JP7401825B2 - 量子回路、量子コンピュータ及び量子回路の製造方法 - Google Patents

量子回路、量子コンピュータ及び量子回路の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、量子回路、量子コンピュータ及び量子回路の製造方法に関する。
近年、欧米のICT(Information and Communication Technology)企業を中心に、様々な計算用途に利用可能な汎用型量子コンピュータの研究開発が精力的に進められている。2014年、当時UCSB(University of California, Santa Barbara)のMartinisらの研究グループが超伝導方式の5量子ビット量子コンピュータにおいて高忠実度のゲート操作や測定が可能であることを示した(たとえば、非特許文献1参照)。これを契機に、超伝導型量子コンピュータを用いた商用サービスの利用開始や量子超越性実証の報告があり(たとえば、非特許文献2,3参照)、世界的にも汎用型量子コンピュータの実用化に対する期待が高まってきている。
ただ、汎用計算に向けた計算アルゴリズムの先行研究結果から、量子化学計算や量子シミュレーション、計算結果の信頼性を担保可能なエラー耐性量子コンピュータの実現には、1万から1億量子ビットを要すると考えられている(たとえば、非特許文献4参照)。これは現状が数十量子ビット程度であることを考えると、大幅な拡張となる。現在主流の超伝導方式は、高々50量子ビットサイズのスケールでも素子の冷却にHe-He希釈冷凍機を利用した巨大な冷却装置(クライオスタット)が用いられることもあり集積性に乏しい。さらに系の時間当たりの演算回数を決めるパラメータとなる系のコヒーレンス時間がμsオーダーで短いといった物理的制約を受ける。また、超伝導方式の量子コンピュータは、1つの量子ビットは隣接する4つの量子ビットとしかエンタングルメント(量子計算に不可欠なビット間にまたがる結合状態)の形成ができない(たとえば、非特許文献3参照)。エンタングルメントを形成可能なノード数は、量子コンピュータの計算性能に直結するパラメータであることを鑑みると、当該方式ではスケールの拡張性に乏しい。
ところで、量子素子の1つとしてダイヤモンド色中心がある(以下単に色中心と呼ぶ)。色中心は、母材を構成する炭素(C)原子が窒素(N)やシリコン(Si)などの不純物原子により置換されるときに空孔の生成を伴って形成される複合欠陥の一種であり、その電子系はスピンを有する(たとえば、非特許文献5,6参照)。色中心は、固体系でありながらダイヤモンドを構成する炭素原子間の強い結合を反映したmsオーダーの長いコヒーレンス時間を有する。さらに色中心は、その電子準位に対しては、マイクロ波によるコヒーレント制御(量子状態制御)と、その準位間の光学遷移過程を利用した室温で動作可能な単一光子源となり得る。そのため、色中心の準位間のエネルギーに等しい共鳴光を入射することで、光子を介した電子スピン状態の読み取りが可能であることが知られている(たとえば、非特許文献7参照)。
さらに、ダイヤモンド色中心の基底状態は結晶場相互作用、外部磁場との相互作用(ゼーマン効果と呼ばれる)、14Nや13Cなどの核スピンを有する原子との相互作用(超微細相互作用)により微細構造に分裂する(たとえば、特許文献2、非特許文献8参照)。したがって、色中心は、超微細相互作用を介して自身の電子スピン状態を核スピンに転写することが可能である。一般に、電子(スピン)は格子やスピンを有する原子・結晶欠陥といった環境との相互作用によって擾乱を受けるが、核スピンは環境との相互作用が弱く擾乱に強いため、minオーダーのコヒーレンス時間をもち、核スピンを含む色中心のスピン系は量子レジスタまたは量子ビットとして高いポテンシャルをもつ。
米国特許出願公開第2018/114138号公報 特表2015-504592号公報
Nature, (米), April 24, 2014, Vol.508, p.500-503 "ビジネスおよびサイエンスに向けた初の汎用量子コンピュータ構築の取り組みご報告"、[online]、2017年3月8日、IBM、[令和2年9月3日検索]、インターネット<URL:https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/qibm_announcement_2017mar/> Nature, (米), October 24, 2019, Vol.574, p.505-510 "戦略プロポーザルみんなの量子コンピューター"、研究開発戦略センター、2018年12月、CRDS-FY2018-SP-04、p.21-22 Physical Review X, (米), March 31, 2014, 4, 011057 Nature Electronics, (米), July, 2019, Vol.2, p.284-289 John F. Barry et al, "Sensitivity Optimization for NV-Diamond Magnetometry", (米), arXiv:1903.08176v2, May 29, 2020 Marcus W. Doherty et al, "The nitrogen-vacancy colour centre in diamond", (米), arXiv:1905.02094v2, February 15, 2013 Nature Physics, (米), November, 2005, Vol.1, p.94-98
しかしながら、色中心などを含む単一光子源から放出される単一光子は伝搬空間で損失を受けるため、自由空間光学系では高い検出効率を担保しつつ単一光子源の空間配置を大規模化することが困難であった。
1つの側面では、本発明は、量子コンピュータの大規模化を可能とする量子回路、量子コンピュータ及び量子回路の製造方法を提供することを目的とする。
1つの実施態様では、基板上に形成され、それぞれが単一光子源を含む複数の第1の光導波路及び複数の第2の光導波路と、前記基板上に形成され、前記複数の第1の光導波路を伝搬する第1の光子を集光する第1の合波器と、前記基板上に形成され、前記複数の第2の光導波路を伝搬する第2の光子を集光する第2の合波器と、前記第1の合波器が集光した前記第1の光子と、前記第2の合波器が集光した前記第2の光子とを導入し、第1の方向または第2の方向に分岐させる分岐素子と、前記第1の方向または前記第2の方向に分岐した前記第1の光子または前記第2の光子を検出する第1の検出器及び第2の検出器と、を含む量子回路が提供される。
また、1つの実施態様では、量子コンピュータが提供される。
また、1つの実施態様では、量子回路の製造方法が提供される。
1つの側面では、本発明は、大規模量子コンピュータの提供が可能となる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
第1の実施の形態の量子回路の単位構造の一例を示す上面図である。 図1のII-II線における断面図である。 NV中心の量子準位の変化の例を示す図である。 NV中心の電子スピン状態の操作と状態の読み出し方法の一例を示す図である。 第1の実施の形態の量子回路の全体構造の一例を示す上面図である。 色中心間のエンタングルメントの形成を説明する図である。 合波器の1つ目の例を示す図である。 合波器の2つ目の例を示す図である。 単一光子源を含む光導波路の製造工程の一例を示す断面図である。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その1)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その2)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その3)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その4)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その5)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その6)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その7)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その8)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その9)。 合波器の製造工程の一例を示す斜視図である(その10)。 色中心の軸方向と静磁場の向きと電場ベクトルの向きの例を示す図である。 量子コンピュータの一例を示す図である。 量子計算の一例を示す図である。 第2の実施の形態の量子回路の一例を示す図である。 第3の実施の形態の量子回路の一例を示す図である。
以下、発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の量子回路の単位構造の一例を示す上面図である。
量子回路10の単位構造は、アレイ状に形成されそれぞれが単一光子源(図1の単一光子源11a1,11a2,11a3,11a4,11a5のうちの1つ)を含む複数の光導波路12a1,12a2,12a3,12a4,12a5と、合波器13aを有する。これらは同一基板上に形成されている。なお、光導波路の本数は、5本に限定されるものではなく、6本以上とすることも可能である。
以下、単一光子源が前述の色中心を含むものであるとして説明するが、単一光子源は色中心を含むものに限定されるものではなく、他の単一光子源を用いることもできる。他の単一光子源として、たとえば、半導体量子ドットを含むものがある。
色中心は、ダイヤモンド単結晶内の不純物原子と、不純物原子と隣接する空孔とによって形成される複合欠陥の一種である。不純物原子は、窒素(N)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)または鉛(Pb)のうちの少なくとも1つである。図1には、窒素を用いた色中心(以下、NV中心という)の例が示されている。Vは、空孔であり、黒丸は炭素原子である。
光導波路12a1~12a5として、たとえば、窒化アルミニウム(AlN)などを用いた伝搬損失が低い細線導波路を用いることができる。
合波器13aは、光導波路12a1~12a5を伝搬する光子を集光する。合波器13aの具体例については後述するが、合波器13aについても伝搬損失を低減する構成とすることができる。
また、図1の例では、量子回路10は、単一光子源11a1~11a5のそれぞれに対して個別にマイクロ波のパルス信号を与えるMWパルス信号発生器14a1,14a2,14a3,14a4,14a5を有している。マイクロ波のパルス信号は、量子ビットとして機能する複合欠陥(色中心)の電子スピン状態の操作に用いられる。
さらに、図1の例では、量子回路10は、単一光子源11a1~11a5のそれぞれに対して個別に静磁場を印加する磁場発生器15a1,15a2,15a3,15a4,15a5を有している。静磁場は、後述のゼーマン分裂を発生させる。なお、磁場発生器は、基底準位及び励起準位のゼーマン分裂幅が均一な色中心を形成できれば、単一光子源11a1~11a5に対して個々に設けなくてもよく、全体に均一な静磁場を印加するものであってもよい。
MWパルス信号発生器14a1~14a5と磁場発生器15a1~15a5は、単一光子源11a1~11a5の下方に配置される。
図2は、図1のII-II線における断面図である。
図2にはMWパルス信号発生器14a1~14a5のうちの1つであるMWパルス信号発生器14a3と、磁場発生器15a1~15a5のうちの1つである磁場発生器15a3の概略形状が示されている。MWパルス信号発生器14a3や磁場発生器15a3はループ型の形状を有しており、層25に形成されている。
層25の上には、半導体基板26(たとえば、シリコン基板)が設けられ、半導体基板26の上に絶縁層27(たとえば、シリコン酸化膜)を介して単一光子源11a3を含む光導波路12a3や合波器13aが形成されている。絶縁層27は、光導波路12a3や合波器13aの密着性を高めるために形成されている。
図3は、NV中心の量子準位の変化の例を示す図である。
NV中心は、s(スピン量子数)=1であり、静磁場が印加されていない場合でも結晶場分裂によって、図3のようにm(磁気量子数)=0の準位と、m=±1の準位が縮退している準位である2つの基底準位を有する基底三重項状態をもつ。2準位間のエネルギーに対応した周波数は2.88GHz程度である。この状態において、NV中心の軸方向に静磁場が印加された場合、ゼーマン分裂によってm=±1の準位の縮退が解け、基底準位は3準位となる。m=+1の準位とm=-1の準位間のエネルギーに対応した周波数は0.1GHz程度である。また、NV中心は、14Nや13Cなどの核スピンを有する原子との相互作用によって、3準位のそれぞれはさらに微細な準位に分裂される。つまり、電子スピン状態と核スピン状態とが互いに結合されることで、さらに細かい準位が形成される。3つの準位のそれぞれが分裂される準位の幅のエネルギーに対応した周波数は0.005GHz以下程度である。
なお、上記では基底準位についての変化を示したが、励起状態についても同様の変化を示す。
図4は、NV中心の電子スピン状態の操作と状態の読み出し方法の一例を示す図である。図4には、静磁場印加後のNV中心の基底状態(A)と、励起状態(E)が示されている。なお、図4では、A、Eとも核スピンとの相互作用により生じる細かい準位についてもm=0,±1の3つの準位のそれぞれにまとめて1本の線により示されている。
NV中心は、電子スピン状態と核スピン状態における複数の量子準位のうち、準位間のエネルギー差が、NV中心に照射されるレーザのエネルギー線幅より小さく、レーザにより同時に共鳴励起可能な程度に近い2系列の2つの準位を内包している。
本実施の形態では、上記2つの準位である、m=0の準位である基底最低準位(状態|↑>≡|0>の準位)と、m=-1の準位である基底第2準位(状態|↓>≡|-1>の準位)が、量子ビットの2つの状態の準位として用いられる。なお、m=0の準位である基底最低準位と、m=+1の準位である基底第1準位を、量子ビットの2つの状態の準位として用いることも可能である。
また、図4には、ラビ振動を示すグラフが示されている。横軸はΩt(Ωはラビ振動の周波数、tは時間)、縦軸は電子が|↑>の状態にいる確率を示す。
たとえば、あるNV中心に対して、パルス幅がt=(π/2)/Ωを満たすようなマイクロ波のパルス信号を与え、|↑>と|↓>の2準位間で共鳴励起させることで、|↑>と|↓>の重ね合わせ状態:(1/√2)(|↑>+|↓>))を得ることができる。この操作は、量子ゲート操作の1つであるアダマール変換に相当する。
図1に示したMWパルス信号発生器14a1~14a5は、単一光子源11a1~11a5のそれぞれに対して、たとえば、上記のような電子スピン状態の操作を行うために用いられる。
上記のような電子スピン状態の操作によって得られた状態は、基底-励起準位間(E-A)のエネルギー差に等しいエネルギーをもつ光パルス(レーザ)を、NV中心に与えることで生じる発光の有無によって読み出すことができる。NV中心の場合、上記エネルギー差に対応する波長は637nmである。
NV中心の電子が|↑>の状態である場合(m=0の準位にいる場合)、上記エネルギー差に等しいエネルギーをもつ光パルスをNV中心に与えたとき、発光(緩和発光)が生じる。これに対して、NV中心の電子が|↓>の状態である場合(m=-1の準位にいる場合)、上記エネルギー差に等しいエネルギーをもつ光パルスをNV中心に与えたとき、発光がない非輻射緩和が生じる。発光の有無(光子の有無)は、光導波路12a1~12a5、合波器13aなどを介して後述の検出器により検出される。
図5は、第1の実施の形態の量子回路の全体構造の一例を示す上面図である。
量子回路10は、入力部10a、導波路部10b、出力部10cを有する。
導波路部10bには、図1に示した単位構造が2つ設けられている。すなわち、導波路部10bは、図1に示した単位構造の他にもう1つの単位構造を有する。もう1つの単位構造は、アレイ状に形成されそれぞれが単一光子源(図3の単一光子源11b1,11b2,11b3,11b4,11b5のうちの1つ)を含む複数の光導波路12b1,12b2,12b3,12b4,12b5と、合波器13bを有する。なお、図5では図示が省略されているが、図1と同様に、単一光子源11a1~11a5,11b1~11b5のそれぞれの下方には、MWパルス信号発生器と磁場発生器が配置されている。
導波路部10bの光導波路12b1~12b5、合波器13bは、光導波路12a1~12a5、合波器13aと同様に、図2に示した半導体基板26上に形成される。これにより、導波路部10bは、1チップにより実現される。なお、入力部10aと出力部10cについても、半導体基板26上に形成するようにしてもよい。
入力部10aは、単一光子源11a1~11a5の何れかと、単一光子源11b1~11b5の何れかを選択して、光導波路を介して選択した単一光子源に共鳴励起用(または初期化用)の光パルスを照射する。入力部10aは、レーザ光源16a,16b、光導波路17a1,17a2,17a3,17a4,17a5,17b1,17b2,17b3,17b4,17b5を有する。さらに、入力部10aは、光スイッチ18a1,18a2,18a3,18a4,18a5,18b1,18b2,18b3,18b4,18b5を有する。
レーザ光源16a,16bのそれぞれは、前述の状態を読み出すために、共鳴励起用の光パルスを発生する。さらに、レーザ光源16a,16bのそれぞれは、初期化用の光パルスを発生する。
共鳴励起用の光パルスはNV中心の場合、中心波長が前述のエネルギー差に対応した637nmに調整される。初期化用の光パルスはNV中心の場合、中心波長が532nmに調整される。初期化用の光パルスをNV中心に与えた場合、電子の状態は、m=0の準位であった場合もm=±1の準位であった場合も、励起後の緩和過程を経て、m=0の準位に落ち、状態|↑>に初期化される。
レーザ光源16aが発生した光パルスは、光導波路17a1~17a5と光スイッチ18a1~18a5を介して導波路部10bの光導波路12a1~12a5に導入される。レーザ光源16bが発生した光パルスは、光導波路17b1~17b5と光スイッチ18b1~18b5を介して導波路部10bの光導波路12b1~12b5に導入される。
光スイッチ18a1~18a5,18b1~18b5は、たとえば、EA(Electro-Absorption)効果を利用したEA変調器を用いることができる。EA変調器に逆バイアス電圧を印加すると、光の吸収量が増加し、光は透過しなくなる。このため、EA変調器に逆バイアス電圧を印加するか否かにより、レーザ光源16a,16bが発生した光パルスを、光導波路12a1~12a5,12b1~12b5に導入するか否かを切り替えることができる。
なお、入力部10aは、単一光子源11a1~11a5,11b1~11b5の上方から、図5のz軸方向に、光パルスを照射するような構成であってもよい。
出力部10cは、フィルタ19a,19b、分岐素子の一例であるビームスプリッタ20、検出器21a,21bを有する。
合波器13aから出力される光はフィルタ19aを介して、合波器13bから出力される光はフィルタ19bを介して、それぞれビームスプリッタ20に導入される。
フィルタ19a,19bは場合によってはなくてもよいが、合波器13a,13bから出力される光から共鳴光の波長域以外の光を除去するために設けた方が望ましい。
なお、不純物として、シリコン、ゲルマニウム、スズまたは鉛を用いた色中心(スピン量子数がs=1/2)を利用する場合、光学励起による励起準位-基底準位間の緩和発光は、電子が存在する基底状態の準位に応じた異なる波長成分を有する。これらの波長成分の波長差は、一般に検出器21a,21bのエネルギー分解能よりも小さく、判別が困難である。電子の状態をNV中心と同様の方法で判別(発光の有無)するために、フィルタ19a,19bを設け、いずれかの波長成分を除去することが望ましい。
不純物として、シリコン、ゲルマニウム、スズまたは鉛を用いた色中心を利用する場合、室温でもフォノンを介した緩和発光を抑制できるため、不純物として窒素を用いた色中心を利用する場合よりも、室温での動作性能が高い。
フィルタ19a,19bとして、たとえば、ファブリペロー干渉計などを用いることができる。
ビームスプリッタ20は、合波器13aが集光した光子と、合波器13bが集光した光子とを導入し、第1の方向または第2の方向に分岐させる。ビームスプリッタ20において、第1の方向と第2の方向は直交し、第1の方向と第2の方向に分岐される確率はそれぞれ50%である(直交50:50の構成である)。ビームスプリッタ20は、たとえば、透過光量と反射光量がほぼ1:1に分けられるハーフミラーである。合波器13aから導入される光子はハーフミラーの一方の面に当たり、反射または透過され、合波器13bから導入される光子はハーフミラーの他方の面に当たり、反射または透過される。
検出器21aは、ハーフミラーの一方の面から入射され反射した光子、またはハーフミラーの他方の面から入射され透過した光子を検出する。検出器21bは、ハーフミラーの他方の面から入射され反射した光子、またはハーフミラーの一方の面から入射され透過した光子を検出する。検出器21a,21bとして、たとえば、単一光子検出器であるSPAD(Single Photon Avalanche photo Detector)、またはSNSPD(Superconducting Nanowire Single Photon Detector)を用いることができる。
図5に示すような量子回路10では、光導波路12a1~12a5の何れかを伝搬した光子と、光導波路12b1~12b5の何れかを伝搬した光子とが、ビームスプリッタ20において合流することで2光子相関が形成される。これによって、光子を介して間接的に異なる色中心間のエンタングルメントを形成することができる。
図6は、色中心間のエンタングルメントの形成を説明する図である。
図6には、色中心としてNV中心を用いた例が示されている。NV中心Aは、図5の単一光子源11a1~11a5の何れかに含まれるNV中心であり、NV中心Bは、図5の単一光子源11b1~11b5の何れかに含まれるNV中心である。
前述のようなマイクロ波のパルス信号が与えられ、NV中心A,Bのそれぞれが|↑>と|↓>の重ね合わせ状態となる。この状態で、レーザ光源16a,16bが発生した中心波長が637nmの光パルスがNV中心A,Bに与えられると、ビームスプリッタ20により、2光子相関が形成される。これにより、間接的にNV中心A,Bによる2つの量子ビットがエンタングル状態となる。この操作は、量子ゲート操作の1つである制御NOTゲートの操作に相当する。
以上のような量子回路10では、同一基板上に単一光子源11a1~11a5,11b1~11b5を含む光導波路12a1~12a5,12b1~12b5をアレイ状に配置するとともに各光導波路を伝搬する光子を集光する合波器13a,13bを設けている。これにより、量子ビットとして機能する単一光子源(上記の例では色中心)を多数、集積化できるため、大規模な量子コンピュータが実現可能となる。なお、光導波路12a1~12a5,12b1~12b5を用いて光子を伝搬することで、自由空間光学系により光子を伝搬させる場合よりも伝搬損失を低減できるため、高い検出効率が期待できる。
また、隣接する量子ビット間に制約されずに、図5の例では、単一光子源11a1~11a5の何れかによる量子ビットと、単一光子源11b1~11b5の何れかによる量子ビットとの間で、5×5の組合せでエンタングルメントを発生させることができる。この組み合わせは、後述する合波器13a,13bの構成によりさらに増やすことができる。隣接する量子ビット間でしかエンタングルができない構造のものは、非隣接量子ビット同士のエンタングルメントの形成にはエンタングルメントの転送工程が必要となるが、上記の量子回路10ではこの工程を省略することができる。このため、計算コストを大幅に低減することができる。
(合波器の例)
図7は、合波器の1つ目の例を示す図である。図7では、図5に示した合波器13aの例を示しているが、合波器13bについても同様の構成とすることができる。
合波器13aは、光導波路12a1~12a5に接続するアレイ上に形成された光導波路31,32,33,34,35と、光導波路31~35を伝搬した光子を、合波器13aの出力端子に導く扇形の平面導波路36を有する。
光導波路31~35は、平面導波路36の円弧に対して直角に接続されるように、外側に配置されるものほど大きく曲げられる。光導波路12a1~12a5間(合波器13aの入力ポート間)の光路差を補償するとともに、光導波路31~35内での光子の反射による伝搬損失を低減するために、光導波路12a1~12a5から入射される光子も光導波路31~35の曲げの程度に応じて屈折させることが望ましい。
このため、光導波路31~35は、光導波路12a1~12a5よりも屈折率が低く、光導波路31~35のうち、中央側に配置されるものほど屈折率が高くなっている。たとえば、光導波路12a1~12a5が窒化アルミニウム(AlN)(屈折率:2.2)により形成されている場合、光導波路31~35は酸窒化シリコン(SiON)(屈折率:1.85)により形成される。SiONは、酸素と窒素の組成比を変えることで屈折率を変えることができる。酸素の濃度が高くなるほど屈折率が低くなり、SiOの屈折率=1.45に近づく。窒素の濃度が高くなるほど屈折率が高くなり、窒化シリコン(SiN)の屈折率=1.95に近づく。曲げの程度が多く、より屈折率を低くすべき外側の光導波路(たとえば、光導波路31,35など)ほど酸素の濃度が高く形成されており、より屈折率を高くすべき中央側の光導波路(たとえば、光導波路33など)ほど窒素の濃度が高く形成されている。
扇形の平面導波路36は、円弧に接続された光導波路31~35から入射された光子を、扇形の中心角に位置する合波器13aの出力端子に伝搬させる。平面導波路36は、たとえば、均一の組成のSiONにより形成される。
たとえば、合波器13aの図7のx軸及びy軸方向の長さを30μm、光導波路12a1~12a5の導波路径を0.5μm、導波路間隔を3μm、平面導波路36の中心角部分での隣接光路間の角度を5°とした場合、ポート数を最低10とすることができる。つまり、5本の光導波路12a1~12a5だけではなく、さらに5本の光導波路を追加することができる。この場合、図5に示した導波路部10bの、x軸方向の長さは、たとえば、400μm程度、y軸方向の長さは、たとえば、100μm程度とすればよい。
これにより、合波器13a,13bのそれぞれに10本の光導波路を接続することで、合波器13a,13bのそれぞれから出てくる光子による2光子相関によって、10×10=100通りの色中心間のエンタングルメントを発生させることができる。
なお、導波路部10bのz軸方向の長さ(図2の構造の厚さ)は、たとえば、500μm程度とすることが考えられる。
図8は、合波器の2つ目の例を示す図である。図8では、図5に示した合波器13aの代わりの合波器13cの例を示しているが、合波器13bについても同様の構成とすることができる。
図8に示されている合波器13cも、図7に示した合波器13aと同様に、光導波路12a1~12a5に接続するアレイ上に形成された光導波路41,42,43,44,45と、扇形の平面導波路46を有する。ただし、合波器13cは、合波器13aと異なり、図8のx軸方向の長さがy軸方向の長さよりも長い、鋭角三角形状となっている。これにより、光導波路41~45の曲げの曲率を緩やかにでき、平面導波路46に対する接続部分における損失を低減することができる。
(量子回路の製造方法の例)
以下、量子回路10の製造方法の一例を説明する。
図9は、単一光子源を含む光導波路の製造工程の一例を示す断面図である。なお、図9では、MWパルス信号発生器14a1~14a5や磁場発生器15a1~15a5が形成される図2に示した層25は図示が省略されている。
半導体基板26(たとえば、シリコン基板)上に、たとえば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により絶縁層27(たとえば、SiO膜)が形成される。そして、絶縁層27上に、単一光子源11a3を含む光導波路12a3(及び図5の導波路部10bの他の光導波路)が形成される。
たとえば、NV中心を含むダイヤモンドを用いた単一光子源11a3は、CVD法によるダイヤモンドの気相成長中に、リン(P)原子などのn型不純物をドープすることで、形成することができる。光導波路12a3において、単一光子源11a3から発生した光子を合波器13aに伝搬する細線導波路部分は、たとえば、材料としてAlNが用いられる。細線導波路部分は、合波器形成領域50をマスク材51によりマスクした状態で、フォトリソグラフィ技術またはEB(Electron Beam)技術を用いてパターニングされる。パターニングでは、たとえば、耐熱性を有するSiNがマスク材51として用いられる。
その後、以下に示す合波器13a,13bの製造工程が行われる。
図10~図19は、合波器の製造工程の一例を示す斜視図である。以下では、図7に示した合波器13aの製造方法の例を説明するが、図8に示した合波器13cについても同様の方法で製造可能である。なお、図10~図19では、図9に示した光導波路12a3部分については図示が省略されている。合波器13a,13bを形成する際には、光導波路12a3(及び図5の導波路部10bの他の光導波路)の形成領域についてはマスクされている。
図10のように、半導体基板26上に、たとえば、CVD法により絶縁層60、マスク材61が堆積される。以下に示す例では、図7の光導波路31~35の母材として、SiOを用いるものとし、絶縁層60として、SiO膜が形成される。絶縁層60は、たとえば、図9に示した絶縁層27を一旦除去した後、形成済みの光導波路12a1~12a5,12b1~12b5との高さが合うような厚みで形成される。
光導波路31~35の製造は、たとえば、熱窒化により混入される酸素(または窒素)の濃度ごとに別々に行われる。たとえば、まず、窒素の濃度が最も高い光導波路33の製造が行われる。その場合、フォトリソグラフィ技術またはEB技術を用いたパターニングにより、マスク材61に開口部61aが形成され、絶縁層60において光導波路33が形成される部分が露出される(図11)。なお、パターニングの際には、形成される光導波路33に対して、導波路部10bの光導波路12a3からの光が導入されるように適切に位置合わせが行われる。光導波路31,32,34,35の製造時のパターニングについても同様である。
そして、絶縁層60の露出部分に対して熱窒化が行われることで光導波路33が形成される(図12)。混入される窒素の濃度の調整は、熱窒化時の処理温度や処理時間などにより調整可能である。
次に、2番目に窒素の濃度が高い光導波路32,34の製造のためにパターニングによってマスク材61に開口部61b,61cが形成され(図13)、熱窒化により光導波路32,34が形成される(図14)。
その後、最も窒素の濃度が低い(最も酸素の濃度が高い)光導波路31,35の製造のためにパターニングによってマスク材61に開口部61d,61eが形成され(図15)、熱窒化により光導波路31,35が形成される(図16)。
そして、平面導波路36の製造のためにパターニングによってマスク材61に開口部61fが形成され(図17)、熱窒化により平面導波路36が形成される(図18)。
その後、マスク材61が、たとえば、熱リン酸(HPO)などを用いたウェット処理により剥離され、合波器13aが完成する(図19)。
(マイクロ波及び光学励起用のレーザの偏光について)
なお、前述した色中心の状態操作に用いるマイクロ波のパルス信号については、色中心の軸方向(方位)及び静磁場の印加方向に対する電場ベクトルの向き(偏光)を考慮することが望ましい。
図20は、色中心の軸方向と静磁場の向きと電場ベクトルの向きの例を示す図である。
図20では、ダイヤモンドの[111]面と平行に色中心(NV中心)の軸方向が形成されており、さらに静磁場(B)の印加方向も色中心の軸方向と平行である例が示されている。
操作対象となる色中心の基底準位(m=0とm=-1)はスピン(の向き)が異なる。そのため、m=0とm=-1との状態操作を行うためには、遷移選択則(角運動量保存則)から、マイクロ波のパルス信号の波数ベクトルkをNV中心の軸方向及び静磁場Bの印加方向と平行にして、その電場を直線偏光(σ±)にすることになる。このことは、他の色中心(スピン量子数がs=1/2のもの)の場合についても同様である。
また、光学励起用のレーザについても同様に、偏光が考慮される。操作対象となる色中心の基底準位は光学遷移において高い直線偏光性を有する(たとえば、非特許文献9の図2など参照)。そのため、色中心に対し、より吸収強度とそれに伴う発光強度を高められる向きにレーザの偏光(直線偏光)を合わせることが重要である。偏光の調整には、半波長板などが用いられる。
(量子コンピュータの例)
図21は、量子コンピュータの一例を示す図である。
量子コンピュータ70は、図5に示した量子回路10と、制御装置71を有する。
制御装置71は、レーザ光源16a,16bの光パルスの照射を制御するとともに、検出器21a,21bにより検出された光子の数に基づいた処理を行う。より具体的には、制御装置71は、量子回路10のレーザ光源16a,16bによるレーザの光パルスの発生タイミング、MWパルス信号発生器(図1のMWパルス信号発生器14a1~14a5など)のマイクロ波のパルス信号の発生タイミングなどを制御する。さらに、制御装置71は、磁場発生器(図1の磁場発生器15a1~15a5など)の印加タイミングや、図5の光スイッチ18a1~18a5,18b1~18b5を制御する。制御装置71は、計算対象の量子計算の種類によって、これらの制御を検出された光子の数(光子の有無)に基づいて行う場合もある(たとえば、後述の量子テレポーテーションを行う場合など)。
制御装置71は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアであるプロセッサを含んでいてもよい。また、制御装置71は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの特定用途の電子回路を含んでもよい。また、制御装置71は、複数のRAM(Random Access Memory)などの揮発性のメモリ、または、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを含んでいてもよい。たとえば、不揮発性のメモリには、計算対象の量子計算の種類に応じて量子回路10の各部を制御する制御プログラムが記憶されており、制御装置71は、その制御プログラムを実行することで、量子回路10の各部を制御して量子計算を実行する。
(量子計算例)
図22は、量子計算の一例を示す図である。図22では、量子計算の1つである量子テレポーテーションを行う量子テレポーテーション回路80の一例が示されている。
量子テレポーテーション回路80は、前述のエンタングルメントの効果を利用して、離れた場所に(異なる量子ビットに)状態|Ψ>を転送する量子計算を行う。量子テレポーテーション回路80は、アダマールゲート81,82,84,86、制御NOTゲート83,85,87、測定ゲート88,89、パウリXゲート90、パウリZゲート91を有する。
上記のような量子テレポーテーション回路80は、図5に示した導波路部10bにおいて、たとえば、単一光子源11a1~11a5のうちの2つと、単一光子源11b1~11b5のうちの1つの計3つを量子ビットとして用いることで実現できる。以下、単一光子源11a1による量子ビットを量子ビットA1、単一光子源11a2による量子ビットを量子ビットA2、単一光子源11b1による量子ビットを量子ビットBとして、これらの3つの量子ビットを用いた場合の計算手順を説明する。
量子ビットA1の状態が|Ψ>であるものとする。|Ψ>は、状態|0>と状態|-1>との線形結合であり、c|0>+c|-1>と表せる。cとcは所定の係数である。
まず、制御装置71は磁場発生器により、量子ビットA1,A2,Bに対してそれぞれ静磁場を印加させる。これにより、m=±1の準位の縮退が解け、m=-1とm=+1の2つの準位に分裂する(図3参照)。
次に、制御装置71は、光スイッチ18a2,18b1をオン、その他の光スイッチ18a1,18a3~18a5,18b2~18b5をオフし、レーザ光源16a,16bに、初期化用の光パルスを発生させる。初期化用の光パルスはNV中心の場合、中心波長が532nmに調整される。初期化用のパルス信号が照射されることによって、量子ビットA2,Bの状態は、m=0の準位であった場合もm=±1の準位であった場合も、励起後の緩和過程を経て、m=0の準位に落ち、状態|↑>≡|0>に初期化される。図22では、量子ビットA2の初期状態が|0>、量子ビットBの初期状態が|0>と表記されている。
その後、制御装置71は、量子ビットA2,Bに対して設けられているMWパルス信号発生器に、パルス信号(π/2パルス(ブロッホ空間上で規定される量子ビットの状態ベクトルをx軸の回りに90°回転させるパルス))を発生させる。これにより、量子ビットA2,Bに対するアダマールゲート81,82の操作(アダマール変換)が行われ、量子ビットA2,Bは、状態|0>と状態|-1>の重ね合わせ状態となる。
さらに、制御装置71は、レーザ光源16a,16bに、共鳴励起用の光パルスを発生させる。共鳴励起用の光パルスはNV中心の場合、中心波長が637nmに調整される。共鳴励起用の光パルスは、量子ビットA2,Bに照射され、ビームスプリッタ20により、制御NOTゲート83の操作が行われる。これによって、量子ビットA2,Bとの間で、前述のように光子を介したエンタングルメントが形成される。
次に、制御装置71は、光スイッチ18a1,18b1をオン、その他の光スイッチ18a2~18a5,18b2~18b5をオフする。そして、制御装置71は、量子ビットBに対して設けられているMWパルス信号発生器に、再度パルス信号(π/2パルス)を発生させる。これにより、量子ビットBに対するアダマールゲート84の操作(アダマール変換)が行われ、量子ビットBは、再度、状態|0>と状態|-1>の重ね合わせ状態となる。
その後、制御装置71は、レーザ光源16a,16bに、共鳴励起用の光パルスを発生させる。共鳴励起用の光パルスは、量子ビットA1,Bに照射され、ビームスプリッタ20により、制御NOTゲート85の操作が行われる。これによって、量子ビットA1,Bとの間で、光子を介したエンタングルメントが形成される。
そして、制御装置71は、量子ビットA1に対して設けられているMWパルス信号発生器に、再度パルス信号(π/2パルス)を発生させる。これにより、量子ビットA1に対するアダマールゲート86の操作(アダマール変換)が行われ、量子ビットA1は、状態|0>と状態|-1>の重ね合わせ状態となる。
その後、制御装置71は、レーザ光源16aに、共鳴励起用の光パルスを発生させる。光パルスは、アダマール変換後の量子ビットA1に照射され、検出器21a,21bによって光子の有無として、量子ビットA1の状態|0>または|-1>が検出される。この操作が、測定ゲート88の操作である。
次に、制御装置71は、再度、光スイッチ18a2,18b1をオン、その他の光スイッチ18a1,18a3~18a5,18b2~18b5をオフする。そして、制御装置71は、レーザ光源16a,16bに、共鳴励起用の光パルスを発生させる。共鳴励起用の光パルスは、量子ビットA2,Bに照射され、ビームスプリッタ20により、制御NOTゲート87の操作が行われる。これによって、量子ビットA2,Bとの間で、光子を介したエンタングルメントが形成される。
その後、制御装置71は、レーザ光源16a,16bのうち、レーザ光源16aによる光パルスの発生を停止させ、検出器21a,21bによって光子の有無として、量子ビットBの状態|0>または|-1>が検出される。この操作が、測定ゲート89の操作である。
そして、制御装置71は、レーザ光源16bによる光パルスの発生を停止させ、測定ゲート88,89による検出結果に基づいて、量子ビットA2に対して設けられたMWパルス信号発生器に、パウリXゲート90またはパウリZゲート91の操作を行わせる。
制御装置71は、検出結果が|00>の場合(測定ゲート88,89による検出結果が両方、状態|0>の場合)、パウリXゲート90及びパウリZゲート91の何れの操作も実行させない。制御装置71は、検出結果が|0-1>の場合(測定ゲート88による検出結果が状態|0>、測定ゲート89による検出結果が状態|-1>の場合)、パウリXゲート90の操作を実行させる。パウリXゲート90の操作は、量子ビットA2に対して設けられたMWパルス信号発生器に、±πパルスを発生させる操作である。制御装置71は、検出結果が|-10>の場合(測定ゲート88による検出結果が状態|-1>、測定ゲート89による検出結果が状態|0>の場合)、パウリXゲート90の操作を実行させずに、パウリZゲート91の操作を実行させる。パウリZゲート91の操作は、量子ビットA2に対して設けられたMWパルス信号発生器に、±2πパルスを発生させる操作である。制御装置71は、検出結果が|-1-1>の場合(測定ゲート88,89による検出結果が両方、状態|-1>の場合)、パウリXゲート90とパウリZゲート91の操作を両方実行させる。
これにより、量子ビットA1の状態|Ψ>が、量子ビットA2に転送される。
以上のように、図5に示した量子回路10を用いて、量子テレポーテーションが実現される。
(第2の実施の形態)
図23は、第2の実施の形態の量子回路の一例を示す図である。図23において図5に示した量子回路10と同じ要素については同一符号が付されている。
第2の実施の形態の量子回路100は、入力部100a、導波路部100b、出力部100cを有する。なお、図23では、MWパルス信号発生器や磁場発生器の図示が省略されている。
入力部100aは、図5に示した量子回路10の入力部10aと異なり、図5の単一光子源11b1~11b5に光パルスを供給する構成が設けられていない。
導波路部100bは、単一光子源11a1~11a5のそれぞれから発生する光子が、異なる2層に形成される光導波路の何れかを介して合波器13aまたは合波器13bに伝搬される。すなわち、合波器13aに接続される複数の光導波路のそれぞれが、合波器13bに接続される複数の光導波路の何れかと、単一光子源を共有する構成となっている。
たとえば、図23の光導波路101a1,101a2,…,101a5は、上層側の層に形成され、その層に形成される合波器13aに接続される。図23の光導波路101b1,101b2,…,101b5は、下層側の層に形成され、その層に形成される合波器13bに接続される。
また、光導波路101a1~101a5,101b1~101b5には、EO(Electro-Optic)効果を利用した変調器であるEO変調器102a1,102a2,…,102a5,102b1,102b2,…,102b5が設けられている。
EO変調器102a1~102a5,102b1~102b5は、光スイッチの機能を有し、制御装置71の制御のもと、上層または下層の何れの光導波路を用いるか否か(合波器13a,13bに光子を伝搬させるか否か)を切り替えることができる。さらに、EO変調器102a1~102a5,102b1~102b5は、屈折率変化の際にロスが少ないという利点をもつ。また、EO変調器102a1~102a5,102b1~102b5は、光導波路の上層と下層への分岐をなだらかにして、屈折率の実部だけを大きくアップダウンさせる機能を有する。
なお、EO変調器以外の光スイッチを用いてもよい。
出力部100cの構成は、図5の出力部10cの構成と同じである。
第2の実施の形態の量子回路100によれば、第1の実施の形態の量子回路10と同様の効果が得られるとともに、隣接する色中心による量子ビット間においてもエンタングルメントを形成することができる。
たとえば、制御装置71の制御のもと、単一光子源11a1,11a2に共鳴励起用の光パルスが照射され、EO変調器102a1,102b2による光スイッチをオン、EO変調器102b1,102a2による光スイッチをオフさせた場合を考える。この場合、単一光子源11a1が発生する光子は、上層の光導波路101a1と合波器13aを伝搬してフィルタ19aを介してビームスプリッタ20に導入される。一方、単一光子源11a2が発生する光子は、下層の光導波路101b2と合波器13bを伝搬してフィルタ19bを介してビームスプリッタ20に導入される。これにより、光子を介して、単一光子源11a1,11a2に含まれる隣接する色中心による量子ビット間においてエンタングルメントが形成される。
(第3の実施の形態)
図24は、第3の実施の形態の量子回路の一例を示す図である。図24において図5に示した量子回路10と同じ要素については同一符号が付されている。
第3の実施の形態の量子回路110は、導波路部100b、出力部100cを有する。なお、図24では、MWパルス信号発生器や磁場発生器の図示が省略されているが、これは、たとえば、単一光子源111a1,111a2,…,111a5のそれぞれの下方に配置されている。
単一光子源111a1~111a5の何れかを選択して、選択した単一光子源に共鳴励起用(または初期化用)の光パルスを照射する入力部についても図示が省略されているが、第3の実施の形態の量子回路110では、単一光子源111a1~111a5に対して上方から、図24のz軸方向に光パルスが照射される。
導波路部100bは、単一光子源111a1~111a5のそれぞれから発生する光子が、同一層(同一平面)に形成される異なる2つの光導波路の何れかを介して合波器13aまたは合波器13bに伝搬される。すなわち、量子回路110は、合波器13aに接続される光導波路112a1,112a2,…,112a5のそれぞれが、合波器13bに接続される光導波路112b1,112b2,…,112b5の何れかと、単一光子源を共有する構成となっている。
また、光導波路112a1~112a5,112b1~112b5には、前述のように光スイッチとして機能するEO変調器113a1,113a2,…,113a5,113b1,113b2,…,113b5が設けられている。なお、EO変調器以外の光スイッチを用いてもよい。
出力部100cの構成は、図5の出力部10cの構成と同じである。
第3の実施の形態の量子回路110によれば、第1の実施の形態の量子回路10と同様の効果が得られるとともに、隣接する色中心による量子ビット間においてもエンタングルメントを形成することができる。
たとえば、制御装置71の制御のもと、単一光子源111a1,111a2に共鳴励起用の光パルスが照射され、EO変調器113a1,113b2による光スイッチをオン、EO変調器113b1,113a2による光スイッチをオフさせた場合を考える。この場合、単一光子源111a1が発生する光子は、光導波路112a1と合波器13aを伝搬してフィルタ19aを介してビームスプリッタ20に導入される。一方、単一光子源111a2が発生する光子は、光導波路112b2と合波器13bを伝搬してフィルタ19bを介してビームスプリッタ20に導入される。これにより、光子を介して、単一光子源111a1,111a2に含まれる隣接する色中心による量子ビット間においてエンタングルメントが形成される。
また、量子回路110は、第2の実施の形態の量子回路100と異なり、同一層(同一平面)に光導波路を形成するものであるため、比較的容易な製造プロセスにより製造が可能となる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
10 量子回路
10a 入力部
10b 導波路部
10c 出力部
11a1~11a5,11b1~11b5 単一光子源
12a1~12a5,12b1~12b5,17a1~17a5,17b1~17b5 光導波路
13a,13b 合波器
14a1~14a5 MWパルス信号発生器
15a1~15a5 磁場発生器
16a,16b レーザ光源
18a1~18a5,18b1~18b5 光スイッチ
19a,19b フィルタ
20 ビームスプリッタ
21a,21b 検出器

Claims (14)

  1. 基板上に形成され、それぞれが単一光子源を含む複数の第1の光導波路及び複数の第2の光導波路と、
    前記基板上に形成され、前記複数の第1の光導波路を伝搬する第1の光子を集光する第1の合波器と、
    前記基板上に形成され、前記複数の第2の光導波路を伝搬する第2の光子を集光する第2の合波器と、
    前記第1の合波器が集光した前記第1の光子と、前記第2の合波器が集光した前記第2の光子とを導入し、第1の方向または第2の方向に分岐させる分岐素子と、
    前記第1の方向または前記第2の方向に分岐した前記第1の光子または前記第2の光子を検出する第1の検出器及び第2の検出器と、
    を含む量子回路。
  2. 前記単一光子源は、ダイヤモンド単結晶内の不純物原子と、前記不純物原子と隣接する空孔とによって形成される複合欠陥を含む、請求項1に記載の量子回路。
  3. 前記不純物原子は、窒素、シリコン、ゲルマニウム、スズまたは鉛のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の量子回路。
  4. 前記複合欠陥は、1つの量子ビットとして機能し、互いに結合した電子スピン状態と核スピン状態とを有し、前記電子スピン状態と前記核スピン状態における複数の量子準位のうち、準位間のエネルギー差が前記単一光子源に照射されるレーザのエネルギー線幅より小さく、前記レーザにより同時に共鳴励起可能な程度に近い2系列の2つの準位を内包している、請求項2または3に記載の量子回路。
  5. 前記複数の第1の光導波路と前記複数の第2の光導波路に含まれる前記単一光子源のそれぞれに対して個別に、マイクロ波のパルス信号を与えるマイクロ波パルス信号発生器と、
    前記複数の第1の光導波路と前記複数の第2の光導波路に含まれる前記単一光子源に対して静磁場を印加する磁場発生器と、
    をさらに有する請求項1乃至4の何れか一項に記載の量子回路。
  6. 前記第1の合波器と前記第2の合波器のそれぞれは、
    前記複数の第1の光導波路または前記複数の第2の光導波路に接続する複数の第3の光導波路と、
    前記複数の第3の光導波路を伝搬した前記第1の光子または前記第2の光子を、前記第1の合波器または前記第2の合波器の出力端子に導く平面導波路と、
    を有する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の量子回路。
  7. 前記複数の第3の光導波路は、前記複数の第1の光導波路及び前記複数の第2の光導波路よりも屈折率が低く、前記複数の第3の光導波路のうち、中央側に配置される第3の光導波路ほど屈折率が高い、請求項6に記載の量子回路。
  8. 前記複数の第1の光導波路及び前記複数の第2の光導波路は窒化アルミニウムにより形成され、前記複数の第3の光導波路と前記平面導波路は、酸窒化シリコンにより形成され、前記複数の第3の光導波路は、中央側に配置される前記第3の光導波路ほど窒素の濃度が高く、外側に配置される前記第3の光導波路ほど酸素の濃度が高い、請求項7に記載の量子回路。
  9. 前記複数の第1の光導波路のうちのそれぞれは、前記複数の第2の光導波路の何れかと、前記単一光子源を共有しており、
    前記複数の第1の光導波路及び前記複数の第2の光導波路のそれぞれは、前記第1の合波器または前記第2の合波器に前記第1の光子または前記第2の光子を伝搬させるか否かを切り替える光スイッチを有する、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の量子回路。
  10. 前記第1の検出器及び前記第2の検出器は、単一光子検出器である、請求項1乃至9の何れか一項に記載の量子回路。
  11. 前記複数の第1の光導波路のそれぞれに含まれる前記単一光子源の何れかと、前記複数の第2の光導波路のそれぞれに含まれる前記単一光子源の何れかを選択して、選択した前記単一光子源に光パルスを照射する入力部をさらに有する請求項1乃至10の何れか一項に記載の量子回路。
  12. 前記分岐素子において、前記第1の方向と前記第2の方向は直交し、前記第1の方向と前記第2の方向に分岐される確率はそれぞれ50%である、請求項1乃至11の何れか一項に記載の量子回路。
  13. 基板上に形成され、それぞれが単一光子源を含む複数の第1の光導波路及び複数の第2の光導波路と、前記基板上に形成され、前記複数の第1の光導波路を伝搬する第1の光子を集光する第1の合波器と、前記基板上に形成され、前記複数の第2の光導波路を伝搬する第2の光子を集光する第2の合波器と、前記第1の合波器が集光した前記第1の光子と、前記第2の合波器が集光した前記第2の光子とを導入し、第1の方向または第2の方向に分岐させる分岐素子と、前記第1の方向または前記第2の方向に分岐した前記第1の光子または前記第2の光子を検出する第1の検出器及び第2の検出器と、前記複数の第1の光導波路のそれぞれに含まれる前記単一光子源の何れかと、前記複数の第2の光導波路のそれぞれに含まれる前記単一光子源の何れかを選択して、選択した前記単一光子源に光パルスを照射する入力部と、を含む量子回路と、
    前記光パルスの照射を制御する制御装置と、
    を有する量子コンピュータ。
  14. それぞれが単一光子源を含む複数の第1の光導波路及び複数の第2の光導波路を、基板上に形成し、
    前記複数の第1の光導波路を伝搬する第1の光子を集光する第1の合波器と、前記複数の第2の光導波路を伝搬する第2の光子を集光する第2の合波器とを、前記基板上に形成する、
    量子回路の製造方法。
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