JP7371031B2 - 置換されたアルコキシピリジニルインドールスルホンアミド - Google Patents
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Description
本発明は、GPR17受容体の負の調節剤として作用する化合物に関する。好ましい態様において、本化合物は、GPR17受容体の負の作動薬(negative agonist)として作用し、したがって、構造的に活性なGPR17を阻害する。
(式中、
R6は、フルオロ、クロロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R7は、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロメトキシ及びフルオロエトキシから選択され、
R8は、フルオロ又はメトキシであり、
R11は、水素、フルオロ又はメトキシであり、
Lは、結合であるか、又は、-CH2-及び-CH2-CH2-O-から選択されるリンカーであり、
X1及びX2は、水素及びフルオロから独立に選択される)
並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
R6が、クロロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル、及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロ又はメトキシであり、
R11が、水素、フルオロ又はメトキシであり、
Lが、結合であるか、又は、-CH2-及び-CH2-CH2-O-から選択されるリンカーであり、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
R6が、クロロ、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロ又はメトキシであり、
R11が、水素、フルオロ又はメトキシであり、
Lが、結合であるか、又は、-CH2-及び-CH2-CH2-O-から選択されるリンカーであり、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
式Iの化合物、並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
1つの態様は、R6がフルオロである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R6が、フルオロメチル、好ましくはジフルオロメチルである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7が、フルオロメチル、シクロプロピルオキシ、フルオロ及びクロロから選択される、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7が、フルオロメチル、好ましくはジフルオロメチルである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7が、フルオロメトキシ、好ましくはジフルオロメトキシ又はトリフルオロメトキシである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7がクロロである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7がフルオロである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7がシクロプロピルオキシである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R7がシクロプロピルである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R11がフルオロ又は水素である、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、R11がメトキシである、式Iの化合物に関する。
1つの態様は、X1が水素である、式Iの化合物に関する。
R6が、クロロ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R11が、水素、メトキシ及びフルオロから選択され、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
式Ia、Ib又はIcのうちの1つを有する化合物に関する。
(式中、他の全ての置換基は、先に記載の通りである)
に関する。
R6が、フルオロ、クロロ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R11が、水素、メトキシ又はフルオロ、好ましくはメトキシ又はフルオロであり、
X1及びX2は水素及びフルオロから独立に選択されるが、ここで好ましくは、X1が水素であり、X2がフルオロである、
式IIa、IIb又はIIcのうちの1つを有する、式Iの化合物に関する。
(式中、他の全ての置換基は、先に記載の通りである)
に関する。
R6が、フルオロ、クロロ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
式IIIa、IIIb又はIIIcの化合物、並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
(式中、他の全ての置換基は、先に記載の通りである)
に関する。
R6が、フルオロ、クロロ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
式IVa、IVb又はIVcの化合物、並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
(式中、他の全ての置換基は、先に記載の通りである)
に関する。
R6は、フルオロ、クロロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R7は、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8は、フルオロ又はメトキシ、好ましくはフルオロであり、
X1及びX2は、水素及びフルオロから独立に選択される。
R6は、クロロ、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7は、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8は、フルオロ又はメトキシ、好ましくはフルオロであり、
X1及びX2は、水素及びフルオロから独立に選択されるが、1つの態様においては、X2は好ましくは水素である。
R6は、クロロ、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル及びトリフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7は、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ及びフルオロメチルから選択され、
R8は、フルオロであり、
X1及びX2は、水素及びフルオロから独立に選択されるが、1つの態様においては、X2は好ましくは水素である。
(式中、
R6は、フルオロ、クロロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R7は、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8は、フルオロ又はメトキシであり、
R11は、水素、フルオロ又はメトキシであり、
X1及びX2は、水素及びフルオロから独立に選択される)
並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
R6が、クロロ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロ又はメトキシであり、
R11が、水素、メトキシ及びフルオロから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
R6が、クロロ及びフルオロメチルから、好ましくはクロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロであり、
R11が、水素及びフルオロから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
R6が、クロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、クロロ、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロであり、
R11が、水素及びフルオロから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
R6が、フルオロ、クロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピルオキシ及びフルオロメチルから選択され、
R8が、フルオロであり、
R11が、メトキシ及びフルオロから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
R6が、クロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、クロロ、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロであり、
R11が、メトキシであり、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
R6が、クロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、クロロ、シクロプロピルオキシ及びジフルオロメチルから選択され、
R8が、フルオロであり、
R11が、水素、メトキシ及びフルオロから選択され、好ましくはメトキシであり、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
R6が、クロロ及びジフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピルオキシ、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから選択され、
R8が、メトキシであり、
R11が、水素及びフルオロから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R7がクロロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R7がフルオロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R7がジフルオロメチルである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8がフルオロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8がフルオロであり、R11がメトキシである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8がフルオロであり、R11が水素である、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8及びR11がともにフルオロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8がメトキシである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8がメトキシであり、R11がフルオロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R8がメトキシであり、R11が水素である、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R11がフルオロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R11が水素である、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、R11がメトキシである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、X1及びX2がともに水素である、先に記載の式Ibの化合物に関する。
1つの好ましい態様は、X1が水素であり、X2がフルオロである、先に記載の式Ibの化合物に関する。
R6が、クロロであり、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、好ましくは、クロロ、シクロプロピルオキシ及びジフルオロメチルから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式I、Ia、Ib、Ic、IIa、IIb、IIc、IIIa、IIIb、IIIc、IVa、IVb、IVc、Va、VB又はVcの化合物に関する。
R6が、ジフルオロメチルであり、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、好ましくは、クロロ、シクロプロピルオキシ及びジフルオロメチルから選択され、
X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
式I、Ia、Ib、Ic、IIa、IIb、IIc、IIIa、IIIb、IIIc、IVa、IVb、IVc、Va、VB又はVcの化合物に関する。
1つの態様は、X1及びX2がともに水素である、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの好ましい態様は、R6がクロロである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの好ましい態様は、R6がジフルオロメチルである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの好ましい態様は、R7がクロロである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの好ましい態様は、R7がフルオロである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの好ましい態様は、R7がジフルオロメチルである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの態様は、R7がモノフルオロメチルである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの態様は、R7がトリフルオロメチルである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの態様は、R7がシクロプロピルオキシである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの態様は、R7がモノフルオロメトキシである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの態様は、R7がジフルオロメトキシである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
1つの態様は、R7がトリフルオロメトキシである、先に記載の化合物のいずれかに関する。
6,7-ジクロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-メトキシピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
7-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-6-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ]-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロピリジン-2-イル]-6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6,7-ジクロロ-N-[5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
7-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-6-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-7-(ジフルオロメチル)-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6,7-ジクロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6,7-ジクロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-7-シクロプロピル-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-7-シクロプロピルオキシ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
から選択される化合物、
並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶
に関する。
1つの態様は、治療において使用するための、本発明の化合物に関する。
1つの態様は、脱髄障害の処置又は緩和において使用するための、本発明の化合物に関する。
1つの態様は、多発性硬化症の処置又は緩和において使用するための、本発明の化合物に関する。
1つの態様は、脱髄障害、例えば限定されないが多発性硬化症等を処置する方法であって、処置有効量の本明細書で定義された化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む上記方法に関する。
1つの態様は、少なくとも1つの本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含む治療用組成物に関する。
別の好ましい態様は、少なくとも1つの11C同位体を、好ましくは、本明細書において示す通りの炭素原子の位置に含む、本発明の化合物に関する。これらの11C含有化合物は、PETトレーサーとして好ましくは使用することができる。
別の好ましい態様は、少なくとも1つの123I、125I又は131I同位体を、好ましくは、本明細書において示す通りのハロゲン原子の位置に含む、本発明の化合物に関する。123I、125I又は131I含有化合物は、SPECTトレーサーとして好ましくは使用することができる。
1つの側面において、本発明は、治療又は診断における、特に、動物、とりわけヒトの治療において使用するための、本明細書に記載の化合物のうちのいずれかに関する。
GPR17調節特性を有することから、本発明の化合物は、医薬(medicine)として使用することができ、CNS系の多様な疾患の処置及び/又は予防のために使用し得る。
したがって、本開示の1つの態様は、医薬として使用するための、特に、GPR17関連性の疾患の処置及び/又は予防のための医薬として使用するための、本明細書に記載の化合物である。
本発明の化合物は、脳組織損傷、脳血管障害及び一定の神経変性疾患に関連する障害又は症候群の処置又は予防においても有用である可能性がある。
- さまざまなサブフォームを包含する多発性硬化症(MS)、
- 視神経脊髄炎(デビック病としても知られる)、
- 慢性再発性炎症性視神経炎(chronic relapsing inflammatory optic neuritis)、急性播種性脳脊髄炎、
- 急性出血性白質脳炎(AHL)、
- 脳室周囲白質軟化症
- ウイルス性感染症を原因とする脱髄であり、例えばHIV又は進行性多巣性白質脳症によるもの、
- 橋中心及び橋外髄鞘崩壊症、
- 外傷性の脳組織損傷を原因とする脱髄であり、例えば腫瘍による圧迫誘発性の脱髄を包含する、
- 低酸素症、脳卒中又は虚血又は他の心血管疾患の影響による脱髄、
- 二酸化炭素、シアン化物又は他のCNS毒素への曝露を原因とする脱髄、
- シルダー病、
- バロー同心円性硬化症、
- 周産期脳症、並びに
- 特に以下のものを包含する神経変性疾患、
・筋萎縮性側索硬化症(ALS)
・アルツハイマー病(AD)
・多系統萎縮症
・パーキンソン病
・脊髄小脳萎縮症としても知られる脊髄小脳失調(SCA)
・ハンチントン病
- 統合失調症及び双極性障害等の精神障害(例えば、Fields、Trends Neurosci 31、2008、361;Tkachev et al、Lancet 362、2003、798を参照のこと)
- 末梢性の髄鞘形成疾患であり、白質ジストロフィー、末梢性脱髄性神経障害、デジュリーヌ・ソッタス症候群又はシャルコー・マリー・トゥース病等
である。
1つの側面において、本発明の化合物は、多系統委縮症の予防及び/又は処置に使用するためのものである。MSAは、最近になって脱髄と強く関連付けられ(Ettle 前掲書、Jellinger 前掲書)、MSAを処置又は予防するための髄鞘再形成戦略が示唆された。
1つの側面において、本発明の化合物は、アルツハイマー病の予防及び/又は処置に使用するためのものである。ADは、オリゴデンドロンサイト(oligodendronecyte)の細胞死及び局所脱髄の増加と関連しており、そのことがADにおける病理学的プロセスを表していることが最近になって観測された(Mitew et al、Acta Neuropathol 119、2010、567)。
別の側面において、本発明の化合物は、脊髄損傷、周産期脳症、脳卒中、虚血又は脳血管性障害の予防及び処置において使用してよい。
1つの側面において、本発明は、髄鞘形成障害と関連する症候群若しくは障害、又は脳卒中若しくは他の脳虚血と関連する障害若しくは症候群を予防及び/又は処置するための方法であって、処置有効量の本明細書に記載の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む上記方法に関する。それを必要とする患者は、例えば、塞栓又は局所的な血栓症のいずれかによる脳動脈の閉塞によってすでに生じていた可能性がある脳虚血/脳卒中を最近になって発症した任意の患者であってよい。
GPR17は、例えば、ハウスダストに含まれるダニにより誘発されるような肺の炎症及び喘息にも関連が認められるようになっている(Maekawa、J Immunol 2010、185(3)、1846~1854)。そのため、本発明の化合物は、喘息又は他の肺の炎症を処置するために使用してよい。
本発明による処置は、本発明で開示する化合物のうちの1つの投与を、CNS疾患の、特に、MS又はALS等の髄鞘形成疾患又は障害の「単独」処置として含むことができる。或いは、本明細書に開示する化合物は、他の有用な薬物と共に組合せ療法で投与してよい。
(a)第1の構成成分として、本発明のPET又はSPECTトレーサー、特に、本発明の化合物をベースにしたPET又はPETトレーサーであるがPET又はSPECTイメージングに好適である少なくとも1つの放射性核種、好ましくは、18F、11C、123I、125I及び131Iから選択される放射性核種が組み込まれているもの、
(b)第2の構成成分として、
i.本明細書において更に定義された、放射性核種が組み込まれていない、本発明の化合物、
ii.本発明の化合物とは異なるGPR17調節化合物、及び
iii.髄鞘形成疾患を処置するための薬物、例えば限定されないが、多発性硬化症の処置において使用するための薬物であるがGPR17調節活性をもたない薬物。このような化合物は、より詳細に先述したそれらの例を含め、当業者には公知である
の中から選択される処置薬
を含むキットに関する。
1つの好ましい側面において、本発明は、本明細書に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
直腸投与に関しては、本発明における使用の化合物は、坐剤として好都合に製剤化してよい。これらは、活性構成成分(active component)を、室温では固体であるが直腸温度では液体であることから、直腸で融解して活性構成成分を放出することになる好適な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料としては、例えば、ココアバター、蜜蝋及びポリエチレングリコールがある。
本発明の別の側面は、本明細書に記載の医薬又は医薬組成物、及びその使用のための取扱説明書を含む「キット」である。
本発明の化合物は、本明細書において更に記載の式I、Ia、Ib、Ic、IIa、IIb、IIc、IIIa、IIIb、IIIc、IVa、IVb及びIVcにより包括される化合物、並びに、説明及び実験の項に開示する個々の最終化合物を包含する。
本発明による化合物についてのあらゆる言及は、別段の明示的な指示がない限り、当該化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、同位体及び共結晶も包含する。
したがって、「本発明のPETトレーサー」という用語は、本明細書で更に定義された本発明の化合物であって、PETイメージングに好適な少なくとも1つの放射性同位体が導入されている上記化合物に関する。この化合物としては、11C、13N、15O、18F、76Br又は124Iがあるが、これらに限定されない。
本発明の化合物は、さまざまな結晶形態で、すなわち多形として存在することもでき、これらは全て、本発明に包含される。
本発明の化合物は、本明細書に記載の通り、動物における、特にヒトにおける一定の疾患又は障害の予防及び/又は処置において有用である。
「疾患(単数又は複数)」及び「障害(単数又は複数)」という用語は、本明細書においてほぼ互換的に使用する。
「モニタリング」は、疾患、病態、又は少なくとも1つの医学的パラメーターを、一定の時間にわたって観察することを指す。「モニタリング」は、「コンパニオン薬」の補助がある場合の処置薬の効果の観察も包含する。
「動物(単数又は複数)」及び「対象(単数又は複数)」という用語は、ヒトを包含する。「ヒト」、「患者」、及び「ヒト対象」という用語は、明確な指示がない限り、本明細書において典型的には互換的に使用する。
本発明は、本明細書においてより詳細に記載する通り、動物疾患又は障害、特にヒト疾患又は障害を処置する方法であって、本発明の化合物を処置有効量で投与することを包含する上記方法にも関する。
本明細書において使用する「多発性硬化症」という用語は、2018年米国版のICD-10-CM診断コードのG35項に分類されている疾患を指す。
使用する「フルオロメトキシ」という用語は、メトキシ基であって、フッ素原子1つで(「モノフルオロメトキシ」)、2つで(「ジフルオロメトキシ」)又は3つで(「トリフルオロメトキシ」)置換されているものを指す。フルオロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ-OCHF3である。
A.化学
本発明の化合物及びその合成経路を、以下で更に詳細に記載する。
本発明による式Iの化合物は、合成有機化学の当業者により理解される通りの従来の方法と同様にして調製することができる。
A-I 化合物を作製する一般的な方法
本発明による式Iの化合物は、合成有機化学の当業者により理解される通りの従来の方法と同様にして調製することができる。
本明細書における一般式Iの化合物の合成についてのあらゆる言及は、下位一般式(subgeneric Formula)Ia、Ib、Ic、IIa、IIb、IIc、IIIa、IIIb、IIIc、IVa、IVb及びIVcの応用化合物(applicable compound)、並びに、本明細書において開示する具体的な例示化合物にも同様に適用される。
代替的には、いくつかの一般式Iの化合物は、次式に従って式I-Pの化合物[式中、Pは、フェニルスルホニル(PhSO2)等の保護基である]のin situ脱保護を行うことにより調製してよい。
式I-Pの化合物は、式XII-Pのスルホニルクロリドと式Xのアニリンとの反応を行うことにより調製してよい。この反応は、溶媒として使用するピリジン等の塩基の存在下、室温で、又は60~100℃の範囲の温度で加熱することにより行ってよい。
いくつかの式Xの化合物は、純粋なトリフルオロ酢酸等の酸性条件を使用するか、又は、ジクロロメタン等の溶媒を用いて、式X-Pの化合物[式中、Pは、p-メトキシベンジル(PMB)等の保護基である]の脱保護を行うことにより調製してよい。その他の脱保護条件としては、触媒の存在下、例えば、パラジウム又は水酸化パラジウムを場合によりメタノール等の溶媒中の炭素上で活性化させた触媒の存在下で、水素等の還元剤を使用してもよい。
式X-OHのアニリンは、当業者に公知の任意の方法に従って、又は、文献に記載されている手順を使用して、調製してよい。
この反応は、室温で、アセトニトリル等の極性溶媒中、クロロスルホン酸等のスルホニル化剤の存在下で行ってよい。
この反応は、室温で、アセトニトリル等の極性溶媒中、クロロスルホン酸の存在下で行ってよい。
この反応は、当業者に公知の任意の方法に従って行ってよい。
式XIの化合物は、当業者に周知の適切な方法により調製してよい。
代替的には、いくつかの式XIの化合物は、次式に従って、オルト置換ニトロアレーンXIIとビニルグリニャール試薬XIIIとの反応(Bartoliインドール合成)を行うことにより調製してよい。
この反応は、-20℃~-78℃の範囲の低温で、テトラヒドロフラン等の極性溶媒中、ビニルマグネシウムブロミド等のビニルグリニャール試薬を使用して行ってよい。
Ac:アセチル
ACN:アセトニトリル
ブライン:飽和塩化ナトリウム水溶液
nBu:n-ブチル
tBu:tert-ブチル
CMBP:シアノメチレントリブチルホスホラン
Cy:シクロヘキシル
DAST:フッ化ジエチルアミノ硫黄
DCM:ジクロロメタン
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
DMAC:N,N-ジメチルアセトアミド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
dppf:1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ES+:エレクトロスプレー陽イオン化
ES-:エレクトロスプレー陰イオン化
ESI:エレクトロスプレーイオン化
EtOAc:酢酸エチル
h:時間(hour)
LC:液体クロマトグラフィー
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
Me:メチル
MeOH:メタノール
min.:分
mw:マイクロ波オーブン
NBS:N-ブロモスクシンイミド
NMR:核磁気共鳴
Pin:ピナコラト
PMB:パラ-メトキシベンジル
rt:室温
TBAHSA:硫酸水素テトラブチルアンモニウム
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
市販の溶媒及び試薬は、適切な場合は無水溶媒を含め、更に精製することなく一般に使用した(一般に、Aldrich Chemical Company製のSure-Seal(商標)製品、又は、ACROS Organics製のAcroSeal(商標))。一般に、反応に続いて、薄層クロマトグラフィー又は液体クロマトグラフィー質量分析を行った。LCMSモードにおける質量分析測定は、以下の通り異なる方法及び機器を使用して行う。
QDA Waters単一四重極質量分析計をLCMS分析に使用する。この分析計は、ESI源、及び、ダイオードアレイ検出器(200~400nm)付きのUPLC Acquity Hクラスを備える。データは、塩基性溶出での陽/陰イオンモードにおいてm/z70~800のフルMSスキャンで取得する。逆相分離は、塩基性溶出用のWaters Acquity UPLC BEH C18 1.7μm(2.1×50mm)カラムを用いて45℃で行う。勾配溶出は、表1に従って、水/ACN/ギ酸アンモニウム(95/5/63mg/L)(溶媒A)、及び、ACN/水/ギ酸アンモニウム(95/5/63mg/L)(溶媒B)で行う。
注入量:1μL。MSにおける全開流量。
質量分析(MS)スペクトルは、Xbridge C18 - 2.1×30mm、2.5μm(Waters)カラムを使用して、HPLCモジュラーのProminence(Shimadzu)に連結した、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を用いるLCMS-2010EV質量分析計(Shimadzu)で記録した。およそ1mg/mLの濃度の試料溶液を3μLの量で注入した。塩基性条件のための移動相は、A)水中の5mMギ酸アンモニウム+0.1%アンモニアとB)アセトニトリル中の5%移動相A+0.1%アンモニアとの混合物とした。使用した勾配は次の通りであった - 4分間で5:95(B/A)から95:5(B/A)へ、次の1分間は95:5(B/A)を保持。
質量分析(MS)スペクトルは、以下の手順を使用してLCMS機器(Applied Biosystems API 2000 LC/MS/MS、HPLC Agilent 1100)で記録した:化合物をACN(溶媒A)又は水(2mM酢酸アンモニウムを含有する):MeOH 90:10(溶媒B)に1.0mg mL-1の濃度で溶解し、必要であれば完全に溶解するまで超音波処理する。次いで、この溶液10μLをPhenomenex Luna C18 HPLCカラム(50×2.00mm、粒径3μm)に注入し、溶出は、水:ACN(勾配A)又は水:MeOH(勾配B)を10分で90:10から0:100にする勾配を用いて行った。勾配は1分後に開始し、続いて300μL分-1の流速で10分間、純粋な有機溶媒中での溶出を行った。UV吸収は、ダイオードアレイ検出器(DAD)を使用して220~400nmで検出した。
HPLC-MSは、Agilent1200-6120 LC-MSシステムをUV Detection(230~400nm及び215nm)及びMass Spec Detection Agilent6120 Mass Spectrometer(ES)m/z120~800に連結させたものを用い、X-Bridge C-18 Waters 2.1×20mm、2.5μMカラムを使用して行った。溶出は、表2に示す勾配の移動相A(水中の10mMギ酸アンモニウム+0.1%ギ酸)及び移動相B(アセトニトリル+5%水+0.1%ギ酸)を用い、流速1mL/分で行った。
分取逆相クロマトグラフィーは、2つの異なる機器を用い、以下の通りの方法に従って行った。
LCMS精製は、MS検出のためのSQD又はQM Watersシングル四重極質量分析計を使用する。この分析計は、ESI源と、2767sample Manager及びダイオードアレイ検出器(210~400nm)と連結されたWaters 2525バイナリーポンプとを備える。
MSパラメーター:ESIキャピラリー電圧3kV。コーン及び引出し電圧10。イオン源ブロック温度120℃。脱溶媒温度300℃。コーンガス流量30L/h(窒素)、脱溶媒ガス流量650L/h。データは、陽/陰イオンモードにおいてm/z100~850のフルMSスキャンで取得する。
最終生成物のHPLC精製は、RP-HPLCカラム(Knauer 20mm i.d.、Eurospher-100 C18)を使用して、Knauer Smartline1050 HPLCシステムで行った。生成物をメタノールに溶解し(8mL当たり20mg)、メタノール/水の勾配(24分間かけて70:30から100:0へ)を適用する逆相HPLCに付した。
- Topspin3.2ソフトウェアを実行するWindows(登録商標)7 Professionalワークステーション及び5mm Double Resonance Broadband Probe(PABBI 1H/19F-BB Z-GRD Z82021/0075)又は1mm Triple Resonance Probe(PATXI 1H/D-13C/15N Z-GRD Z868301/004)を取り付けたBRUKER AVANCEIII 400MHz-Ultrashield NMR分光計。
- 取得時間(at)=2.0秒、緩和遅延(d1)=2.0秒及び線幅拡大(lb)=0.5HzのVarian 400MHz NMR分光計。
- Bruker Avance DRX 500MHz NMR分光計
- Bruker Avance III 600MHz NMR分光計
生成物は、一般には、真空下で乾燥させた後、最終分析を行い、生物学的試験に付した。
以下の化合物の名称は、式X、XI、XIIの中間体についてはBiovia Draw Version16.1により、また、式Iの例示化合物についてはOpenEye oemetachem バージョン1.4.5を使用しPipeline Pilot 2018により生成されたIUPAC名である。
市販されているものの場合、出発物質は、そのCAS登録番号により同定する。
A.1. 3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-1の合成:
ステップ-1: 5-クロロ-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1aの合成
DMSO(10mL)中の3-クロロ-2,5,6-トリフルオロピリジン(0.50g、2.98mmol)の溶液に、25%NH3水溶液(4mL)を添加し、反応混合物をスチールボンベ内で100℃にて12時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(200mL)で希釈し、EtOAc(400mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、5-クロロ-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1a(0.41gの粗製物)を黄色の固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.85 (s, 2H), 7.80-7.85 (m, 1H).
MeOH(100mL)中の5-クロロ-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1a(0.50g、3.03mmol)の溶液に、トリエチルアミン(5mL)及びPd/C(0.40g)を添加し、反応混合物を水素圧下、parrシェーカーで室温にて10時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteに通して濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をH2O(200mL)で希釈し、DCM(200mL)中10%MeOHで抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1b(0.21gの粗製物)をオフホワイト色の固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 130 (M)+, 純度91%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.09-6.11 (m, 1H) 6.57 (brs, 2H) 7.44-7.50 (m, 1H).
CH3CN(40mL)中の3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1b(0.60g、4.19mmol)の溶液にNBS(0.52g、2.93mmol)を添加し、反応混合物を光の非存在下、室温で30分間撹拌した。CH3CN(10mL)中のNBS(0.52g、2.93mmol)溶液を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(100mL)で希釈し、EtOAc(160mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中5~10%EtOAc)により精製して、5-ブロモ-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1c(0.70g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:79%
塩基性LC-MS方法2 (ES-): 207 (M-H)-, 純度98%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.86 (brs, 2H) 7.82-7.91 (m, 1H).
DMAC(40mL)中の5-ブロモ-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-1c(4.00g、19.0mmol)の溶液に、NaH(2.29g、57.1mmol)を0℃で少量ずつ添加し、反応物を同じ温度で30分間撹拌した。パラ-メトキシベンジルクロリド(5.19mL、38.1mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を0℃に冷却し、飽和NH4Cl(20mL)でクエンチし、H2O(60mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×60mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×80mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中4%EtOAc)により精製して、5-ブロモ-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-1d(8.2g、96%)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:96%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.72 (s, 6H) 4.57 (s, 4H) 6.87-6.89 (m, 4H) 7.16-7.18 (m, 4H) 7.99 -8.07 (m, 1H).
ジオキサン(160mL)中の5-ブロモ-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-1d(4.00g、8.90mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(4.52g、17.8mmol)及びKOAc(3.06g、31.2mmol)を室温で添加し、反応混合物をアルゴンで20分間パージし、続いてPdCl2(dppf)(0.65g、0.89mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間パージし、100℃で16時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を冷却し、celiteパッドに通して濾過し、EtOAc(2×80mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、残留物をH2O(100mL)で希釈し、EtOAc(2×80mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中8%EtOAc)により精製して、3,6-ジフルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン X-1e(2.60g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:59%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.26 (s, 12H) 3.73 (s, 6H) 4.64 (s, 4H) 6.89 (d, J=8.31 Hz, 4H) 7.17 (d, J=8.80 Hz, 4H) 7.51-7.56 (m, 1H).
THF(30mL)中の3,6-ジフルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン X-1e(2.50g、5.04mmol)の溶液に、H2O(10mL)中の30%H2O2溶液を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。反応混合物を冷H2O(250mL)中の5%Na2S2O3溶液に0℃で注ぎ入れ、H2O(100mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、6-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-2,5-ジフルオロピリジン-3-オール X-1f(1.74gの粗製物)を黄色の半固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 387 (M+H)+, 純度93%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.71 (s, 6H) 4.32 (s, 4H) 6.86 (d, J=8.80 Hz, 4H) 7.14 (d, J=8.31 Hz, 4H) 7.22-7.27 (m, 1H) 9.84 (s, 1H).
DMF(13mL)中の6-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-2,5-ジフルオロピリジン-3-オール X-1f(0.70g、1.68mmol)の溶液に、K2CO3(0.70g、5.04mmol)及び1-ブロモ-2-フルオロエタン(0.43g、3.36mmol)を室温で添加した。反応混合物をマイクロ波で80℃にて15分間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温に冷却し、H2O(30mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-1g(0.52g)を褐色の液体として得た。
収率:71%。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 433 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.72 (s, 6H) 4.21-4.25 (m, 1H) 4.29-4.32 (m, 1H) 4.42 (s, 4H) 4.63 - 4.66 (m, 1H) 4.75-4.78 (m, 1H) 6.87 (d, J=8.86 Hz, 4H) 7.15 (d, J=8.37 Hz, 4H) 7.69-7.76 (m, 1H).
3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-1g(0.50g、1.15mmol)に、TFA(5mL)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をH2O(25mL)で希釈し、NaHCO3水溶液(10mL)で塩基性化し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×40mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物を、Et2O(10mL)で摩砕することにより精製し、真空下で乾燥させて、3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-1(0.258g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:80%。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 193 (M+H)+, 純度69%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.13-4.17 (m, 1H) 4.20-4.25 (m, 1H) 4.59-4.64 (m, 1H) 4.71-4.76 (m, 1 H) 6.10 (s, 2H) 7.57-7.62 (m, 1H).
ステップ-1: 5-ブロモ-3-フルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-2aの合成:
DMAC(30mL)中の5-ブロモ-3-フルオロピリジン-2-アミン(2.00g、10.5mmol)の溶液に、NaH(1.26g、31.4mmol)を0℃で一度に添加し、反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。p-メトキシベンジルクロリド(2.85mL、20.9mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を0℃で冷却し、飽和NH4Cl溶液(200mL)でクエンチし、氷H2O(400mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×300mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中3%EtOAc)により精製して、5-ブロモ-3-フルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-2a(4.10g)を淡黄色の半固体として得た。
収率:87%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 431 (M+H)+, 純度95%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.72 (s, 6H), 4.57 (s, 4H), 6.87 (d, J=8.31 Hz, 4H), 7.15 (d, J=8.80 Hz, 4H), 7.81 (dd, J=12.96, 1.71 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H).
ジオキサン(60mL)中の5-ブロモ-3-フルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-2a(2.00g、4.43mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.25g、8.86mmol)及びKOAc(1.52g、15.5mmol)を室温で添加し、反応混合物をアルゴンで20分間パージし、続いてPdCl2(dppf)(0.32g、0.44mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間パージし、100℃で16時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温に冷却し、celiteパッドに通して濾過し、EtOAc(2×300mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中5~10%EtOAc)により精製した。得られた生成物をペンタン(10mL)中で撹拌し、デカントし、真空下で乾燥させて、3-フルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン X-2b(1.31g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:56%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 479 (M+H)+, 純度90%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.27 (s, 12H), 3.72 (s, 6H), 4.65 (s, 4H), 6.87 (d, J=8.80 Hz, 4H), 7.15 (d, J=8.31Hz, 4H), 7.44 (d, J=15.16 Hz, 1H), 8.15 (s, 1H).
THF(20mL)中のX-2b(1.31g、2.46mmol)の溶液に、H2O(7mL)中の30%H2O2溶液を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で15分間撹拌した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。反応混合物をH2O(350mL)中の冷5%Na2S2O3溶液に0℃で注ぎ入れ、H2O(100mL)で希釈し、Et2O(2×200mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下(低温)で濃縮して、6-(ビス(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-フルオロピリジン-3-オール X-2c(0.90gの粗製物)を淡黄色の半固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 369 (M+H)+, 純度94%.
DMF(10mL)中の6-(ビス(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-フルオロピリジン-3-オール X-2c(1.70g、4.43mmol)の溶液に、K2CO3(0.77g、5.56mmol)及び1-ブロモ-2-フルオロエタン(0.67g、5.31mmol)を室温で添加した。反応混合物をマイクロ波で70℃にて終夜加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温に冷却し、H2O(100mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、氷冷水(2×25mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中5~8%EtOAc)により精製して、3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-2d(0.80g)を褐色の液体として得た。
収率:43%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 415 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.71 (s, 6 H), 4.14 - 4.22 (m, 1 H), 4.25 - 4.29 (m, 1 H), 4.40 (s, 4 H), 4.63 - 4.68 (m, 1 H), 4.74 - 4.80 (m, 1 H), 6.85 (d, J=8.80 Hz, 4 H), 7.14 (d, J=8.31 Hz, 4 H), 7.39 (dd, J=14.18, 2.45 Hz, 1 H), 7.78 (d, J=1.96 Hz, 1 H).
MeOH(3mL)中のX-2d(800mg、1.92mmol)の溶液に、水酸化パラジウム(160mg)を添加し、反応混合物を水素圧下、室温で6時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteに通して濾過し、MeOH(2×25mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中10~15%EtOAc)により精製して、3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-2(100mg)を褐色の固体として得た。
収率:29%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 175 (M+H)+, 純度97%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.11 - 4.16 (m, 1 H), 4.19 - 4.23 (m, 1 H), 4.60 - 4.64 (m, 1 H), 4.72 - 4.77 (m, 1 H), 5.72 (s, 2 H), 7.27 (dd, J=12.23, 2.45 Hz, 1 H), 7.59 (d, J=2.45 Hz, 1 H).
ステップ-1: 5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-3aの合成:
トルエン(25mL)中の6-(ビス(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-フルオロピリジン-3-オール X-2c(1.40g、3.69mmol)及び2,2-ジフルオロエタノール(0.66g、8.11mmol)の溶液に、(シアノメチレン)トリブチルホスホラン(1.96g、8.11mmol)を室温でゆっくり添加した。反応混合物を100℃で4時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温に冷却し、H2O(80mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-3a(1.22g)を淡黄色の液体として得た。
収率:59%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 433 (M+H)+, 純度77%.
MeOH(30mL)中のX-3a(1.20g、2.19mmol)の溶液に、炭素担持水酸化パラジウム(500mg)を添加し、反応混合物を水素圧下、室温で6時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteに通して濾過し、MeOH(2×50mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮して、3-フルオロ-5-(2,2-ジフルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-3(590mg)を淡黄色の半固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:77%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 193 (M+H)+, 純度55%.
ステップ-1: 5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-4aの合成
THF(5ml)中の6-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-2,5-ジフルオロピリジン-3-オール X-1f(100mg、0.16mmol)、2,2-ジフルオロエタノール(27mg、0.33mmol)及びトリフェニルホスフィン(218mg、0.83mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(168mg、0.829mmol)を室温でゆっくり添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]ピリジン-2-アミン X-4a(20mg)を半固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:27%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.72 (s, 6 H), 4.44 (s, 4H), 4.79-4.85 (m, 2 H), 6.01- 6.31 (m, 1 H), 6.87 (d, J=8.31 Hz, 4 H), 7.15 (d, J=8.31 Hz, 4 H), 7.76-7.81 (m, 1 H).
MeOH(10mL)中のX-4a(540mg、1.20mmol)の溶液に、炭素担持水酸化パラジウム(54mg)を添加し、反応混合物を水素圧下、室温で1時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteに通して濾過し、MeOH(2×50mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮して、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-4(300mg)を褐色の固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:71%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 211 (M+H)+, 純度60%.
MeOH(14mL)中の5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-4(0.39g、1.74mmol)の溶液に、NaOMe(0.48g、8.79mmol)を添加し、反応混合物を100℃で30時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をH2O(500mL)で希釈し、EtOAc(600mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-アミン X-5(0.37g)を褐色の固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:67%
塩基性LC-MS方法2 (ES-): 221 (M-H)-, 純度70%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.78 (s, 3H) 4.13 (td, J=14.67, 3.42 Hz, 2H) 5.72 (brs, 2H) 6.13-6.45 (m, 1H) 7.34 (d, J=10.76 Hz, 1H).
ステップ-1: 5-ブロモ-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-6aの合成:
DMF(75mL)中の5-ブロモ-3-メトキシピリジン-2-アミン(5.00g、24.6mmol)の溶液に、NaH(2.95g、73.9mmol)を0℃で一度に添加し、反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。p-メトキシベンジルクロリド(6.71mL、49.3mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を0℃で冷却し、冷H2O(250mL)及び飽和NH4Cl溶液(250mL)でクエンチし、EtOAc(2×500mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、5-ブロモ-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-6a(9.65g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:75%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 443 (M+H)+, 純度85%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.69 (s, 6H) 3.82 (s, 3H) 4.42 (s, 4H) 6.79-6.85 (m, 4H) 7.11 (d, J=8.31Hz, 4H) 7.39 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.76 (d, J=1.96 Hz, 1H).
ジオキサン(300mL)中の5-ブロモ-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-6a(9.60g、18.3mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(9.31g、36.7mmol)及びKOAc(6.30g、64.1mmol)を室温で添加し、反応混合物をアルゴンで20分間パージし、続いてPdCl2(dppf)(1.34g、1.83mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間パージし、100℃で16時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温に冷却し、celiteパッドに通して濾過し、EtOAc(2×300mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中5~10%EtOAc)により精製した。得られた生成物をペンタン(50mL)と共に撹拌し、デカントし、真空下で乾燥させて、3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン X-6b(5.10g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:47%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 491 (M+H)+, 純度83%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.26 (s, 12H) 3.69 (s, 6H) 3.77 (s, 3H) 4.55 (s, 4H) 6.82 (d, J=8.80 Hz, 4H) 7.11 (d, J=8.31 Hz, 4H) 7.21 (s, 1H) 7.94 (s, 1H).
THF(100mL)中の3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2-アミン X-6b(5.00g、8.49mmol)の溶液に、H2O(40mL)中の30%H2O2溶液を0℃でゆっくり添加した。15分後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(600mL)中の冷6%Na2S2O3溶液に0℃で注ぎ入れ、H2O(500mL)で希釈し、Et2O(2×400mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で(20~25℃の低温にて)濃縮した。残留物をペンタン(15mL)で洗浄して、6-(ビス(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-メトキシピリジン-3-オール X-6c(3.50gの粗製物)を淡黄色の固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 381 (M+H)+, 純度84%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.69 (s, 6H) 3.81 (s, 3H) 4.18 (s, 4H) 6.77 (d, J=2.45 Hz, 1H) 6.80 (d, J=8.31 Hz, 4H) 7.12 (d, J=8.80 Hz, 4H) 7.28 (d, J=2.45 Hz, 1H) 9.21 (s, 1H).
CH3CN(60mL)中の6-(ビス(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-メトキシピリジン-3-オール X-6c(3.30g、7.31mmol)の溶液に、H2O(20mL)中のKOH(2.26g、40.2mmol)溶液を0℃で滴下添加し、続いて、ブロモジフルオロメチルジエチルホスホナート(10.7g、40.2mmol)を0℃で添加した。15分後、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(200mL)でクエンチし、EtOAc(2×250mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-6d(3.21g)を淡黄色の半固体として得た。
収率:92%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 431 (M+H)+, 純度90%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.70 (s, 6H) 3.85 (s, 3H) 4.39 (s, 4H) 6.83 (d, J=8.80 Hz, 4H) 7.11-7.16 (m, 4H) 7.14 (t, J=74 Hz, 1H) 7.19 (d, J=2.45 Hz, 1H) 7.62 (d, J=1.96 Hz, 1H).
5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-6d(2.50g、5.26mmol)に、TFA(15mL)を0℃で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をH2O(400mL)及びNaHCO3飽和溶液(250mL)で希釈し、EtOAc(2×300mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中40%EtOAc)により精製して、5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシピリジン-2-アミン X-6(0.52g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:52%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 191 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.79 (s, 3H) 5.77 (s, 2H) 6.98 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.01 (t, J= 74 Hz, 1H) 7.42 (d, J=1.96 Hz, 1H).
ステップ-1: 5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-7aの合成:
トルエン(30mL)中の6-(ビス(4-メトキシベンジル)アミノ)-5-メトキシピリジン-3-オール X-6c(2.80g、7.01mmol)及び2,2-ジフルオロエタノール(0.89mL、14.0mmol)の溶液に、シアノメチレントリブチルホスホラン(3.67mL、14.0mmol)を室温でゆっくり添加し、反応混合物を100℃で2時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-7a(2.10g)を淡黄色の油状物として得た。
収率:67%。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 445 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.68 (s, 6H) 3.85 (s, 3H) 4.24-4.34 (m, 6H) 6.19-6.49 (m, 1H) 6.80 (d, J=8.80Hz, 4H) 7.03 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.11 (d, J=8.31 Hz, 4H) 7.48 (d, J=2.45 Hz, 1H).
DCM(15ml)中の5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-メトキシ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-7a(1.70g、3.82mmol)に、TFA(10mL)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をH2O(20mL)、飽和NaHCO3(20mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-メトキシピリジン-2-アミン X-7(0.605g)を淡黄色の固体として得た。
収率:74%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 205 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.77 (s, 3H) 4.23 (td, J=14.80, 3.67 Hz, 2H) 5.33 (s, 2H) 6.18-6.50 (m, 1H) 6.88 (d, J=2.45 Hz, 1H) 7.31 (d, J=2.45 Hz, 1H).
ステップ-1: 5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-8aの合成:
DMF(10mL)中の6-[ビス[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ]-2,5-ジフルオロピリジン-3-オール X-1f(0.80g、1.52mmol)の溶液に、K2CO3(0.63g、4.56mmol)及び1-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)エタン(0.29g、1.67mmol)を室温で添加した。反応混合物をマイクロ波で85℃にて1.2時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温に冷却し、H2O(60mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。反応を0.70g及び2×0.80gで繰り返し、4回の反応から得られた粗製物をDCM(200mL)中に集め、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中8%EtOAc)により精製して、5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-8a(1.31g)を褐色の液体として得た。
収率:34%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 481 (M+H)+, 純度99%.
MeOH(25mL)中の5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3,6-ジフルオロ-N,N-ビス(4-メトキシベンジル)ピリジン-2-アミン X-8a(1.30g、2.36mmol)の溶液に、20%Pd/C(0.13g)を室温で添加し、反応混合物を水素圧下、室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteパッドに通して濾過し、MeOH(2×30mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮した。得られた粗製物をペンタン(2×20mL)で洗浄することにより精製して、5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-8b(0.525g)を淡褐色の固体として得た。
収率:92%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 241 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.03-4.07 (m, 2H) 4.08-4.10 (m, 2H) 6.07 (s, 2H) 6.68 (t, J=76 Hz 1H) 7.53-7.57 (m, 1H).
MeOH(15mL)中の5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-8b(0.70g、2.91mmol)の溶液に、NaOMe(MeOH中25%、1.57mL、7.29mmol)を0℃で添加し、反応混合物を70℃で24時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をH2O(20mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をcombi-flashクロマトグラフィー(ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-アミン X-8(0.45g)を淡黄色の固体として得た。
収率:59%
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 253 (M+H)+, 純度94%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.77 (s, 3H) 4.03-4.06 (m, 4H) 5.61 (s, 2H) 6.72 (t, J=76 Hz, 1H) 7.26 (d, J=11.25 Hz, 1H).
B.1. 6,7-ジクロロ-1H-インドール XI-1の合成:
THF(60mL)中の1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼン(4.00g、20.8mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(1M、83.3mL、83.3mmol)を-78℃で添加し、反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(80mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中2%EtOAc)により精製して、6,7-ジクロロ-1H-インドール XI-1(1.50g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:37%。
塩基性LCMS方法2 (ES+): 186 (M+H)+, 純度95%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.56-6.57 (m, 1H), 7.30 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.43 (t, J=2.4 Hz, 1H), 7.48 (d, J=8.4 Hz, 1H), 11.62 (brs, 1H).
ステップ-1: 1-クロロ-2-シクロプロポキシ-3-ニトロベンゼン XI-2aの合成:
THF(30mL)中のNaH(0.91g、22.8mmol)の撹拌懸濁液に、シクロプロパノール(1.08mL、17.1mmol)を不活性雰囲気中、0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で30分間撹拌した。THF(10mL)中の1-クロロ-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン(2.00g、11.4mmol)の溶液を0℃で滴下添加し、反応混合物を75℃で3時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を室温で冷却し、砕氷に注ぎ入れ、EtOAc(2×80mL)で抽出した。有機層を分離し、H2O(60mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、1-クロロ-2-シクロプロポキシ-3-ニトロベンゼン XI-2a(1.20g)を淡黄色の油状物として得た。
収率:49%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.60-0.66 (m, 2H), 0.72-0.77 (m, 2H), 4.28-4.33 (m, 1H), 7.35-7.39 (m, 1H), 7.85-7.92 (m, 2H).
THF(22mL)中の1-クロロ-2-シクロプロポキシ-3-ニトロベンゼン XI-2a(1.15g、5.38mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(1M、21.5mL、21.5mmol)を-78℃で滴下添加し、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(70mL)でクエンチし、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。反応を0.92gで繰り返し、2回の反応から得られた粗製物を集め、カラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、6-クロロ-7-シクロプロポキシ-1H-インドール XI-2(0.69g)を淡黄色の液体として得た。
収率:41%。
塩基性LCMS方法2 (ES+): 208 (M+H)+, 純度91%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.52-0.61 (m, 2H), 0.87-0.95 (m, 2H), 4.39-4.43 (m, 1H), 6.46-6.49 (m, 1H), 6.99 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.30 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.34-7.37 (m, 1H), 11.35 (brs, 1H).
ステップ-1: 7-ブロモ-6-クロロ-1H-インドール XI-3aの合成
THF(90mL)中の2-ブロモ-1-クロロ-3-ニトロベンゼン(4.50g、19.0mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(9.99g、76.1mmol)を-78℃で滴下添加し、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。反応を4.5gスケールで繰り返し、2回の反応の粗混合物を集めた。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(500mL)でクエンチし、H2O(500mL)で希釈し、EtOAc(1000mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中2%EtOAc)により精製して、7-ブロモ-6-クロロ-1H-インドール XI-3a(3.05g)を黄色の固体として得た。
収率:33%
塩基性LCMS方法2 (ES-): 228 (M-H)-, 純度96%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.59 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.18 (d, J=8.31 Hz, 1H) 7.41-7.45 (m, 1H) 7.57 (d, J=8.31 Hz, 1H) 11.48 (brs, 1H)
乾燥THF(30mL)中のNaH(2.42g、60.5mmol)の撹拌懸濁液に、7-ブロモ-6-クロロ-1H-インドール XI-3a(7.00g、30.2mmol)を0℃で少量ずつ添加し、反応混合物を20分間撹拌した。THF(10mL)中のフェニルスルホニルクロリド(5.79mL、45.4mmol)の溶液を滴下添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(25mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた有機粗製物(organic crude)をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、7-ブロモ-6-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール XI-3b(7.50g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:54%
塩基性LCMS方法2 (ES+): 370 (M+H)+, 純度81%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.88 (d, J=3.42 Hz, 1H), 7.44 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.58-7.64 (m, 3H), 7.70-7.75 (m, 1H), 7.87 (d, J=3.42 Hz, 1H), 8.01 (d, J=7.82 Hz, 2H).
DMF(15mL)中の7-ブロモ-6-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール XI-3b(4.00g、8.72mmol)の溶液に、トリブチル(ビニル)スタンナン(3.07mL、10.5mmol)、トリフェニルホスフィン(0.11g、0.44mmol)及びLiCl(1.11g、26.2mmol)を添加し、反応混合物をアルゴンで10分間パージした。PdCl2(PPh3)2(0.31g、0.44mmol)を添加し、反応混合物を封管内で100℃にて16時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteパッドに通して濾過し、EtOAc(2×40mL)で洗浄した。濾液をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、6-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-7-ビニル-1H-インドール XI-3c(2.80g)を淡黄色の固体として得た。
収率:98%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.88 (d, J=18.10 Hz, 1H), 5.29 (d, J=12.23 Hz, 1H), 6.81-6.89 (m, 1H), 6.93 (d, J=3.91 Hz, 1H), 7.39 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.54-7.63 (m, 3H), 7.70 (d, J=7.34 Hz, 1H), 7.74 (d, J=7.83 Hz, 2H), 7.93 (d, J=3.42 Hz, 1H).
THF(20mL)及びH2O(5mL)中の6-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-7-ビニル-1H-インドール XI-3c(2.50g、7.63mmol)の溶液に、OsO4(水中0.04M、3.77mL、0.15mmol)を0℃で添加し、反応混合物を30分間撹拌した。NaIO4(4.08g、19.1mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteパッドに通して濾過し、EtOAc(2×20mL)で洗浄した。濾液をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、6-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-7-カルバルデヒド XI-3d(0.60g)を淡黄色の固体として得た。
収率:24%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.01 (d, J=3.91 Hz, 1H), 7.48 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.56-7.62 (m, 2H), 7.68-7.75 (m, 3H), 7.78 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.93 (d, J=3.91 Hz, 1H), 10.43 (s, 1H).
DCM(15mL)中の6-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-7-カルバルデヒド XI-3d(0.60g、1.84mmol)の溶液に、フッ化ジエチルアミノ硫黄(1.06mL、7.36mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷H2O(15mL)に注ぎ入れ、飽和NaHCO3溶液(15mL)で塩基性化し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(15mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、6-クロロ-7-(ジフルオロメチル)-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール XI-3(0.55g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:81%
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.67 (d, J=3.91 Hz, 1H), 7.35-7.44 (m, 4H), 7.50-7.55 (m, 1H), 7.58 (d, J=8.31 Hz, 2H), 7.62 (d, J=3.42 Hz, 1H), 7.86 (t, J=52 Hz, 1H).
THF(50mL)中の1-クロロ-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン(2.50g、14.2mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(5.61g、42.7mmol)を-78℃で添加し、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(100mL)でクエンチし、H2O(400mL)で希釈し、EtOAc(500mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、6-クロロ-7-フルオロ-1H-インドール XI-4(0.60g)を赤色の液体として得た。
収率:17%
塩基性LCMS方法2 (ES-): 168 (M-H)-, 純度66%.
ステップ-1: 1-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン XI-5aの合成:
DCM(20mL)中の2-フルオロ-3-ニトロベンズアルデヒド(2.0g、11.8mmol)の溶液に、フッ化ジエチルアミノ硫黄(7.63g、47.3mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷冷飽和NaHCO3溶液(50mL)に注ぎ入れ、DCM(2×200mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(15mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、1-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン XI-5a(2.23g)を淡褐色の液体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:96%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 (t, J=52 Hz, 1 H), 7.60 (t, J=8.07 Hz, 1 H), 8.05 (t, J=6.85 Hz, 1 H), 8.35 (t, J=7.82 Hz, 1 H).
THF(20mL)中の1-(ジフルオロメチル)-2-フルオロ-3-ニトロベンゼン XI-5a(2.21g、11.2mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(THF中の1M溶液、45mL、45mmol)を0℃で添加し、反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(40mL)で0℃にてクエンチし、EtOAc(2×200mL)で抽出した。有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中10%EtOAc)により精製して、6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-1H-インドール XI-5(0.54g)を褐色の油状物として得た。
収率:25%
塩基性LCMS方法2 (ES-): 184 (M-H)-, 純度95%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.57 - 6.62 (m, 1 H), 7.14-7.17 (m, 1 H), 7.29 (t, J=56 Hz 1 H), 7.48 (d, J=8.19 Hz, 1 H), 7.56 (t, J=2.69 Hz, 1 H), 11.94 (br s, 1 H).
ステップ-1: 6-ブロモ-7-クロロ-1H-インドール XI-6aの合成
THF(80mL)中の1-ブロモ-2-クロロ-3-ニトロベンゼン(5.0g、21.1mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(THF中の1M溶液、84.6mL、84.6mmol)を-78℃で滴下添加し、反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(30mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(70mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中3~5%EtOAc)により精製して、6-ブロモ-7-クロロ-1H-インドール XI-6a(2.5g)を黄色の固体として得た。
収率:49%
塩基性LCMS方法2 (ES-): 228 (M-H)-, 純度96%.
乾燥THF(30mL)中のNaH(0.87g、21.7mmol)の撹拌懸濁液に、6-ブロモ-7-クロロ-1H-インドール XI-6a(2.5g、10.8mmol)を0℃で少量ずつ添加し、反応混合物を10分間撹拌した。フェニルスルホニルクロリド(2.3g、13mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷冷水(100mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、6-ブロモ-7-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール XI-6b(3.0g)を淡褐色の固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:71%
塩基性LCMS方法2 (ES-): 368 (M-H)-, 純度95%.
DMF(10mL)中の6-ブロモ-7-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール XI-6b(1.5g、3.86mmol)の溶液に、トリブチル(ビニル)スタンナン(1.47g、4.63mmol)、トリフェニルホスフィン(50mg、0.19mmol)及びLiCl(0.49g、11.6mmol)を添加し、反応混合物をアルゴンで10分間パージした。PdCl2(PPh3)2(0.13g、0.19mmol)を添加し、反応混合物を封管内で100℃にて16時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteパッドに通して濾過し、EtOAc(2×100mL)で洗浄した。濾液をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、7-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-6-ビニル-1H-インドール XI-6c(0.80g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:64%
塩基性LCMS方法2 (ES+): 318 (M+H)+, 純度98%.
THF(70mL)及びH2O(15mL)中の7-クロロ-1-(フェニルスルホニル)-6-ビニル-1H-インドール XI-6c(1.40g、4.19mmol)の溶液に、OsO4(水中0.04M、2.07mL、0.08mmol)を0℃で添加し、反応混合物を3時間撹拌した。NaIO4(2.69g、12.6mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で8時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を水(100mL)で希釈した。沈殿物を濾過し、真空下で乾燥させて、1-(ベンゼンスルホニル)-7-クロロインドール-6-カルバルデヒド XI-6d(1.30g)を褐色の固体として得た。
この化合物を更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:82%
塩基性LCMS方法2 (ES+): 320 (M+H)+, 純度82%.
DCM(30mL)中の1-(ベンゼンスルホニル)-7-クロロインドール-6-カルバルデヒド XI-6d(1.20g、3.1mmol)の溶液に、フッ化ジエチルアミノ硫黄(1.78mL、12.4mmol)を0℃で添加し、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷H2O(50mL)に注ぎ入れ、飽和NaHCO3溶液(40mL)で塩基性化し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、1-(ベンゼンスルホニル)-7-クロロ-6-(ジフルオロメチル)インドール XI-6(0.65g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:60%
塩基性LCMS方法2 (ES-): 340 (M-H)-, 純度97%.
THF(30mL)中の1-クロロ-3-ニトロ-2-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(2.10g、8.69mmol)の溶液に、ビニルマグネシウムブロミド(THF中1M、34.8mL、34.8mmol)を-78℃で滴下添加し、反応混合物を同じ温度で3時間撹拌した。反応混合物を室温で16時間更に撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を飽和NH4Cl(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×80mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中2~4%EtOAc)により精製して、6-クロロ-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール XI-7(1.10g)を淡黄色の液体として得た。
収率:49%。
塩基性LCMS方法2 (ES-): 234 (M-H)-, 純度92%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.61 (t, J=2.4 Hz, 1H) 7.15 (d, J=8.0 Hz, 1H) 7.54 (t, J=2.4 Hz, 1H) 7.62 (d, J=8.8 Hz, 1H) 11.8 (brs, 1H).
C.1.方法A. 6,7-ジクロロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-1の合成
CH3CN(15mL)中の6,7-ジクロロ-1H-インドール XI-1(1.35g、6.89mmol)の溶液に、クロロスルホン酸(1.60mL、24.1mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷冷H2O(50mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、6,7-ジクロロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-1(0.80g)を褐色の固体として得た。
この化合物を更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
収率:39%。
塩基性LCMS方法2 (ES-): 282 (M-H)-, 純度50%.
塩基性LCMS方法2 (ES-): 304 (M-H)-, 純度16%.
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33 (t, J=54 Hz, 1H), 7.44-7.50 (m, 1H), 8.08 (d, J=2.93 Hz, 1H), 8.11 (d, J=8.31 Hz, 1H), 9.51 (brs, 1H).
7-ブロモ-6-クロロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-4
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.23 (d, J=8.37 Hz, 1H), 7.41 (d, J=2.46 Hz, 1H), 7.73 (d, J=8.37 Hz, 1H), 11.50 (brs, 1H).
6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-5
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.17-7.21 (m, 1 H), 7.29 (t, J=54 Hz 1 H), 7.52 (d, J=2.45 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=8.31 Hz, 1 H), 11.92 (br s, 1 H).
7-クロロ-6-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-6
ステップ-1: 1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール XII-7aの合成
氷浴の上で予め冷却しておいたジクロロメタン(60mL)中の微粉末水酸化ナトリウム(3.54g、0.088mol)の撹拌懸濁液に、6-クロロ-7-フルオロ-1H-インドール XI-4(5g、0.029mol)を一回で添加し、続いて硫酸水素テトラブチルアンモニウム(0.501g、0.001mol)を添加した。撹拌を更に10分間続け、次いで、ジクロロメタン(15mL)中のベンゼンスルホニルクロリド(4.2mL、0.033mol)の溶液を20分間かけて滴下添加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。氷浴を取り外し、混合物を周囲温度で更に1時間撹拌した。反応混合物を珪藻土パッドで濾過し、濾過ケーキをジクロロメタン(2×50mL)ですすいだ。濾液を水(4×50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で濃縮して、1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール XII-7a(8.57g)を濃ベージュ色の固体として得た。
収率:90%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.95 (dd, J = 3.7, 2.3 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 8.4, 6.2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.66 (tt, J = 6.9, 1.9 Hz, 2H), 7.80 - 7.71 (m, 1H), 7.98 - 7.91 (m, 2H), 7.99 (d, J = 3.7 Hz, 1H).
氷浴の上で予め冷却しておいたアセトニトリル(85mL)中の1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール XII-7a(8.50g、0.027mol)の撹拌溶液に、クロロスルホン酸(9.12mL、0.137mol)を20分間かけて滴下添加し、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を、撹拌しながら氷水(340mL)に20分間かけてゆっくり注ぎ入れた。沈殿した固体を濾過により回収し、濾過ケーキを氷入りの水(3×50mL)及びシクロヘキサン(50mL)ですすいだ。次いで、濾過ケーキを窒素流下で2時間、次いで真空オーブンで40℃にて16時間乾燥させて、1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール-3-スルホニルクロリド XII-7(7.82g)を薄桃色の固体として得た。
収率:66%。
酸性LCMS方法4 (ES+): 388 (M+H)+, 純度95%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.44 (dd, J = 8.5, 6.3 Hz, 1H), 7.72 - 7.61 (m, 3H), 7.80 - 7.72 (m, 1H), 7.81 (s, 1H), 8.05 - 7.98 (m, 2H).
ステップ-1: 6-クロロ-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-スルホン酸 XII-8aの合成:
CH3CN(3mL)中の6-クロロ-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール XI-7(0.10g、0.39mmol)の溶液に、ClSO3H(0.10mL)を0℃で滴下添加し、反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷冷H2O(25mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、6-クロロ-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-スルホン酸 XII-8a(0.11g、粗製物)を淡褐色の液体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LCMS方法2 (ES-): 314 (M-H)-, 純度91%.
CH3CN(3mL)中の6-クロロ-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-スルホン酸 XII-8a(0.11g、0.28mmol)の溶液に、POCl3(0.1mL、1.12mmol)を0℃で添加し、反応混合物を60℃で16時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷H2O(50mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物(0.1g、0.3mmol)をCH3CN(6mL)に溶解し、POCl3(0.11mL、1.22mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を60℃で16時間加熱した。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を氷冷H2O(60mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮して、6-クロロ-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-8(0.13g、粗製物)を褐色の液体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LCMS方法2 (ES-): 332 (M-H)-
D.一般式Iの化合物の合成
本明細書に具体的に開示する本発明の全ての化合物は「I-x」で表され、いずれの「x」も、個々の化合物を同定する数を指す。したがって、例示化合物はI-1、I-2、I-3等で表される。このことは、任意の化合物が本明細書における任意の下位一般式によって、例えば式II、III又はIV等によっても記載することができるかどうかには関係ない。
ピリジン(5mL)中の3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-1(0.10g、0.44mmol)の溶液に、6,7-ジクロロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド XII-1(0.33g、1.10mmol)を0℃で20分間かけて少量ずつ添加し、続いて、DMAP(0.01g、0.09mmol)を同じ温度で添加した。反応混合物を100℃で30時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮した。残留物を2N HCl(10mL)で摩砕し、H2O(20mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(2×30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、6,7-ジクロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド I-1(0.065g)を白色の固体として得た。
収率:34%。
塩基性LCMS方法2 (ES+): 440 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.22-4.25 (m, 1H), 4.31-4.34 (m, 1H), 4.62-4.65 (m, 1H), 4.75-4.79 (m, 1H), 7.39 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.70-7.76 (m, 2H), 7.97 (s, 1H), 10.64 (brs, 1H), 12.52 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 462 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.54-0.56 (m, 2H), 0.86-0.88 (m, 2H), 4.25-4.27 (m, 1H), 4.32-4.37 (m, 1H), 4.40-4.43 (m, 1H), 4.63-4.65 (m, 1H), 4.75-4.78 (m, 1H), 7.20 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.48 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 10.56 (brs, 1H), 12.31 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 456 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.27-4.32 (m, 1H), 4.35-4.41 (m, 1H), 4.64-4.69 (m, 1H), 4.74-4.80 (m, 1H), 7.38 (d, J=8.86 Hz, 1H), 7.53 (t, J=56 Hz, 1H), 7.83 (t, J=9.11 Hz, 1H), 7.90-7.96 (m, 2H), 10.65 (s, 1H), 12.28 (brs, 1H).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.27-4.30 (m, 1H), 4.34-4.39 (m, 1H), 4.64-4.67 (m, 1H), 4.76-4.80 (m, 1H), 7.41 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.75 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.80-7.86 (m, 1H), 7.97 (d, J=2.93 Hz, 1H), 10.64 (s, 1H), 12.47 (brs, 1H).
6,7-ジクロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド I-5
塩基性LCMS方法2 (ES+): 422 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.21 - 4.26 (m, 1H), 4.30 - 4.34 (m, 1H), 4.62 - 4.67 (m, 1H), 4.74 - 4.79 (m, 1H), 7.40 (d, J=8.67 Hz, 1H), 7.52 (dd, J=11.27, 2.60 Hz, 1H), 7.71 (d, J=8.67 Hz, 1H), 7.83 (d, J=2.60 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 10.43 (s, 1H), 12.60 (br s, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 440 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.37 (td, J=14.74, 3.47 Hz, 2 H), 6.22 - 6.52 (m, 1 H), 7.40 (d, J=8.24 Hz, 1 H), 7.58 (dd, J=11.27, 2.60 Hz, 1 H), 7.73 (d, J=8.67 Hz, 1 H), 7.86 (d, J=2.17 Hz, 1 H), 7.98 (s, 1 H), 10.52 (br s, 1 H), 12.61 (br s, 1 H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 438 (M+H)+, 純度98%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.20 - 4.26 (m, 1 H), 4.28 - 4.35 (m, 1 H), 4.60 - 4.66 (m, 1 H), 4.71 - 4.79 (m, 1 H), 7.35 (d, J=8.80 Hz, 1 H), 7.48-7.50 (m, 1 H), 7.52 (t, J=52 Hz, 1 H), 7.82 (d, J=1.96 Hz, 1 H), 7.87 - 7.93 (m, 2 H), 10.43 (s, 1 H), 12.21 (br s, 1 H).
6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド I-8
塩基性LCMS方法2 (ES+): 422 (M+H)+, 純度98%.
塩基性LCMS方法2 (ES+): 456 (M+H)+, 純度98%.
塩基性LCMS方法2 (ES+): 470 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.43 (s, 3H) 4.28 (td, J=14.43, 3.42 Hz, 2H) 6.19-6.50 (m, 1H) 7.39 (d, J=8.80 Hz, 1H) 7.53 (d, J=10.27 Hz, 1H) 7.71 (d, J=8.31 Hz, 1H) 8.00 (d, J=1.96 Hz, 1H) 10.36 (brs, 1H) 12.58 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 456 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.37 (td, J=14.67, 3.42 Hz, 2H) 6.22-6.52 (m, 1H) 7.37 (d, J=8.80 Hz, 1H) 7.53 (t, J=54 Hz, 1H) 7.56-7.62 (m, 1H) 7.87 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.89-7.96 (m, 2H) 10.54 (s, 1H) 12.24 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 486 (M+H)+, 純度97%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.41 (s, 3H) 4.29 (td, J=14.43, 3.42 Hz, 2H) 6.19-6.50 (m, 1H) 7.37 (d, J=8.31Hz, 1H) 7.52-7.57 (m, 1H) 7.53 (t, J=54 Hz, 1H) 7.90-7.95 (m, 2H) 10.35 (s, 1H) 12.21 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 438 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.78 (s, 3H) 7.16 (t, J=74 Hz, 1H) 7.25 (d, J=2.45 Hz, 1H) 7.41 (d, J=8.80 Hz, 1H) 7.62 (d, J=1.96 Hz, 1H) 7.92 (d, J=8.80 Hz, 1H) 8.09 (s, 1H) 10.28 (brs, 1H) 12.59 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 454 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.78 (s, 3H) 7.16 (t, J=74 Hz, 1H) 7.25 (d, J=1.47 Hz, 1H) 7.39 (s, 1H) 7.52 (t, J=54 Hz, 1H) 7.62 (d, J=1.47 Hz, 1H) 8.02 (s, 1H) 8.13 (d, J=8.31 Hz, 1H) 10.30 (brs, 1H) 12.21 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 490 (M+H)+, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.23-4.25 (m, 1H) 4.31-4.33 (m, 1H) 4.61-4.67 (m, 1H) 4.73-4.79 (m, 1H) 7.36 (d, J=8.31Hz, 1H) 7.71-7.79 (m, 1H) 7.83 (d, J=8.80 Hz, 1H) 8.05 (brs, 1H) 10.69 (s, 1H) 12.70 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 440 (M+H)+, 純度82%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.36 (td, J=14.68, 3.47 Hz, 2H) 6.22-6.51 (m, 1H) 7.33 (t, J=54 Hz, 1H) 7.33-7.38 (m, 1H) 7.58 (dd, J=11.10, 2.31 Hz, 1H) 7.69 (d, J=8.32 Hz, 1H) 7.86 (d, J=2.31 Hz, 1H) 8.11 (s, 1H) 10.54 (brs, 1H) 12.92 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 486 (M+H)+, 純度98%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.41 (s, 3H) 4.28 (td, J=14.55, 3.18 Hz, 2H) 6.19-6.49 (m, 1H) 7.33 (t, J=56 Hz, 1H) 7.48 (d, J=8.80 Hz, 1H) 7.54 (d, J=10.27 Hz, 1H) 7.86 (d, J=8.31 Hz, 1H) 8.12 (s, 1H) 10.40 (brs, 1H) 12.73 (brs, 1H).
塩基性LCMS方法2 (ES+): 452 (M+H)+, 純度98%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.67 (s, 3 H) 4.29 (td, J=14.67, 2.93 Hz, 2 H) 6.15 - 6.46 (m, 1 H) 7.04 (d, J=1.47 Hz, 1 H) 7.36 (d, J=8.80 Hz, 1 H) 7.48 (s, 1 H) 7.83 (d, J=8.31 Hz, 1 H) 7.96 (s, 1 H) 9.89 (br s, 1 H) 12.48 (brs, 1 H)
ピリジン(1mL)中の3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-1(50mg、0.26mmol)の溶液に、1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール-3-スルホニルクロリド XII-7(106mg、0.26mmol)を添加し、次いで、室温で3時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、次いで水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した(2回)。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、DCM中0~10%MeOH)、続いて塩基性分取LCMS方法1により精製して、6mgの6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド I-10を淡黄色の固体として得た。
収率:5%。
塩基性LCMS方法1 (ES-): 422 (M-H)-, 純度97%.
ピリジン(1mL)中の5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-アミン X-4(154mg、0.37mmol)の溶液に、1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール-3-スルホニルクロリド XII-7(150mg、0.37mmol)を添加し、次いで、70℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、次いで水に注ぎ入れ、酢酸エチルで抽出した(2回)。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、DCM中0~5%MeOH)、続いて塩基性分取LCMS方法1により精製して、32mgの6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド I-11を淡黄色の固体として得た。
収率:20%。
塩基性LCMS方法1 (ES-): 440 (M-H)-, 純度97%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.41 (td, J = 14.6, 3.5 Hz, 2H), 6.38 (t, J = 3.5 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 8.6, 6.5 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.89 (t, J = 9.1 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 10.72 (s, 1H), 12.84 (s, 1H).
トルエン(8mL)及びH2O(0.8mL)中の7-ブロモ-6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)-2-ピリジル]-1H-インドール-3-スルホンアミド I-4(0.25g、0.51mmol)の溶液に、K3PO4(0.22g、1.01mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.07g、0.76mmol)及びトリシクロヘキシルホスフィン(0.03g、0.10mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで15分間パージし、続いてPd(OAc)2(0.01g、0.05mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで5分間パージし、100℃で16時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をceliteパッドに通して濾過し、EtOAc(100mL)で洗浄した。濾液をH2O(50mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中20%EtOAc)により精製して、6-クロロ-7-シクロプロピル-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド I-12(0.04g)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:17%。
塩基性LCMS方法2 (ES+): 446 (M+H)+, 純度95%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.68-0.70 (m, 2H), 1.09-1.17 (m, 2H), 1.93-2.00 (m, 1H), 4.25-4.29 (m, 1H), 4.32- 4.37 (m, 1H), 4.62-4.67 (m, 1H), 4.74-4.79 (m, 1H), 7.19 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.60 (d, J=8.31 Hz, 1H), 7.77-7.84 (m, 1H), 7.87 (d, J=2.93 Hz, 1H), 10.55 (s, 1H), 11.90 (brs, 1H).
ステップ-1: 1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシ-2-ピリジル]-7-フルオロインドール-3-スルホンアミド I-22aの合成
密封バイアル中で、5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-アミン X-5(54mg、0.24mmol)をアルゴン下でピリジン(2mL)に溶解した。1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール-3-スルホニルクロリド XII-7(100mg、0.24mmol)を0℃で添加し、次いで、70℃で終夜撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカで精製して(DCM及びメタノールの100/0から98/2への勾配で溶出する)、96mgの1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシ-2-ピリジル]-7-フルオロインドール-3-スルホンアミド I-22aを褐色の油状物として得た。
収率:66%。
塩基性LCMS方法1 (ES-): 592 (M-H)-
封管中で、1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシ-2-ピリジル]-7-フルオロインドール-3-スルホンアミド I-22a(96mg、0.16mmol)をTHF(1mL)に溶解した。フッ化テトラブチルアンモニウム(430mg、0.48mmol)を添加し、反応混合物を70℃で3日間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させた。残留物をAcOEtに溶解し、水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発させた。残留物を塩基性分取HPLC(方法1)により精製して、27mgの6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド I-22を白色の固体として得た。
収率:37%。
塩基性LCMS方法1 (ES-): 452 (M-H)-, 純度96%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.45 (s, 3H), 4.30 (t, J = 14.8 Hz, 2H), 6.36 (s, 1H), 7.30 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.56 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 8.06 (s, 1H), 10.36 (s, 1H), 12.78 (s, 1H).
ピリジン(2mL)中の5-(2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-アミン X-8(74mg、0.29mmol)の溶液に、1-(ベンゼンスルホニル)-6-クロロ-7-フルオロインドール-3-スルホニルクロリド XII-7(100mg、0.24mmol)を添加し、次いで、70℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固させ、次いで、残留物を塩基性分取LCMS方法1により精製して、54mgの6-クロロ-N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ]-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド I-23を淡桃色の固体として得た。
収率:45%。
塩基性LCMS方法1 (ES-) 482 (M-H)-, 純度99%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.40 (s, 3H), 4.21 - 4.03 (m, 4H), 6.71 (s, 1H), 7.29 (dd, J = 8.6, 6.5 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), NHプロトンは見えない.
比較例1: 6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
ステップ-1: 6-クロロ-1H-インドール-3-スルホン酸の合成:
ピリジン(10mL)中の6-クロロインドール(1.00g、6.62mmol)の溶液に、ピリジン-三酸化硫黄錯体(1.57g、9.93mmol)を添加し、反応混合物を16時間加熱還流した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物をH2O(100mL)で希釈し、Et2O(250mL)で抽出した。水層を分離し、真空下で濃縮した。得られた粗製物をトルエンと共に共蒸発させて、6-クロロ-1H-インドール-3-スルホン酸(2.30gの粗製物)を褐色の半固体として得た。
この化合物を、更に精製することなく次の反応にそのまま使用した。
塩基性LCMS方法2 (ES-): 230 (M-H)-, 純度98%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.98-7.04 (m, 1H), 7.12 - 7.26 (m, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.69 - 7.75 (m, 1H), 11.13 (brs, 1H).
スルホラン(5mL)及びCH3CN(5mL)中の6-クロロ-1H-インドール-3-スルホン酸(2.00g、6.45mmol)の溶液に、POCl3(1.30mL、14.2mmol)を0℃で滴下添加し、反応混合物を70℃で3時間加熱した。反応の進行をTLC及びLCMSによりモニタリングした。完了後、反応混合物を氷冷H2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮した。得られた粗混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、6-クロロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド(1.00g)を薄桃色の固体として得た。
収率:62%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.32 (dd, J=8.56, 1.22 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 8.03 (d, J=8.80 Hz, 1H), 8.45 (d, J=2.93 Hz, 1H), 12.38 (brs, 1H).
ピリジン(10.00ml)中の3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-アミン X-1(250mg、0.893mmol)の撹拌溶液に、6-クロロ-1H-インドール-3-スルホニルクロリド(558mg、2.23mmol)を0℃で少量ずつ添加し、次いで、DMAP(5mg、0.04mmol)を同じ温度で添加した。反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニタリングした。完了後、反応混合物を真空下で濃縮し、残留物を2N HCl(10mL)で摩砕し、水(20mL)で希釈し、水層をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×30mL)により洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、100~200メッシュ、ヘキサン中35%EtOAc)により精製して、比較例1の6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド(57mg)をオフホワイト色の固体として得た。
収率:11%。
塩基性LC-MS方法2 (ES+): 406 (M+H)+, 純度97%.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 4.24-4.29 (m, 1H) 4.31-4.36 (m, 1H) 4.60-4.65 (m, 1H) 4.72-4.77 (m, 1H) 7.18 (dd, J=8.61, 1.72 Hz, 1H) 7.51 (d, J=1.48 Hz, 1H) 7.70 (d, J=8.86 Hz, 1H) 7.78 (dd, J=9.84, 8.37 Hz, 1H) 7.95 (d, J=2.95 Hz, 1H) 10.49 (s, 1H) 12.06 (brs, 1H).
B-I.細胞培養物
GPR17組換え細胞系:
Evi Kostenis’ lab(Bonn University、Germany)から入手した、ヒトGPR17受容体(CHO hGPR17)を安定発現するFlp-In T-REx CHO細胞を、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で培養した。細胞を、Nutrient Mixture F-12を含みハイグロマイシンB(500μg/ml)及びブラストサイジン(30μg/ml)が添加されたDMEMで増殖させた。Flp-In遺伝子座からの発現をドキシサイクリン(1μg/ml)で16~20時間処理することにより誘導してから、アッセイを行った。
初代の希突起膠細胞前駆細胞(OPC)を、生後0~2日のWistar系仔ラットの前脳から単離した。大脳を、注射器及び2種類の異なる中空針(最初に1.2×40、次いで0.60×30)を用いて機械的に切り離した。凝集塊のない細胞懸濁液を、70μm細胞ストレーナーに通して濾過し、ポリ-D-リシンで被覆された75cm2培養フラスコ中の、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清、ペニシリン(100単位/ml)及びストレプトマイシン(0.1mg/ml)が添加されたDMEMに播き、培地を1日おきに交換した。5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で8~11日経た後に、混合培養物を、240rpmで14~24時間振とうして、OPCを、星状膠細胞及びミクログリアから剥離した。OPCを更に増やすために、懸濁液を非被覆ペトリ皿上に45分間播いておいた。次いで、OPCをポリ-L-オルニチン被覆プレート中に播種し、2%(v/v)B27、2mM GlutaMAX、100単位/mlのペニシリン、0.1mg/mlのストレプトマイシン、10ng/mlのPDGF-AA及び10ng/mlの塩基性FGFが添加された増殖用Neurobasal培地において、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で維持し、培地を1日おきに取り換えた。
B-II-A:カルシウム動員機能アッセイ
GPR17は、Gタンパク質共役受容体である。GPR17が活性化すると、Gq型Gタンパク質シグナル伝達が誘発され、その結果、小胞体カルシウム(Ca2+)貯蔵物が細胞質ゾルに放出され、それを、細胞質ゾルのCa2+レベルの蛍光指示染料であるCalcium5染料を使用して測定することができる。本発明の化合物を、以下に詳述するCa2+アッセイ又はGPR17 cAMPアッセイのいずれかにより評価した。いくつかの代表的な例については、以下の表5に示すように両方の活性試験を用いて測定した。
CHO hGPR17を解凍し、底部が透明な黒色384ウェルプレート中に1ウェル当たり20,000細胞の密度で播種した。細胞を、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で終夜インキュベートした。播種の16~20時間後、CHO hGPR17に、細胞質ゾルのCa2+指示蛍光染料であるCalcium5染料を、製造業者の取扱説明書に従って60分間ローディングした。細胞質ゾルのCa2+濃度に対する蛍光シグナルを、FLIPR Tetraリーダーを用い室温にて経時的に記録した。細胞は、最初、漸増濃度の被験化合物(典型的には、10-11M~10-6M)を含有するpH7.4のHBSS Hepes緩衝液中で室温にて30分間インキュベートした。次いで、GPR17作動薬である50nM MDL29,951を細胞に添加した。さまざまな濃度の被験化合物の阻害効果を測定し、そこから導かれるpIC50を決定した。全てのインキュベーションを2回繰り返して行い、結果を、参照化合物であるGPR17作動薬及び拮抗薬の濃度反応曲線と比較した。解析及びカーブフィッテイングは、ActivityBase XEで、XLfit 4-パラメーターロジスティック式y=A+((B-A)/(1+((C/x)^D)))(式中、A、B、C及びDは、yの最小値、yの最大値、IC50及び傾きをそれぞれ表す)を使用して行った。
Ca2+動員アッセイで試験すると、例示化合物は、典型的には6.5以上、より好ましくは7.5以上、更により好ましくは8.5以上のpIC50値を呈する。試験に付した例示化合物の活性を、以下のB2B項中の表に示す。活性範囲A、B及びCは、Ca2+アッセイにおけるpIC50値を、「A」:pIC50<7.5、「B」:pIC50 7.5≦X<8.5、「C」:8.5≦pIC50として表したものである。
GPR17が活性化するとGi型Gタンパク質シグナル伝達も誘導されることがあり、その結果、細胞内サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)が減少する。細胞内cAMPの変化は、CisBio(Codolet、France)製のHTRF cAMP動的アッセイキットを使用して測定することができる。均一時間分解蛍光法(HTRF)を使用するこのアッセイは、細胞によって産生される天然cAMPと染料d2で標識されたcAMPとの間の競合に基づいている。トレーサー結合は、クリプタートで標識された抗cAMP抗体によって決定した。
CHO hGPR17を、EDTAを含有するPBSを用いて剥がし、1ウェル当たり5,000細胞を黒色384ウェルプレートに手早く移した。細胞は、最初、ビヒクル又はさまざまな濃度の被検GPR17拮抗/逆作動化合物を含有するHBSS Hepes(pH7.4)中で、室温にて30分間インキュベートした。次いで、MDL29,951 GPR17作動薬の用量反応曲線(典型的には、10-5M~10-10M)を、ビヒクルについて、及び、1%DMSO、5μMホルスコリン及び0.1mM IBMXを含有する最終体積が20μLのHBSS Hepes緩衝液(pH7.4)中の各被検GPR17拮抗/逆作動化合物濃度について、書き加えた。室温で60分インキュベートした後、反応を停止し、d2検出試薬、及び、10μL溶解緩衝液中のクリプタート試薬を、それぞれ製造業者の取扱説明書に従って添加することにより、細胞を溶解した。60分インキュベートした後、cAMP濃度の変化を、レーザー励起を備えたEnvisionプレートリーダーを使用し、製造業者の取扱説明書に従って測定する。全てのインキュベートを2回繰り返して行った。データは、GraphPad Prismソフトウェアを使用し、GPR17拮抗/逆作動被験化合物の非存在下及び存在下におけるMDL29,951のpEC50を測定する4-パラメーターロジスティック式を用いて解析した。用量比(DR)を拮抗薬濃度に対してプロットし、Schild解析によって、GPR17拮抗/逆作動被験化合物の親和性推定値pA2を得た。
cAMPアッセイで試験すると、例示化合物は、典型的には、6.5以上;好ましくは7.5以上;より好ましくは8.5以上のpA2値を呈する。試験に付した例示化合物の活性を以下の表に示す。活性範囲A、B及びCは、cAMPアッセイにおけるpA2値を、「A」:pA2<7.5、「B」:pA2 7.5≦X<8.5、「C」:8.5≦pA2として表したものである。
初代希突起膠細胞の成熟/髄鞘形成に対するGPR17の負の調節剤の効果は、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)に対する抗体を成熟希突起膠細胞のマーカーとして使用した免疫測定法によって、in vitroで評価することができる。
増殖培地中で3~4日を経た後、ラット初代OPCを12ウェルの組織培養プレートに1cm2当たり25,000細胞で播種し、成長因子不含のNeurobasal培地に切り替えて、自発的なin vitro分化、及び、GPR17タンパク質発現を誘導した。最終分化及びタンパク質発現の定量化解析を行うために、24~48時間後に、成長因子不含の培地に、0.20ng/mLトリヨードサイロニン(T3)及び10ng/mL毛様体神経栄養因子を、1μM GPR17拮抗/逆作動被験化合物又はビヒクルと共に添加し更に3日間おいた。化合物処理に続き、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、プロテアーゼ阻害剤混合物が添加された氷冷溶解緩衝液(25mMトリス、pH7.4、150mM NaCl、1mM EDTA、1% Triton X-100、1% IGEPAL)に溶解した。溶解物を4℃で20分回転させ、15,000×g、4℃で10分間遠心分離した。タンパク質濃度は、製造業者の取扱説明書に従って、Pierce BCA Protein Assayを使用して決定した。タンパク質7.5~15μgを、10%SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離し、電気ブロッティング法によってニトロセルロース膜に転写した。膜は、洗浄後、Roti-Blockを用いて室温で1時間ブロックし、Roti-Block中、4℃で、MBP抗体(1:5000、LifeSpan BioSciences)と共に終夜インキュベートした。膜を、0.1%Tweenを含有するPBSで3回洗浄し、次いで、Roti-Block中のホースラディッシュペルオキシダーゼをコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG抗体と共に室温で1時間インキュベートした。免疫反応性タンパク質を、Amersham Biosciences ECL Primeウエスタンブロッティング検出試薬を使用した化学ルミネセンスによって可視化し、Gelscanソフトウェアを使用したデンシトメトリーによって定量化した。等しいローディング及びタンパク質転写について正規化するために、膜を、β-アクチン(1:2500、BioLegend;二次抗体ヤギ抗ウサギIgG抗体HRP(ABIN))に対する抗体を用いてリプロービングした。被験化合物存在下でのMBP発現レベルの変化を、対照条件におけるMBP発現と比較した。
OPCを、Mimetix Aligned 96ウェル繊維プレート(Electrospining company)に1cm2当たり16,000~22,000細胞で播種した。増殖培地中で2日、及び、成長因子不含のNeurobasal培地中で2日を経て自発的in vitro分化及びGPR17タンパク質発現を誘導した後に、ビヒクル又は1μM拮抗/逆作動被験化合物を、0.20ng/mLトリヨードサイロニン及び10ng/mL毛様体神経栄養因子が添加されている最終分化培地に入れて6日間おき、その間、培地は、3日が経過した時点で取り換えた。次いで、4%パラホルムアルデヒド中で細胞を固定し、続いてPBSで洗浄し、PBS中の0.1% TritonX-100を浸透させ、リン酸緩衝生理食塩水中の10%ヤギ血清及び1%ウシ血清アルブミンでブロッキングした。MBP抗体を、ブロッキング緩衝液(1:2000)で希釈し、37℃で1時間インキュベートした。細胞をPBS中で再び洗浄し、マウスIgGに対するCy2コンジュゲート二次抗体(Millipore、1:500)と共に1時間インキュベートした。PBS洗浄後、細胞を0.2μg/mL DAPIで染色し、再び洗浄し、Mowiolを用いてマウントした。蛍光画像は、ApoTome Imaging System及びPlan-Apochromat 20×/0.8対物レンズを備えるZeiss AxioObserver.Z1顕微鏡を、eGFPフィルター(励起470/40nm;発光525/50nm)及びDAPIフィルター(励起365nm;発光445/50nm)と共に使用することによって取得した。対照(0.1%DMSOを含有する最終分化培地)及び被験化合物について少なくとも15カ所の無作為領域を、同じ設定を使用して画像化し、画像処理にはZeiss ZEN2.3ソフトウェアを用いた。有髄線維数の変化は、GPR17の負の調節剤の非存在下又は存在下での繊維長をグループ化したもの(0~40μm、41~60μm、61~80、81~100、101~120及び>120μm))によって報告した。
単独ドナー由来の凍結保存されたヒト肝細胞を、最終播種密度が1ウェル当たり0.1×106細胞になるように、96ウェルのコラーゲンコートプレートに播種する(最終体積は1ウェル当たり0.1mL)。次いで、細胞を37℃、95%湿度、5%CO2の播種培地でインキュベートして、細胞を接着させる。4時間後、播種培地を、100IU/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、10μg/mLインスリン、2mM L-グルタミン及び0.1μMヒドロコルチゾンを含有する無血清のWilliams E培地を予め温めておいたもの0.1mLに置き換える。
Claims (17)
- 式Iを有する化合物
式中、
R6は、クロロ、フルオロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R7は、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8は、フルオロ又はメトキシであり、
R11は、水素、フルオロ又はメトキシであり、
Lは、結合であるか、又は、-CH2-及び-CH2-CH2-O-から選択されるリンカーであり、
X1及びX2は、水素及びフルオロから独立に選択される、
並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、及び同位体。 - R6がクロロである、請求項1に記載の化合物。
- R6が、フルオロメチルである、請求項1に記載の化合物。
- R7が、フルオロメチル、シクロプロピルオキシ、フルオロ及びクロロから選択される、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
- X1が水素である、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
- R8が、フルオロであり、Lが(a)結合、(b)-CH2-及び(c)-CH2-CH2-O-から選択され、式IIa、IIb又はIIcによる構造を有する、請求項1から5のいずれかに記載の化合物:
式中、他の全ての置換基は、請求項1から5のいずれかに記載の通りである。 - R6が、クロロ及びフルオロメチルから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R11が、水素、メトキシ及びフルオロから選択され、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
請求項6に記載の化合物。 - R8及びR11がともにフルオロであり、Lが(a)結合、(b)-CH2-及び(c)-CH2-CH2-O-から選択され、式IIIa、IIIb又はIIIcによる構造を有する、請求項1から5のいずれかに記載の化合物:
式中、他の全ての置換基は、請求項1から5のいずれかに記載の通りである。 - R11がメトキシであり、Lが(a)結合、(b)-CH2-及び(c)-CH2-CH2-O-から選択され、式Va、Vb又はVcによる構造を有する、請求項1から5のいずれかに記載の化合物:
式中、他の全ての置換基は、請求項1から8のいずれかに記載の通りである。 - R6が、フルオロ、クロロ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R7が、フルオロ、クロロ、シクロプロピル、シクロプロピルオキシ、フルオロメチル及びフルオロメトキシから選択され、
R8が、フルオロであり、
X1及びX2が、水素及びフルオロから独立に選択される、
請求項9に記載の化合物。 - R6及びR7が、クロロ及びジフルオロメチルから独立に選択され、X1が水素であり、X2が水素又はフルオロである、
請求項1、4、及び6から10のいずれかに記載の化合物。 - X1が水素であり、X2がフルオロである、請求項1から11のいずれかに記載の化合物。
- 6,7-ジクロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-メトキシピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
7-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-6-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-[2-(ジフルオロメトキシ)エトキシ]-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロピリジン-2-イル]-6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-(トリフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6,7-ジクロロ-N-[5-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロ-6-メトキシピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
7-クロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-6-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-(ジフルオロメチル)-7-フルオロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-7-(ジフルオロメチル)-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6,7-ジクロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3-フルオロピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6,7-ジクロロ-N-[3-フルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-3,6-ジフルオロピリジン-2-イル]-7-フルオロ-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-7-シクロプロピル-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-7-(ジフルオロメチル)-1H-インドール-3-スルホンアミド
6-クロロ-7-シクロプロピルオキシ-N-[3,6-ジフルオロ-5-(2-フルオロエトキシ)ピリジン-2-イル]-1H-インドール-3-スルホンアミド
から選択される化合物、
並びにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、及び同位体。 - 治療において使用するための、請求項1から13のいずれかに記載の化合物。
- 脱髄障害の処置又は緩和において使用するための、請求項1から14のいずれかに記載の化合物。
- 多発性硬化症の処置又は緩和において使用するための、請求項1から15のいずれかに記載の化合物。
- 請求項1から16のいずれかに記載の化合物と薬学的に許容される担体とを含む治療用組成物。
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