JP7377012B2 - 導電性材とこれを備える電気的素子、センサ - Google Patents

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Description

本発明は、導電性材とこれを備える電気的素子、さらに当該素子を備えるセンサに関する発明である。本発明はさらに詳細には、基材として紙を用いる導電性材と、上記電気的素子とセンサに関する。当該電気的素子とセンサは、特に、外力により通電時の電気特性値が変動する力覚素子と力覚センサ、並びに、非接触状態の動きを電気特性値の変動により識別する素子である離隔動作識別素子と離隔動作識別センサとして用いることができる。
PEDOT-pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)は、導電性高分子の中でも、導電性能が高いことが知られている。そしてその一方で、PEDOT-pTSを付着させることができる基材の種類は限定されている。本発明者らは、PEDOT-pTSを付着させる基材として絹を用いる発明を行い、既に特許出願を行った(特許文献1、特許文献2)。
また、PEDOT-PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-polystyrenesulfonate)も、所定の性能を有する導電性高分子として知られている(特許文献3、特許文献4)。
WO2016/148249号 国際公開パンフレット WO2016/031872号 国際公開パンフレット WO2013/073673号 国際公開パンフレット 特開2014-108134号公報
上記の絹を基材として用いたPEDOT-pTSを付着させた導電性材、及び、所定の基材を用いたPEDOT-PSSを付着させた導電性材は、これらの導電性高分子の付着容易性と優れた導電性能と共に、生体に対する親和性に優れており、非常に有望な導電性材である。しかしながら、絹が基材として比較的高価であること、絹自体の電気抵抗値がそれほど高くなく、具体的な用途によっては最適ではない場合もあること、等が課題となっている。
本発明者は、上記の課題の解決に向けて検討を行った結果、紙がPEDOT-pTSを付着させる対象として適していることを見出した。紙は、より安価な生体安全性に優れた素材である。また、紙の電気抵抗値は、一般的に絹に比べると高いために、例えば、外力により電気特性値が変動する力覚素子又はセンサ、あるいは、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する、離隔動作識別素子又はセンサ、として用いた場合の、外力や動作の変動に対する電気特性値の変化幅が大きく、当該用途において適している。
すなわち、本発明は、第1に、紙を含有する基材の表面に、PEDOT-pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)が付着している導電性材(以下、本発明の導電性材ともいう)を提供し、
第2に、本発明の導電性材が備えられている電気的素子(以下、本発明の電気的素子ともいう)を提供し、好適には、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する、離隔動作識別素子(以下、本発明の離隔動作識別素子ともいう)、あるいは、外力により電気特性値が変動する力覚素子(以下、本発明の力覚素子ともいう)、を提供し、
第3に、これらの電気的素子と、当該電気的素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、当該電気的素子における電気特性値又はその変動を検知する、力覚センサ、離隔動作識別センサ等のセンサ(以下、本発明のセンサともいう)を提供する。
本発明により、安全性と導電性に優れ、かつ、安価な導電性材が提供される。特に、本発明の電気的センサ素子は、基材として用いる紙の電気抵抗値が比較的高いために、例えば、外力により通電時の電気特性値が変動する力覚素子や力覚センサとして用いた場合、あるいは、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する、離隔動作識別素子や離隔動作識別センサとして用いた場合の、外力の変動に対する電気抵抗値の変化幅が大きく、当該用途において適している。
実施例1の試験系を示した図面であり、(1)は実写ベース、(2)は模式図である。 荷重による編み目の伸縮を模式化して示した図面である。 実施例2(II)の試験系を示した実写ベースの図面である。 実施例2(II)の試験結果を用いた、加重(対数スケール)と電気抵抗値の低減割合の関係を示した図面である。 実施例3の体重移動試験で用いた、4チャンネルの力覚素子の模式図である。 実施例3の体重移動試験のあらましを示した図面であり、(1)は椅子の上に置いた力覚素子の存在を示し、(2)はパネルの椅子の上での様々な動きを模式化して示している。 実施例3の体重移動試験の結果を示す図面である。 実施例4の胸部体動に関する測定試験における、素子の装着の様子を示した図面である。 実施例4の胸部体動に関する測定試験における呼吸波形の抽出を行ったことを示した図面であり、(1)は、体動のノイズを含んだ波形であり、(2)は、当該体動ノイズを除去して抽出した呼吸波形であり、(3)は、当該呼吸波形の機器における検出画面を示している。 実施例5の離隔動作識別素子に関する手指を用いた試験系の略図である。
1.本発明の導電性材
本発明の導電性材は、上記の通りに、紙を含有する基材の表面に、PEDOT-pTSが付着している導電性材である。下記(1)-(2)により、本発明の導電性材が提供される。
(1)導電性材の基材
「紙を含有する基材」とは、「紙からなる基材」であってもよいし、「紙と紙以外の素材が混じり合っているもの」であってもよい。「紙と紙以外の素材が混じり合っているもの」とは、例えば、紙糸において撚糸によって組み合わされた構成繊維の中に、紙以外の繊維が存在する場合が挙げられ、例えば、巻き付け糸の素材が紙のカバーリング糸において、芯糸の素材が紙以外(例えば、ポリウレタンのフィラメント等)である場合も含まれる。また、基材が布地の場合において、前記紙糸のみで、又は、紙糸と他の種類の糸が組み合わさって、布地、すなわち、編物、織物等を構成する場合も「紙を含有する基材」として挙げられる。「紙を含有する基材」における紙の含有比率は、当該基材全体に対して紙が10質量%以上であり、100質量%であってもよい。特に、紙の存在を強調する場合には、同20質量%以上が好適である。
このように本発明の導電性材の基材の主要な素材となる「紙」は、植物繊維、さらに必要に応じてその他の繊維を膠着させて製造したものであり、その製造方法は公知であり、植物繊維を叩解等により得て水等に分散させてすき上げ、乾燥させて製造することが基本である。植物繊維としては、綿等の種毛繊維;亜麻、大麻、黄麻、コウゾ、ミツマタ、ガンピ等の靱皮繊維;トウヒ、モミ、マツ、カラマツ等の針葉樹繊維;ポプラ、カバ、ブナ、ヤナギ、ユーカリ、ニレ等の広葉樹繊維;アバカ(マニラ麻)等の葉繊維;稲わら、麦わら等の稲科繊維;その他、エスパルト、アシ、竹、笹、クマザサ等が挙げられる。その他の繊維としては、ナイロン等のポリアミド繊維、PET等のポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ポリウレタン繊維、炭素繊維等が挙げられ、その繊維の性質に応じて紙の構成成分として加えられる。また、繊維以外の紙において通常含有されている成分、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の填料、糊等も、一体として紙の成分として、本発明では定義する。上記の「紙とは別個に『紙を含有する基材』において質量計算される『紙以外の素材』」は、「一体として構成されている紙」に対して「外的に組み合わされている素材」であり、この「一体として構成されている紙の内部に含有される成分」とは異なる。このように、植物繊維を主体とする紙の構成が、PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSの付着に適しているものである。
本発明の導電性材の基材の主要な素材となる「紙」の中でも、和紙は、使用素材として優れた吸湿性を有しており、さらに構成繊維が長く繊維同士の絡まり状態が適度であるゆえ、PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSの定着性に優れているという点において好ましい。本発明における和紙とは、実質的に靭皮繊維を構成繊維とする紙である。和紙は、本来、靱皮繊維(上記)を原料とし、ねり(植物粘液)を用いて手すき法によって作られた紙であるが、本発明においては機械すき法によって作られたものも、本発明の「和紙」に含める。また、靭皮繊維と植物性のねり以外の成分、例えば、ねりに代わる化学物質や、他の植物性成分、例えば、クマザサの繊維等が混合しているものも本発明の「和紙」に含める。
PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSを付着させる対象となる基材は、通常認められる、薄く平らな形態(シート状)の紙であってもよいが、糸(紙糸)であってもよい。また、PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSを付着させた紙糸を基とする布地であってもよい。紙糸を基とする布地(PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSは付着していない)に、PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSを付着させることも可能である。
紙糸は、既に製造されたシート状の紙を細断してスリット化を行い、スリット化された紙の撚糸を行うことによって製造することができる。撚糸の際に、紙以外の繊維又は糸、例えば、絹、レーヨン、綿糸等と交撚することも可能であり、心材として他の種類の糸を用いることも可能であるが、少なくとも糸表面の全面又は一部に紙が露出していることが必要である。力覚素子として用いる上撚糸については後述する。
紙糸の太さは特に限定されず、0.1μm-3mm程度の範囲で必要に応じて選択することができるが、通常は1μm-1mm程度である。
本発明の導電性材の一態様である、布地は、PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSが付着した上記の紙糸を基にする布地であり、具体的には、編物又は織物である。
本発明の導電性材として布地を用いる態様は、主に力覚素子としての使用であり、その詳しい態様については後述する。
(2)基材へのPEDOT-pTSの付着
PEDOT-pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)は、pTS(p-toluenesulfonate)とEDOT(3,4-ethylenedioxythiophene)を重合反応させて形成される導電性高分子であり、例えば、第1の付着方法として、酸化成分とpTSを含有する有機溶媒性溶液と、EDOTの混合液の、紙を含有する基材(主にはシート状の紙又は紙糸)への接触による付着を浸漬又は印刷等にて行い、その後に重合促進処理を当該接触箇所に施すことにより、PEDOT-pTSの付着を行うことができる(特許文献1に開示された方法又はその変法)。第2の付着方法として、(a)酸化成分とpTSとを含むpTS溶液を、紙を含有する基材(主にはシート状の紙又は紙糸)に付着させる付着工程、(b)付着工程(a)において酸化成分とpTSを付着させた前記基材に、さらにEDOTを付着させて、これらにおいてPEDOT-pTSを生成する重合反応を進行させることにより、PEDOT-pTSの付着を行うことができる(第2の付着方法:特許文献2に開示された方法)。
<PEDOT-pTSの第1の付着方法>
第1の付着方法において、pTS溶液とEDOTを混合することにより、EDOTの重合反応がpTS-EDOT混合液中において進行し、高分子ポリマーであるPEDOT-pTSが形成される。この重合反応は、下記式に従い、温度上昇に従って重合速度は大きくなり、冷蔵庫レベルの低温で保存すれば重合速度を低下させて、付着工程の時間確保に資することができる。酸化成分としてFe3+が例示されているが、これに限定されるものではない。
Figure 0007377012000001
第1の付着方法において「その後に」とは、pTS-EDOT混合液が基材に接触するタイミングに関連させた「同時以後」のタイミングで重合促進処理を行うことを意味する。具体的には、両タイミングは事実上同時であっても良く、pTS-EDOT混合液が基材に接触するタイミングからタイムラグを設けて、重合促進処理を行っても良い。また、例えば基材表面上において重合促進処理を行う状態を継続的に保ちつつ、その上にpTS-EDOT混合液の接触を行い、当該タイムラグを実質的に設けない態様も、第1の付着方法における「その後」に含まれる。第1の付着方法におけるpTS溶液とEDOTの混合比は、容積比でpTS溶液:EDOT=10:1-100:1、好適には20:1-40:1である。
pTSは、パラトルエンスルホン酸化合物(パラトルエンスルホン酸(トシル酸)との塩やエステル)として知られており、市販もなされている。pTS溶液の溶媒となり得る有機溶媒は、pTSと酸化成分等を溶解することが可能であり、かつ、好適には水性溶媒との相溶性が良好であるものである。具体的には、炭素原子数が1-6の1価の低級アルコール、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、又は、ヘキサノールが挙げられる。これらの1価の低級アルコールを構成する炭素原子の骨格は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよく、1種のみならず2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、適宜水で希釈して用いてもよい。これらの中で、炭素原子数が1-4の1価の低級アルコール、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、又は、ブタノール、がpTS溶液の有機溶媒として好適である。
pTS溶液中に含有させる酸化成分は、pTS-EDOT混合液におけるPEDOT-pTSへの重合反応を活性化することが可能である限り特に限定されず、遷移元素、ハロゲン等が例示される。
遷移元素としては、鉄、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛等の第一遷移元素;モリブデン、銀、ジルコニウム、カドミウム等の第二遷移元素;セリウム、白金、金等の第三遷移元素が例示される。これらの遷移元素は、金属単体としても、金属塩として用いてもよい。これらの中でも、鉄、亜鉛等の第一遷移元素を用いることが好適である。
pTS溶液中の酸化成分の含有量は、用いる酸化成分の種類によっても異なり、上記の重合反応を活性化できる量であれば特に限定されない。例えば、第二鉄イオン(Fe3+)であれば、塩化第二鉄として、当該溶液に対して1-10質量%であることが好適であり、特に好適には3-7質量%である。この含有量が多すぎると重合反応の進行は速いが、後工程での鉄の除去が困難になり、少ないと重合反応の進行が遅くなる。
pTS溶液中のドーパントとして働くpTSの含有量は、当該溶液に対して0.1-10質量%が好適であり、さらに好適には0.15-7質量%、特に好適には1-6質量%、最も好適には2-5質量%である。
EDOTは、3,4-エチレンジオキシチオフェンとして公知であり、市販もなされている。EDOTは、常温で液体で、かつ、水溶性であり、適宜水等の水性溶媒に希釈して用いることも可能である。
pTS溶液に、pTS-EDOT混合液の紙を含有する基材への付着性と、出来上がった導電性材における導電性能を実質的に損なわない等、本発明の効果を量的又は質的に損なわない限り、他の成分を必要に応じて配合することができる。
当該他の成分としては、例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール-ポリプレングリコールポリマー、エチレングリコール、ソルビトール、スフィンゴシン、及び、フォスファチジルコリン、好ましくはグリセロール、ポリエチレングリコール-ポリプレングリコールポリマー、及び、ソルビトール、からなる1種又は2種以上が挙げられる。
その他、第4級アルキルアンモニウム塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤;キトサン、キチン、グルコース、アミノグリカン等の天然多糖類;糖アルコール、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
室温において、pTS-EDOT混合液では上記重合反応による液のゲル化が進行する。そのために、基材に付着した余分なゲル化ポリマーを除去する工程を、当該混合液との接触後に行うことが好ましい。例えば、当該混合液から分離した基材を、振動、送風、ローラーとの接触等の物理的な手段により除くことができる。重合反応を行った後に、この余分なゲル化ポリマーの除去工程を行わない場合は、当該混合液の調製後、基材と混合液との接触を短時間で行うこと、及び、混合液の調製後短時間で当該接触を行うべきとの制約が生じる。具体的には、pTS-EDOT混合液の調製後5分以内、さらに好ましくは1分以内に上記接触による付着を完了すべきである。上記の余分なゲル化ポリマーの除去工程を行う場合には、室温下であってもこの接触による付着工程の時間的な制約は事実上認められず、pTS-EDOT混合液の調製後、好適には10分以上、さらに好適には15分以上の付着工程時間を取って、基材に対するPEDOT-pTSの付着を十分なものとすることが可能である。40分以上の付着工程の時間を取っても、ゲル化の進行により、長時間の工程に見合った付着促進効果は認められない。
第1の付着方法における接触による付着は、滴下、噴霧、浸漬、転写、又は、塗布により行われることが好適である。
第1の付着方法における重合促進処理としては加熱処理が挙げられる。当該加熱処理としては、(α)重合促進部分における50-90℃の放熱体との接触、(β)重合促進部分が50-90℃になるように設定された熱風との接触、(γ)恒温槽等における50-90℃の加熱雰囲気との接触等が挙げられる。
上記(α)の50-90℃の放熱体の接触は、3-10分間の加熱時間が好適であり、特に好適には3-6分間であり、最も好適には4-6分間である。
上記(β)の重合促進部分が50-90℃になるように設定された熱風との接触である場合は、3-10分が好適であり、特に好適には4-6分である。
上記(γ)の50-90℃になるように設定された加熱雰囲気である場合は、3-10分が好適であり、特に好適には4-6分である。
上記加熱処理の後、溶液から基材を取り出し、好ましくは水、さらに好適には蒸留水または脱イオン水で洗浄した後、恒温槽、熱風若しくは温風、天日等により乾燥させる。
さらに例えば第1の付着方法において、pTS-EDOT混合液の、基材への接触による付着部分を、基材平面上の一部における描画デザインとすることにより、「付着部分が滲みにくい」という第1の付着方法の特徴を活かすことができる。描画デザインとは、単純な一面付着とは異なるものであり、丸、三角等の単純な図形から、動植物画、人物画等の各種描写図、文字、模様等を包含するものである。
第1の付着方法を行うに際して、マスク処理又はスプレー噴霧を行って、基材上の特に描画デザインの作成をより緻密に行うことができる。マスク処理とは、予め、導電性高分子の付着を行わない部分をマスクで覆う処理を行うことある。このマスク処理態様は、第1の付着方法において、pTS-EDOT混合液の、基材への接触による付着を行う前に、当該付着予定箇所を除く部分にマスク処理を行った後、少なくとも当該付着予定箇所において当該混合液との接触を行い、さらに重合促進処理を行った後に、上記マスクを除去するものである。
マスク処理の具体例としては、例えば、マスク剤として防染糊又はミツロウの塗布が挙げられる。防染糊としては、正麩糊、コーンスターチ糊、さつまいもデンプン糊等のデンプン糊;ゴム糊;ふのり等の海藻糊;その他各種の型糊が挙げられる。防染糊としては、デンプン糊が好適である。使用時の防染糊の濃度(糊粉末質量/水質量)は、特に限定されないが、概ね3-5質量%ある。防染糊の除去は水洗により行うことができる。ミツバチの巣由来の蝋であるミツロウも好適である。使用時は通常、直接加温して融解させて用いる。またミツロウの除去は加温により再び融解させて行う。
<PEDOT-pTSの第2の付着方法>
第2の付着方法では、まず、有機溶媒性溶液に、酸化成分と、ドーパントとしてのpTSとを溶かし、その有機溶媒性溶液(pTS溶液)に紙を含有する基材を浸漬する。
pTSの溶媒となり得る有機溶媒と、これに含有させる酸化成分は、上述した「第1の付着方法のpTS溶液の有機溶媒と酸化成分」と同一である。また、当該pTS溶液に含有させることができる「他の成分」も、上述した「第1の付着方法のpTS溶液における他の成分」と同一である。
pTS溶液中の酸化成分の含有量は、用いる酸化成分の種類によっても異なり、上記の重合反応を活性化できる量であれば、特に限定されない。例えば、第二鉄イオン(Fe3+)であれば、塩化第二鉄として、pTS溶液に対して1-10質量%が好適であり、さらに好適には3-7質量%である。この含有量が多すぎると重合反応の進行は速いが、後工程での鉄の除去が困難になり、少なすぎると重合反応の進行が遅くなる。
pTS溶液中のドーパントとして働くpTSの含有量は、当該溶液に対して0.1-10質量%が好適であり、さらに好適には0.15-7質量%、特に好適には1-6質量%、最も好適には2-5質量%である。
第2の付着方法では、次に、上記の基材が浸漬されているPTS溶液に、モノマーのEDOTを添加した後、50-100℃で、好ましくは10分-60分間、さらに好ましくは50-80℃、10-40分間、極めて好ましくは60-80℃、10-30分間の加熱を行う。加熱後、溶液から基材を取り出し、好ましくは水、さらに好適には蒸留水または脱イオン水で洗浄した後、恒温槽、熱風若しくは温風、天日等により乾燥させる。
この工程におけるpTS溶液とEDOTの使用量比は、容積比でpTS溶液:EDOT=10:1-100:1、好適には20:1-40:1である。
(3)基材へのPEDOT-PSSの付着
PEDOT-PSS(Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)-polystyrenesulfonate)は、PEDOT-PSSを含む導電性の溶液に、紙を含有する基材を浸漬し、当該基材を導電性の溶液から垂直に引き上げながら電極間で走行させて通電することにより、当該基材に付着したPEDOT-PSSを電気化学的に重合固定する、いわゆる電解重合法により付着させることができる(特許文献3)。また、PEDOT-PSSとバインダー樹脂とを混合した樹脂組成物をストレッチ性が付与された糸に付着させ、乾燥、加温、加熱等により固化又は重合させることにより付着させることができる(特許文献4)。あるいは、微粒子化(平均粒径は10ミクロン程度)したPEDOT-PSSを溶液/溶媒中に分散させた水溶性/溶媒分散液を基材に吸着させることで、当該基材を導電性化することが可能である(実施例5の手法)。
(4)導電性材の性質
このようにして製造される本発明の導電性材は、生体適合性が高く、しかも比較的安価に製造可能であり、かつ、本質的な基材である紙の本来の電気抵抗値(インピーダンスを含む)が高く、導電性材として通電した際の、電流値、抵抗値、電気容量値の変動幅が大きいという特徴を有している。この特徴から、後述する力覚素子としての用途や、離隔動作識別素子としての用途に適している。また、上記のPEDOT-PSSの微粒子態様の高濃度分散液を選択し、基材への付着密度を高めることにより、電気抵抗値をより低くすることで、筋肉の内部や皮膚表面からの電位測定用の電極素子としての用途に用いることも可能である。
2.本発明の電気的素子
電気的素子とは、何らかの電気的な役割を行うための単位であり、例えば、生体電極等として働く電極素子、外力を電気的な信号により検知する媒体としての力覚素子、及び、後述する離隔動作識別素子を含有するものである。
(1)生体電極素子
本発明の電気的素子が「生体電極」としての態様である場合には、(a)表面用電極素子、又は、(b)穿刺用電極素子、に大別される。
(a)表面用電極素子の場合は、電極素子の皮膚との接触可能面積が、0.25-100cm2であることが好適であり、特に当該電極素子の形状が「糸状」又は「シート状」であることが好適である。
(b)穿刺用電極素子の場合は、電極素子を直接的に生体組織に差し入れる構造を有している態様が挙げられる。この場合の電極素子の形状は、典型的には、線状又は針状であり、これらの形状の先端部から生体内への刺し入れを行うことができる。穿刺用電極素子の生体組織との接触可能表面積は、0.0004-0.02cm2が好適である。
これらの生体電極素子は、筋電センサシステム又は脳波センサシステムに好適に用いることができる。
生体電極素子の非実質部分、例えば、導電材、絶縁材、導電コネクタ、素子を覆うためのカバー材、素子を別の対象に付着させるための接着材、素子を保護するためのクッション材や充填材等も、本発明の電気的素子に含まれる。
(2)力覚素子
「力覚素子」とは、感圧素子の上位概念の素子であり、素子にかかった外力の大きさと変動を、電気特性値として検知する素子である。
「外力」は、押圧力又は引っ張り力であることが典型的である。「電気特性値」は、電圧値、電流値(直流、交流のいずれも含む)、電気抵抗値(インピーダンス値を含む)、あるいは静電容量値であり、本発明では電気抵抗値又は静電容量値を用いることが好適である。
本発明の力覚素子においては、これに用いられる素子の基材である布地(編物又は織物)を構成する糸は、「上撚りした糸」(上撚糸)が好ましい。
「上撚り」とは、撚糸における「下撚り」(単糸にかかっている撚り)に対応する概念であり、2本以上の単糸を撚り合わせて1本の糸にする場合の撚りのことをいう。本発明の上撚りの対象となる単糸の本数は特に限定されないが、2本(双糸)、3本(三子糸)、又は、4本(四子糸))、さらにそれ以上の本数の単糸を用いることができる。単糸における下撚りの有無は、特に限定されない。また、上撚糸として、片撚糸、諸撚糸、駒撚糸、壁撚糸等を選択可能であり、特に限定されない。また、上撚りの撚り数は、撚り数10以上500T/m未満の甘撚であっても、500以上1000T/m未満の中撚であっても、1000以上2500T/m未満の強撚であっても、2500T/m以上の極強撚であってもよい。また、本発明においては、ポリウレタン等のフィラメント糸を芯糸として、他の単糸を一重又は二重以上に巻き付ける「カバーリング」を上撚りとして含め、これが行われた糸を「上撚糸」として含める。
例えば、電気抵抗値に着目すれば、布地垂直面(厚さ方向)への押圧力や平面における引っ張り力がかかることにより、布地の押圧部分を構成するPEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSが付着した上撚糸において、上述した実質的な断面積の増大が起こる。また、PEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSが付着した糸同士が、当該押圧力又は引っ張り力により合わさることによる見かけ上の断面積の増大が起こる場合もある。
さらに静電容量値に着目すれば、厚さ方向への押圧力や平面における引っ張り力がかかることにより、布地の押圧部分を構成するPEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSが付着した上撚糸間の空間容積が変動することにより、当該部分の静電容量も変動する。
なお、この場合の断面積が増減する糸や、糸同士の空間容積が変動に係わる糸は、布地レベルで上記の仕組みによる動きの変化の検知を行うことができる限り、全てが上撚糸である必要はない。
上述のように、上撚糸としては、例えば、片撚糸、諸撚糸、駒撚糸、壁撚糸等を選択可能であるが、片撚糸、諸撚糸、又は、駒撚糸が好ましい。片撚糸は、1本又は2本以上の単糸を引き揃えて右撚か左撚をかけてなる上撚糸である。諸撚糸は、片撚り(原則として甘撚糸又は中撚糸)のかかった単糸を2本以上引き揃えて、さらに片撚りと反対方向の撚りをかけてなる上撚糸である。駒撚糸は、片撚り(強撚糸)のかかった単糸を2本以上引き揃えて、さらに片撚りと反対方向の撚りをかけてなる上撚糸である。これらの3種類の上撚糸は、互いの構成単糸同士が、引っ張り力により側面が接近して、所望する見かけ上の糸断面積を増大させることができる。
この上撚糸自体のみかけの断面積の形状弾性回復性を伴う変動の他に、力覚素子に所定方向の外力が加えられることにより、外力の大きさに応じて編物又は織物の形状が変化し、その中のPEDOT-pTS、又は、PEDOT-PSSが付着している糸同士が新たに接触し、かつ、力を加えることを止めると、外力によって変化した場の形状が元に戻る形状弾性回復性を有することが、電気抵抗値を指標にする場合にも、静電容量値を指標にする場合にも好ましい。すなわち、編物又は織物の平面に対して厚さ方向の押圧力がかかることにより、当該平面が厚さ方向へと引っ張られて、その際に編物又は織物を構成する糸における互いに新たな接触状態が作出され、押圧力が解除されると当該接触状態は解除されて元の状態に戻る態様の形状弾性回復性を伴うことが好ましい。また、編物又は織物の縁に対して引っ張り力が働くと、その力により、当該平面が横方向に引っ張られて、その際に編物又は織物を構成する糸において互いに新たな接触状態が作出され、引っ張り力が解除されると当該接触状態は解除されて元の状態に戻る形状弾性回復性を有することが好ましい。編物又は織物の形状弾性回復性に優れていれば、本発明の力覚素子におけるヒステリシスを小さくすることが可能であり、好適である。
編物又は織物は、単層であっても、複層であってもよい。単層であっても、編み方や織り方により、厚さ方向における糸同士の重なり合いを設けることが可能であり、この厚さ方向の重なり合いに対して外力をかけることにより、当該糸同士における見かけ上の断面積を増加させることや、糸同士の間の空間容積を変動させることができる。
編物(ニット)は、基本的には一本の糸からなる布地であり、糸のループに、糸を次々と引っかけて、連続して形成された糸のループ(編み目)からなる布地である。織物のように、縦糸と横糸は用いない。一般的に、編物は織物よりも、上撚糸における「糸の内部における見かけ上の断面積の増加」と糸同士における「糸同士の側面の重なり合いによる見かけ上の断面積の増加」、あるいは、「糸同士の空間容積の変動」を、同一の外力に対してより容易に起こすことが可能である。
本発明において用いられる編物は、特に限定されず、機械編み(横編機、経編機、丸編機、トリコット編機、ラッシェル編機、ミラニーズ編機、ゴム編機、インタロック編機等による)、棒針編み、鉤針編み、アフガン編み等のいずれの編み方で作成されたものであってもよい。編みの組織も限定されず、例えば、平編、鹿の子編、ゴム編、パール編、タック編、移し編、方あぜ編、両あぜ編、両面編、振り編、ペレリン編、浮き編、パイル編、添え糸編、縄編、インターシア、ラップ編、ノンラン組織、鎖編、シングルトリコット編、シングルコード編、シングルアトラス編、二目編、シングルサテン編、シングルベルベット編、プレーントリコット編、ダブルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、逆ハーフ、クインズコード編、サテントリコット編、ダブルトリコット編、ベルベット編、シェル編、ノップ編、つづれ編、たて糸挿入編、マーキーゼット、落下板組織、ネット編、ミラニーズ編、たてよこ糸挿入編、よこ糸挿入編等が挙げられる。
織物は、縦糸に横糸を組み合わせて作られる布地である。本発明において用いられる織物の組織は特に限定されない。例えば、平織り、綾織り、朱子織り、の三原組織として用いることができる。さらに、三原組織を変化させ、又は、組み合わせた変化組織であってもよく、一重特別組織や紋織り組織であってもよい。さらに、経二重織物、緯二重織物、経緯二重織物、パイル織物、タオル織物、搦み織物等の多重の織物であってもよい。上記のように多重の織物は、厚さ方向における糸同士の重なり合いを設けることが可能であり、この厚さ方向の重なり合いに対して外力をかけることにより、当該糸同士における見かけ上の断面積を増加させることができ、糸間で形成される空間容積の変動量を大きくすることも可能である。
編み目ないし織り目は、力覚素子として用いる部分は、均等であることが、外力に対して全面等しい感受性を得るために好ましいが、例えば、糸のほつれを防ぐために、必要に応じて閉じ編み部分ないし閉じ織り部分を、編物ないし織物において、外縁等に設けることも可能である。また、編み目ないし織り目は、外力に対して適切な感受性を得るために、頻度ないし大きさを調節することができる。編み目ないし織り目を大きくすると、構成糸同士の重なり合いによる見かけ上の断面積の増加、あるいは、糸間の空間容積の変動量は抑制される傾向になるが、力覚素子として出力する単位面積当たりの電気特性値についての情報量を減ずることが可能であり、データ圧縮につなげることができる。逆に編み目を小さくすると、構成糸同士の重なり合いによる見かけ上の断面積の増加や糸間の空間容積の変動量が増加する傾向になり、鋭敏性は得られるが電気特性値についての情報量が過多になり、多くのノイズが取り込まれてしまう可能性も生ずる。
本発明の力覚素子の実質部分、すなわち、外力を検知する部分である編物又は織物の平面サイズは、狭すぎるとノイズとの区別が付きにくくなるので、外力の全方向を検知する素子の場合は1cm2以上であることが好ましい。外力の所定方向のみを検知する素子の場合は、所定方向の長さが1cm以上あれば、他の方向の長さはそれよりも狭くてもよい。極端に広くすると、局所的な動きの変化が小さい場合には、ノイズでマスキングされてしまい検知が困難になる。ただし、個々の素子の大きさを小さくしつつ、これらを対象物の動きを検知する範囲の全面に分布配置する「素子の多チャンネル化」を行い、個々の素子から得られる動きの変化を、時間軸上に当て嵌めてプロットすることにより、対象物全体の動きの経時的変化を検知することが可能である。この場合の個々の素子の大きさ(平面サイズ)は、上述と同じく1cm2以上であることが好ましい。多チャンネルとした場合の素子の数は、特に限定されず、対象の大きさ等に応じて選択することができる。
このように本発明の力覚素子は、後述する力覚センサの検知部に対して1個の素子が電気的に接続する1チャンネルタイプであっても、2個以上の素子が電気的に接続する多チャンネルタイプであってもよい。本発明の素子においては、従来、過度の多チャンネル化が必要であった広い面積の重量変動等に対しても、例えば布地の面積をある程度まで大きくすることで、単チャンネルとする、又は、チャンネル数を少なくすることが容易になった。
力覚素子の非実質部分、例えば、導電材、絶縁材、導電コネクタ、素子を覆うためのカバー材、素子を別の対象に付着させるための接着材、素子を保護するためのクッション材や充填材等も、本発明の力覚素子に含まれる。
(3)離隔動作識別素子
「離隔動作識別素子」とは、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する素子である。電気特性値としては、静電容量値が好適である
「非接触状態」とは、素子と動きの主体の間に何らかの隔たりがある、という意味である。本発明に係わる他の素子は、素子を生体に接触させて、その生体反応や動きを、電気特性値を媒介にして検出するものであるのに対して、離隔動作識別素子は、逆に、動きの主体(対象物)から離れたところに、1個の素子を置いて、例えば、隔たりが空間の場合には対象物の接近により、素子と当該対象物の間に新たな電界が生じ、これが対象物の動きに応じて変化することにより、素子の静電容量値が変動する。また、隔たりがヒトの皮膚と筋肉の場合(例えば、皮膚上に当該素子を載置して、血流の変化を検出対象とする場合)には、当該素子と皮膚との間に絶縁体を介在させることにより、血流の拍動による変化に応じた、当該素子における静電容量の変化を検出することにより、血流の変化を把握することが可能である。
離隔動作識別素子として、本発明の導電性材は、上記力覚素子と同様に素材が布地(編物又は織物)であることが好適であり、さらに、単層よりも多層の布地であることが好適である。当該布地を構成する糸には、前記の上撚糸が含まれる。
離隔動作識別素子の非実質部分、例えば、導電材、絶縁材、導電コネクタ、素子を覆うためのカバー材、素子を別の対象に付着させるための接着材、素子を保護するためのクッション材や充填材等も、本発明の離隔動作識別素子に含まれる。
3.本発明のセンサ
本発明のセンサは、本発明の電気的素子(力覚素子又は離隔動作識別素子を含む)と、当該電気的素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、当該電気的素子における電気特性値を検知することを特徴とするセンサである。
(1)力覚センサ又は離隔動作識別センサ
本発明のセンサが力覚センサ又は離隔動作識別センサである場合は、電気特性値、好ましくは電気抵抗値又は静電容量値(離隔動作識別センサの場合は静電容量値が好適である)の変動を検知するものであるため、電圧印加部を備えるか、これに接続可能になっている。電圧印加部は、電池等の直流電源や、商用電源や家庭用電源等の交流電源等である。また、必要に応じて、整流器、コンデンサ、抵抗端子、コイル、トランジスタ、ダイオード等の電気回路、電子回路、デジタル回路等に通常用いられる設備が設けられていても良い。
本発明の力覚素子又は離隔動作識別素子における電気抵抗値や静電容量値等の変動は、素子に加えられる力(力覚素子)や対象物の動き(離隔動作識別素子)に相関して生ずるものであり、上記検知部は、これらの本発明の素子における電気抵抗値や静電容量値等の変動を定量的に検知することで、外部から本発明の素子に対して与えられた力や対象物の動きを定量化することができる。検知部には、この定量値を算出処理するための算出処理部が適宜含まれていてもよい。また、さらに学習部を設けて機械学習を行うことにより、当該検出対象の動きと電気抵抗値や静電容量等の変動についての学習済みデータを作出して、新たな検出対象の動きを、当該学習済みデータを基に割り出すことが可能である。さらに、この学習済みデータを適宜更新してもよい。
本発明の力覚素子と上記検知部、学習部は、有線又は無線により電気的に接続されている。
なお、ヒステリシスは、計測毎にリセットをかける、すなわち、ゼロ点補正を計測毎にかけることで、その分を補正することができる。
(2)他の形態のセンサ
本発明の電気的素子の一部に、体内に薬液を注入するための注入機構を設けて、筋肉の活動電位や脳波に応じた薬液を体内に供給することが可能である。例えば、薬物輸送のための管を注入機構として設けることが挙げられる。また、薬物輸送手段を電気的素子の基材である紙における浸透圧移動とすることにより、電極素子と薬物輸送路を一体化することも可能である。薬物としては、例えば、脳電極として本発明の電気的素子を用いる場合は、中枢神経活動を調節する薬物、例えばグルタミン酸、GABA、アセチルコリン、セロトニン等の神経伝達物質や、神経障害を緩和するNGF等の神経成長因子や、BDNF等の神経栄養因子や、GSNO(S-Nitrosoglutathione)や、各種のホルモン等が挙げられる。
本発明の電気的素子を、筋電センサシステムと脳波センサシステムに用いることが可能である。この場合は、電気的素子として生体電極素子(表面用電極又は穿刺用電極)、あるいは、離隔動作識別センサを用いるが、これらのセンサシステムとして必要な他の機構を備えている。例えば、電気的素子の他に、増幅部、誘発電位を得るための各種刺激部、解析・記録・加算・校正等を行う解析部、音声や動画等により筋電や脳波の動きを表示する表示部等が必要に応じて備わっている。電気信号の伝達手段は、有線であっても無線であってもよい。
筋電センサシステムと脳波センサシステムは、それぞれ他の種類の生体シグナルと同期させることによって、筋肉や脳の状態把握をより突っ込んで行うことが可能であり、筋電センサシステムであれば、例えば、血圧、心電信号、パルスオキシ信号、筋力、関節角度等を組み合わせて同期させることができる。
脳波センサシステムであれば、脳波と眼球運動を示す筋電信号を同期させることも可能である。この脳波と筋電信号の組み合わせの場合の生体電極として、本発明の電気的素子は有用である。
以下、本発明の実施例を記載する。
[材料]
本発明の導電性材の基材として、太さ240デニール(22番手)の和紙糸(上撚りが甘撚の双糸:温度22℃・湿度50%で伸縮率16%)を用いて鹿の子編み(10cm幅で50目、50段)にした伸縮性を有する布地(30cm×30cm)を入手した。
pTS溶液としては、遷移金属の鉄(III)イオンとpTSとを含むブタノール溶液(Heraeus社製 CLEVIOS C-B 40 V2:p-トルエンスルホン酸鉄(III)として、約4質量%である:「CLEVIOS」は登録商標)を用いた。EDOTとしては、EDOTの水溶液(Heraeus社製CLEVIOS MV2、EDOT約98.5質量%である:「CLEVIOS」は登録商標)を用いた。
上記のpTS溶液にEDOTを混合した混合液を調製して4℃程度に冷やし、上記基材を当該混合液に室温下で20分間浸漬した。その後、浸漬基材を当該混合液から取り出し、その一辺の2点をクリップで挟んで懸垂し、扇風機の風(強風)に5-10分間晒して基材を風で振動させつつ、乾燥を行い、さらにローラーでこすって、これらの工程により基材に付着した余分なゲル化ポリマーを除去した。
次に、70℃の恒温槽に、このゲル化ポリマーの除去を行った基材を入れて、5分間加熱を行い、PEDOT-pTSへの重合を行なった。次いで、当該重合基材に対して2回水洗いを繰り返し、次いで90℃で乾燥を行い、「PEDOT-pTSが付着した紙製の編物」(この実施例で付着基材ともいう)を得た。
[実施例1] 力覚素子に対する荷重試験
(I)上記[材料]で作成した付着基材を、力覚素子として用いて、下記の荷重試験を行った。
荷重300gの円筒形プラスティック(直径3cm)を、図1(図1(1)は、試験系の写真、(2)は、その略図)に示すように、付着基材平面上に3ヶ所(X,Y,Z)のいずれか1カ所に置いた。また、A-Hは、端子を設置する場所を示している。本実施例で使用した布地の編み目には方向性が有り、図1(1)(2)の横方向(図1(2)中、左右の矢印)の方が、上下方向(図1(2)中、上下の矢印)よりも、伸展性が大きい。荷重を置かない状態での、伸展性の大きな左右方向(左端から右端)の電気抵抗値は11kΩ程度であり、伸展性の小さな上下方向(上端から下端)の電気抵抗値は8kΩであった。電気抵抗値を計測するための端子間の距離が同じであっても、編み目の方向性によって電気抵抗値が異なることが分かった。編み目は、伸展の方向により変形する(図2)。図2では、図1の付着基材が置かれた方向に合わせた編み目の拡大略図であり、図2の下は、図1(2)の左右の矢印方向に伸展させた場合の編み目の変形を示している。
表1は、A-B、E-G、A-C、F-H、A-Dの組で、端子を設置し、X、Y、Zのいずれかに上記加重を置いた場合における抵抗値測定の結果を示す。
Figure 0007377012000002
表1の結果により、計測する電極の位置の組合せと、加重の位置の組合せによって、電気抵抗値の変化率(減少率)がいくつかの傾向を示すことが分かった。例えば、A-B間の抵抗値の変化率の違いから、加重が、X、Y、Zのどの位置にあるかを検知することが可能であることが明らかになった。
(II)上記付着基材を、力覚素子として、鉛直方向(Z方向)荷重の変化に対する電気抵抗値の減少変化量を検討した。
7cm×7cmに裁断した上記付着基材を水平方向に設置した後、クリップにて生地の両端を挟んだ。生地を水平方向(X-Y方向)へ張った状態で、その中央(上記(I)の「Y」の位置)に、10g、20g、50gの分銅おもりを、それぞれ負荷することで、鉛直方向(Z方向)の変位を与える分銅による荷重負荷量に対する両端クリップ間(上記(I)の「A-B間」)の抵抗値を、0g負荷の場合を含め計測した(図3-1)。その結果、0g荷重は32.7kΩ、10g荷重は20.0kΩ、20g荷重は18.5kΩ、30g加重は16.1kΩであった。
これら4点の電気抵抗値において、0g加重の電気抵抗値である「32.7kΩ」から、それぞれの加重の電気抵抗値を減じた差分の絶対値を、前記「32.7kΩ」で除して電気抵抗値の低減割合を百分率(%)とした値(縦軸)と、加重負荷量の対数値(log10)(横軸)の関係を示したグラフが図3-2である。
図3-2により、両者の値は正の相関の関係にあることが明らかになった。
[実施例2] 力覚素子を用いた座位における体重移動試験
実施例1で示した荷重と変異に関する相関性を利用することで、4つの力覚素子(付着基材を10cm×10cmに裁断したもの)が配置された、厚さ方向の荷重の相違を個別に計測し、その変化をリアルタイムで計測することが可能な力覚センサを作製した(図4の濃い四角形の部分がチャンネル(素子)で、各々の素子から派生する2本の線は、素子と同じ素材の導電線である。)。これにより、各チャンネル(素子)にかかる荷重計測値から、荷重分布およびその荷重変化を計測することが可能である。
これらの4つの素子は、絹又は和紙繊維等にPEDOT-pTSを付着させた、リボン状の導電性繊維電極で、電気抵抗値の計測器まで配線されている。当該計測器は、電気抵抗値の経時的な変化を波形として表し、これを記録することが可能である。
4つの電極は、絹又は、和紙繊維などの導電性繊維電極で計測器まで配線されている。図5(1)に示すように、座布団を敷いた椅子の上に、上記力覚センサを置いて、その上にパネルに座ってもらって、図5(2)に示すように、様々姿勢を取ってもらった。
図6に、その際の体重移動に伴う電気抵抗値の経時的な変動を示した。図6の縦軸の上方が、加重が小さいことを示している。大きな体重移動を伴う時点を矢印で示したが、その直後に大きな加重がかかっていることが分かる。
[実施例3] 力覚素子を用いた胸部体動測定からの呼吸波形の検出
この実施例では、呼吸検出を試みている。胸部を巻くことが可能なゴム帯の上に、上記の付着基材を固定配置し、2カ所の端子を介して電気抵抗値の変化を波形として提示・保存可能な機器で、胸部体動による電気抵抗値の変化を計測した(図7)。その結果、図8(1)に示すように、体動等によるノイズが認められるものの、楕円で囲った部分には、装着者の呼吸の動きと認められる波形が顕れていた(図8(2)(3))。フィルタリング等で、ノイズを除去することにより、クリアな呼吸波形を得ることも可能である。
[実施例4] 離隔動作識別素子としての検討
上記の付着基材(30cm×30cm)を四つ折りにして、これにLED(20mAの場合に6000ミリカンデラ(mcd))を、端子と導電線を介して、電気的に接続した。このような状態で、手指を当該付着基材に接近させたところ、15cm程度の距離で豆ランプが点灯し、近づくにつれて光が強くなり、系の静電容量も増加した。この結果は、当該付着基材が、離隔動作識別素子として用いることができることを示している。この試験系の略図を図9に示す。
比較例] PEDOT-PSSにおける検討
上記の[材料]の冒頭に示した、和紙糸の鹿の子編みで作成された布地(大きさ10cm×10cm)に、50mlのPEDOT-PSSの水溶性分散液[セプルジーダ(登録商標:信越ポリマー株式会社)の低抵抗性塗料であるOCシリーズ]をおよそ2時間含浸させ、自然乾燥させた後、このPEDOT-PSS付着基材(下記表2、3において「PSS」として示した)における抵抗値および伸縮度合いに対する抵抗値変化を計測した。比較として、実施例1で用いたPEDOT-pTSを付着させた付着基材(大きさ10cm×10cm)を用いた(下記表2、3において「pTS」として示した)。基材の伸展は、各基材を水平方向に設置した後、クリップにて生地の両端を挟み、クリップの一方を固定し、固定されていない側のクリップに対し、分銅おもりを負荷することで水平方向(X方向)の変位をノギスで測定した。電気抵抗値の測定は、実施例1(I)のA-Bに相当する位置において行った。
抵抗値については表2に、及び、抵抗変化率については表3に示す。
Figure 0007377012000003
Figure 0007377012000004
この結果により、PEDOT-PSSも、PEDOT-pTSと同様に、紙素材に付着させて、本発明の導電性材として用いることができることが明らかになった。また、高濃度のPEDOT-PSS微粒子の分散液を用いることで、PEDOT-PSS粒子の基材への付着密度を高め、電気抵抗値をより低くすることも可能である。

Claims (12)

  1. 紙を含有する基材の表面に、PEDOT-pTS(poly(3,4-ethylene-dioxythiophene)-p-toluenesulfonate)が付着している導電性材。
  2. 前記紙は、和紙である、請求項1に記載の導電性材。
  3. 前記基材は、紙糸又はそれを基とする布地である、請求項1又は2に記載の導電性材。
  4. 前記布地は、紙糸を含む編物又は織物である、請求項に記載の導電性材。
  5. 前記紙糸を含む編物又は織物は、それを構成する糸の全部又は一部が上撚りされた糸である、請求項4に記載の導電性材。
  6. 請求項1-5のいずれか1項記載の導電性材が備えられている、電気的素子。
  7. 前記電気的素子は、非接触状態の動きを当該素子における電気特性値の変動により識別する、離隔動作識別素子である、請求項6に記載の電気的素子。
  8. 前記電気特性値は、静電容量値である、請求項7に記載の電気的素子。
  9. 前記電気的素子は、外力により通電時の電気特性値が変動する力覚素子である、請求項6に記載の電気的素子。
  10. 請求項6に記載の電気的素子と、当該電気的素子と電気的に接続された検知部を備え、当該検知部が、当該電気的素子における電気特性値を検知する、センサ。
  11. 前記電気的素子が離隔操作識別素子である、請求項10に記載のセンサ。
  12. 前記電気的素子が力覚素子である、請求項10に記載のセンサ。
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