JP7394016B2 - 回転機械の不釣合い推定方法、回転機械の状態監視診断装置 - Google Patents

回転機械の不釣合い推定方法、回転機械の状態監視診断装置 Download PDF

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本発明は、回転機械の状態監視に係り、特に、回転軸の不釣合い(アンバランス)を推定するための不釣合い推定方法及びそれを用いた状態監視診断装置に関する。
電動機やタービンをはじめとする回転機械では、計画外停止により多額の損失が発生する可能性がある。回転機械の運転において機器の性能を損なう最大の要因は振動と、これに伴う騒音であり、回転軸を中心とした質量分布の不揃い状態である不釣合い(アンバランス)が回転機械の振動に繋がる。運転中に発生する不釣合いの原因としては、熱変形、摩耗、異物の付着、材料の経年変化による歪み等が考えられる。
そこで、回転機械の振動を低減するために、回転軸の不釣合いを推定し、修正不釣合いを付加することにより残留不釣合いを低減する釣合わせが行われている。例えば特許文献1では影響係数法に基づく釣合わせ方法が開示されている。影響係数法では試し不釣合いの有無による振動ベクトルの変化に基づいて影響係数を算出し、この影響係数を用いて、振動ベクトルから不釣合いを推定する。ここで、影響係数は不釣合いから振動ベクトルへの線形変換行列である。特に特許文献1の釣合わせ方法では、既知の試し不釣合い付加時の振動を基に軸受動特性を求め、この軸受動特性と回転軸の設計情報を用いて影響係数を算出する点に特徴がある。
一方、回転軸の状態の変化によって不釣合いが変化することがあるため、不釣合いの監視は回転軸の状態推定に役立つ。例えば特許文献2では、振動ベクトル変化から不釣合い発生位置と不釣合い量の変化を算出し、これらを用いて異常レベルを判定する状態監視診断装置が開示されている。特許文献2の状態監視診断装置においても不釣合いの推定には影響係数法が用いられている。
特開昭58-42944号公報 特開平3-279836号公報
上記の通り、不釣合い推定により回転機械の振動低減や状態監視が可能であるため、回転機械の寿命予測や信頼性向上のために不釣合いを正確に推定することが望まれる。
ところで、回転軸では、加工誤差や組み立て誤差などに起因し、運転状態によって変化しない不変不釣合いが発生する。さらに、上述したように、回転軸の温度変化に伴う熱変形等に起因し、運転時に変化する可変不釣合いが発生する可能性がある。可変不釣合いは予測や制御が困難であるため、影響係数法による不釣合い推定において、試し不釣合いに可変不釣合いが誤差として重畳する。また、回転軸の劣化によって熱変形特性が変化するため、可変不釣合いの監視は回転機械の状態監視に有効であるが、従来の影響係数法では可変不釣合いを推定できない。
そこで、本発明の目的は、回転機械の状態監視において、加工誤差や組み立て誤差等に起因する不変不釣合いと運転状態により変化する可変不釣合いを分離して推定可能な回転機械の不釣合い推定方法及びそれを用いた状態監視診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、(a)試し不釣合いを付加しない初期運転時の振動ベクトルおよび回転速度を計測するステップ、(b)試し不釣合い付加運転時の振動ベクトルおよび回転速度を計測するステップ、(c)前記(a)ステップおよび前記(b)ステップにおいて計測した振動ベクトルおよび回転速度に基づいて、前記回転機械の定速運転における振動ベクトルを定速振動ベクトルとして抽出するステップ、(d)前記(c)ステップにおいて抽出した定速振動ベクトルの変化から可変振動ベクトル関数を決定するステップ、(e)前記(d)ステップにおいて決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、前記回転機械の定速運転における定速可変振動ベクトルを演算するステップ、(f)前記(c)ステップにおいて抽出した定速振動ベクトルおよび前記(e)ステップにおいて演算した定速可変振動ベクトルに基づいて、定速不変振動ベクトルを算出するステップ、(g)前記(f)ステップにおいて算出した定速不変振動ベクトルの変化から定速影響係数を算出するステップ、(h)前記(g)ステップにおいて算出した定速影響係数および前記(f)ステップにおいて算出した初期運転時の定速不変振動ベクトルに基づいて、不変不釣合いを算出するステップ、(i)前記(g)ステップにおいて算出した定速影響係数および前記(d)ステップにおいて決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、可変不釣合いを算出するステップ、を有することを特徴とする。
また、本発明は、回転機械の振動信号を計測する振動計測装置と、前記回転機械の回転軸の回転基準信号を計測する回転基準信号計測装置と、前記振動信号と前記回転基準信号を入力し、前記回転機械の不釣合いを演算する不釣合い演算装置と、を備え、前記不釣合い演算装置は、前記振動信号から算出した振動ベクトルおよび前記回転基準信号から算出した回転速度に基づいて、前記回転機械の定速運転における振動ベクトルを定速振動ベクトルとして抽出する定速振動ベクトル抽出装置と、前記定速振動ベクトル抽出装置により抽出した定速振動ベクトルの変化から可変振動ベクトル関数を決定する可変振動ベクトル関数推定装置と、前記可変振動ベクトル関数推定装置により決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、前記回転機械の定速運転における定速可変振動ベクトルを演算する可変振動ベクトル演算装置と、前記可変振動ベクトル演算装置により演算した定速可変振動ベクトルに基づいて、定速不変振動ベクトルを算出する定速不変振動ベクトル演算装置と、前記定速不変振動ベクトル演算装置により算出した定速不変振動ベクトルの変化から定速影響係数を算出する影響係数演算装置と、前記影響係数演算装置により算出した定速影響係数および前記定速不変振動ベクトル演算装置により算出した初期運転時の定速不変振動ベクトルに基づいて、不変不釣合いを算出する不変不釣合い推定装置と、前記影響係数演算装置により算出した定速影響係数および前記可変振動ベクトル関数推定装置により決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、可変不釣合いを算出する可変不釣合い推定装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転機械の状態監視において、加工誤差や組み立て誤差等に起因する不変不釣合いと運転状態により変化する可変不釣合いを分離して推定可能な回転機械の不釣合い推定方法及びそれを用いた状態監視診断装置を実現することができる。
これにより、回転機械の精度の高い寿命予測と信頼性向上が図れる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る状態監視診断装置の概略構成を示すブロック図である。 時間に対する振動ベクトル及び回転速度の変化の例を示す図である。 本発明の実施例1に係る不釣合い推定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る不釣合い推定方法を示すフローチャートである。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図3を参照して、本発明の実施例1の不釣合い推定方法とそれを用いた状態監視診断装置について説明する。図1は本実施例における状態監視診断装置1の概略構成を示すブロック図である。対象となる回転機械2には振動信号39を計測する振動計測装置3と、回転軸4の回転基準信号40を計測する回転基準信号計測装置5が設置されている。振動計測装置3には例えば渦電流式変位センサが適用でき、回転軸4の振動を直接計測することが望ましい。回転基準信号計測装置5は例えば回転軸4の円周方向に1か所設けた切欠きを渦電流式変位センサで検知することによって構成でき、回転軸4の1回転につき1回のパルスを出力する。
振動計測装置3で計測した振動信号39と回転基準信号計測装置5で計測した回転基準信号40は処理装置6の内部の不釣合い演算装置7に入力される。不釣合い演算装置7は不変不釣合い8と可変不釣合い9を演算し、不釣合い表示装置10に出力する。不釣合い表示装置10は不変不釣合い8と可変不釣合い9を、例えば横軸に時間38、縦軸に不釣合いを示すグラフとして表示し、時間38に伴う不釣合いの変化を監視できる。接合部の緩みなど、回転軸4の機械的な劣化は不変不釣合い8の変化に現れ、電気的な絶縁の劣化など、回転軸4のエネルギ的な劣化は可変不釣合い9の変化に現れるため、これらの不釣合いを分離して表示することにより回転軸4の状態を詳細に診断できる。
図2は時間38に対する振動ベクトル11および回転速度12の変化の例を示す模式図である。振動ベクトル11は振幅と位相の情報を持つが、本図では簡単のため位相を無視して振幅のみを表示している。図2の例では回転速度12を上昇させた後、一定回転速度12の定速運転13を行い、その後にさらに回転速度12を上昇させている。
振動ベクトル11は、不変不釣合い8に起因する不変振動ベクトル14と、可変不釣合い9に起因する可変振動ベクトル15のベクトル和で表される。回転速度12によって影響係数が変化するため、回転速度12の変化に伴い振動ベクトル11が変化する。定速運転13において不変振動ベクトル14は一定値を示すが、回転軸4の温度変化等により可変不釣合い9が変化するため、可変振動ベクトル15は変化する。可変振動ベクトル15の変化により、定速運転13における振動ベクトル11が変化し、これが影響係数法における不釣合い推定の誤差要因となる。
図3は本実施例における不釣合い推定方法16を示すフローチャートである。本発明の不釣合い推定方法16では、試し不釣合いを付加しない初期運転17aと、試し不釣合いを付加した試し不釣合い付加運転17bを行う。それぞれの運転において、振動入力手段19は振動信号39を入力して振動波形20を生成する。また、回転基準信号入力手段21は回転基準信号40を入力して回転基準信号波形22を生成する。振動入力手段19と回転基準信号入力手段21は、電圧のアナログ信号をコンピュータのデジタル信号に変換する、いわゆるAD変換器である。
振動ベクトル演算手段23は、振動波形20から回転同期成分である図示しない回転同期振動波形を抽出し、回転同期振動波形と回転基準信号波形22の位相差である位相と回転同期振動波形の振幅から構成される振動ベクトル11を演算する。
振動ベクトル11の位相の演算方法としては、例えば、回転基準信号波形22のパルス発生時から回転同期振動波形のピーク発生時までの時間38と、回転基準信号波形22のパルス間の時間38の比から算出する方法や、振動波形20と回転基準信号波形22のFFT分析結果(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)の位相差を演算する方法などがある。
回転速度演算手段24は、回転基準信号波形22から回転速度12を算出する。回転速度12の演算方法としては、回転基準信号波形22のパルス間の時間38から算出する方法や、回転基準信号波形22のFFT分析結果から最も顕著なスペクトルの周波数を抽出する方法などがある。
定速振動ベクトル抽出手段25は、回転速度演算手段24で算出した回転速度12を基に、定速運転13における振動ベクトル11を定速振動ベクトル26として抽出する。
可変振動ベクトル関数推定手段27は、定速振動ベクトル26の変化から可変振動ベクトル関数28を同定する。本実施例では、回転軸4の熱変形は代表温度29 T の変化に比例すると考え、可変振動ベクトル関数28を次式(1)で近似する。
Figure 0007394016000001
ここで、A は可変振動ベクトル関数推定手段27が同定する定数ベクトルである。運転開始時の回転軸4の熱変形は小さいと考え、T0 には運転開始時の代表温度を採用する。代表温度29としては回転軸4の温度を直接計測することが望ましいが、回転機械2の運転時に通常監視されている軸受やステータの温度を代表温度29としても良い。
図2に示したように、振動ベクトル11 X は不変振動ベクトル14 Xc と可変振動ベクトル15 Xv のベクトル和で表される。
Figure 0007394016000002
定速運転13において不変振動ベクトル14 Xc は一定であるから、定速運転13における時系列データを添え時i(i =1, 2, …,n )を付けて表すと、次式が成り立つ。
Figure 0007394016000003
式(3)においてA 以外は既知であるから、例えば次式(4)で表すような誤差関数が最小となるように定数ベクトルA を算出する。
Figure 0007394016000004
定数ベクトルA の計算には例えば最小二乗法などが活用できる。
可変振動ベクトル演算手段30は、式(1)を用いて定速運転13における定速可変振動ベクトル31を計算する。
定速不変振動ベクトル演算手段32は、式(2)の関係から定速不変振動ベクトル33 Xc を計算する。具体的には、例えば次式(5)の誤差関数が最小となるように定速不変振動ベクトル33 Xc を算出する。
Figure 0007394016000005
定速不変振動ベクトル演算手段32は、初期運転17aにおける初期定速不変振動ベクトル33aと、試し不釣合い付加運転17bにおける試し不釣合い付加定速不変振動ベクトル33bをそれぞれ算出する。
次式(6)のように、影響係数α は振動ベクトル11 X と不釣合いU の比例関係を示す。
Figure 0007394016000006
影響係数演算手段34は、初期定速不変振動ベクトル33a XcP と試し不釣合い付加定速不変振動ベクトル33b XcT および既知の試し不釣合いUcT を用いて定速影響係数35 αsを算出する。
Figure 0007394016000007
不変不釣合い推定手段36は、定速影響係数35 αsと初期定速不変振動ベクトル33a XcP を用いて、次式により不変不釣合い8を算出する。
Figure 0007394016000008
同様に、可変不釣合い推定手段37は、式(1)の可変振動ベクトル関数28 Xv と定速影響係数35 αsを用いて、次式(9)により代表温度29 T に対する可変不釣合い9を算出する。
Figure 0007394016000009
以上の方法により、回転機械2に生じる不釣合い(アンバランス)を、不変不釣合い8と可変不釣合い9を分離して推定可能であるとともに、それらを用いた状態監視診断装置1を実現することができる。
なお、以上の説明では定速運転13の領域は1つ、計測点は1点、不釣合いを付加する修正面は1面であることを想定して説明したが、これらは複数であっても良い。この場合は、影響係数法による多面釣合わせ手法と同様に、上記の計算過程に多変数のベクトル演算手法を適用すれば良い。定速運転13の領域、計測点、修正面を多くとると、不釣合いの推定精度が向上する。
また、本実施例では可変振動ベクトル関数28は線形関数としたが、物理現象を反映したより複雑な関数を用いても良いし、更に簡易な関数を用いても良い。
以上説明したように、本実施例の回転機械の状態監視診断装置は、回転機械2の振動信号39を計測する振動計測装置3と、回転機械2の回転軸4の回転基準信号40を計測する回転基準信号計測装置5と、振動信号39と回転基準信号40を入力し、回転機械2の不釣合いを演算する不釣合い演算装置7を備えており、不釣合い演算装置7は、振動信号39から算出した振動ベクトル11および回転基準信号40から算出した回転速度12に基づいて、回転機械2の定速運転における振動ベクトルを定速振動ベクトル26として抽出する定速振動ベクトル抽出装置(手段)25と、定速振動ベクトル抽出装置(手段)25により抽出した定速振動ベクトル26の変化から可変振動ベクトル関数28を決定する可変振動ベクトル関数推定装置(手段)27と、可変振動ベクトル関数推定装置(手段)27により決定した可変振動ベクトル関数28に基づいて、回転機械2の定速運転における定速可変振動ベクトル31を演算する可変振動ベクトル演算装置(手段)30と、可変振動ベクトル演算装置(手段)30により演算した定速可変振動ベクトル31に基づいて、定速不変振動ベクトル33を算出する定速不変振動ベクトル演算装置(手段)32と、定速不変振動ベクトル演算装置(手段)32により算出した定速不変振動ベクトル33の変化から定速影響係数35を算出する影響係数演算装置(手段)34と、影響係数演算装置(手段)34により算出した定速影響係数35および定速不変振動ベクトル演算装置(手段)32により算出した初期運転時の定速不変振動ベクトル33aに基づいて、不変不釣合い8を算出する不変不釣合い推定装置(手段)36と、影響係数演算装置(手段)34により算出した定速影響係数35および可変振動ベクトル関数推定装置(手段)27により決定した可変振動ベクトル関数28に基づいて、可変不釣合い9を算出する可変不釣合い推定装置(手段)37を有して構成されている。
また、影響係数演算装置(手段)34は、初期運転時の定速不変振動ベクトル33である初期定速不変振動ベクトル33aと、試し不釣合い付加運転時の定速不変振動ベクトル33である試し不釣合い付加定速不変振動ベクトル33bに基づいて、初期定速不変振動ベクトル33aと試し不釣合い付加定速不変振動ベクトル33bの差分に対する試し不釣合いの影響を表す定速影響係数35を算出する。
これにより、加工誤差や組み立て誤差等に起因する不変不釣合いと運転状態により変化する可変不釣合いを分離して推定することが可能となり、回転機械の精度の高い寿命予測と信頼性向上が図れる。
図4を参照して、本発明の実施例2の不釣合い推定方法について説明する。図4は本実施例における不釣合い推定方法16を示すフローチャートである。
実施例1との最大の違いは、可変振動ベクトル関数推定手段27に時間38を入力し、可変振動ベクトル関数28を時間38の関数としている点である。回転軸4の熱変形は時間38の経過とともに一定状態に収束すると考えられるため、本実施例における可変振動ベクトル関数28には指数関数を用いた次式(10)を採用する。
Figure 0007394016000010
ここで、A およびB はそれぞれ、可変振動ベクトル関数推定手段27が同定する定数ベクトルおよび定数であり、t は運転開始後の時間38である。
実施例1の式(4)と同様の考え方により、次式(11)の誤差関数が最小となるようにA およびB を算出する。
Figure 0007394016000011
可変振動ベクトル関数28を時間38の関数とすることにより、代表温度29を計測することなく定速可変振動ベクトル31を推定可能である。なお、本実施例では可変振動ベクトル関数28に指数関数を用いたが、物理現象を反映したより複雑な関数を用いても良いし、線形関数などのより簡易な関数を用いても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施例は本発明に対する理解を助けるために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…状態監視診断装置
2…回転機械
3…振動計測装置
4…回転軸
5…回転基準信号計測装置
6…処理装置
7…不釣合い演算装置
8…不変不釣合い
9…可変不釣合い
10…不釣合い表示装置
11…振動ベクトル(X)
12…回転速度
13…定速運転
14…不変振動ベクトル(Xc
15…可変振動ベクトル(Xv
16…不釣合い推定方法
17a…初期運転
17b…試し不釣合い付加運転
19…振動入力手段
20…振動波形
21…回転基準信号入力手段
22…回転基準信号波形
23…振動ベクトル演算手段
24…回転速度演算手段
25…定速振動ベクトル抽出手段
26…定速振動ベクトル
27…可変振動ベクトル関数推定手段
28…可変振動ベクトル関数
29…代表温度
30…可変振動ベクトル演算手段
31…定速可変振動ベクトル
32…定速不変振動ベクトル演算手段
33…定速不変振動ベクトル
33a…初期定速不変振動ベクトル
33b…試し不釣合い(重り)付加定速不変振動ベクトル
34…影響係数演算手段
35…定速影響係数
36…不変不釣合い推定手段
37…可変不釣合い推定手段
38…時間
39…振動信号
40…回転基準信号

Claims (12)

  1. 以下のステップを有する回転機械の不釣合い推定方法;
    (a)試し不釣合いを付加しない初期運転時の振動ベクトルおよび回転速度を計測するステップ、
    (b)試し不釣合い付加運転時の振動ベクトルおよび回転速度を計測するステップ、
    (c)前記(a)ステップおよび前記(b)ステップにおいて計測した振動ベクトルおよび回転速度に基づいて、前記回転機械の定速運転における振動ベクトルを定速振動ベクトルとして抽出するステップ、
    (d)前記(c)ステップにおいて抽出した定速振動ベクトルの変化から可変振動ベクトル関数を決定するステップ、
    (e)前記(d)ステップにおいて決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、前記回転機械の定速運転における定速可変振動ベクトルを演算するステップ、
    (f)前記(c)ステップにおいて抽出した定速振動ベクトルおよび前記(e)ステップにおいて演算した定速可変振動ベクトルに基づいて、定速不変振動ベクトルを算出するステップ、
    (g)前記(f)ステップにおいて算出した定速不変振動ベクトルの変化から定速影響係数を算出するステップ、
    (h)前記(g)ステップにおいて算出した定速影響係数および前記(f)ステップにおいて算出した初期運転時の定速不変振動ベクトルに基づいて、不変不釣合いを算出するステップ、
    (i)前記(g)ステップにおいて算出した定速影響係数および前記(d)ステップにおいて決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、可変不釣合いを算出するステップ。
  2. 請求項1に記載の回転機械の不釣合い推定方法であって、
    前記(g)ステップにおいて、初期運転時の定速不変振動ベクトルである初期定速不変振動ベクトルと、試し不釣合い付加運転時の定速不変振動ベクトルである試し不釣合い付加定速不変振動ベクトルに基づいて、前記初期定速不変振動ベクトルと前記試し不釣合い付加定速不変振動ベクトルの差分に対する試し不釣合いの影響を表す定速影響係数を算出することを特徴とする回転機械の不釣合い推定方法。
  3. 請求項1に記載の回転機械の不釣合い推定方法であって、
    前記(d)ステップにおいて、前記回転機械の回転軸の温度、前記回転機械の軸受の温度、前記回転機械のステータの温度のいずれかに基づいて、前記可変振動ベクトル関数を決定することを特徴とする回転機械の不釣合い推定方法。
  4. 請求項1に記載の回転機械の不釣合い推定方法であって、
    前記(d)ステップにおいて、前記回転機械の運転開始後の時間に基づいて、前記可変振動ベクトル関数を決定することを特徴とする回転機械の不釣合い推定方法。
  5. 請求項1に記載の回転機械の不釣合い推定方法であって、
    前記(a)ステップおよび(b)ステップにおいて、渦電流式変位センサにより前記回転機械の回転軸の振動ベクトルおよび回転速度を計測することを特徴とする回転機械の不釣合い推定方法。
  6. 請求項1に記載の回転機械の不釣合い推定方法であって、
    前記(h)ステップにおいて算出した不変不釣合いと、前記(i)ステップにおいて算出した可変不釣合いを不釣合い表示装置に分離して表示することを特徴とする回転機械の不釣合い推定方法。
  7. 回転機械の振動信号を計測する振動計測装置と、
    前記回転機械の回転軸の回転基準信号を計測する回転基準信号計測装置と、
    前記振動信号と前記回転基準信号を入力し、前記回転機械の不釣合いを演算する不釣合い演算装置と、を備え、
    前記不釣合い演算装置は、前記振動信号から算出した振動ベクトルおよび前記回転基準信号から算出した回転速度に基づいて、前記回転機械の定速運転における振動ベクトルを定速振動ベクトルとして抽出する定速振動ベクトル抽出装置と、
    前記定速振動ベクトル抽出装置により抽出した定速振動ベクトルの変化から可変振動ベクトル関数を決定する可変振動ベクトル関数推定装置と、
    前記可変振動ベクトル関数推定装置により決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、前記回転機械の定速運転における定速可変振動ベクトルを演算する可変振動ベクトル演算装置と、
    前記可変振動ベクトル演算装置により演算した定速可変振動ベクトルに基づいて、定速不変振動ベクトルを算出する定速不変振動ベクトル演算装置と、
    前記定速不変振動ベクトル演算装置により算出した定速不変振動ベクトルの変化から定速影響係数を算出する影響係数演算装置と、
    前記影響係数演算装置により算出した定速影響係数および前記定速不変振動ベクトル演算装置により算出した初期運転時の定速不変振動ベクトルに基づいて、不変不釣合いを算出する不変不釣合い推定装置と、
    前記影響係数演算装置により算出した定速影響係数および前記可変振動ベクトル関数推定装置により決定した可変振動ベクトル関数に基づいて、可変不釣合いを算出する可変不釣合い推定装置と、を有することを特徴とする回転機械の状態監視診断装置。
  8. 請求項7に記載の回転機械の状態監視診断装置であって、
    前記影響係数演算装置は、初期運転時の定速不変振動ベクトルである初期定速不変振動ベクトルと、試し不釣合い付加運転時の定速不変振動ベクトルである試し不釣合い付加定速不変振動ベクトルに基づいて、前記初期定速不変振動ベクトルと前記試し不釣合い付加定速不変振動ベクトルの差分に対する試し不釣合いの影響を表す定速影響係数を算出することを特徴とする回転機械の状態監視診断装置。
  9. 請求項7に記載の回転機械の状態監視診断装置であって、
    前記可変振動ベクトル関数推定装置は、前記回転機械の回転軸の温度、前記回転機械の軸受の温度、前記回転機械のステータの温度のいずれかに基づいて、前記可変振動ベクトル関数を決定することを特徴とする回転機械の状態監視診断装置。
  10. 請求項7に記載の回転機械の状態監視診断装置であって、
    前記可変振動ベクトル関数推定装置は、前記回転機械の運転開始後の時間に基づいて、前記可変振動ベクトル関数を決定することを特徴とする回転機械の状態監視診断装置。
  11. 請求項7に記載の回転機械の状態監視診断装置であって、
    前記振動計測装置および前記回転基準信号計測装置は、渦電流式変位センサであることを特徴とする回転機械の状態監視診断装置。
  12. 請求項7に記載の回転機械の状態監視診断装置であって、
    算出した不変不釣合いと算出した可変不釣合いを分離して表示可能な不釣合い表示装置を備えることを特徴とする回転機械の状態監視診断装置。
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