JP7384336B2 - 圧力・近接センサおよび圧力・近接センサシートおよび着座位置検出システム。 - Google Patents

圧力・近接センサおよび圧力・近接センサシートおよび着座位置検出システム。 Download PDF

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Description

本発明は、圧力・近接センサおよび該圧力・近接センサを複数配設した圧力・近接センサシートおよび介護施設で使用する車椅子等の介護用具を含む着座位置検出システムに関する。
介護現場において、介護者が被介護者を車椅子やベッドに移乗させる動作は頻繁におこなわれているが、介護者の技能が未熟な場合は、被介護者の転落などの事故を生じる可能性がある。
このため、介護者の負担軽減や事故防止の観点から、介護技能の向上を図る必要がある。そこで、介護者の介護技能を客観的に評価しその結果に基づいて適切な指導をおこなうことのできる仕組みやシステムが求められている。そのためには、人体が近接・接触した場合に距離や圧力を的確に検出できるセンサ及び位置を的確に検出できるセンサ群のシートが必要となってくる。
一方、織物にセンサ機能を持たせた各種タッチセンサが提案されている。例えば、特許文献1には、フレキシブルなシート状のタッチセンサで、軽く触れるだけで接触位置を検出することができ、また、曲げたり折り畳んだりすることも可能であるためウェアラブル端末に使用できるタッチセンサが提案されている。
又、特許文献2には接触した際に圧力、引張力または張力により電気容量が変化することで、人体の生理パラメータを予め導電繊維に弾性材料を含ませて織物として製造された導電部を布に縫い付けるセンサが提案されている。
さらに、非特許文献1には導電性繊維を用いた接触センサとして、バイタルを表すセンサが提案されている。また、静電容量が小さくなるときに接触位置を算出するセンサが提案されている。
特許6671910号公報 特表2013-534833号公報
「縫製及び洗濯耐久性に優れたスマートテキスタイル向けセンサ用並びに配線用導電性縫い糸の開発」、令和2年3月、近畿経済産業局
しかしながら、特許文献1および非特許文献1のセンサは、接触後の評価は可能であるが、非接触の状態でのデータを取得することができなかった。その結果、距離の評価には別の評価方法を用いる必要があった。特許文献2のセンサは予め導電部を製作した後に布に縫い付ける必要があるが、導電部に弾性材料を含ませる必要がある。弾性材料が定められてしまうことにより導電部の構造に制限があることが課題となる。
本発明の目的は、体圧のみならず、センサと生体の間の距離の変化を検出可能にすることで介護技能の評価を安価かつ簡易的に実現することが可能な圧力・近接センサおよび圧力・近接センサシートおよび着座位置検出システムを提供することである。
すなわち本発明の手段は、非導電性基布の片面若しくは両面に可撓性の絶縁シートを設け、一方を導電糸、他方を非導電糸若しくは第2の導電糸とし、非導電性基布及び絶縁シートを介して導電糸と非導電糸若しくは第2の導電糸を交絡し刺繍した後、絶縁シートを溶融して非導電性基布に固着して形成した電極部と、該電極部の一部と接続され、非導電性基布及び絶縁シートを介して導電糸と非導電糸若しくは第2の導電糸を交絡し刺繍した後、絶縁シートを溶融して非導電性基布に固着して形成した配線部と、電極部及び配線部の少なくとも一部を覆うように非導電部で被覆したカバー部とを備え、電極部と被検体との間の静電容量の変化に基づいて被検体との距離及び圧力を検出する圧力・近接センサとしたことである。
さらに、非導電性基布及び絶縁シートを介して導電糸と非導電糸若しくは第2の導電糸を交絡し刺繍した後、絶縁シートを溶融して非導電性基布に固着して電極部を形成し、各電極部の一部と接続され、導電糸と非導電糸若しくは第2の導電糸を、非導電性基布及び絶縁シートを介して交絡し刺繍した後、絶縁シートを溶融して非導電性基布に固着して形成した配線部とで構成した圧力・近接センサを複数個所に備えて、各電極部及び各配線部の少なくとも一部を覆うように非導電部で被覆して圧力・近接センサシートとしたことである。
また、上述の圧力・近接センサシートと、該圧力・近接センサシートの複数の配線部の一端に設けられた端子部と接続され、電極部と被検体との間の静電容量を計測する静電容量検出部と、複数の電極部から得られる静電容量の変化に基づいて、被検体の位置を求める演算処理部と、圧力・近接センサシートの表面又は裏面に配設した絶縁性緩衝部材(以下、絶縁クッション)とを備えた着座位置検出システムとしたことである。
本発明によれば、導電糸を非導電性基布に縫製(刺繍)することでセンサの電極部/配線部として機能することができ、センサと被検体(生体)の間の非接触時における評価および接触時における評価が可能な圧力・近接センサおよび圧力・近接センサシートおよび着座位置検出システムを提供することができるようになる。
また、本発明によれば、非導電性基布及び絶縁シートを介して導電糸と非導電糸若しくは第2の導電糸を交絡し刺繍で形成した電極部や配線部を、絶縁シートを溶融することで非導電性基布に固着することにより、電極部や配線部がズレることなく形状や位置が安定して保持される利点がある。
さらに、洗濯をした場合などに発生する皺や寄りが発生せず、また、フェルト等の厚手の非導電性基布は勿論、薄手の非導電性基布にも電極部や配線部を安定して形成できる利点がある。
本発明の第1の実施態様における圧力・近接センサの全体斜視図である。 図1の圧力・近接センサの分解斜視図である。 本発明の第1の実施態様の変形例における圧力・近接センサの全体斜視図である。 図3の圧力・近接センサの分解斜視図である。 本発明の第1の実施態様における圧力・近接センサの電極部分及び配線部分を示す斜視図である。 図5の分解斜視図である。 図5のA-A矢視断面斜視図である。 本発明の第2の実施態様における圧力・近接センサの電極部分及び配線部分を示す斜視図である。 図8の分解斜視図である。 図8のB-B矢視断面斜視図である。 本発明の圧力・近接センサを複数備えた圧力・近接センサシートの平面図である。 図11において薄手の非導電性基布に複数の電極部及び配線部を設けた圧力・近接センサシートの実際の写真である。 本発明の実験例1における圧力・近接センサと静電容量検出部の写真である。 本発明の実験例1における圧力・近接センサの静電容量検出方法を示す図である。 実験例1における圧力・近接センサと被検体との距離に対するカウント値の関係を示す図である。 実験例1における圧力・近接センサにかかる被検体の圧力に対するカウント値の関係を示す図である。 本発明の圧力・近接センサシートを用いた着座位置検出システムの全体を示す写真である。 着座位置検出システムにおける実験例2の実験条件の例を示す図である。 図17の実験装置により求められた着座位置検出システムでの評価結果の図で、着座動作時における圧力・近接センサの各チャンネルに対するカウント値の差分を時間軸に対して表した図である。 実験例2において着座動作時における全圧力・近接センサを全体的に評価する指標(センサ応答評価値)を用いて時間軸に対して表した図である。 実験例2において着座位置における臀部の中心が位置する場所の違いに対して、X方向、Y方向のセンサ応答評価値の関係を示す図である。
<第1の実施態様>
以下に、本発明の第1の実施態様における圧力・近接センサ1の構成を図1、図2を用いて説明する。ポリエステル撚糸で織った布帛やフェルト地などの非導電性基布20を挟んで、上面側に導電糸で形成された導電部30と、下面側に非導電糸で形成された絶縁部40が互いに交絡して刺繍されている。(形成方法は別途説明)なお、非導電性基布20はポリエステル繊維やフェルト以外にナイロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維や綿繊維等の天然繊維、キュプラ、レーヨン等の再生繊維、可撓性を有するポリエステルフィルム(PETフィルム)などのプラスチックフィルムから作製されたものであっても構わない。また、導電糸としては金属繊維又は金属繊維と非導電性繊維を交撚したものであっても構わないが、ポリエステルやナイロンの表面に銀メッキを施した繊維を撚糸した縫い糸が好適である。
上記導電部30は検出部30aとその一部から繋がって形成される導電通路部30b、該導電通路部30bの端面に設けられた端子部30cから成り、非導電性基布20を挟んで絶縁部40も前述の導電部30に対向する略同一形状で座面部40a、リード部40b、終端部40cが設けられている。この結果、検出部30aと座面部40aの刺繍で電極部10が形成され、導電通路部30bとリード部40bの刺繍で配線部11が形成されている。
さらに、上記導電通路部30bを覆うように上面側に第2の非導電糸で形成されたカバー部51と非導電性基布20を挟んでリード部40bを覆うように第3の非導電糸で形成されたカバー部52が交絡し刺繍でカバー部が設けられている。この結果、導電部30は検出部30aと端子部30cが外部から導通接続可能な状態となっている。
上述の導電部30、絶縁部40、カバー部51、カバー部52を形成する方法とその構造を図5~図7にて説明する。電極部10、配線部11を形成する導電部30、絶縁部40は所謂刺繍ミシンを用いて作製し、導電糸を上糸31とし、非導電糸を下糸41として非導電性基布20を挟んで交絡して刺繍で形成されている。また、カバー部を形成するカバー部51、カバー部52も同様に第2の非導電糸(図示せず)を上糸とし、第3の非導電糸(図示せず)を下糸として非導電性基布20を挟んで導電通路部30bとリード部40bを覆うように交絡して刺繍で形成されている。
導電糸としては前述したように金属繊維又は金属繊維と非導電性繊維を交撚したものや、非導電性繊維に導電性物質を練り込んだ繊維、金、銀、銅などの金属をメッキ又は蒸着で被覆した繊維を撚糸したものであっても構わないが、ポリエステルやナイロンの表面に銀メッキを施した繊維を撚糸した縫い糸が好適である。また、非導電糸はポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維や綿繊維等の天然繊維、キュプラ、レーヨン等の再生繊維を撚糸した縫い糸が用いられる。
刺繍動作としては、導電糸の上糸31は、図示せぬが非導電性基布20に対して垂直に上下する刺繍ミシンの縫い針の穴に通されており、非導電性基布20の上面側20bから縫い付け部Wにおいて非導電性基布20の貫通孔20aに貫通され下面側20cに突き出てくる。その後、非導電糸の下糸41と交絡され縫い針が戻ることにより刺繍が行われる。なお、上糸31と下糸41の張力のバランスにより上糸交絡位置31aと下糸交絡位置41aの交絡点Sの位置が決定される。
なお、本図では上糸31として導電糸を用い、下糸41として非導電糸を用いて互いに交絡させて刺繍を形成すると説明したが、上糸31として非導電糸を用い、下糸41として導電糸を用いて互いに交絡させて刺繍を形成しても構わない。
<第1の実施態様の変形例>
本発明の第1の実施態様の変形例の圧力・近接センサ2の構成を図3、図4を用いて説明する。非導電性基布20を挟んで、上面側に導電糸で形成された導電部30と下面側に非導電糸で形成された絶縁部40が設けられており、さらに、検出部30a全体と導電通路部30bを覆うように上面側に第2の非導電糸で形成されたカバー部53と、非導電性基布20を挟んで座面部40a全体と、リード部40bを覆うように第3の非導電糸で形成されたカバー部54が設けられている。なお、カバー部53とカバー部54は第2の非導電糸と第3の非導電糸を交絡して刺繍で作製されている。
カバー部53は検出部30aを覆うように保護する検出カバー部53aと導電通路カバー部53bで構成されており、カバー部54は座面部40aを覆うように保護する座面カバー部54aとリードカバー部54bで構成されている。この結果、導電部30は端子部30cが外部から導通接続可能な状態となっている。
なお、本発明の第1の実施態様の変形例では、座面部40aも非導電糸の座面カバー部54aで覆うよう形成されているため、絶縁部40は必ずしも非導電糸で作製する必要はなく、絶縁部40の代わりに非導電性基布20を挟んで両側に導電部30を設けて作製してもよい。
また、前述のカバー部51、52、53、54は必ずしも非導電糸同士を交絡させて刺繍で作製する必要はなく、導電部30を覆うように形成すれば導電部30を設けた側だけに非導電性の布帛を縫い付けて作製しても構わない。ただし、本発明の圧力・近接センサの屈曲性や安定性の点からは、非導電糸同士を交絡させて刺繍で作製することが好適である。
<第2の実施態様>
本発明の第2の実施態様における圧力・近接センサ3の刺繍部の構造を図8~図10を用いて説明する。非導電性基布20と下糸41の間にはポリエチレン(PE)フィルムやポリ塩化ビニル(PVC)フィルムなどの薄い可撓性の絶縁シート60が設けられており、非導電性基布20と絶縁シート60を介して上糸31と下糸41とを交絡して刺繍が形成されている。本図では絶縁シート60は非導電性基布20と下糸41の間に設けて説明するが、非導電性基布20と上糸31の間、または非導電性基布20の両側に設けてもよい。
導電糸の上糸31は、縫い針の穴に通されており非導電性基布20の上面側20bから縫い付け部Wにおいて非導電性基布20の貫通孔20aに貫通され下面側20cに突き出てくる。さらに、その下面側20cに重ねられた絶縁シート60の貫通孔60aを突き抜ける。その後、非導電糸の下糸41と交絡され縫い針が戻ることにより刺繍が行われる。絶縁シート60は薄いプラスチックフィルムであり、上糸交絡位置31eと下糸交絡位置41eの交絡点Tの位置は絶縁シート60の下面側に発生することが一般的だが、上糸31と下糸41の張力のバランスにより(上糸31の張力を強くする)非導電性基布20の内部に位置することもできる。
次に、非導電性基布20と絶縁シート60を介して上糸31と下糸41を交絡し刺繍で形成した電極部10、配線部11、及びカバー部に対して、不要な部分の絶縁シート60を剥ぎ取る。この時、電極部10、配線部11、カバー部と一緒に縫製された絶縁シート60は刺繍部に挟まれて保持されるが、残部分の絶縁シート60は縫製のミシン目から切れて剥がされ除去される。
その後、絶縁シート60側からアイロン等にて加熱加圧処理を行うと、上糸31と下糸41に使用している繊維の耐熱より低い耐熱温度の絶縁シート60は非導電性基布20と下糸41の間で溶融して絶縁部40が非導電性基布20と固着され一体化して形状が保持される。なお、前述したように絶縁シート60は非導電性基布20と上糸31の間、非導電性基布20と上糸31及び下糸41の間にあっても良いことは勿論である。
この結果、電極部10、配線部11は非導電性基布20と一体化して、柔軟性は有するがズレることなく形状や位置が安定して保持され、洗濯をした場合などに発生する皺や寄りが発生せず、また、フェルト等の厚手の非導電性基布は勿論、薄手の通気性の良好な非導電性基布にも電極部や配線部を安定して形成できる。
図11に本発明における応用として、1枚の非導電性基布70に複数の圧力・近接センサを形成し、電極部10A~10Kを規則正しく配置して圧力・近接センサシート100とした例を示す。図11では、電極部10A~10Kは各電極部の略中心に対して左右均等、上下均等に10個の電極部を配置している。また、各電極部10A~10Kに接続された配線部11A~11Kが配設され、非導電性基布70の端部の端子部(例えば30Dc、30Gc)に伸びている。
図12は上記圧力・近接センサシート100の実際の写真例で、非導電性基布71は前述したように薄手の通気性の良好な非導電性基布を用いた例である。なお、この例の場合は絶縁シート60が合わせて縫い込まれて刺繍され、さらに加熱加圧処理が施された溶融固着された例である。このように本発明によれば非常に簡単に圧力・近接センサシート110が作製できる。
<実験例1>
図13は本発明の圧力・近接センサ1を用いて、その特性を評価した実験例1の写真であり、圧力・近接センサ1の端子部30cには静電容量検出部80が接続されている。該静電容量検出部80はスイッチトキャパシタフィルタ(SCF)を内蔵した静電容量評価ボード(例えば、ルネサスエレクトロニクス株式会社、RX130)であり、静電容量の変化はSCFにより電流量の変化に変換され、電流量に応じて発振周波数が変化する回路から出力されるパルスをカウントすることで評価した。また、発振波形において100ms毎に含まれるパルス数のことをカウント値Cとよび、このカウント値Cで生体の接近、接触にともなう静電容量の変化を評価した。
ここで、圧力・近接センサ1は、上糸には非導電性繊維(ポリエステル糸120デニール:パールヨット株式会社製)を用い、下糸には導電性繊維(スマートX:株式会社フジックス製)を用いた。また、非導電性基布20は(パンチロンフェルト1mm:サンフェルト株式会社製)を用いた。縫製ミシン(TLMX-T1202:株式会社TISM製)を用いて圧力・近接センサ1を縫製した。
図14に実験例1に使用する実験装置全体の概略写真を示し、製作した圧力・近接センサ1の応答特性を調べるため、クロスヘッドの変位や速度、対象物に加える荷重を機械的に制御可能な一軸圧縮試験機(株式会社エー・アンド・ディ:MCT-2150)のクロスヘッドにステンレスブロック75(40X40X20mm)を取り付け、圧力・近接センサ1の電極部10の上に車椅子の絶縁クッション材と同じ弾性を有する絶縁ブロック77(40X40X15mm)を置き、ステンレスブロック75を接近、接触させる実験を実施した。また、絶縁クッション材はポリウレタン発泡材、粘弾性ゲル層を有する軟質フォーム、弾性ゴム等が用いられる。
ステンレスブロック75を生体76として模擬するため、ステンレスブロック75と生体76表面を等電位に接続した。ステンレスブロック75と絶縁ブロック77の間の距離Dを変化させたときに生じるカウント値Cの変化を調べるため、ステンレスブロック75をD=10.0mmの位置から絶縁ブロック77に接近させる方向に所定の距離間隔で移動させた。
ステンレスブロック75を移動させた後は、その位置での静止状態を少なくとも5s以上保ち、その間に計測されるカウント値Cから5点を無作為に抽出し、その平均値をプロットした。ここで、ステンレスブロック75が絶縁ブロック77の上面に接触し、一軸圧縮試験機が荷重0.0Nの状態を、D=0.0mmかつ圧力0.0Paの状態とした。
ステンレスブロック75と絶縁ブロック77が接触した後は、一軸圧縮試験機が示す荷重が所定の間隔になるようにステンレスブロック75を移動させ、それぞれの位置でのカウント値Cの平均値を接触前と同様に計測した。なお、荷重は図示せぬ圧力センサを圧力・近接センサ1の電極部10の下に敷いて検出した。
ステンレスブロック75と絶縁ブロック77が接触する前の距離Dとカウント値Cの関係を図15に示す。横軸は距離D、縦軸はカウント値Cの平均値を示した。
D=10.0mmからD=1.0mmまでは1.0mm毎、D=1.0mmからD=0.0mmまでは0.2mm毎にカウント値Cを計測した。圧力・近接センサ1を使用することで、センサと生体76の間の距離Dの変化を検出できることがわかった。
ステンレスブロック75と絶縁ブロック77が接触した後の荷重とカウント値Cの関係を図16に示す。横軸は一軸圧縮試験機で与えた荷重を接触面積で除することで得られる圧力、縦軸はカウント値Cの平均値を示した。加える圧力が60.0kPaまでの圧力下においては圧力・近接センサ1を使用できることがわかった。
<実験例2>
着座位置検出システム200の全体構成を図17に示す。車椅子90の座面には、導電性縫い糸で刺繍された圧力・近接センサシート120が置かれその上面に絶縁クッション91が載せられている。圧力・近接センサシート120の各端子部30c(図示せず)は前述したように静電容量検出部80に接続され、さらに、静電容量検出部80で出力するカウント値Cを取り込み評価するパーソナルコンピュータなどの演算処理部81に接続されている。
一方、前述の圧力・近接センサシート120はチャンネルCh1~Ch10の10個の圧力・近接センサで構成されており、320×28mmの非導電性基布の上に各チャンネルが40X40mmの電極部を有し、図17のように中心に対して着座位置で左右対称(図17では上下方向で表示)、前後対(図17では左右方向で表示)に配置されている。なお、ここで中心(座面座標上の原点E)に対しての位置は図17で示すように図中で下方向を+X側、右方向を+Y側としている。
実験例2の実験条件を図18に示す。車椅子90の座面の幅は450mmとなっており、被験者の着座時の位置を案内するために2個の幅60mmの治具92を使用して着座位置を変化させた。図18では左に治具92を並べて置き被験者が着座した場合をLeft位置、左右に分割して置き被験者が着座した場合をCenter位置、右に治具92を並べて置き被験者が着座した場合をRight位置とした。
実験例2の1回の試行を20sとし、実験開始から5s後に鳴らすベルで着座を開始、15s後のベルで立ち上がりを開始、20s後のベルで実験終了とした。実験は3回繰り返し各チャンネルの圧力・近接センサの応答を調べた。
圧力・近接センサの応答は、時間tにおけるチャンネルiのカウント値をCi(t)としたとき、時間0sにおけるカウント値Ci(0)との差分値Δi(t)は以下の数1で示す式で評価した。

ここで、下添え字iはセンサのチャンネル番号(i=1,2,・・・・・・,10)とする。
図19に着座位置がRightの条件での被験者1名の着座時の各チャンネルの圧力・近接センサの応答データを示す。横軸は測定時間(s)、縦軸はΔi(t)を示す。
各チャンネルの圧力・近接センサの応答の時系列を見ると、着座開始のベルが鳴った直後の6s付近で着座動作がおこなわれ、その後8sから15s付近までは安定した着座状態が継続し、立ち上がり開始のベルが鳴った直後の16s付近で立ち上がり動作がおこなわれたことが読み取れる 。
10チャンネルの圧力・近接センサ全体の応答を総合的に評価する指標として、センサ応答評価値Gx、Gyを以下の数2、数3の式で定義する 。


ここで、xi, yiは座面座標上の原点Eから各チャンネル番号の電極部の中心の座標までの符号付きのX方向の距離またはY方向の距離であり、数1、数2の式は、X方向の距離またはY方向の距離によって重み付けをしたセンサ応答評価値の総和を表している。また、その符号が臀部の中心が位置する座面座標の象限を表すものとして定義している。
図19で示した圧力・近接センサの応答から、センサ応答評価値Gx、Gyを算出した結果を図20に示す。横軸は時間(s)、縦軸はセンサ応答評価値Gを示す。着座位置がRightの場合、被験者の臀部の中心は図17に示す座面座標上の+X側に位置することになる。これに対して、図20の結果ではGxは正の値を示しており、臀部の中心が+X側にあることを表現できていることがわかる。
図21に横軸をGx、縦軸をGyとし、着座位置が異なる場合のGx、Gyの変化の関係を表示した。×印のプロットは着座目標がLeft、●印のプロットはCenter、◆印のプロットはRightのときの結果をそれぞれ示す。プロットしたデータは、被験者1名の着座から立ち上がりまでの全ての計測データを使用して算出した値である。図21より、臀部の中心位置に対応したセンサ応答評価値Gx、Gyの変化が確認できた。
図21から、Leftの条件下ではGxは負の値、Rightの条件下では正の値となっており、臀部の中心位置を弁別できていることがわかる。また、Centerの条件下では、Left、Right に比べGxの絶対値が小さく、臀部の中心が座面座標上の原点E近傍に位置することを表現できていることがわかる。
本実験の結果、本発明の圧力・近接センサによって車椅子への着座や立ち上がりを含む車椅子の起居動作を解析できることが明らかとなった。また、被検体と圧力・近接センサの距離の変化と車椅子の座面上における座圧の変化を検出することで、着座位置の違いが検出可能であることがわかった。
以上、本発明の実施の形態や実験例に関して詳細に説明してきたが、実施の形態はこれに限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成をとり得ることは勿論である。例えば、本発明の第1の実施態様のように圧力・近接センサ1の検出部30aを外部に露出させることで、タッチセンサとして使用することもできる。
1、2、3:圧力・近接センサ
10:電極部
11:配線部
20、70、71:非導電性基布
30:導電部
30a:検出部
30b:導電通路部
30c:端子部
31:上糸
40:絶縁部
40a:座面部
40b:リード部
40c:終端部
41:下糸
51、52、53、54:カバー部
53a:検出カバー部
53b:導電通路カバー部
54a:座面カバー部
54b:リードカバー部
60:絶縁シート
75:導電ブロック
76:生体
77:絶縁ブロック
80:静電容量検出部
81:演算処理部
90:車椅子
91:絶縁クッション
92:治具
100、110、120:圧力・近接センサシート
200:着座位置検出システム


Claims (4)

  1. 非導電性基布と、
    該非導電性基布の片面若しくは両面に設けた可撓性の絶縁シートと、
    一方を導電糸、他方を非導電糸若しくは第2の導電糸とし、前記非導電性基布及び前記絶縁シートを介して前記導電糸と前記非導電糸若しくは前記第2の導電糸交絡し刺繍で形成された電極部と、
    該電極部の一部と接続され、前記非導電性基布及び前記絶縁シートを介して前記導電糸と前記非導電糸若しくは前記第2の導電糸交絡し刺繍で形成された配線部と、
    前記電極部及び前記配線部の少なくとも一部を覆うように非導電部で被覆したカバー部と、
    を備え、前記電極部と被検体との間の静電容量の変化に基づいて前記被検体との距離及び圧力を検出する圧力・近接センサであって、
    前記絶縁シートが溶融して前記電極部と前記配線部とが前記非導電性基布に固着されていることを特徴とする圧力・近接センサ
  2. 非導電性基布と、
    該非導電性基布の片面若しくは両面に設けた可撓性の絶縁シートと、
    一方を導電糸、他方を非導電糸若しくは第2の導電糸とし、前記非導電性基布及び前記絶縁シートを介して前記導電糸と前記非導電糸若しくは前記第2の導電糸交絡し刺繍で形成された複数の電極部と、
    複数の前記電極部の一部とそれぞれ接続され、前記非導電性基布及び前記絶縁シートを介して前記導電糸と前記非導電糸若しくは前記第2の導電糸交絡し刺繍で形成された複数の配線部と、
    複数の前記電極部及び複数の前記配線部の少なくとも一部を覆うように非導電部で被覆した複数のカバー部と、
    を備え、複数の前記電極部と被検体との間の静電容量の変化に基づいて前記被検体との距離及び圧力を検出する圧力・近接センサシートであって、
    前記絶縁シートが溶融して複数の前記電極部と複数の前記配線部とが前記非導電性基布に固着されていることを特徴とする圧力・近接センサシート
  3. 複数の前記電極部を前記圧力・近接センサシートの中央部に対して、前後略対又は左右略対又はその両方に配置したことを特徴とする請求項に記載の圧力・近接センサシート。
  4. 請求項又は請求項に記載の圧力・近接センサシートと、
    該圧力・近接センサシートの複数の前記配線部の一端に設けられた複数の端子部と接続され、複数の前記電極部と前記被検体との間の静電容量を計測する静電容量検出部と、
    複数の前記電極部から得られる静電容量の変化に基づいて、前記被検体の位置を求める演算処理部と、
    前記圧力・近接センサシートの表面又は裏面に配設した絶縁性緩衝部材、
    とを具備する着座位置検出システム。
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