以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、所定サイズのメッシュ毎に設定された土地利用種別を含む土地利用データを用いて、所定の基準メッシュ(例えば1kmメッシュ)内で世帯が密集している地点を探索し、これを世帯代表点として算出することを特徴とする。土地利用データとしては、例えば国土交通省により発行された「国土数値情報 土地利用細分メッシュデータ」(以下、「100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2」という。)が用いられる。
これにより、世帯が密集している地点を世帯代表点とすることができるから、基準メッシュの中心地点またはユーザにより設定された地点を世帯代表点としていた従来に比べ、世帯への影響を考慮した有用な情報を求めることができる。世帯代表点を用いて例えば電界強度を求めることで、当該電界強度の影響を受ける影響世帯数等を精度高く求めることが可能となる。
〔世帯代表点算出装置〕
まず、本発明の実施形態による世帯代表点算出装置について説明する。図1は、本発明の実施形態による世帯代表点算出装置のハードウェア構成を示す概略図である。この世帯代表点算出装置1は、CPU11と、プログラム、データ及びテーブル等を記憶するROM及びRAMからなる記憶部12と、アプリケーションのプログラム、データ及びテーブル等を記憶する記憶装置(例えばハードディスク装置)13と、当該世帯代表点算出装置1のオペレータであるユーザによる操作器5の操作に伴い、所定のデータを入力制御する操作/入力部14と、ユーザに対し情報を提示し、データ入力操作等を促すための画面情報を表示器4に出力する表示出力インターフェース部15と、インターネット等のネットワークを介してプログラム、データ及びテーブル等の送受信を行う通信部16と、を備えて構成される。これらの構成部は、システムバス17を介して相互に接続される。
記憶装置13には、世帯代表点算出装置1の基本的な機能を提供するOS(オペレーティングシステム)プログラム、世帯代表点算出プログラム、及び、当該世帯代表点算出プログラムにて使用するデータ及びテーブル等が記憶されている。
世帯代表点算出プログラムは、基準メッシュ内で世帯代表点を算出するプログラムである。具体的には、世帯代表点算出プログラムは、例えば1kmメッシュを基準メッシュとして、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2を用いて、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1の1kmメッシュ内で世帯が密集している地点を世帯代表点として算出する。「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1及び国土数値情報の土地利用データD2の詳細については後述する。
尚、世帯代表点算出プログラムは、当該世帯代表点算出装置1が処理を行うときに、CPU11により記憶装置13から記憶部12のRAMに読み出されて実行される。また、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1及び100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2等のデータは、世帯代表点算出プログラムの実行に伴い、CPU11により記憶装置13から記憶部12のRAMに読み出される。
また、世帯代表点算出プログラムの実行に伴い生成される1kmメッシュデータD3等のデータ、並びに世帯人口テーブルT1、土地利用テーブルT2、土地利用種別カウントテーブルT3及び代表点テーブルT4等のテーブルは、CPU11によって記憶部12のRAMから記憶装置13へ書き込まれる。1kmメッシュデータD3、世帯人口テーブルT1、土地利用テーブルT2、土地利用種別カウントテーブルT3及び代表点テーブルT4の詳細については後述する。
また、世帯代表点算出プログラム、データ及びテーブル等は、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。また、これらは、前述のとおり、通信部16によりネットワークを介して送受信することもできる。
ここで、OSプログラムは、CPU11により実行され、世帯代表点算出装置1の基本的な機能として、記憶部12、記憶装置13、操作/入力部14、表示出力インターフェース部15及び通信部16を管理する。そして、このOSプログラムがCPU11によって実行された状態で、前述の世帯代表点算出プログラムが実行される。
制御部10は、CPU11及び記憶部12により構成され、CPU11が記憶装置13に記憶された世帯代表点算出プログラムを記憶部12に読み出して実行することにより、世帯代表点算出装置1全体を統括制御する。図1は、世帯代表点算出プログラム、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1等が記憶装置13から記憶部12に読み出され、1kmメッシュデータD3及び世帯人口テーブルT1等が記憶部12に格納された状態を示している。このように、世帯代表点算出装置1は、図1に示したハードウェア構成により、制御部10が世帯代表点算出プログラムに従って各種処理を行う。
世帯代表点算出装置1は、パーソナルコンピュータであってもよいし、携帯型のスマートフォン等のモバイル端末であってもよい。世帯代表点算出装置1がモバイル端末である場合、世帯代表点算出装置1は、表示器4及び操作器5を備えている。
〔制御部10〕
次に、世帯代表点算出装置1の制御部10について説明する。図2は、世帯代表点算出装置1の制御部10の機能構成を示すブロック図である。この制御部10は、世帯人口テーブル生成部20、土地利用種別処理部21、代表点処理部22、代表点情報出力部23及びメモリ24を備えている。
(世帯人口テーブル生成部20)
世帯人口テーブル生成部20は、予め設定された「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1を入力し、フィルター処理にて、基準メッシュである1kmメッシュを単位とした区画コード、一般世帯数等から構成される世帯人口テーブルT1を生成する。そして、世帯人口テーブル生成部20は、世帯人口テーブルT1をメモリ24に格納する。
世帯人口テーブル生成部20は、世帯人口テーブルT1から、1kmメッシュを単位とした区画コードから構成される1kmメッシュデータD3を生成し、1kmメッシュデータD3を土地利用種別処理部21に出力する。
図3は、世帯人口テーブル生成部20の処理を示すフローチャートである。世帯人口テーブル生成部20は、予め設定された「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1を入力する(ステップS301)。
図4は、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1の例を説明する図である。この「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1は、総務省により発行された、地域メッシュ毎の人口、世帯及び産業についての統計データである。
図4に示す「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1は、平成12年国勢調査 地域メッシュ統計(第1次地域区画別人口及び一般世帯数)結果表様式説明書から抜粋したデータである。この「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1は、調査年、地域メッシュコードである区画コード(1次、2次、3次及び4次)、地域メッシュ区画区分、総人口、一般世帯数等から構成される。
地域メッシュコードにおける1次(1次区画コード)は、80kmメッシュ(1次メッシュ)毎のコードであり、2次(2次区画コード)は、10kmメッシュ(2次メッシュ)毎のコードである。また、3次(3次区画コード)は、本発明の実施形態において基準メッシュである1kmメッシュ(3次メッシュ)毎のコードであり、4次(4次区画コード)は、例えば250mメッシュ(4次メッシュ)毎のコードである。
図3に戻って、世帯人口テーブル生成部20は、フィルター処理にて、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1から3次区画コードに対応する一般世帯数及び総人口を集計する(ステップS302)。そして、世帯人口テーブル生成部20は、1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードに対応する一般世帯数及び総人口から構成される世帯人口テーブルT1を生成する(ステップS303)。
図5は、世帯人口テーブルT1の例を示す図である。この世帯人口テーブルT1は、地域メッシュコードである区画コード(1次、2次及び3次)、当該区画コードに対応する一般世帯数及び総人口により構成される。尚、図示しない緯度経度データ(区画コードに対応する緯度及び経度が定義されたデータ)を用いることにより、1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードの組み合わせに対応する1kmメッシュの位置(緯度及び経度)を特定することができる。
つまり、図5に示した一般世帯数及び総人口は、1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードの組み合わせにより特定される1kmメッシュ内の一般世帯数及び総人口を示している。
具体的には、世帯人口テーブル生成部20は、ステップS302において、フィルター処理にて、図4に示した「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1から、1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードの組み合わせに対応する一般世帯数及び総人口を抽出する。そして、世帯人口テーブル生成部20は、1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードの組み合わせ毎に、一般世帯数及び総人口を集計する。
これにより、図4に示したように、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1が1次区画コード、2次区画コード、3次区画コード及び4次区画コードのそれぞれで集計されたデータを含む場合には、3次区画コードで集計されたデータのみが抽出される。
そして、世帯人口テーブル生成部20は、ステップS303において、1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードの順に一般世帯数及び総人口を並び替え、図5に示した世帯人口テーブルT1を生成する。
世帯人口テーブル生成部20は、ステップS303にて生成した世帯人口テーブルT1をメモリ24に格納する(ステップS304)。
世帯人口テーブル生成部20は、世帯人口テーブルT1から1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードを抽出し、これらの区画コードから構成される1kmメッシュデータD3を生成する(ステップS305)。そして、世帯人口テーブル生成部20は、1kmメッシュデータD3を土地利用種別処理部21に出力する(ステップS306)。
この1kmメッシュデータD3を構成する1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードから、図示しない緯度経度データを用いることで、1kmメッシュの位置(緯度及び経度)が特定される。
図6は、1kmメッシュデータD3の例を示す図である。この1kmメッシュデータD3は、図5に示した世帯人口テーブルT1から一般世帯数及び総人口を除いた、地域メッシュコードである区画コード(1次、2次及び3次)から構成される。
このように、世帯人口テーブル生成部20により、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1を用いて、フィルター処理により、1kmメッシュ毎の区画コード、一般世帯数及び総人口から構成される世帯人口テーブルT1が生成される。また、世帯人口テーブル生成部20により、1kmメッシュ毎の区画コードから構成される1kmメッシュデータD3が生成される。
尚、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1が3次区画コードにて集計されている場合には、世帯人口テーブル生成部20は、フィルター処理に伴う集計を行う必要がない。この場合、世帯人口テーブル生成部20は、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1から1次区画コード、2次区画コード、3次区画コード、一般世帯数及び総人口を抽出し、世帯人口テーブルT1を生成する。
(土地利用種別処理部21)
次に、図2に示した土地利用種別処理部21について説明する。土地利用種別処理部21は、世帯人口テーブル生成部20から1kmメッシュデータD3を入力すると共に、予め設定された100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2を入力する。そして、土地利用種別処理部21は、国土数値情報の土地利用データD2及び1kmメッシュデータD3を用いて、基準メッシュである1kmメッシュの土地利用種別を基準土地利用種別として決定する。
土地利用種別処理部21は、1kmメッシュを100mメッシュにそれぞれ分割した際の分割後のメッシュをメッシュポイントとして、メッシュポイント毎に、土地利用種別が基準土地利用種別であるか否かを示す土地利用テーブルT2を生成する。また、土地利用種別処理部21は、土地利用種別が基準土地利用種別であるメッシュポイントの密集度合いを示す土地利用種別カウントテーブルT3を生成する。
図7は、土地利用種別処理部21の処理を示すフローチャートである。土地利用種別処理部21は、世帯人口テーブル生成部20から1kmメッシュデータD3を入力すると共に(ステップS701)、予め設定された100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2を入力する(ステップS702)。100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2には、100mメッシュ毎の土地利用種別が含まれる。
図10は、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2における土地利用種別を説明する図であり、以下の非特許文献のサイトに掲載されている。
[非特許文献] “土地利用種別(平成21、26年度)<ファイル名称:LandUserCd-09.html>”、[online]、国土交通省、[令和1年10月25日検索]、インターネット<http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/codelist/LandUseCd-09.html>
土地利用種別は、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2において、100mメッシュ毎に設定される情報である。
図10に示すように、例えばコードが「0100」の場合、土地利用種別は「田」であり、100mメッシュの土地が湿田、乾田、沼田、蓮田及び田であることを意味する。また、コードが「0200」の場合、「その他の農用地」であり、100mメッシュの土地が麦、陸稲、野菜、草地、芝地、りんご、梨、桃、ブドウ、茶、桐、はぜ、こうぞ、しゅろ等を栽培する土地であることを意味する。
100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2は、国土交通省により発行された、100mメッシュ毎の土地利用種別が設定された統計データであり、土地利用種別として、「田」「その他の農用地」・・・「ゴルフ場」のいずれかが設定されている。
図7に戻って、土地利用種別処理部21は、1kmメッシュデータD3における1kmメッシュを、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2における100mメッシュにそれぞれ分割し、分割後のメッシュをメッシュポイントとする(ステップS703)。これにより、1kmメッシュは100分割され、100個の100mメッシュのメッシュポイントが設定される。メッシュポイントの位置は、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2における100mメッシュの位置に対応している。
土地利用種別処理部21は、1kmメッシュデータD3の示す1kmメッシュについて、国土数値情報の土地利用データD2から、メッシュポイント毎(100mメッシュ毎)の土地利用種別を抽出する(ステップS704)。
土地利用種別処理部21は、土地利用種別決定処理により、1kmメッシュの土地利用種別を基準土地利用種別として決定し、土地利用テーブルT2を生成する(ステップS705)。土地利用種別決定処理は、1kmメッシュにおけるそれぞれのメッシュポイントの土地利用種別のうちのいずれかの土地利用種別(1kmメッシュ内の土地利用種別)であって、予め設定された優先順位の最も高い土地利用種別を基準土地利用種別に決定する処理である。また、土地利用種別決定処理は、メッシュポイント毎に、土地利用種別が基準土地利用種別であるか否かを示す土地利用テーブルT2を生成する処理である。
図8は、土地利用種別決定処理(S705)を示すフローチャートである。図10に示した土地利用種別について、第1の優先順位として「建物用地」(コード0700)、第2の優先順位として「その他の農用地」(コード0200)、第3の優先順位として「田」(コード0100)、第4の優先順位として「道路」(コード0901)「鉄道」(コード0902)または「その他の用地」(コード1000)が予め設定されているものとする。また、第5の優先順位として「森林」(コード0500)または「荒地」(コード0600)、第6の優先順位として「ゴルフ場」(コード1600)、第7の優先順位として「河川地及び湖沼」(コード1100)「海浜」(コード1400)または「海水域」(コード1500)が予め設定されているものとする。
この優先順位は、土地利用種別について、例えば放送波の受信実態の(人が住んでいる)可能性の高い順番に予め設定される。
土地利用種別処理部21は、1kmメッシュ内に「建物用地」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS801)。土地利用種別処理部21は、ステップS801において、「建物用地」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS801:Y)、基準土地利用種別を「建物用地」に決定し(ステップS802)、ステップS815へ移行する。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS801において、「建物用地」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS801:N)、ステップS803へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS801(N)から移行して、1kmメッシュ内に「その他の農用地」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS803)。土地利用種別処理部21は、ステップS803において、「その他の農用地」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS803:Y)、基準土地利用種別を「その他の農用地」に決定し(ステップS804)、ステップS815へ移行する。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS803において、「その他の農用地」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS803:N)、ステップS805へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS803(N)から移行して、1kmメッシュ内に「田」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS805)。土地利用種別処理部21は、ステップS805において、「田」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS805:Y)、基準土地利用種別を「田」に決定し(ステップS806)、ステップS815へ移行する。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS805において、「田」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS805:N)、ステップS807へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS805(N)から移行して、1kmメッシュ内に「道路」「鉄道」または「その他の用地」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS807)。土地利用種別処理部21は、ステップS807において、「道路」「鉄道」または「その他の用地」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS807:Y)、基準土地利用種別を「道路」「鉄道」または「その他の用地」に決定し(ステップS808)、ステップS815へ移行する。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS807において、「道路」「鉄道」及び「その他の用地」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS807:N)、ステップS809へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS807(N)から移行して、1kmメッシュ内に「森林」または「荒地」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS809)。土地利用種別処理部21は、ステップS809において、「森林」または「荒地」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS809:Y)、基準土地利用種別を「森林」または「荒地」に決定し(ステップS810)、ステップS815へ移行する。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS809において、「森林」及び「荒地」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS809:N)、ステップS811へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS809(N)から移行して、1kmメッシュ内に「ゴルフ場」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS811)。土地利用種別処理部21は、ステップS811において、「ゴルフ場」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS811:Y)、基準土地利用種別を「ゴルフ場」に決定し(ステップS812)、ステップS815へ移行する。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS811において、「ゴルフ場」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS811:N)、ステップS813へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS811(N)から移行して、1kmメッシュ内に「河川地及び湖沼」「海浜」または「海水域」の土地利用種別が有るか否かを判定する(ステップS813)。土地利用種別処理部21は、ステップS813において、「河川地及び湖沼」「海浜」または「海水域」の土地利用種別が有ると判定した場合(ステップS813:Y)、基準土地利用種別を「河川地及び湖沼」「海浜」または「海水域」に決定し(ステップS814)、ステップS815へ移行する。
土地利用種別処理部21は、ステップS802,S804,S806,S808,S810,S812,S814から移行して、メッシュポイント毎の土地利用種別が基準土地利用種別であるか否かを示す土地利用テーブルT2を生成する(ステップS815)。
一方、土地利用種別処理部21は、ステップS813において、「河川地及び湖沼」「海浜」及び「海水域」の土地利用種別がないと判定した場合(ステップS813:N)、基準土地利用種別を決定できないと判断する。そして、土地利用種別処理部21は、その旨を表示する等のエラー処理を行う(ステップS816)。
図11(1)は、土地利用テーブルT2(「建物用地」の場合)の例を示す図であり、図8のステップS802により基準土地利用種別が「建物用地」に決定された場合の例を示している。この土地利用テーブルT2は、1kmメッシュを構成する全ての100mメッシュのメッシュポイントのそれぞれについて、土地利用種別が基準土地利用種別の「建物用地」であるか否かを示す情報から構成される。
2重の斜め線を含む丸印が「建物用地」の土地利用種別を示しており、2重の斜め線を含む丸印が表示されたメッシュポイントの土地利用種別が、基準土地利用種別であることを示している。このように、1kmメッシュ毎に、100個のメッシュポイントの情報(土地利用種別が基準土地利用種別であるか否かを示す情報)からなる土地利用テーブルT2が生成される。
図7に戻って、土地利用種別処理部21は、ステップS705から移行して、土地利用テーブルT2をメモリ24に格納する(ステップS706)。
土地利用種別処理部21は、土地利用種別カウントテーブルT3生成処理にて、土地利用種別カウントテーブルT3を生成する(ステップS707)。土地利用種別カウントテーブルT3生成処理は、1kmメッシュを構成する全てのメッシュポイントのそれぞれについて、当該メッシュポイント及び周囲のメッシュポイントの土地利用種別が基準土地利用種別である場合の個数をカウントし、メッシュポイント毎の個数を示す土地利用種別カウントテーブルT3を生成する処理である。
図9は、土地利用種別カウントテーブルT3生成処理(S707)を示すフローチャートである。土地利用種別処理部21は、土地利用テーブルT2を用いて、1kmメッシュ内のメッシュポイント毎に、周囲のメッシュポイントを含めた合計9個のメッシュポイントにつき、基準土地利用種別(例えば「建物用地」)の個数をカウントする(ステップS901)。
土地利用種別処理部21は、メッシュポイント毎の基準土地利用種別の個数を示す土地利用種別カウントテーブルT3を生成する(ステップS902)。
図11(2)は、土地利用種別カウントテーブルT3(「建物用地」の場合)の例及び生成処理を説明する図であり、基準土地利用種別が「建物用地」に決定され、図11(1)に示した土地利用テーブルT2に対応する例を示している。
この土地利用種別カウントテーブルT3は、1kmメッシュについて、メッシュポイント毎の基準土地利用種別の個数から構成される。例えば、土地利用テーブルT2における枠α1の中心地点のメッシュポイントについて、周囲のメッシュポイントを含めた合計9個のメッシュポイントの基準土地利用種別(この場合は「建物用地」)の個数は、3個である。また、枠α2の中心地点のメッシュポイントについて、周囲のメッシュポイントを含めた合計9個のメッシュポイントの基準土地利用種別の個数は、1個である。
このように、枠α1の中心地点のメッシュポイントには3個が設定され、枠α2の中心地点のメッシュポイントには1個が設定され、同様の処理にてそれぞれのメッシュポイントに個数が設定された土地利用種別カウントテーブルT3が生成される。つまり、1kmメッシュ毎に、100個のメッシュポイントの情報(基準土地利用種別の個数)からなる土地利用種別カウントテーブルT3が生成される。
図7に戻って、土地利用種別処理部21は、ステップS707から移行して、土地利用種別カウントテーブルT3をメモリ24に格納する(ステップS708)。
このように、土地利用種別処理部21により、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2及び1kmメッシュデータD3を用いて、予め設定された優先順位に従い、1kmメッシュ内の土地利用種別であって、優先順位の最も高い土地利用種別が基準土地利用種別に決定される。そして、土地利用種別処理部21により、メッシュポイント毎の土地利用種別が基準土地利用種別であるか否かを示す土地利用テーブルT2が生成される。また、土地利用種別処理部21により、周囲を含むメッシュポイントについて、土地利用種別が基準土地利用種別であるメッシュポイントの数がカウントされる。そして、土地利用種別処理部21により、メッシュポイント毎の基準土地利用種別の個数を示す土地利用種別カウントテーブルT3が生成される。
例えば、1kmメッシュ内に「建物用地」の土地利用種別がなく、「その他の農用地」の土地利用種別がある場合、前述の優先順位に従い、「その他の農用地」が基準土地利用種別に決定される。そして、メッシュポイント毎の土地利用種別が「その他の農用地」であるか否かを示す土地利用テーブルT2が生成され、「その他の農用地」のメッシュポイントの個数が反映された土地利用種別カウントテーブルT3が生成される。
また、1kmメッシュ内に「建物用地」及び「その他の農用地」の土地利用種別がなく、「田」の土地利用種別がある場合、「田」が基準土地利用種別に決定される。そして、メッシュポイント毎の土地利用種別が「田」であるか否かを示す土地利用テーブルT2が生成され、「田」のメッシュポイントの個数が反映された土地利用種別カウントテーブルT3が生成される。
(代表点処理部22)
次に、図2に示した代表点処理部22について説明する。代表点処理部22は、メモリ24から世帯人口テーブルT1、土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3を読み出す。そして、代表点処理部22は、土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3を用いて、基準土地利用種別の密集度合いの最も高いメッシュポイントを世帯が最も密集している最大メッシュポイントとして特定する。代表点処理部22は、最大メッシュポイントを起点として土地利用種別が基準土地利用種別であるメッシュポイントを特定し、これを世帯代表点に設定する。
代表点処理部22は、世帯人口テーブルT1を用いて、基準メッシュである1kmメッシュ毎の一般世帯数等及び世帯代表点の位置情報からなる代表点テーブルT4を生成する。
図12は、代表点処理部22の処理を示すフローチャートである。代表点処理部22は、メモリ24から世帯人口テーブルT1を読み出す(ステップS1201)。そして、代表点処理部22は、世帯人口テーブルT1に含まれる1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードにより特定される基準メッシュである1kmメッシュ毎に、後述するステップS1202~S1209の処理を行う。
代表点処理部22は、世帯人口テーブルT1に含まれるそれぞれの区画コードにより特定される処理対象の1kmメッシュについて、メモリ24から土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3を読み出す(ステップS1202)。尚、メモリ24には、世帯人口テーブルT1に含まれる1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードにより特定される1kmメッシュ毎に、土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3が格納されている。
代表点処理部22は、土地利用種別カウントテーブルT3から、メッシュポイント毎の基準土地利用種別の個数のうち最大数値を求める。そして、代表点処理部22は、土地利用種別カウントテーブルT3を用いて、1kmメッシュの中心地点のメッシュポイントから外側へ向けて、最大数値のメッシュポイントを探索し(ステップS1203)、最大数値のメッシュポイントを最大メッシュポイントとする。
この場合、1kmメッシュの中心地点から外側へ向けて探索が行われるから、1kmメッシュの中心地点に近いほど、最大メッシュポイントに設定される可能性が高い。例えば、最大数値のメッシュポイントが2箇所以上存在する場合、1kmメッシュの中心地点に近いメッシュポイントが最大メッシュポイントに設定される。これにより、隣の1kmメッシュのデータの影響を受けないメッシュポイント、または影響の少ないメッシュポイントを最大メッシュポイントに設定することができる。
図11(2)に示した土地利用種別カウントテーブルT3の例では、最大数値は「4」である。代表点処理部22により、最大数値「4」のメッシュポイントが最大メッシュポイントとして探索される。
図13は、最大メッシュポイント探索処理(ステップS1203)を説明する図である。代表点処理部22は、図11(2)に示した土地利用種別カウントテーブルT3において、1kmメッシュの中心地点を起点として反時計回りに、周囲の外側へ向かって移動し、最大数値「4」を探索する。そして、代表点処理部22は、星印のメッシュポイントの箇所の数値が「4」であると判定し、星印のメッシュポイントを最大メッシュポイントであると判定する。
尚、代表点処理部22は、1kmメッシュの中心地点から時計回りに、周囲の外側へ向かって移動し、最大数値「4」の最大メッシュポイントを探索するようにしてもよい。また、代表点処理部22は、予め設定されたメッシュポイントの位置から反時計回りまたは時計回りにて、最大メッシュポイントを探索するようにしてもよい。
図12に戻って、代表点処理部22は、土地利用テーブルT2を用いて、ステップS1203にて探索した最大メッシュポイントから外側へ向けて、土地利用種別が基準土地利用種別と一致するメッシュポイントを探索する(ステップS1204)。そして、代表点処理部22は、探索により一致したメッシュポイントを一致メッシュポイントとし、一致メッシュポイントを1kmメッシュ内の世帯代表点に設定する(ステップS1205)。
図11(2)に示した土地利用種別カウントテーブルT3の例では、最大メッシュポイントは図13に示した星印の位置である。代表点処理部22により、星印のメッシュポイントの位置を起点として探索が行われる。
図14は、一致メッシュポイント探索処理(ステップS1204)を説明する図である。代表点処理部22は、図11(2)に示した土地利用種別カウントテーブルT3において、図13に示した星印のメッシュポイントを起点として反時計回りに、周囲の外側へ向かって移動し、土地利用種別が基準土地利用種別であるメッシュポイントを探索する。そして、代表点処理部22は、一致メッシュポイントを判定し、当該一致メッシュポイントを世帯代表点に設定する。
これにより、最大メッシュポイントの土地利用種別が基準土地利用種別と一致しない場合であっても、土地利用種別が基準土地利用種別と一致するメッシュポイントであって、かつ最大メッシュポイントに最も近いメッシュポイントを世帯代表点に設定することができる。また、世帯代表点には、土地利用種別が基準土地利用種別と一致しないメッシュポイントが設定されることがない。
尚、代表点処理部22は、図13に示した星印のメッシュポイントから時計回りに、周囲の外側へ向かって移動し、一致メッシュポイントを探索するようにしてもよい。また、代表点処理部22は、図13に示した星印から最も距離が短く、かつ土地利用種別が基準土地利用種別である条件を満たすメッシュポイントを一致メッシュポイントとして探索するようにしてもよい。この場合、代表点処理部22は、この条件を満たすメッシュポイントが複数の場合、複数のメッシュポイントのうち1kmメッシュの中心地点に近いメッシュポイントを一致メッシュポイントに設定する。
図12に戻って、代表点処理部22は、世帯人口テーブルT1から、処理対象の1kmメッシュ内の一般世帯数及び総人口を抽出する(ステップS1206)。
代表点処理部22は、図示しない緯度経度データから、世帯代表点の位置(緯度及び経度)を取得する(ステップS1207)。具体的には、代表点処理部22は、図示しない緯度経度データから、世帯代表点のメッシュポイントに対応する緯度及び経度の情報を抽出し、当該メッシュポイントの中心地点の緯度及び経度を算出し、これを世帯代表点の緯度及び経度とする。
代表点処理部22は、処理対象の1kmメッシュについて、一般世帯数、総人口及び世帯代表点の位置のデータを代表点テーブルT4に追加する(ステップS1208)。
図15は、代表点テーブルT4の例を示す図である。この代表点テーブルT4は、基準メッシュである1kmメッシュを特定する1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コード毎に、1kmメッシュ内の一般世帯数、総人口、及び世帯代表点の位置を示す緯度及び経度から構成される。
1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードは、図5及び図6に示した1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードに相当する。
図12に戻って、代表点処理部22は、世帯人口テーブルT1に含まれる1次区画コード、2次区画コード及び3次区画コードにより特定される1kmメッシュ毎の処理が完了したか否かを判定する(ステップS1209)。
代表点処理部22は、ステップS1209において、1kmメッシュ毎の処理が完了していないと判定した場合(ステップS1209:N)、ステップS1202へ移行し、次の処理対象の1kmメッシュに対する処理を行う。
一方、代表点処理部22は、ステップS1209において、1kmメッシュ毎の処理が完了したと判定した場合(ステップS1209:Y)、代表点テーブルT4をメモリ24に格納する(ステップS1210)。
このように、代表点処理部22により、基準メッシュである1kmメッシュについて、土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3を用いて、基準土地利用種別の密集度合いの高いメッシュポイントを世帯の密集度合いの高いメッシュポイントとして、世帯代表点を求めることができる。そして、代表点処理部22により、世帯人口テーブルT1を用いて、1kmメッシュ毎の一般世帯数等及び世帯代表点の位置情報からなる代表点テーブルT4が生成される。
(代表点情報出力部23)
次に、図2に示した代表点情報出力部23について説明する。代表点情報出力部23は、メモリ24から代表点テーブルT4を読み出し、代表点テーブルT4のデータに基づいて、世帯代表点の緯度、経度等から構成される世帯代表点情報を生成し、世帯代表点情報を出力する。また、代表点情報出力部23は、世帯代表点の緯度及び経度を用いて、世帯代表点を、基準メッシュを含む地図と共に画面表示する。
尚、代表点情報出力部23は、代表点テーブルT4のデータをそのまま世帯代表点情報として出力するようにしてもよい。
このようにして出力された世帯代表点情報は、例えば電界強度を算出する際の受信点情報として用いられる。これにより、世帯への影響を考慮した有用な電界強度等の情報を求めることができる。
以上のように、本発明の実施形態の世帯代表点算出装置1によれば、制御部10の世帯人口テーブル生成部20は、予め設定された「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1に対してフィルター処理を行い、基準メッシュである1kmメッシュを単位とした区画コード、一般世帯数等から構成される世帯人口テーブルT1を生成する。また、世帯人口テーブル生成部20は、1kmメッシュを単位とした区画コードから構成される1kmメッシュデータD3を生成する。
土地利用種別処理部21は、予め設定された100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2及び世帯人口テーブル生成部20により生成された1kmメッシュデータD3を用いて、予め設定された土地利用種別の優先順位に従い、1kmメッシュの土地利用種別を基準土地利用種別として決定する。
この優先順位は、世帯が密集している土地利用種別ほど、高い優先順位が設定されている。このため、土地利用種別処理部21により決定される基準土地利用種別は、1kmメッシュ内に存在する土地利用種別のうち、世帯が密集している優先順位の最も高い土地利用種別となる。
また、土地利用種別処理部21は、メッシュポイント毎の土地利用種別が基準土地利用種別であるか否かを示す土地利用テーブルT2を生成する。さらに、土地利用種別処理部21は、メッシュポイント毎に、当該メッシュポイント及び周囲のメッシュポイントについての土地利用種別が基準土地利用種別である場合の個数をカウントし、当該個数を反映した基準土地利用種別の密集度合いを示す土地利用種別カウントテーブルT3を生成する。
代表点処理部22は、土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3を用いて、基準土地利用種別の密集度合いの最も高いメッシュポイントを最大メッシュポイントとして特定し、最大メッシュポイントを起点として土地利用種別が基準土地利用種別であるメッシュポイントを世帯代表点に設定する。また、代表点処理部22は、代表点処理部22は、世帯人口テーブルT1を用いて、1kmメッシュ毎の一般世帯数等及び世帯代表点の位置情報からなる代表点テーブルT4を生成する。代表点情報出力部23は、代表点テーブルT4に基づいて、世帯代表点情報を生成する。
これにより、世帯が密集している地点を世帯代表点とすることができるから、基準メッシュの中心地点またはユーザにより設定された地点を世帯代表点としていた従来に比べ、世帯への影響を考慮した有用な情報を求めることができる。世帯代表点算出装置1により算出された世帯代表点を用いることで、例えば電界強度の影響を受ける影響世帯数を精度高く求めることが可能となる。
つまり、本発明の実施形態では、世帯への影響を考慮した有用な電界強度等の情報を求めるために、世帯が密集している地点を世帯代表点として算出することができる。
〔電界強度算出装置〕
次に、本発明の実施形態による電界強度算出装置について説明する。図16は、本発明の実施形態による電界強度算出装置のハードウェア構成を示す概略図である。この電界強度算出装置2は、図1に示した世帯代表点算出装置1と同様に、CPU11、記憶部12、記憶装置13、操作/入力部14、表示出力インターフェース部15及び通信部16を備えて構成される。これらの構成部は、システムバス17を介して相互に接続される。
記憶装置13には、OSプログラム、電界強度算出プログラム、及び、当該電界強度算出プログラムにて使用するデータ及びテーブル等が記憶されている。電界強度算出プログラムには世帯代表点算出プログラムが含まれる。
電界強度算出プログラムは、基準メッシュ内の世帯代表点を算出し、当該世帯代表点の電界強度を算出し、当該電界強度の影響を受ける影響世帯数等を算出するプログラムである。具体的には、電界強度算出プログラムは、世帯代表点算出プログラムにて、前述のとおり、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1及び国土数値情報の土地利用データD2等を用いて、基準メッシュ内で世帯が密集している地点を世帯代表点として探索し、世帯代表点情報(受信点情報)を生成する。そして、電界強度算出プログラムは、世帯代表点情報、送信点情報、国土数値情報の土地利用データD2及びメッシュ標高データD4等を用いて、世帯代表点の電界強度を算出し、当該電界強度の影響を受ける影響世帯数等を算出する。
メッシュ標高データD4は、国土交通省により発行された、50mメッシュ毎の標高データが設定されたデータである。
尚、電界強度算出プログラムは、当該電界強度算出装置2が処理を行うときに、CPU11により記憶装置13から記憶部12のRAMに読み出されて実行される。また、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1等のデータは、世帯代表点算出プログラムの実行に伴い、CPU11により記憶装置13から記憶部12のRAMに読み出される。
また、電界強度算出プログラムの実行に伴い生成される1kmメッシュデータD3等のデータ、並びに世帯人口テーブルT1等のテーブルは、CPU11によって記憶部12のRAMから記憶装置13へ書き込まれる。
また、電界強度算出プログラム、データ及びテーブル等は、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。また、これらは、通信部16によりネットワークを介して送受信することもできる。
ここで、OSプログラムは、CPU11により実行され、電界強度算出装置2の基本的な機能として記憶部12等を管理し、このOSプログラムがCPU11によって実行された状態で、前述の電界強度算出プログラムが実行される。
制御部10’は、図1に示した制御部10と同様に、CPU11及び記憶部12により構成され、CPU11が記憶装置13に記憶された電界強度算出プログラムを記憶部12に読み出して実行することにより、電界強度算出装置2全体を統括制御する。図16は、電界強度算出プログラム、「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1等が記憶装置13から記憶部12に読み出され、1kmメッシュデータD3及び世帯人口テーブルT1等が記憶部12に格納された状態を示している。このように、電界強度算出装置2は、図16に示したハードウェア構成により、制御部10’が電界強度算出プログラムに従って各種処理を行う。
電界強度算出装置2は、図1に示した世帯代表点算出装置1と同様に、パーソナルコンピュータであってもよいし、携帯型のスマートフォン等のモバイル端末であってもよい。
〔制御部10’〕
次に、電界強度算出装置2の制御部10’について説明する。図17は、電界強度算出装置2の制御部10’の機能構成を示すブロック図である。この制御部10’は、世帯代表点算出部1’及び電界強度算出部3を備えている。世帯代表点算出部1’は、図2に示した制御部10の各構成部を備えている。
世帯代表点算出部1’は、予め設定された「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1及び100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2を入力する。
世帯代表点算出部1’は、これらのデータを用いて、世帯人口テーブルT1、土地利用テーブルT2、土地利用種別カウントテーブルT3及び代表点テーブルT4を生成し、基準土地利用種別の密集度合いの最も高いメッシュポイントを世帯が最も密集しているメッシュポイントとして特定し、これを世帯代表点に設定する。世帯代表点算出部1’は、世帯代表点情報を電界強度算出部3に出力する。
電界強度算出部3は、世帯代表点算出部1’から世帯代表点情報を入力すると共に、予め設定された送信点情報、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2及び50mメッシュのメッシュ標高データD4を入力する。ここで、送信点情報は、電波を送出する送信点の緯度及び経度等から構成される。
電界強度算出部3は、これらのデータを用いて、自由空間電界強度E0、位相損失ls、近接リッジ付加損失lr及び都市減衰損失Γ等を算出し、例えば0回折(見通し)の場合、以下の式にて、世帯代表点の電界強度Eh2を算出する。
[数1]
Eh2=E0-ls-lr-Γ ・・・(1)
電界強度算出部3は、電界強度Eh2に対し、世帯代表点に応じた補正処理を施し、補正処理後の世帯代表点の電界強度Eh2を出力する。また、電界強度算出部3は、世帯代表点情報から一般世帯数及び総人口を抽出し、これらを、世帯代表点について算出した電界強度の影響を受ける影響世帯数及び総人口として出力する。
以上のように、本発明の実施形態の電界強度算出装置2によれば、制御部10’の世帯代表点算出部1’は、世帯が密集している地点である世帯代表点を算出し、1kmメッシュ毎の一般世帯数等及び世帯代表点の位置情報から構成される世帯代表点情報を出力する。
電界強度算出部3は、世帯代表点情報、送信点情報等を用いて、世帯代表点の電界強度Eh2を算出し、世帯代表点情報から一般世帯数及び総人口を抽出し、これらを、世帯代表点について算出した電界強度の影響を受ける影響世帯数及び総人口として出力する。
これにより、世帯が密集している地点を世帯代表点として算出することができ、世帯代表点の電界強度を算出することができる。そして、この電界強度の影響を受ける影響世帯数及び総人口を精度高く求めることができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、前記実施形態では、基準メッシュを1kmメッシュとして説明したが、本発明は、基準メッシュを1kmメッシュに限定するものではなく、100mメッシュ等の他のサイズとするようにしてもよい。
また、世帯代表点算出装置1は、図4に示した「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1を用いるようにしたが、他の統計データを用いるようにしてもよい。図4に示した「国勢調査 地域メッシュ統計」データD1は、4次区画コードを最小区画コードとした統計データであるが、世帯代表点算出装置1は、例えば3次区画コードを最小区画コードとした統計データを用いるようにしてもよい。
また、世帯代表点算出装置1及び電界強度算出装置2は、100mメッシュの国土数値情報の土地利用データD2を用いるようにしたが、50mメッシュ等の他のサイズのデータを用いるようにしてもよい。
また、電界強度算出装置2は、50mメッシュのメッシュ標高データD4を用いるようにしたが、10mメッシュ等の他のサイズのデータを用いるようにしてもよい。
また、世帯代表点算出装置1の制御部10に備えた世帯人口テーブル生成部20は、基準メッシュである1kmメッシュを単位として、基準土地利用種別を決定し、世帯人口テーブルT1及び1kmメッシュデータD3を生成するようにした。また、土地利用種別処理部21は、基準メッシュである1kmメッシュについて、土地利用テーブルT2及び土地利用種別カウントテーブルT3を生成するようにした。また、代表点処理部22は、基準メッシュである1kmメッシュについて、代表点テーブルT4を生成し、代表点情報出力部23は、1kmメッシュを基準として世帯代表点情報を生成するようにした。
これに対し、基準メッシュが1kmメッシュ以外の他のサイズである場合、世帯人口テーブル生成部20、土地利用種別処理部21及び代表点処理部22は、他のサイズの基準メッシュにおいて、それぞれの処理を行い、それぞれのテーブルを作成する。また、代表点情報出力部23も、他のサイズの基準メッシュを基準として世帯代表点情報を生成する。
また、土地利用種別処理部21は、基準メッシュである1kmメッシュを100mメッシュにそれぞれ分割した際の分割後のメッシュをメッシュポイントとするようにした。これに対し、土地利用種別処理部21は、1kmメッシュを100mメッシュ以外のサイズ(例えば50mメッシュ)にそれぞれ分割した際の分割後のメッシュをメッシュポイントとするようにしてもよい。つまり、メッシュポイントのサイズは、必ずしも100mメッシュに限定されるものではなく、他のサイズであってもよい。
また、図1に示した世帯代表点算出装置1により算出された世帯代表点の用途として、図16に示した電界強度算出装置2の例を示したが、他の装置が世帯代表点を用いるようにしてもよい。例えば携帯電話の基地局に設けられたアンテナの設置条件(アンテナの向き等)を求めるために、世帯代表点算出装置1により算出された世帯代表点を用いるようにしてもよい。これにより、携帯電話を使用するユーザの所在を考慮して基地局のアンテナの向きが設定されるから、受信性能を向上させることができる。
また、図1に示した世帯代表点算出装置1により算出された世帯代表点を用いて、世帯の密集している場所を推測することができる。このため、世帯の密集している場所は、当該場所に対して何らかのサービスを行う場合のサービス提供拠点として選定することも可能である。