JP7374604B2 - X線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、X線診断装置に関する。
X線診断装置は、X線発生部に設けられ、X線照射領域の大きさ(以下、視野サイズと呼ぶ)を調整するX線絞りを有する。X線絞りは、厚みの異なる複数のフィルタ(以下、付加フィルタと呼ぶ)を有する。付加フィルタは、線質フィルタまたはビームスペクトグラムフィルタとも呼ばれる。付加フィルタのうち少なくとも1つが、X線管の焦点からX線検出器までの経路に挿入され、X線発生部におけるX線放射窓の前面に配置される。経路に挿入された付加フィルタは、付加フィルタを通過するX線の軟線を削減することにより、X線の線質を調整する。経路に挿入される付加フィルタは、X線管によるX線の照射の条件(以下、X線条件と呼ぶ)等により推定された被検体の厚み(以下、体厚と呼ぶ)、及び、線源受像面間距離(Source Image Distance:以下、SIDと呼ぶ)に基づいて、自動的に選択される。
一方、X線検出器に設けられるFPD(Flat Panel Detector)の検出素子の各々の大きさ(以下、FPD素子サイズと呼ぶ)、又は、視野サイズが変化すると、X線画像の画質を確保するために必要なX線の線量(以下、目標線量と呼ぶ)が変化する。目標線量の変化を考慮せずに付加フィルタを選択した場合、適切な付加フィルタが選択されない可能性がある。
特開2013-116184号公報
本発明が解決しようとする課題は、目標線量に応じて適切な付加フィルタを選択することである。
実施形態に係るX線診断装置は、X線を発生させるX線管と、前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、前記X線管から発せられたX線を減衰させるための複数のフィルタと、前記X線管におけるX線の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に対して、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つを挿入するフィルタ駆動部と、前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ及びX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記複数のフィルタのうち前記経路に挿入されるフィルタを選択するフィルタ選択部と、を備える。
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成を例示する図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置による透視実行処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置による撮像条件設定処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図4は、第1の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図5は、第1の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理に用いられる、最大電力、被曝限度、SID、及び体厚と、使用される付加フィルタとの関係を示す対応表の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理に用いられる、最大電力、被曝限度、SID、及び体厚と、使用される付加フィルタとの関係を示す対応表の一例を示す図である。 図7は、第2の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図8は、第3の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図9は、第4の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図10は、第5の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図11は、第6の実施形態に係るX線診断装置によるフィルタ選択処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図12は、第7の実施形態に係るX線診断装置による撮像条件設定処理の処理手順を例示するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、X線診断装置の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。なお、以下の実施形態に係るX線診断装置は、例えば、単一モダリティ装置であってもよく、アンギオCT装置等の複合モダリティ装置であってもよい。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成例を示す図である。図1に示すように、X線診断装置1は、撮影装置10、寝台装置30及びコンソール装置40を備えている。撮影装置10は、高電圧発生装置11、X線発生部12、X線検出器13、Cアーム14、及びCアーム駆動装置142を備えている。
高電圧発生装置11は、X線管の陰極から発生する熱電子を加速するために、陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生させてX線管へ出力する。
X線発生部12は、被検体Pに対してX線を照射するX線管、照射X線量を減衰或いは低減させる機能を有する複数のフィルタ(以下、付加フィルタと呼ぶ)、及び、X線絞りを備えている。
X線管は、X線を発生させる真空管である。X線管は、管球と、管球に設けられたフィラメント(陰極)と、タングステン陽極とを備える。X線管は、フィラメントより放出された熱電子を高電圧によって加速させる。X線管は、この加速電子をタングステン陽極に衝突させることでX線を発生させる。
本実施形態では、発生するX線の焦点(実効焦点)の大きさ(以下、焦点サイズと呼ぶ)が異なる2つの種類のフィラメントが設けられている。後述する入力インターフェース43での操作者による入力、又は、後述する処理回路44による設定に応じて、2つのフィラメントの中から使用されるフィラメントが選択され、図示しない駆動装置の駆動により使用されるフィラメントが切り替えられる。そして、使用されるフィラメントが切り替えられることにより、小焦点と中焦点との間で焦点サイズが切り替えられる。中焦点は、小焦点よりも焦点サイズが大きい。小焦点は、例えば、0.2~0.4mmの範囲内の値である。中焦点は、例えば、0.5~0.7mmの範囲内の値である。小焦点は、第1の焦点サイズの一例である。中焦点は、第2の焦点サイズの一例である。
なお、本実施形態では、小焦点と中焦点との2種類の焦点サイズが焦点サイズの設定として設定可能であるが、3つ以上の焦点サイズが設定可能でもよい。この場合、設定可能な焦点サイズの数に対応する数のフィラメントが設けられる。
付加フィルタは、銅やアルミニウム等の金属板で構成される。付加フィルタは、X線管とX線絞りの間に挿入されることにより、X線発生部12で発生された連続スペクトルX線の長波長成分(軟X線)を、付加フィルタの厚みに応じて除去する。付加フィルタの厚みは、例えば、0.1~5mmの範囲内の値である。付加フィルタは、X線フィルタ、濾過板、ビームフィルタ、線質フィルタ、またはビームスペクトグラムフィルタとも呼ばれる。付加フィルタは、厚みに応じた長波長成分の除去により、X線発生部12で発生されたX線の線質を硬化させる。また、付加フィルタは、X線診断にとって不必要なX線のエネルギー成分を除去することも可能である。これにより、付加フィルタは、X線発生部12で発生されたX線の線質を調整する。
本実施形態では、4つの付加フィルタ(フィルタA~フィルタD)が設けられている。フィルタA~フィルタDは、それぞれ異なる厚みを有する。このため、フィルタA~フィルタDは、軟X線の除去率(以下、X線低減率と呼ぶ)が異なる。厚い付加フィルタ(厚みの大きい付加フィルタ)は、薄い付加フィルタ(厚みの小さい付加フィルタ)に比べて、X線の低減率が大きい。フィルタAの厚みはフィルタBの厚みよりも大きく、フィルタBの厚みはフィルタCの厚みよりも大きく、フィルタCの厚みは、フィルタDの厚みよりも大きい。このため、フィルタAのX線低減率はフィルタBのX線低減率よりも大きく、フィルタBのX線低減率はフィルタCのX線低減率よりも大きく、フィルタCのX線低減率はフィルタDのX線低減率よりも大きい。
駆動装置は、後述する入力インターフェース43での操作者による入力、又は、後述する処理回路44による設定に応じて、複数の付加フィルタの中から選択された付加フィルタをX線管とX線絞りの間に挿入する。また、X線管とX線絞りの間に挿入される付加フィルタが切り替えられることにより、付加フィルタの厚みが調整される。すなわち、駆動装置は、複数の付加フィルタのうちの少なくとも1つを、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する。駆動装置は、フィルタ駆動部の一例である。
X線絞りは、X線管とX線検出器13の間に位置し、金属板としての鉛板で構成される。X線絞りは、開口領域外のX線を遮蔽することにより、X線管が発生したX線を、被検体Pの関心領域にのみ照射されるように絞り込むことにより、X線照射領域(X線照射野)の大きさ(以下、視野サイズと呼ぶ)を調整する。例えば、X線絞りは4枚の絞り羽根を有し、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線の遮蔽される領域を任意のサイズに調節することにより、視野サイズを調整する。X線絞りの絞り羽根は、操作者が入力インターフェース43から入力した関心領域に応じて、図示しない駆動装置により駆動される。
X線検出器13は、X線管から発せられ被検体Pを透過したX線を検出する。このようなX線検出器13としては、X線を直接電荷に変換するものと、光に変換した後、電荷に変換するものとが使用可能であり、ここでは前者を例に説明するが後者であっても構わない。すなわち、X線検出器13は、例えば、被検体Pを透過したX線を電荷に変換して蓄積する平面状のFPD(Flat Panel Detector)と、このFPDに蓄積された電荷を読み出すための駆動パルスを生成するゲートドライバとを備えている。FPDの大きさは、例えば8~16インチの範囲内の値である。FPDは微小な検出素子を列方向及びライン方向に2次元的に配列して構成される。各々の検出素子はX線を感知し、入射X線量に応じて電荷を生成する光電膜と、この光電膜に発生した電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサと、電荷蓄積コンデンサに蓄積された電荷を所定のタイミングで出力するTFT(薄膜トランジスタ)を備えている。蓄積された電荷はゲートドライバが供給する駆動パルスによって順次読み出される。FPDの各々の検出素子(以下、FPD検出素子と呼ぶ)の大きさ(以下、FPD素子サイズと呼ぶ)は、例えば、130~200μmの範囲内の値である。但し、FPD素子サイズは、この例に限らず、例えば、76μm角の如き、微小サイズとしてもよい。
本実施形態では、X線検出器13には、2種類のFPD(FPD1~FPD2)が設けられている。FPD1及びFPD2は、検出素子の数(以下、FPD素子数と呼ぶ)、FPD素子サイズ、解像度、X線画像の画質を確保するために必要なX線の線量(以下、目標線量と呼ぶ)、及び対応する撮像モード等が異なる。本実施形態では、FPD素子サイズは、FPDの1画素の大きさ(以下、FPD画素サイズと呼ぶ)に相当する。FPD画素サイズは、X線検出器13における画素の大きさの一例である。後述する入力インターフェース43での操作者による入力、又は、後述する処理回路44による撮像モードの設定に応じて、2つのFPDの中から使用されるFPDが選択され、図示しない駆動装置の駆動により、使用されるFPDが切り替えられる。使用されるFPDが切り替えられることにより、FPD素子数、FPD素子サイズ、FPD画素サイズ、解像度、及び目標線量が切り替えられる。なお、FPD1の大きさとFPD2の大きさは、異なっていてもよく、同じであってもよい。また、FPD1及びFPD2は、1つのシンチレータを共有していてもよい。
FPD1は、通常モードの撮像モードに対応する。FPD2は、通常モードよりも解像度の高い高精細モードの撮像モードに対応する。FPD2は、FPD1に比べて、FPD素子数が大きく、FPD画素サイズ、FPD素子サイズが小さい。このため、FPD2は、FPD1に比べて、目標線量が大きい。通常モードは、第1の撮像モードの一例である。高精細モードは、第2の撮像モードの一例である。FPD1のFPD画素サイズは、FPD画素サイズの第1の大きさの一例である。FPD2のFPD画素サイズは、FPD画素サイズの第2の大きさの一例である。FPD1のFPD素子サイズは、FPD素子サイズの第1の大きさの一例である。FPD2のFPD素子サイズは、FPD素子サイズの第2の大きさの一例である。
Cアーム14は、X線発生部12とX線検出器13とを被検体P及び天板33を挟んで対向するように保持することで、天板33上の被検体PのX線撮影を行うことができる構成を有する。Cアーム14は、スライド可能、かつ、複数の回転軸のそれぞれを中心に回転可能に支持される。Cアーム14は、スライド及び回転に係る動作を実現するための複数の動力源が該当する適当な箇所に備えられている。これらの動力源はCアーム駆動装置142を構成する。Cアーム駆動装置142は、駆動制御機能444からの駆動信号を読み込んでCアーム14をスライド運動、回転運動、直線運動させる。
寝台装置30は、被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備えている。
基台31は、床面に設置され、支持フレーム34を鉛直方向(Z方向)に移動可能に支持する筐体である。
寝台駆動装置32は、寝台装置30の筐体内に収容され、被検体Pが載置された天板33を天板33の長手方向(Y方向)に移動するモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、駆動制御機能444からの駆動信号を読み込んで、天板33を床面に対して水平方向や垂直方向に移動させる。Cアーム14または天板33が移動することにより、被検体Pに対する撮影軸の位置関係が変化する。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動してもよい。
天板33は、支持フレーム34の上面に設けられ、被検体Pが載置される板である。
支持フレーム34は、基台31の上部に設けられ、天板33をその長手方向に沿ってスライド可能に支持する。
なお、寝台装置30は、天板33が支持フレーム34に対して移動可能であってもよいし、天板33と支持フレーム34とが一緒に、基台31に対して移動可能であってもよい。
コンソール装置40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インターフェース43及び処理回路44を備えている。なお、コンソール装置40は撮影装置10とは別体として説明するが、撮影装置10にコンソール装置40又はコンソール装置40の各構成要素の一部が含まれてもよい。コンソール装置40は、例えば、医用画像処理装置に相当する。
なお、以下、コンソール装置40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明するが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。例えば、後述の画像生成機能446等の処理回路44の機能は、異なるコンソール装置に分散して搭載されても構わない。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路等の記憶装置である。また、メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体であってもよい。なお、メモリ41は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線診断装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
メモリ41は、例えば、X線画像、処理回路44によって実行されるプログラム、及び処理回路44の処理に用いられる各種データ等を記憶する。メモリ41は、記憶部の一例である。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像(X線画像)や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。また、ディスプレイ42は、表示部の一例である。また、ディスプレイ42は、撮影装置10に設けられてもよい。また、ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、被検体情報、撮像条件、各種コマンド信号の入力等を操作者から受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、Cアーム14の移動指示、関心領域(ROI)の設定、及び透視の実行等を行うためのトラックボール、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ、及びフットスイッチ等により実現される。また、入力インターフェース43は、入力部及び操作部の一例である。また、入力インターフェース43は、撮影装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。なお、入力インターフェース43はマウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。入力インターフェース43は、X線管とX線検出器13とを用いた動画の撮像を指示するための操作部の一例である。
処理回路44は、X線診断装置1全体の動作を制御する。処理回路44は、メモリ41内のプログラムを呼び出し実行することにより、システム制御機能441、撮像条件設定機能442、フィルタ選択機能443、駆動制御機能444、X線制御機能445、画像生成機能446及び表示制御機能447を実行するプロセッサである。
なお、図1においては、単一の処理回路44にてシステム制御機能441、撮像条件設定機能442、フィルタ選択機能443、駆動制御機能444、X線制御機能445、画像生成機能446及び表示制御機能447が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現するものとしても構わない。また、システム制御機能441、撮像条件設定機能442、フィルタ選択機能443、駆動制御機能444、X線制御機能445、画像生成機能446及び表示制御機能447は、それぞれシステム制御回路、撮像条件設定回路、フィルタ選択回路、駆動制御回路、X線制御回路、画像処理回路及び表示制御回路と呼んでもよく、個別のハードウェア回路として実装してもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、ASIC、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
処理回路44は、システム制御機能441により、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、X線診断装置1における複数の構成要素各々を制御する。例えば、処理回路44は、撮像条件に従って、撮影装置10における各種構成要素を制御する。システム制御機能441を実現する処理回路44は、システム制御部の一例である。
処理回路44は、撮像条件設定機能442により、撮像の条件(以下、撮像条件と呼ぶ)を設定する。透視は、動画撮像の一例である。撮像条件設定機能442を実現する処理回路44は、撮像条件設定部の一例である。
撮像条件は、X線管によるX線の照射の条件(以下、X線条件と呼ぶ)、AGC(Auto Gain Control)の倍率(以下、AGC倍率と呼ぶ)、使用される付加フィルタに関する情報(以下、フィルタ特定情報と呼ぶ)、検出器空間分解能、解像度、X線画像における1画素(1ピクセル)の大きさ(以下、画素サイズと呼ぶ)、FPD画素サイズ、FPD素子サイズ、FPD素子数、複数のFPD検出素子をFPDの1つの画素として扱う制御方法(以下、ビニング制御と呼ぶ)におけるFPDの1画素に対応するFPD検出素子の数(以下、ビニング数と呼ぶ)、及び撮像モードのうち少なくとも1つを含む。フィルタ特定情報は、使用される付加フィルタの種類、及び使用される付加フィルタの厚み等のうち少なくとも1つを含む。撮像条件は、透視条件と称されてもよい。撮像条件設定機能442は、X線条件を決定するX線条件決定部の一例である。
X線条件は、例えば、管電流、管電圧、焦点サイズ、パルス幅、パルスレート(単位時間当たりのパルス数)、視野サイズ、線源受像面間距離(Source Image Distance):以下、SIDと呼ぶ)、及びX線曝射継続時間等のうち少なくとも1つを含む。
処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズと、X線管の管球の定格等により規定されるX線の最大の出力(以下、最大電力と呼ぶ)と、単位時間あたりの被写体へのX線の入射線量の上限値(以下、被曝限度と呼ぶ)と、被検体の厚み(以下、体厚と呼ぶ)とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。最大電力は、X線管の出力上限と称されてもよい。体厚は、被検体情報の一例である。フィルタ選択機能443は、フィルタ選択部の一例である。
処理回路44は、駆動制御機能444により、例えば、入力インターフェース43から入力されたCアーム14や天板33の駆動に関する情報に基づいて、Cアーム駆動装置142及び寝台駆動装置32の制御を行う。駆動制御機能444を実現する処理回路44は、駆動制御部の一例である。
処理回路44は、X線制御機能445により、例えば、システム制御機能441からの情報を読み込んで、高電圧発生装置11における管電流、管電圧、焦点サイズ、照射時間、パルス幅等のX線条件の制御を行う。なお、X線制御機能445は、撮像条件設定機能442により決定されたX線の焦点の大きさに基づいて、X線管の管球に設けられた複数のフィラメントから使用するフィラメントを選択する機能を含んでもよい。X線制御機能445を実現する処理回路44は、X線制御部の一例である。
処理回路44は、画像生成機能446により、例えば、X線検出器13から出力されたデータに基づいてX線画像を生成する。このとき、処理回路44は、AGCを行う。AGCは、生成されたX線画像の明るさを一定に保つため、生成されたX線画像の明るさを調整する制御である。補足すると、AGCは、被曝限度(Dose Limit)や管球出力の制限により検出器入射線量が確保できなかった場合に、X線画像の明るさを確保するために画像全体に掛けるデジタルゲインである。AGC倍率は、AGCによる調整前のX線画像に対する調整後のX線画像の明るさの割合である。なお、処理回路44は、生成されたX線画像に対して各種合成処理や減算(サブトラクション)処理等を行なってもよい。X線画像は、医用データの一例である。画像生成機能446を実現する処理回路44は、画像生成部の一例である。
また、処理回路44は、X線制御機能445及び画像生成機能446により、選択された撮像モードに応じて、使用するFPDを切り替える。使用するFPDが切り替えられることにより、FPD画素サイズ及びFPD素子サイズが変化する。例えば、撮像モードとして通常モードが選択された場合、処理回路44は、使用するFPDをFPD1に切り替えるとともに、通常モードに対応するX線条件の制御及びX線画像の生成を行う。例えば、撮像モードとして高精細モードが選択された場合、処理回路44は、使用するFPDをFPD2に切り替えるとともに、高精細モードに対応するX線条件の制御及びX線画像の生成を行う。
処理回路44は、表示制御機能447により、例えば、システム制御機能441からの信号を読み込んで、メモリ41から所望のX線画像を取得してディスプレイ42に表示する。表示制御機能447を実現する処理回路44は、表示制御部の一例である。
次に、X線診断装置1により実行される透視実行処理の動作について説明する。透視実行処理とは、検査において、入力インターフェース43での操作に応じて被検体の透視を実行する処理である。
なお、以下で説明する透視実行処理における処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り適宜変更可能である。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
図2は、本実施形態に係る透視実行処理の手順の一例を示すフローチャートである。処理回路44は、例えば、入力インターフェース43において検査を開始させる指示が入力されたことに基づいて、透視実行処理を開始する。
(透視実行処理)
(ステップS101)
処理回路44は、撮像条件設定機能442を実行する。処理回路44は、撮像条件設定機能442により、次に実行される透視における撮像条件を設定する処理(以下、撮像条件設定処理と呼ぶ)を行う。撮像条件設定処理の詳細については、後述する。
(ステップS102)
処理回路44は、被検体の検査を終了させることを示す指示が入力されたか否かを判断する。このとき、処理回路44は、例えば、入力インターフェース43において被検体の検査を終了させる指示の入力を検出することにより、検査を終了させる指示が入力されたか否かを判断する。検査を終了させる指示が入力された場合(ステップS102-Yes)、処理回路44は、当該透視実行処理を終了する。
検査を終了させる指示が入力されない場合(ステップS102-No)、処理はステップS103に進む。
(ステップS103)
処理回路44は、操作者による入力インターフェース43の操作に応じて、透視を実行させる指示が入力されたか否かを判断する。このとき、処理回路44は、例えば、フットスイッチにおいて操作が行われているか否かを検出することにより、透視を実行させる指示が入力されたか否かを判断する。透視を実行(開始)させる指示が入力された場合(ステップS103-Yes)、処理はステップS104に進む。透視を実行(開始)させる指示が入力されない場合(ステップS103-No)、処理はステップS102に戻り、処理回路44は、検査を終了させる指示が入力されるか、又は、透視を実行(開始)させる指示が入力されるまで、待機する。
(ステップS104)
処理回路44は、システム制御機能441と、駆動制御機能444と、X線制御機能445と、画像生成機能446とを実行することにより、撮影装置10を用いて透視を実行する。
1回の透視の実行中において、処理回路44は、画像生成機能446により、時系列に沿ったフレームである複数のX線画像を生成し、画像生成機能446により、生成されたX線画像をメモリ41に記憶する。そして、処理回路44は、表示制御機能447により、生成された複数のX線画像によって生成されるX線動画をディスプレイ42に表示させる。このとき、処理回路44は、画像生成機能446により、AGCを実行する。
また、処理回路44は、システム制御機能441及びX線制御機能445により、透視の実行中において、前のフレームにおけるX線検出器13の出力に基づいて後のフレームにおけるX線条件を設定する制御を行う。すなわち、処理回路44は、1回の透視の実行中において、被写体条件の変化に基づいてX線条件等を変更するフィードバック制御を行う。例えば、フィードバック制御では、処理回路44は、1回の透視の実行中において被検体が載置された天板33を移動させる操作により体厚又は被検体の内部組織の構造等が変化した際に、前のフレームにおいて生成されたX線画像の明るさ、コントラスト等を検出し、後のフレームにおいて表示されるX線画像の明るさ、コントラスト等が所定の条件を満たすように、管電圧、管電流、パルス幅、及びAGC倍率のうち少なくとも一つを制御する。フィードバック制御により、1回の透視の実行中に被写体条件が変化しても、適切な管電圧、管電流、パルス幅、及びAGC倍率が選択される。したがって、透視の終了時には、管電圧、管電流、パルス幅、及びAGC倍率のうち少なくとも一つが、被写体条件の変化に応じて適切に制御された状態となる。また、1回の透視において最後に生成されるX線画像は、明るさ、コントラスト等が所定の条件を満たすように調整された状態となる。
(ステップS105)
処理回路44は、透視を終了させる指示が入力されたか否かを判断する。このとき、処理回路44は、例えば、フットスイッチにおいて操作者による操作が行われているか否かを検出することにより、透視を終了させる指示が入力されたか否かを判断する。透視を終了させる指示が入力された場合(ステップS105-Yes)、処理はステップS106に進む。処理回路44は、透視を終了させる指示が入力されるまで、ステップS104の処理による透視の実行を継続する。
(ステップS106)
処理回路44は、システム制御機能441と、駆動制御機能444と、X線制御機能445と、画像生成機能446とを実行することにより、X線撮影による透視を終了する。
X線撮影による透視が終了すると、処理はステップS101に戻る。
処理回路44は、X線撮影による透視が終了したことに基づいて、撮像条件設定処理を実行することにより、次に実行される透視における撮像条件を設定する。具体的には、処理回路44は、第1の動画撮像が終了したことに基づいて、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、第2の動画撮像が終了したことに基づいて、第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。また、処理回路44は、S101の処理により次に実行される透視における撮像条件を設定した後、ステップS102の処理により検査を終了させることを示す指示が入力されたか否かを判断する。したがって、検査が終了されることにより、次の透視が実行されない場合であっても、次の透視における撮像条件が設定される。
上述したように、透視実行処理において、処理回路44は、入力インターフェース43において透視を実行させる指示が入力されると、透視を開始する。処理回路44は、入力インターフェース43において透視を実行させる指示が解除されると、透視を終了する。そして、処理回路44は、入力インターフェース43において、透視を実行させる指示が再び入力されると、次の透視を実行する。1回の透視の実行中において、処理回路44は、被写体条件の変化に基づいて、X線画像の画質が適切に確保されるように撮像条件を制御する。
(撮像条件設定処理)
次に、X線診断装置1により実行される撮像条件設定処理の動作について説明する。なお、以下で説明する撮像条件設定処理における処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り適宜変更可能である。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。図3は、本実施形態に係る撮像条件設定処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図2に示したステップS101の撮像条件設定処理に対応している。
(ステップS111)
処理回路44は、次に実行される透視について、検査開始後の何回目の透視であるかを示す数(以下、透視回数と呼ぶ)を取得する。処理回路44は、例えば、検査におけるこれまでの透視の実行回数を取得することにより、次の透視の透視回数を決定する。例えば、検査開始後においてこれまでに透視が行われていない場合、処理回路44は、次の透視が検査開始後の初めての透視であると判断し、透視回数を1に決定する。また、検査開始後においてこれまでに1回の透視が行われている場合、処理回路44は、次の透視が検査開始後の2回目の透視であると判断し、透視回数を2に決定する。以下、一例として、透視回数がNの場合の処理について説明する。
(ステップS112)
処理回路44は、次の透視の透視回数Nが1であるか否かを判断する。処理回路44は、次の透視の透視回数Nが1であるか否かを判断することにより、次に実行される透視が検査開始後に初めて実行される透視であるか、あるいは、検査開始後の2回目以降の透視であるかを判断する。透視回数Nが1である場合(ステップS112-Yes)、次に実行される透視が検査開始後の初めての透視であると判断され、処理はステップS113に進む。透視回数Nが1でない場合(ステップS112-Yes)、すなわち、透視回数Nが2以上である場合、次に実行される透視が検査開始後の2回目以降の透視であると判断され、処理はステップS114に進む。
(ステップS113)
処理回路44は、撮像条件設定機能442及びフィルタ選択機能443により、透視回数1の透視における撮像条件を既定の条件に設定する。このとき、処理回路44は、例えば、撮像条件設定機能442により、焦点サイズを小焦点に設定し、フィルタ選択機能443により、使用される付加フィルタをフィルタDに決定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定機能442により、小焦点及びフィルタDに対応する既定の撮像条件をメモリ41から取得し、取得した撮像条件を、透視回数Nの透視における撮像条件、すなわち、次に実行される透視における撮像条件として設定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
(ステップS114)
処理回路44は、透視回数Nが2以上である場合に、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを選択する処理(以下、フィルタ選択処理と呼ぶ)を実行する。
(ステップS115)
処理回路44は、ステップS114の処理により決定された付加フィルタに対応する撮像条件をメモリ41から取得し、取得した撮像条件を、透視回数Nの透視における撮像条件、すなわち、次に実行される透視における撮像条件として設定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
(フィルタ選択処理)
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。なお、以下で説明するフィルタ選択処理における処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り適宜変更可能である。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。図4は、本実施形態に係るフィルタ選択処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したステップS114のフィルタ選択処理に対応している。
(ステップS121)
処理回路44は、透視回数N-1の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41に記憶されている透視回数N-1の透視における撮像条件を読み出すことにより、透視回数N-1の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数N-1の透視における撮像条件を取得することにより、検査開始後に実行された透視のうち、直前に実行された透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数N-1の透視における撮像条件として、例えば、焦点サイズ、フィルタ特定情報、管電圧、管電流、パルス幅及びAGC倍率を取得する。前述のように、透視の実行中には、被写体条件の変化に基づいてX線条件等を変更するフィードバック制御が行われ、透視の終了時には、管電圧、管電流、パルス幅、及びAGC倍率のうちの少なくとも一つが被写体条件の変化に応じて適切に制御された状態となる。したがって、直前に実行された透視における撮像条件を取得することにより、被写体条件の変化に応じて適切に制御された撮像条件を取得することができる。なお、直前に実行された透視において生成されたX線画像に基づく演算処理により、被写体条件の変化に応じてさらに適切に制御された撮像条件を算出し、算出した撮像条件を、直前に実行された透視における撮像条件として取得してもよい。
(ステップS122)
処理回路44は、透視回数N-1の透視における撮像条件に基づいて、透視回数N-1の透視における体厚を決定する。具体的には、処理回路44は、透視回数N-1の透視の終了時におけるフィルタ特定情報、管電圧、管電流、パルス幅及びAGC倍率に基づいて、メモリ41に予め記憶された対応表、又は既知の計算方法により、透視回数N-1の透視における体厚の推定値を算出する。透視回数N-1の透視の終了時における体厚は、透視回数Nの透視の開始時における体厚と同じであるとする。透視回数N-1の透視の終了時における体厚は、前述のフィードバック制御により被写体条件の変化に応じて適切に調整されたX線条件に基づいて算出された、被検体の体厚の推定値である。なお、処理回路44は、例えば、入力インターフェース43において体厚を入力する操作入力を検出することにより、体厚を取得してもよい。フィードバック制御により調整されたX線条件に基づいて算出された被検体の体厚の推定値は、体厚に関する情報の一例である。
(ステップS123)
処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像モード、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを取得する。この際、処理回路44は、例えば、メモリ41から、透視回数Nの透視における撮像モード、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを読み出す。
また、処理回路44は、例えば、入力インターフェース43として使用されるディスプレイ42での操作入力を検出することにより、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズを取得する。例えば、撮像モードが通常モードである場合、処理回路44は、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズとして、FPD1の検出素子の素子サイズを取得する。また、撮像モードが高精細モードである場合、処理回路44は、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズとして、FPD2の検出素子の素子サイズを取得する。
(ステップS124)
処理回路44は、ステップS123の処理において取得した透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズに基づいて、メモリ41に記憶された複数の対応表(テーブル)から対応する対応表を読み出す。
図5及び図6は、ステップS124において付加フィルタを決定する処理に用いられる対応表(テーブル)の一例を示す図である。図5は、撮像モードが通常モードの場合に用いられる対応表の一例である。図6は、撮像モードが高精細モードの場合に用いられる対応表の一例である。図5及び図6のそれぞれは、最大電力、被曝限度、SID、及び体厚と、使用される付加フィルタとの関係を示している。例えば図5は、同一の最大電力において、被曝限度、SID及び体厚が大きいほど、薄い付加フィルタが使用される関係を示している(但し、付加フィルタ厚:A>B>C>D)。この関係は、体厚が25cmを超えた場合に、顕著に出現する。図6も同様の関係を示している。処理回路44は、撮像モードが通常モードの場合、すなわち、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズがFPD1の検出素子の素子サイズである場合、図5の対応表を読み出す。処理回路44は、撮像モードが高解像モードの場合、すなわち、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズがFPD2の検出素子の素子サイズである場合、図6の対応表を読み出す。
(ステップS125)
処理回路44は、ステップS124の処理において読み出した対応表と、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚とに基づいて、フィルタA~フィルタDの中から、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを決定する。処理回路44は、決定した付加フィルタに関するフィルタ特定情報を、メモリ41に記憶する。
ステップS124及びステップS125の処理では、処理回路44は、FPD素子サイズが大きい場合、FPD素子サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、FPD素子サイズが第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、FPD素子サイズが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。補足すると、この例では、FPD素子サイズが大きいか否かは、FPD素子サイズが第1の大きさ及び第2の大きさのうち、第2の大きさであるか否かに対応する。言い換えると、この例では、FPD素子サイズが大きい場合とは、FPD素子サイズが第1の大きさ及び第2の大きさのうちの第2の大きさであるときに対応する。但し、これに限らず、第1の大きさと第2の大きさとの間の大きさの基準値を用い、FPD素子サイズが基準値以上であるか否かに応じて、FPD素子サイズが大きいか否かを判定してもよい。FPD画素サイズが大きいか否かについても同様である。また、FPD素子サイズ(FPD画素サイズ)が小さい場合は、同様に、FPD素子サイズが第1の大きさ及び第2の大きさのうち、第1の大きさであるときに対応する。これに限らず、基準値との大小関係を用いてFPD素子サイズ(FPD画素サイズ)が小さい場合を定めてもよいことも同様である。
また、処理回路44は、FPD素子サイズに基づいて、FPD画素サイズを取得してもよい。この場合、処理回路44は、FPD画素サイズが大きい場合、FPD画素サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、FPD画素サイズが第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、FPD画素サイズが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。
また、処理回路44は、撮像モードが通常モードである場合、撮像モードが高精細モードである場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。また、処理回路44は、最大電力が大きい場合、最大電力が小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。また、処理回路44は、被曝限度が小さい場合、被曝限度が大きい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。また、処理回路44は、SIDが小さい場合、SIDが大きい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。また、処理回路44は、体厚が小さい場合、体厚が大きい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、X線検出器13における画素の大きさと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、複数のフィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタを選択する。
詳しくは、本実施形態のX線診断装置1は、次の透視におけるFPD素子サイズと、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択する。また、本実施形態のX線診断装置1は、次の透視におけるFPD画素サイズと、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択する。
また、本実施形態のX線診断装置1は、検出素子の大きさに基づいて、X線検出器13における画素の大きさを取得し、X線検出器13における画素の大きさと被検体の体厚に関する情報とに基づいて、X線検出器13における画素の大きさが大きい場合に、X線検出器13における画素の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタとして選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、FPD素子サイズが大きい場合に、FPD素子サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。また、本実施形態のX線診断装置1は、FPD画素サイズが大きい場合に、FPD画素サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。
すなわち、上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、体厚に加えて、FPD素子サイズを考慮することにより、目標線量の変化を考慮して、適切な付加フィルタを選択することができる。
例えば、FPD素子サイズが大きい場合、FPD素子サイズが小さい場合に比べて、FPD画素サイズが大きくなり、目標線量が小さくなる。このため、FPD素子サイズが大きい場合、厚みの大きい付加フィルタを使用した場合でも、目標線量を確保しやすい。本実施形態のX線診断装置1によれば、FPD素子サイズが大きい場合、FPD素子サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しやすい場合において、X線の低減率が大きい付加フィルタが選択されることにより、X線画像の画質を確保し、かつ、被検体の被曝線量を低減することができる。
また、例えば、FPD素子サイズが小さい場合、FPD素子サイズが大きい場合に比べて、FPD画素サイズが小さくなり、目標線量が大きくなる。このため、FPD素子サイズが小さい場合、厚みの小さい付加フィルタを使用した場合には、目標線量を確保しにくい。本実施形態のX線診断装置1によれば、FPD素子サイズが小さい場合、FPD画素サイズが大きい場合に比べて、厚みの小さい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しにくい場合において、X線の低減率が小さい付加フィルタが選択されることにより、目標線量に応じた適切な付加フィルタを選択することができる。
また、本実施形態のX線診断装置1は、X線検出器13における画素の大きさと、被検体の体厚に関する情報と、X線管の最大の出力、単位時間あたりの被写体へのX線の入射線量の上限値、及び線源受像面間距離のうち少なくとも1つと、に基づいて、複数のフィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタを選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、FPD画素サイズと体厚に加えて、最大電力、被曝限度、及びSIDのうち少なくとも1つに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択することにより、より適切な付加フィルタを選択することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。本実施形態では、処理回路44は、FPD素子サイズの代わりに、ビニング数に基づいて、次の透視において使用する付加フィルタを決定する。ビニング数は、複数のFPD検出素子をFPDの1画素として扱う制御方法(ビニング制御)における、FPDの1画素に対応するFPD検出素子の数である。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
X線検出器13には、1種類のFPDが設けられている。
処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視におけるビニング数と、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。ここで、FPD画素サイズは、ビニング数の変化に応じて変化する。すなわち、処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視におけるFPD画素サイズと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。
処理回路44は、X線制御機能445及び画像生成機能446により、ビニング数を制御することにより、選択された撮像モードに応じてFPD画素サイズを切り替える。例えば、撮像モードとして通常モードが選択された場合、処理回路44は、ビニング数を4に制御し、FPD画素サイズをFPDの検出素子の4つ分に制御する。この場合、処理回路44は、4つのFPDの検出素子をFPDの1画素とし、4つの検出素子からの出力を1つに束ねて、FPDの1画素に対応する出力として読み出す。また、例えば、撮像モードとして高精細モードが選択された場合、処理回路44は、ビニング数を1に制御し、FPD画素サイズをFPDの検出素子の1つ分に制御する。この場合、処理回路44は、1つのFPDの検出素子をFPDの1画素とし、FPDの検出素子のそれぞれの出力を、FPDにおける1画素に対応する出力として読み出す。
他の構成は、第1の実施形態と同じである。
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。図7は、本実施形態に係るX線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したステップS114のフィルタ選択処理に対応している。図7におけるステップS131~ステップS132の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS121~ステップS122の処理と同様のため、説明を省略する。
(フィルタ選択処理)
(ステップS133)
処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41から透視回数Nの透視における撮像条件を読み出す。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得することにより、次の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件として、例えば、ビニング数、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを取得する。
(ステップS134)
処理回路44は、ステップS133の処理において取得した透視回数Nの透視におけるビニング数に基づいて、メモリ41に記憶された複数の対応表(テーブル)から対応する対応表を読み出す。例えば、ビニング数が4である場合、図5の対応表が選択される。また、例えば、ビニング数が1である場合、図6の対応表が選択される。
(ステップS135)
処理回路44は、ステップS134の処理において読み出した対応表と、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚とに基づいて、フィルタA~フィルタDの中から、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを決定する。
ステップS134及びステップS135の処理では、処理回路44は、ビニング数が大きい場合、ビニング数が小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。すなわち、処理回路44は、FPD画素サイズが大きい場合、FPD画素サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、ビニング数が第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、ビニング数が第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。また、処理回路44は、ビニング数に基づいて、FPD画素サイズを取得してもよい。この場合、処理回路44は、FPD画素サイズが大きい場合、FPD画素サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、FPD画素サイズが第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、FPD画素サイズが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。その他の処理は、第1の実施形態のステップS124及びステップS125の処理と同じであるため、説明を省略する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、X線検出器13の1画素に対応する検出素子の数に基づいて、X線検出器13における画素の大きさを取得し、X線検出器13における画素の大きさと被検体の体厚に関する情報とに基づいて、X線検出器13における画素の大きさが大きい場合に、X線検出器13における画素の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタとして選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、ビニング数と、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択する。また、本実施形態のX線診断装置1は、ビニング数が大きい場合に、ビニング数が小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。
ビニング数が異なる場合、FPD画素サイズが異なるため、目標線量が異なり、適切な付加フィルタが異なる。上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、体厚に加えて、ビニング数を考慮することにより、目標線量の変化を考慮して、適切な付加フィルタを選択することができる。
例えば、ビニング数が大きい場合、ビニング数が小さい場合に比べて、FPD画素サイズが大きくなり、目標線量が小さくなる。このため、ビニング数が大きい場合、厚みの大きい付加フィルタを使用した場合でも、目標線量を確保しやすい。本実施形態のX線診断装置1によれば、ビニング数が大きい場合、ビニング数が小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しやすい場合において、X線の低減率が大きい付加フィルタが選択されることにより、X線画像の画質を確保し、かつ、被検体の被曝線量を低減することができる。
また、例えば、ビニング数が小さい場合、ビニング数が大きい場合に比べて、FPD画素サイズが小さくなり、目標線量が大きくなる。このため、ビニング数が小さい場合、厚みの小さい付加フィルタを使用した場合には、目標線量を確保しにくい。本実施形態のX線診断装置1によれば、FPD画素サイズが小さい場合、FPD画素サイズが大きい場合に比べて、厚みの小さい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しにくい場合において、X線の低減率が小さい付加フィルタが選択されることにより、目標線量に応じた適切な付加フィルタを選択することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。本実施形態では、処理回路44は、FPD素子サイズの代わりに、X線検出器13による出力に基づくX線画像における画素サイズに基づいて、次の透視において使用する付加フィルタを決定する。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
X線検出器13には、1種類のFPDが設けられている。
処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視における画素サイズと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。
処理回路44は、X線制御機能445及び画像生成機能446により、選択された撮像モードに応じて、画素サイズを切り替える。例えば、撮像モードとして通常モードが選択された場合、処理回路44は、画素サイズをFPDの画素の4つ分に制御する。この場合、処理回路44は、4つのFPDの画素からの出力を1つに束ねて、X線画像の1画素に対応する出力として読み出す。また、例えば、撮像モードとして高精細モードが選択された場合、処理回路44は、画素サイズをFPDの画素の1つ分に制御する。この場合、処理回路44は、FPDの画素のそれぞれの出力を、X線画像における1画素に対応する出力として読み出す。FPDの画素の1つ分の画素サイズは、画素サイズの第1の大きさの一例である。FPDの画素の4つ分の画素サイズは、画素サイズの第2の大きさの一例である。
他の構成は、第1の実施形態と同じである。
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。図8は、本実施形態に係るX線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したステップS114のフィルタ選択処理に対応している。図8におけるステップS141~ステップS142の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS121~ステップS122の処理と同様のため、説明を省略する。
(フィルタ選択処理)
(ステップS143)
処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41から透視回数Nの透視における撮像条件を読み出す。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得することにより、次の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件として、例えば、画素サイズ、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを取得する。
(ステップS144)
処理回路44は、ステップS143の処理において取得した透視回数Nの透視における画素サイズに基づいて、メモリ41に記憶された複数の対応表(テーブル)から対応する対応表を読み出す。例えば、画素サイズがFPDの画素の4つ分である場合、図5の対応表が選択される。また、例えば、画素サイズがFPDの画素の1つ分である場合、図6の対応表が選択される。
(ステップS145)
処理回路44は、ステップS144の処理において読み出した対応表と、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚とに基づいて、フィルタA~フィルタDの中から、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを決定する。
ステップS144及びステップS145の処理では、処理回路44は、画素サイズが大きい場合、画素サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、画素サイズが第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、画素サイズが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。その他の処理は、第1の実施形態のステップS124及びステップS125の処理と同じであるため、説明を省略する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、X線検出器13による出力に基づくX線画像における画素の大きさと被検体の体厚に関する情報とに基づいて、X線検出器13による出力に基づくX線画像における画素の大きさが大きい場合に、X線検出器13による出力に基づくX線画像における画素の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタとして選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、画素サイズと、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択し、画素サイズが大きい場合に、画素サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。
すなわち、上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、体厚に加えて、画素サイズを考慮することにより、目標線量の変化を考慮して、適切な付加フィルタを選択することができる。
例えば、画素サイズが大きい場合、画素サイズが小さい場合に比べて、目標線量が小さくなるため、厚みの大きい付加フィルタを使用した場合でも、目標線量を確保しやすい。本実施形態のX線診断装置1によれば、画素サイズが大きい場合、画素サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しやすい場合において、X線の低減率が大きい付加フィルタが選択されることにより、X線画像の画質を確保し、かつ、被検体の被曝線量を低減することができる。
また、例えば、画素サイズが小さい場合、画素サイズが大きい場合に比べて、目標線量が大きくなるため、厚みの小さい付加フィルタを使用した場合には、目標線量を確保しにくい。本実施形態のX線診断装置1によれば、画素サイズが小さい場合、画素サイズが大きい場合に比べて、厚みの小さい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しにくい場合において、X線の低減率が小さい付加フィルタが選択されることにより、目標線量に応じた適切な付加フィルタを選択することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。本実施形態では、処理回路44は、FPD素子サイズの代わりに、視野サイズに基づいて、次の透視において使用する付加フィルタを決定する。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視における視野サイズと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。
他の構成は、第1の実施形態と同じである。
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。図9は、本実施形態に係るX線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したステップS114のフィルタ選択処理に対応している。図9におけるステップS151~ステップS152の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS121~ステップS122の処理と同様のため、説明を省略する。
(フィルタ選択処理)
(ステップS153)
処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41から透視回数Nの透視における撮像条件を読み出す。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得することにより、次の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件として、例えば、視野サイズ、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを取得する。
(ステップS154)
処理回路44は、ステップS153の処理において取得した透視回数Nの透視における視野サイズに基づいて、メモリ41に記憶された複数の対応表(テーブル)から対応する対応表を読み出す。例えば、視野サイズが第1の大きさである場合、図6の対応表が選択される。また、例えば、視野サイズが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、図5の対応表が選択される。
(ステップS155)
処理回路44は、ステップS154の処理において読み出した対応表と、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚とに基づいて、フィルタA~フィルタDの中から、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを決定する。
ステップS154及びステップS155の処理では、処理回路44は、視野サイズが大きい場合、視野サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、視野サイズが第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、視野サイズが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。その他の処理は、第1の実施形態のステップS124及びステップS125の処理と同じであるため、説明を省略する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、X線照射領域の大きさと被検体の体厚に関する情報とに基づいて、X線照射領域の大きさが大きい場合に、X線照射領域の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタとして選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、視野サイズと、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択し、視野サイズが大きい場合に、視野サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。
異なる視野サイズで透視を行う場合、散乱線の影響や目標線量が異なるため、適切な付加フィルタが異なる。上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、体厚に加えて、視野サイズを考慮することにより、散乱線の影響及び目標線量の変化を考慮して、適切な付加フィルタを選択することができる。
例えば、視野サイズが大きい場合、視野サイズが小さい場合に比べて、X線が照射される領域が大きくなるため、散乱線が増加する。散乱線が増加すると、X線検出器13に入射するX線の線量が増加するため、厚みの大きい付加フィルタを使用した場合でも、目標線量を確保しやすい。本実施形態のX線診断装置1によれば、視野サイズが大きい場合、視野サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しやすい場合において、X線の低減率が大きい付加フィルタが選択されることにより、X線画像の画質を確保し、かつ、被検体の被曝線量を低減することができる。
また、例えば、視野サイズが小さい場合、視野サイズが大きい場合に比べて、X線が照射される領域が小さくなるため、散乱線が減少する。散乱線が減少すると、X線検出器13に入射するX線の線量が減少するため、厚みの小さい付加フィルタを使用した場合には、目標線量を確保しにくい。本実施形態のX線診断装置1によれば、視野サイズが小さい場合、視野サイズが大きい場合に比べて、厚みの小さい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しにくい場合において、X線の低減率が小さい付加フィルタが選択されることにより、目標線量に応じた適切な付加フィルタを選択することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。本実施形態では、処理回路44は、FPD素子サイズの代わりに、焦点サイズに基づいて、次の透視において使用する付加フィルタを決定する。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視における焦点サイズと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。
他の構成は、第1の実施形態と同じである。
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。図10は、本実施形態に係るX線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したステップS114のフィルタ選択処理に対応している。図10におけるステップS161~ステップS162の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS121~ステップS122の処理と同様のため、説明を省略する。
(フィルタ選択処理)
(ステップS163)
処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41から透視回数Nの透視における撮像条件を読み出す。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得することにより、次の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件として、例えば、焦点サイズ、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを取得する。
(ステップS164)
処理回路44は、ステップS163の処理において取得した透視回数Nの透視における焦点サイズに基づいて、メモリ41に記憶された複数の対応表(テーブル)から対応する対応表を読み出す。例えば、焦点サイズが中焦点である場合、図5の対応表が選択される。また、例えば、焦点サイズが小焦点である場合、図6の対応表が選択される。
(ステップS165)
処理回路44は、ステップS164の処理において読み出した対応表と、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚とに基づいて、フィルタA~フィルタDの中から、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを決定する。
ステップS164及びステップS165の処理では、処理回路44は、焦点サイズが大きい場合、焦点サイズが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、小焦点の焦点サイズである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、中焦点の焦点サイズである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。その他の処理は、第1の実施形態のステップS124及びステップS125の処理と同じであるため、説明を省略する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、被検体の体厚に関する情報と、X線管の管球の焦点の大きさとに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタを選択する。また、焦点の大きさが大きい場合に、焦点の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタとして選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、焦点サイズと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択する。また、本実施形態のX線診断装置1は、焦点サイズが大きい場合に、焦点サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。
異なる焦点サイズで透視を行う場合、管球の最大電力が異なるため、適切な付加フィルタが異なる。上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、体厚に加えて、焦点サイズを考慮することにより、最大電力の変化を考慮して、適切な付加フィルタを選択することができる。
例えば、焦点サイズが大きい場合、焦点サイズが小さい場合に比べて、管球の最大電力が大きく、管球の出力を大きくしやすい。このため、厚みの大きい付加フィルタを使用した場合でも、目標線量を確保しやすい。本実施形態のX線診断装置1によれば、焦点サイズが大きい場合、焦点サイズが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しやすい場合において、X線の低減率が大きい付加フィルタが選択されることにより、X線画像の画質を確保し、かつ、被検体の被曝線量を低減することができる。
また、例えば、焦点サイズが小さい場合、焦点サイズが大きい場合に比べて、管球の最大電力が小さく、管球の出力を大きくしにくい。このため、厚みの小さい付加フィルタを使用した場合には、目標線量を確保しにくい。本実施形態のX線診断装置1によれば、焦点サイズが小さい場合、焦点サイズが大きい場合に比べて、厚みの小さい付加フィルタが選択される。このため、目標線量を確保しにくい場合において、X線の低減率が小さい付加フィルタが選択されることにより、目標線量に応じた適切な付加フィルタを選択することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。本実施形態では、処理回路44は、FPD素子サイズの代わりに、パルスレートに基づいて、次の透視において使用する付加フィルタを決定する。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視におけるパルスレートと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択する。
他の構成は、第1の実施形態と同じである。
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。図11は、本実施形態に係るX線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図3に示したステップS114のフィルタ選択処理に対応している。図11におけるステップS171~ステップS172の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS121~ステップS122の処理と同様のため、説明を省略する。
(フィルタ選択処理)
(ステップS173)
処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41から透視回数Nの透視における撮像条件を読み出す。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を取得することにより、次の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件として、例えば、パルスレート、最大電力、被曝限度、体厚、及びSIDを取得する。
(ステップS174)
処理回路44は、ステップS173の処理において取得した透視回数Nの透視におけるパルスレートに基づいて、メモリ41に記憶された複数の対応表(テーブル)から対応する対応表を読み出す。例えば、パルスレートが第1の大きさである場合、図6の対応表が選択される。また、例えば、パルスレートが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、図5の対応表が選択される。
(ステップS175)
処理回路44は、ステップS174の処理において読み出した対応表と、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚とに基づいて、フィルタA~フィルタDの中から、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタを決定する。
ステップS174及びステップS175の処理では、処理回路44は、パルスレートが大きい場合、パルスレートが小さい場合に選択される付加フィルタの厚み以上の厚みを有する付加フィルタを選択する。例えば、処理回路44は、パルスレートが第1の大きさである場合、第1の厚みを有する第1のフィルタを選択し、パルスレートが第1の大きさよりも大きい第2の大きさである場合、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する第2のフィルタを選択する。その他の処理は、第1の実施形態のステップS124及びステップS125の処理と同じであるため、説明を省略する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、被検体の体厚に関する情報と、X線管から発せられたX線のパルスレートと、に基づいて、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタを選択する。また、パルスレートが大きい場合に、パルスレートが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、X線管の焦点からX線検出器13へのX線の経路に挿入されるフィルタとして選択する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、パルスレートと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、X線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを複数の付加フィルタの中から選択する。また、本実施形態のX線診断装置1は、パルスレートが大きい場合に、パルスレートが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタを選択する。
異なるパルスレートで透視を行う場合、透視において被検体に入射するX線の線量が異なるため、被曝限度に対する被検体に入射するX線の線量の関係が変化する。このため、異なるパルスレートで透視を行う場合、適切な付加フィルタが異なる。上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、体厚に加えて、パルスレートを考慮することにより、被曝限度に対する被検体に入射するX線の線量の関係を考慮して、適切な付加フィルタを選択することができる。
例えば、パルスレートが大きい場合、パルスレートが小さい場合に比べて、被検体に入射するX線の線量が大きく、被曝限度に到達しやすい。本実施形態のX線診断装置1によれば、パルスレートが大きい場合、パルスレートが小さい場合に比べて、厚みの大きい付加フィルタが選択される。このため、被曝上限に到達しやすい場合において、X線の低減率が大きい付加フィルタが選択されることにより、被検体に入射するX線の線量が被曝限度を超えることを抑制することができる。
また、例えば、パルスレートが小さい場合、パルスレートが大きい場合に比べて、被検体に入射するX線の線量が小さく、被曝限度に到達しにくい。本実施形態のX線診断装置1によれば、パルスレートが小さい場合、パルスレートが大きい場合に比べて、厚みの小さい付加フィルタが選択される。このため、被曝限度に到達しにくい場合において、X線の低減率が小さい付加フィルタが選択されることにより、被曝限度に対する被検体に入射するX線の線量の関係に応じた適切な付加フィルタを選択することができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を以下の通りに変形したものである。第1の実施形態と同様の構成、動作、及び効果については、説明を省略する。
処理回路44は、撮像条件設定機能442により、複数回の透視の実行を含む検査において、直前に実行された透視におけるX線検出器13の出力に基づいて、次に実行される透視におけるX線の焦点の大きさを決定する。また、処理回路44は、決定した結果に応じて、X線の焦点サイズを設定する。ここで、「焦点の大きさ」と「焦点サイズ」とは、一対一に対応してもよく、多対一に対応してもよい。一対一に対応する場合、「焦点の大きさ」及び「焦点サイズ」の両者は、「小焦点」又は「中焦点」として決定及び設定してもよい。あるいは、一対一に対応する場合でも、制御グリッド電極を用いるときには、「焦点の大きさ」及び「焦点サイズ」の両者は、例えば、0.2~0.7mmの範囲内の値として決定及び設定してもよい。これに対し、多対一に対応する場合、「焦点の大きさ」を、例えば、0.2~0.4mmの範囲内の値として決定し、「焦点サイズ」を小焦点として設定するようにしてもよい。あるいは、「焦点の大きさ」を、例えば、0.5~0.7mmの範囲内の値として決定し、「焦点サイズ」は中焦点として設定するようにしてもよい。
具体的には、処理回路44は、撮像条件設定機能442により、入力インターフェース43への操作に応じて実行される第1の透視におけるX線検出器13の出力に基づいて、第1の透視の後に入力インターフェース43への操作に応じて実行される第2の透視における焦点サイズを決定し、第2の透視におけるX線検出器13の出力に基づいて、第2の透視の後に入力インターフェース43への操作に応じて実行される第3の透視における焦点サイズを決定する。補足すると、処理回路44は、例えば、第1の動画撮像及び第2の動画撮像において、前のフレームにおけるX線検出器13の出力に基づいて、後のフレームにおけるX線の照射の条件及びX線画像にかけるゲインのうち少なくとも一方を設定する制御を行う。また、処理回路44は、第1の動画撮像におけるX線の照射の条件を介することにより、第1の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。さらに、処理回路44は、第2の動画撮像におけるX線の照射の条件を介することにより、第2の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。
また、処理回路44は、例えば、第1の透視においてX線検出器13の出力によって生成されるX線画像に基づいて、第1の透視におけるX線条件を取得し、第1の透視におけるX線条件に基づいて、第2の透視における焦点サイズを決定するようにしてもよい。第1の透視は第1の動画撮像の一例であり、第2の透視は第2の動画撮像の一例であり、第3の透視は第3の動画撮像の一例である。
他の構成は、第1の実施形態と同じである。
以下、X線診断装置1により実行されるフィルタ選択処理の動作について説明する。図12は、本実施形態に係るX線診断装置1により実行される撮像条件設定処理の手順の一例を示すフローチャートであり、図2に示したステップS101の撮像条件設定処理に対応している。図12におけるステップS211~ステップS212、ステップS214の処理は、それぞれ、第1の実施形態におけるステップS111~ステップS112、ステップS114の処理と同様のため、説明を省略する。
(撮像条件設定処理)
(ステップS213)
処理回路44は、検査開始後の初めての透視における既定の撮像条件をメモリ41から読み出し、読み出した既定の撮像条件を、次に実行される透視における撮像条件として設定する。このとき、処理回路44は、次に実行される透視における焦点サイズとして、小焦点を設定する。
(ステップS215)
処理回路44は、透視回数Nの透視において、小焦点の焦点サイズで透視を行う場合と中焦点の焦点サイズで透視を行う場合とのそれぞれについて、X線発生部12においてX線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合の撮像条件(以下、撮像条件推定値と呼ぶ)を算出する。撮像条件推定値は、管球の短時間定格及び連続定格等に関する条件を満たし、かつ、X線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合の撮像条件である。具体的には例えば、透視回数N=2の場合、処理回路44は、第1の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて取得されたX線の焦点サイズ、管電圧、管電流及びパルス幅、AGC倍率、及びフィルタ特定情報に基づいて、第2の動画撮像における撮像条件推定値を算出してもよい。ここで、透視回数N=2の場合に、第1の動画撮像及び第2の動画撮像は、それぞれ第(N-1)の動画撮像及び第Nの動画撮像に対応する。また、透視回数N=3の場合、処理回路44は、第2の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて取得されたX線の焦点サイズ、管電圧、管電流及びパルス幅、AGC倍率、及びフィルタ特定情報に基づいて、第3の動画撮像における撮像条件推定値を算出してもよい。同様に、透視回数N=3の場合に、第2の動画撮像及び第3の動画撮像は、それぞれ第(N-1)の動画撮像及び第Nの動画撮像に対応する。
撮像条件推定値は、X線発生部12においてX線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合のX線条件(以下、X線条件推定値と呼ぶ)と、X線発生部12においてX線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合にAGCにより適用されることが予測されるAGC倍率(以下、AGC倍率推定値)と、を含む。X線条件推定値は、X線発生部12においてX線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合の管電圧(以下、管電圧推定値と呼ぶ)と、X線発生部12においてX線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合の管電流(以下、管電流推定値と呼ぶ)と、X線発生部12においてX線検出器入射線量を目標線量に出来る限り近づけた場合のパルス幅(以下、パルス幅推定値と呼ぶ)とを含む。なお、撮像条件推定値は、X線画像の画質を確保するために必要なX線管の出力(以下、目標出力と呼ぶ)に関する条件を満たす管電圧推定値、当該条件を満たす管電流推定値、目標出力に関する当該条件を満たすパルス幅推定値、及び、目標出力に関する当該条件を満たすAGC倍率推定値のうち少なくとも1つを含む、ものとしてもよい。
撮像条件推定値を算出する処理としては、例えば、今回の透視のX線条件をX{kV,mA,msec,AGC}とし、前回又は今回の条件の関数をh(Focus,BF,BF直前,kV直前,mA直前,msec直前,AGC直前)としたとき、次式に基づく処理を実行する。
X{kV,mA,msec,AGC}=h(Focus,BF,BF直前,kV直前,mA直前,msec直前,AGC直前
但し、上式中、kV:管電圧、mA:管電流、msec:パルス幅、AGC:AGC倍率、Focus:焦点サイズ、BF:フィルタ特定情報、添え字「直前」:直前の透視における条件、添え字なし:今回の透視における条件とする。
撮像条件推定値を算出する処理において、処理回路44は、まず、透視回数N-1の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、例えば、メモリ41に記憶されている透視回数N-1の透視における撮像条件を読み出すことにより、透視回数N-1の透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数N-1の透視における撮像条件を取得することにより、検査開始後に実行された透視のうち、直前に実行された透視における撮像条件を取得する。処理回路44は、透視回数N-1の透視における撮像条件として、例えば、焦点サイズ、フィルタ特定情報、管電圧、管電流、パルス幅及びAGC倍率を取得する。前述のように、透視の実行中には、被写体条件の変化に基づいてX線条件等を変更するフィードバック制御が行われ、透視の終了時には、管電圧、管電流、パルス幅、及びAGC倍率のうちの少なくとも一つが被写体条件の変化に応じて適切に制御された状態となる。したがって、直前に実行された透視における撮像条件を取得することにより、被写体条件の変化に応じて適切に制御された撮像条件を取得することができる。なお、直前に実行された透視において生成されたX線画像に基づく演算処理により、被写体条件の変化に応じてさらに適切に制御された撮像条件を算出し、算出した撮像条件を、直前に実行された透視における撮像条件として取得してもよい。
次に、処理回路44は、透視回数N-1の透視における焦点サイズ、フィルタ特定情報、管電圧、管電流、パルス幅、及びAGC倍率に基づいて、目標出力を算出する。処理回路44は、目標出力と透視回数Nの透視におけるフィルタ特定情報とに基づいて、小焦点の焦点サイズで透視を行う場合における管電圧推定値Vp1、管電流推定値Ip1、パルス幅推定値Wp1、及び、AGC倍率推定値Mp1と、中焦点の焦点サイズで透視を行う場合における管電圧推定値Vp2、管電流推定値Ip2、パルス幅推定値Wp2、及び、AGC倍率推定値Mp2とを、それぞれ算出する。なお、小焦点と中焦点との各々の焦点サイズのうち、直前の焦点サイズと同じ焦点サイズの場合には、直前の撮像条件と略同一の撮像条件を表す撮像条件推定値が算出される。補足すると、例えば、透視回数N=2の場合、処理回路44は、X線の焦点の大きさが異なる複数の焦点サイズのそれぞれについて、第2の動画撮像における撮像条件推定値を算出し、X線の焦点の大きさとして決定された焦点サイズに対応する撮像条件推定値を第2の動画撮像における撮像条件として決定する。また同様に、例えば、透視回数N=3の場合、処理回路44は、X線の焦点の大きさが異なる複数の焦点サイズのそれぞれについて、第3の動画撮像における撮像条件推定値を算出し、X線の焦点の大きさとして決定された焦点サイズに対応する撮像条件推定値を第3の動画撮像における撮像条件として決定する。
(ステップS216)
処理回路44は、ステップS215で取得した透視回数N-1の透視における撮像条件に基づいて、透視回数N-1の透視の焦点サイズが小焦点であるか否かを判断する。透視回数N-1の透視の焦点サイズが小焦点である場合(ステップS216-Yes)、処理はステップS217に進む。透視回数N-1の透視の焦点サイズが小焦点でない場合(ステップS216-No)、処理回路44は、透視回数N-1の透視の焦点サイズが中焦点であると判断し、処理はステップS221に進む。
(ステップS217)
処理回路44は、管電圧推定値Vp1が閾値Vth1以下であるか否かを判断する。閾値Vth1は、生成されるX線画像のコントラストが所定の条件を満たすか否かを判断するための値である。閾値Vth1は、例えば、20~150kVの範囲から定めた値である。閾値Vth1は、所定の値が設定されていてもよく、検査ごとに操作者によって入力されてもよい。閾値Vth1は、判定値の一例である。また、閾値Vth1は、第1の値の一例である。管電圧推定値Vp1が閾値Vth1以下である場合(ステップS217-Yes)、処理はステップS218に進む。管電圧推定値Vp1が閾値Vth1以下でない場合(ステップS217-No)、すなわち、管電圧推定値Vp1が閾値Vth1より大きい場合、処理は、ステップS219に進む。
(ステップS218)
処理回路44は、被曝限度到達指数Rが閾値β以下であるか否かを判断する。ここで、被曝限度到達指数R(=G/L ×100[%])は、被曝限度Lに対する被曝線量推定値Gの割合である。被曝限度(Dose Limit)Lは、単位時間あたりに被検体に入射するX線の線量(入射線量率)に関する上限値である。すなわち、被曝限度Lは、被曝線量の上限値である。被曝限度Lは、例えば、使用される国等に応じて予め設定される。被曝限度Lは、例えば、50mGr/minや87mGr/minなどの値である。被曝線量推定値Gは、中焦点の焦点サイズで透視を行う場合の撮像条件推定値を撮像条件として、透視回数Nの透視を行う場合に、被検体に入射することが予測されるX線の線量である。閾値βは、被曝限度Lに対する被曝線量推定値Gの余裕が十分あるか否かを判定するための値である。閾値βは、線量判定値の一例である。閾値βは、例えば、90~99%の範囲から定めた値である。閾値βは、所定の値が設定されていてもよく、透視ごとに、操作者によって入力されてもよい。
ステップS218の処理では、処理回路44は、まず、管電圧推定値Vp2、管電流推定値Ip2、パルス幅推定値Wp2、AGC倍率推定値Mp2、及び、N回目の透視におけるフィルタ特定情報に基づいて、被曝線量推定値Gを算出する。そして、被曝線量推定値Gと被曝限度Lとに基づいて、被曝限度到達指数Rを算出する。被曝限度到達指数Rが閾値β以下である場合(ステップS218-Yes)、処理回路44は、中焦点に対応する撮像条件推定値を撮像条件として透視回数Nの透視を行う場合に、被曝限度Lに対する入射線量率の余裕が十分あると判断し、処理はステップS220に進む。被曝限度到達指数Rが閾値βより大きい場合(ステップS218-No)、処理回路44は、中焦点に対応する撮像条件推定値を撮像条件として透視回数Nの透視を行う場合に、被曝限度Lに対する入射線量率の余裕が十分ないと判断し、処理はステップS219に進む。
(ステップS219)
処理回路44は、透視回数Nの透視における焦点サイズを、小焦点に設定する。また、処理回路44は、小焦点に対応する撮像条件推定値を、透視回数Nの透視における撮像条件として設定する。このとき、処理回路44は、管電圧推定値Vp1を透視回数Nの透視における管電圧として設定し、管電流推定値Ip1を透視回数Nの透視における管電流とし、パルス幅推定値Wp1を透視回数Nの透視におけるパルス幅として設定し、AGC倍率推定値Mp1を透視回数Nの透視におけるAGC倍率として設定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
(ステップS220)
処理回路44は、透視回数Nの透視における焦点サイズを、中焦点に設定する。また、処理回路44は、中焦点に対応する撮像条件推定値を、透視回数Nの透視における撮像条件として設定する。このとき、処理回路44は、管電圧推定値Vp2を透視回数Nの透視における管電圧として設定し、管電流推定値Ip2を透視回数Nの透視における管電流とし、パルス幅推定値Wp2を透視回数Nの透視におけるパルス幅として設定し、AGC倍率推定値Mp2を透視回数Nの透視におけるAGC倍率として設定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
(ステップS221)
処理回路44は、管電圧推定値Vp1が閾値Vth2以下であるか否かを判断する。閾値Vth2は、閾値Vth1よりも設定値α1だけ小さい。すなわち、Vth2=Vth1-αとなる。設定値α1は、中焦点から小焦点への切り替えを判定するための管電圧の余裕分を表す値であり、例えば、1~10kVの範囲から定めた値である。設定値α1は、所定の値が設定されていてもよく、検査ごとに操作者によって入力されてもよい。閾値Vth2は、判定値の一例である。また、閾値Vth2は、第2の値の一例である。管電圧推定値Vp1が閾値Vth2以下である場合(ステップS221-Yes)、処理はステップS222に進む。管電圧推定値Vp1が閾値Vth2以下でない場合(ステップS221-No)、すなわち、管電圧推定値Vp1が閾値Vth2より大きい場合、処理は、ステップS223に進む。
(ステップS222)
ステップS222の処理は、ステップS219の処理と同じである。すなわち、処理回路44は、透視回数Nの透視における焦点サイズを、小焦点に設定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
(ステップS223)
ステップS223の処理は、ステップS220の処理と同じである。すなわち、処理回路44は、透視回数Nの透視における焦点サイズを、中焦点に設定する。そして、処理回路44は、撮像条件設定処理を終了し、処理はステップS103に進む。
撮像条件設定処理が終了すると、処理回路44は、撮像条件設定処理において設定された撮像条件に基づいて、透視回数Nの透視を実行する。そして、透視回数Nの透視の終了後、次の透視が実行される場合、処理回路44は、再びステップS101の撮像条件設定処理を実行する。このとき、処理回路44は、透視回数Nの透視における撮像条件を設定する処理と同様にして、透視回数Nの透視におけるX線条件に基づいて、透視回数N+1の透視における焦点サイズを含む、撮像条件を決定する。
以下、本実施形態に係るX線診断装置1の効果について説明する。
本実施形態のX線診断装置1は、操作部への操作に応じて実行される第1の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて、第1の動画撮像の後に操作部への操作に応じて実行される第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。また、第2の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて、第2の動画撮像の後に操作部への操作に応じて実行される第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、入力インターフェース43への操作に応じて直前に実行された透視におけるX線検出器13の出力に基づいて、入力インターフェース43への操作に応じて次に実行される透視における焦点サイズを決定する。
例えば、本実施形態のX線診断装置1は、入力インターフェース43への操作に応じて実行される透視回数N-1の透視におけるX線条件に基づいて、透視回数N-1の透視の後に入力インターフェース43への操作に応じて実行される透視回数Nの透視における焦点サイズを決定し、透視回数Nの透視におけるX線条件に基づいて、透視回数Nの透視の後に入力インターフェース43への操作に応じて実行される透視回数N+1の透視における焦点サイズを決定する。
また、本実施形態のX線診断装置1は、第1の動画撮像の終了時におけるX線検出器13の出力に基づいて、第2の動画撮像の開始時におけるX線の焦点の大きさを決定し、第2の動画撮像の終了時におけるX線検出器13の出力に基づいて、第3の動画撮像の開始時におけるX線の焦点の大きさを決定する。
例えば、本実施形態のX線診断装置1は、透視回数N-1の透視の終了時におけるX線条件に基づいて、透視回数Nの開始時におけるX線の焦点の大きさを決定し、透視回数Nの透視の終了時におけるX線条件の出力に基づいて、透視回数N+1の透視の開始時におけるX線の焦点の大きさを決定する。
また、本実施形態のX線診断装置1は、第1の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて、第2の動画撮像について、特定のX線の焦点の大きさを用いた場合における目標出力に関する条件を満たす撮像条件推定値を算出し、第2の動画撮像における撮像条件推定値に基づいて第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。また、第2の動画撮像におけるX線検出器13の出力に基づいて、第3の動画撮像について撮像条件推定値を算出し、第3の動画撮像における撮像条件推定値に基づいて第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。
例えば、本実施形態のX線診断装置1は、透視回数N-1の透視におけるX線条件に基づいて透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1を算出し、管電圧推定値Vp1に基づいて透視回数Nの透視における焦点サイズを決定し、透視回数Nの透視におけるX線条件に基づいて透視回数N+1の透視における管電圧推定値Vp1を算出し、管電圧推定値Vp1に基づいて透視回数N+1の透視における焦点サイズを決定する。
すなわち、上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、直前の透視におけるX線検出器13の出力に基づいて、フットスイッチを踏みなおすことにより実行される次の透視における焦点サイズを決定することができる。このため、次の透視において、直前の透視におけるX線条件に応じた焦点サイズを設定することができる。したがって、直前の透視の実行中に被検体の厚みが変化することにより、コントラストが所定の条件を満たすX線画像を生成するために適切な焦点サイズが変化した場合であっても、フィードバック制御により被検体の厚みに応じて適切な値に制御されたX線条件に基づいて、次の透視における適切な焦点サイズを自動的に設定することができる。これにより、次の透視において生成されるX線画像の画質の向上を図ることができる。例えば、被写体厚が薄く管球出力に余裕がある場合には小焦点を設定することでシャープな画像を生成することができる。一方、被写体厚が厚く、小焦点で管電圧が高くなる場合には高出力の中焦点に切り替えることで、コントラストの強い画像やノイズの少ない画像を生成することができる。
また、本実施形態のX線診断装置1は、第2の動画撮像における撮像条件推定値が判定値以下である場合、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさとして第1の焦点サイズを設定し、第2の動画撮像における撮像条件推定値が判定値よりも大きい場合、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさとして第1の焦点サイズよりも大きい第2の焦点サイズを決定する。また、第3の動画撮像における撮像条件推定値が判定値以下である場合、第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさとして第1の焦点サイズを設定し、第3の動画撮像における撮像条件推定値が判定値よりも大きい場合、第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさとして第2の焦点サイズを決定する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、例えば、ステップS221の処理において、透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1が閾値Vth2以下である場合、透視回数Nの透視における焦点サイズを小焦点に決定し、透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1が閾値Vth2よりも大きい場合、透視回数Nの透視における焦点サイズを中焦点に決定する。
例えば、中焦点の焦点サイズを使用した直前の透視の実行中において被検体の厚みが小さくなった場合、所定の明るさ以上のX線画像を生成するために必要なX線管の出力が小さくなる。このような場合、本実施形態のX線診断装置1によれば、小焦点における管電圧推定値Vp1が閾値Vth2以下になり、次の透視における焦点サイズが小焦点に設定される。これにより、X線管の出力に余裕がある場合には、すなわち、出力が小さい小焦点を用いた場合でも所定のコントラスト以上のX線画像を生成することができる場合には、次の透視における焦点サイズが小焦点に設定されることにより、焦点サイズが中焦点に設定される場合に比べて、解像度の高いX線画像を生成することができる。
また、例えば、小焦点の焦点サイズを使用した直前の透視の実行中において、被検体の厚みが大きくなった場合、所定の明るさ以上のX線画像を生成するために必要なX線管の出力が大きくなり、生成されるX線画像のコントラストが低下する。このような場合、本実施形態のX線診断装置1によれば、小焦点における管電圧推定値Vp1が閾値Vth2より大きくなり、次の透視における焦点サイズが中焦点に設定される。このため、次の透視において、小焦点に比べてX線管の出力を高くすることができる中焦点に焦点サイズが切り替えられることにより、必要な線量を確保し、かつ、管電圧を抑制することができる。したがって、小焦点の焦点サイズを継続して用いる場合に比べて、X線画像のコントラストを確保し、かつ、ノイズが少ないX線画像を生成することができる。
また、本実施形態のX線診断装置1は、第1の動画撮像におけるX線の焦点の大きさが第1の焦点サイズである場合、第1の値を判定値として、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、第1の動画撮像におけるX線の焦点の大きさが第2の焦点サイズである場合、第1の値とは異なる第2の値を判定値として、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。また、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさが第1の焦点サイズである場合、第1の値を判定値として、第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさが第2の焦点サイズである場合、第2の値を判定値として、第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。例えば、上記第2の値は、第1の値よりも小さい。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、例えば、透視回数N-1の透視における焦点サイズが小焦点である場合、透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1と閾値Vth1に基づいて、透視回数Nの透視における焦点サイズを決定し、透視回数N-1の透視における焦点サイズが中焦点である場合、透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1と閾値Vth2に基づいて、透視回数Nの透視における焦点サイズを決定する。ここで、閾値Vth2は、閾値Vth1よりも小さい。
すなわち、上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、次の透視における焦点サイズを中焦点から小焦点に切り替えるか否かを判断する閾値と、小焦点から中焦点に焦点サイズを切り替える閾値とが異なる。このため、例えば、直前の透視から次の透視に切り替わるごとに、閾値Vthよりも小さい範囲と閾値Vthよりも大きい範囲との間で管電圧推定値Vp1が切り替わる場合であっても、中焦点から小焦点への焦点サイズの切り替えを判断する閾値と小焦点から中焦点への焦点サイズの切り替えを判断する閾値とが異なるため、透視を実行するたびに焦点サイズが切り替えられることが防止される。
また、本実施形態のX線診断装置1は、第2の動画撮像における撮像条件推定値を第2の動画撮像における撮像条件として用いた場合における被曝線量の上限値に対する被曝線量推定値の割合と、第3の動画撮像における撮像条件推定値を第3の動画撮像における撮像条件として用いた場合における被曝線量の上限値に対する被曝線量推定値の割合とをさらに算出する。また、第1の動画撮像におけるX線の焦点の大きさが第1の焦点サイズで、かつ、第2の動画撮像における撮像条件推定値が判定値より大きく、かつ、第2の動画撮像における割合が線量判定値よりも大きい場合、第1の焦点サイズを第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさとして決定する。また、第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさが第1の焦点サイズで、かつ、第3の動画撮像における撮像条件推定値が判定値より大きく、かつ、第3の動画撮像における割合が線量判定値よりも大きい場合、第1の焦点サイズを第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさとして決定する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、例えば、透視回数N-1の透視における焦点サイズが小焦点で、透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1が閾値Vth1よりも大きく、かつ、被曝限度到達指数Rが閾値β以下である場合、透視回数Nの透視における焦点サイズを中焦点に決定し、透視回数N-1の透視における焦点サイズが小焦点で、透視回数Nの透視における管電圧推定値Vp1が閾値Vth1よりも大きく、かつ、被曝限度到達指数Rが閾値βより大きい場合、透視回数Nの透視における焦点サイズを小焦点に決定する。
したがって、本実施形態のX線診断装置1は、直前の透視において小焦点が使用されていた場合、次の透視において生成されるX線画像のコントラストが低くなり、かつ、焦点サイズとして中焦点を用いた場合における被曝限度に対する予測被曝線量の余裕が十分確保された場合にのみ、次の焦点サイズを中焦点に切り替える。一方、本実施形態のX線診断装置1は、次の透視において生成されるX線画像のコントラストが低くなる場合であっても、被曝限度に対する予測被曝線量の余裕が十分確保されない場合には、次の焦点サイズを中焦点に切り替えない。
すなわち、上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、被曝線量の余裕が一定以上確保される場合においてのみ、被検体の被曝線量が大きくなる中焦点に焦点サイズを切り替える。これにより、次の透視において被検体への被曝線量が被曝限度を超えることを確実に防止することができる。
また、本実施形態のX線診断装置1は、操作部への操作に応じて実行される第1の動画撮像におけるX線検出器13の出力と、フィルタ選択部により選択されたフィルタに関する情報とに基づいて、第1の動画撮像の後に操作部への操作に応じて実行される第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、第2の動画撮像におけるX線検出器13の出力と、フィルタ選択部により選択されたフィルタに関する情報とに基づいて、第2の動画撮像の後に操作部への操作に応じて実行される第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する。
要約すると、本実施形態のX線診断装置1は、体厚に加えて、FPD素子サイズを考慮することにより、目標線量の変化を考慮して、次の透視における適切な付加フィルタを選択する。そして、次の透視において適切に選択された付加フィルタを用いた場合の撮像条件推定値に基づいて、次の透視における適切な焦点サイズを決定する。
すなわち、上記の構成及び動作により、本実施形態のX線診断装置1によれば、直前の透視においてフィードバック制御により被検体の厚みに応じて適切な値に制御されたX線条件と、目標線量の変化を考慮して適切に選択された付加フィルタに基づいて、次の透視における適切な焦点サイズを設定することができる。これにより、次の透視において生成されるX線画像の画質がさらに向上する。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、目標線量に応じて適切な付加フィルタを決定することができるX線診断装置を提供することができる。
(第1の実施形態乃至第7の実施形態の変形例)
なお、処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタとして、フィルタA~フィルタDのうちの複数の付加フィルタを選択してもよい。また、処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視において使用する付加フィルタの選択結果として、フィルタA~フィルタDのうちいずれの付加フィルタも使用しないことを決定してもよい。
なお、X線発生部12に設けられる付加フィルタは1つでもよい。この場合、X線管とX線絞りの間に挿入される部位に応じて厚みが異なる付加フィルタが用いられ、フィルタ選択処理では、最大電力、被曝限度、SID、及び体厚と、付加フィルタの厚みとの関係を示す対応表が用いられる。処理回路44は、フィルタ選択機能443により、対応表、透視回数Nの透視における最大電力、被曝限度、SID、及び体厚に基づいて、X線管とX線絞りの間に挿入される部位における付加フィルタの厚みを決定する。そして、処理回路44は、駆動制御機能444により、決定された付加フィルタの厚みに基づいて、付加フィルタにおけるX線管とX線絞りの間に挿入される部位を調整する。この場合、フィルタ選択機能443を実現する処理回路44は、厚み決定部の一例である。
なお、第1の実施形態乃至第6の実施形態の構成うち複数の構成が組み合わされてもよい。例えば、処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズと、焦点サイズと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択してもよく、透視回数Nの透視におけるFPD素子サイズと、FPD画素サイズと、画素サイズと、焦点サイズと、パルスレートと、最大電力と、被曝限度と、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択してもよい。また、例えば、処理回路44は、フィルタ選択機能443により、透視回数Nの透視におけるFPD画素サイズと、画素サイズと、視野サイズと、焦点サイズと、最大電力と、被曝限度とのうちのいずれか一つと、体厚とに基づいて、複数の付加フィルタのうちX線管の焦点からX線検出器13までの経路に挿入する付加フィルタを選択してもよい。
なお、処理回路44は、フィルタ選択処理において、被検体の体厚に関する情報として、体厚の代わりに、透視回数N-1の透視において前述のフィードバック制御により被写体条件の変化に応じて適切に調整されたX線条件を用いてもよい。透視回数N-1の透視において前述のフィードバック制御により被写体条件の変化に応じて適切に調整されたX線条件は、例えば、透視回数N-1の透視の終了時におけるフィルタ特定情報、管電圧、管電流、パルス幅及びAGC倍率等である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、目標線量に応じて適切な付加フィルタを決定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…X線診断装置
10…撮影装置
11…高電圧発生装置
12…X線発生部
13…X線検出器
14…Cアーム
142…Cアーム駆動装置
15…X線発生部
30…寝台装置
31…基台
32…寝台駆動装置
33…天板
34…支持フレーム
40…コンソール装置
41…メモリ
42…ディスプレイ
43…入力インターフェース
44…処理回路
441…システム制御機能
442…撮像条件設定機能
443…フィルタ選択機能
444…駆動制御機能
445…X線制御機能
446…画像生成機能
447…表示制御機能
Vp1…管電圧推定値
Vp2…管電圧推定値
Ip1…管電流推定値
Ip2…管電流推定値
Mp1…AGC倍率推定値
Mp2…AGC倍率推定値
Wp1…パルス幅推定値
Wp2…パルス幅推定値
Vth1,Vth2,β…閾値
α1…設定値
R…被曝限度到達指数

Claims (19)

  1. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管から発せられたX線を減衰させるための複数のフィルタと、
    前記X線管におけるX線の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に対して、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つを挿入するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ及びX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記複数のフィルタのうち前記経路に挿入されるフィルタを選択するフィルタ選択部と、
    を備え、
    前記フィルタ選択部は、前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又は前記X線照射領域の大きさと、前記被検体の体厚に関する情報と、前記X線の焦点の大きさとに基づいて、前記経路に挿入されるフィルタを選択する、
    X線診断装置。
  2. 前記フィルタ選択部は、前記X線検出器における画素の大きさと前記被検体の体厚に関する情報とに基づいて、前記X線検出器における画素の大きさが大きい場合に、前記X線検出器における画素の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記X線検出器は、複数の検出素子を備え、
    前記フィルタ選択部は、前記検出素子の大きさに基づいて、前記X線検出器における画素の大きさを取得する、
    請求項2に記載のX線診断装置。
  4. 前記X線検出器は、複数の検出素子を備え、
    前記フィルタ選択部は、前記X線検出器の1画素に対応する前記検出素子の数に基づいて、前記X線検出器における画素の大きさを取得する、請求項2に記載のX線診断装置。
  5. 前記フィルタ選択部は、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさと前記被検体の体厚に関する情報とに基づいて、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさが大きい場合に、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項1に記載のX線診断装置。
  6. 前記フィルタ選択部は、前記X線照射領域の大きさと前記被検体の体厚に関する情報とに基づいて、前記X線照射領域の大きさが大きい場合に、前記X線照射領域の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項1に記載のX線診断装置。
  7. 前記フィルタ選択部は、
    前記焦点の大きさが大きい場合に、前記焦点の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項に記載のX線診断装置。
  8. 前記フィルタ選択部は、前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又は前記X線照射領域の大きさと、前記被検体の体厚に関する情報と、前記X線管から発せられたX線のパルスレートと、に基づいて、前記経路に挿入されるフィルタを選択する、請求項1乃至のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  9. 前記フィルタ選択部は、前記パルスレートが大きい場合に、前記パルスレートが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項に記載のX線診断装置。
  10. 前記フィルタ選択部は、前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又は前記X線照射領域の大きさと、前記被検体の体厚に関する情報と、X線管の最大の出力、単位時間あたりの被写体へのX線の入射線量の上限値、及び線源受像面間距離のうち少なくとも1つと、に基づいて、前記経路に挿入されるフィルタを選択する、請求項1乃至のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  11. 前記被検体の体厚に関する情報は、フィードバック制御により調整されたX線条件、又は、フィードバック制御により調整されたX線条件に基づいて算出された被検体の体厚の推定値である、請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載のX線診断装置。
  12. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に挿入される部位に応じて厚みが異なり、前記X線管から発せられたX線を減衰させるためのフィルタと、
    前記フィルタにおける前記経路に挿入される部位を調整するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又はX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記経路に挿入する部位における前記フィルタの厚みを決定する厚み決定部と、
    を備え、
    前記厚み決定部は、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又は前記X線照射領域の大きさと、前記被検体の体厚に関する情報と、前記X線の焦点の大きさとに基づいて、前記経路に挿入されるフィルタの厚みを決定し、
    前記X線照射領域の大きさと前記体厚に関する情報とに基づいて前記経路に挿入されるフィルタの厚みを決定する場合、前記X線照射領域の大きさの変更に応じて前記経路に挿入されるフィルタの厚みを決定する、
    X線診断装置。
  13. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に挿入される部位に応じて厚みが異なり、前記X線管から発せられたX線を減衰させるためのフィルタと、
    前記フィルタにおける前記経路に挿入される部位を調整するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又はX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記経路に挿入する部位における前記フィルタの厚みを決定する厚み決定部と、
    前記X線管と前記X線検出器とを用いた動画の撮像を指示するための操作部と、
    前記X線管によるX線の照射の条件を決定するX線条件決定部と、
    を備え、
    前記厚み決定部は、
    前記操作部への操作に応じて実行される第1の動画撮像における前記X線検出器の出力と、前記厚み決定部により決定された前記フィルタの厚みに関する情報とに基づいて、前記第1の動画撮像の後に前記操作部への操作に応じて実行される第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、
    前記第2の動画撮像における前記X線検出器の出力と、前記厚み決定部により決定された前記フィルタの厚みに関する情報とに基づいて、前記第2の動画撮像の後に前記操作部への操作に応じて実行される第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、
    前記X線照射領域の大きさと前記体厚に関する情報とに基づいて前記経路に挿入されるフィルタの厚みを決定する場合、前記X線照射領域の大きさの変更に応じて前記経路に挿入されるフィルタの厚みを決定する、
    X線診断装置。
  14. 前記フィルタ選択部は、
    前記焦点の大きさが大きい場合に、前記焦点の大きさが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項に記載のX線診断装置。
  15. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管から発せられたX線を減衰させるための複数のフィルタと、
    前記X線管におけるX線の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に対して、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つを挿入するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ及びX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記複数のフィルタのうち前記経路に挿入されるフィルタを選択するフィルタ選択部と、
    を備え、
    前記フィルタ選択部は、前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又は前記X線照射領域の大きさと、前記被検体の体厚に関する情報と、前記X線管から発せられたX線のパルスレートと、に基づいて、前記経路に挿入されるフィルタを選択する、
    X線診断装置。
  16. 前記フィルタ選択部は、前記パルスレートが大きい場合に、前記パルスレートが小さい場合に選択されるフィルタの厚み以上の厚みを有するフィルタを、前記経路に挿入されるフィルタとして選択する、
    請求項15に記載のX線診断装置。
  17. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管から発せられたX線を減衰させるための複数のフィルタと、
    前記X線管におけるX線の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に対して、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つを挿入するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ及びX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記複数のフィルタのうち前記経路に挿入されるフィルタを選択するフィルタ選択部と、
    前記X線管と前記X線検出器とを用いた動画の撮像を指示するための操作部と、
    前記X線管によるX線の照射の条件を決定するX線条件決定部と、
    を備え、
    前記X線条件決定部は、
    前記操作部への操作に応じて実行される第1の動画撮像における前記X線検出器の出力と、前記フィルタ選択部により選択された前記経路に挿入されるフィルタに関する情報とに基づいて、前記第1の動画撮像の後に前記操作部への操作に応じて実行される第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、
    前記第2の動画撮像における前記X線検出器の出力と、前記フィルタ選択部により選択された前記経路に挿入されるフィルタに関する情報とに基づいて、前記第2の動画撮像の後に前記操作部への操作に応じて実行される第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する、
    X線診断装置。
  18. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管から発せられたX線を減衰させるための複数のフィルタと、
    前記X線管におけるX線の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に対して、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つを挿入するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ及びX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記複数のフィルタのうち前記経路に挿入されるフィルタを選択するフィルタ選択部と、
    を備え、
    前記フィルタ選択部は、前記X線照射領域の大きさと前記体厚に関する情報とに基づいて前記経路に挿入されるフィルタを選択する場合、前記X線照射領域の大きさの変更に応じて前記経路に挿入されるフィルタを変更し、
    前記フィルタ選択部は、前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ又は前記X線照射領域の大きさと、前記被検体の体厚に関する情報と、前記X線の焦点の大きさとに基づいて、前記経路に挿入されるフィルタを選択する、
    X線診断装置。
  19. X線を発生させるX線管と、
    前記X線管から発せられたX線を検出するX線検出器と、
    前記X線管から発せられたX線を減衰させるための複数のフィルタと、
    前記X線管におけるX線の焦点から前記X線検出器へのX線の経路に対して、前記複数のフィルタのうちの少なくとも1つを挿入するフィルタ駆動部と、
    前記X線検出器における画素の大きさ、前記X線検出器による出力に基づくX線画像における画素の大きさ及びX線照射領域の大きさのうちの少なくとも一つと、被検体の体厚に関する情報と、に基づいて、前記複数のフィルタのうち前記経路に挿入されるフィルタを選択するフィルタ選択部と、
    前記X線管と前記X線検出器とを用いた動画の撮像を指示するための操作部と、
    前記X線管によるX線の照射の条件を決定するX線条件決定部と、
    を備え、
    前記フィルタ選択部は、前記X線照射領域の大きさと前記体厚に関する情報とに基づいて前記経路に挿入されるフィルタを選択する場合、前記X線照射領域の大きさの変更に応じて前記経路に挿入されるフィルタを変更し、
    前記X線条件決定部は、
    前記操作部への操作に応じて実行される第1の動画撮像における前記X線検出器の出力と、前記フィルタ選択部により選択された前記経路に挿入されるフィルタに関する情報とに基づいて、前記第1の動画撮像の後に前記操作部への操作に応じて実行される第2の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定し、
    前記第2の動画撮像における前記X線検出器の出力と、前記フィルタ選択部により選択された前記経路に挿入されるフィルタに関する情報とに基づいて、前記第2の動画撮像の後に前記操作部への操作に応じて実行される第3の動画撮像におけるX線の焦点の大きさを決定する、
    X線診断装置。
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