以下、実施形態に係るタグ管理システム及びタグ管理方法について説明する。図1及び図2はタグ管理システム30の全体構成を示す説明図である。図1では鉄道車両20を側面から視た図が示され、図2では鉄道車両を正面から視た図が示される。
本システムが組込まれる鉄道車両の一例について説明する。鉄道車両20は軌道18を走行する。軌道18は、鉄道車両20を経路に沿って導く線状の路である。ここでは、軌道18は、2つのレール18a、18aを含む。2つのレール18a、18aは、地上に枕木19等を介して並行状態で敷設されていてもよい。軌道は、モノレールのように1本のレールが鉄道車両を案内するものであってもよい。軌道は、高架橋等によって地上よりも上方位置に設けられていてもよい。軌道は、地下に掘られたトンネル内に設けられていてもよい。
鉄道車両20は、車体22と、台車24とを備える。台車24は、台車枠25と、複数の車輪28とを備える。台車枠25は、例えば、横梁と一対の側梁とを含む。横梁の両端に一対の側梁が並行姿勢で連結されている。台車枠25が車体22の下部に設けられている。複数の車輪28は、台車枠25の左右の側梁に車軸部を介して回転可能に支持されている。車軸部を支持する部分は軸箱と呼ばれることがある。なお、本実施形態において、鉄道車両の進行方向を前側、後退方向を後ろ側ということがある。また、鉄道車両20から進行方向を見た場合を基準として左右という場合がある。重力方向において重力が加わる側を下側、その反対側を上側という場合がある。左右の車輪28は、軌道18の2つのレール18a、18aによって案内されつつ当該軌道18上を走行する。台車24は、車体22を下方から支持する。台車24が軌道18上を走行することで、車体22を含む鉄道車両20が軌道18に沿って走行する。鉄道車両20は、軌道18を走行する車両であればよく、電車、貨物列車の機関車、貨車、旅客列車の機関車、客車のいずれであってもよい。貨車又は客車は、機関車によって牽引される付随車であってもよいし、自身が動力を有する動力車であってもよい。機関車は、電気機関車であってもよいし、ディーゼル機関車等の内燃機関車であってもよい。
上記鉄道車両20を前提として、タグ管理システムの全体構成を説明する。タグ管理システム30は、鉄道車両20に装着された複数のRFID(Radio Frequency Identification)タグ34からIDを含むタグ情報を読取るシステムである。IDとは、識別のための符号であり、数字、文字、記号等の組合わせによって構成される。タグ管理システム30は、RFIDタグ34と、タグ読取システム40とを備える。
複数のRFIDタグ34は、鉄道車両20において互いに異なる箇所に装着される。複数のRFIDタグ34は、自己のIDを含むタグ情報を送信することができる。RFIDタグ34は、例えば、台車24における横梁、側梁、車軸部を介して車輪28を支持する軸箱に取付けられてもよい。図1では、複数のRFIDタグ34が鉄道車両20の前後にある台車24のそれぞれに装着され、もって、鉄道車両20の前後に異なる位置に装着されている例が示される。図2では複数のRFIDタグ34が台車24の右外部、左外部、左右方向中間部等に装着され、もって、鉄道車両20の左右で異なる位置に装着されている例が示される。RFIDタグ34は、鉄道車両20における状態検知が可能なタグであってもよい。
タグ読取システム40は、RFIDリーダ42を含んでおり(図3参照)、複数のRFIDタグ34の欠落状況を判定するように構成されている。RFIDリーダ42は、RFIDタグ34からの電波を受信するアンテナ41に接続されている。アンテナ41は、一対のレール18a間と、一対のレール18aの両外側に設けられていてもよい。アンテナ41は、アンテナ41が一対のレール18a間と、一対のレール18aの両外側に設けられていれば、鉄道車両20の右外部、左外部、左右方向中間部に装着されたRFIDタグ34からの電波を受信し易い。アンテナ41は、レール18a又は枕木19が設置される地上に設けられてもよいし、軌道18近くの設備(例えば、人の乗降又は物の積卸しのためのプラットフォーム等)に設けられてもよい。鉄道車両20が、軌道18に沿ってアンテナ41の近くを走行すると、鉄道車両20に装着されたRFIDタグ34からのタグ情報がRFIDリーダ42によって読取られる。
タグ読取システム40は、本実施形態では、タグ読取装置50と、サーバ装置60とを備える。タグ読取装置50は、例えば、RFIDリーダ42を通じてRFIDタグ34からのタグ情報を読取る処理を実行する。タグ読取装置50とサーバ装置60とは通信回線70を通じて通信可能に接続されている。タグ読取装置50で読取られた情報は、通信回線70を通じてサーバ装置60に送信される。サーバ装置60は、例えば、タグ読取装置50から送信されたタグ情報等に基づき、複数のRFIDタグ34の欠落状況を判定する処理を実行する。
欠落状況は、欠落判定基準単位量における、RFIDリーダ42を通じたタグ情報の読取り状況に基づいて、判定される。欠落判定単位量は、複数のRFIDタグ34の欠落状況を判定する際において、基準となる単位量である。欠落判定単位量は、例えば、時間又は鉄道車両20の通過回数によって定められてもよい。欠落判定単位量が欠落判定単位時間である場合、欠落判定単位時間は、RFIDリーダ42がRFIDタグ34からタグ情報を読取ることができた時間を積算した時間であってもよいし、対象となる鉄道車両20の走行時間であってもよいし、当該読取ることができた時間及び鉄道車両20の走行時間とは関係が無い標準時の経過時間であってもよい。RFIDリーダ42が偶々いずれかのRFIDタグ34のタグ情報を読取ることができなかったとしても、欠落判定単位量全体においては、当該RFIDタグ34のタグ情報が読取られ得る。このため、欠落判定単位量全体として、タグ情報の読取り状況に基づいて、複数のRFIDタグ34の欠落状況を判定することによって、鉄道車両20におけるRFIDタグ34の欠落がより正確に判定される。
タグ読取システム40が、タグ読取装置50とサーバ装置60とを備えることは必須ではない。タグ読取システム40は、単一のコンピュータによって実現されていてもよいし、複数のコンピュータが連携することによって構成されていてもよい。これらの場合において、コンピュータの設置位置は特に限定されない。1つ又は複数のコンピュータが鉄道車両20に搭載されてもよいし、アンテナ41が設置された設備近傍に設置されてもよいし、他の基地システムに設置されてもよい。これらの各箇所に、複数のコンピュータが分散して設置されてもよい。本システムが複数のコンピュータによって実現される場合、後述する各処理は、いずれのコンピュータによって実行されてもよい。
タグ管理システムの各部の一例についてより具体的に説明する。図3はタグ管理システム30を示すブロック図である。
RFIDタグ34には、IDが割当てられている。RFIDタグ34は、自己のIDを含むタグ情報を電波にて送信可能に構成される。RFIDタグ34は、タグ制御部35と、アンテナ38と、記憶部37とを備えていてもよい。タグ制御部35は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される。記憶部37は、EEPROM(electrically erasable and programmable read only memory)等の不揮発性メモリによって構成されている。記憶部37には、タグ制御プログラム、ID等が格納されている。タグ制御部35が、記憶部37に記憶されたタグ制御プログラムに記述された処理を実行する。これにより、RFIDタグ34は、自己のIDを含むタグ情報を送信する処理を実行する。
RFIDタグ34は、RFIDリーダ42等からの電磁波によって給電されて動作するパッシブ型のタグであってもよいし、内蔵したバッテリを電源として動作するアクティブ型のタグであってもよい。
RFIDタグ34は、鉄道車両20における対象部位の変形、変位等を検知するセンサ39を有していてもよい。センサ39は、鉄道車両20における状況把握対象部位の変形又は変位を検知するセンサであってもよい。例えば、センサ39は、ボルト又はナットの緩みによって破断する導体又は抵抗変化に至るセンサであってもよい。センサ39は、状況把握対象部位の変形又は変位に伴って変形し、破断又は抵抗変化に至るセンサであってもよい。RFIDタグ34がセンサ39を有する場合、RFIDタグ34は、IDと共に、当該状況把握対象部位の状況を示す付帯情報を送信してもよい。付帯情報は、状況把握対象部位の状況を、正常又は不正常を示す2値の情報であってもよい。付帯情報は、状況把握対象部位の状況を、より多段階で示す情報であってもよい。
タグ読取装置50は、RFIDリーダ42と、制御部の一例としての読取制御装置51と、通信装置44とを含む。
RFIDリーダ42は、読取制御装置51からの指示に基づいて、RFIDタグ34との間で無線通信を行う。アンテナ41の周囲に複数のRFIDタグ34が存在する場合、RFIDリーダ42は、複数のRFIDタグ34からIDを含むタグ情報を読取り可能に構成されている。例えば、RFIDリーダ42は、アンテナ41を通じて応答指令を断続的に無線送信する。断続的に送信される応答指令間の時間は一定であってもよい。アンテナ41からの応答指令を無線受信可能な位置にRFIDリーダ42が1つ又は複数存在した場合、当該1つ又は複数のRFIDタグ34がタグ情報を無線にて返信する。これにより、RFIDリーダ42が1つ又は複数のRFIDタグ34のタグ情報を無線受信することができる。複数のRFIDタグ34が同時に返信する場合を想定し、RFIDリーダ42とRFIDタグ34との通信機能は、アンチコリジョン機能を有していてもよい。アンチコリジョンは、例えば、RFIDリーダ42が複数のRFIDタグ34に対して返信可能なスロットを指定して応答指令を発し、さらに、応答済のRFIDタグ34のIDを除外した応答指令を発することで、複数のRFIDタグ34からの返信タイミングをずらす処理である。アンチコリジョンとして、他の処理が採用されてもよい。いずれにせよ、アンテナ41から送信される無線信号を受信可能な位置にRFIDタグ34が存在している場合、RFIDリーダ42からアンテナ41を通じて応答指令が無線送信される毎に、RFIDリーダ42はアンテナ41を通じて1つ又は複数のRFIDタグ34からのタグ情報を一括して読取る。
読取制御装置51は、演算処理装置52、記憶部53及びRAM(Random access memory)等を備えるコンピュータによって構成されている。演算処理装置52は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成される。記憶部53は、HDD(hard disk drive)、SSD(Solid-state drive)等の不揮発性記憶装置によって構成されている。記憶部53には、読取プログラム53a、IDリスト53b等が格納されている。記憶部53には、アンテナ41が設置された場所に関するローカル保存用のIDリスト53cが格納されることもある。演算処理装置52が記憶部53に記憶された読取プログラム53aに記述された処理を実行する。これにより、読取制御装置51は、RFIDリーダ42及びアンテナ41を通じて、RFIDタグ34からタグ情報を読取る処理を実行することができる。
演算処理装置52が実行する処理は、RFIDリーダ42を通じて常時読取りを行い、RFIDリーダ42を通じた読取りがなされた後、RFIDリーダ42を通じた読取りがされない時間と、所定の途切れ基準時間とを比較することで、鉄道車両の通過の完了の有無を判定する処理を含んでいてもよい。
演算処理装置52が実行する処理は、複数のRFIDタグ34のそれぞれについて、連続読取時間と連続読取基準時間とを比較することで、脱落したRFIDタグ34を特定する処理を含んでいてもよい。この場合、演算処理装置52は、脱落したと判定されたRFIDタグ34を、RFIDリーダ42を通じた読取り対象から除外してもよい。
演算処理装置52の処理の一例については後にさらに詳述される。
読取制御装置51は、RFIDリーダ42と通信装置44とに通信可能に接続されている。読取制御装置51とRFIDリーダ42又は通信装置44との接続は、LAN(Local Area Network)によってなされてもよいし、その他の通信線によってなされてもよい。
通信装置44は、サーバ装置60との間で通信を行う装置である。通信装置44は、通信回線70を通じてサーバ装置60との間で通信を行う。通信回線70は、有線式であっても無線式であってもよいしそれらの複合方式であってもよい。また、通信回線70は、公衆通信網であってもよいし専用回線であってもよい。
サーバ装置60は、制御部の一例としてのサーバ制御装置61と、通信装置72と、発報部74とを備える。
通信装置72は、通信回線70を通じてタグ読取装置50との間で通信を行う装置である。通信装置72は、サーバ制御装置61と通信可能に接続されており、通信装置72によって受信された情報がサーバ制御装置61に送信される。
サーバ制御装置61は、演算処理装置62、記憶部63及びRAM等を備えるコンピュータによって構成されている。演算処理装置62は、CPU等のプロセッサにより構成される。記憶部63は、HDD、SSD等の不揮発性記憶装置によって構成されている。記憶部63には、サーバプログラム63a、IDリスト63b、テーブル63c、帳票データ63d等が格納されている。演算処理装置62が記憶部63に記憶されたサーバプログラム63aに記述された処理を実行する。これにより、サーバ制御装置61は、タグ読取装置50から送信されたIDリストに基づく処理を実行することができる。IDリスト63bは、上記タグ読取装置50から送信される情報である。タグ読取装置50からは、鉄道車両20が通過する毎に、当該鉄道車両20に対応するIDリスト53bが送信される。サーバ制御装置61においては、タグ読取装置50から送信されるIDリスト63b(53b)が蓄積されていく。テーブル63cは、RFIDタグ34のIDと鉄道車両20とが対応付けられたテーブルである。本テーブル63cを参照することで、上記IDリスト63b(53b)におけるRFIDタグ34のIDに対応する鉄道車両20が特定される。帳票データ63dは、IDリスト63bとテーブル63cとに基づいて生成される、鉄道車両20の状況を示すデータである。帳票データ63dが本サーバ装置60から出力される。出力された帳票データ63dは、他の端末装置76の外面に表示されたり、紙77に印刷されたりすることで、管理者、作業者等によって視覚的に把握される。
演算処理装置62が実行する処理は、欠落判定基準単位量における、RFIDリーダ42を通じたタグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグ34の欠落状況を判定する処理を含んでいてもよい。この場合において、欠落判定基準単位量は、RFIDリーダ42を通過する鉄道車両20の通過回数であって2以上の値として予め設定された値であってもよい。なお、鉄道車両20がRFIDリーダ42を通過するとは、例えば、当該鉄道車両20に装着されたRFIDタグ34のタグ情報がRFIDリーダ42に接続されたアンテナ41を通じて読取られるように、鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過することをいう。
発報部74は、本タグ読取システム40における判定内容を警告として報知する装置である。発報部74は、RFIDタグ34を特定した発報を行ってもよい。例えば、発報部74が液晶表示装置等の表示装置であり、当該表示装置にID及び警告内容が表示されてもよい。また、例えば、発報部74は、音声生成装置及びスピーカーであり、ID及び警告内容が音によって報知されてもよい。また、例えば、発報部74は、プリンタであり、ID及び警告内容が紙に印刷された内容によって報知されてもよい。発報部74は、通信回線70を通じて接続された端末装置であってもよい。発報部74は、サーバ制御装置61が設置された場所以外、例えば、タグ読取装置50の近く、他の管理者、作業者の近くに設けられていてもよい。
演算処理装置62の処理の一例については後にさらに詳述される。
演算処理装置52が読取プログラム53aに従って実行する処理の一例について説明する。図4は演算処理装置52の処理例を示すフローチャートである。
処理開始後、ステップS1において、IDリストを初期化する。また、パラメータt1、t2を初期化する。ここで、後に説明するように、RFIDタグからのタグ情報の読取り状況に基づいて、除外フラグが立てられたIDを除く1つ以上のIDについて、RFIDリーダ42によるタグ情報の読取りが途切れる時間T1が得られる。また、RFIDタグからのタグ情報の読取り状況に基づいて、RFIDリーダ42による断続読取り処理において、RFIDタグ34のタグ情報を連続的に読取った連続読取時間T2が得られる。ここでの連続は1回も欠け無いで読取るということを意味せず、間に偶々RFIDタグ34のタグ情報を読取れないことがあってもよい。パラメータt1は、上記時間T1に対して予め設定されたデータ途切れ基準時間t1であり、鉄道車両20の運行状況等に応じて初期設定される値である。パラメータt2は、連続読取時間T2に対して予め設定された連続読取基準時間であり、鉄道車両20の運行状況等に応じて初期設定される値である。パラメータt1、t2を設定する例については後で説明する。
次ステップS2において、RFIDリーダ42及びアンテナ41を通じてRFIDタグからタグ情報の読取りを実行する。なお、ステップS2において、除外フラグが立てられている脱落したRFIDタグ34を、RFIDリーダ42を通じた読取対象から除外してもよい。例えば、当該除外フラグが立てられたIDを除き、RFIDリーダ42から応答指令が送信されてもよい。
次ステップS3において、IDリストに、読取ったID、付帯情報、読取時間、連続読取時間T2を記録する。IDリストは、例えば、図5に示すように、RFIDタグ34のIDに、付帯情報、除外フラグ情報、読取時間、連続読取時間T2を対応付けたリストである。ID及び付帯情報はRFIDタグ34から送信される情報である。付帯情報は、例えば、RFIDタグ34の取付対象箇所の正常又は不正常を、2値の情報で示す情報である。除外フラグ情報は、読取り対象から除外するか否かを表す情報である。除外フラグを立てる処理の一例は後で説明される。読取時間は、RFIDリーダ42がアンテナ41を通じて、RFIDタグ34のタグ情報を読取った時間である。RFIDリーダ42又はタグ読取装置50が当該読取りを行った時間が登録されてもよい。RFIDリーダ42がRFIDタグ34のタグ情報を複数回読取った場合には、当該RFIDタグ34に対して複数の読取時間が順次登録される。
連続読取時間T2は、上記したように、RFIDタグ34のタグ情報を連続的に読取った時間であり、RFIDタグ34毎に登録される。連続読取時間T2は、例えば、ステップS3が処理される毎に、IDリストに登録された読取時間のうち最初の時間と最後の時間との差として算出されてもよい。この場合、連続読取時間T2がIDリストに登録されなくもよい。連続読取時間T2は、RFIDリーダ42が応答指令を発してからタグ情報を読取るまでの応答時間を、複数の応答回数分、積算した時間であってもよい。
次ステップS4において、IDリストに登録されたID毎に、T2>t2であるか否かが判定される。t2は、予め設定された連続読取基準時間である。連続読取基準時間t2は、鉄道車両20が、アンテナ41が設置された箇所を通過する際、アンテナ41を通じてタグ情報を読取ることができる連続時間よりも大きく設定される。例えば、鉄道車両20の速度が大きければ、連続読取基準時間t2を小さくでき、逆に、鉄道車両20の速度が小さければ、連続読取基準時間t2を大きくするとよい。また、アンテナ41を通じたRFIDリーダ42による通信可能範囲が小さければ(例えば電波出力が小さい、アンテナが多数設置される等)、連続読取基準時間t2を小さくでき、逆に、通信可能範囲が大きければ(例えば電波出力が大きい、アンテナの設置数が少ない等)、連続読取基準時間t2を大きくしてもよい。連続読取時間T2は、例えば、600秒と設定されてもよい。ステップS4において、いずれかのIDに関してT2>t2であると判定されると、ステップS5に進み、全てのIDについてT2>t2でないと判定されると、ステップS6に進む。なお、T2=t2の場合、ステップS5及びS6のいずれに進んでもよい。
ステップS5において、T2>t2であると判定されたIDに対して除外フラグを立てて、IDリストを更新し、ステップS6に進む。図5では、ID“0007”に関して除外フラグが立てられた例が示される。除外フラグが立てられたIDに対応するRFIDタグ34は、読取りが長時間継続しているため、鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過するか否かに関係無く、当該アンテナ41の近くに位置している可能性が高い。そこで、このようなRFIDタグ34については、鉄道車両20から外れてアンテナ41の近くに脱落したRFIDタグ34であると特定し、除外フラグを立てる。つまり、ステップS4及びステップS5を含む処理によって、複数のRFIDタグ34のそれぞれについて、連続読取時間T2と連続読取基準時間t2とを比較することで、脱落したRFIDタグを特定する処理が実行される。
ステップS6では、除外フラグが立てられていない非除外IDについて、T1>t1であるか否かが判定される。T1は、除外フラグが立てられていない全てのIDのRFIDタグ34から、RFIDリーダ42がタグ情報を読取ることができない時間、即ち、データ途切れ時間T1である。データ途切れ時間T1は、例えば、ステップS6の処理が行われる毎に、上記IDリストに基づき、非除外IDを有する全てのRFIDタグ34について、最も直近に読取られた読取時間と、現在時間との差から求められてもよい。
データ途切れ基準時間t1は、1つ目の鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過し終えた後、別の2つ目の鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過する際において、RFIDタグ34からのタグ情報の読取りが途切れると想定される最小時間よりも大きく設定される。説明のため図6が参照される。図6は除外フラグが立てられていない全てのIDのRFIDタグ34の受信時間とID読取り数との関係を示す図である。同図に示すように、1つ目の鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過する期間においては、IDが多く読取られる変化部分W1が観察される。1つ目の鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過し終えると、次の鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過し始めるまでの期間Teにおいては、IDが読取られない。そして、次の鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過すると、IDが多く読取られる次の変化部分W2が観察される。そこで、変化部分W1と変化部分W2との間において、IDが読取られない期間Teが生じることに着目し、データ途切れ時間T1とデータ途切れ基準時間t1とを比較することで、鉄道車両20の通過の有無を判定する。なお、鉄道車両20の通過判定は、別途設けられた車両センサ、例えば、光センサ等によってなされてもよい。
例えば、鉄道車両20の走行スケジュール等からして複数の鉄道車両20間の走行間隔が短い場合には、データ途切れ基準時間t1は小さく設定され、逆に、走行間隔が長い場合には、データ途切れ基準時間t1は大きく設定されてもよい。データ途切れ基準時間t1は、例えば、15秒に設定されてもよい。ステップS6において、全ての非除外IDに関してT1>t1であると判定されると、ステップS7に進む。つまり、全ての非除外IDに関してT1>t1であれば、アンテナ41の近くを走行する鉄道車両20が無いと判定して、ステップS7に進む。一方、T1>t1でないと判定されると、ステップS2に進み、ステップS2以降の処理を繰返す。つまり、T1>t1でなければ、非除外IDを有するRFIDタグ34を読取る状態が継続しており、従って、鉄道車両20がアンテナ41の近くを走行していると判定し、ステップS2に戻って、読取り以降の処理を繰返す。なお、T1=t1の場合、ステップS2及びS7のいずれに進んでもよい。ステップS2の読取りを繰返し行ってRFIDリーダ42を通じた常時読取り処理を行うこと、及び、ステップS6において、RFIDリーダ42を通じた読取りがなされた後、RFIDリーダ42を通じた読取りがされないデータ途切れ時間T1と、データ途切れ基準時間t1とを比較することで、鉄道車両20の通過の完了の有無を判断する処理が実行される。
ステップS7では、N2=0に設定される。N2はデータ送信回数を示す値である。この後、ステップS8に進む。
ステップS8では、鉄道車両20の通過が完了した場合の処理として、通信装置44を通じてIDリストをサーバ装置60に向けて送信する。
次ステップS9では、値N2をカウントアップする。ステップS9によって送信回数がカウントされる。
次ステップS10ではサーバ装置60からの応答があったか否かが判定される。サーバ装置60から応答があった場合、ステップS11に進む。ステップS10においてサーバ装置60から応答が無かった場合、ステップS12に進む。
ステップS12では、N2<n2か否かが判定される。n2は予め設定された通信リトライ回数である。n2は例えば3回に設定されてもよい。ステップS12において、N2<n2でないと判定されると、ステップS8に戻って送信をリトライする。N2<n2と判定されると、ステップS13に進む。なお、N2<n2である場合、ステップS8、S13のいずれに進んでもよい。
ステップS13では、IDリストに係るデータをローカル保存する。例えば、IDリスト53cは、ローカルにおける保存用データとして、記憶部37に保存される(図3参照)。ローカルにおける保存用データとして記憶部53に保存されたIDリスト53cは、後続する鉄道車両20における読取り時にも記憶部53に記憶されたまま残るデータである。これに対して、サーバ装置60に送信されたIDリスト53bは、後続する鉄道車両20における読取り時には初期化されてもよい(ステップS1参照)。ステップS13の後、ステップS11に進む。
このように、ステップS7、S8、S9、S10、S12、S13によって、タグ読取装置50が、サーバ装置60へのタグ情報の送信が失敗すると、複数のRFIDタグ34のタグ情報を読取側の記憶部53に記憶する処理が実行される。
ステップS11では、終了指令の有無が判定される。例えば、キーボード、スイッチ、タッチパネル等の入力装置によって終了指令が与えられた場合には、処理を終了する。終了指令が無い場合には、ステップS1に戻って、後続する別の鉄道車両20に向けた処理を繰返す。
サーバ制御装置61がサーバプログラム63aに従って実行する処理の一例について説明する。図7は演算処理装置62の処理例を示すフローチャートである。
処理開始後、ステップS21において、初期化を実行し、ステップS22に進む。
ステップS22では、タグ読取装置50からデータとしてIDリストを受信し、ステップS23に進む。IDリストは、記憶部63に記憶される。このため、記憶部63には、鉄道車両20がアンテナ41の近くを通過する毎に受信された過去のIDリストが蓄積される。
ステップS23では、タグ読取装置50に向けてデータを受信した旨返信し、次ステップS24に進む。
ステップS24では、タグ読取装置50から送信されたIDリスト63bのIDとテーブル63cとを照合し、鉄道車両20を特定する。テーブル63cは、例えば、図8に示すように、車両IDに、車両IDを有する鉄道車両20に装着されたRFIDタグ34のIDを対応付けたテーブルである。車両IDは、鉄道車両20に対して割当てられた識別符号である。かかるテーブル63cは、例えば、RFIDタグ34を鉄道車両20に装着する際に、作成される。タグ読取装置50から送信されたIDリスト63bに含まれるIDは、いずれかの鉄道車両20に対応付けられた車両IDに属している。このため、テーブル63cを参照することによって、IDリスト63bにおいて特定されたIDに紐付けられた鉄道車両20が特定される。本ステップによって、RFIDリーダ42を通じて読取られたRFIDタグ34のIDとテーブル63cとに基づき、通過した鉄道車両20を特定する処理が実行される。
次ステップS25では、対象車両毎に、通過回数N1をカウントアップする。つまり、ステップS24において特定された鉄道車両20が対象車両であり、当該対象車両に対応する通過回数N1をカウントアップする。
次ステップS26では、送信されたIDリスト63bを参照し、ID毎に除外フラグが無いかを判定する。除外フラグが有る場合、ステップS33に進み、除外フラグが無い場合、ステップS27に進む。
ステップS33では、エラーを発報し、点検指示を出す。エラーの発報及び点検指示は、例えば、発報部74を通じてなされる。エラーの発報及び点検指示は、例えば、RFIDタグ34のIDの特定情報(ID等)、及び、アンテナ41近くにRFIDタグ34が脱落している旨の情報を含む表示によってなされてもよい。本ステップによって、脱落したRFIDタグ34を指定した警告を発する処理が実行される。この後、ステップS27に進む。
ステップS27では、対象車両(車両ID、ここでは、ステップS25においてN1をカウントアップした鉄道車両20)に関し、N1≧n1であるかどうかを判定する。n1は、欠落判定基準単位量として予め設定された値である。本実施形態では、欠落判定基準単位量は、鉄道車両20の通過回数であって2以上の値として設定される。例えば、欠落判定基準単位量は、6(回)として設定される。ステップS27において、全てのN1≧n1でないと判定されると、ステップS22に戻り、タグ読取装置50からのデータを受信する処理を繰返す。ステップS27において、N1≧n1であると判定されると、ステップS28に進む。なお、N1=n1である場合に、ステップS22に戻ってもよい。
ステップS28では、対象車両(車両ID、ここでは、ステップS25においてN1をカウントアップした鉄道車両20)に対して、記憶部63に蓄積されたIDリストに基づいて、IDの欠落の有無を判定する。この判定は、欠落判定基準単位量n1における、タグ情報の読取り状況に基づきなされる。本実施形態においては、対象車両について蓄積されたIDリストであって、過去の通過回数n1回分のIDリストが参照される。よって、過去の通過回数n1回分のIDリストの全体を考慮して、IDの欠落、つまり、RFIDタグ34の欠落の有無が判定される。なお、IDの欠落とは、車両IDに対して読取りされたとして登録されているべきIDを欠いている状態をいい、RFIDタグ34の欠落とは、鉄道車両20に対して装着されているべきRFIDタグ34が当該鉄道車両20から欠落していることをいう。IDの欠落は、RFIDタグ34の欠落と同義である。
本ステップにおけるIDの欠落の有無の判定は、例えば、過去の通過回数n1回分のIDリストの全体を参照して、複数のRFIDタグ34のうち1回もタグ情報を読取ることができないものを、欠落しているID(RFIDタグ34)として特定してもよい。この場合、過去の通過回数n1回分のIDリストの全体を参照して、複数のRFIDタグ34のうち、1回以上タグ情報を読取ることができたものについては、欠落していないID(RFIDタグ34)と判定することになる。
欠落の判定は別の基準によってなされてもよい。例えば、欠落判定単位量において、読取り回数がn回以下(又は未満)の読取り回数のものを欠落しているID(RFIDタグ34)として特定してもよい。この場合、例えば、nは予め設定された2以上の任意の自然数であってもよい。
ステップS28において、IDの欠落無しではない(つまり欠落有り)と判定されると、ステップS34に進み、欠落無しと判定されると、ステップS29に進む。
ステップS34では、エラーを発報し、点検指示を出す。つまり、複数のRFIDタグ34のうちのいずれかが欠落していると判定されたときに、点検指示警告を発する。エラーの発報及び点検指示は、例えば、発報部74を通じてなされる。エラーの発報及び点検指示は、例えば、欠落したRFIDタグ34の特定情報(ID等)、及び、RFIDタグ34が欠落している旨の情報を含む表示によってなされてもよい。ステップS34の処理後、ステップS29に進む。
ステップS29では、対象車両の付帯情報を整理する。付帯情報は、鉄道車両20の状態を示す情報であり、IDリストに登録された情報である。例えば、特定の鉄道車両20において、同じRFIDタグ34のタグ情報が複数回読取られている。この場合、同じRFIDタグ34に関して複数の付帯情報が登録されている場合があり得る。このような場合において、複数の付帯情報に対してOR演算又はAND演算(例えば、付帯情報が2値情報である場合)したり、平均演算(例えば付帯情報が連続値情報である場合)したりすることで、付帯情報を整理する。この後、ステップS30に進む。
ステップS30では、整理された付帯情報に基づき帳票が出力される。帳票は、対象となった鉄道車両20に関し、RFIDタグ34によって得られた情報をまとめた情報である。かかる帳票は、データの形式で記憶され、表示装置等を通じて表示されてもよいし、紙媒体に印刷されてもよい。
次ステップS31において、対象車両の通過回数N1を0に設定し、ステップS32に進む。
ステップS32では、終了指令の有無が判定される。例えば、キーボード、スイッチ、タッチパネル等の入力装置によって終了指令が与えられた場合には、処理を終了する。終了指令が無い場合には、ステップS22に戻って、タグ読取装置50からのデータを受信する処理を繰返す。
以上のように構成されたタグ管理システム30によると、欠落判定基準単位量における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグ34の欠落状況を判定する。このため、偶々RFIDリーダ42がRFIDタグ34のタグ情報を読取れない事態が生じたとしても、欠落判定基準単位量全体における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグ34の欠落状況が判定される。このため、鉄道車両20におけるRFIDタグ34の欠落がより正確に判定され、RFIDタグ34に基づく管理を適切に行える。
より具体的な状況の一例を説明する。例えば、雨天時には雨水が電波を減衰させるため、RFIDリーダ42が鉄道車両20に装着されているRFIDタグ34のタグ情報を読取れない事態が生じ得る。また、鉄道車両20がアンテナ41の近くを予め設定された許容速度を超過して通過すると、鉄道車両20とアンテナ41との相対的な関係において、読取りのための電波の到達範囲が狭くなる。このような場合において、RFIDリーダ42が鉄道車両20に装着されているRFIDタグ34のタグ情報を読取れない事態が生じ得る。しかしながら、上記状況は継続的な状況ではないため、他の状況、例えば、次の通過タイミングでは、鉄道車両20に装着されているRFIDタグ34のタグ情報を、RFIDリーダ42が読取れる状況が生じ得る。そこで、欠落判定基準単位量全体における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグ34の欠落状況が判定されることで、RFIDタグ34の欠落がより正確に判定される。
この点において、本タグ管理システム30は、鉄道車両20に装着された複数のRFIDタグ34からIDを含むタグ情報を読取るタグ欠落判定システムを含むと把握できる。
複数のRFIDタグ34のうちのいずれかが欠落していると判定されたときに、ステップS34に示すように、点検指示警告を発してもよい。この場合、複数のRFIDタグ34のいずれかが欠落していると判定されたときに、管理者等に点検するように働きかけることができる。
また、欠落判定基準単位量は、RFIDリーダ42を通過する鉄道車両20の通過回数であって2以上の値として予め設定された値であってもよい。アンテナ41の近くを通過する鉄道車両20の速度、周辺天候は、通過毎に異なると考えられる。欠落判定基準単位量が鉄道車両20の上記通過回数であれば、通過の毎に状況が変って、いずれかの通過の際に、RFIDタグ34のタグ情報が読取られる可能性がある。このため、複数のRFIDの欠落状況が適切に判定される。
また、RFIDリーダ42を通じて常時読取り処理を行い、RFIDリーダ42を通じた読取りがなされた後、RFIDリーダ42を通じた読取りがされないデータ途切れ時間T1と、データ途切れ基準時間t1とを比較することで、鉄道車両20の通過の完了の有無を判断してもよい。このため、鉄道車両20の通過を検知するセンサ等が無くても、鉄道車両20の通過をカウントでき、低コスト化に貢献し得る。
この点において、本タグ管理システム30は、RFIDリーダ42を通じて常時読取りを行い、データ途切れ時間T1と、データ途切れ基準時間t1とを比較することで、鉄道車両20の通過の完了の有無を判定する鉄道車両の通過判定システムを含むと把握できる。
また、欠落判定基準単位量において、複数のRFIDタグ34のうち1回も読取りができないものを、欠落しているRFIDタグ34として特定してもよい。これにより、欠落判定基準単位量において、1回でも読取りできたRFIDタグ34については、欠落していないと判定でき、1回も読取りできないRFIDタグ34については、欠落していると特定できる。
また、複数のRFIDタグ34のそれぞれについて、連続読取時間T2と連続読取基準時間t2とを比較することで、アンテナ41近くに脱落しているRFIDタグを特定してもよい。これにより、アンテナ41近くに脱落したRFIDタグ34を判定できる。また、アンテナ41の近くに脱落したRFIDタグ34のタグ情報がRFIDリーダ42に読取られることによって、当該RFIDタグ34が鉄道車両20に正常に装着されていると誤認識される状況を防止できる。鉄道車両20からアンテナ41によって読取り可能な位置に脱落したRFIDタグ34は脱落RFIDタグは称されてもよい。
また、脱落したRFIDタグを指定した警告を発するようにしてもよい。これにより、脱落したRFIDタグ34を点検するように管理者等に働きかけることができる。
脱落したRFIDタグ34を、RFIDリーダ42を通じた読取り対象から除外してもよい。これにより、脱落したRFIDタグ34を除外して、前記複数のRFIDタグ34の欠落状況を認識できる。また、鉄道車両20の通過判定を行う際に、脱落したRFIDタグ34は除外されるので、鉄道車両20の通過判定の誤判定が抑制される。
また、RFIDリーダ42を通じて読取られたRFIDタグ34のIDとテーブル63cとに基づき、通過した鉄道車両20を特定してもよい。これにより、通過した鉄道車両20毎にタグ情報を管理することができる。なお、鉄道車両20は、複数の車両が連結された編成単位で管理されてもよいし、1つの車両単位で管理されてもよい。
また、タグ読取装置50は、サーバ装置60へのIDリストの送信が失敗すると、当該IDリストをタグ読取装置50における記憶部53に記憶する。このため、サーバ装置60に対するIDリストの送信が失敗したときに、タグ読取装置50側において当該IDリストを残して保存することができる。これにより、サーバ装置60において、鉄道車両20のいずれかの通過タイミングにおけるIDリストの欠落が生じたとしても、タグ読取装置50に保存されたIDリストによって当該欠落を補うことができる。
また、タグ情報が鉄道車両20に関する付帯情報を含むと、鉄道車両20に関する情報(装着箇所の正常不正常等の情報)をも含めて管理することができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
本開示は、下記各態様を含む。
第1の態様は、鉄道車両に装着された複数のRFIDタグと、前記複数のRFIDタグからIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダを含み、欠落判定基準単位量における、前記RFIDリーダを通じた前記タグ情報の読取り状況に基づき、前記複数のRFIDタグの欠落状況を判定するタグ読取システムと、を備えるタグ管理システムである。
これにより、偶々RFIDリーダがRFIDタグを読取れない事態が生じたとしても、欠落判定基準単位量全体における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグの欠落状況が判定される。このため、鉄道車両におけるRFIDタグの欠落がより正確に判定され、RFIDタグに基づく管理を適切に行える。
第2の態様は、第1の態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記複数のRFIDタグのうちのいずれかが欠落していると判定されたときに、点検指示警告を発する、タグ管理システムである。この場合、複数のRFIDタグのいずれかが欠落していると判定されたときに、点検指示信号を出力することによって、点検するように働きかけることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様にかかるタグ管理システムであって、前記欠落判定基準単位量は、前記RFIDリーダを通過する前記鉄道車両の通過回数であって2以上の値として予め設定された値である、タグ管理システムである。この場合、2回以上の通過回数として予め設定された値における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDの欠落状況が判定される。
第4の態様は、第3の態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記RFIDリーダを通じて常時読取り処理を行い、前記RFIDリーダを通じた読取りがなされた後、前記RFIDリーダを通じた読取りがされない時間と、途切れ基準時間とを比較することで、前記鉄道車両の通過の完了の有無を判断する、タグ管理システムである。この場合、鉄道車両の通過を検知するセンサが無くても、鉄道車両の通過をカウントできる。
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記欠落判定基準単位量において、前記複数のRFIDタグのうち1回も読取りができないものを、欠落しているRFIDタグとして特定する、タグ管理システムである。この場合、欠落判定基準単位量において、1回でも読取りできたRFIDタグについては、欠落していないと判定でき、1回も読取りできなかったRFIDタグについては、欠落していると特定できる。
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記複数のRFIDタグのそれぞれについて、連続読取時間と連続読取基準時間とを比較することで、脱落RFIDタグを特定する、タグ管理システムである。この場合、リーダ近くに脱落したRFIDタグを判定できる。
第7の態様は、第6の態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記脱落RFIDタグを指定した警告を発する、タグ管理システムである。この場合、脱落RFIDタグを点検するように働きかけることができる。
第8の態様は、第6又は第7の態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記脱落RFIDタグを、前記RFIDリーダを通じた読取り対象から除外する、タグ管理システムである。この場合、脱落したRFIDタグを除外して、前記複数のRFIDタグの欠落状況を認識できる。
第9の態様は、第1から第8のいずれか1つの態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記RFIDタグのIDと鉄道車両とが対応付けられたテーブルが記憶された記憶部をさらに含み、前記RFIDリーダを通じて読取られた前記RFIDタグのIDと前記テーブルとに基づき、通過した鉄道車両を特定する、タグ管理システムである。この場合、通過車両毎にタグ情報を管理することができる。
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ読取システムは、前記RFIDリーダと読取側記憶部とを含む読取装置と、前記読取装置から送信される前記複数のRFIDタグのタグ情報を保存するサーバ装置とを備え、前記読取装置は、前記サーバ装置への前記複数のRFIDタグのタグ情報の送信が失敗すると、前記複数のRFIDタグのタグ情報を、前記読取側記憶部に記憶する、タグ管理システムである。この場合、タグ情報の送信が失敗したときに、読取装置側において、当該タグ情報を残して保存することができる。
第11の態様は、第1から第10のいずれか1つの態様にかかるタグ管理システムであって、前記タグ情報は、前記鉄道車両に関する付帯情報を含む、タグ管理システムである。この場合、鉄道車両に関する情報を管理することができる。
第12の態様は、鉄道車両に装着された複数のRFIDタグからIDを含むタグ情報を読取るタグ欠落判定システムであって、前記複数のRFIDタグから前記タグ情報を読取るRFIDリーダと、欠落判定基準単位量における、前記RFIDリーダを通じた前記タグ情報の読取り状況に基づき、前記複数のRFIDタグの欠落状況を判定する制御部と、を備えるタグ欠落判定システムである。この場合、偶々RFIDリーダがRFIDタグを読取れないことが生じたとしても、欠落判定基準単位量全体における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグの欠落状況が判定される。このため、鉄道車両におけるRFIDタグの欠落が正確に認識される。
第13の態様は、第12の態様にかかるタグ欠落判定システムであって、前記欠落判定基準単位量は、前記RFIDリーダを通過する前記鉄道車両の通過回数であって2以上の値として予め設定された値である、タグ欠落判定システムである。この場合、通過回数として予め設定された値における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDの欠落状況が判定される。
第14の態様は、鉄道車両に装着された複数のRFIDタグからタグ情報を読取る鉄道車両の通過判定システムであって、前記複数のRFIDタグからIDを含むタグ情報を読取るRFIDリーダと、前記RFIDリーダを通じて常時読取りを行い、前記RFIDリーダを通じた読取りがなされた後、前記RFIDリーダを通じた読取りがされない時間と、途切れ基準時間とを比較することで、前記鉄道車両の通過の完了の有無を判定する制御部と、を備える鉄道車両の通過判定システムである。この場合、鉄道車両の通過を検知するセンサが無くても、鉄道車両の通過をカウントできる。
第15の態様は、第14の態様にかかる鉄道車両の通過判定システムであって、前記制御部は、前記複数のRFIDタグのそれぞれについて、連続読取時間と連続読取基準時間とを比較することで、脱落RFIDタグを特定する、鉄道車両の通過判定システムである。この場合、リーダ近くに脱落したRFIDタグを判定できる。
第16の態様は、第15の態様にかかる通過判定システムであって、前記制御部は、前記脱落RFIDタグを、前記RFIDリーダを通じた読取り対象から除外する、鉄道車両の通過判定システムである。この場合、脱落したRFIDタグを除外して、前記複数のRFIDタグの欠落状況を正確に認識できる。
第17の態様は、鉄道車両に装着された複数のRFIDタグからIDを含むタグ情報を読取るタグ欠落判定方法であって、前記複数のRFIDタグから前記タグ情報を読取るステップと、欠落判定基準単位量における、前記複数のRFIDタグからの前記タグ情報の読取り状況に基づき、前記複数のRFIDタグの欠落状況を判定するステップと、を備えるタグ欠落判定方法である。この場合、偶々RFIDリーダがRFIDタグを読取れないことが生じたとしても、欠落判定基準単位量全体における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDタグの欠落状況が判定される。このため、鉄道車両におけるRFIDタグの欠落が正確に認識される。
第18の態様は、第17の態様にかかるタグ欠落判定方法であって、前記欠落状況を判定するステップにおいて、前記鉄道車両の2回以上の通過回数における、前記複数のRFIDタグからの前記タグ情報の読取り状況に基づき、前記複数のRFIDタグの欠落状況を判定する、タグ欠落判定方法である。この場合、通過回数として予め設定された値における、タグ情報の読取り状況に基づき、複数のRFIDの欠落状況が判定される。
第19の態様は、鉄道車両に装着された複数のRFIDタグからIDを含むタグ情報を読取る鉄道車両の通過判定方法であって、前記複数のRFIDタグから前記タグ情報を読取るステップと、前記複数のRFIDタグから常時読取り動作を行い、前記RFIDタグからの読取りがなされた後、前記RFIDタグからの読取りがされない時間と、途切れ基準時間とを比較することで、前記鉄道車両の通過の完了の有無を判断するステップと、を備える鉄道車両の通過判定方法である。この場合、鉄道車両の通過を検知するセンサが無くても、鉄道車両の通過をカウントできる。