前記課題を解決するためになされた第1の発明は、情報収集者装置が情報指向ネットワークを介してコンテンツ蓄積装置に蓄積された情報を収集する情報収集方法であって、前記情報収集者装置が、要求内容データと照合対象データとを含むインタレストを、前記情報指向ネットワークに送出し、前記情報指向ネットワークに接続された通信制御装置が、前記情報収集者装置からの前記インタレストを受信すると、そのインタレストから、前記要求内容データを含み且つ前記照合対象データを含まない概略インタレストと、前記照合対象データを含む詳細インタレストを分離し、前記概略インタレストと前記詳細インタレストを前記情報指向ネットワークに送出し、前記コンテンツ蓄積装置が、前記通信制御装置からの前記概略インタレストおよび前記詳細インタレストを受信すると、前記概略インタレストに含まれる前記要求内容データと、前記詳細インタレストに含まれる前記照合対象データとを対応付けて、前記要求内容データに規定された条件に基づいて、自装置に蓄積されたコンテンツと前記照合対象データとの照合処理を行い、その照合結果を含む応答メッセージを、前記情報指向ネットワークに送出する構成とする。
これによると、通信制御装置が、要求内容データを含み且つ照合対象データを含まない概略インタレストと、照合対象データを含む詳細インタレストとに分けて、情報指向ネットワークに送出するため、データ量が大きい照合対象データを迅速に且つ安定してコンテンツ蓄積装置まで転送することができる。
また、第2の発明は、前記通信制御装置が、前記概略インタレストに、前記照合対象データの識別情報を付加する構成とする。
これによると、照合対象データの識別情報、例えば照合対象データを格納したデータファイルの名称(ファイル名)に基づいて、概略インタレストに含まれる要求内容データと、詳細インタレストに含まれる照合対象データとを対応付ける処理(インタレスト再構築処理)を容易に且つ適切に行うことができる。
また、第3の発明は、前記情報指向ネットワーク上に設けられたデータ蓄積装置が、前記詳細インタレストに含まれる前記照合対象データを蓄積し、前記コンテンツ蓄積装置が、前記概略インタレストを受信すると、前記データ蓄積装置に、前記照合対象データの提供を要求する構成とする。
これによると、詳細インタレストの無駄な転送を抑制することで、情報指向ネットワークの負荷を軽減することができる。
また、第4の発明は、前記通信制御装置は、前記情報指向ネットワークを構成すると共に長距離無線通信による通信区間を含む低速通信経路に、前記概略インタレストを送出し、前記情報指向ネットワークを構成すると共に近距離無線通信による通信区間を含む高速通信経路に、前記詳細インタレストを送出する構成とする。
これによると、データ量の少ない概略インタレストを低速通信経路で送信し、データ量の多い詳細インタレストを高速通信経路で送信するため、効率のよい通信を行うことができる。
また、第5の発明は、前記コンテンツ蓄積装置は、前記通信制御装置からの前記詳細インタレストを受信すると、近接する他のコンテンツ蓄積装置に前記詳細インタレストを転送する構成とする。
これによると、高速通信経路がない、または途切れている場合や、無線通信の通信エリア外にコンテンツ蓄積装置が存在する場合でも、詳細インタレストをコンテンツ蓄積装置に届けることができる。
また、第6の発明は、移動体が、前記高速通信経路に接続されたステーション装置から近距離無線通信により前記詳細インタレストを受信し、その詳細インタレストを輸送して、近距離無線通信により前記コンテンツ蓄積装置に前記詳細インタレストを送信する構成とする。
これによると、情報指向ネットワークの高速通信経路がない、または途切れている場合でも、詳細インタレストをコンテンツ蓄積装置に届けることができる。
また、第7の発明は、前記通信制御装置は、前記ステーション装置の位置を前記移動体に通知し、前記移動体は、前記ステーション装置の近傍を通過するように移動経路を変更して、前記ステーション装置からの前記詳細インタレストを取得する構成とする。
これによると、ステーション装置から移動体に詳細インタレストを確実に受け渡すことができる。なお、前記移動体に移動経路を変更させるにあたっては、移動経路を変更してもらうことを促進するために、ポイントなどのインセンティブを付与する等の方策を用いてもよい。
また、第8の発明は、前記通信制御装置は、前記照合対象データを分割した分割データを含む前記詳細インタレストを、前記情報指向ネットワークに送出し、前記コンテンツ蓄積装置は、前記詳細インタレストに含まれる前記分割データを統合して前記照合対象データを取得する構成とする。
これによると、情報指向ネットワークに適切な高速通信経路がない場合でも、コンテンツ蓄積装置が照合対象データを取得することができる。この場合、コンテンツ蓄積装置が、概略インタレストに基づいて照合対象データを不要と判定した場合には、以降に送信される詳細インタレストを無視するようにしてもよい。また、コンテンツ蓄積装置が、照合処理を適切実行できる程度に分割データを取得した段階で、以降に送信される詳細インタレストの受信をやめるようにしてもよい。
また、第9の発明は、前記コンテンツ蓄積装置は、前記概略インタレストを受信してから前記詳細インタレストを受信するまでの間に、前記概略インタレストに含まれる要求内容データに基づいて、前処理を実行する構成とする。
これによると、概略インタレストを受信してから詳細インタレストを受信するまでの間に、前処理を実行することで、詳細インタレストを受信した段階で行われる照合処理の時間短縮や効率化を図ることができる。
また、第10の発明は、前記コンテンツ蓄積装置は、前記前処理として、前記概略インタレストに含まれる要求内容データに記載された概略の検索条件に該当するコンテンツを、自装置に蓄積されたコンテンツの中から検索する構成とする。
これによると、検索処理で見つかったコンテンツのみを対象にして詳細な照合処理を行えばよいため、照合処理を迅速に行うことができる。
また、第11の発明は、前記コンテンツ蓄積装置は、前記前処理として、前記概略インタレストに含まれる要求内容データに記載された検索条件に該当するコンテンツを、自装置に蓄積されたコンテンツの中から検索し、その検索結果に基づいて、前記照合対象データの要否を判定する構成とする。
これによると、照合対象データを必要とするコンテンツ蓄積装置を対象にして詳細インタレストの転送を行えばよいため、情報指向ネットワークの負荷を軽減することができる。
また、第12の発明は、前記コンテンツ蓄積装置は、前記照合対象データが必要と判定した場合には、自装置に関する情報(位置や装置IDなど)を前記通信制御装置に送信し、前記通信制御装置は、前記照合対象データを必要とする前記コンテンツ蓄積装置に関する情報を、前記詳細インタレストを輸送する移動体に通知し、前記移動体は、前記照合対象データを必要とする前記コンテンツ蓄積装置の近傍を通過するように移動経路を変更して、前記詳細インタレストを前記コンテンツ蓄積装置に転送する構成とする。
これによると、移動体からコンテンツ蓄積装置に詳細インタレストを確実に転送することができる。なお、前記移動体に移動経路を変更させるにあたっては、移動経路を変更してもらうことを促進するために、ポイントなどのインセンティブを付与する等の方策を用いてもよい。
また、第13の発明は、情報指向ネットワークに接続された通信制御装置であって、要求内容データと照合対象データとを含むインタレストを情報収集者装置から受信する受信部と、前記インタレストから、前記要求内容データを含み且つ前記照合対象データを含まない概略インタレストを分離するプロセッサと、前記概略インタレストおよび前記詳細インタレストを前記情報指向ネットワークに送出する送信部と、を備えた構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、データ量が大きい照合対象データを迅速に且つ安定してコンテンツ蓄積装置まで転送することができる。
また、第14の発明は、情報指向ネットワークに接続されたコンテンツ蓄積装置であって、通信制御装置からの概略インタレストおよび詳細インタレストを受信する受信部と、前記概略インタレストに含まれる要求内容データと、前記詳細インタレストに含まれる照合対象データとを対応付けて、前記要求内容データに規定された条件に基づいて、自装置に蓄積されたコンテンツと前記照合対象データとの照合処理を行うプロセッサと、前記照合処理の結果を含む応答メッセージを、前記情報指向ネットワークに送出する送信部と、を備えた構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、データ量が大きい照合対象データを迅速に且つ安定してコンテンツ蓄積装置まで転送することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
この通信システムは、情報指向ネットワーク(ICN:Information Centric Network)を用いて必要なコンテンツまたはその付帯情報を収集するものであり、ユーザ端末1(情報収集者装置)と、サーバ2(通信制御装置)と、カメラ3(コンテンツ蓄積装置)と、を備えている。ユーザ端末1、サーバ2およびカメラ3は、情報指向ネットワークを介して相互に接続されている。また、情報指向ネットワーク内にはルータ4が設置されている。なお、ルータ4は図示するものの他にも情報指向ネットワーク内の適所に設置される。
ユーザ端末1は、ユーザ(情報収集者)が情報収集に係る操作を行うものである。本実施形態では、情報収集の一例として画像検索が行われる。ユーザ端末1は、ユーザが必要な情報を入力すると、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを生成して、そのインタレストを情報指向ネットワークに送出する。
ここで、テキストデータ(要求内容データ)には、ユーザの要求内容に関する情報、具体的には、カメラ3で行われる検索処理の条件(検索条件)として、撮影地点(区域)の位置情報や撮影時刻(期間)の時間情報などが記載される。このテキストデータは、検索条件などに関するユーザの入力操作に応じて生成される。このとき、撮影地点として特定の区域(例えばXXX町付近)をユーザが指定すると、その区域内に位置するカメラ3が撮影した画像ファイルが対象となる。また、撮影時刻(期間)として特定の時間帯をユーザが指定すると、その時間帯にカメラ3が撮影した画像ファイルが対象となる。
また、照合用の画像ファイル(照合対象データ)は、例えば人物探索であれば、探索対象となる人物の顔画像などを含む。カメラ3が、探索対象となる人物の顔画像を用いて照合処理を行うことで、探索対象となる人物が写る画像ファイルが選び出される。この照合処理の結果をユーザに報告することで、ユーザが、探索対象となる人物の最近の居場所や移動経路を確認することができる。
サーバ2は、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから照合用の画像ファイルを分離して、テキストデータを含み且つ照合用の画像ファイルを含まない概略インタレストと、照合用の画像ファイルを含む詳細インタレストとを生成して、その概略インタレストと詳細インタレストとを、情報指向ネットワークの別の通信ルートに送出する。特に、サーバ2は、概略インタレストを低速通信ルート(ルート#1)に送出し、詳細インタレストを高速通信ルート(ルート#2)に送出する。
カメラ3は、サーバ2からの概略インタレストおよび詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイル(コンテンツ)を、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索し、次に、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルと、検索で見つかった画像ファイルとの照合処理を行って、照合結果を含む応答メッセージを、要求元(インタレストの送信元)のユーザ端末1に送信する。
なお、本実施形態では、カメラ3が、画像ファイルを含む詳細インタレストを受信して、画像ファイルを用いた画像照合処理を行うようにしたが、詳細インタレストに付加する照合対象データは、画像データに限定されない。例えば、音声データや臭いデータを照合対象データとしてもよい。この場合、テキストデータに、検索条件として、照合対象データの種類、すなわち、カメラ3で行われる検索処理および照合処理の対象とするコンテンツの種類に関する情報を記載するとよい。
また、サーバ2は、画像ファイル(照合対象データ)が所定の容量以上となる場合にインタレストを2つに分割するようにしてもよい。また、複数種類の照合対象データを対象とする場合には、照合対象データの種類に応じて、インタレストを2つに分割するか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、照合対象データが所定の種類(例えば画像)である場合にインタレストを2つに分割する。
また、本実施形態では、コンテンツ蓄積装置としてカメラ3が情報指向ネットワークに接続された例について説明するが、コンテンツ蓄積装置はカメラに限定されない。情報指向ネットワークでは、接続されたデバイスがコンテンツを共有するため、カメラ以外のデバイス、例えば温湿度センサやマイクロフォンなどのセンシングデバイスだけでなく、サーバやルータなどもコンテンツ蓄積装置として機能する。
次に、第1実施形態に係るユーザ端末1、サーバ2、およびカメラ3の概略構成について説明する。図2は、ユーザ端末1、サーバ2、およびカメラ3の概略構成を示すブロック図である。
ユーザ端末1は、通信部11と、入力部12と、表示部13と、メモリ14と、プロセッサ15と、を備えている。
通信部11は、ネットワークにインタレスト(要求メッセージ)を送信し、そのインタレストの応答としてネットワークから送信される照合結果報告(応答メッセージ)を受信する。
入力部12は、検索条件や探索対象の画像(人物の顔画像など)を指定する入力操作をユーザ(情報収集者)が行う。表示部13は、検索条件や探索対象の画像を指定する際の入力画像や、通信部11で受信した情報を表示する。
メモリ14は、プロセッサ15で実行されるプログラムなどを記憶する。
プロセッサ15は、メモリ14に記憶されたプログラムを実行することで情報収集に係る各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ15が、インタレスト送信処理、および受信データ処理などを行う。
インタレスト送信処理では、プロセッサ15が、ユーザが入力した検索条件に関するテキストデータを取得するとともに、ユーザが指定した探索対象の画像ファイルを取得して、テキストデータと画像ファイルとを含むインタレストを生成して、そのインタレストを情報指向ネットワークに送出するように通信部11を制御する。
受信データ処理では、プロセッサ15が、通信部11により情報指向ネットワークから受信したデータ、例えばカメラ3からの照合結果報告を表示部13に表示する処理などを行う。
サーバ2は、通信部21(受信部、送信部)と、メモリ22と、プロセッサ23と、を備えている。
通信部21は、情報指向ネットワークとの間でインタレスト(要求メッセージ)および応答メッセージの送受信を行う。
メモリ22は、プロセッサ23で実行されるプログラムなどを記憶する。
プロセッサ23は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行することで情報収集に係る各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ23が、インタレスト転送処理、および受信データ転送処理などを行う。
インタレスト転送処理では、プロセッサ23が、通信部11により情報指向ネットワークの上位のノード(ユーザ端末1側のルータなど)から受信したインタレストを下位のノード(カメラ3側のルータなど)に転送するように通信部21を制御する。
特に本実施形態では、プロセッサ23が、ユーザ端末1から受信したインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストと、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成する。そして、プロセッサ23が、概略インタレストを情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出し詳細インタレストを情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出するように通信部21を制御する。
受信データ転送処理では、プロセッサ23が、通信部11により情報指向ネットワークの下位のノード(カメラ3側のルータなど)から受信したデータ(例えば照合結果報告)を上位のノード(ユーザ端末1側のルータなど)に転送するように通信部21を制御する。
カメラ3は、撮影部31と、通信部32(受信部、送信部)と、メモリ33と、プロセッサ34と、を備えている。
撮影部31は、カメラ3の周辺を撮影して、撮影画像データを出力する。この撮影画像データ(静止画像、動画像)は、プロセッサ34により画像ファイルに格納される。
通信部32は、情報指向ネットワークから送信されるインタレスト(要求メッセージ)を受信し、情報指向ネットワークに照合結果報告(応答メッセージ)を送信する。
メモリ33は、プロセッサ23で実行されるプログラムなどを記憶する。また、メモリ33は、プロセッサ34で生成した画像ファイルを蓄積する。
プロセッサ34は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行することで情報収集に係る各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ34が、インタレスト再構築処理、画像検索処理、および画像照合処理などを行う。
インタレスト再構築処理では、通信部32において、サーバ2からの概略インタレストを受信し、さらに、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、プロセッサ34が、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける。このとき、受信するインタレストがそれほど多くない場合には、概略インタレストおよび詳細インタレストの到着のタイミングに基づいて、テキストデータと照合用の画像ファイルとを対応付けることができる。なお、このインタレスト再構築処理では、テキストデータと照合用の画像ファイルとの対応付けを行えばよく、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストのメッセージを再現する必要はない。
画像検索処理では、プロセッサ34が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する。具体的には、テキストデータには、検索条件として、撮影地点(区域)の位置情報や撮影時刻(期間)の時間情報が記載されており、この撮影地点(区域)や撮影時刻(期間)に該当する画像ファイルが検索される。
画像照合処理では、プロセッサ34が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合して、インタレストに対する応答としてユーザ端末1に送信する照合結果報告を生成する。この照合結果報告(照合結果を含む応答メッセージ)は、通信部32から情報指向ネットワークに送出され、概略インタレストの通信経路を逆向きに転送されて、ユーザ端末1に到達する。
なお、画像照合処理では、2つの画像ファイルに写る被写体(例えば人物など)が同一である可能性の高さを表す照合確度(照合の確からしさ、認識率)を取得し、その照合確度が所定のしきい値(例えば90%)に達している場合には、照合が成功した旨の情報と、自装置の識別情報(カメラID)と、自装置の位置情報が、照合結果報告に付加される。一方、照合確度がしきい値に達しなかった場合には、照合が失敗した旨の情報と、自装置の識別情報(カメラID)と、自装置の位置情報が、照合結果報告に付加される。
また、画像照合処理では、プロセッサ34が照合確度の数値そのものをユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1側で識別判断が行われるようにしてもよい。この場合、ユーザ端末1は、例えば、複数の照合結果が返信された際に、最も照合確度の高いものを選択してもよく、または照合確度と前回照合された位置との位置の差の両方を加味して最適なものを選定してもよい。これにより、ユーザ端末1が照合の成否情報だけを受信する場合に比べて、より適切なものを選択可能となる。
次に、第1実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図3は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルート(ルート#1)に送出する。また、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルート(ルート#2)に送出する。
次に、カメラ3が、サーバ2からの概略インタレストを受信し、さらに、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をサーバ2に送信する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図4は、第2実施形態に係る通信システムの全体構成図である。なお、通信システムの動作手順は第1実施形態(図1参照)と同様である。
本実施形態では、第1実施形態(図1参照)と同様に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストに含まれる画像データを分離して、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出し、画像ファイルを含む詳細インタレストを、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。
一方、本実施形態では、サーバ2が、詳細インタレストに含まれる画像ファイルの識別情報を概略インタレストに付加する。ここで、画像ファイルの識別情報は、例えば画像ファイルに付与されたファイル名である。例えば、ファイル名「GZA-20190624-9s3fd」が概略インタレストに付加される。なお、ファイル名には、極力他のファイル名と一致しないように、ある程度の長さを持たせたり、時間や乱数(数字に限定せずランダムなアルファベットや記号なども含む)を含ませたりすることが望ましい。
これにより、カメラ3は、概略インタレストと詳細インタレストとを受信すると、概略インタレストに含まれる画像ファイルの識別情報に基づいて、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる画像ファイルとを対応付ける処理(インタレスト再構築処理)を容易に且つ適切に行うことができる。
なお、本実施形態では、カメラ3が、画像ファイルの識別情報に基づいて、テキストデータと画像ファイルとを対応付けるようにしたが、サーバ2が、画像ファイルの属性情報、例えば、画像ファイルのサイズに関する情報や、撮影対象物の種類(人物など)に関する情報を、概略インタレストに付加してカメラ3に送信し、カメラ3が、画像ファイルの属性情報に基づいて、テキストデータと画像ファイルとを対応付けるようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図5は、第3実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第1実施形態(図1参照)と同様に、サーバ2が、情報指向ネットワークの低速通信ルートに概略インタレストを送出し、ネットワークの高速通信ルートに詳細インタレストを送出する。
一方、本実施形態では、サーバ2から詳細インタレストを送出する高速通信ルート上に中間サーバ5(データ蓄積装置)が設置されている。カメラ3は、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、中間サーバ5に対して照合用の画像ファイルの提供を要求する。中間サーバ5は、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルを蓄積し、カメラ3からの要求があれば、自装置に蓄積された照合用の画像ファイルをカメラ3に送信する。なお、中間サーバ5は、情報指向ネットワーク上のサーバ2の一つであり、カメラ3からの画像要求は、画像ファイルを要求するインタレストとして情報指向ネットワークに送出される。
このように本実施形態では、サーバ2からの詳細インタレストを中間サーバ5が受信すると、詳細インタレストの転送を行わず、カメラ3からの画像要求がある場合に、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルをカメラ3に送信する。このため、詳細インタレストの無駄な転送を避けることができ、ネットワークの負荷を軽減することができる。
なお、カメラ3が、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、照合用の画像ファイルの要否を判定し、照合用の画像ファイルが必要と判定した場合にのみ、中間サーバ5に照合用の画像ファイルの転送を要求するようにしてもよい。このとき、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。そして、検索条件に該当する画像ファイルが見つかった場合には、照合用の画像ファイルを必要と判定する。
次に、第3実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図6は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。また、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。
次に、中間サーバ5が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルを自装置に蓄積する。
また、カメラ3が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、中間サーバ5に画像要求を送信する。次に、中間サーバ5が、カメラ3からの画像要求を受信すると、その画像要求に該当する画像ファイルが自装置に蓄積されているため、その画像ファイルをカメラ3に送信する。このとき、画像要求は、インタレストとして情報指向ネットワークに送出され、画像ファイルは、インタレストの応答データとして情報指向ネットワークに送出される。
次に、カメラ3が、中間サーバ5からの照合用の画像ファイルを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、中間サーバ5から取得した照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をサーバ2に送信する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の変形例について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図7は、第3実施形態の変形例に係る通信システムの全体構成図である。
本変形例では、第3実施形態(図5参照)と同様に、中間サーバ5が、サーバ2からの詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルを蓄積し、カメラ3からの要求があると、自装置に蓄積された照合用の画像ファイルをカメラ3に送信する。
一方、本変形例では、カメラ3が、中間サーバ5以外に、情報指向ネットワーク内に設置されたサーバ6にアクセスできる場合に、中間サーバ5の他にサーバ6にも、照合用の画像ファイルの提供を要求する。この場合、他のサーバ6は、カメラ3からの要求に対応する画像ファイルが自装置に蓄積されていないため、該当する画像ファイルがない旨の応答をカメラ3に送信する。
次に、第3実施形態の変形例に係る通信システムの動作手順について説明する。図8は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。また、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。
次に、中間サーバ5が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、詳細インタレストに含まれる画像ファイルを自装置に蓄積する。
また、カメラ3が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、中間サーバ5と、他のサーバ6とに、画像要求を送信する。次に、中間サーバ5が、カメラ3からの画像要求を受信すると、その画像要求に該当する画像ファイルが自装置に蓄積されているため、その画像ファイルをカメラ3に送信する。また、他のサーバ6が、カメラ3からの画像要求を受信すると、その画像要求に該当する画像ファイルが自装置に蓄積されていないため、該当する画像ファイルがない旨の応答をカメラ3に送信する。
次に、カメラ3が、中間サーバ5からの照合用の画像ファイルを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、中間サーバ5から取得した照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をサーバ2に送信する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図9は、第4実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第1実施形態(図1参照)と同様に、サーバ2が、情報指向ネットワークの低速通信ルートに概略インタレストを送出し、ネットワークの高速通信ルートに詳細インタレストを送出する。
一方、本実施形態では、無線回線を利用して概略インタレストがカメラ3に転送される。具体的には、概略インタレストを送信する低速通信ルートに、長距離無線通信、特にLPWA(低電力広域通信:Low Power, Wide Area)通信の基地局となるゲートウェイ7(無線配信装置)が設置されており、LPWA通信によりゲートウェイ7からカメラ3に概略インタレストが転送される。
ゲートウェイ7は、LPWA通信により概略インタレストをブロードキャストで送信する。すなわち、同報通信により概略インタレストをカメラ3に報知する。
これにより、ゲートウェイ7の通信エリア内に位置するカメラ3に一斉に概略インタレストを転送することができる。また、ゲートウェイ7の通信エリアにより、概略インタレストの転送範囲を制限することができる。すなわち、限定された範囲に存在するカメラ3にのみ概略インタレストを転送することができる。このため、必要以上に広範囲に存在するカメラ3に概略インタレストが転送されることを避けることができる。
なお、ユーザ端末1、サーバ2、およびカメラ3の構成は、第1実施形態(図2参照)と概ね同一であるが、カメラ3の通信部32は、LPWA通信を行う機能を備えている。
次に、第4実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図10は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
また、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、カメラ3が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの照合結果報告を受信すると、その照合結果報告を情報指向ネットワークの低速ルートに送出する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図11は、第5実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第4実施形態(図9参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。
一方、本実施形態では、詳細インタレストを送信する高速通信ルートに、比較的高速な近距離無線通信、具体的にはWiFi(登録商標)などのWLAN通信を行うアクセスポイント8が(無線配信装置)設置されており、WLAN通信によりアクセスポイント8からカメラ3に詳細インタレストが転送される。
また、WiFi(登録商標)の通信エリア(電波到達範囲)はLPWAの通信エリアより小さいため、1台のアクセスポイント8により、LPWAの通信エリア内の全てのカメラ3に詳細インタレストを送信することができない場合がある。
そこで、本実施形態では、周辺の複数のカメラ3間で、マルチホップ通信により、詳細インタレストを転送する。すなわち、アクセスポイント8の通信エリア内に位置するカメラ3から周辺のカメラ3に順次、詳細インタレストが転送され、アクセスポイント8の通信エリア外に位置するカメラ3が詳細インタレストを取得することができる。
次に、第5実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図12は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
また、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、アクセスポイント8が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストをWLAN通信によりカメラ3に転送する。また、カメラ3が、アクセスポイント8からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを、周辺に存在する別のカメラ3に転送する。
次に、カメラ3が、アクセスポイント8や別のカメラ3からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの照合結果報告を受信すると、その照合結果報告を情報指向ネットワークの低速ルートに送出する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図13は、第6実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第4実施形態(図9参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。
一方、本実施形態では、メッセージフェリー方式により、車両や歩行者などの移動体を、詳細インタレストを運ぶフェリー41として利用することで、詳細インタレストがカメラ3に転送される。情報指向ネットワークの高速通信ルート(ルート#2)にステーション9(ステーション装置)が設置されている。このステーション9は、高速通信ルートから受信した詳細インタレストを蓄積し、フェリー41がステーション9に立ち寄ると、そのフェリー41に詳細インタレストを転送する。そして、フェリー41がカメラ3に立ち寄ると、フェリー41からカメラ3に詳細インタレストを転送する。
このように本実施形態では、メッセージフェリー方式により、詳細インタレストがカメラ3に転送されるため、情報指向ネットワークの高速通信ルートが途中までしかない場合でも、詳細インタレストをカメラ3に届けることができる。
なお、車両がフェリー41になる場合、具体的には、車両に搭載された車載端末がフェリー41の動作を行う。この車載端末は情報指向ネットワークの機能を有している。
また、本実施形態では、ステーション9からフェリー41への詳細インタレストの転送と、フェリー41からカメラ3への詳細インタレストの転送とが、有線通信により行われる。このため、ステーション9とフェリー41とを通信端子で接続し、また、フェリー41とカメラ3とを通信端子で接続する。このとき、例えば、ステーション9に充電機を併設し、充電機と電動車両とをドッキングして、充電機から電動車両に充電用電力を伝送する際に、ステーション9からフェリー41に詳細インタレストを転送するようにしてもよい。
次に、第6実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図14は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
また、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、ステーション9が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストをフェリー41に転送する。次に、フェリー41が、ステーション9からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストをカメラ3に転送する。
次に、カメラ3が、フェリー41からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの照合結果報告を受信すると、その照合結果報告を情報指向ネットワークの低速ルートに送出する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。なお、フェリーにカメラが搭載されており、かつLPWA通信機能を備えている場合は、フェリーに搭載されているカメラもカメラ3として動作させてもよい。この場合、照合結果報告には、映像が撮影された場所の情報も付加される必要がある。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図15は、第7実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第6実施形態(図13参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。また、ステーション9が、フェリー41に詳細インタレストを転送する。そして、フェリー41が、詳細インタレストをカメラ3に転送する。
一方、本実施形態では、ステーション9からフェリー41への詳細インタレストの転送と、フェリー41からカメラ3への詳細インタレストの転送とが、WLAN通信などの近距離無線通信により行われる。
これにより、ステーション9からフェリー41に詳細インタレストを転送する際に、フェリー41が、ステーション9に立ち寄らずに、その付近を通行するだけで済む。また、フェリー41からカメラ3に詳細インタレストを転送する際にも、フェリー41がカメラ3の付近を通行するだけで済む。
なお、本実施形態に係る通信システムの動作手順は第6実施形態(図1参照)と同様であるが、特に本実施形態では、フェリー41からWLAN通信によりカメラ3に詳細インタレストが転送される。
また、本実施形態では、フェリー41が、WLAN通信などの近距離無線通信により詳細インタレストをカメラ3に転送するが、その通信方式はWLAN通信に限定されない。例えば赤外線通信やBluetooth(登録商標)、あるいはミリ波通信などによりフェリー41からカメラ3に詳細インタレストを転送するようにしてもよい。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図16は、第8実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第7実施形態(図15参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。また、フェリー41が、WLAN通信などの近距離無線通信により詳細インタレストをカメラ3に転送する。
一方、本実施形態では、サーバ2が、ステーション9の位置をフェリー41に連絡する。そして、フェリー41が、ステーション9から詳細インタレストを転送できるように、予定していた経路から、ステーション9の周辺を通行する経路に変更する。
このように本実施形態では、ステーション9の周辺を通行する、フェリー41が経路を変更するため、ステーション9からカメラ3に詳細インタレストを確実に転送することができる。
なお、本実施形態では、フェリー41(移動体)の経路を変更するため、フェリー41を制御する人物、例えばフェリー41が車両である場合にはその運転者の協力が必要である。そこで、フェリー41を制御する人物の協力を促進するため、経路の変更に協力した場合に、インセンティブ(カードのポイントや割引クーポンなど)を授与するようにしてもよい。
次に、第8実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図17,図18は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図17に示すように、まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
また、サーバ2が、ステーション9の位置情報を含む装置位置通知(インタレスト)をフェリー41に送信する。次に、フェリー41が、サーバ2からの装置位置通知を受信すると、その装置位置通知に含まれる情報、具体的には、ステーション9の位置情報に基づいて、自装置の通行経路を、ステーション9の近傍を通過する経路に変更する(経路変更)。
また、図18に示すように、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、ステーション9が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信(WLAN通信など)によりフェリー41に転送する。次に、フェリー41が、ステーション9からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信によりカメラ3に転送する。
次に、カメラ3が、フェリー41からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの照合結果報告を受信すると、その照合結果報告を情報指向ネットワークの低速ルートに送出する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。また、本実施形態に係る通信システムの構成は第7実施形態(図15参照)と同様である。
本実施形態では、第7実施形態(図15参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。また、メッセージフェリー方式により、フェリー41(移動体)を利用して詳細インタレストがカメラ3に転送される。また、フェリー41が、WLAN通信などの近距離無線通信により詳細インタレストをカメラ3に転送する。
一方、本実施形態では、カメラ3が、概略インタレストが到着してから詳細インタレストが到着するまでの待ち時間に、前処理として、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、照合用の画像ファイルの要否を判定する。そして、カメラ3が、照合用の画像ファイルを不要と判定した場合には、フェリー41から配信される詳細インタレストを受信しない。
また、フェリー41は、移動しながら、近距離無線通信(WLAN通信など)により詳細インタレストをブロードキャストで送信する。すなわち、同報通信により詳細インタレストをカメラ3に報知する。このため、近距離無線通信の通信エリア内に存在する全てのカメラ3が、フェリー41から送信される詳細インタレストを受信することができる。一方、前処理で照合用の画像ファイルを不要と判定したカメラ3は、フェリー41から送信される詳細インタレストを受信しないように動作する。
なお、フェリー41が、詳細インタレストの送信先のカメラ3を認識した上で、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3にだけ詳細インタレストを送信するようにしてもよい。
次に、第9実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図19,図20は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図19に示すように、まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
次に、カメラ3が、ゲートウェイ7からの概略インタレストを受信すると、前処理として、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、照合用の画像ファイルの要否を判定する(画像要否判定)。このとき、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。そして、検索条件に該当する画像ファイルが見つかった場合には、照合用の画像ファイルを必要と判定する。一方、検索条件に該当する画像ファイルが見つからなかった場合には、照合用の画像ファイルを不要と判定する。
また、図20に示すように、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、ステーション9が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信(WLAN通信など)によりフェリー41に転送する。次に、フェリー41が、ステーション9からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信によりカメラ3に転送する。
次に、カメラ3が、前処理で照合用の画像ファイルを必要と判定した場合には、フェリー41からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。
一方、前処理で照合用の画像ファイルを不要と判定したカメラ3は、フェリー41からの詳細インタレストを受信せず、インタレスト再構築、画像照合、および照合結果報告を行わない。図19,図20に示す例では、#1,#4のカメラ3が、照合用の画像ファイルを不要と判定したため、フェリー41からの詳細インタレストを受信せず、インタレスト再構築、画像照合、および照合結果報告を行わない。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図21は、第10実施形態に係る通信システムの全体構成図である。
本実施形態では、第7実施形態(図15参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。また、フェリー41が、詳細インタレストを近距離無線通信(WLAN通信など)でカメラ3に転送する。また、カメラ3が、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、照合用の画像ファイルの要否を判定する。
一方、本実施形態では、カメラ3が、照合用の画像ファイルを必要とする場合に、その旨をサーバ2に報告する。そして、サーバ2が、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の位置情報をフェリー41に通知する。そして、フェリー41が、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3に詳細インタレストを近距離無線通信で転送できるように、予定していた経路から、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の周辺を通行する経路に変更する。
このように本実施形態では、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の周辺を通行するように、フェリー41が経路を変更するため、フェリー41からカメラ3に詳細インタレストを確実に転送することができる。なお、フェリーの経路変更については、第8実施形態で行う「ステーション付近を通る」ことと、本実施形態で行う「詳細インタレストが必要なカメラの付近を通る」ことの両方が同時に実施されてもよい。
なお、本実施形態では、第8実施形態と同様に、フェリー41(移動体)の経路を変更するため、フェリー41を制御する人物の協力を促進するため、経路の変更に協力した場合に、インセンティブ(カードのポイントや割引クーポンなど)を授与するようにしてもよい。
また、本実施形態では、サーバ2が、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の位置情報をフェリー41に通知するが、この通知は、適宜な通信経路で行えばよい。例えば、ゲートウェイ7の通信エリアをフェリー41が通行する際に、LPWA通信によりゲートウェイ7からフェリー41に送信するようにしてもよい。
次に、第10実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図22,図23は、通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図22に示すように、まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
次に、カメラ3が、ゲートウェイ7からの概略インタレストを受信すると、前処理として、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、照合用の画像ファイルの要否を判定する(画像要否判定)。このとき、カメラ3が、テキストデータに記載された検索条件に該当する画像ファイルを、自装置に蓄積された画像ファイルの中から検索する(画像検索)。そして、検索条件に該当する画像ファイルが見つかった場合には、照合用の画像ファイルを必要と判定する。一方、検索条件に該当する画像ファイルが見つからなかった場合には、照合用の画像ファイルを不要と判定する。
次に、カメラ3が、前処理で照合用の画像ファイルが必要と判定した場合には、照合用画像データを必要としている旨の画像必要報告をゲートウェイ7に送信する。図22に示す例では、#2,#3のカメラ3が、照合用の画像ファイルが必要と判定して、画像必要報告をゲートウェイ7に送信する。一方、#1,#4のカメラ3は、前処理で照合用の画像ファイルが不要と判定したため、画像必要報告をゲートウェイ7に送信しない。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの画像必要報告を受信すると、その画像必要報告をサーバ2に転送する。サーバ2が、ゲートウェイ7からの画像必要報告を受信すると、その画像必要報告に含まれる情報、具体的には、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の識別情報に基づいて、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の位置情報を含む装置位置通知(インタレスト)をフェリー41に送信する。
次に、フェリー41が、サーバ2からの装置位置通知を受信すると、その装置位置通知に含まれる情報、具体的には、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の位置情報に基づいて、自装置の通行経路を、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の近傍を通過する経路に変更する(経路変更)。
また、図23に示すように、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、ステーション9が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信(WLAN通信など)によりフェリー41に転送する。次に、フェリー41が、ステーション9からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信によりカメラ3に転送する。このとき、フェリー41は、照合用の画像ファイルを必要と判定したカメラ3のみに詳細インタレストを転送する。
次に、カメラ3が、フェリー41からの詳細インタレストを受信すると、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、照合用の画像ファイルと、画像検索で見つかった画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。このとき、前処理で照合用の画像ファイルを不要と判定したカメラ3は、インタレスト再構築、画像照合、および照合結果報告を行わない。図1に示す例では、#1,#4のカメラ3が、照合用の画像ファイルを不要と判定したため、インタレスト再構築、画像照合、および照合結果報告を行わない。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの照合結果報告を受信すると、その照合結果報告を情報指向ネットワークの低速ルートに送出する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。この照合結果報告には、画像照合を行ったカメラ3(#2,#3)の照合結果のみが含まれる。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。また、第11実施形態に係る通信システムの全体構成は、第7実施形態(図15参照)と同様である。
本実施形態では、第7実施形態(図15参照)と同様に、LPWA通信によりゲートウェイ7から概略インタレストをカメラ3に送信する。また、メッセージフェリー方式により、フェリー41(移動体)を利用して詳細インタレストがカメラ3に転送される。
一方、本実施形態では、カメラ3が、概略インタレストが到着してから詳細インタレストが到着するまでの待ち時間に、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルを用いた画像照合の前処理として、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、自装置に格納された画像ファイルの中から、候補となる画像ファイルを検索する(候補画像検索)。
ここで、テキストデータには、情報収集者の要求内容に関する情報、例えば、撮影地点に関する位置情報や撮影時刻に関する時間情報などが記載されている。候補画像検索処理では、テキストデータに記載された情報を検索条件として、その検索条件に該当する画像ファイルを検索する。例えば、人物探索で対象人物が男性である場合、候補となる画像ファイルとして、男性が写る画像ファイルのみを取り分けるようにする。
このように本実施形態では、画像照合の前処理として、候補となる画像ファイルを検索するため、画像照合では、前処理で見つかった候補となる画像ファイルを対象にして照合を行えばよいため、画像照合を短時間で行うことができる。
次に、第11実施形態に係る通信システムの動作手順について説明する。図24,図25は、第11実施形態に係る通信システムの動作手順を示すシーケンス図である。
図24に示すように、まず、ユーザ端末1が、テキストデータと照合用の画像ファイルとを含むインタレストを情報指向ネットワークに送出する。次に、サーバ2が、ユーザ端末1からのインタレストを受信すると、そのインタレストから画像ファイルを分離して(画像分離処理)、テキストデータを含み且つ画像ファイルを含まない概略インタレストを生成して、情報指向ネットワークの低速通信ルートに送出する。次に、ゲートウェイ7が、サーバ2からの概略インタレストを受信すると、その概略インタレストをLPWA通信によりカメラ3に送信する。
次に、カメラ3が、ゲートウェイ7からの概略インタレストを受信すると、前処理として、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、自装置に格納された画像ファイルの中から、候補となる画像ファイルを検索する(画像検索)。
また、図25に示すように、サーバ2が、画像ファイルを含む詳細インタレストを生成して、情報指向ネットワークの高速通信ルートに送出する。次に、ステーション9が、サーバ2からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信(WLAN通信など)によりフェリー41に転送する。次に、フェリー41が、ステーション9からの詳細インタレストを受信すると、その詳細インタレストを近距離無線通信によりカメラ3に転送する。
次に、カメラ3が、フェリー41からの詳細インタレストを受信すると、前処理で候補となる画像ファイルが見つかった場合には、概略インタレストに含まれるテキストデータと、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルとを対応付ける(インタレスト再構築処理)。次に、カメラ3が、詳細インタレストに含まれる照合用の画像ファイルと、前処理で見つかった候補となる画像ファイルとを照合する(画像照合)。そして、カメラ3が、照合結果報告をLPWA通信によりゲートウェイ7に送信する。
次に、ゲートウェイ7が、カメラ3からの照合結果報告を受信すると、その照合結果報告を情報指向ネットワークの低速ルートに送出する。この照合結果報告は、サーバ2を経由してユーザ端末1で受信される。
一方、カメラ3が、前処理で候補となる画像ファイルが見つからなかった場合には、インタレスト再構築、画像照合、および照合結果報告は行われない。図24,図25に示す例では、#3のカメラ3において、候補となる画像ファイルが見つからなかったため、インタレスト再構築、画像照合、および照合結果報告は行われない。
なお、本実施形態では、前処理として、概略インタレストに含まれるテキストデータに基づいて、自装置に格納された画像ファイルの中から、候補となる画像ファイルを検索する収集(候補画像検索)を行うようにしたが、この候補画像検索は、本実施形態に限定されるものではなく、第1実施形態などの他の実施形態にも適用することが可能である。
(第12実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図26は、第12実施形態に係るフェリー41の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態では、第7実施形態(図15参照)と同様に、メッセージフェリー方式により、フェリー41(移動体)を利用して詳細インタレストがカメラ3に転送される。
フェリー41は、第1の通信部51と、第2の通信部52と、第3の通信部53と、メモリ54と、プロセッサ55と、を備えている。
第1の通信部51は、ステーション9との間で、WLAN通信、具体的にはWiFi(登録商標),WiGig(登録商標)などの近距離無線通信を行う。この第1の通信部51は、ステーション9から詳細インタレストを受信する。
第2の通信部52は、ゲートウェイ7との間で、LPWA通信を行う。この第2の通信部52は、ゲートウェイ7から概略インタレストを受信する。第10実施形態のように、サーバ2が、照合用の画像ファイルを必要とするカメラ3の位置情報をフェリー41に通知する場合に、ゲートウェイ7の通信エリアをフェリー41が通行する際に、LPWA通信によりゲートウェイ7からフェリー41に送信する。
第3の通信部53は、カメラ3との間で、WLAN通信、具体的にはWiFi(登録商標),WiGig(登録商標)などの近距離無線通信を行う。この第3の通信部53は、詳細インタレストをカメラ3に送信する。なお、第1の通信部51が第3の通信部53を兼用する構成としてもよい。なお、第1の通信部、第2の通信部、および第3の通信部のうち、同じ通信方式を採用するものがあれば、同じ装置を共用することもできる。すなわち、もし第1の通信部の通信方式と第3の通信部の通信方式が共にWLAN通信であれば、第1の通信部と第3の通信部を同じ装置として共用することが可能である。
メモリ54は、プロセッサ55で実行されるプログラムなどを記憶する。
プロセッサ55は、メモリ54に記憶されたプログラムを実行することで詳細インタレスト転送に係る各種の処理を行う。
なお、車両がフェリー41になる場合、具体的には、車両に搭載された車載端末がフェリー41の動作を行う。また、歩行者がフェリー41になる場合、具体的には、歩行者が所持する携帯情報端末(例えばスマートフォンなど)がフェリー41の動作を行う。また、自転車がフェリー41になる場合、具体的には、自転車の運転者が所持する携帯情報端末や、自転車に搭載された車載端末がフェリー41の動作を行う。携帯情報端末や車載端末は情報指向ネットワークの機能を有している。また、このようなフェリー41になる車両や歩行者などの移動体は、宅配事業者のトラックや自治体の町内パトロールの隊員のように、対象とする地域を定期的に通行する移動体に協力してもらうようにしてもよい。
また、フェリー41となる移動体とカメラ3との間の通信は、WLAN通信などの近距離無線通信とすればよいが、携帯情報端末(例えばスマートフォンなど)がセルラー通信の機能を備えている場合には、セルラー通信により詳細インタレストをフェリー41となる移動体に転送するようにしてもよい。
(第13実施形態)
次に、第12実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図27は、第12実施形態に係る通信システムの概要を示す説明図である。
本実施形態では、複数のカメラ3によりマルチホップ通信が行われる。カメラ3が中継機として機能し、詳細インタレストが順に隣のカメラ3に転送される。これにより、詳細インタレストが複数のカメラ3に転送される。
また、本実施形態では、カメラ3がメッシュネットワークを構成している。すなわち、複数のカメラ3が相互に接続されることで、複数のカメラ3が中継機として網の目状の伝送経路を形成する。これにより、所要の範囲内に存在する複数のカメラ3に詳細インタレストを拡散させることができる。
図27に示す例では、フェリー41から1台のカメラ3(#1)に詳細インタレストが転送されると、その詳細インタレストが順に隣のカメラ3に転送される。これにより、メッシュネットワークを構成する全てのカメラ3に詳細インタレストが転送される。
(第14実施形態)
次に、第13実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図28は、第13実施形態に係る通信システムの概要を示す説明図である。
本実施形態では、第7実施形態(図15参照)と同様に、メッセージフェリー方式により、フェリー41(移動体)を利用して詳細インタレストがカメラ3に転送される。一方、本実施形態では、複数のフェリー41,42,43が利用される。さらに、本実施形態では、複数の種類のフェリー41,42,43が利用される。
図28に示す例では、フェリー41,42,43から詳細インタレストを受け取ったカメラ3が、通りかかった別のフェリー41,42,43に詳細インタレストを転送し、そのフェリー41,42,43が別のカメラ3に詳細インタレストを転送する。さらに、カメラ3は、転送元のフェリー41,42,43とは異なる種類のフェリー41,42,43に詳細インタレストを転送する。
具体的には、フェリー41となる車両からカメラ3(#1、#2)に詳細インタレストが転送される。次に、カメラ3(#1)から、フェリー42となる歩行者に詳細インタレストが転送される。そして、フェリー42の歩行者からカメラ3(#3、#4)に詳細インタレストが転送される。また、カメラ3(#4)から、フェリー43となる自転車に詳細インタレストが転送される。そして、自転車からカメラ3(#5)に詳細インタレストが転送される。
このように本実施形態では、複数のフェリー41,42,43が利用され、さらに複数の種類のフェリー41,42,43が利用されるため、詳細インタレストを広い範囲に存在するカメラ3に転送することができる。
ところで、前記の実施形態では、サーバ2が、照合用の画像ファイル(照合対象データ)を含む詳細インタレストを情報指向ネットワークに送出するが、照合用の画像ファイルを分割して複数の分割ファイルの各々を別の詳細インタレストで送信するようにしてもよい。これにより、情報指向ネットワークに高速通信ルートがない場合でも、大容量の画像ファイルを送信することができる。
この場合、カメラ3が、複数の分割ファイルの各々を含む詳細インタレストを受信すると、取得した複数の分割ファイルを統合して元の照合用の画像ファイルを再現すればよい。このとき、カメラ3が、概略インタレストが到着してから詳細インタレストが到着するまでの待ち時間に、前処理として、照合用の画像ファイルの要否を判定して、照合用の画像ファイルを不要と判定した場合には、以降の詳細インタレストを受信しないようにしてもよい。また、階層化された複数の分割ファイルを受信するたびに画像の解像度が上昇するファイル構成において、カメラ3が適切な画像照合が可能な程度に画像の解像度が上昇したタイミングで、以降の詳細インタレストを受信しないようにしてもよい。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。