JP7388406B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11-197312号公報
しかし、従来の遊技機においては、遊技が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は興趣向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が前記内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有した可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に所定の入球が発生した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段と、を備えた遊技機であって、
前記可変入球手段は、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能に構成され、
本遊技機は、
前記特定領域を通過した遊技球が入球可能な第1契機入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球可能な第2契機入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球が前記第2契機入球手段へ流下可能であり、前記第1契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球が前記第1契機入球手段へ流下可能であり、前記第2契機入球手段へ流下不能な第2ルートと、
遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段と、を備え、
少なくとも遊技者に有利な有利状態と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態とに状態を変化させることで、前記特別入球手段へ流下可能な所定ルートへ流下した遊技球に対する価値を変化させ得る可変手段によって、前記可変入球手段の内部領域に入球した遊技球に対する価値を変化させ得るよう構成され、
前記可変手段は、前記第1契機入球手段又は前記第2契機入球手段への遊技球の入球に基づき実行される所定の抽選処理において所定の抽選結果が得られた場合に、所定の切替条件が成立することに基づいて前記有利状態を実行可能に構成され、
本遊技機において、
前記特定領域は、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられ、
前記特定領域へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路が1箇所にのみ設けられ、
前記特定領域において、所定方向への遊技球の通過を許容する一方で、前記所定方向とは逆方向への遊技球の通過を規制する規制手段が設けられ、
前記第1契機入球手段及び前記第2契機入球手段へ入球した遊技球が、その後前記特別入球手段へ流下不能に構成され、
本遊技機は、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、一の遊技価値の前記特別遊技状態の付与を確定する付与確定手段を備え、
前記可変手段によって前記有利状態に制御されて前記特別入球手段に遊技球が入球して前記特別遊技状態が付与される場合は、前記可変手段によって前記非有利状態に制御されている場合よりも、遊技者にとって最も有利な所定の種別の前記特別遊技状態の付与が確定されやすい構成となっており、
前記球通路を通過しない遊技球が前記特定領域を通過不能に構成され、
前記特定領域を通過した遊技球が前記第2契機入球手段に入球した場合に、当該入球した遊技球の次の次の遊技球以降に前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可変手段が作用して流下した遊技球に対する価値を変化させ得る構成となっており、
所定の遊技状態において、前記特定領域を通過した遊技球が前記第1ルートを流下して前記第2契機入球手段へ入球した場合の方が、前記特定領域を通過した遊技球が前記第2ルートを流下して前記第1契機入球手段へ入球した場合よりも、前記可変手段が前記有利状態を実行可能な遊技者に有利な特定の制御状態になりやすいよう構成されていることをその要旨としている。
本発明の遊技機によれば興趣向上を図ることができる。
一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠および遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャートである。 変動時間判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 入球カウント処理を示すフローチャートである。 特別入賞処理を示すフローチャートである。 非特別入賞処理を示すフローチャートである。 スペシャルゲート通過処理を示すフローチャートである。 種別入球処理を示すフローチャートである。 V入賞大当たり設定処理を示すフローチャートである。 第1表示制御処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 判別情報設定処理を示すフローチャートである。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 終了設定処理を示すフローチャートである。 羽根部材開閉処理を示すフローチャートである。 第2表示制御処理を示すフローチャートである。 始動入賞部制御処理を示すフローチャートである。 第3表示制御処理を示すフローチャートである。 バイパス機構制御処理を示すフローチャートである。 残存球監視処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 保留情報格納処理を示すフローチャートである。 中央入賞ユニットの正面図である。 (a)~(c)は、ルート振分け部材の動作を説明するための説明図である。 ルート振分け部材を示す分解斜視図である。 回転体ユニットを示す分解斜視図である。 (a)は、可動役物が収容状態にある回転体ユニットを示す正面図であり、(b)は、可動役物が突出状態にある回転体ユニットを示す正面図である。 (a)は、収容状態にある可動役物及びその関連構成を示す部分断面模式図であり、(b)は、突出状態にある可動役物及びその関連構成を示す部分断面模式図である。 別の実施形態に係るルート振分け部材等を説明するための正面図である。 別の実施形態に係るルート振分けエリア等を説明するための部分断面正面図である。 始動入賞前処理を示すフローチャートである。 第4表示制御処理を示すフローチャートである。 一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠及び遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 可変表示装置ユニットの正面図である。 可変表示装置ユニットの斜視図である。 演出役物ユニットが登場した状態の可変表示装置ユニットの正面図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 大当たり判定処理を示すフローチャートである。 リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 遊技状態チェック処理を示すフローチャートである。 抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタ及び遊技状態判定値の対応関係を示す説明図である。 第1表示制御処理を示すフローチャートである。 変動終了時設定処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 第2表示制御処理を示すフローチャートである。 開閉役物制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置のコマンド判定処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 保留表示設定処理を示すフローチャートである。 大当たり種別を説明するための図である。 第1大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。 第2大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。 (a)は、確変大当たり時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図であり、(b)は、完全外れ時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図である。 通常状態の確変大当たり時・変動パターンテーブルの構成を示す図である。 開閉パターン制御テーブルの構成を示す図である。 通常状態における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。 大当たり発生時における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。 チャンスモード中における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。 ゴールドモード中における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。 ルーレット演出中における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。 保留表示変更処理が行われた場合における装飾図柄表示装置の表示態様の一例を示す模式図である。 役物演出設定処理の一部を示すフローチャートである。 役物演出設定処理の一部であって、図98の続きを示すフローチャートである。 (a)は、「終了」時・役物演出パターン決定テーブルの構成を示す図であり、(b)は、「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブルの構成を示す図である。 縮径状態にある上回転体等を示す正面図である。 縮径状態にある上回転体の一部等を示す背面図である。 拡径状態にある上回転体等を示す正面図である。 拡径状態にある上回転体の一部等を示す背面図である。 図101のK-K線断面図である。 下可動役物の一部(左右両下回転体等)を示す正面図である。 下可動役物の一部(左右両下回転体等)を示す側面図である。 上回転体を用いた演出の一態様例を示す模式図である。 第1発展演出パターンに係る上回転体及び左右の下回転体の停止状態(拡大表示なし停止状態)の一態様例を示す模式図である。 第2発展演出パターンに係る上回転体及び左右の下回転体の停止状態(弱・SMALL拡大停止状態)の一態様例を示す模式図である。 第3発展演出パターンに係る上回転体及び左右の下回転体の停止状態(強・SMALL拡大停止状態)の一態様例を示す模式図である。 第4発展演出パターンに係る上回転体及び左右の下回転体の停止状態(弱・BIG拡大停止状態)の一態様例を示す模式図である。 第5発展演出パターンに係る上回転体及び左右の下回転体の停止状態(強・BIG拡大停止状態)の一態様例を示す模式図である。 別の実施形態に係る回転体を示す模式図である。 パチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠を開放した状態を示す斜視図である。 内枠及び遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 (a)は第1当否判定処理を示すフローチャートであり、(b)は第2当否判定処理を示すフローチャートであり、(c)は時短当否判定処理を示すフローチャートである。 種別判定処理を示すフローチャートである。 リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 発射許可コマンド設定処理を示すフローチャートである。 第1特別表示制御処理を示すフローチャートである。 第1変動表示設定処理を示すフローチャートである。 特図1判別情報設定処理を示すフローチャートである。 第2特別表示制御処理を示すフローチャートである。 第2変動表示設定処理を示すフローチャートである。 特図2判別情報設定処理を示すフローチャートである。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 特定入賞処理を示すフローチャートである。 終了設定処理を示すフローチャートである。 残存球監視処理を示すフローチャートである。 普通表示制御処理を示すフローチャートである。 普図変動設定処理を示すフローチャートである。 普図判別情報設定処理を示すフローチャートである。 始動入賞部制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定等に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 保留情報格納処理を示すフローチャートである。 保留処理を示すフローチャートである。 当たり表示処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 変動停止処理を示すフローチャートである。 演出表示装置の一表示態様例を示す図である。 演出表示装置の一表示態様例を示す図である。 演出表示装置の一表示態様例を示す図である。 演出表示装置の一表示態様例を示す図である。 演出表示装置の一表示態様例を示す図である。 演出表示装置の一表示態様例を示す図である。 (a),(b)は、第1特別図柄表示装置、第2特別図柄表示装置、及び、演出表示装置における変動表示等の流れを説明するためのタイムチャートである。 一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠及び遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 可変表示装置ユニットの正面図である。 演出役物ユニットが登場した状態の可変表示装置ユニットの正面図である。 (a)は、待機状態にある可動役物及び上下駆動機構を示す図であり、(b)は、作動状態にある可動役物及び上下駆動機構を示す図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 大当たり判定処理を示すフローチャートである。 リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 遊技状態チェック処理を示すフローチャートである。 抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタ及び遊技状態判定値の対応関係を示す説明図である。 第1表示制御処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 変動終了時設定処理を示すフローチャートである。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 第2表示制御処理を示すフローチャートである。 開閉役物制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置のコマンド判定処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 保留表示設定処理を示すフローチャートである。 当たり中表示設定処理を示すフローチャートである。 大当たり種別を説明するための図である。 第1大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。 第2大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。 (a)は、確変大当たり時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図であり、(b)は、完全外れ時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図である。 通常状態の確変大当たり時・変動パターンテーブルの構成を示す図である。 開閉パターン制御テーブルの構成を示す図である。 通常状態における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 大当たり発生時における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 チャンスモード中における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 ゴールドモード中における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 ルーレット演出中における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 保留表示変更処理が行われた場合における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 縮径状態にある回転体等を示す正面図である。 縮径状態にある回転体の一部等を示す背面図である。 拡径状態にある回転体等を示す正面図である。 拡径状態にある回転体の一部等を示す背面図である。 図215のK-K線断面図である。 回転体を用いた演出の一態様例を示す模式図である。 役物演出設定処理の一部を示すフローチャートである。 役物演出設定処理の一部であって、図221の続きを示すフローチャートである。 (a)は、「終了」時・役物演出パターン決定テーブルの構成を示す図であり、(b)は、「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブルの構成を示す図である。 役物出現設定処理を示すフローチャートである。 役物出現動作制御テーブルの構成を示す図である。 役物出現動作の動作態様等を説明するための動作工程図である。 別の実施形態に係る役物出現動作制御テーブルの構成を示す図である。 別の実施形態に係る役物出現動作の動作態様等を説明するための動作工程図である。 従来の役物出現動作制御テーブルの構成を示す図である。 一実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を示す斜視図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。 内枠及び遊技盤等の構成を示す正面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ機の主な電気的構成を示すブロック図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 大当たり判定処理を示すフローチャートである。 リーチ判定処理を示すフローチャートである。 スルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 遊技状態チェック処理を示すフローチャートである。 抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタ及び遊技状態判定値の対応関係を示す説明図である。 第1表示制御処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 変動終了時設定処理を示すフローチャートである。 可変入賞装置制御処理を示すフローチャートである。 第2表示制御処理を示すフローチャートである。 開閉役物制御処理を示すフローチャートである。 受信割込み処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 コマンド判定処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置の通常処理を示すフローチャートである。 装飾図柄の決定に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 カウンタの更新処理を示すフローチャートである。 サブ制御装置のコマンド判定処理を示すフローチャートである。 変動表示設定処理を示すフローチャートである。 保留表示設定処理を示すフローチャートである。 当たり中表示設定処理を示すフローチャートである。 大当たり種別を説明するための図である。 第1大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。 第2大当たり種別判定テーブルの構成を示す図である。 (a)は、確変大当たり時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図であり、(b)は、完全外れ時・変動パターンテーブルの格納構成を示す図である。 通常状態の確変大当たり時・変動パターンテーブルの構成を示す図である。 開閉パターン制御テーブルの構成を示す図である。 パチンコ機が設置された遊技ホールの電気的構成を示す概略構成図である。 ホールコンピュータを介して構成される1台のパチンコ機とこれに対応する遊技データ表示装置との電気的構成を示すブロック図である。 遊技データ表示装置の液晶表示部に表示される表示内容を説明するための模式図であって、(a)は通常表示モードにおける表示内容の一例を示す図であり、(b)はアクティブ表示モードにおける表示内容の一例を示す図であり、(c)は演出表示モードにおける表示内容の一例を示す図である。 大当たり信号1出力処理を示すフローチャートである。 大当たり信号2出力処理を示すフローチャートである。 (a)は、従来の大当たり信号1,2の出力状態の変化を説明するためのタイミングチャートであり、(b),(c)は、本実施形態の大当たり信号1,2の出力状態の変化を説明するためのタイミングチャートである。 演出表示装置(液晶表示部)に表示される装飾図柄を説明するための図である。 「通常モード」の「ノーマルステージ」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「通常モード」の「にぎやかステージ」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「通常モード」の「ややにぎやかステージ」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「通常モード」の「ゾーン突入ステージ」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「チャンスモード」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「ゴールドモード」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「ダークモード」における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 オープニング演出における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 ラウンド中における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 エンディング演出における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 デモ演出における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「ノーマルリーチ」演出における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「スーパーリーチ」演出における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 「スペシャルリーチ」演出における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。 ルーレット演出中における演出表示装置(液晶表示部)の表示態様の一例を示す模式図である。
〔第1実施形態〕
以下、遊技機としてのパチンコ機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図3等に示すように、パチンコ機10は、その外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。
加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1,2に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の左方には、演出ボタン125が設けられている。遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、後述する演出表示装置42等において所定の演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単に「ハンドル」という。)18が設けられている。ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)などが設けられている。
そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122が設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯・点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
また、図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。
次に、内枠12について図4等を参照して詳しく説明する。内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。
尚、本実施形態では、上記満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。一方、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、上記満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
また、発射装置60の上方には、球送り装置63が設けられている。球送り装置63は、ソレノイド等の駆動手段により、上皿19から案内される遊技球を1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する。
尚、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。
さらに、払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。
一方、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。そして、前面枠セット14の閉状態においては、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口部(球流入部)と払出通路67とが所定距離だけ離間した状態で隣接し、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。これにより、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技領域となる遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤30の構成について図4を参照して詳しく説明する。遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。レール50を球通路としてもよい。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が規制手段としての戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
また、内枠12に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。戻り球防止部材53が配置された領域を特定領域としてもよい。仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、遊技盤30には、一般入賞部31、可変入賞装置32、始動入球手段としての始動入賞部33(具体的には、第1始動入賞部33a及び第2始動入賞部33b)、スルーゲート34、可変入球手段としての中央入賞ユニット37等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から取付けられている。
さらに、遊技盤30には、一般入賞部31等の各種入球手段に対応して、該各種入球手段へ入球した遊技球を検知する入球検知スイッチ(入球検知手段)が設けられている。
具体的には、図4に示すように、一般入賞部31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32に対応する位置にはカウントスイッチ223が設けられ、第1始動入賞部33aに対応する位置には第1始動入賞スイッチ224aが設けられ、第2始動入賞部33bに対応する位置には第2始動入賞スイッチ224bが設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
周知の通り一般入賞部31、可変入賞装置32、始動入賞部33等の各種入賞手段に遊技球が入球(入賞)すると、各種検知スイッチにより検知され、上皿19又は下皿15へ所定数の賞球(遊技球)が払い出される。例えば始動入賞部33へ入球があった場合には3個、一般入賞部31へ入球があった場合には5個、可変入賞装置32へ入球があった場合には10個の賞球が払い出される。
その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞部31等の各種入賞手段に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、中央入賞ユニット37の構成について図4、及び、図40~図45等を参照して詳しく説明する。
中央入賞ユニット37は、遊技領域(遊技盤30)の略中央部に配設されている。中央入賞ユニット37は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な内部領域401を形成するハウジング(センターフレーム)400と、該ハウジング400の前面側開口部に取付けられた前面パネル402とを備えている。前面パネル402は透明部材により構成されており、該前面パネル402を介して内部領域401が視認可能となっている。
ハウジング400の上部には、遊技領域を流下する遊技球が内部領域401へ入球する入口部となる左右一対の入球開口部403が形成されている。また、中央入賞ユニット37には、入球開口部403を開閉するための左右一対の羽根部材404と、該羽根部材404を動作させるための羽根用ソレノイド405(図7参照)とが設けられている。「羽根部材404」が本実施形態における「開閉部材」を構成する。
各羽根部材404は、それぞれ対応する入球開口部403を閉鎖する閉位置と、開放する開位置との間を回動変位可能に設けられている。羽根部材404が閉位置に変位して、入球開口部403が閉鎖された場合には、中央入賞ユニット37が閉状態となり、遊技球が内部領域401へ進入不能(入球不能)となる。一方、羽根部材404が開位置へと変位して、入球開口部403が開放された場合には、中央入賞ユニット37が開状態となり、遊技球が内部領域401へ進入可能(入球可能)となる。
尚、詳しくは後述するが、羽根部材404は、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)へ入球があり、かつ、該入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に、所定時間だけ開状態となる。つまり、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)への入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合が本実施形態における所定の始動条件(開放契機)が成立した場合に相当する。また、本実施形態では、左右一対の羽根部材404は互いに同期して動作するように構成されており、一方が開位置となる場合には他方も開位置となり、一方が閉位置となる場合には他方も閉位置となる。
一方、内部領域401は、入球開口部403から入球した遊技球が最初に案内されるルート振分けエリア406と、その下方位置に設けられた当否抽選エリア407と、さらにその下方位置に設けられた種別抽選領域としての種別抽選エリア408と、当否抽選エリア407の右方位置に設けられた役物作動抽選エリア409とに分かれている。
まずルート振分けエリア406について図40~図42等を参照して詳しく説明する。ルート振分けエリア406には、入球開口部403から内部領域401内に入球した遊技球を一旦ハウジング400の上部後壁部400a裏側へと案内しつつ該ルート振分けエリア406の左右方向中央部へ案内する導入通路601と、該ルート振分けエリア406の左右方向中央部に開口した導入通路601の出口部601aから導出される遊技球を下方へ落下させる落下通路602と、該落下通路602の下部に設けられたルート振分け手段としてのルート振分け部材603と、該ルート振分け部材603の左方位置に設けられ、遊技球を上記当否抽選エリア407へ案内可能な通常案内通路604と、ルート振分け部材603の右方位置に設けられ、遊技球を上記役物作動抽選エリア409へ案内可能な特別案内通路(スペシャル通路)605とを備えている。
本実施形態では、上記通常案内通路604等により「第1ルート」が構成され、特別案内通路605等により「第2ルート」が構成される。
導入通路601の左右一対の入口部601bには、それぞれ入球開口部403から入球した遊技球の通過を検知する所定検知手段としての内部入球検知スイッチ437が設けられている。
本実施形態では、左側の入球開口部403に入球した遊技球は必ず左側の入口部601bを通過し、右側の入球開口部403に入球した遊技球は必ず右側の入口部601bを通過する構成となっており、内部領域401に入球した遊技球は左右いずれかの内部入球検知スイッチ437によって必ず検知されるようになっている。
また、本実施形態では、内部入球検知スイッチ437によって遊技球が検知された場合には所定個数(例えば10個)の賞球が払い出される。
図42に示すように、ルート振分け部材603は、前後方向に延びる軸孔611aを有した筒状の軸部611と、該軸部611から上方に向けて突出する中央片部613と、軸部611から左方に向けて突出する左片部614と、該軸部611から右方に向けて突出する右片部615とを備えている。
軸部611の軸孔611aには軸ピン610が挿通されている。軸ピン610は、落下通路602の背面側を画定する上部後壁部400aにその後端部が支持され、落下通路602の前面側を画定する前面パネル402(軸受孔402a)にその前端部が支持されている。これにより、ルート振分け部材603は、軸ピン610を中心として回動可能に軸支された状態となっている。
また、ルート振分け部材603の下方位置には、正面視略三角形状の突起部617が形成されている。そして、通常時には、図41(a)に示すように、ルート振分け部材603は、図示しない錘やコイルばね等の付勢手段(維持手段)により、中央片部613が左右方向中央位置(軸ピン610の位置)よりも右側に傾き、かつ、右片部615が水平方向よりも下方へ傾き、突起部617の右傾斜面に付勢された右傾斜状態で維持されている。
かかる右傾斜状態においては、中央片部613の先端部613aが落下通路602の右側壁部602aに当接又は近接した状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が右側の特別案内通路605へ流下不能な状態となると共に、左側の通常案内通路604へ流下可能な状態となる。
つまり、ルート振分け部材603が右傾斜状態にある通常時においては、ルート振分け部材603によって特別案内通路605が閉状態となる一方、通常案内通路604が開状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が、ルート振分け部材603の中央片部613の左側面及び左片部614の上面により構成される左側案内面に沿って、左側の通常案内通路604へ導かれることとなる。
これに伴い、ルート振分け部材603は、左片部614に接触する遊技球から受ける力によって、上記付勢手段の付勢力に抗して反時計回り方向に回動する〔図41(b)参照〕。
これにより、所定時間、ルート振分け部材603は、中央片部613が左右方向中央位置(軸ピン610の位置)よりも左側に傾き、かつ、左片部614が水平方向よりも下方へ傾き、突起部617の左傾斜面に付勢された左傾斜状態となる。
かかる左傾斜状態においては、中央片部613の先端部613aが落下通路602の左側壁部602bに当接又は近接した状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が左側の通常案内通路604へ流下不能な状態となると共に、右側の特別案内通路605へ流下可能な状態となる。
つまり、ルート振分け部材603が左傾斜状態にある所定時間の間は、ルート振分け部材603によって通常案内通路604が閉状態となる一方、特別案内通路605が開状態となる。これにより、このタイミングで落下通路602を落下してくる遊技球(例えば図41に示すように、通常案内通路604へ案内される第1の遊技球B1に連続して落下してきている第2の遊技球B2)があれば、該遊技球がルート振分け部材603の中央片部613の右側面及び右片部615の上面により構成される右側案内面に沿って、右側の特別案内通路605へ導かれることとなる。
一旦、左傾斜状態となったルート振分け部材603は、上記付勢手段の付勢力により(右側の特別案内通路605へ遊技球が案内された場合には、右片部615に接触する遊技球から受ける力も加わり)時計回り方向に回動し、通常時の右傾斜状態に戻る〔図41(c)参照〕。
本実施形態では、ルート振分け部材603が第1姿勢である右傾斜姿勢にある状態が第1状態に相当し、ルート振分け部材603が第2姿勢である左傾斜姿勢にある状態が第2状態に相当する。また、本実施形態では、前記第1状態や前記第2状態など、ルート振分け部材603が通常案内通路604等よりなる第1ルートや、特別案内通路605等よりなる第2ルートなどへ遊技球を流下可能な状態が特定状態を構成する。勿論、特定状態は、これらに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
次に役物作動抽選エリア409の構成について詳しく説明する。図40に示すように、役物作動抽選エリア409には、特別案内通路605によって導かれる遊技球が入球(通過)可能なスペシャルゲート650が設けられている。特別案内通路605及びスペシャルゲート650の通路幅は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅に設定されている。また、スペシャルゲート650を通過した遊技球は、図示しない排出通路を介して内部領域401外(遊技盤30背面側)へ排出される。「スペシャルゲート650」が本実施形態における「契機入球手段」を構成する。
スペシャルゲート650には、ここを通過する遊技球を検知するスペシャルゲートスイッチ651が設けられている。「スペシャルゲートスイッチ651」が本実施形態における「契機入球検知手段」を構成する。
このスペシャルゲートスイッチ651にて遊技球が検知された場合には、後述する可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われる。そして、作動アシスト抽選にて当選した場合には、可動役物722が所定時間だけ作動する。可動役物722の構成及び動作態様についての詳細は後述する。
尚、本実施形態では、スペシャルゲートスイッチ651によって遊技球が検知されても、賞球が払い出されない構成(賞球数0個)となっている。これに限らず、スペシャルゲートスイッチ651によって遊技球が検知された場合に、所定個数の賞球が払出される構成としてもよい。
次に当否抽選エリア407の構成について詳しく説明する。当否抽選エリア407には、当否振分け手段としての回転体ユニット410が設けられている。回転体ユニット410は、ルート振分けエリア406から通常案内通路604を介して導かれる遊技球の行き先を、種別抽選エリア408又は内部領域401外のいずれかに振分ける機能を有する。尚、通常案内通路604の通路幅は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅に設定されている。
図43,図44に示すように、回転体ユニット410は、ベース部となるユニットベース411と、該ユニットベース411に対し、その上面側を覆うように取付けられるユニットカバー412とを備えている。
ユニットベース411には、その上面側に突出形成された設置台413上に略円盤状の回転体414が取付けられると共に、該回転体414を回転駆動させるための回転体モータ415が取付けられている。一方、ユニットベース411の下面側には、回転体モータ415の駆動力を回転体414に伝達するための歯車機構(図示略)などが設けられている。
回転体414は、その上面部が前面側斜め上方を向くように、回転軸が鉛直方向に対し傾斜するように設置されている。回転体モータ415はステッピングモータにより構成され、主制御装置261から出力されるパルス信号により駆動制御される。かかる構成の下、回転体414は、常時一定方向(本実施形態では反時計回り方向)に一定周期で回転するよう構成されている。
回転体414には、その外周縁部3箇所に、それぞれ遊技球を1球ずつ受入れ可能なポケット部416が形成されている。該3個のポケット部416は、1つの特別ポケット部416aと、その他(2つ)の非特別ポケット部416bとに区別される。
非特別ポケット部416bは、回転体414の外周側及び上方に開口するとともに底壁部417を有している。かかる底壁部417の上面は回転体414の外周側に向けて下方傾斜している。
一方、特別ポケット部416aは回転体414の外周側、上方及び下方に開口しており、前記非特別ポケット部416bのような底壁部417は存在しない。加えて、特別ポケット部416aの周辺部は、その他の部位とは異なる着色の施された樹脂材料で構成されている。これにより、遊技者が特別ポケット部416aと非特別ポケット部416bと区別し易くなっている。
ユニットカバー412は、回転体414を囲むように配置される略円筒状の筒壁部431と、該筒壁部431の周囲から外周側に延出するように形成されたステージ部432とを備えている。
筒壁部431の上縁部は、ステージ部432の上面から上方に突出しており、その前側には、筒壁部431の内周側と外周側とを連通させるゲート部435が設けられている。
また、ステージ部432の上面は、遊技球が転動可能に構成されている。ステージ部432は、ゲート部435よりも後方に位置する部位が前方かつ筒壁部431側に向けて下方傾斜し、ゲート部435の前方に位置する部位が後方(ゲート部435側)に向けて下方傾斜している。
これにより、当否抽選エリア407の背面側を画定するハウジング400の中部後壁部400bに開口した通常案内通路604の出口部604aから導出され、ステージ部432の後側に案内された遊技球は、回転体414側への動きを筒壁部431によって規制されつつ、ステージ部432上を時計回り又は反時計回りに手前側へ転動し、ゲート部435の前方で複数回左右に揺動する等してから、該ゲート部435と、回転体414のポケット部416(特別ポケット部416a又は非特別ポケット部416b)との相対位置が合致したときに、該ポケット部416内に進入することとなる。
さらに、ユニットベース411には、回転体414の特別ポケット部416aに収容された遊技球を種別抽選エリア408へ案内するための第1V入賞通路427と、非特別ポケット部416bに収容された遊技球を内部領域401外へ排出するためのアウト通路428とが設けられている。
第1V入賞通路427は、回転体414の回転方向(反時計回り方向)に対しゲート部435よりもやや下流側、すなわちゲート部435の右方位置に形成されている。一方、アウト通路428は、第1V入賞通路427よりもさらに下流側、すなわち第1V入賞通路427の右奥方位置に形成されている。
また、第1V入賞通路427の入口側は、設置台413の上面に開口しており、その上方を回転体414のポケット部416が通過可能に構成されている。そして、ゲート部435を介して回転体414の特別ポケット部416aに入球した遊技球は、回転体414の回転に伴って、該特別ポケット部416aと第1V入賞通路427の入口部との位置が合致した際に、特別ポケット部416aから下方に落下して第1V入賞通路427へ入球する。尚、第1V入賞通路427に対応する位置においては、ステージ部432の裏面より下方に突出した筒壁部431により、回転体414の側面側からの遊技球の脱落が規制されている。
一方、ゲート部435を介して遊技球が回転体414の非特別ポケット部416bに入球した場合、回転体414の回転に伴って、該非特別ポケット部416bと第1V入賞通路427の入口部との位置が合致したとしても、非特別ポケット部416bに設けられた底壁部417によって、非特別ポケット部416bに収容されている遊技球が第1V入賞通路427に落下(入球)しないようになっている。
また、アウト通路428に対応する位置においては、筒壁部431の下縁部に切欠き部431aが形成されている。これにより、回転体414がさらに回転して、遊技球が収容された非特別ポケット部416bとアウト通路428との位置が合致すると、非特別ポケット部416bに収容されていた遊技球は、底壁部417の傾斜によって、回転体414の外周側へ移動し、筒壁部431の切欠き部431aを介してアウト通路428に落下(入球)することとなる。
尚、ハウジング400には、第1V入賞通路427の出口部に接続される接続通路429が形成されており、該接続通路429により第1V入賞通路427と種別抽選エリア408とが連通状態となる。
また、第1V入賞通路427には、ここを通過する遊技球を検知する特別入球検知手段としての第1特別入球検知スイッチ461が設けられている。そして、第1V入賞通路427に遊技球が入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知されることによって、大当たり状態(特別遊技状態)を発生させる権利が付与されることとなる。従って、「第1V入賞通路427」が本実施形態における「特別入球手段」を構成する。
第1V入賞通路427に遊技球が入球して発生する大当たりにおいては、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の8個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作を1回の特賞状態として、これが所定回数(所定ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態では、大当たり状態の種別として、上記特賞状態(ラウンド)が3回繰り返される「3ラウンド大当たり」と、上記特賞状態(ラウンド)が7回繰り返される「7ラウンド大当たり」と、上記特賞状態(ラウンド)が15回繰り返される「15ラウンド大当たり」とが設定されている。
但し、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461による入球検知が行われた場合に、即座に大当たり状態が開始されるのではなく、種別抽選エリア408で大当たり状態の種別が決定された後、大当たり状態が開始されるように構成されている。
上記のとおり、本実施形態では、回転体414の特別ポケット部416aに入球し、第1V入賞通路427を通過することで第1特別入球検知スイッチ461に検知された遊技球が、種別抽選エリア408に案内されることとなる。
一方、アウト通路428には、ここを通過し内部領域401外に排出される遊技球を検知する非特別入球検知スイッチ462が設けられている。
また、筒壁部431の上縁部のうち、第1V入賞通路427及びアウト通路428の入口部上方を含む周方向所定区間には、筒壁部431の内周側に向け延出するように形成された張出し部440が設けられている。
張出し部440は、その下方に位置する各ポケット部416の一部(回転体414の径方向半分程度の領域)を上方から覆うように構成されている。これにより、所定のポケット部416に入球した遊技球の上側に、さらに別の遊技球が乗り上げ、そのまま上下に重なった2つの遊技球が第1V入賞通路427或いはアウト通路428に対して連続で入球する、又は、何かしらの事情で遊技球が筒壁部431を飛び越えて、第1V入賞通路427及びアウト通路428と合致した位置にあるポケット部416に直接入球するといった事態を回避することができる。
また、図43~図45に示すように、回転体ユニット410の後部には、バイパス機構部721が設けられている。バイパス機構部721は、ステージ部432の最上流部に開口形成された開口収容部433に組付けられた可動体(可動部材)としての可動役物722と、該可動役物722を動作させる可動部材駆動手段としての可動役物用ソレノイド725とを備えている。可動役物用ソレノイド725は、可動体制御手段を構成する主制御装置261により駆動制御される。
可動役物722は、上下方向にスライド(昇降)変位可能に組付けられている。そして、可動役物用ソレノイド725が非励磁状態となっている通常時において、可動役物722は、ほぼ全体が開口収容部433内に収容され、その上面がステージ部432の上面と略連続した状態となっている〔図44(a)、図45(a)参照〕。かかる可動役物722の収容状態が本実施形態における非有利状態に相当する。
一方、可動役物用ソレノイド725が励磁され、バイパス機構部721が作動状態となると、可動役物722は上昇し、その一部がステージ部432の上面より上方へ突出した突出状態となる〔図44(b),図45(b)参照〕。かかる可動役物722の動作が本実施形態における所定動作に相当し、可動役物722の作動状態が本実施形態における有利状態に相当する。
可動役物722の上面には、その左右方向略中央部から左方に向けて緩やかに下方傾斜する左傾斜部727と、その左右方向略中央部から右方に向けて緩やかに下方傾斜する右傾斜部728とが形成されている。
そして、可動役物722のほぼ全体が開口収容部433内に収容された通常時においては、可動役物722の上方位置においてハウジング400の中部後壁部400bに開口した通常案内通路604の出口部604aから導出された遊技球が、可動役物722上面の左傾斜部727又は右傾斜部728によって、ステージ部432の左方又は右方へ案内されることとなる。
また、図45(a),(b)に示すように、可動役物722の内部には、第2V入賞通路730が設けられている。第2V入賞通路730の通路幅は、遊技球を1球ずつ通過可能な幅に設定されている。
そして、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態となると、該可動役物722が通常案内通路604の出口部604aの前方を塞ぎ、第2V入賞通路730の入口部730aと通常案内通路604の出口部604aとが相対向した状態となる〔図44(b),図45(b)参照〕。これにより、通常案内通路604から第2V入賞通路730へ遊技球が進入可能となり、両通路604,730は連通状態となる。
また、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態において、第2V入賞通路730の出口部730bは、ハウジング400の中部後壁部400b裏側に形成されたバイパス通路737の入口部737aと相対向した状態となる。これにより、第2V入賞通路730からバイパス通路737へ遊技球が進入可能となり、両通路730,737は連通状態となる。
つまり、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態となると、第2V入賞通路730を介して、通常案内通路604とバイパス通路737は、遊技球が通過可能な連通状態となる。
バイパス通路737の通路幅は、遊技球を1球ずつ通過可能な幅に設定されている。また、バイパス通路737の出口部737bは、15R入球口731の上方位置において、種別抽選エリア408の背面側を画定するハウジング400の下部後壁部400cに開口している。これにより、可動役物722がステージ部432より突出した突出状態においては、上記回転体ユニット410並びに後述する種別振分け機構部741を介することなく、通常案内通路604へ導かれる遊技球を直接、15R入球口731へ案内することができるようになる。つまり、可動役物722が作動することにより、回転体ユニット410並びに種別振分け機構部741による振分けを回避することができる。
バイパス通路737には、ここを通過する遊技球を検知する特別入球検知手段としての第2特別入球検知スイッチ738が設けられている。そして、バイパス通路737に遊技球が入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知されることによって、大当たり状態(特別遊技状態)を発生させる権利が付与されることとなる。
但し、詳しくは後述するが、本実施形態では、第2特別入球検知スイッチ738による入球検知が行われた場合に、即座に大当たり状態が開始されるのではなく、遊技球が15R入球口731に入球した後、大当たり状態が開始されるように構成されている。
また、第2V入賞通路730内に遊技球が残存している状態において、可動役物722が降下し収容状態に戻った場合には、該残存球は下部通路739を介してバイパス通路737へ案内され、上記第2特別入球検知スイッチ738に検知されるように構成されている。
尚、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461、又は、第2特別入球検知スイッチ738によって遊技球が検知された場合には、上皿19(又は下皿15)に対して10個の遊技球が払出される構成となっている。勿論、これらの入球検知スイッチに対応して払出される遊技球の個数は10個に限定されるものではなく、他の個数としてもよい。また、これらの入球検知スイッチによって遊技球が検知された場合に遊技球が払い出されない構成(賞球数0個)としてもよい。
以下、上記「第1V入賞通路427に遊技球が入球して発生する大当たり」及び「第2V入賞通路730を介してバイパス通路737に遊技球が入球して発生する大当たり」については、共通して「V入賞大当たり」と称する場合もある。
次に種別抽選エリア408について詳しく説明する。種別抽選エリア408には、遊技球が入球した場合に「15ラウンド」の大当たり状態(15ラウンド大当たり)が付与される15R入球口731と、遊技球が入球した場合に「7ラウンド」の大当たり状態(7ラウンド大当たり)が付与される7R入球口732と、遊技球が入球した場合に「3ラウンド」の大当たり状態(3ラウンド大当たり)が付与される3R入球口733とが設けられている。ここで、「15R入球口731」、「7R入球口732」及び「3R入球口733」が本実施形態における「種別対応入球手段」を構成する。
また、15R入球口731には、ここに入球した遊技球を検知する15R入球検知スイッチ734が設けられている。同様に、7R入球口732には、ここに入球した遊技球を検知する7R入球検知スイッチ735が設けられ、3R入球口733には、ここに入球した遊技球を検知する3R入球検知スイッチ736が設けられている。
種別抽選エリア408には、第1V入賞通路427及び接続通路429を介して種別抽選エリア408に導かれる遊技球の行き先を、15R入球口731、7R入球口732、又は、3R入球口733のいずれかに振分ける種別振分け手段(種別決定手段)としての種別振分け機構部741が設けられている。
種別振分け機構部741は、接続通路429の出口部429aから導出される遊技球が案内されるスタート台742と、該スタート台742を経由した遊技球が案内される第1渡し板744と、該第1渡し板744を通過した遊技球が案内される第2渡し板745と、該第2渡し板745を通過した遊技球が案内され、該遊技球を15R入球口731に案内する15R誘導通路746とを備えている。
スタート台742は、種別抽選エリア408の左上部に設置され、上面が右方に向けて下方傾斜している。
第1渡し板744は、スタート台742の右方かつ若干下方位置に設置され、その左端部が前後方向を軸線方向として回動可能に軸支されており、右端側が自由端となるように設けられている。
第1渡し板744の回動軸は、ハウジング400の下部後壁部400c裏側にて、モータ等からなる図示しない揺動機構部に連結されており、該揺動機構部が主制御装置261によって駆動制御されることにより、第1渡し板744が上下に揺動変位するように構成されている。
具体的に、第1渡し板744は、その上面が右方に向けて若干下方傾斜して、遊技球を第2渡し板745へ案内する先送り位置と、これよりも上面が大きく下方傾斜して、遊技球を3R入球口733へ案内する落下位置との間を変位可能に構成されている。
そして、スタート台742を経由して第1渡し板744に案内された遊技球が第1渡し板744の右端部まで転動した際に、該第1渡し板744が上記先送り位置にあれば、該遊技球は第2渡し板745に案内される。
一方、第1渡し板744に案内された遊技球が第1渡し板744の右端部まで転動した際に、該第1渡し板744が上記落下位置にあれば、該遊技球は3R入球口733に案内される。
つまり、第1渡し板744は、スタート台742を経由して案内される遊技球の行き先を3R入球口733、又は、第2渡し板745のどちらかに振分ける機能を有する。
第2渡し板745は、第1渡し板744の右方かつ若干下方位置に設置され、その左端部が前後方向を軸線方向として回動可能に軸支されており、右端側が自由端となるように設けられている。
第2渡し板745の回動軸は、ハウジング400の下部後壁部400c裏側にて、モータ等からなる図示しない揺動機構部に連結されており、該揺動機構部が主制御装置261によって駆動制御されることにより、第2渡し板745が上下に揺動変位するように構成されている。
具体的に、第2渡し板745は、その上面が右方に向けて若干下方傾斜して、15R誘導通路746へ遊技球を案内する先送り位置と、これよりも上面が大きく下方傾斜して、遊技球を7R入球口732へ案内する落下位置との間を変位可能に構成されている。
そして、第2渡し板745に案内された遊技球が第2渡し板745の右端部まで転動した際に、該第2渡し板745が上記先送り位置にあれば、該遊技球は15R誘導通路746に案内される。
一方、第2渡し板745に案内された遊技球が第2渡し板745の右端部まで転動した際に、該第2渡し板745が上記落下位置にあれば、該遊技球は7R入球口732に案内される。
つまり、第2渡し板745は、第1渡し板744を通過して案内される遊技球の行き先を7R入球口732、又は、15R誘導通路746のどちらかに振分ける機能を有する。
15R誘導通路746は、第2渡し板745の右方かつ若干下方位置に設置され、その上面が右方の15R入球口731に向けて下方傾斜している。
尚、本実施形態では、第1渡し板744と第2渡し板745とが異なる周期で揺動するように構成されている。例えば、第1渡し板744が第2渡し板745よりも若干早く揺動するように構成されている。
また、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461の入球検知が行われた後、15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、又は、3R入球検知スイッチ736のいずれかの入球検知が行われた場合に、対応する種別の大当たり状態が開始されるようになっている。また、第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われた後、15R入球検知スイッチ734の入球検知が行われた場合に、15ラウンド大当たりに対応する大当たり状態が開始されるようになっている。
ここから遊技盤30の説明に戻る。図4に示すように、第1始動入賞部33aは、中央入賞ユニット37の左下方及び右下方に設けられている。また、第2始動入賞部33bは、中央入賞ユニット37の直下方に設けられている。
さらに、第2始動入賞部33bは、その両側部に、開閉可能な一対の始動口開閉部材33cを備えている。本実施形態では、始動口開閉部材33cが閉状態となっている場合においては、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球不能となるように構成されている。
つまり、第1始動入賞部33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、第2始動入賞部33bは、遊技球がスルーゲート34を通過することに基づく入球アシスト抽選にて当選した場合に始動口開閉部材33cが開状態となり、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球可能となる。
これに限らず、始動口開閉部材33cが閉状態となっている場合において、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球困難な状態となり、入球アシスト抽選にて当選した場合に始動口開閉部材33cが開状態となり、遊技球が第2始動入賞部33bへ入球容易となるような構成としてもよい。
上述したように、第1始動入賞部33aには、ここに入球した遊技球を検知する第1始動入賞スイッチ224aが設けられている。同様に、第2始動入賞部33bには、ここに入球した遊技球を検知する第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。各始動入賞スイッチ224a,224bがそれぞれ本実施形態における「始動入球検知手段」を構成する。
そして、詳しくは後述するが、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bにて遊技球が検知された場合には、遊技者に有利な「当たり」となるか、「外れ」となるか否かの当否抽選が行われる。
当否抽選における「当たり」には、中央入賞ユニット37の羽根部材404が開放される「小当たり」と、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aが開放される「大当たり」とがある。
加えて、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bによる入球検知に基づいて当否抽選が行われた場合には、後述する特別表示装置43にて、該当否抽選の結果を教示するための変動表示及び停止表示が行われる。
尚、本実施形態では、第1始動入賞スイッチ224aによる入球検知が行われた場合と、第2始動入賞スイッチ224bによる入球検知が行われた場合とで、共通の当否抽選が行われると共に、共通の特別表示装置43において変動表示が行われるように構成されているが、第1始動入賞スイッチ224aによる検知に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第1特別表示装置と、第2始動入賞スイッチ224bによる検知に基づいて行われる当否抽選の結果を教示するための変動表示が行われる第2特別表示装置とを別々に設けることとしてもよい。第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bを第1又は第2の契機入球検知手段としてもよい。さらに、かかる構成を採用する場合、それぞれの変動表示が別々に保留記憶されるとともに、記憶された順番の通りに、或いは、一方が他方に優先されるようにして、対応する変動表示が消化されるように構成してもよい。加えて、かかる構成を採用する場合には、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり状態の種別の振分け割合を異ならせることとしてもよいし、同じとすることとしてもよい。
中央入賞ユニット37の左右両側方の遊技領域には、遊技球が流下可能な流下領域が形成されている。スルーゲート34は、中央入賞ユニット37の左右両側方の流下領域にそれぞれ配置され、ここを流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。中央入賞ユニット37の右側方の流下領域を第1ルートとなる第1の流下ルートとし、左側方の流下領域を第2ルートとなる第2の流下ルートとしてもよい。また、スルーゲート34には、該スルーゲート34を通過する遊技球を検知するスルーゲートスイッチ225が設けられている。該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)を開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。
遊技盤30の右上部には、スルーゲート34への入球(球通過)に基づいた入球アシスト抽選の抽選結果を表示するスルーゲート用表示装置(普通図柄表示装置)41、各始動入賞部33a,33bへの入球に基づいた当否抽選の抽選結果を表示する特別表示装置(特別図柄表示装置)43、及び、スペシャルゲート650への入球(球通過)に基づいた作動アシスト抽選の抽選結果を表示するスペシャルゲート用表示装置44が設けられている。「スペシャルゲート用表示装置44」が本実施形態における「表示手段」を構成する。
本実施形態において、スルーゲート用表示装置41は2つのランプによって構成され、第1表示手段を構成する特別表示装置43は8つのランプによって構成され、スペシャルゲート用表示装置44は2つのランプによって構成されている。
尚、これら表示装置41、43、44の構成については、上記構成に特に限定されるものではなく、例えば異なる数のランプ群によって構成されてもよいし、7セグメント表示装置、ドット表示装置、液晶表示装置等の異なる表示装置により構成されてもよい。
また、特別表示装置43においては、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)に遊技球が入球すると、当否抽選の抽選結果を教示するための変動表示(切替表示)が開始され、所定時間後、該変動表示を停止する際に、当否抽選の結果に対応した態様が表示されるようになっている。第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bを第1又は第2の契機入球手段としてもよい。さらに、特別表示装置43は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御され、当否抽選の結果が確定的に表示されるようになっている。
かかる当否抽選にて大当たり当選した場合には、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の8個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作を1回の特賞状態として、これが15回(15ラウンド)繰り返される大当たり(以下、「直撃大当たり」と称する)が付与される。
尚、上述したように、本実施形態では、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)への入球に基づく当否抽選にて「大当たり」に当選した場合だけでなく、回転体414の特別ポケット部416aを介して遊技球が第1V入賞通路427に入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知された場合や、可動役物722(第2V入賞通路730)を介して遊技球がバイパス通路737に入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知された場合にも大当たり状態(V入賞大当たり)が発生する。
また、特別表示装置43の変動表示中に、新たに遊技球が始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)に入球した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、特別表示装置43の変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では第1始動入賞部33a及び第2始動入賞部33bに入球した遊技球に対応して、合計4回までの変動表示が保留される。
また、特別表示装置43の変動表示の保留回数は、特別表示装置43の近傍に設けられた特別表示装置用保留ランプ47にて点灯表示されるようになっている。本実施形態の特別表示装置用保留ランプ47は、4つのランプによって構成され、各ランプの点灯・消灯の状態を適宜切替えることで、保留の数を教示するようになっている。
加えて、大当たり中や小当たり中に新たに遊技球が始動入賞部33に入賞した場合には、その分の変動表示についても保留され、該変動表示は大当たり状態や小当たり状態の終了後に実行される。
スルーゲート用表示装置41においては、遊技球がスルーゲート34を通過すると、入球アシスト抽選の抽選結果を表示するための変動表示(切替表示)が開始され、所定時間後、該変動表示を停止する際に、入球アシスト抽選の結果に対応した態様が表示されるようになっている。ここで入球アシスト抽選の抽選結果が始動口開閉部材33cの開放に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示装置41にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、始動口開閉部材33cが開放される。また、スルーゲート用表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御され、入球アシスト抽選の結果が確定的に表示されるようになっている。
また、スルーゲート用表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、スルーゲート用表示装置41の変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数がスルーゲート用表示装置41の近傍に設けられたスルーゲート用保留ランプ48にて点灯表示されるようになっている。本実施形態のスルーゲート用保留ランプ48は、4つのランプによって構成され、各ランプの点灯・消灯の状態を適宜切替えることで、保留の数を教示するようになっている。
スペシャルゲート用表示装置44においては、遊技球がスペシャルゲート650を通過すると、作動アシスト抽選の抽選結果を表示するための変動表示(切替表示)が開始され、所定時間後、該変動表示を停止する際に、作動アシスト抽選の結果に対応した態様が表示されるようになっている。ここで作動アシスト抽選の抽選結果が可動役物722を作動させる当選結果であった場合には、スペシャルゲート用表示装置44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、可動役物722が作動する。また、スペシャルゲート用表示装置44は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御され、作動アシスト抽選の結果が確定的に表示されるようになっている。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球がスペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知されたとしても、その分の変動表示(作動アシスト抽選結果)は保留されない構成となっている。
また、中央入賞ユニット37の上部には演出表示装置42が設けられている。演出表示装置42は、液晶表示装置によって構成され、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。演出表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される変動表示や抽選結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
可変入賞装置32は、遊技領域(遊技盤30)の下部中央に配置されている。また、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態の発生の際に、大入賞口開閉部材32aが開放され、遊技球が大入賞口へ入賞可能な開状態とされる。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30の背面には、中央入賞ユニット37等を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、表示制御装置45及びサブ制御装置262が着脱可能に取り付けられている。
表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。また、基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞部31、可変入賞装置32及び始動入賞部33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞手段に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
さらに、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225と、それぞれケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板(図示略)が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
また、裏枠セット215には、中央入賞ユニット37に設けられた各種スイッチと、それぞれケーブルコネクタを介して電気的に接続される第2盤面中継基板(図示略)が設けられている。具体的に、第2盤面中継基板は、内部入球検知スイッチ437、第1特別入球検知スイッチ461、非特別入球検知スイッチ462、ラウンド入球検知スイッチ(15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、3R入球検知スイッチ736)、第2特別入球検知スイッチ738、及び、スペシャルゲートスイッチ651と、それぞれ電気的に接続されている。この第2盤面中継基板は、中央入賞ユニット37に設けられた各種スイッチと、主制御装置261とを中継するものであり、第1盤面中継基板と同様、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞部33a,33bへの入球を検知する始動入賞スイッチ224a,224bは、中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接、主制御装置261に接続されている。
上記構成の下、各種入球検知スイッチにて各々検知された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225、非特別入球検知スイッチ462、ラウンド入球検知スイッチ734、735、736、及び、スペシャルゲートスイッチ651により検知された場合を除く。)。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口開閉部材32aを開閉駆動する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第2始動入賞部33bにて一対の始動口開閉部材33cを開閉駆動する始動口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第3盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や時間短縮モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検知される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満杯エラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。
つまり、一般入賞部31等の各入賞手段に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞手段にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。
尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠600a(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠600aの鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。主制御装置261が本実施形態における特別遊技状態付与手段や開閉制御手段などを構成する。
CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、スルーゲート用表示装置41、特別表示装置43、スペシャルゲート用表示装置44等が接続されている。この構成により、上述したスルーゲート用表示装置41、特別表示装置43及びスペシャルゲート用表示装置44は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、演出表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、内部入球検知スイッチ437、特別入球検知スイッチ461,738、非特別入球検知スイッチ462、ラウンド入球検知スイッチ734、735、736、スペシャルゲートスイッチ651などの所定検知手段を構成し得る各種検知スイッチや、各種基板、羽根部材404を開閉させる羽根用ソレノイド405、回転体414を回転させる回転体モータ415、可動役物722を上下動させる可動役物用ソレノイド725、第1渡し板744及び第2渡し板745を揺動させるモータなどの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102、104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンドなどの演出パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、演出表示装置42に表示させる。なお、上述したように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する演出表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が所定間隔で発射される。本実施形態では、約0.6秒間隔(1分間あたり約100発程度)で発射できるよう構成されている。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる演出表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、演出表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、演出表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、演出表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、演出表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して演出表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図8に示すように、始動入賞スイッチ224a,224bの検知に基づいて、可変入賞装置32(大入賞口開閉部材32a)を開放させる大当たりや、中央入賞ユニット37(羽根部材404)を開放させる小当たりを発生させるか否かを決める当否抽選に使用する当否乱数カウンタC1と、特別表示装置43にて行われる変動表示の時間(変動時間)の決定に使用する変動時間選択カウンタC2と、当否乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、スルーゲートスイッチ225の検知に基づいて、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)を開状態とするか否かを決める入球アシスト抽選に使用する入球アシスト乱数カウンタC3と、スペシャルゲートスイッチ651の検知に基づいて、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選に使用する作動アシスト乱数カウンタC4とを用いることとしている。
カウンタC1,C2,CINI,C3,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、入球アシスト乱数カウンタC3の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。特別変動保留エリア及び普通変動保留エリアは、両者とも1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1及び第2始動入賞部33a、33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の値等が時系列的に格納される。かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43における変動表示を合計4回まで保留可能としている。
さらに、普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、入球アシスト乱数カウンタC3の値が時系列的に格納される。かかる構成を採用することで、上記のようにスルーゲート用表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタC1は、例えば0~399の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり399)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が該当否乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0~399)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞したタイミング(第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bに検知されたタイミング)で、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
本実施形態では、特別変動保留エリアに格納された当否乱数カウンタC1の値に基づいて行われる当否抽選では、「小当たり」、「大当たり」、「外れ」のいずれかの抽選結果が得られる。大当たり抽選や小当たり抽選に係る当否抽選処理が本実施形態における開放抽選処理を構成する。
具体的に、本実施形態では、「大当たり」となる乱数の値の数は1つで、その値は「0」である。すなわち、1/400の確率で「大当たり」に当選し、特別表示装置43において「大当たり」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、15ラウンドの大当たり状態が発生することとなる。
また、「小当たり」となる乱数の値の数は398個で、その値は「2~399」である。すなわち、398/400の確率で「小当たり」に当選する。
特に、本実施形態の「小当たり」には、中央入賞ユニット37の羽根部材404が0.5秒間開放される「ショート小当たり」と、羽根部材404が1.5秒間開放される「ロング小当たり」とが存在する。このため、当否乱数カウンタC1の値のうち「2~21」が「ロング小当たり」に対応し、「22~399」が「ショート小当たり」に対応している。
そして、「ショート小当たり」に当選すると、特別表示装置43において「ショート小当たり」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、羽根部材404が0.5秒間開放することとなる。また、「ロング小当たり」に当選すると、特別表示装置43において「ロング小当たり」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、羽根部材404が1.5秒間開放することとなる。ここで、小当たり抽選や大当たり抽選を実行すると共に、羽根部材404等の開閉部材の開閉パターンを決定する主制御装置261の機能により本実施形態における開閉パターン決定手段が構成される。
また、当否乱数カウンタC1の値のうち「1」は「外れ」に対応する値であり、「外れ」の場合には、特別表示装置43において、「外れ」に対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われる。
尚、本実施形態では、ROM502において、当否乱数カウンタC1の値が「小当たり」や「大当たり」に対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。
また、本実施形態では、大当たり状態の終了後、特別表示装置43において変動表示が4回行われる間は、特別表示装置43における変動表示の時間(変動時間)が短縮される遊技状態が付与される。尚、かかる遊技状態は、大当たり状態の終了後、次の大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43にて4回の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常の遊技状態に戻る。
以下、特別表示装置43の変動時間が短縮される遊技状態を「時間短縮モード」と称し、変動時間が短縮されない通常の変動表示が行われる通常の遊技状態を「通常モード」と称する。「時間短縮モード」及び「通常モード」における特別表示装置43の具体的な変動時間については後述する。
さらに、「時間短縮モード」においては、第2始動入賞部33bの始動口開閉部材33cが比較的頻繁に開放され、遊技球を第2始動入賞部33bへ入球させやすい「高入球状態」となる。これにより、始動口開閉部材33cがほとんど開放されず、遊技球を第2始動入賞部33bへ入球させにくい「低入球状態」となる「通常モード」に比べ、「時間短縮モード」においては、遊技球を第2始動入賞部33bへと入球させ易くなっている。
具体的に、「通常モード」においては、遊技球がスルーゲート34を通過することに基づいて行われる入球アシスト抽選の結果を表示するためのスルーゲート用表示装置41の変動時間が10秒で、入球アシスト抽選にて当選した場合の始動口開閉部材33cの開放時間が0.4秒である。一方、「時間短縮モード」においては、スルーゲート用表示装置41の変動時間が0.5秒で、入球アシスト抽選にて当選した場合の始動口開閉部材33cの開放時間が2秒である。
つまり、「時間短縮モード」は、「通常モード」に比べ、スルーゲート用表示装置41の変動時間が短く、かつ、始動口開閉部材33cの開放時間が長くなる。始動口開閉部材33cが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞部33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり、当否抽選が連続してなされるとともに、玉持ちのよい状態となる。
このように、「時間短縮モード」では、保留されている特別表示装置43の変動表示が連続して小当たりに当選する場合には(羽根部材404を一旦閉じて、変動表示を行ってから、開放するといった流れは同じであるものの、変動時間が短いことから)、羽根部材404がほぼ連続して(立て続けに)開放されることとなる。このため、中央入賞ユニット37の内部領域401に対して複数の遊技球をまとめて入球させ易くなっている。
尚、本実施形態では、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて「大当たり」や「小当たり(ショート小当たり及びロング小当たり)」に当選する確率、並びに、「小当たり(ショート小当たり及びロング小当たり)」の発生時における羽根部材404の開放時間については、いずれのモード(時間短縮モード及び通常モード)においても同一となっている。
また、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球アシスト抽選の当選確率や、スペシャルゲートスイッチ651への遊技球の通過に基づいて行われる作動アシスト抽選の当選確率についても、いずれのモードにおいても同一となっている。
変動時間選択カウンタC2は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。変動時間選択カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動時間選択カウンタバッファに変動時間選択カウンタC2の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞したタイミング(第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bに検知されたタイミング)で、変動時間選択カウンタバッファに格納されている変動時間選択カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。
本実施形態では、「通常モード」における当否抽選にて「小当たり」した場合の特別表示装置43の変動時間は「2秒」又は「3秒」に設定されている。尚、変動時間選択カウンタC2の値が「2秒変動」及び「3秒変動」のどちらに対応するのかを判定する際に参照される変動時間選択テーブルは予めROM502に記憶されている。従って、変動時間選択テーブル等を記憶するROM502が本実施形態における第1変動パターン記憶手段を構成する。
また、「通常モード」における当否抽選にて「大当たり」又は「外れ」となる場合の特別表示装置43の変動時間は「7秒」となっている。
一方、「時間短縮モード」における特別表示装置43の変動時間は、当否抽選の結果(「小当たり」、「大当たり」又は「外れ」)に関係なく、一律「0.1秒」となっている。尚、特別表示装置43に係る変動時間は、本実施形態に係る2秒変動、3秒変動、7秒変動及び0.1秒変動の4つに限定されるものではなく、異なる変動時間を採用してもよい。
また、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタC1、及び、変動時間選択カウンタC2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、入球アシスト乱数カウンタC3は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。入球アシスト乱数カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に入球アシスト乱数カウンタC3の値が取得される。
通常、当選となる乱数の値の数は8つあり、その範囲は「1~8」である。そして、入球アシスト乱数カウンタC3の値が取得された場合、スルーゲート用表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選又は外れに対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、当選した場合には第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が所定時間の間、開状態となる。
また、作動アシスト乱数カウンタC4は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。作動アシスト乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスペシャルゲート650を通過した時に作動アシスト乱数カウンタC4の値が取得される。
通常、当選となる乱数の値の数は15個あり、その範囲は「1~15」である。そして、作動アシスト乱数カウンタC4の値が取得された場合、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が所定時間行われた後、当選又は外れに対応する態様(点灯するランプの組合わせ)で停止表示が行われ、当選した場合にはバイパス機構部721の可動役物722が所定時間の間、突出状態となる。従って、作動アシスト抽選が本実施形態における作動抽選処理を構成し、作動アシスト抽選を実行する主制御装置261の機能により「抽選処理実行手段」や「状態抽選手段」が構成される。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。説明の便宜上、ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図11は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図11において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く。)の状態を読み込むと共に、該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。尚、スイッチの検知に応じて遊技球の払出しが行われる場合には、これに対応する賞球カウンタの値を加算して、本処理を終了する。一方、検出信号の入力がなされていないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。なお、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力される。また、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では399)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタC1、変動時間選択カウンタC2、入球アシスト乱数カウンタC3、及び、作動アシスト乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ「399」,「9」,「9」,「19」)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304において、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305において、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行し、ステップS306において、中央入賞ユニット37の内部領域401への入球に伴う入球カウント処理を実行する。
続くステップS307においては、第1特別入球検知スイッチ461による検知(回転体414の特別ポケット部416aを介しての第1V入賞通路427への入球)、又は、第2特別入球検知スイッチ738による検知(可動役物722の第2V入賞通路730を介してのバイパス通路737への入球)に伴う特別入賞処理を実行する。
さらに、ステップS308において、非特別入球検知スイッチ462による検知(回転体414の非特別ポケット部416bを介してのアウト通路428への入球)に伴う非特別入賞処理を実行し、ステップS309において、スペシャルゲート650への遊技球の通過に伴うスペシャルゲート通過処理を実行する。
その後、ステップS310において、ラウンド入球検知スイッチ734、735、736による検知(15R入球口731、7R入球口732、3R入球口733への入球)に伴う種別入球処理を実行し、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図13のフローチャートを参照して説明する。
尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、変動時間選択カウンタC2の値を記憶する変動時間乱数記憶エリア、保留された変動表示が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bいずれの始動入賞部33への入球に基づくものであるか否かを判別するための始動入賞判別フラグが設けられている。
また、本実施形態における特別変動保留エリアには、上述した当否乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値を記憶する領域とは別に、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選において「大当たり」に当選したことを示す大当たり発生フラグ、「外れ」たことを示す外れフラグ、「ロング小当たり」に当選したことを示すロング小当たり発生フラグ、「ショート小当たり」に当選したことを示すショート小当たり発生フラグが設けられている。加えて、特別表示装置43における変動時間を示す2秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグが設けられている。
先ず、ステップS501では、第1及び第2始動入賞部33a、33bへの遊技球の入球を契機とする変動表示の保留数をカウントする保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。該ステップS501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS501で肯定判別された場合には、ステップS502において、遊技球が第1始動入賞部33aに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。該ステップS502で否定判別された場合には、後述するステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合、ステップS503に進み、保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS504では、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ここで、所定の大当たり状態中に、大当たりに対応する各種カウンタ値が特別変動保留エリアに記憶された場合に所定の条件が満たされることとしてもよい。又は、所定の大当たり状態中において、大当たりに対応する各種カウンタ値が特別変動保留エリアに記憶された場合に所定の割合、例えば60%の確率で所定の条件が満たされることとしてもよい。
ステップS505では、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値が記憶された保留エリアの始動入賞判別フラグをオンにする。尚、本実施形態の始動入賞判別フラグは、保留された変動表示が第1始動入賞部33aへの入球に基づくものである場合にオン設定され、第2始動入賞部33bへの入球に基づくものである場合にオフ設定される。
続くステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「小当たり」や「大当たり」に対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値に基づいて、特別表示装置43における変動時間を判別する変動時間判定処理を行う。尚、変動時間判定処理の詳細については後述する。
その後、ステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bのどちらへの入球に基づく変動情報であるかを示す情報、「小当たり」や「大当たり」を示す情報、変動時間を示す情報などが含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図14を参照して説明する。尚、本実施形態では、当否判定処理において小当たりの種別(ロング小当たり、ショート小当たり)についても決定する構成となっている。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「大当たり」に対応する値である「0」と一致するか否かを判別する。尚、所定の大当たり状態中において、例えば確変大当たりなど、その終了後に高確率モードや高サポートモード等の特定の遊技モードが付与され得る特定の大当たりに対応する各種カウンタ値が特別変動保留エリアに記憶された場合に所定の条件が満たされることとしてもよい。そして、ステップS5101で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態が発生すると判別された場合には、ステップS5102において大当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「外れ」に対応する値である「1」と一致するか否かを判別する。該ステップS5103で肯定判別された場合、すなわち、「外れ」であると判別された場合には、ステップS5104において外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち「小当たり」であると判別された場合には、ステップS5105において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が「ロング小当たり」に対応する値である「2~21」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップS5105で肯定判別された場合には、ステップS5106においてロング小当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5105で否定判別された場合、すなわち、「ショート小当たり」であると判別された場合には、ステップS5107において、ショート小当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
次に、ステップS507の変動時間判定処理について、図15を参照して説明する。このステップS507の変動時間判定処理等を実行する機能により本実施形態における第1変動パターン選出手段が構成される。
先ず、ステップS5201では、時間短縮モードであるか否かを判別する。ステップS5201で肯定判別された場合には、ステップS5202において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が0.1秒であることを示す0.1秒変動フラグをオンに設定してから、本処理を終了する。つまり、時間短縮モードであれば、当否抽選の結果が大当たり、ロング小当たり、ショート小当たり、外れのいずれであっても、対応する変動表示の変動時間は一律0.1秒とされる。
一方、ステップS5201で否定判別された場合には、ステップS5203において、直前に行われた当否判定処理にて、ロング小当たり発生フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5203で肯定判別された場合、すなわち、「ロング小当たり」であると判別された場合には、ステップS5204において、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値が「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。
ステップS5204で否定判別された場合、すなわち、変動時間選択カウンタC2の値が「2~9」のいずれかである場合には、ステップS5205において、特別表示装置43にて行われる変動表示の変動時間が3秒であることを示す3秒変動フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5204で肯定判別された場合には、ステップS5206において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が2秒であることを示す2秒変動フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5203で否定判別された場合には、ステップS5207において、ショート小当たり発生フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS5207で肯定判別された場合、すなわち、「ショート小当たり」が発生する場合には、ステップS5208において、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値が「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。
ステップS5208で肯定判別された場合には、上記ステップS5205において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が3秒であることを示す3秒変動フラグをオン設定してから、本処理を終了する。一方、ステップS5208で否定判別された場合、上記ステップS5206において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が2秒であることを示す2秒変動フラグをオン設定してから、本処理を終了する。すなわち、「ショート小当たり」が発生する場合よりも、「ロング小当たり」が発生する場合の方が、長めの変動時間(3秒)が選択される可能性が高くなっている。
また、ステップS5207で否定判別された場合、すなわち、「大当たり」又は「外れ」の場合には、ステップS5209において、特別表示装置43において行われる変動表示の変動時間が7秒であることを示す7秒変動フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図13の説明に戻り、ステップS508の処理の後、又は、ステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第2始動入賞部33bに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS511では、当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS512では、当否判定処理を行う。尚、ステップS512の当否判定処理は、上記ステップS506の当否判定処理と同様であり、詳細な説明は省略する。
続くステップS513では、変動時間判定処理を行う。尚、ステップS513の当否判定処理は、上記ステップS507の変動時間判定処理と同様であり、詳細な説明は省略する。ステップS513の後、ステップS514において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図16のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、スルーゲート用表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値が4未満であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した入球アシスト乱数カウンタC3の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、ステップS306の入球カウント処理について、図17を参照して説明する。先ず、ステップS7201では、導入通路601の入口部601bに設けられた内部入球検知スイッチ437の検知があるか否かを判別することにより、遊技球が中央入賞ユニット37の内部領域401に入球したか否かを判別する。該ステップS7201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7201で肯定判別された場合、ステップS7202において、サブ制御装置262に対して、遊技球が中央入賞ユニット37の内部領域401に入球したことを伝える入球コマンドを設定する。尚、サブ制御装置262側において、入球コマンドを受信した場合には、入球効果音を出力するとともに、図示しない入球ランプを点灯・点滅させ、遊技者に対し入球があった旨を報知するように構成されている。
その後、ステップS7203において、内部領域401における遊技球の数を把握するための残存球監視カウンタの値を1加算する。続くステップS7204では、残存球監視処理で参酌される監視タイマの設定処理を行う。本実施形態では、内部入球検知スイッチ437の検知がある毎に監視タイマに「10000」がセットされる。また、既に監視タイマに所定の数値が設定されている場合であっても、「10000」が上書きされる。尚、監視タイマは、4mec毎に行われる通常処理(後述するステップS212の残存球監視処理)で1ずつ減算される。該ステップS7204の後、本処理を終了する。
次に、ステップS307の特別入賞処理について、図18を参照して説明する。先ず、ステップS7301では、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738による遊技球の検知情報があるか否かを判別する。ステップS7301で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7301で肯定判別された場合には、ステップS7302において、後述する大当たり中フラグを参酌し、大当たり状態中であるか否かを判別する。該ステップS7302で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、大当たり状態中においては、回転体414の特別ポケット部416aを介して遊技球が第1V入賞通路427に入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知された場合や、可動役物722(第2V入賞通路730)を介して遊技球がバイパス通路737に入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知された場合であっても、その分の大当たり状態を発生させる権利は付与されないようになっている。
一方、ステップS7302で否定判別された場合には、ステップS7303において、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われたことを示す特別入賞フラグが既にオンされているか否かを判別する。ステップS7303で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、既に大当たり状態を発生させることが決定されている(大当たり状態を発生させる権利が付与されている)状態においては、重ねて第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われたとしても、その分の大当たりは無効とされる。
一方、ステップS7303で否定判別された場合には、ステップS7304で特別入賞フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、第1特別入球検知スイッチ461の入球検知が行われた段階では、大当たり状態を発生される権利が付与されるだけで、どの種別の大当たり状態が付与されるかまでは決定されていないため、種別が決定されるまでは大当たり状態は開始されないように構成されている。
同様に、第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われた段階では、大当たり状態を発生される権利が付与されるだけで、未だ遊技球が15R入球口731に入球していない状態であるため、遊技球が15R入球口731に入球し「15ラウンド大当たり」が確定するまでは大当たり状態は開始されないように構成されている。
次に、ステップS308の非特別入賞処理について図19を参照して説明する。先ず、ステップS7401では、非特別入球検知スイッチ462による遊技球の検知情報があるか否かを判別する。すなわちアウト通路428を介して、遊技球が中央入賞ユニット37(内部領域401)外に排出されるか否かを判別する。ステップS7401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7401で肯定判別された場合には、ステップS7402において残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
次に、ステップS309のスペシャルゲート通過処理について図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップS7501では、遊技球がスペシャルゲート650を通過したか否かをスペシャルゲートスイッチ651の検知情報により判別する。ステップS7501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7501にて肯定判別された場合、すなわち遊技球がスペシャルゲート650を通過したと判別されると、ステップS7502において、後述する第3表示中フラグがオンであるか否か、すなわちスペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中であるか否かを判別する。該ステップS7502で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7502にて否定判別された場合には、ステップS7503において、後述する役物作動中フラグがオンであるか否か、すなわち可動役物722が作動中(突出状態)であるか否かを判別する。該ステップS7503で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
これにより、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、遊技球がスペシャルゲート650を通過し、該遊技球がスペシャルゲートスイッチ651に検知されたとしても、その分の作動アシスト抽選は無効となり、可動役物722を作動させる権利が新たに付与されないように構成されている。
一方、ステップS7503で否定判別された場合には、ステップS7504において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した作動アシスト乱数カウンタC4の値を、RAM503に設定された所定の作動アシスト乱数格納エリアに格納する。
続くステップS7505において、スペシャルゲート通過フラグをオンし、ステップS7506において、残存球監視カウンタの値を1減算した後、本処理を終了する。
次に、ステップS310の種別入球処理について図21を参照して説明する。先ず、ステップS7601では、特別入賞フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS7601で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7601で肯定判別された場合には、ステップS7602において、15R入球検知スイッチ734の入球検知が行われたか否かを判別する。ステップS7602で肯定判別された場合には、ステップS7603において、15ラウンド大当たりであることを示す15R大当たりフラグをオン設定する。その後、ステップS7604において、残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
また、ステップS7602で否定判別された場合には、ステップS7605において、7R入球検知スイッチ735の入球検知が行われたか否かを判別する。ステップS7605で肯定判別された場合には、ステップS7606において、7ラウンド大当たりであることを示す7R大当たりフラグをオン設定する。その後、ステップS7604において、残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
また、ステップS7605で否定判別された場合には、ステップS7608において、3R入球検知スイッチ736の入球検知が行われたか否かを判別する。ステップS7608で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7608で肯定判別された場合には、ステップS7609において、3ラウンド大当たりであることを示す3R大当たりフラグをオン設定する。その後、ステップS7604において、残存球監視カウンタの値を1減算してから、本処理を終了する。
次にNMI割込み処理について説明する。図12は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図12のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図9のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS111へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS111へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS111へ移行する。
ステップS111の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS112等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS112等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS112等)に移行する。つまり、ステップS112ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS113ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS114で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS114で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図10のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S212の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS215の初期値乱数カウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第2始動入賞部33b等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば演出表示装置42において変動表示を開始する際には、サブ制御装置262に対し変動パターンコマンドが送信される。つまり、変動パターンコマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示演出を演出表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力される指令信号である。これに対し、変動パターンコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42の表示態様を決定し、該表示態様を演出表示装置42において表示するように表示制御装置45に対し指示を出す。
一方、演出表示装置42における変動表示を停止する際には、サブ制御装置262に対し確定コマンドが送信される。これに対し、確定コマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42にて行われている変動表示(表示演出)を終了すべく、表示制御装置45に対し指示を出す。
但し、本実施形態では、後述するように、大当たり状態中である場合や、大当たり状態の権利が付与されているが未だ大当たり状態が開始されていない状態である場合、中央入賞ユニット37が開放中(小当たり状態中)である場合には、特別表示装置43における変動時間を計測する第1表示タイマの減算処理が行われない構成となっているため(図23参照)、仮に特別表示装置43(演出表示装置42)の変動表示中に第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738の入球検知が行われ、特別入賞フラグがオンされた場合には、該特別入賞フラグに係るV入賞大当たりが終了するまでは、サブ制御装置262に対し確定コマンドが送信されず、大当たり終了後に送信されることとなる。
ステップS202では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS203では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
続くステップS204では、V入賞大当たり設定処理を実行する。この処理では、中央入賞ユニット37の内部領域401に入球した遊技球が、回転体414の特別ポケット部416aを介して遊技球が第1V入賞通路427に入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知されることや、可動役物722(第2V入賞通路730)を介して遊技球がバイパス通路737に入球し、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知されることに基づき発生する大当たりの設定などが行われる。このV入賞大当たり設定処理の詳細は後述する。
ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような表示を行うか、該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、当たり判定や演出表示装置42における演出パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。尚、第1表示制御処理を実行する主制御装置261の機能により本実施形態における第1表示制御手段が構成される。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか、該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32(大入賞口開閉部材32a)の開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、羽根部材開閉処理を実行する。この処理では、中央入賞ユニット37の羽根部材404(羽根用ソレノイド405)の制御内容の設定が行われる。羽根部材開閉処理の詳細については後述する。
ステップS208では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、スルーゲート用表示装置41おいてどのような表示を行うか、該スルーゲート用表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、始動入賞部制御処理を実行する。この処理では、第2始動入賞部33bの始動口開閉部材33cの制御内容の設定が行われる。始動入賞部制御処理の詳細は後述する。
ステップS210では、第3表示制御処理を実行する。この処理では、スペシャルゲート用表示装置44おいてどのような表示を行うか、該スペシャルゲート用表示装置44の制御内容の設定などが行われる。この第3表示制御処理の詳細は後述する。尚、第3表示制御処理を実行する主制御装置261の機能により本実施形態における表示制御手段が構成される。
ステップS211では、中央入賞ユニット37に係る役物駆動制御処理を実行する。この処理では、回転体ユニット410に係る駆動制御処理や、バイパス機構部721に係る駆動制御処理、種別振分け機構部741に係る駆動制御処理などが行われる。
例えば回転体ユニット410に係る駆動制御処理においては、回転体414を反時計回り方向に一定速度で回転させる等の制御が行われ、種別振分け機構部741に係る駆動制御処理においては、第1渡し板744及び第2渡し板745を所定のリズムで揺動させる等の制御が行われる。
また、バイパス機構部721に係る駆動制御処理においては、所定条件の成立時において可動役物722を突出させる等の制御が行われる。尚、バイパス機構部721に係る駆動制御処理(以下、「バイパス機構制御処理」という。)の詳細については後述する。
ステップS212では、残存球監視処理を実行する。この処理では、遊技球が中央入賞ユニット37の内部領域401に存在しているか否かを確認する処理が行われる。残存球監視処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS213において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS214で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS214で肯定判別されてステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS214で否定判別された場合、ステップS215に進み、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では399)に達した際0にクリアする。そして、この処理の後、ステップS213に移行する。つまり、ステップS214の判別の時点で、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行されることとなる。
ここで、ステップS201~S212の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS213:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS216以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS216において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS217において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS218において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS219において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS220でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS221でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS213の処理は、ステップS201~S212で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS215の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS216)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、ステップS204のV入賞大当たり設定処理について、図22を参照して説明する。
先ず、ステップS1501では、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738によって遊技球が検知されたことを示す特別入賞フラグ(図18の特別入賞処理参照)がオンであるか否かを判別する。該ステップS1501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1501で肯定判別された場合には、ステップS1503に進み、15R入球検知スイッチ734によって遊技球が検知されたことを示す15R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS1503で肯定判別された場合には、ステップS1504において、大当たり状態における残りラウンド数を把握するためのラウンド数カウンタに「15」を設定した後、ステップS1505へ移行する。
ステップS1505では、特別入賞フラグをオフすると共に、大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグをオン設定する。その後、続くステップS1506において、可変入賞装置32の開閉制御中であることを示す第1可変フラグをオン設定し、ステップS1507において、可変入賞装置32の開閉制御に使用される第1可変タイマに「7500」を設定し、ステップS1508において、入賞カウンタに「8」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS1503で否定判別された場合には、ステップS1509において、7R入球検知スイッチ735によって遊技球が検知されたことを示す7R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1509で肯定判別された場合には、ステップS1510において、ラウンド数カウンタに「7」を設定した後、ステップS1505へ移行し、上記同様の処理を行う。
また、ステップS1509で否定判別された場合には、ステップS1513において、3R入球検知スイッチ736によって遊技球が検知されたことを示す3R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1513で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1513で肯定判別された場合には、ステップS1514において、ラウンド数カウンタに「3」を設定した後、ステップS1505へ移行し、上記同様の処理を行う。
次に、ステップS205の第1表示制御処理について図23のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS801では、大当たり中フラグを参照し、大当たり状態中であるか否かを判別する。ステップS801で肯定判別された場合、すなわち大当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、大当たり状態中においては、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない。
尚、大当たり状態中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中、並びに、大当たり状態開始前のオープニング期間、及び、大当たり状態終了後のエンディング期間が含まれる。一般に、オープニング期間(例えば特別表示装置43にて変動表示が大当たりに対応する態様にて停止表示されてから、可変入賞装置32にて最初の開放が開始されるまでの間の期間)には、演出表示装置42にて大当たり状態の開始を知らせる表示が行われる。一方、エンディング期間(可変入賞装置32にて最終ラウンドの開放が終了した後の所定期間)には、演出表示装置42にて大当たり状態の終了や大当たり後に付与されるモードを知らせる表示が行われる。
ステップS801で否定判別された場合には、ステップS802において、特別入賞フラグがオンであるか否かを判別する。尚、特別入賞フラグは、第1特別入球検知スイッチ461又は第2特別入球検知スイッチ738によって遊技球が検知された際にオン設定され(特別入賞処理のステップS7304参照)、大当たり中フラグがオンされる際にオフされる(V入賞大当たり設定処理のステップS1505参照)。該ステップS802で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、大当たり状態を発生させる権利が付与されているが未だ大当たり状態が開始されていない状態においては、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない。
一方、ステップS802で否定判別された場合には、ステップS803において、小当たり開放中フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、小当たり開放中フラグは、中央入賞ユニット37の羽根部材404が開放されている状態、すなわち小当たり状態中にオンとなる。
ステップS803で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、中央入賞ユニット37の開放中(小当たり状態中)においては、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない。
一方、ステップS803で否定判別された場合には、ステップS804において、第1表示中フラグの設定状況を見て、特別表示装置43にて変動表示中であるか否かを判別する。第1表示中フラグがオン設定されている場合には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグがオフされている場合には、変動表示が行われていない状態にあるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、特別表示装置43の変動表示を開始する際(ステップS808参照)にオンにされ、特別表示装置43の変動表示が停止表示される際(ステップS812参照)にオフにされる。
そして、ステップS804で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態中でもなく、大当たり状態の権利が付与されているが未だ大当たり状態が開始されていない状態でもなく、中央入賞ユニット37の開放中(小当たり状態中)でもなく、特別表示装置43の変動表示中でもない場合には、ステップS805に進み、始動入賞部33への入球を契機とする変動表示の保留数をカウントする保留カウンタNaの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS805で否定判定された場合、すなわち、変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS805で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS806において、保留カウンタNaの値から1を減算する。
続くステップS807では、特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、該シフト処理においては、当否乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値だけでなく、大当たり発生フラグ、外れフラグ、ロング小当たり発生フラグ、ショート小当たり発生フラグ、2秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグのオン・オフの設定状態についてもシフトされる。
続くステップS808では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図24を参照して説明する。
先ず、ステップS901では、特別変動保留エリアの実行エリアにおける大当たり発生フラグがオン設定されているか否かを判別することで「大当たり」に対応する変動情報であるか否かを判別する。尚、変形例として、始動入賞処理の当否判定処理と同様にして、もう一度、当否判定テーブルを参酌し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値である「0」であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、ステップS902において、当否抽選にて「大当たり」に当選したこと(「直撃大当たり」したこと)を示す直撃大当たりフラグをオン設定する。ステップS902の後、ステップS903において、特別変動保留エリアの実行エリアにおける7秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップS903で肯定判別された場合、ステップS904において、大当たりとなる変動パターン(大当たり変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。続くステップS905では、特別表示装置43の変動制御に使用される第1表示タイマに対して、7秒に相当する値「1750」をセットする。尚、第1表示タイマとは、特別表示装置43における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。ステップS905の後、ステップS938へ移行する。
また、ステップS903で否定判別された場合には、ステップS906において、変動時間を短縮して大当たりとなる変動パターン(大当たり短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。続くステップS907では、特別表示装置43の変動制御に使用される第1表示タイマに対して、0.1秒に相当する値「25」をセットする。ステップS907の後、ステップS938へ移行する。
また、ステップS901で否定判別された場合には、ステップS908において、特別変動保留エリアの実行エリアにおける外れフラグがオン設定されているか否かを判別することで「外れ」か否かを判別する。尚、変形例として、始動入賞処理の当否判定処理と同様にして、もう一度、実行エリアの当否乱数カウンタC1の値が「1」であるか否かを判別することで「外れ」か否かを判別することとしてもよい。
ステップS908で肯定判別された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップS909において、特別変動保留エリアの実行エリアにおける7秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS909で肯定判別された場合には、ステップS910において、外れとなる変動パターン(外れ変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。その後、ステップS911で、第1表示タイマに対して7秒に相当する値「1750」をセットしてから、ステップS938へ移行する。
また、ステップS909で否定判別された場合には、ステップS912において、変動時間を短縮して外れとなる変動パターン(外れ短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。続くステップS913では、特別表示装置43の変動制御に使用される第1表示タイマに対して、0.1秒に相当する値「25」をセットする。ステップS913の後、ステップS938へ移行する。
また、ステップS908で否定判別された場合、すなわち「小当たり」である場合には、ステップS914において羽根開放フラグをオンにする。続くステップS915では、特別変動保留エリアの実行エリアにおけるロング小当たり発生フラグがオンであるか否かを判別する。尚、変形例として、始動入賞処理の当否判定処理と同様にして、もう一度、実行エリアにおける変動時間選択カウンタC2の値が「2~21」のいずれかと一致するか否かを判別することで「ロング小当たり」に当選したか否かを判別することとしてもよい。
ステップS915で肯定判別された場合、すなわち、「ロング小当たり」である場合には、ステップS916において、実行エリアの3秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS916で肯定判別された場合には、ステップS917において、特別表示装置43にて3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ロング小当たり3秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS918では、第1表示タイマに対して3秒に相当する値「750」をセットする。さらに、ステップS919では、羽根部材404の開閉制御に使用される開閉制御タイマに対して3秒に相当する「750」をセットする。これによって、特別表示装置43で3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS916で否定判別された場合には、ステップS920において、実行エリアの2秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS920で肯定判別された場合には、ステップS921において、特別表示装置43にて2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ロング小当たり2秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS922では、第1表示タイマに対して2秒に相当する値「500」をセットする。さらに、ステップS923では、開閉制御タイマに対して2秒に相当する「500」をセットする。これによって、特別表示装置43で2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS920で否定判別された場合には、ステップS924において、変動時間を短縮してロング小当たりとなる変動パターン(ロング小当たり短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS925では、第1表示タイマに対して0.1秒に相当する値「25」をセットする。さらに、ステップS926では、開閉制御タイマに対して0.1秒に相当する「25」をセットする。これによって、特別表示装置43で0.1秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS915で否定判別された場合、すなわち、「ショート小当たり」である場合には、ステップS927において、実行エリアの3秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS927で肯定判別された場合には、ステップS928において、特別表示装置43にて3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ショート小当たり3秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS929では、第1表示タイマに対して3秒に相当する値「750」をセットする。さらに、ステップS930では、羽根部材404の開閉制御に使用される開閉制御タイマに対して3秒に相当する「750」をセットする。これによって、特別表示装置43で3秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS927で否定判別された場合には、ステップS931において、実行エリアの2秒変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS931で肯定判別された場合には、ステップS932において、特別表示装置43にて2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が1.5秒間開放される変動パターン(ショート小当たり2秒変動パターン)を決定し、さらに、該変動パターンをサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS933では、第1表示タイマに対して2秒に相当する値「500」をセットする。さらに、ステップS934では、開閉制御タイマに対して2秒に相当する「500」をセットする。これによって、特別表示装置43で2秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
また、ステップS931で否定判別された場合には、ステップS935において、変動時間を短縮してショート小当たりとなる変動パターン(ショート小当たり短縮パターン)を決定し、さらに、該変動パターン(変動情報)をサブ制御装置262にも送信するべく、変動パターンコマンドの設定を行う。
続くステップS936では、第1表示タイマに対して0.1秒に相当する値「25」をセットする。さらに、ステップS937では、開閉制御タイマに対して0.1秒に相当する「25」をセットする。これによって、特別表示装置43で0.1秒間の変動表示が行われた後に羽根部材404が開放されることとなる。その後、ステップS938に移行する。
ステップS938では、特別表示装置43にて変動表示中であることを示す第1表示中フラグをオン設定する。ステップS938の後、本処理を終了する。
図23の説明に戻り、ステップS804で肯定判別された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップS809に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。つまり、4msec毎に第1表示タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS810に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS810が肯定判別されることになる。
ステップS810で否定判別された場合には、ステップS811において、特別表示装置43の変動表示(切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、点灯されるランプの組合わせを順次切り替えていくよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に特別表示装置43の変動表示(切替表示)が実現される。
一方、ステップS810で肯定判別された場合、すなわち、特別表示装置43における変動表示の停止タイミングに至った場合には、ステップS812において第1表示中フラグをオフする。
続くステップS813では、特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、「大当たり」である場合には、特別表示装置43を構成する複数のランプを「大当たり」に対応する態様(組合わせ)で停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、「外れ」である場合には「外れ」に対応する態様で停止表示させ、「ロング小当たり」である場合には「ロング小当たり」に対応する態様でを停止表示させ、「ショート小当たり」である場合には「ショート小当たり」に対応する態様で停止表示させる。
さらに、ステップS813に係る停止表示設定処理においては、サブ制御装置262に対し演出表示装置42の停止表示を行う旨の確定コマンドを送信するための設定処理を行う。
そして、続くステップS814において、判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。
ここで、判別情報設定処理について、図25を参照して詳しく説明する。先ずステップS1001では、直撃大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1001で肯定判別された場合、すなわち、当否抽選にて大当たりに当選したと判別された場合には、ステップS1002以降の大当たり設定を行う。
具体的には、ステップS1002において、特別遊技状態としての大当たり状態中か否かを示す大当たり中フラグをオン設定する。続くステップS1003では、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを示す第1可変フラグをオン設定する。尚、本実施形態では、第1可変フラグがオンされた場合に、可変入賞装置32が開状態とされる。
続いて、ステップS1004において、可変入賞装置32の開放時間等を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを示す第1可変タイマの設定を行う。本例では、第1可変タイマに対して30秒に相当する「7500」が値として設定される。これにより、1ラウンドあたりの最大開放時間(可変入賞装置32が開状態とされる最長時間)が30秒となる。
次に、ステップS1005において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を示すラウンド数カウンタの設定を行う。ここでは、「直撃大当たり」に対応して、総ラウンド数を示す「15」が値として設定される。
続くステップS1006では、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントする入賞カウンタの設定処理を行う。本例では、1ラウンドあたりの最大入球個数を示す「8」が値として設定される。その後、本処理を終了する。尚、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図11のステップS301参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検知情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると、入賞カウンタの値が1減算される。
また、ステップS1001において否定判別された場合、すなわち当否抽選にて大当たりに当選していないと判別された場合には、ステップS1007へ移行する。
ステップS1007では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮モード(高入球状態)の継続期間を計測するための手段である。本実施形態において、時間短縮モードは、大当たり状態終了後、特別表示装置43において変動表示が4回行われるまでとなっており、後述するように大当たり終了後にカウンタ値として「4」が設定される。
ここで、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、時間短縮モード中とみなし、ステップS1008において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1009へ移行する。
ステップS1009では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、大当たりの終了後(時間短縮モードの付与後)、4回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1010において時間短縮モードフラグをオフする処理を行い、ステップS1011において通常モードフラグをオンする処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS1009で、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」ではないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図26を参照して説明する。
まず、ステップS1201において大当たり中フラグを参酌し、大当たり中か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS1201で肯定判別された場合、ステップS1202において、第1可変タイマのカウント値を1減算する。続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS1203で肯定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、該ステップS1204では、第1可変フラグがオンされるときに設定される1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間が残されているか否かを判別する。
ステップS1204にて否定判別された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が1ラウンドあたりの規定個数(本例では8個)に達したか否かを判別する。ステップS1205にて否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判別された場合には、ステップS1206に進み、ラウンド数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、ラウンド数(可変入賞装置32の開放回数)が規定回数に達したか否かを判別する。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。該終了設定処理の詳細は後述する。
ステップS1206で否定判別された場合、すなわちラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1208において、ラウンド送り処理を行い、本処理を終了する。ラウンド送り処理では、ラウンド数カウンタの値を1減算する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで可変入賞装置32の開閉処理が繰り返し行われる。また、ラウンド送り処理では、第1可変フラグをオフにするとともに、第1可変タイマに対して、次のラウンドが開始されるまでのウエイト時間(インターバル時間)をセットする。
そして、上記ステップS1203にて否定判別された場合、すなわち、ラウンド間のインターバル期間中である場合には、ステップS1209に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1209にて肯定判別された場合、すなわちインターバル期間が終了し、次のラウンドを開始するタイミングに至った場合には、ステップS1210においてラウンド開始処理を行う。ラウンド開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対して1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間(本例では「7500」)を設定し、入賞カウンタに対して1ラウンドあたりの最大入賞個数(本例では「8」)を設定する。ステップS1209にて否定判別された場合、又は、ステップS1210にてラウンド開始処理が完了した場合には、本処理を終了する。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
ここで、ステップS1207の終了設定処理について、図27を参照して説明する。先ず、ステップS1301では、第1可変フラグをオフする。続くステップS1302では、大当たり中フラグをオフする。その後、ステップS1303において、時間短縮モードフラグをオン設定する。すなわち、本実施形態では、「直撃大当たり」、並びに、「V入賞大当たり(「15ラウンド大当たり」、「7ラウンド大当たり」、及び、「3ラウンド大当たり」)の全ての大当たり種別の大当たり状態終了後において、時間短縮モードが付与されるように構成されている。
ステップS1303の後、ステップS1304において、通常モードフラグをオフし、ステップS1305において、変動回数カウンタに「4」を設定してからステップS1306に移行する。すなわち、大当たり終了後は、変動表示が4回行われるまでの間、時間短縮モードとなる。ステップS1306では、各種大当たりフラグをオフする処理を行う。ステップS1306の後、本処理を終了する。
次に、ステップS207の羽根部材開閉処理について、図28を参照して説明する。先ず、ステップS1801では、羽根開放フラグ(変動表示設定処理のステップS914参照)がオンされているか否かを判別する。ステップS1801で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1801で肯定判別された場合には、ステップS1802において、羽根部材404が開放中であることを示す小当たり開放中フラグがオンであるか否かを判別する。該ステップS1802で否定判別された場合、すなわち、「小当たり」の当選によってこれから羽根部材404を開放する場合には、ステップS1803に移行する。
ステップS1803では、開閉制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。尚、上述したように、変動表示設定処理に際して「小当たり」に当選したと判別された場合に、開閉制御タイマに対し、特別表示装置43にて行われる変動表示の変動時間と同じ時間に相当する値が設定される(ステップS919、ステップS923、ステップS926、ステップS930、ステップS934、ステップS937参照)。このため、対応する変動表示の終了と同時に、該判別においても肯定判別されることとなる。
ステップS1803で否定判別された場合、ステップS1804において、開閉制御タイマの値を1減算し、本処理を終了する。一方、ステップS1803で肯定判別された場合、すなわち、羽根部材404を開放するタイミングが到来した場合には、ステップS1805において、小当たり開放中フラグをオンにするとともに、ステップS1806において、羽根部材404を開状態とさせる処理を行う。
その後、ステップS1807において、特別変動保留エリアの実行エリアのロング小当たり発生フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップS1807で肯定判別された場合には、ステップS1808において、開閉制御タイマに対して1.5秒に相当する値「375」を設定し、本処理を終了する。
一方、ステップS1807で否定判別された場合には、ステップS1809において、開閉制御タイマに対して0.5秒に相当する値「125」を設定し、本処理を終了する。
また、ステップS1802で肯定判別された場合には、ステップS1810において、開閉制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1810で否定判別された場合には、ステップS1811において、開閉制御タイマの値を1減算し、本処理を終了する。
一方、ステップS1810で肯定判別された場合、すなわち、羽根部材404を閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS1812において、小当たり開放中フラグをオフし、ステップS1813において、羽根開放フラグをオフし、ステップS1814において、羽根部材404を閉状態とさせる処理を行ってから、本処理を終了する。従って、ステップS207の羽根部材開閉処理を実行する機能が本実施形態における可変入球手段の開閉動作を所定回数実行可能(可変入球手段を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能)な開閉制御手段を構成することとなる。
次に、前記ステップS208の第2表示制御処理について図29のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2101では、スルーゲート用表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見てスルーゲート用表示装置41による変動表示(切換表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合にはスルーゲート用表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、スルーゲート用表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値が0よりも大きければ、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、スルーゲート用表示装置41において変動表示(切換表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、スルーゲート用表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
本実施形態では、高入球状態である時間短縮モードと、通常モードとではスルーゲート用表示装置41における変動表示の変動時間が異なっており、時間短縮モードにおいては、第2表示タイマに対して0.5秒に相当する値「125」が設定され、通常モードにおいては、第2表示タイマに対して5秒に相当する値「1250」が設定される。大当たりのうち、例えば確変大当たりなど終了後に高確率モードや高サポートモード等の特定の遊技モードが付与され得る特定の大当たりの遊技状態中又はその開放期間を所定の開放遊技状態としてもよい。尚、大当たり状態中においては、通常モードと同様に第2表示タイマに対して「1250」が設定される。
そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。尚、該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、スルーゲート用表示装置41に対し変動表示(切換表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、スルーゲート用表示装置41において変動表示(切換表示)が開始される。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわちスルーゲート用表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否かを判別する。すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109においてスルーゲート用表示装置41にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スルーゲート用表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている入球アシスト乱数カウンタC3の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、入球アシスト乱数カウンタC3の数値0~9のうち「1~8」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第2可変タイマとは、第2始動入賞部33bの開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、高入球状態である時間短縮モードと、通常モードとでは第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)の開放時間が異なっており、時間短縮モードにおいては、第2可変タイマに対して2秒に相当する値「500」が設定され、通常モードにおいては、第2可変タイマに対して0.4秒に相当する値「100」が設定される。尚、大当たり状態中においては、通常モードと同様に第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、スルーゲート用表示装置41の変動表示(切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スルーゲート用表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、点灯されるランプの組合わせを順次切り替えていくよう設定する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎にスルーゲート用表示装置41の変動表示(切換表示)が実現される。
次に上記ステップS209の始動入賞部制御処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第2始動入賞部33b(始動口開閉部材33c)が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第2可変フラグがオンではない(第2始動入賞部33bが閉状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は第2始動入賞部33bが開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第2始動入賞部33bに対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には第2始動入賞部33b(始動口用ソレノイド)に対し始動口開閉部材33cを開放する旨の駆動信号が出力され、第2始動入賞部33bが開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には第2始動入賞部33bに対し始動口開閉部材33cを閉鎖する旨の駆動信号が出力され、第2始動入賞部33bが閉状態となる。
次に、前記ステップS210の第3表示制御処理について図31のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2301では、スペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中であるか否かを示す第3表示中フラグの設定状況を見てスペシャルゲート用表示装置44による変動表示(切換表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第3表示中フラグがオンである場合にはスペシャルゲート用表示装置44において変動表示中であるとみなされ、第3表示中フラグがオフである場合には、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2301で否定判別された場合には、ステップS2302に進み、スペシャルゲート通過フラグがオンであるか否かを判別する。該ステップS2302において否定判別された場合、すなわちスペシャルゲート通過フラグがオンでない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、変動表示中でなく且つスペシャルゲート通過フラグがオンであれば、ステップS2303に進み、スペシャルゲート通過フラグをオフとする。続くステップS2304では、開始設定処理を実行する。この処理では、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示(切換表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第3表示中フラグをオンにするとともに、第3表示タイマの設定処理が行われる。第3表示タイマとは、スペシャルゲート用表示装置44にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
本実施形態では、遊技状態が時間短縮モードであるか、通常モードであるかにかかわらず、変動表示の変動時間が一律に1秒とされており、第3表示タイマに対して1秒に相当する値「250」が設定される。
そして、ステップS2304の終了後、第3表示制御処理を終了する。尚、該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、スペシャルゲート用表示装置44に対し変動表示(切換表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示(切換表示)が開始される。
また、ステップS2301で肯定判別された場合、すなわちスペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中である場合には、ステップS2306に進み、第3表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第3表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2307に進み、第3表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2307で肯定判別された場合には、ステップS2308において第3表示中フラグをオフし、ステップS2309においてスペシャルゲート用表示装置44にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スペシャルゲート用表示装置44に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。
なお、上述したように、上記作動アシスト乱数格納エリアに格納されている作動アシスト乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、作動アシスト乱数カウンタC4の数値0~19のうち「1~15」が当たり値である。
続いてステップS2310に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、バイパス機構部721の可動役物722の駆動処理を行うための設定処理を行う。具体的には、役物作動中フラグをオンにして、役物作動タイマに作動時間を設定する。
役物作動中フラグとは、可動役物722が作動中であるか否かを判別するための判別情報である。
役物作動タイマとは、可動役物722の作動時間(残余時間)を計測する手段であり、作動開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、役物作動タイマに対して4秒に相当する値「1000」が設定される。
一方、ステップS2307で否定判別された場合には、ステップS2111において、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示(切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、スペシャルゲート用表示装置44に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、点灯されるランプの組合わせを順次切り替えていくよう設定する。これによって、第3表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎にスペシャルゲート用表示装置44の変動表示(切換表示)が実現される。
次に、上記ステップS211の役物駆動制御処理において行われるバイパス機構制御処理について図32のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2401において可動役物722が作動状態であるか否かを示す役物作動中フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、役物作動中フラグがオンではない(可動役物722が収容状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2401において肯定判別された場合、すなわち役物作動中フラグがオンである場合は可動役物722が突出状態であるとみなし、ステップS2402において役物作動タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に役物作動タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2403に進み、上記減算後の役物作動タイマの値を参酌して、規定された突出時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された突出時間を経過した時、すなわち役物作動タイマの値が「0」となった時にステップS2403が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2403で肯定判別された場合にはステップS2404へ移行し、ステップS2404にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2404の終了設定処理では、役物作動中フラグをオフする処理が行われる。
尚、役物作動中フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、バイパス機構部721(可動役物用ソレノイド725)に対し各種制御信号が出力される。役物作動中フラグがオンの場合には、可動役物用ソレノイド725を励磁状態にする駆動信号が出力され、可動役物722が突出状態となる。一方、役物作動中フラグがオフの場合には、可動役物用ソレノイド725を非励磁状態にする駆動信号が出力され、可動役物722が収容状態となる。
次に、ステップS212の残存球監視処理について図33を参照して説明する。先ず、ステップS7101では、内部領域401内に残存する遊技球の数を特定するため、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。
尚、「残存球監視カウンタ」は、上述したように、内部入球検知スイッチ437の検知に基づいて1加算され、非特別入球検知スイッチ462、15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、3R入球検知スイッチ736、及び、スペシャルゲートスイッチ651の検知に基づいて1減算される。
ステップS7101で肯定判別された場合、すなわち内部領域401内に遊技球が残存していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7101で否定判別された場合には、ステップS7102において、内部領域401に対して遊技球が最後に入球してから所定時間が経過したか否かを判別するための監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS7102で否定判別された場合には、ステップS7103において監視タイマの値を1減算してから本処理を終了する。尚、本実施形態では、内部領域401への入球があった際に、監視タイマに「10000」がセットされる。このため、内部領域401に最後の入球があってから40秒後に監視タイマが「0」になる。また、本実施形態では、遊技球が内部領域401に入球してから排出されるまでの時間(具体的には、遊技球が内部入球検知スイッチ437に検知されてから、該遊技球が非特別入球検知スイッチ462、15R入球検知スイッチ734、7R入球検知スイッチ735、3R入球検知スイッチ736、又は、スペシャルゲートスイッチ651に検知されるまでの時間)が、概ね8秒~30秒となっている。
一方、ステップS7102で肯定判別された場合、つまり遊技球が内部領域401に入球してから排出されるまでの時間として想定された時間を大幅に経過しても残存球監視カウンタの値が「0」にならない場合には、内部領域401内において球詰まりが発生しているとみなし、ステップS7104においてエラー報知処理を行う。例えばエラー表示ランプ104を点灯したり、エラー報知の音声を出力したり、遊技球の発射を禁止する等の制御を行う。その後、本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図34を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図35を参照してメイン処理を説明する。
図34は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば図36に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図35を参照して説明する。図35は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、続くステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図36のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、ステップS3201において、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う。
ここで、ステップS3201のコマンド判定処理について、図37を参照して説明する。
まず、ステップS3301では、コマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図34参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302~ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304~ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図36のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満杯状態又は下皿満杯解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満杯スイッチの検知信号により下皿15の満杯状態を判別し、下皿満杯になった時、下皿満杯状態の設定を実行し、下皿満杯でなくなった時、下皿満杯解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図38を参照しつつ詳しく説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、先発コマンドに含まれる変動情報を、RAM553に設けられた保留情報格納エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bいずれの始動入賞部33への入球を契機とする変動表示であるか(始動入賞判別フラグの設定)を示す情報、大当たりに対応する変動情報であるか(大当たり発生フラグの設定)を示す情報、ロング小当たりやショート小当たりに対応する変動表示であるか(ロング小当たり発生フラグやショート小当たり発生フラグの設定)を示す情報、外れに対応する変動表示であるか否か(外れフラグの設定)を示す情報、変動表示の変動時間(2秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグ、0.1秒変動フラグの設定)を示す情報が含まれる。
また、保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。保留情報格納エリアには、変動表示(特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、先発コマンドに含まれる変動情報が時系列的に格納される。該構成を採用することで、主制御装置261の特別変動保留エリアに記憶された変動情報を、サブ制御装置262においても把握することができる。
ここで、ステップS3903の保留情報格納処理について、図39を参照して説明する。
先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする保留カウンタNpを1インクメントする。
続くステップS4103では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、小当たりか否かの情報、変動時間の情報等を含む変動情報を、保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。その後、ステップS4104において、演出表示内容の決定に際して用いられる各種カウンタの値を取得し、該値を変動情報が記憶されたのと同じ保留エリアに記憶する。
ステップS4104の処理を行った後、又は、ステップS4101で否定判別された場合には、ステップS4105に移行し、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。該ステップS4105で肯定判別された場合には、ステップS4106において、保留カウンタNpの値を1減算する。
ステップS4106の後、ステップS4107において、保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留情報格納エリアの第1~第4保留エリアに格納されているデータ(フラグ情報も含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリア→実行エリア、第2保留エリア→第1保留エリア、第3保留エリア→第2保留エリア、第4保留エリア→第3保留エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS4107の処理を行った後、又は、ステップS4105で否定判別された場合には、本処理を終了する。
図38の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3911へと移行する。
ステップS3905では、演出表示内容の決定に際して用いられる各種カウンタの更新処理を実行する。続くステップS3906では表示設定処理を行う。ここでは、基本的に変動パターンコマンドの受信に際してRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで演出表示装置42において表示する表示態様が決定される。この際、サブ制御装置262は、各種演出の種別(変動種別)と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。
尚、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、演出表示装置42での変動表示等を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、確定コマンドを受信するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに演出表示が継続される。そして、確定コマンドを受信した場合には、演出表示装置42における変動表示を停止する。
また、該ステップS3906では、演出ボタン125の操作の有無についても確認し、演出ボタン125の操作が確認された場合には、これに応じた設定を行う。さらに、本実施形態では、終了設定処理において変動回数カウンタに「4」が設定された場合や、判別情報設定処理において変動回数カウンタの値が1減算された場合に、その旨を含むコマンドが主制御装置261からサブ制御装置262に出力され、サブ制御装置262では、該コマンド情報に基づいて、演出表示装置42にて時間短縮モードの残り回数を表示する構成となっている。
加えて、該ステップS3906において、遊技球がスペシャルゲート650を通過したことに基づき主制御装置261から出力される作動予告コマンドをサブ制御装置262が受信した場合には、可動役物722が作動する激熱タイムであることを予告する作動予告演出を行う構成としてもよい。
例えば何秒後に可動役物722が作動するといったことを報知する演出や、ルート振分け部材603によって、どのタイミングで遊技球が通常案内通路604へ案内された場合には、可動役物722がより良いタイミングで作動することなどを報知する演出などが行われる。
ステップS3907のランプ設定処理では、中央入賞ユニット37にて行われる演出や、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップS3908の音声設定処理では、中央入賞ユニット37にて行われる演出や、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3908で行われる。
ステップS3909では、客待ち演出(例えば、演出表示装置42において特別表示装置43の変動表示に対応する表示演出が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3910では、上記ステップS3905~3909の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、特別表示装置43の変動表示に対応する表示演出を演出表示装置42に行わせる際に、表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3905~S3910の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3911に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3912に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3911で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3913において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態によれば、遊技領域内に発射された遊技球が始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)に入球し、かつ、該入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に、中央入賞ユニット37の羽根部材404が開閉動作し、入球開口部403が所定時間だけ開状態となる。
そして、入球開口部403が開状態とされた場合に、該入球開口部403を介して中央入賞ユニット37の内部領域401に入球した遊技球は、導入通路601を介して落下通路602へ案内される。
該落下通路602を落下した遊技球は、その行き先を、ルート振分け部材603によって、当否抽選エリア407へ案内可能な通常案内通路604、又は、役物作動抽選エリア409へ案内可能な特別案内通路605へ振り分けられる。
但し、通常時、ルート振分け部材603は、右傾斜状態にあり、右側の特別案内通路605を閉状態としているため、落下通路602を落下してくる遊技球は、左側の通常案内通路604へ導かれることとなる。
そして、遊技球が通常案内通路604へ導かれると、ルート振分け部材603は、接触する遊技球から受ける力によって所定時間、左傾斜状態となる。従って、このタイミングで落下通路602を落下してくる遊技球があれば、該遊技球は特別案内通路605へ導かれることとなる。
通常案内通路604へ導かれた遊技球は、当否抽選エリア407に導かれ、回転体ユニット410(回転体414)によって、その行き先を振り分けられる。ここで、第1V入賞通路427に遊技球が入球し、該遊技球が第1特別入球検知スイッチ461に検知された場合には、大当たり状態(V入賞大当たり)を発生させる権利が付与されることとなる。
その後、第1特別入球検知スイッチ461に検知された遊技球は、種別抽選エリア408に案内され、大当たり種別の決定に供される。そして、ここで大当たり種別(ラウンド数)が決定された後、大当たり状態が開始される。
一方、特別案内通路605へ導かれた遊技球は、役物作動抽選エリア409へ案内され、スペシャルゲート650を通過する。そして、スペシャルゲート650のスペシャルゲートスイッチ651によって遊技球が検知されると、作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合には、可動役物722が所定時間だけ作動する。
可動役物722が作動状態となり、ステージ部432より突出した状態となると、可動役物722内の第2V入賞通路730を介して、通常案内通路604とバイパス通路737が連通状態となる。
そして、可動役物722の作動状態中に第2V入賞通路730へ遊技球が入球した場合、該遊技球はバイパス通路737へ導かれ、該遊技球が第2特別入球検知スイッチ738に検知されることによって、大当たり状態(V入賞大当たり)を発生させる権利が付与されることとなる。
その後、バイパス通路737を介して、遊技球が15R入球口731に入球すると、15R大当たりが開始される。
つまり、可動役物722が作動状態(突出状態)となった場合には、回転体ユニット410並びに種別振分け機構部741を介することなく、通常案内通路604へ導かれた遊技球が直接、15R入球口731へ案内されることとなる。
以下、本実施形態の主な作用効果について述べる。上記のとおり、本実施形態では、中央入賞ユニット37の内部領域401に可動役物722を備えることにより、内部領域401に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。特に本実施形態では、可動役物722が作動状態となることで、V入賞大当たりの発生期待度を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、中央入賞ユニット37の内部領域401のスペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)にて遊技球が検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に可動役物722が作動するよう構成されている。
これにより、可動役物722が定期的又は継続的に常時可動することもなく、また、スペシャルゲートスイッチ651による入球検知に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動役物722に関連する演出の単調化を抑制し、可動役物722が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、可動役物722の動作契機を検出する契機入球手段(スペシャルゲート650)を中央入賞ユニット37の内部領域401に備えることにより、内部領域401に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動役物722が有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、中央入賞ユニット37の内部領域401における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、スペシャルゲート650を通過した遊技球が内部領域401外へ排出され、第1V入賞通路427等へ流下不能(入球不能)な構成となっている。仮にスペシャルゲート650を通過した遊技球が第1V入賞通路427等へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動役物722が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動役物722が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動役物722の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、スペシャルゲート650を介さず、通常案内通路604を介して第1V入賞通路427等へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。これに対し、本実施形態によれば、スペシャルゲート650を通過する遊技球と、可動役物722が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、中央入賞ユニット37の内部領域401に入球した遊技球の行き先を、当否抽選エリア407へ案内可能な通常案内通路604、又は、役物作動抽選エリア409(スペシャルゲート650)へ案内可能な特別案内通路605へ振り分けるルート振分け部材603を備えている。
そして、例えば中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が通常案内通路604へ案内され、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605へ案内される構成となっている。これにより、内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球した場合に、遊技球を通常案内通路604及び特別案内通路605の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、可動役物722の作用効果がより奏功することとなる。
但し、本実施形態では、発射装置60によって0.6秒間隔で遊技球が発射される構成の下、「ショート小当たり」時には、中央入賞ユニット37の羽根部材404が0.5秒間開放され、「ロング小当たり」時には、羽根部材404が1.5秒間開放される構成となっている。これにより、中央入賞ユニット37(羽根部材404)が開状態となる1回の開状態期間中に、該中央入賞ユニット37に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況が頻繁には発生しにくい構成となっている。
かかる構成の下、仮に複数の遊技球が同時期(例えば羽根部材404の1回の開状態期間中)に連続して中央入賞ユニット37へ入球しなければ、可動役物722の作用(アシスト)を受けて、より高確率で遊技球がV入賞しないような構成となっている場合には、複数の遊技球が同時期に連続して中央入賞ユニット37へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、所定の遊技球がスペシャルゲート650を通過してから、スペシャルゲート用表示装置44にて行われる変動表示の変動時間(可動役物722が作動開始するまでの時間)として「1秒」が設定されると共に、作動開始後の可動役物722の作動時間として「4秒」が設定されている。
これにより、例えばスペシャルゲート650に入球した遊技球と共に、他の遊技球が中央入賞ユニット37に入球しなかったり、スペシャルゲート650に入球した遊技球と共に中央入賞ユニット37に入球した他の遊技球がV入賞しなかった場合でも、その後に中央入賞ユニット37に入球した遊技球に対して、より高確率でV入賞するチャンスが与えられることとなる。
つまり、スペシャルゲート650を通過した遊技球と同時期(例えば羽根部材404の1回の開状態期間中)に中央入賞ユニット37へ入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率でV入賞するチャンスが与えられる構成となっている。
より具体的には、例えば中央入賞ユニット37(羽根部材404)の1回の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域401に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域としての入口部601bを通過した遊技球)が通常案内通路604に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に入口部601bを通過した遊技球)が特別案内通路605に流下して、その後、特別案内通路605へ流下した遊技球がスペシャルゲート650を通過して可動役物722が作動する場合において、通常案内通路604へ流下した遊技球が可動役物722を通過する時点では、可動役物722が未だ作動せず、通常案内通路604へ流下した遊技球が可動役物722の作用(アシスト)を受けず、V入賞しなかった場合でも、その後、中央入賞ユニット37(羽根部材404)の次の開状態期間中に内部領域401へ入球した遊技球(次の次に入口部601を通過した遊技球)が通常案内通路604へ流下し、可動役物722の作用により、V入賞するチャンスが与えられることとなる。
勿論、上記構成に代えて、スペシャルゲート用表示装置44にて行われる変動表示の変動時間(可動役物722が作動開始するまでの時間)や、作動開始後の可動役物722の作動時間など、各種設定時間を上記設定時間とは異なる時間に設定し、所定の遊技球がスペシャルゲート650を通過した後、比較的長い期間を経て(例えば1分以上後に)内部領域401へ入球した遊技球が通常案内通路604へ流下し、可動役物722の作用により、V入賞するチャンスが与えられる構成としてもよい。
このような構成とすることにより、遊技者は、遊技球がスペシャルゲート650を通過したことを確認した後段階であっても、中央入賞ユニット37へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
(a)上記実施形態に係るパチンコ機10は、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、可変入賞装置32が開閉する大当たり状態(直撃大当たり)が発生するタイプの遊技機(いわゆる旧第1種パチンコ機)の機能と、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に開状態となる中央入賞ユニット37を備え、該中央入賞ユニット37内に入球した遊技球が第1V入賞通路427等に入球して大当たり状態(V入賞大当たり)が発生するタイプの遊技機(いわゆる旧第2種パチンコ機)の機能とを兼ね備えた、いわゆる1種2種混合機である。
これに限らず、所定の遊技価値が付与される他のタイプのパチンコ機として実施してもよい。遊技価値には、例えば遊技者に払出される賞球等の遊技媒体、大当たり中に付与される特賞状態(ラウンド)、大当たり終了後に付与される高確率モード等の遊技モードなどが含まれる。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば、始動入賞部33へ遊技球が入球した場合に所定の抽選処理を行うことなく(又は当選確率100%の抽選処理を行ってもよい。)、始動入賞部33への入球に基づき、中央入賞ユニット37が開状態となり、該中央入賞ユニット37内に入球した遊技球が第1V入賞通路427等に入球して大当たり状態が発生するタイプの遊技機(いわゆる旧第2種パチンコ機)として実施してもよい。
また、可変入賞装置32に代えて、可変入球手段としての中央入賞ユニット37が開閉する大当たり状態が発生する構成としてもよい。かかる場合、可変入賞装置32を省略した構成としてもよい。つまり、所定の始動入球手段への入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、所定の可変入球手段(特定領域としての大入賞口)が開閉する大当たり状態が発生するタイプの遊技機において、前記可変入球手段の内部領域に可動体を備えた構成としてもよい。
また、始動入賞部33への入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に開状態となる中央入賞ユニット37等の可変入球手段を備え、該可変入球手段内に入球した遊技球がV入賞口等の特別入球手段に入球した場合に特定の遊技価値が付与されるタイプの遊技機として実施してもよい。つまり、このようなタイプの遊技機において、前記可変入球手段の内部領域に可動体を備えた構成としてもよい。
また、上記実施形態に係る中央入賞ユニット37では、左側の入球開口部403に入球した遊技球は特定領域を構成する左側の入口部601bを必ず通過し、右側の入球開口部403に入球した遊技球は特定領域を構成する右側の入口部601bを必ず通過する構成となっており、内部領域401に入球した遊技球は所定検知手段を構成する左右いずれかの内部入球検知スイッチ437によって必ず検知されるようになっている。但し、特定領域や所定検知手段が設けられる位置や数など、特定領域や所定検知手段に係る各種構成は、上記入口部601bや内部入球検知スイッチ437に係る構成に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば導入通路601の1つの出口部601aを特定領域とし、ここに所定検知手段としての内部入球検知スイッチ437を配置した構成とするなど、1又は複数の特定領域や所定検知手段を左右の入口部601bとは異なる位置に設けた構成としてもよい。
また、中央入賞ユニット37において、左右一対の入球開口部403等(左右一対の羽根部材404や、導入通路601及びその左右一対の入口部601bを含む。)のうち一方を省略した構成としてもよい。例えば左側の入球開口部403等(左側の羽根部材404や、導入通路601の左側部分及びその左側の入口部601bを含む。)を省略し、右側の入球開口部403等(右側の羽根部材404や、導入通路601の右側部分及びその右側の入口部601bを含む。)だけが設けられた構成としてもよい。これにより、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられた特定領域としての出口部601aへ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路(導入通路601の右側部分)が1箇所にのみに設けられた構成となる。つまり、前記1箇所の球通路を通過しない遊技球は、出口部601aを通過して内部領域401へ入球不能な構成となる。また、球通路(導入通路601の右側部分)は、所定の強度(右打ち)で発射され中央入賞ユニット37の上方を飛び越した遊技球のみが通過可能な位置に設けられていることとなる。
これに代えて又は加えて、中央入賞ユニット37の左右両側のうちの一方側(例えば右側)の外側位置(羽根部材404よりも外側位置)において、該一方側の入球開口部403等(一方側の羽根部材404や、導入通路601の一方側部分及びその一方側の入口部601bを含む。)へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路(球通路を有する球通路部材など)を設けた構成としてもよい。
また、導入通路601の出口部601aや入口部601b等の特定領域において、所定方向(内部領域401側)への遊技球の通過を許容する一方で、前記所定方向とは逆方向への遊技球の通過を規制する規制手段(遊技球から受ける力によって、第1の状態から第2の状態へ状態変化する弁状部材など)を備えた構成としてもよい。
尚、パチンコ機10に係る各種抽選(ソフト的な抽選処理や機械的機構による抽選など)に係る当選確率については、機種毎に適宜設定されるものであり、任意の値を採用することができる。また、遊技盤30の盤面構成等についても適宜、変更可能であることはいうまでもない。
また、遊技球を遊技機内で循環させる等して遊技者に対し直接的に払い出さないタイプの遊技機、いわゆる封入式のパチンコ機として実施してもよい。
(b)大当たりの種別(ラウンド数や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり状態の種別として、特賞状態(ラウンド)が3回繰り返される「3ラウンド大当たり」と、特賞状態(ラウンド)が7回繰り返される「7ラウンド大当たり」と、特賞状態(ラウンド)が15回繰り返される「15ラウンド大当たり」とが設定されているが、これに限らず、ラウンド数が異なる他の大当たり状態が発生する構成としてもよい。
勿論、複数種別の大当たり状態が発生可能な遊技機ではなく、大当たり状態が1種別(例えば15ラウンド大当たり)だけしか発生しない遊技機として実施してもよい。
(c)大当たり状態の終了後に付与される遊技モードの構成(付与期間や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり状態の終了後、特別表示装置43において変動表示が4回行われる間、特別表示装置43における変動表示の時間(変動時間)が短縮される時間短縮モードが付与される構成となっているが、時間短縮モードの付与期間は、これに限定されるものではない。例えば大当たり状態の終了後、次の大当たり状態が発生するまでの間、時間短縮モードが継続される構成としてもよい。
また、大当たり状態の終了後の遊技モードとして、時間短縮モードに代えて又は加えて、大当たり状態(直撃大当たり)の当選確率が高確率となる高確率モードなどが付与される構成としてもよい。時間短縮モードや高確率モードなど特定の遊技モードを特別遊技状態としてもよい。大当たり状態の終了後に高確率モードが付与され得る権利を有した大当たり、いわゆる確変大当たりが発生する際には特別表示装置43等にて該確変大当たりに対応する特定態様で停止表示が行われるようにしてもよい。勿論、大当たり状態の終了後に時間短縮モードや高確率モード等が付与されない構成の遊技機として実施してもよい。
また、上記実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球アシスト抽選の当選確率や、スペシャルゲートスイッチ651への遊技球の通過に基づいて行われる作動アシスト抽選の当選確率については、いずれのモードにおいても同一となるよう構成されている。
これに限らず、大当たり状態の終了後の遊技モードとして、上記時間短縮モード若しくは上記高確率モードに代えて又は加えて、入球アシスト抽選の当選確率や、作動アシスト抽選の当選確率、小当たり(特にロング小当たり)の当選確率などが、通常モードよりも高確率となるモード(高サポートモード)が行われる構成としてもよい。これらの高サポートモードの少なくとも1つを特定の遊技モードとしてもよい。
(d)役物作動抽選(役物作動抽選エリア409等)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(d-1)例えば上記実施形態では、役物作動抽選エリア409に設けられたスペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)にて遊技球が検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に、作動条件が成立し、可動役物722が作動するように構成されている。
これに限らず、例えば抽選処理を行うことなく、スペシャルゲートスイッチ651にて遊技球が検知された場合に、必ず作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。
また、スペシャルゲートスイッチ651により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、その計数値が所定数以上となった場合に作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。又は、スペシャルゲートスイッチ651により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、その計数値が所定数以上となった場合に所定の抽選処理を実行して所定の抽選結果が得られた場合に、作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。
(d-2)また、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選をソフト的な抽選処理ではなく、中央入賞ユニット37の内部領域401にクルーン等の機械的抽選機構を備え、遊技球の挙動に基づいて抽選を行う構成としてもよい。但し、ソフト的に抽選処理を行う方が、中央入賞ユニット37の構成の簡素化を図る上では好ましい。
例えば、役物作動抽選エリア409において、遊技球が必ずスペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)を通過するのではなく、遊技球が所定の割合でスペシャルゲート650を通過し得る(又は通過しない)構成としてもよい。
(d-3)また、上記実施形態では、可動役物722の動作契機を検出するための契機入球手段(スペシャルゲート)が中央入賞ユニット37の内部領域401に設けられた構成となっているが、契機入球手段(スペシャルゲート)が設けられる位置は、これに限定されるものではなく、異なる位置でもよい。
例えば中央入賞ユニット37において、内部領域401とは異なる第2の内部領域(羽根部材404により開閉される入球開口部403とは異なる入口部から入球可能な領域)を備え、該第2の内部領域に契機入球手段(スペシャルゲート)が設けられた構成としてもよい。
(d-4)また、スルーゲート34のように、中央入賞ユニット37外の遊技領域内に契機入球手段(スペシャルゲート)を備え、遊技領域を流下する遊技球が入球(通過)可能な構成としてもよい。尚、契機入球手段に係る構成は、入球した遊技球が通過可能なスルーゲート等の入球手段に限定されず、入球した遊技球が遊技領域外へ排出される入賞口等の入球手段でもよい。そして、所定のスルーゲートや所定の入賞口などへの遊技球の入球に基づき、所定の抽選処理が実行され、所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合など、所定の作動条件が成立した場合に、可動役物722が作動する構成としてもよい。例えば後述するように抽選無効期間において始動入賞部33a,33b(始動入賞スイッチ224a,224b)にて遊技球が検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に、作動条件が成立し、可動役物722が作動する構成としてもよい。
また、中央入賞ユニット37(内部領域401)へ入球し、特別案内通路605へ案内された遊技球が、スペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知された後、遊技盤30背面側へ排出されるのではなく、中央入賞ユニット37外の遊技領域内へ再び戻る構成としてもよい。
また、中央入賞ユニット37(内部領域401)へ入球し、特別案内通路605へ案内された遊技球が、所定の球検知手段に検知されることなく、該特別案内通路605を通過して、中央入賞ユニット37外の遊技領域内へ再び戻り、その後、中央入賞ユニット37外の遊技領域内に設けられた契機入球手段(スペシャルゲート等)へ入球可能に構成され、ここで契機入球検知手段(スペシャルゲートスイッチ等)により検知され得る構成としてもよい。
但し、可動役物722の動作契機を検出する契機入球手段(スペシャルゲート)が中央入賞ユニット37外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段(スペシャルゲートスイッチ)に誤検知させ、可動役物722を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがあるため、かかる観点からみれば、契機入球手段(スペシャルゲート)が中央入賞ユニット37内に配置されていることがより好ましい。
(d-5)上記実施形態では、遊技球がスペシャルゲート650を通過すると、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が開始され、所定時間後、作動アシスト抽選の抽選結果に対応した態様で停止表示が行われ、ここで作動アシスト抽選の抽選結果が当選結果であった場合には、その後、可動役物722が作動するよう構成されている。
これに限らず、作動アシスト抽選の抽選結果を表示するための表示手段(スペシャルゲート用表示装置44)を省略した構成としてもよい。
また、上記実施形態では、スペシャルゲート用表示装置44における変動表示の変動時間が一律(1秒)となっているが、これに限らず、変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを備えた構成としてもよい。
例えば主制御装置261において、変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、スペシャルゲートスイッチ651により遊技球が検知されることに基づき、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な変動パターン選出手段とを備え、前記変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、スペシャルゲート用表示装置44を制御する構成としてもよい。
これにより、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。ひいては、スペシャルゲートスイッチ651により遊技球が検知されてから、実際に可動役物722が作動状態(有利状態)となるまでの作動開始期間を可変とすることとができる。
(d-6)上記実施形態では、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球がスペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知されたとしても、その分の変動表示(作動アシスト抽選結果)は保留されない構成となっている。つまり、その分の作動アシスト抽選は無効となり、可動役物722を作動させる権利が新たに付与されないように構成されている。
これに限らず、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球がスペシャルゲート650を通過し、スペシャルゲートスイッチ651により検知された場合に、所定回数分の変動表示(作動アシスト抽選結果)を保留可能な保留手段(変動保留エリア)を備えた構成としてもよい。
ここで、前記保留手段(変動保留エリア)は、例えば上記実施形態において入球アシスト乱数カウンタC3の値を記憶する普通変動保留エリアなどと同様に、1つの実行エリアと複数の保留エリアとを備え、該複数の保留エリアに、スペシャルゲート650への遊技球の通過履歴に合わせて、作動アシスト乱数カウンタC4の値が時系列的に格納される構成としてもよい。勿論、前記保留手段に格納される情報は、作動アシスト乱数カウンタC4の値のみに限定されるものではなく、他の情報が格納される構成としてもよい。
(e)ルート振分け(ルート振分けエリア406等)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(e―1)例えば上記実施形態のルート振分け部材603は、揺動可能に軸支されると共に、通常時には、図示しないコイルばね等の付勢手段により右傾斜状態で維持され、落下通路602を落下してくる遊技球が、左側の通常案内通路604へ流下可能な状態となっている。そして、かかる状態で、落下通路602を落下してくる遊技球が左側の通常案内通路604へ導かれた場合には、ルート振分け部材603は、左片部614に接触する遊技球から受ける力によって、上記付勢手段の付勢力に抗して反時計回り方向に回動し、所定時間、左傾斜状態となり、落下通路602を落下してくる遊技球が右側の特別案内通路605へ流下可能な状態となるよう構成されている。
ルート振分け手段の構成(形状や動作態様など)は、これに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えばルート振分け部材603の軸部611に軸ピン610が固定されると共に、該軸部611が上部後壁部400aの背面側へ突出し、さらに図46に示すように、該突出した軸ピン610の後端部から下方へ延出形成された作用片800を備えると共に、該作用片800を左右から支持する維持手段としての一対のコイルばね801,802を備え、ルート振分け部材603が、通常時、中央片部613が左右方向中央位置(軸ピン610の位置)にて左右に傾きのない平衡状態(基準姿勢)に維持される構成としてもよい。
かかる構成とすることにより、通常時、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し遊技球が落下してきた場合、該遊技球が左側の通常案内通路604へ導かれるか、又は、右側の特別案内通路605へ導かれるかわからない状態となっている。
そして、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し落下してきた遊技球が、例えば右側の特別案内通路605へ導かれた場合には、ルート振分け部材603は、右片部615に接触する遊技球から受ける力によって、一旦、時計回り方向に回動し、第1状態(第1姿勢)である右傾斜状態〔図41(a)参照〕となった後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、反時計回り方向に回動し、第2状態(第2姿勢)である左傾斜状態〔図41(b)参照〕となる。その後、再度、右傾斜状態となるといったように、ルート振分け部材603は、複数回左右に揺動した後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、平衡状態に戻る。
同様に、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し落下してきた遊技球が、例えば左側の通常案内通路604へ導かれた場合には、ルート振分け部材603は、左片部614に接触する遊技球から受ける力によって、一旦、反時計回り方向に回動し、左傾斜状態となった後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、時計回り方向に回動し、右傾斜状態となる。その後、再度、左傾斜状態となるといったように、ルート振分け部材603は、複数回左右に揺動した後、一対のコイルばね801,802の弾性力により、平衡状態に戻る。
かかる構成の下、平衡状態にあるルート振分け部材603に対し2つの遊技球が連続して落下してきた場合において、例えば先行の1つ目の遊技球が左側の通常案内通路604へ導かれた場合には、後続の2つ目の遊技球は右側の特別案内通路605へ導かれることとなる。逆に、先行の1つ目の遊技球が右側の特別案内通路605へ導かれた場合には、後続の2つ目の遊技球は左側の通常案内通路604へ導かれることとなる。
尚、上記構成によれば、ルート振分け部材603を駆動する駆動手段を備えることなく、比較的簡単な構成を採用しつつ、連続して落下してくる複数の遊技球を交互に異なるルートへ振り分ける構成を実現することができる。結果として、構成や制御の簡素化、コンパクト化等を図ることができる。
(e―2)図46に例示したルート振分け部材603において、上記一対のコイルばね801,802に代えて、作用片800の下端部に錘を取り付ける等して、通常時はルート振分け部材603に平衡状態を維持させつつ、遊技球の作用により、ルート振分け部材603が自由揺動可能となる構成としてもよい。
(e―3)図46に例示したルート振分け部材603において、上記一対のコイルばね801,802に代えて、ルート振分け部材603を揺動させるモータ等の駆動手段(振分駆動手段)を備え、ルート振分け部材603が右傾斜状態と左傾斜状態との間で定期的又は継続的に揺動する構成としてもよい。また、通常時は、ルート振分け部材603等のルート振分け手段が停止状態にあり、所定の駆動条件が成立し特定状態となった場合においてのみ所定の作動状態となる構成としてもよい。
(e―4)ルート振分け手段は、動作するものでなくてもよく、例えばハウジング400等に固定されたものや一体に設けられたものであってもよい。つまり、遊技球のランダムな挙動により、ルートが振分けられる構成としてもよい。その他、ルート振分け手段が設けられる位置や数など、ルート振分け手段に係る他の各種構成についても、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。例えば1又は複数のルート振分け手段を上記実施形態とは異なる位置(上記中央入賞ユニット37とは異なる他の可変入球手段)に設けた構成としてもよい。
(f)各種案内ルートの構成は上記実施形態に限定されるものではない。
(f-1)例えば上記実施形態では、特に言及していないが、上記実施形態に係る構成においては、ルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722(通常案内通路604の出口部604a)に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成することが好ましい。
仮にルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722(通常案内通路604の出口部604a)に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がスペシャルゲート650に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって通常案内通路604へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605に振分けられた場合に、遊技者は可動役物722が作動するタイミングより先に遊技球が可動役物722に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
尚、通常案内通路604へ案内された遊技球が可動役物722に至る可動体到達時間を長くするには、例えば通常案内通路604の通過に要する遊技球の移動距離を長くすることが一例として考えられる。また、これに代えて又は加えて、例えば遊技球の通過を遅らせる遅延手段を通常案内通路604に設置する構成を採用してもよい。
ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
(f-2)例えば上記実施形態では、ルート振分け部材603によって振り分けられた遊技球を契機入球手段(スペシャルゲート)へ案内する第2ルート(契機入球案内ルート)として、遊技球をスペシャルゲート650へ案内する特別案内通路605が1ルートだけ設けられた構成となっているが、これに限らず、遊技球がルート振分け部材603から契機入球手段(スペシャルゲート)に至るまでに要する時間が異なる複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えた構成としてもよい。
複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えることにより、遊技球がルート振分け部材603により振り分けられた時点(所定の契機)から、実際に可動役物722が作動状態(有利状態)となるまでの期間を可変とすることができる。
また、上記構成によれば、遊技球がルート振分け部材603により振り分けられた時点から契機入球手段(スペシャルゲート)に至るまでの期間を、遊技球の挙動に基づく機械的構成により可変とすることができるため、遊技者が中央入賞ユニット37の内部領域401における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
より具体的な構成として、例えば図47に示すように、ルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722(通常案内通路604の出口部604a)に至る可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が振り分けられた時点から、該遊技球が第1の契機入球手段(第1のスペシャルゲート650A)に至り、可動役物722が作動状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)と、第2の契機入球手段(第2のスペシャルゲート650B)に至る有利状態到達時間が短い第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)とを備えた構成としてもよい。ここで、「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」が「第1の流下ルート」を構成し、「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」が「第2の流下ルート」を構成する(以下同様)。
図47に示す例では、第1のスペシャルゲート650Aにおいて、ここを通過する遊技球を検知する第1のスペシャルゲートスイッチ651Aが設けられ、第2のスペシャルゲート650Bにおいて、ここを通過する遊技球を検知する第2のスペシャルゲートスイッチ651Bが設けられている。ここで「第1のスペシャルゲートスイッチ651A」が「第1の契機入球検知手段」を構成し、「第2のスペシャルゲートスイッチ651B」が「第2の契機入球検知手段」を構成する(以下同様)。
各特別案内通路605A,605B及びスペシャルゲート650A,650Bの通路幅は、遊技球が1球ずつ通過可能な幅に設定されている。また、各スペシャルゲート650A,650Bを通過した遊技球は、図示しない排出通路を介して内部領域401外へ排出される。
また、第2の特別案内通路605Bの入口部には、該入口部を開閉可能なスライド部材655が設けられている。スライド部材655は、前後方向にスライド変位可能に設けられており、前方へ突出した位置へ変位することにより第2の特別案内通路605Bの入口部を閉鎖した閉状態となり、後方へ退避した位置へ変位することにより第2の特別案内通路605Bの入口部を開放した開状態となる。
そして、スライド部材655が閉状態となっている場合には、上流側ルート振分け手段としてのルート振分け部材603によって振り分けられた遊技球は、スライド部材655の上面を通過し、第1の特別案内通路605Aへ案内される。一方、スライド部材655が開状態となっている場合には、ルート振分け部材603によって振り分けられた遊技球は、第2の特別案内通路605Bへ案内される。
ここで、スライド部材655がスライド変位動作を常時繰り返し行っている構成としてもよいし、スライド部材655の状態が定期的に又はランダムに変更される構成としてもよい。また、特定状態において、スライド部材655が開状態となる割合と、閉状態となる割合が異なるように制御されてもよい。
つまり、スライド部材655が、本実施形態における契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を構成し、遊技球の行き先を「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」又は「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ変更可能としている。尚、ルート振分け部材603等のルート振分け手段が、スライド部材655のように所定のルートを開閉する構成となっていてもよい。
そして、各スペシャルゲートスイッチ651A,651Bにて遊技球が検知された場合には、それぞれ可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われる。ここで、作動アシスト抽選にて当選した場合には、可動役物722が所定時間だけ作動する。尚、特定状態において、遊技球が第1のスペシャルゲートスイッチ651Aに検知された場合と、遊技球が第2のスペシャルゲートスイッチ651Bに検知された場合とで、作動アシスト抽選における当選確率が異なる構成としてもよい。つまり、遊技球が「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」へ流下した場合と、遊技球が「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ流下した場合とで、可動役物722が所定の作動状態となり得る割合が異なる構成としてもよい。
また、図47に示す例では、第1の特別案内通路605Aにおいて、リブ653A,653Bと突設することにより、遊技球の移動経路となる第1の特別案内通路605Aの通路長を長くすると共に、遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成となっている。
尚、上記リブ653A,653Bに代えて又は加えて、遊技球の通過を遅らせる他の遅延手段(例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような機構)を第1の特別案内通路605Aの途中に配置した構成をとしてもよい。
また、図47に示す例では、第1の特別案内通路605A及び第2の特別案内通路605Bそれぞれに対応して個別にスペシャルゲート650A,650B(スペシャルゲートスイッチ651A,651B)が設けられた構成となっているが、これに代えて、第1の特別案内通路605A又は第2の特別案内通路605Bをそれぞれ通過する遊技球が1つのスペシャルゲート(スペシャルゲートスイッチ)に向けて移動し、同一のスペシャルゲートスイッチにより検知される構成としてもよい。
また、図47に示す例では、遊技球が「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」へ流下した場合には、該遊技球が必ず第1のスペシャルゲート650A(第1のスペシャルゲートスイッチ651A)を通過し、遊技球が「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ流下した場合には、該遊技球が必ず第2のスペシャルゲート650B(第2のスペシャルゲートスイッチ651B)を通過する構成となっているが、これに限らず、遊技球が所定の割合で契機入球手段としての第1のスペシャルゲート650Aや第2のスペシャルゲート650Bを通過し得る(又は通過しない)構成としてもよい。加えて、遊技球が「第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」へ流下した場合と、遊技球が「第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」へ流下した場合とで、遊技球が契機入球手段を通過し得る割合(可動役物722が所定の作動状態となり得る割合)が異なる構成としてもよい。
(f-3)上記(f-2)に記載したような複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えた構成は、上記(e―1)~(e―3)に例示したルート振分け部材603に係る構成の下で、より奏功することとなる。
仮にルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がスペシャルゲート650に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって通常案内通路604へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605に振分けられた場合に、遊技者は可動役物722が作動するタイミングより先に遊技球が可動役物722に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、上記構成の下、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって特別案内通路605へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が通常案内通路604に振分けられた場合には、大当たり状態の発生期待度が高まり、遊技者は、期待感を持って特別案内通路605へ案内された遊技球の挙動を注視することとなる。
一方、ルート振分け部材603によって遊技球が通常案内通路604へ案内された時点から、該遊技球が可動役物722に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け部材603によって遊技球が特別案内通路605へ案内された時点から、該遊技球がスペシャルゲート650に至り、可動役物722が有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって特別案内通路605へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が通常案内通路604に振分けられた場合に、比較的長期間、可動役物722が有利状態に維持されない限り、可動役物722の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動役物722に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、上記構成の下、先行の1つ目の遊技球がルート振分け部材603によって通常案内通路604へ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が特別案内通路605に振分けられた場合には、大当たり状態の発生期待度が高まり、遊技者は、期待感を持って特別案内通路605へ案内された遊技球の挙動を注視することとなる。
従って、上記のように複数の第2ルート(契機入球案内ルート)を備えた構成とすれば、中央入賞ユニット37の内部領域401へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が通常案内通路604又は特別案内通路605のいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の第2ルート(第1の特別案内通路605A)」又は「有利状態到達時間が短い第2の第2ルート(第2の特別案内通路605B)」のいずれに振分けられるかによって、可動役物722が作動するタイミングと、遊技球が可動役物722に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、大当たり状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
(g)当否抽選(当否抽選エリア407等)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(g-1)例えば上記実施形態では、当否振分け手段としての回転体ユニット410(回転体414)が設けられている。回転体414には、大当たり用の1つの特別ポケット部416aと、外れ用の2つの非特別ポケット部416bとを備え、反時計回り方向に一定速度で回転している。
これに限らず、例えば回転体414のポケット部416a及び非特別ポケット部416bの数及び比率を変更し、大当たり抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。
(g-2)また、回転体414において、例えば3R大当たり用の特別ポケット部416a、及び、7R大当たり用の特別ポケット部416aを備え、当否抽選エリア407において、大当たりの種別抽選を併せて行う構成としてもよい。かかる場合、種別抽選エリア408を省略した構成としてもよい。
(g-3)回転体414に代えて、クルーンなど他の当否抽選機構を備えた構成としてもよい。
(h)種別抽選(種別抽選エリア408等)の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
(h-1)種別抽選エリア408には、遊技球の行き先を、15R入球口731、7R入球口732、又は、3R入球口733のいずれかに振分ける種別振分け手段(種別決定手段)としての種別振分け機構部741が設けられている。
種別振分け機構部741に代えて、クルーンなど他の種別抽選機構を備えた構成としてもよい。
(h-2)種別抽選エリア408を省略し、例えば第1V入賞通路427等の特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する大当たり状態の種別を決定する構成としてもよい。つまり、大当たり状態の種別を決定する種別決定をソフト的な決定処理により行う構成としてもよい。
(i)中央入賞ユニット37や内部領域401に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えばルート振分けエリア406(ルート振分け部材603)や、役物作動抽選エリア409(スペシャルゲート650)を省略した構成としてもよい。かかる場合、例えば内部入球検知スイッチ437により入球検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かの作動アシスト抽選を行う構成としてもよい。
但し、内部入球検知スイッチ437の入球検知に基づき、可動役物722が所定動作を行うように構成されているだけである場合には、中央入賞ユニット37の内部領域401へ入球する遊技球に対して毎回同じタイミングで可動役物722が動作することとなる。
そのため、かかる場合には、上述した変動時間を可変とする構成など、動作タイミングを可変とする各種構成を併せて採用することが好ましい。
(j)遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき状態変化する可動体の構成(位置や形状、動作態様、有利状態など)は、上記実施形態の可動役物722に係る構成に限定されるものではなく、開閉部材など他の構成を採用してもよい。
(j-1)例えば上記実施形態に係る可動役物722は、作動状態(有利状態)となることにより、回転体ユニット410による当否抽選、及び、種別振分け機構部741による種別抽選を回避して、通常案内通路604へ導かれる遊技球を直接、15R入球口731へ案内することができるように構成されている。
つまり、可動役物722が作動状態(有利状態)となっている場合には、可動役物722が非作動状態(非有利状態)となっている場合よりも、V入賞大当たりしやすくなるよう構成されると共に、複数種別の特別遊技状態(15R大当たり、7R大当たり、3R大当たり)のうち遊技者にとって最も有利な15R大当たりに対応する15R入球口731へ遊技球が入球容易となるよう構成されている。
これに限らず、回転体ユニット410による当否抽選のみを回避して、大当たり状態を発生させる権利だけを付与した状態で、種別抽選エリア408の入口部へ遊技球を案内するような構成としてもよい。
(j-2)また、可動体を種別抽選エリア408に設け、該可動体が有利状態に状態変化した場合に、種別振分け機構部741による種別抽選を回避して、遊技球を15R入球口731へ案内するような構成としてもよい。
(j-3)回転体ユニット410(回転体414)を、本実施形態における可動体として用いてもよい。例えば通常時に一定速度で回転している回転体414が、遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき有利状態に状態変化して、大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置で一旦停止する、又は、大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置を非常に低速で移動するような構成としてもよい。
(j-4)回転体414において、例えば3R大当たり用の特別ポケット部416a、7R大当たり用の特別ポケット部416a、及び、15R大当たり用の特別ポケット部416aを備え、該回転体414を、通常時(非有利状態)には、15R大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置を非常に高速で移動するように制御して、該15R大当たり用の特別ポケット部416aに対し遊技球が入球することを困難とすると共に、遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき有利状態になった場合には、15R大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置で一旦停止する、又は、15R大当たり用の特別ポケット部416aがゲート部435に対応する位置を通常速度で移動するような制御を行う構成としてもよい。
(j-5)種別振分け機構部741(第1渡し板744、第2渡し板745)を、本実施形態における可動体として用いてもよい。
例えば通常時に揺動している第1渡し板744及び第2渡し板745が、遊技球がスペシャルゲート650を通過することに基づき有利状態に状態変化して、先送り位置で一旦停止する、又は、先送り位置にある時間が多くなる等して、遊技球が15R入球口731へ入球容易となるような構成としてもよい。
(j-6)また、上記可動体(可動役物722、回転体414、種別振分け機構部741など)の作動状態(有利状態)が複数通り設定された構成としてもよい。また、それが所定の作動抽選処理の抽選結果により決定される構成としてもよい。このように可動体を作動状態(有利状態)とする際、複数の作動パターンのうちのいずれの作動パターンを実行するかを決定する機能により本実施形態における作動パターン決定手段が構成される。
さらに、可動役物722等の可動体が所定の作動状態(有利状態)に制御されている場合には、可動役物722等の可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、特別入球手段(V入賞通路427,730等)に入球しやすくなり、V入賞大当たりしやすくなるよう構成されてもよい。また、可動役物722等の可動体が所定の作動状態(有利状態)に制御されている場合には、可動役物722等の可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、複数種別の特別遊技状態(例えば15R大当たり、7R大当たり、3R大当たり)のうち所定の種別の特別遊技状態(例えば遊技者にとって最も有利な15R大当たり)になりやすい構成としてもよい。
(k)上記実施形態では、特に言及していないが、作動アシスト抽選により当選結果が得られた場合において、可動役物722が作動する前の作動開始期間中に、演出表示装置42等の演出手段において、可動役物722が作動状態となることを示唆する先行演出としてのオープニング演出を実行可能な構成としてもよい。
尚、かかるオープニング演出は、スペシャルゲート用表示装置44において変動表示が行われ、作動アシスト抽選の抽選結果に対応した態様で停止表示が行われる場合には、停止表示後に行われる。一方、スペシャルゲート用表示装置44を省略した構成(変動表示を行わない構成)においては、作動アシスト抽選により当選結果が得られた後に行われることとなる。
(k-1)上記構成に加えて、主制御装置261又はサブ制御装置262において、オープニング演出の演出時間を定める演出パターンを複数通り記憶する演出パターン記憶手段と、作動条件の成立(例えば作動アシスト抽選により当選結果が得られた場合)に基づき、演出パターン記憶手段に記憶された複数通りの演出パターンの中からいずれか1つを選出可能な演出パターン選出手段と、該演出パターン選出手段により選出された演出パターンに基づき所定の演出手段を制御可能な演出制御手段とを備えた構成としてもよい。
かかる構成により、所定の契機(例えば作動条件の成立時)から、実際に可動役物722が有利状態となるまでの作動開始期間(例えばオープニング期間)を可変とすることができる。
(k-2)上記オープニング演出等の演出を行うことなく、所定の契機(例えば作動条件の成立時)から、実際に可動役物722が有利状態となるまでの作動開始期間を可変としてもよい。
例えば主制御装置261において、作動条件の成立時から可動役物722が作動状態となるまでの作動開始期間を定める作動パターンを複数通り記憶する作動パターン記憶手段と、スペシャルゲートスイッチ651により遊技球が検知されることに基づき、前記作動パターン記憶手段に記憶された複数通りの作動パターンの中からいずれか1つを選出可能な作動パターン選出手段と、該作動パターン選出手段により選出された作動パターンに基づき可動役物722を制御可能な制御手段とを備えた構成としてもよい。
(l)可動役物722等の可動体を用いた遊技演出のみならず、他の遊技演出を行う構成としてもよい。
(l-1)例えば第1V入賞通路427等へ案内されることなく、アウト通路428(非特別入球検知スイッチ462)や特別案内通路605(スペシャルゲートスイッチ651)などの排出ルート(第2ルート)を介して内部領域401外に排出される遊技球が検知されることに基づき、所定条件が成立した場合に、遊技者に有利な特定処理を実行可能な構成としてもよい。かかる処理を実行する主制御装置261等の機能により本実施形態における特定処理実行手段が構成される。
これにより、第1V入賞通路427等へ向けて案内される遊技球の挙動のみならず、排出ルート(第2ルート)を介して排出される遊技球を利用して、新たな遊技性を付与することができ、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
(l-2)例えば非特別入球検知スイッチ462やスペシャルゲートスイッチ651などの球検知手段(排出球検知手段)により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、その計数値が所定数以上となった場合に所定条件が成立し、又は、その計数値が所定数以上となった場合に所定の抽選処理を実行して所定の抽選結果が得られた場合に所定条件が成立し、遊技者に有利な特定処理を実行する構成としてもよい。
なお、かかる特定処理としては、例えば可動役物722が作動状態となる場合に該作動状態となる時間を長くする処理や、作動アシスト抽選における当選確率を高くする処理、回転体414の特別ポケット部416aに対し遊技球を入球しやすく処理、種別抽選エリア408において遊技球が15R入球口731へ案内されやすくなる処理などが挙げられる。
(m)中央入賞ユニット37の羽根部材404の小当たり開放態様(開閉パターン)や、可変入賞装置32の大入賞口開閉部材32aの大当たり開放態様(開閉パターン)は、上記実施形態に限定されるものではない。
(m-1)例えば上記実施形態では、羽根部材404の開閉パターンとして、「ショート小当たり」と「ロング小当たり」の2つの開閉パターンを備えた構成となっているが、これに限らず、1又は3つ以上の開閉パターンを備えた構成としてもよい。
(m-2)上記実施形態では、「ショート小当たり」時に、中央入賞ユニット37の羽根部材404が0.5秒間開放され、「ロング小当たり」時に、羽根部材404が1.5秒間開放される構成となっているが、羽根部材404の1回の開放態様(開放時間)は、上記実施形態に限定されるものではなく、開放時間の異なる他の開放態様を備えた構成としてもよい。
(m-3)上記実施形態では、1回の小当たり発生(第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bによる入球検知に基づき行われる1回の当否抽選の結果)につき、羽根部材404の開閉動作(開放動作)が1回(1ラウンド)だけ行われる構成となっているが、これに限らず、1回の小当たり発生につき、羽根部材404の開閉動作が2回以上(複数ラウンド)行われる構成としてもよい。
(m-4)例えば羽根部材404の開閉動作が1回(1ラウンド)行われる第1の開閉パターンと、羽根部材404の開閉動作が2回(2ラウンド)行われる第2の開閉パターンとを備えた構成のように、開閉動作回数(ラウンド数)が異なる複数の開閉パターンが実行され得る構成としてもよい。但し、複数の開閉パターンのうち所定の開閉パターン(例えば1.5秒間開放のロング小当たり)が行われる場合には、前記所定の開閉パターンが行われない場合(例えば0.5秒間開放のショート小当たりが行われる場合)よりも、可動役物722等の可動体が所定の有利状態になりやすい構成となっていることが好ましい。
(n)中央入賞ユニット37の内部領域401における残存球を考慮して、上記実施形態では、残存球監視処理(ステップS212)を行う構成となっている。また、第1表示制御処理(ステップS205)において、中央入賞ユニット37の羽根部材404が小当たり開放中か否かを判別し、小当たり開放中であれば、新たに変動表示を開始させることもなく、既に開始されている変動表示を終了させることもない構成となっている。
これらの構成に代えて又は加えて、中央入賞ユニット37の羽根部材404の小当たり開放中において、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)にて遊技球が検知された場合には大当たり抽選や小当たり抽選を実行しない構成としてもよい。つまり、抽選無効期間が設定される構成としてもよい。
尚、残存球の排出期間を考慮し、前記抽選無効期間には、開放遊技状態としての羽根部材404の開放期間(小当たり開放期間)に加えて、該開放期間の終了後(羽根部材404の閉鎖後)の所定期間が含まれることとしてもよい。勿論、抽選無効期間は、これに限定されるものではなく、これとは異なる期間としてもよい。例えば遊技球が始動入賞部33に入球してから小当たり開放が開始されるまでの間も抽選無効期間に含まれることとしてもよい。また、所定の当たり状態中(可変入球手段の開閉制御中)においても所定の抽選処理が行われるタイプの遊技機等においては、抽選無効期間が、所定の可変入球手段に所定の開放を実行させている所定期間(抽選期間)であってもよい。
前記抽選無効期間が設定されたパチンコ機においては、例えば上記ステップS304の始動入賞処理を開始する前に抽選無効期間中であるか否かを判定し、抽選無効期間である場合には、前記始動入賞処理において当否乱数カウンタC1等の各種カウンタ値を記憶することなく、始動入賞部33に係る賞球の払出し設定(賞球コマンドの設定)のみを行う一方、抽選無効期間でない場合には、前記始動入賞処理へ移行する構成としてもよい。
また、かかる構成を採用する場合には、上記スペシャルゲート650(スペシャルゲートスイッチ651)に係る作動アシスト抽選に代えて又は加えて、前記抽選無効期間中において、始動入賞部33(第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33b)にて遊技球が検知された場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に可動役物722が作動する構成としてもよい。
尚、始動入賞部33に係る作動アシスト抽選を行う場合には、役物作動抽選エリア409(スペシャルゲート650やスペシャルゲートスイッチ651)及びこれに関連する構成を省略した構成としてもよい。
ここで、図11に示すタイマ割込み処理において、ステップS304の始動入賞処理を開始する前に実行可能な始動入賞前処理の一例について、図48のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS7700において、所定のフラグ等を参照して抽選無効期間中であるか否かを判定する。尚、本例では、中央入賞ユニット37の小当たり開放期間及び該小当たり開放期間の終了後の所定期間が抽選無効期間として設定されている。ここで、否定判別された場合、すなわち抽選無効期間でない場合には、そのまま本処理を終了し、上記ステップS304の始動入賞処理へ移行する。
一方、ステップS7700において、肯定判別された場合すなわち抽選無効期間である場合には、ステップS7701において、遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。該ステップS7701で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、上記ステップS304の始動入賞処理へ移行する。
一方、ステップS7701で肯定判別された場合、すなわち遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞したと判別されると、ステップS7702において、上記第3表示中フラグがオンであるか否か、すなわち上記スペシャルゲート用表示装置44にて変動表示中であるか否かを判別する。該ステップS7702で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、上記ステップS304の始動入賞処理へ移行する。
一方、ステップS7702にて否定判別された場合には、ステップS7703において、上記役物作動中フラグがオンであるか否か、すなわち可動役物722が作動中であるか否かを判別する。該ステップS7703で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了し、上記ステップS304の始動入賞処理へ移行する。
これにより、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞し、該遊技球が第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bに検知されたとしても、その分の作動アシスト抽選は無効となり、可動役物722を作動させる権利が新たに付与されないように構成されている。
これに限らず、スペシャルゲート用表示装置44の変動表示中や可動役物722の作動中において、新たに遊技球が第1始動入賞部33a又は第2始動入賞部33bに入賞し、第1始動入賞スイッチ224a又は第2始動入賞スイッチ224bにより検知された場合に、所定回数分の変動表示(作動アシスト抽選結果)を保留可能な保留手段(変動保留エリア)を備えた構成としてもよい。
ここで、前記保留手段(変動保留エリア)は、例えば上記実施形態において当否乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値等を記憶する特別変動保留エリアなどと同様に、1つの実行エリアと複数の保留エリアとを備え、該複数の保留エリアに、始動入賞部33a,33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、作動アシスト乱数カウンタC4や変動時間選択カウンタC2の各値等が時系列的に格納される構成としてもよい。勿論、前記保留手段に格納される情報は、作動アシスト乱数カウンタC4や変動時間選択カウンタC2の各値のみに限定されるものではなく、他の情報が格納される構成としてもよい。
一方、ステップS7703で否定判別された場合には、ステップS7704において、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した作動アシスト乱数カウンタC4及び変動時間選択カウンタC2の各値を、RAM503に設定された抽選無効期間用の乱数格納エリアに格納する。
続くステップS7705において、抽選無効期間用の始動入賞判別フラグをオンし、ステップS7706において、新たに抽選無効期間用の乱数格納エリアに記憶された作動アシスト乱数カウンタC4の値がアシスト当選に対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。ここで作動アシスト乱数カウンタC4の値がアシスト当選に対応する値である場合、すなわち作動アシスト当選した場合が本例における所定の条件を満たした場合に相当する。
本例では、上記抽選無効期間用の乱数格納エリアに格納されている作動アシスト乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、作動アシスト乱数カウンタC4の数値「0~19」のうち「1~5」が当たり値である。すなわち、アシスト当選確率は5/20となる。勿論、これに限定されるものではなく、これとは異なる当選確率でアシスト当選する構成としてもよい。
続くステップS7707では、抽選無効期間用の乱数格納エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値に基づいて、第2表示手段を構成する図示しない無効期間用表示装置における変動時間を決定する変動時間決定処理を行い、その後、本処理を終了する。従って、ステップS7707の変動時間決定処理等を実行する機能により本例における第2変動パターン選出手段が構成される。
尚、変動時間選択カウンタC2の値と、無効期間用表示装置における変動時間との対応関係は、図示しない抽選無効期間用の変動時間選択テーブルとして予めROM502に記憶されている。従って、前記変動時間選択テーブル等を記憶するROM502が本例における第2変動パターン記憶手段を構成する。
例えば変動時間選択カウンタC2の値が「0~9」のうち、「0~2」のいずれかである場合には、無効期間用表示装置にて行われる変動表示の変動時間は3秒と設定され、「3~5」のいずれかである場合には、無効期間用表示装置にて行われる変動表示の変動時間が5秒と設定され、「6~9」のいずれかである場合には、無効期間用表示装置にて行われる変動表示の変動時間が7秒と設定される。
次に上記無効期間用表示装置に関連して図10の通常処理において行われる第4表示制御処理について図49のフローチャートを参照して説明する。尚、第4表示制御処理を実行する主制御装置261の機能により本例における第2表示制御手段が構成される。
先ずステップS7801では、無効期間用表示装置にて変動表示中であるか否かを示す第4表示中フラグの設定状況を見て無効期間用表示装置による変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第4表示中フラグがオンである場合には無効期間用表示装置において変動表示中であるとみなされ、第4表示中フラグがオフである場合には、無効期間用表示装置において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。無効期間用表示装置とスペシャルゲート用表示装置44とを共通化してもよい。
ステップS7801で否定判別された場合には、ステップS7802に進み、抽選無効期間用の始動入賞判別フラグがオンであるか否かを判別する。該ステップS7802において否定判別された場合、すなわち抽選無効期間用の始動入賞判別フラグがオンでない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、変動表示中でなく且つ抽選無効期間用の始動入賞判別フラグがオンであれば、ステップS7803に進み、抽選無効期間用の始動入賞判別フラグをオフとする。続くステップS7804では、開始設定処理を実行する。この処理では、無効期間用表示装置において変動表示を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第4表示中フラグをオンにするとともに、第4表示タイマの設定処理が行われる。第4表示タイマとは、無効期間用表示装置にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
本実施形態では、上記ステップS7707の変動時間決定処理において決定された変動時間に対応する値が第4表示タイマに設定される。つまり、3秒に相当する値「750」、5秒に相当する値「1250」、又は、7秒に相当する値「1750」が第4表示タイマに対し設定される。
そして、ステップS7804の終了後、第4表示制御処理を終了する。尚、該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、無効期間用表示装置に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、無効期間用表示装置において変動表示が開始される。
また、ステップS7801で肯定判別された場合、すなわち無効期間用表示装置にて変動表示中である場合には、ステップS7806に進み、第4表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第4表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS7807に進み、第4表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS7807で肯定判別された場合には、ステップS7808において第4表示中フラグをオフし、ステップS7809において無効期間用表示装置にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、無効期間用表示装置に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。
続いてステップS7810に進み、判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、バイパス機構部721の可動役物722の駆動処理を行うための設定処理を行う。具体的には、上記役物作動中フラグをオンにして、上記役物作動タイマに作動時間を設定する。本実施形態では、役物作動タイマに対して12秒に相当する値「3000」が設定される。これにより、可動役物722が所定の作動状態(有利状態)に制御される。尚、この設定内容に基づき可動役物722の駆動処理を行う主制御装置261の機能により本例における可動体制御手段が構成される。
一方、ステップS7807で否定判別された場合には、ステップS7811において、無効期間用表示装置の変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、無効期間用表示装置に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第4表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に無効期間用表示装置の変動表示が実現される。
従って、ステップS7704の乱数格納処理(作動アシスト乱数カウンタC4の格納)やステップS7706の当否判定処理等により本例における作動抽選処理(作動アシスト抽選)が構成され、この作動抽選処理を実行する主制御装置261の機能により抽選処理実行手段(無効期間抽選処理実行手段)が構成される。
また、ステップS7704の乱数格納処理(変動時間選択カウンタC2の格納)やステップS7707の変動時間決定処理等を実行する主制御装置261の機能により本例における設定時間選出手段が構成される。
上述したように、本例によれば、始動入賞部33への遊技球の入球に基づいて中央入賞ユニット37に所定の開放を実行させている小当たり開放期間及び該小当たり開放期間の終了後の所定期間(残存球監視期間中)を抽選無効期間とし、該抽選無効期間内に新たに始動入賞部33へ遊技球が入球した場合に、可動役物722を作動させるか否かを決める作動アシスト抽選が行われ、該作動アシスト抽選にて当選した場合に可動役物722が作動する構成となっている。
これにより、従来では開放契機等が得られない中央入賞ユニット37の開放期間中においても、始動入賞部33への遊技球の入球に基づいて、可動役物722が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入賞部33へ入球した時点で、該始動入球に係る中央入賞ユニット37の開放タイミングでは、遊技球がV入賞しないことが分かると、中央入賞ユニット37の開放期間中に無駄に遊技球が始動入賞部33へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本例によれば、始動入賞部33へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動役物722によるアシストを受けるべく、新たに始動入賞部33へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入賞部33へ遊技球が入球するタイミングが中央入賞ユニット37の開放期間中か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、本例に係る構成の下、役物作動タイマや第4表示タイマに比較的小さな値を設定した場合には、所定の抽選無効期間中に始動入賞部33へ遊技球が入球した直後に可動役物722が作動可能となり、前記抽選無効期間前の小当たり開放中に中央入賞ユニット37へ入球した遊技球に対して可動役物722が作用し得る構成となる。
一方、役物作動タイマや第4表示タイマに比較的大きな値を設定した場合には、所定の抽選無効期間の終了以降に、中央入賞ユニット37へ入球した遊技球に対し可動役物722が作用し得る構成となる。これにより、抽選無効期間内に遊技球が始動入賞部33に入球した時点において、中央入賞ユニット37の内部領域401に遊技球が存在していなくても、その後、所定のタイミングで開放した中央入賞ユニット37に入球した遊技球に対して可動役物722が作用し、V入賞するするチャンスが与えられることとなる。
結果として、遊技者は、抽選無効期間内に遊技球が始動入賞部33に入球したことを確認した後段階であっても、中央入賞ユニット37へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
[付記]
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
従来課題A.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可動体が遊技とは無関係に定期的又は継続的に所定動作を行っているか、又は、可変入球手段が開状態となるのに合わせて毎回、可動体が所定動作を行うといったように、可動体に関連する演出が単調となり、可動体が動作することに対する遊技者の興味(ドキドキ感)が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段A1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
遊技球が入球(又は通過)可能に設けられた契機入球手段と、
前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段と、
前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段と、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段A1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体を所定の有利状態とするか否か等を抽選により決定する構成となっている。これにより、例えば可動体が定期的又は継続的に常時動作を行うこともなく、可変入球手段が開状態となることなど、所定の契機に合わせて毎回、所定の動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
特に本手段においては、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。これにより、遊技球の挙動に基づいて抽選を行う機械的抽選機構等のような複雑な機構を新たに設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
尚、ここで「契機入球手段」の配置位置としては、例えば「前記可変入球手段の前記内部領域内」、「前記可変入球手段のうち前記内部領域とは異なる領域内」、「前記可変入球手段外の前記遊技領域内」などが挙げられる。
手段A2.前記契機入球手段は、前記特定領域を通過した遊技球が入球可能に構成されていることを特徴とする手段A1に記載の遊技機。
上記手段A2によれば、可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、仮に可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)が可変入球手段(内部領域)外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段に誤検知させ、可動体を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがある。
これに対し、上記手段A2によれば、契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、上述した不具合の発生を抑制することができる。
手段A3.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段A1又はA2に記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段A3によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段A4.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段A1乃至A3のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段A4によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
尚、「前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1の流下ルート(第1の前記第1ルート)と、前記特定領域を通過した遊技球を前記第1の流下ルート(第1の前記第1ルート)よりも高確率で前記特別入球手段へ流下可能な第2の流下ルート(第2の前記第1ルート)とを備える構成とした場合には、全体として特別入球手段へ流下する遊技球の割合が多くなってしまうため、このような場合には、遊技者と遊技ホールとの利益の均衡に鑑み、必然的に特別遊技状態の発生確率を低く設定しなければならず、遊技者にとっての興趣を低下させるおそれがある。
手段A5.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段A1乃至A4のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段A5によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段A5によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段A5を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段A1乃至A4のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段A5に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段A6.前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき変動表示を開始し、前記作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記可動体制御手段は、
前記表示手段において停止表示がなされた後、前記可動体を前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A5のいずれかに記載の遊技機。
仮に可動体が突然、何の前触れもなく作動した場合、それまで可動体を注視していなかった遊技者は、状況を把握できずに混乱するおそれがある。
これに対し、上記手段A6によれば、上記表示手段を備えることで、事前に可動体が所定の有利状態となる可能性があることを遊技者に対し認識させることができる。結果として、可動体を用いた遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
手段A7.前記変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な変動パターン選出手段と、
前記変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする手段A6に記載の遊技機。
上記手段A7によれば、表示手段において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。ひいては、契機入球検知手段により遊技球が検知されてから、実際に可動体が有利状態となるまでの作動開始期間を可変とすることとができる。
これにより、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されにくくなる。ひいては、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
手段A8.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段A1乃至A7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A8によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段A9.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段A1乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A9によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段A10.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段A1乃至A9のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段A11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段A1乃至A10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段A11によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題B.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動とは無関係に可動体が定期的又は継続的に所定動作を行っているなど、可動体に関連する演出が単調となり、可動体に対する遊技者の興味が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段B1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段B1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
特に本手段においては、可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、仮に可動体の動作契機を検出する契機入球手段(契機入球検知手段)が可変入球手段(内部領域)外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段に誤検知させ、可動体を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがある。
これに対し、本手段によれば、契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、上述した不具合の発生を抑制することができる。
手段B2.前記特定領域を通過した遊技球を検知可能な所定検知手段を備え、
前記契機入球手段は、前記所定検知手段により検知された遊技球が入球可能となる、前記所定検知手段よりも下流側位置に設けられていることを特徴とする手段B1に記載の遊技機。
仮に上記所定検知手段の検知に基づき可動体が所定動作を行うよう構成されている場合には、可変入球手段(内部領域)へ入球する遊技球に対して毎回同じタイミングで可動体が動作することとなる。
そのため、可動体に関連する演出が単調になると共に、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されやすくなり、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、上記手段B2によれば、可動体に関連する演出の単調化を抑制すると共に、上述したような不正行為を抑制することができる。
手段B3.前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段を備え、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合に、前記作動条件が成立し得ることを特徴とする手段B1又はB2に記載の遊技機。
上記手段B3によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定をソフト的な抽選処理により実行する必要がないため、制御処理の簡素化を図ることができる。
手段B4.前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段と、
前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段とを備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記作動条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段B1又はB2に記載の遊技機。
上記手段B4によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。
これにより、所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段B5.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B4のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段B5によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段B6.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段B1乃至B5のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段B6によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
手段B7.遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なるように構成された複数の前記第2ルートを備えていることを特徴とする手段B6に記載の遊技機。
仮に遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されている場合には、可動体に関連する演出が単調になると共に、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されやすくなり、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、上記手段B7によれば、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から可動体が所定の有利状態となるまでの作動開始期間を可変とすることができる。
これにより、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されにくくなる。ひいては、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
尚、「遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なる」ことには、例えば「前記ルート振分け手段から前記契機入球手段までの距離が異なる」ことなどが含まれる。
また、「複数の第2ルート」それぞれに対応して個別に契機入球手段(契機入球検知手段)が設けられた構成としてもよいし、「複数の第2ルート」をそれぞれ通過する遊技球が1つの契機入球手段(契機入球検知手段)に向けて移動し、同一の契機入球検知手段により検知される構成としてもよい。
例えば「第1の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第1の前記第2ルートと、第2の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第2の前記第2ルートとを備えた」構成としてもよい。
さらに、遊技球の行き先を少なくとも「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」へ定期的に又はランダムに変更可能な契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段B8.前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルートと、前記可動体到達時間よりも前記有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルートとを備えていることを特徴とする手段B6に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、ルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第1ルートに振分けられた場合に、比較的長期間、可動体が有利状態に維持されない限り、可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段B8によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルート」又は「有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルート」のいずれに振分けられるかによって、可動体が作動するタイミングと、遊技球が可動体に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
手段B9.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段B9によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段B9によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段B9を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段B1乃至B8のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段B9に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段B10.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段B1乃至B9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段B10によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段B11.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段B1乃至B10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段B10によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段B12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段B1乃至B11のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段B13.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段B1乃至B12のいずれかに記載の遊技機。
上記手段B13によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題C.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段に対し同時期に複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球の入球タイミングによって、複数の遊技球がすべて特別入球手段に向かってしまったり、複数の遊技球がすべて特別入球手段に向かわず、排出部や非特別入球手段などに案内されてしまうといった不具合が生じやすい構成となっていた。
通常、パチンコ機等の遊技機においては、特別遊技状態の権利が得られている状態において、新たに遊技球が特別入球手段に入球したとしても、その分の特別遊技状態は付与されないよう構成されている。
そのため、仮に2つの遊技球が連続して特別入球手段に入球したとしても、2つ分の特別遊技状態が付与されるわけではなく、1つ分の特別遊技状態が発生するだけであるため、遊技者は、損した、無駄になった、もったいない等といったネガティブな感情を抱くおそれがあった。
結果として、特別遊技状態が付与されるといった遊技者にとって好ましい状況が発生したにもかかわらず、興趣が低下してしまうといった事態を招くことが懸念される。
逆に、複数の遊技球がすべて排出部等へ案内されてしまった場合には、折角、可変入球手段に対し同時期に複数の遊技球が入球したのだから、特別入球手段へ遊技球を入球させることに対して有利に働くであろうといった遊技者の期待感に対し全く寄与せず、興趣が低下するおそれがあった。
かかる意味で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、可変入球手段に対し複数の遊技球が入球した場合における興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段C1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段と、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体とを備え、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
尚、「前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段」を備えた構成の下、「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段C1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
特に本手段においては、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の行き先を第1ルート又は第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段を備えた構成となっている。
これにより、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
結果として、可変入球手段の内部領域へ同時期に複数の遊技球を入球させることで特別遊技状態の発生期待度が向上するかもしれないといった、遊技者の期待感を高めることができる。
さらに、可変入球手段の内部領域へ2球連続して遊技球が入球した場合に、先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球がそれぞれどちらのルートに流下するかによって、結果が異なってくるため、遊技者は、期待感を持って、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動をより注視するようになる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段C2.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を前記第1状態に維持可能な維持手段を備え、
前記第1状態に維持された前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合に、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け手段が前記第2状態に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。
上記手段C2に係る構成の下、上記可動体を作動させるためには、遊技球を契機入球手段へ入球させる必要があり、遊技球を契機入球手段へ入球させるためには、ルート振分け手段を第2状態に変化させ、遊技球が第2ルートへ案内される必要がある。
つまり、可動体を作動させるためには、少なくとも2つの遊技球を連続して可変入球手段へ入球させ、先行する1つ目の遊技球が、第1状態に維持されたルート振分け手段によって第1ルートへと流下し、後続の2つ目の遊技球が、第2状態に変化したルート振分け手段によって第2ルートへと流下する必要がある。
結果として、可変入球手段の内部領域に対し遊技球を1つ入球させた場合よりも複数入球させた場合の方が遊技者にとって有利になるといった遊技性をより確実なものとすることができる。
尚、上記手段C2のより具体的な構成としては、例えば「手段C2.前記ルート振分け手段は、
遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1姿勢と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2姿勢とに姿勢変化可能に構成されたルート振分け部材であって、
前記ルート振分け部材を前記第1姿勢に維持可能な維持手段(付勢手段など)を備え、
前記第1姿勢に維持された前記ルート振分け部材によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合に、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け部材が(例えば付勢手段の付勢力に抗して)前記第2姿勢に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。」などが挙げられる。
手段C3.前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されていることを特徴とする手段C2に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C3によれば、上記不具合の発生を抑制し、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
尚、上記「有利状態到達時間」は、上記「可動体到達時間」よりも短くなっていればよく、例えばルート振分け手段から直接、契機入球手段に入球する構成(契機入球手段までの距離がゼロとなる構成など)をも含む趣旨である。
また、「可動体到達時間」を長くするには、例えば「第1ルート」の通過に要する遊技球の移動距離を長くすることが一例として考えられる。
また、これに代えて又は加えて、例えば遊技球の通過を遅らせる遅延手段を「第1ルート」に設置する構成を採用してもよい。ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
加えて、「前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が所定の有利状態となった後、該有利状態が終了するまでの有利終了到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間が短くなるよう構成されていること」が好ましい。
仮に上記「有利終了到達時間」よりも上記「可動体到達時間」が長い場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
手段C4.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
少なくとも遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を状態変化させる所定動作を定期的又は継続的に行う振分駆動手段を備えたことを特徴とする手段C1に記載の遊技機。
仮に可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球した場合に、先行の1つ目の遊技球が必ず第1ルート又は第2ルートのいずれか一方に振分けられ、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに振分けられる構成となっている場合には、予め設定された上記「有利状態到達時間」と上記「可動体到達時間」との関係によって、連続して入球した2つの遊技球がルート振分け手段により交互に振り分けられた時点で、その後の結果が決まってしまうため、遊技者の興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C4によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球した場合でも、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられるか決められていないため、上述したような不具合の発生を抑制することができる。
結果として、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができ、興趣の低下を抑制することができる。
手段C5.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
少なくとも遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を前記第1状態と前記第2状態との間の基準状態に維持可能な維持手段を備え、
前記ルート振分け手段が前記基準状態に維持されている状態においては、前記第1ルート及び前記第2ルートのいずれのルートにも遊技球を流下可能な状態となっており、
前記基準状態に維持された前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け手段が前記第2状態に変化し、
前記基準状態に維持された前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け手段が前記第1状態に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。
上記手段C5によれば、上記手段C4と同様の作用効果が奏される。特に本手段によれば、ルート振分け手段を駆動する駆動手段を備える必要がないため、比較的簡単な構成を採用しつつ、連続して流下してくる複数(2つ)の遊技球を交互に異なるルートに流下させる構成を実現することができる。結果として、構成や制御の簡素化、コンパクト化等を図ることができる。
尚、上記手段C5のより具体的な構成としては、例えば「手段C5.前記ルート振分け手段は、
少なくとも遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1姿勢と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2姿勢とに姿勢変化可能に構成されたルート振分け部材であって、
前記ルート振分け部材を前記第1姿勢と前記第2姿勢との間の基準姿勢に維持可能な維持手段(付勢手段など)を備え、
前記ルート振分け部材が前記基準姿勢に維持されている状態においては、前記第1ルート及び前記第2ルートのいずれのルートにも遊技球を流下可能な状態となっており、
前記基準姿勢に維持された前記ルート振分け部材によって遊技球が前記第1ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け部材が前記第2姿勢に変化し、
前記基準姿勢に維持された前記ルート振分け部材によって遊技球が前記第2ルートへと流下した場合には、該遊技球から受ける力によって、前記ルート振分け部材が前記第1姿勢に変化するよう構成されていることを特徴とする手段C1に記載の遊技機。」などが挙げられる。
手段C6.前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルートと、前記可動体到達時間よりも前記有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルートとを備えていることを特徴とする手段C4又はC5に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、ルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第1ルートに振分けられた場合に、比較的長期間、可動体が有利状態に維持されない限り、可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C6によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルート」又は「有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルート」のいずれに振分けられるかによって、可動体が作動するタイミングと、遊技球が可動体に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
尚、「第1の前記第2ルート」及び「第2の前記第2ルート」それぞれに対応して個別に契機入球手段(契機入球検知手段)が設けられた構成としてもよいし、「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」をそれぞれ通過する遊技球が1つの契機入球手段(契機入球検知手段)に向けて移動し、同一の契機入球検知手段により検知される構成としてもよい。
例えば「第1の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第1の前記第2ルートと、第2の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第2の前記第2ルートとを備えた」構成としてもよい。
さらに、遊技球の行き先を少なくとも「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」へ定期的に又はランダムに変更可能な契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段C7.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段C1乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段C7によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段C8.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段C8によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段C8によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段C8を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段C1乃至C7のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段C8に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段C9.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段C1乃至C8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C9によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段C10.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段C1乃至C9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C10によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段C11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段C1乃至C10のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段C12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段C1乃至C11のいずれかに記載の遊技機。
上記手段C12によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題D.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域へ遊技球が入球することなどを契機として可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されていた。
そのため、従来では、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されてしまい、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われる可能性があった。
また、可動体に関連する演出が単調になりやすく、かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為を抑制すると共に、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段D1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
少なくとも所定の作動条件が成立した場合(例えば所定の球検知手段により遊技球が検知された場合)に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備え、
少なくとも所定の契機(例えば前記作動条件の成立時)から前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの期間を可変としたことを特徴とする遊技機。
上記手段D1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
特に本手段においては、所定の契機(例えば前記作動条件の成立時)から、実際に可動体が所定の有利状態となるまでの期間(例えばオープニング期間)を可変としたことにより、可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されてしまうおそれを低減することができる。ひいては、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
手段D2.前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段とを備え、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記作動条件が成立可能に構成されていることを特徴とする手段D1に記載の遊技機。
可動体の動作契機となる契機入球手段が仮に可変入球手段(内部領域)外に配置されている場合には、線材等を用いて契機入球検知手段に誤検知させ、可動体を作動させる不正行為が行われやすくなるおそれがある。
これに対し、上記手段D2によれば、内部領域に入球した遊技球の挙動に起因して、可動体が作動する構成となるため、上述したような不具合の発生を抑制することができる。
ここで、例えば「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合に、前記作動条件が成立する構成」とすれば、可動体を所定の有利状態とするのか否か等の決定をソフト的な抽選処理により実行する必要がないため、制御処理の簡素化を図ることができる。加えて、前記抽選処理に係るプログラムを改ざんした不正ROM等を取付けるなどの不正行為を抑制することもできる。
手段D3.少なくとも前記作動条件の成立時から前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの作動開始期間を定める作動パターンを複数通り記憶する作動パターン記憶手段と、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記作動パターン記憶手段に記憶された複数通りの作動パターンの中からいずれか1つを選出可能な作動パターン選出手段とを備えたことを特徴とする手段D2に記載の遊技機。
上記手段D3によれば、作動開始期間(例えばオープニング期間)を複数パターン用意しておき、この中から所定の作動開始期間をソフト的に選出する構成となっている。結果として、より容易に上記作動開始期間の多様化を図ることができる。ひいては、より容易に、所定の契機から可動体が所定の有利状態となるまでの期間の多様化を図ることができ、上記手段D1等に係る作用効果をより高めることができる。
さらに、本手段によれば、可変入球手段に複雑な機械的選出機構を設ける必要もなく、可変入球手段の構造の簡素化を図ることができる。
手段D4.前記作動開始期間中において、少なくとも前記可動体が前記所定の有利状態となることを示唆する先行演出(オープニング演出)を実行可能な演出手段と、
前記複数通りの作動パターンに対応した演出パターンを複数通り記憶する演出パターン記憶手段と、
前記作動パターン選出手段により選出された作動パターンに対応する演出パターンに基づき前記演出手段を制御可能な演出制御手段とを備えたことを特徴とする手段D3に記載の遊技機。
上記手段D4によれば、可動体が所定の有利状態となることを示唆する先行演出が行われることで、可動体が所定の有利状態となることを事前に遊技者に対し認識させることができる。
さらに、遊技者は、可動体が所定の有利状態となるタイミングがわからない状態でドキドキしながら、頼むから自身に有利なタイミングで可動体が所定の有利状態となってくれといった期待感を持って、遊技球の挙動と共に、可動体に関連する遊技演出を注視することとなり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、作動条件の成立時から可動体が所定の有利状態となるまでの作動開始期間を可変とした構成においては、作動開始期間が比較的長くなった場合に、作動条件が成立したにもかかわらず、可動体が所定の有利状態とならないのではないか等といった不安感や憤りを遊技者に抱かせるおそれがある。
これに対し、本手段によれば、このような不具合の発生を抑制することができ、遊技者にとっての興趣の低下を抑制することができる。
手段D5.前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記作動条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段D2乃至手段D4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D5によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。
これにより、所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段D6.前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき変動表示を開始し、前記作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、
前記契機入球検知手段により遊技球が検知されることに基づき、前記変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な変動パターン選出手段と、
前記変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、前記表示手段を制御する表示制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
前記表示手段において停止表示がなされた後、前記可動体を前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段D2乃至D5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D6によれば、上記表示手段を備えることで、事前に可動体が所定の有利状態となる可能性があることを遊技者に対し認識させることができる。
さらに、遊技者は、可動体が所定の有利状態になるかどうか分からない状態でドキドキしながら、有利状態となってくれといった期待感を持って、遊技球の挙動と共に、変動表示を注視することとなり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
結果として、可動体に関連する遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、上記手段D6によれば、表示手段において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。ひいては、契機入球検知手段により遊技球が検知されてから、実際に可動体が所定の有利状態となるまでの作動開始期間を可変とすることとができる。
結果として、より容易に上記作動開始期間の多様化を図ることができる。ひいては、より容易に、所定の契機から可動体が所定の有利状態となるまでの期間の多様化を図ることができ、上記手段D1等に係る作用効果をより高めることができる。
手段D7.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能であり、前記契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能であり、前記特別入球手段へ流下不能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段D2乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段D7によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
尚、遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられることが、上記「所定の契機」となることしてもよい。
手段D8.前記ルート振分け手段(ルート振分け機構やルート振分け部材など)は、
遊技球を前記第1ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記ルート振分け手段を状態変化させる所定動作を定期的又は継続的に行う振分駆動手段を備え、
前記特定領域を通過した遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なるように構成された複数の前記第2ルートを備えていることを特徴とする手段D7に記載の遊技機。
仮に遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されている場合には、可動体に関連する演出が単調になると共に、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されやすくなり、そのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、上記手段D8によれば、第2ルートを複数備えることにより、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から契機入球手段に至るまでの期間を可変とすることができる。
ひいては、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点(所定の契機)から、実際に可動体が有利状態となるまでの期間を可変とすることができる。
また、本手段によれば、遊技球がルート振分け手段により振り分けられた時点から契機入球手段に至るまでの期間を、遊技球の挙動に基づく機械的構成により可変とすることができるため、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技球が前記ルート振分け手段から前記契機入球手段に至るまでに要する時間が異なる」ことには、例えば「前記ルート振分け手段から前記契機入球手段までの距離が異なる」ことなどが含まれる。
また、「複数の第2ルート」それぞれに対応して個別に契機入球手段(契機入球検知手段)が設けられた構成としてもよいし、「複数の第2ルート」をそれぞれ通過する遊技球が1つの契機入球手段(契機入球検知手段)に向けて移動し、同一の契機入球検知手段により検知される構成としてもよい。
例えば「第1の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第1の前記第2ルートと、第2の契機入球手段へと遊技球を流下可能な第2の前記第2ルートとを備えた」構成としてもよい。
さらに、遊技球の行き先を少なくとも「第1の前記第2ルート」又は「第2の前記第2ルート」へ定期的に又はランダムに変更可能な契機ルート変更手段(下流側ルート振分け手段)を備えた構成としてもよい。かかる構成によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段D9.前記複数の第2ルートとして、
前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、前記ルート振分け手段によって遊技球が前記第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が前記契機入球手段(契機入球検知手段)に至り、前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルートと、前記可動体到達時間よりも前記有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルートとを備えていることを特徴とする手段D8に記載の遊技機。
仮にルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が長くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第1ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第2ルートに振分けられた場合に、遊技者は可動体が作動するタイミングより先に遊技球が可動体に到達してしまうことがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
逆に、ルート振分け手段によって遊技球が第1ルートへ流下した時点から、該遊技球が可動体に至るまでの可動体到達時間よりも、ルート振分け手段によって遊技球が第2ルートへ流下した時点から、該遊技球が契機入球手段に至り、可動体が所定の有利状態となるまでの有利状態到達時間が短くなるよう構成されている場合には、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球がルート振分け手段によって第2ルートへ振分けられ、後続の2つ目の遊技球が第1ルートに振分けられた場合に、比較的長期間、可動体が所定の有利状態に維持されない限り、可動体の有利状態が終了するタイミングよりも後に、遊技球が可動体に到達することがわかってしまうため、興趣が著しく低下するおそれがある。
これに対し、上記手段D9によれば、可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が連続して入球し、先行の1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートのいずれに振分けられた場合でも、後続の2つ目の遊技球が「有利状態到達時間が長い第1の前記第2ルート」又は「有利状態到達時間が短い第2の前記第2ルート」のいずれに振分けられるかによって、可動体が作動するタイミングと、遊技球が可動体に到達するタイミングとが合う可能性が残されるため、遊技者は、特別遊技状態の発生への期待感を持って遊技球の挙動を注視することができる。
尚、「第2の前記第2ルート」は、「第1の前記第2ルート」よりも遊技球が通過に要する時間が短くなっていればよく、例えばルート振分け手段から直接、契機入球手段に入球する構成(契機入球手段までの距離がゼロとなる構成など)をも含む趣旨である。
また、遊技球が「第1の前記第2ルート」の通過に要する時間を長くするには、例えば「第1の前記第2ルート」の通過に要する遊技球の移動距離を長くすることが一例として考えられる。
また、これに代えて又は加えて、例えば遊技球の通過を遅らせる遅延手段を「第1の前記第2ルート」に設置する構成を採用してもよい。ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
さらに、上記のような遅延手段を「第1ルート」内に設置して、遊技球が「第2の前記第2ルート」の通過に要する時間よりも、第1ルートへ流下した遊技球が可動体に至る可動体到達時間が長くなる構成としてもよい。
手段D10.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段D2乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段D10によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段D11.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段D2乃至D10のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段D11によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段D11によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段D11を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段D2乃至D10のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段D11に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段D12.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段D1乃至D11のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D12によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段D13.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段D1乃至D12のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D13によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段D14.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段D1乃至D13のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段D15.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段D1乃至D14のいずれかに記載の遊技機。
上記手段D15によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題E.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、例えば可変入球手段の内部領域に入球した遊技球を前記特別入球手段へ向かわせる案内ルートを備えると共に、該案内ルートから外れた遊技球を内部領域外へ排出するための外れルート(排出ルート)を備えたものがある。
しかしながら、従来では、折角、可変入球手段の内部領域に遊技球が入球したにもかかわらず、一旦、案内ルートから外れ、外れルートに案内された遊技球は、その後、可変入球手段内の遊技に何ら寄与せず、ただ排出されてしまうだけであった。かかる点において、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段E1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1ルート(案内ルート)と、
前記第1ルートへ流下しない遊技球を前記内部領域外へ排出可能な第2ルート(排出ルート)と、
前記第2ルートを通過した遊技球を検知可能な球検知手段(排出球検知手段)と、
前記球検知手段により遊技球が検知されることに基づき所定条件が成立した場合において、遊技者に有利な特定処理を実行可能な特定処理実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段E1によれば、第2ルート(排出ルート)を介して排出される遊技球が検知されることに基づき、例えば特別遊技状態を発生しやすくするなど、遊技者に有利な特定処理が実行される。
これにより、第1ルート(案内ルート)を介して特別入球手段へ向けて流下する遊技球の挙動のみならず、第2ルートを介して排出される遊技球を利用して、新たな遊技性を付与することができ、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E2.前記球検知手段により遊技球が検知された場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E2によれば、球検知手段により遊技球が検知されるごとに毎回、遊技者に有利な特定処理を実行可能となるため、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E3.前記球検知手段による検知に基づいて所定の抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E3によれば、球検知手段により遊技球が検知されるごとに毎回、遊技者に有利な特定処理を実行することもなくなるため、特定処理の単調化を抑制し、特定処理が実行されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E4.前記球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段を備え、
前記計数手段により計数された遊技球の数が所定数以上となった場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E4によれば、第1ルート(案内ルート)から外れ、第2ルート(排出ルート)に流れる遊技球の数が比較的多くなった場合においても、遊技者にとっての興趣の低下を抑制することができる。
手段E5.前記球検知手段により検知された遊技球の数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された遊技球の数が所定数以上となった場合に、所定の抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段とを備え、
少なくとも前記抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段E1に記載の遊技機。
上記手段E5によれば、球検知手段により検知された遊技球の数が所定数以上となるごとに毎回、遊技者に有利な特定処理を実行することもなくなるため、上記手段E3と同様の作用効果が奏される。
手段E6.前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体を備え、
前記特定処理実行手段は、
前記所定条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段を備えていることを特徴とする手段E1乃至E5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段E6によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段E7.特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段を備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段E6に記載の遊技機。
上記手段E6に係る構成の下、例えば上記所定条件の成立間近において、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて第2ルート(排出ルート)に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段E7によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、一方の遊技球を第1ルートへ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
結果として、遊技者は、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動に期待感を持って注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段E8.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段E6又はE7に記載の遊技機。
上記手段E8によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段E9.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段E6又はE7に記載の遊技機。
上記手段E9によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段E10.前記特定領域を通過した遊技球が前記球検知手段により検知され、前記所定条件が成立した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段E6乃至E9のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段E10によれば、所定条件の成立に(最後に)関わった遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ所定条件の成立に(最後に)関わった遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、所定条件の成立に(最後に)関わった遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、所定条件が成立したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
従って、上記手段E10を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記球検知手段により検知され、前記所定条件が成立した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段E6乃至E9のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段E10に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、前記所定条件が成立した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段E11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段E6乃至E10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段E11によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段E12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段E1乃至E10のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
従来課題F.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の可変入球手段は、例えば左右両側など、複数箇所に入賞口(特定領域)が設けられていたため、可変入球手段に対し同時期に複数方向から遊技球が入球する場合があった。
そのため、たとえ可変入球手段に対し遊技者に有利なタイミングで複数の遊技球が入球した場合であっても、遊技球の入球タイミングによっては、これらが互いに邪魔しあい、1球も特別入球手段に向かわないなど、遊技者が望むルートへ遊技球が流下せず、遊技者の興趣が低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段F1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1ルートと、
前記第1ルートへ流下しない遊技球を前記契機入球手段へ流下可能な第2ルートと、
遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段と、
少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備え、
前記特定領域は、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられ、
前記特定領域へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路が1箇所にのみ設けられていることを特徴とする遊技機。
尚、「前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段」を備えた構成の下、「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段F1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体の動作契機を検出する契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
特に本手段においては、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の行き先を第1ルート又は第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段を備えた構成となっている。
これにより、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
結果として、可変入球手段の内部領域へ同時期に複数の遊技球を入球させることで特別遊技状態の発生期待度が向上するかもしれないといった、遊技者の期待感を高めることができる。
加えて、本手段では、特定領域が、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられると共に、該特定領域へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路が1箇所にのみ設けられているため、遊技球を1球ずつルート振分け手段へ適切に案内することができる。これにより、上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、可変入球手段の内部領域へ2球連続して遊技球が入球した場合に、先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球がそれぞれどちらのルートに流下するかによって、結果が異なってくるため、遊技者は、期待感を持って、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動をより注視するようになる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段F2.前記球通路を通過しない遊技球が前記特定領域を通過不能に構成されていることを特徴とする手段F1に記載の遊技機。
仮に球通路を通過しない遊技球が特定領域を通過可能に構成されている場合には、球通路を通過しない遊技球が、球通路を通過して特定領域へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれがある。これに対し、上記手段F2によれば、球通路を通過しない限り、遊技球が特定領域を通過できないようになるため、上記不具合の発生を抑制し、上記手段F1の作用効果をより高めることができる。
手段F3.前記球通路は、前記可変入球手段外において、前記開閉部材よりも左側又は右側の一方に設けられていることを特徴とする手段F1又はF2に記載の遊技機。
上記手段F3によれば、遊技球を1球ずつ開閉部材へ案内することができる。これにより、複数の遊技球が同時に開閉部材に入球して球噛みする等の不具合を抑制することができる。
手段F4.前記球通路は、前記発射手段によって所定の強度で発射された遊技球のみが通過可能に設けられていることを特徴とする手段F1乃至F3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F4によれば、発射手段によって所定の強度(例えば右打ち)で発射された遊技球のみが通過可能な位置(例えば可変入球手段の右側)にのみ球通路が設けられることにより、上記手段F1等の作用効果をより高めることができる。
手段F5.前記特定領域において、所定方向への遊技球の通過を許容する一方で、前記所定方向とは逆方向への遊技球の通過を規制する規制手段を備えたことを特徴とする手段F1乃至F4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F5によれば、例えば2つの遊技球が連続して球通路を通過する場合に、先行する1つ目の遊技球の挙動等により、該先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球とが衝突する等して互いに邪魔しあうような不具合の発生を抑制することができる。結果として、上記手段F1等の作用効果をより高めることができる。ここで上記規制手段には、遊技球から受ける力によって、第1の状態から第2の状態へ状態変化するものなども含まれる。
手段F6.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段F1乃至F5のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段F6によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段F7.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段F1乃至F6のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段F7によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段F7によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段F7を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段F1乃至F6のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段F7に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段F8.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段F1乃至F7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F8によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段F9.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段F1乃至F8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F9によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段F10.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段F1乃至F9のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段F11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段F1乃至F10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段F11によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題G.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域へ遊技球が入球することなどを契機として毎回、可動体が所定動作を行うといったように、可動体に関連する演出が単調となり、可動体が動作することに対する遊技者の興味(ドキドキ感)が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段G1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な第1の契機入球手段と、
前記第1の契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な第1の契機入球検知手段と、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な第2の契機入球手段と、
前記第2の契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な第2の契機入球検知手段と、
前記特定領域を通過した遊技球を前記第1の契機入球手段へ流下可能な第1の流下ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記第2の契機入球手段へ流下可能な第2の流下ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球の行き先を少なくとも前記第1の流下ルート又は前記第2の流下ルートへ振分け可能なルート振分け手段(下流側ルート振分け手段)と、
少なくとも遊技者に有利な有利状態と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態とに状態変化可能に設けられ、前記特定領域を通過した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る可動体と、
前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備え、
特定状態において、遊技球が前記第1の流下ルートへ流下した場合と、遊技球が前記第2の流下ルートへ流下した場合とで、前記所定の有利状態となり得る割合が異なるようにしたことを特徴とする遊技機。
尚、「前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記第1の契機入球検知手段又は前記第2の契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記第1の契機入球検知手段又は前記第2の契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段G1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体の動作契機を検出する各種契機入球手段(各種契機入球検知手段)を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本手段においては、遊技球が第1の流下ルートへ流下した場合と、遊技球が第2の流下ルートへ流下した場合とで、所定の有利状態となり得る割合が異なるように構成されている。これにより、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G2.前記特定領域を通過した遊技球が前記第1の流下ルートを流下して前記第1の契機入球手段へ至るまでに要する時間又は距離と、前記特定領域を通過した遊技球が前記第2の流下ルートを流下して前記第2の契機入球手段へ至るまでに要する時間又は距離とが異なるように構成されていることを特徴とする手段G1に記載の遊技機。
上記手段G2によれば、遊技球が第1の流下ルートへ流下した場合と、遊技球が第2の流下ルートへ流下した場合とで、可動体が所定の有利状態となり得るまでの期間を可変とすることができる。
これにより、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G3.前記第1の流下ルート又は前記第2の流下ルートにおいて、遊技球の流下を遅らせる遅延手段を備えたことを特徴とする手段G1又はG2に記載の遊技機。
上記手段G3によれば、第1の流下ルートや第2の流下ルートの長さが比較的短い場合であっても、上記遅延手段を備えることにより、遊技球が所定位置に到達するまで時間等を比較的長くすることができる。結果として、遊技スペースの有効利用を図ることができる。ここで、遅延手段としては、例えばステージやクルーンなど、遊技球が同じ場所を何回か往復したり、周回した後に先に進むような構成や、リブ等により遊技球の勢いを止めつつ時間をかけて遊技球が先に進むような構成などが一例として挙げられる。
手段G4.前記第1の契機入球検知手段又は前記第2の契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定の作動条件が成立するよう構成され、
前記特定状態において、遊技球が前記第1の契機入球検知手段により検知された場合と、前記第2の契機入球検知手段に検知された場合とで、前記所定の抽選結果が得られる割合が異なるように構成されていることを特徴とする手段G1乃至G3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G4によれば、可動体を所定の有利状態とするか否か等の決定を抽選処理実行手段(作動抽選処理)によりソフト的に行う構成となっている。
これにより、所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
さらに、本手段においては、遊技球が第1の契機入球検知手段により検知された場合と、第2の契機入球検知手段に検知された場合とで、所定の抽選結果が得られる割合が異なるように構成されているため、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G5.前記ルート振分け手段は、
遊技球を前記第1の流下ルートへと流下可能な第1状態と、遊技球を前記第2の流下ルートへと流下可能な第2状態とに状態変化可能に構成され、
前記特定状態において、前記ルート振分け手段が前記第1状態となる割合と、前記第2状態となる割合が異なるようにしたことを特徴とする手段G1乃至G4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G5によれば、遊技球の挙動を多様化することができ、遊技者が可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動により注視するようになるため、さらなる興趣の向上を図ることができる。加えて、前記ルート振分け手段が前記第1状態となる割合、及び、前記第2状態となる割合が定期的に又はランダムに変更可能な構成としてもよい。
手段G6.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な所定ルートと、
前記特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記所定ルートへ振分け可能なルート振分け手段(上流側ルート振分け手段)とを備え、
前記可動体は、前記所定ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段G1乃至G5のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段G6によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が所定ルート、又は、第1の流下ルート若しくは第2の流下ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
手段G7.前記契機入球手段(前記第1の契機入球手段及び/又は前記第2の契機入球手段)へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段G1乃至G6のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段G7によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段G8.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段(前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段)に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段G1乃至G7のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段G8によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段G8によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が所定ルート、又は、第1の流下ルート若しくは第2の流下ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第1の流下ルート若しくは第2の流下ルートへ流下した遊技球が契機入球手段(第1の契機入球手段又は第2の契機入球手段)へ入球して可動体が作動する場合において、所定ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、所定ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が所定ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段G8を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段(前記第1の契機入球手段又は前記第2の契機入球手段)に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段G1乃至G7のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段G8に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段G9.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段G1乃至G8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G9によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段G10.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段G1乃至G9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G10によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段G11.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段G1乃至G10のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段G12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段G1乃至G11のいずれかに記載の遊技機。
上記手段G12によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題H.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
このようなパチンコ機の中には、可変入球手段の内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせる可動体を備えたものもある。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば可変入球手段の内部領域へ遊技球が入球することなどを契機として可動体が毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されていた。
そのため、従来では、遊技者によって可動体の動作タイミングが把握されてしまい、例えばそのタイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われる可能性があった。
また、可動体に関連する演出が単調になりやすく、かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為を抑制すると共に、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段H1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記特定領域を通過した遊技球が入球(又は通過)可能な契機入球手段と、
少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、前記特定領域を通過した遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合に、前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段と、
前記開閉部材の開閉制御を行う際、複数の開閉パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定する開閉パターン決定手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
尚、「前記契機入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の作動条件が成立した場合」には、例えば「前記契機入球手段に入球した遊技球を検知可能な契機入球検知手段」を備えた構成の下、「前記契機入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記契機入球検知手段の入球検知に基づいて所定の作動抽選を行い、該作動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段H1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
また、本手段においては、可動体の動作契機を検出する契機入球手段を可変入球手段の内部領域に備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に基づいて、可動体が所定の有利状態となるか否か等が決定される構成となるため、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
特に本手段においては、可変入球手段(開閉部材)の開閉パターンが複数設けられることで、遊技球が可変入球手段へ入球するタイミングが変化するため、仮に可動体が所定の契機から毎回一定のタイミングで動作を行うように構成されていたとしても、可変入球手段の内部領域へ入球した遊技球に対し可動体が作用するタイミングが異なるようになる。結果として、可動体の動作タイミングに合わせて遊技機を振動させるなどの不正行為が行われるおそれを低減することができる。
尚、特別入球手段への入球率等を変更する場合、例えば可動体の作動パターンを複数設け、該パターンの選択確率を変更して特別入球手段への入球率等を変更する方法も考えられるが、所定の動作を行うことにより遊技球の挙動に変化を加える可動体の動作態様を変更して、特別入球手段への入球率を所望の入球率に調整する等といった作業は非常に難しく、何度も試行錯誤を繰り返す必要がある。この点、本手段によれば、特別入球手段への入球率等の変更をより容易に行うことができる。
手段H2.前記複数の開閉パターンのうち所定の開閉パターンが行われる場合には、前記所定の開閉パターンが行われない場合よりも、前記可動体が前記所定の有利状態になりやすい構成となっていることを特徴とする手段H1に記載の遊技機。
上記手段H2によれば、例えば開閉部材の開放する割合が比較的多い所定の開閉パターンが行われた場合には、同時期により多くの遊技球を可変入球手段内へ入球させることが可能となるため、可動体が所定の有利状態になりやすい構成との相乗効果により、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段H3.前記契機入球手段への入球に基づき所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段と、
前記契機入球手段への入球に基づき変動表示を開始し、前記作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段と、
前記表示手段における変動表示を所定回数、保留可能な保留手段とを備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記作動条件が成立するよう構成されていることを特徴とする手段H1又は手段H2に記載の遊技機。
上記手段H3によれば、可動体が所定の契機に合わせて毎回動作を行うこともなくなるため、上記手段H1等の作用効果を高めると共に、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
加えて、本手段においては、保留手段を備えることにより、可動体が動作する頻度を増やすことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段H4.前記可動体を前記有利状態とする際、複数の作動パターンのうちのいずれの作動パターンを実行するかを決定する作動パターン決定手段を備えていることを特徴とする手段H1乃至H3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H4によれば、可動体の作動パターンが複数設けられることで、上記手段H1等の作用効果をより高めることができる。尚、特別入球手段への入球率を所望の入球率に調整する等といった作業は非常に難しい反面、遊技球の挙動が多様化し、興趣の向上を図ることができると共に、上述したような不正行為を抑制することができる。
手段H5.前記複数の開閉パターンのうち、少なくとも1つの開閉パターンは、複数の開閉動作を含むものであることを特徴とする手段H1乃至H4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H5によれば、開閉部材が開放する割合が比較的多くなるため、より多くの遊技球を同時期に可変入球手段内へ入球させることができる。結果として、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
手段H6.前記複数の開閉動作のうち、少なくとも1つの開閉動作は、前記発射手段による遊技球の発射間隔(例えば0.6秒)よりも長い開放時間を有するものであることを特徴とする手段H5に記載の遊技機。
上記手段H6によれば、上記手段H5の作用効果をより高めることができる。
手段H7.前記特定領域を通過した遊技球を前記特別入球手段へ流下可能な第1ルートと、
前記特定領域を通過した遊技球を前記契機入球手段へ流下可能な第2ルートと、
特定状態において、遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段とを備え、
前記可動体は、前記第1ルートへ流下した遊技球の挙動に変化を生じさせ得るものであることを特徴とする手段H1乃至H6のいずれかに記載の遊技機。
上記各手段に係る構成の下、仮に可変入球手段に対し同時期に複数(例えば2つ)の遊技球が入球した場合(2つの遊技球がほとんど間隔を空けずに連続して流下していく連球状態を含む。以下同様。)等、遊技者に有利な状況が発生した場合であっても、これら複数の遊技球がすべて契機入球手段に向かってしまっては、いくら可動体が有利状態になったとしても、遊技球が1球も特別入球手段に入球しないなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、上記手段H7によれば、例えば可変入球手段の内部領域へ2つの遊技球が同時期に連続して入球した場合に、先行する1つ目の遊技球が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球が他方のルートに流下するといったように、遊技球を特別入球手段及び契機入球手段の両者へそれぞれ向かわせることが可能となるため、上記可動体を設けた作用効果がより奏功することとなる。
さらに、可変入球手段の内部領域へ2球連続して遊技球が入球した場合に、先行する1つ目の遊技球と、後続の2つ目の遊技球がそれぞれどちらのルートに流下するかによって、結果が異なってくるため、遊技者は、期待感を持って、ルート振分け手段によって振分けられる遊技球の挙動をより注視するようになる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段H8.前記契機入球手段へ入球(又は通過)した遊技球が前記特別入球手段へ流下不能(入球不能)に構成されていることを特徴とする手段H1乃至H7のいずれかに記載の遊技機。
仮に契機入球手段を通過した遊技球が特別入球手段へ向け流下するよう構成されている場合には、該遊技球に対し可動体が作用するタイミングが常に一定になってしまうおそれがある。結果として、可動体が作用した結果が常に同じ結果となってしまい、遊技者の興趣が低下するおそれがある。さらに、可動体の動作タイミングに合わせて、遊技機を振動させるなどの不正行為が行われやすくなるおそれがある。また、契機入球手段を介さず、特別入球手段へ向け流下している他の遊技球の邪魔をしてしまうおそれもある。
これに対し、上記手段H8によれば、契機入球手段へ入球等する遊技球と、可動体が作用する遊技球とが常に異なるものとなるため、上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
手段H9.前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球の次の次以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段H1乃至H8のいずれかに記載の遊技機。
尚、遊技球が所定間隔で断続的に発射されるパチンコ機等の遊技機においては、可変入球手段が開状態となる1回の開状態期間中に、該可変入球手段に対し複数の遊技球が連続して入球するといった遊技者に有利な状況は頻繁には発生しにくい。特に、遊技ホールにおいて遊技盤の釘調整が行われ、可変入球手段に対し遊技球が入球しにくくなっている状況下においては、そのような遊技者に有利な状況が全く発生しないこともあり得る。
つまり、複数の遊技球が同時期(例えば可変入球手段の1回の開状態期間中)に連続して可変入球手段へ入球しなければ、可動体の作用(アシスト)を受ける等して、より高確率で遊技球が特別入球手段へ入球しないように構成された遊技機においては、複数の遊技球が同時期に連続して可変入球手段へ入球しなかった段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段H9によれば、契機入球手段に入球した遊技球と同時期に(連球状態で)入球した遊技球以外の遊技球に対しても、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
つまり、たとえ契機入球手段に入球した遊技球と共に、他の遊技球が可変入球手段に入球しなかったり、契機入球手段に入球した遊技球と共に可変入球手段に入球した他の遊技球が特別入球手段に入球しなかった場合でも、その後に可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、遊技球が契機入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば、上記手段H9によれば、可変入球手段の所定の開状態期間中に2つの遊技球が内部領域に入球し、先行する1つ目の遊技球(最初に特定領域を通過した遊技球)が第1ルート又は第2ルートの一方に流下し、後続の2つ目の遊技球(次に特定領域を通過した遊技球)が他方のルートに流下して、その後、第2ルートへ流下した遊技球が契機入球手段へ入球して可動体が作動する場合において、第1ルートへ流下した遊技球が可動体を通過する時点では、可動体が未だ作動せず、第1ルートへ流下した遊技球が特別入球手段へ入球しなかった場合でも、その後、可変入球手段の次の開状態期間中に内部領域へ入球した遊技球(次の次に特定領域を通過した遊技球)が第1ルートへ流下し、可動体の作用により、特別入球手段へ入球するチャンスが与えられる構成とすることも可能となる。
従って、上記手段H9を、「前記特定領域を通過した遊技球が前記契機入球手段に入球した場合に、該遊技球が通過した開閉部材の開状態期間の次以降の開状態期間に開閉部材を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段H1乃至H8のいずれかに記載の遊技機。」と換言してもよい。
尚、上記手段H9に係る構成は、上記各手段に係る構成の下、契機入球手段に遊技球が入球した時点から可動体が作動開始するまでの時間や、作動開始後の可動体の作動期間等を調整することにより、同時期に複数の遊技球を可変入球手段へ入球させなくとも、容易に実現することができる。
手段H10.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段H1乃至H9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H10によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段H11.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段H1乃至H10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H11によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
手段H12.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合、前記可変入球手段(開閉部材)の開閉動作を所定回数実行可能な開閉制御手段とを備えていることを特徴とする手段H1乃至H11のいずれかに記載の遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の始動条件(開放契機)が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
手段H13.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段H1乃至H12のいずれかに記載の遊技機。
上記手段H13によれば、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
従来課題I.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき開状態となる可変入球手段を備え、該可変入球手段の内部領域に入球した遊技球が、該内部領域内に設けられた特別入球手段(V入賞口)に入球した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特開平11-197312号公報参照)。
しかしながら、このようなパチンコ機においては、可変入球手段の内部領域へ遊技球を入球させるため、始動入球手段へ遊技球が入球した後も遊技球を遊技領域へ発射し続ける必要がある。かかる場合、従来では、既に可変入球手段は開放しているので、このタイミングで新たに始動入球手段へ遊技球が入球したとしても、開放契機等は得られず、賞球が付与されるだけであった。そのため、遊技者の興趣が低下するおそれがあり、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段I1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有し、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能な可変入球手段と、
前記内部領域に入球した遊技球が入球(又は通過)可能な特別入球手段と、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段とを備えた遊技機であって、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合に、前記可変入球手段(開閉部材)を所定の態様で開放する開放遊技状態を実行可能な開閉制御手段と、
前記可変入球手段の内部領域において、少なくとも遊技者に有利な有利状態(特別状態)と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態(通常状態)とに状態変化可能に設けられ、遊技球の挙動に変化を生じさせ得る(遊技球に作用し得る)可動体と、
少なくとも前記始動入球手段への遊技球の入球に基づいて前記可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の前記開放遊技状態中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として前記可動体に所定動作をさせる所定の前記有利状態とする制御を実行可能な可動体制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
尚、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき、所定の開放契機が成立した場合」には、例えば「前記始動入球手段に入球した遊技球を検知可能な始動入球検知手段」を備えた構成の下、「前記始動入球検知手段により遊技球が検知された場合」や、「前記始動入球検知手段の入球検知に基づいて所定の始動抽選を行い、該始動抽選により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合」などが含まれる。
上記手段I1によれば、可変入球手段の内部領域に可動体を備えることにより、内部領域に入球した遊技球の挙動に変化を生じさせることができる。例えば可動体が所定の有利状態となることで、特別入球手段への入球期待度が高まるなど、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段では、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて可変入球手段に所定の開放を実行させている所定の開放遊技状態中に新たに始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に付与可能な利益として可動体に所定動作をさせる所定の有利状態とする制御を実行可能な構成となっている。
これにより、従来では開放契機等が得られない開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。
従来、遊技者の中には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないことが分かると、開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)に無駄に遊技球が始動入球手段へ入球してしまわないように、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などもいる。
これに対し、本手段によれば、始動入球手段へ遊技球が入球した後、そのような状況にあっても、遊技者は、可動体によるアシストを受けるべく、新たに始動入球手段へ遊技球が入球することを求めて、継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
さらに、始動入球手段へ遊技球が入球するタイミングが開放遊技状態中(可変入球手段の開放期間中)か否かによって、遊技者に付与される利益が異なるため、遊技の多様化を図ることができる。
結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段I2.前記可動体制御手段は、前記所定の開放遊技状態の終了後の所定期間中に前記始動入球手段へ遊技球が入球し所定の条件を満たした場合に、前記可動体に前記所定動作をさせる前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段I1に記載の遊技機。
従来、パチンコ機においては、可変入球手段が開状態となった時点(又は開状態となった可変入球手段の内部領域に遊技球が入球した時点)から所定時間内は、可変入球手段の内部領域に入球したが未だ排出されていない遊技球(残存球)が所定の検出スイッチにより検出されるのを待つための待機時間(残存球監視期間)として設定されている。
しかしながら、従来は、この残存球監視期間中に、新たに遊技球が始動入球手段へ入球した場合には、賞球の払出し等は行われるものの、該入球に基づく抽選等が行われず、可変入球手段が開状態とならないように構成されている。
これに対し、上記手段I2によれば、所定の開放遊技状態の終了後の所定期間(残存球監視期間中)においても、始動入球手段への遊技球の入球に基づいて、可動体が所定動作をする遊技者に有利な状態が発生し得る。結果として、上記手段I1に係る作用効果をさらに高めることができる。
手段I3.前記始動入球手段へ遊技球が入球してから、前記可変入球手段(開閉部材)の開放が開始されるまでの時間が複数通りに変化し得る構成となっていることを特徴とする手段I1又はI2に記載の遊技機。
仮に始動入球手段へ遊技球が入球してから、可変入球手段の開放が開始されるまでの時間が常に一定となっている場合には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可変入球手段の開放タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないこと等が遊技者に容易に把握されてしまい、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などが現れるおそれがある。
また、始動入球手段へ遊技球が入球してから、可変入球手段の開放が開始されるまでの時間が常に一定となっている場合には、可変入球手段の開放タイミングが遊技者に容易に把握されてしまい、そのタイミングに合わせて遊技球を発射するなどの行為が容易に行われるおそれがある。
これに対し、上記手段I3によれば、可変入球手段の開放タイミングが変化し、可変入球手段が常に一定のタイミングで開放するといったことがなくなるため、可変入球手段に係る遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、可変入球手段の開放タイミングを遊技者に把握されにくくなる。これにより、可変入球手段の開放タイミングに合わせて遊技球を発射するなどの行為が行われるおそれを低減することができる。また、遊技者が継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
手段I4.前記始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき変動表示を開始し、所定の開放抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う第1表示手段と、
前記第1表示手段に係る変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する第1変動パターン記憶手段と、
前記始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき、前記第1変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な第1変動パターン選出手段と、
前記第1変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、前記第1表示手段を制御する第1表示制御手段とを備え、
前記開閉制御手段は、
前記第1表示手段において停止表示がなされた後、前記可変入球手段(開閉部材)を開放する前記開放遊技状態を実行可能に構成されていることを特徴とする手段I3に記載の遊技機。
上記手段I4によれば、第1表示手段において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。これを利用して、始動入球手段へ遊技球が入球してから、可変入球手段の開放が開始されるまでの時間を可変とすることとができる。
結果として、比較的簡単な処理で上記手段I3に係る構成を実現することができ、制御の簡素化を図ることができる。
手段I5.前記所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に前記始動入球手段へ遊技球が入球することに基づいて所定の作動抽選処理を実行可能な抽選処理実行手段を備え、
少なくとも前記作動抽選処理により所定の抽選結果(当選結果)が得られた場合に、前記所定の条件が満たされ得る構成としたことを特徴とする手段I1乃至I4のいずれかに記載の遊技機。
仮に所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に始動入球手段へ遊技球が入球した場合に毎回、可動体が動作する構成となっている場合には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可動体の動作タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないこと等が遊技者に容易に把握されてしまい、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などが現れるおそれがある。
上記手段I5によれば、所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に始動入球手段へ遊技球が入球した場合に毎回、可動体が動作することもなくなるため、可動体に関連する演出の単調化を抑制し、可動体が動作することに対する遊技者の期待感を高めることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段I6.前記所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に前記始動入球手段へ遊技球が入球してから、前記可動体の前記所定動作が開始されるまでの時間(前記可動体が前記所定の有利状態となるまでの時間)が複数通りに変化し得る構成となっていることを特徴とする手段I1乃至I3のいずれかに記載の遊技機。
仮に所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に始動入球手段へ遊技球が入球してから、可動体の所定動作が開始されるまでの時間が常に一定となっている場合には、遊技球が始動入球手段へ入球した時点で、該始動入球に係る可動体の動作タイミングでは、遊技球が特別入球手段へ入球できないこと等が遊技者に容易に把握されてしまい、その時点で遊技球の発射を一旦止めてしまう遊技者などが現れるおそれがある。
また、所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に始動入球手段へ遊技球が入球してから、可動体の所定動作が開始されるまでの時間が常に一定となっている場合には、可動体の動作タイミングが遊技者に容易に把握されてしまい、そのタイミングに合わせて遊技球を発射するなどの行為が容易に行われるおそれがある。
これに対し、上記手段I6によれば、可動体の動作タイミングが変化し、可動体が常に一定のタイミングで動作を行うといったことがなくなるため、可動体を用いた遊技演出の単調化を抑制することができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、可動体の動作タイミングを遊技者に把握されにくくなる。これにより、可動体の動作タイミングに合わせて遊技球を発射するなどの行為が行われるおそれを低減することができる。また、遊技者が継続して遊技球を発射し続けるようになるため、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
手段I7.前記所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に前記始動入球手段へ遊技球が入球してから、前記可動体の前記所定動作が開始されるまでの時間を、前記所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に前記始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき、予め設定された複数の設定時間の中からいずれか1つを選出可能な設定時間選出手段を備えていることを特徴とする手段I6に記載の遊技機。
上記手段I7によれば、比較的簡単な処理で上記手段I6に係る構成を実現することができ、制御の簡素化を図ることができる。
手段I8.前記所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に前記始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき変動表示を開始し、所定の作動抽選処理の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う第2表示手段と、
前記第2表示手段に係る変動表示の時間が異なる複数通りの変動パターンを記憶する第2変動パターン記憶手段と、
前記所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に前記始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき、前記第2変動パターン記憶手段に記憶された複数通りの変動パターンの中からいずれか1つを選出可能な第2変動パターン選出手段と、
前記第2変動パターン選出手段により選出された変動パターンに基づき、前記第2表示手段を制御する第2表示制御手段とを備え、
前記可動体制御手段は、
前記第2表示手段において停止表示がなされた後、前記可動体を前記所定の有利状態とする制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段I6に記載の遊技機。
上記手段I8によれば、第2表示手段を備えることで、事前に可動体が所定の有利状態となる可能性があることを遊技者に対し認識させることができる。
さらに、遊技者は、可動体が所定の有利状態になるかどうか分からない状態でドキドキしながら、有利状態となってくれといった期待感を持って、遊技球の挙動と共に、変動表示を注視することとなり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
結果として、可動体に関連する遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
加えて、上記手段I8によれば、第2表示手段において変動表示が開始されてから停止表示がなされるまでの変動時間を可変とすることができる。これを利用して、所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に始動入球手段へ遊技球が入球してから、可動体の所定動作が開始されるまでの時間を可変とすることとができる。
結果として、比較的簡単な処理で上記手段I6に係る構成を実現することができ、制御の簡素化を図ることができる。
手段I9.前記所定の開放遊技状態(及び/又は、その終了後の所定期間)の終了以降に、前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可動体が作用し得る構成となっていることを特徴とする手段I1乃至I8のいずれかに記載の遊技機。
可動体の作用(アシスト)を受けて、より高確率に遊技球が特別入球手段へ入球可能に構成された遊技機においては、所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に遊技球が始動入球手段に入球した時点(作動アシスト抽選時)において、内部領域に遊技球が存在していない段階で遊技者の期待感が薄れ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段I9によれば、所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に遊技球が始動入球手段に入球した時点において、内部領域に遊技球が存在していなくても、その後、所定のタイミングで開放した可変入球手段に入球した遊技球に対して、より高確率で特別入球手段へ入球するチャンスが与えられることとなる。
これにより、遊技者は、所定の開放遊技状態中(及び/又は、その終了後の所定期間中)に遊技球が始動入球手段に入球したことを確認した後段階であっても、可変入球手段へ遊技球を入球させようと積極的に遊技を行うことが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段I10.前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、遊技球が前記特別入球手段へ入球容易となるよう構成されていることを特徴とする手段I1乃至I9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段I10によれば、可動体が所定の有利状態となれば、特別入球手段への入球期待度が高まるため、特別遊技状態の付与等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段I11.前記特別遊技状態付与手段は、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種別の前記特別遊技状態を付与可能に構成され、
前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、付与する一の遊技価値を決定する種別決定手段を備え、
前記可動体が前記所定の有利状態に制御されている場合には、前記可動体が前記所定の有利状態とならないように制御されている場合よりも、前記複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別(例えば複数種別の特別遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な種別)の前記特別遊技状態が前記種別決定手段によって決定されやすい構成となっていることを特徴とする手段I1乃至I10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段I11によれば、特別遊技状態の種別の決定が、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に基づき行われることとなる。
また、可動体が所定の有利状態に制御されている場合には、複数種別の特別遊技状態のうちの所定の種別の特別遊技状態に決定されやすい構成となるため、特別遊技状態の付与(より遊技価値の高い種別の特別遊技状態の付与)等に対する遊技者の期待感を高める遊技演出を行うことができる。
結果として、可変入球手段の内部領域における遊技球の挙動に遊技者がより注視するようになり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、「遊技価値」には、例えば払出され得る賞球の数、特別遊技状態中に行われる特賞状態の回数(ラウンド数)、特別遊技状態後に付与される遊技モード(高確率モード等)などが含まれる。
尚、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段A1~手段A11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段B1~手段B13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段C1~手段C12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段D1~手段D15のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段E1~手段E12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段F1~手段F11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段G1~手段G12のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段H1~手段H13のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段I1~手段I11のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
(ロ)上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
(ハ)上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10について図面を参照して詳しく説明する。但し、上述した第1実施形態と重複する部分(同一の構成要素や同一の処理内容等)については、同一の部材名称、同一の符号を用いて説明する。尚、本発明に係る遊技機(第2実施形態に係るパチンコ機10)は、本発明の「回転手段」としての「回転体」を備えている。
図50はパチンコ機10の正面図であり、図51は斜視図であり、図52は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図53は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図54はパチンコ機10の背面図であり、図55は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図52では便宜上、遊技盤30面上に配設される経路変更手段としての釘や各種役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図52等に示すように、パチンコ機10は、該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図55等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図50参照)。該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図54参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図54参照)。加えて、図52に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図52に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図50に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
加えて、下皿15の左部には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン125が設けられている。演出ボタン125は、遊技者が押圧操作(下方に向かって押す操作)可能に構成されている。また、下皿15の内部には、演出ボタン125の押圧操作を検出するための操作検出手段としての操作検出スイッチ(図示略)が設けられている。そして、演出ボタン125が押圧操作された場合には、前記操作検出スイッチから後述するサブ制御装置262へ操作検出信号が出力される。これにより、遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、後述するように演出表示装置42等において所定の演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単に「ハンドル」という。)18が設けられている。尚、遊技者が操作可能な操作手段としてのハンドル18は、例えば前面枠セット14に固定された基部、該基部に対して回動可能に組付けられた第1の操作部としての回転操作部、該回転操作部の操作量を検出する操作量検出手段としての可変抵抗器、遊技球を遊技領域へ発射させる否かを選択可能な第2の操作部としての発射停止スイッチなどを備えている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に「発射装置」という。)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には、遊技者が操作可能な操作手段として球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。尚、遊技ホールで使用される遊技球には、その所有を明確にするため、該遊技ホールを特定可能な所定の情報が刻印等により記載されており、他の遊技ホールから持ち込んだ遊技球を使用する不正行為等を防止している。また、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、遊技者が操作可能な操作手段として球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図52参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
また、図52に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。
次に、内枠12について図53を参照して説明する。内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60として、可動部材としてのプランジャを有したソレノイド式発射装置を採用している。
尚、本実施形態では、上記満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。一方、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、上記満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
発射装置60の上方には、球送り装置63が設けられている。球送り装置63は、ソレノイド等の駆動手段により、上皿19から案内される遊技球を1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する。
また、図52及び図53中の符号67は、後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。
さらに、払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。
一方、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。そして、前面枠セット14の閉状態においては、下皿連通路71及び上皿連通路73の各入口部と払出通路67とが所定距離だけ離間した状態で隣接し、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。
また、下皿連通路71の入口部と上皿連通路73の入口部とが隣接して設けられていることにより、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技領域となる遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤30の構成について図53を参照して説明する。尚、本実施形態における遊技盤30は、例えばポリカーボネートやアクリル樹脂、ABS樹脂等の光透過性(透光性)を有する樹脂材料によって平板状に形成された透光性部材である透明板をベース(遊技盤本体)として構成されている。ここで「透明」とは、遊技盤30の後方領域に存在する物体を完全に透過した状態で視認し得ることのみを意味するものではなく、少なくとも一部の光を透過し物体の存在が分かる程度のいわゆる半透明の状態をも含むものであってもよい。
かかる構成により、遊技者は、遊技盤30の後方領域に配置されたランプや表示装置などの各種物体を、該遊技盤30を通して、遊技盤30の前方から視認可能となる。例えば本実施形態では、図53に示すように、遊技領域のうちの所定領域の後方位置において、発光手段として複数のLEDを実装したLED基板48A,48B,48Cが配置されており、遊技者は、該LEDから発せられる光を、遊技盤30を通して、遊技盤30の前方から視認可能となる。尚、LED基板48A等は、各種遊技演出に対応して所定の発光態様で点灯・点滅制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。
また、遊技盤30には、帯状の金属板により形成された内レール構成部51及び外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内する案内手段としてのレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図53の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図53の右上部)には、返しゴム54が取着されている。これにより、所定以上の勢いで発射された遊技球は、移動規制手段としての返しゴム54に当たって遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り規制手段としての戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
また、内枠12に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
遊技盤30には、一般入賞口(一般入賞部)31、可変入賞装置(大入賞口)32、上始動入賞口33YA、下始動入賞口33YB、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等が上記透明板に貫通形成された取付孔に対し嵌め込まれるようにして配設されている。
さらに、遊技盤30の前方領域、すなわち遊技盤30の前面側に形成される遊技領域内には、所定領域において遊技球の落下方向を振分けたり、所定位置へ遊技球を誘導したりするため、多数の釘49や風車57等が配設されている。風車57は、自身に対し相対移動する遊技球が接触することによって回転し遊技球の流下に作用する回転体であり、回転状態と停止状態とに状態変化する。例えば風車57は、遊技盤30に対し直接的又は間接的に後端側が固定された軸部材と、該軸部材の前端側が挿通される中央筒部と、該中央筒部から径方向外側へ向け延出形成された被作用部としての複数の接触片と、中央筒部の前端部に設けられた正面視円形板状の装飾円板部とを有し、接触片に対し遊技球が接触し外力を受けることにより、該外力によって前後方向を軸方向として回転する。勿論、風車57の構成は、これに限定されず他の構成を採用してもよい。
遊技領域へ案内された遊技球は、それぞれ釘49等によって流下方向や回転方向を変えられながら様々な経路を通り流下していく。そして、遊技領域へ案内された複数の遊技球のうちのいくつかは、様々な経路を通り相対移動しながら風車57へ案内され、該風車57によって落下ルートが左右に振り分けられることとなる。ここで、遊技球が風車57の左側を通る第1の態様となり、遊技球が第1の近接状態で接触片に作用する場合には、風車57が第1の動作態様である反時計周り方向への回転動作を行う。一方、遊技球が風車57の右側を通る第2の態様となり、遊技球が第2の近接状態で接触片に作用する場合には、風車57が第2の動作態様である時計周り方向への回転動作を行う。
かかる構成の下、例えば可変表示装置ユニット35の左側方領域に設けられた風車57(以下、左風車57という。)によって右側へ振分けられた遊技球は、該左風車57によって左側へ振分けられた遊技球に比べ、釘49等によって上始動入賞口33YAの方へ案内されやすくなる。一方、可変表示装置ユニット35の右側方領域に設けられた風車57(以下、右風車57という。)によって右側へ振分けられた遊技球は、該右風車57によって左側へ振分けられた遊技球に比べ、可変入賞装置32へ案内されやすくなる。
また、本実施形態では、左風車57が反時計周り方向へ回転して遊技球が左風車57の左側を通り抜ける場合よりも、左風車57が時計周り方向へ回転して遊技球が左風車57の右側を通り抜ける場合の方が上始動入賞口33YAへ案内される遊技球の割合が多いなる一方、左風車57が時計周り方向へ回転して遊技球が左風車57の右側を通り抜ける場合よりも、左風車57が反時計周り方向へ回転して遊技球が左風車57の左側を通り抜ける場合の方が一般入賞口31へ案内される遊技球の割合は多くなる。
上述したように、本実施形態では、遊技領域が左右方向に広く拡張されている場合であっても、風車57等を備えることにより、遊技球を上始動入賞口33YAや可変入賞装置32等の方へと案内することが容易となるように構成されている。また、このように上始動入賞口33YAや可変入賞装置32等への入賞が適度な確率で発生するように、遊技盤30においては予め釘49等の調整が行われている。
尚、本実施形態では、可変表示装置ユニット35の左側方領域及び右側方領域にそれぞれ風車57が設けられた構成となっているが、これに限らず、左風車57又は右風車57の一方のみ備えた構成としてもよい。また、本実施形態のように、遊技盤30が透明板をベースに構成されている場合には、装飾円板部など風車57の少なくとも一部を透光性樹脂材料等によって透光部として構成してもよい。風車57と遊技球との相対位置関係は、風車57の少なくとも一部と遊技球の少なくとも一部とが重ならない非近接状態である第1位置関係と、風車57の少なくとも一部と遊技球の少なくとも一部とが重なる近接状態である第2位置関係とに変化する。そのため、透光部を備えた場合、遊技球が風車57を通過していない第1位置関係では、遊技盤30を透過した光が風車57の透光部を介して遊技者に視認可能されることとなる。一方、遊技球が風車57を通過している第2位置関係では、風車57の透光部と重なる遊技球の一部によって、遊技盤30を透過した光の一部が遮られると共に、透光部を通して遊技球の一部に対し前方から外光等の光が照射されることとなる。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口(入球手段)に対応して、該各種入賞口へ入賞した遊技球を検出する検出手段としての入賞検出スイッチが設けられている。具体的には、図53に示すように、一般入賞口31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、上始動入賞口33YAには第1始動入賞スイッチ224Aが設けられ、下始動入賞口33YBには第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動入賞口33YA、下始動入賞口33YBなどの各種入賞口に遊技球が入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、上始動入賞口33YAへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33YBへの入賞があった場合には1個、一般入賞口31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。ここで、上始動入賞口33YAが第1始動入球手段を構成し、下始動入賞口33YBが第2始動入球手段を構成し、可変入賞装置32が特定入球手段を構成してもよい。また、上始動入賞口33YAなどの所定の入賞口に遊技球が入賞する状態を有利状態としてもよい。例えば上始動入賞口33YAへ遊技球が入賞し3個の賞球が払い出される状態を第1の有利状態とし、一般入賞口31へ遊技球が入賞し10個の賞球が払い出される状態を第2の有利状態としてもよい。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
可変入賞装置32は、遊技球が入賞可能な大入賞口(符号略)と、該大入賞口を開閉する開閉部材として矩形平板状の開閉板(大入賞口開閉部材)32aと、該開閉板32aを開閉駆動する大入賞口用ソレノイド(図示略)とを備えている。
可変入賞装置32は、所定条件が成立していない通常時には、遊技球が大入賞口へ入賞不能な閉状態となっている一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイドを励磁することにより、開閉板32aがその下辺を回動軸として前方へ傾倒し、遊技球が大入賞口へ入賞可能な開状態となる。
上始動入賞口33YAは、遊技球が常時入賞可能となっている。これに対し、下始動入賞口33YBには、開閉式の入賞補助装置として開閉役物37Yが設けられている。
開閉役物37Yは、下端側を軸として左右方向に回動変位する開閉部材としての左右一対の可動羽根37Yaと、該可動羽根37Yaを開閉駆動する始動入賞口用ソレノイド(図示略)とを備え、該可動羽根37Yaが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞可能な開状態と、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞不能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。
上述したように、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBには、それぞれ入賞した遊技球を検出する検出手段としての第1始動入賞スイッチ224Aや第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。そして、該始動入賞スイッチ224A,224Bにて遊技球が検出された場合に、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43Rや後述する演出表示装置42において変動表示や所定の演出が行われる構成となっている。ここで、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態等が付与される。
以下、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図86に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
「16R確変大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが16回(16ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態において、「長開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の10個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
「16R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
本実施形態において、「短開放」とは、可変入賞装置32の開閉板32aが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間の0.4秒が経過すること又は可変入賞装置32に規定個数の3個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
尚、本実施形態では、遊技者のハンドル18の操作に基づき、発射装置60から「0.6秒」に1個の割合で遊技球が遊技領域に向けて発射される構成となっている。これに対して、上記「短開放」では、開閉板32aの開放規定時間が0.4秒となっている。つまり、「短開放」の場合には、遊技球の発射周期よりも1回の開閉板32aの開放時間が短くなっている。従って、1回の「短開放」だけでは、1個の遊技球すら入賞しない場合もある。このため、「短開放」に対応した上記2つの閉鎖条件のうち入賞個数に係る条件(入賞個数3個)に基づいて開閉板32aが閉鎖されることはほとんどなく、一旦開放された開閉板32aは、通常、規定時間(0.4秒)の経過に基づいて閉鎖されることとなる。これにより、「短開放」の実行期間においては、その都度、実行期間が変化することが回避されている。
「4R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
「16R通常大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが8回(8ラウンド)繰り返し行われる。
「16R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態として、これが12回(12ラウンド)繰り返し行われる。
「4R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回繰り返し行われた後、さらに「長開放」を1回の特賞状態として、これが15回繰り返し行われる。換言すれば、1ラウンド目に5回の「短開放」が行われ、2ラウンド目~16ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われることとなる。
また、上記各種「確変大当たり」及び「JUB大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後の抽選モードとして「高確率モード(高確率状態)」が付与される。一方、各種「通常大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に「低確率モード(低確率状態)」が付与される。
「高確率モード」とは、通常時に設定される「低確率モード」に比べ、大当たり確率がアップした状態をいう。大当たり終了後に設定された「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
また、上記各種大当たりの終了後には、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37Yに係る入賞サポートモードとして「高サポートモード(高入球状態)」が付与される。
「高サポートモード」とは、通常時に設定される「低サポートモード(低入球状態)」に比べ、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなった状態をいう。
例えば「高サポートモード」としては、(1)後述の普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態、(2)開閉役物37Yの可動羽根37Yaの一回の開放時間(規定時間)が「低サポートモード」時に比べて長い状態、(3)可動羽根37Yaの一回の開放につき入賞可能となる遊技球の規定個数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(4)スルーゲート34を遊技球が通過することに起因した開閉役物37Yの開放抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う可動羽根37Yaの開閉処理の実行回数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(5)開閉役物37Yの開放抽選における当選確率が「低サポートモード」時の当選確率よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高サポートモードでは、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)~(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)~(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、下始動入賞口33YBに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、大当たり抽選の実行される回数が増えると共に、球持ちのよい状態となる。
また、本実施形態では、「高サポートモード」が付与された状態では、後述するように変動パターンテーブルを「高サポートモード」用のテーブルに変更することで、第1及び第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態となるように構成されている。
本実施形態では、「16R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の終了後には、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、「次回まで・高サポートモード」という。
「16R確変大当たりB」及び「4R確変大当たりB」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「20回」、「30回」、「40回」又は「50回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、それぞれ「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」という。
「16R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりA」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「30回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、「30回・高サポートモードS」という。
「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」の終了後には、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される。
「JUB大当たり」の終了後には、「次回まで・高サポートモード」が付与される。
本実施形態では、上記各種モードが組み合わさることで、様々な遊技状態が発生することとなる。
例えば「高確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「確変状態(確率変動状態)」となる。
「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「通常状態」となる。
「低確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「時短状態(時間短縮状態)」となる。
「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「潜確状態(潜伏確変状態)」となる。つまり、「潜確状態」となると、単に大当たり確率が高められるだけで、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態となるため、「高確率モード」が付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態となる。
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態として、これが5回(5ラウンド)繰り返し行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される抽選モード及び入賞サポートモードは、小当たり状態発生前の元のモードである。例えば、小当たり状態発生前の抽選モードが「高確率モード」であれば、小当たり状態終了後にも「高確率モード」が維持される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAに入賞した場合と、下始動入賞口33YBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」のいずれかに振分けられ、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」、「4R通常大当たりA」及び「JUB大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。また、「小当たり」に関しても、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合のみ発生する構成となっている。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、遊技盤30の下部に設置されている。各セグメント表示装置には、それぞれ8個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示装置には、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されることとなる。
そして、上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞を契機として第1特別表示装置43Lにて変動表示が行われ、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機として第2特別表示装置43Rにて変動表示が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、該変動表示が停止したときの表示態様により、大当たり抽選に当選したか否か等が確定的に表示される。例えば、上始動入賞口33YAに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて高速で変動表示がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、各種大当たりに対応する数値等(図86参照)が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
図86に示すように、例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「9-」が停止表示され、「50回・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりB」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「84」が停止表示される。また、「JUB大当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1.-」が停止表示され、「小当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1-」が停止表示される。ここで、「JUB大当たり」に係る停止態様「1.-」と、「小当たり」に係る停止態様「1-」のように、「JUB大当たり」の演出効果を高める上では、両者の停止態様が紛らわしい構成となっていることが好ましい。
勿論、各種当たりに対応する特別表示装置43L、43Rの停止態様は、上記態様に限定されるものではない。例えば、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が1つではなく複数存在してもよい。例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「91」,「92」,「93」,・・・のいずれかが選択されて停止表示される構成としてもよい。
尚、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が複数存在している場合においても、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様と、「小当たり」に係る複数の停止態様とが紛らわしい構成となっていることが好ましい。例えば、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様として「-1.」,「-2」,「-3.」,「-4」,・・・のいずれかが停止表示され、「小当たり」に係る複数の停止態様として「-1」,「-2.」,「-3」,「-4.」,・・・のいずれかが停止表示される構成してもよい。かかる構成では、所定の表示用セグメント(ここでは「.」)が点灯した特定記号(ここでは「1」,「2」,「3」,・・・)と、点灯していない特定記号のペアのうちの一方が「JUB大当たり」に係る複数の停止態様に含まれ、他方が「小当たり」に係る複数の停止態様に含まれると共に、それらが交互に入れ違いになった構成となっている。
また、任意又は全ての表示用セグメントにおいて表示される色を適宜変更可能な構成としてもよい。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞口33YA,33YBに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上始動入賞口33YAに入賞した遊技球、及び下始動入賞口33YBに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞口33YA,33YBに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示、及び、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下始動入賞口33YBに遊技球が入賞し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、該スルーゲート34を通過する遊技球を検出可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検出された場合に、開閉役物37Y(下始動入賞口33YB)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、開閉役物37Yが規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する演出表示装置42とが設けられている。
さらに、可変表示装置ユニット35には、演出表示装置42にて行われている変動表示が上始動入賞口33YA及び下始動入賞口33YBのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で変動表示する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yが所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
演出表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、演出表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
演出表示装置42には、図92に示すように、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて上記各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、演出表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「JUB大当たり」又は「小当たり」の場合、後述するように演出表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」となる場合には、上記のように演出表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、本実施形態では 停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される遊技状態(「高確率モード」か否か等)が判別不能となっている。
また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。
勿論、「JUB大当たり」となる場合と、「小当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせが異なる構成としてもよい。また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置42では、上記保留ランプ46a,46bに対応して、特別表示装置43L,43Rにおける変動表示の保留数が表示される構成となっている(図92等参照)。
尚、本実施形態では、前面枠セット14を閉鎖した際、該前面枠セット14によって特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46a,46bが覆われた状態となり、遊技者によって視認不能な状態となる。従って、遊技者は、専ら演出表示装置42の表示内容(図柄表示や保留表示等)によって遊技状態や抽選結果等を把握することとなる。
勿論、特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46L,46Rの構成は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば、特別表示装置43L,43R等が視認可能な構成となっていてもよい。但し、特別表示装置43L、43Rは、上記のように遊技領域の下隅といった遊技者の目につきにくい目立たない場所に設けられるとともに、その表示部の大きさも小さく、判別用の文字が停止表示される時間も比較的短い。従って、特別表示装置43L、43Rから目を離さず、注意深く観察していなければ、付与さえる遊技状態を把握することは実質的に不可能である。
変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、演出表示装置42において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
次に可変表示装置ユニット35の構成について詳しく説明する。本実施形態では、図56,57に示すように、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。
フレームカバー213には、その中央部に矩形状の開口部213a(図55参照)が形成されており、その背面側に液晶表示装置たる演出表示装置42が着脱自在に取付けられている。演出表示装置42の液晶表示部42aは、発光手段としてのバックライトの前面側に、各種透光性部材が積層されてなる液晶パネルが配設された公知のものである。
センターフレーム47は、その中央に略円形状の開口部751が形成された枠体形状をなし、該開口部751を介して演出表示装置42の液晶表示部42aが視認可能となる。
尚、センターフレーム47は、単一部材から構成されているわけではなく、例えばベース部材に対し、メッキ等の施された各種装飾部材や、LED等の光を透過する透明樹脂製のレンズ部材などが組付けられてなる。
センターフレーム47の下辺部47bの上面には、左右方向に沿ってステージ部770が設けられている。ステージ部770には、左右方向に沿って緩やかな起伏が形成されている。
ステージ部770の後壁部772の中央部には、前方に向け開口し、遊技球が落下可能な落下孔774が形成されている。また、ステージ部770の中央部の下方(内部)には、前記落下孔774に通じる連通路775が設けられている。連通路775の他方側は、センターフレーム47の下辺部47bの前側に開口し、落下孔774へ落下した遊技球を遊技盤30面上へ排出するための排出口776となっている。なお、センターフレーム47が遊技盤30に配設された状態では、図53に示すように、排出口776は上始動入賞口33YAの上方に位置する。
ステージ部770の中央部には、落下孔774の前方位置において、奥側へ緩やかに下り傾斜となった誘導溝778が形成されている。これにより、ステージ部770から落下孔774へ遊技球が落下可能な構成となっている。
センターフレーム47の左辺部47cには、その内部に、遊技球を通過させる球通路(ワープ流路)764が形成されている。球通路764の入口部764aは、センターフレーム47の左辺部47cの上下方向略中央部に開口している一方、出口部764bは、センターフレーム47の下辺部47bの上面(ステージ部770)に向け開口している。この球通路764により、遊技盤30面上を流下する遊技球をセンターフレーム47内のステージ部770上へ案内することができる。
ステージ部770上に案内された遊技球は、ステージ部770上を転動した後、前方から遊技盤30面上に転落したり、上述した落下孔774へ落下したりする。このうち、落下孔774へ落下した遊技球は、連通路775を介して遊技盤30面上へ案内される。排出口776から排出された遊技球は比較的高い確率で上始動入賞口33YAに入球する。
また、可変表示装置ユニット35には、センターフレーム47とフレームカバー213との間において、上部演出役物ユニット761及び下部演出役物ユニット762が配設されている。
具体的に、上部演出役物ユニット761は、センターフレーム47の上辺部47a裏側に配設されており、通常時(図56参照)には、上辺部47a等によって、そのほぼ全体が覆われ、一部のみが遊技者に視認可能な状態となっている。
また、下部演出役物ユニット762は、センターフレーム47の下辺部47b裏側に配設されており、通常時(図56参照)には、下辺部47b等によって、そのほぼ全体が覆われ、一部のみが遊技者に視認可能な状態となっている。
ここで、上部演出役物ユニット761及び下部演出役物ユニット762の構成について詳しく説明する。まず上部演出役物ユニット761について図面を参照して詳しく説明する。
図56~図58に示すように、上部演出役物ユニット761は、センターフレーム47の上辺部47aの裏側に設けられている。
上部演出役物ユニット761は、フレームカバー213の前面上部に配設されたユニットベース部810と、該ユニットベース部810に対し揺動可能に設けられた上可動役物811と、該上可動役物811を揺動させるための揺動駆動機構812とを備えている。
揺動駆動機構812は、上可動役物811を支持する支持アーム814と、該支持アーム814を駆動させる駆動源となる揺動用モータ815とを備えている。
そして、揺動用モータ815の駆動に基づき、支持アーム814が回動変位することにより、上可動役物811は、その大部分がセンターフレーム47の上辺部47a裏側に位置し遊技者に視認困難な待機状態(図56参照)と、その大部分が演出表示装置42の表示部42aの前面側に位置し遊技者に視認容易な露出状態(図58参照)との間で揺動変位可能となる。演出表示装置42の液晶表示部42aの前方領域が本実施形態における演出領域(所定領域)を構成する。
上記揺動用モータ815は、印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータであり、駆動パルス信号を調整することにより、上可動役物811(支持アーム814)の回動変位量を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの上可動役物811(支持アーム814)の回動変位量を把握することができる。尚、図示は省略するが、揺動駆動機構812には、支持アーム814の回動位置を検出するための位置検出センサなどが設けられている。
ここで、上可動役物811について図101~図105を参照して詳しく説明する。上可動役物811は、支持アーム814の先端部に固定されたベース部817と、該ベース部817の前面側において回転可能に支持された上回転体820とを備えている。上回転体820は演出用の回転体であり、第1回転手段としての第1回転体を構成する。
ベース部817は、正面視略円形状をなし、その中央部には支軸部818が前方へ向け突出形成されている。支軸部818は、前面側が閉塞しかつ背面側が開口した略円筒状に形成されている。
ベース部817の裏側には、上回転体用駆動モータ821が取付固定されている。上回転体用駆動モータ821の回動軸821aの前端部には、ピニオン歯車821bが取付固定されている。そして、ピニオン歯車821bを介して上回転体用駆動モータ821の駆動力が上回転体820へ伝達される。
ベース部817の前面部には、円環状のカバー体822が取付固定されている。カバー体822の中央部には、円形状の開口部822aが形成されている。
上回転体820は、主に回転基板823と、その前面側にて環状配置された6個の可動片825とからなる。
回転基板823は、前後方向に延びる円筒部826と、該円筒部826の外周壁部から径方向外側に向け放射状に延出形成された6本の延出片827とを有している。6本の延出片827は、円筒部826の周方向に等間隔(60°間隔)で設けられている。
円筒部826は、ベース部817の支軸部818に外嵌されている。これにより、回転基板823は、ベース部817に対し回転可能に軸支された状態となる。尚、図示は省略するが、円筒部826又は支軸部818には、ベース部817(支軸部818)からの回転基板823(円筒部826)の脱落を防止するための規制手段が設けられている。
各延出片827には、前後方向に貫通しかつ回転基板823の径方向に沿って形成されたスリット829が開口形成されている。各延出片827の先端部近傍裏面には、それぞれ円柱状のピニオン支軸830が後方へ向け突出形成されている。
回転基板823の円筒部826には、円環状の中央歯車部材831が後方から外嵌されている。
中央歯車部材831には、その前側に設けられた大径歯車部831aと、後側に設けられた小径歯車部831bが前後に段をなすように一体的に形成されている。
また、ピニオン支軸830には、それぞれピニオン歯車832が外嵌され、中央歯車部材831の大径歯車部831aに噛合されている。
さらに、回転基板823の裏側には、円環状の押え板835が取付けられている(図105参照)。押え板835の円形開口部835aは、中央歯車部材831の小径歯車部831bより僅かに大径で該小径歯車部831bを挿通し得るとともに、大径歯車部831aよりも小径となっている。
これにより、押え板835が、上記6個のピニオン歯車832及び大径歯車部831aを後方から覆うとともに小径歯車部831bを挿通しながら、ピニオン支軸830の先端に固定されている。これにより、中央歯車部材831が回転基板823の円筒部826の周りに回転自在に保持された状態となる。
中央歯車部材831の小径歯車部831bには、上回転体用駆動モータ821のピニオン歯車821bが噛合されている。これにより、上回転体用駆動モータ821の回転が中央歯車部材831に伝達される。
つまり、ピニオン歯車821b、中央歯車部材831、ピニオン歯車832等により、上記上回転体用駆動モータ821の動力を上回転体820に伝達して可動片825をスライド動作させると共に回転基板823を回転させるように駆動する主動力伝達機構が構成される。
さらに、回転基板823の円筒部826の後端には第2駆動ギア841が取付固定されている。図105に示すように、第2駆動ギア841には、第2伝達ギア842に噛合されている。第2伝達ギア842は、オイルダンパ843に連結されている。オイルダンパ843には、後方から支持部材844が嵌着され、該支持部材844は、ベース部817に取付固定されている。
これにより、回転基板823が所定レベル以下の低トルクでは回転しないように制動される構成となっている。ここで、第2駆動ギア841や第2伝達ギア842等により、オイルダンパ843の力を上回転体820に伝達して上回転体820の動作を規制する規制動力伝達機構が構成される。
尚、上記規制動力伝達機構は、上記主動力伝達機構とは連結されておらず、回転基板823を介することなく、上回転体用駆動モータ821とオイルダンパ843との間で、直接的に動力が伝達されないよう構成されている。
図101等を見て分かるとおり、上回転体820は、1つの花をモチーフとして形成されたものであり、各可動片825は、それぞれ1枚の花弁を模して形成されている。
各可動片825は、透光性を有する透明樹脂材料により形成されている。但し、各可動片825の一般部(後述する拡大レンズ部828を除く部分)の表面には、図示しない微細な凹凸部が形成されている。これにより、可動片825の一般部は、後方に位置する演出表示装置42の表示部(液晶表示部)42aから発せられる光を拡散して透過し全体が均一に面発光した状態となる一方、該可動片825の一般部を介して、表示部42aに表示された表示対象(対象物)を識別することは困難な構成となっている。
これに対し、6枚の可動片825のうち、1つの可動片825には、拡大レンズ部828が形成されている。これ以降、拡大レンズ部828を有した可動片825を他の可動片825と区別する場合には、「特定可動片825A」と称することもある。可動片825や拡大レンズ部828が本実施形態における透光部を構成する。
特定可動片825Aの拡大レンズ部828は、後方に位置する対象物を拡大表示して遊技者に視認させることができる。例えば遊技者は、演出表示装置42の表示部42aに表示される文字やキャラクタ等の表示対象を、拡大レンズ部828を介して拡大して視認することができる。
可動片825の裏面には、直線状に延びるラック部838が一体形成されている。ラック部838は、回転基板823の延出片827のスリット829に挿し込まれている。これにより、可動片825が回転基板823の径方向(延出片827の延在方向)に沿ってスライド可能となる。尚、図示は省略するが、ラック部838又はスリット829には、回転基板823からの可動片825の脱落を防止するための規制手段が設けられている。
可動片825のラック部838は、延出片827の裏面にてピニオン歯車832と噛合されている。これにより、可動片825は、上回転体用駆動モータ821の動力が主動力伝達機構を介して伝達されることで、延出片827のスリット829に沿って、すなわち回転基板823の径方向に沿ってスライド変位可能となる。
かかる構成の下、上回転体820は、待機状態にある通常時においては、放射状に並ぶ6個の延出片827においてそれぞれ可動片825が径方向最内側までスライド変位した縮径状態となっている(図101,102参照)。
尚、上回転体820の縮径状態では、6個の可動片825の基端部がそれぞれ回転基板823の円筒部826の外周部に略当接した状態となっていると共に、各可動片825の基端側の両側縁部がそれぞれ隣接する可動片825の基端側側縁部と略当接した状態となっている。
一方、所定の演出が実行される際、上回転体820は、放射状に並ぶ6個の延出片827においてそれぞれ可動片825が同時に径方向外側に向けて放射状にスライド変位することにより拡径する(図103,104参照)。
また、ベース部817の背面側には、サブ制御装置262からの指示を受けて、上回転体用駆動モータ821を制御するモータ制御基板(モータドライバ)845が取付けられている。
上回転体用駆動モータ821は、モータ制御基板845を介して印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータであり、入力パルス数に応じて回転角度が変化する。つまり、駆動パルス信号を調整することにより、上回転体820の回動変位量や回転速度を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの上回転体820の回動変位量を把握することができる。
より詳しくは、図105に示すように、ベース部817の前面に、上回転体820(回転基板823)の回転位置を検出するための位置検出センサ846が取着されている。本実施形態では、位置検出センサ846として、発光素子と受光素子とを離間して対向配置した公知のフォトセンサを採用している。
これに対応して、回転基板823(本実施形態では第2駆動ギア841)の背面側には遮光片847が突出形成されている。そして、位置検出センサ846により遮光片847が検出されることにより、上回転体820が基準位置にあることが把握される。
本実施形態では、図101に示すように、上回転体820の正面視において、特定可動片825Aが水平方向右側に配置される位置が基準位置となる。
また、図示は省略するが、ベース部817には、サブ制御装置262からの指示を受けて、位置検出センサ846の監視制御などを行う上部役物制御基板が配設されている。
かかる構成の下、360パルスの励磁信号(駆動パルス信号)で上回転体用駆動モータ821が1回転すると仮定した場合、1パルスの励磁信号に基づく角度変化(1ステップあたりの角度変化)は1°となる。つまり、本実施形態ではタイマ割込みが2msecに設定されているため、上回転体用駆動モータ821が1回転するには、最短で720msec(=2msec×360パルス)を要することとなる。
さらに、上回転体用駆動モータ821のピニオン歯車821bと、中央歯車部材831の小径歯車部831bのギヤ比(歯車比)を1:4と仮定した場合、上記のように上回転体用駆動モータ821が360パルスの励磁信号で1回転する構成の下では、上回転体820は、最短で2880msec(=2msec×360パルス×4)で1回転することとなる。
但し、1パルスの励磁信号に基づく角度変化量や、ピニオン歯車821bと小径歯車部831bとのギヤ比などは、上記例示した値に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
尚、図103等に示すように、上回転体820の回転停止時において、6つの可動片825が、それぞれ上回転体820の回転方向(本実施形態では時計回り方向)6箇所に設定された所定の停止位置EA1~EA6(具体的には、上回転体820の右側に位置する第1停止位置EA1、右斜め下側に位置する第2停止位置EA2、左斜め下側に位置する第3停止位置EA3、左側に位置する第4停止位置EA4、左斜め上側に位置する第5停止位置EA5、又は、右斜め上側に位置する第6停止位置EA6)のいずれかに停止するように構成されている。
ここで、上記のように構成された上回転体820の動作態様について説明する。図101,図102等に示すように、役物演出が行われない通常時は、6枚の可動片825がそれぞれ上回転体820の径方向内側スライド限界位置に位置した状態となっている。つまり、上回転体820が最も縮径した状態となっている。
かかる状態において、上回転体用駆動モータ821を正回転させると、ピニオン歯車821bを介して、まず中央歯車部材831が正面視時計回り方向へ回転をはじめる。
尚、回転開始当初は、上記規制動力伝達機構を介して回転基板823に対し、オイルダンパ843の制動力が加えられているため、回転基板823は停止したまま動かない。
一方、中央歯車部材831が正面視時計回り方向へ回転することで、大径歯車部831aに噛合された6個のピニオン歯車832がそれぞれ回転する。そして、これら各ピニオン歯車832と噛合されたラック部838を介して6個の可動片825に対しそれぞれ動力が伝達され、該6個の可動片825がそれぞれ延出片827のスリット829に沿って、上回転体820の径方向外側に向け放射状にスライド変位しいく。つまり、上回転体820が拡径していく。
そして、図103,図104等に示すように、6枚の可動片825がそれぞれ上回転体820の径方向外側スライド限界位置まで達し、上回転体820が最も拡径した状態となると、回転基板823に対し回転動力が伝達されることとなる。そして、そのトルクが所定レベルを超えると、回転基板823が正面視時計回り方向へ回転をはじめる。
その後、上回転体用駆動モータ821が停止すると、上回転体820は停止し、6つの可動片825が、それぞれ上記停止位置EA1~EA6のいずれかに停止する。
また、役物演出が終了し、通常時へ戻る際には、まず上回転体用駆動モータ821を逆回転させ、ピニオン歯車821bを介して、中央歯車部材831を正面視反時計回り方向へ回転させる。
尚、かかる場合においても、中央歯車部材831の回転開始当初は、上記規制動力伝達機構を介して回転基板823に対し、オイルダンパ843の制動力が加えられているため、回転基板823は停止したまま動かず、可動片825のみが動作する。
これにより、中央歯車部材831の大径歯車部831aに噛合された6個のピニオン歯車832がそれぞれ回転する。そして、これら各ピニオン歯車832と噛合されたラック部838を介して6個の可動片825に対しそれぞれ動力が伝達され、該6個の可動片825がそれぞれ延出片827のスリット829に沿って、上回転体820の径方向内側に向けスライド変位しいき、上回転体820が縮径していく。
その後、6枚の可動片825がそれぞれ上回転体820の径方向内側スライド限界位置までスライド変位した段階で上回転体用駆動モータ821を停止させる。これにより、上回転体820が通常時の縮径状態に戻る。
次に下部演出役物ユニット762について図面を参照して詳しく説明する。図56~図58に示すように、下部演出役物ユニット762は、センターフレーム47の下辺部47bの裏側に設けられている。
下部演出役物ユニット762は、フレームカバー213の前面下部を覆うように配設されたユニットベース部850と、該ユニットベース部850の裏面側において上下動可能に設けられた下可動役物851と、該下可動役物851を上下動させるための上下駆動機構852とを備えている。
下可動役物851は、上下方向に沿って変位可能に設けられたスライドベース部853と、該スライドベース部853から上方に向け突出形成された左右一対の支柱部854A,854Bと、該支柱部854A,854Bの上端部にそれぞれ設けられた下回転体用駆動モータ855A,855B〔図107参照〕と、該駆動モータ855A,855Bの回転軸の前端部に取付固定された正面視略長方形状の下回転体856A,856Bと、該駆動モータ855A,855Bの背面側に設けられたモータ制御基板(モータドライバ)857A,857B〔図107参照〕とを備えている。下回転体856A,856Bはそれぞれ演出用の回転体であり、第2回転手段としての第2回転体を構成する。
図106に示すように、左側の下回転体856A(以下、「左下回転体856A」という。)には、その長手方向一端側において正面視円形状の第1情報記載部856Aaが設けられ、その長手方向他端側において正面視円形状の第2情報記載部856Abが設けられている。情報記載部856Aa,856Abは本実施形態における被作用部を構成する。
両情報記載部856Aa,856Abは、透光性を有する素材により構成されており、後方に位置する演出表示装置42の表示部(液晶表示部)42aから発せられる光を所定の透過率で透過可能に構成されている。
本実施形態の第1情報記載部856Aaには、比較的光透過率が高く色鮮やかな有色透明(例えばレインボー柄)の背景構成部に対しくっきりとした文字で「SMALL」と記載され(以下、かかる記載を「強・SMALL」と称する場合もある。)、第2情報記載部856Abには、比較的光透過率が低い暗色半透明の背景構成部に対しくすんだ文字で「SMALL」と記載されている(以下、かかる記載を「弱・SMALL」と称する場合もある。)。
一方、両情報記載部856Aa,856Abを除く、左下回転体856Aの一般部は、透光性を有しない素材により被覆されており、演出表示装置42の表示部42aから発せられる光を透過させない遮光部となっている。
また、上記左下回転体856Aと同様に、右側の下回転体856B(以下、「右下回転体856B」という。)には、図106に示すように、その長手方向一端側において正面視円形状の第1情報記載部856Baが設けられ、その長手方向他端側において正面視円形状の第2情報記載部856Bbが設けられている。情報記載部856Ba,856Bbは本実施形態における被作用部を構成する。
上記左下回転体856Aに係る両情報記載部856Aa,856Abと同様、右下回転体856Bに係る両情報記載部856Ba,856Bbは、透光性を有する素材により構成されており、後方に位置する演出表示装置42の表示部(液晶表示部)42aから発せられる光を所定の透過率で透過可能に構成されている。
本実施形態の第1情報記載部856Baには、比較的光透過率が高く色鮮やかな有色透明(例えばレインボー柄)の背景構成部に対しくっきりとした文字で「BIG」と記載され(以下、かかる記載を「強・BIG」と称する場合もある。)、第2情報記載部856Bbには、比較的光透過率が低い暗色半透明の背景構成部に対しくすんだ文字で「BIG」と記載されている(以下、かかる記載を「弱・BIG」と称する場合もある。)。
一方、両情報記載部856Ba,856Bbを除く、右下回転体856Bの一般部は、透光性を有しない素材により被覆されており、演出表示装置42の表示部42aから発せられる光を透過させない遮光部となっている。
尚、下回転体用駆動モータ855A,855Bは、それぞれ印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータであり、駆動パルス信号を調整することにより、下回転体856A,856Bの回転量を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの下回転体856A,856Bの回転変位量を把握することができる。
より詳しくは、図107に示すように、下回転体用駆動モータ855A,855Bの下面に、下回転体856A,856Bの回転位置を検出するための位置検出センサ858A,858Bが取着されている。本実施形態では、位置検出センサ858A,858Bとして、発光素子と受光素子とを離間して対向配置した公知のフォトセンサを採用している。
これに対応して、下回転体856A,856Bの背面側(側縁部近傍)には遮光片859A,859Bが突出形成されている。そして、位置検出センサ858A,858Bにより遮光片859A,859Bが検出されることにより、下回転体856A,856Bが基準位置にあることが把握される。
本実施形態では、図106に示すように、下回転体856A,856Bの長手方向が上下方向に沿い、かつ、第1情報記載部856Aa,856Ba側が第2情報記載部856Ab,856Bb側よりも上位となる位置が基準位置となる。
さて、上下駆動機構852は、ユニットベース部850に配設された上下駆動用モータ860と、スライドベース部853の右側縁部に設けられたラック部861とにより構成されている。そして、上下駆動用モータ860の回転軸に取付固定されたピニオン歯車860aと、スライドベース部853のラック部861と噛合されている。
尚、図示は省略するが、ユニットベース部850には、上下方向に沿って延びる案内溝部が形成され、スライドベース部853には前記案内溝部に組付けられる突条部が形成されている。これにより、スライドベース部853が上下動する際の左右方向への位置ズレが規制されている。つまり、前記案内溝部及び前記突条部により、下可動役物851(下回転体856A,856B)を案内する案内手段が構成されることとなる。
かかる構成の下、上下駆動用モータ860が回転することで、下可動役物851が上下方向に沿ってスライド変位可能となる。
通常時、下可動役物851は、下回転体856A,856Bの大部分がセンターフレーム47の下辺部47b裏側の待機位置に位置し遊技者に視認困難な待機状態(図56参照)となっている。そして、上下駆動用モータ860が正回転して、スライドベース部853が上方向に向かってスライド変位することにより、下可動役物851は、下回転体856A,856Bの全体が演出表示装置42の表示部42aの前面側に位置し遊技者に視認容易な露出状態(図58参照)となる。
また、この状態から、上下駆動用モータ860が逆回転して、スライドベース部853が下方向に向かってスライド変位することにより、下可動役物851は、通常時の待機状態に戻る。
尚、上下駆動用モータ860は、印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータであり、駆動パルス信号を調整することにより、下可動役物851(下回転体856A,856B)の上下移動量を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの下可動役物851の上下変位量を把握することができる。
より詳しくは、ユニットベース部850には、下可動役物851の上下位置を検出するための位置検出センサ863が取着されている。本実施形態では、位置検出センサ863として、発光素子と受光素子とを離間して対向配置した公知のフォトセンサを採用している。
これに対応して、スライドベース部853には、ラック部861の下端部において遮光片864が突出形成されている。そして、位置検出センサ863により遮光片864が検出されることにより、下可動役物851(スライドベース部853)が基準位置にあることが把握される。本実施形態では、図56に示すように、下可動役物851が上記待機状態となる位置が基準位置(待機位置)となる。
ここで、図示は省略するが、下可動役物851(下回転体856A,856B)の所定量以上の移動を規制可能なストッパ等の移動規制手段を備えた構成としてもよい。
また、図示は省略するが、ユニットベース部850には、サブ制御装置262からの指示を受けて、上下駆動用モータ860の駆動制御や位置検出センサ863の監視制御などを行う下部役物制御基板が配設されている。
かかる構成の下、本実施形態では、上回転体820及び下回転体856A,856Bがそれぞれ回転しながら又は停止時において、上回転体820と左下回転体856A又は右下回転体856Bとの位置関係が、上回転体820の少なくとも一部と左下回転体856A又は右下回転体856Bの少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、上回転体820の少なくとも一部と左下回転体856A又は右下回転体856Bの少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化するように構成されている。そして、後述するように、所定条件の成立時(高サポートモードが継続する場合)には、非成立時に比べ、上回転体820と下回転体856A,856Bとが第2位置関係(近接状態)となる割合が多くなるように構成されている。
具体的に、左下回転体856Aの回転停止時において、第1情報記載部856Aa(強・SMALL)及び第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)が、それぞれ左下回転体856Aの回転方向(本実施形態では時計回り方向)4箇所に設定された所定の停止位置EB1~EB4(具体的には、図106に示すように、左下回転体856Aの上側に位置する第1停止位置EB1、右側に位置する第2停止位置EB2、下側に位置する第3停止位置EB3、又は、左側に位置する第4停止位置EB4)のいずれかに停止するように構成されている。
そして、第1情報記載部856Aa(強・SMALL)又は第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)が第1停止位置EB1に停止し、かつ、上回転体820の特定可動片825Aが第4停止位置EA4に停止した場合には、該特定可動片825Aの拡大レンズ部828を介して、第1停止位置EB1に停止した第1情報記載部856Aa(強・SMALL)又は第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)が拡大表示されて、遊技者に視認されることとなる(図110,図111参照)。
このような上回転体820と左下回転体856Aの相対位置関係が本実施形態における第1の第2位置関係に相当する。また、拡大レンズ部828が第1情報記載部856Aa(強・SMALL)又は第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)を拡大表示する態様が本実施形態における第1の態様に相当し、上回転体820の特定可動片825Aを第4停止位置EA4に停止させる上回転体820の動作態様が本実施形態における第1の動作態様に相当する。
また、右下回転体856Bの回転停止時において、第1情報記載部856Ba(強・BIG)及び第2情報記載部856Bb(弱・BIG)が、それぞれ右下回転体856Bの回転方向(本実施形態では反時計回り方向)4箇所に設定された所定の停止位置EC1~EC4(具体的には、図106に示すように、右下回転体856Bの上側に位置する第1停止位置EC1、左側に位置する第2停止位置EC2、下側に位置する第3停止位置EC3、又は、右側に位置する第4停止位置EC4)のいずれかに停止するように構成されている。
そして、第1情報記載部856Ba(強・BIG)又は第2情報記載部856Bb(弱・BIG)が第1停止位置EC1に停止し、かつ、上回転体820の特定可動片825Aが第1停止位置EA1に停止した場合には、該特定可動片825Aの拡大レンズ部828を介して、第1停止位置EC1に停止した第1情報記載部856Ba(強・BIG)又は第2情報記載部856Bb(弱・BIG)が拡大表示されて、遊技者に視認されることとなる(図112,図113参照)。
このような上回転体820と右下回転体856Bの相対位置関係が本実施形態における第2の第2位置関係に相当する。また、拡大レンズ部828が第1情報記載部856Ba(強・BIG)又は第2情報記載部856Bb(弱・BIG)を拡大表示する態様が本実施形態における第2の態様に相当し、上回転体820の特定可動片825Aを第1停止位置EA1に停止させる上回転体820の動作態様が本実施形態における第2の動作態様に相当する。
尚、本実施形態では、各種テーブル構成により、第1情報記載部856Aa(強・SMALL)又は第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)が第1停止位置EB1に停止し、かつ、上回転体820の特定可動片825Aが第4停止位置EA4に停止した場合、つまり特定可動片825Aの拡大レンズ部828を介して、第1停止位置EB1に停止した第1情報記載部856Aa(強・SMALL)又は第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)が拡大表示された場合よりも、第1情報記載部856Ba(強・BIG)又は第2情報記載部856Bb(弱・BIG)が第1停止位置EC1に停止し、かつ、上回転体820の特定可動片825Aが第1停止位置EA1に停止した場合、つまり特定可動片825Aの拡大レンズ部828を介して、第1停止位置EC1に停止した第1情報記載部856Ba(強・BIG)又は第2情報記載部856Bb(弱・BIG)が拡大表示された場合には、後述するように、高サポートモードの継続といった、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されている。さらには、遊技者に有利な第1の有利状態(高サポートモードの「+10回」継続)よりも、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態(高サポートモードの「次回まで」継続)となる割合が多くなるように構成されている。
次に、パチンコ機10の背面構成について図54、図55等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について図55等を参照して説明する。上述したように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図53参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる演出表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
演出表示装置42は、該演出表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス(符号略)に収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて演出表示装置42(収容ボックス)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞口33YA,33YB等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、上記各種入賞口やアウト口36など異なる経路を通って遊技盤30の前面側から背面側へ移動した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞口33YA,33YBへの入賞を検出する始動入賞スイッチ224A,224Bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入賞検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図54に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図54では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図54では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入賞エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
但し、本実施形態においては、「小当たり」に関する情報を出力するための端子は設けられておらず、「小当たり」の発生情報が出力されない構成となっている。本実施形態では、「高サポートモード」中は、「小当たり」が比較的頻繁に発生しやすくなっているため、「小当たり」が発生する度に、常に、発生情報を出力していては、出力信号の著しい増加を招くおそれがある。従って、例えば「低サポートモード」中など、このような不具合が比較的起きにくい場合には、「小当たり」の発生情報を出力するような構成としてもよい。
また、「JUB大当たり」の発生情報の出力は、例えば「JUB大当たり」に係る5回の「短開放」の終了後、すなわち「小当たり」の場合と区別ができない状況を脱した後に、例えば後述するオープニングコマンドの出力(大当たり報知演出)等を行うタイミングにおいて、「JUB大当たり」の発生が確定した状態で行うことが好ましい。未だ「小当たり」の場合と区別ができない状況において、「JUB大当たり」の発生情報だけが先に出力されてしまうと、パチンコ機10に対応してホールの島設備に設置された情報表示機器等を見て、遊技者が事前に「JUB大当たり」の発生を把握してしまい、「JUB大当たり」の演出効果が薄れるおそれがある。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図54では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば遊技球を横向きに流下させる2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には遊技球を縦向きに流下させるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図54では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図55に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する後方案内手段としての排出通路部217が形成され、該排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。遊技球は遊技領域を流下する回転体である。遊技球は遊技領域において釘49や風車57等に接触して影響を受けながら回転して流下する。そして、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図54に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図55に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠600a(図50等参照)を備えており、該シリンダ錠600aの鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図54参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図54では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、本実施形態では、前面枠セット14の補強フレームや、施錠装置600、レール構成部51,52、左右の枠構成部11c,11dなど、導電性金属材料等により形成された各種導電部材をはじめ、タンク355やタンクレール356、ケースレール357など、導電性樹脂材料等により形成された各種導電部材が図示しない所定のアース端子に対し電気的に接続されている。尚、一般に遊技球は金属材料よりなり、その表面に研磨加工やメッキ加工が施され、光を反射する光沢を有していると共に、導電性を有している。従って、遊技球が前記各種導電部材に接触することにより、遊技球に帯電した静電気を逃がすことができる。
また、図53に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図54に示すように、内枠12の背面側右下部(図54では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図59は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、表示手段としての演出表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。サブ制御装置262が本実施形態における発光制御手段を構成する。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、演出役物ユニット761,762、各種電飾部及びランプ102,104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、演出表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否か等を表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する演出表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。また、サブ制御装置262は、上部演出役物ユニット761及び下部演出役物ユニット762の駆動制御を行う。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。これにより、遊技者は、遊技領域へ案内される遊技球の移動量や動作態様を変化させることができる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる演出表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、演出表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、演出表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、演出表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、演出表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して演出表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図60に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する大当たり乱数カウンタCB1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別決定カウンタCB2と、演出表示装置42を外れ変動させる際にリーチ状態を発生させるか否かの決定や、発生させるリーチの種別の決定等に使用するリーチ選択カウンタCB3と、大当たり乱数カウンタCB1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)の変動表示時間の決定や、演出表示装置42における変動パターン(演出パターン)の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(下始動入賞口33YBの開閉役物37Yを開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタCB4とを用いることとしている。
カウンタCB1,CB2,CB3,CINI,CS1,CS2,CB4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタCB1、大当たり種別決定カウンタCB2、及びリーチ選択カウンタCB3の各値が記憶される特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタCB4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCB1、大当たり種別決定カウンタCB2、及びリーチ選択カウンタCB3の各値が時系列的に格納される。
第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCB1、大当たり種別決定カウンタCB2、及びリーチ選択カウンタCB3の各値が時系列的に格納される。
普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタCB4の値が時系列的に格納される。
かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタCB1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタCB1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が該大当たり乱数カウンタCB1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタCB1と同様のループカウンタであり(値=0~599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタCB1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタCB1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。従って、かかる処理が各種抽選の一部を構成することとなる。
大当たりとなる乱数の値は、「低確率モード」と「高確率モード」とで2種類設定されており、本実施形態では、「低確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、「高確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7~16、307~316」である。すなわち、「低確率モード」においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、「高確率モード」においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。
本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。尚、本実施形態では、当否判定テーブルが2つ存在し、「7、307」を記憶した第1当否判定テーブルと、「7~16、307~316」を記憶した第2当否判定テーブルとがある。
また、本実施形態では、大当たり乱数カウンタCB1の値は、「小当たり」を判定する場合にも使用される。「小当たり」となる乱数の値の数は50で、その値は「101~125、401~425」である。すなわち、1/12の確率で当否抽選に当選(小当たり状態が発生)することとなる。
大当たり種別決定カウンタCB2は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、大当たり種別決定カウンタCB2によって、大当たり種別、すなわち「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」又は「JUB大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
尚、ROM502には、大当たり種別決定カウンタCB2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される大当たり種別判定テーブルが設けられている。また、上記のように、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合と、下始動入賞口33YBへ入賞した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なっている。すなわち、本実施形態では、大当たり種別判定テーブルが2つ存在し、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合に参酌される第1大当たり種別判定テーブルと、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した場合に参酌される第2大当たり種別判定テーブルとがある。
具体的には、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合、第1大当たり種別判定テーブル(図87参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタCB2の値が「0,1」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定される。
また、大当たり種別決定カウンタCB2の値が「2」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「3」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「4」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「5」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCB2の値が「6」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCB2の値が「7」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「8」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「9」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「10」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCB2の値が「11」であれば「16R通常大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCB2の値が「12」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「13」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「14」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCB2の値が「16」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「19」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定される。
すなわち、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、10%の確率で「16R確変大当たりA」となり、20%の確率で「16R確変大当たりB」となり、5%の確率で「4R確変大当たりA」となり、20%の確率で「4R確変大当たりB」となり、5%の確率で「16R通常大当たりA」となり、20%の確率で「16R通常大当たりB」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となる。
一方、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した場合には、第2大当たり種別判定テーブル(図88参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタCB2の値が「0~9」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定され、「10,11」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定され、「12,13」であれば「4R通常大当たりA」の付与が決定され、「14」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「16」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18,19」であれば「JUB大当たり」の付与が決定される。
すなわち、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、50%の確率で「16R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R通常大当たりA」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となり、10%の確率で「JUB大当たり」となる。
尚、大当たり種別決定カウンタCB2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり種別決定カウンタCB2の値が大当たり種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、大当たり種別決定カウンタバッファに格納されている大当たり種別決定カウンタCB2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、リーチ選択カウンタCB3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ選択カウンタCB3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、リーチ選択カウンタCB3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0~238」の値が記憶され、CB3=0,1が前後外れリーチに該当し、CB3=2~21が前後外れ以外リーチに該当し、CB3=22~238が完全外れに該当する構成となっている。
リーチ選択カウンタCB3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、リーチ選択カウンタバッファにリーチ選択カウンタCB3の値が格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、リーチ選択カウンタバッファに格納されているリーチ選択カウンタCB3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図60中でもこのように表記した。
例えば通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図90参照)においては、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、変動時間など、より細かな変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多様化を容易に実現することができる。勿論、第1変動種別カウンタCS1だけで変動態様を決定したり等することも可能である。
尚、ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がなされないリーチパターンである。スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、演出表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、演出表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタCB1、リーチ選択カウンタCB3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタCB4は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタCB4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタCB4の値が取得される。
そして、当選となる普通図柄乱数カウンタCB4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yが所定時間の間、開状態となる。
本実施形態では、「低サポートモード」において、当選となる乱数の値は「0,1」の2個である。一方、「高サポートモード」において、当選となる乱数の値は、「0~7」の8個である。つまり、「低サポートモード」時には1/5の確率で開閉役物37Yが開状態となり、「高サポートモード」時には4/5の確率で開閉役物37Yが開状態となる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
NMI割込み処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
尚、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
図63は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図63において、先ずステップSB301では、各種入賞検出スイッチの読み込み処理を実行する。ここでは主制御装置261に接続されている各種入賞検出スイッチ(一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225)の状態を読み込むと共に、該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。
ステップSB302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSB303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタCB1、大当たり種別決定カウンタCB2、リーチ選択カウンタCB3及び普通図柄乱数カウンタCB4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCB1,CB2,CB3,CB4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップSB304では、始動入賞口33YA,33YBへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップSB305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップSB304の始動入賞処理について図64のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタCB1の値を記憶する大当たり乱数記憶エリア、大当たり種別決定カウンタCB2の値を記憶する大当たり種別乱数記憶エリア、リーチ選択カウンタCB3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップSB501では、遊技球が下始動入賞口33YBに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224Bの検知情報に基づき判定する。該ステップSB501で肯定判定された場合、ステップSB502において、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。該ステップSB502で否定判定された場合には、ステップSB509へ移行する。一方、ステップSB502で肯定判定された場合には、ステップSB503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップSB504では、上記ステップSB303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタCB1、大当たり種別決定カウンタCB2、及びリーチ選択カウンタCB3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップSB504の後、ステップSB505に移行する。
ステップSB505では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップSB506では、ステップSB505で大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCB2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第2大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第2大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCB2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0~9」のいずれかであった場合には、「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「10,11」のいずれかであった場合には、「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりA」に対応する値「12,13」のいずれかであった場合には、「4R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「14~17」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「JUB大当たり」に対応する値「18,19」のいずれかであった場合には、「JUB大当たりフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、大当たり終了後の所定期間(本実施形態では変動表示20回分)、付与された「高サポートモード」が「次回まで・高サポートモード」であることを報知しない非報知演出を行なうか否かの演出抽選が例えば1/100程度の抽選確率で行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップSB507では、ステップSB505で大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCB3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
さらに続くステップSB508では、保留制御コマンドの設定処理を行う。保留制御コマンドとは、第2特別変動保留エリアに保留記憶された各種保留情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)を事前にサブ制御装置262に対して知らせるためのコマンドである。本処理にて設定された保留制御コマンドは、次回の外部出力処理(ステップSB201参照)にてサブ制御装置262に出力される。保留制御コマンドには、例えば保留情報として、上記大当たり判定処理や大当たり種別判定処理の結果を示す情報、始動入賞口33YA,33YBどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報などが含まれる。
ここで、ステップSB505の大当たり判定処理の詳細について、図65を参照して説明する。
先ず、ステップSB5101では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCB1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判定する。尚、図65では便宜上、該ステップSB5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタCB1の値が「7」であるか否かを判定するとともに、該判定で否定判定された場合には、大当たり乱数カウンタCB1の値が「307」であるか否かを判定し、これらどちらかの判定で肯定判定された場合に、該ステップSB5101で肯定判定され、どちらの判定においても否定判定された場合に、該ステップSB5101で否定判定されることとなる。
ステップSB5101で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSB5102において大当たり当選フラグをオンにした後、ステップSB5105へ移行する。ステップSB5102において第1の遊技価値(第1の特別遊技状態)に相当する大当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により本実施形態における第1の遊技価値付与手段(第1の特別遊技状態発生手段)が構成される。
一方、ステップSB5101で否定判定された場合には、ステップSB5103において、後述する抽選モードフラグの値を基に、「高確率モード」中であるか否かを判定する。
ステップSB5103で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中である場合には、ステップSB5104において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCB1の値が、第2当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値のうち、上記「7」、「307」を除く、「8~16、308~316」のいずれかであるか否かを判定する。尚、該判定処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタCB1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判定する。
該ステップSB5104で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中においては大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSB5102において大当たり当選フラグをオンにした後、そのまま本処理を終了する。
ステップSB5101やステップSB5104の判定処理が本実施形態における第1の抽選を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により第1の抽選手段が構成される。
ステップSB5103又はステップSB5104で否定判定された場合、すなわち「大当たり」でない場合には、ステップSB5105へ移行する。
また、ステップSB5105では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCB1の値が、小当たりに対応する値「101~125、401~425」と一致するか否かを判定する。
ステップSB5105で肯定判定された場合、すなわち小当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSB5106において小当たり当選フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップSB5105で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSB5105の判定処理が本実施形態における第2の抽選を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により第2の抽選手段が構成される。また、ステップSB5106において第2の遊技価値(第2の特別遊技状態)に相当する小当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により本実施形態における第2の遊技価値付与手段(第2の特別遊技状態発生手段)が構成される。
次に、ステップSB507のリーチ判定処理について図66を参照して説明する。
先ず、ステップSB5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、当選フラグ(大当たり当選フラグ又は小当たり当選フラグ)が設定されたか否かを判定する。ステップSB5301で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSB5301で肯定判定された場合、すなわち当たり状態が発生しない場合には、ステップSB5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCB3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判定する。ステップSB5302で肯定判定された場合には、ステップSB5303において、前後外れリーチの発生を示す前後外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSB5302で否定判定された場合には、ステップSB5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCB3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2~21」のいずれかと一致するか否かを判定する。該ステップSB5304で肯定判定された場合には、ステップSB5305において前後外れ以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップSB5304で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図64の説明に戻り、ステップSB508の処理の後、又は、ステップSB501で否定判定された場合には、ステップSB509において、遊技球が上始動入賞口33YAに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224Aの検出情報に基づき判定する。該ステップSB509で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップSB510において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。該ステップSB510で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSB510で肯定判定された場合には、ステップSB511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップSB512では、大当たり乱数カウンタCB1、大当たり種別決定カウンタCB2、及びリーチ選択カウンタCB3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップSB512の後、ステップSB513に移行する。
ステップSB513では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、ステップSB513の大当たり判定処理は、小当たり判定を除き、上記ステップSB505の大当たり判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの入賞に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
続くステップSB514では、ステップSB513で大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCB2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第1大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり当選フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCB2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0,1」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「16R確変大当たりB」に対応する値「2~5」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「6」であった場合には「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりB」に対応する値「7~10」のいずれかであった場合には「4R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりA」に対応する値「11」であった場合には「16R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりB」に対応する値「12~15」のいずれかであった場合には「16R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「16~19」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」又は「4R確変大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、ステップSB506と同様、上記非報知演出を行なうか否かの演出抽選が行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップSB515では、ステップSB513で大当たり乱数カウンタCB1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCB3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、ステップSB515のリーチ判定処理は、上記ステップSB507のリーチ判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
さらに続くステップSB516では、保留制御コマンドの設定処理を行う。その後、本処理を終了する。尚、ステップSB516の保留制御コマンドの設定処理は、上記ステップSB508の保留制御コマンドの設定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
次に、ステップSB305のスルーゲート通過処理について図67のフローチャートを参照して説明する。
ステップSB601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判定する。
ステップSB601で否定判定された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSB601にて肯定判定された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判定されると、ステップSB602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSB602で肯定判定された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップSB603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップSB604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップSB303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタCB4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。従って、ステップSB604の処理が第3当否抽選の一部を構成することとなる。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図61のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップSB101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップSB102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップSB103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判定し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップSB112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップSB104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップSB112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSB105でRAM判定値を算出し、続くステップSB106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップSB112へ移行する。
ステップSB112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。なお、初期化コマンドを受信したサブ制御装置262は、後述するように自身の初期化処理を実行し、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」を遊技状態格納エリアに記憶する。
その後、RAMの初期化処理(ステップSB113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップSB113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップSB113等)に移行する。つまり、ステップSB113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップSB114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップSB115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップSB103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSB107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSB108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップSB109では、RAM503に記憶された電源断時の遊技状態を把握するための遊技状態チェック処理を実行する。
続くステップSB110では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を電源断時の遊技状態に復帰させる復帰コマンドを送信する。尚、サブ制御装置262に送信する復帰コマンドには、上記遊技状態チェック処理にて特定した電源断時の遊技状態に係る情報(後述する遊技状態判定値Xj)が含まれる。
ステップSB111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップSB115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
ここで、ステップSB109の遊技状態チェック処理について図68,69を参照して説明する。図68は、遊技状態チェック処理を示すフローチャートであり、図69は、後述する抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタKj及び遊技状態判定値Xjの対応関係を示す説明図である。尚、遊技状態チェック処理は、後述する変動表示設定処理(ステップSB807)や、当たり終了設定処理(ステップSB1216)においても実行される。
図68に示すように、ステップSB1901では、RAM503にバックアップ記憶された電源断時の遊技状態に係る各種情報の読込み処理を実行する。具体的には、抽選モードフラグの値、サポートモードフラグの値、及び、遊技状態特定カウンタKjの値をそれぞれRAM503から読み込む。
抽選モードフラグとは、抽選モードが「低確率モード」又は「高確率モード」のどちらであるかを判定するための状態判定情報であり、そのフラグ値として、抽選モードが「低確率モード」の場合には「50(H)」が設定され、「高確率モード」の場合には「53(H)」が設定される。尚、抽選モードフラグにおける上位4ビットの値「5」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
サポートモードフラグとは、入賞サポートモードがどのような状態にあるかを判定するための状態判定情報であり、そのフラグ値として、入賞サポートモードが「低サポートモード」である場合には「A0(H)」が設定される。尚、サポートモードフラグにおける上位4ビットの値「A」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
また、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A1(H)」が設定される。
また、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の場合には、フラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A3(H)」が設定される。
遊技状態特定カウンタKjとは、大当たり終了後の変動表示の実行回数を計数し、遊技状態の切替えタイミングを特定するための状態判定情報であり、大当たり終了時に所定の初期値が設定され、変動表示が1回行われる毎に1ずつ減算される。例えば、後述するように遊技状態特定カウンタKjの初期値として「50」が設定され、その後、該カウンタKjの値が「31」となっていれば、その時点の変動表示は、大当たり終了後、20回目の変動表示であると特定することができる。
本実施形態では、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「50」が設定される。
また、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、初期値として「30」が設定される。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「0」が設定される。但し、上記非報知演出実行フラグがオンとされ、非報知演出が実行される場合には、初期値として「30」が設定される。非報知演出実行フラグは、初期値設定後、オフとされる。
図68の説明に戻り、ステップSB1902では、ステップSB1901にて読み込んだ抽選モードフラグの値と、サポートモードフラグの値とを加算する。
続くステップSB1903では、ステップSB1902にて算出した加算値と、所定のマスク値(本実施形態では「07(H)」)との論理積をとって、下位3ビットのデータを取出し、所定の作業エリアに遊技状態判定値Xjとしてセットする。
ステップSB1904では、遊技状態判定値Xjの値が「1」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップSB1905へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「4」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ステップSB1904、又は、ステップSB1905で肯定判定された場合には、ステップSB1909へ移行する。一方、ステップSB1905で否定判定された場合には、ステップSB1906へ移行する。
ステップSB1906では、遊技状態判定値Xjの値が「2」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップSB1907へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「5」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ステップSB1906、又は、ステップSB1907で肯定判定された場合には、ステップSB1912へ移行する。一方、ステップSB1907で否定判定された場合には、ステップSB1908へ移行する。
ステップSB1908では、遊技状態判定値Xjの値が「6」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「次回まで・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合には、ステップSB1914へ移行する。一方、否定判定された場合には、ステップSB1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップSB1904、又は、ステップSB1905で肯定判定され、移行したステップSB1909では、遊技状態特定カウンタKjの値が「31」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が20回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSB1913へ移行し、否定判定された場合にはステップSB1910へ移行する。
ステップSB1910では、遊技状態特定カウンタKjの値が「21」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が30回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSB1913へ移行し、否定判定された場合には、ステップSB1911へ移行する。
ステップSB1911では、遊技状態特定カウンタKjの値が「11」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が40回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSB1913へ移行し、否定判定された場合にはステップSB1912へ移行する。
ステップSB1912では、遊技状態特定カウンタKjの値が「1」であるか否かを判定する。すなわち「50回目(初期値「50」の場合)」又は「30回目(初期値「30」の場合)」であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合にはステップSB1916へ移行し、遊技状態判定値Xjの値(「1」、「4」、「2」又は「5」)をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップSB1912にて肯定判定された場合、すなわち遊技状態特定カウンタKjの値が「1」である場合には、ステップSB1913へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「7」に変更する。その後、ステップSB1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「7」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップSB1908で肯定判定され、移行したステップSB1914では、遊技状態特定カウンタKjの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち入賞サポートモードが、上記非報知演出の行われない「次回まで・高サポートモード」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップSB1914にて否定判定された場合、すなわち非報知演出が行われる「次回まで・高サポートモード」である場合には、ステップSB1915へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「5」に変更する。その後、ステップSB1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「5」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。これにより、「次回まで・高サポートモード」の状態であっても所定回数(本実施形態では20回)の間は、抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態と同様の演出が行われることとなる。
次に、通常処理の流れを図62のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSB201~SB210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSB211,ステップSB212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップSB201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや開閉役物37Y等の制御内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。以下により詳しい具体例をいくつか挙げる。
例えば、上記各種検出スイッチの検知情報を基に、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判定し、入賞有りの場合には該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し該コマンドを出力する。
また、外部出力処理では、上記抽選モードフラグや後述する大当たり中フラグなど各種情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
例えば、入賞エラーが検出された場合には、外部中継端子板240の所定の端子を介して、遊技ホールのホールコンピュータへオン信号(パルス信号)が出力され、入賞エラーがない場合には、オフ信号が出力される。
また、演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、演出表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を演出表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
ステップSB202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップSB203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップSB204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップSB205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や演出表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSB206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態や小当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の開閉板32aの開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップSB207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSB208では、開閉役物制御処理を実行する。この処理では、開閉役物37Yにおいてどのような制御を行うか該開閉役物37Yの制御内容の設定が行われる。この開閉役物制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップSB209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップSB210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップSB201へ移行し、上記ステップSB201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップSB211,ステップSB212)。
つまり、ステップSB211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSB212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップSB202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップSB201~SB209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタCB1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップSB209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSB213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSB213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップSB214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSB215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップSB216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップSB217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップSB218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップSB209の処理は、ステップSB201~SB208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップSB211,SB212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップSB213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップSB205の第1表示制御処理について図70のフローチャートを参照して説明する。
図70において、ステップSB801では、詳しくは後述する各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。尚、当たり状態(大当たり状態及び小当たり状態)中には、当たり状態の最中と当たり状態終了後の所定時間とが含まれる。ここで言う当たり状態終了後の所定時間とは、当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、演出表示装置42にて当たり状態の終了や当たり後に付与される各種遊技状態や各種モードを示す表示などが行われる。また、特別表示装置43L、43R、及び演出表示装置42にて変動表示が当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は演出表示装置42にて当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても当たり中に含まれる。
ステップSB801で肯定判定された場合、すなわち当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップSB801で否定判定された場合には、ステップSB802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップSB920参照、ステップSB807参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップSB814参照)にオフにされる。
そして、ステップSB802で否定判定された場合、すなわち、当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップSB803に進み、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判定する。
ステップSB803で肯定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップSB804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップSB803の判定処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップSB805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップSB805の後、ステップSB806において、第2保留ランプ46bを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行ってから、ステップSB807に移行する。
また、ステップSB803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップSB808において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判定する。該ステップSB808で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSB808で肯定判定された場合には、ステップSB809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップSB810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップSB810の後、ステップSB811において、第1保留ランプ46aを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行ってから、ステップSB807に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップSB807では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図72を参照して説明する。
先ずステップSB900において遊技状態チェック処理を実行する。尚、該遊技状態チェック処理は、上記ステップSB109の遊技状態チェック処理(図68参照)と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
続いて、ステップSB901では、上記小当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が小当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで小当たりに対応するものであると判断された場合にはステップSB910へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合には、ステップSB902へ移行する。
ステップSB902では、上記大当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで大当たりに対応するものであると判断された場合にはステップSB903へ移行する。一方、大当たりでも小当たりでもないと判断された場合、すなわち外れである場合には、ステップSB912へ移行する。
ステップSB903では、上記各種確変大当たりフラグ(「16R確変大当たりAフラグ」、「16R確変大当たりBフラグ」、「4R確変大当たりAフラグ」、「4R確変大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「確変大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。
ステップSB903で肯定判定された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、ステップSB904にて「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSB905にて「確変大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ1」又は「BZ2」)を設定する。その後、ステップSB920へ移行する。
ステップSB903で否定判定された場合には、ステップSB906に移行し、上記各種通常大当たりフラグ(「16R通常大当たりAフラグ」、「16R通常大当たりBフラグ」、「4R通常大当たりAフラグ」、「4R通常大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「通常大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。該ステップSB906で肯定判定された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップSB907にて「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSB908にて「通常大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ1」又は「BZ2」)を設定する。その後、ステップSB920へ移行する。
但し、本実施形態では、上述したように演出表示装置42において停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される抽選モード等の遊技状態が判別不能となっている。つまり、「確変大当たり」であれば「奇数図柄」が停止表示され、「通常大当たり」であれば「偶数図柄」が停止表示されるといったように、変動パターンや停止図柄と、大当たり種別との関係が明確に対応付けられているわけではなく、本実施形態では、あくまでも上記各種テーブルにより、例えば「確変大当たり」であれば「奇数図柄」で停止表示されやすいなど、各種大当たりの種別によって所定の変動パターンや図柄の出現率が異なるようにテーブル分けされているだけである。従って、例えば大当たり時には「確変大当たり」や「通常大当たり」などの大当たり種別に関係なく、1つの大当たりテーブルを基に変動パターンや停止図柄を選出する構成としてもよい。
また、ステップSB906で否定判定された場合には、ステップSB909に移行し、JUB大当たりフラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。該ステップSB909で肯定判定された場合、すなわち「JUB大当たり」である場合には、ステップSB910へ移行する。
ステップSB910においては、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップSB911にてチャンス図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ6」)を設定して、ステップSB920へ移行する。
また、ステップSB902で否定判定された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップSB912において、前後外れフラグがオンであるか否かを判定する。
ステップSB912で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップSB913にて「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れフラグをオフする。続けてステップSB914にて前後外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ3」)に設定する。その後、ステップSB920へ移行する。
一方、ステップ912で否定判定された場合、ステップSB915において、前後外れ以外フラグがオンであるか否かを判定する。該ステップSB915で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップSB916にて「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れ以外フラグをオフする。続けて、ステップSB917にて前後外れ以外図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ4」)に設定する。その後、ステップSB920へ移行する。
また、ステップSB915で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップSB918にて「完全外れ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSB919にて完全外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ5」)に設定する。その後、ステップSB920へ移行する。
ここで、便宜上、変動パターンテーブル及び変動パターンコマンドについて説明する。本実施形態では、上述した「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブル(以下、確変大当たり時・変動パターンテーブルという)、「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンテーブル(以下、完全外れ時・変動パターンテーブルという)がそれぞれ遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に応じて複数設けられている。
例えば、確変大当たり時・変動パターンテーブルに関しては、図89(a)に示すように、基準アドレスとなる「100番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「101番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「102番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「103番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「104番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「105番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「106番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「107番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
また、完全外れ時・変動パターンテーブルに関しては、図89(b)に示すように、基準アドレスとなる「700番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「701番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「702番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「703番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「704番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「705番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「706番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「707番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
図示は省略するが、その他の上記「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルに関しても、上記確変大当たり時・変動パターンテーブル、及び、完全外れ時・変動パターンテーブルの場合と同様に、遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
従って、上記ステップSB904、ステップSB907、ステップSB910、ステップSB913、ステップSB916、ステップSB918において変動パターンを決定する際には、まず上記遊技状態チェック処理(ステップSB900)において特定した遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出する処理を行う。この際、基準アドレス(例えば確変大当たり時・変動パターンテーブルの場合には「100番地」)に対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することができる。つまり、遊技状態判定値Xjの値がそのままオフセット値の役割を果たす。
そして、選択された変動パターンテーブル(例えば、「100番地」に格納された「通常状態(Xj=0)」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブル:図90参照)を基に変動パターンを決定し、これに対応する変動パターンコマンドを設定する。
本実施形態における変動パターンコマンドは、2バイト構成からなり、上位バイトにおける上位4ビットが、遊技状態を特定する情報によって構成されている。本実施形態では、上記遊技状態判定値Xjの値がそのまま設定される。また、上位バイトの下位4ビットが、大当たり種別などを特定する情報によって構成されて、下位バイトの8ビットが、変動パターン(変動時間やリーチ種別等)を特定する情報によって構成されている。
例えば、通常状態(Xj=0)に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル〔図89(a)参照〕を参照して判るとおり、通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンコマンドでは、上位バイトにおける上位4ビットに遊技状態判定値Xjの値である「0」が設定され、続く下位4ビットに「確変大当たり」を示す「F」が設定されている。そして、残りの下位バイトの8ビットに対し、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動パターンを特定する値が設定される。尚、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動態様(演出パターン)との関係がテーブルで記憶されており、変動パターンコマンドを受信すると、該変動パターンコマンドに対応する変動パターン(演出パターン)が実行可能となる。
次に、図柄コマンドについて詳しく説明する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるためのコマンドである。本実施形態では、奇数大当たり図柄の組合わせ、偶数大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「BZ1」,「BZ2」,「BZ3」,「BZ4」,「BZ5」,「BZ6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
奇数大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、奇数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに奇数大当たり図柄を示す「BZ1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
偶数大当たり図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、偶数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに偶数大当たり図柄を示す「BZ2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ3」が設定される。
前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ4」が設定される。
完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ5」が設定される。
また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、上述したように各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「BZ3」~「BZ5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「BZ3」が図柄コマンドに設定されると、該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「BZ4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「BZ5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
また、図柄コマンドに「BZ6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。
尚、上述したように設定された変動パターンコマンド及び図柄コマンドは、後述する外部出力処理(ステップSB201)において出力される。そして、これらのコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を演出表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
さて、ステップSB920では、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が開始される。そして、ステップSB920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図70の説明に戻り、ステップSB802で肯定判定された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップSB812に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSB813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップSB813が肯定判定される。
ステップSB813で否定判定された場合には、ステップSB817において、特別表示装置43L、43Rの変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップSB813で肯定判定された場合には、ステップSB814において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップSB815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。
尚、上記停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。例えば、「16R確変大当たりA」である場合には「9-」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させる。
続いて、ステップSB816において変動終了時設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、変動終了時設定処理について、図71を参照して説明する。
先ず、ステップSB1001において、上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグを参酌し、停止表示が大当たり又は小当たりに対応するか否かを判定する。ここで、大当たり又は小当たりに対応する場合には、ステップSB1002へ移行し、当たり設定を行う。具体的には、大当たり中フラグ、小当たり中フラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、開放数カウンタ及び入賞カウンタVx等の設定処理を行う。そして、ステップSB1002の終了後、変動終了時設定処理を終了する。
大当たり中フラグとは、大当たり状態中か否かを判定するための状態判定情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
小当たり中フラグとは、小当たり状態中か否かを判定するための状態判定情報であり、ここでは大当たり中フラグと同様、小当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
第1可変フラグとは、可変入賞装置32が開状態中であるか否かを判定するための状態判定情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間(特賞状態の発生時間)や各特賞状態間のインターバル等を計測するための計測手段であり、開閉板32aの開放開始又は開放終了から規定時間が経過したか否かを判定する際等に参酌される。ステップSB1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図91参照)を参酌して、各種当たりに対応した所定値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」のように初回が上記「長開放」の場合には、第1可変タイマに「7500」が設定され、「JUB大当たり」のように初回が上記「短開放」の場合には、第1可変タイマに「100」が設定される。これにより、開閉板32aの1開閉動作あたりの最大開放時間(規定時間)が「30秒」又は「0.4秒」に設定されることとなる。
尚、開閉パターン制御テーブルには、図91に示すように、各種当たり状態における特賞状態の発生回数(ラウンド数)、各特賞状態(各ラウンド)における開閉板32aの開放時間、各特賞状態間のインターバル時間などが予め設定されている。
開放数カウンタとは、大当たり状態中又は小当たり状態中に実行される特賞状態の発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理(「長開放」又は「短開放」)の実行回数を判定するための状態判定情報である。ステップSB1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブルを参酌して、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」の場合には、16回を示す「16」が設定され、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す「20」が初期値として設定される。
入賞カウンタVxとは、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の数を計数する入賞計数手段である。本実施形態では、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図63参照)に際して、可変入賞装置32への入賞があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報に基づき判定し、可変入賞装置32への入賞があったと判定されると、入賞カウンタVxの値が1加算される。
また、ステップSB1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブルを参酌して、開閉板32aの1開閉動作(一回の特賞状態)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数である規定個数K1の設定を行う。規定個数K1は、上述したとおり、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば規定個数K1として「10」、「短開放」であれば規定個数K1として「3」が設定される。
ステップSB1002の当たり設定処理では、大当たり又は小当たりの開始を告げるオープニングコマンドの設定なども行われる。但し、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」の終了後(後述するステップSB1217の特賞状態開始処理等)にオープニングコマンドの設定が行われる。これにより、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」の終了後に大当たり報知演出等が行われることとなり、ここまでは、小当たりの場合と区別ができないようになっている。
さて、ステップSB1001において、大当たり又は小当たりに対応しない、すなわち上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグがオフであると判定された場合には、ステップSB1003へ移行する。
ステップSB1003では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。サポート回数カウンタとは、「高サポートモード」の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように大当たり終了後に、各種大当たりに対応する値がカウンタ値として設定される。
ここで、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、サポート回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、高サポートモードの設定中とみなし、ステップSB1004において、サポート回数カウンタの値を1減算する処理を行う。ステップSB1004では、上記遊技状態特定カウンタKjの値を1減算する処理も併せて行う。その後、ステップSB1005へ移行する。
ステップSB1005では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。つまり、今回の変動表示が、大当たり終了後(高サポートモードの付与後)、所定回数目の変動表示であったか否かを判定する。ここで、サポート回数カウンタの値が「0」であれば、ステップSB1006においてサポートモードフラグの値を「低サポートモード」を示す「A0(H)」に切替える処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップSB1005で、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップSB206の可変入賞装置制御処理について図73のフローチャートを参照して説明する。
まずステップSB1201において大当たり中フラグ又は小当たり中フラグがオンであるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、本処理をそのまま終了する。
ステップSB1202で肯定判定された場合には、続くステップSB1202において、上記第1可変タイマのカウント値を1減算する。
続くステップSB1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合、すなわち可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップSB1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち開閉板32aの1開閉動作(「長開放」又は「短開放」)あたりの開放時間(規定時間「30秒」又は「0.4秒」)が残されているか否かを判定する。
ステップSB1204にて否定判定された場合には、ステップSB1205に進み、入賞カウンタVxの値が規定個数K1以上であるか否か、すなわち1回の特賞状態で可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が最大入賞予定数(規定個数「10個」又は「3個」)に達したか否かを判定する。ステップSB1205にて否定判定された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(特賞状態終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSB1204又はステップSB1205にて肯定判定された場合には、ステップSB1206に進み、第1可変タイマの設定処理を行う。
ここで、第1可変タイマには、特賞状態の終了から所定時間が経過したか否か(例えば大当たりや小当たりの終了から所定時間が経過したか否か、所定の特賞状態の終了から次の特賞状態が開始されるまでのインターバルが経過したか否か等)を判定するため、上記開閉パターン制御テーブルを参酌して、所定値(例えば「3秒」に相当する値「750」、又は、「1秒」に相当する「250」)がセットされる。
その後、ステップSB1207に進み、開放数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち特賞状態(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達したか否かを判定する。
ステップSB1207で肯定判定された場合には、ステップSB1210において開放終了設定処理を行い、本処理を終了する。ステップSB1210の終了設定処理では、第1可変フラグをオフするとともに、当たり終了フラグをオンする。
ステップSB1207で否定判定された場合、すなわち特賞状態(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップSB1211において、特賞送り処理を行い、本処理を終了する。
ステップSB1211の特賞送り処理では、開放数カウンタの値を1減算すると共に、第1可変フラグをオフにする。これにより、特賞状態の実行回数が上記規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われることとなる。
さて、上記ステップSB1203にて否定判定された場合、すなわち特賞状態終了後の所定時間内(当たり終了後の所定時間内、又は、特賞状態間のインターバル中)である場合には、ステップSB1212に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSB1212にて肯定判定された場合、すなわち特賞状態の終了から所定時間が経過し、次の過程(次の特賞状態の開始、又は、通常遊技の開始)へ移行するタイミングに至った場合には、ステップSB1215へ移行する。一方、ステップSB1212にて否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSB1215では、上記当たり終了フラグを参酌して、大当たり状態又は小当たり状態を終了するか否かを判定する。
ステップSB1215で肯定判定された場合には、ステップSB1216において当たり終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
一方、ステップSB1215で否定判定された場合には、ステップSB1217において特賞状態開始処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSB1216の当たり終了設定処理では、大当たり中フラグ又は小当たり中フラグをオフするとともに、抽選モードフラグの切替処理、サポートモードフラグの切替処理、サポート回数カウンタの設定処理、遊技状態通知コマンドの設定処理、大当たり又は小当たりの終了を告げるエンディングコマンドの設定処理などが行われる。
抽選モードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、抽選モードフラグの切替設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「高確率モード」が設定される場合(各種「確変大当たりフラグ」又は「JUB大当たりフラグ」がオン)には、「高確率モード」の発生を示す「53(H)」がフラグ値として設定される。一方、「低確率モード」が設定される場合(各種「通常大当たりフラグ」がオン)には、「低確率モード」の発生を示す「50(H)」がフラグ値として設定される。
但し、小当たり当選フラグがオンの場合には、抽選モードフラグの切替処理は行われず、元のモードに係るフラグ値がそのまま設定される。例えば小当たり状態の発生前に「高確率モード」が設定されている場合(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)には、小当たり終了後も、そのまま「高確率モード(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)が設定される。
サポートモードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポートモードフラグの切替設定が行なわれる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合にはフラグ値として「A1(H)」が設定され、「30回・高サポートモードS」の場合にはフラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合にはフラグ値として「A3(H)」が設定される。
サポート回数カウンタの設定処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポート回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値としてそれぞれ変動表示20回分に相当する「20」、変動表示30回分に相当する「30」、変動表示40回分に相当する「40」又は変動表示50回分に相当する「50」が設定される。また、「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値として変動表示30回分に相当する「30」が設定される。「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値に、事実上到達し得ない値(例えば、変動表示99999回分に相当する「99999」)が設定される。
遊技状態通知コマンドとは、サブ制御装置262に対し、大当たり終了後に設定される遊技状態を通知するためのコマンドである。該コマンドを設定するにあたり、まず遊技状態チェック処理を行う。該遊技状態チェック処理は上記ステップSB109の遊技状態チェック処理(図68参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、遊技状態通知コマンドには、上記遊技状態チェック処理により把握された新たな遊技状態に係る遊技状態判定値Xjが含まれる。後述するように、これを受信したサブ制御装置262は、自身の把握している遊技状態(遊技状態判定値Xj)を新たな遊技状態(遊技状態判定値Xj)に切換える。尚、遊技状態通知コマンドを省略し、これに代えて、例えば大当たり状態の終了を告げるエンディングコマンド等に遊技状態判定値Xjが含まれる構成としてもよい。
尚、大当たり当選フラグ、小当たり当選フラグ、各種「大当たりフラグ」に関しては、上記抽選モードフラグの切替処理など各種処理の終了後、オフされる。また、図71の変動終了時設定処理において当たり設定(ステップSB1002)が行われた場合に、抽選モードフラグを一度リセットし(「50(H)」を設定する)、大当たり中又は小当たり中は「高確率モード」が中断する構成としてもよい。
ステップSB1217の特賞状態開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、上記開閉パターン制御テーブルを参酌して、次の特賞状態に係る開放時間(「7500」又は「100」)を第1可変タイマに設定すると共に、次の特賞状態に係る規定個数K1の設定を行なう。さらに入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し開閉板32aを開放する旨の制御信号が出力され、大入賞口が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し開閉板32aを閉鎖する旨の制御信号が出力され、大入賞口が閉状態となる。
次に、前記ステップSB207の第2表示制御処理について図74のフローチャートを参照して説明する。
図74において、ステップSB2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップSB2101で否定判定された場合には、ステップSB2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判定する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップSB2103に進む。ステップSB2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップSB2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップSB2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において変動表示を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態では、「低サポートモード」中において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が2秒と設定されているため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、「高サポートモード」中においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が0.4秒と設定されているため、第2表示タイマに「100」が設定される。
該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップSB2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップSB2101で肯定判定された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップSB2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップSB2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSB2107で肯定判定された場合には、ステップSB2108において第2表示中フラグをオフし、ステップSB2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタCB4の値に基づいて当選か否かが判定される。
具体的には、普通図柄乱数カウンタCB4の数値0~9のうち、当選値は「低サポートモード」において「0,1」の2個であり、「高サポートモード」において「0~7」の8個である。
続いてステップSB2110に進み、変動終了時設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、開閉役物37Yの開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、開閉役物37Yが開状態中であるか否かを判定するための状態判定情報である。
第2可変タイマとは、開閉役物37Yの開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。尚、本実施形態では、「高サポートモード」と「低サポートモード」とで開閉役物37Yの開放時間が異なり、「高サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、「低サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップSB2107で否定判定された場合には、ステップSB2111において、普通図柄表示装置41の変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の変動表示が実現される。
次に上記ステップSB208の開閉役物制御処理について図75のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップSB2201において開閉役物37Yが開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、第2可変フラグがオンではない(開閉役物37Yが閉状態である)と判定された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップSB2201において肯定判定された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は開閉役物37Yが開状態であるとみなし、ステップSB2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップSB2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判定する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップSB2203が肯定判定される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSB2203で肯定判定された場合にはステップSB2204へ移行し、ステップSB2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップSB2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、開閉役物37Yに対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には開閉役物37Yに対し可動羽根37Yaを開放する旨の制御信号が出力され、開閉役物37Yが開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には開閉役物37Yに対し可動羽根37Yaを閉鎖する旨の制御信号が出力され、開閉役物37Yが閉状態となる。これにより、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞が不可能となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図76を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図77を参照してメイン処理を説明する。
図76は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップSB3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップSB3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図78に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップSB3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図77を参照して説明する。図77は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップSB3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップSB3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップSB3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップSB3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSB3107でRAM判定値を算出し、続くステップSB3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップSB3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップSB3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップSB3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップSB3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップSB3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSB3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSB3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップSB3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップSB3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSB3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSB3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップSB3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップSB3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSB3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップSB3114では、割込みを許可する。
ステップSB3114で割込みが許可された後は、ステップSB3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSB3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSB3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップSB3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップSB3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSB3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップSB3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップSB3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップSB3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図78のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップSB3201)。このコマンド判定処理について図79を参照して以下に説明する。
図79は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップSB3124,SB3201)では、まず、ステップSB3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判定する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図76参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップSB3301においてコマンド受信フラグがオフと判定されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSB3301でコマンド受信フラグがオンと判定されれば、ステップSB3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップSB3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップSB3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップSB3302~ステップSB3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップSB3304~ステップSB3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判定される。ステップSB3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップSB3305では払出復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップSB3306では賞球コマンドであるか否かが判定される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップSB3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判定され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップSB3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップSB3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSB3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップSB3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップSB3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップSB3308)と、RAM513の初期値設定(ステップSB3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップSB3304:NO、ステップSB3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップSB3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップSB3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップSB3305:NO、ステップSB3306:YES)、ステップSB3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップSB3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップSB3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップSB3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップSB3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップSB3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図78のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップSB3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判定される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップSB3202で肯定判定されれば、ステップSB3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップSB3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップSB3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判定し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップSB3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判定し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップSB3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判定し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップSB3208で払出個数設定処理を行い、ステップSB3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップSB3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップSB3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップSB3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理について図80を参照しつつ説明する。尚、この通常処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理である。
この通常処理では、先ずステップSB3901において、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判定する。
コマンドが受信されている場合には、ステップSB3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
尚、リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップSB3903では、コマンド判定処理を行う。ここで、コマンド判定処理について図83を参照して説明する。
まずステップSB4101において、その受信したコマンドをRAM553のコマンドバッファから読み出す。続くステップSB4102では該コマンドが初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップSB4103では復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップSB4104では保留制御コマンドであるか否かが判定され、ステップSB4110では遊技状態通知コマンドであるか否かが判定され、ステップSB4111では変動パターンコマンドであるか否かが判定され、ステップSB4112では図柄コマンドであるか否かが判定される。
主制御装置261から送信されたコマンドが初期化コマンドであれば、電源投入時に主制御装置261からRAM553の初期化が指示されていることになるので、ステップSB4105でRAM553をクリアし、ステップSB4106でRAM553の初期値を設定する。これにより、RAM553の遊技状態情報格納エリアには、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」が記憶される。その後、本処理を終了する。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが復帰コマンドであれば(ステップSB4102:NO、ステップSB4103:YES)、主制御装置261が電源遮断前の状態に復帰するので、バックアップ機能を持たないサブ制御装置262は、ステップSB4107にて、該復帰コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが保留制御コマンドであれば(ステップSB4103:NO、ステップSB4104:YES)、ステップSB4108において、該保留制御コマンドに含まれる各種情報(大当たり判定情報や大当たり種別情報、始動入賞口33YA,33YBどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報など)をサブ変動保留エリアに格納する格納処理を行い、本処理を終了する。
サブ変動保留エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアに対応して設けられている。つまり、サブ変動保留エリアは、上始動入賞口33YAに対応する第1サブ変動保留エリア及び下始動入賞口33YBに対応する第2サブ変動保留エリアと、1つのサブ実行エリアとを備え、該2つのサブ変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備えている。
各保留エリアには、保留制御コマンドの受信履歴(受信順序)や、該保留制御コマンドに含まれる遊技球の入賞履歴(始動入賞口33YA,33YBどちらへの入賞に基づくものなのか等)に従って、演出表示装置42にて実行される変動表示に関連する情報(大当たり判定情報や大当たり種別情報など)が時系列的に格納される。これにより、サブ制御装置262は、変動表示の保留数やその内容を把握することができる。
主制御装置261から送信されたコマンドが遊技状態通知コマンドであれば(ステップSB4104:NO、ステップSB4110:YES)、ステップSB4107にて、該遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
主制御装置261から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップSB4110:NO、ステップSB4111:YES)、演出表示装置42にて変動表示を開始するタイミングであるので、ステップSB4113にて開始設定処理を行い、ステップSB4114へ移行する。
ステップSB4113の開始設定処理では、演出表示装置42にて行う変動表示に係る各種設定を行う。
この開始設定処理では、まず主制御装置261の特別変動保留エリアの場合と同様、サブ変動保留エリアに格納されたデータをサブ実行エリア側へ順にシフトさせる処理を実行する。続いて、上記受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動表示タイマに設定する。変動表示タイマは、演出表示装置42における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
また、開始設定処理では、演出表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する際に参酌される変動表示中フラグがオンされる。
本実施形態では、変動パターンコマンドに記憶された変動パターン情報に基づき、装飾図柄の変動表示に係る演出パターンを選出し、当たり種別情報(「外れ」を含む)に基づき、変動時間経過後に停止表示する停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定する。ここで決定された演出パターンや停止図柄に関する情報は、サブ変動保留エリアのサブ実行エリアに追記される。尚、変動時間情報と演出パターンとの対応関係や、大当たり種別情報と停止図柄との対応関係は、サブ制御装置262のROM552にテーブルで記憶されている。
尚、サブ制御装置262においても、主制御装置261と同様、「確変大当たり」に対応する変動パターン、「通常大当たり」に対応する変動パターン、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターン、「前後外れリーチ」に対応する変動パターン、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターン、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンに関して、それぞれ遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
つまり、サブ制御装置262は、演出表示装置42における表示態様の決定に際し、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出することとなる。この際、基準アドレスに対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することに関しては、上記変動パターンテーブルを選出する際と同様である。
主制御装置261から送信されたコマンドが図柄コマンドであれば(ステップSB4111:NO、ステップSB4112:YES)、ステップSB4116において図柄設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップSB4116の図柄設定処理では、サブ変動保留エリアの保留エリアに記憶された当たり種別情報に基づいて、後述するRAM553のカウンタ用バッファ(図81参照)に格納された図柄を、演出表示装置42に停止表示させる停止図柄として、上記サブ実行エリアに設定する。
より詳しくは、図柄コマンドに「BZ1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「BZ2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「BZ3」が設定されている場合、前後外れリーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ6」が設定されている場合、演出表示装置42の上・中・下図柄表示領域に対応して「3」・「4」・「1」の図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
さて、ステップSB4114では、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが一致するか否かを判定する。ここで、両者の値が一致していれば、そのまま処理を終了する。
一方、両者の値が異なっていれば、ステップSB4115にて状態エラーフラグをオンすると共に、ステップSB4117にて、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を適正値とみなし、該遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。状態エラーフラグがオンされることにより、両者の値が異なっている場合には、その旨がエラー表示ランプ104などにより報知されることとなる。勿論、エラー報知手段は、エラー表示ランプ104に限られるものではなく、演出表示装置42やスピーカSP等によりエラー報知を行う構成としてもよい。
尚、近年の遊技機は主制御装置等がバックアップ機能を備えていることから、停電等により電源が遮断された場合においても、その時の遊技モード(遊技状態)等をはじめとする各種データが記憶保持できるため、仮に高確率モード中に電源が遮断されてしまったとしても、電源復旧時には、遊技者は高確率モードのまま遊技を再開することができる。
しかしながら、上記バックアップ機能を利用すると、遊技ホールにおいて、営業開始時から遊技機を高確率モードに設定しておく行為、俗に言う「モーニング」が可能となる。このような行為は、遊技ホールとって営業開始時の集客力を高めるために行われるのであるが、遊技者の射幸心を悪戯に仰ぐおそれがある。上記行為の設定方法としては種々の方法が考えられるが、一例としては、前日の営業終了時点で遊技モードが高確率モードであった遊技機を初期化リセットしない方法が挙げられる。また、本実施形態のように、パチンコ機の電源投入時等において、サブ制御装置に対し主制御装置から遊技モードに関する情報(遊技状態判定値Xj)が復帰コマンド等により送信される構成においては、電源投入時等において、主制御装置とサブ制御装置とを繋ぐケーブルコネクタを取外しておけば、サブ制御装置は、主制御装置により設定される実際の遊技モードを把握できず、初期設定の遊技モードすなわち「通常モード」に係る制御を行うこととなる。
一般的な遊技機では、液晶表示装置等の表示演出手段において演出を行うにあたり、その表示態様(例えば背景色など)を通常モード中と高確率モード中とで異ならせることにより、遊技者等が現状の遊技モードを把握することを容易にしている。
また、一般的に、液晶表示装置等を制御するサブ制御装置はバックアップ機能を備えていないため、電源が切れると、初期設定の遊技モード(「通常モード」)に係る制御を行うこととなる。
従って、これを利用すれば、主制御装置により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、液晶表示装置の表示態様等を通常モード中のものとすることが可能となる。そうなると、現在の遊技モードを、液晶表示装置等を一目見ただけでは容易に判断できなくなるため、所定の調査等による本行為の確認も実質的に困難となる。
特に、本実施形態の「潜伏確変状態」のように、「通常モード」と表面上、区別し難い高確率モードが設定される遊技機では、該高確率モードが上記行為により遊技ホールの営業開始時から設定されてしまうと、液晶表示装置の表示態様等からは実際の遊技モードが判別不能となってしまう。
これに対し、本実施形態では、上述したように、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが異なっていれば、その旨をエラー報知すると共に、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。つまり、サブ制御装置262は、その時点の適切な遊技モードを把握することができることができる。これにより、仮に上記「モーニング」等の行為が行われ、主制御装置261により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、サブ制御装置262における演出態様が通常モード中の態様となっていたとしても、変動パターンコマンドを受信した場合には、遊技モードが違っていることが報知され、該変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjに対応する演出態様となる。結果として、遊技ホールによる上記「モーニング」等の行為を抑制することができる。
図80の説明に戻り、ステップSB3903の後又はステップSB3901で否定判定された場合には、ステップSB3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していればステップSB3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップSB3912へと移行する。
ステップSB3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図81に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCB5と、役物演出カウンタCB8と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。これらカウンタの値は適宜、RAM553のカウンタ用バッファに格納される。
大当たり時装飾図柄カウンタCB5は、大当たり(「確変大当たり」又は「通常大当たり」)の際、演出表示装置42に停止表示される図柄(大当たり図柄)を決定するためのものである。本実施形態では、大当たり図柄として、5通りの奇数図柄と、5通りの偶数図柄が設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタCB5としては、5個(0~4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCB5は、0~4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが奇数大当たり図柄の組合わせを示す「BZ1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、奇数大当たり図柄の組合わせを決定する。
また、図柄コマンドが偶数大当たり図柄の組合わせを示す「BZ2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に偶数大当たり図柄の組合わせを決定する。
大当たり時装飾図柄カウンタCB5は、ステップSB3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、上述したようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCB5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
役物演出カウンタCB8は、後述する役物演出(付加演出)の実行の有無及びその種別を決定するためのものである。役物演出カウンタCB8としては、400個(0~399)のカウンタ値が用意されている。すなわち、役物演出カウンタCB8は、0~399の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり399)に達した後0に戻る構成となっている。
役物演出カウンタCB8は、ステップSB3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、RAM553の役物演出カウンタバッファに格納される。そして、後述するステップSB3910の役物演出設定処理において参酌される。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が「外れ」となった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0~9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図82に示すように、ステップSB4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判定し、ステップSB4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判定する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップSB4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップSB4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップSB4001がYES)であればステップSB4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップSB4002がYES)であればステップSB4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップSB4001、SB4002が共にNO)であればステップSB4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップSB4003~SB4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップSB4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判定し、リーチ図柄の組合わせである場合(ステップSB4006がYES)、さらにステップSB4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判定する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(ステップSB4007がYES)、ステップSB4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(ステップSB4007がNO)には、ステップSB4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(ステップSB4006がNO)、ステップSB4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判定し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(ステップSB4010がYES)、ステップSB4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップSB4006、ステップSB4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
尚、本実施形態において、「JUB大当たり」の場合に停止表示されるチャンス図柄は、装飾図柄の組合わせが1パターン(「3」・「4」・「1」)であるため、装飾図柄の表示に際しカウンタ情報を用いる必要はない。
図80の説明に戻り、ステップSB3907では演出表示装置42にて各種表示を行うための表示設定処理を行う。該表示設定処理では、主として演出表示装置42にて装飾図柄の変動表示等を行うための変動表示設定処理や、保留表示を行うための保留表示設定処理などが行われる。
まず変動表示設定処理について図84を参照して説明する。図84に示すように、ステップSB4301では、上記変動表示中フラグの設定状況を見て、演出表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、変動表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、変動表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、変動表示中フラグは、上述したとおり演出表示装置42の変動表示を開始する際(ステップSB4113の開始設定処理)にオンにされ、演出表示装置42の変動表示が停止表示される際(ステップSB4305参照)にオフにされる。
ここで肯定判定された場合、すなわち変動開始時又は変動中である場合には、ステップSB4302に進み、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSB4302では、変動表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、変動表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSB4303に進み、上記減算後の変動表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち変動表示タイマの値が「0」となった時にステップSB4303が肯定判定される。
ステップSB4303で否定判定された場合には、ステップSB4304において、演出表示装置42の変動表示を実行するための変動実行処理を行い、本処理を終了する。
この変動実行処理では、例えばRAM553のサブ変動保留エリアの実行エリアに格納された各種情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。
これによって、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、演出表示装置42での図柄の変動表示を開始する。そして、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、該変動パターンコマンドに対応する変動表示の変動時間が経過するまで(ステップSB4113の開始設定処理で設定された変動表示タイマの値が「0」になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
一方、ステップSB4303で肯定判定された場合、すなわち変動表示タイマの値が「0」であると判定された場合には、ステップSB4305において演出表示装置42にて停止表示を行うための停止表示設定を行い、本処理を終了する。該停止表示設定では、変動表示中フラグを解除(オフ)すると共に、表示制御装置45に対し演出表示装置42における変動表示の停止を指示する停止コマンドの設定等が行われる。
尚、ステップSB4304の変動実行処理では、演出表示装置42における表示態様を遊技状態の種別に応じた態様(演出モード)で行うための演出モード切換設定処理も合わせて行なわれる。
本実施形態における演出モードは、遊技状態(遊技状態判定値Xjの値)に応じて、「高サポートモード」が付与されていない「通常モード」、「高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、その継続期間が不明な「チャンスモード」、「次回まで・高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、それを遊技者に対し明示的に報知する「ゴールドモード」の間で切替設定される。
より詳しくは、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合、すなわち「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与されている状態では、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される(図92参照)。
また、遊技状態判定値Xjの値が「3」の場合、すなわち所定期間の「高サポートモード」の終了後、「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態には、いわゆる「潜確状態」となるため、かかる場合にも、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態とするため、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」又は「7」の場合、すなわち「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」、「50回・高サポートモード」、「30回・高サポートモードS」、「次回まで・高サポートモード」の非報知演出、又は、後述する「サポート継続演出」の期間中には、演出表示装置42における演出モードが「チャンスモード」に設定される(図94参照)。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合、すなわち「次回まで・高サポートモード」が付与されている状態(非報知演出期間を除く)には、演出表示装置42における演出モードが「ゴールドモード」に設定される(図95参照)。
次に、保留表示設定処理について図85を参照して詳しく説明する。まずステップSB4501において、サブ変動保留エリアのうち、下始動入賞口33YBに対応する第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納された当たり種別情報が小当たりに対応する情報(小当たり情報)であるか否かを判定する。
ここで否定判別された場合、すなわち小当たり情報が含まれていない場合には、ステップSB4502において、通常保留表示更新処理を行う。図92に示すように、通常の保留表示では、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bにおいて、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が表示される。通常は、各保留画像TA1~TA4,TB1~TB4として、円形状の保留ランプを模した「保留ランプ画像」が表示される構成となっている。
そして、ステップSB4502の通常保留表示更新処理では、サブ変動保留エリアにおける保留数の増減に応じて、点灯態様又は消灯態様で表示される保留画像TA1~TA4,TB1~TB4の数を増減させる表示更新処理を行うこととなる。
一方、ステップSB4501において肯定判別された場合、すなわち第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアのいずれかに小当たり情報が含まれている場合には、ステップSB4503において、保留表示変更処理を行い、その後、本処理を終了する。
ステップSB4503の保留表示変更処理が行われることにより、第2保留表示領域W3bに表示される4つの保留画像TB1~TB4のうち、上記小当たり情報を含む保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4のいずれかが、通常保留表示時の「保留ランプ画像」から「星型画像」に差し替えられる。例えば図97に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。
図80の説明に戻り、ステップSB3908のランプ設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップSB3909の音声設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップSB3909で行われる。
ステップSB3910では、役物演出設定処理を実行する。役物演出設定処理では、上部演出役物ユニット761や下部演出役物ユニット762を用いた役物演出に関する各種設定を行う。尚、役物演出設定処理は、後述するサポート継続演出(ルーレット演出)が行なわれる際に、付加演出として行われる処理であり、サポート継続演出(ルーレット演出)が実行される場合においてのみ実行される処理である。ステップSB3910の役物演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSB3911では、客待ち演出(例えば演出表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3912では、上記ステップSB3905~SB3911の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。また、役物演出を実行する際には、演出役物ユニット761,762等に対しモータ制御信号(駆動パルス信号)など各種制御信号を出力する。
1msec毎に行われるステップSB3905~SB3912の処理が実行された後、又は、上記ステップSB3904で否定判定された場合には、ステップSB3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップSB3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判定される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップSB3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップSB3913で電源断の発生情報が記憶されると判定された場合、ステップSB3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に演出表示装置42の表示部42aにおける表示態様等について、遊技者による遊技の流れと共に説明する。
演出表示装置42の表示部42aには、通常状態(遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合)において、上、中及び下の3つの図柄表示領域からなる変動表示領域W1が設定されている(図92参照)。また、変動表示領域W1の下側には、遊技者に対し遊技球の発射態様を指示(推奨)する指示表示領域W2が設定されると共に、さらにその下側には変動表示の保留数を示す保留表示領域W3が設定されている。
保留表示領域W3は、サブ変動保留エリアに対応して設定されている。つまり、保留表示領域W3は、第1サブ変動保留エリア及び第2サブ変動保留エリアに対応して、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bとに区分けされている。そして、各保留表示領域W3a,W3bには、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が表示される(図92参照)。
保留画像TA1~TA4,TB1~TB4は、通常時(非保留時)には、消灯態様で表示されており(網掛け部分参照)、所定の保留エリアに変動表示が保留された場合に、該保留エリアに対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が点灯態様に切替表示される構成となっている(白抜き部分参照)。
図92に示す例では、第1保留表示領域W3aの第1保留画像TA1及び第2保留画像TA2が点灯態様で表示され、残りの保留画像TA3,TA4,TB1~TB4が消灯態様で表示された状態が示されている。すなわち、第1サブ変動保留エリアの保留第1エリアと保留第2エリアに変動表示が保留され、現在の変動表示の保留数が上始動入賞口33YAに係る「2」個の状態であることが示されている。
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。
「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33YAの方へと誘導される。そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞することとなる。
尚、本実施形態では、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、開閉役物37Yが開放されることはなく、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞することはない。
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。
遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞すると、演出表示装置42の変動表示領域W1においては、上記各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」~「9」の数字の付された装飾図柄Zが表示される。各種装飾図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄表示領域においては、各種装飾図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく各種装飾図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に装飾図柄Zが停止表示される。
上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
大当たり状態が発生した場合には、可変入賞装置32の開閉板32aが開放し、大入賞口へ遊技球が入賞可能な状態となると共に、演出表示装置42の表示部42aにおいて所定の大当たり演出が開始される。ここで、大当たりラウンド数が表示されるようにしてもよい。
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させることができない。そのため、図93に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域へ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う。
ここで「右打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32へ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。
一方、可変入賞装置32へ入賞せず、該可変入賞装置32を素通りした遊技球は、上記釘等によって、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBへ向けて流下することとなる。
また、可変表示装置ユニット35の右側方領域には、可変入賞装置32までの流下途中において、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放契機となるスルーゲート34が設けられており、いくつの遊技球がスルーゲート34を通過することとなる。
ここで、遊技球がスルーゲート34を通過することに起因して行われる開放抽選に当選した場合には、開閉役物37Yが開状態となり、下始動入賞口33YBへ遊技球が入賞することが可能となる。
大当たり終了後は、特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)にて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37Yに係る入賞サポートモードとして「高サポートモード」が付与される。
これに伴い、演出表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」に係る所定のサポート演出(「チャンスモード」演出、又は「ゴールドモード」演出)が行われると共に、変動表示領域W1が縮小表示される。なお、縮小された変動表示領域W1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。
また、かかるサポート演出中、演出表示装置42の表示部42aにおいては、サポート回数表示領域W4が設定される(図94,95参照)。サポート回数表示領域W4には、見かけ上、付与することが確定しているサポート回数が表示される。従って、例えば内部抽選では「50回」のサポート回数の付与が確定している場合であっても、演出上、当初は「20回」と表示される。
より具体的には、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
同様に、「16R確変大当たりB」又は「4R確変大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「4」の場合にも、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
一方、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選し、「30回・高サポートモードS」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「2」又は「5」の場合(非報知演出の場合のXj=「5」を除く)には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選し、「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初から「次回まで」と表示される。但し、上記非報知演出が行われる場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
上述したとおり、「高サポートモード」が付与されている間は、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞しやすい状態となるため、大当たり遊技が終了した場合であっても、遊技者は開閉役物37Yの開放契機を得るべく、「右打ち」を継続して行うことが好ましい。つまり、「高サポートモード」中は、「右打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。従って、「高サポートモード」中の演出表示装置42の指示表示領域W2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨すべく、「右打ち→」と表示される。
尚、本実施形態では、「高サポートモード」の一般回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっていない変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」の場合における変動時間が、各遊技状態判定値Xjに基づき選択される変動パターンテーブルによって「1秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の演出表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
また、「高サポートモード」の特定回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっている変動時、つまり大当たり終了後から「20回目」、「30回目」、「40回目」又は「50回目」にあたる変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「7」の場合における変動時間が、該遊技状態判定値Xjの値「7」に基づき選択される変動パターンテーブルによって「25秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の演出表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
上記特定回変動時(25秒変動)の演出表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」が継続するか否かを抽選で決定するような、遊技者の興趣を盛り上げるサポート継続演出が行なわれる。
例えば本実施形態では、上記特定回変動時の表示演出(サポート継続演出)として、ルーレット演出が行われる。該ルーレット演出では、図96に示すように、ルーレット図柄TRが表示される。ルーレット図柄TRには、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった項目が記載されている。
ルーレット演出では、ルーレット図柄TRが回転し、矢印TYの示す位置に停止した項目により、その後の遊技状態が決定されるといった演出がなされる。
ここで、いずれの項目に停止するかは、大当たり抽選時に決定された「高サポートモード」の付与数(「20回」、「30回」、「40回」、「50回」又は「次回まで」)と、その時点のサポート付与回数(サポート回数カウンタの値)によって決定される。そして、決定された項目がサポート回数表示領域W4に表示される。
例えば、「50回・高サポートモード」付きの「16R通常大当たりB」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「20回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数は残り「30回」あるので、「+10回」の項目が選択される。
また、例えば「30回・高サポートモード」付きの「4R通常大当たりA」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数の残りがないため、「終了」の項目が選択される。
また、例えば「次回まで・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりA」に当選し、非報知演出が行われ(遊技状態判定値Xjの値が「5」となり)、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」であるので、「次回まで」の項目が選択される。
さて「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻ると、演出表示装置42の表示部42aにおける表示態様は、通常状態と同様の状態に戻る(図92参照)。従って、表示部42aの指示表示領域W2には「←左打ち」と表示される。
但し、本実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33YBに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像TB1~TB4のうち、小当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の画像に変更される(図97参照)。図97に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。本実施形態では、これと共に、指示表示領域W2において「右打ち→」と表示される。
このため、「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻った場合でも、保留エリアに小当たり情報が格納されていれば、上記表示が行われ、遊技者に対して小当たりが発生することが示唆されることとなる。
上述したとおり、小当たり状態における可変入賞装置32の開放時間は極めて短いため、「左打ち」している状態から、小当たり発生後に「右打ち」へ切換えていたのでは間に合わず、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させるためには、予め「右打ち」しておく必要がある。この点、本実施形態では、上記小当たり示唆により、遊技者は、小当たりが発生することを把握できるため、予め準備ができ、小当たりの取りこぼしが少なくなる。
尚、上述したように、上記サポート継続演出(ルーレット演出)が行われる場合には、付加演出として上部演出役物ユニット761や下部演出役物ユニット762を用いた役物演出が行われる場合もある。
ここで、ステップSB3910の役物演出設定処理について図98,99のフローチャートを参照して説明する。
まずステップSB6001において、上記遊技状態判定値Xjの値を参酌して、今回の変動回がルーレット演出(サポート継続演出)の実行回であるか否かを判別する。
ここで、否定判別された場合、すなわちルーレット演出の実行回でない場合には、ステップSB6002において、後述する演出状態フラグJFの値を「0」にリセットして、そのまま本処理を終了する。
演出状態フラグJFは、付加演出(主に演出役物ユニット761,762を用いた役物演出)の演出状態を判別するための判別情報である。
一方、ステップSB6001において肯定判別された場合、すなわち今回の変動回がルーレット演出の実行回である場合には、ステップSB6003へ移行する。
ステップSB6003では、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、付加演出の開始前段階(JF=0)であるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合、すなわち付加演出の開始後(JF≧1)である場合には、ステップSB6006へ移行する。
一方、ステップSB6003において肯定判別された場合、すなわち付加演出の開始前段階である場合には、ステップSB6004へ移行する。
ステップSB6004では、RAM553の役物演出カウンタバッファに格納された上記役物演出カウンタCB8の値を基に、役物演出の実行の有無及びその種別を決定する演出決定処理を行う。
役物演出カウンタCB8の値と、役物演出の実行の有無及びその種別との対応関係は、役物演出パターン決定テーブルとして、サブ制御装置262のROM552に記憶されている。
本実施形態では、演出表示装置42のルーレット演出において、最終的に矢印TYの示す位置に停止するルーレット図柄TRの確定表示項目に対応して、複数の役物演出パターン決定テーブルが設定されている。
具体的には、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった3つの確定表示項目に対応して、「終了」時・役物演出パターン決定テーブル、「+10回」時・役物演出パターン決定テーブル、「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブルの3つのテーブルが用意されている。
尚、各テーブルにおいて、各種演出パターン等が選択される割合は、「終了」時に対応するものか、「+10回」時に対応するものか、「次回まで」時に対応するものかによって異なる。そして、サポート回数が継続される場合、さらには「次回まで」時に対応したものである場合には、「終了」時の場合よりも、役物演出の実行の有無、さらには後述する発展演出パターンが行われる割合が高まるように、各種テーブルは構成されている。
例えばルーレット演出における確定表示項目が「終了」となる場合には、図100(a)に示すような『「終了」時・役物演出パターン決定テーブル』が参照される。この場合、役物演出カウンタCB8の値がCB8=0~249の場合には「役物演出なし」が選択され、付加演出として役物演出は行われない。
一方、役物演出カウンタCB8の値がCB8=250~399の場合には、「役物演出あり」が選択され、付加演出として役物演出が実行される。このうち、CB8=250~299の場合には「発展なしパターン」の役物演出が実行され、CB8=300~329の場合には「第1発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=330~359の場合には「第2発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=360~379の場合には「第3発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=380~389の場合には「第4発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=390~399の場合には「第5発展パターン」の役物演出が実行される。尚、これら第1~第5発展パターンの役物演出の詳細については後述する。
また、ルーレット演出における確定表示項目が「次回まで」となる場合には、図100(b)に示すような『「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブル』が参照される。この場合、役物演出カウンタCB8の値がCB8=0~9の場合には「役物演出なし」が選択され、付加演出として役物演出は行われない。
一方、役物演出カウンタCB8の値がCB8=10~399の場合には、「役物演出あり」が選択され、付加演出として役物演出が実行される。このうち、CB8=10~99の場合には「発展なしパターン」の役物演出が実行され、CB8=100~199の場合には「第1発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=200~249の場合には「第2発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=250~299の場合には「第3発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=300~349の場合には「第4発展パターン」の役物演出が実行され、CB8=350~399の場合には「第5発展パターン」の役物演出が実行される。
尚、ルーレット演出における確定表示項目が「+10回」となる場合に参照される『「+10回」時・役物演出パターン決定テーブル』の具体的な内容については、図示を省略するが、上述した『「終了」時・役物演出パターン決定テーブル』や『「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブル』とは内容の異なるテーブルが設定されている。
ここで、上記「役物演出なし」が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「0」を設定する。役物演出パターンフラグPFは、役物演出パターンを判別するための判別情報である。
同様に、「発展なしパターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「1」を設定する。「第1発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「2」を設定する。「第2発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「3」を設定する。「第3発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「4」を設定する。「第4発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「5」を設定する。「第5発展パターン」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「6」を設定する。
従って、サブ制御装置262は、ステップSB6004の演出決定処理を行う際には、まず上記ルーレット演出における確定表示項目に係る情報を基に、上記複数の役物演出パターン決定テーブル群の中から所定の確定表示項目に対応する役物演出パターン決定テーブルを選出し、該選出したテーブルを基に役物演出パターンを決定することとなる。この際、決定された結果は、RAM553内の所定の記憶エリアに記憶される。
そして、続くステップSB6005において開始要求設定処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSB6005の開始要求設定処理においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出の開始要求期間中であることを示す「1」を設定すると共に、操作有効タイマSTの値に所定値(本実施形態では5秒)を設定する。
尚、操作有効タイマSTは、上記演出ボタン125の操作有効期間を計測するためのタイマである。
さらに、この開始要求設定処理においては、演出表示装置42の表示部42aにおいて開始要求表示演出を行うための表示設定処理を行う。
かかる表示設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、ルーレット演出に加えて、例えば「ボタンを押してください」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す表示演出が実行される。
さて、上記ステップSB6003にて否定判定されて移行するステップSB6006においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の開始要求期間中(JF=1)であるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合、すなわち役物演出の開始要求期間中でない場合(JF≧2)には、ステップSB6012へ移行する。
一方、ステップSB6006において肯定判別された場合、すなわち現在、役物演出の開始要求期間中である場合には、ステップSB6007において、上記操作有効タイマSTの値が「0」であるか否かを判別する。
ここで、肯定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」である場合には、役物演出の開始要求期間中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作せず、操作有効期間が経過したとして、ステップSB6008に移行する。
ステップSB6008においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
一方、ステップSB6007において否定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」でない場合には、ステップSB6009に移行する。
ステップSB6009においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、役物演出の開始要求期間中(操作有効期間中)に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判別する。
ボタン操作フラグBFは、操作有効期間中に演出ボタン125が押圧操作されたか否かを判別するための判別情報であり、操作有効期間中に押圧操作された場合には、その値が「1」に設定され、押圧操作されていない間は、その値が「0」に維持される。
ステップSB6009において否定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップSB6010において演出パターン設定処理を行う。
ステップSB6010の演出パターン設定処理においては、演出状態フラグJFの値として、上記ステップSB6004の演出決定処理において選出された演出パターンに対応する値を設定する。
具体的には、役物演出パターンフラグPFの値を参酌して、「役物演出なし」が選択された場合には、演出状態フラグJFの値に「2」を設定する。一方、「役物演出あり(発展なしパターン、第1発展パターン、第2発展パターン、第3発展パターン、第4発展パターン又は第5発展パターン)」が選択された場合には、演出状態フラグJFの値に「3」を設定する。
その後、ステップSB6011において、ボタン操作フラグBFの値を「0」にリセットし、本処理を終了する。
さて、上記ステップSB6006にて否定判別され移行するステップSB6012においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、付加演出の演出パターンが「役物演出なし(JF=2)」であるか否かを判別する。
ここで、肯定判別された場合、すなわち演出パターンが「役物演出なし」である場合には、ステップSB6013において報知設定処理を行う。
かかる報知設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「動かず残念」等の文字が表示されるなど、役物演出が行われない旨を報知する報知演出が実行される。
その後、ステップSB6014において、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
一方、ステップSB6012において否定判別された場合には、ステップSB6015へ移行し、演出状態フラグJFの値が「3」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合には、演出パターンが「役物演出あり(JF=3)」であるが、現在は役物駆動演出の開始前段階であるとみなし、ステップSB6016において上役物駆動設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップSB6016の上役物駆動設定処理において、サブ制御装置262は、まずROM552から、上役物演出の動作進行プロセスを規定した上役物演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、上役物演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を所定のプロセスタイマに設定し、該プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
複数の動作プロセスデータには、例えば上部演出役物ユニット761の揺動駆動機構812(揺動用モータ815)を駆動制御して、上可動役物811を降下させたり、上昇させたり、停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータや、上回転体用駆動モータ821を駆動制御して、上回転体820を回転させたり停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータなどが含まれている。
これにより、本実施形態においては、演出パターンが「役物演出あり」の場合、遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、まず上可動役物811が待機位置(センターフレーム47の上辺部47a裏側)から下方の演出位置へ降下する動作を行う(図56,図58参照)。
そして、上可動役物811が演出位置へ降下し、演出表示装置42の表示部42aの一部を覆うように停止した後、上回転体820が回転を開始する。本実施形態では、上回転体820が時計回り方向に一定速度で回転するように設定されている。
同時に、表示部42aにおいて、上記ルーレット図柄TR(図96参照)は縮小表示され、上回転体820の背後に隠れた状態となり、遊技者に視認困難な状態となる。
さらに、図108に示すように、表示部42aには、上記ルーレット図柄TRの周囲において、特定可動片825Aの拡大レンズ部828の旋回軌道EFに沿って各種表示対象が表示される。例えば図108に示す例では、拡大レンズ部828の旋回軌道EFに沿って、複数の星型発光点EGが点滅しながら表示されている。これにより、拡大レンズ部828が通過する位置にある表示対象(例えば星型発光点EG)は、該拡大レンズ部828を介して拡大表示されて、遊技者に視認されることとなる。勿論、ここで表示される表示対象は、図108に例示した星型発光点EGに限定されるものではなく、異なる他の表示対象が表示される構成としてもよい。
尚、ここで上回転体820が回転を開始する際には、所定のプロセスタイマの値に、上記各種演出パターン(動作プロセスデータ)に基づいた所定の値が設定される。そして、一旦、上回転体820が回転を開始すると、プロセスタイマの値が「0」になるまでの間、回転が継続される。尚、プロセスタイマの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップSB3911)にて別途行われる。
上回転体820が定速回転状態となってから所定時間経過後(一連の回転開始動作の終了後)、サブ制御装置262は、演出状態フラグJFの値として、役物演出の実行開始後であることを示す「4」を設定すると共に、操作有効タイマSTの値に所定値(本実施形態では5秒)を設定する。
同時に、演出表示装置42の表示部42aにおいて発展要求表示演出を行うための表示設定処理を行う。
かかる表示設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、上記表示対象等に加えて、例えば「ボタンを押してください」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す表示演出が実行される。
さて、上記ステップSB6015にて否定判別され移行したステップSB6017においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の実行開始後かつ演出発展前段階の演出初期状態(JF=4)であるか否かを判別する。
尚、本実施形態では、役物演出の実行開始後かつ演出発展前段階の演出初期状態における演出態様は、「第1発展パターン」、「第2発展パターン」、「第3発展パターン」、「第4発展パターン」又は「第5発展パターン」のいずれが設定された場合においても同一となっている。
ここで、否定判別された場合、すなわち役物演出の演出初期状態でない場合(JF≧5)には、ステップSB6030へ移行する。
一方、ステップSB6017において肯定判別された場合、すなわち役物演出の初期状態(上回転体820の単独回転状態)である場合には、ステップSB6018において、上記操作有効タイマSTの値が「0」であるか否かを判別する。
ここで、肯定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」である場合には、役物演出の初期状態中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作せず、操作有効期間が経過したとして、ステップSB6019に移行する。
ステップSB6019においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
一方、ステップSB6018において否定判別された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」でない場合には、ステップSB6020に移行する。
ステップSB6020においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、役物演出の初期状態中(操作有効期間中)に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判別する。
ステップSB6020において否定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップSB6021において、役物演出パターンフラグPFの値が「発展なしパターン(下役物演出なしパターン)」に対応する「1」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合、すなわち演出パターンが「発展なしパターン」である場合には、ステップSB6022において発展なし演出設定処理を行う。
かかる発展なし演出設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「発展せず残念」等の文字が表示されるなど、発展演出が行われない旨を報知する報知演出が実行される。
その後、ステップSB6023において、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
さて、ステップSB6021において否定判別された場合には、ステップSB6024へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第1発展パターン(拡大停止なしパターン)」に対応する「2」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第1発展パターン」である場合には、ステップSB6025において第1発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第1発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「7」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第1発展パターンに対応した上可動役物811(上回転体820)及び下可動役物851(左右の下回転体856A,856B)の動作進行プロセスを規定した第1発展演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第1発展演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を所定のプロセスタイマに設定し、該プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
尚、以下の各種発展演出パターンにおいても同様であるが、複数の動作プロセスデータには、例えば上回転体用駆動モータ821を駆動制御して、上回転体820を回転させたり停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータや、下部演出役物ユニット762の上下駆動機構852(上下駆動用モータ860)を駆動制御して、下可動役物851を上昇させたり、降下させたり、停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータ、下回転体用駆動モータ855A,855Bを駆動制御して、下回転体856A,856Bを回転させたり停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータなどが含まれている。
つまり、サブ制御装置262は、前記第1発展演出制御データに基づき、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第1発展パターンに対応した上可動役物811及び下可動役物851の動作制御を実行していくこととなる。
尚、以下の各種発展演出パターンにおいても同様であるが、上記プロセスタイマの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップSB3911)にて別途行われる。また、本処理において行われた各種設定処理の内容に基づき、次回の外部出力処理(ステップ3912)において、上可動役物811や下可動役物851に対し順次、制御信号が出力され、上可動役物811や下可動役物851に係る各種制御が行われることとなる。そして、各種発展演出パターンに対応した上可動役物811及び下可動役物851の動作制御が開始されると、上記プロセスタイマの値が「0」になるまでの間、該動作制御が継続して行われることとなる。
かかる構成の下、本実施形態において第1発展演出パターンが実行された場合(以下の各種発展演出パターンが実行された場合においても同様)には、まず特定可動片825Aの拡大レンズ部828を視認可能な程度に、上回転体820の回転速度を低下させる制御が行われる。同時に、発展報知演出として、スピーカSPから所定の音声(例えば「ビッグ・オア・スモール」等と叫ぶ音声)の出力処理を実行するための設定処理を行う。かかる設定処理に基づき、上記ステップSB3909の音声設定処理によってスピーカSPの出力制御処理が行われる。
続いて、下可動役物851を、センターフレーム47の下辺部47b裏側の待機位置(図56参照)から上昇させつつ、左右の下回転体856A,856Bを回転させる制御が行われる。
ここで、左下回転体856Aは時計回り方向に一定速度で回転し、右下回転体856Bは反時計回り方向に一定速度で回転するように構成されている。また、下回転体856A,856Bの回転速度は、遊技者が上記各情報記載部856Aa,856Ab,856Ba,856Bbに記載された「SMALL」や「BIG」の文字等を視認可能な程度に、比較的低速に設定されている。
その後、左右の下回転体856A,856Bが演出表示装置42の表示部42a前方の所定の演出位置まで到達すると、下回転体856A,856Bの回転動作を維持したまま、下可動役物851の上昇動作のみを停止させる。これにより、回転する上回転体820の可動片825の旋回軌道よりも後方位置において、左右の下回転体856A,856Bがそれぞれ回転している状態となる(図58等参照)。
かかる状態において、上回転体820及び下回転体856A,856Bはそれぞれ回転しながら、上回転体820と左下回転体856A又は右下回転体856Bとの位置関係が、上回転体820の少なくとも一部と左下回転体856A又は右下回転体856Bの少なくとも一部とが重ならない状態と、上回転体820の少なくとも一部と左下回転体856A又は右下回転体856Bの少なくとも一部とが重なる状態とに変化する。
そして、第1発展演出パターンでは、図109に示すように、最終的に上回転体820の特定可動片825Aの拡大レンズ部828の停止位置が、左下回転体856Aの第1情報記載部856Aa(強・SMALL)及び第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)のいずれの停止位置とも一致せず、かつ、右下回転体856Bの第1情報記載部856Ba(強・BIG)及び第2情報記載部856Bb(弱・BIG)のいずれの停止位置とも一致しない状態(以下、かかる状態を「拡大表示なし停止状態」という。)となるように、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bが停止し、演出を終える。
但し、「拡大表示なし停止状態」となる上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの停止態様の組合せは、図109に例示した組合せに限定されるものではなく、これとは異なる組合せで上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bが停止する構成としてもよい。この際、これらの停止態様の組合せパターンを、上記役物演出カウンタCB8の値に基づき決定するようにしてもよい。
さて、ステップSB6024において否定判別された場合には、ステップSB6026へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第2発展パターン(弱・SMALL拡大停止パターン)」に対応する「3」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第2発展パターン」である場合には、ステップSB6027において第2発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第2発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「7」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第2発展パターンに対応した上可動役物811(上回転体820)及び下可動役物851(左右の下回転体856A,856B)の動作進行プロセスを規定した第2発展演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第2発展演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を所定のプロセスタイマに設定し、該プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
つまり、サブ制御装置262は、前記第2発展演出制御データに基づき、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第2発展パターンに対応した上可動役物811及び下可動役物851の動作制御を実行していくこととなる。
かかる構成の下、本実施形態において第2発展動作パターンが実行された場合には、上記第1発展演出パターンが実行された場合と同様の動作制御が行われた後、図110に示すように、最終的に上回転体820の特定可動片825Aの停止位置と、左下回転体856Aの第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)の停止位置とが一致した状態、すなわち上回転体820の特定可動片825Aが第4停止位置EA4に停止し、かつ、左下回転体856Aの第2情報記載部856Ab(弱・SMALL)が第1停止位置EB1に停止した状態(以下、かかる状態を「弱・SMALL拡大停止状態」という。)となるように、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bが停止し、演出を終える。
但し、「弱・SMALL拡大停止状態」となる場合における右下回転体856Bの停止態様は、図110に例示した態様に限定されるものではなく、これとは異なる態様で右下回転体856Bが停止する構成としてもよい。この際、この停止態様を上記役物演出カウンタCB8の値に基づき決定するようにしてもよい。
さて、ステップSB6026において否定判別された場合には、ステップSB6028へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第3発展パターン(強・SMALL拡大停止パターン)」に対応する「4」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第3発展パターン」である場合には、ステップSB6029において第3発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第3発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「7」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第3発展パターンに対応した上可動役物811(上回転体820)及び下可動役物851(左右の下回転体856A,856B)の動作進行プロセスを規定した第3発展演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第3発展演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を所定のプロセスタイマに設定し、該プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
つまり、サブ制御装置262は、前記第3発展演出制御データに基づき、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第3発展パターンに対応した上可動役物811及び下可動役物851の動作制御を実行していくこととなる。
かかる構成の下、本実施形態において第3発展動作パターンが実行された場合には、上記第1発展演出パターンが実行された場合と同様の動作制御が行われた後、図111に示すように、最終的に上回転体820の特定可動片825Aの停止位置と、左下回転体856Aの第1情報記載部856Aa(強・SMALL)の停止位置とが一致した状態、すなわち上回転体820の特定可動片825Aが第4停止位置EA4に停止し、かつ、左下回転体856Aの第1情報記載部856Aa(強・SMALL)が第1停止位置EB1に停止した状態(以下、かかる状態を「強・SMALL拡大停止状態」という。)となるように、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bが停止し、演出を終える。
但し、「強・SMALL拡大停止状態」となる場合における右下回転体856Bの停止態様は、図111に例示した態様に限定されるものではなく、これとは異なる態様で右下回転体856Bが停止する構成としてもよい。この際、この停止態様を上記役物演出カウンタCB8の値に基づき決定するようにしてもよい。
さて、ステップSB6028において否定判別された場合には、ステップSB6030へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第4発展パターン(弱・BIG拡大停止パターン)」に対応する「5」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第4発展パターン」である場合には、ステップSB6031において第4発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第4発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「7」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第4発展パターンに対応した上可動役物811(上回転体820)及び下可動役物851(左右の下回転体856A,856B)の動作進行プロセスを規定した第4発展演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第4発展演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を所定のプロセスタイマに設定し、該プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
つまり、サブ制御装置262は、前記第4発展演出制御データに基づき、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第4発展パターンに対応した上可動役物811及び下可動役物851の動作制御を実行していくこととなる。
かかる構成の下、本実施形態において第4発展動作パターンが実行された場合には、上記第1発展演出パターンが実行された場合と同様の動作制御が行われた後、図112に示すように、最終的に上回転体820の特定可動片825Aの停止位置と、右下回転体856Bの第2情報記載部856Bb(弱・BIG)の停止位置とが一致した状態、すなわち上回転体820の特定可動片825Aが第1停止位置EA1に停止し、かつ、右下回転体856Bの第2情報記載部856Bb(弱・BIG)が第1停止位置EC1に停止した状態(以下、かかる状態を「弱・BIG拡大停止状態」という。)となるように、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bが停止し、演出を終える。
但し、「弱・BIG拡大停止状態」となる場合における左下回転体856Aの停止態様は、図112に例示した態様に限定されるものではなく、これとは異なる態様で左下回転体856Aが停止する構成としてもよい。この際、この停止態様を上記役物演出カウンタCB8の値に基づき決定するようにしてもよい。
さて、ステップSB6030において否定判別された場合には、ステップSB6032へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第5発展パターン(強・BIG拡大停止パターン)」に対応する「6」であるか否かを判別する。
ここで肯定判別された場合、すなわち発展演出パターンが「第5発展パターン」である場合には、ステップSB6033において第5発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第5発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「7」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第5発展パターンに対応した上可動役物811(上回転体820)及び下可動役物851(左右の下回転体856A,856B)の動作進行プロセスを規定した第5発展演出制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第5発展演出制御データに含まれる複数の動作プロセスデータをタイムテーブルに則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を所定のプロセスタイマに設定し、該プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
つまり、サブ制御装置262は、前記第5発展演出制御データに基づき、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第5発展パターンに対応した上可動役物811及び下可動役物851の動作制御を実行していくこととなる。
かかる構成の下、本実施形態において第5発展動作パターンが実行された場合には、上記第1発展演出パターンが実行された場合と同様の動作制御が行われた後、図113に示すように、最終的に上回転体820の特定可動片825Aの停止位置と、右下回転体856Bの第1情報記載部856Ba(強・BIG)の停止位置とが一致した状態、すなわち上回転体820の特定可動片825Aが第1停止位置EA1に停止し、かつ、右下回転体856Bの第1情報記載部856Ba(強・BIG)が第1停止位置EC1に停止した状態(以下、かかる状態を「強・BIG拡大停止状態」という。)となるように、上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bが停止し、演出を終える。
但し、「強・BIG拡大停止状態」となる場合における左下回転体856Aの停止態様は、図113に例示した態様に限定されるものではなく、これとは異なる態様で左下回転体856Aが停止する構成としてもよい。この際、この停止態様を上記役物演出カウンタCB8の値に基づき決定するようにしてもよい。
さて、上記ステップSB6017にて否定判別され移行したステップSB6035においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の発展状態中(JF=5)であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSB6035において肯定判別された場合、すなわち役物演出の発展状態中(上回転体820及び左右の下回転体856A,856Bの動作中)である場合には、ステップSB6036へ移行する。
ステップSB6036においては、上記プロセスタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSB6036において肯定判別された場合、すなわち役物演出の終了タイミングである場合には、ステップSB6037において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップSB6037の終了設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、役物演出の終了プロセスを規定した役物演出終了制御データを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
これに基づき、上回転体820(上回転体用駆動モータ821)の停止処理、下回転体856A,856B(下回転体用駆動モータ855A,855B)の停止処理、上可動役物811を待機位置へ上昇させる動作設定処理、下可動役物851を待機位置へ降下させる動作設定処理などが順次行われ、役物演出が終了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転体が第1回転体に対し相対移動可能に構成されると共に、所定領域正面視における第1回転体と第2回転体との相対位置関係が、第1回転体の少なくとも一部と第2回転体の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係と、第1回転体の少なくとも一部と第2回転体の少なくとも一部とが重なる第2位置関係とに変化可能な構成の下、第1位置関係においては、第1回転体の透光部を通して発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、第2位置関係においては、第1回転体の透光部と重なる第2回転体の少なくとも一部によって発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されている。
このように、相対位置関係が変化する2つの回転体(第1回転体と第2回転体)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
特に本実施形態では、第1回転体と第2回転体の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転体及び第2回転体の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
(a)上記実施形態に係るパチンコ機10は、始動入賞口33YA,33YBへの入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、可変入賞装置32が開閉する大当たり状態が発生する第1タイプの遊技機である。
これに限らず、所定の遊技価値が付与される他のタイプのパチンコ機として実施してもよい。尚、遊技価値には、例えば遊技者に払出される賞球等の遊技媒体、大当たり中に付与される特賞状態(ラウンド)、大当たり終了後に付与される高確率モード等の遊技モードなどが含まれる。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば所定の始動入賞部への入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に開状態となる可変入賞装置を備え、該可変入賞装置内に入球した遊技球が所定の特別入賞部(V入賞口)に入球して大当たり状態が発生する第2タイプの遊技機として実施してもよい。ここで、始動入賞部へ遊技球が入球した場合に所定の抽選処理を行うことなく(又は当選確率100%の抽選処理を行ってもよい。)、始動入賞部への入球に基づき、可変入賞装置が開状態となり、該可変入賞装置内に入球した遊技球がV入賞口等に入球して大当たり状態が発生する構成としてもよい。
また、上記第1タイプの遊技機の機能と、上記第2タイプの遊技機の機能とを兼ね備えた第3タイプの遊技機(例えば、いわゆる1種2種混合機)として実施してもよい。
尚、パチンコ機に係る各種抽選(ソフト的な抽選処理や機械的機構による抽選など)に係る当選確率については、機種毎に適宜設定されるものであり、任意の値を採用することができる。また、後述するように遊技盤30の盤面構成等についても適宜、変更可能であることはいうまでもない。
また、遊技球を遊技機内で循環させる等して遊技者に対し直接的に払い出さないタイプの遊技機、いわゆる封入式のパチンコ機として実施してもよい。
(b)大当たりの種別(ラウンド数や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、16回の特賞状態(ラウンド)が行われる16R大当たりや、4回の特賞状態(ラウンド)が行われる4R大当たりなどが設定されているが、これに限らず、ラウンド数が異なる他の大当たり状態が発生する構成としてもよい。
勿論、複数種別の大当たり状態が発生可能な遊技機ではなく、大当たり状態が1種別(例えば15R大当たり)だけしか発生しない遊技機として実施してもよい。
(c)大当たり状態の終了後に付与される遊技モードの構成(付与期間や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「高サポートモード」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によって「高サポートモード」が付与されない構成としてもよい。
また、抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われず、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われるパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与する構成のパチンコ機として実施してもよい。高サポートモードや高確率モードなど特定の遊技モードを特別遊技状態としてもよい。
(d)遊技盤に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態に係る遊技盤30は、透光性部材である透明板をベースとして構成されているが、これに限らず、透光性を有しない木材等の不透明部材により構成されていてもよい。
(d-1)上記実施形態では、遊技領域のうちの所定領域の後方位置において、複数のLEDを実装したLED基板48A,48B,48Cが配置され、各種発光演出を実行可能な構成となっている。これに限らず、LED基板48A等に代えて又は加えて、遊技盤30の後方位置において、ランプや液晶表示装置など他の発光手段を配置した構成としてもよい。
(d-2)上記実施形態に代えて又は加えて、遊技盤30の上下左右の各端面のうちの少なくとも1箇所において、該端面に相対向するようにランプやLED等の発光手段を配置し、該発光手段から発せられた光が遊技盤30内に入射されると共に、その光の一部が遊技盤30の前面部の所定位置から出射され、遊技者に視認可能となるような構成としてもよい。つまり、遊技盤30を発光部材や導光部材として機能させる構成としてもよい。勿論、遊技盤30の前面部(又は後面部)の正面視第1位置から入射した光の一部が遊技盤30の前面部の正面視第2位置から出射され、遊技者に視認可能となるような構成としてもよい。
(d-3)上記実施形態に係る演出表示装置42の表示部42aに代えて、遊技盤30の後方位置において、遊技領域の裏側略全域又は遊技盤30の裏側略全域にわたる大きさの表示画面を有する表示装置を備えた構成としてもよい。
また、遊技盤30において、演出表示装置42取付用の開口部を設けることなく、該演出表示装置42の表示部42aの前面側を覆うように遊技盤30が配設された構成としてもよい。この際、演出表示装置42の前方領域となる遊技盤30の前面部に釘等を配置して、ここを遊技球が流下可能な領域としてもよい。勿論、ここを遊技球が流下不能な領域としてもよい。
(e)第1回転手段の構成は、上記実施形態の第1回転体としての上回転体820に限定されるものではない。
(e―1)例えば上記実施形態では、第1回転手段(第1回転体)である上回転体820が演出領域(所定領域)となる演出表示装置42の表示部(液晶表示部)42aの前面側において回転動作を行うように構成されているが、第1回転手段が回転動作を行う領域は、これに限定されるものではない。
例えば、センターフレーム47の前面領域において、第1回転手段が回転動作を行う構成を採用してもよい。ここで、第1回転手段の回動軸が固定された構成としてもよいし、第1回転手段の回転軸の位置が変位可能な構成を採用してもよい。
また、可変入賞装置32等の各種入賞装置の内部領域において、第1回転手段が回転動作を行う構成を採用してもよい。ここで、第1回転手段の回動軸が固定された構成としてもよいし、第1回転手段の回転軸の位置が変位可能な構成を採用してもよい。
また、遊技盤30の前面領域(遊技領域)において、第1回転手段が回転動作を行う構成を採用してもよい。ここで、第1回転手段の回動軸が固定された構成としてもよいし、第1回転手段の回転軸の位置が変位可能な構成を採用してもよい。
(e―2)第1回転手段(第1回転体)の移動機構は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、支持アーム814が揺動変位することにより、上回転体820(上可動役物811)が、センターフレーム47の上辺部47a裏側の待機位置と、演出表示装置42の表示部42a前面側の演出位置とに変位する構成となっている。
これに限らず、例えば上回転体820(上可動役物811)の位置が上下方向や左右方向など直線的に待機位置と演出位置との間を変位する構成としてもよいし、直線的動作や曲線的動作など複数の動きを組み合わせて待機位置と演出位置との間を変位する構成としてもよい。勿論、移動することなく、第1回転手段が所定位置において回転可能に軸支(固定)された構成としてもよい。
(e―3)第1回転手段(第1回転体)の形状や、透光部に係る構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、上回転体820が、透光部として花弁を模した6個の可動片825を備えた構成となっているが、透光部の数や配置、形状等は、これに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。透光部を1つだけ備えた構成としてもよい。
また、上記実施形態では、透光部である可動片825が上回転体820の径方向にスライド変位して、該上回転体820が拡径したり縮径したりする構成となっているが、これに限らず、透光部が、第1回転手段の径方向に変位しない構成、つまり第1回転手段の大きさが変化しない構成としてもよい。例えば第1回転手段を正面視円形状の円盤体としてもよい。
また、上記実施形態では、各可動片825の一般部が、表示部42aに表示される表示対象を識別困難な半透明部材により構成されているが、これに限らず、表示部42aに表示される表示対象を識別可能な透明部材により構成してもよい。
また、可動片825を透光素材により形成する必要はなく、可動片825を遮光素材により形成した構成としてもよい。かかる場合、各特定可動片825において、光を透過(視認)可能な貫通孔や切欠き部が形成された構成としてもよい。また、正面視円形状の円盤体の周方向に等間隔で透光部となる所定個数の貫通孔等が形成された第1回転手段を採用してもよい。つまり、光の透過率の異なる部位が存在する第1回転手段であってもよい。
(e―4)上記実施形態では、第2回転手段(第2回転体)である左右の下回転体856A,856Bの被作用部(情報記載部856Aa,856Ab,856Ba,856Bb)に対し作用する作用部として、6枚の可動片825のうち、1つの可動片825(特定可動片825A)において、拡大レンズ部828が形成されている。
これに限らず、拡大レンズ部828を省略した構成としてもよい。また、拡大レンズ部828に代えて又は加えて、作用部として縮小レンズ部を備えた構成としてもよい。これを用いて、例えば左右の下回転体856A,856Bの被作用部(情報記載部856Aa,856Ab,856Ba,856Bb)が縮小表示されるような外れ演出等を行う構成としてもよい。
(e―5)第1回転手段(第1回転体)の回転駆動源は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、上回転体820が上回転体用駆動モータ821を駆動源として回転する構成となっているが、これに限らず、回転駆動源として、ソレノイド等の他のアクチュエータを採用してもよい。
また、遊技領域へ打ち込まれる遊技球を利用して回転する構成を採用してもよい。例えばアウト口36内に水車のような回転駆動部材を配置すると共に、該回転駆動部材の力を第1回転手段に対し伝達する駆動伝達機構を配置し、アウト口36から頻繁に排出されるアウト球を利用して、第1回転手段を回転駆動する構成としてもよい。また、遊技領域の所定位置を流下する遊技球を利用して、第1回転手段が回転する構成としてもよい。要するに、発射手段により遊技領域内へ発射された遊技球を利用して第1回転手段が回転可能となる構成であれば、どのような構成であってもよい。
(f)第2回転手段の構成は、上記実施形態の第2回転体としての左下回転体856Aや右下回転体856Bに限定されるものではない。
(f-1)例えば上記実施形態では、第2回転手段(第2回転体)として正面視略長方形状の板状の下回転体856A,856Bを採用しているが、第2回転手段の数や形状、情報記載部に係る構成などは、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば左下回転体856A又は右下回転体856Bのいずれか一方を省略し、第2回転手段を1つだけ備えた構成としてもよい。また、第2回転手段を3つ以上備えた構成としてもよい。
第2回転手段として、例えば前後方向を軸方向として回転可能な正面視円形状の回転体を備え、該回転体に1又は3つ以上の情報記載部を備えた構成としてもよい。
(f-2)第2回転手段として、例えば球状など異なる他の形状の回転体を採用してもよい。
例えば図114に示すように、第2回転手段(第2回転体)に係る可動役物として、図示しない移動用駆動手段により移動可能に設けられた所定の支柱部880と、該支柱部880の上端部に設けられた収容部881と、該収容部881内に収容された球状の第2回転手段(球状体)としての球部材882と、該球部材882の姿勢や向きなどを制御するための複数のアクチュエータ(図示略)等からなる回転用駆動手段とを備えた可動役物を採用してもよい。
図114に例示した可動役物においては、収容体881の前面部に開口形成された開口部883を介して、球部材882の表面の複数箇所(例えば4箇所)に設けられた情報記載部884のうちの1つが視認可能となる。かかる情報記載部884には、例えば「アタリ」や「ハズレ」等といった文字情報が記載されていてもよい。
ここで、上記球部材882を透光性部材により構成してもよい。そして、収容部881後方に配置された所定の発光手段から出射された光が、収容部881の背面開口部(図示略)を介して球部材882内に入射し、開口部883を介して遊技者に視認可能となるようにしてもよい。
又は、球部材882を金属素材により構成してもよいし、球部材882の表面にメッキ加工等を施した構成としてもよい。そして、所定の発光手段から出射された光(窓部101を介してパチンコ機10の外部から入射する光などを含む。)が、開口部883を介して前方から球部材882に照射され、ここで反射された光を遊技者が視認可能となる構成としてもよい。
(f―3)上記実施形態では、下回転体856A,856Bが前後方向を軸方向として回転可能に構成されているが、第2回転手段の回転軸方向は、これに限定されるものではない。
例えば図114に例示した第2回転手段としての球部材882において、上下方向や水平方向、斜め方向を回転軸方向として回転させる構成としてもよい。さらに、第2回転手段の回転軸方向(姿勢)が変化可能な構成としてもよい。例えば図114に示した例において、収容部881の8つのコーナー部に球部材882を支持可能な球受け部材(図示略)を備え、該球受け部材を制御することにより、該球受け部材を介して球部材882の三次元的な姿勢制御を行う構成としてもよい。
(f―4)上記実施形態における下回転体856A,856Bの情報記載部856Aa,856Ab,856Ba,856Bbは、透光性を有する素材により構成され、後方に位置する演出表示装置42の表示部42aから発せられる光を所定の透過率で透過可能に構成されている。
これに限らず、少なくとも情報記載部856Aa等(下回転体856A,856B全体でもよい。)が、透光性を有しない不透明材料(例えば金属材料)により構成されていてもよい。さらに、情報記載部856Aa等に対し研磨加工やメッキ加工等が行われることで、光を反射可能な反射部としてもよい。
そして、所定の発光手段から出射された光(窓部101を介してパチンコ機10の外部から入射する光などを含む。)が、上回転体820の可動片825を介して前方から情報記載部856Aa等に照射される構成としてもよい。
さらに、拡大レンズ部828を介して、情報記載部856Aa等に記載された情報を遊技者が視認可能となる構成としてもよい。
また、情報記載部856Aa等が、外側に向け凸となるように球面状に湾曲形成されている構成としてもよい。かかる構成とすれば、パチンコ機10の前面側から入射する光のみならず、遊技盤30の側方など多方向から照射される光をパチンコ機10の前面側へ反射させることができる。
(f―5)第2回転手段(第2回転体)の移動機構は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、下可動役物851を上下動させる上下駆動機構852を備え、下回転体856A,856Bが、センターフレーム47の下辺部47b裏側の待機位置と、演出表示装置42の表示部42a前面側の演出位置との間を上下方向に変位する構成となっている。
これに限らず、例えば下回転体856A,856B(下可動役物851)の位置が上下方向のみならず、左右方向や前後方向などにも移動可能な構成としてもよい。
加えて、前後方向へ移動可能な構成の下では、例えば下回転体856A,856B(下可動役物851)が、遊技盤30の前方領域から後方領域へ移動可能な構成としてもよい。さらに、下回転体856A,856B(下可動役物851)が、遊技盤30の後方領域において、上下方向や左右方向へ移動可能な構成としてもよい。この際、遊技盤30の後方領域へ移動した下回転体856A,856Bを所定位置まで案内可能な後方案内手段としてのガイド部材を備えた構成としてもよい。
さらに、左下回転体856A及び右下回転体856Bがそれぞれ独立して個別に移動可能かつ両者が相対移動可能な構成としてもよい。勿論、それぞれが個別に上下方向や左右方向、前後方向等へ移動可能な構成としてもよい。また、それぞれが個別に遊技盤30の前方領域から後方領域へ移動可能な構成としてもよいし、それぞれが個別に遊技盤30の後方領域にて移動可能に構成されていてもよい。
また、下回転体856A,856Bの移動経路や移動速度、回転速度などが複数通り(複数パターン)設定され、下回転体856A,856Bの移動経路や移動速度、回転速度などが適宜変化する構成としてもよい。加えて、下回転体856A,856Bが移動する経路を変更する処理を実行可能な経路変更手段を備えた構成としてもよい。例えば移動経路を変更するための所定の抽選を行い、この抽選の結果に基づき、下回転体856A,856Bの移動経路を決定する構成としてもよい。
(f―6)第2回転手段(第2回転体)の回転駆動源は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、下回転体856A,856Bが下回転体用駆動モータ855A,855Bを駆動源として回転する構成となっているが、これに限らず、回転駆動源として、例えばソレノイドなど他のアクチュエータを採用してもよい。
また、下回転体856A,856Bに接触可能かつ下回転体856A,856Bの動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備え、該可動部材から受ける力により、下回転体856A,856Bが移動する構成としてもよい。
例えば停止状態にある下回転体856A,856Bに対し、所定の可動部材(例えばハンマー型役物など)を衝突させることにより、下回転体856A,856Bの移動動作や回転動作が開始するような構成としてもよい。
(f―7)上記実施形態では、第2回転手段である下回転体856A,856Bが演出領域(所定領域)となる演出表示装置42の表示部(液晶表示部)42aの前面側において回転動作を行うように構成されているが、第1回転手段と同様、第2回転手段が回転動作を行う領域は、これに限定されるものではない。
例えばセンターフレーム47の前面領域や、可変入賞装置32等の各種入賞装置の内部領域、遊技盤30の前面領域(遊技領域)において、第2回転手段が回転可能かつ移動可能な構成を採用してもよい。また、遊技盤30の後方領域において、第2回転手段が回転動作を行う構成としてもよい。
(g)第1回転手段及び第2回転手段(上回転体820及び下回転体856A,856B)を用いた回転体演出が行われる時期など、回転体演出に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
(g-1)上記実施形態では、サポート継続演出(ルーレット演出)が行われる場合の付加演出として上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた回転体演出が行われる構成となっているが、これに限らず、例えばリーチ演出の付加演出など、異なる場面で上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた回転体演出が行われる構成としてもよい。
例えば上記発展なしパターン(下役物演出なしの上回転体820のみの回転演出)を、遊技者に大当たり抽選の当選を告知する一発告知演出等に使用してもよい。
(g-2)上記実施形態では、大当たり終了後のサポートモードの継続の有無の抽選(サポート回数)の抽選演出を行う構成となっているが、これに限らず、大当たり抽選と同時に又は大当たり中において、所定の入球手段への入球を契機として、これに基づいて大当たり状態の種別(ラウンド数)を決定する種別抽選が行われるとともに、当該抽選の結果を教示するための演出として、例えば上記各種発展演出パターン(上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた演出)のような回転体演出が行われる構成としてもよい。
また、大当たり状態中又はその最後に回転体演出を行う場合において、例えば大当たり状態中に所定の入球手段へ入球した際に保留された抽選結果が大当たり当選結果を含むものである場合(いわゆる保留連が発生する場合)には、左下回転体856Aの両情報記載部856Aa,856Ab(又は右下回転体856Bの両情報記載部856Ba,856Bb)のうち、第1情報記載部856Aaの「強・SMALL」(又は第1情報記載部856Baの「強・BIG」)が拡大停止表示される構成、若しくは、拡大停止表示されやすくなる構成としてもよい。一方、保留された抽選結果に大当たり当選結果が含まれない場合(いわゆる保留連が発生しない場合)には、第2情報記載部856Abの「弱・SMALL」(又は第2情報記載部856Bbの「弱・BIG」)が拡大停止表示される構成、若しくは、拡大停止表示されやすくなる構成としてもよい。
(g-3)上記実施形態では、高サポートモードの付与が継続される期待度(遊技価値が付与され得る期待度)に応じて、役物演出、さらには発展演出(上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた回転体演出)が行われる割合が変化するように構成されている。
これに限らず、例えば所定の抽選処理により当選結果が得られた場合(大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与される旨の結果)が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、役物演出、さらには発展演出(上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた回転体演出)が行われる割合が多くなる構成としてもよい。
また、高サポートモードの付与が継続される場合(遊技価値が付与される場合)のみ、又は、所定の抽選処理により当選結果が得られた場合(大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与される旨の結果)が得られた場合にのみ、役物演出又はその発展演出(上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた回転体演出)が確定演出として行われる構成としてもよい。
(h)上記実施形態では、第2回転手段である左右の下回転体856A,856Bの被作用部(情報記載部856Aa,856Ab,856Ba,856Bb)に対し、第1回転手段である上回転体820の作用部(拡大レンズ部828)が作用する構成となっているが、第1回転手段と第2回転手段とが互いに作用する構成は、これに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
(h-1)例えば第1回転手段である上回転体820の被作用部に対し、第2回転手段である下回転体856A,856Bが作用する構成としてもよい。具体的な構成として、例えば上回転体820において、「拡大レンズ部828」に代えて被作用部として「特定情報記載部(例えば「当たり」等の文字)」を設け、左下回転体856Aにおいて、「第1情報記載部856Aa」に代えて第1の作用部として「縮小レンズ部」を設けると共に、「第2情報記載部856Ab」に代えて第2の作用部として「拡大レンズ部」を設けた構成の下、上回転体820よりも前方位置にて左下回転体856Aが回転及び停止するよう構成し、上回転体820及び左下回転体856Aの停止時において、前記特定情報記載部(「当たり」等の文字)が「拡大レンズ部」によって拡大表示されたり、「縮小レンズ部」によって縮小表示されるような演出を行う構成としてもよい。
さらに、ここで第1の態様で作用する場合(「縮小レンズ部」によって縮小表示される場合)よりも、第2の態様で作用する場合(「拡大レンズ部」によって拡大表示される場合)の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなる構成としてもよい。又は、第1の態様で作用する場合よりも、第2の態様で作用する場合の方が、第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態となる割合が多くなるように構成してもよい。
(h-2)上記実施形態では、特に言及していないが、第1回転手段である上回転体820と、第2回転手段である左右の下回転体856A,856Bとが近接状態においても互いに離間した状態を維持するように構成されている。
これに限らず、例えば第1回転手段である上回転体820と、第2回転手段である左右の下回転体856A,856Bとが近接状態において接触可能となった構成としてもよい。
例えば上回転体820及び下回転体856A,856Bの停止時において、下回転体856A,856Bの情報記載部856Aa等の周縁部に対し、上回転体820の作用部(拡大レンズ部828)の周縁部が接触する構成としてもよい。これにより、下回転体856A,856Bの情報記載部856Aa等の周縁部と、上回転体820の作用部(拡大レンズ部828)の周縁部との間に隙間が生じにくくなる。結果として、該隙間から光が漏れて、該漏れた光によって情報記載部856Aa等が視認しづらくなったり、情報記載部856Aa等の輝度が低下するなどの不具合の発生を抑制することができる。
(i)上記実施形態では、演出用の操作手段としての遊技者が押圧操作可能な演出ボタン125が設けられている。操作手段の構成及びこれを用いた演出は、上記実施形態に限定されるものではない。
(i-1)上記実施形態では、遊技者により演出ボタン125が操作されたことを契機として、第2回転手段である下回転体856A,856Bが動作を開始し、発展演出(上回転体820及び下回転体856A,856Bを用いた回転体演出)が行われる構成となっている。これに限らず、操作手段が操作されたことを契機とすることなく、所定の演出プログラムに則して発展演出が開始される構成としてもよい。
(i-2)遊技者が操作した操作手段の操作態様に応じて、下回転体856A,856Bの動作態様が変化可能な構成としてもよい。
例えば下回転体856A,856Bの左右方向の移動量を調節可能な第1の操作部としてスライドレバーを備えると共に、下回転体856A,856Bの上昇動作の開始タイミング及び停止タイミングを決定可能な第2の操作部として演出ボタン125とを備え、下回転体856A,856Bが回転動作を行う座標位置を上下左右2次元的に調整可能な構成としてもよい。
また、上記発展演出を行う段階において、下回転体856A,856Bが上昇する動作に絡めて、表示部42aにキャラクタを表示しつつ、下回転体856A,856Bを下方へ押し下げて発展演出の実行を阻止しようとする表示演出を行うとともに、これに対抗して、該下方へ押し下げられそうになっている下回転体856A,856Bを、遊技者が演出ボタン125を連打することにより、くい止めるような演出を行う構成としてもよい。
(i-3)演出領域へ案内された下回転体856A,856Bが所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段(例えばラチェット機構)を備えた構成としてもよい。これにより、演出領域において、下回転体856A,856Bがより安定して動作することができるようになる。
(j)上記実施形態では、所定の演出プログラムに則して、上回転体820及び下回転体856A,856Bの動作制御(モータ制御等)を行うことにより、回転体演出に係る種々の演出が行われる構成となっている。
これに限らず、演出領域(所定領域)において所定位置を通過する下回転体856A,856Bを検出可能な検出手段を備え、下回転体856A,856Bが前記検出手段により検出されることに基づき、回転体演出に係る種々の演出を実行可能な構成としてもよい。
例えば上述したように下回転体856A,856Bが回転動作を行う座標位置を遊技者が上下左右2次元的に決定可能な構成とした場合において、遊技者によって決定された下回転体856A,856Bの座標位置を複数の検出手段により特定し、該特定された座標位置に合わせて、上回転体820の回転態様や拡大レンズ部828の停止位置を変更可能な構成としてもよい。
尚、検出手段としては、下回転体856A,856Bを検出可能なものであれば、どのようなタイプのものでも可能であるが、演出領域が遊技者の視認可能な領域であることを考慮して、例えば測距センサなど、下回転体856A,856Bの有無を非接触で検出可能なタイプのものであることが好ましい。
(k)上記実施形態では、特に言及していないが、上回転体820や下回転体856A,856Bなどの回転体においては、回転時の摩擦等により静電気が帯電するおそれがある。これに鑑み、上回転体820や下回転体856A,856Bなどに帯電した静電気を逃がすアース構造を備えた構成としてもよい。
例えば上回転体820や下回転体856A,856Bにおいて、導電性を有する導電部を備えると共に、センターフレーム47等など演出領域(所定領域)外において、導電性を有する所定の導電部材を備え、上回転体820や下回転体856A,856Bの待機状態等において、上回転体820や下回転体856A,856Bの導電部が、センターフレーム47等の導電部材に接触する構成としてもよい。そして、センターフレーム47等の導電部材を図示しない所定のアース端子に対し電気的に接続しておくことにより、上回転体820や下回転体856A,856Bに帯電する静電気を除去することができる。
ここで、比較的簡素に構成されている下回転体856A,856Bに関しては、少なくとも一部又は全部を導電性金属材料により形成した構成としてもよい。これに代えて又は加えて、下回転体856A,856Bの表面にメッキ加工等を施した構成としてもよい。
また、下回転体856A,856Bが所定の待機位置から前記演出領域(所定領域)へ移動する経路の一部に沿って、導電性材料よりなる長尺状の導電部材が配設されている構成としてもよい。
さらに、下回転体856A,856Bのうち、少なくとも導電部材と接触する導電部については、外側に凸となるように球面状に湾曲形成された構成としてもよい。つまり半球凸状の導電部を備えた構成としてもよい。
[付記]
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
従来課題VA.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば回転手段が1つだけ設けられ、該回転手段に搭載された発光手段が、回転手段の回転に合わせて点灯・点滅するだけで、回転手段の演出が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VA1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成され、光を透過可能な透光部を有した第1回転手段と、
所定の光を出射可能な発光手段とを備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
前記第1位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
尚、上記「所定の契機」としては、例えば「遊技領域内に設けられた所定の入球手段へ遊技球が入球すること」等が態様例として挙げられる(以下の各種手段においても同様)。
また、「遊技価値」を付与することには、例えば賞球等の遊技媒体の払出しを行うことや、遊技者に有利な特別遊技状態(当たり状態や遊技モードなど)を付与することなどが含まれる(以下の各種手段でも同様)。
また、第2回転手段が「所定態様で回転可能」な構成には、例えば第1回転手段と同様、第2回転手段が前後方向を軸方向として回転可能な構成が含まれる(以下の各種手段でも同様)。勿論、これとは異なる態様で第2回転手段が回転可能な構成としてもよい(以下の各種手段でも同様)。例えば、第2回転手段が左右方向を軸方向として回転可能な構成としてもよい。
また、「第2回転手段が第1回転手段に対し相対移動可能」な構成とは、例えば前後方向に見た所定領域正面視(遊技盤正面視)において、第1回転手段の中心位置(回転軸の位置)を基準として、第2回転手段の中心位置(回転軸の位置)が上下方向や左右方向などへ移動可能な構成を意味している(以下の各種手段でも同様)。従って、所定領域正面視において、第1回転手段の中心位置と第2回転手段の中心位置の位置関係が変化しないもの、つまり2つの回転手段の中心が前後方向同一軸線上に並ぶように配設され、正面視における位置関係が固定され、2つの回転手段の相対位置関係が周方向へのみ変化するような構成のものは含まれない。
上記手段VA1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
特に本手段では、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、回転手段を用いて遊技演出を行う演出装置の1つとして、回転手段に複数の発光手段を搭載し、該回転手段を回転させながら、発光手段を所定のパターンで点滅させることにより、残像として文字や図形などを表示させるバーサライタ等が知られている。
ところが、バーサライタ等のように、回転手段に複数の発光手段を搭載する構成では、回転手段が大型化・重量化してしまい、回転手段の動作性が低下するおそれがある。
さらに、回転駆動される回転手段に複数の発光手段を搭載する場合には、通常、回転手段に搭載された発光手段と、回転手段の外部に設置された制御機器との間を接続する信号線や動力線をスリップリング等を介して電気的に接続しなければならず、配線や制御が複雑化するおそれがある。
このため、このような演出装置においては、回転手段の動作性が低く、回転手段の動作演出が単調になりやすかった。
これに対し、本手段によれば、2つの回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射される光の視認態様を変化させることができるため、回転手段に発光手段を搭載することなく、回転手段の大型化や重量化を抑制し、各回転手段の動作性を高めることができる。
尚、仮に1つの回転手段を用いて、光の視認態様の切換え速度(回転手段の外周部の速度)を速めるために、回転手段の径を大きくした場合には、慣性等の影響により、回転手段やモータ等に係る負荷が大きくなるおそれがある。
これに対し、本手段によれば、2つの回転手段を重ねることで、回転手段やモータ等に係る負荷を増大させることなく、光の視認態様の切換え速度を速めることが可能となる。結果として、回転手段やモータ等の耐久性の向上を図ることができる。
手段VA2.前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、
前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、
遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていることを特徴とする手段VA1に記載の遊技機。
上記手段VA2によれば、2つの回転手段の位置関係(近接状態)の違いにより、所定の有利状態となる割合が変化するといった遊技演出を行うことができる。
結果として、遊技者が期待感を持って第2回転手段の動作等を注視するようになり、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段VA3.遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、
前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、
前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、
前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていることを特徴とする手段VA1に記載の遊技機。
上記手段VA3によれば、上記手段VA2と同様の作用効果が奏される。
手段VA4.所定条件の成立時には、非成立時に比べ、
前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていることを特徴とする手段VA1乃至手段VA3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VA4によれば、所定条件の成立時(例えば所定の抽選処理により当選結果が得られた場合)には、非成立時(例えば所定の抽選処理により当選結果が得られない場合)に比べ、第1回転手段と第2回転手段とが第2位置関係(近接状態)となる割合が多くなる。
つまり、遊技状況に応じて、第1回転手段と第2回転手段とが第2位置関係となる割合が変化することとなる。結果として、遊技にメリハリができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段VA5.前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、
前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VA5によれば、互いに相対移動可能な複数の第2回転手段を備えると共に、これらが第1回転手段に対し個別に作用可能に構成されていることにより、遊技演出のさらなる多様化を図ることができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
ここで、例えば複数の第2回転手段のうちの所定の第2回転手段が他の第2回転手段に対し作用可能な構成としてもよい。これにより、遊技演出のさらなる多様化を図ることができる。
手段VA6.前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、
前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、
前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VA6によれば、第1回転手段の回転周期や発光手段の点滅周期を調整(変更)することにより、ストロボ現象(ワゴンホイール効果)等を利用した回転手段演出を行うことが可能となり、回転手段(透光部)の見かけ上の動作態様を変化させることができる。結果として、遊技演出の多様化を図ることができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
ここで、「点滅制御」とは、発光手段が点灯状態と消灯状態とを周期的に繰り返す制御をいう。
例えばN個の透光部が前記所定間隔分の距離を移動する透光部移動周期(透光部が1形成ピッチ間隔分だけ移動する周期)よりも、発光手段の点滅周期が短くなる点滅制御を実行した場合には、所定のタイミングで発光手段が点灯して遊技者が視認した透光部は、次に発光手段が点灯するタイミングにおいては、未だ1形成ピッチ間隔分の距離に到達していない手前側位置で視認されることとなる。
かかる構成とすれば、見かけ上、回転手段(透光部)が実際の回転方向とは逆方向へ回転しているように見えるストロボ現象(ワゴンホイール効果)を生じさせることができる。これにより、例えば正方向へ回転している回転手段が突然、急反転したかのように遊技者に錯覚させる視覚的効果などを生じさせることができる。
尚、モータ等を用いた回転手段の回転駆動制御には機械的な限界がある。このため、動作態様等によっては、その動作が緩慢に見えてしまい、遊技者の興趣を低下させるおそれがある。
例えば正方向へ回転している回転手段(モータ)の回転方向を、減速期間を設けることなく逆方向へ急反転させる駆動制御を行うことは、慣性等の影響より極めて難しい。加えて、回転手段(モータ)の回転方向を急反転させた場合には、回転手段やモータ等に係る負荷が著しく大きくなるおそれがある。ひいては、回転手段とモータの組付け状態にガタツキが生じるなど、耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、上記構成によれば、回転手段やモータ等に係る負荷を増やすことなく、例えば正方向へ回転している回転手段が突然、急反転したかのような演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図ることができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段VA7.所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていることを特徴とする手段VA1乃至VA6のいずれかに記載の遊技機。
仮に所定領域を移動する第2回転手段の径が比較的大きい場合には、慣性等の影響により、駆動機構等に係る負荷が大きくなると共に、第2回転手段の移動制御を行いにくくなるおそれがある。
この点、上記手段VA7によれば、制動性を高め、上記不具合の発生を抑制することができる。
手段VA8.前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA7のいずれかに記載の遊技機。
手段VA8によれば、手段VB1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA8に係る構成の下、手段VB3と同様、「前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていること」としてもよい。これにより、手段VB3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA8に係る構成の下、手段VB4と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていること」としてもよい。これにより、手段VB4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA8に係る構成の下、手段VB5と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA8に係る構成の下、手段VB6と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA8に係る構成の下、手段VB7と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VB7と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA8に係る構成の下、手段VB8と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていること」としてもよい。これにより、手段VB8と同様の作用効果が奏される。
手段VA9.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA8のいずれかに記載の遊技機。
手段VA9によれば、手段VC1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA9に係る構成の下、手段VC2と同様、「遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始すること」としてもよい。これにより、手段VC2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA9に係る構成の下、手段VC3と同様、「少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VC3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA9に係る構成の下、手段VC4と同様、「前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VC4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA9に係る構成の下、手段VC5と同様、「前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA9に係る構成の下、手段VC6と同様、「前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA9に係る構成の下、手段VC7と同様、「前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていること」としてもよい。これにより、手段VC7と同様の作用効果が奏される。
手段VA10.前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA9のいずれかに記載の遊技機。
手段VA10によれば、手段VD1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA10に係る構成の下、手段VD2と同様、「所定の光を出射可能な発光手段を備え、前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD2と同様の作用効果が奏される。
加えて、手段VD3と同様、「前記発光手段として所定の表示手段を備え、前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA10に係る構成の下、手段VD5と同様、「前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA10に係る構成の下、手段VD6と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD6と同様の作用効果が奏される。
手段VA11.前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA10のいずれかに記載の遊技機。
手段VA11によれば、手段VE1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA11に係る構成の下、手段VE2と同様、「前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたこと」としてもよい。これにより、手段VE2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA11に係る構成の下、手段VE3と同様、「前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていること」としてもよい。これにより、手段VE3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA11に係る構成の下、手段VE4と同様、「前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であること」としてもよい。これにより、手段VE4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA11に係る構成の下、手段VE5と同様、「少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VE5と同様の作用効果が奏される。
手段VA12.前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA11のいずれかに記載の遊技機。
手段VA12によれば、手段VF1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA12に係る構成の下、手段VF2と同様、「前記一方の回転手段は、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA12に係る構成の下、手段VF3と同様、「前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA12に係る構成の下、手段VF4と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA12に係る構成の下、手段VF5と同様、「前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA12に係る構成の下、手段VF6と同様、「前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VF6と同様の作用効果が奏される。
手段VA13.前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VA1乃至VA12のいずれかに記載の遊技機。
手段VA13によれば、手段VG1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA13に係る構成の下、手段VG2と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA13に係る構成の下、手段VG3と同様、「前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていること」としてもよい。これにより、手段VG3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA13に係る構成の下、手段VG4と同様、「前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VG4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA13に係る構成の下、手段VG5と同様、「前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VG5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VA13に係る構成の下、手段VG6と同様、「前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG6と同様の作用効果が奏される。
従来課題VB.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。例えば回転手段を回転させながら、該回転手段に搭載した発光手段を点灯・点滅等させる演出を行うものがある。
これに代えて、例えば回転手段と発光手段とを別々に設け、発光手段の前方位置にて回転手段を回転させて種々の遊技演出を行う構成とすることも考えられる。
しかしながら、かかる構成の下、仮に回転手段の少なくとも一部が、光を通さない遮光材料により形成されている場合、遊技者の目には、当該部分の前面側意匠面が暗く映り、当該意匠面が視認しづらくなるおそれがある。
結果として、回転手段の意匠性が低下し、ひいては遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VB1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成され、光を透過可能な透光部を有した第1回転手段を備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視(遊技盤正面視)における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段VB1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
さらに、本手段によれば、第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)においては、第1回転手段の透光部と重なる第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射される構成となっている。
これにより、仮に第2回転手段の少なくとも一部が、光を通さない遮光材料により形成されている場合であっても、遊技者の目に、当該部分の前面側意匠面が暗く映り、当該意匠面が視認しづらくなるといった不具合は発生しにくくなる。
結果として、意匠性の低下抑制を図り、ひいては遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段VB2.所定の光を出射可能な発光手段を備え、
前記第1位置関係(非近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係(近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする手段VB1に記載の遊技機。
上記手段VB2によれば、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
ここで、手段VB2に係る構成の下、手段VA2と同様、「前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB2に係る構成の下、手段VA3と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB2に係る構成の下、手段VA4と同様、「所定条件の成立時には、非成立時に比べ、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB2に係る構成の下、手段VA5と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB2に係る構成の下、手段VA6と同様、「前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB2に係る構成の下、手段VA7と同様、「所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていること」としてもよい。これにより、手段VA7と同様の作用効果が奏される。
手段VB3.前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていることを特徴とする手段VB1又はVB2に記載の遊技機。
発光手段と第1回転手段との間に透光性部材が配設されている場合、発光手段から出射される光の輝度は、透光性部材を通過することにより低下する。
例えば電飾装置のように、発光手段としてのLED等の前面側において、カバー部材等の透光性部材が配設された構成においては、LED等から出射される光の輝度は、カバー部材等を通過することにより低下する。
同様に、液晶表示装置のように、発光手段としてのバックライトの前面側に、各種透光性部材が積層されてなる液晶パネルが配設された構成においては、バックライトから出射される光の輝度は、各種透光性部材を通過することにより低下する。
従って、本手段VB3に係る構成の下においては、上記手段VB1等の作用効果がより奏功することとなる。
手段VB4.少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VB4によれば、第2回転手段の剛性を高め、耐久性や耐摩耗性を高めることができる。さらに、第2回転手段の所定部位を研磨加工するだけで、反射部を形成することができ、製造工程の簡素化を図ることができる。また、反射部(第2回転手段の少なくとも一部)に錆止め処理等が行われた構成としてもよい。
手段VB5.少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていることを特徴とする手段VB1乃至VB4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VB5によれば、研磨加工(鏡面仕上げ)が行われることで、より光沢のある反射部を形成することができる。結果として、上記手段VB1等の作用効果をより高めることができる。
手段VB6.少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていることを特徴とする手段VB1乃至VB5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VB6によれば、反射部における光の反射率を高めることができ、上記手段VB1等の作用効果をより高めることができる。
手段VB7.少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VB7によれば、遊技機前面側(遊技機外部)から照射される光のみならず、遊技盤の側方など多方向から照射される光を遊技機前面側へ反射させることができる。結果として、上記手段VB1等の作用効果をより高めることができる。
手段VB8.少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていることを特徴とする手段VB1乃至VB7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VB8によれば、反射部の情報記載部に記載された所定の情報を、遊技者が、第1回転手段の透光部を通して視認可能となる。
これにより、2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)を用いた遊技演出を、さらに多様化することができ、上記手段VB1の作用効果をより高めることができる。
手段VB9.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB8のいずれかに記載の遊技機。
手段VB9によれば、手段VC1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB9に係る構成の下、手段VC2と同様、「遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始すること」としてもよい。これにより、手段VC2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB9に係る構成の下、手段VC3と同様、「少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VC3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB9に係る構成の下、手段VC4と同様、「前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VC4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB9に係る構成の下、手段VC5と同様、「前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB9に係る構成の下、手段VC6と同様、「前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB9に係る構成の下、手段VC7と同様、「前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていること」としてもよい。これにより、手段VC7と同様の作用効果が奏される。
手段VB10.前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB9のいずれかに記載の遊技機。
手段VB10によれば、手段VD1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB10に係る構成の下、手段VD2と同様、「所定の光を出射可能な発光手段を備え、前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD2と同様の作用効果が奏される。
加えて、手段VD3と同様、「前記発光手段として所定の表示手段を備え、前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB10に係る構成の下、手段VD5と同様、「前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB10に係る構成の下、手段VD6と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD6と同様の作用効果が奏される。
手段VB11.前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB10のいずれかに記載の遊技機。
手段VB11によれば、手段VE1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB11に係る構成の下、手段VE2と同様、「前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたこと」としてもよい。これにより、手段VE2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB11に係る構成の下、手段VE3と同様、「前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていること」としてもよい。これにより、手段VE3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB11に係る構成の下、手段VE4と同様、「前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であること」としてもよい。これにより、手段VE4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB11に係る構成の下、手段VE5と同様、「少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VE5と同様の作用効果が奏される。
手段VB12.前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB11のいずれかに記載の遊技機。
手段VB12によれば、手段VF1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB12に係る構成の下、手段VF2と同様、「前記一方の回転手段は、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB12に係る構成の下、手段VF3と同様、「前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB12に係る構成の下、手段VF4と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB12に係る構成の下、手段VF5と同様、「前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB12に係る構成の下、手段VF6と同様、「前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VF6と同様の作用効果が奏される。
手段VB13.前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VB1乃至VB12のいずれかに記載の遊技機。
手段VB13によれば、手段VG1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB13に係る構成の下、手段VG2と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB13に係る構成の下、手段VG3と同様、「前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていること」としてもよい。これにより、手段VG3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB13に係る構成の下、手段VG4と同様、「前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VG4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB13に係る構成の下、手段VG5と同様、「前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VG5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VB13に係る構成の下、手段VG6と同様、「前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG6と同様の作用効果が奏される。
従来課題VC.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば所定の演出条件が成立した場合に、予め設定された動作で回転手段が回転動作を行う構成となっていた。このため、回転手段の演出が単調になりやすく、回転手段が動作することに対する遊技者の興味が薄れがちであった。かかる点で、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VC1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成された第1回転手段を備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視(遊技盤正面視)における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段VC1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
さらに、本手段によれば、遊技者が操作した操作手段の操作態様に応じて、第2回転手段の動作態様が変化するよう構成されている。ひいては、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係を変化させることができる。結果として、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、興趣の向上を図ることができる。
ここで、「操作手段の操作態様」には、例えば操作回数や操作変位量などが含まれる。例えばボタン式操作手段を押下操作した操作回数や、ジョグダイヤルやスライドレバー等の可動式操作手段の操作変位量などが含まれる。
手段VC2.遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始することを特徴とする手段VC1に記載の遊技機。
上記手段VC2によれば、それまで待機状態にあった第2回転手段の動作開始タイミングを遊技者自身が決定できるようになる。これにより、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VC3.少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VC1又はVC2に記載の遊技機。
上記手段VC3によれば、遊技者は第2回転手段の移動量を操作手段の操作変位量に基づき変化させることができるようになる。これにより、遊技者は自身が遊技に能動的に参加しているという意識を強め、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VC4.前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたことを特徴とする手段VC1乃至VC3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VC1等に係る構成の下、仮に第2回転手段の移動量を遊技者が思ったとおりに変化させることができる構成とした場合には、開発者が予定していた移動量以上に第2回転手段を移動させようとする遊技者が現れるおそれがある。第2回転手段を所定量以上、移動させようとした場合には、第2回転手段が所定部位に衝突し該第2回転手段又は該所定部位が破損等してしまうおそれがある。
これに対し、上記手段VC4によれば、上記移動規制手段を備えることにより、上述したような不具合の発生を低減することができる。
手段VC5.前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていることを特徴とする手段VC1乃至VC4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VC1等に係る構成の下、仮に第2回転手段の移動量を遊技者が思ったとおりに変化させることができる構成とした場合には、第1回転手段の演出領域となる所定領域へ第2回転手段が適切に案内されないおそれがある。
これに対し、上記手段VC5によれば、上記案内手段を備えることにより、上述したような不具合の発生を低減することができる。
手段VC6.前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていることを特徴とする手段VC3乃至VC5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VC1等に係る構成の下、仮に第2回転手段を遊技者が思ったとおりに動作させることができる構成とした場合には、一旦、所定領域へ案内された前記第2回転手段が再び所定領域外(待機位置)へ戻ってしまい、回転手段演出が適切に行われないといった事態が発生するおそれがある。
これに対し、上記手段VC6によれば、上記戻り規制手段を備えることにより、上述したような不具合の発生を低減することができる。
手段VC7.前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていることを特徴とする手段VC1乃至VC6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VC7によれば、遊技者は自身で多くの動作決定を行うことができるようになり、自身が遊技に能動的に参加しているという意識をさらに強め、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VC8.所定の光を出射可能な発光手段を備え、
前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第1位置関係(非近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係(近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする手段VC1乃至VC7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VC8によれば、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
ここで、手段VC8に係る構成の下、手段VA2と同様、「前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC8に係る構成の下、手段VA3と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC8に係る構成の下、手段VA4と同様、「所定条件の成立時には、非成立時に比べ、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC8に係る構成の下、手段VA5と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC8に係る構成の下、手段VA6と同様、「前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC8に係る構成の下、手段VA7と同様、「所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていること」としてもよい。これにより、手段VA7と同様の作用効果が奏される。
手段VC9.前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする手段VC1乃至VC8のいずれかに記載の遊技機。
手段VC9によれば、手段VB1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC9に係る構成の下、手段VB3と同様、「前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていること」としてもよい。これにより、手段VB3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC9に係る構成の下、手段VB4と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていること」としてもよい。これにより、手段VB4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC9に係る構成の下、手段VB5と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC9に係る構成の下、手段VB6と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC9に係る構成の下、手段VB7と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VB7と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC9に係る構成の下、手段VB8と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていること」としてもよい。これにより、手段VB8と同様の作用効果が奏される。
手段VC10.前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VC1乃至VC9のいずれかに記載の遊技機。
手段VC10によれば、手段VD1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC10に係る構成の下、手段VD2と同様、「所定の光を出射可能な発光手段を備え、前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD2と同様の作用効果が奏される。
加えて、手段VD3と同様、「前記発光手段として所定の表示手段を備え、前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC10に係る構成の下、手段VD5と同様、「前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC10に係る構成の下、手段VD6と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD6と同様の作用効果が奏される。
手段VC11.前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする手段VC1乃至VC10のいずれかに記載の遊技機。
手段VC11によれば、手段VE1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC11に係る構成の下、手段VE2と同様、「前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたこと」としてもよい。これにより、手段VE2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC11に係る構成の下、手段VE3と同様、「前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていること」としてもよい。これにより、手段VE3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC11に係る構成の下、手段VE4と同様、「前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であること」としてもよい。これにより、手段VE4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC11に係る構成の下、手段VE5と同様、「少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VE5と同様の作用効果が奏される。
手段VC12.前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VC1乃至VC11のいずれかに記載の遊技機。
手段VC12によれば、手段VF1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC12に係る構成の下、手段VF2と同様、「前記一方の回転手段は、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC12に係る構成の下、手段VF3と同様、「前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC12に係る構成の下、手段VF4と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC12に係る構成の下、手段VF5と同様、「前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC12に係る構成の下、手段VF6と同様、「前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VF6と同様の作用効果が奏される。
手段VC13.前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VC1乃至VC12のいずれかに記載の遊技機。
手段VC13によれば、手段VG1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC13に係る構成の下、手段VG2と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC13に係る構成の下、手段VG3と同様、「前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていること」としてもよい。これにより、手段VG3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC13に係る構成の下、手段VG4と同様、「前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VG4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC13に係る構成の下、手段VG5と同様、「前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VG5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VC13に係る構成の下、手段VG6と同様、「前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG6と同様の作用効果が奏される。
従来課題VD.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば回転手段が1つだけ設けられ、該回転手段が所定の回転動作を行ったり、該回転手段に搭載された発光手段が点灯・点滅するだけであった。このため、回転手段の演出が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
これに鑑み、例えば回転手段を含む複数の可動体を連動させる演出を行うことが考えられるが、このような構成とした場合には、複数の可動体の動作ズレ等により、複数の可動体を、遊技者に視認させたい演出態様で連動させたり停止させたりすることができない状態が生じるおそれがある。このような状態が生じた場合には、遊技者にとっての興趣が著しく低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VD1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成された第1回転手段を備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視(遊技盤正面視)における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段VD1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
但し、第2回転手段が所定領域を移動する構成の下では、組付け誤差や経年劣化等により、該第2回転手段が位置ズレを起こすおそれがある。このような位置ズレが生じた場合には、第1回転手段と第2回転手段との相対位置関係が適切な位置関係とならず、上述したような演出効果が適切に生じないおそれがある。
尚、従来では、可動体の位置を把握するため、待機位置(基準位置)にある可動体を検出する検出手段が設けられている場合が多い。しかし、かかる構成だけでは、実際に演出が行われる演出領域(所定領域)における可動体の位置を把握することができないため、上記課題で述べたような不具合が発生するおそれがある。
これに対し、上記手段VD1によれば、演出領域となる所定領域において、所定位置を通過した第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、該検出手段により第2回転手段が検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能な構成となっている。
これにより、所定領域における演出実行時おいて、回転手段の動作態様と所定の演出の開始タイミング等とにタイムラグが生じにくくなり、上記不具合の発生を抑制することできる。
結果として、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
手段VD2.所定の光を出射可能な発光手段を備え、
前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたことを特徴とする手段VC1に記載の遊技機。
上記手段VD2によれば、発光手段の発光態様が変更されるといった視覚的効果が生じる演出を適切なタイミングで実行することができる。
手段VD3.前記発光手段として所定の表示手段を備え、
前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたことを特徴とする手段VD2に記載の遊技機。
上記手段VD3によれば、表示手段の表示態様が変更されるといった視覚的効果が生じる演出を適切なタイミングで実行することができる。
手段VD4.前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第1位置関係(非近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係(近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする手段VD2又はVD3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VD4によれば、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
ここで、手段VD4に係る構成の下、手段VA2と同様、「前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD4に係る構成の下、手段VA3と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD4に係る構成の下、手段VA4と同様、「所定条件の成立時には、非成立時に比べ、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD4に係る構成の下、手段VA5と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD4に係る構成の下、手段VA6と同様、「前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD4に係る構成の下、手段VA7と同様、「所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていること」としてもよい。これにより、手段VA7と同様の作用効果が奏される。
手段VD5.前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、
前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VD5によれば、遊技演出を多様化することができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VD6.前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VD6によれば、遊技演出を多様化することができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VD7.前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD6のいずれかに記載の遊技機。
手段VD7によれば、手段VB1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD7に係る構成の下、手段VB3と同様、「前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていること」としてもよい。これにより、手段VB3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD7に係る構成の下、手段VB4と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていること」としてもよい。これにより、手段VB4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD7に係る構成の下、手段VB5と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD7に係る構成の下、手段VB6と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD7に係る構成の下、手段VB7と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VB7と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD7に係る構成の下、手段VB8と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていること」としてもよい。これにより、手段VB8と同様の作用効果が奏される。
手段VD8.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD7のいずれかに記載の遊技機。
手段VD8によれば、手段VC1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD8に係る構成の下、手段VC2と同様、「遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始すること」としてもよい。これにより、手段VC2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD8に係る構成の下、手段VC3と同様、「少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VC3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD8に係る構成の下、手段VC4と同様、「前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VC4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD8に係る構成の下、手段VC5と同様、「前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD8に係る構成の下、手段VC6と同様、「前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD8に係る構成の下、手段VC7と同様、「前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていること」としてもよい。これにより、手段VC7と同様の作用効果が奏される。
手段VD9.前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD8のいずれかに記載の遊技機。
手段VD9によれば、手段VE1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD9に係る構成の下、手段VE2と同様、「前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたこと」としてもよい。これにより、手段VE2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD9に係る構成の下、手段VE3と同様、「前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていること」としてもよい。これにより、手段VE3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD9に係る構成の下、手段VE4と同様、「前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であること」としてもよい。これにより、手段VE4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD9に係る構成の下、手段VE5と同様、「少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VE5と同様の作用効果が奏される。
手段VD10.前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD9のいずれかに記載の遊技機。
手段VD10によれば、手段VF1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD10に係る構成の下、手段VF2と同様、「前記一方の回転手段は、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD10に係る構成の下、手段VF3と同様、「前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD10に係る構成の下、手段VF4と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD10に係る構成の下、手段VF5と同様、「前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD10に係る構成の下、手段VF6と同様、「前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VF6と同様の作用効果が奏される。
手段VD11.前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VD1乃至VD10のいずれかに記載の遊技機。
手段VD11によれば、手段VG1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD11に係る構成の下、手段VG2と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD11に係る構成の下、手段VG3と同様、「前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていること」としてもよい。これにより、手段VG3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD11に係る構成の下、手段VG4と同様、「前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VG4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD11に係る構成の下、手段VG5と同様、「前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VG5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VD11に係る構成の下、手段VG6と同様、「前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG6と同様の作用効果が奏される。
従来課題VE.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。
しかしながら、回転手段においては、回転時の摩擦等により静電気が帯電するおそれがある。そして、この回転手段が移動可能に構成されている場合には、該回転手段が他の電気機器(他の回転手段を含む)と接触又は近接した場合に、該電気機器に対し静電気が流れ、該電気機器自体は勿論のこと、遊技機に対し多大な影響を与えるおそれがある。
例えば表示装置の画面の乱れや、制御信号へのノイズ混入等などが懸念されると共に、ひどい場合には、電気機器が損傷を受けたり、電気機器等が誤動作するといった種々の不具合が発生するおそれがある。
結果として、遊技演出が適切に行われず、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VE1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成された第1回転手段を備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視(遊技盤正面視)における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段VE1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
さらに、本手段によれば、第2回転手段が導電部を少なくとも一部に有し、該第2回転手段の導電部と接触可能な導電部材(アース部材)を備えた構成となっている。
これにより、第2回転手段に帯電した静電気を導電部材を介して逃がすことができ、静電気に起因した上記種々の不具合の発生を抑制することができる。
ひいては、可動役物や表示装置など各種演出装置の誤作動を抑制することができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
手段VE2.前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたことを特徴とする手段VE1に記載の遊技機。
仮に演出領域となる所定領域内に上記導電部材を配設した場合には、該導電部材が遊技者の目に触れてしまうため、意匠性が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段VE2によれば、このような不具合の発生を抑制することができる。
手段VE3.前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていることを特徴とする手段VE1又はVE2に記載の遊技機。
上記手段VE3によれば、第1回転手段と接触等し得る前段階の移動途中において、第2回転手段に帯電した静電気を逃がすことができ、上記手段VE1等の作用効果をより高めることができる。
手段VE4.前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であることを特徴とする手段VE1乃至VE3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VE4によれば、第2回転手段が導電部材に接触しやすくなり、より確実に静電気を逃がすことができる。
手段VE5.少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VE5によれば、第2回転手段の導電部と、所定の導電部材との接触面積を小さくし、第2回転手段の移動時における摩擦抵抗を小さくすることができる。結果として、第2回転手段を円滑に移動させることができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
手段VE6.所定の光を出射可能な発光手段を備え、
前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第1位置関係(非近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係(近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VE6によれば、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
ここで、手段VE6に係る構成の下、手段VA2と同様、「前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE6に係る構成の下、手段VA3と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE6に係る構成の下、手段VA4と同様、「所定条件の成立時には、非成立時に比べ、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE6に係る構成の下、手段VA5と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE6に係る構成の下、手段VA6と同様、「前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE6に係る構成の下、手段VA7と同様、「所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていること」としてもよい。これにより、手段VA7と同様の作用効果が奏される。
手段VE7.前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE6のいずれかに記載の遊技機。
手段VE7によれば、手段VB1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE7に係る構成の下、手段VB3と同様、「前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていること」としてもよい。これにより、手段VB3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE7に係る構成の下、手段VB4と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていること」としてもよい。これにより、手段VB4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE7に係る構成の下、手段VB5と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE7に係る構成の下、手段VB6と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE7に係る構成の下、手段VB7と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VB7と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE7に係る構成の下、手段VB8と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていること」としてもよい。これにより、手段VB8と同様の作用効果が奏される。
手段VE8.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE7のいずれかに記載の遊技機。
手段VE8によれば、手段VC1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE8に係る構成の下、手段VC2と同様、「遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始すること」としてもよい。これにより、手段VC2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE8に係る構成の下、手段VC3と同様、「少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VC3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE8に係る構成の下、手段VC4と同様、「前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VC4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE8に係る構成の下、手段VC5と同様、「前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE8に係る構成の下、手段VC6と同様、「前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE8に係る構成の下、手段VC7と同様、「前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていること」としてもよい。これにより、手段VC7と同様の作用効果が奏される。
手段VE9.前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE8のいずれかに記載の遊技機。
手段VE9によれば、手段VD1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE9に係る構成の下、手段VD2と同様、「所定の光を出射可能な発光手段を備え、前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD2と同様の作用効果が奏される。
加えて、手段VD3と同様、「前記発光手段として所定の表示手段を備え、前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE9に係る構成の下、手段VD5と同様、「前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE9に係る構成の下、手段VD6と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD6と同様の作用効果が奏される。
手段VE10.前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE9のいずれかに記載の遊技機。
手段VE10によれば、手段VF1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE10に係る構成の下、手段VF2と同様、「前記一方の回転手段は、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE10に係る構成の下、手段VF3と同様、「前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE10に係る構成の下、手段VF4と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE10に係る構成の下、手段VF5と同様、「前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE10に係る構成の下、手段VF6と同様、「前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VF6と同様の作用効果が奏される。
手段VE11.前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VE1乃至VE10のいずれかに記載の遊技機。
手段VE11によれば、手段VG1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE11に係る構成の下、手段VG2と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE11に係る構成の下、手段VG3と同様、「前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていること」としてもよい。これにより、手段VG3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE11に係る構成の下、手段VG4と同様、「前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VG4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE11に係る構成の下、手段VG5と同様、「前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VG5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VE11に係る構成の下、手段VG6と同様、「前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG6と同様の作用効果が奏される。
従来課題VF.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば回転手段が1つだけ設けられ、該回転手段に搭載された発光手段が、回転手段の回転に合わせて点灯・点滅するだけで、回転手段の演出が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
これに対し、複数の回転手段を設けることも考えられるが、これらが互いに影響を及ぼすことなく無関係に、単に回転等しているだけであると、回転手段の演出が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VF1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成された第1回転手段を備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視(遊技盤正面視)における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段VF1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
さらに、本手段VF1によれば、一方の回転手段(例えば第2回転手段)の被作用部に対し、他方の回転手段(例えば第1回転手段)が所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されている。
つまり、一方の回転手段の被作用部に対し他方の回転手段が作用する態様の違いにより、一方の回転手段が異なる態様で動作することとなる。
結果として、2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)の動作態様の多様化を図ることができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段VF2.前記一方の回転手段は、
前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、
前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていることを特徴とする手段VF1に記載の遊技機。
上記手段VF2によれば、上記手段VF1の作用効果をより高めることができる。
手段VF3.前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、
遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていることを特徴とする手段VF2に記載の遊技機。
上記手段VF3によれば、回転手段の動作態様の違いにより、所定の有利状態となる割合が変化するといった遊技演出を行うことができる。結果として、遊技者が期待感を持って回転手段の動作等を注視するようになり、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段VF4.遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、
前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、
前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていることを特徴とする手段VF2に記載の遊技機。
上記手段VF4によれば、上記手段VF3と同様の作用効果が奏される。
手段VF5.前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF4のいずれかに記載の遊技機。
仮に被作用部が光を透過可能な透光部として構成されている場合において、他方の回転手段と一方の回転手段の被作用部との間に隙間が生じてしまうと、該隙間から光が漏れてしまい、該漏れた光によって被作用部が視認しづらくなったり、被作用部自身の輝度が低下するなどの不具合が発生するおそれがある。
これに対し、上記手段VF5によれば、このような不具合の発生を抑制することができる。
手段VF6.前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたことを特徴とする手段VF1乃至VF5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VF6によれば、可動体が第2回転手段に接触することにより、第2回転手段の動作態様が変化するよう構成されている。結果として、回転手段等の動作態様が多様化し、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば停止状態にある第2回転手段に対し、所定の可動部材(例えばハンマー型役物)を作用させることを契機として、第2回転手段が動作を開始するような構成としてもよい。
手段VF7.所定の光を出射可能な発光手段を備え、
前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第1位置関係(非近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係(近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VF7によれば、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
ここで、手段VF7に係る構成の下、手段VA2と同様、「前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF7に係る構成の下、手段VA3と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF7に係る構成の下、手段VA4と同様、「所定条件の成立時には、非成立時に比べ、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF7に係る構成の下、手段VA5と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF7に係る構成の下、手段VA6と同様、「前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF7に係る構成の下、手段VA7と同様、「所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていること」としてもよい。これにより、手段VA7と同様の作用効果が奏される。
手段VF8.前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF7のいずれかに記載の遊技機。
手段VF8によれば、手段VB1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF8に係る構成の下、手段VB3と同様、「前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていること」としてもよい。これにより、手段VB3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF8に係る構成の下、手段VB4と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていること」としてもよい。これにより、手段VB4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF8に係る構成の下、手段VB5と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF8に係る構成の下、手段VB6と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF8に係る構成の下、手段VB7と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VB7と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF8に係る構成の下、手段VB8と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていること」としてもよい。これにより、手段VB8と同様の作用効果が奏される。
手段VF9.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF8のいずれかに記載の遊技機。
手段VF9によれば、手段VC1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF9に係る構成の下、手段VC2と同様、「遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始すること」としてもよい。これにより、手段VC2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF9に係る構成の下、手段VC3と同様、「少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VC3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF9に係る構成の下、手段VC4と同様、「前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VC4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF9に係る構成の下、手段VC5と同様、「前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF9に係る構成の下、手段VC6と同様、「前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF9に係る構成の下、手段VC7と同様、「前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていること」としてもよい。これにより、手段VC7と同様の作用効果が奏される。
手段VF10.前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF9のいずれかに記載の遊技機。
手段VF10によれば、手段VD1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF10に係る構成の下、手段VD2と同様、「所定の光を出射可能な発光手段を備え、前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD2と同様の作用効果が奏される。
加えて、手段VD3と同様、「前記発光手段として所定の表示手段を備え、前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF10に係る構成の下、手段VD5と同様、「前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF10に係る構成の下、手段VD6と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD6と同様の作用効果が奏される。
手段VF11.前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF10のいずれかに記載の遊技機。
手段VF11によれば、手段VE1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF11に係る構成の下、手段VE2と同様、「前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたこと」としてもよい。これにより、手段VE2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF11に係る構成の下、手段VE3と同様、「前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていること」としてもよい。これにより、手段VE3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF11に係る構成の下、手段VE4と同様、「前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であること」としてもよい。これにより、手段VE4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF11に係る構成の下、手段VE5と同様、「少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VE5と同様の作用効果が奏される。
手段VF12.前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VF1乃至VF11のいずれかに記載の遊技機。
手段VF12によれば、手段VG1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF12に係る構成の下、手段VG2と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF12に係る構成の下、手段VG3と同様、「前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていること」としてもよい。これにより、手段VG3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF12に係る構成の下、手段VG4と同様、「前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VG4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF12に係る構成の下、手段VG5と同様、「前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VG5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VF12に係る構成の下、手段VG6と同様、「前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VG6と同様の作用効果が奏される。
従来課題VG.従来、遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行うパチンコ機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
このようなパチンコ機の中には、回転手段が回転することにより演出効果を生じさせるものもある(例えば特開2015-100385号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機においては、例えば回転手段が1つだけ設けられ、該回転手段が所定の回転動作を行ったり、該回転手段に搭載された発光手段が点灯・点滅するだけであった。このため、回転手段の演出が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
これに鑑み、相対変位可能な複数の回転手段を用いて演出を行うことが考えられるが、このような構成とした場合には、1つの回転手段の配置や動作によって、他の回転手段の動作が制限され、ダイナミックな演出を行うことが困難となるおそれがある。
結果として、回転手段を用いた演出が単調になりやすく、さらなる興趣の向上が望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段VG1.遊技領域を前面側に有する遊技盤と、
所定の契機に基づき抽選を行う抽選手段と、
前記抽選により当選結果が得られた場合に、所定の遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
所定領域において前後方向(遊技者の視線方向)を軸方向として回転可能かつ少なくとも所定の回転状態と所定の停止状態とに状態変化可能に構成された第1回転手段を備え、
前記所定領域において移動可能かつ所定態様で回転可能な第2回転手段が前記第1回転手段に対し相対移動可能に構成され、
所定領域正面視における前記第1回転手段と前記第2回転手段との相対位置関係が、
前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重ならない第1位置関係(非近接状態)と、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが重なる第2位置関係(近接状態)とに変化可能に構成され、
前記遊技盤は、透光性部材により構成され、その後方領域の少なくとも一部を前方より視認可能に構成され、
前記第1回転手段は、前記遊技盤の前方領域にて回転可能に構成され、
前記第2回転手段は、前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段VG1によれば、相対位置関係が変化する2つの回転手段(第1回転手段と第2回転手段)が重なり合ったり、離間したりする動作を行うことで、より躍動感のある遊技演出を実行することが可能となる。
尚、ここで仮に第1回転手段と第2回転手段の両者を遊技盤の前方領域(又は後方領域)にまとめて配置した場合には、前後スペースの関係で両回転手段をすれ違わせることができないなど、両回転手段の動作に制限がかかるおそれがある。
この点、本手段VG1によれば、第2回転手段が、遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されているため、遊技盤の前方領域に配置された第1回転手段によって制約を受けることなく、第2回転手段を、遊技盤の後方位置にて自由に動作させることができる。
また、このような第2回転手段の動作を、遊技者は、透光性部材よりなる遊技盤を介して視認することができる。
結果として、よりダイナミックでかつより多彩な遊技演出を行うことが可能となり、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VG2.前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、
前記複数の第2回転手段が個別に前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能、かつ、前記遊技盤の後方領域にて移動可能に構成されていることを特徴とする手段VG1に記載の遊技機。
上記手段VG2によれば、互いに相対移動可能な複数の第2回転手段を備えると共に、これらが個別に遊技盤の後方領域へ移動可能に構成されていることにより、遊技演出のさらなる多様化を図ることができる。結果として、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VG3.前記第2回転手段が前記遊技盤の前方領域から後方領域へ移動可能な経路が複数設けられていることを特徴とする手段VG1又はVG2に記載の遊技機。
上記手段VG3によれば、第2回転手段の動作態様が多様化し、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VG4.前記遊技盤の前方領域において、前記第2回転手段が移動する経路を変更可能な経路変更手段を備えたことを特徴とする手段VG1乃至VG3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VG4によれば、第2回転手段の動作態様をさらに多様化することができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VG5.前記遊技盤の後方領域へ移動した前記第2回転手段を所定位置まで案内可能な後方案内手段を備えていることを特徴とする手段VG1乃至VG4のいずれかに記載の遊技機。
遊技盤の後方領域には、表示装置や演出装置など多くの機器が配設されているため、遊技盤の前方領域に比べ、可動体を移動させるためのスペースに限りがあり、より正確に第2回転手段を移動させることが求められる。
これに対し、上記手段VG5によれば、上記後方案内手段を備えることにより、第2回転手段を所定位置まで正確に案内することができる。
手段VG6.前記第2回転手段の回転軸方向が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG5のいずれかに記載の遊技機。
仮に回転軸方向が固定され、単に回転方向が変化する演出が行われるだけでは遊技演出が単調となるおそれがある。
これに対し、上記手段VG6によれば、回転軸方向が変化可能に構成されていることで、より多様な演出を実行可能となり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段VG7.所定の光を出射可能な発光手段を備え、
前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第1位置関係(非近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部を通して前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が視認可能となり、
前記第2位置関係(近接状態)においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の少なくとも一部によって前記発光手段から出射された光の少なくとも一部が遮蔽可能となるよう構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段VG7によれば、第1回転手段と第2回転手段の相対位置関係の変化により、発光手段から出射された光の少なくとも一部を透過させたり、遮蔽したりすることができる。つまり、発光手段を点灯・点滅させる制御等を行うことなく、発光手段から出射された光の視認態様を変化させることができる。
これにより、第1回転手段及び第2回転手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、遊技演出の多様化を図り、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
ここで、手段VG7に係る構成の下、手段VA2と同様、「前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG7に係る構成の下、手段VA3と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第1の前記第2位置関係(近接状態)となった場合よりも、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが第2の前記第2位置関係(近接状態)となった場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG7に係る構成の下、手段VA4と同様、「所定条件の成立時には、非成立時に比べ、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが前記第2位置関係(近接状態)となる割合(頻度)が多くなるよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG7に係る構成の下、手段VA5と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ前記複数の第2回転手段同士が相対移動可能に構成され、前記複数の第2回転手段が前記第1回転手段に対し個別に作用可能(第1回転手段の少なくとも一部と第2回転手段の少なくとも一部とが個別に近接可能)に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG7に係る構成の下、手段VA6と同様、「前記第1回転手段は、所定個数N個(Nは1以上の整数)の前記透光部が、該第1回転手段の周方向に所定間隔をあけて等間隔(例えば回転軸を中心に所定角度360°/N個の等角度間隔)に配置され、前記発光手段を制御可能な発光制御手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光手段の点滅制御を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VA6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG7に係る構成の下、手段VA7と同様、「所定領域正面視における前記第2回転手段の径が、少なくとも前記第1回転手段の径より小さくなっていること」としてもよい。これにより、手段VA7と同様の作用効果が奏される。
手段VG8.前記第1回転手段は、光を透過可能な透光部を備え、
前記第2回転手段は、照射された光を反射可能な反射部を少なくとも一部に有し(第2回転手段の少なくとも一部が光を反射可能に構成され)、
前記第2位置関係においては、
前記第1回転手段の透光部と重なる前記第2回転手段の反射部の少なくとも一部に対し、前記第1回転手段の透光部を通して前方から光(遊技機外部から照射される光を含む)が照射可能に構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG7のいずれかに記載の遊技機。
手段VG8によれば、手段VB1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG8に係る構成の下、手段VB3と同様、「前記第1回転手段は、光を透過可能な所定の透光性部材の前面側において回転可能に設けられていること」としてもよい。これにより、手段VB3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG8に係る構成の下、手段VB4と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、金属材料により構成されていること」としてもよい。これにより、手段VB4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG8に係る構成の下、手段VB5と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、研磨加工が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG8に係る構成の下、手段VB6と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、メッキ加工(例えばクロムメッキ等)が施されていること」としてもよい。これにより、手段VB6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG8に係る構成の下、手段VB7と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VB7と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG8に係る構成の下、手段VB8と同様、「少なくとも前記反射部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、所定の情報(文字等)が記載された情報記載部を備えていること」としてもよい。これにより、手段VB8と同様の作用効果が奏される。
手段VG9.遊技者が操作可能な操作手段を備え、
遊技者が操作した前記操作手段の操作態様に応じて、前記第2回転手段の動作態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG8のいずれかに記載の遊技機。
手段VG9によれば、手段VC1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG9に係る構成の下、手段VC2と同様、「遊技者により前記操作手段が操作されることに基づき、前記第2回転手段が所定の動作を開始すること」としてもよい。これにより、手段VC2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG9に係る構成の下、手段VC3と同様、「少なくとも前記操作手段の操作変位量に基づき、前記第2回転手段の移動量(上下方向への移動量及び左右方向への移動量)が変化可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VC3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG9に係る構成の下、手段VC4と同様、「前記第2回転手段の所定量以上の移動を規制可能な移動規制手段を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VC4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG9に係る構成の下、手段VC5と同様、「前記第2回転手段を前記所定領域へ案内する案内手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG9に係る構成の下、手段VC6と同様、「前記所定領域へ案内された前記第2回転手段が前記所定領域外(待機位置)へ戻ることを規制可能な戻り規制手段を備えていること」としてもよい。これにより、手段VC6と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG9に係る構成の下、手段VC7と同様、「前記操作手段は、少なくとも前記第2回転手段の移動量を変更可能な第1の操作部と、前記第2回転手段に所定の動作を実行させるか否かを選択可能な第2の操作部とを備えていること」としてもよい。これにより、手段VC7と同様の作用効果が奏される。
手段VG10.前記所定領域において、
所定位置を通過した前記第2回転手段を検出可能な検出手段を備え、
前記第2回転手段が前記検出手段により検出されたことに基づき、所定の演出を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG9のいずれかに記載の遊技機。
手段VG10によれば、手段VD1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG10に係る構成の下、手段VD2と同様、「所定の光を出射可能な発光手段を備え、前記検出手段により前記第2回転手段が検出されたことに基づき、前記発光手段の発光態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD2と同様の作用効果が奏される。
加えて、手段VD3と同様、「前記発光手段として所定の表示手段を備え、前記発光手段の発光態様として、前記表示手段の表示態様を変更可能な構成としたこと」としてもよい。これにより、手段VD3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG10に係る構成の下、手段VD5と同様、「前記所定領域において前記検出手段を複数箇所に備え、前記複数箇所の検出手段のいずれに前記第2回転手段が検出されたかによって、異なる演出を実行可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG10に係る構成の下、手段VD6と同様、「前記所定領域において複数の前記第2回転手段が個別に移動可能かつ個別に前記所定位置を通過可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VD6と同様の作用効果が奏される。
手段VG11.前記第2回転手段は、導電性を有する導電部を少なくとも一部に有し(前記第2回転手段の少なくとも一部が導電性材料により構成され)、
前記第2位置関係(近接状態)において、前記第1回転手段の少なくとも一部と前記第2回転手段の少なくとも一部とが接触可能又は近接可能に構成され、
前記第1位置関係(非近接状態)において、前記第2回転手段の導電部が、導電性を有する所定の導電部材と接触可能に構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG10のいずれかに記載の遊技機。
手段VG11によれば、手段VE1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG11に係る構成の下、手段VE2と同様、「前記導電部材を前記所定領域とは異なる領域(所定領域外)に備えたこと」としてもよい。これにより、手段VE2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG11に係る構成の下、手段VE3と同様、「前記第2回転手段が所定の待機位置から前記所定領域へ移動する経路の一部に沿って、前記導電部材が配設されていること」としてもよい。これにより、手段VE3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG11に係る構成の下、手段VE4と同様、「前記導電部材は、前記第2回転手段が移動する経路の少なくとも所定区間に沿って配設された長尺状部材であること」としてもよい。これにより、手段VE4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG11に係る構成の下、手段VE5と同様、「少なくとも前記導電部(前記第2回転手段の少なくとも一部)は、(外側に凸となる球面状に)湾曲形成されていること」としてもよい。これにより、手段VE5と同様の作用効果が奏される。
手段VG12.前記第1回転手段及び前記第2回転手段のうちの一方の回転手段は、他方の回転手段から作用を受ける被作用部を少なくとも1つ備え、
前記他方の回転手段が前記一方の回転手段の被作用部に対し所定の態様で作用する場合には、該所定の態様に応じた動作態様で前記一方の回転手段が所定の動作を実行可能に構成されていることを特徴とする手段VG1乃至VG11のいずれかに記載の遊技機。
手段VG12によれば、手段VF1と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG12に係る構成の下、手段VF2と同様、「前記一方の回転手段は、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第1の態様で作用する場合には、該第1の態様に応じた第1の動作態様で動作を行い、前記他方の回転手段が前記被作用部に対し第2の態様で作用する場合には、該第2の態様に応じた第2の動作態様で動作を行うよう構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF2と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG12に係る構成の下、手段VF3と同様、「前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、遊技者に有利な所定の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF3と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG12に係る構成の下、手段VF4と同様、「遊技者に有利な第1の有利状態と、該第1の有利状態よりも遊技者に有利な第2の有利状態とが発生可能に構成され、前記一方の回転手段が前記第1の動作態様で動作を行う場合よりも、前記一方の回転手段が前記第2の動作態様で動作を行う場合の方が、前記第1の有利状態よりも前記第2の有利状態となる割合が多くなるように構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF4と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG12に係る構成の下、手段VF5と同様、「前記他方の回転手段が、前記一方の回転手段の被作用部に対し接触可能に構成されていること」としてもよい。これにより、手段VF5と同様の作用効果が奏される。
ここで、手段VG12に係る構成の下、手段VF6と同様、「前記第2回転手段に接触可能かつ該第2回転手段の動きに変化を生じさせ得る所定の可動部材を備えたこと」としてもよい。これにより、手段VF6と同様の作用効果が奏される。
尚、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段VA1~手段VA13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VB1~手段VB13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VC1~手段VC13のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VD1~手段VD11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VE1~手段VE11のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段VF1~手段VF12のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段VG1~手段VG12のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル等)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射装置等)と、該発射された遊技球が案内される遊技領域(遊技盤等)と、該遊技領域へ案内される複数の遊技球のうちのいずれかが入球可能な所定の入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、始動入賞口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
(ロ)上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10について図面を参照して詳しく説明する。但し、上述した第1,第2実施形態と重複する部分(同一の構成要素や同一の処理内容等)については、同一の部材名称、同一の符号を用いて説明する。
尚、本発明に係る遊技機(第3実施形態に係るパチンコ機10)は、本発明の第1計数手段としての第1計数機能部、本発明の第2計数手段としての第2計数機能部、本発明の減算手段としての減算機能部、本発明の情報設定手段としての情報設定機能部、本発明の演出実行手段としての演出実行機能部、本発明の更新手段としての更新機能部、本発明の継続手段としての継続機能部、本発明の特定対応表示実行手段としての特定対応表示実行機能部を有する。
「所定遊技状態」は、第2遊技回動作が行われ得る遊技状態であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば通常状態、遊技者に有利な小当たり状態又はその間に所定数を上限として保留された所定の抽選を行う権利に基づきその終了後に実行され得る所定期間の通常状態、遊技者に有利な大当たり状態又はその間に所定数を上限として保留された所定の抽選を行う権利に基づきその終了後に実行され得る所定期間の通常状態、変動表示時間が通常状態よりも短くかつ所定の入球手段へ遊技球が入球可能又は入球容易となる入球サポート付き時間短縮状態又はその間に所定数を上限として保留された所定の抽選を行う権利に基づきその終了後に実行され得る所定期間の通常状態、変動表示時間が通常状態よりも短くかつ所定の入球手段へ遊技球が入球不能又は入球困難となる入球サポートなし時間短縮状態又はその間に所定数を上限として保留された所定の抽選を行う権利に基づきその終了後に実行され得る所定期間の通常状態、抽選確率が通常状態よりも高くなる高確率状態又はその間に所定数を上限として保留された所定の抽選を行う権利に基づきその終了後に実行され得る所定期間の通常状態又は時間短縮状態など、いかなるものであってもよい。
「第1計数手段」は、第2遊技回動作に対応して設定された数値を基に計数が可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば電気的な記憶領域としてのRAM、バッファ等に設定されたカウンタ、複数のアドレスからなるエリア、ポインタ、機械式の計数装置など、いかなるものであってもよい。
勿論、「減算手段」は、これらに設定された数値情報を減算可能であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。
「減算条件」は、その条件が成立することに基づいて第1計数手段に設定された数値を減算させるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば第2遊技回動作が停止すること、第2遊技回動作の停止が確定すること、第2遊技回動作の停止後所定期間が経過することなど、いかなるものであってもよい。
「特定条件」は、その条件が成立することに基づいて対応する特定遊技状態を発生させるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。また、その条件としては、所定の入賞領域に遊技球が入球すること、その入球に基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、その抽選を行う権利を所定数を上限として保留しその保留された権利において所定の結果となること、遊技者が所定の操作手段に所定操作を行うこと、その操作に基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の入球領域に複数の遊技球が入球すること、所定の遊技回動作が行われること、所定期間が経過すること、所定の演出が所定回数行われること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
「第2計数手段」は、設定された数値を基に計数が可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、電気的な記憶領域としてのRAM、バッファ等に設定されたカウンタ、複数のアドレスからなるエリア、ポインタ、機械式の計数装置など、いかなるものであってもよい。また、そこに記憶される数値情報としては、複数回の遊技回数に対応した数値情報、外れ変動の実行回数に対応した数値情報、リーチ変動の実行回数に対応した数値情報、複数回の遊技条件の成立に対応した数値情報、所定期間の時間情報に対応した数値情報、遊技に使用された所定の遊技球数に対応した数値情報、所定の入球手段に入球した遊技球数に対応した数値情報、所定の操作手段の操作回数に対応した数値情報、払出しが行われた遊技球数に対応した数値情報など、いかなるものであってもよい。
勿論、「情報設定手段」及び「更新手段」は、これらの数値情報を設定又は更新可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。また、「特定対応表示実行手段」は、これらの数値情報に対応した特定対応表示を実行可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えばアニメーション表示、キャラクタ表示、アイコン表示、静止画表示など、いかなるものであってもよい。
「更新条件」は、その条件が成立することに基づいて第2計数手段に設定された数値を更新させるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば遊技回動作が停止すること、遊技回動作の停止が確定すること、遊技回動作の停止後所定期間が経過すること、遊技回動作が終了すること、遊技回動作が始動すること、遊技回動作の始動条件が成立すること、所定時間が経過すること、所定数の遊技球が発射又は払い出されること、所定の入球手段に所定数の遊技球が入球すること、所定の操作手段が所定回数操作されることなど、いかなるものであってもよい。
さて、図117等に示すように、パチンコ機10は、該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。但し、図117では便宜上、遊技盤30面上に配設される遊技部材(釘や役物等)や、前面枠14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
外枠11は、図120等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図115参照)。該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図120参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図119参照)。加えて、図117に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなる。
図117に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
内枠12の前面側には前面枠14が開閉可能に取付けられている。前面枠14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。尚、前面枠14は、内枠12を介してではなく、外枠11に直接開放可能に支持されるように構成してもよい。
前面枠14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細については後述する。
図115等に示すように、前面枠14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、下払出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した操作手段としての遊技球発射ハンドル(以下、単に「ハンドル」と称する。)18が設けられている。尚、ハンドル18には、遊技者が回転操作可能な回転操作部18aをはじめ、ハンドル18に人手が触れたことを検知可能なタッチセンサ(図示略)や、回転操作部18aの操作量を検知するための可変抵抗器(図示略)などが設けられている。かかる構成の下、回転操作部18aが右回りに回動操作されると、該回動操作量に応じた強さで、後述する発射装置60によって遊技球が発射される。
また、ハンドル18には、回転操作部18aを握った右手の親指で押圧操作可能なストップレバー18bが設けられている。該ストップレバー18bを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつ回転操作部18aの回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
図116に示すように、下皿15の上方には、遊技球を貯留可能な上皿19が設けられている。上皿19は、上払出口17から払出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態で払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び下払出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19の前縁部上面には、貸出スイッチ121、返却スイッチ122、及び、残高表示部124が設けられている。通常、遊技ホール等においては、パチンコ機10の左側方にCRユニット(図示略)が配置される。そして、CRユニットに対して残高のある遊技カードが挿入された状態で貸出スイッチ121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却スイッチ122は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。また、残高表示部124では、CRユニットに挿入されているカードの残高がいくらあるのかが表示される。
さらに、上皿19の前縁部上面には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123は、出没可能に構成されており、常には図示しない付勢手段によって上方へと付勢されている。かかる構成の下、球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19と下皿15との間が開通し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内されるようになっている。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
加えて、上皿19の前縁部上面には、演出ボタン125及び十字ボタン126が設けられている。演出ボタン125や十字ボタン126を操作することで、後述する演出表示装置42等において、所定の演出が行われたり、表示内容が変更されたりする。
前面枠14の前面には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、遊技状態の変化等に応じて発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部102が設けられている。また、電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、電飾部102の上部には、前面枠14の背面に設けられるスピーカSP(図117参照)に対応した微細な透孔が多数形成されている。
前面枠14の背面側には、ガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12について図118を参照して説明する。上述した通り、内枠12には、窓孔39の後側において、遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が樹脂ベース38の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技領域となる遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39の下方位置には、発射手段としての発射装置60、及び、該発射装置60によって発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。さらに、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30(遊技領域)の構成について図118を参照して説明する。遊技盤30には、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。レール50は、内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
内レール構成部51の先端部分(図118の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図118の右上部)には、返しゴム54が取着されている。これにより、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
遊技領域には、左一般入賞部31A,右一般入賞部31B、第1特別可変入球手段としての第1可変入賞装置(大当たり可変入賞装置)32A、第2特別可変入球手段としての第2可変入賞装置(小当たり可変入賞装置)32B、第1始動入球手段としての第1始動入賞部33WA、第2始動入球手段としての第2始動入賞部33WB、契機入球手段としてのスルーゲート34、可変表示装置ユニット35等が配設されている。以下、詳しく説明する。
遊技領域の略中央部には、可変表示装置ユニット35が配設され、その下方位置には、第1始動入賞部33WAが配設されている。
可変表示装置ユニット35には、各種表示演出を行う演出表示手段としての演出表示装置42が設けられると共に、該演出表示装置42を囲むようにセンターフレーム47が設けられている。センターフレーム47は、その中央に開口部が形成された枠体形状をなし、該開口部を介して演出表示装置42の表示部が視認可能となる。
センターフレーム47の下辺部上面には、遊技球が転動可能なステージ部770が設けられている。ステージ部770の中央部には、前方へ向け緩やかに下方傾斜した案内溝774が形成されている。図118に示すように、センターフレーム47が遊技盤30に配設された状態において、案内溝774は第1始動入賞部33WAの直上方に位置している。
センターフレーム47の左辺部には、その内部に、遊技球を通過させる球通路(ワープ流路)775が形成されている。球通路775の入口部は、センターフレーム47の左辺部中央左側(遊技盤30面側)に開口形成されている。一方、球通路775の出口部は、センターフレーム47の左辺部下端右側(ステージ部770側)に開口形成されている。かかる球通路775により、遊技盤30面上を流下する遊技球をセンターフレーム47内のステージ部770上へ案内することができる。
球通路775等を介して、ステージ部770上に案内された遊技球は、ステージ部770上を転動した後、ステージ部770の前縁部から遊技盤30面上に転落したり、案内溝774を介して遊技盤30面上へ排出されたりする。このうち、案内溝774を介して排出された遊技球は、比較的高い確率で第1始動入賞部33WAに入球可能となる。
第1始動入賞部33WAは、遊技盤30の前面部から前方へ突出するように設けられ、その上側に遊技球が常時入球可能な入賞口(第1始動入賞口)が開口している。また、第1始動入賞部33WAに対応する位置には、第1始動入賞口から入球した遊技球を検知可能な第1始動入賞スイッチ224aが設けられている。
かかる構成の下、第1始動入賞部33WAに遊技球が入球し、第1始動入賞スイッチ224aにより遊技球が検知された場合には、大当たり状態を発生させるか否かの第1当否抽選(大当たり抽選)等が行われると共に、後述する第1特別図柄表示装置43Aにて変動表示が行われる。
本実施形態では、第1始動入賞部33WAに遊技球が入球し第1始動入賞スイッチ224aにより遊技球が検知されることが「第1始動条件の成立」に相当し、これに基づき第1特別図柄表示装置43Aにて変動表示が行われることが「第1遊技回動作」に相当し、これらの制御を行う後述する主制御装置261の機能により「第1実行手段」が構成される。
第1始動入賞部33WAの下方位置には、第1可変入賞装置32Aが配設されている。第1可変入賞装置32Aは、遊技球が入球可能な大入賞口32Aaと、該大入賞口32Aaを開閉する大入賞口シャッタ32Abと、該大入賞口シャッタ32Abを開閉駆動する大入賞口用ソレノイド(図示略)と、大入賞口32Aaに入球した遊技球を検知可能な大入賞口カウントスイッチ222とを備えている。
かかる構成の下、第1可変入賞装置32Aは、通常時、大入賞口シャッタ32Abが上下に沿って大入賞口32Aaを閉塞し、遊技領域を流下する遊技球が大入賞口32Aaへ入球不能な閉状態となっている。また、かかる閉状態においては、大入賞口シャッタ32Abの前方を遊技球が流下可能となっている。
一方、大当たり状態が発生した場合には、第1可変入賞装置32Aは、大入賞口シャッタ32Abがその下辺を回動軸として前方へ傾倒し、遊技領域を流下する遊技球が大入賞口32Aaへ入球可能な開状態となる。尚、本実施形態では、大当たり状態が発生した場合に第1可変入賞装置32Aを開閉制御する主制御装置261の機能により「第1開閉制御手段」が構成される。
遊技領域の左側領域(可変表示装置ユニット35の左下方)には、遊技領域の周縁部に沿って複数の左一般入賞部31Aが配設されている。左一般入賞部31Aは、遊技盤30の前面部から前方へ突出するように設けられ、その上側に遊技球が常時入球可能な入賞口(一般入賞口)が開口している。また、左一般入賞部31Aに対応する位置には、一般入賞口から入球した遊技球を検知可能な左一般入賞スイッチ221aが設けられている。
遊技領域の右側領域(可変表示装置ユニット35の右側方)には、該領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能なスルーゲート34が設けられている。スルーゲート34には、ここを通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225が設けられている。尚、本実施形態では、遊技領域の左側領域が第1の領域を構成し、遊技領域の右側領域が第2の領域を構成する。
そして、スルーゲート34を遊技球が通過した場合(スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合)には、第2始動入賞部33WBを開状態とするか否かの始動入球サポート抽選が行われると共に、後述する普通図柄表示装置41にて該始動入球サポート抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。ここで、始動入球サポート抽選にて当選した場合には、該変動表示の終了後に第2始動入賞部33WBが規定時間だけ開状態とされる。
さらに、遊技領域の右側領域(可変表示装置ユニット35の右側方)には、スルーゲート34よりも下流側領域において、右一般入賞部31Bが配設されている。右一般入賞部31Bは、遊技盤30の前面部から前方へ突出するように設けられ、その上側に遊技球が常時入球可能な入賞口(一般入賞口)が開口している。また、右一般入賞部31Bに対応する位置には、一般入賞口から入球した遊技球を検知可能な右一般入賞スイッチ221bが設けられている。
また、遊技領域の右側領域下方(可変表示装置ユニット35の右下方)には、右一般入賞部31Bよりも下流側において、第2始動入賞部33WBが配設されている。本実施形態における第2始動入賞部33WBは、遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに状態変化する可変入賞装置である。
詳しくは、第2始動入賞部33WBは、遊技球が入球可能な第2始動入賞口33WBaと、該第2始動入賞口33WBaの左右両側にそれぞれ設けられた開閉部材としての左右一対の羽根部材33WBbと、該一対の羽根部材33WBbを開閉駆動する始動入賞口用ソレノイド(図示略)と、該第2始動入賞口33WBaに入球した遊技球を検知可能な第2始動入賞スイッチ224bとを備えている。
一対の羽根部材33WBbはそれぞれ回動可能に軸支されており、通常時には、互いに近接した閉位置(閉状態)に維持されている。また、第2始動入賞部33WBの直上方位置には、閉状態にある一対の羽根部材33WBb間への遊技球の進入を防止する進入防止部材145が設けられている。これにより、通常時、第2始動入賞部33WBは、遊技領域を流下する遊技球が第2始動入賞口33WBaへ入球不能な閉状態となっている。
一方、後述するように所定の開放条件が成立した場合には、一対の羽根部材33WBbがそれぞれ、互いの先端部が離間するように回動変位して開位置(開状態)となる。これにより、進入防止部材145と各羽根部材33WBbの先端部との間に遊技球が通過可能な隙間が形成され、第2始動入賞部33WBは、遊技領域を流下する遊技球が第2始動入賞口33WBaへ入球可能な開状態となる。
かかる構成の下、開状態となった第2始動入賞部33WBに遊技球が入球し、第2始動入賞スイッチ224bにより遊技球が検知された場合には、大当たり状態を発生させるか否かの第1当否抽選(大当たり抽選)や、小当たり状態を発生させるか否かの第2当否抽選(小当たり抽選)等が行われると共に、後述する第2特別図柄表示装置43Bにて変動表示が行われる。つまり、第2当否抽選(小当たり抽選)は、第2始動入賞部33WBへ遊技球が入球した場合のみ行われる。
本実施形態では、第2始動入賞部33WBに遊技球が入球し第2始動入賞スイッチ224bにより遊技球が検知されることが「第2始動条件の成立」に相当し、これに基づき第2特別図柄表示装置43Bにて変動表示が行われることが「第2遊技回動作」に相当し、これらの制御を行う後述する主制御装置261の機能により「第2実行手段」が構成される。
また、第1特別遊技状態としての大当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により「第1特別遊技状態発生手段」が構成され、第2特別遊技状態としての小当たり状態を発生させる主制御装置261の機能により「第2特別遊技状態発生手段」が構成される。このうち、後述する特定入球部320cへの遊技球の入賞を契機に大当たりを発生させる主制御装置261の機能により「特定入球部第1特別遊技状態発生手段」が構成される。
以下、説明の便宜上、第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBへの入球を契機に発生する大当たりを「直撃大当たり」と称する場合もある。また、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。また、第1変動表示の変動時間を「第1変動時間」と称し、第2変動表示の変動時間を「第2変動時間」と称する。
遊技領域の右側領域下方(可変表示装置ユニット35の右下方)には、第2始動入賞部33WBよりも下流側において、第2可変入賞装置32Bが配設されている。
第2可変入賞装置32Bは、その一部が遊技盤30の前面部から前方へ突出するように設けられ、該突出部分の上面部において、内部領域320aへ遊技球を入球させるための入球開口部320bが形成されている。本実施形態における第2可変入賞装置32Bの前面カバー部材(符号略)は、透明部材で形成されており、遊技者が内部領域320aを視認可能となっている。
また、第2可変入賞装置32Bは、入球開口部320bを開閉させる開閉部材318と、該開閉部材318を開閉動作させるソレノイド(図示略)とを備え、該ソレノイドを駆動制御し開閉部材318を開閉させることで、遊技領域を流下する遊技球が内部領域320aへ入球可能な開状態と、遊技領域を流下する遊技球が内部領域320aへ入球不能な閉状態とに状態変化可能に構成されている。
本実施形態では、通常時、第2可変入賞装置32Bは閉状態に維持され、後述する小当たり状態が発生した場合に、開状態へ状態変化可能に構成されている。尚、本実施形態では、小当たり状態が発生した場合に第2可変入賞装置32Bを開閉制御する主制御装置261の機能により「第2開閉制御手段」が構成される。
開閉部材318は、前後方向にスライド変位可能に設けられている。開閉部材318の上面は、右から左に向かって下方傾斜しており、開閉部材318が閉位置にあり、入球開口部320bが閉鎖された状態においては、開閉部材318の上面部が遊技球を左方(遊技盤30中央側)へ誘導する誘導路となる。
ここで、該誘導路を転動する遊技球を減速させるための減速手段(例えば誘導路を挟む前後の壁部において複数の突起が交互に突出形成された構成など)を設けた構成としてもよい。これにより、小当たり発生時に、より多くの遊技球を内部領域320aへ入球させることが可能となる。
そして、開閉部材318が閉位置にある通常時には、遊技球が開閉部材318の上面(誘導路)を右から左へ転動し、左端から遊技盤32面上へ落下し、第1可変入賞装置32Aの方へ流下する。
一方、開閉部材318が開位置へ退避し、入球開口部320bが開放状態となった場合には、遊技領域を流下する遊技球や誘導路上を転動している遊技球が内部領域320aへ入球可能となる。
第2可変入賞装置32Bの内部領域320aには、所定の流下経路に沿って、内部領域320aに入球した全ての遊技球を検知可能な入球カウントスイッチ223aと、該入球カウントスイッチ223aに検知された遊技球が入球可能な特定入球部(V入賞領域)320cと、特定入球部320cに入球した遊技球を検知する特定入球検知スイッチ(V入賞スイッチ)223bと、特定入球部320cを開閉可能な開閉弁319と、開閉弁319を開閉動作させるソレノイド(図示略)と、特定入球部320cへ入球しなかった遊技球が案内される非特定入球部320dと、非特定入球部320dに入球した遊技球を検知する非特定入球検知スイッチ223cとを備えている。
開閉弁319は、回動可能に軸支され、特定入球部320cへの入球を規制する閉位置と、特定入球部320cへの入球を許容する開位置とに変位可能に構成されている。
かかる構成の下、内部領域320aに入球した遊技球が、特定入球部320cの位置まで流下した際、開閉弁319が開位置にあり特定入球部320cが開状態となっていれば、該遊技球は特定入球部320c内に落下する。
一方、内部領域320aに入球した遊技球が、特定入球部320cの位置まで流下した際、開閉弁319が閉位置にあり特定入球部320cが閉状態となっていれば、該遊技球は特定入球部320cに落下することなく、開閉弁319上を通過して、非特定入球部320dへと案内される。
そして、小当たり状態が発生した際に、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに入球した遊技球が特定入球部320cに入球した場合には、第1可変入賞装置32Aが開状態とされる大当たり状態が発生するようになっている。以下、特定入球部(V入賞領域)320cへの遊技球の入賞(V入賞)を契機に発生する大当たりを「V入賞大当たり」と称する場合もある。
尚、本実施形態において、第2可変入賞装置32Bの特定入球部320cは、基本的に開放状態とされており、第2可変入賞装置32Bの入球開口部320bが開放される小当たり状態において、1個の遊技球が特定入球部320c内に入球し、その遊技球が特定入球検知スイッチ223bにより検出されると、開閉弁319が閉鎖状態に駆動制御され、これ以降に特定入球部320c上に誘導された遊技球は、非特定入球部320dへ誘導されることとなる。非特定入球部320dに入球した遊技球は、非特定入球部320dに設けられた非特定入球検知スイッチ223cにより検出される。
小当たり状態において開放された第2可変入賞装置32Bは、特定入球検知スイッチ223bおよび非特定入球検知スイッチ223cにより検出された球の合計個数が4個に達すると、開閉部材318により入球開口部320bが閉鎖され、遊技球が入球不能な閉状態とされる。特定入球部320cと非特定入球部320dとは、下方において合流する構成とされており、その合流された排出通路を通り、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに流入した遊技球は、遊技盤30裏側へ排出される。
尚、本実施形態では、小当り状態が発生して第2可変入賞装置32Bの入球開口部320bが開放される期間中においては、平均4個程度の遊技球が第2可変入賞装置32B内に進入可能なように設計されている。そして、第2可変入賞装置32B内に遊技球が進入可すると、遊技球が必ず(ほぼ100%)特定入球部320cに進入するように設計されている。従って、遊技者が遊技球を発射しない場合、及び、遊技者が右打ちしない場合を除き、右打ちをすれば、ほぼ100%の確率で遊技球が特定入球部320cに入賞して大当りが発生することとなる。
周知の通り、一般入賞部31A,31B、可変入賞装置32A,32B、始動入賞部33WA,33WB等の各種入賞部に遊技球が入球(入賞)すると、各種入賞スイッチにより検知され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。
本実施形態では、左一般入賞部31Aへ入球した場合には10個、右一般入賞部31Bへ入球した場合には3個、第1可変入賞装置32A(大入賞口32Aa)へ入球した場合には15個、第2可変入賞装置32B(特定入球部320c又は非特定入球部320d)へ入球した場合には5個、第1始動入賞部33WAへ入球した場合には3個、第2始動入賞部33WBへ入球した場合には3個の遊技球(賞球)が払出されるように構成されている。
その他に、遊技盤30には、遊技領域の最下部に対応してアウト口36が設けられており、一般入賞部31a,31b等の各種入賞部に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外(遊技盤30裏側)へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘や、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、本実施形態のパチンコ機10における各種遊技状態について説明する。先ず本実施形態における大当たりの種別について説明する。本実施形態では、大当たり種別として、「15ラウンド大当たり」、「8ラウンド大当たり」及び「4ラウンド大当たり」が設定されている。
以下、「15ラウンド大当たり」を「15R大当たり」と言い、図面では簡略化して「15RS」と記載する。同様に、「8ラウンド大当たり」を「8R大当たり」と言い、図面では簡略化して「8RS」と記載する。また、「4ラウンド大当たり」を「4R大当たり」と言い、図面では簡略化して「4RS」と記載する。
「15R大当たり」の大当たり状態においては、大当たり開放動作が15回(15ラウンド)繰り返し行われる。尚、「大当たり開放動作」とは、例えば第1可変入賞装置32Aの大入賞口シャッタ32Abが閉状態から開状態へ切替えられた後、規定時間の30秒が経過すること又は第1可変入賞装置32Aに規定個数の8個の遊技球が入賞することを条件に閉状態となるまでの一開閉動作をいう(以下同様)。
「8R大当たり」の大当たり状態においては、大当たり開放動作が8回(8ラウンド)繰り返し行われ、「4R大当たり」の大当たり状態においては、大当たり開放動作が4回(4ラウンド)繰り返し行われる。
但し、詳しくは後述するが、本実施形態に係る「V入賞大当たり」については、第2可変入賞装置32Bが開状態となる小当たり状態が第1ラウンドに相当することから、上記「大当たり開放動作(第1可変入賞装置32Aの開放)」は、それぞれ1ラウンド分、少なくなる。つまり「V入賞大当たり」により「15R大当たり」が発生した場合には上記「大当たり開放動作」が「14回」設定され、「8R大当たり」が発生した場合には上記「大当たり開放動作」が「7回」設定され、「4R大当たり」が発生した場合には上記「大当たり開放動作」が「3回」設定される。
また、本実施形態では、遊技球が第1始動入賞部33WAに入賞した場合と、第2始動入賞部33WBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なる。第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「15R大当たり」又は「4R大当たり」のどちらかに振分けられる(後述する時短Bモード中は除く)。また、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする当否抽選に当選した場合には、「15R大当たり」、「8R大当たり」又は「4R大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。
次に第2始動入賞部33WBに係る始動入球サポート状態について説明する。本実施形態における始動入球サポート状態は、第2始動入賞部33WBの羽根部材33WBbが比較的頻繁に開放され、遊技球が第2始動入賞部33WBへ入球し易くなる「高入球状態(高サポート状態)」と、該「高入球状態」よりも羽根部材33WBbが開放される割合が少なく、遊技球が第2始動入賞部33WBへ入球し難くなる「低入球状態(低サポート状態)」とに切替え設定される。
尚、「高入球状態」としては、(1)普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低入球状態」時よりも短い状態、(2)第2始動入賞部33WBの一回の開放時間(規定時間)が「低入球状態」時に比べて長い状態、(3)第2始動入賞部33WBの一回の開放につき入球可能となる遊技球の規定個数が「低入球状態」時に比べて多い状態、(4)始動入球サポート抽選の当選一回あたりの第2始動入賞部33WBの開放回数が「低入球状態」時に比べて多い状態、(5)始動入球サポート抽選の当選確率が「低入球状態」時よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における「高入球状態」は、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高入球状態」として、構成(1)~(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)~(5)の任意の組合せを採用してもよい。
具体的に、本実施形態では、始動入球サポート抽選に当選した場合の第2始動入賞部33WBの開放が、「低入球状態」では0.2秒×2回であり、「高入球状態」では1.8秒×2回である。これにより、「高入球状態」では、第2始動入賞部33WBに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなる。
尚、本実施形態では、「高入球状態」が「第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態」に相当し、「低入球状態」が「第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態」に相当し、第2始動入賞部33WBの羽根部材33WBb及びこれらを駆動制御する主制御装置261の機能により「補助手段」が構成される。
次に、特別図柄表示装置43a,43bの変動表示が行われる際の各種遊技状態(各種遊技モード)について説明する。
本実施形態では、所定遊技状態である遊技モードとして、「通常モード」、「始動入球サポートあり変動時間短縮モード(以下、「時短Aモード」という。)」、及び、「始動入球サポートなし変動時間短縮モード(以下、「時短Bモード」という。)」の3つの遊技モードが切替え設定される構成となっている。
「通常モード」では、特別図柄表示装置43A,43Bの変動表示が通常時間で行われる「通常変動状態」となり、かつ、始動入球サポート状態が「低入球状態」となる。
「時短Aモード」では、特別図柄表示装置43A,43Bの変動表示が通常時間よりも短い時間で行われる「変動時間短縮状態」となり、かつ、始動入球サポート状態が「高入球状態」となる。また、「通常変動状態」と「変動時間短縮状態」は、後述するように変動時間決定テーブルを変更することで切替えられる。
「時短Aモード」は、大当たり状態の終了後に付与される遊技モードであり、特別図柄表示装置43A,43Bにおける変動表示(主として第2特別図柄表示装置43Bにおける第2変動表示)が予め設定された所定回数だけ行われると終了し、その後、「通常モード」に移行する。
尚、本実施形態では、「15R大当たり」、「8R大当たり」又は「4R大当たり」のいずれの大当たり状態が発生した場合においても、該大当たり状態の終了後に、所定回数の「時短Aモード」が付与される構成となっている。具体的には、「15R大当たり」又は「8R大当たり」の終了後には、継続期間が変動表示7回分の「時短Aモード」が付与され、「4R大当たり」の終了後には、継続期間が変動表示1回分の「時短Aモード」が付与される。
「時短Bモード」では、特別図柄表示装置43A,43Bの変動表示が通常時間よりも短い時間で行われる「変動時間短縮状態」となり、かつ、始動入球サポート状態が「低入球状態」となる。本実施形態では、「時短Bモード」に設定されている状態が特定遊技状態に相当する。
「時短Bモード」は、第2始動入賞部33WBへの入球に基づき「通常モード」中に行われる第3当否抽選(時短当たり抽選)に当選した場合に付与される遊技モードであり、特別図柄表示装置43A,43Bにおける変動表示(主として第1特別図柄表示装置43Aにおける第1変動表示)が予め設定された所定回数だけ行われると終了し、その後、「通常モード」に移行する。
但し、上述したとおり、「通常モード」及び「時短Bモード」においては、第2始動入賞部33WBに係る始動入球サポート状態が「高入球状態」とならず、遊技球が第2始動入賞部33WBへ入球し難い「低入球状態」となるため、第2当否抽選(小当たり抽選)の結果に基づく小当たり状態は実質的には発生しないようになっている。仮に、小当たり状態が発生したとしても、後述するように「通常モード」及び「時短Bモード」における第2可変入賞装置32Bの小当たり開放動作は、0.1秒の開放が2回行われるだけであるため、実質的に遊技球が第2可変入賞装置32Bへ入球することは困難となる。
また、詳しくは後述するが、本実施形態では、演出表示装置42において、現在の遊技状態(遊技モード)に対応した各種表示演出が行われる。例えば「通常モード」において第1始動入賞部33WAへの入球に基づき行われる「通常ステージ演出」、継続期間が変動表示1回分の「時短Aモード」が付与されている場合に行われる「バトルステージ演出」、継続期間が変動表示7回分の「時短Aモード」が付与されている場合に行われる「ラッシュステージ演出」、「時短Aモード(バトルステージ演出又はラッシュステージ演出)」の終了後に行われ得る「継続チャンスステージ演出」、「時短Bモード」が付与されている場合において第1始動入賞部33WAへの入球に基づき行われる「ラッキーステージ演出」などがある。
図118に示すように、遊技領域の右上部外側には、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる始動入球サポート抽選の結果を教示するための普通表示手段としての普通図柄表示装置41と、第1始動入賞部33WAへの入球を契機として行われる第1当否抽選(大当たり抽選)の結果を教示するための第1特別表示手段としての第1特別図柄表示装置43Aと、第2始動入賞部33WBへの入球を契機として行われる第1当否抽選(大当たり抽選)、第2当否抽選(小当たり抽選)及び第3当否抽選(時短当たり抽選)の結果を教示するための第2特別表示手段としての第2特別図柄表示装置43Bとが、パチンコ機10の前方から視認可能に設けられている。
普通図柄表示装置41は、2個のLED(普図ランプ)により構成されている。普通図柄表示装置41では、スルーゲート34への遊技球の通過を契機として、例えば右側の普図ランプが点滅表示(変動表示)される。そして、普通図柄表示装置41にて変動表示が所定時間行われた後、始動入球サポート抽選の結果に基づいて、変動表示を停止させる。つまり、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している普図ランプの組合わせ)と、始動入球サポート抽選の各種結果とが対応付けられており、変動表示が停止したときの点灯態様により、始動入球サポート抽選の結果が確定的に表示される。例えば、左右の普図ランプを両方とも点灯させることで「当選」を示し、左側の普図ランプのみを点灯させることで「外れ」を示す。
第1特別図柄表示装置43Aは、4個のLED(第1特図ランプ)により構成されている。第1特別図柄表示装置43Aでは、第1始動入賞部33WAへの入球を契機として、第1特図ランプの切替表示(第1変動表示)が行われる。
そして、第1特別図柄表示装置43Aにて特定遊技である第1変動表示が所定時間行われる特定遊技状態が発生した後、第1当否抽選(大当たり抽選)の結果に基づいて、第1変動表示が停止されることとなる。つまり、第1変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合わせ)と、第1当否抽選(大当たり抽選)の各種結果とが対応付けられており、第1変動表示が停止したときの点灯態様により、第1当否抽選(大当たり抽選)の結果、すなわち「大当たり」又は「外れ」であることが確定的に表示される。
第2特別図柄表示装置43Bは、4個のLED(第2特図ランプ)により構成されている。第2特別図柄表示装置43Bでは、第2始動入賞部33WBへの入球を契機として、第2特図ランプの切替表示(第2変動表示)が行われる。
そして、第2特別図柄表示装置43Bにて特定遊技である第2変動表示が所定時間行われる特定遊技状態が発生した後、第1当否抽選(大当たり抽選)、第2当否抽選(小当たり抽選)又は第3当否抽選(時短当たり抽選)の結果に基づいて、第2変動表示が停止されることとなる。つまり、第2変動表示が停止したときの点灯態様(点灯している特図ランプの組合わせ)と、第1~第3当否抽選の各種結果とが対応付けられており、第2変動表示が停止したときの点灯態様により、第1~第3当否抽選の結果、すなわち「大当たり」、「小当たり」、「時短当たり」又は「外れ」であることが確定的に表示される。本実施形態では、第2変動表示が停止することが所定の更新条件の成立に相当し、「時短当たり」に当選した場合が特定条件が成立した場合に相当する。
さらに、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、大当たり種別(「15R大当たり」、「8R大当たり」、及び、「4R大当たり」のうちいずれであるか)についても教示される。また、第2特別図柄表示装置43Bにおいては、停止させる点灯態様(停止態様)によって、時短当たり種別(「30回時短当たり」、「40回時短当たり」、及び、「50回時短当たり」のうちいずれであるか)についても教示される。尚、各種大当たりや小当たり、各種時短当たり、外れであることをそれぞれ教示する特別図柄表示装置43A,43Bの停止態様は1つではなく複数存在し、それらのいずれかが選択されて停止表示される。
また、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bにおける停止表示は規定時間維持され、その期間(変動インターバル)の経過後、次の変動表示を開始可能に構成されている。
さらに、第1特別図柄表示装置43A又は第2特別図柄表示装置43Bにおける停止表示後、規定時間が経過しても、次の変動表示が行われない場合には、該第1特別図柄表示装置43A又は第2特別図柄表示装置43Bにおいて、当否抽選の結果を示す点灯態様から、変動表示が行われていない待機状態であることを示す点灯態様へと切替えられるように構成されている。これに限らず、当否抽選の結果を示す点灯態様がそのまま維持される構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、第1変動表示の実行中に、特定条件や更新条件となる第1始動入賞部33WAへの遊技球の入球があった場合には、該入球に対応する第1変動表示が保留記憶され、実行中の第1変動表示の停止表示後に、保留記憶されていた第1変動表示が開始されるようになっている。同様に、第2変動表示の実行中に、特定条件や更新条件となる第2始動入賞部33WBへの遊技球の入球があった場合には、該入球に対応する第2変動表示が保留記憶され、実行中の第2変動表示の停止表示後に、保留記憶されていた第2変動表示が開始されるようになっている。
加えて、普通図柄表示装置41における変動表示中にスルーゲート34への遊技球の通過があった場合には、該通過に対応する変動表示が保留記憶され、実行中の変動表示の停止表示後に、保留記憶されていた変動表示が開始されるようになっている。
また、本実施形態では、普通図柄表示装置41、第1特別図柄表示装置43A、及び、第2特別図柄表示装置43Bに隣接するようにして、普通図柄表示装置41の変動表示が保留記憶されていることを示す普通保留表示装置44と、第1変動表示が保留記憶されていること(第1変動表示を実行させる権利を得ていること)を報知又は示唆可能な第1保留表示手段としての第1保留表示装置46Aと、第2変動表示が保留記憶されていること(第2変動表示を実行させる権利を得ていること)を報知又は示唆可能な第2保留表示手段としての第2保留表示装置46Bとが設けられている。本実施形態では、第1特別図柄表示装置43A、第2特別図柄表示装置43B、第1保留表示装置46A、第2保留表示装置46B、普通図柄表示装置41、及び、普通保留表示装置44は、後述する主制御手段としての主制御装置261により直接的に表示制御される。
普通保留表示装置44は、2個のLED(普通保留ランプ)により構成されている。本実施形態では、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄表示装置41の変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、普通図柄表示装置41の変動表示が1回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点灯し、2回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点灯し、3回分保留されている場合には、左側の普通保留ランプが点滅するとともに、右側の普通保留ランプが点灯し、4回分保留されている場合には、左右の普通保留ランプが点滅する。尚、大当たり状態中に新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合、その分の変動表示についても保留され得る。
第1保留表示装置46Aは、2個のLED(第1保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第1始動入賞部33WAへの遊技球の入球に基づく第1変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、第1変動表示が1回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第1保留ランプが点滅するとともに、右側の第1保留ランプが点灯し、第1変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第1保留ランプが点滅する。第1変動表示が複数保留記憶されている場合には、保留記憶された順番で(先に保留されたものから)第1変動表示が順次消化されることとなる。
第2保留表示装置46Bは、2個のLED(第2保留ランプ)によって構成されている。本実施形態では、第2始動入賞部33WBへの遊技球の入球に基づく第2変動表示を4回分まで保留記憶可能に構成されている。例えば、第2変動表示が1回分保留されている場合には、左側の第2保留ランプが点灯し、第2変動表示が2回分保留されている場合には、左右の第2保留ランプが点灯し、第2変動表示が3回分保留されている場合には、左側の第2保留ランプが点滅するとともに、右側の第2保留ランプが点灯し、第2変動表示が4回分保留されている場合には、左右の第2保留ランプが点滅する。第2変動表示が複数保留記憶されている場合には、保留記憶された順番で(先に保留されたものから)第2変動表示が順次消化されることとなる。
尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞部33Wa,33Wbに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。但し、本実施形態では、後述するように大当たり状態においては、「右打ち」を行うとともに、遊技領域の右側領域下方位置に設けられた第2始動入賞部33WBには遊技球が比較的入球し易くなっていることから、基本的に、大当たり状態終了後は、第2変動表示が保留記憶された状態となる。
上述したように、基本的には、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示は、対応する遊技球が第1始動入賞部33WAへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示は、対応する遊技球が第2始動入賞部33WBへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示、及び、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ及び第2保留ランプがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示が優先的に消化される。すなわち、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示が全て消化された状態でなければ、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留表示装置46Aの第1保留ランプが1つ点灯している状態において、第2始動入賞部33WBに遊技球が入賞し、第2保留表示装置46Bの第2保留ランプが1つ点灯した場合、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示が後回しにされ、先に第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示が行われることとなる。
また、可変表示装置ユニット35の演出表示装置42は、液晶表示部を有する液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、演出表示装置42においては、特別図柄表示装置43A,43B等にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。本実施形態では、演出表示装置42並びにこれを制御するサブ制御装置262及び表示制御装置45により「特定対応表示実行機能部」が構成される。
演出表示装置42は、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bによる変動表示に合わせた変動対応演出表示としての演出変動表示(装飾図柄の変動表示)を実行可能に構成されている。
例えば本実施形態では、図159に示すように、演出表示装置42には、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(1~9の数字が付された図柄)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。
そして、主制御装置261にて大当たり状態の発生が確定すると、第1又は第2特別図柄表示装置43A,43Bにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、演出表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域において所定の有効ライン上に同一の装飾図柄が並ぶようにして停止表示され)、大当たり状態が開始される。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が所定の有効ライン上に停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて所定の有効ライン上に同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。勿論、リーチ状態が発生したからといって、必ずしも大当たり状態となるわけではなく、外れる場合もある。
本実施形態では、リーチ状態が発生した後、中図柄表示領域において、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄(リーチ図柄)と同じ装飾図柄が同じ有効ライン上に停止表示された場合(同じ数字のゾロ目の装飾図柄が停止表示された場合)に、大当たり状態が付与される。但し、本実施形態では 停止表示された装飾図柄の種類によっては、大当たりの種別は判別不能となっている。
尚、「小当たり」又は「時短当たり」の場合、演出表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するもの(同じ数字のゾロ目)とは異なる。例えば各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄の数字が「3・4・1」など、外れ図柄のように見える組合せとなっている。これにより、停止表示された装飾図柄の組合せでは、「小当たり」や「時短当たり」と判別できない構成となっている。勿論、これに限らず、「小当たり」又は「時短当たり」の場合に、演出表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせが同じ数字のゾロ目であってもよい。
図117に示すように、前面枠14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の下払出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12の前面側に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠14の球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
さらに、上皿19と、球送り装置63との間を連通させ、上皿19に貯留された遊技球を球送り装置63へと案内する発射球通路74が設けられている。加えて、発射球通路74には、下皿連通路71と連通する連通孔(図示略)が形成されるとともに、該連通孔を開閉させる第1シャッタ(図示略)が設けられている。第1シャッタは、図示しない付勢手段によって常には連通孔を閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第1シャッタは、上記球抜きボタン123と連動し、球抜きボタン123が押圧操作された場合には、連通孔を開口させる開位置へと変位するように構成されている。
図116に示すように、下皿15には、下皿15に貯留されている遊技球をパチンコ機10の外部へと排出可能な排出口15aが形成されるとともに、該排出口15aを開閉させる第2シャッタ15bが設けられている。第2シャッタ15bは、図示しない付勢手段によって常には排出口15aを閉鎖する閉位置側へと付勢されている。さらに、第2シャッタ15bは、球抜きレバー25と連動するように構成されており、例えば球抜きレバー25が左方へスライド操作された場合には、排出口15aを開口させる開位置へと変位するように構成されている。
図117及び図118中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。
さらに、払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。
一方、前面枠14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。また、下皿連通路71の入口部(球流入部)と上皿連通路73の入口部(球流入部)が隣接して設けられている。さらに、前面枠14の閉状態において前記両入口部と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、演出表示装置42における表示や音声等を用いて下皿15が満杯であることを教示するエラー報知の制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)エラー報知の状態が解除される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図119,図120等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図120に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図118参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる演出表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
演出表示装置42は、該演出表示装置42の液晶表示部をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて演出表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞部31A,31B、可変入賞装置32A,32B、及び、始動入賞部33WA,33WB等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞部に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221a,221b、大入賞口カウントスイッチ222、入球カウントスイッチ223a、特定入球検知スイッチ223b、非特定入球検知スイッチ223c、始動入賞スイッチ224a,224b、及び、スルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221a,221b等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。これに対し、始動入賞部33WA,WBへの入賞を検知する始動入賞スイッチ224a,224bは、中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接、主制御装置261に接続されている。
各種入球検知スイッチにて各々検知された検知結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検知された場合を除く)。
この他、図示は省略するが、遊技盤30の裏面には、各種モータやソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板なども設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図119に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図119では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図119では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば大当たり状態の発生など現在の遊技状態に関する各種情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91、92によって検知される前面枠14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図119では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図119では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図120に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、該排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞部31a等の各入賞部に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞部にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図119に示すように、下枠セット251の背面側には、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、及び、CRユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。電源・発射制御装置310は、発射制御回路312と、電源回路313とを備え、基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、CRユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(電源・発射制御装置310)の背面側に固定されている。なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源回路313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図120に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠14の前面側に露出するシリンダ錠600a(図115等参照)を備えており、該シリンダ錠600aの鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図119参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図119では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図118に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図119に示すように、内枠12の背面側右下部(図119では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠14の閉鎖時において検知部が前面枠14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図121は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても、電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別図柄表示装置43A,43B、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別図柄表示装置43A,43B及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、演出表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221a,221b、大入賞口カウントスイッチ222、入球カウントスイッチ223a、特定入球検知スイッチ223b、非特定入球検知スイッチ223c、始動入賞スイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225等の各種検知スイッチや、電源・発射制御装置310、払出制御装置311、サブ制御装置262等の各種基板や、保留表示装置46A,46B、普通保留表示装置44等の情報表示装置や、可変入賞装置32A,32Bに設けられた各種ソレノイド、第2始動入賞部33WBを動作させるソレノイド等の各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、十字ボタン126、電飾部102、及び、エラー表示ランプ104等が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、演出表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別図柄表示装置43A,43Bにて大当たりに当選したことを教示するようになっており、サブ制御装置262が制御する演出表示装置42では、特別図柄表示装置43A,43Bにおける特別図柄の変動表示に合わせて、演出表示として装飾図柄の変動表示等が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源回路313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、電源・発射制御装置310(発射制御回路312)、払出装置358、CRユニット接続基板314等がそれぞれ接続されている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(貸出スイッチ121及び返却スイッチ122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるCRユニット(カードリーダーユニット、球貸しユニット)と、払出制御装置311とにそれぞれ電気的に接続されている。そして、遊技者による貸球操作部、又は、CRユニットへの球貸し操作に関する情報がCRユニットに入力され、かつ、CRユニットに挿入されている記録媒体であるカードに遊技価値の残高が記憶されている場合には、カードの残高が減算されるとともに、減算に対応する数の遊技球の払出要求信号が払出制御装置311に出力される。なお、CRユニットの記録媒体は、カードタイプに限定されず、コインタイプやスティックタイプのものであってもよい。
また、払出制御装置311は、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して定期的(例えば、2msec毎)に出力するように構成されている。
電源・発射制御装置310の発射制御回路312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものである。発射制御回路312には、ハンドル18、払出制御装置311、主制御装置261が電気的に接続されている。また、発射制御回路312は、ハンドル18から、回転操作部18aの回動操作量(回転角度)を示す可変抵抗器からのダイヤル位置信号と、遊技者がハンドル18をタッチしていることを示すタッチセンサからのタッチ信号と、遊技者がストップレバー18bを操作していないことを示す発射スイッチ信号とを入力可能に構成されている。さらに、発射制御回路312は、払出制御装置311から、CRユニット接続基板314と、CRユニットとが電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を入力可能に構成されている。
そして、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号が入力されていることを条件に、発射状態信号を主制御装置261に出力し、主制御装置261では、発射状態信号が入力されていることを条件に、発射許可信号、及び、球送り信号を発射制御回路312に出力する。主制御装置261は、発射状態信号が入力されている状態において、0.6秒間隔で、発射許可信号が出力されるようになっている。
また、発射制御回路312は、球送り信号が入力された場合に、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置に送るように構成されている。尚、球送り装置63に設けられ、発射位置に遊技球が存在するか否かを検知可能な準備球検知センサによって発射位置に既に遊技球が存在すると検知される状態においては、球送り装置63を駆動させない(球送り信号を受信しても、遊技球を発射位置に送らない)ようになっている。
さらに、発射制御回路312は、タッチ信号、発射スイッチ信号、CRユニット接続信号、ダイヤル位置信号、及び、発射許可信号が入力されていることを条件に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させるように構成されている。これにより、発射位置にセットされた遊技球が、発射装置60により、ダイヤル位置信号に基づく強さで打ち出されるようになっている。
また、電源回路313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる演出表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(VDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、演出表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、演出表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、演出表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、演出表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して演出表示装置42に表示させる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図122に示すように、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選に使用する当否乱数生成手段としての当否乱数カウンタCC1と、大当たり種別の決定(種別抽選)に使用する種別決定カウンタCC2と、演出表示装置42においてリーチ状態を発生させるか否かの決定等に使用する変動選択カウンタCC3と、当否乱数カウンタCC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別図柄表示装置43A,43B(演出表示装置42)の変動表示時間の決定等に使用する第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2と、第2始動入賞部33WBを開状態とさせるか否かの始動入球サポート抽選に使用する普通図柄乱数カウンタCC4とを用いることとしている。尚、変動選択カウンタCC3は、演出表示装置42の装飾図柄を外れ変動させる際のリーチパターンの抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1、CS2は、演出表示装置42における演出パターン選択(装飾図柄の変動パターン選択など)にも使用される。
カウンタCC1,CC2,CC3,CINI,CS1,CS2,CC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、及び、変動選択カウンタCC3の各値が記憶される保留記憶手段としての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタCC4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。
特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1始動入賞部33WAへの入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、及び変動選択カウンタCC3の各値が時系列的に格納される。本実施形態では、主制御装置261のRAM503に設けられた第1特別変動保留エリアが「第1始動条件の成立を所定の上限値(4つ)まで記憶可能な第1記憶手段(第1保留手段)」を構成する。
第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、第2始動入賞部33WBへの入賞履歴に合わせて、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、及び変動選択カウンタCC3の各値が時系列的に格納される。本実施形態では、主制御装置261のRAM503に設けられた第2特別変動保留エリアが「第2始動条件の成立を所定の上限値(4つ)まで記憶可能な第2記憶手段(第2保留手段)」を構成する。
尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
普通変動保留エリアは、4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタCC4の値が時系列的に格納される。
かかる構成を採用することで、第1特別図柄表示装置43Aにおける第1変動表示、第2特別図柄表示装置43Bにおける第2変動表示、及び、普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当否乱数カウンタCC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当否乱数カウンタCC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が該当否乱数カウンタCC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当否乱数カウンタCC1と同様のループカウンタであり(値=0~599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当否乱数カウンタCC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当否乱数カウンタCC1の値が当否乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBに入賞したタイミングで、当否乱数カウンタバッファに格納されている当否乱数カウンタCC1の値が特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
本実施形態では、第1当否抽選(大当たり抽選)の当選確率が遊技モード(「通常モード」、「時短Aモード」及び「時短Bモード」のいずれかの遊技モード)に応じて変化するようなことはなく、大当たり状態となる当否乱数カウンタCC1の値の数は3つで、その値は「7,207,407」である。すなわち、第1の当選確率である1/200の確率で第1当否抽選(大当たり抽選)に当選し、大当たり状態が発生することとなる。尚、本実施形態では、第1当否抽選(大当たり抽選)を行う主制御装置261の機能により「第1抽選手段」が構成される。
同様に、第2当否抽選(小当たり抽選)の当選確率が遊技モード(「通常モード」、「時短Aモード」及び「時短Bモード」のいずれかの遊技モード)に応じて変化するようなことはなく、小当たりとなる当否乱数カウンタCC1の値の数は84個で、その値は「9~50,409~450」である。すなわち第2の当選確率である84/600(≒約1/7)の確率で第2当否抽選(小当たり抽選)に当選し、小当たり状態が発生することとなる。尚、本実施形態では、第2当否抽選(小当たり抽選)を行う主制御装置261の機能により「第2抽選手段」が構成される。
また、第3当否抽選(時短当たり抽選)は、第2始動入賞部33WBへの遊技球の入球に基づき「通常モード」中にのみ行われるものである。つまり、第3当否抽選(時短当たり抽選)は、実質的に「時短Aモード」終了時に保留記憶されている残りの第2変動表示の実行中(残り保留消化中)にのみ行われるものである。従って、本実施形態では、「時短Aモード(バトルステージ演出又はラッシュステージ演出)」の終了後に「第2変動表示の残り保留消化(継続チャンスステージ演出)」が行われている状態が「所定遊技状態」に相当する。
時短当たりとなる当否乱数カウンタCC1の値の数は60個で、その値は「211~230,311~330,511~530」である。すなわち1/10の確率で第3当否抽選(時短当たり抽選)に当選し、「時短Bモード」が発生する権利が得られることとなる。
より詳しくは、当否乱数カウンタCC1の値が「211~230」である場合は、「30回時短当たり」が発生し、当否乱数カウンタCC1の値が「311~330」である場合は、「40回時短当たり」が発生し、当否乱数カウンタCC1の値が「511~530」である場合は、「50回時短当たり」が発生する。
尚、後述するように、第3当否抽選(時短当たり抽選)は、第2始動入賞部33WBへの入球に基づいて行われる第1当否抽選(大当たり抽選)及び第2当否抽選(小当たり抽選)にて当選しなかった場合に実行される。
ROM502には、当否乱数カウンタCC1の値がいずれかの当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。本実施形態では、第1始動入賞部33WAへの入球に対応した第1当否判定テーブル(「通常モード」、「時短Aモード」及び「時短Bモード」共通の第1当否判定テーブル)と、第2始動入賞部33WBへの入球に対応した第2当否判定テーブル(「時短Aモード」及び「時短Bモード」共通の小当たり判定を含む第2当否判定テーブル、並びに、「通常モード」用の小当たり判定及び時短当たり判定を含む第2当否判定テーブル)とがある。
種別決定カウンタCC2は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。
ROM502には、種別決定カウンタCC2の値がいずれの大当たり種別に対応するかの判定を行う際に参照される種別判定テーブルが設けられている。本実施形態では、第1始動入賞部33WAへの入球に対応した第1種別判定テーブルと、第2始動入賞部33WBへの入球に対応した第2種別判定テーブルとが設けられている。
そして、当否抽選にて大当たりに当選した場合に、種別決定カウンタCC2の値に基づいて付与される大当たり状態の種別が決定され(種別抽選が行われ)、決定された種別の大当たり状態が付与されることとなる。
本実施形態では、「通常モード(時短Aモードについても同様)」において、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1当否抽選(大当たり抽選)にて直撃大当たり当選した場合には、5%の割合で「15R大当たり」となり、95%の割合で「4R大当たり」となる。
一方、「時短Bモード」において、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1当否抽選(大当たり抽選)にて直撃大当たり当選した場合には、100%の割合で「15R大当たり」となる(「4R大当たり」の割合は0%)。
これに対し、遊技モードに関係なく、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第1当否抽選(大当たり抽選)にて直撃大当たり当選した場合、及び、小当たりを経由して第2可変入賞装置32Bの特定入球部(V入賞領域)320cへの入球に基づいてV入賞大当たりが発生する場合には、40%の割合で「15R大当たり」となり、10%の割合で「8R大当たり」となり、50%の割合で「4R大当たり」となる。
尚、種別決定カウンタCC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、種別決定カウンタCC2の値が種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBに入賞したタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別決定カウンタCC2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
変動選択カウンタCC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタCC3によって、装飾図柄に関してリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ状態が発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ状態が発生しない「外れ(完全外れ)」とを抽選することとしている。
ROM502には、変動選択カウンタCC3の値と各種リーチパターンとの対応関係を記憶しているリーチ判定テーブルが設けられている。
変動選択カウンタCC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタCC3の値が格納される。そして、遊技球が第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBに入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタCC3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1、CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~255の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり255)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~31の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり31)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。
加えて、特別図柄表示装置43A,43Bにおける変動表示の変動時間と、演出表示装置42における変動表示の大まかな変動パターン(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチパターン)とが変動パターンテーブルによって対応付けられており、特別図柄表示装置43A,43Bの変動時間が決まれば、演出表示装置42の変動パターンも決まるようになっている。
例えば、第1変動種別カウンタCS1に基づいて変動時間が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、特別図柄表示装置43A,43Bにおける停止表示態様が決定されるように構成してもよい。例えば「15R大当たり」に対応する場合には、「15R大当たり」に対応する停止表示態様のうちいずれかを決定する。尚、変動時間や変動パターンを決定するために使用されるカウンタ等は、上記構成に限定されるものではなく、機種毎に適宜変更可能である。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。本実施形態では、変動種別カウンタCS1,CS2の値に関しても、遊技球が第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBに入賞したタイミングで、RAM503の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値が、RAM503の特別変動保留エリアに格納される。
このように、始動入賞のタイミングで、変動種別カウンタCS1,CS2の値を取得しておくことで、保留記憶された第1変動表示の第1変動時間、及び、第2変動表示の第2変動時間を、変動開始前に把握する(先読みする)ことができ、該情報を利用して、各種演出等を行うことが可能となる。尚、変動時間を先読みして演出を行うといった構成を必要としない場合には、演出表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得されることとしてもよい。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、変動選択カウンタCC3、変動種別カウンタCS1、CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタCC4は、例えば0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり29)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタCC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタCC4の値が取得される。
そして、当選となる普通図柄乱数カウンタCC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後(普通図柄表示装置41を構成する普図ランプが交互に点滅した後)、当選に対応する態様(点灯パターン)で停止表示され、第2始動入賞部33WBがそのときの遊技モードに応じたパターンで開放される。
本実施形態では、「低入球状態」において、当選となる乱数の値は「0,1」の2個である。一方、「高入球状態」において、当選となる乱数の値は、「0~27」の28個である。つまり、「低入球状態」時には1/15の確率で第2始動入賞部33WBが開状態となり、「高入球状態」時には14/15の確率で第2始動入賞部33WBが開状態となる。
ROM502には、普通図柄乱数カウンタCC4の値が当選に対応するか否かの判定を行う際に参照されるサポート判定テーブルが設けられている。本実施形態では、「低入球状態」に対応した第1サポート判定テーブルと、「高入球状態」に対応した第2サポート判定テーブルとが設定されている。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図125は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。先ずステップSC301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、該スイッチの状態を判定して検知情報(入賞検知情報)を保存する。一方、検知情報がない場合には、そのまま次の処理に移行する。
尚、各種入賞スイッチの検知情報があった場合、対応する賞球カウンタの値を加算する。また、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力され、賞球コマンドに基づいて賞球が付与される(遊技球が払出される)。さらに、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップSC302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。
また、ステップSC303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、変動選択カウンタCC3、及び普通図柄乱数カウンタCC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCC1,CC2,CC3,CC4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップSC304では、第1始動入賞部33WAや第2始動入賞部33WBへの遊技球の入球(入賞)に伴う始動入賞処理を実行し、ステップSC305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。続くステップSC306では、電源・発射制御装置310の発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する等の処理を行うための発射許可コマンド設定処理を行う。さらに、ステップSC307では、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに遊技球が残存しているか否かの確認を行う残存球監視処理を行う。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップSC304の始動入賞処理について図127のフローチャートを参照して説明する。尚、RAM503には、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNa、及び、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが設けられている。
また、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当否乱数カウンタCC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、種別決定カウンタCC2の値を記憶する当選種別乱数記憶エリア、変動選択カウンタCC3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリア、第1変動種別カウンタCS1の値を記憶する第1変動種別乱数記憶エリア、第2変動種別カウンタCS2の値を記憶する第2変動種別乱数記憶エリア、及び、変動表示開始時における遊技モードを特定するための遊技モード情報を記憶するモード記憶エリアなど各種記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップSC501では、遊技球が第2始動入賞部33WBに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224bの検知情報により判別する。該ステップSC501で肯定判別された場合、ステップSC502において、第1計数機能部である第2保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。ステップSC501又はSC502で否定判別された場合には、ステップSC510に移行する。一方、ステップSC502で肯定判別された場合には、ステップSC503に進み、第2保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップSC504では、第2変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第2保留表示装置46B(第2保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、第2保留ランプが消灯状態であった場合には点灯させるための処理を行う。
ステップSC504の後、情報設定機能部であるステップSC505の処理において、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、変動選択カウンタCC3、及び、変動種別カウンタCS1,CS2の各値(当否乱数カウンタバッファ、種別決定カウンタバッファ、変動選択カウンタバッファ、及び、各変動種別カウンタバッファに記憶されている各値)を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初の保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア、並びに、第1及び第2変動種別乱数記憶エリア)に格納する。同時に、この第2変動表示が開始される際の遊技モードを特定し、その遊技モード情報をモード記憶エリアに格納する。ステップSC505の後、ステップSC506に移行する。
ステップSC506では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が各種当たり(大当たり、小当たり、時短当たり)に対応する値であるか否かを判別する第2当否判定処理を行う。
ここで、ステップSC506の第2当否判定処理の詳細について、図128(b)を参照して説明する。
先ず、ステップSC5111では、遊技モードに対応する第2当否判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が、大当たりに対応する値「7」,「207」,「407」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップSC5111で肯定判別された場合には、ステップSC5112において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSC5111で否定判別された場合には、ステップSC5113において、遊技モードに対応する第2当否判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が、小当たりに対応する値「9~50,409~450」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップSC5113で肯定判別された場合には、ステップSC5114において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの小当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSC5113で否定判別された場合には、ステップSC5115において時短当否判定処理を実行した後、本処理を終了する。
ここで、ステップSC5115の時短当否判定処理の詳細について、図128(c)を参照して説明する。
先ず、ステップSC5121において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された変動情報が「通常モード」にて行われる変動表示であるか否かを判定する。ステップSC5121において否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSC5121で肯定判別された場合、すなわち「通常モード」で行われる第2変動表示である場合には、ステップSC5122へ移行する。
ステップSC5122では、「通常モード」に対応する第2当否判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が、「30回時短当たり」に対応する値「211~230」のいずれかと一致するか否かを判別する。
ステップSC5122で肯定判別された場合には、ステップSC5123において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの30回時短当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
ステップSC5122で否定判別された場合には、ステップSC5124において、「通常モード」に対応する第2当否判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が、「40回時短当たり」に対応する値「311~330」のいずれかと一致するか否かを判別する。
ステップSC5124で肯定判別された場合には、ステップSC5125において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの40回時短当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
ステップSC5124で否定判別された場合には、ステップSC5126において、「通常モード」に対応する第2当否判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が、「50回時短当たり」に対応する値「511~530」のいずれかと一致するか否かを判別する。
ステップSC5126で肯定判別された場合には、ステップSC5127において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの50回時短当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップSC5126で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
図127の説明に戻り、ステップSC506に続くステップSC507では、ステップSC506で当否乱数カウンタCC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタCC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第2種別判定処理を行う。
ここで、ステップSC507の第2種別判定処理について、図129(b)を参照して説明する。第2種別判定処理では、先ずステップSC5300では、直前に行われた第2当否判定処理にて、大当たり予定フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップSC5300で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC5300で肯定判別された場合には、ステップSC5301において、第2種別判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタCC2の値が、「15R大当たり」に対応する値「0~7」と一致するか否かを判別する。ステップSC5301で肯定判別された場合には、ステップSC5302において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの15R大当たりフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップSC5301で否定判別された場合には、ステップSC5303において、第2種別判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタCC2の値が、「8R大当たり」に対応する「8~17」であるか否かを判別する。ステップSC5303で肯定判別された場合には、ステップSC5304において、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの8R大当たりフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップSC5303で否定判別された場合、すなわち、種別決定カウンタCC2の値が「18,19」である場合には、ステップSC5305において、第2種別判定テーブルを参酌して、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの4R大当たりフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図127の説明に戻り、ステップSC507に続くステップSC508では、第2変動表示の第2変動時間を判定する第2変動時間判定処理を行う。ここで、該第2変動変動表示開始時の遊技モードが「通常モード」である場合には、「通常モード」用の第2通常変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第2変動時間を把握する。該第2変動変動表示開始時の遊技モードが「時短Aモード」である場合には、「時短Aモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第2変動時間を把握する。また、該第2変動変動表示開始時の遊技モードが「時短Bモード」である場合には、「時短Bモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第2変動時間を把握する。ここで把握された変動時間は、第2特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶される。但し、ここで同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消去しない。
尚、本実施形態では、上述した「通常モード」用の第2通常変動時間決定テーブル、並びに、「時短Aモード」用の第2短縮変動時間決定テーブル、及び「時短Bモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルとして、それぞれ「大当たり用」、「小当たり用」、「時短当たり用」及び「外れ用」のテーブルが設けられている。
さらに、本実施形態では、主制御装置261のRAM503において、遊技モードの判定に際して参照するモード記憶エリアが設けられている。モード記憶エリアには、「通常モード」に対応する「11」、「時短Aモード」に対応する「21」、「時短Bモード」に対応する「31」のいずれかの値が記憶される。
これに対応して、サブ制御装置262のRAM553においても、サブ制御装置262が遊技モードの判定に際して参照するモード記憶エリアが設けられている。主制御装置261において設定された遊技モード情報は、遊技モードが切替え設定される毎に次回の外部出力処理(ステップSC201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップSC508に続くステップSC509では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、この先発コマンドには、第2当否判定処理、第2種別判定処理、及び、第2変動時間判定処理の結果を示す変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)や、第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBのどちらへの入球を契機とする変動情報であるのかを示す情報、第2変動表示開始時における遊技モードを特定するための遊技モード情報などが含まれ、次回の外部出力処理(ステップSC201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ステップSC509の処理の後、又は、ステップSC501、或いは、ステップSC502で否定判別された場合には、ステップSC510において、遊技球が第1始動入賞部33WAに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。該ステップSC510で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC510で肯定判別された場合には、ステップSC511において、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第2計数機能部である第1保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。該ステップSC511で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC511で肯定判別された場合には、ステップSC512に進み、第1保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップSC513では、数値情報(特定数値情報)である第1変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する第1保留表示装置46A(第1保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には右側の第1保留ランプを点灯させたまま左側の第1保留ランプを点滅させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップSC513の後、情報設定機能部であるステップSC514の処理において、当否乱数カウンタCC1、種別決定カウンタCC2、変動選択カウンタCC3、及び、変動種別カウンタCS1,CS2の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリア(当否乱数記憶エリア、当選種別乱数記憶エリア、リーチ乱数記憶エリア、及び、第1及び第2変動種別乱数記憶エリア)に格納する。同時に、現在の変動回数カウンタA,Bの値等を基に、この第1変動表示が開始される際の遊技モードを特定し、その遊技モード情報をモード記憶エリアに格納する。ステップSC514の後、ステップSC515に移行する。
ステップSC515では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判別する第1当否判定処理を行う。
ここで、ステップSC515の第1当否判定処理の詳細について、図128(a)を参照して説明する。
先ず、ステップSC5101では、第1当否判定テーブルを参酌して、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された当否乱数カウンタCC1の値が、大当たりに対応する値「7」,「207」,「407」のいずれかと一致するか否かを判別する。ステップSC5101で肯定判別された場合には、ステップSC5102において、第1特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアの大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップSC5101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図127の説明に戻り、ステップSC515に続くステップSC516では、ステップSC515で当否乱数カウンタCC1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタCC2の値に基づいて、大当たり種別を判別する第1種別判定処理を行う。
ここで、ステップSC516の第1種別判定処理について、図129(a)を参照して説明する。先ず、ステップSC5201では、直前に行われた第1当否判定処理にて、大当たり予定フラグがオン設定されたか否かを判別する。ステップSC5201で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC5201で肯定判別された場合には、ステップSC5202において、第1種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された種別決定カウンタCC2の値が、「15R大当たり」に対応する値「0」と一致するか否かを判別する。ステップSC5202で肯定判別された場合には、ステップSC5203において15R大当たりフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップSC5202で否定判別された場合には、ステップSC5204において、4R大当たりフラグをオンにしてから、本処理を終了する。
図127の説明に戻り、ステップSC516に続くステップSC517では、ステップSC515で当否乱数カウンタCC1の値が大当たりに対応する値ではない(外れである)と判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタCC3の値に基づいて、リーチの種別を判別するリーチ判定処理を行う。
ここで、ステップSC517のリーチ判定処理について、図130を参照して説明する。先ず、ステップSC5401では、直前に行われた第1当否判定処理にて、大当たり予定フラグが設定されたか否かを判別する。ステップSC5401で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC5401で否定判別された場合、すなわち、外れとなる場合には、ステップSC5402において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタCC3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判別する。ステップSC5402で肯定判別された場合には、ステップSC5403において、前後外れリーチの発生を示す前後フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSC5402で否定判別された場合には、ステップSC5404において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動選択カウンタCC3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2~21」のいずれかと一致するか否かを判別する。該ステップSC5404で肯定判別された場合には、ステップSC5405において前後以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップSC5404で否定判別された場合、すなわち、リーチ状態を経ることなく変動表示が終了する「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図127の説明に戻り、ステップSC517に続くステップSC518では、第1変動表示の第1変動時間を判定する第1変動時間判定処理を行う。つまり、該第1変動変動表示開始時の遊技モードが「通常モード」である場合には、「通常モード」用の第1通常変動時間決定テーブルを参照して、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1変動時間を把握する。該第1変動変動表示開始時の遊技モードが「時短Aモード」である場合には、「時短Aモード」用の第1短縮変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1変動時間を把握する。該第1変動変動表示開始時の遊技モードが「時短Bモード」である場合には、「時短Bモード」用の第1短縮変動時間決定テーブルを参照し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて第1変動時間を把握する。ここで把握された変動時間は、第1特別変動保留エリアのうち対応する保留エリアに記憶される。但し、ここで同保留エリアの第1変動種別カウンタCS1の値は消去しない。
尚、本実施形態では、上述した「通常モード」用の第1通常変動時間決定テーブル、並びに、「時短Aモード」用の第1短縮変動時間決定テーブル、及び「時短Bモード」用の第1短縮変動時間決定テーブルとして、それぞれ「大当たり用」、「前後外れリーチ用」、「前後以外外れリーチ用」及び「完全外れ用」のテーブルが設けられている。また、例えば「完全外れ用」の変動時間決定テーブルに関して、「保留数1個及び2個用(通常変動時間)」、「保留数3個用(短縮変動時間)」、「保留数4個用(短縮変動時間)」などの変動時間決定テーブルを設け、第1特別変動保留エリアに保留記憶された変動表示の保留数に応じて、参照する変動時間決定テーブル(変動時間)を変更する構成としてもよい。これにより、保留記憶された第1変動表示が順次実行されている状態においては、その時点で保留記憶されている実行予定の第1変動表示の数に応じて、外れ時用の第1変動表示の短縮時間を設定することができる。ここで、例えば所定の変動表示を実行する際に「保留数4個用」の変動時間決定テーブルを参照する状況において、該変動表示が大当たり等の各種当たりに対応する変動表示である場合には、「大当たり用」の変動時間決定テーブルを優先する構成としてもよい。
ステップSC518の後、ステップSC519において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。尚、この先発コマンドには、第1当否判定処理、第1種別判定処理、リーチ判定処理、及び、第1変動時間判定処理の結果を示す変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)や、第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBのどちらへの入球を契機とする変動情報であるのかを示す情報、第1変動表示開始時における遊技モードを特定するための遊技モード情報などが含まれ、次回の外部出力処理(ステップSC201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
尚、本実施形態では、第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBに遊技球が入球すると、当否乱数カウンタCC1の値等が直接、特別変動保留エリアに記憶され、その後、当否判定処理等が実行される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、当否乱数カウンタCC1の値等を取得した際にこれらのカウンタ値を一時的に記憶する仮記憶エリアを設け、該仮記憶エリアに記憶された情報に関し、当否判定処理等を実行した後、対応する特別変動保留エリアの保留エリアに記憶する構成を採用してもよい。
次に、ステップSC305のスルーゲート通過処理について図131のフローチャートを参照して説明する。
ステップSC601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検知情報により判別する。ステップSC601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップSC602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップSC603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップSC604では、普通図柄表示装置41における変動表示の保留数が1つ増えたことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の加算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも消灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には右側の普通保留ランプを点灯させたまま左側の普通保留ランプを点滅させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点滅させるための処理を行う。
ステップSC604の後、ステップSC605において、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップSC303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタCC4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、ステップSC306の発射許可コマンド設定処理について、図132を参照して説明する。
先ず、ステップSC701では、発射制御回路312から発射状態信号を受信している状態であることを示す発射許可フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、発射状態信号は、発射制御回路312が、ハンドル18からのタッチ信号、及び、発射スイッチ信号と、払出制御装置311からのCRユニット接続信号とを受信している場合に、発射制御回路312から主制御装置261に送信されるようになっている。
ステップSC701で肯定判別された場合には、ステップSC702において、発射状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップSC702で否定判別された場合、ステップSC703において、発射許可フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップSC702で肯定判別された場合には、ステップSC704において、遊技球の発射間隔を計るために使用される発射タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC704で否定判別された場合には、ステップSC707において、発射タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップSC704で肯定判別された場合には、ステップSC705において、主制御装置261から、発射制御回路312に対して発射許可信号を送信する。続くステップSC706では、発射許可フラグをオフする。ステップSC706の後、本処理を終了する。
また、ステップSC701で否定判別された場合には、ステップSC708において、発射状態信号を受信しているか否かを判別する。ステップSC708で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC708で肯定判別された場合には、ステップSC709において、発射許可フラグをオン設定する。
続くステップSC710では、発射制御回路312に対して球送り信号を送信する。さらに、ステップSC711において、発射タイマに対して0.6秒に相当する「300」を設定する。これにより、球送り装置63により遊技球が発射位置に確実にセットされてから、遊技球が発射装置60により打出されるように構成されるとともに、主制御装置261が発射制御回路312から発射状態信号を受信し続けている状態において、主制御装置261から発射許可信号が0.6秒間隔で送信され、0.6秒間隔で遊技球が発射装置60により発射されるようになっている。ステップSC711の後、本処理を終了する。
尚、発射制御回路312では、主制御装置261から発射許可信号を受信した場合に、ハンドル18、及び、払出制御装置311から、タッチ信号、発射スイッチ信号、及び、CRユニット接続信号の全てを受信しているか否かを判別し、肯定判別された場合に、発射装置60(発射ソレノイド)を駆動させ、遊技球を発射させるための発射処理が行われるようになっている。尚、発射制御回路312は、ダイヤル位置信号に基づいて、遊技球の発射強さ(発射速度)に関する発射装置60の調節制御を行う。これにより、遊技球が、調節された強さで発射装置60により打ち出されるようになっている。
また、発射制御回路312は、主制御装置261から球送り信号を受信した場合に、発射レール61のうち発射装置60にて遊技球が発射されることとなる発射位置に遊技球がセットされていることを検知する準備球検知センサを確認し、発射位置に遊技球がセットされていないことが確認された場合には、球送り装置63を駆動させ、遊技球を発射位置にセットするための球送り処理を行う。
図126は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップSC401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図123のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップSC101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップSC102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップSC103では、電源・発射制御装置310の電源回路313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップSC112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップSC104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップSC112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSC105でRAM判定値を算出し、続くステップSC106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップSC112へ移行する。
ステップSC112の処理では、サブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップSC113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップSC113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップSC113等)に移行する。つまり、ステップSC113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップSC114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップSC111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップSC103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSC107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSC108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップSC109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。ステップSC110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップSC111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図124のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSC201~SC211の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSC212,ステップSC213のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップSC201では、前回の通常処理で更新された特別図柄表示装置43A,43Bや第2始動入賞部33WB等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、特別図柄表示装置43A,43Bにおける変動表示を開始させる場合に、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示等による演出を開始させるべく、変動パターンコマンドをサブ制御装置262に送信する。変動パターンコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、演出表示装置42の表示態様(変動時間や演出パターンなど)を決定し、該表示態様を演出表示装置42において表示するように表示制御装置45に対し指示を出す。
変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動パターンを特定する情報が含まれている。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動パターンとの関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに基づいて、装飾図柄の変動パターン等を決定し、表示制御装置45や音声等の制御を行う。
ここで、装飾図柄の変動パターンについて説明する。「ノーマルリーチ」は、装飾図柄の変動表示以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。「スーパーリーチ」は、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、演出表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。「プレミアムリーチ」は、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。加えて、「完全外れ」は、いずれのリーチ状態にもならずに、装飾図柄の変動表示が停止表示される変動パターンである。
また、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン、及び、変動時間の情報に基づき、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示の停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に停止表示させる。つまり、大当たり(「15R大当たり」、「8R大当たり」、「4R大当たり」)に当選した場合には、1~9のいずれか同じ数字のゾロ目からなる装飾図柄の組合わせ(大当たり図柄の組合わせ)で変動表示が停止表示される。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものである。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものである。完全外れ図柄の組合わせは、リーチすら発生しない「完全外れ」に対応するものである。
尚、主制御装置261において、大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、及び、完全外れ図柄の組合わせのいずれかを指定する図柄コマンドを設定し、変動パターンコマンドとともにサブ制御装置262に出力するような構成としてもよい。
図124の説明に戻り、ステップSC202では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1、CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では255、31)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップSC203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップSC204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップSC205では、第2特別表示制御処理を実行する。この処理では、第2特別図柄表示装置43Bに関する制御が行われると共に、各種当たり(大当たり、小当たり、時短当たり)の判定や、第2特別図柄表示装置43B及び演出表示装置42における変動表示の設定などが行われる。この第2特別表示制御処理の詳細は後述する。
さらに、ステップSC206では、第1特別表示制御処理を実行する。この処理では、第1特別図柄表示装置43Aに関する制御が行われると共に、大当たりの判定や第1特別図柄表示装置43A及び演出表示装置42における変動表示(演出表示装置42における装飾図柄の変動パターン)の設定などが行われる。この第1特別表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSC207では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、第1可変入賞装置32A及び第2可変入賞装置32Bに関する制御が行われる。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップSC208では、普通表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41に関する制御が行われる。この普通表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSC209では、始動入賞部制御処理を実行する。この処理では、開閉する羽根部材33WBbを具備する第2始動入賞部33WBに関する制御が行われる。この始動入賞部制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップSC210において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップSC211で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップSC201へ移行し、上記ステップSC201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1、CS2の更新を繰り返し実行する(ステップSC212、ステップSC213)。
つまり、ステップSC212では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSC213では、変動種別カウンタCS1、CS2の更新を実行する(前記ステップSC202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では255,31)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップSC201~SC210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当否乱数カウンタCC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、CS2についてもランダムに更新することができる。
また、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップSC210:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSC214以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSC214において各割込み処理の発生を禁止し、ステップSC215において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSC216において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。
その後、ステップSC217において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップSC218でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップSC219でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップSC210の処理は、ステップSC201~SC209で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップSC212、SC213の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップSC214)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップSC206の第1特別表示制御処理について図133のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップSC800では、第1特別図柄表示装置43Aの第1変動表示の後に設定される変動インターバルの残り時間を計測するための変動インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップSC800で否定判別された場合、すなわち、変動インターバルの期間内である場合には、ステップSC819において、変動インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば変動インターバルを1秒(1000msec)として、変動インターバルタイマに「249(ステップSC800の前にステップSC819が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、該処理において、4msec毎に変動インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップSC800で肯定判別された場合、すなわち、変動インターバルではない場合には、ステップSC801において、詳しくは後述する当たり状況記憶エリアを参照し、今現在、大当たり状態及び小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。
尚、大当たり状態中には、第1特別図柄表示装置43A、又は、第2特別図柄表示装置43Bにおいて大当たりに対応する表示態様が停止表示されてから第1可変入賞装置32Aが開放されるまでの間のオープニング期間と、第1可変入賞装置32Aが開状態とされるラウンド期間と、ラウンド期間とラウンド期間の間において第1可変入賞装置32Aが閉状態とされるインターバル期間と、最終ラウンドの後、第1特別図柄表示装置43A又は第2特別図柄表示装置43Bにて変動表示が開始可能となるまでのエンディング期間とが含まれる。
また、小当たり状態中には、第2可変入賞装置32Bが開状態とされるラウンド期間と、ラウンド期間とラウンド期間の間において第2可変入賞装置32Bが閉状態とされるインターバル期間とが含まれる。
本実施形態の当たり状況記憶エリアは、大当たり状態や小当たり状態以外の状態のときには「0」が記憶されており、大当たり状態においては、オープニング期間及びインターバル期間のときに「1」、ラウンド期間のときに「2」、エンディング期間のときに「3」が記憶されている。また、小当たり状態においては、第1ラウンドのときに「4」、第1ラウンドの後のインターバル期間のときに「5」、第2ラウンドのときに「6」が記憶されている。すなわち、該ステップSC801では、当たり状況記憶エリアに「0」が記憶されているか否かを判別して、大当たり状態中又は小当たり状態中であるか否かを判別する。
ステップSC801で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC801で肯定判別された場合には、ステップSC802において、第2特別図柄表示装置43Bにて第2変動表示中であることを示す特図2表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップSC802で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSC802で否定判別された場合には、ステップSC803に進み、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが0よりも大きいか否かを判別する。
ステップSC803で否定判別された場合には、ステップSC804において、第1特別図柄表示装置43Aにて第1変動表示中であることを示す特図1表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップSC804で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中ではなく、さらに第1変動表示中又は第2変動表示中でもなく、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合に、ステップSC805に進み、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示の保留数をカウントする第1保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判別する。
つまり、第2特別図柄表示装置43Bにて第2変動表示中である場合、又は、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、第1特別図柄表示装置43Aにおいて新たに第1変動表示を開始させることができないように構成されている。
そして、ステップSC805で肯定判別された場合には、更新機能部又は減算機能部となるステップSC806の処理において、第1保留カウンタNaから1を減算する。続くステップSC807では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップSC807の後、ステップSC808において、第1変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第1保留表示装置46A(第1保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の第1保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の第1保留ランプを点滅させたまま右側の第1保留ランプを点灯させ、左側の第1保留ランプが点滅状態であり右側の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを点灯させ、左右両方の第1保留ランプが点灯状態であった場合には左側の第1保留ランプを点灯させたまま右側の第1保留ランプを消灯させ、左側の第1保留ランプが点灯状態であり右側の第1保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の第1保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップSC808の後、ステップSC809において第1変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
一方、上記ステップSC805で否定判別された場合には、ステップSC811において、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bの両方において、それぞれ変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様(例えば、下列の右から1番目及び2番目の第1特図ランプ、又は、第2特図ランプのみが点灯する態様)を導出するための待機表示設定(サブ制御装置262へ出力する待機表示コマンドの設定等)を行った後、本処理を終了する。
つまり、本実施形態の第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bは、変動停止後、その停止態様が変動インターバルの間は(当否抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、変動インターバルが終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるようになっている。
尚、演出表示装置42において変動待機状態であることを示す表示態様には、第1待機表示態様と、第2待機表示態様とがあり、待機表示コマンドを受けたサブ制御装置262は、先ず、演出表示装置42の明るさが保たれたまま、装飾図柄の変動表示の停止表示態様がほぼそのまま維持される第1待機表示態様とするとともに、第1待機表示態様が導出されてからの時間を計測する待機時間計測タイマに対し、所定時間に対応する値(例えば、30秒に対応する値)を設定するように構成してもよい。さらに、待機時間計測タイマの値が所定時間毎に減算されて「0」になった場合に、演出表示装置42の明るさが暗くされ、表示態様も簡略化される(例えば、装飾図柄が表示されない等)第2待機表示態様とされるように構成してもよい。
ここで、ステップSC809の第1変動表示設定処理の詳細について図134を参照して説明する。
先ず、ステップSC900では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当否乱数カウンタCC1の値が大当たりに対応する「7」であるか否かを判別する。尚、ステップSC900において、特別変動保留エリアの実行エリアの大当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、大当たりに対応する第1変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップSC900で肯定判別された場合には、ステップSC901において、モード記憶エリアに、「時短Bモード」に対応する「31」が記憶されているか否かを判別する。
ステップSC901で肯定判別された場合には、ステップSC902において、特別変動保留エリアの実行エリアに15R大当たりフラグをオンにしてから、ステップSC903へ移行する。
ステップSC901で否定判別された場合には、ステップSC904に移行し、特別変動保留エリアの実行エリアにおいて、既に15R大当たりフラグがオン設定されているか否か判別する。ステップSC904において、肯定判別された場合にはステップSC903へ移行する。
ステップSC903においては、15R大当たりパターン設定処理を行う。15R大当たりパターン設定処理は、第1特別図柄表示装置43A及び演出表示装置42において、実行エリアに記憶された変動情報に対応する変動表示及び演出表示を実行させるための処理である(後述する各種パターン設定処理についても同様)。ここでは、15R大当たりに対応する変動パターンテーブルを参酌して、第1特別図柄表示装置43A及び演出表示装置42の変動パターン(変動表示時間、停止態様、演出パターン等)を決定し、変動パターンコマンドの設定等を行う。
具体的に、ステップSC903の15R大当たりパターン設定処理(後述するステップSC905,SC907,SC909,SC910の各種パターン設定処理においても同様)では、先ずモード記憶エリアを確認して遊技モードを把握する。ここでモード記憶エリアに、「通常モード」に対応する「11」が記憶されている場合には、第1変動時間の設定に際して参照される第1変動時間決定テーブルとして、該パターン設定処理に対応する「通常モード」用の第1通常変動時間決定テーブルが選択される。また、「時短Aモード」に対応する「21」が記憶されている場合には、該パターン設定処理に対応する「時短Aモード」用の第1短縮変動時間決定テーブルが選択される。「時短Bモード」に対応する「31」が記憶されている場合には、該パターン設定処理に対応する「時短Bモード」用の第1短縮変動時間決定テーブルが選択される。
そして、選択された第1変動時間決定テーブルを参照し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第1変動時間を決定する。決定された第1変動時間は、特別変動保留エリアの実行エリアに対応付けて記憶される。
さらに、第1変動時間と変動パターンとに基づいてリーチパターンを決定する。例えば大当たり用の第1通常変動時間決定テーブルが参照され、第1変動時間が22秒に決定された場合にはノーマルリーチが設定され、30秒又は35秒に決定された場合には、スーパーリーチが設定され、40秒に決定された場合には、プレミアムリーチが設定される。
そして、第1変動表示であること、15R大当たりであること、決定されたリーチパターン、遊技モード情報、及び、変動時間などを含む各種情報を変動パターンコマンドに設定する。また、15R大当たりパターン設定処理では、大当たりに対応する第1変動表示が行われていることを示す特図1大当たり変動フラグをオン設定する。
また、本実施形態では、主制御装置261側で演出表示装置42のリーチパターンを決定しているが、主制御装置261の負担軽減を図るべく、主制御装置261ではリーチパターンを決定せず、変動パターンコマンドに、第1変動表示又は第2変動表示のどちらであるかの情報や、変動パターンを示す情報(15R大当たり、8R大当たり、4R大当たり、小当たり、前後外れリーチ、前後以外外れリーチ、完全外れのいずれであるかの判別がつく情報)、変動時間を示す情報などが含まれるよう構成し、サブ制御装置262側で演出表示装置42のリーチパターンを決定する構成としてもよい。
ステップSC903の後、ステップSC911において、第1特別図柄表示装置43Aにおける第1変動表示中であること示す特図1表示中フラグをオン設定し、ステップSC912において、第1変動表示の残り時間を計測する特図1表示タイマに対し、第1変動時間に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC904で否定判別された場合には、ステップSC905において、4R大当たりパターン設定処理を行う。ここでは、4R大当たりに対応する変動パターンテーブルを参酌して、第1特別図柄表示装置43A及び演出表示装置42の変動パターン(変動表示時間、停止態様、演出パターン等)を決定し、変動パターンコマンドの設定等を行う。また、4R大当たりパターン設定処理では、大当たりに対応する第1変動表示が行われていることを示す特図1大当たり変動フラグをオン設定する。
ステップSC905の後、ステップSC911において、特図1表示中フラグをオン設定し、ステップSC912において、特図1表示タイマに対し第1変動時間に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC900で否定判別された場合には、ステップSC906において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後フラグ(図130のリーチ判定処理参照)がオンであるか否かを判別する。ステップSC906で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップSC907にて前後リーチパターン設定処理(変動パターンコマンドの設定等)を行った後、ステップSC911、ステップSC912を経て、本処理を終了する。
また、ステップSC906で否定判別された場合には、ステップSC908において、特別変動保留エリアの実行エリアを参酌し、前後以外フラグがオンであるか否かを判別する。ステップSC908で肯定判別された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップSC909にて前後以外リーチパターン設定処理(変動パターンコマンドの設定等)を行った後、ステップSC911、ステップSC912を経て、本処理を終了する。
また、ステップSC908で否定判別された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップSC910にて外れ変動パターン設定処理(変動パターンコマンドの設定等)を行った後、ステップSC911、ステップSC912を経て、本処理を終了する。
尚、上述したように、本実施形態では、第1始動入賞部33WAへの入球に基づいて、大当たりとなるか否かの第1当否抽選(大当たり抽選)が行われるものの、小当たりとなるか否かの第2当否抽選(小当たり抽選)や時短当たりとなるか否かの第3当否抽選(時短当たり抽選)は行われないように構成されている。
図133の説明に戻り、ステップSC804で肯定判別された場合、すなわち第1変動表示中である場合には、ステップSC812に進み、特図1表示タイマの減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に特図1表示タイマの値が4msec分ずつ減算されていく。例えば変動時間が6秒(6000msec)の場合には、特図1表示タイマに対して「1500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSC813に進み、上記減算後の特図1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図1表示タイマの値が「0」となった場合にステップSC813が肯定判別される。
ステップSC813で否定判別された場合には、ステップSC818において、第1特別図柄表示装置43Aの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1特別図柄表示装置43Aに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に第1特別図柄表示装置43Aの切替表示(変動表示)が実現される。ステップSC818の後、本処理を終了する。
一方、ステップSC813で肯定判別された場合には、ステップSC814において特図1表示中フラグをオフし、ステップSC815において第1特別図柄表示装置43Aにて停止表示を行うための特図1停止表示設定を行う。この特図1停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第1特別図柄表示装置43Aに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、第1特別図柄表示装置43Aにおいて、第1変動表示設定処理にて設定された各大当たり種別や外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップSC815の後、ステップSC816において、サブ制御装置262に対して、演出表示装置42の停止表示を行わせる特図1停止コマンドの設定を行う。これにより、第1特別図柄表示装置43A及び演出表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。但し、演出表示装置42の停止態様については変動表示の開始時に出力された変動パターンコマンドによって既にサブ制御装置262で決定されているため、再度演出表示装置42の停止態様に関する情報を付加する必要はない。また、繰り返しとなるが、特別図柄表示装置43A,43Bによる停止表示が主となる表示であり、演出表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なもの(演出用)となっている。
続いて、ステップSC817において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための特図1判別情報設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップSC817の特図1判別情報設定処理について、図135を参照して説明する。
先ず、ステップSC1001において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、特図1大当たり変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップSC1001で肯定判別された場合には、ステップSC1002において特図1大当たり変動フラグをオフし、ステップSC1003において大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグ(第1特別変動保留エリアに記憶されていた第1変動表示で大当たりしたことを示す特図1大当たり中フラグ)をオンする。
さらに、ステップSC1004において、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(第1可変入賞装置32Aの開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに対し、特別変動保留エリアの実行エリアに設定された各種大当たりフラグに対応する値(15R大当たりに対応する「15」、又は、4R大当たりに対応する「4」)を設定する。
続くステップSC1005では、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップSC1006では、当たり状態中の制御(第1可変入賞装置32Aの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して所定値(本実施形態では8秒のオープニング期間に対応する値「2000」)を設定する。続いて、ステップSC1007では、第1可変入賞装置32Aに入球した遊技球の数をカウントするための第1入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である8個を示す「8」を設定する。
尚、第1入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図125参照)に際して、第1可変入賞装置32Aへの入球があったか否かを大入賞口カウントスイッチ222の検知情報により判別し、第1可変入賞装置32Aへの入球があったと判別されると1減算される。
それから、ステップSC1008において、サブ制御装置262に対して当たり状態の開始を伝えるためのオープニングコマンドを設定した後、本処理を終了する。尚、オープニングコマンドには、当たり種別の情報等が含まれ、サブ制御装置262でも当たり状態の全ラウンド数等が把握できるようになっている。
また、ステップSC1001で否定判別された場合には、ステップSC1013において、変動インターバルタイマに対して変動インターバル(例えば、1秒)に相当する値を設定する。尚、演出表示装置42では、基本的に、特別図柄表示装置43A,43Bの変動表示の停止表示のタイミングで装飾図柄の変動表示が停止表示され、変動インターバルが終わるまで(次回の特別図柄表示装置43A,43Bの変動表示が開始されるまで)は、停止表示された装飾図柄が表示され続ける。そして、変動インターバルが終わり、変動表示が保留記憶されている場合には、特別図柄表示装置43A,43Bにおける変動表示と、演出表示装置42における変動表示とが同時に開始される。一方、変動インターバルが終わっても、変動表示が保留記憶されていない場合には、演出表示装置42における停止図柄がしばらく導出され続け、その後、遊技を待機する表示(デモ画面表示)に切替わる。
ステップSC1013の後、ステップSC1014において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否か、すなわち「時短Aモード」中であるか否かを判別する。
ステップSC1014で肯定判別された場合には、ステップSC1015において、第1変動回数カウンタAの値を1減算する。第1変動回数カウンタAは、「時短Aモード」の継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)を計測するためのものである。
尚、本実施形態では、後述するように、全ての種別の大当たり終了後に、「時短Aモード」が変動表示1回分又は7回分の期間付与されることから、大当たり終了時に、第1変動回数カウンタAに対して「1」又は「7」が設定される。
続くステップSC1016では、第1変動回数カウンタAの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1016で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC1016で肯定判別された場合には、ステップSC1017において、モード記憶エリアに対し、「通常モード」であることを示す「11」を設定する。すなわち、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bにおいて行われた第1変動表示及び第2変動表示の実行回数の合計が「1回」又は「7回」となった時点で「時短Aモード」が終了し、「通常モード」へと移行することとなるようになっている。
ステップSC1017の後、ステップSC1018において、サブ制御装置262に対して「通常モード」への移行(「時短Aモード」の終了)を知らせる時短Aモード終了コマンドの設定を行う。継続機能部であるサブ制御装置262の機能により「時短Aモード」が付与されている期間中、ラッシュステージ演出やバトルステージ演出を継続して実行する構成としてもよい。その後、本処理を終了する。
また、ステップSC1014で否定判別された場合には、ステップSC1019において、モード記憶エリアに「31」が記憶されているか否か、すなわち「時短Bモード」中であるか否かを判別する。
ステップSC1019で肯定判別された場合には、ステップSC1020において、第2変動回数カウンタBの値を1減算する。第2変動回数カウンタBは、「時短Bモード」の継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)を計測するためのものである。
尚、本実施形態では、時短当たりが発生した場合に、「時短Bモード」が変動表示「30回」分、「40回」分又は「50回」分の期間付与されることから、時短当たり時に、第2変動回数カウンタBに対して特定数値情報として「30」、「40」又は「50」が設定される。かかる機能により本実施形態における情報設定機能部が構成される。
続くステップSC1021では、第2変動回数カウンタBの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1021で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC1021で肯定判別された場合には、ステップSC1022において、モード記憶エリアに対し、「通常モード」であることを示す「11」を設定する。すなわち、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bにおいて行われた第1変動表示及び第2変動表示の実行回数の合計が「30回」、「40回」又は「50回」となった時点で「時短Bモード」が終了し、「通常モード」へと移行するようになっている。
ステップSC1022の後、ステップSC1023において、サブ制御装置262に対して「通常モード」への移行(「時短Bモード」の終了)を知らせる時短Bモード終了コマンドの設定を行った後、本処理を終了する。
次に、通常処理(図124参照)の第2特別表示制御処理(ステップSC205)について、図136を参照して説明する。尚、本実施形態では、第2特別図柄表示装置43Bに関しては、第2変動表示の変動インターバルは設定されないように構成されている。勿論、第2変動表示の変動インターバルが設定される構成としてもよい。
先ず、ステップSC1601では、当たり状況記憶エリアの値が「0」であるか否か、すなわち、大当たり状態及び小当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップSC1601で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態又は小当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1601で肯定判別された場合には、ステップSC1603において、第2特別図柄表示装置43Bにて第2変動表示中であることを示す特図2表示中フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップSC1603で否定判別された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態中ではなく、さらに第2変動表示中でもない場合には、ステップSC1604に進み、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示の保留数をカウントする第2保留カウンタNbが0よりも大きいか否かを判別する。つまり、第2保留カウンタNbの値が減算されて「0」となるまでの所定状態中は第2変動表示に係る表示演出が継続して行われることとなる。該ステップSC1604で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1604で肯定判別された場合には、更新機能部又は減算機能部となるステップSC1605の処理において、第2保留カウンタNbから1を減算する。続くステップSC1606では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップSC1606の後、ステップSC1607において、第2変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する第2保留表示装置46B(第2保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、第2保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップSC1607の後、ステップSC1608において第2変動表示設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップSC1608の第2変動表示設定処理の詳細について、図137を参照して説明する。
先ず、ステップSC1701では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当否乱数カウンタCC1の値が大当たりに対応する「7」であるか否かを判別する。尚、ステップSC1701において、特別変動保留エリアの実行エリアの大当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、大当たりに対応する第2変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップSC1701で肯定判別された場合には、ステップSC1702において、大当たりに対応する第2変動表示が行われていることを示す特図2大当たり変動フラグをオン設定する。続くステップSC1703では、特別変動保留エリアの実行エリアに15R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップSC1703で肯定判別された場合には、ステップSC1704で15R大当たりパターン設定処理を行う。
また、ステップSC1703で否定判別された場合には、ステップSC1705で、8R大当たりフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップSC1705で肯定判別された場合には、ステップSC1706において、8R大当たりパターン設定処理を行い、ステップSC1705で否定判別された場合には、ステップSC1707において、4R大当たりパターン設定処理を行う。
上記第1変動表示設定処理の場合と同様、各種パターン設定処理は、第2特別図柄表示装置43B及び演出表示装置42において、実行エリアに記憶された変動情報に対応する変動表示及び演出表示を実行させるための処理であり、ここでは、各種当たりに対応する変動パターンテーブルを参酌して、第2特別図柄表示装置43B及び演出表示装置42の変動パターン(変動表示時間、停止態様、演出パターン等)を決定し、変動パターンコマンドの設定等を行う。
つまり、ステップSC1704、ステップSC1706、ステップSC1707に係る各パターン設定処理においては、第2変動時間の設定に際して参照される第2変動時間決定テーブルとして、モード記憶エリアに「通常モード」に対応する「11」が記憶されている場合には、該パターン設定処理に対応する「通常モード」用の第2通常変動時間決定テーブルが選択される。また、「時短Aモード」に対応する「21」が記憶されている場合には、該パターン設定処理に対応する「時短Aモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルが選択される。「時短Bモード」に対応する「31」が記憶されている場合には、該パターン設定処理に対応する「時短Bモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルが選択される。
続いて、選択された第2変動時間決定テーブルを参照し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第2変動時間を決定する。決定された第2変動時間は、特別変動保留エリアの実行エリアに対応付けて記憶される。
そして、第2変動表示であること、大当たり種別情報、遊技モード情報、及び、変動時間などを含む各種情報を変動パターンコマンドに設定する。
尚、本実施形態では、演出表示装置42において、第2変動表示に対応するリーチ演出等は行われないようになっている。但し、上記のとおり、第2始動入賞部33WBへの入賞履歴に合わせて、第2特別変動保留エリアの各保留エリアに変動選択カウンタCC3の値を格納しているため、第1変動表示に対応する場合と同様に、演出表示装置42において、第2変動表示に対応するリーチ演出等が実行される構成としてもよい。例えば操作手段を用いた遊技者の選択によりリーチ演出等が実行されるか否かを決定する構成としてもよい。
ステップSC1704、ステップSC1706、又は、ステップSC1707の後、ステップSC1710において、第2特別図柄表示装置43Bにおける第2変動表示中であること示す特図2表示中フラグをオン設定し、ステップSC1711において、第2変動表示の残り時間を計測する特図2表示タイマに対し、第2変動時間に対応する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC1701で否定判別された場合には、ステップSC1712において、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当否乱数カウンタCC1の値が小当たりに対応する値であるか否かを判別する。尚、ステップSC1712において、特別変動保留エリアの実行エリアの小当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、小当たりに対応する第2変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップSC1712で肯定判別された場合には、ステップSC1713において、小当たりに対応する第2変動表示が行われていることを示す小当たり変動フラグをオン設定する。そして、続くステップSC1709において、小当たりパターン設定処理(変動パターンコマンドの設定等)を行った後、ステップSC1710、ステップSC1711を経て、本処理を終了する
小当たりパターン設定処理では、第2変動時間の設定に際して参照される第2変動時間決定テーブルとして、モード記憶エリアに「通常モード」に対応する「11」が記憶されている場合には、該小当たりパターン設定処理に対応する「通常モード」用の第2通常変動時間決定テーブルが選択される。また、モード記憶エリアに「時短Aモード」に対応する「21」が記憶されている場合には、該小当たりパターン設定処理に対応する「時短Aモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルが選択される。モード記憶エリアに「時短Bモード」に対応する「31」が記憶されている場合には、該小当たりパターン設定処理に対応する「時短Bモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルが選択される。
そして、選択された第2変動時間決定テーブルを参照し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第2変動時間を決定する。決定された第2変動時間は、特別変動保留エリアの実行エリアに対応付けて記憶される。さらに、第2変動表示であること、変動パターン(小当たりであること)を示す情報、遊技モード情報、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定する。
また、ステップSC1712で否定判別された場合には、ステップSC1717において、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当否乱数カウンタCC1の値が時短当たりに対応する値であるか否かを判別する。尚、ステップSC1717において、特別変動保留エリアの実行エリアの時短当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、時短当たりに対応する第2変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。
ステップSC1717で肯定判別された場合には、ステップSC1718において、時短当たりに対応する第2変動表示が行われていることを示す時短当たり変動フラグをオン設定する。そして、続くステップSC1719において、時短当たりパターン設定処理(変動パターンコマンドの設定等)を行った後、ステップSC1710、ステップSC1711を経て、本処理を終了する。
時短当たりパターン設定処理では、第2変動時間の設定に際して参照される第2変動時間決定テーブルとして、モード記憶エリアに「通常モード」に対応する「11」が記憶されている場合には、該時短当たりパターン設定処理に対応する「通常モード」用の第2通常変動時間決定テーブルが選択される。また、モード記憶エリアに「時短Aモード」に対応する「21」が記憶されている場合には、該時短当たりパターン設定処理に対応する「時短Aモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルが選択される。モード記憶エリアに「時短Bモード」に対応する「31」が記憶されている場合には、該時短当たりパターン設定処理に対応する「時短Bモード」用の第2短縮変動時間決定テーブルが選択される。
そして、選択された第2変動時間決定テーブルを参照し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第2変動時間を決定する。決定された第2変動時間は、特別変動保留エリアの実行エリアに対応付けて記憶される。さらに、第2変動表示であること、変動パターン(時短当たりであること)を示す情報、遊技モード情報、及び、変動時間を含む情報を変動パターンコマンドに設定する。
図136の説明に戻り、ステップSC1603で肯定判別された場合、すなわち第2変動表示中である場合には、ステップSC1609に進み、特図2表示タイマの減算処理を行う。
続いてステップSC1610に進み、上記減算後の特図2表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち特図2表示タイマの値が「0」となった場合にステップSC1610が肯定判別される。
ステップSC1610で否定判別された場合には、ステップSC1615において、第2特別図柄表示装置43Bの切替表示(第2変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第2特別図柄表示装置43Bに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第2特別表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に第2特別図柄表示装置43Bの切替表示(変動表示)が実現される。ステップSC1615の後、本処理を終了する。
一方、ステップSC1610で肯定判別された場合には、ステップSC1611において特図2表示中フラグをオフし、ステップSC1612において第2特別図柄表示装置43Bにて停止表示を行うための特図2停止表示設定を行う。この特図2停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、第2特別図柄表示装置43Bに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、第2特別図柄表示装置43Bにおいて、第2変動表示設定処理にて設定された各種大当たりや小当たり、各種時短当たり、外れ等に対応する態様が停止表示されることとなる。
また、ステップSC1612の後、ステップSC1613において、サブ制御装置262に対して、演出表示装置42の停止表示を行わせる特図2停止コマンドの設定を行う。これにより、第2特別図柄表示装置43B及び演出表示装置42の停止タイミングの同期が確実に図られる。
続いて、ステップSC1614において、当たり状態の初期設定や遊技モードの切替設定を行うための特図2判別情報設定処理を行ってから、本処理を終了する。
ここで、ステップSC1614の特図2判別情報設定処理について、図138を参照して説明する。先ず、ステップSC1801において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、小当たり変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップSC1801で肯定判別された場合には、ステップSC1802において小当たり変動フラグをオフし、ステップSC1803において小当たり状態中であることを示す小当たり中フラグをオンする。さらに、ステップSC1804において、小当たり状態中に実行されるラウンドの回数(第2可変入賞装置32Bの開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに「2」を設定する。
続くステップSC1805では、当たり状況記憶エリアに対して小当たり状態の第1ラウンド中であることを示す「4」を設定する。さらに、ステップSC1806では、モード記憶エリアに記憶されている値が「21」であるか否かを判別する。ステップSC1806で肯定判別された場合、すなわち、「時短Aモード」である場合(高入球状態である場合)には、ステップSC1807において、当たり状態中の制御(可変入賞装置32A,32Bの開閉制御)に用いられる特別可変タイマに対して、1.6秒の開放期間に対応する値「400」を設定する。一方、ステップSC1806で否定判別された場合(低入球状態である場合)には、ステップSC1808において、特別可変タイマに対し、0.1秒の開放時間に対応する値「25」を設定する。
ステップSC1807又はステップSC1808の後、ステップSC1809では、第2可変入賞装置32Bに入球した遊技球の数をカウントするための第2入賞カウンタに対して、1ラウンドあたりの最大入球個数である4個を示す「4」を設定する。
尚、第2入賞カウンタの値は、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図125参照)に際して、第2可変入賞装置32Bへの入球があったか否かを入球カウントスイッチ223aの検知情報により判別し、第2可変入賞装置32Bへの入球があったと判別されると1減算される。
続くステップSC1810では、第2可変入賞装置32Bを開放させるための第2開放処理を行う。
さらに、ステップSC1811では、変動回数カウンタの減算処理を行う。本実施形態では、小当たりに当選しただけでは遊技モードの変更はないことから、「時短Aモード」又は「時短Bモード」が設定されている場合には、この減算処理によって、小当たりの変動表示が終了した段階でも「時短Aモード」又は「時短Bモード」の残り継続回数を1回分減らす処理を行う。
尚、この変動回数カウンタの減算処理は、現在の遊技モードが「通常モード」である場合(モード記憶エリアに「11」が記憶されている場合)に行われず、スキップされるように構成されている。
つまり、この変動回数カウンタの減算処理では、まずモード記憶エリアに「21」又は「31」が記憶されているか否か、すなわち現在の遊技モードが「時短Aモード」又は「時短Bモード」であるか否かを判定し、肯定判別された場合にのみ、変動回数カウンタ(第1変動回数カウンタA又は第2変動回数カウンタB)の値を1減算する処理を実行することとなる。
続くステップSC1812では、サブ制御装置262に対して小当たり状態の開始を伝えるための小当たり開始コマンドを設定する。その後、本処理を終了する。この小当たり開始コマンドには、小当たりに関する各種情報(例えばV大当たり状態が発生した場合の大当たり種別など)等が含まれ、サブ制御装置262でも小当たり状態の進行状況が把握できるようになっている。
ステップSC1801で否定判別された場合には、ステップSC1813において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、特図2大当たり変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップSC1813で肯定判別された場合には、ステップSC1814において特図2大当たり変動フラグをオフし、ステップSC1815において大当たり状態中であることを示す大当たり中フラグ(第2特別変動保留エリアに記憶されていた第2変動表示で大当たりしたことを示す特図2大当たり中フラグ)をオンする。
続くステップSC1816において、特別変動保留エリアの実行エリアに設定された各種大当たりフラグを参照して、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(第1可変入賞装置32Aの開放回数)を判別するためのラウンド数カウンタに、各種大当たりに対応する値を設定する。
例えば15R大当たりフラグがオン設定されている場合には、ラウンド数カウンタに「15」を設定する。8R大当たりフラグがオン設定されている場合には、ラウンド数カウンタに「8」を設定する。4R大当たりフラグがオン設定されている場合には、ラウンド数カウンタに「4」を設定する。
その後、ステップSC1817において、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップSC1818では、特別可変タイマに対して、例えば8秒のオープニング期間に対応する値「2000」を設定する。続いて、ステップSC1819では、第1可変入賞装置32Aに入球した遊技球の数をカウントするための第1入賞カウンタに対して「8」を設定する。それから、ステップSC1820において、オープニングコマンドを設定し、本処理を終了する。
一方、ステップSC1813で否定判別された場合には、ステップSC1821において、特別変動保留エリアの実行エリアを参照し、時短当たり変動フラグがオン設定されているか否かを判別する。
ステップSC1821で肯定判別された場合には、ステップSC1822において時短当たり変動フラグをオフし、ステップSC1823においてモード記憶エリアに対して「時短Bモード」に対応する値「31」を設定する。これにより、遊技モードが内部的に「通常モード」から「時短Bモード」へ切替設定されることとなる。
続くステップSC1824では、「時短Bモード」の継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)の計測に用いられる第2変動回数カウンタBに対し、当選した時短当たり種別に対応する値を設定する。
詳しくは、特別変動保留エリアの実行エリアに設定された各種時短当たり予定フラグを参酌して、「30回時短当たり」に当選した場合には、第2変動回数カウンタBの値に「30」と設定し、「40回時短当たり」に当選した場合には、第2変動回数カウンタBの値に「40」と設定し、「50回時短当たり」に当選した場合には、第2変動回数カウンタBの値に「50」と設定する。
その後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、この段階においては、サブ制御装置262に対して「時短Bモード」を発生させる旨のコマンド等を送信しない構成となっている。つまり、この段階においては、演出表示装置42等において、「時短Bモード」に係る演出を行うことなく、「時短Bモード」が付与された旨を遊技者は認知困難な構成となっている。
また、ステップSC1821で否定判別された場合には、ステップSC1827において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否か、すなわち現在の遊技モードが「時短Aモード」であるか否かを判別する。
ステップSC1827で肯定判別された場合には、ステップSC1828において、「時短Aモード」の継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)の計測に用いられる第1変動回数カウンタAの値を1減算する。
尚、本実施形態における第1変動回数カウンタAは、「時短Aモード」終了時に保留記憶されている残りの第2変動表示の実行期間(残り保留消化期間、最大で4回)の計測にも用いられる。
続くステップSC1829では、第1変動回数カウンタAの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1829で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1829で肯定判別された場合には、ステップSC1830において、モード記憶エリアに対し、「通常モード」であることを示す「11」を設定する。すなわち、第1特別図柄表示装置43A及び第2特別図柄表示装置43Bにて行われた第1変動表示及び第2変動表示の実行回数の合計が「1回」又は「7回」となった時点で「時短Aモード」が終了し、「通常モード」へと移行することとなる。
ステップSC1830の後、ステップSC1831において、第2保留カウンタNbの値が「0」よりも大きいか否かを判別する。つまり、第2特別変動保留エリアに第2変動表示が保留記憶されているか否かを判別する。
ステップSC1831で否定判別された場合、すなわち第2特別変動保留エリアに第2変動表示が保留されていない場合には、ステップSC1832において、サブ制御装置262に対して「通常モード」への移行(「時短Aモード」の終了)を知らせる「時短Aモード」終了コマンドの設定を行ってから、本処理を終了する。
一方、ステップSC1831において肯定判別された場合、すなわち第2特別変動保留エリアに第2変動表示が保留されている場合には、ステップSC1833へ移行し、第1変動回数カウンタAに対し、現在の第2保留カウンタNbの値(現在の第2特別変動保留エリアに保留記憶された第2変動表示の保留数、最大で「4」)を設定する。これにより、「継続チャンスステージ演出」が連続して実行される期間(変動表示回数)が設定される。
従って、本実施形態では「継続チャンスステージ演出」が「特定演出」に相当し、「継続チャンスステージ演出」を実行するサブ制御装置262の機能により「演出実行機能部」が構成される。また、本実施形態では、第1変動回数カウンタAの値が減算されて特定値「0」となるまでの残り保留消化期間中が「所定状態中」に相当し、この期間中に「継続チャンスステージ演出」を継続して実行するサブ制御装置262の機能により「継続機能部」が構成されることとなる。
続くステップSC1834において、「継続チャンスステージ演出」に係る演出開始設定処理(例えばサブ制御装置262に対して「継続チャンスステージ演出」を実行させるための演出開始コマンドの設定など)を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップSC1827で否定判別された場合には、ステップSC1835において、モード記憶エリアに「31」が記憶されているか否か、すなわち現在の遊技モードが「時短Bモード」であるか否かを判別する。
ステップSC1835で肯定判別された場合には、ステップSC1836において、第2変動回数カウンタBの値を1減算した後(時短Bモードの継続期間を内部的に更新した後)、ステップSC1837へ移行する。一方、ステップSC1835で否定判別された場合には、そのままステップSC1837へ移行する。本実施形態では、かかる第2変動回数カウンタBを減算する処理機能により「更新機能部」が構成される。
ステップSC1837では、第1変動回数カウンタAの値が0より大きいか否か、すなわち現在の遊技モードが「通常モード」であるか「時短Bモード」であるかを問わず、「継続チャンスステージ演出」中であるか否か判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1837において肯定判別された場合には、ステップSC1838において、第1変動回数カウンタAの値を1減算した後、ステップSC1839へ移行する。
ステップSC1839では、第1変動回数カウンタAの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1839において、否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1839で肯定判別された場合、すなわち「継続チャンスステージ演出」の終了タイミングである場合には、「継続チャンスステージ演出」に係る演出終了設定処理(例えばサブ制御装置262に対して「継続チャンスステージ演出」を終了させるための演出終了コマンドの設定など)を行ってから、本処理を終了する。
本実施形態では、第1変動回数カウンタA及びこれに係る各種機能により第1計数機能部が構成され、第2変動回数カウンタB及びこれに係る各種機能により第2計数機能部が構成される。
また、本実施形態では、第2特別図柄表示装置43Bの第2変動表示の終了が所定の減算条件の成立に相当し、第1変動回数カウンタAを減算する処理機能により減算機能部が構成される。
次に、第1可変入賞装置32A及び第2可変入賞装置32Bを開閉させるための上記ステップSC207の可変入賞装置制御処理について図139のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップSC1201では、当たり状況記憶エリアに設定されている値が「0」であるか否かを判別することで、当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップSC1201で肯定判別された場合、すなわち当たり状態ではない場合には、そのまま本処理を終了する。ちなみに、大当たり状態又は小当たり状態の開始時にあっては、上記特図1判別情報設定処理及び特図2判別情報設定処理にて、当たり状況記憶エリアに「1」又は「4」が設定されている。
一方、ステップSC1201で否定判別された場合、すなわち当たり状態中である場合(当たり状況記憶エリアに「1」~「6」のいずれかが設定されている場合)には、ステップSC1202に移行し、特別可変タイマの値を1減算する。続くステップSC1203では、特別可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1203で肯定判別された場合には、ステップSC1204において、当たり状況記憶エリアにおいて「1」が設定されているか否かを判別する。
ステップSC1204で肯定判別された場合には、ステップSC1205において、当たり状況記憶エリアに対して「2」を設定する。続くステップSC1206では、特別可変タイマに対して、第1可変入賞装置32Aの開状態を維持する時間(30秒)に対応する値「7500」を設定する。
ステップSC1206の後、ステップSC1207では、第1可変入賞装置32Aを開状態とさせる第1開放処理を行い、ステップSC1208では、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップSC1204で否定判別された場合には、ステップSC1209において、当たり状況記憶エリアにおいて「5」が設定されているか否かを判別する。尚、本実施形態では、小当たり状態の第1ラウンドと、第2ラウンドとの間のインターバル期間において当たり状況記憶エリアに「5」が設定されている。
ステップSC1209で否定判別された場合には、ステップSC1210において、当たり状況記憶エリアにおいて「3」が設定されているか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、大当たり状態における全ラウンドが終了し、エンディング期間が開始される際に、当たり状況記憶エリアに対して「3」が設定されることとなる。ステップSC1210で否定判別された場合、すなわち未だ大当たり状態を終了させる時期ではない場合には、ステップSC1211において、当たり状況記憶エリアにおいて「6」が設定されているか否かを判別する。本実施形態では、小当たり状態の第2ラウンドにおいて当たり状況記憶エリアに「6」が設定されている。
ステップSC1211で否定判別された場合、ステップSC1212において、ラウンド数カウンタの値を1減算する。続くステップSC1213では、ラウンド数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1213で否定判別された場合、すなわち未だ実行するべきラウンドが残されている場合には、ステップSC1214において、当たり状況記憶エリアにおいて「4」が設定されているか否かを判別する。本実施形態では、小当たり状態の第1ラウンドにおいて当たり状況記憶エリアに「4」が設定されている。
ステップSC1214で否定判別された場合、すなわち当たり状況記憶エリアに「2」が設定されている場合には、ステップSC1215に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。その後、ステップSC1216において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(1秒)に対応する値「250」を設定する。
続くステップSC1217では、第1入賞カウンタに対して「8」を設定する。さらに、ステップSC1218において、第1可変入賞装置32Aを閉状態とさせる第1閉鎖処理を行い、ステップSC1219において、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップSC1214で肯定判別された場合、すなわち小当たり状態の第1ラウンドが終了した場合には、ステップSC1220において、当たり状況記憶エリアに対して「5」を設定する。その後、ステップSC1221において、特別可変タイマに対してインターバルの時間(0.1秒)に対応する値「25」を設定する。
続くステップSC1222では、第2入賞カウンタに対して「4」を設定する。さらに、ステップSC1223において、第2可変入賞装置32Bを閉状態とさせる第2閉鎖処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップSC1203で否定判別された場合、すなわち第1可変入賞装置32A又は第2可変入賞装置32Bの開状態又は閉状態を維持するべき時間(開放時間又は閉鎖時間)が残っている場合には、ステップSC1224に移行し、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに設けられた特定入球部320cに遊技球が入球したか否かを判別する。尚、詳しくは後述するが、該処理では、特定入球部320cに入球した遊技球を検知する特定入球検知スイッチ223bによる検知が行われた場合にオン設定される特定入賞フラグがオン設定されているか否かを判別することで、特定入球部320cに遊技球が入球したか否かの判別を行っている。
ステップSC1224で否定判別された場合、ステップSC1225において、現在の当たり状態中の可変入賞装置32A,32Bに対応する入賞カウンタ(大当たり状態中である場合には第1入賞カウンタ、小当たり状態中である場合には第2入賞カウンタ)の値が「0」であるか否かを判別する。尚、上述したように、各入賞カウンタには、当たり状態の開始時又はインターバルの開始時において、1回のラウンドあたりの入賞数の上限値(規定個数「8」個又は「4」個)が設定される。そして、可変入賞装置32A,32Bに遊技球が1つ入球する毎に1減算される。
ステップSC1225で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC1225で肯定判別された場合、すなわちラウンドの設定期間の経過を待たずにラウンドの終了契機が訪れた場合には、上記ステップSC1211に移行する。これにより、1回のラウンド中に第1可変入賞装置32A又は第2可変入賞装置32Bに対して遊技球が上限まで(8個又は4個)入球した場合には、開放期間の上限(30秒、1.6秒、又は、0.1秒)が経過していなくてもその時点で速やかにラウンドが終了することとなる。
また、ステップSC1224で肯定判別された場合、すなわち小当たり状態において、遊技球が特定入球部320cに入球することを契機としてV入賞大当たりが発生するような場合には、ステップSC1226において、大当たり状態に継続させるための特定入賞処理を行ってから、本処理を終了する。尚、特定入賞処理の詳細については後述する。
また、ステップSC1213で肯定判別された場合、すなわち大当たり状態における全ラウンドが消化された場合には、ステップSC1227に移行し、当たり状況記憶エリアに対して「3」を設定する。その後、ステップSC1228において、特別可変タイマに対してエンディングの時間(10秒)に対応する値「2500」を設定する。
ステップSC1228の後、ステップSC1229において、第1入賞カウンタに対して「7」を設定する。尚、ステップSC1225で肯定判別された後の流れでステップSC1227以降のエンディングを設定する処理が行われる場合、第1入賞カウンタの値は「0」になっている。そして、エンディング期間の開始時に第1入賞カウンタの値をそのまま「0」にしておくと、4msec後の可変入賞装置制御処理において、いきなりステップSC1225で肯定判別されてしまい、エンディング期間を全うさせることができない。このため、ステップSC1229で第1入賞カウンタに対して「0」以外の仮の数値(本例では「7」)を入れておくことで、エンディング期間を全うさせるようになっている。勿論、別の方法で、エンディング期間を全うさせるように構成してもよい。
ステップSC1229の後、ステップSC1230では、第1可変入賞装置32Aを閉状態とさせる第1閉鎖処理を行い、続くステップSC1231では、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドを設定する。その後、本処理を終了する。
また、ステップSC1210で肯定判別された場合、すなわちエンディング期間が終了して大当たり状態を終了させる時期が到来した場合には、ステップSC1232に移行し、終了設定処理を行う。
ここで、終了設定処理について、図141を参照して説明する。先ず、ステップSC1401では、大当たり中フラグ(特図1大当たり中フラグ、特図2大当たり中フラグ又は後述するV入賞大当たり中フラグのいずれか)がオン設定されているか否かを判別する。ステップSC1401で肯定判別された場合には、ステップSC1403において、モード記憶エリアに対して「時短Aモード」に対応する値「21」を記憶する。これにより、大当たり状態終了後に「時短Aモード」が付与されることとなる。
続くステップSC1404では、サブ制御装置262に対して「時短Aモード」を開始させること(「ラッシュステージ演出」又は「バトルステージ演出」への移行)を伝える時短Aモード開始コマンドを設定する。演出実行機能部としてのサブ制御装置262の演出実行処理により、特定演出としてラッシュステージ演出やバトルステージ演出を実行する構成としてもよい。ステップSC1404の後、ステップSC1407において、オン設定されている大当たり中フラグ(特図1大当たり中フラグ、特図2大当たり中フラグ又はV入賞大当たり中フラグのいずれか)をオフする。
続くステップSC1408では、当たり状況記憶エリアに対して当たり状態以外の状態であることを示す値「0」を設定する。さらに、ステップSC1409において、サブ制御装置262に対して大当たり状態が終了することを伝える大当たり終了コマンドを設定する。その後、ステップSC1410において、第1変動回数カウンタAに対して、大当たり種別に対応した「時短Aモード」の上限となる変動回数値「1」又は「7」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC1401で否定判別された場合、すなわち、小当たり状態であった場合には、ステップSC1411において、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに存在する遊技球の数を計数する入球カウンタを確認し、内部領域320aに存在する遊技球が「0」であるか否かを判別する。
ステップSC1411で肯定判別された場合、ステップSC1412において、小当たり中フラグをオフし、ステップSC1413において、当たり状況記憶エリアに対して「0」を設定し、ステップSC1414において、サブ制御装置262に対して小当たり状態が終了することを伝える小当たり終了コマンドを設定する。
その後、ステップSC1415において、第1変動回数カウンタAの値が「0」であるか否かを判別する。尚、「時短Aモード」の継続期間は、第1変動表示及び第2変動表示が合計で「1回」若しくは「7回」行われるまで、又は、大当たり状態が発生するまでとなっているため、小当たりに対応する第2変動表示が終了し、小当たりが開始される際に、第1変動回数カウンタAの値が1減算されている(ステップSC1811参照)。該ステップSC1415では、「時短Aモード」の変動回数の上限に達したか(「1回」若しくは「7回」が終了したか)否かの判別を行っている。
ステップSC1415で肯定判別された場合には、ステップSC1416において、モード記憶エリアに対して「通常モード」に対応する値「11」を設定し、ステップSC1417において時短Aモード終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。
一方、ステップSC1415で否定判別された場合には、ステップSC1420において、第2変動回数カウンタBの値が「0」であるか否かを判別する。尚、「時短Bモード」の継続期間は、第1変動表示及び第2変動表示が合計で「30回」、「40」若しくは「50回」行われるまで、又は、大当たり状態が発生するまでとなっているため、小当たりに対応する第2変動表示が終了し、小当たりが開始される際に、第2変動回数カウンタBの値が1減算されている(ステップSC1811参照)。該ステップSC1420では、「時短Bモード」の変動回数の上限に達したか(「30回」、「40」若しくは「50回」が終了したか)否かの判別を行っている。
ステップSC1420で肯定判別された場合には、ステップSC1421において、モード記憶エリアに対して「通常モード」に対応する値「11」を設定し、ステップSC1422において時短Bモード終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC1411で否定判別された場合には、ステップSC1418において、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aにおける遊技球の監視を引き続き行うための残球監視フラグをオン設定してから、本処理を終了する。つまり、内部領域320aに遊技球が残存している場合には、小当たり状態(の第2ラウンド)が終了するタイミングとなっても、小当たり状態が終了しないように構成されている。
ここで、タイマ割込み処理(図125参照)の残存球監視処理(ステップSC307)について、図142を参照して説明する。
先ず、ステップSC1301では、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに遊技球が入球したか否かを、内部領域320aの入球開口部320bの近傍に設置された入球カウントスイッチ223aの検知情報に基づいて判別する。ステップSC1301で肯定判別された場合には、ステップSC1302において、内部領域320aに存在する遊技球を計数する入球カウンタの値を1加算する。
続くステップSC1303では、残存球監視処理に使用される監視タイマに対し、只今、入球カウントスイッチ223aに検知された遊技球が内部領域320aから排出されていて当然となるだけの予め定められた時間に対応する値を設定する。本実施形態では、内部領域320aに入球した遊技球が内部領域320aから排出までに不具合がなければ2秒を超えることがないように構成されており、ステップSC1303では、監視タイマに対し、3秒に相当する「750」が設定される。
ステップSC1303の後、又は、ステップSC1301で否定判別された場合には、ステップSC1304において、特定入球部320cに遊技球が入球したか否かを、特定入球検知スイッチ223bの検知情報に基づいて判別する。ステップSC1304で肯定判別された場合には、ステップSC1305において、特定入賞フラグをオン設定する。続くステップSC1306では、入球カウンタの値を1減算する。
ステップSC1306の後、又は、ステップSC1304で否定判別された場合には、ステップSC1307において、非特定入球部320dに遊技球が入球したか否かを、非特定入球検知スイッチ223cの検知情報に基づいて判別する。ステップSC1307で肯定判別された場合には、ステップSC1308において、入球カウンタの値を1減算する。
ステップSC1308の後、又は、ステップSC1307で否定判別された場合には、ステップSC1309において、入球カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1309で否定判別された場合には、ステップSC1310において、監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1310において否定判別された場合には、ステップSC1311において、監視タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップSC1310において肯定判別された場合、すなわち、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aから全ての遊技球が排出されている筈のタイミングになっても、未だに遊技球が残存していると判別される場合には、ステップSC1312においてエラー処理(例えば、エラー表示ランプ104の点灯、データランプのエラー表示、ホールコンピュータへの通報など)を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップSC1309で肯定判別された場合には、ステップSC1313において、小当たり状態を終了させる際に設定される場合がある残球監視フラグがオンされているか否かを判別する。ステップSC1313で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1313で肯定判別された場合には、ステップSC1314において、残球監視フラグをオフする。続くステップSC1315では、大当たり中フラグ(V入賞大当たり中フラグ)がオン設定されているか否かを判別する。ステップSC1315で肯定判別された場合、すなわち小当たり状態において特定入球部320cに遊技球が入球してV入賞大当たりが発生している場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1315で否定判別された場合には、小当たり状態を終了させる処理が未だ行われていないことから、ステップSC1316において小当たり中フラグをオフし、ステップSC1317において当たり状況記憶エリアに対して「0」を記憶し、ステップSC1318において小当たり終了コマンドを設定する。
その後、ステップSC1319において、第1変動回数カウンタAの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1319で肯定判別された場合には、ステップSC1320において、モード記憶エリアに対して「通常モード」に対応する値「11」を設定し、ステップSC1321において時短Aモード終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。
一方、ステップSC1319で否定判別された場合には、ステップSC1325において、第2変動回数カウンタBの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC1325で肯定判別された場合には、ステップSC1326において、モード記憶エリアに対して「通常モード」に対応する値「11」を設定し、ステップSC1327において時短Bモード終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。また、ステップSC1325で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図139の可変入賞装置制御処理の説明に戻り、ステップSC1209で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態の第1ラウンド終了後のインターバル期間が終了した場合には、ステップSC1233において、当たり状況記憶エリアに対して小当たり状態の第2ラウンドに対応する値「6」を設定し、ステップSC1234において、特別可変タイマに対して、第2可変入賞装置32Bの開放時間に対応する値を設定する。ここで、遊技モードが「時短Aモード」である場合には開放時間「1.6秒」に対応する値「400」を設定し、遊技モードが「通常モード」又は「時短Bモード」である場合には、開放時間「0.1秒」に対応する値「25」を設定する。さらに、ステップSC1235において、第2可変入賞装置32Bを開状態とさせる第2開放処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップSC1211で肯定判別された場合、すなわち、小当たり状態の第2ラウンド(最終ラウンド)が終了した場合には、ステップSC1236において、第2可変入賞装置32Bを閉状態とさせる第2閉鎖処理を行う。その後、ステップSC1232において、終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。
次に、可変入賞装置制御処理(図139)のステップSC1224で、特定入球部320cへの入球があったことを示す特定入賞フラグがオン設定されていると判別された場合に行われる特定入賞処理(ステップSC1226)について、図140を参照して説明する。
先ず、ステップSC1901では、特定入賞フラグをオフする。続くステップSC1902では、大当たり中フラグがオン設定されているか否か(本例では小当たり状態中に特定入球部320cに遊技球が2球続けて入る等した場合に、V入賞大当たり中フラグがオンされている可能性がある)を判別する。ステップSC1902で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC1902で否定判別された場合には、ステップSC1903において、第2可変入賞装置32Bを閉鎖させる第2閉鎖処理を行う。さらに、ステップSC1904において、小当たり中フラグをオフし、ステップSC1905において大当たり中フラグ(V入賞大当たり中フラグ)をオンする。つまり、小当たり状態中に特定入球部320cに遊技球が入球した場合、直ちに小当たり状態を終了させるとともに、大当たり状態を開始させるようになっている。
その後、ステップSC1906において、大当たり種別に対応する値をラウンド数カウンタに設定するラウンド数カウンタ設定処理を行う。この処理では、まず大当たり種別決定処理を行う。大当たり種別決定処理では、上記ステップSC507の第2種別判定処理に用いられた第2種別判定テーブルを参酌して、第2可変入賞装置32Bの特定入球部320cへの入球に基づいて取得された種別決定カウンタCC2の値が、「15R大当たり」に対応する値「0~7」、「8R大当たり」に対応する「8~17」、「4R大当たり」に対応する「18,19」のいずれであるかを判別し、大当たり種別を決定する。
そして、決定された大当たり種別に対応するラウンド数を、ラウンド数カウンタにラウンド数が設定する。但し、本実施形態では、小当たり状態が第1ラウンドに相当することから、ここではラウンド数カウンタに対し残りのラウンド数が設定される。
例えば、決定された大当たり種別が「15R大当たり」である場合にはラウンド数カウンタに「14」を設定し、「8R大当たり」である場合にはラウンド数カウンタに「7」を設定し、「4R大当たり」である場合にはラウンド数カウンタに「3」を設定する。
尚、本実施形態では、小当たり当選し、開状態とされた第2可変入賞装置32Bに入球した遊技球が特定入球部320cに入球することで、第2ラウンド以降の第1可変入賞装置32Aが開状態とされる大当たり状態に継続する構成となっているため、特定入球部320cに遊技球が入球することなく小当たり状態が終了した場合には、大当たり状態は付与されず、大当たり状態後の遊技モードの変更も行われないようになっている。
ステップSC1906の後、ステップSC1909において、当たり状況記憶エリアに対して「1」を設定する。さらに、ステップSC1910において、特別可変タイマに対して大当たり状態の発生を教示するためのオープニング期間に相当する「500」を設定する。その後、ステップSC1911において、第1入賞カウンタに「8」を設定し、ステップSC1912において、サブ制御装置262に対して、特定入球部320cに遊技球が入球したことでV入賞大当たり状態が発生することを伝える特定入賞コマンドを設定してから、本処理を終了する。
次に、通常処理(図124参照)のステップSC208の普通表示制御処理について図143を参照して説明する。
先ず、ステップSC2101では、普通図柄表示装置41の変動表示の後に設定されるインターバル(普図インターバル)の残り時間を計測するための普図インターバルタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC2101で否定判別された場合、すなわち、普図インターバルである場合には、ステップSC2116において、普図インターバルタイマの値を減算してから、本処理を終了する。つまり、例えば、普図インターバルを1秒(1000msec)として、普図インターバルタイマに「249(ステップSC2101の前にステップSC2116が行われる構成とする場合には「250」)」が設定されていた場合には、該処理において、4msec毎に普図インターバルタイマの値が「1」減算され、1秒後に「0」となる。
一方、ステップSC2101で肯定判別された場合、すなわち、普図インターバル期間ではない場合には、ステップSC2102において、第2始動入賞部33WB(羽根部材33WBb)の開閉制御の最中であることを示すサポート期間中フラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップSC2102で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC2102で否定判別された場合には、ステップSC2103において、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す普図表示中フラグがオンであるか否かを判別する。尚、普図表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされる。
ステップSC2103で否定判別された場合には、ステップSC2104に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップSC2104で否定判別された場合、すなわち、普通図柄表示装置41の変動表示が1つも保留されていない場合には、そのまま本処理を終了する。尚、例えば、ステップSC2104で否定判別された場合に、普通図柄表示装置41において、変動表示が行われていない変動待機状態であることに対応する表示態様を導出するための待機表示設定を行うこととしてもよい。つまり、普通図柄表示装置41は、変動停止後、その停止態様が普図インターバル期間の間は(始動入球サポート抽選の結果を示す態様で)維持されることとなるが、普図インターバル期間が終了すると、変動待機状態であることを示す表示態様に切替えられるように構成してもよい。
一方、ステップSC2104で肯定判別された場合には、更新機能部又は減算機能部となるステップSC2105の処理において、普通保留カウンタNcから1を減算する。続くステップSC2106では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップSC2107では、普通図柄表示装置41の変動表示を設定し、開始させるための普図変動設定処理を実行する。
ここで、普図変動設定処理について、図144を参照して説明する。先ず、ステップSC2301では、普通図柄表示装置41における普通図柄の変動表示中であることを示す普図表示中フラグをオン設定する。続くステップSC2302では、当たり状況記憶エリアを参照し、「0」が記憶されているか否か、すなわち、今現在、当たり状態以外の状態であるか否かを判別する。ステップSC2302で肯定判別された場合、つまり当たり状態ではない場合には、ステップSC2303において、モード記憶エリアに「21」の値が記憶されているか否か、すなわち「時短Aモード(高入球状態)」であるか否かを判別する。
ステップSC2303で肯定判別された場合には、ステップSC2304において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を0.4秒にするべく「100」を設定する。
一方、ステップSC2302、又は、ステップSC2303で否定判別された場合、つまり当たり状態である場合又は高入球状態でない場合には、ステップSC2307において、普図表示タイマに対し、普通図柄の変動表示時間を6秒にするために「1500」を設定する。
その後、ステップSC2305において、普通変動保留エリアの実行エリアの普通図柄乱数カウンタCC4が当選値(「低入球状態」の場合には「0,1」、「高入球状態」の場合には「0~27」)であるか否かを判別する。ステップSC2305で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC2305で肯定判別された場合、すなわち第2始動入賞部33WBを開状態とするか否かの始動入球サポート抽選に当選した場合には、ステップSC2306において、始動入球サポート抽選に当選したことを示す入球サポートフラグをオン設定する。ステップSC2306の後、本処理を終了する。
図143の説明に戻り、ステップSC2107の後、ステップSC2108において、普通図柄表示装置41の変動表示の保留数が1つ減ったことに対応する普通保留表示装置44(普通保留ランプ)の減算表示処理を行う。つまり、左右一対の普通保留ランプが両方とも点滅状態であった場合には左側の普通保留ランプを点滅させたまま右側の普通保留ランプを点灯させ、左側の普通保留ランプが点滅状態であり右側の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを点灯させ、左右両方の普通保留ランプが点灯状態であった場合には左側の普通保留ランプを点灯させたまま右側の普通保留ランプを消灯させ、左側の普通保留ランプが点灯状態であり右側の普通保留ランプが消灯状態であった場合には左右両方の普通保留ランプを消灯させるための処理を行う。ステップSC2108の後、本処理を終了する。
また、ステップSC2103で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップSC2109に進み、普図表示タイマを減算する処理を行う。この処理が1回行われる毎に普図表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップSC2110に進み、普図表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち変動時間が経過したか否かを判別する。ステップSC2110で肯定判別された場合には、ステップSC2111において普図表示中フラグをオフし、ステップSC2112において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普図停止表示設定を行う。つまり、始動入球サポート抽選に当選した場合(入球サポートフラグがオン設定されている場合)には、普通図柄表示装置41の左右一対の普図ランプの両方を点灯させ、外れである場合には左側の普図ランプのみを点灯させる。
続いてステップSC2113に進み、普図判別情報設定処理を行う。ここで、普図判別情報設定処理について、図145を参照して説明する。
先ず、ステップSC2401では、入球サポートフラグがオン設定されているか否かを判別する。ステップSC2401で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC2401で肯定判別された場合には、ステップSC2402において、第2始動入賞部33WBが開状態中であるか否かを判別するための普通可変フラグをオン設定する。
続くステップSC2403では、モード記憶エリアにおいて「21」が記憶されているか否か、すなわち「時短Aモード(高入球状態)」であるか否かを判別する。ステップSC2403で肯定判別された場合には、ステップSC2404において、第2始動入賞部33WBの開放時間(残余時間)を計測するための普通可変タイマに対し、第2始動入賞部33WBの開放時間を1.8秒にするべく「450」を設定する。
さらに、ステップSC2405では、第2始動入賞部33WBを開放させる回数(残り回数)を計数する開放回数カウンタに対し、第2始動入賞部33WBを2回開放させるべく「2」を設定する。
一方、ステップSC2403で否定判別された場合、すなわち「時短Aモード(高入球状態)」でない場合には、ステップSC2406において、普通可変タイマに対し、第2始動入賞部33WBの開放時間を0.2秒にするべく「50」を設定する。続く、ステップSC2407では、開放回数カウンタに対し、第2始動入賞部33WBを2回開放させるべく「2」を設定する。
ステップSC2405の後、又は、ステップSC2407の後、ステップSC2408において、入球サポートフラグをオフし、ステップSC2409において、サポート期間中フラグをオンにする。さらに、ステップSC2410において、第2始動入賞部33WBを開状態とする設定を行ってから、本処理を終了する。
図143の説明に戻り、ステップSC2113の後、ステップSC2114において、普図インターバルタイマに対して普図インターバル期間(例えば、1秒)に相当する値を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC2110で否定判別された場合には、ステップSC2115において、普通図柄表示装置41の変動表示(左右一対の普図ランプを交互に点灯させる切替表示)を継続して行うための切替表示設定を行う。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、普通表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)が実現される。ステップSC2115の後、本処理を終了する。
次に、通常処理(図124参照)のステップSC209の始動入賞部制御処理について図146のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップSC2201では、サポート期間中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップSC2201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、ステップSC2201で肯定判別された場合には、ステップSC2202において、普通可変タイマの値を1減算する。
続くステップSC2203では、普通可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC2203で否定判別された場合、すなわち第2始動入賞部33WBの開閉の状態を維持する期間である場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC2203で肯定判別された場合には、ステップSC2204において、普通可変フラグがオンであるか否かを判別する。ステップSC2204で肯定判別された場合、すなわち現在、第2始動入賞部33WBが開状態にあって、閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップSC2205において、普通可変フラグをオフする。続くステップSC2206では、開放回数カウンタの値を1減算し、ステップSC2207では、第2始動入賞部33WBを閉状態とする設定を行う。
その後、ステップSC2208において、開放回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。ステップSC2208で肯定判別された場合には、ステップSC2209においてサポート期間中フラグをオフしてから、本処理を終了する。
一方、ステップSC2208で否定判別された場合、すなわち、第2始動入賞部33WBが複数回開放されるうちの残り回数がある場合には、ステップSC2210で普通可変タイマに対してインターバル時間に相当する値(例えば「250」)を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップSC2204で否定判別された場合、すなわち第2始動入賞部33WBが複数回開放される間のインターバル期間(第2始動入賞部33WBは閉状態)にあって、インターバル期間を終了させるタイミングが到来した場合には、ステップSC2211で普通可変フラグをオン設定する。さらに、ステップSC2212において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否かを判別する。ステップSC2212で肯定判別された場合には、ステップSC2213において、普通可変タイマに対して1.8秒の開放時間に相当する値「450」を設定する。一方、ステップSC2212で否定判別された場合には、ステップSC2214において、普通可変タイマに対して0.2秒の開放時間に相当する値「50」を設定する。
ステップSC2213、又は、ステップSC2214の後、ステップSC2215において、第2始動入賞部33WBを開状態とする設定を行う。その後、本処理を終了する。尚、第2始動入賞部33WBが開状態とされている場合に、第2始動入賞部33WBに対して遊技球が規定数(例えば4個)入球した場合には、第2始動入賞部33WBが直ちに閉状態とされるように構成してもよい。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図147を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図148を参照してメイン処理を説明する。
図147は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。
受信割込み処理が実行されると、まずステップSC3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップSC3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図149に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップSC3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図148を参照して説明する。図148は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップSC3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップSC3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップSC3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップSC3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSC3107でRAM判定値を算出し、続くステップSC3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップSC3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップSC3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップSC3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップSC3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップSC3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSC3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSC3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップSC3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップSC3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSC3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSC3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップSC3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップSC3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSC3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップSC3114では、割込みを許可する。
ステップSC3114で割込みが許可された後は、ステップSC3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSC3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSC3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップSC3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップSC3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSC3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップSC3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップSC3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップSC3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図149のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップSC3201)。このコマンド判定処理について図150を参照して以下に説明する。
図150は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップSC3124,SC3201)では、まず、ステップSC3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図147参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップSC3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップSC3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップSC3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップSC3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップSC3302~ステップSC3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップSC3304~ステップSC3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップSC3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップSC3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップSC3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップSC3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップSC3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップSC3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSC3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップSC3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップSC3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップSC3308)と、RAM513の初期値設定(ステップSC3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップSC3304:NO、ステップSC3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップSC3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップSC3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップSC3305:NO、ステップSC3306:YES)、ステップSC3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップSC3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップSC3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップSC3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップSC3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップSC3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図149のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップSC3202において、CRユニット接続基板314から、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を受信しているか否かを判別する。ステップSC3202で肯定判別された場合には、ステップSC3203において、CRユニットと電気的に接続されていることを示すCRユニット接続信号を電源・発射制御装置310の発射制御回路312に送信する。
ステップSC3203の後、又は、ステップSC3202で否定判別された場合には、ステップSC3204において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップSC3204で肯定判別されれば、ステップSC3205で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップSC3206では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、満杯検知スイッチの検知信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップSC3207では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検知信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップSC3208では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップSC3209で払出個数設定処理を行い、ステップSC3210においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップSC3211においてモータ駆動処理を行う。
ステップSC3212では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップSC3213では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図151を参照しつつ説明する。先ずステップSC3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップSC3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
尚、リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップSC3903では、主制御装置261から出力された先発コマンドの情報を、サブ制御装置262のRAM553に設けられた保留情報記憶エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞部33WA又は第2始動入賞部33WBのいずれの入球を契機とする変動表示であるかを示す情報、大当たりや小当たりに対応する変動情報であるかを示す情報、大当たり種別を示す情報、リーチの種別を示す情報、変動表示開始時における遊技モードを特定するための遊技モード情報、及び、変動時間を示す情報等が含まれる。
サブ制御装置262の保留情報記憶エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリア)と同様に、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1保留情報記憶エリア及び第2保留情報記憶エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
第1保留情報記憶エリアには、第1変動表示(第1特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、リーチパターン、遊技モード情報、及び、変動時間等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。また、第2保留情報記憶エリアには、第2変動表示(第2特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、時短当たりか否かの情報、遊技モード情報、及び、変動時間等の変動表示に関する情報(変動情報)が時系列的に格納される。かかる構成を採用することで、第1始動入賞部33WAへの入球を契機とする第1変動表示に関する変動情報、及び、第2始動入賞部33WBへの入球を契機とする第2変動表示に関する変動情報をそれぞれ保留記憶することができる。結果的に、主制御装置261の特別変動保留エリアの実行エリアだけでなく、第1及び第2特別変動保留エリアの各保留エリアに記憶された変動情報についても、サブ制御装置262において把握することが可能となっている。
ここで保留情報格納処理について、図154を参照して説明する。先ず、ステップSC4101では、第1変動表示の先発コマンドを受信したか否か(第1変動表示の先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。
ステップSC4101で肯定判別された場合には、ステップSC4102において、第1保留情報記憶エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする第1変動保留カウンタNdを1インクメントする。
続くステップSC4103では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、リーチパターン、遊技モード情報、第1変動時間の情報等を、第1保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。
また、続くステップSC4104では、予告情報格納処理を行う。すなわち本実施形態では、連続する複数の変動表示において互いに関連する演出表示を意図的に導出する(所謂、「連続予告」が行われる)場合がある。ここでは、連続予告を行うか否かを決定するための連続予告カウンタの値、及び、連続予告の種別を決定するための予告種別カウンタの値を取得し、該カウンタ値を第1保留情報記憶エリアのうち上記ステップSC4103にて変動情報を新たに記憶した保留エリアに記憶する。
連続予告カウンタは、例えば0~49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。連続予告カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(連続予告カウンタバッファ)に連続予告カウンタの値が記憶される。
予告種別カウンタは、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。予告種別カウンタは定期的に更新され、その都度、対応するカウンタバッファ(予告種別カウンタバッファ)に予告種別カウンタの値が記憶される。
そして、該予告情報格納処理において、保留情報記憶エリアに変動情報が格納されると、連続予告カウンタバッファ及び予告種別カウンタバッファに記憶されている連続予告カウンタの値及び予告種別カウンタの値が取得されることとなる。さらに、保留情報記憶エリアの各保留エリア及び実行エリアには、連続予告が導出されることが決定された場合にオンされる連続予告フラグがそれぞれ設けられている。
また、本実施形態では、ROM552に対し、連続予告を行うか否かの決定に際して参酌される予告当否判定テーブルと、連続予告の態様の決定に際して参酌される予告テーブルとが設けられている。予告当否判定テーブル及び予告テーブルはそれぞれ複数設けられており、変動情報に応じて、参酌される予告当否判定テーブル及び予告テーブルが選択される。
ステップSC4104の後、ステップSC4105では、連続予告を実行するか否かを決定する連続予告抽選処理を行う。ステップSC4105の連続予告抽選処理では、既に連続予告フラグがオン設定された保留エリアが存在するか否かを確認する。そこで連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認されない場合であって、さらに、保留第1エリアにおいて完全外れ(リーチ状態が発生しない外れ)に対応する変動情報のみが記憶されている場合に、連続予告の抽選を行うようになっている。その一方で、連続予告フラグが設定された保留エリアの存在が確認された場合には、連続予告の抽選を行わないようになっている。
尚、ステップSC4105の連続予告抽選処理では、第1変動保留カウンタNdの値が「2」以上である場合に、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された連続予告カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードにそれぞれ対応する予告当否判定テーブル(大当たりに対応するものの方が外れに対応するものよりも当選し易い)を参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。さらに、連続予告を実行することが決定された場合には、第1保留情報記憶エリアに新たに記憶された予告種別カウンタの値に基づいて、大当たり種別やリーチパターンや遊技モードに対応する予告テーブルを参照し、連続予告を実行するか否かを決定する。加えて、第1保留情報記憶エリアの保留エリアのうち変動情報が記憶されている全ての保留エリアの連続予告フラグをオンにする。但し、実行エリアの連続予告フラグはオンにしない。
ステップSC4105の後、ステップSC4106では、演出表示装置42において第1変動表示が保留記憶されていることを示す特定対応表示である保留アイコンを1つ追加表示するための保留アイコン設定処理を行う。詳しくは後述するが、本実施形態では、演出表示装置42に、「浮き輪」を模した保留アイコンH461(図159等参照)が表示される。一方、本実施形態では、第2変動表示に対応する保留アイコンは表示されない構成となっている。
また、保留アイコンH461は、対応する第1変動表示の大当たり期待度を示唆する態様で導出される場合がある。以下、かかる態様の保留アイコンH461を「先読み保留アイコンH463」とも称する。本実施形態の先読み保留アイコンH463(図159等参照)は、キャラクタが「浮き輪」を使用している態様で導出される。さらに、先読み保留アイコンH463のキャラクタは複数種類用意されており、先読み保留アイコンH463のパターンと、大当たり状態発生への当選期待度(大当たり期待度)とが対応付けられている。これにより、先読み保留アイコンH463は、その態様によって大当たり期待度に関するランク付けがなされることとなり、先読み保留アイコンH463を導出させることによって、大当たり期待度を示唆する(先読み保留予告演出を行う)ように構成されている。
また、先読み保留アイコンH463が導出される場合には、該先読み保留アイコンH463に対応する第1変動表示が消化されるまでの間に、該先読み保留アイコンH463のパターンが変化する(保留変化演出が導出される)場合がある。つまり、ステップSC4106の保留アイコン設定処理では、先読み保留アイコンH463を導出させるか否かの抽選が行われ、否当選の場合には、保留アイコンH461のパターンがデフォルト(浮き輪のみ)のものに決定される。一方、当選の場合には、保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選の場合には、対応する保留エリアの保留変化フラグをオン設定するとともに、先読み保留アイコンH463のパターンとして、最終的に表示される可能性のある上限パターンと、上限パターンよりも大当たり期待度の低い(低ランクの)態様であって、最初に表示される仮パターンとを決定する。尚、仮パターンでは、最初はデフォルトの保留アイコンH461を表示するにとどめるといった選択肢が存在するように構成してもよい。一方、否当選の場合には、先読み保留アイコンH463のパターンとして1つのパターンを決定する。
そして、基本的には、演出表示装置42の保留表示領域HW3に表示されている保留アイコンH461のうち一番右側のものの右側に並ばせるようにして、決定されたパターンの保留アイコンH461を表示させるといった処理が行われる。また、本実施形態では、ステップSC4106において、保留表示領域HW3に先読み保留アイコンH463が導出される場合に、先読み保留演出中フラグがオン設定されるようになっている。
ステップSC4106の後、又は、ステップSC4101で否定判別された場合には、ステップSC4107において、第2変動表示の先発コマンドを受信したか否か(第2変動表示の先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップSC4107で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC4107で肯定判別された場合には、ステップSC4108において、第2保留情報記憶エリアに保留記憶されている第2変動情報の保留数をカウントする第2変動保留カウンタNeを1インクリメントする。
その後、ステップSC4109では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たり種別の情報、小当たりか否かの情報、時短当たりか否かの情報、遊技モード情報、及び、第2変動時間の情報等を、第2保留情報記憶エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。ステップSC4109の後、本処理を終了する。
図151の説明に戻り、ステップSC3903の後又はステップSC3901で否定判別された場合には、ステップSC3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では2msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップSC3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップSC3913へと移行する。
ステップSC3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図152に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCOと、上図柄表示領域、中図柄表示領域及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。これらカウンタの値は適宜、RAM553のカウンタ用バッファに格納される。
大当たり時装飾図柄カウンタCOは、大当たり状態が発生する際に、演出表示装置42に停止表示される図柄(大当たり図柄)を決定するためのものである。本実施形態では、大当たり時装飾図柄カウンタCOとして、9個(0~8)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCOは、0~8の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり8)に達した後0に戻る構成となっている。
そして、主制御装置261から大当たりに対応する変動パターンコマンドを受信した場合、カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブルに基づいて、例えばカウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)という具合に、大当たり図柄の組合わせを決定する。
この大当たり時装飾図柄カウンタCOはステップSC3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が変動パターンコマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。尚、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCOはRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、変動パターンコマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRは、当否抽選が外れとなったときに、上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄の組合わせを決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(0~8)のカウンタ値が用意されている。上図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち各図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に8減算されて今回値が決定される。各図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ、及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図153に示すように、ステップSC4001では、上図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップSC4002では、中図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップSC4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップSC4002で肯定判断されることになる。そして、上図柄カウンタCLの更新時期(ステップSC4001がYES)であればステップSC4003に進み、上図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄カウンタCMの更新時期(ステップSC4002がYES)であればステップSC4004に進み、中図柄カウンタCMを更新する。さらに、下図柄カウンタCRの更新時期(ステップSC4001、S4002が共にNO)であればステップSC4005に進み、下図柄カウンタCRを更新する。ステップSC4003~SC4005の図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に8を減算して、その演算結果を、図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップSC4006では、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、当たり図柄の組合わせ(上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが同じとなる大当たり図柄の組合わせや、所定の小当たり図柄の組合せ、所定の時短当たり図柄の組合せ)であるか否かを判別する。ステップSC4006で肯定判別された場合には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553に記憶することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC4006で否定判別された場合には、ステップSC4007において、上記更新した図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(ステップSC4007がYES)には、ステップSC4008において、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが前後外れ図柄(前後外れリーチ)の組合わせであるか否かを判別する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ図柄の組合わせである場合(ステップSC4008がYES)、ステップSC4009に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外図柄(前後外れ以外リーチ)の組合わせである場合(ステップSC4008がNO)には、ステップSC4010に進み、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(ステップSC4007がNO)には、図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっているため、ステップSC4011において、そのときの図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納して、本処理を終了する。
図151の説明に戻り、ステップSC3906では保留処理を行う。以下、保留処理について図155を参照して説明する。
先ず、ステップSC4201では、第1変動表示の変動パターンコマンドを受信したか否か(第1変動表示の変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップSC4201で肯定判別された場合には、更新機能部又は減算機能部となるステップSC4202の処理において、第2計数機能部である第1変動保留カウンタNdの値を1減算する。
続くステップSC4203では、第1保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留情報記憶エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータ(連続予告フラグも含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップSC4203の後、ステップSC4204において、連続予告に使用される表示演出の種別を決定する予告設定処理が行われる。ステップSC4204の予告設定処理では、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグ(ステップSC4105の連続予告抽選処理参照)がオンであるか否かを判別し、否定判別された場合には、連続予告は行われないため、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、大当たりか否か、大当たりの場合には種別は何か、大当たりではない場合には、リーチパターンは何か、遊技モードは何か等を判別し、それぞれに対応するテーブルを参照して、連続予告の種別を決定する。ここで決定された種別の連続予告は、対応する変動表示に際して所期のタイミングで導出されることとなる。
ステップSC4204の後、ステップSC4205において、演出表示装置42に表示されている保留アイコンH461をシフトさせるための保留アイコンシフト処理を行う。尚、保留情報記憶エリアの各保留エリア、及び、実行エリアには、保留アイコンH461の種別を記憶する保留アイコン記憶エリアが設けられており、該保留アイコンH461に関する情報についても、上記した保留情報記憶エリアのデータシフト処理にてシフトされるようになっている。
該保留アイコンシフト処理は、かかるデータシフトに応じて保留アイコンH461を再描画させるための処理であり、演出表示装置42では、第1変動表示が1つ消化される(実行される)毎に、最も左に位置していた保留アイコンH461が消去されるとともに、その右側に配置されていた保留アイコンH461が一つ左にシフトされる(表示場所が移動する)ようになっている。
尚、本実施形態では、ステップSC4205において、保留アイコンH461を再描画する処理に先立って、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在する場合には、先読み保留アイコンH463の保留変化演出を行うか否かの抽選が行われ、当選した場合に、先読み保留アイコンH463のパターンを高ランクのものに変化させる(但し、上限パターンのランクは越えない)ようになっている。加えて、保留変化フラグがオン設定されている保留エリアが存在しないと判別される場合には、先読み保留演出中フラグがオフされる。さらに、先読み保留アイコンH463のパターンを変化させることで、該先読み保留アイコンH463が上限パターンに達した場合には、先読み保留演出中フラグがオフされるとともに、保留変化フラグがオフされるようになっている。
ステップSC4205の後、又は、ステップSC4201で否定判別された場合には、ステップSC4206において、第2変動表示の変動パターンコマンドを受信したか否か(第2変動表示の変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップSC4206で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC4206で肯定判別された場合には、更新機能部又は減算機能部となるステップSC4207の処理において、第1計数機能部である第2変動保留カウンタNeの値を1減算する。続くステップSC4208では、第2保留情報記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留情報記憶エリアの保留第1エリアに格納されているデータを実行エリアにシフトさせる。ステップSC4208の後、本処理を終了する。
図151の説明に戻り、ステップSC3907では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。つまり、ここで、演出表示装置42において表示する表示態様が決定される。例えば変動パターンコマンドを受信した場合、サブ制御装置262は、変動種別、変動時間、及び停止図柄等に基づいて、対応するテーブルを参照し、装飾図柄の変動表示の表示パターン等を決定する。そして、決定事項を表示コマンドとして表示制御装置45に出力する等の制御を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、演出表示装置42での装飾図柄の変動表示等を開始する。また、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、該変動パターンに対応する変動時間が経過するまでの間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに装飾図柄の変動表示(演出変動表示)等が継続される。
また、第1変動表示に対応する演出変動表示を開始させる際には、保留情報記憶エリアの実行エリアの連続予告フラグがオンである場合に、変動パターンコマンドの変動情報に基づき、各状況に対応するテーブルを参照して、第1変動表示に対応する演出変動表示に導出させる連続予告の種別を決定したり、連続予告とは別の予告演出の導出を決定したり、演出ボタン125等の操作に対応する表示を行ったりする。さらに、該ステップSC3907の表示設定処理では、大当たり中の演出制御を行う処理(当たり表示処理)についても行われる。
ここで、ステップSC3907の表示設定処理において行われる変動表示設定処理について、図157を参照して説明する。本実施形態の演出表示装置42では、基本的に、第1特別図柄表示装置43Aの第1変動表示に対応する第1演出変動表示(第1変動対応演出表示)、又は、第2特別図柄表示装置43Bの第2変動表示に対応する第2演出変動表示(第2変動対応演出表示)が行われる。
先ず、ステップSC4501では、第2変動表示に対応する変動パターンコマンド(以下、第2変動パターンコマンドという。)を受信したか否かを判別する。尚、第1変動パターンコマンド及び第2変動パターンコマンドに含まれる各種変動情報は、対応する保留情報記憶エリアの実行エリアに記憶されるように構成してもよいし、別途の記憶エリアに記憶されるように構成してもよい。さらに、例えば保留処理(図155参照)において第2変動パターンコマンドを受信したことに対応する処理を行った場合に第2変動受信フラグをオンし、ステップSC4501で肯定判別された場合に、第2変動受信フラグがオフされるような構成とし、ステップSC4501では、第2変動受信フラグを確認することで、第2変動パターンコマンドを受信したか否かの判別を行うこととしてもよい。
ステップSC4501で肯定判別された場合には、ステップSC4502において、モード記憶エリアに「21」が記憶されているか否か、すなわち現在(変動開始時)の遊技モードが「時短Aモード」であるか否かを判別する。
ステップSC4502で肯定判別された場合には、ステップSC4503において、第2変動パターンコマンドに含まれる各種情報(例えば大当たりか否かの情報、小当たりか否かの情報、大当たり種別、遊技モード情報、及び、第2変動時間等)に基づいて、演出パターン(第2演出変動表示のパターン)を決定する特別第2演出変動表示設定処理を行い、ステップSC4506へ移行する。特別第2演出変動表示設定処理では、図161,162に示す「ラッシュステージ演出」や「バトルステージ演出」に対応する表示設定処理が行われる。
また、ステップSC4502で否定判別された場合には、ステップSC4504において、継続演出フラグがオン設定されているか否かを判別する。尚、継続演出フラグは、サブ制御装置262が主制御装置261から「継続チャンスステージ演出」に係る演出開始コマンドを受信した際にオン設定され、「継続チャンスステージ演出」に係る演出終了コマンドを受信した際にオフ設定される。
ステップSC4504において否定判別された場合には、そのまま、ステップSC4506へ移行する。
一方、ステップSC4504において肯定判別された場合、すなわち「継続チャンスステージ演出」の実行中(開始時を含む)である場合には、ステップSC4505において、第2変動パターンコマンドに含まれる各種情報(例えば大当たりか否かの情報、大当たり種別、小当たりか否かの情報、時短当たりか否かの情報、時短当たり種別、遊技モード情報、及び、第2変動時間等)に基づいて、演出パターン(第2演出変動表示のパターン)を決定する通常第2演出変動表示設定処理を行い、ステップSC4506へ移行する。通常第2演出変動表示設定処理では、図163に示す「継続チャンスステージ演出」に対応する表示設定処理が行われる。尚、本実施形態では、「通常モード」において第2変動表示が行われた場合には、演出表示装置42において、「通常ステージ演出」が行われることとなる。
その後、ステップSC4506において、第1変動表示に対応する変動パターンコマンド(以下、第1変動パターンコマンドという。)を受信したか否かを判別する。ステップSC4506で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC4506で肯定判別された場合には、ステップSC4507において、モード記憶エリアに「31」が記憶されているか否か、すなわち現在(変動開始時)の遊技モードが「時短Bモード」であるか否かを判別する。
ステップSC4507で肯定判別された場合には、ステップSC4508において、第1変動パターンコマンドに含まれる各種情報(例えば大当たりか否かの情報、大当たり種別、遊技モード情報、及び、第1変動時間等)に基づいて、第1演出変動表示のパターンを決定する特別第1演出変動表示設定処理を行い、本処理を終了する。特別第1演出変動表示設定処理では、図164に示す「ラッキーステージ演出」に対応する表示設定処理が行われる。本実施形態では「ラッキーステージ演出」が「特定対応表示」に相当し、「ラッキーステージ演出」中の「時短Bモード」で行われる遊技が「特定遊技」を構成する。
また、ステップSC4507で否定判別された場合には、ステップSC4510において、第1変動パターンコマンドに含まれる各種情報(例えば大当たりか否かの情報、大当たり種別、遊技モード情報、及び、第1変動時間等)に基づいて、第1演出変動表示のパターンを決定する通常第1演出変動表示設定処理を行い、そのまま本処理を終了する。通常第1演出変動表示設定処理では、図159に示す「通常ステージ演出」に対応する表示設定処理が行われる。
尚、本実施形態では、「時短Aモード」において第1変動表示が行われた場合には、第1変動回数カウンタAの減算処理など内部処理は行われるものの、演出表示装置42において「ラッシュステージ演出」や「バトルステージ演出」は行われず、「通常ステージ演出」が行われることとなる。
次に、ステップSC3907の表示設定処理において行われる当たり表示処理について、図156を参照して説明する。
先ず、ステップSC4701では、主制御装置261から大当たり状態の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4701で肯定判別された場合には、ステップSC4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる大当たり種別情報に基づいて、「15R大当たり」であれば「15」を設定し、「8R大当たり」であれば「8」を設定し、「4R大当たり」であれば「4」を設定する。
その後、ステップSC4703において、オープニング演出の設定(演出表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。本実施形態では、ラウンド把握カウンタの値が「15」、「8」又は「4」の場合には8秒間のオープニング演出を行うこととなる。尚、サブ制御装置262には、大当たり種別と、残りラウンド数と、大当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。
また、ステップSC4701で否定判別された場合には、ステップSC4704において特定入賞コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4704で肯定判別された場合、すなわち第2可変入賞装置32Bの特定入球部320cへの入球に基づいて大当たり状態が発生する場合には、ステップSC4702において、ラウンド把握カウンタに対し、特定入賞コマンドに含まれる大当たり種別情報に基づいて、「15R大当たり」であれば「14」を設定し、「8R大当たり」であれば「7」を設定し、「4R大当たり」であれば「3」を設定する。
その後、ステップSC4703において、オープニング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。本実施形態では、ラウンド把握カウンタの値が「14」、「7」又は「3」の場合には2秒間のオープニング演出を行うこととなる。
また、ステップSC4704で否定判別された場合には、ステップSC4705において、ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4705で肯定判別された場合、ステップSC4706において、最大で30秒になるラウンド中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップSC4705で否定判別された場合、ステップSC4707において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4707で肯定判別された場合、ステップSC4708でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップSC4709で4秒のインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップSC4707で否定判別された場合、ステップSC4710においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4710で肯定判別された場合、ステップSC4711でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップSC4712で10秒のエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップSC4710で否定判別された場合、ステップSC4713において大当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4713で肯定判別された場合には、ステップSC4714において、大当たり表示終了処理を行い、本処理を終了する。
大当たり表示終了処理では、エンディング表示を直ちに終了させるとともに、このタイミングで、時短Aモード開始コマンドを受信しているので、かかるコマンドに基づいて、「時短Aモード」に対応する「ラッシュステージ演出」又は「バトルステージ演出」の開始設定処理が行われる。
また、ステップSC4713で否定判別された場合には、ステップSC4715において、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4715で肯定判別された場合には、ステップSC4716において、小当たり状態中の演出表示等を導出するための小当たり演出設定を行ってから、本処理を終了する。
ステップSC4715で否定判別された場合には、ステップSC4717において、小当たり終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4717で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSC4717で肯定判別された場合には、ステップSC4718において、小当たり演出表示を直ちに終了させる小当たり表示終了処理を行う。ステップSC4718の後、本処理を終了する。
図151の説明に戻り、ステップSC3908では、演出表示装置42の変動表示の停止に関する変動停止処理を実行する。ここで、変動停止処理について、図158を参照して説明する。
先ず、ステップSC4401では、特図2停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4401で肯定判別された場合には、ステップSC4402において、第2演出変動表示の導出中であるか否かを判別する。ステップSC4402で肯定判別された場合、ステップSC4403において、第2演出変動表示を停止表示させる処理を行う。ステップSC4403の後、後述するステップSC4407に移行する。一方、ステップSC4402で否定判別された場合には、そのままステップSC4407に移行する。
また、ステップSC4401で否定判別された場合には、ステップSC4404において、特図1停止コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4404で肯定判別された場合には、ステップSC4405において、第1演出変動表示の導出中であるか否かを判別する。ステップSC4405で肯定判別された場合には、ステップSC4406において、第1演出変動表示を停止させる処理を行う。ステップSC4406の後、ステップSC4407に移行する。一方、ステップSC4405で否定判別された場合には、そのままステップSC4407に移行する。
ステップSC4403若しくはステップSC4406の後、又は、ステップSC4404で否定判別された場合には、ステップSC4407において、時短Aモード終了コマンド又は時短Bモード終了コマンドを受信したか否かを判別する。ステップSC4407で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSC4407で肯定判別された場合、すなわち「時短Aモード」又は「時短Bモード」における第1変動表示及び第2変動表示の実行回数の合計が所定回数に達した場合には、ステップSC4408において、演出表示装置42にて行われている表示演出を通常モードに対応する「通常ステージ演出」に変更させる処理を行う。その後、本処理を終了する。
次に、遊技の進行に伴う演出表示装置42における演出表示態様の変化等について、遊技者が行う遊技の流れと共に説明する。演出表示装置42の表示画面には、現在の遊技状態(遊技モード等)に対応した各種表示演出が行われる。
通常状態(「通常モード」において第1始動入賞部33WAへの入球に基づき第1変動表示が行われ得る遊技状態)では、演出表示装置42において「通常ステージ演出」が行われる。
図159に示すように、「通常ステージ演出」では、演出表示装置42の表示画面の大部分において、装飾図柄が変動表示される変動表示領域HW1が設定されている。
上述したように、本実施形態では、この変動表示領域HW1において、上、中、下の3つの図柄表示領域(上図柄表示領域、中図柄表示領域、下図柄表示領域)が設定され、各図柄表示領域において複数種類の装飾図柄(1~9の数字が付された図柄)がスクロール変動表示される。
変動表示領域HW1の上側には、遊技者に対し遊技球の発射態様を指示(推奨)する指示表示領域HW2が設定されると共に、変動表示領域HW1の下側には、変動表示の保留数を明示する保留表示領域HW3が設定されている。
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という。)を推奨するように指示表示領域HW2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。
また、保留表示領域HW3には、「浮き輪」を模した保留アイコンH461が表示される。本実施形態の保留表示領域HW3は、保留情報記憶エリアの実行エリアに対応する実行対応エリアH462aと、第1保留情報記憶エリアの各保留エリアに対応する保留対応エリアH462bとを備えており、最大で5つの保留アイコンH461を表示可能となっている。
遊技者が「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する第1始動入賞部33WAの方へと誘導される。そのうち、いくつかの遊技球が第1始動入賞部33WAへ入賞することとなる。
尚、本実施形態では、第2始動入賞部33WB、及び、その一対の羽根部材33WBbの開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側領域に配置されている。つまり、可変表示装置ユニット35の左側領域を流下した遊技球が到達不能な位置に第2始動入賞部33WB及びスルーゲート34が配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、一対の羽根部材33WBbが開放されることはなく、遊技球が第2始動入賞部33WBへ入賞することはない。
また、仮に通常状態において、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)をしたとしても、上述した本実施形態に係る構成の下では、遊技球が第2始動入賞部33WBに入賞する可能性はほとんどない。つまり、本実施形態に係るパチンコ機10は、通常状態において、遊技者が「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるように構成されている。
遊技球が第1始動入賞部33WAへ入賞すると、演出表示装置42の変動表示領域HW1においては、上記各図柄表示領域に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」~「9」の数字の付された装飾図柄が表示される。各種装飾図柄は、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される、これにより一連の図柄列が構成されている。
上図柄表示領域においては、各種装飾図柄が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく各種装飾図柄が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に装飾図柄が停止表示される。
そして、第1始動入賞部33WAへの入球に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄が停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄が前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
大当たり状態が発生した場合には、第1可変入賞装置32Aの大入賞口シャッタ32Abが開放し、大入賞口32Aaへ遊技球が入球可能な状態となると共に、演出表示装置42において所定の大当たり演出が開始される(図160参照)。
但し、ここで、仮に遊技者が「左打ち」を続けた場合、第1可変入賞装置32Aへ向け遊技球を流下させ入賞させることは可能であるものの、大当たり種別に拘わらず大当たり終了後に付与される「時短Aモード」の開始時には、第2始動入賞部33WBへの入球に基づく第2変動表示の保留記憶が全くなく、大当たり終了後に第1変動表示が開始されたしまうこととなる。
上述したように、本実施形態では、第1変動表示で直撃大当たりに当選するよりも、第2変動表示で直撃大当たりに当選する方が遊技者にとって有利な遊技状態が付与されやすくなると共に、比較的当選しやすくV入賞大当たりの発生契機となる小当たり状態の抽選が第2始動入賞部33WBへの入球に基づく第2変動表示のみで行われる構成となっているため、大当たり終了後の「時短Aモード」において第1変動表示が行われてしまうと、遊技者にとって不利益となる。
そのため、本実施形態では、図160に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域HW2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側領域へ向かうよう、遊技球の発射態様を「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う。
ここで遊技者が「右打ち」した場合、多くの遊技球は、上記釘等によって案内されつつ、第1可変入賞装置32Aの方へと流下し、第1可変入賞装置32Aへ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。
また、可変表示装置ユニット35の右側領域には、第1可変入賞装置32Aまでの流下経路途中において、スルーゲート34や第2始動入賞部33WBなどが設けられており、大当たり状態中において、いくつの遊技球がスルーゲート34を通過したり、該通過を契機に開放される第2始動入賞部33WBへ入賞したりすることとなる。
本実施形態では、遊技球がスルーゲート34を通過することに基づき行われる始動入球サポート抽選に当選した場合に、一対の羽根部材33WBbが開状態となり、第2始動入賞部33WBへ遊技球が入球可能となる。
これにより、大当たり状態中に第2変動表示が保留記憶され、大当たり終了後の「時短Aモード」の開始時において、第1変動表示よりも優先して、第2変動表示が直に開始され得る状態となる。
ここで、本実施形態では、第1始動入賞部33WAへの入球に基づく「通常モード」中の当否抽選により「15R大当たり」に当選した場合には、該「15R大当たり」の終了後に「変動表示7回分の時短Aモード」が付与される。そして、「変動表示7回分の時短Aモード」が付与される場合には、図161に示すように、演出表示装置42では「ラッシュステージ演出」が行われる。
一方、第1始動入賞部33WAへの入球に基づく「通常モード」中の当否抽選により「4R大当たり」に当選した場合には、該「4R大当たり」の終了後に「変動表示1回分の時短Aモード」が付与される。そして、「変動表示1回分の時短Aモード」が付与される場合には、図162に示すように、演出表示装置42では「バトルステージ演出」が行われる。
「ラッシュステージ演出」及び「バトルステージ演出」では、変動表示領域HW1が下方へ縮小表示される。尚、縮小された変動表示領域HW1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。そして、その背景画面には、各種キャラクタ等が表示されるなど、「ラッシュステージ演出」や「バトルステージ演出」に係る各種表示演出が行われる。
例えば「ラッシュステージ演出」では、図161に示すように、その継続期間中(7回分の変動表示が実行される期間中)、連続して海中を進むアニメーション(連続演出)が導出されるとともに、魚群が通り過ぎたり、翻ったりするような表示態様によって「小当たり」を教示したり、クジラ等の大きな生物の登場、宝箱の発見等の表示態様によって「大当たり」を教示するようになっている。
また、「バトルステージ演出」では、図162に示すように、人型キャラクタが登場し、敵と戦うアニメーションが導出されるとともに、その戦いに勝利したり、敗北したりすることにより、「小当たり」や「大当たり」に当選したか否か教示するようになっている。
尚、「ラッシュステージ演出」及び「バトルステージ演出」においては、上記各種演出により「小当たり」や「大当たり」に当選したことが教示されるため、縮小された変動表示領域HW1をも省略し、装飾図柄が変動表示されない構成としてもよい。また、「ラッシュステージ演出」及び「バトルステージ演出」においては、装飾図柄が表示される図柄演出モードと、装飾図柄が表示されないアニメ演出モードとを、遊技者が選択可能な構成としてもよい。
また、「ラッシュステージ演出」及び「バトルステージ演出」においては、より多くの遊技球を第2始動入賞部33WBへ入賞させ、より多くの第2変動表示を保留記憶させるべく、指示表示領域HW2には、大当たり時と同様、遊技者に対し「右打ち」を推奨するように、「右打ち→」と表示される。
尚、「ラッシュステージ演出」及び「バトルステージ演出」では、演出表示装置42に保留表示領域HW3は設定されず、第2保留表示装置46B(第2変動表示)に対応する保留表示(保留アイコンの導出)は行われない構成となっている。
ここで、仮に保留記憶された第1変動表示が存在したとしても、かかる第1変動表示に対応する保留アイコンも表示されない。上述したように、第2変動表示の実行中に、特定条件となる第1始動入賞部33WAへの遊技球の入球があった場合には、該入球に対応する第1変動表示が保留記憶されると共に、主制御装置261からサブ制御装置262へ第1変動表示に係る先発コマンドが送信され、サブ制御装置262の第1保留情報記憶エリアに第1変動表示に関する情報が格納されるが、「ラッシュステージ演出」等の期間中は、第1変動表示に対応する保留アイコンも表示されない。但し、ここで第1変動表示に対応する保留アイコンが表示はされていないものの、更新条件となる次なる第1始動入賞部33WAへの遊技球の入球があった場合には、第1保留情報記憶エリアのデータの更新処理は実行される。そして、「ラッシュステージ演出」等が終了し、「通常モード」に戻ると、その時点で第1保留情報記憶エリアに格納されている第1変動表示に係る保留アイコンが表示されることとなる。
また、「ラッシュステージ演出」及び「バトルステージ演出」の実行中においては、小当たり状態が発生し得る「時短Aモード」中に行われるものであり、その間は、第2可変入賞装置32Bの特定入球部320cへ遊技球を入球させることで大当たり状態の発生を狙うといった遊技性であることから、基本的に、第1当否抽選(大当たり抽選)で大当たりに当選したか否かを示唆する装飾図柄を表示しないようになっている。その代わりに、簡易的な表示で小当たりの当選を教示してもよいし、該教示はランプの発光態様や音声態様で行い、演出表示装置42では、第2変動表示の消化に応じて、時短Aモードの残り回数のカウント表示を更新するのみとしてもよい。加えて、第2変動表示で直撃大当たりに当選した場合には、第2演出変動表示として装飾図柄が表示され、大当たり図柄の組合わせで停止表示される構成としてもよい。
「時短Aモード(ラッシュステージ演出又はバトルステージ演出)」中において、遊技球が第2始動入賞部33WBへ入球した場合には、第1当否抽選(大当たり抽選)及び第2当否抽選(小当たり抽選)が行われ、その結果が、縮小された変動表示領域HW1に表示される。
尚、「時短Aモード(ラッシュステージ演出又はバトルステージ演出)」中において、遊技者が「右打ち」している間は、遊技球が第1始動入賞部33WAへ入球することがほとんどない一方、高入球状態にある第2始動入賞部33WBに対しては短期間のうちに多くの遊技球が入球しやすく、第2変動表示の保留記憶数がすぐに上限に達しやすい。そのため、遊技者の中には、第2変動表示の保留記憶数が上限に達している状態で、例えばリーチ演出など比較的、演出時間の長い第2変動表示が開始されると、遊技球の発射態様を「右打ち」から「左打ち」に切替え、その間に第1始動入賞部33WAへ遊技球を入球させる者もいる。このため、遊技者の関心の度合いが高く遊技価値の高い「時短Aモード」中において、第1変動表示の保留記憶といった、遊技者の関心の度合いが低く、あまり遊技価値の高くない状態も重ねて発生し得る。勿論、第2変動表示の実行中に第1変動表示が開始されることはないが、この間に第1変動表示を保留記憶させておくことで、「継続チャンスステージ演出」の終了後に、すぐに保留記憶された第1変動表示が開始されるため、演出を途切れさせないようにすることができる。
そして、比較的当選しやすい小当たり状態に当選した場合には、第2可変入賞装置32Bの入球開口部320bが開放され、遊技球が内部領域320aへ入球可能な開状態となる。さらに、第2可変入賞装置32Bの内部領域320aに入球した遊技球が特定入球部320cに入球した場合には、V入賞大当たりが発生し、第1可変入賞装置32Aが開状態とされると共に、上記同様、演出表示装置42において所定の大当たり演出が開始される(図160参照)。
一方、図165(a)に示すように、「時短Aモード(ラッシュステージ演出又はバトルステージ演出)」中に、大当たり状態が発生することなく、「時短Aモード」が終了し、遊技モードが「通常モード」に切替わると、演出表示装置42においては、「ラッシュステージ演出」又は「バトルステージ演出」が終了し、「時短Aモード」中において第2始動入賞部33WBへの入球に基づき保留記憶された第2変動表示に基づく「継続チャンスステージ演出」が開始される(図163参照)。
ここで、仮に「時短Aモード(ラッシュステージ演出又はバトルステージ演出)」の終了時において、第2始動入賞部33WBへの入球に基づく第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、「継続チャンスステージ演出」は実行されない。また、「継続チャンスステージ演出」の継続期間は、「時短Aモード(ラッシュステージ演出又はバトルステージ演出)」の終了時に保留記憶されている第2変動表示の保留数に応じて異なる。従って、本実施形態では、最大で変動表示4回分の継続期間が付与され得ることとなる。
例えば「継続チャンスステージ演出」では、図163に示すように、「ラッシュステージ演出」と同様、その継続期間中(最大で4回分の変動表示が実行される期間中)、連続して海中を進むアニメーション(連続演出)が導出されるとともに、魚群が通り過ぎたり、翻ったりするような表示態様によって「小当たり」を教示したり、クジラ等の大きな生物の登場、宝箱の発見等の表示態様によって「大当たり」を教示するようになっている。
また、「継続チャンスステージ演出」が開始されると、「時短Aモード(高入球状態)」が終了するため、遊技者に「左打ち」を推奨するように、指示表示領域HW2には「←左打ち」と表示される。これにより、遊技者は、「時短Aモード(ラッシュステージ演出又はバトルステージ演出)」の終了と共に、遊技態様を変更することが可能となり、遊技球を無駄に消費してしまう等の不具合の発生を抑制することができる。
上述したように、本実施形態において「ラッシュステージ演出」が行われる場合には、変動表示7回分の「ラッシュステージ演出」と、最大で保留数4回分の「継続チャンスステージ演出」とが実行される期間内において、最大で変動表示11回分(7回+4回)の小当たり抽選が行われる。
一方、「バトルステージ演出」が行われる場合には、変動表示1回分の「バトルステージ演出」と、最大で保留数4回分の「継続チャンスステージ演出」とが実行される期間内において、最大で変動表示5回分(1回+4回)の小当たり抽選が行われる。
尚、上述したように、本実施形態では、小当たり当選確率が約1/7に設定されると共に、「時短Aモード」中に小当たり状態が発生し、第2可変入賞装置32Bが開状態となれば、ほぼ100%の確率で、遊技球が特定入球部320cに入球可能となるため、「ラッシュステージ演出(15R大当たり又は8R大当たり)」が実行される場合には、次回の大当たりを続けて獲得可能な遊技者に有利な状態となりやすい一方、「バトルステージ演出(4R大当たり)」が実行された場合には、次回の大当たりを続けて獲得することが困難な遊技者にあまり有利でない状態となりやすい。
但し、本実施形態では、「継続チャンスステージ演出」の実行期間中において、すなわち通常状態での第2変動表示の残り保留の消化中において、大当たり抽選にも、小当たり抽選にも当選しなかった場合には、時短当たり抽選が行われる構成となっている。
ここで、時短当たりに当選した場合には、遊技モードが内部的に「通常モード」から、当選した時短当たり種別(「30回時短当たり」、「40回時短当たり」又は「50回時短当たり」)に対応した回数の「時短Bモード」に切替え設定される。
しかしながら、「時短Bモード」は「高入球状態」とならない遊技モードであり、大当たりや小当たりなど比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態である。そのため、「継続チャンスステージ演出」の実行中において「時短Bモード」に当選した場合であっても、この時点における遊技者の関心は、主に次回の大当たり状態を獲得できるか否かにあるため、「継続チャンスステージ演出」を中断して又は「継続チャンスステージ演出」に割り込むように、「継続チャンスステージ演出」よりも優先して「時短Bモード」に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成となっている場合には、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
そのため、本実施形態では、図165(b)に示すように、「継続チャンスステージ演出」の実行中において「時短Bモード」に当選し、遊技モードが内部的に「通常モード」から「時短Bモード」に切替ったとしても、その旨は、第2変動表示の残り保留がすべて消化されるまでは、演出表示装置42においては報知されず、「継続チャンスステージ演出」が継続して行われる。
但し、第2変動表示の残り保留の消化に合わせて、上記時短当たり種別に対応して設定された回数の「時短Bモード」の設定値が減算(更新)される。例えば「時短Bモード」が設定された後、第2変動表示が1回行われると、その設定値は1減算された値となる。
そして、大当たり状態を獲得することなく、「継続チャンスステージ演出」が終了した場合に、遊技モードが「通常モード」であれば、演出表示装置42においては、「通常ステージ演出」が実行される。
一方、「継続チャンスステージ演出」が終了した場合に、遊技モードが「時短Bモード」であれば、図164に示すように、演出表示装置42において「ラッキーステージ演出」が実行される。
尚、本実施形態では、「継続チャンスステージ演出」の終了後に、「通常ステージ演出」へ移行するのか、又は、「ラッキーステージ演出」へ移行するのかといった、遊技を盛り上げるための振分け演出が行われる構成となっている。
さらに、ここで「継続チャンスステージ演出」中の時短当たり抽選において当選せず、「継続チャンスステージ演出」終了後に「通常モード(通常ステージ演出)」へ移行する場合と、時短当たり抽選において当選し、「継続チャンスステージ演出」終了後に「時短Bモード(ラッキーステージ演出)」へ移行する場合とで異なる演出が実行される構成となっている。例えば時短当たり抽選に当選している場合には、「復活モード」など、遊技を盛り上げる演出を介して、「ラッキーステージ演出」へ移行するような演出が行われる。
かかる構成により、仮に「ラッシュステージ演出」等によって遊技者に有利な状態に移行しなかった場合でも、遊技者に新たな希望を抱かせ、遊技意欲の向上を図ることができる。結果として、遊技者に期待感を持たせる演出を段階的に行うことができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
「ラッキーステージ演出」では、演出表示装置42において変動表示領域HW1が設定され、基本的に「通常モード」と同じ装飾図柄の変動表示となっており、背景表示のみが異なるようになっている。つまり、変動表示領域HW1の上側の指示表示領域HW2には、「←左打ち」と表示される。
また、変動表示領域HW1の下側の保留表示領域HW3には、第1変動表示の保留数に対応した数の保留アイコンH461が明示される。尚、「継続チャンスステージ演出」が終了した時点で第1変動表示が保留記憶されている場合、変動表示領域HW1における表示態様は、装飾図柄が変動表示される変動演出態様となり、第1変動表示が保留記憶されていない場合、変動表示領域HW1における表示態様は、装飾図柄が停止表示された停止演出態様となる。
また、「ラッキーステージ演出」では、演出表示装置42において回数表示領域HW4が設定される(図164参照)。回数表示領域HW4には、現時点における「ラッキーステージ演出」の残り継続期間に相当する変動表示回数(第2変動回数カウンタBの数値)が明示されている。従って、第2変動回数カウンタBの値が「28」である場合には、回数表示領域HW4には「あと28回」と表示される。
これにより、遊技者は、「ラッキーステージ演出」において回数表示領域HW4に明示された数値を見ることにより、「時短Bモード」を発生させた特定条件が、どのタイミングの第2変動表示において成立していたかを逆算により把握することが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
そして、第1変動表示が1回行われる毎に、その値(第2変動回数カウンタBの数値)が1ずつ減算表示されていく。その後、設定された変動表示回数(第2変動回数カウンタBの数値)が0となると、「「ラッキーステージ演出」が終了し、「通常モード(図159参照)」に戻る。
一方、「時短Bモード(ラッキーステージ演出)」中において、第1始動入賞部33WAへの遊技球の入賞に基づき大当たり当選した場合には、必ず「15R大当たり」が付与される。ひいては、該「15R大当たり」の終了後に「ラッシュステージ演出(変動表示7回分の「時短Aモード」)」が付与される。
図151の説明に戻り、ステップSC3909のランプ設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップSC3910の音声設定処理では、演出表示装置42で行われる演出表示に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップSC3910で行われる。
ステップSC3911では、客待ち演出の制御設定等その他の処理を行う。つまり、遊技者が遊技していない状態が規定時間継続した場合に、客寄せモード又は省エネモードに移行する構成であって、演出表示装置42では、客待ち演出として、装飾図柄が表示されない(代わりに一連の動画が表示される、或いは、静止画が表示される)、画面が暗めになる等するデモ画面表示が導出されるようになっている。
ステップSC3912では、上記ステップSC3905~SC3911の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
2msec毎に行われるステップSC3905~SC3912の処理が実行された後、又は、上記ステップSC3904で否定判別された場合には、ステップSC3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップSC3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップSC3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップSC3913で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップSC3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、パチンコ機等の遊技機においては、遊技者にとって有利度合いが異なる複数の遊技状態があり、それらが重複して発生した場合には、それを遊技者へ好適に報知することが求められる。
一例として、本実施形態のような所謂1種2種混合機と称されるパチンコ機10では、第2始動入賞部33WBへ遊技球を入球させることが困難な通常状態(低入球状態)においては、左打ちして第1始動入賞部33WAに遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
一方、大当たり状態の終了後に付与され得る、第2始動入賞部33WBへ遊技球を入球させやすい高入球状態においては、右打ちして第2始動入賞部33WBに遊技球を入球させて小当たり状態を発生させ、開放された第2可変入賞装置32B内の特定入球部320cへ遊技球を入球させ、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
かかる構成の下、本実施形態では、さらに大当たり状態の終了後の高入球状態(時短Aモード)において、演出表示装置42において所定の演出(ラッシュステージ演出等)を実行すると共に、該高入球状態の終了後、該高入球状態中に第2始動入賞部33WBへ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、演出表示装置42において継続演出(継続チャンスステージ演出)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている。
さらに、本実施形態では、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高入球状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(高入球状態とならない時短Bモード)を発生させる抽選を行う構成となっている。
しかしながら、かかる特定遊技状態(時短Bモード)は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態(時短Bモード)に当選した場合であっても、該継続演出(継続チャンスステージ演出)よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、本実施形態では、「ラッシュステージ演出」終了後の「継続チャンスステージ演出」の実行期間中において、大当たり抽選にも、小当たり抽選にも当選しなかった場合には、「時短Bモード」を発生可能な時短当たり抽選が行われる構成となっている。
そして、「時短Bモード(ラッキーステージ演出)」中において、第1始動入賞部33WAへの遊技球の入賞に基づき大当たり当選した場合には、必ず「15R大当たり」が付与され、ひいては、その終了後に「ラッシュステージ演出(変動表示7回分の「時短Aモード」)」が付与される構成となっている。
これにより、大当たり当選や小当たり当選しなかった場合においても、少なくとも「通常モード」より遊技者に有利な「時短Bモード」が付与され得ることで、遊技者の落胆を軽減すると共に、遊技者に新たな希望を抱かせ、遊技意欲の向上を図ることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、「継続チャンスステージ演出」を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、「時短Bモード」の時短当たり抽選に当選した場合であっても、「時短Bモード」の継続期間を計測するための第2変動回数カウンタBの減算処理を行うなど、内部的には「時短Bモード」を進行させるが、これに対応する報知表示などを演出表示装置42においては実行せず、「継続チャンスステージ演出」の終了後に、その時点における残り回数分の「時短Bモード」に対応する「ラッキーステージ演出」を実行する構成となっている。
結果として、遊技者にとって、より関心の度合いの高い「継続チャンスステージ演出」を優先して行うことができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
また、本実施形態では、「継続チャンスステージ演出」を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、時短当たり抽選に当選せず、「継続チャンスステージ演出」の終了後に「通常モード(通常ステージ演出)」に移行する場合の遊技態様(遊技球の発射態様:左打ち)と、時短当たり抽選に当選し、「継続チャンスステージ演出」の終了後に「時短Bモード(ラッキーステージ演出)」に移行する場合の遊技態様(遊技球の発射態様:左打ち)とが同一となっている。これにより、遊技者は、時短当たり当選したか否かに拘わらず、「継続チャンスステージ演出」の終了と共に、遊技態様を決定(変更)することが可能となり、遊技球を無駄に消費してしまう等の不具合の発生を抑制することができる。結果として、興趣の低下抑制を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
(a)上記実施形態に係るパチンコ機10とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば上記実施形態では、始動入球サポート状態(高入球状態又は低入球状態)の切替えが行われるパチンコ機となっている。これに代えて又は加えて、抽選モード(高確率モード又は低確率モード)の切替えが行われるパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与する構成のパチンコ機として実施してもよい。
また、遊技球を遊技機内で循環させる等して遊技者に対し直接的に払い出さないタイプの遊技機、いわゆる封入式のパチンコ機として実施してもよい。
(b)遊技盤30の盤面上の構成(可変入賞装置32A,32B、始動入賞部33WA,33WB、スルーゲート34等の配置や数など)は上記実施形態に限定されるものではなく、異なる他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、スルーゲート34や第2始動入賞部33WBが、可変表示装置ユニット35の右側領域(可変表示装置ユニット35の左側領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているが、これに限らず、例えば第2始動入賞部33WBを第1始動入賞部33WAの下方位置に配置した構成としてもよい。
また、可変表示装置ユニット35の右側領域を流下した遊技球が到達不能な位置に第1始動入賞部33WAを配置した構成としてもよいし、可変表示装置ユニット35の左側領域を流下した遊技球が到達不能な位置に第1可変入賞装置32Aや第2可変入賞装置32Bを配置した構成としてもよい。
また、スルーゲート34や第2始動入賞部33WB、第1可変入賞装置32A、第2可変入賞装置32Bの上下位置関係は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる配置構成を採用してもよい。例えば第2始動入賞部33WBの上流側に第1可変入賞装置32Aを配置した構成としてもよい。
また、可変表示装置ユニット35の右側領域に設けられた右一般入賞部31Bを省略した構成としてもよい。
(c)第2可変入賞装置32Bの構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、小当り状態が発生して第2可変入賞装置32Bの入球開口部320bが開放されると、ほぼ100%の割合で遊技球が特定入球部320cに入賞して大当りが発生する構成となっているが、これに限らず、第2可変入賞装置32Bの内部に所定の振分け機構を設け、第2可変入賞装置32Bへ遊技球が入球した場合でも、所定の割合で特定入球部320cへ入賞せず、外れが発生する構成としてもよい。
(d)各種当たり(大当たり、小当たり、時短当たり)に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、「15R大当たり」、「8R大当たり」及び「4R大当たり」の3種類の大当たりが設定されているが、これに限らず、ラウンド数や開放時間、終了後に付与される遊技モードなどが異なる他の大当たり状態が発生する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、遊技球が第1始動入賞部33WAに入賞した場合と、第2始動入賞部33WBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なる構成となっているが、その割合は上記実施形態に限定されるものではなく、異なる振分け割合であってもよい。
また、遊技球が第1始動入賞部33WAに入賞した場合と、第2始動入賞部33WBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分け割合が同じ構成であってもよい。
勿論、複数種別の大当たり状態が発生可能な遊技機ではなく、大当たり状態が1種別(例えば15R大当たり)だけしか発生しない遊技機として実施してもよい。
また、小当たりに関して、ラウンド数や開放時間などが異なる複数種別の小当たり状態が発生可能な遊技機としてもよい。
また、時短当たりに関して、上記実施形態では「30回時短当たり」、「40回時短当たり」及び「50回時短当たり」の3種類の時短当たりが設定されているが、これに限らず、付与される時短回数などが異なる他の時短当たりが設定されていてもよい。
また、上記実施形態では、時短当たり抽選を行うにあたり、大当たり抽選や小当たり抽選で用いられる当否乱数カウンタCC1を使用する構成となっているが、これに限らず、時短当たり抽選用の乱数カウンタを設け、大当たり抽選や小当たり抽選に当選しなかった場合に、別途、時短当たり抽選を行う構成としてもよい。また、時短当たりの当否抽選と、種別抽選とを別々に行う構成としてもよい。
尚、パチンコ機おける各種抽選(ソフト的な抽選処理や機械的機構による抽選など)に係る当選確率については、機種毎に適宜設定されるものであり、任意の値を採用することができる。
(e)各種遊技モード(通常モード、時短Aモード、時短Bモード)に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「時短Aモード(始動入球サポートあり変動時間短縮モード)」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によっては、「時短Aモード」が付与されず、「通常モード」や「時短Bモード(始動入球サポートなし変動時間短縮モード)」が付与される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われる構成となっているが、これに代えて又は加えて、抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われる構成としてもよい。
(f)各種演出表示(例えば通常ステージ演出、バトルステージ演出、ラッシュステージ演出、継続チャンスステージ演出、ラッキーステージ演出など)に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば「ラッキーステージ演出」において、「ラッシュステージ演出」のように、複数回の変動表示に跨る連続演出を実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、特に言及していないが、複数回の変動表示に跨る連続演出を実行する場合において、各回の変動パターン抽選等を行うことなく、該連続演出の継続期間中の一連の変動パターン(例えば変動表示30回分の外れ変動用の変動パターン)を定めた変動パターンテーブルを用いて、演出変動表示を行う構成としてもよい。
より詳しくは、連続演出の継続期間中における各変動表示の動作時間を定めた変動パターンテーブル(例えば第1変動回の変動時間「5秒」、第2変動回の変動時間「7秒」、・・・、第30変動回の変動時間「10秒」などと変動表示30回分の変動時間を定めた変動パターンテーブル)を用いて、一連の演出変動表示を行う構成としてもよい。つまり、実行予定の変動表示の数に応じて、所定の変動表示の時間(外れ変動用の変動時間)を設定する構成としてもよい。
そして、この一連の演出変動表示が行われている期間中の所定回の変動表示において、大当たりに当選した場合には、上記変動表示30回分の外れ変動用の変動パターンを定めた変動パターンテーブルを無視して、大当たり用の変動パターンテーブルを参酌して取得した変動パターンで変動表示を実行する構成としてもよい。
(g)上記実施形態では、「継続チャンスステージ演出」の終了後に、「通常ステージ演出」へ移行するのか、又は、「ラッキーステージ演出」へ移行するのかといった、遊技を盛り上げるための振分け演出が行われる構成となっているが、これに限らず、振分け演出を省略した構成としてもよい。
また、上記実施形態では、ここで「継続チャンスステージ演出」中の時短当たり抽選において当選せず、「継続チャンスステージ演出」終了後に「通常モード(通常ステージ演出)」へ移行する場合と、時短当たり抽選において当選し、「継続チャンスステージ演出」終了後に「時短Bモード(ラッキーステージ演出)」へ移行する場合とで異なる演出が実行される構成となっているが、これに限らず、「継続チャンスステージ演出」終了後に「通常モード(通常ステージ演出)」へ移行する場合と、「時短Bモード(ラッキーステージ演出)」へ移行する場合で同一の演出が実行される構成としてもよい。
(h)特定演出に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば上記実施形態における特定演出としての「継続チャンスステージ演出」では、その継続期間中(最大で4回分の変動表示が実行される期間中)、連続して海中を進むアニメーション(連続演出)が導出される構成となっている。
これに限らず、特定演出は、少なくとも遊技者がその期間であると認識できればよく、例えば文字による示唆や、特定画像(各種キャラクタや背景画像)の表示などであってもよい。
また、特定演出の終了に基づいて行われる「ラッキーステージ演出」は、特定演出が終了したら直ちに実行されてもよいし、所定期間の間に特定演出の終了に係る各種処理を実行した後に実行される構成としてもよい。
(i)各種計数手段(第1計数手段、第2計数手段)の構成は上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、各変動回数カウンタA,Bに対し数値データを設定し、これを減算することにより、残り変動回数を把握する構成となっているが、これに限らず、各種計数対象を計数可能な構成であれば、いかなる構成を採用してもよい。例えば変動表示が1回行われる毎にフラグを立て、そのフラグの数を計数することにより、各種計数対象の数を把握可能な構成としてもよい。
また、上記実施形態における第1変動回数カウンタAは、「時短Aモード」の継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)の計測、及び、「時短Aモード」終了時に保留記憶されている残りの第2変動表示の実行期間(残り保留消化期間、最大で4回)の計測に兼用される構成となっているが、それぞれ別々の計数カウンタを設けてもよい。
また、上記実施形態では、「時短Bモード」の継続期間(上限となるまでの残りの変動回数)を計測するにあたり、第2変動回数カウンタBに所定の上限値(例えば30回)を設定し、これを減算することで、残り変動回数を把握する構成となっているが、これに限らず、第2変動回数カウンタBの値を加算していき、所定の上限値(例えば30回)と比較することで、残りの変動回数を把握する構成としてもよい。かかる場合、所定の記憶エリアに記憶された設定値(上限値)が、第2変動表示が行われる毎に更新(減算)されることとなる。そして、「時短Aモード」の終了時に設定値が0よりも大きければ「ラッキーステージ演出」を実行し、0よりも小さければ実行しない構成としてもよい。
(j)上記実施形態に加えて、「時短当たり」に当選した場合に、演出表示装置42とは別に、その旨を報知又は示唆する手段を備えた構成としてもよい。例えば「時短当たり」が発生する旨の示唆を枠ランプ102などによって行う構成としてもよい。これにより、「時短当たり」に発展するのではないかという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。また、音声発生手段としてのスピーカSPを用いて示唆等する構成としてもよい。
[付記]
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
従来課題WA.従来、遊技機には、複数の有利度合いの異なる遊技状態があり、各々の発生条件が成立すると、それに応じた遊技状態が発生する。
遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行い、所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば特開2013-31769号公報参照)。
パチンコ機における通常状態、電サポ(電チューサポート)付き時短状態、電サポなし時短状態、時短付き確変状態、時短なし確変状態などの遊技状態は、基本的に単独で成立していて、その間に条件が成立することで、より上位の遊技状態に移行又は下位の遊技状態に移行するものである。
また、遊技機によっては、所定の遊技状態の実行中に、より上位の遊技状態が重複して発生する場合もある。
この場合、より上位の遊技状態が発生することは、遊技者にとって望ましいことなので、より上位の遊技状態に対応した報知又はより上位の遊技状態と重複した旨を示す報知を行えば、遊技者により高い興趣を提供することができる。
しかし、より下位の遊技状態が途中で重複する遊技機は前例がなく、かかる遊技機においては、遊技者の興趣を低下させることなく好適な報知を行うことが必要となる。
例えばパチンコ機の一種として、1種2種混合機と称されるパチンコ機が知られている。かかるパチンコ機は、例えば遊技球を遊技領域の左側領域へ発射(左打ち)して狙う第1始動入球手段と、該第1始動入球手段への遊技球の入球に基づいて第1変動表示を行う第1表示装置と、該第1変動表示を所定回数保留可能な第1保留手段と、遊技球を遊技領域の右側領域へ発射(右打ち)して狙う第2始動入球手段と、該第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて第2変動表示を行う第2表示装置と、該第2変動表示を所定回数保留可能な第2保留手段と、第2始動入球手段へ遊技球が入球可能な開状態と入球不能な閉状態とに変化する開閉部材とを備え、第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な大当たり状態を発生可能に構成されると共に、第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて小当たり抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、所定の可変入賞装置が開放する小当たり状態を発生可能に構成され、該可変入賞装置へ入球した遊技球が特定入球手段(V入賞口)へ入球した場合に大当たり状態を発生可能に構成されている。
一般に、このようなパチンコ機では、第2始動入球手段へ遊技球を入球させることが困難な通常状態(低サポート状態)においては、左打ちして第1始動入球手段に遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
一方、大当たり状態の終了後に付与され得る、第2始動入球手段へ遊技球を入球させやすい高サポート状態においては、右打ちして第2始動入球手段に遊技球を入球させて小当たり状態を発生させ、開放された可変入賞装置内の特定入球手段(V入賞口)へ遊技球を入球させ、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
かかる構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、可変表示手段において継続演出(継続チャンス演出等)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
さらに、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高サポート状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生させる抽選を行う構成を付加することも考えられる。
しかしながら、かかる特定遊技状態は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態に当選した場合であっても、該継続演出よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
そのため、従来のパチンコ機においては、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、有利度合いの異なる遊技状態が重複した場合に好適な報知を行うことができ、さらに遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段WA1.第1始動条件の成立で第1遊技回動作を実行可能な第1実行手段と、
前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立で第2遊技回動作を実行可能な第2実行手段と、
前記第1始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第1記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態と前記第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態とに状態を切替え可能な補助手段と、を備えた遊技機であって、
所定遊技状態における前記第2遊技回動作に対応した計数を実行可能な第1計数手段と、
所定の減算条件の成立に基づいて前記第1計数手段の所定数値情報を減算可能な減算手段と、
前記所定遊技状態における前記第2遊技回動作の実行中に、対応する演出として特定演出を実行可能な演出実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態を発生可能な特定条件が成立した場合に、前記特定遊技に対応した計数を実行可能な第2計数手段に特定数値情報を設定可能な情報設定手段と、
所定の更新条件の成立に基づいて前記第2計数手段の特定数値情報を更新する更新手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記第1計数手段が減算されて特定値になるまでの所定状態中は前記特定演出を継続して実行可能な継続手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記特定条件が成立した場合に前記第2計数手段に特定数値情報を設定するが該設定された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記更新条件が成立した場合に前記第2計数手段の特定数値情報を更新するが該更新された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出の終了に基づいてその時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した前記特定対応表示を実行する特定対応表示実行手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段WA1によれば、特定演出(継続チャンス演出など)を実行中の第2遊技回動作の実行中(第2遊技回動作の残り保留記憶消化中など)において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生可能な特定条件が成立した場合であっても、特定遊技状態に係る第2遊技回動作の計数を開始するなど、内部的には特定遊技状態を進行させるが、これに対応する報知演出などの特定対応表示は実行せず、特定演出の終了後に、その時点における残り回数分の特定対応表示を実行する構成となっている。
結果として、より下位の遊技状態が途中で重複する場合においても、遊技者にとって、より関心の度合いの高い特定演出を優先して行うことができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図りつつ好適な報知を行うことができる。
手段WA2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記第1遊技回動作としての第1変動表示を行った後、前記第1始動条件の成立となる前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第1実行手段としての第1特別表示手段と、
前記第2遊技回動作としての第2変動表示を行った後、前記第2始動条件の成立となる前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第2実行手段としての第2特別表示手段と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第1特別可変入球手段(例えば大当たり入賞装置)と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2特別可変入球手段(例えば小当たり入賞装置)と、
前記第1特別遊技状態が発生した場合において、前記第1特別可変入球手段を開閉制御する第1開閉制御手段と、
前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記第2特別可変入球手段を開閉制御する第2開閉制御手段と、
前記第2特別可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部へ遊技球が入球した場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる特定入球部第1特別遊技状態発生手段とを備えたことを特徴とする手段WA1に記載の遊技機。
上記手段WA2によれば、通常時、遊技者は、第1の領域(第1始動入球手段)に向けて遊技球を発射する第1の発射態様で遊技を行いつつ、第1特別遊技状態が発生した以降は、第2の領域(第2始動入球手段)に向けて遊技球を発射する第2の発射態様に切替えて遊技を行うといったように、遊技状態に応じて遊技者に発射態様を変更させる構成となっている。
これにより、上記手段WA1に係る構成をより簡素化な構成で実現できると共に、遊技の多様化を図ることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段WA3.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)を備え、
前記補助手段は、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して所定開放条件が成立した場合に、前記第2補助状態(低サポート状態)として、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、前記第1補助状態(高サポート状態)として、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材であることを特徴とする手段WA2に記載の遊技機。
上記手段WA3によれば、第2の領域を通過するように発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置において契機入球手段が設けられることで、上記手段WA2の作用効果をより確実なものとすることができる。
手段WA4.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態、及び、前記特定入球部への遊技球の入球に起因して発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段WA2又は手段WA3に記載の遊技機。
上記手段WA4によれば、第1始動入球手段へ遊技球が入球した場合よりも、第2始動入球手段へ遊技球が入球した場合及び特定入球部へ遊技球が入球した場合の方が、より遊技価値の高い第1特別遊技状態に当選する確率(振分確率)が高くなる。
結果として、所定開放条件が成立している場合においては、より多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させやすい状態となるため、遊技者は、より有利な遊技価値を有する第1特別遊技状態をより多く得ることが可能となる。
手段WA5.前記第1記憶手段として、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第1特別表示手段にて実行される第1変動表示を、すでに実行されている第1変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2記憶手段として、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第2特別表示手段にて実行される第2変動表示を、すでに実行されている第2変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段WA2乃至手段WA4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WA5によれば、第2の領域(第2始動入球手段)に向けて遊技球を発射する第2の発射態様で遊技を行っている場合において、より短期間により多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させ、より短期間により多くの第1当否抽選及び第2当否抽選を実行することができる。結果として、さらなる興趣の向上を図ることができる。
手段WA6.前記特定対応表示実行手段は、前記特定対応表示を実行する場合において、その時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した数値を明示することを特徴とする手段WA1乃至WA5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WA6によれば、後述する手段WB1と同様の作用効果が奏される。
手段WA7.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合における前記特定演出の終了後の遊技態様と、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立しなかった場合における前記特定演出の終了後の遊技態様とが同一であることを特徴とする手段WA1乃至WA6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WA7によれば、後述する手段WC1と同様の作用効果が奏される。
手段WA8.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合と、前記特定条件が成立しなかった場合とで、前記特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されていることを特徴とする手段WA1乃至WA7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WA8によれば、後述する手段WD1と同様の作用効果が奏される。
手段WA9.前記特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定することを特徴とする手段WA1乃至WA8のいずれかに記載の遊技機。
上記段WA9によれば、後述する手段WE1と同様の作用効果が奏される。
手段WA10.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、前記特定対応表示とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段、を備えたことを特徴とする手段WA1乃至WA9のいずれかに記載の遊技機。
上記WA10によれば、後述する手段WF1と同様の作用効果が奏される。
従来課題WB.従来、遊技機には、複数の有利度合いの異なる遊技状態があり、各々の発生条件が成立すると、それに応じた遊技状態が発生する。
遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行い、所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば特開2013-31769号公報参照)。
パチンコ機における通常状態、電サポ(電チューサポート)付き時短状態、電サポなし時短状態、時短付き確変状態、時短なし確変状態などの遊技状態は、基本的に単独で成立していて、その間に条件が成立することで、より上位の遊技状態に移行又は下位の遊技状態に移行するものである。
また、遊技機によっては、所定の遊技状態の実行中に、より上位の遊技状態が重複して発生する場合もある。
この場合、より上位の遊技状態が発生することは、遊技者にとって望ましいことなので、より上位の遊技状態に対応した報知又はより上位の遊技状態と重複した旨を示す報知を行えば、遊技者により高い興趣を提供することができる。
しかし、より下位の遊技状態が途中で重複する遊技機は前例がなく、かかる遊技機においては、遊技者の興趣を低下させることなく好適な報知を行うことが必要となる。
例えば、上記従来課題WAに記載した1種2種混合機に係る構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、可変表示手段において継続演出(継続チャンス演出等)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
さらに、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高サポート状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生させる抽選を行う構成を付加することも考えられる。
しかしながら、かかる特定遊技状態は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態に当選した場合であっても、該継続演出よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、例えば継続演出(継続チャンス演出など)を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生可能な特定条件が成立した場合に、特定遊技状態に係る第2変動表示の計数を開始するなど、内部的には特定遊技状態を進行させるが、これに対応する報知演出などの特定対応表示は実行せず、継続演出の終了後に、その時点における残り回数分の特定対応表示を実行する構成とした場合には、継続演出の終了後、唐突に特定対応表示が開始される構成となってしまうおそれがある。
また、仮に特定対応表示において、更新された計数手段の数値情報(例えば「29」)に対応した数値ではない偽りの値を表示する演出等(例えば「残り10回?」等の表示演出)を行う構成となっている場合には、遊技者は、特定遊技状態を発生させた特定条件が、どのタイミングの第2変動表示において成立していたか把握できず、不信感を抱くおそれがある。
そのため、従来のパチンコ機においては、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、有利度合いの異なる遊技状態が重複した場合に好適な報知を行うことができ、さらに遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段WB1.第1始動条件の成立で第1遊技回動作を実行可能な第1実行手段と、
前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立で第2遊技回動作を実行可能な第2実行手段と、
前記第1始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第1記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態と前記第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態とに状態を切替え可能な補助手段と、を備えた遊技機であって、
所定遊技状態における前記第2遊技回動作に対応した計数を実行可能な第1計数手段と、
所定の減算条件の成立に基づいて前記第1計数手段の所定数値情報を減算可能な減算手段と、
前記所定遊技状態における前記第2遊技回動作の実行中に、対応する演出として特定演出を実行可能な演出実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態を発生可能な特定条件が成立した場合に、前記特定遊技に対応した計数を実行可能な第2計数手段に特定数値情報を設定可能な情報設定手段と、
所定の更新条件の成立に基づいて前記第2計数手段の特定数値情報を更新する更新手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記第1計数手段が減算されて特定値になるまでの所定状態中は前記特定演出を継続して実行可能な継続手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記特定条件が成立した場合に前記第2計数手段に特定数値情報を設定するが該設定された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記更新条件が成立した場合に前記第2計数手段の特定数値情報を更新するが該更新された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出の終了に基づいてその時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した前記特定対応表示を実行する特定対応表示実行手段と、を備え、
前記特定対応表示実行手段は、前記特定対応表示を実行する場合において、その時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した数値を明示することを特徴とする遊技機。
上記手段WB1によれば、上記手段WA1と同様の作用効果が奏される。加えて、本手段では、特定対応表示を実行する場合において、更新された第2計数手段の数値情報(例えば「29」)に対応した数値を明示する(例えば「残り29回」等の表示演出を行う)構成となっている。
これにより、遊技者は、特定対応表示において明示された数値を見ることにより、特定遊技状態を発生させた特定条件が、どのタイミングの第2遊技回動作において成立していたかを逆算により把握することが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
手段WB2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記第1遊技回動作としての第1変動表示を行った後、前記第1始動条件の成立となる前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第1実行手段としての第1特別表示手段と、
前記第2遊技回動作としての第2変動表示を行った後、前記第2始動条件の成立となる前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第2実行手段としての第2特別表示手段と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第1特別可変入球手段(例えば大当たり入賞装置)と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2特別可変入球手段(例えば小当たり入賞装置)と、
前記第1特別遊技状態が発生した場合において、前記第1特別可変入球手段を開閉制御する第1開閉制御手段と、
前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記第2特別可変入球手段を開閉制御する第2開閉制御手段と、
前記第2特別可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部へ遊技球が入球した場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる特定入球部第1特別遊技状態発生手段とを備えたことを特徴とする手段WA1に記載の遊技機。
上記手段WB2によれば、上記手段WA2と同様の作用効果が奏される。
手段WB3.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)を備え、
前記補助手段は、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して所定開放条件が成立した場合に、前記第2補助状態(低サポート状態)として、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、前記第1補助状態(高サポート状態)として、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材であることを特徴とする手段WB2に記載の遊技機。
上記手段WB3によれば、上記手段WA3と同様の作用効果が奏される。
手段WB4.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態、及び、前記特定入球部への遊技球の入球に起因して発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段WB2又は手段WB3に記載の遊技機。
上記手段WB4によれば、上記手段WA4と同様の作用効果が奏される。
手段WB5.前記第1記憶手段として、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第1特別表示手段にて実行される第1変動表示を、すでに実行されている第1変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2記憶手段として、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第2特別表示手段にて実行される第2変動表示を、すでに実行されている第2変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段WB2乃至手段WB4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WB5によれば、上記手段WA5と同様の作用効果が奏される。
手段WB6.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合における前記特定演出の終了後の遊技態様と、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立しなかった場合における前記特定演出の終了後の遊技態様とが同一であることを特徴とする手段WB1乃至WB5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WB6によれば、後述する手段WC1と同様の作用効果が奏される。
手段WB7.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合と、前記特定条件が成立しなかった場合とで、前記特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されていることを特徴とする手段WB1乃至WB6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WB7によれば、後述する手段WD1と同様の作用効果が奏される。
手段WB8.前記特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定することを特徴とする手段WB1乃至WB7のいずれかに記載の遊技機。
上記段WB8によれば、後述する手段WE1と同様の作用効果が奏される。
手段WB9.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、前記特定対応表示とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段、を備えたことを特徴とする手段WB1乃至WB8のいずれかに記載の遊技機。
上記WB9によれば、後述する手段WF1と同様の作用効果が奏される。
従来課題WC.従来、遊技機には、複数の有利度合いの異なる遊技状態があり、各々の発生条件が成立すると、それに応じた遊技状態が発生する。
遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行い、所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば特開2013-31769号公報参照)。
パチンコ機における通常状態、電サポ(電チューサポート)付き時短状態、電サポなし時短状態、時短付き確変状態、時短なし確変状態などの遊技状態は、基本的に単独で成立していて、その間に条件が成立することで、より上位の遊技状態に移行又は下位の遊技状態に移行するものである。
また、遊技機によっては、所定の遊技状態の実行中に、より上位の遊技状態が重複して発生する場合もある。
この場合、より上位の遊技状態が発生することは、遊技者にとって望ましいことなので、より上位の遊技状態に対応した報知又はより上位の遊技状態と重複した旨を示す報知を行えば、遊技者により高い興趣を提供することができる。
しかし、より下位の遊技状態が途中で重複する遊技機は前例がなく、かかる遊技機においては、遊技者の興趣を低下させることなく好適な報知を行うことが必要となる。
例えば、上記従来課題WAに記載した1種2種混合機に係る構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、可変表示手段において継続演出(継続チャンス演出等)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
さらに、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高サポート状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生させる抽選を行う構成を付加することも考えられる。
しかしながら、かかる特定遊技状態は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態に当選した場合であっても、該継続演出よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
加えて、例えば継続演出(継続チャンス演出等)を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生可能な特定条件が成立した場合と、特定条件が成立しなかった場合とで、継続演出の終了後の遊技態様(例えば遊技球の発射態様)が異なる場合には、遊技者は、継続演出の終了と共に、遊技態様を決定(変更)することができず、遊技球を無駄に消費してしまう等の不具合の発生するおそれがある。
そのため、従来のパチンコ機においては、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、有利度合いの異なる遊技状態が重複した場合に好適な報知を行うことができ、さらに遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段WC1.第1始動条件の成立で第1遊技回動作を実行可能な第1実行手段と、
前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立で第2遊技回動作を実行可能な第2実行手段と、
前記第1始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第1記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態と前記第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態とに状態を切替え可能な補助手段と、を備えた遊技機であって、
所定遊技状態における前記第2遊技回動作に対応した計数を実行可能な第1計数手段と、
所定の減算条件の成立に基づいて前記第1計数手段の所定数値情報を減算可能な減算手段と、
前記所定遊技状態における前記第2遊技回動作の実行中に、対応する演出として特定演出を実行可能な演出実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態を発生可能な特定条件が成立した場合に、前記特定遊技に対応した計数を実行可能な第2計数手段に特定数値情報を設定可能な情報設定手段と、
所定の更新条件の成立に基づいて前記第2計数手段の特定数値情報を更新する更新手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記第1計数手段が減算されて特定値になるまでの所定状態中は前記特定演出を継続して実行可能な継続手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記特定条件が成立した場合に前記第2計数手段に特定数値情報を設定するが該設定された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記更新条件が成立した場合に前記第2計数手段の特定数値情報を更新するが該更新された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出の終了に基づいてその時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した前記特定対応表示を実行する特定対応表示実行手段と、を備え、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合における前記特定演出の終了後の遊技態様と、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立しなかった場合における前記特定演出の終了後の遊技態様とが同一であることを特徴とする遊技機。
上記手段WC1によれば、上記手段WA1と同様の作用効果が奏される。加えて、本手段では、特定演出を実行中の第2遊技回動作の実行中において、特定条件が成立した場合における特定演出の終了後の遊技態様(例えば遊技球の発射態様)と、特定条件が成立しなかった場合における特定演出の終了後の遊技態様とが同一となっている。
これにより、遊技者は、特定条件が成立しているか否かに拘わらず、特定演出の終了と共に、遊技態様を決定(変更)することが可能となり、遊技球を無駄に消費してしまう等の不具合の発生を抑制することができる。結果として、興趣の低下抑制を図ることができる。
手段WC2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記第1遊技回動作としての第1変動表示を行った後、前記第1始動条件の成立となる前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第1実行手段としての第1特別表示手段と、
前記第2遊技回動作としての第2変動表示を行った後、前記第2始動条件の成立となる前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第2実行手段としての第2特別表示手段と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第1特別可変入球手段(例えば大当たり入賞装置)と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2特別可変入球手段(例えば小当たり入賞装置)と、
前記第1特別遊技状態が発生した場合において、前記第1特別可変入球手段を開閉制御する第1開閉制御手段と、
前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記第2特別可変入球手段を開閉制御する第2開閉制御手段と、
前記第2特別可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部へ遊技球が入球した場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる特定入球部第1特別遊技状態発生手段とを備えたことを特徴とする手段WC1に記載の遊技機。
上記手段WC2によれば、上記手段WA2と同様の作用効果が奏される。
手段WC3.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)を備え、
前記補助手段は、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して所定開放条件が成立した場合に、前記第2補助状態(低サポート状態)として、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、前記第1補助状態(高サポート状態)として、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材であることを特徴とする手段WC2に記載の遊技機。
上記手段WC3によれば、上記手段WA3と同様の作用効果が奏される。
手段WC4.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態、及び、前記特定入球部への遊技球の入球に起因して発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段WC2又は手段WC3に記載の遊技機。
上記手段WC4によれば、上記手段WA4と同様の作用効果が奏される。
手段WC5.前記第1記憶手段として、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第1特別表示手段にて実行される第1変動表示を、すでに実行されている第1変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2記憶手段として、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第2特別表示手段にて実行される第2変動表示を、すでに実行されている第2変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段WC2乃至手段WC4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WC5によれば、上記手段WA5と同様の作用効果が奏される。
手段WC6.前記特定対応表示実行手段は、前記特定対応表示を実行する場合において、その時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した数値を明示することを特徴とする手段WC1乃至WC5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WC6によれば、上記手段WB1と同様の作用効果が奏される。
手段WC7.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合と、前記特定条件が成立しなかった場合とで、前記特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されていることを特徴とする手段WC1乃至WC6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WC7によれば、後述する手段WD1と同様の作用効果が奏される。
手段WC8.前記特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定することを特徴とする手段WC1乃至WC7のいずれかに記載の遊技機。
上記段WC8によれば、後述する手段WE1と同様の作用効果が奏される。
手段WC9.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、前記特定対応表示とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段、を備えたことを特徴とする手段WC1乃至WC8のいずれかに記載の遊技機。
上記WC9によれば、後述する手段WF1と同様の作用効果が奏される。
従来課題WD.従来、遊技機には、複数の有利度合いの異なる遊技状態があり、各々の発生条件が成立すると、それに応じた遊技状態が発生する。
遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行い、所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば特開2013-31769号公報参照)。
パチンコ機における通常状態、電サポ(電チューサポート)付き時短状態、電サポなし時短状態、時短付き確変状態、時短なし確変状態などの遊技状態は、基本的に単独で成立していて、その間に条件が成立することで、より上位の遊技状態に移行又は下位の遊技状態に移行するものである。
また、遊技機によっては、所定の遊技状態の実行中に、より上位の遊技状態が重複して発生する場合もある。
この場合、より上位の遊技状態が発生することは、遊技者にとって望ましいことなので、より上位の遊技状態に対応した報知又はより上位の遊技状態と重複した旨を示す報知を行えば、遊技者により高い興趣を提供することができる。
しかし、より下位の遊技状態が途中で重複する遊技機は前例がなく、かかる遊技機においては、遊技者の興趣を低下させることなく好適な報知を行うことが必要となる。
例えば、上記従来課題WAに記載した1種2種混合機に係る構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、可変表示手段において継続演出(継続チャンス演出等)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
さらに、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高サポート状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生させる抽選を行う構成を付加することも考えられる。
しかしながら、かかる特定遊技状態は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態に当選した場合であっても、該継続演出よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、例えば継続演出(継続チャンス演出など)を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生可能な特定条件が成立した場合に、特定遊技状態に係る第2変動表示の計数を開始するなど、内部的には特定遊技状態を進行させるが、これに対応する報知演出などの特定対応表示は実行せず、継続演出の終了後に、その時点における残り回数分の特定対応表示を実行する構成とした場合には、継続演出の終了後、何の前触れもなく唐突に特定対応表示が開始される構成となってしまうおそれがある。
そのため、従来のパチンコ機においては、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、有利度合いの異なる遊技状態が重複した場合に好適な報知を行うことができ、さらに遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段WD1.第1始動条件の成立で第1遊技回動作を実行可能な第1実行手段と、
前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立で第2遊技回動作を実行可能な第2実行手段と、
前記第1始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第1記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態と前記第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態とに状態を切替え可能な補助手段と、を備えた遊技機であって、
所定遊技状態における前記第2遊技回動作に対応した計数を実行可能な第1計数手段と、
所定の減算条件の成立に基づいて前記第1計数手段の所定数値情報を減算可能な減算手段と、
前記所定遊技状態における前記第2遊技回動作の実行中に、対応する演出として特定演出を実行可能な演出実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態を発生可能な特定条件が成立した場合に、前記特定遊技に対応した計数を実行可能な第2計数手段に特定数値情報を設定可能な情報設定手段と、
所定の更新条件の成立に基づいて前記第2計数手段の特定数値情報を更新する更新手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記第1計数手段が減算されて特定値になるまでの所定状態中は前記特定演出を継続して実行可能な継続手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記特定条件が成立した場合に前記第2計数手段に特定数値情報を設定するが該設定された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記更新条件が成立した場合に前記第2計数手段の特定数値情報を更新するが該更新された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出の終了に基づいてその時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した前記特定対応表示を実行する特定対応表示実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合と、前記特定条件が成立しなかった場合とで、前記特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段WD1によれば、上記手段WA1と同様の作用効果が奏される。加えて、本手段では、特定演出の終了時における特定条件の成立の有無により、該特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されている。
かかる構成が、遊技者にとっては、特定演出の終了後に特定遊技状態へ移行するか否かといった表示演出となり得るため、仮に特定演出によって遊技者に有利な状態に移行しなかった場合でも、遊技者に新たな希望を抱かせ、遊技意欲の向上を図ることができる。結果として、遊技者に期待感を持たせる演出を段階的に行うことができ、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段WD2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記第1遊技回動作としての第1変動表示を行った後、前記第1始動条件の成立となる前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第1実行手段としての第1特別表示手段と、
前記第2遊技回動作としての第2変動表示を行った後、前記第2始動条件の成立となる前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第2実行手段としての第2特別表示手段と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第1特別可変入球手段(例えば大当たり入賞装置)と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2特別可変入球手段(例えば小当たり入賞装置)と、
前記第1特別遊技状態が発生した場合において、前記第1特別可変入球手段を開閉制御する第1開閉制御手段と、
前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記第2特別可変入球手段を開閉制御する第2開閉制御手段と、
前記第2特別可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部へ遊技球が入球した場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる特定入球部第1特別遊技状態発生手段とを備えたことを特徴とする手段WD1に記載の遊技機。
上記手段WD2によれば、上記手段WA2と同様の作用効果が奏される。
手段WD3.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)を備え、
前記補助手段は、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して所定開放条件が成立した場合に、前記第2補助状態(低サポート状態)として、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、前記第1補助状態(高サポート状態)として、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材であることを特徴とする手段WC2に記載の遊技機。
上記手段WD3によれば、上記手段WA3と同様の作用効果が奏される。
手段WD4.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態、及び、前記特定入球部への遊技球の入球に起因して発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段WD2又は手段WD3に記載の遊技機。
上記手段WD4によれば、上記手段WA4と同様の作用効果が奏される。
手段WD5.前記第1記憶手段として、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第1特別表示手段にて実行される第1変動表示を、すでに実行されている第1変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2記憶手段として、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第2特別表示手段にて実行される第2変動表示を、すでに実行されている第2変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段WD2乃至手段WD4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WD5によれば、上記手段WA5と同様の作用効果が奏される。
手段WD6.前記特定対応表示実行手段は、前記特定対応表示を実行する場合において、その時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した数値を明示することを特徴とする手段WD1乃至WD5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WD6によれば、上記手段WB1と同様の作用効果が奏される。
手段WD7.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合における前記特定演出の終了後の遊技態様と、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立しなかった場合における前記特定演出の終了後の遊技態様とが同一であることを特徴とする手段WD1乃至WD6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WD7によれば、上記手段WC1と同様の作用効果が奏される。
手段WD8.前記特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定することを特徴とする手段WD1乃至WD7のいずれかに記載の遊技機。
上記段WD8によれば、後述する手段WE1と同様の作用効果が奏される。
手段WD9.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、前記特定対応表示とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段、を備えたことを特徴とする手段WD1乃至WD8のいずれかに記載の遊技機。
上記WD9によれば、後述する手段WF1と同様の作用効果が奏される。
従来課題WE.従来、遊技機には、複数の有利度合いの異なる遊技状態があり、各々の発生条件が成立すると、それに応じた遊技状態が発生する。
遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行い、所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば特開2013-31769号公報参照)。
パチンコ機における通常状態、電サポ(電チューサポート)付き時短状態、電サポなし時短状態、時短付き確変状態、時短なし確変状態などの遊技状態は、基本的に単独で成立していて、その間に条件が成立することで、より上位の遊技状態に移行又は下位の遊技状態に移行するものである。
また、遊技機によっては、所定の遊技状態の実行中に、より上位の遊技状態が重複して発生する場合もある。
この場合、より上位の遊技状態が発生することは、遊技者にとって望ましいことなので、より上位の遊技状態に対応した報知又はより上位の遊技状態と重複した旨を示す報知を行えば、遊技者により高い興趣を提供することができる。
しかし、より下位の遊技状態が途中で重複する遊技機は前例がなく、かかる遊技機においては、遊技者の興趣を低下させることなく好適な報知を行うことが必要となる。
例えば、上記従来課題WAに記載した1種2種混合機に係る構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、可変表示手段において継続演出(継続チャンス演出等)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
さらに、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高サポート状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生させる抽選を行う構成を付加することも考えられる。
しかしながら、かかる特定遊技状態は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態に当選した場合であっても、該継続演出よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、例えば継続演出(継続チャンス演出など)を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生可能な特定条件が成立した場合に、特定遊技状態に係る第2変動表示の計数を開始するなど、内部的には特定遊技状態を進行させるが、これに対応する報知演出などの特定対応表示は実行せず、継続演出の終了後に、その時点における残り回数分の特定対応表示を実行する構成とした場合には、特定遊技状態の継続期間中において、多彩な演出を行おうとした場合には、処理が複雑化するおそれがある。
そのため、従来のパチンコ機においては、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、有利度合いの異なる遊技状態が重複した場合に好適な報知を行うことができ、さらに遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段WE1.第1始動条件の成立で第1遊技回動作を実行可能な第1実行手段と、
前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立で第2遊技回動作を実行可能な第2実行手段と、
前記第1始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第1記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態と前記第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態とに状態を切替え可能な補助手段と、を備えた遊技機であって、
所定遊技状態における前記第2遊技回動作に対応した計数を実行可能な第1計数手段と、
所定の減算条件の成立に基づいて前記第1計数手段の所定数値情報を減算可能な減算手段と、
前記所定遊技状態における前記第2遊技回動作の実行中に、対応する演出として特定演出を実行可能な演出実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態を発生可能な特定条件が成立した場合に、前記特定遊技に対応した計数を実行可能な第2計数手段に特定数値情報を設定可能な情報設定手段と、
所定の更新条件の成立に基づいて前記第2計数手段の特定数値情報を更新する更新手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記第1計数手段が減算されて特定値になるまでの所定状態中は前記特定演出を継続して実行可能な継続手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記特定条件が成立した場合に前記第2計数手段に特定数値情報を設定するが該設定された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中におい、前記更新条件が成立した場合に前記第2計数手段の特定数値情報を更新するが該更新された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出の終了に基づいてその時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した前記特定対応表示を実行する特定対応表示実行手段と、を備え、
前記特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定することを特徴とする遊技機。
上記手段WE1によれば、上記手段WA1と同様の作用効果が奏される。加えて、本手段では、特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定する構成となっている。
かかる構成は、特定遊技状態の継続期間中における各遊技回動作の動作時間を定めた動作パターンテーブル(例えば第1遊技回動作時間「5秒」、第2遊技回動作時間「7秒」、・・・、第30遊技回動作時間「10秒」などと遊技回動作30回分の動作時間等を定めた動作パターンテーブルなど)を設けることで実現することができる。
これにより、特定遊技状態の継続期間中における複数回の遊技回動作に跨る一連の演出(連続演出)を実行することができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。また、各遊技回動作を実行する毎に動作時間を決定する処理等を行う必要がないため、処理の簡素化を図ることができる。
手段WE2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記第1遊技回動作としての第1変動表示を行った後、前記第1始動条件の成立となる前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第1実行手段としての第1特別表示手段と、
前記第2遊技回動作としての第2変動表示を行った後、前記第2始動条件の成立となる前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第2実行手段としての第2特別表示手段と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第1特別可変入球手段(例えば大当たり入賞装置)と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2特別可変入球手段(例えば小当たり入賞装置)と、
前記第1特別遊技状態が発生した場合において、前記第1特別可変入球手段を開閉制御する第1開閉制御手段と、
前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記第2特別可変入球手段を開閉制御する第2開閉制御手段と、
前記第2特別可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部へ遊技球が入球した場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる特定入球部第1特別遊技状態発生手段とを備えたことを特徴とする手段WE1に記載の遊技機。
上記手段WE2によれば、上記手段WA2と同様の作用効果が奏される。
手段WE3.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)を備え、
前記補助手段は、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して所定開放条件が成立した場合に、前記第2補助状態(低サポート状態)として、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、前記第1補助状態(高サポート状態)として、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材であることを特徴とする手段WC2に記載の遊技機。
上記手段WE3によれば、上記手段WA3と同様の作用効果が奏される。
手段WE4.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態、及び、前記特定入球部への遊技球の入球に起因して発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段WE2又は手段WE3に記載の遊技機。
上記手段WE4によれば、上記手段WA4と同様の作用効果が奏される。
手段WE5.前記第1記憶手段として、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第1特別表示手段にて実行される第1変動表示を、すでに実行されている第1変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2記憶手段として、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第2特別表示手段にて実行される第2変動表示を、すでに実行されている第2変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段WE2乃至手段WE4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WE5によれば、上記手段WA5と同様の作用効果が奏される。
手段WE6.前記特定対応表示実行手段は、前記特定対応表示を実行する場合において、その時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した数値を明示することを特徴とする手段WE1乃至WE5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WE6によれば、上記手段WB1と同様の作用効果が奏される。
手段WE7.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合における前記特定演出の終了後の遊技態様と、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立しなかった場合における前記特定演出の終了後の遊技態様とが同一であることを特徴とする手段WE1乃至WE6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WE7によれば、上記手段WC1と同様の作用効果が奏される。
手段WE8.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合と、前記特定条件が成立しなかった場合とで、前記特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されていることを特徴とする手段WE1乃至WE7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WE8によれば、上記手段WD1と同様の作用効果が奏される。
手段WE9.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、前記特定対応表示とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段、を備えたことを特徴とする手段WE1乃至WE8のいずれかに記載の遊技機。
上記WE9によれば、後述する手段WF1と同様の作用効果が奏される。
従来課題WF.従来、遊技機には、複数の有利度合いの異なる遊技状態があり、各々の発生条件が成立すると、それに応じた遊技状態が発生する。
遊技機の一種として、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行い、所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば特開2013-31769号公報参照)。
パチンコ機における通常状態、電サポ(電チューサポート)付き時短状態、電サポなし時短状態、時短付き確変状態、時短なし確変状態などの遊技状態は、基本的に単独で成立していて、その間に条件が成立することで、より上位の遊技状態に移行又は下位の遊技状態に移行するものである。
また、遊技機によっては、所定の遊技状態の実行中に、より上位の遊技状態が重複して発生する場合もある。
この場合、より上位の遊技状態が発生することは、遊技者にとって望ましいことなので、より上位の遊技状態に対応した報知又はより上位の遊技状態と重複した旨を示す報知を行えば、遊技者により高い興趣を提供することができる。
しかし、より下位の遊技状態が途中で重複する遊技機は前例がなく、かかる遊技機においては、遊技者の興趣を低下させることなく好適な報知を行うことが必要となる。
例えば、上記従来課題WAに記載した1種2種混合機に係る構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、可変表示手段において継続演出(継続チャンス演出等)を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
さらに、さらなる興趣の向上を図るべく、継続演出を実行している間に、大当たりや小当たり、高サポート状態等よりも遊技者に有利とは言えない特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生させる抽選を行う構成を付加することも考えられる。
しかしながら、かかる特定遊技状態は、大当たりや小当たり等と比べて遊技者にとって関心の度合いの低い遊技状態であるため、仮に継続演出の実行中において特定遊技状態に当選した場合であっても、該継続演出よりも優先して(例えば該継続演出を中断して又は該継続演出に割り込むようにして)特定遊技状態に当選した旨を報知する報知演出が行われる構成としてしまうと、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、例えば継続演出(継続チャンス演出など)を実行中の第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留記憶消化中など)において、特定遊技状態(例えば高サポート状態とならない時間短縮モードなど)を発生可能な特定条件が成立した場合に、特定遊技状態に係る第2変動表示の計数を開始するなど、内部的には特定遊技状態を進行させるが、これに対応する報知演出などの特定対応表示は実行せず、継続演出の終了後に、その時点における残り回数分の特定対応表示を実行する構成とした場合には、継続演出の終了後、何の前触れもなく唐突に特定対応表示が開始される構成となってしまうおそれがある。
そのため、従来のパチンコ機においては、遊技者にとってのさらなる興趣の向上が求められている。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、有利度合いの異なる遊技状態が重複した場合に好適な報知を行うことができ、さらに遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段WF1.第1始動条件の成立で第1遊技回動作を実行可能な第1実行手段と、
前記第1始動条件とは異なる第2始動条件の成立で第2遊技回動作を実行可能な第2実行手段と、
前記第1始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第1記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を所定の上限値まで記憶可能な第2記憶手段と、
前記第2始動条件の成立を容易にする第1補助状態と前記第2始動条件の成立を困難にする第2補助状態とに状態を切替え可能な補助手段と、を備えた遊技機であって、
所定遊技状態における前記第2遊技回動作に対応した計数を実行可能な第1計数手段と、
所定の減算条件の成立に基づいて前記第1計数手段の所定数値情報を減算可能な減算手段と、
前記所定遊技状態における前記第2遊技回動作の実行中に、対応する演出として特定演出を実行可能な演出実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、特定遊技を実行可能な特定遊技状態を発生可能な特定条件が成立した場合に、前記特定遊技に対応した計数を実行可能な第2計数手段に特定数値情報を設定可能な情報設定手段と、
所定の更新条件の成立に基づいて前記第2計数手段の特定数値情報を更新する更新手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記第1計数手段が減算されて特定値になるまでの所定状態中は前記特定演出を継続して実行可能な継続手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記特定条件が成立した場合に前記第2計数手段に特定数値情報を設定するが該設定された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において前記更新条件が成立した場合に前記第2計数手段の特定数値情報を更新するが該更新された前記第2計数手段の特定数値情報に対応した特定対応表示を実行せず、前記特定演出の終了に基づいてその時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した前記特定対応表示を実行する特定対応表示実行手段と、
前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合に、前記特定対応表示とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段WF1によれば、上記手段WA1と同様の作用効果が奏される。加えて、本手段では、特定演出を実行中の第2遊技回動作の実行中において、特定条件が成立した場合に、特定対応表示(表示手段)とは別に、その旨を報知又は示唆可能な手段(例えば所定の発光手段や音出力を行う手段等)を備えた構成となっている。
これにより、遊技者は、特定演出の終了前に、特定条件が成立していることを予測可能となり、遊技者は特定演出の終了後の準備を行うことができる。結果として、遊技球を無駄に消費してしまう等の不具合の発生を抑制することができ、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
手段WF2.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第1の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「左打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第1始動入球手段と、
前記遊技領域のうち、少なくとも第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射(例えば「右打ち」)された遊技球が到達可能な位置において、該遊技球が入球可能に設けられた第2始動入球手段と、
前記第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して第1の当選確率で第1当否抽選(例えば大当たり抽選)を行う第1抽選手段と、
前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因して、前記第1の当選確率より高い第2の当選確率で第2当否抽選(例えば小当たり抽選)を行う第2抽選手段と、
前記第1遊技回動作としての第1変動表示を行った後、前記第1始動条件の成立となる前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第1実行手段としての第1特別表示手段と、
前記第2遊技回動作としての第2変動表示を行った後、前記第2始動条件の成立となる前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果に基づく特定態様で停止表示を行う前記第2実行手段としての第2特別表示手段と、
前記第1当否抽選により当選結果が得られた場合に、遊技者に有利な第1特別遊技状態(例えば遊技者が多数個の遊技球を取得する大当たり状態)を発生させる第1特別遊技状態発生手段と、
前記第2当否抽選により当選結果が得られた場合に、前記第1特別遊技状態よりも遊技者に有利でない第2特別遊技状態(例えば小当たり状態)を発生させる第2特別遊技状態発生手段と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第1特別可変入球手段(例えば大当たり入賞装置)と、
少なくとも前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球が到達可能な位置に設けられると共に、該第2の領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材を有した第2特別可変入球手段(例えば小当たり入賞装置)と、
前記第1特別遊技状態が発生した場合において、前記第1特別可変入球手段を開閉制御する第1開閉制御手段と、
前記第2特別遊技状態が発生した場合において、前記第2特別可変入球手段を開閉制御する第2開閉制御手段と、
前記第2特別可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部へ遊技球が入球した場合に、前記第1特別遊技状態を発生させる特定入球部第1特別遊技状態発生手段とを備えたことを特徴とする手段WF1に記載の遊技機。
上記手段WF2によれば、上記手段WA2と同様の作用効果が奏される。
手段WF3.前記第2の領域を通過するように前記発射手段によって発射された遊技球のみが到達可能な位置に設けられた契機入球手段(例えばスルーゲート)を備え、
前記補助手段は、
前記契機入球手段への遊技球の入球又は通過に起因して所定開放条件が成立した場合に、前記第2補助状態(低サポート状態)として、遊技球が入球不能又は入球困難な閉状態と、前記第1補助状態(高サポート状態)として、遊技球が入球可能又は入球容易な開状態との間で変位可能な少なくとも1つの開閉部材であることを特徴とする手段WC2に記載の遊技機。
上記手段WF3によれば、上記手段WA3と同様の作用効果が奏される。
手段WF4.前記第1特別遊技状態発生手段は、
遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記第1特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選に基づき発生する前記第1特別遊技状態、及び、前記特定入球部への遊技球の入球に起因して発生する前記第1特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段WF2又は手段WF3に記載の遊技機。
上記手段WF4によれば、上記手段WA4と同様の作用効果が奏される。
手段WF5.前記第1記憶手段として、前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第1特別表示手段にて実行される第1変動表示を、すでに実行されている第1変動表示の終了後まで待機させる第1保留手段と、
前記第2記憶手段として、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記第1当否抽選又は前記第2当否抽選の抽選結果を記憶し、該抽選結果に基づき前記第2特別表示手段にて実行される第2変動表示を、すでに実行されている第2変動表示の終了後まで待機させる第2保留手段とを備え、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により待機される変動表示がある場合には、前記第2保留手段により待機される変動表示を優先して実行することを特徴とする手段WF2乃至手段WF4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WF5によれば、上記手段WA5と同様の作用効果が奏される。
手段WF6.前記特定対応表示実行手段は、前記特定対応表示を実行する場合において、その時点の前記第2計数手段の数値情報に対応した数値を明示することを特徴とする手段WF1乃至WF5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WF6によれば、上記手段WB1と同様の作用効果が奏される。
手段WF7.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合における前記特定演出の終了後の遊技態様と、前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立しなかった場合における前記特定演出の終了後の遊技態様とが同一であることを特徴とする手段WF1乃至WF6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WF7によれば、上記手段WC1と同様の作用効果が奏される。
手段WF8.前記特定演出を実行中の前記第2遊技回動作の実行中において、前記特定条件が成立した場合と、前記特定条件が成立しなかった場合とで、前記特定演出の終了後の演出表示態様が異なるように構成されていることを特徴とする手段WF1乃至WF7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段WF8によれば、上記手段WD1と同様の作用効果が奏される。
手段WF9.前記特定遊技状態中においては、実行予定の遊技回動作の数に応じて所定の遊技回動作の時間を設定することを特徴とする手段WF1乃至WF8のいずれかに記載の遊技機。
上記段WF9によれば、上記手段WE1と同様の作用効果が奏される。
尚、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
同様に、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成を有した遊技機に対し、上記手段WA1~手段WA10のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WB1~手段WB9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WC1~手段WC9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WD1~手段WD9のいずれかの一部又は全部の構成、上記手段WE1~手段WE9のいずれかの一部又は全部の構成、及び、上記手段WF1~手段WF9のいずれかの一部又は全部の構成のうちのいずれか少なくとも1つの構成を任意に組み合わせて実施してもよい。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル等)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射装置等)と、該発射された遊技球が案内される遊技領域(遊技盤等)と、該遊技領域に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、始動入賞口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
(ロ)上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係るパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10について図面を参照して詳しく説明する。但し、上述した第1乃至第3実施形態と重複する部分(同一の構成要素や同一の処理内容等)については、同一の部材名称、同一の符号を用いて説明する。
尚、本発明に係る遊技機(第4実施形態に係るパチンコ機10)は、本発明の可動手段としての可動体、本発明の表示制御手段としての表示制御部、本発明の可動制御手段としての可動制御部、本発明の判定手段としての判定機能部、本発明の終了手段としての終了機能部を有する。
「表示手段」は、遊技領域に設けられ、各種の抽選の結果に対応して複数の演出表示態様の中から決定した一の特定演出を実行可能であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。例えば遊技領域を構成する遊技盤に取付けられたセンターフレームに設けられたもの、透光性を有する遊技盤の背面側に設けられたものなど、遊技機を正面から視た正面視で少なくとも遊技領域の範囲内に設けられたものであればよい。
「特定演出」は、表示手段で実行され得る表示演出であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。例えば図柄が変動表示される図柄変動演出、リーチ状態にて行われる各種リーチ演出又はその発展演出、遊技者に有利な大当たり状態又は小当たり状態の当選を報知する当選報知演出、大当たり状態又は小当たり状態の種別を確定させる当たり種別確定演出又は昇格演出、大当たり状態又は小当たり状態の開始時に行われるオープニング演出、大当たり状態又は小当たり状態のラウンド中に行われるラウンド演出又は昇格演出若しくは継続演出、大当たり状態中又は小当たり状態中の複数ラウンドにわたって行われる当たり演出、大当たり状態又は小当たり状態の終了時に行われるエンディング演出、大当たり状態の終了後に付与される遊技モードの種別を決定するためのモード決定演出、遊技者に有利なサポートモードが継続するか否かを決定するサポート継続演出などであってもよい。
「可動手段」は、遊技領域に設けられ、表示手段での特定演出の表示中に、複数の可動態様の中から決定した一の可動態様を実行可能であればよく、その形状や大きさ、配置位置、可動態様などを問わず、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。例えば遊技領域を構成する遊技盤に取付けられた表示装置又はそれを囲むセンターフレームに配置されたもの、遊技盤に取付けられた装飾部材に配置されたもの、遊技盤に取付けられた可変入賞装置又はその内部領域に配置されたもの、透光性を有する遊技盤の背面側に配置されたものなど、遊技機を正面から視た正面視で少なくとも遊技領域の範囲内に設けられたものであればよい。
「一連の特定動作」は、可動手段が、初期位置側である第1位置と、最も可動された位置である第2位置との間において、第1位置又はその近傍に位置させる所定動作を複数回実行するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、いかなるものであってもよい。例えば上下、左右、前後又は斜め方向にスライド可能又は振動可能な可動手段が第1位置と第2位置との間を行き来する動作を複数回実行するもの、上下、左右、前後又は斜め方向を軸心として回動可能、揺動可能又は傾動可能な可動手段が第1位置と第2位置との間を行き来する動作を複数回実行するものなどであってもよい。
「作動条件」は、その条件が成立することに基づいて、可動手段に一連の特定動作を行わせるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば所定の変動表示演出が行われること、変動表示が開始すること、変動表示の開始後所定期間が経過すること、所定の演出が所定回数行われること、所定の入球領域に遊技球が入球すること又は所定数の遊技球が入球すること、その入球に基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段が操作されること又は所定回数操作されること、その操作に基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
「特定情報」は、一の可動態様に対応して設定され、これに基づいて可動手段に一連の特定動作を実行させることができればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば設定情報として、動作方向を定めた情報、動作距離を定めた情報、動作時間を定めた情報、動作の実行回数を定めた情報、動作の終了条件を定めた情報などの各種設定情報群又はそれらをテーブル構成で記憶した情報など、いかなるものであってもよい。
「終了条件」は、その条件が成立することに基づいて可動手段を可動停止して一連の特定動作を終了させるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば所定の操作手段が操作されること又は所定回数操作されること、所定期間が経過すること、変動表示が停止すること、変動表示の停止が確定すること、変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること又は所定数の遊技球が入球すること、所定動作が所定回数終了すること、所定数の遊技球が発射又は払い出されることなど、いかなるものであってもよい。
従来、可動体に複数種類の可動態様を行わせる遊技機がある。可動体を一の可動態様で動作させる場合に、一の可動態様における各々の動作毎に、対応する動作データを事前に読み込む場合は、可動態様によっては膨大な回数の読込みが必要となり、制御の負担が大きい。それを解消するため、一連の動作に対応した動作データをセットし、その動作データに基づいて一連の動作を実行する場合は制御の負担は軽減されるが好適な一連の動作の終了判定が求められる。
さて、図166はパチンコ機10の正面図であり、図167は斜視図であり、図168は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図169は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図170はパチンコ機10の背面図であり、図171は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図168では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や各種役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図168等に示すように、パチンコ機10は、該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図171等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図166参照)。該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図171参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図170参照)。加えて、図168に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図168に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図166に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
加えて、下皿15の左部には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン125が設けられている。演出ボタン125は、遊技者が押圧操作(下方に向かって押す操作)可能に構成されている。また、下皿15の内部には、演出ボタン125の押圧操作を検出するための操作検出手段としての操作検出スイッチ(図示略)が設けられている。そして、演出ボタン125が押圧操作された場合には、前記操作検出スイッチから後述するサブ制御装置262へ操作検出信号が出力される。これにより、遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、後述するように制御対象としての演出表示装置42やスピーカSP、LED基板48A,48B,48C等において所定の演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単に「ハンドル」という。)18が設けられている。尚、遊技者が操作可能な操作手段としてのハンドル18は、例えば前面枠セット14に固定された基部、該基部に対して回動可能に組付けられた第1の操作部としての回転操作部、該回転操作部の操作量を検出する操作量検出手段としての可変抵抗器、遊技球を遊技領域へ発射させる否かを選択可能な第2の操作部としての発射停止スイッチなどを備えている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に「発射装置」という。)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には、遊技者が操作可能な操作手段として球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。また、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、遊技者が操作可能な操作手段として球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図168参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
また、図168に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。
次に、内枠12について図169を参照して説明する。内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60として、駆動部材となるプランジャを有したソレノイド式発射装置を採用している。
尚、本実施形態では、上記満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。一方、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、上記満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
発射装置60の上方には、球送り装置63が設けられている。球送り装置63は、ソレノイド等の駆動手段により、上皿19から案内される遊技球を1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する。
また、図168及び図169中の符号67は、後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。
さらに、払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。
一方、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。そして、前面枠セット14の閉状態においては、下皿連通路71及び上皿連通路73の各入口部と払出通路67とが所定距離だけ離間した状態で隣接し、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。
また、下皿連通路71の入口部と上皿連通路73の入口部とが隣接して設けられていることにより、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技領域となる遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤30の構成について図169を参照して説明する。尚、本実施形態における遊技盤30は、例えばポリカーボネートやアクリル樹脂、ABS樹脂等の光透過性(透光性)を有する樹脂材料によって平板状に形成された透光性部材である透明板をベース(遊技盤本体)として構成されている。ここで「透明」とは、遊技盤30の後方領域に存在する物体を完全に透過した状態で視認し得ることのみを意味するものではなく、少なくとも一部の光を透過し物体の存在が分かる程度のいわゆる半透明の状態をも含むものであってもよい。
かかる構成により、遊技者は、遊技盤30の後方領域に配置されたランプや表示装置などの各種物体を、該遊技盤30を通して、遊技盤30の前方から視認可能となる。例えば本実施形態では、図169に示すように、遊技領域のうちの所定領域の後方位置において、発光手段として複数のLEDを実装したLED基板48A,48B,48Cが配置されており、遊技者は、該LEDから発せられる光を、遊技盤30を通して、遊技盤30の前方から視認可能となる。尚、LED基板48A等は、各種遊技演出に対応して所定の発光態様で点灯・点滅制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。
また、遊技盤30には、帯状の金属板により形成された内レール構成部51及び外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図169の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図169の右上部)には、返しゴム54が取着されている。これにより、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム54に当たって遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
また、内枠12に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
遊技盤30には、一般入賞口(一般入賞部)31、可変入賞装置32、上始動入賞口33YA、下始動入賞口33YB、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等が上記透明板に貫通形成された取付孔に対し嵌め込まれるようにして配設されている。
さらに、遊技盤30の前方領域、すなわち遊技盤30の前面側に形成される遊技領域内には、所定領域において遊技球の落下方向を振分けたり、所定位置へ遊技球を誘導したりするため、多数の釘49や風車57等が配設されている。
遊技領域へ案内された遊技球は、それぞれ釘49等によって流下方向や回転方向を変えられながら様々な経路を通り流下していく。そして、遊技領域へ案内された複数の遊技球のうちのいくつかは、様々な経路を通り相対移動しながら風車57へ案内され、該風車57によって落下ルートが左右に振り分けられることとなる。
上述したように、本実施形態では、遊技領域が左右方向に広く拡張されている場合であっても、風車57等を備えることにより、遊技球を上始動入賞口33YAや可変入賞装置32等の方へと案内することが容易となるように構成されている。また、このように上始動入賞口33YAや可変入賞装置32等への入賞が適度な確率で発生するように、遊技盤30においては予め釘49等の調整が行われている。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口(入球手段)に対応して、該各種入賞口へ入賞した遊技球を検出する入球検出手段としての入賞検出スイッチが設けられている。具体的には、図169に示すように、一般入賞口31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、上始動入賞口33YAには第1始動入賞スイッチ224Aが設けられ、下始動入賞口33YBには第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動入賞口33YA、下始動入賞口33YBなどの各種入賞口に遊技球が入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、上始動入賞口33YAへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33YBへの入賞があった場合には1個、一般入賞口31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。ここで、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBが本実施形態における始動入球手段を構成する。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
可変入賞装置32は、遊技球が入球可能な大入賞口32aと、傾動可能に軸支され大入賞口32aを開閉する可動体としての矩形平板状の開閉シャッタ32bと、該開閉シャッタ32bを開閉駆動する駆動手段としての大入賞口用ソレノイド32cとを備え、後述する主制御装置261により制御される。ここで、大入賞口用ソレノイド32cは、その本体部に対し出没可能な駆動部材としてのプランジャ及び付勢手段としてのコイルばね等を有している。
かかる構成の下、可変入賞装置32は、所定条件が成立していない通常時(大入賞口用ソレノイド32cの非励磁状態)においては、前記コイルばねの付勢力により前記プランジャが前記本体部から突出した状態となることで、開閉シャッタ32bが上下に沿った垂直状態となると共に、大入賞口32aの周縁内部に設けられた図示しない被当接部に当接した状態となる。これにより、可変入賞装置32は、開閉シャッタ32bが大入賞口32aを閉鎖する初期位置側である第1位置としての閉鎖位置に位置し大入賞口32a奥側の所定領域を視認不能又は困難とする第1の状態となり、遊技領域を流下する遊技球が大入賞口32aへ入球不能な閉状態となる。
一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイド32cが励磁状態となり、前記コイルばねの付勢力に抗して前記プランジャが前記本体部内へ没入した状態となることで、開閉シャッタ32bがその下辺を回動軸として前方へ傾動し、大入賞口32aの周縁外部に設けられた所定の被当接部に略水平状態で当接した状態となる。これにより、可変入賞装置32は、開閉シャッタ32bが大入賞口32aを開放する第2位置としての開放位置に位置し大入賞口32a奥側の所定領域を視認可能又は容易とする第2の状態となり、遊技領域を流下する遊技球が大入賞口32aへ入球可能な開状態となる。
上始動入賞口33YAは、遊技球が常時入賞可能となっている。これに対し、下始動入賞口33YBには、開閉式の入賞補助装置として開閉役物37Yが設けられている。
開閉役物37Yは、下端側を軸として左右方向に回動変位する可動体としての左右一対の可動羽根37Yaと、該可動羽根37Yaを開閉駆動する駆動手段としての始動入賞口用ソレノイド37Ybとを備え、該可動羽根37Yaが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞可能な開状態と、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞不能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。
上述したように、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBには、それぞれ入賞した遊技球を検出する入球検出手段としての第1始動入賞スイッチ224Aや第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。そして、該始動入賞スイッチ224A,224Bにて遊技球が検出された場合に、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選など各種の抽選が行われるとともに、特別表示装置43L、43Rや後述する演出表示装置42において変動表示や所定の演出が行われる構成となっている。ここで、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態等が付与される。
以下、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図203に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
「16R確変大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これが16回(16ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。
本実施形態において、「長開放」とは、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bが第1位置となる閉状態から第2位置となる開状態へ切換えられ停止制御された後、第2の制御期間である規定時間30秒が経過すること又は大入賞口32aに規定個数の10個の遊技球が入賞することを条件に、開閉シャッタ32bが第1位置又はその近傍へ戻り閉状態となるまでの所定動作である一開閉動作をいう。
「16R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これが12回(12ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。
本実施形態において、「短開放」とは、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bが第1位置となる閉状態から第2位置となる開状態へ切換えられ停止制御された後、第1の制御期間である規定時間0.4秒が経過すること又は大入賞口32aに規定個数の3個の遊技球が入賞することを条件に、開閉シャッタ32bが第1位置又はその近傍へ戻り閉状態となるまでの所定動作である一開閉動作をいう。
尚、本実施形態では、遊技者のハンドル18の操作に基づき、発射装置60から「0.6秒」に1個の割合で遊技球が遊技領域に向けて発射される構成となっている。これに対して、上記「短開放」では、開閉シャッタ32bの開放規定時間が0.4秒となっている。つまり、「短開放」の場合には、遊技球の発射周期よりも1回の開閉シャッタ32bの開放時間が短くなっている。従って、1回の「短開放」だけでは、1個の遊技球すら入賞しない場合もある。このため、「短開放」に対応した上記2つの閉鎖条件のうち入賞個数に係る条件(入賞個数3個)に基づいて開閉シャッタ32bが閉鎖されることはほとんどなく、一旦開放された開閉シャッタ32bは、通常、規定時間(0.4秒)の経過に基づいて閉鎖されることとなる。これにより、「短開放」の実行期間においては、その都度、実行期間が変化することが回避されている。
「4R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを4回(4ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。
「16R通常大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを8回(8ラウンド)繰り返した後、さらに「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを8回(8ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。
「16R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを4回(4ラウンド)繰り返した後、さらに「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを12回(12ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。
「4R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを4回(4ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを5回繰り返した後、さらに「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを15回繰り返す一連の特定動作が行われる。尚、1ラウンド目に5回の「短開放」が行われ、2ラウンド目~16ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われる構成としてもよい。
また、上記各種「確変大当たり」及び「JUB大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後の抽選モードとして「高確率モード(高確率状態)」が付与される。一方、各種「通常大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に「低確率モード(低確率状態)」が付与される。
「高確率モード」とは、通常時に設定される「低確率モード」に比べ、大当たり確率がアップした状態をいう。大当たり終了後に設定された「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
また、上記各種大当たりの終了後には、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37Yに係る入賞サポートモードとして「高サポートモード(高入球状態)」が付与される。
「高サポートモード」とは、通常時に設定される「低サポートモード(低入球状態)」に比べ、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなった状態をいう。
例えば「高サポートモード」としては、(1)後述の普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態、(2)開閉役物37Yの可動羽根37Yaの一回の開放時間(規定時間)が「低サポートモード」時に比べて長い状態、(3)可動羽根37Yaの一回の開放につき入賞可能となる遊技球の規定個数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(4)スルーゲート34を遊技球が通過することに起因した開閉役物37Yの開放抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う可動羽根37Yaの開閉処理の実行回数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(5)開閉役物37Yの開放抽選における当選確率が「低サポートモード」時の当選確率よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高サポートモードでは、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)~(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)~(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、下始動入賞口33YBに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、大当たり抽選の実行される回数が増えると共に、球持ちのよい状態となる。
また、本実施形態では、「高サポートモード」が付与された状態では、後述するように変動パターンテーブルを「高サポートモード」用のテーブルに変更することで、第1及び第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態となるように構成されている。
本実施形態では、「16R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の終了後には、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、「次回まで・高サポートモード」という。
「16R確変大当たりB」及び「4R確変大当たりB」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「20回」、「30回」、「40回」又は「50回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、それぞれ「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」という。
「16R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりA」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「30回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、「30回・高サポートモードS」という。
「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」の終了後には、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される。
「JUB大当たり」の終了後には、「次回まで・高サポートモード」が付与される。
本実施形態では、上記各種モードが組み合わさることで、様々な遊技状態が発生することとなる。
例えば「高確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「確変状態(確率変動状態)」となる。
「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「通常状態」となる。
「低確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「時短状態(時間短縮状態)」となる。
「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「潜確状態(潜伏確変状態)」となる。つまり、「潜確状態」となると、単に大当たり確率が高められるだけで、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態となるため、「高確率モード」が付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態となる。
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを5回(5ラウンド)繰り返す一連の特定動作が行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される抽選モード及び入賞サポートモードは、小当たり状態発生前の元のモードである。例えば、小当たり状態発生前の抽選モードが「高確率モード」であれば、小当たり状態終了後にも「高確率モード」が維持される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAに入賞した場合と、下始動入賞口33YBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」のいずれかに振分けられ、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」、「4R通常大当たりA」及び「JUB大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。また、「小当たり」に関しても、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合のみ発生する構成となっている。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、遊技盤30の下部に設置されている。各セグメント表示装置には、それぞれ8個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示装置には、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されることとなる。
そして、上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞を契機として第1特別表示装置43Lにて変動表示が行われ、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機として第2特別表示装置43Rにて変動表示が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、該変動表示が停止したときの表示態様により、大当たり抽選に当選したか否か等が確定的に表示される。例えば、上始動入賞口33YAに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて高速で変動表示がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、各種大当たりに対応する数値等(図203参照)が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
図203に示すように、例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「9-」が停止表示され、「50回・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりB」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「84」が停止表示される。また、「JUB大当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1.-」が停止表示され、「小当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1-」が停止表示される。ここで、「JUB大当たり」に係る停止態様「1.-」と、「小当たり」に係る停止態様「1-」のように、「JUB大当たり」の演出効果を高める上では、両者の停止態様が紛らわしい構成となっていることが好ましい。
勿論、各種当たりに対応する特別表示装置43L、43Rの停止態様は、上記態様に限定されるものではない。例えば、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が1つではなく複数存在してもよい。例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「91」,「92」,「93」,・・・のいずれかが選択されて停止表示される構成としてもよい。
尚、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が複数存在している場合においても、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様と、「小当たり」に係る複数の停止態様とが紛らわしい構成となっていることが好ましい。例えば、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様として「-1.」,「-2」,「-3.」,「-4」,・・・のいずれかが停止表示され、「小当たり」に係る複数の停止態様として「-1」,「-2.」,「-3」,「-4.」,・・・のいずれかが停止表示される構成してもよい。かかる構成では、所定の表示用セグメント(ここでは「.」)が点灯した特定記号(ここでは「1」,「2」,「3」,・・・)と、点灯していない特定記号のペアのうちの一方が「JUB大当たり」に係る複数の停止態様に含まれ、他方が「小当たり」に係る複数の停止態様に含まれると共に、それらが交互に入れ違いになった構成となっている。
また、任意又は全ての表示用セグメントにおいて表示される色を適宜変更可能な構成としてもよい。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞口33YA,33YBに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上始動入賞口33YAに入賞した遊技球、及び下始動入賞口33YBに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞口33YA,33YBに入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
尚、基本的に、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示、及び、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下始動入賞口33YBに遊技球が入賞し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、該スルーゲート34を通過する遊技球を検出可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検出された場合に、開閉役物37Y(下始動入賞口33YB)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、開閉役物37Yが規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する演出表示装置42とが設けられている。
さらに、可変表示装置ユニット35には、演出表示装置42にて行われている変動表示が上始動入賞口33YA及び下始動入賞口33YBのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で変動表示する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yが所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
演出表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、演出表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
演出表示装置42には、図209に示すように、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて上記各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、演出表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「JUB大当たり」又は「小当たり」の場合、後述するように演出表示装置42にて停止表示される図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された図柄とは異なる図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」となる場合には、上記のように演出表示装置42においてゾロ目の数字が停止表示されるのではあるが、本実施形態では 停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される遊技状態(「高確率モード」か否か等)が判別不能となっている。
また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。
勿論、「JUB大当たり」となる場合と、「小当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせが異なる構成としてもよい。また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置42では、上記保留ランプ46a,46bに対応して、特別表示装置43L,43Rにおける変動表示の保留数が表示される構成となっている(図209等参照)。
尚、本実施形態では、前面枠セット14を閉鎖した際、該前面枠セット14によって特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46a,46bが覆われた状態となり、遊技者によって視認不能な状態となる。従って、遊技者は、専ら演出表示装置42の表示内容(図柄表示や保留表示等)によって遊技状態や抽選結果等を把握することとなる。
勿論、特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46L,46Rの構成は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば、特別表示装置43L,43R等が視認可能な構成となっていてもよい。但し、特別表示装置43L、43Rは、上記のように遊技領域の下隅といった遊技者の目につきにくい目立たない場所に設けられるとともに、その表示部の大きさも小さく、判別用の文字が停止表示される時間も比較的短い。従って、特別表示装置43L、43Rから目を離さず、注意深く観察していなければ、付与さえる遊技状態を把握することは実質的に不可能である。
変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、演出表示装置42において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
次に可変表示装置ユニット35の構成について詳しく説明する。本実施形態では、図172,173に示すように、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。
フレームカバー213には、その中央部に矩形状の開口部213a(図171参照)が形成されており、その背面側に液晶表示装置たる演出表示装置42が着脱自在に取付けられている。演出表示装置42の液晶表示部42aは、発光手段としてのバックライトの前面側に、各種透光性部材が積層されてなる液晶パネルが配設された公知のものである。
センターフレーム47は、その中央に略円形状の開口部751が形成された枠体形状をなし、該開口部751を介して演出表示装置42の液晶表示部42aが視認可能となる。
尚、センターフレーム47は、単一部材から構成されているわけではなく、例えばベース部材に対し、メッキ等の施された各種装飾部材や、LED等の光を透過する透明樹脂製のレンズ部材などが組付けられてなる。
センターフレーム47の下辺部47bの上面には、左右方向に沿ってステージ部770が設けられている。ステージ部770には、左右方向に沿って緩やかな起伏が形成されている。
ステージ部770の後壁部772の中央部には、前方に向け開口し、遊技球が落下可能な落下孔774が形成されている。また、ステージ部770の中央部の下方(内部)には、前記落下孔774に通じる連通路775が設けられている。連通路775の他方側は、センターフレーム47の下辺部47bの前側に開口し、落下孔774へ落下した遊技球を遊技盤30面上へ排出するための排出口776となっている。なお、センターフレーム47が遊技盤30に配設された状態では、図169に示すように、排出口776は上始動入賞口33YAの上方に位置する。
ステージ部770の中央部には、落下孔774の前方位置において、奥側へ緩やかに下り傾斜となった誘導溝(図示略)が形成されている。これにより、ステージ部770から落下孔774へ遊技球が落下可能な構成となっている。
センターフレーム47の左辺部47cには、その内部に、遊技球を通過させる球通路(ワープ流路)764が形成されている。球通路764の入口部764aは、センターフレーム47の左辺部47cの上下方向略中央部に開口している一方、出口部764bは、センターフレーム47の下辺部47bの上面(ステージ部770)に向け開口している。この球通路764により、遊技盤30面上を流下する遊技球をセンターフレーム47内のステージ部770上へ案内することができる。
ステージ部770上に案内された遊技球は、ステージ部770上を転動した後、前方から遊技盤30面上に転落したり、上述した落下孔774へ落下したりする。このうち、落下孔774へ落下した遊技球は、連通路775を介して遊技盤30面上へ案内される。排出口776から排出された遊技球は比較的高い確率で上始動入賞口33YAに入球する。
また、可変表示装置ユニット35には、センターフレーム47とフレームカバー213との間において、上部演出役物ユニット761が配設されている。ここで、上部演出役物ユニット761の構成について図面を参照して詳しく説明する。
図172,173に示すように、上部演出役物ユニット761は、センターフレーム47の上辺部47a裏側に設けられており、通常時(図172参照)には、その大部分が上辺部47a等によって覆われ、遊技者が視認困難な状態となっている。
上部演出役物ユニット761は、フレームカバー213の前面上部に配設されたユニットベース部810と、該ユニットベース部810に対し上下動可能に設けられた可動体としての可動役物811と、該可動役物811を上下動させるための上下駆動機構1812とを備えている。
図174(a),(b)に示すように、上下駆動機構1812は、可動役物811を支持する支持部1814と、該支持部1814を駆動させる駆動手段としての上下駆動用モータ1815とを備えている。
尚、図示は省略するが、ユニットベース部810には、上下方向に沿って延びる案内溝部が形成され、支持部1814には前記案内溝部に組付けられる突条部が形成されている。これにより、支持部1814は、上下方向に沿ってスライド変位可能となると共に、上下動する際の左右方向への位置ズレが規制されている。
また、支持部1814の右側縁部にはラック部1814aが形成されている。そして、この支持部1814のラック部1814aと、上下駆動用モータ1815の回転軸に取付固定されたピニオン歯車1815aとが噛合されている。
かかる構成の下、上下駆動用モータ1815が回転することで、可動役物811が上下方向に沿ってスライド変位可能となる。
通常時、可動役物811は、その大部分がセンターフレーム47の上辺部47a裏側の待機位置に位置し遊技者に視認困難な待機状態(図172、図174(a)参照)となっている。そして、上下駆動用モータ1815が正回転して、支持部1814が下方向に向かってスライド変位することにより、可動役物811は、その全体が演出表示装置42の表示部42aの前面側に位置し遊技者に視認可能な露出状態(図173、図174(b)参照)となる。
また、この状態から、上下駆動用モータ1815が逆回転して、支持部1814が上方向に向かってスライド変位することにより、可動役物811は、通常時の待機状態に戻る。
尚、上下駆動用モータ1815は、印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータである。つまり、駆動パルス信号を調整することにより、可動役物811の上下移動量や移動速度を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの可動役物811の上下変位量を把握することができる。
より詳しくは、ユニットベース部810には、可動役物811の上下位置を検出するための位置検出センサ1816が取着されている。本実施形態では、位置検出センサ1816として、発光素子と受光素子とを離間して対向配置した公知のフォトセンサを採用している。
これに対応して、支持部1814には、その下端部近傍において遮光片1814bが突出形成されている。そして、位置検出センサ1816により遮光片1814bが検出されることにより、可動役物811(支持部1814)が基準位置にあることが把握される。尚、本実施形態では、図172に示すように、可動役物811が待機状態となる待機位置が基準位置となる。
ここで、図示は省略するが、ユニットベース部810には、サブ制御装置262からの指示を受けて、上下駆動用モータ1815の駆動制御や位置検出センサ1816の監視制御などを行う役物制御基板が配設されている。
ここで、可動役物811について図215~図219を参照して詳しく説明する。可動役物811は、支持部1814の下端に固定されたベース部817と、該ベース部817の前面側において回転可能に支持された回転体820とを備えている。
ベース部817は、正面視略円形状をなし、その中央部には支軸部818が前方へ向け突出形成されている。支軸部818は、前面側が閉塞しかつ背面側が開口した略円筒状に形成されている。
ベース部817の裏側には、回転体用駆動モータ821が取付固定されている。回転体用駆動モータ821の回動軸821aの前端部には、ピニオン歯車821bが取付固定されている。そして、ピニオン歯車821bを介して回転体用駆動モータ821の駆動力が回転体820へ伝達される。
ベース部817の前面部には、円環状のカバー体822が取付固定されている。カバー体822の中央部には、円形状の開口部822aが形成されている。
回転体820は、主に回転基板823と、その前面側にて環状配置された6個の可動片825とからなる。
回転基板823は、前後方向に延びる円筒部826と、該円筒部826の外周壁部から径方向外側に向け放射状に延出形成された6本の延出片827とを有している。6本の延出片827は、円筒部826の周方向に等間隔(60°間隔)で設けられている。
円筒部826は、ベース部817の支軸部818に外嵌されている。これにより、回転基板823は、ベース部817に対し回転可能に軸支された状態となる。尚、図示は省略するが、円筒部826又は支軸部818には、ベース部817(支軸部818)からの回転基板823(円筒部826)の脱落を防止するための規制手段が設けられている。
各延出片827には、前後方向に貫通しかつ回転基板823の径方向に沿って形成されたスリット829が開口形成されている。各延出片827の先端部近傍裏面には、それぞれ円柱状のピニオン支軸830が後方へ向け突出形成されている。
回転基板823の円筒部826には、円環状の中央歯車部材831が後方から外嵌されている。
中央歯車部材831には、その前側に設けられた大径歯車部831aと、後側に設けられた小径歯車部831bが前後に段をなすように一体的に形成されている。
また、ピニオン支軸830には、それぞれピニオン歯車832が外嵌され、中央歯車部材831の大径歯車部831aに噛合されている。
さらに、回転基板823の裏側には、円環状の押え板835が取付けられている(図219参照)。押え板835の円形開口部835aは、中央歯車部材831の小径歯車部831bより僅かに大径で該小径歯車部831bを挿通し得るとともに、大径歯車部831aよりも小径となっている。
これにより、押え板835が、上記6個のピニオン歯車832及び大径歯車部831aを後方から覆うとともに小径歯車部831bを挿通しながら、ピニオン支軸830の先端に固定されている。これにより、中央歯車部材831が回転基板823の円筒部826の周りに回転自在に保持された状態となる。
中央歯車部材831の小径歯車部831bには、回転体用駆動モータ821のピニオン歯車821bが噛合されている。これにより、回転体用駆動モータ821の回転が中央歯車部材831に伝達される。
つまり、ピニオン歯車821b、中央歯車部材831、ピニオン歯車832等により、上記回転体用駆動モータ821の動力を回転体820に伝達して可動片825をスライド動作させると共に回転基板823を回転させるように駆動する主動力伝達機構が構成される。
さらに、回転基板823の円筒部826の後端には第2駆動ギア841が取付固定されている。図219に示すように、第2駆動ギア841には、第2伝達ギア842に噛合されている。第2伝達ギア842は、オイルダンパ843に連結されている。オイルダンパ843には、後方から支持部材844が嵌着され、該支持部材844は、ベース部817に取付固定されている。
これにより、回転基板823が所定レベル以下の低トルクでは回転しないように制動される構成となっている。ここで、第2駆動ギア841や第2伝達ギア842等により、オイルダンパ843の力を回転体820に伝達して回転体820の動作を規制する規制動力伝達機構が構成される。
尚、上記規制動力伝達機構は、上記主動力伝達機構とは連結されておらず、回転基板823を介することなく、回転体用駆動モータ821とオイルダンパ843との間で、直接的に動力が伝達されないよう構成されている。
図215等を見て分かるとおり、回転体820は、1つの花をモチーフとして形成されたものであり、各可動片825は、それぞれ1枚の花弁を模して形成されている。
各可動片825は、透光性を有する透明樹脂材料により形成されている。但し、各可動片825の一般部の表面には、図示しない微細な凹凸部が形成されている。これにより、可動片825の一般部は、後方に位置する演出表示装置42の表示部(液晶表示部)42aから発せられる光を拡散して透過し全体が均一に面発光した状態となる。
可動片825の裏面には、直線状に延びるラック部838が一体形成されている。ラック部838は、回転基板823の延出片827のスリット829に挿し込まれている。これにより、可動片825が回転基板823の径方向(延出片827の延在方向)に沿ってスライド可能となる。尚、図示は省略するが、ラック部838又はスリット829には、回転基板823からの可動片825の脱落を防止するための規制手段が設けられている。
可動片825のラック部838は、延出片827の裏面にてピニオン歯車832と噛合されている。これにより、可動片825は、回転体用駆動モータ821の動力が主動力伝達機構を介して伝達されることで、延出片827のスリット829に沿って、すなわち回転基板823の径方向に沿ってスライド変位可能となる。
かかる構成の下、回転体820は、待機状態にある通常時においては、放射状に並ぶ6個の延出片827においてそれぞれ可動片825が径方向最内側までスライド変位した縮径状態となっている(図215,図216参照)。
尚、回転体820の縮径状態では、6個の可動片825の基端部がそれぞれ回転基板823の円筒部826の外周部に略当接した状態となっていると共に、各可動片825の基端側の両側縁部がそれぞれ隣接する可動片825の基端側側縁部と略当接した状態となっている。
一方、所定の演出が実行される際、回転体820は、放射状に並ぶ6個の延出片827においてそれぞれ可動片825が同時に径方向外側に向けて放射状にスライド変位することにより拡径する(図217,図218参照)。
また、ベース部817の背面側には、サブ制御装置262からの指示を受けて、回転体用駆動モータ821を制御するモータ制御基板(モータドライバ)845が取付けられている。
回転体用駆動モータ821は、モータ制御基板845を介して印加される駆動パルス信号によって回転制御されるステッピングモータであり、入力パルス数に応じて回転角度が変化する。つまり、駆動パルス信号を調整することにより、回転体820の回動変位量や回転速度を制御できる。同時に、入力される駆動パルス信号数を監視することによって基準位置からの回転体820の回動変位量を把握することができる。
より詳しくは、図219に示すように、ベース部817の前面に、回転体820(回転基板823)の回転位置を検出するための位置検出センサ846が取着されている。本実施形態では、位置検出センサ846として、発光素子と受光素子とを離間して対向配置した公知のフォトセンサを採用している。
これに対応して、回転基板823(本実施形態では第2駆動ギア841)の背面側には遮光片847が突出形成されている。そして、位置検出センサ846により遮光片847が検出されることにより、回転体820が基準位置にあることが把握される。
本実施形態では、図215に示すように、回転体820の正面視において、所定の可動片825が水平方向に沿って配置される位置が基準位置となる。
また、図示は省略するが、ベース部817には、サブ制御装置262からの指示を受けて、位置検出センサ846の監視制御などを行う制御基板が配設されている。
かかる構成の下、360パルスの励磁信号(駆動パルス信号)で回転体用駆動モータ821が1回転すると仮定した場合、1パルスの励磁信号に基づく角度変化(1ステップあたりの角度変化)は1°となる。
また、回転体用駆動モータ821のピニオン歯車821bと、中央歯車部材831の小径歯車部831bのギヤ比(歯車比)を1:4と仮定した場合、上記のように回転体用駆動モータ821が360パルスの励磁信号で1回転する構成の下では、回転体820は、1440パルス(=360パルス×4)で1回転することとなる。
但し、1パルスの励磁信号に基づく角度変化量や、ピニオン歯車821bと小径歯車部831bとのギヤ比などは、上記例示した値に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
尚、図217等に示すように、回転体820の回転停止時において、6つの可動片825が、それぞれ回転体820の回転方向(本実施形態では時計回り方向)6箇所に設定された所定の停止位置EA1~EA6(具体的には、回転体820の右側に位置する第1停止位置EA1、右斜め下側に位置する第2停止位置EA2、左斜め下側に位置する第3停止位置EA3、左側に位置する第4停止位置EA4、左斜め上側に位置する第5停止位置EA5、又は、右斜め上側に位置する第6停止位置EA6)のいずれかに停止するように構成されている。
ここで、上記のように構成された回転体820の動作態様について説明する。図215,図216等に示すように、役物演出が行われない通常時は、6枚の可動片825がそれぞれ回転体820の径方向内側スライド限界位置に位置した状態となっている。つまり、回転体820が最も縮径した状態となっている。
かかる状態において、回転体用駆動モータ821を正回転させると、ピニオン歯車821bを介して、まず中央歯車部材831が正面視時計回り方向へ回転をはじめる。
尚、回転開始当初は、上記規制動力伝達機構を介して回転基板823に対し、オイルダンパ843の制動力が加えられているため、回転基板823は停止したまま動かない。
一方、中央歯車部材831が正面視時計回り方向へ回転することで、大径歯車部831aに噛合された6個のピニオン歯車832がそれぞれ回転する。そして、これら各ピニオン歯車832と噛合されたラック部838を介して6個の可動片825に対しそれぞれ動力が伝達され、該6個の可動片825がそれぞれ延出片827のスリット829に沿って、回転体820の径方向外側に向け放射状にスライド変位しいく。つまり、回転体820が拡径していく。
そして、図217,図218等に示すように、6枚の可動片825がそれぞれ回転体820の径方向外側スライド限界位置まで達し、回転体820が最も拡径した状態となると、回転基板823に対し回転動力が伝達されることとなる。そして、そのトルクが所定レベルを超えると、回転基板823が正面視時計回り方向へ回転をはじめる。
その後、回転体用駆動モータ821が停止すると、回転体820は停止し、6つの可動片825が、それぞれ上記停止位置EA1~EA6のいずれかに停止する。
また、役物演出が終了し、通常時へ戻る際には、まず回転体用駆動モータ821を逆回転させ、ピニオン歯車821bを介して、中央歯車部材831を正面視反時計回り方向へ回転させる。
尚、かかる場合においても、中央歯車部材831の回転開始当初は、上記規制動力伝達機構を介して回転基板823に対し、オイルダンパ843の制動力が加えられているため、回転基板823は停止したまま動かず、可動片825のみが動作する。
これにより、中央歯車部材831の大径歯車部831aに噛合された6個のピニオン歯車832がそれぞれ回転する。そして、これら各ピニオン歯車832と噛合されたラック部838を介して6個の可動片825に対しそれぞれ動力が伝達され、該6個の可動片825がそれぞれ延出片827のスリット829に沿って、回転体820の径方向内側に向けスライド変位しいき、回転体820が縮径していく。
その後、6枚の可動片825がそれぞれ回転体820の径方向内側スライド限界位置までスライド変位した段階で回転体用駆動モータ821を停止させる。これにより、回転体820が通常時の縮径状態に戻る。
次に、パチンコ機10の背面構成について図170、図171等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について図171等を参照して説明する。上述したように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図169参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる演出表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
演出表示装置42は、該演出表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス(符号略)に収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて演出表示装置42(収容ボックス)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞口33YA,33YB等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、上記各種入賞口やアウト口36など異なる経路を通って遊技盤30の前面側から背面側へ移動した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞口33YA,33YBへの入賞を検出する始動入賞スイッチ224A,224Bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入賞検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く。)
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図170に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図170では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図170では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率モード等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入賞エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
但し、本実施形態においては、「小当たり」に関する情報を出力するための端子は設けられておらず、「小当たり」の発生情報が出力されない構成となっている。本実施形態では、「高サポートモード」中は、「小当たり」が比較的頻繁に発生しやすくなっているため、「小当たり」が発生する度に、常に、発生情報を出力していては、出力信号の著しい増加を招くおそれがある。従って、例えば「低サポートモード」中など、このような不具合が比較的起きにくい場合には、「小当たり」の発生情報を出力するような構成としてもよい。
また、「JUB大当たり」の発生情報の出力は、例えば「JUB大当たり」に係る5回の「短開放」の終了後、すなわち「小当たり」の場合と区別ができない状況を脱した後に、例えば後述するオープニングコマンドの出力(大当たり報知演出)等を行うタイミングにおいて、「JUB大当たり」の発生が確定した状態で行うことが好ましい。未だ「小当たり」の場合と区別ができない状況において、「JUB大当たり」の発生情報だけが先に出力されてしまうと、パチンコ機10に対応してホールの島設備に設置された情報表示機器等を見て、遊技者が事前に「JUB大当たり」の発生を把握してしまい、「JUB大当たり」の演出効果が薄れるおそれがある。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図170では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば遊技球を横向きに流下させる2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には遊技球を縦向きに流下させるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図170では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図171に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、該排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。遊技球は遊技領域において釘49や風車57等に接触して影響を受けながら回転して流下する。そして、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図170に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図171に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠600a(図166等参照)を備えており、該シリンダ錠600aの鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図170参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図170では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図169に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図170に示すように、内枠12の背面側右下部(図170では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図175は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、表示手段としての演出表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。サブ制御装置262が本実施形態における発光制御手段を構成する。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、演出役物ユニット761、各種電飾部及びランプ102,104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、演出表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否か等を表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する演出表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。また、サブ制御装置262は、上部演出役物ユニット761の駆動制御を行う。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。これにより、遊技者は、遊技領域へ案内される遊技球の移動量や動作態様を変化させることができる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる演出表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、演出表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、演出表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、演出表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、演出表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して演出表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図176に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する大当たり乱数カウンタCD1と、大当たり種別の決定(抽選)に使用する大当たり種別決定カウンタCD2と、演出表示装置42を外れ変動させる際にリーチ状態を発生させるか否かの決定(抽選)や、発生させるリーチの種別の決定(抽選)等に使用するリーチ選択カウンタCD3と、大当たり乱数カウンタCD1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)の変動表示時間の決定(抽選)や、演出表示装置42における変動パターン(演出パターン)の決定(抽選)等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(下始動入賞口33YBの開閉役物37Yを開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタCD4とを用いることとしている。
カウンタCD1,CD2,CD3,CINI,CS1,CS2,CD4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタCD1、大当たり種別決定カウンタCD2、及びリーチ選択カウンタCD3の各値が記憶される特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタCD4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCD1、大当たり種別決定カウンタCD2、及びリーチ選択カウンタCD3の各値が時系列的に格納される。
第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCD1、大当たり種別決定カウンタCD2、及びリーチ選択カウンタCD3の各値が時系列的に格納される。
普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタCD4の値が時系列的に格納される。
かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタCD1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタCD1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が該大当たり乱数カウンタCD1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタCD1と同様のループカウンタであり(値=0~599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタCD1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタCD1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。従って、かかる処理が各種の抽選の一部を構成することとなる。
大当たりとなる乱数の値は、「低確率モード」と「高確率モード」とで2種類設定されており、本実施形態では、「低確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、「高確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7~16、307~316」である。すなわち、「低確率モード」においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、「高確率モード」においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。
本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。尚、本実施形態では、当否判定テーブルが2つ存在し、「7、307」を記憶した第1当否判定テーブルと、「7~16、307~316」を記憶した第2当否判定テーブルとがある。
また、本実施形態では、大当たり乱数カウンタCD1の値は、「小当たり」を判定する場合にも使用される。「小当たり」となる乱数の値の数は50で、その値は「101~125、401~425」である。すなわち、1/12の確率で当否抽選に当選(小当たり状態が発生)することとなる。
大当たり種別決定カウンタCD2は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、大当たり種別決定カウンタCD2によって、大当たり種別、すなわち「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」又は「JUB大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
尚、ROM502には、大当たり種別決定カウンタCD2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される大当たり種別判定テーブルが設けられている。また、上記のように、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合と、下始動入賞口33YBへ入賞した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なっている。すなわち、本実施形態では、大当たり種別判定テーブルが2つ存在し、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合に参酌される第1大当たり種別判定テーブルと、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した場合に参酌される第2大当たり種別判定テーブルとがある。
具体的には、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合、第1大当たり種別判定テーブル(図204参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタCD2の値が「0,1」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定される。
また、大当たり種別決定カウンタCD2の値が「2」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「3」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「4」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「5」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCD2の値が「6」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCD2の値が「7」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「8」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「9」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「10」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCD2の値が「11」であれば「16R通常大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCD2の値が「12」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「13」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「14」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCD2の値が「16」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「19」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定される。
すなわち、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、10%の確率で「16R確変大当たりA」となり、20%の確率で「16R確変大当たりB」となり、5%の確率で「4R確変大当たりA」となり、20%の確率で「4R確変大当たりB」となり、5%の確率で「16R通常大当たりA」となり、20%の確率で「16R通常大当たりB」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となる。
一方、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した場合には、第2大当たり種別判定テーブル(図205参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタCD2の値が「0~9」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定され、「10,11」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定され、「12,13」であれば「4R通常大当たりA」の付与が決定され、「14」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「16」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18,19」であれば「JUB大当たり」の付与が決定される。
すなわち、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、50%の確率で「16R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R通常大当たりA」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となり、10%の確率で「JUB大当たり」となる。
尚、大当たり種別決定カウンタCD2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり種別決定カウンタCD2の値が大当たり種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、大当たり種別決定カウンタバッファに格納されている大当たり種別決定カウンタCD2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。従って、かかる処理が各種の抽選の一部を構成することとなる。
また、リーチ選択カウンタCD3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ選択カウンタCD3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、リーチ選択カウンタCD3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0~238」の値が記憶され、CD3=0,1が前後外れリーチに該当し、CD3=2~21が前後外れ以外リーチに該当し、CD3=22~238が完全外れに該当する構成となっている。
リーチ選択カウンタCD3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、リーチ選択カウンタバッファにリーチ選択カウンタCD3の値が格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、リーチ選択カウンタバッファに格納されているリーチ選択カウンタCD3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。従って、かかる処理が各種の抽選の一部を構成することとなる。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図176中でもこのように表記した。
例えば通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図207参照)においては、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、変動時間など、より細かな変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多様化を容易に実現することができる。勿論、第1変動種別カウンタCS1だけで変動態様を決定したり等することも可能である。
尚、ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がなされないリーチパターンである。スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、演出表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、演出表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタCD1、リーチ選択カウンタCD3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタCD4は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタCD4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタCD4の値が取得される。
そして、当選となる普通図柄乱数カウンタCD4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yが所定時間の間、開状態となる。
本実施形態では、「低サポートモード」において、当選となる乱数の値は「0,1」の2個である。一方、「高サポートモード」において、当選となる乱数の値は、「0~7」の8個である。つまり、「低サポートモード」時には1/5の確率で開閉役物37Yが開状態となり、「高サポートモード」時には4/5の確率で開閉役物37Yが開状態となる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
NMI割込み処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
尚、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
図179は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図179において、先ずステップSD301では、各種入賞検出スイッチの読込み処理を実行する。ここでは主制御装置261に接続されている各種入賞検出スイッチ(一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225)の状態を読み込むと共に、該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。
ステップSD302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSD303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタCD1、大当たり種別決定カウンタCD2、リーチ選択カウンタCD3及び普通図柄乱数カウンタCD4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCD1,CD2,CD3,CD4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップSD304では、始動入賞口33YA,33YBへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップSD305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップSD304の始動入賞処理について図180のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタCD1の値を記憶する大当たり乱数記憶エリア、大当たり種別決定カウンタCD2の値を記憶する大当たり種別乱数記憶エリア、リーチ選択カウンタCD3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップSD501では、遊技球が下始動入賞口33YBに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224Bの検知情報に基づき判定する。該ステップSD501で肯定判定された場合、ステップSD502において、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。該ステップSD502で否定判定された場合には、ステップSD509へ移行する。一方、ステップSD502で肯定判定された場合には、ステップSD503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップSD504では、上記ステップSD303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタCD1、大当たり種別決定カウンタCD2、及びリーチ選択カウンタCD3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップSD504の後、ステップSD505に移行する。
ステップSD505では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップSD506では、ステップSD505で大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCD2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第2大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり予定フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第2大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCD2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0~9」のいずれかであった場合には、「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「10,11」のいずれかであった場合には、「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりA」に対応する値「12,13」のいずれかであった場合には、「4R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「14~17」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「JUB大当たり」に対応する値「18,19」のいずれかであった場合には、「JUB大当たりフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、大当たり終了後の所定期間(本実施形態では変動表示20回分)、付与された「高サポートモード」が「次回まで・高サポートモード」であることを報知しない非報知演出を行なうか否かの演出抽選が例えば1/100程度の抽選確率で行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップSD507では、ステップSD505で大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCD3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
さらに続くステップSD508では、保留制御コマンドの設定処理を行う。保留制御コマンドとは、第2特別変動保留エリアに保留記憶された各種保留情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)を事前にサブ制御装置262に対して知らせるためのコマンドである。本処理にて設定された保留制御コマンドは、次回の外部出力処理(ステップSD201参照)にてサブ制御装置262に出力される。保留制御コマンドには、例えば保留情報として、上記大当たり判定処理や大当たり種別判定処理の結果を示す情報、始動入賞口33YA,33YBどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報などが含まれる。
ここで、ステップSD505の大当たり判定処理の詳細について、図181を参照して説明する。
先ず、ステップSD5101では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCD1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判定する。尚、図181では便宜上、該ステップSD5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタCD1の値が「7」であるか否かを判定するとともに、該判定で否定判定された場合には、大当たり乱数カウンタCD1の値が「307」であるか否かを判定し、これらどちらかの判定で肯定判定された場合に、該ステップSD5101で肯定判定され、どちらの判定においても否定判定された場合に、該ステップSD5101で否定判定されることとなる。
ステップSD5101で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSD5102において大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSD5101で否定判定された場合には、ステップSD5103において、後述する抽選モードフラグの値を基に、「高確率モード」中であるか否かを判定する。
ステップSD5103で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中である場合には、ステップSD5104において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCD1の値が、第2当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値のうち、上記「7」、「307」を除く、「8~16、308~316」のいずれかであるか否かを判定する。尚、該判定処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタCD1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判定する。
該ステップSD5104で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中においては大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSD5102において大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
ステップSD5103又はステップSD5104で否定判定された場合、すなわち「大当たり」でない場合には、ステップSD5105へ移行する。
また、ステップSD5105では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCD1の値が、小当たりに対応する値「101~125、401~425」と一致するか否かを判定する。
ステップSD5105で肯定判定された場合、すなわち小当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSD5106において小当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップSD5105で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、ステップSD507のリーチ判定処理について図182を参照して説明する。
先ず、ステップSD5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、当たり予定フラグ(大当たり予定フラグ又は小当たり予定フラグ)が設定されたか否かを判定する。ステップSD5301で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSD5301で否定判定された場合、すなわち当たり状態が発生しない場合には、ステップSD5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCD3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判定する。ステップSD5302で肯定判定された場合には、ステップSD5303において、前後外れリーチの発生を示す前後外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSD5302で否定判定された場合には、ステップSD5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCD3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2~21」のいずれかと一致するか否かを判定する。該ステップSD5304で肯定判定された場合には、ステップSD5305において前後外れ以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップSD5304で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図180の説明に戻り、ステップSD508の処理の後、又は、ステップSD501で否定判定された場合には、ステップSD509において、遊技球が上始動入賞口33YAに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224Aの検出情報に基づき判定する。該ステップSD509で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップSD510において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。該ステップSD510で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSD510で肯定判定された場合には、ステップSD511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップSD512では、大当たり乱数カウンタCD1、大当たり種別決定カウンタCD2、及びリーチ選択カウンタCD3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップSD512の後、ステップSD513に移行する。
ステップSD513では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する大当たり判定処理を行う。尚、ステップSD513の大当たり判定処理は、小当たり判定を除き、上記ステップSD505の大当たり判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの入賞に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
続くステップSD514では、ステップSD513で大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCD2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第1大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり予定フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCD2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0,1」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「16R確変大当たりB」に対応する値「2~5」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「6」であった場合には「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりB」に対応する値「7~10」のいずれかであった場合には「4R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりA」に対応する値「11」であった場合には「16R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりB」に対応する値「12~15」のいずれかであった場合には「16R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「16~19」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」又は「4R確変大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、ステップSD506と同様、上記非報知演出を行なうか否かの演出抽選が行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップSD515では、ステップSD513で大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCD3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、ステップSD515のリーチ判定処理は、上記ステップSD507のリーチ判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
さらに続くステップSD516では、保留制御コマンドの設定処理を行う。その後、本処理を終了する。尚、ステップSD516の保留制御コマンドの設定処理は、上記ステップSD508の保留制御コマンドの設定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
次に、ステップSD305のスルーゲート通過処理について図183のフローチャートを参照して説明する。
ステップSD601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判定する。
ステップSD601で否定判定された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSD601にて肯定判定された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判定されると、ステップSD602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSD602で肯定判定された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップSD603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップSD604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップSD303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタCD4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図177のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップSD101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップSD102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップSD103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判定し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップSD112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップSD104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップSD112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSD105でRAM判定値を算出し、続くステップSD106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップSD112へ移行する。
ステップSD112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。なお、初期化コマンドを受信したサブ制御装置262は、後述するように自身の初期化処理を実行し、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」を遊技状態格納エリアに記憶する。
その後、RAMの初期化処理(ステップSD113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップSD113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップSD113等)に移行する。つまり、ステップSD113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップSD114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップSD115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップSD103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSD107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSD108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップSD109では、RAM503に記憶された電源断時の遊技状態を把握するための遊技状態チェック処理を実行する。
続くステップSD110では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を電源断時の遊技状態に復帰させる復帰コマンドを送信する。尚、サブ制御装置262に送信する復帰コマンドには、上記遊技状態チェック処理にて特定した電源断時の遊技状態に係る情報(後述する遊技状態判定値Xj)が含まれる。
ステップSD111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップSD115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
ここで、ステップSD109の遊技状態チェック処理について図184,図185を参照して説明する。図184は、遊技状態チェック処理を示すフローチャートであり、図185は、後述する抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタKj及び遊技状態判定値Xjの対応関係を示す説明図である。尚、遊技状態チェック処理は、後述する変動表示設定処理(ステップSD807)やエンディング終了設定処理(ステップSD1214)においても実行される。
図184に示すように、ステップSD1901では、RAM503にバックアップ記憶された電源断時の遊技状態に係る各種情報の読込み処理を実行する。具体的には、抽選モードフラグの値、サポートモードフラグの値、及び、遊技状態特定カウンタKjの値をそれぞれRAM503から読み込む。
抽選モードフラグとは、抽選モードが「低確率モード」又は「高確率モード」のどちらであるかを判別するための状態判別情報であり、そのフラグ値として、抽選モードが「低確率モード」の場合には「50(H)」が設定され、「高確率モード」の場合には「53(H)」が設定される。尚、抽選モードフラグにおける上位4ビットの値「5」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
サポートモードフラグとは、入賞サポートモードがどのような状態にあるかを判別するための状態判別情報であり、そのフラグ値として、入賞サポートモードが「低サポートモード」である場合には「A0(H)」が設定される。尚、サポートモードフラグにおける上位4ビットの値「A」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
また、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A1(H)」が設定される。
また、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の場合には、フラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A3(H)」が設定される。
遊技状態特定カウンタKjとは、大当たり終了後の変動表示の実行回数を計数し、遊技状態の切替えタイミングを特定するための状態判別情報であり、大当たり終了時に所定の初期値が設定され、変動表示が1回行われる毎に1ずつ減算される。例えば、後述するように遊技状態特定カウンタKjの初期値として「50」が設定され、その後、該カウンタKjの値が「31」となっていれば、その時点の変動表示は、大当たり終了後、20回目の変動表示であると特定することができる。
本実施形態では、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「50」が設定される。
また、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、初期値として「30」が設定される。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「0」が設定される。但し、上記非報知演出実行フラグがオンとされ、非報知演出が実行される場合には、初期値として「30」が設定される。非報知演出実行フラグは、初期値設定後、オフとされる。
図184の説明に戻り、ステップSD1902では、ステップSD1901にて読み込んだ抽選モードフラグの値と、サポートモードフラグの値とを加算する。
続くステップSD1903では、ステップSD1902にて算出した加算値と、所定のマスク値(本実施形態では「07(H)」)との論理積をとって、下位3ビットのデータを取出し、所定の作業エリアに遊技状態判定値Xjとしてセットする。
ステップSD1904では、遊技状態判定値Xjの値が「1」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップSD1905へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「4」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ステップSD1904、又は、ステップSD1905で肯定判定された場合には、ステップSD1909へ移行する。一方、ステップSD1905で否定判定された場合には、ステップSD1906へ移行する。
ステップSD1906では、遊技状態判定値Xjの値が「2」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップSD1907へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「5」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ステップSD1906、又は、ステップSD1907で肯定判定された場合には、ステップSD1912へ移行する。一方、ステップSD1907で否定判定された場合には、ステップSD1908へ移行する。
ステップSD1908では、遊技状態判定値Xjの値が「6」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「次回まで・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合には、ステップSD1914へ移行する。一方、否定判定された場合には、ステップSD1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップSD1904、又は、ステップSD1905で肯定判定され、移行したステップSD1909では、遊技状態特定カウンタKjの値が「31」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が20回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSD1913へ移行し、否定判定された場合にはステップSD1910へ移行する。
ステップSD1910では、遊技状態特定カウンタKjの値が「21」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が30回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSD1913へ移行し、否定判定された場合には、ステップSD1911へ移行する。
ステップSD1911では、遊技状態特定カウンタKjの値が「11」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が40回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSD1913へ移行し、否定判定された場合にはステップSD1912へ移行する。
ステップSD1912では、遊技状態特定カウンタKjの値が「1」であるか否かを判定する。すなわち「50回目(初期値「50」の場合)」又は「30回目(初期値「30」の場合)」であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合にはステップSD1916へ移行し、遊技状態判定値Xjの値(「1」、「4」、「2」又は「5」)をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップSD1912にて肯定判定された場合、すなわち遊技状態特定カウンタKjの値が「1」である場合には、ステップSD1913へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「7」に変更する。その後、ステップSD1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「7」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップSD1908で肯定判定され、移行したステップSD1914では、遊技状態特定カウンタKjの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち入賞サポートモードが、上記非報知演出の行われない「次回まで・高サポートモード」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップSD1914にて否定判定された場合、すなわち非報知演出が行われる「次回まで・高サポートモード」である場合には、ステップSD1915へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「5」に変更する。その後、ステップSD1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「5」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。これにより、「次回まで・高サポートモード」の状態であっても所定回数(本実施形態では20回)の間は、抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態と同様の演出が行われることとなる。
次に、通常処理の流れを図178のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSD201~SD210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSD211,ステップSD212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップSD201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや可変入賞装置32、開閉役物37Y等の制御内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。以下により詳しい具体例をいくつか挙げる。
例えば、上記各種検出スイッチの検知情報を基に、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判定し、入賞有りの場合には該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し該コマンドを出力する。
また、外部出力処理では、上記抽選モードフラグや後述する大当たり中フラグなど各種情報を参酌して、遊技状態を把握させるための情報が遊技ホールのホールコンピュータへ外部出力される。さらには、ホールコンピュータへのエラー情報などの出力もこの出力処理において実行される。
例えば、入賞エラーが検出された場合には、外部中継端子板240の所定の端子を介して、遊技ホールのホールコンピュータへオン信号(パルス信号)が出力され、入賞エラーがない場合には、オフ信号が出力される。
また、演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、演出表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を演出表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
ステップSD202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップSD203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップSD204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップSD205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や演出表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSD206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態や小当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bの開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップSD207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSD208では、開閉役物制御処理を実行する。この処理では、開閉役物37Yにおいてどのような制御を行うか該開閉役物37Yの制御内容の設定が行われる。この開閉役物制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップSD209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップSD210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップSD201へ移行し、上記ステップSD201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップSD211,ステップSD212)。
つまり、ステップSD211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSD212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップSD202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップSD201~SD209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタCD1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップSD209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSD213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSD213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップSD214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSD215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップSD216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップSD217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップSD218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップSD209の処理は、ステップSD201~SD208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップSD211,SD212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップSD213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップSD205の第1表示制御処理について図186のフローチャートを参照して説明する。
図186において、ステップSD801では、後述する各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり状態中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。
尚、当たり状態中(大当たり状態中、小当たり状態中)には、可変入賞装置32が開状態となるラウンド期間と、ラウンド期間とラウンド期間の間において可変入賞装置32が閉状態となるインターバル期間と、第1ラウンド開始前のオープニング期間(第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rにおいて変動表示が当たり(大当たり又は小当たり)に対応する態様で停止表示されてから可変入賞装置32にて第1ラウンドが開始されるまでの間の所定期間)、最終ラウンド終了後のエンディング期間(最終ラウンドが終了し、可変入賞装置32が閉状態となった後、第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rにて変動表示が開始可能となるまでの間の所定期間)とが含まれる。
ステップSD801で肯定判定された場合、すなわち当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップSD801で否定判定された場合には、ステップSD802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップSD920参照、ステップSD807参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップSD814参照)にオフにされる。
そして、ステップSD802で否定判定された場合、すなわち、当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップSD803に進み、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判定する。
ステップSD803で肯定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップSD804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップSD803の判定処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップSD805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップSD805の後、ステップSD806において、第2保留ランプ46bを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行ってから、ステップSD807に移行する。
また、ステップSD803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップSD808において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判定する。該ステップSD808で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSD808で肯定判定された場合には、ステップSD809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップSD810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップSD810の後、ステップSD811において、第1保留ランプ46aを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行ってから、ステップSD807に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップSD807では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図187を参照して説明する。先ずステップSD900の前処理において、小当たり判定処理や大当たり判定処理、遊技状態チェック処理などを実行する。
小当たり判定処理では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタCD1の値が小当たりに対応する値であるか否かを判定し、小当たりに対応する値である場合には、小当たり当選フラグをオン設定する。尚、ここで特別変動保留エリアの実行エリアの小当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判定することで、小当たりに対応する変動表示であるか否かを判定することとしてもよい。また、小当たり予定フラグに関しては、上記小当たり当選フラグのオン設定後、オフされる。
同様に、大当たり判定処理では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタCD1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定し、大当たりに対応する値である場合には、大当たり当選フラグをオン設定する。尚、ここで特別変動保留エリアの実行エリアの大当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、大当たりに対応する変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。また、大当たり予定フラグに関しては、上記大当たり当選フラグのオン設定後、オフされる。
上記小当たり判定処理や大当たり判定処理、大当たり種別判定処理、リーチ判定処理などが本実施形態における各種の抽選の一部を構成し、これを実行する主制御装置261の機能により抽選手段の一部が構成される。
遊技状態チェック処理は、上記ステップSD109の遊技状態チェック処理(図184参照)と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
続くステップSD901では、上記小当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が小当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで小当たりに対応するものであると判断された場合にはステップSD910へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合には、ステップSD902へ移行する。
ステップSD902では、上記大当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで大当たりに対応するものであると判断された場合にはステップSD903へ移行する。一方、大当たりでも小当たりでもないと判断された場合、すなわち外れである場合には、ステップSD912へ移行する。
ステップSD903では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された上記各種確変大当たりフラグ(「16R確変大当たりAフラグ」、「16R確変大当たりBフラグ」、「4R確変大当たりAフラグ」、「4R確変大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「確変大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。
ステップSD903で肯定判定された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、ステップSD904にて「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSD905にて「確変大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ1」又は「BZ2」)を設定する。その後、ステップSD920へ移行する。
ステップSD903で否定判定された場合には、ステップSD906に移行し、上記各種通常大当たりフラグ(「16R通常大当たりAフラグ」、「16R通常大当たりBフラグ」、「4R通常大当たりAフラグ」、「4R通常大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「通常大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。該ステップSD906で肯定判定された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップSD907にて「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSD908にて「通常大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ1」又は「BZ2」)を設定する。その後、ステップSD920へ移行する。
但し、本実施形態では、上述したように演出表示装置42において停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される抽選モード等の遊技状態が判別不能となっている。つまり、「確変大当たり」であれば「奇数図柄」が停止表示され、「通常大当たり」であれば「偶数図柄」が停止表示されるといったように、変動パターンや停止図柄と、大当たり種別との関係が明確に対応付けられているわけではなく、本実施形態では、あくまでも上記各種テーブルにより、例えば「確変大当たり」であれば「奇数図柄」で停止表示されやすいなど、各種大当たりの種別によって所定の変動パターンや図柄の出現率が異なるようにテーブル分けされているだけである。従って、例えば大当たり時には「確変大当たり」や「通常大当たり」などの大当たり種別に関係なく、1つの大当たりテーブルを基に変動パターンや停止図柄を選出する構成としてもよい。
また、ステップSD906で否定判定された場合には、ステップSD909に移行し、JUB大当たりフラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。該ステップSD909で肯定判定された場合、すなわち「JUB大当たり」である場合には、ステップSD910へ移行する。
ステップSD910においては、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップSD911にてチャンス図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ6」)を設定して、ステップSD920へ移行する。
また、ステップSD902で否定判定された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップSD912において、前後外れフラグがオンであるか否かを判定する。
ステップSD912で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップSD913にて「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れフラグをオフする。続けてステップSD914にて前後外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ3」)に設定する。その後、ステップSD920へ移行する。
一方、ステップ912で否定判定された場合、ステップSD915において、前後外れ以外フラグがオンであるか否かを判定する。該ステップSD915で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップSD916にて「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れ以外フラグをオフする。続けて、ステップSD917にて前後外れ以外図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ4」)に設定する。その後、ステップSD920へ移行する。
また、ステップSD915で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップSD918にて「完全外れ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSD919にて完全外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ5」)に設定する。その後、ステップSD920へ移行する。
ここで、便宜上、変動パターンテーブル及び変動パターンコマンドについて説明する。本実施形態では、上述した「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブル(以下、確変大当たり時・変動パターンテーブルという)、「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンテーブル(以下、完全外れ時・変動パターンテーブルという)がそれぞれ遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に応じて複数設けられている。
例えば、確変大当たり時・変動パターンテーブルに関しては、図206(a)に示すように、基準アドレスとなる「100番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「101番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「102番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「103番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「104番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「105番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「106番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「107番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
また、完全外れ時・変動パターンテーブルに関しては、図206(b)に示すように、基準アドレスとなる「700番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「701番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「702番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「703番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「704番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「705番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「706番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「707番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
図示は省略するが、その他の上記「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルに関しても、上記確変大当たり時・変動パターンテーブル、及び、完全外れ時・変動パターンテーブルの場合と同様に、遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
従って、上記ステップSD904、ステップSD907、ステップSD910、ステップSD913、ステップSD916、ステップSD918において変動パターンを決定する際には、まず上記遊技状態チェック処理(ステップSD900)において特定した遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出する処理を行う。この際、基準アドレス(例えば確変大当たり時・変動パターンテーブルの場合には「100番地」)に対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することができる。つまり、遊技状態判定値Xjの値がそのままオフセット値の役割を果たす。
そして、選択された変動パターンテーブル(例えば、「100番地」に格納された「通常状態(Xj=0)」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブル:図207参照)を基に変動パターンを決定し、これに対応する変動パターンコマンドを設定する。
本実施形態における変動パターンコマンドは、2バイト構成からなり、上位バイトにおける上位4ビットが、遊技状態を特定する情報によって構成されている。本実施形態では、上記遊技状態判定値Xjの値がそのまま設定される。また、上位バイトの下位4ビットが、大当たり種別などを特定する情報によって構成されて、下位バイトの8ビットが、変動パターン(変動時間やリーチ種別等)を特定する情報によって構成されている。
例えば、通常状態(Xj=0)に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図207参照)を参照して判るとおり、通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンコマンドでは、上位バイトにおける上位4ビットに遊技状態判定値Xjの値である「0」が設定され、続く下位4ビットに「確変大当たり」を示す「F」が設定されている。そして、残りの下位バイトの8ビットに対し、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動パターンを特定する値が設定される。尚、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動態様(演出パターン)との関係がテーブルで記憶されており、変動パターンコマンドを受信すると、該変動パターンコマンドに対応する変動パターン(演出パターン)が実行可能となる。
次に、図柄コマンドについて詳しく説明する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるためのコマンドである。本実施形態では、奇数大当たり図柄の組合わせ、偶数大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「BZ1」,「BZ2」,「BZ3」,「BZ4」,「BZ5」,「BZ6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
奇数大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、奇数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに奇数大当たり図柄を示す「BZ1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
偶数大当たり図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、偶数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに偶数大当たり図柄を示す「BZ2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ3」が設定される。
前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ4」が設定される。
完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ5」が設定される。
また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、上述したように各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「BZ3」~「BZ5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「BZ3」が図柄コマンドに設定されると、該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「BZ4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「BZ5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
また、図柄コマンドに「BZ6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。
尚、上述したように設定された変動パターンコマンド及び図柄コマンドは、後述する外部出力処理(ステップSD201)において出力される。そして、これらのコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を演出表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
さて、ステップSD920では、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が開始される。そして、ステップSD920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図186の説明に戻り、ステップSD802で肯定判定された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップSD812に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSD813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップSD813が肯定判定される。
ステップSD813で否定判定された場合には、ステップSD817において、特別表示装置43L、43Rの変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップSD813で肯定判定された場合には、ステップSD814において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップSD815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。
尚、上記停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。例えば、「16R確変大当たりA」である場合には「9-」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させる。
続いて、ステップSD816において変動終了時設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、変動終了時設定処理について、図188を参照して説明する。
先ず、ステップSD1001において、上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグを参酌し、停止表示が大当たり又は小当たりに対応するか否かを判定する。ここで、大当たり又は小当たりに対応する場合には、所定の作動条件の成立とみなしステップSD1002へ移行し、当たり設定を行う。
具体的には、大当たり中フラグ、小当たり中フラグ、オープニングフラグ、第1開放中フラグ、第1可変タイマ、ラウンド数カウンタRx及び入賞カウンタVx等の設定処理を行うと共に、大当たり又は小当たりの開始及び当たり種別を告げるオープニングコマンドの設定処理なども行われる。そして、ステップSD1002の終了後、変動終了時設定処理を終了する。
大当たり中フラグとは、大当たり状態中か否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。尚、大当たり中フラグに代えて、大当たり用のラウンド数カウンタRxの値が0よりも大きいか否かを判別することにより、大当たり中であるか否かを判別する構成としてもよい。また、大当たり当選フラグに関しては、大当たり中フラグのオン設定後、オフされる。
小当たり中フラグとは、小当たり状態中か否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり中フラグと同様、小当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。尚、小当たり当選フラグに関しては、小当たり中フラグのオン設定後、オフされる。
オープニングフラグとは、オープニング期間中か否かを判定するための状態判別情報であり、ここではオープニング期間中であることを示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
第1開放中フラグとは、可変入賞装置32が開状態中(ラウンド期間中)であるか否かを判定するための状態判別情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間(ラウンド期間)や、ラウンド間のインターバル期間等を計測するための計測手段であり、開閉シャッタ32bの開放開始又は開放終了から規定時間が経過したか否かを判定する際等に参酌される。ステップSD1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図208参照)を参酌して、各種当たりに対応した所定値が設定される。
例えば、「16R確変大当たりA」のように初回が上記「長開放」の場合には、第1可変タイマに「7500」が設定され、「JUB大当たり」のように初回が上記「短開放」の場合には、第1可変タイマに「100」が設定される。これにより、開閉シャッタ32bの1開閉動作あたりの最大開放時間(規定時間)が「30秒」又は「0.4秒」に設定されることとなる。つまり、可動制御部としての主制御装置261は、大当たり演出中に可動する開閉シャッタ32bの一の可動態様である開閉パターンを、開閉パターン制御テーブルに記憶した複数の開閉パターン(ラウンド数)の中から決定して実行することとなる。
尚、図208に示すように、特定情報としての開閉パターン制御テーブルには、設定情報として、各種当たり状態における特賞状態の発生回数(ラウンド数)や、各特賞状態(各ラウンド)における開閉シャッタ32bの開放時間、各特賞状態間のインターバル時間などが予め設定されている。
ラウンド数カウンタRxとは、大当たり状態中又は小当たり状態中に実行される特賞状態(ラウンド)の発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理(「長開放」又は「短開放」)の実行回数を判定するための状態判別情報である。ステップSD1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図208参照)を参酌して、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば「16R確変大当たりA」の場合には第2の特定期間である16回を示す情報として「16」が設定され、「4R確変大当たりA」の場合には第1の特定期間である4回を示す情報として「4」が設定される。また、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す情報として「20」が初期値として設定される。尚、上記大当たり種別判定処理によりラウンド数が決定され、該ラウンド数を示す情報が初期値として最初にセットされた後は、該セットされた情報が途中で増加することなく、該セットされた情報に基づき終了判定が行われることとなる。
入賞カウンタVxとは、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の数を計数する入賞計数手段である。本実施形態では、タイマ割込み処理のスイッチ読込み処理(図179参照)に際して、可変入賞装置32への入賞があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報に基づき判定し、可変入賞装置32への入賞があったと判定されると、入賞カウンタVxの値が1加算される。
加えて、ステップSD1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図208参照)を参酌して、開閉シャッタ32bの1開閉動作(1ラウンド)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数である規定個数Voの設定を行う。規定個数Voは、上述したとおり、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば規定個数Voとして「10」、「短開放」であれば規定個数Voとして「3」が設定される。
さて、ステップSD1001において、停止表示が大当たり又は小当たりに対応しないと判定された場合には、ステップSD1003へ移行する。
ステップSD1003では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。サポート回数カウンタとは、「高サポートモード」の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように大当たり終了後に、各種大当たりに対応する値がカウンタ値として設定される。
ここで、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、サポート回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、高サポートモードの設定中とみなし、ステップSD1004において、サポート回数カウンタの値を1減算する処理を行う。ステップSD1004では、上記遊技状態特定カウンタKjの値を1減算する処理も併せて行う。その後、ステップSD1005へ移行する。
ステップSD1005では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。つまり、今回の変動表示が、大当たり終了後(高サポートモードの付与後)、所定回数目の変動表示であったか否かを判定する。ここで、サポート回数カウンタの値が「0」であれば、ステップSD1006においてサポートモードフラグの値を「低サポートモード」を示す「A0(H)」に切替える処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップSD1005で、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、上記ステップSD206の可変入賞装置制御処理について図189のフローチャートを参照して説明する。
まずステップSD1201において各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり状態中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、本処理をそのまま終了する。
ステップSD1201で肯定判定された場合には、続くステップSD1202において、上記第1可変タイマの値を1減算する。
続くステップSD1203では、第1開放中フラグがオンであるか否か、すなわちラウンド期間中であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップSD1204に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否か、すなわちラウンド期間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)の終了タイミングであるか否かを判定する。
ステップSD1204にて否定判定された場合には、ステップSD1205に進み、入賞カウンタVxの値が規定個数Vo以上であるか否か、すなわちラウンド期間中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が最大入賞予定数である規定個数Vo(「長開放」の場合は「10個」、「短開放」の場合は「3個」)に達したか否かを判定する。ステップSD1205にて否定判定された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド期間の終了タイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSD1204又はステップSD1205にて肯定判定された場合、すなわちラウンド期間の終了タイミングである場合には、ステップSD1206に進み、ラウンド数カウンタRxの値を1減算する。
その後、ステップSD1207に進み、ラウンド数カウンタRxの値が「0」であるか否か、すなわちラウンド(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達したか否かを判定機能部により判定する。つまり、当たり状態における一連のラウンド開閉動作の終了条件が成立しているか否かを判定する。
尚、各ラウンド期間の終了タイミングは、遊技者がハンドル18を操作して発射される遊技球の挙動や遊技領域に配設された釘49等の状態によって変化する。そのため、各ラウンド期間は、その規定時間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)が経過して終了することもあれば、該規定時間が経過する前に大入賞口32aに規定個数(「長開放」の場合は「10個」、「短開放」の場合は「3個」)の遊技球が入賞することを条件に終了することもある。つまり、当たり状態の終了条件の少なくとも1つは、遊技者による球発射操作に基づいて成立し得ると共に、その成立タイミングが変化することとなる。
また、上記構成に代えて、上記ステップSD1002の当たり設定処理において、ラウンド数カウンタRxの値に初期値「0」を設定すると共に、上記ステップSD1206においてラウンド数カウンタRxの値を1加算する処理を行い、上記ステップSD1207において、ラウンド数カウンタRxの値が各種当たりに対応したラウンドの規定回数(例えば「16R確変大当たりA」の場合には「16」)に達したか否かを判定する構成としてもよい。
但し、本実施形態では、大入賞口32aの閉鎖時(開閉シャッタ32bが初期位置にある場合)にしか終了条件が成立しているか否かを判定しない構成となっている。これは、大入賞口32aの開放時には終了条件が成立し得ず、このタイミングで終了条件が成立しているか否かを判定することは非合理的で、結局は終了条件が成立し得るタイミングでの判定が必要となるためである。
ステップSD1207で肯定判定された場合には、ステップSD1208においてエンディング設定処理を行い、本処理を終了する。つまり、閉鎖位置(初期位置)に位置する開閉シャッタ32bの可動をそのまま停止させ一連のラウンド開閉動作を終了機能部により終了させる。
尚、ステップSD1208のエンディング設定処理では、第1開放中フラグをオフ、エンディングフラグをオンにすると共に、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドの設定や、第1可変タイマに対し所定のエンディング期間(大当たり用のエンディング期間、又は、小当たり用のエンディング期間)に対応する値を設定する処理などを行う。
一方、ステップSD1207で否定判定された場合、すなわちラウンドの実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップSD1209において、停止制御となるインターバル設定処理を行い、本処理を終了する。
尚、ステップSD1209のインターバル設定処理では、第1開放中フラグをオフにすると共に、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドの設定や、上記開閉パターン制御テーブル(図208参照)を参酌して、第1可変タイマに対し所定のインターバル期間(「3秒」又は「1秒」)に対応する値を設定する処理などを行う。
さて、上記ステップSD1203にて否定判定された場合、すなわちラウンド期間中以外の所定期間(オープニング期間、インターバル期間、又は、エンディング期間)である場合には、ステップSD1210に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、前記所定期間(オープニング期間、インターバル期間、又は、エンディング期間)の終了タイミングであるか否かを判定する。
ステップSD1210にて否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSD1210にて肯定判定された場合には、ステップSD1211においてオープニングフラグ(ステップSD1002参照)がオンされているか否かを判定する。
ステップSD1211で肯定判定された場合、すなわちオープニング期間の終了タイミングである場合には、ステップSD1212において、オープニング終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSD1212のオープニング終了設定処理では、オープニングフラグをオフ、第1開放中フラグをオンすると共に、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドの設定や、上記開閉パターン制御テーブル(図208参照)を参酌して、第1可変タイマに対し所定のラウンド期間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)に対応する値を設定する処理などを行う。
一方、ステップSD1211で否定判定された場合には、ステップSD1213においてエンディングフラグ(ステップSD1208参照)がオンされているか否かを判定する。ステップSD1213で肯定判定された場合、すなわちエンディング期間の終了タイミングである場合には、ステップSD1214において、エンディング終了設定処理(当たり状態の終了設定)を行い、本処理を終了する。
ステップSD1214のエンディング終了設定処理では、当たり中フラグ(大当たり中フラグ又は小当たり中フラグ)及びエンディングフラグをオフすると共に、サブ制御装置262に対して当たり状態が終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンド(大当たり状態が終了する旨の情報を伝える大当たり終了コマンド、又は、小当たり状態が終了する旨の情報を伝える小当たり終了コマンド)を設定する処理などを行う。
さらに、該エンディング終了設定処理では、抽選モードフラグの切替処理、サポートモードフラグの切替処理、サポート回数カウンタの設定処理、遊技状態通知コマンドの設定処理などが行われる。
抽選モードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、抽選モードフラグの切替設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「高確率モード」が設定される場合(各種「確変大当たりフラグ」又は「JUB大当たりフラグ」がオン)には、「高確率モード」の発生を示す「53(H)」がフラグ値として設定される。一方、「低確率モード」が設定される場合(各種「通常大当たりフラグ」がオン)には、「低確率モード」の発生を示す「50(H)」がフラグ値として設定される。
但し、小当たり中フラグがオンの場合(大当たり中フラグがオフの場合)には、抽選モードフラグの切替処理は行われず、元のモードに係るフラグ値がそのまま設定される。例えば小当たり状態の発生前に「高確率モード」が設定されている場合(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)には、小当たり終了後も、そのまま「高確率モード(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)が設定される。
サポートモードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポートモードフラグの切替設定が行なわれる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合にはフラグ値として「A1(H)」が設定され、「30回・高サポートモードS」の場合にはフラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合にはフラグ値として「A3(H)」が設定される。
サポート回数カウンタの設定処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポート回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値としてそれぞれ変動表示20回分に相当する「20」、変動表示30回分に相当する「30」、変動表示40回分に相当する「40」又は変動表示50回分に相当する「50」が設定される。また、「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値として変動表示30回分に相当する「30」が設定される。「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値に、事実上到達し得ない値(例えば、変動表示99999回分に相当する「99999」)が設定される。
遊技状態通知コマンドとは、サブ制御装置262に対し、大当たり終了後に設定される遊技状態を通知するためのコマンドである。該コマンドを設定するにあたり、まず遊技状態チェック処理を行う。該遊技状態チェック処理は上記ステップSD109の遊技状態チェック処理(図184参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、遊技状態通知コマンドには、上記遊技状態チェック処理により把握された新たな遊技状態に係る遊技状態判定値Xjが含まれる。後述するように、これを受信したサブ制御装置262は、自身の把握している遊技状態(遊技状態判定値Xj)を新たな遊技状態(遊技状態判定値Xj)に切換える。尚、遊技状態通知コマンドを省略し、これに代えて、例えば大当たり状態の終了を告げる大当たり終了コマンド等に遊技状態判定値Xjが含まれる構成としてもよい。
尚、各種「大当たりフラグ」に関しては、上記抽選モードフラグの切替処理など各種処理の終了後、オフされる。また、図188の変動終了時設定処理において当たり設定(ステップSD1002)が行われた場合に、抽選モードフラグを一度リセットし(「50(H)」を設定する)、大当たり中又は小当たり中は「高確率モード」が中断する構成としてもよい。
ステップSD1213で否定判定された場合、すなわちインターバル期間の終了タイミングである場合には、ステップSD1215においてラウンド開始処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSD1215のラウンド開始処理では、第1開放中フラグをオンすると共に、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドの設定を行う。
さらに、該ラウンド開始処理では、上記開閉パターン制御テーブル(図208参照)を参酌して、次のラウンドに係る開放時間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)に対応する値を第1可変タイマに設定する処理や、次のラウンドに係る規定個数Vo(「長開放」の場合は「10個」、「短開放」の場合は「3」)を設定する処理、入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする処理などが行われる。
尚、第1開放中フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1開放中フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し開閉シャッタ32bを開放する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが開状態となる。同時に、大入賞口32a内に設けられたLED等の発光手段を発光させる制御を行い、遊技者に大入賞口32aを視認しやすくする。一方、第1開放中フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し開閉シャッタ32bを閉鎖する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが閉状態となる。同時に、前記LED等の発光手段を消灯させる制御を行う。
次に、前記ステップSD207の第2表示制御処理について図190のフローチャートを参照して説明する。
図190において、ステップSD2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップSD2101で否定判定された場合には、ステップSD2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判定する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップSD2103に進む。ステップSD2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップSD2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップSD2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において変動表示を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態では、「低サポートモード」中において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が2秒と設定されているため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、「高サポートモード」中においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が0.4秒と設定されているため、第2表示タイマに「100」が設定される。
該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップSD2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップSD2101で肯定判定された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップSD2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマの値が1減算される。
続いてステップSD2107に進み、第2表示タイマの値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSD2107で肯定判定された場合には、ステップSD2108において第2表示中フラグをオフし、ステップSD2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタCD4の値に基づいて当選か否かが判定される。
具体的には、普通図柄乱数カウンタCD4の数値0~9のうち、当選値は「低サポートモード」において「0,1」の2個であり、「高サポートモード」において「0~7」の8個である。
続いてステップSD2110に進み、変動終了時設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、開閉役物37Yの開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2開放中フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2開放中フラグとは、開閉役物37Yが開状態中であるか否かを判定するための状態判別情報である。
第2可変タイマとは、開閉役物37Yの開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。尚、本実施形態では、「高サポートモード」と「低サポートモード」とで開閉役物37Yの開放時間が異なり、「高サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、「低サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップSD2107で否定判定された場合には、ステップSD2111において、普通図柄表示装置41の変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の変動表示が実現される。
次に上記ステップSD208の開閉役物制御処理について図191のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップSD2201において開閉役物37Yが開状態であるか否かを示す第2開放中フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、第2開放中フラグがオンではない(開閉役物37Yが閉状態である)と判定された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップSD2201において肯定判定された場合、すなわち第2開放中フラグがオンである場合は開閉役物37Yが開状態であるとみなし、ステップSD2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップSD2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判定する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップSD2203が肯定判定される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSD2203で肯定判定された場合にはステップSD2204へ移行し、ステップSD2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップSD2204の終了設定処理では、第2開放中フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2開放中フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、開閉役物37Yに対し各種制御信号が出力される。第2開放中フラグがオンの場合には開閉役物37Yに対し可動羽根37Yaを開放する旨の制御信号が出力され、開閉役物37Yが開状態となる。一方、第2開放中フラグがオフの場合には開閉役物37Yに対し可動羽根37Yaを閉鎖する旨の制御信号が出力され、開閉役物37Yが閉状態となる。これにより、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞が不可能となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図192を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図193を参照してメイン処理を説明する。
図192は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップSD3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップSD3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図194に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップSD3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図193を参照して説明する。図193は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップSD3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップSD3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップSD3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップSD3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSD3107でRAM判定値を算出し、続くステップSD3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップSD3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップSD3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップSD3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップSD3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップSD3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSD3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSD3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップSD3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップSD3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSD3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSD3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップSD3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップSD3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSD3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップSD3114では、割込みを許可する。
ステップSD3114で割込みが許可された後は、ステップSD3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSD3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSD3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップSD3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップSD3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSD3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップSD3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップSD3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップSD3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図194のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップSD3201)。このコマンド判定処理について図195を参照して以下に説明する。
図195は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップSD3124,SD3201)では、まず、ステップSD3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判定する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図192参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップSD3301においてコマンド受信フラグがオフと判定されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSD3301でコマンド受信フラグがオンと判定されれば、ステップSD3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップSD3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップSD3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップSD3302~ステップSD3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップSD3304~ステップSD3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップSD3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップSD3305では払出復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップSD3306では賞球コマンドであるか否かが判定される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップSD3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判定され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップSD3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップSD3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSD3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップSD3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップSD3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップSD3308)と、RAM513の初期値設定(ステップSD3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップSD3304:NO、ステップSD3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップSD3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップSD3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップSD3305:NO、ステップSD3306:YES)、ステップSD3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップSD3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップSD3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップSD3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップSD3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップSD3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図194のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップSD3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判定される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップSD3202で肯定判定されれば、ステップSD3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップSD3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップSD3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判定し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップSD3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判定し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップSD3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判定し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップSD3208で払出個数設定処理を行い、ステップSD3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップSD3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップSD3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップSD3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理について図196を参照しつつ説明する。尚、この通常処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理である。
この通常処理では、先ずステップSD3901において、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判定する。
コマンドが受信されている場合には、ステップSD3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
尚、リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップSD3903では、コマンド判定処理を行う。ここで、コマンド判定処理について図199を参照して説明する。
まずステップSD4101において、その受信したコマンドをRAM553のコマンドバッファから読み出す。続くステップSD4102では該コマンドが初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップSD4103では復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップSD4104では保留制御コマンドであるか否かが判定され、ステップSD4110では遊技状態通知コマンドであるか否かが判定され、ステップSD4111では変動パターンコマンドであるか否かが判定され、ステップSD4112では図柄コマンドであるか否かが判定される。
尚、当たり演出に関連するコマンド(オープニングコマンド、ラウンドコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド、大当たり終了コマンド、小当たり終了コマンドなど)に関しては、ステップSD3903のコマンド判定処理において、コマンド判定は行われるものの、これに対応する処理は実行されず、後述するステップSD3907の表示設定処理(当たり中表示処理)において、これらのコマンドに対応する処理が行われる。
主制御装置261から送信されたコマンドが初期化コマンドであれば、電源投入時に主制御装置261からRAM553の初期化が指示されていることになるので、ステップSD4105でRAM553をクリアし、ステップSD4106でRAM553の初期値を設定する。これにより、RAM553の遊技状態情報格納エリアには、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」が記憶される。その後、本処理を終了する。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが復帰コマンドであれば(ステップSD4102:NO、ステップSD4103:YES)、主制御装置261が電源遮断前の状態に復帰するので、バックアップ機能を持たないサブ制御装置262は、ステップSD4107にて、該復帰コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが保留制御コマンドであれば(ステップSD4103:NO、ステップSD4104:YES)、ステップSD4108において、該保留制御コマンドに含まれる各種情報(大当たり判別情報や大当たり種別情報、始動入賞口33YA,33YBどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報など)をサブ変動保留エリアに格納する格納処理を行い、本処理を終了する。
サブ変動保留エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアに対応して設けられている。つまり、サブ変動保留エリアは、上始動入賞口33YAに対応する第1サブ変動保留エリア及び下始動入賞口33YBに対応する第2サブ変動保留エリアと、1つのサブ実行エリアとを備え、該2つのサブ変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備えている。
各保留エリアには、保留制御コマンドの受信履歴(受信順序)や、該保留制御コマンドに含まれる遊技球の入賞履歴(始動入賞口33YA,33YBどちらへの入賞に基づくものなのか等)に従って、演出表示装置42にて実行される変動表示に関連する情報(大当たり判別情報や大当たり種別情報など)が時系列的に格納される。これにより、サブ制御装置262は、変動表示の保留数やその内容を把握することができる。
主制御装置261から送信されたコマンドが遊技状態通知コマンドであれば(ステップSD4104:NO、ステップSD4110:YES)、ステップSD4107にて、該遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
主制御装置261から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップSD4110:NO、ステップSD4111:YES)、演出表示装置42にて変動表示を開始するタイミングであるので、ステップSD4113にて開始設定処理を行い、ステップSD4114へ移行する。
ステップSD4113の開始設定処理では、演出表示装置42にて行う変動表示に係る各種設定を行う。
この開始設定処理では、まず主制御装置261の特別変動保留エリアの場合と同様、サブ変動保留エリアに格納されたデータをサブ実行エリア側へ順にシフトさせる処理を実行する。続いて、上記受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動表示タイマに設定する。変動表示タイマは、演出表示装置42における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
また、開始設定処理では、演出表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する際に参酌される変動表示中フラグがオンされる。
本実施形態では、変動パターンコマンドに記憶された変動パターン情報に基づき、装飾図柄の変動表示に係る演出パターンを選出し、当たり種別情報(「外れ」を含む)に基づき、変動時間経過後に停止表示する停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定する。ここで決定された演出パターンや停止図柄に関する情報は、サブ変動保留エリアのサブ実行エリアに追記される。尚、変動時間情報と演出パターンとの対応関係や、大当たり種別情報と停止図柄との対応関係は、サブ制御装置262のROM552にテーブルで記憶されている。
尚、サブ制御装置262においても、主制御装置261と同様、「確変大当たり」に対応する変動パターン、「通常大当たり」に対応する変動パターン、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターン、「前後外れリーチ」に対応する変動パターン、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターン、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンに関して、それぞれ遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
つまり、サブ制御装置262は、演出表示装置42における表示態様の決定に際し、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出することとなる。この際、基準アドレスに対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することに関しては、上記変動パターンテーブルを選出する際と同様である。
従って、サブ制御装置262が、本実施形態における表示制御部を構成し、主制御装置261による当たり抽選結果に応じて、演出表示装置42で実行する一の特定演出である装飾図柄の変動表示に係る演出パターンを複数の演出表示態様の中から決定して実行することとなる。
主制御装置261から送信されたコマンドが図柄コマンドであれば(ステップSD4111:NO、ステップSD4112:YES)、ステップSD4116において図柄設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップSD4116の図柄設定処理では、サブ変動保留エリアの保留エリアに記憶された当たり種別情報に基づいて、後述するRAM553のカウンタ用バッファ(図197参照)に格納された図柄を、演出表示装置42に停止表示させる停止図柄として、上記サブ実行エリアに設定する。
より詳しくは、図柄コマンドに「BZ1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「BZ2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「BZ3」が設定されている場合、前後外れリーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ6」が設定されている場合、演出表示装置42の上・中・下図柄表示領域に対応して「3」・「4」・「1」の図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
さて、ステップSD4114では、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが一致するか否かを判定する。ここで、両者の値が一致していれば、そのまま処理を終了する。
一方、両者の値が異なっていれば、ステップSD4115にて状態エラーフラグをオンすると共に、ステップSD4117にて、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を適正値とみなし、該遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。状態エラーフラグがオンされることにより、両者の値が異なっている場合には、その旨がエラー表示ランプ104などにより報知されることとなる。勿論、報知手段は、エラー表示ランプ104に限られるものではなく、演出表示装置42やスピーカSP等によりエラー報知を行う構成としてもよい。
尚、近年の遊技機は主制御装置等がバックアップ機能を備えていることから、停電等により電源が遮断された場合においても、その時の遊技モード(遊技状態)等をはじめとする各種データが記憶保持できるため、仮に高確率モード中に電源が遮断されてしまったとしても、電源復旧時には、遊技者は高確率モードのまま遊技を再開することができる。
しかしながら、上記バックアップ機能を利用すると、遊技ホールにおいて、営業開始時から遊技機を高確率モードに設定しておく行為、俗に言う「モーニング」が可能となる。このような行為は、遊技ホールとって営業開始時の集客力を高めるために行われるのであるが、遊技者の射幸心を悪戯に仰ぐおそれがある。上記行為の設定方法としては種々の方法が考えられるが、一例としては、前日の営業終了時点で遊技モードが高確率モードであった遊技機を初期化リセットしない方法が挙げられる。また、本実施形態のように、パチンコ機の電源投入時等において、サブ制御装置に対し主制御装置から遊技モードに関する情報(遊技状態判定値Xj)が復帰コマンド等により送信される構成においては、電源投入時等において、主制御装置とサブ制御装置とを繋ぐケーブルコネクタを取外しておけば、サブ制御装置は、主制御装置により設定される実際の遊技モードを把握できず、初期設定の遊技モードすなわち「通常モード」に係る制御を行うこととなる。
一般的な遊技機では、液晶表示装置等の表示演出手段において演出を行うにあたり、その表示態様(例えば背景色など)を通常モード中と高確率モード中とで異ならせることにより、遊技者等が現状の遊技モードを把握することを容易にしている。
また、一般的に、液晶表示装置等を制御するサブ制御装置はバックアップ機能を備えていないため、電源が切れると、初期設定の遊技モード(「通常モード」)に係る制御を行うこととなる。
従って、これを利用すれば、主制御装置により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、液晶表示装置の表示態様等を通常モード中のものとすることが可能となる。そうなると、現在の遊技モードを、液晶表示装置等を一目見ただけでは容易に判断できなくなるため、所定の調査等による本行為の確認も実質的に困難となる。
特に、本実施形態の「潜伏確変状態」のように、「通常モード」と表面上、区別し難い高確率モードが設定される遊技機では、該高確率モードが上記行為により遊技ホールの営業開始時から設定されてしまうと、液晶表示装置の表示態様等からは実際の遊技モードが判別不能となってしまう。
これに対し、本実施形態では、上述したように、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが異なっていれば、その旨をエラー報知すると共に、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。つまり、サブ制御装置262は、その時点の適切な遊技モードを把握することができることができる。これにより、仮に上記「モーニング」等の行為が行われ、主制御装置261により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、サブ制御装置262における演出態様が通常モード中の態様となっていたとしても、変動パターンコマンドを受信した場合には、遊技モードが違っていることが報知され、該変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjに対応する演出態様となる。結果として、遊技ホールによる上記「モーニング」等の行為を抑制することができる。
図196の説明に戻り、ステップSD3903の後又はステップSD3901で否定判定された場合には、ステップSD3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していればステップSD3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップSD3912へと移行する。
ステップSD3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図197に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCD5と、決定カウンタとしての役物演出カウンタCD8と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。これらカウンタの値は適宜、RAM553のカウンタ用バッファに格納される。
大当たり時装飾図柄カウンタCD5は、大当たり(「確変大当たり」又は「通常大当たり」)の際、演出表示装置42に停止表示される図柄(大当たり図柄)を決定するためのものである。本実施形態では、大当たり図柄として、5通りの奇数図柄と、5通りの偶数図柄が設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタCD5としては、5個(0~4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCD5は、0~4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが奇数大当たり図柄の組合わせを示す「BZ1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、奇数大当たり図柄の組合わせを決定する。
また、図柄コマンドが偶数大当たり図柄の組合わせを示す「BZ2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に偶数大当たり図柄の組合わせを決定する。
大当たり時装飾図柄カウンタCD5は、ステップSD3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、上述したようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCD5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
役物演出カウンタCD8は、後述する役物演出(付加演出)の実行の有無及びその種別を決定するためのものである。役物演出カウンタCD8としては、400個(0~399)のカウンタ値が用意されている。すなわち、役物演出カウンタCD8は、0~399の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり399)に達した後0に戻る構成となっている。
役物演出カウンタCD8は、ステップSD3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、RAM553の役物演出カウンタバッファに格納される。そして、後述するステップSD3910の役物演出設定処理において参酌される。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が「外れ」となった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0~9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図198に示すように、ステップSD4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判定し、ステップSD4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判定する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップSD4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップSD4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップSD4001がYES)であればステップSD4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップSD4002がYES)であればステップSD4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップSD4001、SD4002が共にNO)であればステップSD4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップSD4003~SD4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップSD4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判定し、リーチ図柄の組合わせである場合(ステップSD4006がYES)、さらにステップSD4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判定する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(ステップSD4007がYES)、ステップSD4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(ステップSD4007がNO)には、ステップSD4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(ステップSD4006がNO)、ステップSD4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判定し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(ステップSD4010がYES)、ステップSD4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップSD4006、ステップSD4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
尚、本実施形態において、「JUB大当たり」の場合に停止表示されるチャンス図柄は、装飾図柄の組合わせが1パターン(「3」・「4」・「1」)であるため、装飾図柄の表示に際しカウンタ情報を用いる必要はない。
図196の説明に戻り、ステップSD3907では演出表示装置42にて各種表示を行うための表示設定処理を行う。該表示設定処理では、主として演出表示装置42にて、装飾図柄の変動表示等を行うための変動表示設定処理や、保留表示を行うための保留表示設定処理、当たり状態中の演出表示等を行うための当たり中表示処理などが行われる。
まず変動表示設定処理について図200を参照して説明する。図200に示すように、ステップSD4301では、上記変動表示中フラグの設定状況を見て、演出表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、変動表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、変動表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、変動表示中フラグは、上述したとおり演出表示装置42の変動表示を開始する際(ステップSD4113の開始設定処理)にオンにされ、演出表示装置42の変動表示が停止表示される際(ステップSD4305参照)にオフにされる。
ここで肯定判定された場合、すなわち変動開始時又は変動中である場合には、ステップSD4302に進み、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSD4302では、変動表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、変動表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSD4303に進み、上記減算後の変動表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち変動表示タイマの値が「0」となった時にステップSD4303が肯定判定される。
ステップSD4303で否定判定された場合には、ステップSD4304において、演出表示装置42の変動表示を実行するための変動実行処理を行い、本処理を終了する。
この変動実行処理では、例えばRAM553のサブ変動保留エリアの実行エリアに格納された各種情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。
これによって、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、演出表示装置42での図柄の変動表示を開始する。そして、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、該変動パターンコマンドに対応する変動表示の変動時間が経過するまで(ステップSD4113の開始設定処理で設定された変動表示タイマの値が「0」になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
一方、ステップSD4303で肯定判定された場合、すなわち変動表示タイマの値が「0」であると判定された場合には、ステップSD4305において演出表示装置42にて停止表示を行うための停止表示設定を行い、本処理を終了する。該停止表示設定では、変動表示中フラグを解除(オフ)すると共に、表示制御装置45に対し演出表示装置42における変動表示の停止を指示する停止コマンドの設定等が行われる。
尚、ステップSD4304の変動実行処理では、演出表示装置42における表示態様を遊技状態の種別に応じた態様(演出モード)で行うための演出モード切換設定処理も合わせて行なわれる。
本実施形態における演出モードは、遊技状態(遊技状態判定値Xjの値)に応じて、「高サポートモード」が付与されていない「通常モード」、「高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、その継続期間が不明な「チャンスモード」、「次回まで・高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、それを遊技者に対し明示的に報知する「ゴールドモード」の間で切替設定される。
より詳しくは、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合、すなわち「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与されている状態では、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される(図209参照)。
また、遊技状態判定値Xjの値が「3」の場合、すなわち所定期間の「高サポートモード」の終了後、「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態には、いわゆる「潜確状態」となるため、かかる場合にも、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態とするため、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」又は「7」の場合、すなわち「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」、「50回・高サポートモード」、「30回・高サポートモードS」、「次回まで・高サポートモード」の非報知演出、又は、後述する「サポート継続演出」の期間中には、演出表示装置42における演出モードが「チャンスモード」に設定される(図211参照)。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合、すなわち「次回まで・高サポートモード」が付与されている状態(非報知演出期間を除く)には、演出表示装置42における演出モードが「ゴールドモード」に設定される(図212参照)。
次に、保留表示設定処理について図201を参照して詳しく説明する。まずステップSD4501において、サブ変動保留エリアのうち、下始動入賞口33YBに対応する第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納された当たり種別情報が小当たりに対応する情報(小当たり情報)であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合、すなわち小当たり情報が含まれていない場合には、ステップSD4502において、通常保留表示更新処理を行う。図209に示すように、通常の保留表示では、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bにおいて、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が表示される。通常は、各保留画像TA1~TA4,TB1~TB4として、円形状の保留ランプを模した「保留ランプ画像」が表示される構成となっている。
そして、ステップSD4502の通常保留表示更新処理では、サブ変動保留エリアにおける保留数の増減に応じて、点灯態様又は消灯態様で表示される保留画像TA1~TA4,TB1~TB4の数を増減させる表示更新処理を行うこととなる。
一方、ステップSD4501において肯定判定された場合、すなわち第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアのいずれかに小当たり情報が含まれている場合には、ステップSD4503において、保留表示変更処理を行い、その後、本処理を終了する。
ステップSD4503の保留表示変更処理が行われることにより、第2保留表示領域W3bに表示される4つの保留画像TB1~TB4のうち、上記小当たり情報を含む保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4のいずれかが、通常保留表示時の「保留ランプ画像」から「星型画像」に差し替えられる。例えば図214に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。
次に、ステップSD3907の表示設定処理において行われる当たり中表示処理について、図202を参照して説明する。
先ず、ステップSD4701では、主制御装置261から当たり状態(大当たり状態又は小当たり状態)の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップSD4701で肯定判定された場合には、ステップSD4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる当たり種別情報に基づいて、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」の場合には、16回を示す「16」が初期値として設定され、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す「20」が初期値として設定され、「小当たり」の場合には、5回を示す「5」が初期値として設定される。
その後、報知手段であるステップSD4703において、オープニング演出の設定(演出表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。
尚、サブ制御装置262には、当たり種別と、残りラウンド数と、当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。つまり、サブ制御装置262は、主制御装置261による各種の抽選の結果(例えば確変大当たりか通常大当たりか等の当たり種別)や、当選時の遊技状態(例えば高サポートモードか低サポートモードか等のモード種別)、残りのラウンド数などに基づき、前記テーブルを参照し、演出表示装置42で実行する特定演出としてのオープニング演出や大当たり中のラウンド演出の内容を複数の演出表示態様の中から一つ決定し実行することとなる。
また、ステップSD4701で否定判定された場合には、ステップSD4705において、ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSD4705で肯定判定された場合、報知手段であるステップSD4706において、ラウンド数の表示などラウンド中の演出設定を行ってから、本処理を終了する。
ここで、「長開放」の各ラウンドでは、ラウンド毎に最大で30秒になる演出設定が行われる一方、「短開放」の各ラウンドでは、開閉シャッタ32bの開放規定時間が0.4秒と短いことから、複数回のラウンド期間(後述するインターバル期間を含む)に跨って連続する一連の演出設定が行われる。勿論、「短開放」の場合においても、ラウンド毎に個別の演出設定が行われる構成としてもよい。また、「長開放」の場合においても、複数回のラウンド期間(後述するインターバル期間を含む)に跨って連続する一連の演出設定が行われる構成としてもよい。換言すれば、第1ラウンドの開始時(オープニング演出の終了時)から最終ラウンドの終了時(エンディング演出の開始時)までの間の複数回のラウンド期間に跨る大当たり演出の実行中に開閉シャッタ32bが複数回開閉する構成としてもよい。
ステップSD4705で否定判定された場合、ステップSD4707において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSD4707で肯定判定された場合、ステップSD4708でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップSD4709でインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ここで、「長開放」の各ラウンド間のインターバル期間では、インターバル毎に3秒になる演出設定が行われる一方、「短開放」の各ラウンドのインターバル期間では、上述したように複数回のラウンド演出と連続した一連の演出設定が行われる。
ステップSD4707で否定判定された場合、ステップSD4710においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSD4710で肯定判定された場合、ステップSD4711でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップSD4712でエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。尚、エンディング演出の設定処理において、複数のエンディング演出パターンの中から一のエンディング演出パターンを選出し実行する構成としてもよい。勿論、第1の特定制御としての第1のエンディング表示制御が実行される場合と、第2の特定制御としての第2のエンディング表示制御が実行される場合のどちらの場合であっても、これらの制御は、開閉シャッタ32bが大入賞口32aを閉鎖する閉鎖位置に位置した状態で行われる。
ステップSD4710で否定判定された場合、ステップSD4713において当たり終了コマンド(大当たり終了コマンド又は小当たり終了コマンド)を受信したか否かを判別する。ステップSD4713で肯定判定された場合には、ステップSD4714において、エンディング表示を終了させる当たり表示終了処理を行い、本処理を終了する。ステップSD4713で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
図196の説明に戻り、ステップSD3908のランプ設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップSD3909の音声設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップSD3909で行われる。
ステップSD3910では、役物演出設定処理を実行する。役物演出設定処理では、上部演出役物ユニット761を用いた役物演出に関する各種設定を行う。尚、役物演出設定処理は、後述するサポート継続演出(ルーレット演出)が行なわれる際に、付加演出として行われる処理であり、サポート継続演出(ルーレット演出)が実行される場合においてのみ実行される処理である。ステップSD3910の役物演出設定処理の詳細については後述する。
ステップSD3911では、客待ち演出(例えば演出表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップSD3912では、上記ステップSD3905~SD3911の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。また、役物演出を実行する際には、上部演出役物ユニット761の役物制御基板等に対し各種制御信号を出力する。
1msec毎に行われるステップSD3905~SD3912の処理が実行された後、又は、上記ステップSD3904で否定判定された場合には、ステップSD3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップSD3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判定される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップSD3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップSD3913で電源断の発生情報が記憶されると判定された場合、ステップSD3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に演出表示装置42の表示部42aにおける表示態様等について、遊技者による遊技の流れと共に説明する。
演出表示装置42の表示部42aには、通常状態(遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合)において、上、中及び下の3つの図柄表示領域からなる変動表示領域W1が設定されている(図209参照)。また、変動表示領域W1の下側には、遊技者に対し遊技球の発射態様を指示(推奨)する指示表示領域W2が設定されると共に、さらにその下側には変動表示の保留数を示す保留表示領域W3が設定されている。
保留表示領域W3は、サブ変動保留エリアに対応して設定されている。つまり、保留表示領域W3は、第1サブ変動保留エリア及び第2サブ変動保留エリアに対応して、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bとに区分けされている。そして、各保留表示領域W3a,W3bには、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が表示される(図209参照)。
保留画像TA1~TA4,TB1~TB4は、通常時(非保留時)には、消灯態様で表示されており(網掛け部分参照)、所定の保留エリアに変動表示が保留された場合に、該保留エリアに対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が点灯態様に切替表示される構成となっている(白抜き部分参照)。
図209に示す例では、第1保留表示領域W3aの第1保留画像TA1及び第2保留画像TA2が点灯態様で表示され、残りの保留画像TA3,TA4,TB1~TB4が消灯態様で表示された状態が示されている。すなわち、第1サブ変動保留エリアの保留第1エリアと保留第2エリアに変動表示が保留され、現在の変動表示の保留数が上始動入賞口33YAに係る「2」個の状態であることが示されている。
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。
「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33YAの方へと誘導される。そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞することとなる。
尚、本実施形態では、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、開閉役物37Yが開放されることはなく、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞することはない。
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。
遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞すると、演出表示装置42の変動表示領域W1においては、上記各図柄表示領域毎に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、「1」~「9」の数字の付された装飾図柄Zが表示される。各種装飾図柄Zは、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される、これにより一連の図柄列が構成されている。
かかる場合、上図柄表示領域においては、各種装飾図柄Zが降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく各種装飾図柄Zが昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に装飾図柄Zが停止表示される。
上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、リーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが停止表示される。尚、本実施形態の通常状態では、上記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄Zが前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると、大当たり状態の発生が確定する。
大当たり状態が発生した場合には、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態となると共に、演出表示装置42の表示部42aにおいて所定の大当たり演出が開始される。ここで、大当たりラウンド数が表示されるようにしてもよい。
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させることができない。そのため、図210に示すように、大当たり演出が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域へ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて大当たり遊技を行う。
ここで「右打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32へ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。
一方、可変入賞装置32へ入賞せず、該可変入賞装置32を素通りした遊技球は、上記釘等によって、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBへ向けて流下することとなる。
また、可変表示装置ユニット35の右側方領域には、可変入賞装置32までの流下途中において、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放契機となるスルーゲート34が設けられており、いくつの遊技球がスルーゲート34を通過することとなる。
ここで、遊技球がスルーゲート34を通過することに起因して行われる開放抽選に当選した場合には、開閉役物37Yが開状態となり、下始動入賞口33YBへ遊技球が入賞することが可能となる。
大当たり終了後は、特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)にて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37Yに係る入賞サポートモードとして「高サポートモード」が付与される。
これに伴い、演出表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」に係る所定のサポート演出(「チャンスモード」演出、又は「ゴールドモード」演出)が行われると共に、変動表示領域W1が縮小表示される。なお、縮小された変動表示領域W1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。
また、かかるサポート演出中、演出表示装置42の表示部42aにおいては、サポート回数表示領域W4が設定される(図211,図212参照)。サポート回数表示領域W4には、見かけ上、付与することが確定しているサポート回数が表示される。従って、例えば内部抽選では「50回」のサポート回数の付与が確定している場合であっても、演出上、当初は「20回」と表示される。
より具体的には、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
同様に、「16R確変大当たりB」又は「4R確変大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「4」の場合にも、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
一方、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選し、「30回・高サポートモードS」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「2」又は「5」の場合(非報知演出の場合のXj=「5」を除く)には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選し、「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初から「次回まで」と表示される。但し、上記非報知演出が行われる場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
上述したとおり、「高サポートモード」が付与されている間は、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞しやすい状態となるため、大当たり遊技が終了した場合であっても、遊技者は開閉役物37Yの開放契機を得るべく、「右打ち」を継続して行うことが好ましい。つまり、「高サポートモード」中は、「右打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。従って、「高サポートモード」中の演出表示装置42の指示表示領域W2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨すべく、「右打ち→」と表示される。
尚、本実施形態では、「高サポートモード」の一般回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっていない変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」の場合における変動時間が、各遊技状態判定値Xjに基づき選択される変動パターンテーブルによって「1秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の演出表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
また、「高サポートモード」の特定回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっている変動時、つまり大当たり終了後から「20回目」、「30回目」、「40回目」又は「50回目」にあたる変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「7」の場合における変動時間が、該遊技状態判定値Xjの値「7」に基づき選択される変動パターンテーブルによって「25秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の演出表示装置42の表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
上記特定回変動時(25秒変動)の演出表示装置42の表示部42aでは、「高サポートモード」が継続するか否かを抽選で決定するような、遊技者の興趣を盛り上げるサポート継続演出が行なわれる。
例えば本実施形態では、上記特定回変動時の表示演出(サポート継続演出)として、ルーレット演出が行われる。該ルーレット演出では、図213に示すように、ルーレット図柄TRが表示される。ルーレット図柄TRには、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった項目が記載されている。
ルーレット演出では、ルーレット図柄TRが回転し、矢印TYの示す位置に停止した項目により、その後の遊技状態が決定されるといった演出がなされる。
ここで、いずれの項目に停止するかは、大当たり抽選時に決定された「高サポートモード」の付与数(「20回」、「30回」、「40回」、「50回」又は「次回まで」)と、その時点のサポート付与回数(サポート回数カウンタの値)によって決定される。そして、決定された項目がサポート回数表示領域W4に表示される。
例えば、「50回・高サポートモード」付きの「16R通常大当たりB」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「20回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数は残り「30回」あるので、「+10回」の項目が選択される。
また、例えば「30回・高サポートモード」付きの「4R通常大当たりA」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数の残りがないため、「終了」の項目が選択される。
また、例えば「次回まで・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりA」に当選し、非報知演出が行われ(遊技状態判定値Xjの値が「5」となり)、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」であるので、「次回まで」の項目が選択される。
さて「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻ると、演出表示装置42の表示部42aにおける表示態様は、通常状態と同様の状態に戻る(図209参照)。従って、表示部42aの指示表示領域W2には「←左打ち」と表示される。
但し、本実施形態では、「高サポートモード」中に小当たり当選し、下始動入賞口33YBに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに小当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像TB1~TB4のうち、小当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の画像に変更される(図214参照)。図214に示した例では、第3保留画像TB3が「星型画像」に変更されている。本実施形態では、これと共に、指示表示領域W2において「右打ち→」と表示される。
このため、「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻った場合でも、保留エリアに小当たり情報が格納されていれば、上記表示が行われ、遊技者に対して小当たりが発生することが示唆されることとなる。
上述したとおり、小当たり状態における可変入賞装置32の開放時間は極めて短いため、「左打ち」している状態から、小当たり発生後に「右打ち」へ切換えていたのでは間に合わず、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させるためには、予め「右打ち」しておく必要がある。この点、本実施形態では、上記小当たり示唆により、遊技者は、小当たりが発生することを把握できるため、予め準備ができ、小当たりの取りこぼしが少なくなる。
尚、上述したように、上記サポート継続演出(ルーレット演出)が行われる場合には、付加演出として上部演出役物ユニット761を用いた役物演出が行われる場合もある。
ここで、ステップSD3910の役物演出設定処理について図221,図222のフローチャートを参照して説明する。
まずステップSD6001において、上記遊技状態判定値Xjの値を参酌して、今回の変動回がルーレット演出(サポート継続演出)の実行回であるか否かを判定する。
ここで、否定判定された場合、すなわちルーレット演出の実行回でない場合には、ステップSD6002において、後述する演出状態フラグJFの値を「0」にリセットして、そのまま本処理を終了する。
演出状態フラグJFは、付加演出(主に上部演出役物ユニット761を用いた役物演出)の演出状態を判別するための判別情報である。
一方、ステップSD6001において肯定判定された場合、すなわち今回の変動回がルーレット演出の実行回である場合には、ステップSD6003へ移行する。
ステップSD6003では、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、付加演出の開始前段階(JF=0)であるか否かを判定する。ここで、否定判定された場合、すなわち付加演出の開始後(JF≧1)である場合には、ステップSD6006へ移行する。
一方、ステップSD6003において肯定判定された場合、すなわち付加演出の開始前段階である場合には、ステップSD6004へ移行する。
ステップSD6004では、RAM553の役物演出カウンタバッファに格納された上記役物演出カウンタCD8の値を基に、役物演出の実行の有無及びその種別を決定する演出決定処理を行う。
役物演出カウンタCD8の値と、役物演出の実行の有無及びその種別との対応関係は、役物演出パターン決定テーブルとして、サブ制御装置262のROM552に記憶されている。
本実施形態では、演出表示装置42のルーレット演出において、最終的に矢印TYの示す位置に停止するルーレット図柄TRの確定表示項目に対応して、複数の役物演出パターン決定テーブルが設定されている。
具体的には、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった3つの確定表示項目に対応して、「終了」時・役物演出パターン決定テーブル、「+10回」時・役物演出パターン決定テーブル、「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブルの3つのテーブルが用意されている。
尚、各テーブルにおいて、各種演出パターン等が選択される割合は、「終了」時に対応するものか、「+10回」時に対応するものか、「次回まで」時に対応するものかによって異なる。そして、サポート回数が継続される場合、さらには「次回まで」時に対応したものである場合には、「終了」時の場合よりも、役物演出の実行の有無、さらには後述する発展演出パターンが行われる割合が高まるように、各種テーブルは構成されている。
例えばルーレット演出における確定表示項目が「終了」となる場合には、図223(a)に示すような『「終了」時・役物演出パターン決定テーブル』が参照される。この場合、役物演出カウンタCD8の値がCD8=0~249の場合には「役物演出なし」が選択され、付加演出として役物演出は行われない。
一方、役物演出カウンタCD8の値がCD8=250~399の場合には、「役物演出あり」が選択され、付加演出として役物演出が実行される。このうち、CD8=250~329の場合には「発展なしパターン」の役物演出が実行され、CD8=330~379の場合には「第1発展パターン」の役物演出が実行され、CD8=380~399の場合には「第2発展パターン」の役物演出が実行される。尚、これら各種役物演出の詳細については後述する。
また、ルーレット演出における確定表示項目が「次回まで」となる場合には、図223(b)に示すような『「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブル』が参照される。この場合、役物演出カウンタCD8の値がCD8=0~9の場合には「役物演出なし」が選択され、付加演出として役物演出は行われない。
一方、役物演出カウンタCD8の値がCD8=10~399の場合には、「役物演出あり」が選択され、付加演出として役物演出が実行される。このうち、CD8=10~199の場合には「発展なしパターン」の役物演出が実行され、CD8=200~299の場合には「第1発展パターン」の役物演出が実行され、CD8=300~399の場合には「第2発展パターン」の役物演出が実行される。
尚、ルーレット演出における確定表示項目が「+10回」となる場合に参照される『「+10回」時・役物演出パターン決定テーブル』の具体的な内容については、図示を省略するが、上述した『「終了」時・役物演出パターン決定テーブル』や『「次回まで」時・役物演出パターン決定テーブル』とは内容の異なるテーブルが設定されている。
ここで、上記「役物演出なし」が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「0」を設定する。役物演出パターンフラグPFは、役物演出パターンを判別するための判別情報である。
同様に、「発展なしパターン(回転演出なし)」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「1」を設定する。「第1発展パターン(低速回転)」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「2」を設定する。「第2発展パターン(高速回転)」の役物演出が選択された場合には、役物演出パターンフラグPFの値に「3」を設定する。
従って、サブ制御装置262は、ステップSD6004の演出決定処理を行う際には、まず上記ルーレット演出における確定表示項目に係る情報を基に、上記複数の役物演出パターン決定テーブル群の中から所定の確定表示項目に対応する役物演出パターン決定テーブルを選出し、該選出したテーブルを基に役物演出パターンを決定することとなる。この際、決定された結果は、RAM553内の所定の記憶エリアに記憶される。
つまり、本実施形態では、可動制御部としてのサブ制御装置262が、表示手段としての演出表示装置42において特定演出としてのルーレット演出の表示中に、可動体としての可動役物811(回転体820)に係る一の可動態様(役物演出パターン)を複数の可動態様の中から決定して実行することとなる。
そして、続くステップSD6005において開始要求設定処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSD6005の開始要求設定処理においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出の開始要求期間中であることを示す「1」を設定すると共に、操作有効タイマSTの値に所定値(本実施形態では5秒)を設定する。
尚、操作有効タイマSTは、上記演出ボタン125の操作有効期間を計測するためのタイマである。
さらに、この開始要求設定処理においては、演出表示装置42の表示部42aにおいて開始要求表示演出を行うための表示設定処理を行う。
かかる表示設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、ルーレット演出に加えて、例えば「ボタンを押してください」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す表示演出が実行される。
さて、上記ステップSD6003にて否定判定されて移行するステップSD6006においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の開始要求期間中(JF=1)であるか否かを判定する。ここで、否定判定された場合、すなわち役物演出の開始要求期間中でない場合(JF≧2)には、ステップSD6012へ移行する。
一方、ステップSD6006において肯定判定された場合、すなわち現在、役物演出の開始要求期間中である場合には、ステップSD6007において、上記操作有効タイマSTの値が「0」であるか否かを判定する。
ここで、肯定判定された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」である場合には、役物演出の開始要求期間中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作せず、操作有効期間が経過したとして、ステップSD6008に移行する。
ステップSD6008においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
一方、ステップSD6007において否定判定された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」でない場合には、ステップSD6009に移行する。
ステップSD6009においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、役物演出の開始要求期間中(操作有効期間中)に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判定する。
ボタン操作フラグBFは、操作有効期間中に演出ボタン125が押圧操作されたか否かを判別するための判別情報であり、操作有効期間中に押圧操作された場合には、その値が「1」に設定され、押圧操作されていない間は、その値が「0」に維持される。
ステップSD6009において否定判定された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップSD6010において演出パターン設定処理を行う。
ステップSD6010の演出パターン設定処理においては、演出状態フラグJFの値として、上記ステップSD6004の演出決定処理において選出された演出パターンに対応する値を設定する。
具体的には、役物演出パターンフラグPFの値を参酌して、「役物演出なし」が選択された場合には、演出状態フラグJFの値に「2」を設定する。一方、「役物演出あり(発展なしパターン、第1発展パターン、第2発展パターン)」が選択された場合には、演出状態フラグJFの値に「3」を設定する。
その後、ステップSD6011において、ボタン操作フラグBFの値を「0」にリセットし、本処理を終了する。
さて、上記ステップSD6006にて否定判定され移行するステップSD6012においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、付加演出の演出パターンが「役物演出なし(JF=2)」であるか否かを判定する。
ここで、肯定判定された場合、すなわち演出パターンが「役物演出なし」である場合には、ステップSD6013において報知設定処理を行う。
かかる報知設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「動かず残念」等の文字が表示されるなど、役物演出が行われない旨を報知する報知演出が実行される。
その後、ステップSD6014において、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
一方、ステップSD6012において否定判定された場合には、ステップSD6015へ移行し、演出状態フラグJFの値が「3」であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合には、演出パターンが「役物演出あり(JF=3)」であるが、現在は役物駆動演出の開始前段階である所定の作動条件の成立とみなし、ステップSD6016において役物出現設定処理を行い、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、役物出現時(役物演出の実行開始後かつ演出発展前段階の演出初期状態)における演出態様は、「発展なしパターン(PF=1)」、「第1発展パターン(PF=2)」又は「第2発展パターン(PF=3)」のいずれが設定された場合においても同一となっている。
勿論、これに限らず、「発展なしパターン(PF=1)」、「第1発展パターン(PF=2)」又は「第2発展パターン(PF=3)」のいずれが設定されるかによって、役物出現時における演出態様(動作時間など)が異なる構成としてもよい。
ここで、ステップSD6016の役物出現設定処理について図224を参照して詳しく説明する。サブ制御装置262は、まずステップSD8001において、出現動作中フラグMFの値が「1」であるか否かを判定する。
尚、出現動作中フラグMFとは、可動役物811が出現動作中であるか否かを判定するための状態判別情報であり、可動役物811が出現動作中である場合には、その値が「1」に設定(オン)され、可動役物811が出現動作中でない場合は、その値が「0」に設定(オフ)される。可動役物811の出現動作が本実施形態における可動体の一連の特定動作に相当する。
ステップSD8001において否定判定された場合には、ステップSD8002へ移行し、ROM552から特定情報としての役物出現動作制御テーブル(図225参照)を一回の処理で読出し、RAM553の所定エリアに一回の処理でセットする。つまり、一回の処理で読出されセットされた情報で一連の動作を実行可能となっている。
図225に示すように、役物出現動作制御テーブルには、可動役物811の出現動作の動作プロセス(上下駆動用モータ1815のモータ制御)などを規定した複数の制御プロセスデータが実行順序に則して時系列で記憶されている。
各制御プロセスデータには、例えば上部演出役物ユニット761の上下駆動機構1812(上下駆動用モータ1815)を駆動制御して、可動役物811を降下させたり上昇させたりする動作プロセスを規定したデータなど、サブ制御装置262が実行する制御処理の内容が規定されている。
例えば上下駆動用モータ1815の駆動制御に係る制御プロセスデータには、設定情報として、上下駆動用モータ1815の回転方向(可動役物811の移動方向)、上下駆動用モータ1815の回転速度(可動役物811の移動速度)、上下駆動用モータ1815の励磁時間(可動役物811の動作時間)、上下駆動用モータ1815の非励磁時間(可動役物811の停止時間)などが規定されている。
従来、可動体に複数種類の可動態様を行わせる遊技機がある。可動体を一の可動態様で動作させる場合に、一の可動態様における各々の動作毎に、対応する動作データを事前に読み込む場合は、可動態様によっては膨大な回数の読込みが必要となり、制御の負担が大きい。それを解消するため、一連の動作に対応した動作データをセットし、その動作データに基づいて一連の動作を順次実行する場合は制御の負担は軽減されるが、該一連の動作を途中で終了させ、次の動作を実行する場合には好適な一連の動作の終了判定が求められる。
その一例として、可動体としての可動役物811に一連の動作を行わせる場合、サブ制御装置262は、該一連の動作に係る各種動作プロセスを時系列で定めた動作制御テーブル(動作プロセスデータ群)をROM552から読み出しRAM553にセットした後、該動作制御テーブルから順次、動作プロセスデータを読み出し可動役物811の一連の動作制御を実行していくこととなる。
例えば図229に示すような従来の役物出現演出用の動作制御テーブルに基づき役物出現演出を実行した場合、可動役物811は、まず基準位置H0から第1高さ位置H1まで降下し再び基準位置H0まで戻る所定動作(第1動作)を2回行った後、基準位置H0から第2高さ位置H2まで降下し再び基準位置H0まで戻る所定動作(第2動作)を2回行い、さらにその後、基準位置H0から第3高さ位置H3まで降下し再び基準位置H0まで戻る所定動作(第3動作)を2回行うといった一連の動作を行うこととなる。
そして、上記一連の動作の後、次の段階へ移行する。例えば役物演出の発展条件が成立してない場合には、そのまま役物演出を終了する。一方、役物演出の発展条件が成立している場合、サブ制御装置262は、次に実行する各種動作プロセスを時系列で定めた発展演出用の動作制御テーブルを新たにROM552から読み出しRAM553にセットした後、該動作制御テーブルから順次、動作プロセスデータを読み出し可動役物の発展演出を実行していくこととなる。
しかしながら、可動役物811の一連の動作の途中で該一連の動作の終了条件が成立した場合には、該一連の動作を好適に終了させることが望まれる。
例えば上記役物出現演出中に遊技者が演出ボタン125を操作すると、役物演出が次の段階へ移行(発展又は終了)する演出を行おうとした場合、仮に遊技者が演出ボタン125を操作したタイミングで操作判定フラグをオン設定したとしても、従来の構成の下では、役物出現用の動作制御テーブルに定められた一連の動作プロセスを全て終了した後でしか、フラグ判定処理を実行することができず、操作タイミングによっては、遊技者が演出ボタン125を操作した後、速やかに役物演出が次の段階へ移行しないおそれがある。
結果として、間延びした演出となってしまい、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
また、図229に示すような、途中に終了判定プロセスのない従来の動作制御テーブルでは、該動作制御テーブルを複数通りの一連の特定動作の動作制御に流用することが難しい。
尚、上記不具合に対し、例えば図229に示した従来の動作制御テーブルを複数のテーブル(例えば上記2回分の第1動作の動作プロセスを定めた第1動作制御テーブル、上記2回分の第2動作の動作プロセスを定めた第2動作制御テーブル、及び、上記2回分の第3動作の動作プロセスを定めた第3動作制御テーブル)に分割して設定しておき、これらを個別の動作制御として順次実行する構成とすることも考えられるが、かかる構成とした場合、各テーブルの読出し処理等の実行頻度が多くなり、制御負担が著しく増大するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、一例として、可動体としての可動役物811に一連の動作を行わせる場合において、サブ制御装置262が、該一連の動作に係る各種動作プロセスを時系列で定めた役物出現動作制御テーブル(図225参照)をROM552から一回の処理で読出し、RAM553の所定エリアに一回の処理でセットする構成となっている。
これにより、例えば一連の動作における各々の動作プロセス毎に、対応する動作プロセスデータを事前に読み込む構成に比べて、膨大な回数の読込み処理を必要とせず、制御負担を軽減することができる。
さらに、上記のように一回の処理で読出されセットされた役物出現動作制御テーブルに基づき、可動役物811が昇降動作を複数回繰り返す役物出現動作の実行中において、可動役物811が基準位置H0に戻ったタイミングで毎回、該役物出現動作を終了させる条件が成立しているか否かを判定する処理を実行すると共に、次の動作を基準位置H0から開始する構成となっている。
つまり、該役物出現動作の実行途中であっても、該役物出現動作の終了条件が成立している場合には、速やかに該役物出現動作を終了させ、次の動作へ移行することができる。一方、終了条件が成立していない場合には、そのまま該役物出現動作を継続させることができる。
特に本実施形態では、役物出現動作の終了条件が成立しているか否かを判定するタイミングが、可動役物811が基準位置H0に戻ったタイミングとなるため、該役物出現動作の終了後、速やかに可動役物811を初期状態に復帰させる又は次の動作へ移行させることができる。
結果として、可動役物811の制御を好適に行うと共に、演出が間延びせず、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
さらに、図225等に示した役物出現動作制御テーブルは、該動作制御テーブルを複数回繰り返し参照して、該動作制御テーブルに定められた一連の特定動作を複数セット繰り返し実行する構成を容易に実現することができる。結果として、一の動作制御テーブルを複数通りの一連の特定動作の動作制御に流用することが可能となり、汎用性を高めることができる。ひいては、予めROM等の記憶手段に記憶しておくべきデータ容量を削減し、記憶容量に限りのあるROM等の記憶手段の有効活用を図ることができる。
加えて、本実施形態によれば、例えば可動役物811の役物出現動作に係る上記役物出現動作制御テーブルを細分化して設定した複数のテーブルを用いて該複数のテーブルに係る動作制御を順次実行する構成等に比べて、テーブル読出し処理等の実行頻度を低減し、制御負担を軽減することができる。
上記ステップSD8002に続いて、ステップSD8003にて出現動作中フラグMFの値に「1」を設定(オン)すると共に、ステップSD8004にてボタン操作フラグBFの値を「0」にリセットし、ステップSD8005にて指示表示設定処理を行う。その後、ステップSD8006へ移行する。
尚、ステップSD8005にて指示表示設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「アタック!!」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す指示表示演出が実行される。
ステップSD8006においては、プロセスポインタCPの値に1を加算する。尚、プロセスポインタCPとは、役物出現動作制御テーブル(図225参照)に規定された各種制御プロセスデータを特定するための判別情報である。後述するように、サブ制御装置262は、該プロセスポインタCPにより指定されたプロセス番号PNに係る制御プロセスデータを読出し、その内容に沿って制御処理を実行する。また、役物出現設定処理の開始時、プロセスポインタCPの値は「0」に設定されており、制御プロセスが進行する毎に1ずつ加算されていく。
尚、これに代えて、役物出現設定処理の開始時にプロセスポインタCPの値に所定値を設定し、制御プロセスが進行する毎に1ずつ減算していき、役物出現動作制御テーブルの制御プロセスデータを把握する構成としてもよい。
続くステップSD8007においては、現在のプロセスポインタCPの値が、役物出現動作制御テーブルにおけるプロセス番号PNの最大値PNmax(図225に示す本例では「30」)を超えているか否かを判定する。すなわち役物出現動作制御テーブルに規定された制御プロセスが全て終了したか否かを判定する。
ステップSD8007において肯定判定された場合には、ステップSD8012へ移行する。一方、ステップSD8007において否定判定された場合には、ステップSD8008へ移行し、RAM553に設定された役物出現動作制御テーブル(図225参照)を参酌して、現在のプロセスポインタCPの値により指定されたプロセス番号PNに対応する制御プロセスデータを読み出す。
尚、役物出現動作制御テーブルをRAM553にセットする上記ステップSD8002の処理を省略し、ステップSD8008において、ROM552に記憶された役物出現動作制御テーブルから直接、現在のプロセスポインタCPの値により指定されたプロセス番号PNに対応する制御プロセスデータを読み出す構成としてもよい。
続くステップSD8009では、ステップSD8008にて読み出した制御プロセスデータを基に、今回の制御プロセスが可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する終了判定プロセスであるか否かを判定する。
ステップSD8009で否定判定された場合、すなわち今回の制御プロセスが終了判定プロセスではなく、上下駆動用モータ1815に係る通常の動作プロセスであった場合には、ステップSD8010へ移行する。
ステップSD8010では、ステップSD8008にて読み出した制御プロセスデータ(上下駆動用モータ1815の動作プロセスデータ等)を基に、可動役物811の出現動作設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
具体的に、ステップSD8010の出現動作設定処理では、制御プロセスデータに規定された時間(図225参照)を出現動作プロセスタイマPTに設定する処理を行う。例えば制御プロセスデータに規定された動作時間が1000msecの場合には、出現動作プロセスタイマPTに対して「250」が設定される。そして、この出現動作プロセスタイマPTの値は、4msec毎に後述する減算処理にて1ずつ減算される。
また、ステップSD8010の出現動作設定処理では、制御プロセスデータに規定された内容通りに上下駆動用モータ1815を駆動制御するためのモータ制御信号(励磁制御データ)等の出力設定処理などを行う。これにより、所定のタイミング(ステップSD3912の外部出力処理)で順次、上部演出役物ユニット761の役物制御基板(モータドライバ)等に対しモータ制御信号が出力される。その結果、役物制御基板が、モータ制御信号により指定された励磁相への通電処理を行い、励磁処理がなされることにより、上下駆動用モータ1815が駆動制御される。
一方、ステップSD8009で肯定判定された場合、すなわち今回の制御プロセスが終了判定プロセスである場合には、判定機能部であるステップSD8011へ移行する。ステップSD8011においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、可動役物811の出現動作中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判定することで、可動役物811の出現動作の終了条件が成立しているか否かを判定する。
ステップSD8011で否定判定された場合、すなわち可動役物811の出現動作中に演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、ステップSD8006へ戻り、プロセスポインタCPの値に1を加算し、次の制御プロセスへ移行する。
一方、ステップSD8011において肯定判定された場合、すなわち可動役物811の出現動作中に演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップSD8012へ移行する。
ステップSD8012においては、役物演出パターンフラグPFの値が「発展なしパターン」に対応する「1」であるか否かを判定する。
ステップSD8012にて肯定判定された場合、すなわち役物演出がこれ以上進展しない場合には、終了機能部であるステップSD8013へ移行し、役物演出終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSD8013の役物演出終了設定処理では、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定すると共に、出現動作中フラグMF及びボタン操作フラグBFの値を「0」にリセットし、本処理を終了する。
尚、ステップSD8013の役物演出終了設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「発展せず残念」等の文字が表示されるなど、発展演出が行われない旨を報知する報知演出が実行される。また、出現動作終了設定処理を行うにあたり、可動役物811の初期位置を位置合わせする位置調整処理を行う構成としてもよい。
一方、ステップSD8012にて否定判定された場合、すなわち演出パターンが「第1発展パターン(PF=2)」又は「第2発展パターン(PF=3)」へ発展する場合(PF≧2)には、終了機能部であるステップSD8014へ移行する。
ステップSD8014の発展演出移行設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展移行期間であることを示す「4」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、役物演出の発展移行動作に対応した可動役物811(回転体820)の動作プロセスを規定した発展移行動作制御テーブルを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
尚、本実施形態では、発展移行期間中における演出態様は、「第1発展パターン」又は「第2発展パターン」のいずれが設定された場合においても同様となっている。勿論、これに限らず、「第1発展パターン」又は「第2発展パターン」のいずれが設定されるかによって、発展移行期間における演出態様(動作時間など)が異なる構成としてもよい。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、発展移行動作制御テーブルに含まれる複数の動作プロセスデータを実行順序に則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を発展移行動作用プロセスタイマに設定し、該発展移行動作用プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
尚、上記発展移行動作用プロセスタイマの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップSD3911)にて別途行われる。また、発展移行動作制御テーブルに規定された動作プロセスデータには、例えば上下駆動用モータ1815を駆動制御して可動役物811を降下させる動作プロセスや、回転体用駆動モータ821を駆動制御して回転体820を拡縮動作させる動作プロセスなどを規定したデータなどが含まれている。
つまり、サブ制御装置262は、発展移行動作制御テーブルに基づき、上記プロセスタイマの値などを参酌しつつ、可動役物811の発展移行動作制御を実行していくこととなる。
また、ステップSD8014の発展演出移行設定処理においては、出現動作中フラグMF及びボタン操作フラグBFの値を「0」にリセットすると共に、操作有効タイマSTの値に所定値(本実施形態では5秒)を設定する。
さらに、サブ制御装置262は、可動役物811の発展移行動作に係る効果音をスピーカSPから出力するための音声出力設定処理を行う。かかる音声出力設定処理が行われることで、例えば「シャキ~ン」などの効果音が出力される。
同時に、演出表示装置42の表示部42aにおいて発展要求表示演出を行うための表示設定処理を行う。かかる表示設定処理が行われることで、演出表示装置42の表示部42aにおいては、例えば「ボタンを押せ!!」等の文字が表示されるなど、遊技者に演出ボタン125の操作を促す指示表示演出が実行される。
上記一連の設定処理により、可動役物811の発展移行動作が行われた場合には、上記出現動作を終えてセンターフレーム47の上辺部47a裏側(基準位置H0)へ一旦戻った可動役物811が、上記効果音と共に急降下して登場し、所定の演出位置にて停止する。尚、かかる演出位置は、可動役物811の出現動作の最下点である後述する第3高さ位置H3であってもよいし、該第3高さ位置H3よりも、さらに下方位置である第4高さ位置H4であってもよい。
続いて、演出位置に停止した回転体820は、各可動片825が回転体820の径方向外側に向け放射状にスライド変位する動作(回転体820が拡径する動作)や、各可動片825が回転体820の径方向内側に向けスライド変位する動作(回転体820が縮径する動作)を交互に行う拡縮状態となる。
さらに、演出表示装置42の表示部42aにおいては、上記ルーレット図柄TR(図213参照)は縮小表示され、回転体820の背後に隠れた状態となり、遊技者に視認困難な状態となると共に、上述した「ボタンを押せ!!」等の指示表示演出が実行される。
さて、上記ステップSD8001において肯定判定された場合、すなわち可動役物811の出現動作中である場合には、ステップSD8020へ移行する。ステップSD8020においては出現動作プロセスタイマPTの値を1減算する。
尚、ステップSD8020の処理を省略し、ステップSD8020に係る出現動作プロセスタイマPTの減算処理を、他の各種プロセスタイマと同様、上記通常処理内のその他の処理(ステップSD3911)等にて別途行うようにしてもよい。
続くステップSD8021においては、出現動作プロセスタイマPTの値が「0」であるか否かを判定する。
ステップSD8021において否定判定された場合、すなわち出現動作プロセスタイマPTの値が「0」でない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSD8021において肯定判定された場合、すなわち出現動作プロセスタイマPTの値が「0」である場合には、上記ステップSD8006へ戻り、プロセスポインタCPの値に1を加算し、次の制御プロセスへ移行する。
ここで、上記ステップSD6016の役物出現設定処理に基づき実行される可動役物811の出現動作態様について説明する。
図225に示す役物出現動作制御テーブルに基づき、可動役物811の出現動作を実行した場合には、図226に示すように、可動役物811が、まず初期位置である基準位置H0(プロセス0)から第1高さ位置H1まで降下し(プロセス1:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止した後(プロセス2:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス3:500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス4:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス5)。
このタイミングで終了条件が成立している場合(演出ボタン125が押圧操作されている場合)には、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階(演出終了又は演出発展)へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第1高さ位置H1まで降下し(プロセス6:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止した後(プロセス7:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス8:500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス9:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス10)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第2高さ位置H2まで降下し(プロセス11:1000ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止した後(プロセス12:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス13:1000ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス14:100ms)。
尚、本実施形態において、第1高さ位置H1まで降下し(プロセス1:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止する期間(プロセス2:100ms)を第1の制御期間と見た場合には、第2高さ位置H2まで降下し(プロセス11:1000ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止する期間(プロセス12:100ms)が前記第1の制御期間よりも長い第2の制御期間に相当することとなる。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス15)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第2高さ位置H2まで降下し(プロセス16:1000ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止した後(プロセス17:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス18:1000ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス19:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス20)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第3高さ位置H3まで降下し(プロセス21:1500ms)、第3高さ位置H3にて一旦停止した後(プロセス22:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス23:1500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス24:100ms)。
尚、本実施形態において、上記第2高さ位置H2まで降下し(プロセス11:1000ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止する期間(プロセス12:100ms)を第1の制御期間と見た場合には、第3高さ位置H3まで降下し(プロセス21:1500ms)、第3高さ位置H3にて一旦停止する期間(プロセス22:100ms)が前記第1の制御期間よりも長い第2の制御期間に相当することとなる。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス25)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第3高さ位置H3まで降下し(プロセス26:1500ms)、第3高さ位置H3にて一旦停止した後(プロセス27:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス28:1500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス29:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス30)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングは、役物出現動作制御テーブルに定められた一連の制御プロセスが全て終了する役物出現動作の完了タイミングとなるため、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、該役物出現動作の完了判定処理(ステップSD8007)を経て次の段階へ移行していくこととなる。
尚、図225に示す役物出現動作制御テーブルは、汎用性を高めるため、該テーブルを複数回繰り返し参照して、該テーブルに定められた一連の動作プロセス(プロセス1~30)を複数セット繰り返し実行可能なように、最終プロセス(プロセス30)に終了判定処理を組み込み、そのタイミングにおいても終了判定処理を実行可能な構成となっている。勿論、これに限らず、最終プロセスに終了判定処理が組み込まれていない役物出現動作制御テーブルを採用してもよい。
上述したとおり、本実施形態では、上記一降下動作及び一上昇動作からなる一回の昇降動作(例えばプロセス1~4、プロセス6~9、プロセス11~14、プロセス16~19、プロセス21~24、プロセス26~29)が「所定動作」を構成し、基準位置H0が「初期位置側である第1位置」を構成し、第3高さ位置H3が「最も可動された位置である第2位置」を構成する。尚、初期位置(待機位置)となる基準位置H0とは異なる位置(例えば基準位置H0よりも下方位置)を、役物出現動作の動作起点となる第1位置としてもよい。
また、役物出現動作の終了後に行われる「発展なしパターン」の役物演出に係る制御、「第1発展パターン」の役物演出に係る制御、「第2発展パターン」の役物演出に係る制御のうちのいずれか1つが本実施形態における第1の特定制御に相当し、これとは異なる他の制御が第2の特定制御に相当する。
さて、図221の説明に戻り、上記ステップSD6015にて否定判定され移行したステップSD6017においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の発展移行期間中(JF=4)であるか否かを判定する。
ステップSD6017で否定判定された場合、すなわち役物演出の発展移行期間中でない場合(JF≧5)には、ステップSD6025へ移行する。
一方、ステップSD6017において肯定判定された場合、すなわち役物演出の発展移行期間中である場合には、ステップSD6018において、上記操作有効タイマSTの値が「0」であるか否かを判定する。
ここで、肯定判定された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」である場合には、役物演出の発展移行期間中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作せず、操作有効期間が経過したとして、ステップSD6019に移行する。
ステップSD6019においては、演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定して、本処理を終了する。
一方、ステップSD6018において否定判定された場合、すなわち操作有効タイマSTの値が「0」でない場合には、ステップSD6020に移行する(図222参照)。
図222に示すように、ステップSD6020においては、ボタン操作フラグBFの値を参酌して、役物演出の発展移行期間中(操作有効期間中)に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した(BF=1)か否かを判定する。
ステップSD6020において否定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合、すなわち演出ボタン125が押圧操作された場合には、ステップSD6021へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第1発展パターン(低速回転)」に対応する「2」であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合、すなわち発展演出パターンが「第1発展パターン」である場合には、ステップSD6022において第1発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第1発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「5」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第1発展パターンに対応した可動役物811(回転体820)の動作プロセスを規定した第1発展演出制御テーブルを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第1発展演出制御テーブルに含まれる複数の動作プロセスデータを実行順序に則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を第1発展演出用プロセスタイマに設定し、該第1発展演出用プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
尚、他の発展演出パターンにおいても同様であるが、複数の動作プロセスデータには、例えば回転体用駆動モータ821を駆動制御して、回転体820を回転させたり停止させたりする等の動作プロセスを規定したデータなどが含まれている。
つまり、サブ制御装置262は、前記第1発展演出制御テーブルに基づき、回転体820の回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記第1発展演出用プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第1発展パターンに対応した可動役物811の動作制御を実行していくこととなる。尚、上記第1発展演出用プロセスタイマの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップSD3911)にて別途行われる。
また、本処理において行われた各種設定処理の内容に基づき、次回の外部出力処理(ステップ3912)において、可動役物811に対し順次、制御信号が出力され、可動役物811に係る各種制御が行われることとなる。そして、第1発展パターンに対応した可動役物811の動作制御が開始されると、上記第1発展演出用プロセスタイマの値が「0」になるまでの間、該動作制御が継続して行われることとなる。
かかる構成の下、本実施形態において第1発展演出パターンが実行された場合には、演出表示装置42の表示部42aの前面側(演出位置)において、図220に示すように、回転体820が時計回り方向に低速で回転する制御が行われる。
さて、ステップSD6021において否定判定された場合には、ステップSD6023へ移行し、役物演出パターンフラグPFの値が「第2発展パターン(高速回転)」に対応する「3」であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合、すなわち発展演出パターンが「第2発展パターン」である場合には、ステップSD6024において第2発展演出設定処理を行い、本処理を終了する。
第2発展演出設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出の発展後を意味する「5」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、第2発展パターンに対応した可動役物811(回転体820)の動作プロセスを規定した第2発展演出制御テーブルを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
その後、本処理が行われる毎に、サブ制御装置262は、第2発展演出制御テーブルに含まれる複数の動作プロセスデータを実行順序に則して順次読出すと共に、該動作プロセスデータにより規定される動作時間を第2発展演出用プロセスタイマに設定し、該第2発展演出用プロセスタイマの値を基に動作時間を管理しつつ、該動作プロセスデータに対応する処理を実行していく。
つまり、サブ制御装置262は、前記第2発展演出制御テーブルに基づき、回転体820の回転位置情報(駆動パルス信号数に基づく回転変位量)並びに上記第2発展演出用プロセスタイマの値などを参酌しつつ、第2発展パターンに対応した可動役物811の動作制御を実行していくこととなる。尚、上記第2発展演出用プロセスタイマの減算処理は、上記通常処理内のその他の処理(ステップSD3911)にて別途行われる。
また、本処理において行われた各種設定処理の内容に基づき、次回の外部出力処理(ステップ3912)において、可動役物811に対し順次、制御信号が出力され、可動役物811に係る各種制御が行われることとなる。そして、第2発展パターンに対応した可動役物811の動作制御が開始されると、上記第2発展演出用プロセスタイマの値が「0」になるまでの間、該動作制御が継続して行われることとなる。
かかる構成の下、本実施形態において第2発展演出パターンが実行された場合には、演出表示装置42の表示部42aの前面側(演出位置)において、図220に示すように、回転体820が時計回り方向に高速で回転する制御が行われる。
さて、上記ステップSD6017にて否定判定され移行したステップSD6025においては、演出状態フラグJFの値を参酌して、現在、役物演出の発展状態中(JF=5)であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSD6025において肯定判定された場合、すなわち役物演出の発展状態中である場合には、ステップSD6026へ移行する。
ステップSD6026においては、上記各種発展演出制御テーブルを参酌して、現在、役物発展演出の終了タイミングであるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSD6026において肯定判定された場合、すなわち役物発展演出の終了タイミングである場合には、ステップSD6027において終了設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップSD6027の終了設定処理において、サブ制御装置262は、まず演出状態フラグJFの値として、役物演出がこれ以上進展しないことを意味する「9」を設定する。
続いて、サブ制御装置262は、ROM552から、役物発展演出の終了プロセスを規定した役物演出終了制御テーブルを読出し、これをRAM553の所定エリアに格納する。
これに基づき、回転体820(回転体用駆動モータ821)の停止処理、可動役物811を待機位置へ上昇させる動作設定処理などが順次行われ、役物演出が終了する。
以上詳述したように、本実施形態では、一例として、可動体としての可動役物811に一連の動作を行わせる場合において、サブ制御装置262が、該一連の動作に係る各種動作プロセスを時系列で定めた役物出現動作制御テーブル(図225参照)をROM552から一回の処理で読出し、RAM553の所定エリアに一回の処理でセットする構成となっている。
これにより、例えば一連の動作における各々の動作プロセス毎に、対応する動作プロセスデータを事前に読み込む構成に比べて、膨大な回数の読込み処理を必要とせず、制御負担を軽減することができる。
さらに、上記のように一回の処理で読出されセットされた役物出現動作制御テーブルに基づき、可動役物811が昇降動作を複数回繰り返す役物出現動作の実行中において、可動役物811が基準位置H0に戻ったタイミングで毎回、該役物出現動作を終了させる条件が成立しているか否かを判定する処理を実行すると共に、次の動作を基準位置H0から開始する構成となっている。
つまり、該役物出現動作の実行途中であっても、該役物出現動作の終了条件が成立している場合には、速やかに該役物出現動作を終了させ、次の動作へ移行することができる。一方、終了条件が成立していない場合には、そのまま該役物出現動作を継続させることができる。
特に本実施形態では、役物出現動作の終了条件が成立しているか否かを判定するタイミングが、可動役物811が基準位置H0に戻ったタイミングとなるため、該役物出現動作の終了後、速やかに可動役物811を初期状態に復帰させる又は次の動作へ移行させることができる。
結果として、可動役物811の制御を好適に行うと共に、演出が間延びせず、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態によれば、例えば可動役物811の役物出現動作に係る上記役物出現動作制御テーブルを細分化して設定した複数のテーブルを用いて該複数のテーブルに係る動作制御を順次実行する構成等に比べて、テーブル読出し処理等の実行頻度を低減し、制御負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、可動役物811が昇降動作を複数回繰り返す一連の役物出現動作を実行するにあたり、可動役物811を初期位置側に位置させる上昇動作を行った後、及び、可動役物811を演出位置側に位置させる降下動作を行った後において、それぞれ可動役物811を停止させる所定の停止制御(プロセス2,4など)を実行する構成となっている。これにより、可動役物811の動作方向が急反転し該可動役物811等に係る負荷を低減させ、可動役物811等の耐久性の向上を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
(a)上記実施形態に係るパチンコ機10は、始動入賞口33YA,33YBへの入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、可変入賞装置32が開閉する大当たり状態が発生する第1タイプの遊技機である。
これに限らず、所定の遊技価値が付与される他のタイプのパチンコ機として実施してもよい。尚、遊技価値には、例えば遊技者に払出される賞球等の遊技媒体、大当たり中に付与される特賞状態(ラウンド)、大当たり終了後に付与される高確率モード等の遊技モードなどが含まれる。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
(a―1)例えば所定の始動入賞部への入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に開状態となる可変入賞装置を備え、該可変入賞装置内に入球した遊技球が所定の特別入賞部(V入賞口)に入球して大当たり状態が発生する第2タイプの遊技機として実施してもよい。ここで、始動入賞部へ遊技球が入球した場合に所定の抽選処理を行うことなく(又は当選確率100%の抽選処理を行ってもよい。)、始動入賞部への入球に基づき、可変入賞装置が開状態となり、該可変入賞装置内に入球した遊技球がV入賞口等に入球して大当たり状態が発生する構成としてもよい。
(a―2)また、上記第1タイプの遊技機の機能と、上記第2タイプの遊技機の機能とを兼ね備えた第3タイプの遊技機(例えば、いわゆる1種2種混合機)として実施してもよい。
尚、パチンコ機に係る各種抽選(ソフト的な抽選処理や機械的機構による抽選など)に係る当選確率については、機種毎に適宜設定されるものであり、任意の値を採用することができる。また、後述するように遊技盤30の盤面構成等についても適宜、変更可能であることはいうまでもない。つまり、遊技盤30に設けられた可変入賞装置32等の各種装置の設置位置や可動態様など各種構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。例えば開閉シャッタが前後方向にスライド変位して入賞口を開閉する可変入賞装置を備えた構成としてもよい。
(a―3)また、遊技球を遊技機内で循環させる等して遊技者に対し直接的に払い出さないタイプの遊技機、いわゆる封入式のパチンコ機として実施してもよい。
(b)大当たりの種別(ラウンド数や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、16回の特賞状態(ラウンド)が行われる16R大当たりや、4回の特賞状態(ラウンド)が行われる4R大当たりなどが設定されているが、これに限らず、ラウンド数が異なる他の大当たり状態が発生する構成としてもよい。
勿論、複数種別の大当たり状態が発生可能な遊技機ではなく、大当たり状態が1種別(例えば15R大当たり)だけしか発生しない遊技機として実施してもよい。
(c)大当たり状態の終了後に付与される遊技モードの構成(付与期間や構成内容など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「高サポートモード」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によって「高サポートモード」が付与されない構成としてもよい。
また、抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われず、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われるパチンコ機として実施してもよい。また、賞球の払出しに、代えて又は加えて、遊技者が獲得した賞球に相当するポイントを磁気カード等の記憶媒体に付与する構成のパチンコ機として実施してもよい。
勿論、大当たり状態の終了後に時間短縮モードや高確率モード等が付与されない構成の遊技機として実施してもよい。
(d)遊技盤に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態に係る遊技盤30は、透光性部材である透明板をベースとして構成されているが、これに限らず、透光性を有しない木材等の不透明部材により構成されていてもよい。
(d-1)上記実施形態では、遊技領域のうちの所定領域の後方位置において、複数のLEDを実装したLED基板48A,48B,48Cが配置され、各種発光演出を実行可能な構成となっている。これに限らず、LED基板48A等に代えて又は加えて、遊技盤30の後方位置において、ランプや液晶表示装置など他の発光手段を配置した構成としてもよい。
(d-2)上記実施形態に係る演出表示装置42の表示部42aに代えて、遊技盤30の後方位置において、遊技領域の裏側略全域又は遊技盤30の裏側略全域にわたる大きさの表示画面を有する表示装置を備えた構成としてもよい。
また、遊技盤30において、演出表示装置42取付用の開口部を設けることなく、該演出表示装置42の表示部42aの前面側を覆うように遊技盤30が配設された構成としてもよい。この際、演出表示装置42の前方領域となる遊技盤30の前面部に釘等を配置して、ここを遊技球が流下可能な領域としてもよい。勿論、ここを遊技球が流下不能な領域としてもよい。
(e)可動手段に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(e―1)例えば上記実施形態では、可動手段である可動役物811が演出表示装置42の表示部42aの前面側において動作を行うように構成されているが、可動手段が動作を行う領域は、これに限定されるものではない。
例えば、センターフレーム47において可動手段が動作を行う構成としてもよい。遊技盤30に取付けられた装飾部材において可動手段が動作を行う構成としてもよい。所定の入賞装置の内部領域において可動手段が動作を行う構成としてもよい。遊技盤30の前面領域(遊技領域)において可動手段が動作を行う構成としてもよい。遊技盤30に形成された孔部又は凹部に前面側から嵌め込まれる等して演出表示装置42よりも下方位置において可動手段が動作を行う構成としてもよい。透光性を有する遊技盤30の背面側において可動手段が動作を行う構成としてもよい。
(e―2)可動手段の形状や大きさ、材質などは、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
上記実施形態に係る可動役物811は、6個の可動片825を有した回転体820を備えた構成となっている。これに限らず、例えば可動役物811が単なる球状部材や板状部材などで構成されたものであってもよい。
(e―3)上記実施形態では、可動役物811が昇降動作を行う構成となっているが、可動手段の可動態様は、これに限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば可動役物811が左右方向や前後方向にスライド変位して、第1位置である待機位置と第2位置である演出位置との間を複数回往復する一連の特定動作を行う構成としてもよい。また、可動役物811(又は支持部1814)が上下、左右、前後又は斜め方向を軸心として回動、揺動又は傾動可能に軸支され、可動役物811が第1位置である待機位置と第2位置である演出位置との間を複数回往復する一連の特定動作を行う構成としてもよい。勿論、直線的動作や曲線的動作など複数の動きを組み合わせて待機位置と演出位置との間を変位する構成としてもよい。
尚、可動手段が、前後方向への変位を含む動作を行う場合には、該可動手段の少なくとも一部が遊技盤30の前面部よりも前方へ突出した状態となる構成としてもよい。これにより、可動手段が遊技盤30の前面部を超え、遊技者により近い位置まで迫る接近動作を行う構成となるため、よりダイナミックで迫力のある演出を行うことが可能となり、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
(e―4)可動役物811等の可動手段が、第1位置である待機位置に位置する場合において所定領域(例えば演出表示装置42の表示部42aの一部)を視認不能又は視認困難とする第1の状態となり、第2位置である演出位置に位置する場合において前記所定領域を視認可能又は視認容易とする第2の状態となる構成としてもよい。
例えば龍頭を模した龍役物に設けられた所定領域としての眼孔内に眼球体を配置した構成の下、通常時は、可動手段として瞼部材が眼球体(眼孔内)を視認不能又は視認困難となるように覆い隠し、龍役物の瞼が閉じた第1の状態となっている一方、所定の作動条件が成立した場合には、龍役物の瞼部材が複数回瞬きをした後、龍役物の眼球体(眼孔内)が視認可能又は視認容易となるように、龍役物の瞼部材が開いた第2の状態となるような構成ととしてもよい。
(e―5)可動役物811等の可動手段が、第2位置である演出位置に位置する場合に点灯しかつ第1位置である待機位置に位置する場合に消灯する発光手段を備えた構成としてもよい。
例えば所定領域としての上記龍役物の眼孔内に、発光手段としてのLEDを備えた眼球体を配置し、龍役物の瞼が閉じた第1の状態(通常時)では、前記眼球体(LED)が消灯状態となる一方、所定の作動条件が成立し、龍役物の瞼部材が開いた第2の状態となった場合には、前記眼球体(LED)が点灯状態となる構成としてもよい。勿論、発光手段が設けられる位置は、上記所定領域内に限定されるものではなく、例えば所定領域内を外部から照明可能な位置など他の位置であってもよい。
(f)可動手段を駆動する駆動手段は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(f―1)例えば上記実施形態の上下駆動機構1812では、駆動手段となる上下駆動用モータ1815としてステッピングモータを用いている。これに限らず、上下駆動用モータ1815としてサーボモータやDCモータ、リニアモータなど他のモータを採用してもよい。
また、モータに限らず、駆動手段としてソレノイド等の他のアクチュエータを用いた構成としてもよいし、モータやソレノイドを組み合わせた機構などを用いた構成としてもよい。ソレノイドを用いる場合も、上記実施形態に係るモータ制御と同様に動作制御テーブルを用いて制御を行うことができる。勿論、モータやソレノイドの数も1つに限らず、複数用いた構成としてもよい。
(f―2)可動役物811が第1位置である基準位置H0にある場合において、可動役物811(又は支持部1814)の一部が、ユニットベース部810に設けられた第1の被当接部(ストッパ部)に当接する構成としてもよい。
同様に、可動役物811が動作最下点となる第2位置(第3高さ位置H3又は第4高さ位置H4)にある場合において、可動役物811(又は支持部1814)の一部が、ユニットベース部810に設けられた第2の被当接部(ストッパ部)に当接する構成としてもよい。
かかる構成とすることにより、可動役物811が所定位置に位置しているかチェックする処理や、可動役物811の位置を修正する処理などを省略することが可能となり、制御負担を軽減することができる。
(f―3)可動役物811(又は支持部1814)を基準位置H0側へ付勢するコイルばね等の付勢手段を備えた構成としてもよい。
可動役物811の組付け誤差や経年劣化等により、可動役物811が待機する位置が予め設定した基準位置H0からずれてしまうと、可動役物811に係る動作制御に支障をきたすおそれがある。また、表示演出と可動役物811の動作にズレが生じ、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記構成とすることにより、可動役物811の位置ズレ、ひいては動作ズレを抑制することができる。ひいては、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
(g)操作手段の形状や機能、配置構成など、操作手段に係る構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(g-1)上記実施形態では、演出用の操作手段として、遊技者が押圧操作可能な演出ボタン125が設けられている。これに限らず、ジョグダイヤルやスライドレバー等の可動式操作手段を備えた構成としてもよい。
(g-2)上記実施形態では、遊技者により演出ボタン125が操作されたことを契機として、可動役物811が動作を停止したり、発展演出が開始される構成となっている。これに限らず、操作手段が操作されたことを契機とすることなく、所定の演出プログラムに則して発展演出が開始される構成としてもよい。
(g-3)遊技者が操作した操作手段の操作態様に応じて、可動役物811の可動態様が変化可能な構成としてもよい。ここで、「操作手段の操作態様」には、操作回数や操作変位量などが含まれる。例えばボタン式操作手段を押下操作した操作回数や、ジョグダイヤルやスライドレバー等の可動式操作手段の操作変位量などが含まれる。
例えば遊技者が操作した所定の操作手段の操作態様に応じて、可動役物811等の可動手段の一連の特定動作の終了条件が成立する時期が変化する構成としてもよい。一例として、可動役物811が降下する動作に絡めて、表示部42aにキャラクタを表示しつつ、可動役物811を上方へ押し上げて発展演出の実行を阻止しようとする表示演出を行うとともに、これに対抗して、該上方へ押し上げられそうになっている可動役物811を、遊技者が演出ボタン125を連打することにより、くい止めるような演出を行う構成としてもよい。
(h)可動手段を用いた演出が行われる時期、すなわち演出表示装置42にて特定演出が行われる時期は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。
(h-1)上記実施形態では、遊技者に有利なサポートモードが継続するか否かを決定するサポート継続演出(ルーレット演出)が演出表示装置42にて行われる場合の付加演出として可動役物811を用いた役物演出が行われる構成となっている。
これに限らず、例えば図柄が変動表示される図柄変動演出、リーチ状態にて行われる各種リーチ演出又はその発展演出、遊技者に有利な大当たり状態又は小当たり状態の当選を報知する当選報知演出、大当たり状態又は小当たり状態の種別を確定させる当たり種別確定演出又は昇格演出、大当たり状態又は小当たり状態の開始時に行われるオープニング演出、大当たり状態又は小当たり状態のラウンド中に行われるラウンド演出又は昇格演出若しくは継続演出、大当たり状態中又は小当たり状態中の複数ラウンドにわたって行われる当たり演出、大当たり状態又は小当たり状態の終了時に行われるエンディング演出、大当たり状態の終了後に付与される遊技モードの種別を決定するためのモード決定演出などが、演出表示装置42にて行われる場合に、可動役物811等の可動手段が動作する構成としてもよい。
(h-2)上記実施形態では、高サポートモードの付与が継続される期待度(遊技価値が付与され得る期待度)に応じて、可動役物811を用いた役物演出、さらには発展演出が行われる割合が変化するように構成されている。
これに限らず、例えば所定の抽選処理により当選結果が得られた場合(大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与される旨の結果)が得られた場合には、当選結果が得られない場合よりも、可動役物811を用いた役物演出、さらには発展演出が行われる割合が多くなる構成としてもよい。
また、高サポートモードの付与が継続される場合(遊技価値が付与される場合)のみ、又は、所定の抽選処理により当選結果が得られた場合(大当たりや小当たり、高確率モード、高サポートモードなどの遊技価値が付与される旨の結果)が得られた場合にのみ、可動役物811を用いた役物演出、さらには発展演出が確定演出として行われる構成としてもよい。
(h-3)可動手段が一連の特定動作を行う作動条件、及び、可動手段が一連の特定動作を終了する終了条件は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、可動役物811を用いた役物演出(変動表示演出)が実行されることを作動条件として、一連の特定動作として可動役物811の出現動作が実行され、この可動役物811の出現動作中に遊技者が演出ボタン125を押圧操作した場合、又は、役物出現動作制御テーブルに定められた全ての動作プロセス(プロセス1~30)が終了した場合に、終了条件が成立し、可動役物811の出現動作が終了する構成となっている。
これに限らず、例えば変動表示が開始すること、変動表示の開始後所定期間が経過すること、所定の演出が所定回数行われること、所定の入球領域に遊技球が入球すること又は所定数の遊技球が入球すること、その入球に基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段が操作されること又は所定回数操作されること、その操作に基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の計数値が上限値に達することなどを、作動条件として、可動役物811等の可動手段が一連の特定動作を行う構成としてもよい。
また、例えば所定の操作手段が所定回数操作されること、所定期間が経過すること、変動表示が停止すること、変動表示の停止が確定すること、変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること又は所定数の遊技球が入球すること、所定動作が所定回数終了すること、所定数の遊技球が発射又は払い出されることなどを、終了条件として、可動役物811等の可動手段が一連の特定動作を終了する構成としてもよい。
(i)役物出現動作制御テーブルの構成、すなわち可動役物811の出現動作態様は、図225、図226に示す上記実施形態に限定されるものではなく、これとは異なる他の構成を採用してもよい。
(i-1)例えば図227に示す役物出現動作制御テーブルに基づき、図228に示すような動作態様で可動役物811の出現動作を実行する構成としてもよい。
かかる構成においては、可動役物811が、まず初期位置である基準位置H0(プロセス0)から第1高さ位置H1まで降下し(プロセス1:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止した後(プロセス2:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス3:500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス4:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス5)。このタイミングで終了条件が成立している場合(演出ボタン125が押圧操作されている場合)には、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階(演出終了又は演出発展)へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第1高さ位置H1まで降下し(プロセス6:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止した後(プロセス7:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス8:500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス9:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス10)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、基準位置H0から第2高さ位置H2まで降下し(プロセス11:1000ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止した後(プロセス12:100ms)、第1高さ位置H1まで上昇し(プロセス13:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止する(プロセス14:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス15)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、第1高さ位置H1から第2高さ位置H2まで降下し(プロセス16:500ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止した後(プロセス17:100ms)、第1高さ位置H1まで上昇し(プロセス18:500ms)、第1高さ位置H1にて一旦停止する(プロセス19:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス20)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、第1高さ位置H1から第3高さ位置H3まで降下し(プロセス21:1000ms)、第3高さ位置H3にて一旦停止した後(プロセス22:100ms)、第2高さ位置H2まで上昇し(プロセス23:500ms)、第2高さ位置H2にて一旦停止する(プロセス24:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス25)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、続いて可動役物811が、第2高さ位置H2から第3高さ位置H3まで降下し(プロセス26:500ms)、第3高さ位置H3にて一旦停止した後(プロセス27:100ms)、再び基準位置H0まで上昇し(プロセス28:1500ms)、基準位置H0にて一旦停止する(プロセス29:100ms)。
そして、この初期位置側へ戻ったタイミングで、再び可動役物811の出現動作の終了判定処理を実行する(プロセス30)。このタイミングで終了条件が成立している場合には、上記同様、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。
一方、このタイミングは、役物出現動作制御テーブルに定められた一連の制御プロセスが全て終了する役物出現動作の完了タイミングとなるため、このタイミングで終了条件が成立していない場合には、該役物出現動作の完了判定処理(ステップSD8007)を経て次の段階へ移行していくこととなる。
尚、図225、図227に示した役物出現動作制御テーブルでは、各種変位動作(プロセス1,3など)の合間に一旦停止期間(プロセス2,4など)が設定された構成となっているが、このような停止期間を省略したテーブル構成(動作態様)としてもよい。
(i-2)上記実施形態では、タイマ割込み毎に減算される出現動作プロセスタイマPTの値が「0」になる毎に、プロセスポインタCP(プロセス番号PN)の値を1つずつ加算していくことで、役物出現動作制御テーブルに時系列で規定された制御プロセスを順次実行していく構成となっているが、これに限らず、出現動作プロセスタイマPTを省略し、タイマ割込み毎にプロセスポインタCP(プロセス番号PN)の値を1つずつ加算していくことで、役物出現動作制御テーブルにタイマ割込み毎の時系列で規定された制御プロセスを順次実行していく構成としてもよい。
(i-3)特定情報としての役物出現動作制御テーブルに定められる設定情報は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。例えば一連の特定動作において実行する所定動作の実行回数を定めた回数情報や、所定動作の終了条件を定めた条件情報などが設定情報として設定された構成としてもよい。
尚、「特定情報」は、これに基づいて可動役物811の出現動作など、可動手段に一連の特定動作を実行させることができるように記憶されていればよく、必ずしもROM等においてテーブル構成で記憶されていなくてもよい。
(i-4)上記実施形態では、図225に示した役物出現動作制御テーブルに基づき、可動役物811の出現動作態様が1パターンのみ実行され得る構成となっている。これに限らず、可動役物811の出現動作態様が複数パターン設定された構成としてもよい。
例えば可動役物811の出現動作など、可動手段の一連の特定動作を実行する期間として、少なくとも第1の特定期間と、それよりも長い第2の特定期間とを備えた構成としてもよい。
この際、例えば図225、図227に示した役物出現動作制御テーブルなど、一の動作制御テーブルを複数回繰り返し参照して、該動作制御テーブルに定められた一連の特定動作を複数セット繰り返し実行する構成としてもよい。
例えば第1の特定期間(例えば10秒)の一連の特定動作を定めた一の動作制御テーブルの中間位置(例えば5秒位置)と最終位置(例えば10秒位置)に終了判定処理を設定しておくことにより、例えば該動作制御テーブルを2回半繰り返し参照して、第2の特定期間(例えば25秒)の一連の特定動作を実行し終了させることができる。
結果として、一の動作制御テーブルを複数通りの一連の特定動作の動作制御に流用することが可能となり、汎用性を高めることができる。
加えて、予めROM等の記憶手段に記憶しておくべきデータ容量を削減し、記憶容量に限りのあるROM等の記憶手段の有効活用を図ることができる。さらに、ROM等の記憶手段からのテーブル読出し処理等も一回で済み、制御負担の軽減を図ることができる。
(i-5)図225、図227に示した役物出現動作制御テーブルでは、可動役物811が初期位置側へ戻ったタイミングで実行されるプロセスとして、可動役物811の出現動作の終了判定処理が設定された構成となっている。これに限らず、少なくともこのタイミングで、可動役物811の出現動作を直ちに終了可能な構成となっていればよく、図225等に示したテーブルとは異なる役物出現動作制御テーブルを用いてもよい。
一例として役物出現動作制御テーブルに係る処理とは別に、可動役物811の出現動作の終了条件が成立した否かを判定する終了判定処理が行われると共に、ここで終了条件が成立した場合にオンとなる終了フラグを備え、役物出現動作制御テーブルにおいては、可動役物811が初期位置側へ戻ったタイミングで実行されるプロセスとして、前記終了フラグがオンとなっているか否かを判定するフラグ判定処理が設定された構成としてもよい。そして、役物出現動作制御テーブルに係る処理として前記フラグ判定処理を実行し、終了フラグがオンとなっていれば、可動役物811の出現動作を直ちに終了し、次の段階へ早期に移行する。同時に終了フラグをオフとする。一方、終了フラグがオンとなっていなければ、役物出現動作制御テーブルに係る処理を継続する。
(j)上記実施形態では、特に言及していないが、可動役物811等の可動手段の動作に関連して各種報知を行う構成としてもよい。
(j―1)例えば所定の作動条件の成立に基づいて、可動役物811等の可動手段が一連の特定動作を開始する前段階において、その旨を報知する報知手段(開始報知手段)を備えた構成としてもよい。
仮に可動手段が突然、何の前触れもなく作動した場合、それまで可動手段を注視していなかった遊技者は、状況を把握できずに混乱するおそれがある。これに対し、上記報知手段を備えることで、事前に可動手段が一連の特定動作を行うことを遊技者に対し認識させることができる。結果として、可動手段を用いた遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
(j―2)例えば一連の特定動作において、可動役物811等の可動手段が実行した所定動作の実行回数を報知可能な報知手段(回数報知手段)を備えた構成としてもよい。
上記報知手段を備えることにより、遊技者は一連の特定動作における現時点の状況を認識しやすくなる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば表示手段にてキャラクタが発電機を動かし電気機器を充電する演出表示を行いつつ、可動手段が上下動する動作演出を行い、該可動手段が一往復する毎に充電ゲージ(充電量%の数値)が増加していくような演出を行う構成としてもよい。
尚、報知手段(開始報知手段や回数報知手段)としては、例えば所定の表示手段による報知表示や、所定の音声手段による音声報知、各種発光手段による発光報知などを一例として挙げることができる。
[付記]
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
従来課題XA.従来、パチンコ機など、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行う遊技機が知られている。例えば所定の入球手段に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機が知られている。
遊技機の中には、所定動作(例えば揺動や振動、往復動作など)を複数回繰り返す一連の動作を可動手段(可動体)に実行させるものがある(例えば特開2010-184066号公報参照)。
このような可動手段の一連の動作は、予めROM等の記憶手段に記憶された設定情報に基づき実行される。
例えば主制御装置からの指令に基づき、サブ制御装置が可動役物(可動手段)を用いた役物演出制御を実行するに際し、該可動役物に一連の動作を行わせる場合、例えばサブ制御装置は、該一連の動作に係る各種動作プロセスを時系列で定めた特定情報としての動作制御テーブル(動作プロセスデータ群)をROMから読み出しRAMにセットした後、該動作制御テーブルから順次、動作プロセスデータを読み出し可動役物の一連の動作制御を実行していくこととなる。
例えば図229に示すような従来の役物出現演出用の動作制御テーブルに基づき役物出現演出を実行した場合、可動役物は、まず基準位置H0から第1高さ位置H1まで降下し再び基準位置H0まで戻る所定動作(第1動作)を2回行った後、基準位置H0から第2高さ位置H2まで降下し再び基準位置H0まで戻る所定動作(第2動作)を2回行い、さらにその後、基準位置H0から第3高さ位置H3まで降下し再び基準位置H0まで戻る所定動作(第3動作)を2回行うといった一連の動作を行うこととなる。
そして、上記一連の動作の後、次の段階へ移行する。例えば役物演出の発展条件が成立してない場合には、そのまま役物演出を終了する。一方、役物演出の発展条件が成立している場合、サブ制御装置は、次に実行する各種動作プロセスを時系列で定めた発展演出用の動作制御テーブルを新たにROMから読み出しRAMにセットした後、該動作制御テーブルから順次、動作プロセスデータを読み出し可動役物の発展演出を実行していくこととなる。
しかしながら、可動役物(可動手段)の一連の動作の途中で該一連の動作の終了条件が成立した場合には、該一連の動作を好適に終了させることが望まれる。
例えば上記役物出現演出中に遊技者が演出ボタンを操作すると、役物演出が次の段階へ移行(発展又は終了)する演出を行おうとした場合、仮に遊技者が演出ボタンを操作したタイミングで操作判定フラグをオン設定したとしても、従来の構成の下では、役物出現用の動作制御テーブルに定められた一連の動作プロセスを全て終了した後でしか、フラグ判定処理を実行することができず、操作タイミングによっては、遊技者が演出ボタンを操作した後、速やかに役物演出が次の段階へ移行しないおそれがある。
結果として、間延びした演出となってしまい、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
尚、上記不具合に対し、例えば図229に示した従来の動作制御テーブルを複数のテーブル(例えば上記2回分の第1動作の動作プロセスを定めた第1動作制御テーブル、上記2回分の第2動作の動作プロセスを定めた第2動作制御テーブル、及び、上記2回分の第3動作の動作プロセスを定めた第3動作制御テーブル)に分割して設定しておき、これらを個別の動作制御として順次実行する構成とすることも考えられるが、かかる構成とした場合、各テーブルの読出し処理等の実行頻度が多くなり、制御負担が著しく増大するおそれがある。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、可動手段の制御を好適に行うと共に、遊技者にとっての興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段XA1.遊技領域に設けられた始動入球手段と、
前記始動入球手段に遊技球が入球した場合に各種の抽選を実行可能な抽選手段と、
前記抽選の結果に対応して前記遊技領域に設けられた表示手段で実行する一の特定演出(例えば変動表示に係る演出態様)を複数の演出表示態様の中から決定して実行可能な表示制御手段と、
前記遊技領域に設けられ、前記表示手段での前記特定演出の表示中に動作可能な可動手段の一の可動態様を複数の可動態様の中から決定して実行可能な可動制御手段と、を備えた遊技機であって、
前記可動制御手段は、所定の作動条件の成立に基づいて、前記複数の可動態様の中から決定された一の前記可動態様に対応して設定した特定情報に基づいて前記可動手段に一連の特定動作を行わせるものであり、
前記可動手段は、前記一連の特定動作において初期位置側である第1位置と、最も可動された位置である第2位置との間で可動制御され、
前記一連の特定動作は、前記可動手段を前記第1位置又はその近傍に位置させる所定動作を複数回実行可能に構成され、
前記可動制御手段は、
前記所定動作を実行した場合に、該一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定可能な判定手段と、
前記判定手段によって前記終了条件が成立していると判定された場合に、前記第1位置又はその近傍に位置する前記可動手段を可動停止して前記一連の特定動作を終了可能な終了手段と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記手段XA1によれば、例えば1つの動作制御テーブル等として、予めROM等の記憶手段に記憶された特定情報(動作態様、動作時間、動作回数、動作順序、動作終了条件などの各種設定情報群)に基づき、可動手段が所定動作を複数回繰り返す一連の特定動作(一の動作制御テーブルで定められた一連の動作)を実行するようにし、特定情報に基づいて、可動手段が第1位置(初期位置若しくは動作起点)又はその近傍に位置するタイミングで該一連の特定動作を終了させる条件が成立しているか否かを判定する処理を実行する。
つまり、特定情報に基づく一連の特定動作の実行途中であっても、該一連の特定動作の終了条件が成立している場合には、速やかに該一連の特定動作を終了させることができる。一方、終了条件が成立していない場合には、そのまま該一連の特定動作を継続させることができる。
尚、仮に可動手段が第2位置側に位置したタイミングで一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定する構成とした場合には、可動手段が初期位置側へ戻るまでに所定時間を要するため、可動手段が次の動作等を開始するまでにタイムラグが生じることとなる。
これに対し、本手段では、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定するタイミングが、可動手段が初期位置側である第1位置又はその近傍に位置するタイミングとなるため、該一連の特定動作の終了後、速やかに可動手段を初期状態に復帰させる又は次の動作へ移行させることができる。
結果として、可動手段の制御を好適に行うと共に、演出が間延びせず、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
加えて、本手段によれば、例えば上記一連の特定動作に係る一の動作制御テーブルを細分化して設定した複数のテーブルを用いて該複数のテーブルに係る動作制御を順次実行する構成等に比べて、テーブル読出し処理等の実行頻度を低減し、制御負担を軽減することができる。
尚、前記可動制御手段は、例えば前記可動態様(可動パターン)の決定に用いられる所定の決定カウンタと、前記各種の抽選の結果と前記始動入球手段への入球に起因して取得される前記決定カウンタの値とに基づき、前記複数の可動態様の中から一の可動態様を決定するための所定の制御テーブルとを備えた構成としてもよい。
手段XA2.前記一連の特定動作を実行する期間として、少なくとも第1の特定期間と、それよりも長い第2の特定期間とを備えていることを特徴とする手段XA1に記載の遊技機。
上記手段XA2によれば、可動手段の一連の特定動作に係る演出を多様化させ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、上記手段XA2のように、長さ(期間)の異なる複数通りの一連の特定動作を実行しようとした場合、従来では、長さの異なる複数通り一連の特定動作の内容を定めた動作制御テーブルをそれぞれ別々に用意しておく必要がる。例えば第1の特定期間(例えば10秒)の一連の特定動作を定めた第1の動作制御テーブルと、第2の特定期間(例えば15秒)の一連の特定動作を定めた第2の動作制御テーブルを予め用意しておく必要がある。このため、従来では、予めROM等の記憶手段に記憶しておくべきデータ容量が増大するおそれがある。
これに対し、本手段によれば、一の動作制御テーブルを複数回繰り返し参照して、該動作制御テーブルに定められた一連の特定動作を複数セット繰り返し実行可能となる。例えば第1の特定期間(例えば10秒)の一連の特定動作を定めた一の動作制御テーブルの中間位置(例えば5秒位置)と最終位置(例えば10秒位置)に終了判定処理を設定しておくことにより、例えば該動作制御テーブルを2回半繰り返し参照して、第2の特定期間(例えば25秒)の一連の特定動作を実行し終了させることができる。
結果として、一の動作制御テーブルを複数通りの一連の特定動作の動作制御に流用することが可能となり、汎用性を高めることができる。
加えて、予めROM等の記憶手段に記憶しておくべきデータ容量を削減し、記憶容量に限りのあるROM等の記憶手段の有効活用を図ることができる。さらに、ROM等の記憶手段からのテーブル読出し処理等も一回で済み、制御負担の軽減を図ることができる。
また、本手段のように、長さが異なり終了タイミングが異なる複数通りの一連の特定動作を実行する構成においては、上記手段XA1の作用効果がより奏功することとなる。
手段XA3.前記判定手段は、前記可動手段が前記第2位置側に制御されている期間(少なくとも第2位置側にて停止制御されている停止期間を含む)において、前記一連の特定動作の終了条件が成立しているか否か判定しないことを特徴とする手段XA1又は手段XA2に記載の遊技機。
仮に可動手段が第2位置側に制御されている期間において、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定可能な構成とした場合には、該判定から可動手段が初期位置側へ戻るまでに所定時間を要するため、可動手段が次の動作等を開始するまでにタイムラグが生じ、可動手段の動作が不自然となるおそれがある。結果として、遊技者に違和感を抱かせ、興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段XA3によれば、可動手段を第2位置側に制御している期間中は、一連の特定動作の終了条件が成立しているか否か判定せず、上記手段XA1に係る構成の下、可動手段が第1位置側へ戻ったタイミングで終了条件を判定することで、該判定から可動手段が初期位置に戻るまでのタイムラグを低減し、その後の演出への影響などを低減することができる。結果として、上記手段XA1の作用効果を高めることができる。
手段XA4.前記可動手段が前記第2位置側に制御されている期間(少なくとも第2位置側にて停止制御されている停止期間を含む)として、少なくとも第1の制御期間と、それよりも長い第2の制御期間とを備えていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA3のいずれかに記載の遊技機。
仮に可動手段が毎回、同じ動作を行う構成となっている場合には、可動手段の一連の特定動作に係る演出が単調となるおそれがある。これに対し、上記手段XA4によれば、可動手段の一連の特定動作に係る演出を多様化させ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、上記手段XA4のように、初期位置側である第1位置から最も離れた第2位置側へ制御されている期間を複数通り設定した構成の下、仮に可動手段が第2位置側に位置したタイミングで一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かを判定する構成とした場合には、可動手段が第2位置側へ制御されている期間の長短によって、該判定から可動手段が初期位置に戻るまでの時間、ひいては可動手段が次の動作を開始するまでの時間にバラツキが生じる。このようなバラツキが生じると、可動手段の一連の特定動作に係る演出と、表示手段で実行される特定演出との間にもズレが生じるおそれがある。
これに対し、本手段では、可動手段が第2位置側へ制御されている期間の長短にかかわらず、上記手段XA1に係る構成の下、可動手段が第1位置側へ戻ったタイミングで終了条件を判定することで、該判定から可動手段が初期位置に戻るまでの時間、ひいては可動手段が次の動作を開始するまでの時間にバラツキが生じるといった不具合に発生を抑制することができる。
手段XA5.前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御として、少なくとも第1の特定制御と、該第1の特定制御とは異なる第2の特定制御とを実行可能に構成され、
前記第1の特定制御が実行される場合と、前記第2の特定制御が実行される場合のどちらの場合であっても、前記可動手段を前記第1位置側に位置させた状態で実行することを特徴とする手段XA1乃至手段XA4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA5によれば、一連の特定動作を終了した後に第1の特定制御を実行する場合と、第2の特定制御を実行する場合のどちらであっても、両者とも共通して可動手段を起点となる第1位置側に位置させた状態で実行する構成となっているため、可動手段をスムーズに次の制御へ移行させることができる。
手段XA6.前記一連の特定動作の終了条件の少なくとも1つは、遊技者が所定の操作手段を操作したことに基づいて成立し得ることを特徴とする手段XA1乃至手段XA5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA6によれば、遊技者が操作可能な操作手段を備えることにより、遊技者が可動手段の一連の特定動作に係る演出に能動的に参加することができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、上記手段XA6のように、一連の特定動作の終了条件の成立タイミングが、遊技者による操作手段の操作といった、いつ成立するか分からない事象である場合には、上記手段XA1の作用効果がより奏功することとなる。
手段XA7.遊技者が操作した所定の操作手段の操作態様に応じて、前記一連の特定動作の終了条件が成立する時期が変化するよう構成されていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA6のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA7によれば、遊技者が操作可能な操作手段を備えることにより、遊技者が可動手段の一連の特定動作に係る演出に能動的に参加することができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
例えば可動手段が降下する動作に絡めて、表示手段にキャラクタを表示しつつ、可動手段を上方へ押し上げて発展演出の実行を阻止しようとする表示演出を行うとともに、これに対抗して、該上方へ押し上げられそうになっている可動手段を、遊技者が操作手段を連打することにより、くい止めるような演出を行う構成としてもよい。
ここで、「操作手段の操作態様」には、操作回数や操作変位量などが含まれる。例えばボタン式操作手段を押下操作した操作回数や、ジョグダイヤルやスライドレバー等の可動式操作手段の操作変位量などが含まれる。
手段XA8.前記一連の特定動作を終了した後に実行される制御として、前記可動手段とは異なる所定の制御対象(例えば上記表示手段や各種ランプ、スピーカ等)に係る制御が含まれることを特徴とする手段XA1乃至手段XA7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA8によれば、可動手段とは異なる所定の制御対象を備えることにより、可動手段の一連の特定動作に係る演出に加え、前記制御対象を用いた演出を行うことができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、仮に上記手段XA8のように、可動手段の一連の特定動作に係る第1の制御と、所定の制御対象に係る第2の制御を合わせて実行する構成においては、両制御の実行タイミングにズレ(タイムラグ)が生じるおそれがある。
これに対し、本手段XA8によれば、異なる制御によって作動する2種類の制御対象(可動手段と所定の制御対象)間における動作ズレ等を低減することができる。
手段XA9.前記判定手段は、前記一連の特定動作において複数回実行される前記所定動作のうちの最後の所定動作を実行した後、前記一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かの判定を実行可能に構成されていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA9によれば、例えば一連の特定動作を定めた動作制御テーブルであって、最後の所定動作を実行した後に一連の特定動作の終了条件が成立しているか否かの判定を実行可能な動作制御テーブルを用いることにより、該動作制御テーブルを複数回繰り返し参照して、該動作制御テーブルに定められた一連の特定動作を複数セット繰り返し実行可能となる。
結果として、一の動作制御テーブルを複数の動作制御に流用することが可能となり、汎用性を高めると共に、予めROM等の記憶手段において記憶すべきデータを削減し、記憶容量に限りのあるROM等の記憶手段の有効活用を図ることができる。
手段XA10.前記可動手段は、前記第1位置に位置する場合において所定領域(例えば所定の表示手段の一部など)を視認不能又は視認困難とする第1の状態となり、前記第2位置に位置する場合において前記所定領域を視認可能又は視認容易とする第2の状態となることを特徴とする手段XA1乃至手段XA9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA10によれば、可動手段の演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
例えば龍頭を模した龍役物に設けられた所定領域としての眼孔内に眼球体を配置した構成の下、通常時は、可動手段として瞼部材が眼球体(眼孔内)を視認不能又は視認困難となるように覆い隠し、龍役物の瞼が閉じた第1の状態となっている一方、所定の作動条件が成立した場合には、龍役物の瞼部材が複数回瞬きをした後、龍役物の眼球体(眼孔内)が視認可能又は視認容易となるように、龍役物の瞼部材が開いた第2の状態となるような構成ととしてもよい。勿論、「所定領域」は、これに限定されるものではなく、例えば表示画面の一部など他の領域であってもよい。
手段XA11.前記可動手段が前記第2位置に位置する場合に点灯可能かつ前記可動手段が前記第1位置に位置する場合に消灯可能な発光手段を備えたことを特徴とする手段XA1乃至手段XA10のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA11によれば、可動手段の動作演出と共に、光による演出を行うことができる。結果として、可動手段の演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
例えば所定領域としての上記龍役物の眼孔内に、発光手段としてのLEDを備えた眼球体を配置し、龍役物の瞼が閉じた第1の状態(通常時)では、前記眼球体(LED)が消灯状態となる一方、所定の作動条件が成立し、龍役物の瞼部材が開いた第2の状態となった場合には、前記眼球体(LED)が点灯状態となる構成としてもよい。勿論、発光手段が設けられる位置は、上記所定領域内に限定されるものではなく、例えば所定領域内を外部から照明可能な位置など他の位置であってもよい。
手段XA12.前記可動手段を前記初期位置側(第1位置側)へ付勢するための付勢手段(例えばコイルばね)を備えていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA11のいずれかに記載の遊技機。
可動手段の組付け誤差や経年劣化等により、可動手段が待機する位置が予め設定した初期位置(基準位置)からずれてしまうと、可動手段に係る動作制御に支障をきたすおそれがある。また、表示演出と可動手段の動作にズレが生じ、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段XA12によれば、可動手段の位置ズレ、ひいては動作ズレを抑制することができる。ひいては、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
尚、付勢手段が設けられる位置は、特に限定されるものではなく、例えば可動手段側に設けられてもよいし、該可動手段を駆動する駆動手段側に設けられていてもよい。
手段XA13.前記可動制御手段は、前記一連の特定動作を実行するにあたり、前記可動手段を前記第1位置又はその近傍に位置させる所定動作を1回実行した後、前記可動手段を停止させる所定の停止制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA12のいずれかに記載の遊技機。
可動手段が第1位置側へ戻る所定動作を1回実行した後は、可動手段の動作方向が第2位置側へ反転することとなる。そのため、仮に上記停止制御を実行しない場合には、可動手段の動作方向が急反転することとなり、慣性等の影響により、可動手段やそれを駆動する駆動手段等に対し多大な負荷がかかるおそれがある。ひいては、可動手段と駆動手段の組付け状態にガタツキが生じるなど、耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、上記手段XA13によれば、上記停止制御を行うことで、可動手段や駆動手段等に係る負荷を低減させ、可動手段や駆動手段等の耐久性の向上を図ることができる。
手段XA14.前記可動制御手段は、前記一連の特定動作を実行するにあたり、前記可動手段を前記第2位置にて停止させる所定の停止制御を実行可能に構成されていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA13のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA14によれば、上記手段XA13と同様の作用効果が奏されることとなる。
手段XA15.前記所定動作は、前記可動手段の前後方向への変位を含む動作であり、
少なくとも前記可動手段が前記第2位置に位置した場合において、該可動手段の少なくとも一部が、前記遊技領域を構成する遊技盤の前面部よりも突出した状態となることを特徴とする手段XA1乃至手段XA14のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA15によれば、可動手段が遊技盤の前面部を超え、遊技者により近い位置まで迫る接近動作を行う構成となるため、よりダイナミックで迫力のある演出を行うことが可能となり、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
尚、「可動手段の前後方向への変位を含む動作」には、前後方向へのスライド変位を含む動作や、上下方向や左右方向を回動軸とした前後方向への姿勢変位(回動、揺動、傾動など)を含む動作などが含まれる。
手段XA16.前記可動手段は、前記表示手段よりも下方位置に設けられていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA15のいずれかに記載の遊技機。
通常、パチンコ機等の遊技機において、遊技領域に表示手段が設けられている場合には、該表示手段の下方位置に始動入球手段が設けられている。そのため、遊技者は、表示手段を見ながら遊技を行いつつも、その視線は頻繁に、遊技領域内へ発射された遊技球が向かう始動入球手段が設けられた表示手段下方位置に向くこととなる。従って、仮に可動手段を表示手段よりも上方位置に設けた場合には、該可動手段による演出が行われたとしても、該演出が遊技者にほとんど気づかれないおそれがある。
これに対し、上記手段XA16によれば、遊技者が頻繁に見る表示手段下方位置に可動手段を設けることにより、該可動手段の変化に遊技者が気づきやすくなる。結果として、可動手段による演出を遊技者が見逃すようなことはなくなり、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
尚、「表示手段よりも下方位置に設けられていること」としては、例えば透明遊技盤の背面側位置に設けられていることや、遊技盤に形成された孔部又は凹部に前面側から嵌め込まれていることなどが一例として挙げられる。
手段XA17.前記可動手段は、前記第1位置に位置する場合において、所定の被当接部(ストッパ部)に当接するように構成されていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA16のいずれかに記載の遊技機。
仮に可動手段が第1位置に戻った際に所定の被当接部に当接しない構成となっている場合には、可動手段が予め設定した初期位置に戻っているか否か分からないため、可動手段が初期位置に戻っているか否かチェック処理を行う必要があると共に、位置ズレしている場合には、可動手段の位置を初期位置に修正する処理を実行する必要がある。
これに対し、本手段によれば、可動手段を所定の被当接部に当接するように制御すればよく、所定動作後の位置チェック処理や位置修正処理などを省略することが可能となり、可動制御手段の処理負担を軽減することができる。
手段XA18.前記可動手段は、前記第2位置に位置する場合において、所定の被当接部(ストッパ部)に当接するように構成されていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA17のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA18によれば、上記手段XA17と同様の作用効果が奏される。
手段XA19.前記作動条件の成立に基づいて、前記可動手段が前記一連の特定動作を開始する前段階において、その旨を報知する報知手段(開始報知手段)を備えていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA18のいずれかに記載の遊技機。
仮に可動手段が突然、何の前触れもなく作動した場合、それまで可動手段を注視していなかった遊技者は、状況を把握できずに混乱するおそれがある。
これに対し、上記手段XA19によれば、上記報知手段を備えることで、事前に可動手段が一連の特定動作を行うことを遊技者に対し認識させることができる。結果として、可動手段を用いた遊技演出の注目度を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、報知手段(開始報知手段)としては、例えば所定の表示手段による報知表示や、所定の音声手段による音声報知、各種発光手段による発光報知などを一例として挙げることができる。
手段XA20.前記一連の特定動作において、前記可動手段が実行した前記所定動作の実行回数を報知可能な報知手段(回数報知手段)を備えていることを特徴とする手段XA1乃至手段XA19のいずれかに記載の遊技機。
上記手段XA20によれば、上記報知手段を備えることにより、遊技者は一連の特定動作における現時点の状況を認識しやすくなる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
例えば表示手段にてキャラクタが発電機を動かし電気機器を充電する演出表示を行いつつ、可動手段が上下動する動作演出を行い、該可動手段が一往復する毎に充電ゲージ(充電量%の数値)が増加していくような演出を行う構成としてもよい。
尚、報知手段(回数報知手段)としては、例えば所定の表示手段による報知表示や、所定の音声手段による音声報知、各種発光手段による発光報知などを一例として挙げることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル等)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射装置等)と、該発射された遊技球が案内される遊技領域(遊技盤等)と、該遊技領域へ案内される遊技球が入球可能な所定の入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、始動入賞口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
(ロ)上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係るパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10について図面を参照して詳しく説明する。但し、上述した第1乃至第4実施形態と重複する部分(同一の構成要素や同一の処理内容等)については、同一の部材名称、同一の符号を用いて説明する。
従来の遊技機において、遊技性の向上のために所定の始動口への入賞確率を変化可能な補助部材が設けられている。
補助部材は遊技における所定の条件の成立に基づいて入賞容易期間となり、所定の始動入賞に対する変動が所定回数行われた場合等に入賞容易期間が終了される。
入賞容易期間中は、ホールコンピュータ等に対して識別可能な信号を出力することでホール設備による演出やデータの表示を行っている。
しかし、従来の遊技機においては入賞容易期間の終了時点における補助部材に基づく始動保留に対しては何らの対策も取られておらず、遊技状態各種の識別性能に対して、より好適な機能が求められている。
本遊技機の目的は、遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることである。
これに対し、具体的には、例えば本発明に係る遊技機は、
所定の始動入球手段への遊技球の入球を契機として遊技者に有利な所定の特別遊技が実行される特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行するか否かの判定が実行される場合に、所定の図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記変動表示手段により実行される前記所定の図柄の変動表示を実行する権利を保留する保留手段と、
を備え、
前記所定の始動入球手段は、第1始動入球手段と、遊技球の入球が制限される不利状態と遊技球の入球が前記不利状態より容易となる有利状態とが切り替えられる前記第1始動入球手段とは異なる第2始動入球手段と、を含み、
前記所定の特別遊技の終了後に、所定の条件が成立するまで前記有利状態が実行される遊技機であって、
当該遊技機外部に対して、少なくとも前記有利状態において、当該状態を識別可能な所定の識別情報を継続して出力する第1出力手段と、
前記有利状態の終了に基づいて、終了条件の成立で前記第1出力手段による前記所定の識別情報の出力を停止する出力停止手段と、
前記有利状態の終了時の前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記所定の図柄の変動表示を実行する権利の保留数を記憶可能な記憶手段と、
前記有利状態の終了後に、少なくとも前記記憶手段に前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記権利の保留数が記憶されている場合に前記記憶手段に記憶されている保留された前記権利に対応する前記所定の図柄の所定の変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な特定の識別情報を所定期間継続して出力可能な第2出力手段と、
を備え、
前記第2出力手段は、前記第1出力手段による前記所定の識別情報の出力態様とは異なる出力態様で前記特定の識別情報を継続して出力することを特徴とすることにより、
遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
より具体的には、例えば本発明に係る遊技機は、
所定の始動入賞口への遊技球の入球を契機として遊技者に有利な大当たり遊技(開放される可変入賞装置の大入賞口へ遊技球を入球させる遊技)が実行される大当たり状態に移行するか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により大当たり状態に移行するか否かの判定が実行される場合に、所定の図柄の変動表示を実行する演出表示装置と、
前記演出表示装置により実行される図柄の変動表示を実行する権利を保留する特別変動保留エリアと、を備え、
前記所定の始動入賞口は、上始動入賞口と、遊技球の入球が制限される低サポートモードと遊技球の入球が前記低サポートモードより容易となる高サポートモードとが切り替えられる上始動入賞口は異なる下始動入賞口と、を含み、
大当たり遊技の終了後に、変動表示の実行回数が所定回数に達するまで高サポートモードが実行されるパチンコ機であって、
パチンコ機外部に対して、少なくとも高サポートモードにおいて、当該高サポートモードを識別可能な大当たり信号2(ハイレベル信号)を継続して出力する出力端子及び信号出力機能と、
高サポートモードの終了に基づいて、大当たり信号2の出力を停止する信号停止機能と、
高サポートモードの終了時の下始動入賞口への遊技球の入球を契機とする所定の図柄の変動表示を実行する権利の保留数を記憶可能な残り保留数レジスタと、
高サポートモードの終了後に、少なくとも残り保留数レジスタに下始動入賞口への遊技球の入球を契機とする権利の保留数が記憶されている場合に残り保留数レジスタに記憶されている前記権利に対応する所定の図柄変動表示を実行可能な期間であることを識別可能なパターン信号を所定期間継続して出力可能な出力端子及び信号出力機能と、を備え、
前記パターン信号を大当たり信号2とは異なる出力態様で継続して出力することを特徴とすることにより、
遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
本発明において、「遊技者に有利な所定の特別遊技が実行される特別遊技状態」は、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば通常状態よりも遊技者に有利な小当たり状態、通常状態や小当たり状態よりも遊技者に有利な大当たり状態(より詳細には、終了後に有利状態が付与される大当たり状態、終了後に有利状態が付与されない大当たり状態、判定手段により特別遊技状態に移行する旨の判定がなされる確率が通常状態よりも高くなる高確率状態が終了後に付与される大当たり状態、高確率状態が終了後に付与されない大当たり状態)など、いかなるものであってもよい。
本発明において、「変動表示手段」は、特別遊技状態に移行するか否かの判定が実行される場合に所定の図柄の変動表示を実行するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば遊技領域を構成する遊技盤に設けられた表示手段、遊技盤に取付けられるセンターフレームに設けられた表示手段、透光性を有する遊技盤の背面側に設けられた表示手段、遊技盤が取付けられる取付枠に設けられた表示手段など、いかなるものであってもよい。
本発明において、「保留手段」は、所定の図柄の変動表示を実行する権利を保留するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば電気的な記憶領域としてのRAMやバッファ、複数のアドレスからなるエリアなど、いかなるものであってもよい。
本発明において、「所定の条件」は、所定の特別遊技の終了後にその条件が成立するまで有利状態が実行されるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば所定期間が経過すること、変動表示が規定回数行われること、所定の変動表示(例えば特別遊技状態の発生に係る変動表示)の開始条件が成立すること、所定の変動表示が開始すること、所定の変動表示の開始後所定期間が経過すること、所定の変動表示が停止すること、所定の変動表示の停止が確定すること、所定の変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段が操作されること若しくは所定回数操作されること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、保留手段に保留された権利に所定の情報又は結果が含まれること、所定の演出が行われること若しくは所定の演出が所定回数行われること、所定数の遊技球が発射又は払い出されること、所定の入球手段に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
本発明において、「第1出力手段」は、少なくとも有利状態において当該状態を識別可能な所定の識別情報を継続して出力するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば主制御装置、サブ制御装置、表示制御装置、払出制御装置など、所定の情報出力処理を実行可能な制御基板及び情報出力用の端子やポートを備えた各種制御装置や、これら各種制御装置とそこから出力される情報を中継して出力可能な外部端子板などの各種中継基板との組み合わせなど、いかなる構成のものであってもよい。
ここで「所定の識別情報」は、少なくとも有利状態において当該状態を識別可能な識別情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えばハイレベル信号やローレベル信号など所定期間一定レベルで出力されるレベル信号、所定のパルス幅で断続的に出力されるパルス信号、モールス信号など所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号などの各種電気信号、所定の発光により情報出力される信号、所定の音により情報出力される信号、所定の電磁波により情報出力される信号、所定の画像により情報出力される信号、又は、これらを組み合わせたものであって、いかなるものであってもよい。
また、「継続して」とは、送信側機器から出力される識別情報(電気信号等)を受信する受信側機器において、該識別情報が実質的に所定期間継続して出力されていると判定できればよく、所定期間途切れることなく一定レベルで連続して識別情報が出力されている場合は勿論のこと、本発明の主旨を実現可能であれば、例えばパルス信号が断続的に出力される場合や、識別情報の出力態様が途中で変化する場合など、所定期間中において識別情報の出力レベルが定期的に又は不定期に切替えられる場合なども含まれる。従って、「継続して」とは、出力信号が全く途切れないわけではなく、例えば変動表示中は出力されず、少なくとも変動表示が停止した際に出力されている状態であればよい。つまり、変動表示が停止した際に該変動表示に係る特別遊技状態が連チャン回数にカウントできるか否か判断できるようになっていればよい。
本発明において、「出力停止手段」は、有利状態の終了に基づいて終了条件の成立で第1出力手段による所定の識別情報の出力を停止するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば主制御装置、サブ制御装置、表示制御装置、払出制御装置など、所定の情報出力停止処理を実行可能な制御基板を備えた各種制御装置や、これら各種制御装置とそこから出力される情報の中継を停止する機能を有する外部端子板などの各種中継基板との組み合わせなど、いかなる構成のものであってもよい。
本発明において、「終了条件」は、有利状態の終了に基づいて成立し、その条件の成立で第1出力手段による所定の識別情報の出力を停止するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば有利状態の終了時に対応する所定の変動表示が停止すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の停止が確定すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の停止後又は確定後所定期間が経過すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示の開始条件が成立すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示が開始すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示の開始後所定期間が経過すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示が停止すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段が操作されること若しくは所定回数操作されること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、保留手段に保留された権利に所定の情報又は結果が含まれること、所定期間が経過すること、所定の演出が行われること若しくは所定の演出が所定回数行われること、所定数の遊技球が発射又は払い出されること、所定の入球手段に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
本発明において、「記憶手段」は、有利状態の終了時の第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする所定の図柄の変動表示を実行する権利の保留数を記憶可能なものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば電気的な記憶領域としてのRAMやレジスタ、バッファ等に設定されたカウンタ、複数のアドレスからなるエリア、ポインタ、機械式の計数装置など、いかなるものであってもよい。
本発明において、「第2出力手段」は、有利状態の終了後に少なくとも前記記憶手段に記憶されている保留された権利に対応する前記所定の図柄の所定の変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な特定の識別情報を所定期間継続して出力するものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば主制御装置、サブ制御装置、表示制御装置、払出制御装置など、所定の情報出力処理を実行可能な制御基板及び情報出力用の端子やポートを備えた各種制御装置や、これら各種制御装置とそこから出力される情報を中継して出力可能な外部端子板などの各種中継基板との組み合わせなど、いかなる構成のものであってもよい。
ここで「特定の識別情報」は、有利状態の終了後に少なくとも前記記憶手段に記憶されている保留された権利に対応する前記所定の図柄の所定の変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な識別情報であればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えばハイレベル信号やローレベル信号など所定期間一定レベルで出力されるレベル信号、所定のパルス幅で断続的に出力されるパルス信号、モールス信号など所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号などの各種電気信号、所定の発光により情報出力される信号、所定の音により情報出力される信号、所定の電磁波により情報出力される信号、所定の画像により情報出力される信号、又は、これらを組み合わせたものであって、いかなるものであってもよい。
本発明において、「所定の識別情報の出力態様」と「特定の識別情報の出力態様」の違いは、送信側機器から出力される識別情報(電気信号等)を受信する受信側機器において、これらの識別情報の出力態様の違いを判定できるものであればよく、本発明の主旨を実現可能であれば、例えば所定期間中連続して一定レベルで出力されるレベル信号と所定期間中に断続して出力されるパルス信号との違いによるもの、所定期間中に断続して出力されるパルス信号のパルス間隔(連続オフ時間)及び/又はパルス幅(連続オン時間)の違いによるもの、所定期間中に断続して出力されるパルス信号の数の違いによるもの、所定期間中に定期的に出力されるパルス信号と所定期間中に所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号との違いによるもの、所定期間中に連続して一定レベルで出力されるレベル信号と所定期間中に所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号との違いによるもの、所定期間中に所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号のパターンの違いによるもの、並びに、これら各種の組み合わせなど、いかなるものであってもよい。そもそも出力方法が違うもの、例えば電気信号と光信号の違いによるもの、光と音の違いによるもの、音と画像の違いによるもの、画像と電気信号の違いによるものなど、いかなるものであってもよい。
以下、本発明に係るパチンコ機10の具体的な構成について詳しく説明していく。以下詳述する本発明に係る遊技機(第5実施形態に係るパチンコ機10)は、上述した本発明の判定手段としての判定機能、本発明の変動表示手段としての変動表示部、本発明の保留手段としての保留機能、本発明の第1出力手段としての所定情報出力機能部、本発明の出力停止手段としての出力停止機能、本発明の記憶手段としての記憶機能部、本発明の第2出力手段としての特定情報出力機能部、本発明のパターン情報記憶手段としてのパターン記憶部、本発明のパターン情報抽出手段としての抽出機能を有する。
図230はパチンコ機10の正面図であり、図231は斜視図であり、図232は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図233は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図234はパチンコ機10の背面図であり、図235は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図232では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や各種役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図232等に示すように、パチンコ機10は、該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図235等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a~11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図230参照)。該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図235参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図234参照)。加えて、図232に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図232に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図230に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
加えて、下皿15の左部には、遊技者が操作可能な操作手段としての演出ボタン125が設けられている。演出ボタン125は、遊技者が押圧操作(下方に向かって押す操作)可能に構成されている。また、下皿15の内部には、演出ボタン125の押圧操作を検出するための操作検出手段としての操作検出スイッチ(図示略)が設けられている。そして、演出ボタン125が押圧操作された場合には、前記操作検出スイッチから後述するサブ制御装置262へ操作検出信号が出力される。これにより、遊技者が演出ボタン125を押圧操作することで、後述する演出手段としての演出表示装置42やスピーカSP、LED基板48A,48B,48C等において所定の演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単に「ハンドル」という。)18が設けられている。尚、遊技者が操作可能な操作手段としてのハンドル18は、例えば前面枠セット14に固定された基部、該基部に対して回動可能に組付けられた第1の操作部としての回転操作部、該回転操作部の操作量を検出する操作量検出手段としての可変抵抗器、遊技球を遊技領域へ発射させる否かを選択可能な第2の操作部としての発射停止スイッチなどを備えている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に「発射装置」という。)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には、遊技者が操作可能な操作手段として球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。また、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、遊技者が操作可能な操作手段として球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した枠ランプ102が設けられている。また、該枠ランプ102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、枠ランプ102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図232参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
また、図232に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。
次に、内枠12について図233を参照して説明する。内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60として、駆動部材となるプランジャを有したソレノイド式発射装置を採用している。
尚、本実施形態では、上記満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。一方、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、上記満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
発射装置60の上方には、球送り装置63が設けられている。球送り装置63は、ソレノイド等の駆動手段により、上皿19から案内される遊技球を1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する。
また、図232及び図233中の符号67は、後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。
さらに、払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。
一方、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。そして、前面枠セット14の閉状態においては、下皿連通路71及び上皿連通路73の各入口部と払出通路67とが所定距離だけ離間した状態で隣接し、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。
また、下皿連通路71の入口部と上皿連通路73の入口部とが隣接して設けられていることにより、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
上述した通り、取付枠としての内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技領域となる遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤30の構成について図233を参照して説明する。尚、本実施形態における遊技盤30は、例えばポリカーボネートやアクリル樹脂、ABS樹脂等の光透過性(透光性)を有する樹脂材料によって平板状に形成された透光性部材である透明板をベース(遊技盤本体)として構成されている。ここで「透明」とは、遊技盤30の後方領域に存在する物体を完全に透過した状態で視認し得ることのみを意味するものではなく、少なくとも一部の光を透過し物体の存在が分かる程度のいわゆる半透明の状態をも含むものであってもよい。
かかる構成により、遊技者は、遊技盤30の後方領域に配置されたランプや表示装置などの各種物体を、該遊技盤30を通して、遊技盤30の前方から視認可能となる。例えば本実施形態では、図233に示すように、遊技領域のうちの所定領域の後方位置において、発光手段として複数のLEDを実装したLED基板48A,48B,48Cが配置されており、遊技者は、該LEDから発せられる光を、遊技盤30を通して、遊技盤30の前方から視認可能となる。尚、LED基板48A等は、各種遊技演出に対応して所定の発光態様で点灯・点滅制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。
また、遊技盤30には、帯状の金属板により形成された内レール構成部51及び外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図233の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図233の右上部)には、返しゴム54が取着されている。これにより、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム54に当たって遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
また、内枠12に設けられた発射レール61とレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
遊技盤30には、一般入賞口(一般入賞部)31、可変入賞装置32、上始動入賞口33YA、下始動入賞口33YB、スルーゲート34、可変表示装置ユニット35、第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等が上記透明板に貫通形成された取付孔に対し嵌め込まれるようにして配設されている。
さらに、遊技盤30の前方領域、すなわち遊技盤30の前面側に形成される遊技領域内には、所定領域において遊技球の落下方向を振分けたり、所定位置へ遊技球を誘導したりするため、多数の釘49や風車57等が配設されている。
遊技領域へ案内された遊技球は、それぞれ釘49等によって流下方向や回転方向を変えられながら様々な経路を通り流下していく。そして、遊技領域へ案内された複数の遊技球のうちのいくつかは、様々な経路を通り相対移動しながら風車57へ案内され、該風車57によって落下ルートが左右に振り分けられることとなる。
上述したように、本実施形態では、遊技領域が左右方向に広く拡張されている場合であっても、風車57等を備えることにより、遊技球を上始動入賞口33YAや可変入賞装置32等の方へと案内することが容易となるように構成されている。また、このように上始動入賞口33YAや可変入賞装置32等への入賞が適度な確率で発生するように、遊技盤30においては予め釘49等の調整が行われている。
また、遊技盤30には、一般入賞口31等の各種入賞口(入球手段)に対応して、該各種入賞口へ入賞した遊技球を検出する入球検出手段としての入賞検出スイッチが設けられている。具体的には、図233に示すように、一般入賞口31に対応する位置には一般入賞スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、上始動入賞口33YAには第1始動入賞スイッチ224Aが設けられ、下始動入賞口33YBには第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、上始動入賞口33YA、下始動入賞口33YBなどの各種入賞口に遊技球が入賞(入球)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、上始動入賞口33YAへの入賞があった場合には3個、下始動入賞口33YBへの入賞があった場合には1個、一般入賞口31への入賞があった場合には10個、可変入賞装置32への入賞があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。ここで、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBが本実施形態における始動入球手段を構成する。特に上始動入賞口33YAが第1始動入球手段を構成し、下始動入賞口33YBが第2始動入球手段を構成する。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。
可変入賞装置32は、遊技球が入球可能な大入賞口32aと、傾動可能に軸支され大入賞口32aを開閉する矩形平板状の開閉シャッタ32bと、該開閉シャッタ32bを開閉駆動する駆動手段としての大入賞口用ソレノイド32cとを備え、後述する主制御装置261により制御される。ここで、大入賞口用ソレノイド32cは、その本体部に対し出没可能な駆動部材としてのプランジャ及び付勢手段としてのコイルばね等を有している。
かかる構成の下、可変入賞装置32は、所定条件が成立していない通常時(大入賞口用ソレノイド32cの非励磁状態)においては、前記コイルばねの付勢力により前記プランジャが前記本体部から突出した状態となることで、開閉シャッタ32bが上下に沿った垂直状態となる。これにより、可変入賞装置32は、開閉シャッタ32bが大入賞口32aを閉鎖した状態となり、遊技領域を流下する遊技球が大入賞口32aへ入球不能な閉状態となる。
一方、後述する大当たりや小当たりが発生した場合など、所定条件が成立した場合には、大入賞口用ソレノイド32cが励磁状態となり、前記コイルばねの付勢力に抗して前記プランジャが前記本体部内へ没入した状態となることで、開閉シャッタ32bがその下辺を回動軸として前方へ傾動し略水平状態となる。これにより、可変入賞装置32は、開閉シャッタ32bが大入賞口32aを開放した状態となり、遊技領域を流下する遊技球が大入賞口32aへ入球可能な開状態となる。
上始動入賞口33YAは、遊技球が常時入賞可能となっている。これに対し、下始動入賞口33YBには、開閉式の入賞補助装置として開閉役物37Yが設けられている。
開閉役物37Yは、下端側を軸として左右方向に回動変位する左右一対の可動羽根37Yaと、該可動羽根37Yaを開閉駆動する駆動手段としての始動入賞口用ソレノイド37Ybとを備え、該可動羽根37Yaが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞可能な開状態と、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞不能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。つまり、下始動入賞口33YBは、遊技球の入球が制限される不利状態と遊技球の入球が前記不利状態より容易となる有利状態とが切り替えられる。
上述したように、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBには、それぞれ入賞した遊技球を検出する入球検出手段としての第1始動入賞スイッチ224Aや第2始動入賞スイッチ224Bが設けられている。そして、該始動入賞スイッチ224A,224Bにて遊技球が検出された場合に、大当たり状態等を発生させるか否かの当否抽選など各種の抽選が行われるとともに、変動表示部としての特別表示装置43L、43Rや後述する変動表示部としての演出表示装置42において所定の図柄の変動表示や所定の演出が行われる構成となっている。ここで、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態等が付与される。つまり、特別遊技状態としての大当たり状態に移行するか否かを判定する当否抽選を行う機能により本実施形態における判定機能が構成される。
以下、本実施形態における大当たり種別について詳しく説明する。図264に示すように、本実施形態では、大当たり種別として、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」及び「JUB(Jump Up Bonus)大当たり」がある。
「16R確変大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これが16回(16ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。
本実施形態において、「長開放」とは、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間30秒が経過すること又は大入賞口32aに規定個数の10個の遊技球が入賞することを条件に、開閉シャッタ32bが閉状態となるまでの一開閉動作をいう。尚、開放される可変入賞装置32の大入賞口32aへ遊技球を入球させる遊技、すなわち大当たり遊技が本実施形態における特別遊技に相当する。
「16R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これが4回(4ラウンド)繰り返し行われた後、さらに「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これが12回(12ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。
本実施形態において、「短開放」とは、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bが閉状態から開状態へ切換えられた後、規定時間0.4秒が経過すること又は大入賞口32aに規定個数の3個の遊技球が入賞することを条件に、開閉シャッタ32bが閉状態となるまでの一開閉動作をいう。
尚、本実施形態では、遊技者のハンドル18の操作に基づき、発射装置60から「0.6秒」に1個の割合で遊技球が遊技領域に向けて発射される構成となっている。これに対して、上記「短開放」では、開閉シャッタ32bの開放規定時間が0.4秒となっている。つまり、「短開放」の場合には、遊技球の発射周期よりも1回の開閉シャッタ32bの開放時間が短くなっている。従って、1回の「短開放」だけでは、1個の遊技球すら入賞しない場合もある。このため、「短開放」に対応した上記2つの閉鎖条件のうち入賞個数に係る条件(入賞個数3個)に基づいて開閉シャッタ32bが閉鎖されることはほとんどなく、一旦開放された開閉シャッタ32bは、通常、規定時間(0.4秒)の経過に基づいて閉鎖されることとなる。これにより、「短開放」の実行期間においては、その都度、実行期間が変化することが回避されている。
「4R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを4回(4ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。
「16R通常大当たりA」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを8回(8ラウンド)繰り返した後、さらに「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを8回(8ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。
「16R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを4回(4ラウンド)繰り返した後、さらに「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを12回(12ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。
「4R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりB」の大当たり状態においては、「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを4回(4ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。
「JUB大当たり」の大当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを5回繰り返した後、さらに「長開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを15回繰り返す一連の動作が行われる。尚、1ラウンド目に5回の「短開放」が行われ、2ラウンド目~16ラウンド目にそれぞれ「長開放」が行われる構成としてもよい。
また、上記各種「確変大当たり」及び「JUB大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後の抽選モードとして「高確率モード(高確率状態)」が付与される。一方、各種「通常大当たり」が発生した場合には、その大当たり状態の終了後に「低確率モード(低確率状態)」が付与される。
「高確率モード」とは、通常時に設定される「低確率モード」に比べ、大当たり確率がアップした状態をいう。大当たり終了後に設定された「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する。
また、上記各種大当たりの終了後には、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37Yに係る入賞サポートモードとして、有利状態としての「高サポートモード(高入球状態)」が付与される。
「高サポートモード」とは、通常時に設定される不利状態としての「低サポートモード(低入球状態)」に比べ、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなった状態をいう。
例えば「高サポートモード」としては、(1)後述の普通図柄表示装置41における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態、(2)開閉役物37Yの可動羽根37Yaの一回の開放時間(規定時間)が「低サポートモード」時に比べて長い状態、(3)可動羽根37Yaの一回の開放につき入賞可能となる遊技球の規定個数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(4)スルーゲート34を遊技球が通過することに起因した開閉役物37Yの開放抽選により当選結果が得られた場合一回につき行う可動羽根37Yaの開閉処理の実行回数が「低サポートモード」時に比べて多い状態、(5)開閉役物37Yの開放抽選における当選確率が「低サポートモード」時の当選確率よりも高い状態とすることなどが挙げられる。本実施形態における高サポートモードでは、上記(1)、(2)、(5)の構成を採用している。勿論、これに限らず、「高サポートモード」として、構成(1)~(5)のいずれか1つ、又は、これら構成(1)~(5)の任意の組合せを採用してもよい。これにより、下始動入賞口33YBに対し遊技球が頻繁に入賞しやすくなり、大当たり抽選の実行される回数が増えると共に、球持ちのよい状態となる。
また、本実施形態では、「高サポートモード」が付与された状態では、後述するように変動パターンテーブルを「高サポートモード」用のテーブルに変更することで、第1及び第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)における変動表示時間が「低サポートモード」時よりも短い状態となるように構成されている。
本実施形態では、「16R確変大当たりA」及び「4R確変大当たりA」の終了後には、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、「次回まで・高サポートモード」という。
「16R確変大当たりB」及び「4R確変大当たりB」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「20回」、「30回」、「40回」又は「50回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、それぞれ「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」という。
「16R通常大当たりA」及び「4R通常大当たりA」の終了後には、特別表示装置43L、43Rにて「30回」の変動表示が行なわれる間、「高サポートモード」が付与される。該「高サポートモード」を以下、「30回・高サポートモードS」という。
「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」の終了後には、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される。
尚、上記のように「高サポートモード」の付与期間に上限が設定された回数制限付き(本実施形態では「20回」、「30回」、「40回」、「50回」)の高サポートモード付き大当たり状態に係る大当たり遊技が所定の特別遊技に相当する。そして、該大当たり遊技の終了後、「高サポートモード」の付与期間(変動表示実行回数)が所定の上限値に達することが本実施形態における所定の条件の成立に相当する。換言すれば、高サポートモード付き大当たり状態の終了後、変動表示が所定回数実行されるまでの間、高サポートモードが付与されることとなる。
「JUB大当たり」の終了後には、「次回まで・高サポートモード」が付与される。
本実施形態では、上記各種モードが組み合わさることで、様々な遊技状態が発生することとなる。
例えば「高確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「確変状態(確率変動状態)」となる。
「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「通常状態」となる。
「低確率モード」と「高サポートモード」が付与された状態となれば、いわゆる「時短状態(時間短縮状態)」となる。
「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態となれば、いわゆる「潜確状態(潜伏確変状態)」となる。つまり、「潜確状態」となると、単に大当たり確率が高められるだけで、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態となるため、「高確率モード」が付与されている状態を遊技者が認識しにくい状態となる。
また、本実施形態では、上記各種「大当たり」とは別に、上記当否抽選にて所定の結果が得られた場合に「小当たり」が発生する構成となっている。小当たり状態においては、「短開放」を1回の特賞状態(1ラウンド)として、これを5回(5ラウンド)繰り返す一連の動作が行われる。但し、小当たり状態終了後に付与される抽選モード及び入賞サポートモードは、小当たり状態発生前の元のモードである。例えば、小当たり状態発生前の抽選モードが「高確率モード」であれば、小当たり状態終了後にも「高確率モード」が維持される。
尚、詳しくは後述するが、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAに入賞した場合と、下始動入賞口33YBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なるようになっている。上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」及び「4R通常大当たりB」のいずれかに振分けられ、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」、「4R通常大当たりA」及び「JUB大当たり」のいずれかに振分けられることとなる。また、「小当たり」に関しても、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機とする当否抽選に当選した場合のみ発生する構成となっている。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、それぞれ2つのセグメント表示装置により構成され、遊技盤30の下部に設置されている。各セグメント表示装置には、それぞれ8個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、各セグメント表示装置には、それぞれ個別に図柄となる所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されることとなる。
そして、上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞を契機として第1特別表示装置43Lにて変動表示が行われ、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞を契機として第2特別表示装置43Rにて変動表示が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、該変動表示が停止したときの表示態様により、大当たり抽選に当選したか否か等が確定的に表示される。例えば、上始動入賞口33YAに遊技球が入賞すると、対応する第1特別表示装置43Lにて高速で変動表示がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選に当選した場合には、各種大当たりに対応する数値等(図264参照)が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。
図264に示すように、例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「9-」が停止表示され、「50回・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりB」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「84」が停止表示される。また、「JUB大当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1.-」が停止表示され、「小当たり」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「1-」が停止表示される。ここで、「JUB大当たり」に係る停止態様「1.-」と、「小当たり」に係る停止態様「1-」のように、「JUB大当たり」の演出効果を高める上では、両者の停止態様が紛らわしい構成となっていることが好ましい。
勿論、各種当たりに対応する特別表示装置43L、43Rの停止態様は、上記態様に限定されるものではない。例えば、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が1つではなく複数存在してもよい。例えば「16R確変大当たりA」に当選した場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「91」,「92」,「93」,・・・のいずれかが選択されて停止表示される構成としてもよい。
尚、1つの当たり種別を示す第1又は第2特別表示装置43L、43Rの停止態様が複数存在している場合においても、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様と、「小当たり」に係る複数の停止態様とが紛らわしい構成となっていることが好ましい。例えば、「JUB大当たり」に係る複数の停止態様として「-1.」,「-2」,「-3.」,「-4」,・・・のいずれかが停止表示され、「小当たり」に係る複数の停止態様として「-1」,「-2.」,「-3」,「-4.」,・・・のいずれかが停止表示される構成してもよい。かかる構成では、所定の表示用セグメント(ここでは「.」)が点灯した特定記号(ここでは「1」,「2」,「3」,・・・)と、点灯していない特定記号のペアのうちの一方が「JUB大当たり」に係る複数の停止態様に含まれ、他方が「小当たり」に係る複数の停止態様に含まれると共に、それらが交互に入れ違いになった構成となっている。
また、任意又は全ての表示用セグメントにおいて表示される色を適宜変更可能な構成としてもよい。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞口33YA,33YBに入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示を実行する権利が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、上始動入賞口33YAに入賞した遊技球、及び下始動入賞口33YBに入賞した遊技球に対応して、それぞれ4回までの変動表示(合計8回の変動表示)を実行する権利が保留される。また、その保留回数が第1保留ランプ46a、第2保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞口33YA,33YBに入賞した場合、その分の変動表示を実行する権利についても保留される。
尚、基本的に、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化され、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示は、対応する遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した順に記憶されるとともに入賞した順に消化される。但し、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示、及び、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示の両方が保留されている場合(第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bがそれぞれ1つ以上点灯している場合)には、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が優先的に消化される。すなわち、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が全て消化された状態でなければ、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が行われない構成となっている。例えば、第1保留ランプ46aが1つ点灯している状態において、下始動入賞口33YBに遊技球が入賞し、第2保留ランプ46bが1つ点灯した場合、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が後回しにされ、先に下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が行われることとなる。以下、説明の便宜上、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示を「第1変動表示」とも称し、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示を「第2変動表示」とも称する。
また、スルーゲート34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、スルーゲート34は、該スルーゲート34を通過する遊技球を検出可能なスルーゲートスイッチ225を備えており、該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検出された場合に、開閉役物37Y(下始動入賞口33YB)を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、開閉役物37Yが規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、スルーゲート34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する演出表示装置42とが設けられている。
さらに、可変表示装置ユニット35には、演出表示装置42にて行われている変動表示が上始動入賞口33YA及び下始動入賞口33YBのうちどちらの入賞に対応するものであるかを示す変動特定ランプ40が設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で変動表示する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yが所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。勿論、保留数の上限は4回に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
演出表示装置42は液晶表示装置により構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、演出表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
詳しくは後述するが、演出表示装置42の表示部42aには、図277等に示すように、例えば上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において所定の数字が付された複数種類の装飾図柄が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)装飾図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて上記各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」が確定すると、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりに対応する表示がなされるとともに、演出表示装置42にて装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば上図柄表示領域、中図柄表示領域及び下図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。なお、「JUB大当たり」又は「小当たり」の場合、後述するように演出表示装置42にて停止表示される装飾図柄の組合わせは、大当たりに対応するものではない。
また、装飾図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の装飾図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一の装飾図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
尚、リーチ状態が発生しても、大当たり状態が発生しない場合には、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において停止表示された装飾図柄とは異なる装飾図柄が中図柄表示領域において停止表示される。また、各種「確変大当たり」又は各種「通常大当たり」となる場合には、上記のように演出表示装置42においてゾロ目数字の装飾図柄(同一種の装飾図柄)が停止表示されるのではあるが、本実施形態では 停止表示された装飾図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される遊技状態(「高確率モード」か否か等)が判別不能となっている。
また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合には、ゾロ目ではなく、予め定められた特定の数字の組合わせ(以下、チャンス図柄と称する)が停止表示される。例えば、本実施形態では、上・中・下図柄表示領域において、「3」・「4」・「1」の装飾図柄が停止表示される。これにより、遊技者は、チャンス図柄が停止表示された場合に、より遊技者に有利な「JUB大当たり」と、それほど有利ではない「小当たり」との区別をつけることができず、「JUB大当たり」が発生することの期待を抱くことができるので、遊技者の趣向低下を抑制することができる。
勿論、「JUB大当たり」となる場合と、「小当たり」となる場合とで、上・中・下図柄表示領域に停止表示される特定の数字の組合わせ(装飾図柄の組合わせ)が異なる構成としてもよい。また、「JUB大当たり」又は「小当たり」となる場合に、予め定められた特定の数字の組合わせ(装飾図柄の組合わせ)ではなく、表面上、外れ時と同様に、ランダムな外れの組合わせで停止表示されるようにしてもよい。
また、演出表示装置42では、上記保留ランプ46a,46bに対応して、特別表示装置43L,43Rにおける変動表示の保留数が表示される構成となっている(図277等参照)。
尚、本実施形態では、前面枠セット14を閉鎖した際、該前面枠セット14によって特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46a,46bが覆われた状態となり、遊技者によって視認不能な状態となる。従って、遊技者は、専ら演出表示装置42の表示内容(図柄表示や保留表示等)によって遊技状態や抽選結果等を把握することとなる。
勿論、特別表示装置43L,43R及び保留ランプ46L,46Rの構成は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。例えば、特別表示装置43L,43R等が視認可能な構成となっていてもよい。但し、特別表示装置43L、43Rは、上記のように遊技領域の下隅といった遊技者の目につきにくい目立たない場所に設けられるとともに、その表示部の大きさも小さく、判別用の文字が停止表示される時間も比較的短い。従って、特別表示装置43L、43Rから目を離さず、注意深く観察していなければ、付与さえる遊技状態を把握することは実質的に不可能である。
変動特定ランプ40は、発光色が青色のLED及び発光色が赤色のLEDを備えており、演出表示装置42において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には青色に発光し、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示が行われている場合には赤色に発光する。
次に可変表示装置ユニット35の構成について詳しく説明する。本実施形態では、図233に示すように、センターフレーム47が遊技盤30の前面側に固定され、フレームカバー213が遊技盤30の裏面に固定されることによって、可変表示装置ユニット35として一体化される構成となっている。
フレームカバー213には、その中央部に矩形状の開口部213a(図235参照)が形成されており、その背面側に液晶表示装置たる演出表示装置42が着脱自在に取付けられている。
演出表示装置42の表示部42aは、発光手段としてのバックライトの前面側に、液晶パネル等からなるディスプレイパネルが配設された公知のものである。液晶表示部42aは、マトリックス状に配置された多数の画素によって構成されている。そして、後述する送信側機器である表示制御装置45の特定情報出力機能部により特定の識別情報として出力される映像信号に基づいて液晶表示部42aの各画素が駆動されることによって受信側機器である液晶表示部42aに所定の映像が表示される。
映像信号は、例えば同期信号(同期情報)、色信号(色情報)、輝度信号(輝度情報)などを含む。映像信号は、これら信号を別々にしたコンポーネント映像信号として出力されてもよいし、これら信号を1つの信号に重畳したコンポジット映像信号として出力されてもよい。同期信号は、後述するVDP526の内部に設けられた同期信号発生回路(発振回路)などによって生成される。VDP526は、VDP526の外部のクロック生成回路からのクロック信号に基づいて同期信号を生成してもよい。また、同期信号自体をVDP526の外部で生成して、VDP526に入力されるようにしてもよい。同期信号には、フレーム同期信号(1フレーム分の画像の描画開始又は描画終了のタイミングを示す信号)、垂直同期信号(1フレーム分の画像の描画の際の垂直方向のタイミングを示す信号)、水平同期信号(1フレーム分の画像の描画の際の水平方向のタイミングを示す信号)などがあり、必要に応じて、少なくともいずれかの同期信号が用いられる。
演出表示装置42は、映像信号としてのRGB信号及び同期信号を入力する同期回路と、各画素の画素情報を記憶する内部メモリと、該内部メモリから画素情報を読み込んで液晶表示部42aに対し駆動信号を出力する液晶駆動回路(LCDドライバ)とを備えている。
同期回路では、入力されるRGB信号に基づいて各画素の画素情報を取得するとともに、同期信号に基づいて内部メモリの対応アドレスを決定する。内部メモリは、マトリクス状の画素配列に対応した記憶エリアを備えており、同期回路にて決定された対応アドレスごとに画素情報が書き込まれる。
液晶駆動回路は、液晶表示部42aの各画素を水平座標と垂直座標に基づいて特定し、内部メモリの対応アドレスから読み込んだ画素情報に基づいて駆動信号を生成する。そして、上記画素情報に対応してRGB各色について所定の明るさで画素を点灯させることにより、液晶表示部42a全体にドットマトリクス状のカラー画像が表示される。
尚、演出表示装置42は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックスなど、他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
センターフレーム47は、その中央に略円形状の開口部751が形成された枠体形状をなし、該開口部751を介して演出表示装置42の液晶表示部42aが視認可能となる。
尚、センターフレーム47は、単一部材から構成されているわけではなく、例えばベース部材に対し、メッキ等の施された各種装飾部材や、LED等の光を透過する透明樹脂製のレンズ部材などが組付けられてなる。
センターフレーム47の下辺部47bの上面には、左右方向に沿ってステージ部770が設けられている。ステージ部770には、左右方向に沿って緩やかな起伏が形成されている。
ステージ部770の後壁部772の中央部には、前方に向け開口し、遊技球が落下可能な落下孔774が形成されている。また、ステージ部770の中央部の下方(内部)には、前記落下孔774に通じる連通路775が設けられている。連通路775の他方側は、センターフレーム47の下辺部47bの前側に開口し、落下孔774へ落下した遊技球を遊技盤30面上へ排出するための排出口776となっている。なお、センターフレーム47が遊技盤30に配設された状態では、図233に示すように、排出口776は上始動入賞口33YAの上方に位置する。
ステージ部770の中央部には、落下孔774の前方位置において、奥側へ緩やかに下り傾斜となった誘導溝(図示略)が形成されている。これにより、ステージ部770から落下孔774へ遊技球が落下可能な構成となっている。
センターフレーム47の左辺部47cには、その内部に、遊技球を通過させる球通路(ワープ流路)764が形成されている。球通路764の入口部764aは、センターフレーム47の左辺部47cの上下方向略中央部に開口している一方、出口部764bは、センターフレーム47の下辺部47bの上面(ステージ部770)に向け開口している。この球通路764により、遊技盤30面上を流下する遊技球をセンターフレーム47内のステージ部770上へ案内することができる。
ステージ部770上に案内された遊技球は、ステージ部770上を転動した後、前方から遊技盤30面上に転落したり、上述した落下孔774へ落下したりする。このうち、落下孔774へ落下した遊技球は、連通路775を介して遊技盤30面上へ案内される。排出口776から排出された遊技球は比較的高い確率で上始動入賞口33YAに入球する。
次に、パチンコ機10の背面構成について図234、図235等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について図235等を参照して説明する。上述したように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図233参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる演出表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
演出表示装置42は、該演出表示装置42の表示部(液晶画面)42aをパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス(符号略)に収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて演出表示装置42(収容ボックス)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞口33YA,33YB等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、上記各種入賞口やアウト口36など異なる経路を通って遊技盤30の前面側から背面側へ移動した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、一般入賞スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞口33YA,33YBへの入賞を検出する始動入賞スイッチ224A,224Bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入賞検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225により検出された場合を除く)。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図234に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図234では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図234では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、主制御装置261から遊技ホールのホールコンピュータHC(図270等参照)に対し各種情報を外部出力するための中継基板であり、主制御装置261と電気的に接続されると共に(図236等参照)、複数の出力端子(本実施形態では10個)を備えている。
各出力端子には、所定の通信ケーブル(本実施形態では2本の芯線からなる2芯ケーブル)が接続される。各出力端子は、それぞれ上下一対の芯線差込部(符号略)により構成され、各芯線差込部は、それぞれ1本ずつ芯線を挿し込み挟持可能に構成されている。つまり、上下一対の芯線差込部が1組となって1つの出力端子として機能する。
一方、通信ケーブルの他端側は、図示しない中継機器等を介してホールコンピュータHCと電気的に接続される。これにより、外部端子板240の所定の出力端子から出力される情報(信号)は、該出力端子に接続された通信ケーブルを介してホールコンピュータHCに入力される。そして、ホールコンピュータHCは、このように入力される各種の情報を基に出力元のパチンコ機10の種々の遊技状態等を把握する。
例えば本実施形態では、図234等に示すように、主制御装置261からホールコンピュータHCに向けて情報出力するための出力端子として、現在の遊技状態が大当たり状態中であることを示す情報(大当たり信号1)を出力するための端子(以下、「第1端子240a」という。)、及び、現在の遊技状態が大当たり状態中又は高サポートモード(高入球状態)中のいずれかであることを示す情報(大当たり信号2)を出力するための端子(以下、「第2端子240b」という。)が設けられている。
尚、簡素化のため符号は付さないが、この他にも、本実施形態の外部端子板240には、第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rにおいて変動表示が確定停止表示されたことを示す情報(信号)を出力するための端子(第3端子)、現在の遊技状態が高確率モード中であることを示す情報(信号)を出力するための端子(第4端子)、上始動入賞口33YAへ遊技球が入球したことを示す情報(信号)を出力するための端子(第5端子)、下始動入賞口33YBへ遊技球が入球したことを示す情報(信号)を出力するための端子(第6端子)、内枠12が開放されていることを示す情報(信号)を出力するための端子(第7端子)、前面枠セット14が開放されていることを示す情報(信号)を出力するための端子(第8端子)、各種エラー(入賞エラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど)が検知されたことを示す情報(信号)を出力するための端子(第9端子)、払出制御装置311から所定個数(例えば10個)の賞球の払出しが行われたことを示す情報(信号)を出力するための端子(第10端子)が設けられている。
尚、外部端子板240に対して主制御装置261が出力する信号は、複数ビットの情報量をもつシリアルデータである。このシリアルデータが、図示しないS/P変換回路(シリアル/パラレル変換回路)によってパラレルデータに変換されて、外部端子板240に入力される。このシリアルデータは、例えば1ビット目が「大当たり信号1」に対応しており(1ビット目が「1」であれば大当たり信号1を出力し、「0」であれば大当たり信号1を出力しない)、2ビット目が「大当たり信号2」に対応している(1ビット目が「1」であれば大当たり信号2を出力し、「0」であれば大当たり信号2を出力しない)といった具体のデータである。よって、このようなシリアルデータがパラレルデータに変換されて外部端子板240に入力されると、各出力端子に対応して設けられているフォトリレー等の信号伝達素子は、それぞれの入力信号に応じて導通/非導通を切り変える。その結果、フォトリレーが導通状態となった出力端子からはハイレベル信号が出力されることとなる。
但し、各出力端子からの情報出力方法は、上記構成に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。例えば本実施形態では、各出力端子に対し通信ケーブルとして2芯ケーブルが接続されているため、各種情報がそれぞれ個別に各出力端子からシリアルデータとして出力される構成としてもよい。また、パラレル通信用の出力端子及び通信ケーブルを採用し、各出力端子から各種情報がパラレルデータとして出力される構成としてもよい。
また、外部端子板240のすべての出力端子がホールコンピュータHCと接続される必要はなく、どの出力端子から情報を取得するかは、遊技ホールの管理者等の裁量により決定される。つまり、遊技ホールの管理者等は、遊技ホールの運営形態に応じた必要な情報だけを利用することができる。
また、外部端子板240から外部出力される情報の種類、並びに、情報を出力するための出力端子の数は、上記例示した構成に限定されるものではなく、パチンコ機10の機種等に応じて、上記例示した情報(信号)とは異なる情報を出力可能な構成としてもよい。
例えば本実施形態では、「小当たり」に関する情報を出力するための出力端子は設けられておらず、「小当たり」の発生情報が出力されない構成となっている。本実施形態において「高サポートモード」中は「小当たり」が比較的頻繁に発生しやすくなっているため、仮に「小当たり」が発生する度に常に発生情報を出力していては、出力信号の著しい増加を招くおそれがある。これに限らず、「小当たり」の発生情報を出力するような構成としてもよい。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図234では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば遊技球を横向きに流下させる2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には遊技球を縦向きに流下させるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図234では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図235に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、該排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。遊技球は遊技領域において釘49や風車57等に接触して影響を受けながら回転して流下する。そして、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図234に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御手段としての払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図235に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠600a(図230等参照)を備えており、該シリンダ錠600aの鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図234参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図234では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図233に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図234に示すように、内枠12の背面側右下部(図234では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図236は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、演出表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225などの各種検出スイッチをはじめ、外部端子板240や各種基板など各種電気部品が直接的に又は所定の中継基板を介して間接的に接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102,104が接続されている。つまり、サブ制御装置262には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により入出力ポート554が構成されることとなる。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信されるコマンド(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、演出表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否か等を表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する演出表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。つまり、払出制御装置311には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により入出力ポート515が構成されることとなる。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。これにより、遊技者は、遊技領域へ案内される遊技球の移動量や動作態様を変化させることができる。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、演出表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM(VRAM)524と、キャラクタROM525と、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力端子としての出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には所定の信号線を介して演出表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、表示制御装置45におけるメイン制御部としての機能を有しており、制御プログラム等の読出しや実行などを行うと共に、入力ポート527を介してサブ制御装置262から受信したコマンドの解析などを行う。
また、CPU521は、サブ制御装置262から受信したコマンドに基づいて、VDP526に対し、演出表示装置42に表示する映像を生成する描画処理などを実行する旨の指示を行う。
プログラムROM522は、CPU521により実行される制御プログラムや固定値データを含む各種制御用データを予め記憶している。
ワークRAM523は、プログラムROM522から読み出され転送された制御用データや、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグなどを一時的に記憶しておくための記憶手段である。
ワークRAM523には、CPU521からプログラムROM522へのデータ転送指示に基づき、プログラムROM522から制御用データが転送される。そして、CPU521は、ワークRAM523に転送された制御用データを必要に応じて内部のメモリ領域(レジスタ群)に読み込み、各種処理を実行する。
ビデオRAM524は、演出表示装置42に対して出力する各種データを一時的に記憶しておくための記憶手段であり、VDP526により描画データが作成される2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ及び第2フレームバッファ)を備えている。
2つのフレームバッファは、それぞれ1フレーム分の描画データ(1画面分の画像)を記憶可能に設けられている。具体的に、各フレームバッファには、それぞれ液晶表示部42aの画素(ドット)に所定の倍率で対応させた多数の単位エリアが含まれている。各単位エリアは、いずれの色を表示するかを特定するためのデータを記憶可能に構成されている。本実施形態では、フルカラー方式が採用されており、各画素においてR(赤),G(緑),B(青)の各色毎にそれぞれに256段階の設定が可能となっている。これに対応して、各単位エリアにおいては、RGB各色に1バイト(8ビット)が割り当てられている。つまり、各単位エリアは、少なくとも3バイトの記憶容量を有している。
ビデオRAM524に2つのフレームバッファが設けられていることにより、一方のフレームバッファに作成された描画データを演出表示装置42へ出力している状況下において、他方のフレームバッファに対して、次に出力される描画データを作成することができる。つまり、ビデオRAM524として、ダブルバッファ方式が採用されている。
尚、2つのフレームバッファは、描画処理の開始毎に描画用フレームバッファと表示用フレームバッファとに交互に切り替わるものである。具体的には、描画処理の開始毎に、2つのフレームバッファから表示用フレームバッファとなるもの(例えば第1フレームバッファ)を指定する。表示用フレームバッファを指定することにより、結果的に描画用フレームバッファとなるもの(例えば第2フレームバッファ)も指定されることになる。つまり、2つのフレームバッファがそれぞれ描画用フレームバッファ→表示用フレームバッファ→描画用フレームバッファ→・・・といったように交互に指定されることとなる。
キャラクタROM525は、演出表示装置42に表示される図柄やキャラクタなどのスプライトデータや背景画像データなどを含む各種画像データを予め記憶している。ここで、各スプライトデータは、図柄やキャラクタの外形や模様を規定するビットマップ形式データと、ビットマップ画像の各ピクセルでの表示色を決定する際に参照されるカラーパレットテーブルとの組合せを少なくとも含んでいる。また、背景画像データは、静止画像データが圧縮された状態のJPEG形式データとして記憶保持されている。
VDP526は、演出表示装置42の液晶表示部42aを駆動制御する上記液晶駆動回路(LCDドライバ)を操作する一種の描画回路であり、CPU521からの描画指示に基づき画像生成等を行う。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。
VDP526は、CPU521から送信された描画指示情報としての描画指示リストを自身のレジスタに記憶させる。VDP526のレジスタに描画指示リストが記憶されることにより、VDP526では、該描画指示リストに従ったプログラムが起動されて所定の処理が実行される。尚、VDP526の制御部が動作するための制御プログラムの全てが描画指示リストにより提供される構成としてもよく、制御プログラムを予め記憶したメモリをVDP526に内蔵させ、当該制御プログラムと描画指示リストの内容とによってVDP526が所定の処理を実行する構成としてもよい。
上記構成の下、VDP526が描画処理を行う場合には、まず描画指示リストを基にキャラクタROM525に記憶されている画像データを読み出す。続いて、VDP526は、読み出された画像データをビデオRAM524の所定のフレームバッファに展開し、1フレーム分の描画データを作成する。ここで、1フレーム分の描画データとは、予め定められた更新タイミングで演出表示装置42の液晶表示部42aに表示される画像が更新される構成において、一の更新タイミングにおける画像を表示させるために必要なデータのことをいう。尚、本実施形態では、1フレーム分の描画データの作成が20msec周期の範囲内で完了するように行われる。
VDP526では、ビデオRAM524の第1フレームバッファ又は第2フレームバッファに作成された描画データに基づいて、液晶表示部42aの各画素に対応した画素情報を含む映像信号が生成され、その映像信号が出力ポート529を介して演出表示装置42に出力される。
より詳しくは、VDP526は、作成された描画データから映像信号として、液晶表示部42aの各画素の色データを示すR(赤),G(緑),B(青)の各色情報からなるRGB信号や、該RGB信号と液晶表示部42aとの同期を図るための同期信号を演出表示装置42に出力する。つまり、映像信号の出力態様は、上記大当たり信号1,2など一定の出力レベルで出力されるレベル信号の出力態様とは異なり、各種情報を含んだ所定のパターン信号となる。
但し、上述したとおり、本実施形態ではダブルバッファ方式が採用されているため、映像信号の出力は、該出力に対応するフレームに対して1フレーム分だけ後の更新タイミングに対応する描画データの作成と並行して行われることとなる。
尚、VDP526は、1フレーム分の描画データの出力が完了する毎に、指定するフレームバッファを交互に切り換えるセレクタ回路を有しており、当該セレクタ回路による切換によって、ビデオRAM524において描画データが作成されている描画用フレームバッファが、描画データを出力する表示用フレームバッファとならないように規制されている。
VDP526は、演出表示装置42に対し1フレーム分の描画データ(1画面分の画像)に係る映像信号を出力する場合、例えば、まず液晶表示部42aの最左上の隅角部分(第1行目、第1列目)にある画素から始めて、液晶表示部42aの最右上の隅角部分(第1行目、第n列目)にある画素まで、同一水平ライン上に並ぶ各画素に対して順次映像信号を出力していき、最右上の隅角部分(第1行目、第n列目)の画素に対して映像信号を出力し終わると、次は2行目の左端部分(第2行目、第1列目)にある画素から、同一水平ライン上に並ぶ各画素に対して順次映像信号を出力していくといったように、以下、同様に、上から順に左端の画素から右端の画素へと順次映像信号を出力していくことで、液晶表示部42aの画面全体に画像を表示することができる。
そして、VDP526は、液晶表示部42aの最右下の隅角部分にある最後の画素に対して映像信号を出力したタイミングでCPU521へV割込み信号を出力して1フレームの描画データの更新が完了したことをCPU521に認識させる。本実施形態では、このV割込み信号の出力周期が1フレーム分の描画データの更新周期と同一の20msecとなっている。この点において、V割込み処理は、V割込み信号の受信に同期して起動されると見なすこともできる。つまり、本実施形態では、V割込み信号が出力される所定期間(20msec)毎に演出表示装置42に対し1フレーム分の描画データに係る映像信号の出力処理が実行されることとなる。但し、V割込み信号を受信していなくても、前回のV割込み処理が起動されてから20msecが経過している場合には、新たにV割込み処理が起動される構成としてもよい。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
さて、遊技ホールにおいては、図270に示すように、多数のパチンコ機10が島設備(符号略)に設置されると共に、これらのパチンコ機10を管理する管理手段としてホールコンピュータHCが設けられている。
尚、図示は省略するが、ホールコンピュータHCは、演算装置であるMPUや、該MPUにて実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM、各種データを一時的に記憶するワークメモリ等として使用されるRAM、書換可能な不揮発性のメモリであるハードディスクなどを備え、所定の通信ケーブル(符号略)等を介して各パチンコ機10と電気的に接続されている。
そして、ホールコンピュータHCは、パチンコ機10の各出力端子(端子240a,240b等)を通じて取得した遊技に関する各種情報を記憶し集計する等して、パチンコ機10の遊技状態や稼働状況など管理する。
また、図270に示すように、遊技ホールの島設備には、各パチンコ機10に1対1で対応させて遊技データ表示装置HDが設置されている。各遊技データ表示装置HDは、自身に対応するパチンコ機10の上方に設置されており、所定の電気配線(符号略)を介してホールコンピュータHCと電気的に接続されている。
そして、各遊技データ表示装置HDには、自身と対応するパチンコ機10から出力された各種情報の一部又は全部がホールコンピュータHCを介して間接的に又はホールコンピュータHCからの各種指令として入力される。これに基づき、遊技データ表示装置HDには、自身と対応するパチンコ機10に関する各種遊技データ(遊技情報)が表示される。
但し、本実施形態では、ホールコンピュータHCからパチンコ機10に向けた情報出力や、遊技データ表示装置HDからパチンコ機10に向けた情報出力、及び、遊技データ表示装置HDからホールコンピュータHCに向けた情報出力などは行われない。
図271に示すように、遊技データ表示装置HDは、各種遊技データを表示可能な液晶表示部H50と、該液晶表示部H50を制御する制御部H51とを備えている。図271は、ホールコンピュータHCを介して構成される1台のパチンコ機10とこれに対応する遊技データ表示装置HDとの電気的構成を示すブロック図である。
尚、遊技データ表示装置HDは、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックスなど、他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
さらに、遊技データ表示装置HDには、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が遊技ホールの係員を呼び出す際に操作される呼出ボタンH53と、液晶表示部H50における表示内容(表示項目)を切り替える際に操作される切替ボタンH54とが設けられている。
各ボタンH53,H54は、それぞれ制御部H51に電気的に接続されており、各ボタンH53,H54からの信号が制御部H51に入力される構成となっている。そして、制御部H51にて呼出ボタンH53が操作されたことを検知した場合には、液晶表示部H50の表示内容を係員の呼出しに対応するものに変更する。
上記構成の下、遊技データ表示装置HDの液晶表示部H50には、大当たり状態の発生回数、図柄変動表示の実行回数(スタート回数)、獲得賞球数、高サポートモード継続中の大当たり状態の発生回数(連チャン回数)など、対応するパチンコ機10に係る各種遊技データが表示される。これにより、遊技者は、遊技データ表示装置HDを視認することで、これに対応するパチンコ機10に関する遊技データを把握することができる。また、遊技者は、切替ボタンH54を操作することで、これらの表示内容を変更することができる。
ここで、遊技データ表示装置HDの表示態様の一例について図272(a)~(c)を参照しつつ説明する。
パチンコ機10の遊技状態は、大別して第1遊技状態(低確率状態かつ低サポートモードの通常状態)と、該第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態(大当たり状態や高サポートモードなど)とに分けられる。
そして、これらの変化に合わせて、遊技データ表示装置HDにおいては、液晶表示部H50の表示態様(表示モード)の切り替えが行われる。尚、液晶表示部H50における表示態様の切り替えは、対応するパチンコ機10からの所定の情報出力を契機としたホールコンピュータHCからの所定のデータ入力や指令等に基づいて行われる。
例えば図272(a)に示すように、上記第1遊技状態に対応する通常表示モードの液晶表示部H50には、遊技に関する情報として、遊技進行に伴う収支の変化を示すグラフや、その日の総大当たり回数、初当たり回数、スタート回数などが表示される。尚、「初当たり」とは、低確率状態かつ低サポートモードの通常状態で当選した大当たりを指す。
一方、図272(b)に示すように、上記第2遊技状態に対応するアクティブ表示モードの液晶表示部H50には、遊技に関する情報として、大当たり継続回数(連チャン回数)、スタート回数、獲得賞球数などが表示される。
尚、アクティブ表示モードでは、獲得賞球数として、初当たりから通常状態に戻ることなく継続する一連の有利期間中(初当たり遊技中を含む)の現時点までに遊技者が獲得した賞球数などが表示される。
また、対応するパチンコ機10において、遊技状態が高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留の消化期間中にある場合には、液晶表示部H50の表示モードが演出表示モードとなる。図272(c)に示すように、演出表示モードの液晶表示部H50には、大当たり継続回数、スタート回数、獲得賞球数に加えて、「ギリギリチャンスモード」といった文字情報が表示され、第2変動表示の残り保留の消化期間中であることを遊技者が認識可能な状態となる。
勿論、遊技データ表示装置HDの液晶表示部H50における表示内容や表示態様は、上記内容に限定されるものではなく、他の異なる表示内容や表示態様であってもよい。また、本実施形態では、後述するように、残り保留数レジスタFRの値(残り保留数)に応じて、第2端子240bから出力される出力信号(大当たり信号2)の出力態様が異なるように構成されているため、ホールコンピュータHCや遊技データ表示装置HDがこの違いを認識可能な仕様である場合には、演出表示モードにおいて、高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留数に応じて異なる表示態様としたり、異なる演出を実行する構成としてもよい。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図237に示すように、大当たり状態を発生させるか否かの大当たり抽選(当否抽選)に使用する大当たり乱数カウンタCE1と、大当たり種別の決定(抽選)に使用する種別決定手段としての大当たり種別決定カウンタCE2と、演出表示装置42を外れ変動させる際にリーチ状態を発生させるか否かの決定(抽選)や、発生させるリーチの種別の決定(抽選)等に使用するリーチ選択カウンタCE3と、大当たり乱数カウンタCE1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、第1及び第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)の変動表示時間の決定(抽選)や、演出表示装置42における変動パターン(演出パターン)の決定(抽選)等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(下始動入賞口33YBの開閉役物37Yを開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタCE4とを用いることとしている。
カウンタCE1,CE2,CE3,CINI,CS1,CS2,CE4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、大当たり乱数カウンタCE1、大当たり種別決定カウンタCE2、及びリーチ選択カウンタCE3の各値が記憶される特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタCE4の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。普通変動保留エリアは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備える記憶機能部としての第1特別変動保留エリア及び記憶機能部としての第2特別変動保留エリアと、1つの実行エリアとを備えている。
第1特別変動保留エリアの各保留エリアには、上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCE1、大当たり種別決定カウンタCE2、及びリーチ選択カウンタCE3の各値が時系列的に格納される。
第2特別変動保留エリアの各保留エリアには、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタCE1、大当たり種別決定カウンタCE2、及びリーチ選択カウンタCE3の各値が時系列的に格納される。
普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタCE4の値が時系列的に格納される。
かかる構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43R及び普通図柄表示装置41における変動表示をそれぞれ4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタCE1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり599)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタCE1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が該大当たり乱数カウンタCE1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタCE1と同様のループカウンタであり(値=0~599)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタCE1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタCE1の値が、第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリアに格納される。
大当たりとなる乱数の値は、「低確率モード」と「高確率モード」とで2種類設定されており、本実施形態では、「低確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は2つで、その値は「7、307」であり、「高確率モード」であれば大当たりとなる乱数の値の数は20で、その値は「7~16、307~316」である。すなわち、「低確率モード」においては1/300の確率で当否抽選に当選し(大当たり状態が発生し)、「高確率モード」においては1/30の確率で当否抽選に当選することとなる。
本実施形態では、ROM502に対し、大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応するか否かの判定を行う際に参照される当否判定テーブルが設けられている。尚、本実施形態では、当否判定テーブルが2つ存在し、「7、307」を記憶した第1当否判定テーブルと、「7~16、307~316」を記憶した第2当否判定テーブルとがある。
また、本実施形態では、大当たり乱数カウンタCE1の値は、「小当たり」を判定する場合にも使用される。「小当たり」となる乱数の値の数は50で、その値は「101~125、401~425」である。すなわち、1/12の確率で当否抽選に当選(小当たり状態が発生)することとなる。
大当たり種別決定カウンタCE2は、例えば0~19の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり19)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、大当たり種別決定カウンタCE2によって、大当たり種別、すなわち「16R確変大当たりA」、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりA」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりA」、「16R通常大当たりB」、「4R通常大当たりA」、「4R通常大当たりB」又は「JUB大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
尚、ROM502には、大当たり種別決定カウンタCE2の値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される大当たり種別判定テーブルが設けられている。また、上記のように、本実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合と、下始動入賞口33YBへ入賞した場合とで、大当たり種別の振り分けが異なっている。すなわち、本実施形態では、大当たり種別判定テーブルが2つ存在し、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合に参酌される第1大当たり種別判定テーブルと、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した場合に参酌される第2大当たり種別判定テーブルとがある。
具体的には、遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞した場合、第1大当たり種別判定テーブル(図265参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタCE2の値が「0,1」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定される。
また、大当たり種別決定カウンタCE2の値が「2」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「3」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「4」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定され、「5」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCE2の値が「6」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCE2の値が「7」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「8」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「9」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定され、「10」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R確変大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCE2の値が「11」であれば「16R通常大当たりA」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCE2の値が「12」であれば、「20回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「13」であれば「30回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「14」であれば「40回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「50回・高サポートモード」付き「16R通常大当たりB」の付与が決定される。
大当たり種別決定カウンタCE2の値が「16」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「19」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定される。
すなわち、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、10%の確率で「16R確変大当たりA」となり、20%の確率で「16R確変大当たりB」となり、5%の確率で「4R確変大当たりA」となり、20%の確率で「4R確変大当たりB」となり、5%の確率で「16R通常大当たりA」となり、20%の確率で「16R通常大当たりB」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となる。
一方、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞した場合には、第2大当たり種別判定テーブル(図266参照)を参酌して、大当たり種別決定カウンタCE2の値が「0~9」であれば「16R確変大当たりA」の付与が決定され、「10,11」であれば「4R確変大当たりA」の付与が決定され、「12,13」であれば「4R通常大当たりA」の付与が決定され、「14」であれば、「20回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「15」であれば「30回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「16」であれば「40回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「17」であれば「50回・高サポートモード」付き「4R通常大当たりB」の付与が決定され、「18,19」であれば「JUB大当たり」の付与が決定される。
すなわち、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする当否抽選に当選した場合には、50%の確率で「16R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R確変大当たりA」となり、10%の確率で「4R通常大当たりA」となり、20%の確率で「4R通常大当たりB」となり、10%の確率で「JUB大当たり」となる。
尚、大当たり種別決定カウンタCE2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり種別決定カウンタCE2の値が大当たり種別決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、大当たり種別決定カウンタバッファに格納されている大当たり種別決定カウンタCE2の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、リーチ選択カウンタCE3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、リーチ選択カウンタCE3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。本実施形態では、ROM502に対し、リーチ選択カウンタCE3の値がリーチ状態の発生に対応する値であるか否か及びいずれのリーチに対応するかの判定を行う際に参照されるリーチ判定テーブルが設けられている。リーチ判定テーブルには「0~238」の値が記憶され、CE3=0,1が前後外れリーチに該当し、CE3=2~21が前後外れ以外リーチに該当し、CE3=22~238が完全外れに該当する構成となっている。
リーチ選択カウンタCE3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、リーチ選択カウンタバッファにリーチ選択カウンタCE3の値が格納される。そして、遊技球が上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBに入賞したタイミングで、リーチ選択カウンタバッファに格納されているリーチ選択カウンタCE3の値がRAM503の特別変動保留エリア(第1特別変動保留エリア又は第2特別変動保留エリア)に格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図237中でもこのように表記した。
例えば通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図268参照)においては、第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等、装飾図柄のリーチ種別やその他大まかな変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、変動時間など、より細かな変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多様化を容易に実現することができる。勿論、第1変動種別カウンタCS1だけで変動態様を決定したり等することも可能である。
尚、ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がなされないリーチパターンである。スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、演出表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。スペシャルリーチは、大当たり状態が発生する期待度が高い場合(本実施形態では大当たり状態が発生する場合のみ)に導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、演出表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタCE1、リーチ選択カウンタCE3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタCE4は、例えば0~9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタCE4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球がスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタCE4の値が取得される。
そして、当選となる普通図柄乱数カウンタCE4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yが所定時間の間、開状態となる。
本実施形態では、「低サポートモード」において、当選となる乱数の値は「0,1」の2個である。一方、「高サポートモード」において、当選となる乱数の値は、「0~7」の8個である。つまり、「低サポートモード」時には1/5の確率で開閉役物37Yが開状態となり、「高サポートモード」時には4/5の確率で開閉役物37Yが開状態となる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
NMI割込み処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
尚、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
図240は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図240において、先ずステップSE301では、各種入賞検出スイッチの読込み処理を実行する。ここでは主制御装置261に接続されている各種入賞検出スイッチ(一般入賞スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞スイッチ224A,224B、スルーゲートスイッチ225)の状態を読み込むと共に、該スイッチの状態を判定して検知情報を保存する。
ステップSE302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSE303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタCE1、大当たり種別決定カウンタCE2、リーチ選択カウンタCE3及び普通図柄乱数カウンタCE4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタCE1,CE2,CE3,CE4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップSE304では、始動入賞口33YA,33YBへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップSE305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップSE304の始動入賞処理について図241のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、大当たり乱数カウンタCE1の値を記憶する大当たり乱数記憶エリア、大当たり種別決定カウンタCE2の値を記憶する大当たり種別乱数記憶エリア、リーチ選択カウンタCE3の値を記憶するリーチ乱数記憶エリアが設けられている。
先ず、ステップSE501では、遊技球が下始動入賞口33YBに入賞したか否かを第2始動入賞スイッチ224Bの検知情報に基づき判定する。該ステップSE501で肯定判定された場合、ステップSE502において、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。該ステップSE502で否定判定された場合には、ステップSE509へ移行する。一方、ステップSE502で肯定判定された場合には、ステップSE503に進み、下保留カウンタNbを1インクメントする。
続くステップSE504では、上記ステップSE303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタCE1、大当たり種別決定カウンタCE2、及びリーチ選択カウンタCE3の各値を、第2特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。かかる処理を実行する機能により本実施形態における保留機能が構成される。ステップSE504の後、ステップSE505に移行する。
ステップSE505では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する判定機能としての大当たり判定処理を行う。尚、大当たり判定処理の詳細については後述する。
続くステップSE506では、ステップSE505で大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCE2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第2大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり予定フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第2大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCE2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0~9」のいずれかであった場合には、「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「10,11」のいずれかであった場合には、「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりA」に対応する値「12,13」のいずれかであった場合には、「4R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「14~17」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「JUB大当たり」に対応する値「18,19」のいずれかであった場合には、「JUB大当たりフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、大当たり終了後の所定期間(本実施形態では変動表示20回分)、付与された「高サポートモード」が「次回まで・高サポートモード」であることを報知しない非報知演出を行なうか否かの演出抽選が例えば1/100程度の抽選確率で行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップSE507では、ステップSE505で大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCE3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、リーチ判定処理の詳細については後述する。
さらに続くステップSE508では、保留制御コマンド(先発コマンド)の設定処理を行う。保留制御コマンドとは、第2特別変動保留エリアに保留記憶された各種保留情報(変動表示の内容を決定するために使用される情報)を事前にサブ制御装置262に対して知らせるためのコマンドである。本処理にて設定された保留制御コマンドは、次回の外部出力処理(ステップSE201参照)にてサブ制御装置262に出力される。保留制御コマンドには、例えば保留情報として、上記大当たり判定処理や大当たり種別判定処理の結果を示す情報、始動入賞口33YA,33YBどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報、後述する残り保留数レジスタFRに記憶された残り保留数情報、後述する第2保留カウンタNbに記憶された保留数情報などが含まれる。
ここで、ステップSE505の大当たり判定処理の詳細について、図242を参照して説明する。
先ず、ステップSE5101では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCE1の値が、第1当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値「7」、「307」のどちらかと一致するか否かを判定する。尚、図242では便宜上、該ステップSE5101の処理を簡略化して記載しているが、実際には、大当たり乱数カウンタCE1の値が「7」であるか否かを判定するとともに、該判定で否定判定された場合には、大当たり乱数カウンタCE1の値が「307」であるか否かを判定し、これらどちらかの判定で肯定判定された場合に、該ステップSE5101で肯定判定され、どちらの判定においても否定判定された場合に、該ステップSE5101で否定判定されることとなる。
ステップSE5101で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSE5102において大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSE5101で否定判定された場合には、ステップSE5103において、後述する抽選モードフラグの値を基に、「高確率モード」中であるか否かを判定する。
ステップSE5103で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中である場合には、ステップSE5104において、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCE1の値が、第2当否判定テーブルに記憶された大当たりに対応する値のうち、上記「7」、「307」を除く、「8~16、308~316」のいずれかであるか否かを判定する。尚、該判定処理に際しても、実際には、上記のように大当たり乱数カウンタCE1の値と大当たりに対応する各値とが一致するか否かを1つずつ判定する。
該ステップSE5104で肯定判定された場合、すなわち「高確率モード」中においては大当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSE5102において大当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。
ステップSE5103又はステップSE5104で否定判定された場合、すなわち「大当たり」でない場合には、ステップSE5105へ移行する。
また、ステップSE5105では、新たに第2特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCE1の値が、小当たりに対応する値「101~125、401~425」と一致するか否かを判定する。
ステップSE5105で肯定判定された場合、すなわち小当たり状態が発生すると判定された場合には、ステップSE5106において小当たり予定フラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップSE5105で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、ステップSE507のリーチ判定処理について図243を参照して説明する。
先ず、ステップSE5301では、直前に行われた大当たり判定処理にて、当たり予定フラグ(大当たり予定フラグ又は小当たり予定フラグ)が設定されたか否かを判定する。ステップSE5301で肯定判定された場合、すなわち大当たり状態又は小当たり状態が発生する場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSE5301で否定判定された場合、すなわち当たり状態が発生しない場合には、ステップSE5302において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCE3の値が、「前後外れリーチ」に対応する値「0、1」のどちらかと一致するか否かを判定する。ステップSE5302で肯定判定された場合には、ステップSE5303において、前後外れリーチの発生を示す前後外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。
一方、ステップSE5302で否定判定された場合には、ステップSE5304において、リーチ判定テーブルを参酌し、新たに第2特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCE3の値が、「前後外れ以外リーチ」に対応する値「2~21」のいずれかと一致するか否かを判定する。該ステップSE5304で肯定判定された場合には、ステップSE5305において前後外れ以外フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップSE5304で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」となる場合には、そのまま本処理を終了する。
図241の説明に戻り、ステップSE508の処理の後、又は、ステップSE501で否定判定された場合には、ステップSE509において、遊技球が上始動入賞口33YAに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224Aの検出情報に基づき判定する。該ステップSE509で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップSE510において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示の保留数をカウントする上保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する。該ステップSE510で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSE510で肯定判定された場合には、ステップSE511に進み、上保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップSE512では、大当たり乱数カウンタCE1、大当たり種別決定カウンタCE2、及びリーチ選択カウンタCE3の各値を、第1特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。かかる処理を実行する機能により本実施形態における保留機能が構成される。ステップSE512の後、ステップSE513に移行する。
ステップSE513では、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定する判定機能としての大当たり判定処理を行う。尚、ステップSE513の大当たり判定処理は、小当たり判定を除き、上記ステップSE505の大当たり判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの入賞に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
続くステップSE514では、ステップSE513で大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値であると判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCE2の値に基づいて、大当たりの種別を判定する第1大当たり種別判定処理を行う。
ここでは、先ず直前に行われた大当たり判定処理にて、大当たり予定フラグが設定されたか否かを判定し、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、上記第1大当たり種別判定テーブルを参酌し、新たに第1特別変動保留エリアに記憶された大当たり種別決定カウンタCE2の値が、「16R確変大当たりA」に対応する値「0,1」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「16R確変大当たりB」に対応する値「2~5」のいずれかであった場合には「16R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりA」に対応する値「6」であった場合には「4R確変大当たりAフラグ」をオンにし、「4R確変大当たりB」に対応する値「7~10」のいずれかであった場合には「4R確変大当たりBフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりA」に対応する値「11」であった場合には「16R通常大当たりAフラグ」をオンにし、「16R通常大当たりB」に対応する値「12~15」のいずれかであった場合には「16R通常大当たりBフラグ」をオンにし、「4R通常大当たりB」に対応する値「16~19」のいずれかであった場合には「4R通常大当たりBフラグ」をオンにする。
尚、ここで「16R確変大当たりA」又は「4R確変大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、ステップSE506と同様、上記非報知演出を行なうか否かの演出抽選が行なわれる。そして、抽選結果として、非報知演出が行なわれることが決定された場合には、非報知演出実行フラグがオンにされる。
続くステップSE515では、ステップSE513で大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値ではないと判定された場合に、新たに第1特別変動保留エリアに記憶されたリーチ選択カウンタCE3の値に基づいて、リーチの種別を判定するリーチ判定処理を行う。尚、ステップSE515のリーチ判定処理は、上記ステップSE507のリーチ判定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
さらに続くステップSE516では、保留制御コマンド(先発コマンド)の設定処理を行う。その後、本処理を終了する。尚、ステップSE516の保留制御コマンドの設定処理は、上記ステップSE508の保留制御コマンドの設定処理と同様であり、処理の対象となる変動表示に関する情報が、上始動入賞口33YAへの球に基づくものであるといった点が異なるだけであるため、便宜上、詳細な説明は省略する。
次に、ステップSE305のスルーゲート通過処理について図244のフローチャートを参照して説明する。
ステップSE601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判定する。
ステップSE601で否定判定された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSE601にて肯定判定された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判定されると、ステップSE602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNcの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSE602で肯定判定された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNcの値<4であることを条件にステップSE603に進み、普通保留カウンタNcを1インクリメントする。
また、続くステップSE604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップSE303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタCE4の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図238のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップSE101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。続くステップSE102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップSE103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判定し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップSE112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップSE104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップSE112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSE105でRAM判定値を算出し、続くステップSE106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップSE112へ移行する。
ステップSE112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。なお、初期化コマンドを受信したサブ制御装置262は、後述するように自身の初期化処理を実行し、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」を遊技状態格納エリアに記憶する。
その後、RAMの初期化処理(ステップSE113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップSE113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップSE113等)に移行する。つまり、ステップSE113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップSE114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップSE115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップSE103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSE107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSE108では、電源断の発生情報をクリアする。
ステップSE109では、RAM503に記憶された電源断時の遊技状態を把握するための遊技状態チェック処理を実行する。
続くステップSE110では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を電源断時の遊技状態に復帰させる復帰コマンドを送信する。尚、サブ制御装置262に送信する復帰コマンドには、上記遊技状態チェック処理にて特定した電源断時の遊技状態に係る情報(後述する遊技状態判定値Xj)が含まれる。
ステップSE111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップSE115で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
ここで、ステップSE109の遊技状態チェック処理について図245,図246を参照して説明する。図245は、遊技状態チェック処理を示すフローチャートであり、図246は、後述する抽選モードフラグ、サポートモードフラグ、遊技状態特定カウンタKj及び遊技状態判定値Xjの対応関係を示す説明図である。尚、遊技状態チェック処理は、後述する変動表示設定処理(ステップSE807)やエンディング終了設定処理(ステップSE1214)においても実行される。
図245に示すように、ステップSE1901では、RAM503にバックアップ記憶された電源断時の遊技状態に係る各種情報の読込み処理を実行する。具体的には、抽選モードフラグの値、サポートモードフラグの値、及び、遊技状態特定カウンタKjの値をそれぞれRAM503から読み込む。
抽選モードフラグとは、抽選モードが「低確率モード」又は「高確率モード」のどちらであるかを判別するための状態判別情報であり、そのフラグ値として、抽選モードが「低確率モード」の場合には「50(H)」が設定され、「高確率モード」の場合には「53(H)」が設定される。尚、抽選モードフラグにおける上位4ビットの値「5」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
サポートモードフラグとは、入賞サポートモードがどのような状態にあるかを判別するための状態判別情報であり、そのフラグ値として、入賞サポートモードが「低サポートモード」である場合には「A0(H)」が設定される。尚、サポートモードフラグにおける上位4ビットの値「A」は、ノイズ対策用に一律に付加されたものあって、特に遊技状態を判別するためのものではない。
また、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A1(H)」が設定される。
また、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の場合には、フラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合には、フラグ値として「A3(H)」が設定される。
遊技状態特定カウンタKjとは、大当たり終了後の変動表示の実行回数を計数し、遊技状態の切替えタイミングを特定するための状態判別情報であり、大当たり終了時に所定の初期値が設定され、変動表示が1回行われる毎に1ずつ減算される。例えば、後述するように遊技状態特定カウンタKjの初期値として「50」が設定され、その後、該カウンタKjの値が「31」となっていれば、その時点の変動表示は、大当たり終了後、20回目の変動表示であると特定することができる。
本実施形態では、「16R確変大当たりB」、「4R確変大当たりB」、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「50」が設定される。
また、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、初期値として「30」が設定される。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選した場合、すなわち大当たり終了後に「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、初期値として「0」が設定される。但し、上記非報知演出実行フラグがオンとされ、非報知演出が実行される場合には、初期値として「30」が設定される。非報知演出実行フラグは、初期値設定後、オフとされる。
図245の説明に戻り、ステップSE1902では、ステップSE1901にて読み込んだ抽選モードフラグの値と、サポートモードフラグの値とを加算する。
続くステップSE1903では、ステップSE1902にて算出した加算値と、所定のマスク値(本実施形態では「07(H)」)との論理積をとって、下位3ビットのデータを取出し、所定の作業エリアに遊技状態判定値Xjとしてセットする。
ステップSE1904では、遊技状態判定値Xjの値が「1」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップSE1905へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「4」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ステップSE1904、又は、ステップSE1905で肯定判定された場合には、ステップSE1909へ移行する。一方、ステップSE1905で否定判定された場合には、ステップSE1906へ移行する。
ステップSE1906では、遊技状態判定値Xjの値が「2」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「低確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合には、ステップSE1907へ移行し、遊技状態判定値Xjの値が「5」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態であるか否かを判定する。
ステップSE1906、又は、ステップSE1907で肯定判定された場合には、ステップSE1912へ移行する。一方、ステップSE1907で否定判定された場合には、ステップSE1908へ移行する。
ステップSE1908では、遊技状態判定値Xjの値が「6」か否かを判定する。すなわち抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「次回まで・高サポートモード」の状態であるか否かを判定する。
ここで肯定判定された場合には、ステップSE1914へ移行する。一方、否定判定された場合には、ステップSE1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップSE1904、又は、ステップSE1905で肯定判定され、移行したステップSE1909では、遊技状態特定カウンタKjの値が「31」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が20回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSE1913へ移行し、否定判定された場合にはステップSE1910へ移行する。
ステップSE1910では、遊技状態特定カウンタKjの値が「21」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が30回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSE1913へ移行し、否定判定された場合には、ステップSE1911へ移行する。
ステップSE1911では、遊技状態特定カウンタKjの値が「11」であるか否かを判定する。すなわち大当たり終了後の変動表示が40回目であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合にはステップSE1913へ移行し、否定判定された場合にはステップSE1912へ移行する。
ステップSE1912では、遊技状態特定カウンタKjの値が「1」であるか否かを判定する。すなわち「50回目(初期値「50」の場合)」又は「30回目(初期値「30」の場合)」であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合にはステップSE1916へ移行し、遊技状態判定値Xjの値(「1」、「4」、「2」又は「5」)をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップSE1912にて肯定判定された場合、すなわち遊技状態特定カウンタKjの値が「1」である場合には、ステップSE1913へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「7」に変更する。その後、ステップSE1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「7」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
さて上記ステップSE1908で肯定判定され、移行したステップSE1914では、遊技状態特定カウンタKjの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち入賞サポートモードが、上記非報知演出の行われない「次回まで・高サポートモード」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、遊技状態判定値Xjの値「6」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。
一方、ステップSE1914にて否定判定された場合、すなわち非報知演出が行われる「次回まで・高サポートモード」である場合には、ステップSE1915へ移行し、遊技状態判定値Xjの値を「5」に変更する。その後、ステップSE1916へ移行し、この遊技状態判定値Xjの値「5」をRAM503の所定エリアに記憶して、本処理を終了する。これにより、「次回まで・高サポートモード」の状態であっても所定回数(本実施形態では20回)の間は、抽選モードが「高確率モード」で、かつ、入賞サポートモードが「30回・高サポートモードS」の状態と同様の演出が行われることとなる。
次に、通常処理の流れを図239のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップSE201~SE210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップSE211,ステップSE212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップSE201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや可変入賞装置32、開閉役物37Y等の制御内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。以下に具体例をいくつか挙げる。
例えば上記各種検出スイッチの検知情報を基に、一般入賞口31など各種入賞口への遊技球の入賞の有無を判定し、入賞有りの場合には該入賞に対応した個数に対応する賞球払出コマンドを払出制御装置311に対して送信する。
また、エラー表示ランプ104を点滅させるためのコマンドなどが設定されている場合には、サブ制御装置262に対し該コマンドを出力する。
さらに、演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンドや図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。これに対し、変動パターンコマンドや図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、演出表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を演出表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
また、ステップSE201の外部出力処理では、外部端子板240を介して、パチンコ機10の各種遊技状態を把握させるための各種情報をホールコンピュータHCへ外部出力するための処理も行われる。
例えば現在の遊技状態が大当たり状態中である場合には、第1端子240aからホールコンピュータHCへ大当たり信号1(ハイレベル信号)が出力される。また、現在の遊技状態が大当たり状態中又は高サポートモードである場合には、第2端子240bからホールコンピュータHCへ大当たり信号2(ハイレベル信号)が出力される。これにより、ホールコンピュータHCは、出力元のパチンコ機10における大当たり状態の開始及び終了、並びに、高サポートモードの開始及び終了を把握することができる。尚、大当たり信号1及び大当たり信号2の出力処理の詳細については後述する。
また、第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rにおいて変動表示が確定停止表示された場合には、その旨を示す所定の情報(例えば20ms幅のパルス信号)が、外部端子板240の第3端子からホールコンピュータHCへ出力される。これにより、ホールコンピュータHCは、出力元のパチンコ機10において実行された変動表示の回数(スタート回数)を把握することができる。
また、現在の遊技状態が高確率モード中である場合には、その旨を示す所定の情報(例えば連続したハイレベル信号)が、外部端子板240の第4端子からホールコンピュータHCへ出力される。これにより、ホールコンピュータHCは、出力元のパチンコ機10の現在の遊技状態が高確率モードであることを把握することができる。
また、上始動入賞口33YAへ遊技球が入球した場合には、その旨を示す所定の情報(例えば5ms幅のパルス信号)が、外部端子板240の第5端子からホールコンピュータHCへ出力される。同様に、下始動入賞口33YBへ遊技球が入球した場合には、その旨を示す所定の情報(例えば5ms幅のパルス信号)が、外部端子板240の第6端子からホールコンピュータHCへ出力される。
また、内枠開放検知スイッチ92の状態を確認して内枠12が開放されているか否かを判別し、内枠12が開放されている場合には、その旨を示す所定の情報(例えば連続したハイレベル信号)が、外部端子板240の第7端子からホールコンピュータHCへ出力される。同様に、前面枠開放検知スイッチ91の状態を確認して前面枠セット14が開放されているか否かを判別し、前面枠セット14が開放されている場合には、その旨を示す所定の情報(例えば連続したハイレベル信号)が、外部端子板240の第8端子からホールコンピュータHCへ出力される。
また、各種エラーが検知された場合には、その旨を示す所定の情報(例えば連続したハイレベル信号)が、外部端子板240の第9端子からホールコンピュータHCへ出力される。
また、払出制御装置311から所定個数(例えば10個)の賞球の払出しが行われた場合には、その旨を示す所定の情報(例えば10ms幅のパルス信号)が、外部端子板240の第10端子からホールコンピュータHCへ出力される。そして、これを検知したホールコンピュータHCは、出力元のパチンコ機10に係る総賞球数カウンタの値に前記所定個数(例えば10個)を加算すると共に、上記一連の有利期間中に関連する賞球である場合には、有利期間獲得賞球数カウンタの値に前記所定個数(例えば10個)を加算する。さらに、総賞球数カウンタの更新値や、有利期間獲得賞球数カウンタの更新値は遊技データ表示装置HDへ出力され、遊技データ表示装置HDにおいて表示等される。ここで、「総賞球数カウンタ」は、遊技ホールの開店時から現時点までの間に所定のパチンコ機10において払い出された賞球の総数を計数するための計数手段である。また、「有利期間獲得賞球数カウンタ」は、所定のパチンコ機10において、上記一連の有利期間中に払い出された賞球数を計数するための計数手段である。
ここで、上述した大当たり信号1出力処理について図273のフローチャートを参照して詳しく説明する。まずステップSE5001において、大当たり信号1出力フラグF1の値に「1」が設定されているか、すなわち大当たり信号1出力フラグF1がオンとなっているか否かを判定する。
ステップSE5001にて肯定判定された場合には、ステップSE5002において、第1端子240aから出力される出力信号の出力レベルをハイレベル(H)に設定する。つまり、第1端子240aから大当たり信号1(ハイレベル信号)を出力する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップSE5001にて否定判定された場合には、ステップSE5003において、第1端子240aから出力される出力信号の出力レベルをローレベル(L)に設定する。つまり、第1端子240aから大当たり信号1(ハイレベル信号)を出力させず、そのまま本処理を終了する。
かかる構成により、外部端子板240の第1端子240aから出力される出力信号の出力レベルは、大当たり状態の開始を契機にローレベル(L)からハイレベル(H)に切り替わり、大当たり状態の終了を契機にハイレベル(H)からローレベル(L)に切り替わることとなる。かかる出力信号の出力レベルの切り替わりにより、ホールコンピュータHCは、大当たり状態の開始及び終了を把握することができる。
次に、上述した大当たり信号2出力処理について図274のフローチャートを参照して詳しく説明する。まずステップSE5101において、大当たり信号2出力フラグF2の値に「1」が設定されているか、すなわち大当たり信号2出力フラグF2がオンとなっているか否かを判定する。
ステップSE5101にて肯定判定された場合には、ステップSE5102において、第2端子240bから出力される出力信号の出力レベルをハイレベル(H)に設定する。これにより、第2端子240bから大当たり信号2(ハイレベル信号)が出力される。その後、本処理を終了する。
ここで、大当たり信号2出力フラグF2がオン設定されている場合、すなわち大当たり状態中又は高サポートモード中において、大当たり信号2(ハイレベル信号)を出力するための第2端子240b及び信号出力処理を行う機能により本実施形態における所定情報出力機能部が構成される。つまり、大当たり信号2(ハイレベル信号)が少なくとも高サポートモードを識別可能な所定の識別情報に相当する。
一方、ステップSE5101にて否定判定された場合には、ステップSE5103において、延長フラグF3の値に「1」が設定されているか、すなわち延長フラグF3がオンとなっているか否かを判定する。
ステップSE5103にて否定判定された場合には、ステップSE5104において、第2端子240bから出力される出力信号の出力レベルをローレベル(L)に設定する。つまり、第2端子240bから大当たり信号2(ハイレベル信号)を出力させず、そのまま本処理を終了する。
ここで、高サポートモードの終了条件が成立し(高サポートモードの付与期間が終了し)、高サポートモードが終了した場合に、第2端子240bから出力される出力信号の出力レベルをローレベル(L)に切り替え、所定の識別情報である大当たり信号2(ハイレベル信号)の出力を停止する処理を実行する機能により、本実施形態における出力停止機能が構成される。
一方、ステップSE5103にて肯定判定された場合には、ステップSE5105において、第2端子240bから出力される出力信号の出力レベルをハイレベル(H)に設定すると共に、この出力信号の出力態様を変換する出力態様変換処理を行い、本処理を終了する。
ステップSE5105の出力態様変換処理において、主制御装置261は、抽出機能により、後述する残り保留数レジスタFRを参酌して、予めパターン記憶部としてのROM502に記憶された複数のパターン情報としての信号パターンの中から、現在の保留状況(下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の残り保留数)に対応する所定の信号パターンを抽出してRAM503の所定エリアに設定し、当該信号パターンに基づいて順次、大当たり信号2の出力態様を変換する。
尚、上記信号パターンは、残り保留数と関連付けられたテーブル構成(信号パターンテーブル)でROM502に記憶されている。
例えば残り保留数レジスタFRの値(残り保留数)が「4」である場合に対応する信号パターンデータとして「10101010・・・・・」が記憶されている。同様に、残り保留数レジスタFRの値が「3」である場合に対応する信号パターンデータとして「100100100100・・・・・」が記憶されている。残り保留数レジスタFRの値が「2」である場合に対応する信号パターンデータとして「1000100010001000・・・・・」が記憶されている。残り保留数レジスタFRの値が「1」である場合に対応する信号パターンデータとして「10000100001000010000・・・・・」が記憶されている。
これに基づき、主制御装置261は、上記ステップSE5105の出力態様変換処理を実行するにあたり、RAM503の所定エリアに設定された信号パターンデータ(例えば「10101010・・・・・」)を参酌し、通常処理が実行される4msec周期毎に、参酌する値を順次更新しながら、信号パターンデータの各値(「1」又は「0」)に対応するように第2端子240bから出力される出力信号(大当たり信号2)の出力レベルを変換する。つまり、信号パターンデータの値が「1」の周期の通常処理では、第2端子240bから出力される出力信号(大当たり信号2)の出力レベルをハイレベル(H)に設定する。一方、信号パターンデータの値が「0」の周期の通常処理では、第2端子240bから出力される出力信号(大当たり信号2)の出力レベルをローレベル(L)に設定する。
これにより、例えば残り保留数レジスタFRの値(残り保留数)が「4」である場合においては、第2端子240bから出力される出力信号(大当たり信号2)の出力態様は、出力レベルが所定期間毎(4msec周期毎)にハイレベル(H)とローレベル(L)とが切り替わる態様となる。そして、このように出力態様を変換された出力信号(大当たり信号2)は、延長フラグF3がオフとなるまで継続して出力されることとなる。
かかる構成により、外部端子板240の第2端子240bから出力される出力信号の出力レベルは、通常、大当たり状態の開始を契機にローレベル(L)からハイレベル(H)に切り替わり、大当たり状態の終了又は高サポートモードの終了を契機にハイレベル(H)からローレベル(L)に切り替わることとなる。かかる出力信号の出力レベルの切り替わりにより、ホールコンピュータHCは、高サポートモードの開始及び終了を把握することができる。
さらに、高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留の消化期間中においては、外部端子板240の第2端子240bから出力される出力信号が、所定の信号パターンデータに基づいて出力態様が変換されたパターン信号となるため、ホールコンピュータHCがこの信号の変化を識別可能な仕様である場合には、該パターン信号を入力している期間を他の期間(通常状態や高サポートモード中)と区別して、上記残り保留の消化期間中であると把握することができる。これにより、ホールコンピュータHCが前記信号の変化を識別可能な仕様である場合には、前記パターン信号を入力している期間中、対応する遊技データ表示装置HDにおいて、例えば「ギリギリチャンスモード」などの文字情報を表示する等して、対応する演出(ギリギリチャンスモード演出)を実行可能となる〔図275(c)参照〕。
一方、ホールコンピュータHCが前記信号の変化を識別可能な仕様でない場合であっても、ホールコンピュータHCは、外部端子板240の第2端子240bから信号(大当たり信号2)が延長して出力されていることは把握することができるため、上記演出を実行できなくとも、連チャン回数の計数等に関しては特に問題なく行うことができる。
図239の説明に戻り、ステップSE202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップSE203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップSE204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップSE205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や演出表示装置42における装飾図柄の変動パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSE206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態や小当たり状態となった場合には、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bの開閉処理が所定回数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップSE207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップSE208では、開閉役物制御処理を実行する。この処理では、開閉役物37Yにおいてどのような制御を行うか該開閉役物37Yの制御内容の設定が行われる。この開閉役物制御処理の詳細は後述する。
その後は、ステップSE209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップSE210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップSE201へ移行し、上記ステップSE201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップSE211,ステップSE212)。
つまり、ステップSE211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が上限値(本例では599)に達した際0にクリアする。
また、ステップSE212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップSE202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップSE201~SE209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタCE1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップSE209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSE213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSE213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップSE214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSE215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップSE216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップSE217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップSE218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップSE209の処理は、ステップSE201~SE208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップSE211,SE212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップSE213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップSE205の第1表示制御処理について図247のフローチャートを参照して説明する。
図247において、ステップSE801では、後述する各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり状態中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。
尚、当たり状態中(大当たり状態中、小当たり状態中)には、可変入賞装置32が開状態となるラウンド期間と、ラウンド期間とラウンド期間の間において可変入賞装置32が閉状態となるインターバル期間と、第1ラウンド開始前のオープニング期間(第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rにおいて変動表示が当たり(大当たり又は小当たり)に対応する態様で停止表示されてから可変入賞装置32にて第1ラウンドが開始されるまでの間の所定期間)、最終ラウンド終了後のエンディング期間(最終ラウンドが終了し、可変入賞装置32が閉状態となった後、第1特別表示装置43L又は第2特別表示装置43Rにて変動表示が開始可能となるまでの間の所定期間)とが含まれる。
ステップSE801で肯定判定された場合、すなわち当たり状態中である場合には、そのまま本処理を終了する、一方、ステップSE801で否定判定された場合には、ステップSE802において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(ステップSE920参照、ステップSE807参照)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップSE814参照)にオフにされる。
そして、ステップSE802で否定判定された場合、すなわち、当たり状態中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップSE803に進み、下始動入賞口33YBへの入賞を契機とする変動表示(第2変動表示)の保留数をカウントする下保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判定する。
ステップSE803で肯定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップSE804において、下保留カウンタNbから1を減算する。尚、本実施形態では、ステップSE803の判定処理により、第2変動表示が保留記憶されている場合には、第1変動表示を実行することなく第2変動表示を実行することとなる。つまり、第2変動表示よりも第1変動表示の方が早くに保留記憶された場合であっても、第2変動表示を優先して消化する(第1変動表示を後回しにする)構成となっている。
続くステップSE805では、第2特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップSE805の後、ステップSE806において、第2保留ランプ46bを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を赤色に発光させる処理を行ってから、ステップSE807に移行する。
また、ステップSE803で否定判定された場合、すなわち、第2変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、ステップSE808において、上始動入賞口33YAへの入賞を契機とする変動表示(第1変動表示)の保留数をカウントする上保留カウンタNaが0よりも大きいか否かを判定する。該ステップSE808で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSE808で肯定判定された場合には、ステップSE809において、上保留カウンタNaから1を減算する。続くステップSE810では、第1特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1特別変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。ステップSE810の後、ステップSE811において、第1保留ランプ46aを点灯・消灯させる処理や、変動特定ランプ40を青色に発光させる処理を行ってから、ステップSE807に移行する。尚、本実施形態では、特別変動保留エリアの実行エリアは1つであり、第1特別変動保留エリア及び第2特別変動保留エリアに格納されているデータは、該データに基づく変動表示を行う際に、共通の実行エリアにシフトされることとなる。
ステップSE807では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図248を参照して説明する。先ずステップSE900の前処理において、小当たり判定処理や大当たり判定処理、遊技状態チェック処理などを実行する。
小当たり判定処理では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタCE1の値が小当たりに対応する値であるか否かを判定し、小当たりに対応する値である場合には、小当たり当選フラグをオン設定する。尚、ここで特別変動保留エリアの実行エリアの小当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判定することで、小当たりに対応する変動表示であるか否かを判定することとしてもよい。また、小当たり予定フラグに関しては、上記小当たり当選フラグのオン設定後、オフされる。
同様に、大当たり判定処理では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている大当たり乱数カウンタCE1の値が大当たりに対応する値であるか否かを判定し、大当たりに対応する値である場合には、大当たり当選フラグをオン設定する。尚、ここで特別変動保留エリアの実行エリアの大当たり予定フラグがオン設定されているか否かを判別することで、大当たりに対応する変動表示であるか否かを判別することとしてもよい。また、大当たり予定フラグに関しては、上記大当たり当選フラグのオン設定後、オフされる。
遊技状態チェック処理は、上記ステップSE109の遊技状態チェック処理(図245参照)と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。
続くステップSE901では、上記小当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が小当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで小当たりに対応するものであると判断された場合にはステップSE910へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合には、ステップSE902へ移行する。
ステップSE902では、上記大当たり当選フラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が大当たりに対応するものであるか否かを判定する。
ここで大当たりに対応するものであると判断された場合にはステップSE903へ移行する。一方、大当たりでも小当たりでもないと判断された場合、すなわち外れである場合には、ステップSE912へ移行する。
ステップSE903では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された上記各種確変大当たりフラグ(「16R確変大当たりAフラグ」、「16R確変大当たりBフラグ」、「4R確変大当たりAフラグ」、「4R確変大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「確変大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。
ステップSE903で肯定判定された場合、すなわち「確変大当たり」である場合には、ステップSE904にて「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSE905にて「確変大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ1」又は「BZ2」)を設定する。その後、ステップSE920へ移行する。
ステップSE903で否定判定された場合には、ステップSE906に移行し、上記各種通常大当たりフラグ(「16R通常大当たりAフラグ」、「16R通常大当たりBフラグ」、「4R通常大当たりAフラグ」、「4R通常大当たりBフラグ」)のいずれかがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「通常大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。該ステップSE906で肯定判定された場合、すなわち「通常大当たり」である場合には、ステップSE907にて「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSE908にて「通常大当たり」に対応する図柄テーブルを参酌して大当たり図柄(本実施形態では奇数図柄か偶数図柄であるか)を決定し、これに対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ1」又は「BZ2」)を設定する。その後、ステップSE920へ移行する。
但し、本実施形態では、上述したように演出表示装置42において停止表示された図柄の種類によっては、大当たり終了後に付与される抽選モード等の遊技状態が判別不能となっている。つまり、「確変大当たり」であれば「奇数図柄」が停止表示され、「通常大当たり」であれば「偶数図柄」が停止表示されるといったように、変動パターンや停止図柄と、大当たり種別との関係が明確に対応付けられているわけではなく、本実施形態では、あくまでも上記各種テーブルにより、例えば「確変大当たり」であれば「奇数図柄」で停止表示されやすいなど、各種大当たりの種別によって所定の変動パターンや図柄の出現率が異なるようにテーブル分けされているだけである。従って、例えば大当たり時には「確変大当たり」や「通常大当たり」などの大当たり種別に関係なく、1つの大当たりテーブルを基に変動パターンや停止図柄を選出する構成としてもよい。
また、ステップSE906で否定判定された場合には、ステップSE909に移行し、JUB大当たりフラグがオンであるか否かを判定することで、変動表示が「JUB大当たり」に対応したものであるか否かを判定する。該ステップSE909で肯定判定された場合、すなわち「JUB大当たり」である場合には、ステップSE910へ移行する。
ステップSE910においては、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップSE911にてチャンス図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ6」)を設定して、ステップSE920へ移行する。
また、ステップSE902で否定判定された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップSE912において、前後外れフラグがオンであるか否かを判定する。
ステップSE912で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れリーチ」である場合には、ステップSE913にて「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れフラグをオフする。続けてステップSE914にて前後外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ3」)に設定する。その後、ステップSE920へ移行する。
一方、ステップ912で否定判定された場合、ステップSE915において、前後外れ以外フラグがオンであるか否かを判定する。該ステップSE915で肯定判定された場合、すなわち、「前後外れ以外リーチ」である場合には、ステップSE916にて「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定するとともに前後外れ以外フラグをオフする。続けて、ステップSE917にて前後外れ以外図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ4」)に設定する。その後、ステップSE920へ移行する。
また、ステップSE915で否定判定された場合、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップSE918にて「完全外れ」に対応する変動パターンテーブルを参酌して外れ変動パターンを決定し、変動パターンコマンドに設定する。続けて、ステップSE919にて完全外れ図柄に対応する図柄コマンド(本実施形態では、後述する「BZ5」)に設定する。その後、ステップSE920へ移行する。
ここで、便宜上、変動パターンテーブル及び変動パターンコマンドについて説明する。本実施形態では、上述した「確変大当たり」に対応する変動パターンテーブル(以下、確変大当たり時・変動パターンテーブルという)、「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンテーブル(以下、完全外れ時・変動パターンテーブルという)がそれぞれ遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に応じて複数設けられている。
例えば、確変大当たり時・変動パターンテーブルに関しては、図267(a)に示すように、基準アドレスとなる「100番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「101番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「102番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「103番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「104番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「105番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「106番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶され、「107番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブルが記憶されている。
また、完全外れ時・変動パターンテーブルに関しては、図267(b)に示すように、基準アドレスとなる「700番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「0」の「通常状態」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
同様に「701番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「1」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「702番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「2」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「703番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「3」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「704番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「4」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「705番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「5」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「706番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「6」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶され、「707番地」において、遊技状態判定値Xjの値が「7」に対応する完全外れ時・変動パターンテーブルが記憶されている。
図示は省略するが、その他の上記「通常大当たり」に対応する変動パターンテーブル、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターンテーブル、「前後外れリーチ」に対応する変動パターンテーブル、並びに、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターンテーブルに関しても、上記確変大当たり時・変動パターンテーブル、及び、完全外れ時・変動パターンテーブルの場合と同様に、遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
従って、上記ステップSE904、ステップSE907、ステップSE910、ステップSE913、ステップSE916、ステップSE918において変動パターンを決定する際には、まず上記遊技状態チェック処理(ステップSE900)において特定した遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出する処理を行う。この際、基準アドレス(例えば確変大当たり時・変動パターンテーブルの場合には「100番地」)に対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することができる。つまり、遊技状態判定値Xjの値がそのままオフセット値の役割を果たす。
そして、選択された変動パターンテーブル(例えば、「100番地」に格納された「通常状態(Xj=0)」に対応する確変大当たり時・変動パターンテーブル:図268参照)を基に変動パターンを決定し、これに対応する変動パターンコマンドを設定する。
本実施形態における変動パターンコマンドは、2バイト構成からなり、上位バイトにおける上位4ビットが、遊技状態を特定する情報によって構成されている。本実施形態では、上記遊技状態判定値Xjの値がそのまま設定される。また、上位バイトの下位4ビットが、大当たり種別などを特定する情報によって構成されて、下位バイトの8ビットが、変動パターン(変動時間やリーチ種別等)を特定する情報によって構成されている。
例えば、通常状態(Xj=0)に係る確変大当たり時・変動パターンテーブル(図268参照)を参照して判るとおり、通常状態に係る確変大当たり時・変動パターンコマンドでは、上位バイトにおける上位4ビットに遊技状態判定値Xjの値である「0」が設定され、続く下位4ビットに「確変大当たり」を示す「F」が設定されている。そして、残りの下位バイトの8ビットに対し、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に対応した変動パターンを特定する値が設定される。尚、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動態様(演出パターン)との関係がテーブルで記憶されており、変動パターンコマンドを受信すると、該変動パターンコマンドに対応する変動パターン(演出パターン)に対応した映像信号の出力が実行可能となる。
次に、図柄コマンドについて詳しく説明する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるためのコマンドである。本実施形態では、奇数大当たり図柄の組合わせ、偶数大当たり図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせ、チャンス図柄の組合わせという6つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「BZ1」,「BZ2」,「BZ3」,「BZ4」,「BZ5」,「BZ6」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
奇数大当たり図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、奇数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに奇数大当たり図柄を示す「BZ1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
偶数大当たり図柄の組合わせは、2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、偶数大当たり図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに偶数大当たり図柄を示す「BZ2」が設定されている場合、2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ3」が設定される。
前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ4」が設定される。
完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ5」が設定される。
また、チャンス図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「BZ6」が設定される。ちなみに、チャンス図柄は1種類であり、本例では、上述したように各図柄表示領域にて停止表示される装飾図柄が上から「3」・「4」・「1」となっている。
なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「BZ3」~「BZ5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「BZ3」が図柄コマンドに設定されると、該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「BZ4」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「BZ5」が図柄コマンドに設定されると、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
また、図柄コマンドに「BZ6」が設定されている場合、サブ制御装置262は、装飾図柄の組合わせとしてチャンス図柄を選択する。
尚、上述したように設定された変動パターンコマンド及び図柄コマンドは、次回の通常処理の外部出力処理(ステップSE201)において出力される。そして、これらのコマンドを入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、演出表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を演出表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
さて、ステップSE920では、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。
第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態における特別表示装置43L、43Rの変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が開始される。そして、ステップSE920の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図247の説明に戻り、ステップSE802で肯定判定された場合、すなわち変動表示中である場合には、ステップSE812に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSE813に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップSE813が肯定判定される。
ステップSE813で否定判定された場合には、ステップSE817において、特別表示装置43L、43Rの変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップSE813で肯定判定された場合には、ステップSE814において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップSE815において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。
尚、上記停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。例えば、「16R確変大当たりA」である場合には「9-」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させる。
続いて、ステップSE816において変動終了時設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、変動終了時設定処理について図249を参照して説明する。
先ず、ステップSE1001において、上記大当たり当選フラグ及び小当たり当選フラグを参酌し、停止表示が大当たり又は小当たりに対応するか否かを判定する。ここで、大当たり又は小当たりに対応する場合には、所定の作動条件の成立とみなしステップSE1002へ移行し、当たり設定を行う。
具体的には、大当たり中フラグ、小当たり中フラグ、オープニングフラグ、第1開放中フラグ、第1可変タイマ、ラウンド数カウンタRx及び入賞カウンタVx等の設定処理を行うと共に、大当たり又は小当たりの開始及び当たり種別を告げるオープニングコマンドの設定処理なども行われる。そして、ステップSE1002の終了後、変動終了時設定処理を終了する。
大当たり中フラグとは、大当たり状態中か否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(フラグオン)。尚、大当たり中フラグに代えて、大当たり用のラウンド数カウンタRxの値が0よりも大きいか否かを判別することにより、大当たり中であるか否かを判別する構成としてもよい。また、大当たり当選フラグに関しては、大当たり中フラグのオン設定後、オフされる。
小当たり中フラグとは、小当たり状態中か否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり中フラグと同様、小当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(フラグオン)。尚、小当たり当選フラグに関しては、小当たり中フラグのオン設定後、オフされる。
オープニングフラグとは、オープニング期間中か否かを判定するための状態判別情報であり、ここではオープニング期間中であることを示す「1」がフラグ値として設定される(フラグオン)。
第1開放中フラグとは、可変入賞装置32が開状態中(ラウンド期間中)であるか否かを判定するための状態判別情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間(ラウンド期間)や、ラウンド間のインターバル期間等を計測するための計測手段であり、開閉シャッタ32bの開放開始又は開放終了から規定時間が経過したか否かを判定する際等に参酌される。ステップSE1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図269参照)を参酌して、各種当たりに対応した所定値が設定される。
例えば、「16R確変大当たりA」のように初回が上記「長開放」の場合には、第1可変タイマに「7500」が設定され、「JUB大当たり」のように初回が上記「短開放」の場合には、第1可変タイマに「100」が設定される。これにより、開閉シャッタ32bの1開閉動作あたりの最大開放時間(規定時間)が「30秒」又は「0.4秒」に設定されることとなる。
尚、図269に示すように、開閉パターン制御テーブルには、各種当たり状態における特賞状態の発生回数(ラウンド数)や、各特賞状態(各ラウンド)における開閉シャッタ32bの開放時間、各特賞状態間のインターバル時間などが予め設定されている。
ラウンド数カウンタRxとは、大当たり状態中又は小当たり状態中に実行される特賞状態(ラウンド)の発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理(「長開放」又は「短開放」)の実行回数を判定するための状態判別情報である。ステップSE1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図269参照)を参酌して、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば「16R確変大当たりA」の場合には16回を示す「16」が設定され、「4R確変大当たりA」の場合には4回を示す「4」が設定される。また、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す「20」が初期値として設定される。
入賞カウンタVxとは、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の数を計数する入賞計数手段である。本実施形態では、タイマ割込み処理のスイッチ読込み処理(図240参照)に際して、可変入賞装置32への入賞があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報に基づき判定し、可変入賞装置32への入賞があったと判定されると、入賞カウンタVxの値が1加算される。
加えて、ステップSE1002の当たり設定処理では、開閉パターン制御テーブル(図269参照)を参酌して、開閉シャッタ32bの1開閉動作(1ラウンド)あたりの可変入賞装置32への最大入賞予定数である規定個数Voの設定を行う。規定個数Voは、上述したとおり、「長開放」又は「短開放」といった開放種別(一回の開閉動作に係る開閉部材の動作態様)ごとに予め定められている。例えば「長開放」であれば規定個数Voとして「10」、「短開放」であれば規定個数Voとして「3」が設定される。
さらに、ステップSE1002の当たり設定処理では、「大当たり信号1出力フラグF1」及び「大当たり信号2出力フラグF2」の設定処理も行われる。
「大当たり信号1出力フラグF1」とは、次回の外部出力処理(ステップSE201参照)において、大当たり信号1を出力するか否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり信号1を出力する旨を示す「1」がフラグ値として設定される(フラグオン)。
同様に、「大当たり信号2出力フラグF2」とは、次回の外部出力処理(ステップSE201参照)において、大当たり信号2を出力するか否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり信号2を出力する旨を示す「1」がフラグ値として設定される(フラグオン)。
さて、ステップSE1001において、停止表示が大当たり又は小当たりに対応しないと判定された場合には、ステップSE1003へ移行する。
ステップSE1003では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。サポート回数カウンタとは、「高サポートモード」のサポート継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように大当たり終了後に、各種大当たりに対応する値がカウンタ値として設定される。
ここで、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、ステップSE1011へ移行する。一方、サポート回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、高サポートモードの設定中とみなし、ステップSE1004において、サポート回数カウンタの値を1減算する処理を行う。ステップSE1004では、上記遊技状態特定カウンタKjの値を1減算する処理も併せて行う。その後、ステップSE1005へ移行する。
ステップSE1005では、サポート回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判定する。つまり、今回の変動表示が、大当たり終了後(高サポートモードの付与後)、所定回数目の変動表示であったか否かを判定する。
ステップSE1005で否定判定された場合、すなわちサポート回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSE1005で肯定判定された場合、すなわちサポート回数カウンタの値が「0」であると判定された場合には、所定の終了条件が成立したとみなし、ステップSE1006においてサポートモードフラグの値を「低サポートモード」を示す「A0(H)」に切替える処理を行い、ステップSE1007へ移行する。
ステップSE1007においては、第2保留カウンタNbが0よりも大きいか否かを判別する。つまり、高サポートモードの終了時において、下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の保留(残り保留)があるか否かを判定する。尚、本実施形態に係る構成の下、下始動入賞口33YBへの入球は実質的に高サポートモード中にのみ発生し得る。
ステップSE1007にて肯定判定された場合、すなわち第2変動表示の残り保留がある場合には、ステップSE1008にて、第2保留カウンタNbの値(残り保留数)を記憶機能部である残り保留数レジスタFRに設定する。尚、本実施形態の残り保留数レジスタFRは、CPU501の内部レジスタの1つとして設けられている。但し、残り保留数レジスタFRがCPU501とは別に主制御装置261(主基板)に設けられた構成としてもよい。勿論、残り保留数レジスタFRに代えて、RAM503、バッファ等に設定されたカウンタ、複数のアドレスからなるエリア、ポインタ、機械式の計数装置などによって記憶機能部が構成されてもよい。
続いて、ステップSE1009にて延長フラグF3の設定処理を実行する。尚、「延長フラグF3」とは、次回の外部出力処理(ステップSE201参照)において、高サポートモードの終了後も継続して大当たり信号2を出力するか否かを判定するための状態判別情報であり、ここでは大当たり信号2を継続出力する旨を示す「1」がフラグ値として設定される(フラグオン)。つまり、延長フラグF3は、延長後の大当たり信号2出力フラグに相当する。
但し、本実施形態において、残り保留消化期間中に延長して継続出力される大当たり信号2は、その出力態様が変換されており、ホールコンピュータHCがこの信号の変化を識別可能な仕様である場合には、延長前の大当たり信号2や、大当たり信号1とは出力態様が異なっていることを識別可能となっている。延長前の大当たり信号2や、大当たり信号1は、出力開始から出力停止まで一定レベルを維持し連続したハイレベル信号であるが、延長後の大当たり信号2は、所定パターンでオンオフ(ハイレベルとローレベル)が切り替わる信号となっている(図275参照)。
続くステップSE1010にて、大当たり信号2出力フラグF2の切替処理を実行し、本処理を終了する。ここでは、大当たり信号2出力フラグF2の値に「0」を設定する。
一方、ステップSE1007にて否定判定された場合、すなわち第2変動表示の残り保留がない場合には、そのままステップSE1010へ移行する。
さて、ステップSE1003にて肯定判定され、ステップSE1011へ移行した場合には、延長フラグF3の値に「1」が設定されているか、すなわち第2変動表示の残り保留消化期間中か否かを判定する。
ここで、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップSE1012へ移行し、残り保留数レジスタFRの値を1減算する処理を行う。尚、本実施形態では、第2変動表示が優先して消化される構成となっているため、第2変動表示の残り保留の消化期間中(残り保留数レジスタFRの設定期間中)は、毎回、第2変動表示が停止する毎に残り保留数レジスタFRの値が1減算されることとなる。
続くステップSE1013では、残り保留数レジスタFRが「0」か否かを判定する。つまり第2変動表示の残り保留消化期間が終了したか否かを判定する。ここで残り保留数レジスタFRの値が「0」でない場合には、第2変動表示の残り保留消化期間中とみなし、そのまま本処理を終了する。
一方、残り保留数レジスタFRの値が「0」である場合には、ステップSE1014において、延長フラグF3の切替設定処理を実行し、本処理を終了する。詳しくは、延長フラグF3の値に、次回の外部出力処理(ステップSE201参照)において、大当たり信号2の延長出力を停止する旨を示す「0」をフラグ値として設定する(フラグオフ)。
つまり、高サポートモードの終了後に、少なくとも残り保留数レジスタFRに記憶されている残り保留に対応する第2変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な特定の識別情報(所定のパターン信号)を所定期間継続して出力する機能により、本実施形態における特定情報出力機能部が構成されることとなる。
また、特定情報出力機能部は、所定情報出力機能部による所定の識別情報の出力態様(所定期間連続したハイレベル信号)とは異なる出力態様で特定の識別情報(所定のパターンデータに基づき出力レベルが切り替えられたパターン信号)を継続して出力することとなる。
次に、上記ステップSE206の可変入賞装置制御処理について図250のフローチャートを参照して説明する。
まずステップSE1201において各種当たり中フラグ(大当たり中フラグ及び小当たり中フラグ)を参照し、今現在、当たり状態中(大当たり状態中又は小当たり状態中)であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、本処理をそのまま終了する。
ステップSE1201で肯定判定された場合には、続くステップSE1202において、上記第1可変タイマの値を1減算する。
続くステップSE1203では、第1開放中フラグがオンであるか否か、すなわちラウンド期間中であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップSE1204に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否か、すなわちラウンド期間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)の終了タイミングであるか否かを判定する。
ステップSE1204にて否定判定された場合には、ステップSE1205に進み、入賞カウンタVxの値が規定個数Vo以上であるか否か、すなわちラウンド期間中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が最大入賞予定数である規定個数Vo(「長開放」の場合は「10個」、「短開放」の場合は「3個」)に達したか否かを判定する。ステップSE1205にて否定判定された場合、すなわち可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド期間の終了タイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSE1204又はステップSE1205にて肯定判定された場合、すなわちラウンド期間の終了タイミングである場合には、ステップSE1206に進み、ラウンド数カウンタRxの値を1減算する。
その後、ステップSE1207に進み、ラウンド数カウンタRxの値が「0」であるか否か、すなわちラウンド(「長開放」や「短開放」)の実行回数が規定回数に達したか否かを判定する。尚、各ラウンド期間の終了タイミングは、遊技者がハンドル18を操作して発射される遊技球の挙動や遊技領域に配設された釘49等の状態によって変化する。そのため、各ラウンド期間は、その規定時間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)が経過して終了することもあれば、該規定時間が経過する前に大入賞口32aに規定個数(「長開放」の場合は「10個」、「短開放」の場合は「3個」)の遊技球が入賞することを条件に終了することもある。つまり、当たり状態の終了条件の少なくとも1つは、遊技者による球発射操作に基づいて成立し得ると共に、その成立タイミングが変化することとなる。
また、上記構成に代えて、上記ステップSE1002の当たり設定処理において、ラウンド数カウンタRxの値に初期値「0」を設定すると共に、上記ステップSE1206においてラウンド数カウンタRxの値を1加算する処理を行い、上記ステップSE1207において、ラウンド数カウンタRxの値が各種当たりに対応したラウンドの規定回数(例えば「16R確変大当たりA」の場合には「16」)に達したか否かを判定する構成としてもよい。
ステップSE1207で肯定判定された場合には、ステップSE1208においてエンディング設定処理を行い、本処理を終了する。
尚、ステップSE1208のエンディング設定処理では、第1開放中フラグをオフ、エンディングフラグをオンにすると共に、サブ制御装置262に対してエンディングを開始する旨の情報を伝えるエンディングコマンドの設定や、第1可変タイマに対し所定のエンディング期間(大当たり用のエンディング期間、又は、小当たり用のエンディング期間)に対応する値を設定する処理などを行う。
一方、ステップSE1207で否定判定された場合、すなわちラウンドの実行回数が規定回数に達していない場合には、ステップSE1209において、インターバル設定処理を行い、本処理を終了する。
尚、ステップSE1209のインターバル設定処理では、第1開放中フラグをオフにすると共に、サブ制御装置262に対してインターバルを開始する旨の情報を伝えるインターバルコマンドの設定や、上記開閉パターン制御テーブル(図269参照)を参酌して、第1可変タイマに対し所定のインターバル期間(「3秒」又は「1秒」)に対応する値を設定する処理などを行う。
さて、上記ステップSE1203にて否定判定された場合、すなわちラウンド期間中以外の所定期間(オープニング期間、インターバル期間、又は、エンディング期間)である場合には、ステップSE1210に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、前記所定期間(オープニング期間、インターバル期間、又は、エンディング期間)の終了タイミングであるか否かを判定する。
ステップSE1210にて否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSE1210にて肯定判定された場合には、ステップSE1211においてオープニングフラグ(ステップSE1002参照)がオンされているか否かを判定する。
ステップSE1211で肯定判定された場合、すなわちオープニング期間の終了タイミングである場合には、ステップSE1212において、オープニング終了設定処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSE1212のオープニング終了設定処理では、オープニングフラグをオフ、第1開放中フラグをオンすると共に、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドの設定や、上記開閉パターン制御テーブル(図269参照)を参酌して、第1可変タイマに対し所定のラウンド期間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)に対応する値を設定する処理などを行う。
一方、ステップSE1211で否定判定された場合には、ステップSE1213においてエンディングフラグ(ステップSE1208参照)がオンされているか否か、すなわち該当たり状態における一連のラウンド開閉動作の終了条件が成立しているか否かを判定する。ステップSE1213で肯定判定された場合、すなわちエンディング期間の終了タイミングである場合には、ステップSE1214において、エンディング終了設定処理(当たり状態の終了設定)を行い、閉鎖位置に位置する開閉シャッタ32bの可動をそのまま停止させ一連のラウンド開閉動作を終了させた後、本処理を終了する。
ステップSE1214のエンディング終了設定処理では、当たり中フラグ(大当たり中フラグ又は小当たり中フラグ)及びエンディングフラグをオフすると共に、サブ制御装置262に対して当たり状態が終了する旨の情報を伝える当たり終了コマンド(大当たり状態が終了する旨の情報を伝える大当たり終了コマンド、又は、小当たり状態が終了する旨の情報を伝える小当たり終了コマンド)を設定する処理などを行う。
さらに、該エンディング終了設定処理では、抽選モードフラグの切替処理、サポートモードフラグの切替処理、サポート回数カウンタの設定処理、遊技状態通知コマンドの設定処理などが行われる。
抽選モードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、抽選モードフラグの切替設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「高確率モード」が設定される場合(各種「確変大当たりフラグ」又は「JUB大当たりフラグ」がオン)には、「高確率モード」の発生を示す「53(H)」がフラグ値として設定される。一方、「低確率モード」が設定される場合(各種「通常大当たりフラグ」がオン)には、「低確率モード」の発生を示す「50(H)」がフラグ値として設定される。
但し、小当たり中フラグがオンの場合(大当たり中フラグがオフの場合)には、抽選モードフラグの切替処理は行われず、元のモードに係るフラグ値がそのまま設定される。例えば小当たり状態の発生前に「高確率モード」が設定されている場合(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)には、小当たり終了後も、そのまま「高確率モード(抽選モードフラグのフラグ値「53(H)」)が設定される。
サポートモードフラグの切替処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポートモードフラグの切替設定が行なわれる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合にはフラグ値として「A1(H)」が設定され、「30回・高サポートモードS」の場合にはフラグ値として「A2(H)」が設定され、「次回まで・高サポートモード」である場合にはフラグ値として「A3(H)」が設定される。
サポート回数カウンタの設定処理では、上述した各種大当たりフラグに基づいて、サポート回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値としてそれぞれ変動表示20回分に相当する「20」、変動表示30回分に相当する「30」、変動表示40回分に相当する「40」又は変動表示50回分に相当する「50」が設定される。また、「30回・高サポートモードS」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値として変動表示30回分に相当する「30」が設定される。「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、サポート回数カウンタの値に、事実上到達し得ない値(例えば、変動表示99999回分に相当する「99999」)が設定される。
遊技状態通知コマンドとは、サブ制御装置262に対し、大当たり終了後に設定される遊技状態を通知するためのコマンドである。該コマンドを設定するにあたり、まず遊技状態チェック処理を行う。該遊技状態チェック処理は上記ステップSE109の遊技状態チェック処理(図245参照)と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、遊技状態通知コマンドには、上記遊技状態チェック処理により把握された新たな遊技状態に係る遊技状態判定値Xjが含まれる。後述するように、これを受信したサブ制御装置262は、自身の把握している遊技状態(遊技状態判定値Xj)を新たな遊技状態(遊技状態判定値Xj)に切換える。尚、遊技状態通知コマンドを省略し、これに代えて、例えば大当たり状態の終了を告げる大当たり終了コマンド等に遊技状態判定値Xjが含まれる構成としてもよい。
尚、各種「大当たりフラグ」に関しては、上記抽選モードフラグの切替処理など各種処理の終了後、オフされる。また、図249の変動終了時設定処理において当たり設定(ステップSE1002)が行われた場合に、抽選モードフラグを一度リセットし(「50(H)」を設定する)、大当たり中又は小当たり中は「高確率モード」が中断する構成としてもよい。
また、ステップSE1214のエンディング終了設定処理では、大当たり信号1出力フラグF1の切替処理が行われる。具体的には、大当たり信号1出力フラグF1の値に、大当たり信号1(ハイレベル信号)の出力を停止する旨を示す「0」が設定される(フラグオフ)。
また、ステップSE1214のエンディング終了設定処理では、大当たり信号2出力フラグF2の更新処理が行われる。
具体的には、サポートモードフラグの値に「A0」が設定される場合、すなわち大当たり終了後の入賞サポートモードが低サポートモードとなる場合には、大当たり信号2出力フラグF2の値に、大当たり信号2(ハイレベル信号)の出力を停止する旨を示す「0」が設定される(フラグオフ)。
一方、サポートモードフラグの値に「A1」、「A2」又は「A3」が設定される場合、すなわち大当たり終了後に高サポートモードが付与される場合には、大当たり信号2出力フラグF2の値に、大当たり信号2(ハイレベル信号)を継続して出力する旨を示す「1」が設定される(フラグオン)。
さて、ステップSE1213で否定判定された場合、すなわちインターバル期間の終了タイミングである場合には、ステップSE1215においてラウンド開始処理を行った後、本処理を終了する。
ステップSE1215のラウンド開始処理では、第1開放中フラグをオンすると共に、サブ制御装置262に対してラウンドを開始する旨の情報を伝えるラウンドコマンドの設定を行う。
さらに、該ラウンド開始処理では、上記開閉パターン制御テーブル(図269参照)を参酌して、次のラウンドに係る開放時間(「長開放」の場合は「30秒」、「短開放」の場合は「0.4秒」)に対応する値を第1可変タイマに設定する処理や、次のラウンドに係る規定個数Vo(「長開放」の場合は「10個」、「短開放」の場合は「3」)を設定する処理、入賞カウンタVxの値を「0」にリセットする処理などが行われる。
尚、第1開放中フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1開放中フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し開閉シャッタ32bを開放する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが開状態となる。一方、第1開放中フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し開閉シャッタ32bを閉鎖する旨の制御信号が出力され、大入賞口32aが閉状態となる。
次に、前記ステップSE207の第2表示制御処理について図251のフローチャートを参照して説明する。
図251において、ステップSE2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップSE2101で否定判定された場合には、ステップSE2102に進み、普通保留カウンタNcの値が0よりも大きいか否かを判定する。このとき、普通保留カウンタNcの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNcの値>0であれば、ステップSE2103に進む。ステップSE2103では、普通保留カウンタNcから1を減算する。ステップSE2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップSE2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において変動表示を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
本実施形態では、「低サポートモード」中において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が2秒と設定されているため、第2表示タイマには「500」が設定される。また、「高サポートモード」中においては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間が0.4秒と設定されているため、第2表示タイマに「100」が設定される。
該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し変動表示を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップSE2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップSE2101で肯定判定された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップSE2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマの値が1減算される。
続いてステップSE2107に進み、第2表示タイマの値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判定する。ステップSE2107で肯定判定された場合には、ステップSE2108において第2表示中フラグをオフし、ステップSE2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタCE4の値に基づいて当選か否かが判定される。
具体的には、普通図柄乱数カウンタCE4の数値0~9のうち、当選値は「低サポートモード」において「0,1」の2個であり、「高サポートモード」において「0~7」の8個である。
続いてステップSE2110に進み、変動終了時設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、開閉役物37Yの開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2開放中フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2開放中フラグとは、開閉役物37Yが開状態中であるか否かを判定するための状態判別情報である。
第2可変タイマとは、開閉役物37Yの開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。尚、本実施形態では、「高サポートモード」と「低サポートモード」とで開閉役物37Yの開放時間が異なり、「高サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、「低サポートモード」においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップSE2107で否定判定された場合には、ステップSE2111において、普通図柄表示装置41の変動表示を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の変動表示が実現される。
次に上記ステップSE208の開閉役物制御処理について図252のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップSE2201において開閉役物37Yが開状態であるか否かを示す第2開放中フラグがオンであるか否かを判定する。ここで、第2開放中フラグがオンではない(開閉役物37Yが閉状態である)と判定された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップSE2201において肯定判定された場合、すなわち第2開放中フラグがオンである場合は開閉役物37Yが開状態であるとみなし、ステップSE2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップSE2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判定する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップSE2203が肯定判定される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップSE2203で肯定判定された場合にはステップSE2204へ移行し、ステップSE2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップSE2204の終了設定処理では、第2開放中フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2開放中フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、開閉役物37Yに対し各種制御信号が出力される。第2開放中フラグがオンの場合には開閉役物37Yに対し可動羽根37Yaを開放する旨の制御信号が出力され、開閉役物37Yが開状態となる。一方、第2開放中フラグがオフの場合には開閉役物37Yに対し可動羽根37Yaを閉鎖する旨の制御信号が出力され、開閉役物37Yが閉状態となる。これにより、下始動入賞口33YBへの遊技球の入賞が不可能となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図253を参照して受信割込み処理を説明し、その後、図254を参照してメイン処理を説明する。
図253は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップSE3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップSE3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図255に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップSE3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図254を参照して説明する。図254は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップSE3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップSE3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップSE3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップSE3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップSE3107でRAM判定値を算出し、続くステップSE3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップSE3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップSE3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップSE3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップSE3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップSE3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSE3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSE3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップSE3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップSE3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップSE3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップSE3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップSE3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップSE3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップSE3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップSE3114では、割込みを許可する。
ステップSE3114で割込みが許可された後は、ステップSE3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判定する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップSE3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップSE3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップSE3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップSE3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップSE3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップSE3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップSE3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップSE3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図255のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップSE3201)。このコマンド判定処理について図256を参照して以下に説明する。
図256は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップSE3124,SE3201)では、まず、ステップSE3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判定する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図253参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップSE3301においてコマンド受信フラグがオフと判定されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップSE3301でコマンド受信フラグがオンと判定されれば、ステップSE3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップSE3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップSE3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップSE3302~ステップSE3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップSE3304~ステップSE3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップSE3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップSE3305では払出復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップSE3306では賞球コマンドであるか否かが判定される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップSE3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判定され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップSE3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップSE3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップSE3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップSE3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップSE3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップSE3308)と、RAM513の初期値設定(ステップSE3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップSE3304:NO、ステップSE3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップSE3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップSE3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップSE3305:NO、ステップSE3306:YES)、ステップSE3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップSE3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップSE3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップSE3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップSE3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップSE3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図255のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップSE3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判定される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップSE3202で肯定判定されれば、ステップSE3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップSE3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップSE3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判定し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップSE3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判定し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップSE3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判定し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップSE3208で払出個数設定処理を行い、ステップSE3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップSE3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップSE3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップSE3212では、球詰まり状態であることを条件に図示しないバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理について図257を参照しつつ説明する。尚、この通常処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理である。
この通常処理では、先ずステップSE3901において、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判定する。
コマンドが受信されている場合には、ステップSE3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
尚、リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップSE3903では、コマンド判定処理を行う。ここで、コマンド判定処理について図260を参照して説明する。
まずステップSE4101において、その受信したコマンドをRAM553のコマンドバッファから読み出す。続くステップSE4102では該コマンドが初期化コマンドであるか否かが判定され、ステップSE4103では復帰コマンドであるか否かが判定され、ステップSE4104では保留制御コマンドであるか否かが判定され、ステップSE4110では遊技状態通知コマンドであるか否かが判定され、ステップSE4111では変動パターンコマンドであるか否かが判定され、ステップSE4112では図柄コマンドであるか否かが判定される。
尚、当たり演出に関連するコマンド(オープニングコマンド、ラウンドコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド、大当たり終了コマンド、小当たり終了コマンドなど)に関しては、ステップSE3903のコマンド判定処理において、コマンド判定は行われるものの、これに対応する処理は実行されず、後述するステップSE3907の表示設定処理(当たり中表示処理)において、これらのコマンドに対応する処理が行われる。
主制御装置261から送信されたコマンドが初期化コマンドであれば、電源投入時に主制御装置261からRAM553の初期化が指示されていることになるので、ステップSE4105でRAM553をクリアし、ステップSE4106でRAM553の初期値を設定する。これにより、RAM553の遊技状態情報格納エリアには、初期設定である「通常状態」に対応する遊技状態判定値Xjの値「0」が記憶される。その後、本処理を終了する。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが復帰コマンドであれば(ステップSE4102:NO、ステップSE4103:YES)、主制御装置261が電源遮断前の状態に復帰するので、バックアップ機能を持たないサブ制御装置262は、ステップSE4107にて、該復帰コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが保留制御コマンドであれば(ステップSE4103:NO、ステップSE4104:YES)、ステップSE4108において、該保留制御コマンドに含まれる各種情報(大当たり判別情報や大当たり種別情報、始動入賞口33YA,33YBどちらの入賞を契機とする変動表示であるかを示す情報、保留数情報など)をサブ変動保留エリアに格納する格納処理を行い、本処理を終了する。
サブ変動保留エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアに対応して設けられている。つまり、サブ変動保留エリアは、上始動入賞口33YAに対応する記憶機能部としての第1サブ変動保留エリア及び下始動入賞口33YBに対応する記憶機能部としての第2サブ変動保留エリアと、1つのサブ実行エリアとを備え、該2つのサブ変動保留エリアは、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)を備えている。
各保留エリアには、保留制御コマンドの受信履歴(受信順序)や、該保留制御コマンドに含まれる遊技球の入賞履歴(始動入賞口33YA,33YBどちらへの入賞に基づくものなのか等)に従って、演出表示装置42にて実行される変動表示に関連する情報(大当たり判別情報や大当たり種別情報など)が時系列的に格納される。これにより、サブ制御装置262は変動表示の保留数やその内容を把握することができる。
さらに、サブ制御装置262は、保留制御コマンドに含まれる各種情報をサブ変動保留エリアに格納する格納処理に合わせて、これら各種情報や保留数に基づき、随時、通常時の演出表示装置42の液晶表示部42aにおける表示態様(演出ステージ)を変更するか否かのステージ変更抽選や、所定の予告演出(連続予告を含む)を実行するか否かの予告実行抽選、所定のゾーン突入演出を実行するか否かのゾーン突入抽選などを行っており、これら各種抽選により所定の結果が得られた場合には、それを実行するための情報をサブ変動保留エリアに格納する。これに基づき、適宜、サブ制御装置262は、ステージ変更や各種演出等を実行可能となる。
主制御装置261から送信されたコマンドが遊技状態通知コマンドであれば(ステップSE4104:NO、ステップSE4110:YES)、ステップSE4107にて、該遊技状態通知コマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値(「0」~「7」のいずれか)を読み出し、RAM553の遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。
主制御装置261から送信されたコマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップSE4110:NO、ステップSE4111:YES)、演出表示装置42にて変動表示を開始するタイミングであるので、ステップSE4113にて開始設定処理を行い、ステップSE4114へ移行する。
ステップSE4113の開始設定処理では、演出表示装置42にて行う変動表示に係る各種設定を行う。
この開始設定処理では、まず主制御装置261の特別変動保留エリアの場合と同様、サブ変動保留エリアに格納されたデータをサブ実行エリア側へ順にシフトさせる処理を実行する。続いて、上記受信した変動パターンコマンドに対応する変動時間を変動表示タイマに設定する。変動表示タイマは、演出表示装置42における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判定する際に参酌される。
また、開始設定処理では、演出表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する際に参酌される変動表示中フラグがオンされる。
本実施形態では、変動パターンコマンドに記憶された変動パターン情報に基づき、サブ制御装置262の抽出機能により装飾図柄の変動表示に係るパターン情報としての演出パターンの1つを複数の演出パターンの中から選出し、当たり種別情報(「外れ」を含む)に基づき、変動時間経過後に停止表示する停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定する。ここで決定された演出パターンや停止図柄に関する情報は、サブ変動保留エリアのサブ実行エリアに追記される。
尚、変動時間情報と演出パターンとの対応関係や、大当たり種別情報と停止図柄との対応関係は、サブ制御装置262のパターン記憶部としてのROM552にテーブルで記憶されている。また、変動時間情報と演出パターンとの対応関係は変動表示の保留数によっても異なる。例えば上始動入賞口33YAに係る第1変動表示の保留数又は下始動入賞口33YBに係る第2変動表示の保留数が1つ若しくは2つの場合と、3つ若しくは4つの場合で変動時間が異なるように構成されている。そして、ここでは前記保留数に対応した所定の演出パターンを抽出する。これにより、表示制御装置45は、サブ制御装置262により抽出された所定の演出パターンに基づいた所定の出力パターンの映像信号を演出表示装置42に対し出力する。
尚、サブ制御装置262においても、主制御装置261と同様、「確変大当たり」に対応する変動パターン、「通常大当たり」に対応する変動パターン、「JUB大当たり」及び「小当たり」に対応する変動パターン、「前後外れリーチ」に対応する変動パターン、「前後外れ以外リーチ」に対応する変動パターン、並びに、「完全外れ」に対応する変動パターンに関して、それぞれ遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」対応する複数のテーブル群が所定の基準アドレスから連番で格納されている。
つまり、サブ制御装置262は、演出表示装置42における表示態様の決定に際し、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjを基に、複数のテーブル群の中から所定の遊技状態(遊技状態判定値Xjの値「0」~「7」)に対応するテーブルを選出することとなる。この際、基準アドレスに対し、遊技状態判定値Xjの値を加算することで、選出すべきテーブルの格納されたアドレスを特定することに関しては、上記変動パターンテーブルを選出する際と同様である。
主制御装置261から送信されたコマンドが図柄コマンドであれば(ステップSE4111:NO、ステップSE4112:YES)、ステップSE4116において図柄設定処理を行い、本処理を終了する。
ステップSE4116の図柄設定処理では、サブ変動保留エリアの保留エリアに記憶された当たり種別情報に基づいて、後述するRAM553のカウンタ用バッファ(図258参照)に格納された図柄を、演出表示装置42に停止表示させる停止図柄として、上記サブ実行エリアに設定する。
より詳しくは、図柄コマンドに「BZ1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「BZ2」が設定されている場合、2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「BZ3」が設定されている場合、前後外れリーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「BZ6」が設定されている場合、演出表示装置42の上・中・下図柄表示領域に対応して「3」・「4」・「1」の図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
さて、ステップSE4114では、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが一致するか否かを判定する。ここで、両者の値が一致していれば、そのまま処理を終了する。
一方、両者の値が異なっていれば、ステップSE4115にて状態エラーフラグをオンすると共に、ステップSE4117にて、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を適正値とみなし、該遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。その後、本処理を終了する。状態エラーフラグがオンされることにより、両者の値が異なっている場合には、その旨がエラー表示ランプ104などにより報知されることとなる。勿論、報知手段は、エラー表示ランプ104に限られるものではなく、演出表示装置42やスピーカSP等によりエラー報知を行う構成としてもよい。
尚、近年の遊技機は主制御装置等がバックアップ機能を備えていることから、停電等により電源が遮断された場合においても、その時の遊技モード(遊技状態)等をはじめとする各種データが記憶保持できるため、仮に高確率モード中に電源が遮断されてしまったとしても、電源復旧時には、遊技者は高確率モードのまま遊技を再開することができる。
しかしながら、上記バックアップ機能を利用すると、遊技ホールにおいて、営業開始時から遊技機を高確率モードに設定しておく行為、俗に言う「モーニング」が可能となる。このような行為は、遊技ホールとって営業開始時の集客力を高めるために行われるのであるが、遊技者の射幸心を悪戯に仰ぐおそれがある。上記行為の設定方法としては種々の方法が考えられるが、一例としては、前日の営業終了時点で遊技モードが高確率モードであった遊技機を初期化リセットしない方法が挙げられる。また、本実施形態のように、パチンコ機の電源投入時等において、サブ制御装置に対し主制御装置から遊技モードに関する情報(遊技状態判定値Xj)が復帰コマンド等により送信される構成においては、電源投入時等において、主制御装置とサブ制御装置とを繋ぐケーブルコネクタを取外しておけば、サブ制御装置は、主制御装置により設定される実際の遊技モードを把握できず、初期設定の遊技モードすなわち「通常モード」に係る制御を行うこととなる。
一般的な遊技機では、液晶表示装置等の表示演出手段において演出を行うにあたり、その表示態様(例えば背景色など)を通常モード中と高確率モード中とで異ならせることにより、遊技者等が現状の遊技モードを把握することを容易にしている。
また、一般的に、液晶表示装置等を制御するサブ制御装置はバックアップ機能を備えていないため、電源が切れると、初期設定の遊技モード(「通常モード」)に係る制御を行うこととなる。
従って、これを利用すれば、主制御装置により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、液晶表示装置の表示態様等を通常モード中のものとすることが可能となる。そうなると、現在の遊技モードを、液晶表示装置等を一目見ただけでは容易に判断できなくなるため、所定の調査等による本行為の確認も実質的に困難となる。
特に、本実施形態の「潜伏確変状態」のように、「通常モード」と表面上、区別し難い高確率モードが設定される遊技機では、該高確率モードが上記行為により遊技ホールの営業開始時から設定されてしまうと、液晶表示装置の表示態様等からは実際の遊技モードが判別不能となってしまう。
これに対し、本実施形態では、上述したように、変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値と、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値とが異なっていれば、その旨をエラー報知すると共に、新たに受信した変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjの値を遊技状態情報格納エリアに記憶する。つまり、サブ制御装置262は、その時点の適切な遊技モードを把握することができることができる。これにより、仮に上記「モーニング」等の行為が行われ、主制御装置261により設定される実際の遊技モードが高確率モードにも拘らず、サブ制御装置262における演出態様が通常モード中の態様となっていたとしても、変動パターンコマンドを受信した場合には、遊技モードが違っていることが報知され、該変動パターンコマンドに含まれる遊技状態判定値Xjに対応する演出態様となる。結果として、遊技ホールによる上記「モーニング」等の行為を抑制することができる。
図257の説明に戻り、ステップSE3903の後又はステップSE3901で否定判定された場合には、ステップSE3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判定する。そして、既に所定時間が経過していればステップSE3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップSE3912へと移行する。
ステップSE3905では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図258に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタCE5と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。
外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。これらカウンタの値は適宜、RAM553のカウンタ用バッファに格納される。
大当たり時装飾図柄カウンタCE5は、大当たり(「確変大当たり」又は「通常大当たり」)の際、演出表示装置42に停止表示される図柄(大当たり図柄)を決定するためのものである。本実施形態では、大当たり図柄として、5通りの奇数図柄と、4通りの偶数図柄が設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタCE5としては、5個(0~4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタCE5は、0~4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが奇数大当たり図柄の組合わせを示す「BZ1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、奇数大当たり図柄の組合わせを決定する。
また、図柄コマンドが偶数大当たり図柄の組合わせを示す「BZ2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「2」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に偶数大当たり図柄の組合わせを決定する。
大当たり時装飾図柄カウンタCE5は、ステップSE3905のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、上述したようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタCE5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が「外れ」となった場合に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では9個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に9個(1~9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図259に示すように、ステップSE4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判定し、ステップSE4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判定する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップSE4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップSE4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップSE4001がYES)であればステップSE4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップSE4002がYES)であればステップSE4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップSE4001、SE4002が共にNO)であればステップSE4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップSE4003~SE4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップSE4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判定し、リーチ図柄の組合わせである場合(ステップSE4006がYES)、さらにステップSE4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判定する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(ステップSE4007がYES)、ステップSE4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(ステップSE4007がNO)には、ステップSE4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(ステップSE4006がNO)、ステップSE4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判定し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(ステップSE4010がYES)、ステップSE4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップSE4006、ステップSE4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
尚、本実施形態において、「JUB大当たり」の場合に停止表示されるチャンス図柄は、装飾図柄の組合わせが1パターン(「3」・「4」・「1」)であるため、装飾図柄の表示に際しカウンタ情報を用いる必要はない。
図257の説明に戻り、ステップSE3907では演出表示装置42にて各種表示を行うための表示設定処理を行う。該表示設定処理では、主として演出表示装置42にて、装飾図柄の変動表示等を行うための変動表示設定処理や、保留表示を行うための保留表示設定処理、当たり状態中の演出表示等を行うための当たり中表示処理、各種遊技状態に対応した表示態様の変更処理などが行われる。
まず変動表示設定処理について図261を参照して説明する。図261に示すように、ステップSE4301では、上記変動表示中フラグの設定状況を見て、演出表示装置42にて変動表示中であるか否かを判定する。詳しくは、変動表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、変動表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、変動表示中フラグは、上述したとおり演出表示装置42の変動表示を開始する際(ステップSE4113の開始設定処理)にオンにされ、演出表示装置42の変動表示が停止表示される際(ステップSE4305参照)にオフにされる。
ここで肯定判定された場合、すなわち変動開始時又は変動中である場合には、ステップSE4302に進み、否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップSE4302では、変動表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、変動表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップSE4303に進み、上記減算後の変動表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判定する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち変動表示タイマの値が「0」となった時にステップSE4303が肯定判定される。
ステップSE4303で否定判定された場合には、ステップSE4304において、演出表示装置42の変動表示を実行するための変動実行処理を行い、本処理を終了する。
この変動実行処理では、例えばRAM553のサブ変動保留エリアの実行エリアに格納された各種情報に基づき、表示制御装置45へ出力するコマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。
これによって、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、演出表示装置42での図柄の変動表示を開始する。そして、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、該変動パターンコマンドに対応する変動表示の変動時間が経過するまで(ステップSE4113の開始設定処理で設定された変動表示タイマの値が「0」になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
一方、ステップSE4303で肯定判定された場合、すなわち変動表示タイマの値が「0」であると判定された場合には、ステップSE4305において演出表示装置42にて停止表示を行うための停止表示設定を行い、本処理を終了する。該停止表示設定では、変動表示中フラグを解除(オフ)すると共に、表示制御装置45に対し演出表示装置42における変動表示の停止を指示する停止コマンドの設定等が行われる。
尚、ステップSE4304の変動実行処理(リーチ状態中は除く)、及び、ステップSE4305の停止表示設定では、演出表示装置42における表示態様を遊技状態の種別に応じた態様(演出モード)で行うための演出モード切換設定処理も合わせて行なわれる。
本実施形態における演出モードは、遊技状態(遊技状態判定値Xjの値)等に応じて、主として、「高サポートモード」が付与されていない「通常モード」、「高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、そのサポート継続期間が不明な「チャンスモード」、「次回まで・高サポートモード」が付与された状態であって、かつ、それを遊技者に対し明示的に報知する「ゴールドモード」の間で切替設定される。
本実施形態では、各演出モードに応じて演出表示装置42の液晶表示部42aの背景HGの切替設定が行われる。ここで、背景HGは、いかなる構成であってもよく、例えばキャラクタROM525に記憶された1つの背景画像データ(静止画像データ)のみにより構成されたものであってもよいし、一連の動画データであってもよいし、静的な背景画像データに静的又は動的な画像データ(スプライトデータ)を組み合わせて構成されたものであってもよい。
より詳しくは、RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合、すなわち「低確率モード」と「低サポートモード」とが付与されている状態では、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定され、液晶表示部42aには、「通常モード」に対応する所定の背景HGが設定される。
但し、演出モードが「通常モード」である場合には、上述したように適宜、演出ステージの変更や予告演出、ゾーン突入演出などが実行され得るため、これらが実行された場合においても液晶表示部42aの背景HGの切替設定が行われることとなる。
例えば初期状態で設定される「通常モード」の「ノーマルステージ」では、図277に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、サンゴ礁などの浅瀬の海をイメージした画像(映像)からなる「ノーマルステージ背景HG1」が表示される。
また、上記ステージ変更抽選において所定結果が得られた場合に設定される「通常モード」の「にぎやかステージ」では、図278に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、女の子キャラクタが登場し各種演出を行う画像(映像)からなる「にぎやかステージ背景HG2」が表示される。
また、上記ステージ変更抽選において所定結果が得られた場合に設定される「通常モード」の「ややにぎやかステージ」では、図279に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、種々の魚キャラクタが登場し各種演出を行う画像(映像)からなる「ややにぎやかステージ背景HG3」が表示される。
また、上記ゾーン突入抽選において所定結果が得られた場合に設定される「通常モード」の「ゾーン突入ステージ」では、図280に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、女神キャラクタが登場し各種演出を行う画像(映像)からなる「ゾーン背景HG4」が表示される。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「3」の場合、すなわち所定期間の「高サポートモード」の終了後、「高確率モード」と「低サポートモード」とが付与された状態には、いわゆる「潜確状態」となるため、かかる場合にも、表面上は「通常状態」の場合と何ら変わりのない状態とするため、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定され、上記同様、液晶表示部42aには、「通常モード」に対応する所定の背景HGが設定される。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」又は「7」の場合、すなわち「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」、「50回・高サポートモード」、「30回・高サポートモードS」、「次回まで・高サポートモード」の非報知演出、又は、後述する「サポート継続演出」の期間中には、演出表示装置42における演出モードが「チャンスモード」に設定され、液晶表示部42aには、「チャンスモード」に対応する所定の背景HGが設定される。
「チャンスモード」では、例えば図281に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、穏やかに流れる海流をイメージした画像(映像)からなる「チャンスモード背景HG5」が表示される。
RAM553の遊技状態情報格納エリアに格納された遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合、すなわち「次回まで・高サポートモード」が付与されている状態(非報知演出期間を除く)には、演出表示装置42における演出モードが「ゴールドモード」に設定され、液晶表示部42aには、「ゴールドモード」に対応する所定の背景HGが設定される。
「ゴールドモード」では、例えば図282に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、古代の神殿が沈んだ海底をイメージした画像(映像)からなる「ゴールドモード背景HG6」が表示される。
尚、本実施形態では、遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合(「低確率モード」かつ「低サポートモード」の通常状態)であっても、後述するように「高サポートモード」の終了後の所定期間(本実施形態では変動表示10回分)だけは、演出モードが、遊技者の期待感や不安感を煽る「ダークモード」に設定される。そして、「ダークモード」では、図283に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、暗い深海をイメージした画像(映像)からなる「ダークモード背景HG7」が表示される。
次に、保留表示設定処理について図262を参照して詳しく説明する。まずステップSE4501において、サブ変動保留エリアのうち、下始動入賞口33YBに対応する第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアに格納された当たり種別情報が大当たり又は小当たりに対応する情報(当たり情報)であるか否かを判定する。
ここで否定判定された場合、すなわち当たり情報が含まれていない場合には、ステップSE4502において、通常保留表示更新処理を行う。図277等に示すように、通常の保留表示では、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bにおいて、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像(保留アイコン)TA1~TA4,TB1~TB4が表示される。通常は、各保留画像TA1~TA4,TB1~TB4として、円形状の保留ランプを模した「保留ランプ画像」が表示される構成となっている。
そして、ステップSE4502の通常保留表示更新処理では、サブ変動保留エリアにおける保留数の増減に応じて、点灯態様又は消灯態様で表示される保留画像TA1~TA4,TB1~TB4の数を増減させる表示更新処理を行うこととなる。
一方、ステップSE4501において肯定判定された場合、すなわち第2サブ変動保留エリアの保留第1~第4エリアのいずれかに当たり情報が含まれている場合には、ステップSE4503において、保留表示変更処理を行い、その後、本処理を終了する。
ステップSE4503の保留表示変更処理が行われることにより、第2保留表示領域W3bに表示される4つの保留画像TB1~TB4のうち、上記当たり情報を含む保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4のいずれかが、通常保留表示時の「保留ランプ画像」から「星型画像」に差し替えられる。
ここで、「高サポートモード」の終了後の所定期間(本実施形態では変動表示10回分)において、演出表示装置42における演出モードが上記「ダークモード」に設定される場合の演出モード切換設定処理について説明する。
本実施形態では、演出モードを「ダークモード」に設定する場合には、まず残り保留数レジスタFRに記憶された残り保留数情報(又は第2保留カウンタNbに記憶された保留数情)が0よりも大きいか否かを判別する。つまり、高サポートモード中における下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の保留(残り保留)があるか否かを判定する。尚、上述したように、本実施形態に係る構成の下、下始動入賞口33YBへの入球は実質的に高サポートモード中にのみ発生し得る。
但し、本実施形態では、高サポートモード終了時に第2変動表示の残り保留があるか否かにかかわらず、高サポートモードが終了すると共に、演出モードが「ダークモード」に設定され、液晶表示部42aには、「ダークモード」に対応する所定の背景HGが設定される。具体的には、上述したように「ダークモード背景HG7」が表示される(図283参照)
そして、第2変動表示の残り保留がある場合には、演出モードが「ダークモード」に設定された液晶表示部42aのダークモード背景HG7の前で、第2変動表示の残り保留に係る装飾図柄の変動表示が行われることとなる。
一方、第2変動表示の残り保留がない場合には、演出モードが「ダークモード」に設定された液晶表示部42aのダークモード背景HG7の前で、その後に発生する又は保留されていた第1変動表示に係る装飾図柄の変動表示が行われることとなる。
尚、高サポートモードが終了してから所定期間(本実施形態では変動表示10回分)が経過するまでは、最大で変動表示4回分の第2変動表示の残り保留の消化期間が終了した後も、演出表示装置42の演出モードとして「ダークモード」が維持され、液晶表示部42aには継続してダークモード背景HG7が表示される。
勿論、「ダークモード」における液晶表示部42aの表示内容や表示態様は、上記内容に限定されるものではなく、他の異なる表示内容や表示態様であってもよい。また、高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留数に応じて異なる表示態様としたり、異なる演出を実行する構成としてもよい。また、高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留数が把握されることから、第2変動表示の残り保留の消化期間中(最大で4回分の第2変動表示が実行される期間中)連続して進行するアニメーション(複数回の変動表示に跨る連続演出)が導出される構成としてもよい。
次に、ステップSE3907の表示設定処理において行われる当たり中表示処理について、図263を参照して説明する。
先ず、ステップSE4701では、主制御装置261から当たり状態(大当たり状態又は小当たり状態)の開始を告げるオープニングコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップSE4701で肯定判定された場合には、ステップSE4702において、残りのラウンド数を把握するためのラウンド把握カウンタに対し、オープニングコマンドに含まれる当たり種別情報に基づいて、各種当たりに対応した初期値が設定される。例えば、「16R確変大当たりA」の場合には、16回を示す「16」が初期値として設定され、「JUB大当たり」の場合には、5回の「短開放」と15回の「長開放」の合計である20回を示す「20」が初期値として設定され、「小当たり」の場合には、5回を示す「5」が初期値として設定される。
その後、ステップSE4703において、オープニング演出の設定(演出表示装置42の画像、スピーカSPの音声、各種ランプの点灯態様の設定)を行ってから、本処理を終了する。
これに基づき、当たり種別が「大当たり」の場合には、液晶表示部42aにおいて、図284に示すようなオープニング演出が行われる。該オープニング演出では、液晶表示部42aの背景HGとして、「大当たり」等の文字が記載された画像からなるオープニング背景HG8が表示されると共に、その前面側に大当たり図柄となった装飾図柄が表示される。
また、ここで大当たり種別に応じて、異なる背景HGが設定される構成としてもよい。例えば大当たり種別が「確変大当たり」の場合には、背景HGとして、「確変大当たり」等の文字が記載された画像からなる「確変オープニング背景」が表示される構成としてもよい。同様に、大当たり種別が「通常大当たり」の場合には、背景HGとして、「通常大当たり」等の文字が記載された画像からなる「通常オープニング背景」が表示される構成としてもよい。
尚、サブ制御装置262には、当たり種別と、残りラウンド数と、当たり状態中の各種演出態様との対応関係を記憶するテーブル等が設けられており、該テーブルを参照して対応する演出を選択し、それを実行させることとなる。つまり、サブ制御装置262は、主制御装置261による各種の抽選の結果(例えば確変大当たりか通常大当たりか等の当たり種別)や、当選時の遊技状態(例えば高サポートモードか低サポートモードか等のモード種別)、残りのラウンド数などに基づき、前記テーブルを参照し、演出表示装置42で実行するオープニング演出や大当たり中のラウンド演出の内容を複数の演出表示態様の中から一つ決定し実行することとなる。
また、ステップSE4701で否定判定された場合には、ステップSE4705において、ラウンドコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSE4705で肯定判定された場合、ステップSE4706において、ラウンド数の表示などラウンド中の演出設定を行ってから、本処理を終了する。
これに基づき、液晶表示部42aでは、図285に示すようなラウンド演出が行われる。該ラウンド演出では、図285に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、海辺をイメージした画像(映像)からなる「ラウンド背景HG9」が表示されると共に、その前面側において動き回る図柄キャラクタ(数字の付されない装飾図柄)が表示される。
また、ここで大当たり種別に応じて、異なる背景HGが設定される構成としてもよい。例えば大当たり種別が「確変大当たり」の場合には、背景HGとして、昼間の海辺をイメージした画像(映像)からなる「確変ラウンド背景」が表示される構成としてもよい。同様に、「通常大当たり」の場合には、背景HGとして、夕方の海辺をイメージした画像(映像)からなる「通常ラウンド背景」が表示される構成としてもよい。
ここで、「長開放」の各ラウンドでは、ラウンド毎に最大で30秒になる演出設定が行われる一方、「短開放」の各ラウンドでは、開閉シャッタ32bの開放規定時間が0.4秒と短いことから、複数回のラウンド期間(後述するインターバル期間を含む)に跨って連続する一連の演出設定が行われる。勿論、「短開放」の場合においても、ラウンド毎に個別の演出設定が行われる構成としてもよい。また、「長開放」の場合においても、複数回のラウンド期間(後述するインターバル期間を含む)に跨って連続する一連の演出設定が行われる構成としてもよい。換言すれば、第1ラウンドの開始時(オープニング演出の終了時)から最終ラウンドの終了時(エンディング演出の開始時)までの間の複数回のラウンド期間に跨る大当たり演出の実行中に開閉シャッタ32bが複数回開閉する構成としてもよい。
ステップSE4705で否定判定された場合、ステップSE4707において、インターバルコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSE4707で肯定判定された場合、ステップSE4708でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップSE4709でインターバル中の演出の設定を行ってから、本処理を終了する。
ここで、「長開放」の各ラウンド間のインターバル期間では、インターバル毎に3秒になる演出設定が行われる一方、「短開放」の各ラウンドのインターバル期間では、上述したように複数回のラウンド演出と連続した一連の演出設定が行われる。
ステップSE4707で否定判定された場合、ステップSE4710においてエンディングコマンドを受信したか否かを判別する。ステップSE4710で肯定判定された場合、ステップSE4711でラウンド把握カウンタを1減算し、ステップSE4712でエンディング演出の設定を行ってから、本処理を終了する。尚、エンディング演出の設定処理において、複数のエンディング演出パターンの中から一のエンディング演出パターンを選出し実行する構成としてもよい。
これに基づき、液晶表示部42aでは、図286に示すようなエンディング演出が行われる。該エンディング演出では、液晶表示部42aの背景HGとして、「またね~」等の文字が記載された画像からなるエンディング背景HG10が表示される。
また、ここで大当たり種別に応じて、異なる背景HGが設定される構成としてもよい。例えば大当たり種別が「確変大当たり」の場合には、背景HGとして、「まだまだ続くよ」等の文字が記載された画像からなる「確変エンディング背景」が表示される構成としてもよい。同様に、大当たり種別が「通常大当たり」の場合には、背景HGとして、「がんばってね」等の文字が記載された画像からなる「通常エンディング背景」が表示される構成としてもよい。
ステップSE4710で否定判定された場合、ステップSE4713において当たり終了コマンド(大当たり終了コマンド又は小当たり終了コマンド)を受信したか否かを判別する。ステップSE4713で肯定判定された場合には、ステップSE4714において、エンディング表示を終了させる当たり表示終了処理を行い、本処理を終了する。ステップSE4713で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
図257の説明に戻り、ステップSE3908のランプ設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。
ステップSE3909の音声設定処理では、演出表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカSPの出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップSE3909で行われる。
従って、サブ制御装置262は、本実施形態における演出制御手段を構成し、演出表示装置42への出力に合わせて、演出手段としての各種ランプやスピーカSPに対し所定の信号を出力する。
ステップSE3911では、演出表示装置42においてデモ演出(客待ち演出)を実行する旨の設定処理等その他の処理を行う。デモ演出は、演出表示装置42において所定の変動表示が停止してから所定時間(例えば1分間)経過しても次の変動表示が開始されない場合に実行される。例えば図287に示すように、デモ演出では、液晶表示部42aの背景HGとして、海中をイルカが泳ぎ回るアニメーション動画からなるデモ背景HG11が表示される。
ステップSE3912では、上記ステップSE3905~SE3911の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば演出表示装置42による装飾図柄の変動表示に際してコマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップSE3905~SE3912の処理が実行された後、又は、上記ステップSE3904で否定判定された場合には、ステップSE3913に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップSE3914に進み、RAM553が破壊されているか否かが判定される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップSE3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップSE3913で電源断の発生情報が記憶されると判定された場合、ステップSE3915において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に表示制御装置45にて実行される各種処理について説明する。表示制御装置45のCPU521は、プログラムROM522に格納されている制御プログラムを起動させ、初期設定処理を実行した後、各種割込みを許可する。これにより、CPU521においてコマンド割込み処理やV割込み処理を実行することが許容される。
まずコマンド割込み処理について説明する。当該コマンド割込み処理は、所定周期(例えば2ms周期)で定期的に実行される処理である。CPU521においてコマンド割込み処理が実行されると、サブ制御装置262から入力ポート527に新規のコマンドを受信しているか否かを判定し、コマンドを受信していると判定した場合には、受信したコマンドをワークRAM523に設けられたコマンドバッファ(リングバッファ)に格納する。
尚、コマンド割込み処理は、所定周期で定期的に実行される処理ではなく、サブ制御装置262からストローブ信号を受信した場合に起動される処理として構成してもよい。ここで、CPU521はサブ制御装置262からストローブ信号を受信した場合、その時点で実行されている処理が何であったとしてもコマンド割込み処理を実行するようにしてもよい。
次にV割込み処理について説明する。当該V割込み処理は、VDP526からV割込み信号を入力した場合に起動される処理である。これに限らず、V割込み処理を所定周期(例えば20ms周期)で定期的に実行される処理として構成してもよい。
V割込み処理が実行されると、まずCPU521は、コマンドバッファに新規コマンドが存在するか否かを判定し、新規コマンドが存在すると判定した場合に、ワークRAM523のコマンドバッファから新規コマンドを読み出し、該コマンドの内容を解析する。
続いて、CPU521は、解析したコマンドの内容に基づいて、該コマンドに対応した表示処理を実行するための所定の表示データテーブルをプログラムROM522から読み出し、読み出した表示データテーブルをワークRAM523のテーブルバッファに設定する。
尚、表示データテーブルは、コマンドに対応した演出等に係る映像を演出表示装置42の液晶表示部42aに表示させる場合において、映像の各更新タイミングにおける1フレーム分の画像を表示させるのに必要な処理が定められた情報群である。
つまり、表示データテーブルには、今回の表示演出に係る映像における開始タイミングから終了タイミングまでの各フレーム(フレーム更新周期は20msec)に対応した情報群が定められている。
ここで、各種表示演出に対応した表示データテーブルのデータ構造について説明する。表示データテーブルには、演出表示装置42にて所定の表示演出(例えば変動表示演出や大当たり表示演出など)を実現するための複数の表示制御データが時系列に設定されている。表示データテーブルの先頭アドレスには、表示演出の開始を示すSTARTデータが設定され、最終アドレスには、表示演出の終了を示すENDデータが設定されている。そして、STARTデータが設定された先頭アドレスと、ENDデータが設定された最終アドレスとの間の各アドレスには、表示演出態様に対応する描画内容(図柄位置、背景種別、キャラクタ種別及びエフェクトなど)が表示制御データとして登録されている。
ワークRAM523のテーブルバッファに表示データテーブルが設定されると、CPU521は、表示データテーブルの先頭アドレスにポインタを設定し、タスク処理を実行する。
その後、CPU521は、タスク処理を実行する度に(1フレーム分の描画処理が完了する度に)ポインタを1ずつ加算しながら、表示データテーブルにおいてポインタが指定するアドレスの表示制御データを順次取得し、取得した表示制御データに基づいて今回の更新タイミングに対応した1フレーム分の画像を演出表示装置42に表示させるための描画指示リストを作成する。
これにより、VDP526に描画指示を行う上で必要な各種データの設定を行う。各種データとしては、例えばキャラクタROM525において描画対象となる画像データが記憶されているエリアのアドレス情報、ビデオRAM524において描画対象となる画像データを転送するエリアのアドレス情報、描画対象となる画像データを用いて描画データを作成すべき作成対象となるフレームバッファの情報、作成対象のフレームバッファにおいて描画対象となる画像データを書き込む際の座標の情報、当該画像データを書き込む際のスケールの情報、及び当該画像データを書き込む際の一律α値(半透明値)の情報などがある。
続いて、CPU521は、作成した描画指示リストをVDP526に送信する。描画指示リストをVDP526に送信することで、CPU521は、1フレーム分の画像の描画指示を行う。VDP526では、この描画指示リストに従ってビデオRAM524のフレームバッファに描画データを作成する。これにより、上記ポインタの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定され、その表示データテーブルで規定された通りの映像が演出表示装置42に表示されることとなる。
次に、VDP526にて実行される各種処理について説明する。VDP526では、CPU521から送信された描画指示リストに基づいてビデオRAM524の一方のフレームバッファに描画データを作成する描画処理、及び、他方のフレームバッファに作成された描画データに基づいて演出表示装置42に映像信号を出力する出力処理が実行される。
ここで、描画処理について詳しく説明する。描画処理の説明に先立ち、まずCPU521からVDP526に送信される描画指示リストの内容について説明する。
描画指示リストには、ヘッダ情報が設定されている。ヘッダ情報には、当該描画指示リストに対応する1フレーム分の画像を表示するための描画データを第1フレームバッファ及び第2フレームバッファのうちのいずれに描画するのかを示す情報であるターゲットバッファの情報が設定されている。
描画指示リストには、上記ヘッダ情報以外にも、1フレーム分の画像を表示するために用いられる複数種類の画像データや、各画像データの描画順序の情報、各画像データのパラメータ情報などが設定されている。より詳しくは、描画順序の情報が連番の数値情報となるようにして設定されているとともに、各数値情報に1対1で対応させて使用する画像データの情報が設定されている。また、各画像データの情報に1対1で対応させてパラメータ情報が設定されている。
上記描画順序は、1フレーム分の画像において液晶表示部42aの奥側に位置するように表示させたい個別画像から先に描画対象となるように設定されている。なお、個別画像とは、背景画像データ等の静止画像データにより規定される一の静止画像や、図柄スプライトデータ等のスプライトデータにより規定される一のスプライトのことである。例えば背景画像データ(背景画像)が最初の描画対象として設定されているとともに、スプライトデータA(例えばキャラクタ画像)が2番目、スプライトデータB(例えば図柄画像)が3番目、・・・として設定されている描画指示リストによれば、描画用のフレームバッファに対して、最初に背景画像データ(背景画像)が書き込まれ、その後に当該背景画像データに重なるようにしてスプライトデータA(例えばキャラクタ画像)が書き込まれ、さらにスプライトデータB(例えば図柄画像)が書き込まれることとなる。なお、1フレーム分の画像においては、背景画像→演出画像→図柄の順序で手前側となるように、各個別画像が表示される。
また、パラメータ情報には、複数種類のパラメータが設定されている。背景画像データのパラメータについて、具体的には、キャラクタROM525において背景画像データが記憶されているエリアのアドレスの情報と、ビデオRAM524において背景画像データを転送するエリアのアドレスの情報と、背景画像データを書き込む場合における仮想2次元平面上の位置を示す座標の情報と、背景画像データを書き込む場合における仮想2次元平面上の回転角度を示す回転角度の情報と、背景画像データの初期状態として設定されているサイズに対して、フレームバッファに書き込む際の倍率を示すスケールの情報と、背景画像データを書き込む場合における全体の透過情報(又は透明情報)を示す一律α値の情報と、αデータの適用有無及び適用対象を示すαデータ指定の情報とが設定されている。尚、上記パラメータの種類は、スプライトデータA,Bについても同様である。
座標の情報は、画像データを構成する全ピクセルについて個別に設定されるのではなく、一の画像データに対して一の座標の情報が設定される。具体的には、座標の情報が指定される基準ピクセルとして画像データの中心の1ピクセルが設定されている。VDP526では、指定される座標の情報が画像データの中心の1ピクセルであることを認識可能となっており、画像データの配置に際してはその中心の1ピクセルが指定された座標上となるようにする。これにより、CPU521において一の画像データに対して指定すべき座標情報のデータ量を抑えることができる。また、CPU521やVDP526において画像データの全ピクセルについて座標を認識可能としておく必要がないため、プログラムの簡素化も図られる。
また、一律α値とは、一の画像データの全ピクセルに対して適用される透過情報のことであり、CPU521における演算結果として導出される数値情報である。当該一律α値は、画像データの全ピクセルに一律で適用される。一方、αデータとは、背景画像データやスプライトデータの各ピクセル単位で適用される透過情報のことであり、画像データとしてキャラクタROM525に予め記憶されている。当該αデータは、同一の背景画像データ又は同一のスプライトデータの範囲内において各ピクセル単位で透過情報を相違させることができる。このαデータは、一律α値を設定するためのプログラムデータに比べデータ容量が大きい。
上記のように一律α値とαデータとが設定されていることにより、背景画像データやスプライトデータの透過度をピクセル単位で細かく制御するのではなく全ピクセルに対して一律で制御すればよい状況では一律α値で対応することができることで必要なデータ容量の削減が図られるとともに、αデータを適用することによって透過度をピクセル単位で細かく制御することも可能となる。
次にVDP526における描画処理について説明する。まずVDP526は、既に受信している描画指示リストによって指示された描画データの作成が完了しているか否かを判定する。ここで描画データの作成が完了している場合には、CPU521から新たな描画指示リストを受信しているか否かを判定する。新たな描画指示リストを受信している場合には、受信時の対応処理を実行する。
受信時の対応処理では、描画指示リストに含まれるターゲットバッファの情報から、今回受信した描画指示リストに対応した1フレーム分の描画データを2つのフレームバッファのうちのいずれのフレームバッファに描画するのかを把握する。
続いてVDP526は内容把握処理を実行する。内容把握処理では、描画指示リストに描画対象として設定されている画像データをキャラクタROM525から読み出しビデオRAM524に書き込む。
また、内容把握処理では、描画指示リストにおいて描画対象として最初に設定されている画像データの種類を把握するとともに、当該画像データの各種パラメータ情報を把握する。書き込み処理では、内容把握処理の把握結果に基づいて、作成対象として設定されているフレームバッファに今回の描画対象の画像データを書き込む。
一方、既に受信している描画指示リストにて指示された描画データの作成途中であると判定した場合には、描画指示リストのカウンタの更新処理を実行する。これにより、描画対象が次の描画順序の画像データに切り換えられる。そして、当該切り換えられた画像データについて、上記処理を実行する。つまり、描画処理が複数回実行されることで、一の描画指示リストにより指示された1フレーム分の画像の描画データが作成される。
なお、1回の描画処理で1個の画像データのみが処理される構成に限定されることはなく、1回の描画処理で複数個の画像データが処理される構成としてもよく、また描画処理の各処理回において同一個数の画像データが処理される構成に限定されることはなく、描画処理の各処理回において異なる個数の画像データが処理される構成としてもよい。
また、新たな描画指示リストを受信していない場合や、描画対象の画像データの書き込み処理を実行した後は、1フレーム分の画像に係る映像信号の出力が完了しているか否かを判定する。ここで完了していない場合にはそのまま本描画処理を終了し、完了している場合にはCPU521にV割込み信号を出力した後に、本描画処理を終了する。
次に演出表示装置42の液晶表示部42aにおける表示態様等について、遊技者による遊技の流れと共に説明する。
演出表示装置42の液晶表示部42aには、通常状態(遊技状態判定値Xjの値が「0」の場合)において、上、中及び下の3つの図柄表示領域からなる変動表示領域W1が設定されている(図277等参照)。
また、図277等に示すように、液晶表示部42aにおける変動表示領域W1の下側には、遊技者に対し遊技球の発射態様を指示(推奨)する指示表示領域W2が設定されると共に、さらにその下側には変動表示の保留数を示す保留表示領域W3が設定されている。
保留表示領域W3は、サブ変動保留エリアに対応して設定されている。つまり、保留表示領域W3は、第1サブ変動保留エリア及び第2サブ変動保留エリアに対応して、第1保留表示領域W3a及び第2保留表示領域W3bとに区分けされている。そして、各保留表示領域W3a,W3bには、それぞれ4つの保留エリア(保留第1~保留第4エリア)に対応する保留画像(保留アイコン)TA1~TA4,TB1~TB4が表示される(図277等参照)。
保留画像TA1~TA4,TB1~TB4は、通常時(非保留時)には、消灯態様の画像(アイコン)が表示されており(網掛け部分参照)、所定の保留エリアに変動表示が保留された場合に、該保留エリアに対応する保留画像TA1~TA4,TB1~TB4が点灯態様の画像(アイコン)に切替表示される構成となっている(白抜き部分参照)。
図277に示す例では、第1保留表示領域W3aの第1保留画像(第1保留アイコン)TA1及び第2保留画像(第2保留アイコン)TA2が点灯態様で表示され、残りの保留画像(保留アイコン)TA3,TA4,TB1~TB4が消灯態様で表示された状態が示されている。すなわち、第1サブ変動保留エリアの保留第1エリアと保留第2エリアに変動表示が保留され、現在の変動表示の保留数が上始動入賞口33YAに係る「2」個の状態であることが示されている。
通常状態においては、遊技者が可変表示装置ユニット35の左側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「左打ち」という。)を推奨するように指示表示領域W2に「←左打ち」と表示される。これに従い、遊技者は「左打ち」して遊技を行う。
「左打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変表示装置ユニット35の下側に位置する上始動入賞口33YAの方へと誘導される。そのうち、いくつの遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞することとなる。
尚、本実施形態では、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放契機となるスルーゲート34が、可変表示装置ユニット35の右側方領域、すなわち可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、開閉役物37Yが開放されることはなく、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞することはない。
つまり、通常状態においては、「左打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。
遊技球が上始動入賞口33YAへ入賞すると、演出表示装置42の変動表示領域W1においては、上記各図柄表示領域に複数種類の装飾図柄が変動表示される。本実施形態では、装飾図柄として図柄Z1~Z9が表示される(図276参照)。
図276に示すように、図柄Z1~Z9には、それぞれ「1」~「9」の所定の数字が付されている。図柄Z1~Z9は、上記各図柄表示領域において、数字の昇順又は降順に周期性をもって右から左へとスクロール変動表示される。これにより、上記各図柄表示領域に変動表示される一連の図柄列が構成されている。
より具体的には、上図柄表示領域においては、図柄Z1~Z9が降順(付された数字が減る順)に表示され、中図柄表示領域及び下図柄表示領域においては、同じく図柄Z1~Z9が昇順(付された数字が増える順)に表示される。そして、所定時間が経過すると、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に変動表示が停止し、各図柄表示領域に図柄Z1~Z9が停止表示される。
上始動入賞口33YAへの遊技球の入賞に基づき、大当たり抽選に当選した場合には、所定のリーチ状態を経て、所定の大当たりライン上に、大当たりの組合わせの装飾図柄(図柄Z1~Z9)が停止表示される。
本実施形態において、前記大当たりラインは、左・中・右の縦ライン及び斜めの2本のラインによって構成されている(5ラインと称される)。従って、上・中・下図柄表示領域において、大当たりの組合わせの装飾図柄(図柄Z1~Z9のうち同一種類のもの)が前記5つのラインのいずれかのライン上に3つ並んで停止表示されると(例えば右上がりの斜めのラインにおいて「9」の数字が付されたカニ図柄Z9が3つ揃って確定停止表示されると)、大当たり状態の発生が確定する。
また、リーチ状態には、下図柄表示領域の図柄変動が、前記大当たりライン上において上図柄表示領域の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。例えば図288においては、上・下図柄表示領域それぞれにおいて、右下がりの斜めの大当たりライン上に「1」の数字の付されたタコ図柄Z1が停止表示されており、左下がりの斜めの大当たりライン上に「9」の数字の付されたカニ図柄Z9が停止表示されており、中図柄表示領域が未だ変動中である場合が例示されている。
但し、図288では、図面の簡素化のため、中図柄表示領域に変動表示される図柄Z1~Z9が省略されている(後述する図289、図290においても同様)。この場合、中図柄表示領域において、前記大当たりライン上にタコ図柄Z1又はカニ図柄Z9が停止表示されると、大当たり状態が発生することとなる。
但し、上記リーチ状態には、中図柄表示領域の図柄が、最終的に上・下図柄表示領域の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(これを「外れリーチ状態」という)が含まれる。
上述したように、リーチ状態中においては種々のリーチ演出が行われる。リーチ演出パターンの1つとして、中図柄表示領域の図柄Z1~Z9が通常変動時と同様に単にスクロールする「ノーマルリーチ」がある。本実施形態における「ノーマルリーチ」においては、例えば図288に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、中央部に巨大なサンゴが出現する画像(映像)からなる「サンゴリーチ背景HG12」が表示される。
この他、本実施形態では、大当たり状態の発生する期待度が「ノーマルリーチ」よりも高い「スーパーリーチ」がある。本実施形態における「スーパーリーチ」においては、例えば図289に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、波紋が出現する画像(映像)からなる「波紋リーチ背景HG13」が表示される。
さらに、本実施形態では、大当たり状態の発生する期待度が「スーパーリーチ」よりも高い「スペシャルリーチ」がある。本実施形態における「スペシャルリーチ」においては、例えば図290に示すように、液晶表示部42aの背景HGとして、海人キャラクタが出現する画像(映像)からなる「海人リーチ背景HG14」が表示される。
但し、前記各リーチ演出パターンにも複数種類あって、本実施形態では、1つの大当たりライン上のみに同種の図柄Z1~Z9が並ぶシングルリーチ(以下、Sリーチという)と、2つの斜め大当たりライン上に同種の図柄Z1~Z9がクロスするように並ぶダブルリーチ(以下、Wリーチという)とが設定されている。つまり、図288~図290に示されたリーチ演出パターンは、それぞれ「サンゴWリーチ」、「波紋Wリーチ」、「海人Wリーチ」である。
そして、上述したように、図柄Z1~Z9が所定の大当たりライン上に大当たり図柄の組合せ(同一種類の図柄の組合せ)で確定停止表示され、大当たり状態の発生が確定すると、演出表示装置42の液晶表示部42aにて上記オープニング演出(図284参照)が開始される。ここで、該大当たり状態にて実行されるラウンド数が表示されるようにしてもよい。
続けて、可変入賞装置32の開閉シャッタ32bが開放し、大入賞口32aへ遊技球が入賞可能な状態となると共に、演出表示装置42の液晶表示部42aにおいて上記ラウンド演出(図285参照)が開始される。
但し、本実施形態では、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側方領域(可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置されているため、遊技者が「左打ち」を続けた場合、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させることができない。そのため、図284,図285に示すように、大当たり演出(オープニング演出やラウンド演出)が開始されると、指示表示領域W2には、遊技者が可変表示装置ユニット35の右側方領域に向けて遊技球を発射する行為(かかる行為を以下、「右打ち」という。)を推奨するように、「右打ち→」と表示される。これに従い、遊技者は、遊技球が可変表示装置ユニット35の上方を通過し、可変表示装置ユニット35の右側方領域へ向かうよう、「左打ち」から「右打ち」に切替えて特別遊技としての大当たり遊技を行う。
ここで「右打ち」した場合、遊技球の多くは、上記釘等によって、可変入賞装置32の方へと誘導され、可変入賞装置32へ入賞することとなる。これにより、遊技者はより多くの遊技球を獲得することができる。
一方、可変入賞装置32へ入賞せず、該可変入賞装置32を素通りした遊技球は、上記釘等によって、上始動入賞口33YAや下始動入賞口33YBへ向けて流下することとなる。
また、可変表示装置ユニット35の右側方領域には、可変入賞装置32までの流下途中において、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放契機となるスルーゲート34が設けられており、いくつの遊技球がスルーゲート34を通過することとなる。
ここで、遊技球がスルーゲート34を通過することに起因して行われる開放抽選に当選した場合には、開閉役物37Yが開状態となり、下始動入賞口33YBへ遊技球が入賞することが可能となる。
そして、大当たりが終了する場合には、演出表示装置42の液晶表示部42aにおいて上記エンディング演出(図286参照)が行われる。
大当たり終了後は、特別表示装置43L、43R(演出表示装置42)にて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、開閉役物37Yに係る入賞サポートモードとして「高サポートモード」が付与される。
これに伴い、演出表示装置42の液晶表示部42aでは、「高サポートモード」に係る所定のサポート演出(「チャンスモード」演出、又は「ゴールドモード」演出)が行われる。上述したように「チャンスモード」演出ではチャンスモード背景HG5が表示され(図281参照)、「ゴールドモード」演出ではゴールドモード背景HG6が表示される(図282参照)。
また、かかるサポート演出中、演出表示装置42の液晶表示部42aにおいては、サポート回数表示領域W4が設定される(図281、図282参照)。サポート回数表示領域W4には、見かけ上、付与することが確定しているサポート回数が表示される。従って、例えば内部抽選では「50回」のサポート回数の付与が確定している場合であっても、演出上、当初は「20回」と表示される。
より具体的には、「16R通常大当たりB」又は「4R通常大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
同様に、「16R確変大当たりB」又は「4R確変大当たりB」に当選し、「20回・高サポートモード」、「30回・高サポートモード」、「40回・高サポートモード」又は「50回・高サポートモード」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「4」の場合にも、サポート回数表示領域W4には当初、「20回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
一方、「16R通常大当たりA」又は「4R通常大当たりA」に当選し、「30回・高サポートモードS」が付与される場合、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「2」又は「5」の場合(非報知演出の場合のXj=「5」を除く)には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
また、「16R確変大当たりA」、「4R確変大当たりA」又は「JUB大当たり」に当選し、「次回まで・高サポートモード」が付与される場合には、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「6」の場合には、サポート回数表示領域W4には当初から「次回まで」と表示される。但し、上記非報知演出が行われる場合には、サポート回数表示領域W4には当初、「30回」と表示される。そして、変動表示が1回行われる毎に、その値が1ずつ減算表示されていく。
上述したとおり、「高サポートモード」が付与されている間は、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞しやすい状態となるため、大当たり遊技が終了した場合であっても、遊技者は開閉役物37Yの開放契機を得るべく、「右打ち」を継続して行うことが好ましい。つまり、「高サポートモード」中は、「右打ち」して遊技を行った方が、遊技をより有利に進めることができるよう設定されている。従って、「高サポートモード」中の演出表示装置42の指示表示領域W2には、遊技者に対し「右打ち」を推奨すべく、「右打ち→」と表示される。
尚、本実施形態では、「高サポートモード」の一般回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっていない変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「1」、「2」、「4」、「5」の場合における変動時間が、各遊技状態判定値Xjに基づき選択される変動パターンテーブルによって「1秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の演出表示装置42の液晶表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
また、「高サポートモード」の特定回変動時(サポート回数表示領域W4における回数表示が終了値の「1回」となっている変動時、つまり大当たり終了後から「20回目」、「30回目」、「40回目」又は「50回目」にあたる変動時)、すなわち遊技状態判定値Xjの値が「7」の場合における変動時間が、該遊技状態判定値Xjの値「7」に基づき選択される変動パターンテーブルによって「25秒」と設定されている(大当たり時を除く)。そして、サポート演出中の演出表示装置42の液晶表示部42aでは、これに合せた表示演出がサブ制御装置262により決定され、実行される。
上記特定回変動時(25秒変動)の演出表示装置42の液晶表示部42aでは、「高サポートモード」が継続するか否かを抽選で決定するような、遊技者の興趣を盛り上げるサポート継続演出が行なわれる。
例えば本実施形態では、上記特定回変動時の表示演出(サポート継続演出)として、ルーレット演出が行われる。該ルーレット演出では、図291に示すように、液晶表示部42aにルーレット図柄TRが表示される。これに伴い、液晶表示部42aでは、変動表示領域W1が縮小表示される。なお、縮小された変動表示領域W1では、上記上・中・下の図柄表示領域が、左・中・右の図柄表示領域に切替り、大当たりラインが1ラインとなる。
ルーレット図柄TRには、サポート回数がここで終了することを示す「終了」、サポート回数がさらに10回が加算されることを示す「+10回」、サポート回数が次回大当たりまで続くことを示す「次回まで」といった項目が記載されている。
ルーレット演出では、カニ図柄キャラクタがルーレット図柄TRを回転させ、矢印TYの示す位置に停止した項目により、その後の遊技状態が決定されるといった演出がなされる。
ここで、いずれの項目に停止するかは、大当たり抽選時に決定された「高サポートモード」の付与数(「20回」、「30回」、「40回」、「50回」又は「次回まで」)と、その時点のサポート付与回数(サポート回数カウンタの値)によって決定される。そして、決定された項目がサポート回数表示領域W4に表示される。
例えば、「50回・高サポートモード」付きの「16R通常大当たりB」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「20回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数は残り「30回」あるので、「+10回」の項目が選択される。
また、例えば「30回・高サポートモード」付きの「4R通常大当たりA」に当選し、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」ではなく、サポート付与回数の残りがないため、「終了」の項目が選択される。
また、例えば「次回まで・高サポートモード」付きの「16R確変大当たりA」に当選し、非報知演出が行われ(遊技状態判定値Xjの値が「5」となり)、サポート回数表示領域W4に当初「30回」と表示された後、該ルーレット演出に至った場合には、上限が「次回まで」であるので、「次回まで」の項目が選択される。
さて「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻ると、該高サポートモード中に保留され得る第2変動表示の残り保留の有無にかかわらず、演出表示装置42の液晶表示部42aにおける表示態様(演出モード)が、上述した「ダークモード」となる(図283参照)。
尚、本実施形態において、「ダークモード」は、第2変動表示の残り保留の有無にかかわらず、高サポートモードが終了してから所定期間(本実施形態では変動表示10回分)が経過するまで維持される。これに限らず、例えば第2変動表示の残り保留がなくなりしだい、「ダークモード」も終了するような構成としてもよい。
また、「低サポートモード」に戻ると、液晶表示部42aの指示表示領域W2には「←左打ち」と表示される。但し、本実施形態では、「高サポートモード」中に当たり当選し、下始動入賞口33YBに係る第2サブ変動保留エリアのいずれかの保留エリアに当たり情報が格納されている場合には、第2保留表示領域W3bに表示されている保留画像(保留アイコン)TB1~TB4のうち、当たり情報を格納した保留エリアに対応する保留画像TB1~TB4の表示態様が、通常態様とは異なる態様の画像に変更される。本実施形態では、これと共に、指示表示領域W2において「右打ち→」と表示される。
このため、「高サポートモード」が終了し、「低サポートモード」に戻った場合でも、保留エリアに当たり情報が格納されていれば、上記表示が行われ、遊技者に対して当たりが発生することが示唆されることとなる。
例えば小当たり状態における可変入賞装置32の開放時間は極めて短いため、「左打ち」している状態から、小当たり発生後に「右打ち」へ切換えていたのでは間に合わず、可変入賞装置32へ遊技球を入賞させるためには、予め「右打ち」しておく必要がある。この点、本実施形態では、上記当たり示唆により、遊技者は、小当たりが発生することを把握できるため、予め準備ができ、小当たりの取りこぼしが少なくなる。
続いて、高サポートモードの終了時に該高サポートモード中に保留された第2変動表示の残り保留がある場合には、「ダークモード」となった液晶表示部42aのダークモード背景HG7の前で、第2変動表示の残り保留に係る装飾図柄の変動表示が行われることとなる。
ここで、ホールコンピュータHCや遊技データ表示装置HDが大当たり信号2の出力態様の違いを識別可能な仕様である場合には、該パチンコ機10に対応する遊技データ表示装置HDの表示モードが演出表示モードに切替え設定され、その液晶表示部H50には、現在が残り保留の消化期間中である「ギリギリチャンスモード」であることを示す文字情報などが表示される〔図272(c)参照〕。
その後、第2変動表示の残り保留がなくなると、又は、高サポートモード終了時に第2変動表示の残り保留がない場合には、「ダークモード」となった液晶表示部42aのダークモード背景HG7の前で、その後に発生する又は保留されていた第1変動表示に係る装飾図柄の変動表示が行われることとなる。
そして、高サポートモードが終了してから、大当たり状態が発生することなく、変動表示が10回実行されると「ダークモード」が終了し、演出モードが「通常モード」に戻り、液晶表示部42aには「ノーマルステージ背景HG1」が表示される(図277参照)。
以上詳述したように、従来の遊技機において、遊技性の向上のために所定の始動口への入賞確率を変化可能な補助部材が設けられている。
補助部材は遊技における所定の条件の成立に基づいて入賞容易期間となり、所定の始動入賞に対する変動が所定回数行われた場合等に入賞容易期間が終了される。
入賞容易期間中は、ホールコンピュータ等に対して識別可能な信号を出力することでホール設備による演出やデータの表示を行っている。
しかし、従来の遊技機においては入賞容易期間の終了時点における補助部材に基づく始動保留に対しては何らの対策も取られておらず、遊技状態各種の識別性能に対して、より好適な機能が求められている。
本遊技機の目的は、遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることである。
これに対し、具体的には、例えば本発明に係る遊技機は、
所定の始動入球手段への遊技球の入球を契機として遊技者に有利な所定の特別遊技が実行される特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行するか否かの判定が実行される場合に、所定の図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記変動表示手段により実行される前記所定の図柄の変動表示を実行する権利を保留する保留手段と、
を備え、
前記所定の始動入球手段は、第1始動入球手段と、遊技球の入球が制限される不利状態と遊技球の入球が前記不利状態より容易となる有利状態とが切り替えられる前記第1始動入球手段とは異なる第2始動入球手段と、を含み、
前記所定の特別遊技の終了後に、所定の条件が成立するまで前記有利状態が実行される遊技機であって、
当該遊技機外部に対して、少なくとも前記有利状態において、当該状態を識別可能な所定の識別情報を継続して出力する第1出力手段と、
前記有利状態の終了に基づいて、終了条件の成立で前記第1出力手段による前記所定の識別情報の出力を停止する出力停止手段と、
前記有利状態の終了時の前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記所定の図柄の変動表示を実行する権利の保留数を記憶可能な記憶手段と、
前記有利状態の終了後に、少なくとも前記記憶手段に前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記権利の保留数が記憶されている場合に前記記憶手段に記憶されている保留された前記権利に対応する前記所定の図柄の所定の変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な特定の識別情報を所定期間継続して出力可能な第2出力手段と、
を備え、
前記第2出力手段は、前記第1出力手段による前記所定の識別情報の出力態様とは異なる出力態様で前記特定の識別情報を継続して出力することを特徴とすることにより、
遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
より具体的には、例えば本発明に係る遊技機は、
所定の始動入賞口への遊技球の入球を契機として遊技者に有利な大当たり遊技(開放される可変入賞装置32の大入賞口32aへ遊技球を入球させる遊技)が実行される大当たり状態に移行するか否かを判定する判定機能と、
前記判定機能により大当たり状態に移行するか否かの判定が実行される場合に、所定の図柄の変動表示を実行する演出表示装置42と、
前記演出表示装置42により実行される図柄の変動表示を実行する権利を保留する特別変動保留エリア(RAM503)と、を備え、
前記所定の始動入賞口は、上始動入賞口33YAと、遊技球の入球が制限される低サポートモードと遊技球の入球が容易となる高サポートモードとが切り替えられる下始動入賞口33YBと、を含み、
大当たり遊技の終了後に、変動表示の実行回数が所定回数に達するまで高サポートモードが実行されるパチンコ機10であって、
パチンコ機10外部に対して、少なくとも高サポートモードにおいて、当該高サポートモードを識別可能な大当たり信号2(ハイレベル信号)を継続して出力する第2端子240b及び信号出力機能と、
高サポートモードの終了に基づいて、大当たり信号2の出力を停止する信号停止機能と、
高サポートモードの終了時の下始動入賞口33YBへの遊技球の入球を契機とする所定の図柄変動表示を実行する権利の保留数を記憶可能な残り保留数レジスタFRと、
高サポートモードの終了後に、少なくとも残り保留数レジスタFRに下始動入賞口33YBへの遊技球の入球を契機とする権利の保留数が記憶されている場合に残り保留数レジスタFRに記憶されている前記権利に対応する所定の図柄変動表示を実行可能な期間であることを識別可能なパターン信号を所定期間継続して出力可能な前記第2端子240b及び信号出力機能と、を備え、
前記パターン信号を大当たり信号2とは異なる出力態様で継続して出力することを特徴とすることにより、
遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
以下、より具体的な課題及び作用効果等について述べる。例えば本実施形態に係るパチンコ機10では、下始動入賞口33YBへ遊技球を入球させることが困難な通常状態(低サポートモード)においては、左打ちして上始動入賞口33YAに遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。一方、大当たり(高サポートモード付き確変大当たり)に当選し、該大当たり状態の終了後に付与され得る、下始動入賞口33YBへ遊技球を入球させやすい高サポートモードにおいては、右打ちして下始動入賞口33YBに遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
また、パチンコ機10は、自身の現在の状態を識別させる信号(情報)を外部出力するための外部端子板240を備えており、遊技ホールにおいては、該遊技ホールを管理するホールコンピュータHCと電気的に接続される。これにより、ホールコンピュータHCは、遊技ホールにおける各パチンコ機10の状態を把握することができる。
パチンコ機10からホールコンピュータHCに出力される信号として、例えば現在の遊技状態が大当たり状態であることを示す大当たり信号1や、現在の遊技状態が大当たり状態又は高サポートモードであることを示す大当たり信号2などがある。
例えば図275(a)に示すように、通常状態(低サポートモード)において大当たり(高サポートモード付き確変大当たり)に当選した場合、すなわち初当たりした場合には、該大当たり状態が開始するタイミングTM1で大当たり信号1及び大当たり信号2が共に、オフ状態(ローレベル出力)からオン状態(ハイレベル出力)に切り替わる。
そして、これらの信号の出力レベルの切り替わり(大当たり信号1及び大当たり信号2の出力)を検知したホールコンピュータHCは、総大当たり回数カウンタ及び連続大当たり回数カウンタの更新処理(加算処理)を行い、これらの更新値を他のデータと共に、該信号出力を行った所定の台番号のパチンコ機10の遊技履歴として上記ハードディスクに保存する。
ここで、「総大当たり回数カウンタ」は、遊技ホールの開店時から現時点までの間に所定のパチンコ機10において発生した大当たり状態の総数を計数するための計数手段である。また、「連続大当たり回数カウンタ」は、所定のパチンコ機10において、初当たりから通常状態に戻ることなく連続して発生した大当たり状態の回数(連チャン回数)を計数するための計数手段である。尚、ホールコンピュータHCは、所定のパチンコ機10から出力された大当たり信号1,2に基づき(大当たり信号2の受信中の大当たり信号1の受信回数によって)、該パチンコ機10において、初当たりから通常状態に戻ることなく、何回連続して大当たり状態が発生(何連チャン)したか把握することができる。
続いて、ホールコンピュータHCは、総大当たり回数カウンタ及び連続大当たり回数カウンタの更新値、並びに、これらの更新値を表示する旨の指令を、前記所定の台番号のパチンコ機10に対応する遊技データ表示装置HDに対し送信する。
これらのデータを受信した遊技データ表示装置HDは、これらのデータを自身のRAM等に記憶すると共に、液晶表示部H50の表示モードを通常表示モード〔図272(a)参照〕からアクティブ表示モード〔図272(b)参照〕へ切り替え、所定の表示内容(表示項目)のデータを表示する。図272(b)に示す例では、アクティブ表示モードとなった液晶表示部H50の表示項目[継続回数]の欄に、連続大当たり回数カウンタの更新値が表示される。ここで、初当たりの場合には、連続大当たり回数カウンタの更新値が「1」となっているため、表示項目[継続回数]の欄には「1」と表示されることとなる。
その後、該大当たり状態が終了するタイミングTM2で大当たり信号1がオフ状態(ローレベル出力)となる一方、該大当たり終了後に高サポートモードが付与されるため、大当たり信号2は継続してオン状態(ハイレベル出力)に維持される。このため、遊技データ表示装置HDにおいては、液晶表示部H50の表示モードがアクティブ表示モード〔図272(b)参照〕に維持される。
続いて、上記1回目の大当たり状態の終了後の高サポートモード中において、通常状態に戻ることなく、2回目の大当たり(高サポートモード付き大当たり)に当選した場合には、大当たり信号2が継続してオン状態(ハイレベル出力)に維持されたまま、該大当たり状態が開始するタイミングTM3にて、再度、大当たり信号1がオン状態(ハイレベル出力)となる。
その後、該2回目の大当たり状態が終了するタイミングTM4で大当たり信号1がオフ状態(ローレベル出力)となる一方、該大当たり終了後に高サポートモードが付与されるため、大当たり信号2は継続してオン状態(ハイレベル出力)に維持される。
そして、これを検知したホールコンピュータHCは、上記同様、総大当たり回数カウンタ及び連続大当たり回数カウンタの更新処理等を行い、遊技データ表示装置HDにおける液晶表示部H50の表示モードはアクティブ表示モードに維持される。但し、液晶表示部H50の表示項目[継続回数]の値は連続大当たり回数カウンタの更新値が表示される。ここでは、連続大当たり回数カウンタの更新値が「2」となるため、表示項目[継続回数]の欄に「2」と表示されることとなる。
ここで、サポート継続期間が規定された回数制限付き高サポートモードが付与された場合において、仮に該高サポートモード中に大当たり当選せず、そのまま高サポートモードが規定回数(例えば変動表示30回)で終了してしまった場合には、該高サポートモードの終了タイミングTM5にて大当たり信号2がオフ状態(ローレベル出力)となり、ホールコンピュータHCによる連チャン回数のカウントは停止される。それに合わせて、遊技データ表示装置HDにおける表示モードはアクティブ表示モードから通常モードに切り替わる。つまり、アクティブ表示モードにおける[継続回数]の表示は「2」で終了することとなる。
しかしながら、回数制限付き高サポートモードの終了後の通常状態において、該高サポートモード中に下始動入賞口33YBへ遊技球が入球し保留記憶された第2変動表示(残り保留)がある場合、従来では、該第2変動表示の実行中(残り保留の消化期間中)において、大当たり当選した場合に、該大当たりがホールコンピュータHCに初当たりとみなされ、該大当たり状態が開始するタイミングTM6にて、大当たり信号1及び大当たり信号2が共にオフ状態(ローレベル出力)からオン状態(ハイレベル出力)に切り替わる。
つまり、遊技者にとって、高サポートモード中に保留記憶された第2変動表示(残り保留)が実行される権利は、高サポートモード中に得た権利であるにもかかわらず、該第2変動表示に係る大当たり状態は、それまでの連チャン回数にカウントされず、連チャン回数カウントが再スタートされることとなるため、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
一般に、通常状態(低サポートモード)は、遊技者の持ち球が減少する状態となるため、できる限り、遊技者は、開閉役物37Yの補助(サポート)によって下始動入賞口33YBへの入球が容易化され、自身の持ち球が減少しにくい有利な状況である高サポートモード中において再び大当たり当選したいと願っている。つまり、通常状態(低サポートモード)に戻ることなく、継続してできる限り多く大当たり状態を獲得したいと願っている。そのため、大当たりの連続当選回数(連チャン回数)を増やすことが遊技の醍醐味の1つとなっている。従って、遊技データ表示装置HD等の連チャン回数表示には、多くの遊技者の注目が集まりやすく、ここで遊技を行う遊技者自身の満足度を高める効果がある。
そのため、上述した残り保留の消化期間中であることなど、遊技状態の細やかな変化を把握し、これに対応した好適な情報出力を行うことが望まれていた。
これに対し、本実施形態における一例では、例えば図275(b)に示すように、回数制限付き高サポートモードが付与され、該高サポートモード中に大当たり当選せず、そのまま高サポートモードが規定回数(例えば変動表示30回)で終了してしまった場合には、該高サポートモードの終了タイミングTM5において、下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の保留(残り保留)があるか否かを判定し、第2変動表示の残り保留がない場合には延長フラグF3をオン(延長フラグF3の値に「1」を設定)して、大当たり信号2が継続して出力される構成となっている。
但し、ここで出力される大当たり信号2の出力態様は、第2変動表示の残り保留数に対応する所定の信号パターンに基づいて、通常とは異なる出力態様に変換されたものとなっている。
そして、この出力信号を検知したホールコンピュータHCは、回数制限付き高サポートモードの終了タイミングTM5を過ぎても、高サポートモードの付随期間とみなし、その間、連チャン回数のカウントを継続可能な状態に維持する。これに合わせて、遊技データ表示装置HDにおいては、液晶表示部H50の表示モードがアクティブ表示モードから演出表示モードに切り替わる〔図275(c)参照〕。
そして、この間に大当たり当選することなく、第2変動表示の残り保留がすべて消化されてしまった場合には、延長フラグF3がオフとなり(延長フラグF3の値に「0」が設定され)、その終了タイミングTM7にて、大当たり信号2がオフ状態(ローレベル)となり、ホールコンピュータHCによる連チャン回数のカウントは停止される。また、このタイミングTM7で、遊技データ表示装置HDでは、表示モードが演出表示モードから通常モードに切り替わる。
尚、遊技データ表示装置HDにおいて、演出表示モードが終了する際(出力態様が変換された大当たり信号2の出力の停止時)には、液晶表示部H50において、上記一連の有利期間中に遊技者が獲得した獲得賞球数を大きく表示すると共に、「連チャン終了」などと表示して、上記付随期間(残り保留の消化期間)を含む一連の利益獲得状態として計数される状態が終了したことを遊技者が識別可能な報知表示を行う。
同時にパチンコ機10において、演出表示装置42の液晶表示部42aに「ギリギリチャンスモード終了」などと表示して、上記付随期間(残り保留の消化期間)を含む一連の利益獲得状態として計数される状態が終了したことを遊技者が識別可能な報知表示を行うようにしてもよい。
一方、図275(c)に示すように、第2変動表示の実行中(残り保留の消化期間中:ギリギリチャンスモード中)において、大当たり当選した場合には、該大当たりがホールコンピュータHCに初当たりとみなされることなく、該大当たり状態が開始するタイミングTM8にて、大当たり信号1がオフ状態(ローレベル出力)からオン状態(ハイレベル出力)に切り替わると共に、大当たり信号2が前記所定の信号パターンに基づいた特定の出力態様から、通常の一定ハイレベル出力態様に切り替わる。
そして、これを検知したホールコンピュータHCは、上記同様、総大当たり回数カウンタ及び連続大当たり回数カウンタの更新処理等を行い、連チャン回数のカウントを継続する。また、遊技データ表示装置HDにおける液晶表示部H50の表示モードは、演出表示モードからアクティブ表示モードに切り替わる。例えば図272(b)に示す状態において、3回目の大当たり状態に当選した場合には、連続大当たり回数カウンタの値が「2」から「3」に更新されるため、液晶表示部H50の表示項目[継続回数]の欄には、連続大当たり回数カウンタの更新値である「3」と表示されることとなる。
上述のとおり、本実施形態の一例によれば、残り保留の消化期間(ギリギリチャンスモード)中など、遊技状態の細やかな変化に対応した好適な情報出力を行うことができる。
これにより、ホールコンピュータHC等に対して、現在、パチンコ機10が高サポートモード終了後のギリギリチャンスモード中、すなわち残り保留の消化期間中(保留された権利に対応する第2変動表示の実行期間中)であることを把握させることができる。
また、ホールコンピュータHCが、高サポートモード終了後の残り保留の消化期間(ギリギリチャンスモード)を、高サポートモード中など他の遊技状態と識別可能となることで、当該残り保留の消化期間(ギリギリチャンスモード)中の専用の情報表示や演出を、遊技データ表示装置HD等において実行することも可能となる。結果として、パチンコ機10にて行われる本来の演出(変動表示演出など)に加えて、遊技データ表示装置HD等において上記情報表示や演出等が行われることで、これらの相乗効果により、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
尚、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ここで、以下の各構成を個別に上記実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を任意に組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。また、上記実施形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
(a)上記実施形態に係るパチンコ機10は、始動入賞口33YA,33YBへの入球に基づく当否抽選にて大当たり当選した場合に、可変入賞装置32が開閉する大当たり状態が発生するタイプの遊技機である。
これに限らず、所定の遊技価値が付与される他のタイプのパチンコ機として実施してもよい。尚、遊技価値には、例えば遊技者に払出される賞球等の遊技媒体、大当たり中に付与される特賞状態(ラウンド)、大当たり終了後に付与される高確率モード等の遊技モードなどが含まれる。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
(a-1)一例として、上記実施形態に係る構成に加え、下始動入賞口33YBへの入球に基づく当否抽選にて小当たり当選した場合に可変入賞装置32が開状態とならず、その代わりに開状態となる第2の可変入賞装置を備え、該第2の可変入賞装置内に入球した遊技球が所定の特別入賞部(V入賞口)に入球した場合に可変入賞装置32が開状態となる大当たり状態が発生し得るタイプのパチンコ機(いわゆる1種2種混合機)として実施してもよい。
ここで、1種2種混合機と称されるパチンコ機のより具体的な構成について述べる。かかるパチンコ機は、例えば遊技球を遊技領域の左側領域へ発射(左打ち)して狙う第1始動入球手段と、該第1始動入球手段への遊技球の入球に基づいて第1変動表示を行う第1表示装置と、該第1変動表示を所定回数保留可能な第1保留手段と、遊技球を遊技領域の右側領域へ発射(右打ち)して狙う第2始動入球手段と、該第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて第2変動表示を行う第2表示装置と、該第2変動表示を所定回数保留可能な第2保留手段と、第2始動入球手段へ遊技球が入球可能な開状態と入球不能な閉状態とに変化する開閉部材とを備え、第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な大当たり状態を発生可能に構成されると共に、第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて小当たり抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、所定の可変入賞装置が開放する小当たり状態を発生可能に構成され、該可変入賞装置へ入球した遊技球が特定入球手段(V入賞口)へ入球した場合に大当たり状態を発生可能に構成されている。
一般に、このようなパチンコ機では、第2始動入球手段へ遊技球を入球させることが困難な通常状態(低サポート状態)においては、左打ちして第1始動入球手段に遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。一方、大当たり状態の終了後に付与され得る、第2始動入球手段へ遊技球を入球させやすい高サポート状態においては、右打ちして第2始動入球手段に遊技球を入球させて小当たり状態を発生させ、開放された可変入賞装置内の特定入球手段(V入賞口)へ遊技球を入球させ、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
かかる構成の下、近年では、大当たり状態の終了後の高サポート状態において、演出表示装置42等の可変表示手段において所定の演出(ラッシュ演出等)を実行すると共に、該高サポート状態の終了後、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ入球し保留記憶された第2変動表示の実行中(第2変動表示の残り保留の消化中)において、前記可変表示手段において継続チャンス演出等を実行して、遊技者の興趣の向上を図っている遊技機も見受けられる。
加えて、上記継続チャンス演出中において、上記実施形態におけるギリギリチャンスモード(高サポートモード終了後の第2変動表示の残り保留の消化期間中)に係る各種演出や情報出力など、上記実施形態と同様の構成を採用してもよい。
勿論、上記実施形態と異なる構成を採用してもよい。例えば高サポートモードの終了後の「通常モード」において、第2変動表示の残り保留がある場合とない場合とで異なる表示態様となる構成としてもよい。
ここで、高サポートモードの終了後において、演出表示装置42における演出モードが「通常モード」に設定される場合における演出モード切換設定処理の一例について説明する。
本実施形態では、演出モードを「通常モード」に設定する場合には、まず残り保留数レジスタFRに記憶された残り保留数情報(又は第2保留カウンタNbに記憶された保留数情)が0よりも大きいか否かを判別する。つまり、高サポートモード中における下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の保留(残り保留)があるか否かを判定する。尚、上述したように、本実施形態に係る構成の下、下始動入賞口33YBへの入球は実質的に高サポートモード中にのみ発生し得る。
そして、第2変動表示の残り保留がない場合、すなわち第1変動表示を実行する場合には、演出モードが通常態様の「通常モード」に設定される。具体的に、演出表示装置42における表示態様が通常態様となった「通常モード」では、表示映像が複数色を使用した色鮮やかなフルカラー配色態様となっている。
一方、第2変動表示の残り保留がある場合には、演出モードが特定態様の「通常モード」に設定される。具体的に、演出表示装置42の液晶表示部42aにおける表示態様が特定態様となった「通常モード」では、表示映像が赤みを帯びたモノトーン配色態様となる。
勿論、特定態様の「通常モード」における液晶表示部42aの表示内容や表示態様は、上記内容に限定されるものではなく、他の異なる表示内容や表示態様であってもよい。また、高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留数に応じて異なる表示態様としたり、異なる演出を実行する構成としてもよい。また、高サポートモードの終了後の第2変動表示の残り保留数が把握されることから、第2変動表示の残り保留の消化期間中(最大で4回分の第2変動表示が実行される期間中)連続して進行するアニメーション(複数回の変動表示に跨る連続演出)が導出される構成としてもよい。
加えて、液晶表示部42aには、現在の遊技状態を示す文字情報が表示され、第2変動表示の残り保留の消化期間中であることを遊技者が認識可能な状態となる。例えば、残り保留の消化期間に係る演出名称が表示される。勿論、ここで表示される文字情報は、これに限定されるものではなく、現在の遊技状態が通常の通常状態とは異なること、すなわち残り保留の消化期間であることを遊技者が把握できるようなものであればよい。
(a―2)上記実施形態では、大当たり終了後の入賞サポートモードとして、サポート継続期間に上限が設定された回数制限付きの高サポートモードが付与され得る構成となっているが、これに代えて又は加えて、高サポートモード中において所定の転落抽選を行い所定の落選結果が得られた場合に高サポートモードが終了し低サポートモードに移行するタイプのパチンコ機として実施してもよい。
(a―3)パチンコ機に係る各種抽選(ソフト的な抽選処理や機械的機構による抽選など)に係る当選確率については、機種毎に適宜設定されるものであり、任意の値を採用することができる。
(a―4)また、遊技球を遊技機内で循環させる等して遊技者に対し直接的に払い出さないタイプの遊技機、いわゆる封入式のパチンコ機として実施してもよい。
(b)パチンコ機10内部の電気的構成(各種制御装置間や各種基板間等の電気的接続構成及び各種情報の入出力方式など)、並びに、遊技ホールなどパチンコ機10外部の電気的構成(各種機器間等の電気的接続構成及び各種情報の入出力方式など)は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(b-1)例えば上記実施形態では、送信側機器である主制御装置261が受信側機器であるサブ制御装置262を制御し、送信側機器であるサブ制御装置262が受信側機器である表示制御装置45を制御し、送信側機器である表示制御装置45が受信側機器である演出表示装置42を制御する構成となっている。
これに代えて、例えば送信側機器となる主制御装置261及びサブ制御装置262の両者の機能が一つに集約された所定の制御装置によって受信側機器となる表示制御装置45(演出表示装置42)が制御される構成としてもよい。また、送信側機器となるサブ制御装置262及び表示制御装置45の両者の機能が一つに集約された所定の制御装置によって受信側機器となる演出表示装置42が制御される構成としてもよい。また、送信側機器となる主制御装置261、サブ制御装置262及び表示制御装置45の三者の機能が一つに集約された所定の制御装置によって受信側機器となる演出表示装置42が制御される構成としてもよい。
(b-2)上記実施形態では、パチンコ機10の外部端子板240の各出力端子から出力される各種情報の出力先がホールコンピュータHCとなっているが、情報出力先は、これに限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば遊技ホールの島設備において、パチンコ機10と遊技データ表示装置HDとが所定の通信ケーブルにより電気的に接続され、パチンコ機10から出力される各種情報がホールコンピュータHCを介さず直接、遊技データ表示装置HDに入力される構成としてもよい。
かかる場合、パチンコ機10の外部端子板240の各出力端子から出力される各種情報が所定の分岐手段により分岐され、遊技データ表示装置HDとホールコンピュータHCの双方に入力される構成としてもよい。
または、パチンコ機10の外部端子板240の各出力端子から出力される各種情報が遊技データ表示装置HDを介してホールコンピュータHCへ入力される構成としてもよい。
(b-3)上記実施形態では特に言及していないが、ホールコンピュータHCと遊技データ表示装置HDとの間の情報入出力方式や、パチンコ機10内部の各種制御装置間(例えば主制御装置261とサブ制御装置262との間、サブ制御装置262と表示制御装置45との間、表示制御装置45と演出表示装置42との間など)における情報入出力方式などは、シリアル通信方式又はパラレル通信方式のいずれであってもよい。
(c)遊技盤(遊技領域)に関連する構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(c-1)例えば上記実施形態に係る遊技盤30は、透光性部材である透明板をベースとして構成されているが、これに限らず、透光性を有しない木材等の不透明部材により構成されていてもよい。
(c-2)遊技盤30の盤面上の構成、例えば各種入球手段(可変入賞装置32、始動入賞口33YA,33YB、スルーゲート34等)の配置や数などは、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる他の構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、スルーゲート34や可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の右側領域(可変表示装置ユニット35の左側領域を流下した遊技球が到達不能な位置)に配置され、可変表示装置ユニット35の左右方向中央部の下方位置に上始動入賞口33YAが設けられ、さらに上始動入賞口33YAの下方位置に下始動入賞口33YBが配置された構成となっている。
これに限らず、可変表示装置ユニット35の右側領域を流下した遊技球が到達不能な位置に上始動入賞口33YAを配置した構成としてもよいし、可変表示装置ユニット35の左側領域を流下した遊技球が到達不能な位置に下始動入賞口33YBを配置した構成としてもよい。
また、可変入賞装置32が、可変表示装置ユニット35の左側方領域を流下した遊技球が到達可能な位置に配置された構成としてもよい。
また、スルーゲート34や下始動入賞口33YB、可変入賞装置32などの上下位置関係は、上記実施形態に限定されるものではなく、異なる配置構成を採用してもよい。例えば可変入賞装置32の上流側に下始動入賞口33YBを配置した構成としてもよい。
(c-3)上記実施形態に係る演出表示装置42に代えて、透光性を有する遊技盤30の後方位置において、遊技領域の裏側略全域又は遊技盤30の裏側略全域にわたる大きさの表示画面を有する表示装置を変動表示部として備えた構成としてもよい。
また、透光性を有する遊技盤30において、演出表示装置42取付用の開口部を設けることなく、該演出表示装置42(液晶表示部42a)の前面側を覆うように遊技盤30が配設された構成としてもよい。この際、演出表示装置42(液晶表示部42a)の前方領域となる遊技盤30の前面部に釘等を配置して、ここを遊技球が流下可能な領域としてもよい。勿論、ここを遊技球が流下不能な領域としてもよい。
また、変動表示部を構成する表示装置を複数備えた構成としてもよい。
(d)遊技機における各種遊技状態などは、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(d-1)大当たり種別は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態とは、大当たり中におけるラウンド数や、ラウンド中の開放時間、大当たり終了後に付与される遊技モードなど、付与される遊技価値が異なる他の構成を採用してもよい。
また、複数種別の大当たり状態が発生可能な遊技機ではなく、大当たり状態が1種別(例えば15R大当たり)だけしか発生しない遊技機として実施してもよい。
また、上記実施形態では、遊技球が上始動入賞口33YAに入球した場合と、下始動入賞口33YBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分けが異なる構成となっているが、その割合は上記実施形態に限定されるものではなく、異なる振分け割合であってもよい。
また、遊技球が上始動入賞口33YAに入球した場合と、下始動入賞口33YBに入賞した場合とで、当否抽選にて当選した場合に付与される大当たり種別の振分け割合が同じ構成であってもよい。
(d-2)小当たりに関しても、上記実施形態に限定されるものではない。例えばラウンド数や開放時間などが異なる複数種別の小当たり状態が発生可能な構成としてもよい。また、小当たり状態を本実施形態における特別遊技状態としてもよい。
(d-3)上記実施形態では、大当たり状態の終了後の抽選モードとして、「低確率モード」に比べ大当たり確率がアップした「高確率モード」が付与され得る構成となっている。
これに代えて、大当たり状態の終了後に「高確率モード」が付与されない構成としてもよい。つまり、抽選モード(「高確率モード」又は「低確率モード」)の切替えが行われず、入賞サポートモード(「高サポートモード」又は「低サポートモード」)の切替えのみが行われる構成としてもよい。
また、上記実施形態における「高確率モード」は、次回の大当たり状態が発生するまで継続する構成となっているが、これに限らず、継続期間の上限が定められた回数制限付きの高確率モードが付与される構成としてもよい。また、高確率モードの継続期間についても複数通り設定された構成としてもよい。
(d-4)上記実施形態では、第2始動入球手段(下始動入賞口33YBの開閉役物37Y)に係る入賞サポートモードとして、大当たり状態の終了後、特別表示装置43L、43Rにて所定回数の変動表示が行なわれる間、又は、次回の大当たり状態が発生するまでの間、「低サポートモード」に比べ第2始動入球手段における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなる「高サポートモード」が付与され得る構成となっている。
「高サポートモード」に係る構成、すなわち第2始動入球手段に係る有利状態に関する構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。例えば回数制限付きの高サポートモードのみが付与され得る構成としてもよい。
また、上記実施形態では、大当たり種別に関係なく、大当たり終了後に「高サポートモード」が必ず付与される構成となっているが、これに限らず、大当たり種別によって「高サポートモード」が付与されない構成としてもよい。
また、有利状態として、低サポートモードに比べ、下始動入賞口33YBの開閉役物37Yにおける単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が多くなるものの、開閉役物37Yが開状態となる時間が高サポートモードよりも短いサポートモード(いわゆる、微時短モード)が発生可能な構成としてもよい。つまり、微時短モードは、遊技者にとって高サポートモードほど有利ではないが、低サポートモードよりも有利な状態となる。
(e)保留手段に関する構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(e-1)上記実施形態では、上始動入賞口33YAへの入球を契機とする第1変動表示よりも、下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の方が優先して消化される構成となっている。
これに限らず、上始動入賞口33YAへの入球を契機とする第1変動表示、及び、下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の両方が保留されている場合には、上始動入賞口33YA又は下始動入賞口33YBへの遊技球の入球順序に従って変動表示が消化される構成としてもよい。
(e-2)上始動入賞口33YAへの入球を契機とする第1変動表示と、下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示とを並行して実行可能な構成としてもよい。
(e-3)保留数の上限(最大保留数)は4回に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。4つ未満や5つ以上の保留ができる構成としてもよい。また、上始動入賞口33YAに係る最大保留数と、下始動入賞口33YBに係る最大保留数とが異なる構成としてもよい。
(f)有利状態(高サポートモード等)の継続期間が終了する「所定の条件」は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
上記実施形態では、所定の大当たり終了後に変動表示が規定回数行われることを所定の条件の成立として有利状態(高サポートモード等)が終了する構成となっている。
これに限らず、例えば所定の大当たり終了後に所定期間(例えば5分間)が経過すること、大当たり状態の発生に係る変動表示など所定の変動表示の開始条件が成立すること、所定の変動表示(例えば大当たり状態が導出される際の変動表示)が開始すること、所定の変動表示の開始後所定期間が経過すること、所定の変動表示が停止すること、所定の変動表示の停止が確定すること、所定の変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段(例えば演出ボタン125)が操作されること若しくは所定回数操作されること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、保留手段(例えば特別変動保留エリア)に保留された権利に所定の情報又は結果が含まれること、所定の演出が行われること若しくは所定の演出が所定回数行われること、所定数の遊技球が発射又は払い出されること、所定の入球手段に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
(g)第1出力手段及び第2出力手段に係る構成(出力端子等の機械的構成、及び、出力処理等の電気的構成を含む)、並びに、第1出力手段及び第2出力手段による識別情報の出力態様は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
(g-1)上記実施形態では、高サポートモード中に出力される所定の識別情報である大当たり信号2は、出力レベルがハイレベルのレベル信号であるが、これに限らず、高サポートモード中に出力される大当たり信号2として、例えば断続的なパルス信号を出力する構成としてもよい。
(g-2)上記実施形態において、高サポートモード終了後の第2変動表示の残り保留の消化期間中に出力される特定の識別情報である大当たり信号2は、予め記憶された複数の信号パターンの中から、現在の保留状況(下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示の残り保留数)に対応する所定の信号パターンを抽出して、当該信号パターンに基づいて出力態様が変換されたパターン信号であるが、第2変動表示の残り保留の消化期間中に出力される特定の識別情報である大当たり信号2の出力態様は、これに限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば特定の識別情報である大当たり信号2は、ローレベル信号やハイレベル信号とは異なる第3の出力レベルで一定のレベル信号であってもよい。尚、通常時の大当たり信号2と同一レベルのハイレベル信号(同一信号)をそのまま延長して出力する構成としてもよい。このようにすれば、ホールコンピュータHCは、少なくとも外部端子板240の第2端子240bから信号(大当たり信号2)が延長して出力されていることを把握でき、連チャン回数の計数等に関しては特に問題なく行うことができる。
この他、「所定の識別情報の出力態様」と「特定の識別情報の出力態様」の違いは、送信側機器から出力される識別情報(電気信号等)を受信する受信側機器において、これらの識別情報の出力態様の違いを判定できるものであればよく、例えば所定期間中連続して一定レベルで出力されるレベル信号と所定期間中に断続して出力されるパルス信号との違いによるもの、所定期間中に断続して出力されるパルス信号のパルス間隔(連続オフ時間)及び/又はパルス幅(連続オン時間)の違いによるもの、所定期間中に断続して出力されるパルス信号の数の違いによるもの、所定期間中に定期的に出力されるパルス信号と所定期間中に所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号との違いによるもの、所定期間中に連続して一定レベルで出力されるレベル信号と所定期間中に所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号との違いによるもの、所定期間中に所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号のパターンの違いによるもの、並びに、これら各種の組み合わせなど、いかなるものであってもよい。そもそも出力方法が違うもの、例えば電気信号と光信号の違いによるもの、光と音の違いによるもの、音と画像の違いによるもの、画像と電気信号の違いによるものなど、いかなるものであってもよい。
(g-3)上記実施形態では、第2変動表示の残り保留数に対応して、特定の識別情報(大当たり信号2)の出力態様が異なる構成となっているが、これに限らず、残り保留数に関係なく、同一出力態様となる構成としてもよい。
(g-4)上記実施形態では、高サポートモードの終了時における第2変動表示の残り保留数が確定されると、その消化期間中は継続して同一態様の情報出力が実行される構成となっているが、これに限らず、例えば残り保留数レジスタFRの値(残り保留数)の減少に応じて、特定の識別情報である大当たり信号2の出力態様も随時変化する構成としてもよい。例えば残り保留数が「3」から「2」へ変化すると、大当たり信号2の出力態様も変化する構成としてもよい。
(g-5)上記実施形態では、特に言及していないが、高サポートモード終了時における第2変動表示の残り保留の中に少なくとも1つ、大当たり状態へ移行する変動表示が含まれる場合や、スーパーリーチやスペシャルリーチなど特定の変動表示が含まれている場合には、これらが含まれていない場合とは異なる出力態様で特定の識別情報である大当たり信号2を出力する構成としてもよい。さらに、大当たり状態へ移行する変動表示が含まれる場合には、その当たり種別によっても異なる出力態様で特定の識別情報である大当たり信号2を出力する構成としてもよい。
例えば高サポートモード終了時における第2変動表示の残り保留の中に少なくとも1つ、大当たりに係る変動表示が含まれている場合には、出力レベルが12msec毎にハイレベルとローレベルとが切り替わる第1のパターン信号が出力される一方、これが含まれていない場合には、出力レベルが24msec毎にハイレベルとローレベルとが切り替わる第2のパターン信号が出力される構成としてもよい。
(g-6)上記実施形態では、所定の識別情報(レベル信号)である大当たり信号2、及び、特定の識別情報(パターン信号)である大当たり信号2が、主制御装置261から外部端子板240を介して出力される構成となっている。
しかしながら、外部端子板240等を介して出力される識別情報の出力元は、主制御装置261に限定されるものではなく、該主制御装置261を介さず、例えばサブ制御装置262や表示制御装置45など、所定の情報出力処理を実行可能な制御基板及び情報出力用の端子やポートを備えた各種制御装置や、これら各種制御装置とそこから出力される情報を中継して出力可能な外部端子板などの各種中継基板との組み合わせなど、いかなる構成のものであってもよい。
尚、本実施形態において、「所定の識別情報」及び「特定の識別情報」はそれぞれ、例えばハイレベル信号やローレベル信号など所定期間一定レベルで出力されるレベル信号、所定のパルス幅で断続的に出力されるパルス信号、モールス信号など所定のパターンで出力レベルが切替えられるパターン信号などの各種電気信号、所定の発光により情報出力される信号、所定の音により情報出力される信号、所定の電磁波により情報出力される信号、所定の画像により情報出力される信号、又は、これらを組み合わせたものであって、いかなるものであってもよい。
(g-7)上記実施形態では、所定の識別情報(例えば高サポートモード中のレベル信号の大当たり信号2)が出力される出力端子と、特定の識別情報(例えば高サポートモード終了後の残り保留消化期間中のパターン信号の大当たり信号2)が出力される出力端子が同一となっている。これに代えて、所定の識別情報を出力可能な第1出力手段に係る出力端子と、特定の識別情報を出力可能な第2出力手段に係る出力端子とが隣接することなく離間して設けられた構成としてもよい。例えば外部端子板240において、所定の識別情報(例えば大当たり信号2)が出力される第2端子240bとは別に、特定の識別情報(例えば高サポートモード終了後の残り保留消化期間中のレベル信号又はパターン信号)が出力される出力端子(例えば第11番端子)を備えた構成としてもよい。
また、特定の識別情報が出力される出力端子の位置が外部端子板240とは異なる位置に設けられた構成としてもよい。かかる出力端子は、パチンコ機10の背面側の任意の位置に配置することができる。
尚、かかる構成とした場合には、出力形態によらず、受信側機器が両者を判別可能となるため、所定の識別情報の出力態様と、特定の識別情報の出力態様とが同一態様(例えばハイレベル信号)であってもよい。
(g-8)上記実施形態では、高サポートモードの終了時において第2保留カウンタNbの値(残り保留数)が0よりも大きく、この値が残り保留数レジスタFRに設定される場合、すなわち第2変動表示の残り保留がある場合に延長フラグF3をオンして、大当たり信号2を継続出力(延長出力)する構成となっている。
これに限らず、例えば高サポートモード終了時に第2変動表示の残り保留があるか否かにかかわらず、とりあえず延長フラグF3をオンして、大当たり信号2を継続出力(延長出力)し、その後、第2変動表示の残り保留があるか否かを判定し、第2変動表示の残り保留がある場合には、そのまま大当たり信号2を出力し、第2変動表示の残り保留がない場合には、延長フラグF3をオフして、大当たり信号2の出力を停止するといったように、高サポートモードの終了後に所定の記憶手段に第2変動表示の残り保留が記憶されていない場合でも特定の識別情報(大当たり信号2)を出力する出力処理が実行され得る構成としてもよい。
これにより、例えば大当たり信号2の出力が一時的に途切れてしまう等といった不具合の発生を抑制し、信号出力の継続処理をより適切かつより円滑に行うことが可能となる。
(h)大当たり信号1,2など、各種識別情報の出力開始タイミング及び出力停止タイミングは、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。尚、上記実施形態では、図柄変動表示が停止した後、直ちに次の変動表示が開始されるよう、停止図柄を確定的に停止表示する確定表示期間(例えば0.5秒)が設定されていないが、これに限らず、変動表示の停止後に所定の確定表示期間が設定された構成としてもよい。
(h-1)所定の識別情報(大当たり信号2)、並びに、大当たり信号1の出力を開始する開始条件(開始タイミング)は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
上記実施形態では、大当たり状態が導出される所定の変動表示が停止したタイミングで、所定の識別情報等が出力される構成となっているが、これに限らず、例えば大当たり状態が導出される所定の変動表示が停止して所定の確定表示期間が経過したタイミングや、大当たり状態のオープニング期間の開始タイミング、大当たり状態のオープニング期間の終了タイミングなど、いかなるものであってもよい。
(h―2)所定の識別情報(高サポートモード終了時において第2変動表示の残り保留がない場合の例えばレベル信号の大当たり信号2)の出力を停止する終了条件(終了タイミング)、並びに、特定の識別情報(高サポートモード終了時において第2変動表示の残り保留がある場合の例えばパターン信号の大当たり信号2)の出力を開始する開始条件(出力開始タイミング)は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。少なくとも有利状態(高サポートモード等)の終了に基づいて成立すればよい。
例えば上記実施形態では、有利状態としての高サポートモードの終了時に対応する所定の変動表示(上記実施形態では、大当たり終了後の規定回数目の変動表示)が停止することを条件に所定の識別情報の出力を停止する、並びに、特定の識別情報の出力を開始する構成となっている。
これに限らず、その条件は、例えば有利状態(高サポートモード等)の終了時に対応する所定の変動表示の停止が確定すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の停止後又は確定後所定期間(例えば0.5秒)が経過すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示の開始条件が(例えば第1始動入球手段に遊技球が入球して)成立すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示が開始すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示の開始後所定期間が経過すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示が停止すること、有利状態の終了時に対応する所定の変動表示の次の変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段(例えば演出ボタン125)が操作されること若しくは所定回数操作されること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、保留手段に保留された権利に所定の情報又は結果が含まれること、所定期間が経過すること、所定の演出が行われること若しくは所定の演出が所定回数行われること、所定数の遊技球が発射又は払い出されること、所定の入球手段に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
(h―3)特定の識別情報(高サポートモード終了時において第2変動表示の残り保留がある場合の例えばパターン信号の大当たり信号2)の出力を停止する終了条件(終了タイミング)は、上記実施形態に限定されるものではなく、他の異なる構成を採用してもよい。
例えば上記実施形態では、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示が停止することを条件に直ちに特定の識別情報(例えばパターン信号)である大当たり信号2の出力が停止され、該大当たり信号2がローレベルのレベル信号となる構成となっている。
これに限らず、その条件は、例えば第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の停止が確定すること、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の停止後又は確定後所定期間(例えば0.5秒)が経過すること、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の次の変動表示の開始条件が(例えば第1始動入球手段に遊技球が入球して)成立すること、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の次の変動表示が開始すること、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の次の変動表示の開始後所定期間が経過すること、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の次の変動表示が停止すること、第2変動表示の残り保留の消化期間の終了時に対応する最後の変動表示の次の変動表示の停止後所定期間が経過すること、所定の入球領域に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、所定の操作手段(例えば演出ボタン125)が操作されること若しくは所定回数操作されること又はそれに基づいて所定の確率で抽選を行い所定の結果となること、保留手段に保留された権利に所定の情報又は結果が含まれること、所定期間が経過すること、所定の演出が行われること若しくは所定の演出が所定回数行われること、所定数の遊技球が発射又は払い出されること、所定の入球手段に遊技球が入球すること若しくは所定数の遊技球が入球すること、所定の計数値が上限値に達することなど、いかなるものであってもよい。
つまり、第2変動表示の残り保留の消化期間の最後に実行される所定の変動表示が停止された後に特定期間が経過するまで、特定の識別情報(例えばパターン信号)を継続して出力する構成としてもよい。
尚、「継続して」とは、送信側機器から出力される識別情報(電気信号等)を受信する受信側機器において、該識別情報が実質的に所定期間継続して出力されていると判定できればよく、所定期間途切れることなく一定レベルで連続して識別情報(レベル信号)が出力されている場合は勿論のこと、例えばパルス信号が断続的に出力される場合や、識別情報の出力態様が途中で変化する場合など、所定期間中において識別情報の出力レベルが定期的に又は不定期に切替えられる場合なども含まれる。従って、「継続して」とは、出力信号が全く途切れないわけではなく、例えば変動表示中は出力されず、少なくとも変動表示が停止した際に出力されている状態であればよい。つまり、変動表示が停止した際に該変動表示に係る特別遊技状態(大当たり状態)が連チャン回数にカウントできるか否か判断できるようになっていればよい。
(i)上記実施形態においては、上記ステップSE1007,SE1008にて、第2変動表示の残り保留がある場合に、第2保留カウンタNbの値(残り保留数)を残り保留数レジスタFRに設定し、以後、該残り保留数レジスタFRを参酌しつつ、第2変動表示の残り保留消化期間の把握等を行う構成となっている。
これに対し、例えば残り保留数レジスタFRを設けることなく、第2特別変動保留エリアや第2保留カウンタNbを直接参酌して上記残り保留消化期間の把握等を行う構成とすることも可能である。
しかしながら、このような構成とした場合には、上記残り保留消化期間を把握する処理等が極めて複雑化するおそれがある。
例えば上記実施形態に係る遊技機は、通常状態(低サポートモード)において、仮に遊技者が「右打ち」したとしても、ほとんど下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)が開放されず、遊技球が下始動入賞口33YBへ入賞することが困難な構成となっているが、これに代えて、通常状態(上記残り保留消化期間中を含む。)において、所定条件が成立した場合に、遊技者が「右打ち」して、遊技球がスルーゲート34を通過すると、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)の開放条件が比較的成立しやすい構成とすることも可能である。
より具体的には、例えば高サポートモード終了後の上記残り保留消化期間中において、演出表示装置42に「右打ち」を推奨するような推奨表示を行い、下始動入賞口33YBに対し遊技球を入球させるような遊技演出を実行するような構成とすることも可能である。
このような遊技機においては、高サポートモード終了後の上記残り保留消化期間中に、普通図柄表示装置41による抽選(開放抽選)に当選し、下始動入賞口33YB(開閉役物37Y)が開状態となり、該下始動入賞口33YBへの入球を契機とする第2変動表示が新たに保留されることとなる。
かかる場合、上記実施形態に係る構成の下では、高サポートモード中に保留記憶された第2変動表示(残り保留)が実行される権利と、高サポートモード終了後に保留記憶された第2変動表示が実行される権利とが、第2特別変動保留エリア等にて混在することとなり、見方を変えれば、高サポートモード中に保留記憶された第2変動表示(残り保留)が実行される権利が増加した状態とみなされるおそれもある。
これにより、例えば高サポートモード終了後に保留記憶された第2変動表示により大当たり状態が発生した場合には、本来は、連チャン回数にカウントされるべきではない大当たりまでも連チャン回数に計数されてしまうおそれがある。
このため、高サポートモード中に保留記憶された第2変動表示(残り保留)が実行される権利と、高サポートモード終了後に保留記憶された第2変動表示が実行される権利とを切り分けて把握する制御を行うことが必要となる。結果として、上記残り保留消化期間を把握する処理等が極めて複雑化すると共に、制御負荷が著しく増大するおそれがある。
これに対し、上記実施形態のように、高サポートモード終了時に第2保留カウンタNbの値(残り保留数情報)を残り保留数レジスタFRへ移し、該残り保留数レジスタFRを参酌して上記残り保留消化期間の把握等を行う構成とすることにより、上述したような不具合の発生を防止すると共に、残り保留消化期間中の演出等を適切に行うことができる。
換言すれば、通常状態(上記残り保留消化期間を含む)中に、普通図柄表示装置41による抽選(開放抽選)に当選しやすい仕様とし、下始動入賞口33YBに対し遊技球を入球させるような遊技演出を適切に実行可能とすると共に、該遊技演出と、残り保留消化期間中の演出等とを同時に並行して実行することも可能となる。
尚、高サポートモード終了後に第2変動表示の残り保留がある場合には、液晶表示部42aにおいて、現在の遊技状態を示す文字情報が表示され、第2変動表示の残り保留の消化期間中であることを遊技者が認識可能な状態と状態としてもよい。例えば上記実施形態における残り保留の消化期間に係る演出名称である「ギリギリチャンスモード」と表示されてもよい。勿論、ここで表示される文字情報は、これに限定されるものではなく、現在の遊技状態が通常の通常状態とは異なること、すなわち残り保留の消化期間であることを遊技者が把握できるようなものであればよい。
[付記]
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
従来課題YA.従来、遊技球を遊技領域へ発射して遊技を行う遊技機が知られている。このような遊技機の一種として、所定の始動入球手段(始動口)に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な遊技状態が発生するパチンコ機がある。
また、従来の遊技機においては、遊技性の向上のために所定の始動入球手段への入賞確率を変化可能な補助部材が設けられている。
補助部材は遊技における所定の条件の成立に基づいて入賞容易期間となり、所定の始動入賞に対する変動が所定回数行われた場合等に入賞容易期間が終了される。
入賞容易期間中は、ホールコンピュータ等に対して識別可能な信号を出力することでホール設備による演出やデータの表示を行っている。
一例として、遊技球を遊技領域の左側領域へ発射(左打ち)して狙う第1始動入球手段と、該第1始動入球手段への遊技球の入球に基づいて第1変動表示を行う第1表示装置と、該第1変動表示を所定回数保留可能な第1保留手段と、遊技球を遊技領域の右側領域へ発射(右打ち)して狙う第2始動入球手段と、該第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて第2変動表示を行う第2表示装置と、該第2変動表示を所定回数保留可能な第2保留手段と、第2始動入球手段へ遊技球が入球可能な開状態と入球不能な閉状態とに変化する開閉部材(補助部材)とを備え、第1始動入球手段又は第2始動入球手段への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を行い、該抽選により所定の結果が得られた場合に、遊技者に有利な大当たり状態が発生するパチンコ機がある。
通常、このようなパチンコ機では、第2始動入球手段へ遊技球を入球させることが困難な通常状態(低サポート状態)においては、左打ちして第1始動入球手段に遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。一方、大当たり状態の終了後に付与され得る、第2始動入球手段へ遊技球を入球させやすい高サポート状態(入賞容易期間)においては、右打ちして第2始動入球手段に遊技球を入球させて、大当たり状態を狙うといった遊技性となる。
一般に、パチンコ機等の遊技機は、自身の現在の状態を識別させる信号(情報)を外部出力するための外部端子板を備えており(例えば、特開2010-284365号公報参照)、遊技ホールにおいて、該遊技ホールを管理するホールコンピュータと電気的に接続される。これにより、ホールコンピュータは、遊技ホールにおける各遊技機の状態を把握することができる。
遊技機からホールコンピュータに出力される信号として、例えば現在の遊技状態が大当たり状態であることを示す大当たり信号1や、現在の遊技状態が大当たり状態又は高サポート状態であることを示す大当たり信号2などがある。
例えば図275(a)に示すように、通常状態(低サポート状態)において大当たり(高サポート状態付き大当たり)に当選した場合、すなわち初当たりした場合には、該大当たり状態が開始するタイミングTM1で大当たり信号1及び大当たり信号2が共に、オフ状態(ローレベル出力)からオン状態(ハイレベル出力)に切り替わる。
その後、該大当たり状態が終了するタイミングTM2で大当たり信号1がオフ状態となる一方、該大当たり終了後に高サポート状態が付与されるため、大当たり信号2は継続してオン状態(ハイレベル出力)に維持される。
続いて、上記1回目の大当たり状態の終了後の高サポート状態中において、通常状態に戻ることなく、2回目の大当たり(高サポート状態付き大当たり)に当選した場合には、大当たり信号2が継続してオン状態(ハイレベル出力)に維持されたまま、該大当たり状態が開始するタイミングTM3にて、再度、大当たり信号1がオン状態(ハイレベル出力)となる。
その後、該2回目の大当たり状態が終了するタイミングTM4で大当たり信号1がオフ状態(ローレベル出力)となる一方、該大当たり終了後に高サポート状態が付与されるため、大当たり信号2は継続してオン状態(ハイレベル出力)に維持される。
そして、遊技ホールのホールコンピュータは、遊技機から出力された大当たり信号1,2に基づき(大当たり信号2の受信中の大当たり信号1の受信回数によって)、該遊技機において、通常状態に戻ることなく、何回連続して大当たり状態が発生(何連チャン)したか把握すると共に、そのカウント数(連チャン回数)を、該パチンコ機に付設された遊技データ表示装置に表示させたりする。
ここで、サポート継続期間が規定された回数制限付き高サポート状態が付与された場合において、仮に該高サポート状態中に大当たり当選せず、そのまま高サポート状態が規定回数(例えば変動表示30回)で終了してしまった場合には、該高サポート状態の終了タイミングTM5にて大当たり信号2がオフ状態(ローレベル出力)となり、ホールコンピュータ等による連チャン回数のカウントは停止される。
しかしながら、従来の遊技機においては、高サポート状態(入賞容易期間)の終了時点における開閉部材(補助部材)に基づく始動保留に対しては何らの対策も取られておらず、遊技状態各種の識別性能に対して、より好適な機能が求められている。
より具体的には、例えば回数制限付き高サポート状態の終了後の通常状態において、該高サポート状態中に第2始動入球手段へ遊技球が入球し保留記憶された第2変動表示(残り保留)がある場合、従来では、該第2変動表示の実行中(残り保留の消化期間中)において、大当たり当選した場合に、該大当たりがホールコンピュータに初当たりとみなされ、該大当たり状態が開始するタイミングTM6にて、大当たり信号1及び大当たり信号2が共にオフ状態(ローレベル出力)からオン状態(ハイレベル出力)に切り替わる。
つまり、遊技者にとって、高サポート状態中に保留記憶された第2変動表示(残り保留)が実行される権利は、高サポート状態中に得た権利であるにもかかわらず、該第2変動表示に係る大当たり状態は、それまでの連チャン回数にカウントされず、連チャン回数カウントが再スタートされることとなるため、遊技者にとっての興趣が低下するおそれがある。
一般に、通常状態(低サポート状態)は、遊技者の持ち球が減少する状態となるため、できる限り、遊技者は、第2始動入球手段への入球が容易化され、自身の持ち球が減少しにくい有利な状況である高サポート状態中において再び大当たり当選したいと願っている。つまり、通常状態(低サポート状態)に戻ることなく、継続してできる限り多く大当たり状態を獲得したいと願っている。そのため、大当たりの連続当選回数(連チャン回数)を増やすことが遊技の醍醐味の1つとなっている。従って、遊技データ表示装置等の連チャン回数表示には、多くの遊技者の注目が集まりやすく、ここで遊技を行う遊技者自身の満足度を高める効果がある。
そのため、上述した残り保留の消化期間中であることなど、遊技状態の細やかな変化を把握し、これに対応した好適な情報出力を行うことが望まれていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技状態に対応した好適な情報出力を行うことができ、さらに遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技者にとっての興趣の向上等を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段YA1.所定の始動入球手段への遊技球の入球を契機として遊技者に有利な所定の特別遊技が実行される特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行するか否かの判定が実行される場合に、所定の図柄の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記変動表示手段により実行される前記所定の図柄の変動表示を実行する権利を保留する保留手段と、
を備え、
前記所定の始動入球手段は、第1始動入球手段と、遊技球の入球が制限される不利状態と遊技球の入球が前記不利状態より容易となる有利状態とが切り替えられる前記第1始動入球手段とは異なる第2始動入球手段と、を含み、
前記所定の特別遊技の終了後に、所定の条件が成立するまで前記有利状態が実行される遊技機であって、
当該遊技機外部に対して、少なくとも前記有利状態において、当該状態を識別可能な所定の識別情報を継続して出力する第1出力手段と、
前記有利状態の終了に基づいて、終了条件の成立で前記第1出力手段による前記所定の識別情報の出力を停止する出力停止手段と、
前記有利状態の終了時の前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記所定の図柄の変動表示を実行する権利の保留数を記憶可能な記憶手段と、
前記有利状態の終了後に、少なくとも前記記憶手段に前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記権利の保留数が記憶されている場合に前記記憶手段に記憶されている保留された前記権利に対応する前記所定の図柄の所定の変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な特定の識別情報を所定期間継続して出力可能な第2出力手段と、
を備え、
前記第2出力手段は、前記第1出力手段による前記所定の識別情報の出力態様とは異なる出力態様で前記特定の識別情報を継続して出力することを特徴とする遊技機。
上記手段YA1によれば、有利状態において当該状態を識別可能な所定の識別情報を継続して出力する第1出力手段と、有利状態の終了に基づいて前記所定の識別情報の出力を停止する出力停止手段とを備えている。これにより、例えばホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器に対して、現在、遊技機が有利状態にあることを把握させることができる。
さらに、有利状態の終了時の第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする図柄変動表示(第2変動表示)を実行する権利の保留数を記憶可能な記憶手段と、有利状態の終了後に、少なくとも前記記憶手段に前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記権利の保留数が記憶されている場合に前記記憶手段に記憶されている保留された前記権利に対応する前記図柄変動表示を実行可能な期間であることを識別可能な特定の識別情報を所定期間継続して出力可能な第2出力手段とを備えている。
これにより、例えばホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器に対して、現在、遊技機が有利状態終了後の残り保留の消化期間中(保留された権利に対応する第2変動表示の実行期間中)であることを把握させることができる。
ひいては、有利状態終了後の残り保留の消化期間を有利状態の付随期間とみなして、例えば前記残り保留の消化期間中において特別遊技状態への移行が確定した場合であっても、該特別遊技状態がホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器によって初当たり(第2始動入球手段が不利状態にある通常状態中に当選した特別遊技状態)とみなされることなく、該特別遊技状態を、それまでの一連の有利期間(初当たりから再び通常状態に戻るまでの期間)中に発生した特別遊技状態の回数(連チャン回数)に加えることが可能となる。結果として、遊技者にとっての興趣の低下抑制を図ることができる。
但し、第1出力手段により出力される所定の識別情報の出力態様と、第2出力手段により出力される特定の識別情報の出力態様とが同一態様である場合には、例えば第1出力手段用の出力端子と、第2出力手段用の出力端子とがそれぞれ個別に設けられていない限り、ホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器は、送信側機器である該遊技機が有利状態であるのか、有利状態終了後の残り保留の消化期間中であるのかを区別することができなくなる。
これに対し、本手段に係る第2出力手段は、第1出力手段による識別情報の出力態様とは異なる出力態様で前記特定の識別情報を継続して出力する構成となっているため、仮に同一の出力端子から出力される構成となっている場合であっても、ホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器が識別情報の出力態様の違いを認識可能な仕様となっている場合には、該受信側機器は両者の違いを把握し区別することができる。
ひいては、ホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器が、有利状態終了後の残り保留の消化期間を、有利状態中など他の遊技状態と識別可能となることで、当該残り保留の消化期間中専用の情報表示や演出を、当該受信側機器等において実行することも可能となる。結果として、遊技機にて行われる本来の演出(変動表示演出など)に加えて、受信側機器等において上記情報表示や演出等が行われることで、これらの相乗効果により、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
上述のとおり、本手段によれば、残り保留の消化期間中など、遊技状態の細やかな変化に対応した好適な情報出力を行うことができ、さらに遊技状態に対する識別性能を向上させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
尚、本手段に係る構成の下、仮に第1出力手段用の出力端子と、第2出力手段用の出力端子をそれぞれ個別に設けた場合には、部品点数の増加や構造の複雑化、情報出力処理に係る処理負担の増大などの種々の不具合が生じるおそれがあるため、後述するように、第1出力手段用の出力端子と、第2出力手段用の出力端子の共通化を図ることが好ましい。但し、本手段は、第1出力手段用の出力端子と、第2出力手段用の出力端子をそれぞれ個別に設ける構成を排除するものではなく、上記種々の不具合を踏まえた上で別の効果が奏される場合には、当然に、出力端子を個別に設ける構成を採用してもよい。
手段YA2.前記第2出力手段で前記特定の識別情報の出力を開始する場合に、対応する遊技状態情報を文字で前記変動表示手段に表示することを特徴とする手段YA1に記載の遊技機。
上記手段YA2によれば、特定の識別情報の出力を開始する場合、すなわち記憶手段に記憶されている前記保留数に対して実行される前記所定の変動表示が開始される場合に、その旨を文字表示により明示することにより、その旨を遊技者に対し明確に認識させることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段YA3.前記記憶手段に記憶されている前記保留数に対して実行される前記所定の変動表示のうちの最後に実行される前記所定の変動表示が停止された後に特定期間が経過するまで、前記特定の識別情報を継続して出力することを特徴とする手段YA1又は手段YA2に記載の遊技機。
上記手段YA3によれば、前記最後に実行される所定の変動表示が停止された後に特定期間(例えば該所定の変動表示の確定停止表示期間)が経過するまで特定の識別情報を継続して出力する構成とすることにより、該最後に実行される所定の変動表示が特別遊技状態へ移行する変動表示である場合において、より確実にホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器が、前記最後の変動表示に係る特別遊技状態を初当たりとみなさすことなく、それまでの一連の有利期間中に発生した特別遊技状態の回数(連チャン回数)に加えることができる。結果として、上記手段YA1等の作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段YA4.前記第2出力手段は、所定期間毎に前記特定の識別情報の出力処理を実行することを特徴とする手段YA1乃至手段YA3のいずれかに記載の遊技機。
ここで、第1出力手段から出力される「所定の識別情報」としては、例えば所定の出力期間(例えば3分間)中の全期間において一定レベルで連続して出力されるレベル信号(例えばハイレベル信号)などが挙げられる。
一方、第2出力手段から出力される「特定の識別情報」としては、例えば所定の出力期間(例えば3分間)中において、所定期間毎(例えば20ms経過毎)に所定のパルス幅(例えば10ms幅)で断続的に出力されるパルス信号などが挙げられる。
上記手段YA4によれば、第1出力手段からの情報出力態様と、第2出力手段からの情報出力態様とを異ならせることを比較的簡単な構成で実現可能となる。結果として、識別情報の出力処理の複雑化を抑制することができる。
手段YA5.少なくとも1つのパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段を備え、
前記第2出力手段は、前記パターン情報に基づいた出力態様で前記特定の識別情報の出力処理を実行することを特徴とする手段YA1乃至手段YA4のいずれかに記載の遊技機。
ここで、第2出力手段から出力される「特定の識別情報」としては、例えば所定の出力期間中において、所定の出力パターンを基に所定周期で出力レベルがハイ・ロー(オン・オフ)切替えされて出力されるパターン信号などが挙げられる。
上記手段YA5によれば、予めパターン情報記憶手段に記憶されたパターン情報に基づいて特定の識別情報の出力処理を実行することにより、特定の識別情報の出力態様をより複雑な態様としてとしても、識別情報の出力処理の複雑化を抑制することができる。
手段YA6.前記第2出力手段は、前記記憶手段に記憶されている前記保留数に応じて異なる出力態様で前記特定の識別情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段YA1乃至手段YA5のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA6によれば、上記記憶手段に記憶されている保留数に応じて異なる出力態様で特定の識別情報を出力することができる。結果として、送信側機器である識別情報の出力元の遊技機における残り保留の数の違い、すなわち残り保留の消化期間の長さの違いなど、遊技状態の細やかな変化に対応した好適な情報出力を行うことができる。ひいては、受信側機器が識別情報の出力態様の違いを認識可能な仕様となっている場合には、より細やかな遊技状態の違いを識別情報の出力先であるホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器に対し把握させることができる。結果として、受信側機器又は該受信側機器から指令を受けた所定の演出機器(例えばデータ表示装置など)において、より細やかな遊技状態の違いに対応した多彩な情報表示や演出等を行うことが可能となり、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段YA7.複数のパターン情報を記憶するパターン情報記憶手段と、
前記パターン情報記憶手段に記憶された前記複数のパターン情報の中から、前記記憶手段に記憶されている前記保留数に対応した所定のパターン情報を抽出可能なパターン情報抽出手段とを備え、
前記第2出力手段は、前記パターン情報抽出手段により抽出された前記所定のパターン情報に基づいた所定の出力態様で前記特定の識別情報の出力処理を実行することを特徴とする手段YA1乃至手段YA4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA7によれば、上記手段YA5,YA6と同様の作用効果が奏されることとなる。
手段YA8.前記第2出力手段は、前記記憶手段に記憶されている前記保留数に対して実行される前記所定の変動表示のうちの少なくとも1つに、前記特別遊技状態へ移行する場合の前記所定の変動表示が含まれる場合には、前記特別遊技状態へ移行する場合の前記所定の変動表示が含まれていない場合とは異なる出力態様で前記特定の識別情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段YA1乃至手段YA7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA8によれば、識別情報の出力先であるホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器に対し、送信側機器である出力元の遊技機において特別遊技状態へ移行する場合の変動表示が行われることを把握させることが可能となる。ひいては、受信側機器又は該受信側機器から指令を受けた所定の演出機器(例えばデータ表示装置など)において、これらの機器が識別情報の出力態様の違いを認識可能な仕様となっている場合には、特定の識別情報の入力に基づいて特別遊技状態への移行に関する各種の情報表示や演出を実行することが可能となる。
結果として、遊技機における本来の演出(変動表示演出など)に加えて、受信側機器等において新たな演出を実行させることが可能となるため、これらの相乗効果により、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段YA9.前記第2出力手段は、前記記憶手段に記憶されている前記保留数に対して実行される前記所定の変動表示のうちの少なくとも1つに特定の変動表示が含まれている場合には、前記特定の変動表示が含まれていない場合とは異なる出力態様で前記特定の識別情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段YA1乃至手段YA8のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA9によれば、識別情報の出力先であるホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器に対し、送信側機器である出力元の遊技機において、特定の変動表示が行われることを把握させることが可能となる。ひいては、受信側機器又は該受信側機器から指令を受けた所定の演出機器(例えばデータ表示装置など)において、これらの機器が識別情報の出力態様の違いを認識可能な仕様となっている場合には、特定の識別情報の入力に基づいて特定の変動表示の実行に関する各種の情報表示や演出を実行することが可能となる。
結果として、遊技機における本来の演出(変動表示演出など)に加えて、受信側機器等において新たな演出を実行させることが可能となるため、これらの相乗効果により、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段YA10.少なくとも前記判定手段により前記特別遊技状態へ移行する旨の判定がなされる場合において、(例えば前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として)複数種の前記特別遊技状態のうちのいずれに移行するかを決定する種別決定手段を備え、
前記第2出力手段は、前記記憶手段に記憶されている前記保留数に対して実行される前記所定の変動表示のうちの少なくとも1つに、前記特別遊技状態へ移行する場合の前記所定の変動表示が含まれる場合には、前記特別遊技状態の種別に応じて異なる出力態様で前記特定の識別情報を出力可能に構成されていることを特徴とする手段YA1乃至手段YA9のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA10によれば、識別情報の出力先であるホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器に対し、送信側機器である出力元の遊技機において特別遊技状態へ移行する場合の該特別遊技状態の種別を把握させることができる。
結果として、受信側機器又は該受信側機器から指令を受けた所定の演出機器(例えばデータ表示装置など)において、これらの機器が識別情報の出力態様の違いを認識可能な仕様となっている場合には、特別遊技状態の種別の違いなどに基づいた、より細やかな情報表示や演出を実行させることが可能となるため、遊技者にとっての興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
手段YA11.前記第1始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行される前記所定の図柄の変動表示よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行される前記所定の図柄の変動表示を優先して実行することを特徴とする手段YA1乃至手段YA10のいずれかに記載の遊技機。
尚、上記手段YA11に代えて、
例えば「手段YA11.前記判定手段は、前記第1始動入球手段への遊技球の入球を契機として前記判定をする第1判定手段と、前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機として前記判定をする第2判定手段と、を含み、
前記保留手段は、前記第1始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行される前記所定の図柄の変動表示を実行する権利を保留する第1保留手段と、前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行される前記所定の図柄の変動表示を実行する権利を保留する第2保留手段と、を含み、
前記第1保留手段及び前記第2保留手段により保留される前記所定の図柄の変動表示を実行する権利がある場合には、前記第2保留手段により保留されている前記所定の図柄の変動表示を優先して実行することを特徴とする手段YA1乃至手段YA10のいずれかに記載の遊技機。」としてもよい。
上記手段YA11によれば、有利状態において(例えば遊技領域の右側領域にある)第2始動入球手段に向けて遊技球を発射して遊技を行っている場合において、より短期間により多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させ、より短期間により多くの特別遊技状態に移行するか否かの判定を実行することができる。
但し、この構成の下、有利状態の終了後の第2変動表示の残り保留の消化期間中において特定演出を実行する構成としようとした場合、仮に第1始動入球手段への入球を契機とした第1変動表示と、第2始動入球手段への入球を契機とした第2変動表示とがこれらの各始動入球手段への遊技球の入球順に実行される構成となっている場合には、これらの入球順序を記憶しておくと共に、これらを考慮した制御処理を実行しなければならず、制御処理が複雑化するおそれがある。
これに対し、上記手段YA11によれば、上述したような不具合の発生を抑制することができ、制御の簡素化を図ることができる。結果として、手段YA11に係る構成においては、上記手段YA1等の作用効果がより奏功することとなる。
手段YA12.前記第2出力手段による前記特定の識別情報の出力の終了時に一連の利益獲得状態として計数される状態が終了したことを識別可能な報知を前記変動表示手段に表示することを特徴とする手段YA1乃至手段YA11のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA12によれば、特定の識別情報の出力を終了する場合、すなわち記憶手段に記憶されている前記保留数に対して実行される前記所定の変動表示がすべて終了する場合に、その旨を報知することにより、その旨を遊技者に対し明確に認識させることができる。結果として、遊技者にとっての興趣の向上を図ることができる。
手段YA13.遊技者に対し付与される遊技価値(例えば高サポート状態、サポート回数、ラウンド数等)の異なる複数種類の前記特別遊技状態を発生可能に構成され、
前記第1始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記判定に基づき発生する前記特別遊技状態よりも、前記第2始動入球手段への遊技球の入球に起因した前記判定に基づき発生する前記特別遊技状態の方が、遊技者により有利な遊技価値(例えば高サポート状態)の付与される割合が大きくなるよう構成されていることを特徴とする手段YA1乃至手段YA12のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA12によれば、第1始動入球手段へ遊技球が入球した場合よりも、第2始動入球手段へ遊技球が入球した場合の方が、より遊技価値の高い特別遊技状態に当選する確率(振分確率)が高くなる。
結果として、より多くの遊技球を第2始動入球手段へ入球させやすい有利状態となることで、遊技者は、より有利な遊技価値を有する特別遊技状態をより多く得ることが可能となる。
手段YA14.所定の演出手段(例えば各種ランプ、スピーカ等)と、該演出手段を制御する演出制御手段を備え、
前記第2出力手段が前記特定の識別情報を出力するのに合わせて、前記演出制御手段は、前記演出手段に対し所定の信号を出力することを特徴とする手段YA1乃至手段YA13のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA14によれば、所定の演出手段を備えることにより、変動表示手段における演出など、遊技機の本来の演出に加え、前記演出手段を用いた演出を行うことができ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
尚、仮に識別情報の出力先であるホールコンピュータやデータ表示装置等の受信側機器又は該受信側機器から指令を受けた所定の演出機器(例えばデータ表示装置など)において実行され得る演出と、送信側機器である出力元の遊技機における所定の演出手段にて行われる演出とを合わせて実行する構成においては、両制御の実行タイミングにズレ(タイムラグ)が生じるおそれがある。
これに対し、本手段YA14によれば、異なる制御によって作動する2種類の制御対象(送信側機器における所定の演出手段、データ表示装置等の受信側機器)間における演出動作のズレ等を低減することができる。
手段YA15.前記所定の識別情報を出力可能な前記第1出力手段に係る出力端子と、前記特定の識別情報を出力可能な前記第2出力手段に係る出力端子とが隣接することなく離間して設けられていることを特徴とする手段YA1乃至手段YA14のいずれかに記載の遊技機。
上述したように、第1出力手段用の出力端子と、第2出力手段用の出力端子をそれぞれ個別に設けた場合には、部品点数の増加や構造の複雑化、情報出力処理に係る処理負担の増大などの不具合が生じるおそれがある反面、通信ケーブルの配線作業の簡素化や通信ケーブルの接続ミス等を低減させることができる。結果として、上記手段YA15によれば、遊技ホール関係者等にとっての利便性の向上を図ることができる。
手段YA16.前記有利状態の終了後に、前記記憶手段に前記第2始動入球手段への遊技球の入球を契機とする前記権利の保留数が記憶されていない場合にも、前記特定の識別情報を出力する出力処理が実行され得ることを特徴とする手段YA1乃至手段YA15のいずれかに記載の遊技機。
上記手段YA16によれば、例えば特定の識別情報の出力が一時的に途切れてしまう等といった不具合の発生を抑制し、情報出力の継続処理をより適切かつより円滑に行うことが可能となる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
(イ)上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル等)と、該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射装置等)と、該発射された遊技球が案内される遊技領域(遊技盤等)と、該遊技領域へ案内される遊技球が入球可能な所定の入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、始動入賞口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
(ロ)上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
10…パチンコ機、30…遊技盤、42…演出表示装置、42a…液晶表示部、45…表示制御装置、240…外部端子板、240a…第1端子、240b…第2端子、261…主制御装置、262…サブ制御装置、HC…ホールコンピュータ、HD…遊技データ表示装置。

Claims (1)

  1. 遊技球を発射する発射手段と、
    発射された遊技球が案内される遊技領域と、
    前記遊技領域を流下する遊技球が内部領域へ入球可能な開状態と、前記遊技領域を流下する遊技球が前記内部領域へ入球不能な閉状態とに状態変化可能な開閉部材を有した可変入球手段と、
    前記内部領域に入球した遊技球が入球可能な特別入球手段と、
    前記特別入球手段に所定の入球が発生した場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を付与可能な特別遊技状態付与手段と、を備えた遊技機であって、
    前記可変入球手段は、特定領域を通過した遊技球のみが前記内部領域に入球可能に構成され、
    本遊技機は、
    前記特定領域を通過した遊技球が入球可能な第1契機入球手段と、
    前記特定領域を通過した遊技球が入球可能な第2契機入球手段と、
    前記特定領域を通過した遊技球が前記第2契機入球手段へ流下可能であり、前記第1契機入球手段へ流下不能な第1ルートと、
    前記特定領域を通過した遊技球が前記第1契機入球手段へ流下可能であり、前記第2契機入球手段へ流下不能な第2ルートと、
    遊技球の行き先を少なくとも前記第1ルート又は前記第2ルートへ振分け可能なルート振分け手段と、を備え、
    少なくとも遊技者に有利な有利状態と、該有利状態よりも遊技者に有利でない非有利状態とに状態を変化させることで、前記特別入球手段へ流下可能な所定ルートへ流下した遊技球に対する価値を変化させ得る可変手段によって、前記可変入球手段の内部領域に入球した遊技球に対する価値を変化させ得るよう構成され、
    前記可変手段は、前記第1契機入球手段又は前記第2契機入球手段への遊技球の入球に基づき実行される所定の抽選処理において所定の抽選結果が得られた場合に、所定の切替条件が成立することに基づいて前記有利状態を実行可能に構成され、
    本遊技機において、
    前記特定領域は、遊技球が1球ずつ通過可能かつ1箇所にのみ設けられ、
    前記特定領域へ遊技球を1球ずつ案内可能な球通路が1箇所にのみ設けられ、
    前記特定領域において、所定方向への遊技球の通過を許容する一方で、前記所定方向とは逆方向への遊技球の通過を規制する規制手段が設けられ、
    前記第1契機入球手段及び前記第2契機入球手段へ入球した遊技球が、その後前記特別入球手段へ流下不能に構成され、
    本遊技機は、
    前記特別入球手段に遊技球が入球した場合に、一の遊技価値の前記特別遊技状態の付与を確定する付与確定手段を備え、
    前記可変手段によって前記有利状態に制御されて前記特別入球手段に遊技球が入球して前記特別遊技状態が付与される場合は、前記可変手段によって前記非有利状態に制御されている場合よりも、遊技者にとって最も有利な所定の種別の前記特別遊技状態の付与が確定されやすい構成となっており、
    前記球通路を通過しない遊技球が前記特定領域を通過不能に構成され、
    前記特定領域を通過した遊技球が前記第2契機入球手段に入球した場合に、当該入球した遊技球の次の次の遊技球以降に前記特定領域を通過した遊技球に対し前記可変手段が作用して流下した遊技球に対する価値を変化させ得る構成となっており、
    所定の遊技状態において、前記特定領域を通過した遊技球が前記第1ルートを流下して前記第2契機入球手段へ入球した場合の方が、前記特定領域を通過した遊技球が前記第2ルートを流下して前記第1契機入球手段へ入球した場合よりも、前記可変手段が前記有利状態を実行可能な遊技者に有利な特定の制御状態になりやすいよう構成されていることを特徴とする遊技機。
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