以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
<1.位置管理システムの構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る位置管理システムの構成の一例について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、位置管理システム1は、測位端末10(10-1~10-n)、測位端末20(20-1~20-m)、基地局測位プラットフォーム30、管理サーバ40、Wi-Fi(登録商標)測位プラットフォーム50、参照情報記憶部60、照合情報記憶部70、及びユーザ端末80で構成される。位置管理システム1を構成する各装置は、ネットワーク90を介して、任意の装置が互いに通信可能に接続されている。
測位端末10及び測位端末20は、管理対象の位置情報を取得するための端末である。測位端末10は、複数の測位端末10-1~10-n(nは自然数)を含む。また、測位端末20は、複数の測位端末20-1~20-m(mは自然数)を含む。測位端末10及び測位端末20は、管理対象に設けられる。管理対象は、例えば、パレット、カゴ車、コンテナ、梱包箱等の物流資材である。
測位端末10(第1の測位端末)は、第1の測位方法及び第2の測位方法に関する処理を行う。本実施形態では、第1の測位方法よりも第2の測位方法の方が測位精度は低い。第1の測位方法は、例えば、Wi-Fi測位及び衛星測位である。第2の測位方法は、例えば、基地局測位である。Wi-Fi測位は、例えば、アクセスポイントのMAC(Media Access Control)アドレスに基づき、管理対象の位置情報(第1の位置情報)を取得する測位方法である。衛星測位は、人工衛星から取得する情報に基づき、管理対象の位置情報(第1の位置情報)を取得する測位方法である。衛星測位には、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)やRNSS(Regional Navigation Satellite System:地域的測位衛星システム)が含まれる。GNSSには、GPS、GLONAS、Galileo、BDS等が含まれる。RNSSには、QZSS、IRNSS等が含まれる。なお、以下では、GPSから受信する情報に基づき管理対象の位置情報を取得する測位方法(以下、「GPS測位」とも称される)により衛星測位を行う例について説明する。
測位端末10は、図1に示すように、第1の通信部102、第2の通信部104、及びGPS受信部106を備える。
第1の通信部102は、基地局測位のための通信を行う。本実施形態に係る第1の通信部102は、通信規格としてLPWA(Low Power Wide Area)を用いた通信を行う。例えば、第1の通信部102は、基地局を介して、基地局測位プラットフォーム30とLPWAによる通信を行う。
なお、通信規格は、かかる例に限定されない。例えば、第1の通信部102が用いる通信規格は、3G(第3世代移動通信システム)、LTE(Long Term Evolution)、5G(第5世代移動通信システム)等の通信規格であってもよい。また、LPWAの規格も特に限定されない。例えば、第1の通信部102が用いるLPWAの規格は、Sigfox、NB-IoT、LoRa(LoRa WAN)、ELTRES、ZETA、Wi-SUN等であってもよい。
第2の通信部104(通信装置)は、Wi-Fi測位のための通信を行う。本実施形態に係る第2の通信部104は、Wi-Fiのアクセスポイントと通信を行い、当該アクセスポイントのMACアドレスを取得する。以下、MACアドレス等のWi-Fi測位に関する情報は、「Wi-Fi測位情報」とも称される。
GPS受信部106は、GPS測位を行う。GPS受信部106は、GPSから受信する信号に基づき、測位端末10の位置情報を取得する。GPS受信部106は、取得した測位端末10の位置情報を、当該測位端末10が備え付けられた管理対象の位置情報として取得する。このように、GPS測位により取得された管理対象の位置情報(第1の位置情報)は、以下では、「GPS測位情報」とも称される。GPS測位によって取得されるGPS測位情報には、例えば、管理対象の現在位置の緯度と経度を示す座標のみが含まれる。
第1の通信部102、第2の通信部104、及びGPS受信部106は、例えば、所定の時間間隔ごとに通信又は各種情報の取得を行う。第2の通信部104及びGPS受信部106の各々が所定の時間間隔で取得したMACアドレス及びGPS測位情報は、第1の通信部102が送信する情報に含まれて、基地局測位プラットフォーム30へ送信される。なお、第1の通信部102、第2の通信部104、及びGPS受信部106は、測位端末10に対する衝撃や測位端末10の加速度変化に基づき、通信又は各種情報の取得を行ってもよい。
測位端末20(第2の測位端末)は、第1の測位方法に関する処理を行う。図1に示すように、測位端末20は、第1の通信部202及び第2の通信部204を備える。第1の通信部202は、第1の通信部102と同様に、基地局測位のための通信を行う。第2の通信部204は、第2の通信部104と同様に、Wi-Fi測位のための通信を行う。なお、測位端末20には、GPS測位のための構成が備えられていない。そのため、測位端末20にかかるコストは、測位端末10にかかるコストよりも抑えられる。よって、本実施形態に係る位置管理システム1では、測位端末にかかるコストを削減することができる。
基地局測位プラットフォーム30は、基地局を介して測位端末10及び測位端末20から受信する情報に基づき、各々の測位端末に対する基地局測位を行う。本実施形態に係る基地局測位プラットフォーム30は、LPWAを用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行う。なお、基地局測位プラットフォーム30は、3G、LTE、及び5Gのいずれかの通信規格を用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行ってもよい。基地局測位により、測位端末10及び測位端末20の位置情報(第2の位置情報)が取得される。基地局測位プラットフォーム30は、取得した各測位端末の位置情報を、各測位端末が備え付けられた管理対象の位置情報として取得する。
以下では、基地局測位により取得された管理対象の位置情報は、「基地局測位情報」とも称される。基地局測位によって取得される基地局測位情報には、例えば、管理対象の現在位置の緯度と経度を示す座標と信用度が含まれる。信用度は、例えば、基地局測位情報に含まれる座標を中心とする円の半径で示される。当該円は、管理対象の位置が含まれ得る範囲を示している。即ち、基地局測位による測位誤差を示しているともいえる。
基地局測位プラットフォーム30は、取得した基地局測位情報を含む情報を管理サーバ40へ送信する。なお、各測位端末の第1の通信部から受信した情報にMACアドレス及びGPS測位情報の少なくともいずれかが含まれていた場合、基地局測位プラットフォーム30は、含まれていた情報も管理サーバ40へ送信する。
なお、基地局測位プラットフォーム30と管理サーバ40との通信において、1回の通信で送信可能な情報量が制限される場合がある。そのため、基地局測位プラットフォーム30は、送信可能な情報量に応じて、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及びGPS測位情報の3つの測位情報を管理サーバ40へ送信する。
例えば、1つの信号に複数の測位情報を含めることができる場合、基地局測位プラットフォーム30は、送信可能な情報量に応じて3つの測位情報を任意に組み合わせる。そして、基地局測位プラットフォーム30は、組み合わせごとに異なる信号に含めて、複数回(組み合わせの数)の通信で3つの測位情報を送信する。なお、1つの信号に3つの測位情報を含めることができる場合、基地局測位プラットフォーム30は、3つの測位情報を1つの信号に含めて、1回の通信で3つの測位情報を送信してもよい。一方、1つの信号に1つの測位情報しか含めることができない場合、基地局測位プラットフォーム30は、3つの測位情報をそれぞれ異なる信号に含めて、3回の通信に分けて3つの測位情報を送信してもよい。
管理サーバ40は、管理対象の位置情報を管理する位置管理装置である。管理サーバ40は、基地局測位プラットフォーム30から受信する基地局測位情報、MACアドレス、及びGPS測位情報に基づき、管理対象の位置情報を管理する。
例えば、管理サーバ40は、MACアドレスをWi-Fi測位プラットフォーム50へ送信し、Wi-Fi測位を行わせる。これにより、管理サーバ40は、Wi-Fi測位により取得された管理対象の位置情報を取得することができる。なお、Wi-Fi測位により取得された管理対象の位置情報(第1の位置情報)もWi-Fi測位情報に含まれる。以下、管理サーバ40が基地局測位プラットフォーム30から受信するWi-Fi測位情報は「MACアドレス」であり、管理サーバ40がWi-Fi測位プラットフォーム50から受信するWi-Fi測位情報は「管理対象の位置情報」であると区別する。Wi-Fi測位によって取得されるWi-Fi測位情報には、例えば、管理対象の現在位置の緯度と経度を示す座標と信用度が含まれる。
また、管理サーバ40は、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及びGPS測位情報に基づき、各種処理を行う。
例えば、管理サーバ40は、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及びGPS測位情報を関連付けた参照情報(以下、「データライブラリ」とも称される)を生成する。管理サーバ40は、生成した参照情報を参照情報記憶部60に記憶させる。なお、本実施形態では、参照情報の生成に用いられる基地局測位情報が第2の位置情報である。
管理サーバ40は、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及びGPS測位情報の3つの測位情報の内、基地局測位プラットフォーム30から受信できた測位情報を所定のまとまりごとに関連付ける。例えば、管理サーバ40は、基地局測位プラットフォーム30から受信できた測位情報を、基地局測位プラットフォーム30と通信を行った測位端末10ごとに関連付ける。例えば、測位端末10-1が基地局測位プラットフォーム30と通信を行ったとする。
これにより、測位情報を1つの信号で受信した場合、管理サーバ40は、当該信号に含まれている各測位情報を関連付ける。なお、1つの測位端末10に関する測位情報を複数の信号に分けて受信した場合、管理サーバ40は、各信号に含まれる識別情報に基づき、所定のまとまりを判定する。識別情報は、例えば、測位端末IDである。なお、管理サーバ40は、複数の信号の受信時刻や受信間隔等により、所定のまとまりを判定してもよい。
なお、測位端末10と基地局測位プラットフォーム30が通信を行った場合、管理サーバ40は、少なくとも測位端末10に関する基地局測位情報を受信することができる。Wi-Fi測位情報及びGPS測位情報に関しては、測位端末が置かれた測位環境等により受信されない場合もあるため、測位端末10が基地局測位プラットフォーム30と通信を行ったとしても、情報を得られない場合がある。よって、測位端末10と基地局測位プラットフォーム30が通信を行った場合、管理サーバ40は、測位端末10に関する基地局測位情報に対して、Wi-Fi測位情報とGPS測位情報の内、少なくとも受信できた測位情報を関連付けて参照データを生成する。
また、管理サーバ40は、管理対象が保管される拠点(保管場所)を示す拠点情報(保管場所情報)と、MACアドレスとを少なくとも関連付けた照合情報を生成する。管理サーバ40は、生成した照合情報を照合情報記憶部70に記憶させる。なお、本実施形態では、照合情報の生成に用いられるMACアドレスが第1の識別情報である。拠点情報に関連付けられるMACアドレス(第1の識別情報)は、拠点に該当する場所に位置する各測位端末10の第2の通信部104がアクセスポイントとの無線通信によって取得する当該アクセスポイントのMACアドレスである。なお、拠点情報とMACアドレスには、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及びGPS測位情報が関連付けられてもよい。
また、管理サーバ40は、受信した各種測位情報に基づき、管理対象の現在位置の推定を行う。管理サーバ40は、生成した参照情報に基づき、管理対象の現在位置の推定を行ってもよい。なお、本実施形態では、管理対象の現在位置の推定に用いられる基地局測位情報が第3の位置情報である。
また、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と拠点情報とに基づき、管理対象が存在する拠点を推定する。例えば、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、各拠点の位置との距離(2点間距離)を算出し、算出した距離が最小となる拠点に管理対象が存在すると推定する。
管理サーバ40は、生成した照合情報に基づき、管理対象が存在する拠点を推定してもよい。例えば、管理サーバ40は、測位端末20の第2の通信部204が現在位置においてアクセスポイントとの無線通信によって取得するMACアドレス(第2の識別情報)と、照合情報記憶部70に記憶された照合情報とを照合する。管理サーバ40は、照合により、測位端末20が現在位置において取得したMACアドレスと対応する照合情報のMACアドレスに関連付けられた拠点情報を取得する。これにより、管理サーバ40は、管理対象が存在する拠点の拠点情報を取得することができる。そして、管理サーバ40は、照合により取得した拠点情報が示す拠点に管理対象が存在すると推定することができる。
なお、管理サーバ40は、管理対象の拠点情報を取得できなかった場合、管理対象が拠点に保管されていないと推定する。拠点に保管されていない管理対象は、拠点に属さないことを示す拠点外グループ(管理場所外グループ)に分類される。拠点外グループに属する管理対象は、例えば、拠点間を移動(搬送)されている最中の管理対象、拠点情報にない場所へ流出した管理対象、盗難等により所在不明となっている管理対象等である。
また、管理サーバ40は、管理対象が存在する拠点に関する情報をユーザ端末80(表示端末)へ送信する。例えば、管理サーバ40は、推定した管理対象が存在する拠点名(拠点外グループ含む)をユーザ端末80へ送信する。ユーザ端末80は、受信した拠点名を表示する。
また、管理サーバ40は、推定した情報に基づき生成した情報をユーザ端末80へ送信してもよい。例えば、管理サーバ40は、拠点ごとに保管されている管理対象の数を示す管理対象数情報を生成し、ユーザ端末80へ送信する。管理対象数情報を受信したユーザ端末80は、各拠点に存在する管理対象の数を表示する。なお、管理対象数情報は、拠点外グループに属する管理対象の数を含んでもよい。
このように、管理サーバ40は、管理対象に関する情報をユーザ端末80に表示させることで、管理対象に関する情報を可視化することができる。そのため、ユーザは、各拠点における管理対象の保管状況を容易に把握することができる。
Wi-Fi測位プラットフォーム50は、管理サーバ40から受信するMACアドレスに基づき、各々の測位端末に対するWi-Fi測位を行う。当該Wi-Fi測位により、測位端末10及び測位端末20の位置情報が取得される。Wi-Fi測位プラットフォーム50は、取得した各測位端末の位置情報を、各測位端末が備え付けられた管理対象のWi-Fi測位情報として取得する。Wi-Fi測位プラットフォーム50は、取得したWi-Fi測位情報を管理サーバ40へ送信する。
ユーザ端末80は、ユーザが各種情報を参照するために操作する装置である。ユーザ端末80は、例えば、スマートフォン、タブレット、PC(パーソナルコンピュータ)等のいずれかの端末である。なお、ユーザ端末80は、かかる例に限定されない。
測位環境を考慮しない場合の各測位方法の測位精度は、一般的に、基地局測位、Wi-Fi測位、GPS測位の順に高くなる。すなわち、基地局測位情報に含まれる測位誤差が1番大きく、GPS測位情報に含まれる測位誤差が1番小さくなる。しかしながら、実際には、各測位方法の測位精度の順位は、測位環境によって変化し得る。例えば、屋内、地下、ビル街等では、GPS測位の精度が低下し、Wi-Fi測位の精度の方が高くなる場合がある。特に、アクセスポイントが設置された屋内では、GPS測位の精度よりもWi-Fi測位の精度の方が高く成り得る。
<2.管理サーバの構成>
以上、位置管理システム1の構成の一例について説明した。続いて、図2を参照して、管理サーバ40の機能構成の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る管理サーバ40の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、管理サーバ40は、通信部410、制御部420、及び記憶部430を備える。
(1)通信部410
通信部410は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部410は、基地局測位プラットフォーム30から送信される基地局測位情報、Wi-Fi測位情報(MACアドレス)、及びGPS測位情報を受信し、制御部420へ出力する。
また、通信部410は、制御部420から入力されるMACアドレスをWi-Fi測位プラットフォーム50へ送信する。そして、通信部410は、Wi-Fi測位プラットフォーム50から送信されるWi-Fi測位情報(管理対象の位置情報)を受信し、制御部420へ出力する。
また、通信部410は、制御部420から入力される管理対象数情報をユーザ端末80へ送信する。
(2)制御部420
制御部420は、管理サーバ40の動作全体を制御する。図2に示すように制御部420は、生成部4202、推定部4204、及び照合部4206を備える。
(2-1)生成部4202
生成部4202は、測位端末10の基地局測位情報と、Wi-Fi測位情報及びGPS測位情報の少なくともいずれか一方とを関連付けた参照情報を生成する。生成部4202は、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に応じて、参照情報を生成する。
例えば、生成部4202が基地局測位プラットフォーム30から測位端末10の基地局測位情報及びMACアドレスを受信したとする。この場合、生成部4202は、通信部410を介して、MACアドレスをWi-Fi測位プラットフォーム50へ送信し、管理対象の位置情報を取得する。そして、生成部4202は、測位端末10の基地局測位情報とWi-Fi測位情報(管理対象の位置情報)とを関連付けて、参照情報記憶部60に記憶させる。
また、生成部4202が基地局測位プラットフォーム30から測位端末10の基地局測位情報及びGPS測位情報を受信したとする。この場合、生成部4202は、測位端末10の基地局測位情報とGPS測位情報とを関連付けて、参照情報記憶部60に記憶させる。
また、生成部4202が基地局測位プラットフォーム30から測位端末10の基地局測位情報、MACアドレス、及びGPS測位情報を受信したとする。この場合、生成部4202は、通信部410を介して、MACアドレスをWi-Fi測位プラットフォーム50へ送信し、管理対象の位置情報を取得する。そして、生成部4202は、測位端末10の基地局測位情報とWi-Fi測位情報(管理対象の位置情報)とGPS測位情報とを関連付けて参照情報記憶部60に記憶させる。
かかる構成により、生成部4202は、測位精度の低い基地局測位情報を、測位精度の高いWi-Fi測位情報及びGPS測位情報の少なくともいずれか一方と関連付けることができる。
また、生成部4202は、拠点情報とMACアドレスとを少なくとも関連付けた照合情報を生成する。生成部4202は、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に応じて、照合情報を生成する。
例えば、生成部4202が基地局測位プラットフォーム30から測位端末10の第2の通信部104が取得したMACアドレスを受信したとする。この場合、生成部4202は、第2の通信部104がMACアドレスを取得した際にアクセスポイントと無線通信を行った位置に該当する拠点の拠点情報と、受信したMACアドレスとを関連付けて、照合情報記憶部70に記憶させる。
なお、生成部4202は、基地局測位プラットフォーム30から受信した基地局測位情報とGPS測位情報、又はWi-Fi測位プラットフォーム50から受信したWi-Fi測位情報のいずれかを拠点情報に関連付けて、照合情報記憶部70に記憶させてもよい。
(2-2)推定部4204
推定部4204は、測位端末10及び測位端末20の少なくともいずれか一方が備え付けられた管理対象の現在位置を推定する。推定部4204は、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に応じて、管理対象の現在位置を推定する。推定後、推定部4204は、推定した管理対象の現在位置を示す情報と拠点情報とに基づき、管理対象が存在する拠点を推定する。
例えば、基地局測位プラットフォーム30からGPS測位情報を受信したが、MACアドレスを受信しなかったとする。この場合、推定部4204は、当該GPS測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
また、基地局測位プラットフォーム30からGPS測位情報を受信しなかったが、MACアドレスを受信したとする。この場合、推定部4204は、通信部410を介して、MACアドレスをWi-Fi測位プラットフォーム50へ送信し、Wi-Fi測位情報を取得する。そして、推定部4204は、取得したWi-Fi測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
また、基地局測位プラットフォーム30からGPS測位情報及びMACアドレスを受信したとする。この場合、推定部4204は、測位環境に応じて、測位精度が高い方の情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。なお、以下では、GPS測位情報の測位精度の方が高いものとして説明する。
また、基地局測位プラットフォーム30からGPS測位情報を受信せず、かつWi-Fi測位プラットフォーム50から管理対象の位置情報を受信しなかったとする。この場合、推定部4204は、管理対象の現在位置を推定せずに、後述する照合部4206に管理対象の現在位置を示す拠点情報を取得させてもよい。照合部4206により拠点情報が取得されなかった場合、推定部4204は、参照情報に基づき、管理対象の現在位置を推定する。
なお、測位端末10においては、第2の通信部104がMACアドレスを取得できず、かつGPS受信部106がGPS測位情報を取得できなかった場合、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報にGPS測位情報及びMACアドレスが含まれない状態となり得る。また、測位端末20においては、GPS測位情報が取得されないため、常に基地局測位プラットフォーム30から受信する情報にGPS測位情報が含まれない状態となり得る。
具体的に、推定部4204は、参照情報を参照して、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に含まれていた基地局測位情報と対応する参照情報の基地局測位情報に関連付けられたWi-Fi測位情報及びGPS測位情報が示す位置を、管理対象の現在位置と推定する。
より具体的に、推定部4204は、参照情報の中から、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に含まれていた基地局測位情報の座標と一致する基地局測位情報の座標を検索する。
一致する基地局測位情報の座標が存在し、GPS測位情報が関連付けられている場合、推定部4204は、当該GPS測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。一方、一致する基地局測位情報の座標が存在するが、GPS測位情報が関連付けられていない場合、推定部4204は、Wi-Fi測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
このように、推定部4204は、基地局測位情報と参照情報に基づき、基地局測位情報よりも測位精度が高い測位情報であるWi-Fi測位情報及びGPS測位情報を取得することができる。これにより、推定部4204は、基地局測位情報のみが入力された場合であっても、Wi-Fi測位情報及びGPS測位情報に基づき、管理対象の現在位置を推定できる。
以上より、基地局測位のみが可能な測位端末20が備え付けられた管理対象であっても、Wi-Fi測位やGPS測位も可能な測位端末10が備え付けられた管理対象と同様に、高精度に現在位置が推定される。よって、本実施形態では、低コストの測位端末20が備え付けられた管理対象の現在位置を高精度に推定することができる。
なお、一致する基地局測位情報の座標が存在しない場合、推定部4204は、基地局測位プラットフォーム30から受信した基地局測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
なお、推定部4204は、基地局測位プラットフォーム30から受信した基地局測位情報の信用度に基づき、参照情報の中から基地局測位情報の座標を検索してもよい。例えば、推定部4204は、信用度の半径が示す円の範囲に含まれる基地局測位情報の座標を検索する。
円の範囲に含まれる座標が1つのみ存在する場合、推定部4204は、当該座標が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
円の範囲に含まれる座標が複数存在する場合、推定部4204は、円の中心の座標に近い方の座標が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
円の範囲に含まれる座標が存在しない場合、推定部4204は、円の中心の座標が示す位置を管理対象の現在位置と推定する。
なお、基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に基地局測位情報が含まれていない場合、推定部4204は、エラー処理を行う。エラー処理では、例えば、管理対象の所在が不明であることを示す情報が出力される。基地局測位プラットフォーム30から受信する情報に基地局測位情報が含まれていない状態は、例えば、基地局測位プラットフォーム30に受信基地局情報が含まれていない場合に起こり得る。
また、推定部4204は、基地局測位プラットフォーム30からの情報が受信されなかった場合にも、エラー処理をおこなってもよい。基地局測位プラットフォーム30から情報を受信できない状態は、例えば、山奥等の通信可能エリア外や電波が遮断された場所に測位端末10及び測位端末20が移動された場合に起こり得る。また、当該状態は、測位端末10及び測位端末20が故障した場合にも起こり得る。
なお、測位端末10及び測位端末20が故障したことにより当該状態が起こった場合、推定部4204は、測位端末10及び測位端末20が故障したことを示す情報をエラー処理にて出力してもよい。
管理対象の現在位置の推定後、推定部4204は、推定した管理対象の現在位置と拠点情報とに基づき、管理対象が存在する拠点を推定する。一例として、拠点情報には、拠点の名称を示す拠点名と拠点の位置情報を示す拠点位置情報とが関連付けられた情報が含まれる。例えば、推定部4204は、拠点情報を参照し、推定した管理対象の現在位置と一致する拠点位置情報に関連付けられた拠点名を取得する。推定部4204が、取得した拠点名の拠点に管理対象が存在すると推定する。
また、推定部4204は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報に含まれる各拠点の位置との距離に基づき、管理対象が存在する拠点を推定してもよい。具体的に、まず、推定部4204は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報に含まれる各拠点の位置情報が示す位置との2点間距離を算出する。算出した2点間距離が所定の閾値以下である場合、推定部4204は、算出した2点間距離が最小となる拠点に管理対象が存在すると推定する。一方、算出した2点間距離が所定の閾値以下でない場合、推定部4204は、管理対象が拠点外グループに属すると推定する。
なお、管理対象の現在位置がGPS測位情報、Wi-Fi測位情報、又は参照情報に基づき推定された場合、推定部4204は、所定の閾値として第1の閾値を用いる。第1の閾値は、例えば、GPS測位、Wi-Fi測位の測位誤差に基づき設定される。
管理対象の現在位置が基地局測位情報に基づき推定された場合、推定部4204は、所定の閾値として第2の閾値を用いる。第2の閾値は、例えば、基地局測位の測位誤差に基づき設定される。
拠点名を推定できた場合、推定部4204は、通信部410を介して、推定した拠点名をユーザ端末80へ送信し、出力させる。一方、拠点名を推定できなかった場合、推定部4204は、通信部410を介して、管理対象が拠点外グループに属することを示す情報(例えば、「移動中」、「所在不明」等)をユーザ端末80へ送信し、出力させる。
(2-3)照合部4206
照合部4206は、測位情報と照合情報とに基づき、管理対象が存在する拠点を推定する。例えば、照合部4206は、照合情報記憶部70に記憶された照合情報と、推定部4204から入力される測位情報とを照合して、管理対象の現在位置における拠点情報を取得する。照合部4206は、取得した拠点情報が示す拠点に管理対象が存在すると推定する。管理対象が存在する拠点を推定できた場合、照合部4206は、通信部410を介して、推定した拠点を示す情報をユーザ端末80へ送信する。
推定部4204からWi-Fi測位情報のMACアドレスが入力された場合、照合部4206は、照合情報を参照して、入力されたMACアドレスと対応する照合情報のMACアドレスに関連付けられた拠点名を取得する。これにより、照合部4206は、管理対象が保管されている拠点名を取得することができる。入力されたMACアドレスと対応する照合情報のMACアドレスは、例えば、入力されたMACアドレスと一致する照合情報のMACアドレスであってもよい。
例えば、照合部4206は、推定部4204から入力されたMACアドレスと一致するMACアドレスが照合情報に存在するか否かに基づき、照合情報の中から拠点名を取得する。
一致するMACアドレスが存在する場合、照合部4206は、当該MACアドレスと関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
一方、一致するMACアドレスが存在しない場合、照合部4206は、管理対象が保管されている拠点名を取得しない。拠点名を取得しない代わりに、照合部4206は、推定部4204に参照情報に基づく拠点名の推定を行わせる。
また、例えば、照合部4206は、推定部4204から入力された基地局測位情報が示す座標と一致する拠点位置情報が示す座標が照合情報に存在するか否かに基づき、照合情報の中から拠点名を取得する。
一致する座標が存在する場合、照合部4206は、当該座標と関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
一方、一致する座標が存在しない場合、照合部4206は、管理対象が保管されている拠点の名称を取得しない。拠点名を取得しない代わりに、照合部4206は、推定部4204に参照情報に基づく拠点名の推定を行わせる。
また、照合部4206は、信用度の半径が示す円の範囲に含まれる座標が照合情報の中に存在するか否かに基づき、照合情報の中から拠点名を取得してもよい。
円の範囲に含まれる拠点を示す座標が1つのみ存在する場合、照合部4206は、当該座標と関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
円の範囲に含まれる座標が複数存在する場合、照合部4206は、円の中心の座標に近い方の座標と関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
円の範囲に含まれる座標が存在しない場合、照合部4206は、管理対象が保管されている拠点の名称を取得しない。拠点名を取得しない代わりに、照合部4206は、推定部4204に参照情報に基づく拠点名の推定を行わせる。
また、照合部4206は、管理対象の現在位置から各拠点までの距離に基づき、照合情報の中から拠点名を取得してもよい。具体的に、照合部4206は、管理対象の現在位置を示す座標と、各拠点名と関連付けられた拠点位置情報を示す座標とに基づき、管理対象の現在位置から各拠点までの距離を算出する。そして、照合部4206は、算出した距離が最も短い拠点位置情報を示す座標と関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
なお、照合情報に含まれる拠点位置情報は、座標ではなく所定の領域で示されてもよい。この場合、照合部4206は、管理対象の現在位置が含まれる所定の領域が照合情報に存在するか否かに基づき、照合情報の中から拠点名を取得する。管理対象の現在位置が含まれる所定の領域が照合情報に存在する場合、照合部4206は、当該所定の領域と関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
なお、所定の領域には、例えば、想定される測位誤差に基づき決定した領域や、緯度経度の有効数字の桁数を調整することにより決定された領域、仮想的な地理的境界(Geofence)等が設定される。
有効数字の桁数は、照合において許容する誤差の範囲に応じて任意に設定されてよい。照合に用いる拠点位置情報の緯度経度の有効数字の桁数が小さくなると、管理対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度とを照合する際の桁数が少なくなる。そのため、管理対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度が同一であるとみなす許容範囲が大きくなる。即ち、照合において許容する誤差の範囲が大きくなる。
一方、照合に用いる拠点位置情報の緯度経度の有効数字の桁数が大きくなると、管理対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度とを照合する際の桁数が多くなる。そのため、管理対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度が同一であるとみなす許容範囲が小さくなる。即ち、照合において許容する誤差の範囲が小さくなる。
以上のように、照合部4206は、管理対象の現在位置の座標が拠点位置情報の座標と一致する場合、あるいは、管理対象の現在位置の座標が所定の領域の範囲内である場合、管理対象の現在位置の座標と拠点位置情報の座標とが同一であるとみなしてよい。
管理対象の現在位置が含まれる所定の領域が存在する場合、照合部4206は、当該所定の領域と関連付けられた拠点名を、管理対象が保管されている拠点の名称として取得する。
一方、管理対象の現在位置が含まれる所定の領域が存在しない場合、照合部4206は、管理対象が保管されている拠点の名称を取得しない。拠点名を取得しない代わりに、照合部4206は、推定部4204に参照情報に基づく拠点名の推定を行わせる。
なお、照合部4206は、照合した結果の履歴を示す情報(以下、「履歴情報」とも称される)を生成してもよい。履歴情報は、新しいテーブルとして作成されてもよいし、既存のテーブルに照合結果が追加されることで作成されてもよい。例えば、照合部4206は、初回の照合時に、各測位情報と照合結果のカラムを有する履歴情報テーブルを生成する。また、照合部4206は、参照情報テーブルに対して、照合結果が示す拠点名のカラムを追加してもよい。また、照合部4206は、照合情報テーブルに対して、照合結果の拠点名と対応する各測位情報のカラムを追加してもよい。
なお、制御部420は、例えば、管理サーバ40がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
(3)記憶部430
記憶部430は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部430は、制御部420の処理において出力されるデータや、各種アプリケーション等のデータを記憶する。なお、記憶部430は、参照情報、照合情報、及び履歴情報を記憶してもよい。
記憶部430は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部430は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
<3.データ構成>
以上、管理サーバ40の機能構成の一例について説明した。続いて、図3~図6を参照して、本実施形態に係るデータ構成の一例について説明する。
(1)拠点情報のデータ構成
次いで、図3を参照して、拠点情報について説明する。図3は、本実施形態に係る拠点情報のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、拠点情報のレコードには、拠点名及び拠点位置情報が含まれる。なお、拠点情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
拠点名は、物流資材が保管される拠点の名称である。拠点位置情報は、各拠点が存在する位置を示す座標(XK,YK)である。
例えば、図3に示す拠点情報の1レコード目には、拠点名が「拠点I」、拠点位置情報が(XK1,YK1)であることが記憶されている。これは、「拠点I」が(XK1,YK1)に存在することを示している。
また、図3に示す拠点情報の2レコード目には、拠点名が「拠点II」、拠点位置情報が(XK2,YK2)であることが記憶されている。これは、「拠点II」が(XK2,YK2)に存在することを示している。
また、図3に示す拠点情報の3レコード目には、拠点名が「拠点III」、拠点位置情報が(XK3,YK3)であることが記憶されている。これは、「拠点III」が(XK3,YK3)に存在することを示している。
また、図3に示す拠点情報の4レコード目には、拠点名が「拠点IV」、拠点位置情報が(XK4,YK4)であることが記憶されている。これは、「拠点IV」が(XK4,YK4)に存在することを示している。
(2)参照情報のデータ構成
まず、図4を参照して、参照情報について説明する。図4は、本実施形態に係る参照情報のデータ構成の一例を示す図である。図4に示すように、参照情報のレコードには、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、及びGPS測位情報が含まれる。なお、参照情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
基地局測位情報は、例えば、基地局測位により取得された管理対象の位置を示す座標(XB,YB)である。Wi-Fi測位情報は、例えば、Wi-Fi測位により取得された管理対象の位置を示す座標(XW,YW)である。GPS測位情報は、例えば、GPS測位により取得された管理対象の位置を示す座標(XG,YG)である。
例えば、図4に示す参照情報の1レコード目には、基地局測位情報が(XB1,YB1)、Wi-Fi測位情報が(XW1,YW1)、GPS測位情報が(XG1,YG1)であることが記憶されている。これは、(XB1,YB1)に対して、より測位精度の高い測位情報として(XW1,YW1)及び(XG1,YG1)が関連付けられていることを示している。
また、図4に示す参照情報の2レコード目には、基地局測位情報が(XB2,YB2)、Wi-Fi測位情報が(XW2,YW2)、GPS測位情報が(XG2,YG2)であることが記憶されている。これは、(XB2,YB2)に対して、より測位精度の高い測位情報として(XW2,YW2)及び(XG2,YG2)が関連付けられていることを示している。
また、図4に示す参照情報の3レコード目には、基地局測位情報が(XB3,YB3)、GPS測位情報が(XG3,YG3)であることが記憶されている。これは、(XB3,YB3)に対して、より測位精度の高い測位情報として(XG3,YG3)のみが関連付けられていることを示している。すなわち、Wi-Fi測位情報は取得されなかったことも示している。
また、図4に示す参照情報の4レコード目には、基地局測位情報が(XB4,YB4)、Wi-Fi測位情報が(XW4,YW4)であることが記憶されている。これは、(XB4,YB4)に対して、より測位精度の高い測位情報として(XW4,YW4)のみが関連付けられていることを示している。すなわち、GPS測位情報は取得されなかったことも示している。
(3)照合情報のデータ構成
次いで、図5を参照して、照合情報について説明する。図5は、本実施形態に係る照合情報のデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように、照合情報のレコードには、拠点名、拠点位置情報、及びMACアドレスが含まれる。なお、照合情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
例えば、図5に示す照合情報の1レコード目には、拠点名が「拠点I」、拠点位置情報が(XK1,YK1)、MACアドレスが「MACアドレスI」であることが記憶されている。これは、「拠点I」が(XK1,YK1)に存在することを示している。また、取得したMACアドレスが「MACアドレスI」である測位端末が「拠点I」に存在することを示している。
また、図5に示す照合情報の2レコード目には、拠点名が「拠点II」、拠点位置情報が(XK2,YK2)、MACアドレスが「MACアドレスII」であることが記憶されている。これは、「拠点II」が(XK2,YK2)に存在することを示している。また、取得したMACアドレスが「MACアドレスII」である測位端末が「拠点II」に存在することを示している。
また、図5に示す照合情報の3レコード目には、拠点名が「拠点III」、拠点位置情報が(XK3,YK3)、MACアドレスが「MACアドレスIII」であることが記憶されている。これは、「拠点III」が(XK3,YK3)に存在することを示している。また、取得したMACアドレスが「MACアドレスIII」である測位端末が「拠点III」に存在することを示している。
また、図5に示す照合情報の4レコード目には、拠点名が「拠点IV」、拠点位置情報が(XK4,YK4)、MACアドレスが「MACアドレスIV」であることが記憶されている。これは、「拠点IV」が(XK4,YK4)に存在することを示している。また、取得したMACアドレスが「MACアドレスIV」である測位端末が「拠点IV」に存在することを示している。
(4)履歴情報のデータ構成
次いで、図6を参照して、履歴情報について説明する。図6は、本実施形態に係る履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、履歴情報のレコードには、履歴No、基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、MACアドレス、GPS測位情報、及び拠点名が含まれる。なお、履歴情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。
例えば、図6に示す履歴情報の1レコード目の「履歴1」には、基地局測位情報が(XB1,YB1)、Wi-Fi測位情報が(XW1,YW1)、MACアドレスが「MACアドレスI」、GPS測位情報が(XG1,YG1)、拠点名が「拠点I」であることが記憶されている。これは、過去に、(XB1,YB1)、(XW1,YW1)、及び(XG1,YG1)が示す位置は「拠点I」であると推定されたことを示す。また、過去に、「MACアドレスI」は、「拠点I」に該当する位置で取得されるMACアドレスであると推定されたことを示す。
また、図6に示す履歴情報の2レコード目の「履歴2」には、基地局測位情報が(XB2,YB2)、Wi-Fi測位情報が(XW2,YW2)、MACアドレスが「MACアドレスII」、GPS測位情報が(XG2,YG2)、拠点名が「拠点II」であることが記憶されている。これは、過去に、(XB2,YB2)、(XW2,YW2)、及び(XG2,YG2)が示す位置は「拠点II」であると推定されたことを示す。また、過去に、「MACアドレスII」は、「拠点II」に該当する位置で取得されるMACアドレスであると推定されたことを示す。
また、図6に示す履歴情報の3レコード目の「履歴3」には、基地局測位情報が(XB3,YB3)、MACアドレスが「MACアドレスIII」、GPS測位情報が(XG3,YG3)、拠点名が「拠点III」であることが記憶されている。これは、過去に、(XB3,YB3)及び(XG3,YG3)が示す位置は「拠点III」であると推定されたことを示す。また、過去に、「MACアドレスIII」は、「拠点III」に該当する位置で取得されるMACアドレスであると推定されたことを示す。
また、図6に示す履歴情報の4レコード目の「履歴4」には、基地局測位情報が(XB4,YB4)、MACアドレスが「MACアドレスV」、Wi-Fi測位情報が(XW4,YW4)、拠点名が「拠点I」であることが記憶されている。これは、過去に、(XB4,YB4)及び(XW4,YW4)が示す位置は「拠点I」であると推定されたことを示す。また、過去に、「MACアドレスV」は、「拠点I」に該当する位置で取得されるMACアドレスであると推定されたことを示す。
<4.処理の流れ>
以上、データ構成の一例について説明した。続いて、図7~図9を参照して、本実施形態に係る管理サーバ40における処理の流れの一例について説明する。図7は、本実施形態に係る管理サーバ40における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8は、本実施形態に係る管理サーバ40における第1の閾値に基づく拠点推定の流れの一例を示すフローチャートである。図9は、本実施形態に係る管理サーバ40における第2の閾値に基づく拠点推定の流れの一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、管理サーバ40は、基地局測位プラットフォーム30から情報を受信したか否かを判定する(S102)。
情報を受信した場合(S102/YES)、管理サーバ40は、S104の処理を行う。情報を受信していない場合(S102/NO)、管理サーバ40は、S102の処理を繰り返す。
管理サーバ40は、受信した情報にGPS測位情報が含まれているか否かを判定する(S104)。
GPS測位情報が含まれていた場合(S104/YES)、管理サーバ40は、GPS測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する(S106)。
現在位置の推定後、管理サーバ40は、図7に示す結合子Aから図8に示す結合子Aに処理を進める。管理サーバ40は、推定した現在位置と拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する(S108)。算出後、管理サーバ40は、算出した2点間距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する(S110)。
2点間距離が第1の閾値以下である拠点が存在する場合(S110/YES)、管理サーバ40は、2点間距離が最小となる拠点を管理対象が存在する拠点と推定する(S112)。一方、2点間距離が第1の閾値以下である拠点が存在しない場合(S110/NO)、管理サーバ40は、管理対象が拠点外グループに属すると推定する(S114)。
管理対象が拠点に存在するか拠点外グループに属するかを推定後、管理サーバ40は、図8に示す結合子Bから図7に示す結合子Bへ処理を進める。管理サーバ40は、推定結果を出力し(S116)、S102から処理を繰り返す。
GPS測位情報が含まれていなかった場合(S104/NO)、管理サーバ40は、受信した情報にWi-Fi測位情報が含まれているか否かを判定する(S118)。
Wi-Fi測位情報が含まれていた場合(S118/YES)、管理サーバ40は、Wi-Fi測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する(S120)。
現在位置の推定後、管理サーバ40は、図7に示す結合子Aから図8に示す結合子Aに処理を進める。管理サーバ40は、推定した現在位置と拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する(S108)。算出後、管理サーバ40は、算出した2点間距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する(S110)。
2点間距離が第1の閾値以下である拠点が存在する場合(S110/YES)、管理サーバ40は、2点間距離が最小となる拠点を管理対象が存在する拠点と推定する(S112)。一方、2点間距離が第1の閾値以下である拠点が存在しない場合(S110/NO)、管理サーバ40は、管理対象が拠点外グループに属すると推定する(S114)。
管理対象が拠点に存在するか拠点外グループに属するかを推定後、管理サーバ40は、図8に示す結合子Bから図7に示す結合子Bへ処理を進める。管理サーバ40は、推定結果を出力し(S116)、S102から処理を繰り返す。
Wi-Fi測位情報が含まれていなかった場合(S118/NO)、管理サーバ40は、受信した情報にMACアドレスが含まれているか否かを判定する(S122)。
MACアドレスが含まれていた場合(S122/YES)、管理サーバ40は、MACアドレスと照合情報に基づき、管理対象が存在する拠点を推定する(S124)。一方、MACアドレスが含まれていなかった場合(S122/NO)、管理サーバ40は、基地局測位情報と照合情報に基づき、管理対象が存在する拠点を推定する(S126)。
管理サーバ40は、管理対象が存在する拠点を推定できたか否かを判定する(S128)。拠点を推定できた場合(S128/YES)、管理サーバ40は、推定結果を出力し(S116)、S102から処理を繰り返す。
一方、拠点を推定できなかった場合(S128/NO)、管理サーバ40は、受信した情報に含まれていた基地局測位情報と対応する基地局測位情報が、参照情報に存在するか否かを判定する(S130)。
受信した情報に含まれていた基地局測位情報と対応する基地局測位情報が参照情報に存在する場合(S130/YES)、管理サーバ40は、参照情報に基づき、管理対象の現在位置を推定する(S132)。
現在位置の推定後、管理サーバ40は、図7に示す結合子Aから図8に示す結合子Aに処理を進める。管理サーバ40は、推定した現在位置と拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する(S108)。算出後、管理サーバ40は、算出した2点間距離が第1の閾値以下であるか否かを判定する(S110)。
2点間距離が第1の閾値以下である拠点が存在する場合(S110/YES)、管理サーバ40は、2点間距離が最小となる拠点を管理対象が存在する拠点と推定する(S112)。一方、2点間距離が第1の閾値以下である拠点が存在しない場合(S110/NO)、管理サーバ40は、管理対象が拠点外グループに属すると推定する(S114)。
管理対象が拠点に存在するか拠点外グループに属するかを推定後、管理サーバ40は、図8に示す結合子Bから図7に示す結合子Bへ処理を進める。管理サーバ40は、推定結果を出力し(S116)、S102から処理を繰り返す。
受信した情報に含まれていた基地局測位情報と対応する基地局測位情報が参照情報に存在しなかった場合(S130/NO)、管理サーバ40は、受信した情報に含まれていた基地局測位情報が示す位置を管理対象の現在位置と推定する(S134)。
現在位置の推定後、管理サーバ40は、図7に示す結合子Cから図9に示す結合子Cに処理を進める。管理サーバ40は、推定した現在位置と拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する(S136)。算出後、管理サーバ40は、算出した2点間距離が第2の閾値以下であるか否かを判定する(S138)。
2点間距離が第2の閾値以下である拠点が存在する場合(S138/YES)、管理サーバ40は、2点間距離が最小となる拠点を管理対象が存在する拠点と推定する(S140)。一方、2点間距離が第2の閾値以下である拠点が存在しない場合(S138/NO)、管理サーバ40は、管理対象が拠点外グループに属すると推定する(S142)。
管理対象が拠点に存在するか拠点外グループに属するかを推定後、管理サーバ40は、図9に示す結合子Bから図7に示す結合子Bへ処理を進める。管理サーバ40は、推定結果を出力し(S116)、S102から処理を繰り返す。
なお、S104、S118、S122は、GPS測位、Wi-Fi測位の受信環境を考慮し、その順番が入れ替えられてもよい。
<5.具体例>
以上、処理の流れの一例について説明した。続いて、図10及び図11を参照して、本実施形態に係る具体例の一例について説明する。
(1)拠点推定の具体例
まず、図10を参照して、拠点推定の具体例について説明する。図10は、本実施形態に係る拠点推定の具体例の一例を示す図である。図7には、拠点推定の例が時系列で示されている。なお、図10に示す例では、図4に示した参照情報、図5に示した照合情報、図6に示した履歴情報が用いられるとする。
また、図10に示す例では、測位端末IDが「001」の端末が測位端末10-1、測位端末IDが「002」の端末が測位端末10-2、測位端末IDが「003」の端末が測位端末20-1であるとする。
また、拠点情報の(XK1,YK1)とGPS測位情報の(XG1,YG1)とWi-Fi測位情報の(XW4,YW4)とが同一の座標であるとする。また、拠点情報の(XK2,YK2)とGPS測位情報の(XG2,YG2)とが同一の座標であるとする。また、拠点情報の(XK3,YK3)とGPS測位情報の(XG3,YG3)とが同一の座標であるとする。
測位日時が「2019/12/01 10:00:00」である1レコード目には、測位端末10-1が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB1,YB1)かつ信用度が1000mである基地局測位情報と、緯度経度が(XW1,YW1)かつ信用度が100mかつMACアドレスがMACアドレスIであるWi-Fi測位情報と、緯度経度が(XG1,YG1)であるGPS測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報(図4の1レコード目)として記録される。
GPS測位情報が取得されているため、管理サーバ40は、(XG1,YG1)が管理対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する。算出の結果、拠点Iとの2点間距離が第1の閾値以下かつ最小であったとする。よって、管理サーバ40は、拠点が「拠点I」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報(図6に示した履歴1)として記録される。
測位日時が「2019/12/01 10:10:00」である2レコード目には、測位端末10-2が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB2,YB2)かつ信用度が1000mである基地局測位情報と、緯度経度が(XW2,YW2)かつ信用度が500mかつMACアドレスがMACアドレスIIであるWi-Fi測位情報と、緯度経度が(XG2,YG2)であるGPS測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報(図4の2レコード目)として記録される。
GPS測位情報が取得されているため、管理サーバ40は、(XG2,YG2)が管理対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する。算出の結果、拠点IIとの2点間距離が第1の閾値以下かつ最小であったとする。よって、管理サーバ40は、拠点が「拠点II」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報(図6に示した履歴2)として記録される。
測位日時が「2019/12/01 11:10:00」である3レコード目には、測位端末10-2が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB3,YB3)かつ信用度が2000mである基地局測位情報と、MACアドレスがMACアドレスIIIであるWi-Fi測位情報と、緯度経度が(XG3,YG3)であるGPS測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報(図4の3レコード目)として記録される。
GPS測位情報が取得されているため、管理サーバ40は、(XG3,YG3)が管理対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する。算出の結果、拠点IIIとの2点間距離が第1の閾値以下かつ最小であったとする。よって、管理サーバ40は、拠点が「拠点III」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報(図6に示した履歴3)として記録される。
測位日時が「2019/12/01 12:10:00」である4レコード目には、測位端末10-2が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB4,YB4)かつ信用度が4000mである基地局測位情報と、緯度経度が(XW4,YW4)かつ信用度が300mかつMACアドレスがMACアドレスVであるであるWi-Fi測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報(図4の4レコード目)として記録される。
GPS測位情報が取得されていないが、Wi-Fi測位情報が取得されているため、管理サーバ40は、(XW4,YW4)が管理対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する。算出の結果、拠点Iとの2点間距離が第1の閾値以下かつ最小であったとする。よって、管理サーバ40は、拠点が「拠点I」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報(図6に示した履歴4)として記録される。
測位日時が「2019/12/01 14:00:00」である5レコード目には、測位端末20-1が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB1,YB1)かつ信用度が5000mである基地局測位情報と、MACアドレスがMACアドレスIであるWi-Fi測位情報が取得されている。
GPS測位情報及びWi-Fi測位による緯度経度が取得されていないが、MACアドレスが取得されているため、管理サーバ40は、MACアドレスと照合情報に基づき、管理対象が存在する拠点名を推定する。照合情報の1レコード目には、拠点Iに対して、MACアドレスIが関連付けられている。よって、管理サーバ40は、管理対象が「拠点I」に存在すると推定する。
なお、拠点の推定は、図6に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴1にてMACアドレスIと「拠点I」が関連付けられているため、管理サーバ40は、拠点が「拠点I」であると推定してもよい。
測位日時が「2019/12/01 15:00:00」である6レコード目には、測位端末20-1が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB2,YB2)かつ信用度が3000mである基地局測位情報のみが取得されている。
GPS測位情報及びWi-Fi測位による緯度経度が取得されていないが、MACアドレスが取得されているため、管理サーバ40は、MACアドレスと照合情報に基づき、管理対象が存在する拠点名を推定する。照合情報の2レコード目には、拠点IIに対して、MACアドレスIIが関連付けられている。よって、管理サーバ40は、管理対象が「拠点II」に存在すると推定する。
なお、拠点の推定は、図6に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴2にてMACアドレスIIと「拠点II」が関連付けられているため、管理サーバ40は、拠点が「拠点II」であると推定してもよい。
測位日時が「2019/12/01 16:00:00」である7レコード目には、測位端末20-1が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB4,YB4)かつ信用度が9000mである基地局測位情報のみが取得されている。
GPS測位情報及びWi-Fi測位情報が取得されていない。そこで、管理サーバ40は、基地局測位情報と照合情報に基づき管理対象が存在する拠点名の推定を行ったが、拠点名を推定できなかったとする。そのため、管理サーバ40は、参照情報を参照して、管理対象の現在位置を推定する。参照情報の4レコード目には、(XB4,YB4)に対して、(XW4,YW4)のみが関連付けられている。よって、管理サーバ40は、(XW4,YW4)が管理対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する。算出の結果、拠点Iとの2点間距離が第2の閾値以下かつ最小であったとする。よって、管理サーバ40は、拠点が「拠点I」であると推定する。
なお、拠点の推定は、図6に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴4にて(XW4,YW4)と「拠点I」が関連付けられているため、管理サーバ40は、拠点が「拠点I」であると推定してもよい。
測位日時が「2019/12/01 17:00:00」である8レコード目には、測位端末20-1が備え付けられた管理対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が(XB5,YB5)かつ信用度が2000mである基地局測位情報のみが取得されている。
GPS測位情報及びWi-Fi測位による緯度経度が取得されていないが、MACアドレスが取得されているため、管理サーバ40は、MACアドレスと照合情報に基づき、管理対象が存在する拠点名を推定する。しかしながら、管理サーバ40がMACアドレスと照合情報に基づき拠点名を推定できなかったとする。そこで、管理サーバ40は、参照情報を参照して、管理対象の現在位置を推定する。参照情報には、(XB5,YB5)に対応するレコードが記録されていない。よって、管理サーバ40は、(XB5,YB5)が管理対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ40は、推定した管理対象の現在位置と、拠点情報の各拠点との2点間距離を算出する。算出の結果、2点間距離が第2の閾値以下となる拠点が存在しなかったとする。この場合、管理サーバ40は、管理対象が拠点外グループに属すると推定する。よって、管理サーバ40は、管理対象が「移動中」または照合情報にない場所への管理対象の流出、盗難等の「所在不明」であると推定する。
なお、拠点の推定は、図6に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴情報には、(XB5,YB5)と対応する履歴が記録されていない。よって、管理サーバ40は、管理対象が「移動中」であると推定してもよい。
(2)位置管理システム1の適用の具体例
続いて、図11を参照して、位置管理システム1の適用の具体例について説明する。図11は、本実施形態に係る位置管理システム1の適用の具体例の一例を示す図である。位置管理システム1は、例えば、物流資材の管理のためのプラットフォームの構築に適用される。
例えば、図11に示すように、位置管理システム1は、物流資材の各々に備え付けられたLPWA通信デバイスから取得される情報に基づき、各種の測位を行う。そして、位置管理システム1は、基地局測位、Wi-Fi測位、及びGPS測位によって取得された各位置情報を関連付けて記録することで、データライブラリ(参照情報)を生成する。位置管理システム1は、生成したデータライブラリと得意先拠点情報(照合情報)とを照合することで、物流資材が保管されている拠点を推定する。このようにして、位置管理システム1は、物流資材が保管されている拠点を推定可能なプラットフォームを構築することができる。
当該プラットフォームによる推定結果をリスト化することで、物流資材の管理に関する情報の見える化も可能となる。例えば、図11に示すように、各拠点に保管されている資材数をリスト化することで、各拠点に保管されている物流資材の数を把握することができる。また、物流資材の合計数が既知の場合、拠点に存在しない物流資材の数を算出してリストに加えることもできる。拠点に存在しない物流資材は、例えば、図11に示す「移動中」の物流資材や「所在不明」の物流資材である。
<6.変形例>
以上、具体例の一例について説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
(1)第1の変形例
上述した実施形態では、測位端末10が管理対象に備え付けられる例について説明したが、かかる例に限定されない。測位端末10は、例えば、各拠点に設置されてもよい。これにより、測位端末10により取得される基地局測位情報、Wi-Fi測位情報、GPS測位情報は、拠点の位置を精度高く示す。そのため、測位端末10が取得する情報に基づき生成される参照情報のGPS測位情報と、照合情報の拠点位置情報とが一致する確率が高くなる。よって、管理対象の現在位置の推定精度を向上させることができる。
(2)第2の変形例
上述した実施形態では、管理サーバ40が、各測位情報を関連付けることで参照情報を生成する例について説明したが、かかる例に限定されない。参照情報は、例えば、機械学習モデルに各測位情報を入力することで生成されてもよい。機械学習モデルを用いる場合、あらかじめ学習期間を設けて学習させてもよいし、実運用を行いながら学習させてもよい。また、管理対象の現在位置と照合情報との照合を機械学習モデルに行わせてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。以上説明したように、本実施形態に係る管理サーバ40は、管理対象の拠点情報と、拠点に該当する場所に位置する管理対象の測位端末10の通信装置がアクセスポイントとの無線通信によって取得する、アクセスポイントのMACアドレスとを関連付けた照合情報を生成する。
また、管理サーバ40は、測位端末10よりも測位精度が低い測位端末20に取り付けられた通信装置が現在位置においてアクセスポイントとの無線通信によって取得する、アクセスポイントのMACアドレスと照合情報とを照合する。管理サーバ40は、照合により、取得したMACアドレスと対応する照合情報のMACアドレスに関連付けられている拠点情報を、測位端末20が設けられた管理対象の現在位置と対応する拠点情報として取得する。
かかる構成により、管理サーバ40は、MACアドレスと照合情報に基づき、管理対象の現在位置を推定できる。そのため、Wi-Fi測位及び基地局測位のみが可能な測位端末20が備え付けられた管理対象であっても、GPS測位も可能な測位端末10が備え付けられた管理対象と同様に、高精度に現在位置が推定される。
以上より、本実施形態では、低コストの測位端末20が備え付けられた管理対象の現在位置を高精度に推定することができる。よって、低コストかつ高精度に管理対象の位置情報を取得することができる。
なお、上述した実施形態における位置管理装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。