JP7365379B2 - 酸素同位体の濃縮方法及び酸素同位体の濃縮装置 - Google Patents

酸素同位体の濃縮方法及び酸素同位体の濃縮装置 Download PDF

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Description

本発明は、酸素同位体の濃縮方法及び酸素同位体の濃縮装置に関する。
酸素同位体を濃縮する方法として光化学反応(以下「光反応」ともいう。)を利用した方法が知られている。
特許文献1には、酸素同位体の濃縮方法であって、原料酸素の一部をオゾン化し、酸素とオゾンが混合された第1混合流体を得るオゾン化工程と、前記第1混合流体と希釈物質を第1蒸留塔に導入して蒸留し、オゾンと前記希釈物質が混合された第2混合流体と、酸素と、に分離する第1蒸留工程と、前記第2混合流体にレーザを照射し、酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解し、酸素同位体を含む酸素を発生させ、酸素とオゾンと前記希釈物質が混合された第3混合流体を得る光分解工程と、前記第3混合流体を液溜め部に導入する液溜め部導入工程と、前記液溜め部によって得られる液ヘッド圧によって、前記第3混合流体を第2蒸留塔に導出して蒸留し、オゾンと前記希釈物質からなる第4混合流体と、酸素同位体重成分が濃縮された製品酸素と、に分離する第2蒸留工程と、前記第4混合流体中のオゾンを分解するオゾン分解工程と、オゾンが分解された前記第4混合流体から、前記希釈物質を回収する希釈物質回収工程と、を有することを特徴とする酸素同位体の濃縮方法、及びこの酸素同位体の濃縮方法を実施するための装置であって、原料酸素の一部をオゾン化させるオゾナイザと、前記第1蒸留工程を実施する前記第1蒸留塔と、酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解する光反応セルと、前記第3混合流体が導入される前記液溜め部と、前記第2蒸留工程を実施する前記第2蒸留塔と、オゾンを分解するオゾン分解装置と、前記希釈物質回収工程を実施する第3蒸留塔と、を有することを特徴とする酸素同位体の濃縮装置が記載されている。
特許第5620705号公報
特許文献1に記載された酸素同位体の濃縮方法及び酸素同位体の濃縮装置は、酸素同位体を含む酸素ガスを光反応工程にて発生させた後、酸素、オゾン及び希釈物質が混合されたガスを、より圧力の高い後段の蒸留工程に送ガスする必要がある。
オゾンが送ガスの過程で熱等により非同位体選択的に分解されると、光反応により同位体濃縮された酸素を希釈するため、いかにオゾンを分解させずに送ガスを実現するかが重要である。
特許文献1に記載された濃縮方法及び濃縮装置では、液溜め部導入工程において、凝縮液を液溜め部に重力で滴下するため、コンデンサを液溜め部の最上部に配置する必要があり、これらの機器を据え付けるために装置が複雑化かつ大型化せざるを得ない。
また、特許文献1に記載された濃縮方法及び濃縮装置では、液溜め部への外部からの入熱によって、液化第3混合流体が蒸発され、蒸発時に液側の高沸点成分であるオゾン濃度が増加してしまう。蒸発ガスが再凝縮され、液が十分混合されているならばオゾン濃縮は解消されるが、特許文献1に記載された濃縮方法及び濃縮装置では、液混合について考慮されておらず液側のオゾン濃縮が進んでしまう。オゾン濃度が16体積%以下の領域では、着火エネルギーがオゾン濃度の増加と共に低下していくことが報告されており(水谷高彰、「オゾン/酸素混合ガスの最小着火エネルギー」、労働安全衛生研究、2009年、第2巻、第1号、p.45-48)、オゾン濃度の増加が進むと爆発リスクが増大する。そのため、安全な装置運転のためにはオゾン濃度を入熱等の外部要因によって変動させない方策が必須となる。
さらに、液溜め部への外部からの入熱は、液の一部を蒸発させてバブルを発生させ、発生したバブルは液中を上昇していく。バブル発生時に液ヘッド圧力が変動するため、次の第2蒸留塔への液を送るためのバルブの制御が難しくなり、液ヘッド圧力のさらなる変動を呼び込む。液ヘッド圧力の変動は、光反応工程の圧力変動につながり、製品ガスの同位体濃度にも影響を与える。
本発明は、装置を大型化させることなくオゾンを安全かつ安定に送ガスできる酸素同位体の濃縮方法及び酸素同位体の濃縮装置を提供することを課題とする。
[1] オゾンと希釈物質とが混合された第1混合流体にレーザを照射し、酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解し、酸素同位体を含む酸素を発生させ、酸素とオゾンと前記希釈物質とが混合された第2混合流体を得る光反応工程と、
前記第2混合流体を液溜め部に導入して液化する液溜め部導入工程と、
前記第2混合流体を液化して前記液溜め部に溜めることによって得られる液ヘッド圧によって、液化した前記第2混合流体を分離塔に導出して蒸留し、オゾンと前記希釈物質とが混合された第3混合流体と、酸素同位体重成分が濃縮された製品酸素と、に分離する分離工程と、
を含み、
前記液溜め部は、液化した前記第2混合流体を入熱の影響なく溜めることができる、酸素同位体の濃縮方法。
[2] 前記光反応工程の前に、
原料酸素の一部をオゾン化し、酸素とオゾンとが混合された第0混合流体を得るオゾン化工程と、
前記第0混合流体と希釈物質とを第1蒸留塔に導入して蒸留し、オゾンと前記希釈物質とが混合された第1混合流体と、酸素と、に分離する蒸留工程と、
を含む、[1]に記載の酸素同位体の濃縮方法。
[3] 前記分離工程の後に、
前記第3混合流体中のオゾンを分解するオゾン分解工程と、
オゾンが分解された前記第3混合流体を第2蒸留塔に導入して蒸留し、前記希釈物質を回収する希釈物質回収工程と、
を含む、[1]又は[2]に記載の酸素同位体の濃縮方法。
[4] 前記液溜め部は、前記第2混合流体が導入される内管と、前記内管に導入される前記第2混合流体を凝縮可能な低温流体が流れる外管とを含み、かつ、液化した前記第2混合流体を前記内管に入熱の影響なく溜めることができる二重管構造である、[1]~[3]のいずれかに記載の酸素同位体の濃縮方法。
[5] 前記低温流体が液体窒素である、[4]に記載の酸素同位体の濃縮方法。
[6] 前記希釈物質が、クリプトン、キセノン、ラドン及び四フッ化炭素からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[5]のいずれかに記載の酸素同位体の濃縮方法。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の酸素同位体の濃縮方法を実施するための酸素同位体の濃縮装置であって、
酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解する光反応セルと、
前記第2混合流体が導入され液化される前記液溜め部と、
前記分離工程を実施する前記分離塔と、
を備える酸素同位体の濃縮装置。
[8] 前記液溜め部は、前記第2混合流体が導入される内管と、前記内管に導入される前記第2混合流体を凝縮可能な低温流体が流れる外管とを含み、かつ、液化した前記第2混合流体を前記内管に入熱の影響なく溜めることができる二重管構造である、[7]に記載の酸素同位体の濃縮装置。
本発明によれば、装置を大型化させることなくオゾンを安全かつ安定に送ガスできる酸素同位体の濃縮方法及び酸素同位体の濃縮装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る酸素同位体の濃縮方法を実施するための酸素同位体の濃縮装置の一例を示す概略構成図である。
以下では本発明の実施形態の一例(以下、単に「本実施形態」ともいう。)について詳細に説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
以下、本実施形態に係る酸素同位体の濃縮方法(以下、単に「濃縮方法」ともいう。)及び酸素同位体の濃縮装置(以下、単に「濃縮装置」ともいう。)について、図1を適宜参照しながら説明する。
[濃縮装置]
図1に概略構成を示す本実施形態の濃縮装置100は、オゾナイザ1、第1蒸留塔2、第1コンデンサ4、第1リボイラ5、光反応セル7、液溜め部10、低温流体源11、分離塔21、第2コンデンサ22、第2リボイラ23、第2蒸留塔25、第3コンデンサ26、第3リボイラ27、ポンプ28、第2蒸留塔25と第1蒸留塔2を接続する流路に配置されたバルブV1、第1蒸留塔2と光反応セル7を接続する流路に配置されたバルブV2、光反応セル7と液溜め部10を接続する流路に配置されたバルブV3、液溜め部10と分離塔21を接続する流路に配置されたバルブV6を備える。
<オゾナイザ>
オゾナイザ1は、原料酸素ROの一部をオゾン化してオゾンを発生させ、酸素とオゾンとが混合された第0混合流体F0を生成する装置である。オゾナイザ1は、オゾンを発生させることができるものであれば、特に限定されず、従来公知のものを使用できる。生成した第0混合流体F0は第1蒸留塔2の中間部に導入される。
<第1蒸留塔>
第1蒸留塔2は、第0混合流体F0と希釈物質DSの混合物を蒸留するための蒸留塔である。蒸留により、第1蒸留塔2の塔頂からは不要な酸素が排出され、塔底からは濃縮されたオゾンと希釈物質が混合された第1混合流体F1が導出される。
<第1コンデンサ>
第1コンデンサ4は、第1蒸留塔2の塔頂から導出された酸素OXの一部を導入して液化し、第1還流液R1として第1蒸留塔2の塔頂に導入するための装置である。
<第1リボイラ>
第1リボイラ5は、第1蒸留塔2の塔底から導出された第1混合流体F1の一部を導入して気化し、第1上昇ガスB1として第1蒸留塔2に導入するための装置である。
<光反応セル>
光反応セル7は、第1蒸留塔2の塔底から導出された第1混合流体F1を導入して、レーザを照射し、目的の同位体を酸素分子として濃縮して、少量の酸素とオゾンと希釈物質とが混合された第2混合流体F2を生成するための装置である。
<液溜め部>
液溜め部10は、第2混合流体F2を液化し、液化された第2混合流体F2を貯留するための装置である。第2混合流体F2を液化して液溜め部に溜めることによって得られた液ヘッド圧によって、液化した第2混合流体F2を塔底から分離塔21に導出する。
図1に示す液溜め部10は、内管10aと外管10bから構成される二重管構造を持つ。液溜め部10の外管10bには、低温流体源11が接続されている。液溜め部10の外管10bと低温流体源11を接続する流路にはバルブV4が配置されている。また、液溜め部10の外管10bには、気化した低温流体NXを排出するための流路が接続されている。液溜め部10の外管10bに接続された気化した低温流体を排出するための流路には、バルブV5が配置されている。外管10bの周囲は断熱材で覆われている。内管10aは、断熱材と外管10b内の低温流体とにより、入熱の影響なく液化した第2混合流体F2を溜めることができるように構成されている。
<分離塔>
分離塔21は、液溜め部10の塔底から導出した第2混合流体F2を導入し、蒸留するための蒸留塔である。蒸留により、分離塔21の塔頂からは目的となる酸素同位体が濃縮された製品酸素POが導出され、塔底からは、オゾンと希釈物質とが混合された第3混合流体F3が導出される。分離塔21の塔頂から導出された製品酸素POの多くは製品として回収される。
<第2コンデンサ>
第2コンデンサ22は、分離塔21の塔頂から導出された製品酸素POの一部を導入して液化し、第2還流液R2として分離塔21の塔頂に導入するための装置である。
<第2リボイラ>
第2リボイラ23は、分離塔21の塔底から導出された第3混合流体F3の一部を導入して気化し、第2上昇ガスB2として分離塔21に導入するための装置である。
<オゾン分解装置>
オゾン分解装置24は、分離塔21の塔底から導出した第3混合流体F3の残部を流通させ、オゾンを完全に分解するための装置である。オゾン分解後の第3混合流体F3には、酸素と希釈物質のみが含まれる。
<第2蒸留塔>
第2蒸留塔25は、オゾン分解装置24を流通させたオゾン分解後の第3混合流体F3を導入し、蒸留するための蒸留塔である。蒸留により、第2蒸留塔25の塔頂からは、低沸点成分である同位体濃度が低下した酸素が排気ガスEXとして排出され、塔底からは、希釈物質DSが導出される。
<第3コンデンサ>
第3コンデンサ26は、第2蒸留塔25の塔頂から排出された排気ガスEXの一部を導入して液化し、第3還流液R3として第2蒸留塔25の塔頂に導入するための装置である。
<第3リボイラ>
第3リボイラ27は、第2蒸留塔25の塔底から導出された希釈物質DSの一部を導入して気化し、第3上昇ガスB3として第2蒸留塔25に導入するための装置である。
<ポンプ>
ポンプ28は、第2蒸留塔25の塔底から導出された希釈物質DSの残部を昇圧し、第1蒸留塔2に還流させるための昇圧ポンプである。ポンプ28と第1蒸留塔2を接続する流路には、バルブV1が配置されている。
[濃縮方法]
本実施形態の濃縮方法は、後述する工程のうち、光反応工程、液溜め部導入工程及び分離工程を含む態様であってもよいし、さらに、オゾン化工程及び蒸留工程、又は、オゾン分解工程及び希釈物質回収工程を含む態様であってもよいし、オゾン化工程、蒸留工程、光反応工程、液溜め部導入工程、分離工程、オゾン分解工程及び希釈物質回収工程の全部を含む態様であってもよい。
<オゾン化工程>
オゾン化工程は、原料酸素ROの一部をオゾン化し、酸素とオゾンとが混合された第0混合流体F0を得る工程である。
図1に示すように、原料酸素ROをオゾナイザ1に導入して原料酸素ROの一部をオゾン化させる。
オゾン化工程によって、オゾナイザ1から導出される第0混合流体F0は、酸素とオゾンとが混合された流体となる。
<蒸留工程>
蒸留工程は、オゾン化工程で得られた第0混合流体と希釈物質とを第1蒸留塔に導入して蒸留し、オゾンと前記希釈物質とが混合された第1混合流体と、酸素と、に分離する工程である。
第1蒸留塔2の中間部に第0混合流体を導入するとともに、バルブV1を操作して、希釈物質DSを導入して蒸留する。この蒸留により、第1蒸留塔2の塔頂からは不要な酸素OXが排出され、塔底からは濃縮されたオゾンと希釈物質とが混合された第1混合流体F1が導出される。
なお、第1蒸留塔2は、ガス輸送の際に配管圧力損失が生じることを考慮し、光反応セル7と同じ圧力、又はやや高い圧力で運転することが好ましい。
希釈物質DSの導入位置は、第0混合流体F0の導入部より、上方、下方のどちらでもよい。また、希釈物質DSを第0混合流体F0と混合して第1蒸留塔2に導入することも可能である。
第1蒸留塔2の塔頂から導出された酸素OXの一部は、第1コンデンサ4に導入されて液化し、第1還流液R1となって第1蒸留塔2の塔頂に導入される。また、塔底から導出された第1混合流体F1の一部は、第1リボイラ5に導入されて気化し、第1上昇ガスB1として第1蒸留塔2に導入される。
希釈物質DSは、酸素と分離されたオゾンが、高濃度に濃縮されることで自己分解を起すことを防ぐ目的で導入される。したがって、希釈物質DSとしては、オゾンと混合した際にオゾンの爆発下限界を上昇させる性質を有する物質が好ましい。このような物質としては、例えば、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)及びラドン(Rn)等の希ガス類、並びにトリフルオロメタン(CHF)及び四フッ化炭素(CF)等のフッ素化炭化水素類が挙げられる。希釈物質DSとしては、クリプトン、キセノン、ラドン及び四フッ化炭素からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、クリプトン、キセノン及び四フッ化炭素からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、四フッ化炭素がさらに好ましい。前記希釈物質は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
<光反応工程>
光反応工程は、オゾンと希釈物質DSとが混合された第1混合流体F1にレーザを照射し、酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解し、酸素同位体を含む酸素を発生させ、酸素とオゾンと希釈物質DSとが混合された第2混合流体F2を得る工程である。
光反応工程では、バルブV2を操作して、第1蒸留塔2の塔底から導出された第1混合流体の残部を光反応セル7に導入する。光反応セル7では、レーザ装置(図示略)によってレーザを光照射し、目的の同位体を酸素分子として濃縮する。
ここで、オゾンのアイソトポローグ(同位体を含む分子種)には、酸素同位体の種類及びその組み合わせから、161616O、161617O、161716O、161618O、161816O、161717O、171617O、161718O、171618O、161817O、171717O、161818O、181618O、171718O、171817O、171818O、181718O、181818Oの18種類が存在する。
そして、これらのオゾンのアイソトポローグのうち、濃縮したい酸素同位体(例えば、18O)を含むアイソトポローグの持つ吸収線波長のレーザを照射することにより、特定のアイソトポローグのオゾン(例えば、161618O、161718O、161818Oなど)を分解して酸素分子を生成する。
例えば、目的の酸素同位体(17O)を含むオゾン(161617O)のみを分解する場合、下記反応式に示す反応が起きている。
161617O + hν → O +O
+ O → 2O
ただし、hはプランク定数(6.62607015×10-34Js)であり、νはレーザの振動数(s-1)である。
このオゾンのアイソトポローグの分解には、圧力及び温度条件が大きく影響し、圧力又は温度が上昇すると、吸収線広がりと呼ばれる吸収線の波長幅の広がりが生じる。各アイソトポローグの吸収線の波長が重なると、アイソトポローグを選択的に分解することが困難になる。
そこで、この吸収線広がりを抑制するため、光反応セル7におけるオゾンの分解は、減圧及び低温下で行われることが好ましい。光反応セル7の圧力は、15kPa以下が好ましく、10kPa以下がより好ましい。光反応セル7の温度は、100~250Kが好ましく、100~173Kがより好ましい。
以上のように目的の酸素同位体を含むオゾンを分解することで、光反応セル7から導出される流体は、酸素とオゾンと希釈物質とが混合された第2混合流体F2となる。
また、光反応セル7から分離塔21に導出される第2混合流体F2の流量は、分離塔21と光反応セル7における酸素の物質収支から算出することができる。すなわち、光反応セル7から導出される酸素量と分離塔21の塔頂から導出される酸素量との間には、下記式(1)に示す関係がある。
光反応セル導出流体中の酸素量=分離塔塔頂導出酸素量 ・・・(1)
ここで、光反応セル導出流体中の酸素体積比をXO2,2、光反応セル導出流体の総量をQ、分離塔塔頂導出流体中の酸素体積比をXO2,3、分離塔頂導出流体の総量をQとして上記式(1)を書き換えると、下記式(2)となる。
O3,2・Q = XO3,3・Q ・・・(2)
ただし、Xi,jやQにおける添字iは物質名で、jはプロセス上の位置であり、j=1は、光反応セル導入時点を、j=2は、光反応セル導出時点を、j=3は、分離塔塔頂導出時点を指している。
仮に、本実施形態の濃縮方法で酸素同位体17Oを10atom%含む、H 17Oを年間5kg生産するとした場合、分離塔21の塔頂から導出される製品酸素POの体積流量XO2,3・Qは、0.0056L/min(0℃、1atm)となる。
なお、製品酸素PO中の酸素同位体17O濃度は、製品酸素POの生産量とは無関係であり、光反応工程におけるオゾンアイソトポローグの選択性に依存する。
また、光反応セル7内におけるオゾン濃度は高ければ高いほど好ましいが、その分安全上の取扱いが難しくなる。
ここでは、光反応セル導入流体(第1混合流体F1)中のオゾン濃度XO3,1=0.15、光反応セル導入流体(第1混合流体F1)中の希釈物質濃度XCF4,1=0.85として、光反応セル導入口における全オゾンに対する特定オゾンアイソトポローグの濃度比Yを算出する。
まず、原料酸素ROとして、同位体組成比が16O:17O:18O=0.485:0.030:0.485の純酸素ガスを使用する。これをオゾナイザ1に流通させ、オゾンを発生させる。このときオゾン生成時の同位体効果はほぼ無視できるものとする。すなわちアイソトポローグ161617Oのオゾン中の存在比は、分解された各酸素原子が結合する確率を算出すればよい。Y667をオゾン中の161617Oの存在比とすると、Y667=0.014となる。
光反応工程における161617Oのレーザによる分解反応の分解率は、光反応セル7の光路長、又はレーザの光強度を調整することにより任意の値に調整可能である。ここでは、オゾンアイソトポローグの161617O成分が、光反応セル7の導出口において分解率Z=0.80まで分解されるとし、そのときの光反応セル導出流体(第2混合流体F2)中の酸素発生量XO2,2・QO2,2は、下記式(3)に示す関係がある。
O2,2・Q = 1.5・Z・XO3,1・Y667・Q
=1.5×0.80×0.15×0.014×Q
≒2.52×10-3×Q ・・・(3)
ここで、式(3)中の係数1.5はオゾン1分子の分解につき酸素分子が1.5個発生するという意味であり、上記反応式に示したオゾン分解反応によって生じる原子状酸素1個が、オゾン1個を分解すると仮定した場合に量論式より求まる。
以上より、上記式(2)及び、上記式(3)より、Q=2.21L/min(0℃、1atm)が求まる。
<液溜め部導入工程>
液溜め部導入工程は、第2混合流体F2を液溜め部10に導入して液化する工程である。液溜め部10は、内管10aの周囲を外管10b内を流れる低温流体LNによって冷却しているため、液化した第2混合流体F2を入熱の影響なく溜めることができる。
バルブV3を操作して、光反応セル7から導出された第2混合流体F2は、液溜め部10に導入され、液化される。液溜め部10の第2混合流体F2が導入される部分は、外管10b内を流れる低温流体によって、第2混合流体の凝縮点以下の温度に冷却されているので、第2混合流体F2が液溜め部10に導入されると、第2混合流体F2は凝縮して液化する。なお、液溜め部10には、装置の立ち上げ時間を短縮する目的から、装置の立ち上げ時点で既に一定の液面高さが保たれるように希釈物質DSが充填されていてもよい。
光反応セル7から分離塔21に第2混合流体F2を輸送するためには、液溜め部導入工程では、液溜め部10において分離塔圧力以上の差圧を生じる液ヘッドを得る必要がある。配管とバルブによる圧力損失分を考慮すると、より大きな差圧分の液ヘッドを立てることが好ましい。
前記低温流体としては、液体水素、液体ヘリウム及び液体窒素からなる群から選択されるいずれか1種が好ましく、液体窒素がより好ましい。
以下では、液溜め部10が内管10aと外管10bからなる二重管構造であり、低温流体として液体窒素LNを用いる場合の液溜め部導入工程について説明する。
バルブV4を操作して、液体窒素LNを液体窒素源11から液溜め部10の外管10b側に流し入れる。同時にバルブV5を開き、蒸発した窒素ガス及びオーバーフローした液体窒素(窒素NX)を外部に排出する。バルブV4及びバルブV5の開度調整により、外管10b内部の圧力が調整される。外管10b内部の圧力の調整は、圧力計を設置して、その測定値からバルブV5を自動制御することによって行ってもよい。
例えば、外管10b内部の圧力を400kPaとすると、外管10b内部の液体窒素の温度は、飽和条件より91Kとなる。内管10a内部の圧力は光反応セル7の圧力(例えば、10kPa)以下である。このとき、内管10a内部の第2混合流体F2に含まれる酸素の割合は極めて小さいため無視すると、オゾンの10kPaにおける飽和液温度は100K、希釈物質である四フッ化炭素(CF)の10kPaにおける飽和液温度は110Kとなり、内管10a内部の第2混合流体F2の飽和液温度は100~110Kの範囲内に収まる。外管10b内部の液体窒素の温度は91Kであり、内管10a内部の第2混合流体F2の飽和液温度よりも充分低いので、内管10a内部の第2混合流体F2を凝縮することが可能である。
内管10a内部の第2混合流体F2の凝縮が進行することにより、内管10a内部の圧力は10kPa以下を維持したまま、液化された第2混合流体F2が内管10a下部に溜まる。内管10a下部に溜まった第2混合流体F2の液ヘッド圧力が後段の分離塔21の圧力よりも高くなると、バルブV6を介して、液化した第2混合流体F2を分離塔21に導入できるようになる。液ヘッド圧力は、液溜め部10の内管10a底部に設置された圧力計又は内管10a塔頂部と内管10a塔底部の差圧を測定する差圧計で測定できる。
ここで、内管10a内部の液化した第2混合流体F2の液ヘッド圧力が分離塔21の圧力よりも高くなるために必要な液ヘッドの高さを試算する。なお、分離塔21は圧力150kPaで運転するものと仮定する。
第2混合流体F2中の酸素は微量であるため無視して、液化した第2混合流体F2は、オゾン10体積%と四フッ化炭素(CF)90体積%の混合液であるものとして取り扱う。第2混合流体F2の平均液密度は約1755kg/mとなるから、分離塔21が圧力150kPaで運転されるとき、内管10a内部の圧力10kPaとの圧力差140kPaを生じさせるために必要な液ヘッドの高さは、140×10(Pa)/(9.8(m/s)×1755(kg/m))=8.1(m)となる。この場合、液ヘッドの高さ及び凝縮伝面を確保するため、液溜め部10の高さは外管10bを含めて10m以上とすることが好ましい。
液溜め部10の内管10aが低温流体で冷却されておらず、断熱材からなる断熱層で覆われるのみであると仮定した場合の内管10aへの入熱量Q[W]を円筒の伝熱式(下記式(4))から算出する。なお、液溜め部10の内管10aと外管10bにおける対流伝熱の影響は無視できるものとする。
Figure 0007365379000001
ここで、
Q[W]は内管10aへの入熱量、
L[m]は内管10aの長さ、
[W/(m・K)]は内管10aの熱伝導係数、
[W/(m・K)]は内管10aを覆う断熱層の熱伝導率、
[K]は内管10aの内表面温度、
[K]は内管10aを覆う断熱層の最外層温度(周囲環境温度)、
[m]は内管10aの内径、
[m]は内管10aの外径、
[m]は内管10aを覆う断熱層を含めた全体の外径
である。
上記円筒の伝熱式に、L=8.1(m)、k=16.7(W/(m・K))(SUS304の代表値)、k=0.062(W/(m・K))(断熱材として使用されるパーライト材のカタログ値)、T=110(K)、T=298.15(K)、D=10(mm)、D=12(mm)、D=2(m)を代入して計算すると、内管10aへの入熱量Q=116Wとなる。
内管10a内部の8.1mに溜まっている液化した第2混合流体F2が入熱によりすべて蒸発するまでの時間t[min]を下記式(5)から算出する。ただし、簡単のため、第2混合流体F2の主成分である四フッ化炭素(CF)の物性値を用い、途中で第2混合流体F2の追加は無く、蒸発した第2混合流体F2は障害なく液溜め部10から排出されるものとする。
Figure 0007365379000002
ここで、ρCF4[kg/m]はCFの液密度であり、λCF4[J/kg]はCFの蒸発潜熱である。
第2混合流体F2に含まれる低沸点成分であるCFの方が速く蒸発するため、混合液中にオゾンが濃縮してゆく。混合液中のオゾンの濃度が爆発下限界を超えると、着火源となりうる物質(炭化水素類や金属パーティクルなど)の存在により、爆発的な分解に至る可能性があり危険な状態となる。
本実施形態の濃縮方法の光反応工程で処理可能なガス量は、特許第5620705号公報(特許文献1)に記載されているように、最大でも数L/minオーダーとなる。光反応セル7から液溜め部10に導入される第2混合流体F2のガス換算流量が1L/minであるとすると、液ヘッドの高さ8.1m分の混合液を溜めるために係る時間t[min]は、下記式(6)により算出される。
Figure 0007365379000003
ここでnCF4はCFの分子量である。
算出された時間tは、先に算出された時間tより大きな値である。光反応セル7から液溜め部10に第2混合流体F2が常時導入されていたとしても、単位時間あたりの液溜め部10からの混合液の蒸発量が液溜め部10への混合液の導入量を上回っているため、液溜め部10に貯められた混合液のオゾン濃縮による危険性は払しょくされない。
しかし、液溜め部10の内管10aが断熱材からなる断熱層で覆われるだけでなく、外管10bを流れる低温流体(液体窒素LN)で冷却される場合には、内管10aへの入熱による混合液の蒸発はなくなり、混合液のオゾン濃縮による危険性は払しょくされる。そのため、特許第5620705号公報に記載された濃縮方法のような、希釈物質を液溜め部に還流させる工程は必要ない。
また、内管10aへの入熱による混合液の蒸発が無くなるため、液化した第2混合流体F2の液ヘッド圧力の変動が抑えられる。バルブV6の開度をこの液ヘッド圧力の測定値を使ってフィードバック制御を行うことにより、液ヘッド圧力ひいては液ヘッド高さを一定に保つことが可能となる。液ヘッドが大きすぎると第2混合流体F2の凝縮速度が小さくなるため、光反応セル7から導出される第2混合流体F2の行き場がなくなり、配管圧力及び光反応セル7の圧力が上昇する。光反応工程において光反応セル7の圧力が上昇するとオゾンアイソトポローグの選択性が低下し、製品酸素PO中における酸素同位体濃度が低下するおそれがある。
本実施形態の濃縮方法における液溜め部導入工程では、内管10a内の圧力が低く維持されるため、光反応セル7の圧力を上昇させず、オゾンアイソトポローグの選択性を低下させないので、製品酸素PO中の酸素同位体濃度を低下させない。
<分離工程>
分離工程は、第2混合流体F2を液化して液溜め部10に溜めることによって得られる液ヘッド圧によって、液化した第2混合流体F2を分離塔21に導出して蒸留し、オゾンと希釈物質DSとが混合された第3混合流体F3と、酸素同位体重成分が濃縮された製品酸素POと、に分離する工程である。
液溜め部10の塔底から導出した第2混合流体F2と希釈物質DSは、分離塔21に導入され、蒸留される。この蒸留により、分離塔21の塔頂からは目的となる酸素同位体が濃縮された製品酸素POが導出され、塔底からは、オゾンと希釈物質DSとが混合された第3混合流体F3が導出される。
なお、分離塔21から製品酸素POを抜き出す際に、圧縮機等の動力を使用する必要がなくなるように、分離塔21は、大気圧よりも高い圧力で運転することが好ましい。分離塔21を運転する際の大気圧よりも高い圧力としては、例えば、140kPaが挙げられる。
分離塔21の塔頂から導出された製品酸素POの多くは、製品として回収されるが、一部は、第2コンデンサ22に導入されて液化し、第2還流液R2として分離塔21の塔頂に導入される。また、塔底から導出された第3混合流体F3の一部は、第2リボイラ23に導入されて気化し、第2上昇ガスB2として分離塔21に導入される。
<オゾン分解工程>
オゾン分解工程は、第3混合流体F3中のオゾンを分解する工程である。
分離塔21の塔底から導出された第3混合流体F3の残部は、オゾン分解装置24に流通させられ、オゾンが完全に分解される。これにより、オゾン分解後の第3混合流体F3には、酸素と希釈物質DSのみが含まれることとなる。
<希釈物質回収工程>
希釈物質回収工程は、オゾンが分解された第3混合流体F3を第2蒸留塔25に導入して蒸留し、希釈物質DSを回収する工程である。
オゾン分解後の酸素と希釈物質とのみからなる第3混合流体F3を、第2蒸留塔25に導入する。第2蒸留塔25の塔頂からは低沸点成分である同位体濃度が低下した酸素が排気ガスEXとして導出される。第2蒸留塔25の塔頂から導出された排気ガスEXの一部は、第3コンデンサ26に導入されて液化し、第3還流液R3として第2蒸留塔25の塔頂に導入される。また、第2蒸留塔25の塔底から導出された希釈物質DSの一部は、第3リボイラ27に導入されて気化し、第3上昇ガスB3として第2蒸留塔25に導入される。
また、第2蒸留塔25の塔底から導出された希釈物質DSの残部は、第1蒸留塔2に還流する。具体的には、第2蒸留塔25の塔底から導出された希釈物質DSは、ポンプ28により昇圧し、バルブV1を操作することで第1蒸留塔2に導入される。
本実施形態の濃縮方法では、特許第5620705号公報(特許文献1)に記載された酸素同位体の濃縮方法とは異なり、第2蒸留塔25で回収した希釈物質DSを液溜め部10に導入することなく所望の液ヘッドを得ることができる。
[作用効果]
液溜め部10を、液化した第2混合流体F2を入熱の影響なく溜めることができる構成、例えば、液溜め部10を、第2混合流体F2が導入される内管10aと、内管10aに導入される第2混合流体F2を凝縮可能な低温流体が流れる外管10bとを含む二重管構造とすることで、入熱による液化した第2混合流体F2の蒸発を防ぎ、オゾンの濃縮を防ぐことができる。ひいては高濃度オゾンに起因する爆発等の危険性を除去し、安全な装置を実現できる。
また、オゾンの濃縮を防ぐために第2蒸留塔25から希釈物質DSを液溜め部10に還流する必要がなく、装置の大型化を抑制できる。
液溜め部10のヘッド圧力の変動が抑えられ、ひいては光反応工程の圧力変動を抑えることができる。これは製品同位体濃度の安定化につながる。
1…オゾナイザ、2…第1蒸留塔、4…第1コンデンサ、5…第1リボイラ、7…光反応セル、10…液溜め部、10a…内管、10b…外管、11…低温流体源(液体窒素源)、21…分離塔、22…第2コンデンサ、23…第2リボイラ、24…オゾン分解装置、25…第2蒸留塔、26…第3コンデンサ、27…第3リボイラ、28…ポンプ、100…濃縮装置、V1,V2,V3,V4,V5,V6…バルブ、F0…第0混合流体、F1…第1混合流体、F2…第2混合流体、F3…第3混合流体、DS…希釈物質、EX…排気ガス、OX…酸素、LN…低温流体(液体窒素)、NX…気化した低温流体(窒素)、PO…製品酸素、RO…原料酸素、R1…第1還流液、R2…第2還流液、R3…第3還流液、B1…第1上昇ガス、B2…第2上昇ガス、B3…第3上昇ガス

Claims (8)

  1. オゾンと希釈物質とが混合された第1混合流体にレーザを照射し、酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解し、酸素同位体を含む酸素を発生させ、酸素とオゾンと前記希釈物質とが混合された第2混合流体を得る光反応工程と、
    前記第2混合流体を液溜め部に導入して液化する液溜め部導入工程と、
    前記第2混合流体を液化して前記液溜め部に溜めることによって得られる液ヘッド圧によって、液化した前記第2混合流体を分離塔に導出して蒸留し、オゾンと前記希釈物質とが混合された第3混合流体と、酸素同位体重成分が濃縮された製品酸素と、に分離する分離工程と、
    を含み、
    前記液溜め部は、液化した前記第2混合流体を入熱の影響なく溜めることができる、酸素同位体の濃縮方法。
  2. 前記光反応工程の前に、
    原料酸素の一部をオゾン化し、酸素とオゾンとが混合された第0混合流体を得るオゾン化工程と、
    前記第0混合流体と希釈物質とを第1蒸留塔に導入して蒸留し、オゾンと前記希釈物質とが混合された第1混合流体と、酸素と、に分離する蒸留工程と、
    を含む、請求項1に記載の酸素同位体の濃縮方法。
  3. 前記分離工程の後に、
    前記第3混合流体中のオゾンを分解するオゾン分解工程と、
    オゾンが分解された前記第3混合流体を第2蒸留塔に導入して蒸留し、前記希釈物質を回収する希釈物質回収工程と、
    を含む、請求項1又は2に記載の酸素同位体の濃縮方法。
  4. 前記液溜め部は、前記第2混合流体が導入される内管と、前記内管に導入される前記第2混合流体を凝縮可能な低温流体が流れる外管とを含み、かつ、液化した前記第2混合流体を前記内管に入熱の影響なく溜めることができる二重管構造である、請求項1~3のいずれか1項に記載の酸素同位体の濃縮方法。
  5. 前記低温流体が液体窒素である、請求項4に記載の酸素同位体の濃縮方法。
  6. 前記希釈物質が、クリプトン、キセノン、ラドン及び四フッ化炭素からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載の酸素同位体の濃縮方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の酸素同位体の濃縮方法を実施するための酸素同位体の濃縮装置であって、
    酸素同位体を含むオゾンを選択的に分解する光反応セルと、
    前記第2混合流体が導入され液化される前記液溜め部と、
    前記分離工程を実施する前記分離塔と、
    を備える酸素同位体の濃縮装置。
  8. 前記液溜め部は、前記第2混合流体が導入される内管と、前記内管に導入される前記第2混合流体を凝縮可能な低温流体が流れる外管とを含み、かつ、液化した前記第2混合流体を前記内管に入熱の影響なく溜めることができる二重管構造である、請求項7に記載の酸素同位体の濃縮装置。
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