JP7363990B2 - 照明器具配列設計装置 - Google Patents
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また、決定された縦配列数と横配列数の比は、候補の中で、矩形領域のアスペクト比に最も近い。そのため、設計通りに照明器具を部屋等の矩形領域の天井に配列すると、縦の照度分布と横の照度分布が近似したものになる。
1.照明器具配列設計装置の構成
図1は、照明器具の格子状配列を設計する照明器具配列設計装置10である。
照明器具配列設計装置10は、コンピュータ11、表示デバイス12、入力デバイス13及び記憶部14等を備える。
表示デバイス12は、例えば液晶ディスプレイデバイス、有機ELディスプレイデバイス又はプロジェクタである。コンピュータ11が演算処理によって映像信号を生成し、その映像信号を表示デバイス12に出力する。そうすると、映像信号に従った画面が表示デバイス12によって表示される。表示デバイス12とコンピュータ11が一体化されていてもよいし、別体であってもよい。
入力デバイス13は、例えばスイッチ、キーボード若しくはポインティングデバイス又はこれらの組み合わせである。入力デバイス13は、表示デバイス12の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。入力デバイス13は、操作されると操作内容に応じた信号をコンピュータ11に出力する。
コンピュータ11が配列設計プログラム21に従って行う処理について説明する。
まず、コンピュータ11が記憶部14から必要最小限台数データ35を読み取って、必要最小限台数データ35の値(M)を取得する。なお、ユーザーが入力デバイス13を操作することによって、必要最小限台数をコンピュータ11に入力してもよい。そうすると、コンピュータ11が、その必要最小限台数を値とした必要最小限台数データ35を取得する。
次に、コンピュータ11は、以下の(2-1)~(2-3)のようにして、必要最小限台数データ35から配列数の候補を特定する。配列数とは、縦配列数と横配列数との組合せをいう。縦配列数とは、部屋の天井の形状たる矩形領域の長辺方向に配列する照明器具の台数をいう。横配列数とは、部屋の天井の形状たる矩形領域の短辺方向に配列する照明器具の台数をいう。
まず、コンピュータ11は、必要最小限台数データ35の値に所定定数を乗じて、その積の小数点以下を切り上げることによって上限台数を算出する。以下、上限台数の値をNと表し、所定定数の値をαと表す。α>1 であり、好ましくはα= 1.1 である。上限台数とは、矩形領域に設置する照明器具の配列を決めるにあたって、検討する台数の範囲の最大値をいう。必要最小限台数は、検討台数の範囲の最小値である。
次に、コンピュータ11は、MからNまでの数列の各整数について約数を求めて、積が各整数となる二つの約数の組合せを特定する。これら組合せが配列数の候補であり、各組合せの中で大きい約数が縦配列数であり、小さい約数が横配列数である。
ところで、必要最小限台数データ35の値たるMが素数等の場合、Mの約数の組合せ数が少ない。その場合でも、積がMからNまでの各整数となる二つの約数の組合せを特定するので、それら組合せ数(候補数)が多くなる。
M= 1 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補から(2, 1)を除外する。
M= 2 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補から(3, 1)を除外する。
M= 7 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補に(3, 3)を追加する。
M= 10 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補に(4, 3)を追加する。
M= 13 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補に(4, 4)を追加する。
M= 17 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補に(5, 4)を追加する。
M= 21 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補に(5, 5)を追加する。
M= 26 ,α= 1.1 である場合、コンピュータ11は配列数の候補に(6, 5)を追加する。
なお、上述のような配列数の候補の除外及び追加を行わなくてもよい。
なお、上記(2-1)~(2-3)の処理のアルゴリズムに従って求められる対応表が記憶部14に予め記録されていてもよい。対応表は、台数と配列数の候補とを対応付けたものである。この場合、コンピュータ11が上記(1)の処理ように必要最小限台数データ35を取得したら、対応表を参照して、その必要最小限台数データ35のMに対応付けられた配列数の候補を特定する。
以上のように配列数の候補が特定されたら、コンピュータ11が配列数の候補について縦配列数と横配列数との比を算出する。つまり、コンピュータ11は、配列数の候補について縦配列数を横配列数で除する。これにより、コンピュータ11は、縦配列数と横配列数との比を配列数の各候補に対応付ける。以下、この比のことを縦横配列数比という。
次に、コンピュータ11が、縦寸法データ32と横寸法データ33からなる寸法データ31を記憶部14から読み取って、取得する。
なお、ユーザーが入力デバイス13を操作することによって、縦寸法データ32の値及び横寸法データ33の値をコンピュータ11に入力してもよい。そうすると、コンピュータ11が、縦寸法データ32及び横寸法データ33を取得する。
次に、コンピュータ11は、縦寸法データ32及び横寸法データ33からアスペクト比を算出する。つまり、コンピュータ11は、AをBで除することにより、その商をアスペクト比と定める。
なお、A=20.0 ,B=10.0 である場合、アスペクト比は2 である。
次に、コンピュータ11が、上記(3)の処理において算出した縦横配列数比の中で、上記(5)の処理において算出したアスペクト比に最も近い値を特定する。そして、コンピュータ11は、配列数の候補の中から、アスペクト比に最も近い値に対応付けられた配列数を選択して、その配列数に決定する。以下、決定された配列数のうち縦配列数をa [台]と表し、横配列数をb [台]と表す。
次に、コンピュータ11は、aとbの積を算出する。この積は、矩形領域内に設置する照明器具の総数を表す。
次に、コンピュータ11は、決定された縦配列数の値と、決定された横配列数の値と、それらの積とを表示デバイス12に表示させる。つまり、コンピュータ11は、a、b及びそれらの積を表示デバイス12に表示させる。
併せて、コンピュータ11は、縦寸法データ32の値と、横寸法データ33の値とを表示デバイス12に表示させる。つまり、コンピュータ11は、A及びBを表示デバイス12に表示させる。
次に、コンピュータ11が、取得した縦寸法データ32と、選択した縦配列数とに基づいて、照明器具の縦配列のピッチを算出する。具体的には、コンピュータ11が、Aをaで除して、その商を縦配列のピッチとして定める。以下、算出された縦配列のピッチをC [m]と表す。
また、コンピュータ11が、取得した横寸法データ33と、選択した横配列数とに基づいて、照明器具の横配列のピッチを算出する。具体的には、コンピュータ11が、Bをbで除して、その商を横配列のピッチとして定める。以下、算出された横配列のピッチをD [m]と表す。
また、コンピュータ11が、取得した縦寸法データ32と、選択した縦配列数とに基づいて、矩形領域の横の辺からそれに最も近い照明器具の横配列までの縦の距離を算出する。具体的には、コンピュータ11が、Aをaの2倍で除して、その商を縦の距離として定める。以下、算出された縦の距離をE [m]と表す。なお、E=C/2である。
次に、コンピュータ11が、取得した横寸法データ33と、選択した横配列数とに基づいて、矩形領域の縦の辺からそれに最も近い照明器具の縦配列までの横の距離を算出する。具体的には、コンピュータ11が、Bをbの2倍で除して、その商を横の距離として定める。以下、算出された縦の距離をF [m]と表す。なお、F=D/2である。
次に、図3に示すように、コンピュータ11が、二次元の直交座標系によって平面上における矩形領域の頂点の位置を表現して、縦の辺の長さがAであり且つ横の辺の長さがBである矩形領域90を平面上に配置する。
(1) 最適な照明器具の配列が寸法データ31及び必要最小限台数データ35から自動的に計算される。つまり、縦寸法データ32の値(A)、横寸法データ33の値(B)及び必要最小限台数データ35の値(M)が決まれば、縦配列数の値(a)、横配列数の値(b)、縦配列のピッチの値(C)、横配列のピッチの値(D)、矩形領域の横の辺から横配列までの縦の距離の値(E)、矩形領域の縦の辺から縦配列までの横の距離の値(F)がコンピュータ11によって算出される。よって、短時間で、照明器具の配列を最適に設計することができる。
続いて、第2実施形態について説明する。以下の説明では、第1実施形態と第2実施形態との間で相違する点について主に説明する。
それに対して、第2実施形態では、図5に示すように、コンピュータ11が、更に部屋の平面モデル(平面図)95を二次元の直交座標系の平面上に配置して、部屋の平面モデル95、照明器具モデル93及び矩形領域90を表示デバイス12に表示させる。ここで、設計データ30には、矩形領域に内接する部屋の平面的な形状を表す部屋形状データ37が含まれている。コンピュータ11が記憶部14から部屋形状データ37を読み込んで、部屋形状データ37に従って部屋の平面モデル95を矩形領域90に内接させるように、部屋の平面モデル95を配置することができる。
なお、比較の結果、総数が基本台数を超えている場合にコンピュータ11の処理が終了し、総数が基本台数以下である場合にコンピュータの処理が上記(2)の処理に戻るものとしてもよい。
11…コンピュータ(必要最小限台数取得手段、候補特定手段、縦横配列数比算出手段、寸法取得手段、アスペクト比算出手段、選択手段、上限台数算出手段、数列特定手段、特定手段、縦配列のピッチを算出する手段、横配列のピッチを算出する手段、距離を算出する手段)
14…記憶部
31…寸法データ
32…縦寸法データ
33…横寸法データ
35…必要最小限台数データ
Claims (6)
- 矩形でない部屋の平面形状に外接する矩形領域内における照明器具の格子状配列を設計する照明器具配列設計装置であって、
前記矩形領域に設置する照明器具の必要最小限台数を取得する必要最小限台数取得手段と、
前記必要最小限台数取得手段により取得された必要最小限台数から、前記矩形領域内における照明器具の縦配列数と照明器具の横配列数との組合せの候補を特定する候補特定手段と、
前記候補特定手段により特定された各候補について縦配列数と横配列数との比を算出して、それらの比を各候補に対応付ける縦横配列数比算出手段と、
前記矩形領域の縦の寸法と横の寸法を取得する寸法取得手段と、
前記寸法取得手段により取得された縦の寸法と横の寸法からアスペクト比を算出するアスペクト比算出手段と、
前記縦横配列数比算出手段により算出された比の中で、前記アスペクト比算出手段により算出されたアスペクト比に最も近い比に対応付けられた候補を選択して、その候補の縦配列数と横配列数に決定する選択手段と、
前記選択手段により決定された縦配列数と横配列数で前記矩形領域内に配置される前記照明器具の形状を表す照明器具モデルのうち、前記部屋の平面形状を表す部屋の平面モデルの外側に配置される照明器具モデルを削除する削除手段と、
前記部屋の平面形状に設置する照明器具の台数たる基本台数を取得する基本台数取得手段と、を備え、
前記候補特定手段は、
前記必要最小限台数取得手段により取得された必要最小限台数に1を超える所定定数を乗じた値の小数点以下を切り上げることにより上限台数を算出する上限台数算出手段と、
前記削除手段によって削除されなかった照明器具モデルの総数を、前記基本台数と比較する比較手段と、
を更に備え、
前記必要最小限台数取得手段は、
前記比較手段による比較の結果、前記総数が、前記基本台数以上である場合又は前記基本台数を超える場合、取得した必要最小限台数を、前記候補特定手段において用いられる必要最小限台数に決定し、
前記比較手段による比較の結果、前記総数が、前記基本台数より少ない場合又は前記基本台数以下である場合、前記上限台数に1を加算した値を、新たな必要最小限台数として取得する照明器具配列設計装置。 - 前記候補特定手段は、
前記必要最小限台数取得手段により取得された必要最小限台数から、前記上限台数算出手段により算出された上限台数までの整数の数列を特定する数列特定手段と、
前記数列特定手段により特定された数列の各整数について約数を求めて、積が各整数となる二つの約数の組合せを、照明器具の縦配列数と照明器具の横配列数との組合せの候補として特定する特定手段と、を有する
請求項1に記載の照明器具配列設計装置。 - 前記寸法取得手段により取得された縦の寸法を、前記選択手段により決定された縦配列数で除することによって、照明器具の縦配列のピッチを算出する手段と、
前記寸法取得手段により取得された横の寸法を、前記選択手段により決定された横配列数で除することによって、照明器具の横配列のピッチを算出する手段と、
を更に備える請求項1又は2に記載の照明器具配列設計装置。 - 前記寸法取得手段により取得された縦の寸法を、前記選択手段により決定された縦配列数の2倍で除することによって、前記矩形領域の横の辺からそれに最も近い照明器具の横配列までの距離を算出する手段と、
前記寸法取得手段により取得された横の寸法を、前記選択手段により決定された横配列数の2倍で除することによって、前記矩形領域の縦の辺からそれに最も近い照明器具の縦配列までの距離を算出する手段と、
を更に備える請求項1から3の何れか一項に記載の照明器具配列設計装置。 - 前記上限台数算出手段は、
前記必要最小限台数取得手段により新たな必要最小限台数が取得された場合、前記新たな必要最小限台数に1を超える所定定数を乗じた値の小数点以下を切り上げることにより、新たな上限台数を算出する、
請求項1から4の何れか一項に記載の照明器具配列設計装置。 - 表示デバイスと、
前記矩形領域内に前記照明器具モデルを配置し、且つ、前記矩形領域に内接させるように前記部屋の平面モデルを配置した状態で、前記矩形領域、前記照明器具モデル、及び、前記部屋の平面モデルを、前記表示デバイスに表示させる配置手段と、
を更に備える請求項1から5の何れか一項に記載の照明器具配列設計装置。
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