JP7388672B1 - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡単な構成で、近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる電子機器の提供を目的とする。【解決手段】本発明の電子機器10は、ロレンチーニ器官を有する魚類SK、RYを追い返すための電子機器10において、電源43並びに第1出力端子47A及び第2出力端子47Bを含む出力部47を有し、電源43から供給される直流電圧を交流電圧に変換して出力部47から出力する発生器40Aと、その一端が第1出力端子47A及び第2出力端子47Bの一方に接続されている電線であって、少なくとも1個以上のコイル52Aが形成されている、電線50Aと、海水を介して第1出力端子47Aと第2出力端子47Bとが電気的に接続されると電源43から直流電圧を供給させる電源スイッチ48と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器及び磁界バリア形成装置に関する。
特許文献1には、捕獲した魚に群がるサメを撃退する漁業用サメ撃退装置が開示されている。この漁業用サメ撃退装置は、漁船近傍の海水中に配置され、電線に取り付けられている第1の電極及び該第1の電極から所定距離離れた位置となる海水中に配置され、電線に取り付けられている第2の電極と、第1の電極及び第2の電極の一方がプラス極、他方がマイナス電極となるように直流電圧を印加する電源手段と、を備えている。そして、この漁業用サメ撃退装置では、第1の電極及び第2の電極に、それぞれ、電圧600V、パルス幅0.5msとなる直流パルスが、毎秒2回ずつ極性が交互に切り替わりながら、各電極に印加される。その結果、漁船に近づこうとするサメに電気的な衝撃を与えられ、この衝撃によりサメを追い払うことができるとされている。
また、非特許文献1には、一部のサメが毎年何千キロも泳いで同じ餌場に戻ってくることについて、フロリダ州立大学の生物学者ブライアン・ケラー(Bryan Keller)による論文が記載されている。この論文には、サメが地球の磁場を利用して方向を確認している可能性が高いことが示唆されている。
特開2006-149275号公報 nature,scientific reports,Insight into shark magnetic field perception from empirical observations[online]、2019年10月23日、[2021年8月6日検索]、インターネット<URL:https://www.nature.com/articles/s41598-017-11459-8>
特許文献1に開示されている漁業用サメ撃退装置の場合、第1の電極又は第2の電極に600Vの直流電圧が印加される。そのため、例えば、各電極から例えば数10m以上離れた位置にいるサメに対してはロレンチーニ器官を刺激する電気的な衝撃を与えることができると考えられる。しかしながら、本願の発明者の試験研究によると、この電気的な衝撃により追い払われるサメが存在するものの、この電気的な刺激では追い払うことができないサメも存在することが確認されている。本願の発明者は、おそらく、この電気的な刺激に対しサメが慣れてしまうことが原因ではないかと推認する。
本発明は、簡単な構成で、近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことが可能な電子機器の提供を目的の1つとする。
第1態様の電子機器は、
ロレンチーニ器官を有する魚類を追い返すための電子機器において、
電源並びに第1出力端子及び第2出力端子を含む出力部を有し、前記電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して前記出力部から出力する発生器と、
その一端が前記第1出力端子及び前記第2出力端子の一方又は両方に接続されている電線であって、少なくとも1個以上のコイルが形成されている、少なくとも1本の電線と、
前記発生器及び前記電線とともに電気回路を構成して前記電源からの出力をオンオフさせるスイッチであって、海水を介して前記第1出力端子と前記第2出力端子とが電気的に接続されると前記電源から直流電圧を供給させる電源スイッチと、
を備える。
第2態様の電子機器は、
第1態様の電子機器において、
前記少なくとも1本の電線は、海水中で弾性変形可能な紐状であり、
前記少なくとも1個以上のコイルは、前記電線における互いに離れた部位に形成されている2個以上のコイルである。
第3態様の電子機器は、
第2態様の電子機器において、
前記2個以上のコイルは、互いに、インダクタンスが異なる。
第4態様の電子機器は、
第1~第3態様のいずれか一態様の電子機器において、
前記発生器が出力する交流電圧の波形は、複数種の交流波形を重ね合わせた合成波である。
第5態様の電子機器は、
第4態様の電子機器において、
前記合成波を構成する前記複数種の交流波形は、互いに、振幅、周期及び位相の全部又は少なくとも1つが異なる。
第6態様の電子機器は、
第1~第5態様のいずれか一態様の電子機器において、
前記発生器は、さらに、前記出力部から出力させる交流電圧として、波形の異なる複数種の交流波の交流電圧のパターンを記憶している記憶部、及び、前記記憶部が記憶している前記パターンからいずれかのパターンを選択するための選択スイッチを有する。
第7態様の電子機器は、
第6態様の電子機器において、
前記選択スイッチは、外部からの無線による選択信号を受信して前記パターンからいずれかのパターンを選択可能とされている。
第1態様の磁界バリア形成装置は、
ロレンチーニ器官を有する魚類を追い返すための磁界バリアを形成する磁界バリア形成装置において、
それぞれが請求項1~7のいずれか一項に記載の電子機器で構成される電子機器群であって、(1)各電子機器の前記少なくとも1本の電線はそれぞれの一端が前記第1出力端子及び前記第2出力端子のそれぞれに接続されている一対の電線であり、(2)各電子機器が備える一対の電線の両他端は海水中で上下方向に重ねられて配置され、(3)複数の一対の電線の両他端は、前記上下方向に交差する方向に並べられて配置されている、電子機器群と、
前記電子機器群を構成する複数の電子機器がそれぞれ有する発生器から出力される交流電圧の波形を制御する群制御部と、
を備える。
第2態様の磁界バリア形成装置は、
ロレンチーニ器官を有する魚類を追い返すための磁界バリアを形成する磁界バリア形成装置において、
それぞれが請求項1~7のいずれか一項に記載の電子機器で構成される電子機器群であって、(1)各電子機器の前記少なくとも1本の電線はそれぞれの一端が前記第1出力端子及び前記第2出力端子のそれぞれに接続されている一対の電線であり、(2)各電子機器が備える一対の電線の一方の他端は海水中における一点に集まるように配置されかつ他方の他端は前記一点の外側で円周を形成するように互いに離れて配置されている、電子機器群と、
前記電子機器群を構成する複数の電子機器がそれぞれ有する発生器から出力される交流電圧の波形を制御する群制御部と、
を備える。
第1態様及び第2態様の電子機器によれば、簡単な構成で、近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる。
第3態様の電子機器によれば、2個以上のコイルのインダクタンスがそれぞれ同じ場合に比べて、近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる。
第4態様の電子機器によれば、発生器が出力する交流電圧の波形が単順な交流波形である場合に比べて、近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる。また、第4態様の電子機器によれば、発生器が出力する交流電圧の波形が単順な交流波形である場合に比べて、近づいてきたロレンチーニ器官を有する複数種の魚類を追い払うことができる。
第5態様の電子機器によれば、発生器が出力する交流電圧の波形が単順な交流波形である場合に比べて、近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる。また、第5態様の電子機器によれば、発生器が出力する交流電圧の波形が単順な交流波形である場合に比べて、近づいてきたロレンチーニ器官を有する複数種の魚類を追い払うことができる。
第6態様の電子機器によれば、発生器が出力する交流電圧の波形が1パターンの場合に比べて、近づいてきたロレンチーニ器官を有する複数種の魚類を追い払うことができる波形パターンを選択することができる。
第7態様の電子機器によれば、近づいてきたロレンチーニ器官を有する複数種の魚類を追い払うことができる波形パターンを、海上から操作して変更することができる。
第1態様の磁界バリア形成装置によれば、電線に少なくとも1個以上のコイルが形成されていない場合に比べて、磁界バリアに近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる。
第2態様の磁界バリア形成装置によれば、電線に少なくとも1個以上のコイルが形成されていない場合に比べて、磁界バリアに近づいてきたロレンチーニ器官を有する魚類を追い払うことができる。
本実施形態の電子機器の概略図である。 本実施形態の電子機器が備える回路基板のブロック図である。 本実施形態の電子機器が出力する複数の交流電圧の波形パターンの一例である。 本実施形態の電子機器が出力する複数の交流電圧の波形パターンの別の一例である。 本実施形態の電子機器が出力する複数の交流電圧の波形パターンの別の一例である。 本実施形態の電子機器が出力する複数の交流電圧の波形パターンの別の一例である。 本実施形態の電子機器が出力する複数の交流電圧の波形パターンの別の一例である。 本実施形態の電子機器が出力する複数の交流電圧の波形パターンの別の一例である。 電線に電流が流れている場合に、コイルの付近に発生する磁界の一例である。 本実施形態の電子機器を海釣り用に使用した場合の使用例を説明するための図である。 本実施形態の電子機器を海水中歩行用に使用した場合の使用例を説明するための図である。 本実施形態の電子機器を応用した磁界バリア形成装置の概略図である。 本実施形態の磁界バリア形成装置を魚類養殖用網に使用した場合の使用例を説明するための図である。 本実施形態の磁界バリア形成装置を魚類養殖用網に使用した場合の他の使用例を説明するための図である。 変形例の電子機器が備える回路部のブロック図である。 他の変形例の電子機器の概略図である。 他の変形例の電子機器の概略図である。
以下、本実施形態の電子機器10(図1及び図2参照)、本実施形態の磁界バリア形成装置100(図6参照)及びこれらに関する変形例について説明する。本明細書では、異なる実施形態等で参照する各図面において、同じような機能を有する構成要素に対して同じ符号又は同じような符号を付している点に留意されたい。
≪電子機器≫
まず、本実施形態の電子機器10について、構成及び機能、使用方法、並びに、効果について図面を参照しながら説明する。
<構成及び機能>
図1は、電子機器10の概略図である。
電子機器10は、その一部又は全部を海水中SWに入れられた状態で使用され、サメSK、エイRY等のロレンチーニ器官を有する魚類を追い返すための機能を有する(図5、図7等参照)。
電子機器10は、図1に示されるように、ハウジング20と、フック30と、回路基板40と、電線50Aとを備えている。
(ハウジング及びフック)
ハウジング20は、一例として、一端に開口22が形成されている樹脂製の有底筒である。ハウジング20は、その内部に、回路基板40を収容し、回路基板40に接続されている電線50A(詳細については後述)を開口22で貫通させている。
フック30は、ハウジング20における開口22とは反対側の端部に固定されている。そして、フック30は、開閉可能な開閉部32を有し、例えば、開閉部32から釣り糸FL(図4参照)を通して貫通させるように構成されている。
(回路基板)
図2は、電子機器10を構成する回路基板40のブロック図である。
回路基板40は、プリント配線板41と、変換部42と、電源43と、制御部44と、記憶部45と、選択スイッチ46と、出力部47と、電源スイッチ48とを有しており、全体で電気回路を構成している。本実施形態では、回路基板40における電源スイッチ48以外の構成要素のことを発生器40Aという。
プリント配線板41には、図示しない回路パターンが印刷されている。プリント配線板41には、変換部42、電源43、制御部44、記憶部45、選択スイッチ46、出力部47及び電源スイッチ48が実装されている。
変換部42は、電源43及び出力部47に電気的に接続されており、電源43から供給される直流電圧を一例として振幅が100V未満である交流電圧に変換する機能を有する。変換部42で変換された交流電圧は、出力部47から出力される。
電源43は、一例として、プリント配線板41に着脱可能な電池である。
制御部44は、変換部42及び記憶部45に電気的に接続されており、電源43から供給される直流電圧が記憶部45に記憶されている複数の波形パターン(図3A~図3F参照)のうちのいずれかの波形パターンの交流電圧に変換されるように、変換部42を制御する。複数の波形パターンについては後述する。
記憶部45は、出力部47から出力させる交流電圧として、波形の異なる複数種の交流波の交流電圧の波形パターンを記憶している。
選択スイッチ46は、記憶部45が記憶している波形の異なる複数種の交流波の交流電圧の波形パターンからいずれかの波形パターンを選択するためのスイッチである。
出力部47は、交流電圧を出力する第1出力端子47Aと、基準電圧(0V)が印加されている第2出力端子47Bとを有している。図1では、一例として、第1出力端子47Aに電線50Aが接続されているが、その逆であってもよい。
電源スイッチ48は、発生器40A及び電線50Aとともに電気回路を構成して電源43からの出力をオンオフさせる。電源スイッチ48は、海水を介して第1出力端子47Aと第2出力端子47Bとが電気的に接続されると、電源43から直流電圧を供給させるように構成されている。具体的には、電源スイッチ48は、電流検出センサー(図示省略)を有しており、第1出力端子47Aと第2出力端子47Bとが電気的に接続されると電流検出センサーが両端子の間に流れる微弱電流を検出することで、電源43から直流電圧を供給させる。
次に、記憶部45に記憶されている複数の波形パターンについて、図3A~図3Fを参照しながら説明する。図3A~図3Fは、それぞれ、複数の交流電圧の波形パターンの一例である。
・すべての波形パターンの共通点
すべての波形パターンの共通点は、以下のとおりである。

各波形パターンは、基準電圧(0V)が印加されている第2出力端子47Bの電圧に対して、第1出力端子47Aに印加される交流電圧の波形(時間に対する出力電圧)を示している。
図3A~図3Fに示されるように、各波形パターンは、周期的に極性を変更するパターンである。
各波形パターンの振幅APは、一例として、最大100V未満となるように設定されている。
各波形パターンの周期Tは、一例として、0.2s以上10.0s以下に設定されている。
・各波形パターンの特異点
各波形パターンの特異点は、以下のとおりである。

図3Aの波形パターンは、いわゆるサイン波である。
図3Bの波形パターンは、周期T1の第1サイン波と、周期T1よりも短い周期T2の第2サイン波とが交互に出力される波形パターンである。
図3Cの波形パターンは、振幅AP1かつ周期T1の第1サイン波と、振幅AP1よりも小さい振幅AP2かつ周期T1の第2サイン波とが交互に出力される波形パターンである。
図3Dの波形パターンは、周期Tの矩形波である。この矩形波のデューティーは、一例として、正極性の出力時間が負極性の出力時間よりも長くなるように構成されている。
図3Eの波形パターンは、周期Tの三角波である。
図3Fの波形パターンは、周期T1のサイン波と、周期T1の三角波とが交互に出力される波形パターンである。
(電線)
電線50Aは、図1に示されるように、その一端50A1で第1出力端子47Aに接続されている。電線50Aの長さは、一例として、0.5m以上10m以下である。
図1の電子機器10の場合は、変換部42から交流電圧が印加されることで、電線50Aの他端50A2と第2出力端子47Bとの間に交流による電界が形成される。
電線50Aには、図1に示されるように、その一部にコイル(ソレノイド)52Aが形成されている。図1ではコイル52Aの巻き数Nは4であるが、これは一例に過ぎない。
電線50Aは、一例として、海水中SWで弾性変形可能な紐状の部材である。
なお、後述する電線50Bは、一例として、電線50Aと同様に海水中SWで弾性変形可能な紐状の部材である。
以上が、本実施形態の電子機器10の構成及び機能についての説明である。
<使用方法>
次に、本実施形態の電子機器10の使用方法について、図4、図5等を参照しながら説明する。
(第1の例)
電子機器10の使用方法の第1の例については、図4を参照しながら説明する。図4は、電子機器10を海釣り用に使用した場合の使用例を説明するための図である。この場合、電子機器10を使用する者は、海釣りを行う者(釣り人(図示省略))である。
釣り人が使用する釣り竿FRに繋がっている釣り糸FLの針(図示省略)に魚(図示省略)がかかった場合、釣り人は電子機器10のフック30の開閉部32を開いて開閉部32に糸RLを通過させ、次いで開閉部32を閉じてフック30に糸RLを貫通させる。次いで、釣り人は電子機器10から手を放す。その結果、電子機器10はその自重により海水中SWに沈む。海水中SWに電子機器10が沈むと、電源スイッチ48の電流検出センサーが第1出力端子47Aと第2出力端子47Bの間に流れる微弱電流を検出することで、電源43から変換部42に直流電圧を供給させる。これに伴い、発生器40Aが作動して、予め設定されている波形パターンの交流波形が出力部47から出力される。
以上の動作の結果により、海水中SWにおける電線50Aの他端50A2と第2出力端子47Bとの間(針にかかった魚の近傍)には、振幅APが100V未満で周期Tが0.2s以上10.0s以下の交流電界が形成される。また、電線50Aには、コイル52Aが形成されていること、及び、電線50Aには交流電流が流れることにより、コイル52Aには、その軸を中心として右ネジの法則に従い(すなわち、コイル52Aの巻き数N、径R、並びに、電流Iの大きさ及び電流Iの向きに応じて)、交流磁界が形成される(図3G参照)。別言すれば、コイル52Aは、交流電流が流れることにより電流の流れる方向により磁界が正反対に変化する電磁石として機能する。
この状況において、釣り人がリール(図示省略)により釣り糸FLを巻き取りつつ、針に係った魚TNが海面に近づいて行く際に、サメSKが魚TNを狙って近づいてくると、サメSKは電子機器10によって魚TNの近傍に形成される交流電界及び交流磁界をロレンチーニ器官により検出する。そして、サメSKは、検出する交流波形によってはそれが魚TNによる電界ではないと判断して魚TNから離れていく。また、サメSKは、コイル52Aから発生する交流磁界を検出することで、それまで検出していた地球による磁界に当該交流磁界が重ね合わされた磁界を検出した結果、進むべき方向の妥当性の判断に混乱を生じると考えられる。以上の結果、、電子機器10によりサメSKが追い払われる。
以上が、使用方法の第1の例についての説明である。
(第2の例)
電子機器10の使用方法の第2の例については、図5を参照しながら説明する。図5は、電子機器10を海水中歩行用に使用した場合の使用例を説明するための図である。この場合、電子機器10を使用する者は、例えば、下半身を海水中SWに沈めて海釣りを行う者(釣り人(図示省略))である。
まず、釣り人は、海水中SWに入る前に、例えば腰の付近にフック30を引っ掛けてハウジング20を保持しつつ、電線50Aを右脚、一部にコイル52Bが形成されている電線50Bを左脚にバンド60を使って固定する。具体的には、釣り人は、電線50Aの他端50A2付近をバンド60Aで右脚に固定し、電線50Bの他端50B2付近をバンド60Bで左脚に固定する。そして、釣り人が海水中SWに入ると、電源スイッチ48の電流検出センサーが第1出力端子47Aと第2出力端子47Bの間に流れる微弱電流を検出することで、電源43から変換部42に直流電圧を供給させる。これに伴い、発生器40Aが作動して、予め設定されている波形パターンの交流波形が出力部47から出力される。
以上の動作の結果により、海水中SWにおける電線50Aの他端50A2と電線50Bの他端50B2との間には、振幅APが100V未満で周期Tが0.2s以上10.0s以下の交流電界が形成される。また、電線50A及び電線50Bには、それぞれ、コイル52A、52Bが形成されていること、及び、電線50A及び電線50Bには交流電流が流れることにより、コイル52A及びコイル52Bには、その軸を中心として右ネジの法則に従い(すなわち、コイル52A及びコイル52Bの巻き数N、径R、並びに、電流Iの大きさ及び電流Iの向きに応じて)、交流磁界が形成される(図3G参照)。
この状況において、釣り人が海水中SWを歩く際に、海底にいるエイRYは電子機器10によって釣り人の両脚の近傍(海底の近傍)に形成される交流電界及び交流磁界をロレンチーニ器官により検出する。そして、エイRYは、検出する交流波形によってはそれが魚による電界ではないと判断して離れていく。また、エイRYは、コイル52A及びコイル52Bから発生する交流磁界を検出することで、それまで検出していた地球による磁界に当該交流磁界が重ね合わされた磁界を検出した結果、地球から受ける磁界の妥当性の判断に混乱を生じると考えられる。以上の結果、電子機器10によりエイRYが追い払われる。
以上が、使用方法の第2の例についての説明である。
以上が、本実施形態の電子機器10の使用方法についての説明である。
<効果>
次に、本実施形態の電子機器10の効果について図面を参照しながら説明する。
(第1の効果)
前述の特許文献1に開示されている漁業用サメ撃退装置は、第1の電極及び第2の電極の一方に600Vの直流電圧が印加される。この大きさの直流電圧が第1の電極及び第2の電極の一方に印加された場合、第1の電極又は第2の電極の近傍にいるサメSKやエイRYは、それらのロレンチーニ器官により反応し難い。
これに対して、本実施形態の電子機器10は、一例として出力する交流電圧の振幅APが100V未満(例えば、10V程度)に設定されている。そのため、出力部47の近傍にいるサメSKやエイRYがそれらのロレンチーニ器官により反応し易い。さらに、出力部47の近傍にいる人間及びロレンチーニ器官を有する魚類を感電させることがない。
また、本実施形態の電子機器10が備える電線50A及び/又は50Bには、コイル52A及び/又はコイル52Bが形成されているため、コイル52A及び/又はコイル52Bの周りには右ネジの法則に従い交流電流Iに同期した交流磁界(地球により発生する磁界とは異なる磁界)が形成される(図3G参照)。特に、本実施形態の場合、電線50A、50Bは海水中SWで弾性変形可能な紐状の部材であるため、コイル52A及び/又はコイル52Bの周囲の磁界の及ぶ範囲は海水中SWで移動することでその軸方向を変更させる。その結果、コイル52A及び/又はコイル52Bの近傍にいるサメSKやエイRYは、発生する交流磁界をロレンチーニ器官によって検出した結果、地球から受ける磁界の判断に混乱を生じる。 したがって、本実施形態の電子機器10を利用すれば、その周囲にいる人間及びロレンチーニ器官を有する魚類を感電させることなく、近づいてきたサメSKやエイRY(ロレンチーニ器官を有する魚類)を追い払うことができる(図4及び図5参照)。
(第2の効果)
本実施形態の電子機器10は、発生器40Aに電力を供給する電源43からの出力をオンオフさせる電源スイッチ48を備える(図2参照)。電源スイッチ48は、海水を介して第1出力端子47Aと第2出力端子47Bとが電気的に接続されると、電源43から直流電圧を供給させるように構成されている。そのため、電子機器10は、大気中では自動的にオフになり、海水中SWでは自動的にオンになる。
したがって、本実施形態の電子機器10は、大気中で使用者が感電することがない。また、本実施形態の電子機器10は、使用環境中で自動的に動作が開始される。
(第3の効果)
本実施形態の電子機器10は、基本的な構成である回路基板40以外に、開口22が形成されているハウジング20と、開閉部32を有し、ハウジング20に固定されているフック30とを備える(図1及び図4参照)。
そして、電子機器10は、この構成を利用して、電子機器10を釣り糸FLに取り付けることができる(図4参照)。
したがって、本実施形態の電子機器10は、人間が釣り竿FRを使って釣りを行う際に釣った魚TNにサメSKが食い付く可能性を低減することができる。
(第4の効果)
前述の利用方法の第2の例のとおり(図5参照)、本実施形態の電子機器10は、出力部47が有する第1出力端子47Aに電線50A、第2出力端子47Bに電線50Bを取り付けて利用することができる。そして、第2の例のように、釣り人が例えば腰の付近にフック30を引っ掛けてハウジング20を保持しつつ、電線50Aを右脚、電線50Bを左脚にバンド60を使って固定して海水中SWを歩く場合、釣り人の両脚の近傍(海底の近傍)に交流電界が形成される。そのため、エイRYは、検出する交流波形によってはそれが魚による電界ではないと判断して離れていく。また、エイRYは、コイル52A及びコイル52Bから発生する交流磁界(図3G参照)を検出することで、それまで検出していた地球による磁界に当該交流磁界が重ね合わされた磁界を検出した結果、地球から受ける磁界の妥当性の判断に混乱を生じる。
したがって、本実施形態の電子機器10によれば、釣り人(人間)が海水中SWを歩く際に海底にいるエイRYを踏む可能性を低減することができる。
(第5の効果)
前述のとおり、本実施形態の電子機器10は、例えば、図3Bに示される波形パターンのように、周期T1の第1サイン波と、周期T1よりも短い周期T2の第2サイン波とが交互に出力される波形パターン(異なる2つ以上の周期Tの合成波の波形パターン)を出力部47から出力して海水中に交流電界を形成してもよい。
ここで、サメSK、エイRY等のロレンチーニ器官を有する魚類は、それらの獲物となる魚が呼吸等の動作に伴い体を振動させることで形成される電界に反応すると言われている。
そこで、図3Bに示される波形パターンを出力する場合は、例えば、図3Aに示される単一のサイン波の波形パターンを出力する場合に比べて、サメSK、エイRY等に不自然な電界及び/又は磁界が形成されていると判断される可能性が高い。また、発明者による実際の試験研究によれば、その傾向が観察されている。 したがって、本実施形態の電子機器10は、異なる2つ以上の周期Tの合成波の波形パターンを出力することで、単一の周期の交流波(一例としてサイン波)を出力する場合に比べて、近づいてきたサメSKやエイRY(ロレンチーニ器官を有する魚類)を追い払うことができる(図4及び図5参照)。
(第6の効果)
前述のとおり、本実施形態の電子機器10は、例えば、図3Cに示される波形パターンのように、振幅AP1の第1サイン波と、振幅AP1よりも小さい振幅AP2の第2サイン波とが交互に出力される波形パターン(異なる2つ以上の振幅APの合成波の波形パターン)を出力部47から出力して海水中に交流電界を形成してもよい。
図3Cに示される波形パターンを出力する場合は、例えば、図3Aに示される単一のサイン波の波形パターンを出力する場合に比べて、サメSK、エイRY等に不自然な電界及び/又は磁界が形成されていると判断される可能性が高い。また、発明者による実際の試験研究によれば、その傾向が観察されている。
したがって、本実施形態の電子機器10は、異なる2つ以上の振幅APの合成波の波形パターンを出力することで、単一の周期の交流波(一例としてサイン波)を出力する場合に比べて、近づいてきたサメSKやエイRY(ロレンチーニ器官を有する魚類)を追い払うことができる(図4及び図5参照)。
(第7の効果)
前述のとおり、本実施形態の電子機器10は、例えば、図3Fに示される波形パターンのように、周期T1のサイン波と、周期T1の三角波とが交互に出力される波形パターン(異なる2つ以上の波形の合成波の波形パターン)を出力部47から出力して海水中に交流電界を形成してもよい。
図3Fに示される波形パターンを出力する場合は、例えば、図3Aに示される単一のサイン波の波形パターンを出力する場合に比べて、サメSK、エイRY等に不自然な電界及び/又は磁界が形成されていると判断される可能性が高い。また、発明者による実際の試験研究によれば、その傾向が観察されている。
したがって、本実施形態の電子機器10は、異なる2つ以上の波形の合成波の波形パターンを出力することで、単一の周期の交流波(一例としてサイン波)を出力する場合に比べて、近づいてきたサメSKやエイRY(ロレンチーニ器官を有する魚類)を追い払うことができる(図4及び図5参照)。
(第8の効果)
また、前述のとおり、本実施形態の電子機器10は、選択スイッチ46を備える(図2参照)。そのため、電子機器10の利用者は、選択スイッチ46により、記憶部45が記憶している波形の異なる複数種の交流波の交流電圧の波形パターンからいずれかの波形パターンを選択して出力部47から選択した波形パターンを出力させることができる。
近づいてきたサメSKやエイRYは、ロレンチーニ器官以外に視覚、嗅覚等によって海水中の状況を総合的に判断すると言われている。そのため、同じ波形パターンを出力し続けると、サメSKやエイRYはロレンチーニ器官で検出する当該波形パターンに慣れてしまうと考えられる(発明者による試験研究によればその傾向が見受けられる)。
したがって、利用者が本実施形態の電子機器10を用いて波形パターンを切り替えることで、サメSKやエイRY(ロレンチーニ器官を有する魚類)を長期的に追い払うことができる。
以上が本実施形態の電子機器10の効果についての説明である。また、以上が本実施形態の電子機器10についての説明である。
≪磁界バリア形成装置≫
次に、本実施形態の磁界バリア形成装置100(図6参照)について、構成及び機能、並びに、使用方法及び効果について図面を参照しながら説明する。本実施形態の磁界バリア形成装置100は、本実施形態の電子機器10を応用したものである。
<構成及び機能>
図6は、本実施形態の電子機器10を応用した磁界バリア形成装置100の概略図である。図7は、磁界バリア形成装置100を魚類養殖用網FNに使用した場合の使用例を説明するための図である。さらに、図8は、磁界バリア形成装置100を魚類養殖用網FNに使用した場合の他の使用例を説明するための図である。
本実施形態の磁界バリア形成装置100は、図6に示されるように、ハウジング110と、電子機器群120と、群制御部130とを備えている。そして、磁界バリア形成装置100は、海水中に電線50A、50Bの各他端50A2、50B2を定められた間隔で配置させて電界及び磁界のバリアを形成する機能を有する(図7及び図8参照)。
(ハウジング)
本実施形態のハウジング110は、その内部に、後述する、一体的に構成された複数の発生器40Aと、群制御部130とを収容している。
(電子機器群)
本実施形態の電子機器群120は、前述の電子機器10の一部(以下、基本ユニットという。)の集合体である。すなわち、電子機器群120は、複数の基本ユニットで構成されている。各基本ユニットとは、前述の発生器40Aと、発生器40Aに接続されている一対の電線50A、50Bとを含む。本実施形態では、複数の発生器40Aは、便宜上、一体的に構成されている。また、複数の電線50A、50Bの各コイル52A、52B及び各他端50A2、50B2は、海水中に定められた間隔で配置されている(図6、図7及び図8参照)。
(群制御部)
本実施形態の群制御部130は、電子機器群120を構成する各発生器40Aから出力される交流電圧の波形を制御する機能を有する。
具体的な制御方法の例は、以下のとおりである。

・制御方法の第1の例
群制御部130は、図3A~図3Fの波形パターンのうちのいずれか1つの波形パターン、すなわち、各記憶部45に記憶されている複数の波形パターンのうちのいずれか1つの波形パターンを各基本ユニットに出力させる。この場合、各基本ユニットが出力する波形パターンは、それぞれ位相が異なる。群制御部130は、例えば、海水中における、各基本ユニットの各他端50A2、50B2の並び順で大きくするように制御する。

・制御方法の第2の例
例えば、群制御部130は、各基本ユニットに、各記憶部45に記憶されている複数の波形パターンのうち互いに異なる波形パターンを出力させる。

・制御方法の第3の例
群制御部130は、各基本ユニットに、各記憶部45に記憶されている複数の波形パターンのうちの2種類の波形パターンを出力させる。この場合、群制御部130は、すべての基本ユニットのうちの一の基本ユニットに例えば図3Dの波形パターンを出力させつつ残りのすべての基本ユニットに例えば図3Aの波形パターンを出力させる。そして、群制御部130は、例えば、各基本ユニットの各他端50A2、50B2の並び順で、図3Dの波形パターンを出力する基本ユニットを変更させる。

・制御方法の第4の例
群制御部130は、各基本ユニットに、各記憶部45に記憶されている複数の波形パターンのうちの2種類の波形パターンを出力させる。この場合、群制御部130は、すべての基本ユニットのうちの一の基本ユニットに例えば図3Fの波形パターンを出力させつつ残りのすべての基本ユニットに例えば図3Dの波形パターンを出力させる。そして、群制御部130は、例えば、ランダムに、図3Fの波形パターンを出力する基本ユニットを変更させる。

・制御方法の第5の例
群制御部130は、各基本ユニットに、各記憶部45に記憶されている複数の波形パターンのうちの複数の波形パターンを出力させる。この場合、群制御部130は、すべての基本ユニットのうち少なくとも1つの基本ユニットが出力する波形パターンを定められたタイミングで変更させる。定められたタイミングは、一定の期間でもよいし、10s、40s、2s、50s、・・・というようにランダムに変更させたタイミングとしてもよい。

以上のとおり、本実施形態の群制御部130は、各発生器40Aが出力する各交流電圧の波形のうち少なくとも1つの波形及び少なくとも1つの位相を他の波形又は位相と異なる波形又は位相に制御する。
以上が、本実施形態の磁界バリア形成装置100の構成及び機能についての説明である。
<使用方法及び効果>
次に、本実施形態の磁界バリア形成装置100の使用方法及び効果について、図6~図8を参照しながら説明する。
(使用方法の第1の例及びその効果)
本実施形態の磁界バリア形成装置100の使用方法の第1の例及びその効果については、図6を参照しながら説明する。
例えば、海水浴場(図示省略)として利用される海岸付近の海水中に、砂浜側と遠洋側とを仕切るように、磁界バリア形成装置100を配置する。具体的には、各電子機器10が備える一対の電線50の両他端50A2、50B2は海水中で上下方向に重ねられて配置され、複数の一対の電線50の両他端50A2、50B2は、上下方向に交差する方向に並べられて配置される。
そして、磁界バリア形成装置100の各基本ユニットが群制御部130に制御されて交流電圧を出力すると、海水中SWには(一例として、振幅APが100V未満で周期Tが0.2s以上10.0s以下の)交流電圧の電界バリアが形成される。また、海水中SWには、各電線50A及び50Bにはそれぞれコイル52A又はコイル52Bが形成されているため、各コイル52A及びコイル52Bの周りに右ネジの法則に従い交流電流Iに同期した交流磁界(地球により発生する磁界とは異なる磁界)の磁界バリアが形成される。サメSKは、例えば、電界バリア付近にいる魚TNをめがけて近づいたとしても、検出する交流波形が魚TNによる電界ではないと判断して魚TNから離れていく。また、サメSKは、各コイル52A、52Bから発生する交流磁界を検出することで、それまで検出していた地球による磁界に当該交流磁界が重ね合わされた磁界を検出した結果、進むべき方向の妥当性の判断に混乱を生じると考えられる。以上の結果、磁界バリア形成装置100により形成される電界バリア及び磁界バリアによりサメSKが追い払われる。
(使用方法の第2の例及びその効果)
本実施形態の磁界バリア形成装置100の使用方法の第2の例及びその効果については、図7を参照しながら説明する。
例えば、円筒状の魚類養殖用網FNの周面を全周に亘って囲むように、複数の電線50A、50Bの各コイル52A、52B及び各他端50A2、50B2を配置する。具体的には、各コイル52A及び各他端50A2のそれぞれは魚類養殖用網FNの周面の上端付近に全周に亘って定められた間隔で並べられて配置され、各コイル52B及び各他端50B2のそれぞれは魚類養殖用網FNの周面の下端付近に全周に亘って定められた間隔で並べられて配置される。
そして、磁界バリア形成装置100の各基本ユニットが群制御部130に制御されて交流電圧を出力すると、魚類養殖用網FNの周面には(一例として、振幅APが100V未満で周期Tが0.2s以上10.0s以下の)交流電圧の電界バリアが形成される。また、各コイル52A、52Bはそれぞれ各他端50A2、50B2の付近に配置されているため、魚類養殖用網FNの周面には、各コイル52A、52Bの周りに右ネジの法則に従い交流電流Iに同期した交流磁界の磁界バリアが形成される。サメSKやエイRYは、例えば、電界バリア付近にいる魚TNをめがけて近づいたとしても、検出する交流波形が魚TNによる電界ではないと判断して魚TNから離れていく。また、サメSKやエイRYは、各コイル52A、52Bから発生する交流磁界を検出することで、それまで検出していた地球による磁界に当該交流磁界が重ね合わされた磁界を検出した結果、進むべき方向の妥当性の判断に混乱を生じると考えられる。以上の結果、磁界バリア形成装置100により形成される電界バリア及び磁界バリアによりサメSKやエイRYが追い払われる。
(使用方法の第3の例及びその効果)
本実施形態の磁界バリア形成装置100の使用方法の第3の例及びその効果については、図8を参照しながら説明する。
例えば、円筒状の魚類養殖用網FNの底面(円)の中央に、各基本ユニットの複数の電線50Aのすべてのコイル52A及びすべての他端50A2を配置しつつ、当該底面の全周縁に沿って定められた間隔で複数の電線50Bのすべてのコイル52B及びすべての他端50B2を配置する。別の見方をすると、各電子機器10が備える一対の電線50のすべてのコイル52A及び他端50A2は海水中における一点に集まるように配置されかつすべてのコイル52B及びすべての他方の他端50B2は前記一点の外側で円周を形成するように互いに離れて配置される。
そして、磁界バリア形成装置100の各基本ユニットが群制御部130に制御されて交流電圧を出力すると、魚類養殖用網FNの底面には(一例として、振幅APが100V未満で周期Tが0.2s以上10.0s以下の)交流電圧の電界バリアが形成される。また、各コイル52A、52Bはそれぞれ各他端50A2、50B2の付近に配置されているため、魚類養殖用網FNの底面には、各コイル52A、52Bの周りに右ネジの法則に従い交流電流Iに同期した交流磁界の磁界バリアが形成される。サメSKやエイRYは、例えば、電界バリア付近にいる魚TNをめがけて近づいたとしても、検出する交流波形が魚TNによる電界ではないと判断して魚TNから離れていく。また、サメSKやエイRYは、各コイル52A、52Bから発生する交流磁界を検出することで、それまで検出していた地球による磁界に当該交流磁界が重ね合わされた磁界を検出した結果、進むべき方向の妥当性の判断に混乱を生じると考えられる。以上の結果、磁界バリア形成装置100により形成される電界バリア及び磁界バリアによりサメSKやエイRYが追い払われる。
(補足)
なお、群制御部130は、電子機器群120による出力のパターンを、前述の制御方法の第1~第5の例のようにすることができる点で、サメSKやエイRYを長期的に追い払うことや複数種のサメSKやエイRYを追い払うことができる。
以上が、本実施形態の磁界バリア形成装置100の使用方法及び効果についての説明である。
≪複数の変形例≫
以上のとおり、本発明について前述の実施形態を例示して説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されない点に留意されたい。例えば、本発明には、後述する、複数の変形例も含まれる。
例えば、本実施形態の電子機器10の説明では、記憶部45が記憶している交流電圧の波形パターンからいずれかの波形パターンを選択する選択スイッチ46がプリント配線板41に実装されているとした(図2参照)。しかしながら、図9に示されるように、選択スイッチ46は、外部の無線端末RDから送信される無線による選択信号SNを受信して複数の波形パターンからいずれかのパターンを選択できるようにしてもよい。この変形例によれば、海上にいる使用者が遠方から電子機器10の出力を変更することができる。この変形例は、さらに、磁界バリア形成装置100に適用してもよい。
また、例えば、選択スイッチ46は、電源スイッチ48の電流検出センサーが検出する電流の大きさに応じて、記憶部45が記憶している複数の波形パターンからいずれかのパターンを自動的に選択するようにしてもよい。ここで、検出される電流の大きさは、海水の温度に起因する。そして、海水の温度により海水中に存在する魚の種類が異なる。そのため、検出する電流から、海水の温度を推測し、更に海水の温度から存在する魚の種類を推測して、当該魚により形成される電界の波形とは異なる波形の交流電界を形成するように出力電圧を制御すれば、より効果的にサメSH等を追い払うことができる。この場合において、電流と、海水の温度と、存在する魚の種類と、当該魚により形成される電界の波形との関係は、予め記憶部45に記憶されていることで、この変形例の制御は実現記できる。
また、電子機器10の使用方法の第2の例では、電子機器10を使用する者は、下半身を海水中SWに沈めて海釣りを行う者(釣り人(図示省略))であるとした(図5参照)。しかしながら、電子機器10を使用する者は、例えば、サーファーや何らかの理由により海水SWに浸かる者等であってもよい。
また、例えば、前述の磁界バリア形成装置100の説明では、第2の例(図7参照)と第3の例(図8参照)とを別々に説明したが、電界バリア装置100の変形例としてはこれらを組み合わせた装置としてもよい。
また、例えば、前述の磁界バリア形成装置100の説明では、例えば魚類養殖用網FNの周面を全周に亘って囲むように、複数の電線50A、50Bの各他端50A2、50B2を配置するとした。しかしながら、複数の電線50A、50Bを魚類養殖用網FNの一部としてもよい。
また、例えば、前述の電子機器10では、電線50A及び/又は電線50Bに形成されているコイル52A又はコイル52B、すなわち、1本の電線に1個のコイルであるかのように説明した。しかしながら、電子機器10が動作を開始して、第1出力端子47Aと第2出力端子47Bの間に電流を流すことができれば、各電線50A、50Bに形成されているコイルは2個以上であってもよい。ここで、図10Aに示される変形例の電子機器10Aは、電線50Aに2個のコイル52Aが形成されている例を示している。この変形例によれば、電線50Aが海水中SWで撓むことに伴い、各コイル52Aにより形成される2つ磁界がそれぞれ異なる軸方向に沿って形成され得る。そのため、サメSK、エイRY等のロレンチーニ器官を有する魚類は、互いに異なる軸方向に沿って形成される2つの磁界により、更に進むべき方向の妥当性の判断に混乱を生じさせる。
また、図10Aの変形例では、電線50Aにそれぞれ同じ形状の2個のコイル52Aが形成されているとした。しかしながら、2個又は3個以上のコイルの形状、巻き数、半径(又は直径)、巻きピッチ等はそれぞれ異なるようにしてもよい。すなわち、1本の電線50A、50Bに複数のコイルを形成する場合に、コイル同士のインダクタンスが異なるようにしてもよい。これにより、各コイルにより形成される磁界の強度等が異なることになるため、サメSK、エイRY等のロレンチーニ器官を有する魚類は、互いに異なる軸方向に沿って形成される2つの磁界により、更に進むべき方向の妥当性の判断に混乱を生じさせる。
また、図10Aの変形例では、電線50Aにそれぞれ同じ形状の2個のコイル52Aが形成されているとした。そして、2個のコイル52Aは、海水SWからの影響で常時移動し得るため、それぞれが発生する磁界の軸方向が常時変化し得る。
ここで、図10Bに示される電子機器10Bのように、電線50Aにおける2個のコイル52Aの間の部分に、電線50Aを屈曲させたままの状態を保持する保持体54を取り付けてもよい。また、保持体54の機能、すなわち、電線50Aを屈曲させる機能を電線50Aにおける2個のコイル52Aの間の部分を塑性変形させることで電線50A自体に持たせてもよい。この変形例によれば、海水SWの影響によらず、2個のコイル52Aの軸方向が一致し難い。
10 電子機器
10A 電子機器
10B 電子機器
20 ハウジング
22 開口
30 フック
32 開閉部
40 回路基板
40A 発生器
41 プリント配線板
42 変換部
43 電源
44 制御部
45 記憶部
46 選択スイッチ
47 出力部
47A 第1出力端子
47B 第2出力端子
48 電源スイッチ
50 一対の電線
50A 電線
50A1 一端
50A2 他端
50B 電線
50B1 一端
50B2 他端
52A コイル(ソレノイド)
52B コイル(ソレノイド)
54 保持体
60 バンド
60A バンド
60B バンド
100 電界バリア形成装置
110 ハウジング
120 電子機器群
130 群制御部
AP 振幅
AP1 振幅
AP2 振幅
FL 釣り糸
FR 釣り竿
RY エイ
RD 無線端末
SK サメ
SN 選択信号
T 周期
T1 周期
T2 周期
TN 魚

Claims (2)

  1. ロレンチーニ器官を有する魚類を追い返すための電子機器において、
    電源並びに第1出力端子及び第2出力端子を含む出力部を有し、前記電源から供給される直流電圧を交流電圧に変換して前記出力部から出力する発生器と、
    その一端が前記第1出力端子及び前記第2出力端子の一方に接続され、海水中で弾性変形可能な電線と、
    前記発生器及び前記電線とともに電気回路を構成して前記電源からの出力をオンオフさせる電源スイッチであって、海水を介して前記第1出力端子と前記第2出力端子とが電気的に接続されると前記電源から直流電圧を供給させる電源スイッチと、
    内部に、前記電線の一部、前記発生器及び前記電源スイッチを収容しつつ前記電線を貫通させているハウジングであって、釣り糸を通して貫通させるフックが固定されているハウジングと、
    を備え、
    前記電源スイッチが前記電源から直流電圧を供給させると、前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に交流磁界を形成させる、
    電子機器。
  2. 前記電源スイッチが前記電源から直流電圧を供給させると、前記第1出力端子と前記第2出力端子との間に交流電界を形成させる、
    請求項1に記載の電子機器。
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