JP7371823B1 - 耐火物の状態可視化方法、耐火物の補修方法および耐火物の状態可視化装置 - Google Patents

耐火物の状態可視化方法、耐火物の補修方法および耐火物の状態可視化装置 Download PDF

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Abstract

入力部101が、耐火物である耐火レンガ16を有する炉壁11に弾性波21を入力する。受信部102が、弾性波21の反射波22を受信する。制御部103が、反射波22の周波数特性を求め、周波数特性から距離特性を求め、距離特性に基づいて、耐火レンガ16における反射位置の尤度を示すマップを生成する。こうして、耐火レンガ16の状態を可視化する。

Description

本発明は、耐火物の状態可視化方法、耐火物の補修方法および耐火物の状態可視化装置に関する。
高炉などの工業用炉の炉壁は、一般的に、外側から内側にかけて、鉄皮、不定形耐火物および耐火レンガ(定形耐火物)を、この順に有する。
一番内側の耐火物である耐火レンガは、炉心側から損耗するほか、内部に亀裂が発生する場合がある。特に、高炉の炉底部の耐火レンガは、休風時であっても常に溶銑に晒されるため、損耗が激しい。耐火レンガの損耗や亀裂の発生は、炉体寿命を短命化させる。
このため、耐火レンガの状態を把握することは、炉を保守管理するうえで重要であることから、従来、耐火レンガの残厚を計測する方法が提案されている(特許文献1~2)。
特開昭62-297710号公報 特開平8-219751号公報
特許文献1~2に記載の方法は、耐火レンガの残厚を計測するのみである。
炉を保守管理するうえでは、耐火レンガの残厚だけでなく、耐火レンガの内部に発生した亀裂なども含めて、耐火レンガの状態を視覚的に把握できることが望ましい。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、耐火レンガ等の耐火物の状態を可視化することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を採用することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[4]を提供する。
[1]耐火物を有する炉壁に弾性波を入力するステップと、上記弾性波の反射波を受信するステップと、上記反射波の周波数特性を求めるステップと、上記周波数特性から距離特性を求めるステップと、上記距離特性に基づいて、上記耐火物における反射位置の尤度を示すマップを生成するステップと、を含む、耐火物の状態可視化方法。
[2]上記距離特性は、複数の距離特性を含み、上記複数の距離特性ごとに作成される個々のマップを合成して上記マップを生成する、上記[1]に記載の耐火物の状態可視化方法。
[3]上記[1]または[2]に記載の耐火物の状態可視化方法によって生成されたマップに基づいて、耐火物を補修する、耐火物の補修方法。
[4]耐火物を有する炉壁に弾性波を入力する入力部と、上記弾性波の反射波を受信する受信部と、上記反射波の周波数特性を求め、上記周波数特性から距離特性を求め、上記距離特性に基づいて、上記耐火物における反射位置の尤度を示すマップを生成する制御部と、を備える、耐火物の状態可視化装置。
本発明によれば、耐火レンガ等の耐火物の状態を可視化できる。
CS構造高炉を上方から見たときの炉壁の一部を示す断面図である。 状態可視化装置を炉壁とともに示す模式図である。 鉄皮に受信部が取り付けられた状態の炉壁を示す斜視図である。 振幅スペクトルのイメージ図である。 距離特性グラフのイメージ図である。 点C1の受信部の受信結果に基づくマップのイメージ図である。 点A1の受信部の受信結果に基づくマップのイメージ図である。 合成マップのイメージ図である。 ボクセル群を示すイメージ図である。 別のボクセル群を示すイメージ図である。 制御部が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 制御部が実行する処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。 状態可視化装置の機能ブロック図である。 鉄皮に受信部が取り付けられた状態の炉壁を示す斜視図である。 距離特性算出部が算出した距離特性のイメージ図である。 鉄皮にM個の受信部が取り付けられた状態の炉壁を示す斜視図である。 ヒートマップを表示する表示部を示す模式図である。 状態可視化装置での処理の流れの一例を示すフローチャートである。
[状態可視化装置]
以下、耐火物の状態可視化装置(単に「状態可視化装置」ともいう)を説明する。以下の説明は、耐火物の状態可視化方法および耐火物の補修方法の説明も兼ねる。
まず、高炉の炉壁について、説明する。
従来、高炉の炉壁は、鉄皮、不定形耐火物および耐火レンガ(定形耐火物)を、この順に有する3層構造であるが、現在、高炉のほとんどは、CS(Cooling Stave)構造高炉である。
図1は、CS構造高炉を上方から見たときの炉壁11の一部を示す断面図である。なお、図1は、炉底部を構成する炉壁11の断面図である。
図1に示すように、CS構造高炉(以下、単に「高炉」ともいう)の炉壁11は、5層構造である。すなわち、炉壁11は、外側から内側(図1中の左側から右側)にかけて、鉄皮12、不定形耐火物13、銅板14、不定形耐火物15および耐火レンガ16(定形耐火物)を、この順に有する。
不定形耐火物13および不定形耐火物15としては、スタンプ材が好適に用いられる。
なお、不定形耐火物としては、スタンプ材およびキャスタブル耐火物があり、両者は組成および施工法が互いに異なる。具体的には、スタンプ材は、炭素材が主成分であり、ランマーを用いて突き固めるのに対して、キャスタブル耐火物は、アルミナセメントが主成分であり、乾燥により固める。
耐火レンガ16としては、高アルミナ質レンガ、炭化ケイ素質レンガ等の従来公知の高炉用レンガが用いられる。耐火レンガ16は、溶銑(図示せず)に晒されて、損耗する。
銅板14には、複数の穴17が形成されている。穴17の中を、高炉の上方から下方に向けて水が流れることにより、高炉が冷却される。
ところで、従来、耐火レンガの残厚は、熱電対を用いて温度をモニタリングし、その温度から伝熱計算によって推定する場合がある。
しかし、CS構造高炉においては、上述した冷却構造を有することで断熱性に優れるため、伝熱計算によって耐火レンガの残厚を推定することが難しい場合がある。
このため、以下に説明する状態可視化装置1の使用が好ましい。これにより、残厚を含めて、耐火レンガの状態を把握できる。
図2は、状態可視化装置1を炉壁11とともに示す模式図である。
ただし、図2において、炉壁11を構成する部材のうち、鉄皮12および耐火レンガ16を除く部材(不定形耐火物13など)の図示は省略している。
状態可視化装置1は、少なくとも、入力部101、受信部102および制御部103を備える。一例として、入力部101はインパクトハンマー、受信部102は加速度計、制御部103は、アンプ、オシロスコープおよびPC(パーソナルコンピュータ)により構成される。
図3は、鉄皮12に受信部102が取り付けられた状態の炉壁11を示す斜視図である。ただし、図3においても、炉壁11を構成する部材のうち、鉄皮12および耐火レンガ16を除く部材(不定形耐火物13など)の図示は省略している。図3には、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向も併せて示している。Z軸方向は、耐火レンガ16の厚さ方向である。
加速度計である受信部102は、鉄皮12の表面上に配置するが、一例として、図3に示すように、鉄皮12の表面上の4点(点A1、点A3、点C1、点C3)に、矩形を形成するように配置する。
再び図2を参照されたい。
図2に示すように、鉄皮12の表面(例えば、受信部102が配置された各点)を、インパクトハンマーである入力部101で叩き、耐火レンガ16を含む炉壁11を加振する。これにより、炉壁11に弾性波21が入力される。以下、便宜的に、入力部101によって叩かれる鉄皮12の表面上の点を「打点」と呼ぶ場合がある。
弾性波21は、炉壁11の内部を伝わり、耐火レンガ16の終端18で反射して、反射波22となる。加速度計である受信部102は、この反射波22を、加速度信号として、受信(検出)する。以下、便宜的に、反射波22を受信する受信部102が配置されている鉄皮12の表面上の点を「測定点」と呼ぶ場合がある。
まず、測定点が点C1、打点が点A1である場合において、後述するマップを作成する際の制御部103が実行する処理の流れを、図4~図6に基づいて説明する。
制御部103は、受信部102が受信した加速度信号を解析し、周波数特性を求める。すなわち、加速度信号を、振幅スペクトル(周波数スペクトル)に変換し、共振周波数(ピーク周波数)を求める。
なお、これに先立って、共振周波数と耐火レンガ16の厚さ(弾性波21の反射位置)との関係(以下、「変換モデル」とも言う)を、シミュレーション(例えば、弾性波伝播シミュレーション)等によって、事前に求めておく。変換モデルは、制御部103または外部の記憶装置(図示せず)に記憶させておく。
制御部103は、加速度信号から求めた共振周波数を、変換モデルに入力することにより、振幅と測定位置(点C1など)からの距離との関係を示す距離特性を求める。
ところで、耐火レンガ16に亀裂19が発生している場合は、弾性波21は、終端18だけでなく、亀裂19でも反射する。この場合における、反射波22(加速度信号)から得られる振幅スペクトルのイメージ図を、図4に示す。
図4は、振幅スペクトル(測定点:点C1、打点:点A1)のイメージ図であり、縦軸が振幅(強度)、横軸が周波数を示す。一例として、図4の振幅スペクトルにおいては、低周波側のピークが終端18での反射によるピークであり、高周波側のピークが亀裂19での反射によるピークである。
図4の振幅スペクトルを、上述した変換モデルに当てはめることにより、振幅と測定点からの距離(Z軸方向の距離)との関係を示す1次元の距離特性のグラフ(以下、「距離特性グラフ」ともいう)に変換する。距離特性グラフのイメージ図を、図5に示す。
図5は、距離特性グラフ(測定点:点C1、打点:点A1)のイメージ図であり、縦軸が振幅(強度)、横軸が測定点からの距離を示す。
なお、入力部101を用いて炉壁11を加振する回数(打点を叩く回数)は、測定点ごとに、1回でもよいし、複数回(例えば3回)であってもよい。複数回の場合、その都度、制御部103は、加速度信号から、距離特性グラフを得ることが好ましい。
次に、制御部103は、図5の距離特性グラフに基づいて、マップを描画する。
マップとしては、2次元または3次元のマップが好ましい。
本実施形態では、マップの例(図6~図8)として、ヒートマップを示す。ヒートマップとは、2次元の数値データ(行列データ)の個々の値を色や濃淡として表現した、可視化グラフの一種である。
マップ(ヒートマップ)は、後述するように、耐火レンガ16における反射位置の尤度を示すものであり、下記(a)および(b)の2種が挙げられる。
(a)測定点が1つのマップ:例えば後述する図6~図7に示すマップであり、距離特性グラフ(例えば図5)を、測定点を中心に円周状に並べたもの、または、測定点を中心に球状に重ねたものである。
(b)測定点が複数のマップ:例えば後述する図8または図17に示すマップであり、複数の上記(a)のマップを、距離と測定点の座標(位置関係)との関係を維持したまま合成したものである。測定点が複数であるため、尤度の精度はより優れる。
図6~図8に示すヒートマップは、測定点からの距離を縦軸および横軸とし、振幅(強度)を濃淡で描画している。振幅(強度)は、色相で表現してもよい。
ヒートマップは、3次元ヒートマップでもよいし、状態可視化装置1Aの使用者が選定した任意断面の2次元ヒートマップでもよい。
なお、マップを描画するに際して、各々の距離特性グラフは、縦軸を正規化することが好ましい。正規化は、縦軸の最大値を用いて実施してもよいし、縦軸の値の絶対値の総和を用いて実施してもよい。
図6は、点C1の受信部102の受信結果に基づくマップ(測定点:点C1、打点:点A1)のイメージ図であり、図3に示す炉壁11の点C1および点A1を通るXZ平面を示している。
制御部103は、具体的には、例えば、図5の距離特性グラフを、その原点0を点C1として、XZ平面に描画する。こうして、距離特性グラフの各距離(横軸)における強度(縦軸)の強弱がXZ平面に描かれたマップ(図6)が得られる。
制御部103が、図5の距離特性グラフ(測定点:点C1、打点:点A1)に基づいて、図6のマップを作成する場合の処理を、図9を用いて説明する。
まず、制御部103は、耐火レンガ16を、格子状に分割する。ここで、各々の格子を「ボクセル」と呼び、ボクセルの集合を「ボクセル群」と呼ぶ。1ボクセルのサイズ(例:1辺の長さ)は、特に限定されず、例えば、格子状(立方体状)の1ボクセルの1辺の長さが1mmであってもよい。
図9は、ボクセル群A02を示すイメージ図である。図9には、鉄皮12の表面上の点C1に配置された受信部102も図示している。
制御部103は、ボクセル群A02に含まれる1つのボクセルA01と点C1との距離dを算出する。次いで、制御部103は、距離特性グラフ(図5)を参照し、このボクセルA01に対して、距離dに対応する振幅(強度)vを、値として反映する処理を実行する。この処理を、ボクセル群A02の全てのボクセルについて実行する。これにより、点C1から等距離に位置するボクセルには、同じ振幅(強度)の値が設定され、点C1を中心とする同心球状に同じ振幅(強度)が設定される。
制御部103は、ボクセル群A02に含まれるボクセルのうち、点C1および点A1を通るXZ平面上のボクセルのみを抽出する。これにより、2次元ヒートマップ(図6)が生成される。
図6のマップにおける強弱(濃淡など)は、弾性波21の耐火レンガ16における反射位置の尤度(終端18の位置を含む)の大小を示す。図6のマップは、耐火レンガ16の残りについて、おおよその状態を示す。
図6のマップにおいては、例えば、強度(縦軸)が弱いほど薄く、強いほど濃く描かれる。強度の違いを、カラーを用いて表してもよい。
図6では、便宜的に、図5のグラフにおける2つのピークに対応する2つの黒帯のみを描画している。図6中の2つの黒帯は、反射位置の尤度が比較的大きい箇所を示す。すなわち、耐火レンガ16の亀裂19や終端18を含む可能性が高い。
黒帯が亀裂19および終端18のどちらであるかの判断は、測定点である点C1からの距離で判断する。例えば、点C1から近い黒帯が亀裂19を、遠い黒帯が終端18を含む可能性が高い。
具体的には、図6では、図5のグラフにおける左側のピーク(亀裂19の位置を含む可能性が高いピーク)を太線で示し、右側のピーク(終端18の位置を含む可能性が高いピーク)を、それよりも太い太線(極太線)で示している。
次に、測定点を点C1としたまま、打点が点A1以外の各点である場合について、制御部103は、図4~図6に基づいて説明した処理と同様の処理を実行して、図6とは別に、複数の2次元ヒートマップを得る。
例えば、まず、測定点が点C1、打点が点C3である場合の2次元ヒートマップを得る。次いで、測定点が点C1、打点が点A3である場合の2次元ヒートマップを得る。更に、測定点が点C1、打点が点A1、点C3および点A3以外である場合の2次元ヒートマップを得る。
更に、制御部103は、残りの点(点A1など)に配置された受信部102の受信結果に基づくマップも描画する。
例えば、制御部103は、まず、測定点が点A1、打点が点C1である場合について、図4~図6に基づいて説明した処理と同様の処理を実行して、2次元ヒートマップ(図7)を得る。
図7は、点A1の受信部102の受信結果に基づくマップ(測定点:点A1、打点:点C1)のイメージ図であり、図3に示す炉壁11の点C1および点A1を通るXZ平面を示している。
図7でも、図6と同様に、便宜的に、距離特性グラフにおける亀裂19の位置を含む可能性が高い箇所を太線で示し、終端18の位置を含む可能性が高いピークを極太線で示している。
制御部103が、図示しない距離特性グラフ(測定点:点A1、打点:点C1)に基づいて、図7のマップを作成する場合の処理を、図10を用いて説明する。
まず、制御部103は、耐火レンガ16を、格子状に分割する。
図10は、ボクセル群A02(図9)とは別のボクセル群B02を示すイメージ図である。図10には、点A1に配置された受信部102も図示されている。
制御部103は、ボクセル群B02に含まれるボクセルB01と点A1との距離dを算出する。次いで、制御部103は、図示しない距離特性グラフ(測定点:点A1、打点:点C1)を参照し、このボクセルB01に対して、距離dに対応する振幅(強度)vを、値として反映する処理を実行する。この処理を、ボクセル群B02の全てのボクセルについて実行する。これにより、点A1から等距離に位置するボクセルは、同じ振幅(強度)の値が設定され、点A1を中心とする同心球状に同じ振幅(強度)が設定される。
制御部103は、ボクセル群B02に含まれるボクセルのうち、点C1および点A1を通るXZ平面上のボクセルのみを抽出する。これにより、2次元ヒートマップ(図7)が生成される。
次に、測定点を点A1としたまま、打点が点C1以外の各点である場合について、制御部103は、同様の処理を実行して、図7とは別に、2次元ヒートマップを得る。
例えば、まず、測定点が点A1、打点が点C3である場合の2次元ヒートマップを得る。次いで、測定点が点A1、打点が点A3である場合の2次元ヒートマップを得る。更に、測定点が点A1、打点が点A1、点C3および点A3以外である場合の2次元ヒートマップを得る。
更に、制御部103は、測定点が点C1および点A1以外である場合(例えば、測定点が点C3および点A3である場合)についても、同様に、図6および図7とは別に、2次元ヒートマップを得る。
その後、制御部103は、描画した各マップを合成し、合成マップを生成する。
図8は、合成マップのイメージ図であり、具体的には、図6と図7とを合成したマップ(合成マップ)であり、図3に示す炉壁11の点C1および点A1を通るXZ平面を示している。
図8において、2本の太線は、図6と図7との中間位置に示されている。
制御部103が、図6のマップ(測定点:点C1、打点:点A1)と図7のマップ(測定点:点A1、打点:点C1)とに基づいて、図8の合成マップを作成する場合の処理を、図9および図10を用いて説明する。
なお、測定点が同じであるが、打点が異なるマップどうしを合成する場合も、下記処理と同様の処理を実行すればよい。
まず、制御部103は、図9のボクセル群A02(測定点:点C1、打点:点A1)と、図10のボクセル群B02(測定点:点A1、打点:点C1)とを参照する。異なるボクセル群であっても、同座標のボクセルは、耐火物16の同位置を示す。
制御部103は、ボクセル群A02(図9)とボクセル群B02(図10)とにおける同座標のボクセル(例えば、ボクセルA01およびボクセルB01)に設定されている振幅(強度)の値を加算し、新たな強度値(合成値)として算出する。
算出された合成値は、ボクセル群A02(図9)およびボクセル群B02(図10)とは別のボクセル群C02(図示せず)におけるボクセルA01およびボクセルB01と同座標のボクセルC01(図示せず)に設定される。
そして、制御部103は、新たなボクセル群C02から、合成値が設定されたボクセルのうち、点C1および点A1を通るXZ平面上のボクセルのみを抽出する。これにより、2次元ヒートマップ(図8)が生成される。
制御部103は、このようなマップを、更に、図3に示す炉壁11の点A1および点A3を通るYZ平面においても同様に生成する。
次いで、XZ平面のマップと、YZ平面のマップとから、3次元のマップを得る。
また、制御部103は、各ボクセルに合成値が設定された新たなボクセル群C02を、3次元のマップとして取得してもよい。3次元のマップにおいても、強度(合成値)の大小が、色の違いや濃淡によって表現される。
制御部103は、得られたマップ(本実施形態ではヒートマップ)を、例えば、後述する表示部104に表示させる。こうして、耐火レンガ16の状態を可視化できる。
得られたマップは、終端18の位置(すなわち、耐火レンガ16の残厚)だけでなく、亀裂19の位置の情報も含むものであり、これにより、作業者は、高炉の操業中に、耐火レンガ16の状態を、視覚的に把握できる。
作業者は、得られたマップに基づいて、耐火レンガ16を補修できる。
すなわち、耐火レンガ16の状態が可視化されたマップを参照することで、耐火レンガ16の補修時期を決定し、耐火レンガ16を補修できる。
例えば、マップを参照することで、耐火レンガ16に亀裂19の発生が認められた場合は、予定されていた補修時期よりも前に、耐火レンガ16を補修できる。
なお、受信部102の個数は、4個に限定されず、これより少なくても、多くてもよい。例えば、受信部102の個数が1個であっても、上述したように、マップは得られる(例えば、図6および図7を参照)。
もっとも、耐火レンガ16の状態を、より精度良く把握する観点からは、受信部102の個数は、2個以上が好ましい。
本実施形態において、制御部103によって実行される処理は、まとめると、例えば、以下の図11または図12に基づいて説明する処理が挙げられる。
なお、以下に説明する処理は、測定点ごとに打点が複数ある場合に実行される処理であるが、測定点ごとに打点が1つであってもよい。
図11は、制御部103が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、各測定点(例えば、点C1、点A1、点C3、点A3)に配置された受信部102が、反射波22を加速度信号として受信する(ステップS11)。このとき、測定点ごとに、各打点からの反射波22を受信する。
次に、制御部103は、反射波22を振幅スペクトル(図4参照)に変換し(ステップS12)、振幅スペクトルを距離特性グラフ(図5参照)に変換し(ステップS13)、更に、距離特性グラフに基づいてマップ(図6または図7参照)を作成する(ステップS14)。
全測定点で全打点のマップが作成されていなければ、上記処理を繰り返す(ステップS15のNO)。全測定点で全打点のマップが作成されたならば(ステップS15のYES)、制御部103は、作成された個々のマップを合成して、合成マップ(図8参照)を作成する(ステップS16)。更に、制御部103は、作成した合成マップを、後述する表示部104に表示させる(ステップS17)。
図12は、制御部103が実行する処理の流れの別の一例を示すフローチャートである。まず、各測定点に配置された受信部102が、反射波22を加速度信号として受信する(ステップS21)。このとき、測定点ごとに、各打点からの反射波22を受信する。
全測定点で全打点からの反射波22が受信されたならば(ステップS22のYES)、制御部103は、各々の反射波22を、振幅スペクトル(図4参照)に変換する(ステップS23)。
全ての反射波22が振幅スペクトルに変換されたならば(ステップS24のYES)、制御部103は、各々の振幅スペクトルを距離特性グラフ(図5参照)に変換する(ステップS25)。
全ての振幅スペクトルが距離特性グラフに変換されたならば(ステップS26のYES)、制御部103は、各々の距離特性グラフに基づいて、マップ(図6または図7参照)を作成する(ステップS27)。
全ての距離特性グラフについて、マップが作成されたならば(ステップS28のYES)、制御部103は、作成された個々のマップを合成して、合成マップ(図8参照)を作成する(ステップS29)。更に、制御部103は、作成した合成マップを、後述する表示部104に表示させる(ステップS30)。
以上、状態可視化装置をCS構造高炉に適用する場合を例に説明した。
ただし、状態可視化装置を適用できる炉(工業用炉)としては、これに限定されず、例えば、鉄皮および耐火物(耐火レンガ)を有する炉壁を備える炉が挙げられ、その具体例としては、CS構造高炉以外の高炉(3層構造の高炉)、電気炉、転炉、取鍋(RH炉など)、トピードカー、ガス化溶融炉などが挙げられる。
[別の実施形態(実施形態A)]
次に、別の実施形態(「実施形態A」と呼ぶ)に係る状態可視化装置1Aについて、図13~図18を用いて説明する。
〈状態可視化装置1Aの構成〉
図13は、状態可視化装置1Aの機能ブロック図である。
図13に示すように、状態可視化装置1Aは、入力部101、受信部102、制御部103、および、表示部104を備える。
《入力部101》
入力部101は、インパクトハンマー、加振機などによって構成される。
入力部101がインパクトハンマーで構成される場合、例えば、想定される共振周波数の最大値を計測できる周波数特性を有するインパクトハンマーを用いる。共振周波数の想定値は、シミュレーションによって算出し得る。
《受信部102》
受信部102は、例えば、加速度計によって構成される。
受信部102が加速度計で構成される場合、鉄皮12(図1参照)の法線方向の加速度を検出できる加速度計を用いることが好ましい。
《制御部103》
制御部103は、状態可視化装置1Aの全体を制御する。
制御部103は、例えば、1つ以上のプロセッサから構成される。
制御部103は、集積回路(ICチップ)などに形成された論理回路(ハードウェア)によって構成されていてもよい。
制御部103は、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって構成されていてもよい。
制御部103は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成されていてもよい。
制御部103は、周波数解析部201と、距離特性算出部202と、記憶部203と、マップ生成部204と、を備える。これらの各部は、それぞれ、独立した筐体を備えていてもよい。
周波数解析部201は、例えば、FFTアナライザで構成される。距離特性算出部202、記憶部203およびマップ生成部204は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)で構成される。
制御部103には、上述した各部どうし間でデータをやり取りするためのデータバスが設けられていてもよい。
制御部103を構成する各部のうち、一部が別の端末(図示せず)に設けられていてもよい。
(周波数解析部201)
周波数解析部201は、受信部102が受信した反射波を受け取り、周波数解析して、周波数特性を算出する。
出力する周波数特性としては、例えば、振幅スペクトルを用いるが、これに限定されず、例えば、入力部101から入力した弾性波と、受信部102で受信した反射波とから計算される周波数応答関数を用いてもよい。
周波数解析の方法としては、例えば、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform、DFT)や、DFTを高速実行する高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)が挙げられるが、これに限定されず、ウェーブレット変換により解析してもよい。
周波数解析部201は、受信部102から受け取った反射波を、そのまま周波数解析して、振幅スペクトルを取得してもよい。また、周波数解析部201は、帯域通過フィルタを用いて、特定の周波数帯の信号のみを周波数解析して、振幅スペクトルを取得してもよい。更に、周波数解析部201は、受け取った反射波から窓関数を用いて切り出した信号を周波数解析して、振幅スペクトルを取得してもよい。
((周波数解析部201による周波数特性の算出))
周波数解析部201が周波数特性を算出する方法として、離散フーリエ変換を用いる方法を説明する。
時刻tにおいて、受信部102が計測した加速度信号の標本化番号をn、加速度信号を標本化した信号をa(n)とする。このとき、a(n)の離散フーリエ変換A(k)は、下記式(1)により算出できる。
Figure 0007371823000001
ここで、kは、周波数の標本化番号(k=0,1,…,N-1)、Nは、離散フーリエ変換の対象である標本化信号a(n)のゲート長である。
ゲート長Nの下限値は、観測する最大の周波数fmaxと、耐火レンガ16の最大厚さに基づく弾性波の往復時間Tと、周波数解析に用いる弾性波の往復回数mとにより算出できる。加速度信号の標本化間隔をΔtとすると、観測する最大の周波数fmaxは、下記式(2)により算出できる。
Figure 0007371823000002
このとき、ゲート長Nで周波数解析の対象である信号の時間幅は、N×Δtであり、この時間幅が弾性波のm回分の往復時間m×T以上である必要があるから、ゲート長Nの下限値は、下記式(3)により決まる。
Figure 0007371823000003
ゲート長Nの上限値は、例えば、入力部101による弾性波の入力間隔や、加速度信号の減衰量が一定以上みられる時間により決まる。
A(k)の振幅スペクトルは、A(k)の絶対値|A(k)|により算出できる。
(距離特性算出部202)
距離特性算出部202は、周波数解析部201が算出した周波数特性を、距離特性に変換する。
周波数特性を距離特性に変換する方法としては、例えば、音速と周波数とから算出した波長を距離として用いてもよいし、事前にシミュレーションにより耐火レンガ16の厚さと周波数との関係を取得して記憶部203に記憶しておき、記憶部203から厚さと周波数との関係を読み込んで、周波数を距離に変換してもよい。
((距離特性算出部202による距離特性の算出))
距離特性算出部202が距離特性を算出する方法として、音速を用いて距離特性を算出する方法を説明する。
周波数解析部201で算出した振幅スペクトル|A(k)|の標本化番号kにおける周波数fは、下記式(4)により算出できる。
Figure 0007371823000004
音速をcとすると、波長λは、下記式(5)により算出できる。
Figure 0007371823000005
このとき、距離特性F(λ)は、下記式(6)により決定する。
Figure 0007371823000006
(記憶部203)
記憶部203は、例えば、受信部102が計測した加速度信号、制御部103が有する各部の処理結果、処理に利用する種々のデータを保存する。
記憶部203は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置によって構成される。
(マップ生成部204)
マップ生成部204は、距離特性算出部202が算出した距離特性に基づいて、耐火レンガ16における弾性波21の反射位置の尤もらしさ(すなわち、反射位置の尤度)を示すマップを生成する。
本実施形態では、以下に説明するように、マップ生成部204は、まず、距離特性算出部202が算出した距離特性を用いて、反射位置の尤度を算出し、次いで、算出した反射位置の尤度を示すマップを生成する。
((マップ生成部204による任意の点での反射位置の尤度の算出))
マップ生成部204が、耐火レンガ16の任意の点Rでの反射位置の尤度を算出する方法を、図14および図15を参照して説明する。
図14は、鉄皮12に受信部102が取り付けられた状態の炉壁11を示す斜視図である。図15は、距離特性算出部202が算出した距離特性のイメージ図である。
図14において、受信部102の取り付け位置の空間座標は(x,y,z)であり、耐火レンガ16における任意の点Rの空間座標は(x,y,z)である。
このとき、耐火レンガ16の点Rと、受信部102の取り付け位置との距離dは、下記式(7)により算出できる。
Figure 0007371823000007
求めた距離dを、距離特性算出部202が算出した距離特性に当てはめて、F(d)を算出すると、耐火レンガ16の点Rでの反射位置の尤度L(x,y,z)は、距離dの距離特性F(d)を用いて、下記式(8)により算出できる。
Figure 0007371823000008
なお、k=0,1,…,N-1である。
ここで、max(x)は、括弧内で最大の要素を算出する関数である。
次に、複数の受信部102が複数位置で反射波22を受信する場合において、マップ生成部204が、耐火レンガ16の任意の点Rでの反射位置の尤度を算出する方法を、図16を参照して説明する。
図16は、鉄皮12にM個の受信部102が取り付けられた状態の炉壁11を示す斜視図である。
図16において、受信部102の取り付け位置の空間座標は(xp0,yp0,zp0),(xp1,yp1,zp1),…,(xpM-1,ypM-1,zpM-1)であり、耐火レンガ16における任意の点Rの空間座標は(x,y,z)である。
このとき、耐火レンガ16の点Rと、m番目の受信部102の取り付け位置との距離drmは、下記式(9)により算出できる。
なお、m=0,1,…,M-1である。
求めた距離drmを、距離特性算出部202が算出した距離特性に当てはめて、F(drm)を算出すると、耐火レンガ16の点Rでの反射位置の尤度L(x,y,z)は、距離drmの距離特性F(drm)を用いて、下記式(10)により算出できる。
((マップ生成部204によるマップの生成))
マップ生成部204は、反射位置の尤度の大小を可視化したマップを生成する。
マップとしては、2次元または3次元のマップが好ましい。本実施形態では、マップの例として、ヒートマップを選んでいる。本実施形態のヒートマップは、測定点からの距離を縦軸および横軸とし、振幅(強度)を濃淡で描画している。ヒートマップは、反射位置の尤度の大小を色相で表現してもよい。ヒートマップは、3次元ヒートマップでもよいし、状態可視化装置1Aの使用者が選定した任意断面の2次元ヒートマップでもよい。
《表示部104》
表示部104は、マップ生成部204が生成したヒートマップ401や、状態可視化装置1Aを操作するためのUI(User Interface)などを表示する。
図17は、ヒートマップ401を表示する表示部104を示す模式図である。
表示部104は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro Luminescence Display、OELD)などによって構成される。
〈状態可視化装置1Aの処理〉
状態可視化装置1Aで実行される処理について、図18を用いて説明する。
図18は、状態可視化装置1Aでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、受信部102は、反射波の信号を受信する(ステップS100)。
次に、周波数解析部201は、受信部102から反射波の信号を受け取り、受け取った信号を周波数解析して、振幅スペクトルを算出する(ステップS101)。
次に、距離特性算出部202は、周波数解析部201が算出した振幅スペクトルを、距離特性に変換する(ステップS102)。
次に、マップ生成部204は、距離特性算出部202が算出した距離特性を用いて、耐火レンガ16における反射位置の尤度を算出する(ステップS103)。
マップ生成部204は、耐火レンガ16における全ての点で反射位置の尤度を算出したか否かを判定し(ステップS104)。全ての点で反射位置の尤度を算出していない場合は(ステップS104のNO)、反射位置の尤度の算出を繰り返し実行する(ステップS103)。
なお、全ての点で反射位置の尤度を算出していない場合(ステップS104のNO)、再び同じ受信部102または異なる受信部102において、反射波を受信してもよい(ステップS100)。その場合、引き続き、振幅スペクトルを算出し(ステップS101)、算出した振幅スペクトルを距離特性に変換し(ステップS102)、この距離特性を用いて、反射位置の尤度を算出する(ステップS103)。
全ての点で反射位置の尤度を算出した場合は(ステップS104のYES)、マップ生成部204は、反射位置の尤度の大小を反映したマップを生成する(ステップS105)。本実施形態では、マップ生成部204は、反射位置の尤度の大小を濃淡に反映したヒートマップ401を生成する。
次いで、制御部103は、表示部104を駆動制御して、マップ生成部204が生成したマップを表示部104に表示させる(ステップS106)。本実施形態では、制御部103は、表示部104を駆動制御して、マップ生成部204が生成したヒートマップ401を表示部104に表示させる。
[別の実施形態(実施形態B)]
次に、更に別の実施形態(「実施形態B」と呼ぶ)を説明する。
実施形態Bについては、実施形態Aと異なる点のみ説明する。具体的には、実施形態Bは、距離特性算出部202が、実施形態Aとは異なる。
(距離特性算出部202)
距離特性算出部202が、事前にシミュレーションにより耐火レンガ16の厚さと周波数との関係を取得して記憶部203に記憶しておき、記憶部203から厚さと周波数の関係を読み込んで、周波数を距離に変換する方法について、以下に説明する。
((距離特性算出部202による距離特性の算出))
距離特性算出部202が距離特性を算出する方法として、有限要素法による加振シミュレーション結果を用いて距離特性を算出する方法を説明する。
有限要素法は、微分方程式を近似的に解くための数値解析手段であり、連続体を有限の大きさの要素に分割して計算する。連続体における超音波伝播運動は、下記式(11)に示す微分方程式により表現される。
ここで、ρは密度、σは応力、xは座標、iおよびjは座標軸の番号、bは物体力、uは変位、tは時刻である。
上記式(11)を有限の大きさの要素に分割した場合、時刻tにおける超音波伝播運動は、下記式(12)により表現される。
ここで、[M]は要素質量マトリックス、[C]は要素減衰マトリックス、[K]は要素剛性マトリックス、{u″}は加速度ベクトル、{u′}は速度ベクトル、{u}は変位ベクトル、{f}は外力ベクトルである。ここで、u″は変位uを2回微分した加速度、u′は変位uを1回微分した速度という関係がある。
距離特性算出部202は、有限の大きさの要素に分割した炉(高炉)の3次元モデルを生成する。炉の3次元モデルは、炉全体でよい。また、炉の3次元モデルは、厚さを計測する耐火レンガ16、および、耐火レンガ16の外層領域のみでもよい。距離特性算出部202は、耐火レンガ16の厚さが異なる複数の3次元モデルを生成する。
距離特性算出部202は、生成したそれぞれの3次元モデルを用いて、上記式(12)の超音波伝播運動を、逐次的に計算する。
耐火レンガ16の厚さTの3次元モデルを用いて、超音波伝播運動をシミュレーションし、その結果、加速度計測位置{xp}において観測した加速度信号を、aTxp(n)とする。このとき、aTxp(n)の離散フーリエ変換ATxp(k)は、下記式(13)により算出できる。
なお、k=0,1,…,N-1である。
距離特性算出部202は、ATxp(k)より、耐火レンガ16の厚さTにおける共振周波数fを、下記式(14)により算出する。
なお、k=0,1,…,N-1である。
ここで、argmax(x)は、括弧内の要素を最大にするargmax下部のパラメータを算出する関数である。
距離特性算出部202は、それぞれの耐火レンガ16の厚さTで、上記式(14)の計算を実施することにより、耐火レンガ16の厚さTと、共振周波数fとを変換する関数を導出する。
距離特性算出部202は、求めたい厚さの分解能ごとの耐火レンガ16の厚さでシミュレーションし、耐火レンガ16の厚さと共振周波数とを一対一対応させる関数を導出してもよい。また、代表点でシミュレーションし、耐火レンガ16の厚さと共振周波数とを変換する近似式を導出してもよい。
1、1A:状態可視化装置
11:炉壁
12:鉄皮
13:不定形耐火物
14:銅板
15:不定形耐火物
16:耐火レンガ
17:穴
18:終端
19:亀裂
21:弾性波
22:反射波
101:入力部
102:受信部
103:制御部
104:表示部
201:周波数解析部
202:距離特性算出部
203:記憶部
204:マップ生成部
401:ヒートマップ(マップ)

Claims (4)

  1. 耐火物を有する炉壁に弾性波を入力するステップと、
    前記弾性波の反射波を受信するステップと、
    前記反射波の周波数特性を求めるステップと、
    前記周波数特性から距離特性を求めるステップと、
    前記距離特性に基づいて、前記耐火物における反射位置の尤度を示すマップを生成するステップと、を含む、耐火物の状態可視化方法。
  2. 前記距離特性は、複数の距離特性を含み、
    前記複数の距離特性ごとに作成される個々のマップを合成して前記マップを生成する、請求項1に記載の耐火物の状態可視化方法。
  3. 請求項1または2に記載の耐火物の状態可視化方法によって生成されたマップに基づいて、耐火物を補修する、耐火物の補修方法。
  4. 耐火物を有する炉壁に弾性波を入力する入力部と、
    前記弾性波の反射波を受信する受信部と、
    前記反射波の周波数特性を求め、前記周波数特性から距離特性を求め、前記距離特性に基づいて、前記耐火物における反射位置の尤度を示すマップを生成する制御部と、
    を備える、耐火物の状態可視化装置。
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