JP7385097B2 - 体勢サポートシステム - Google Patents

体勢サポートシステム Download PDF

Info

Publication number
JP7385097B2
JP7385097B2 JP2018101112A JP2018101112A JP7385097B2 JP 7385097 B2 JP7385097 B2 JP 7385097B2 JP 2018101112 A JP2018101112 A JP 2018101112A JP 2018101112 A JP2018101112 A JP 2018101112A JP 7385097 B2 JP7385097 B2 JP 7385097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
seated person
health condition
person
biological information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018101112A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019206196A (ja
Inventor
生佳 伊藤
悠太 伊波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to JP2018101112A priority Critical patent/JP7385097B2/ja
Priority to PCT/JP2019/014459 priority patent/WO2019194121A1/ja
Publication of JP2019206196A publication Critical patent/JP2019206196A/ja
Priority to JP2023191209A priority patent/JP2024009043A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7385097B2 publication Critical patent/JP7385097B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)

Description

本発明は、シートに着座した着座者の体勢を安静な状態に導く体勢サポートシステムに関する。
車両を運転する運転者の健康状態が悪化した場合、車両の運転に悪影響を及ぼすおそれがあるため、健康状態の悪化を事前に検知して何らかの対策を施すことが望ましい。このような対策として、シートの座面及び背面部に埋め込まれるようにして設けられた非接触式の血流センサーによる脈波等の計測結果に基づいて、血流や血圧等の生体情報を推定して運転者の健康状態を把握する技術が知られている(特許文献1参照。)。
特開2016-168177号公報
ところが、特許文献1に記載の技術では、シートに着座した人(着座者)の健康状態の把握はできても、実際に健康状態が悪化した際の対処が難しい場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、着座者の健康状態が悪化した場合にその異常を検知し、乗員を安静な体勢に導くことである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、体勢サポートシステムであって、複数の形態に変更可能に構成されたシートと、
前記シートに着座した着座者の生体情報を検出するための生体情報検出手段と、
前記生体情報検出手段によって検出された生体情報に基づいて、着座者の健康状態を診断する診断部と、
座者の健康状態を診断するにあたって基準となる閾値を、前記診断部による生体情報の診断結果に応じて設定しなおす閾値設定部と、
前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者を安静な体勢に導くように前記シートの形態を変更する制御を行うシート変形部と、
前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者に対して前記シート変形部によって前記シートの形態を変更するか否かを選択させる選択部と、
前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者の意識の有無を確認する意識確認手段と、
を備えており、
前記シート変形部は、着座者による前記選択部の選択に応じて前記シートの形態を変更するか、着座者による前記選択部の選択が行われなかった場合に、自動で前記シートの形態を変更し、
前記意識確認手段によって着座者に意識があることが確認できる場合においては、着座者による前記選択部の選択が行われなくても、前記シート変形部は、前記シートの形態を変更しないことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の体勢サポートシステムにおいて、前記シート変形部は、前記診断部による診断結果に基づいて自動で前記シートの形態を変更する制御を行うことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の体勢サポートシステムにおいて、前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者の健康状態を通知する通知手段を備えており、
前記通知手段による着座者の健康状態の通知先は、着座者の健康状態の緊急度合いに応じて異なることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の体勢サポートシステムにおいて、前記通知先は、着座者の健康状態の緊急度合いが低程度の場合には前記シートの周囲とされ、中程度の場合には着座者の家族とされ、高程度の場合には医療機関又は消防署とされていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の体勢サポートシステムにおいて、前記シートは、シート本体として、着座者の臀部及び大腿部を支持するシートクッションと、下端部が前記シートクッションに支持されたシートバックと、を備えており、
前記シートクッション及び前記シートバックは、前記シート変形部による形態変更の制御が可能に構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の体勢サポートシステムにおいて、前記シートは、前記シート本体に付属するとともに前記シート本体に対して動作し、着座者の身体の一部が接触する可動部を備えており、
前記可動部は、前記シート変形部による形態変更の制御が可能に構成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の体勢サポートシステムにおいて、前記生体情報検出手段は、前記シート本体又は/及び前記可動部に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の体勢サポートシステムにおいて、体勢サポートに必要な各種データが記憶された記憶部を備えており、
前記各種データには、
前記生体情報検出手段から送信された生体情報に係るデータと、
生体情報から着座者の健康状態を診断するにあたって基準となる前記閾値のデータと、
生体情報に基づいて診断された着座者の健康状態が異常だった場合に、その異常のレベルを判断するにあたって基準となる異常レベル判断用データと、が含まれていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、生体情報検出手段によって着座者の生体情報を検出し、診断部によって着座者の健康状態を診断するので、着座者の健康状態が悪化した場合にその異常を検知できる。さらに、シート変形部によってシートの形態を変更することで着座者を安静な体勢に導くので、健康状態が悪化した着座者を安静な状態にすることができる。
また、シート変形部によってシートの形態を変更するか否かの判断を着座者自身に委ねることができるので、シート変形部によるシートの形態変更の制御において、着座者による着座者自身の状態に合わせた適切な対処が行いやすい。
また、着座者による選択部の選択が行われない状態を、着座者の健康状態の悪化と判断し、可及的速やかに着座者を安静な体勢に導きやすい。
また、意識確認手段によって着座者の意識がない場合の対処を可及的速やかに行いやすい。
しかも、意識があっても選択部による選択を行えない場合を考慮することができるので、例えば運転で手が離せない状態のときなど、着座者の意にそぐわないタイミングでシートの形態が変更されることを防ぐことができる。
請求項2に記載の発明によれば、シート変形部によってシートの形態を変更するか否かの判断を診断部による診断結果に基づいて自動で行うことができるので、シート変形部によるシートの形態変更の制御において、診断部による診断結果に基づいた適切な対処が行いやすい。
請求項に記載の発明によれば、例えば緊急度合いが低程度であるのにもかかわらず医療機関又は消防署に通知してしまうような誤通知を防ぎ、緊急度合いに応じた適切な通知を行いやすい。
請求項に記載の発明によれば、緊急度合いに応じた適切な通知を行いやすく、通知を受けた側も適切な対処を行いやすい。
請求項に記載の発明によれば、シート本体であるシートクッション及びシートバックを、シート変形部によって形態変更の制御を行うことができるので、シートを大きく変形させることができ、着座者が安静な体勢になりやすい。
請求項に記載の発明によれば、シート本体だけでなく、シート本体に付属する可動部も、シート変形部によって形態変更の制御を行うことができるので、シートの細かい部分も変形させることができ、着座者が安静な体勢になりやすい。
請求項に記載の発明によれば、生体情報検出手段は、シート本体又は/及び可動部に設けられているので、着座者の身体のうち胴体又は/及び胴体以外の部分から生体情報を取得しやすい。
シートを示す斜視図である。 シートクッションに対する生体センサーの配置例を説明する図である。 シートバックに対する生体センサーの配置例を説明する図である。 体勢サポートシステムの構成を示すブロック図である。 体勢サポートシステムが組み込まれた乗物の室内を後方から見たときの概略図である。 シートの形態変更の一例を示す図である。 シートの形態変更の一例を示す図である。 着座者の健康状態を通知するための通知手段を説明する図である。 体勢サポートシステムによるシートの形態変更の流れを説明するフローチャートである。 可動部を備えたシートの形態変更の一例を示す図である。 シートクッションのクッションパッドの構造を表す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本実施形態における体勢サポートシステムは、シート10に着座した人(着座者)の体勢を安静な状態に導くためのものである。このような体勢サポートシステムは、複数の形態に変更可能に構成されたシート10と、シート10に着座した着座者の生体情報を検出するための生体情報検出手段と、生体情報検出手段によって検出された生体情報が特定の状態になったと診断された場合に着座者が安静な体勢になれるようにシート10やその周辺機器、各種機能を動作させる制御装置40と、を備えている。
シート10は、乗物用シートであり、本実施形態においては、乗用車の運転席用シートとされている。ただし、これに限られるものではなく、乗用車の運転席以外のシートでもよいし、バスやトラック等の他の自動車におけるシートでもよいし、鉄道や船舶、航空機等の自動車以外の乗り物におけるシートでもよい。
また、本実施形態における乗用車は、手動運転のみで走行するものでもよいし、自動運転(自動運転モード)と手動運転(手動運転モード)とを切り替えて走行可能なものであってもよい。説明の便宜上、以下では、自動運転と手動運転とを切り替えて走行可能な乗用車の場合について説明する。
シート10は、複数の形態に変更可能に構成されたものであり、人の臀部及び大腿部を支持するシートクッション11と、下端部がシートクッション11に支持されて背もたれとなるシートバック14と、シートバック14に設けられて人の頭部を支持するヘッドレスト17と、を備える。
シートクッション11は、骨格となるシートクッションフレームと、シートクッションフレーム上に設けられたクッションパッド12と、シートクッションフレーム及びクッションパッド12を被覆する表皮13と、から主に構成されている(図2参照)。また、シートクッション11の左右側端部には、着座者のホールド性を高めるために膨出する土手部11aが形成されている。
本実施形態のシートクッション11は、さらにクッションパッド12と表皮13との間に設けられたシートヒーター20を備えている。
クッションパッド12の上面には、シート10の左右方向に長尺な溝12aが形成されている。溝12aは、クッションパッド12の上面を前後方向に区分けするようにして、クッションパッド12の上面に2本設けられている。すなわち、クッションパッド12の上面は、前方側と、中央側と、後方側に区分けされている。
シートバック14は、骨格となるシートバックフレームと、シートバックフレーム上に設けられたクッションパッド15と、シートバックフレーム及びクッションパッド15を被覆する表皮16と、から主に構成されている(図3参照)。また、シートバック14の左右側端部には、着座者のホールド性を高めるために膨出する土手部14aが形成されている。
本実施形態のシートバック14は、さらにクッションパッド15と表皮16との間に設けられたシートヒーター30を備えている。
クッションパッド15の前面には、シート10の左右方向に長尺な溝15aが形成されている。溝15aは、クッションパッド15の前面を上下方向に区分けするようにして、クッションパッド15の前面に2本設けられている。すなわち、クッションパッド15の前面は、上方側と、中央側と、下方側に区分けされている。
シートクッション11におけるシートヒーター20は、シートクッション11を温める面状発熱体であって、図2に示すように、ポリエステルの布材等からなる面状の基材21と、基材21に接着固定される金属製のヒーター線22(電熱線ともいう)と、から主に構成されている。
ヒーター線22は、基材21上に接着固定されており、図2に示すように、シートクッション11の後方から2本のヒーター線22が前方に向って略平行に蛇行しており、前方部分にて連結されている。
なお、本実施形態のヒーター線22は、前後方向に略平行に蛇行して基材21上に固定されているが、これに限定されることなく、ヒーター線22の配置を適宜変更しても良い。また、ヒーター線22は、接着剤によって基材21上に固着されているが、ヒーター線22が基材21の内部に折り込まれるように固定されても良い。
ヒーター線22は、図2に示すように、クッションパッド12上面の前方側の区画に位置する前方ヒーター線22aと、中央側の区画に位置する中央ヒーター線22bと、後方側の区画に位置する後方ヒーター線22cと、前方ヒーター線22a、中央ヒーター線22b、後方ヒーター線22c同士を連結し、溝12a内部に差し込まれる溝部ヒーター線23とから構成されている。
シートバック14におけるシートヒーター30も同様に、基材31と、ヒーター線32と、から主に構成されている。
また、ヒーター線32は、図3に示すように、クッションパッド15前面の上方側の区画に位置する上方ヒーター線32aと、中央側の区画に位置する中央ヒーター線32bと、下方側の区画に位置する下方ヒーター線32cと、上方ヒーター線32a、中央ヒーター線32b、下方ヒーター線32c同士を連結し、溝15a内部に差し込まれる溝部ヒーター線33とから構成されている。
ヘッドレスト17は、下方に突出し、当該突出した部分が、シートバック14に設けられたヘッドレストピラー18(図7参照)と、ヘッドレストピラー18における上部の周囲に設けられたクッションパッドと、ヘッドレストピラー18の上部及びクッションパッドを被覆する表皮と、を備えている。また、ヘッドレスト17の左右側端部には、着座者における頭部のホールド性を高めるために、前側に膨出する土手部17aが形成されている。
なお、ヘッドレストピラー18は、ヘッドレスト17の下面から下方に突出する一対の支柱と、これら一対の支柱における上端部間に設けられた横軸部と、を有する。横軸部は、ヘッドレスト17の中央付近に位置する。
シート10が、自動運転と手動運転とを切り替えて走行可能な乗用車に設けられる場合、自動運転中は、運転者もリラックス状態でいられるため、シート10も手動運転に適さない形態に変更される。例えば、自動運転中のシート10を、後部座席側に向かって回転させたり、乗用車の前後方向にスライドさせたり、シートバック14をリクライニングさせたり、フラットな状態に変更したりすることができる。また、手動運転中若しくは手動運転のみで走行可能な乗用車の場合であっても、シート10を乗用車の前後方向にスライドさせたり、シートバック14の角度を変更したりすることができる。すなわち、本実施形態におけるシート10は、複数の形態に変更可能に構成されている。
また、その他にも、例えばシート10は、ヘッドレスト17が、シートバック14に対して上下方向や前後方向に移動したり、各土手部11a,14a,17aがその膨出度合いを調節するように前後方向に移動したりなど、様々な形態に変更可能となっている。
また、自動運転と手動運転とを切り替えて走行可能な乗用車を採用した場合は、図示はしないが、乗用車が、自動運転と手動運転とを切り替える運転制御部を備える。
運転制御部は、例えば高速道路から一般道路へと乗用車を移す際や、複雑な形状の道路に差し掛かった際に、自動運転から手動運転に切り替える制御を行う。このような場合に、運転者の健康状態に異常が発生していると、強制的に手動運転に切り替えられるのは好ましくない。また、反対に、手動運転中に運転者の健康状態が悪化した場合には、手動運転から自動運転に切り替えることも考えられ、以上のような場合には事前に健康状態を把握しておく必要がある。手動運転のみで走行可能な乗用車を採用した場合も、健康状態を把握できるようになっている。
なお、この運転制御部は、図示はしないが、制御装置40と接続されており、運転制御部による自動運転と手動運転とを切り替える制御と、制御装置40によるシート10を複数の形態に変更させる制御とを適宜連動させることができる。
以上のようなシート10には、当該シート10を複数の形態に変更可能にするために必要な各種変形機構及び各種駆動装置(モーターなど)が備えられている。
例えば、シートバック14をリクライニングさせる場合、シートクッション11の後端部とシートバック14の下端部との間には、シートバック14をシートクッション11に対して前後方向に回転可能とするリクライニング機構と、シートバック14をシートクッション11に対して前後方向に回転動作させる駆動装置と、が内蔵されている。その他にも、シート10を、後部座席側に向かって回転させたり、乗用車の前後方向にスライドさせたり、シートバック14をリクライニングさせたり、フラットな状態に変更したり、各土手部11a,14a,17aがその膨出度合いを調節するように前後方向に移動したりなど、様々な形態に変更可能にするために必要な各種変形機構及び各種駆動装置(モーターなど)が備えられている。
なお、各種変形機構及び各種駆動装置は、図4に示す例においては、変形機構50、駆動装置51として表すものとする。
また、シート10には、シート10に着座した着座者の生体情報を検出するための生体情報検出手段として生体センサー1が内蔵されている。より詳細に説明すると、本実施形態においては、図2,図3に示すように、生体センサー1が、シート本体であるシートクッション11及びシートバック14の双方に設けられており、シート10に着座した着座者の生体情報を検出できるようになっている。
なお、これに限られるものではなく、生体センサー1は、シートクッション11とシートバック14のうち、いずれか一方に設けられるものとしてもよいし、シート本体に付属するヘッドレスト17等の可動部に設けられてもよい(ヘッドレスト17以外の可動部については後述する。)。ただし、いずれの場合においても、生体センサー1は、シート10の複数の箇所に設けられているものとする。
本実施形態における生体センサー1は、体表の動きやヘモグロビン量の変化を計測して脈波を測定するためのものであり、電磁波によって人の生体情報を検出する非接触型とされ、被計測領域の皮膚表面に対向する位置の血流を計測することができる。
なお、電磁波とは、100MHz程度の電波やマイクロ波を始め、赤外光、可視光、紫外光、X線等を含む広義の電磁波を意味しており、人体に悪影響を及ぼさない範囲で好適な電磁波が使用される。
このような電磁波は、例えば鉄や銅、アルミ等を始めとする種々の金属を通過しにくいという特徴がある。そのため、本実施形態における生体センサー1は、シート10に対し、電磁波の通過を妨害する(おそれのある)部材を避けた位置に配置されている。特に、電磁波の通過を妨害する部材よりも着座面側に設けられることが望ましい。したがって、本実施形態における生体センサー1は、シートクッション11におけるシートヒーター20や、シートバック14におけるシートヒーター30よりも着座面側に設けられている。
なお、シート10における着座面とは、シートクッション11の場合は、人の臀部や大腿部が接する面を指し、シートバック14の場合は、人の背中(胸部側、腰部側)が接する面を指す。そのため、シートバック14における生体センサー1を、人の心臓の位置に対応して配置でき、胸部大動脈の血流状態を把握しやすくなる。また、シートクッション11における生体センサー1を、大腿部の位置に対応して配置でき、膝窩動脈の血流状態を把握しやすくなる。また、このような事情に鑑みると、生体センサー1は、着座者の身体の位置に対応して配置されることが望ましい。
また、本実施形態における生体センサー1のように、シート10の複数の箇所に、互いに離間して配置されていると、シート10に着座する人の心臓の位置(心臓があると推定される位置)から、一方の生体センサー1と他方の生体センサー1までの距離が算出できるため、血圧を測定する上で好ましい。
生体センサー1によって計測して得られた血流状態に係るデータを利用することで、例えば、血圧、心拍数(脈拍数)、呼吸数、動脈血中酸素飽和度(SpO2)など、シート10に着座する人の様々な生体情報の取得に対応することが可能となる。用いる生体センサーの種類によっては、応用的にストレスレベルや血管年齢なども取得することも可能となる。
生体センサー1によって血圧を検出する場合、血圧の高さを診断時の基準としてもよいが、血圧の低さを診断時の基準としてもよい。すなわち、医学用語として知られる「ショック又は循環性ショック」とは、主に血圧が下がって、瀕死の状態になる急性の症候群であり、生命の危険がある状態の一つとされている。そのため、運転中の安全性を確保するためには、血圧の高さだけでなく、血圧の低さも常に監視しておくことが望ましい。
なお、本実施形態における生体センサー1の種類は、上記のものに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
すなわち、生体センサー1は、着座者の生体情報を検出でき、システムが、検出された生体情報に基づいて、シート10の形態を変更するか、又は変更しない制御を行えればよいものとする。したがって、生体センサー1によって検出される生体情報も、血液の状態に係る情報に限られるものではなく、着座者の意識の有無や、着座者の体温、着座者の体動(体表の微妙な動き)等でもよい。
さらに、シート10には、シート10に対する人の着座を検知する着座センサー2が設けられている。本実施形態において、生体センサー1は、着座センサー2と連動しており、生体センサー1は、着座センサー2によって人の着座が検知された場合に作動するように設定されている。
なお、本実施形態における着座センサー2は、シート10に設けられた圧力センサーとされている。ただし、これに限られるものではなく、例えばシート10以外に設けられた赤外線センサー(いわゆる人感センサー)などでもよい。着座センサー2として圧力センサーが用いられる場合は、着座者の体重を測定できるようにしてもよい。
なお、体勢サポートシステムは、上記の生体センサー1の他にも、生体情報を含む着座者の状態を検出するための手段を備えている。当該他の手段として、本実施形態においては、例えばカメラ3と、呼吸センサー4と、温度センサー5が採用されている。
これらの各センサーによって検出されるデータは、上記の生体センサー1によって取得できる生体情報と組み合わせて用いられている。
カメラ3は、着座者の顔の状態や身体の状態を撮影し、外部に表れる着座者の生体情報を確認するためのものである。本実施形態においては、生体センサー1と組み合わせて、又は生体センサー1に代わる生体情報検出手段として用いられている。カメラ3で着座者を撮影することによって、例えば着座者が一定時間以上目を閉じている状態や、着座者の体動や体勢等を検出することができる。これにより、着座者が居眠りしていないかどうか、着座者の意識の有無、着座者の呼吸のリズム、着座者の体勢の傾き具合等を確認することができる。さらに、カメラ3の精度によって、撮影画像を顔色の変化の測定に用いることができ、顔色の変化によって着座者の脈波を検出することができる。
また、カメラ3は生体認証手段としても機能し、カメラ3によって、着座者が誰であるかを見分けることができる(主に、顔認証として利用される。)。
このようなカメラ3は、静止画を撮影するスチルカメラであっても動画を撮影するビデオカメラであってもよいが、着座者の状態を、着座者が着座している間撮影し続ける必要があることからビデオカメラとするのが好ましい。また、このカメラ3は、専用の装置としてもよいし、市販のカメラに通信機能を搭載したものとしてもよい。
また、カメラ3は、生体センサー1又は着座センサー2と連動して動作するように設定されていてもよいし、制御装置40から制御信号を受信したことに基づいて動作するように設定されていてもよい。カメラ3によって撮影された画像の画像データは制御装置40へ送信され、記憶部44に記憶されるようになっている。
また、カメラ3は、乗用車に対して、一つ又は複数備えられる。乗用車に対するカメラ3の設置箇所は、着座者を撮影することが可能な位置でさえあれば特に限定されるものではない。本実施形態においては、例えば図5に示すように、バックミラー52や、天井53、インパネ54、ドア55に、後方を撮影できるように設けられている。また、シート10が運転席でない場合は、図示はしないが、カメラ3を、助手席や後部座席の周囲に設けるようにしてもよい。
呼吸センサー4は、着座者の呼吸の状態を検出し、着座者の居眠りしていないかどうかを確認するためのものである。呼吸センサー4は、本実施形態においては生体センサー1と組み合わせて用いられているが、生体センサー1に代わる生体情報検出手段として用いられてもよいものとする。
具体的には、生体センサー1と同様に、マイクロ波等の電磁波を利用し、血中の二酸化炭素濃度を計測して呼吸の状態を検出している。ただし、これに限られるものではなく、マイクロ波等の電磁波を利用し、体表面の動きから呼吸を感知するタイプのものでもよいし、着座者が専用の呼吸検出器具を装着するなどして呼吸数を直接的に計測するタイプのものでもよい。また、圧力センサーによって体表の動きから呼吸の状態を検知するタイプであってもよい。
呼吸センサー4は、生体センサー1又は着座センサー2と連動して動作するように設定されていてもよいし、制御装置40から制御信号を受信したことに基づいて動作するように設定されていてもよい。呼吸センサー4によって取得したデータは制御装置40へ送信され、記憶部44に記憶されるようになっている。
呼吸センサー4の設置箇所は、特に限定されるものではないが、マイクロ波等の電磁波を利用する非接触式のセンサーを用いる場合は、心臓や肺の位置に近い位置が好ましく、呼吸数を直接的に計測するタイプの場合は、ヘッドレスト17のような着座者の頭部に近い位置が好ましい。圧力センサーを用いる場合は、シートクッション11上に配置されていることが好ましい。
温度センサー5は、着座者の体温を測定するためのものであり、例えば赤外線センサーが採用されている。温度センサー5は、本実施形態においては生体センサー1と組み合わせて用いられている。
このような温度センサー5による体温測定は、衣服などに遮られずに露出した頭部や頸部を狙って行われる。そのため、温度センサー5は、ヘッドレスト17やネックレストに設けられることが好ましい。
なお、上記の生体センサー1や各センサー2~5のような、生体情報を含む着座者の状態を検出するセンサー類は、シートクッション11やシートバック14、ヘッドレスト17に適宜設けられるものとしたが、これに限られるものではなく、シートクッション11のみ、又はシートバック14のみ、又はヘッドレスト17のみに、ひとまとめにして設けられるものとしてもよい。一方、ヘッドレスト17のような可動部は、運転中に発生する振動に共振しやすい場合があるため、センサー類は、あえて可動部を避けて設けられるようにしてもよい。
これらセンサー類がヘッドレスト17に設けられる場合は、ヘッドレストピラー18を避けて設けられるものとし、特にヘッドレストピラー18よりも着座者に近い側に設けられることが好ましい。また、センサー類がヘッドレスト17に設けられる場合は、ヘッドレスト17の表皮よりも内側に設けられることが好ましい。さらに、センサー類がヘッドレスト17に設けられる場合は、ヘッドレストピラー18における一対の支柱間に配置されることが好ましい。
本実施形態における体勢サポートシステムは、図4に示すように、必要に応じてシート10の着座者が安静な体勢になれるようにシート10やその周辺機器、各種機能を動作・実行させるための制御装置40を備えている。このような制御装置40は、制御部41と、入力部42と、出力部43と、記憶部44と、通信部45と、を有する。
また、制御装置40は、シート10に設けられた生体センサー1及び着座センサー2並びに上記の変形機構50及び駆動装置51と、上記周辺機器として乗用車の車内いずれかに設けられたカメラ3や呼吸センサー4と接続されており、各種信号、データ等の送受信が可能となっている。さらに、制御装置40は、乗用車のバッテリーを電源部としており、制御装置40に接続された上記の各種装置・各種センサー等は、制御装置40を介して電力の供給を受けるものとしてもよいし、電源部から電力の供給を直接受けてもよいものとする。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、当該制御部41による制御に基づいて、体勢サポートシステムにおける各種動作を実行することができる。
入力部42は、システムに対して各種データを入力するためのものである。
このような入力部42は、制御装置40を構成する筐体に設けられるものであってもよいし、シート10に周りに設置される機器の筐体に付属するボタンやタッチパネル等のような入力手段でもよいし、制御装置40に対して接続インターフェースによって接続された各種入力デバイスでもよい。また、着座者の声を拾うマイク(集音手段)であってもよい。ただし、本実施形態における入力部42は、着座者の手の届く範囲、声の届く範囲に設けられているものとする。
なお、本実施形態における入力部42は、後述するナビゲーション装置の表示部を構成するタッチパネル式のディスプレイとされており、当該表示部上で、システムにおける各種の操作やデータ入力を行うことができるようになっている。
出力部43は、体勢サポートシステムにおける各種動作の状態や動作の結果等を出力するためのものであり、各種画像や文字等を表示するディスプレイ、音声を出力する音声出力手段(スピーカー)、光を発する発光手段(LED:light emitting diodeなど)、振動を起こすバイブレーターなど、様々なものが挙げられる。各出力部43の設置箇所は、着座者の視界に入りやすい位置、着座者が音声を聞き取りやすい位置など、着座者又はシート10の周囲とされている。
音声出力手段からは、制御部41による制御に基づいて、着座者に対して音声による指示を与えるようにしてもよい。
このような出力部43は、制御装置40を構成する筐体に設けられるものであってもよいし、シート10に周りに設けられるものであってもよいし、制御装置40に対して接続インターフェースによって接続された各種入力デバイスでもよい。ただし、本実施形態における出力部43は、着座者の目の届く範囲に設けられているものとする。
なお、本実施形態における主たる出力部43は、図5に示す乗用車のインパネ54に設けられたナビゲーション装置における表示部とされている。当該表示部としては、タッチパネル式のディスプレイが採用されており、各種画像や文字等を表示することができる。発光手段等のその他の出力部43も適宜採用してもよい。
記憶部44は、例えばRAM、ROM、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブにより構成され、体勢サポートに必要な各種プログラムや各種データが記憶されている。
記憶部44に記憶された各種プログラムには、生体認証プログラム、診断プログラム、閾値設定プログラム、意識確認プログラム、異常レベル判断プログラム、シート変形プログラム、体温調節プログラム、通知プログラムを始め、様々なプログラムが含まれている。各種プログラムは、制御部41によって実行されてその機能を発揮する。これらの各種プログラムは、制御部41によって実行されてその機能を発揮する。
記憶部44に記憶された各種データには、生体センサー1から送信された生体情報に係るデータを始めとする、制御装置40に向けて送信された各種のデータが含まれている。その他にも、個別の着座者における生体情報に係るデータ(個別生体データ)、閾値データ、異常レベル判断用データ等が記憶されている。
また、個別の着座者ごとの名前や年齢、性別、身長、体重、顔写真、声等の基本情報に係るデータも記憶されているものとする。このような基本情報は、着座者個人を特定するために用いられるほか、身長や体重、年齢や性別などを生体情報の診断を行う際の補正値として利用してもよい。
個別生体データは、個別の着座者ごとに、過去に検出された生体情報に係る履歴データである。
閾値データは、検出された生体情報から着座者の健康状態を診断するにあたって基準となる値であり、検出される生体情報の種類ごとに記憶されている。また、個別の着座者ごとに設定されるものとしてもよい。
異常レベル判断用データは、検出された生体情報に基づいて診断された着座者の健康状態が悪い状態(異常)だった場合に、その異常のレベルを判断するにあたって基準となる値である。
なお、その他にも、記憶部44には、着座者に対して音声による指示を与えるための具体的な指示データ(例えば、運転の中止を促す指示、入力部42による操作を促す指示、救急車の要請を促す指示等)が記憶されている。
通信部45は、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークN(コンピュータネットワーク)に対して体勢サポートシステムを通信可能に接続するものであり、図8に示すように、外部との間で、当該通信部45を介してデータの送受信ができるようになっている。
記憶部44に記憶された各種プログラムについて説明する。
生体認証プログラムは、着座者が誰であるかを見分け、着座者を特定するためのプログラムである。すなわち、制御部41が生体認証プログラムを実行することによって、着座者を特定することができる。これにより、例えばシート10に着座する着座者が夫婦いずれかの場合や、親子いずれかの場合、兄弟いずれかの場合であっても、個人を特定することができる。
より具体的に説明すると、カメラ3によって撮影された着座者の顔を、基本情報に係るデータに含まれた顔写真と照合して顔認証することで、着座者を見分けて特定している。また、カメラ3による生体認証と組み合わせて、着座センサー2によって着座者の体重を測定することで、生体認証の精度を向上させることができる。
なお、このような生体認証プログラムを省略し、入力部42による入力操作によって着座者を特定できるようにしてもよい。具体的には、出力部43である上記のタッチパネル式の表示部に、着座者の候補リストを表示し、着座者が自身を表すボタンなどの表示を押すことによって自身を特定する。入力部42による入力操作によって着座者を特定する生体認証の手法は、例えば、いわゆる多胎児(双子を含む。)として出生した着座者を特定する場合に好適である。
診断プログラムは、生体センサー1(カメラ3、呼吸センサー4でもよい。)によって検出された生体情報に基づいて、着座者の健康状態を診断するためのプログラムである。診断プログラムを実行することによって取得できる診断結果に係るデータは、制御装置40へ送信され、記憶部44に記憶されるようになっている。
すなわち、制御部41が診断プログラムを実行することによって、検出された生体情報が、予め設定された閾値データと比較して良い状態(正常)にあるか悪い状態(異常)にあるかを診断することができる。
また、この診断プログラムは、生体認証プログラムによって着座者の特定が行われたことを前提に制御部41によって実行されるものとする。
閾値設定プログラムは、検出された生体情報から着座者の健康状態を診断するにあたって基準となる閾値データを、生体情報の診断結果に応じて設定しなおすためのプログラムである。すなわち、着座者の生体情報が常に同じである場合は少なく、日々変化する場合が多いと考えられるため、例えば直近の着座者の生体情報に応じて閾値データを補正することが好ましい。そのため、制御部41が閾値設定プログラムを実行することによって、着座者の現状に合った閾値データを再設定することができるようになっている。
より具体的に説明すると、過去の生体情報に係るデータである個別生体データ(履歴情報)や、身長や体重、年齢や性別などが補正値として用いられ、閾値データが補正されるようになっている。
閾値データの補正は、生体情報の診断を行うたびに実行されるものとしてもよいし、一定期間が経過したら実行されるようにしてもよい。また、個別生体データや体重に大きな変化があったときに実行されるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、このように閾値設定プログラムを実行して、閾値データの補正を行うものとしたが、生体情報の診断にあたって、閾値をあえて設定せずに、取得した生体情報のみに基づいて診断を行うようにしてもよい。
意識確認プログラムは、制御部41によって診断プログラムが実行された結果、着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者の意識の有無を確認するためのプログラムである。すなわち、制御部41が意識確認プログラムを実行することによって、着座者の意識確認を行うことができる。意識確認プログラムを実行することによって確認できる着座者の意識の有無に係るデータは、制御装置40へ送信され、記憶部44に記憶されるようになっている。
より具体的に説明すると、例えば、出力部43として挙げたもののうち光を発する発光手段を点滅させるように動作させ、カメラ3によって着座者の体動を検出することによって意識の有無を確認している。その他にも、音声出力手段から特徴的な音声を出力し、カメラ3によって着座者の体動を検出することによって意識の有無を確認してもよいし、バイブレーターによって振動を発生させ、カメラ3によって着座者の体動を検出することによって意識の有無を確認してもよい。つまり、出力部43から光や音などを出力し、カメラ3によって着座者の反応を見ることによって着座者の意識の有無を確認することができるようになっている。若しくは、上記のように、カメラ3で着座者を撮影することによって、例えば着座者が一定時間以上目を閉じている状態や、着座者の体動や体勢等を検出し、着座者の意識の有無を確認するようにしてもよい。
また、本実施形態における出力部43である上記のタッチパネル式の表示部に、意識の有無を選択できるボタンなどを表示し、当該表示を着座者が押すことによって意識の有無を確認するようにしてもよい。
さらに、入力部42としてマイクを採用した場合には、出力部43としての音声出力手段から着座者に対し、意識の有無を確認する音声を出力し、着座者自身の声による応答があるか否かによって意識確認を行ってもよい。
以上のような各意識確認手段は、単独で用いられてもよいし、適宜組み合わせて用いられてもよい。例えば、カメラ3、発光手段、音声出力手段、バイブレーターを順に動作させるなどして意識確認の段階(ステップ)を設定してもよい。
また、意識の有無を確認するにあたっては、制限時間が予め設定されており、制限時間内に意識の有無が確認できなければ意識がないものと判断され、意識があると判断される場合であっても、それまでの経過時間によって反応の良し悪しが判断されるようになっている。つまり、経過時間が短い場合は反応が良い状態と判断され、経過時間が長い場合は反応が悪い状態と判断され、異常レベルを判断する上で判断材料の一つとなる。
なお、本実施形態においては、意識確認プログラムの実行は、診断プログラムを実行した後とされているが、これに限られるものではなく、診断プログラムを実行する前でもよいし、同時に実行されるものとしてもよい。
異常レベル判断プログラムは、診断結果が異常だった場合に、診断プログラムを実行することによって取得できる診断結果に係るデータと、意識確認プログラムを実行することによって確認できる着座者の意識の有無に係るデータと、に基づいて、異常のレベルを判断するためのプログラムである。異常レベル判断プログラムを実行することによって取得できる診断結果に係るデータは、制御装置40へ送信され、記憶部44に記憶されるようになっている。
すなわち、制御部41が異常レベル判断プログラムを実行することによって、診断結果に係るデータ及び着座者の意識の有無に係るデータが、予め設定された異常レベル判断用データと比較して、どのようなレベルにあるかを判断することができる。
より具体的に説明すると、異常レベルは、着座者の健康状態の緊急度合いと換言できるものであり、その緊急度合いが低・中・高にレベル分けされている。例えば、緊急度合いが低程度とは、意識はあるが診断結果が悪い状態を指し、中程度とは、意識はあるが診断結果が悪く、意識確認に対する反応も悪い状態を指し、高程度とは、意識がなく診断結果も悪い状態を指している。
なお、このようなレベル分けの定義は、適宜変更可能である。特に意識の有無は緊急度合いに深く関わっているため、例えば意識確認プログラムを実行することによって確認できる着座者の意識の有無に係るデータだけに基づいて異常のレベルを判断してもよい。
シート変形プログラムは、着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、制御部41が診断プログラムを実行することによって着座者を安静な体勢に導くようにシート10の形態を変更する制御を行うためのプログラムである。
すなわち、記憶部44に記憶された診断結果に基づいて、制御部41がシート変形プログラムを実行することによって、シート10における各種変形機構50及び各種駆動装置51を動作させて、シート10を複数の形態に変更させることができる。
また、シート変形プログラムは、記憶部44に記憶された診断結果に基づいて自動でシート10の形態を変更する制御を行うように設定されている。この場合、シート10をどのような形態に変更するかは、診断結果に応じて判断される。すなわち、記憶部44に記憶された診断結果(着座者の健康状態)に基づき、当該診断結果に好適な形態となるようにシート10が変形するようになっている。
すなわち、制御部41が診断プログラムを実行することによって取得した診断結果が、シート10の形態変更を必要とするものだった場合に、制御部41は、シート変形プログラムを実行することによってシート10の形態変更の制御を行うが、その際に、着座者の承認を必要とせずに、診断結果に対応する予め設定されたシート10の形態に変更する。
このようなシート変形プログラムによれば、制御部41が診断プログラムを実行して診断結果を取得し、診断結果に応じてシート10の形態を実際に変更するまでの判断を自動化できるため、シート10の形態をどのように変更するかなどの判断に迷いがなく、例えば一刻も早くシート10の形態を変更したい場合に好適に対応することができる。
シート10の形態の変更例について、より具体的に説明すると、例えば自動運転中のシート10の場合は、シート10を後部座席側に向かって回転させる、シート10を乗用車の前後方向にスライドさせる、シート10の高さを調節する、シートバック14の前後方向の傾きを調節する(リクライニング)、シートバック14の左右方向の傾きを調節する、シートクッション11の前後方向の傾きを調節する、シートクッション11の左右方向の傾きを調節する、シート10をフラットな状態に変更する、ヘッドレスト17をヘッドレストピラー18に沿ってシートバック14に対して移動させる、土手部11a,14a,17aの膨出度合いを調節する(図6参照。)、シート10全体を左右方向に傾ける(図6参照。)、シートバック14に対するヘッドレスト17の傾きを調節する(図7参照。)等、シート10を様々な形態に変更させることができる。
また、例えば手動運転中若しくは手動運転のみで走行可能な乗用車の場合は、シート10の位置を乗用車の前後方向にスライドさせて微調整する、シート10の高さを調節する、シートバック14の前後方向の傾きを微調整する、土手部11a,14a,17aの膨出度合いを調整する等、シート10を様々な形態に変更させることができる。手動運転モードであって、かつ乗用車が停車・駐車したことが確認された場合は、自動運転モードと同様にシート10を変形させることができる。
なお、自動運転中の形態変更の各パターンや、手動運転中の形態変更の各パターンは、それぞれ適宜組み合わせてもよいものとする。
シート10の形態変更について図面を参照して説明する。
図6は、シート10の形態変更の一例を示している。このようにシート10の形態を変更すれば、着座者を横たわらせるような状態にすることができる。
着座者を横たわらせるような状態にするためには、まず、シートバック14をリクライニングさせる。続いて、土手部11a,14a,17aの膨出度合いを調節し(前方に膨らむように変形させ)、着座者の身体を包み込むような状態とする。そして、シート10全体を左(右でもよい。)に傾けるようにする。このようにすれば、土手部11a,14a,17aによって身体を支えながら、着座者を横たわらせるような状態にすることができる。
図7は、シート10の形態変更の一例を示している。このようにシート10の形態を変更すれば、着座者を呼吸させやすくすることができる。
着座者を呼吸させやすくするためには、まず、シートバック14をリクライニングさせる。続いて、シートバック14に対するヘッドレスト17の傾きを調節する。すなわち、頭部が下方に下がるようにヘッドレスト17を傾ける。このようにすれば、着座者の軌道が確保され、着座者を呼吸させやすくすることができる。
体温調節プログラムは、シート10の形態変更と組み合わせて着座者の体温を調節するためのプログラムである。すなわち、制御部41が体温調節プログラムを実行することによって、シート10に着座する着座者の体温を上げたり、下げたりすることができる。
より具体的に説明すると、上記のように、シートクッション11及びシートバック14には、シートヒーター20,30がそれぞれ設けられている。また、乗用車には、エアコン機能を備えたものが多くあり、本実施形態における乗用車においても、図5に示すように、インパネ54の部分に、エアコンの空気を吹き出す吹出し口54a,54b(レジスターとも言う。)が設けられている。なお、吹出し口54a,54bは、出力部43としてのナビゲーション装置の周囲にも設けられる場合や、足元用が設けられる場合もある。
つまり、乗用車には、シート10に着座する着座者の体温を調節するための機器が予め搭載されており、制御部41が体温調節プログラムを実行することによって、これら体温調節用の機器を制御できるようになっている。なお、これら体温調節用の機器と制御装置40は予め接続されているものとする。
例えば着座者の体温が低下した場合は、エアコンの温風を吹出し口54a,54bから吹き出させるとともにシートヒーター20,30を稼働させてシートクッション11及びシートバック14を温めるようにする。これにより、着座者の体温を上昇させることができる。また、着座者の体温が上昇した場合は、エアコンの冷風を吹出し口54a,54bから吹き出させるようにする。これにより、着座者の体温を低下させることができる。
なお、吹出し口54a,54bの向きを制御部41の制御によって自動で調節できるようにしてもよい。
体温調節プログラムを実行することによって、シート10の形態変更と共に、着座者の体温を調節することで、着座者の健康状態を相乗的に良好にすることができる。
通知プログラムは、記憶部44に記憶された診断結果に基づいて着座者の健康状態を通知するためのプログラムである。着座者の健康状態の通知先は、着座者の健康状態の緊急度合いに応じて異なるように設定されている。
すなわち、制御部41が通知プログラムを実行することによって、予め設定された通知先に、通信部45を通じて着座者の健康状態を通知することができる。
通知先は、図8に示すように、着座者の健康状態の緊急度合いが低程度の場合にはシート10の周囲とされ、中程度の場合には着座者の家族とされ、高程度の場合には医療機関又は消防署とされている。
より具体的に説明すると、緊急度合いが低程度の場合は、シート10の周囲に設けられた出力部43であるナビゲーション装置に通知に係るデータが出力される。出力部43は、ナビゲーション装置としたが、これに限られるものではなく、上記した発光手段等を出力部43として採用してもよい。これらの出力部43は、通知手段として適宜組み合わせて用いられるものとしてもよい。また、着座者が所有するスマートフォンなどの通信端末を通知手段として用いるようにしてもよい。
緊急度合いが中程度の場合は、着座者の家族が所有する通信端末(例えば、スマートフォン46、パソコン47、着座者の自宅48にある何らかの通信端末を指す。)に通知に係るデータが送信される。
緊急度合いが高程度の場合は、医療機関49又は消防署(図示せず)にある何らかの通信端末に通知に係るデータが送信される。
通知を受けた側は、例えば着座者が乗用車を停車・駐車したり、家族が救急車を呼んだり、医療機関や消防署が救急車を出動させたりなど、適切な対処を行うことができる。
なお、通知先としては、上記の他にも、例えば乗用車の販売店や交番(警察署)などを追加してもよい。
また、医療機関49や消防署、警察署等の施設に対し、通知に係るデータを送信する場合は、GPS(全地球測位システ:Global Positioning System, Global Positioning Satellite)を利用するなどして、最寄りの医療機関49や消防署、警察署にデータを送信できるようにしてもよい。
以上のように構成された体勢サポートシステムによって、着座者を安静な体勢に導くようにシート10の形態を変更させる流れを、図9を参照して説明する。
まず、着座センサー2によって着座者がシート10に着座していることを確認する(ステップS1)。
着座確認が行われると、これに応じて、生体認証プログラムが実行されて着座者が特定される(ステップS2)。
着座者が特定されると、必要に応じて(例えば体重に大きな変動があった場合など)、閾値設定プログラムが実行されて閾値データが補正される(ステップS3)。閾値データを補正する必要がない場合は、このステップS3は省略されるものとする。
次に、生体センサー1を始めとする各種センサー1,3,4,5が動作し、生体情報の検出が行われ、生体情報が取得される(ステップS4)。
生体情報を取得すると診断プログラムが実行され、取得した生体情報に基づいて、生体情報の診断、すなわち着座者の健康状態の診断が行われる(ステップS5)。
続いて、意識確認プログラムが実行され、着座者の意識の有無が確認される(ステップS6)。なお、このステップS6は、ステップS5と同時に行われてもよい。
意識の有無が確認された後(又は生体情報の診断が行われた後)に、必要に応じて(例えば生体情報に大きな変動があった場合など)、閾値設定プログラムが実行されて閾値データが補正される(ステップS7)。閾値データを補正する必要がない場合は、このステップS7は省略されるものとする。
ステップS8において診断結果の良否が判定され、意識確認の結果を含む診断結果が良い場合(例えば診断結果が良く、かつ意識がある状態を含む)は、診断結果が出力部43から出力されて(ステップS9)、着座者も自身の健康状態を確認することができる。
意識確認の結果を含む診断結果が悪い場合は、異常レベル判断プログラムが実行され、診断結果の異常レベルが判断される(ステップS10)。
診断結果の異常レベルが判断されると、シート変形プログラムが実行され、異常レベルに応じてシート10の形態変更が行われる(ステップS11)。ステップS11が完了すると、着座者を安静な体勢に導くようにシート10の形態を変更させた状態となる。
シート10の形態変更が行われた後は、必要に応じて(温度センサー5による温度測定結果に基づいて)、体温調節プログラムが実行されて着座者の体温調節が行われる(ステップS12)。
続いて、通知プログラムが実行され、異常レベルに応じて、予め設定された通知先に、着座者の健康状態が通知される(ステップS13)。
なお、ステップS6において着座者の意識の有無が確認された結果、着座者の意識がなかった場合は、乗用車を自動で停車・駐車するステップが追加されてもよい。
また、ステップS1からステップS8までのフローが行われるタイミングは、着座者がシート10に着座したとき、及び運転中の所定のタイミングとされている。運転中は、一定時間ごとに行われるパターンと、着座者若しくは同乗者による選択で行われるパターンとがある。
本実施の形態によれば、生体情報検出手段(生体センサー1を含む各種センサー)によって着座者の生体情報を検出し、診断プログラムを実行して着座者の健康状態を診断するので、着座者の健康状態が悪化した場合にその異常を検知できる。さらに、シート変形プログラムを実行してシート10の形態を変更することで着座者を安静な体勢に導くので、健康状態が悪化した着座者を安静な状態にすることができる。
また、シート変形プログラムを実行してシート10の形態を変更するか否かの判断を、記憶部44に記憶された診断結果に基づいて自動で行うことができるので、シート変形プログラムの実行によるシート10の形態変更の制御において、診断結果に基づいた適切な対処が行いやすい。
また、着座者の意識の有無を確認する意識確認手段(意識確認プログラム)を備えているので、意識確認プログラムを実行することによって着座者の意識がない場合の対処を可及的速やかに行いやすくなる。
また、着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者の健康状態を通知する通知手段(通知プログラム)を備えており、着座者の健康状態の通知先は、着座者の健康状態の緊急度合いに応じて異なるので、例えば緊急度合いが低程度であるのにもかかわらず医療機関又は消防署に通知してしまうような誤通知を防ぎ、緊急度合いに応じた適切な通知を行いやすい。さらに、通知を受けた側も適切な対処を行いやすい。
また、シート本体であるシートクッション11及びシートバック14は、シート変形プログラムによる形態変更の制御が可能に構成されているので、シート10を大きく変形させることができ、着座者が安静な体勢になりやすい。
また、生体情報検出手段(生体センサー1を含む各種センサー)は、シート本体(シートクッション11及びシートバック14)又は/及び可動部(ヘッドレスト17)に設けられているので、着座者の身体のうち胴体又は/及び胴体以外の部分から生体情報を取得しやすくなる。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
〔変形例1〕
上記の実施形態では、シート10の形態変更(シート変形プログラムの実行)は、記憶部44に記憶された診断結果に基づいて自動で行われるものとされている。
これに対し、本変形例における体勢サポートシステムは、診断プログラムが実行されて着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者に対し、シート変形プログラムを実行してシート10の形態を変更するか否かを選択させる選択部を備えている。そして、シート10の形態変更(シート変形プログラムの実行)は、着座者による選択部の選択に応じて行われるように設定されている。
選択部は、入力部42によって構成されている。入力部42は、上記のように、システムに対して各種データを入力するためのものであり、制御装置40を構成する筐体に設けられるボタン等や、ナビゲーション装置の表示部を構成するタッチパネル式のディスプレイで構成されるものとされている。
本変形例における入力部42(すなわち、選択部)は、ナビゲーション装置の表示部を構成するタッチパネル式のディスプレイとされており、当該表示部上で、シート10の形態を変更するか否かを選択できるようになっている。
より具体的には、ナビゲーション装置の表示部に、シート10の形態を変更するか否かを選択するボタンが表示され、着座者(若しくは同乗者)の任意で適宜選択操作される。
その他にも、例えば音声出力手段によって、例えば「安楽姿勢に変わりますか?」などのように、シート10の形態変更の選択を促す音声を出力し、着座者に選択させるようにしてもよい。この場合は、着座者に、「はい(YES)」などの発話をさせて選択させてもよいし、上記のボタン等によって選択させてもよい。
本変形例におけるシート変形プログラムは、着座者による選択部の選択が行われなかった場合に、自動でシート10の形態を変更するように設定されている。すなわち、着座者による選択部の選択が行われなかった状態を、着座者の健康状態が悪化した状態(例えば着座者の意識がない状態)と判断し、いち早く着座者を安静な体勢に導くように設定されている。
なお、本変形例におけるシート変形プログラムは、意識確認プログラムと組み合わせて用いられるようにしてもよい。これにより、意識があっても選択部による選択を行えない場合を考慮することができるので、例えば運転で手が離せない状態のときなど、着座者の意にそぐわないタイミングでシート10の形態が変更されることを防ぐことができる。
本変形例によれば、シート変形プログラムを実行することによってシート10の形態を変更するか否かの判断を着座者自身に委ねることができるので、シート変形プログラムに基づくシート10の形態変更の制御において、着座者による着座者自身の状態に合わせた適切な対処が行いやすい。
また、着座者による選択部の選択が行われない状態を、着座者の健康状態の悪化と判断し、可及的速やかに着座者を安静な体勢に導きやすい。
〔変形例2〕
本変形例におけるシート60は、図10に示すように、シート本体61,62に付属するとともにシート本体61,62に対して動作し、着座者の身体の一部が接触する可動部63~67を備えている。そして、これら可動部63~67は、シート変形プログラムによる形態変更の制御が可能に構成されている。
シート本体には、シートクッション61と、シートバック62とが含まれている。これらシートクッション61及びシートバック62は、例えばリクライニング等、上記した実施形態におけるシートクッション11及びシートバック14と同様に動作する。
可動部63~67には、着座者の頭部を支持するヘッドレスト63、腕部を支持するアームレスト64、脚部を支持するオットマン65、足部を支持するフットレスト66、頸部支持するネックレスト67が含まれている。
ヘッドレスト63は、ヘッドレストピラー63aを有しており、上記した実施形態におけるヘッドレスト17と同様に動作する。すなわち、ヘッドレスト63をヘッドレストピラー63aに沿ってシートバック62に対して移動させることができる。また、ヘッドレスト63の傾きを調節したり、土手部の膨出度合いを調整したりすることもできる。
アームレスト64は、シートバック14に対し、回転軸64aを介して設けられ、回転軸64aを回転中心として回転動作する。すなわち、シートバック62がリクライニングしたときにアームレスト64も回転し、着座者は、シートバック62がリクライニングした状態でも腕部を載せることができる。
オットマン65は、シートクッション61に対し、回転軸65aを介して設けられ、回転軸65aを回転中心として回転動作する。すなわち、シートバック62がリクライニングしたときにオットマン65も回転し、着座者は脚部を載せることができる。
フットレスト66は、オットマン65に対し、回転軸66aを介して設けられ、回転軸66aを回転中心として回転動作する。すなわち、シートバック62がリクライニングしたときにオットマン65と同時にフットレスト66も回転し、着座者は足部を載せることができる。
ネックレスト67は、土手部の膨出度合いを調整することができる。
シート60は、制御部がシート変形プログラムを実行することによって、シート本体61,62及び可動部63~67の形態を変更することができる。
本変形例においては、例えばオットマン65を上方に回転移動させて着座者の脚部を高く持ち上げたり、図10に示す双方向矢印のように上下方向に揺動させたりして血液の循環を促すように動作する。アームレスト64やフットレスト66も、オットマン65と同様に、血液の循環を促す動作を行うことができる。
また、シートクッション61、シートバック62、ヘッドレスト63は、上記の実施形態におけるシートクッション11、シートバック14、ヘッドレスト17と同様の動作を行うことができる。
また、本変形例においては、生体センサー1が、シートクッション61、シートバック62、ヘッドレスト63、アームレスト64、オットマン65、フットレスト66、ネックレスト67のそれぞれに設けられている。これにより、着座者の身体のうち胴体及び胴体以外の部分から生体情報を取得しやすくなる。
さらに、図示はしないが、可動部63~67(例えばアームレスト64)にはインジケーターが設けられており、当該インジケーターを、例えば診断結果が悪かった場合などの通知手段として利用してもよい。
本変形例によれば、シート本体61,62だけでなく、シート本体61,62に付属する可動部63~67も、シート変形プログラムによって形態変更の制御を行うことができるので、シート10の細かい部分も変形させることができ、着座者が安静な体勢になりやすい。特に、着座者の胴体部分だけでなく、胴体以外の部分も形態を変更できるので、着座者の身体に対応させやすく、安静な体勢を維持しやすい。
〔変形例3〕
本変形例におけるシート70は、シートクッション71を備えており、当該シートクッション71には、図11に示すように、クッションパッド72に通気路72aが形成されている。また、通気路72aの中央には、クッションパッド72を上下方向に貫通する貫通孔72bが形成されている。
貫通孔72bの下方には、図示しないブロワーが設けられており、貫通孔72bを通じて通気路72aに風を送ることができるようになっている。
また、シートクッション71にはカバー部材73が設けられ、当該カバー部材73によって、通気路72aを被覆できるようになっている。
カバー部材73には複数のパンチング孔73aが形成されており、これらのパンチング孔73aが通気路72aの送風口とされている。そして、カバー部材73を含むクッションパッド72が、少なくとも送風口のパンチング孔73aに対応する部分は通気性とされた表皮(図示せず)で被覆されるようになっている。
ブロワーから送り込まれた空気は、貫通孔72bを通って通気路72a内に送られ、通気路72a内を流通した空気が、カバー部材73における送風口(パンチング孔73a)から乗員に向けて吹き出されるようになっている。
なお、ブロワーから送り込まれる空気は、温風でもよいし、冷風でもよいものとする。
本変形例における体温調節プログラムは、制御部によって実行されることで、ブロワーの動作を制御することができるように設定されている。すなわち、制御部が体温調節プログラムを実行することによってブロワーの動作を制御し、シート70に着座する着座者の体温を上げたり、下げたりすることができる。
また、本変形例においても上記の実施形態と同様に、制御部がエアコンの動作を制御できるようにし、エアコンの制御とブロワーの制御とを併せて行うことによって、着座者の体温を調節しやすくしてもよい。
本変形例によれば、ブロワーの動作を制御し、シート70に着座する着座者の体温を上げたり下げたりして、着座者の体温を調節することができるので、着座者の健康状態を良好にすることができる。
〔変形例4〕
上記の実施形態における生体センサー1には、人体に悪影響を及ぼさない範囲で好適な電磁波が使用されるものとしたが、本変形例においては、電磁波の使用を極力抑えたいという要望があった場合には、生体センサー1の動作を停止することができるようになっている。
すなわち、本変形例においては、出力部43であるナビゲーション装置の表示部に、生体センサー1による生体情報の検出の要否を選択できるボタンなどを表示し、当該表示を着座者が押すことによって、生体センサー1による生体情報の検出の要否を選択できるようになっている。
ただし、これに限られるものではなく、音声出力手段による確認を行ってもよいし、制御装置40を構成する筐体に、ボタン等の選択部が設けられていてもよい。
本変形例によれば、着座者の任意で、生体センサー1によるセンシングの動作を停止させることができるので、電磁波の使用を極力抑えたいという要望に対して好適に対応できる。
1 生体センサー
2 着座センサー
3 カメラ
4 呼吸センサー
5 温度センサー
10 シート
11 シートクッション
11a 土手部
14 シートバック
14a 土手部
17 ヘッドレスト
17a 土手部
18 ヘッドレストピラー
20 シートヒーター
30 シートヒーター
40 制御装置
41 制御部
42 入力部
43 出力部
44 記憶部
45 通信部

Claims (8)

  1. 複数の形態に変更可能に構成されたシートと、
    前記シートに着座した着座者の生体情報を検出するための生体情報検出手段と、
    前記生体情報検出手段によって検出された生体情報に基づいて、着座者の健康状態を診断する診断部と、
    座者の健康状態を診断するにあたって基準となる閾値を、前記診断部による生体情報の診断結果に応じて設定しなおす閾値設定部と、
    前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者を安静な体勢に導くように前記シートの形態を変更する制御を行うシート変形部と、
    前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者に対して前記シート変形部によって前記シートの形態を変更するか否かを選択させる選択部と、
    前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者の意識の有無を確認する意識確認手段と、
    を備えており、
    前記シート変形部は、着座者による前記選択部の選択に応じて前記シートの形態を変更するか、着座者による前記選択部の選択が行われなかった場合に、自動で前記シートの形態を変更し、
    前記意識確認手段によって着座者に意識があることが確認できる場合においては、着座者による前記選択部の選択が行われなくても、前記シート変形部は、前記シートの形態を変更しないことを特徴とする体勢サポートシステム。
  2. 前記シート変形部は、前記診断部による診断結果に基づいて自動で前記シートの形態を変更する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の体勢サポートシステム。
  3. 前記診断部によって着座者の健康状態が正常でないと診断された場合に、着座者の健康状態を通知する通知手段を備えており、
    前記通知手段による着座者の健康状態の通知先は、着座者の健康状態の緊急度合いに応じて異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の体勢サポートシステム。
  4. 前記通知先は、着座者の健康状態の緊急度合いが低程度の場合には前記シートの周囲とされ、中程度の場合には着座者の家族とされ、高程度の場合には医療機関又は消防署とされていることを特徴とする請求項3に記載の体勢サポートシステム。
  5. 前記シートは、シート本体として、着座者の臀部及び大腿部を支持するシートクッションと、下端部が前記シートクッションに支持されたシートバックと、を備えており、
    前記シートクッション及び前記シートバックは、前記シート変形部による形態変更の制御が可能に構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の体勢サポートシステム。
  6. 前記シートは、前記シート本体に付属するとともに前記シート本体に対して動作し、着座者の身体の一部が接触する可動部を備えており、
    前記可動部は、前記シート変形部による形態変更の制御が可能に構成されていることを特徴とする請求項に記載の体勢サポートシステム。
  7. 前記生体情報検出手段は、前記シート本体又は/及び前記可動部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の体勢サポートシステム。
  8. 体勢サポートに必要な各種データが記憶された記憶部を備えており、
    前記各種データには、
    前記生体情報検出手段から送信された生体情報に係るデータと、
    生体情報から着座者の健康状態を診断するにあたって基準となる前記閾値のデータと、
    生体情報に基づいて診断された着座者の健康状態が異常だった場合に、その異常のレベルを判断するにあたって基準となる異常レベル判断用データと、が含まれていることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の体勢サポートシステム。
JP2018101112A 2018-04-02 2018-05-28 体勢サポートシステム Active JP7385097B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018101112A JP7385097B2 (ja) 2018-05-28 2018-05-28 体勢サポートシステム
PCT/JP2019/014459 WO2019194121A1 (ja) 2018-04-02 2019-04-01 生体センサーの配置構造及びシート
JP2023191209A JP2024009043A (ja) 2018-05-28 2023-11-09 体勢サポートシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018101112A JP7385097B2 (ja) 2018-05-28 2018-05-28 体勢サポートシステム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023191209A Division JP2024009043A (ja) 2018-05-28 2023-11-09 体勢サポートシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019206196A JP2019206196A (ja) 2019-12-05
JP7385097B2 true JP7385097B2 (ja) 2023-11-22

Family

ID=68767282

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018101112A Active JP7385097B2 (ja) 2018-04-02 2018-05-28 体勢サポートシステム
JP2023191209A Pending JP2024009043A (ja) 2018-05-28 2023-11-09 体勢サポートシステム

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023191209A Pending JP2024009043A (ja) 2018-05-28 2023-11-09 体勢サポートシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7385097B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102022004333A1 (de) 2022-11-21 2023-10-19 Mercedes-Benz Group AG Verfahren zum Verstellen eines Sitzes und der verstellbare Sitz

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004242945A (ja) 2003-02-14 2004-09-02 Mazda Motor Corp 自動車用健康管理システム、自動車用健康管理方法、及び、自動車用健康管理プログラム
JP2010039633A (ja) 2008-08-01 2010-02-18 Toyota Motor Corp 車両退避装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2751431B2 (ja) * 1989-07-14 1998-05-18 日産自動車株式会社 シート
JP2005329800A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Denso Corp 車載機器制御装置
JP4907443B2 (ja) * 2007-06-13 2012-03-28 株式会社日本自動車部品総合研究所 車両用ドライビングポジション制御装置
JP2012120597A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Fujitsu Ten Ltd 車載装置
JP2015097611A (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 日産自動車株式会社 呼吸支援装置および呼吸支援方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004242945A (ja) 2003-02-14 2004-09-02 Mazda Motor Corp 自動車用健康管理システム、自動車用健康管理方法、及び、自動車用健康管理プログラム
JP2010039633A (ja) 2008-08-01 2010-02-18 Toyota Motor Corp 車両退避装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2024009043A (ja) 2024-01-19
JP2019206196A (ja) 2019-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11083379B2 (en) Health-monitoring seat cover
CN108937883B (zh) 具有座椅乘员生命体征监测的车辆座椅系统
JP5927193B2 (ja) センサベースの監視システムにおいて被験者を識別するための方法及びこの装置
US10730524B2 (en) Vehicle seat
JP6090383B2 (ja) 空調制御システム
US11607142B2 (en) Biosensor arrangement structure
CN103796892B (zh) 用于监测车辆司机的健康状态和人体工程学状态的系统、计算机介质和计算机实现方法
JP2024009043A (ja) 体勢サポートシステム
JP7436888B2 (ja) 生体情報検出システム
WO2019194121A1 (ja) 生体センサーの配置構造及びシート
JP2019033911A (ja) 異常検知装置及びシート
JP2024009043A5 (ja)
JP2022068216A (ja) 異常検知装置及びシート
JP2005237719A (ja) 監視ユニットおよび監視システム
WO2019208764A1 (ja) Ecu装置、車両シート、着座者の下肢の長さ推定システム及び座高検出センサーの取付構造
US20230024865A1 (en) An aircraft passenger suite
JP7089150B2 (ja) 生体センサーの配置構造
WO2020166248A1 (ja) シートシステムおよびプログラム
JP7401782B2 (ja) センサ付きシート
WO2020111213A1 (ja) センサユニット及びセンサユニット付きシート
KR20220109748A (ko) 자율주행자동차 좌석장치 최적화 서비스 방법 및 시스템
JP2021062677A (ja) 航空機用シート及びシート管理システム
JP2019194063A (ja) 座高検出センサーの取付構造
WO2022190590A1 (ja) 温冷感推定装置、空調装置、チャイルドシート、温冷感推定方法及びプログラム
JP2020092913A (ja) 生体情報取得システム及び生体情報取得方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230307

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7385097

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150