JP7390831B2 - 酵素種判別方法及び検査装置、並びにプログラム - Google Patents

酵素種判別方法及び検査装置、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、細胞が産生する酵素種を判別する酵素種判別方法と、細胞が産生する酵素種の判別に用いられる検査装置と、酵素種の判別に用いられるプログラムとに関する。
近年、抗微生物薬の濫用により、抗微生物薬に対する耐性を有する菌すなわち薬剤耐性菌の出現割合が増加しており、それに伴い院内感染の発生件数も増加傾向にある。抗微生物薬を適切に使用することによる薬剤耐性菌の出現を抑制することは極めて重要となっている(例えば特許文献1)。薬剤耐性菌には、抗微生物薬を分解する酵素を産生する機能を獲得したものがある。
抗微生物薬が細菌に対してどの程度有効であるかを判断する指標の1つとして、抗微生物薬が細菌の増殖(発育)を阻止させる最小濃度である最少発育阻止濃度(MIC:Minimum Inhibitory Concentration)がある。抗微生物薬に対するMICが高ければ発育を阻止するために必要な抗微生物薬が多く必要ということになり、MICは、薬剤耐性度合いを示す指標になる。さらに、薬剤感受性試験の結果であるMICの値から、臨床上で抗菌薬治療効果を予測するために使用される基準値として、ブレイクポイント(BP)が公的機関などにより設定されている。しかしBPは、細菌が有する薬剤耐性機構を考慮せずに抗微生物薬がその細菌に対して使用できるか否かによって設定されてしまう危険性がある。抗微生物を分解する酵素を産生する遺伝子を有するにも関わらずBP以下のMICを有する細菌も多数報告されている(非特許文献1)。細菌の抗微生物薬に対する耐性機構のうち酵素産生による抗微生物薬の分解に関しては、その機能が一般的に細菌間で非常に伝搬しやすい。近年では伝搬経路中で進化した基質特異性拡張β-ラクタマーゼ(ESBL;Extended Spectrum β-Lactamase)等の多くの抗微生物薬を分解する酵素を産生する遺伝子を持つ細菌が重要視され、臨床現場では問題になっている(非特許文献2)。
抗微生物薬に対する細菌あるいは細胞の感受性あるいは耐性を短時間かつ簡単な手順で検査する装置が提案されている。例えば特許文献1は、培養プレートにより抗微生物薬の存在下で細菌を培養し、培養プレートの各々のウェル中の細菌の形状や数を顕微鏡観察することで細菌の分裂の様子をモニタし、顕微鏡観察で得た画像から細菌の形状や数や面積とそれらの経時変化とを解析し、データベース中の情報と解析結果とを比較することよって、薬剤感受性結果であるMICを得ることを開示している。特許文献2は、マイクロ流路カートリッジのマイクロ流路に細菌と抗微生物薬とを含む液体を導入して細菌を培養し、そののちマイクロ流路内の細菌を撮影して画像を取得し、画像から得られた情報から、薬剤感受性を示す結果、特にMICを得ることを開示している。特許文献2に記載されたものでは、画像から得られる情報は、細菌の数や周囲長などであり、それらを統計的に解析しアルゴリズムによって判定することによって、MICを得ることができる。
特開2016-136876号公報 米国特許出願公開第2017/0218426号明細書
村谷 哲郎他、"基質特異性拡張型β-lactamase産生Escherichia coliに対する各種抗菌薬の抗菌力"、日本化学療法学会雑誌、第52巻、第10号、第556-567頁、2004年 上地 幸平他、"ESBLs迅速検出法modified ESBL NDP testの有用性に関する検討"、日本臨床微生物学雑誌、第28巻、第3号、第1-10頁、2018年
特許文献1,2に記載された技術は、抗微生物薬の存在下で細胞を培養したときの細胞の画像を入力として、画像処理やデータベースとの照合、判定アルゴリズムの実行などによって、薬剤感受性結果であるMICを出力しようとするものである。しかしながら、薬剤感受性であるMICの結果だけでは、細菌の薬剤耐性機構としての酵素の産生状況を推察することは難しい。したがって、1つの抗微生物薬に対して細菌のMICを測定し、その結果、ブレイクポイントと比較して感受性を示したからと言って、その細菌がその抗微生物薬に対して非耐性であるという絶対的な証拠にはならない。公衆衛生上、薬剤耐性菌の蔓延を防止するためには、細菌のMICを求めるだけではなく、その細菌の薬剤耐性機構としての酵素の産生状況を推察し、産生される酵素種にも基づいてより適切な抗微生物薬の処方が必要とされる。
本発明の目的は、細菌などの細胞が産生する酵素種を容易に判別できる酵素種判別方法及び検査装置と、そのような酵素種判別方法を実施するプログラムとを提供することにある。
本発明の酵素種判別方法は、
細胞が産生する酵素種を判別する酵素種判別方法であって、
複数の流路から構成される観察部を有するマイクロ流路チップを前記観察部内の前記複数の流路が一つの視野内に収まるように撮影した画像である撮影画像から、流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成工程と、
前記判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択し、基準判定情報を用いて前記判定情報を規格化する判定情報規格化工程と、
前記規格化された判定情報に基づいて、前記判定情報を分類する分類工程と、
前記分類工程によって得られた分類情報から酵素種を判定する判定工程と、
を有し、
前記撮影画像は、前記複数の流路の各々の内部において培養されて存在する細胞状態を示す画像であり、
前記流路ごとの前記判定情報は、当該流路に関する前記撮影画像における粒子数を少なくとも含み、
前記基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する前記判定情報である。
本発明の酵素種判別方法では、培養された細胞が内部に存在する複数の流路を撮影した撮影画像から、画像処理により、流路ごとに判定情報を求めて規格化し、規格化された判定情報に基づいて分類を行って酵素種を判別するので、例えば、抗微生物薬の存在の有無や抗微生物薬と阻害剤との組み合わせの違いによる細胞の形態変化を流路ごとの撮影条件の違いなどに左右されることなく取得することができ、流路ごとの細胞の形態変化に基づいて分類を行うことが可能になる。その結果、細菌などの細胞が産生する酵素種を容易に判別できるようになる。
本発明の酵素種判別方法では、さらに、被写体分類ごとの基準判定情報からなる基準判定情報群により被写体の分類を実行し、被写体分類を得る事前分類工程を設け、分類工程において、事前分類工程で得た被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された分類パラメータを用いて判定情報を分類することができる。基準判定情報群による被写体の分類には、例えば、多重回帰分析による識別器を用いることができる。細胞の種類の違いなどに被写体分類を対応付けることにより、さらに高精度に産生酵素種の判別を行うことができるようになる。
本発明の酵素種判別方法では、撮影画像において、マイクロ流路チップの観察部に設けられている複数の流路を一つの視野に収めることにより、基準流路とその他の流路とが常に同一条件・同一環境下で撮影されることとなり、検査の精度や信頼性の向上につながる。
本発明の酵素種判別方法では、撮影画像は、例えば、抗微生物薬、または、抗微生物薬と阻害剤を組み合わせた試薬の影響による細胞の形態変化を撮影した画像である。このような撮影画像を使用することにより、抗微生物薬の薬剤耐性の評価を適切に行うことができるようになる。基準判定情報は、規格化の際の基準として用いられるものであるので、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する判定情報とされるマイクロ流路チップの観察部ごとの複数の流路の中に基準流路が含まれていることが好ましい。
本発明の酵素種判別方法では、判定情報は、撮影画像における粒子数を少なくとも含んでいる。撮影画像における粒子数は細胞の数に直接対応する判定情報であり、細胞の生育状態を的確に示す指標の1つであると考えられる。
本発明の酵素種判別方法では、判定情報作成工程において、複数種類の判定情報を流路ごとに取得して判定情報群とし、分類工程において、複数種類の判定情報に基づき、多重回帰分析による識別器を用いて判定情報群の分類を実行して流路ごとに分類情報を生成することが好ましい。複数種類の判定情報を用いるとともに多重解析分析による識別器を用いることによって、産生酵素種の判別の精度が向上する。分類情報は、例えば、細菌の形態変化を複数の段階のいずれかに分類したものである。判定工程において、流路ごとに使用されている抗微生物薬及び阻害剤の種類と分類情報との組み合わせに基づき、細胞が産生する酵素種を判定することが好ましい。
本発明の検査装置は、
細胞が産生する酵素種を判別する検査装置であって、
数の流路から構成される観察部を有するマイクロ流路チップを前記観察部内の前記複数の流路が一つの視野内に収まるように撮影した画像である撮影画像から、流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成手段と、
前記判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択する基準判定情報選択手段と、
前記基準判定情報を用いて前記判定情報を規格化する判定情報規格化手段と、
前記規格化された判定情報に基づいて、前記判定情報を分類する分類手段と、
前記分類手段によって得られた分類情報から酵素種を判定する判定手段と、
を有し、
前記撮影画像は、前記複数の流路の各々の内部において培養されて存在する細胞状態を示す画像であり、
前記流路ごとの前記判定情報は、当該流路に関する前記撮影画像における粒子数を少なくとも含み、
前記基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する前記判定情報である。
本発明の検査装置では、培養された細胞が内部に存在する複数の流路を撮影した撮影画像から、画像処理により、流路ごとに判定情報を求めて規格化し、規格化された判定情報に基づいて分類を行って酵素種を判別するので、例えば、抗微生物薬の存在の有無や抗微生物薬と阻害剤との組み合わせの違いによる細胞の形態変化を流路ごとの撮影条件の違いなどに左右されることなく取得することができ、流路ごとの細胞の形態変化に基づいて分類を行うことが可能になる。その結果、細菌などの細胞が産生する酵素種を容易に判別できるようになる。
本発明の検査装置では、さらに、被写体分類ごとの基準判定情報からなる基準判定情報群により被写体の分類を実行し、被写体分類を得る事前分類手段を設け、分類手段が、事前分類手段で得た被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された分類パラメータを用いて判定情報を分類するようにすることができる。事前分類手段には、例えば、多重回帰分析による識別器を用いることができる。
本発明の検査装置では、撮影画像は、例えば、抗微生物薬、または、抗微生物薬と阻害剤を組み合わせた試薬の影響による細胞の形態変化を撮影した画像であってもよい。基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する判定情報とされる
本発明の検査装置では、判定情報は、撮影画像における粒子数を少なくとも含んでいる。また、判定情報作成手段が複数種類の判定情報を流路ごとに取得して判定情報群とし、分類手段が、複数種類の判定情報に基づき多重回帰分析による識別器を用いて、判定情報群の分類を実行して流路ごとに分類情報を生成することが望ましい。この場合、分類情報は、例えば、細菌の形態変化を複数の段階のいずれかに分類したものである。判定手段は、流路ごとに使用されている抗微生物薬及び阻害剤の種類と分類情報との組み合わせに基づき、細胞が産生する酵素種を判定することが好ましい。
本発明のプログラムは、
複数の流路から構成される観察部を有するマイクロ流路チップを前記観察部内の前記複数の流路が一つの視野内に収まるように撮影した画像である撮影画像が入力するコンピューターに、
前記複数の流路の各々の内部において培養されて存在する細胞状態を示す画像である前記撮影画像から、前記流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成処理と、
前記判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択し、基準判定情報を用いて前記判定情報を規格化する判定情報規格化処理と、
前記規格化された判定情報に基づいて、前記判定情報を分類する分類処理と、
前記分類処理によって得られた分類情報から、前記細胞が産生する酵素種を判定する処理と、
を実行させ
前記流路ごとの前記判定情報は、当該流路に関する前記撮影画像における粒子数を少なくとも含み、
前記基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する前記判定情報である。
本発明のプログラムは、培養された細胞が内部に存在する複数の流路を撮影した撮影画像をコンピューターに入力してコンピューターにそのプログラムに基づく画像処理を実行させるものである。このようなプログラムによれば、流路ごとに判定情報を求めて規格化し、規格化された判定情報に基づいて分類を行って酵素種を判別するので、例えば、抗微生物薬の存在の有無や抗微生物薬と阻害剤との組み合わせの違いによる細胞の形態変化を流路ごとの撮影条件の違いなどに左右されることなく取得することができ、流路ごとの細胞の形態変化に基づいて分類を行うことが可能になる。その結果、細菌などの細胞が産生する酵素種を容易に判別できるようになる。
本発明のプログラムは、コンピューターに、さらに、被写体分類ごとの基準判定情報からなる基準判定情報群により被写体の分類を実行し、被写体分類を得る事前分類処理を実行させ、分類処理において、事前分類処理で得た被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された分類パラメータを用いて判定情報が分類されるようにしてもよい。
本発明によれば、細菌などの細胞が産生する酵素種を容易に判別できるようになる。
本発明の第1の実施形態の検査装置の構成を示すブロック図である。 コンピューターにより実現した検査装置を示す図である。 マイクロ流路チップの外観を示す平面図である。 マイクロ流路チップにおけるユニットごとの内部空間を示す図であり、(a)は平面図、(b)は観察部の拡大平面図である。 第1の実施形態での酵素種の判別方法を示すフローチャートである。 図5の前処理を説明する図である。 観察部を撮影した画像の一例を示す模式図である。 図5の決定処理の詳細を説明する図である。 産生酵素種を決定する処理の詳細を示すフローチャートである。 第2の実施形態の検査装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態での酵素種の判別方法を示すフローチャートである。 被写体分類を説明する図である。 実施例における撮影画像を示す図である。
[第1の実施形態]
図1および図2は、本発明の第1の実施形態において酵素種判別方法の実施に用いることができる検査装置を示している。本実施形態において酵素種判別方法は、細菌などの細胞が産生する酵素種を判別する方法であり、マイクロ流路デバイス1の複数の流路の各々において細胞を培養し、複数の流路が一つの視野に収まるようにしてこれら複数の流路での細胞の状態を示す同時に撮影して撮影画像とし、撮影画像に対して検査装置にて画像処理や演算処理を適用して、細胞が産生する酵素種を判別しようとするものである。
マイクロ流路デバイス1を撮影するために、デジタルカメラなどの撮影部を有する顕微鏡光学系2が設けられており、顕微鏡光学系2で撮影された画像すなわち撮影画像は検査装置30に送られる。顕微鏡光学系2は、マイクロ流路デバイス1の流路内で培養された細胞を観察するものであるので、観察対象である細胞の輪郭を正確に捉えるために、位相差顕微鏡であることが望ましい。また、得られた観察像における細胞の過度の重なりを避けるために、顕微鏡光学系2の被写界深度は10μm~20μmとすることが望ましい。
図1に示す検査装置30は、撮影画像を格納する画像格納部31と、撮影画像から流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成部32と、判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択する基準判定情報選択部33と、基準判定情報を用いて判定情報を規格化する判定情報規格化部34と、規格化された判定情報に基づいて、判定情報を分類する分類部35と、分類部35によって得られた分類情報から酵素種を判定して判定結果を出力する酵素種判定部36とを備えている。撮影画像は、流路内に存在する細胞を示すものであるから、撮影画像における粒子上の物体は個々の細胞に該当する。判定情報は、公知の画像処理技術によって撮影画像から得られる情報であり、例えば、粒子数、真円度、周囲長などの情報である。本実施形態で使用可能な判定情報については後述するが、粒子数は細胞数に対応し、真円度は細胞の形状における真円度であり、周囲長も細胞の周囲長である。本実施形態では1種類の判定情報を用いてもよいが、より的確な産生酵素種の判定のためには複数種類の判定情報を組み合わせることが望ましい。複数種類の判定情報を用いるときは、それらをまとめて判定情報群と呼ぶ。
本実施形態の検査装置30は、例えばコンピューターを使用し、コンピューター上で実行されるソフトウェアプログラムによって実現することができる。このプログラムは、複数の流路を同時に撮影した画像である撮影画像が入力するコンピューターに、後述する各処理を実行させるプログラムであり、例えば、CD-ROMなどの記録媒体によって、あるいはネットワークを介して読み込まれるものである。図2は、図1に示す検査装置30をコンピューター3によって実現した場合の装置の構成を示している。コンピューター3によって検査装置を実現した場合、コンピューター3のディスプレイには、例えば顕微鏡光学系2での観察像である撮影画像4を表示させることができる。
次に、本実施形態で使用するマイクロ流路デバイス1について説明する。図3は、マイクロ流路チップ1の外観を示す平面図である。ここで用いるマイクロ流路チップ1として、例えば特開2017-67620号公報や特開2017-67621号公報に開示されたものを使用することができる。マイクロ流路チップ1は、縦26mm程度、横76mm程度、厚み1mm程度のガラス基板1c上に、凹溝と貫通孔(後述の図4における試験液導入口131及び薬剤固定口132)を形成した縦24mm程度、横45mm程度、厚み1mm程度の透明なシリコーンゴム板1aが接着された構造をしている。凹溝を形成した面とガラス基板1cを接着することにより、流路等を構成する内部空間11が形成される。内部空間11は貫通孔により外部と連通し、後述の試験液の導入や、後述の反応物の導入を行うことができる。凹溝の幅や深さは観察対象の大きさにより任意に選択できるが、対象が細胞等の場合、幅100μm、深さ50μm程度が望ましい。また、用途に応じて内部空間を複数配置する場合もあり、複数の内部空間を1つのマイクロ流路チップ1に設ける場合には、内部空間をユニットと呼ぶこととする。本実施形態では、4個の内部空間を有するマイクロ流路チップ1を使用しており、4個の内部空間を区別するために内部空間11,12,13,14と参照符号を付与する。内部空間11~14を、それぞれ、第1ユニット、第2ユニット、第3ユニット及び第4ユニットと呼ぶ。内部空間11~14は同一構成であるので、内部空間11により、マイクロ流路チップ1の詳細を説明する。
図4(a)は、マイクロ流路チップ1における内部空間11を示す図であり、図4(b)は内部空間11における観察部102の拡大平面図である。内部空間11は、試験液導入口131と複数の薬剤固定口132と、それらを連通する流路100からなる。流路100は、試験液導入口131に連通するとともに薬剤固定口132に向けて分岐する分岐部101と、薬剤固定口132側に配置する観察部102から構成されている。ここでは4個の薬剤固定口132が設けられているので、試験液導入口131から導入された試験液は、流路100において、4本の流路100a,100b,100c,100dに分岐する。観察部102では、この4本の流路100a~100dが顕微鏡光学系2における同一視野に収まるように、流路100a~100dの流路幅を狭くするとともに相互に接近して配置している。以下の説明において、流路100a~100dをそれぞれ第1流路、第2流路、第3流路、第4流路と呼ぶ。薬剤固定口132は、用途に応じてその底部に固形の薬剤103を配置するためのものである。
本実施形態では、マイクロ流路チップ1の各ユニット11,12,13,14において、細胞を含む液体培地である試験液が試験液導入口131から導入され、薬剤固定口132には、薬剤103として抗微生物薬が配置される。さらに、薬剤103として、抗微生物薬と、抗微生物薬を分解する酵素を不活性化するすなわち阻害する化学物質である阻害剤とを組み合わせて薬剤固定口132に配置してもよい。基準となる判定情報を得るために、薬剤103が配置されない薬剤固定口132も設定する。
本実施形態では、例えば、細胞膜を有する細胞における薬剤耐性機構としての産生酵素種の判定を行うことができる。この場合の産生酵素種の判定において用いられる抗微生物薬は、例えば、ペニシリン系、セファロスポリン系、セファマイシン系、オキサセフェム系、ペネム系、カルバペネム系、カルバセフェム系、モノバクタム系などのβ-ラクタム環を有し、抗菌活性を示す化合物である。そのような抗微生物薬の具体例としては、セフォタキシム(CTX;Cefotaxime)、セフタジジム(CAZ;Ceftazidime)、セフメタゾール(CMZ;Cefmetazole)、メロペネム(MEPM;Meropenem)、セフトリアキソン(CTRX;Ceftriaxone)、アズトレオナム(AZT;Aztreonam)、セフポドキシム(CPDX;Cefpodoxime)、ラタモキセフ(LMOX;LatamoxefまたはMoxalactam)、ペニシリン(PC;Penicillin)、ベンジルペニシリン(PCG;Benzylpenicillin)、ファロペネム(FRPM;Faropenem)、ロラカルベフ(LCBF;Loracarbef)などが挙げられる。
阻害剤は、抗微生物薬を分解する酵素ごとに適切に選択される必要がある。β-ラクタム環を有する抗微生物薬を阻害する酵素として代表的なものには、上述した基質特異性拡張β-ラクタマーゼ(ESBL)のほかに、メタロβ-ラクタマーゼ(MBL;Metallo β-Lactamase)、AmpC型β-ラクタマーゼ(AmpC)、KPC型β-ラクタマーゼ、(KPC)、OXA型β-ラクタマーゼなどがある。ESBLに対する阻害剤としては、例えば、クラブラン酸(CVA;Clavulanic Acid)、スルバクタム(SBT:Sulbactam)、タゾバクタム(TAZ;Tazobactam)などであって、Amber(アンバー)分類でのクラスAのβ-ラクタマーゼを阻害する薬剤が挙げられる。MBLに対する阻害剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその金属塩、ジピコリン酸(DPA)、フェナントロリン(Phen)などのキレート剤であって、クラスBのβ-ラクタマーゼを阻害する薬剤が挙げられる。AmpCに対する阻害剤としては、例えば、3-アミノフェニルボロン酸(APB)、クロキサシリン(MCICP;Cloxacillin)などであって、クラスCのβ-ラクタマーゼを阻害する薬剤が挙げられる。KPCに対する阻害剤としては、3-アミノフェニルボロン酸(APB)などのクラスAのβ-ラクタマーゼを阻害する薬剤が挙げられる。
ここでは、細菌がESBL、MBL,AmpC及びKPCの各酵素を産生するか否かを判定するものとする。その場合、マイクロ流路チップ1の第1乃至第4ユニットの各流路の薬剤固定口132に対し、表1に示すように薬剤103を配置するものとする。表1において、薬剤投入口に対する「第1」などの記載は、第1乃至第4流路のうちのどの流路の薬剤投入口であるかを示している。なお、全てのユニットにおいて、第1流路の薬剤固定口103には薬剤を配置せず、第1流路を判定基準の規格化のための基準流路としている。
Figure 0007390831000001
適切な抗微生物薬と阻害剤とを選択することにより、上記のESBL、MBL,AmpC及びKPCの各酵素種以外の酵素の産生も判別可能になる。例えばOXA阻害剤として塩化ナトリウムやクラブラン酸(CVA)を選択し、抗微生物薬としてLMOXを選択することにより、阻害剤の有無により細菌の形態変化の差から、産生する酵素種がOXAであるかどうか判別できる。
次に、本実施形態における酵素種判別方法の具体的手順について説明する。図5は、酵素種判別方法の具体的な手順を示している。この酵素種判別方法は、大別すると、試験液を調整して顕微鏡光学系2で撮影して撮影画像を得るまでの前処理段階と、観察像である撮影画像を上述の検査装置30で処理して産生酵素種を決定する決定処理段階の2つの段階に分けられる。
前処理段階では、まず、産生酵素種の判別を行おうとする細菌を寒天培地に播種し(S101)、寒天培地においてその細菌を培養する(S102)。寒天培地での培養の終了後、寒天培地から釣菌し、液体培地に拡散させて試験液とする(S103)。次に、試験液をマイクロ流路チップ1の各試験液導入口131からマイクロ流路チップ1の各流路に導入する(S104)。試験液の導入の時点で、マイクロ流路チップ1の各薬剤固定口132には上述の表1に基づいて固形の薬剤103が既に固定されているものとする。試験液を導入することにより、マイクロ流路チップ1では試験液が薬剤固定口132まで流れ、薬剤103が試験液に溶解し、薬剤中の抗微生物薬や阻害剤が観察部102の位置まで流路100a~100dを介して拡散する。その後、所定の温度で所定の時間にわたって細菌の培養を行う(S105)。細菌の培養の終了後、マイクロ流路チップ1を顕微鏡光学系2にセットし、ユニットごとにその観察部102を顕微鏡光学系2で撮影し、観察像である撮像画像4を取得する(S106)。1つの観察像には4本の流路がまとめて撮像されている。またユニットの数が4個であるので、合計で4枚の撮像画像4が取得される。
図6は、前処理段階での処理を概略的に示したものである。検査対象の細菌5を寒天培地で培養後、液体培地6に分散させて試験液とする。その後、この試験液をマイクロシリンジ7などを用いて試験液導入口131からマイクロ流路チップ1に導入する。
図7は、観察像として取得された撮影画像4の一例を示している。この撮影画像4は、第1ユニットの観察部102を撮影したものであり、流路100a~100dすなわち第1乃至第4流路が視野に収まっていることがわかる。顕微鏡光学系2による撮影を容易にするために、マイクロ流路チップ1では、ユニットごとにその観察部102の周囲にいずれも三角形である観察像方向指示ガイド41と撮影位置ガイド42が位置合わせ用のマークとして設けられており、これらのガイド41,42を参照することで、撮影画像4の取得が容易になっている。図7に示す撮影画像4にはこれらのガイド41,42も映り込んでいる。なお、観察像方向指示ガイド41は、それを構成する三角形のマークの数がユニットごとに異なっており、撮影画像4を見ればそれがどのユニットの観察部102を撮影したものであるかが分かるようになっている。撮影画像4では細胞も映っているが、流路100a,100bの細胞51には形態の変化が見られないのに対し、流路100c,100dの細胞52では形態の変化が認められる。細胞壁を有する細胞に対してβ-ラクタム環を有する抗微生物薬を使用しているので、形態が変化した細胞52は、抗微生物薬の影響を受けた細胞であると言える。抗微生物薬の影響を受けた細胞には、その抗微生物薬を分解する酵素を産生しない細胞と、抗微生物薬を分解する酵素を産生するがその酵素が阻害剤によって阻害されているために抗微生物薬の影響を受けた細胞との2通りが考えられる。
図5に戻って、決定処理段階での処理を説明する。なお、顕微鏡光学系4で取得された4枚の撮影画像4は、図1に示す検査装置30に送られて画像格納部31に格納されているものとする。まず、判定情報生成部32は、画像格納部31内の撮影画像4の各々について、その撮影画像4内の各流路から、画像処理により、細胞の形態の特徴を示す判定情報を取得する(S201)。判定情報として使用可能なものには、粒子数、粒子形状、平均面積(粒子サイズ)、粒子の周囲長、粒子のエッジ数、粒子のコーナー数、平均コーナー数、粒子の真円度、粒子の特徴点数、平均特徴点数、粒子のボックス面積、平均ボックス面積、粒子の面積比率、画像のホワイトバランス、粒子間の距離などが挙げられ、これらの値や、それらの標準偏差や分布情報、さらには画像のピクセルデータそのものも含む。ここで平均面積は、指定範囲内(この場合、流路内)において、解析対象(この場合、細胞)が占める面積のことをいう。コーナー数は、ハリス(Harris)オペレーターにより検出された数値のことをいい、平均コーナー数は、コーナー数を指定範囲の面積で割ったもののことをいう。特徴点数は、対象範囲内の特徴量を回転不変で抽出するアルゴリズムであるAKAZEアルゴリズムにより検出された指定範囲内の特徴点数のことをいい、平均特徴点数は、特徴点数を指定範囲の面積で割ったもののことをいう。平均ボックス面積は、指定範囲内において解析対象を囲む矩形の面積の平均値のことをいう。面積比率は、指定範囲内において、解析対象を囲む矩形の面積に対する解析対象が占める面積の比のことをいう。
本実施形態では、流路ごとに複数種類の判定情報を求めることとする。具体的には、粒子数、真円度、周囲長、コーナー数、平均コーナー数、特徴点数、平均特徴点数、平均ボックス面積、面積比率、平均面積の計10種の判定情報を流路ごとに取得する。これらの判定情報を流路ごとに群として、判定情報群とする。以下の説明において、流路100aに対して取得される判定情報を101a,102a,103a,…のように表し、これらをまとめて流路100aに対する判定情報群110aとする。流路100bに対しても同様に判定情報102b,102c,…が求められてこれらは判定情報群110bを構成する。流路100c,100dについても同様である。
流路100a~100dに対してそれぞれ判定情報群110a~110dが求められたら、次に、撮像画像4ごとに基準判定情報選択部33が、判定情報群110a~110dの中から判定の基準となる基準判定情報群を選択し、判定情報規格化部34が、基準判定情報群によって他の判定情報群の値を規格化する(S202)。ここでは、薬剤投入口132に薬剤103を配置していない第1流路(流路100a)を基準流路として選択し、この第1流路の判定情報群を基準判定情報群とする。そして、基準判定情報群として選択されなかった判定情報群、ここでは第2乃至第4流路に対応する判定情報群について、その判定情報群に含まれる判定情報ごとにその判定情報の値を、基準判定情報群での同じ判定情報の値を用いて規格化する。
基準流路を除く各流路の判定情報群の規格化が終了したら、図1に示す分類部35が、流路ごとの規格化された判定情報群を何段階かに分類する。ここでの分類は、細菌の形態の変化に応じ、判定情報群から流路ごとの分類情報を生成する。一例として、判定情報群から分類A、分類B及び分類Cのいずれかの分類情報を生成する。分類Aには、流路内での細菌の形態変化が基準流路(抗微生物薬及び阻害剤を用いない第1流路)に対してほとんどないものが分類される。分類Cには、流路内での細菌の形態変化が基準流路に比べて顕著なものが分類される。分類Cは、図7に示す例で言えば、流路100dにおける細胞52のような、基準流路である流路100aの細胞51に比べて大きく形態が変化している場合に該当する。分類Bは分類Aと分類Cの中間の状態であり、形態が変化していない細菌と形態が変化している細菌とが混在しているものが分類Bに分類される。
以下、分類情報の求め方の詳細について、各判定情報群を分類A、分類B及び分類Cのいずれかに分類する場合を例に挙げて説明する。
規格化された判定情報群を[X]とする。判定情報群を構成する判定情報の数をnとする。10種類の判定情報を用いる場合であればn=10である。規格化された判定情報群[X]を構成する規格化された各判定情報の値をx1,x2,x3,…,xnとすれば、[X]=(x1,x2,x3,…,xn)である。流路ごとの判定情報群をロジスティック関数に代入し、分類A乃至Cの各々に分類される確率を算出し、最も高い確率である分類を選択し、流路の分類をその選択された分類とする。
判定情報群[X]が分類A、分類B及び分類Cにそれぞれ確率をFA([X]),FB([X]),FC([X])とすると、FA([X])+FB([X])+FC([X])=1が成り立ち、これらの確率は、ロジスティック関数を用いて以下のように表される。
Figure 0007390831000002
ここで、実際に分類を行うために用いる分類パラメータとして係数CA,CB,CAk,CBkを導入する。すると上記式におけるfA([X])及びfB([X])は、以下のように表される。
Figure 0007390831000003
分類パラメータである係数CA,CB,CAk,CBkを定めれば、流路ごとの規格化された判定情報群に基づいてその流路を一意に分類できることが分かる。例えば、多数の撮影画像を対象として人が目視によって撮影画像中の各流路を分類し、その分類結果に対応するように係数CA,CB,CAk,CBkを予め定めることができる。
ここではロジスティック関数を用いる多重回帰分析によって判定情報群の分類を行っているが、サポートベクターマシンやニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、決定木、k近傍法など、教師あり学習に基づき判定情報を入力とし分類情報を取得することのできる線形識別器・非線形識別器などの一般的な識別器を用いて判定情報群の分類を行ってもよい。どのようにして分類を行うかに応じ、分類に用いる分類パラメータの構成なども異なってくる。
以上の処理により、撮影画像すなわちユニットごとに3つの流路の分類が行われて3つの分類情報が得られたことになる。本実施形態では4つのユニットを有するマイクロ流路チップ1を用いているので、合計で12(=3×4)個の分類情報が得られたことになる。
分類情報は、分類A、分類B及び分類Cのうちのどれであるかという情報であり数値情報ではないので、この形態のままでは、産生酵素種を判別するための判別アルゴリズムの適用が不便である。そこで、図1に示す分類部35は分類情報を対応するランクに変換し、ランク値を取得して後段の酵素種判定部36に出力する(S204)。分類情報からランクへの変換は、分類Aを0、分類Bを1、分類Cを2と数値化し、順序化することによって行われる。
ここで、図8は、S201からS204までの処理を、情報の流れと変換の観点で詳しく説明したものである。この図では、1つのマイクロ流路チップ1の4つのユニットから得られる撮影画像を、それぞれ、撮影画像4a,4b,4c,4dとしている。第1ユニットに対応する撮影画像4aからは、S201を実行することにより、それぞれ流路100a~100dに対応する4つの判定情報群110a~110dが得られ、S202を実行することにより、それぞれ流路100b~100dに対応する規格化された判定情報群111b~111dが得られる。流路100aは基準流路であるので、この流路に対しては規格化された判定情報群は作成されない。そして、S203を実行することにより、それぞれ流路100b~100dに対応する3つの分類情報112b~112dが得られ、これらの分類情報からS204の実行によってランク値113b~113dが得られる。
同様に、第2ユニットに対応する撮影画像4bからは、3つの分類情報212b~212dが得られ、これらからランク値213b~213dが得られる。第3ユニットに対応する撮影画像4cからは、分類情報312b~312dが得られ、これらからランク値313b~313dが得られる。第4ユニットに対応する撮影画像4dからも、分類情報412b~412dが得られ、これらからランク値413b~413dが得られる。
ランク値の取得が終了すると、図1に示す酵素種判定部36が、判別アルゴリズムに基づいてランク値を比較することにより各酵素の産生情報を取得し(S205)、産生酵素種を取得する(S206)。図9は、各酵素の産生情報を取得するS205の処理の詳細を示している。ここでは上記の表1に示すようにマイクロ流路チップ1に薬剤が配置されるものとする。また、第Mユニットの第N流路のランク値のことをRankM-Nと表すこととする。S205では、まず、ESBL判定処理を実行し、ESBLの産生の有無を判定する(S205E)。具体的には、第1ユニットの第2流路のランク値Rank1-2と第1ユニットのランク値Rank1-3を比較し(S501)、Rank1-2<Rank1-3であれば(図ではTRUE(真)と表示)、ESBLを産生している、すなわちESBL(+)と判定する(S502)。S501においてRank1-2<Rank1-3でなければ(図ではFALSE(偽)と表示)、Rank2-2とRank2-3を比較し(S503)、Rank2-2<Rank2-3であればESBLを産生していると判定し(S502)、Rank2-2<Rank2-3でなければ、ESBLを産生しない、すなわちESBL(-)と判定する(S504)。図9において「(+)」及び「(-)」の記号は、それぞれ、対応する酵素を産生する、産生しない、に対応する。
S205EにおけるESBLの産生の有無の判定が終われば、次に、MBL判定処理を実行し、MBLの産生の有無を判定する(S205M)。Rank2-2とRank2-4を比較し(S511)、Rank2-2<Rank2-4であれば、MBLを産生していると判定する(S512)。S511においてRank2-2<Rank2-4でなければ、Rank4-2とRank4-4を比較し(S513)、Rank4-2<Rank4-4であればMBLを産生していると判定し(S512)、Rank4-2<Rank4-4でなければ、MBLを産生しないと判定する(S514)。
S205MにおけるMBLの産生の有無の判定が終われば、次に、AmpC判定処理を実行し、AmpCの産生の有無を判定する(S205A)。Rank3-2とRank3-3を比較し(S521)、Rank3-2<Rank3-3であれば、AmpCを産生していると判定する(S522)。S521においてRank3-2<Rank3-3でなければ、Rank3-2とRank3-4を比較し(S523)、Rank3-2<Rank3-4であればAmpCを産生していると判定し(S522)、Rank3-2<Rank3-4でなければ、AmpCを産生しないと判定する(S524)。
S205AにおけるAmpCの産生の有無の判定が終われば、次に、KPC判定処理を実行し、KPCの産生の有無を判定する(S205K)。Rank4-2とRank4-3を比較し(S531)、Rank4-2<Rank4-3であれば、KPCを産生していると判定し(S532)、Rank4-2<Rank4-3でなければ、KPCを産生しないと判定する(S533)。
以上の処理を実行することにより、検査対象の細菌が、ESBL、MBL、AmpC及びKPCの各酵素を産生するか産生しないかの判別を行うことができる。
[第2の実施形態]
図1乃至図9を用いて説明した上述の第1の実施形態は、細菌の種類に関する情報を利用しないで細菌が産生する酵素種を判別することにより、あらゆる菌種に対して産生酵素種の判別を行うものである。しかしながら、判定情報群を分類する際に用いる分類パラメータである既述の係数CA,CB,CAk,CBkは、それぞれ細胞の種類、例えば菌種ごとに最適な値が存在する。より高い判定制度が要求される場合には、菌種に応じた最適な係数CA,CB,CAk,CBkを用いて判定情報群の分類を行う必要がある。そこで、第2の実施形態では、基準判定情報群に基づいて菌種を識別し、菌種に応じた係数CA,CB,CAk,CBkを用いることによって、検査精度の向上を図っている。
図10は、第2の実施形態において酵素種判別方法の実施に用いることができる検査装置30を示している。この検査装置30は、図1に示す検査装置に対し、さらに、基準判定情報群を用いて被写体の菌種を分類し、被写体分類を得る事前分類部37と、被写体分類に対応した分類パラメータが複数組格納されたデータベース38とを備えたものである。被写体分類は、菌種の違いによる撮影画像の相違に対応する。データベース38より被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された分類パラメータを用いて分類部35で判定情報群の分類を行うことにより、より高い精度で産生酵素種の判定を行うことができるようになる。したがって図10に示す検査装置30の分類部35は、事前分類部37が求めた被写体分類に対応する分類パラメータをデータベース38から読み出し、読み出した分類パラメータを用いて、撮影画像から得られて規格化された判定情報群に対する分類を実行し、分類情報を生成する。この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、検査装置30は、例えばコンピューターを使用し、コンピューター上で実行されるソフトウェアプログラムによって実現することができる。
図11を用いて、第2の実施形態の酵素種判別方法の具体的手順について説明する。図11に示す手順は、基本的には図5に示す第1の実施形態と同じであるが、第1の実施形態でのS203の代わりに、S301及びS302を実行するようにしたものであるので、S301及びS302について説明する。
S301では、S202を実行して判定情報群の規格化が行なわれたのち、図10に示す事前分類部37が、ロジスティック関数などを用いる多重回帰分析を行うことにより、基準流路である第1流路から得られた判定情報群すなわち基準判定情報群から、例えば大腸菌や肺炎桿菌などの菌種に対応する被写体分類を取得する。
S302では、分類部35は、取得された被写体分類に基づいてデータベース38を検索して被写体分類に対応した分類パラメータすなわち係数CA,CB,CAk,CBkを読み出し、読み出した係数CA,CB,CAk,CBkを使用して、流路ごとの規格化された判定情報群を上述と同様に分類し、分類情報を生成する。分類情報が生成したのちの処理は、図5に示すものと同じである。
図12は、被写体分類に対応する撮影画像を示すことによって被写体分類を説明する図である。ここでは、被写体分類として被写体分類x、被写体分類y及び被写体分類zの3種類を示している。(a)は被写体分類xに対応する撮影画像4xを模式的に示している。この撮影画像4xでは、抗微生物薬の影響を受けていない状態すなわち第1流路(流路100a)でも細胞51xの形態が図7に示す撮影画像における第1流路の細胞51とは異なっている。(b)及び(c)は、それぞれ被写体分類y,zに対応する撮影画像4y,4zを模式的に示している。撮影画像4y,4xの第1流路でそれぞれ観察される細胞51y,51zは、それらの形態自体は図7に示す撮影画像における第1流路の細胞51と同等のものであるが、発育状態を示す菌数(粒子数)が異なっている。
撮影画像4x,4y,4zの第4流路(流路100d)には、それぞれ、抗微生物薬の影響により形態が変化した細胞52x,52y,52zが描かれ、第3流路(流路100c)には、第4流路内の細胞52x,52y,52zに比べて軽微な形態変化を有する細胞の例が示されている。撮影画像4x,4y,4zの第3流路内の細胞の形状を比較すると相互に同じように見えるが、菌種によってこれらを分類A、分類B及び分類Cのいずれに分類すべきかは、産生酵素種の判別の正答率に影響を及ぼす。被写体分類を求め、求めた被写体分類に対応する分類パラメータを用いることによって、産生酵素種の判別の精度が向上する。
次に、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。図1に示す検査装置を用い、第1の実施形態において説明した手順によって、細胞が産生する酵素種の判別を行った。細胞として、Klebsiella pneumoniae菌(ATCC700603株)を使用し、これをハートインフュージョン寒天培地に播種して35℃で18時間培養した。その後、釣菌し、カチオン調整されたミューラーヒントン液体培地に拡散させ、液中の単位体積当たりの菌数である濁度の指標として、McF(マクファーランド濁度単位)0.25相当になるように懸濁液を調整し、これを試験液とした。そして、この試験液をマイクロ流路チップ1の各流路に導入し、湿潤環境(相対湿度90%以上)にマイクロ流路チップ1を配置して35℃で3時間培養した。このように培養を行ったマイクロ流路チップ1の各ユニットの観察部102を顕微鏡光学系2により撮影し、ユニットごとに撮影画像を得た。図13は得られた撮影画像を示している。第1ユニットからは撮影画像4aが得られ、第2ユニットからは撮影画像4bが得られ、第3ユニットからは撮影画像4cが得られ、第4ユニットからは撮影画像4dが得られた。
このように得られた撮影画像4a~4dに対し、判定情報群を求め、分類情報を求めてランク値を取得した。結果を表2に示す。
Figure 0007390831000004
表2に示す結果では、Rank1-2=0でRank1-3=2であるので、Rank1-2<Rank1-3となり、図9に示すフローチャートにおいてS501からS502へと分岐することとなり、ESBL(+)すなわちESBLを産生する、と判定された。同様に、Rank2-2とRank2-4が等しく、Rank4-2とRank4-4も等しいので、図9に示すフローチャートにおいてS511からS512を経てS514へと分岐することとなり、MBLを産生しない、と判定された。Rank3-2とRank3-3が等しく、Rank3-2とRank3-4も等しいので、図9に示すフローチャートにおいてS521からS522を経てS524へと分岐することとなり、AmpCを産生しない、と判定された。さらにRank4-2とRank4-3が等しいので、図9に示すフローチャートにおいてS531からS532へと分岐することとなり、KPCを産生しない、と判定された。
本発明によれば、細菌などの細胞が産生する酵素種を容易に判別できるようになる。その結果、抗微生物薬に対する耐性を有する薬剤耐性菌に関し、薬剤感受性結果であるMICの結果ではなく、細菌の耐性機構としての酵素産生推察を行うことで、薬剤耐性菌に対してより適切な抗菌薬を選択することができ、薬剤耐性菌の将来的な耐性化を抑制することができるようになる。ひいては院内感染の重篤化を防ぐことができるようになる。
1 マイクロ流路チップ
2 顕微鏡光学系
3 コンピューター
4,4a~4c 撮影画像
11~14 内部空間
30 検査装置
31 画像格納部
32 判定情報生成部
33 基準判定情報選択部
34 判定情報規格化部
35 分類部
36 酵素種判定部
37 事前分類部
38 データベース
100,100a~100d 流路

Claims (15)

  1. 細胞が産生する酵素種を判別する酵素種判別方法であって、
    複数の流路から構成される観察部を有するマイクロ流路チップを前記観察部内の前記複数の流路が一つの視野内に収まるように撮影した画像である撮影画像から、前記流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成工程と、
    前記判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択し、基準判定情報を用いて前記判定情報を規格化する判定情報規格化工程と、
    前記規格化された判定情報に基づいて、前記判定情報を分類する分類工程と、
    前記分類工程によって得られた分類情報から酵素種を判定する判定工程と、
    を有し、
    前記撮影画像は、前記複数の流路の各々の内部において培養されて存在する細胞状態を示す画像であり、
    前記流路ごとの前記判定情報は、当該流路に関する前記撮影画像における粒子数を少なくとも含み、
    前記基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する前記判定情報である、酵素種判別方法。
  2. 被写体分類ごとの前記基準判定情報からなる基準判定情報群により被写体の分類を実行し、被写体分類を得る事前分類工程をさらに備え、
    前記分類工程において、前記事前分類工程で得た前記被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された前記分類パラメータを用いて前記判定情報を分類する、請求項1に記載の酵素種判別方法。
  3. 前記撮影画像において、前記観察部ごとの前記複数の流路の中に前記基準流路が含まれている、請求項1または2に記載の酵素種判別方法。
  4. 前記マイクロ流路チップは、複数の前記観察部を有し、前記観察部ごとに前記撮影画像が取得される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の酵素種判別方法。
  5. 前記撮影画像は、抗微生物薬、または、抗微生物薬と阻害剤を組み合わせた試薬の影響による細胞の形態変化を撮影した画像である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酵素種判別方法。
  6. 前記判定情報作成工程において、複数種類の前記判定情報を前記流路ごとに取得して判定情報群とし、
    前記分類工程において、前記複数種類の判定情報に基づき、多重回帰分析による識別器を用いて前記判定情報群の分類を実行して前記流路ごとに前記分類情報を生成する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の酵素種判別方法。
  7. 前記分類情報は、細菌の形態変化を複数の段階のいずれかに分類したものであり、
    前記判定工程において、前記流路ごとに使用されている抗微生物薬及び阻害剤の種類と前記分類情報との組み合わせに基づき、細胞が産生する酵素種を判定する、請求項6に記載の酵素種判別方法。
  8. 細胞が産生する酵素種を判別する検査装置であって、
    数の流路から構成される観察部を有するマイクロ流路チップを前記観察部内の前記複数の流路が一つの視野内に収まるように撮影した画像である撮影画像から、前記流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成手段と、
    前記判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択する基準判定情報選択手段と、
    前記基準判定情報を用いて前記判定情報を規格化する判定情報規格化手段と、
    前記規格化された判定情報に基づいて、前記判定情報を分類する分類手段と、
    前記分類手段によって得られた分類情報から酵素種を判定する判定手段と、
    を有し、
    前記撮影画像は、前記複数の流路の各々の内部において培養されて存在する細胞状態を示す画像であり、
    前記流路ごとの前記判定情報は、当該流路に関する前記撮影画像における粒子数を少なくとも含み、
    前記基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する前記判定情報である、検査装置。
  9. 被写体分類ごとの前記基準判定情報からなる基準判定情報群により被写体の分類を実行し、被写体分類を得る事前分類手段をさらに備え、
    前記分類手段は、前記事前分類手段で得た前記被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された前記分類パラメータを用いて前記判定情報を分類する、請求項に記載の検査装置。
  10. 前記撮影画像において、前記観察部ごとの前記複数の流路の中に前記基準流路が含まれている、請求項8または9に記載の検査装置。
  11. 前記撮影画像は、抗微生物薬、または、抗微生物薬と阻害剤を組み合わせた試薬の影響による細胞の形態変化を撮影した画像である、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の検査装置。
  12. 前記判定情報作成手段は、複数種類の前記判定情報を前記流路ごとに取得して判定情報群とし、
    前記分類手段は、前記複数種類の判定情報に基づき、多重回帰分析による識別器を用いて、前記判定情報群の分類を実行して前記流路ごとに前記分類情報を生成する、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の検査装置。
  13. 前記分類情報は、細菌の形態変化を複数の段階のいずれかに分類したものであり、
    前記判定手段は、前記流路ごとに使用されている抗微生物薬及び阻害剤の種類と前記分類情報との組み合わせに基づき、細胞が産生する酵素種を判定する、請求項12に記載の検査装置。
  14. 複数の流路から構成される観察部を有するマイクロ流路チップを前記観察部内の前記複数の流路が一つの視野内に収まるように撮影した画像である撮影画像が入力するコンピューターに、
    前記複数の流路の各々の内部において培養されて存在する細胞状態を示す画像である前記撮影画像から、前記流路ごとに細胞の形態の特徴を示す判定情報を作成する判定情報作成処理と、
    前記判定情報の中から判定の基準となる基準判定情報を選択し、基準判定情報を用いて前記判定情報を規格化する判定情報規格化処理と、
    前記規格化された判定情報に基づいて、前記判定情報を分類する分類処理と、
    前記分類処理によって得られた分類情報から、前記細胞が産生する酵素種を判定する処理と、
    を実行させ
    前記流路ごとの前記判定情報は、当該流路に関する前記撮影画像における粒子数を少なくとも含み、
    前記基準判定情報は、抗微生物薬及び阻害剤のいずれもが存在しない流路である基準流路に対応する前記判定情報である、プログラム。
  15. 前記コンピューターに、さらに、
    被写体分類ごとの前記基準判定情報からなる基準判定情報群により被写体の分類を実行し、被写体分類を得る事前分類処理を実行させ、
    前記分類処理において、前記事前分類処理で得た前記被写体分類に対応する分類パラメータを選択し、選択された前記分類パラメータを用いて前記判定情報が分類される、請求項14に記載のプログラム。
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