JP7385209B2 - 真空紫外光の発生方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空紫外光の発生方法及びそれに用いる装置に関するものである。
真空紫外コヒーレント光は、レーザ光電子分光用の光源や、生体分子の真空紫外円二色性測定用の光源として重要である。真空紫外コヒーレント光発生のためには、可視光や近赤外光領域のレーザ光を、非線形媒質を用いて波長変換する手法が広く用いられてきた。
しかしながら、多くの固体は真空紫外の波長領域で不透明となるだけでなく、位相整合を実現することが難しい。このため、真空紫外領域への波長変換に使用可能な結晶は非常に限られている(下記特許文献1及び2参照)。また一般に、このような希少な固体は流通が不安定で非常に高価であるという問題がある(下記非特許文献1参照)。さらには、この手法では、位相整合を実現するために結晶をプリズムで挟むという煩雑な準備が必要という問題もある(下記非特許文献1及び非特許文献2のFig.1(b)参照)。
また、希ガスを非線形媒質として用いて波長変化する手法も知られている。しかしながら、希ガスを用いる手法では、生成可能な波長がガスの種類ごとに狭い範囲に限られるだけでなく、波長変換のためのガス圧等の条件の制御が煩雑であるという問題がある。
また近年、軟X線領域までに到達するコヒーレント光を、高次(例えば11次以上)の高調波として生成することが可能となっている(下記非特許文献3参照)。しかしながら、この手法では、パルス幅が数10フェムト秒オーダの高強度極短パルス光源を用いる必要が生じるという問題があり、この光源の取り扱いが簡単ではない。また、この手法でも非線形媒質として主に希ガスが用いられるため、ガス圧等の制御が煩雑であるという問題が生じる。
また、真空紫外領域では偏光制御素子が限られているため、これらの手法で生成した真空紫外光を円偏光に制御するための手段が複雑であるという問題もある。
なお、本発明者らは、3回回転対称構造を形成した金属薄膜に励起レーザ光を照射することにより、偏光制御された可視光領域の2次高調波を生成する手法を提案している(下記非特許文献4参照)。しかしながら、この技術は、そもそも真空紫外光を生成するためのものではない。また、金属薄膜は、低い励起レーザ光強度で破壊される(つまり破壊閾値が低い)ので、得られる高調波の強度が低いという問題もある。
特開2003-5233号公報 特開2013-174873号公報
NATURE, Vol 457, 19 February 2009 "DUV/VUV ALL-SOLID-STATE LASERS: TWENTY YEARS OF PROGRESS", PENG et al., IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, VOL. 24, NO. 5, SEPTEMBER/OCTOBER 2018" "Extreme ultraviolet high-harmonic spectroscopy of solids" T. T. Luu, M. Garg, S. Yu. Kruchinin, A. Moulet, M. Th. Hassan & E. Goulielmakis, Nature vol. 521, pp. 498-502 (28 May 2015) "Polarization-Controlled Circular Second-Harmonic Generation from Metal Hole Arrays with Threefold Rotational Symmetry" Konishi et al., Phys. Rev. Lett. 112, 135502 (2 April 2014)
本発明者らは、位相整合条件のような伝搬効果に制約されない、波長以下の厚さの誘電体薄膜を非線形媒質として波長変換を行ったところ、光電子分光法などの用途に利用可能な程度に高い強度で真空紫外光を高調波として生成できるという新たな知見を得た。
本発明は、この新たな知見に基づいてなされたものである。本発明の主な目的の一つは、簡便な機構により、高い強度の真空紫外光を生成できる技術を提供することである。本発明の他の目的は、生成可能な真空紫外光の波長帯域を広げることができる技術を提供することである。また、本発明のさらに他の目的は、簡便に円偏光状態の真空紫外光を生成できる技術を提供することである。
前記した課題を解決する手段は、以下の項目のように記載できる。
(項目1)
少なくとも裏面側が真空中に露出された薄膜状の誘電体の表面に向けて、前記誘電体を透過可能な波長を有する励起レーザ光を照射するステップと、
前記励起レーザ光の照射によるN次高調波として、真空紫外光を、前記誘電体の裏面方向に向けて発生させるステップとを有しており、
ここでN≧2である
真空紫外光の発生方法。
(項目2)
N=3であり、
前記励起レーザ光の波長は600~200nmの範囲におけるいずれかの波長である
項目1に記載の真空紫外光の発生方法。
(項目3)
前記誘電体は、Al、SiO、MgF、CaF2、LiFのいずれかの結晶である
項目1又は2に記載の真空紫外光の発生方法。
(項目4)
前記誘電体は、γ-Alの結晶である
項目1又は2に記載の真空紫外光の発生方法。
(項目5)
前記誘電体は、Si基板上に前記γ-Alの層をエピタキシャル成長させた後、前記Si基板を除去することによって製造されたものである
項目4に記載の真空紫外光の発生方法。
(項目6)
前記誘電体は、前記励起レーザ光の照射方向と交差する方向に延在する(N+1)回回転対称構造を有しており、
前記励起レーザ光は、円偏光とされており、
前記(N+1)回回転対称構造を前記励起レーザ光が透過することによって、円偏光の前記真空紫外光を発生させる
項目1~5のいずれか1項に記載の真空紫外光の発生方法。
(項目7)
前記励起レーザ光における円偏光の回転方向を変更することにより、前記真空紫外光における円偏光の回転方向を変更するステップを有する
項目6に記載の真空紫外光の発生方法。
(項目8)
少なくとも裏面側が真空中に露出された薄膜状の誘電体と、
前記誘電体の表面に向けて、前記誘電体を透過可能な波長を有する励起レーザ光を照射する光源とを備えており、
前記誘電体は、前記励起レーザ光の照射によるN次高調波として、真空紫外光を、前記誘電体の裏面方向に向けて発生させる構成となっており、
ここでN≧2である
真空紫外光の発生装置。
(項目9)
N=3であり、
前記励起レーザ光の波長は600~200nmの範囲におけるいずれかの波長である
項目8に記載の真空紫外光の発生装置。
(項目10)
前記誘電体は、前記励起レーザ光の照射方向と交差する方向に延在する(N+1)回回転対称構造を有しており、
前記励起レーザ光は、円偏光とされており、
前記(N+1)回回転対称構造を前記励起レーザ光が透過することによって、円偏光の前記真空紫外光を発生可能とされている
項目8又は9に記載の真空紫外光の発生装置。
(項目11)
前記誘電体の膜厚は10μm以下である
項目8~10のいずれか1項に記載の真空紫外光の発生装置。
(項目12)
項目8~11のいずれか1項に記載の装置により得られた真空紫外光を用いて試料の特性を測定する測定システム。
本発明によれば、簡便な機構により、光電子分光法などの用途にも利用可能な程度に高い強度の真空紫外光を生成することができる。また、本発明によれば、生成可能な真空紫外光の波長帯域を簡易な手法で広げることができる。さらに、本発明によれば、薄膜に所定の構造を形成しておくことで、真空紫外光の偏光状態の制御が容易になる。
本発明の第1実施形態における真空紫外光の発生装置を示す模式的な説明図である。 図1の装置により生じた三次高調波(真空紫外光)のスペクトルを示すグラフであって、横軸は波長、縦軸は強度である。 バルクのサファイアから生じた三次高調波のスペクトルを図2のグラフに重ねて示したグラフである。 図1の装置において励起レーザ光の波長を470nmから536nmの範囲で6nm間隔で変化させることにより三次高調波の波長が変化した結果を示すグラフであり、横軸は波長、縦軸は強度である。 図1の装置において励起レーザ光の強度を変化させることにより三次高調波の強度が変化した結果を示すグラフであり、横軸は波長、縦軸は強度である。 誘電体薄膜の代わりにバルクのサファイアを用いて図5と同様の実験を行った結果として得られた三次高調波のスペクトルを示すグラフである。 図1の装置において、誘電体薄膜の材質を変更して実験を行った結果を示す両対数グラフであって、横軸は励起レーザ光の強度、縦軸は三次高調波の強度である。 第1実施形態に用いられる誘電体薄膜の製造方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態における真空紫外光の発生装置を示す模式的な説明図である。 誘電体表面に形成された4回回転対称構造の一例を示す要部拡大図(写真)である。 図10に示す4回回転対称構造を模式的に示す説明図である。 4回回転対称構造を持つ誘電体薄膜の透過特性をシミュレーション及び実験により求めた結果を示すグラフであり、横軸は励起レーザ光の波長、縦軸は透過率である。 図13(a)は、4回回転対称構造の周期を600nmとした場合、500nmとした場合、このような構造を形成しない場合のそれぞれの透過特性を示す。縦破線は波長475nmを表す。図13(b)~(d)は、励起レーザ光の波長を470nmとした場合に得られる三次高調波のスペクトルを、周期構造なしの例、周期600nmの例、周期500nmの例についてそれぞれ示す。 本発明の第3実施形態における真空紫外光の発生装置を示す模式的な説明図である。 左右の円偏光成分を測定するための光学軸の切り替えを説明するための説明図であって、図15(a)は左回り円偏光(LCP)を測定する場合、図15(b)は右回り円偏光(RCP)を測定する場合である。 図16(a)は、4回回転対称構造の周期を600nmとした場合、500nmとした場合、このような構造を形成しない場合のそれぞれの透過特性を示すグラフである。図16(b)は、励起レーザ光の波長を470nmとした場合に得られる三次高調波のスペクトルを、周期600nmの例について示すグラフである。図16(c)及び(d)は、4回回転対称構造における周期構造の周期を600nmとし、励起レーザ光11における円偏光の回転方向を切り替えた場合の結果をスペクトルとして示すグラフである。 励起レーザ光の波長を470nmとした場合にAl製の自立薄膜から発生する三次高調波(THG)の強度の膜厚依存性をプロットしたグラフであり、横軸は膜厚、縦軸はTHG強度である。 いくつかの典型的な誘電体について、文献値に基づいて、コヒーレンス長Lcと侵入長δ3の、第三次高調波の波長に対する依存性をプロットしたグラフであり、横軸はTHGの波長、縦軸はコヒーレンス長Lc及び侵入長δ3の長さである。
以下、本発明の第1実施形態に係る真空紫外光の発生方法を、図1~図8を参照しながら説明する。
(発生装置)
まず、この発生方法に用いる、真空紫外光の発生装置の概要を、図1に基づいて説明する。
この測定装置は、光源1と、誘電体2とを主要な構成として備えている。さらに、この装置は、レンズ3と、容器4と、フィルタ5と、分光器6と、検出器7とを追加的な構成として備えている。
(光源)
光源1は、誘電体2の表面に向けて、誘電体2を透過可能な波長を有する励起レーザ光(以下単に「励起光」と称することがある)11を照射する構成となっている。このような光源としては、例えば、チタンサファイア(Ti:Sa)レーザやイッテルビウム系(Yb系)レーザと光パラメトリック増幅器などの波長変換機構とを組み合わせることによって、目的とする波長や出力のレーザ光の生成が可能となるものが用いられている。
例えば、後述する誘電体2から三次高調波として真空紫外光を発生させる場合、励起レーザ光11の波長は600~200nmの範囲とすることが好適である。具体的には、励起レーザ光11の波長は、目的とする三次高調波の波長に基づいて決定可能である。
また、光源1としては、通常、パルスレーザ(例えばナノ秒パルスレーザ、ピコ秒パルスレーザ、フェムト秒パルスレーザなど)が用いられるが、実用上十分な強度が得られるのであれば連続波(CW)レーザを用いることも可能である。
このようなレーザとしては、従来から知られているものを使用できるので、これについてのこれ以上詳しい説明は省略する。
(誘電体)
誘電体2は、薄膜状に形成されている。この誘電体2は、内部が真空とされた容器4の内部に収納されており、誘電体2の少なくとも裏面側(励起レーザ光11の進行方向において下流側)が真空中に露出されている。本実施形態では、誘電体2の表面側(励起レーザ光11の進行方向において上流側)も真空中に露出されている。
また、誘電体2は、励起レーザ光11の照射によるN次高調波として、真空紫外光を、誘電体2の裏面方向に向けて発生させる構成となっている。ここで一般に、N≧2である。本実施形態ではN=3としている。
具体的には、誘電体2は、Al、SiO、MgF、CaF2、LiFのいずれかの結晶であることが好ましい。特に、誘電体2を、γ-Alの結晶とすることが好ましい。
誘電体2は、その表面が励起レーザ光11に交差する方向に延在するように配置されている。より具体的には、本実施形態の誘電体2は、その表面が励起レーザ光11に直交する方向に延在するように配置されている。
(レンズ)
レンズ3は、光源1からの励起レーザ光11を集光して誘電体2に照射するための要素である。レンズ3としては、必要な集光機能を発揮できるものであれば、様々な構造のものを使用できる。レンズ3の焦点距離や開口数などのパラメータは、必要な機能に応じて選択可能である。レンズ3の焦点位置は、誘電体2が設置される位置又はその近傍であることが好ましい。
(容器)
容器4は、内部を真空状態に保持できるものである。容器4の内部には、誘電体2が収納されている。これにより、本実施形態では、誘電体2の表裏両面が真空中に露出するようになっている。
容器4には、励起レーザ光11を内部に取り込むための窓41が設けられている。窓41の材質としては、励起レーザ光11に対して透明な材質、例えば石英が用いられている。
(フィルタ)
フィルタ5は、励起レーザ光11を阻止し、かつ、誘電体2から発生した真空紫外光21を透過させるものである。このようなフィルタ5としては、例えば金属と誘電体の多層膜を用いたバンドパスフィルタ等を用いることができる。
フィルタ5の背後には、内部において真空を保持するように構成された通路51が設けられている。
(分光器)
分光器6は、真空紫外光21を内部に取り込んでその分光を行うことができる構成となっている。このような分光器6としては、従来から知られているものを利用可能なので、詳しい説明は省略する。
(検出器)
検出器7は、分光器6で分光された真空紫外光を検出できる構成となっている。本実施形態では、検出器7としてCCDアレイが用いられている。検出器7としても、従来から知られているものを利用可能なので、詳しい説明は省略する。
(第1実施形態における真空紫外光の発生方法)
つぎに、前記した装置を用いた真空紫外光の発生方法について説明する。
(励起レーザ光の照射)
まず、薄膜状の誘電体2の表面に向けて、光源1から励起レーザ光11を出射する。出射された励起レーザ光11は、レンズ3により集光され、容器4の窓41を通過した後、誘電体2の表面に照射される。本実施形態では、レンズ3により励起レーザ光11を集光しているので、高強度の励起レーザ光11を誘電体2に照射することができる。したがって、得られる三次高調波の強度を高めることが可能になる。
(真空紫外光の発生)
薄膜状の誘電体2の表面に照射された励起レーザ光11は、誘電体2における非線形光学効果により波長変換され、誘電体2の背面側に向かう真空紫外光21となる。つまり、本実施形態の方法により、コヒーレントな真空紫外光を発生させることができる。発生した真空紫外光21は、フィルタ5を通過して、分光器6に到達して分光される。分光された真空紫外光は検出器7により検出される。
誘電体2に照射された励起レーザ光11は、誘電体2に対して透明なので誘電体2を透過するが、フィルタ5により阻止される。したがって、この実施形態によれば、励起レーザ光11が真空紫外光の検出精度に影響するおそれを解消することができる。
(実験例1)
前記した方法により真空紫外光を発生させた結果を実験例1として図2及び図3に示す。実験条件は下記の通りである。
誘電体の材料:γ-Al
誘電体の膜厚:50nm
励起レーザ光の波長:468nm
励起レーザ光のパルス幅:約80fs
パルスの繰り返し周波数:1kHz
励起レーザ光の平均パワー:23.5mW
積算時間(Accumulation time):2秒
図2の縦軸は任意単位であるが、この方法により、例えばレーザ光を用いた光電子分光(photoemission spectroscopy)などの用途において実用上十分な強度の真空紫外光を、三次高調波(THG)として得ることができている。
つまり、本実施形態では、光の波長以下の薄膜状の誘電体を用いた場合でも、十分高強度の真空紫外光を発生させることができる。これは本発明者による新たな知見である。またこれは、レーザ破壊閾値の大きな誘電体を用いることによって、高パワーの励起レーザ光を用いることが可能になったことと、薄膜状とすることによって、誘電体による真空紫外光の吸収が抑制されたことによるものと想定される。
ここで、この実験例1において観測された真空紫外光の1パルス当たりの最大フォトン数を光電子増倍管からのシグナル強度を用いて見積もると約8.0×10である。これは、1秒当たりのフォトン数に換算すると約8.0×10であり、光電子分光法などの用途のためには十分な強度である(参照:Cheng-Tien Chiang, Michael Huth, Andreas Trutzschler, Mario Kiel, FrankOSchumann, Jurgen Kirschner and Wolf Widdra "Boosting laboratory photoelectron spectroscopy by megahertz highorder harmonics" New J. Phys. 17 (2015) 013035)。
比較のために、本実施形態の誘電体に代えてバルクのサファイアを用いた場合の結果を図3に示す。図3には、図2に示された結果も併せて記載している。バルクのサファイアとしては、厚さ500μmのものを用いた。他の実験条件は前記した実験例1と同様とした。
図3から明らかなように、バルク構造では真空紫外光はほとんど得られない。これに対して、本実施形態の誘電体2を用いることにより、実用上十分な強度の真空紫外光を得ることができる。
(実験例2)
励起レーザ光11の波長を変化させることにより、得られる三次高調波の波長を変化させた例を実験例2として説明する。図4に示されるように、実験例2では、広い波長範囲で波長可変である真空紫外光を三次高調波として発生させることができる。
従来の真空紫外光の発生方法では、真空紫外光の波長を簡便に可変とすることは難しかったが、本実施形態の手法を用いることにより、真空紫外光の波長を広い範囲で可変とすることが簡便にできるという利点がある。したがって、本実施形態の装置によれば、例えば、真空紫外光の波長を広い帯域で掃引しながら分光を行うことができるという利点がある。
なお、図4の縦軸は任意単位であり、得られる真空紫外光の強度はそれぞれ1に正規化されている。実際の真空紫外光の強度は一般に波長により様々であるが、各波長についての真空紫外光の強度は実験等により既知なので、例えば分光などを行う場合の支障はない。
(実験例3)
励起レーザ光11の出力を変化させることにより、得られる三次高調波の強度を変化させた例を実験例3として説明する。
実験例3では、励起レーザ光の強度を下記のように変化させた。
7.4mW
5.6mW
4.4mW
3.1mW
1.6mW
前記以外の実験条件は実験例1と同様とした。実験例3の結果を図5に示す。この図から分かるように、励起レーザ光の強度と、得られる真空紫外光の強度との間には正の相関がある。したがって、励起レーザ光の強度を強めることにより、真空紫外光の強度を強めることができる。また、本実施形態によれば、誘電体薄膜を波長変換物質として用いたので、励起レーザ光における破壊閾値(つまり薄膜が破壊する時のレーザ光強度)が高く、したがって、高強度の励起レーザ光を照射できることも分かる。
比較のため、バルクのサファイアに対して比較例として同様の実験を行った。結果を図6に示す。この比較例では、励起レーザ光の強度を下記のように変化させた。
8.0mW
5.8mW
3.7mW
2.4mW
1.2mW
図6から分かるように、バルクのサファイアでは、励起レーザ光の強度を強めても、十分な真空紫外光の強度を得ることは難しい。
(実験例4)
薄膜状の誘電体2の材料と、励起レーザ光の強度と、得られる三次高調波の強度との関係を実験例4として説明する。
実験例4では、以下の組成及び膜厚の誘電体2を用いた。
・材質:SiO、膜厚:100nm
・材質:Si、膜厚:50nm
・材質:γ-Al、膜厚:50nm
結果を図7に示す。SiOの場合は、三次高調波の生成効率は低いが、励起レーザ光強度を高めても破壊を生じにくいことが分かる。したがって、高強度の励起レーザ光を用いる場合にはSiOが好適である。
Siの場合は、三次高調波の生成効率は高いが、比較的に低い励起レーザ光強度で破壊を生じた。
γ-Alの場合は、三次高調波の生成効率が高く、しかも、励起レーザ光の強度を高めたときでも破壊を生じにくいことが分かる。ただし、この例では、SiOよりも低い励起レーザ光強度で破壊を生じた。
(誘電体の製造方法)
次に、図8をさらに参照して、本実施形態における誘電体2を製造する方法の一例について説明する。
(図8(a))
まず、シリコン結晶の基板8の表面に、エピタキシャル成長により、γ-Alの組成及び結晶構造を持つ誘電体2を生成する(参考文献: M. Ishida et al ., Appl. Phys. Lett. 55, 556 (1989))。ここで、基板8の厚さは525μm、誘電体2の厚さは52nmとしたが、これに制約されるものではない。
(図8(b))
以降の図では、説明の便宜上、誘電体2を下側に配置した状態で記載している。この段階では、基板8の表面(図8(b)において上面)に、厚さ約2μmのレジスト層9を形成する。また、誘電体2の表面(図8(b)において下面)に保護層10を形成する。この状態で、電子線リソグラフィにおける露光を行う。この露光により、レジスト層9を、所定の形状あるいはパターンで変質させることができる。ただし、電子線リソグラフィは露光手段の一例にすぎず、これには制約されない。
(図8(c))
ついで、深堀りRIE(Reactive Ion Etching)により、レジスト層9及び基板8のエッチングを行う。このエッチングは、電子線リソグラフィで形成された形状あるいはパターンに従って行われる。RIEを所定の深さまで精密に行うことにより、誘電体2の一面側を露出させることができる。ただし、RIEはエッチング手段の一例にすぎず、これには制約されない。
(図8(d))
ついで、保護層10を除去する。これにより、薄膜状の誘電体2を得ることができる。また、誘電体2の周縁を、基板8により支持することができる。
前記した誘電体2の形成方法では、誘電体2としてγ-Alを用いたので、誘電体2のバックリングを生じにくいという利点がある。すなわち、誘電体としてSiOなどの材料を用いた場合に、前記の手法で薄膜を生成すると、薄膜内の引張り応力によりバックリングを生じることがある。このため、このバックリングを防ぐプロセスが一般的には必要となる(参考:Appl. Phys. Lett. 102, 192108 (2013))。これに対して、前記した方法では、シリコン製の基板8の表面に成長させたγ-Alの特性により、薄膜内の引張り応力が小さい。このため、特段のバックリング防止プロセスを用いることなく、バックリングを防止することができるという利点がある。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る真空紫外光の発生方法について説明する。まず、この方法に用いる真空紫外光の発生装置を、図9を参照しながら説明する。なお、この第2実施形態の説明においては、前記した第1実施形態の装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることにより、説明の煩雑を防ぐ。
この第2実施形態の装置では、光源1とレンズ3との間に、偏光子101とλ/4波長板102とを配置している。この第2実施形態では、偏光子101とλ/4波長板102とを用いることにより、円偏光の励起レーザ光11を誘電体2に照射できるようになっている。
また、この第2実施形態の装置では、試料2とフィルタ5との間に、真空紫外用λ/4波長板201と真空紫外用偏光子202を配置している。
さらに、この第2実施形態の誘電体2は、励起レーザ光11の照射方向と交差する方向に延在する(N+1)回回転対称構造を有している。ここでNは、目的とする高調波の次数であり、この実施形態では、N=3である。そして、この誘電体2は、4回回転対称構造を励起レーザ光11が透過することによって、円偏光の真空紫外光を発生させるようになっている。
4回回転対称構造の具体例を図10に示す。また、この構造の一部を図11に模式的に示す。
4回回転対称構造を持つ誘電体薄膜の透過特性をシミュレーション及び実験により求めた結果を図12に示す。この例では、4回回転対称構造を構成する周期的な空孔部22(図11参照)の間隔を600nmとしている。この結果から、シミュレーションでも実験でも、透過スペクトルに観測されるディップの波長は一致することが確認できる。
図13(a)には、4回回転対称構造の周期を600nmとした場合、500nmとした場合、このような構造を形成しない場合(すなわち前記した第1実施形態と同様の場合)についての透過特性を示す。この特性によれば、励起レーザ光11の波長が例えば475nmのとき、600nm周期の4回回転対称構造を持つフォトニック結晶の共鳴モードが励起されることが分かる(図13(a)の縦破線を参照)。
励起レーザ光11の波長を475nmとした場合に得られる三次高調波のスペクトルを、周期構造なしの例(図13(b))、周期600nmの例(図13(c))、周期500nmの例(図13(d))についてそれぞれ示す。なお、これらの図においては、励起レーザ光11が直線偏光(LPL)の場合、左回り円偏光(LCP)の場合、右回り円偏光(RCP)の場合をそれぞれ示している。
これらの図から、以下のことが分かる。
・共鳴モードにないときは、直線偏光の場合のみ、強い三次高調波を生じる(図13(b)及び(d))。
・共鳴モードにあるときは、直線偏光、左回り円偏光、右回り円偏光のいずれの場合であっても、強い三次高調波を生じる(図13(b)及び(d))。なお、「共鳴モードにある」とは、言い換えると、「励起レーザ光の波長が、透過特性におけるディップの位置にある」(図13(a)参照)ということである。
第2実施形態の装置によれば、円偏光の真空紫外光を簡易に生成できるので、円偏光の真空紫外光を用いた各種のシステムを低コストで構築可能である。例えば、円偏光の真空紫外光を用いて電子スピンの情報取得を行うことができる。
第2実施形態における他の構成及び利点は、第1実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態として、真空紫外光における円偏光の回転方向を制御する方法について説明する。まず、この方法に用いる真空紫外光の発生装置を、図14を参照しながら説明する。なお、この第3実施形態の説明においては、前記した第2実施形態の装置と基本的に共通する要素については、同一符号を用いることにより、説明の煩雑を防ぐ。
第3実施形態では、真空紫外用のλ/4波長板201と真空紫外用の偏光子202とにより、真空紫外光における左右の円偏光成分を測定できるようになっている。具体的には、この実施形態では、図15(a)及び(b)に示すように、真空紫外用λ/4波長板の光学軸(fast軸又はslow軸)の傾斜方向を切り替えることにより、左右の円偏光成分(ILCPとIRCP)を測定できる。
測定した結果を図16に示す。測定の条件は前記した第2実施形態の例と同じである。また、図16(a)は図13(a)と同じ特性であり、図16(b)は図13(c)と同じ特性である。
4回回転対称構造における周期構造の周期を600nmとし、励起レーザ光11における円偏光の回転方向を切り替えた場合の結果を図16(c)(d)に示す。励起レーザ光がRCPである場合(図16(c)参照)、LCPの三次高調波を選択的に生成することができる。一方、レーザ光がLCPである場合(図16(d)参照)、RCPの三次高調波を選択的に生成することができる。
このように、本実施形態の装置によれば、励起レーザ光の偏光方向を切り替えることにより、得られる三次高調波(本例では真空紫外光)を、LCPとRCPとの間で切り替えることができるという利点がある。従来の真空紫外光の発生方法においては、円偏光を得ること自体が難しいという問題があった。これに対して、本実施形態では、円偏光を容易に得ることができるばかりか、その回転方向の制御も簡便に行うことができるという利点がある。
第3実施形態の装置によれば、様々な偏光状態を持つ真空紫外光を簡易に生成できるので、偏光状態が制御された真空紫外光を用いた各種のシステムを低コストで構築可能である。例えば、生体における円二色性を計測することができる。また、コヒーレントな真空紫外光を用いることで、高い集光性能や時間分解能を得ることもできる。
なお、本発明者らは、前記非特許文献2において、金属薄膜に3回回転対称構造を形成することによって2次高調波の偏光方向を制御する手法を提案している。しかしながら、前記したように、この技術は、そもそも真空紫外光を生成するためのものではない。また、金属薄膜を用いた場合は、破壊閾値が低いので、高強度の励起レーザ光を用いることができない。さらに、誘電体内部の電界の状態は、金属薄膜の場合とは異なっており、同じ物理現象が生じるわけでないことに注意する。
第3実施形態における他の構成及び利点は、第2実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳しい説明は省略する。
(誘電体の膜厚についての補足)
以下、図17及び図18をさらに参照して、誘電体2における好ましい膜厚について補足して説明する。なお、誘電体2は位相整合条件を満たさないとする。
まず、前提として、誘電体2を薄膜状でなくバルクとした場合、励起レーザ光のスペクトルが、自己位相変調の効果により広がってしまうという問題を生じる。例えば、誘電体2の膜厚が10μm以上の場合をバルクと称すると、この場合は、スペクトルの分散のため、目的とする波長の三次高調波(THG)の強度が大幅に低下する。したがって、この観点からは、誘電体2の膜厚は薄いことが望ましい。つまり、バルクでなく、膜厚10μm以下の薄膜状とすることが望ましい。
ここで、励起レーザ光の波長を470nm(THGは157nm)の場合にAl製の自立薄膜から発生するTHG強度の膜厚依存性をプロットしたグラフを図17に示す(参考:N.Bloembergen and P.S.Pershan, "Light Waves at the Boundary of Nonlinear Media", Phys. Rev. 128, 606 (1962))。
図17に示されるように、膜厚に対するTHGの発生強度は、約400nmの周期で振動しながら、その包絡線は膜厚が増大するにつれて減少していることがわかる。なお、図17における符号Lcはコヒーレンス長を示している。
ここで、約400nm周期でTHGの強度が振動する理由は、位相整合条件が成り立っていない(すなわち位相不整合になっている)ことによる。励起レーザ光(以下「基本波」と称することがある)の波長、屈折率の実部、屈折率の虚部、波数をそれぞれλ,n,kとし、三倍波の波長、屈折率の実部、屈折率の虚部、波数をλ,n,kとすると、波数の定義から
Figure 0007385209000001
である。ここで
Figure 0007385209000002
とおくと、コヒーレンス長Lcは、
Figure 0007385209000003
とあらわされる(参考:黒田「非線形工学デバイスの物理」,光学,38巻第8号p408(2009)の式(11))。媒質の厚さがコヒーレンス長Lcより大きくなると、変換効率は減少に転じ、2Lcを超えるとまた増大を繰り返すため、膜厚に対して2Lc周期で、THG強度が振動する。
一方、THG強度の包絡線が膜厚に対して減少する理由は、発生した真空紫外のTHGに対して吸収が生じるためである。THGが媒質の中を通る距離が長いほど吸収量が大きくなるため、THG強度は全体的に減少していく。
上記の理由により、図17に示すように、膜厚が約Lcの場合にTHG強度は最大となる。
ただし、基本波および三倍波の波長が短くなって吸収が大きくなり、Lcよりも短い距離でTHGが誘電体に吸収されてしまうようになると、膜厚をLcまで厚くする意味はなくなってしまう。光が物質に吸収される典型的な距離である侵入長δの大きさは
Figure 0007385209000004
で表されるため、第三次高調波の侵入長
Figure 0007385209000005
がLcより大きい場合にのみ上記の議論は成り立つ。
侵入長を考慮したときの、Lcの具体的な膜厚を検討する。いくつかの典型的な誘電体について、文献値に基づいてLc,δ3の、三次高調波の波長に対する依存性をプロットしたものを図18に示す。
THG波長200nmから、波長が短くなるにつれてLcは単調減少する。波長100nm近傍でLcは大きく増大するが、この波長領域では侵入長δ3がLcよりも小さくなっているため、膜厚を大きくしてもTHG強度は増大しない。これらの特性に鑑みると、Lcの最大値は、真空紫外領域の最長波長である190nm近傍でのLcの値であり、誘電体2の膜厚も、この値程度にするのが好ましいと考えられる。
上記のグラフを見ると、三次高調波の波長が190nmの場合におけるLcは、図18のそれぞれのグラフにおいて約1000nm、約2000nm、約500nmである。図17に示したように、LcはTHG強度のピークを与える厚さであり、これより多少厚くても使用上は問題ない。また一般に、誘電体における真空紫外領域での屈折率は、それほど大きくは物質に依存しない。このような状況に鑑みると、誘電体2の膜厚は5μm以下とすることがより好ましいと考えられる。
あるいは、前記したLc及びδのうち、大きいほうの値の3倍以下、より好ましくは2倍以下の膜厚とすることが好ましいともいえる。
なお、本発明の内容は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、具体的な構成に対して種々の変更を加えうるものである。
例えば、前記した実施形態では、高調波の次数NとしてN=3としたが、必要な強度の高調波が得られるのであれば、N=2でもよく、N≧4でもよい。ただし、誘電体薄膜を波長変換素子として用いる場合は、N=3とすることが最も好適と考えられる。
1 光源
11 励起レーザ光
2 誘電体
21 真空紫外光
22 空孔部
3 レンズ
4 容器
41 窓
5 フィルタ
51 通路
6 分光器
7 検出器
8 基板
9 レジスト層
10 保護層
101 偏光子
102 λ/4波長板
104 光電子増倍管
105 電流電圧変換アンプ
106 オシロスコープ
201 真空紫外用λ/4波長板
202 真空紫外用偏光子

Claims (11)

  1. 少なくとも裏面側が真空中に露出された薄膜状の誘電体の表面に向けて、前記誘電体を透過可能な波長を有する励起レーザ光を照射するステップと、
    前記励起レーザ光の照射によるN次高調波として、真空紫外光を、前記誘電体の裏面方向に向けて発生させるステップとを有しており、
    ここでN≧2である
    真空紫外光の発生方法。
  2. N=3であり、
    前記励起レーザ光の波長は600~200nmの範囲におけるいずれかの波長である
    請求項1に記載の真空紫外光の発生方法。
  3. 前記誘電体は、Al、SiO、MgF、CaF2、LiFのいずれかの結晶である
    請求項1又は2に記載の真空紫外光の発生方法。
  4. 前記誘電体は、γ-Alの結晶である
    請求項1又は2に記載の真空紫外光の発生方法。
  5. 前記誘電体は、Si基板上に前記γ-Alの層をエピタキシャル成長させた後、前記Si基板を除去することによって製造されたものである
    請求項4に記載の真空紫外光の発生方法。
  6. 前記誘電体は、前記励起レーザ光の照射方向と交差する方向に延在する(N+1)回回転対称構造を有しており、ここでNは前記N次高調波におけるNであり、
    前記励起レーザ光は、円偏光とされており、
    前記(N+1)回回転対称構造を前記励起レーザ光が透過することによって、円偏光の前記真空紫外光を発生させる
    請求項1~5のいずれか1項に記載の真空紫外光の発生方法。
  7. 前記励起レーザ光における円偏光の回転方向を変更することにより、前記真空紫外光における円偏光の回転方向を変更するステップを有する
    請求項6に記載の真空紫外光の発生方法。
  8. 少なくとも裏面側が真空中に露出された薄膜状の誘電体と、
    前記誘電体の表面に向けて、前記誘電体を透過可能な波長を有する励起レーザ光を照射する光源とを備えており、
    前記誘電体は、前記励起レーザ光の照射によるN次高調波として、真空紫外光を、前記誘電体の裏面方向に向けて発生させる構成となっており、
    ここでN≧2である
    真空紫外光の発生装置。
  9. N=3であり、
    前記励起レーザ光の波長は600~200nmの範囲におけるいずれかの波長である
    請求項8に記載の真空紫外光の発生装置。
  10. 前記誘電体は、前記励起レーザ光の照射方向と交差する方向に延在する(N+1)回回転対称構造を有しており、ここでNは前記N次高調波におけるNであり、
    前記励起レーザ光は、円偏光とされており、
    前記(N+1)回回転対称構造を前記励起レーザ光が透過することによって、円偏光の前記真空紫外光を発生可能とされている
    請求項8又は9に記載の真空紫外光の発生装置。
  11. 前記誘電体の膜厚は10μm以下である
    請求項8~10のいずれか1項に記載の真空紫外光の発生装置。
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