JP7385130B2 - 走行解析方法及び走行解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行解析方法及び走行解析装置に関する。
自動車車体が走行中に荷重を受け変形する際は、荷重-変位の関係が線形にならず、また、載荷と除荷の過程において異なる経路をたどる。つまり、ヒステリシスが生じる。この車体のヒステリシスは操縦安定性の低下やドライバの官能評価を悪化を生じさせる。このため、車体のヒステリシスを低減することにより操縦安定性の低下を防ぎ、ドライバイの官能評価の悪化を防ぐことが求められる。
非特許文献1では、車体を構成する部品の板間摩擦によって構造ヒステリシスが生じることを実験的及び数値解析的に明らかにしている。さらに、その構造ヒステリシスが生じる車体モデルを走行解析モデルに搭載し、構造ヒステリシスが操縦安定性、具体的には、ヨーレートの立ち上がりに対して影響を与えることが開示されている。
「操安性能に影響する車体剛性非線形性の解析」、熊本雅比古、岡野恭久、中島次郎、赤松博道、松本哲郎、南部明宏、福島英樹、2017年秋季大会学術講演会講演予稿集、No.157-17、pp.1240-1245、大阪、2017、自動車技術会
しかしながら、数値解析を用いてヒステリシスの操縦安定性への影響を定量的に評価する技術はほとんど無いといってよい。上記非特許文献1記載の技術もヒステリシスの変化と共に剛性も変化する解析モデルでの評価に留まる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、剛性と車体のヒステリシスが操縦安定性に及ぼす影響をそれぞれ独立して定量化することができる走行解析方法及び走行解析装置を提供するものである。
第1態様に係る走行解析方法は、コンピュータが、車両の予め定めた1つ以上の場所において、6自由度の変位に対する剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイント部を有し、前記ジョイント部と前記車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを結合した走行解析モデルに対して、前記車両の各自由度に対する剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能な解析条件を設定し、設定された解析条件で前記走行解析モデルにおける前記車両の走行を解析し、前記車両の走行を解析することにより得られた操縦安定性に関する評価値を出力する。
第2態様に係る走行解析方法は、前記走行解析モデルは、前記車両の予め定めた方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイント部が前記車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを接続するシャフト上に1つ以上設けられたモデルである。
第3態様に係る走行解析方法は、前記ジョイント部は、前記車両の前後方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有する第1のジョイント部と、前記車両の上下方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有する第2のジョイント部と、を含む。
第4態様に係る走行解析方法は、前記評価値は、ステップ操舵応答解析における横滑り角定常値、ヨー速度ピーク到達時間、及びヨー加速度ピーク値、並びに、前記横滑り角定常値、前記ヨー速度ピーク到達時間、及び前記ヨー加速度ピーク値の少なくとも二つから演算される値、の少なくとも一つを含む。
第5態様に係る走行解析方法は、前記評価値は、横滑り角定常値をヨー加速度ピーク値で除算した値の絶対値を含む。
第6態様に係る走行解析装置は、車両の予め定めた1つ以上の場所において、6自由度の変位に対する剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイント部を有し、前記ジョイント部と前記車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを結合した走行解析モデルに対して、前記車両の剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能な解析条件を設定する設定部と、設定された解析条件で前記走行解析モデルにおける前記車両の走行を解析する解析部と、前記車両の走行を解析することにより得られた操縦安定性に関する評価値を出力する出力部と、を備える。
本発明によれば、剛性と車体のヒステリシスが操縦安定性に及ぼす影響をそれぞれ独立して定量化することができる。
走行解析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 走行解析装置の機能構成を示すブロック図である。 走行解析モデルの斜視図である。 走行解析処理のフローチャートである。 車体ねじり変形に関係するジョイントXの構造ヒステリシスに対する評価値の変化率の一例を表す線図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1には、本実施の形態に係る走行解析装置10の構成図である。走行解析装置10は、一般的なコンピュータを含む装置であり、例えばパーソナルコンピュータ等で構成される。
図1に示すように、走行解析装置10は、コントローラ12を備える。コントローラ12は、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、不揮発性メモリ12D、及び入出力インターフェース(I/O)12Eを備える。そして、CPU12A、ROM12B、RAM12C、不揮発性メモリ12D、及びI/O12Eがバス12Fを介して各々接続されている。
また、I/O12Eには、操作部14、表示部16、通信部18、及び記憶部20が接続されている。
操作部14は、例えばマウス及びキーボードを含んで構成される。
表示部16は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される。
通信部18は、外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースである。
記憶部20は、ハードディスク等の不揮発性の記憶装置で構成され、後述する走行解析プログラム20A等を記憶する。CPU12Aは、記憶部20に記憶された走行解析プログラム20Aを読み込んで実行する。
次に、走行解析装置10が走行解析プログラム20Aを実行する場合におけるCPU12Aの機能構成について説明する。
図2に示すように、CPU12Aは、機能的には、設定部30、解析部32、及び出力部34を備える。
設定部30は、図3に示すように、車両40の前後方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有する第1のジョイント部42-1と、車両40の上下方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有する第2のジョイント部42-2と、が車両40のフロントサスペンション部44Fとリアサスペンション部44Rとを接続するシャフト46上に設けられた走行解析モデルに対して、車両40の解析条件を設定する。解析条件についての詳細は後述する。
解析部32は、設定部30により設定された解析条件で走行解析モデルにおける車両40の走行を解析する。
出力部34は、解析部32が車両40の走行を解析することにより得られた操縦安定性に関する評価値を出力する。評価値についての詳細は後述する。
なお、以下では、第1のジョイント部42-1を単にジョイントXと称する場合がある。また、第2のジョイント部42-2を単にジョイントZと称する場合がある。また、ジョイントX及びジョイントZを区別しない場合には、単にジョイントと称する場合がある。
本実施形態に係る走行解析モデルは、車両40の車体の剛性及び構造ヒステリシスが考慮されたモデルである。構造ヒステリシスは、荷重と変位との関係が載荷と除荷の過程において異なる経路を形成することである。
以下、車体の剛性及び構造ヒステリシスモデルについて説明する。
<車体の剛性及び構造ヒステリシスモデル>
走行解析において、車体の構造ヒステリシスを車体の構造解析モデルによって表現することは、特に、陰解法による数値解析では、収束性の確保と計算コスト抑制の観点から困難であると言わざるを得ない。そのため、本実施形態では、簡素なジョイントX、Zを用い、走行解析における車体の代表的な変形形態における剛性及びヒステリシスを表現する。
本実施形態で扱う車体の変形形態は、二つの車体全体の変形形態、すなわち車体ねじり及びフロント横曲げである。車体ねじりとは、車両40のフロントサスペンション部44Fとリアサスペンション部44Rとがx軸周りに回転することにより、ねじれた状態となることをいう。また、フロント横曲げとは、フロントサスペンション部44Fがz軸周りに回転することにより曲げられた状態となることをいう。何れの変形形態も車体中のある点を中心に回転する変形としてとらえ、走行解析モデルに導入するジョイントX、Zは、一軸周りのみに自由度を持つ回転ジョイントとする。
ヒステリシスを表現する数学モデルはいくつか存在するが、比較的少ないパラメータで様々なヒステリシスカーブ形状を表現することができるBouc-Wenモデルがある。下記(1)式で示すように、変位角θに対して発生するモーメントMを、ジョイントの回転剛性cを用いて、変位角θに対する線形成分Mlinと構造ヒステリシス成分Mhysの線形和として表す。
・・・(1)
ここで、h(t)は、下記(2)式で表されるヒステリシス関数である。

・・・(2)
また、A、B、C、n、及びθ は、ヒステリシスの形を決めるパラメータである。Aは、ヒステリシスの大きさを定めるパラメータであり、Aが小さいほどヒステリシスが大きいことを示す。
上記(2)式のパラメータを変更することで、様々なヒステリシスカーブを描くことができる。
本実施形態では、一例として、車体の旋回時における二つの変形形態である、車体ねじり及びフロント横曲げにおける、剛性及び構造ヒステリシスが予め定めた基準条件の車体を基準モデルとして、Bouc-Wenモデルのパラメータを下記表1のように定める。なお、剛性はCを変更することで、ヒステリシスの大きさはAを変更することで、走行解析モデル中の車体の剛性と構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能である。
<構造ヒステリシスを考慮した走行解析モデル>
走行解析モデルは、汎用の機構解析ソフトウエア等で構築が可能である。本実施形態では、一例としてADAMS/Car(以下、ADAMSと称する)を用いて構築する。ADAMSにおける一軸回転ジョイントを用い、ジョイントX及びジョイントZの回転を表現する。ジョイントに生じる変位角及びその履歴を引数とした反力要素を用いたユーザサブルーチンによって、構造ヒステリシスを含む反力(反モーメント)を再現することができる。
図3に示すように、走行解析モデルの対象である車両40は、本実施形態では一例として市場に多く出回っているミドルクラスハッチバックタイプ(5ドア)である。タイヤ、サスペンションリンク、及びステアリング機構を有するフロントサスペンション部44Fの後方にz軸周りにのみ回転を許容し剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイントZ(第2のジョイント部42-2)を、その後方にある重心位置にx軸周りにのみ回転を許容し剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイントX(第1のジョイント部42-1)を、その後方にタイヤ及びサスペンションリンク機構を有するリアサスペンション部44Rを配置する。フロントサスペンション部44F、ジョイントZ、ジョイントX、及びリアサスペンション部44Rは、一列に剛体梁で連結される。そして、解析対象の車両40の車体の重量、重心位置及び各軸の慣性モーメントを再現するように、質量と慣性モーメントが配置される。
サスペンションを構成する、サブフレーム、リンク類、及びステアリング機構は、全て剛体リンクで構成され、締結点(ハードポイント)は車両40の車体を再現する。
本実施形態では、ADAMSを用いて、走行解析モデルに対してステップ操舵応答解析を実行する。ステップ操舵応答解析とは、走行解析モデルの車両40を一定速度で直進させ、所定の操舵角をステップ状に入力し、その後の過渡状態から定常状態に至るまでの車両運動に関する物理量を解析するものである。なお、解析される物理量としては、例えば横加速度、ヨー速度、及び横滑り角等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
<走行解析処理>
以下、CPU12Aで実行される走行解析処理について図4に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図4に示す走行解析処理は、例えば、ユーザーの操作により走行解析プログラムの実行が指示された場合に、記憶部20から走行解析プログラムが読み込まれることにより実行される。
ステップS100では、ADAMSによる車両40の走行解析モデルに対して走行解析処理を行う場合の解析条件を設定する。解析条件としては、初期速度、最大操舵角、ヒステリシス、ジョイントXの回転剛性を表すパラメータcJx、ジョイントXのヒステリシスの形を表すパラメータθ Jx、AJx、BJx、CJx、nJx、ジョイントZの回転剛性を表すパラメータcJz、ジョイントZのヒステリシスの形を表すパラメータθ Jz、AJz、BJz、CJz、nJzが挙げられる。なお、前述したように、ジョイントX、Zのヒステリシスの形を表すパラメータについては、剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能となるように適切に設定する。
ステップS102では、ステップS100で設定された解析条件によるステップ操舵応答解析を、ADAMS/Car Full Vehicle Analysis:Open-loop Step Steeringにより実行する。
具体的には、車両40を一定速度で直進させた状態から、短時間でステアリングホイールを回転させ一定の操舵角で保持した際の車両運動について解析する。
解析の手順は、まず、時刻t=0の走行開始時に車両40の釣り合いを計算し、姿勢を定める。次に、時刻t=1(秒)において操舵を開始し、時刻t=1.2(秒)において所定の操舵角に到達する。操舵の開始直後及び最大操舵角直前においては、滑らかに操舵速度を変化させる。時刻t=1.2(秒)以降は、操舵角を保持したまま時刻t=9(s)までの車両40の運動を解析する。
このステップ操舵応答解析により、時刻t=0~9(s)まで所定の時間間隔で車両40の横加速度、ヨー速度、及び横滑り角が解析結果として算出される。
ステップS104では、ステップS102の走行解析処理による解析結果に基づいて、操縦安定性に関する評価値を算出する。
操縦安定性に関する評価値は、一例として横滑り角定常値、ヨー速度ピーク到達時間、及びヨー加速度ピーク値の少なくとも一つを含んでもよい。また、評価値は、横滑り角定常値、ヨー速度ピーク到達時間、及びヨー加速度ピーク値の少なくとも二つから演算される値を含んでも良い。すなわち、評価値は、ヨー速度ピーク到達時間、ヨー加速度ピーク値、及び前記演算される値の少なくとも一つを含んでも良い。前記演算される値としては、具体的には、横滑り角定常値及びヨー速度ピーク到達時間から算出されるTBファクタ、及び、横滑り角定常値及びヨー加速度ピーク値から算出されるBAファクタの少なくとも一つを含んでも良い。なお、本実施形態では、評価値として横滑り角定常値及びヨー加速度ピーク値の少なくとも一方を含む。また、横滑り角定常値、ヨー加速度ピーク値、及びBAファクタを採用した場合について説明するが、評価値はこれらに限られるものではない。
横滑り角定常値は、ステップS102で算出された各時刻の横滑り角の定常値である。横滑り角定常値を評価値として採用するのは、横滑り角の絶対値を低く抑えるほど、中高速域における操縦安定性が良くなることや、ドライバの危険感を低減することができることが知られているためである。
ヨー加速度ピーク値は、ステップS102で算出された各時刻のヨー速度から求めたヨー加速度の最大値である。ヨー加速度ピーク値を評価値として採用するのは、ヨー運動に関して人間はヨー速度の変化を知覚していることが知られており、ヨー速度の変化であるヨー加速度がドライバの官能評価に相関があることが予想されるためである。
BAファクタは、横滑り角定常値をヨー加速度ピーク値で除算した値の絶対値である。BAファクタは、評価値として採用するのは、応答の素早さと車両姿勢の安定性を総合的に評価するためである。なお、BAファクタの値が小さいほど、操縦安定性に関して高い官能評価を表す。
ステップS106では、ステップS104で算出した評価値を出力する。すなわち、評価値を表示部16に表示させたり、記憶部20に記憶させたりする。
このような処理を、様々な解析条件で行うことにより、一例として図5に示すような解析結果が得られる。
図5には、車体ねじり変形に関係するジョイントXの構造ヒステリシスの大きさを定めるパラメータAに対する横滑り角定常値、ヨー加速度ピーク値、及びBAファクタの変化率の一例を示した。車両40の速度は120km/hである。また、最大操舵角(steering angle)は60度である。
図5に示すように、構造ヒステリシスの増加(Aの低下)に伴いヨー加速度ピーク値は低下し、応答性が低下することがわかる。また、構造ヒステリシスの増加(Aの低下)に伴い、横滑り角定常値(絶対値)は増加し、ヨー加速度ピーク値は低下するため、BAファクタは増加する。
このように、本実施形態では、剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることができるBouc-Wenモデルを用いた走行解析モデルに対して走行解析処理を実行することにより、操縦安定性に関する評価値を算出する。これにより、剛性を変化させずに車体のヒステリシスが操縦安定性に及ぼす影響を、少ない計算コストで定量化することができる。
なお、本実施形態では、走行解析モデルが第1のジョイント部42-1及び第2のジョイント部42-2を含む場合について説明したが、何れか一方のジョイント部を含む構成としてもよい。この場合、走行解析モデルが第1のジョイント部42-1のみを含む場合は、車体ねじり変形に関する評価値のみが出力される。一方、走行解析モデルが第2のジョイント部42-2のみを含む場合は、フロント横曲げに関する評価値のみが出力される。
また、本実施形態では、車体変形をジョイントX及びジョイントZの2つのジョイントを用い、車体のねじり及びフロント横曲げ変形を表現した走行解析モデルを使用しているが、車体縦曲げを表現するY軸周りに回転可能なジョイントを加えてもよい。また、各軸周りの回転ジョイントを複数個所に設定し、それらを結合することでより複雑な車体変形とその変形に伴うヒステリシスを表現可能なモデルを使用してもよい。
さらに、並進変形に対する剛性とヒステリシスを有するジョイントを車両の予め定めた1つ以上の場所に使用してもよい。例えば一カ所に3方向並進と3方向軸周り回転の6自由度の変位に対する剛性及びヒステリシスを有するジョイント部を有し、このジョイント部と車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを結合した走行解析モデルであって、局所的な変形や詳細な車体変形に対する剛性とヒステリシスを表現可能な走行解析モデルを用いてもよい。この場合、設定部30は、車両の各自由度に対する剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能な解析条件を設定する。
また、本実施形態では、走行解析ソフトADAMS/Carを使用しているが、他の汎用走行解析ソフトや自作の走行解析プログラムを使うことも可能であり、使用者の環境に応じて解析ソフトを選定してもよい。
また、本実施形態では、走行解析プログラムが記憶部20に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。走行解析プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、走行解析プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
10 走行解析装置
12 コントローラ
14 操作部
16 表示部
18 通信部
20 記憶部
20A 走行解析プログラム
30 設定部
32 解析部
34 出力部
40 車両
42-1 第1のジョイント部
42-2 第2のジョイント部

Claims (6)

  1. コンピュータが、
    車両の予め定めた1つ以上の場所において、6自由度の変位に対する剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイント部を有し、前記ジョイント部と前記車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを結合した走行解析モデルに対して、前記車両の各自由度に対する剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能な解析条件を設定し、
    設定された解析条件で前記走行解析モデルにおける前記車両の走行を解析し、
    前記車両の走行を解析することにより得られた操縦安定性に関する評価値を出力する
    走行解析方法。
  2. 前記走行解析モデルは、前記車両の予め定めた方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイント部が前記車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを接続するシャフト上に1つ以上設けられたモデルである
    請求項1記載の走行解析方法。
  3. 前記ジョイント部は、前記車両の前後方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有する第1のジョイント部と、前記車両の上下方向の軸周りに回転し、剛性及び構造ヒステリシスを有する第2のジョイント部と、を含む
    請求項2記載の走行解析方法。
  4. 前記評価値は、ステップ操舵応答解析における横滑り角定常値、ヨー速度ピーク到達時間、及びヨー加速度ピーク値、並びに、前記横滑り角定常値、前記ヨー速度ピーク到達時間、及び前記ヨー加速度ピーク値の少なくとも二つから演算される値、の少なくとも一つを含む
    請求項1~3の何れか1項に記載の走行解析方法。
  5. 前記評価値は、横滑り角定常値をヨー加速度ピーク値で除算した値の絶対値を含む
    請求項4記載の走行解析方法。
  6. 車両の予め定めた1つ以上の場所において、6自由度の変位に対する剛性及び構造ヒステリシスを有するジョイント部を有し、前記ジョイント部と前記車両のフロントサスペンション部とリアサスペンション部とを結合した走行解析モデルに対して、前記車両の剛性及び構造ヒステリシスを独立して変化させることが可能な解析条件を設定する設定部と、
    設定された解析条件で前記走行解析モデルにおける前記車両の走行を解析する解析部と、
    前記車両の走行を解析することにより得られた操縦安定性に関する評価値を出力する出力部と、
    を備えた走行解析装置。
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