の立体選択性でA1およびグリシンをA2に変換することができる。示された反応条件下で、本開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドは、A2について、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で、産生することができる。いくつかの実施形態では、反応条件は、20%有機溶媒(これらに限定されないが、ジメチルスルホキシド、エタノールまたはメタノール)および約30℃の温度および約6.0のpHを含む。
いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、示された反応条件下で、配列番号2のポリペプチドよりも高い立体選択性で、A1およびグリシンをA2に変換することができる。操作されたアルドラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236に対して、少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含む。
2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド配列間の同一性は、当技術分野で一般的に使用されるアルゴリズムによって取得でき、NCBI BlastpおよびBlastnソフトウェアを使用するか、またはClustal Wアルゴリズム(Nucleic Acid Research、22(22):4673-4680、1994年)を使用することによって、デフォルトのパラメータに従って算出できる。例えば、Clustal Wアルゴリズムを使用すると、配列番号2から配列番号184のアミノ酸配列同一性は、93.3%である。
いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、残基位置X16、X17、X19、X26、X32、X33、X37、X38、X39、X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X49、X91、X92、X118、X132、X134、X154、X164、X168、X176、X182、X185、X189、X191、X216、X217、X218、X227、X234、X237、X244、X247、X262、X282、X284、X285、X288、X291、X292、X293、X294、X295、X302、X305、X316、X318、X319、X320、X324、X352に、配列番号2の配列と比較して1つ以上の残基が異なるアミノ酸配列を含むことができる。より具体的には、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、以下の特徴の少なくとも1つを含むアミノ酸配列を含む(これらの特徴は、配列番号2の参照配列によるアミノ酸残基の置換である)D16E、N17G、N17E、A19W、A19N、A26V、A26L、H32V、S33N、A37T、A37M、A37K、G38D、G38P、G38S、G38E、G38A、P39L、P39A、G41Y、T42M、D43P、D43Y、E44D、L45I、T46H、A47H、Q48L、V49S、P91H、P91S、P91L、P91K、P91N、A92W、P118R、P118I、P118G、R132S、K134Q、V154G、V154S、V154A、V154F、V154R、E164R、D168N、G176P、S182A、A185T、V189S、L191H、V216C、L217W、A218C、A218S、T227P、S234R、R237T、S244I、S244V、M247Y、M247H、L262I、E282R、E282Y、E282K、L284K、L284F、L284A、L284V、G285P、G285S、G285K、E288I、E288T、G291F、G291V、G291W、G291Y、G292K、G292V、T293P、E294K、E294M、A295G、A295Q、L302M、A305T、A305P、G316K、G316S、G316V、G316R、Y318G、Y318L、H319Y、H319V、D320K、D320E、P324L、D352Y、D352Q、D352A;または、上記の差異に加えて、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、21、22、23、24、25、もしくは30のアミノ酸残基の挿入または欠失を含む。
より具体的には、いくつかの実施形態では、配列番号2より改善された操作されたアルドラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236に対応する配列を含む。
別の態様では、本発明は、操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を提供する。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、操作されたアルドラーゼポリペプチドを発現させるための1つ以上の制御配列を有する発現ベクターの一部であり得る。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235に対応する配列を含み得る。
当業者に公知であるように、ヌクレオチドコドンの縮重のために、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、229、231、233、235に限定するものではない。本発明の操作されたポリペプチドのポリヌクレオチド配列は、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236のアミノ酸配列をコードする任意の他のポリヌクレオチド配列であってもよい。
別の態様では、本開示は、操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードする配列を含むポリヌクレオチド、操作されたアルドラーゼポリペプチドを発現できる発現ベクターおよび宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、大腸菌などの細菌宿主細胞であり得る。宿主細胞は、本明細書に記載の操作されたアルドラーゼを発現させ、単離するために使用でき、あるいは基質を生成物に変換するための反応に直接使用できる。
いくつかの実施形態では、全細胞、粗抽出物、単離酵素、または精製酵素の形態の操作されたアルドラーゼは、単独で、または樹脂への固定などの固定形態で使用することができる。
本開示はまた、本明細書に開示される操作されたアルドラーゼポリペプチドを使用するβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸化合物の不斉合成のプロセスを提供し、得られるβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、式(I)に示される構造を有する:
式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、示された立体化学配置を有し、これは、*でマークされたキラル中心に示されている。式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、他の異性体よりも高いジアステレオマー過剰率であり、式中、
は、任意の置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリールであるか、または、任意の置換もしくは非置換C~Cヒドロカルビルである。
は、-H、-CHOH、-CHSH、-CHSCH、または任意の置換もしくは非置換のC~Cヒドロカルビルであり、このプロセスは、好適な反応条件下で、アルデヒド基質とアミノ酸基質とを反応させて、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物を得ることを含み、式(II)のアルデヒド基質、および式(III)
のアミノ酸基質は、アルドラーゼポリペプチドと接触させる。アルドラーゼポリペプチドは、本明細書に記載の操作されたアルドラーゼポリペプチドである。いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、配列番号2に対して、少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を有し、配列番号2と比較してより高い変換率またはより高い立体選択性で、式(II)のアルデヒド基質および式(III)のアミノ酸基質を縮合して、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物を得ることができる。
いくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は
であり、式中、Rは、C~Cヒドロカルビル、-H、ハロゲン(-F、-Cl、-Brおよび-Iなど)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’-C(O)NR’、-SONHまたは-SONH、-CN、CFであり、各R’は、-Hまたは(C~C)ヒドロカルビルから独立して選択され、
また、Rは、
であり得、Rは、-H、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHSHまたは-CHSCHであり、式(II)のアルデヒド基質は、
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のパラ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してオルト位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してパラおよびメタの両方である。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してパラおよびオルトの両方である。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してメタおよびオルトの両方である。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は:
(式中、Rは、上記Rと同様に定義され、RおよびRは、上記で定義したとおりである)であり、式(II)のアルデヒド基質は:
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してオルト位にある。
いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、ジアステレオマー過剰の式A2の化合物、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸
の産生プロセスで使用することができる。
これらの実施形態では、産生プロセスは、好適な有機溶媒中、グリシンの存在下で、式A1の化合物を式A2の化合物に変換するための好適な反応条件下において、式A1の化合物:
を本明細書に開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドと接触させることを含む。
上記プロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物または式A2の化合物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
この方法で使用するための操作されたアルドラーゼポリペプチドの特定の実施形態は、詳細な説明でさらに提供される。上記プロセスで使用できる操作されたアルドラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236に対応するアミノ酸配列から選択される1つ以上の配列を含むことができる。
別の態様では、本開示は、本明細書に開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドを使用して、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を産生するプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、本プロセスは、グリシンの存在下で、p-ニトロベンズアルデヒドを(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸に変換するための好適な反応条件下で、p-ニトロベンズアルデヒドは、本明細書に記載された操作されたアルドラーゼポリペプチドと接触させる。
本明細書に開示の操作されたポリペプチドを使用する式(I)の化合物または式A2の化合物を調製するためのプロセスはいずれも、これらに限定されないが、アミノドナー、pH、温度、緩衝液、溶媒系、基質負荷、ポリペプチド負荷、補因子負荷、圧力および反応時間範囲などの好適な反応条件下の範囲で実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物または式A2の化合物の調製を実施することができ、好適な反応条件としては以下が挙げられる:(a)約10g/L~200g/Lの基質化合物(例えば、化合物(II)またはA1);(b)約0.5g/L~10g/Lの操作されたポリペプチド;(c)約30g/L~300g/Lのグリシン負荷;(d)約0.1mM~5mMのPLP補因子;(e)0%(v/v)~約60%(v/v)の有機溶媒(これらに限定されないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸イソプロピル、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノール(IPA)など);(F)約4.0~約8.0のpH;および(g)約10℃~約60℃の温度。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも60%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも70%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも80%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも85%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも90%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも95%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
いくつかの実施形態では、本プロセスは、少なくとも99%のジアステレオマー過剰率で生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸を形成することができる。
2.詳細
2.1定義
他に明確に定義されていない限り、本開示で使用される技術用語および科学用語は、当業者に一般的に理解されている意味を有する。
「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」は、長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化、脂質化、ミリストイル化、ユビキチン化など)に関係なく、アミド結合によって共有結合により連結された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを示すために本明細書で同義的に使用される。この定義には、D-アミノ酸およびL-アミノ酸、ならびにD-アミノ酸とL-アミノ酸との混合物を含む。
「操作されたアルドラーゼ」、「操作されたアルドラーゼポリペプチド」、「アルドラーゼポリペプチド」、「改善されたアルドラーゼポリペプチド」、および「操作されたポリペプチド」は、本明細書で同義的に使用される。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、本明細書では同義的に使用される。
本明細書で使用される「補因子」は、触媒反応において酵素と連動して作用する非タンパク質化合物を指す。本明細書で使用される「補因子」は、ビタミンB6ファミリー化合物PLP、PN、PL、PM、PNPおよびPMPを包含することを意図しており、これらは補酵素とも呼ばれる。
「ピリドキサールリン酸塩」、「PLP」、「ピリドキサール5’-リン酸塩」、「PYP」および「P5P」は、アルドラーゼ反応において補酵素として作用する化合物を指すために本明細書で同義的に使用される。
「コード配列」とは、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)の一部分を指す。
「天然」または「野生型」とは、自然界に見られる形態を指す。例えば、天然または野生型のポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、自然の発生源から単離できる生物内に存在する配列であり、人力により意図的に改変されていないものである。
例えば、細胞、核酸またはポリペプチドに関して使用される場合、「組換え」または「操作された」または「非天然」とは、天然または材料の天然の形態に対応する材料を指し、そうでなければ自然には存在しないか、またはそれと同一であるが、合成材料からおよび/または組換え技術を用いた操作によって産生または誘導される様式で改変されたものである。
「配列同一性」および「相同性」は、本明細書において同義的に使用され、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列間の比較を指し(「配列同一性」および「相同性」は、一般に割合(百分率)として表される)、比較ウィンドウにより2つの最適に整列した配列を比較することにより決定される。比較ウィンドウ内のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の一部分は、2つの配列を最適に整列させるための参照配列と比較して、付加または欠失(すなわちギャップ)を含み得る。割合は、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基のいずれかが両方の配列で発生する位置の数を決定することによって算出できる。または、核酸塩基またはアミノ酸残基をギャップと整列させて、一致した位置の数を求め、一致した位置の数を、比較ウィンドウ内の位置の合計数で割り、その結果に100を掛けて、配列同一性の割合を求める。当業者は、2つの配列を整列させるために利用可能な多くの確立されたアルゴリズムが存在することを理解するであろう。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、ローカルホモロジーアルゴリズム(Smith and Waterman、1981年、Adv.Appl.Math.2:482)、ホモロジーアライメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch、1970年、J.Mol.Biol.48:443)、類似性の検索方法(Pearson and Lipman,1988年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444)、これらのアルゴリズムのコンピューター化された実装(GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA(GCG Wisconsin Package))、または目視検査(一般に、Current Protocols in Molecular Biology,FM Ausubelら、編、Current Protocols,a Joint Venture between Greene Publishing Associates,Inc.およびJohn Wiley&Sons,Inc.,(1995年Supplement)(Ausubel))により実行できる。パーセント配列同一性およびパーセント配列類似性を決定するのに好適であるアルゴリズムの例は、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれ、Altschulら、1990年、J.Mol.Biol.215:403-410およびAltschulら、1977年、Nucleic Acids Res.3389-3402に記載されている。BLAST分析を実行するためのソフトウェアは、国立生物工学情報センターのWebサイトより公的に入手可能である。アルゴリズムは、クエリシーケンス内の長さWの短いワードを識別することによって、最初に高スコアシーケンスペア(HSP)を識別することを伴う。これは、データベースシーケンス内の同じ長さのワードと整列させたときに、いくつかの正の値のしきい値スコアTに一致するか、またはそれらを満たす。Tは、近隣ワードスコアしきい値と呼ばれる(Altschulら、上記)。これらの初期隣接ワードヒットは、それらを含むより長いHSPを見つけるための検索を開始するためのシードとして機能する。次いで、ワードヒットは、累積アライメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に伸長する。ヌクレオチド配列の場合、累積スコアは、パラメータM(一致残基ペアの報酬スコアは、常に>0であり)およびN(不一致残基のペナルティスコアは、常に<0である)を用いて算出される。アミノ酸配列の場合、スコア行列を使用して、累積スコアが算出される。各方向のワードヒットの拡張は、次の場合に停止する:累積アライメントスコアが、最大到達値から品質X分低下する;1つ以上の負のスコアの残基アライメントが累積することにより、累積スコアが0以下になる;または、いずれかの配列の末端に到達する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、TおよびXにより、アライメントの感度および速度が決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとしてワードレングス(W)11、期待値(E)10、M=5、N=-4、および両鎖の比較をデフォルト値として使用する。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムはデフォルトでワードレングス(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコア行列を使用する(Henikoff and Henikoff、1989年、Proc Natl Acad Sci USA 89:10915を参照)。配列アライメントおよび%配列同一性の例示的な決定では、提供されたデフォルトパラメータを使用して、GCG Wisconsin Softwareパッケージ(Accelrys、Madison WI)のBESTFITまたはGAPプログラムを使用できる。
「参照配列」とは、配列を比較する基礎として使用される定義済みの配列を指す。参照配列は、例えば、全長遺伝子またはポリペプチド配列の断片など、より大きい配列のサブセットであってもよい。一般に、参照配列は、長さが少なくとも20ヌクレオチドもしくはアミノ酸残基、長さが少なくとも25残基、長さが少なくとも50残基、または核酸もしくはポリペプチドの全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、それぞれ(1)2つの配列間で類似している配列(すなわち、完全な配列の一部分)を含む、および(2)2つの配列間で異なる配列をさらに含む可能性があるため、2つ(またはそれ以上)のポリヌクレオチドまたはポリペプチド間の配列比較は、典型的には、「比較ウィンドウ」で2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を比較して、配列類似性の局所領域を特定し、比較することにより実行される。いくつかの実施形態では、「参照配列」は、野生型配列に限定されることを意図しておらず、操作された配列または改変された配列を含んでもよい。例えば、「配列番号2に基づくX39に対応する残基にロイシンを有する参照配列」とは、プロリンである配列番号2のX39位の対応する残基がロイシンに改変された参照配列を指す。
「比較ウィンドウ」とは、少なくとも約20個の連続したヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念セグメントを指し、配列が、少なくとも20個の連続したヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較され得、比較ウィンドウ内の配列の一部分は、2つの配列を最適に整列させるために、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して、20%以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。比較ウィンドウは、20を超える連続した残基より長くてもよく、任意により、30、40、50、100以上の残基が挙げられる。
与えられたアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号の文脈において、「に対応する」、「を参照する」または「に相対する」は、与えられたアミノ酸またはポリヌクレオチド配列を参照配列と比較する場合の、特定の参照の残基の番号付けを指す。換言すれば、所与の配列の残基数または残基位置は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の数値的位置ではなく、参照配列に対して指定される。例えば、操作されたアルドラーゼなどの所与のアミノ酸配列は、2つの配列間の残基の一致を最適化するためにギャップを導入することにより、参照配列に整列させ得る。これらの場合、ギャップがあるが、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列内の残基の番号は、それらが整列された参照配列に対して行われる。
「アミノ酸の差異」または「残基の差異」は、参照配列内の対応する位置でのアミノ酸残基に対するポリペプチド配列の位置でのアミノ酸残基の差異を指す。アミノ酸の差異の位置は、一般に、本明細書では「Xn」と称され、nは、残基の差異に基づく参照配列内の対応する位置を指す。例えば、「配列番号2と比較して、X39位での残基の差異」は、配列番号2の39位に対応するポリペプチド位置でのアミノ酸残基の差異を指す。したがって、配列番号2の参照ポリペプチドが39位にプロリンを有する場合、「配列番号2と比較したX39位での残基の差異」とは、配列番号2の39位に対応するポリペプチドの位置でのプロリン以外の任意の残基のアミノ酸置換を指す。本明細書のほとんどの例では、位置での特定のアミノ酸残基の差異は「XnY」として示され、「Xn」は、上記のとおり対応する位置に指定され、「Y」は、操作されたポリペプチド(すなわち、参照ポリペプチドとは異なる残基)内で見つかったアミノ酸の1文字の識別子である。いくつかの例(例えば表1)では、本開示はまた、従来の表記「AnB」で示される特定のアミノ酸の差異を提供する。Aは、参照配列内の残基の1文字の識別子であり、「n」は、参照配列内の残基位置の数であり、Bは、操作されたポリペプチドの配列における残基置換の1文字の識別子である。いくつかの例では、本開示の操作されたポリペプチドは、参照配列と比較して1つ以上のアミノ酸残基の差異を含んでもよく、これは、参照配列と比較して、残基の差異が存在する特定の位置のリストによって示される。いくつかの実施形態では、2つ以上のアミノ酸残基を操作されたポリペプチドの特定の残基位置に使用することができ、使用され得る様々なアミノ酸残基は、「/」によって区切られる(例えば、X39L/X39A)。
「欠失」とは、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸を除去することによるポリペプチドの修飾を指す。欠失には、1つ以上のアミノ酸、2つ以上のアミノ酸、5つ以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸、アミノ酸の総数の10%以下の酵素、または参照酵素を構成するアミノ酸の総数の20%以下の除去が含まれ得、かつ操作されたアルドラーゼの酵素活性が保持され、かつ/または操作されたアルドラーゼの改善された特性が保持される。欠失には、ポリペプチドの内部部分および/または末端部分が関与し得る。様々な実施形態では、欠失は、連続したセグメントを含んでもよく、または不連続であってもよい。
「挿入」とは、参照ポリペプチドから1つ以上のアミノ酸を付加することによるポリペプチドの修飾を指す。いくつかの実施形態では、改善され、操作されたアルドラーゼは、天然アルドラーゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入、ならびに他の操作されたアルドラーゼポリペプチドへの1つ以上のアミノ酸の挿入を含む。アミノ酸は、ポリペプチドの内部部分に挿入するか、カルボキシルまたはアミノ末端に挿入することができる。本明細書で使用する場合、挿入としては、当技術分野で公知である融合タンパク質が挙げられる。挿入は、アミノ酸の連続したセグメントであるか、または天然に存在するポリペプチドもしくは操作されたポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸によって分離されている可能性がある。
本明細書で使用される「断片」は、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の欠失を有するが、残りのアミノ酸配列は、配列中の対応する位置と同一であるポリペプチドを指す。断片は、少なくとも10アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも50アミノ酸長以上、およびアルドラーゼポリペプチドの全長の70%、80%、90%、95%、98%および99%以下であり得る。
「単離されたポリペプチド」とは、タンパク質、脂質、およびポリヌクレオチドなど、天然に付随する他の物質から実質的に分離されているポリペプチドを指す。この用語は、それらの天然環境または発現系(例えば、宿主細胞またはin vitro合成)から除去または精製されているポリペプチドを含む。操作されたアルドラーゼポリペプチドは、細胞中、細胞培養培地中に存在してもよく、または溶解物もしくは単離調製物などの様々な形態で調製されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、単離されたポリペプチドであり得る。
「キラル中心」とは、4つの異なる基を接続する炭素原子を指す。
「立体選択性」とは、化学反応または酵素反応において、一方の立体異性体が他方よりも優先的に形成されることを指す。立体選択性は部分的であり得、一方の立体異性体の形成が他方の立体異性体よりも優先されるか、または一方のみの立体異性体が形成されている場合は完全であり得る。立体異性体がエナンチオマーである場合、立体選択性はエナンチオ選択性と呼ばれる。多くの場合、「エナンチオマー過剰率」(略してee)として報告される。立体異性体がジアステレオマーである場合、立体選択性はジアステレオ選択性と呼ばれる。多くの場合、「ジアステレオマー過剰率」(略してde)として報告される。分画、典型的には百分率は、一般に、次式に従って、そこから誘導されるジアステレオマー過剰率(すなわち、de)として任意により報告され、当技術分野で報告される:[メジャージアステレオマー-マイナージアステレオマー]/[メジャージアステレオマー+マイナージアステレオマー]。場合によっては、本開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドによって形成された生成物では、2つのジアステレオマーのみ:(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸(すなわち、A2)および(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸(すなわち、A3)検出され、生成物中のA2のde値は、次のように算出する:[A2-A3]/[A2+A3]。
「立体異性体」、「立体異性形態」、および同様の表現は、本明細書では同義的に使用され、それらの空間内の原子の配向の違いのみから生じるすべての異性体を指す。これには、エナンチオマーと、2つ以上のキラル中心を有し、互いに鏡像ではない化合物(すなわち、ジアステレオマー)を含む。
「改善された酵素特性」とは、野生型アルドラーゼ、または別の改善され、操作されたアルドラーゼなどの参照アルドラーゼと比較して、特定の目的に対して、より良好であるか、またはより望ましい酵素特性を指す。改善された酵素特性は、本開示における操作されたアルドラーゼポリペプチドにより呈示される。改善が期待される酵素特性としては、これらに限定されないが、酵素活性(基質変換の割合として表すことができる)、熱安定性、溶媒安定性、pH活性特性、補因子要件、阻害剤に対する耐性(例:基質または生成物の阻害)、立体特異性および立体選択性(エナンチオ選択性またはジアステレオ選択性など)が挙げられる。
「変換」とは、対応する生成物への基質の酵素的変換を指す。「パーセント変換」または「変換」とは、指定された条件下で一定期間内に生成物に変換される基質の割合(パーセント)を指す。したがって、アルドラーゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、基質から生成物への「パーセント変換」として表現できる。
「熱安定性」とは、一定時間(0.5~24時間)、高温(30~80℃)にさらされた後、同様の活性(例えば、50%以上)を保持するアルドラーゼポリペプチドを意味する。
「溶媒安定性」とは、一定期間(例、0.5~24時間)、様々な溶媒(エタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、メチルtert-ブチルエーテルなど)にさらされた後、同様の活性(例えば、50%~80%以上)を保持するアルドラーゼポリペプチドを指す。
「好適な反応条件」とは、生体触媒反応系における条件(例えば、酵素負荷、基質負荷、補因子負荷、温度、pH、緩衝液、共溶媒など)を指す。本開示のアルドラーゼポリペプチドは、これらの条件下において、基質を所望の生成物化合物に変換することができる。例示的な「好適な反応条件」は、本開示において提供され、実施例によって例示される。
「ヒドロカルビル」とは、直鎖または分岐鎖炭化水素基を指す。記号「C」の後ろの下付き文字の数は、特定の基に含まれ得る炭素原子の数を指定している。例えば、「C~C」は、1~8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖ヒドロカルビル基を指す。ヒドロカルビル基は、1つ以上の置換基で任意により置換されてもよい。「アリール」とは、6~約20個の炭素原子の一価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。「ヘテロアリール」および「ヘテロ芳香族」は、親芳香族環系の炭素原子のうちの1つ以上が、ヘテロ原子(O、N、またはS)で置換されているアリール基を指す。「置換」とは、指定された基またはラジカルの修飾に使用される場合、指定された基またはラジカルの1つ以上の水素原子がそれぞれ同一のまたは異なる置換基によって互いに独立して置換されることを意味する。「置換ヒドロカルビル、アリール、またはヘテロアリール」は、1つ以上の水素原子が他の置換基で置換されているヒドロカルビル、アリール、またはヘテロアリール基を指す。「任意の」または「任意により」とは、記載されている事象または状況が発生する場合、または発生しない場合があり得ることを意味する。例えば、「任意により置換されたアリール」は、置換されている場合も、置換されていない場合もあり得るアリール基を指す。この説明には、置換アリール基および非置換アリール基の両方が含まれる。
本明細書で使用される「化合物」は、本明細書で開示される化合物で示される構造式および/または化学名に包含される任意の化合物を指す。化合物は、それらの化学構造および/または化学名によって識別され得る。化学構造と化学名とが矛盾する場合、化学構造によって化合物の同一性が決定される。特に明記されない限りまたは別に示されない限り、本明細書に記載の化学構造は、記載される化合物のすべての可能な異性体を包含する。
2.2操作されたアルドラーゼ
以下の表1は、本発明により開発された、操作されたアルドラーゼポリペプチドを示す。各行には、特定の操作されたアルドラーゼポリペプチドのポリヌクレオチド配列番号およびアミノ酸配列番号、ならびに配列番号2と比較させた残基の差異を示す。各々例示する、操作されたアルドラーゼポリペプチドの活性または立体選択性のレベルは「+」として示し、特定の意味は表2に示す。
表1に列挙されたアミノ酸配列(すなわち、配列番号2~230の偶数の配列識別子)は、それぞれ357個のアミノ酸残基を含む。配列番号232、234、または236は、配列番号2と比較して、異なる数のアミノ酸残基の欠失または置換を有する。配列番号232、234、236で表す操作されたアルドラーゼポリペプチドは、表2に示す+、++、+++、++++または+++++の反応条件下で、配列番号2より高い立体選択性および/または活性を呈する。
2.3操作されたアルドラーゼポリペプチドの産生に使用できるポリヌクレオチド、制御配列、発現ベクターおよび宿主細胞
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のアルドラーゼ活性を有する操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、遺伝子発現を制御して、操作されたポリペプチドを発現させることができる組換えポリヌクレオチドを産生する1つ以上の異種調節配列に連結できる。操作されたアルドラーゼをコードする異種ポリヌクレオチドを含む発現構築物は、好適な宿主細胞に導入されて、対応する操作されたアルドラーゼポリペプチドを発現させることができる。
当業者には明らかであるように、タンパク質配列の入手可能性および様々なアミノ酸に対応するコドンの知見により、目的のタンパク質配列をコードするすべての可能なポリヌクレオチドの例示が提供される。同じアミノ酸が選択可能または同義のコドンによってコードされる遺伝子コードの縮重により、非常に多数のポリヌクレオチドの産生が可能になり、そのすべてが本明細書に開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードする。したがって、特定のアミノ酸配列が決定されると、当業者は、タンパク質のアミノ酸配列を改変しない様式で、1つ以上のコドンを修飾することのみにより、任意の数の異なるポリヌクレオチドを生成できる。この点に関して、本開示は、表1に列挙された例示的な操作されたポリペプチドのアミノ酸配列を含む、本明細書に開示のポリペプチドのいずれかについて、および参照により組み込まれた配列表の配列番号4~236の偶数配列識別子として開示されたポリペプチドのいずれかについて、可能なコドン選択に基づいて組み合わせを選択することによって作製できるポリヌクレオチドのあらゆる考えられる改変が特に企図される。これらはすべて特に公開されていると考えられている。
様々な実施形態では、コドンは、組換えタンパク質が産生される宿主細胞を収容するように選択されることが好ましい。例えば、細菌にとって好ましいコドンは、細菌内で遺伝子を発現するために使用される。酵母にとって好ましいコドンは、酵母内で遺伝子を発現させるために使用される。哺乳類にとって好ましいコドンは、哺乳類細胞での遺伝子発現に使用される。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4~236の偶数配列識別子である参照配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードし、ポリペプチドは、アルドラーゼ活性および本明細書に記載の改善された特性のうちの1つ以上(例えば、配列番号2のポリペプチドと比較して、化合物A1を高い立体選択性を有する化合物A2に変換する能力)を有する。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、上記の同一性の割合を有し、配列番号2と比較して1つ以上のアミノ酸残基の差異を有するアミノ酸配列を含む操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、本開示は、アルドラーゼ活性を有する操作されたポリペプチドを提供し、操作されたポリペプチドは、以下の位置から選択される残基の差異を有する配列番号2の参照配列と少なくとも80%の配列同一性を有する組み合わせを含む。X16、X17、X19、X26、X32、X33、X37、X38、X39、X41、X42、X43、X44、X45、X46、X47、X48、X49、X91、X92、X118、X132、X134、X154、X164、X168、X176、X182、X185、X189、X191、X216、X217、X218、X227、X234、X237、X244、X247、X262、X282、X284、X285、X288、X291、X292、X293、X294、X295、X302、X305、X316、X318、X319、X320、X324、X352。
いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3~235の奇数の配列遺伝子を有する配列を含む。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載のポリペプチドをコードする。しかし、ヌクレオチドレベルでは、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載の操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチドに対して、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、参照ポリヌクレオチドは、配列番号3~235の奇数配列識別子を有する配列から選択される。
操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチドは、発現を改善するためのコドン最適化による配列のさらなる修飾、追加の制御配列の有無にかかわらず好適な発現エレメントへの挿入、および操作されたポリペプチドの発現および産生に好適である宿主細胞への形質転換など、様々な様式で、操作されたポリペプチドの発現を可能にするために操作することができる。
発現ベクターに応じて、単離されたポリヌクレオチドをベクターに挿入する前に、単離されたポリヌクレオチドを操作することが望ましいまたは必要な場合がある。組換えDNA法を用いて、ポリヌクレオチドおよび核酸配列を修飾する技術は、当技術分野において周知である。ガイダンスは、以下に提供されている:Sambrookら、2001年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubel.F.編、Greene Pub.Associates、1998年、2010年改定。
別の態様では、本開示は、操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその多様体、ならびにプロモーターおよびターミネーターなどの1つ以上の発現調節領域、複製起点など、導入される宿主の種類に応じて、組換え発現ベクターにも関する。あるいは、本開示の核酸配列は、核酸配列またはその配列を含む核酸構築物を適切な発現ベクターに挿入することにより発現させ得る。発現ベクターの生成において、コーディング配列は、コーディング配列が発現に好適である制御配列に連結されるようにベクター内に配置される。
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順において都合よく使用でき、ポリヌクレオチド配列の発現をもたらし得る任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。一般に、ベクターの選択は、ベクターの、導入される宿主細胞との適合性に依存する。ベクターは、線形プラスミドまたは閉環状プラスミドであり得る。発現ベクターは、自律複製ベクター、すなわち、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体などの複製が、染色体の複製に依存しない染色体外実体として存在するベクターであり得る。ベクターには、自己コピーを保証するための任意のツールが含まれ得る。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されるときに、ゲノムに組み込まれ、ベクターが組み込まれた染色体とともに複製するベクターであってもよい。さらに、宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを一緒に含む単一のベクターもしくはプラスミド、または2つ以上のベクターもしくはプラスミドを使用してもよい。
本開示の実施形態に有用な多くの発現ベクターが市販されている。例示的な発現ベクターは、操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをプラスミドpACYC-Duet-1(Novagen)に挿入することにより調製され得る。
別の態様では、本開示は、本開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供する。ポリヌクレオチドは、宿主細胞におけるアルドラーゼポリペプチドの発現のための1つ以上の制御配列に連結されている。本開示の発現ベクターによりコードされるポリペプチドを発現させるための宿主細胞は、これらに限定されるものではないが、大腸菌、アルスロバクターKNK168、ストレプトミセス、およびネズミチフス菌細胞などの細菌細胞;酵母細胞などの真菌細胞(例えば、サッカロミセスセレビシエまたはピキアパストリス);ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COS、BHK、293およびBowesメラノーマ細胞などの動物細胞;および植物細胞など、当技術分野において周知である。例示的な宿主細胞は、大腸菌BL21(DE3)である。上記の宿主細胞は、野生型であってもよく、または宿主細胞のゲノムで担持されている野生型アルドラーゼ遺伝子のノックアウトなどのゲノム編集により操作された細胞であってもよい。上記の宿主細胞に好適である培地および成長条件は、当技術分野において周知である。
操作されたアルドラーゼを発現させるために使用されるポリヌクレオチドは、当該分野において公知の様々な方法によって細胞に導入され得る。技術としては、特に、エレクトロポレーション、生体粒子衝撃、リポソーム媒介トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合が挙げられる。ポリヌクレオチドを細胞に導入する異なる方法は、当業者には明らかである。
2.4操作されたアルドラーゼポリペプチドの産生プロセス
操作されたアルドラーゼは、アルドラーゼをコードするポリヌクレオチドを突然変異誘発および/または定方向進化に供することにより得ることができる。例示的な方向性進化技術は、「Biocatalysis for the Pharmaceutical Industry:Discovery,Development,and Manufacturing、(2009年John Wiley&Sons Asia(Pte)Ltd.ISBN:978-0-470-82314-9)に見出すことができる。
操作されたポリペプチドの配列が明らかである場合、コードするポリヌクレオチドは、公知である合成方法による標準的な固相法によって調製され得る。いくつかの実施形態では、約100塩基以下の断片を別々に合成し、次いでライゲートして(例えば、酵素的または化学的ライゲーション法またはポリメラーゼ媒介法により)、あらゆる所望の連続配列を形成することができる。例えば、本開示のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、例えば、古典的なホスホルアミダイト法(Beaucageら(1981年、Tet Lett 22:1859-69)またはMatthesら、People、1984年、EMBO J.3:801-05によって記載)を使用する化学合成により調製することができ、これは、典型的には、自動合成法で実施されている。ホスホルアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、合成され、精製され、アニーリングされ、ライゲートされ、例えば自動化されたDNA合成装置で好適なベクターにクローン化される。さらに、本質的に核酸はいずれも、様々な商業的供給源のいずれかから入手可能である。
いくつかの実施形態では、本開示は、好適な反応条件下で、化合物A1を化合物A2に変換することができる操作されたアルドラーゼポリペプチドを調製または産生するためのプロセスも提供する。このプロセスには、ポリペプチドの発現に好適である培養条件下において、操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを発現できる宿主細胞を培養することを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドを調製するプロセスは、ポリペプチドを単離することをさらに含む。操作されたポリペプチドは、好適な細胞内で発現させて、タンパク質精製のために周知である技術のいずれか1つ以上を使用して、宿主細胞および/または培地から単離(または回収)され得る。タンパク質精製技術としては、とりわけリゾチーム処理、超音波処理、ろ過、塩析、超遠心分離およびクロマトグラフィーが挙げられる。
2.5操作されたアルドラーゼおよびそれにより調製された化合物の使用方法
別の態様では、本明細書に記載の操作されたアルドラーゼポリペプチドは、アルデヒド基質およびアミノ酸基質を不斉縮合させることができる。本開示はまた、本明細書に開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドを使用して、広範囲の化合物(I)またはその構造類似体を調製するプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、構造式(I)の化合物を調製するプロセスにおいて使用することができる:
式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、*でマークされたキラル中心に、示された立体化学配置を有する。式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、他の異性体よりも高いジアステレオマー過剰率である
(式中、Rは、任意の置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール、または任意の置換もしくは非置換C~Cアルキルであり、Rは、-H、-CHOH、-CHSH、-CHSCH、または任意の置換もしくは非置換C~Cヒドロカルビルである)。本明細書のプロセスは、アルデヒド基質およびアミノ酸基質をβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物に変換するのに好適である反応条件下で、式(II)のアルデヒド基質および式(III)のアミノ酸基質
を、アルドラーゼポリペプチドと接触させることを含む。ここでは、アルドラーゼポリペプチドは、本明細書に記載の操作されたアルドラーゼポリペプチドである。いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、配列番号2と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有し、式(II)のアルデヒド基質および式(III)のアミノ酸基質を縮合して、配列番号2よりも高い変換率および/または高い立体選択性を有する式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物を形成することができる。
いくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
上記のように、本開示のプロセスにおいて有用なアルドラーゼポリペプチドは、p-ニトロベンズアルデヒドおよびグリシンの(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸へ縮合する能力によって特徴付けられ得る。したがって、本明細書に開示されるプロセスの実施形態のいずれにおいても、本プロセスを実施でき、アルドラーゼポリペプチドは、p-ニトロベンズアルデヒドおよびグリシンを縮合させて、配列番号2よりも高い変換率および/または高い立体選択性を有し、配列番号2と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有する(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸にすることができる。
上記プロセスのいくつかの実施形態では、Rは、任意の置換または非置換C~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意の置換または非置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意の置換または非置換ピリジルである。いくつかの実施形態では、Rは、任意の置換または非置換アリールまたはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Rは、任意の置換または非置換のフェニルであり、置換は、(オルト、メタまたはパラ)フェニル環、またはフェニル環上で同時に生じる置換のうちの任意の2つのいずれかで発生し、これらの置換基は、C~Cヒドロカルビル、ハロゲン(例えば、-F、-Cl、-Brおよび-I)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’R’、-OR’、-COR’または-COR’、-C(O)NR’、-SONHまたは-SONH、-CN、CFからなる群から選択され、各R’は、-Hまたは(C~C)アルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態では、(C~C)アルキルは、ハロゲン置換炭化水素である。
上記プロセスのいくつかの実施形態では、Rは、-H、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHSH、または-CHSCHである。
いくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-(+)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2,4-メチルペンタン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はL-アラニンであり、式(II)のアルデヒド基質はイソブチルアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-(+)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-4-メチルペンタン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質はイソブチルアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシデカン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質はn-オクタナールである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R,4E)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-4-ヘキセン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質はクロトンアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3S)-2-アミノ-3-[(4S)3-ジオキソラン-4-イル]-3-ヒドロキシプロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-カルバルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-2-イル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は1H-イミダゾール-2-カルボキシアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質はピリジンカルボキシアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンタン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は3-フェニルプロピオンアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-5-(ベンジルオキシ)-3-ヒドロキシ吉草酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は3-(ベンジルオキシ)プロパナールである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-(1,3-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-3-ヒドロキシプロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質はメチレンジオキシベンゼン-5-カルバルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-4-(2-アミノ-6-ヒドロキシ-9H-プリン-9-Yl)-3-ヒドロキシ酪酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は(2-アミノ-6-ヒドロキシ-9H-プリン-9-イル)アセトアルデヒドである:
いくつかの実施形態では、上記プロセスで産生された式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
いくつかの実施形態では、構造式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は:
であり、式中、Rは、C~Cヒドロカルビル、-H、ハロゲン(-F、-Cl、-Brおよび-I)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’R’、-OR’、-COR’または-COR’、-C(O)NR’、-SONHまたは-SONH、-CN、CFであり、各R’は、-Hまたは(C~C)ヒドロカルビルから独立して選択され;
また、Rは、
であり得、Rは、-H、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHSHまたは-CHSCHであり、式(II)のアルデヒド基質は
である。
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のパラ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してオルト位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してパラおよびメタの両方である。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してパラおよびオルトの両方である。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してメタおよびオルトの両方である。いくつかの実施形態では、上記プロセスで産生された式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は:
であり、Rは、上記に定義されたRであり、RおよびRは、上記に定義されたとおりであり、式(II)のアルデヒド基質は、
いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環のメタ位にある。いくつかの実施形態では、Rは、フェニル環に対してオルト位にある。いくつかの実施形態では、上記プロセスで産生された式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-安息香酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質はベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-メチルフェニル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、4-メチルベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、構造式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-(2-クロロフェニル)-3-ヒドロキシプロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、2-クロロベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシベンゼン)-3-ヒドロキシプロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は4-ヒドロキシベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(3-ニトロフェニル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は3-ニトロベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-(4-フルオロ-3-ニトロフェニル)-3-ヒドロキシプロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、4-フルオロ-3-ニトロベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-2-メチル-3-(3-ニトロフェニル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はL-アラニンであり、式(II)のアルデヒド基質は、3-ニトロベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(2-ニトロフェニル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は2-ニトロベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-3-[p-(メチルスルホニル)フェニル]3-ヒドロキシ-2-アミノ-プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質は、グリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、p-メチルスルホンベンズアルデヒドである
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-メルカプトフェニル)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、4-メルカプトベンズアルデヒドである:
このプロセスのいくつかの実施形態では、式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-メルカプトメチルベンゼン)プロパン酸であり:
式(III)のアミノ酸基質はグリシンであり、式(II)のアルデヒド基質は、4-メルカプトメチルベンズアルデヒドである:
いくつかの実施形態では、上記プロセスで産生された式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸生成物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
いくつかの実施形態では、改善された、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、ジアステレオマー過剰率の式A2(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸の化合物:
の調製に使用することができる。
これらの実施形態では、本プロセスは、好適な有機溶媒中、グリシンの存在下で、式A1の化合物を式A2の化合物に変換するのに好適な反応条件下で、式A1の化合物:
を、本明細書に開示の操作されたアルドラーゼポリペプチドと接触させることを含む。
上記プロセスのいくつかの実施形態では、式(I)の化合物または式A2の化合物は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する。
上記プロセスで使用できる操作されたアルドラーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、230、232、234、236から選択されアミノ酸配列を含む。
本明細書に記載され、実施例に例示されるように、本開示は、これらに限定されないが、pH、温度、緩衝液、溶媒系、基質負荷、生成物ジアステレオマーの混合物、ポリペプチド負荷、補因子負荷、圧力、および反応時間など、本明細書のプロセスで使用され得る好適な反応条件の範囲を企図する。本明細書に記載の操作されたアルドラーゼポリペプチドを使用して、生体触媒により、基質化合物を生成物化合物に変換する方法を実行するための追加の好適な反応条件は、これに限定されないが、操作されたアルドラーゼポリペプチドが、様々な濃度、pH、温度、溶媒条件の実験反応条件下で基質化合物と接触させることなどのルーチン実験により容易に最適化でき、生成物化合物は、例えば、本明細書で提供される実施例に記載の方法を使用して検出される。
上記のとおり、本開示のプロセスで使用するためのアルドラーゼ活性を有する操作されたポリペプチドは、一般に、配列番号4~236の偶数番号の配列のいずれか1つから選択された参照アミノ酸配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
反応混合物中の基質化合物は、例えば、所望の生成物化合物の量、酵素活性に対する基質濃度の影響、本反応条件下での酵素の安定性、および基質から生成物への転換率を考慮して変化させることができる。プロセスのいくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、少なくとも約0.5~約400g/L、約1~約400g/L、約5~約400g/L、約10~約400g/L、または約50~約400g/Lの基質(II)または基質A1の負荷が挙げられる。いくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、少なくとも約0.5g/L、少なくとも約1g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約100g/L、少なくとも約150g/L、少なくとも約200g/L、少なくとも約250g/L、少なくとも約300g/L、少なくとも約350g/L、少なくとも約400g/Lまたはそれ以上の基質(II)または基質A1の負荷が挙げられる。本明細書で提供される基質負荷の値は、化合物(II)またはA1の分子量に基づくが、本プロセスにおいては、化合物(II)またはA1の様々な水和物および塩の等モル量を使用することも企図される。
本明細書に記載のプロセスでは、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、アミノ酸およびアルデヒド化合物を使用して生成物化合物を形成する。いくつかの実施形態では、反応条件のアミノ酸としては、グリシン、D、L-アラニン、D、L-セリン、D、L-システイン、D、L-ロイシン、D、L-イソロイシン、D、L-メチオニン、D、L-スレオニンまたはD、L-バリンから選択される化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、アミノ酸はグリシンである。いくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、基質(II)のモル負荷の少なくとも約1倍の負荷で存在するアミノ酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、グリシンは、基質(II)のモル負荷の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍の負荷で存在する。
プロセスの好適な反応条件としては、一般に、反応混合物中に補因子が存在することも挙げられる。操作されたアルドラーゼは、典型的には、ビタミンB6ファミリーのメンバーを使用するため、反応条件としては、ピリドキサール-5’-リン酸塩(ピリドキサールリン酸塩、PLP、P5Pとしても知られる)、ピリドキシン(PN)、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)、およびそれらのリン酸化対応物;ピリドキシンリン酸塩(PNP)、およびピリドキサミンリン酸塩(PMP)から選択される1つ以上の化合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、約0.1g/L~約10g/L、約0.2g/L~約5g/L、約0.5g/L~約2.5g/Lの濃度のPLP、PN、PL、PM、PNPおよびPMPからなる群から選択される補因子を挙げることができる。いくつかの実施形態では、補因子は、PLPである。したがって、いくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、約0.1g/L~約10g/L、約0.2g/L~約5g/L、約0.5g/L~約2.5g/Lの濃度の補因子PLPを挙げることができる。いくつかの実施形態では、反応条件としては、約10g/L以下、約5g/L以下、約2.5g/L以下、約1.0g/L以下、約0.5g/L以下、または約0.2g/L以下のPLP濃度が挙げられる。
プロセスのいくつかの実施形態(例えば、全細胞または溶解物が使用される場合)では、補因子は、細胞抽出物に自然に存在し、補充する必要はない。本プロセスのいくつかの実施形態では(例えば、部分的に精製された、または精製されたアルドラーゼを使用する)、本プロセスは、酵素反応混合物に補因子を添加するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、反応の開始時に補因子が添加され、かつ/または反応中に追加の補因子が添加される。
この反応の実施形態では、反応条件は、好適なpHを含み得る。上記のとおり、酸または塩基、好適な緩衝液、または緩衝液と添加された酸または塩基の組み合わせを使用することにより、所望のpHまたは所望のpH範囲を維持することができる。反応混合物のpHは、反応前および/または反応中に制御することができる。いくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、約4~約8の溶液pH、約5~約7のpH、約6~約7のpHが挙げられる。いくつかの実施形態では、反応条件としては、約4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5または8の溶液pHが挙げられる。
本明細書のプロセスの実施形態では、例えば、より高い温度での反応速度の増加、十分な反応期間中での酵素の活性を考慮して、好適な温度を反応条件に使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、約10℃~約60℃、約25℃~約50℃、約25℃~約40℃、または約25℃~約30℃の温度が挙げられる。いくつかの実施形態では、好適な反応温度としては、約25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、または60℃の温度が挙げられる。いくつかの実施形態では、酵素反応中の温度は、反応全体を通して特定の温度に維持することができる。いくつかの実施形態では、酵素反応中の温度は、反応の過程中の温度プロファイルで調整され得る。
操作されたアルドラーゼを使用するプロセスは、一般的に溶媒中で実行される。好適な溶媒としては、水、緩衝水溶液、有機溶媒、および/または共溶媒系が挙げられ、これらには一般に水性溶媒および有機溶媒が挙げられる。水溶液(水または水性共溶媒系)は、pH緩衝または非緩衝であり得る。いくつかの実施形態では、操作されたアルドラーゼポリペプチドを使用するプロセスは、一般に、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸ブチル、1-オクタノール、ヘプタン、オクタン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、トルエンなど)、イオン液体(例えば、1-エチル4-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェートなど)を含む水性共溶媒系で行われる。水性共溶媒系の有機溶媒成分は、単一の液相となる水性成分と混和性であるか、または2つの液相となる水性成分と部分的に混和性または非混和性であり得る。例示的な水性共溶媒系は、水および1つ以上の有機溶媒を含む。一般に、水性共溶媒系の有機溶媒成分は、アルドラーゼを完全に不活性化しないように選択される。好適な共溶媒系は、本明細書に記載されているものなどの酵素活性アッセイを利用して、候補溶媒系内の定義された目的の基質で、特定の操作されたアルドラーゼの酵素活性を測定することにより容易に識別できる。プロセスのいくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、約1%~約100%(v/v)、約1%~約60%(v/v)、約2%~約60%(v/v)、約5%~約60%(v/v)、約10%~約60%(v/v)、約10%~約50%(v/v)、または約10%~約40%(v/v)の濃度のエタノールを含む水性共溶媒が挙げられる。プロセスのいくつかの実施形態では、好適な反応条件としては、少なくとも約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、または60%(v/v)の濃度のエタノールを含む水性共溶媒が挙げられる。
好適な反応条件としては、その対応する生成物化合物への基質化合物の生体触媒変換をもたらす反応パラメータの組み合わせを挙げることができる。したがって、本プロセスのいくつかの実施形態では、反応パラメータの組み合わせは、以下を含む:(a)基質A1の負荷は、約10g/L~約200g/Lである。(b)グリシン負荷は、基質A1のモル量の約3~10倍である。(c)操作されたポリペプチド濃度が約0.5g/L~10g/Lである。(d)PLP補因子濃度が約0.1mM~10mMである。(e)DMSOまたはエタノールの濃度が、約20%(v/v)~約60%(v/v)である。(f)pHが約4.0~8.0である。および(g)温度が約10~60℃である。
例示的な反応条件には、表2および実施例3に提供されるアッセイ条件が含まれる。
本明細書に記載の反応の実施において、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、部分精製形態または精製形態で、操作されたアルドラーゼポリペプチドをコードする遺伝子で形質転換された全細胞、ならびに/または細胞抽出物および/もしくはこうした細胞の溶解物として、反応混合物に添加され得る。操作されたアルドラーゼをコードする遺伝子で形質転換された全細胞、または細胞抽出物、それらの溶解物、および単離された酵素は、固体(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥など)または半固体(例えば、粗ペースト)など幅広い範囲の異なる形態で使用され得る。細胞抽出物または細胞溶解物は、沈殿(例えば、硫酸アンモニウム、ポリエチレンイミン、熱処理など)によって部分的に精製され、その後、凍結乾燥の前に脱塩手順(例えば、限外濾過、透析など)が行われ得る。酵素調製物はいずれも、グルタルアルデヒドなどの既知の架橋剤を使用した架橋、または固相材料(樹脂など)への固定化により安定化できる。
本明細書に記載の反応のいくつかの実施形態では、反応は、本明細書に記載の好適な反応条件下で実施され、操作されたアルドラーゼポリペプチドは、固体支持体に固定化される。反応を行うために、操作されたアルドラーゼ酵素を固定化するのに有用な固体支持体としては、エポキシ官能基を有するポリメタクリレート、アミノエポキシ官能基を有するポリメタクリレート、ポリメタクリレート、スチレン/DVBコポリマー、またはオクタデシル官能基を有するポリメタクリレートなどのビーズまたは樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な固体支持体としては、これらに限定されないが、以下の異なる種類のSEPABEADを含むキトサンビーズ、Eupergit C、およびSEPABEAD(Mitsubishi)が挙げられる:EC-EP、EC-HFA/S、EXA252、EXE119およびEXE120。
操作されたポリペプチドが分泌されたポリペプチドの形態で発現されるいくつかの実施形態では、分泌されたポリペプチドを含む培養培地を本明細書のプロセスで使用することができる。
いくつかの実施形態では、固体反応物(例えば、酵素、塩など)は、粉末(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥など)、溶液、乳液、懸濁液など、様々な異なる形態で反応に提供され得る。反応物は、当業者に公知の方法および機器を使用して、容易に凍結乾燥または噴霧乾燥させ得る。例えば、タンパク質溶液を少量のアリコットにして、-80℃で凍結し、事前に冷却した凍結乾燥チャンバに加えて、真空を用いることができる。
いくつかの実施形態では、反応物の添加の順序は重要ではない。反応物は、同時に溶媒に一緒に加えられてもよい(例えば、単相溶媒、二相水性共溶媒系など)、あるいは、いくつかの反応物は、別々に加えられてもよく、いくつかは、異なる時点で一緒に加えられてもよい。例えば、補因子、アルドラーゼ、および基質を最初に溶媒に加えてもよい。水性共溶媒系を使用する際の混合効率を改善するために、アルドラーゼおよび補因子を最初に水相に加えて混合することができる。次に、有機相を加えて混合し、その後、基質を加えることができる。あるいは、水相に添加する前に、有機相内で基質を予混合することができる。
本開示の異なる特徴および実施形態は、以下の代表的な例において例示され、これらは例示的であり、限定的ではないことが意図される。
3.実施例
以下の実施例は、本発明をさらに例解するが、本発明はそれらに限定するものではない。以下の実施例では、条件が指定されていない実験方法は、一般的に使用される条件で、または供給業者の提案に従って実施した。
実施例1:遺伝子クローニングおよび発現ベクターの構築
シュードモナス・プチダ由来の野生型アルドラーゼのアミノ酸配列は、NCBIから回収することができ、その後、その対応する核酸は、当技術分野の従来技術を使用してベンダーにより合成され、発現ベクターpACYC-Duet-1にクローニングさせた。組換え発現プラスミドは、42℃および90秒間の熱ショックの条件下で、大腸菌BL21(DE3)コンピテント細胞に形質転換させた。クロラムフェニコールを含むLB寒天プレートに形質転換溶液を播種し、37℃で一晩インキュベートした。組換え形質転換体を得た。
実施例2:アルドラーゼポリペプチドの組換え発現
組換え大腸菌BL21(DE3)など実施例1から得られた形質転換体を、クロラムフェニコールを含むLB培地(ペプトン10g/L、酵母エキス5g/L、NaCl10g/L、pH7.0)に播種し、30℃、250rpmで、振盪インキュベーターにより一晩培養した。一晩培養したものを、250mLのTB培地(トリプトン12g/L、酵母エキス24g/L、グリセロール4mL/L、PBS)を含む1Lフラスコに入れ、30℃、250rpmの振盪インキュベーターで継代培養した。継代培養液のOD600が0.6~0.8に達すると、IPTGを添加して、最終濃度0.1mmol/Lで、組換えアルドラーゼの発現を誘導した。一晩発現させた後、培養液を遠心分離して静止細胞を得た。ペレット化された静止細胞をpH7.4緩衝液に懸濁し、次いで、氷浴で超音波処理して細胞溶解物を得た。細胞溶解物の上清を、組換えアルドラーゼの粗酵素溶液として遠心分離により回収し、凍結乾燥装置を使用して上清をさらに凍結乾燥させて、粗酵素粉末を得た。
上記の振盪フラスコを使用する組換え発現プロセスに従って、96ウェルプレートでの小規模発現プロセスは、スケールを比例的に縮小することにより実行した。粗酵素溶液は、超音波処理ではなく化学溶解によって得た。
実施例3:アルドラーゼポリペプチドの活性および立体選択性を測定するための反応条件および分析方法
96ウェルプレートに、p-ニトロベンズアルデヒドを最終濃度7.5g/Lで添加した。添加前にp-ニトロベンズアルデヒドをエタノール(EtOH)に溶解した。系内のエタノールの最終濃度は、40%(v/v)であったが、グリシンは、p-ニトロベンゼンアルデヒドのモル量の10倍(すなわち37.4/L)で加え、ピリドキサールリン酸塩(PLP)は、最終濃度0.05mmol/Lで添加し、最後に粗酵素溶液を添加した。反応物の総容量は、200μlであった。反応を4時間実行した後、50%アセトニトリルで反応をクエンチさせ、アルドラーゼポリペプチドを不活性化した。クエンチさせた反応物を遠心分離し、得られた上清を希釈し、次いでHPLC分析に供して、基質変換率および生成物A2のde値を求めた。
酵素反応は、上記の96ウェルマイクロプレート反応に基づいて、反応物総容量5mLまでスケールアップさせた。p-ニトロベンズアルデヒドの負荷は、40g/L、グリシンの負荷は199.2g/L、PLPの最終濃度は0.05mmol/L、系内のエタノールの濃度は、30%(v/v)、粗酵素粉末負荷は、4g/Lであった。
生成物の変換率およびde値を決定するための分析方法は以下のとおりであった:反応溶液を遠心分離し、上清を50%アセトニトリルで希釈して生成物濃度1g/L未満とした。この希釈サンプル10μlをAgilent 1260 HPLCに注入して、変換を分析した。カラムは、Phenomenex Chirex3126(D)-ペニシラミン150*4.6mm、移動相は3mM硫酸銅:メタノール=90:10、流速1mL/分、カラム温度50℃、および検出波長は235nmであった。(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸の保持時間は、22.53分であった。(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸の保持時間は、24.17分であった。p-ニトロベンズアルデヒドの保持時間は、28.65分であった。(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸および(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸の保持時間は、64.19分であった。合計分析時間は、70分であった。
実施例4:アルドラーゼ突然変異体ライブラリーの構築
本明細書では、Quikchangeキット(供給業者:Agilent)が好ましい。突然変異誘発プライマーの配列設計は、キットの指示に従って実施した。PCRシステムは、10μlの5x緩衝液、1μlの10mM dNTP、1μlのプラスミドDNA鋳型(50ng/μl)、それぞれ0.75μl(10μM)の上流および下流プライマー、0.5μlの高忠実度酵素、および36μlのddH2Oから構成され、PCRプライマーは、突然変異位置にNNKコドンを有する。
PCR増幅ステップ:(1)98℃、前変性3分、(2)98℃、変性10秒、(3)72℃で3分間のアニーリングおよび伸長(ステップ(2)~(3)を25回繰り返す)、(5)72℃で10分間伸長、(6)4℃まで冷却。2μlのDpnIをPCR産物に添加し、37℃で一晩消化することによりプラスミド鋳型を消失させた。消化されたPCR産物は、大腸菌BL21(DE3)コンピテント細胞に形質転換し、クロラムフェニコールを含むLB寒天プレートに播種して、部位飽和突然変異誘発ライブラリーを得た。
実施例5:アルドラーゼ突然変異体ライブラリーのハイスループットスクリーニング
突然変異体コロニーをLB寒天プレートから採取し、浅い96ウェルプレートで200μlのLB培地(クロラムフェニコールを含む)に播種し、30℃で一晩培養した。上記の培養液20μlを使用して、深ウェルプレートにTB培地(クロラムフェニコールを含む)400μlを播種した。深ウェル培養液のOD600が、0.6~0.8に達したら、最終濃度1mMで発現を誘導するためにIPTGを添加し、30℃で一晩発現させた。一晩の発現の終了後、培養液を4000rpmで10分間遠心分離して、細胞ペレットを得て、それに細胞溶解用試薬(1g/Lリゾチーム、0.5g/L PMBS)200μlを加えて、細胞を破壊した。次いで、細胞溶解物を10分間4000RPMで遠心分離し、その後60μl/ウェルの上清を、実施例3に記載した反応物を含む深ウェルプレートに移した。反応物を30~50℃で所望の時間振盪し、最後に50%アセトニトリルでクエンチさせた。分析のためにサンプルを採取した。
実施例6:操作されたアルドラーゼの発現のための発酵プロセス
標的アルドラーゼ遺伝子を担持するプラスミドを含む大腸菌の単一微生物コロニーを、30μg/mLクロラムフェニコールを含む50mL LBブロス(5.0g/L酵母抽出物、10g/Lトリプトン、10g/L塩化ナトリウム)に播種した。細胞は、30℃の振盪装置で、250rpmで振盪しながら、一晩(少なくとも16時間)インキュベートした。培養液のOD600が1.6~2.2に達したとき、培養液を使用して発酵槽に培地を播種した。
2.0Lの成長培地を含む5Lの発酵槽を121℃のオートクレーブで30分間滅菌した。上記の培養液は、発酵槽に播種した。発酵槽の温度を37℃に維持した。発酵槽内の成長培地を200~800rpmで撹拌し、2~8L/分で発酵容器に空気を供給して、溶存酸素レベルを30%飽和以上に維持した。培養液は、25~28%v/v水酸化アンモニウムの添加によりpH7.0に維持した。細胞の成長は、500g/Lのブドウ糖グルコース一水和物、12g/Lの塩化アンモニウム、および5g/Lの硫酸マグネシウム七水和物を含むフィード溶液を供給することにより、維持した。培養液のOD600が25±5に達した後、発酵槽の温度を低下させて、30℃で維持し、最終濃度1mMまでイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することにより、アルドラーゼポリペプチドの発現を誘導した。その後、発酵プロセスを、さらに18時間継続させた。発酵プロセス完了後、Thermo Multifuge X3R遠心分離機を使用して、8000rpm、4℃で、10分間、細胞を収穫した。収穫した細胞は、下流回収プロセスにおいて直接使用するか、-20℃で凍結保存した。
6gの細胞ペレットを、250μMピリドキサール5’-リン酸塩(PLP)を含む100mMリン酸カリウム緩衝液30mM(pH7.5、4℃)に再懸濁した。次いで、ホモジナイザーを使用して、細胞を細胞溶解物に均質化した。細胞溶解物は、4℃、8000rpmで、10分間、Thermo Multifuge X3R遠心分離機を使用して清澄化した。清澄化した上清を浅い容器に分注し、-20℃で凍結させ、凍結乾燥させて酵素粉末とした。アルドラーゼ酵素粉末は、-20℃で凍結保存した。
実施例7:アルドラーゼポリペプチドにより触媒されるアルデヒドおよびアミノ酸からの(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸の不斉合成
一例として、総容量1.0Lを取り、次のものを反応容器に添加した:グリシン178g、p-ニトロベンズアルデヒド30g、25%(v/v)エタノール水溶液942mL、配列番号6の酵素粉末4g、PLPストック溶液5mL(10mM)。反応温度は30℃に設定し、撹拌速度は、400rpmであった。8時間の反応後、基質の総変換率が20%以上、生成物A2のdeが95%以上であった。反応物のろ過により上清を得て、上清を濃縮して、固体粗生成物を沈殿させた。粗固体を25℃で撹拌することにより30分間純水300mLで洗浄した。ろ過を適用し、ろ過ケークを真空乾燥させて、純粋な生成物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸(化学純度99.5%、de≧99%)を得た。
実施例8:(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸からのD-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオールの調製
無水メタノール1000mLは、氷浴を伴う反応容器に加え、1時間撹拌した。反応容器の温度を5℃に維持し、1時間以内に塩化チオニル128mLを反応容器にゆっくり滴下した。塩化チオニルの添加が完了した後、反応混合物を1時間氷浴中で撹拌した。次に、(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロパン酸100gを反応物に加えた後、反応温度を25℃まで上げ、3時間撹拌した。次に、反応温度をゆっくりと65℃まで上昇させた(還流)。還流反応を約24時間実施した。エーテル化の完了後、いずれの液体も流出しなくなるまで、40℃で減圧することにより、SO、HCl、およびメタノールを除去した。次に、反応物を冷却するために1000mLの氷水を添加した。同時に、KOH溶液を滴下して反応物のpHを約8.0に調整し、反応物を1時間撹拌した。最後に、反応物をろ過し、ろ過ケークを水で洗浄した。エステル生成物であるろ過ケークを乾燥させた後、80gの白色固体物質を得た。
エステル生成物を還元することによりD-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオールを得るために、THF1200mL、エステル生成物75gを反応容器に加え、30分間撹拌した。次いで、NaBH412gをゆっくりと反応物に加え、1時間の撹拌後、加熱還流(50~55℃)させた。続いて、メタノール160mLを30分以内にゆっくりと反応物に滴下し、その後3時間撹拌して反応を終了させた。濃塩酸を使用して、終了した反応物のpHを2以下に調整し、一晩撹拌した。反応物をろ過し、ろ液からTHFおよびメタノールを減圧除去した。次いで、500mLの純水をろ液に添加して、KOHを添加して、pH10以上に調整した。ろ液を4℃に維持して、結晶化が生じるようにした。結晶化した物質をろ過により回収し、ろ過ケークを乾燥させて約55gのD-(-)-スレオ-2-アミノ-1-(4-ニトロフェニル)-1,3-プロパンジオールを得た。
実施例9アルドラーゼポリペプチドにより触媒される(2S,3R)-3-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-3-ヒドロキシ-2-アミノ-プロパン酸の不斉合成
一例として、総容量1.0Lを取り、次のものを反応容器に添加した:178gのグリシン、40gのp-メチルスルホニルベンズアルデヒド、958mLの40%(v/v)エタノール水溶液、4gの配列番号18の酵素粉末、5mLのPLPストック溶液(10mM)。反応温度は30℃に設定し、撹拌速度は、400rpmであった。6時間反応させた後、p-メチルスルホニルベンズアルデヒドの変換率は、40%以上であった。生成物(2S,3R)-3-[p-(メチルスルホニル)フェニル]-ヒドロキシ-2-アミノ-プロパン酸のdeは、90%以上であった。
実施例10アルドラーゼポリペプチドにより触媒される(2S,3R)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシベンゼン)-3-ヒドロキシプロパン酸の不斉合成
例えば、反応物総容量1.0Lを取り、次のものを反応容器に添加した:グリシン55g、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド10g、脱イオン水960mL、配列番号44の酵素粉末10g、PLPストック溶液5mL(10mM)。反応温度を30℃に設定し、撹拌速度は400rpmであった。2時間反応させた後、基質3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドの総変換率は、40%以上であった。
本発明の上記内容を読了後、当業者は、本発明に様々な修正または変更を加え得ることを理解されたい。これらの同等の形態も、本発明の添付の特許請求の範囲内に含まれる。

Claims (19)

  1. 配列番号24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166、168、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、224、226、228、および230からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである、操作されたポリペプチド。
  2. 化学結合または物理吸着法により固体材料上に固定化されたポリペプチドであって、請求項1に記載の操作されたポリペプチドから選択されるポリペプチド。
  3. 請求項1に記載の操作されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  4. 配列番号23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、225、227、または229のポリヌクレオチド配列である、請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 請求項3または4に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  6. プラスミド、コスミド、バクテリオファージまたはウイルスベクターを含む、請求項5に記載の発現ベクター。
  7. 請求項5または6に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  8. 請求項7に記載の宿主細胞を培養するステップ、および培養液からアルドラーゼポリペプチドを得るステップを含む、アルドラーゼポリペプチドの調製方法。
  9. 請求項1に記載の操作されたポリペプチドを含むアルドラーゼ触媒であって、前記アルドラーゼ触媒は、(a)請求項7に記載の宿主細胞もしくは前記ポリペプチドを含む培養液、または(b)前記ポリペプチドを含む宿主細胞の処理物もしくは培養液の処理物を含み、前記処理物は、(i)前記宿主細胞の培養液抽出物、(ii)前記培養液の抽出物由来のアルドラーゼ単離生成物、または(iii)宿主細胞の固定産物、宿主細胞の抽出物の固定産物、もしくは前記培養液の抽出物由来のアルドラーゼ単離生成物の固定産物である、アルドラーゼ触媒。
  10. 式(I)のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸を調製するプロセスであって:
    式(I)の前記β-ヒドロキシ-α-アミノ酸は、*でマークされたキラル中心に、示された立体化学配置を有し;
    は、置換もしくは非置換アリール、もしくは置換もしくは非置換ヘテロアリールであるか、または、置換もしくは非置換C~Cヒドロカルビルであり、
    は、-H、-CHOH、-CHSH、-CHSCH、または置換もしくは非置換C~Cヒドロカルビルであり、
    式(II)のアルデヒド基質および式(III)のアミノ酸基質を、
    前記アルデヒド基質および前記アミノ酸基質を変換させて、β-ヒドロキシ-α-アミノ酸を生成するための好適な反応条件下で、請求項1または2に記載の操作されたポリペプチドと接触させることを含み、
    式(I)の前記β-ヒドロキシ-α-アミノ酸が、ジアステレオマー過剰で得られ、
    前記好適な反応条件が、10℃~60℃の温度および/またはpH4.0~pH8.0を含む、プロセス。
  11. 式(I)の前記β-ヒドロキシ-α-アミノ酸が、
    (式中、Rは、-H、-CH、-CHCH、-CH(CH、-CHOH、-CHSHまたは-CHSCHであり、Rは、C~Cヒドロカルビル、-H、ハロゲン(-F、-Cl、-Br、または-I)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’R’、-OR’、-COR’または-COR’、-C(O)NR’、-SONHまたは-SONH、-CN、-CFであり、各R’は、独立して-Hまたは(C~C)ヒドロカルビルから選択され;Rは、
    は、C~Cヒドロカルビル、-H、ハロゲン(-F、-Cl、-Br、または-I)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’R’-OR’、-COR’または-COR’、-C(O)NR’-SONHまたは-SONH、-CN、-CFであり、各R’は、独立して-Hまたは(C~C)ヒドロカルビルから選択される);式(II)のアルデヒド基質は、
    (式中、Rは、C~Cヒドロカルビル、-H、ハロゲン(-F、-Cl、-Br、または-I)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’R’、-OR’、-COR’または-COR’、-C(O)NR’、-SONHまたは-SONH、-CN、-CFであり、各R’は、独立して-Hまたは(C~C)ヒドロカルビルから選択され;Rは、
    は、C~Cヒドロカルビル、-H、ハロゲン(-F、-Cl、-Br、または-I)、-NO、-NO、-SOR’または-SOR’、-SR’、-NR’R’-OR’、-COR’または-COR’、-C(O)NR’-SONHまたは-SONH、-CN、-CFであり、各R’は、独立して-Hまたは(C~C)ヒドロカルビルから選択される)
    請求項10に記載のプロセス。
  12. が、フェニル環のパラ位にあるか、もしくはRが、前記フェニル環のメタ位にあるか、もしくはRが、前記フェニル環のオルト位にあるか、またはRが、前記フェニル環のパラ位およびメタ位の両方にあるか、もしくはRが、前記フェニル環のパラ位およびオルト位の両方にあるか、もしくはRが、前記フェニル環のメタ位およびオルト位の両方である、請求項11に記載のプロセス。
  13. 式(I)の前記β-ヒドロキシ-α-アミノ酸が:
    請求項10または11に記載のプロセス。
  14. 式A2の化合物(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(4-ニトロフェニル)プロピオン酸を調製するためのプロセスであって、
    グリシンの存在下で、好適な溶媒中、式A1の化合物を
    式A2の化合物に変換させる好適な反応条件下で、式A1のp-ニトロベンズアルデヒドを請求項1または2に記載の操作されたポリペプチドと接触させることを含み、
    前記好適な反応条件が、10℃~60℃の温度および/またはpH4.0~pH8.0を含み、
    前記好適な溶媒が、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはジメチルホルムアミド(DMF)を含む、プロセス。
  15. 前記β-ヒドロキシ-α-アミノ酸が、少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上のジアステレオマー過剰率で存在する、請求項10~14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記反応が、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはジメチルホルムアミド(DMF)を含む溶媒中で実施される、請求項10~13および15のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 前記好適な反応条件が、10℃~60℃の温度を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. 前記好適な反応条件が、pH4.0~pH8.0を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記アルデヒド基質が、5g/L~400g/Lの負荷で存在する、請求項10~18のいずれか一項に記載のプロセス。
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