以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る部品配置決定方法および部品配置決定プログラムを具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る部品実装システムの構成例を説明する図である。実施の形態1に係る部品実装システム1は、基板上に半田を印刷する半田印刷工程と、半田印刷後の基板に部品を実装する部品実装工程と、基板に印刷された半田をリフローするリフロー工程と、リフローされた基板を回収する基板回収工程とを含む生産工程を実行するシステムである。
実施の形態1に係る部品実装システム1は、基板搬送方向の上流(図1における左側)から順に、部品実装ライン6に含まれる生産設備である基板供給装置2と、印刷装置3と、複数の部品実装装置M1,M2,M3,M4,M5,M6,M7,M8,M9のそれぞれと、リフロー装置4と、基板回収装置5とを含んで構成される。なお、ここでいう生産設備は、ワークとしての基板に半田を介して部品が実装された実装基板(生産物)を生産するための生産工程の一部を実行する装置である。なお、図1において、部品実装システム1が部品実装装置M1~部品実装装置M9の合計9台の部品実装装置を備える例を示すが、部品実装装置の台数は、少なくとも1台あればよい。
部品実装システム1が備える基板供給装置2、印刷装置3、部品実装装置M1~M9、リフロー装置4、基板回収装置5のそれぞれは、管理コンピュータ8との間で有線通信または無線通信可能に接続され、データの送受信を行う。ここでいう無線通信は、例えば無線LAN(Local Area NetWork)、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの無線通信規格に準じて提供される通信方式である。
基板供給装置2は、基板供給装置2が備えるメモリ(不図示)により記憶された基板供給データに基づいて、ラックなどに収納された複数の基板のそれぞれを取り出して、搬送することで下流側の印刷装置3に供給(搬出)する。
印刷装置3は、管理コンピュータ8から送信され、印刷装置3が備えるメモリ(不図示)により半田印刷データ(例えば、基板ごとの半田の印刷パターンなど)を記憶する。印刷装置3は、記憶された半田印刷データに基づいて、基板供給装置2から搬入された基板にメタルマスク(不図示)を介してペースト状のクリーム半田を塗布(印刷)する半田印刷工程を実行する。また、印刷装置3は、メタルマスクの下面に付着したクリーム半田を除去するマスククリーニングを実行するクリーニング機能を有する。さらに印刷装置3は、所定枚数の基板に半田を塗布するたびにマスククリーニングを実行する。印刷装置3は、半田印刷後の基板を部品実装装置M1に搬出する。
複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれは、メモリ82(図8参照)に管理コンピュータ8から送信された基板および部品の生産データを記憶する。複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれは、印刷装置3または連接された上流側の部品実装装置から搬入された基板(つまり、クリーム半田が塗布された基板)に部品を搭載する機能を有する。部品実装装置M1は、管理コンピュータ8から送信された実行指令に基づいて、部品実装工程を実行する。複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれは、部品実装後の基板をリフロー装置4または連接された下流側の部品実装装置に搬出する。
リフロー装置4は、リフロー装置4が備えるメモリ(不図示)に管理コンピュータ8から送信された基板の種類ごとのリフローデータ(例えば、基板Bを搬送するコンベアの搬送速度、加熱温度など)を記憶する。リフロー装置4は、記憶されたリフローデータに基づいて、部品実装装置M9から搬入され、部品が搭載された状態の基板を加熱してクリーム半田を融解させた後に固化させ、基板上に搭載された部品を半田付けするリフロー工程を実行する。なお、リフロー装置4は、リフロー工程を実行する生産モードの他、作業対象の基板が搬入されるまで加熱ヒータの電力を抑制する省電力モードを有する。リフロー装置4は、管理コンピュータ8から送信された制御指示に基づいて、生産モードまたは省電力モードに動作モードを切り替える。リフロー装置4は、リフロー後の基板を基板回収装置5に搬出する。
基板回収装置5は、基板回収装置5が備えるメモリ(不図示)に管理コンピュータ8から送信された基板回収データを記憶する。基板回収装置5は、基板回収データに基づいて、リフロー装置4から搬入された複数の基板のそれぞれをラックに収納する基板回収工程を実行する。
部品実装ライン6は、基板供給装置2と、印刷装置3と、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれと、リフロー装置4と、基板回収装置5と、通信ネットワーク7とを含んで構成される。なお、部品実装ライン6は、図1に示す構成に限定されず、例えば印刷装置3と部品実装装置M1との間に印刷された半田の印刷不良の有無を判定する印刷検査装置(不図示)を備えてもよいし、部品実装装置M9(つまり、最も下流側に位置する部品実装装置)とリフロー装置4との間に基板上に搭載された部品の実装不良の有無を判定する実装検査装置(不図示)を備えてもよい。さらに、部品実装ライン6は、リフロー装置4と基板回収装置5との間にリフローの不良の有無を判定するリフロー検査装置(不図示)を備えてもよい。
部品実装ライン6が印刷検査装置を備える場合、実施の形態1に係る部品実装システム1は、半田印刷工程と部品実装工程との間に、印刷された半田の印刷不良の有無を判定する印刷検査工程を実行してもよい。部品実装システム1は、上述した印刷検査工程を実行することにより、生産工程に含まれるすべての工程のそれぞれを実行する前に、不良がある基板を発見し回収できるため、部品実装システム1により生産される実装基板の生産性の低下を抑制することができる。
また、部品実装ライン6が実装検査装置を備える場合、実施の形態1に係る部品実装システム1は、部品実装工程とリフロー工程との間に、基板上に実装(搭載)された部品の実装不良の有無を判定する実装検査工程を実行し、実装不良と判定された基板を回収してもよい。これにより、部品実装システム1は、実装不良がある基板を発見し、リフロー前に回収できるため実装不良の解消が容易となる。
さらに、部品実装ライン6がリフロー検査装置を備える場合、実施の形態1に係る部品実装システム1は、リフロー工程と基板回収工程との間に、リフローの不良の有無を判定するリフロー検査工程を実行し、リフロー不良と判定された基板を回収してもよい。これにより、部品実装システム1は、リフロー不良がある実装基板が基板回収装置5によって回収される前に回収できるため、実装基板の不良品と良品とが混同することを防止できる。
通信ネットワーク7は、管理コンピュータ8と部品実装ライン6に含まれる各生産設備との間におけるデータの送受信を実現する。なお、図1の例において通信ネットワーク7は、有線通信可能に接続される例を示すが、無線通信可能であってもよい。
管理コンピュータ8は、例えばPC(Personal Computer)、タブレット等であって、通信ネットワーク7を介して部品実装ライン6に含まれる各生産設備(つまり、基板供給装置2、印刷装置3、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれ、リフロー装置4、および基板回収装置5)との間で通信可能に接続される。また、管理コンピュータ8は、作業者操作を受け付け可能な作業者インターフェース(例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド、ポインティングデバイスなど)を備え、作業者操作に基づく入力を制御信号に変換する。
管理コンピュータ8は、部品実装ライン6のそれぞれを構成する各生産設備により実行される半田印刷工程と、部品実装工程と、リフロー工程と、基板回収工程とを含む生産工程を統括して制御する。管理コンピュータ8は、作業者により予め入力あるいは設定された生産工程に関する生産データとしての第1の実装条件(例えば、各生産設備の設定データ、基板の生産データ、部品の生産データなど)をメモリ82(図8参照)に記憶する。
管理コンピュータ8は、作業者による入力、作業者により設定された第1の実装条件(各部品実装装置の設定データ、基板の生産データ、部品の生産データなどを含むデータ)、あるいは過去に実行された生産工程の実装条件に基づいて、次に実行される生産工程における実装条件のうちいずれかのデータを変更した1以上の第k(k:2以上の整数)の実装条件を生成する。
また、管理コンピュータ8は、次に実行される生産工程において、各部品実装装置M1~M9に着脱され、基板に実装される部品を供給する台車が備えるテープフィーダに配置されるキャリヤテープ(部品)の配置パターン(以降、「第1の部品配置条件」と表記)について、作業者による入力操作を受け付ける。管理コンピュータ8は、作業者により入力された第1の部品配置条件をメモリ82に記憶する。
管理コンピュータ8は、作業者により設定された実装条件(各部品実装装置の設定データ、基板の生産データ、部品の生産データなど)、あるいは過去に実行された生産工程において使用された第1の部品配置条件に基づいて、作業者により入力された第1の部品配置条件が示す複数の部品のそれぞれの配置のうち、少なくとも1つの部品の配置パターンを変更した1以上の第k(k:2以上の整数)の部品配置条件を生成する。
管理コンピュータ8は、生成された各部品配置条件(第1の部品配置条件または第kの部品配置条件が示す部品配置の条件)と、各実装条件(第1の実装条件または第kの実装条件が示す実装条件)とのそれぞれを組み合わせた場合に、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれにより実行される部品実装工程をシミュレーションする。管理コンピュータ8は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれが基板に部品を実装する時間としてのサイクルタイムと、部品実装ライン6で実行される実装基板の生産に要する時間(つまり、部品実装ライン6に含まれるすべての部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程に要する最大時間)としてのラインサイクルタイムとを算出する。
さらに、管理コンピュータ8は、同一の部品配置条件において算出された実装条件ごとのラインサイクルタイムのそれぞれを合算した変動考慮指標を算出する。管理コンピュータ8は、この変動考慮指標が所定の最適化終了条件を満たすか否かを判定し、所定の最適化終了条件を満たす変動考慮指標が算出された部品配置条件(第1の部品配置条件)を、次の生産工程で使用するための最適化された部品配置データとして生成してモニタ83に出力するとともに、メモリ82に記憶される。
管理コンピュータ8は、作業者操作により生産工程の実行開始の入力を受け付けると、所定の最適化終了条件を満たす部品配置データおよび実装条件を含んだ制御信号を生成し、部品実装ライン6を構成する生産設備のそれぞれに生成された制御信号を送信し、次の生産工程を実行させる。
次に、図2および図3を参照して、部品実装装置M1の構成について説明する。なお、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれの構成はほぼ同一であるため、以下の説明では部品実装装置M1の構成について説明する。図2は、実施の形態1に係る部品実装装置M1を上から見た図である。
なお、実施の形態1に係る部品実装装置M1は、基板Bを搬送する一対の基板搬送機構12の両側方に複数の部品供給部13のそれぞれを備えるが、片側のみに備えてもよい。さらに、実施の形態1に係る部品実装装置M1は、1つの基板を搬送可能なシングルレーンの構成を有する例を示すが、2つの基板のそれぞれを同時に搬送可能なデュアルレーンの構成を有してもよい。なお、他の部品実装装置M2~M9も同様に、シングルレーンであってもよいしデュアルレーンであってもよい。
さらに、図2および図3に示す実施の形態1に係る部品実装装置M1は、基板実装用の部品を供給する方法として、部品が収納されたキャリヤテープ15を使用する例について説明する。しかし、部品を供給する方法は、キャリヤテープ15に限定されず、例えば部品が収納されたパレットを使用してもよいし、キャリヤテープ15とパレットとを併用してもよい。なお、部品実装装置M1は、キャリヤテープ15を使用する場合には、部品供給部13にテープフィーダを含む構成となり、パレットを使用する場合には、部品供給部13にトレイフィーダを含む構成となる。
部品実装装置M1は、基台11と、基板搬送機構12と、部品供給部13と、テープフィーダ14と、Y軸ビーム16と、X軸ビーム17と、実装ヘッド18と、吸着ノズル19と、部品認識カメラ20と、基板認識カメラ21と、台車23と、テープ回収装置25と、部品廃棄部26と、荷重計測部27と、LCR計測部28と、ヘッドメンテナンスユニット29とを含んで構成される。図2に示す部品実装装置M1は、連接された印刷装置3から基板Bが搬入され、搬入された基板Bを基台11上の基板搬送位置まで搬送した状態を示す。
基板搬送機構12は、連接された印刷装置3(部品実装装置M2~M9の場合は、上流側に連接された部品実装装置)から搬入された基板Bを、所定の部品実装位置まで搬送して保持する。また、基板搬送機構12は、部品実装装置M1による部品実装工程の実行後、連接された次の部品実装装置M2(部品実装装置M9の場合は、下流側に連接されたリフロー装置4)に部品実装後の基板Bを搬出する。
複数の部品供給部13のそれぞれは、基板搬送機構12の両側方に備えられ、基板Bに実装される部品を収納しているキャリヤテープ15を挿入可能な複数のテープフィーダ14のそれぞれを備える。なお、実施の形態1に係る部品実装装置M1において、テープフィーダ14は、1つのキャリヤテープ15を挿入可能なシングルフィーダの例を示すが、2つのキャリヤテープ15を挿入可能なダブルフィーダであってもよい。つまり、部品実装装置M1は、シングルフィーダとダブルフィーダとを任意に装着可能な部品供給部により構成されてよい。また、部品実装装置M1は、基板搬送機構12のいずれか一方にのみ部品供給部13を備える構成であってよい。
ここで、複数の部品供給部13のそれぞれは、テープフィーダ14を取り付け可能なスロット(不図示)を備える。複数のスロットのそれぞれには、スロット位置を特定可能なスロットアドレスが設定される。管理コンピュータ8は、部品実装装置M1のスロットアドレスと、テープフィーダ14(部品)の情報とを対応付けた第1の部品配置条件を生成して記憶する。なお、部品供給部13がトレイフィーダを備える場合にも同様に、各パレットを収納可能なスロットのそれぞれには、スロット位置を特定可能なスロットアドレスが設定される。
複数の部品供給部13のそれぞれは、キャリヤテープ15に収納された部品をピッチ送りして、実装ヘッド18によって部品が吸着されて取り出される部品吸着位置14aまで送る。なお、部品供給部13がトレイフィーダを備える場合には、マガジン内の複数のスロットのそれぞれに収納されたパレットを、マガジン内から基台11上の部品吸着位置14aまで搬送する。
Y軸ビーム16は、リニア駆動機構を備え、基台11の上面におけるX方向の一端側の端部に、Y方向に沿って配設される。また、2基のX軸ビーム17のそれぞれは、Y軸ビーム16に結合され、Y方向,-Y方向に移動自在なリニア駆動機構を備える。2基のX軸ビーム17のそれぞれは、X方向に沿って配設される。
さらに、複数のX軸ビーム17のそれぞれには、実装ヘッド18がX方向,-X方向に移動自在に装着されている。実装ヘッド18は、複数の保持ヘッドNP(ここでは、8個の保持ヘッドNP1~NP8であって8ノズルヘッド)を備えており、それぞれの保持ヘッドNPの下端部には、部品Dを吸着して保持し、個別に昇降可能な吸着ノズル19が取り付けられる。
各保持ヘッドNPのそれぞれは、吸着ノズル19の下端の開口から流入する大気の流量を計測する流量センサ18aを備える。部品実装装置M1は、流量センサ18aの計測結果に基づいて、部品Dが吸着ノズル19に吸着されているか否か、吸着姿勢が正しいか否かを判定する。部品実装装置M1は、部品Dが吸着されていないと判定した場合、または正しい吸着姿勢で吸着されていないと判定した場合には、吸着エラーである旨を通知する吸着エラー通知が生成され、出力される。なお、吸着エラー通知は、部品実装装置M1が備えるモニタ(不図示)、パネル(不図示)などに出力されてもよいし、管理コンピュータ8に送信されて出力されてもよい。
部品実装装置M1は、Y軸ビーム16、X軸ビーム17を駆動させて、実装ヘッド18をX方向、Y方向に移動させ、それぞれ対応した部品供給部13に配設されたテープフィーダ14の部品吸着位置14aから部品Dを吸着ノズル19によって吸着して保持する。部品実装装置M1は、実装ヘッド18により保持された部品Dを取り出して(矢印a)、基板搬送機構12に位置決めされた基板Bの実装位置Baに実装する(矢印b)。
また、部品実装装置M1は、Y軸ビーム16、X軸ビーム17を駆動させて、テープフィーダ14の部品吸着位置14aに供給されている部品Dの上方に保持ヘッドNPを移動させ、吸着ノズル19を下降させながら流量センサ18aにより大気の流量を計測する。部品実装装置M1は、計測された大気の流量に基づいて、吸着ノズル19の開口が部品Dの上面に当接した時点の高さ(以降、「部品吸着高さ」と表記)を計測し、計測された部品吸着高さに基づいて、以降の部品取り出し動作における吸着ノズル19の下降量を補正する。部品実装装置M1は、部品Dが交換されたタイミング、部品Dが補給されたタイミング、吸着ノズル19が交換されたタイミングなどに実行される他、管理コンピュータ8から送信された制御指示に基づいて、部品吸着高さの計測を実行する。
部品実装装置M1は、部品認識カメラ20による部品Dの認識結果と、基板認識カメラ21による基板認識結果とに基づいて、部品Dの実装位置を補正し、実装ヘッド18による部品Dの実装動作を実行する。
複数の部品認識カメラ20のそれぞれは、部品供給部13と基板搬送機構12との間に備えられ、部品Dを保持した実装ヘッド18が部品認識カメラ20の上方(つまり撮像領域内)を通過するタイミングで部品Dを撮像する。複数の部品認識カメラ20のそれぞれは、撮像された撮像画像を、部品実装装置M1におけるプロセッサ(不図示)に送信する。プロセッサは、撮像された撮像画像に基づいて、部品Dの保持姿勢あるいは部品Dに印字された文字・図形などを認識する。プロセッサは、メモリ(不図示)に記憶された部品Dの生産データに基づいて、部品Dの保持姿勢あるいは部品Dに印字された文字・図形などを判定する。プロセッサは、判定結果に基づいて、部品Dの異常を検知したり、実装ヘッド18の回転角度およびX方向またはY方向における駆動量を補正したりする。
複数の基板認識カメラ21のそれぞれは、実装ヘッド18の結合プレート18bに取り付けられ、X軸ビーム17の下面側に備えられる。複数の基板認識カメラ21のそれぞれは、取り付けられた実装ヘッド18と一体に移動し、部品供給部13と基板搬送機構12との間に備えられ、基板搬送機構12に位置決めされた基板Bの上方に移動する。複数の基板認識カメラ21のそれぞれは、部品実装装置M1におけるメモリ(不図示)に記憶された基板Bの生産データに基づいて、基板Bに設けられた基板認識マーク(図6参照)を撮像する。複数の基板認識カメラ21のそれぞれは、撮像された撮像画像を、部品実装装置M1におけるプロセッサ(不図示)に送信する。プロセッサは、撮像された撮像画像に基づいて、基板Bに設けられた基板認識マークの位置を計測し、基板Bの生産データに記憶された基板認識マークの位置との位置ずれ量を算出する。プロセッサは、算出された位置ずれ量に基づいて、実装ヘッド18のX方向またはY方向における駆動量を補正する。
また、プロセッサは、基板認識カメラ21によって撮像された撮像画像に映る位置基準ポスト22の位置に基づいて、実装ヘッド18が正規状態から変位した経時変化の検出および計時変化量の計測を行う。
基台11の上面には、基板搬送機構12に位置決めされた基板Bを周囲から囲むように4つの位置基準ポスト22A,22B,22C,22Dのそれぞれが設けられる。4つの位置基準ポスト22A~22Dのそれぞれは、識別可能に付番され、時計回りに位置基準ポスト22A,位置基準ポスト22B,位置基準ポスト22C,位置基準ポスト22Dの順で設けられる。プロセッサは、撮像画像に映る少なくとも1つの位置基準ポストの位置に基づいて、Y軸ビーム16およびX軸ビーム17を駆動させるリニア駆動機構から発せられる熱によって実装ヘッド18の経時変化の判定および計時変化量の計測を実行する。
プロセッサは、実装ヘッド18が経時変化していると判定した場合、計時変化量を計測する。プロセッサは、計測された計時変化量に基づいて、実装ヘッド18に保持され、基板搬送機構12に位置決めされた基板Bの実装位置Baへ実装される部品Dの実装位置を補正する。なお、上述した実装ヘッド18の経時変化の判定および計時変化量の計測処理は、経時変化による補正値を算出する経時変化補正は、実装作業が所定の継続時間、または所定の実装部品数を超過したタイミングなどに実行されてもよいし、管理コンピュータ8から送信される制御指示に基づいて実行されてもよい。
また、部品供給部13には、台車23が結合される。台車23の上部のフィーダベース23aには、複数のテープフィーダ14のそれぞれがX方向に並んで挿入される。台車23は、複数のキャリヤテープ15のそれぞれを巻回収納するリール24を保持する。テープフィーダ14に挿入されたキャリヤテープ15は、テープフィーダ14に内蔵されるテープ送り機構14bにより一定間隔でピッチ送りされる。
テープ回収装置25は、台車23に備えられ、部品Dが取り出されてテープフィーダ14から排出された空(つまり、部品Dが取り出された後)のキャリヤテープ15を取り込む。テープ回収装置25は、空のキャリヤテープを切断可能なテープカッタ25aを備え、空のキャリヤテープ15を所定長さに切断して回収する。
台車23は、台車の高さを計測するための高さ計測部(不図示)を備える。高さ計測部は、実装ヘッド18を高さ計測部の上方に移動させ、吸着ノズル19を下降させながら流量センサ18aにより計測された大気の流量に基づいて、台車高さを計測する。高さ計測部は、計測された台車高さをプロセッサに出力する。プロセッサは、高さ計測部から出力された台車高さに基づいて、吸着ノズル19を下降させる下降量を補正する。
また、部品供給部13と基板搬送機構12との間には、部品廃棄部26、荷重計測部27、およびLCR計測部28がそれぞれ設けられる。
部品廃棄部26は、部品認識カメラ20により撮像された撮像画像に基づいて、吸着エラーまたは認識エラーが検出された部品Dなどが廃棄される。
荷重計測部27は、吸着ノズル19を下降させて、吸着ノズル19に加わる荷重を計測し、計測結果をプロセッサに出力する。プロセッサは、計測結果に基づいて、吸着ノズル19の下降量を補正する。
LCR計測部28は、吸着ノズル19に保持された部品Dのインダクタンス値、容量値、抵抗値などを計測した計測結果を部品実装装置におけるプロセッサ(不図示)に出力する。プロセッサは、LCR計測部28から入力された計測結果と部品Dの生産データとを照合して、供給する部品Dの部品誤り、部品の不良などを検出する。
ヘッドメンテナンスユニット29は、部品供給部13に備えられ、複数の保持ヘッドNP1~NP8のそれぞれが有するシャフトの検査、清掃などのメンテナンス機能を自動で実行する。
ここで、図4、図5、図6、および図7を参照して生産設備の設定データ、基板の生産データ、および部品の生産データについて説明する。生産設備の設定データは、作業者操作により設定される。また、第1の部品配置条件は、作業者操作により設定された部品の配置パターンの情報に基づいて、プロセッサ81により生成される。なお、図4では、説明を簡単にするために部品実装装置M1のおよび部品実装装置M2についての設定データを設定する画面例について説明し、部品実装装置M1のおよび部品実装装置M2についての設定データを設定する画面例については省略する。図4は、生産設備の設定データの設定画面例を示す図である。図5は、生産設備の設定データの設定画面例を示す図である。図6は、基板の生産データの設定画面例を示す図である。図7は、部品の生産データの設定画面例を示す図である。
まず、図4に示す複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれが備える実装ヘッド18および部品供給部13について説明する。なお、図4に示す複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれの構成は一例であり、これに限定されない。
生産設備としての部品実装装置M1,M2のそれぞれの設定データを設定するための設定画面MDT0は、プロセッサ81により設定欄SDT1と、設定欄MDT2と、を含んで生成される。設定欄SDT1は、部品実装装置M1,M2のそれぞれの設定データと、第1の部品配置条件とを設定および生成するための設定項目として、PCB(Printed Circuit Board)リストボタンBt1と、設定ボタンBt2と、フィーダ配置ボタンBt3と、基板設定ボタンBt4と、ノズル配置ボタンBt5と、サイクルタイム算出ボタンBt6と、最適化ボタンBt7と、生産データ出力ボタンBt8と、を含んで構成される。なお、図4に示す設定欄SDT1に含まれる設定項目は、一例であり、これに限定されないことは言うまでもない。
管理コンピュータ8は、作業者操作によりPCBリストボタンBt1が選択(押下)されると、複数の実装基板のそれぞれ(つまり部品実装状態の基板)を含む実装基板リスト(不図示)を表示する。管理コンピュータ8は、実装基板リストに含まれる複数の実装基板のそれぞれのうち、作業者操作により選択(押下)された実装基板に対応する部品実装前の基板を、部品実装ライン6により生産される生産対象となる基板(以降、「生産対象基板」と表記)として設定する。
管理コンピュータ8は、作業者操作によりPCBリストボタンBt1が選択(押下)されると、複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれにより生産対象基板に対して実行される各種動作の設備設定画面MDT1を表示する。図5に示すように、設備設定画面MDT1は、ソフトウェアスイッチ設定タブB1と、通信設定タブと、基板搬送タブとを含む。なお、設備設定画面MDT1に含まれるタブは、これらの例に限定されなくてよい。
設備設定画面MDT1は、例えば生産対象基板の基板認識マークの検出および認識に関する設定項目、基板の反り計測に関する設定項目、基板上へ実装される部品の実装高さの検出および計測に関する設定項目、実装前の部品の検査に関する設定項目、検査により不良と判定された不良部品の排出に関する設定項目などを含んで表示される。なお、上述した設定項目は一例であり、これに限定されない。管理コンピュータ8は、設備設定画面MDT1に含まれる複数の設定項目のそれぞれについて、作業者による設定操作を受け付ける。管理コンピュータ8は、作業者操作によりボタンBt9が選択(押下)されると、設備設定画面MDT1に含まれる複数の設定項目のそれぞれに入力された入力内容に基づいて、部品実装装置M1,M2のそれぞれの設定データを生成する。
管理コンピュータ8は、上述のように作業者操作により設定された設定情報を部品実装装置(生産設備)の設定データとしてメモリ82(図8参照)に記憶する。
管理コンピュータ8は、作業者操作によりフィーダ配置ボタンBt3、ノズル配置ボタンBt5、サイクルタイム算出ボタンBt6のうちいずれかが選択(押下)されると、複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれが備える部品供給部および実装ノズルのそれぞれに関する設定欄MDT2を表示する。設定欄MDT2は、部品実装装置M1に関する設定欄MDT21と、部品実装装置M2に関する設定欄MDT2とを含む。なお、図4に示す設定欄MDT2は、設定欄SDT1に含まれるサイクルタイム算出ボタンBt6が作業者操作により選択(押下)され、複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれが備える部品供給部ごとのサイクルタイムが算出された状態を示している。
設定欄MDT21は、部品実装装置M1に備えられる第1の部品供給部および第1の実装ノズルに関する設定欄Mb11と、第2の部品供給部および第2の実装ノズルに関する設定欄Mb14とを含み、部品実装装置M1に備えられる複数の部品供給部および複数の実装ノズルに関して、作業者による設定操作を受け付ける。
また、設定欄MDT22は、部品実装装置M2に備えられる第3の部品供給部および第3の実装ノズルに関する設定欄Mb21と、第4の部品供給部および第4の実装ノズルに関する設定欄Mb24とを含み、部品実装装置M2に備えられる複数の部品供給部および複数の実装ノズルに関して、作業者による設定操作を受け付ける。
管理コンピュータ8は、作業者操作によりフィーダ配置ボタンBt3が選択(押下)されると、第1~第4の部品供給部のそれぞれで使用されるフィーダ情報、フィーダが有するスロット数(つまり、キャリヤテープまたはパレットを取り付け可能数)、各スロットに挿入されるキャリヤテープまたは取り付けられるパレット(つまり、部品)の情報などの部品供給部に関する設定を受け付ける。
例えば、図4に示す第1の部品供給部に関する設定欄Mb12は、作業者操作により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT1に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能に設定された例を示す。同様に、第2の部品供給部に関する設定欄Mb15は、作業者操作により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT2に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能に設定された例を示す。さらに、設定欄Mb15は、テーブルT2における「スロット9」に「部品X」を収納したキャリヤテープを配置するように設定される。なお、説明を簡単にするため、他のスロットに配置されるキャリヤテープ(部品)の情報については省略する。
また、例えば、図4に示す第3の部品供給部に関する設定欄Mb22は、作業者操作により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT3に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能に設定された例を示す。さらに、設定欄Mb22は、通常使用用の8個のスロットのうち「スロット2」に「部品Y」を配置し、テーブルT3における「スロット10」に「部品Z」を収納したキャリヤテープを配置するように設定される。同様に、第4の部品供給部に関する設定欄Mb25は、作業者操作により通常使用用として7個のスロットと、予備用としてテーブルT4に4個のスロットとを備え、7個のトレイフィーダと4個のテープフィーダとを取り付け可能に設定された例を示す。なお、説明を簡単にするため、他のテープフィーダに配置されるキャリヤテープ(部品)の情報については省略する。
管理コンピュータ8は、上述のように作業者操作により設定された複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれの部品配置に関する設定情報を第1の部品配置条件としてメモリ82(図8参照)に記憶する。
管理コンピュータ8は、作業者操作により基板設定ボタンBt4が選択(押下)されると、生産対象としての基板に関する設定を受け付ける。
例えば、図6に示す基板情報設定画面BDT0は、基板の認識マークの座標を設定する画面であり、基板情報設定画面BDT0は、生産対象としての基板外観図BDT1と、基板認識マークMK1,MK2とを含む。なお、図6には図示していないが、基板情報設定画面BDT0では、基板に実装された部品上に、さらに他の部品を実装する場合の部品の実装順番に関する優先順位などを設定可能であってよい。また、図6に示す基板は、2つの基板認識マークMK1,MK2のそれぞれを有する例を示すが、基板認識マークの数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。
図6に示す基板情報設定画面BDT0は、一方の基板認識マークのMK1が座標Ps1(X1,Y1,Z1)と設定され、他方の基板認識マークのMK2が座標Ps2(X2,Y2,Z2)と設定された例を示す。管理コンピュータ8は、作業者操作により設定された基板認識マークの個数と、各基板認識マークに対応する座標の情報とを基板の生産データとして記憶する。
管理コンピュータ8は、作業者操作によりノズル配置ボタンBt5が選択(押下)されると、部品実装装置M1に備えられる第1の実装ノズルおよび第2の実装ノズルに関する設定と、部品実装装置M2に備えられる第3の実装ノズルおよび第4の実装ノズルに関する設定とを受け付ける。なお、各部品実装装置に備えられる実装ノズルの数は、1つであってもよい。
例えば、図4に示す第1の部品供給部に関する設定欄Mb11は、第1の実装ノズルとして、軽量型であって12個の吸着ノズルを備える軽量12ノズルヘッドが設定された例を示す。同様に、第1の部品供給部に関する設定欄Mb14は、第2の実装ノズルとして、12個の吸着ノズルを備える12ノズルヘッドが設定された例を示す。
また、例えば、図4に示す第3の部品供給部に関する設定欄Mb21は、第3の実装ノズルとして、3個の吸着ノズルを備える3ノズルヘッドが設定された例を示す。同様に、第4の部品供給部に関する設定欄Mb24は、第4の実装ノズルとして、8個の吸着ノズルを備える8ノズルヘッドが設定された例を示す。
管理コンピュータ8は、上述のように作業者操作により設定された複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれに備えられる実装ノズルに関する設定情報を生産設備の設定データとして記憶する。
管理コンピュータ8は、作業者操作によりサイクルタイム算出ボタンBt6が選択(押下)されると、現在設定中の生産設備の設定情報、基板の生産データ、部品の生産データおよび第1の部品配置条件に基づいて、総実装点、ターン数およびサイクルタイムを実装ノズルごとに算出する。総実装点は、実装ノズルが基板上に部品を実装する総合実装箇所数である。ターン数は、実装ノズルが基板上にすべての部品を実装するにあたって、部品の吸着位置と実装位置との間を往復する回数である。また、サイクルタイムは、基板が基板搬送位置に搬送されてきたタイミングから実装ノズルが基板上にすべての部品を実装するタイミングまでの時間である。管理コンピュータ8は、算出された総実装点を示す項目「総実装点」、ターン数を示す項目「ターン」およびサイクルタイムを示す項目「サイクルタイム」を含む表示欄Mb13,Mb16,Mb23,Mb26のそれぞれを生成して表示する。
また、管理コンピュータ8は、算出された第1の実装ノズルおよび第2の実装ノズルのそれぞれのサイクルタイムに基づいて、部品実装装置M1により実行される部品実装工程のサイクルタイムを表示欄Mb17に表示する。管理コンピュータ8は、算出された第3の実装ノズルおよび第4の実装ノズルのそれぞれのサイクルタイムに基づいて、部品実装装置M2により実行される部品実装工程のサイクルタイムを表示欄Mb27に表示する。
例えば、図4に示す例において、管理コンピュータ8は、第1の実装ノズルによる総実装点が0、ターン数が0、サイクルタイムが2.680sと算出する。管理コンピュータ8は、算出結果に基づいて、表示欄Mb13を生成して表示する。管理コンピュータ8は、第2の実装ノズルによる総実装点が126、ターンが13、サイクルタイムが31.012sと算出する。管理コンピュータ8は、算出結果に基づいて、表示欄Mb16を生成して表示する。また、管理コンピュータ8は、第1の実装ノズルのサイクルタイムと第2の実装ノズルのサイクルタイムとに基づいて、表示欄Mb17「実装機AA サイクルタイム:31.012s」を生成して表示する。なお、表示欄Mb17に示す「実装機AA」は、部品実装装置M1である。
例えば、図4に示す例において、管理コンピュータ8は、第3の実装ノズルによる総実装点が290、ターン数が44、サイクルタイムが93.068sと算出する。管理コンピュータ8は、算出結果に基づいて、表示欄Mb23を生成して表示する。管理コンピュータ8は、第4の実装ノズルによる総実装点が0、ターンが0、サイクルタイムが0.553sと算出する。管理コンピュータ8は、算出結果に基づいて、表示欄Mb26を生成して表示する。また、管理コンピュータ8は、第3の実装ノズルのサイクルタイムと第4の実装ノズルのサイクルタイムとに基づいて、表示欄Mb27「実装機BB サイクルタイム:93.068s」を生成して表示する。なお、表示欄Mb27に示す「実装機BB」は、部品実装装置M2である。
管理コンピュータ8は、作業者操作により最適化ボタンBt7が選択(押下)されると、基板上に実装される複数の部品のそれぞれの実装順番について(例えば、基板上に実装された部品上にさらに他の部品が実装される場合など)部品の実装条件に基づいて、部品の実装順番などを最適化する。なお、最適化の処理は、上述の例に限定されないことは言うまでもない。
なお、部品の生産データの一部は、作業者による設定操作によって予め生成される。管理コンピュータ8は、作業者操作により生産対象基板が選択されると、その基板に実装される複数の部品の生産データのそれぞれをメモリ82から参照する。管理コンピュータ8は、さらに作業者操作によりこれらの部品のそれぞれを実装する部品実装装置および部品実装装置に備えられた実装ノズルが設定(選択)されると、参照された複数の部品の生産データのそれぞれに、部品実装装置および部品実装装置に備えられた実装ノズルの設定データを反映して記憶する。
ここで、図7を参照して、部品の生産データの設定画面DDt1について説明する。図7に示す設定画面DDt1は、部品外形欄Dt11と、サイズ設定欄Dt12と、電極情報欄Dt13と、部品情報欄Dt14と、設備固有情報欄Dt15とを含んで生成されて表示される。なお、図7に示す部品の生産データは、この部品を実装する設備(部品実装装置および実装ノズル)の設備固有情報(つまり、生産設備の設定データ)が反映されている例を示す。
図7に示す設定画面DDt1は、部品外形欄Dt11と、サイズ設定欄Dt12と、電極情報欄Dt13と、部品情報欄Dt14と、設備固有情報欄Dt15を含んで生成されて表示される。なお、設定画面DDt1に含まれる設定欄および情報欄は一例であり、これに限定されないことは言うまでもない。
部品外形欄Dt11には、サイズ設定欄Dt12および電極情報欄Dt13のそれぞれに入力された設定情報に基づいて、部品の外形図D1が生成され、表示される。図7に示す部品の外形図D1には、部品の中央位置(基準位置)D2と複数の電極E1,E2のそれぞれとが示される。また、部品外形欄Dt11の部品の外形図D1の周囲には、部品の方向を示す「Side1」、「Side2」、「Side3」、「Side4」が示される。
サイズ設定欄Dt12は、作業者操作によって部品の外形寸法(サイズ)が入力される。例えば、図7に示す例において、サイズ設定欄Dt12は、部品の外形寸法が長さL=6.3mm、幅W=3.2mm、厚さT=0.6mmと入力される。プロセッサ81は、作業者操作によりサイズ設定欄Dt12に部品の外形寸法が入力されると、入力された外形寸法に基づいて、部品の外形図D1を生成し、部品外形欄Dt11に表示する。
電極情報欄Dt13は、作業者操作によって部品の電極情報が入力される。例えば、図7に示す例において、電極情報欄Dt13は、電極位置が「Side2/4」の方向に対称に設けられており、「Side2」および「Side4」のそれぞれ方向において、電極長さが0.32mm、電極幅が3.2mmと入力される。プロセッサ81は、作業者操作により電極情報欄Dt13に部品の外形寸法が入力されると、入力された外形寸法に基づいて、部品の外形図D1に複数の電極E1,E2のそれぞれを生成し、部品外形欄Dt11に表示する。
部品情報欄Dt14は、作業者操作によって部品に関する情報が入力される。例えば、図7に示す例において、部品情報欄Dt14には、項目「説明」に部品の識別番号が入力され、部品の極性および極性マークに関する情報、部品を供給するフィーダに関する設定情報が入力される。なお、図7における部品情報欄Dt14では、テープフィーダに関する設定情報の入力例が示されているが、作業者操作によりトレイフィーダが選択された場合には、トレイフィーダに関する設定情報を入力するための入力欄が表示され、トレイフィーダに関する設定情報が入力されてよい。
設備固有情報欄Dt15は、図7に示す部品を実装する設備(つまり、部品実装装置およびこの部品実装装置が備える実装ノズル)の情報が表示される。例えば、図7に示す例において、設備固有情報欄Dt15には、機種情報欄Dt151と、スピードパラメータ情報欄Dt152と、認識情報欄Dt153と、ギャップ情報欄Dt154と、吸着情報欄Dt155とが示される。
機種情報欄Dt151には、部品実装装置の機種情報(例えば、部品実装装置の品番、識別番号、管理番号)などが表示される。スピードパラメータ情報欄Dt152には、部品を吸着する速度情報、基板に装着(実装)する速度情報、部品吸着後の保持時間の情報、部品装着(実装)するときの保持時間の情報などが表示される。認識情報欄Dt153には、部品認識カメラに関する設定情報、部品撮像時の照明に関する設定情報などが表示される。ギャップ情報欄Dt154には、部品吸着時の押さえ代の設定情報、部品装着(実)時の押さえ代の設定情報などが表示される。吸着情報欄Dt155には、部品の吸着位置(座標)の情報、部品の吸着角度の情報などが表示される。なお、図7に示す設備固有情報欄Dt15は一例であって、上述した例に限定されない。
管理コンピュータ8は、生産設備の設定情報、基板の生産データ、部品の生産データおよび部品配置などが作業者操作により入力され、生産対象基板の部品実装工程の実行に必要な情報が設定されたと判定すると、生産データ出力ボタンBt8を選択可能(つまり、有効)にする。管理コンピュータ8は、作業者操作により生産データ出力ボタンBt8が選択(押下)されると、設定された生産設備の設定データ、基板の生産データ、部品の生産データなどを含む第1の実装条件と第1の部品配置条件とを生成するとともに、生成された第1の実装条件および第1の部品配置条件をメモリ82に記憶する。
次に、図8を参照して、実施の形態1に係る管理コンピュータ8の内部構成について説明する。図8は、実施の形態1に係る管理コンピュータ8の内部構成例を示す図である。
管理コンピュータ8は、通信ネットワーク7を介して、部品実装ライン6を構成する各生産設備(基板供給装置2、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれ、印刷装置3、リフロー装置4、および基板回収装置5)との間でデータ通信可能に接続される。管理コンピュータ8は、通信部80と、プロセッサ81と、メモリ82と、モニタ83と、操作部84と、を少なくとも含んで構成される。
通信部80は、通信ネットワーク7を介して、部品実装ライン6を構成する各生産設備との間でデータ通信可能に接続される。通信部80は、プロセッサ81によって生成された制御指示、生産設備に関する情報、基板の生産データ、または部品の生産データなどを、部品実装ライン6を構成する各生産設備のそれぞれへ送信する。
また、通信部80は、部品実装ライン6を構成する各生産設備のそれぞれから送信されたエラー通知を受信すると、プロセッサ81に入力する。入力されたエラー通知は、プロセッサ81からモニタ83に出力されて表示される。
プロセッサ81は、例えばCPU(Central Processing unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、メモリ82と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、プロセッサ81はメモリ82に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部は、例えば実績データ取得部81a、部品配置生成部81b、実装条件生成部81cおよびサイクルタイム算出部81dなどである。プロセッサ81は、これらの各部により、部品実装工程を実行中の複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれにおいて、生産設備の設定データ、基板の生産データ、あるいは部品の生産データなどが変更された場合であっても、部品実装ライン6による実装基板の生産に要するサイクルタイムの変動量をより抑制可能な(つまり、サイクルタイムを均等化可能な)部品配置データを生成する。
まず、プロセッサ81は、部品実装ライン6により生産される1以上の基板(生産対象基板)の設定について、操作部84を介して作業者による選択操作を受け付ける。さらに、プロセッサ81は、生産対象基板に部品を実装する複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれの設定データと、生産対象基板に含まれるすべての基板の生産データと、生産対象基板に実装されるすべての部品の部品データと、部品実装装置M1~M9のそれぞれの部品の配置パターンを含む第1の部品配置条件とについて、操作部84を介して作業者操作を受け付ける。プロセッサ81は、作業者操作に基づいて設定された部品実装装置M1~M9のそれぞれの設定データと、基板の生産データと、部品の生産データと、第1の部品配置条件とを含む第1の実装条件を生成して、設定する。第1の部品配置条件は、複数の部品実装装置M1~M9の部品供給部13の各スロットに配置されるキャリヤテープまたはパレット(つまり、部品)の配置パターンを示すデータであり、各部品実装装置の情報と、各部品実装装置が備える部品供給部のスロットアドレスと対応づけられた部品の情報と、を含む。プロセッサ81は、生成された第1の実装条件および第1の部品配置条件をメモリ82に出力して記憶させる。
実績データ取得部81aは、生産対象基板、あるいは生産対象基板に実装されるすべての部品について、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれへ過去の生産実績データを要求する要求信号を生成する。実績データ取得部81aは、生成された要求信号を通信部80に出力する。通信部80は、入力された要求信号を、通信ネットワーク7を介して複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれに送信し、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれから送信された過去の生産実績データを受信して、実績データ取得部81aに出力する。実績データ取得部81aは、取得された過去の生産実績データを実装条件生成部81cに出力するとともに、メモリ82に出力して記録させる。
なお、管理コンピュータ8のメモリ82に過去の生産実績データが記録される場合、実績データ取得部81aは、メモリ82における生産履歴データ82cを参照し、過去の生産実績データを取得してもよい。
ここでいう過去の実績データは、過去に複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれで発生した設定データ、基板の生産データ、または部品の生産データの変更内容と、この変更の発生件数あるいは発生確率と、を含むデータである。
また、実績データ取得部81aは、取得された過去の生産実績データに生産対象基板の情報と同一基板の情報が含まれると判定した場合、この同一基板への部品実装工程で用いられた複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれの過去の部品配置条件を抽出する。実績データ取得部81aは、次の生産工程における生産対象基板で使用されるすべての部品が、抽出された過去の部品配置条件に含まれているか否かを判定する。実績データ取得部81aは、次の生産工程における生産対象基板で使用されるすべての部品が、抽出された過去の部品配置条件内に含まれると判定した場合、抽出された複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれの過去の部品配置条件を部品配置生成部81bに出力する。
部品配置生成部81bは、作業者操作に基づいて生成された第1の部品配置条件に含まれる複数の部品のそれぞれの配置パターンうち、少なくとも1つの部品の配置パターンを変更した第kの部品配置条件を生成する。また、部品配置生成部81bは、実績データ取得部81aから過去の部品配置条件が出力された場合には、この過去の部品配置条件を第kの部品配置条件として流用して生成してもよい。なお、部品配置生成部81bは、複数の部品実装装置M1~M9のうちいずれか1つの部品実装装置における部品の配置を変更してもよいし、複数の部品実装装置における部品の配置を変更してもよい。部品配置生成部81bは、実装条件生成部81cおよびサイクルタイム算出部81dに生成された1以上の第kの部品配置条件を出力する。
なお、ここで生成される第kの部品配置条件は、部品実装装置の情報と、部品供給部のスロットアドレスと対応づけられた部品の配置パターンのデータである。
第kの部品配置条件は、例えば生産対象基板が複数あり、かつこれらの生産対象基板のそれぞれに同一部品が実装される場合、この同一部品を同一のスロット(つまり、1か所)、同一の部品実装装置、または同一の部品供給部に配置されるように生成されてもよい。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれで実行される部品実装工程において、図4に示す実装ヘッド18のターン数または部品実装に要する移動(駆動)距離を低減可能にできるとともに、部品実装工程のサイクルタイム(つまり生産性)をより向上させることができる。
また、第kの部品配置条件は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれ生産設備の設定データと、生産対象基板のそれぞれに実装される部品の生産データに基づいて、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれが備える部品供給部において、ノズル数(保持ノズル数)が多い実装ノズルが備えられた部品供給部に、優先的にサイズが小さい部品が配置されるように生成されてもよい。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれで実行される部品実装工程において、図4に示すターン数を低減可能になるとともに、部品実装工程のサイクルタイム(つまり生産性)をより向上させることができる。
実装条件生成部81cは、生産工程の実行中に第1の実装条件から変更される可能性がある情報あるいはデータの変更内容について、作業者操作を受け付ける。実装条件生成部81cは、操作部84により受け付けられた作業者操作に基づいて、第1の実装条件(複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれの設定データ、基板の生産データ、または部品の生産データなど)のうちいずれかの情報あるいはデータが変更された1以上の第kの実装条件を生成する。さらに、実装条件生成部81cは、作業者操作により第kの実装条件ごとに重み付けが設定された場合、第kの実装条件と重み付けされた値とを対応付けて記憶する。
ここで、実装条件の変更例について説明する。例えば、部品実装装置M1が16ノズルヘッドを備える場合、作業者は、この16ノズルヘッドの部品の吸着速度を100%から80%に変更した実装条件変更を設定する。このような場合、実装条件生成部81cは、作業者操作により設定された部品実装装置M1の設定データのうち、16ノズルヘッドの吸着速度を100%から80%に変更した第kの実装条件を生成する。
また、例えば、これまでに実装実績がない部品かつサイズが1.5mm以下の部品がある場合、作業者は、この部品の装着速度を100%から60%に変更する。このような場合、実装条件生成部81cは、作業者操作により設定された部品実装装置M1~M9のそれぞれの設定データから対象となる部品を検索し、この部品を実装する部品実装装置のノズルヘッドの吸着速度を100%から60%に変更した第kの実装条件を生成する。なお、実装条件生成部81cは、これまでに実装実績がない部品かつサイズが1.5mm以下の部品がある場合の実装変更条件について、作業者操作により予め変更内容(つまり、部品の装着速度を100%から60%に変更する)が設定されている場合、上述した実装変更条件データを自動で生成してもよい。
また、実装条件生成部81cは、実績データ取得部81aから出力された過去の生産実績データに基づいて、第1の実装条件のうち過去に変更された実績があるいずれかの情報あるいはデータが変更された1以上の第kの実装条件を生成する。なお、実装条件生成部81cは、過去の生産実績データに基づいて第kの実装条件を生成する場合、過去の生産実績データのうち発生確率が高い変更内容を優先的に適用した第kの実装条件を生成してもよい。さらに、実装条件生成部81cは、過去の生産実績データに含まれる変更内容の発生件数または発生確率に基づいて、第kの実装条件に重み付けを自動で行ってもよい。このような場合、実装条件生成部81cは、生成された第kの実装条件と重み付けされた値とを対応させて記憶する。
ここで、過去の生産実績データに基づく実装条件の変更例について説明する。例えば、12ノズルヘッドの部品の吸着オフセット量を0.5mmずらす変更内容が発生確率30%で発生していた場合、実装条件生成部81cは、12ノズルヘッドの部品の吸着オフセット量を0.5mmずらした設定データを含む第kの実装条件を生成する。さらに、実装条件生成部81cは、発生件数または発生確率に基づく重み付けを行う場合、生成された第kの実装条件に発生確率30%に基づく重み付けを実行する。なお、重み付けされる値は、単に確率の値(ここでは30%)、または発生件数に基づく値に限定されず、例えば作業者により設定されてもよい。
さらに、実装条件生成部81cは、実績データ取得部81aにより取得された過去の生産実績データをメモリ82に記録してもよい。過去の生産実績データは、実績データ82aとしてメモリ82に蓄積して記録される。実装条件生成部81cは、機械学習(Machine Learning)により学習された実績データ82aを用いたモデル(以下、学習済モデル)に基づいて、重み付けする値を算出してもよい。学習済みモデルは、学習済みモデルデータ82bとしてメモリ82に記録される。
なお、ここで学習済みモデルの生成に用いられる部品実装ライン6が備える部品実装装置M1~M9のそれぞれの実績データ82aだけでなく、他の実装ラインまたは他の管理コンピュータに記録された過去の生産実績データであってもよい。これにより、管理コンピュータ8は、より多くの学習データから学習済みモデルを生成できるため、部品実装ライン6における生産実績が少ない実装基板を生産する、または使用実績が少ない部品を使用する場合であっても、重み付けの値をより適切に設定できる。
実装条件生成部81cは、生成された1以上の第kの実装条件をサイクルタイム算出部81dに出力するとともに、メモリ82に出力して記憶させる。
サイクルタイム算出部81dは、予め作業者操作により設定(選択)されて生成された第1の部品配置条件および第1の実装条件を取得する。また、サイクルタイム算出部81dは、部品配置生成部81bから1以上の第kの部品配置条件を取得し、実装条件生成部81cから出力された1以上の第kの実装条件を取得する。サイクルタイム算出部81dは、各部品配置条件(つまり、第1の部品配置条件および第kの部品配置条件)と、各実装条件(つまり、第1の実装条件および第kの実装条件)とを組み合わせ、すべての組み合わせにおける部品実装装置M1~M9のそれぞれのサイクルタイムを算出する。
まず、サイクルタイム算出部81dは、作業者操作により設定された部品配置条件(第1の部品配置条件)に基づいて、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれに部品を配置し、各実装条件で部品実装工程を実行した場合に、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれにおける1基板あたりのサイクルタイムを算出する。
また、サイクルタイム算出部81dは、作業者操作により設定された部品配置条件(第kの部品配置条件)に基づいて、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれに部品を配置し、各実装条件で部品実装工程を実行した場合に、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれにおける1基板あたりのサイクルタイムを算出する。なお、第kの実装条件が複数ある場合、サイクルタイム算出部81dは、上述したサイクルタイム算出処理を第kの実装条件の数だけ繰り返し実行して、すべての第kの実装条件に基づく複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれにおけるサイクルタイムを算出する。
サイクルタイム算出部81dは、同一の部品配置条件に基づいて算出されたすべての部品実装装置M1~M9のそれぞれのサイクルタイムのうち最大(つまり最長)のサイクルタイムを、実装条件ごとに抽出する。なお、ここで抽出される最大のサイクルタイムは、部品実装装置M1~M9のそれぞれを備える部品実装ライン6が1枚の実装基板の生産に要する最大のサイクルタイムである。以降、部品実装ライン6が1枚の実装基板の生産に要する時間をラインサイクルタイムと称する。
サイクルタイム算出部81dは、同一の部品配置条件において、実装条件ごとに抽出されたラインサイクルタイムのそれぞれを合算し、異なる複数の実装条件のそれぞれが適用された場合のラインサイクルタイムとラインサイクルタイム変動量とに基づいて、部品実装ライン6の生産性(効率)を示す変動考慮指標として算出する。
なお、ここでサイクルタイム算出部81dは、実装条件ごとに重み付けの値が設定されている場合には、抽出されたラインサイクルタイムのそれぞれに重み付けを実行(例えば、ラインサイクルタイムに重み付けされた所定値を乗算)する。サイクルタイム算出部81dは、乗算後のラインサイクルタイムのそれぞれを合算して、部品配置条件ごとの変動考慮指標を算出する。
サイクルタイム算出部81dは、算出された変動考慮指標が、作業者により予め設定された所定の最適化終了条件を満たすか否かを判定する。サイクルタイム算出部81dは、変動考慮指標が所定の最適化終了条件を満たすと判定した場合、この変動考慮指標が算出された部品配置条件に基づいて、次の生産工程で使用するための最適化された部品配置データとして生成してモニタ83に出力するとともに、メモリ82に記憶する。
さらに、サイクルタイム算出部81dは、最小変動考慮指標、またはこの最小変動考慮指標が算出された複数のラインサイクルタイムが作業者により設定された所定の最適化終了条件を満たすか否かを判定する。
ここで所定の最適化終了条件について説明する。所定の最適化終了条件は、例えば、最小変動考慮指標が所定の閾値以下、複数のラインサイクルタイムのそれぞれの標準偏差が所定の閾値以下、複数のラインサイクルタイムのうち最大値と最小値との差分が所定の閾値以下などの条件である。なお、所定の最適化終了条件は、上述の例に限定されないことは言うまでもない。
サイクルタイム算出部81dは、算出された最小変動考慮指標、または最小変動考慮指標が算出された複数のラインサイクルタイムが所定の最適化終了条件を満たすと判定した場合、この最小変動考慮指標が算出された部品配置条件を、生産対象基板の部品実装工程に用いる部品配置データとして決定し、出力する。
これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化した部品配置データを出力できる。したがって、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれによる部品実装工程の実行中に、現時点の実装条件から他の実装条件に変更された場合であっても、部品実装装置による部品実装工程の効率低下をより抑制して、生産設備全体の生産性の低下を抑制できる。
次に、図12を参照して、管理コンピュータ8の動作手順について説明する。なお、管理コンピュータ8の動作手順を分かりやすくするために、図9に示す第1の部品配置条件、図10に示す第2の部品配置条件、および図11に示す変動考慮指標の算出例を参照しながら説明する。図11に示す変動考慮指標は、図9に示す第1の部品配置条件および図10に示す第2の部品配置条件に基づいて、算出された変動考慮指標の一例である。
図9は、第1の部品配置条件の一例を示す図である。図10は、第2の部品配置条件の一例を示す図である。図11は、変動考慮指標の算出例を示す図である。図12は、実施の形態1に係る管理コンピュータ8の動作手順例を示すフローチャートである。なお、図9~図11では、説明を簡単にするために、部品実装装置M1および部品実装装置M2のそれぞれによって生産対象基板に部品が実装される例を示すが、部品実装装置の台数は2台に限定されないことは言うまでもない。また、なお、図9~図11では、説明を簡単にするために、第2の部品配置条件のみが生成された(つまりk=2)例を示すが、第kの部品配置条件は複数生成されてよい。
まず、管理コンピュータ8は、部品実装ライン6により生産される1以上の基板(生産対象基板)の設定について、操作部84を介した作業者による選択操作を受け付ける。さらに、管理コンピュータ8は、生産対象基板に部品を実装する複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれの設定データと、生産対象基板に含まれるすべての基板の生産データと、生産対象基板に実装されるすべての部品の部品データと、部品実装装置M1~M9のそれぞれの第1の部品配置条件とについて、操作部84を介して作業者操作を受け付ける。管理コンピュータ8は、作業者操作に基づいて、第1の部品配置条件「配置パターン1」を生成する。また、管理コンピュータ8は、作業者操作に基づいて設定された部品実装装置M1~M9ごとの設定データと、基板の生産データと、部品の生産データと、とを含む第1の実装条件「A」を生成して設定する(St1)。
ここで、ステップSt1の処理で生成された第1の部品配置条件の一例について、図9を参照して説明する。なお、説明を簡単にするため、他のテープフィーダおよびトレイフィーダに配置される部品の情報の図示を省略する。図9に示す「1台目」は、部品実装装置M1を示す。また、「2台目」は、部品実装装置M2を示す。
図9に示す部品実装装置M1は、実装ノズル「12軽量ノズルヘッド」により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT1に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能な部品供給部と、実装ノズル「12ノズルヘッド」により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT2に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能な部品供給部とを備える。
また、図9に示す部品実装装置M2は、実装ノズル「8ノズルヘッド」により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT3に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能な部品供給部と、実装ノズル「3ノズルヘッド」により通常使用用として7個のスロットと、予備用としてテーブルT4に4個のスロットとを備え、7個のトレイフィーダと4個のテープフィーダとを取り付け可能な部品供給部とを備える。
図9に示す第1の部品配置条件「配置パターン1」では、「1台目」のテーブルT1における「スロット11」に「部品Y」、「1台目」のテーブルT2における「スロット9」に「部品X」、「2台目」のテーブルT3における「スロット10」に「部品Z」が配置される。
管理コンピュータ8は、過去の生産実績データに基づいて、作業者操作に基づいて生成された第1の部品配置条件の少なくとも1つの部品の配置を変更した第2の部品配置条件を生成する。また、管理コンピュータ8は、作業者により複数の部品のそれぞれの配置情報が入力されると、入力された複数の部品のそれぞれの位置情報に基づいて、第2の部品配置条件「配置パターン2」として生成する(St2)。ここで生成される第kの部品配置条件は、1以上であればよい。
ここで、ステップSt2の処理で生成された第2の部品配置条件の一例について、図10を参照して説明する。なお、説明を簡単にするため、他のテープフィーダおよびトレイフィーダに配置される部品の情報の図示を省略する。なお、図9と同様に、図10に示す「1台目」は、部品実装装置M1を示す。また、「2台目」は、部品実装装置M2を示す。
図10に示す部品実装装置M1は、実装ノズル「12軽量ノズルヘッド」により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT1に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能な部品供給部と、実装ノズル「12ノズルヘッド」により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT2に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能な部品供給部とを備える。
また、図10に示す部品実装装置M2は、実装ノズル「8ノズルヘッド」により通常使用用として8個のスロットと、予備用としてテーブルT3に4個のスロットとを備え、合計12個のテープフィーダを取り付け可能な部品供給部と、実装ノズル「3ノズルヘッド」により通常使用用として7個のスロットと、予備用としてテーブルT4に4個のスロットとを備え、7個のトレイフィーダと4個のテープフィーダとを取り付け可能な部品供給部とを備える。
図10に示す第2の部品配置条件「配置パターン2」は、「1台目」のテーブルT2における「スロット9」に「部品X」、「2台目」の通常使用用の「スロット6」に「部品Y」テーブルT3における「スロット10」に「部品Z」が配置される。つまり、図9および図10に示す例において、第2の部品配置条件と第1の部品配置条件とは、「部品Y」の配置が異なるように設定される。
管理コンピュータ8は、生産工程の実行中に第1の実装条件から変更される可能性がある情報あるいはデータの変更内容について、作業者操作を受け付ける。管理コンピュータ8は、作業者操作に基づいて、第1の実装条件(例えば、複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれの設定データ、基板の生産データ、または部品の生産データなど)のうちいずれかの情報あるいはデータが変更された複数の第2の実装条件「A1」、第3の実装条件「A2」、第4の実装条件「A3」、第5の実装条件「A4」、および第6の実装条件「A5」のそれぞれを生成する(St3)。なお、管理コンピュータ8は、作業者操作により第2~第6の実装条件ごとに重み付けの設定がされた場合、第2~第6の実装条件と重み付けされた値とを対応させて設定してもよい。
管理コンピュータ8は、第1の部品配置条件下で、各実装条件(つまり、第1の実装条件「A」、第2の実装条件「A1」、第3の実装条件「A2」、第4の実装条件「A3」、第5の実装条件「A4」、および第6の実装条件「A5」)ごとの部品実装装置M1,M2のそれぞれのサイクルタイムを算出する。また、管理コンピュータ8は、第2の部品配置条件下で、実装条件ごとの部品実装装置M1,M2のそれぞれのサイクルタイムを算出する(St4)。
ここで、ステップSt4の処理で算出されたサイクルタイムの一例を図11に示す。図11に示す変動考慮指標算出テーブルTB1は、変動考慮指標の算出手順を説明するためのテーブルである。また、図11に示す「1台目」は、部品実装装置M1を示す。「2台目」は、部品実装装置M2を示す。「ラインCT」は、部品実装ラインに含まれるすべての部品実装装置M1,M2により実行されるラインサイクルタイムを示す。
図11に示す例で、部品実装装置M1のサイクルタイムは、第1の部品配置条件に基づく部品配置条件において、第1の実装条件「A」の場合に30sと算出され、第2の実装条件「A1」の場合に35sと算出され、第3の実装条件「A2」の場合に30sと算出され、第4の実装条件「A3」の場合に30sと算出され、第5の実装条件「A4」の場合に40sと算出され、第6の実装条件「A5」の場合に30sと算出される。
部品実装装置M2のサイクルタイムは、第1の部品配置条件に基づく部品配置条件において、第1の実装条件「A」の場合に30sと算出され、第2の実装条件「A1」の場合に30sと算出され、第3の実装条件「A2」の場合に35sと算出され、第4の実装条件「A3」の場合に30sと算出され、第5の実装条件「A4」の場合に40sと算出され、第6の実装条件「A5」の場合に40sと算出される。
また、部品実装装置M1のサイクルタイムは、第2の部品配置条件に基づく部品配置条件において、第1の実装条件「A」の場合に32sと算出され、第2の実装条件「A1」の場合に33sと算出され、第3の実装条件「A2」の場合に32sと算出され、第4の実装条件「A3」の場合に32sと算出され、第5の実装条件「A4」の場合に34sと算出され、第6の実装条件「A5」の場合に32sと算出される。
部品実装装置M2のサイクルタイムは、第2の部品配置条件に基づく部品配置条件において、第1の実装条件「A」の場合に32sと算出され、第2の実装条件「A1」の場合に32sと算出され、第3の実装条件「A2」の場合に33sと算出され、第4の実装条件「A3」の場合に32sと算出され、第5の実装条件「A4」の場合に34sと算出され、第6の実装条件「A5」の場合に34sと算出される。
管理コンピュータ8は、同一の部品配置条件下で算出された複数の部品実装装置M1,M2のそれぞれのサイクルタイムのうち最大(つまり最長)のサイクルタイムを、実装条件ごとに抽出する。管理コンピュータ8は、同一の部品配置条件下において、実装条件ごとに抽出されたラインサイクルタイムのそれぞれを合算し、変動考慮指標を算出する(St5)。
ここで、ステップSt5の処理で算出された変動考慮指標の一例を図11に示す。図11に示す例において、第1の部品配置条件に基づく変動考慮指標は、「215」と算出される。また、第2の部品配置条件に基づく変動考慮指標は、「199」と算出される。
管理コンピュータ8は、第1の部品配置条件に基づく変動考慮指標および第2の部品配置条件に基づく変動考慮指標のいずれが、所定の最適化終了条件を満たすか否かを判定する(St6)。
管理コンピュータ8は、ステップSt6の処理において、算出された各ラインサイクルタイムのそれぞれ、または最小の変動考慮指標が、作業者により設定された所定の最適化終了条件を満たすと判定した場合(St6,YES)、この最小の変動考慮指標が算出された部品配置条件に基づく部品配置条件を、最適化された次の生産工程用の部品配置データとして生成して出力する(St7)。例えば、所定の最適化終了条件の一例として、第1の部品配置条件に基づく変動考慮指標および第2の部品配置条件に基づく変動考慮指標のうち最小の変動考慮指標、かつこの最小の変動考慮指標が200以下となる条件が設定されている場合、ステップSt6の処理では、管理コンピュータ8は、最小の変動考慮指標が第2の部品配置条件に基づく変動考慮指標「199」が所定の最適化終了条件を満たすと判定する。
一方、管理コンピュータ8は、ステップSt6の処理において、算出された各ラインサイクルタイムのそれぞれ、または最小の変動考慮指標が、作業者により設定された最適化終了条件を満たさないと判定した場合(St6,NO)、ステップSt2の処理に移行し、再度1以上の第m(m:3以上の整数)の部品配置データを生成する。
これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化した部品配置データを生成し、出力できる。したがって、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれによる部品実装工程の実行中に、現時点の実装条件から他の実装条件に変更された場合であっても、部品実装装置による部品実装工程の効率低下をより抑制して、生産設備全体の生産性の低下を抑制できる。
以上により、実施の形態に係る部品実装システム1における管理コンピュータ8は、複数の部品供給台車に配置される複数の部品の部品配置データを生成する。管理コンピュータ8は、複数の部品実装装置の設定データ、複数の部品実装装置により複数の部品が実装される1以上の基板の生産データ(基板データの一例)、および基板に実装される複数の部品のそれぞれの部品の生産データ(部品データの一例)を含む第1の実装条件と、複数の部品供給台車のそれぞれに配置される部品の配置パターンを示す第1の部品配置条件とを取得し、第1の部品配置条件から少なくともいずれか1つの部品配置を変更した1以上の第2の部品配置条件を生成し、第1の実装条件のうち少なくともいずれかのデータを変更した1以上の第2の実装条件を生成し、第1の部品実装条件下での第1の実装条件および第2の実装条件ごとの部品実装に要する最大サイクルタイム(つまり、基板1枚あたりの生産に要する最大ラインサイクルタイム)の合算値を示す変動考慮指標(第1のサイクルタイムの一例)、および、第2の部品実装条件下での第1の実装条件および第2の実装条件ごとの部品実装に要する最大サイクルタイムの合算値を示す1以上の変動考慮指標(第2のサイクルタイムの一例)を算出し、これらの変動考慮指標(つまり、第1のサイクルタイムおよび第2のサイクルタイムのそれぞれ)のうち所定の最適化終了条件(所定条件の一例)を満たす部品配置条件に基づく部品配置データを出力する。
これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化した部品配置データを出力できる。したがって、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれによる部品実装工程の実行中に、現時点の実装条件から他の実装条件に変更された場合であっても、部品実装装置による部品実装工程の効率低下をより抑制して、生産設備全体の生産性の低下を抑制できる。
また、実施の形態1に係る管理コンピュータ8は、算出された複数の変動考慮指標のそれぞれ(つまり第1のサイクルタイムおよび第2のサイクルタイムの一例)を比較し、より小さい変動考慮指標が算出された部品配置条件に基づく部品配置データを出力する。
これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化するとともに、より生産性を向上できる部品配置データを出力できる。
また、実施の形態1に係る所定の最適化終了条件は、第1の部品実装条件下で算出された各実装条件における最大サイクルタイム(つまり、ラインサイクルタイム)および第2の部品実装条件下で算出された各実装条件における最大サイクルタイム(つまり、ラインサイクルタイム)の標準偏差が閾値以下である。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化した部品配置データを出力できる。したがって、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれによる部品実装工程の実行中に、現時点の実装条件から他の実装条件に変更された場合であっても、部品実装装置による部品実装工程の効率低下をより抑制して、生産設備全体の生産性の低下を抑制できる。
また、実施の形態1に係る所定の最適化終了条件は、第1の部品実装条件下で算出された変動考慮指標および第2の部品実装条件下で算出された変動考慮指標のいずれかのサイクルタイムが閾値以下である。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化するとともに、所定の生産性を有する部品配置データを出力できる。
また、実施の形態1に係る管理コンピュータ8は、第1の部品実装条件下で算出された変動考慮指標および第2の部品実装条件下で算出された変動考慮指標がいずれも最適化終了条件を満たさないと判定した場合、第1の部品配置条件および第2の部品配置条件と異なる部品の配置パターンを示す第m(m:3以上の整数)の部品配置条件を再生成し、生成された第mの部品配置条件下での第1の実装条件および第2の実装条件ごとの部品実装に要する変動考慮指標が所定条件を満たすか否かを再判定し、第mのサイクルタイムが所定条件(所定の最適化終了条件)を満たすと判定するまで再生成と再判定とを繰り返して実行する。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、作業者が希望する所定の最適化終了条件を満たし、かつ異なる複数の実装条件のそれぞれで複数の部品実装装置M1~M9により実行される部品実装工程のサイクルタイムをより均等化した部品配置データを出力できる。
また、実施の形態1に係る設定データは、複数の部品実装装置のそれぞれで過去に実行された過去の実装条件と過去の実装条件のうちいずれかが変更された他の実装条件と実装条件から他の実装条件に変更される変更の発生確率の情報とを含み、発生確率が高い他の実装条件に基づいて、1以上の第2の実装条件を生成する。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、実際の部品実装ライン6で発生確率が高い変更条件に基づく他の実装条件を設定でき、部品実装ライン6により適する部品配置データを出力できる。
また、実施の形態1に係る管理コンピュータ8は、第1の実装条件から第2の実装条件へ変更される変更の発生確率を取得し、第2の実装条件の最大値に発生確率に基づく重み付けを実行する。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、実際の部品実装ライン6により適する部品配置データを出力できる。
また、実施の形態1に係る管理コンピュータ8は、2以上の基板に実装される複数の部品のそれぞれのうち同一の部品を抽出し、抽出された同一の部品を同一の配置位置に配置した第2の部品配置条件を生成する。これにより、実施の形態1に係る部品実装システム1は、複数の部品実装装置M1~M9のそれぞれで実行される部品実装工程において、図4に示す実装ヘッド18のターン数または部品実装に要する移動(駆動)距離を低減可能にできるとともに、部品実装工程のサイクルタイム(つまり生産性)をより向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。