JP7369359B2 - 配向したカーボンナノチューブの薄膜製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、配向したカーボンナノチューブの薄膜の製造方法および製造装置に関する。
カーボンナノチューブは従来の炭素材料にはないユニークな特性、すなわち電気伝導特性、熱伝導特性、光応答特性、化学的安定性、優れた機械強度、軽量性、柔軟性、ナノメートルサイズの形状、ガス吸着特性、などを有するため、広汎な産業応用への研究開発が進行中である。カーボンナノチューブは繊維状であるため、電気伝導特性や熱伝導特性を利用する電子デバイスの製造、さらに高引張強度や高弾性率を利用する構造材料としての応用が期待されるが、それらの特性は繊維の方位に依存するため、繊維の配向制御が重要な課題になる。
繊維の配向を制御する方法としては、例えば、補強繊維を含む分散液を抄造面に供給する際に、分散液の供給速度を多孔性支持体の進行速度より速くするか、または主として抄造面の下流側において吸引することを特徴とする繊維強化熱可塑性シートの製造方法等が報告されている(特許文献1)。この方法では、ガラス繊維などのμmオーダーの直径を有する繊維が用いられているが、このような繊維と、カーボンナノチューブのようなnmオーダーの直径を有する繊維とでは、挙動が全く異なることが知られている。
直径がナノメートルサイズの繊維の方位を揃えて配置する電子デバイスを製造する試みについては多くの報告がある。しかしながら、配向した繊維を用いる電子デバイスの製造、特に量産化技術開発には多くの解決しなければならない課題があり、カーボンナノチューブ電子デバイス普及の妨げになっていた。
カーボンナノチューブの大面積薄膜を形成する一般的な方法は、その分散液を適当な基板上にスピニング塗布する方法やろ紙により分散液を分離し表面にカーボンナノチューブ膜を形成する方法などが知られている。しかしながらこれらの方法ではカーボンナノチューブは任意の方向に堆積され、配向した膜は得られない。配向したカーボンナノチューブ薄膜の形成方法として、個々のカーボンナノチューブが二次元的に配向するように“結晶化”させる方法が報告されている(例えば、特許文献2)が、結晶化の起因や生成条件など不明なところがあり再現性はよくない。さらに量産化においても多くの課題がある。
特開平9-41280号公報 国際公開第2011/108545号パンフレット
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、配向したカーボンナノチューブの薄膜の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
カーボンナノチューブ分散液をろ紙上面に一方向に流しながら、該カーボンナノチューブ分散液の分散溶媒液の一部をろ紙の下面側に透過させる工程を含む、1000nm未満の膜厚を有するカーボンナノチューブ配向膜の製造方法
に関する。
本発明の別の一態様は、
ろ紙上面に接した流路と、
前記流路へのカーボンナノチューブ分散液の流入口と、
前記流路からのカーボンナノチューブ分散液の流出口と、
ろ紙を透過した分散溶媒液を排出するためのろ過分散溶媒液排出部と
を備える、1000nm未満の膜厚を有するカーボンナノチューブ配向膜の製造装置
に関する。
本発明によれば、配向したカーボンナノチューブの薄膜の製造方法および製造装置を提供することができる。
配向したカーボンナノチューブからなる薄膜の製造装置の断面図。 分散液中の無配向のカーボンナノチューブがろ紙を透過する分散溶媒液流と流路の流れ方向への分散液流とにより配向する原理を示す略図。 (正面図)分散液流入口側から見た流れを平行にするための“すのこ”状溝造をもつ液流調整板の概略図。(側面図)流入口付近の流れをスムースにするために工夫された流線形構造。矢印は分散液の流れる方向。 上記の方法で作製され、市販のポリカーボネート・メンブレン・フィルター膜上に形成された配向した単層カーボンナノチューブの走査型電子顕微鏡写真。
カーボンナノチューブ薄膜の電気伝導度、熱伝導度、光学物性、引張強度(力学特性)などの特性はカーボンナノチューブの配向に強く依存する。さらにカーボンナノチューブ薄膜は通常の材料にはない柔軟性を備えている。配向したカーボンナノチューブは個々の特性に加えて集合体としてしての特性が発現する。したがって、配向したカーボンナノチューブ薄膜製造法の確立は、カーボンナノチューブの産業応用に多大な貢献があると期待される。
この発明はカーボンナノチューブ、例えば既成のカーボンナノチューブの分散液を用い、ろ紙によるろ過の原理を基本にし、さらに分散液の流れを制御し、配向したカーボンナノチューブの薄膜(「カーボンナノチューブ配向膜」または単に「配向膜」とも記載する)を製造する方法とその製造装置に関するものである。
カーボンナノチューブが一定方向に配向した薄膜の製造のための方法および装置の一実施形態について、単層カーボンナノチューブを一例として、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る薄膜の製造方法に用いられる製造装置は、図1に示すように、
カーボンナノチューブ分散液を一方向に流すための、ろ紙(6)上面に接した流路(22)と、
該流路(22)内へカーボンナノチューブ分散液が流入する流入口(20)と、
該流路(22)からカーボンナノチューブ分散液が流出する流出口(21)と、
ろ紙(6)を透過したろ過分散溶媒液が排出されるろ過分散溶媒液排出部(23)と、
を少なくとも備える。
図1の製造装置を使用した製造方法では、カーボンナノチューブ分散液(以下、単に「分散液」とも記載する)を、流入口(20)から流路(22)に導入し、ろ紙(6)上面を一方向に流す。同時に、該分散液の分散溶媒液の一部をろ紙(6)の下面側に透過させ、ろ過分散溶媒液排出部(23)に排出する。これにより、分散液中の少なくとも一部のカーボンナノチューブの繊維の一端は、ろ紙(6)下面側に透過する分散溶媒液の流れによって、ろ紙の細孔中または細孔近傍に固定され、同時に、該カーボンナノチューブの繊維の他端は、ろ紙(6)上面を流れる分散液の流れにより、流路下流側に移動する。これにより、カーボンナノチューブは、ろ紙(6)上に、分散液の流れ方向に沿って配向することができる。
本実施形態の製造方法では、カーボンナノチューブの配向性を向上させるため、ろ紙(6)上を分散液が一方向に流れるように、つまり乱流が少なく可能な限り層流として流れるように制御することが好ましい。このために、本実施形態の製造装置では、1例としてさらに、分散液がろ紙の上面に沿って流れる方向を制御するために、流路(22)内に、ろ紙上表面に対向するように設置された液流調整板(8)を有している。
この液流調整板(8)は、図3に示すように、ろ紙(6)上面と対向する側、すなわち流路側の表面に、いわゆる“すのこ状”構造を有する溝、具体的には、流れ方向に延在する複数の溝を有していてもよい。液流調整板(8)がこのような溝を有すると、分散液は、ろ紙の上面と液流調整板との間の流路を、この溝に沿って一方向に流れることとなる。このため、カーボンナノチューブの配向性をより高めることができる。
本明細書において「“すのこ状”構造の溝」とは、流路の流れ方向に好ましくは平行に設けられた複数の溝を意味する。溝の間隔は、例えば0.01~2mm間隔、好ましくは0.1~1mm間隔とすることができるが、装置の大きさ、送流条件、分散液濃度、配向膜密度等を考慮して上記範囲外としてもかまわない。溝の形状としては、V字型、U字型、C字型、コの字型等を挙げることができるが、分散液の流動性とカーボンナノチューブの配向性向上の観点ではU字型がより好ましい。
また、製造されるカーボンナノチューブ薄膜の膜厚や配向をより良く制御するために、液流調整板(8)の分散液流入口側部分は、流れを平滑にするために、即ち乱流を発生を最小にするために、流線形に成形されていてもよい。
ここで、流線形とは、流路断面積が距離に対して広義の単調減少する関数となる形状であり、さらにその関数が滑らかであること、即ちその微分関数が連続であることを意味する。また、流路断面積に加えて、壁面も連続かつ滑らかであることが好ましい。流線形とすることで、分散液がろ紙(6)と液流調整板(8)との間の流路に流入する際の乱流の発生を抑制して層流の形成を容易にすることができる。
例えば、ろ紙フィルター(6)上面に対向するように設置された液流調整板(8)の流路側表面には、図3(正面)に示すように、すのこ状の溝が刻まれており、分散液がこの溝に沿って一方向に流れるように工夫されている。さらに、液流調整板(8)の流入口側は、流れを潤滑にするために図3(側面)に示したように流線形になるように工夫されている。
ここで、ろ紙(6)と液流調整板(8)との間に形成される流路高(ろ紙(6)と液流調整板(8)との距離)は、1000nm未満などの膜厚を有する薄膜を形成する観点や、配向性を高める観点で、例えば、0mm(すなわち、分散液が流路調整板の溝を流れる)~5mm、好ましくは0~0.5mm、より好ましくは0.02~0.06mmとすることができる。しかし、該流路高は、装置の規模、分散液の流量・流速、薄膜の膜厚等を考慮して適宜設定することができるため、上記範囲外であってもよい。
ろ紙(6)と液流調整板(8)は、流路を挟んで、流路の上流から下流に向けて概ね同じ間隔で対向していることが好ましい。
分散液の分散溶媒液の一部をろ紙(6)の下面側に透過させるためには、ろ紙の上面側(流路側)と下面側(ろ過分散溶媒液排出部側)で圧力差を生じさせることが必要である。また、薄膜中のカーボンナノチューブの配向性を高めながら実用的に薄膜を製造するために、分散液の流量およびろ紙上での流速を制御することができることが好ましい。そのため、図1の製造装置はさらに以下の部品を有している。
図1の製造装置において、ろ過分散溶媒液排出部(23)側には、ろ過分散溶媒液排出路(26)を介して、ろ過分散溶媒液を回収するためのろ過分散溶媒液回収容器(17)、ならびに、吸引ポンプ(15)および液流調整バルブ(19)が接続されている。
また、流路(22)の流入口(20)側には、分散液供給路(24)を介して、カーボンナノチューブ分散液を供給するためのカーボンナノチューブ分散液容器(9)および分散溶媒液を供給するための分散溶媒液容器(13)、ならびに送流ポンプ(12)が接続されている。
また、図1の製造装置では、流路(22)の流出口(21)側には、分散液回収路(25)を介して、カーボンナノチューブ分散液容器(9)および分散溶媒液回収容器(13’)、ならびに吸引ポンプ(16)が接続されている。
ろ紙の上面側(流路側)と下面側(ろ過分散溶媒液排出部側)の圧力差、および透過するろ過分散溶媒液の比率は、いくつか方法で制御することができる。これらは互いに関連するが、まず第1は、ろ過分散溶媒液排出部側を吸引する調整であり、例えば吸引ポンプ(15)を用いてろ紙(6)下面側から吸引し、必要により液流調整バルブ(19)を用いて排出液量を調整することにより、ろ紙下面側の圧力を調整し、流路(22)を流れる分散液の流量および流速や、ろ紙(6)下面側に透過するろ過分散溶媒液の比率を調整することができる。
第2は、流入口側から分散液に圧力を掛ける調整方法であり、送流ポンプ(12)を用いて分散液または分散溶媒液を圧力下で送液することにより、ろ紙の上面側(流路側)の圧力を調整して、ろ紙透過量、流路(22)を流れる分散液の流量・流速を調整することができる。送流ポンプ(12)に加えて、液流調整バルブ等を設けてもよい。
送流ポンプと同等の働きをするものとして、分散液容器(9)を、流路(22)の上方の適当な高さに設置し、高低差による水圧により、供給される分散液に圧力を掛けることで、流路(22)に供給するための流量・流速および透過比率を調整することができる。
第3は、流出口側で分散液を吸引する調整であり、例えば吸引ポンプ(16)を用いて流路(22)の下流側から吸引して、流路(22)の流出口(21)から流出する分散液の流量を調整することにより、その結果として流路(22)に供給される分散液の流量・流速、および透過比率を調整することができる。また、吸引ポンプ(16)に加えて、液流調整バルブ等を設けてもよい。
図1では、吸引ポンプ(15)、送流ポンプ(12)(高低差による水圧を含む)および吸引ポンプ(16)のすべてを図示しているが、これらのすべて必要というわけではない。例えば、送流ポンプ(12)(高低差による水圧を含む)のみであっても、流路(22)に分散液を供給可能であり且つろ紙の上面側と下面側の圧力差を生じさせることができる。吸引ポンプ(15)および吸引ポンプ(16)は補助的に使用してもよい。送流ポンプ(12)が存在せず且つ高低差による水圧も期待できない場合は、吸引ポンプ(16)により分散液を流路に導入することができる。但しこの場合は、通常、ろ過分散溶媒液排出部側を吸引することが好ましく、そのため吸引ポンプ(15)を備えることが好ましい。
分散液の流量、流速、透過比率の調整のために、液流調整バルブを、流入口の手前(1例として後述する3方コック(11a)を兼用することもできる)、流出口の後(1例として後述する3方コック(11b、11c)を兼用することもできる)、およびろ過分散溶媒液排出部(1例として液流調整バルブ(19))の少なくとも1に設けてもよい。これらの液流調整バルブは、ポンプ類と共に備えられていてもよいが、ポンプが設置されていない箇所に設けられていることも好ましい。例えば、送流ポンプ(12)(高低差による水圧を含む)のみが存在し、吸引ポンプ(15)および吸引ポンプ(16)が存在しない場合において、液流調整バルブを流出口の後およびろ過分散溶媒液排出部に設けることで、圧力のバランスをとり、分散液の流量、流速、透過比率を調整することができる。
本実施形態の方法の実施するためには、概ね以上の部材・部品が存在すればよいが、例えば次の部材・部品を備えてもよい。
例えば、図1の製造装置では、カーボンナノチューブ分散液容器(9)と分散溶媒液容器(13)との間に3方コック(11a)が設置されている。ろ紙表面にカーボンナノチューブの薄膜を生成した後に、3方コック(11a)によって、カーボンナノチューブ分散液容器(9)からの送流を洗浄用分散溶媒液容器(13)からの送流に切り替えることができる。このように流路に洗浄用溶媒液を流すことによって、生成されたカーボンナノチューブ薄膜の配向性向上、洗浄、未配向のカーボンナノチューブの除去などを行うことができる。
なお、図1の製造装置では、流路の流出口(21)は分散液容器(9)に接続されている。すなわち、分散液容器(9)から供給される分散液の少なくとも一部は、流路(22)を通って、再度分散液容器(9)に循環する構成となっているが、別の実施形態では、流路の流出口(21)側に分散液容器(9)とは別の分散液回収容器(図示せず)を設けて分散液が循環しない構成としてもよい。分散液を循環させる場合、分散液の送液は、送流ポンプ(12)等により行うことができる。
また、カーボンナノチューブ分散液容器(9)と分散溶媒液回収容器(13’)との間には3方コック(11c)が設けられている。上述のように、カーボンナノチューブの薄膜の形成後に、洗浄用溶媒液を流す場合には、3方コック(11b)により分散液回収路(25)の流路を切り替えて、洗浄用の分散溶媒液を分散溶媒液回収容器(13’)に回収することができる。
また図示していないが、一実施形態では、製造装置に、ろ紙表面に形成されたカーボンナノチューブ薄膜を乾燥するために、分散液の流路に空気または適当なガス(例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス)を流す目的で、ガス供給装置、流路切替装置、ガス流量制御装置等を設置してもよい。
上述の図1の製造装置を用いた薄膜の製造をまとめて示すと、カーボンナノチューブ分散液容器(9)内のカーボンナノチューブ分散液(10)は、送流ポンプ(12)により、流入口(20)よりろ紙フィルター(6)の上表面に送られ、液流調整板(8)とろ紙フィルター(6)上面との間の流路(22)を一定方向(矢印で示したように左から右方向)に流れ、分散液流出口(21)より分散液容器(9)に戻る。分散液がろ紙フィルター(6)の上表面を流れるとき、分散液の一部は吸引ポンプ(15)によりろ紙フィルターの下面方向に引かれ、ろ過分散溶媒液排出部(23)に接続されたろ過分散溶媒液回収容器(17)に溜る。このとき、分散液中のカーボンナノチューブの少なくとも一部はろ紙フィルター(6)上表面に留まり、その一端またはその一部は図2に示すように、ろ紙の細孔に吸い寄せられまたは吸い込まれ、ろ紙表面に固定された状態になる。一方、カーボンナノチューブの他端は、ろ紙(6)上表面を流れる分散液の流れに沿った方向に配向する。一方、液流調整板(8)近傍を流れるカーボンナノチューブ(27)は、図2に示すようにろ紙に固定されないまま無配向の状態で分散液容器(9)に戻り、再び送流ポンプ(12)で循環される。
ろ紙(「ろ紙フィルター」とも記載する)(6)は、分散溶媒液が透過することができ、かつカーボンナノチューブの一端を固定し得る細孔を有するものであれば特に限定されず、例えば、繊維集合体、樹脂多孔膜等が挙げられるが、細孔として複数の単孔を有し、かつ膜表面が平滑な樹脂多孔膜がより好ましい。表面が平滑な樹脂多孔膜をろ紙として用いれば、均質な厚さを有する平滑な薄膜が得られやすく、例えば、電子デバイスへの利用、他の基体への転写等において有利であり得る。また、細孔として複数の単孔を有する樹脂多孔膜を用いれば、カーボンナノチューブの配向性や面密度を制御し易いという利点もある。
樹脂多孔膜としては、ポリカーボネート、ポリオレフィン、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリケトン、ポリイミド等の多孔膜が挙げられるが、これらに限定されない。樹脂は、カーボンナノチューブ薄膜の形成後に、加熱、あるいは、適当な溶媒で溶出することにより、除去できる成分であることも好ましい。例えば、ろ紙(6)としてポリカーボネート樹脂多孔膜を用いた場合、カーボンナノチューブ薄膜の形成後に、苛性ソーダ等の溶媒を用いて溶解除去することができる。
ろ紙の細孔径は、カーボンナノチューブの直径、製造しようとする薄膜の膜厚、目付量、分散液の流速・流量等を考慮して適宜選択することができるが、一般にはカーボンナノチューブの直径よりも大きいことが好ましい。細孔径は、一般には1nm以上、好ましくは10nm~1000nm、より好ましくは50~800nm、さらに好ましくは100~500nm、例えば100~300nmである。
ろ紙(6)は、分散溶媒液の透過を妨げない支持体上に支持することができる。支持体としては、分散溶媒液が通過し得る孔を有するものであれば特に制限はないが、メッシュ状の構造を有するろ紙サポートスクリーン(7)等が挙げられる。支持体の材質は特に限定されず、金属、プラスチック等を用いることができる。
図1の装置において、ろ紙(6)およびろ紙サポートスクリーン(7)は、ベースプレート(1)とトッププレート(2)との間に、略水平方向(水平方向に対する傾斜が20°以内、好ましくは10°以内)となるように設置することができる。トッププレート(2)の下側表面には流路(22)となる空間(凹部)が形成されている。べースプレート(1)の上側表面にはろ過分散溶媒液排出部(23)となる空間とろ紙(6)およびろ紙サポートスクリーン(7)を収容する空間(凹部)が形成されている。流路(22)とろ過分散溶媒液排出部(23)とがろ紙(6)およびろ紙サポートスクリーン(7)を挟んで対向するように、ベースプレート(1)とトッププレート(2)を固定する。該ベースプレート(1)およびトッププレート(2)には、分散液の供給、排出、分散溶媒液の排出のための開口部が設けられている。ベースプレート(1)およびトッププレート(2)の材質としては、例えば、金属、プラスチック等を用いることができる。
次に、図1に記載の装置を用いて、薄膜、好ましくは、膜厚が1000nm未満の薄膜を製造する場合を例に、送液条件の一例を記載する。
分散液容器(9)より供給する分散液の供給量は、後述する分散液を5~500ml、例えば10~100mlとすることができる。この分散液を、5~60分、例えば5~30分間かけて供給することができる。流速としては、1~100mm/秒、好ましくは1~20mm/秒、より好ましくは5~10mm/秒とすることができる。
分散液の流路方向への液流と、ろ紙を透過する分散溶媒液の液流との比率は、流速やカーボンナノチューブ濃度等にも依るが、例えば、ろ紙を透過する分散溶媒液の液流量が、供給される分散液の30~90体積%、好ましくは40~80体積%、より好ましくは55~70体積%となるように調整することができる。
流路方向への分散液の液流と、ろ紙を透過する分散溶媒液の液流とをこのように制御することにより、カーボンナノチューブの一端をろ紙の細孔中または細孔近傍に固定すると同時に、流路方向への分散液の液流によってカーボンナノチューブの配向性を高めることができる。ここで、細孔近傍とは、細孔中への分散溶媒液の流れによりカーボンナノチューブの一端が固定され得る範囲を意味するので、細孔径や分散液の流速等に依るが、例えば細孔の外縁から2μmの範囲、好ましくは外縁から400nmの範囲である。
なお、これらの分散液の送液条件は、用いる装置や分散液、製造しようとする薄膜の大きさ、膜厚、特性等を考慮して適宜調整することができ、上記範囲外であってもよい。
また、一実施形態では、本発明に係る方法は、ろ紙フィルター(6)上表面に形成された配向したカーボンナノチューブ薄膜を、適当な方法で回収する工程をさらに含む。ろ紙から薄膜を回収する方法としては、例えば、ろ紙から薄膜を剥離する方法、または、ろ紙を、加熱によりもしくは適当な溶媒で溶解して、除去する方法等が挙げられる。比較的厚い薄膜は自立膜として扱うことが可能であり、極薄膜の場合には適当な基板上に転写してもよい。
[カーボンナノチューブ分散液]
上述のカーボンナノチューブ配向膜の製造装置および製造方法に用いるカーボンナノチューブ分散液について説明する。
カーボンナノチューブは、単層、二層、多層、またはそれらの混合物のいずれであってもよい。また、半導体型、金属型、またはそれらの混合物であってよい。
また、カーボンナノチューブの一部の炭素が任意の官能基で置換されているカーボンナノチューブや、任意の官能基で修飾されているカーボンナノチューブを用いてもよい。官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。例えば、アミノ基を有するカーボンナノチューブを用いることにより、膜(ろ紙)との密着性を向上させると、より配向し且つ平滑な薄膜が形成され得る。
カーボンナノチューブの直径は特に限定されないが、一般に0.6nm以上であり、0.8nm以上が好ましく、より好ましくは1nm以上であり、また一般に50nm以下、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下である。
カーボンナノチューブの長さは特に限定されず適宜選択することができるが、通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上であり、場合によっては10μm以上であることも好ましい。長さの上限は、製造したい薄膜の大きさや装置の規模等を考慮して決めればよいが、一般には流路長(ろ紙長)以下、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。カーボンナノチューブの長さが0.5μm以上であると大面積の均質な薄膜が得られやすい。また、カーボンナノチューブの合成あるいは入手容易さの観点では10mm以下であることが好ましい。
本発明の薄膜製造方法および装置に用いるカーボンナノチューブは、半導体型であっても、金属型であっても、またはそれらの混合物であってもよい。
例えば、FET等の電子デバイスへの応用の観点では、半導体型のカーボンナノチューブ、好ましくは単層の半導体型カーボンナノチューブの配向膜が有用である。このため、一実施形態では、カーボンナノチューブの総量中、単層の半導体型カーボンナノチューブが67質量%を超えることが好ましく、場合により80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
一方、金属型カーボンナノチューブの配向膜は、シート抵抗の低い高導電性の薄膜等に有用である。このため、一実施形態では、カーボンナノチューブの総量中、金属型カーボンナノチューブが34質量%を超えることが好ましく、場合により50質量%以上であるが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
カーボンナノチューブのようなnmオーダーの範囲の直径を有する繊維は、一般に柔軟性を有するため、その配向性を制御して薄膜を製造することは極めて困難であった。しかし、本発明に係る方法および装置では、柔軟性を有するカーボンナノチューブのような繊維は、繊維の一端をろ紙の細孔またはその近傍に固定し易いため、配向性を制御し易いという利点がある。
また、本発明に係る方法は、既成のカーボンナノチューブを用いることができるという利点もある。既成のカーボンナノチューブを用いれば、個々のカーボンナノチューブが二次元的に配向するように“結晶化”させることによって配向膜を製造する方法等に比べて、カーボンナノチューブの合成工程による制限がなく、大面積の均質な配向膜を製造し易いという利点もある。
カーボンナノチューブ分散液は、分散溶媒液にカーボンナノチューブを分散したものを用いることができる。分散溶媒液としては、分散媒に分散を補助するための分散補助剤を添加した溶液が挙げられる。
カーボンナノチューブの濃度は、適宜選択できるが、例えば、1wtppb以上500wtppb以下、好ましくは10wtppb以上100wtppb以下、より好ましくは40wtppb以上60wtppb以下(0.0001wt%=1000ppb)となるように分散溶媒液に投入するのが好ましい。また、後述するように、カーボンナノチューブ分散液の調製工程においては、分散しなかったカーボンナノチューブを超遠心分離等により分離して除去して精製してもよく、精製後のカーボンナノチューブの分散媒中の濃度は、例えば、500wtppm以上1000wtppm以下が好ましい。
なお、カーボンナノチューブ分散液中のカーボンナノチューブの濃度は、製造しようとする薄膜の膜厚や面密度等を考慮して適宜設定することができ、上記範囲外であってもよい。
分散媒としては、カーボンナノチューブを分散し得るものであれば特に限定されず、例えば水、重水、有機溶媒(例えば、NMP、DMF、DMSO等)、イオン液体等が挙げられ、水および重水がより好ましい。
分散補助剤としては、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、ステロイド系界面活性剤等の界面活性剤;ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)誘導体等の高分子系可溶化剤;ポリフルオレン(PFO)、PFO交互共重合ポリマー等の選択的可溶化剤;DNA、RNA等の生体高分子系可溶化剤等;ならびにその他の分散補助剤が挙げられる。
中でも、薄膜形成後の除去が容易であるという観点では、界面活性剤がより好ましい。界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム(SDBS)、コール酸ナトリウム(SC)、デオキシコール酸ナトリウム(DOC)、タウロコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム(TDOC)等、および後述する非イオン性界面活性剤が挙げられるがこれらに限定されない。
非イオン性界面活性剤は、適宜選択できるが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系に代表されるポリエチレングリコール構造を有する非イオン性界面活性剤や、アルキルグルコシド系非イオン性界面活性剤など、イオン化しない親水性部位とアルキル鎖など疎水性部位で構成されている非イオン性界面活性剤を1種類もしくは複数組み合わせて用いることが好ましい。このような非イオン性界面活性剤としては、式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好適に用いられる。また、アルキル部が1または複数の不飽和結合を含んでもよい。
2n+1(OCHCHOH (1)
(式中、n=好ましくは12~18、m=10~100、好ましくは20~100である)
特に、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテルなどポリオキシエチレン(n)アルキルエーテル(nが20以上100以下、アルキル鎖長がC12以上C18以下)で規定される非イオン性界面活性剤がより好ましい。市販の例としては、Brij S100、Brij L23、Brij C20、Brij S20、Brij O10、Brij C10、Brij S10Brij O20、Brij S100等のBrij系界面活性剤が挙げられる。また、N,N-ビス[3-(D-グルコンアミド)プロピル]デオキシコールアミド、n-ドデシルβ-D-マルトシド、オクチルβ-D-グルコピラノシド、ジギトニンも使用することができる。
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(分子式:C6412626、商品名:Tween 60、シグマアルドリッチ社製等)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレアート(分子式:C2444、商品名:Tween 85、シグマアルドリッチ社製等)等のTween系界面活性剤、オクチルフェノールエトキシレート(分子式:C1422O(CO)、n=1~10、商品名:Triton X-100、シグマアルドリッチ社製等)、ポリオキシエチレン(40)イソオクチルフェニルエーテル(分子式:C1740(CHCH2040H、商品名:Triton X-405、シグマアルドリッチ社製等)等のTriton系界面活性剤、ポロキサマー(分子式:C10、商品名:Pluronic、シグマアルドリッチ社製等)、ポリビニルピロリドン(分子式:(CNO)、n=5~100、シグマアルドリッチ社製等)等を用いることもできる。
分散溶媒液の界面活性剤の濃度は、臨界ミセル濃度以上であることが好ましく、臨界ミセル濃度の一般には10倍以上、好ましくは50倍以上、例えば0.05質量%以上であり、また好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である。本明細書において、臨界ミセル濃度(critical micelle concentration:CMC)は、例えば一定温度下、Wilhelmy式表面張力計等の表面張力計を用い、界面活性剤水溶液の濃度を変えて表面張力を測定し、その変極点となる濃度のことをいう。本明細書において、「臨界ミセル濃度」は、大気圧下、25℃での値とする。
カーボンナノチューブ分散液の調製方法は特に限定されず、当技術分野で知られている方法を適宜採用することができる。例えば、カーボンナノチューブと、分散媒および分散補助剤を含む分散溶媒液とを含む混合液を撹拌処理、または、超音波処理に供して、凝集したカーボンナノチューブを十分に分離する方法が挙げられる。また超音波処理に加えてまたは代えて、機械的なせん断力によりカーボンナノチューブを分散させてもよい。また、分散処理の後、分離が不十分なカーボンナノチューブを超遠心分離等により分離、除去してもよい。カーボンナノチューブは互いに分離して分散されることが好ましいが、場合により、複数のカーボンナノチューブが集まって束を形成していてもよい。
[配向したカーボンナノチューブの薄膜]
本発明の一態様は、上記の製造方法および製造装置を用いて製造されたカーボンナノチューブ配向膜に関する。本発明に係る上記方法および装置によれば、結晶化等の3次元構造の形成工程を用いずに、2次元的に形成された大面積の均質なカーボンナノチューブ配向膜を製造することができる。
ろ紙フィルター(6)上表面に堆積するカーボンナノチューブ薄膜の配向性および厚さは、個々のカーボンナノチューブの長さ、カーボンナノチューブ分散液(10)の濃度および分散の程度、送流ポンプ(12)の送流量、2台の吸引ポンプ(15、16)の夫々の吸引圧力、さらに分散溶媒液(13)による洗浄時間、などを調整することにより所望の範囲に決めることができる。
配向膜の膜厚は特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。例えば、本発明に係る方法および装置は、1000nm未満の膜厚を有する薄膜の製造にも適している。一実施形態において、配向膜は自立膜であってよく、膜厚は、例えば10nm~100nm、好ましくは50nm~100nmである。また、一実施形態では、配向膜は、極薄型の薄膜であってよく、膜厚は、例えば、0.6nm~100nm、より好ましくは1.0nm~10nm、さらに好ましくは1nm~5nmの膜厚を有する。場合により、配向膜は単層であり、すなわち配向膜の膜厚は、カーボンナノチューブの直径と同じである。
配向膜の目付量は特に限定されず配向膜の用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、配向したカーボンナノチューブの薄膜、このましくは1000nm以下の膜厚を有する薄膜の場合、目付量は、好ましくは1~20ng/cm、より好ましくは2~10ng/cmとすることができる。
特定の実施形態では、配向膜は、少なくともその一部に単層の領域を含むことも好ましい。単層の領域とは、配向したカーボンナノチューブが互いに近接または接触して1層の膜を形成している領域、あるいはカーボンナノチューブが配向しているが、カーボンナノチューブ同士の接触が少ない(または接触がない)領域を意味する。
カーボンナノチューブの配向膜を形成する方法としては、例えば、Xiaowei H et al.(Nature Nanotecunology,2016,633-638)には、カーボンナノチューブが自己配向した大面積の薄膜を製造したことが報告されているが、このような自己配合を用いた方法では、単層のカーボンナノチューブ配向膜、特にはカーボンナノチューブ同士の接触が少ない(または接触がない)配向膜を得ることは困難である。しかし、本発明に係る方法および装置によれば、カーボンナノチューブの面密度を所望の範囲に設定できるため、自己配向を用いた方法では困難であったカーボンナノチューブ同士の接触が少ない単層の領域を含む配向膜を形成することが可能である。
カーボンナノチューブが配向した薄膜のカーボンナノチューブの数密度は特に限定されないが、一例として、1×10~1×1014本/cm、好ましくは2×10~5×1013本/cm、より好ましくは1×1010~1×1013本/cmとすることができる。当然ながら、数密度は、用途に応じて適宜選択することができる。
なお、カーボンナノチューブの数密度は、顕微鏡画像から数え上げることにより測定することができる。
一実施形態では、カーボンナノチューブ配向膜は、製造過程においてカーボンナノチューブ繊維の一端がろ紙の細孔中に固定されることに起因して、少なくとも一部のカーボンナノチューブ繊維の一端が、配向膜の面外方向へ湾曲している場合がある。このような突起を有するカーボンナノチューブ配向膜は、例えば電界放出材等の利点を有し得る。また別の実施形態では、このような面外に突出している繊維端を適宜除去して平滑性を高めてもよい。
本実施形態に係る配向膜、特には半導体型カーボンナノチューブの配向膜、特には極薄型の配向膜は、FETトランジスタ等の電子デバイスに好適に用いることができる。
また、カーボンナノチューブを配向させることにより光学的異方性、電気的異方性、熱的異方性等を制御が容易となるため、本実施形態に係る配向膜は、赤外線センサー、ガス等の各種センサー、エネルギデバイスの電極等の用途にも好適に用いられる。
この出願は、2019年7月24日に出願された日本出願特願2019-136020を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1.カーボンナノチューブ分散液の調製
カーボンナノチューブ((株)名城ナノカーボン製カーボンナノチューブ(平均直径:約1.5nm、平均長さ:約1μm))を分散溶媒液(0.06wt%BrijS100溶液)に投入し、撹拌処理によりカーボンナノチューブを分散させ、カーボンナノチューブ分散液(濃度:約40wtppb)を得た。
2.薄膜製造装置
ろ紙フィルター(6)としては、ポリカーボネートメンブレンフィルム(アドバンテック東洋株式会社製、細孔径:0.2μm)47mm×47mmを用いた。流路高(ろ紙(6)と液流調整板(8)との距離)は、すのこ状の溝の突出部の先端はろ紙に接触するようにした。液流調整板(8)として、図3に示すように、流入口側が流線形に成形されており、且つ、すのこ状の溝、すなわち流路の流れ方向に延在する0.3mm間隔のU字型の溝を有する調整板を用いた。
3.薄膜の製造
(1)送流ポンプ(12)、吸引ポンプ(15)および(16)、ならびに液流調整バルブ(19)を用いて流量を制御し、カーボンナノチューブ分散液合計100mlを、流路の流出口から流出する液流量と、ろ紙を透過してろ過分散溶媒液として回収される液流量との比率が約1:2となるように調整して、約30分間かけて送液した。
(2)次いで分散溶媒液のみを同条件で流して、無配向のカーボンナノチューブを除去するとともにろ紙表面に固定されたカーボンナノチューブの配向性を高めた。
(3)次いで流路に空気を流して、ろ紙表面に形成されたカーボンナノチューブ薄膜を乾燥させ、走査型電子顕微鏡により観察した(図4)。その後、配向したカーボンナノチューブ薄膜を得た。
4.製造した薄膜の評価
製造した配向膜では、図4に示すとおり、カーボンナノチューブの一端がろ紙の細孔または細孔近傍に固定されており、カーボンナノチューブが流れ方向に配向していることが確認できた。また、単層の領域が多く観察され、1011~1012本/cm存在していた。
以上、実施形態及び実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
[付記]
上記の実施形態の一部又は全ては、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
カーボンナノチューブ分散液をろ紙上面に一方向に流しながら、該カーボンナノチューブ分散液の分散溶媒液の一部をろ紙の下面側に透過させる工程を含む、1000nm未満の膜厚を有するカーボンナノチューブ配向膜の製造方法。
[付記2]
カーボンナノチューブ分散液中の少なくとも一部のカーボンナノチューブの一端はろ紙の下面側に透過する分散溶媒の流れによってろ紙の細孔中または細孔近傍に固定され、同時に該カーボンナノチューブの他端は、ろ紙の上面に沿って流れるカーボンナノチューブ分散液の流れの方向に配向する、付記1に記載の製造方法。
[付記3]
ろ紙の下面側から吸引することにより、分散溶媒液をろ紙の下面側に透過させる、付記1または2に記載の製造方法。
[付記4]
カーボンナノチューブ分散液を、ろ紙上面と対向するように設置され、且つその流路側表面に流れ方向に延在する溝を有する液流調整板の溝に沿って、ろ紙上面と液流調整板との間の流路を一方向に流す、付記1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
[付記5]
前記液流調整板の分散液流入口側が、流線形を有する、付記4に記載の製造方法。
[付記6]
カーボンナノチューブ分散液を、ろ紙上面より高い位置から供給するか、または送流ポンプを用いて、圧力下で供給する、付記1~5に記載のいずれか一項に記載の製造方法。
[付記7]
カーボンナノチューブ分散液を、流路の下流側から吸引する、付記1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
[付記8]
カーボンナノチューブ分散液の流路に、洗浄用溶媒液を流す工程をさらに含む、付記1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
[付記9]
カーボンナノチューブ分散液の流路に、空気またはガスを流して、ろ紙の上面に形成されたカーボンナノチューブ配向膜を乾燥させる工程をさらに含む、付記1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
[付記10]
ろ紙上面に接した流路と、
前記流路へのカーボンナノチューブ分散液の流入口と、
前記流路からのカーボンナノチューブ分散液の流出口と、
ろ紙を透過した分散溶媒液を排出するためのろ過分散溶媒液排出部と
を備える、1000nm未満の膜厚を有するカーボンナノチューブ配向膜の製造装置。
[付記11]
ろ過分散溶媒液排出部に接続された吸引ポンプをさらに備える、付記10に記載の製造装置。
[付記12]
ろ紙上面と対向するように設置され、且つその流路側表面に流れ方向に延在する溝を有する液流調整板をさらに備える、付記10または11に記載の製造装置。
[付記13]
前記液流調整板の分散液流入口側部分が、流線形を有する、付記12に記載の製造装置。
[付記14]
カーボンナノチューブが配向した1000nm未満の膜厚を有する配向膜であって、少なくとも一部のカーボンナノチューブの繊維端が配向膜の面外方向へ湾曲している、配向膜。
この発明は、配向したカーボンナノチューブからなる薄膜の製造法とそのための装置に関するものである。カーボンナノチューブの薄膜は個々の繊維は無配向に分散したものが一般的であるが、使用目的によっては個々の繊維が一定方向に配向している薄膜は必須である。例えば、個々のカーボンナノチューブに流れる電流や熱は繊維方向に強く依存するため、薄膜にした場合には、繊維の配向性により電流特性、熱特性、光応答特性などに異方性が現れることが知られている。例えば、カーボンナノチューブ薄膜からなるFETトランジスタではチューブの配向により電子移動度は著しく影響される。こうした課題を解決するためには繊維方向が制御された繊維の薄膜は産業上において極めて重要な材料であり、これを製造する技術は重要である。
1 ベースプレート
2 トッププレート
3 締付ボルト
4 サポートリング
5 サポートリング押さえO-リング
6 ろ紙フィルター
7 ろ紙サポートスクリーン
8 液流調整板
9 カーボンナノチューブ分散液容器
10 カーボンナノチューブ分散液
11a 3方コック
11b 3方コック
11c 3方コック
12 送流ポンプ
13 分散溶媒液容器
13’ 分散溶媒液回収容器
14 分散溶媒液
15 吸引ポンプ
16 吸引ポンプ
17 ろ過分散溶媒液回収容器
18 ろ過分散溶媒液
19 液流調整バルブ
20 流入口
21 流出口
22 流路
23 ろ過分散溶媒液排出部
24 分散液供給路
25 分散液回収路
26 ろ過分散溶媒液排出路
27 無配向のカーボンナノチューブ
28 配向したカーボンナノチューブ

Claims (10)

  1. カーボンナノチューブ分散液をろ紙上面上を一方向に流しながら、該カーボンナノチューブ分散液の分散溶媒液の一部をろ紙の下面側に透過させる工程を含む、1000nm未満の膜厚を有するカーボンナノチューブ配向膜の製造方法。
  2. カーボンナノチューブ分散液中の少なくとも一部のカーボンナノチューブの一端はろ紙の下面側に透過する分散溶媒液の流れによってろ紙の細孔中または細孔近傍に固定され、同時に該カーボンナノチューブの他端は、ろ紙の上面に沿って流れるカーボンナノチューブ分散液の流れの方向に配向する、請求項1に記載の製造方法。
  3. ろ紙の下面側から吸引することにより、分散溶媒液をろ紙の下面側に透過させる、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ろ紙上面と対向するように液流調整板を設置し、前記液流調整板は、流れ方向に延在する溝を有し、カーボンナノチューブ分散液を、前記溝に沿って、前記ろ紙上面と液流調整板との間の流路に一方向に流す、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記液流調整板の分散液流入口側が、流線形を有する、請求項4に記載の製造方法。
  6. カーボンナノチューブ分散液を、ろ紙上面より高い位置から供給するか、または送流ポンプを用いて、圧力下で供給する、請求項1~5に記載のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. ろ紙上面に接したろ紙上面上の流路であって、カーボンナノチューブ分散液がろ紙上面上を一方向に流れるための流路と、
    前記流路へのカーボンナノチューブ分散液の流入口と、
    前記流路からのカーボンナノチューブ分散液の流出口と、
    ろ紙を透過した分散溶媒液を排出するためのろ過分散溶媒液排出部と
    を備える、1000nm未満の膜厚を有するカーボンナノチューブ配向膜の製造装置。
  8. 前記ろ紙上面と対向するように設置され、且つ前記流路の側の表面に流れ方向に延在する溝を有する液流調整板をさらに備える、請求項7に記載の製造装置。
  9. 前記液流調整板の分散液流入口側部分が、流線形を有する、請求項8に記載の製造装置。
  10. カーボンナノチューブが配向した1000nm未満の膜厚を有する配向膜であって、少なくとも一部のカーボンナノチューブの繊維端が配向膜の面外方向へ湾曲している、配向膜。
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