JP7385266B2 - 熱転写シート用基材および熱転写シート - Google Patents

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本発明は、被転写体の表面に図柄を転写するための熱転写シートおよびその基材に関する。
衣類等の被転写体にマーク等の図柄を転写するために熱転写シートが利用されている。熱転写シートの基材には、紙、樹脂フィルム等の芯材上に所要の樹脂層を形成した積層体が用いられる。紙を芯材とすると、紙と樹脂層との吸湿性の差によってカールが起こりやすいため、近年ではポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂フィルムを芯材とするものが主流を占める。ただし樹脂フィルムを芯材とする場合にも、熱転写シート使用後に廃棄される基材の焼却処理が難しいという問題があった。樹脂フィルムは着火しにくい反面、一旦着火すると燃焼熱が大きく焼却炉を痛めやすいからである。
特開2000-347440号公報 特開平11-059088号公報
熱転写シートの基材の芯材として紙を用いる場合の課題としては、まず上述のカールの問題が挙げられる。紙は湿度による寸法変化が大きいため、環境湿度の変化や、基材上に図柄を印刷したインクを乾燥するための加熱によって基材がカールしやすい。基材がカールすると図柄等の印刷が困難になるし、特に多色刷りの印刷工程において図柄パターンの位置ずれが生じやすい。また、芯材として紙を用いる場合は、芯材上にコーティング可能な樹脂層の種類が限定されることや、基材の透明性が劣るために熱転写シート使用時にマークの位置合わせが難しいという問題もあった。
基材のカールの問題に対して、特許文献1には転写紙支持体下層の原紙の製造法として、原紙の両面に耐水化剤処理した無機フィラーにポリビニルアルコール類等の高分子を加えて塗工し、スパー掛け処理することが記載されている。実施例には、抄紙した基紙の表裏それぞれに、カオリン、耐水化処理剤で処理したクレー、SBRラテックス、PVAの混合物を12g/mずつ塗工し、表面に離型層としてアクリル樹脂溶液を3~4μmになるように塗工した転写紙原紙が記載されている。しかし、特許文献1に記載された方法では、無機フィラーを含む厚い塗工層が必要で、転写紙原紙の透明性が損なわれるという問題があった。
また、特許文献2には、紙などのシート状基材の一方の面にシリコーン層を介してホツトメルト接着剤層を形成してなる熱転写用シートにおいて、前記シート状基材の他方の面にもシリコーン層を形成した熱転写用シートが記載されている。しかし、特許文献2に記載された方法では、シート状基材の両面にシリコーンを塗布する必要があり、製造コストが高くなること及び図柄の印刷方法が限定されるという問題があった。
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、紙を芯材として、カールが生じにくく、多様な樹脂のコーティング層を設けることが可能で、転写作業の便宜上、十分な透明性を有する熱転写シート用基材を提供することを目的とする。また併せて、かかる基材を用いた熱転写シートを提供することを目的とする。
上記課題に対して、本発明の熱転写シート用基材は、少なくとも片面が平滑化処理された樹脂含浸紙を芯材として用いる。
具体的には、本発明の熱転写シート用基材は、第1面が平滑化処理された樹脂含浸紙と、前記樹脂含浸紙の第2面上に形成された樹脂下地層とを有する。この構成により、熱転写シート使用後の焼却処理が容易で、カールが生じにくく、多様な樹脂のコーティング層を設けることが可能で、十分な透明性を有する基材が得られる。
好ましくは、上記熱転写シート用基材は、前記樹脂下地層がマット層である。マット層は微細な表面凹凸を有し、これにより、被転写体に熱転写された図柄にツヤ消し感を与えることができる。
好ましくは、上記熱転写シート用基材は、前記樹脂下地層上に形成された離型層をさらに有する。離型層を設けることにより、被転写体表面に転写される層が基材から容易に剥離する。
好ましくは、上記熱転写シート用基材は、前記樹脂下地層上に形成され、前記熱転写シート用基材の一方の表面を構成する保護層をさらに有する。保護層は、熱転写シート使用時に、図柄とともに被転写体表面に転写されて、被転写体表面の図柄を覆って保護する。
本発明の熱転写シートは、上記いずれかの熱転写シート用基材と、前記熱転写シート用基材の表面であって前記樹脂含浸紙から見て前記第2面側にある表面上に形成された図柄層と、前記図柄層上に形成され、最表面に位置する接着層とを有する。
本発明の熱転写シート用基材によれば、紙を芯材とするので、樹脂フィルムを芯材とするものと比較して、使用後に廃棄するときの焼却処理が容易である。また、芯材の一方の面は樹脂含浸紙の表面が平滑化処理されたことによって、他方の面は樹脂下地層によって、湿気の透過を抑えることができる。これにより、芯材の片面に樹脂下地層をコーティングするだけで、環境湿度の変化や、図柄印刷後等の乾燥工程によっても基材がカールしにくい。また、樹脂含浸紙を用いることで、樹脂下地層上に多様な樹脂層をコーティングできる。さらに、樹脂含浸紙を用いることで、十分な透明性を得ることができる。
第1実施形態の熱転写シートの積層構成を示す図である。 第1実施形態の熱転写シートの使用方法を説明するための図であって、A:熱転写シートを被転写体に当てて加熱・加圧する状態、B:図柄転写後に熱転写シートを被転写体から離した状態を示す図である。 第2実施形態の熱転写シートの積層構成を示す図である。
本発明の熱転写シート用基材および熱転写シートの第1実施形態について、まずその構成を説明する。本実施形態は、樹脂下地層がマット層であることに特徴を有する。
図1を参照して、熱転写シート10は、基材11、図柄層12、接着層13からなる。基材11は、芯材である樹脂含浸紙20、樹脂下地層であるマット層23、離型層24、保護層25がこの順に積層されて構成されている。樹脂含浸紙20は第1面21が平滑化処理された面であって、第2面22上に樹脂下地層が形成されている。なお以下において、樹脂下地層(本実施形態においてマット層23)、離型層24および保護層25を総称して「樹脂機能層」という。
樹脂含浸紙20としては、パルプを抄紙した原紙に樹脂を含浸させ、少なくとも片面が平滑化処理されたものを用いる。
樹脂含浸紙20の原紙は、好ましくは繊維分としてパルプのみを含むが、これには限られず、バインダーとして合成樹脂繊維を含んでいてもよい。原紙が合成樹脂繊維を含む場合は、耐熱性を損なわないために、融点が140℃以上のものを用いる。また、原紙は顔料等の、各種特性を改善するための添加剤を含んでいてもよい。
樹脂含浸紙20の原紙に含浸させる樹脂(以下において「含浸樹脂」という)としては、公知の各種樹脂を用いることができ、例えばアクリル系樹脂を用いることができる。アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステルの重合体や共重合体、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレンなどの共重合体を用いることができる。含浸樹脂は、原紙抄造に続いてインラインで含浸してもよいし、原紙を一旦巻き取ってからオフラインで含浸してもよい。
含浸樹脂が樹脂含浸紙全体に占める割合は、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは10~20質量%である。含浸樹脂が少なすぎると、平滑化処理された第1面21の樹脂密度が十分に高くならず、水蒸気透過防止の効果が十分に得られないからである。一方、含浸樹脂が多すぎると、廃棄時の焼却処理が難しくなるからである。なお、原紙が合成樹脂繊維を含有する場合は、含浸樹脂と合成樹脂繊維の合計が樹脂含浸紙全体に占める割合が、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは10~20質量%である。
樹脂含浸紙20の第1面21は、樹脂含浸後に平滑化処理されている。平滑化処理は公知のカレンダリング、例えば熱カレンダー処理によって行うことができる。樹脂含浸後に平滑化処理を行うことによって、処理面の樹脂密度が高くなり、水蒸気の透過を抑えることができる。樹脂含浸紙の平滑化処理は通常、印刷適性の向上を目的として行われるが、本実施形態の樹脂含浸紙20では、平滑化処理された第1面21と反対側の第2面22上に各種樹脂層をコーティングする。したがって、第1面21の平滑度自体は重要ではないが、第1面21の平滑度が300秒以上、好ましくは500秒以上であれば、水蒸気の透過を十分に抑えられていると判断できる。
一方、樹脂含浸紙20の第2面22は、平滑化処理されていないことが好ましい。樹脂含浸紙の両面を平滑化処理すると、樹脂含浸紙のロール保管時にブロッキングを起こしやすいからである。また、両面を平滑化処理すると樹脂含浸紙全体の密度が必要以上に高くなりやすいからである。第2面22の平滑度は、好ましくは200秒以下、より好ましくは100秒以下である。
樹脂含浸紙20の厚さは、熱転写シート10の仕様によって決定できる。樹脂含浸紙の厚さは、好ましくは40~200μm、より好ましくは50~70μmである。樹脂含浸紙が薄すぎると、腰が弱く、取り扱いが難しくなるからである。一方、樹脂含浸紙が厚すぎると、柔軟性が不足するし、透明性が損なわれるからである。
樹脂含浸紙の密度は、好ましくは0.9~1.2g/cm、より好ましくは1.0~1.1g/cmである。樹脂含浸紙の密度が低すぎると腰が弱くなり、熱転写シートのハンドリングが難しくなるからである。一方、樹脂含浸紙の密度が高すぎると、湿度による寸法変化が大きく、カールしやすいからである。
本実施形態における樹脂下地層はマット層23である。マット層23は第2面22上に直接コーティングによって形成されたコーティング層である。マット層は、微細な表面凹凸によって、熱転写シート10から被転写体に転写された図柄にツヤ消し感を与える。
マット層は合成樹脂とフィラーを含む。合成樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。フィラーとしては、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機フィラーやアクリル系樹脂などの合成樹脂ビーズを好適に用いることができる。フィラーの粒子径は、所望の凹凸に応じて選択できるが、典型的には体積基準でのメジアン径d50が1~10μmである。マット層の表面凹凸は、典型的には、算術平均粗さRaが1.0μm~3.0μmである。
マット層23は、表面凹凸を形成するためにある程度の厚さを要する。マット層の厚さは好ましくは4μm以上である。特に、樹脂含浸紙20の第2面22が平滑化処理されていない場合は、第2面に存在する凹凸を覆うためにマット層を厚くする必要があり、マット層の厚さは好ましくは5μm以上である。一方、マット層の厚さは好ましくは15μm以下である。マット層が厚すぎると、熱転写シート用基材の樹脂含有量が多くなりすぎるからである。
マット層23は、第1面21の平滑化処理面と対をなして、第2面22からの吸湿を抑える。これにより樹脂含浸紙20がカールしにくく、マット層上に離型層24など他の機能樹脂層をコーティングする際にも作業が容易になる。
樹脂含浸紙でない紙を芯材として使用した場合には、その上に樹脂コーティング液を塗布しても、コーティング液が芯材に浸み込んでしまい、樹脂下地層を形成することが困難であった。本実施形態では、芯材として樹脂含浸紙を用いることによって、その上にマット層を形成することが可能となり、熱転写シートから転写された図柄の光沢度に変化をつけることが可能となった。
離型層24は、マット層23上にコーティングによって形成されたコーティング層である。離型層24として表面張力の小さな層を設けることによって、熱転写シート10使用時に、離型層上の保護層25、図柄層12および接着層13を基材11から容易に分離することができる。ただし、表面張力が小さすぎると、保護層25や図柄層12を均一にコートするのが難しくなるので、離型層の表面張力は、好ましくは28mN/m以上とする。保護層に用いられる樹脂や図柄層に用いられるインクの種類によっては、離型層を省略することもできる。
離型層24を構成する材料としては、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂などが挙げられる。離型層の厚さは、好ましくは0.1~1.0μmである。離型層が薄すぎると、離型層が基材の全面を覆わず、離型層が形成されない部分が残る虞があるからである。一方、離型層が厚すぎると、マット層23の凹凸が埋もれてしまうからである。また、離型層に求められる特性は表面張力が低いことであり、1.0μm以下の厚さでその機能を十分に発揮できる。
保護層25は、離型層24上にコーティングによって形成されたコーティング層である。保護層はマット層23上に、直接または他の層を間に挟んで、形成される。具体的には、保護層は、離型層を設けない場合はマット層上に直接形成されるし、図1に示すように離型層を設ける場合は離型層上に形成される。保護層は基材11の最表面(図1の上側の表面)に位置する。保護層は、後述するように、熱転写シート10使用時に、図柄が印刷された部分のみが被転写体側に移行し、転写された図柄を覆って保護する。したがって、転写された図柄の保護が不要な場合は保護層は省略できる。
保護層25の材料としては、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂などを用いることができる。また、熱転写時に図柄が印刷された部分のみが選択的に剥がれ易くするために、必要に応じて二酸化ケイ素、合成樹脂ビーズ等のフィラーを添加する場合がある。その際のフィラーは、典型的には粒径が0.1~3.0μmのものが使用される。保護層の厚さは、熱転写シート10の仕様に応じて決定でき、典型的には0.1~3.0μmである。
以上の樹脂含浸紙20と樹脂機能層(マット層23、離型層24および保護層25)によって本実施形態の基材11が構成される。樹脂機能層のそれぞれは、単層であってもよいし、複数の層からなっていてもよい。また、上記各層の間に、他の機能を有する層、例えば帯電防止層、を設けてもよい。また、上記各層には他の機能を付与してもよい。例えば、保護層に帯電防止剤を配合してもよい。また、樹脂含浸紙20の第1面21上に、他の機能を有する層を設けてもよい。
基材11の質量の大部分は樹脂含浸紙20によって占められるが、樹脂機能層を厚く形成した場合には全体に占める樹脂成分の割合が大きくなることがある。そのような場合でも、合成樹脂成分が基材全体に占める割合は、好ましくは50質量%未満、より好ましくは25質量%未満とする。廃棄時の焼却処理を容易にするためである。
図柄層12は、インクによって基材11上に図柄が印刷された層である。図柄層は、基材の表面であって樹脂含浸紙20から見て第2面22側にある表面上、すなわち樹脂機能層の上に位置する。インクの種類は特に限定されず、熱転写シート10の仕様に応じて、各種公知のものを用いることができる。例えば、各種の高分子樹脂材料に各種の顔料および印刷性の向上等を目的とする添加剤を添加したインクを用いることができる。図柄層の厚さは特に限定されず、所望の着色性、耐久性などの性能が発揮できる厚みとすることができる。また、図柄層の最上部に、被転写物の色を遮蔽するために白や黒などの単色の層を設けることも多い。図柄層の厚さは典型的には20~300μmである。
接着層13は、熱転写シート10を被転写体に当てて加熱・加圧したときに溶融する熱可塑性接着剤、いわゆるホットメルト樹脂からなる。熱可塑性接着剤は、図柄層12上に、図柄の描かれた部分に印刷される。接着層の厚さは特に限定されず、被転写体の表面性状等に応じて決定できる。接着層の厚さは典型的には50~200μmである。
本実施形態の熱転写シート用基材11および熱転写シート10の製造方法を以下に説明する。
樹脂含浸紙20は、前述のとおり、パルプにその他の材料を混合、抄紙して、含浸樹脂を含浸させて少なくとも片面を平滑化処理する。片面のみを平滑化処理するには、例えば、金属ロールと樹脂ロールをニップロールとして用いる公知のカレンダリングによることができる。このような樹脂含浸紙は市販されている。
樹脂含浸紙20の平滑化処理されていない面上に、あるいは樹脂含浸紙20の両面が平滑化処理されている場合はどちらかの面上に、マット層23、離型層24、保護層25を順次形成する。これらの樹脂機能層の形成はコーティングによって行う。予め成形された樹脂フィルムを貼付して樹脂機能層を形成すると、熱転写シート10の製造工程で加熱されたときなどに、フィルムの熱収縮によってカールが生じるからである。樹脂機能層のコーティング方法は、ダイレクト方式やリバース方式のグラビア印刷機を用いて行うことができる。
基材11の樹脂機能層側に図柄を印刷して図柄層12を形成する。図柄の印刷方法は特に限定されず、例えば、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、レーザープリンター、インクジェットプリンターによって行うことができる。図柄層には、被転写物の色を遮蔽するための単色層を設ける場合は、例えばシルクスクリーン印刷によって行うことができる。熱可塑性接着剤を図柄上に印刷して接着層13を形成する。熱可塑性接着剤の印刷方法は特に限定されず、例えばシルクスクリーン印刷によって行うことができる。
熱転写シート10の使用方法を以下に説明する。
図2Aを参照して、熱転写シート10の接着層13を被転写体Wに当てて位置決めし、熱プレスをかけて加熱および加圧する。典型的には100~160℃に加熱した熱板でプレスする。これにより、接着層の熱可塑性接着剤が溶融して被転写体に接着する。図2Bを参照して、熱転写シートを被転写体から引き離すと、接着層13、図柄層12、および基材11の保護層25のうち図柄のある部分が基材11から剥離して、被転写体Wの表面に転写される。
熱転写シート10は、Tシャツ、スポーツウエア、作業着等の衣類、自動車等の車両の内装材などへの絵柄、ラベル、マーク等の図柄の付与に適用できる。
次に、本発明の熱転写シート用基材および熱転写シートの第2実施形態を説明する。本実施形態は、樹脂下地層が平滑層である点で第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同様である。
図3を参照して、熱転写シート30は、基材31、図柄層12、接着層13からなる。基材31は、芯材である樹脂含浸紙20、樹脂下地層である平滑層33、離型層24、保護層25がこの順に積層されて構成されている。
平滑層33は、第2面22上に直接コーティングによって形成されたコーティング層である。平滑層33は、第1実施形態のマット層23と同様に、好ましくは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂を用いて形成される。平滑層はフィラーを含んでいてもいなくてもよいが、フィラーを含む場合は、表面に凹凸を生じない程度の大きさのものを用いる。
平滑層33の厚さは、好ましくは0.5~2μmである。樹脂下地層が薄すぎると、十分な水蒸気透過防止効果が得られないからである。一方、樹脂下地層を2μmより厚くしてもカール防止効果は変わらず、材料が無駄だからである。芯材表面にこのように薄い樹脂層をコーティングできるのは、芯材として樹脂含浸紙を用いるからである。
本実施形態の平滑層以外の構成、製造方法および使用方法は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
上記第1実施形態の熱転写シート用基材11の実施例を以下に説明する。
パルプを抄造した原紙にアクリル系樹脂を含浸して片面を平滑化処理した樹脂含浸紙(KJ特殊紙株式会社、GFN-601、坪量60g/m、厚さ59μm、パルプ含有量73~83%、アクリル樹脂含有量約13%、残部が無機顔料等)を芯材として使用した。樹脂含浸紙の平滑化処理されていない面に、シリカ微粒子(d50:4μm)を含むアクリルウレタン樹脂のコーティング液を、グラビア方式で15g/m塗布して150℃で乾燥し、厚さ約7μmのマット層を形成した。樹脂下地層上に、メラミン系樹脂からなるコーティング液を、グラビア方式で5g/m塗布して150℃で乾燥し、厚さ約0.5μmの離型層を形成した。離型層上に、アクリル系樹脂からなるコーティング液を、グラビア方式で5g/m塗布して130℃で乾燥し、厚さ約1.0μmの保護層を形成した。以上により実施例の熱転写シート用基材を作製した。
上記熱転写シート用基材作製時の各コーティング作業において、基材のカールが問題となることはなかった。また、上記熱転写シート用基材を用いて熱転写シートを作製する際にも基材のカールが問題となることはなかった。
作製した熱転写シート用基材の表面凹凸を触針式表面粗さ計を用いて測定した。10か所の測定の平均で、第1面の算術平均粗さRaは1.5μm、反対側の表面である保護面のRaは1.8μmであった。
本発明は上記実施形態や実施例に限定されるものではなく、発明の技術的思想の範囲内で、その他種々の態様で実施可能である。
10、30 熱転写シート
11、31 基材
12 図柄層
13 接着層
20 樹脂含浸紙
21 第1面
22 第2面
23 マット層(樹脂下地層)
24 離型層
25 保護層
33 平滑層(樹脂下地層)
W 被転写体

Claims (4)

  1. 第1面が平滑化処理された樹脂含浸紙と、
    前記樹脂含浸紙の第2面上に形成された樹脂下地層と、
    前記樹脂下地層上に形成された離型層と、
    を有する熱転写シート用基材。
  2. 前記樹脂下地層がマット層である、
    請求項1に記載の熱転写シート用基材。
  3. 前記樹脂下地層上に形成され、前記熱転写シート用基材の一方の表面を構成する保護層をさらに有する、
    請求項1または2に記載の熱転写シート用基材。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載された熱転写シート用基材と、
    前記熱転写シート用基材の表面であって前記樹脂含浸紙から見て前記第2面側にある表面上に形成された図柄層と、
    前記図柄層上に形成され、最表面に位置する接着層と、
    を有する熱転写シート。
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