JP7372448B2 - セラミックスマトリックス複合材料及びその製造方法 - Google Patents

セラミックスマトリックス複合材料及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックスマトリックス複合材料及びその製造方法に関する。より具体的には、本発明は高強度のセラミックスマトリックス複合材料及びその製造方法に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月27日出願の日本特願2020-058286号の優先権を主張し、その全記載は、ここに特に開示として援用される。
セラミックス連続繊維をセラミックスマトリックスと複合化したセラミックスマトリックス複合材料(以下、「CMC」ともいう)は、通常のセラミックスにはない傷に対する許容性(損傷許容性)を有することから、Ni基合金などの耐熱金属の代替材料としての検討が進んでいる(特許文献1参照)。損傷許容性は、マトリックスに入った傷が繊維マトリックス界面で偏向することに由来する。
特にアルミナ、ムライト系酸化物を用いてなる酸化物系CMCは、酸素、水蒸気、Ca,Mg、Na、Siなどの環境物質への化学的安定性が高いことが知られている。そして、アルミナ、ムライト系酸化物をセラミックス連続繊維として用いたCMCは、特に航空用ジェットエンジン向け部材としての利用が期待されている(非特許文献1参照)。
CMCの製造方法においてはマトリックスを高密度化させるためにポリ塩化アルミニウム溶液(非特許文献2参照)や、アルミニウムアルコキシド溶液(非特許文献3参照)を用いた含侵法が用いられてきた。含侵法とは仮焼したCMCにアルミニウム前駆体溶液を含浸後、熱分解させ緻密化を促進させる方法であり、含侵した前駆体溶液がセラミックスマトリックス中の空隙に入り込み熱処理によってアルミナに変化することでマトリックス密度を向上させる手法である。
特許文献1:日本特開平11-49570号公報
非特許文献1:J.AerospaceLab,Issue3,1-12(2011)
非特許文献2:J.Am.Ceram.Soc.81[8]2077-86(1998)
非特許文献3:Aerospace Science and Technology 7、211-221(2003)。
非特許文献4:J.Am.Ceram.Soc. 101,4203-4223(2018).
非特許文献2のポリ塩化アルミニウム溶液を前駆体として用いた場合、焼成中に発生する塩素がセラミックス連続繊維とセラミックスマトリックスとの反応、固着や繊維の劣化を引き起こすため、CMCの損傷許容性が低くなり得られるCMCの強度が低くなるといった課題があった。非特許文献4には前駆体中の塩素によりセラミックス繊維の粒界亀裂が発生することが開示されている。また非特許文献3に開示されているアルミニウムアルコキシド系溶媒ではマトリックスへの含侵後に水中での加水分解処理が必要といった課題があった。
本発明では、マトリックス密度を向上させ、かつマトリックス密度を向上させても高い強度を維持したCMCを提供することを目的とする。加えて、本発明は、アルミニウムアルコキシド系溶媒を用いた場合のように、マトリックスへの含侵後に水中での加水分解処理を必要としない方法でのマトリックス密度を向上させ、かつ高強度を維持したCMCを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、CMCの酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維との間隙に変性アルミナ部を設けることで、上記課題を解決すること、さらに変性アルミナ部はアルキルアルミノキサン(以下、「RAO」ともいう)を用いた方法で形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の通りである。
[1]
平均粒子径が0.05~5.0μmである酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維との間隙に変性アルミナ部を有する、セラミックスマトリックス複合材料。
[2]
前記変性アルミナ部は粉末X線回折におけるピークトップが2θ=43.2~43.5°の回折ピークの半値幅が0.22°以上のα-アルミナを含む、[1]のセラミックスマトリックス複合材料。
[3]
前記変性アルミナ部の含有量は、複合材料全質量の0.1~20%の範囲である[1]又は[2]記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[4]
前記変性アルミナ部はアルキルアルミノキサンの焼成生成物である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[5]
アルキルアルミノキサンを含有する、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体の焼成物である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[6]
前記アルキルアルミノキサンを含有する、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体は、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体をアルキルアルミノキサン含有溶液に含浸させ、乾燥した生成物である、[5]に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[7]
前記焼成物は、アルキルアルミノキサンを含有する、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体の800~1400℃の範囲での焼成物である、[5]又は[6]に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[8]
前記焼成物は、アルキルアルミノキサンの熱分解生成物であるアルミナを、酸化物セラミックスマトリックスと酸化物セラミックス連続繊維の間隙に含有する、[5]~[7]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[9]
前記セラミックスマトリックス複合体は、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料に比べて、4.5%以上増加したマトリックス相対密度及び5%以上増加した引張強度を示す、[1]~[8]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[10]
前記セラミックスマトリックス複合体は、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料に比べて、5%以上増加した層間せん断強度を示す、[1]~[9]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[11]
前記酸化物セラミックスマトリックスの酸化物は、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である、[1]~[10]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[12]
前記セラミックス連続繊維のセラミックスは酸化物セラミックスであり、酸化物は、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である、[1]~[11]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
[13]
酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体をアルキルアルミノキサン含有溶液に含浸させ、次いで乾燥させる操作を1回以上行ってアルキルアルミノキサン含有前駆体を得る工程、及び前記前駆体を焼成することで、[1]~[12]のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料を得る工程、を含む、セラミックスマトリックス複合材料の製造方法。
[14]
アルキルアルミノキサン含有溶液への含浸は、不活性雰囲気にて行う、[13]に記載の製造方法。
[15]
前記前駆体の焼成温度が、800~1400℃の範囲である[13]又は[14]に記載の製造方法。
[16]
前記含浸及び乾燥の操作の後に、任意で、100~1000℃の範囲で、かつ焼成温度より低い温度での加熱の操作をさらに含む、[13]~[15]のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明によれば、アルミニウムアルコキシド系溶媒を用いた場合のように、マトリックスへの含侵後に水中での加水分解処理を必要としない方法により、マトリックス密度を向上させ、かつ高強度を維持したCMCを提供できる。さらに本発明のCMCは、マトリックス密度が向上し、高強度である。
図1は、繊維とセラミックスマトリックス界面のTEM像(矢印:界面)である。 図2は、繊維とマトリックス間の固着率の算出方法(実線:界面、点線:粒子固着部)の説明図である。
<セラミックスマトリックス複合材料(CMC)>
本発明のセラミックスマトリックス複合材料は、平均粒子径が0.05~5.0μmである酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維との間隙に変性アルミナ部を有する、セラミックスマトリックス複合材料である。
本発明において、酸化物セラミックスマトリックス(以下、単に「マトリックス」ともいう)における酸化物セラミックスは、例えば、金属酸化物であり、金属の種類には特に制限はない。但し、高い耐熱性を有することなどを考慮すると、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物セラミックスであることができる。酸化物セラミックスは、高い耐熱性を有するという観点から、好ましくはアルミナ、シリカ及びムライトから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物セラミックスである。
酸化物セラミックスマトリックスの粒子径は、本発明のCMCに求められる物性を考慮して適宜決定できる。酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は、0.05~5.0μmの範囲である。好ましくは0.1~1.0μmであり、より好ましくは0.2~0.7μmである。0.05μm未満の平均粒子径であると、組織が過剰に微細であり、前記変性アルミナ部が酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維の間隙に入り込みにくい。5.0μmより大きい平均粒子径ではセラミックスマトリックス中の欠陥となりうる。
本発明において、セラミックス連続繊維(以下、単に「連続繊維」ともいう)におけるセラミックスは、酸化物セラミックス及び非酸化物セラミックスの何れでも良い。酸化物セラミックスは、例えば、金属酸化物であり、金属の種類には特に制限はない。酸化物セラミックスの具体例は、酸化物セラミックスマトリックスで例示したものと同様である。非酸化物セラミックスは、例えば、炭化ケイ素、窒化ホウ素などであることができる。セラミックス連続繊維は、セラミックスで構成される連続繊維であれば特に制限されない。ここで連続繊維とは、任意の長さを用いることができる繊維であり、2次元、3次元構造に編み込むことができるものである。一般的にCMCを作製するとき、数百本単位の繊維が集合した状態の繊維(以下、「繊維束」ともいう)がセラミックス連続繊維として用いられる。本実施形態のセラミックス連続繊維は、繊維束の状態及び繊維束が編まれた状態の少なくともいずれかであることが好ましく、繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維(以下、連続繊維を「セラミックス繊維クロス」ともいう。)であることが好ましい。酸化物セラミックス連続繊維は、例えば、アルミナ連続繊維、ムライト連続繊維等であることができ、非酸化物セラミックス連続繊維は、例えば、炭化ケイ素連続繊維等であることができる。セラミックス連続繊維は、好ましくはアルミナ連続繊維及びムライト連続繊維の少なくともいずれかであり、より好ましくはムライト連続繊維である。
本発明のCMCにおけるセラミックス連続繊維の含有量とセラミックスマトリックス含有量の体積比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2である。
酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維の間隙とは、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維との界面を含む領域を意味する。この隙間に存在する変性アルミナ部のアルミナは、α-アルミナであるか、α-アルミナを含むアルミナである。酸化物セラミックスマトリックスにα-アルミナが用いられる場合、変性アルミナ部のα-アルミナは、酸化物セラミックスマトリックス用のα-アルミナより結晶性が低いα-アルミナである。具体的には、変性アルミナ部のα-アルミナは、粉末X線回折におけるピークトップが2θ=43.2~43.5°の回折ピークの半値幅が0.22°以上の比較的低い結晶性のα-アルミナであることができる。比較的低い結晶性を有する変性アルミナ部が酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維の間隙に存在することにより、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維との界面を適度に固着したCMCとすることができる。変性アルミナ部のα-アルミナの2θ=43.2~43.5°の回折ピークの半値幅は、適度な固着を提供できる低結晶性であるという観点から、0.22°以上であることが好ましく、より好ましくは0.23~0.30°、さらに好ましくは0.24~0.28°である。
変性アルミナ部のアルミナが、α-アルミナを含むアルミナである場合、α-アルミナ以外のアルミナは、特に限定はなく、例えば、γ-アルミナおよび/またはθ-アルミナであることができる。変性アルミナ部のアルミナが、α-アルミナを含むアルミナである場合、粉末X線回折においてピークトップが2θ=43.2~43.5°の回折ピークが観測できる程度のα-アルミナが含まれていることが、本発明の効果を得るという観点から好ましい。
酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維の固着が強すぎるとCMCの強度が低下する傾向がある。逆に固着が弱すぎると酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維間の剥離によりCMCが破壊して引張強度が低下する傾向がある。このことから、本発明のCMCが高強度を示すのは、変性アルミナ部によりセラミックス連続繊維と酸化物セラミックスマトリックスの界面が適度に固着しているためと推察される。
高い強度を有するCMCを提供するという観点から、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維との固着の程度の指標になる、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス繊維の界面固着率は、例えば、50~70%の範囲であることが好ましい。界面固着率は、実施例に記載する方法で求めることができる。界面固着率が70%以下であれば、酸化物セラミックスマトリックス中に入った傷が、繊維界面で偏向して傷が繊維に貫通することを回避でき、CMC本来の損傷許容性が失われ引張強度が低いものとなることを回避できる。界面固着率が50%以上であれば、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維間の剥離によりCMCが破壊して引張強度が低下することを回避できる。界面固着率は、さらに好ましくは50~65%である。
変性アルミナ部の含有量は、複合材料全質量の0.1~20%の範囲であることができ、比較的高い引張強度を有するCMCを提供するという観点からは、0.5~15%の範囲が好ましく、より好ましくは1~13%の範囲、さらに好ましくは2~11%の範囲である。
本発明のセラミックスマトリックス複合材料は、マトリックス相対密度が50%以上であることができる。マトリックス相対密度は、実施例に記載の方法により求めることができる。マトリックス相対密度は、酸化物セラミックスマトリックスおよびセラミックス連続繊維の種類および含有量並びに変性アルミナ部の含有量に応じて変化するが、変性アルミナ部を有さないCMCに比べて、変性アルミナ部を有する本発明のCMCのマトリックス相対密度は高くなり、好ましくは4.5%以上高くなる。マトリックス相対密度が高くなれば、その分だけCMCの引張強度も高くなる。本発明のCMCのマトリックス相対密度は、好ましくは51~90%の範囲、より好ましくは52~85%の範囲、さらに好ましくは55~80%の範囲である。変性アルミナ部を有し、かつマトリックス相対密度が50%以上であることで、より高い引張強度を有するCMCとなり得る。
本発明のCMCは、引張強度(以下、「バルク引張強度」ともいう)が50~300MPaであることが好ましく、100~300MPaであることが特に好ましい。バルク引張強度は、幅10mm×長さ100mm×厚み2から5mmの板状の測定試料を使用し、負荷速度0.5mm/minでこれを引っ張ることで測定できる。
本発明のCMCは、アルキルアルミノキサンを含有する、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体の焼成物である、セラミックスマトリックス複合材料であることができる。
焼成物であるCMCは、変性アルミナ部が、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体中でアルキルアルミノキサン(RAO)を焼成して得た焼成物である。RAO焼成物は、エチルアルミノキサンおよび/またはメチルアルミノキサンの焼成物であり、より好ましくは、エチルアルミノキサンの焼成物である。RAO焼成物の形成方法は、後述のCMCの製造方法に記載の方法である。
本発明のCMCにおいて、アルキルアルミノキサンを含有する、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体は、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体をアルキルアルミノキサン含有溶液に含浸させ、乾燥した生成物であることかできる。
本発明のCMCにおいて、前記焼成物は、アルキルアルミノキサンを含有する、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体の800~1400℃の範囲での焼成物であることができる。
本発明のCMCにおいて、前記焼成物は、アルキルアルミノキサンの熱分解生成物である変性アルミナ部を、酸化物セラミックスマトリックスと酸化物セラミックス連続繊維の間隙に含有するものである。
本発明のCMCは、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料に比べて、4.5%以上増加したマトリックス相対密度及び5%以上増加した引張強度を示す、複合材料であることができる。このCMCは、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料に比べて、5%以上増加した層間せん断強度を示すことがさらに好ましい。
本発明のCMCは、RAO含有溶液を用いて製造するため変性アルミナ部を有するCMCであるのに対して、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料は、RAO含有溶液を用いず、マトリックスと連続繊維の複合体をそのまま焼成して得られるものである。対比対象である本発明のCMC製造に用いるマトリックスと連続繊維の複合体と同一の組成物の複合体を、本発明のCMC製造おける焼成条件と同一の焼成条件で焼成して得たものを、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料とする。CMCのマトリックス相対密度及び引張強度、並びにCMCの層間せん断強度は、実施例に示す方法で測定することができる。
<セラミックスマトリックス複合材料(CMC)の製造方法>
本発明のセラミックスマトリックス複合材料の製造方法は、
酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体をアルキルアルミノキサン含有溶液に含浸させ、次いで乾燥させる操作を1回以上繰り返してアルキルアルミノキサン含有前駆体を得る工程、及び
前記前駆体を焼成して本発明のCMCを得る工程、を含む。
酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体は、例えば、マトリックスと連続繊維とを混合し、得られた混合物を次いで熱処理することで調製できる。マトリックスと連続繊維との混合方法は任意であるが、例えば、マトリックスの原料を含むスラリー(以下、「原料スラリー」ともいう)に、連続繊維を含浸させる方法を挙げることができる。マトリックスと連続繊維との混合比率は、マトリックスと連続繊維の材質、形状等及び得られる最終のCMCの物性等を考慮して適宜決定できるが、例えば、体積比で、マトリックス:連続繊維が1:9~9:1の範囲、好ましくは2:8~8:2の範囲である。CMC中の連続繊維の体積は、CMC作製時に測定した連続繊維の重量と密度(既知)から算出し、CMCの体積は、CMCの縦横、厚みの各長さから算出する。マトリックスの体積は、CMCの体積から繊維体積を減じて求める。マトリックスと連続繊維の熱処理は、例えば、大気中600℃以上1000℃以下で行うことができる。この条件の熱処理で得られる複合体は、所謂「仮焼体」である。
本発明においては、上記複合体をアルキルアルミノキサン(RAO)含有溶液に含浸させ、次いで乾燥させる操作を1回以上繰り返してRAO含有前駆体を得る。
本発明で用いるRAOは、例えば、一般式(1)で表されるアルミルアルミノキサンである。
(式中、Qは炭素数1~4の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1~7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基を示し、mは1~200の整数である。)
一般式(1)におけるQにおける炭素数1~4の直鎖もしくは分岐したアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。炭素数1~7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、フェノキシ基、メトキシエトキシ基等を上げることが出来る。アシルオキシ基の具体例としてはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等を挙げることが出来、その中でも好ましくは炭素数1~4の直鎖もしくは分岐したアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基等である。
一般式(1)におけるmは1~200の範囲の整数であり、好ましくは1~80の範囲の整数である。
RAOとしては、例えば、メチルアミルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン等を挙げることができ、その中でも、メチルアミルミノキサン及びエチルアルミノキサンが好ましい。
上記一般式(1)で示されるRAOは、下記一般式(2)で表されるアルキルアルミニウム(以下、AAと表記することがある)化合物の部分加水分解物であることができる。AA化合物の部分加水分解物は、AA化合物を有機溶媒中で、加える水のモル量/前記AA化合物のモル量が、例えば、0.4~1.3の範囲で部分的に加水分解することで得られる。すなわち、部分加水分解物であるRAOに含有されるO元素のモル量/Al元素のモル量が0.4~1.3である。
(式中、R、R、Rは各々独立して水素、炭素数1~4の直鎖もしくは分岐したアルキル基、炭素数1~7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基、アシルオキシ基、またはアセチルアセトナート基を表す。)
一般式(2)のR、R、Rにおける炭素数1~4の直鎖もしくは分岐したアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。これらの中でもR、R、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、特に好ましくはメチル基、エチル基等である。炭素数1~7の直鎖もしくは分岐したアルコキシル基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、フェノキシ基、メトキシエトキシ基等を上げることが出来る。アシルオキシ基の具体例としてはアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等を挙げることが出来る。
一般式(2)のAA化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリプロピルアルミニウム等が挙げられ、中でもトリメチルアルミニウム(TMA)及びトリエチルアルミニウム(TEA)等が好ましい。
前記部分加水分解物調製に用いる有機溶媒は、一般式(2)で表されるAA化合物に対して溶解性を有するものであればよく、例えば、電子供与性有機溶媒、炭化水素化合物、環状アミド化合物等を挙げることができる。また、有機溶媒は、水に対して溶解性を有するものを用いることもでき、水に対して溶解性を有する有機溶媒と水に対する溶解性が低いものを併用することもできる。有機溶媒は、電子供与性有機溶媒、炭化水素化合物またはそれらの混合物であることができる。
電子供与性有機溶媒の例としては、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキエタンやジエチルエーテル、ジn-プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、ジグライム、トリグライム、アニソール、メトキシトルエン等のエーテル系溶媒、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等のアミン系溶媒等を挙げることができる。電子供与性有機溶媒としては、1,2-ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサンが好ましい。前記炭化水素化合物としては、炭素数5~20の、より好ましくは炭素数6~12の直鎖、分岐炭化水素化合物または環状炭化水素化合物、炭素数6~20の、より好ましくは炭素数6~12の芳香族炭化水素化合物およびそれらの混合物を例示することが出来る。これら炭化水素化合物の具体的な例として、ペンタン、n-ヘキサン、ヘプタン、イソヘキサン、メチルペンタン、オクタン、2,2,4-トリメチルペンタン(イソオクタン)、n-ノナン、n-デカン、n-ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、メチルヘプタン、2,2-ジメチルヘキサン、2-メチルオクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒を挙げることが出来る。環状アミド化合物としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、又は1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン、又はそれらの混合物が挙げられ、安価に入手可能なことからN-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
部分加水分解物調製に用いる有機溶媒は、そのまま含浸用の溶媒として適していることから、環状アミド化合物が好ましく、特に安価に入手可能なことからN-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
加水分解は、不活性ガス雰囲気下、前記アルキルアルミニウム化合物を前記有機溶媒、例えば、環状アミド化合物、及び所望により、環状アミド化合物以外の溶媒に溶解した溶液に、水、又は水を含有する溶液を添加して行う。水自身を添加してもよいが、アルキルアルミニウム化合物と水の反応時の発熱制御の点からは水を含有する溶液を添加して行うことが好ましい。
マトリックスと連続繊維とを熱処理して得られる複合体(仮焼体)は、RAO含有溶液へ含浸する。RAO含有溶液のRAO濃度は、アルミニウム濃度として0.5~40wt%であることが好ましく、より好ましくは1~30wt%、特に好ましくは3~15wt%である。RAOのアルミニウム濃度が0.5wt%未満であると、含侵処理による密度向上が十分に得られなくなる場合がある。またRAOのアルミニウム濃度が40wt%を超えると固体として析出し、仮焼体に含浸できない等の不具合を生じる場合がある。このような範囲の濃度にすることで、複合体中の特にマトリックスの間への含侵が促進され、高密度のCMCを得ることができる。
RAO含有溶液の溶媒としては、マトリックスがアルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニアなどの酸化物から構成されている場合、親水性を供する溶媒を用いることが好ましい。親水性を供する溶媒としては、さらにRAOの空気中での安定性が向上するという観点から、N-メチル-2-ピロリドン、又は1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン等の環状構造を有するアミド化合物又はそれらの混合物などが例示でき、その中でも、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
RAO含有溶液にFe等の金属不純物が含まれると、後工程である熱処理工程において界面固着を促進するため、RAO中の金属不純物量は100ppm以下が好ましく、さらに好ましくは10ppm以下である。
RAO溶液に複合体を含浸させる工程は、RAO含有溶液中のRAOが空気中の水分、酸素と容易に反応し加水分解するため、不活性ガス雰囲気にて行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などが例示でき、経済的な観点から窒素雰囲気中で行うのが好ましい。
含浸圧力は、RAO含有溶液が複合体、特に、マトリックスの間に十分含浸されれば特に制限はなく、例えば、-0.4~0.5MPaGとすることが適当である。
RAO含有溶液への含浸を終了した複合体は、不活性雰囲気から空気中に取り出し、乾燥する。乾燥によりRAO含有溶液の溶媒を除去する。溶媒除去と並行してRAOは空気中の水分、酸素と速やかに反応し、アルミニウム含有固形物を供する。アルミニウム含有固形物は後述する焼成により、アルミナなどの酸化物を形成する。
含浸後の乾燥は、大気中で行うことができる。大気中での乾燥により、含浸されたRAOは少なくとも一部が空気中の水分及び酸素と反応して加水分解が進行する。含侵後の乾燥温度としては、例えば、25~120℃が好適である。
含浸及び乾燥の操作の後に、上記RAOの加水分解を促進させるために、任意で、100~1000℃の範囲で、かつ焼成温度より低い温度での加熱の操作をさらに含むことができる。乾燥後の任意の熱処理は、連続繊維の熱劣化を回避するという観点から、次の工程での焼成温度未満の温度とすることが好ましい。乾燥後の熱処理の温度は、例えば、100~1000℃、好ましくは200~900℃である。
含侵、乾燥及び任意の熱処理は、RAO含有溶液の濃度、粘度、RAOの含浸量等を考慮して、1回又は複数回行ってRAO含有前駆体を得ることができる。複合体に対して所望のRAOの含浸量としたRAO含有前駆体が得られるまで、任意の回数、例えば、2~15回の範囲で、適宜繰り返すことができる。好ましくは1~10回、特に好ましくは1~7回である。15回以下であれば、任意の熱処理の温度が比較的高温であっても、連続繊維の劣化を抑えつつRAO含有前駆体を調製できる。
尚、非特許文献2に記載の塩素系アルミナ前駆体を用いる場合には、マトリックスへの複数回の含侵を行うためには、含侵後、塩素系アルミナ前駆体を固体にするため900℃程度での熱処理が必要であった。それに対して上記工程では、含浸後の乾燥において、RAOは空気中の水分、酸素と反応して加水分解が進み、少なくとも一部は固形物となる。そのためマトリックスへの含侵及び乾燥の後に、熱処理をすることなく再度RAO含有溶液への含侵を行うこともできる。このため、この含浸工程における熱処理に伴う連続繊維の劣化を防ぐことができることから、RAO含有溶液の使用は、CMC向けのアルミナ前駆体形成に好適である。さらに、RAOは塩素を含有しないことからRAO含有溶液への含浸、乾燥後に熱処理をしても塩素が発生することはなく、塩素による連続繊維の劣化を防止でき、熱処理は任意であるが、焼結温度(約1100℃)以下の熱処理であれば連続繊維の劣化を防止できる。
最終の乾燥後に得られた前駆体を焼成する。前駆体に含まれるアルミニウム含有固形物は、焼成により、水酸化アルミニウム、ベーマイト、γ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナなどに変性するが、機械的特性に優れたα-アルミナを形成することが好ましい。焼成温度は、RAO由来のアルミニウム含有固形物がα-アルミナを形成するという観点から、800~1400℃が好ましく、さらに好ましくは1000~1350℃、特に好ましくは1100~1350℃である。800℃以上にすることでRAO由来のアルミ化合物をα-アルミナとすることができる。一方、1400℃以下であれば、セラミックス繊維の劣化を防止できる。本発明では、塩素を含まないRAOを用いることで高い強度を有するCMCを作製することができる。
本発明のCMCは、高強度であるため航空機エンジン向けの構造部材や汎用工業部材等に好適である。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径の測定)
酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は、CMC中のマトリックス領域を、エネルギー分散型特性X線分析装置付き電解放出型走査顕微鏡(装置名:JSM-7600F、日本電子製)で20000倍の倍率で観察後、画像解析ソフトウェアNanohunter(製品名:NS2K-PRO、ナノシステム製)を用い各粒子の円相当径を測定した。粒子は50~100個の粒子を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
(半値幅の測定)
XRD測定は、一般的な粉末X線回折装置(装置名:UltimaIII、リガク社製)を用い行った。XRD測定の条件は以下のとおりである。
線源:CuKα線(λ=0.15418nm)
測定モード:ステップスキャン
スキャン条件:毎秒0.04°
発散スリット:2/3deg
散乱スリット:2/3deg
受光スリット:0.3mm
計測時間:2.0秒
測定範囲:2θ=42.5~44.0°
また、半値幅は、Rigaku社製Integral Analysis for Windows(Version6.0)を用いて求めた。
解析関数:分割型voigt関数
(密度の測定)
密度はアルキメデス法により測定した。
(セラミックスマトリックス相対密度の算出)
密度ρは、セラミックスマトリックスの密度ρ、セラミックス連続繊維の密度ρを用いて次の式(3)で表される。
ρはアルキメデス法により測定したCMCの密度であり、VはCMC試料中のセラミックス連続繊維体積含有率である。ρは、アルミナ繊維では3.9g/cm、ムライト繊維では3.4g/cmの値を用いた。ρについて整理することでセラミックスマトリックス密度ρが次の式(4)により得られる。
マトリックス相対密度Xは、セラミックスマトリックス密度ρをセラミックスマトリックスの真密度ρで除すことにより次式(5)から得た。
真密度ρとは、原料スラリーに含まれるセラミックス粉末の理論密度である。セラミックス粉末がn種類の粉末の混合物である場合は、i種類目の粉末(iは0<i≦nの自然数)の理論密度ρおよび重量含有率Wをもちいて式(6)により算出した。
例えば、アルミナ25重量%、ムライト75重量%で構成されるセラミックス粉末を含む原料スラリーを用いて作製された、CMC焼成体の真密度ρは、アルミナ真密度3.98g/cmおよびムライト理論密度3.16g/cmを用いて式(7)により、以下のように計算される。
CMC焼成体では緻密化工程でアルミナ前駆体が熱分解することによりアルミナの重量含有率が増加していることが推察されるが、計算の簡略化のため真密度の計算には原料セラミックス粉末における重量含有率のみを考慮した。
(EAO、MAO溶液由来のアルミナ重量%の計算)
CMC中のEAO溶液、MAO溶液由来の変性アルミナ部がCMC中にどの程度含まれるか計算を行った。CMC中のEAO溶液、MAO溶液由来のアルミナの重量分率(%)をW、EAO溶液、MAO溶液含浸後熱処理したCMCの密度(g/cm)をρCMC、マトリックスの密度(g/cm)をρ´、繊維体積含有率をV´、未含浸のCMCのマトリックスの相対密度(g/cm)をρ、繊維体積含有率をVとすると、式(8)の関係式が成り立つ。
(層間せん断強度測定)
層間せん断強度は、CMC試料を幅10mm×長25mm×厚み2~4mmに加工し試験片とした以外はJIS-R1656に準拠した方法で測定した。試験片の幅、厚みはマイクロメーターを用いて測定した。層間せん断強度は強度試験機(装置名:AG-XPlus、島津製作所製)を用いて支点間距離は15mm、負荷速度0.05mm/minで行った。応力―ひずみ曲線を測定し、次の式(9)を用いて層間せん断強度τSBを得た。
ここでPmaxは最大荷重(N)、bは試験片の幅(mm)、hは試験片の厚さ(mm)である。
(引張強度試験)
引張強度は、CMC試料を幅10mm×長さ100mm×厚み2~5mmに加工し、両端にアルミタブを取り付けた引張試験片とした以外はJIS-R1643に準拠した方法で測定した。強度試験機(装置名:AG-XPlus、島津製作所製)と引張試験冶具を使用することで引張試験を負荷速度0.5mm/minで行った。引張試験片の幅、厚みはマイクロメーターを用い、試験片長さはノギスを用いて測定した。
(界面固着率の算出)
セラミックスマトリックスとセラミックス繊維の界面固着率をセラミックスマトリックスとセラミックス繊維の界面TEM像から算出した。界面固着率の測定に使用したTEM像と、界面固着率の算出方法の概念図を図1および図2に示す。セラミックス繊維とマトリックス界面のTEM像において界面を直線(L)と表し場合、(L)の中で繊維と固着している粒子の固着長さai(固着粒子の個数i=1,2,3,4・・・)を積算した値(a1+a2+a3+a4+・・・)で除することで界面固着率とした。
(EAOの合成)
EAOは日本特開2016-43298号公報に開示の方法に従って合成した。すなわちNMP20.0gにトリエチルアルミニウム(東ソー・ファインケム社製)8.59gを25℃で加え、十分撹拌した。その後、25℃で20質量%水/NMP溶液6.77g([水]/[トリエチルアルミニウム]=1.0)を50分間かけて滴下して加えた。25℃で5時間撹拌を続けることにより熟成反応を行い、トリエチルアルミニウム加水分解組成物NMP溶液(EAO/NMP)を得た。得られたEAO中の金属不純物量はICPで定量し、1ppmであった。
実施例1
平均粒子径0.19μmであるα-アルミナ粉末350gと、純水146gを24時間ボールミルで混合し、アルミナスラリーを得た。
800℃大気中で熱処理しデサイズ処理したアルミナ繊維クロス(3M社製、ネクステル610)を積層したものに、前記混合スラリーを含浸・乾燥させ、幅110mm×長さ110mm×厚み約5.0mmの成形体を得た。成形体は大気中120℃で一昼夜乾燥させた後、大気中、900℃、2時間で常圧焼成し仮焼体とした。
得られた仮焼体を、窒素ガス(純度99.999%以上)0.3L/minで置換し窒素雰囲気を保ったグローブボックス中にて、EAO/NMP溶液(Al濃度:18.5wt%)に大気圧中で含浸し、室温で乾燥させた後、900℃、2時間で熱処理した。この含侵、乾燥、熱処理を3回繰り返した。その後、大気中、1100℃、2時間で焼成することで本発明のCMCを得た。
得られたCMCは、42.4vol%の繊維および変性アルミナ部3.8wt%を含み、密度2.93g/cm、マトリックス相対密度は55.7%、層間せん断強度は15.8MPa、引張強度は240MPa、界面固着率は60.9%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.292μmであった。EAO溶液を含浸液として用いたものは未含侵と比較して密度、層間せん断強度、引張強度が向上した。マトリックス相対密度55.7%は、比較列1の1.09倍、層間せん断強度15.8MPaは、比較列1の1.24倍、引張強度240MPaは、比較列1の1.12倍であった。一方、TEMから見積もった界面固着率は未含侵のものと同程度であり、界面固着を抑制しつつマトリックスを高密度化できた。つまり、損傷許容性を保ちつつ、マトリックスを高密度化できたため、高い引張強度を得ることができたものと考えられる。
実施例2
アルミナ繊維クロス(3M社製、ネクステル610)のかわりにムライト繊維クロス(3M社製、ネクステル720)を用いたこと以外実施例1と同様な手法でCMCを得た。得られたCMCは、39.4vol%の繊維および変性アルミナ部3.8wt%を含み、密度2.82g/cm、マトリックス相対密度は61.3%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.280μm、層間せん断強度は6.7MPa、引張強度は158MPaであった。マトリックス相対密度61.3%は、比較列2の1.06倍、層間せん断強度6.7MPaは、比較列2の1.56倍、引張強度158MPaは、比較列2の1.13倍であった。EAO溶液を前駆体として用いたものは未含侵と比較して密度、層間せん断強度、引張強度が向上した。
実施例3
含侵工程、乾燥工程及び焼成工程を5回繰り返したこと以外実施例2と同様な手法でCMCを得た。得られたCMCは、40.0vol%の繊維および変性アルミナ部5.4wt%を含み、密度2.82g/cm、マトリックス相対密度は61.1%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.275μm、層間せん断強度は6.8MPa、引張強度は157MPaであった。マトリックス相対密度61.1%は、比較列2の1.06倍、層間せん断強度6.8MPaは、比較列2の1.58倍、引張強度157MPaは、比較列2の1.12倍であった。未含侵と比較して密度、層間せん断強度、引張強度が向上した。
実施例4
スラリーとして、平均粒子径0.19μmであるα-アルミナ粉末181.9g、平均粒子径0.20μmであるシリカ粉末5.6gと純水58gを24時間ボールミルで混合したものを用いたことと、含侵工程、乾燥工程及び焼成工程を1回行ったこと以外、実施例2と同様な手法でCMCを得た。得られたCMCは、36.5vol%の繊維および変性アルミナ部7.3wt%を含み、密度2.56g/cm、マトリックス相対密度は52.7%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.230μm、層間せん断強度は3.2MPa、引張強度は127MPaであった。マトリックス相対密度52.7%は、比較列4の1.11倍、層間せん断強度3.2MPaは、比較列4の1.23倍、引張強度127MPaは、比較列4の1.92倍であった。未含侵と比較して密度、層間せん断強度、引張強度が向上した。
実施例5
含侵工程において、EAO/NMP溶液の代わりにMAO/NMP溶液を用いたこと以外、実施例1と同様な手法でCMCを得た。得られたCMCは、42.1vol%の繊維および変性アルミナ部8.9wt%を含み、密度2.86g/cm、マトリックス相対密度は61.7%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.245μm、層間せん断強度は13.2MPa、引張強度234MPaであった。マトリックス相対密度61.7%は、比較列1の1.21倍、層間せん断強度13.2MPaは、比較列1の1.04倍であった。未含侵と比較して密度、層間せん断強度、が向上した。
比較例1
仮焼体をEAO/NMP溶液に含浸させなかったこと以外、実施例1と同様な方法でCMCを得た。得られたCMCは、42.4vol%の繊維を含み、密度2.82g/cm、マトリックス相対密度は50.9%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.213μm、層間せん断強度は12.7MPa、引張強度は214MPa、界面固着率は57.0%であった。EAO溶液を含侵処理したものと比較して低い密度、低層間せん断強度、低引張強度であった。
比較例2
仮焼体をEAO/NMP溶液に含浸させなかったこと以外、実施例2と同様な方法でCMCを得た。得られたCMCは、39.4vol%の繊維を含み、密度2.73g/cm、マトリックス相対密度は57.6%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.210μm、層間せん断強度は4.3MPa、引張強度は140MPaであった。EAO溶液を含侵処理したものと比較して低い密度、低層間せん断強度、低引張強度であった。
比較例3
含侵工程において、EAO/NMP溶液の代わりに約20wt%ポリ塩化アルミニウム水溶液(〔Al(OH)Cl6-n、n≒5、m≦10、Al濃度:20wt%)(大明化学製、アルファイン83)を大気中で用いたこと以外は、実施例1と同様の方法でCMCを得た。得られたCMCは、40.8vol%の繊維を含み、密度2.96g/cm、マトリックス相対密度は57.8%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.350μm、引張強度は109MPa、界面固着率は77.8%であった。塩素含有アルミナ前駆体用いることで繊維とマトリックス界面の固着が促進し引張強度が低下した。
比較例4
仮焼体をEAO/NMP溶液に含浸させなかったこと以外、実施例4と同様な方法でCMCを得た。得られたCMCは、39.2vol%の繊維を含み、密度2.47g/cm、マトリックス相対密度は47.3%、酸化物セラミックスマトリックスの平均粒子径は0.192μm、層間せん断強度は2.6MPa、引張強度は66MPaであった。EAO溶液を含侵処理したものと比較して低い密度、低層間せん断強度、低引張強度であった。
参考例1
EAO/NMP溶液を室温で加水分解したのち、900℃で2時間、1100℃で2時間熱処理し変性アルミナ部に相当するα-アルミナを得た。得られた粉末を、アルミナ乳鉢で25分粉砕したのち得られた生成物のXRD測定を行った。2θ=43.4°にピークトップを有するα-アルミナ由来の回折ピークの半値幅を測定した。得られた半値幅は0.250°であった。
参考例2
MAO/NMP溶液を室温で加水分解したのち、900℃で2時間、1100℃で2時間熱処理し変性アルミナ部に相当するα-アルミナを得た。得られた粉末を、アルミナ乳鉢で25分粉砕したのち得られた生成物のXRD測定を行った。2θ=43.4°にピークトップを有するα―アルミナ由来の回折ピークの半値幅を測定した。得られた半値幅は0.256°であった。
参考例3
アルミナマトリックスの原料である平均粒子径0.19μmであるα-アルミナ粉末を参考例1と同様の熱処理を行い、α-アルミナを得た。得られた粉末をアルミナ乳鉢で25分粉砕したのち、2θ=43.4°にピークトップを有するα―アルミナ由来の回折ピークの半値幅を測定した。得られた半値幅は0.203°であった。
参考例1、2からアルキルアルミノキサン由来の変性アルミナ部のピークトップが2θ=43.4°の回折ピークの半値幅は、0.22°以上であるのに対し、参考例3に示すように、酸化物セラミックスマトリックス由来のα-アルミナの半値幅は、0.22°未満であった。以上の結果から、本発明のCMCにおいて、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維の間隙に存在する変性アルミナ部は、酸化物セラミックスマトリックスで用いられることがある結晶性のα-アルミナよりは、結晶性が低いものであることが分かる。
実施例1~5及び比較例1~4の実験条件の概要を表1に示し、実験結果のまとめを表2に示す。
本発明は、CMCに関連する分野に有用である。

Claims (18)

  1. 平均粒子径が0.05~5.0μmである酸化物セラミックスマトリックスと繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維との間隙に変性アルミナ部を有する、セラミックスマトリックス複合材料。
  2. 前記変性アルミナ部は粉末X線回折におけるピークトップが2θ=43.2~43.5°の回折ピークの半値幅が0.22°以上のα-アルミナを含む、請求項1記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  3. 前記変性アルミナ部の含有量は、複合材料全質量の0.1~20%の範囲である請求項1又は2記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  4. 前記変性アルミナ部はアルキルアルミノキサンの焼成生成物である、請求項1~3のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  5. アルキルアルミノキサンを含有する、平均粒子径が0.05~5.0μmである酸化物セラミックスマトリックスと繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維とアルキルアルミノキサンからなる複合体を焼成して酸化物セラミックスマトリックスと繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維との間隙に変性アルミナ部を有する、セラミックスマトリックス複合材料を得ることを含む、セラミックスマトリックス複合材料の製造方法
  6. 前記アルキルアルミノキサンを含有する、平均粒子径が0.05~5.0μmである酸化物セラミックスマトリックスと繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維とアルキルアルミノキサンからなる複合体は、酸化物セラミックスマトリックスとセラミックス連続繊維とからなる複合体をアルキルアルミノキサン含有溶液に含浸させ、乾燥した生成物である、請求項5に記載のセラミックスマトリックス複合材料の製造方法
  7. 前記焼成は、800~1400℃の範囲で行う、請求項5又は6に記載のセラミックスマトリックス複合材料の製造方法
  8. 前記変性アルミナ部は、アルキルアルミノキサンの熱分解生成物である、請求項5~7のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料の製造方法
  9. 前記セラミックスマトリックス複合体は、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料に比べて、4.5%以上増加したマトリックス相対密度及び5%以上増加した引張強度を示す、請求項1~のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  10. 前記セラミックスマトリックス複合体は、変性アルミナ部を有さないセラミックスマトリックス複合材料に比べて、5%以上増加した層間せん断強度を示す、請求項1~4及び9のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  11. 前記酸化物セラミックスマトリックスの酸化物は、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である、請求項1~4及び9~10のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  12. 前記繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維のセラミックスは酸化物セラミックスであり、酸化物は、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である、請求項1~4及び9~11のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料。
  13. 酸化物セラミックスマトリックスと繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維とからなる複合体をアルキルアルミノキサン含有溶液に含浸させ、次いで乾燥させる操作を1回以上行ってアルキルアルミノキサン含有前駆体を得る工程、及び前記前駆体を焼成して、請求項1~4及び9~12のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料を得る工程、を含む、セラミックスマトリックス複合材料の製造方法。
  14. アルキルアルミノキサン含有溶液への含浸は、不活性雰囲気にて行う、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記前駆体の焼成温度が、800~1400℃の範囲である請求項13又は14に記載の製造方法。
  16. 前記含浸及び乾燥の操作の後に、任意で、100~1000℃の範囲で、かつ焼成温度より低い温度での加熱の操作をさらに含む、請求項13~15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記酸化物セラミックスマトリックスの酸化物は、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である、請求項5~8のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料の製造方法。
  18. 前記繊維束が編まれた状態のセラミックス連続繊維のセラミックスは酸化物セラミックスであり、酸化物は、アルミナ、シリカ、ムライト及びジルコニアから成る群から選ばれる少なくとも1種の酸化物である、請求項5~8のいずれか1項に記載のセラミックスマトリックス複合材料の製造方法。
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