JP7353009B2 - 隔壁構造 - Google Patents
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Description
この目的を達成するため、隔壁は、例えば、ベランダの床に設けられた支持枠と、この支持枠に支持されて足で破壊可能なフレキシブルボードなどの板材と、を備えている。
ところで、近年、集合住宅の高層化が進められており、高層階のベランダでは、隔壁にかなりの強風が吹き付ける場合がある。このような場合、風圧で隔壁の板材が破壊されるおそれがあった。
この問題を解決するため、特許文献1、2には、矩形状の枠材と、枠材の上部に嵌め込まれる板材と、枠材の下部に開閉可能に設けられた扉体と、を備える隔て板が提案されている。
第1の発明の隔壁構造(例えば、後述の隔壁構造1)は、集合住宅のベランダを仕切る隔壁の構造であって、当該ベランダの床面(例えば、後述の床面2)上に設けられた枠部材(例えば、後述の枠部材10)と、当該枠部材の内側に所定間隔を空けて取り付けられた一対の板材(例えば、後述の板材20)と、を備え、当該枠部材は、鉛直方向に延びる一対の縦枠(例えば、後述の縦枠11)と、当該一対の縦枠の上端部同士を連結する上枠(例えば、後述の上枠12)と、前記一対の板材の下端部同士の隙間を塞ぐ塞ぎ材(例えば、後述の下枠14、塞ぎ材40)と、を備え、当該塞ぎ材は、前記板材よりも破壊強度が低いことを特徴とする。
また、塞ぎ材で板材の下端部同士の隙間を塞いだので、板材間の隙間(空気層)に風が吹き込むのを防止して、耐風性能をさらに向上できる。
また、塞ぎ材の破壊強度を板材よりも低くしたので、避難時に、避難者が板材を割ると、塞ぎ材も一緒に壊れるから、避難者は平らな床面上を通行可能となり、車いす利用者でも容易に避難できる(バリアフリー)。
この発明によれば、塞ぎ材を下枠として縦枠の下端部同士を連結したので、枠部材の構造的な安定性を向上できる。
また、下側の連結部材の破壊強度を板材よりも低くしたので、避難時に、避難者が板材を割ると、下側の連結部材も一緒に壊れるから、避難者は平らな床面上を通行可能となり、車いす利用者でも容易に避難できる(バリアフリー)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る隔壁構造1の正面図である。図2は、隔壁構造1の斜視図である。図3は、図1の隔壁構造1のA-A断面図である。図4は、図1の隔壁構造1のB-B断面図である。
隔壁構造1は、集合住宅のベランダを仕切るものである。この隔壁構造1は、ベランダの床面2上に設けられた矩形枠状の枠部材10と、枠部材10の内側に所定間隔を空けて取り付けられた一対の板材20と、を備える。
枠部材10は、鉛直方向に延びる一対の縦枠11と、一対の縦枠11の上端部同士を連結する上枠12と、一対の縦枠11の中間高さの部分同士を連結する中桟13と、一対の縦枠11の下端部同士を連結する塞ぎ材としての下枠14と、を備える。これら縦枠11、上枠12、中桟13、および下枠14には、板材20が嵌合される溝部が形成されている。
下枠14は、一対の板材20の下端同士の隙間を塞いでおり、板材20よりも破壊強度が低くなっている。この下枠14は、例えば、スタイロフォーム(登録商標)などの押出し発泡ポリスチレンからなる。
論文1の風洞実験では、建物外壁面の出隅部(位置a)および建物の出隅部よりも少し内側(位置c)にフィンを設け(論文1の図1 b)参照)、各フィンについて、測定点をNo.1~No.8の8箇所設ける(論文1の図1 c)参照)。そして、各フィンの先端側の測定点No.4およびNo.5について外圧係数の風向変化を求めるとともに、これら外圧係数の差分である風力係数の風向変化を求めた(論文1の図3および図4参照)。
また、位置bのフィンでは、外圧係数のピーク値の絶対値は、約3.4であり、風力係数のピーク値の絶対値は、約4.3である。よって、建物外壁面の出隅部よりも内側(位置b)では、板材を二重に配置することにより、板材を単体で配置した場合と比べて、風力係数を21%程度低減できると考えられる。
また、各フィンの外圧係数のピーク値は負となっており、これは面を引っ張る向きに風力が作用することを意味している。よって、本願発明の隔壁構造のように板材を二重に配置した場合、図6(b)に示すように、板材には面を引っ張る向きに大きな風力が作用するが、この場合、板材間の空気層Aがある程度密閉されていれば、この空気層Aが負圧となって、この面を引っ張る風力に抵抗し、風力係数をさらに低減できると考えられる。
(1)板材20を二重に配置することで、各板材20の一方の面にのみ外圧が作用するから、板材の両面に外圧を受ける場合に比べて、板材20の強度に余裕があり、隔壁構造1の耐風性能を向上できる。このとき、板材20として汎用品を用いることができるので、低コストである。
また、下枠14で板材20の下端部同士の隙間を塞いだので、板材20間の隙間(空気層)に風が吹き込むのを防止して、耐風性能をさらに向上できる。
また、下枠14の破壊強度を板材よりも低くしたので、避難時に、避難者が板材20を割ると、下枠14も一緒に壊れるから、避難者は平らな床面上を通行可能となり、車いす利用者でも容易に避難できる(バリアフリー)。
(2)下枠14で縦枠11の下端部同士を連結したので、枠部材10の構造的な安定性を向上できる。
図7は、本発明の第2実施形態に係る隔壁構造1Aの斜視図である。図8は、隔壁構造1Aの斜視図である。図9は、図7の隔壁構造1AのC-C断面図およびD-D断面図である。図10は、図7の隔壁構造1AのE-E断面図である。
隔壁構造1Aは、建物のベランダの床面2上に配置された一対の隔て板3と、隔て板3同士を上下端側で連結する連結部材30A、30Bと、を備える。
各隔て板3は、三方枠である枠部材10Aと、枠部材10Aの内側に取り付けられた板材20と、を備える。
枠部材10Aは、鉛直方向に延びる一対の縦枠11と、一対の縦枠11の上端部同士を連結する上枠12と、一対の縦枠11の中間高さの部分同士を連結する中桟13と、を備える。これら縦枠11、上枠12、および中桟13には、板材20が嵌合される溝部が形成されている。
上側の連結部材30Aは、隔て板3の上枠12同士を連結している。
下側の連結部材30Bは、一対の板材20の下端同士を連結しており、板材20よりも破壊強度が低くなっている。この連結部材30Bは、例えば、スタイロフォーム(登録商標)などの押出し発泡ポリスチレンからなる。
(3)板材20を二重に配置することで、各板材20の一方の面にのみ外圧が作用するから、隔壁構造1Aの耐風性能を向上できる。このとき、板材20として汎用品を用いることができるので、低コストである。
また、下側の連結部材30Bの破壊強度を板材20よりも低くしたので、避難時に、避難者が板材20を割ると、下側の連結部材30Bも一緒に壊れるから、避難者は平らな床面上を通行可能となり、車いす利用者でも容易に避難できる(バリアフリー)。
例えば、上述の第1実施形態では、下枠14を設けたが、これに限らない。すなわち、図11に示すように、下枠14の代わりに、一対の板材20の下端同士の隙間を塞ぐ塞ぎ材40を設けてもよい。
また、上述の第2実施形態では、1枚の板材20を三方枠である枠部材10Aに取り付けて隔て板3とし、この隔て板3を2枚重ねて連結することで隔壁構造1Aを構成したが、これら隔て板3は2枚とも新設してもよいし、既存の隔て板3に新たな隔て板3を取り付けてもよい。
10、10A…枠部材 11…縦枠 12…上枠 13…中桟 14…下枠(塞ぎ材)
20…板材 30A、30B…連結部材 40…塞ぎ材
50A…上側部材 50B…下側部材
Claims (3)
- 集合住宅のベランダを仕切る隔壁の構造であって、
当該ベランダの床面上に設けられた枠部材と、
当該枠部材の内側に所定間隔を空けて取り付けられた一対の板材と、を備え、
前記一対の板材同士の間には、空気層が形成され、
当該枠部材は、鉛直方向に延びる一対の縦枠と、当該一対の縦枠の上端部同士を連結する上枠と、前記一対の板材の下端部同士の隙間を塞ぐ塞ぎ材と、を備え、
当該塞ぎ材は、前記板材よりも破壊強度が低いことを特徴とする隔壁構造。 - 前記塞ぎ材は、前記枠部材の縦枠の下端部同士を連結する下枠であることを特徴とする請求項1に記載の隔壁構造。
- 集合住宅のベランダを仕切る隔壁の構造であって、
当該ベランダの床面上に配置された一対の隔て板と、
当該隔て板同士を上下端側で連結する連結部材と、を備え、
前記隔て板は、鉛直方向に延びる一対の縦枠および当該一対の縦枠の上端部同士を連結する上枠を備える枠部材と、当該枠部材の内側に取り付けられた板材と、を備え、
前記一対の隔て板の板材同士の間には、空気層が形成され、
前記下端側の連結部材は、前記板材よりも破壊強度が低いことを特徴とする隔壁構造。
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