JP7353425B1 - 携帯型無線通信機 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、複信モードでの通信においては、無線通信機のスピーカからの音波がマイクロホンへ回り込むと共に、相手局のマイクロホン→自局のスピーカ→自局のマイクロホン→相手局のスピーカ→相手局のマイクロホン・・・という無線伝送路を介したループ経路が構成され、各無線通信機のマイクロホンアンプとスピーカアンプのゲインが加算されてループゲインが0dBを超えるとハウリングが発生するため、これをオーディオ・アクセサリーなどの使用によってスピーカからマイクロホンへの音波の回り込みを無くすることによりハウリングの発生を防止している。
この音響エコーキャンセラの原理は、スピーカに供給される信号を入力として音響エコー信号に模した信号(擬似エコー信号)を作り出し、音響エコー信号から擬似エコー信号を差し引くことで音響エコーを消去するものであり、下記特許文献1~4にあるように古くから様々な提案がなされている。
また、エコーサプレッサは適応フィルタで除去できなかった音響エコーを抑制し、ボイススイッチはボイススイッチ制御部で制御されることで適切に音量を制御するようになっている。
また、音響エコーキャンセラを用いると音声信号に歪が生じて聴き取りづらくなるという傾向がある。
したがって、そのための手段としては、(1)スピーカとマイクロホンの間の距離を大きくしてマイクロホンが受ける音圧レベルを減衰させること、(2)マイクロホンの振動膜面がスピーカからの音波面の進行方向に対して垂直な関係になるようにすること、(3)スピーカの振動が筐体を介してマイクロホンに伝搬しないようにすること、(4)スピーカからの音波を直接的に受けない位置にマイクロホンを設置して回折減衰により音圧レベルを減衰させること等が考えられる。
また、筒体部の内部に構成されている蛇行した音響伝送路は、収音孔とマイクロホンエレメントの間の音響的距離を大きくして、スピーカから回り込んだ音波と周辺の環境音を減衰させることができる。
さらに、マイクロホンを本体筐体の背面側に位置させていることで音圧の回折減衰効果が得られるため、前記音波の回り込みを有効に低減させる。
以上の効果により、前記第1の発明は携帯型無線通信機同士の複信方式での通話においてハウリングの発生をきわめて有効に防止する。
この構成によれば、簡単な工程で長い音響伝送路と吸音孔を合理的に構成できる。
この構成によれば、音響伝送路を第1の平坦面側から第2の平坦面側へ連通孔によって迂回させることで、マイクロホンエレメントの合理的な実装と、より簡単な防水対策が可能になる。
このようにマイク側部分を着脱可能にしておけば、携帯型無線通信機の使用環境によってはオーディオ・アクセサリーやヘッドセットの利用も可能になるため便利である。
この実施形態に係る携帯型無線通信機の外観斜視図は図1(A)に示され、複信通信モードでの同時通話が可能な機能を備えている。
そして、この種の一般的な携帯型無線通信機と同様に、外観上は本体筐体10とアンテナ部11とツマミ12及びその他各種操作ボタン類(図示せず)からなると共に、本体筐体10にはスピーカ13が内蔵されており、本体筐体10の正面側の筐体壁部にはスピーカ13の音声出力孔14が形成されている。
ここに、アダプタ筐体15は本体筐体10側へ接合装着される装着固定部16とマイクロホンを内蔵した筒体部17とからなる。
また、筒体部17は、図1(B)に示されるように、マイク側部分18と支持部19とに分かれ、支持部19は装着固定部16と一体的に構成されており、マイク側部分18側のプラグ18aと支持部19側のジャック19aとの接栓機構により電気的・機械的に着脱自在になっている。
なお、接続基板23側にマイクロホンだけでなくイヤホンの信号回路が構成されているのは、図1(B)に示すように、マイク側部分18を支持部19から抜いて、オーディオ・アクセサリーやヘッドセットのプラグを差し込むことでそれらも使用できるようにしてあるためである。
先ず、マイク側部分18の外周面の両側には、平面形状が長円形の座グリ状の穴27と、平面形状が円形の座グリ状の穴28が形成されており、各穴27,28の底部はMIC基板24に対して平行な平坦面27a,28aになっており、さらに各平坦面27a,28aは次のような構成になっている。
長円形の穴27側の平坦面27aには、図6に示すような蛇行した凹溝29が形成されており、その凹溝29の一端30aとその手前の分岐部分30bが平坦面27aの隅角まで至っているのに対して、他端31側は平坦面27aの領域内に留まっている。
円形の穴28側の平坦面28aにはその中央領域に凹段差面32が形成されており、その凹段差面32からMIC基板24のMICエレメント26へ通じる導音孔33が形成されている。
長円形の穴27側にある凹溝29の他端31と円形の穴28側の凹段差面32との間には、それらを通気させる連通孔34が形成されている。
なお、カバーシート35,37は合成樹脂製であるが平坦面27a,28aに接合貼着された状態で音響的振動に同期しないだけの剛性を有している。
また、図5(B)及び図7に示されるように、凹段差面32に覆着された防水音響膜36と平坦面28aに覆着されたカバーシート37の間には隙間39が構成されており、その隙間39は連通孔34に通じている。
なお、この実施形態ではMIC基板24のMICエレメント26が導音孔33と反対側の基板面に取り付けられており、音波は最終的にMIC基板24に穿設されている小孔40を通じてMICエレメント26に達する。
図5から図7において符号41として示されている孔は、モールディングに際してMIC基板24を固定支持するための棒材が挿入されていた痕跡である。
まず、一般的な携帯型無線通信機のように本体筐体にスピーカとマイクロホンを内蔵させていると仮定した場合のスピーカの音声出力孔とマイクロホンの収音孔の距離に対して、この実施形態における本体筐体10のスピーカ13の音声出力孔14とアダプタ筐体15の筒体部17(マイク側部分18)の上端に設けた収音孔38a,38bとの間の音響的距離を比較すると、当然にこの実施形態の方が圧倒的に長く、4~5倍以上になることは明らかであり、マイク側部分18の長さを大きくすればそれ以上の距離も確保できる。
この点に関して、この実施形態では、筒体部17が支持部19とマイク側部分18からなり、マイク側部分18が支持部19に対してプラグ・ジャックの接栓機構で着脱自在になっているため、図2(C)及び(D)に示すようにマイク側部分18の接続側端部に係合突起18bを設けておき、支持部19の接続側端部に形成した切欠き部19bに係合させることで、収音孔38a,38bの方向が常に前記条件となるように考慮されている。
なお、音響エコーキャンセラなどの他のハウリング防止対策の適用を排除するものではなく、例えば、音響エコーキャンセラとの併用であれば、大音量出力を可能にできることや、音声信号の歪を小さくするなどの効果が得られる。
Claims (4)
- 複信方式での通話機能を有し、略直方体状の本体筐体の正面に内蔵スピーカの音声出力孔が形成されている携帯型無線通信機において、
前記本体筐体の側面に音声信号入力用のソケット端子が設けられている一方、前記本体筐体の前記ソケット端子に対して内蔵マイクロホンの音声信号出力用のピン端子を挿嵌接続させた状態で着脱自在に装着固定されるアダプタ筐体を備え、
前記アダプタ筐体は前記本体筐体に対する装着固定部と前記マイクロホンを内蔵すると共に上端部の周側面に収音孔を設けた筒体部とからなり、前記装着固定部が前記本体筐体に装着固定された状態で、前記筒体部の収音孔が前記本体筐体の背面側で前記本体筐体の上面より上側に配置せしめられ、
前記筒体部はその内部に蛇行した音響伝送路が構成されていると共に、前記音響伝送路の一端側が前記収音孔を通じて外部と連通し、他端側が内蔵されたマイクロホンエレメントの前側空間に連通している
ことを特徴とする携帯型無線通信機。 - 前記音響伝送路が、前記筒体部の周側面の一部に形成した第1の平坦面に蛇行した凹溝を形成しておき、前記第1の平坦面に剛性のカバーシートを覆着することにより構成されており、前記収音孔を前記凹溝の一端側を前記カバーシートの周縁部より外側へ覗かせることにより構成した請求項1に記載の携帯型無線通信機。
- 前記筒体部における前記第1の平坦面とは反対側の周側面に形成された第2の平坦面と前記凹溝の他端側とを通じる連通孔が形成されており、前記第2の平坦面の中央領域に凹段差面が形成されていると共に、その凹段差面に形成した穴の底部にマイクロホンエレメントを配置せしめ、前記凹段差面には防水音響膜を、前記第2の平坦面には剛性のカバーシートをそれぞれ覆着した請求項2に記載の携帯型無線通信機。
- 前記アダプタ筐体の筒体部を、軸方向について、前記収音孔、前記音響伝送路及び前記マイクロホンを含む音響系要素が構成されているマイク側部分とそれ以外の部分とに分割し、前記各部分をプラグ・ジャックによる接栓接続方式として前記マイク側部分を前記アダプタ筐体に対して着脱自在とした請求項1、2又は3に記載の携帯型無線通信機。
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