JP7401778B2 - 回転電気機械およびその製造方法 - Google Patents

回転電気機械およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7401778B2
JP7401778B2 JP2020088851A JP2020088851A JP7401778B2 JP 7401778 B2 JP7401778 B2 JP 7401778B2 JP 2020088851 A JP2020088851 A JP 2020088851A JP 2020088851 A JP2020088851 A JP 2020088851A JP 7401778 B2 JP7401778 B2 JP 7401778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
segment
conductor
segment conductor
width
conductors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020088851A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021184659A (ja
Inventor
容希 辻田
正敏 伊藤
貴大 今井
直之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2020088851A priority Critical patent/JP7401778B2/ja
Publication of JP2021184659A publication Critical patent/JP2021184659A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7401778B2 publication Critical patent/JP7401778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)

Description

本開示は、回転電気機械およびその製造方法に関するものである。
従来より、ステータコイルを有するステータを備えた回転電気機械が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1のステータコイルは、ステータコアの各スロットに差し込まれるセグメント導体の隣り合う端部同士が接合されることで形成される。
特開2016-131453号公報
一般に、セグメント導体の隣り合う端部は、該端部を溶融させることによって接合される。この溶融することによって形成される接合部において、隣り合う端部間における部分の断面積が小さいと、接合部の電気抵抗が大きくなる。そのため、ステータコイルが通電されると、接合部からの発熱が大きくなるおそれがある。そこで、接合部の隣り合う端部間における部分の断面積を大きくするために、端部の溶融量を多くすることが考えられる。しかし、溶融量が多くなると、溶融金属は該端部から溶け落ち、その結果、端部同士を電気的に接続できなくなるおそれがある。
本開示の目的は、隣り合うセグメント導体の端部同士を繋ぐ接合部での発熱量を抑えることにある。
本開示の第1の態様は、
円周方向に配列された複数のスロット(23)を有する筒状のステータコア(21)と、
前記スロット(23)に差し込まれ、互いに接合されてステータコイル(30)を形成する複数のセグメント導体(33)とを備えた回転電気機械であって、
複数の前記セグメント導体(33)のそれぞれは、第1端部(35a)と第2端部(35b)とを有し、
複数の前記セグメント導体(33)は、第1セグメント導体(36)と第2セグメント導体(37)とを含み、
前記ステータコイル(30)は、隣り合う前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を有し、
前記接合部(34)は、隣り合う前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と、前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とが溶融することによって形成され、
前記接合部(34)と、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との境界が接合境界Kであり、
第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)の断面の長手方向である第1幅Aよりも、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)の並び方向から見たときの前記接合境界Kの幅である第2幅Bが長い。
第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)とを真っ直ぐに配列すると、第1幅Aと第2幅Bとは等しくなる。一方、第1の態様では、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)とは、第1幅Aより第2幅Bが長くなるように整列される。このため、接合部(34)のうち第1端部(35a)と第2端部(35b)との間の部分の断面積は、第1幅Aと第2幅Bとが等しくなるように整列させた場合よりも大きくなる。その結果、接合部(34)の電気抵抗が低くなり、接合部(34)での発熱量を抑えることができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、
前記第1幅Aと前記第2幅Bとが、A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たす。
第2の態様では、第2幅Bが好適な値に設定される。
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とは、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれている。
第3の態様では、隣り合う第1端部(35a)と第2端部(35b)とが並び方向と交わる方向に互いにずれて配置されることによって、第1幅Aよりも第2幅Bの方を大きくできる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、
複数の前記スロット(23)のうち、第1スロット(23a)に隣り合うように差し込まれ、且つそれぞれの第1端部(35a)が互いに接合される複数のセグメント導体(33)からなる第1導体群(31)と、
複数の前記スロット(23)のうち、第2スロット(23b)に隣り合うように差し込まれ、且つそれぞれの第2端部(35b)が互いに接合される複数のセグメント導体(33)からなる第2導体群(32)とを有し、
第1導体群を構成するセグメント導体(33)の第1端部(35a)と第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)の第2端部(35b)とがステータ(20)の径方向に並び、
前記第1導体群(31)を構成するセグメント導体(33)のうちの1つが前記第1セグメント導体(36)であり、
前記第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)のうちの1つが前記第2セグメント導体(37)であり、
前記接合部(34)は、前記第1導体群(31)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第1端部(35a)と、前記第2導体群(32)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第2端部(35b)とを溶融させることによって形成される
第4の態様では、1つの接合部(34)により、第1導体群(31)の各セグメント導体(33)の第1端部(35a)、および第2導体群(32)の各セグメント導体(33)の第2端部(35b)とを接合できる。
本開示の第5の態様は、第4の態様において、
前記第1導体群(31)を構成する各セグメント導体(33)の第1端部(35a)と、前記第2導体群(32)を構成する各セグメント導体(33)の第2端部(35b)は、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれるように千鳥状に配列される。
第5の態様では、第1導体群(31)の複数の第1端部(35a)、および第2導体群(32)の複数の第2端部(35b)が、並び方向と交わる方向に千鳥状に配列される。このことにより、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、第1幅Aよりも第2幅Bの方を大きくできる。
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、
前記セグメント導体(33)の前記第1端部(35a)および前記第2端部(35b)の断面は矩形であり、前記第1幅Aは前記第1端部(35a)および前記第2端部(35b)の断面の長辺の長さである。
第6の態様では、セグメント導体(33)の第1端部(35a)および第2端部(35b)の断面の長辺の長さが第1幅Aとなる。このことにより、第2幅Bは、第1端部(35a)および第2端部(35b)の断面の長辺の長さより長くなる。
本開示の第7の態様は、
円周方向に配列された複数のスロット(23)を有する筒状のステータコア(21)と、
前記スロット(23)に差し込まれ、互いに接合されてステータコイル(30)を形成する複数のセグメント導体とを備え、
複数の前記セグメント導体(33)のそれぞれが、第1端部(35a)と第2端部(35b)とを有し、複数の前記セグメント導体(33)が、第1セグメント導体(36)と第2セグメント導体(37)とを含んでいる回転電気機械の製造方法であって、
前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを隣り合うように配置する配置工程と、
前記配置工程において隣り合うように配置された前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを溶融させることによって、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を形成する接合工程とを備え、
前記接合部(34)と、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との境界を接合境界Kとしたときに、前記配置工程では、第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)の断面の長手方向である第1幅Aよりも、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)の並び方向から見たときの前記接合境界Kの幅である第2幅Bが長くなるように、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを配置する。
第7の態様では、第1幅Aよりも第2幅Bが大きくなるように第1端部(35a)と第2端部(35b)とを配置してから、第1端部(35a)と第2端部(35b)とを接合できる。
本開示の第8の態様は、第7の態様において、
前記配置工程では、前記第1幅Aと前記第2幅BとがA+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを配置する。
第8の態様では、第2幅Bが好適な値に設定される。
本開示の第9の態様は、第7または第8の態様において、
前記接合工程では、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを、アーク溶接、ガス溶接、レーザー溶接、または電子ビーム溶接によって接合する。
図1は、実施形態の回転電気機械のステータの斜視図である。 図2は、ステータコアに設けられた第1セグメント導体および第2セグメント導体の斜視図である。 図3は、ステータコアに設けられた複数のセグメント導体および接合部の一部を、ステータコアの径方向内側から径方向外側に向かって見た図である。 図4は、ステータコアの径方向に並ぶ6つの端部の配置を示した図である。(a)は、セグメント導体の端部が並ぶ方向に、ステータコアの内側から外側に向かって見た図である。(b)は、図4(a)のIV-IV線断面の上から見た図である。(c)は、図4(a)のセグメント導体の端部を横から見た図である。 図5は、複数のセグメント導体の端部を保持する治具を示す上面図である。 図6は、治具が複数のセグメント導体の端部を保持している様子を示す斜視図である。 図7は、変形例1にかかるステータコアの径方向に並ぶ6つの端部の配置を示した図である。(a)は、端部が並ぶ方向に、ステータコアの内側から外側に向かって見た図である。(b)は、図7(a)のVII-VII線断面の上から見た図である。 図8は、変形例2にかかるステータコアの径方向に並ぶ6つの端部の配置を示した図である。(a)は、端部が並ぶ方向に、ステータコアの内側から外側に向かって見た図である。(b)は、図8(a)のVIII-VIII線断面の上から見た図である。
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。なお、以下の説明において、「上」、「下」、「左」および「右」は、特に断りのない限り、図中に記載された方向を意味する。
《実施形態》
実施形態1について説明する。本実施形態の回転電気機械(10)は、負荷を駆動するための電動機である。回転電気機械(10)は、例えば回転式圧縮機に適用されるが、その用途はこれに限られない。
〈回転電気機械〉
図1に示すように、回転電気機械(10)は、ステータ(20)と、ステータ(20)の内周側に設けられるロータ(図示せず)とを備える。ステータ(20)は、ステータコア(21)と、ステータコイル(30)とを備える。
ステータコア(21)は、実質的に円筒状の部材である。ステータコア(21)は、積層された多数の鋼板によって構成される。ステータコア(21)は、1つのバックヨーク(22)と、複数のティース(13)とを備える。バックヨーク(22)は、ステータコア(21)の外周側の、平面視で環状の部分である。ティース(13)は、バックヨーク(22)の内周面から径方向内側に延びる。複数のティース(13)は、ステータコア(21)の周方向に所定のピッチで配置されている。周方向に隣り合うティース(13)の間には、ステータコイル(30)を収容するためのスロット(23)が形成される。
ステータコイル(30)は、ステータコア(21)の各ティース(13)に巻き付いたように設けられる。ステータコイル(30)は、主に導電体(例えば、銅)で構成される。ステータコイル(30)は、後述する複数のセグメント導体(33)と接合部(34)とを有する。ステータコイル(30)は、複数のセグメント導体(33)の端部同士が接合部(34)により接合されることによって形成される。ステータコイル(30)に不図示の電源装置から電力が供給されると、ステータ(20)で回転磁界が生成され、それにより回転子が回転する。
〈セグメント導体〉
図2に示すように、セグメント導体(33)は略U字状に形成される。セグメント導体(33)は、一対の直線部(33a)と、1つの接続線部(33c)と、一対の傾斜部(33b)とから構成される。
一対の直線部(33a)は、それぞれ異なるスロット(23)に差し込まれる。直線部(33a)の一端はバックヨーク(22)から上方に突出する。直線部(33a)の他端はバックヨーク(22)の反対側から下方に突出する。接続線部(33c)は、一対の直線部(33a)の他端同士と接続する。
一対の傾斜部(33b)は、直線部(33a)のそれぞれの一端から互いに近づくように上方へ延びる。一対の傾斜部(33b)の端部(35)のうち、一方を第1端部(35a)とし、他方を第2端部(35b)とする。第1端部(35a)および第2端部(35b)は、それぞれの頂面が上方に向くように形成される。セグメント導体(33)がステータコア(21)に設けられた状態で、第1端部(35a)は、ステータコア(21)の径方向と交わる方向において第2端部(35b)よりも右寄りに配置される。第1端部(35a)は、第2端部(35b)よりもステータコア(21)の径方向内側に配置される。
セグメント導体(33)は、断面形状が矩形の平角線で構成される。セグメント導体(33)は、導体を被覆する絶縁材料(35d)(例えば、エナメル)を有する。セグメント導体(33)の端部(35)の導体は露出している。
図3および図4に示すように、本開示のステータコイル(30)では6つのセグメント導体(33)の端部(35)が、ステータコア(21)の径方向に並ぶ(以下、複数の端部(35)が並ぶ方向を「並び方向」ともいう)。このようなセグメント導体(33)の端部(35)の列が、ステータコア(21)の周方向に所定の間隔をもって複数配置される。
並び方向に並ぶ6つの端部(35)は、各端部(35)の断面における長辺が互いに向かい合う。6つのセグメント導体(33)の端部(35)のうち、3つの第1端部(35a)がステータコア(21)の径方向内側に並び、3つの第2端部(35b)がステータコア(21)の径方向外側に並ぶ。
3つの第1端部(35a)を含む各セグメント導体(33)の集合を第1導体群(31)とする。3つの第2端部(35b)を含む各セグメント導体(33)の集合を第2導体群(32)とする。第1導体群(31)と第2導体群(32)とは、ステータコア(21)の径方向に隣り合う。
第1導体群(31)の3つのセグメント導体(33)は、複数のスロット(23)のうち第1スロット(23a)に隣り合うように差し込まれる。第1スロット(23a)は、複数のスロット(23)のうち任意のスロット(23)である。3つのセグメント導体(33)は、第1スロット(23a)において、隣り合うように配列される。3つのセグメント導体(33)の第1端部(35a)は、ステータコア(21)の径方向内側において隣り合う。この3つのセグメント導体(33)のうち、1つが第1セグメント導体(36)である。第1セグメント導体(36)は、第1導体群(31)においてステータコア(21)の径方向最外側に配置される。言い換えると、第1セグメント導体(36)は、第2導体群(32)に隣接する。
第2導体群(32)の3つのセグメント導体(33)は、複数のスロット(23)のうち第2スロット(23b)に隣り合うように差し込まれる。第2スロット(23b)は、複数のスロット(23)のうち任意のスロット(23)である。3つのセグメント導体(33)は、第2スロット(23b)において、隣り合うように配列される。3つのセグメント導体(33)の第2端部(35b)は、ステータコア(21)の径方向外側において隣り合う。この3つのセグメント導体(33)のうち、1つが第2セグメント導体(37)である。第2セグメント導体(37)は、第2導体群(32)においてステータコア(21)の径方向最内側に配置される。言い換えると、第2セグメント導体(37)は、第1導体群(31)に隣接する。
このように、隣り合う第1導体群(31)と第2導体群(32)において、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と、第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とが並び方向に隣り合っている。
〈接合部〉
接合部(34)は、ステータコア(21)の径方向に並ぶ6つのセグメント導体(33)の隣り合う端部(35)同士が接合されることによって形成される。具体的に、接合部(34)は、径方向に並ぶ6つのセグメント導体(33)の端部(35)のうち、隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する。接合部(34)は、隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と、第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とが溶融することによって形成される。
同様に、接合部(34)は、第1導体群(31)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第1端部(35a)と、第2導体群(32)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第2端部(35b)とを溶融させることによって形成される。
図4(c)に示すように、接合部(34)のうち、第1セグメント導体(36)と第2セグメント導体(37)との間の部分を直列接合部(34a)とする。ステータコア(21)に電流が流れている状態において、直列接合部(34a)には、第1導体群(31)または第2導体群(32)から接合部(34)に流入する全電流が流れる。
このように、接合部(34)は、ステータコア(21)の径方向に並ぶ6つのセグメント導体(33)の端部(35)のうち、径方向最内側の第1端部(35a)から径方向最外側の第2端部(35b)に亘って形成される。
〈第1端部および第2端部〉
隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とは、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向に対して交わる方向に互いにずれている。言い換えると、隣り合う第1端部(35a)と第2端部(35b)とは、ステータコア(21)の円の接線方向に互いにずれて配置される。第1端部(35a)は、第2端部(35b)よりも右寄りにずれている。第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、第1端部(35a)の一部と第2端部(35b)の一部とが互いに重なり合う。
第1導体群(31)を構成するセグメント導体(33)の3つの第1端部(35a)は、該3つの第1端部(35a)の並び方向と交わる方向に互いにずれるように千鳥状に配列される。これら3つの第1端部(35a)の並び方向から見て、隣り合う第1端部(35a)の一部は、互いに重なり合っている。言い換えると、第1導体群(31)の隣り合う第1端部(35a)同士は、ステータコア(21)の円の接線方向に互いにずれて配置される。
第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)の3つの第2端部(35b)は、該3つの第2端部(35b)の並び方向と交わる方向に互いにずれるように千鳥状に配列される。これら3つの第2端部(35b)の並び方向から見て、隣り合う第2端部(35b)の一部は、互いに重なり合っている。言い換えると、第2導体群(32)の隣り合う第2端部(35b)同士は、ステータコア(21)の円の接線方向に互いにずれて配置される。
第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、左寄りにずれた3つの端部(35)の左端は揃っている。第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、右寄りにずれた3つの端部(35)の右端は揃っている。以下、並び方向に並ぶ6つ端部(35)の配列について具体的に説明する。
接合部(34)は、第1導体群(31)の各第1端部(35a)の頂面全体および第2導体群(32)の各第2端部(35b)の頂面全体に接する。そのため、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て、接合部(34)と、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との境界である接合境界Kが形成される。
第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)の並び方向から見たときの、接合境界Kの幅を第2幅Bとする。第2幅Bの一端k1は、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て左寄りにずれて配置される端部(35)の頂面の左端である。第2幅Bの他端k2は、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て右寄りにずれて配置される端部(35)の頂面の右端である。第2幅Bは、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向から見て左寄りに配置される端部(35)の左側面から、該並び方向から見て右寄りに配置される端部(35)の右側面までの距離と、実質的に等しい。
第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)の断面の長手方向である幅を第1幅Aとする。第1幅Aは、第1端部(35a)および第2端部(35b)の断面の長辺の長さである。第1幅Aは、第1端部(35a)と第2端部(35b)との並び方向と交わる方向と平行に形成される。第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)は、第1幅Aよりも第2幅Bの方が大きくなるように配置される。具体的に、隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)は、第1幅Aと第2幅BとがA+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように配置される。
第1導体群(31)の隣り合う第1端部(35a)、および第2導体群(32)の隣り合う第2端部(35b)も、第1幅Aと第2幅BとがA+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように配置される。
〈回転電気機械の製造方法〉
図5~図6を参照して、回転電気機械(10)の製造方法について説明する。ここでは、ステータコア(21)にステータコイル(30)を設ける工程について主に説明する。
まず、公知の態様にしたがって、挿入工程と、変形工程とが行われる。挿入工程は、ステータコア(21)のスロット(23)にセグメント導体(33)を挿入する工程である。変形工程は、スロット(23)に挿入されたセグメント導体(33)を変形させる工程である。変形工程では、複数のセグメント導体(33)の端部が図3のように配置されるように、セグメント導体(33)に曲げ加工が施される。
次に配置工程が行われる。配置工程は、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを隣り合うように配置する工程である。本実施形態では、ステータコア(21)の径方向に並ぶ6つの端部(35)について配置工程が行われる。
具体的に、配置工程は、図5に示す治具(40)によって行われる。治具(40)は、6つのセグメント導体(33)の端部(35)を挟み込めるように分割可能に構成される。
治具(40)は、上方へ開口する凹部(41)を有する。凹部(41)は、実質的に半円柱状の空間である。凹部(41)には、穴部(42)が6つ並んで形成される。
各穴部(42)の開口形状は、穴部(42)が並ぶ方向と交わる方向を長辺とする長方形である。各穴部(42)は、互いに同一形状である。穴部(42)は、6つの穴部(42)の並び方向と交わる方向へずれるように千鳥状に配列される。
具体的に、穴部(42)の長辺の長さを第3幅Cとする。6つの穴部(42)の並び方向から見て、隣り合う穴部のうち左寄りにずれた穴部(42)の左端と、右寄りにずれた穴部の右端との距離を第4幅Dとする。第3幅Cは、第1幅Aと実質的に等しい。第4幅Dは、第2幅Bと実質的に等しい。第3幅Cと第4幅DとがC+C/7≦D≦C+C/2の関係が成り立つように、6つの穴部(42)は千鳥状に配列される。
図6に示すように、治具(40)によって6つのセグメント導体(33)の端部(35)を挟み込み、それにより当該複数のセグメント導体(33)を位置決めする。このとき、複数のセグメント導体(33)の端部の少なくとも一部が凹部(41)内に位置するように、当該セグメント導体(33)を位置決めする。
最後に、接合工程が行われる。接合工程では、配置工程において隣り合うように配置された第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを溶融させる。このことにより、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を形成させる。
位置決めされた複数のセグメント導体(33)の端部(35)を、アーク溶接(例えば、TIG溶接)によって溶かして接合する。溶接用の電極は、6つの端部(35)の並び方向から見て第2幅Bの中点を加熱しながら、並び方向に配列される6つの端部(35)の一端に配置される端部(35)から他端に配置される端部(35)にかけて真っ直ぐに移動する。
加熱されて溶けた金属の一部は、第2幅Bの幅方向へ流れる。溶けた金属は冷えることにより固化し、隣り合う端部間に接合部(34)が形成される。このように形成された接合部(34)と端部(35)との接合境界Kの第2幅Bは、第1幅Aよりも長い。
-実施形態の効果-
〈実施形態の特徴(1)〉
実施形態の回転電気機械(10)では、ステータコイル(30)は、隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を有する。接合部(34)は、隣り合う前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と、前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とが溶融することによって形成される。接合部(34)と、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との境界が接合境界Kであり、第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)の断面の長手方向である第1幅Aよりも、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)の並び方向から見たときの接合境界Kの幅である第2幅Bが長い。
ところで、回転電気機械(10)が通電されると、ステータコイル(30)に電流が流れる。接合部(34)に対する第1導体群(31)を流れる電流の向きは、当該接合部(34)に対する第2導体群(32)を流れる電流の向きと異なる。言い換えると、第1導体群(31)の各第1セグメント導体(36)から接合部(34)に電流が流入すると、当該接合部(34)から第2導体群(32)の各第2セグメント導体(37)へ電流が流出し、その逆の関係も成り立つ。
接合部(34)のうち、隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との間の部分は、第1導体群(31)の3つのセグメント導体(33)と第2導体群(32)の3つのセグメント導体(33)とが直列に接続される直列接合部(34a)である。直列接合部(34a)には、3つのセグメント導体(33)から接合部(34)に流入する全電流が流れる。
ここで、接合部(34)の直列接合部(34a)の電気抵抗Rは直列接合部(34a)の断面積に反比例する。接合部(34)の「断面積」とは、接合部(34)を流れる電流の向きに対して垂直な断面における断面積のことである。直列接合部(34a)の断面積が大きいほど、直列接合部(34a)での電気抵抗は小さくなり、断面積が小さいほど、直列接合部(34a)での電気抵抗は大きくなる。そのため、断面積が比較的小さい場合、ステータコイル(30)の通電状態における直列接合部(34a)の発熱量が増大するおそれがある。
そこで、隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを溶融により接合するとき、溶かす金属の量を多くすることによって、直列接合部(34a)の断面積を大きくすることが考えられる。
しかし、第1端部(35a)と第2端部(35b)とが並び方向と交わる方向にずれずに真っ直ぐに整列されている場合、各端部(35)の頂面の中央寄りから溶融した金属は、各端部(35)の頂面において留まることができなくなり、端部(35)から溶け落ちることになる。その結果、第1端部(35a)と第2端部(35b)との間に接合部(34)を形成できないおそれがある。
これに対して、実施形態の特徴(1)によれば、第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)の断面の長手方向の長さを第1幅Aとする。接合部(34)と、第1端部(35a)および第2端部(35b)との接合境界Kの長さを第2幅Bとする。第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)は、第1幅Aよりも第2幅Bが長くなるように配列される。
第1端部(35a)と第2端部(35b)とを溶融させて接合する際に、第2幅Bの中心付近を加熱すると、溶融した金属は第2幅Bの幅方向に向かって流動する。このとき、第1幅Aと第2幅Bとが等しい場合よりも、第1幅Aより第2幅Bが長い場合の方が、溶融した金属が第1端部(35a)の頂面および第2端部(35b)の頂面に多く留まることができる。なぜなら、第1端部(35a)および第2端部(35b)の各頂面において、第1幅Aより第2幅Bが長い場合の方が、第1幅Aと第2幅Bとが等しい場合よりも、溶融した金属を保持する面積は大きくなるからである。
このことにより、溶融金属が溶け落ちることが抑制されるため、接合部(34)の断面積を大きくすることができる。接合部(34)の電気抵抗が大きくなることを抑制される結果、通電中の接合部(34)での発熱量を抑えることができる。
〈実施形態の特徴(2)〉
実施形態の回転電気機械(10)では、第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)は、第1幅Aと第2幅Bとが、A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように配列される。
実施形態の特徴(2)によれば、第2幅Bが好適な値に設定される。例えば、第2幅Bが小さすぎると、端部(35)の頂面において、溶融金属を保持する領域が比較的狭くなる。その結果、接合部(34)の断面積を比較的大きくすることができない。一方、第2幅が広すぎると、第1端部(35a)および第2端部(35b)の並び方向から見て、隣り合う端部(35)同士が重なり合う部分が小さくなる。その結果、該端部(35)を溶融しても接合できないおそれがある。そこで、本実施形態では、第1幅Aと第2幅BとがA+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを配列している。
〈実施形態の特徴(3)〉
実施形態の回転電気機械(10)では、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とは、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれている。
実施形態の特徴(3)によると、隣り合う第1端部(35a)および第2端部(35b)が、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれて配置されることによって、第1幅Aよりも第2幅Bを大きくできる。
〈実施形態の特徴(4)〉
実施形態の回転電気機械(10)では、第1導体群(31)を構成するセグメント導体(33)の第1端部(35a)と第2導体群を構成するセグメント導体(33)の第2端部(35b)とがステータ(20)の径方向に並ぶ。第1導体群(31)を構成するセグメント導体(33)のうちの1つが第1セグメント導体(36)である。第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)のうちの1つが第2セグメント導体(37)である。接合部(34)は、第1導体群(31)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第1端部(35a)と、第2導体群(32)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第2端部(35b)とを溶融することによって形成される。
実施形態の特徴(4)によると、ステータコイル(30)を流れる電流は、接合部(34)を介して、第1導体群(31)から第2導体群(32)へ、または第2導体群(32)から第1導体群(31)へ流れる。そのため、第1導体群(31)および第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)の数の増加に伴って、接合部(34)における第1導体群(31)と第2導体群(32)との間に流れる電流も増加する。しかし、接合部(34)における隣り合う第1端部(35a)および第2端部(35b)の間の直列接合部(34a)の断面積を大きくできるため、直列接合部(34a)における発熱量の増加を抑えることができる。
〈実施形態の特徴(5)〉
実施形態の回転電気機械(10)では、第1導体群(31)を構成する各セグメント導体(33)の第1端部(35a)と、第2導体群(32)を構成する各セグメント導体(33)の第2端部(35b)は、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれるように千鳥状に配列される。
実施形態の特徴(5)によると、第1導体群(31)の複数の第1端部(35a)、および第2導体群(32)の複数の第2端部(35b)が、並び方向と交わる方向に千鳥状に配列される。このことにより、第1端部(35a)および第2端部(35b)を並び方向から見て、第1幅Aよりも第2幅Bの方を大きくできる。その結果、第1幅Aと第2幅Bとが等しい場合よりも、各端部(35)間に形成される接合部(34)の断面積を大きくできる。
〈実施形態の特徴(6)〉
実施形態の回転電気機械(10)では、セグメント導体(33)の第1端部(35a)および第2端部(35b)の断面は矩形であり、第1幅Aは第1端部(35a)および第2端部(35b)の断面の長辺の長さである。
実施形態の特徴(6)によると、セグメント導体(33)の端部(35)の断面の長辺の長さが第1幅Aとなる。第2幅Bを、端部(35)の断面の長辺の長さより長くすることによって、第1端部(35a)と第2端部(35b)との間の接合部(34)の断面積を大きくできる。
加えて、断面が円形である場合に比べ、ステータコア(21)内のセグメント導体(33)の占有密度を大きくできる。このことにより、回転電気機械(10)の運転効率が増大する。
〈実施形態の特徴(7)〉
実施形態の回転電気機械(10)の製造方法では、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを隣り合うように配置する配置工程と、配置工程において隣り合うように配置された第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを溶融させることによって、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を形成する接合工程とを備える。配置工程では、第1幅Aよりも、第2幅Bが長くなるように、第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを配置する。
実施形態の特徴(7)の製造方法によると、配置工程により、第1幅Aよりも第2幅Bが大きくなるように、第1端部(35a)と第2端部(35b)とが配置される。その後、接合工程により、接合部(34)が形成される。このことにより、第1幅Aと第2幅Bとが等しい場合よりも、接合部(34)の断面積を確実に大きくできる。
〈実施形態の特徴(8)〉
実施形態の回転電気機械(10)の製造方法では、第1幅Aと第2幅Bとが、A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たす。
実施形態の特徴(8)によると、第2幅Bが好適な値に設定される。このことにより、断面積が比較的大きい接合部(34)を確実に形成できる。
《変形例1》
実施形態の変形例1に回転電気機械(10)では、ステータコア(21)の径方向に並ぶ6つのセグメント導体(33)の端部(35)の並び方が、上記実施形態の端部(35)の並び方と異なる。
図7に示すように、並び方向に配列される6つの端部(35)のうち、互いに向かい合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とは、並び方向と交わる方向にずれて配置される。具体的に、第1幅Aと第2幅Bとが、A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように、並び方向から見て第1端部(35a)は、第2端部(35b)よりも右寄りにずれて配置される。
一方、第1導体群(31)の3つの端部(35)、および第2導体群(32)の3つの端部(35)はそれぞれ、千鳥状に配列されず、ステータコア(21)の径方向に真っ直ぐ整列している。
隣り合う第1端部(35a)および第2端部(35b)における、第1幅Aおよび第2幅Bは、A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たす。そのため、第1導体群(31)と第2導体群(32)との間の直列接合部(34a)の断面積を比較的大きくできる。このことにより、ステータコイル(30)が通電したとき、直列接合部(34a)での発熱量を抑えることができる。
《変形例2》
実施形態の変形例2に回転電気機械(10)では、ステータコア(21)の径方向に並ぶ6つのセグメント導体(33)の端部(35)の並び方が、上記実施形態の端部(35)の並び方と異なる。
図8に示すように、ステータコア(21)の径方向に並ぶ6つの端部(35)はそれぞれ、並び方向と交わる方向に対して所定の角度α傾いて配置される。角度αは、6つの端部(35)の並び方向から見て、第1幅Aよりも第2幅Bの方が大きくなる角度である。具体的に、角度αは、第1幅Aと第2幅Bとが、A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たす角度である。
このように各端部(35)を配置することにより、それぞれの端部(35)を溶融する際に各端部(35)間が繋がらなくなることを抑制できる。さらに接合部(34)における各端部(35)間の断面積を大きくできるため、ステータコイル(30)が通電しても、各端部(35)間における接合部(34)の発熱熱量を抑えることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、回転電気機械(10)が電動機により構成されているが、回転電気機械(10)は発電機により構成されていてもよい。
隣り合う第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および第2セグメント導体の第2端部(35b)において、第1端部(35a)は、第2端部(35b)よりも左寄りにずれて配置されていてもよい。
第1導体群(31)および第2導体群(32)は、3つのセグメント導体(33)から構成されていなくてもよい。例えば、2つのセグメント導体(33)から構成されていてもよいし、4つ以上のセグメント導体(33)から構成されてもよい。
並び方向に配列される6つの端部(35)のうち、隣り合う第1端部(35a)と第2端部(35b)とが並び方向に交わる方向にずれて配置されていればよい。従って、第1導体群(31)および第2導体群(32)のそれぞれの隣り合う3つの端部(35)は、接合部(34)が形成されるように任意に配列されていればよい。
実施形態の回転電気機械(10)の製造方法において、治具(40)を用いて第1端部(35a)と第2端部(35b)とを位置決めしているが、治具を用いずに、例えば手作業などにより位置決めしてもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、回転電気機械およびその製造方法について有用である。
10 回転電気機械
20 ステータ
21 ステータコア
23 スロット
23a 第1スロット
23b 第2スロット
30 ステータコイル
31 第1導体群
32 第2導体群
33 セグメント導体
34 接合部
35 端部
35a 第1端部
35b 第2端部
36 第1セグメント導体
37 第2セグメント導体

Claims (9)

  1. 円周方向に配列された複数のスロット(23)を有する筒状のステータコア(21)と、
    前記スロット(23)に差し込まれ、互いに接合されてステータコイル(30)を形成する複数のセグメント導体(33)とを備えた回転電気機械であって、
    複数の前記セグメント導体(33)のそれぞれは、第1端部(35a)と第2端部(35b)とを有し、
    複数の前記セグメント導体(33)は、第1セグメント導体(36)と第2セグメント導体(37)とを含み、
    前記ステータコイル(30)は、隣り合う前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を有し、
    前記接合部(34)は、隣り合う前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と、前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とが溶融することによって形成され、
    前記接合部(34)と、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との境界が接合境界Kであり、
    第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)の断面の長手方向である第1幅Aよりも、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)の並び方向から見たときの前記接合境界Kの幅である第2幅Bが長い
    ことを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    前記第1幅Aと前記第2幅Bとが、
    A+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすことを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とは、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれている
    ことを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項3において、
    複数の前記スロット(23)のうち、第1スロット(23a)に隣り合うように差し込まれ、且つそれぞれの第1端部(35a)が互いに接合される複数のセグメント導体(33)からなる第1導体群(31)と、
    複数の前記スロット(23)のうち、第2スロット(23b)に隣り合うように差し込まれ、且つそれぞれの第2端部(35b)が互いに接合される複数のセグメント導体(33)からなる第2導体群(32)とを有し、
    第1導体群を構成するセグメント導体(33)の第1端部(35a)と第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)の第2端部(35b)とがステータ(20)の径方向に並び、
    前記第1導体群(31)を構成するセグメント導体(33)のうちの1つが前記第1セグメント導体(36)であり、
    前記第2導体群(32)を構成するセグメント導体(33)のうちの1つが前記第2セグメント導体(37)であり、
    前記接合部(34)は、前記第1導体群(31)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第1端部(35a)と、前記第2導体群(32)を構成するすべてのセグメント導体(33)の第2端部(35b)とを溶融させることによって形成される
    ことを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項4において、
    前記第1導体群(31)を構成する各セグメント導体(33)の第1端部(35a)と、前記第2導体群(32)を構成する各セグメント導体(33)の第2端部(35b)は、該第1端部(35a)と該第2端部(35b)との並び方向と交わる方向に互いにずれるように千鳥状に配列される
    ことを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1~5のいずれか1つにおいて、
    前記セグメント導体(33)の前記第1端部(35a)および前記第2端部(35b)の断面は矩形であり、前記第1幅Aは前記第1端部(35a)および前記第2端部(35b)の断面の長辺の長さである
    ことを特徴とする回転電気機械。
  7. 円周方向に配列された複数のスロット(23)を有する筒状のステータコア(21)と、
    前記スロット(23)に差し込まれ、互いに接合されてステータコイル(30)を形成する複数のセグメント導体とを備え、
    複数の前記セグメント導体(33)のそれぞれが、第1端部(35a)と第2端部(35b)とを有し、複数の前記セグメント導体(33)が、第1セグメント導体(36)と第2セグメント導体(37)とを含んでいる回転電気機械の製造方法であって、
    前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを隣り合うように配置する配置工程と、
    前記配置工程において隣り合うように配置された前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを溶融させることによって、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを接合する接合部(34)を形成する接合工程とを備え、
    前記接合部(34)と、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)との境界を接合境界Kとしたときに、前記配置工程では、第1セグメント導体(36)および第2セグメント導体(37)断面の長手方向である第1幅Aよりも、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)および前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)の並び方向から見たときの前記接合境界Kの幅である第2幅Bが長くなるように、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを配置する
    ことを特徴とする回転電気機械の製造方法。
  8. 請求項7において、
    前記配置工程では、前記第1幅Aと前記第2幅BとがA+A/7≦B≦A+A/2の関係を満たすように、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを配置する
    ことを特徴とする回転電気機械の製造方法。
  9. 請求項7または8において、
    前記接合工程では、前記第1セグメント導体(36)の第1端部(35a)と前記第2セグメント導体(37)の第2端部(35b)とを、アーク溶接、ガス溶接、レーザー溶接、または電子ビーム溶接によって接合する
    ことを特徴とする回転電気機械の製造方法。
JP2020088851A 2020-05-21 2020-05-21 回転電気機械およびその製造方法 Active JP7401778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020088851A JP7401778B2 (ja) 2020-05-21 2020-05-21 回転電気機械およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020088851A JP7401778B2 (ja) 2020-05-21 2020-05-21 回転電気機械およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021184659A JP2021184659A (ja) 2021-12-02
JP7401778B2 true JP7401778B2 (ja) 2023-12-20

Family

ID=78767606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020088851A Active JP7401778B2 (ja) 2020-05-21 2020-05-21 回転電気機械およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7401778B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7474297B2 (ja) 2022-09-20 2024-04-24 本田技研工業株式会社 回転電機及び回転電機の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013055732A (ja) 2011-09-01 2013-03-21 Toyota Motor Corp 回転電機ステータ
JP2017005770A (ja) 2015-06-04 2017-01-05 株式会社デンソー 回転電機用固定子の製造装置
WO2020031612A1 (ja) 2018-08-09 2020-02-13 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機の固定子及びその製造方法
WO2021144900A1 (ja) 2020-01-15 2021-07-22 株式会社 東芝 固定子および固定子の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013055732A (ja) 2011-09-01 2013-03-21 Toyota Motor Corp 回転電機ステータ
JP2017005770A (ja) 2015-06-04 2017-01-05 株式会社デンソー 回転電機用固定子の製造装置
WO2020031612A1 (ja) 2018-08-09 2020-02-13 日立オートモティブシステムズ株式会社 回転電機の固定子及びその製造方法
WO2021144900A1 (ja) 2020-01-15 2021-07-22 株式会社 東芝 固定子および固定子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021184659A (ja) 2021-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3889630B2 (ja) 回転電機の巻線接合方法
JP5991172B2 (ja) 電動機の製造方法
JP4412330B2 (ja) 回転電機の固定子巻線およびその製造方法
US7086136B2 (en) Method of manufacturing a sequential segment joining type stator coil
US20020041129A1 (en) Stator for a dynamo-electric machine and method of manufacturing the same
JP6259115B2 (ja) 回転電機の固定子
JP6609596B2 (ja) 回転電機のステータ
US10978928B2 (en) Electrical distribution member
KR20140121928A (ko) 스테이터 및 이를 포함하는 전기 회전 장치
JP7401778B2 (ja) 回転電気機械およびその製造方法
JP2013055732A (ja) 回転電機ステータ
JP2012257366A (ja) 回転電機ステータ及びその製造方法
JP2012100479A (ja) 回転電機用電機子
WO2012011352A1 (ja) 回転電機用電機子
US8907540B2 (en) Electric machine with insulator spacer
WO2015155096A1 (en) C-shaped or u-shaped half-coil, rotor winding with such a half-coil and its manufacturing method
WO2017115681A1 (ja) 電気的接続部の構造,この構造が適用されたロータ及びモータ並びに電気的接続部の形成方法
JP6752323B1 (ja) 回転電機の固定子巻線およびその製造方法
EP4318888A1 (en) Stator for dynamo-electric machine, dynamo-electric machine, electric drive system, and electrically powered wheel
JP2006025544A (ja) 回転電機の巻線接合装置
JP4103622B2 (ja) 回転電機の固定子の製造方法
US7256364B2 (en) Method for simultaneous resistance brazing of adjacent conductor joints
US7777390B2 (en) Short-circuit member assembly, commutator, and motor
US20230108304A1 (en) Method for producing an active part for a rotating electric machine, active part for a rotating electric machine and rotating electric machine
JP7478699B2 (ja) 回転電機用ステータ製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7401778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151