JP7384621B2 - グラスライニング製品の補修構造および補修方法 - Google Patents

グラスライニング製品の補修構造および補修方法 Download PDF

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Description

本発明は、グラスライニング製品のガラス層に生じた破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造および補修方法に関する。
化学工業、医薬品工業および食品工業などで用いられる貯蔵用タンク、反応器および攪拌翼などの機器では、化学薬品などに対する耐蝕性を得るために、金属製の母材の表面にガラス層が形成されたグラスライニング製品が用いられることがある。しかし、耐蝕性を有するガラス層は、衝撃に対する強度が弱いことから破損し易く、その破損箇所が放置されると、そこから化学薬品などが浸入して母材が腐蝕するおそれがある。そして、母材の腐蝕が進行すると、母材の強度が損なわれたり、母材の金属異物が化学薬品などに混入したりするおそれがある。そのため、ガラス層が破損した場合には、その破損箇所を早期に補修することが望ましい。
このような事情により、従来からガラス層の破損箇所を部分的に補修する技術が存在する。例えば、下記特許文献1には、ガラス層の破損箇所を覆うキャップと、キャップの内側に充填された圧縮可能な封止材料と、キャップを固定する植込ボルトとを備える圧縮補修プラグが記載されている。
特開平5-346170号公報
しかしながら、特許文献1に記載された圧縮補修プラグでは、植込ボルトの基端部がベースに形成された穴に植え込まれていたので、穴が形成された部分においてベースの強度が低下するという問題があった。
本発明は上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、母材の強度を低下させることなく、ガラス層の破損箇所を補修することができる、グラスライニング製品の補修構造および補修方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るグラスライニング製品の補修構造の特徴は、金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されており、前記カバーは、シート状に形成されており、複数の前記カバー支持部が前記カバーの外周縁に沿って互いに一定の間隔を隔てて設けられていることにある。
この構成では、カバー支持部が母材の露出面に接触した状態で配置されており、カバー支持部の一部である被溶接部が露出面に溶接されているので、カバー支持部を設けるために母材に穴を形成する必要はない。したがって、母材の強度を低下させることなく、ガラス層の破損箇所を補修することができる。
ガラス層の破損箇所が大きい場合には、露出面が広くなるため、露出面の全体を覆うカバーが大きくなる。上記の構成では、カバーを複数のカバー支持部で支持することができるので、カバーが大きくなった場合でも、カバーの内側の空間に充填された封止材の圧縮力を高くすることができ、露出面を効果的に封止することができる。また、複数のカバー支持部がカバーの外周縁に沿って互いに一定の間隔を隔てて設けられているので、カバーの内側の空間に充填された封止材の圧縮力を露出面の全域で均一にすることができる。
被溶接部を露出面に溶接する際には、溶接部が高温に加熱されるが、上記の構成では、溶接部とガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が露出面に確保されているので、溶接部が高温に加熱されても、ガラス層は高温にならない。したがって、ガラス層が母材から剥離したり、割れたりすることを防止できる。
本発明に係るグラスライニング製品の補修構造の他の特徴は、金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されており、前記カバー支持部は、前記被溶接部を有して前記カバーの内側に配置された内側部分と、前記カバーの外側から前記カバーに押し当てられた外側部分とを有しており、前記カバーは、前記露出面に対して直交方向に貫通する貫通孔を有しており、前記内側部分は、前記貫通孔に挿通された第1雄ネジ部を有しており、前記外側部分は、前記第1雄ネジ部が螺合された第1雌ネジ部を有しており、前記内側部分は、前記第1雄ネジ部が設けられた先端部側の第3部分と前記被溶接部が設けられた基端部側の第4部分とに分割されるとともに、前記第3部分と前記第4部分とが接合手段により接合された棒状に形成されており、前記第3部分は、耐蝕性の材料で形成されており、前記第4部分は、前記露出面に対する溶接が容易な材料で形成されていることにある。
この構成では、カバー支持部が、内側部分と外側部分とに分割されているので、露出面に対する溶接が困難な材料で外側部分が形成される場合でも、露出面に対する溶接が容易な材料で内側部分を形成でき、溶接工程の施工性を高めることができる。
この構成では、棒状の内側部分の基端部に設けられた被溶接部が露出面に溶接されるので、当該基端部の露出面に接触する部分の面積を小さくして、露出面の面積を小さくすることができる。したがって、破損箇所およびその周囲のガラス層を除去する範囲を狭くすることが可能であり、母材を露出させる工程の作業負担を軽減することができる。
この構成では、棒状の内側部分における先端部側の第3部分が耐蝕性の材料で形成されているので、内側部分の腐蝕を抑制できる。また、基端部側の第4部分が露出面に対する溶接が容易な材料で形成されているので、露出面に対して溶接し易い。
本発明に係るグラスライニング製品の補修構造の他の特徴は、金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、端面が前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されており、前記カバー支持部における前記カバーの内側に位置する部分は、少なくとも表面が耐蝕性の材料で形成された棒状の第1部分と、第2雌ネジ部および前記被溶接部を有するとともに、前記露出面に対する溶接が容易な材料で形成された第2部分とを有しており、前記第1部分の基端部には、前記第2雌ネジ部に螺合される第2雄ネジ部が設けられていることにある。
この構成では、カバー支持部におけるカバーの内側に位置する部分が、第1部分と第2部分とに分割されているので、露出面に対する溶接が困難な材料で第1部分が形成される場合でも、露出面に対する溶接が容易な材料で第2部分を形成でき、溶接工程の施工性を高めることができる。
上記目的を達成するため、本発明に係るグラスライニング製品の補修方法の特徴は、金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修方法であって、前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって前記母材の表面を露出させる母材露出工程と、カバーを支持するカバー支持部の基端部を前記母材の露出した表面である露出面に接触させた状態で配置するとともに、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接する溶接工程と、前記露出面の全体を覆うように前記カバーを前記カバー支持部に取り付けるカバー取付け作業と、前記カバーの内側の空間に封止材を充填する封止材充填作業とを併行して実行することによって前記露出面を封止する封止工程とを備え、前記溶接工程では、前記被溶接部を前記露出面に溶接する溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域を前記露出面に確保し、前記母材露出工程では、前記熱的縁切り領域を確保できる広さの範囲で前記ガラス層を除去し、前記封止材は、施工時に流動性を有する耐蝕性の樹脂を用いて形成された第2封止材を有し、前記封止材充填作業は、前記第2封止材を前記露出面に塗布する作業を含むことにある。
この構成では、カバー支持部を母材の露出面に接触させた状態で配置し、カバー支持部の一部である被溶接部を露出面に溶接しているので、カバー支持部を設けるために母材に穴を形成する必要はない。したがって、母材の強度を低下させることなく、ガラス層の破損箇所を補修することができる。
被溶接部を露出面に溶接する際には、溶接部が高温に加熱されるが、上記の構成では、溶接部とガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が露出面に確保されているので、溶接部が高温に加熱されても、ガラス層は高温にならない。したがって、ガラス層が母材から剥離したり、割れたりすることを防止できる。
本発明に係るグラスライニング製品の補修方法の他の特徴は、金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修方法であって、前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって前記母材の表面を露出させる母材露出工程と、カバーを支持するカバー支持部の基端部を前記母材の露出した表面である露出面に接触させた状態で配置するとともに、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接する溶接工程と、前記露出面の全体を覆うように前記カバーを前記カバー支持部に取り付けるカバー取付け作業と、前記カバーの内側の空間に封止材を充填する封止材充填作業とを併行して実行することによって前記露出面を封止する封止工程とを備え、前記溶接工程では、前記被溶接部を前記露出面に溶接する溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域を前記露出面に確保し、前記母材露出工程では、前記熱的縁切り領域を確保できる広さの範囲で前記ガラス層を除去し、前記封止材は、施工時に流動性を有する耐蝕性の樹脂を用いて形成された第2封止材を有し、前記封止材充填作業は、前記第2封止材を前記カバーの内側の面に塗布する作業を含むことにある。
本発明の実施形態に係るグラスライニング製品の補修構造を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるIB-IB線断面図である。 熱的縁切り領域を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るグラスライニング製品の補修方法を示す図であり、(A)はガラス層の破損箇所を示す断面図、(B)は母材を露出させる工程を示す断面図、(C)は溶接工程を示す断面図である。 (D)は封止工程を示す断面図である。 カバー支持部の変形例を示す図であり、(A)は内側部分の第3部分と第4部分とを溶接した変形例を示す断面図、(B)は内側部分の第3部分と第4部分とを継手で接合した変形例を示す断面図である。 カバー支持部の変形例を示す断面図である。 封止材の変形例を示す断面図である。 他の実施形態に係るグラスライニング製品の補修構造を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)におけるVIIIB-VIIIB線断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るグラスライニング製品の補修構造および補修方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るグラスライニング製品の補修構造10を示す図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)におけるIB-IB線断面図である。図2は、熱的縁切り領域Qを示す平面図である。図3(A)は、ガラス層16の破損箇所Kを示す断面図である。なお、図2では、熱的縁切り領域Qをハッチング(斜め線)で示している。
図1(A),(B)に示すグラスライニング製品の補修構造10は、化学工業、医薬品工業および食品工業などで用いられるグラスライニング製品12を部分的に補修するものである。グラスライニング製品12は、具体的には、貯蔵用タンク、反応器および攪拌翼などの機器であり、図1(B)に示すように、加工が容易で高い強度を有する金属製の母材14と、化学薬品などに対する耐蝕性を有するガラス層16とを有している。
母材14の材料および厚さは、特に限定されるものではないが、一般的には、炭素鋼およびステンレスなどを用いて6mm~45mm程度の厚さで形成されている。ガラス層16の材料および厚さは、特に限定されるものではないが、一般的には、通常のガラス、耐酸ガラス、耐アルカリガラス、琺瑯およびセラミックなどを用いて0.8mm~2mm程度の厚さで形成されている。
図3(A)には、ガラス層16の破損箇所Kを示している。ガラス層16は、衝撃に対する強度が弱いことから破損し易く、その破損箇所Kが放置されると、そこから化学薬品などが浸入して母材14が腐蝕するおそれがある。そこで、破損箇所Kを部分的に補修するためにグラスライニング製品の補修構造10が構成される。
(グラスライニング製品の補修構造10)
図1(B)に示すように、グラスライニング製品の補修構造10は、母材露出部18と、カバー20と、ガスケット22とを備えている。また、グラスライニング製品の補修構造10は、カバー20を支持するカバー支持部24と、溶接部26と、カバー20の内側空間Sに充填された封止材28とを備えている。
図1(B)に示す母材露出部18は、母材14の表面の一部が露出した部分であり、図3(A)に示す破損箇所Kおよびその周囲のガラス層16を除去することによって露出された母材14の露出面30を有している。露出面30を露出させる際には、破損箇所Kのガラス層16だけでなく、その周囲のガラス層16も除去されるため、露出面30の面積は、破損箇所Kの面積よりも大きくされている。また、露出面30には、カバー支持部24が接触した状態で配置されるため、露出面30の面積は、カバー支持部24の端面である接触面24aの面積よりも大きくされている。
さらに、図1(B)に示す露出面30には、カバー支持部24が溶接部26を介して溶接されるため、露出面30の面積は、溶接部26とガラス層16との間に、図2に示す熱的縁切り領域Qを確保できるように定められている。熱的縁切り領域Qは、溶接時に加熱された溶接部26の熱がガラス層16に伝播されることを抑制するために露出面30に確保された領域である。なお、熱的縁切り領域Qの具体的な構成については、後に詳細に説明する。
図1(A),(B)に示すカバー20は、露出面30の全体を覆う部材であり、耐蝕性の材料を用いて、平面視で円形のドーム状に形成されている。図1(B)に示すように、露出面30に対向するカバー20の中央部には、カバー支持部24の一部が挿通される貫通孔32が形成されている。つまり、カバー20は、露出面30に対して直交方向に貫通する貫通孔32を有している。カバー20の材料は、特に限定されるものではないが、タンタル、ステンレス、およびハステロイなどを用いることができる。カバー20は、ガスケット22を介してガラス層16の表面に配置されている。
図1(B)に示すガスケット22は、カバー20とガラス層16との間に介在されて、これらの間の隙間を封止するシート状の部材であり、耐蝕性の材料を用いて、中心部に貫通孔22aを有する円板状に形成されている。ガスケット22の材料は、特に限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。
図1(B)に示すカバー支持部24は、カバー20を支持する部分であり、カバー20の内側に配置された内側部分34と、カバー20の外側に配置された外側部分36とを有している。内側部分34は、カバー支持部24の支柱を構成する第1部分38と、カバー支持部24の基端部を構成する第2部分40とを有している。
内側部分34の第1部分38は、露出面30に対して直交方向に延びる棒状部材である。第1部分38の先端部には、外側部分36の第1雌ネジ部52に螺合される第1雄ネジ部42が設けられており、第1部分38の基端部には、第2部分40の第2雌ネジ部46に螺合される第2雄ネジ部44が設けられている。第1部分38の少なくとも表面は、タンタル、ステンレス、およびハステロイなどの耐蝕性の材料で形成されている。つまり、第1部分38は、その全体が耐蝕性の材料で形成されていてもよいし、表面だけが耐蝕性の材料で形成されていてもよい。
内側部分34の第2部分40は、第2雌ネジ部46と、被溶接部48とを有している。第2雌ネジ部46は、第1部分38の第2雄ネジ部44が螺合されるネジ孔50を有する六角柱状のナットで構成されている。被溶接部48は、露出面30に溶接されるカバー支持部24の一部である。
図2に示すように、本実施形態では、第2雌ネジ部46の6つの側面46aのうち、1つ置きに設けられた3つの側面46aが被溶接部48となっている。より詳細には、3つの側面46aのそれぞれにおける露出面30に対して平行方向の中央部が被溶接部48となっている。第2雌ネジ部46(被溶接部48を含む。)は、炭素鋼およびステンレスなどの露出面30に対する溶接が容易な材料で形成されている。
外側部分36は、第1雌ネジ部52と、ガスケット54とを有している。第1雌ネジ部52は、内側部分34の第1雄ネジ部42が螺合されるネジ孔56を有する六角柱状のナットで構成されている。ガスケット54は、カバー20と第1雌ネジ部52との間の隙間を封止するシート状の部材であり、第1雄ネジ部42が挿通される貫通孔を有する環状に形成されている。
外側部分36の少なくとも表面は、耐蝕性の材料で形成されている。つまり、第1雌ネジ部52およびガスケット54は、全体が耐蝕性の材料で形成されていてもよいし、表面だけが耐蝕性の材料で形成されていてもよい。第1雌ネジ部52の耐蝕性材料としては、タンタル、ステンレス、およびハステロイなどを用いることができる。ガスケット54の耐蝕性材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを用いることができる。
図1(B)に示すように、カバー支持部24は、その接触面24aが露出面30に接触した状態で露出面30に配置されており、内側部分34の第1雄ネジ部42がカバー20の貫通孔32およびガスケット54の貫通孔(図示省略)に挿通されて、外側部分36の第1雌ネジ部52に螺合されている。これにより、外側部分36がカバー20に対して外側から押し当てられている。
図1(B)に示す溶接部26は、カバー支持部24の一部である被溶接部48を露出面30に溶接することにより構成された部分である。図2に示すように、本実施形態では、第2雌ネジ部46の3つの側面46aのそれぞれにおける露出面30に対して平行方向の中央部が被溶接部48となっている。したがって、溶接部26は、第2雌ネジ部46の3つの側面46aのそれぞれの上記中央部に近接して点状に形成されている。なお、溶接部26の数は、3つに限定されるものではなく、1つまたは2つでもよいし、4つ以上でもよい。
図2に示す露出面30において、カバー支持部24や溶接部26の位置が自由に定められると、溶接部26とガラス層16との間の距離が著しく短くなることがある。この場合には、溶接時に加熱された溶接部26の熱がガラス層16に高温のまま伝播されるため、ガラス層16が母材14から剥離したり、割れたりするおそれがある。そこで、露出面30には、溶接部26とガラス層16とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域Qが確保されている。
図2に示す熱的縁切り領域Qは、図2中にハッチングで示すように、溶接部26を中心として円形に広がって構成されている。熱的縁切り領域Qの最短長さLは、溶接部26とガラス層16との間の最短距離であり、ガラス層16が剥離したり、割れたりすることを防止できる程度に熱の伝播を抑制できる長さに定められている。この最短長さLは、母材14およびガラス層16の材料や厚さに基づいて個別に定められるが、先に例示した材料および厚さを前提とすると、最短長さLは5mm~15mm程度に定められる。
図1(B)に示す封止材28は、露出面30を封止するようにカバー20の内側空間Sに充填された部材である。本実施形態の封止材28は、複数の第1封止材60と、第2封止材62とを有している。第1封止材60は、カバー20の内側空間Sにおいて互いに重ね合わされたシート状の部材であり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの耐蝕性の材料を用いて中心部に貫通孔を有する円板状に形成されている。複数の第1封止材60のそれぞれの直径は、その外周面がカバー20の内面に近接するように定められている。
第2封止材62は、カバー20の内側空間Sを完全に埋めるための部材であり、施工時に流動性を有する耐蝕性の樹脂を用いて形成されている。第2封止材62の材料は、特に限定されるものではないが、フラン系樹脂およびエポキシ系樹脂などの耐酸性の熱硬化性樹脂などを用いることができる。
(グラスライニング製品の補修方法)
図3は、グラスライニング製品の補修方法を示す図であり、図3(A)はガラス層16の破損箇所Kを示す断面図、図3(B)は母材を露出させる工程を示す断面図、図3(C)は溶接工程を示す断面図である。図4(D)は封止工程を示す断面図である。
上記のグラスライニング製品の補修構造10によりグラスライニング製品12を補修する際には、作業者は、破損箇所Kを確認する工程、母材14を露出させる工程(母材露出工程)、溶接工程および封止工程をこの順番に実行する。
破損箇所Kを確認する工程では、作業者は、グラスライニング製品12のガラス層16を検査して、図3(A)に示す破損箇所Kを探し出す。
図3(B)に示すように、母材14を露出させる工程(母材露出工程)では、作業者は、破損箇所Kの大きさを確認し、ガラス層16を除去する範囲を特定する。続いて、特定した範囲について、破損箇所Kおよびその周囲のガラス層16をグラインダーなどで除去する。この工程では、図2に示す熱的縁切り領域Qを確保できる広さでガラス層16を除去する。ガラス層16を除去することによって露出された母材14の表面が露出面30である。
図3(C)に示すように、溶接工程では、作業者は、図1(B)に示すカバー支持部24の基端部(すなわち第2雌ネジ部46)を露出面30に接触させた状態で配置するとともに、カバー支持部24の一部である被溶接部48を露出面30に溶接する。この工程では、溶接部26とガラス層16とを離間させることによって、これらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域Qを露出面30に確保する。また、この工程では、被溶接部48を露出面30に対して点状に溶接する。
図4(D)に示すように、封止工程では、作業者は、カバー取付け作業を実行する。すなわち、作業者は、まず、露出面30に溶接された第2雌ネジ部46に対して第1部分38をネジ接合する。そして、第1部分38に設けられた第1雄ネジ部42をカバー20の貫通孔32およびガスケット54の貫通孔(図示省略)に挿通させて、これを外側部分36の第1雌ネジ部52に螺合する。
また、作業者は、カバー取付け作業と併行して、封止材充填作業を実行する。すなわち、作業者は、ガラス層16の表面にガスケット22を配置するとともに、カバー20と第1雌ネジ部52との間にガスケット54を配置する。また、露出面30に第2封止材62を塗布するとともに、カバー20の内側空間Sに複数の第1封止材60を重ねて配置する。さらに、カバー20の内側の面に第2封止材62を塗布する。そして、この状態で上記のカバー取付け作業を実行して、カバー20をカバー支持部24で固定する。これにより、カバー20の内側空間Sに第1封止材60および第2封止材62が充填され、露出面30が封止される。
(実施形態の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図1(B)に示すように、カバー支持部24が母材14の露出面30に接触した状態で配置されており、カバー支持部24の一部である被溶接部48が露出面30に溶接されているので、カバー支持部24を設けるために母材14に穴を形成する必要はない。したがって、母材14の強度を低下させることなく、ガラス層16の破損箇所Kを補修することができる。
図2に示すように、熱的縁切り領域Qが露出面30に確保されているので、溶接部26が高温に加熱されても、ガラス層16は高温にならない。したがって、ガラス層16が母材14から剥離したり、割れたりすることを防止できる。
図1(B)に示すように、第2雌ネジ部46として汎用部品であるナットを用いているので、カバー支持部24を安価に構成することができる。また、図2に示すように、溶接部26が点状に形成されているので、ガラス層16に伝播する熱量を低減でき、ガラス層16が母材14から剥離したり、割れたりすることをより効果的に防止できる。
図1(B)に示すカバー支持部24における外側部分36の少なくとも表面が耐蝕性の材料で形成されているので、カバー支持部24の腐蝕を抑制できる。また、カバー支持部24が、内側部分34と外側部分36とに分割されているので、露出面30に対する溶接が困難な材料(タンタルなど)で外側部分36が形成される場合でも、露出面30に対する溶接が容易な材料(炭素鋼、ステンレスなど)で内側部分34を形成でき、溶接工程の施工性を高めることができる。
図1(B)に示す内側部分34における第1部分38の少なくとも表面が耐蝕性の材料で形成されているので、内側部分34の腐蝕を抑制できる。また、内側部分34が、第1部分38と第2部分40とに分割されているので、露出面30に対する溶接が困難な材料(タンタルなど)で第1部分38が形成される場合でも、露出面30に対する溶接が容易な材料(炭素鋼、ステンレスなど)で第2部分40を形成でき、溶接工程の施工性を高めることができる。
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、図2に示すように、溶接部26が点状に形成されているが、溶接部26は、線状または面状に形成されてもよい。また、図1(B)に示すように、第2雌ネジ部46がネジ孔50を有する六角柱状に形成されているが、第2雌ネジ部46は、ネジ孔50を有する円柱状、四角柱状および五角柱状などの他の形状に形成されてもよい。さらに、図2に示すように、露出面30および熱的縁切り領域Qが円形に形成されているが、これらは、楕円形、四角形および五角形などの他の形状に形成されてもよい。
図1(B)に示すように、上記実施形態では、カバー支持部24の内側部分34が、棒状の第1部分38と、第2雌ネジ部46を有する第2部分40とで構成されているが、第2部分40が省略されて、第1部分38の被溶接部48が露出面30に溶接されてもよい。つまり、内側部分34は、被溶接部48が設けられた基端部と、第1雄ネジ部42が設けられた先端部とを有する棒状に形成されてもよい。この構成では、カバー支持部24の露出面30に接触する接触面24aの面積を小さくして、露出面30の面積を小さくすることができる。したがって、ガラス層16を除去する範囲を狭くすることが可能であり、母材14を露出させる工程の作業負担を軽減することができる。
図5は、カバー支持部24の変形例を示す図であり、図5(A)は内側部分66の第3部分66aと第4部分66bとを溶接部68で溶接した変形例を示す断面図、図5(B)は内側部分70の第3部分70aと第4部分70bとを継手72で接合した変形例を示す断面図である。
第2部分40が省略されて、内側部分34の全体が棒状に形成されただけでは、耐蝕性の材料(タンタルなど)で形成された内側部分34を露出面30に溶接することが困難な場合がある。そこで、図5(A)に示すように、内側部分66は、その長さ方向の中央部において、耐蝕性の材料(タンタルなど)で形成された先端部側の第3部分66aと、露出面30に対する溶接が容易な材料(炭素鋼、ステンレスなど)で形成された基端部側の第4部分66bとに分割して構成されて、これらが溶接部68で溶接により接合されてもよい。
また、図5(B)に示すように、内側部分70は、その長さ方向の中央部において、耐蝕性の材料(タンタルなど)で形成された先端部側の第3部分70aと、露出面30に対する溶接が容易な材料(炭素鋼、ステンレスなど)で形成された基端部側の第4部分70bとに分割して構成されて、これらが継手72により接合されてもよい
これらの変形例によれば、第4部分66b,70bの基端部に設けられた被溶接部48を露出面30に溶接し易い。なお、これらの変形例において、内側部分66,70は、必ずしも長さ方向の中央部で分割される必要はなく、先端部側または基端部側に偏った部分で分割されてもよい。また、第3部分66a,70aと第4部分66b,70bとを接合する接合手段としては、溶接部68および継手72に代えて、接着剤および嵌合構造などが用いられてもよい。
図6は、カバー支持部24の変形例を示す断面図である。図1(B)に示すように、上記実施形態では、内側部分34が第1雄ネジ部42を有し、外側部分36が第1雌ネジ部52を有しているが、図6に示すように、外側部分74が雄ネジ部74aを有し、内側部分76が雌ネジ部76aを有していてもよい。図6に示す内側部分76は、上端部に雌ネジ部76aを有する筒状部材であり、外側部分74は、雌ネジ部76aに螺合される雄ネジ部74aを有するボルトである。
図7は、封止材28の変形例を示す断面図である。図1(B)に示すように、上記実施形態では、封止材28が、第1封止材60と第2封止材62とを有しているが、図7に示すように、シート状の第1封止材60は省略されてもよい。この場合でも、カバー20の内側空間Sに、施工時に流動性を有する第2封止材62を充填することによって、露出面30を封止することができる。
図8は、他の実施形態に係るグラスライニング製品の補修構造80を示す図であり、図8(A)は平面図、図8(B)は図8(A)におけるVIIIB-VIIIB線断面図である。図1(A),(B)に示すように、上記実施形態では、カバー20がドーム状に形成されており、カバー20の中央部に1つのカバー支持部24が設けられているが、カバー20の形状やカバー支持部24の数は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
例えば、図8(A),(B)に示すグラスライニング製品の補修構造80のように、カバー82が平面視で円形のシート状に形成されてもよいし、複数のカバー支持部84がカバー82の外周縁に沿って互いに一定の間隔を隔てて設けられてもよい。この構成では、カバー82を複数のカバー支持部84で支持することができるので、カバー82のサイズが大きくなった場合でも、カバー82の内側空間Sに充填された封止材28の圧縮力を高く保持することができ、露出面30を効果的に封止することができる。また、複数のカバー支持部84が円形のカバー82の外周縁に沿って互いに一定の間隔を隔てて設けられているので、封止材28の圧縮力を露出面30の全域において均一にすることができる。
さらに、図1(B)に示すように、上記実施形態では、カバー支持部24の内側部分34と外側部分36とが、第1雄ネジ部42および第1雌ネジ部52で接合されているが、これらは、嵌合構造および引っ掛け構造などの他の接合手段で接合されてもよい。
K…破損箇所、Q…熱的縁切り領域、S…内側空間、
10…グラスライニング製品の補修構造、12…グラスライニング製品、
14…母材、16…ガラス層、18…母材露出部、20…カバー、22…ガスケット、
24a…接触面、24…カバー支持部、26…溶接部、28…封止材、30…露出面、
34…内側部分、36……外側部分、38…第1部分、40…第2部分、
42…第1雄ネジ部、44…第2雄ネジ部、46…第2雌ネジ部、48…被溶接部、
52…第1雌ネジ部、54…ガスケット、66a,70a…第3部分、
66b,70b…第4部分、66,70…内側部分、68…溶接部、72…継手。

Claims (9)

  1. 金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、
    前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、
    前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、
    前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、
    前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、
    前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、
    前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されており、
    前記カバーは、シート状に形成されており、
    複数の前記カバー支持部が前記カバーの外周縁に沿って互いに一定の間隔を隔てて設けられている、グラスライニング製品の補修構造。
  2. 金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、
    前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、
    前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、
    前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、
    前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、
    前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、
    前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されており、
    前記カバー支持部は、前記被溶接部を有して前記カバーの内側に配置された内側部分と、前記カバーの外側から前記カバーに押し当てられた外側部分とを有しており、
    前記カバーは、前記露出面に対して直交方向に貫通する貫通孔を有しており、
    前記内側部分は、前記貫通孔に挿通された第1雄ネジ部を有しており、
    前記外側部分は、前記第1雄ネジ部が螺合された第1雌ネジ部を有しており、
    前記内側部分は、前記第1雄ネジ部が設けられた先端部側の第3部分と前記被溶接部が設けられた基端部側の第4部分とに分割されるとともに、前記第3部分と前記第4部分とが接合手段により接合された棒状に形成されており、
    前記第3部分は、耐蝕性の材料で形成されており、
    前記第4部分は、前記露出面に対する溶接が容易な材料で形成されている、グラスライニング製品の補修構造。
  3. 金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、
    前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、
    前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、
    前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、
    前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、
    前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、
    前記封止材は、施工時に流動性を有する耐蝕性の樹脂を用いて前記カバーの内側の空間を完全に埋めるように形成された第2封止材を有し、
    前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されている、グラスライニング製品の補修構造。
  4. 前記封止材は、耐蝕性の材料を用いてシート状に形成されるとともに、互いに重ね合わされた複数の第1封止材を有する、請求項3に記載のグラスライニング製品の補修構造。
  5. 金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修構造であって、
    前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって露出された前記母材の露出面を有する母材露出部と、
    前記露出面の全体を覆うように前記ガラス層の表面に配置されたカバーと、
    前記カバーと前記ガラス層との間に介在されたガスケットと、
    端面が前記露出面に接触した状態で前記露出面に配置され、前記カバーを支持するカバー支持部と、
    前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接することにより構成された溶接部と、
    前記露出面を封止するように前記カバーの内側の空間に充填された封止材とを備え、
    前記露出面には、前記溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域が確保されており、
    前記カバー支持部における前記カバーの内側に位置する部分は、少なくとも表面が耐蝕性の材料で形成された棒状の第1部分と、第2雌ネジ部および前記被溶接部を有するとともに、前記露出面に対する溶接が容易な材料で形成された第2部分とを有しており、
    前記第1部分の基端部には、前記第2雌ネジ部に螺合される第2雄ネジ部が設けられている、グラスライニング製品の補修構造。
  6. 金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修方法であって、
    前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって前記母材の表面を露出させる母材露出工程と、
    カバーを支持するカバー支持部の基端部を前記母材の露出した表面である露出面に接触させた状態で配置するとともに、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接する溶接工程と、
    前記露出面の全体を覆うように前記カバーを前記カバー支持部に取り付けるカバー取付け作業と、前記カバーの内側の空間に封止材を充填する封止材充填作業とを併行して実行することによって前記露出面を封止する封止工程とを備え、
    前記溶接工程では、前記被溶接部を前記露出面に溶接する溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域を前記露出面に確保し、
    前記母材露出工程では、前記熱的縁切り領域を確保できる広さの範囲で前記ガラス層を除去し、
    前記封止材は、施工時に流動性を有する耐蝕性の樹脂を用いて形成された第2封止材を有し、前記封止材充填作業は、前記第2封止材を前記露出面に塗布する作業を含む、グラスライニング製品の補修方法。
  7. 金属製の母材と前記母材の表面に形成されたガラス層とを有するグラスライニング製品における前記ガラス層の破損箇所を補修するグラスライニング製品の補修方法であって、
    前記破損箇所およびその周囲の前記ガラス層を除去することによって前記母材の表面を露出させる母材露出工程と、
    カバーを支持するカバー支持部の基端部を前記母材の露出した表面である露出面に接触させた状態で配置するとともに、前記カバー支持部の一部である被溶接部を前記露出面に溶接する溶接工程と、
    前記露出面の全体を覆うように前記カバーを前記カバー支持部に取り付けるカバー取付け作業と、前記カバーの内側の空間に封止材を充填する封止材充填作業とを併行して実行することによって前記露出面を封止する封止工程とを備え、
    前記溶接工程では、前記被溶接部を前記露出面に溶接する溶接部と前記ガラス層とを離間させてこれらを熱的に縁切りする熱的縁切り領域を前記露出面に確保し、
    前記母材露出工程では、前記熱的縁切り領域を確保できる広さの範囲で前記ガラス層を除去し、
    前記封止材は、施工時に流動性を有する耐蝕性の樹脂を用いて形成された第2封止材を有し、前記封止材充填作業は、前記第2封止材を前記カバーの内側の面に塗布する作業を含む、グラスライニング製品の補修方法。
  8. 前記封止材充填作業は、前記第2封止材を前記露出面に塗布する作業を含む、請求項7に記載のグラスライニング製品の補修方法。
  9. 前記封止材は、耐蝕性の材料を用いてシート状に形成された複数の第1封止材を有し、
    前記封止材充填作業は、複数の前記第1封止材を前記カバーの内側の空間に重ねて配置する作業を含む、請求項7または8に記載のグラスライニング製品の補修方法。
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