JP7399419B2 - 鉄筋長表示システム及び鉄筋長表示プログラム - Google Patents
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躯体の配筋設計は、先ず机上で計画を立て、紙面又はコンピュータの画面上に表示する手法が採られるが、その際、前記鉄筋群を構成するそれぞれの鉄筋長寸法は、各鉄筋それぞれの中央に、離して表示することとされている。(図2又は図4点線内参照)
仮に、単に視線移動を少なくする便宜を図るのであれば、数表等にまとめて表示すれば足りるものの、それでは、どの寸法がどの鉄筋かを特定する作業が困難となる。
更に、従来、鉄筋の寸法は、個別に鉄筋の属性として紐付けられているため、その寸法も鉄筋毎に近接して配置し、又は鉄筋一本毎に管理する方が容易であるが、それが配筋図の読解性及び切寸の視認性をおとしめているという側面もある。
殊に、「重ね」又は「圧接」を採用する場合にあっては、鉄筋計算ルールに副った適合領域に配置されていることを確認する必要があるため、その確認に資するだけの配筋図の読解性並びに継手の種類及び配置の視認性を高めることが課題となっている。
前記連結情報表示手段は、前記集約表示として、前記鉄筋線形の端部に当該鉄筋線形を構成する鉄筋の切寸を連結した一連の文字列を、躯体軸又は鉄筋線形に沿って出力することを特徴とする
前記連結情報表示手段に、前記集約表示として、前記鉄筋線形の端部に当該鉄筋線形を構成する鉄筋の切寸を連結した一連の文字列を、躯体軸又は鉄筋線形に沿って出力させる鉄筋長表示システムとして機能させる構成を採ることができる。
また、切寸が散在せず集約された形で整然と並べて表示できるため、当該躯体を構成する鉄筋線形の全様及びその鉄筋構成を一目で把握することができ、設計後における鉄筋の配置確認を容易に行うことができる。
更に、切寸の配置が鉄筋の配置に副っているため、配筋図を観る者にとって、鉄筋線形と鉄筋(切寸)群、及び鉄筋と切寸との対応が理解し易いという利点もある。
図5は、本発明の実施形態にかかる鉄筋長表示システムを具備した配筋設計支援装置の機能構成を示したブロック図である。
前記鉄筋長表示システムは、前記配筋計算手段が出力した鉄筋データから当該躯体に内包される鉄筋線形を取得する配筋検出手段と、前記鉄筋データから鉄筋計算ルールに基づき躯体の鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を算出する切寸取得手段と、切寸取得手段で算出された切寸を受けて前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸連結情報を編集すると共に、当該躯体に内包された鉄筋の鉄筋線形の属性として当該切寸連結情報を紐付ける連結情報作成手段と、前記鉄筋線形に紐付けられた切寸連結情報を当該鉄筋群が形作る鉄筋線形の表示の一部(先端部)と紐付けた集約表示として出力する連結情報表示手段を備える。
前記切寸取得手段は、継手設定手段により前記鉄筋データの鉄筋線形並びにそれに含まれる鉄筋の定着長、フック爪長さ、曲げR部等から、一連の鉄筋線形に継手が介在する位置及びその継手の種類を設定する継手設定処理、寸法検出手段により前記鉄筋線形からそれに属する鉄筋の寸法(切寸)を当該鉄筋線形の始点から順に導く単位寸法検出処理を行う。
前記単位寸法検出処理は、例えば、鉄筋線形の全長が13mであれば、線形IDに続いて、鉄筋線形全長13000を4000で3個に割って余り1000を最後に追加し一連の寸法データ“ID,4000,4000,4000,1000” (切寸連結情報)を単位レコードとして保存し、各鉄筋線形の鉄筋線形データと紐づけられたレコード群を形成する(図6参照(A))。
前記切寸取得手段は、鉄筋データから一本の鉄筋線分(切寸)を抽出し、当該線分の端点上に端点が存在する他の線分、又は当該線分の端点から当該鉄筋の半径の範囲内相当の距離に端点を持つ線分を検索し特定しつつ鉄筋線形を特定する単位寸法検出処理を採用することもできる。
尚、一連の寸法データを含む鉄筋線形データを他の記録媒体に書き込まれたファイルから読み込むこともできる。
その際、前記まとめデータ作成手段は、線形IDに続いて、開始距離、終了距離、開始アンカ長及び終了アンカ長を算出し、線形に本数属性がある場合は、その本数を取得し、無い場合は本数(初期値)を一本として処理を行う。
続いて、前記切寸取得手段で導かれた寸法を前記鉄筋線形の始点から順に連結した寸法データ、例えば、“線形ID,180,5030,300,300,2500,4000,4000,2150、本数”という形の鉄筋比較データ(α)mを保存すると共に(図6(B)参照)、(a)軸上の開始点距離及び終了点距離が同じ、(b)始端アンカ長及び終点アンカ長が同じ、(c)連結個数及び切寸が同じであって且つ同じ順に連結されているという3要件(連結構成)を満足した鉄筋線形群(以下「同線形群」という)を、指定された向きの指定された層の図面画像に表示される鉄筋線形群から検出する処理を行う(図13及び図15参照)。
また、アンカ長とは、鉄筋の端部に設けられた屈曲部の長さであって、フックの部分を除いた長さである。
例えば、鉄筋線形(イ)の始端アンカ長は、屈曲部の長さであり、鉄筋線形(ロ)の始端アンカ長は無く、終端アンカ長は、屈曲部の長さである。
尚、この例において、前記距離の同一範囲は±50mm、アンカ長、各連結長(切寸)及び連結全長の同一範囲は±2.5mmとする。
また、前記連結情報作成手段は、図面画像の視認性を高めるために、表示整理処理として、前記特定線形以外の鉄筋IDに係る鉄筋線形の文字列(集約表示)を非表示とする(図16参照)。
その際、前記まとめデータ作成手段は、当該躯体に含まれる同じ鉄筋線形を、複数の層に分別してまとめデータ作成処理を行う。
前記まとめデータ作成手段は、描画対象が梁である場合には、例えば、梁を真上から見る場合は、上筋、宙吊筋又は下筋が描かれる切取り層を設定することができる。
尚、この例において、前記線形抽出処理は、前記配筋検出手段及び切寸取得手段により行われている。
また、前記宙吊筋は、複数の層にわたって重ねて配筋されている場合もある。
即ち、鉄筋線形に含まれる継手には、「重ね」、「圧接」及び「機械」があり、「重ね」又は「圧接」を採用する場合には、鉄筋計算ルール等に基づく適合範囲に継手を配置することが求められる。
例えば、隣り合う継手を500mm以上ずらして配置することが求められる。
例として、上筋が2本の同一線形である場合には、各々の始端に位置する切寸として、それぞれ5000mmと5500mmの異なる寸法を使用し、中間に位置する切寸として同じ寸法を使用し、終端に位置する切寸として、それぞれ3500mmと3000mmを使用することで、全長が同じ寸法であり、且つ両者の継手の位置が500mmずつずれた配筋とすることが求められる。
仮に、「重ね」又は「圧接」の継手を使用した鉄筋線形が何十本隣接して配置された場合であっても、2種類の連結構成をまとめて表示すれば足りることとなり、良好な視認性を得ることができる。
各層の画像は、ユーザーの選択操作により、任意に選択して個別に表示し、又はすべての層の画像を、相互に重ならないようにずらして配置して表示することができる。
また、前記連結情報表示手段は、当該図面画像上に、当該画像に表示されている鉄筋の鉄筋線形に紐付けられた前記一連の集約表示を、当該鉄筋群が形作る鉄筋線形の表示の一部と位置的一体性を与え、又は引き出し線を介して一体性を与えた情報集約表示で出力する。
これをもって、当該文字列が寸法を表している鉄筋線形の始点がわかり、鉄筋線形と集約表示との一体性が与えられることとなる(図8)。
前記交点KPは、前記文字列と躯体線の重なりを避けるために、前記鉄筋データから前記文字列と躯体線との干渉(かぶりなど)を検出した場合には、前記連結情報表示手段は、更に、躯体干渉解消手段で文字列の中心線(文字中心線)をV方向に文字高さ分移動する処理を行う(図9参照)。
前記文字列の複数が表示位置を共有する場合には、複数の文字列が一カ所に重なってしまうので、前記連結情報表示手段は、文字列干渉解消手段により文字列の始点が等しい文字列毎に、前記文字列の中心線をV方向に当該文字列の文字高さ単位でシフトさせる処理を行う(図10参照)。
文字列は、最初の文字列(最初の線形寸法)の中心を基点SPに配置し、当該基点SPにおける前記方向SVへ最初の文字列分移動させた新たな基点SPを中心としてセパレータを表示する。
以上の処理によれば、前記躯体線及び文字列の中心線が曲線であっても、それらに倣う文字列を表示することができる。
この例は、前記鉄筋計算ルールに基づき、各鉄筋線形を構成する鉄筋を連結するに適した継手を導き、圧接と、機械継手又は重ね継手をシンボルの形状(丸や円柱状など)や色で区別し、文字列の寸法間に介在するハイフン等のセパレータに継手情報の機能を与え、当該継手の相違や適不適を色や太さで区別するものである(図18参照)。
一方、画面上の図面においては、鉄筋線形の切寸の連結位置に継手のシンボルを表示させると共に、文字列の寸法間に継手の種類及び配置の適否を区別できるセパレータを介在することによって、設計値に適合しているかどうかをオペレータが容易に知ることができる。
一般的に、継手配置の適合区間は、設計値により梁スパンの両端部4分の1と、当該両端部に挟まれた中間部との区画で示される(図19参照)。
図19の梁断面図と梁軸から上筋範囲の適合区間を算出する処理の場合は、先ず、すべての梁スパンについて、梁断面図の上半分を切断すると共に、梁軸の適合区間を切断し、適合区間のブロック(以下「適合ブロック」という)を設定する(図20参照)。
また、適合ブロックに入っていたとしても、合否境界面から一定距離以内に近接している場合には「注意」の出力を行う。
前記継手表示手段は、前記切寸取得手段による継手設定処理で導かれた継手データに基づいて継手の種類及び配置を導き、例えば、圧接であれば球体、機械継手又は重ね継手であれば円柱を表示する。
その際、球の直径は、例えば、鉄筋線形の太さの1.2倍から3倍程度とする。
一方、円柱の底辺の直径は、球と同様とし、その高さ(長さ)は、機械継手や重ね継手の種類により予め定められた長さとする。
円柱の中心線は、鉄筋線形の「開始距離点=P点-継手長/2」から「終了距離点=P点+継手長/2」までの区間とする(図18(C)参照)。
その際、前記継手検査手段の出力は、前記継手表示手段によって表示されたシンボル又は色の相違として表示し、例えば、前記球及び円柱を採用するとすれば、その色を、「合格」は緑、「注意」は黄、「不合格」は赤で表示する。
前記連結情報作成手段は、前記文字列を作成する際、前記切寸連結情報に基づいて当該鉄筋線形の切寸構成と共に各継手の位置を検出し、各ブロックにおける継手の位置関係から前記「合格」、「注意」又は「不合格」の判定結果を取り込み、当該判定結果を前記集約表示に含める処理を行う(図11(B)又は図12(B)参照)。
継手の位置が前半・後半いずれも「不合格」である場合には、ハイフンの「前半・後半=赤・赤」で表示し、前半・後半いずれも「合格」である場合には、「前半・後半=緑・緑」、前半・後半ともに「注意」である場合には、「前半・後半=黄・黄」、前半又は後半のみ「不合格」である場合には、「前半・後半=赤・〇又は〇・赤」、前半又は後半のみ「注意」である場合には、「前半・後半=黄・〇又は〇・黄」、前半又は後半のみ「合格」である場合には、「前半・後半=緑・〇又は〇・緑」でハイフンを色分けした鉄筋長文字列を作成する(図22参照)。
上記の通り作成された鉄筋長文字列は、前記連結情報表示手段により出力される。
また、「注意」のシンボルに隣接した切寸は、境界からの長さが減少すれば適合範囲から外れる危険があり、逆に増加すれば適合範囲の中央に、より近づくことを認識することができるためオペレータにとって便宜となる。
SP 基点,SV 方向,
Claims (8)
- 躯体に内包される鉄筋の鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を採取する切寸取得手段と、
前記切寸取得手段で採取された切寸を受けて前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸連結情報を編集すると共に、当該切寸連結情報と当該鉄筋線形を紐付ける連結情報作成手段と、
前記鉄筋線形に紐付けられた切寸連結情報を当該鉄筋群が形作る鉄筋線形の表示の一部と紐付けた集約表示として出力する連結情報表示手段を備え、
前記集約表示は、前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を当該鉄筋群の配置に副って集合配置したものであることを特徴とする鉄筋長表示システム。 - 躯体に内包される鉄筋の鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を採取する切寸取得手段と、
前記切寸取得手段で採取された切寸を受けて前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸連結情報を編集すると共に、当該切寸連結情報及び一括表示される鉄筋線形の数と当該鉄筋線形を紐付ける連結情報作成手段と、
前記鉄筋線形に紐付けられた切寸連結情報及び一括表示される鉄筋線形の数を当該鉄筋群が形作る鉄筋線形の表示の一部と紐付けた集約表示として出力する連結情報表示手段を備え、
前記集約表示は、前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸及び一括表示される鉄筋線形の数を当該鉄筋群の配置に副って集合配置したものであることを特徴とする鉄筋長表示システム。 - 前記連結情報表示手段は、前記集約表示として、前記鉄筋線形の端部に当該鉄筋線形を構成する鉄筋の切寸を連結した一連の文字列を、躯体軸又は鉄筋線形に沿って出力することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の鉄筋長表示システム。
- 前記鉄筋線形を形作る鉄筋群を連結する継手の種類及び配置からなる継手データを導く継手設定手段と、
前記継手データに基づき配置された継手が規則に副って配置されているか否かを判定する継手検査手段を備え、
前記連結情報作成手段は、前記判定結果を前記集約表示における切寸間のセパレータに反映する処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鉄筋長表示システム。 - コンピュータに、
躯体に内包される鉄筋の鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を採取する切寸取得手段と、
前記切寸取得手段で採取された切寸を受けて前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸連結情報を編集すると共に、当該切寸連結情報と当該鉄筋線形を紐付ける連結情報作成手段と、
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前記集約表示を、前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を当該鉄筋群の配置に副って集合配置したものとして出力する鉄筋長表示システムとして機能させることを特徴とする鉄筋長表示プログラム。 - コンピュータに、
躯体に内包される鉄筋の鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸を採取する切寸取得手段と、
前記切寸取得手段で採取された切寸を受けて前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸連結情報を編集すると共に、当該切寸連結情報及び一括表示される鉄筋線形の数と当該鉄筋線形を紐付ける連結情報作成手段と、
前記鉄筋線形に紐付けられた切寸連結情報及び一括表示される鉄筋線形の数を当該鉄筋群が形作る鉄筋線形の表示の一部と紐付けた集約表示として出力する連結情報表示手段を備え、
前記集約表示を、前記鉄筋線形を形作る鉄筋群の切寸及び一括表示される鉄筋線形の数を当該鉄筋群の配置に副って集合配置したものとして出力する鉄筋長表示システムとして機能させることを特徴とする鉄筋長表示プログラム。 - 前記連結情報表示手段は、前記集約表示として、前記鉄筋線形の端部に当該鉄筋線形を構成する鉄筋の切寸を連結した一連の文字列を、躯体軸又は鉄筋線形に沿って出力することを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の鉄筋長表示プログラム。
- コンピュータに、
前記鉄筋線形を形作る鉄筋群を連結する継手の種類及び配置からなる継手データを導く継手設定手段と、
前記継手データに基づき配置された継手が規則に副って配置されているか否かを判定する継手検査手段を備え、
前記連結情報作成手段は、前記判定結果を前記集約表示における切寸間のセパレータに反映する処理を行う鉄筋長表示システムとして機能させることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の鉄筋長表示プログラム。
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