JP7377740B2 - 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7377740B2
JP7377740B2 JP2020031369A JP2020031369A JP7377740B2 JP 7377740 B2 JP7377740 B2 JP 7377740B2 JP 2020031369 A JP2020031369 A JP 2020031369A JP 2020031369 A JP2020031369 A JP 2020031369A JP 7377740 B2 JP7377740 B2 JP 7377740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display information
image
display device
vehicle
generation unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020031369A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021133804A (ja
Inventor
和則 樋口
裕治 村岸
敏行 田口
義和 服部
敏之 近藤
文彦 村瀬
正明 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2020031369A priority Critical patent/JP7377740B2/ja
Publication of JP2021133804A publication Critical patent/JP2021133804A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7377740B2 publication Critical patent/JP7377740B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Instrument Panels (AREA)
  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Description

本発明は、車載表示装置に関する。
わき見運転による事故の低減や利便性の向上等を目的として、車両の例えばフロントガラス越しの外景と、経路案内用の画像等を表す虚像とを重畳させて、車両の運転者に視認させる車載表示装置(HUD:Head-Up Display)が知られている。例えば、特許文献1には、HUDにおいて、虚像を重畳する風景位置の奥行きが変化した場合に、表示する虚像の一部若しくは全部の変化度合いを、奥行きの変化度合いと異なるように制御することが記載されている。例えば、特許文献2には、HUDにおいて、対象物と虚像との視差角の差を1度以下とすることが記載されている。
国際公開第2017/138428号パンフレット 特開2017-956933号公報
ところで、近年、主として映画館や家庭用テレビ等において、三次元の立体像を表示するバーチャルリアリティ(VR:Virtual Reality)技術が普及しつつある。VR技術では、現実世界の立体物が、右目で見た場合と左目で見た場合とで異なる位置に視認されるという両眼視差(単に「視差」とも呼ぶ)を利用する。具体的には、視差を付して表された右目用画像と左目用画像とをそれぞれ対応する目に視認させることで、脳内で起こる錯覚を利用して、三次元の立体像を表示することができる。
ここで、近傍の第1オブジェクトと、遠方の第2オブジェクトのように、結像距離の異なる複数のオブジェクトの立体像を表示する場合を想定する。このような場合、近傍の第1オブジェクトの視差は、遠方の第2オブジェクトの視差よりも大きくなるため、右目用画像と左目用画像とを比較した場合、第1オブジェクトに付される視差は、第2オブジェクトに付される視差よりも大きくなる。一方、人間がある距離の対象物を注視した際に、その距離に合う視差は一点のみであるため、利用者が近傍の第1オブジェクトを注視した場合、遠方の第2オブジェクトは二重像となって視認されるという課題がある。
一方、車載表示装置(HUD)において、このようなVR技術を利用したいという要望がある。HUDは、車両に搭載されて、運転者が利用者となる(運転中に視認する)という性質上、映画館や家庭用テレビと比較して、より安全性が重視される。このため、立体像を形成可能なHUDでは、上述した二重像による視認性の低下を抑制したいという要望がある。しかしながら、特許文献1,2に記載の技術では、上述した二重像による視認性の低下を抑制することについて何ら考慮されていない。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、車載表示装置において、虚像の視認性の低下を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。車載表示装置であって、利用者に提示する複数の表示情報について、それぞれ視差を付して表された右目用画像と左目用画像とを含む画像を生成する画像生成部と、前記画像を含む光束である投写光を出射する出射部と、前記投写光を反射させて、外景に重畳された立体像を形成する反射部と、を備え、前記画像生成部は、前記複数の表示情報について、優先度が相対的に高い第1の表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成し、前記画像生成部は、前記複数の表示情報のうちの所定の表示情報を、複数の部分表示情報に分割し、前記複数の部分表示情報について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成する、車載表示装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
(1)本発明の一形態によれば、車載表示装置が提供される。この車載表示装置は、利用者に提示する複数の表示情報について、それぞれ視差を付して表された右目用画像と左目用画像とを含む画像を生成する画像生成部と、前記画像を含む光束である投写光を出射する出射部と、前記投写光を反射させて、外景に重畳された立体像を形成する反射部と、を備え、前記画像生成部は、前記複数の表示情報について、優先度が相対的に高い第1の表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成する。
この構成によれば、画像生成部は、それぞれ視差を付して表された画像(右目用画像、左目用画像)を生成し、出射部は、画像を含む光束である投写光を出射し、反射部は、投写光を反射させて外景に重畳された立体像を形成する。このため、外景に重畳された三次元の立体像を表示可能な車載表示装置を提供できる。このように、案内のために用いられる表示情報を立体像とすることで、案内対象の前後関係を分かりやすくできる。また、画像生成部は、複数の表示情報について、優先度が相対的に高い第1の表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報の視認性を低下させた画像を生成する。このため、利用者の注視(注意)を、優先度が相対的に高い第1の表示情報に向けて促すことができ、第1の表示情報を素早く認識させることができる。また、この際注視されない第2の表示情報(優先度が相対的に低い第2の表示情報)は、画像における視認性が低下されているため、第2の表示情報の二重像に起因した虚像全体の視認性の低下を抑制できる。
(2)上記形態の車載表示装置において、前記画像生成部は、前記複数の表示情報のうちの所定の表示情報を、複数の部分表示情報に分割し、前記複数の部分表示情報について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成してもよい。
この構成によれば、画像生成部は、複数の表示情報のうちの所定の表示情報を複数の部分表示情報に分割し、複数の部分表示情報について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報の視認性を低下させた画像を生成する。このため、例えば、手前から奥に向かって延びる矢印のように、単一の表示情報の中に結像距離の異なる複数の部分を有する場合であっても、利用者の注視を、優先度が相対的に高い部分(第1の部分表示情報)に向けて促すことができ、優先度が相対的に高い部分を素早く認識させることができる。また、この際注視されない優先度が相対的に低い部分(第2の部分表示情報)は、画像における視認性が低下されているため、二重像に起因した虚像全体の視認性の低下を抑制できる。
(3)上記形態の車載表示装置において、前記画像生成部は、前記車載表示装置の利用場面に応じて前記優先度を決定してもよい。
この構成によれば、画像生成部は、複数の表示情報(または複数の部分表示情報)の優先度を、車載表示装置の利用場面に応じて決定する。このため、例えば、車載表示装置において経路案内をしている場合は進行方向を表す表示情報の優先度を相対的に高くし、例えば、車載表示装置において経路案内をしていない場合は注意喚起用の表示情報の優先度を相対的に高くする、といったように、車載表示装置の利用場面に応じて、利用者に優先的に視認させる第1の表示情報と、視認性を低下させる第2の表示情報とを決定できる。
(4)上記形態の車載表示装置では、さらに、前記車載表示装置が搭載された車両の運転者の視線の方向を取得する視線取得部を備え、前記画像生成部は、前記複数の表示情報と、前記運転者の視線との位置関係に応じて、前記優先度を決定してもよい。
この構成によれば、画像生成部は、複数の表示情報(または複数の部分表示情報)の優先度を、複数の表示情報と運転者の視線との位置関係に応じて決定する。このため、例えば、運転者が視線を向けた(注視した)表示情報の優先度を相対的に高くすることにより、運転者が視線を向けていない(注視していない)表示情報による二重像の視認性を低下させて、二重像に起因した虚像全体の視認性の低下をより一層抑制できる。
(5)上記形態の車載表示装置において、前記画像生成部は、前記複数の表示情報についての各結像距離と、前記運転者の現在の視距離との差に応じて、前記優先度を決定してもよい。
この構成によれば、画像生成部は、複数の表示情報についての各結像距離と、運転者の現在の視距離との差に応じて優先度を決定する。このため、例えば、差が最も小さい表示情報の優先度を相対的に高くすることにより、運転者の現在の注視点から相対的に遠い結像距離を有する表示情報による二重像の視認性を低下させて、二重像に起因した虚像全体の視認性の低下をより一層抑制できる。
(6)上記形態の車載表示装置では、さらに、上方の照度を取得可能な照度センサを備え、前記画像生成部は、前記各結像距離と前記視距離との差に加えてさらに、前記照度センサにより取得された前記上方の照度を用いて、前記優先度を決定してもよい。
この構成によれば、画像生成部は、被写界深度の変化に関連した上方の照度(上方照度)を考慮して、優先度を決定できる。
(7)上記形態の車載表示装置において、前記画像生成部は、前記第1の表示情報と比較して、前記第2の表示情報の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させることにより、前記画像における前記第2の表示情報の視認性を低下させてもよい。
この構成によれば、画像生成部は、第2の表示情報の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させることにより、簡単に、第2の表示情報の視認性を低下させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、車載表示装置、車載表示装置を含む車両システム、これら装置及びシステムの制御方法、これら装置及びシステムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての車両システムの概略図である。 外景と立体像の重畳について説明する図である。 表示処理の手順を示すフローチャートである。 表示処理のステップS20について説明する図である。 表示処理のステップS22について説明する図である。 表示処理のステップS32について説明する図である。 表示処理のステップS32について説明する図である。 表示処理のステップS50について説明する図である。 第2実施形態の表示処理について説明する図である。 第2実施形態の表示処理の手順を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての車両システム1の概略図である。図2は、外景と立体像の重畳について説明する図である。図1に示すように、車両システム1は、車載表示装置(HUD:Head-Up Display)10を搭載した車両90である。図2に示すように、車両システム1の利用者、すなわち車両90の運転者31は、フロントガラス92越しの外景OVと、車載表示装置10により表示される複数の表示情報OB1~OB3との立体像と、を同時に視認することができる。
車載表示装置10は、表示情報OB1~OB3について、各表示情報の距離に応じた視差を付して表された右目用画像と左目用画像とを生成し、この右目用画像と左目用画像とを運転者31の対応する目に視認させる。これにより、車載表示装置10は、運転者31の脳内で起こる錯覚を利用して、表示情報OB1~OB3を表す三次元の立体像を表示することができる。本実施形態の車載表示装置10は、表示情報OB1~OB3について優先度を決定し、優先度が相対的に高い表示情報(以降「第1の表示情報」とも呼ぶ)と比較して、優先度が相対的に低い表示情報(以降「第2の表示情報」とも呼ぶ)の視認性を低下させることで、虚像全体の視認性の低下を抑制する。詳細は、図8において後述する。
図1に示すように、車載表示装置10は、ダッシュボード93に内蔵された出射部11と、フロントガラス92の内側面に組み込まれた反射部13と、センターコンソール94に設置された後方撮像部14と、ルーフ91の内側に設置された前方撮像部17と、これらの各部に接続されたCPU15及び記憶部16とを備えている。図1において、X軸は運転者31の左右方向に対応し、Y軸は運転者31の上下方向に対応し、Z軸は運転者31の前後方向に対応する。
出射部11は、例えば、光源と、表示素子と、投写光学系とを備え、画像を含む光束(以下「投写光」とも呼ぶ)を出射する。光源は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、EL(エレクトロルミネセンス)、レーザ等の発光体である。表示素子は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、DMD(Digital Micromirror Device)、MEMS(Micro-electro-mechanical System)等の透過型または自発光型の表示素子であり、画像を形成する。表示素子により形成された画像は、光源によって光束(投写光)とされる。投写光学系は、例えば、投影レンズ、ミラー等を含み、投写光の発散角等を調整する。
反射部13は、例えばコンバイナであり、反射部13を透過する光の量(透過光量)と投写光とを合成することが可能な半透過反射シートである。本実施形態では、反射部13は、フロントガラス92の内側面に組み込まれているが、反射部13は、フロントガラス92の内側面又は外側面に固定されていてもよく、フロントガラス92とは別体として設けられていてもよい。
後方撮像部14は、例えば、運転者31の頭部を含む画像を撮像するカメラである。後方撮像部14により得られた画像を画像解析することにより、運転者31の頭部の位置(頭部位置)と、運転者31の視線の方向(視線方向)とを取得できる。本実施形態では、視線方向は、運転者31の両目平均のデータを用いるが、視線方向は、運転者31の片目(右目あるいは左目)のデータを用いてもよい。なお、後方撮像部14は1つのカメラでも実現できるが、頭部位置と、視線方向との精度向上のためには、複数のカメラにより構成されることが好ましい。
前方撮像部17は、例えば、車両90の前方、換言すれば、運転者31の前方における外景(周囲環境)の画像を撮像するカメラである。前方撮像部17により得られた画像を画像解析することにより、複数の表示情報OB1~OB3(図2)を重畳すべき対象物の位置と、対象物までの距離とを取得できる。なお、前方撮像部17は1つのカメラでも実現できるが、対象物の位置及び距離の精度向上のためには、複数のカメラにより構成されることが好ましい。
CPU15は、車載表示装置10の各部と図示しないROM及びRAMに接続され、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、車載表示装置10の各部を制御する。そのほかCPU15は、表示制御部151、画像生成部152としても機能する。表示制御部151と画像生成部152とは、協働して後述する表示処理を実行することで出射部11を制御し、虚像を表示させる。画像生成部152は、後述する表示処理において、運転者31の右目31Rに視認させる右目用画像と、左目31Lに視認させる左目用画像とを生成する。以降、右目用画像と左目用画像とを総称して、単に「画像」とも呼ぶ。
記憶部16は、フラッシュメモリ、メモリカード、ハードディスクなどで構成される。記憶部16には、表示情報161と、設定情報162とが予め記憶されている。表示情報161には、利用者(運転者31)に提示する複数の表示情報が含まれている。具体的には、表示情報161には、車載表示装置10において提供する機能に応じて、例えば、次の表示情報a1,a2のような種々の情報が含まれ得る。なお、本実施形態の車載表示装置10は、表示情報a1を用いた経路案内機能と、表示情報a2を用いた走行中の周辺環境の案内機能と、の両方を並列に実行する。
(a1)車載表示装置10において出発地から目的地までの経路案内を行う際に用いられる表示情報であって、進行方向を案内するための表示情報OB1,OB2(図2)。
(a2)車載表示装置10において走行中の周辺環境の案内を行う際に用いられる表示情報であって、周辺環境の注意喚起や情報提供のための表示情報OB3(図2)。
図2の例では、経路案内用の表示情報a1として、進行方向を表す矢印OB1と、走行中の道路の車線情報と進行方向との表示OB2と、を例示している。経路案内用の表示情報a1としては、他にも、目的地までの到達時間や、目的地までの全体経路等を含み得る。周辺環境の案内用の表示情報a2として、交差車線に待機中の車両についての注意喚起表示OB3を例示している。周辺環境の案内用の表示情報a2としては、他にも、走行中の道路または周辺の道路における事故情報や規制情報、周辺に位置する歩行者や他の車両についての注意喚起等を含み得る。表示情報161には、表示情報a1,a2とのいずれか一方が含まれてもよい。また、表示情報161には、表示情報a1,a2とは異なる別途の表示情報が含まれてもよい。
設定情報162には、運転者31に対して、二重像の少ない立体像を視認させるために、運転者31に関する個別の情報が含まれている。具体的には、設定情報162には、車両90の運転席に座った状態での通常の運転者31の頭部の位置や、運転者31の右目31Rと左目31Lとの間隔等が含まれ得る。設定情報162に含まれる各情報は、運転者31による設定、変更が可能である。設定情報162は省略してもよい。なお、CPU15及び記憶部16は、電子制御ユニット(ECU、Electronic Control Unit)により実装されてもよい。
図3は、表示処理の手順を示すフローチャートである。表示処理は、表示制御部151及び画像生成部152によって、車載表示装置10の起動後に実行され、車載表示装置10が起動している間は繰り返し実行される。
まず、ステップS10において表示制御部151は、前方撮像部17に対して、運転者31の前方における外景の画像(前方画像)を取得させる。ステップS12において表示制御部151は、後方撮像部14に運転者31の頭部を含む画像(運転者画像)を取得させる。表示制御部151は、取得された運転者画像を画像解析することにより、運転者31の頭部位置と、視線方向とを取得する。なお、画像解析による視線方向の取得は、目頭等を基準点とした瞳孔及び虹彩の位置により取得してもよく、機械学習により取得してもよい。このように、表示制御部151と後方撮像部14とは協働して「視線取得部」として機能する。
図4は、表示処理のステップS20について説明する図である。ステップS20において画像生成部152は、記憶部16の表示情報161から、運転者31に提示すべき複数の表示情報を取得する。上述の通り、本実施形態の車載表示装置10は、出発地から目的地までの経路案内機能と、走行中の周辺環境の案内機能と、の両方を並列に実行する。このため、画像生成部152は、表示情報161から、進行方向を表す矢印OB1、車線情報と進行方向との表示OB2、及び、他車両についての注意喚起表示OB3をそれぞれ取得する。なお、表示情報は「オブジェクト」とも呼ばれる。
図5は、表示処理のステップS22について説明する図である。ステップS22において画像生成部152は、ステップS20で取得した複数の表示情報OB1~OB3を重畳すべき対象物(実世界の物体)の位置と、対象物までの距離とを取得する。具体的には、画像生成部152は、ステップS10で取得した前方画像IMFを画像解析することで、対象物P1~P3のXY平面上における位置をそれぞれ取得する。また、画像生成部152は、ステップS10で取得した前方画像IMFを画像解析することで、画像中の対象物P1~P3の大きさから、車両90から対象物P1~P3までのZ軸上における距離をそれぞれ取得する。なお、図5に示すように、対象物P1~P3としては、車両、道路、道路脇の建造物等、任意のものを用いてよい。
ステップS30において画像生成部152は、記憶部16の設定情報162から、運転者31に関する個別の情報を取得する。
図6及び図7は、表示処理のステップS32について説明する図である。ステップS32において画像生成部152は、右目用画像と左目用画像とを含む画像を生成する。図6に示すように、運転者31が距離d1にある表示情報OB1を視認した際の視差(「輻輳角」とも呼ぶ)θ1は、距離d1よりも遠方の距離d2にある表示情報OB2を視認した際の視差θ2よりも大きくなることが知られている。バーチャルリアリティ(VR:Virtual Reality)技術では、このような視差を利用して三次元の立体像を表示する。例えば、図7に示すように、左目用画像IMLにおいて表示情報OB1を中心Oよりも右側に配置し、右目用画像IMRにおいて表示情報OB1を中心Oより左側に配置する。このような左目用画像IMLを運転者31の左目31Lに視認させ、右目用画像IMRを運転者31の右目31Rに視認させると、表示情報OB1が近傍に飛び出したように見える。なお、図7では、説明の便宜上、上述した表示情報OB1のみを図示すると共に、位置を把握しやすくするための格子を図示する。
ステップS32において画像生成部152は、ステップS20で取得した複数の表示情報OB1~OB3について、ステップS22で取得した重畳対象物P1~P3の位置及び距離と、ステップS30で取得した運転者31に関する個別の情報と、を用いて、各表示情報OB1~OB3がそれぞれの位置に、それぞれの大きさで、それぞれの視差を付して配置された右目用画像IMRと、左目用画像IMLとを生成する(図7)。換言すれば、ステップS32において画像生成部152が生成する画像IMには、右目用画像IMRと、左目用画像IMLとが含まれる。
ステップS40において画像生成部152は、複数の表示情報OB1~OB3の優先度を決定する。優先度の決定は任意の方法により実現できる。例えば、画像生成部152は、次の方法b1~b4の少なくともいずれか一つを単独で、または、方法b1~b4の2つ以上を組み合わせて用いて、複数の表示情報OB1~OB3の優先度を決定できる。例えば、方法b1と方法b2とを組み合わせて用いる場合、画像生成部152は、方法b1による優先度の決定結果と、方法b2による優先度の決定結果との両方を用いて、最終的な優先度を決定してもよい。
(b1)車載表示装置10の利用場面に応じて優先度を決定する方法:
例えば、画像生成部152は、車載表示装置10において経路案内をしている場合は、進行方向を案内するための表示情報OB1,OB2(表示情報a1)の優先度を、周辺環境の注意喚起や情報提供のための表示情報OB3(表示情報a2)の優先度よりも相対的に高くする。この際、画像生成部152は、進行方向を案内するための表示情報OB1,OB2(表示情報a1)の中でも、運転者31の目前に表示される進行方向を表す矢印OB1の優先度を、車線情報と進行方向との表示OB2の優先度よりも高くしてもよい。一方、画像生成部152は、車載表示装置10において経路案内をしていない場合は、周辺環境の注意喚起や情報提供のための表示情報OB3(表示情報a2)の優先度を、進行方向を案内するための表示情報OB1,OB2(表示情報a1)の優先度よりも相対的に高くする。この際、画像生成部152は、注意喚起のための表示情報の優先度を、情報提供のための表示情報の優先度よりも高くしてもよい。
本実施形態の例では、画像生成部152は、複数の表示情報OB1~OB3について、運転者31の目前に表示される進行方向を表す矢印OB1の優先度を、他の情報(すなわち、車線情報と進行方向との表示OB2、及び、他車両についての注意喚起表示OB3)の優先度よりも相対的に高くする。すなわち、本実施形態の例では、進行方向を表す矢印OB1が「第1の表示情報」となり、車線情報と進行方向との表示OB2及び他車両についての注意喚起表示OB3が「第2の表示情報」となる。なお、本実施形態において例示した利用場面と優先度との対応付けは、あくまで一例であり、任意に決定してもよく、運転者31により指定可能な構成としてもよい。
このように、方法b1によれば、画像生成部152は、複数の表示情報OB1~OB3の優先度を、車載表示装置10の利用場面に応じて決定する。このため、上述のように、車載表示装置10において経路案内をしている場合は進行方向を表す表示情報OB1の優先度を相対的に高くし、例えば、車載表示装置10において経路案内をしていない場合は注意喚起用の表示情報OB3の優先度を相対的に高くする、といったように、車載表示装置10の利用場面に応じて、利用者に優先的に視認させる第1の表示情報と、視認性を低下させる第2の表示情報とを決定できる。
(b2)運転者31の視線方向に応じて優先度を決定する方法:
例えば、画像生成部152は、ステップS12で取得された運転者31の視線方向と、複数の表示情報OB1~OB3の表示位置(すなわち、ステップS22で取得された重畳対象物P1~P3の位置)との位置関係から、運転者31が視線を向けた(注視した)表示情報を特定する。例えば、運転者31が前方道路に視線を向けている場合を想定する。このとき、画像生成部152は、運転者31が視線を向けた表示情報OB1の優先度を、他の表示情報OB2,OB3の優先度よりも相対的に高くする。
このように、方法b2によれば、画像生成部152は、複数の表示情報OB1~OB3の優先度を、各複数の表示情報OB1~OB3と運転者31の視線との位置関係に応じて決定する。このため、上述のように、運転者31が視線を向けた表示情報OB1の優先度を相対的に高くすることにより、運転者31が視線を向けていない表示情報OB2,OB3による二重像の視認性を低下させて、二重像に起因した虚像全体の視認性の低下をより一層抑制できる。
(b3)結像距離と注視点までの距離の差に応じて優先度を決定する方法:
方法b3を用いる場合、上述したステップS12において表示制御部151は、さらに、運転者31の現在の注視点と、運転者31の現在の視距離と、をそれぞれ推定しておく。ここで「注視点」とは、運転者31が注視している点を意味し、「視距離」とは、運転者31の目の位置と運転者31の注視点との間の距離を意味する。具体的には、まず、表示制御部151は、ステップS12で取得した運転者31の視線方向と、ステップS10で取得した前方画像とを照合して、運転者31が注視している対象物(実世界の物体)を推定する。表示制御部151は、運転者31が注視している対象物の位置を注視点とする。注視点は、図5のXY平面上における位置となる。その後、表示制御部151は、前方画像中の運転者31が注視している対象物の大きさから、車両90から対象物までの距離(以降「第1距離」とも呼ぶ)を求める。また、表示制御部151は、ステップS12で取得した運転者31の頭部位置を運転者31の目の位置とみなし、この頭部位置と前方撮像部17との間の距離(以降「第2距離」とも呼ぶ)を求める。表示制御部151は、求めた第1距離と第2距離とを加算したものを視距離とする。視距離は、図5のZ軸上における距離となる。
例えば、画像生成部152は、表示情報OB1について、表示情報OB1の結像距離(すなわち、ステップS22で求めた表示情報OB1を重畳すべき対象物P1までの距離)と、運転者31の現在の視距離(すなわち、運転者31の目と注視点との間の距離)との差を求める。また、画像生成部152は、他の表示情報OB2,OB3についても同様に、表示情報OB2,OB3の結像距離と、運転者31の現在の視距離と、の差をそれぞれ求める。そして、画像生成部152は、求めた差に応じて優先度を決定する。具体的には、例えば、画像生成部152は、求めた差が最も小さい表示情報の優先度を、他の表示情報の優先度よりも相対的に高くしてもよい。また、例えば、画像生成部152は、求めた差が所定値より小さい表示情報の優先度を、求めた差が所定値以上の表示情報の優先度よりも相対的に高くしてもよい。「差の所定値」は、目の被写界深度から求めることが好ましい(詳細は、ステップS42で後述する)。
このように、方法b3によれば、画像生成部152は、複数の表示情報OB1~OB3の優先度を、各複数の表示情報OB1~OB3の結像距離と、運転者31の現在の視距離との差に応じて決定する。このため、例えば、求めた差が最も小さい表示情報(例えばOB1)の優先度を相対的に高くすることにより、運転者31の現在の注視点から相対的に遠い結像距離を有する表示情報(例えばOB2,OB3)による二重像の視認性を低下させて、二重像に起因した虚像全体の視認性の低下をより一層抑制できる。
(b4)結像距離と注視点までの距離の差と上方照度とに応じて優先度を決定する方法:
方法b4を用いる場合、車両90には、上方照度を取得可能な照度センサを設ける。そして、画像生成部152は、各複数の表示情報OB1~OB3の結像距離と、運転者31の現在の視距離との差を求め(方法b3)、求めた差が所定値より小さい表示情報の優先度を、求めた差が所定値以上の表示情報の優先度よりも相対的に高くする。ここで、方法b4では、「差の所定値」を、照度センサにより取得された上方照度に比例して変化させる。具体的には、画像生成部152は、上方照度が大きいほど、差の所定値を大きくする。これは、上方照度が大きいほど、瞳孔の径が小さくなり、被写界深度が大きくなるためである。
このように、方法b4によれば、画像生成部152は、被写界深度の変化に関連した上方照度を考慮して、優先度を決定できる。
ステップS42において画像生成部152は、ステップS40で決定した複数の表示情報OB1~OB3の優先度に従って、ステップS32で生成した画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)を加工する。具体的には、画像生成部152は、画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)のうち、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させる加工を行う。これにより、画像生成部152は、画像IMにおける第2の表示情報OB2,OB3の視認性を低下させる。
なお、ステップS40において方法b3または方法b4を用いた場合、ステップS42において画像生成部152は、次のような加工をしてもよい。具体的には、各複数の表示情報OB1~OB3の結像距離と運転者31の現在の視距離との差が、所定値以上の表示情報については、輝度(及び/又は彩度、コントラスト)を低下させる。ここで、目の被写界深度外の表示は二重像になりやすいため、「差の所定値」は、目の被写界深度から求めることが好ましい。被写界深度は、注視点から前側、後側にそれぞれ約0.1ディオプタ(D)内とする。例えば、注視点までの距離が20メートル(0.05D)の場合、結像距離が6.6メートルより短い(すなわち0.15Dより大きい)表示情報は、輝度(及び/又は彩度、コントラスト)を低下させる。また、例えば、注視点までの距離が8メートル(0.13D)の場合、結像距離がが33メートルより長い(すなわち0.03Dより小さい)表示情報は、輝度(及び/又は彩度、コントラスト)を低下させる。
図8は、表示処理のステップS50について説明する図である。ステップS50において表示制御部151は、ステップS40による加工後の画像IMを表示する。具体的には、表示制御部151は、出射部11の表示素子に対して、画像IM(右目用画像IMR、及び左目用画像IML)を描画させる。出射部11の表示素子により描画された画像IMは、図1に示すように、光源によって光束とされ、出射部11から画像IMを表す投写光L1が出射される。その後、投写光L1と、運転者31の前方視界の外光L2とが反射部13により結合され、結合光L3が運転者31の両目に入光する。
運転者31の両目に入光した結合光L3は、運転者31が掛ける偏光メガネ100によって、右目用画像IMRと左目用画像IMLとに分離され、右目用画像IMRは運転者31の右目31Rに入光し、左目用画像IMLが運転者31の左目31Lに入光する。これにより、運転者31は、図8に示すように、投写光L1による立体像(画像IMを表す立体像)と、外光L2による外景とを同時に(重畳された状態で)視認することができる。また、ステップS42での画像IMの加工の結果、画像IMを表す立体像では、図8に示すように、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3の視認性が低下されている。
以上のように、第1実施形態の車載表示装置10において、画像生成部152は、それぞれ視差を付して表された画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)を生成し、出射部11は、画像IMを含む光束である投写光L1を出射し、反射部13は、投写光L1を反射させて外景OVに重畳された立体像を形成する。このため、外景OVに重畳された三次元の立体像を表示可能な車載表示装置10を提供できる。このように、案内のために用いられる複数の表示情報OB1~OB3を立体像とすることで、案内対象の前後関係を分かりやすくできる。また、画像生成部152は、複数の表示情報OB1~OB3について、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3の視認性を低下させた画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)を生成する。このため、運転者31の注視(注意)を、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1に向けて促すことができ、第1の表示情報OB1を素早く認識させることができる。また、この際注視されない第2の表示情報OB2,OB3(優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3)は、画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)における視認性が低下されているため、第2の表示情報OB2,OB3の二重像に起因した虚像全体の視認性の低下を抑制できる。
また、第1実施形態の車載表示装置10において、画像生成部152は、画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)のうち、第2の表示情報OB2,OB3の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させることにより、簡単に、第2の表示情報OB2,OB3の視認性を低下させることができる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の表示処理について説明する図である。図9(A)は、運転者31が視認する外景OV及び立体像を表す図である。図9(B)は、表示情報OB11について説明する図である。図9(B)では、説明の便宜上、表示情報OB11を表す右目用画像IMRと左目用画像IMLとを重畳して図示している。
図9(A)に示すように、第2実施形態の車載表示装置10aは、第1実施形態で説明した表示情報OB2,OB3に加えてさらに、奥行きのある表示情報OB11を含む立体像を表示する。図9(B)に示すように、表示情報OB11は、単一の表示情報の中に、結像距離(「融像距離」とも呼ぶ)の異なる複数の部分POB1,POB2を有している。図示の例では、破線で囲んだ手前側の部分POB2は、奥側の部分POB1と比較して結像距離が近く、視差が大きい。このため、奥行きのある表示情報OB11では、例えば、運転者31が矢印OB11の先端側(すなわち先端側の部分POB1)を注視した場合に、矢印OB11の基端側(すなわち基端側の部分POB2)が二重像になる虞がある。
図10は、第2実施形態の表示処理の手順を示すフローチャートである。第2実施形態の表示処理では、第1実施形態で説明した表示処理において、ステップS32の後にステップS60を実行する。ステップS60において画像生成部152aは、まず、ステップS30で取得した複数の表示情報OB11,OB2,OB3の中に、奥行きのある表示情報が含まれるか否かを判定する。奥行きのある表示情報が含まれる場合、画像生成部152aは、奥行きのある表示情報OB11を、複数の部分に分割する(以降、分割された部分を「部分表示情報」とも呼ぶ)。分割は、奥行きの異なる(すなわち、結像距離の異なる)部分に分割されることが好ましく、分割数(2分割、3分割等)は任意に決定してよい。分割後、画像生成部152aは、各部分表示情報POB1,POB2に対して、第1実施形態の複数の表示情報OB1~OB3と同様に、優先度の決定を行う。
優先度の決定に際して画像生成部152aは、各部分表示情報POB1,POB2のうち、より重要度の高い(すなわち、より情報量の多い)部分の優先度を相対的に高くすることが好ましい。図9(B)の表示情報OB11の例では、進行方向を表す矢印の先端部が含まれる部分表示情報POB1の優先度を、矢印が含まれない部分表示情報POB2と比較して、相対的に高くすることが好ましい。その後、画像生成部152aは、画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)の加工を行い、表示制御部151は、加工後の画像IMを表示する。
このように、車載表示装置10aにおける表示処理は種々の変更が可能であり、奥行きのある表示情報OB11を、複数の部分に分割し、各部分表示情報POB1,POB2に対して優先度の決定、及び画像IMの加工をしてもよい。図10の例では、奥行きのある表示情報OB11に限って分割することとしたが、画像生成部152aは、ステップS30で取得した全ての表示情報OB11,OB2,OB3について、分割、優先度の決定、及び画像IMの加工をしてもよい。
このような第2実施形態の車載表示装置10aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2実施形態の車載表示装置10aによれば、画像生成部152aは、複数の表示情報OB11,OB2,OB3のうちの所定の表示情報(奥行きのある表示情報OB11)を複数の部分表示情報POB1,POB2に分割し、複数の部分表示情報POB1,POB2について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報POB1と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報POB2の視認性を低下させた画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)を生成する。このため、例えば、図9で例示した手前から奥に向かって延びる矢印OB11のように、単一の表示情報の中に結像距離の異なる複数の部分POB1,POB2を有する場合であっても、運転者31の注視を、優先度が相対的に高い部分POB1(第1の部分表示情報POB1)に向けて促すことができ、優先度が相対的に高い部分POB1を素早く認識させることができる。また、この際注視されない優先度が相対的に低い部分POB2(第2の部分表示情報POB2)は、画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)における視認性が低下されているため、二重像に起因した虚像全体の視認性の低下を抑制できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。また、上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
[変形例1]
上記実施形態では、車載表示装置の構成の一例を示した。しかし、車載表示装置の構成は種々の変形が可能である。例えば、車載表示装置は、上述した偏光メガネを用いたパッシブ・ステレオ方式とは異なる方法で、運転者の右目に右目用画像を視認させ、左目に左目用画像を視認させてもよい。この場合、車載表示装置は、アクティブ・ステレオ方式(時分割立体視)を用いてもよく、インテグラル立体方式を用いてもよい。例えば、車載表示装置において虚像として表示される表示画像は、文字、図形、記号、これらの組み合わせ等の種々の態様を採用できる。また、表示画像は静止画であってもよく、動画であってもよい。例えば、車載表示装置はさらに、運転者の生体認証データを取得するための装置を備えており、この装置によって、記憶部の設定情報を自動的に取得してもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、表示処理の一例を示した(図3)。しかし、表示処理の手順は種々の変更が可能であり、各ステップにおける処理内容の追加/省略/変更をしてもよく、ステップの実行順序を変更してもよい。例えば、ステップS12における頭部位置の取得、及び視線方向の取得は、省略してもよい。例えば、ステップS20において、画像生成部は、車載表示装置に接続又は内蔵されている図示しない他のアプリケーション(例えば、経路案内アプリケーションや、拡張現実アプリケーション等)からの画像を受信し、受信した画像を複数の表示情報としてもよい。この場合、記憶部の表示情報は省略してもよい。例えば、ステップS30における設定情報の取得は省略してもよい。この場合、記憶部の設定情報は省略してもよい。
例えば、ステップS40の方法b3,b4において、表示制御部は、車両から対象物までの第1距離と、頭部位置と前方撮像部との間の第2距離とを加算したものを運転者の現在の視距離とした。しかし、表示制御部は、運転者の現在の視距離を、他の手段によって取得してもよい。例えば、車両にレーザ光を用いた三次元距離センサを搭載し、表示制御部は、三次元距離センサにより検出された対象物までの距離を、運転者の現在の視距離としてもよい。また、例えば、表示制御部は、右目の視線と左目の視線とが成す角(輻輳角)と、両目間の水平距離とから、運転者の現在の視距離を算出してもよい。
例えば、画像生成部は、ステップS42において、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させる加工を行った。しかし、画像生成部は、複数の表示情報OB1~OB3の優先度をそれぞれ段階的に決定し、優先度が低い表示情報ほど輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つがより低くなるような加工をしてもよい。具体的には、例えば、優先度が表示情報OB1>OB2>OB3である場合、画像生成部は、表示情報OB1の輝度を最も高くし、次いで表示情報OB2の輝度を高くし、表示情報OB3の輝度を最も低くしてもよい。また、ステップS42において画像生成部は、輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させることに代えて、視認性を低下させる他の加工(例えば、表示情報のエッジの鮮鋭度を低減させる加工)を施してもよい。
例えば、画像生成部は、ステップS42において、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させる加工を行った。しかし、画像生成部は、ステップS32において、優先度が相対的に高い第1の表示情報OB1のみを立体像とし、優先度が相対的に低い第2の表示情報OB2,OB3は立体像としない画像IM(右目用画像IMR、左目用画像IML)を生成してもよい。具体的には、画像生成部は、第2の表示情報OB2,OB3について、右目用画像IMRと左目用画像IMLとの間で視差を付さなければよい。この場合、ステップS42は省略可能である。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…車両システム
10,10a…車載表示装置
11…出射部
13…反射部
14…後方撮像部
15…CPU
16…記憶部
17…前方撮像部
31…運転者
31L…左目
31R…右目
90…車両
91…ルーフ
92…フロントガラス
93…ダッシュボード
94…センターコンソール
100…偏光メガネ
151…表示制御部
152,152a…画像生成部
161…表示情報
162…設定情報

Claims (8)

  1. 車載表示装置であって、
    利用者に提示する複数の表示情報について、それぞれ視差を付して表された右目用画像と左目用画像とを含む画像を生成する画像生成部と、
    前記画像を含む光束である投写光を出射する出射部と、
    前記投写光を反射させて、外景に重畳された立体像を形成する反射部と、
    を備え、
    前記画像生成部は、前記複数の表示情報について、優先度が相対的に高い第1の表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成し、
    前記画像生成部は、前記複数の表示情報のうちの所定の表示情報を、複数の部分表示情報に分割し、前記複数の部分表示情報について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成する、車載表示装置。
  2. 請求項1に記載の車載表示装置であって、
    前記画像生成部は、前記車載表示装置の利用場面に応じて前記優先度を決定する、車載表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車載表示装置であって、さらに、
    前記車載表示装置が搭載された車両の運転者の視線の方向を取得する視線取得部を備え、
    前記画像生成部は、前記複数の表示情報と、前記運転者の視線との位置関係に応じて、前記優先度を決定する、車載表示装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の車載表示装置であって、
    前記画像生成部は、前記複数の表示情報についての各結像距離と、前記車載表示装置が搭載された車両の運転者の現在の視距離との差に応じて、前記優先度を決定する、車載表示装置。
  5. 請求項に記載の車載表示装置であって、さらに、
    上方の照度を取得可能な照度センサを備え、
    前記画像生成部は、前記各結像距離と前記視距離との差に加えてさらに、前記照度センサにより取得された前記上方の照度を用いて、前記優先度を決定する、車載表示装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の車載表示装置であって、
    前記画像生成部は、前記第1の表示情報と比較して、前記第2の表示情報の輝度、コントラスト、及び彩度の少なくともいずれか一つを低下させることにより、前記画像における前記第2の表示情報の視認性を低下させる、車載表示装置。
  7. 車載表示装置を制御する方法であって、
    利用者に提示する複数の表示情報について、それぞれ視差を付して表された右目用画像と左目用画像とを含む画像を生成する工程と、
    前記画像を含む光束である投写光を出射する工程と、
    前記投写光を反射させて、外景に重畳された立体像を形成する工程と、
    を備え、
    前記画像を生成する工程では、前記複数の表示情報について、優先度が相対的に高い第1の表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成し、
    前記画像を生成する工程では、前記複数の表示情報のうちの所定の表示情報を、複数の部分表示情報に分割し、前記複数の部分表示情報について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成する、方法。
  8. コンピュータプログラムであって、
    利用者に提示する複数の表示情報について、それぞれ視差を付して表された右目用画像と左目用画像とを含む画像を生成する機能と、
    前記画像を含む光束である投写光を出射する機能と、
    前記投写光を反射させて、外景に重畳された立体像を形成する機能と、
    を車載表示装置に実行させ、
    前記画像を生成する機能は、前記複数の表示情報について、優先度が相対的に高い第1の表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成し、
    前記画像を生成する機能は、前記複数の表示情報のうちの所定の表示情報を、複数の部分表示情報に分割し、前記複数の部分表示情報について、優先度が相対的に高い第1の部分表示情報と比較して、優先度が相対的に低い第2の部分表示情報の視認性を低下させた前記画像を生成する、コンピュータプログラム。
JP2020031369A 2020-02-27 2020-02-27 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム Active JP7377740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020031369A JP7377740B2 (ja) 2020-02-27 2020-02-27 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020031369A JP7377740B2 (ja) 2020-02-27 2020-02-27 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021133804A JP2021133804A (ja) 2021-09-13
JP7377740B2 true JP7377740B2 (ja) 2023-11-10

Family

ID=77659913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020031369A Active JP7377740B2 (ja) 2020-02-27 2020-02-27 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7377740B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013112269A (ja) 2011-11-30 2013-06-10 Toshiba Alpine Automotive Technology Corp 車載用表示装置
JP2016107947A (ja) 2014-12-10 2016-06-20 株式会社リコー 情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用制御プログラム
JP2018088118A (ja) 2016-11-29 2018-06-07 パイオニア株式会社 表示制御装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
JP2019073073A (ja) 2017-10-12 2019-05-16 日本精機株式会社 画像処理ユニット及びそれを備えるヘッドアップディスプレイ装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013112269A (ja) 2011-11-30 2013-06-10 Toshiba Alpine Automotive Technology Corp 車載用表示装置
JP2016107947A (ja) 2014-12-10 2016-06-20 株式会社リコー 情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用制御プログラム
JP2018088118A (ja) 2016-11-29 2018-06-07 パイオニア株式会社 表示制御装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
JP2019073073A (ja) 2017-10-12 2019-05-16 日本精機株式会社 画像処理ユニット及びそれを備えるヘッドアップディスプレイ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021133804A (ja) 2021-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9756319B2 (en) Virtual see-through instrument cluster with live video
KR102116783B1 (ko) 영상을 지면에 위치시켜 운전자의 시점에 증강현실을 구현하는 3차원 증강현실 헤드업 디스플레이
JP5155915B2 (ja) 車載用表示システム、表示方法及び車両
JP5173031B2 (ja) 表示装置及び表示方法
JP4686586B2 (ja) 車載用表示装置及び表示方法
JP4886751B2 (ja) 車載用表示システム及び表示方法
US20100157430A1 (en) Automotive display system and display method
WO2011108091A1 (ja) 車載用表示装置及び表示方法
JP2017211366A (ja) 移動体システム、情報表示装置
JP7240208B2 (ja) 車載表示装置、車載表示方法、および、コンピュータプログラム
JPWO2017138297A1 (ja) 画像表示装置及び画像表示方法
JP7126115B2 (ja) 表示システム、移動体、及び、設計方法
US20210300183A1 (en) In-vehicle display apparatus, method for controlling in-vehicle display apparatus, and computer program
JP7300112B2 (ja) 制御装置、画像表示方法及びプログラム
JP6838626B2 (ja) 表示制御装置、及び表示制御プログラム
JP2016107947A (ja) 情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用制御プログラム
JP7182368B2 (ja) 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法及びコンピュータプログラム
JP7377740B2 (ja) 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法、及びコンピュータプログラム
WO2020039855A1 (ja) 表示制御装置、表示制御プログラム、およびその持続的有形コンピュータ読み取り媒体
JP7397152B2 (ja) 画像を地面に位置させて運転手の視点に拡張現実を実現する3次元拡張現実ヘッドアップディスプレイ
JP2019151205A (ja) 車載表示装置、車載表示装置を制御する方法及びコンピュータプログラム
JP7385834B2 (ja) 画像表示方法及び画像表示装置
JP7556285B2 (ja) 表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び画像の表示制御方法
JP7571530B2 (ja) 画像表示装置、画像表示方法およびプログラム
WO2019151199A1 (ja) 表示システム、移動体、及び、設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7377740

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150