JP7369107B2 - コンクリート構造物のひずみ量計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物のひずみ量計測方法に関する。
特許文献1には、コンクリート構造物内に埋設された光ファイバケーブルを用いて、コンクリート構造物のひずみ量を計測する方法が開示されている。
特開2020-56768号公報
特許文献1に記載の発明のように、コンクリート構造物内に埋設された光ファイバケーブルを用いてコンクリート構造物のひずみ量を計測する場合、コンクリートが打設されてから、コンクリートが徐々に凝結する際に生じるひずみも光ファイバケーブルによって検出される。このようにコンクリートと光ファイバケーブルとがまだ一体とはなっていないときに検出されるひずみ量は、コンクリート構造物の実際のひずみ量を示すものではないが、コンクリートと光ファイバケーブルとがどの時点で一体となって、光ファイバケーブルにより計測されたひずみ量がコンクリート構造物の実際のひずみ量を示すものとなるかは判然としない。このため、光ファイバケーブルの検出値に基づいて、コンクリート構造物のひずみ量を評価する場合、過小または過大に評価してしまうおそれがある。
本発明は、光ファイバケーブルによるコンクリート構造物のひずみ量の計測精度を向上させることを目的とする。
本発明は、コンクリート構造物のひずみ量計測方法であって、コンクリート構造物内の所定箇所に埋設されたひずみ量計測器によって所定箇所における第1ひずみ量を計測する工程と、コンクリート構造物に埋設された光ファイバケーブルによって所定箇所に対応する箇所における第2ひずみ量を計測する工程と、コンクリートが打設されてから所定時間経過したときに計測された第1ひずみ量と第2ひずみ量との差分に基づいて光ファイバケーブルによって計測されるコンクリート構造物のひずみ量を補正する工程と、を有する。
本発明によれば、光ファイバケーブルによるコンクリート構造物のひずみ量の計測精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るひずみ量計測方法によりひずみ量が計測されるコンクリート構造物の概略を示す斜視図である。 図2のA-A線に沿う断面を拡大して示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るひずみ量計測方法によるひずみ量の補正処理を示すフローチャートである。 コンクリートが打設されてからの経過時間と計測されたひずみ量(補正前)との関係を示すグラフである。 コンクリートが打設されてからの経過時間と計測されたひずみ量(補正後)との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るコンクリート構造物のひずみ量計測方法について説明する。
鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)といったコンクリート構造物において、内部のひずみ量を計測することは、ひび割れ等の損傷の発生を把握ないし防止する観点からも重要である。ひび割れ等の発生箇所、すなわち、ひずみ量が大きい箇所を正確に特定するには、コンクリート構造物の内部のひずみ量を、所定の間隔をあけて配置される複数の計測点で計測するよりも、間隔をあけずに連続して計測することが望まれる。
コンクリート構造物1内のひずみ量を、間隔をあけずに連続して計測する方法としては、例えば、図1に示すように、コンクリート構造物1内に埋設された光ファイバケーブル10,20を用いた方法がある。コンクリート構造物1内に埋設された光ファイバケーブル10,20は、コンクリート構造物1のひずみを受けてひずむことから、光ファイバケーブル10,20に生じたひずみ量を検出することによりコンクリート構造物1のひずみ量を計測することが可能である。図1は、コンクリート構造物1を斜め上方から見た斜視図であり、埋設された光ファイバケーブル10,20を破線で示している。
図1に示す例では、断面がL字状の鉄筋コンクリート造のコンクリート構造物1内に、第1光ファイバケーブル10と第2光ファイバケーブル20との2つの光ファイバケーブルが埋設されている。第1光ファイバケーブル10は、水平方向に延びる長手部分10aと鉛直方向に延びる短手部分10bとを交互に有し、上方に向かって波形状または矩形波状に配置される。第2光ファイバケーブル20は、第1光ファイバケーブル10の長手部分10aと平行に延びる長手部分20aと、長手部分20aに直交して水平方向に延びる短手部分20bと、を交互に有し、水平方向に沿って波形状または矩形波状に配置される。
各光ファイバケーブル10,20は、結束バンド等を介して図示しない鉄筋等に吊り下げられた状態でそれぞれ取り付けられ、打設されたコンクリートが硬化することによって、コンクリート構造物1と一体化する。各光ファイバケーブル10,20の一端部10c,20cは、コンクリート構造物1の外部に延出しており、図示しないひずみ量計測装置にそれぞれ接続される。なお、図1に示されるコンクリート構造物1の形状や光ファイバケーブル10,20の配置は一例であって、これに限定されるものではなく、例えば、光ファイバケーブルは、1本のみであってもよいし、3本以上の複数本が埋設されていてもよい。
一般的に光ファイバケーブルには入射されたパルス光を僅かに後方に散乱させる性質があり、この性質を利用することにより、光ファイバケーブルにおける複数位置でのひずみ量を計測することが可能である。具体的には、後方に散乱された光(ブリルアン散乱光)の周波数は光ファイバケーブルのひずみ量に依存することから、一端側からパルス光を光ファイバケーブルに入射し、反射して一端側へと戻る散乱光の周波数を計測することにより光ファイバケーブルのひずみ量を計測することができる。また、一端側から光ファイバケーブルにパルス光を入射してから光ファイバケーブル内で発生した散乱光が一端側へと戻るまでの時間を測定することにより、散乱光が発生した位置、すなわち光ファイバケーブルにひずみが生じた位置を計測することができる。また、ひずみ量と同様にして、光ファイバケーブルが延設される方向に沿って連続的に温度を把握することも可能である。
なお、光ファイバケーブルを用いてひずみ量及びその発生位置を計測する手法としては、例えば、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)といった既知の手法を用いることができる。また、光ファイバケーブルとしては、複数の回折格子が設けられたファイバブラッググレーティング(FBG:Fiber Bragg Gratings)を用いてもよいが、この場合、ひずみ量の計測は回折格子が設けられた部分でのみ行われることから、光ファイバケーブルが延設される方向に沿って連続的にひずみ量を把握するためには、一般的な光ファイバケーブルを用いることが好ましい。
このような光ファイバケーブルの性質を利用することによって、コンクリート構造物1内に埋設された光ファイバケーブル10,20のひずみ量およびその発生位置を計測することが可能となり、コンクリート構造物1内で生じたひずみ量を、光ファイバケーブル10,20が延設される方向に沿って連続的に、かつ、光ファイバケーブル10,20が配置される平面に沿って面的に計測することによって、コンクリート構造物1全体の状態を把握することが可能である。
一方で、コンクリート構造物1内に埋設された光ファイバケーブル10,20を用いてコンクリート構造物1のひずみ量を計測する場合、コンクリート構造物1を形成するコンクリートが打設されてから、コンクリートが徐々に凝結する際に生じるひずみも光ファイバケーブル10,20によって検出されることになる。
このようにコンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないとき、すなわち、コンクリートがまだ流動性を有しているときに検出されるひずみ量は、コンクリート構造物1の実際のひずみ量を示すものではないが、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがどの時点で一体となって、光ファイバケーブル10,20により計測されたひずみ量がコンクリート構造物1の実際のひずみ量を示すものとなるかは判然としない。このため、光ファイバケーブル10,20により検出されたひずみ量に基づいて、コンクリート構造物1のひずみ量を評価する場合、過小または過大に評価してしまうおそれがある。
そこで本実施形態では、コンクリート構造物1を形成するコンクリートが打設されてから所定時間が経過し、コンクリート構造物1のコンクリートと光ファイバケーブル10,20とが一体となったときに、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量を補正することによって、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみが光ファイバケーブル10,20によるひずみ量の計測に及ぼす影響を低減させている。
具体的には、図1及び図2に示すように、光ファイバケーブル10,20とは別に、コンクリート構造物1の内部のひずみ量を計測可能なひずみ量計測器30を所定箇所に埋設し、ひずみ量計測器30によって計測された所定箇所における第1ひずみ量と、所定箇所に対応する箇所において光ファイバケーブル10,20によって計測された第2ひずみ量と、の差分dSに基づいて、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量を補正している。図2は、図1のA-A線に沿う断面を部分的に示した部分断面図である。
ひずみ量計測器30は、内部にひずみゲージが設けられた筒状の埋め込み型ゲージであり、埋め込まれた位置におけるコンクリート構造物1のひずみ量を検出する。ひずみ量計測器30は、結束バンド等を介して鉄筋等に吊り下げられた状態で取り付けられ、打設されたコンクリートが硬化することによって、コンクリート構造物1内に埋め込まれた状態となる。ひずみ量計測器30のリード線30aは、コンクリート構造物1の外部に延出しており、図示しないひずみ量計測装置に接続される。
ひずみ量計測器30は、図2に示されるように、光ファイバケーブル10,20の近傍の予め設定された所定箇所に配置されており、図2に示される断面位置において、光ファイバケーブル10,20によって測定されるひずみ量とほぼ同位置におけるコンクリート構造物1のひずみ量を計測することが可能である。
換言すれば、光ファイバケーブル10,20は、ひずみ量計測器30の近傍を通るようにコンクリート構造物1内に埋設されており、ひずみ量計測器30によってひずみ量が計測される所定箇所に対応した箇所(図2に示される断面位置)、すなわち、ひずみ量計測器30が埋設された位置から最も近い箇所において、ひずみ量計測器30によって測定されるひずみ量とほぼ同位置におけるコンクリート構造物1のひずみ量を計測することが可能である。
続いて、図3,図4A及び図4Bを参照し、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量の補正について説明する。図3は、本実施形態に係るひずみ量計測方法によるひずみ量の補正処理を示したフローチャートであり、図4Aは、コンクリートが打設されてからの経過時間と計測されたひずみ量(補正前)との関係を示すグラフであり、図4Bは、コンクリートが打設されてからの経過時間と計測されたひずみ量(補正後)との関係を示すグラフである。
図3に示すように、本実施形態に係るひずみ量計測方法では、まず、ステップS11(計測工程)において、光ファイバケーブル10,20によるひずみ量の計測と、ひずみ量計測器30によるひずみ量の計測と、が行われる。
光ファイバケーブル10,20によってひずみ量が計測される位置は、ひずみ量計測器30が配置される所定箇所に最も近い位置であり、図2に示される断面の位置(所定箇所に対応する箇所)である。
ひずみ量計測器30によって計測された所定箇所におけるひずみ量は、第1ひずみ量としてひずみ量計測装置に記憶され、各光ファイバケーブル10,20によって計測された所定箇所に対応する箇所におけるひずみ量は、それぞれ第2ひずみ量としてひずみ量計測装置に記憶される。
続くステップS12(確認工程)では、コンクリート構造物1の強度が十分に発現したか否かが確認される。
ここで、コンクリートの凝結が進行し、コンクリート構造物1の強度が十分に発現した状態となれば、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とは確実に付着し合った状態となることから、光ファイバケーブル10,20は、コンクリート構造物1の実際のひずみ量を計測することが可能となる。つまり、ステップS12では、光ファイバケーブル10,20が、コンクリート構造物1の実際のひずみ量を計測可能な状態となったか否かが判定される。
また、光ファイバケーブル10,20は、コンクリートの流動性がほぼなくなると、コンクリートのひずみに追随し、コンクリート構造物1の実際のひずみ量を計測する状態とになることから、本実施形態では、光ファイバケーブル10,20が、コンクリート構造物1の実際のひずみ量を計測可能な状態となったか否かを、コンクリートの流動性がほぼなくなる時間であるコンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)に至ったか否かで判定している。
コンクリートの終結時間は、JIS A 1147:2007で定義されるコンクリートの凝結時間試験方法に基づいて求めることができる。具体的には、コンクリートによって形成された規定形状の供試体(コンクリート試験片)を用いて、貫入抵抗試験装置(プロクター貫入試験機)により貫入抵抗値が測定され、コンクリートを製造するためにセメントと水とを混ぜ合わせてから、貫入抵抗試験装置によって測定された貫入抵抗値が28N/mm2となるまでの時間がコンクリートの終結時間として求められる。
換言すれば、貫入抵抗試験装置によって測定された貫入抵抗値が28N/mm2以上となったとき、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)に至り、コンクリートの流動性がほぼなくなっていると推定される。したがって、ステップS12では、コンクリート構造物1を形成するコンクリートと同じ成分比のコンクリートによって形成された供試体を用いて貫入抵抗値を随時測定し、測定された貫入抵抗値が予め設定された閾値(28N/mm2)以上となったとき、終結時間に相当する時間(所定時間)に至ったと判定している。
なお、終結時間に相当する時間(所定時間)は、供試体への貫入針の貫入しにくさを示す貫入抵抗値の大きさ、すなわち、供試体の強度の発現状態に応じたものであることから、供試体と同じ成分比のコンクリートによって形成されるコンクリート構造物1の強度の発現状態に応じたものともなっている。
ステップS12において、コンクリート構造物1を形成するコンクリートが打設されてからの時間が、上述の試験結果から、終結時間に相当する時間(所定時間)、すなわち、コンクリート構造物1において所定の強度が発現したと推定される時間に至ったと判定されると、ステップS13(補正工程)に進み、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量の補正が行われる。
ステップS13では、図4Aに示すように、コンクリートの終結時間に相当する所定時間に至ったと判定された時点において、第1ひずみ量と第2ひずみ量との差分dSが求められ、図4Bに示すように、この差分dSの分だけ光ファイバケーブル10,20によって計測されるひずみ量がオフセット補正される。
換言すれば、コンクリート構造物1の実際のひずみ量を光ファイバケーブル10,20によって計測可能な状態となった時点で光ファイバケーブル10,20によって計測されたひずみ量である第2ひずみ量は、光ファイバケーブル10,20よりもひずみ量の絶対値の計測精度が高いひずみ量計測器30によって計測された第1ひずみ量に置き換えられる。
これにより、光ファイバケーブル10,20によって計測される第2ひずみ量は、比較的計測精度が高いひずみ量計測器30によって計測された第1ひずみ量を初期値(基準値)として変化することになるため、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみが光ファイバケーブル10,20による第2ひずみ量の計測に及ぼす影響が排除される。この結果、この補正が行われて以降に光ファイバケーブル10,20によって図2に示される断面の位置(所定箇所に対応する箇所)で計測される第2ひずみ量の計測精度は向上することとなる。
また、光ファイバケーブル10,20によって計測される第2ひずみ量以外のひずみ量、すなわち、図2に示される断面の位置(所定箇所に対応する箇所)以外で計測されるひずみ量も第2ひずみ量と同程度に、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみの影響を受けていると推定される。
このため、この差分dSによるオフセット補正は、光ファイバケーブル10,20が延設される方向に沿って連続的に計測される全てのひずみ量、つまり、光ファイバケーブル10,20の全域において計測されるひずみ量に対して行われる。これにより、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみが、光ファイバケーブル10,20が延設される方向に沿うひずみ量の計測に及ぼす影響を低減させることができる。
これにより、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)に至ったと判定された時点以降において光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1全体のひずみ量の計測精度を向上させることができる。
なお、差分dSを求めて補正を行うタイミングは、厳密に終結時間に相当する時間(所定時間)である必要はなく、その前後の時点であって、コンクリート構造物1のコンクリートと光ファイバケーブル10,20とが一体となっている蓋然性が高いと思われる時点であればよい。しかしながら、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみの影響を確実に排除するためには、終結時間に相当する時間(所定時間)以降に行うことが好ましい。
一方、ステップS12において、コンクリート構造物1を形成するコンクリートが打設されてからの時間が、上述の試験結果から、終結時間に相当する時間(所定時間)に至っていないと判定されると、ステップS11に戻り、第1ひずみ量及び第2ひずみ量の測定が再び行われる。
なお、コンクリート構造物1を形成するコンクリートと同じ成分比のコンクリートによって形成された供試体を用いて行われる貫入抵抗値の測定は、予め行われていてもよい。この場合、コンクリートを製造するためにセメントと水とを混ぜ合わせてから、貫入抵抗試験装置によって測定された貫入抵抗値が28N/mm2となるまでの時間がコンクリートの終結時間として予めひずみ量計測装置に記憶される。そして、コンクリート構造物1を形成するコンクリートが打設されてからの経過時間が、記憶された終結時間からコンクリートの製造から打設までに要した時間を差し引くことによって算出された時間、すなわち、コンクリート構造物1において所定の強度が発現したと推定される時間となったときに、ステップS13の補正が行われる。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
本実施形態に係るひずみ量計測方法によれば、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量は、コンクリート構造物1を形成するコンクリートが製造されてから所定時間が経過し、コンクリート構造物1のコンクリートと光ファイバケーブル10,20とが一体となったときに、コンクリート構造物1内の所定箇所に埋設されたひずみ量計測器30により計測された第1ひずみ量と、光ファイバケーブル10,20により測定された所定箇所に対応する箇所における第2ひずみ量と、の差分dSに基づいて補正される。
このようにコンクリート構造物1の実際のひずみ量を光ファイバケーブル10,20によって計測可能な状態となった時点で光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量を補正することによって、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみが、光ファイバケーブル10,20が延設される方向に沿うひずみ量の計測に及ぼす影響を低減させることが可能である。この結果、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1全体のひずみ量の計測精度を向上させることができる。
また、光ファイバケーブル10,20が延設される方向に沿って連続的に、かつ、光ファイバケーブル10,20が配置される平面に沿って面的に計測されるひずみ量の計測精度が向上することで、コンクリート構造物1において、ひずみ量が大きい箇所を正確に特定することが可能となり、ひび割れ等の発生を抑制することができる。
また、上記実施形態において、終結時間に相当する時間(所定時間)は、供試体への貫入針の貫入しにくさを示す貫入抵抗値の大きさ、すなわち、供試体の強度の発現状態に応じたものであることから、供試体と同じ成分比のコンクリートによって形成されるコンクリート構造物1の強度の発現状態に応じたものともなっている。
このように、終結時間に相当する時間(所定時間)の設定が、コンクリート構造物1の強度の発現状態に応じて行われることによって、コンクリート構造物1のコンクリートと光ファイバケーブル10,20とが確実に一体となった状態において、光ファイバケーブル10,20によって計測されるコンクリート構造物1のひずみ量の補正が行われることになる。このため、コンクリートと光ファイバケーブル10,20とがまだ一体とはなっていないときに生じたひずみが、光ファイバケーブル10,20によるひずみ量の計測に及ぼす影響を確実に低減させることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
上記実施形態では、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)を、JIS A 1147:2007で定義されるコンクリートの凝結時間試験方法に基づいて求めている。これに代えて、コンクリートの終結時間は、供試体の圧縮強度から求められてもよい。この場合、プロクター貫入試験機によって測定される供試体の貫入抵抗値と圧縮試験装置によって測定される供試体の圧縮強度との相関関係を予め求めておき、供試体の圧縮強度が、貫入抵抗値が28N/mm2であるときに相当する大きさ、例えば、0.6N/mm2以上となったときに、ステップS12においてコンクリート構造物1の強度が十分に発現したと判定される。
また、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)は、実施工であるコンクリート構造物1に対して行われるN式貫入試験の結果(貫入量)から求められてもよい。この場合、プロクター貫入試験機によって測定される供試体の貫入抵抗値とN式貫入試験装置によって測定される供試体の貫入量との相関関係を予め求めておき、コンクリート構造物1での貫入量が、貫入抵抗値が28N/mm2であるときに相当する大きさ、例えば、4.0mm以上となったときに、ステップS12においてコンクリート構造物1の強度が十分に発現したと判定される。
また、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)は、実施工であるコンクリート構造物1に対して土壌硬度計を押し当てることにより計測される硬度指数から求められてもよい。この場合、プロクター貫入試験機によって測定される供試体の貫入抵抗値と土壌硬度計によって測定される供試体の硬度指数(表面硬度)との相関関係を予め求めておき、コンクリート構造物1での硬度指数が、貫入抵抗値が28N/mm2であるときに相当する大きさ、例えば、120kg/cm2以上となったときに、ステップS12においてコンクリート構造物1の強度が十分に発現したと判定される。
また、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)は、実施工であるコンクリート構造物1の内部温度を積算することにより求められる積算温度に基づくものであってもよい。この場合、プロクター貫入試験機によって測定される供試体の貫入抵抗値と供試体の内部温度を積算した積算温度との相関関係を予め求めておき、コンクリート構造物1での積算温度が、貫入抵抗値が28N/mm2であるときに相当する大きさ、例えば、コンクリート構造物1を形成するコンクリートのセメントが普通ポルトランドセメントであり、水セメント比が55%であり、養生温度が20度である場合、約248度以上となったときに、ステップS12においてコンクリート構造物1の強度が十分に発現したと判定される。なお、終結時間に至るまでの積算温度は、主に、セメント種、水セメント比及び養生温度によって変化する。
また、コンクリートの終結時間に相当する時間(所定時間)は、上述の貫入抵抗値や圧縮強度、表面硬度、積算温度に基づいて設定されるものに限定されず、これらの物性値と相関性のある物性値に基づいて設定されてもよい。
また、上記実施形態では、所定箇所における第1ひずみ量は、内部にひずみゲージが設けられたひずみ量計測器30により計測される。所定箇所における第1ひずみ量の計測は、ひずみ量計測器30に代えて、コンクリート構造物1の所定箇所における変形量を直接的に計測可能な変位計であってもよい。この場合、ステップS11において、変位計により計測された変位量に基づいて所定箇所における第1ひずみ量が演算される。
また、上記実施形態では、ひずみ量計測器30は、1つだけ設けられている。これに代えて、ひずみ量計測器30は、光ファイバケーブル10,20毎に設けられていてもよいし、各光ファイバケーブル10,20に対して複数のひずみ量計測器30が設けられていてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1・・・コンクリート構造物
10・・・第1光ファイバケーブル(光ファイバケーブル)
20・・・第2光ファイバケーブル(光ファイバケーブル)
30・・・ひずみ量計測器

Claims (3)

  1. コンクリート構造物内の所定箇所に埋設されたひずみ量計測器によって前記所定箇所における第1ひずみ量を計測する工程と、
    前記コンクリート構造物に埋設された光ファイバケーブルによって前記所定箇所に対応する箇所における第2ひずみ量を計測する工程と、
    コンクリートが打設されてから所定時間経過したときに計測された前記第1ひずみ量と前記第2ひずみ量との差分に基づいて前記光ファイバケーブルによって計測される前記コンクリート構造物のひずみ量を補正する工程と、を有する、
    コンクリート構造物のひずみ量計測方法。
  2. 前記コンクリート構造物の強度の発現状態を確認する工程をさらに有し、
    前記所定時間は、当該工程において確認された前記コンクリート構造物の強度の発現状態に応じて設定される、
    請求項1に記載のコンクリート構造物のひずみ量計測方法。
  3. 前記コンクリート構造物の強度の発現状態を確認する工程では、貫入抵抗値、圧縮強度、表面硬度、前記コンクリートの積算温度、及び、これらの何れかと相関性のある物性値の少なくとも1つを前記コンクリート構造物または前記コンクリート構造物と同じ材料により形成されたコンクリート試験片を用いて計測し、
    計測された値が予め設定された閾値以上となったときの時間が前記所定時間として設定される、
    請求項2に記載のコンクリート構造物のひずみ量計測方法。
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