以下の説明および添付の図は、靴および靴の自動ひも締めシステムの様々な実施形態または構成を開示する。実施形態は、ランニングシューズ、テニスシューズ、バスケットボールシューズなどのスポーツシューズを参照して開示されているが、靴の実施形態に関連する概念は、例えば、バスケットボールシューズ、クロストレーニングシューズ、フットボールシューズ、ゴルフシューズ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、スキーおよびスノーボードブーツ、サッカーシューズおよびクリート、ウォーキングシューズ、ならびにトラッククリートを含む、広範囲の履物および履物のスタイルに適用され得る。靴または自動ひも締めシステムの概念は、ドレスシューズ、サンダル、ローファー、スリッパ、およびヒールなど、非運動用とされる靴にも適用することができる。履物に加えて、本明細書に記載されている自動ひも締めの概念などの特定の概念は、ヘルメット、パディングまたは保護パッド、すね当て、および手袋などのアパレルまたは他の運動用具を含む他のタイプの物品にも適用して組み込むことができる。さらに、本明細書に記載された特定の概念は、クッション、バックパック、スーツケース、バックパックストラップ、ゴルフクラブ、または他の消費者製品もしくは工業製品に組み込まれてもよい。したがって、本明細書に記載されている概念は、様々な製品に利用することができる。
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば、履物具または本明細書の開示の実施形態を含み得る他の製造品に使用される典型的な測定および製造手順、これらの手順における不注意なエラー、組成物または混合物の製造または方法の実施に使用される成分の製造、供給源、または純度の違いなどによって生じる可能性のある数値量の変動をいう。本開示全体を通して、「約」および「概ね」という用語は、その用語が先行する数値の±5%の範囲を意味する。
本明細書で使用されている「スワイプ」という用語またはそのバリエーションは、機能を作動させるためにパネルまたはタッチスクリーン上で指を動かす行為または段階をいう。「スワイプ」は、パネルまたはタッチスクリーンに触れ、パネルまたはタッチスクリーンに沿って指を第1の方向に移動させ、その後、パネルまたはタッチスクリーンとの指の接触を解除することを含む。
本開示は、履物具および/または履物具の特定のコンポーネント、例えば、アッパーおよび/またはソールもしくはソール構造体、ならびに自動ひも締めシステムを対象としている。アッパーは、編物コンポーネント、織布、不織布、レザー、メッシュ、スエード、および/または前述の材料の1つまたは複数の組み合わせを含む。編物コンポーネントは、糸を編むことによって作られ、織布は、糸を織ることによって作られ、不織布は、単一の不織布ウェブの製造によって作られてもよい。編物は、縦編み、横編み、平編み、丸編み、およびその他の適切な編み方によって形成された織物を含む。編物は、例えば、平編み構造、メッシュ編み構造、および/またはリブ編み構造を有していてもよい。織布には、例えば、平織り、綾織り、サテン織り、ドビン織り、ジャカード織り、二重織り、および/または二重布織りなどの多数の織り形態のいずれかによって形成された織物が含まれるが、これらに限定されない。不織布は、例えば、エアレイド法および/またはスパンレイド法で作られた織物を含む。アッパーは、第1の糸、第2の糸、および/または第3の糸などの様々な材料を含んでいてもよく、これらの材料は、様々な特性または様々な視覚的特性を有していてもよい。
図1は、一足の靴22を含む履物アセンブリ20を示しており、靴22の各々は、自動ひも締めシステム24、靴22の各々の中に配置されている1つまたは複数のバッテリー(図示せず)を充電するための充電器26、バッテリーが靴22の1つから取り外されたときに充電するためのバッテリー(図示せず)を受け入れるための充電カートリッジ28、およびユーザからの1つまたは複数の入力に基づいて自動ひも締めシステム24に1つまたは複数の信号を送信するために使用され得る携帯電話またはタブレットなどの電子機器30を含む。履物アセンブリ20は、本明細書で特に取り上げていない追加のコンポーネントを含んでいてもよい。
以下でより詳細に説明するように、履物アセンブリ20は、ユーザが、自動ひも締めシステム24の制御パネルまたはスワイプパネル32にスワイプ、タップ、プレス、または圧力を加えることによって、靴22のひもを締めたり、または緩めたりできるようにすることを意図している。非限定的な例として、ユーザは、自動ひも締めシステム24のパネル32に沿って下にスワイプして自動ひも締めシステム24のひもを閉じたり、または締めたりすることができ、上にスワイプしてひもを開いたり、または緩めたりすることができ、パネル32の上端をタップしてひもをより正確に緩めたり、またはパネル32の下端をタップしてひもをより正確に締めたりすることができる。これらの機能およびその他の機能については、以下でより詳細に説明する。
図2を参照すると、靴22がより詳細に示されている。靴22は、第1または左の靴40および第2または右の靴42を含む。左の靴40および右の靴42は、それぞれ、ユーザの左足および右足を受け入れる大きさおよび形状であることを除いて、すべての材料面で類似していてもよい。開示を容易にするために、単一の靴または履物具44を参照して、本開示の態様を説明する。いくつかの図では、履物具44は右の靴として示され、いくつかの図では、履物具は左の靴として示されている。履物具44を参照した以下の開示は、左の靴40および右の靴42の両方に適用可能である。いくつかの実施形態では、左の靴40と右の靴42との間には、左右の構成以外の違いがあってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、左の靴40は自動ひも締めシステム24を含むが、右の靴42は自動ひも締めシステム24を含まない、またはその逆であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、左の靴40は、右の靴42が含まない1つまたは複数の追加要素を含んでいてもよく、またはその逆であってもよい。以下で説明されるように、履物具44は、自動ひも締めシステム24を含む必要はなく、むしろ、本明細書に開示されるひも締めにしたがって手動でひも締めされてもよい。
図3~図6Bは、アッパー50およびソール構造体52を含む履物具44の例示的な実施形態を示す。本明細書でさらに説明されるように、アッパー50は、ソール構造体52に取り付けられ、一体となって、ユーザの足が挿入され得る内部空洞54(図4および図5参照)を画定する。参考までに、履物具44は、前方領域56、中央領域58、および踵領域60(図6Aおよび図6B参照)を画定する。前方領域56は、概ね、足指、母指球、および中足骨と足指または指骨とを接続する関節を含む足の部分を包む履物具44の一部に対応する。中央領域58は、前方領域56に近接して隣接しており、概ね、足の土台とともに足の土踏まずを包む履物具44の一部に対応する。踵領域60は、中央領域58に近接して隣接しており、概ね、踵または踵骨、足首、および/またはアキレス腱を含む足の後部を包む履物具44の部分に対応する。
多くの従来の履物のアッパーは、複数の要素、例えば、織物、ポリマー発泡、ポリマーシート、レザー、および/または合成レザーから形成されており、これらは、縫合での結合または縫合によって接合される。いくつかの実施形態では、履物具44のアッパー50は、編物構造体または編物コンポーネントから形成される。様々な実施形態において、編物コンポーネントは、アッパーに異なる特性を提供することができる様々なタイプの糸を組み込んでもよい。例えば、アッパー50のある領域は、第1の特性セットを付与する第1のタイプの糸から形成されてもよく、アッパー50の別の領域は、第2の特性セットを付与する第2のタイプの糸から形成されてもよい。この構成を用いると、アッパー50の異なる領域に特定の糸を選択することによって、アッパー50の特性がアッパー50全体で変化する場合がある。好ましい実施形態では、図8を参照すると、履物具44は、第1またはメッシュ層62および第2またはベース層64を含む。ベース層64は、複数のひも穴68が設けられる場合がある外面66、およびユーザが履物具44を履いたときに足と係合する内面70などの複数の層を含んでもよい。メッシュ層62およびベース層64は、履物具44に沿った1つまたは複数の位置で接続されていてもよい。
アッパー50を含む材料に関して、特定のタイプの糸が編物コンポーネントの領域に与える特定の特性は、少なくとも部分的には、糸の様々なフィラメントおよび繊維を形成する材料に依存する場合がある。例えば、綿は、編物材料に柔軟な効果、生分解性、または自然な美しさを与える。エラスタンおよびストレッチポリエステルは、それぞれ、所望の弾力性および回復性を有する編物コンポーネントを提供する。レーヨンは、高光沢で、かつ、吸湿性のある材料を提供し、ウールは、吸湿性を高めた材料を提供し、ナイロンは、耐摩耗性のある耐久性のある材料を提供し、ポリエステルは疎水性の耐久性のある材料を提供する場合がある。
編物コンポーネントの他の態様も、編物コンポーネントの特性に影響を与え、所望の属性を与えるために変化させてもよい。例えば、編物コンポーネントを形成する糸は、モノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を含んでいてもよく、または糸の各々が2つ以上の異なる材料で形成されたフィラメントを含んでいてもよい。また、編物コンポーネントの領域に特定の特性を付与するために、特定の編み方で編物コンポーネントを形成する場合がある。したがって、糸を形成する材料と糸の他の態様の両方を選択して、アッパー50の特定の領域に様々な特性を付与してもよい。
いくつかの実施形態では、編物構造体の弾性は、第1の非伸張状態における編物構造体の幅または長さと、編物構造体に横方向の力が加わった後の第2の伸張状態における編物構造体の幅または長さとを比較することに基づいて測定されてもよい。さらなる実施形態では、アッパー50は、追加の構造的要素も含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザの踵に追加の支持体を提供するために、踵領域60に踵プレートまたはカバー(図示せず)を設けてもよい。いくつかの実施形態では、他の要素、例えば、プラスチック材料、ロゴ、商標なども、接着剤または熱成形プロセスを用いて外面に適用し、固定してもよい。いくつかの実施形態では、アッパー50に関連する特性、例えば、ステッチタイプ、糸タイプ、または異なるステッチタイプや糸タイプに関連する特性、例えば、弾性、美的外観、厚さ、通気性、またはスカッフ抵抗性などを変化してもよい。
図4および図5を参照すると、履物具44は、外側側面80および内側側面82を画定し、外側側面80は図4に示されており、内側側面82は図5に示されている。ユーザが靴を履いているとき、外側側面80は、履物具44の外側に面した部分に対応し、一方、内側側面82は、履物具44の内側に面した部分に対応する。このように、左の靴40および右の靴42は、対向する外側側面80および内側側面82を有し、ユーザが靴22を履いているときに内側側面82が互いに最も近くにあり、一方、外側側面80は、靴22を履いているときに互いに最も遠い側として画定される。以下でより詳細に説明するように、内側側面82および外側側面80は、履物具44の対向する遠位端で互いに隣接している。
図6Aおよび図6Bを参照すると、内側側面82および外側側面80は、履物具44の長手方向の中心面または軸84に沿って互いに隣接している。本明細書でさらに説明されるように、長手方向の中央面または軸84は、履物具44の内側側面82と外側側面80との間の中央の中間軸を画定してもよい。換言すると、長手方向の面または軸84は、履物具44の後部、遠位端86と履物具44の前部、遠位端88との間に延在してもよく、履物具44のインソール90、ソール構造体52、および/またはアッパー50の中央を連続的に画定してもよく、すなわち、長手方向の面または軸84は、踵領域60の後部、遠位端86を通って前方領域56の前部、遠位端88まで延在する直線軸である。
別段の定めがない限り、および図6Aおよび6Bを参照すると、履物具44は、前方領域56、中央領域58、および踵領域60によって画定されてもよい。前方領域56は、概ね、足指または指節骨94、母指球96、および足92の中足骨100と足指または指節骨94とを接続する1つまたは複数の関節98を含む足92の部分を包む履物具44の一部に対応してもよい。中央領域58は、前方領域56に近接し、かつ、隣接している。中央領域58は、概ね、足92の土台とともに足92の土踏まずを包む履物具44の一部に対応する。踵領域60は、中央領域58に近接し、かつ、中央領域58に隣接している。踵領域60は、概ね、踵または踵骨104、足首(図示せず)、および/またはアキレス腱(図示せず)を含む、足92の後部を包む履物具44の部分に対応する。
なお、図6Aおよび6Bを参照すると、前方領域56、中央領域58、踵領域60、内側側面82、および外側側面80は、履物具44の境界または領域を画定することが意図されている。そのために、前方領域56、中央領域58、踵領域60、内側側面82、および外側側面80は、概ね、履物具44の区画を特徴付ける。本開示の特定の態様は、前方領域56、中央領域58、踵領域60、内側側面82、および/または外側側面80のうちの1つまたは複数と共在する部分または要素をいうことがある。さらに、アッパー50およびソール構造体52の両方は、前方領域56、中央領域58、踵領域60内、および/または内側側面82および/または外側側面80に沿った部分を有することを特徴付けられる場合がある。したがって、アッパー50およびソール構造体52、および/またはアッパー50およびソール構造体52の個々の部分は、前方領域56、中央領域58、踵領域60の中に配置される部分、および/または内側側面82および/または外側側面80に沿って配置される部分を含む場合がある。
なお、図6Aおよび図6Bを参照すると、前方領域56、中央領域58、踵領域60、内側側面82、および外側側面80が詳細に示されている。前方領域56は、履物具44の爪先端110から最も広い部分112まで延びている。最も広い部分112は、爪先端110の遠位部から爪先端110と反対側にある踵端116の遠位部まで延びる長手方向の軸84に対して垂直な第1の線114に沿って画定され、または測定される。中央領域58は、履物具44の最も広い部分112から最も薄い部分118まで延びている。履物具44の最も薄い部分118は、長手方向の軸84に対して垂直な第2の線120を横切って測定される履物具44の最も薄い部分として画定される。踵領域60は、最も薄い部分118から履物具44の踵端116まで延びる。
前述の説明を考慮し、当業者には多数の変更が明らかである場合があり、その個々のコンポーネントは、多数の履物具に組み込まれる場合があると理解すべきである。したがって、履物具44の態様およびそのコンポーネントは、本明細書に記載された前方領域56、中央領域58、踵領域60、内側側面82、および/または外側側面80の境界が履物具間で異なる場合があることを理解した上で、履物具44の一般的な領域または部分を参照して説明される場合がある。
しかしながら、履物具44の態様およびその個々のコンポーネントは、履物具44の正確な領域または部分を参照して説明してもよく、本明細書の添付の請求項の範囲は、本明細書で説明される前方領域56、中央領域58、踵領域60、内側側面82、および/または外側側面80のこれらの境界に関連する限定を組み込んでもよい。
なお、図6Aおよび図6Bを参照すると、内側側面82は、遠位の爪先端88から始まり、前方領域56に沿って中央領域58に向かい、履物具44の内側に沿って外方向に弓状になる。内側側面82は、第1の線114に到達し、その時点で、内側側面82は、中央の長手方向の軸84に向かって、内方向に弓状になる。内側側面82は、第1の線114、すなわち、最も幅の広い部分112から、第2の線120、すなわち、最も薄い部分118に向かって延び、この時点で、内側側面82は、すなわち、第1の線114を越えて中央領域58に入る。第2の線120に到達すると、内側側面82は、長手方向の中心軸84から離れて外方向に弓状になり、その時点で、内側側面82は、すなわち、第2の線120を超えて踵領域60に延びる。その後、内側側面82は、外方向に向かって弓状になり、次いで、踵端86に向かって内方向に向かって弓状になり、内側側面82が長手方向の、中心軸84と一致する点で終了する。
なお、図6Aおよび図6Bを参照すると、外側側面80も遠位の爪先端88から始まり、前方領域56に沿って中央領域58に向かい、履物具44の外側に沿って外方向に弓状になる。外側側面80は、第1の線114に到達し、その時点で、外側側面80は、中央の長手方向の中心軸84に向かって、内方向に弓状になる。外側側面80は、第1の線114、すなわち、最も幅の広い部分112から、第2の線120、すなわち、最も薄い部分118に向かって延び、この時点で、外側側面80は、すなわち、第1の線114を超えて中央領域58に入る。第2の線120に到達すると、外側側面80は、長手方向の中心軸84から離れて外方向に弓状になり、その時点で、外側側面80は、すなわち、第2の線120を越えて踵領域60に延びる。その後、外側側面80は、外方向に向かって弓状になり、次いで、踵端86に向かって内方向に弓状になり、外側側面80が長手方向の、中心軸84と一致する点で終了する。
図4および図5に戻り、ソール構造体52は、アッパー50に接続され、または固定されており、履物具44がユーザによって着用されたときに、ユーザの足と地面との間に延びる。ソール構造体52はまた、アウトソール、ミッドソール、ヒール、バンプ、および/またはインソールを含む、1つまたは複数のコンポーネントを含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ソール構造体は、ユーザに静止摩擦を提供するとともに、ソール構造体に構造的整合性を提供するアウトソール、クッションシステムを提供するミッドソール、およびユーザの土踏まずを支持するインソールを含んでいてもよい。
図4~図6Aを参照すると、本実施形態のソール構造体52は、アウトソールまたはアウトソール領域130、ミッドソール領域132、およびインソールまたはインソール領域134によって特徴付けられてもよい(図6A参照)。アウトソール領域130、ミッドソール領域132、およびインソール領域134、および/またはそれらの任意のコンポーネントは、前方領域56、中央領域58、および/または踵領域60内の一部を含んでいてもよい。さらに、アウトソール領域130、ミッドソール領域132、およびインソール領域134、および/またはそれらの任意のコンポーネントは、外側側面80および/または内側側面82の一部を含んでいてもよい。
他の例では、アウトソール領域130は、履物具44が着用されたときに、少なくとも部分的に、外部面、例えば、地面に接触するソール構造体52の一部として画定されてもよい。インソール領域134は、履物具が着用されたときに、少なくとも部分的に、ユーザの足に接触するソール構造体52の一部として画定されてもよい。最後に、ミッドソール領域132は、アウトソール領域130とインソール領域134との間に延びて接続するソール構造体52の少なくとも一部として画定されてもよい。
図4および図5に示すように、アッパー50は、ソール構造体52から上方に延び、ユーザの足を受け入れて固定する内部空洞54を画定する。アッパー50は、足部領域136および足首部領域138によって画定されてもよい。足部領域136は、概ね、ソール構造体52から上方に延び、前方領域56、中央領域58、および踵領域60を通る。足首部領域138は、主に、踵領域60に位置するが、いくつかの実施形態では、足首部領域138は、部分的に中央領域58に延びていてもよい。
外部面メッシュ層62のない履物具44を示した図4および図5を再び参照すると、自動ひも締めシステム24のひもの一部がより詳細に示されている。自動ひも締めシステム24は、パネル32を画定するハウジング140、ならびに外側または第1のひも142および内側または第2のひも144を含むひもを含む。自動ひも締めシステム24は、以下で説明する多数の電子コンポーネントも含む。第1のひも142は、複数の外側ひも穴146を通って延び、第2のひも144は、複数の内側ひも穴148を通って延びている。外側ひも穴146は、第1の外側ひも穴150、第2の外側ひも穴152、第3の外側ひも穴154、第4の外側ひも穴156、および第5の外側ひも穴158を含む。内側ひも穴148は、第1の内側ひも穴160、第2の内側ひも穴162、第3の内側ひも穴164、第4の内側ひも穴166、および第5の内側ひも穴168を含む。第1のひも142および第2のひも144の両方はまた、舌176の基部に隣接して中央領域58を横切って延びるストラップ174内に設けられた第1のチャネルまたはスリット170および第2のチャネルまたはスリット172を通って延びる。外側ひも穴146は、前方領域56、中央領域58、および踵領域60のすべての中に配置され、内側ひも穴148は、前方領域56、中央領域58、および踵領域60のすべての中に配置される。
さらに、第1のひも142および第2のひも144の両方は、ハウジング140内に配置される部分を含み、これにより、自動ひも締めシステム24は、ユーザの特定の入力または所望の操作に応じて、ひも142、144を引き込み、またはひも142、144を引き出すことができる。好ましい実施形態では、第1のひも142および第2のひも144は、閉ループであり、それぞれが、ハウジング140内に配置される部分、ストラップ174を通って延びる部分、およびひも穴146、148を通って延びる部分を含む。いくつかの実施形態では、第1のひも142および/または第2のひも144は、閉ループを含んでいなくてもよく、代わりに、履物具44の一部に固定的に取り付けられた端部を有していてもよい。
図4を参照すると、第1のひも142は、ハウジング140に沿った第1の外側開口180から、前方領域56に向かって下方に、かつ、わずかに、第1の外側ひも穴150まで延びている。第1のひも142は、第1の外側ひも穴150を通過するときに、わずかに曲がったり、角度がついたりすることがあるが、第1のひも142は、第1の外側ひも穴150を通過するときには、実質的に直線状のままである。その後、第1のひも142は、第2の外側ひも穴152を通過するように延び、第3の外側ひも穴154に向かって延びる。第1のひも142は、第2の外側ひも穴を通過するときに、約120度の角度を形成する。第2の外側ひも穴152を通過した後、第1のひも142は、前方領域56に向かって延び、第3の外側ひも穴154を通過する。第1のひも142は、第3の外側ひも穴154を通過するときに、約80度の角度を形成する。第3の外側ひも穴154を通過した後、第1のひも142は、ストラップ174に向かって、上方および後方に延びる。その後、第1のひも142は、ストラップ174内の第1のチャネル170を踵領域に向かって通過し、第4の外側ひも穴156に向かって下方に延びる。第4の外側ひも穴156に向かって延びるとき、第1のひも142は、第1の外側ひも穴150と第2の外側ひも穴152との間に延びる第1のひも142の一部を横切る。いくつかの実施形態では、第1のひも142は、第1の外側ひも穴150と第2の外側ひも穴152との間に延びる第1のひも142の一部の下を横切る。第1のひも142は、第4の外側ひも穴156を通過するときに、約155度の角度を形成する。
なお、図4を参照すると、第4の外側ひも穴156に到達すると、第1のひも142は、わずかに角度をつけて、第5の外側ひも穴158まで延びる。第1のひも142は、第5の外側ひも穴158を通過するときに、約50度の角度を形成する。第5の外側ひも穴158において、第1のひも142は、中央領域58に向かって鋭く折り返し、ハウジング140の第2の外側開口182まで上方に延びる。その後、第1のひも142は、以下でより詳細に説明されるように、第2の外側開口182を通過して、ハウジング140の中に入る。上で概説したようなひも締め構造の代替構成が考えられ、より多くのまたは少ないひも穴、および/または第1のひも142のそれ自体との交差部が含まれてもよい。しかし、上述したように、好ましい実施形態では、第1のひも142は、それ自体を1回だけ交差する。いくつかの実施形態では、第1のひも142は、それ自体を2回、3回、4回、5回、6回、または7回交差してもよい。しかし、好ましい実施形態では、ハウジング140、第1のひも穴146、およびストラップ174の特定の向きによって、履物具44をユーザの足の周りに十分に、かつ、確実に締め付けることができ、第1のひも142および第2のひも144によって加えられる力は、履物具44が着用されている間にユーザの足に沿って低減された力を加えるように、効率的、かつ、保持力のある方法でユーザの足に分散される。その意味で、第1のひも142の好ましい向きは、上述したように、ハウジング140から下方に、ソール構造体52に向かって第1のひも穴146のうちの2つを通って延び、残りのひも穴を通って延びるものである。
図5を参照すると、第2のひも144は、ハウジング140に沿った第1の内側開口184から、前方領域56に向かって下方に、かつ、わずかに、第1の内側ひも穴160まで延びている。第2のひも144は、第1の内側ひも穴160を通過するときに、わずかに曲がったり、角度がついたりすることがあるが、第2のひも144は、第1の内側ひも穴160を通過するときには、実質的に直線状のままである。その後、第2のひも144は、第2の内側ひも穴164を通過するように延び、第3の内側ひも穴164に向かって延びる。第2のひも144は、第2の内側ひも穴を通過するときに、約120度の角度を形成する。第2の内側ひも穴162を通過した後、第2のひも144は、前方領域56に向かって延び、第3の内側ひも穴164を通過する。第2のひも144は、第3の内側ひも穴164を通過するときに、約80度の角度を形成する。第3の内側ひも穴164を通過した後、第2のひも144は、ストラップ174に向かって、上方および後方に延びる。その後、第2のひも144は、ストラップ174内の第2のチャネル172を踵領域60に向かって通過し、第4の内側ひも穴166に向かって下方に延びる。第4の内側ひも穴166に向かって延びるとき、第2のひも144は、第1の内側ひも穴160と第2の内側ひも穴162との間に延びる第2のひも144の一部を横切る。いくつかの実施形態では、第2のひも144は、第1の内側ひも穴160と第2の内側ひも穴162との間に延びる第2のひも144の一部の下を横切る。第2のひも144は、第4の内側ひも穴166を通過するときに、約155度の角度を形成する。
なお、図5を参照すると、第4の内側ひも穴166に到達すると、第2のひも144は、わずかに角度をつけて、第5の内側ひも穴168まで延びる。第2のひも144は、第5の内側ひも穴168を通過するときに、約50度の角度を形成する。第5の内側ひも穴168において、第2のひも144は、中央領域58に向かって鋭く折り返し、ハウジング140の第2の内側開口186まで上方に延びる。その後、第2のひも144は、以下でより詳細に説明されるように、第2の内側開口186を通過して、ハウジング140の中に入る。上で概説したようなひも締め構造の代替構成が考えられ、より多くのまたは少ないひも穴および/または第2のひも144の交差部が含まれていてもよい。
上述したように、第2のひも144は、それ自体を1回だけ交差する。いくつかの実施形態では、第2のひも144は、それ自体を2回、3回、4回、5回、6回、または7回交差してもよい。しかし、好ましい実施形態では、ハウジング140、第2のひも穴148、およびストラップ174の特定の向きによって、履物具44をユーザの足の周りに十分に、かつ、確実に締め付けることができ、第1のひも142および第2のひも144によって加えられる力は、履物具44が着用されている間にユーザの足に沿って低減された力を加えるように、効率的、かつ、保持力のある方法でユーザの足に分散される。その意味で、第2のひも144の好ましい向きは、上述したように、ハウジング140から下方に、ソール構造体52に向かって第2のひも穴148のうちの2つを通って延び、残りのひも穴を通って延びるものである。
上述したひも締めシステム24は、ユーザが、アッパー50の寸法を変更すること、例えば、ユーザが所望するように、足の周りで、アッパー50の一部を締めたり、または緩めたりすることを可能にしてもよい。また、本明細書でさらに詳細に説明するように、ひも締めシステム24は、ユーザが、ユーザが所望するように、締め付けを変更することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、第1のひも142および第2のひも144の両方が、ユーザによって命令が入力されると、同じ量だけ締められたり、または緩められたりする。いくつかの実施形態では、ユーザによって命令が入力されると、第1のひも142または第2のひも144の一方のみが締められたり、または緩められたりする。いくつかの実施形態では、第1のひも142は、第1の締め付けレベルで締められ、または緩められ、第2のひも144は、第1の締め付けレベルとは異なる第2の締め付けレベルで締められ、または緩められる。このように、第1のひも142と第2のひも144とは、同じ締め付けレベルで締められてもよく、異なるレベルで締められてもよい。
図6Aおよび図6Bを参照すると、アッパー50は、外側側面80および内側側面82に沿って、前方領域56、中央領域58、および踵領域60を横切って延び、ユーザの足を収容して取り囲む。完全に組み立てられると、アッパー50は、内部面190と外部面192も含む。内部面190は、内部に面しており、概ね、内部空洞54を画定し、アッパー50の外部面192は、外部に面しており、概ね、アッパー50の外周または境界を画定する。内部面190および外部面192は、上述した層62、64の一部を含んでいてもよい。アッパー50はまた、履物具44の踵領域60に少なくとも部分的に配置され、内部空洞54へのアクセスを提供し、それを通じて足を挿入し、および取り出すことができる開口部194を含む。いくつかの実施形態では、アッパー50は、踵領域60の開口部194から足の甲に対応する領域を越えて前方領域56に隣接する領域まで延びる甲領域196を含んでいてもよい。甲領域196は、本実施形態の舌176が配置されている部分と同様の領域を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、アッパー50は、舌176を含まず、すなわち、アッパー50は、舌レスであり、ハウジング140は、上述したように、アッパー50の一部に沿って配置される。
図6Aを参照すると、ハウジング140、またはそのコンポーネントは、3D印刷などの付加製造技術によって形成されてもよい。そのために、バット光重合、材料噴射、バインダ噴射、粉末床融合、材料押し出し、指向性エネルギー堆積、および/またはシート積層など、多数の3Dプリント技術を実施し、ハウジング140を形成してもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング140、またはそのコンポーネントは、甲領域196に直接、または前方領域56、中央領域58、または踵領域60などの足の別の領域に沿って3Dプリントされてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング140、またはそのコンポーネントは、3Dプリントされた後、靴44の一部と別々に結合されてもよい。
図7を参照すると、自動ひも締めシステム24のハウジング140がより詳細に示されている。ハウジング140は、舌176に沿って中央に配置され、舌176は、アッパー50の外側側面80とアッパー50の内側側面82との間に配置されている。ストラップ174は、舌176の基部に配置され、ストラップ174は、ひもが締められ、または緩めたりするときに第1および第2のひも142、144が移動可能に通るチャネル170、172を含む。ハウジング140に沿ったパネル32は、図7に明確に示されている。第1および第2の外側開口180、182および第1および第2の内側開口184、186も示されており、これらの開口を通って第1のひも142および第2のひも144が延びている。デザイン要素200も舌176に沿って設けられ、これは、いくつかの実施形態では、その上に配置されるLEDまたはセンサを含んでいてもよく、ユーザからのフィードバックを受信または提供してもよい。履物具44の舌176は、多数の接続点で、またはその側部および基部に沿って、アッパー50に接続されてもよい。また、舌176は、本明細書で具体的に述べられていない追加の態様を含んでいてもよい。
次に、図8を参照すると、履物具44の層構造の部分的な分解図が示されている。分解図に示されているように、第1またはメッシュ層62および第2またはベース層64は、履物具44から分離されて示されている。メッシュ層62は、ウェブ状構造に沿って設けられた複数の開口202を有するウェブまたはウェブ状構造を含むことが示されている。ベース層64は、そこに沿っていかなる開口または穴もない、概ね、均一な層である。また、ベース層64は、複数のひも穴68を含む。ベース層64の一部およびメッシュ層62の一部は、組み合わされて、アッパー50の外部面192を形成する。また、ベース層64は、履物具44が完全に組み立てられたときに、メッシュ層62の下に配置される。メッシュ層62とベース層64との間には、中間に設けられた追加の層があってもよく、例えば、いくつかの実施形態では、ベース層64とメッシュ層62との間に1つまたは複数の追加の層が設けられる。いくつかの実施形態では、メッシュ層62またはベース層64の上または下に、それぞれ追加の層が設けられる。
第1の層62および第2の層64は、例えば、ステッチタイプ、糸タイプなどの様々な特性、または、例えば、弾性、美的外観、厚さ、通気性、もしくは耐擦傷性などの異なるステッチタイプもしくは糸タイプに関連する特性を含んでいてもよく、これらの特性は、第1の層62および第2の層64、および/またはアッパー50の他の部分の間で変化させてもよい。例えば、アッパー50、およびその個々のコンポーネント、例えば、メッシュ層62およびベース層64は、様々な要素、織物、ポリマー(発泡ポリマーおよびポリマーシートを含む)、レザー、合成レザーなどを用いて個別に形成されてもよい。また、アッパー50、およびその個々のコンポーネントは、接着、ステッチ、または縫合によって一体的に接合されて、アッパー50を作製してもよい。
図9A~図15を参照して、次に、ひも締めシステム24についてより詳細に説明する。図9Aおよび9Bを参照すると、自動ひも締めシステム24のいくつかの内部コンポーネントの透視図は、ホイールギア210、ウォームギア212、追加のギアを含むギアトレイン214、およびモータ216を示している。スプール(図示せず)は、ホイールギア210の下側によって形成され、第1のひも142および第2のひも144を巻くように動作可能である。ハウジング140の一部は、明確にするために取り除かれている。特定のギア構成については後述するが、モータ216は、ギアトレイン214を介してウォームギア212を回転させるように動作可能である。ウォームギア212は、ホイールギア210を駆動するように構成され、これにより、第1のひも142および第2のひも144は、ホイールギア軸218を中心に回転することができる。ホイールギア210が回転して、スプールの軸と一致する軸218の周りに第1のひも142および第2のひも144を引くと、ホイールギア210(ひいては、ウォームギア212、ギアトレイン214のギア、およびモータ216)の回転方向に応じて、ひも142、144は締められるか、または緩められるかのいずれかとなる。後述するように、モータ216は、DCブラシレスモータであってもよい。
具体的に図9Aを参照すると、ホイールギア210は、その外側側面または右側224に第1の開口220および第2の開口222を含み、その内側側面または左側230に第3の開口226および第4の開口228を含む。第1および第2の開口220、222は、互いに隣接して配置され、第3および第4の開口226、228は、互いに隣接して配置されている。好ましい実施形態では、第1のひも142は、ハウジング140内を通過し、第1の開口220を通って上方に張られ、第2の開口222を通って下方に戻される。好ましい実施形態では、第2のひも144は、ハウジング140内を通過し、第3の開口226を通って上方に張られ、第4の開口228を通って下方に戻される。この向きにより、自動ひも締めシステム24がひも142、144を締めるために使用されているか、または緩めるために使用されているかに応じて、第1のひも142および第2のひも144を、ギア軸218の周りで矢印AまたはBの方向に、内側に引き込まれることができる。ホイールギア210に沿った第1のひも142および第2のひも144の向きから明らかになるかもしれないが、第1のひも142および第2のひも144は、この向きで同時に、同じ程度に締められたり、または緩められたりする。
好ましい実施形態では、初期または緩める構成(図9Aに示す)から、ホイールギア210を約90度回転させると、第1レベルの締め付けをもたらし、ホイールギア210を約180度回転させると、第2レベルの締め付けをもたらし、ホイールギアを約270度回転させると、第3レベルの締め付けをもたらすなどである。いくつかの実施形態では、約60度の増加分でのホイールギア210の回転は、第1レベルの締め付け、第2レベルの締め付け、第3レベルの締め付けなどをもたらす。いくつかの実施形態では、約45度の増加分によるホイールギア210の回転は、第1レベルの締め付け、第2レベルの締め付け、第3レベルの締め付けなどをもたらす。いくつかの実施形態では、約30度の増加分によるホイールギア210の回転は、第1レベルの締め付け、第2レベルの締め付け、第3レベルの締め付けなどをもたらす。いくつかの実施形態では、約15度の増加分によるホイールギア210の回転は、第1のレベルの締め付け、第2のレベルの締め付け、第3のレベルの締め付けなどをもたらす。
なお、図9Aを参照すると、ウォームギア212は、ウォームギア軸238を画定し、それに沿って、ギアトレイン214のギアの1つである第1のギア240が配置されている。図9Bを参照すると、ハウジング140のモータハウジング242(図11および図12参照)が取り外されて示されており、一方で、ハウジング140のギアベース244が、それに結合されたホイールギア210を有することが示されている。図9Bでは、第1のギア240が、ホイールギア210およびウォームギア212とともに見えているが、ギアトレイン214の残りのギアは、ギアトレインハウジング246によって隠されている。ギアトレインハウジング246は、ギアトレイン214をコンパクトに、かつ、保護された構成で保持するために設けられている。図9Bおよび図10Bに示されるように、ギアトレイン214およびギアトレインハウジング246は、ハウジング140のフットプリントの外側側面に沿って配置される。さらに、モータ216は、ハウジング140のフットプリントの踵端に配置され、一方、ホイールギア210は、ハウジング140のフットプリントの中央端に設けられている。
次に、図10Aおよび10Bを参照すると、自動ひも締めシステム24のいくつかの内部コンポーネントの透視図は、ホイールギア210、ウォームギア212、ギアトレイン214、およびモータ216を示している。具体的に図10Aを参照すると、ホイールギア210は、その右側224にある第1の開口220および第2の開口222、ならびにその左側230にある第3の開口226および第4の開口228を含む。第1および第2の開口220、222は、互いに隣接して配置され、第3および第4の開口226、228は、互いに隣接して配置されている。図10Aおよび図10Bに示された代替的な実施形態では、第1のひも142は、ハウジング140内を通過し、第1の開口220を通って上方に張られ、第3の開口226を通って下方に戻る。同じ実施形態において、第2のひも144は、ハウジング140内を通過し、第2の開口222を通って上方に張られ、第4の開口228を通って下方に戻される。この向きにより、自動ひも締めシステム24がひも142、144を締めるために使用されているか、または緩めるために使用されているかに応じて、第1のひも142および第2のひも144を、ギア軸218の周りで矢印AまたはBの方向に、内側に引き込むことができる。ホイールギア210に沿った第1のひも142および第2のひも144の向きから明らかになるかもしれないが、第1のひも142および第2のひも144は、この向きで同時に、同じ程度に締められたり、または緩められたりする。
図11~図15は、自動ひも締めシステム24の要素を分解構成で示している。特に、図11を参照すると、自動ひも締めシステム24のいくつかのコンポーネントの分解透視図が示されている。コンポーネントは、トップカバー250、ギアベース244、モータハウジング242、ギアトレインハウジング246、ホイールギア210、ウォームギア212、およびギアトレイン214を含む。ウォームギア212は、第1のシャフト252の周りに設けられ、第1のギア240は、第1のシャフト252の端部に配置されている。ウォームギア212、第1のシャフト252、および第1のギア240は、第1のギアアセンブリ254を含む。第2のギアアセンブリ256は、第2のシャフト262に沿って配置される第2のギア258および第3のギア260(図13参照)を含む。第2のギア258と第3のギア260とは互いに固定的に結合されており、したがって、第2のギア258が回転すると、第3のギア260も回転する。第3のギアアセンブリ264も設けられており、第3のギアアセンブリ264は、第4のギア266および第5のギア268を含む(図13参照)。第4のギア266と第5のギア268とは互いに固定的に結合されており、第3のシャフト270に沿って配置されている。モータ216から延びるモータギア272も示されており、モータギア272は、モータシャフト274に沿って配置されている(図15参照)。
第1のギア240、第2のギア258、第3のギア260、第4のギア266、および第5のギア268は、平ギアまたは円筒ギアであってもよい。平ギアまたはストレートカットのギアは、放射状に突出する歯を有する円筒またはディスクを含む。歯は真っ直ぐではないが、各歯の縁は真っ直ぐで、回転軸に平行に並んでいる。ギアのうちの2つ、例えば、第1のギア240と第3のギア260とが噛み合うとき、一方のギアが他方のギアよりも大きい場合(第1のギア240は第3のギア260よりも大きい直径を有する)、機械的な利点が生じ、2つのギアの回転速度とトルクは、その直径に比例して異なるものとなる。大きい方のギアは回転速度が小さいので、そのトルクは比例して大きくなり、本例では、第3のギア260のトルクは第1のギア240のトルクよりも比例して大きくなる。
なお、図11~図15を参照すると、第1ギアアセンブリ254は、ホイールギア210と連結しているウォームギア212を含む。ウォームギアは、ヘリカルギアの一種であるが、その螺旋角は、通常、やや大きく(90度に近い)、その本体は、通常、軸方向にかなり長い。当業者であれば理解できるように、ウォームギア212の使用は、ウォームギア212とホイールギア210との間で高トルク、低速のギア比を達成するための簡単で、かつ、コンパクトな方法をもたらす。本実施形態では、ウォームギア212は常にホイールギア210を駆動することができるが、その逆は必ずしも真ではない。ウォームギア212とホイールギア210との組み合わせにより、セルフロックシステムが実現されるため、利点が達成される。すなわち、特定の締め付けレベルが望まれる場合には、ウォームギア212を用いてその位置を容易に保持することができる。ウォームギア212は、右巻きでも左巻きでもよい。本開示の目的のために、ウォームギアアセンブリ276は、ホイールギア210、ウォームギア212、第1のシャフト252、および第1のギア240を含む。ウォームギア212、第1のシャフト252、および第1のギア240は、単一の材料を含んでいてもよく、異なる材料を含んでいてもよい。
ウォームギアアセンブリ276は、第2のギアアセンブリ256と連結しており、第2のギアアセンブリ256は、第3のギアアセンブリ264と連結しており、第3のギアアセンブリ264は、モータギア272と連結している。その結果、モータシャフト274がモータ216によって回転されると、モータギア272は、ホイールギア210を時計回りに回転させるか、または反時計回りに回転させるかに応じて、時計回り方向または反時計回り方向に回転し、すなわち、第1のひも142および第2のひも144を締め、または緩める。モータギア272は、第5のギア268と連結しており、その回転により、第3のシャフト270および第4のギア266が回転する。第4のギア266は、第3のギア260と固定的に結合されている第2のギア258と連結している。上述したように、第2のギア258、第3のギア260、および第2のシャフト262は、第2のギアアセンブリ256を含む。
また、図11~図15を参照すると、第2のギアアセンブリ256は、第3のギアアセンブリ264がモータギア272によって回転させられると、それによって回転させられる。第2のギアアセンブリ256の第3のギア260は、第1のギア240と連結しており、したがって、第3のギア260の回転は、第1のギア240の回転を引き起こす。第2のギアアセンブリ256によって第1のギア240が回転させられると、第1のギア240は、第1のシャフト252を回転させ、第1のシャフト252は、ウォームギア212と固定的に結合される。これにより、第1のギア240が回転させられると、ウォームギア212が回転させられる。ホイールギア210は、ウォームギア212と連結しているので、第1のギアアセンブリ254が回転させられると、ホイールギア210も回転させられる。ホイールギア210が回転すると、第1のひも142および第2のひも144は、ホイールギア軸218またはスプールを中心に、ハウジング内に引き込まれる。上述したように、第1のギアアセンブリ254は、第1のギア240、第1のシャフト252、およびウォームギア212を含む。ウォームギアアセンブリ276は、第1のギアアセンブリ254およびホイールギア210を含む。そのため、モータギア272が回転すると、第3のギアアセンブリ264が回転させられ、これにより、第2のギアアセンブリ256が回転させられ、これにより、ウォームギアアセンブリ276が回転させられる。
次に、図11および図12を参照すると、ハウジング140のモータハウジング242、ベース244、ギアハウジング140、およびトップカバー250が詳細に示されている。モータハウジング242は、その左側および右側(または内側側面および外側側面)にひも開口部280を含み、その右側(または外側側面)に沿ってギアトレイン開口部282を含む。ひも開口部280は、第1のひも142および第2のひも144が妨げられずにモータハウジング242内に入ることを可能にする。モータハウジング242は、モータコンパートメント286を取り囲む外側プラットフォーム284をさらに含む。モータコンパートメント286は、ギアアセンブリ256、264、276のすべてと、モータ216とを収容する。ギアハウジング140は、ギアアセンブリ256、264、276のシャフト252、262、270を保持する複数のシャフト保持穴288(図15参照)を含む。モータコンパートメント286は、概ね、ハウジング140のプロファイルを画定し、トップカバー250は、モータハウジング242およびギアハウジング140の上に着座するように形成される。
図15を参照すると、ギアハウジング140がより詳細に示されている。ギアハウジング140は、シャフト保持穴288を含み、シャフト保持穴288は、シャフト252、262、270が所定の位置で確実に回転できるように配置されている。スプール290は、ホイールギア210から下方に依存して示されており、スプール290は、円筒形リール292および下部フランジ294を含み、これらはともにスプールシャフト296の周りに配置されている。円筒形リール292は、ひも締めシステム24の動作中にひもがスプール290の周りに巻かれたときに、第1のひも142および第2のひも144を保持するような大きさおよび形状であってもよい。リール292は、様々な直径を有してもよいが、好ましい実施形態では、リール292は、ホイールギア210の直径よりも小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、スプール290は、下部フランジ294を含まなくてもよく、したがって、スプールは、単に、ひもが巻かれる円筒構造を含んでいてもよい。ギア210が回転すると、第1のひも142および第2のひも144は、リール292に巻き付けられ、それによって、ハウジング140内に引き込まれる。スプール290は、ひも142、144が締められるか、または緩められるかに応じて、時計回りまたは反時計回りに回転してもよい。スプールシャフト296は、ギアベース244上に配置されてもよく、ギアベース244と回転可能に連結してもよい。
図13を参照すると、トップカバー250が示されており、トップカバー250は、スナップフィットを介してモータハウジング242の外側プラットフォーム284に固定可能である。ファスナーボア302は、トップカバー250の下側304に沿って配置され、ボア302は、モータハウジング242に沿ったねじ穴306と整列している。ボルトまたはねじなどのファスナーを、ねじ穴306を介して、トップカバー250に沿ったファスナーボア302に挿入し、トップカバー250をモータハウジング242にさらに固定することができる。また、トップカバー250は、他の結合方法を介してモータハウジング242に固定することもできる。
また、図13を参照すると、ひも開口180、182、184、186は、トップカバー250の側面に沿って設けられている。ひも開口180、182、184、186は、第1のひも142および第2のひも144がハウジング140の中に延び、かつ、ハウジング140の外に延びることができる大きさである。したがって、ひも142、144は、モータハウジング242のひも穴280を通ってひも開口180、182、184、186内に延び、上述したように、ホイールギア210の開口220、222、226、228に係合する。再び図12を参照すると、ギアベース244が示されている。ギアベース244は、ホイールギア210を受け入れる大きさおよび形状を有するホイールギアコンパートメント310を含む。ホイールギア210は、シャフトを介してギアベース244と結合されてもよく、または、ホイールギア210は、ベース244から延びる突出部またはシャフトの上に着座してもよい。ホイールギア210は、ギアトレイン214を介して回転させられたときに自由に回転するように、ホイールギアコンパートメント310内に配置されている。
図14を参照すると、トップカバー250は、パネル32、外側側面312、前方側面314、内側側面316とを含む。ハウジング140のトップカバー250のパネル32および側面312、314、316は、自動ひも締めシステム24の電子機器およびセンサを完全に覆うようになっている。以下でより詳細に説明するように、トップカバー250の外側側面312、前方側面314、および内側側面316の下には、1つまたは複数のLEDが配置されている。トップカバー250は、黒色を含む任意の色であってもよいが、好ましい実施形態では、1つまたは複数の光源がハウジング140内で作動されると、トップカバー250を通して光を見ることができるものである。光源の具体的な作動については、図18A~図18Mに関して説明する。
センサシステム320が図16に示されており、センサシステム320は、ハウジング140のトップカバー250とモータハウジング242との間に配置されるように構成されている。センサシステム320は、フレキシブル回路322を含み、このフレキシブル回路322は、その中に配置された複数のスワイプセンサ324を含む。スワイプセンサ324は、シェブロンまたは文字「M」を繰り返す形状であるが、スワイプセンサ324は、楕円形、正方形、長方形、円、三角形、または他の多角形などの代替的な形状を含んでいてもよい。スワイプセンサ324は、ユーザによるハウジング140のパネル32との触覚的な相互作用に反応する。センサシステム320は、複数の層を含み、これらの層は、様々な回路、センサ、LEDなどを含んでいてもよい。センサシステム320はまた、第1のコントローラまたはマイクロコントローラ326を含み、これは、センサシステム320の内側または左側328に沿って配置されて示されている。複数の抵抗器330は、フレキシブル回路322に沿って配置されている。さらに、複数の発光ダイオード、すなわちLED332が、フレキシブル回路322の周辺部に沿って設けられている。複数のLED332は、完全に組み立てられたときに、LED332が、トップカバー250の外側側面312、前方側面314、および内側側面316と整列するように、フレキシブル回路322に沿って配置されている。
上述したように、フレキシブル回路322は、トップカバー250とモータハウジング242との間に配置されてもよい。フレキシブル回路322は、複数のスワイプセンサ324を含み、いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ326を含む1つまたは複数のコントローラによって送信される信号に応答して、閃光し、または点灯させることもできる。いくつかの実施形態では、追加のLEDが、パネル32に沿って、またはハウジング140の別の部分に沿って設けられている。フレキシブル回路322は、左の靴40と右の靴42との違いに鑑みて、上述のように逆の構成で配置されてもよい。自動ひも締めシステム24が組み立てられると、フレキシブル回路322のスワイプセンサ324は、ハウジング140のトップカバー250のパネル32の下に配置される。その結果、複数のLED332は、トップカバー250の側面に沿って、かつ、隣接して配置される。トップカバー250は、LED332から発せられた光が透けて見えるようにするために、透明または半透明の部分を有していてもよい。
また、図16を参照すると、本実施形態では、フレキシブル回路322は、16個のLED332を含み、これらのLED332は、ひも締めシステム24が組み立てられたときに、モータコンパートメント286の周辺およびトップカバー250の下に配置される。LED332は、光ベースのフィードバックをユーザに提供する。特に、LED332は、ひも142、144の締め付けレベルおよび/またはバッテリー340(図20、図22、および図24を参照)のエネルギーレベルを示す視覚的合図、例えば、低電力警告、ならびにバッテリー340が充電されていることを示す視覚的合図を提供する。例えば、ひも142、144がオープン構成にあるときにはいずれのLED332も点灯せず、自動ひも締めシステム24が第1の状態にあるときには4個のLED332が点灯し、自動ひも締めシステム24が第2の状態(第1の状態よりも締め付けが強い)にあるときには9個のLED332が点灯し、および/または自動ひも締めシステム24が第3の状態(第1の状態および第2の状態よりも締め付けが強い)にあるときには16個のLED332が点灯してもよい。上述したように、LED332は、ハウジング140のトップカバー250の下に配置されている。また、LEDは、例えば、バッテリーが低電力モードにあるときには星、バッテリーの充電情報など、またはバッテリーが充電中のときには稲妻マークなど、トップカバー250に沿って、またはその中にある様々なシンボルを点灯させるように配置されてもよい。
次に、図17Aおよび17Bを参照すると、靴44の側面図は、それぞれ、緩められた構成および締め付けられた構成で示されている。特に、図17Aを参照すると、緩められた構成では、第1のひも142および第2のひも144は教示されていないが、それぞれ、第1のひも穴146および第2のひも穴148のすべてを通してひも締めされている。いくつかの実施形態では、第1のひも142および第2のひも144は、靴が締め付けられていないモードである場合に、より快適な甲を確保するために、わずかなプレテンションを有する。そのために、図17Aに示すような靴44は、より快適な甲の位置を達成し、これは、靴44が着用されているときの特定の状況において、ユーザによって利用されてもよい。図9Aに戻り、緩められた構成において、第1のひも142および第2のひも144は、この詳細図に示されるように配置されてもよく、ここで、ホイールギア210は、第1のひも142または第2のひも144を締めるようには回転されない。ホイールギア210は、緩められた状態で代替的な構成で配置されてもよいが、ホイールギア210は、好ましくは、緩められた構成で図9Aに示されるように配置される。好ましい実施形態では、ホイールギア210の第1の開口220と第3の開口226との間に引かれた線は、緩められた構成において、第1のシャフト252の軸と平行である。
次に、図17Bを参照すると、自動ひも締めシステム24は、第1のひも142および第2のひも144ならびに舌176を締めるように命令されると、したがって、ハウジング140は、矢印Cの方向に下方に引き込まれ、それによって、第1の締め付け構成が達成される。自動ひも締めシステム24のユーザ入力または事前にされた設定に基づいて達成できる締め付けのレベルに基づき、任意の数の締め付け構成があってもよい。第1の締め付け構成は、第1レベルの締め付けを有していてもよく、第2の締め付け構成は、第1レベルの締め付けよりも大きい第2レベルの締め付けを有していてもよい。図9Aを再び参照すると、第1レベルの締め付けは、ホイールギア210が約15度、または約30度、または約45度、または約60度、または約90度回転したときに達成されてもよい。それに続く各レベルの締め付けは、ホイールギア210を約15度、または約30度、または約45度、または約60度、または約90度の別の量だけ回転させることによって達成されてもよい。
靴44が第1の締め付け構成を達成したら、ホイールギア210を逆方向に回転させることによって、靴44を緩められた構成に戻すことができ、すなわち、ホイールギア210が矢印Aの方向に回転して締め付けられた場合(図9A参照)、ホイールギア210が矢印Bの方向に回転されて緩められる。そのため、緩められた構成で示されている図17Aに示されている靴44は、図17Bに示されているように、締め付けられた構成に調整されてもよく、その後、図17Aに示されている元の緩められた構成に戻されてもよい。靴44のひも142、144は、任意の数の回数および任意の数の増分で締めたり、または緩めたりしてもよい。特定の締め付ける/緩めるのシーケンスが本願明細書に記載されているが、本開示は限定することを意図しない。
次に、図18A~図18Mを参照すると、先に述べたように、自動ひも締めシステム24は、2つの方法、(1)ハウジング140のパネル32との物理的接触、すなわち、スワイプセンサ324とのユーザ相互作用、および(2)無線機器30の使用、を用いてユーザが操作することができる。第1の操作方法、すなわち物理的な調整については、図18A~図18Mを参照して説明する。そのために、自動ひも締めシステム24は、所定の締め付けレベルを有することができ、そこには、ひも142、144が所定の締め付けに緩められるオープン構成と、ひも142,144が所定の締め付けに締められるクローズ構成が含まれる。実際には、ユーザは、パネル32を下にスワイプして、ひも142、144をクローズ構成の所定の締め付けに締めたり、またはパネル32を上にスワイプして、ひも142、144をオープン状態の所定の締め付けに緩めたりすることができる。また、ユーザは、パネル32の上端をタップしてクローズ構成またはオープン構成のいずれかにおける締め付けを減少させ、またはパネル32の下端をタップしてクローズ構成またはオープン構成のいずれかにおいて締め付けを増加させることによって、オープン状態およびクローズ状態のひもの所定の締め付けを調整することができる。さらに、ユーザは、パネル32に所定の時間、例えば10秒間の圧力を加えることによって、前述の所定のレベルをリセットすることができ、ユーザは、パネル32をタップすることによって、自動ひも締めシステム24を「起動」または作動させることができ、あるいは、以下でより詳細に説明するように、ユーザは、上面に第2の所定の時間、例えば1~2秒間の圧力を加えることによって、無線機器30を接続/ペアリングすることができる。
図18A~図18Mは、様々な状態の制御/表示パネル32に沿ったスワイプ命令の概略図を示し、1つまたは複数の入力命令に対する様々な応答を示す。複数のLED332は、自動ひも締めシステム24の状態に基づいて、様々な構成で点灯している態様が示されている。例えば、履物具44が緩められた構成にあるとき、LED332のいずれも作動しない。履物具44が第1の締め付けレベルの構成にあるとき、LED332の底部の列が点灯する。履物具44が第2の締め付けレベルの構成にあるとき、LED332の底部の列およびLED332の側部の列が点灯する。図では、第1の円342は、ユーザによるパネル32に沿ったタッチポイントを示し、矢印344は、パネル32に沿った別のタッチポイントを示す第2の円346へのスワイプ方向を示す。
次に、様々なスワイプ命令について説明する。具体的に図18Aを参照すると、第1またはクローズスワイプ命令350が示されている。クローズスワイプ命令350を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32に触れ、第2の円346に向かって矢印344の方向に下にスワイプする。クローズスワイプ命令350は、靴22を完全に締め付けてもよい。図18Bを参照すると、第2のまたはオープンスワイプ命令352が示されている。オープンスワイプ命令352を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32に触れ、第2の円346に向かって矢印344の方向に上にスワイプする。オープンスワイプ命令352は、靴22を完全に緩めてもよい。図18Cを参照すると、調整/緩める命令354が示されている。調整/緩める命令354を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32に触れる。調整/緩める命令354は、自動ひも締めシステム24のひもを段階的に緩める。図18Dを参照すると、調整/締め付ける命令356が示されている。調整/締め付ける命令356を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32に触れる。調整/締め付ける命令356は、自動ひも締めシステム24のひもを段階的に締め付ける。
次に、図18Eを参照すると、リセット命令358が示されている。リセット命令358を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32を10秒間タッチまたはプレスする。リセット命令358は、自動ひも締めシステム24を工場出荷時の設定、または別のタイプのゼロ設定に戻してもよい。図18Fを参照すると、接続/ペアリング命令360が示されている。接続/ペアリング命令360を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32を1~2秒間押し下げる。接続/ペアリング命令360は、Bluetooth(登録商標)を介して、靴22と電子機器30とを接続し、またはペアリングするために使用されてもよい。図18Gを参照すると、起動命令362が示されている。起動命令362を有効にするために、ユーザは、第1の円342でパネル32に触れる。起動命令362は、自動ひも締めシステム24をオンにしてもよい。
次に、図18H~図18Kを参照すると、LED332の様々な点灯構成が示されており、これらの点灯構成は、それぞれ、オープン構成364、第1のクローズ構成366、第2のクローズ構成368、および第3のクローズ構成370を表している。オープン構成364では、いずれのLED332も点灯されない。第1のクローズ構成366では、LED332の底部の列に沿った4個のLED332が点灯される。第2のクローズ構成368では、底部の列に沿った4個のLED332と、パネル32の側部の列のそれぞれに沿った6個のLED332が点灯される。第3のクローズ構成370では、すべてのLED332が点灯される。当業者であれば理解できるように、オープン構成364は、自動ひも締めシステム24が完全に開いた状態にあることを示すことができ、一方、第3のクローズ構成370は、自動ひも締めシステム24が完全に閉じた状態にあることを示すことができる。第1のクローズ構成366および第2のクローズ構成368は、全開状態と全閉状態との間の中間の閉じた状態であってもよい。
図18Lを参照すると、低バッテリー状態372が示されている。低バッテリー状態372では、すべてのLED332が閃光し、または点滅して、自動ひも締めシステム24のバッテリーが少なくなっていることをユーザに示してもよい。いくつかの実施形態では、自動ひも締めシステム24は、バッテリーの充電量が約5%まで減少したときに、低バッテリー状態372に入ってもよい。いくつかの実施形態では、バッテリーが3%の充電量以下になった場合、自動ひも締めシステム24は、ひも142、144をオープン構成364まで緩めて、ユーザが靴22を取り外せるようにする。次に、図18Mを参照すると、充電状態374が示されている。充電状態374では、すべてのLED332が点灯され、オープン/クローズ状態364、366、368、370の色とは異なる色を表示してもよい。上記の構成および状態は、LED332の様々な点灯構成に関して説明されてきたが、代替的なバリエーションが考えられる。例えば、いくつかの構成または状態において、LED332は、代替の状態または構成を示すために、閃光し、異なる色に変化し、点滅し、一度に1回ずつ点滅してもよい。
図19は、図1の一足の靴および充電器の側面図であり、一足の靴は、充電を開始するために、または充電状態374に入るために、充電器26の上に置かれる。図に示すように、ユーザは、靴22の踵領域60を、充電器26の踵受けドック380に置いてもよい。踵受けドック380は、円形であってもよく、そうでなければ楕円形であってもよく、靴22の踵領域60を受けるように概ね形成されていてもよい。また、充電器26は、壁内の電気ソケット(図示せず)などの充電源に差し込むことができる着脱式電源コード382を含む。以下でより詳細に説明するように、充電器26は、誘導コイル(図示せず)を含み、この誘導コイルは、靴22内に配置されている靴用コイル384(図23A~図23C参照)に電荷を提供する。靴用コイル384は、靴22のソール構造体52内に配置されているバッテリー340に電気的に結合されている。本明細書にも記載されているように、履物具44のバッテリー340は、無線により、または、履物具44からバッテリー340を取り外し、バッテリー340を電源に直接接続することによって、充電することができる。いくつかの実施形態では、ユーザが、靴22を充電器26に沿って置く行為により、電源が起動して、靴22のソール構造体52内に配置されたコイルに誘導電力が伝達され、それにより、バッテリーに電力が供給される。
図20は、電源コード382が結合されていない充電器26の上面図である。図20に示すように、充電器26は、踵受け入れドック380の2つを含み、踵受け入れドック380は、概ね円形であり、靴22の踵領域60を受け入れて保持することができる凹部390を含む。図21は、図1のバッテリーカートリッジの斜視図であり、開いた構成で示され、バッテリー340を保持している。バッテリーカートリッジ28は、電源コード382と接続されて示されているが、電源コードは、図19に示す電源コードと同じものであってもよく、異なるものであってもよい。電源コード382は、バッテリーカートリッジ28と固定的に結合されていてもよく、または、電源コード382は、バッテリーカートリッジ28と着脱可能に結合されていてもよい。バッテリーカートリッジ28は、基体392、および基体392と回動可能に連結されるカバー394を含む。バッテリー340が基体392に挿入されると、カバー394がバッテリー340を覆って閉じられ、バッテリー340がバッテリーカートリッジ28内に完全に固定されてもよい。
次に、図22を参照すると、靴44のソール構造体52が、アッパー50が取り外されて示されている。バッテリーケース400が、ソール構造体52内に画定されたバッテリー空洞402内に配置されて示されている。バッテリー空洞402は、バッテリーケース400を適切に受け入れるように形成されていてもよく、概ね、ソール構造体52の外側側面80と内側側面82との間の中央に配置されている。バッテリー空洞402は、ソール構造体52を通ってすべての方向に延びていない。バッテリーケース400が示され、バッテリーケース400は、バッテリー340、充電コイル384(図23A~図23C参照)を内包するコイルハウジング140、制御PCBまたは第2のコントローラ410(図26参照)、および充電PCBまたは第3のコントローラ412(図33の概略図参照)を含む。図22を参照すると、バッテリーケース400は、モータ216と電気的に結合されている少なくとも1つのモータワイヤ414と、ハウジング140内に配置されているフレキシブル回路322と電気的に結合されている制御ワイヤ416とを介して、ハウジング140と電気的に結合されている。以下でより詳細に説明されるように、モータワイヤ414は、制御PCB410をモータ216と結合し、制御ワイヤ416(複数のワイヤで構成されてもよい)は、制御PCB410を、その上に配置された電気コンポーネントを含むフレキシブル回路322と結合する。
図23A~図23Cは、コイルハウジング140を含まないバッテリーケース400を示す。いくつかの実施形態では、コイルハウジング140は含まれない。特に、図23Aを参照すると、靴用コイル384がより詳細に示されている。コイル384は、充電ワイヤ420を介して、バッテリー340と電気的に結合されている。充電中、コイル384は、充電器26内のコイル(図示せず)と整列し、無線充電または誘導充電によってバッテリー340を充電することができる。バッテリー340は、バッテリーケース400内に配置されて示され、バッテリー340は、バッテリー340の端部に配置されたバッテリー取り外し用ストラップ422を用いて取り外し可能である。バッテリーケース400は、バッテリーケース400の反対の端部に配置されたコントローラハウジング424をさらに含む。コントローラハウジング140は、制御PCB410および/または充電PCB412へのアクセスを提供してもよい。バッテリーケース400は、靴44のソール構造体52内に効率的かつ確実に保持されるように、代替的な形態を含んでいてもよい。
図24および図25は、ソール構造体52からバッテリー340を取り外すステップの例示図を示す。図24を参照すると、ユーザ426が、靴44の内部空洞54からインソール90を取り外す様子が示されている。インソール90は、当業者に知られているように、靴44内に固定されてもよい。インソール90が取り外されると、特に、図25を参照すると、ユーザ426は、バッテリー340の取り外し用ストラップ422にアクセスすることができる。ユーザ426は、ストラップ422を掴み、バッテリーケース400からバッテリー340を取り外すことができる。次に、ユーザ426は、上述したように、バッテリー340をバッテリーカートリッジ28に配置することができる。本明細書に開示されたステップに加えて、取り外しおよび/または充電の追加のステップが含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、ストラップ422は含まれず、ユーザがバッテリー340を掴んで手動で引き出せるように、バッテリーケース400内に指の溝(図示せず)が設けられている。
次に、図26を参照すると、制御PCB410が示されている。制御PCB410は、その上に配置された複数のコンポーネントを含み、無線通信をサポートするモジュールなどの無線通信機器430、スイッチングレギュレータなどの第1のレギュレータ432、DCモータドライバなどのモータドライバ434、および電圧レギュレータなどの第2のレギュレータ436を含む。複数の抵抗器、コンデンサ、およびその他の電気コンポーネントも制御PCB410に沿って配置されているが、本明細書では特に言及しない。無線通信機器430は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)無線通信をサポートする。好ましい実施形態では、無線通信機器430は、オンボードの水晶発振器、チップアンテナ、および受動コンポーネントを含む。無線通信機器430は、そのプログラム可能なアーキテクチャを通じて、いくつかの周辺機能、例えば、ADC、タイマー、カウンタ、PWM、およびシリアル通信プロトコル、例えば、I2C、UART、SPIをサポートしてもよい。無線通信機器430は、プロセッサ、フラッシュメモリ、タイマー、および本明細書で特に言及されていない追加のコンポーネントを含んでもいてもよい。
なお、図26を参照すると、モータドライバ434も制御PCB410に沿って設けられている。モータドライバ434は、3V~5Vの論理レベルで動作し、超音波(最大20kHz)PWMをサポートし、電流フィードバック、低電圧保護、過電流保護、および過熱保護を特徴とするデュアルブラシ付きDCモータドライバであってもよい。モータドライバ434は、モータ216にチャネルあたり最大3アンペア以上の連続電流を供給することができ、モータ出力電圧の超音波(最大20kHz)パルス幅変調(PWM)をサポートしており、PWM速度制御に起因する可聴のスイッチング音を低減するのに役立つ。
なお、図26を参照すると、リニアレギュレータ436も設けられていてもよい。リニアレギュレータ436は、固定出力電圧の低ドロップアウト・リニアレギュレータを含んでいてもよい。また、リニアレギュレータ436は、出力電流制限を内蔵していてもよい。また、制御PCB410には、スイッチングレギュレータ432が含まれている。スイッチングレギュレータ432は、5A、24Vの電源スイッチを内蔵したモノリシックな非同期スイッチングレギュレータであってもよい。スイッチングレギュレータ432は、電流モードのPWM制御で出力電圧を調整し、内部発振器を有する。PWMのスイッチング周波数は、外部抵抗で設定されてもよく、外部クロック信号に同期して設定されてもよい。スイッチングレギュレータ432は、内部5A、24VのローサイドMOSFETスイッチ、2.9V~16Vの入力電圧範囲で固定周波数電流モードのPWM制御、および約100kHz~約1.2MHzの範囲で調整可能な周波数ハットを含んでいてもよい。
再び図16を参照すると、マイクロコントローラ326が、フレキシブル回路322に沿って配置されて示されている。マイクロコントローラ326は、ハウジング140のパネル32に沿った静電容量性の、タッチセンシングユーザインタフェースを可能にし、かつ、制御する。マイクロコントローラ326は、最大16個の静電容量性感知入力をサポートすることができ、容量ボタン、スライダ、および/または近接センサをそれに電気的に結合することができ、そのうちのいくつかまたはすべてがフレキシブル回路322に沿って組み込まれていてもよい。マイクロコントローラ326は、アナログセンシングチャネルを含むことができ、ノイズの多い環境でもタッチ精度を確保するために、100:1よりも大きい信号対雑音比(SNR)を提供する。マイクロコントローラ326は、あらゆる環境条件において最適なセンサ性能を動的に監視し、かつ、維持するようにプログラムされていてもよい。また、LEDの輝度制御、近接検知、システム診断などの高度な機能がプログラムされていてもよい。マイクロコントローラ326は、ミスト、水滴、または水の流れによる誤タッチを排除して、耐液性設計を可能にするように動作可能であってもよい。
なお、図16を参照すると、ホール効果ICまたはセンサ440が設けられていてもよく(これは、フレキシブル回路322に沿って配置されて示されている)、これは、モータ216に隣接する磁界のNからSへの切り替え、またはその逆を検出し、その検出結果を次の切り替えまで出力に維持するように動作可能であってもよい。出力は、S極フィールドの場合はLowに、N極フィールドの場合はHighにプルされる。ホール効果センサ440は、モータ216の方向に関するフィードバックを提供するように動作可能であってもよい。追加のセンサが設けられていてもよく、様々なタイプのセンサが、フレキシブル回路322に沿って、または靴44の一部に沿って設けられていてもよい。したがって、ホール効果センサ440は、モータ216の回転、位置、開閉構成、電流検出、および/または他の様々な状態を検出するように動作してもよい。ホール効果センサ440は、マイクロコントローラ326と電気的に結合されている。
次に、図27~34を参照すると、上述したような電気コンポーネントの電気回路図がより詳細に示されている。図27を参照すると、ホール効果センサ440の回路図がより詳細に示されている。上述したように、センサ440は、モータ216の回転数および/または回転方向を追跡することを意図している。図28を参照すると、マイクロコントローラ326の回路図が詳細に示されている。上述したように、マイクロコントローラ326は、LED332、スワイプセンサ324、およびホール効果センサ440と接続されている。また、マイクロコントローラ326は、制御PCB410に沿って配置された他の電気コンポーネントと結合されている。図29は、無線通信モジュール430の電気回路図である。図30は、モータドライバ434の電気回路図である。図31は、スイッチングレギュレータ432の電気回路図である。図32は、レギュレータ436の電気回路図である。
次に、図33および34を参照すると、充電450および充電モジュール452の電気回路図が示されている。充電コントローラ450は、充電PCB412に沿って設けられていてもよく、バッテリーケース400内に収容されていてもよい。充電モジュール452は、様々なコンデンサ、ダイオード、および整流器を含み、多数の代替構成を有していてもよい。充電モジュール452は、ユーザがバッテリー340の充電を望む場合に、バッテリー340の充電を可能にするように構成されている。
ブロック図460が図35に示され、ブロック図460は、自動ひも締めシステム24内に上述した様々な電気コンポーネントを含む。自動ひも締めシステム24は、大まかには、制御PCB410、モータ216、フレキシブル回路320、バッテリー340、および充電PCB412を含む。複数のLED332、マイクロコントローラ326、およびホール効果センサ440は、フレキシブル回路322に沿って設けられている。制御PCB410は、無線通信モジュール430、レギュレータ436、スイッチングレギュレータ432、およびモータドライバ434を含む。モータ216は、制御PCB410と電気的に通信する。フレキシブル回路322もまた、制御PCB410と電気的に通信する。バッテリー340は、すべての電気コンポーネントと電気的に通信するが、バッテリー340は制御PCB410と直接結合していてもよい。また、本明細書で特に取り上げていない追加の電気コンポーネントが、制御PCB410またはフレキシブル回路322の一方に沿って含まれていてもよい。
図36~図39を参照すると、自動ひも締めシステム24は、無線機器30を使用して制御することもでき、無線機器30は、Bluetooth(登録商標)または別の無線信号を介して、ひも締めシステム24とペアリングまたは接続することができる。これらの図は、Bluetooth(登録商標)を介して、自動ひも締めシステム24とペアリングされた無線機器30の表示画面462の例示的なスクリーンショットを提供している。まず、図36を参照すると、表示画面462は、電子機器を介して調整されるべき特定の一足の靴22と無線機器30をペアリングするようユーザに促す。ペアリングに続いて、ユーザは、図37に示すような画面に導かれる。ユーザには、靴情報464が提供され、靴情報464は、本例では、左の靴40および右の靴42内のバッテリー340のエネルギーレベルである。靴情報464は、一定の充電量を有するバッテリーという形で画面上に伝えられる。靴情報は、締め付けレベル、靴の温度、靴の構成などの他の情報を含んでいてもよい。また、靴情報は、本明細書で特に言及されていない追加の態様を含んでいてもよい。
図38は、靴22の両方が無線機器30とペアリングされる直前の表示画面462を示す。靴22のペアリングを選択した後、無線機器30は、左の靴40または右の靴42に沿ってLED332を作動させ、LED332が靴22の両方で点灯しているかどうかを示すようにユーザに促してもよい。いくつかの実施形態では、表示画面は、LED332が靴22の両方で点灯しているかどうかなど、左の靴40または右の靴42に関する情報を要求してもよい。実際の一足の靴22に沿ったLED332に加えて、無線機器30は、表示画面462に表示された靴に近接するレベルインジケータ466も提供し、レベルインジケータ466は、靴22のそれぞれの締め付けレベルまたは締め付けの状態を示す。靴22が無線機器30にペアリングまたは接続されると、ユーザは、選択された履物に名前を付け、または登録し、靴22の1つまたは複数の設定を操作するために靴22を選択し、または表示画面462に沿って別の入力を選択することができる。
靴22が、図39に示されている電子機器30とペアリングされると、ユーザは、表示画面462に示されている左の靴40、右の靴42、または一足の靴22を上にスワイプまたは下にスワイプすることによって、一足の靴22を緩めたり、または締め付けたりすることができる。靴22を締め付けたり、または緩めたりするために、ユーザは、まず、左の靴40、右の靴42、または一足の靴22をプレスしたり、またはタップしたりする。次に、ユーザは、靴22を緩めたり、または締め付けたりするために、表示画面462上の左の靴40、右の靴42、または一足の靴22を上にスワイプしたり下にスワイプしたりする。上述したように、パネル32の上面と相互作用する方法と同様に、ユーザはまた、選択された靴44の特定の領域をタップすることもできる。
第1の操作方法、すなわち物理的調整に関して上述したようなすべての命令は、電子機器30の表示画面462との相互作用によっても実施することができる。そのために、自動ひも締めシステム24は、所定の締め付けレベルを有することができ、所定の締め付けレベルは、ひも142、144が所定の締め付けまで緩められる、プリセットオープン構成と、ひも142、144が所定の締め付けまで締め付けられる、プリセットクローズ構成と、を含む。実際には、ユーザは、表示画面462に沿って一足の靴22を下にスワイプして、ひも142、144をプリセットクローズ構成の所定の締め付けに締め付けたり、または表示画面462を上にスワイプして、ひも142、144をプリセットオープン状態の所定の締め付けに緩めたりすることができる。さらに、ユーザは、表示画面462に沿って一足の靴22の爪先側の端部をタップすることによって、プリセットクローズ構成またはプリセットオープン構成のいずれかの締め付けを減少させ、または表示画面462に沿って一足の靴22の踵側の端部をタップすることによって、プリセットクローズ構成またはプリセットオープン構成のいずれかの締め付けを増加させるように、プリセットオープン構成およびプリセットクローズ構成のひもの所定の締め付けを調整することができる。
図18A~図18Mのスワイプ命令は、表示画面462にも適用可能であり、次に、それについて説明する。図18A~図18Mおよび図39を参照すると、クローズスワイプ命令350を実行するため、ユーザは、表示画面462に触れ、下にスワイプする。オープンスワイプ命令352は、ユーザが、表示画面462に触れ、上にスワイプすることによって実行することができる。オープンスワイプ命令352は、靴22を完全に緩めることができる。調整/緩める命令354は、ユーザが、表示画面462上の靴22の踵側の端部に触れることによって実行することができる。調整/緩める命令354は、自動ひも締めシステム24のひも142、144を段階的に緩める。調整/締め付ける命令356は、ユーザが、表示画面462上の靴22の爪先側の端部で表示画面462に触れることによって実行することができるができる。調整/締め付ける命令356は、自動ひも締めシステム24のひもを段階的に締め付ける。
リセット命令358は、ユーザが、表示画面462に10秒間タッチ、またはプレスすることによって実行することができる。リセット命令358は、自動ひも締めシステム24を工場出荷時の設定、または別のタイプのゼロ設定に戻すことができる。接続/ペアリング命令360は、ユーザが、表示画面462を1~2秒間押し下げることによって実行することができる。接続/ペアリング命令360は、Bluetooth(登録商標)を介して、靴22を電子機器30と接続またはペアリングするために使用されてもよい。起動命令362は、ユーザが、一足の靴22に沿って表示画面462に触れることによって実行することができる。起動命令362は、自動ひも締めシステム24をオンにしてもよい。
LED332の様々な点灯構成は、電子機器30を通じて操作することもできる。ユーザは、靴22がそれぞれ、オープン構成364、第1のクローズ構成366、第2のクローズ構成368、および/または第3のクローズ構成370に入ることを可能にするために、電子機器30に1つまたは複数の入力を提供してもよい。さらに、構成および状態は、表示画面462を介してユーザに表示されてもよい。例えば、低バッテリー状態372または充電状態374を電子機器30に表示してもよい。上記の構成および状態は、LED332の様々な点灯構成に関して説明されてきたが、電子機器30の表示画面462に沿って代替的なバリエーションが考えられる。例えば、いくつかの構成または状態において、LED332は、代替の状態または構成を示すために、閃光したり、異なる色に変化したり、点滅したり、または一度に1つずつ点滅したりしてもよい。
いくつかの実施形態では、ユーザが、選択された靴を完全に締め付ける、選択された靴を完全に緩める、選択された靴を段階的に締め付ける、靴を段階的に緩める、LED332によって表示される特定の色を選択する、および/または選択された靴の所望のまたは好ましい締め付けを選択することを可能にする1つまたは複数のボタンなど、追加の制御が表示画面462に沿って設けられる。いくつかの実施形態では、ユーザは、表示画面462に沿って、選択された靴をある時間に所望の程度まで自動的に緩めたり締め付けたりすることができる1つまたは複数のタイマーを設定することができる場合がある。
本明細書に記載された実施形態のいずれも、異なる実施形態と関連付けて開示された任意の構造または方法を含むように変更することができる。また、本開示は、具体的に示されたタイプの履物具に限定されない。さらに、本明細書に開示された実施形態のいずれかの履物具の態様は、任意のタイプの履物、衣料、または他の運動用具で機能するように変更されてもよい。
先に述べたように、本開示は特定の実施形態および例に関連して記載してきたが、本開示は必ずしもそのように限定されるものではなく、多数の他の実施形態、例、使用、変更、ならびに実施形態、例、および使用からの発展が、本明細書に添付された請求項によって包含されることが当業者であれば理解される。本明細書で引用された各特許および出版物の開示全体は、そのような各特許または出版物が参照として個別に組み込まれたように、本明細書に参照として組み込まれる。本発明の様々な特徴および利点は、以下の請求項に記載されている。