(実施形態1)
(1)概要
まず、本実施形態に係る制御装置1及び電力変換システム100(図2参照)の概要について、図1及び図2を参照して説明する。
制御装置1は、電力変換装置2に電気的に接続される装置である。本開示でいう「電力変換装置」は、太陽光発電設備等の直流電源4(図2参照)に電気的に接続され、直流電源4から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する装置であって、例えば、パワーコンディショナを含む。制御装置1は、このような電力変換装置2に電気的に接続されることで、電力変換装置2との間で情報(データ)の授受が可能となり、電力変換装置2を制御する。本実施形態では、電力変換装置2から離れて配置され、電力変換装置2の遠隔制御を行うリモートコントローラを、制御装置1の一例として説明する。
本実施形態に係る制御装置1は、制御回路10(図2参照)と、第1端子部11と、第2端子部12と、ハウジング13と、を備えている。制御回路10は、電力変換装置2に電気的に接続され、電力変換装置2を制御する。第1端子部11は、電力変換装置2に繋がる第1電線31を接続する部位である。第2端子部12は、第1電線31とは別の第2電線32を接続する部位である。ハウジング13は、制御回路10、第1端子部11及び第2端子部12を保持する。ハウジング13は、仕切部14を有する。仕切部14は、第1電線31と第2電線32との間に位置する。図1においては、第1電線31及び第2電線32を想像線(2点鎖線)で示している。
また、制御装置1は、電力変換装置2と共に電力変換システム100を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る電力変換システム100は、制御装置1と、電力変換装置2と、を備えている。電力変換装置2は、第1電線31にて制御装置1と接続される。
以上説明した制御装置1及び電力変換システム100によれば、制御回路10を備える制御装置1に対して、第1電線31及び第2電線32を含む複数の電線を接続することが可能である。そして、制御装置1のハウジング13には仕切部14が設けられているため、制御装置1に接続された第1電線31及び第2電線32間を、仕切部14にて仕切ることができる。したがって、第1電線31と第2電線32とは物理的に隔てられており、両者間での干渉が生じにくい。よって、第1電線31と第2電線32とが絡まったり、第1電線31と第2電線32との区別が困難になったりする不具合が生じにくく、制御装置1の配線作業が容易になる。さらに、第1電線31と第2電線32との干渉による混線等が生じにくく、第1電線31と第2電線32を用いた通信の信頼性が向上する。これにより、制御装置1に対して複数の電線が接続される場合でも、制御装置1の配線作業を含む設置作業の簡略化を図りやすい、という利点がある。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る制御装置1及び電力変換システム100の詳細について、図1~図6を参照して説明する。
(2.1)前提
本実施形態では、上述したように、電力変換装置2から離れて配置され、電力変換装置2の遠隔制御を行うリモートコントローラを、制御装置1として説明する。また、本実施形態では、制御装置1は、電力変換装置2と共に建物F1(図2参照)に設置される。制御装置1が設置される建物F1は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、学校、工場、病院若しくは介護施設等の非住宅施設である。本実施形態では一例として、戸建住宅からなる建物F1の内部に設置される、屋内用の制御装置1を例示する。
また、本実施形態では一例として、制御装置1が建物F1(ここでは戸建住宅)の壁に取り付けられる場合について説明する。つまり、制御装置1は、建物F1の壁からなる取付対象物に固定される。さらに、本実施形態では一例として、制御装置1は、その背面を取付対象物に対向させた状態で取り付けられる、「露出型」の装置であると仮定する。
以下、取付対象物である建物F1の壁に制御装置1が固定された状態での、鉛直方向をZ軸方向とし、水平方向をX軸方向とし、制御装置1と壁とが対向する方向をY軸方向として説明する場合がある。ここで、X軸、Y軸及びZ軸の3軸は互いに直交する。X軸、Y軸、及びZ軸は、いずれも仮想的な軸であり、図面中の「X」、「Y」、「Z」を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、いずれも実体を伴わない。また、これらの方向は制御装置1の使用時の方向を限定する趣旨ではない。
また、本開示でいう「直交」は、厳密に90度で交わる状態だけでなく、ある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。例えば、互いに直交する二者間の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。本開示でいう「平行」についても同様に、厳密に二者間の角度が0度である状態だけでなく、ある程度の誤差の範囲内で略平行する状態も含む意味である。
(2.2)電力変換システム
まず、電力変換システム100の全体構成について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る電力変換システム100は、上述したように、制御装置1と、電力変換装置2と、を備えている。本実施形態では、電力変換システム100は、1台の制御装置1に対して、複数台(ここでは3台)の電力変換装置2を備えている。これら複数台の電力変換装置2を区別する場合には、各電力変換装置2を電力変換装置21、電力変換装置22、電力変換装置23ともいう。
また、本実施形態に係る電力変換システム100は、直流電源4、外部装置51、管理装置52及び分電盤53と共に、電力供給システム200を構成する。言い換えれば、電力供給システム200は、電力変換システム100(制御装置1及び電力変換装置2)と、直流電源4と、外部装置51と、管理装置52と、分電盤53と、を備えている。本実施形態では、直流電源4、外部装置51、管理装置52及び分電盤53は、電力供給システム200の構成要素に含まれることとする。ただし、電力供給システム200が直流電源4、外部装置51、管理装置52及び分電盤53の全てを構成要素に含むことは必須ではない。
本実施形態では、直流電源4は、電力変換装置2と同様に、直流電源4は複数台(ここでは3台)設けられている。これら複数台の直流電源4を区別する場合には、各直流電源4を直流電源41、直流電源42、直流電源43ともいう。ここでは一例として、直流電源41及び直流電源42は、それぞれ日射量に応じた電力を発電電力として出力する太陽光発電設備である。直流電源43は、充電及び放電が可能な蓄電装置である。
また、図2に示すように、複数台の電力変換装置2と、複数台の直流電源4とは、一対一に対応付けられており、各電力変換装置2は対応する直流電源4と電気的に接続されている。図2の例では、電力変換装置21は直流電源41(太陽光発電設備)に対応付けられ電気的に接続されており、電力変換装置22は直流電源42(太陽光発電設備)に対応付けられ電気的に接続されている。電力変換装置23は直流電源43(蓄電装置)に対応付けられ電気的に接続されている。
電力変換装置2は、例えば、DC-DCコンバータ及びDC-ACコンバータ等の電気回路を含み、対応する直流電源4から出力される直流電力を交流電力に変換する。すなわち、電力変換装置21であれば、対応する直流電源41からの直流電力を交流電力に変換する。電力変換装置2は、電力変換した交流電力を分電盤53に出力し、分電盤53を介して負荷機器に供給する。ここでいう「負荷機器」は、分電盤53に電気的に接続されてり、施設F1において使用される機器(器具、設備及びシステムを含む)であって、例えば、照明器具、空調機器及びテレビジョン受像機等である。分電盤53は、電力系統54に電気的に接続されており、負荷機器には、電力系統54から、又は電力変換装置2を介して直流電源4から、交流電力が供給される。図2では、直流電源43に対応する電力変換装置23は分電盤53に接続されていないが、実際には、電力変換装置23は、分電盤53に電気的に接続される。
ここにおいて、電力変換装置21,22は、系統連系可能に構成されている。本開示でいう「系統連系」は、太陽光発電設備等の発電設備からなる直流電源4が、電力系統54に電気的に接続されている状態であって、直流電源4と電力系統54との両方から、負荷機器に電力を供給可能な状態を意味する。つまり、少なくとも電力変換装置21,22は、電力系統54からの電力と共に、又は電力系統54からの電力に代えて、太陽光発電設備からなる直流電源41,42の発電電力(出力電力)を負荷機器に供給する。
本実施形態では特に、電力変換装置21,22は、電力系統54と電気的に接続された状態で、直流電源41,42の発電電力を変換し、変換した電力を電力系統54へ供給可能である。言い換えれば、本実施形態では、直流電源41,42の発電電力を電力系統54に出力する「逆潮流」が可能なタイプの系統連系を想定する。そのため、例えば、直流電源41の発電電力に、負荷機器での消費電力に対する余剰が生じると、電力変換装置21は、この余剰分の電力を電力系統54に出力する「逆潮流」が可能である。本開示でいう「余剰」は、直流電源41,42の発電電力が、負荷機器での消費電力を上回っており、直流電源41,42での発電電力の全てを負荷機器にて消費しきれない状況における、直流電源41,42の発電電力と負荷機器での消費電力との差分をいう。
ここで、電力変換装置23に電気的に接続されている直流電源43は蓄電装置であるので、蓄電装置の充電中には、電力変換装置23が負荷機器として、直流電源41,42の発電電力、又は電力系統54から供給される電力を消費することもある。この場合、直流電源41,42の発電電力が、直流電源43の消費電力も含めた負荷機器での消費電力を上回っているときに初めて、余剰が生じることになる。
また、外部装置51は、一例として、電力を計測するための電力計測ユニットである。この外部装置51は、例えば、電力変換装置2の出力値を、制御装置1から取得することで、直流電源41,42の発電量等を取得する。ここでは、外部装置51は、管理装置52と通信(無線通信)を行うことで、管理装置52との間で情報を授受することができる。
管理装置52は、一例として、HEMS(Home Energy Management System)に対応する機器(以下、HEMS対応機器という)の制御又は監視を行う装置である。ここに、HEMS対応機器は、例えばスマートメータ、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、空調装置、照明器具、給湯装置、冷蔵庫、電動カーテン、電動シャッタ又はテレビジョン受像機等を含む。HEMS対応機器は、これらの機器に限定されない。
ところで、制御装置1は、上述したように電力変換装置2から離れて配置され、電力変換装置2の遠隔制御を行うリモートコントローラである。この制御装置1は、複数台の電力変換装置2に電気的に接続されている。
制御装置1は、制御回路10、第1端子部11、第2端子部12及びハウジング13に加えて、入力部101、出力部102及び記憶部103を更に備えている。
入力部101は、電力変換装置2又は外部装置51との通信により、電力変換装置2又は外部装置51から情報を取得する。さらに、本実施形態では、入力部101は、後述するスイッチ104,105(図3A参照)を含み、スイッチ104,105に対する人の操作に応じた入力信号を受け付ける機能も有している。
出力部102は、入力部101から取得した情報を出力する。出力部102での出力の態様は、例えば、記憶部103への書き込み、音声出力及び通信による外部への出力等を含む。さらに、本実施形態では、出力部102は、後述する表示部106,107(図3A参照)を含み、表示部106,107に情報を表示する機能も有している。
記憶部103は、入力部101が取得した情報等を適宜記憶する。記憶部103は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリで実現される。
具体的には、図2に示すように、制御装置1は、電力変換装置21に対しては、第1電線31にて電気的に接続される。また、制御装置1は、外部装置51に対しては、第2電線32にて電気的に接続される。さらに、制御装置1は、電力変換装置23に対しては、第3電線33にて電気的に接続される。ここで、第2電線32及び第3電線33は、制御装置1において電気的に接続されている。言い換えれば、制御装置1は、第2電線32及び第3電線33を介して、外部装置51と電力変換装置23との間の送り配線を実現する。
第1電線31は、主として通信により情報を伝送するための信号線である。ただし、第1電線31は、例えば、制御装置1の動作用の電力を、電力変換装置21から制御装置1に供給するためにも利用される。また、第2電線32及び第3電線33においても、第1電線31と同様に、主として通信により情報を伝送するための信号線である。また、電力変換装置22は、電力変換装置21に対して、第1電線31、第2電線32及び第3電線33とは別の電線(信号線)にて電気的に接続される。図2では、通信用の信号線(第1電線31、第2電線32及び第3電線33を含む)については細線で表記し、電力供給路については太線で表記する。
第1電線31、第2電線32及び第3電線33の各々は、一例として、各々が絶縁体で被覆された複数の心線を有し、複数の心線を絶縁シースで被覆したFCPEVケーブルからなる。本実施形態では、第1電線31は4芯のケーブルであって、第2電線32及び第3電線33はそれぞれ2芯のケーブルである。
上述したような接続関係によれば、制御装置1は、電力変換装置21,22,23及び外部装置51との間で通信可能となる。本開示でいう「通信可能」とは、適宜の通信方式により、情報を授受できることを意味する。
本実施形態では、制御装置1の制御回路10は、電力変換装置21,22から、電力変換装置21,22の動作状態と、電力変換装置2の出力値との少なくとも一方に関する情報を、第1電線31を介して取得する。ここでいう「動作状態」は、電力変換装置2の運転/停止、運転継続時間及び動作モード(連系運転モード/自立運転モード)等を含む。また、ここでいう「出力値」は、直流電源41,42の発電量に相当する電力変換装置21,22から出力される電力の値(瞬時値及び積算値を含む)、売電量(逆潮流された電力量)及び直流電源43の充電電力量等を含む。
そして、制御回路10は、第2電線32にて接続される外部装置51と通信可能である。本実施形態では、上述したように外部装置51は、一例として、電力を計測するための電力計測ユニットである。そのため、外部装置51は、制御回路10との通信により、電力変換装置2の出力値を、制御装置1から取得することで、直流電源41,42の発電量等を取得することが可能である。
上述の電力供給システム200によれば、例えば、制御装置1は、電力変換装置21又は電力変換装置22に対して要求信号を送信し、この要求信号への応答として、電力変換装置21又は電力変換装置22からデータ(出力値等)を取得することができる。さらに、例えば、外部装置51は、制御装置1に対して要求信号を送信し、この要求信号への応答として、電力変換装置21又は電力変換装置22からのデータ(出力値等)を制御装置1から取得することができる。
(2.3)制御装置
次に、制御装置1の構成について、図3A、図3B及び図4を参照して説明する。
制御装置1は、上述したように、制御回路10と、第1端子部11と、第2端子部12と、ハウジング13と、を備えている。
制御回路10は、プリント配線板と、プリント配線板に実装された複数の電子部品と、を含んでいる。制御回路10は、ハウジング13に収容された状態で、ハウジング13に保持されている。
第1端子部11は、電力変換装置2に繋がる第1電線31を接続する部位である。本実施形態では、第1端子部11は、電力変換装置21に繋がる第1電線31を接続するための端子からなる。第2端子部12は、第1電線31とは別の第2電線32を接続する部位である。本実施形態では、第2端子部12は、外部装置51に繋がる第2電線32を接続するための端子からなる。さらに、本実施形態では、第2端子部12には、電力変換装置23に繋がる第3電線33も接続可能である。第1端子部11及び第2端子部12は、制御回路10のプリント配線板に実装されることで、間接的にハウジング13に保持されている。
また、ハウジング13の前面(取付対象物とは反対側の面)には、スイッチ104,105が配置されている。スイッチ104は、押しボタンスイッチであって、Z軸方向に並んで2つ設けられている。スイッチ105は、スライドスイッチであって、ハウジング13の前面の上端部(Z軸の正の側の端部)に配置されている。
また、ハウジング13の前面には、表示部106,107が配置されている。表示部106は、例えば、液晶ディスプレイであって、スイッチ105の下方(Z軸の負の方向)に配置されている。表示部107は、例えば、LED(LED:Light Emitting Diode)であって、X軸方向に並んで2つ設けられている。
ハウジング13は、ボディ131及びカバー132を有している。ボディ131とカバー132とは、Y軸方向に結合されることにより、全体として直方体状のハウジング13を構成する。ハウジング13は、一例として、Z軸方向の寸法が最も大きく、次いでX軸方向の寸法が大きく、Y軸方向の寸法が最も小さい直方体状である。ハウジング13は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。
ところで、図4に示すように、ハウジング13におけるボディ131の一面133からは、第1端子部11及び第2端子部12が露出する。本実施形態では、ハウジング13の背面、つまり制御装置1が取付対象物(本実施形態では建物F1の壁)に取り付けられた状態で、取付対象物と対向する面である。すなわち、第1端子部11及び第2端子部12は、ハウジング13のうち取付対象物と対向する一面133側に設けられている。
第1端子部11及び第2端子部12は、X軸方向に並ぶように配置されている。第1端子部11及び第2端子部12の間には、切替スイッチ15が設けられている。ここで、ハウジング13の一面133における第1端子部11及び第2端子部12の下方(Z軸の負の方向)には、凹部7が形成されている。
すなわち、制御装置1が、一面133を取付対象物に対向させて取付対象物に取り付けられた状態では、凹部7によって、取付対象物との間に、第1電線31、第2電線32及び第3電線33を収容するための空間が確保される。第1端子部11及び第2端子部12に接続された第1電線31、第2電線32及び第3電線33の取り回しについて詳しくは、「(2.4)端子部周辺の構成」の欄で説明する。
ここで、制御装置1は、蓋体8を更に備えている。蓋体8は、ハウジング13に対して、取り外し可能に取り付けられる。蓋体8は、少なくとも第1端子部11及び第2端子部12を覆うように、ハウジング13の一面133に取り付けられる。本実施形態では、蓋体8は、第1端子部11及び第2端子部12に加えて、凹部7の一部についても覆うように、ハウジング13に取り付けられる。
蓋体8は、電気絶縁性を有する合成樹脂製である。蓋体8は、矩形板状に形成されており、その下辺に切欠部81を有している。切欠部81は、後述する中間引出部701(図5参照)に対応する位置に形成されている。さらに、蓋体8は、その中央部に透孔82を有している。蓋体8は、ねじ83が、透孔82を通して、ハウジング13のねじ孔78(図4参照)に締め付けられることにより、ハウジング13に取り付けられる。
ところで、本実施形態に係る制御装置1は、図3Bに示すように、取付部材61を用いて取付対象物(建物F1の壁)に固定される。すなわち、取付対象物に対して取付部材61が取り付けられた状態で、制御装置1が取付部材61に取り付けられることにより、制御装置1は間接的に取付対象物に固定される。本実施形態では、取付部材61は、電力変換システム100の構成要素に含まれることとするが、電力変換システム100が取付部材61を構成要素に含むことは必須ではない。
取付部材61は、図4に示すように、その中央部に開口部611が形成された矩形枠状の金具である。取付部材61は、一対の固定用孔612、及び複数(ここでは4つ)の取付片613を有している。取付部材61は、一対の取付ねじ62が、一対の固定用孔612を通して、取付対象物(建物F1の壁)に締め付けられることにより、取付対象物に取り付けられる。
そして、ハウジング13の一面133(背面)には、複数(ここでは4つ)の引掛部134が形成されている。ハウジング13における複数の引掛部134に、取付部材61における複数の取付片613が挿入されることで、複数の取付片613に複数の引掛部134が引っ掛かって、ハウジング13が取付部材61に固定される。このようにして、制御装置1が取付部材61に取り付けられ、間接的に取付対象物に固定される。
また、ハウジング13におけるボディ131の下面(Z軸の負の方向を向いた面)には、第1電線31、第2電線32及び第3電線33を取り出すための引出孔135が形成されている。本実施形態では、3本の電線(第1電線31、第2電線32及び第3電線33)に対応するように、引出孔135は3つ設けられている。ここにおいて、引出孔135は、ノックアウト式の孔であって、未使用状態では孔が塞がれた状態にある。
詳しくは「(2.4)端子部周辺の構成」の欄で説明するが、引出孔135は、最終引出部702(図5参照)を兼ねている。すなわち、第1電線31、第2電線32及び第3電線33は、中間引出部701及び最終引出部702(引出孔135)のいずれかから引き出される。そのため、第1電線31、第2電線32及び第3電線33が中間引出部701から引き出される場合には、最終引出部702としての引出孔135は使用されないため、塞がれた状態のままとなる。
(2.4)端子部周辺の構成
次に、制御装置1における、端子部(第1端子部11及び第2端子部12)周辺の構成について、図1、図5及び図6を参照して、更に詳しく説明する。図1では、第1電線31、第2電線32及び第3電線33を想像線(2点鎖線)で示す。同様に、図6では、第1電線31を想像線(2点鎖線)で示す。
上述したように、ハウジング13(ボディ131)の一面133から、第1端子部11及び第2端子部12が露出する。第1端子部11及び第2端子部12は、第1端子部11がX軸の正の側(図5の左側)となるように、X軸方向に並んで配置されている。
ここで、本実施形態では、第2端子部12は、第2電線32に加えて第3電線33をも接続可能な端子である。そのため、第2端子部12は、第1ブロック121及び第2ブロック122を有している。第1ブロック121は、第2電線32を接続するための部位であって、第2ブロック122は、第3電線33を接続するための部位である。上述したように、第2電線32及び第3電線33は制御装置1にて電気的に接続されて送り配線を実現するので、第1ブロック121及び第2ブロック122は電気的に接続されている。
第1端子部11は、差込式の端子であって、電線(心線)を差し込むための差込口110(図5参照)を有している。特に、本実施形態では、第1端子部11は、差込口110から電線(心線)を差し込むだけで電線が接続される、速結端子である。第1端子部11は、4芯の第1電線31に対応するように、4つの差込口110を有している。
同様に、第2端子部12は、差込式の端子であって、電線(心線)を差し込むための差込口120(図5参照)を有している。特に、本実施形態では、第2端子部12は、差込口120から電線(心線)を差し込むだけで電線が接続される、速結端子である。第2端子部12は、2芯の第2電線32及び2芯の第3電線33に対応するように、第1ブロック121及び第2ブロック122の各々に、2つの差込口120を有している。
このような第1端子部11及び第2端子部12に接続された状態では、第1電線31、第2電線32及び第3電線33は、X軸の正の側から負の側に向けて(図5の右方に向けて)、第1電線31、第2電線32、第3電線33の順で並ぶことになる。すなわち、第1電線31、第2電線32及び第3電線33は、第1端子部11及び第2端子部12から下方(Z軸の負の方向)に引き出され、ハウジング13の一面133(背面)に形成された凹部7内に収容される。この状態において、第1電線31、第2電線32及び第3電線33は、互いに交差することがないように、凹部7内において整然と引き回される。
具体的には、ハウジング13は、凹部7内に、仕切部14を有する。仕切部14は、少なくとも第1電線31と第2電線32との間に位置する。そのため、第1電線31と第2電線32とは、仕切部14にて物理的に隔てられることになる。本開示でいう「仕切部」は、少なくとも一部において二者間を隔てる構成であればよく、二者間を完全に隔離する構成でなくてもよい。
本実施形態では、仕切部14は、第2電線32と第3電線33との間にも位置する。つまり、第2電線32と第3電線33とは、仕切部14にて物理的に隔てられることになる。結果的に、第1電線31、第2電線32及び第3電線33の全てについて、仕切部14にて物理的に隔てられることになる。
本実施形態では、凹部7内に仕切部14が配置されることで、凹部7内は複数の区画に分割されている。これら複数の区画の各々が通線溝71,72,73を構成する。言い換えれば、凹部7は、複数の通線溝71,72,73を含んでいる。複数の通線溝71,72,73は、第1電線31、第2電線32及び第3電線33の並びに合わせて、X軸の正の側から負の側に向けて(図5の右方に向けて)、通線溝71、通線溝72、通線溝73の順で並ぶことになる。つまり、通線溝71は第1電線31を通すための通線溝であって、通線溝72は第2電線32を通すための通線溝であって、通線溝73は第3電線33を通すための通線溝である。
これら複数の通線溝71,72,73の各々は、基本的には、Z軸に沿って、第1端子部11又は第2端子部12から下方(Z軸の負の方向)に向けて延びる溝である。これにより、第1端子部11及び第2端子部12に接続された第1電線31、第2電線32及び第3電線33は、別々の通線溝71、通線溝72、通線溝73を通して、中間引出部701又は最終引出部702から引き出されることになる。
より詳細には、本実施形態では、仕切部14は、第1片141、第2片142、第3片143、第4片144及び第5片145を有している。つまり、仕切部14は、5つの部位を有している。
第1片141は、第1端子部11と第2端子部12との中間に位置する。本実施形態では、第1片141のX軸方向の寸法は、第1端子部11と第2端子部12との間隔と略一致する。第1片141は、仕切部14のうち、Z軸方向において最も第1端子部11及び第2端子部12に近い位置に配置されている。
第2片142及び第3片143は、第1片141の下方(Z軸の負の方向)に配置されている。第2片142及び第3片143は、X軸方向において、所定の間隔を空けて対向するように配置されている。第2片142及び第3片143は、第2片142がX軸の正の側(図5の左側)となるように、X軸方向に並んで配置されている。さらに、本実施形態では、第2片142は、第1片141と連続するように、第1片141と一体に形成されている。
第4片144及び第5片145は、第2片142及び第3片143の下方(Z軸の負の方向)に配置されている。第4片144及び第5片145は、X軸方向において、所定の間隔を空けて対向するように配置されている。第4片144及び第5片145は、第4片144がX軸の正の側(図5の左側)となるように、X軸方向に並んで配置されている。
そして、第1片141は、第1電線31用の通線溝71と、第2電線32用の通線溝72及び第3電線33用の通線溝73とを区分する。第2片142は、第1電線31用の通線溝71と、第2電線32用の通線溝72とを区分する。第4片144は、第1電線31用の通線溝71と、第2電線32用の通線溝72とを区分する。第3片143は、第2電線32用の通線溝72と、第3電線33用の通線溝73とを区分する。第5片145は、第2電線32用の通線溝72と、第3電線33用の通線溝73とを区分する。
言い換えれば、第1電線31用の通線溝71と、第2電線32用の通線溝72との間には、第1片141、第2片142及び第4片144が位置する。一方、第2電線32用の通線溝72と、第3電線33用の通線溝73との間には、第3片143及び第5片145が位置する。そして、第2片142と第3片143との間に、第2電線32用の通線溝72が形成される。第4片144と第5片145との間にも、第2電線32用の通線溝72が形成される。このように、仕切部14は、第1片141、第2片142、第3片143、第4片144及び第5片145にて、第1電線31と第2電線32との間、及び第2電線32と第3電線33との間のそれぞれを隔離する。
ところで、ハウジング13は、第1電線31と第2電線32との少なくとも一方からなる対象電線の一部に押し当てられることにより、対象電線の長さに沿う対象電線の移動を規制する張力止め部74(図5参照)を更に有している。本実施形態では、第1電線31が対象電線であって、張力止め部74は、第1電線31の長さに沿った第1電線31の移動を規制する。これにより、第1電線31のうち第1端子部11とは反対側の端部が引っ張れたとしても、第1電線31に作用する引っ張り力(張力)を張力止め部74で受けることができる。したがって、第1電線31が引っ張られた場合に、第1端子部11に掛かる負担を低減することが可能である。
さらに、本実施形態では、ハウジング13は、第3電線33に対しても、第1電線31と同様の張力止め部74を有している。つまり、ハウジング13は、複数(ここでは2つ)の張力止め部74を有している。そして、一方の張力止め部74は、第3電線33の一部に押し当てられることにより、第3電線33の長さに沿う第3電線33の移動を規制する。
ここにおいて、上述したように、ハウジング13は、対象電線(第1電線31)を通すための通線溝71を有している。張力止め部74は、湾曲部75の内側面を含んでいる。湾曲部75は、通線溝71の一部であって湾曲した部位である。すなわち、本実施形態では、ハウジング13は、一部が湾曲した形状の通線溝71を有している。このような一部が湾曲した形状の通線溝71に対象電線(第1電線31)を通すことで、通線溝71の湾曲部75にて、第1電線31の長さに沿う第1電線31の移動が規制される。要するに、通線溝71の湾曲部75の内径側の内側面は、第1電線31に接触することで、第1電線31の長さに沿う第1電線31の移動を規制する張力止め部74として機能する。
第3電線33用の通線溝73についても、第1電線31用の通線溝71と同様に、湾曲部75が張力止め部74として機能する。本実施形態では特に、第1電線31用の通線溝71と、第3電線33用の通線溝73とは、X軸方向において略対称形状である。
さらに、複数の通線溝71,72,73の各々の幅は、それぞれに通す電線(第1電線31、第2電線32又は第3電線33)の線径と略一致するように設定されている。これにより、複数の通線溝71,72,73の各々に電線が通された状態では、電線は、各通線溝71,72,73の一対の内側面に挟まれるようにして、各通線溝71,72,73内に保持されることになる。
ここで、本実施形態では、複数の通線溝71,72,73の幅は一律ではなく、通線溝71,72,73によって異なる。具体的には、図5に示すように、第1電線31用の通線溝71の幅W1は、第2電線32用の通線溝72の幅W2よりも大きい(W1>W2)。また、第1電線31用の通線溝71の幅W1は、第3電線33用の通線溝73の幅W3よりも大きい(W1>W3)。第2電線32用の通線溝72の幅W2と、第3電線33用の通線溝73の幅W3とは略等しい(W2≒W3)。
すなわち、本実施形態では、第1電線31は4芯のケーブルであって、第2電線32及び第3電線33はそれぞれ2芯のケーブルである。そのため、第1電線31は、第2電線32又は第3電線33に比較して線径が大きい(太い)。したがって、第1電線31用の通線溝71は、他の通線溝72,73に比較して幅広に形成されている。これにより、第2電線32用の通線溝72、又は第3電線33用の通線溝73に対しては、第1電線31を通すことが困難になり、誤施工の防止が期待できる。つまり、制御装置1の設置作業(配線作業を含む)を行う施工者が、誤って第2端子部12に第1電線31を接続した場合には、第1電線31を通線溝72,73に収容できず、そのことをもって、誤施工の気づき与えることができる。
また、本実施形態では、ハウジング13は、複数の通線溝71,72,73の各々の内側面に、少なくとも1つの突起76を更に有している。ここでは、各通線溝71,72,73の一対の内側面から、互いに近づく向きに突出する2つの突起76を1組として、複数組の突起76が各通線溝71,72,73に設けられている。このような突起76によれば、各通線溝71,72,73における電線(第1電線31、第2電線32又は第3電線33)の保持力の向上を図ることができる。
ところで、本実施形態では、それぞれ湾曲部75を含む第1電線31用の通線溝71と、第3電線33用の通線溝73とは、X軸方向において略対称形状である。しかも、これら通線溝71の湾曲部75と、通線溝73の湾曲部75とは、互いに近づく向きに凸となる湾曲形状を採用している。さらに、本実施形態では、一対の湾曲部75は、第2電線32用の通線溝72に繋がっている。
言い換えれば、仕切部14のうち、通線溝71と通線溝72とを隔てる第2片142及び第4片144は、Z軸方向において互いに離間している。このような第2片142及び第4片144間の隙間が仕切部14の切れ目となり、この部位において、通線溝71と通線溝72とは繋がっている。同様に、仕切部14のうち、通線溝72と通線溝73とを隔てる第3片143及び第5片145は、Z軸方向において互いに離間している。このような第3片143及び第5片145間の隙間が仕切部14の切れ目となり、この部位において、通線溝72と通線溝73とは繋がっている。このように、複数の通線溝71,72,73は、その一部において合流する部位を含んでいる。そして、このように複数の通線溝71,72,73の合流する部位が、中間引出部701として機能する。
すなわち、ハウジング13は、第1電線31及び第2電線32を引き出すための中間引出部701と最終引出部702とを更に有している。仕切部14は、第1の仕切部(第2片142及び第3片143)と、第2の仕切部(第4片144及び第5片145)と、を含む。第1の仕切部(第2片142及び第3片143)は、第1端子部11及び第2端子部12と、中間引出部701との間に位置する。第2の仕切部(第4片144及び第5片145)は、中間引出部701と、最終引出部702との間に位置する。
つまり、Z軸方向における仕切部14の切れ目が、中間引出部701となるので、仕切部14を、Z軸方向において中間引出部701で二分すると、第1の仕切部と、第2の仕切部とに二分される。ここで、中間引出部701から見て第1端子部11側に位置する第1の仕切部は、第2片142及び第3片143を含み、中間引出部701から見て最終引出部702側に位置する第2の仕切部は、第4片144及び第5片145を含む。この構成によれば、中間引出部701及び最終引出部702(引出孔135)のいずれからでも、電線(第1電線31、第2電線32及び第3電線33)を引き出すことが可能となる。本実施形態では、ハウジング13に取り付けられる蓋体8には、中間引出部701に対応する位置に切欠部81が形成されているので、蓋体8が取り付けられた状態であっても、中間引出部701から電線を引き出すことが可能である。
さらに、中間引出部701においては、第1電線31と第2電線32とが合流する。要するに、複数の通線溝71,72,73の合流する部位が、中間引出部701を構成するので、中間引出部701においては、少なくとも第1電線31と第2電線32とが合流することになる。本実施形態では、第1電線31及び第2電線32だけでなく、第3電線33についても中間引出部701で合流する。この構成によれば、中間引出部701から、複数の電線(第1電線31、第2電線32及び第3電線33)をまとめて引き出すことができる。
また、図5に示すように、仕切部14の第1片141には、蓋体8との干渉を避けるための窪み部77と、窪み部77の底面に位置するねじ孔78と、が形成されている。ねじ孔78は、上述したように、蓋体8を固定するためのねじ83が締め付けられる孔である。
さらに、ハウジング13は、ハウジング13を固定するための固定具(取付ねじ62)との干渉を回避する凹所79(図1参照)を更に有している。本実施形態では、固定具は、一例として、取付部材61を取付対象物(建物F1の壁)に取り付けるための取付ねじ62である。つまり、取付ねじ62は、ハウジング13を取付対象物(建物F1の壁)に固定するための部材の一部であるので、ハウジング13を固定するための固定具に含まれる。凹所79は、ハウジング13の一面133(背面)に形成されており、この凹所79によって固定具(取付ねじ62)との干渉を回避する。本実施形態では、凹所79は、第4片144及び第5片145にまたがって形成されている。
また、本実施形態では、第1端子部11及び第2端子部12は、ハウジング13の一面133(背面)に設けられている。ここで、図6に示すように、第1端子部11及び第2端子部12の少なくとも一方における第1電線31又は第2電線32の引出方向A1は、ハウジング13の一面133に対して傾斜している。図6は、図5のX1-X1線断面図である。
具体的には、少なくとも差込式の第1端子部11は、図6に示すように、その差込口110の長手方向となる第1電線31(の心線)の引出方向A1は、ハウジング13の一面133(背面)に対して角度θ1で傾斜する。このように、第1端子部11における第1電線31(の心線)の引出方向A1は、ハウジング13の一面133に対して直交又は平行のいずれでもなく、一面133に対して傾斜する。本実施形態では、第1端子部11に接続される第1電線31(の心線)は、斜め下方(Z軸の負の方向とY軸の正の方向の合成方向)に引き出される。図6では図示しないが、第2端子部12についても、第1端子部11と同様の引出方向が採用されている。
また、上述したように、ハウジング13は、第1電線31及び第2電線32を収容する凹部7を有している。ここで、第1端子部11及び第2端子部12における第1電線31及び第2電線32の差込口110,120は、凹部7の底面70から見て、凹部7の開口面側に位置する。
すなわち、図6に示すように、凹部7は後方(Y軸の正の方向)に開放されており、凹部7(ここでは通線溝71)の底面70から見ると、第1端子部11の差込口110は、凹部7の開口面側である後方に位置する。図6の例では、差込口110は、凹部7の底面70から見て、Y軸方向において距離D1だけ後方(Y軸の正の方向)に位置する。図6では図示しないが、第2端子部12についても、第1端子部11と同様の差込口120と底面70との位置関係が採用されている。
上述した引出方向A1及び位置関係を採用することで、差込口110,120から引き出された電線を、比較的大きな曲げ半径でもって、凹部7内に案内することができる。つまり、差込口110,120から引き出された電線が、鋭角に折り返されるような状況が生じにくいため、電線の最小曲げ半径を比較的大きく確保することができる。
さらに、本実施形態では、Z軸方向において、第1端子部11と通線溝71とは離間している。具体的には、図6に示すように、第1端子部11と通線溝71とは、Z軸方向において距離D2だけ離間している。図6では図示しないが、第2端子部12についても、第1端子部11と同様に、通線溝72,73とZ軸方向において離間している。このような位置関係によれば、差込口110,120から引き出された電線を、より大きな曲げ半径でもって、凹部7内に案内することができる。
(3)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
制御装置1は、電力変換装置2の遠隔制御を行うリモートコントローラに限らず、例えば、電力変換装置2に付設されていてもよい。この場合、制御装置1は、電力変換装置2の筐体に対して取り付けられていてもよい。
また、制御装置1は、屋内での使用に限らず、例えば、公園又はグランド等の屋外施設における特定の空間で使用されてもよい。屋外用途においては、制御装置1は、防水性(防雨性及び防滴性を含む)、及び対候性等について所定の性能を満たすことが好ましい。
また、制御装置1は、その背面を取付対象物に対向させた状態で取り付けられる、「露出型」の装置に限らず、その少なくとも一部が壁等の取付対象物に埋め込まれる「埋込型」の装置であってもよい。
また、制御装置1は、取付部材61を用いずに直接的に取付対象物に取り付けられてもよい。
また、第1端子部11及び第2端子部12の各々は、速結端子に限らず、ねじにて電線が接続される「ねじ端子」、又は電線の端部に設けた相手側コネクタとの嵌合によって電線が接続される「コネクタ」等であってもよい。さらに、第1端子部11及び第2端子部12の各々は、はんだ付け等の手段により、抜き差しできない態様で電線が接続される構成であってもよい。
また、第1電線31、第2電線32及び第3電線33の各々は、FCPEVケーブルに限らず、その他の電線であってもよい。第1電線31、第2電線32及び第3電線33の各々の心線は、より線であってもよいし、単線であってもよい。
また、第1電線31、第2電線32及び第3電線33の各々の心線の本数についても、実施形態1の例に限らない。例えば、第1電線31は3芯以下、又は5芯以上のケーブルであってもよい。
また、制御装置1に接続される電線は、第1電線31、第2電線32及び第3電線33の3本に限らず、4本以上の電線が制御装置1に接続されてもよい。一例として、第2端子部12に対して、第2電線32及び第3電線33に加えて第4電線を含む3本の電線が接続されることで、制御装置1に対して計4本の電線が接続される。
また、通線溝71,73の少なくとも一方については、湾曲部75が無くストレート形状であってもよい。
また、電力変換装置2は、太陽光発電設備からなる直流電源41,42から出力される直流電力で、蓄電装置からなる直流電源43を充電してもよい。電力変換装置2は、太陽光発電設備又は蓄電装置に限らず、例えば、燃料電池設備又は風力発電設備等の発電設備と組み合わせて用いられてもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る制御装置1Aは、図7に示すように、第1電線31(図1参照)及び第2電線32(図1参照)の2本の電線のみが接続可能である点で、実施形態1に係る制御装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、図7に示すように、ハウジング13に、通線溝として、第1電線31用の通線溝71及び第2電線32用の通線溝72のみが形成されている。具体的には、本実施形態の仕切部14は、実施形態1における仕切部14の第2片142と第3片143とが一体化され、かつ、第4片144と第5片145とが一体化された構成により実現される。第1電線31用の通線溝71と、第2電線32用の通線溝72とは、X軸方向において略対称形状である。
本実施形態の変形例として、通線溝71,72の少なくとも一方については、湾曲部75が無くストレート形状であってもよい。
実施形態2で説明した構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る制御装置(1,1A)は、制御回路(10)と、第1端子部(11)と、第2端子部(12)と、ハウジング(13)と、を備える。制御回路(10)は、電力変換装置(2)に電気的に接続され、電力変換装置(2)を制御する。第1端子部(11)は、電力変換装置(2)に繋がる第1電線(31)を接続する。第2端子部(12)は、第1電線(31)とは別の第2電線(32)を接続する。ハウジング(13)は、制御回路(10)、第1端子部(11)及び第2端子部(12)を保持する。ハウジング(13)は、第1電線(31)と第2電線(32)との間に位置する仕切部(14)を有する。
この態様によれば、制御回路(10)を備える制御装置(1,1A)に対して、第1電線(31)及び第2電線(32)を含む複数の電線を接続することが可能である。そして、制御装置(1,1A)のハウジング(13)には仕切部(14)が設けられているため、第1電線(31)及び第2電線(32)間を、仕切部(14)にて仕切ることができる。したがって、第1電線(31)と第2電線(32)とは物理的に隔てられており、両者間での干渉が生じにくい。よって、第1電線(31)と第2電線(32)とが絡まったり、第1電線(31)と第2電線(32)との区別が困難になったりする不具合が生じにくく、配線作業が容易になる。これにより、制御装置(1,1A)に対して複数の電線が接続される場合でも、制御装置(1,1A)の配線作業を含む設置作業の簡略化を図りやすい、という利点がある。
第2の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1の態様において、ハウジング(13)は、張力止め部(74)を更に有する。張力止め部(74)は、第1電線(31)と第2電線(32)との少なくとも一方からなる対象電線の一部に押し当てられることにより、対象電線の長さに沿う対象電線の移動を規制する。
この態様によれば、張力止め部(74)により対象電線の長さに沿う対象電線の移動を規制でき、対象電線が引っ張られた場合にも、第1端子部(11)及び第2端子部(12)に掛かるストレスを小さく抑えることができる。
第3の態様に係る制御装置(1,1A)では、第2の態様において、ハウジング(13)は、対象電線を通すための通線溝(71,72,73)を有する。張力止め部(74)は、通線溝(71,72,73)の一部であって湾曲した湾曲部(75)の内側面を含む。
この態様によれば、湾曲部(75)の内側面を利用して対象電線の長さに沿う対象電線の移動を規制するので、対象電線に掛かるストレスを小さく抑えることができる。
第4の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1~3のいずれかの態様において、制御回路(10)は、電力変換装置(2)から、以下の情報を、第1電線(31)を介して取得する。上記情報は、電力変換装置(2)の動作状態と、電力変換装置(2)の出力値との少なくとも一方に関する情報である。
この態様によれば、電力変換装置(2)の動作状態と、電力変換装置(2)の出力値との少なくとも一方に関する情報を、信頼性の高い有線通信で取得できる。
第5の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1~4のいずれかの態様において、制御回路(10)は、第2電線(32)にて接続される外部装置(51)と通信可能である。
この態様によれば、制御回路(10)が外部装置(51)と通信することで、制御回路(10)に拡張性を持たせることができる。
第6の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1~5のいずれかの態様において、ハウジング(13)は、第1電線(31)及び第2電線(32)を引き出すための中間引出部(701)と最終引出部(702)とを更に有する。仕切部(14)は、第1の仕切部と、第2の仕切部と、を含む。第1の仕切部は、第1端子部(11)及び第2端子部(12)と、中間引出部(701)との間に位置する。第2の仕切部は、中間引出部(701)と、最終引出部(702)との間に位置する。
この態様によれば、中間引出部(701)と最終引出部(702)とのいずれからでも、第1電線(31)及び第2電線(32)を引き出すことができ、配線作業の自由度が向上する。
第7の態様に係る制御装置(1,1A)では、第6の態様において、中間引出部(701)においては、第1電線(31)と第2電線(32)とが合流する。
この態様によれば、中間引出部(701)から第1電線(31)及び第2電線(32)をまとめて引き出せるため、配線作業がより簡単になる。
第8の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1~7のいずれかの態様において、ハウジング(13)は、ハウジング(13)を固定するための固定具(取付ねじ68)との干渉を回避する凹所(79)を更に有する。
この態様によれば、ハウジング(13)と固定具(取付ねじ68)との干渉を回避しやすく、ハウジング(13)の固定が容易になる。
第9の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1~8のいずれかの態様において、第1端子部(11)及び第2端子部(12)は、ハウジング(13)の一面(133)に設けられている。第1端子部(11)及び第2端子部(12)の少なくとも一方における第1電線(31)又は第2電線(32)の引出方向(A1)は、ハウジング(13)の一面(133)に対して傾斜している。
この態様によれば、第1電線(31)又は第2電線(32)を、比較的大きな曲げ半径で引き回すことができる。
第10の態様に係る制御装置(1,1A)では、第1~9のいずれかの態様において、ハウジング(13)は、第1電線(31)及び第2電線(32)を収容する凹部(7)を更に有する。第1端子部(11)及び第2端子部(12)における第1電線(31)及び第2電線(32)の差込口(110,120)は、凹部(7)の底面(70)から見て、凹部(7)の開口面側に位置する。
この態様によれば、第1電線(31)又は第2電線(32)を、比較的大きな曲げ半径で引き回すことができる。
第11の態様に係る電力変換システムは、第1~10のいずれかの態様に係る制御装置(1,1A)と、第1電線(31)にて制御装置(1,1A)と接続される電力変換装置(2)と、を備える。
この態様によれば、制御装置(1,1A)に対して複数の電線が接続される場合でも、制御装置(1,1A)の配線作業を含む設置作業の簡略化を図りやすい、という利点がある。
第2~10の態様に係る構成については、制御装置(1,1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。