JP7368874B1 - 皮膚用樹脂成形体、その製造方法、皮膚接触型美容器具および皮膚塗布型美容器具 - Google Patents

皮膚用樹脂成形体、その製造方法、皮膚接触型美容器具および皮膚塗布型美容器具 Download PDF

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Abstract

【課題】 マッサージをするだけで自然に皮膚効能成分が塗布され、皮膚内にも浸透するようにして手軽に使用でき、かつ使用後は布等で拭き取るだけで何回も繰り返し使用可能な皮膚用樹脂成形体、その製造方法、皮膚用樹脂成形体を用いた皮膚接触型美容器具および皮膚塗布型美容器具を提供する。【解決手段】 水に不溶性の熱可塑性樹脂と、水溶性樹脂と、ヒトの皮膚に対して美容効果または薬効を与える皮膚効能成分とを含み、皮膚効能成分と水溶性樹脂とは熱可塑性樹脂中に固体状態で混在してなり、水に接触すると、皮膚効能成分が水溶性樹脂とともに水中に滲出する皮膚用樹脂成形体からなる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒトの皮膚に対して美容効果や薬効を与えるために美容成分や薬効成分を混合した皮膚用樹脂成形体、その製造方法、皮膚接触型美容器具及び皮膚塗布型美容器具に関する。
化粧は女性が主体であったが、近年は男性も健康的で若々しい顔や身体つきを得るために化粧品や美容器具を使うことが増えてきており、化粧品や美容器具業界はさらに市場が拡大している。
人の顔については、肌に塗る化粧品の使用だけでなく、肌自体を若々しく艶のある肌にすることや、シミ、くすみ、しわあるいはニキビなどを除去または減少させるために、対象部位に保湿液、皮膚保護液あるいは薬剤などを含む美容液を皮膚に塗布したり、さらには皮膚内に浸透させることを目的とした色々な器具や方法が開発されている。これらの美容器具は、肌にマッサージ効果を与えて皮膚の血行を促進し、弾力性に富んだ皮膚とすることを主な目的としているが、そのために皮膚へのマッサージ効果を利用して美容液を皮膚内に浸透させる効果を狙ったものもある。
美容液を塗布するだけでなく、皮膚に浸透させるための方法として、美容液をコットンなどに浸み込ませ、これを用いて皮膚表面を軽く叩きながら押し当てたり、あるいは、シート状のフェースパックを用いることが行われている。
美容液を浸み込ませたコットンやフェースパックは、液体を含んだ状態であるので、密封しないといけないため保存性や安定性に課題を有していた。そこで特定の吸水性樹脂からなるシート状成形体が開発されている。この成形体は使用する際に、液体により膨潤させて皮膚などに当接させることが特徴である(例えば、特許文献1参照)。
さらに、美容液の皮膚に対する効果を促進させるために、マッサージ効果を与える機械的振動、超音波振動あるいは電界の印加などを利用することも行われている。
例えば、美容液等を含浸するパッドと、ポップ具とを備え、ポップ具は把持部と、パッドを装着するパッド装着部と、パッド装着部を把持部に対して振動可能に支持する弾性支持部とを有し、パッド装着部は圧電素子と圧電素子で発生した電流が流れる電極とを有し、パッドを皮膚に打ち当てることにより圧電素子で発生した電流を電極からパッドに通電する美容機器が開示されている。この機器は、皮膚に通電することにより美容液を顔の表面に塗布するだけでなく、皮膚内にも浸透させることを目的としている(例えば、特許文献2参照)。
また、二股に分岐した一対のアーム部と、各アーム部の先端側に回転自在に軸支された一対のローラーとを有し、各ローラーがそれぞれの周囲にEMSからの電気刺激を筋肉に付与するためのプラス電極及びマイナス電極を備えた美容ローラーが開示されている。プラス電極とマイナス電極は、EMSと電気的に接続され、EMSから供給された電気によって顔の表情筋を刺激することが特徴である(例えば、特許文献3参照)。
さらに、美容液などの皮膚への浸透効率を高めるための美容処理チップとそれを用いた美容処理装置が開示されている。美容処理装置は、装置本体と、その装置本体に内蔵された振動発生手段と、美容処理チップとを具備した構成からなる。美容処理チップは多孔質基材と、この多孔質基材内に含浸された美容処理剤とを有し、かつ振動発生手段から振動が伝達されると共に、美容処理を施す身体の皮膚表面に振動を印加するように当接される構成からなる(例えば、特許文献4参照)。
また、手の指で握り締めて身体の筋肉やツボをマッサージする器具としてかっさがある。このかっさとして、手の指で握り締める必要が無く、かつ、身体の多種の筋肉やツボを簡単にマッサージできるように、厚みのある中空状半球の切断部に凸状突起物を3個以上取り付けた構造のかっさが開示されている。これを用いて突起物の押圧刺激効果に加えて広範囲の筋肉やツボを一度に簡単にマッサージすることが可能となる。(例えば、特許文献5参照)。
特開2005-225805号公報 特開2015-33459号公報 特開2019-193726号公報 特開2003-205008号公報 特開2017-74340号公報
特許文献1に記載の発明は、ノニオン型ポリアルキレンオキサイド系吸水性樹脂からなるシート状成形体であり、使用する際に液体により膨潤させて皮膚又は粘膜に当接させるものである。使用するまでは液体とは接触しないので、安定性及び携帯性に優れている。しかし、使用時に液体をシート状成形体に含侵させて膨潤させる必要があるため、実際に使用できるようにするまでに手間と時間がかかり、煩わしいという課題がある。
特許文献2に記載の発明によれば、圧電素子で発生した電圧により皮膚に電流が流れるので、パッドに含侵されている美容液等のイオン化が生じ、肌の毛穴から老廃物の除去や正常化が行えるとしている。しかし、パッドに美容液を含侵させるのは使用時に使用者が行う必要がある。
特許文献3に記載の発明は、一対のローラーを顔に挟んだ状態で、ローラーによる押圧刺激とEMSによる電気刺激を表情筋に与えることができるだけでなく、ラジオ波による発熱で表情筋に熱刺激も与えることができる。この発明においては、押圧刺激、電気刺激及び熱刺激を与えることは記載されているが、美容液を用いることについては開示も示唆もない。
特許文献4に記載の発明は、美容処理剤を予め多孔質基材内に含浸させた美容処理用チップを用いて、これに微振動を加えることで美容処理剤を効率よく身体に浸透させるようにしている。美容処理チップは、多孔質基材の空孔部に美容処理剤を保持するか、あるいは、吸収させている。保持あるいは吸収させた状態で長期間放置すると、美容処理剤が蒸発等をして減っていく可能性があり、保存性が課題となる。一方、使用直前に保持または吸収させるようにすると、使用者の作業の手間が煩わしいという課題を有する。
特許文献5に記載の発明は、かっさを本体が厚みのある中空状半球体構造としているので、手の平の曲面に沿わすように保持しながら身体をマッサージすることができる。しかし、この発明は、マッサージしやすいかっさの形状に関するものであり、美容液を併用して用いることについては開示も示唆もない。
顔や手足を綺麗にしたいという要望に応えるために色々な化粧品が開発されてきた。近年は、化粧品を用いて皮膚に塗布するだけでなく、皮膚の老化を抑えて皮膚細胞を活性化させるための美容液が種々開発されている。これらの美容液は皮膚表面に塗布するだけでなく、皮膚内に浸透させて内部から細胞の活性化や保湿効果を得ることを目的としているのが多い。そのために、単純に皮膚に美容液を塗布するだけでなく、美容液を塗布しながらマッサージや電気刺激を与えて皮膚内に浸透させる美容機器が開発されている。しかし、これらは使用前に不織布などに美容液を含侵させるか、あるいは、多孔質部材中に美容液を含侵させて用いるものである。このため、使用時に含侵させる場合には、その手間が煩わしいという課題がある。また、あらかじめ含侵させたものを用いる方式の場合には、美容液成分が蒸発して変質するため保存性に課題があった。
本発明は、マッサージをするだけで自然に美容液が塗布され、かつ、皮膚内にも浸透するようにして、手軽に使用でき、かつ使用後は布等で拭き取るだけで何回も繰り返し使用可能な皮膚用樹脂成形体、その製造方法、皮膚用樹脂成形体を用いた皮膚接触型美容器具および皮膚塗布型美容器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の皮膚用樹脂成形体は、水に不溶性の熱可塑性樹脂と、水溶性樹脂と、ヒトの皮膚に対して美容効果または薬効を与える皮膚効能成分とを含み、皮膚効能成分と水溶性樹脂とは熱可塑性樹脂中に固体状態で混在してなり、水に接触すると、皮膚効能成分が水溶性樹脂とともに水中に滲出することを特徴とする。
上記構成において、皮膚効能成分は親水性材料からなるものであってもよい。
本発明の皮膚用樹脂成形体は、水に接触すると皮膚用樹脂成形体表面から水溶性樹脂と皮膚効能成分とが水中に滲出する。そこで、皮膚用樹脂成形体を水に接触させて水溶性樹脂と皮膚効能成分とを水中に滲出させ、皮膚用樹脂成形体をヒトの皮膚に接触させながら動かすと、マッサージ効果と美容液の塗布とが同時に行われる。さらに、マッサージ効果により美容液が皮膚内に浸透する効果も得られる。なお、皮膚効能成分は親水性であると、水中への滲出がより生じやすくて好ましい。
上記構成において、皮膚効能成分が常温で液状物の場合、皮膚効能成分は液状物を担持する粉末状の無機質多孔質材料、合成樹脂材料、および、天然有機材料のいずれかを含むものであってもよい。このような粉末を用いることにより、皮膚効能成分が液状物であっても皮膚用樹脂成形体中に固体状態で混在させることができる。
例えば、皮膚効能成分として米ぬか発酵液を用いる場合、無機質多孔質材料であるケイ酸カルシウム粉体に吸着させた粉末を用いてもよい。このような粉末はケイ酸カルシウム粉体を容器中に入れ、所定量の米ぬか発酵液を容器に投入し、米ぬか発酵液がケイ酸カルシウム粉体に吸収されサラサラになるまで十分に攪拌すれば作製することができる。
上記構成において、皮膚用樹脂成形体の少なくとも水に接触する領域部を凹凸構造としてもよい。このような構成とすることにより、皮膚用樹脂成形体が水に接触する面積を大きくできる。したがって、皮膚効能成分の混合比率が同じであっても、皮膚効能成分の滲出量を増やすことができる。なお、凹凸構造は皮膚に接触しても違和感を与えないように、角部をなくし、全体として滑らかな形状とすることが好ましい。あるいは、表面から滑らかに一定深さの穴を多数設けて凹凸構造としてもよい。凹部の深さは目的により異なるが、表面から0.5mm以上で、5mm以下が好ましい。凹部の大きさは1mmから5mm程度が好ましい。ただし、皮膚に接触して移動させるときに滑らかな使用感が得られれば上記の数値範囲には限定されない。
つぎに、本発明の皮膚用樹脂成形体の製造方法は、水に不溶性の熱可塑性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末、および、ヒトの皮膚に対して美容効果または薬効を与える皮膚効能成分粉末をあらかじめ設定した量を計測する工程と、計測した熱可塑性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末および皮膚効能成分粉末を混練機に投入し、混合する工程と、混合された熱可塑性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末および皮膚効能成分粉末を樹脂成形機に投入する工程と、樹脂成形機中において熱可塑性樹脂が溶融する温度に加熱しながら熱可塑性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末および皮膚効能成分粉末を混練する工程と、金型への投入または押出方式により成形体を製造する工程とを含むことを特徴とする。
この場合において、皮膚効能成分が常温で液状物の場合、皮膚効能成分粉末としてこの液状物を無機質多孔質材料、合成樹脂材料、および、天然有機材料のいずれかに担持させて粉末としたものを用いてもよい。
このような製造方法とすることにより、熱可塑性樹脂、水溶性樹脂及び皮膚効能成分をすべて粉末状態で樹脂成形機に投入して加熱し混練して成形体を得ることができる。粉末の場合には、通常用いられているペレットのような粒状物に比べて低い加熱温度でかつ短時間に溶融させることができる。したがって、皮膚効能成分が過熱されて変質したり、蒸発して皮膚効能成分が減少することをなくせるので、安定した品質の皮膚用樹脂成形体を得ることができる。
それぞれの粉末の平均粒径は、0.05mm以上、0.5mm以下が好ましい。0.05mmより小さくすると、樹脂成形機への投入等において飛散が生じやすくなり、また投入口などに付着しやすくなるので好ましくない。0.5mmより大きくすると、樹脂成形機中での溶融に時間がかかるようになり、皮膚効能成分の変質や蒸発により成分の減少が生じやすくなるので好ましくない。
また、熱可塑性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末及び皮膚効能成分粉末は同じ粒径であることは要求されない。入手しやすい粒径をそれぞれ選択すればよい。なお、平均粒径の粒度分布は、メッシュによる粒径のそろえ方により変化する。粒度分布は小さいほうが好ましい。しかし、粒度分布の発生頻度でみた場合、非常に少ない割合で0.05mmよりも小さな粒径や0.5mmよりも大きな粒径のものが混在していても特に問題なく使用可能である。
さらに、樹脂成形機中での加熱温度と時間とは、少なくとも熱可塑性樹脂が溶融する条件とすることが必要であるが、水溶性樹脂と皮膚効能成分とは必ずしも溶融させることは必須条件ではない。
つぎに、本発明の皮膚接触型美容器具は、上記記載の皮膚用樹脂成形体と、この皮膚用樹脂成形体を保持する保持部とを有し、皮膚用樹脂成形体は少なくともヒトの皮膚に接触する領域部に設けられていることを特徴とする。この場合に、皮膚用樹脂成形体の少なくとも水に接触する領域部を凹凸構造としてもよい。
本発明の皮膚接触型美容器具は、このような構造としたのでマッサージなどの皮膚への刺激効果と同時に皮膚効能成分が塗布され、さらに皮膚内へ一部浸透する効果も得られるので、どこでも、いつでも手軽に使用できる。より具体的には、皮膚接触型美容器具を使用する場合、皮膚用樹脂成形体を水に濡らすと、水溶性樹脂と皮膚効能成分が水中に滲出する。このような状態とした後、保持部を手でもって顔や腕あるいは脚などを擦ることで皮膚効能成分が塗布され、例えば保湿効果を高めることができる。この場合に適度な力でこするとマッサージ効果が加わり皮膚効能成分を皮膚内に浸透させる効果も得られる。
上記構成において、保持部の内部に振動発生部をさらに有し、皮膚用樹脂成形体に振動を生じさせるようにしてもよい。このような構成とすることにより、皮膚効能成分が水中に滲出してヒトの皮膚に塗布されるときに、皮膚用樹脂成形体が振動するのでマッサージ効果が加わり皮膚への浸透効果を高めることができる。なお、皮膚用樹脂成形体を介して皮膚に電気刺激を与える構成としてもよい。
さらに、本発明の皮膚塗布型美容器具は、水と、ヒトの皮膚への美容または殺菌効果を有する薬液との混合液を収容する容器と、この容器から混合液を吐出する吐出部とを含み、吐出部が上記構成の皮膚用樹脂成形体により形成されていることを特徴とする。
このような皮膚塗布型美容器具は、使用時に皮膚用樹脂成形体からなる吐出部を介して混合液が皮膚に塗布されるので、皮膚用樹脂成形体中に含まれる水溶性樹脂と皮膚効能成分とが混合液中に滲出し、混合液と一緒に皮膚に塗布される。この結果、例えば殺菌効果を有する混合液にヒアルロン酸などの美容効果を有する皮膚効能成分が含まれるようにした場合、殺菌効果に加えてヒアルロン酸による保湿効果も作用し、手指の乾燥を抑制することもできる。
本発明の皮膚用樹脂成形体は、皮膚効能成分が固体状態で皮膚用樹脂成形体中に混在しているので、使用時に水に濡らすだけで皮膚効能成分を皮膚に塗布することができ、終了後は水と一緒に拭き取り乾燥させれば滲出しなくなり保存性に優れる。したがって、皮膚へのマッサージ効果に加えて美容効果も同時に作用でき、かつ、手軽にどこでも使用できるというという大きな効果を奏する。
本実施の形態にかかる皮膚用樹脂成形体の形状を示す図である 同実施の形態における試作例3の板状成形体の表面のSEM写真である。 表面積を増大させるために凹凸構造を設けた皮膚用樹脂成形体2の構造を示す斜視図である。 図3Aに示すA-A線に沿った一部断面拡大図である。 同実施の形態に係る実施例1で作製したかっさを示す斜視図である。 図4Aに示すB-B線に沿って切断した断面図である。 同実施の形態に係る実施例2の顔用マッサージ器を示す斜視図である。 図5Aに示すマッサージ部の断面図である。 同実施の形態に係る実施例3の美顔ローラーを示す全体斜視図である。 図6Aに示すローラーの中心点を基準に切断した断面図である。 図6Aに示すローラーの表面部の一部拡大断面図である。 同実施の形態に係る実施例4の美容液容器を示す全体斜視図である。 図7Aに示す美容液容器の先端部に設けた塗布ボールをその中心点を基準に切断した断面図である。 図7Aに示す塗布ボールの表面部の一部拡大断面図である。 同実施の形態に係る実施例5の薬液吐出器を示す全体斜視図である。 図8Aに示す薬液吐出器の先端部に設けた吐出部の断面図である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態にかかる皮膚用樹脂成形体は、水に不溶性の熱可塑性樹脂と、水溶性樹脂と、ヒトの皮膚に対して美容効果または薬効を与える皮膚効能成分とを含み、皮膚効能成分と水溶性樹脂とは熱可塑性樹脂中に固体状態で混在してなることが特徴である。そして、この皮膚用樹脂成形体の表面を水に接触させることにより、水溶性樹脂と皮膚効能成分とが水中に滲出する。この状態とした後、皮膚用樹脂成形体を用いて、例えば顔や手足などを擦ればマッサージ効果に加えて皮膚効能成分が皮膚に塗布されるだけでなく、一部は皮膚内への浸透効果も高めることができる。その結果、美容効果や皮膚の健康効果を高めることができる。
この場合において、皮膚効能成分は親水性材料を用いてもよい。例えば、親水性材料として、ヒアルロン酸を用いてもよい。ヒアルロン酸を皮膚に塗布すると、肌の水分量や弾力性が改善され、また、表皮の保湿効果が改善して乾燥性の小じわを防ぐ効果が得られる。このような効果を得るためには長期間継続して使用することが望ましいが、本発明の皮膚用樹脂成形体は水さえあればどこでも使用することができる。
なお、ヒアルロン酸の場合、皮膚への浸透性を高めるためには、ヒアルロン酸の分子量が小さいものを用いることが有効であるとされているが、分子量が200万のものを用いてもしわの改善が可能であるという報告例もある。
つぎに、本実施の形態において、図1に示すような板状の皮膚用樹脂成形体(以下、「板状成形体」とよぶ。)1を作製し、水に浸して板状成形体1から皮膚効能成分が滲出する量を定量的に測定した結果を説明する。図1は、本実施の形態にかかる板状成形体1の形状を示す斜視図である。板状成形体1の作製においては、皮膚効能成分としてヒアルロン酸、水不溶性の熱可塑性樹脂としてポリプロピレン、および水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイドを用いた。
本実施の形態では、板状成形体1は射出成形機を用いて射出成形により作製した。最初に、ポリプロピレン粉末、ポリエチレンオキサイド粉末、および、ヒアルロン酸粉末を所定の混合比率にするために、あらかじめ設定した量を計測した。つぎに、これらの粉末を混練機に投入して全体が均一になるように混合した。その後、均一に混合した粉末を射出成形機に投入し、スクリューの回転に伴い粉末を回転させながらポリプロピレンが溶融する温度に加熱して粉末同士を混練した後、金型へ投入して作製した。なお、本実施の形態の板状成形体1の場合には、板状であるので押出方式で製造してもよい。
本実施の形態で用いたポリプロピレン粉末、ポリエチレンオキサイド粉末、および、ヒアルロン酸粉末の平均粒径は177μmである。
表1は、ヒアルロン酸の滲出効果を確認するための試作条件とその結果を示す。
Figure 0007368874000002
水溶性樹脂として用いたポリエチレンオキサイド(PEO)の混合比率は試作例1から試作例3まですべて同じ35重量%とした。試作例1は、ポリプロピレン(PP)を64重量%、ヒアルロン酸(HA)を1重量%とした。試作例2は、ポリプロピレンを62重量%、ヒアルロン酸を3重量%とした。試作例3は、ポリプロピレンを60重量%、ヒアルロン酸を5重量%とした。比較例として、ポリエチレンオキサイドを混合しないで、ポリプロピレンを95重量%、ヒアルロン酸を5重量%とした成形体も作製した。
試作例1から3までのヒアルロン酸の滲出濃度測定は、株式会社PGリサーチのヒアルロン酸測定キットを用いて実施した。測定の手順は、板状成形体をディッシュにのせた後、蒸留水を添加してシェーカーにて室温で2時間振とうして蒸留水中にヒアルロン酸を滲出させ、その後測定を行った。
表1には、この測定キットで測定したヒアルロン酸の滲出濃度も示している。ヒアルロン酸の混合比率が1重量%では73μg/mLであるのに対して、3重量%では285.5μg/mL、5重量%では578.1μg/mLであった。3重量%の混合量の場合、1重量%の場合に比べて3.9倍多く、5重量%の場合には1重量%の場合に比べて7.9倍多く滲出することが確認できた。一方、ポリエチレンオキサイドを混合しない比較例では、ヒアルロン酸の滲出は確認できなかった。
この結果から、ヒアルロン酸の滲出は、混合比率を増やすほど顕著に生じ、また、ポリエチレンオキサイドを混合しない場合には滲出が生じないことがわかった。水溶性樹脂であるポリエチレンオキサイドを混合しない場合には、ポリプロピレンが板状の皮膚用樹脂成形体1の表面にスキン層を形成して、ヒアルロン酸が内部に閉じ込められるため、水に接触してもヒアルロン酸の滲出が生じないことが推定された。
図2は、試作例3の板状成形体の表面のSEM写真である。図2の写真中、白っぽい粒子や粒子が連なって白濁しているようにみえるのがヒアルロン酸である(写真中、矢印で示す箇所)。写真からもわかるように、ヒアルロン酸が固体状態で分散し、一部は線状に連なって存在していることがわかった。ポリエチレンオキサイドも同様に分散して混在しており、板状成形体1の表面が水に接触するとポリエチレンオキサイドとヒアルロン酸とが滲出することがわかった。
使用後は表面に付着している水を拭き、乾かせば、板状成形体1は安定に保存でき、再度水に接触させると再びポリエチレンオキサイドとヒアルロン酸の滲出が生じるので繰り返して何回も使用できる。繰り返し回数は、本実施の形態の板状成形体1の場合、30回までは同じ程度にヒアルロン酸が滲出し、すくなくとも60回まででもヒアルロン酸の滲出が生じることを確認した。
なお、水不溶性熱可塑性樹脂としては、上記のポリプロピレンに限定されることはなく、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、および、ポリウレタン樹脂などを用いることができる。具体的には、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン・アクリルニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリルニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレートなどを用いることができる。
また、水溶性樹脂としては、ポリエチレンオキサイドに限定されることはなく、皮膚に対して害を与えない材料であれば用いることができる。特に、化粧品として用いられている天然系材料や合成高分子材料は好適に用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸アルキルコポリマー、スチレン・アクリル酸アルキルコポリマー、ジメチコン・メチコンコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチレン・プロピレンコポリマーなどを用いることができる。
さらに、皮膚効能成分はヒアルロン酸に限定されない。例えば、粉体として入手できる皮膚効能成分としては、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、アルファヒドロキシ酸(AHA)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート(DADA)、EFG様ペプチド、L-システイン、α―リボ酸、アスコルビン酸、アスタキサンチン、アミノ酸、アデノシン、イタドリ根エキス、カンゾウ葉抽出エキス、葛の葉由来イソフラボン、大豆エキス、グリチルリチン酸2K、トラネキサム酸など、化粧品や皮膚薬用として用いられる材料であれば使用できる。ただし、粉末状のものの場合、水中に滲出して液状となるものであることが要求される。
一方、液状の皮膚効能成分としては、イブプロフェンピコノール、オレイン酸、カモミラET、米ぬか発酵液、フィチン酸、ベニバナインゲン種子エキスなど、粉末の場合と同様に化粧品として用いられている材料を用いることができる。ただし、液状物の場合には、液状物を粉体状の無機質多孔質材料、合成樹脂材料および天然有機材料のいずれかに担持させて粉末として用いればよい。例えば、米ぬか発酵液をデキストリン粉体やケイ酸カルシウム粉体に吸着させて皮膚効能成分粉末として用いることができる。
なお、皮膚用樹脂成形体を製造するときに、水に不溶性の熱可塑性樹脂、水溶性樹脂と皮膚効能成分だけでなく、酸化劣化防止、物性安定化などを目的として添加剤を加えてもよい。例えば、成形加工時の加熱や使用時の紫外線曝露などによる酸化劣化防止、樹脂が本来有する物性などを維持するために添加する安定剤、および、樹脂成形体の機械的強度の向上、柔軟性や難燃性付与のために添加する機能付与剤がある。具体的には、酸化防止剤としてはフェノール系材料等、耐候性改良としては紫外線吸収材料等、柔軟性向上としては可塑剤等、一般に樹脂成形用の添加剤として使用されているものを適宜選択して用いることができる。
さらに、水に不溶性の熱可塑性樹脂、水溶性樹脂および皮膚効能成分の混合比率については、水溶性樹脂は10重量%以上とすることが好ましい。水溶性樹脂を含まない場合には、皮膚効能成分の滲出が生じない。水溶性樹脂の混合比率が10重量%より少ないと、水溶性樹脂の水中への滲出量が少ないために皮膚効能成分の滲出量も少なくなる。その場合、美容効果を十分に得ようとすると、皮膚効能成分の混合比率を増やすことが必要となるがコスト面から制約を受ける。
皮膚効能成分の混合比率は滲出量が美容効果を与える程度の量を混合させることが必要とされるが、これは皮膚効能成分の種類により異なるので限定はできない。皮膚効能成分は一般に高価であるので、混合比率の上限はそれぞれの種類のコストと皮膚に対して効果を与える量とを考慮して決めればよい。
一方、水に不溶性の熱可塑性樹脂の混合比率は、少なくとも主成分となる量、すなわち、水溶性樹脂と皮膚効能成分などよりも多くすることが好ましい。これにより、水溶性樹脂や皮膚効能成分が滲出して皮膚用樹脂成形体中から減少していっても皮膚用樹脂成形体の機械的強度を保つことができる。なお、必要に応じて添加剤を混合してもよい。
図3Aは、表面積を増大させるために凹凸構造を設けた皮膚用樹脂成形体(以下、「第2の板状成形体」とよぶ。)2の構造を示す斜視図である。図3Bは、図3Aに示すA-A線に沿った一部断面拡大図である。図3Aおよび図3Bからわかるように、第2の板状成形体2の場合、その表面を凹凸構造とすることで、同じ板状成形体1と比較して表面積を2倍以上にすることができる。したがって、水に接触する領域も2倍以上となる。このため、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性樹脂とヒアルロン酸などの皮膚効能成分との滲出量が大きく増える。すなわち、皮膚効能成分の混合比率を板状成形体1と同じにしても、第2の板状成形体2は皮膚効能成分の滲出量を大きく増加させることができ、コストを抑えながらより大きな美容効果を得ることができる。
(実施例1)
図1に示した本実施の形態の板状成形体1と同じ製造方法を用いて、かっさを作製した。図4Aは、本実施例で作製したかっさを示す斜視図である。図4Bは、図4Aに示すB-B線に沿って切断した断面図である。かっさとは、一般的には天然石や牛の角からできたプレート形状のものをいうが、本実施例では樹脂を成形することにより作製した。
なお、本実施例では、かっさが皮膚用樹脂成形体であり、かつ、皮膚接触型美容器具でもある。作製したかっさ10は、ほぼ平面状の表面部10a、裏面部10bおよび外周囲部10c、10d、10e、10fから構成されている。外周囲部10c、10d、10e、10fの形状はそれぞれ異なるが、それらの断面形状は図4Bに示すように丸みを帯びた形状としている。皮膚接触型美容器具としての保持部は、ヒトがかっさをどのように持つかにより異なるが、表面部10a、裏面部10b、および、外周囲部10c、10d、10e、10fのいずれかを含む領域が保持部となる。
そして、顔や手足などの使用部位に合わせて、外周囲部10c、10d、10e、10fのいずれを使用するかを選択する。外周囲部10c、10d、10e、10fの丸み部分を主に使い、顔や首あるいは手足を軽くこする。このこすりによりマッサージ効果が得られ、血行を促し、老廃物の排出を促進させ美容効果が得られる。さらに、むくみの解消、小顔・リフトアップ効果や代謝効果も得られる。
本実施例では、表1の試作例1に示した混合比率とし、射出成形機を用いて射出成形により作製した。すなわち、水に不溶性の熱可塑性樹脂としてポリプロピレン、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイド、皮膚効能成分としてヒアルロン酸を用い、混合比率はそれぞれ64重量%、35重量%、1重量%である。
このかっさ10を20個作製し、20人の女性を対象として官能試験により使用効果を検証した。対象とした女性は、20歳代が3名、30歳代が8名、40歳代が6名、および50歳代が3名である。これらの女性の試験前の顔写真を撮り、その後毎日朝と夜の2回、かっさを水に浸してから10分間顔をこするようにしてもらった。それ以外については、通常の化粧品を使うことやサプリメントを使っている人はそのまま使ってもらい、特別な制約はしなかった。
毎日使用して30日後に、再度全員の顔写真を撮り、かつ、全員に対して保湿効果を感じるかどうかのアンケートを記入してもらった。写真による評価は、試験に参加しなかった10名の女性と10名の男性に、それぞれ写真を見てもらい、試験前後で肌の滑らかさやしわの状態が改善したかどうかを目視判定した。この判定においては、それぞれの写真が試験前か、あるいは試験後かは判定者にわからないようにした。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0007368874000003
保湿効果の自己評価では、40歳代や50歳代は効果を感じるという評価結果がやや多く、写真による評価でも同じような結果が得られた。20歳代と30歳代では、保湿効果を感じる人の割合も、写真評価による改善効果についてもやや少ない結果が得られた。しかし、全体評価でみると、ヒアルロン酸を混合したかっさ10を使用することにより、肌に弾力性が生じ、みずみずしい肌になったと感じる割合がほぼ半数となり、ヒアルロン酸が滲出して肌への美容効果を与えたものと思われる結果が得られた。なお、ポリエチレンオキサイドも保湿効果を有しているのでヒアルロン酸との相乗効果によることも考えられる。
なお、本実施例では、かっさ10は凹凸を設けた構造としなかったが、凹凸を設けた構造としてもよい。とくに、皮膚に接触する外周囲部10c、10d、10e、10fのみを凹凸を設けた構造としてもよい。
(実施例2)
実施例2は、本実施の形態にかかる皮膚用樹脂成形体を用いた顔用マッサージ器について説明する。なお、顔用マッサージ器が皮膚接触型美容器具に該当する。図5Aは本実施例にかかる顔用マッサージ器を示す斜視図である。図5Bは、図5Aに示す皮膚を押し叩くように接触するマッサージ部の断面図である。このマッサージ部が皮膚用樹脂成形体により形成されている。
すなわち、本実施例の顔用マッサージ器20は、皮膚用樹脂成形体21と、皮膚用樹脂成形体21を保持する保持部22とを有し、皮膚用樹脂成形体21は少なくともヒトの皮膚に接触する領域部に設けられている。
皮膚用樹脂成形体21は本実施例ではマッサージ部に該当する。以下では、マッサージ部21とよぶ。マッサージ部21は、図5Bに示すように楕円形状で、表面部21aが皮膚に接触する領域部であり、裏面部21bは保持部22の内部にあり、外部からは遮蔽されている。マッサージ部21は弾性部材23に取り付けられており、これらは振動できるような状態で保持部22に固定されている。保持部22の内部には、振動発生部(図示せず)が設けられている。保持部22には、電源スイッチ24と振動強度可変スイッチ25とがあり、これらにより振動のオンオフや振動強度を可変することができる。振動発生部はマッサージ部21の厚み方向に振動を与えるように設定されている。したがって、振動発生部の振動によりマッサージ部21は顔の肌を押し叩くように振動する。
なお、振動発生部は電磁方式で振動を発生させる構成であってもよいし、圧電振動方式でもよく、特にその構成について制約はない。振動のサイクルについても特に制約はない。数ヘルツから数十ヘルツの間で任意に選択すればよい。
マッサージ部21は、以下の条件で作製した。水に不溶性の熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイドを用いたが、皮膚効能成分としてはアルファヒドロキシ酸(AHA)を用いた。混合比率はポリプロピレンが63重量%、ポリエチレンオキサイドが35重量%、アルファヒドロキシ酸が2重量%である。これらの粉末を使い、実施の形態で説明した射出成形機を用いて同じ条件で成形体を作製した。マッサージ部21の外形寸法は50mmであり、厚みは10mmとしたが、機械的強度は十分に有していた。なお、外形寸法と厚みについても上記数値に限定されるものではなく、使い勝手を考慮して形状を選定すればよい。
リング状の弾性部材23でマッサージ部21を挟み込み、保持部22に固定した。振動発生部からの振動がマッサージ部21に伝わると、マッサージ部21は弾性部材23により保持されているので数mm程度の振動が生じ、肌にあてると肌を打ち叩くような刺激を与えることができる。なお、マッサージ部21は、必要に応じて弾性部材23から簡単に外すことができ、新しいものと取り換えることができるようになっている。
使用する場合の手順を説明する。最初に、マッサージ部21の表面部21aに水をつける。水がついた状態で、保持部22を持ち、マッサージ部21の表面部21aを顔に押し付ける。その後、電源スイッチ24を押し、必要に応じて振動強度可変スイッチで強度を調節する。適当な強度になれば、保持部22を動かしてマッサージをしたい顔の領域をマッサージする。マッサージ部21の表面には水の膜があり、この水の膜中には滲出したポリエチレンオキサイドとアルファヒドロキシ酸が含まれるので、マッサージをしながらポリエチレンオキサイドとアルファヒドロキシ酸が肌に塗布される。同時にマッサージ効果が作用して一部は皮膚内に浸透し、肌をなめらかにつややかに整えるなどの美容効果を得ることができる。
この顔用マッサージ器20を10台作製した。一方、アルファヒドロキシ酸を含まない比較用のマッサージ部も作製した。その作製条件は、ポリプロピレンを65重量%、ポリエチレンオキサイド35重量%とし、同様に射出成形により作製した。この比較用のマッサージ部を用いて顔用マッサージ器を10台作製した。全部で20台の顔用マッサージ器を用いて、30歳代から50歳代の20名の女性に、毎日3回、30日間使用してもらい、使用感を調べた。その結果、アルファヒドロキシ酸を混合した顔用マッサージ器を用いた人のほうがくすみや毛穴が目立たなくなり、肌のきめが細かくなったと回答した割合が多かった。
なお、本実施例では、マッサージ部21は楕円形状で、かつその表面は凹凸のない形状としたが、図3Aおよび図3Bに示すように凹凸を設けた構造としてもよい。特に、皮膚に接触する表面部21aの領域部のみに凹凸を設けた構造としてもよい。
(実施例3)
本実施例では、図6Aから図6Cに示すような美顔ローラー30について説明する。図6Aは、本実施例にかかる美顔ローラーを示す全体斜視図である。図6Bは、ローラー31の中心点を基準に切断した断面図である。図6Cはローラー31の表面部31aの一部拡大断面図である。
本実施例の美顔ローラー30が皮膚接触型美容器具に該当する。本実施例の美顔ローラー30は、球状のローラー(皮膚用樹脂成形体に該当する。)31と、ローラー31を保持する保持部32とを有し、ローラー31は少なくともヒトの皮膚に接触する領域部に設けられている。
本実施例では、ローラー31は球状であるので、その表面部31aのほぼ全体が皮膚に接触することになる。また、ローラー31の表面部31aは、図6Cに示すように表面に滑らかな凹凸を設けた構造からなる。凸部が表面部31aであり、この凸部から滑らかに凹部31bが形成されている。この凹凸を設けた構造とすることにより、球体の表面積を大きく増大でき、同じ混合比率であっても水に接触させたときに多くの皮膚効能成分を滲出させることができる。
ローラー31の直径は特に制約はないが、使い勝手を考慮すると50mm程度が好ましい。また、凹部の大きさと深さについても特に制約はないが、本実施例では大きさが5mm、深さは3mmで全体が滑らかに形成されており、ローラー31を皮膚の表面で移動させても転がりやすく、かつ、違和感を与えることはない。さらに、ローラー31は内部がくり貫かれており、この空洞部31cに保持部32の先端部33が挿入され、ローラー31が回転自在に保持されている。なお、ローラー31は、必要に応じて先端部33から簡単に外すことができ、新しいものと取り換えることができるようになっている。
保持部32の先端部33は二股になっており、ローラー31はそれぞれの先端部33に回転可能に保持される。ローラー31を肌にあてて動かすと、軽い力で回転し皮膚に圧力を与えてマッサージ効果を得ることができる。なお、ローラー31が2つ設けてあるので皮膚にあてて動かすときに安定して動かすことができる。
つぎに、皮膚用樹脂成形体であるローラー31の作製条件について説明する。水に不溶性の熱可塑性樹脂としてポリプロピレン、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイド、および、皮膚効能成分としてL-システインを用いた。混合比率はポリプロピレンが64重量%、ポリエチレンオキサイドが35重量%、L-システインが1重量%である。これらの粉末を用いて実施の形態で説明した射出成形機を用いて同じ条件で成形体を作製した。
使用する場合の手順を説明する。最初に、ローラー31の表面部31aに水をつける。水がついた状態で、保持部32を持ち、ローラー31の表面部31aを顔に押し付けて、顔に刺激を与えたい領域を回転させながら動かしていく。ローラー31の表面には水の膜があり、この水の膜中には滲出したポリエチレンオキサイドとL-システインが含まれるので、肌にマッサージ効果を与えながら、L-システインを肌に塗布し、かつその一部は肌内に浸透させることで美容効果を得ることができる。
この美顔ローラー30を10台作製した。一方、L-システインを含まない比較用のローラーも作製した。その作製条件は、ポリプロピレンを65重量%、ポリエチレンオキサイドを35重量%とし、同様に射出成形により作製した。この比較用のローラーを用いて美顔ローラーを10台作製した。全部で20台の美顔ローラーを用いて、30歳代から50歳代の20名の女性に、毎日3回、30日間使用してもらい、使用感を調べた。その結果、L-システインを混合した美顔ローラー30を用いた人のほうが、シミやくすみが目立たなくなったと回答した割合が多かった。
なお、本実施例ではローラー31の表面部31aに凹凸を設けた構造としたが、凹凸のない滑らかな球形状であってもよい。
(実施例4)
本実施例では、図7Aから図7Cに示すような美容液容器40に用いた例について説明する。
図7Aは、本実施例にかかる美容液容器40を示す全体斜視図である。図7Bは美容液容器40の先端部に設けた塗布ボール41をその中心点を基準に切断した断面図である。図7Cは塗布ボール41の表面部41aの一部拡大断面図である。
本実施例の美容液容器40が皮膚接触型美容器具に該当する。本実施例の美容液容器40は、塗布ボール(皮膚用樹脂成形体に該当する。)41と、塗布ボール41を保持する保持部42とを有し、塗布ボール41は少なくともヒトの皮膚に接触する領域部に設けられている。
本実施例では、塗布ボール41は球状であるので、その表面部41aの全体が回転しながら皮膚に接触することになる。また、塗布ボール41の表面部41aは、図7Cに示すように表面に滑らかな凹凸を設けた構造からなる。凸部である表面部41aから滑らかに凹部41bが形成されている。塗布ボール41の直径は特に制約はないが、使い勝手を考慮すると20mm~30mm程度が好ましい。また、凹凸部の凹部の大きさと深さについても特に制約はないが、本実施例では大きさが3mm、深さは1.5mmで全体が滑らかに形成されている。このような形状としているので、美容液を肌に塗布していくときに、塗布ボール41が滑らかに回転するので心地よい使用感を得られる。
塗布ボール41は、保持部42の先端部に設けた固定部43により回転可能で、かつ外れないように保持されている。保持部42の内部には美容液(図示せず)があり、塗布ボール41に美容液が付着しながら回転することで皮膚に美容液を塗布することができる。なお、塗布ボール41は、必要に応じて固定部43から簡単に外すことができ、新しいものと取り換えることができるようになっている。
つぎに、皮膚用樹脂成形体である塗布ボール41の作製条件について説明する。水に不溶性の熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイドを用いた。皮膚効能成分としては米ぬか発酵液をケイ酸カルシウム粉末に担持させた粉末とヒアルロン酸粉末とを同量として用いた。混合比率はポリプロピレンが60重量%、ポリエチレンオキサイドが35重量%、米ぬか発酵液を粉末化したものとヒアルロン酸の混合粉末とを5重量%とした。これらの粉末を用いて実施の形態で説明した射出成形機を用いて同じ条件で成形体を作製した。
使用する場合の手順を説明する。美容液は市販の基礎化粧水を用いた。この基礎化粧水は、水、エタノール、グリセリン、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、サンザシエキス、オレンジ果汁などに加えてヒアルロン酸も含んでいる。ただし、美容液中に含有するヒアルロン酸の配合比率は非常に少ないと思われる。
塗布ボール41側を下にすることで、保持部42中の塗布ボール41の表面部41aが美容液に接触する。そして、その状態で塗布ボール41を皮膚にあててこすると、塗布ボール41が回転しながら美容液を皮膚に塗布することができる。このときに、美容液中にポリエチレンオキサイド、および、皮膚効能成分である米ぬか発酵液とヒアルロン酸が滲出するので、美容液に含まれていない米ぬか発酵液が皮膚に塗布される。また、ヒアルロン酸は美容液に含まれているが、さらに多くの量のヒアルロン酸を皮膚に塗布することができる。
使用後は、塗布ボール41の表面をふき取り、美容液容器40を立てて保持すれば、塗布ボールが乾燥するので安定に保存することができる。
この美容液容器40を10台作製した。一方、米ぬか発酵液をケイ酸カルシウム粉末に担持させた粉末とヒアルロン酸粉末とを含まない比較用の塗布ボールも作製した。その作製条件は、ポリプロピレンを65重量%、ポリエチレンオキサイド35重量%とし、同様に射出成形により作製した。この比較用の塗布ボールを用いて美容液容器を10台作製した。全部で20台の美容液容器を用いて、30歳代から50歳代の20名の女性に、毎日3回、30日間使用してもらい、使用感を調べた。その結果、米ぬか発酵液をケイ酸カルシウム粉末に担持させた粉末とヒアルロン酸粉末を混合した美容液容器を用いたヒトのほうが皮膚の状態が改善されたように思うと回答した割合が多かった。
なお、本実施例では、塗布ボール41の表面部41aに凹凸を設けた構造としたが、滑らかな球状の形状としてもよい。
(実施例5)
本実施例では、図8Aおよび図8Bに示すような薬液吐出器50に用いた例について説明する。
図8Aは、本実施例にかかる薬液吐出器50を示す全体斜視図である。図8Bは薬液吐出器50の先端部に設けた吐出部51の断面図である。
本実施例の薬液吐出器50が皮膚塗布型美容器具に該当する。すなわち、本実施例の薬液吐出器50は、水とヒトの皮膚への美容または殺菌効果を有する薬液との混合液(図示せず)を収容する容器52と、この容器52から混合液を吐出する吐出部51とを含み、吐出部51のうちノズル部51aが本実施の形態で説明した皮膚用樹脂成形体により形成されている。
本実施例では、容器52中の混合液が、吐出部51の薬液吸い上げ部51bにより吸い上げられ、ノズル部51aから吐出する構成である。吐出部51の薬液吸い上げ部51bは外管53内にあり、外管53は蓋54の中心部に立設しており、吐出部51を押し下げることにより混合液が吐出する。
混合液が、例えばアルコールと水とからなる消毒液の場合には、吐出部51から吐出した混合液を手に受けて、手を消毒する。混合液が、例えば美容効果を主体としたものである場合には、吐出部51から吐出した混合液を手に受けて、顔や手足などに塗布する。このような構成からなるので本実施例の薬液吐出器50の場合には、吐出部51のノズル部51aが直接皮膚に接触することはない。
吐出部51は、ノズル部51aと薬液吸い上げ部51bとから構成されている。本実施例では、ノズル部51aのみを皮膚用樹脂成形体で作製した。薬液吸い上げ部51bはポリスチレンのみで成形した。ノズル部51aと薬液吸い上げ部51bとは、それぞれを別々に作製後、接合して一体化した。本実施例の皮膚用樹脂成形体であるノズル部51aの作製は、水に不溶性の熱可塑性樹脂としてポリスチレン、水溶性樹脂としてポリエチレンオキサイド、皮膚効能成分としてヒアルロン酸を用いた。混合比率は、ポリスチレンを66重量%、ポリエチレンオキサイドを30重量%、ヒアルロン酸を4重量%とし、射出成形により成形した。なお、吐出部51は、必要に応じて蓋54を外せば、外管53から簡単に外すことができ、新しいものと取り換えることができるようになっている。
つぎに、使用する場合の手順を説明する。混合液として消毒液を用いた。この消毒液は、水とエタノールの混合からなる。この混合液には水が含まれているので、吐出部51を押して混合液を吐出させるときに、吐出部51の内面に水を含む混合液が接触する。この結果、混合液中にポリエチレンオキサイドと皮膚効能成分であるヒアルロン酸が滲出する。エタノールを含む消毒液を多用すると肌荒れが生じやすくなるが、ヒアルロン酸が混合液中に滲出しているので、保湿効果が高まり肌荒れを防ぎやすい。
また、混合液として美容液である基礎化粧水を用いてもよい。用いた基礎化粧水には、水、エタノール、グリセリン、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、サンザシエキス、オレンジ果汁などに加えてヒアルロン酸も含んでいる。ただし、美容液中に含有するヒアルロン酸の配合比率は非常に少ないと思われる。
吐出部51を押して混合液を吐出させるときに、吐出部51の内面に水を含む混合液が接触する。この結果、混合液中にポリエチレンオキサイドと皮膚効能成分であるヒアルロン酸が滲出する。混合液にもヒアルロン酸が含まれているが、吐出時にさらにヒアルロン酸が滲出するので保湿効果が高まり肌荒れを防ぎやすい。
混合液として消毒液を用いた場合について、官能試験を行った。毎日、外部から帰った時に消毒液を使用してもらい、手のひらについての感触を評価した。10名の人に対してテストしたが、従来の消毒容器の場合と比べて、消毒回数を増やしても手の荒れなどが生じにくいと感じる人の割合が半数以上であった。
なお、本実施例では、ノズル部51aの内面部には凹凸を設けた構造としていないが、凹凸を設けて表面積を増やしてもよい。さらに本実施例では、ノズル部51aを皮膚用樹脂成形体で作製したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズル部51aと薬液吸い上げ部51bまでを含めて、例えばポリスチレンのみで成形し、ノズル部51a中にノズル管を挿入する構造としてもよい。そして、このノズル管のみを皮膚用樹脂成形体で作製してもよい。このような構造とすると、ノズル部51aの内面に挿入されたノズル管に混合液が接触して水溶性樹脂と皮膚効能成分とが混合液中に滲出して美容効果を付与することができる。そして、必要に応じてノズル管を交換することが容易に行える。
また、本発明は実施例に記載した皮膚接触型美容器具と皮膚塗布型美容器具に限定されない。たとえば、かっさにローラーをつけたローラー付きかっさの場合、かっさだけでなくローラーも皮膚用樹脂成形体で作製してもよい。頭皮マッサージ器のマッサージ部、ふくらはぎマッサージ機のマッサージ部、足踏みマットのツボ刺激部などを皮膚用樹脂成形体で作製してもよい。また、ツボ押し棒のツボ部を皮膚用樹脂成形体で作製してもよい。さらに、皮膚に直接接触する美容器具であれば、接触する部材を皮膚用樹脂成形体で作製してもよい。
チューブタイプで、チューブ先端部からリップクリームが出て唇に塗布するリップクリームでは、皮膚に接触する先端部を皮膚用樹脂成形体としてもよい。あるいは、シャワーヘッドのヘッド部や入浴時の玩具などを皮膚用樹脂成形体で作製してもよい。
本発明の皮膚用樹脂成形体、この皮膚用樹脂成形体を用いた皮膚接触型美容器具及び皮膚塗布型美容器具は、皮膚用樹脂成形体を水に接触するだけで皮膚効能成分が水に滲出するので簡単に美容効果が得られ、化粧品や美容器具分野に有用である。
1、2 皮膚用樹脂成形体
2a、31b、41b 凹部
10 かっさ(皮膚用樹脂成形体)
10a、21a、31a、41a 表面部
10b、21b 裏面部
10c、10d、10e、10f 外周囲部
20 顔用マッサージ器(皮膚接触型美容器具)
21 マッサージ部(皮膚用樹脂成形体)
22、32、42 保持部
23 弾性部材
24 電源スイッチ
25 振動強度可変スイッチ
30 美顔ローラー(皮膚接触型美容器具)
31 ローラー(皮膚用樹脂成形体)
31c 空洞部
33 先端部
40 美容液容器(皮膚接触型美容器具)
41 塗布ボール(皮膚用樹脂成形体)
43 固定部
50 薬液吐出器(皮膚塗布型美容器具)
51 吐出部
51b 薬液吸い上げ部
51a ノズル部(皮膚用樹脂成形体)
52 容器
53 外管
54 蓋

Claims (9)

  1. 水に不溶性の熱可塑性樹脂と、水溶性樹脂と、ヒトの皮膚に対して美容効果または薬効を与える皮膚効能成分とを含み、
    前記皮膚効能成分と前記水溶性樹脂とは、前記熱可塑性樹脂中に固体状態で混在してなり、
    水に接触すると、前記皮膚効能成分が前記水溶性樹脂とともに前記水中に滲出するものであって、
    前記皮膚効能成分は親水性材料からなり、
    前記熱可塑性樹脂の混合比率は主成分となる量であって、前記水溶性樹脂と前記皮膚効能成分との合計の混合量より多く、かつ、前記水溶性樹脂は10重量%以上、35重量%以下からなることを特徴とする皮膚用樹脂成形体。
  2. 前記皮膚効能成分が常温で液状物の場合、前記皮膚効能成分は前記液状物を担持する粉末状の無機質多孔質材料、合成樹脂材料、および、天然有機材料のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の皮膚用樹脂成形体。
  3. 少なくとも水に接触する領域部を凹凸構造としたことを特徴とする請求項1または2に記載の皮膚用樹脂成形体。
  4. 水に不溶性の熱可塑性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末、および、ヒトの皮膚に対して美容効果または薬効を与える皮膚効能成分粉末をあらかじめ設定した量を計測する工程と、
    計測した前記熱可塑性樹脂粉末、前記水溶性樹脂粉末および前記皮膚効能成分粉末を混練機に投入し、混合する工程と、
    混合された前記熱可塑性樹脂粉末、前記水溶性樹脂粉末および前記皮膚効能成分粉末を樹脂成形機に投入する工程と、
    前記樹脂成形機中において、前記熱可塑性樹脂が溶融する温度に加熱しながら前記熱可塑性樹脂粉末、前記水溶性樹脂粉末および前記皮膚効能成分粉末を混練する工程と、
    金型への投入により成形体を製造する射出成形工程とを含み、
    前記水溶性樹脂と前記皮膚効能成分との合計の混合量より多い混合比率の前記熱可塑性樹脂と、10重量%以上、35重量%以下の混合比率の前記水溶性樹脂と、前記皮膚効能成分とが、それぞれ平均粒径0.05mm以上、0.5mm以下の粉末を用いて射出成形により製造することを特徴とする皮膚用樹脂成形体製造方法。
  5. 前記皮膚効能成分が常温で液状物の場合、前記皮膚効能成分粉末として前記液状物を無機質多孔質材料、合成樹脂材料、および、天然有機材料のいずれかに担持させて粉末としたものを用いることを特徴とする請求項4に記載の皮膚用樹脂成形体製造方法。
  6. 請求項1に記載の皮膚用樹脂成形体と、
    前記皮膚用樹脂成形体を保持する保持部とを有し、
    前記皮膚用樹脂成形体は、少なくともヒトの皮膚に接触する領域部に設けられていることを特徴とする皮膚接触型美容器具。
  7. 前記皮膚用樹脂成形体の少なくとも水に接触する領域部を凹凸構造としたことを特徴とする請求項6に記載の皮膚接触型美容器具。
  8. 前記保持部の内部に振動発生部をさらに有し、前記皮膚用樹脂成形体に振動を生じさせることを特徴とする請求項6または7に記載の皮膚接触型美容器具。
  9. 水と、ヒトの皮膚への美容または殺菌効果を有する薬液との混合液を収容する容器と、
    前記容器から前記混合液を吐出する吐出部とを含み、
    前記吐出部が、請求項1に記載の皮膚用樹脂成形体により形成されていることを特徴とする皮膚塗布型美容器具。

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