JP7368362B2 - 水分補給システム及びその構成要素 - Google Patents

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Description

本特許文書は、水分補給システム、及び水分補給システム用のヘッドセットを含むその様々な構成要素に関する。
医学研究は、人の肉体的健康及び精神的健康を維持するために十分な水分補給を維持することの重要性を実証している。適切な水分補給の欠如により、深刻な結果が生じる可能性がある。これらの結果の症状の程度は、疲労や吐き気から意識の喪失、さらには死にまで及び得る。最適な健康状態を維持するために、一般に医師は、通常の条件下で個人が1日に8オンス(240ml)のコップで少なくとも8杯の水(1日あたり合計1ガロンの水)を飲むことを推奨している。個人が身体運動時、極度の環境条件にさらされる場合、及び体重超過の少なくとも1つである場合、そのような状況下では個人の体液喪失率が増加するため、個人が摂取する必要がある液体の量は一般に増加する。したがって、人が運動している、働いている、又は単に休んでいるかどうかに関係なく、適切な水分補給及び最高のパフォーマンス(身体的パフォーマンスと精神的パフォーマンスの両方)を維持するには、定期的に液体を摂取する必要があり、そして、このためには、摂取する液体の可用性が必要とされる。
この可用性の問題に対処するのを助けるために、様々な携帯用器具が開発されている。これらの器具には、例えば、アルミニウム製の水筒やプラスチック製のウォーターボトルが含まれている。これらの器具は、適度に軽く、耐久性があり、安価であるが、これらの器具では、一部の用途で望ましく、さらには非常に重要であり得るハンズフリーでの液体摂取は不可能である。加えて、これらは、腰ベルト又はバックパックのポケットに不便に取り付けられることが多く、このため、特定の活動中にこれらを利用するプロセスは非実用的であり、危険ですらある。結果として、これらのタイプの携帯用器具を使用する個人が、必要以上に長い間液体なしで済ませることが多い。これは、この使用者が、自分の活動の適切な休憩を待ってから、ウォーターボトル又は水筒に安全に手を伸ばさなければならないことがしばしばあるためである。不便性及び安全性の少なくとも1つの問題から、これらのタイプの器具を使用する個人は、喉が渇くのを待ってから、飲み物を摂るために、自分が従事する何らかの活動の適切な休憩をとることもしばしばある。しかしながら、このアプローチの問題は、人が喉の渇きを訴えたときにはすでに脱水状態になっており、このため、身体が最適なパフォーマンスを発揮できなくなっていることである。加えて、個人が適切に水分補給するまでに時間がかかりすぎると、身体がけいれんし始めて、痛みが生じ、身体活動に従事する個人の能力がさらに低下する可能性がある。さらに、人は、水又は他の液体を飲むことによって脱水状態からすぐに回復するわけではない。これは、人体が脱水状態になると人体の細胞が活動を停止し始め、ゆっくりとした水分補給のプロセスによってしか、人体の細胞は回復して再び適切に機能し始め得ないためである。
最近では、個人用水分補給システムが開発されており、これは、改善された流体送達機能及び利便性を含む、ウォーターボトル及び水筒に勝る多くの利点を提供する。これらのシステムは、使用者の背中又は腰の荷物の中で運ばれ得る半硬質の或いは可撓性の袋状の流体リザーバを含むことがしばしばである。これらのシステムは、使用者が、種々のスポーツ活動、レクリエーション活動、及び仕事関連活動に従事しながら、より頻繁に飲むことを可能にする。これは、長い可撓性の飲用管の一端が出口を介してリザーバに接続され、他端がバイトバルブ(bite valve)を有するマウスピースで終端しているためである。この管は十分に長いため、使用者が自由にリザーバから水を引き出すことを可能にするためにマウスピースを使用者の口に入れることが可能である。このタイプの個人用水分補給システム及びそのためのマウスピースの例は、米国特許第5,727,714号、米国特許第5,060,833号、米国特許第5,085,349号、米国特許第6,070,767号、及び米国特許第7,490,740号に開示されている。
個人用水分補給システムは、一般に従来のウォーターボトルに勝る著しい利点を提供しているが、多くの欠点に悩まされ続けている。例えば、1つの欠点は、流体リザーバの下流にある水分補給システムの構成要素がこれまで、恒久的に互いに固定されているか、或いは取り付け又は取り外しが困難になる傾向がある堅い摩擦嵌合によって互いに固定されていることである。これらのタイプの接続構造は、適切な流体密封を提供するが、流体密封を設けることと、使用者がリザーバの下流の構成要素を迅速に繰り返し交換することを可能にすることの両方の観点から最適ではない。さらに、これらの構造は、緊急の場合に、又は何かが下流構成要素の1つに引っ掛かった場合に、下流構成要素を簡単かつ安全に切り離すことを可能にするように設計されていない。
機械式クイックコネクト(mechanical quick connect)(米国特許第7,073,688号に記載されているものなど)は、個人用水分補給システムの下流構成要素を迅速に繰り返し接続すること及び切り離すことを可能にするために使用されてきた。機械式クイックコネクトはまた、使用者が下流構成要素を迅速かつ簡単に交換することを可能にする。結果として、機械式クイックコネクトは多くの用途で非常に有用である。しかしながら、機械式クイックコネクトの1つの欠点は、機械式クイックコネクトが、一度接続されたら、取り外しボタンを押すことによってしか切り離され得ないことである。これは、多くのスポーツ活動及び仕事関連活動で重大な安全上の問題をもたらす可能性がある。さらに、流体送達システムにおける前記機械式クイックコネクトの位置によっては、前記水分補給システムの結合される構成要素に設けられた、前記クイックコネクトの雄型部材と雌型部材を接続すること及び切り離すことの少なくとも1つのために、実際には両手が必要になる場合がある。そしてもちろん、機械式クイックコネクトは、使用者が、片手で、又は使用者によって接続される若しくは切り離される機械式クイックコネクトの前記雄型部材及び前記雌型部材を視認できない状態で、構成要素を取り付ける若しくは取り外すことを可能にするように設計されていない。
これらの従来のシステムの別の欠点は、飲用管がぶら下がったままになることである。結果として、使用者が、飲用管の末端に配置されたマウスピースを使用者の口から離すと、管は使用者の口から離れて落ちてしまい、次にもう一度飲みたいとき、使用者は、飲用管を手繰り寄せて、マウスピースを自分の口に戻す必要がある。しかしながら、特定の活動中に、例えば、使用者が自転車、レースカー、又はオートバイなどで高速で移動しているときに、この方法で飲用管を操作することは、使用者にとって実用的ではあり得ない(さらには安全ではあり得ない)。さらに、マウスピースを常に自分の口の中に留めておくことも、使用者にとって必ずしも実用的ではなく、さらには望ましくはない。
ヘッドギアが、ハンズフリーの水分補給を容易にするために開発されている。このヘッドギアは、飲用管のバイトバルブを使用者の口の前に調整可能に配置することを可能にするように設計されている。このタイプのヘッドギアの種々の異なるタイプは、参照により本明細書に組み込まれる、ブラッドリー(Bradley)の米国特許第6,283,344号に記載されている。ブラッドリーの特許に記載されている様々なタイプのヘッドギアはすべて、飲用管の中間部分が使用者の口の上に垂直に配置されるように使用者の頭に装着されるよう設計されている。ブラッドリーの特許で採用されている構成は、使用者が自転車などに乗っているときに液体が、背中に取り付けられた水分補給パックから重力又はサイフォンによって使用者に提供され得るように設計されており、その結果、使用者が、水分補給リザーバから使用者の口に液体を引き出すために、飲用管の末端に配置されたバイトバルブを吸わなければならない量が低減されている。しかしながら、ブラッドリーで説明されているヘッドギアで使用されているすべてのコネクタは、摩擦嵌合型のものである。結果として、ヘッドギアから流体リザーバまで延びる飲用管の部分は、使用者が自分の活動を行っている環境内の物体に引っ掛かりやすい。例えば、サイクリストが木を通り過ぎるとき、木の枝が、飲用管に引っ掛かる可能性がある。このように飲用管が引っ掛かる場合、ヘッドギアは、場合によっては使用者の頭からもぎ取られる可能性及び使用者が怪我をする可能性の少なくとも1つがある。また、水分補給システムの一部が、自動車、トラック、オートバイ、又は自転車などの車両に取り付けられる場合、すべての摩擦嵌合タイプのコネクタの使用は、重大な安全上の問題をもたらす可能性がある。例えば、それは、必要性が生じた場合に安全チームが車両から運転者を引き離す手続きを複雑にする。また、それは、緊急時と非緊急時の両方で、運転者が前記車両から自分自身を切り離す手続きを複雑にする。
一実施形態では、個人用流体送達システム用のヘッドセットは、水分補給システム供給管の遠位端に接続されるように適合された流体導管と、磁気式クイックコネクト(magnetic quick connect)とを含む。前記磁気式クイックコネクトは、共通の結合軸を有しかつ前記流体導管の一部を一緒に形成する、上流連結部材及び下流連結部材を有する。前記上流部材はまた、前記連結部材を分離することなく前記結合軸を中心に回転し得る軸外アームを含む。
一部の実施形態はまた、使用者の頭に装着されるように適合されたヘッドギア上に前記クイックコネクトを支持するように適合されたマウントを含む。例えば、前記マウントは、(i)ヘッドギアに取り付けられ、一度取り付けられると前記ヘッドギア上に前記ヘッドセットを支持するように構成されていてもよいし、(ii)ヘッドギアに取り付けられていてもよいし、又は(iii)少なくとも部分的にヘッドギアと一体に形成されていてもよい。
一部の実施形態では、前記上流連結部材は、水分補給供給管の遠位端に接続されるように適合された流体コネクタを含み得る。前記流体コネクタは、例えば、押込み接続(push to connect)タイプのコネクタ又は他の任意の適切なコネクタを含み得る。また、弁が、前記コネクタと前記磁気式クイックコネクトの前記上流部材の下流端との間で前記流体導管に介挿されてもよい。一部の実施形態では、前記ヘッドセットはまた、前記磁気式クイックコネクトと前記流体導管の流体吐出口との間で前記流体導管に介挿される弁を含んでもよい。前記弁が含まれる範囲に関して、前記弁は、例えば、逆止弁、又はボール弁などの一方向弁を含み得る。前記流体吐出口は、例えば、ノズルを含み得る。
一部の実施態様では、前記磁気式クイックコネクトの下流の前記流体導管の少なくとも一部は、使用者の口の近くに流体吐出口を選択的に配置することを可能にするように選択的に調整可能であるように構成され得る。例えば、前記磁気式クイックコネクトの下流の前記流体導管の少なくとも一部は、可撓管を備え得る。前記ヘッドセットはまた、使用者の口の近くに流体吐出口を配置することを可能にするように構成された、前記ヘッドギア上に前記可撓管を支持するための調整可能アームを含み得る。
一部の実施形態では、前記ヘッドギアは、ヘルメット又は安全帽(hard hat)などの安全ヘッドギアを含み得る。他の実施形態では、前記ヘッドギアは、例えば眼鏡、帽子、ヘッドブラケット(head bracket)、ヘッドフォン、又は人の頭に装着することを意図した他の任意の衣類若しくはデバイスなどの、他の一般的なヘッドギアを含み得る。さらに、ヘッドセットは、例えばオートバイ用ヘルメット(ハーフ、スリークォーター、オープンフェイス、及びフルフェイス)、オートレーシング用ヘルメット、サイクリング用ヘルメット、スノーボード及びスキー用のヘルメット、登山用ヘルメット、軍用及び他の戦術用のヘルメット、消防用ヘルメット、安全ヘルメット、救急用ヘルメット、並びに溶接用ヘルメットを含むあらゆるタイプのヘルメットに取り付けられ得るし、又はこれと一体化され得る。さらに、上述のように、前記ヘッドセットの前記マウントは、前記ヘッドギアに取り付けられるように構成されていてもよいし、前記ヘッドギアにすでに取り付けられていてもよいし、又は前記マウントの少なくとも一部は、前記ヘッドギアと一体に形成されていてもよい。
一部の実施形態では、前記マウントは、前記ヘッドギアが使用者の頭に装着されたときに前記磁気式クイックコネクトの少なくとも一部が前記使用者の耳の後ろに配置されるように前記ヘッドギア上に前記ヘッドセットを支持するようさらに構成されてもよい。したがって、例えば、前記マウントが帽子又はヘルメットなどのヘッドギアに取り付けられるように構成される実施形態では、前記マウントは、前記ヘッドセットが前記ヘッドギアに取り付けられて前記ヘッドギアが使用者の頭に装着されたときに前記磁気式クイックコネクトが少なくとも部分的に前記使用者の耳の後ろに配置されるように、前記ヘッドギアに取り付けられるように構成され得る。しかしながら、他の実施形態では、前記マウントは、前記ヘッドギアが前記使用者によって装着されたときに前記磁気式クイックコネクトが前記使用者の耳の前に配置されるように前記ヘッドギアに取り付けられるよう構成されてもよい。
一実施態様では、前記ヘッドギアは、ヘルメットを含み、前記マウントの少なくとも一部は、前記ヘルメットと一体に形成される。
一部の実施形態では、前記磁気式クイックコネクトの前記上流部材と前記下流部材を軸方向に分離するためには、前記磁気式クイックコネクトの前記上流部材と前記下流部材との間の、45オンスの力から100オンスの力までの範囲内に設定される、前記結合軸に沿った軸方向の引張力が必要とされる。
好ましくは、前記磁気式クイックコネクトの前記上流部材及び前記下流部材は、約6オンスインチから約32オンスインチまでの範囲内のトルクを加えることによって前記下流部材に向かって又は前記下流部材から遠くに前記上流部材の前記軸外アームを旋回させることによっても分離され得る。前記軸外アームは、例えば、回転軸から約0.75インチ以上約2インチ以下のレバーアームを形成し得る。同封の図面を検討することから理解されるように、前記回転軸の位置は、前記軸外アームが前記下流部材に向かって旋回されるのか、それとも前記下流部材から遠くに旋回されるのかに依存する。
一部の実施態様では、前記上流連結部材及び前記下流連結部材の一方は、雄型連結部材であり、他方は、対応する雌型連結部材である。前記雄型連結部材は、通常、突出部を含み、前記雌型連結部材は、通常、突出部合わせ面によって形成された対応する突出部収容領域を備える。一部の実施形態では、前記突出部は、その外周の周りに配置されるOリングを含み得る。このような実施形態では、前記雄型連結部材と前記雌型連結部材が互いに連結されると、前記突出部は前記突出部収容領域内に延在し、前記雄型連結部材に設けられた第1の流体連通路と、前記雌型連結部材に設けられた第2の流体連通路とは流体連通し、前記Oリングは、前記突出部と前記突出部合わせ面との間で圧縮される。前記突出部は、種々の形状をとり得るが、好ましくは、前記突出部及び前記突出部合わせ面は、側壁が前記結合軸に対して15°から50°までの角度でテーパ状である円錐台形状を有する。より好ましくは、前記突出部及び前記突出部合わせ面の側壁は、前記結合軸に対して25°から35°までの角度でテーパ状である。
前記磁気式クイックコネクトは、雄型連結部材及び雌型連結部材を備え得るが、前記ヘッドセットはこのように限定されない。実際、他の実施態様では、前記対応する連結部材は、雄型部材及び雌型部材を含まなくてもよい。
前記マウントがヘルメットマウントを備える一部の実施形態では、前記ヘルメットマウントは、両面テープ又は接着パッドを使用して前記ヘルメットに取り付けられ得るように、前記ヘルメットマウントは、好ましくは一方向に延長され、延長された方向において、前記ヘルメットマウントが取り付けられる前記ヘルメットの曲率にほぼ合致するように形作られたヘルメット合わせ面を含む。さらに、前記流体導管は、前記第1の磁気式クイックコネクトの前記上流部材の入口から前記第2の磁気式クイックコネクトの前記下流部材の出口まで、そして最終的には前記ヘッドセットの前記流体吐出口まで延びる。さらに、前記流体導管は、好ましくは、供給管側から前記マウントのヘルメット側まで、前記ヘルメットマウントを横切って延びる。
本特許文書の別の態様では、水分補給システム用のヘッドギアマウントが提供される。前記ヘッドギアマウントは、磁気式クイックコネクトの下流連結部材と、上流連結部材であって、前記連結部材間に延びる結合軸及び流体通路を形成するように前記下流部材と磁気的に連結可能である上流連結部材と、を含む支持構造を備え得る。前記上流部材は、前記部材を分離することなく前記結合軸を中心に回転され得る軸外アームをさらに備える。前記流体通路は、前記軸外アーム内の流入口と、前記下流連結部材に配置された流出口とを含み得る。前記流入口は、例えば、前記流体導管が水分補給システムの供給管と流体連通するように前記流体導管を前記供給管の遠位端に取り外し可能に接続することを可能にするように適合されたコネクタ(押込み接続コネクタなど)を備え得る。
本特許文書の他の態様では、個人用水分補給システムが提供され、さらに別の態様では、個人用水分補給システム用の流体送達システムが提供される。前記個人用水分補給システム及び前記流体送達システムは、本明細書に記載されているようなヘッドセット及びヘッドギアの少なくとも1つを含む。
本開示の主題である様々な発明のさらなる態様、目的、望ましい特徴、及び利点は、開示されている発明の様々な実施形態が例として示されている添付の図面に関連して検討される以下の説明から明らかになり、よりよく理解される。しかしながら、前記図面は例示のみを目的としており、開示されている発明のいずれかの限定の定義として意図されていないことが明確に理解されるべきである。
使用者が個人用水分補給システムを備えたヘッドセットを使用している例示的なレースカーを示す。 個人用水分補給システムと共に使用するためのヘッドセットを含む例示的なヘルメットを示す。 ヘルメットから取り外された図2に示されているヘッドセットの、投入ホース側からの拡大斜視図である。 反対側、すなわちヘルメット側からの、図2に示されているヘッドセットの斜視図である。 図4の斜視図の一部の拡大図であり、管クランプが分解図で示されている。 図4に示されているヘッドセットのヘルメットマウントの上面図である。 図6に示されている線7-7に沿った、ヘルメットマウントの断面図である。 図3に示されているヘルメットマウントの分解側面図である。 図8に示されているヘルメットマウントの結合軸に沿った横分解断面図である。 ヘルメットマウントの代替実施形態の結合軸に沿った横断面図である。 代替実施形態の分解横断面図であり、この断面図は、図10と同じ切断線から得られている。 図10のヘルメットマウントの別の分解横断面図であるが、ヘルメットマウントの支持構造の分解図も示している。 流体送達システムと共に使用するための例示的な作動システムを示す。
本明細書に記載されている発明が特定の例に関連して記載されていることが理解されるべきであるが、本発明の範囲は、特定の例に限定されない。むしろ、当業者は、本開示を検討した後、以下の教示が本明細書で具体的に言及されている例よりもはるかに幅広い種類の用途で使用され得ることを理解するであろう。
次に図面を参照し、ここで図面の全体を通して、同じ参照番号は、同じ又は対応する構成要素を示すが、図1及び図2には、個人用水分補給システム100用の、本開示によるヘッドセット108が示されている。ヘッドセット108及び個人用水分補給システム100は、多くの別個の態様を含む。水分補給システム100の別個の態様は、例えば、ヘッドセット108、磁気式クイックコネクト130、及びマウント132を含む。
これらの様々な態様のそれぞれ及び以下で説明される水分補給システム100の他の発明的特徴はすべて、個々にであっても組み合わせたとしても、本開示によって考えられる個別に特許可能な異なる発明を形成することを明確に理解されたい。したがって、例えば、これらの異なる態様のそれぞれはすべて、水分補給システム100の例示的な実施形態に組み込まれているが、これらの態様のそれぞれは個別に特許可能であるため、これらは、本開示の精神から逸脱することなく多くの他の水分補給システムにおいて個々に又は集合的に使用され得ることを明確に理解されたい。したがって、本特許開示は、本明細書に記載されている流体送達システムの実施形態に限定されないことも、また明確に理解されるべきである。実際、本開示を検討した後に当業者に明らかになるように、水分補給システム100の1又は複数の態様は、本開示の範囲から逸脱することなく他の車両、個人用水分補給システム、及び流体送達システムの少なくとも一つに容易に組み込まれ得る。さらに、車両104の運転席側のみに示されているが、1又は複数の水分補給システム100が、助手席側又は後部座席などの車両104の任意の適切な位置に設けられてもよい。
図1は、個人用水分補給システム100を含むレースカーの形態の車両104を運転する使用者106を示す。本明細書でより詳細に述べられるように、個人用水分補給システム100は、流体送達システム101及び流体源(例えば、流体源122)を含み、さらに音源(例えば、音源124)を含み得る。流体送達システム101は、ヘッドセット108の吐出口150(図4、図5に最もよく見られる)への流体送達通路を形成する、流体源122の下流にあるすべてのものを含む。図示の実施形態では、流体吐出口150は、ノズルを備える。他の実施形態では、バイトバルブ又は他の適切な吐出口が使用されてもよい。
図1に示されている実施形態では、流体送達システム101は、流体制御ユニット120、流体供給管110、及びヘッドセット108を含み、これらのすべては、互いに流体連通し、流体源122と流体連通している。流体送達システム101はまた、好ましくは、無線作動システム500(図13に示されている)を含む。流体制御ユニット120及び無線作動システム500は、集合的に無線ポンプシステムを形成する。
流体源及び音源は、使用者106が流体源及び音源の少なくとも1つを自分で運ぶ必要がないように、車両104のフレーム上に直接的又は間接的に支持され得る。例えば、流体源及び音源の少なくとも一方は、使用者106の背後の位置で車両104のフレームによって直接的又は間接的に支持されるように車両104のキャビン内に配置されてもよい。
第2の流体源122は、好ましくは、水又は他の水分補給液などの飲用液体を含み、飲用液体を貯蔵するためのリザーバを含み得る。このようにして、水分補給システム100は、飲用可能な液体を使用者106に供給し得る。
可撓性リザーバ(CAMELBAK(商標)によって提供されるものなど)は、流体源122用の流体リザーバとしての使用に特によく適している。このようなリザーバは、車両104のキャビン内の多くの位置に適切に適合する。
可撓性の水分補給リザーバ(CAMELBAK(商標)によって提供されるものなど)は、本特許文書のシステム100における流体源122用のリザーバとしての使用に特によく適しているが、任意の適切な密閉可能な容器が使用されてもよい。例えば、用途に応じて、流体源122のリザーバは、硬質、半硬質、又は可撓性の材料から作製され得る。さらに、一部の用途では、リザーバには、断熱ボトル又は断熱ジャグ(jug)などの断熱されたリザーバを使用することが望ましい場合がある。或いは、リザーバは、一部の実施形態では断熱スリーブ内に含まれてもよい。
流体源122のリザーバの特定の形態に関係なく、その構造で使用される材料又は複数の材料(特に、リザーバ内に含まれる流体と接触することになるもの)は、人による摂取を目的とした液体との接触に適していなければならない。これは、流体源122から流体送達システム101を通って使用者106に輸送される流体と接触する可能性がある、流体送達システム101の他の部分にも当てはまる。
図1を参照すると、流体供給管110の近位端は、流体制御ユニット120を介して流体源122に接続されている。流体供給管110の近位端は、流体制御ユニット120に接続され、これにより、流体供給管110は、流体源122と選択的に流体連通する。
本明細書で使用されとき、別段の指定がない限り、「近位」及び「遠位」という用語は、流体源122に関して使用される。したがって、例えば、供給管110の近位端は、流体源122の流出口(図示せず)に最も近い供給管110の端部であり、一方、流体供給管110の遠位端は、流体源122の流出口から最も遠い供給ホースの端部である。
図1~図5に最もよく見られるように、流体送達システム101の流体送達通路には、磁気式クイックコネクト130が介挿される。流体送達システム101の流体送達通路に磁気式クイックコネクト130を介挿することにより、流体送達システム101の上流構成要素を流体送達システム101の下流構成要素に容易に取り付け、流体送達システム101の下流構成要素から流体送達システム101の上流構成要素を容易に取り外すことが可能になる。図示の実施形態では、これは、使用者106が車から降りる必要がある場合、又は緊急の場合に車から使用者106を引き出さなければならない場合に、ヘルメット103がヘッドセット108の構成要素の大部分と一緒に、水分補給システム100から容易に分離可能であることを意味する。同時に、例えば使用者106が車両104に乗るとき、使用者106は、磁気式クイックコネクト130の上流連結部材134と下流連結部材136を互いに結合するときに連結部材134、136を見ることを必要とせずに、片手を用いて磁気式クイックコネクト130の上流連結部材134を下流連結部材136に容易に取り付け得る。
好適には、上流連結部材134が下流連結部材136から取り外されたとき、上流連結部材134は、流体供給管110の遠位端に取り付けられたままである。
図1~図6を参照すると、ヘッドセット108は、流体導管138及び磁気式クイックコネクト130を含む。流体導管138は、水分補給システムの供給管110の遠位端に接続されるように適合されている。図示の実施形態では、磁気式クイックコネクト130、可撓管154、及びマウスピースアセンブリ112はそれぞれ、流体導管138の一部を形成する。
磁気式クイックコネクト130は、上流連結部材134及び下流連結部材136を有する。連結部材134、136は、(図8及び図9に最もよく見られるように)共通の結合軸200を共有する。さらに、各連結部材134、136に設けられた流体通路は、一緒になって流体導管138の一部を形成する。上流部材134はまた、連結部材134、136を分離することなく結合軸200を中心に回転し得る軸外アーム140を含む。用途に応じて、結合軸200と軸外アーム140の軸201との間の角度αは、鋭角、直角、又は鈍角とし得る。好ましくは、角度αは、30°から120°までの範囲内である。より好ましくは、角度αは、70°から120°までの範囲内である。
ヘッドセット108はまた、使用者の頭に装着されるように適合されたヘッドギア上に磁気式クイックコネクト130を支持するように適合されたマウント132を含む。図示の実施形態では、ヘッドセット108のマウント132は、磁気式クイックコネクト130を含む。加えて、マウント132は、ヘルメット103に取り付けられるように構成されている。例えば、両面テープ又は両面接着パッドが、マウント132の裏側の合わせ面144に取り付けられ、マウント132をヘルメット103に取り付けるために使用されてもよい。他の実施形態では、適切な接着剤又は他の適切な取り付け手段が使用されてもよい。
図示の実施形態では、マウント132は、ヘッドギア103が使用者106によって装着されたときに磁気式クイックコネクト130が使用者の耳の前に配置されるようにヘッドギア103に取り付けられるよう構成されている。しかしながら、他の実施形態では、マウント132は、ヘッドギア103が使用者の頭に装着されたときに磁気式クイックコネクト130の少なくとも一部が使用者の耳の後ろに配置されるようにヘッドギア103上にヘッドセット108を支持するよう構成されてもよい。
図2~図9を参照すると、ヘルメットマウント132は、支持構造146及び上流連結部材134を備える。支持構造146は、磁気式クイックコネクト130の下流連結部材136を含む。図示の実施形態では、下流連結部材136の突出部合わせ面172及び環状溝192は、支持構造146に一体的に形成されている。他の実施形態では、連結部材136は、支持構造から完全に分離して形成され、その後、例えば接着剤及び機械的手段の少なくとも1つを含む任意の適切な手段を使用して支持構造に取り付けられてもよい。
上流連結部材134及び下流連結部材136は、部材間に延びる結合軸200及び流体通路151を形成するように互いに磁気的に結合されるように構成される。磁気結合は、第1の環状磁性材料176及び第2の環状磁性材料178を使用して達成される。下流連結部材136の環状溝192は、その中に環状磁性材料178を保持するサイズに作られている。同様に、上流連結部材134は、環状溝190であって、その中に環状磁性材料176を保持するようなサイズに作られた環状溝190を含む。第1の磁性材料176及び第2の磁性材料178は、強磁性材料及びフェリ磁性材料からなる群から選択される材料を含み得る。第1の環状磁性材料176及び第2の環状磁性材料178の少なくとも一方は、永久磁石、好ましくは希土類磁石から形成される。好ましい実施形態では、どちらも環状の永久磁石を含む。第1の磁性材料176及び第2の磁性材料178は、それらの間の磁気引力が、好ましくは、液密のシール又は実質的に液密のシールを設けるのに十分なだけOリング174を圧縮するのに十分な力で、雄型連結部材134及び雌型連結部材136を一緒に取り外し可能に保持するのに十分な磁気特性を有するように選択される。その結果、磁気式クイックコネクト130の雄型連結部材134及び雌型連結部材136は、互いに迅速に繰り返し接続され切り離され得る。
連結部材134、136間の磁気引力は、例えば、(i)第1の磁性材料176及び第2の磁性材料178の少なくとも1つの厚さを増加させることによって、(ii)他方の磁性材料に面する第1の磁性材料176及び第2の磁性材料178の少なくとも1つの磁極の断面積(「結合断面積」)を増加させることによって、(iii)第1の磁性材料176及び第2の磁性材料178の少なくとも1つの磁束密度(B)及び磁化(M)の少なくとも1つを増加させることによって、並びに(iv)第1の磁性材料176と第2の磁性材料178との間の非磁性材料及び雄型連結部材134と雌型連結部材136との結合端の合わせ面間の非磁性材料の厚さ及び透磁率(μ)の少なくとも一方をそれぞれ減少させること、の少なくとも1つによって増加され得る。逆に、連結部材134、136間の磁気引力は、例えば、パラメータ(i)~(iv)を反対方向に調整することによって減少され得る。
環状溝184は、両方の環状溝190、192の底部に設けられ得る。環状溝184は、接着剤を収容し、溝190、192内に環状磁石176、178を接着接合するのを容易にするために設けられ得る。
上述のように、上流部材134は、部材同士を分離することなく結合軸200を中心に回転され得る軸外アーム140を含む。本実施形態では、流体通路151は、軸外アーム140内の流入口と、下流連結部材136に配置された流出口152とを含む。例えば、流入口は、流体通路151(及び流体導管138)が水分補給システム100の供給管110の遠位端に取り外し可能に接続されて、流体通路151が供給管110と流体連通することを可能にするように適合されたコネクタ142に含まれ得る。本実施形態のコネクタ142は、押込み接続タイプのコネクタを含む。
図示の実施形態では、コネクタ142は、押込み接続タイプのコネクタを含むが、任意の適切なコネクタが使用されてもよい。そして、コネクタ142は、他の摩擦嵌合又は機械式コネクタと同様に管110の遠位端を選択的に取り付け及び取り外しすることを可能にし得るが、コネクタ142は、上流連結部材134が下流連結部材136から切り離されたとき、流体供給管110の遠位端に接続されたままである。これは、使用者106が、困難なく容易にヘッドセット108を水分補給システム100から切り離すこと又はヘッドセット108を水分補給システム100に接続することを可能にする。
また、弁145は、コネクタ142と磁気式クイックコネクト130の上流部材134の下流端との間で流体導管に介挿され得る。弁145は、例えば、逆止弁、又はボール弁などの一方向弁を含み得る。
ヘッドセット108はまた、磁気式クイックコネクト130と流体導管138の流体吐出口150との間で流体導管138に介挿される弁を含み得る。例えば、弁は、マウスピースアセンブリ112に含まれてもよい。
一方向弁又は逆止弁であることに加えて、マウスピースアセンブリ112に含まれる弁及び弁145は、例えば、二方向弁を含み得る。食品用のシリコン製分配バルブ(非滴下圧搾式調味料ディスペンサボトル(non-drip squeezable condiment dispenser bottle)で使用されるものなど)が、適切な二方向弁として使用され得る。
一方向弁と二方向弁のどちらが使用されるかに関係なく、各弁のすぐ上流及びすぐ下流で達成される圧力差に基づいて閾値のクラッキング圧力が各バルブに加えられると弁は開くであろう。二方向弁が使用される場合、必要な圧力差(又はクラッキング圧力)が弁のいずれかの側で達成されると、弁は適切な方向に開く。
このようにヘッドセット108に弁を含むことは、弁が流体送達システム101内に水分補給流体を保持するのに役立つため、有益である。言い換えれば、弁は、流体制御ユニット120のポンプがオフにされた後、流体が流体源122に逆流するのを防ぐ。これは、制御ユニット120がそのポンプを作動させる度に最初に供給管110に流体を再充填しなければならないこととは対照的に、ポンプの各作動の直後に流体を送出することを可能にする。
また、弁145及びマウスピースアセンブリ112内の弁の少なくとも1つを含むことにより、磁気式クイックコネクト130の上流連結部材134と下流連結部材136が互いに分離されるときに供給管110及びヘッドセット108から漏れる水分補給流体の量が最小限に抑えられる。これにより、システム100からの流体の損失及び使用者106への流体の漏れが最小限に抑えられる。
弁145が二方向弁である場合、流体は、弁145を通って両方向に流れ得る。結果として、連結部材134が連結部材136から切り離されると、連結部材134は、別の水分補給流体源に接続されることができ、これにより、流体源122は、供給管110を介して、流体制御ユニット120のポンプを反対方向、又は逆方向に駆動することによって補充され得る。一方、弁145に一方向弁が使用される場合、流体は弁145を通って逆に流れ得ないため、連結部材134を介して補充することは不可能である。
図2~図9を参照すると、図示の実施形態では、可撓管154が、流体導管138の一部を形成している。可撓管154は、一端では流出口152と流体連通し、他端ではマウスピースアセンブリ112を通って延びる流体通路と連通する。管154の上流端は、流出口152の口に設けられたOリング160に当接するように、支持構造146に設けられた凹部162に配置される。管154の上流端は、Cクランプ部材(C-clamp member)156及び締結具158を用いてOリング160に対して保持される。クランプ部材156が締め付けられると、それは、可撓管154の外面を、凹部162に設けられた三角形の隆起部164に押し付ける。これにより、管154は、Oリング160に対して水密に保持され得る。
管154の下流端は、マウスピースアセンブリ112の上流端に配置されるコネクタ180を用いて、マウスピースアセンブリ112を通って延びる流体通路に接続される。コネクタ180は、例えば、押込み接続タイプのコネクタを含み得る。しかしながら、コネクタ80には、任意の適切なコネクタが使用されてもよい。
ヘッドセット108はまた、ヘッドギア103上に可撓管154を支持するための調整可能アーム182であって、好ましくは、使用者の口の近くに流体吐出口150を配置することを可能にするように構成される調整可能なアーム182を含む。
図示の実施形態では、ヘッドギア103は、ヘルメットを含む。さらに、マウント132の少なくとも一部は、ヘルメットに取り付けられる代わりに、ヘルメットと一体に形成されてもよい。
一部の実施形態では、磁気式クイックコネクト130の上流部材134と下流部材136を軸方向に分離するための、磁気式クイックコネクト130の上流部材134と下流部材136との間の、結合軸200に沿った軸方向の引張力は、45オンスの力から100オンスの力までの範囲内に設定され得る。
好ましくは、磁気式クイックコネクト130の上流部材134及び下流部材136はまた、軸外アーム140に適切な力を加えることによって約6オンスインチから約32オンスインチまでの範囲内のトルクを加えることにより、下流部材136に向かって又は下流部材136から遠くに上流部材134の軸外アーム140を旋回させることによって分離されてもよい。軸外アーム140は、レバーアームを形成してもよい。レバーアームは、例えば、回転軸から約0.5インチ以上約2インチ以下、より好ましくは.75インチから約2インチまでであってよい。同封の図面を検討することから理解されるように、回転軸の位置は、軸外アーム140が下流連結部材136に向かって旋回されるのか、それとも下流連結部材136から遠くに旋回されるのかに依存する。
一部の実施態様では、上流部材134及び下流部材136の一方は、雄型連結部材であり、他方は、対応する雌型連結部材である。本実施形態では、上流部材134は雄型連結部材であり、下流部材136は雌型連結部材である。雄型連結部材は、通常、突出部170を含み、雌型連結部材は、通常、突出部合わせ面172によって形成された対応する突出部収容領域を備える。突出部170は、突出部170の外周の周りにOリング174を受け入れて保持するようなサイズに作られた環状溝171に配置されるOリング174を含み得る。このような実施形態では、雄型連結部材134と雌型連結部材136が互いに連結されると、突出部170は突出部収容領域内に延在し、雄型連結部材134に設けられた第1の流体連通路と、雌型連結部材136に設けられた第2の流体連通路とは流体連通して流体通路151を形成し、Oリング174は、突出部170と突出部合わせ面172との間で圧縮される。突出部170は、種々の形状をとり得るが、好ましくは、突出部170及び突出部合わせ面172は、それらの側壁が結合軸200に対して15°から50°までの角度でテーパ状である円錐台形状を有する。より好ましくは、突出部及び突出部合わせ面の側壁は、結合軸200に対して25°35°までの角度でテーパ状である。
磁気式クイックコネクト130は、雄型連結部材及び雌型連結部材を備え得るが、ヘッドセットはこのように限定されない。実際、他の実施態様では、対応する連結部材134、136は、雄型部材及び雌型部材を含まなくてもよい。
図示の実施形態に見られるように、ヘルメットマウント132が、両面テープ又は接着パッドを使用してヘルメット103に取り付けられ得るように、ヘルメットマウント132は、好ましくは一方向に延長され、延長された方向において、ヘルメットマウント132が取り付けられるヘルメットの曲率にほぼ合致するように形作られたヘルメット合わせ面144を有する支持構造146を含む。さらに、磁気式クイックコネクト130を通って延びる流体通路151は、好ましくは、供給管側からマウント132のヘルメット側まで、ヘルメットマウント132を横切って延びる。
図示の実施形態では、ヘッドセット108のマウント132は、ヘルメット103の形態のヘッドギアに取り付けられるように構成されているが、他の実施形態では、マウントは、ヘッドギアに取り付けられてもよいし、又は少なくとも部分的にヘッドギアと一体に形成されてもよい。
さらに、マウント132は、種々の他の安全ヘッドギア若しくは非安全ヘッドギアに取り付けられるように構成されてもよいし、又はこれらと一体に構成されてもよい。例えば、マウント132が取り付けられるように構成される、又はマウント132が一体に形成されるヘッドギアは、例えば眼鏡、保護眼鏡、サングラス、帽子、ヘッドブラケット、ヘッドフォン、又は人の頭に装着することを意図した他の任意の衣類若しくはデバイスなどの一般的なヘッドギアを含み得る。さらに、本特許文書のヘッドセット108は、例えばオートバイ用ヘルメット(ハーフ、スリークォーター、オープンフェイス、及びフルフェイス)、オートレーシング用ヘルメット、サイクリング用ヘルメット、スノーボード及びスキー用のヘルメット、登山用ヘルメット、軍用及び他の戦術用のヘルメット、消防用ヘルメット、安全ヘルメット、救急用ヘルメット、並びに溶接用ヘルメットを含むあらゆるタイプのヘルメットに取り付けられ得るし、又はこれと一体化され得る。
次に図13を参照すると、流体送達システム101は、流体源122に接続された流体制御ユニット120の作動を遠隔制御するための無線作動システム500をさらに含む。スイッチ502、好ましくはマイクロスイッチは、マイクロスイッチ502の動作により流体制御ユニット120の動作が制御されるように、流体源122に接続された流体制御ユニット120に動作可能に接続される。マイクロスイッチ502は、車両104を操縦するために使用者106の手がハンドル504を握る位置の十分近くの位置でハンドル504に取り付けられる。これにより、使用者106は、使用者106がハンドル504から自分の手を離すことなく、マイクロスイッチ502を動作させ得る。図13に示されている実施形態では、マイクロスイッチ502は、左側のハンドグリップの十分近くに取り付けられている。別の実施形態では、マイクロスイッチ502は、右側のハンドグリップの十分近くに取り付けられてもよい。さらに別の実施形態では、第1のマイクロスイッチ502は、左側のハンドグリップの十分近くに取り付けられてもよく、第2のマイクロスイッチ502は、右側のハンドグリップの十分近くに取り付けられてもよい。マイクロスイッチ502は、ハンドル504のホイール部分に取り付けられてもよいし、又はハンドル504の中心に取り付けられてもよい。さらに、マイクロスイッチ502は、ハンドル504の前部、後部、及び側部の少なくとも1つに取り付けられてもよい。
好ましいアプローチでは、マイクロスイッチ502は、制御ユニット120と、マイクロスイッチ502の近くでハンドル504に取り外し可能に取り付けられた無線送信機508との間の無線接続を介して、流体制御ユニット120に動作可能に接続される。しかしながら、他のアプローチでは、マイクロスイッチ502は、制御ユニット120に配線接続されることにより、制御ユニット120に動作可能に接続されてもよい。制御ユニット120は、ポンプ(図示せず)を含み、さらにポンプは、第2の流体源122からの流体の供給を制御するために流体源122に動作可能に接続される。
マイクロスイッチ502は、マイクロスイッチ502の近くに設けられる取り付け手段510を使用してハンドル504に取り付けられ得る。図13に示されているアプローチでは、取り付け手段510は、一対のケーブルタイ及び引き延ばされた一片の熱収縮管を備える。他の実施形態では、取り付け手段は、マイクロスイッチ502を所望の位置に取り付けるための他の適切な構造を備え得る。無線送信機508は、同様に、無線送信機508をハンドル504に取り外し可能に取り付けるための、無線送信機508に取り付けられる取り付け手段を含み得る。
図13に示されているように、ケーブル512は、無線作動システム500を形成するようにマイクロスイッチ502と送信機508とを電気的に連結する。図示の実施形態のケーブル512は、その一端でマイクロスイッチ502に電気的に接続され、もう一端に、送信機508の一端に設けられた対応する電気コネクタ(対応するソケットコネクタなど)を介してマイクロスイッチ502と送信機508とを選択的に電気的に連結するために、従来の先端スリーブのミニジャック又はケーブルジャックなどの電気コネクタを含む。無線送信機508の一端に設けられた対応する電気コネクタは、この電気コネクタを取り外し可能に受け入れる。
無線送信機508は、好ましくはフォブ(FOB)の形態であり、例えば、Bluetooth(登録商標)送信機、より好ましくはBLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)送信機とし得る。
マイクロスイッチ502は、好ましくは、通常は開いているスイッチであり、使用者106がマイクロスイッチ502のボタンを押すと閉じられ、使用者がマイクロスイッチ502のボタンを離すと開く。一部のアプローチでは、無線送信機508は、マイクロスイッチ502が閉じられると第1の信号を送信するように構成される。第1の信号は、例えば、流体源122から流体送達システム101を介して使用者106に流体を圧送するために制御ユニット120に電力を送るようにコントローラ506に命令し得る。無線送信機508はまた、マイクロスイッチが開くと第2の信号を送信するように構成され得る。第2の信号は、例えば、流体制御ユニット120に、そのポンプに電力を送らないように命令し得る。コントローラ506は、第2の信号を受信すると、それまでポンプに電力を送っていた場合、制御ユニット120のポンプに電力を送ることを停止し、それにより、流体源122から流体送達システム101を介して使用者106に流体を圧送することを停止する。一方、制御ユニット120が、以前に第2の信号を受信しており、ポンプに電力を送ることをすでに停止している場合、制御ユニット120は、引き続きポンプに電力を送らないだけである。次に、第1の信号が無線送信機508から制御ユニット120に再び送信されると、制御ユニット120は、再びそのポンプに電力を送り、これにより、ポンプは、流体送達システム101を介して使用者106に流体を再び圧送し始める。このようにして、使用者106は、マイクロスイッチ502を単に押し離しすることによって、必要に応じて流体源122からの流体の送達を制御し得る。重要なことには、図示の実施形態では、使用者106は、ハンドル504から自分の手を離さなくてもマイクロスイッチ502を押し離しすることができ、これにより、使用者106が車両104で移動する速さ又は通過する地形の難しさに関係なく、使用者106は、ハンドル504上に両手を維持し、車両104を操縦しながら、必要に応じて、流体源122内に含まれる水分補給流体を送出するように流体送達システム101に命令することができる。
流体制御ユニット120は、上記のように使用者106がマイクロスイッチ502を押している限り、流体を提供するように構成され得るが、流体制御ユニット120は、制御ユニット120が第1のコマンド信号を受信する度に(例えば、使用者がマイクロスイッチを押下する時間の長さに関係なく、使用者106がマイクロスイッチ502を押したときに)所定の分量の流体を提供するようにも構成され得る。この分量は、例えば、一定の継続時間の噴出又は一定の量の噴出であり得る。
使用者106が、様々な条件下で車両104を運転しながら安全かつ好適にマイクロスイッチ502を動作させ得ることを考えると、使用者106がより定期的に流体源122から流体を飲むことが一層可能になり、その結果、使用者106は、自分の乗車、レースなどの間にわたって水分補給された状態を維持することが可能になる。
説明が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属中の米国特許出願第15/652,847号に記載されている流体制御ユニット106及び無線作動システム140は、本特許文書の制御ユニット120及び無線作動システム500に使用され得る。
説明が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属中の米国特許出願第15/817,031号に記載されているマウスピースアセンブリ112、400は、本特許文書のマウスピースアセンブリ112に使用され得る。同様に、説明が参照により本明細書に組み込まれる、同時係属中の米国特許出願第15/817,031号に記載されているマイクロフォンブーム(microphone boom)267は、本特許文書に記載されている可撓性アーム184に使用され得る。
本明細書に示されている流体送達システム101の流体送達通路を形成する構成要素は、事実上例示であり、流体送達システム101の他の実施形態では、追加の構成要素、より少ない構成要素、又は完全に異なる構成要素が、流体送達システム101の流体送達通路を形成するために使用され得る。しかしながら、一般的に言えば、流体送達システム101は、典型的には、流体源122に取り付けられるように適合された近位端を有する流体送達通路を含み、これにより、流体送達通路と流体源122との間の流体連通が確立され得る。加えて、流体送達通路は、流体源122から使用者に液体流体を送出するための吐出口を含む。例えば、液体は、マウスピースアセンブリ112の吐出口150を介して送出され得る。さらに、磁気式クイックコネクト130などの磁気式クイックコネクトが、流体送達システム101の流体送達通路に介挿される。
図9~図11を参照して、ヘッドギアマウントの別の実施形態を説明する。ヘッドギアマウント302は、一体成形支持構造146を使用する代わりにマウント302の支持構造303が第1の前半分部304と、対応する第2の後半分部306から形成される点を除いて、図2~図9に関連して説明したヘッドギアマウント132と同じである。2つの半分部304、306は、接着剤及び2つの半分部に成形された機械的ロッキングタブの少なくとも1つで互いに取り付けられ得る。
2つの部品から支持構造303を製造することにより、製造プロセス中の材料コストが削減される。
改善された個人用水分補給システム及びその各構成要素の様々な実施形態が、前述の開示で提示されたが、多くの修正例、変形例、代替実施形態、及び代替材料が、当業者によって考えられ、記載された発明の様々な態様を達成する際に利用され得る。例えば、上記の磁気式クイックコネクトは、個人用水分補給システム(図1に示されているものなど)以外の流体送達システム及び流体送達デバイスで使用されてもよい。それらは、液体に加えてガスの送達にも使用され得る。したがって、本説明が、例としてのみ行われており、以下の特許請求の範囲で請求され得る本発明のいずれかの範囲に対する限定として行われているわけではないことが明確に理解されるべきである。

Claims (17)

  1. 水分補給システム供給管の遠位端に接続されるように適合された流体導管と、
    共通の結合軸を有しかつ前記流体導管の一部を一緒に形成する、上流連結部材及び下流連結部材を有する磁気式クイックコネクトであって、前記上流連結部材は、前記上流連結部材と前記下流連結部材とを分離することなく前記結合軸を中心に回転し得る軸外アームを備える、磁気式クイックコネクトと、
    を備え、
    前記上流連結部材の近位端は、水分補給供給管の遠位端に接続されるように適合された流体コネクタを備え、
    前記上流連結部材が前記下流連結部材から切り離されたときに、前記流体コネクタが遠位端に接続されたままである、
    ヘッドセット。
  2. 前記磁気式クイックコネクトを含むマウントをさらに備え、前記マウントは、使用者の頭に装着されるように適合されたヘッドギア上に前記磁気式クイックコネクトを支持するように適合されている、請求項1に記載のヘッドセット。
  3. 前記マウントは、(i)ヘッドギアに取り付けられ、一度取り付けられると前記ヘッドギア上に前記ヘッドセットを支持するように構成されているか、(ii)ヘッドギアに取り付けられているか、又は(iii)少なくとも部分的にヘッドギアと一体に形成されている、請求項2に記載のヘッドセット。
  4. 前記流体コネクタと前記磁気式クイックコネクトの前記上流連結部材の下流端との間で前記流体導管に介挿された弁をさらに備える、請求項1に記載のヘッドセット。
  5. 前記磁気式クイックコネクトの下流の前記流体導管の少なくとも一部は、使用者の口の近くに流体吐出口を選択的に配置することを可能にするように選択的に調整され得る、請求項1に記載のヘッドセット。
  6. 前記ヘッドギアはヘルメットを含む、請求項3に記載のヘッドセット。
  7. 前記マウントの少なくとも一部は前記ヘルメットと一体に形成されている、請求項6に記載のヘッドセット。
  8. 前記磁気式クイックコネクトの下流の前記流体導管の少なくとも一部は可撓管を含む、請求項1に記載のヘッドセット。
  9. 使用者の口の近くに流体吐出口を配置することを可能にするように構成された、ヘッドギア上に前記可撓管を支持するための調整可能アームをさらに備える、請求項8に記載のヘッドセット。
  10. 前記磁気式クイックコネクトの前記上流連結部材前記下流連結部材を軸方向に分離するために、前記磁気式クイックコネクトの前記上流連結部材前記下流連結部材との間に、12.51Nの力以上27.80Nの力以下である前記結合軸に沿った軸方向の引張力が必要とされる、請求項1に記載のヘッドセット。
  11. 前記磁気式クイックコネクトの前記上流連結部材及び前記下流連結部材は、0.042Nmから0.226Nmまでの範囲内のトルクを加えることによって、前記下流連結部材に向かって又は前記下流連結部材から遠くに前記上流連結部材の前記軸外アームを旋回させることによっても分離され得る、請求項10に記載のヘッドセット。
  12. 前記軸外アームが、回転軸から1.9cm以上5.1cm以下のレバーアームを形成している、請求項11に記載のヘッドセット。
  13. 前記上流連結部材及び前記下流連結部材の一方は、雄型連結部材であり、他方は、対応する雌型連結部材である、請求項1に記載のヘッドセット。
  14. 前記雄型連結部材は、突出部を備え、前記雌型連結部材は、突出部合わせ面によって形成された対応する突出部収容領域を備え、前記突出部は、その外周の周りに配置されたOリングを含み、前記雄型連結部材と前記雌型連結部材が互いに連結されると、前記突出部は、前記突出部収容領域内に延在し、前記雄型連結部材に設けられた第1の流体連通路と、前記雌型連結部材に設けられた第2の流体連通路とは流体連通し、前記Oリングは、前記突出部と前記突出部合わせ面との間で圧縮される、請求項13に記載のヘッドセット。
  15. 前記突出部及び前記突出部合わせ面は、前記結合軸に対して15°から50°までの角度でテーパ状である、請求項14に記載の、水分補給システム用のヘッドセット。
  16. 前記突出部及び前記突出部合わせ面は、前記結合軸に対して25°から35°までの角度でテーパ状である、請求項14に記載の、水分補給システム用のヘッドセット。
  17. 水分補給システム用のヘッドギアマウントであって、
    磁気式クイックコネクトの下流連結部材を含む支持構造と、
    前記下流連結部材と磁気的に連結されて、部材間に延びる結合軸及び流体通路を形成するように構成された上流連結部材と、を備え、
    前記上流連結部材は、前記上流連結部材と前記下流連結部材とを分離することなく前記結合軸を中心に回転され得る軸外アームを備え、
    前記流体通路は、前記軸外アームの流入口と、前記下流連結部材に配置された流出口とを含み、
    前記上流連結部材の近位端は、水分補給供給管の遠位端に接続されるように適合された流体コネクタを備える、
    ヘッドギアマウント。
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