JP7383778B1 - Dmドキュメント生成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】DM発行時の承認手続を簡素化し、素材データのバージョン管理も容易化する。【解決手段】DMドキュメント生成システム10において、開発システム12は、開発用素材データ記憶部22と、架空の顧客のDMトランザクションデータ50と、DMドキュメントを生成するコンテンツ生成部18と、を含む。本番印刷システム14は、本番用素材データ記憶部34と、実在の顧客のDMトランザクションデータ54と、コンテンツ生成部30を備える。リリース制御システム16は、環境データ記憶部42と、素材データのバージョン管理用の素材管理データ記憶部44と、リリース制御部40を備える。リリース制御部40は、開発システムのDMドキュメントに承認が得られた場合に、開発用素材データ記憶部22内の素材データを環境データ記憶部42にコピーすると共に、本番用素材データ記憶部34にコピーし、開発用素材データ記憶部22から削除する。【選択図】図1

Description

この発明はDMドキュメント生成システムに係り、特に、一枚ずつ内容の異なる印刷物を印刷するバリアブルプリント技術を使ったDM(ダイレクトメール)用のドキュメントデータ生成技術に関する。
顧客のニーズに合わせてアプローチを行うOne to Oneマーケティングや、顧客に対するサポート業務などにおいては、顧客毎に内容の異なるDMを郵送することが求められ、このような分野においては、顧客ごとに内容を異ならせたDMドキュメントの生成が必要となる。
このDMの元になるDMドキュメントは、具体的には顧客毎の住所、氏名、性別、生年月日等の属性情報や購入履歴、適用企画等が記述されたDMトランザクションデータに基づき、所定のフレーム(用紙枠)上に各顧客に最適なテキストデータや画像データを配置することにより生成される。
特開2019-067244
このように顧客ごとに最適化されたDMドキュメントは、一般に生成数が膨大となることに加え、その記載内容も千差万別となるため、印刷前に個別チェックを行うことは現実的ではない。また、DMドキュメントには貴重な個人情報が多く含まれているため、閲覧者を厳しく制限すべきであるという要請も強い。
このため、印刷事業者によるDMドキュメントの開発段階においては、架空の顧客に関するダミーのDMトランザクションデータを用いてDMドキュメントを複数パターン生成し、これをプリンタで印刷したDMサンプルをスポンサーの担当者が事前チェックすることが行われている。
そして、担当者からの承認が得られた時点で、印刷事業者は実際のDMトランザクションデータを用いた本番用のDMドキュメントの生成に着手し、大型のデジタル印刷機を用いたバリアブル印刷を実行する。
以上の結果、個人情報の流出を有効に防止しながら、DMの記載内容を事前チェックすることが可能となるが、開発段階においてDMのサンプルをプリントアウトし、これをスポンサーに提示して承認を得るのに手間と時間を要するという問題が指摘されていた。
また、一旦スポンサーに承認され、DMが顧客に投函された後であっても、所期の効果が上がらない場合や事情の変更が生じた場合などには内容の改訂が随時行われるのであるが、DMドキュメント生成用の各種データが開発環境と本番環境との間を行き来する際のバージョン管理が煩雑となり、誤ったデータに基づいて改訂を行ってしまう危険性もあった。
この発明は、このようなDMドキュメントの生成における現状に鑑みて案出されたものであり、顧客の個人情報の漏洩防止を堅持しつつも、DM発行時の承認手続を簡素化できると共に、DMドキュメント生成用データのバージョン管理を容易化できる技術の実現を目的としている。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載したDMドキュメント生成システムは、複数の素材データを格納する開発用素材データ記憶手段と、複数の架空の顧客に関する情報を含むDMトランザクションデータを格納する記憶手段と、上記DMトランザクションデータを読み込み、各顧客に最適な素材データをDMの枠組みを規定するテンプレートに従って配置することにより、顧客毎に内容の異なるDMドキュメントを生成する手段と、スポンサーからのリクエストに応じて、上記DMドキュメントを外部のコンピュータに転送するドキュメント開示手段とを備えた開発システムと、複数の素材データを格納する本番用素材データ記憶手段と、複数の実在の顧客に関する情報を含むDMトランザクションデータを格納する記憶手段と、上記DMトランザクションデータを読み込み、各顧客に最適な素材データをDMの枠組みを規定するテンプレートに従って配置することにより、顧客毎に内容の異なるDMドキュメントを生成する手段とを備えた本番印刷システムと、素材データを格納する環境データ記憶手段と、各素材データのバージョン情報を格納する素材管理データ記憶手段と、開発システム及び本番印刷システム間で素材データの移送を実行するリリース制御手段とを備えたリリース制御システムとから構成され、リリース制御手段は、開発システムにおいて生成されたDMドキュメントについてスポンサーからの承認が得られた場合に、開発用素材データ記憶手段内の素材データを環境データ記憶手段にコピーすると共に、開発用素材データ記憶手段内の素材データを削除する処理と、環境データ記憶手段内の素材データを本番用素材データ記憶手段にコピーする処理と、DMドキュメントの改訂が必要となった場合に、素材管理データを参照し、環境データ記憶手段内に格納された現時点で有効な素材データを開発用素材データ記憶手段にコピーする処理を実行することを特徴としている。
請求項2に記載したDMドキュメント生成システムは、請求項1のシステムであって、上記開発システムにおいて特定の素材データについて改変が施された場合に、上記素材管理データに改変前の素材データについて利用不可を示す情報が付与されると共に、改変後の素材データについて利用可を示す情報が格納され、上記リリース制御手段は、利用可を示す情報が付与されている素材管理データを現時点で有効な素材データとして選択することを特徴としている。
「利用不可を示す情報」及び「利用可を示す情報」としては、例えば素材管理データに「廃番」のデータ項目を設けておき、改変前の素材データについて「真」のフラグを設定し、改変後の素材データについて「偽」のフラグを設定することが該当する。
請求項3に記載したDMドキュメント生成システムは、請求項1のシステムであって、上記素材管理データ記憶手段には、各素材データの利用開始日時及び利用停止日時が格納されており、上記開発システムにおいて特定の素材データについて改変が施された場合に、上記素材管理データに改変前の素材データの利用停止日時として改変前の日時が設定されると共に、改変後の素材データの利用開始日時として改変以後の日時が設定され、上記リリース制御手段は、各素材データの利用開始日時及び利用停止日を参照することにより、現時点で有効な素材データを選択することを特徴としている。
この発明に係るDMドキュメント生成システムの場合、開発システムにおいて生成されたDMドキュメントをスポンサーのコンピュータに転送するドキュメント開示手段を備えているため、スポンサーは直にDMドキュメントを閲覧可能となり、承認手続の簡素化が実現される。
また、スポンサーの承認が得られた際には、リリース制御手段によって開発用素材データ記憶手段内の素材データが削除されると共に、DMの改訂が必要となった場合には、リリース制御手段によって環境データ記憶手段内の最適な素材データが開発用素材データ記憶手段にコピーされる仕組みであるため、DMドキュメントの改訂に際して旧い素材データが混入することを有効に防止できる。
この発明に係るDMドキュメント生成システムの全体構成を示すブロック図である。 DMの一例を示す図である。 DM上の一部の素材データを入れ替えたり改訂したりする様子を示す図である。 素材管理データの一例を示す図である。 DMドキュメント生成の手順を示すフローチャートである。 DMドキュメント生成の手順を示すフローチャートである。 DMドキュメント改修の手順を示すフローチャートである。 DMドキュメント改修の手順を示すフローチャートである。 素材管理データの更新を示す図である。
図1に示すように、この発明に係るDMドキュメント生成システム10は、開発システム12と、本番印刷システム14と、両システムの間に介装されたリリース制御システム16とを備えている。
開発システム12は、コンテンツ生成部18と、開発用テンプレート記憶部20と、開発用素材データ記憶部22と、DMドキュメント記憶部24と、ドキュメント開示部26とを備えている。
コンテンツ生成部18及びドキュメント開示部26は、第1のコンピュータαのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。
また、開発用テンプレート記憶部20、開発用素材データ記憶部22、DMドキュメント記憶部24は、第1のコンピュータαの記憶装置内に設けられている。
ドキュメント開示部26には、インターネット27等の通信網を介してスポンサーの担当者が操作するPC等のクライアント端末28が接続されている。
本番印刷システム14は、コンテンツ生成部30と、本番用テンプレート記憶部32と、本番用素材データ記憶部34と、DMドキュメント記憶部36とを備えている。
コンテンツ生成部30は、第2のコンピュータβのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。
また、本番用テンプレート記憶部32、本番用素材データ記憶部34、DMドキュメント記憶部36は、第2のコンピュータβの記憶装置内に設けられている。
リリース制御システム16は、リリース制御部40と、環境データ記憶部42と、素材管理データ記憶部44とを備えている。
リリース制御部40は、第3のコンピュータγのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。
また、環境データ記憶部42及び素材管理データ記憶部44は、第3のコンピュータγの記憶装置内に設けられている。
リリース制御部40には、LAN等のネットワークを介して印刷事業者のスタッフが操作するPC等のクライアント端末46が接続されている。
リリース制御システム16は、ネットワークを介して開発システム12及び本番印刷システム14と接続されており、リリース制御部40は開発用テンプレート記憶部20、開発用素材データ記憶部22、本番用テンプレート記憶部32及び本番用素材データ記憶部34にアクセス可能となされている。
また、開発システム12のコンテンツ生成部18及び本番印刷システム14のコンテンツ生成部30は、リリース制御システム16の素材管理データ記憶部44を参照可能となされている。
開発システム12の開発用テンプレート記憶部20にはDMの基になるテンプレートが格納されると共に、開発用素材データ記憶部22には複数の素材データが格納される。
ここで「テンプレート」とは、DMの用紙サイズやページ構成、各ページに含まれる枠(領域)の大きさや位置などを規定する定義情報を意味している。
また、素材データとは、各枠に配置される画像ファイルを意味している。
図2はDMの一例を示すものであり、図2(a)はDMの表面(「ページ001」)に対応しており、主版(背景画像)を配置するための「枠000」と、料金後納に関する画像を配置するための「枠001」と、見開き広告用の素材データが配置される「枠002」が設定されている。
また、図2(b)はDMの裏面(「ページ002」)に対応しており、主版(背景画像)を配置するための「枠000」と、左面広告用の素材データが配置される「枠001」が設定されている。
このDMは、ハガキ3枚分の用紙サイズを備えており、三つ折りにして各面を剥離可能に接着することにより、ハガキサイズのDMとなる。
ただし、DMはこのような圧着ハガキタイプのものに限定されるものではなく、通常のハガキを用いたものや、封書を用いたものであってもよい。
各枠に対応の素材データがそのまま配置される場合もあるが、顧客に特有のテキストが素材データの特定領域に記述された後に枠上に配置される場合もある。
例えば、「ページ001」の「枠000」に配置される主版には顧客の宛名表示領域Aが設定されているが、その部分には顧客の住所及び氏名が表記されている。
また、「ページ002」の「枠000」に配置される主版は顧客への呼びかけ領域Bが設定されており、その部分には顧客の氏名が表記されている。
各枠に配置される素材データも1種類に限定されているのではなく、顧客毎に最適な素材データを選択的に配置することもできる。
例えば図3に示すように、誕生月に当たる顧客に対しては「ページ001」の「枠002」に誕生日用素材データ47を配置し、それ以外の顧客に対してはマルチカード広告用素材データ48aを配置するといった制御が可能である。
もちろん、差し替え可能な素材データの数に限定はなく、顧客の属性に応じて多種の素材データ間で交換可能とすることができる。
リリース制御システム16の素材管理データ記憶部44には、各素材データの管理用データが、DMの企画単位で格納される。
図4は、素材管理データ記憶部44に格納されるレコードの一例を示しており、論理名、物理ファイル名、意味1、意味2、意味3、利用開始日時、利用停止日時のデータ項目を備えている。
物理ファイル名は、各素材データの特性を表すべく、所定の命名ルールに従って付与されている。
すなわち、最初の4桁の数値「0002」は、当該素材データが係るDM企画を示している。
つぎの3桁の数値は当該素材が配置されるページを示しており、ここに「001」が設定されている場合には表面に、「002」が設定されている場合には裏面に配置されることを意味している。
つぎの3桁の数値は、当該素材が配置されるページ内の枠を示している。
つぎの4桁の数値は、同一枠内に配置される可変パーツを識別するために採番されるものである。例えば、ある枠に対して3種類の素材データが選択配置される場合には、各素材データに対して「0001」、「0002」、「0003」が付与される。
最後の4桁の数値は、同一の素材データに対して変更が加えられた場合に、その履歴を示すために採番されるものである。例えば、ある素材データに対して過去に3回の改訂が実施された場合には、それぞれに「0001」、「0002」、「0003」が識別符号として付与される。
なお、各数値の桁数は例示であり、他の桁数を排除するものではない。
この物理ファイル名から素材データのバージョン違いを表す末尾の4桁の数値を除外したものが、論理名に該当する。
意味1~3は、当該素材データの意義や内容を人間が理解し易い形で記述しておく項目であり、意味1には配置されるページの意味が、意味2には当該素材データが配置される領域の性質が、意味3には素材データ自体の特徴が日本語で記述されている。
利用開始日時には、当該素材データが利用可能(有効)となる日時が格納されている。
また、利用停止日時には、改訂によって特定の素材データが利用されなくなった場合に、その差し替えのタイミングが記述される。現時点では各素材データは未改訂であるため、遠い未来である「9999/12/31 23:59」が利用停止日時としてセットされている。
つぎに、図5及び図6のフローチャートに従い、DMドキュメント生成の手順について説明する。
まず、今回のDM企画に用いるテンプレートが、開発システム12の開発用テンプレート記憶部20にセットされると共に、素材データが開発用素材データ記憶部22にセットされる(S10)。
つぎに、開発システム12の第1のコンピュータαの記憶装置に、DMトランザクションデータ(ダミー)50がセットされる(S12)。
このDMトランザクションデータ(ダミー)50は、複数の架空の顧客毎に準備されたデータであり、顧客番号、宛名(氏名)、送付先住所、電話番号、性別、生年月日、登録年月日、顧客ランク、保有ポイント、適用企画コード等の情報が格納されている。
つぎに、開発システム12のコンテンツ生成部18が起動し、1件分のDMトランザクションデータ50を読み込み(S14)、リリース制御システム16の素材管理データ記憶部44を参照した上で、必要な素材データを開発用素材データ記憶部22から取得する(S16)。
例えば、DMトランザクションデータ50に記載された生年月日から誕生月に該当すると判断された場合、コンテンツ生成部18は、DMの表面の見開き広告用の素材として、図4の(03)「0002-001-002-0001_0001.pdf」を開発用素材データ記憶部22から取り出すと共に、DMの裏面の主版用の素材として、(07)「0002-002-000-0003_0001.pdf」を取り出す。
取得した素材データはそのまま利用される場合もあるが、必要に応じてコンテンツ生成部18により加工が施される(S18)。
例えば、DM表面の主版には送付先の住所・氏名が記載されることが予めプログラミングされているため、コンテンツ生成部18はDM表面の主版として取得した(01)「0002-001-000-0001_0001.pdf」の領域Aに、当該顧客の住所・氏名を所定のフォント、文字色、大きさ(ポイント)で表現したテキストを埋め込む。
あるいは、誕生日用の(07)「0002-002-000-0003_0001.pdf」をDM裏面の主版として用いる場合、コンテンツ生成部18は当該顧客の氏名を所定のフォント、文字色、ポイントで表現したテキストを呼びかけ用のフレーズ(例えば「千代田 千代 様」)として領域Bに埋め込む。
つぎにコンテンツ生成部18は、上記のようにして取得し、あるいは取得後に必要な加工を施した各素材データを、テンプレートに従ってDMの表面及び裏面に配置し、裏表が連続した1件の画像ファイル(マルチページのPDFファイル)に変換する(S20)。
コンテンツ生成部18は、上記S14~S20の処理を入力された全てのDMトランザクションデータ50毎に繰り返し(S22/N)、全てのDMトランザクションデータ50について処理が完了した時点で(S22/Y)、各顧客分の画像ファイルを1つの画像ファイルに結合し、DMドキュメント(PDFファイル)を生成する(S24)。
このDMドキュメントは、コンテンツ生成部18によってDMドキュメント記憶部24に格納される(S26)。
この後、スポンサーのクライアント端末28からDMドキュメント閲覧のリクエストが送信されると(S28)、ドキュメント開示部26を介してDMドキュメント記憶部24内のDMドキュメントがクライアント端末28に送信される(S30)。
スポンサーの担当者は、送信されたDMドキュメントの内容をクライアント端末28の画面上で、あるいはプリントアウトしてチェックする。
もちろん、従来通りDMドキュメントを印刷事業者のプリンタ52でプリントアウトし、このDMのサンプルをスポンサーに提示して承認を仰ぐこともできる。
チェックの過程で問題点が発覚した場合には、スポンサーの指示に基づいてテンプレートの修正や素材データの差し替え等の措置が講じられた後、上記S14~S30の処理が繰り返される。
これに対し問題がない場合、あるいは問題が克服された場合には、クライアントから承認のメッセージが印刷事業者のスタッフに電子メール等で通知される。
スポンサーからの承認が得られると、印刷事業者のスタッフはクライアント端末46からリリース制御システム16に本番印刷開始のリクエストを送信する。
これを受けたリリース制御部40は(S32)、開発用テンプレート記憶部20内に格納されたテンプレートと、開発用素材データ記憶部22内に格納された各素材データを環境データ記憶部42にコピーした後、これらのデータを開発システム12内の記憶装置から削除する(S34、S36)。
つぎにリリース制御部40は、環境データ記憶部42内のテンプレート及び素材データを、本番印刷システム14の本番用テンプレート記憶部32及び本番用素材データ記憶部34にコピーする(S38)。
この後、本番印刷システム14の第2のコンピュータβの記憶装置に、DMトランザクションデータ(実物)54がセットされると共に、コンテンツ生成部30が起動し、上記S14~S26と実質的に同じ処理が実行され、DMドキュメント記憶部36にDMドキュメントが格納される。
DMトランザクションデータ(実物)54は、現実の顧客に関するデータであるため、生成されたDMドキュメントもサンプルではなく本物となる。
このDMドキュメント記憶部36に格納されたDMドキュメント(PDFファイル)は、大型のデジタルプリンタ56に出力され、専用の圧着ハガキ用紙に印刷される。
その後、圧着ハガキは通常のハガキサイズに折りたたまれ、接触する面同士が剥離可能に接着された上で郵便局に搬送され、投函される。
なお、DMの形式としては圧着ハガキタイプのものに限定されるものではなく、通常のハガキタイプや封書タイプのDMに対してもこの発明は適用可能である。
つぎに、図7及び図8のフローチャートに従い、DMドキュメント改修の手順について説明する。
まず、クライアント端末46からDM改修のリクエストを受信すると(S50)、リリース制御部40は環境データ記憶部42内のテンプレート及び素材データを開発システム12の開発用テンプレート記憶部20及び開発用素材データ記憶部22にセットする(S52)。
つぎに、開発用素材データ記憶部22内の特定の素材データが、印刷事業者のクライアント端末46を介して差し替えられる(S54)。
例えば、図3に示したマルチカード広告用素材データ48aを、その下部の記載を変更したマルチカード広告用素材データ48bと交換することが該当する。
これ以降は、上記S12~S26と同様の処理が実行され、ダミーのDMドキュメントがDMドキュメント記憶部24に格納される(S55~S68)。
そして、上記S28及びS30と同様の手順を経てスポンサーの承認を得た上で(S70及びS72)、本番印刷開始のリクエストがクライアント端末46からリリース制御部40に送信される。
これを受けたリリース制御部40は(S74)、開発用テンプレート記憶部20内に格納されたテンプレートと、開発用素材データ記憶部22内に格納された素材データを環境データ記憶部42にコピーした後、これらのデータを開発システム12内の記憶部から削除する(S76、S78)。
またリリース制御部40は、クライアント端末46からの指令に従い、素材管理データ記憶部44内の素材管理データを更新する(S80)。
具体的には、図9に示すように、(04)「0002-001-002-0002_0001.pdf」に係るレコードの利用停止日時を前日である「2022/08/31 23:59」に修正することにより、当該素材データが廃番(利用不可)となったことを明示する。
同時に、(04')「0002-001-002-0002_0002.pdf」に係るレコードを追加する。この新レコードは、論理名、意味1、意味2、意味3は旧レコードと共通するが、物理ファイル名は「0002-001-002-0002_0002.pdf」となり、末尾の4桁の数字「0002」が第2版であることを示している。また、利用開始日時として本日である「2022/09/01 00:00」が設定されると共に、利用停止日時として「9999/12/31 23:59」が設定されており、当該素材データが現時点で有効(利用可能)であることを表している。
つぎにリリース制御部40は、改修された「0002-001-002-0002_0002.pdf」の素材データを、本番用素材データ記憶部34にコピーする(S82)。
この後、本番印刷システム14の第2のコンピュータβの記憶装置にDMトランザクションデータ(実物)54がセットされると共に、コンテンツ生成部30が起動し、上記S14~S26と実質的に同じ処理が実行され、DMドキュメント記憶部36に本物のDMドキュメント(PDFファイル)が格納される。
このDMドキュメントの生成に際し、コンテンツ生成部30は同一の論理名を備えた素材データが複数存在する場合、リリース制御システム16の素材管理データ記憶部44を参照し、現時点で利用開始日時が経過しており、かつ利用停止日時に至っていない素材データを選択する。
これにより、改修後のDMドキュメントが正しく生成されることとなる。
なお、同一のDM企画に関して再度の改修が必要となった場合も、上記S50~S82の処理が繰り返されることで、DMドキュメントの改訂がなされる。
この場合、リリース制御部40はS52の処理、すなわち環境データ記憶部42内のテンプレート及び素材データを開発システム12の開発用テンプレート記憶部20及び開発用素材データ記憶部22にセットする処理に際して素材管理データを参照し、現時点で利用開始日時を経過しており、かつ利用停止日時を経過していない素材データを転送の対象とし、利用開始日時を経過していない素材データや利用停止日時を経過している素材データを対象外とする。
以上の結果、同一企画のDMについて複数回の改修を繰り返す場合であっても、常に現時点で有効な素材データのみが開発システム12にセットされることとなり、すでに廃番(利用不可)になった素材データが誤ってDMドキュメント中に混入することを有効に防止できる。
また、素材管理データの利用開始日時として現在ではなく将来の所定日時を設定しておくことで、当該素材データの利用開始のタイミングを事前予約しておくことも可能となる。
なお、本番印刷システム14による運用に入り、改訂なしで特定のDMの印刷が繰り返し実行される場合には、リリース制御システム16による素材データの移動を省略する設定も可能である。
このシステムでは、上記のように一部の素材データのみを差し替えた場合であっても、開発段階においてダミーのDMドキュメントが再生成され、スポンサーによる再チェックに供される仕組みを採用しているため、差替に起因して不測の不具合が生じることを未然に防止できる。
ただし、素材データの修正等の改訂に際して、適宜試験計画を策定し、指定したDMドキュメントを生成することにより、再チェックする範囲を合理的に限定することもできる。
10 DMドキュメント生成システム
12 開発システム
14 本番印刷システム
16 リリース制御システム
18 コンテンツ生成部
20 開発用テンプレート記憶部
22 開発用素材データ記憶部
24 DMドキュメント記憶部
26 スポンサーのドキュメント開示部
27 インターネット
28 クライアント端末
30 コンテンツ生成部
32 本番用テンプレート記憶部
34 本番用素材データ記憶部
36 DMドキュメント記憶部
40 リリース制御部
42 環境データ記憶部
44 素材管理データ記憶部
46 印刷事業者のクライアント端末
47 誕生日用素材データ
48a 旧マルチカード広告用素材データ
48b 新マルチカード広告用素材データ
50 DMトランザクションデータ(ダミー)
52 プリンタ
54 DMトランザクションデータ(実物)
56 デジタルプリンタ
A 宛名表示領域
B 呼びかけ領域
α 第1のコンピュータ
β 第2のコンピュータ
γ 第3のコンピュータ

Claims (3)

  1. 複数の素材データを格納する開発用素材データ記憶手段と、
    複数の架空の顧客に関する情報を含むDMトランザクションデータを格納する記憶手段と、
    上記DMトランザクションデータを読み込み、各顧客に最適な素材データをDMの枠組みを規定するテンプレートに従って配置することにより、顧客毎に内容の異なるDMドキュメントを生成する手段と、
    スポンサーからのリクエストに応じて、上記DMドキュメントを外部のコンピュータに転送するドキュメント開示手段とを備えた開発システムと、
    複数の素材データを格納する本番用素材データ記憶手段と、
    複数の実在の顧客に関する情報を含むDMトランザクションデータを格納する記憶手段と、
    上記DMトランザクションデータを読み込み、各顧客に最適な素材データをDMの枠組みを規定するテンプレートに従って配置することにより、顧客毎に内容の異なるDMドキュメントを生成する手段とを備えた本番印刷システムと、
    素材データを格納する環境データ記憶手段と、
    各素材データのバージョン情報を格納する素材管理データ記憶手段と、
    開発システム及び本番印刷システム間で素材データの移送を実行するリリース制御手段とを備えたリリース制御システムとから構成され、
    リリース制御手段は、開発システムにおいて生成されたDMドキュメントについてスポンサーからの承認が得られた場合に、開発用素材データ記憶手段内の素材データを環境データ記憶手段にコピーすると共に、開発用素材データ記憶手段内の素材データを削除する処理と、
    環境データ記憶手段内の素材データを本番用素材データ記憶手段にコピーする処理と、
    DMドキュメントの改訂が必要となった場合に、素材管理データを参照し、環境データ記憶手段内に格納された現時点で有効な素材データを開発用素材データ記憶手段にコピーする処理を実行することを特徴とするDMドキュメント生成システム。
  2. 上記開発システムにおいて特定の素材データについて改変が施された場合に、上記素材管理データに改変前の素材データについて利用不可を示す情報が付与されると共に、改変後の素材データについて利用可を示す情報が格納され、
    上記リリース制御手段は、利用可を示す情報が付与されている素材管理データを現時点で有効な素材データとして選択することを特徴とする請求項1に記載のDMドキュメント生成システム。
  3. 上記素材管理データ記憶手段には、各素材データの利用開始日時及び利用停止日時が格納されており、
    上記開発システムにおいて特定の素材データについて改変が施された場合に、上記素材管理データに改変前の素材データの利用停止日時として改変前の日時が設定されると共に、改変後の素材データの利用開始日時として改変以後の日時が設定され、
    上記リリース制御手段は、各素材データの利用開始日時及び利用停止日を参照することにより、現時点で有効な素材データを選択することを特徴とする請求項1に記載のDMドキュメント生成システム。
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