JP7375012B2 - ヒルジン突然変異体の抽出・精製方法およびその使用 - Google Patents

ヒルジン突然変異体の抽出・精製方法およびその使用 Download PDF

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Description

本願はバイオテクノロジー技術に関するものには限られず、特に大腸菌によりヒルジン突然変異体HV2-Lys47(配列番号1)を発酵生産させる発酵液からヒルジン突然変異体HV2-Lys47を抽出・精製する方法、およびこれにより得られる精製ヒルジン突然変異体HV2-Lys47に関する。
本願はさらに生体医療機器に関し、特に上記方法によって精製されたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固採血管における使用に関する。
天然ヒルジン(Hirudin)は、ヒル(Leech)およびその唾液腺から抽出された複数種の活性成分の中で最も活性が著しく、最も多く研究されている成分であり、65~66個のアミノ酸からなる小分子タンパク質(ポリペプチド)である。ヒルはヒルジンを豊富に含み、ヒルジンはトロンビンに対して極めて強い抑制作用を有し、これまで発見された最も強いトロンビン天然特異抑制剤である。これは種々の血栓疾患、特に静脈血栓症、びまん性血管凝固症の治療に用いることができ、外科手術後の動脈血栓の形成の予防、血栓溶解後や血管再形成後の血栓の形成の予防にも使用することができ、体外血液循環および血液透析過程を改善することができる。顕微外科手術では、吻合部の血管塞栓による失敗がしばしば起こり、ヒルジンを採用して創傷癒合を促進することができる。研究によると、ヒルジンは腫瘍治療においても機能する。それは腫瘍細胞の転移を阻止することができ、線維肉腫、骨肉腫、血管肉腫、メラノーマ、白血病などの治療に有効であることが判明した。さらに、ヒルジンは、腫瘍における血流の促進により治療効果が増強されるため、化学療法と放射線療法とを配合することもできる。
天然ヒルジンは生産能が低く、臨床上の使用量が多いため、中国国内外で多くの組換えヒルジンの研究が進められており、前世紀の80年代末から天然ヒルジンと構造が類似し、機能が同じである組換えヒルジンを開発し、生産能が大きくなる。
しかしながら、従来のタンパク質およびペプチド類の精製は、基本的に2種類または3種類以上の複数回のクロマトグラフィー分離を必要として純品を得ることができ、かつ溶出剤は多量の水および塩を含み、環境に対する汚染が大きく、汚水処理工程の負荷が大きい。
現在、市場に使用されているヒルジン突然変異体は、抗凝固活性が16000ATU/mgであり、純度が93%程度である。
例えば、陳華友ら(安徽農業科学,2009年,37(34);16757-16759頁、および16768頁)には、発酵液が、遠心分離され、トリクロロ酢酸で処理し、限外ろ過で濃縮・脱塩し、さらに陰イオン交換カラム、S100モレキュラーシーブカラムに供し、最後に95%の純品が得られることが開示されている。韋利軍ら(2004年全国バイオテクノロジー学術セミナー論文集、104-112頁)には、マクロ孔質樹脂クロマトグラフィー、DEAEクロマトグラフィー、逆相グラフィーを用いた3回のクロマトグラフィー法で分離して95%の純品を得ることが開示されている。ただし、クロマトグラフィー工程が多いほど、コストが高くて時間がかかり、環境への汚染も大きくなる。
したがって、プロセスが簡潔で、廃水が少なく、工業化に向けたスケールアップに適するヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抽出・精製方法が求められている。
また、臨床生化学的検査において、血液検体の採取および分離が非常に重要であり、品質を保証する重要な一環である。従来の検体収集は、採血を開始してから血清の析出を機械的に検出するまで、長い時間を要する場合が多く、全自動生化学分析装置の効率性が制限されていた。一部の生化学的実験室はヘパリン抗凝固血漿を使用し、採血後に直ちに血漿を遠心分離して機械的に検出することができるが、ヘパリンナトリウムまたはヘパリンリチウム抗凝固血漿にかかわらず、何らかの生化学的指標に影響を与える。
1997年に中国では真空採血技術を普及し始め、従来の採血方式に対する一回の重大な改善である。全閉システムで採血プログラムを完成するため、血液汚染やクロス感染の可能性を根本的に排除し、採血をより安全、より正確、より仕様化することで、普及および拡大しやすくなる。真空採血管内に、分離用ゲル、凝固促進剤、および様々な抗凝固剤を添加し、管キャップの色で異なる用途の採血管を区別することができる。
近年、生化学検査において、凝固促進剤および分離用ゲルを含有する真空採血管は広く使用され、それは血液凝固の時間を大幅に短縮し、一般的に20min放置した後に血清を遠心分離することができるが、一定の割合の採血管の遠心分離効果が低く、血清にタンパク質が繊維状又はかたまりに凝固することが存在する。分離用ゲルは、複数種の化合物からなる半固形不活性ゲルであり、血清各成分の含有量に影響を与えないが、凝固促進管は凝固促進剤の原料の産地、性質、製造プロセスの違いにより、生化学的検出に異なる影響を与える可能性がある。
天然ヒルジンは、吸血ヒル(蛭)の唾液腺から抽出し、分離して得られたポリペプチドであり、ヒル体内の重要な活性成分であるが、生産量が極めて限定され、臨床使用の要求を満たすことができない。
そのため、抗凝固活性がより高く、供給源がより安定する抗凝固剤が求められている。
以下、本発明の概要について詳細に説明する。本概要は特許請求の範囲を限定するためのものではない。
本願は、プロセスが簡潔で、廃水が少なく、工業化に向けたスケールアップに適するヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抽出・精製方法を提供する。
本願の実施形態において、本願は、大腸菌によりヒルジン突然変異体HV2-Lys47(配列番号1)を発酵生産するの発酵液からヒルジン突然変異体HV2-Lys47を抽出・精製する方法を提供し、前記方法は、
大腸菌の発酵液を上昇した温度で処理することで、滅菌して不純物タンパク質を除去する工程、
滅菌された発酵液を、セラミックス膜または遠心分離機によって処理することで、菌体を除去する工程、
選択肢として、セラミックス膜または遠心分離機によって得られた発酵液を、限外ろ過膜によって処理することで、不純物タンパク質を除去する工程、
セラミックス膜または遠心分離機によって得られた発酵液、または限外ろ過膜によって得られた発酵液を、ナノろ過膜によって処理することで、粗分離された濃縮液を得る工程、
前記粗分離された濃縮液に、副材料として塩を添加して噴霧乾燥し、乾燥粉末を得る工程、
前記乾燥粉末を水に溶解し、ろ過して不純物を除去し、選択肢として、濾紙、サンドコア漏斗、または膜装置によってろ過を行う工程、
ろ液に対してモレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーを1回のみ行い、水で溶出して溶出液を濃縮し、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物を得る工程、
前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物を水に溶解した後、その中に塩または有機溶媒を添加することで、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を沈殿させ、乾燥してヒルジン突然変異体HV2-Lys47の純品を得る工程、を含む。
上記または他の実施形態において、上昇した温度は65℃、75℃のような温度などの滅菌が可能な高温であり得る。
上記または他の実施形態において、前記乾燥は真空乾燥であり得る。
上記または他の実施形態において、前記乾燥は凍結真空乾燥であり得る。
上記または他の実施形態において、遠心分離機により、滅菌された発酵液を処理する。
上記または他の実施形態において、遠心分離機は管状遠心分離機またはディスク型遠心分離機であり得る。
ここで、セラミックス膜処理または遠心分離機処理の目的は菌体を除去することであり、限外ろ過膜処理の目的は不純物タンパク質を除去することであり、かつナノろ過膜処理の目的は濃縮することである。
上記または他の実施形態において、前記高温での処理は65℃~67℃で5~20分間保持し、選択肢として10分間保持する。
上記または他の実施形態において、前記塩は塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上である。
上記または他の実施形態において、前記モレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーはsephadex G25、sephadex G50、sephadex G75、およびsephadex G100からなる群から選ばれることができる。当業者が理解できるように、上記のようなモレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーはすべて市販品である。このうち、モレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーを使用する主な目的は、色素、塩、およびヒルジンとの分子量の差が大きいポリペプチドおよび多糖を除去することである。
上記または他の実施形態において、モレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーによって得られた溶出液の濃縮は、減圧真空濃縮、ナノろ過膜濃縮、または逆浸透膜濃縮によって行われる。
上記または他の実施形態において、前記有機溶媒は、エタノール、メタノール、アセトン、イソプロパノール、アセトニトリルからなる群から選ばれる1種または2種以上であり得る。
上記または他の実施形態において、副材料として添加される塩のグラム単位の重量は、粗分離された濃縮液に基づいてミリリットル単位の体積の5%以上であり、選択肢として10%以上である。本願の本発明者らは、上記のように重量体積分率が5%以上の量で塩を添加すると、本願の精製目的を達成し、添加される塩が5%未満であると、ヒルジンの損失が大きくなる一方で、添加される塩が多すぎると、コストがかかりすぎることを見出した。
上記または他の実施形態において、前記乾燥粉末の溶解に用いる水のミリリットル単位の体積は、前記乾燥粉末のグラム単位の重量の10倍以上である。ここで、乾燥粉末を溶解するために一定量の水を選ぶ目的は、塩のグラム単位の重量を、水溶液に基づくミリリットル単位の体積の5%以下に保つことにより、水不溶性の一部の不純物タンパク質をろ過して除去できることである。
上記または他の実施形態において、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を沈殿させるために、添加された塩のグラム単位の重量は、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物が溶解された水溶液のミリリットル単位の体積の20%~30%であり、添加された有機溶媒の体積は、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物が溶解された水溶液の体積の5~9倍である。
ここで、組換えヒルジンを再沈殿させる工程は、ヒルジンとの分子量の差が小さい多糖およびポリペプチドを除去するためである
上記または他の実施形態において、前記大腸菌の発酵液は、pBH-2を発現ベクターとするエシェリヒア・コリ株(Escherichia coli)pBH2 CGMCC No0908の培養によって生産される。
上記または他の実施形態において、前記培養は、好気条件下で、25℃~35℃の温度下で、対数増殖期終了まで培養した後、35℃~45℃まで昇温してヒルジン突然変異体HV2-Lys47の収量がピークに達するまで培養を継続することを含む。
本願において、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の発酵液の取得については、中国出願番号201711262810.4の特許出願における生産方法を参照することができる。ここで、中国出願番号201711262810.4の特許出願は参照により本明細書に取り込まれ、本願のヒルジン突然変異体HV2-Lys47は出願番号201711262810.4の特許出願において「組換えヒルジン」と呼ばれる。したがって、本願において、「ヒルジン突然変異体HV2-Lys47」と「組換えヒルジン」は同じ物質を表わし、同義的に使用され得る。
本願は、従来技術と比較して、膜技術、および1回のカラムクロマトグラフィー技術を採用し、水溶出のみを使用し、プロセスが簡潔で、廃水が少なく、工業化に向けたスケールアップでのヒルジン突然変異体HV2-Lys47の生産に適する。
別の態様では、本願は、以上の方法のいずれかに従って生産されたヒルジン突然変異体HV2-Lys47を提供する。
また、別の態様では、本願は、以上の方法のいずれかに従って生産された、抗凝固活性が18000ATU/mg以上であり得るヒルジン突然変異体HV2-Lys47を提供する。抗凝固活性が純度と異なることは当技術分野で知られ、抗凝固活性とは、タンパク質1mgあたりの生物学的活性単位を指し、純度が高い場合、抗凝固活性が必ずしも高いとは限らず、これは活性タンパク質が立体配座の微細な変化により活性が低下する可能性があるためである。
さらなる態様では、本願は、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固採血管における使用を提供する。
上記または他の実施形態において、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は18000ATU/mg以上であり得る。
上記または他の実施形態において、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47は、pBH-2を発現ベクターとするエシェリヒア・コリ株(Escherichia coli)pBH2 CGMCC No0908の培養によって生産されるものであり、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は18000ATU/mg以上であり得る。
上記または他の実施形態において、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47は、前記抗凝固採血管に直接添加される。
上記または他の実施形態において、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47は、コーティング層に含まれる形態で前記抗凝固採血管に適用される。
上記または他の実施形態において、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の使用量は8.5ug/ml血液であり得る。
上記または他の実施形態において、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を、コーティング層に含まれる形態で前記抗凝固採血管に塗布した後、凍結真空乾燥によって前記コーティング層を乾燥することができる。本願の本発明者らは実験において、凍結真空乾燥によってヒルジン活性が失われないことを発見した。
上記または他の実施形態において、前記抗凝固採血管は、血液一般、血液生化学、電解質、腫瘍マーカー、ホモシステイン、およびB型肝炎の5項目のうちの1種または2種以上を検出するための血液の収容用であり得る。本願のヒルジン突然変異体HV2-Lys47は高純度であるため、検出結果に干渉がない。
また、別の態様では、本願は、直接添加されたヒルジン突然変異体HV2-Lys47を有し、またはヒルジン突然変異体HV2-Lys47を含むコーティング層が塗布されてもよい抗凝固採血管を提供する。
上記または他の実施形態において、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47は、pBH-2を発現ベクターとするエシェリヒア・コリ株(Escherichia coli)pBH2 CGMCC No0908の培養によって生産されるものであり、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は18000ATU/mg以上であり得る。ここで、1mgあたりに18000ATU以上であり、純度が95%を超える。
本願の抗凝固採血管において、添加される必要があるヒルジン突然変異体HV2-Lys47は相応に減少し、元の0.01mg/ml血液から8.5μg/ml血液まで減少される。採血管の生産加工過程において、一般的に使用されるプロセスは高温乾燥であり、ヒルジン活性が10%程度損失し、本願が凍結真空乾燥方法を採用し、ヒルジン活性活性が失われない。さらに、本願に使用されるヒルジン突然変異体HV2-Lys47は高純度であるため、血液指標検出の際にほとんど干渉しない。
本願の本発明者らは大量の臨床実験研究により、血液一般、血液生化学、電解質、腫瘍マーカー、ホモシステイン、およびB型肝炎の5項目などの複数の項目の検出に用いるヒルジン突然変異体HV2-Lys47を含む抗凝固採血管を採用できることを見出した。ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を採血管の抗凝固剤とすることは、抗凝固剤の使用量が少なく、反応速度が速く、抗凝固処理をされた血漿の測定項目への干渉がないことが特徴であり、さらに、血液の本来の性状や特性、形態を保持することができ、他の抗凝固剤よりも血液に対する干渉が小さく、溶血現象がなく、偽性血小板減少現象がなく、重金属や不純物の干渉がなく、カルシウム系物質の数値の補正が不要である。
さらに、実験によれば、抗凝固剤としてヒルジン突然変異体HV2-Lys47を用いることで、いくつかの色の真空採血管を1つの採血管で置換することができ、医療従事者が採血管の色を区別して当該採血試料の所望用途を特定する負荷を徹底的に軽減し、医療従事者の作業負荷や誤差を軽減することができることが証明された。また、患者の採血量を少なくしたり、医療用ゴミの発生を低減したりすることができ、重大な社会的利益と経済的利益を有している。
ここで、本願のヒルジン突然変異体HV2-Lys47のアミノ酸配列は以下の通りである。
Ile Thr Tyr Thr Asp CysThrGluSerGlyGlnAsnLeuCysLeuCysGluGlySerAsn Val CysGly Lys GlyAsn Lys Cys Ile LeuGlySerAsnGly Lys GlyAsnGlnCys Val ThrGlyGluGlyThr Pro Lys Pro GluSerHisAsnAsnGly Asp PheGluGlu Ile ProGluGlu Tyr LeuGln(配列番号1)
ジスルフィド結合位置:Cys6-Cys14;Cys16-Cys28;Cys22-Cys39。
天然ヒルジンに比べて、本願のヒルジン突然変異体HV2-Lys47または組換えヒルジンは、天然ヒルジンの47位のアスパラギンをリジンで置換したものである。
図面および詳細な説明を読んで理解すると、その他の点でも明らかである。
図面は本願の技術的解決手段をさらに理解するために提供したものであり、明細書の一部を構成し、本願の実施例とともに本願の技術的解決手段を解釈するためのものであり、本願の技術的解決手段の制限を構成するものではない。
図1は実施例1で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47の電気泳動図である。 図2は実施例1で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47のHPLC図であり、保持時間18.991minのピークはヒルジン突然変異体HV2-Lys47の対応ピークである。 図3はヒルジン突然変異体HV2-Lys47のアミノ酸残基の配列図である。 図4は生体分子データベースのウェブページ(https://www.rcsb.org/)におけるヒルジン突然変異体HV2-Lys47を模擬した3次元構造図である。
本願の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下では図面を参照しながら本願の実施例を詳細に説明する。なお、衝突しない場合、本願における実施例および実施例における特徴は互いに任意に組み合わせることが可能である。
実施例1
発酵液の調製
pBH-2工学菌(受託番号:CGMCC No. 0908)のグリセロール受託菌を接種量5%で発酵培地に接種した。容量が10ml/100mlの三角フラスコで、培養温度が30℃で、回転数が270rpmである。好気条件下で、接種後に測定した菌液のOD値の安定化、すなわち対数増殖期の終了まで発酵し、3.5時間かかり、その後、5分間で40℃まで昇温し、顕微鏡検査でクリスタルバイオレット染色の後に菌体の着色が浅くなるまで培養を継続し、11.5時間かかる。発酵周期は15時間である。
具体的な操作については出願番号201711262810.4の実施例2を参照する。
ここで、培地は、グルコース10g/L、スクロース10g/L、酵母粉末10g/L、トリプトン10g/L、塩化アンモニウム0.5g/L、硫酸マグネシウム0.9g/L、リン酸水素二ナトリウム2g/L、リン酸素カリウム1g/L、硫酸ナトリウム5.0g/L、クエンナトリウム0.87g/L、塩化ナトリウム16g/L、ビタミンB1 0.05mg/L、微量元素-硫酸第一鉄40g/L、硫酸アルミニウム28mg/L、硫酸マンガン6.1mg/L、塩化コバルト4mg/L、塩化亜鉛0.95g/L、モリブデン酸ナトリウム2.16g/L、ホウ酸0.5mg/L、硫酸銅2.93g/L、硝酸ニッケル32g/Lからなり、pHが7.2である。接種時に抗生物質AMP 0.5g/Lを添加する。ここで、本実施例および以下の実施例において、g/LにおけるLは最終発酵培地の体積である。
ここで、材料の由来は以下の表に示すとおりである
Figure 0007375012000001
以下の工程により、上記発酵液からヒルジン突然変異体HV2-Lys47を抽出・精製する。
1)発酵液を65℃で5min高温滅菌して不純物を除去する工程、
2)工程1)における滅菌された発酵液を、管状遠心分離機(遼陽振興真空装置廠GQB-770)によって遠心分離し、大腸菌を除去する工程、
3)工程2)における遠心分離された上澄みに対して、限外ろ過膜(廈門三達膜科技有限公司、型番:NFM-84S-6/3)によって不純物タンパク質を除去する工程、
4)工程3)における限外ろ過による透析液を、ナノろ過膜(廈門三達膜科技有限公司、型番:UFM-84S-2)によって濃縮して、粗分離された濃縮液を得る工程、
5)工程4)で得られた粗分離された濃縮液に、副材料として塩化ナトリウムを添加して噴霧乾燥し、乾燥粉末を得て、ここで、副材料として添加された塩のグラム単位の重量が、粗分離された濃縮液のミリリットル単位の体積の10%である工程、
6)工程5)で得られた乾燥粉末を水に溶解し、ろ過して不純物を除去し、ろ液を得て、ここで、前記乾燥粉末の溶解に用いる水のミリリットル単位の体積が、前記乾燥粉末のグラム単位の重量の10倍である工程、
7)工程6)におけるろ液を、モレキュラーシーブカラムクロマトグラフィー(sephadex G50、メーカー:General Electric Company(GE))によって1回精製させ、純水で溶出し、溶出液を減圧して真空濃縮する工程、
8)工程7)得られた濃縮液に、9倍体積のエタノールを添加し、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を沈殿させ、沈殿物を減圧真空乾燥によって得る工程。
上記で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。図1に示すように、得られた電気泳動図に単一のバンドが呈しており(図1におけるヒルジン1に対応する図を参照。ここで、ヒルジン1は本願で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47を表す)、かつ電気泳動法により、得られた組換えヒルジン純品の分子量が理論値と一致することが確認された。
ここで、電気泳動の操作条件は、濃縮ゲル3%、分離用ゲル15%、試料ローディング量30uL(1万ATU/ml)、先の電圧100v、ゲル電気泳動時間1h、次の電圧200V、ゲル電気泳動時間2.2hである。
電気泳動の具体的な操作は以下の通りである。
1、既製ゲルをmin電気泳動計に装着し、ゲルの上部よりも高くなるように、SDS-PAGE電気泳動緩衝液を加え、試料槽の櫛歯を抜き出した。
2、試料40uLを取り、5×タンパク質試料ローディング緩衝液10uLを加え、均一に混合した後、100℃で5min水浴し、40uLを取り、ゲルにおける試料槽に加えた。
3、試料ローディング完了後、電気泳動計を電源に接続し、電圧を150Vの定電圧とし、時間を50min程度とし、ブロモフェノールブルーのラインがゲルの底部に到着するまで電気泳動した。
4、20min固定し、20min染色し、2h脱色した後、結果を観察した。
抗凝固活性分析により、作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47の生化学方法により測定した抗凝固活性は、17000ATU/mgであると計算した。具体的な抗凝固活性の測定については2005年版の「中国薬典」の第84頁左欄を参照ください。また、ゲル電気泳動におけるバンドの比率から算出したヒルジン突然変異体HV2-Lys47の純度はすでに95%に達していた。
また、HPLCの測定により、作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47に有意に大きなヒルジン突然変異体HV2-Lys47のピークが確実に存在することが確認された。図2に示す。
実施例2
工程2)においてディスク型遠心分離機(Alfa laval stainless products skogstop:881095-05-S/01)を用いて大腸菌を除去し、工程5)において副材料として添加された塩のグラム単位の重量を、粗分離された濃縮液のミリリットル単位の体積の8%とした以外は、実施例1の方法と同様に、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を調製・精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は15800ATU/mgであり、純度は約93%であると測定した。
実施例3
工程2)においてセラミックス膜(三達膜科技(厦門)有限公司)を用いて大腸菌を除去した以外は、実施例1の方法と同様に、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を調製・精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は16800ATU/mgであり、純度は93%以上に達したと測定した。
実施例4
工程2)において中空糸膜(三達膜科技(厦門)有限公司)を用いて大腸菌を除去した以外は、実施例1の方法と同様に、組換えヒルジンを精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は16000ATU/mgであり、純度は93%以上に達したと測定した。
実施例5
工程8)において8倍のメタノールを用いて沈殿した以外は、実施例1の方法と同様に、組換えヒルジンを精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は15800ATU/mgであり、純度は約93%であると測定した。
実施例6
工程8)において5倍のアセトンを用いて沈殿した以外は、実施例1の方法と同様に、組換えヒルジンを精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は17000ATU/mgであり、純度は95%であると測定した。
実施例7
工程8)において飽和度75%の硫酸アンモニウム塩を用いて沈殿し、硫酸アンモニウムのグラム単位の重量を、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物が溶解された水溶液のミリリットル単位の体積の20%とした以外は、実施例1の方法と同様に、組換えヒルジンを精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は15000ATU/mgであると測定した。
実施例8
滅菌された発酵液をそのままセラミックス膜により菌液分離し、セラミックス膜による透析液をナノろ過膜によって1回処理し、かつ工程8)において塩化ナトリウムを用いて沈殿し、塩化ナトリウムのグラム単位の重量を、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物が溶解された水溶液のミリリットル単位の体積の30%とした以外は、実施例1の方法と同様に、組換えヒルジンを精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は14500ATU/mgであると測定した。
実施例9
工程8)において9倍体積のイソプロパノールを用いてヒルジン突然変異体HV2-Lys47を沈殿させた以外は、実施例1の方法と同様に、組換えヒルジンを精製した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47について電気泳動分析を行った。結果は図1と同じく、電気泳動に単一のバンドが呈した。
得られたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性は18000ATU/mgであり、純度は98%であると測定した。
実施例10
乾燥プロセスの抗凝固採血管におけるヒルジン突然変異体HV2-Lys47の活性への影響。
溶解濃度が3.4g/100ml無菌純水となるように、実施例9で作製したヒルジンを純水に溶解した。2mlの採血管を用い、針噴霧により各採血管に上記で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47の溶液をスプレーした後、乾燥した。
当分野で通常使用する乾燥プロセスは高温乾燥である。それぞれ45℃、50℃、70℃で3回乾燥し、60秒/回とした。
本願の乾燥方法は、スプレー後の採血管を凍結真空乾燥機中に乾燥した。温度を-50℃、真空度を-4Mpaとした。
高温乾燥と凍結真空乾燥方法のヒルジン突然変異体HV2-Lys47の活性への影響は、以下の表1に示される。
Figure 0007375012000002
表からわかるように、真空凍結乾燥の場合に、コーティングしたヒルジン突然変異体HV2-Lys47の活性損失は最も低い。
実施例11
実施例9で作製した真空凍結乾燥によるヒルジン突然変異体HV2-Lys47の使用量の血液凝固に対する影響は、以下の表2に示される。
Figure 0007375012000003
以上の表から明らかなように、実施例9で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47の採血管への添加量は、0.005mg以上であれば抗凝固効果を達成することができる。
実施例12
実施例9で作製したヒルジン突然変異体HV2-Lys47(以下、単に「ヒルジン」と称する)の抗凝固採血管の血液一般・血液生化学的指標に対する影響であり、ここで、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47はスプレーコーティングの方式を採用して真空採血管へ適用した。
(一)血液一般
ヒルジン抗凝固およびK2-EDTA抗凝固真空採血管の血液一般に対する検出指標は、以下の表3に示される。ここで、2種類の真空採血管の20個の指標の間には強い相関(r値>0.8)を呈し、4個は中程度の相関(0.5<r値<0.8)を呈した。
Figure 0007375012000004
(二)血液生化学、腫瘍マーカーおよびホモシステイン
血清(分離用ゲル/二酸化ケイ素真空採血管)および血漿(ヒルジン真空採血管)の生化、腫瘍マーカーおよびホモシステインの検出結果は表4に示される。2種類の真空採血管の22個の指標の間には強い相関(r値>0.8)を呈し、2個は中程度の相関(0.5<r値<0.8)を呈した。
Figure 0007375012000005
(三)B型肝炎の5項目
B型肝炎の5項目は定性的な検出指標であり、結果を表5に示す。結果から見れば、血清と血漿の検出指標が非常に一致し、血清が陰性の指標で血漿の検出結果も陰性であり、血清が陽性の指標で血漿の検出結果も陽性であった。
Figure 0007375012000006

Figure 0007375012000007
その結果、ヒルジン抗凝固血の血液一般とK2-EDTA血液一般との結果が一致し、検出指標が強い相関または中程度の相関を呈し、Menssen Hの結果(「Measurement of Hematological, Clinical Chemistry, and Infection Parameters from Hirudinized Blood Collected in Universal Blood Sampling Tubes」, Hans D. Menssenら、SEMINARS IN THROMBOSIS AND HEMOSTASIS/VOLUME 27, NUMBER 4 2001, 349-356頁を参照する)と一致することを示した。現在の臨床生化指標の検出によく用いられる血清試料は、理論的には血清に比べて、血漿試料が生理的状態により近い。その結果、総蛋白、アルブミンおよびグロブリンの相関性が低い(0.5<r値<0.8)以外、血清が血漿生化学、電解質、腫瘍マーカーおよびホモシステインと強い相関(r値>0.9)を示した。血漿中にフィブリノゲンが含まれるため、血漿中のタンパク質濃度(75.07±4.31)が血清(70.89±3.48)よりも高くなる。
以上のことから、K2-EDTAはヒルジン抗凝固剤の効果に近いが、K2-EDTAが血液一般のみを検出することができる。一方で、ヒルジン採血管は血清や血漿生化学、電解質、腫瘍マーカーおよびホモシステインなどの指標をさらに検出することもできる。
また、現在市販されているヒルジンの抗凝固血活性は、血液1mlあたり40ATUのヒルジンが必要であり、本願のヒルジンは純度が高いため、採血管の調製時に純度の低いヒルジン添加量より添加量が低く、同時に純度が高いため、不純物の存在による血液凝固および血液指標検出への影響が回避されている。また、純度が高いため、本願のヒルジンはより良好な安定性を有し、具体的なデータは以下の通りである。
ヒルジン採血管(2ml):(加速試験温度40℃±2、湿度75%±5)
Figure 0007375012000008
ここで、本願の採血管は実施例9における凍結乾燥により作製した乾燥ヒルジン突然変異体HV2-Lys47のコーティング層を有する採血管である。市販の採血管はドイツSarstedtであり、同じにヒルジン採血管である。
当業者であれば理解すべきのように、本願の技術的解決手段の要旨と範囲を逸脱せずに本願の技術的解決手段に対して行った修正または等価置換は、いずれも本願の請求の範囲内に含まれるべきである。

Claims (18)

  1. 大腸菌によりヒルジン突然変異体HV2-Lys47(配列番号1)を発酵生産する発酵液からヒルジン突然変異体HV2-Lys47を抽出・精製する方法であって、
    大腸菌の発酵液を上昇した温度で処理することで、滅菌して不純物タンパク質を除去する工程、
    滅菌された発酵液を、セラミックス膜または遠心分離機によって処理することで、菌体を除去する工程、
    選択肢として、セラミックス膜または遠心分離機によって得られた発酵液を、限外ろ過膜によって処理することで、不純物タンパク質を除去する工程、
    セラミックス膜または遠心分離機によって得られた発酵液、または限外ろ過膜によって得られた発酵液を、ナノろ過膜によって処理することで、粗分離された濃縮液を得る工程、
    前記粗分離された濃縮液に、副材料として第一種の塩を添加して噴霧乾燥し、乾燥粉末を得る工程、
    前記乾燥粉末を水に溶解し、ろ過して不純物を除去し、選択肢として、濾紙、サンドコア漏斗、または膜装置によってろ過を行う工程、
    ろ液に対してモレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーを1回のみ行い、水で溶出して溶出液を濃縮し、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物を得、前記モレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーは、セファデックス(登録商標)G-25(sephadex(登録商標) G25)、セファデックス(登録商標)G-50(sephadex(登録商標) G50)、セファデックス(登録商標)G-75(sephadex(登録商標) G75)、及びセファデックス(登録商標)G-100(sephadex(登録商標) G100)からなる群から選ばれる工程、
    前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物を水に溶解した後、その中に第二種の塩または有機溶媒を添加することで、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を沈殿させ、乾燥してヒルジン突然変異体HV2-Lys47の純品を得て、選択肢として、真空乾燥を行い、さらに、選択肢として、凍結真空乾燥を行う工程、
    を含む前記方法。
  2. 高温滅菌された発酵液を遠心分離機によって処理し、選択肢として、前記遠心分離機が管状遠心分離機またはディスク型遠心分離機である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記高温での処理が、65℃~67℃で5~20分間保持し、選択肢として10分間保持する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第一種の塩または前記第二種の塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムからなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の方法。
  5. モレキュラーシーブカラムクロマトグラフィーによって得られた溶出液の濃縮が、減圧真空濃縮、ナノろ過膜濃縮、または逆浸透膜濃縮によって行われる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記有機溶媒が、エタノール、メタノール、アセトン、イソプロパノール、アセトニトリルからなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の方法。
  7. 副材料として添加された第一種の塩のグラム単位の重量の数値は、粗分離された濃縮液のミリリットル単位の体積の数値の5%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記乾燥粉末の溶解に用いる水のミリリットル単位の体積の数値は、前記乾燥粉末のグラム単位の重量の数値の10倍以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  9. ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を沈殿させるために、添加された第二種の塩のグラム単位の重量の数値が、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物が溶解された水溶液のミリリットル単位の体積の数値の20%~30%であり、添加された有機溶媒の体積が、ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の粗生成物が溶解された水溶液の体積の5~9倍である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記大腸菌による発酵液が、pBH-2を発現ベクターとするエシェリヒア・コリ株(Escherichia coli)pBH2 CGMCC No0908の培養によって生産されるものであり、選択肢として、前記培養は、好気条件下で、25℃~35℃の温度下で、対数増殖期終了まで培養した後、35℃~45℃まで昇温してヒルジン突然変異体HV2-Lys47の収量がピークに達するまで培養を継続することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  11. ヒルジン突然変異体HV2-Lys47(配列番号1)の抗凝固採血管における使用であって、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47が、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法によって調製されるものであり、
    前記抗凝固採血管が、血液一般、血液生化学、電解質、腫瘍マーカー、ホモシステイン、およびB型肝炎の5項目のうちの1種または2種以上を検出するための血液の収容用である、前記使用。
  12. 前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性が、18000ATU/mg以上である、請求項11に記載の使用。
  13. 前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47が、前記抗凝固採血管に直接添加される、請求項11に記載の使用。
  14. 前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47が、コーティング層に含まれる形態で前記抗凝固採血管に適用される、請求項11に記載の使用。
  15. 前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の使用量は、8.5μg/ml血液である、請求項13または14に記載の使用。
  16. ヒルジン突然変異体HV2-Lys47を、コーティング層に含まれる形態で前記抗凝固採血管に塗布した後、凍結真空乾燥によって前記コーティング層を乾燥する、請求項14に記載の使用。
  17. ヒルジン突然変異体HV2-Lys47(配列番号1)を抗凝固採血管に直接添加するか、またはヒルジン突然変異体HV2-Lys47(配列番号1)を含むコーティング層を前記抗凝固採血管に塗布することを含み、前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47は、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法によって生産されたヒルジン突然変異体HV2-Lys47である、抗凝固採血管を製造する方法。
  18. 前記ヒルジン突然変異体HV2-Lys47の抗凝固活性が、18000ATU/mg以上である、請求項17に記載の方法。
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