JP7395164B1 - 杭配置システム、杭配置方法及び杭配置プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
前記杭配置方法は、杭特定ステップを更に含み、前記杭特定ステップでは、所定間隔に3本以上の杭が配置された場合に、端点となる前記杭を特定し、前記配置ステップでは、前記所定間隔において該特定された杭のみを配置する。
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、杭配置システム0は、情報処理装置1(サーバ)及び利用者端末装置3(クライアント)を備え、これらがネットワークNWを介して通信可能に構成される。
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、情報処理装置1は、処理部101、記憶部102及び、通信部103を備える。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS及び杭配置プログラムなどを記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに接続する為の通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAMなどの揮発性メモリ、OS等を記録可能なHDDやSSDなどの不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに接続する為の通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、キーボードやタッチパネルなどの入力処理が可能な入力デバイスを有する。
表示部905は、ディスプレイなどの表示処理が可能な表示デバイスを有する。
図3は、杭配置システム0の機能ブロック図である。図3に示すように、情報処理装置1は、配信手段11、算出手段12、強度算出手段13、決定手段14、配置手段15、判定手段16、杭特定手段17、柱特定手段18、図面作成手段19、及びデータベース2を備える。また、利用者端末装置3は、表示処理手段31、及びデータ格納手段32を備える。これは、ソフトウェア(記憶部102に記憶されている)による情報処理がハードウェア(処理部101)によって具体的に実現されたものである。
次いで、図4~図15を参照して、本発明における杭配置方法について説明する。図4は、杭配置方法についての処理フローチャートである。また、杭配置方法は、大きく分けて、SAとして杭配置に用いる情報を取得する事前段階、SBとして杭を配置する配置段階、SCとして軸力図に杭を配置した杭伏図を出力する出力段階を含む。
事前段階SAには、ステップS1(以下、「ステップSXX」を「SXX」と呼ぶ)からS4が含まれ、杭を配置する予定の建築物に関する情報を受け付けることで、杭配置に利用される数値の算出や、図の作成が実行される。
まず、S1において、算出手段12は、柱にかかる柱軸力を算出する。算出手段12は、データベース2に格納される軸力算出データ、及びユーザから入力される建築物の図面情報に基づいて、柱軸力を算出する。ここで、本実施形態において図面情報は平面図、立面図、及び矩形図である。また、軸力算出データは、建物概要、建築物自体の重量を示す固定荷重、建築物内部に積載される重量を示す積載荷重を含む。建物概要は、例えば、構造、軒高、階高、屋根の形状、軒の出幅、外壁素材、基礎形状等を含む。固定荷重は、例えば、屋根、内壁、外壁、2階床、1階床、基礎等のそれぞれの重量を含む。積載荷重は、例えば、住宅の居室、事務室等のそれぞれの重量を含む。
そして、S2において図面作成手段19は、軸力図を作成する。図面作成手段19は、建築物の図面情報、及び算出手段12が算出した柱軸力に基づいて、柱毎の柱軸力を示す軸力図を作成する。
次いでS3において、決定手段14は、建築物を支持する為に必要な杭の最低本数を決定する。決定手段14は、柱軸力に基づいて、配置される杭の必要最低本数を決定する。具体的には、決定手段14は、柱軸力、1階床重量、及び基礎重量の合計値である建物総重量を杭の耐荷重で除算し、その結果得られる商を超える最小の整数を必要最低本数として決定する。
次いでS4において、強度算出手段13は、基礎梁の許容応力度を算出する。強度算出手段13は、基礎断面図を含む計算書に基づいて、杭同士の間隔(以下、杭間と呼ぶ)毎又は杭と柱の間隔毎における基礎梁(以下、単に梁と呼ぶ)の許容応力度である柱軸力制限を算出する。具体的に、強度算出手段13は、基礎断面図に基づいて、梁の断面幅、梁高、梁を構成する鉄筋量、鉄筋断面積、及び鉄筋の許容応力度等の梁に関する基礎梁情報を特定し、該基礎梁情報に基づいて杭間毎又は杭と柱の間隔毎における柱軸力制限を算出する。なお、本実施形態において強度算出手段13は、基礎断面図に基づいて基礎梁情報を特定する。一方、基礎梁情報と梁の種類が紐づけられてデータベース2に格納されており、強度算出手段13は、梁の種類の指定を受け付けることで基礎梁情報を特定してもよい。
配置段階SBには、S5~S13が含まれ、S3で決定した必要最低本数、及びS4で算出した柱軸力制限に基づいて、杭の配置が決定される。
まずS5において、判定手段16は、必要最低本数が柱総本数よりも小さいか否かを判定する。本実施形態において判定手段16は、S3において決定された必要最低本数が図面情報から得られる柱総本数よりも小さいと判定した場合(S5でYES)に、次のステップ(S6)に進む。一方、判定手段16が、必要最低本数が柱総本数よりも大きいと判定した場合(S5でNO)には、梁に沿って杭を均等間隔で配置する(S7)。
図6は、軸力図に杭を配置した杭伏図の一例を示す図である。配置手段15は、必要最低本数に基づいて、杭の配置場所を決定する。本実施形態においては、建物角(建物外周角BOC、建物内部角BIC)、建物内部、建物外周部のいずれか柱下に杭が配置され、配置手段15は、まずこれらの柱下のうち、柱軸力が大きい順に必要最低本数分の杭を配置する。なお図示例の番号(1~21)は、アノテーションを示す番号である。
次いでS8において、配置手段15は、所定間隔内の杭本数に基づいて杭を配置する。図7は、所定間隔内の杭本数に基づいて杭を配置するか否かの検討を行う具体的な処理フローチャートである。ここで、一般的な地盤改良設計では、杭を均等に配置する場合、一般的に杭は2P毎に配置される。つまり、2P以内に3本以上の杭が配置されることはない。したがって、本実施形態においては、該所定間隔を、2Pとして、2P以内に3本以上の杭があるかないかを判定する。
S9~S11において、配置手段15は、判定手段16の判定結果に基づいて、杭を配置する。本実施形態において判定手段16は、配置された杭と杭が配置された梁に沿って並ぶ杭又は該梁に連結する柱との間隔、杭が配置された梁に連結する柱にかかる柱軸力、及び該間隔における柱軸力制限に基づいて、杭を配置するか否かを判定する。
S9において、配置手段15は、判定手段16の判定結果に基づいて、建物外周角に杭を配置する。図8は、建物角について杭を配置するか否かの検討を行う具体的な処理フローチャートである。ここで図8(a)は、建物外周角における杭配置の検討、図8(b)は、建物内部角における杭配置の検討、についての処理フローチャートである。
S901において判定手段16は、建物外周角に杭が配置されているか否かを判定し、全ての建物外周角に杭が配置されている場合(S901でYES)は、杭配置を終了する(S907)。一方、判定手段16は、建物外周角に杭が配置されていない場合(S901でNO)には、該建物外周角からの所定区間に杭が配置されているか否かを判定する(S902)。ここで、本実施形態においては、建物外周角から離れすぎない位置に配置された杭を建物外周角に配置する為、所定区間として、建物角から梁に沿った1又は全ての方向に1Pの長さを有する区間を用いる。なお、以下では、簡単のため1又は全ての方向をX及びY軸として説明する。
次いで、S10において配置手段15は、判定手段16の判定結果に基づいて、建物内部角に杭を配置する。S1001において判定手段16は、建物内部角があるか否かを判定し、建物内部角がない場合(S1001でNO)は、杭配置を終了する(S1007)。一方、判定手段16は、建物内部角がある場合(S1001でYES)には、S1002~S1006において、S902~S906(建物外周角における杭配置の検討)と同様の判定を行い、建物内部角における杭配置の検討を行う。なお、図示例では、既に建物内部角において杭が配置されている為、杭配置の検討を行わない。
次いで、S11において配置手段15は、判定手段16の判定結果に基づいて、杭がない箇所に杭を配置する。図11は、杭を配置するか否かの検討を繰り返し行う具体的な処理フローチャートである。
S1101において判定手段16は、杭間が所定間隔以上の箇所の有無を判定し、該箇所がない場合(S1101でNO)は、該所定間隔以上の箇所の杭配置を終了する(S1107)。ここで、一般的な地盤改良設計では、杭を均等に配置する場合、杭は2P毎に配置される。しかし、2P毎に配置した場合に、柱軸力が柱軸力制限を超えることがないことが経験上わかっている。したがって、本実施形態においては、まず杭の配置を検討する場合には、該所定間隔として、2P以上である例えば3Pを用いる。
次いでS1108において判定手段16は、杭間が所定間隔の箇所の有無を判定し、該箇所がない場所(S1108でNO)には、該所定間隔の箇所の杭配置を終了する(S1111)。ここで、一般的な地盤改良設計では、杭を均等に配置する場合、一般的に杭は2P毎に配置される。したがって、本実施形態においては、一般的な地盤改良設計と比べて、杭を配置するかどうかを決定する為、該所定間隔を2Pとして、2P以内に必要本数以上の杭が配置されている箇所の有無を判定する。
次いでS12において、配置手段15は、所定の間隔を有する2つの杭の間に所定本数以上の杭が配置されている場合に、2つの杭の間の柱にかかる柱軸力、及び該間隔における柱軸力制限に基づいて、2つの杭の間に配置された杭の配置を変更する。図13は、杭を配置するか否かの検討の具体的な処理フローチャートである。
まず、判定手段16は、S11までに配置するものと判定された杭本数が必要最低本数よりも大きいか否かを判定する。そして、杭本数が必要最低本数と等しい場合(S1201でNO)は、杭の配置の変更処理を終了する(S1208)。一方、該杭本数が必要最低本数よりも大きい場合(S1201でYES)には、判定手段16は、所定間隔内に4本以上の杭が配置されているか否かを判定する(S1202)。ここで、一般的な地盤改良設計では、杭を均等に配置する場合、杭は2P毎に配置される。つまり、4P毎に4本の杭が配置される。しかし一般的な地盤改良設計では、柱軸力が柱軸力制限を超えることがないことが経験上わかっている。したがって、本実施形態においては、該所定間隔を、4Pとして、4P以内に4本以上の杭が配置されているか否かを判定する。
次いでS1205において判定手段16は、杭間が所定間隔の箇所の有無を判定し、該箇所がない場合(S1205でNO)には、該所定間隔の箇所の杭配置を終了する(S1208)。ここで、本実施形態においては、任意のピッチにおいて杭を配置するか否かを判定するが、該所定間隔としては、3Pを用いる。
次いでS13において、配置手段15は、柱軸力のない梁に対して杭を配置する。図15は、杭を配置するか否かの検討の具体的な処理フローチャートである。
以上、配置手段15によって杭の配置場所が決定されると、S14において図面作成手段19は、杭伏図を作成し、データベース2に杭伏図を格納する。本実施形態において図面作成手段19は、事前段階SAにおいて作成した軸力図に、配置段階SBにおいて決定された杭の配置場所を重畳した杭伏図を作成する。そして、配信手段11は、格納された杭伏図を利用者端末装置3に対して配信し、データ格納手段32は、配信された杭伏図を記憶部902に格納する。また、表示処理手段31は、配信された杭伏図を表示処理し、表示処理結果を表示部905に送信することで、杭伏図を利用者端末装置3において表示させる。
1 :情報処理装置
2 :データベース
3 :利用者端末装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
90 :端末装置
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :表示部
11 :配信手段
12 :算出手段
13 :強度算出手段
14 :決定手段
15 :配置手段
16 :判定手段
17 :杭特定手段
18 :柱特定手段
19 :図面作成手段
31 :表示処理手段
32 :データ格納手段
NW :ネットワーク
BOC :建物外周角
BIC :建物内部角
BOCP :建物外周角に配置された杭
BOP :建物外周部に配置された杭
Claims (12)
- 建築物の杭を配置する杭配置方法であって、
コンピュータが、
建築物の図面情報に基づいて、柱にかかる柱軸力を算出する算出ステップと、
前記柱軸力に基づいて、配置される前記杭の必要最低本数を決定する決定ステップと、
前記必要最低本数に基づいて、前記杭の配置場所を決定する配置ステップと、を実行し、
前記配置ステップは、前記配置された杭と前記杭が配置された梁に沿って並ぶ杭又は該梁に連結する柱との間隔、前記杭が配置された梁に連結する柱にかかる前記柱軸力、及び該間隔毎における前記柱軸力の上限を示す柱軸力制限に基づいて、前記杭を配置するか否かを判定する判定ステップを含む杭配置方法。 - 前記杭配置方法は、杭特定ステップを更に含み、
前記杭特定ステップでは、所定間隔に3本以上の杭が配置された場合に、端点となる前記杭を特定し、
前記配置ステップでは、前記所定間隔において該特定された杭のみを配置する、請求項1に記載の杭配置方法。 - 前記判定ステップでは、前記建築物の建物角に前記杭が配置されていない場合であって、前記建物角からの所定区間に前記杭が配置されている場合に、前記建物角の柱及び該杭の間隔と、該間隔における前記柱軸力制限と、前記建物角の柱にかかる前記柱軸力とに基づいて、前記建物角に前記杭を配置するか否かを判定する、請求項1又は請求項2に記載の杭配置方法。
- 前記判定ステップでは、前記建物角の柱及び該杭の間隔における前記柱軸力制限に基づいて、前記柱軸力が該柱軸力制限よりも大きい場合に、前記建物角に前記杭を配置するものと判定する、請求項3に記載の杭配置方法。
- 前記杭配置方法は、柱特定ステップを更に含み、
前記柱特定ステップでは、前記所定区間に配置された杭のうち、前記柱軸力が最小の柱を特定し、
前記配置ステップでは、該特定された柱軸力が最小の柱下に配置した前記杭に代えて、前記建物角に前記杭を配置する、請求項4に記載の杭配置方法。 - 前記配置ステップでは、前記建築物の建物角に前記杭が配置されていない場合であって、前記建物角からの所定区間に前記杭が配置されていない場合に、前記建物角に前記杭を配置する、請求項1又は請求項2に記載の杭配置方法。
- 前記判定ステップでは、2つの杭の間隔における前記柱軸力制限、及び前記杭が配置された梁に連結する柱であって、前記2つの杭の間にある1又は複数の柱にかかる柱軸力に基づいて、前記2つの杭の間に前記杭を配置するか否かを判定する、請求項1又は請求項2に記載の杭配置方法。
- 前記杭配置方法は、柱特定ステップを更に含み、
前記柱特定ステップでは、前記2つの杭の間に配置されるものと判定された杭上に柱がない場合には、該杭が配置されるものと判定された梁に連結する柱のうち柱軸力が最大の柱を特定する、請求項7に記載の杭配置方法。 - 前記配置ステップでは、所定の間隔を有する2つの杭の間に所定本数以上の杭が配置されている場合に、前記2つの杭の間の柱にかかる柱軸力、及び該間隔における前記柱軸力制限に基づいて、前記2つの杭の間に配置された杭の配置を変更する、請求項1又は請求項2に記載の杭配置方法。
- 前記判定ステップでは、所定間隔内に前記杭が配置されていない柱がある場合に、該柱にかかる前記柱軸力に基づいて、該柱下に前記杭を配置するか否かを判定し、
前記所定間隔内に前記杭が配置されていない柱がなくなるまで、柱下に前記杭を配置するか否かを判定し、
前記配置場所が決定された杭の本数が前記必要最低本数よりも多い場合に、所定間隔内に所定本数以上の杭が配置されている箇所について、該箇所の柱にかかる前記柱軸力に基づいて、前記杭の配置を変更するか否かを判定し、
前記配置ステップでは、前記判定ステップの判定結果に基づいて前記杭の配置場所を決定する、請求項1又は請求項2に記載の杭配置方法。 - 建築物の杭配置の設計を支援する杭配置システムであって、
建築物の図面情報に基づいて、柱にかかる柱軸力を算出する算出手段と、
前記柱軸力に基づいて、配置される杭の必要最低本数を決定する決定手段と、
前記配置された杭と前記杭が配置された梁に沿って並ぶ杭又は該梁に連結する柱との間隔、前記杭が配置された梁に連結する柱にかかる前記柱軸力、及び該間隔毎における前記柱軸力の上限を示す柱軸力制限、並びに前記必要最低本数に基づいて、前記杭を配置するか否かを判定する判定手段と、
判定結果に基づいて、前記杭の配置場所を決定する配置手段と、を備える杭配置システム。 - 建築物の杭配置の設計を支援する杭配置プログラムであって、
前記杭配置プログラムは、コンピュータを、
建築物の図面情報に基づいて、柱にかかる柱軸力を算出する算出手段と、
前記柱軸力に基づいて、配置される杭の必要最低本数を決定する決定手段と、
前記配置された杭と前記杭が配置された梁に沿って並ぶ杭又は該梁に連結する柱との間隔、前記杭が配置された梁に連結する柱にかかる前記柱軸力、及び該間隔毎における前記柱軸力の上限を示す柱軸力制限、並びに前記必要最低本数に基づいて、前記杭を配置するか否かを判定する判定手段と、
判定結果に基づいて、前記杭の配置場所を決定する配置手段と、として機能させる杭配置プログラム。
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